約 431,312 件
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1794.html
117 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/19(木) 00 12 13.28 ID qsGAVegz0 京介「月が綺麗だな桐乃」 桐乃「ばか///」 118 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/19(木) 00 13 25.32 ID QmaBQ7wa0 今日は中秋の名月 122 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/19(木) 00 55 32.67 ID AeSRfrbC0 月見中 京介「・・・桐乃みたいだな」 123 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/19(木) 00 58 15.79 ID U7xlgW1n0 桐乃「むっ…」 141 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/19(木) 09 52 56.64 ID aUYzgfn30 京介「今日は中秋の名月だな」 桐乃「なんであたしの顔を見ながら思い出したように言うの?」 京介「月が綺麗ですね」 桐乃「だからなんであたしの顔を見ながら言うの!?」 149 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/19(木) 15 03 07.80 ID RoKrML1JO 京・涼「今日はお月見…」 桐・優「「あたしたちを見るのやめてっ!」」 153 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/19(木) 18 05 08.38 ID GO+v9n4n0 じー 「あたしの顔に何かついてるの?キモいんですケド」(赤面 「月見してる」 ----
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/856.html
22 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/25(土) 00 23 36.04 ID xpUEvi6a0 SS『ヒツジは家に』 ―――――――――――― 眠い。 最近は寝床に入ると何故かエロエロと――いや、色々と考える事が多くなってしまってなかなか寝付けない。 結果、睡眠不足という有様で真昼間から大きな欠伸をしてしまうことも少なくない。 おまけに街中でばったりと会いたくないヤツと出会ったりしてしまった。 「京介くん、眠そうだね。受験勉強も大変だろうけど、睡眠時間はしっかりとらないといけないと思うよ」 「御鏡。おまえいつから俺の世話女房になったんだよ。 ――そもそも受験勉強のしすぎじゃねぇよ」 「……その言い回しだと、京介くんの部活の後輩さんが泣いて喜びそうだね。 まあそれはさておいて、もしも眠れなくて悩んでいるのなら良い方法があるんだけど」 聞きたい?――と目で問い掛けてくる御鏡。 ちっ、全く色男は得だよな。 そんな表情ひとつとっても絵になるというか似合うというか。 「一応、聞いてやる。 桐乃のアドバイスよりはマシかもしれんからな」 「へぇ……既に桐乃さんには相談したんだ。 夜、眠れなくて困っているって」 「いや別に俺の方から相談したわけじゃないぞ。 ……桐乃のやつ、俺の目が赤いのを目ざとく見つけてさ。 それはもうあーしたらいい、こうしたらいいとかくどくどと言い出して参ったぜ。 あげくには訳の判らん言い回しを始めてさ」 「ふーん。訳の判らない言い回し、ね。 ひょっとして、桐乃さんはこんなことを言ったのかい? 眠れないなら、ヒツジの傍で寝ればいい――とか」 「なんで判ったんだ?! というかさ、ヒツジは眠れないときに数えるものだろうが。 ヒツジの傍で眠る様子を思い浮かべるとか訳がわからないぞ」 しかし、桐乃に続いて御鏡まで同じことを言い出すってことは、実は最近密かに流行っているのか? 「違うよ、京介くん。 ヒツジの傍で眠る様子を思い浮かべるのではなく、まさにヒツジの傍で寝るんだよ。 添い寝するというか、いやいっそ抱き枕にするとか」 また桐乃と全く同じことを言ってやがる……。 畜生、なんか面白くないぜ。 なんでこいつには桐乃の言っていることが理解できるんだ? 悔しい、いやほんとにマジで悔しいぞ。 しかし、こいつになら桐乃がその後に言っていた理解不能な主張の意味する所を判ってしまうのだろうか。 だから俺は――悔しくて仕方ないのだけれど、どうしても聞かずにいられなかった。 「まあ確かにヒツジを抱き枕にしたら気持ちよいかもしれんがな。 しかし、桐乃はさらに理解不能なことを主張してたんだよ。 あんたのヒツジはそのうち家になるんだから抱きしめて寝てもいいんだとかなんとか。 なぜか判らんが、これ以上ないぐらい顔を真っ赤にしてたな。 あげくにその言葉の意味する所を俺が判らないでいると怒り出してしまうし。 なあ、御鏡。おまえなら判るか? なんで桐乃が怒り出したのか」 「……それは凄いな。さすがは桐乃さんだね。 夢と希望と愛情に満ち溢れているというかなんというか」 「判るのか?! ちぃぃぃっ、なんでおまえに判って、俺には判らないんだよ! そもそもヒツジが家に帰るならまだしも、家になるとか言葉の意味が通じないだろうが」 「ときに京介くん。 京介くんは年賀状をまめに出すタイプじゃないでしょ?」 「話を変えるなよ。 なんでヒツジが家になるんだ」 「別に話を逸らしたわけじゃないんだけどなぁ……。 もっともヒツジの年はもう少し先だからピンとこないかな」 「いいから早く説明しろ。 ――というか教えてください! お願いします!」 あやうく土下座するところだった。 いやもう条件反射なのだろうか。 しかし、桐乃の思考回路が判るのなら、土下座だろうが逆立ちだろうが女装だろうがしてしまうだろう。 「それだよ、京介くん。 まさに“女装”さ。 いや、女を装うというよりも、“女”を付けると言うべきかな」 「なんだよそれ、ヒントにすらなってないぞ」 「……まったく、京介くんは本当に鈍いね。 最後のヒントだよ――というか答えそのものなんだけど。 女にヒツジを付けて読んでごらんよ。 そうすれば“ヒツジ”が“家”になるという桐乃さんの主張がどれほどに純粋で一途で。 そしてそれ以外の選択肢なんてありえないということが判ると思うから」 「女にヒツジ? 女偏に羊ってことか? そんな漢字あったかな?」 「まあ確かに“姜”という字はあるけど。 でもそっちのヒツジじゃないからね」 「なんだよ。ヒツジを女偏に付けて漢字にするんだろ? ヒツジを漢字にしたら――」 「だから年賀状をさ……。 はあ、桐乃さんの苦労が少しは判った気がするよ」 -おわり- -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/819.html
111:《SS神猫》:2011/06/18(土) 09 13 01.96 ID 6WRBf2e/0 ウチの家族は今どきにしては珍しく、必ず家族全員で食卓を囲む。 それは今日とて例外じゃあなく、例にもよってお袋に催促された俺は桐乃を呼んで来るはめになった。 昔なら呼びに行くたびに睨まれた上、舌打ちなんて当たり前。そりゃ億劫で仕方なかったもんだが今はそうでもない。 あの夏の一件を経てから、俺と桐乃の仲は目に見えて改善されてるからな。 ――少なくとも、呼びに来ただけで睨まれたり、舌打ちされないくらいには…だが。 桐乃の部屋に向かいながらに、気付けば俺の口元は何故だか緩んでいた。 ほんと、何故だかわかんねーが、まぁ……どうでもいいか。 ガチャッ 「桐乃ー、メシだぞーお袋が呼んで………………」 「♪……♪…」 「る………………」 絶句。 あー……… 今起こったことをありのままに話すぜ 勝手知ったる部屋の先、鏡の前、そこに立ってたのは……神猫だった。 しかも、スカートの両サイドを摘み、満足気に鏡を見つめる桐乃らしき姿の……神猫だ。 何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何がなんだか良く分からなかった… 「………!………………………??」 突如硬直し、 ギギギと音でも鳴りそうな不自然な挙動で振り向けば、俺を見るなり幽霊でも見たかのように顔を強張らせる桐乃。 「なっ…ちょ、え…と、あ……あああああああんた………ななんで!」 驚き過ぎだろ…!噛みっ噛みじゃねーか、むしろ驚いてんのはこっちだよ! 「…メシだからな。……てか、その服って黒猫の着」 「あああああああああ!言うな!出て、出てって!!」 「うお!バカ、お前っ…いきなり逆切れすんな!痛っ」 「うっさい、うっさいうっさいうっさい!!!!!!」 言うなり逆上。 いつもにも増して遠慮のないタックルに思わず尻餅をつく、こいつ…全く攻撃を止めやしねー なんなのこれ?なんで俺叩かれてんだ……!?理不尽メーターいい加減限界突破なんすけど! 「だから、やめろっての!」 「きゃっ…」 桐乃を腕で払う、それと同時に、何かに掠めたような感触があった。 「……っと。わ、わりい」 はらり 「あ」 「え?」 桐乃と声が重なる。 我ながらアホみたいな声を上げちまった。 そして俺の視線は……一点に集中している。 揉み合いの拍子に落ちた長い長いスカートの中、膝上十数センチのミニスカの合間から覗く、絶対領域に。 「ガーター………だと………?」 「100回死ねえええええええええええええええええええええええ!!!!!」 桐乃の怒号を最後に俺の意識は途絶えた。だが、後悔はしていない。 ~後日談~ 「そういえば桐乃、貸してあげた衣装は着てみたかしら? ……一応、推定だけどあなた用に採寸は合わせてみたのだけれど」 「――――…ッ」 「あー…悪くはなかったケドさ、腰周りがちょっとユルくて、胸がキツかったってゆーか…」 「………!?」 「なん……ですって……?」 (自分のお腹ぷにり) (自分の胸をぺたり) 「………死ねばいいと思うわ」 「てゆーか」 「あんた……超エロ猫」 「…??なんの話…………?」 「衣装。スカートの中にあんなのまで付けて、一体何を期待しちゃってたワケ??」 「あんたがデートの時着てたって…あいつが言ってた」 「く……別にあなたには関係ないでしょう? …それに、これも衣装の一部よ。欠けてしまったら神猫とは言えないわ」 「神猫ってより、発情猫じゃん」 「フ……フフフフ…やけに拘るのね、こんなもの…所詮見えない部分のアクセントに過ぎないにも関わらず」 「…それとも何かしら?貸している間にそんなにムキになるような出来事が”あった”なんて?」 「…………」 「…あったの?」 「…………」(ふいっ) 「ちょ、桐乃……誤魔化さず白状なさい!」 「べ、別に……京介に脱がされたとか…ガン見されたなんて、あるわけないんだから!」(ノロケ) 「大儀式を始めるわ」 「ま、待てつーの!嘘は全くついてないけど、とにかく落ち付きなって!」 「クククククク、我は闇猫、闇に魅入られた堕天聖の(以下略)」 「(ほんと面倒くさい奴……けど)」 「だーかーらー!いい加減、邪気眼やめろってば!」(いちゃいちゃ) fin -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/670.html
364 名前:プレゼント【SS】[sage] 投稿日:2011/05/08(日) 14 54 39.95 ID aQ4FqZrEO [6/6] 日曜日の昼下がり、あたしは兄貴の部屋のドアをノックする。 「勉強の手を休めて、ちょっと買い物に付き合ってくんない?」 「買い物って、何買うんだよ」 「母の日のプレゼント。アンタもまだ買ってないんでしょ?」 「確かに買ってないけど、俺はいつも通りの物のつもりだぞ」 兄貴の言う「いつも通りの物」とはカーネーションの花束だ。 「定番なのはわかるけど、たまには違うモノをプレゼントしなさいよ?」 「そりゃそうだけど、『先立つ物』がなあ…」 「まったく、情けない話ね。まあでも……」 「なんだよ?」 「だから今年は二人連名でのプレゼントにしようってハナシなの!」 ※※※ なんだかんだで、あたしは兄貴と連れだって駅前のデパートに向かう。 「やけに機嫌いいじゃん」 「ハア?いつも通りですケド?何その『お兄ちゃんとお出かけできて嬉しいだろ』みたいな言い草、キモッ」 「誰もそんなこと言ってねえだろ」 まあ、『そんなこと』思ってるのは実はあたしのほうなんだけどね…… 「ところで、桐乃はモデルで収入得てからは、どんなプレゼントをお袋にしてたんだ?」 「ある程度お金があると、逆に迷うんだよね。これまでのところはブランドのお財布と、高級化粧品」 「で、今回はどうするつもりなんだ?」 「連名なんだからまずは兄貴が知恵を出してよ」 「そうだなあ、てか、女性が貰うもんだから、桐乃が、自分が母の日に何貰いたいかを 考えて見ればいいんじゃね?」 「あ、あたしが貰いたいもの??」 ※※※ 「…桐乃、母の日おめでとう」 「ありがとう、京介」 「すまんな、今年はうっかりしててプレゼントの用意が間に合ってないんだ」 「気にしないで。京介のその気持ちが伝われば、十分なんだから」 「そうか。いや、桐乃の欲しいものを言ってくれよ。なんでも用意する」 「じゃあ……京介」 「何だ、何が欲しいんだ?」 「もう、わかってるくせにぃ。あたしは きょうすけ が欲しいの」 「お、お前いきなり何言いだすんだよ!」 顔真っ赤にしちゃって、まったく兄貴ったら。そんな兄貴に、あたしはどんどん迫っちゃう 「お願い、きょうすけをちょうだい。欲しいの、きょうすけの……リヴァイアサン……を」 「…まあ、約束しちゃったからな」 兄貴はあたしをソファーに押し倒すとあたしに蕩けちゃいそうな熱いキスを… ※※※ 「……桐乃?もしもーし、桐乃さん?」 「はうっ??」 「なんだよ変な声あげて」 どうやらあたしは妄想にはまり込んでたみたいだ。せなちーの気持ちが分かる気がした。 「あれなんて、いいんじゃないか?」 「そ、そう、だね」 「大丈夫か?お前」 今年は大きなカーネーションの鉢植えをプレゼントすることとなった。 花束と違って、長く楽しめるし、お母さんも喜んでくれたみたいでまずは一安心。 「兄貴、今回はありがとね」 「ああ、べつにたいしたことしたつもりはないけどな」 「その、これからも『母の日』はよろしくね」 「おう」 兄貴の部屋を出てあたしはつぶやく。 「期待……してるから」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/351.html
216 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/02/23(水) 17 41 53.26 ID od6OVpl/0 第12話true route続き 桐乃がいなくなって最初の週末。今日は何も予定がない。 何かやらなきゃいけないことあったかな、勉強くらいか、あ、あとアレやってないわ。 「私だと思って大切にしなさいよね」桐乃が言ってたゲーム「妹×妹」だ。 パソコンは桐乃の部屋にしかない。ちょっくらお邪魔するか。 桐乃の部屋に行く。ノートパソコンはあいつが持っていった。残ったデスクトップパソコンの電源を入れる。しばらくたつと初期画面が出る。「パスワードを入力してください」だと? とりあえず思いついた「pass」「password」と入力、ダメ。 じゃあこれかな「kousaka」「kirino」「kiririn」ダメ。あいつの誕生日、ダメ。うーん「abcd」「1234」ダメかぁ。どっかに書いてないかな、とパソコンの横や机、引き出しを見てみるがそれらしいメモもない。いきなり暗礁に乗り上げた。 シャットダウンして、自分の部屋に戻る。ベットに横たわって大きくため息をつく。 うーん、親父に言ってパソコン買ってもらおうかな。でも今年受験だしなぁ。動機がエロゲーやりたいから、じゃ全然だめだし。 他に何かパスワードあるのかな。あいつが入力しそうなやつ。 うん?もしかして?いやまさかな。でもありえる。そうに違いない。 俺は半ばやけになってたかもしれない、どうしてもゲームがやりたいわけじゃない、だけどやらなきゃいけないんだ。桐野との約束で大事にするって言ったゲームだからな。だったら… 桐乃の部屋に戻り、再び電源を入れる。パスワード入力画面だ。これで突破だ。 入力すると画面が変わった。ほっ。これでゲームができる。約束を守ることができる。 入力した文字は「kyousuke」。 画面が遷移して、デスクトップ画面になった。「妹×妹」をインストールするか。ん?なんだこのアイコン? デスクトップには「兄貴へ」と表示のあるファイルがある。俺あて、か? クリックして開いてみる。桐乃からのメッセージだった。 「兄貴へ ここまでこられるのはあんたしかいないと思って書いてます。プレゼントしたゲーム、ちゃんとやっといてね。落ち着いたら連絡するから、その時にはフルコンしておくこと。感想聞きたいから。 それ終わったら、隠し倉庫の別のゲームやるから。だいたい上から順番にやっとけばいいように並び変えたけど。あんたのエロゲ道始まったばかりだからね。 隠し倉庫はあんたしか管理できないんだからちゃんとしといてね。たまには倉庫の空気を入れ替えておくこと。フィギュアは月に一回外に出して空拭きしておくこと。梅雨の時にはカビ生えないように除湿剤入れておくこと。 黒猫や沙織とはたまに会ってもいいけど馴れ馴れしくしないこと。ないとおもうけど、あやせや加奈子とは会うのも見るのもだめ、汚れるから。わかった?」 やれやれ、しおらしいこと書いてるかと思ったら命令ばっかりだな。あいつらしいや。 end -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/909.html
159 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/07/04(月) 00 34 02.22 ID Y3J4a27d0 【SS】すばらしきこのせかい 俺が家に帰ると、珍しく桐乃の友人たちが遊びに来ていた。 「お兄さん、お邪魔してます」 「あ、桐乃のお兄さんじゃん。ちーす」 あいも変わらずあやせは丁寧に、加奈子は乱雑に挨拶をしてくる。 あと一人、ランなんだったかは今日は来ていないようだ。 「・・・・・・おかえり」 桐乃は俺を睨みつけてくる。 関わんな、と言いたいらしい。 「いらっしゃい。麦茶でも飲むか?」 俺は鞄を床に置くと、キッチンへと足を運ぶ。 「ありがとうございます」 「加奈子はオレンジジュースかカルピスね」 「はいはい」 ちょうどオレンジジュースがあったので、麦茶3つとオレンジジュースをコップに注ぎ、みんなのところに持ってくる。 「ありがとう」 「サンキュ」 「・・・・・・」 相変わらず桐乃は俺を睨んでくるが、麦茶は素直に受け取ってくれた。 「うん?人生ゲームか」 三人はリビングの中心で人生ゲームを楽しんでいるようだった。 一番は桐乃で半分以上終わっている。 二番はあやせで、桐乃とはずいぶんと離されている。 そしてビリは加奈子。まだスタート近くでウロウロしていた。 「この間懸賞で当たったんです。まだ未発売の最新のらしいですよ。 お兄さんも一緒にどうですか?」 「面白そうだな。だが・・・」 桐乃をちらりと見る。 ますます不機嫌になったようだ。 「お兄さんもやろうぜー。今加奈子お金が少ないからさぁ、援助してくんね?」 そんな桐乃の様子も気にせず、加奈子も俺を誘う。 「だとよ。俺も参加していいか?」 「・・・・・・まぁ、いいけど」 珍しく、妹様は俺の参加を認めてくれたようだ。 「けど、あんたがビリになったら罰ゲームだからね」 場を悪くするより、後で俺を困らせる方を選んだということだろう。 まぁ、桐乃からの罰ゲームなら歓迎だけどな。 「あとあんたはスタートから、あたしたちは今のままだから」 「すでに俺の罰ゲーム決定かよ!」 流石にここからの逆転は難しそうだ。 ・・・いや、加奈子には勝てるかもしれん。 敗北を覚悟しつつ、俺は参加を表明した。 「8マスか・・・イベントだな」 三十分後、あっさりと加奈子を抜きつつ、俺は少しばかりの財産をためていた。 それにしても加奈子、最大10のところ毎回3以下なんてむしろすごいな。 俺が来てすぐにアイドルに転職し、地道な活動を行っているようだ。 寄り道回り道はしているが、楽しんでいるようで何よりだ。 あやせはモデルとして大成し、結構な額の財産を持ち、豪華なマンションに住んでいる。 すでに結婚しており、子供が二人いる。 相手は誰だ。ブチ殺してやる。 桐乃はゴール目前、財産はぶっちぎりのトップで、モデル、人気作家、世界規模のアスリート、etc...とマルチに活躍している。 ただ、まだ結婚はしていない。その事実に俺は胸をなでおろす。 「さてと、イベントは、と」 イベントカードを一枚引く。 内容は― 「ずっと大切に思っていた異性と結婚する。 みんなからご祝儀として$1000もらう。 すでに結婚している場合には引きなおす」 結婚か。 ・・・・・・相手は、誰なんだろうな。 「お兄さん、結婚おめでとうございます」 あやせが虹彩のない瞳で俺にお札を渡してくる。 なぜか$1000ではなく、$100だったが、俺は文句も言えずそれを受け取る。 次に加奈子が俺に身体を寄せてきて 「なぁ、桐乃のお兄さん~ 加奈子と結婚しねぇ?」 「「「はぁ?」」」 三人の声がハモる。 こいつ、何言ってんだ? 「もう絶対に桐乃には勝てないしぃ、加奈子あんまりお金持ってないしぃ、 結婚して財産を共有しねぇ?」 「けど加奈子、そんなルールは・・・」 「ルールなんて適当でいいじゃん。楽しければそれでいいんだし。 ルーレット回すのは交互、給料は二人の分もらえる。 イベントは・・・まぁ、内容によって決めればいいべ。 それくらいのハンデがねぇと、加奈子もお兄さんも勝てねぇって」 「う~ん。でもお兄さんと加奈子がなんて・・・」 あやせは首を縦に振ろうとしない。 まぁ、自分が嫌いな男と自分の友人が、ゲームとはいえ結婚するのはあまり良い気分じゃないだろう。 もし赤城がたとえゲームの中でだろうとあやせと結婚しようとしたら、俺は間違いなく赤城を殴り倒す。 あれ?これは例として間違ってるか。 もし赤城がたとえ想像の中でだろうと桐乃と結婚しようとしたら、俺は間違いなく赤城を殴り倒してあやせと協力して山に埋める。 ・・・・・・これも例として間違ってるか。 「お兄さんはそれで良いんですか?」 「う~ん」 横目で桐乃を見る。 俺の正面に陣取る桐乃は、俺がゲームに加わってすぐは機嫌を直して楽しそうにプレイしていたが、 プレイしながら俺があやせや加奈子と雑談していると少しずつ機嫌が悪くなり、今では噴火する直前といったところだ。 いつものように俺に友人を取られたようで面白くないんだろう。 あるいは俺が友人たちを口説かないか心配しているか。 さすがに桐乃がいる前で、何時ものようにテンション高めにあやせを口説いたりしないから安心しろって。 それに話しかけてくるのはもっぱらあやせと加奈子だぜ? 俺からは話していないっつーの。 「・・・・・・せっかくのゲームなんだし、『好きな人』と結婚したら?」 「むっ」 俺に彼女をつくるなとは言ったが、ゲームなら結婚しても別にかまわないってことかよ。 ・・・俺は結婚すんなって言ってほしかったんだけどな。 「そうだなぁ、このままじゃ桐乃に勝てねえしな~。 加奈子と結婚しようかなぁ」 ちらちらと桐乃を見ながらわざとらしく言う。 「・・・・・・」 桐乃は何も言わない。ちっ、少しくらい嫌がれよな。 「・・・確かに今のままじゃあ誰も桐乃に勝てませんね。 それならお兄さん、私と結婚しますか?」 あやせがそんな発言をした。 「なん・・・だと・・・?」 なにその俺得イベント? ゲームだからって俺がラブリーマイエンジェルあやせたんと結婚して良いの? あれ?いつフラグたった? 「え?なにそれ・・・」 動揺する俺の視界の隅では、桐乃が信じられないものを見るような目であやせを見ている。 「私のほうが加奈子より有利ですし、私と一緒になれば桐乃にも勝てるかもしれませんよ」 「えぇ~、あやせもう結婚してるじゃんよー。 まさか不倫ってヤツ?」 加奈子がからかうように言う。 ・・・加奈子、後で発言を後悔するようなことにならなきゃいいんだが。 「ねぇ加奈子」 あやせはにっこりと笑うと、車の形をした青い自分のコマを持ち上げ、 ポキリと自分の隣に座っている水色のピンをへし折った。 「結婚て何のこと?」 KOEEEEEEEEEEE!! なんか人生ゲームでサスペンス劇場みたいなことが起こった気がするんだが! 桐乃もあやせのとなりでドン引きしているようだ。 あやせは乗り手が一人少なくなったコマを元の位置に戻す。 ・・・よかった。自分のおなかを痛めてまで生んだ子供までは手にかける気はないようだ。 「ねぇ、お兄さん。私のほうが収入もいいし、財産もありますよ。 私を選びませんか?」 あやせが虹彩のない瞳で俺に詰め寄る。 「そんなお古より、加奈子の方がいいべ。 結婚したら、ちゃんと満足するように尽くしてやんよ」 加奈子が小悪魔的な表情で俺にしなだれかかる。 え?何?何でこんなことになってんの? 「加奈子は不定な収入で不安定ですよ。 住んでるのもボロアパートですし」 「なにおぅ!アイドルはヒットしたときのボーナスがあやせとは比べ物になんねーの! 先物買いするなら加奈子だっつーの!」 なんで二人ともたかが人生ゲームでそんなに張り合ってんの? 加奈子はともかく、あやせは俺の事が嫌いなのに、そこまでして桐乃に勝ちたいのか。 もしかして勝者には特別なご褒美でもあんの? 「・・・・・・」 戸惑う俺を挟み喧嘩でも始めそうな二人を無視するように、突然桐乃がゲームへと手を伸ばした。 隣の二人も言葉を止め、桐乃の挙動に注目する。 なんだ?俺たちのやり取りに苛立ったからさっさと続きでもやろうってのか? 桐乃は車の形をした黄色い自分のコマを持ち上げ、 一つ乗っているピンク色のピンを抜くと、俺のコマの上、水色のピンの左に挿した。 「「桐乃!?」」 両隣で驚きの声が上がる。 「二人で喧嘩するくらいなら、あたしが結婚してあげる」 桐乃は不満そうな顔のまま頬を染め、目線を皆からそらしながらそう言った。 それは嬉しいし、二人の喧嘩を止めたいって気持ちもわかるけどよ、それじゃあ三人で喧嘩することになんねえか? 「卑怯だぞ桐乃ぉ!それじゃあ桐乃がさらに有利になるじゃんか」 「そうだよ桐乃。私たちは桐乃に勝つためにお兄さんと、その、結婚しようとしてるんだから、 桐乃が結婚したら本末転倒じゃない」 二人の言葉に、桐乃は自分の横に置いてある札束をつかみ適当に分け、少ないほうをあやせの前に、多い方を加奈子の前に差し出す。 「兄貴と結婚できるなら、あたしのお金は二人にあげる。 ・・・・・・あたしの基本給は高いし、こうすれば状況はイーブンになるでしょ?」 あやせと加奈子は顔を見合わせる。 「せっかくの人生ゲームなんだからさ、これくらいいいでしょ? あたし、もっともっと楽しみたいんだ」 桐乃が少しだけ泣きそうな顔で言う。 ゲームを皆でもっと楽しみたいから、泣きたいくらい嫌いな俺と結婚するのか。 人身御供みたいで嫌だが、同時にゲームとはいえ、桐乃が俺と結婚しようとしてくれているのが純粋に嬉しい。 先に動いたのは加奈子だった。 加奈子はにんまりと笑うと桐乃から差し出された札束をつかみ、 「ひひ。まぁゲームだし、桐乃がそうしたいんならそれでいいじゃね? 加奈子は二人の結婚を認めてやんよ」 それに対しあやせは、 「・・・・・・はぁ。確かにゲームを調整するためって言ったのは私たちだもんね。 うん。桐乃が望むなら、桐乃とお兄さんの結婚を祝福してあげるね」 寂しそう顔で笑うと、桐乃から差し出されたお金を受け取った。 「あやせ、加奈子・・・・・・ありがとうね」 桐乃は泣きそうな顔のまま、しかし嬉しそうに笑った。 ゲームの中で俺とそういう関係になるのは本当は嫌なのかもしれないが、 二人に認められ笑ってくれるのなら、きっとそこまでは嫌じゃないんだろう。 そのことに、俺は胸をなでおろす。 「ねぇ桐乃のお兄さ~ん。加奈子ぉ、お兄さんがどうしたいのか聞きたいなぁ」 加奈子がそんなことを言いながら俺に詰め寄ってきた。 「そうですね。大事なことを聞いていませんでした。 お兄さんは、桐乃とどうしたいんですか?」 続いてあやせが虹彩のない瞳で俺を見る。 「そ、それはだな」 二人からの圧力に言いよどみながら桐乃のほうを見ると、桐乃はじっとこちらを見つめていた。 だが、その顔から少し怯えというか、恐れというか、そんな感情が見えるのは俺の気のせいだろうか。 「・・・あたしも、京介からどうしたいのか聞きたい」 表情とは違い、その声は力強いものだった。 「・・・桐乃、おまえから言い出したんだ。嫌々じゃないんだよな」 「うん。あたしが本心からそうしたいの」 「そっか」 それなら何の問題もない。 俺も安心して、心からこの言葉を言える。 「桐乃、俺と結婚してくれ」 俺は深く頭を垂れる。 桐乃は何も言わずに立ち上がると、ゲーム盤を迂回しゆっくりと俺の隣まで歩き、腰を下ろすと 「絶対に幸せにしてよね」 俺の腕を引き寄せ、ギュッっと抱きついた。 「ああ、絶対に幸せにしてやる」 幸せにするまでもなく、すでに幸せそうな桐乃の顔を見ながら、俺はそう答えた。 果たして、一着はあやせに取られたものの、俺と桐乃は俺たちの幸せを阻む数々のイベントを打ち崩し、 見事一番の資産を得ることが出来た。 『ご祝儀』も4回貰った。 (その度に加奈子にからかわれ、桐乃が顔を赤くしていたが) そしてゲームの間、ずっと桐乃は楽しそうに、嬉しそうに、幸せそうに笑っていた。 ちなみに俺が最下位なら実行されるはずだった罰ゲームだが、何故か最下位だった加奈子が受けることになった。 加奈子は 「加奈子があんなことさえ言わなきゃこんなことには・・・」 「けどよぉ、桐乃の幸せそうな顔が見れて良かったべ?」 「それはそうだけど・・・ でも、それとこれとは別の話だから」 「それヒドくね!? なぁ桐乃ぉ、お兄さん~そんな顔で加奈子を見てねえで助けてくんねぇ!?」 と言いながら、どこからかスコップを持ってきたあやせに連れて行かれた。 「ねぇ京介」 「なんだ?」 「あの時のあんた、ちょっとだけ格好良かったから」 「・・・そうか」 「またいつか、聞かせてくれる?」 「ああ、おまえが望むならな」 「・・・楽しみにしてるね」 あの時から変わらず幸せそうな桐乃を見て、俺は― 「その時は絶対に、今より幸せにしてやるからな」 -Have a happy life...- -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/687.html
287 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/05/13(金) 21 01 11.20 ID 1TkMlAFh0 [1/3] 【SS】小ネタ 275 278 「御鏡、おまえは何で、さも桐乃の気持ちが分かるような物言いをするんだ。今すぐやめろ」 「さもじゃなくて、分かるよ。僕も僕の兄が大好きだからね」 「待て。突っ込みたいところが多すぎる」 「一つずつどうぞ?」 「……。(その笑顔と余裕がムカつくんだよ!)じゃあ言ってやる」 「一つ目は?」 「やっぱりお前ホモだったんだな」 「違うよ」 「違うワケあるかあああああっ! おまえ今『兄が好き』って言ったじゃねーか!おまえも兄貴も男だろ!?」 「僕はホモじゃなくて、ブラコンなだけなんだ」 「そんな言い訳通るか!ちくしょう!重ねて言うが、俺は正真正銘ノンケだからな!?」 「京介くんに手を出したら僕が殺されてしまうよ。2つ目は?」 「ぜーっ、ぜーっ、つ、次、『僕も』って何だ。そ、それじゃまるで、まるで桐乃も」 「桐乃さんもお兄さんが大好きだからね」 「てめーのエロゲ脳をリアルに適用すんじゃねえええ! こないだ俺はあいつに『大嫌い』だと告白されたばっかだっての!」 「あはは。それは間違いなく告白だ。それで、3つ目もあるの?」 「……ああ、あるぜ。例えな、例えおまえが今言ったことが全部その通りだとしてもだ」 「うん」 「おまえが桐乃の気持ちを分かるなんてありえねえ! 少なくとも俺にそう言うなんてことはありえねえ!」 「どうして?」 「俺は兄貴なんていねーし、おまえみたいに何でもやり切れる根性の持ち主でもねぇ!桐乃との共通点なんてねーよ!兄妹である以外の接点もなかった!」 「そうだね」 「でもな!俺はおまえと桁違いに桐乃のことを、たくさん、深く、考えまくってんだよ! 俺よりも桐乃が分かるようなクチが許せるわけねーだろ!例えそれが事実だろうとな!」 「うん。ごめん」 「はーっ、はーっ(お、俺また暴走したか?)……ま、まぁ分かったならいい、はーっ」 「いや、今のごめんはちょっと違って」 「?」 「僕やっぱりホモかもしれない。今の兄貴節にちょっと惚れそうになった」 「俺は桐乃専用だァーッ!!」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1498.html
273 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 18 19 33.41 ID r5QPj1QS0 270 大介「桐乃がくれたネクタイと、京介が初めてくれたネクタイ、 どちらを付けていくべきか…… やはり桐乃の……いや、しかしこちらは京介が初めて俺にくれたネクタイだぞ? …………よし」 大介「すまん、出なければ行けなくなった」 佳乃「せっかくの父の日なのに残念ね」 大介「遅くなる。 夕食は食べていてくれ」 佳乃「せっかくあなたが好きなカレーを予定してたのに…… あら?そのネクタイ…… うふふ、さっそく付けてるのね」 大介「む……べ、別に他意はない」ムス 佳乃「はいはい。 よく似合ってるわよ」 大介「そうか」 桐乃「あれ、お父さんでかけるの?」 大介「ああ。今日中には帰れんかも知れん」 桐乃「父の日なのに大変だね。 あれ? そのネクタイ……京介がお父さんにプレゼントしたヤツ?」 大介「そ、そうだ」 桐乃「ふ~ん…… あたしのより京介のを選ぶんだ」ジトー 大介「そ、それはだな……!」 桐乃「でも、これでお揃いになったね」ツマミ 大介「む。桐乃、そのネクタイは……」 桐乃「ついでにって京介に貰ったの。 ペアルックだね、お父さん」 大介(娘とペアルック! そういうのもあるのか!) 京介「あれ、親父? 出かけるのか?」 大介「ああ。 ん?おまえ、そのネクタイは」 京介「これか? 親父に買ったヤツが気に入ったから、自分の分も買ったんだ。 んで、ためしに付けてみたところ」 桐乃「ためしに付けてみたって…… もう、ネクタイ曲がってるし」キュッ 京介「おお、すまん。 っておまえもそのネクタイをつけてるのな」 桐乃「これは―! その、あんたにしてはセンスが良かったから、つい、付けてみちゃっただけ、ていうか……」 佳乃「あなた、子供二人とペアルックになった気分はどう?」ニヤニヤ 大介「む……」 佳乃「ところで京介。 お母さんにはないのかしら?」 京介「あ。 ……今度買ってくるよ」 佳乃「そう? 催促したわけじゃないけど、お願いね」ニコ 京介「はいよ」ハァ 大介「む、もうこんな時間か。 それじゃあ俺は行ってくる」 佳京桐「「「いってらっしゃい」」」 大介(せっかくの休日がパーになったが……これはこれでいい一日だ) 282 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 23 57 20.13 ID VeTrQZR0P 277 将来的にはこうなるんだろうかね 桐乃「ちょっと、京介ネクタイ曲がってるよ」キュッ 京介「悪い。ありがとな桐乃」 桐乃「どういたしまして――っていうかよく考えてみたら毎朝じゃん。 もしかしてアンタわざとやってたりしない?」 京介「(目を逸らしつつ)そ、そろそろ時間だな。 準備は出来てるし、俺も出るわ」 桐乃「ったくもう。――京介」 京介「な、なんだ?」 桐乃「忘れ物」 京介「ん? 鞄は持ったし、財布、携帯もちゃんと――」 桐乃「――ん」 京介「――――」 桐乃「あたしのじゅうでん、忘れてる」 京介「――へいへい。それじゃあ……」チュッ 京介「んじゃ、いってきます」 桐乃「ん。いってらっしゃい」 涼介「(相変わらず親父達はなかいいなあ)」モグモグ 優乃「(お母さん達、絶対あたし達がいること忘れてるわよね。お父さんのばーか!)」カチャカチャ ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1270.html
922 名前:愛情弁当【SS】[sage] 投稿日:2011/11/14(月) 16 06 49.12 ID SuoRDL20O [2/6] 「明日はあたしのお弁当作って」 「へっ、何の話だ?」 桐乃が自分が載ってる雑誌を見せてくる。そこにある桐乃の近況欄を見てみると、 『最近お兄ちゃんが料理にハマッてて、今度お弁当を作ってくれることになりました。どんなお弁当になるか楽しみです♪』 「…と言うわけで、弁当作って」 「いやいや、と言うわけで、とかおかしいだろ」 「このままじゃあたしが雑誌にウソ書いたことになっちゃうじゃん。 あんたが弁当作ってくれれば解決するんだから。分かったら作る!」 「……へいへい」 どう見ても桐乃の無茶ぶりなのに、ついつい返事をしちまった。やれやれだぜ。 ※※※ 翌朝、早起きして俺は台所に向かう。 「何やってんの、京介?」 「お、お袋? ……いやあ、弁当を作ろうとしてな」 「それ、桐乃の弁当箱よね?」 「……ハハハハ、おかしいな、なんで桐乃の弁当箱持ってんだろ、俺は? ホントおかしいな、アハハ……」 「………」 「分かった、分かったよ。白状します。桐乃の弁当を作るつもりでした」 「へぇー。で、どんな弁当作るつもりなの?」 「それは、お袋がいつも作ってる感じで」 「なるほどね、でも京介は、母さんが桐乃にどんな弁当作ってるか知らないでしょ? 京介用とは大分違うんだから」 「そうだったのか……」 「だから桐乃用の弁当を教えてあげるわ。そうと決まれば支度ね♪」 やたら張り切りだすお袋の監督の元、俺は弁当を無事に作って桐乃に渡したのだった。 ※※※ 「桐乃、お弁当たべよ」 「うん、たべよたべよ」 「それにしても、桐乃のお弁当はいつも美味しそうだよね」 「ありがと。今日はいつもとちょっと違う感じで作ったみたいだけどね」 「へぇー、そんなことがあるんだ。面白そう。早く開けてみせて」 「うん。」 「……こ、これは……」 「うわあ、可愛いー」 あたしの目の前には、桜でんぶで大きくハートが描かれたお弁当が姿を見せていた。 「この刻み海苔で描かれてる似顔絵は桐乃……と、お兄さん?………」 「ハハハハ、全くお母さんったら、お茶目なんだから、ハハハハ……」 あいつ、なんて弁当を作ったワケ? 幸いあやせはお母さんが作ったものだって信じてるからいいけど、 これじゃまるで、まるで、愛妻弁当じゃん! キモっ!! キモっ!!! 「桐乃、なんだかニヤケてるよ。それによだれが」 「……ああ、あんまり美味しそうだったから。とりあえず食べようか」 「おっ、うまそーな弁当じゃん。桐乃ぉ、ちょっと食べさせてくんね?」 「加奈子、ダメ。これはあたしの弁当なんだから」 「いーじゃんか、加奈子の弁当も分けてやるからさぁ」 「ダメダメ」 「ちぇ、分かったよ。てか、なんでわざわざ弁当を撮ってんだョ桐乃?」 ※※※ …しかし、いつも桐乃があんなに可愛い弁当を食べてるとは知らなかったぜ。 俺の脳裏に、満面の笑みを浮かべながら弁当を食べる桐乃があらわれ、何故かドキッとしてしまった。 「たまには、あいつのために料理作るのもいいかもな」 何故かニヤケるのを抑えながら、俺は桐乃と同じスタイルの弁当を食べるのだった。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1256.html
355 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/11/10(木) 00 25 48.71 ID VXpo186s0 タイトル:季節外れのビーチクイーン 『妹で、そして恋人で・・・』続編その1 「じゃーん、おまたせ~♪」 桐乃は、雑誌から抜け出したようなポーズで俺に水着姿をアピールする。 ここは新しく臨海部に出来た総合レジャーランドである。宿泊施設と一体化された総合施 設で、冬でも遊べる大型の屋内レジャープールが目玉となっている。 俺と桐乃は恋人同士となった記念というか初デートとしてここを訪れた。もちろん俺から 誘ってみたんだけどな。 最初は水着姿を見せたくないとか駄々をこねてたが、来てみると結構乗り気である。 「おお・・・可愛いぞ」 桐乃が着ている水着は、ブルーとホワイトのグラデーションを基調としたシンプルなデザ インのビキニで、胸元をヒモで結ぶようになっている。腰の両サイドもリボンのように結 ばれていて、全体的に少し大人びた感じがする。まあ桐乃が着ると、大人びたというより は健康的な雰囲気だ。 「ふふーーん、なに惚れ直したのっ?」 水着姿に感動する俺を見て桐乃は、上機嫌な笑みを浮かべていた。 「おまえの水着姿って雑誌でしか見たことなかったけど、実物みるとやっぱ違うな」 しかし俺がそう言った瞬間、ちょっとムッとした表情に変わってしまう。 「ふん!雑誌のと一緒にしないでくれる!?」 「そうか?雑誌の水着姿だって結構可愛かったぞ?」 「バカ・・・あんたに見せる水着姿は特別だっつーのっ」 桐乃は聞き取れないような小さな声で何か言う。 「よく聞こえないけど、なんて言ったんだ?」 「うっさい、雑誌のは仕事で・・・その・・・余所行きなの・・・」 「よくわかんねーけど・・・」 「だから、あんたに・・・京介に見てもらうために、今日は特別・・・・・・・」 桐乃はそこまで言うと俯いてしまう。 以前の桐乃だったら、こんなことをまず言わなかっただろう。しかし恋人同士になったこ とも手伝ってか、時折可愛いことを言ってくる。 まあ普段の口の悪さは相変わらずだけど・・・・・ 俺はそんな桐乃が愛しくなり、優しく頭を撫でる。 「そっか、俺のためにがんばってくれたんだな」 「・・・マジキモい・・・わかればいいのよ」 桐乃は上目遣いで俺を見ながら、眉を吊り上げ少し怒った表情を覗かせている。しかしこ いつなりの照れ隠しなのだろう頬は赤く染まっていた。 「よし、最初はどこに行こうか?」 「えっ、あ・・・・・・まずはあそこかな?」 桐乃が正面にあるウオータースライダーを指差す。 「それじゃ、行ってみるか」 俺は桐乃の手を握ろうとした。しかし桐乃は差し出した俺の腕に自分の腕を絡める。 「バカ・・・こっ、こうでしょ・・・」 「桐乃、おまえ・・・・・」 「べっ、別にいいじゃん。こっ、恋人同士なんだし・・・」 そう言って俺から視線を外す。俺たちはそのまま腕を組んでウオータースライダーに向か った。 「おい、結構高いな」 桐乃が指差していたウォータースライダーは、3階建てぐらいはあろうかという本格的な ものである。屋内施設と侮っていたが、上に昇るとその高さを実感できる。 「なに、あんたビビってんの?」 「別に怖くはないぞ、おまえこそ怖いんじゃないのか?」 俺は少し声を裏返らせながら、そう言う。しかし内心腰が引けていた。 桐乃はというと・・・結構平気そうにみえる。 「あたしは、全然っ平気」 「俺も平気だ・・・」 平気そうな桐乃を見て、弱気を見せられなくなった俺は見栄を張ってしまう。 「そう・・・なら行ってこい!」 そう言うと、桐乃は俺の背中を押した。俺はヨロヨロと転けそうになりながら何とかバラ ンスをとろうとするが、結局頭からウォータースライダーへと飲み込まれていく。 『バシャーン!!』 そしてプールへとヘッドスライディングした。 「ゲホッ、ゲホゲホ・・・・・桐乃ッ、なにしやがる!?」 くそー、鼻に水入って頭痛いぞ---あとで覚えてろよ 俺は悪態をつきながら、スライダーに視線を移す。それと同時に歓喜の雄たけびをあげた 何者かが飛び出してくる。 「ヒャッホーーーーーーーーー!」 「桐乃!?」 桐乃はそのまま水面を滑り、俺にボディーアタックを食らわせる。俺は成す術もなくプー ルに沈んだ。 「ちょっと京介、大丈夫?」 意識が遠のきそうになる中、そんな声が聞こえた。俺は必死に目の前にある何かにしがみ つくと、水面から顔を上げる。 「------っ!」 「ゼェゼェ・・・・・死ぬかと思った・・・」 「あっ、あんたどこに・・・つかまってるのよ!?」 「・・・はっ?」 見上げると、怒りに打ち震える桐乃の顔がある。そして頬に感じる柔らかな感触が・・・ 「-----っ!」 「変態!シスコン!死ねっ!シネッ!」 桐乃は俺の頭を両手で掴むと再びプールの底に沈めた。 「桐乃、俺を殺す気か・・・・・・」 桐乃の攻撃から何とか逃げ延びた俺は、ダウン寸前の状態でプールからあがる。プールサ イドには休憩用のテーブルが用意されていて、そこで体力の回復を図ることにした。 「うっさい!あたしの胸に顔押し付けるなんて・・・どんな変態よ!?」 「俺だって必死だったんだよ・・・それで掴んだのが、たまたま・・・だいたいおまえが 突っ込んでこなければだな・・・」 「はあ?あたしが悪いっての?」 桐乃はジロリとこちらを睨んでくる。そんな桐乃の視線にビビり気味なった俺は、最大限 の譲歩を提示してみる。 「まあ、避けなかった俺も悪いか・・・お互いさまってことでどうだ?」 「ふん!あんたがそう言うんなら、そういうことにしといてあげる!」 桐乃も自分に非があるのがわかっているのかそう呟くと、ムスっとした顔で椅子から立ち 上がる。 「おい、どこ行くんだ?」 「なんかムカつくから、飲み物買ってくる。あんたはそこで休んでなさい」 そして売店のほうへ歩いていった。 「おまえ、それ一人で飲む気か?」 売店から戻ってきた桐乃の手には、ドデカいグラスが抱えられている。飲み物っていうよ りは何かフルーツの盛り合わせにも見える。 「はあ?何言ってのよ。あんたも飲むに決まってんでしょ」 そう言うと、グラスをテーブルに置いて椅子に腰を降ろす。テーブルに置かれたグラスに は、ストローが二本刺さっていた。 「おまえ、それカップル用!?」 「そう、なんかムカついたからこれにした」 「言ってること無茶苦茶だぞ」 「うっさいな、恋人同士なんだから問題ないでしょ?」 「そりゃそうだけど・・・・・」 「なんか文句あんの?」 そう言って桐乃は、『あたしが買ってきたんだからおとなしく飲め!』と言いたそうな顔 でこちらを見つめる。 「・・・・・おまえが恥ずかしくないってなら、俺はいいぞ」 「キモッ!あたしは恥ずかしくないわよ・・・あんたこそ恥ずかしいんじゃないの?」 「俺は・・・恥ずかしくないぞ」 そう言うと、証拠を見せてやるとばかりにストローを咥える。それを見た桐乃も、もう片 方のストローを咥える。 二本のストローで同じグラスの飲み物を飲む俺たち。すぐ目の前にある相手の顔が気にな ってしまい、お互いに視線を交わす。 俺の視線が気になるのか桐乃は、少し頬が赤く染まり恥ずかしいそうな顔をしていて、も う先ほどまでの怒りの表情は窺い知れない。 そして飲み物がなくなると、お互いにストローを離す。しかしストローから口を離しても お互いの顔からは目を離すことはできない。そんな俺たちの間にわずかばかりの沈黙が流 れるが、すぐに桐乃は笑い出してしまう。 「プッ、ハハハハ・・・・・なにやってんだろうね、あたしたち」 「なんだよ急に笑い出して・・・」 俺は急に笑い始めた桐乃を不思議に思い、そんなことを言った。しかし桐乃は大きく背伸び をすると 「でも、やりたかったことが出来て満足っ」 と言った。 「やりたかったことって、これがか?」 「そう、前から京介とこういうのやってみたかったの」 「そうか・・・・・他にもあるのか?」 「そりゃ、たくさんあるけど・・・少しずつやってかないとね。つまんないし」 「まあそうだな、先は長いし・・・・・」 そして今度はお互いに見つめると、どちらともなく笑い合った。 夕方まで遊んだ俺たちは帰路に着く。駅から家までの道のりを桐乃と手を繋いで歩いてい る。腕を組んでるとまたなんか言われそうだけど、手を繋ぐくらいなら大丈夫だろう。 「桐乃、楽しかったか?」 「うん、楽しかった」 その言葉を聞いて、俺は桐乃に満足してもらえてよかったと安心した。 「そうか、よかった」 しかし桐乃は、何でそんなこと聞くのかと言わんばかりに不思議そうな顔をする。 「あんた、なに心配してんのよ?」 「そりゃ初デートだし・・・おまえに楽しんでもらえたか心配でな」 俺がそう言った途端、桐乃は歩みを止めて真剣な顔で真っ直ぐと俺を見つめる。 「あんたさ、バカじゃないの?」 「バカって言うなよ、俺は真剣なんだから」 桐乃の言葉にちょっとムッとする。 「あのね・・・あんたもさ、今日楽しかったんでしょ?何で楽しかったの?」 しかし桐乃も俺の言葉にムカついたのか眉をキュッと吊り上げた表情で捲くし立てる。 「もちろん、俺も楽しかったさ。何で楽しかったって言われりゃ・・・そりゃ、おまえと 遊べてつーか・・・一緒にいられたからな」 そんな真剣な表情の桐乃に俺はたじろいでしまい、多少口篭りながらもその問いに答えて いく。それを聞くと桐乃は表情を穏やかにして 「あたしも同じ・・・京介と一緒にいられたから楽しかった・・・そんだけ」 と言葉を紡いだ。そして辺りの様子を窺うと俺の肩に手を当て爪先立ちになり、唇を重ね てきた。 「今日のお礼、また連れてってね♪」 そう言うと、桐乃は満面の笑みを浮かべるのであった。 Fin -------------