約 431,410 件
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1215.html
775 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/10/18(火) 22 17 06.30 ID Avctv/090 [3/5] 「あんたって、好きな子のリコーダーぺろぺろすんの?」 「…………おまえは……俺の事どんな変態野郎だと思ってんだ……」 「だって変態じゃん。それ以上にシスコンだけど。にひひ」 やたら嬉しそうに俺をからかう桐乃。悪戯っぽい笑顔が可愛――じゃなくて 「なんでそんな突飛な話が出てくんだよ」 またエロゲーの影響か?と訝っていると 桐乃はお気楽な声でとんでもない事を言い出した。 「やー、明日から授業で使うから持って行ったんだけど、あたしのリコーダーぺろぺろされそうになったんだよね」 「……あ?」 「未遂だったんだけどぉ~、放課後取りに戻ったら、まさに交換されようとしてる最中で」 「よし、そいつの氏名と住所を教えろ」 俺は立ち上がり、迅速に今後の計画を練る。海か、山か……。 「へ? あ、あんた何? まさかその子になんかする気じゃ……」 「ちょっと躾をするだけだ」 事と次第によってはあやせにも協力してもらおう。 「ちょちょちょ、あんた目がマジだって!」 「おまえはいいのかよ!そんな変態が近くに居て!」 「変態は言いすぎだって!……そ、それに……気持ちはわかるっていうか…………」 「なん……だと……」 このエロゲーマーめ!そこは分かっちゃダメだろ! ……ちくしょう。教室にある以上、これからも常に危険が付き纏うわけで……気が気じゃねぇーって! むぐぐぐぐ…………はっ! 「桐乃、これから毎日俺とリコーダーの練習しようぜ!」 「……は?」 「勉強の効率を上げるには指を動かして脳をほぐすことが大事なんだよ。リコーダーはうってつけだ。桐乃、協力してくれないか?」 名案だろコレ。これなら毎日リコーダー持ち帰ることになるし、毎日桐乃との時k……なんでもね。 「……あんたって…………。ま、まぁ?やってあげてもいいケド? たまたまリコーダーも持って帰ってきてるし?」 桐乃はそっぽを向きながら早口でまくし立てる。 よし。我ながら強引かとも思ったが、予想以上に上手くいってるぞ。 帰宅後すぐに俺の部屋へ来たらしく、桐乃は一緒に持ってきていた鞄からリコーダーを取り出す。 「……っと、そういや俺のリコーダーはどこやったっけな」 「下の引き出しっしょ。あんた、練習したいってのにしまった場所も忘れてたわけ?」 「うっせ。……よしよし、あった。こんなにちっちゃかったっけか」 なつかしーなリコーダー。ずいぶん長いことほったらかしにしてた気がするけど、かなり綺麗だし、すぐにでもはじめられそうだ。 「よっし、じゃあ」 「……っ! ちちちょと待って!」 「むぁ?」 いざ咥えようとしたところ、いきなり出鼻をくじかれて変な声が出てしまう。 「イキナリすぎだっての!あたしだって授業明日からなんだから、まだ一度もしてないんだかんね!」 「いや……そこまで覚悟いらんだろ」 何を言い出すんだこいつは。 と思って桐乃を見やると、リコーダーを両手で握り締めて真剣に吹き口を凝視している。 おいおい、それじゃ笛は吹けないぞ。 ひょっとしてこの完璧超人サマ、楽器が大の苦手とかなのか? はは、しょーがねー。 「ほれ、そうじゃなくてこう持つんだ」 「ひぇ?」 桐乃の指に手を重ねて、それぞれのポジションに動かしてやる。 ほっそい指だな……それにすごくやわらかくて、熱い。 「……………………」 「よし、それじゃとりあえず何か吹いてみようぜ」 俺なんかに指導されてしまったのがよっぽど恥ずかしいんだろう、顔を紅くして俯いている桐乃に促す。 指の配置まで忘れちゃってるくらいだから期待はできないが、どれくらいできるのか知っておかないとな。 さーて何から教えてやろうか……。 と考えていると、じっと吹き口を凝視したままの桐乃が不意にトーンを落とした声で尋ねてきた。 「………あんた、さ。 さっき言ってたじゃん? 変態だって」 「はん?何の話だよ」 「だから! あんたにとって好きな人のリコーダーぺろぺろしちゃうのは変態なの?」 ……こいつ。楽器という弱点を俺に晒すのが嫌で話題を変えてきたな? まぁいいさ。その不安そうな表情は、それを察せられるのが嫌だからってことだろう。俺は正直に答える。 「それも相手が好きでたまらないからこそなんだろうさ。おまえ自身は理解があるみたいだし、本当は俺が文句言えることじゃないかもな」 「……」 「だけど、やっぱ俺は嫌だ。桐乃のリコーダーがって考えると、俺が、めちゃくちゃ嫌だ」 「……ん…………やっぱ、あたしも同じかも。あたしの言葉で、あやせにも伝えておく」 「え?」 なんであやせが出てくんだ? 「ということで、これは没収~っ」 「な!?」 桐乃は俺からリコーダーをひったくると、二本のリコーダーを抱えて何故か機嫌よさそうにくるくると回る。 「おい、まだ全く練習してないじゃねーか」 「はいはい、ちゃんと返すって」 そのままひょいっと差し出されたリコーダーを手に取ると、桐乃はビシ!と自分のリコーダーを俺に突きつけた。 「練習はなし!最高の本番にすればいいだけだもんね!」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1413.html
460 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/03/01(木) 14 03 13.35 ID KxVWC9Yr0 [2/5] 桐乃「ねえ、あんたあたしのあやせフィギュア持ち出したでしょ」 京介「はぁ? そんなことしてねえよ」 京介(俺だって持ってるし……) 桐乃「ほんと? 勝手に持ち出してprprしたりしてない?」 京介「してねえよ」 京介(自分のあやせたんにはしたけど) 桐乃「じゃあどこ行ったのかな? prprとかpkpkしすぎたから、イヤになって逃げちゃったのかな……」 京介(桐乃のヤツ、あやせフィギュアにそんなことをしたのか。 なんともうらやま―けしからん! こうなったら桐乃より早くに見つけて間接prprとか間接pkpkとかをしなければ!) 京介「だがそれにしても…… 俺のあやせたんもどこ行ったんだ?」ボソッ あやせ「わたしのフィギュアに監視カメラを仕込むのは良いアイデアだと思ったんですけど、 勝手にベッドの下に潜り込もうとするのはどうにかしたほうがいいですね……」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/998.html
919 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/04(木) 20 07 53.79 ID UKzV6V2p0 [8/8] 910 こんな感じか ガクガクブルブル 京介「おい桐乃、俺がいるからな。怖がらなくていいんだぞ」 桐乃「・・・・・・」 ガクガクブルブル 京介「怖くなたら遠慮なくしがみつけよ。俺が絶対に守ってやるからな」 桐乃「・・・・・・」 ガクガクブルブル 京介「桐乃、もしかして喋れないくらい怖いのか?」 桐乃「・・・・・・怖がってるの、あんたじゃん」 ガクガクブルブル 京介「なななななな何言ってるんだ俺が心霊番組くらいで怖がるはずないだろぉ」 桐乃「さっきからめっちゃブルってんじゃん。 そんなに怖いなら虚勢は止めたら?」 ガクガクブルブル 京介「・・・俺は兄貴だから、例え怖くても妹を守らなくちゃいけねえんだよ」 桐乃「・・・・・・ばか」 京介「うるせえ。ちょっとは兄貴に意地を張らせろ」 桐乃「・・・・・・あたしはさ、あんたの格好いいところ知ってるからさ。 あんたの情けないところ見ても幻滅なんてしないから。 だから二人きりのときは変な意地張るな」 京介「桐乃・・・・・・」 桐乃「言ったでしょ? あたしはずっとあんたの傍にいるから」 京介「桐乃・・・・・・」 桐乃「だから『トイレについてきてくれ』って言われてもバカになんかしない」 京介「桐乃ぉぉ!」グズグズ 桐乃「ほら、一緒にトイレ行こ?」 京介「すまねえな・・・」 バタン ガチャ 京介「・・・・・・トイレまでついてきてくれたのは嬉しいんだけどよ。 何でおまえまで一緒に入ってくるんだ?」 桐乃「だ、だって、ずっとあんたの傍にいるって言ったじゃん」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1205.html
55 名前:【SS】人形供養祭 1/3[sage] 投稿日:2011/10/14(金) 18 23 32.60 ID meH+PXJp0 [4/7] 桐乃「ねえ、あんた最近勝手にあたしの部屋に入ったりしてない?」 京介「え? し、してねえぞ?」 桐乃「ほんと?」ジー 京介「たまーになら……」 桐乃「やっぱり入ってるんじゃん!」 京介「ほんとに偶にだ! おまえに用があってノックしても返事がないときに本当にいないか覗いたり、 いつの間にかクローゼットに置かれてたエロゲを戻したりな! おまえが勝手に俺の部屋に入る回数の半分にも満たねえよ」 桐乃「半分……やっぱり頻繁に入ってきてるんじゃん」ボソ 京介「ん?今何か言ったか?」 桐乃「なにも? それでさ、あんたがあたしの部屋に入ってきた時、部屋のもの勝手に動かしたりしてないよね?」 京介「俺がなんか盗ったりしてないか疑ってるのか? 俺はおまえの部屋を覗くことはあっても、踏み入ることはほとんどないぜ?」 桐乃「そうじゃないんだけど…… このタコのぬいぐるみ見覚えあるよね?」ヒョイ 京介「おまえの部屋にあるヤツだろ?」 桐乃「うん。 前はベッドに置いておいたんだけど、この間ふもふもメルルを買ってベッドに置いてるから、代わりに出窓の方に移したの」 京介「それがどうかしたのか?」 桐乃「出窓に移したんだけどさ、学校から帰ってくるとベッドの上に戻ってることがあるの。 メルルを押しのける感じで。あんた何もしてない?」 京介「俺は触ってないが……お袋じゃないか?」 桐乃「お母さんには確認したけど、ベッドメイクした後はもとの位置に戻してるって」 京介「そうか…… まさか、勝手に動いてるとか……」 桐乃「うっ。やっぱりそうなのかなぁ…… 大事にしたものには命が宿るって言うし……」 京介「あのぬいぐるみ、ずっと前からあるもんな。 お気に入りなのか?」 桐乃「うん」 桐乃(……あんたに貰ったモノだしね) 京介「……怖いなら神社に行くか? 今日は確か人形供養祭だから、供養してくれると思うぞ」 桐乃「そうだね……供養してもらうかどうかはともかくとして、行ってみよっか。 ……あんたが言い出したんだから、あんたもついてきなさいよね」 京介「ああ。元からついて行くつもりだよ。 ……そういえば俺のパンツも時々無くなるんだが」 桐乃「あ、あんたのパンツにも命が宿ってるんじゃない?」ドキドキ あやせ「桐乃、お兄さん!」 加奈子「桐乃に京介じゃん。ちーっす」 桐乃「あやせ、こんなところで何してるの?」 あやせ「人形のお炊き上げに来たんだ。 ほら、これ」スッ 桐乃「この人形、あやせにそっくりだね」 あやせ「うん。毎年お母さんが作ってくれてるんだ」 桐乃「よくできてるんだから、記念に残してとけばいいのに」 あやせ「昔はそうしてたんだけど、ここ何年かの人形はこの時期になるとおかしいの」 桐乃「おかしい?」 あやせ「うん。気がついたらベッドの下に移動してたり、手錠の近くに移動してたり…… 怖くなったから供養してもらってるの」 京介「へ、へぇー」 あやせ「人形の目が濁ってきたらアブないかな?」 京桐「「…………」」 56 名前:【SS】人形供養祭 2/3[sage] 投稿日:2011/10/14(金) 18 23 54.65 ID meH+PXJp0 [5/7] 桐乃「加奈子は?」 加奈子「加奈子はコレ」ガサ 京介「メルルのフィギュアとかぬいぐるみか」 桐乃(うわ!レアフィギュアばっかじゃん! あのでかふもメルルとか、チョー欲しかったんだよね) 加奈子「加奈子ぉ、ファンからしょっちゅうこういうの送られてきて困ってるんだよね。 そのまま捨てたら呪われそうだしぃ、こうやって供養してやろうって考えたワケ」 桐乃(捨てるなんて勿体なすぎるんだけど! ねぇ、なんとかならない?)チラ 京介(……仕方ねえな)フゥ 京介「なあ加奈子、その人形くれないか?」 加奈子「京介がロリコンなのは知ってたけどヨ、さすがに人形に欲情するのはマズいんじゃね? それとも、京介ってオタクなん?」 京介「そうじゃねえよ。 俺はおまえのファン第一号だろ? だからおまえのグッズを手元においておきたいんだよ」キラッ 加奈子「……これはメルルのグッズだし」 京介「でも、見た目はおまえにそっくりだろ? おまえとずっと一緒にいることはできないから、せめておまえによく似た人形をって思ってな」キラキラッ 加奈子「~~~!!」 桐あ「「…………」」イライラ 加奈子「そういうことならプレゼントしてやんヨ。 加奈子だと思って、ちゃんと大事にしろよな」ズイ 京介「おうよ!」パシ 加奈子「……なあ、京介」 京介「なんだ?」 加奈子「愛してるよん♪」 京介「へいへい」ナデナデ 加奈子「えへへー」 桐あ「「」」プチ あやせ「ねえ加奈子。 あっちで埋葬式のお祓いやってるんだって。 一緒に見に行かない?」 加奈子「加奈子、もう用事ねえんだけど」 あやせ「わたしの人形を供養したら、一緒にスィーツでも食べに行こうか」 加奈子「あやせにしては気が効くじゃん。 もちろんあやせの奢りだかんな」 あやせ「はいはい」スタスタ 桐乃「……行っちゃったね」 京介「ああ。加奈子の何が気に入らなかったのかは知らんが、ちゃんと成仏してくれよ」 桐乃「たぶん、あんたのせいなんだけど」 京介「なんでだ? 今さら桐乃にメルルのフィギュアが渡るのを嫌がるとは思えねえんだが」 桐乃「別にいいよ、気にしなくて。 それより、あたしたちも行こ」 京介「そうだな。 って、アレ?」 桐乃「どうかしたの?」 京介「いや、タコのぬいぐるみなんだが……どこかに行っちまった」 桐乃「ハァ!? 家を出る時には持ってたよね?どこかで落としたの?」 京介「いや、あやせ達と会う前、神社の手前で確認した時にはキチンとあったんだが…… 一体どこに行っちまったんだ?」 桐乃「もう、あたしも手伝うから、あたりを探してみよ」 京介「そうだな」 57 名前:【SS】人形供養祭 3/3[sage] 投稿日:2011/10/14(金) 18 24 18.10 ID meH+PXJp0 [6/7] 桐乃「結局見つからなかったね」 京介「そうだな。 ……すまねえな。おまえが大事にしてたぬいぐるみ無くしちまって」 桐乃「気にしなくていいって。 あんたのおかげでメルルのフィギュアとかぬいぐるみが手に入ったしね」 京介「そう言ってもらえるとちょっとは楽になるよ」 ガチャ 桐乃「え?」 京介「どうした、桐乃?」 桐乃「あれ……」 京介「うぉぉぉ! ベッドの上にタコのぬいぐるみが戻ってやがる! まさか、このタコ一人で家に帰ってきたのか?」 桐乃「やっぱり、勝手に動いてたってこと?」 京介「実際に見たわけじゃねえから、なんとも言えねえ。 ……なあ、桐乃。 このタコのぬいぐるみは毎回あそこに戻ってたのか?」 桐乃「うん。あのハートのぬいぐるみの隣」 京介「そうか…… もしかしたらこのタコ、あのハートと一緒にいたいんじゃないか?」 桐乃「え?」 京介「ハートのぬいぐるみもずっと前から持ってただろ?」 桐乃「うん。いつも隣に置いてた」 京介「ずっと一緒にいたから、離れたくねえんだよ」 桐乃「……そうかもね。 兄妹みたいにずっと一緒にいたんだもん。 いきなり離れ離れになったら寂しいか。 ごめんね」ナデナデ タコ「…………」 桐乃「これからは妹ちゃんとずっと一緒にいさせてあげるからね」ダキッ 京介「おいおい、何時からこいつらは兄妹になったんだ?」 桐乃「いいでしょ? この子は妹思いで、離れても一人で家に帰ってきちゃうくらいシスコンなの! ね、キョウスケ!」ギュッ -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1117.html
791 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/19(月) 04 32 57.00 ID fde2OHJu0 [1/2] SS『ある家族の夕食時』 「ただいまー」 「パパー、おかえりなさーいっ!」 会社から帰宅すると、世界一可愛い俺の娘が迎えに来てくれる。 今年3歳になる娘は、母親に良く似た黒髪を揺らしながら、とことこと駆け寄ってくる。 「ママと一緒にいい子にしてたか~?」 「うんっ!」 抱きしめてやると、イヤイヤしながらも嬉しそうに笑っている。 そのままお姫様抱っこに切り替えて、リビングへと向かう。 リビングからは美味しそうな匂いが漂ってきている。今日は和食だろうか? それにしたって、あいつも本当に料理が上手くなったもんだ。 昔は、消し炭チョコみたいに、俺や親父が死に掛ける様なモンしか作れなかったってのによ? いまじゃ、魚をさばくことだってお手のもんだ。 ん?しんじられねーって? 「ママの料理はおいしいもんな~、楽しみだな~」 「あたしもママのおりょうりだいすき~」 ほれみろ? 俺の娘もおいしいって言ってるだろ? 子供はこういうことでウソつかねーからな! もちろん、簡単な道のりじゃなかったって事は、俺も良く知っている。 麻奈実の所に、週5日くらいで通ってたもんな。 和解したとはいえ、色々と思う事もあったろうにな・・・ リビングに入り娘を椅子に座らせたところで、キッチンの奥から嫁が迎えてくれた。 「おかえりなさい、あなた」 「ああ、ただいま」 くぅぅぅぅ~~~~っ! あの桐乃が―――俺の嫁が、こんなに淑やかな言葉で俺を待っていてくれるんだもんな! 就職してこの数年毎日のことだけどよ?新婚夫婦みたいで本当に嬉しいんだぜ? それにしても・・・いつもの事ながら、改めて桐乃を凝視してしまう。 あの頃はモデルをやっていた桐乃も、今では主婦をやっているのだがそのスタイルに衰えは無い。 それどころか、当時は持っていなかった大人の色気を身につけ、 おそらく俺の周りの人間しか知らないだろうが、世界一の美女になってしまっている。 もっとも、髪を染めるのはやめ、化粧も大分大人しくなって、当時とは印象が違ってしまってるが、 それでもなお、俺のプレゼントした、髪留め、イヤリング、指輪だけは、着けてくれている。 ―――と、桐乃と目が合った。 「な、なに凝視してんのよ」 「いや、おまえは相変わらず綺麗だなって」 「~~~~!」 顔を真っ赤にしてキッチンへ逃げてしまった。 相変わらず、直接褒められると弱いやつだ。 「はいはい。実の母親の前でそんなにいちゃつかない」 「ああ、ただいま。お袋」 「はい。おかえりなさい」 桐乃に代わってキッチンの奥から出てきたのはお袋だった。 俺が桐乃と一緒になるって言った時、一番反対したのはお袋だったが、 娘も出来た今となっては、俺たちの事を暖かく見守ってくれている。 「そういえば親父は?どっか出かけてんの?」 「おもちゃ屋さん。さっき『お姫様』にお人形さんおねだりされて―――飛び出してっちゃった。 今すぐ買ってくる!って張り切ってたわよ」 「・・・やれやれ」 なにを隠そう親父、孫にデレデレである。 あの厳格だった親父の影は、今や見る影も無い。 ・・・というか、意外にも、俺と桐乃が一緒になるって言ったときも、実はさほど強硬には反対しなかった。 まあ、可愛い娘がずっと家に居てくれると言うところで、何か思うところがあったのかもしれない。 そこに来て、可愛い孫の誕生である。 あの時の親父のはしゃぎっぷりは、正直、人様に見せられたもんじゃなかった・・・ 「娘をあんまり甘やかさせないでくれないかな・・・ありがたいけど度を超すと教育にも悪いし」 「ごめんねえ。」 苦笑するお袋。 キッチンからは、魚の焼ける匂いに味噌汁の香りが漂ってくる。 「それにしても美味そうな匂いだな・・・ハラ減ってきた。」 「はいはい。お父さん帰ってきたら夕食にするから」 お袋は、我侭な子供を諭すように言ってくる。 こういう所、いつになってもお袋はお袋だよな。 「でも・・・」 「ん?」 「二人とも、本当に大人になったわねえ」 「な、なんだよ、急に」 「もう、あんまり危なっかしくないって事よ」 これは・・・ほめられてんのか?俺。 「あんたたちが一緒になるって言ったとき、これからどうなる事かと思ったわ」 「まあ、普通に考えりゃそうだよな・・・でも、大丈夫だったろ?」 「そうね。あんたたちにを支えてくれる人たちがあんなにたくさんいるなんて、本当に驚いたものよ?」 「ははっ。そうだよな。実は俺たちもびっくりしたんだぜ」 「あなた、お母さん。なんの話をしてるの?」 俺とお袋の立ち話を聞きつけた桐乃が、キッチンからひょいと顔を覗かせる。 「俺がおまえの事愛してるって話だよ」 堂々と言ってやる。 「ええっ!?」 桐乃はさっき以上に赤面して、キッチンの奥へ逃げていってしまった。 お袋との話も切り上げ娘の所に戻ると、携帯ゲーム機で遊んでいるようだった。 ゲームに集中してる娘を微笑ましく思いながら、娘の隣に座る。 『お兄ちゃん・・・大好き♪』 「って何プレイしてんだよぉ!?」 「これ?ママがしゅくだいって」 「・・・・・・・・・」 とりあえず、タイトルを確認する。 『妹めいかぁvol.22~妹と結婚しよっ!~』 ・・・確か、これは携帯ゲーム機向けの全年齢版のみだったはず。 ギリギリ許容範囲なのか・・・な? なぜそれを知ってるかについては、詳しく聞かないでくれ。 「ね、パパ」 「ん?なんだ?」 「パパとママはきょうだいだからけっこんしたの?」 ・・・複雑な心境だ。俺と桐乃の場合は、確かに兄妹だから結婚までこぎつけた様なもんだが。 「え、ええとな?普通は兄妹は結婚しないんだけどな?」 「えー?ゲームだと、きょうだいだからけっこんできたっていってるよー?」 ・・・目の前のゲームが恨めしい。 つーか、俺が桐乃と仲良くなったり、桐乃と結婚したり、挙句の果てに桐乃と子供作ったり・・・ 全部が全部、元はと言えばこのゲームのせいじゃねーかっ! いや、今を不満に思ってるわけじゃない。 むしろ、きっかけとなったこのゲームに感謝こそする事はあっても、恨みに思う筋合いはねえんだが・・・ 「そうだな。ゲームでは、ふだん起こらない事がいっぱいおきるだろ~?」 「うんっ!」 「だからな~、パパとママが兄妹っていうのも、ゲームみたいに普通は起こらない事なんだぞ~」 「うん、わかった~」 とりあえず納得してくれたようだ。 この調子だと今後も苦戦しそうだぜ・・・ でも、いつかは娘にもしっかりと話をしなければならない。 俺と桐乃の歩んできた道。 もしかすると娘に嫌われるかもしれなくて怖いけど、正直に、全てを伝えよう。 「ねえ、パパ~パパ~」 ふと考え込んだ隙に、また質問タイムがやってきたようだ。 ほんとに子供はいろんなことに興味を持つんだよなあ。 「こらっ!ダメでしょ?パパを困らせたら」 いつの間にか、桐乃もリビングへと戻ってきていた。 お盆の上には焼き魚に散らし寿司。 今日の晩御飯はかなり豪華なようだな。 「え~?あたし、パパをこまらせてなんてないもんっ!」 「さっきから、パパを質問攻めにしてたでしょ? そんなにしたら、パパも困っちゃうでしょ?」 「パパ、あたしのことすきだから、ぜんぜんこまってないも~ん!」 「なっ・・・!?あ、あたしの方を好きにきまってるしっ!」 まったく。 あれから十年も経ったってのに、根本的なとこは全くかわんないのな、おまえ。 つーか、お袋も俺たちをみて笑ってんじゃねーか。 「それに、あたしのほうがママよりパパのことだいすきだもん!」 「あ、あたしはパパの事愛してるしっ!」 おいおい、そろそろ俺が恥ずかしすぎて逃げ出したくなるじゃねーか。 だから、俺はこう言ったのさ。 「二人とも、大好きだよ。愛してる」 ちょうどその時玄関で、バタバタと慌しい物音がした。 「ただいま!買ってきたぞ!人形!買ってきたぞ!」 どうやら『孫が大好きなお爺ちゃん』が帰ってきたらしい。 「さあ、ご飯にしましょうか」 と、お袋が言う。 「その前に―――ごちそうの理由を聞いていいか?」 俺は、満ち足りた笑顔で、桐乃の顔を仰ぎ見る。すると、 「その・・・ちょっと、ね」 桐乃は頬を赤らめながら、お腹をさする。 「ねえ、京介。桐乃、二人目なのよ~」 「二人目・・・か!」 「も、もうっ、お母さんっ!」 桐乃は、あの頃に戻ったように、顔をムスっとさせて、俺たちをにらみつける。 『再び出会』って、家族に戻って、恋人になって、また家族に戻って・・・ そんな時間を過ごしてきた今なら、はっきりと分かる。 こいつは、自分の感情をつたえるのがほんとに苦手なヤツだってね。 そして、俺もそうだ。 だから、言葉にはせず俺の気持ちを伝える事にする。 俺は桐乃の頭に片手をのせて、くしゃっとかき回す。 「ばっ、馬鹿っ!」 「あっ!ママずる~い!」 娘の頭にも、もう片方の手をのせて、くしゃっとかき回す。 掌に伝わる愛しい手触り。 その温もりは、紛う事なき現実だ。 桐乃と共に歩んできたこの十年。 高校、大学、就職・・・様々な挫折と苦悩を二人で分かち合って、 そして、結婚―――結局書類上は認められてないけど―――桐乃の出産、育児・・・ 俺達が歩んできた道程は、振り返ればそこにある。 もう二度と、流されぬように、離れえぬように・・・ 暖かな団欒に包まれて、俺はふと、そんな事を想うのだった。 End. -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1283.html
861 名前:【SS】シャーペン[sage] 投稿日:2011/11/20(日) 12 32 25.97 ID hjwk7mnk0 [4/5] 京介「えっと……ここがこうなるから……」カキカキ 桐乃「あれ?あんたのそのシャーペンって……」 京介「これか? お気に入りでな。プレゼントされてからずっと使ってるんだ」 桐乃「ふ~ん、そう。 プレゼントされたのなんだ。 道理であんたの持ち物にしては趣味がいいと思った」 京介「うるせぇ。 ずっと前に『プレゼント』のメモ書きと一緒に俺の机に置かれててな。 一体誰がくれたんだろうな」 桐乃「…………」 ・・・・・・ 桐乃「~♪~♪~♪」 佳乃「あら桐乃、ご機嫌ね」 桐乃「今日初給料貰ったんだ~」 佳乃「あら、それは良かったわね。 初給料でなにを買うのかしら?」 桐乃「えへへ~ 秘密~」 ・・・・・・ 桐乃「……まあ、そんだけ大切に使ってくれてるんなら、プレゼントした人も喜んでるんじゃないの?」 京介「そうか。 ……そうだといいな」 桐乃「……」 京介「……なあ、桐乃」 桐乃「なに?」 京介「ありがとうな」 桐乃「! ……どういたしまして!」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/722.html
321 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/05/22(日) 02 39 58.06 ID 0wDJ6U7QP [1/4] 「眠れねえ……」 午前2時。 草木も眠る丑三つ時とも言われる深夜に、俺はベッドに横になったままぼやいた。 今日も日課になった受験勉強を終え、さあ寝ようと思ってベッドに横になったはいいが、何故かまったく寝付けなかった。 ――ほんとは原因なんてわかってんだけどな。 部屋の電気を消したまま、俺はベッドから降りた。 キィ、と戸を開いて部屋を出る向かう先は……桐乃の部屋だ。 部屋の前に立って、聞き耳をたてながら様子を伺う。 戸から明かりも漏れていないし、中からは音も聞こえてこない。桐乃はもう眠ってるようだった。 桐乃が起きていたなら引き返すことも考えていたが、寝ているなら問題ない。 カチャリ、と極力音を立てないように戸を開けて中を覗きこむ。思ったとおり、桐乃はしっかりと寝ていた。 スルリと体を滑り込ませるように部屋へと侵入を果たし、戸を閉めた。 そろりそろりと物音を立てないように桐乃に近付く。起こしてしまったら元も子もないからだ。 なんとか桐乃を起こすことなくベッドのそばまで来ることに成功した。 桐乃はあどけない顔をしながら、スースーと気持ちよさそうに眠っている。 そんな桐乃の顔を見て、俺はどこか満たされるような感覚を覚えた。 はたから見れば、俺がいましている行為は、妹の部屋に無断で侵入する変態兄貴そのものだろう。 しかし待ってほしい。俺としても、こういうことをするだけの理由があるのだ。 何故こんなことをしたかというとだな……笑うなよ? 絶対に笑うんじゃねえぞ? 笑ったら俺泣くからな? ……ここ二日ほど桐乃とまともに話をしてないからだ。 最近の俺はおかしい。 気がつけば、もっと桐乃と話をしたい、もっと桐乃の顔を見たい、もっと桐乃と仲良くなりたい。 そんなことばかりを考えてる自分がいる。スキンシップをはかりたいと思ってる自分がいる。 けどそんなことを俺がしようとすれば邪険にされるのはわかりきってるわけで…… そうやって躊躇して自分が望むスキンシップがとれないでいると……俺は我慢できなくなってしまうのだ。 何が我慢できなくなるかは、うまくいえないが、とにかく我慢できなくなるのだ。 そうやって我慢ができなくなると、俺は夜な夜な桐乃の顔を見にこの部屋まできてしまう。俺は桐乃に飢えていた。 ついでに言っておくが、こうやって部屋に忍び込むのは初めてじゃない。既に何度も忍び込んだことがある。 最初はある程度の期間我慢できていたんだが、ここのところその期間が短くなってきてるのに、俺はわりとマジで悩んでいる。 結構深刻に。 「こうやって黙ってれば可愛いんだけどな。いや、普段の桐乃も可愛いんだけどな」 桐乃の寝顔を眺めながら、そんなことをつぶやく。 そうやってしばらく寝顔を見ているうちに、普段は出てこない新しい欲が顔を出す。 ――ちょっとぐらい触っても……いいよな? 決して胸を触りたいとかそういうのではない。髪とか、ほっぺとか、そういう部分のことだ。 別にいいよな。いやらしいことするわけじゃないし、減るもんじゃないし。俺桐乃に飢えてるし。 起きるなよ~起きるなよ~と念じながらおっかなびっくりに桐乃の頭へと手を近付けていく。 俺の祈りが通じたのか、桐乃の目を覚ますことなく俺の手は桐乃へと到達する。 そして、ゆっくりゆっくりと桐乃の頭を撫でた。桐乃を起こさないように、精一杯の慈愛をこめて。 しっかりと手入れが行き届いている髪、手の平から伝わってくるぬくもり。 それらを感じながら、俺はしばらくの間桐乃の頭を撫で続けていた。 そうして5分ほどたったころだろうか。俺は満足して、その場で立ち上がった。 「おやすみ、桐乃」 一言、そういい残して部屋を出るためにきびすを返す。そうして部屋を出ようとする俺の 「……ねえ」 背後から声が響いた。 この部屋で声を出すことが出来るのは二人だけだ。 俺はさっき桐乃に「おやすみ」と言ってから一言も声を出していない。 そうなれば、必然と声を出した人物は特定される。 脳裏にあってほしくない事実を思い浮かべながら俺は振り返った。 そこには、ベッドに横になりながらも、しっかりとその両目で俺を捕らえる桐乃がいた。 「お、起こしち、まったか?」 「……ううん」 ムクリと桐乃が体を起こす。 「……起きてた」 「い、いつから?」 「あんたが、部屋に入ってきた時から」 俺が部屋に来たときから? じゃあさっきまでのことは全部――!? ちょっと待て、それはおかしいだろう。桐乃がおきていたなら、何で何も言わなかったんだ? こいつならその場で俺を追い出したって何もおかしくないのに。 それなのに、俺にさせるがままにしてたってのか? 何のために? 疑問ばかりが頭に浮かんでくる俺をよそに、桐乃続けて言った。 「その前に言っとくけど……あたし、知ってるから」 「な、何をだ?」 「あんたが時々、あたしの部屋に勝手に入ってたこと」 ぐらり、と視界がゆがんだ気がした。 なん……だと……!? じゃあ、俺が忍び込んでたのを、こいつはずっと知ってたってのか? 「最初はさ、勿論追い出してやろうと思った。何で忍び込んできたのかワケわかんなかったし。 でも、あんたは何もしないで出て行くから、まあいいかって思ったの。眠かったし。メンドーだったし」 そりゃそうだろう。まさか桐乃分に飢えてただ顔が見たいがために忍び込んだなどとは思うまい。 「けど、あんたはそれ一回きりじゃなかった。それから何度もあたしの部屋に来ては何もせずに帰っていく。 部屋に忍び込まれるのは……ちょっとイヤだったけど、あんたは何もしないし、 部屋のものも触ってなかったからこのままほっといてもいいやって思ってたの。でも……」 今日、俺が我慢できなくなって桐乃に触れちまったから、ほっとけなくなった、か。 こりゃ完全に自業自得だな。何にも言い訳できねえわ。むしろ今までほっといてくれたお礼を言いたいぐらいだ。 「ねぇ……どういうつもり?」 さて、これはどう説明したもんかな。まさか素直に「桐乃に構ってもらえなくて寂しかったから寝顔を見に来てました」とはいえないわな。 そんなことを言えば一生モノの弱みになるぞ。かといってなんとなく、なんていいワケも通じないだろう。ぐぬぬぬ…… 「……いいよ」 「は?」 「だから、言いにくいなら別に無理に言わなくていいって言ったの」 桐乃が妥協した!? これはいったいどういうことだ? こいつが妥協するなんて。一体どういう風の吹き回しだろうか。 「でも、勝手に部屋に入ったことは許さないから」 「は? でもさっき……」 「あんたが部屋に入った理由と、勝手に入った事実は別物でしょ。勝手に人の部屋に入ったんだから、その罰を受けるのは当たり前でしょ?」 でもお前、以前俺の部屋に勝手に入ったよね? お前罰受けたっけ? 受けてないよな。いわねえけど。言っても無駄だろうし。 「だから、その罰としてあんたには『簡単なお仕事』をしてもらうから」 「『簡単なお仕事』?」 「そ、そう」 「それは別にいいんだけどよ……明日以降にならねえの?もう結構な時間なんだけど」 時計を見ればもうすぐ3時になりそうだった。こんな時間じゃ今から何かやってたんじゃほとんど寝れなくなっちまうぞ。 「だ、だめ! これは今からじゃないとできないから」 「そうなのか?」 「そうなの!」 うーむ、桐乃がそういうならしかたないか。こんな時間からやることだし、そんなに時間がかかることでもないだろう。 さっさと終わらせて部屋に帰るか。 しかし桐乃。お前さっきからなんとなく顔が赤い気がするんだけど大丈夫か? 「わかった。じゃあ、俺に出来ることなら何でもやるからさっさとその『簡単なお仕事』とやらを教えてくれ」 「何でもやる、ね。嘘じゃない?」 「おう。男に二言はねえ」 しかしなんなんだろうな『簡単なお仕事』ってのは。流石にエロゲだったらエロゲって言うだろうし、想像がつかん。 「スー…ハー…よし。じゃあ、言うからね?」 「ドンと来い」 「うん。じゃあ、あ、あんたには『あたしをギュッとして寝るだけの簡単なお仕事』をしてもらうから」 「ふむふむ、『桐乃をギュッとして寝るだけの簡単なお仕事』ね。確かにそれは簡単だ、ってえええぇぇえ!?」 ちょ、ちょっと待て! それってつまり俺と桐乃が一緒に寝るって言う――!? 「な、何よ。出来ないっての?さっきは何でもやるっていったじゃん」 「で、でもそれは――!?」 「でも、何? それともあんた、妹に欲情して襲うって言うの? シスコンだから?」 「そんなことしねえよ!」 「じゃ、じゃあ何にも問題ないでしょ!」 「~~~~っ、ああくそ! 後でどうなってもしらねえぞ!」 「ひゃあ!?」 半ばやけっぱちになりながら、俺は桐乃を抱きしめた。そのままベッドへと倒れこむ。 こんなことをすれば暴れると思っていた桐乃は意外にも大人しく、俺に抱かれるままになっている。 腕の中に感じるぬくもりに、俺は自分でも驚くほど安心感を覚えていた。 さっきまで焦っていたのが嘘のように落ち着いている。 暗い部屋の中、感じるのは抱きしめる桐乃の体温と息遣い。そしてお互いのトクントクンという鼓動。 「……これでいいのか?」 「……うん」 いつの間にか背中に回されていた桐乃の手が、キュッと俺の服を掴むのがわかった。もう離さないとでも言うように。 そうやってしばらくしているうちに、スースーと寝息が聞こえてくる。 少しだけ顔を離して、桐乃の顔を覗き込んでみると、どこか安心したような、安らかな顔をしている。 そんな桐乃の寝顔をみたせいか、俺のほうもだんだんと眠気が襲ってきる。 俺はしっかりと桐乃抱きしめて、そのぬくもりを感じながら眠気に身を任せていく。 「おやすみ、桐乃」 そうして、俺は眠りに落ちた。 翌朝。 俺が起きると桐乃は「昨日のこと、お母さん達には内緒だからね」と部屋から俺を追い出した。 あんなことがあったなどと親父たちにばれれば、下手をすれば俺の命が危ない。 それは大げさだとしても、親父の鉄拳の10や20は覚悟しなければならんだろう。それは俺もごめんこうむる。 よって、昨晩の出来事は、俺と桐乃の二人だけの秘密となった。 それからというもの、俺は桐乃の部屋へと侵入することはなくなった。 特別、普段の生活でスキンシップが増えたわけじゃない。その辺りは相変わらずだ。 じゃあ何故そうなったかといえば…… 「ねえ、京介」 「ん? なんだよ?」 「……今日も『簡単なお仕事』、あるから」 「……了解」 まあ、そういうことだ。 本人から招かれれば侵入する必要もないってこった。 もちろん、これは親父たちには内緒だ。 と、いうわけで コンコン いつ解雇になるかわからないこの『仕事』だが 「……いいよ、入って」 それまでは俺なりにしっかり勤めさせていただこうと思ってる 「今日も『お仕事』、よろしくね」 でも…… 「おやすみ、京介」 出来れば一生続けたいなんて思っちまった俺は……贅沢なんだろうかね? END -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/739.html
270 名前:【SS】妹婚[sage] 投稿日:2011/05/29(日) 20 50 33.92 ID Z8l+hzoE0 とある土曜日の昼のこと。 リビングで雑誌を読んでると桐乃がリビングに入ってきた。 くそっ、今日も目に毒な格好をしてやがる・・・・。 今日の桐乃はホットパンツを履いていて、形のいい足を強調させている。 ・・・・・俺以外の男にそんな格好見せるなよ? 俺は気づかれないように雑誌越しに桐乃の太ももを見つめる。 とりあえず挨拶くらいはしないとな 「よう」 「うん、雑誌読もうと思って」 何でもない挨拶を交わすと桐乃はいつものソファーに座って足を組んだ。 うおおおおおお 足を組む瞬間見逃しちまったあああああ はぁ、早く足組み直さねーかな 気になってしょうがないので、俺は桐乃の足に視線を集中させることにした。 勿論、雑誌でカモフラージュして桐乃には気づかれないように それにしても相変わらず綺麗な足してるよなぁ、こいつ モデルだから細くて長いのは当たり前なんだろうが、桐乃の足は程よいむっちり感で、見ていると触りたくなってくる。 ・・・・・なんだか俺、変態みたいだな 「ねえ」 俺の視線に気づいたのか、桐乃が話しかけてくる。 ヤバイ、どうやって誤魔化そう ①話を変える ②言い訳をする ③逆に足を褒める とりあえず①は却下だな。話を変えて逃げようとすると余計に怒りそうだ。 そうなると②か③だが・・・・ 「ねえ、聞いてる?」 そこまで考えていると、桐乃が再び話かけてきた。 「お、おう。どうした?」 やっぱり褒める方が無難だよなー、とか考えてると 「あのさ、もしもの話なんだけど・・・・・あたしが義妹だったらどうしてた?」 予想外の質問が来た。 結論から言うと、俺たちは実の兄妹だ。 一週間前にも確かめたから間違いない。 今になって聞いてくるのは・・・・・ 今、家の中には俺たちしか居ない。 リビングには時計の秒針の音だけが聞こえている。 俺が予想外の質問に答えかねていると桐乃が口を開いた。 「あたしは正直、血が繋がってるって知った時は残念だった。 それで京介はどう思ってるのか知りたくなったの」 桐乃は雑誌を脇に置いて、自分の手を胸の前で組みながら俺の方を真っ直ぐ向いている。 真剣に答えなくちゃいけないと思った。 このことは俺たちにとって他の兄弟や姉妹よりも重要な意味を持つ。 俺は今の生活が気に入ってはいるが、もしも俺と桐乃の血が繋がってなかったら今とは違う生活をしてるだろうから・・・・・ 「桐乃」 「うん」 「俺は今のままが良い。 俺も一週間前に調べに行ったときに、多分お前と同じことを考えてた。 もしお前と俺の血が繋がってなくて・・・・・・結婚できたらどうなるだろうかって」 「あたしは・・・・今でも子どもの名前を考えることがある。 男の子だったら、とか・・・・・あたしたちみたいに兄妹だったら、とか」 俺だって考えたことがないわけじゃない。実を言うと、娘に甘くして桐乃に叱られる夢を見たこともある。幸せな夢だったと思う。 それでも・・・・・ 「それでも、俺は実の兄妹で良かったと思う。 例え法律上は結婚できたとしても、今まで兄妹として生活してきたお前と結婚したら世間的には疎まれるだろうし、気軽に外も歩けないかもしれない。 だから・・・・」 「最初から結婚できないなら結婚した後の苦労を考えなくていいからってこと?」 「・・・・・・」 「それって・・・・結局あたしたちが結婚出来ないことには変わりないじゃん! ・・・・・・あたしは京介と結婚したいのに!」 「・・・・俺もだ」 「それなら!」 「それなんだけどさ、血が繋がってるってことはお前は俺と同じ戸籍なんだよな。 それなら、お前は生まれた時から俺の嫁ってことになるだろ」 「なっ・・・!」 桐乃は突然顔を真っ赤にして目を見開いた。 「前にお前に借りたエロゲーで言うと、『俺の嫁は妹で、お前の旦那は兄貴。』ってとこだな。 俺は美人で努力家の嫁と妹を同時に貰えて幸せなんだよ。」 桐乃は下を向いて震えている。 「・・・・そ、そーいうことならいいんだケド・・・・・」 桐乃が顔を上げて照れくさそうに俺を見てくる。 ちょっと前じゃこんな表情なんとも思ってなかったけど・・・・顔がニヤけるのを抑えきれない。 くそ・・・・っ、反則だ。俺が告白しておきながらこんな顔させられるなんて お前にも同じことを言わせてやる。 「お前は俺のこと、どう思ってるんだよ?」 「・・・・・・大好き。アンタ以外の男の人を好きになったことないし あの時兄貴に相談してて本当に良かった。 ・・・・これからも、あたしの人生相談聞いてよ」 少しの間があって桐乃は答えた。組んだ手を幸せそうに見ている。 桐乃の視線で思い出したが、今日は桐乃の20歳の誕生日だ。 そして・・・・・・それと同時に 「今日で四年目なの、覚えてなかったでしょ?」 そう言いながら桐乃は俺に近づいて左手を差し出す。 桐乃の薬指が指輪についた小さなダイヤモンドで輝いている。 忘れもしない、四年前に俺がプレゼントしたものだ。 俺は桐乃の16歳の誕生日にプロポーズした。 厳密には結婚は出来ないが、事実婚とは言っていいだろう。 次の年から俺は、毎年同じ日に愛の告白をすることになっている。 桐乃は「浮気性なアンタを縛るためよ!」とか言ってたが、何度もプロポーズを聞きたいだけに違いない。 「桐乃」 「はい」 「俺は・・・・・・。」 fin -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1364.html
666 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/01/24(火) 11 58 04.85 ID +zqdFurh0 [1/3] 1うへぇ 妹婚やくんかに敏感もしくは過敏な限られた一部の人が、らぶいちゃに気付く。眩暈と錯覚する。 2うへぇ 多くの人がラブいちゃ中であることに気付き、睡眠中の人の一部は目を覚ます。天井から吊り下げた電灯の吊り紐が2階のベッド の揺れで左右数cm程度の振幅巾で揺れる。 3うへぇ ほとんどの人がらぶいちゃを感じる。ベッドの揺れの時間が長く続くと不安や恐怖を感じる人が出る。重ねたあやせの手錠が音を 立てる。 4うへぇ ほとんどの人が恐怖を感じ、身の安全を図ろうとし始める。机などの下に潜る人が現れる。近接した手錠同士がずれて音を立てる 。 5うへぇ ほとんどの人が恐怖を感じ、身の安全を図ろうとする。歩行に支障が出始める。ベッドの振動で天井から吊るした電灯本体を始め 、吊り下げられた物の多くが大きく揺れ、あやせが歯ぎしりを立て始める。 6うへえ 立っていることができず、はわないと動くことができない。恐ろしくてあやせの方を見ることが出来ない。 7うへぇ あやせの怒りや揺れに翻弄され、自由意思で行動できない。地表部の隆起・沈降等で地形が変形する。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1359.html
373 名前:【SS】ろりせと一緒[sage] 投稿日:2012/01/21(土) 09 36 41.59 ID 9dhW0L3VP [2/8] 367 イラストじゃないが あやせ「――ということで小さくなってしまったので泊めてください」 京介「何がということなのかはわからんが仕方がないな。 そんなんじゃ家に帰るのもマズイだろうし」 桐乃「ち、ちっちゃいあやせ・・・・・・あやせたん! き、今日は一緒におねんねしようね!」ハアハア あやせ「お、おにいさん、なんか桐乃の様子がおかしいんですけど!?」 京介「あちゃぁ・・・・・・ありゃあ完全に野獣モードになってんな」 あやせ「なんですかその野獣モードって!?」 京介「妹萌えに過度に特化しちまってる状態のことだ。 ああなると理性がどこまでもつかわからないぞ」 あやせ「何をそんな冷静に言ってるんですか! このままじゃわたし襲われちゃうかもしれないってことじゃないですか!?」 京介「まあそうかもなあ・・・・・・あやせならどんとこいって感じかと思ってたが違うのか?」 あやせ「た、確かに桐乃のことは好きですけど・・・それとこれとは別問題です!」 桐乃「あやせたん、早くベッドで一緒にねよう? てかつれていく!」 あやせ「お、お兄さん、何とかならないんですか!?」 京介「なんとかって言ってもなぁ・・・・・・」 あやせ「そ、そんな・・・・・・」 桐乃「フー、フー、フー」 あやせ「ううう・・・こうなったら・・・・・・お兄さん! お兄さんも一緒に寝てください!」 京介「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ええええ!?」 ・ ・ ・ 京介「どうしてこうなった」 桐乃「それはこっちの科白だっての。 あやせたんのお願いじゃなければあんたとなんか・・・・・・心の準備だってまだ出来てなかったのに」ボソリ 京介「なんか言ったか?」 桐乃「別に!」 あやせ「(ふう、なんとか桐乃も落ち着いてるみたいだし、コレで大丈夫かな)」 京介「しかし川の字になって寝る事になろうとは」 あやせ「(しかたないじゃないですか。コレが一番安全だと思ったんですから)」コソコソ 京介「(だからってなあ・・・・・・これじゃまるで・・・)」コソコソ 桐乃「あ、そういえば枕足りない。どうしよう・・・」 あやせ「・・・・・・お兄さん、こっちの腕を上に伸ばしてください」 京介「ん? こうか?」 あやせ「そうです。それで、コレをこうして・・・」 京介「っておいあやせ、まさか・・・・・・」 あやせ「はい、腕枕です。枕ありませんし、しかたないですよね」 桐乃「・・・・・・・・・・・・」 京介「しかたない・・・のか?」 あやせ「はい、しかたないんです。だからお兄さんも諦めてください」 桐乃「・・・・・・・・・・・・・・・」ゴソゴソ 京介「はあ、しかたないな・・・って桐乃さん?一体何をやってるんで?」 桐乃「腕枕」 京介「いや、それはわかるが、何故にわざわざ反対にいってまでそんなことをしてるんだ!?」 桐乃「いいでしょ別に。いっとくけど、これどかしたりしたら許さないかんね」 京介「(このままだと腕が痺れて明日の朝が大変なことになりそうなんだが)」 桐乃「んじゃ、電気消すよ」 京介「マジでこのまま寝るの?」 あやせ「嫌なんですか?」 桐乃「嫌なの?」 京介「(そんな顔で聞かれて嫌だなんていえるわけねえだろ!)・・・・・・別に」 桐乃「んじゃ、電気消すからね」パチン 桐乃「さて、それじゃ・・・・・・ 京・桐・あ「「「おやすみなさい」」」 -------------