約 431,430 件
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1178.html
727 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/10/02(日) 16 42 36.42 ID spxm8CgS0 [4/4] SS2つの世界と兄妹と 「へっ。あっちの桐乃は素直で可愛いじゃねえか。こっちの桐乃とはえらい差だぜ」 目の前の画面に映る2人の兄妹を見た俺は、素直な感想を口にする。 俺が今見ているものは、特別な力を持ったテレビらしい。手に持っているリモコンを弄ると 異なる世界線の自分たちを見られるという代物だ。全く誰がこんなもん作ったんだろうな。 俺の隣ではこっちの桐乃が憮然とした表情で画面を見つめている。まあその気持ちは分からんでもないさ。 何せテレビの向こうでは黒髪の桐乃が仲よく俺──京介と談笑しながら歩いているんだ。俺と桐乃が仲よく 並んで、話したり笑いあうなんて考えすらしなかった事だしな。 「ふん。それはお互い様だっつーの。あっちのあんたも超かっこいいしね! いつもどんよりして 後ろ向きなどっかの誰かさんなんか話しになんないって」 俺の言葉に対抗するかのように棘のある言葉を返してくる桐乃。言われなくても分かってるさ。 でも、いつかの俺はあんな風に頑張っていたような気もする。言っとくが負け惜しみじゃないぜ? 俺は昔の──もう記憶にすら残ってない遥かな過去を手繰り寄せようとしてみるが、無駄に終わる。 画面を見ていた俺は、ずっと気になっていた事を桐乃に聞いてみることにした。 「なあ桐乃」 「……ん、何?」 「お前ってなんで髪染めようなんて思ったの?」 「内緒」 素直に教えてくれるなんて思ってなかったが、即答かよ。 俺が嘆息すると、桐乃が小さく舌打ちするのが聞こえた。……そこまで言いたくねえのか? 「……つじゃん、こっちの髪だとさ」 「今何て言った?」 「だから目立つじゃん! 今のあたしの髪ってさ」 全く予想外な事に、桐乃は俺の問いに答えてくれた。しぶしぶだろうけど、桐乃にしちゃ珍しいな。 そんな俺の表情をみて、桐乃は心外だと言わんばかりにムスッとした表情になる。 ──いや、お前っていつもそうだから! 俺のがおかしいみたいな態度を取るのは止めような。 「金髪とか色々試してみたんだけど、この色が一番しっくり来たんだよね。まるであたしの為に ある色っていうか、超可愛いあたしをより可愛く見せてくれるって言うかまあそんな感じ」 「……そこまで自画自賛できるのはある意味天性の才能かもしれん」 「あったり前じゃん! あたしが可愛いのは神の仕業なの。世界が望んでいるの」 いや別に褒めてないからね。 心の中で突っ込みを入れる俺をよそに桐乃は神妙な顔を見せる。 「ま、それだけが理由じゃないんだけど……ね」 「そうなのか?」 「あたしが目立ちたかったのは確かに理由の1つ。でもそれが役に立ったかも正直分かんない」 「髪を染めるほどの理由なんて、何に目立ちたかったんだ?」 「……ね、全然意味無かったっしょ」 俺ってヘンな事言ったか? なんかさっきよりさらに機嫌が悪くなった気がするんだが……。 つか今日で一番不機嫌になっているみたいだ。これ以上突っ込むと余計こじれかねないな。 仕方ない……暫くそっとするしかねえか。 桐乃は暫く俺を睨んでいたが、どうしようもないと悟ったのか画面へと向き直る。 そんな桐乃を見て俺はほっと胸をなでおろす。 俺は暫く、桐乃と一緒に向こうの世界の”俺たち”を見守る事にした。 画面の向こうでは相変わらず仲の良い”俺たち”が映っている。 どうやらあちらの世界の京介は、スポーツマンで陸上のエースらしい。俺が……目立っている……だと? しかも成績優秀ときた。おいおい、それじゃまるでこっちの世界の桐乃じゃねえか。 だが何より違っているのは、俺が桐乃を大切な妹として扱っている事だった。 ──向こうの”俺たち”みたいな関係には逆さまになってもなる事はないだろうな。 それだけは断言できる。世間的に認められている仲が良い兄妹には決してなれないだろう。 それに向こうの京介みたいな羨ましがられる兄貴になる事もないだろう、と思っている。 だが俺は──完璧な兄貴で無かったお陰で、一番大切な事に気付けたんだよな。 「ちょ……何やってんのあいつ! なんで仲よくぷ、プリクラなんてやってるワケ!?」 桐乃の声で我にかえると。向こうの”俺たち”は仲よくプリクラで写真を取っていた。 桐乃は何か釈然としない様子だが、お互い携帯に貼ってる立場で言えた義理じゃないからね。 まあ無理やりふっ切って撮ったのと仲よくとじゃ差があるっちゃあるが── 少し違うのは、向こうの俺は必死になってプリクラを貼るのを否定している事だ。 おいおい、世界が終ってもって……今の俺なら嬉々として貼ってるぜ。 こっちの桐乃はと言うと、俺になにか言いたそうな顔を向けている。 「ねえ、向こうのあんたって」 「妹思いでイイ奴じゃねえか」 「キモ……と、そうじゃないってば!」 そう言った桐乃は何故か口をモゴモゴさせていて──顔もほんのりと赤くなってる気がする。 「その……向こうのあんたって、あたしをどれくらい好きなのかな」 桐乃は唐突にそんな事を言い出す。いやいやいやちょっと待て!? 好きだつっても妹だぞ? 兄妹なんだから──なんてのは今の俺に言える訳ない……か。 仲良し兄妹やってる癖に向こうの俺はプリクラ程度貼れないってのか? ──いや、それとも。 そこで俺はある考えに至る。 ──向こうの俺も今の俺と同じ気持ちだったりするって事かな。 模範的で世間的にも仲の良い兄妹をやってる向こうの”俺たち”は、きっとその模範を崩せないんだろう。 向こうの俺は頭が良くて妹が誰より大切なだけに、自分のエゴで妹を苦しめたくない──そう感じた。 こっちの俺は世間的にダメージを受けすぎて、今更道理がどうとかなんて知ったこっちゃねえけど、 向こうの俺はみんなの人気者で世間の評判も良くて、そのイメージを崩す訳に行かないんだろう。 例えそれが自分の気持ちを押し殺すとしても、一番大切なものを守りたいんだろうな。 ──ったくよ。どんな世界においても俺は桐乃を中心に動いちまうようになってるらしいな。 「ねえ! あんた聞いてる?」 向こうの俺について思いを馳せていると、しびれを切らした桐乃が問いかけて来る。 こっちの”俺たち”はお前ら程上手く立ちまわれないんだろうけどよ。 それでも──こっちの俺は、他のどんな世界の俺より桐乃を傍に感じているはずだぜ。 「聞こえてるっつーの。さっきの返事だよな?」 「そ。聞こえてんなら返事くらいしろって! このシスコン」 「まあな。それについては否定する気はねえ」 「今更ヘンタイの自覚すんな」 「変態はちげえだろ!? つか俺は向こうの俺じゃないからな──ただ」 「……ただ?」 「黒髪の桐乃を泣かせる事は、きっと一生無いんじゃねーか?──それが良いか悪いかは別だけど、よ」 桐乃は俺の答えに少し寂しそうな表情を見せる。 「……だよね。でも──向こうのあたしがその答えを望んでるかは、きっと違う気がする」 「望んでるかどうかじゃねーよ。正しく見える選択も、本人からすれば正しいと限らないって事さ」 桐乃は画面にそっと手を触れる。 「うん。あんたと仲が悪くなったり、離れたりして──色々あったお陰で、本音で向き合えたんだもんね」 「まあその代わりに俺の世間体は地に落ちちまったけどな」 「いいんじゃない? あんたには名声なんかより大切なものあるっしょ」 「俺の名声が地に落ちたのはお前のせいだからな!? 俺にもスーパー京介になれるチャンスが あったってのに……よし! 今からでも遅くないし、表走って来るか」 「別に走るのはいいけどさあ。あんた受験生って事忘れてるっしょ。落ちてもしんないよ」 「うっせ。しかしまあ、なんつか──こう言うのがやっぱ俺たちだよな」 「そうそう。なんかいい子ぶって仲良しやってます、なんてのは合わないってば」 お互いの顔を見合わせ、俺たちはどちらからともなく笑い合う。 相変わらず素直に言えない関係だよな。それでも、俺はこう考える。 選択肢ってのは、何も必ずベストに見えるものを選ばなきゃならない訳じゃないんだ。 最終的にベストでさえあればいい。途中にどんな障害が待ち受けたとしても、苦しんでも、 最後にお互いが納得して──幸せでありさえすればいいんだろう。 そして俺は──俺に笑いかける桐乃を見て、こう思う 俺の妹がこんなに可愛い訳がない──ってな □ 「……ねえ、向こうのあたしみたいな髪、どう思う?」 「髪を染めるのは止めとけよ。親父にどやされるのは嫌だろ?」 「うん、分かってるって」 「しかし向こうの”俺たち”って良く言い合ってんだなあ。そんなに仲が悪いのか」 「本当だよね。なんかこっちのあたし達から見たら考えられないくらい」 「……つか携帯にお互い貼ってんのかよ。ありゃさすがにヤバいだろ」 「羨ましいなあ。お兄ちゃんって心底嫌そうなんだもん」 「兄妹であんなの貼ったら何て言われるか分かったもんじゃねえって」 「兄妹なんだしヘンじゃ無いでしょ? 仲良しなだけだってば」 「兄妹だからダメなんだよ……その辺気付けって」 「ふーーーん。なんだかヘンなお兄ちゃん」 「まあいいけどな。でもさ……」 「うん、なあに?」 「向こうの”俺たち”って──凄く楽しそうだよな」 「そう、だよね。たぶん、お互いすっごく信じあってるんじゃないかな」 「おいおい。それって俺たちは信じあってないって事なのか?」 「ううん、そうじゃないよ。ただ、ね」 「……」 「あたしには分かんないケド──ううん、それ以上はきっと言っちゃダメなのかな」 「……そろそろ行こう。あんまり遅くなるとお袋たちが心配するぞ」 「そうだね。お兄ちゃんがまた怒られちゃう」 ──全くよ、どっちの俺の方が勇気があるんだろう、な。 そしてこっちの俺はいつまで妹を──桐乃を見守っていられるだろうか。俺の心の中の気持ちは 決して桐乃に知られる訳にはいかない。これが知られたら俺だけじゃなく桐乃まで……。 俺は向こうの俺──京介がとても羨ましい。 だからこそ俺は画面の向こうの俺に向けて一つの──最も大切な願いをかけ、テレビを消した。 頼んだぜ京介──お前はいつまでも桐乃を傍で見守ってやってくれよ──な。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1736.html
561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/24(月) 17 17 54.71 ID wbRD/ZoIO 「うーん・・・」 アキバの街を歩きながら、あたしは今心底悩んでいた。 頭を悩ませてるのは隣を歩く男、高坂京介。 あたしの兄であり、昨日までこ・・・恋人だった男だ。 あたしたちは色々な紆余曲折の末、お互いの卒業までという限定つきで、兄妹でありながら恋人同士になった。 数か月の短い間だったが、あたしは一生分の幸せを享受した気分だった。 昨日の卒業式をもって、あたしたちは普通の兄妹になった。 京介の心中は知らないけど、あたしは割り切ることにしてる。 京介は兄貴。 あたしの大好きな兄貴。 それ以上でもそれ以下でもない。 だから兄貴が今後誰と付き合おうが、結婚しようが・・・あたしは気にしない。 本当は心底嫌だけど。 絶対絶対嫌だけど。 それは心の奥に仕舞って、表面上は平静でいる覚悟はもうした。 それがあたしの我儘を聞いてくれた京介に対する、あたしなりのケジメのつけ方だったから。 あたしは今後誰とも付き合う気はないけど、京介がそれにつきあう必要はない。 あたしは笑って祝福してあげるのだ。 心の中で歯ぎしりをしながらでも。 ・・・ああそれなのに。 それなのに・・・。 「はあ」 「ん?どした桐乃?」 「なんでもない」 何度目かのため息に、何度目かのやり取りを繰り返す。 「そうか?」 そう言って京介はまた前を向いて歩き始める。 はあ・・・そうかじゃないっつーの。 あんたの事で悩んでんのよあたしは? 思えばあれは本当に予想外だった。 あれとは、あたしがクリスマスにダメ元で京介に告白しようと思ってた時のことだ。 たしかにあそこで京介があたしに告ってくるとか、予想外過ぎて有頂天になっちゃったけど。 結婚してくれなんて、誰かれ憚らず叫んじゃってくれて超嬉しかったけど。 ・・・おっといかん。にやけてる場合じゃない。 予想外だったのはそこじゃない。 それより前の・・・フラグ全折りに対してだ。 562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/24(月) 17 19 38.40 ID wbRD/ZoIO 「はあ」 また一つため息をついて空を見上げる。 好きな奴がいるんだ、だから付き合えない。 妹に告白するからお前とは付き合えない。 ・・・バカじゃないの? なにを真っ正直に全部ばらしちゃってんだか・・・。 ・・・嬉しかったけどね!! でもそれはそれこれはこれでしょ? なに自分の将来の可能性、片っ端からぶっ潰してんだこのバカ。 あたしと別れた後、京介のことを好きな誰かとくっつくと思って覚悟してたのに。 その心配を根こそぎひっくり返す超ド級のバカだったなんて、あたしの認識はまだ甘かった。 ホントどーすんのよあんた? 今後こんなにモテることなんてあんたに・・・あるのかもしんないけどさあ、それでもここまでの美少女揃いの環境は2度と来ないよ? 黒猫あやせ加奈子櫻井さん・・・まなちゃん。 あたしだって覚悟は決めたけど、あたし並みに可愛い子じゃないと素直に祝福なんてできないよ? あんたがとった御鏡さんへの態度以上に嫌なやつになっちゃうよ? わかってんの?このノー天気バカ。 「・・・はあ」 「なあ、やっぱおかしくないかお前?」 「なんでもないってば」 覗き込んでくんな!顔近い! 「ちょっと考えごとしてるだけ」 「ふーん?いつもみてーに人生相談してこねーの?」 できるかっ! 「前にあれで最後って言ったっしょ。もうしないっつの」 「ふーんそっか」 ふーんそっか、じゃない!! なんでこんなに平然としてんだかこいつは! 今の自分の立ち位置を、ぜんっぜんわかってない絶対に! 今のあんたは『告白してきた子全員ガン振りして実妹と付き合った挙げ句昨日別れた男』なんだよ? うわ・・・考えただけで涙出てきた。 三重苦にも程がある。 にもかかわらずこいつは・・・鼻歌なんて歌いながらメイド喫茶への足取りも軽く歩きやがって。 悩んでるあたしがバカみた・・・ 「あ。おい桐乃」 「あ?なに?」 チュ。 563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/24(月) 17 24 11.13 ID wbRD/ZoIO 「・・・」 え? ・・・・・・えーっ!? 思わずズサリと後ずさる。 今のなに?今のなに今のなに今のなに!?いいいい今の・・・今のはーっ!! 「ああああんたキスしたな!?」 「したけど?」 なにしれっと言ってんだーっ! 「な、なんなに、なにすんのよっ!?き、昨日別れたでしょ!?や、約束はっ!?」 「別にいいじゃねーか」 「い、いいわけあるかっ!け、ケジメつけなきゃっ・・・ダメじゃん」 そう。ケジメをつけなきゃなんだよ。 もうこれ以上はおままごとじゃ済まないんだよ。あたしも・・・あんたも・・・。 「あーなんだ。難しい顔してると思ったらやっぱそのこと考えてたのか」 そんなあたしの胸の裡を読んだのか、やれやれといった風情で京介が首を振る。 「いいか桐乃?」 京介はいつものように優しい笑顔を浮かべたまま、あたしの両肩に手を置いた。 「いい言葉を教えてやる。人生相談並みにいい言葉だ」 そうしてあたしを抱きしめると、耳元でこう囁いた。 「いいんだよ。兄妹なんだから」 ・・・これが魔法の言葉。 564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/24(月) 17 25 12.57 ID wbRD/ZoIO 「兄妹仲良くしてて問題はない」 あたしの覚悟を根こそぎ吹き飛ばした軽やかな突風。 「一生一緒に暮らしてもいいんだ。兄妹なんだから」 そしてあたしをこの後ずっと縛り続ける・・・優しい鎖。 『兄妹だから』 これはあたしたち二人だけにしか使えない言葉。 他の人がどんなに欲しがっても絶対に手に入れられない二人だけの絆。 そっか。 あたしたちはもうかけがえのない絆をもってたんだ。 「・・・それだけで全部済ますつもり・・・?」 「おう」 力強い言葉と抱きしめる腕に、あたしは知らず涙を流していた。 「・・・今夜人生相談していい?・・・兄妹の為の・・・」 「ああいいぞ。なぜなら俺は、妹にぞっこんのバカ兄貴だからな」 その言葉に、グズッと鼻を鳴らしながら、それでもあたしは笑顔で言ったのだ。 「シスコン」 「うっせーブラコン」 そうしてあたしたちは歩き出した。 この後も続いていく、兄妹の物語の第一歩を。 END
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/200.html
17 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 07 26 58 ID 6GKp9NIiO [2/5] 「ふーん、『怪盗セイント・テール』ねえ」 チバテレビが夕方に昔のアニメを再放送するというので、あたしはせっかくだから見てみることにした。 確かに、現代のアニメを見慣れてると『セイント・テール』には、正直古臭さを感じてしまう。 でも今のあたしは、段々そのストーリーに惹かれていった。 主人公の芽美は、昼間は普通の中学生だけど、夜になると 『怪盗セイント・テール』に変身して、困ってる人達を助ける。 そんな怪盗の彼女を追いかけるのが同じクラスの男子、アスカJr.。 アスカJr.は公式設定では頭がいいことにはなってるけど そのわりにはまあ、お約束の展開とは言え、いつもセイント・テールに逃げられてばかり。 でも、アスカJr.は、ひたむきにセイント・テールを追いかけつづけている。 「・・・なんだろう、なんか、うらやましい・・・」 昼間の学校での芽美とアスカJr.の仲はお世辞にも良いとは言えない ささいなことで口ゲンカするのは日常茶飯事だ。 「・・・まるで兄貴とあたしみたい・・・」 追いつ追われつの日々のうちに二人は段々と相手のことを意識するようになり ついにはアスカJr.が芽美に告白する。 「くう・・・芽美もアスカも末永く爆発しろっっっ!!」 しかし話はここで終わらない。芽美は、自分が怪盗セイント・テールであることを隠している。 この秘密をアスカJr.に知られたら、二人の関係は永遠に引き裂かれるかもしれない。 「・・・アニキのことを、愛してるって言うのも同じだよね・・・」 そして恐れていたことは現実となる。芽美の母親からの因縁がある宿敵の手により 遂に芽美がセイント・テールであることが明らかになってしまう。 宿敵を撃退するものの、思わず大粒の涙を流してこれまでの秘密を謝る芽美。 そんな芽美をアスカJr.は優しく抱きしめてつぶやく 『気づかなくて ごめん・・・・・・』 「兄貴は、あたしの告白を、しっかりと受け止めてくれるかな?」 兄と妹との関係は、怪盗と探偵との関係よりも厳しいのはわかってる。 でも・・・あたしも、精一杯頑張ってみる・・・ どうか、兄貴とあたし達にも、神のご加護がありますように ※※※ 「なんだ、こりゃ」 京介はつぶやきながら、ドアに挟まってた紙をつまみあげる 「なあ桐乃、これはなんだ」 「なんだって、予告状じゃん、見ればわかるでしょ」 その紙には、こう記してあった 『いつの日にか、必ず高坂京介をいただきにまいります 怪盗きりりん』 「なんなんだよ、なんのゲームだ、これ?」 「全くあんたはドンカンキングなんだから。まあ、今はわからないままでいい!」 相変わらず怪訝な顔をしている兄貴を背に、あたしは軽やかに一階へと降りていった。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1909.html
590 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2014/10/10(金) 20 57 33.24 ID Px0ojeI70 『普通の妹の朝』桐,京,あ,加,大,佳,櫻 朝 目覚めると、大好きな人の香りがする。 15年、嗅ぎ続けるだけだった―――今では、あたしだけのものになった、幸せな匂い。 本当はこのままで居たいけど、そういうわけにもいかないのだ。 なにしろあたしは『普通の妹』なのだから。 あたしは京介を起こさないように、そっとベッドを抜けだした。 床に投げ出してあった服を手早く着て、静かに京介の部屋を抜け出すと―――ばったりお母さんに出くわした。 「あ、おはよう、お母さん」 「おはよう、桐乃・・・また、京介の部屋?」 「う、うん」 これは・・・ちょっとまずかったかな? お母さんは疑いの眼差しでこちらを見ているような気がする。 「ほ、ほらっ、あたしってとっても兄婚・・・ブラコンじゃん? だから、京介の隣が一番安心して寝られるっていうか、そもそもあいつだってシスコンすぎるし、 おまえが居ると安心できるんだよなーとか、マジで言うくらいだし」 「ええ、わかってるわ。わかってるから・・・お願いだから、外であまりはしゃがないでね?」 「う、うん?」 ・・・よくわかんないけど、とりあえずバレてないっぽいよね? 何故か、少し肩を落とした気がするお母さんを置いて、とりあえず自分の部屋に戻る。 あたしは運動用の服に着替え、すぐに家の外に出る。 庭に出ると、さっそく加奈子に出会った。 「おはよ、加奈子」 「おー」 「加奈子、今日も疲れてそうだね」 「まーなぁ」 あたしはストレッチをしながら、加奈子に話しかける。 「つかさ、なんか、いつも以上に疲れてそうだけど・・・何かあった?」 「昨日の夜なんだけどよぉ?」 「うん」 「オメーら一緒にエロゲーでもやってたんだろぉ?」 「う、うん?・・・!そ、そうだね」 「それを見てたあやせがよぉ、一晩中歯ぎしりしてやがんの。おかげで、うるさくてぜんぜん寝られねぇしぃ」 「た、大変だったね?」 あとで京介にメールしておこう。 「それによぉ、やっとあやせがいなくなって一眠りしたと思ったらよぉ? オメーのおやじさんが庭まで出てきてよぉ?朝までずっと愚痴り続けだぜぇ?」 お父さん、何かあったのかな?少し心配になってしまう。 「つぅかぁ『娘が息子にかかりきりな件』とかぁ『娘に甘えられている息子が羨ましい』とか言われてもよぉ?」 「そ、それでどうなったの?」 「ん?『加奈子ぉ、オヤジと半年以上話してなかったんですけどぉ』とか言ったら、泣きながら戻ってった」 お父さん、かわいそうに。 あたしはちゃんと、お父さんの事、大切にしてあげるからね。 京介の次くらいには。 「それじゃ、加奈子、ちょっと行ってくるね」 「おー」 あたしは公園に向かって走りだす。 高校入学を控えたこの時期、部活動が無い中でも力を付けていくには自主トレーニングが欠かせないのだ。 本当は、京介も一緒なら、もっと楽しいハズなんだけど・・・ でも、この後に待っている妹としての仕事を考えると、京介が居ないほうが集中出来る気がするのが悩ましい。 そうこう思い悩んでいるうちに公園に到着。 いままでのジョギングはウォーミングアップ。ここからが本番だ。 さっそく、公園のグラウンドを使って全力疾走を繰り替えす。 何度も何度も、今度こそ勝てるように・・・ 「おーい、きりりん氏ー」 練習を続けていると、なんとなく気の抜けたような声が聞こえてきた。 振り向けば、今度はウサギ型のパーカーに身を包んだ櫻井さんがいた。 「おはよー、櫻井さん」 「また練習?大変だねー」 「またっていうかぁ、毎日ですけどー」 「ま、毎日!?・・・あたしには・・・ムリだ・・・」 がっくり肩を落とす櫻井さん。 でも、これで安心しちゃいけない。 この人も黒猫、あやせに次ぐ、諦めが悪い同盟のメンバーなのだから。 「ところでぇ、櫻井さん、あたしに何か用?」 「なぁっ!?キ、キミが呼んだんじゃん!」 「でしたっけー?」 「『あたしの家に入るんならあたしに許可とってからにしてねー』って言ってたじゃん! てゆーかね?あたしは朝むちゃくちゃ弱いのにっ!無理矢理がんばって起きてきたのにっ!!!」 「あー、そうだった。すっかり忘れてたー(棒」 「キ、キミも性格悪いね。さすがに兄妹だよ!」 ふひひ。さーせんw 「じょーだん、じょーだん。ていうか、あたしはこれから練習だから、先行っててもらえますか?」 「りょーかい。・・・?」 あたしの横を通りすぎていこうとした櫻井さんの足がそこで止まる。 「高坂の・・・匂いがする」 「!?」 「体中に、付いてる・・・シャワーを浴びて出てきてるハズなのに・・・ 高坂の・・・匂いがするッ!きりりん氏の体中から、高坂の匂いがするよッ!!」 「あー、昨日は一緒だったからー」 「ち、ちくしょーーー!!!おぼえてろーーーーーー!!!」 いつもの負け惜しみを残して走り去っていく櫻井さん。 仕方ないので、あたしは追い打ちをかけておく。 「櫻井さーん。約束は守ってよねー」 「うがぁぁぁぁぁーーーーー」 遠くから聞こえてくる獣の咆哮を背に、あたしは陸上の練習に打ち込んでいく。 公演のグラウンドでは、さすがにウェーブ走やスタートダッシュの練習くらいしか出来ないけど・・・ それでも、あたしは出来る限りの事はしていく。 リアとの約束ももちろんだし、それに、好きになっちゃったからといって、簡単に京介に負けるようなことは許されない。 黒猫やあやせ、加奈子に櫻井さん達、あたしと京介の事を認めてくれてる人達にも、腑抜けた姿なんて見せたくない。 でもたぶん、本当は。 京介の事が大好きだから、あいつに相応しい妹になるんだって気持ちが一番強いのかもしれない。 30分ほど練習して、今朝の練習は切り上げる。 当然、これだけじゃ全然足りないんだけど・・・ 妹には妹の仕事が待ってるのだ。 家に帰り着くと、さすがに櫻井さんの方が先にたどり着いていた。 見れば庭の加奈子と楽しくお話しているようだ。 「ってことだからよぉ、オメーもあやせには気をつけろよぉ」 「う・・・わ、わかった」 訂正。命にかかわる深刻な話をしていたみたい。 「おー、桐乃、おかえりー」 「ただいま、加奈子」 「で、また練習かよぉ?」 「そ。やっぱり、京介の妹として、ひと通りの事は出来ないとね」 「うへぇ。ま、とにかくがんばれよぉ」 櫻井さんを伴って家に上がる。もちろん、料理の練習の為だ。 と言っても、準備は昨日のうちに大体終わってる。 後は、鍋に入れて煮たり、焼いたり、炒めたりするだけだ。 料理の腕が壊滅的だと自覚して、これでだいたい1ヶ月。 自分で言うのも何だけど、だいぶ上達してきたように感じてる。 ひと月前とは比べ物にならない。手際よく調理を進めていく。 櫻井さんも、最近はあまり文句を言わなくなってきているし、加奈子にもボロクソに言われなくなってきた。 だから、今日も半分は、一人暮らしで食生活の良くない櫻井さんに、ちゃんとしたものを食べてもらうって意味もあるんだよね。 「それにしてもさー、櫻井さんも物好きだよねー」 「いやー、きりりん氏には負けるかもねー」 「いや、そっちじゃなくって、あんなに不味い不味いって言ってたあたしの料理をわざわざ食べにくるなんてさー」 「キ、キミがっ!キミが『料理の味見しないと京介と会っちゃダメ』なんていうからじゃないか!」 「ちゃんと会わせてあげてるあたり、良心的じゃん?」 「むぐっ・・・あたしはきっと、これからも高坂兄妹に弄ばれていくんだわー」 「あー、はいはい。じゃ、まず最初の料理ね」 あたしはさっそく、ご飯&目玉焼きon野菜炒めを机の上に準備する。 「それじゃあ、いただきまーす」 さっそく、料理を口に運ぶ櫻井さん。 以前は慎重に味見をしてからだったのに、最近はすぐに口に運んでくれる。 ちょっと、自信をもっても良いのかな? 「はい、次」 味噌汁も出来上がった。 「いやー、ほんと、きりりん氏も上達したよねー」 「マジ?」 「マジでマジで」 さすがに、こう褒められると悪い気がしない。 もちろん、京介も褒めてくれるんだけど、あいつ、あたしに気を使っちゃうし。 その点、櫻井さんや加奈子って、遠慮無く本音を言ってくれるから助かるんだよね。 「ふいー、ごちそうさまでした!」 「どういたしまして」 さて、ご飯を食べ終わってタイミングもちょうど良い。 「それじゃ、これ、デザートね」 「おおっ!スイーツまで準備してるなんて、すげーよきりりん氏。つか、これ、桜餅?けっこー手間かかってない?」 まーね。 今までのと違って、これは完全新作だし。 「それじゃ、いただきまー・・・・・・・・・・・・・・・zxふぃsgkぁえいgfが!?・・・・・・・・・」 「あっ!櫻井さん!!櫻井さん!?・・・」 返事がない。ただのしかばねのようだ。 まあ、とにかく、これは大失敗だったということで。京介には食べさせられないっと。 ・・・それにしても、何が失敗だったのかな? まさか赤みをつけるために使ったハバネロパウダーが原因なわけないし・・・ お砂糖入れすぎたのかな? 「おっ、いい匂いだな」 そうこうしているうちに、京介が起き出してきた。 「うむ、桐乃もかあさんに負けないな」 お父さんも匂いにつられて出てきたみたい。 「さあ、それじゃあ、みんなでいただきましょう」 お母さんも、加奈子も、あやせも一緒。 「それじゃあ、いただきます」 なんか不思議な感じだけど、やっぱり、自分で作り始めたからかな? 以前とは違って、京介の妹としての自覚がしっかり出来てきた気がしている。 「はい、京介。あーん」 「あーん」 妹として兄のお世話をするこの瞬間。 心の底からの幸せに、やっぱり、あたしは妹なんだなーと強く思う。 だって、他の人のお世話をしても、どんなに褒められても、こんなに嬉しいことはないんだもん。 周りを見ると、みんないつもより笑顔だし、あやせも加奈子とじゃれあって楽しそう。 あたしはなんだか恥ずかしくなって、京介と見つめ合ってしまう。 あたしは、京介の目に吸い込まれるように、唇に熱いキスをした。 これが、あたしの、普通の妹の朝だ。 もちろん、お昼も夕方も夜も、こんな感じで普通に過ごしている。 京介とイチャイチャなんかせず、ごく普通に、一日一日、幸せな毎日を。 End. ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1406.html
128 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/24(金) 18 52 07.78 ID /FeLy/Vr0 [3/4] 125 112からのネタで微うへぇ成分を提供してみよう。 遊園地にて 桐乃「あ、メリーゴーランドがある」 京介「メリーゴーランドか。 ずいぶん長い間乗ってないな」 桐乃「そうだね。 前に乗ったのってデパートの屋上が最後だっけ?」 京介「そうだったか?」 桐乃「そうだって。 あんたあそこのカバというかムーミンというか四不象みたいなのがお気に入りだったじゃん」 京介「ああ、そうだったそうだった。 おまえは白馬が好きだったよな。 あのカバのすぐ後ろにあったヤツ。 乗るたびにガンバレガンバレって言ってた」 桐乃「そんなことも言ってたような……」 京介「せっかくだし乗っていくか?」 桐乃「ちょっと子供っぽいけど……まあ、童心に帰るのも悪くないか」 京介「おまえ、遊園地に着てからずっと童心に帰りっぱなしだけどな。 さて……せっかくだから俺はこの白いカバを選ぶぜ!」ノリノリ 京介「桐乃はどれに乗るんだ? やっぱりすぐ後ろの白馬かって……おわっ!」 ぎゅっ 京介「き、桐乃!? なんで一緒のところに乗るんだ!?」 桐乃「子供の頃のあたしは気づかなかったけど…… メリーゴーランドだと、いつまでたっても京介の背中に追いつけないじゃん?」 135 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/24(金) 20 38 23.95 ID /FeLy/Vr0 [4/4] 128 あやせ「桐乃とお兄さん、一体いつまで乗るつもりなんでしょう? すぐ後ろにわたしがいてもまったく気づいていないみたいですし。 それに―」 子供「あー! お母さん! メルルがかぼちゃの馬車の上で歌ってるー!!」 加奈子「メールメルメルメルメルメルメー」 あやせ「一緒に連れてきた加奈子が勝手にライブを始めても気づきませんし」 桐京「―――」イチャイチャ あやせ「あーもう! このお馬さんは何時になったらお兄さんの背中に追いつくんですか!?」 加奈子「うーへうへうへうへうへうへぇ!」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/93.html
987 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/26(日) 09 38 26 ID 4ZZx0UiJ0 [3/3] 984 「シスカリの育成が、幼少期からできるようになったからやってみて」 「コレ、幼女ってより赤ん坊に近くないか?……こんな頃からブラコン植え付けんの?」 「ブラっ……!? ア、アンタバカじゃないの? 小さい頃がむしろ重要だし、植え付けなくても勝手になるし!」 「え」 「あー違う違うッ! とにかく早く続けて!!」 「わーったよ……ええと、行動の度にこのハートみたいなので励ませばいいんだな? ……って、おいwwwなんか成長したぞwww!?」 「妹なんだから成長もするに決まってんじゃん」 「いや、だって……うわ! また成長した!? こ、コレはマズイだろ……」 「……っ ……キモッ。やっぱり可愛がるのはちっちゃい頃だけなんだね」 「そうじゃなくて! ほら、だからその……」 「何よ、結局兄貴はもうあたしになんか……っ!」 「だから! あちこち成長して!綺麗になって!眩しすぎるんだって!直視できないだけなんだっての!!」 「!?」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1173.html
298 名前:【SS】妹属性加奈子1[sage] 投稿日:2011/09/30(金) 21 20 15.42 ID LDYsRLjz0 [1/4] 加奈子「うん、うん。りょ-かーい。アリガト姉貴、愛してるよん♪」 ガチャ あやせ「加奈子はお姉さん大好きだよね。」 加奈子「ん、姉貴には世話んなってるしナ。」 桐乃「はぁ…はぁ…はぁ…。か、か…!」 加奈子「……桐乃、オメーなんか息荒くね?」 あやせ「…どうしたの、桐乃?」 桐乃「だ、大丈夫。大丈夫なんだけどさ?ね、ねぇ加奈子?」 加奈子「あんだよ?」 桐乃「あ、アタシにさ『お兄ちゃん♪』って言って?」 あやせ「………。」 加奈子「あやせ、何で加奈子を睨むんだヨ?きめぇのは桐乃だろ。つか、何でお兄ちゃんなんだよ普通お姉ちゃんじゃね?」 桐乃「お、お姉ちゃんでもいいよ!ほら、加奈子アイドルになるんだったらこういう練習とかもさ?ね?」 加奈子「き、きめぇけど…そうなのかよあやせ?」 あやせ「そうだよ?加奈子、どっちかっていえば妹っぽいイメージだから必要だと思うな♪」 加奈子「そ、そうなのかぁ…。じゃあ、しょうがねぇケドぉ…加奈子みてぇな未来のアイドルがやってやるんだからタダじゃなぁ~~?」 桐乃「ぐっ…ら、ランチ奢るから!」 あやせ「桐乃も妹キャラでモデルやってるんだから、加奈子に『お姉ちゃん♪』ってやったらいいんじゃないかな♪」 桐乃「えっ…。」 加奈子「へぇ、面白そうじゃん。ランチとそれで手を打とうじゃねーの。」 桐乃「わ、わかったよ。加奈子、アタシがやったら絶対だかんね?絶対愛らしくお姉ちゃんって言ってよね!?」 加奈子「なんでオメー、そんな必死なんだヨ?ちょーキメぇ…。」 299 名前:【SS】妹属性加奈子2[sage] 投稿日:2011/09/30(金) 21 21 13.60 ID LDYsRLjz0 [2/4] あやせ「さ、桐乃!」 桐乃「あやせ…顔近い。」 加奈子「あやせが一番得してね?」 桐乃「じゃ、じゃあやるよ?」 あやせ「うんっ!!」 桐乃「お、お姉ちゃんっ♪」 あやせ「かわいいよ桐乃ーーーーーっ!!!!!」 桐乃「あやせ…み、耳元で叫ばないで…。」 加奈子「ちょ、あやせ落ち着けって!」 あやせ「かわいいよかわいいよ桐乃…う、うちの子になる?新垣桐乃になろうよっ!ね!ね!」 桐乃「ならないよ!こ、恐いよあやせ!光彩消えた目でほほを染めて迫ってくるのやめて!?」 加奈子「あやせぇ、桐乃が言ったの加奈子にだかんな?勘違いすんなよナ。」 あやせ「ふぅ…ふぅ…ごめんね、ちょっと取り乱しちゃったみたい☆」 加奈子「取り乱したっつーかあれキチガ…。」 あやせ「加奈子?」 加奈子「ナンデモアリマセンアヤセサマ。」 桐乃「ほ、ほら!加奈子!アタシやったからね!約束でしょ!アタシに『愛してるよん、桐乃お姉ちゃん☆』って!」 加奈子「…何か増えてね?」 桐乃「増えてないよ!ね、あやせ!」 あやせ「そうだよ、増えてないよ?加奈子ったら忘れっぽいんだから♪」 加奈子「そっかぁ。じゃあしょうがねぇなぁ。」 桐乃「wktkwktk!」 あやせ「桐乃…何を言ってるのかわからないんだけど…。」 加奈子「こほん…かなかな、桐乃お姉ちゃん大好き☆」 桐乃「くぁwせdrftgyふじこlp;@:--------っ!!」 あやせ「桐乃!?それ何語!!?」 桐乃「大好きキター!!ひゃっほぉおおおおお!!!かなかなちゃんマジ天使ぃ~~~~っ!!ふぉおおおおおおっ!!」 加奈子「き、桐乃がイカれたぁああああ!!マジきめえええええええ!!つか、息荒い!鼻血でてる!!あやせどうにかしろぉ!!」 あやせ「………。」 加奈子「だから何で加奈子を睨むんだよテメーはぁっ!!ちょ、頬ずりすんじゃねええ!」 桐乃「かなかなちゃんのお肌はもちもちマシュマロでござるなぁ~♪ふひひひひ~♪」 あやせ「加奈子、ちょっと二人でお話しようか♪」 加奈子「加奈子が一体何やったよ…?」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1237.html
904 名前:【SS】見えないガラス[sage] 投稿日:2011/11/01(火) 13 19 28.31 ID 7BkeDhva0 [1/7] あやせ「お邪魔しまーす。 桐乃の部屋に来るのも久しぶりだね。 って、ねえ桐乃!どうしてお兄さんの部屋と繋がってるの!?」 桐乃「別に兄貴の部屋と繋がってないよ」 あやせ「でも、お兄さんの部屋との仕切りがなくなってるじゃない。 向こうにお兄さんが見えるし……」 桐乃「そう見えるだけ。 知らない?新開発の『見えないガラス』。 アレを使ってるんだ」 あやせ「『見えないガラス』? 反射率を抑えて極限まで見えなくしたっていう…… 本当に何も見えないね」テクテク 桐乃「あやせストップ! このガラス薄いから触らないで。 壊れると危ないから」 あやせ「ご、ごめん! ……ねえ桐乃、どうして部屋の仕切りをガラスに変えたの?」 桐乃「深い意味はないけど……便利だからいいじゃん」 京介「おーい、桐乃。ちょっと話があるんだが」 あやせ「え?今声が通らなかった?」 桐乃「姿が見えてても声が聞こえなくちゃ不便でしょ? 音が聞こえるように穴が開いてるの」 あやせ「でもそれだと色々聞こえちゃって不便じゃない?」 桐乃「前から壁が薄くてほとんど丸聞こえだったからあんまり変わらないよ。 今行くねー」テクテクテク スッ あやせ「え?桐乃がガラスを通り抜けた?」 京介「今度旅行に行く宿なんだが……」 桐乃「こっちの方が良くない?家族風呂があるし……」 京介「ならこっちで決定だな。予約しておくぜ」 桐乃「お願いね」テクテクテク スッ 桐乃「お待たせー」 あやせ「ねえ、今桐乃壁を―」 桐乃「慣れてないあやせには見えないと思うけど、あそこにドアがあるんだ。 声が聞こえてもすぐに会いにいけなきゃ不便でしょ?」 あやせ「…………」 京介「おーい、桐乃。そういえばアレ忘れてるぞ」 桐乃「そうだったね」テクテクテク チュッ♪ 京介「それじゃあ、また後でな」 桐乃「うん!」テクテクテク あやせ「…………今のは?」 桐乃「ただいまのチュウだよ。鏡越しの。 鏡越しだから問題ないよね?」 あやせ「……ねえ桐乃、もしかして鏡なんて無―」 桐乃「それじゃあ今から二人で『しすしす』をプレイしようか! あやせが気にしてたオリジナルの方!」 あやせ「うん!そうだね!」 あやせ(なにかはぐらかされた気がするけど…… でも桐乃と一緒にエッチなゲームができるし問題ないかな? ……一応後で加奈子を埋めて監視させないと。 それと―) あやせ「お兄さん! わたしたちがゲームをしてる時にこっちを見たらブチ○しますからね!」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1138.html
764 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/09/21(水) 21 08 28.47 ID gkFmHBvw0 [11/24] タイトル:台風(ホラー風味) 台風がきているせいで、外では風がうなり声をあげバタバタと壁に雨が叩きつけられる音 がする。時折、遠くのほうで雷鳴が轟いている。 俺と桐乃は晩飯を食べたあと、リビングでくつろいでいた。親父たちは旅行先から戻れな くなり1泊してくるとの連絡があった。 「ひいいぃ~」 雷の音がするたびに桐乃は怯え、俺の胸に顔をうずめてくる。 「おまえ、雷が怖かったのかよ」 「うっさい、あたしが何怖くたっていいでしょ」 そう強がる桐乃を見ていると微笑ましくなる。普段は俺に高圧的で罵倒してくる桐乃がこ うやって雷の音に怯えて、俺にしがみついてくるなんて想像できない。 「雷は今晩中、鳴りそうだけど夜寝れるのかよ」 「ひいいぃ、どうしよう・・・・・無理かも」 「なら、今晩は俺と一緒に寝るか」 俺がそう言うと、桐乃がはっっと顔をあげ 「・・・キモ、なんてこというのよ、このシスコン」 「そうか、なら一人でがんばれ」 俺がそう言うと、今度は近くで雷鳴が轟いた。それを聞いた桐乃は再び俺の胸に顔を埋め て 「やっぱり、おねがい・・・」 と呟いた。 やれやれ、素直じゃないな。 「それじゃ、もう寝るか」 俺はそう言ってテレビを消した。画面が消えて真っ黒になった瞬間、稲光とともに消えて いるはずの画面に黒髪の少女らしき影が映った。 そうちょうど俺の肩越しに立っているかのように・・・ それを見た瞬間、驚きのあまり後ろを振り返った。しかし開け放たれたカーテンの外には 漆黒の闇が広がるだけで誰もいなかった。 「ん、どうしたの?」 「いや、なんでもない」 俺は桐乃を怖がらせないようにそう答えた。 きっと見間違いだろう。そう言い聞かせて桐乃と俺の部屋に向かった。 「あんた、変なことしたら殺すからね」 「別に変なことなんてしないよ。兄妹なんだし一緒に寝るくらい普通だろ」 「あんたが、『兄妹』って言葉使うときは、だいたいあたしにセクハラするときだから」 「変なこと言うなよ」 そんなことを冗談半分に言い合いながら、俺の部屋のドアを開けると閉めていたはずの窓 が開いており床が濡れていた。 「あれ、おかしいな。昼間に閉めたはずなの」 「あんた、ついにシスコン拗らせて健忘症になったの」 「シスコンと健忘症は違うぞ」 「・・・キモ、どっちも認めるんだ」 「まぁいい、とりあえず窓閉めて、床を拭こう。桐乃、雑巾持ってきてくれ」 「もうしょうがないな」 桐乃はそういうと雑巾を取りに部屋を出た。俺は窓を閉めて部屋を見回した。とりあえず 床が濡れている以外は特に問題なさそうだった。 「おかしいな・・・なんで開いてるんだ」 俺がそう独り言を言っていると、桐乃が雑巾を持って戻ってきた。俺たちはとりあえず濡 れた床を拭いた。 「まぁこれで大丈夫だろう」 俺はそういうと、雑巾を片付け、桐乃と一緒にベッドに入った。 「京介、体温かいね」 「あんまり、擦り寄ってくるなよ」 「いいじゃない、兄妹なんだし」 「おまえだって人のこと言えるのかよ」 「あたしはいいの妹だから、あんたは兄だからシスコン」 「まったく・・・」 俺はそういいながら擦り寄ってくる桐乃の肩を抱いた。 「そろそろ寝るか」 「うん」 そういうと俺は体を起こして電気を消した。外では相変わらず叩きつけるような雨とうなり 声のような風の音が響いている。そして時折、雷鳴もしている。 再びベッドに横になり、桐乃を抱きしめようとすると、枕元にあった携帯がなった。 携帯を確認すると、1通のメールが届いていた。 送り主は「あやせ」だ。 「ん、誰から」 「あやせからだ。何のようだ?」 それはそういうと、メールを開いた。 『お兄さん、おはなしがあります。今ベッドの下です』 ・・・・・・・・・・ 完 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1145.html
155 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/22(木) 23 39 34.01 ID QyOqKtKLP [8/8] 秋だな 庭で焼き芋して、一つの焼き芋を二人で分けてハフハフしてる京介と桐乃の様子をみたい もの凄く和めると思うんだ 356 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/23(金) 18 45 52.16 ID LWADRHdv0 [5/10] 155 遅くなった。 京介「台風が過ぎて一気に冷え込んだし、これで夏も終わり、これからは秋だな」 桐乃「そうだね」 京介「結局今年の夏もおまえと海に行けなかったな」 桐乃「なに?あんたあたしの水着姿見たかったの?」 京介「見たかった」キッパリ 桐乃「・・・・・・キモ。このシスコン」 京介「まあ、それもあるけどよ、今年の夏もあんまりおまえにかまってやれなかったと思ってな」 桐乃「仕方ないじゃん。 あんたは黒猫と付き合ってたし、そうじゃなくても受験で忙しいんだしさ」 京介「これからはおまえを一番に大事にするし、一度で受験に合格すれば来年は自由だ。 来年は一緒に海に行こうぜ」 桐乃「ん。荷物持ちとしてなら連れて行ってあげる」 京介「約束だぞ。 それと、おまえの肌が焼けると困るから、サンオイルは俺が隅から隅まで塗ってやるからな」 桐乃「~~! このHENTAIエロシスコン兄貴! ・・・・・・日焼け止めはあやせに塗ってもらうから、いい」 京介(そうなると、ラブリーマイエンジェルも一緒に海! さらに桐乃とあやせのサンオイル塗りあいが見られるのか・・・・・・! 受験に失敗するわけには行かないな)ニヘラー 桐乃「邪な考えがそのまま顔に表れてるんだけど」 桐乃(まぁ、それを力に受験を頑張ってくれるなら、少しぐらいはご褒美を上げても良い、かな?) 桐乃「ところでさ、さっきからなんか良い匂いがするんだけど」 京介「その正体はこいつだ」スッ 桐乃「焼き芋?」 京介「おう!さっき見かけて、あまりに美味そうだったから買ってきたんだ。 一緒に食おうぜ」 桐乃「本当に美味しそうな匂いだね。 あれ?一本しかないけど?」 京介「でかいからおまえ一人じゃ食べきれないだろ? 半分こしようぜ」パカッ 京介「ほらよ、こっちがおまえのでいいよな」スッ 桐乃(何気なく大きいほうをあたしのほうに差し出してるし・・・・・・) 京介「そうだ。せっかくだから皮を剥いてやるか」ムキムキ 桐乃「・・・・・・」 桐乃(あれ?京介の手、赤くない? もしかしてあのお芋熱いのかな? ・・・・・・バカじゃん) 京介「剥けたぞ。 熱いから気をつけろよ」スッ 桐乃「ん・・・・・・」 桐乃(やっぱり、結構熱いじゃん) 京介「・・・・・・」 桐乃(あんなに手を赤くしてるのに、全然気にしない振りしちゃって・・・・・・ 格好つけなくったっていいのに) 桐乃「ふ~ふ~。 あ~ん」パク 桐乃「もぐもぐ」 京介「どうだ?」 桐乃「とっても甘くて・・・・・・胸がすっごく温かくなったよ」 366 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/23(金) 19 29 41.90 ID ATE7x1ZO0 [1/3] 桐乃「せっかくだからあんたの皮むいてあげるよ」 369 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/23(金) 19 39 18.59 ID LWADRHdv0 [8/10] 366 続きをご所望か。 京介「それじゃあ俺も食べるか」ムキムキ 桐乃「あ、あたしが剥いてあげる」ヒョイ 京介「こら!勝手に持っていくな! おまえが火傷したらどうするんだ!」 桐乃「そういうあんただって、手を赤くしてるじゃん」 京介「ぐぅっ。 俺はいいんだ、兄貴だからな。 でもおまえは駄目だ。妹だからな」 桐乃「ふん。そういうの気に入らないんですけど。 それにあんたがあたしの向いてる間にだいぶ冷めたから、火傷なんかしないし」ムキムキ 京介「むぅぅ」 桐乃「ほら、剥けたよ。 手も火傷してないでしょ?」 京介「そうだけどよ・・・・・・」 桐乃「それと、あんたひとつ忘れてたことあるから」 京介「忘れてたこと?」 桐乃「画竜点睛を欠くって言葉知らない? いくらあたしが火傷しないように気を使ってても、熱いまま渡したら口の中火傷するかもしれないでしょ?」 京介「それくらい自分で冷ますだろ?」 桐乃「冷まし具合が足りないかもしれないじゃん。 だからさ」 ふーふー 桐乃「ちゃんと十分に冷ましてから渡すこと!」 京介「お、おう」 桐乃「わかったらボーっとしてないで、ほら、あ~ん」カァァ 京介(あ、『あ~ん』だと・・・・・・ いいのか?) 桐乃「・・・・・・早くしなさいよ」ジー 京介「あ、あ~ん」 ぱく 桐乃「どう?」 京介「本当に甘くて熱いな。 胸の中がホッコリと温かくなってくる」 桐乃「これであんた、手だけじゃなくて、顔も真っ赤になっちゃったね! ほら、もう一口食べる?」 -------------