約 431,432 件
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/423.html
76 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/03/15(火) 17 33 20.00 ID xTw9e81VP 京介「くっ、最近はアレ(桐乃抱き枕)がないと安眠できないのにまさかコーヒーをこぼしてしまうとは…… とりあえず洗うにしても今日は無理だな。どうすっか…」 桐乃「あーもう! ここんところアレ(京介抱き枕)のおかげでぐっすり眠れてたのに! ジュースこぼしちゃうなんて最悪!! アレがないと何だか熟睡できないしどうしようかな……」 京・桐「「………!! ティンときた! 抱き枕がないならアイツに抱き枕になってもらえばいいんじゃん(じゃねえか)!!」 京介「ということで抱き枕になってくれ桐乃!」 桐乃「というわけだから兄貴抱き枕になってよ!」 京・桐「……」 京介「目的は同じか。じゃあ何も問題ないな」 桐乃「そうね。何も問題ないわね」 京介「それじゃ桐乃、いくぞ」 むぎゅっ 桐乃「んぅ……あんたもいいわね」 ぎゅうぅぅ 京介「んじゃあおやすみ。桐乃」 桐乃「うん。おやすみ兄貴」 京・桐((……なんか間違ってる気がするけど……気持ちいいし、ま、いっか。今日はよく、眠…れ……そう……)) -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1594.html
345 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/05(月) 23 16 06.51 ID whqEIicsP ナイフとフォークは無理だったがフォークとスプーンだとこうなった とあるレストランにて 桐乃「ねえ、そのパスタおいしい?」 京介「ああ、うまいぞ。さすが御鏡一押しだけあるな 桐乃のそのピラフはどうなんだよ?」 桐乃「おいしいよ。この味付けは結構好み。それよりさ」 京介「ん?」 桐乃「あたしにもちょっとくれない?」 京介「別にかまわねえけど、お前スプーンじゃん。どうやって食うの?」 桐乃「あんたが食べさせてよ」 京介「・・・マジデ?」 桐乃「だってしかたないじゃん。わざわざフォーク持ってきてもらうのも面倒でしょ。 あんたが食べさせてくれたほうが早いんだし、さっさとしてよ」 京介「し、しかしだな・・・(こんな公衆の面前でそんな恥ずかしいことできっか!)」 桐乃「食べさせてくれたらあたしのピラフもあたしが食べさせたげてもいいよ?」 京介「さあ桐乃口を開けろ。あ~~んだ!」 桐乃「何いきなり張り切ってんのよこのシスコン! あ~ん」 そのまま食べさせあいは料理がなくなるまで続いたとかつづかなかったとか -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/211.html
573 名前:アニメと原作と【ss】 1/2[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01 11 26 ID w5JMktb4P [1/3] 桐乃(ア)「受験のシーズンだね」 桐乃{原)「そうだね、なんて他人事みたいに言うけどあたしらだって今年受験じゃん」 桐乃(ア)「原作時空ではねw」 桐乃(原)「原作時空w確かにそうなんだケドw」 桐乃(ア)「原作っていえばさ」 桐乃(原)「?」 桐乃(ア)「アンタはアメリカ留学したんだったよね」 桐乃(原)「そういうアンタはやめたんだっけ」 桐乃(ア)「まあ、ね。」 桐乃(原)「アンタも無茶するよね。殴りかかったうえに最後頭突きで気絶させちゃったんでしょ? ま、どうせあのバカ兄貴の自業自得なんだろうケド」 桐乃(ア)「あの時はあたしも頭に血がのぼってたって言うか!し、仕方ないじゃん!兄貴があんなこというから悪いんだし!」 桐乃(原)「言いたいことはわかるけどさあ、あの兄貴だよ?期待するだけ無駄じゃん」 桐乃(ア)「……だよねー。ほんっとあのバカ兄貴は……」 桐乃(原)「でもさ、あの後なんかあったの?留学やめるなんてどう考えてもいきなりすぎなんだけど」 桐乃(ア)「そっか、そこまでは見せてないんだっけ……ちょっと恥ずかしいけどアンタなら話してもいいかな?自分だもんね 実はねゴニョゴニョ……」 桐乃(原)「フンフン、…え!?嘘!?あの兄貴が!?」 桐乃(ア)「でね……だから………というわけ」 桐乃(原)「そ、そっか。あの兄貴が……まあ、でもわかんなくもないかな?あ、あたしのときも似たようなもんんだったし?」 桐乃(ア)「留学やめて帰ってきたときの話?」 桐乃(原)「そ!あ、あたしがいなくって超さびしいとか、死ぬかもしれないってキモくない?」 桐乃(ア)「うっわ、それキモイ!超キモイ!やっぱ兄貴ってどこいってもシスコン!変態!!」 桐乃(原)「だよねー。ドンだけシスコンなんだっつの」 桐乃(ア)「でも、それで張ってたものがプツンって切れちゃったんでしょ?」 桐乃(原)「あー、やっぱわかる?」 桐乃(ア)「だって自分だし」 桐乃(原)「それもそうだね」 桐乃(ア)「……」 桐乃(原)「……」 576 名前:アニメと原作と【ss】 2/2[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01 12 20 ID w5JMktb4P [2/3] 桐乃(ア)「…そっちは今色々大変なことになってるみたいじゃん?」 桐乃(原)「ま、ね。そういうそっちはどうなの?」 桐乃(ア)「こっちは……おおむね良好?っていうか。少しだけ素直になれたかな?って思う。あたしも、兄貴も」 桐乃(原)「兄貴も?」 桐乃(ア)「うん。あいつも素直じゃないっていうか。ちょくちょく「人生相談」って言ってあたしが連れまわすんだけどさ」 桐乃(原)「……」 桐乃(ア)「めんどーだめんどーだと文句言いながらニヤニヤしてんの。キモイよね、ほんっと」 桐乃(原)「……いいな」 桐乃(ア)「……」 桐乃(原)「…あ! い、今のは違くって!え、えーと」 桐乃(ア)「別に隠さなくたっていいじゃん。あんたはあたし、あたしはあんた。そうでしょ?」 桐乃(原)「……うん」 桐乃(ア)「ちょっとだけ素直になればいいんじゃない?あいつバカだし。言わないと何にも伝わんないし」 桐乃(原)「………」 桐乃(ア)「…アンタには頑張って欲しいんだよね」 桐乃(原)「え?」 桐乃(ア)「あたしはさ、高校行ったら留学するつもりなんだ。あんたが一度諦めた道をいこうってこと」 桐乃(原)「それって……」 桐乃(ア)「うん、多分アンタが考えてる通りかな」 桐乃(原)「…諦めるの?」 桐乃(ア)「そういうのとはちょっと違うかな…あたしは今に満足しちゃってるから。アンタと違って」 桐乃(原)「あたしは…」 桐乃(ア)「仲のいい兄妹。それで満足しちゃったから。だから今をあたしは精一杯楽しんでんの。 この先それをずっと持っていけるように」 桐乃(原)「…あたしは、諦められない」 桐乃(ア)「うん。それでいいと思う。だからアンタにはあたしが出来なかったことをしてほしいんだ」 桐乃(原)「……うん」 桐乃(ア)「うん、よかった。それが聞ければあたしは満足かな。…そろそろ時間かな」 桐乃(原)「あ……」 桐乃(ア)「頑張ってね。今度はいつ会えるかわかんないけど、ずっと応援してる」 桐乃(原)「……頑張ってみる。あんたも、ね」 桐乃(ア)「うん!バイバイ。今度会うときは吉報を期待してるからね」 「んん……朝…?…夢、だったのかな。……ちょっとだけ素直に、言葉を伝える、か。よっし!」 素直になるのは少しだけ怖いけど、応援してくれたもんね。少しだけ、素直になってみようかな。そうと決まれば…! コンコン 「兄貴、起きてる?ちょっと話があるんだけど…」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/248.html
75 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/30(日) 18 34 15 ID 7ukgWbOS0 [1/2] 「あやせ、ちょっといいかな?」 「どうしたの?桐乃?」 学校の帰り際、あたしは親友を見つけて呼びかけた。 「ちょっと相談があって・・・ここじゃ話せないから、今からあたしの家に来てくれる?」 「う、うん。いいけど・・・そんなに大事な話なの?」 なんだか、すごく不安そうな顔してる・・・ そうだよね。家にはあいつがいるもんね。でも――― 「うん。とっても大事な話・・・あやせじゃないと、話せないから。」 「わかった。桐乃がそこまで言うんだから、とっても大切な話なんだよね? それじゃあ、一旦家に帰って準備してくるね。」 「う・・・ん?」 準備・・・?何の・・・? 着替えってコト・・・だよね? あやせはあたしの一番の親友なんだけど、たまに・・・ ごくごく稀~に、思いつめちゃう事があるから、ちょっと心配だったりもする。 でも・・・あたしのこと思ってくれてるんだもんね。 あたしの、今の悩み事・・・それはあまりにも大事な事で、とても人には話せない・・・ でもっ・・・あやせはあたしの趣味も、受け入れてくれた・・・ もしかしたら、この相談で、今度こそ本当に嫌われてしまうかもしれない。 でも、もう隠し事は嫌っ。 あやせにも、あたしの気持ちわかって欲しい・・・ そんな事を考えながら帰宅した。 部屋に戻ってからも、あたしは同じことを何度も考えてしまう。 あやせに嫌われたらどうしよう・・・でも、本当の事を話したい・・・ 何度も何度も、頭の中でぐるぐるして・・・ もう何百回だろう、と思った頃――― ピンポーン そうだ。もう賽は投げられたのだ。 「桐乃。遅くなってごめんなさいっ!」 「ううん、あたしが話を聞いてもらうんだし、全然いいよ。」 「本当にごめんなさいっ。でも、どうしてもやらないといけない事があって・・・」 「い、いいって。」 何か他に用事があったんだろうか?悪い事しちゃったな。 「それより・・・兄貴が帰ってくる前に話しちゃいたいから、早く行こ?」 「お兄さんはこないよ?」 「・・・・・・え?」 「ううん。何でもないよ?」 ・・・今、何かすごい怖い事を聞いた気がするけど――― と、とりあえずっ、あたしの用事からっ・・・ 兄貴の事は・・・後でなんとかなる・・・よね? あやせを連れて部屋に入ったあたしは、念のため、部屋の鍵をかける。 「それで・・・桐乃?どんな問題があるの?やっぱり、お兄さんが問題なの?」 「その・・・直接の原因じゃないんだけど・・・」 「そう、やっぱり、私があれだけ忠告したのに桐乃に手を出したんだ・・・」 「そ、そういうことじゃなくってっ!」 「ううん、いいの。桐乃はやさしいからお兄さんをかばいたいんだよね? でも、大丈夫。今、お兄さんは抵抗できないから、すぐにブチ殺してくるからね?」 「ま、待ってっ!!!」 い、今!?マジで殺そうとしてなかった!?・・・というか抵抗できないって!? 「あ、兄貴が問題じゃなくってっ!あたしに問題があるのっ!」 「・・・どういうことなの・・・?」 あたしは今・・・ルビコン川を渡る・・・ 「あたし・・・前から兄貴のパンツが大好きで、いつもくんかくんかしていて・・・」 「・・・・・・」 「辛いときとか苦しいとき、兄パンに顔をうずめてはぁはぁしてるだけで、ものすごく気持ちよくなって・・・」 「・・・・・・」 「そう、兄貴の体臭だけじゃなくって、汗とか、ものすごく恥ずかしいものの匂いとか、いっぱい吸って元気になるの。」 「・・・・・・そ、そう?」 すこし、あやせがあたしから離れた気がしたけどたぶん気のせい。 「ほんと、兄パンってすごいんだよ?まず、基本は普通に匂いを嗅ぐ事でしょ? それだけでもう気分がすごく良くなって、空に上っていく気分。兄パンいっぱい空飛ぶの、飛んだら落ちてくるよね? 兄パンの雨?いっぱい降ってきたら埋もれちゃうよ?兄パンの海さいこぉぉぉぉっ! それだけじゃなくて、兄パンかぶって勉強するだけで記憶力が2倍、ううん3倍になるの。兄パンマジ赤い彗星、 シャア?兄貴シャアなの?京介・アズナブル、クアトロ・京介、兄貴四倍兄パン四倍?匂い四倍とか耐えられないよぉ。 それにねっ?兄パンはくと、足も速くなるのっ!兄パンこすれて潤滑油でちゃうっ!オイルっ?兄パンオイルっ! 体中に塗りたくるのっ?この変態っシスコンっ!あたしの体にオイル塗って、海に連れてくの? 兄パン海っ!?兄パンオイルで兄パン海っ!もう、体中兄パンまみれなのっ?沢山の兄貴に囲まれてるのっ! 兄貴みんなでオイル塗るの!?兄貴オイルっ!?沢山の兄貴に犯されるの!?ダメっ!犯罪者っ! 頭フットーしちゃうよぉ。近親相姦とかマジシスコン失格!失格っ!でも兄パンないと禁断症状でちゃうよぉ・・・。 それとね、兄パンにも色々種類があってねっ!まず、洗濯後の無臭兄パン!手に入れるのは簡単で、一見初心者向きだけど、 匂いが全然しない、兄貴妄想だけで使用する上級者向け!初心者にはオススメできないっ! そして、はいた後のノーマル兄パン!風呂場で手に入る中級者向けっ!匂いも良いし、鮮度抜群っ! さらにっ、最上級者向けは、夢精の残る、スペ兄パンっ!兄貴のおかずを処分して、兄貴がオナニー出来ないように、 何度も部屋に足を運んでようやく完成する至高の一品っ!とくに、寝ている間に脱がせるのが、鮮度も良くて最高なのっ! 兄パンくんかくんか、生臭い匂いすぅぅぅぅはぁぁぁぁ。兄貴匂い濃すぎ妊娠しちゃう兄貴に妊娠させられるの!?強姦? 兄貴マジ犯罪者はぁはぁ兄貴そんなに腹ボテ見たいの!?兄貴精子で腹ボテ妊娠!? もうこんなにされたらお嫁にいけないよぉ・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ふと、あやせを見ると、部屋の一番端っこまで後退していた。 好きなもののコトだもんねっ、すこしだけ熱くなっちゃったかな? でも、ちょっとすっきりしたっ!ほんとのこと言えたしねっ! 「き、桐乃っ!・・・」 あやせは何故か引きつった笑みを浮かべている。いったいどうしたのかな? 「そっ、それでっ!そ、相談って・・・この事!?」 そっか、肝心の相談を忘れてたから、心配になったんだね。 「えとね・・・それでね・・・」 「う・・・うん・・・」 「これまでは、さっき話したみたいにくんかしてるだけで我慢できたんだけど」 「ひっ・・・」 あやせ・・・どうしたの?なんか泣きそうな顔になってるよ・・・ 「最近、それだけじゃ我慢できなくって・・・ぺろぺろしたり、はぐはぐしたりしたくなってくるの・・・ ううん、それとも、もしかして、直接・・・がいいのかなあ・・・」 「きゅう」 「あっ、あやせっ!?どうしたのっ!?突然気を失っちゃったりしてっ!」 結局その後、お父さんにあやせを病院まで運んでもらって、検査してもらった。 幸いどこにも異常は無かったんだけど・・・あたしの相談を全然覚えてくれてなかったの・・・ 学校では、今までどおり接してくれるんだけど・・・ やっぱり、もう一度、相談してみようかなっ! ―――一方、兄貴は――― 「おい、高坂・・・こんな子供の遊び場で、何やってんだ?」 「・・・赤城か・・・よく見てくれっ!この俺の有様をっ!」 「・・・ロリコンにでも目覚めたか?」 「ちげーよっ!?この手錠が見えんのかっ!?」 「・・・手錠プレイか・・・とうとうそんなとこまで行ってしまったのかよ・・・」 「ちげーってのっ!」 「じゃあ、どうしたんだ?」 「・・・美人の女子中学生に呼び出されてのこのこついて行ったら、手錠でジャングルジムに接続された・・・」 「・・・」 「・・・おいっ!無視して逃げ出すなっ!なんとかしてくれよっ!」 「とりあえず・・・お前の家族に連絡するぞ?」 「・・・ああ・・・もう、それしかないものな・・・頼んだ・・・」 この時家には誰もおらず、京介の救出は、かなり時間が経ってからであった事は言うまでも無い。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1352.html
689 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2012/01/15(日) 16 32 19.33 ID 65TiQJ8I0 [1/4] 京介「は?……記憶…喪失……?」 桐乃は病院のベッドで寝てる。しっかり息をしていて それを見ては安心する。 桐乃は台所の戸棚から皿か何かを出そうとして 椅子に乗って、ある拍子で落ちて…… そういうベタな話でよくあるが、打ち所が悪かったそうだ。 桐乃「………んん…」 京介「!! 桐乃っ?」 桐乃「………え…」 京介「おい! 大丈夫なのか?なあ!」 桐乃「……え……っと……誰?」 信じられない言葉だった。ひとまずの無事が確認できて 安心したようで、泣いているお袋を親父がなだめてる。 京介「俺だよ!京介! お前の兄貴の!」 桐乃「………?…」 桐乃は基本的な知識の記憶はあった。医者によると生活の中で 忘れた記憶の多くは取り戻せるとのことだった。 事実、一週間ほどで……見舞いに来た親父やお袋、あやせ、加奈子、 麻奈実や俺のことを…完全にではないが思い出していった。 黒猫や沙織には電話で状況を伝えると安心して泣いた。良い奴らだ。 一応、日常生活は送れる、ということで学校にも行き出した。 桐乃「行ってきまーす!」 こっちの気もしらず、部活の朝練で先に元気な声で桐乃は出て行った。 桐乃は俺のことも思い出しはしたが、当然完全ではなく ひとまず兄であること、俺がシスコンだということ (あやせによる脚色含む)は把握したという程度だ。 病院で起きてから定まってなかった 『あんた』っていう基本呼びも戻ってきた。 麻奈実「じゃあ、京ちゃんと最近仲良くなったこととかは…?」 京介「そこまで細かくは思い出してねえみたいだけど… 今のとこ、まあシスコンってことでアレだが普通に話はできる」 麻奈実「うーん……あまり急に色々思い出してもらおうとするのも 良くないんだろうけど…京ちゃんは大丈夫?」 京介「……まあ多少の違和感はあるけど、元に戻ってきてるからなぁ」 麻奈実「…そっかぁ。…うん、じゃあこれからだね~」 学校から帰りリビングに入ると、以前と同じように 桐乃がソファで雑誌を開いたまま携帯で、おそらくあやせと 談笑していた。話す時間が多いからか、 あやせやその周辺の記憶はほとんど戻っているようだ。 桐乃「ははっ! うん。わかったってw じゃーね!」 京介「……あやせか?」 桐乃「ん?…うん。今度遊びに行く話。加奈子も」 京介「そっか。まあムリはすんなよ」 桐乃「わかってるよ。仕事の話なんかも思い出さなきゃだし」 京介「…それしばらく休んだ方がいいんじゃねぇの?」 桐乃「心配ありがと。でも大丈夫だし、迷惑かけらんないし」 京介「でもなぁ」 桐乃「大丈夫だって! てかそんなだからシスコンって言われるんじゃん?」 桐乃が以前良く言ってたシスコンって言葉。 でも何か響きが違う気がすんだよな……物わかりがよすぎるっつーか。 桐乃「あ、そうだ! ちょっと訊きたいことあったんだけど」 京介「何だ?」 桐乃「あたしの稼いだお金ってどうしてるの? 貯金?」 京介「ああ…基本的にはそうだったと思う」 桐乃「あやせから聞いてさ。あたしの稼ぎって結構、凄いらしいじゃん? そーとー貯まってるってことよね?」 京介「……ああ、だけどおまえ結構使う―――」 桐乃「ああ、まあね。モデルやってるし、服多いしね」 そうだ、こいつはあのことを忘れてるんだ。信じられん。 俺は迷った末、まだ早いと思い、そのことを告げずにいた。 夜。メシを食って風呂に入って…俺は部屋に居た。 異変を感じたのは、廊下で桐乃と会ったとき ………あいつは尋常じゃない赤面だった。 京介「……どうした?」 桐乃「…へぅっ?/// あ、べ別にっ///」 京介「いやいや…明らかにおまえ何か… ……! 体調、悪いのか?」 桐乃「え? う、ううん! 大丈夫!」 京介「おまえ、無理はすんなよ! ただでさえ意味不明な 症例なんだから! ちょっとでも体調悪いなら言え!」 桐乃「う…/// いや、ホント大丈夫だから…///」 京介「だっておまえ……」 桐乃「……~~~っ! ちょっと、来て!///」 俺はぐいっと桐乃に手を掴まれ、部屋に引っ張り込まれた。 桐乃「…こ、声。おっきいって…」 京介「あ、悪い……いやでも…」 桐乃「…あんた、シスコン、なんだよね…」 京介「は? あ、ああ…そうなってる」 桐乃「なってるって……よく分かんないけど、そーなんだ。 じゃあ…ちょ、ちょっと凄いこと訊くけどさ…」 京介「え?」 桐乃「こ、ここここれなんだけど……///」 桐乃はノーパソの画面を俺の方に向けた。 その画面には『お兄ちゃん…』と言いながら…裸の… エロゲーだ。そりゃそうだ。あいつの日常だったんだから 隠すなんて方が無理って話だ。 桐乃「こっここここここここれ!/// 何? あ、あんたが 私のノーパソで、ここここれ、やってたってこと!?」 京介「ちょ、落ち着け 桐乃「ムリ! ないないない! あ、あんた妹のノーパソで、 こここんな! 妹を……っっっ!!/////」 京介「いやいやいや! いや俺もやってたけど、おま 桐乃「や!? やってたって!! 今やってたって言った? へ、変態!最低! し、シスコンどころじゃないじゃん!!」 京介「待て! ちょ、説明するから! 一回! 落ち着け!」 とは言っても落ち着くわけもなく……まあ当然っちゃ当然だが… 桐乃が落ち着くのに30分以上要した。 ……泣きそうだ。 京介「…だから……説明するから…」 桐乃「…分かった。聞く…」 京介「…気持ちは分かる…でもちょっと俺から離れ過ぎだ…」 桐乃「だ! だって…あんたが変態じゃないってまだ 証明されてないじゃん! やってたんでしょ!?」 京介「だから……ああダメだ、そもそもの話をしないとその 証明もできねえ……」 桐乃「……いいから、ここで聞く。早く説明しなさいよ…」 京介「…いいか? これから言うことは衝撃的な真実だ。 頼むから落ち着いて聴いてくれよ…」 俺はあの日のことを少しずつ、話してやった。桐乃から聞いたことを 桐乃に言うってやっぱ妙な感じだが…… 桐乃「…あ、あたしが……?」 京介「そうだ。だからそのエロゲーはおまえが買ったもんなんだ。」 桐乃「エロ、って/// ちょ、待って! あんたは? さっきやってたって…」 京介「ああ、それはな、おまえに付き合わされてやってたってことだ」 桐乃「は? あ、あたしが? この…ゲームをあんたと……?」 京介「そう、基本は借りて、っつーかおまえにやるように言われて ノーパソも借りてやってたけど、時々は2人でやってた」 桐乃「な、なん…! 止めなさいよ! シスコンだからって、 こここんなゲーム、しかも2人でって!/// 気まずいじゃん!」 京介「俺のセリフだ! てか言ったわソレ! 止まらなかったのは おまえだったんだよ!」 桐乃「……ありえない…なんなのコレ? 何で…」 京介「…全然、思い出せないのか? 他のことは少し話し聞いたら 思い出したりしてたじゃねーか」 桐乃「思い出せないわよ! だっ、これって…… え、何で? こういうのって男の子がするんじゃないの?」 京介「ああ、それは俺も訊いたんだが…… そのときおまえは『わかんない』って言ってたんだよ。 ただ、その妹キャラが可愛くて、そういうのが好きなんだと」 桐乃「……か、可愛いのは、分かるけど…」 桐乃はエロゲーについて、ほとんど記憶を取り戻してなかった。 あまり一気に伝えても、桐乃の方がパンクしちまう。 でも……ああああああぁぁぁ何だこの感覚!あの桐乃に!俺が! 逆じゃねえか…… その日はあたふたする桐乃を見て、その程度で切り上げた。 次の日の夜。桐乃が部屋に来て、顔を真っ赤にして言った。 桐乃「……あ、あの、さ。 ちょっと来てほしいんだけど」 京介「…何だ?」 桐乃「い、いいから! さっさと来て!」 桐乃の部屋へ行くと、目に入ってきたのはノーパソ画面のエロゲー。 京介「おまえ…エロゲーしてたのか?」 桐乃「っ/// ち、違う! いや、してたけど!」 京介「してたんじゃん」 桐乃「だ、だから! あ、あたしの記憶を、思い出すためによ! これ…エロゲーは! あたしにとって大事なものだったんでしょ?」 京介「あ、ああ……おまえは『愛してる』とまで言ってた」 桐乃「そんなに!?」 京介「…そうか…そうだよな、おまえにとって記憶の手掛かりに なるものかもしれないのは確かだ。……で?」 桐乃「…で? って何よ?」 京介「いや、俺を呼んだのは?」 桐乃「っ!!//////」 京介「何だ? エロゲーに関して俺はそこまで詳しくはないぞ?」 桐乃「そ、そうじゃなくて! あああああのさ、いいい、一緒に……」 桐乃「…一緒にやんない?///」 …そこまで恥じらいながら言う桐乃は新鮮だった。何だこれ? 京介「あ、ああ……いいけど」 桐乃「な……い、いいんだ。そっか、そうだよね」 京介「まあ、今まで何回かあったしな。初めは強制的だったし」 桐乃「そ、そうなんだ…」 テーブルに2人並ぶ。 そうだ、こいつは自分の記憶のブラックボックスが怖いんだろう。 確かにちょっと普通じゃないからな…こいつなりに必死なんだ。 しばらく一緒にエロゲーを進める。 京介「おまえ、あんま近づくなよ…」 桐乃「しょ、しょーがないじゃん! 画面見えないんだから! ……あんたシスコンなんでしょ? 喜びなさいよ!」 京介「いや、つってもなぁ…そのシスコンってのも何て言うか…」 桐乃「何よ! いつもあたしと一緒にしてたんでしょ?」 京介「いやいつもってわけじゃないが……」 そう言えば黒猫や沙織はまだ桐乃に会いに来てない。 何かこういうこと予想してたんだろうか。 桐乃「あやせがいっつも言ってるじゃん! あんたシスコンだから気をつけろって!」 京介「ぐ……まあシスコンなのは認める。けど一つだけ言っとくが、 あやせはちょっと極端だからな、全部本気にはせんでくれ」 桐乃「…まあ確かに? あやせはそういうとこ、あるけど…」 京介「それに一緒にって言うのは大体おまえの方だからな! 俺だってノリノリで一緒にエロゲーしてたわけじゃねぇんだぜ?」 桐乃「う、うるさい!」 京介「……まあ、いいけどよ」 桐乃「…で、でもさ……それってさ…」 桐乃がふと、改まった声になる。 桐乃「あたしが、そういうの求めてたってことだよね?」 京介「……へ?」 桐乃「だから! あたしがこういうゲームを、あんたと一緒に… 今みたいにすることをさ」 京介「…まあそうなるかもな。いや、おまえにもこういうゲームの 話をする友達がいるんだが…まだあれから会ってないもんな」 桐乃「え、そうなの?」 京介「…多分、今のおまえだとそういう話できないからな…… あいつらもおまえが記憶取り戻してからって、多分思ってる」 桐乃「じゃ、じゃあさ…あたしは基本、そいつらとこういうゲームを 一緒にしてたってこと? あんたとじゃなくて」 京介「あー…話だったらあいつらとよくしてたけど、 一緒にするってことは、ほぼなかったと思う」 桐乃「あ、そ、そう。 じゃあやっぱりあんたと…」 京介「まあすぐ隣だからな、何かのときに急にってことが多かった」 桐乃「……あのさ」 京介「何だ?」 桐乃「ノーパソにこういうのいくつか入ってるんだけど、 全部さ、その、妹モノってヤツなんだよね…」 京介「そうだな、あいつが買うのは全部そうだった。 それでさっき言ってた微妙に趣味が違う友達と揉めたりしてた」 桐乃「……何でかな?」 京介「…いや、俺が訊きてえよ」 桐乃「……ちょっとゴメン」 そう言うと桐乃は俺に抱きついた。 京介「」 抱きついた? 京介「うおああああぁぁーー!! お、おまえ、何っ///」 桐乃「だ、だってこういうことじゃん!///」 京介「ななな何言ってんだ! こういうことって?」 桐乃「あたしが買ってた…妹モノのエロゲーとさ、それを2人で 一緒にしたがってたんでしょ?」 京介「あ、おま…! ちょ、落ち着け! 一回離れろ!」 桐乃「な、何か思い出しそうだし…もうちょっと///」 京介「バカ早まるな! いいから一回離れろ!」 桐乃の肩をぐっと押して離す。 京介「い、いいか…あの時に言っておくべきだったが… おまえが妹モノのエロゲー買うのは、そんな理由じゃねぇ! おまえはな『2次元と3次元、一緒にすんな』って言ってたんだよ!」 桐乃「…2次元?」 京介「だから! エロゲーはエロゲーで、現実とは違うってことだ」 桐乃「……え、じゃあ何で? それだけじゃあエロゲーが全部 妹モノってこと説明できてなくない?」 京介「うぐ……いやそうだけど、少なくとも今のおまえみたいなことは しねーはずだ!」 桐乃「…てゆーか何? あんたシスコンじゃないの? 何で嫌がるの?」 京介「あの、な…俺は、例えばこのエロゲーの主人公みたいな…… そ、そういうシスコンじゃねえ! け、健全な兄妹の兄であって、 おまえと仲良くなりたいとかは思うが…」 桐乃「…!!/// そ、そう」 京介「だ、っだから……そもそもおまえ、『キモ』って俺のこと 嫌がってたはずなんだよ! だ、だから…」 桐乃「……あたしさ、あんたのこといろいろ訊いたよ。 あやせなんかは極端なこと言っててアレだけど… 何だかんだで、一番あんたが心配してくれてるって、分かるし…」 京介「え……いや…そうか?」 桐乃「…でさ、分かんないんだ、あたしがあんたを嫌がってたって 感覚がさ。 あ、あんた、優しいし///」 京介「な……いや…///」 桐乃「その、恥ずかしい、とかさ、あるけど……そんなのだけで 『キモイ』とか、言わない……」 京介「え…いや…」 桐乃「…でも、うん、分かった。ちょっとヘンだったね、急だったし。 ありがとう、今日はもういいよ」 京介「あ……そ、そうなのか?」 桐乃「うん…もう遅いし」 京介「そうか……じゃあ…」 桐乃「うん、ありがとっ。 おやすみ」 ……疲れた。そうか、あいつはまだ不安定なんだ。 しばらくはこんな調子で……どれくらいで元に戻るんだろうか? 京介「…………寝よ…」 照明を消してベッドに倒れると、すぐ眠りに入った。 ――――パチンっ な、何だ、いや……まさか? 痛みで目覚めて、暗闇の中、目を凝らすと…… 桐乃だ。あの日と同じ…… 京介「お、おまえ……」 桐乃「………」 京介「お、おい、桐乃? 何のつもりだ?」 桐乃「……わ、わかんない」 京介「は?」 桐乃「わかんないの…な、何か廊下であんたの部屋の前に来て ……気がついたら中に入ってて……」 ……これは桐乃の、『人生相談』の記憶がそうさせてるのか? 京介「何か、相談事でもあるのか?」 桐乃「!! ……そ、そうかも」 京介「明日じゃダメなのか?」 桐乃「だ、ダメ! ……多分」 多分て…… 桐乃はおそらく焦ってるんだろう、自分の記憶に。 京介「じゃあ、何だ? 言ってみ?」 桐乃「言ってみ、って…… ちょっと待ってよ…」 京介「待ってよって……」 桐乃「……あ、あのね! あんたはさ、あたしと 仲良くなりたいって言ったじゃん?///」 京介「あ、ああ……」 桐乃「じゃ、じゃあさ…… い、一緒に寝ても、いい?///」 京介「いっしょに………ってえええええええええ?///」 桐乃「ばか! こ、声大きいっての!」 京介「だ、だっておまえ……」 桐乃「…ね、いいじゃん? ……だめ?」 京介「だめっつーかマズいだろ? 何でそんな?」 桐乃「わ、わかんないけど! そうしたいの…… 何か記憶に関係する気がするの」 京介「一緒に寝ることが? そんなことあんのか?」 桐乃「…あたしの記憶で一番、わかんなくて、でも 大事なことがあって……さっきのエロゲーもそうだけど ……手掛かりは、あんたなの。そんな気がするの」 京介「………でもなぁ…まだおまえに話してないことはあるし それならこんなことじゃなくても……」 桐乃「わかってる。あたしも少しずつだけど思い出してる。 でも……これは今じゃなきゃダメなの!」 桐乃は引かなかった。こんな桐乃を説き伏せることは俺にはできない。 ……ということで、そう……一緒に寝ることになった。これ何てエロゲ? 俺はベッドの端で外を向いてる。 桐乃「……ね、ねえ…」 京介「な、……何だ?」 桐乃「…あんた、あたしのこと、心配した? 病院に運ばれたとき」 京介「当っっったりめぇだろ! 何してんだよ!」 桐乃「!!!/// ……ご、ごめん」 京介「…あ、いやわりぃ……今のおまえに言ってもしょうがねえか……」 桐乃「ううん、ありがと…… あの、さ。 あたしのこと嫌いじゃないんだよね?」 京介「嫌いじゃねえよ」 桐乃「!!/// ……そっか。 あの、あたしらって、前もこんな風に ……一緒に寝たことって、ある?」 京介「ねえに決まってんだ…… いや、ガキの頃とかに あったかもしれねえけど……」 桐乃「…そ、そうだよね。 おかしいよね…」 桐乃の声が、弱々しくなる。不安なんだろう。 俺は少し手を伸ばし、桐乃の頭をぽんぽん撫でた。 京介「…大丈夫だ。 まあこんくらい、付き合ってやるよ」 桐乃「ふぁ…///// う、うん」 京介「……きっと、戻るからな、記憶」 桐乃「うん……でもね、ちょっとそれも怖いんだ…… 今のあたしじゃなくなっちゃうんだよね?」 京介「ん……というか元のおまえに戻るってことだからな。 消えるわけじゃねえんだぜ? 今のおまえも、おまえだから」 桐乃「うん……でも…やっぱりちょっと怖い…… ……だからさ、あんたといるときに感じる感覚が… それだけが今のあたしを……支えてくれてるの」 そう言うと、桐乃は……俺の背中にそっと寄り添ってきた。 京介「っ!!/// お、おい……」 桐乃「ごめん/// …しばらく、こうさせて…」 京介「な……」 桐乃「……不思議… 落ち着くし…ちょっとドキドキする///」 京介「っっ!!//////」 桐乃「ねぇ… 嫌……じゃ、ないよね?」 京介「いいい嫌じゃ、ねえけど…///」 そう答えると、桐乃は更に、腕を回してきて…… 後ろから抱きついた形になった。む、胸が…… 桐乃「……あったかい…///」 京介「…ぁ……///」 桐乃「…あのさ、エロゲーの件だけど……うすうす分かってた、 あれがあたしのものだって。あたしのノーパソにあったし。 ……でね、初めはやっぱ抵抗あったけど、やってってたら… やっぱね、そういうことか、って思ったの」 京介「いや、おま……」 桐乃「ごめん、身勝手かもしれない。 でも、これが今のあたしの答え」 桐乃はそういうと……俺の首に…キスをした。 京介「ふぉあ!!?//////」 桐乃「っ////// ごめん、ヘン、だよね…?」 京介「へ、ヘンつーか///」 桐乃「…ねえ、嫌?」 京介「い、嫌っつーかっ///」 桐乃「……もうっ」 そう言うと桐乃は俺の体を、桐乃側に向けて………近い! 京介「なっ……ぁ……///」 桐乃「……ねえ、あんたは?///」 京介「あ……俺…?///」 桐乃「…あたし、今すっごい勇気出して、したんだけど//////」 京介「ぐあっ…////// ちょ、待って…」 桐乃「……あたしのこと、嫌い?」 京介「…!! そんなわけえだろ!」 桐乃「っ////// じゃ、じゃあ……」 京介「ぐ……ああっ、好きだよ!/// けど 桐乃「ほ、ホント?//////」 京介「っ! ほ、ホントだ///……けど 桐乃「いい! その後のはいいから… 今はさ」 京介「そ、そんなこと言ったって…」 桐乃「……ねえ、………して?//////」 京介「!!!!! っな!//////」 桐乃「あたしから、だけじゃん。 京介からも、さ…///」 京介「……!!」 ヤバイ。いろいろと……何か足りない、でも…… 顔を赤らめてる桐乃が目を潤ませて、俺を待ってる…… 俺は迷いに迷った末、桐乃のデコにキスをした。 桐乃「……////// ふふっ」 京介「…こ、これで勘弁してくれ…//////」 桐乃「……ダメ。 あたしまだ、そんなんじゃ足んないし」 京介「へあ!?」 桐乃「……お兄ちゃん」 桐乃はそう言うと、顔を近づけて唇が…… 俺は間一髪、首を回して避けた……というより頬で受けた。 桐乃「ん……もう……///」 京介「っ/// ききき桐乃! ストップ! 頼むから!」 桐乃「イヤ。やめない」 そして桐乃は……耳たぶを舐めてきやがった!やばいやばいやばい! 京介「ふっ!!/// ちょ、桐乃! やめっ!」 桐乃「……ねえ、お兄ちゃん… お兄ちゃんも、していいんだよ?///」 京介「!!!」 桐乃「お兄ちゃんのことが好き、大好き」 桐乃「桐乃のこと…好きにしていいんだよ?///」 その言葉は……意外にも俺を冷静にさせた。 桐乃は…俺の妹様は……上手く言えないが、 でも違うと思った。こいつには足りないものがある。 俺は桐乃の肩を持ってぐいっと俺の体から離した。 桐乃「ふぇ… で、でも、や、優しく…///」 京介「うるせえ、ちょっと来い。 人生相談だ」 俺はベッドから飛び出た。 桐乃の手を強引に引っ張って、桐乃の部屋に連れて行った。 京介「……なあ、おまえさっき俺のことを好きって言ったよな」 桐乃「ふぇ?/// う、うん…」 京介「…その言葉がおまえのどこから来てるか、はっきりは 分からねえよ。だから嬉しくないって言うと嘘になる」 桐乃「ど、どういうこと?」 京介「ただ…おまえ、さっきやってたエロゲーに影響されただろ! 一緒にしてたとき、似た展開があったよな!」 桐乃「!! そ、そうかもしれないけど」 京介「桐乃はな…そんな単純な理由でエロゲーやってたわけじゃない! これを見てみろ!」 俺は驚く桐乃を横目に棚をスライドさせ、奥の襖の戸を、開けた。 京介「見ろ、これが桐乃だ!」 桐乃「なっ……あ……これ、全部…」 京介「そうだ。この積み重ねられた全部がおまえのもんだ。 2、3個エロゲーをしてそれを再現するなんてのは、 ちゃんちゃら可笑しいんだ!」 桐乃「……って… こ、これも全部、妹の…?」 京介「そうだ! 俺もまだ知らないもんも下の方にあるぜ? 言っておくが、おまえはこれを本気で愛でてた!」 桐乃「愛でる、って…」 京介「それだけじゃない、黒猫…おまえの友達の妹と 風呂に入ったときなんか、おまえのテンションは ハンパじゃなかったらしいぜ!? もう引くくらいだとよ! おまえの妹に対する愛情はそれほどのもんだったんだ!」 桐乃「………!」 京介「俺はおまえを可愛いと思ってる」 桐乃「…へっ/// み、脈絡が…」 京介「でもなあ! 俺の妹の可愛さってのは、 そんな単純なもんのわけがねえ! 今のおまえは まだほんの一部のはずだ! 足りねえんだ、まだ!」 桐乃「!!!」 京介「そんで、それは俺もだ! だから…… さっきおまえがしてくれたことに、 そんな簡単に答えるわけにはいかねえんだ!」 桐乃「!! 京…介……」 京介「なあ、桐乃……」 俺は…桐乃を抱き締めた、強く。 桐乃「!!!////// っあんた…」 京介「…帰ってきてくれよ、桐乃…… 俺、寂しいんだ。 おまえがいねえと死んじまうかもしれねえ…」 桐乃「……!!」 京介「人生相談、いろいろあったじゃねえか… なかったことに、しないでくれ…… まだ言ってねえこともある… まだ終わってねえだろ、人生相談が……頼むよ……桐乃…!!」 気がつくと俺は泣いていた。 ……情けない話だ。 もう慣れちまった、って言うと怒られそうだけどな。 桐乃「……バカ、いつまで妹抱き締めてんのよ」 そう言うと桐乃は俺の手を振りほどいた。 京介「……すまん。 今のおまえを責めるみたいになっちまって…」 桐乃「…別に。 もういいからさ、今日はもう帰って」 京介「ああ…そうだな。 すまなかった、急にいろいろ…」 桐乃「いいっての。 あたし、やんなきゃいけないことあるから、早く」 部屋に帰ろうと、ドアに手をかけると、桐乃が言った。 桐乃「ねえ、忘れないでよ? 今のあたしも、あたしなんだからね」 京介「……忘れねえよ。 当り前だろ、忘れるわけがねえ」 翌朝。 階段を降りた玄関前……で、桐乃とぶつかった。何度目だ? 京介「わ!わり……」 桐乃「……////// き、気をつけなさいよ!」 顔を赤くして怒る桐乃と、何か懐かしい感覚。 京介「ああ、ごめん……」 桐乃「い、いいけど………あのさ、」 京介「…何だ?」 桐乃「きっ昨日の! あれ、ノーカンだから!///」 京介「は? ああ、あれか」 桐乃「お、思い出したの! 記憶、全部!」 京介「思い…って……本当か!! どうやって?」 桐乃「……ど…どうだっていいでしょ? キモ! あ~、もう! なしなし!」 京介「…そうか! よかったな、桐乃!」 桐乃「全っ然よくないんですけど! バカじゃん? あんな…/// しないかんね! もうあんなこと!」 京介「あ? ああ、そっか……まあちょっと寂しいかもな…」 桐乃「な!? 何言っちゃってんの? シスコン! キモすぎ!」 朝からぎゃあぎゃあと騒ぐ俺たち。この騒動もひとまず終わりだ。 そしてリビングのドアに手をかけて桐乃は振り返った。 桐乃「……ありがとね、京介」 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 END また長くなったし調子乗った感じがする……読了感謝。では -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1063.html
913 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 17 32 34.75 ID uGicJfDjP [9/14] 携帯とか目覚ましで京介ボイス入ってそうだな 914 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 17 39 02.00 ID 6PVtr/zG0 [7/12] 京介が直接起こしに行けばいいのに 915 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 17 47 21.62 ID WeqkIe1B0 [1/2] きりりんが先に起きないと、京介に目覚ましのキスができないじゃない! …あ、京介にキスで起こして貰えばいいのか 916 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 17 59 40.17 ID XsWK3V3y0 [4/9] 915 ガチャ 桐乃(そーっと、そーっと) 京介「すーすー」 桐乃「起きろ、京介」ボソ 京介「すーすー」 桐乃「お、起きなきゃキスするからね?」ボソ 京介「すーすー」 桐乃「起きないあんたが悪いんだからね?」ボソ 京介「すーすー」 桐乃「ホントのホントだからね?」ボソ 京介「すーすー」 桐乃「・・・・・・」ドキドキ 京介「・・・・・・」ドキドキ 桐乃「・・・・・・ あんた、起きてるでしょ」ムギュ 京介「いてぇ! 何でわかりやがった!」 桐乃「少しあたしの声を聞いたからって目が覚めるなんて、あんた本当にシスコンよね」 京介「むぐ・・・・・・」 桐乃(今度からはもっと小さな声で起こさないと・・・・・・) 京介(まさか、桐乃の匂いがしたから目が覚めたなんて言えねえよな) -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/61.html
213 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 00 46 31 ID 1UALixBRP [3/4] 209 京介「ずっと子供のままでいて!」 桐乃「はぁ!? あんたって、もしかして・・・ シスコン?」 237 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 01 51 41 ID sKIBoJeL0 [3/3] 213 京介「あ、いや、昔のお前って、なんか、もうちょっと素直でかわいかった記憶がな…」 桐乃「か、かわい・・・っ!? って、いや、今もちょー可愛いんですけど!! なにその、今は可愛くないみたいな言い方!」 京介「いやいやいや! 今だって素直じゃないけどかわ」 桐乃「あぁん? なに言ってんだか聞こえねぇっつの!」 京介「ちょっ ぐび じめないで」 桐乃「ギリギリ … ちっ」 京介「・・・ ぶはぁっ!! てめぇ、殺す気か!」 桐乃「あんたがあたしを不機嫌にさすのが悪い」 京介。oO(ですよねー シクシク) 桐乃「で? 今なら懺悔を聞いてやっても良いけど」 京介「なんだよ! 超上から目線だな! 俺さっきしゃべりかけてたのに!」 桐乃「うっさい! 早くする!」 京介「うっ… ま、まぁ、ほら、見た目は、あれだぜ? 昔よりもさらに磨きかかってると思うぜ? お前」 桐乃「えっ? あー、そう。 ふぅん… そ、それで?」 京介。oO(続き聞くのかよ! 今回の桐乃さん難易度高ぇなもう!) 京介「その… あれだな、お前よりかわいい子って中々いないよな」 桐乃「ちょっ えぇ? いや、ちょっとあんた… つーか、なにその曖昧な言い方! もーちょい具体的に!」 京介「はぁあ? 十分具体的だろ! これ以上どうしろと!」 桐乃「あっ あたしはー ほら、モデルやってるし? 超可愛いって自負してるけど? でもあんたにとってはー あたしはどのくらい可愛いかって、聞いてんのっ あくまで一般的な男子の意見を聞きたいから聞いてんだけどっ!」 京介「…お、おまえより、可愛い子にあったことない、 なぁ・・・ みたいな・・・?」 桐乃「は、歯切れ悪いなぁっ・・・ この馬鹿兄貴はぁぁ!!」 京介「ちょ、おまっ また ぐび じめないで」 京介。oO(あれ、これって、"お前が一番かわいい"って言ったのと同義じゃね…? じゃね…? ね… n・・・ ・・)Oo。。。。 桐乃。oO(ちょっと、これ、兄貴に"お前が一番かわいい"言われた!? 違わないよね!? そうだよね!? やばいってこのシスコン馬鹿兄貴! シスコンもここまで来るとさすがのあたしも困っちゃうっての!! どーしよう! このシスコン馬鹿兄貴どうしてくれよう!?) -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/717.html
47 名前:スレタイ妄想【SS】[sage] 投稿日:2011/05/21(土) 00 33 10.24 ID Tvo6Ct+YO [1/6] 6のラブリーマイエンジェルを見て妄想w ※※※ 『ギュッとして寝るだけの簡単なオ45ト』…… スレタイが破廉恥にも程があります!! 最近では桐乃スレの住人も、私のスレの連中並みに変態じみてきてますから、きっとこんなことを考えてるに決まってます…… ※※※ 俺は夜遅く、桐乃の部屋に向かった。 以前はカギが掛かっていた部屋に、今ではすんなりと入ることができる。 すやすやと寝息を立てる桐乃は、本当に可愛い。 「ギュッと抱きしめるだけの簡単なお仕事、か」 俺がそうつぶやいて、桐乃の身体に手を掛けようとしたその時 「それだけじゃないし!」 え、桐乃さん? 起きてらっしゃってたんですか? 「アンタの動きはバレバレなの。てか、夜ばいするならもっと上手くやれっての」 「夜ばいって、人聞き悪過ぎるだろ!」 「じゃあ他に何て言い様があるのか言ってごらんなさいよ!」 そう言われると返す言葉がない。 「だいたい、だいたいさあ……」 「何だよ、桐乃?」 「……妹を抱きしめたいなら堂々と昼間から来なさいっての……」 顔を紅くしながら、桐乃がつぶやく。 「そんなわけにもいかないだろ」 「ふーん、京介の意気地なし」 「何とでも言えよ」 俺は桐乃の前で拗ねて見せた。 「ごめん、怒ってる?」 「大丈夫だ、気にすんな」 「なら、仕切りなおしで。京介、あたしを抱いて…」 俺は桐乃を抱きしめた。柔らかい身体、心地よい温もり、甘ったるい匂い、そして… 「ねえ、抱いてくれた後は一緒に寝るんでしょ?」 「ああ」 桐乃の優しい声が、俺を刺激する。 「『眠る』じゃなくて『寝る』だから、わかってるんでしょうね」 「皆までいわせんな、恥ずかしい。てか、いいんだな?」 「いいよ、京介。初めてだから、やさしくしてね…」 その言葉にキュンときてしまった俺は…… ※※※ あああああっっっ!!!! きっとこんなこと考えてたんでしょ、この変態!!! いいですか、桐乃の初めてを奪うのはお兄さんじゃなくてこの私なんですから! 桐乃スレの住人が何人いるかわかりませんが、束になってかかってきても、 私は負けませんからね!! 桐乃は、私のものだと決まってるんですからね…… 「どうしたの、騒々しい」「なんでもないの、ごめんなさい」 いけない、私としたことが、興奮して取り乱してしまいました。 もう眠ります、お休みなさい。 それにしても、私とお兄さんの関係は、今後どうなってしまうんでしょうね… -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/387.html
688 名前:662[sage] 投稿日:2011/03/04(金) 21 58 23.88 ID tRz4Z2PnP [2/2] それからのこと 「あ、クマできてんじゃん!あんた」 あいつは俺の顔を指差して笑った。 「ゆ、指さすなよ!こんなとこで」 秋葉原の改札。1ヶ月ぶりの再会だ。 「おまえ、また痩せたんじゃねぇか?」 「…チッ、心配うざいんですけど」 「おまえなー、そういうこと言うの俺だけにしとけよ」 「あったりまえじゃん!バカじゃないの。仕事なくなっちゃうよ」 大人になった桐乃も口調だけは相変わらずだ。 桐乃はオートクチュールのニューヨークコレクションのために渡米し、今日帰国した。 俺の目元をのぞき込んでいるこいつは、背が伸びて、俺と同じくらいになっちまった。 今は美咲さんのエターナルと関係がある海外ブランドでモデルをしている。 見たとおりのモデルが秋葉原の改札前にいるから、人は振り返る。 「成田に迎え、よかったのか?」 「あ、いいって。いつものことだし。ニューヨークって羽田便もあんのよ」 いいから、俺の目元をのぞき込むのはやめろ。 「あのゲームできたの?」 「いや、いろいろあってな…、ってなんでだ?」 「うー、あれ作り始めてから、いっつもげそっとしてるし」 桐乃は肩をすくめた。 俺は結局こいつのせいで、ゲームメーカーで仕事をしている。パソコンも持ってなかった俺がプロデューサーだってよ。 「それよこせよ、重いだろ」 桐乃の視線をそらすためもあって、引いている荷物に話を向けた。 「あ、うん」 細い脚がみえた。 「おまえ、ちゃんと食ってたんだろうな?」 「あ?またその話ぃ?ウザいんですけど」 「おまえなあ、頑張りすぎんなよ、いくらモデルは太れないっていってもさ」 「わかってるってば、兄貴」 桐乃が降りかかった髪をかきあげる仕草をする。指に御鏡デザインのリングが見える。 「そういえばリアに会ってきたか?」 「ちょっとだけね。ほらオリンピックがあるでしょ?だからあんまり時間取れなくてさ。あたしも忙しかったし」 「ああ、そうだよな。あの子オリンピックだもんなー」 リアが日本に来て、この秋葉原で時間をすごしたことを思い出す。 そして、桐乃と走り、リアが勝ち、桐乃が負けたことも。 「キモ!なに考えてんのよ!リアのこと?」 「あたしまだ負けないんだからね!」 「こら!まだ言うか」 桐乃の頭に手を添える。昔と違って俺と同じ身長だから、やりにくくなった。 桐乃は小さく舌を出した。 「テヘッ」 アメリカ陸上界とファッション界のスターじゃなかなか簡単に会えんだろ、やっぱ。 桐乃は、高校卒業までに陸上をあきらめた。いや、国内じゃ敵なしだったのだが。まだ記録は残ってるはずだ。そして陸上の再留学で渡米もした。その時には、桐乃は心配の種がなくなっていたから、自分を存分に成長させることができた。でも、結局リアには勝てなかった。そりゃそうだ、今ではリアはメダルを期待されているほどの選手。負けず嫌いのこいつが、敗北感をどう整理したのかわからないが、携帯にかかってきたその時の電話をよく憶えている。 「おー、兄貴!元気?」 「今いそがしい。あとで電話するわ」 「いーからさ、またちょっと迎えにきてよ…」 「あ!どうしたおまえ!?」 「へへへ、思い出したか、前のこと」 ちょっとキレたよ。俺は。 「切っていいか、これ」 「おまえがいないと寂しくてたまらないっていってくんないかなー」 「ちょ、切るぞ!」 「あっ、あ、!」 切った。忙しくてイラついていた。 (そういう心配は、あの時になくなったはずだ) どうせまたかかってくると思っていたが、5分たっても携帯は鳴らない。 ツ・ツ・ツ・ツ・ツ…プー・プー・プー・プー・プー こっちからかけたが出やがらねぇ。 ツ・ツ・ツ-----! 切りやがった! ツー・ツー・ツー・… 出た。 「…なによ!あたしの電話切らないでよね!こっちがせっかくかけてやってんのに!◎△×××!」 しばらく騒いでいるようなので、少し耳から離した。 「…わかったよ。で、どうした?」 「あのさ!まったく!」 「ん?」 「たぶん陸上ダメみたいなんだよね」 「どうした、おまえらしくねぇな」 「今度はだめだね。あきらめた!しょうがない」 「そうか…」 まあ、日本でトップの選手があきらめたというのだから、素人の俺はただ聞くしかない。 「で、いつ戻ってくるんだ?」 「だーかーらー迎えにきてってば!」 「あー?今度は大丈夫だろー?」 「お願い」 電話の向こうで手をあわせる桐乃が見える。 はぁ、エロゲ買わせた時と一緒かよ… 「…あー、わかったわかった。いつがいいんだよ」 その晩親父に、電話のことを話した。親父は、そうか行ってこい、と何も聞かずに答えた。 「でさぁ、なんでアキバなんだよ」 目にクマができるくらい忙しいんですけど。こっちは。 「ここがいいの」 「え?」 「ここがいいの!」 「話なんかウチですればいいじゃん」 「いいよ、ここで」 あれから時間が流れて、桐乃と黒猫と沙織で通った店もなくなり、俺は俺でアキバの様子に少し疎くなっていた。 ここがいいと桐乃が決めたメイドカフェは、平日の午後に閑散としていた。 それにしても、目立つ目立つ。店中こっち見てるじゃんか。 「兄貴さ」 「…おまえ、その兄貴っての、明日は口にすんなよ」 「ウザ!いちいち!」 「あのなぁ、あっちはおまえのことしらねぇんだぞ。モデルみたいの連れてこられて、兄貴と来た日にゃ、びっくりすんだろ」 「…」 桐乃はムスッとしていた。 「いいじゃん、兄貴は兄貴なんだから。だいたい、あの時までどのくらい待たせたと思ってのよ!」 「いや、頼むから、明日はやめてくれ」 「うー」 「おまえ、ここでむくれんなよ」 ああ、あちこちから視線が痛いぜ。 俺は、話しながら、明日の生みの母親とのやり取り思い巡らせていた。 桐乃は、ニューヨークからの手荷物をあけて、あのアルバムを取り出した。 「おまえ、これ持ってきたのか?」 黙って、アルバムのページををいとおしそうに捲っている。 「…あんたさぁ、あたしのこと離さないなんて言ってたけど、いつまでこのままなの?」 「え?」 「せっかくね、あんたのほんとのお母さんにあいさつに行くってのにさ!」 ブウーン・ブウーン・ブウーン… 桐乃の懐から聞こえてきた。 「あ、電話。ちょっと待って」 小走りに外へ出て行った。 仕事の話なのか、桐乃はしばらく戻らない。 (おまえを離さないといってるだけじゃダメなんかね?おまえはさ) 桐乃の席にぽつんと残されたアルバム。これはあいつの宝物。 桐乃の「いつまで待たせたのか」という言葉を反芻する。 (はぁ、しかたねぇか、もうそろそろ。考えてみればあの時から決まっているようなもんだ…) 10分ほどして桐乃は戻ってきた。 「いつまでこのままなの?」そう言ったことを忘れているように見えた。 「桐乃」 「ウザ、なによ、名前なんか言っちゃって」 「御鏡にもう一個指輪頼んどけ」 「…」 桐乃は急に不機嫌になったかと思うと、店の外に走り出ていった。 「お、おい!桐乃!」 デジャブの中でしばらく探した桐乃は、近くのゲーセンで、太鼓を打ちまくっていた。 「なんなのよ!あいつ!いまごろ!」 ドン・どん・ドン 「桐乃!」 「…」 ドン・どん・ドン・ドン 「おい、桐乃!」 俺は桐乃の腕をつかんだ。 「あんた、なによ!あれでプロポーズしてるつもりなの!キモっ!キモい!」 「う」 「あんたのこと、子供の頃から好きだったっていうのしってるでしょ!あんた以外に好きな人なんていなかったんだからっ」 「…」 「それなのに…」 桐乃は泣いていた。 「待たせすぎなのよ!」 俺は桐乃を背中から抱いた。悪かった。おまえのことはちゃんと俺が守るといってるだろ。 翌日桐乃と俺は、俺の生みの母親に会い、紹介だけだったはずなのに、結婚の報告もすることになった。 もちろんその前に、今の俺の両親にも、桐乃と一緒に報告したのは言うまでもない。 親父はなぜか黙ってたけど、お袋はしっぶい顔でいろいろ言ってたな。まあ、いいじゃねぇか、あんたらの老後はこれで安泰だ。 桐乃がニューヨークに戻ってしばらくして、電話が鳴った。 「あ、兄貴?」 「あんなあ、もう兄貴ってのやめたらどうだ?」 「チッ、いちいちウザ。いいからさ兄貴、瑠璃と沙織に言っといたよ」 「お、そうか、あいつら元気か?」 「いろいろと忙しくしてた。瑠璃はMITの近くで何かやってるみたい」 「らしいな。赤城の妹と一緒だよ」 「こないだ、あいつとボストンでご飯食べたよ。沙織はパリに電話した」 「おまえと同業だっけか」 「まあね。沙織は作る方だけどね。次のパリコレで会うかもしんない」 「それより、おまえ、独身じゃないと仕事できなくなるんじゃないのか?」 「ああ、まあね。でも美咲さんとはなしてるからなんとかなるっしょ」 「そうか」 「いつにするかはあんたがきめなよ。あたしはどうせずっと待ってたしぃ?」 桐乃は、セントラルパークを見下ろすアッパーイーストサイドの高層階で、京介と話しながら、左手をかざした。 薬指には、東京で京介が頼めといった御鏡がデサインした指輪ではなく、かつて渋谷で京介にねだって買ってもらった指輪があった。その指輪は、時間がたってひどく光沢は失せていたが、幸せに微笑んでいる桐乃の小さな丸顔を映し出しているに違いなかった。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1909.html
590 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2014/10/10(金) 20 57 33.24 ID Px0ojeI70 『普通の妹の朝』桐,京,あ,加,大,佳,櫻 朝 目覚めると、大好きな人の香りがする。 15年、嗅ぎ続けるだけだった―――今では、あたしだけのものになった、幸せな匂い。 本当はこのままで居たいけど、そういうわけにもいかないのだ。 なにしろあたしは『普通の妹』なのだから。 あたしは京介を起こさないように、そっとベッドを抜けだした。 床に投げ出してあった服を手早く着て、静かに京介の部屋を抜け出すと―――ばったりお母さんに出くわした。 「あ、おはよう、お母さん」 「おはよう、桐乃・・・また、京介の部屋?」 「う、うん」 これは・・・ちょっとまずかったかな? お母さんは疑いの眼差しでこちらを見ているような気がする。 「ほ、ほらっ、あたしってとっても兄婚・・・ブラコンじゃん? だから、京介の隣が一番安心して寝られるっていうか、そもそもあいつだってシスコンすぎるし、 おまえが居ると安心できるんだよなーとか、マジで言うくらいだし」 「ええ、わかってるわ。わかってるから・・・お願いだから、外であまりはしゃがないでね?」 「う、うん?」 ・・・よくわかんないけど、とりあえずバレてないっぽいよね? 何故か、少し肩を落とした気がするお母さんを置いて、とりあえず自分の部屋に戻る。 あたしは運動用の服に着替え、すぐに家の外に出る。 庭に出ると、さっそく加奈子に出会った。 「おはよ、加奈子」 「おー」 「加奈子、今日も疲れてそうだね」 「まーなぁ」 あたしはストレッチをしながら、加奈子に話しかける。 「つかさ、なんか、いつも以上に疲れてそうだけど・・・何かあった?」 「昨日の夜なんだけどよぉ?」 「うん」 「オメーら一緒にエロゲーでもやってたんだろぉ?」 「う、うん?・・・!そ、そうだね」 「それを見てたあやせがよぉ、一晩中歯ぎしりしてやがんの。おかげで、うるさくてぜんぜん寝られねぇしぃ」 「た、大変だったね?」 あとで京介にメールしておこう。 「それによぉ、やっとあやせがいなくなって一眠りしたと思ったらよぉ? オメーのおやじさんが庭まで出てきてよぉ?朝までずっと愚痴り続けだぜぇ?」 お父さん、何かあったのかな?少し心配になってしまう。 「つぅかぁ『娘が息子にかかりきりな件』とかぁ『娘に甘えられている息子が羨ましい』とか言われてもよぉ?」 「そ、それでどうなったの?」 「ん?『加奈子ぉ、オヤジと半年以上話してなかったんですけどぉ』とか言ったら、泣きながら戻ってった」 お父さん、かわいそうに。 あたしはちゃんと、お父さんの事、大切にしてあげるからね。 京介の次くらいには。 「それじゃ、加奈子、ちょっと行ってくるね」 「おー」 あたしは公園に向かって走りだす。 高校入学を控えたこの時期、部活動が無い中でも力を付けていくには自主トレーニングが欠かせないのだ。 本当は、京介も一緒なら、もっと楽しいハズなんだけど・・・ でも、この後に待っている妹としての仕事を考えると、京介が居ないほうが集中出来る気がするのが悩ましい。 そうこう思い悩んでいるうちに公園に到着。 いままでのジョギングはウォーミングアップ。ここからが本番だ。 さっそく、公園のグラウンドを使って全力疾走を繰り替えす。 何度も何度も、今度こそ勝てるように・・・ 「おーい、きりりん氏ー」 練習を続けていると、なんとなく気の抜けたような声が聞こえてきた。 振り向けば、今度はウサギ型のパーカーに身を包んだ櫻井さんがいた。 「おはよー、櫻井さん」 「また練習?大変だねー」 「またっていうかぁ、毎日ですけどー」 「ま、毎日!?・・・あたしには・・・ムリだ・・・」 がっくり肩を落とす櫻井さん。 でも、これで安心しちゃいけない。 この人も黒猫、あやせに次ぐ、諦めが悪い同盟のメンバーなのだから。 「ところでぇ、櫻井さん、あたしに何か用?」 「なぁっ!?キ、キミが呼んだんじゃん!」 「でしたっけー?」 「『あたしの家に入るんならあたしに許可とってからにしてねー』って言ってたじゃん! てゆーかね?あたしは朝むちゃくちゃ弱いのにっ!無理矢理がんばって起きてきたのにっ!!!」 「あー、そうだった。すっかり忘れてたー(棒」 「キ、キミも性格悪いね。さすがに兄妹だよ!」 ふひひ。さーせんw 「じょーだん、じょーだん。ていうか、あたしはこれから練習だから、先行っててもらえますか?」 「りょーかい。・・・?」 あたしの横を通りすぎていこうとした櫻井さんの足がそこで止まる。 「高坂の・・・匂いがする」 「!?」 「体中に、付いてる・・・シャワーを浴びて出てきてるハズなのに・・・ 高坂の・・・匂いがするッ!きりりん氏の体中から、高坂の匂いがするよッ!!」 「あー、昨日は一緒だったからー」 「ち、ちくしょーーー!!!おぼえてろーーーーーー!!!」 いつもの負け惜しみを残して走り去っていく櫻井さん。 仕方ないので、あたしは追い打ちをかけておく。 「櫻井さーん。約束は守ってよねー」 「うがぁぁぁぁぁーーーーー」 遠くから聞こえてくる獣の咆哮を背に、あたしは陸上の練習に打ち込んでいく。 公演のグラウンドでは、さすがにウェーブ走やスタートダッシュの練習くらいしか出来ないけど・・・ それでも、あたしは出来る限りの事はしていく。 リアとの約束ももちろんだし、それに、好きになっちゃったからといって、簡単に京介に負けるようなことは許されない。 黒猫やあやせ、加奈子に櫻井さん達、あたしと京介の事を認めてくれてる人達にも、腑抜けた姿なんて見せたくない。 でもたぶん、本当は。 京介の事が大好きだから、あいつに相応しい妹になるんだって気持ちが一番強いのかもしれない。 30分ほど練習して、今朝の練習は切り上げる。 当然、これだけじゃ全然足りないんだけど・・・ 妹には妹の仕事が待ってるのだ。 家に帰り着くと、さすがに櫻井さんの方が先にたどり着いていた。 見れば庭の加奈子と楽しくお話しているようだ。 「ってことだからよぉ、オメーもあやせには気をつけろよぉ」 「う・・・わ、わかった」 訂正。命にかかわる深刻な話をしていたみたい。 「おー、桐乃、おかえりー」 「ただいま、加奈子」 「で、また練習かよぉ?」 「そ。やっぱり、京介の妹として、ひと通りの事は出来ないとね」 「うへぇ。ま、とにかくがんばれよぉ」 櫻井さんを伴って家に上がる。もちろん、料理の練習の為だ。 と言っても、準備は昨日のうちに大体終わってる。 後は、鍋に入れて煮たり、焼いたり、炒めたりするだけだ。 料理の腕が壊滅的だと自覚して、これでだいたい1ヶ月。 自分で言うのも何だけど、だいぶ上達してきたように感じてる。 ひと月前とは比べ物にならない。手際よく調理を進めていく。 櫻井さんも、最近はあまり文句を言わなくなってきているし、加奈子にもボロクソに言われなくなってきた。 だから、今日も半分は、一人暮らしで食生活の良くない櫻井さんに、ちゃんとしたものを食べてもらうって意味もあるんだよね。 「それにしてもさー、櫻井さんも物好きだよねー」 「いやー、きりりん氏には負けるかもねー」 「いや、そっちじゃなくって、あんなに不味い不味いって言ってたあたしの料理をわざわざ食べにくるなんてさー」 「キ、キミがっ!キミが『料理の味見しないと京介と会っちゃダメ』なんていうからじゃないか!」 「ちゃんと会わせてあげてるあたり、良心的じゃん?」 「むぐっ・・・あたしはきっと、これからも高坂兄妹に弄ばれていくんだわー」 「あー、はいはい。じゃ、まず最初の料理ね」 あたしはさっそく、ご飯&目玉焼きon野菜炒めを机の上に準備する。 「それじゃあ、いただきまーす」 さっそく、料理を口に運ぶ櫻井さん。 以前は慎重に味見をしてからだったのに、最近はすぐに口に運んでくれる。 ちょっと、自信をもっても良いのかな? 「はい、次」 味噌汁も出来上がった。 「いやー、ほんと、きりりん氏も上達したよねー」 「マジ?」 「マジでマジで」 さすがに、こう褒められると悪い気がしない。 もちろん、京介も褒めてくれるんだけど、あいつ、あたしに気を使っちゃうし。 その点、櫻井さんや加奈子って、遠慮無く本音を言ってくれるから助かるんだよね。 「ふいー、ごちそうさまでした!」 「どういたしまして」 さて、ご飯を食べ終わってタイミングもちょうど良い。 「それじゃ、これ、デザートね」 「おおっ!スイーツまで準備してるなんて、すげーよきりりん氏。つか、これ、桜餅?けっこー手間かかってない?」 まーね。 今までのと違って、これは完全新作だし。 「それじゃ、いただきまー・・・・・・・・・・・・・・・zxふぃsgkぁえいgfが!?・・・・・・・・・」 「あっ!櫻井さん!!櫻井さん!?・・・」 返事がない。ただのしかばねのようだ。 まあ、とにかく、これは大失敗だったということで。京介には食べさせられないっと。 ・・・それにしても、何が失敗だったのかな? まさか赤みをつけるために使ったハバネロパウダーが原因なわけないし・・・ お砂糖入れすぎたのかな? 「おっ、いい匂いだな」 そうこうしているうちに、京介が起き出してきた。 「うむ、桐乃もかあさんに負けないな」 お父さんも匂いにつられて出てきたみたい。 「さあ、それじゃあ、みんなでいただきましょう」 お母さんも、加奈子も、あやせも一緒。 「それじゃあ、いただきます」 なんか不思議な感じだけど、やっぱり、自分で作り始めたからかな? 以前とは違って、京介の妹としての自覚がしっかり出来てきた気がしている。 「はい、京介。あーん」 「あーん」 妹として兄のお世話をするこの瞬間。 心の底からの幸せに、やっぱり、あたしは妹なんだなーと強く思う。 だって、他の人のお世話をしても、どんなに褒められても、こんなに嬉しいことはないんだもん。 周りを見ると、みんないつもより笑顔だし、あやせも加奈子とじゃれあって楽しそう。 あたしはなんだか恥ずかしくなって、京介と見つめ合ってしまう。 あたしは、京介の目に吸い込まれるように、唇に熱いキスをした。 これが、あたしの、普通の妹の朝だ。 もちろん、お昼も夕方も夜も、こんな感じで普通に過ごしている。 京介とイチャイチャなんかせず、ごく普通に、一日一日、幸せな毎日を。 End. ----------