約 431,385 件
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/658.html
402 名前:【SS】休みの日 前編[sage] 投稿日:2011/05/04(水) 10 43 32.31 ID Yrkr0FpzO [7/8] ※未来の話、オリキャラ(高坂兄妹の子供)登場につきご注意を 「桐乃、着いたぞ」 すぅ…すぅ… 「あの、桐乃さん、到着したんですけど」 すぅ…すぅ… 「まったく、しょうがない奴だぜ……なあ桐乃? 座席から蹴り飛ばされるのと、いますぐ起きるのと、どっちを選ぶ?」 「……お目覚めのキス……」 何言ってんだよコイツ、そんな選択肢ねえよ!てか聞こえてるなら起きろよ!! ……チュッ…… えっ、そんな選択肢はなかっただろって? まあ諸般の事情によりって奴だ。言わせんな恥ずかしい 「もうやだこの夫婦w」 「ホントにキスしてるーw」 後ろの席から双子の兄妹、桐(とう)と京(みやこ)が囃し立ててくる。 「ほら見ろ、言わんこっちゃない」 「だって、久しぶりなんだから、いいじゃん?」 「あのなー」 「やれやれ、あとは若い者にまかせて、俺たち兄妹は先に行ってくるとしましょう」 「そうだねお兄ちゃん、じゃあパパとママも準備できたらすぐ来てね」 そう言って荷物を持って駆け出す桐と京。 ※※※ 大型連休のとある一日、俺たち家族は横浜の「海の公園」に来ている。 ここは千葉県の砂を使った人工海岸なんだが、アサリなどの貝が住み着いていて潮干狩りを楽しめるわけだ。 「パパー ママー こっちこっち!」 「今行くわよー ほら京介早く早く!」 例によって桐乃の荷物は全部持たされてるのに急かされてしまう。 しかし、車から降りた桐乃は随分と生き生きして見える。 最近の仕事はなかなか大変だと聞いてたから、いい息抜きになるだろう。 ※※※ 「アンタこんだけしか採れてないわけ?」 「こっちはマイペースでやってんの。それよりお前のほうが、がっつきすぎだってえの」 「せっかく来たんだから、上限いっぱいまで採らなきゃ損じゃん! ほら、あたしがとり方のコツを教えてあげるから」 こうして俺は潮干狩りのコツとやらを一からレクチャーされることになった。 相変わらずやる事なす事ひたむきすぎる奴だよ、桐乃は。 「サンキューな、桐乃」 「てか、今日感謝しなきゃいけないのは、あたしのほうだから…」 「ん、何のことだ?」 「あたしは今も仕事させてもらって、飛び回ってる分家庭を省みる時間が少ないじゃん。 だけど、何も文句言わずにあたしを支えてくれてる、あの子たちと、京介には 本当に感謝の気持ちでいっぱいなの。」 「そうか、俺は大丈夫だから、今日は子供たちにおもいっきり、お母さんとしての桐乃を見せつけてこいよ 今も俺たちに気をつかって、二人っきりにしてくれてるみたいだけど 内心じゃ、桐と京のほうがきっと淋しがってるからなあ 俺はここで頑張ってたくさん貝を採ってやんよ」 「うん、じゃあ行ってくるね、京介」 満面の笑みで駆け出していく桐乃。ほんと、眩しいぜ 403 名前:【SS】休みの日 後編[sage] 投稿日:2011/05/04(水) 10 44 44.89 ID Yrkr0FpzO [8/8] ※※※ 宣言とおりにいっぱいの貝が採れたところで、潮干狩りは終了。 俺たちは弁当をたいらげ、八景島へ向かう。午後はシーパラダイスで遊ぶ予定だ。 車を降りて、島に渡る橋のエスカレーターまで来ると、そこには 「あ、アンタたちどうしてここにいんのよ?」 「…っふ…もう少し気の利いた対面の挨拶はできないものかしら?」 「きりりんさん、京介さん。お久しぶりですわ」 桐乃には隠していたんだが、黒猫と沙織とは、ここで合流する約束をしていたのだった。 「わたしも来てますよ。桐乃お姉さん」 「高坂くん久しぶり!って、もう立派なパパだからくん付けは変かなw」 黒猫は妹たちも連れてきていた。 「せっかくあなたのマル顔を拝める良い機会なのだから、妹たちも連れてくることにしたのよ」 「マル顔言うな!…それにしても、アンタの妹たちだけあって、美人に育ってるよねー」 「い、いきなり何を言い出すのかしら?」 「きりりんさん、わたくしのことも見てくださいな」 「沙織は言うまでもないじゃん。沙織が月なら京介はゼニガメってとこかな」 なんだそれ、俺はスッポン未満てことかよ! 「京介さんも父親としての風格がはっきりと感じられますわよ」 「いやいや、京介はあたしが側についていないとまるで話にならないから!」 「やれやれ、あなたのエンドレスな惚気話になる前に、今後の予定を決めましょう。 私はまずアクアミュージアムに行きたいわ。父さん」 「でしたらわたくしはドルフィンファンタジーがいいですわ、父上」 「私たち姉妹と桐くん、京ちゃんはふれあいラグーンに決めたよ。高坂パパ」 「あたしは、プレジャーランド行きたいんだけど、ダメかな…京介?」 たく、全員そろってそんな目で見つめるなよ、どうすりゃいいんだ俺? と言っても優先順位はおのずと見えてくるもんだ。 「じゃあまずは子供たちの希望のふれあいラグーンからでいいな、みんな」 「その選択肢で安心したわ。さすがお父さんね。褒めてあげるわ」 「京介さんは本当によき父上ですわね」 「じゃあそうと決まれば早速レッツゴー!!」 もしかして、試されてたのか、俺は? まあ、何はともあれ、大切な友人達も加わり、ますます楽しい時間を 俺たち一家は過ごすことができそうだ。 ほんと、幸せってこういうことを言うんだろうな。 素敵な出会いの一つ一つに感謝しながら、俺はみんなと歩いていく…… -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1226.html
61 名前:いたずらしちゃうぞ【SS】前編[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 20 58 48.78 ID SJT4h3VKO [2/4] 前スレ1000からお題を頂きまして…… 「Trick or treat!」 「へっ??」 見ると、何やら黒づくめの衣装を身にまとった桐乃がそこにいた。魔女の格好か、これは? 「お菓子、ちょうだい」 「……なんで?」 「ハロウィンだからに決まってるじゃん。早く出して」 「いやいや、そんな用意とかしてないし。だいたい、俺がお前に菓子をくれって言ったらくれるのか?」 「ハァ? なんであんたにお菓子やらなきゃいけないワケ? まあいい、 あんたにイタズラするの決まったから、楽しみにしてなさいよ」 そう言いながら桐乃は部屋に戻っていくのだった。 翌朝 「わっ!!!」 突然後ろから桐乃に肩を押されたが、正直なところ、さほど驚きはしなかった。 「ふっ、その程度でビビるようなヤワな神経じゃねえよ」 「チッ」 「残念だったな。じゃあ言ってくるぜ」 学校に近づくにつれて、なんだか周囲の様子がおかしい。女子がやたらこっちを気にしてニヤニヤしてるようだが?? そうこうしてるうちに、赤城の奴が近づいてきた。 「高坂、お前って奴はぁ!!!」 「な、なんだよいきなり」 「それはこっちのセリフだ。これを見ろ!!!」 そう言って赤城は俺の背中に腕を伸ばすと何やら掴んでみせた。 「こ、これは………」 そこには 『俺は、世界の誰よりも一番可愛い妹が、大ッッ好きだぁぁぁぁぁぁーっ!』 と書かれた紙があった。 「高坂!! この前の勝負は瀬菜ちゃんが世界一可愛いってことで勝負がついた筈だ。 なのにぬけぬけと自分の妹が世界一可愛いとか……恥を知れ!!!」 「ま、待て、恥をさらされてるのは俺のほうだぞ。だいたい、こんな張り紙自分で背中に貼るやつがどこにいるんだ? これはきっと妹の仕業だ。そうだ、ハロウィンに菓子をくれなかったからとか言ってだな……」 「い、妹とハロウィンだと……」 「人の話を聞けよ」 「うるさい! 妹と楽しくハロウィンやった自慢話かよ! 俺は瀬菜ちゃんにハロウィンネタを振ったのにスルーされたんだぞ…」 何やら話がおかしな方向に進みだしたが、とにかく校内で俺(プラス赤城)が、 どうしようもないシスコン野郎であることが確定したのは確かだった。 ※※※ 「どう、あたしのイタズラは」 得意気な顔をして聞いてくる桐乃。 「馬鹿だなあ、あんなのすぐに気付いて剥がしたわ。残念だったな」 「へぇー、じゃあなんで昼休みにせなちーのところにお兄さんが会いに来て、 あんたが世界一可愛い妹を持つ兄の座を奪いやがったなんて愚痴をこぼしてたのかなあ??」 ニヤニヤ笑いやがる桐乃。 赤城のヤツ……てか、学校で瀬菜にいちいち報告する内容か、それ? 「これであたしのイタズラは大成功。とばっちりを受けたせなちーにはちょっと気の毒だったかもしれないけどねえ」 チクショウ、このまま妹にやられっぱなしかよ……待てよ、そうか! 「この借りは返させてもらうからな。お前にもイタズラしてやるから覚悟しとけ」 「えっ??」 「俺もお前から菓子を貰えなかったからイタズラをする資格があるわけだ。見てろよ、顔真っ赤になるようなことしてやるからな」 ……とまあ、桐乃の前で大見得を切ったわけだが、一体どうしたものだろうか? 62 名前:いたずらしちゃうぞ【SS】後編[sage] 投稿日:2011/10/27(木) 21 00 50.63 ID SJT4h3VKO [3/4] ※※※ 「………。」 勉強しながら、何かネタはないか考えてたんだが、これはというものが思い付かなかいまま、深夜になった。 「とりあえず、イタズラしてみるか」 俺は水性ペン片手に桐乃の部屋に向かった。桐乃の顔にヒゲでも書いてやろうと思ってた。 部屋に入ると、桐乃は熟睡していた。暗い部屋に、パソコンのモニターが光る。 「消し忘れか、仕方ねえなあ」 電源を落とそうと机に向かうと、なにやら紙と箱が置いてあるのに目が止まった。 『変なイタズラしちゃってごめん。これはあたしからのお詫びの気持ち。開けてみて あと、あたしのことを世界最高の美少女だって言ってくれて ありがとね ほんと、うれしかったんだよ、京介』 「桐乃………」 いろんな思いで胸がつまりそうになって、やっとの思いで俺は箱を開けた。 『ビョョョョーンン』 俺の視界に、なにやら緑色の丸い物体が迫ってきて、顔面に、命中した…… ※※※ 「またひっかかってやんの。ホント、あんたって単純なんだからw」 見ると、眠っていたはずの桐乃が飛び起きて、昼間のようにニヤニヤしている。 「これでまたあたしのイタズラ大成功なわけね。ねえねえ、イタズラしようとしてやり返されて、今どんな気持ち??」 あまりの急展開に、正直気が動転していた俺は、とにかく桐乃に一矢報いてやりたかった。 「ふ、ふん。これくらい読めてたさ。だいたいビックリ箱なんて古典的すぎるんだよ。それより俺はだなあ…」 「何よ、何かあんの?」 しかし、起きてる桐乃の前でイタズラ書きなんてできない。どうしたものか? ふと、頭に学校での赤城とのやりとりが浮かんだ。これをネタに行ってみるか? 「赤城の件だが、あいつは『ホッペにチュー』写真があるから瀬菜が世界一だって頑として譲らなかった」 「そ、それがどうしたっていうワケ?」 「俺は、妹が世界一だってこんな形だが広めちゃったからな。それがウソにならない為にも、赤城に勝たないといけないわけだ」 「………。」 「それには、せ、世界一可愛い妹に、キスしなくちゃいけないからな……」 自分で言った「世界一可愛い妹」って言葉で、なぜか物凄く胸が高鳴るのを感じた。 桐乃を顔真っ赤にさせるために、イタズラでキスしてやろうと思ってた。 思ってた……はずなのに……なんだろうこの気持ち…… 目の前にいる桐乃は世界一可愛い。それは間違いない。でもそれだけじゃない、それだけじゃないんだよ! つまりだな、俺は、桐乃のことが、世界一大好きなんだよ!!!」 「な、なに? 止まっちゃってさ。イタズラするの? しないの?」 「イタズラは止めた。イタズラじゃなくなっちまったからな」 「何それ?」 「俺は本気で桐乃のことが好きになっちまったからキスをする。イタズラとか勝負とかもうカンケーねえ 桐乃のことが、大好きだ……」 「……馬鹿じゃん、変なところでカッコつけちゃってさ…… いいよ 京介。キスして」 お互い初めてで、すごいぎこちなかったけど、お互いに相手を好きで好きでたまらない気持ちでいっぱいだった。 「あたしも、京介のこと、大好きだよ」 「今夜は、一緒に寝てもいいか?」 「うん。京介……」 大好きなひとの温もりを感じながら、ハロウィンの夜はふけていった…… -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/392.html
790 名前:妹の授業参観に兄が出るわけがない(とある初夏の金曜日)【全編】[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 15 57 28.08 ID hVI6kwFL0 [2/2] 妹の授業参観に兄が出るわけがない(とある初夏の金曜日) ※オリキャラ有り ――――前編―――― ・・・パァーン! とある初夏の金曜日、俺は微睡からビンタで覚醒させられた。これは間違いなく桐乃、あの野郎…、今回はガツンといてやる!! 「おい、桐乃。何度寝ている兄を深夜に叩き起こせば気が…、え、お…や…じ?」 「桐乃?深夜に?何度も?一体、何の事だ京介」 えっと、何で親父と…、お袋もいるし。どうして両親が俺の部屋に居んの? 「えーと、何度も夢の中で桐乃に起こされる夢をみて…さ、その」 「ふん、まあいい。今回はそういう事にしておいてやる」 あれ、何でこんなにあっさり引いてくれるの、実はまだ夢の中なのか? 「それよりだ、京介、頼みがある。今日はお前も知ってのとおり、桐乃の授業参観だ。だが、俺は出れん…!牡蠣に当たったようで家から出れそうにない」 どうやら、親父は不運にも昨日、家に届いた頂きものの牡蠣を生で食べて食中毒になってしまったようだ。 桐乃とお袋は当たると怖いからという理由で、かくいう俺も明日は学校の創立記念日で休みだから真奈美と1日みっちり勉強する予定があるわけで、金曜の夜にでも食べようという話になり無事だった。 「母さんに代わって出てほしいところだが、俺がこの様だ」 全身に悪寒が走る、この流れはヤバい、絶対にまずい!! でも、常識的に考えてありえないだろうと思って親父に聞いてみた。 「親父、まさか、俺に出ろと…?」 「無論だ、お前に拒否権はない」 マジかよ、ありえねー、俺が桐乃に超嫌われてるの知ってるだろーが! 「えぇー、妹の授業参観に兄が出るなんで聞いたことねーよ!」 「馬鹿者め、何を言うか。桐乃が学業に勤しむ姿を見守れる残り少ない機会なんだぞ…!ぐっ、すまん、不浄へ行ってくる…!」 腹を押さえつつ、とても情けない恰好で親父が俺の部屋を飛び出しトイレに向かっていった。 「ねぇ、京介。お父さんの願いを聞いてあげてくれない?あの人、そうでないと這ってでも行くよ、学校に」 「だがな、お袋、いくら何でもさ…」 「へぇ、京介。そういう態度を取るのね。なら、さっきお父さんが聞けなかったことを代わりに尋問しましょうか?」 「へっ!?」 「桐乃?深夜に?何度も?このキーワードから推理すると、アンタたちは深夜にア・イ・ビ…」 「んがー!!わーったよ、俺が行く。っていうか桐乃の授業参観に行かせてください、お願いします!!」 「分ればよろしい、なら、このカメラを貸すわね。でも授業中に撮ったら締め出されるから、ちゃんと授業が終わって先生の許可をもらってからにしてね!」 「えーっ、写真も撮るのかよ」 まぁ、あの親馬鹿共(桐乃限定)なら仕方ない。それに、デュフフ、ラブリーマイエンジェルも盗撮、いやいや撮影出来るじゃないか!! ほら、きっと俺が桐乃を撮影しようとしたら、あの豚を見るような目で『お兄さんのような変態に桐乃だけの写真は撮らせません』とか言って、フレーム内に割り込んでくるよね…。 なんだ、そうだよ俺、桐乃のクラスにはエンジェルがいるんだよ。 エンジェルのうなじを1時限中、見つめ続けても問題無いんだよ。グ、沈まれ、俺のリヴァイアサン!! 両親の仕掛けた超ブービートラップにより、麻奈美と朝から図書館で勉強と思っていたが予定を強制的に変更させられた。 とりあえず、牡蠣に当たって死にそうだから今日の予定はキャンセルさせてくれ、という感じのメールを送った。すぐ返事が来て、看病しようかといってくる幼馴染の優しさに罪悪感を覚えつつも、牡蠣の食中毒は感染しやすいノロウイルスの可能性があるから遠慮しておく、と返信しておいた。 本当にごめんな、麻奈美。ってか、これで桐乃の学校に行く前にあいつにばれたらどうしよう!? ふふふ、嘘の皮が剥がされるのも時間の問題だな…。 現在、イチイチゼロゴー、こちら高坂京介、妹の学校に侵入した。現在、教員用男子トイレの鏡前で最終チェック中だ。 鏡に写る超イケメンに対して、これで俺を高坂京介だと直ぐに判る人間は余程俺を見ている奴だけだ、と自画自賛している。 フフフ、やはり俺はコスプレなどしなくてもイケメンではないか! 詳細は割愛するが、親父からヘソクリ10万円を頂戴して、某所で店員にすべてを任せつつスーツ他一式&伊達メガネを購入し、グーグル先生でも評価の高い人生初体験となる美容院(極力カットしない様お願いした)を経て今に至っている。 丁度、今は昼休みが終わる直前、生徒たちが急いで教室に向かっている廊下を急く音が聞こえる。 さて、俺もそろそろ行くか、わがエンジェルの待つ部屋へ!! 教室に入り桐乃と目が合うと、こちらに向かって地響きのする位の強い歩みで近づいてきた。 「よぉ、桐乃。親父とお袋がどうしても出れなくて仕方なく…」 「ねぇ、オニイチャン。ちょっと、廊下でお話ししようか?」 今、お兄ちゃんって言ったなこいつ、豪く棒読みだったおかげで死ななかったが。なるほど、あれですか、学校だと『品行方正』でも通っていらっしゃるわけですね?ふむ、兄に残存な対応はできないと。 「ねぇ、なんでここにいるワケ…!?それに、なにその恰好…ッ!!」 小声で威圧しつつ、顔を真っ赤にして怒る桐乃。 似合わないとでも言いたいようだな!!だがな、仕方がなかった、どうしようもなかった、俺にはどうすることもできなかった…、と必死に目で訴えるが、首まで真っ赤にして全身を震わせて視線を外されてしまった。 こりゃ、絶対、後で説教だな…。 「もういい、来ちゃったものは仕方ない。あんた、絶対にジッとしてて。そんで、授業が終わったら、さっさと帰って…!!」 「へいへい、言われんでもそうするつもりですよ」 「ふん、どうだか。言っとくけど、無防備だからって、あたしを後ろから視姦したら殺す」 「…ッ、気を付けます、桐乃さん」 言いたいことを言って満足したのか桐乃は教室へ戻っていった。 さっきは場所が場所だけに声に出して言えなかったが、心の中で叫ばせてもらおう。んなこと、しねーよ馬鹿!!! 第一、視姦するなら…。ゾク…、この全身を走る悪寒は、エンジェルアイ!! 何ですかその恰好は、まるで某掲示板のキジョのAAみたいじゃないですか!! いいね、その目、グッドだよ。隠し持った彫刻刀で今にも切り刻みそうなその目…。 うん、わかるよ言いたいことは『お兄さん、とうとう桐乃の学校にまで来たんですね。そんなに学校でも桐乃といかがわしいことがしたんですか。そうですか、なら、少し頭冷やしましょうか?』だよね。 俺が本気で身構えていることを悟ったのか、あやせは恐ろしいまでの冷笑を見せつけつつ桐乃の元へ向かっていった。 ―――中編――― いきなり気の滅入る事が起きたせいで、すっかり高まっていたテンションが下がっちまったよ、クソが! 仕方ない、おとなしく見学して帰るか…。さて、教室の隅にでも居ますかね、目立たないように。 一応、桐乃の座席を確認するため、教室を見渡すと一瞬で発見した。 俺でなくてもライトブラウンの長髪だから直ぐわかるぜ。それにオーラが違うね、輝いている気がするしよ。 んっ、あいつ、何やってんだ? 桐乃は髪留めをカバンから出して手慣れた手つきでロングヘアをきれいに纏め始め、あっという間にロングヘアを束ねてアップにしやがった。 学校だと、そうしているってわけじゃなそうだ…。さっきまでは、いつもと同じく髪おろしていたし。 なるほど、あれですか、気合を入れているワケですか。 大嫌いな俺の前で無様な姿を見せないようにってか。 俺は得心し、教室の時計を確認すると、あと授業開始まで3分位だった。 …そうそう、実はさっきから気になって仕方がない事がある。言わなくても分るだろうが、桐乃の事ではない。 奥様旦那様からの視線を感じるのは仕方ないとして、どうも入室してからチラチラとこっちをのぞき見るような視線を前方から感じるわけで…。 ―ねぇ、あの隅っこの、廊下側にいる人― ―だよね、私も― ―うそー、あっ、ホントだ。結構― ―あの人、お父さんじゃ― ―でも、兄はふつう授業参観にはで― ―だれのお兄さんだろ― ―もし、そうなら私、絶対に自― うーん、何か囁いているのが聞こえる。違和感があるのは理解している。明らかに俺は浮いている。 でも、よってたかって酷いぜ、ミンナ。 両親に脅迫され、イケメン化して桐乃に見せつけてやろうと思ったら罵られ、妹の友人には殺意を向けられ、女子中学生の笑いのタネにされて…。いかん、すこし眩暈が…。あぶねぇ、後ろに壁がなかったら倒れてたぜ、マジで。 もう、良いよ。こういう目に遭っているのも、らしいことはするなっていう神からの啓示だったんだ。 俺らしく、イケメン高坂京介ではなくピエロ高坂京介として今日は立ち合おう。 心の中で葛藤していたらいつの間にか女教師@おばさまが入ってきて授業を始めていた。 授業内容は数学だった。桐乃の学校はすげぇな、これ高校一年でやる内容だぜ。あいつの学力は、日頃の授業によるところもあるんだな。俺、この学校でやっていける自信ないわ。 本当にすげぇな、あいつ。 …、と感心しきりの中、回答者に指名され、黒板にすらすらと算式記入。ふむふむ、なるほど、俺の中で出した答えと一緒だ。きっと、合っている。 「うん、正解だ、高坂。途中経過も完璧。それでは席に戻ってください」 「ありがとうございます」 沸き起こる拍手。当然、俺も拍手をした。そういえば、桐乃に向かって拍手したことなんて初めてのような…。 自席に戻る桐乃と目が合ったが、一瞬で顔が真っ赤になり、視線を外されてしまった。 『妹に向かって拍手とか超キモいっての!!もう、恥ずかしいことすんな、このシスコン!!』とでも言いたいわけね。へへん、わかってるって。 でも、そんなに怒るなよ、うなじまで真っ赤だぜ…。 ゴクリ…、ずっと黙っていたんだが、あの綺麗なうなじは反則だと思う。どうしても視線が向いてしまう。 ってか、綺麗なとか馬鹿か、俺は!! いかん、いかん、だめだ京介。あれは妹のうなじだ、ノーカンだ!! ―キンコンカンコーン。授業が終了するチャイムが鳴り響いた。 「これで本日の授業参観は終了です。生徒の親御様、お忙しい中、ご参加いただき誠にありがとうございました。」 はぁ、やっと終わった。結局、両親がきているであろう、あやせを後ろから見守ることなど出来るはずもはなく、本当に仕方なく桐乃ばかり見ていた…。 さぁて、帰るか。そういえばお袋に写真を撮ってこいなって言われてたっけ…。 常識的に考えて無理な話だし、どうやって写真撮るんだよ。そもそも、被写体に断固拒否されんぞ。 もういい、授業風景を詳細に報告すりゃ満足すんだろ、親馬鹿共は。 「桐乃のお兄さんなんですか?」 「ふヘっ!!」 唐突に女子中学生から声を掛けられた俺は変な声をあげてしまった。 「先生に聞いたんです。あの廊下側の隅にいた若い人はだれですかって。そしたら、桐乃の兄さんだって。両親が急に出れなくなったから出席したんだよって教えてくれたんです!」 ああ、成る程ね。先生に聞いたわけですかい。 「でも、今日は平日なのに大丈夫なんですか?」 「俺の高校は偶然にも今日が休みでね」 「わざわざ桐乃の為に休日を潰したんですか?」 「えーと、妹のため、だからね」 どこかで見たような記憶がある女子中学生に捲し立てる様に俺に質問をされ、回答をしていると。 何故か俺は壁を背に女子中学生に三方を囲まれてしまっていた!! 某RPG風に例えるならば、京介は逃げ出した、しかし女子中学生の群れに囲まれていて逃げられない!!ハッハッハ、訳が分からない状況だぜ!! 「こんなにカッコ良くって優しそうなお兄さんがいるなんて知らなかった私」 「それに落ち着いてて、大人って感じがするし」 「うらやましいよね、桐乃が」 「うんうん、私なら超自慢する!!」 今、『カッコ良い』って言った!?マジで!?って、いかん、いかん、舞い上がるな!! 焦るな、落ち着け、これは俺を陥れるための罠なのだ。 「君たち、勘違いしているようだがね。俺は全然カッコ良くないし、まだまだ子供だよ。君たちだって、授業参観が始まる前、俺を見てニヤニヤしていたじゃないか」 「あれは、みんなでカッコ良くてイイ感じの人がいるけど誰だろうって噂してたんです。」 「ねーっ!」 「うんうん!!」 夢であってもいい、暫く覚めないでくれ!!女子中学生に囲まれて褒めちぎられるシチュエーション。エロゲでも中々お目にかかれないだろう。デュフフフ、いかん、顔面が崩壊してしまう。 「もう、お兄ちゃん、すぐに帰ってって言ったでしょ!!」 猫かぶり声で桐乃が急に女子中学生の輪の中に入ってきた。うぅ、気持ち悪い。でも、お蔭で顔面崩壊が防げたぜ。 「桐乃のお兄様ぁ!あの時は失礼な態度を取ってしまってごめんなさぁい。」 桐乃に続いて来た子は俺にペコリと頭を下げた。見ると、あのチンチクリン加奈子じゃねーか! 「ちょっと、加奈子。なにらしくないことやってんの!?」 「ほら、あの時は超恥ずかしくてキチンと挨拶もできなかったからだよぉ。ねぇ、お兄様、彼女っているですかぁー?」 「いや、いないけど…」 「なら、加奈子なんてどうですかぁー?」 といって、腕を絡めてきやがった。でもな、相手がチンチクリンじゃ全然嬉しくねーよ!! 「加奈子!!」 桐乃が加奈子の名を叫んだ直後、急に腕に当たる温もりが消えた。 加奈子を俺の腕から無理やり引っぺがした桐乃が俺の正面に立ち、両手を精一杯広げ、背を向けた姿勢をとっていた。 「みんなで寄って集って…。こいつはあたしの兄貴なのっ!!だからあたし以外、近づくのも触るのも絶対禁止!!!」 「おまっ、今なんて…」 「うっさい、バカ!!」 ゆでダコ桐乃は自分が発言してしまった内容に気づいたのか、逃走してしまった。 「お兄さん、桐乃を追いかけて!!」 放心状態になってしまった俺に突如現れたあやせが俺にハッパをかけてきた。 「おう、じゃ悪い、これ持っててくれないか。落とすとヤバいし!!」 「えぇー!!何でカメラを持ち込んでいるんですか!?お兄さん、まさか桐乃を…!?」 一瞬で目から光彩が消えたよ!!この女、やっぱりエンジェルだけど超こえー!! 「事情は後で説明すっから!!」 そう言って俺は教室を飛び出したわけだ。 ―――後編――― 桐乃のやつ、自分以外兄にだれも近づくな、触るな…か。 ふぅ、一瞬、あいつが本当にブラコンなんじゃないかと思って焦ったぜ。 安心しろ桐乃、分っているよ。ここは学校だ、家族思いの優等生という設定なんだろ? だから俺がお前との約束を守れずにいて激怒してでもそれは守ったんだな。 ふふふ、だが、甘い。俺の呼び方が『お兄ちゃん』から『兄貴』になってしまったことと、その後の罵声は減点もんだぞ。 闇雲に探しても埒があかないので、廊下にいる中学生諸君に桐乃の行方を聞いてみたら屋上に向かった事がすぐに分り、俺は急いで向かった。 学校の屋上といえばエロゲでは告白の王道シチュエーション。だが現実は非情である。探し人は妹であり愛しい人じゃない。 おお、いたいた。しょんぼりと柵に手をかけ景色を見てやがる。 本当に見た目だけは俺の知る中では一番の美人だからな、その姿は良く映えやがる。エロゲならこの光景は間違いなくイベントCGが用意されているね。 「おーい、桐乃ー!」 「ふん…」 せっかく超爽やかに声を掛けてやったのに、ソッポを向かれてしまった。 「なぁ、俺が悪かった。さっさと帰れって言われたのによ…」 「っさい。なら、さっさと帰って。今すぐ!!」 こらえろ俺、ここは桐乃の学校だ。兄妹喧嘩をしていい場所じゃねーだろ。 「分った、じゃぁ帰るわ。ホントにごめんな。俺のせいで恥かかせちまって」 「あたしの中学生活の中で一番の超大恥だから、あれ。後で絶対にセキニン取ってもらうからね。覚悟しときなさい!!」 「わーったよ。っと、せっかくだ、帰る前に一言だけ言わせてくれ」 「ハァ…、何!?それ言ったら直ぐに…」 「おまえ、やっぱり凄いな。」 「えっ…!?」 「桐乃は凄い。噂では聞いちゃいたけどこの学校の授業って本当にレベル高いんだな。俺だったら付いていくだけで精いっぱいだ。それなのに、お前は塾にも行かず、独学だけでこの学校でもトップに居続けている。」 「うん…」 「学業、趣味、仕事、部活と、まったく、どこからそんなパワーが出てくんだよ」 「そんなの、あたしが好きなことを思いっきりやれば幾らでも湧いてくるし!!」 理由はよくわからんが機嫌が直った桐乃の頭を自然と撫でていた。 「へへへ」 桐乃の照れ笑いを見ていたら、大昔こんな事があった事を思い出した。冷戦状態から脱したとはいえ、未だ超仲の悪い兄妹である。昔の様な関係は無理だろうけど、もうちょっと位は仲良くなったほうがいい気がする。 桐乃との関係を思い起こす内に、すこーしだけ、こそばゆい感情が沸きだしてきた。 ・・・カシャ!! 「えっ!?」 桐乃と俺は同時に静寂を突如切り裂いたシャッター音が聞こえた方向を向いた。 センチメンタリズムを感じていた俺たちを現実に呼び戻した犯人を見つけるために! 「へっへーん、この加奈子様が、最高の一枚を撮ってやったぜ!!」 「加奈子!!勝手に撮らないでよ!!ってか、それ誰のカメラ!?」 「お袋に頼まれて俺が持ってこさせられたブツだ」 「お…、お母さんが!?あんたに!?ウソ、絶対あたしを盗撮するつもりで勝手に持ってきたんでしょ!?」 「違ぇーよ、バカ。ってかもう良いのかよ、すっかりいつもの調子に戻りやがって。仮面が崩壊してんぞ…」 「あっ…」 必死で怒りを抑える桐乃に対し、メルル@ダークウイッチは追撃を仕掛けてきた。 「桐乃が彼氏を作んない理由って、理想が高すぎるからじゃなくってぇ。やっぱり、あn」 「加奈子、お遊びはその位にしようか?」 「うげっ、あやせ…」 加奈子の後ろから音もなくスッとあやせが現れた。暗殺者かよ、お前は!! 「加奈子がそれ以上、踏み込んだ話しちゃったら、私どうしようかなと思ってたの」 今までの出来事がトラウマとなっているのか、あやせに凄まれた加奈子はすっかりおとなしくなった。 わかるぜ、その気持ち。俺も被害者の一人だからな!! 「加奈子、今、なんて言おうとしたワケ?ねぇ、怒らないから教えてよ?」 桐乃にも追撃で攻め立てられている加奈子について更に同情してしまった。 あやせは、つづいて俺にとても丁寧な言葉で牽制をしかけてきた。 「お兄さん、桐乃の機嫌をなおしていただきアリガトウございます。これで用件はすみましたので、お帰りください。それに、もう授業参観は終了していますし。」 「おお、どういたしまして。じゃあな、あやせ」 「そういえば、お兄さん」 あやせの横をそそくさと通り過ぎようとした時、不意に呼び止められた。そして、例のあの目で俺を見つめてきた。 「んっ、何かな、あやせ?」 「さっきの二人は認めたくないですけど、とてもいい雰囲気でした。私たちがとめていなかったら、あのまま…」 「おい待て!!ここは妹の学校だぞ!!」 ありえないことを口走りそうになったあやせに言葉を重ねて制した。まったく、近親相姦上等野郎でも妹の学校でなんてハードル高すぎんだろ!! 「フフフ、折角、授業参観が始まる前に忠告しておいてあげたのに…。きっと、カメラも桐乃のいやらしい写真を撮るために持ってきたんですよね?」 「違うって、だから、カメラはお袋が…」 「分りました、そういう事にしておきましょう。さよなら、この変態!!」 桐乃が介入するまでは女子中学生に黄色い歓声を受けていたのに、何で罵声を浴びさせらて帰ることになってんの?もう、わけがわからん。 俺はガックリと肩を落としつつ、麻奈美や黒猫に出くわさないようなルートを通って帰路についた。 あっ、カメラ回収すんの忘れてた…。 学校に戻るのはもういやだし、仕方ねぇ、桐乃にメールして加奈子から分捕るように依頼しておくか。 ――エピローグ―― 家に帰り、居間にいたお袋に授業参観の光景と、カメラは桐乃が持って帰ってくる事を説明した。 お袋の話では、どうやら写真が撮れないのは想定済みだったようだが、建前上だけ持っていかせたんだと。桐乃のためだけに購入したブツを一緒に持っていけば、少しくらいは親父が満足してくれると思ったとか何とか。 おいおい、おかげでこっちは実妹とその親友に犯罪者呼ばわりされたんだぜ…。本当に勘弁してくれよ!! 居間を出て、自室に戻りベッドに倒れこんだ。 もう、色々と疲れ果てていた俺は、せっかく買った一張羅が皺くちゃになるのが嫌だったんで普段着に着替えてから昼寝をした。 ・・・パァーン! 頬に衝撃が走り、夢の中から強制的に呼び戻された。最悪だ、日に二度もビンタで叩き起こされるなんてよ!! 同じ轍は踏まんぜ、こんどは、お袋か!? 慎重に目を開け、相手を確認してから俺は第一声を発した。 「桐乃!?てんめぇ、寝ている兄を何度叩き起こせば気が済むんだ!!」 よかった、今度は桐乃だった。いや待て、良くねぇよ、俺!! 「あんた、よくも今日あたしに恥かかせたくれたわね」 「あん?悪かったよ、んで、何をすればいいんだ?」 「それは……。これから考える………」 バツが悪そうに、弱々しく答える桐乃。 「じゃぁ、何で兄に馬乗りになってんだよ!!」 「キモッ、バカ、変態!!馬乗りとか言うな!!」 罵声を浴びせつつ、バチンと再度強烈なビンタを食らわせてきやがった! 「…ってぇな。分ったから先ず、ベッドから降りろ。そんで用件をさっさと言え」 訝しげにベットから降りて、仁王立ちになり俺を見下す桐乃。 「あんたが今日着てた服、メガネ、靴を回収しに来たの!!」 「なんでだよ!!」 「もう、今日の出来事はトラウマになったから!!あんたがそれを着てるのを見たら…、それだけでフラッシュバックするし!!それに、お父さんにお金出してもらったんでしょ!!」 「そうだけどよ…。でも俺が買ったもんだろ?」 「うっさい、そもそも、お父さんがあたしの授業参観に出るつもりだった→出れなくなった→お母さんも出れない→残る一人に任せた→でもそいつにはまともな服がない→仕方ないからお父さんがお金を出した→その金で色々買った→それは実質あたしのもの。ほらこんなもんよ。」 「なんだ、その超理論は!?」 「問答無用!!あたしのものだから、これは回収していくかんね!!」 あっという間に店で買った時の袋ごとブツと回収されてしまった…。 相変わらず理不尽な女だ。もういい、さっさと出ていけ!! 「あと、ひとつ忠告しておくから」 桐乃は、俺の部屋のドアノブを握りながらか細い声でそう言った。 「…なんだよ?」 「その髪型、気合入れすぎ。ワックスでセットしても、どーせ、あんたは自分じゃ再現できないでしょうケド!だから、諦めて明日から今まで通りの髪型に戻すこと。」 「おい、今の発言は超傷付いたぜ…。」 妹様は俺に死ねとおっしゃっているんですか!? 「………。…似合ってないとは言ってないじゃん、…バカ」 「あぁ、なんか言ったか?」 桐乃がボソボソと何かを言った気がするんだが良く聞き取れなかった。 「……、キモッ。何でも無いっての!!」 バタンと勢いよくドアを閉めて桐乃が部屋から出て行った。 ほんの少しの淡い体験の代償に、多大なイライラをため込んだこの日、俺は誓ったよ。 もう二度と妹の授業参観に出るものかってな!! 終 252 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/03/07(月) 21 59 08.66 ID vjIsHAjrP [4/4] オリジナルサイズ
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/97.html
555 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/27(月) 18 45 14 ID Id3LmhSK0 [1/2] 大介「桐乃に恋人などまだ早い」 京介「またなんだよそんな藪から棒に」 大介「うむ。母さんが最近、桐乃が恋してると言い張るものでな」 京介「お袋のゴシップ好きは尋常じゃねーからな……話半分にでも聞いてればいいだろ。 そういや親父は、桐乃の彼氏にはどんな男なら――」 大介「剣道と柔道に長け、優しく、時に厳しく、そして正義のためなら――」 京介「それ前に聞いた。まんま親父じゃねーかよ、それ」 大介「む、そうか。つまり、俺が桐乃の男になれば万事解決ということだな」 京介「おおい!? なんでそうなるんだよ!? 酔ってるのか!? 酔ってるんだろう! 頭冷やせよオイ!」 大介「む……いや、すまん。少々おかしなことを言ってしまったようだな。忘れてくれ」 京介「……言われなくてもそうする。実の親父からそんな寝言聞かされるなんて、黒歴史どころの話じゃねーよ。 今日は少し飲み過ぎだ。悪いこと言わんから、今日はもう休んでくれ」 大介「ああ、そうしておこう。ん……? おお、そうか。俺がダメなら、京介、お前が桐乃の男になれ。 桐乃のためとあらば、自ら汚れ役も買って出ることも厭わない男気を持つお前ならば……」 京介「いいからとっととその口閉じろ! そして二度と酒飲むな!」 560 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2010/12/27(月) 19 16 39 ID 7BNv6LD/0 555 佳乃「いいじゃない、京介。アンタから手を出すのは認めないけど、桐乃が望むなら受け止めてあげなさい」 京介「ダメだこの夫婦」スクッ 大介「待てっ京介!まだ話は・・・」ガチャン ーリビングドア前ー 京介「何だ桐乃いたのか。入らねーのか?」 桐乃「・・・・・・はっ、う、うっさい。話しかけんな!」ガチャン 京介「何だアイツ?どっか機嫌悪いのか、顔は真っ赤だったし・・・」 ー夜・京介の部屋ー 京介「ZZZ・・・」 桐乃「ねぇ起きて。起きなさいってば」 京介「ぅうん、何だ桐乃・・・。っつーか何で馬乗りになってんだ!?」 桐乃「あ、あのね?・・・きょ、京介にどうしてもしたい人生相談が、あ、あるんだけど・・・。」 京介「京介って?・・・へっ?」 桐乃の顔がry 561 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/27(月) 19 19 16 ID Gr7qAuCd0 [1/5] 俺も勝手に 555の続き想像した 桐乃「お父さんもあんたもさっきから何騒いでんの?」 京介「げっ!」 大介「おお、桐乃か。調度良かった。時に聞くが、お前恋してるのか?」 桐乃「ちょ、ちょっとお父さん!?いきなりどうしたの?」 京介「悪いな、桐乃。親父少し飲み過ぎたんだ」 大介「お前は黙ってろ。で、どうなんだ桐乃?か、彼氏とか――居るのか?」 桐乃「…別にいないし」 大介「そうか!そうだよな、うん」 京介「(スゲー嬉しそうだな…)」 桐乃「で、それがどうしたの?」 大介「うむ。それなんだが、彼氏に京介なんかどうだ?」 桐乃京介「「はあ!?」」 大介「何も驚く事はあるまい。武道の心得は無いが男気もあるし、絶対にお前を大切にしてくれるぞ。 まあ本当はお父さんが良かったんだが、さすがに母さんに悪いしな。ワハハ」 京介「何本人目の前にして馬鹿な事言ってるんだよ!?てか妹と兄が恋人とか有り得ねえだろ! ほら、桐乃もなんか言ってやれよ」 桐乃「~~~っ。うっさい、ばか!」 京介「痛ってえ!?なんで俺を蹴るんだ!?」 573 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/27(月) 20 18 34 ID Gr7qAuCd0 [2/5] 566 じゃあ 561の続き書いてみた 京介「はあ…。まったくあの酔っ払いめ。何が『おい京介、俺まで桐乃に睨まれたぞ。お前謝ってこい』だよ。 俺はなに一つ悪いことしてねえじゃねえか…」 コンコン 京介「おい、桐乃?開けてくれ。さっきの事で謝りたいんだよ」 桐乃「……」 京介「おい桐乃ってば!」 ガチャ 桐乃「…入って」 京介「おう。さっきは変な事聞かせちまって済まなかったな。親父も酔っ払いすぎて少しおかしくなってたんだ」 桐乃「…分かった。もういい」 京介「サンキューな(ホッ…)」 桐乃「ところでさ、もしあたし達が本当に付き合ってたらお父さんどうするかな?」 京介「ブッ!お前!?」 桐乃「だからぁ、ちょっとした仕返しだって。ね、どんな反応するかな?」 京介「そりゃ…驚くだろうな」 桐乃「だよね。それに自分が言った手前、引くに引けなくなったりしてね。なんか面白そうじゃん?」 京介「まあ言われりゃ確かに面白そうではあるな」 桐乃「でしょ!だからあんた今からあたしの彼氏ね」 京介「え!今からなの!?」 桐乃「当然っしょ。善は急げって言うし」 京介「(なんか違う気がする…)」 桐乃「だから今から『きょうすけ』って呼ぶから。あとそばにいる時は…手握ってよね」 京介「っ!?そこまでやるのか!?」 桐乃「あ、当たり前でしょ!ほ、ほら早く!」 京介「わ、分かったよ!これでいいだろ?」 桐乃「違う。もっとやさしく!」 京介「こ、こうか?」 桐乃「うん。これでいいよ…きょうすけ」 568 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/27(月) 19 55 10 ID GvD/O3WN0 [2/4] さらに俺もやってみよう 555の続き 桐乃「お、お父さん、兄貴・・・」 京介「き、桐乃・・・?」 大介「おお、桐乃、ちょうどいいところに!お前今・・・」 京介(やべー!このままだと何言い出すか・・・!) 京介「き、桐乃!な、何か久しぶりにシスカリなんかやりたくなってきたぜ! どうだ?久しぶりに!?」 桐乃「・・・え、と。今の話だけどさー」 京介「へ?ってお前聞いてたの!?」 桐乃「あ、あたしは兄貴が・・・その、いいってんなら?か、彼女になって あげてもいいよ・・・?」 京介「あ、お、えぁ?」 大介「・・・」 桐乃「・・・ね?ど、どうかな?」 京介「ど、どうって・・・!」 大介「・・・めん」 桐乃「?お父さん?」 大介「み、認めんぞ!!桐乃にか、彼氏だと?まだ早すぎるわ!!」 京介「・・・お、お~い、親父殿~」 桐乃「ええっ!?今、兄貴なら彼氏になっていいっていったじゃん!?」 大介「と、とにかく認めん!絶対に認めん!!フン!」 京介「え、と、あの、ですね」 桐乃「・・・ね、お父さん」 大介「な、なんだ!」 桐乃「あたしが、兄貴とそのカレカノになった場合、あたしが嫁に行く心配 なくなるんじゃないかな・・・?」 大介「!!」 京介「え~と、お~い、俺の意見は~・・・?」 桐乃「・・・どう?」 大介「・・・天才現る」 588 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/27(月) 21 15 55 ID yTJygz510 [1/3] じゃあ便乗して俺も 555の続き 桐乃「ちょっと!な、何言ってんの!?こ、こいつがあたしの彼氏とか、あ、ありえないし!」 京介「そ、そうだ桐乃!もっと言ってやれ!」 大介「むぅ・・・ダメか・・・じゃあやっぱり俺が・・・」 桐乃・京介「もっとありえないから!」 --- 京介「ふぅ・・・ようやく寝てくれたか。親父にも困ったもんだな」 桐乃「・・・また、(あたしが兄貴を好きだって)バレちゃったんじゃないかって びっくりした・・・」 京介「え?(エロゲがバレた時みたいに、本当に彼氏がいるってことか?) ・・・お前、そうなの?」 桐乃「・・・うん、あの・・・実はね」 京介「・・・み、認めん!俺は認めんぞぉおおっ!?」 桐乃「ちょ・・・大きな声出さないでよ!好きになっちゃったんだから仕方ないでしょ!」 京介「ぐっ・・・」 桐乃「・・・で・・・そ、その・・・どう、かな・・・?」 京介「・・・悪ぃ。少し頭冷やすわ。ちょっと考えさせてくれ・・・」 --- 京介の部屋 おいおい、なんで俺、こんな動揺してんだよ。あいつに彼氏がいるってのが そんなに許せないのか?なんでだ?他の男なんかにあいつを任せられねえって ことなのか? それって、俺があいつの彼氏になりたいってことじゃねえの? そんなわけあるか、兄妹だぞ?でも、親父があんなこと言ってたわけだしな・・・。 ちょっと、何マジに受け止めちゃってるの俺!?酔ってるのか!? いやしかし、このままだと他の男にあいつを取られるってことじゃねえか、 そんなの許せるわけねえだろ! ・・・だ、だったら!やることは一つだろ俺! 589 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/27(月) 21 16 18 ID yTJygz510 [2/3] --- 桐乃の部屋 バターン! 京介「お、俺が!お前の!彼氏になってやるっ!」 桐乃「え・・・ほ、ほんと・・・?」 京介「ああ、だから、その彼氏とは別れろ!」 桐乃「・・・はぁ?」 京介「・・・え?」 かくかくしかじか 京介「えと・・・その、つまり、彼氏がいるわけじゃなかった、って事っスか・・・?」 桐乃「・・・うん」 京介「そ、そっか!それならいいんだ、うん。あー、もうこんな時間か、悪かったな遅くに。じゃっ」 桐乃「待ってよ」 京介「・・・ハイ」 桐乃「あんだけ言っといて、勘違いでしたで済むわけないでしょ!責任取りなさいよ!」 京介「あーもう、わかった!俺はお前が好きだ!お前も俺が好きなら俺をお前の彼氏にしてくれ!」 桐乃「・・・開き直られると、ちょっと引くわ」 京介「何その羞恥プレイ!?一世一代の決心だったのに、俺泣いちゃうよ!?」 桐乃「あんたがいざってところでヘタレるからでしょ!?」 京介「・・・ぐ、ぐぬぬ」 桐乃「ま、まあ?あんたがあたしのこと大好きだってのは知ってたし?そ、その・・・ そこまで言うなら、彼氏にしてあげないこともないケド・・・」 京介「・・・ぷっ」 桐乃「ちょ、何よ、何笑ってんのよ!」 京介「いや・・・何かな、やっぱりさ。兄妹でも恋人でも、俺らは変わんないなと思ってさ」 桐乃「・・・じゃ、じゃあ、恋人らしいこと、する・・・?」 京介「・・・え?」 桐乃が京介にキス。「irony」が流れて画面がパステル調になり、スタッフロール。おしまい。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/844.html
614 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/23(木) 16 39 20.47 ID EIU1ZiAa0 [4/5] ・かなかな ラブリーマイエンジェルが高坂家に設置した警報装置 桐乃とお兄さんがイチャイチャすると鳴き声をあげ危機を知らせる ご飯は佳乃さんにもらっているらしい う へ ぇ ぇ え ノ)~~~~~~~~~~~~~~~~~~ たまに増えたり減ったりする ノ) へ8" ̄ ̄8へ 452 ( (/人レ人) ) ∧_∧ .()人 ゚Д゚人( (´∀` ;)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 615 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/23(木) 16 55 18.64 ID rZQ6UL9a0 [7/11] 614 524から、7時くらいにはまだ寝てるからかなかなの目を逃れるのはたやすいな。 ・・・まぁ、ラブホでいちゃいちゃすればいいからどっちにせよ問題ないか 619 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/23(木) 17 34 39.03 ID gcsdfwKmO [5/5] 614 桐乃「かなかな、お願いっ!一時間だけ静かにしていて!」 かなかな「ったく、しゃーねーなー。一時間だけだかんな?」 桐乃「ありがとう、かなかな!」 イチャコライチャコラ、チュッチュ 空気読める漢らしい警報装置。それがかなかな
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1247.html
748 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/11/06(日) 00 48 16.01 ID rony/F5x0 [1/9] タイトル:妹で、そして恋人で・・・ 「・・・あんた何見てんのよ、マジキモいんですケド」 向かいの席に座って餡蜜をうまそうに食べている桐乃が、ジロリとこちらを睨んでそんな ことを言っている。 俺たちは今、とある紅葉スポットに来ている。別に紅葉狩りとかそんなんじゃなくて、桐 乃が学校の芸術コンクールに出す写真を撮るっていうんで俺が付き合っているわけだ。 「ああ、すまん。うまそうに食ってんなと思って・・・」 「もう、しょうがないんだから・・・・・」 そう、事の発端は一昨日、桐乃から校内芸術コンクールに何を出せばいいのか相談を受け たことから始める。 コンクールは、テーマとして『季節』という漠然としたものが決められているだけで、特 に何を出すかは自由らしい。ようは生徒の自主性と創造性を尊重したお祭りみたいなもの だ。こいつは、中学三年の思い出として何か出してみたいらしい。 まあ、入賞とかは特に狙っていないようだが、出すからにはそれなりのものを出したいと いう桐乃らしい考えはあるようだ。 俺は最初、無難に絵を描けばいいだろうと言ったのだが、桐乃はあまり絵が得意ではない らしい。そこで紆余曲折あり、紅葉を写真に収めることとなった。 もちろん俺が一緒に来る羽目になったのは、桐乃が強引に俺の同行を求めたからである。 俺が受験勉強ばっかりで引き篭もってるのを心配しているようだがどうだかな・・・ 「・・・・・口開けなさいよ」 ボーっと考え事をしていた俺は桐乃言われるままに口を開ける。すると、口の中にひんや りとした感触とほどよい甘さが広がる。 「モグモグ・・・・・うまいな、これ」 「でしょ♪」 スプーンを持って微笑む桐乃が答える。 あれ待てよ・・・・・これって・・・・・・っ!? 「桐乃、おまえ今何したんだ?」 「んっ?あんたがあたしの餡蜜食べたそうにしてたから、食べさせてあげたの。感謝しな さいよね」 予想通り、桐乃は自分のスプーンで俺に餡蜜を食べさせていたようだ。まあいわゆる恋人 同士定番の『あーーーん♪』である。俺たちのことを見ている周りはきっと『リア充はシ ネ!』と思ってるに違いない。 しかし当の桐乃はそんなのお構いなしと言わんばかりに、俺の口に入ったスプーンで餡蜜 を食べている。 まったくこいつは・・・・・ 俺は桐乃の顔を見ながら、ため息をついた。 「あんた、何ため息なんかついちゃって、キモいんだけど・・・」 「・・・・・いや、なんでもねーよ」 「あっ、そうだ・・・・・・あーーーーーん♪」 俺が諦め半分で答えると、桐乃は何を思ったのか口を大きく開けて何かを催促してくる。 「おまえ、突然口開けてなんだよ」 「あんた、あたしの餡蜜食べたじゃない。だからあんたもあたしに食べさせないと不公平 でしょ」 「おまえが勝手に口に入れたんだろ」 「うっさい、いいから食べさせろ!・・・あーーーーーん♪」 桐乃はそう言いながら、再び口を開けて催促してくる。 俺はしょうがねーなと言わんばかりに、ぜんざいをスプーンで掬うと桐乃の口に運ぶ。 「・・・・・どうだ、うまいか?」 「こっちも甘すぎないで結構いけるかも・・・」 桐乃は嬉しそうな顔をしながらそう答えた。 食事を終えた俺たちは、当初の目的である写真撮影をするため渓流沿いにある遊歩道に向 かった。山肌から色取り取り紅葉の枝が張り出してきて渓流の川面に鮮やかな影を落とし ている。まあ、まだ見ごろには少し早いんだろう緑色の葉っぱ混じってるけどな。 俺たちはそんな遊歩道を並んで散策する。 「うーん、なんかイメージと違うな・・・・・」 時折何かイメージが沸いたのか桐乃が、シャッターを切っては首を傾げている。 「どんなの撮れてんだよ?」 俺は桐乃が撮った写真が気になり、聞いてみた。 「これなんだけど・・・・・」 桐乃はカメラの液晶に撮った写真を表示させると俺に見せる。 「これだと、普通に観光で撮った写真だよな・・・」 それが写真を見た俺の第一印象であった。 「やっぱりそうだよね。うーーーーん、どうすればいいのかな・・・」 「ちょっと貸してみろ」 どうすればいいか分からずに煮詰まっている桐乃からカメラを借りると、俺は適当なアン グルを見つけ何枚かシャッターを切ってみる。 「これなんかどうだ?」 「あっ、なんかすごい!結構いい感じかも。あんた、何でこんなテク知ってんのよ」 「ふふふ、それは企業秘密だ」 「なにキモいこと言ってんのよ」 俺は、種明かしをしろとばかりの表情を浮かべる桐乃に対し、自慢げな顔をしてみせる。 実は桐乃に誘われた後、こっそりとインターネットで写真の撮り方を調べておいたのであ る。調べてるときは『俺なんでこんなことやってんだよ』って気持ちではあったが、桐乃 のこんな顔を見られて『まあ悪くないか』と思える。 その後、桐乃は何か感じがつかめたのか、俺の教えた方法を真似しながらいろいろなもの を写真に収めていく。ときには自分なりのアレンジをしたりと、ほんと応用が効くという か勉強熱心なやつだよな。 散策を続けながら写真を撮っていた俺たちは、いつしか見晴らしのいい高台にたどり着い た。山裾を彩る木々は夕日を受けて緑の葉っぱすら紅い色に染め上げていた。 「ここ座ろっか」 「休憩すんなら、戻ろうぜ。もう夕方だし・・・」 「うっさい、いいから座れ!」 桐乃は半ば強引に俺をベンチに座らせる。そして桐乃はそんな俺の隣に寄り添うように腰 を降ろす。 「おい、何でそんなに引っ付いてんだよ」 「少し寒いからいいじゃん」 「そうかよ・・・」 俺はぶっきらぼうに答えると、桐乃と視線を合わせることができず正面にある夕日に映え る山肌を眺めた。 『寒いなら帰ろう』とも言えたのだが、桐乃がこうしたことには何か意味があるんじゃと 思えて言うことができなかった。 「あんたさ、あたしが今日誘った理由わかる?」 桐乃がそんなことを言ってくる。横目で桐乃の顔を見ると俺と同じように正面の山肌に視 線を向けていた。 「そりゃ、受験勉強ばっかりで引き篭もってる俺を心配したんだろ?」 「それは半分・・・」 「あとの半分は、写真撮るためじゃねーのかよ」 俺は当たり前と言わんばかりにそう答える。しかし桐乃の答えは違っていた。 「ああ、それは・・・・・ついで・・・」 「はあ、ついでだと?」 桐乃の答えに呆れてしまい、俺は桐乃に視線を向ける。すると、さっきまで俺と同じよう に山肌を眺めていたはずの桐乃が、真っ直ぐに俺の顔を見つめていた。しかもその顔は眉 をきゅっと引き締め真剣そのものである。そんな顔を見た俺は、次の言葉を続けることが できない。 「あのさ、実はあんたに言いたいことがあって連れてきたの・・・ごめん」 普段は俺に頭を下げるというか、謝るということが『あたしの辞書にはない!』と言わん ばかりの桐乃であるが、俺に『ごめん』と言ってくる。 呆れついでに怒ってやろうと思っていた俺であったが、その言葉に怒ることができなくな ってしまう。 「・・・で、言いたいことって何だよ」 俺が桐乃に話を続けさせようとすると、桐乃は 「ちょっと待って・・・・・・」 と言って目を閉じる。そして何回か深呼吸をすると再び目を開ける。 「それじゃ言うね」 「おう・・・・・・・・」 桐乃は少し間を開けて、俺に聞き取れるようなはっきりとした声で 「あたしさ・・・『京介』のことが好きなの」 と言葉を紡いだ。 俺はその言葉にしばし反応することができなかった。桐乃はそんな俺の反応に訝しげな表 情を見せるが、すぐに穏やかな微笑みに変わる。そして俺が口を開くまでの間を繋がんと ばかりに言葉を続ける。 「ほんとはさ・・・あんたから言ってもらおうって思ってたんだけど、あんた言ってくれ ないし・・・今の関係が続くんなら、このままお婆ちゃんになってもいいかなとかも思っ たけど・・・やっぱダメだった・・・」 俺は桐乃の言葉を聞きながら頭の中を整理した。 それって、兄貴の俺が好きって意味だろ? でもお婆ちゃんになるまでこのままって何だよ・・・・・ 「だからさ・・・今日あんたに告白するって決めて・・・・・告白したの。あんたが、ど う思ってくれても構わない・・・・・あたしが『京介』を好きってことは、この先一生変 わらないから」 桐乃は言いたいことを全部言ったというようなすっきりした顔をして俺の顔を見つめる。 俺はここまで聞いて、ようやく頭の中の整理が追いついた。 「それって、俺のこと兄貴としてじゃなくて・・・その・・・好きってことだよな?」 しかし俺の口から出た言葉は、何とも間抜けなものであった。 「はぁ?あんた、あたしの話聞いてたの!?もちろんそうよ!」 「それっていつからだよ?」 桐乃は少し考えると 「いつからだろ?・・・ロス行くときは、たぶん好きだったと思う」 と答えた。 それを聞いた瞬間、これまでの桐乃の言葉や行動が走馬灯のように流れる。普通、こうい うのって死ぬときって相場は決まってるのだろうが、今の俺にはまさしくその表現があっ ていた。そして次に浮かんできたのは、その時々での俺である。 浮かんでは消える桐乃と俺の言葉や行動、俺はそれらを整理してある結論に行き着く。 おい、これって言ってもいいことなのかよ・・・・・ 俺の口から、その言葉を出すことが躊躇われる。そのまま俺たちの間に沈黙が続く。 どれくらい経っただろうか、お互いに一言も口を開かない。桐乃は俺の答えを待っている に違いない。 ええい、道理なんて知ったことかよ! 俺はそう腹を括ると、自分の結論を言葉にする。 「桐乃・・・俺もおまえが好きだ。たぶんおまえと一緒で『兄妹』って気持ちじゃないと 思う・・・・・だからその・・・」 しかし俺は肝心なところで口篭ってしまう。桐乃は俺の言葉を遮らずにじっと俺が話し終 えるまで待っている。 「だから・・・・・『彼女』になってくれ!」 最後の力を振り絞って俺は言葉を続けた。 「やっと言ってくれた・・・・・」 桐乃が一言だけ答えた。 そのまま俺たちは無言で体を寄せ合う。刻の移り変わりとともに、高台から見える紅葉は より一層夕日の紅に染まり、鮮やかさが増していく。 「ねえ、記念写真撮ろうか」 沈黙の中、桐乃が突然そんなことを言ってくる。 「そうだな」 桐乃と写真を撮るのはどれくらいぶりだろうか、俺は何だか緊張してしまう。 「それじゃ、いくよ」 桐乃はセルフタイマーをセットすると、駆け寄ってくる。そしてそのまま俺の首に飛びつ くと顔を寄せてきて・・・唇を重ねる・・・ これが俺たちの始めてのキスであった・・・・・・ 『カシャ!』 いいタイミングで、シャッターが切られた。神のなせる業か、桐乃の計画か、どちらにせ よ決定的瞬間が記録されてしまった。 「桐乃、データ消せ!」 「ベーーー!これは今日の記念なんだからね」 俺たちの撮影旅行はこうして幕を下ろした。 ---それから数日が経った。 俺と桐乃は恋人同士になったが、表向きはいつものままだ。俺たちの関係は、まだ誰にも 知られるわけにはいかない。 「桐乃、弁当買ってきたから晩飯食おうぜ」 「うん」 その日、親父たちは知人の法事とかで出かけていた。場所が結構遠いらしく、明日の夕方 まで戻らない。 夕食の間、俺たちは終始無言であった。せっかく二人っきりなんだし、何か恋人らしい会 話をすりゃいいんだろうが、俺には何を話していいか検討もつかない。 夕食が終わり、かたづけをすると桐乃が 「あのさ、写真プリントしたから、あとで部屋きて」 とだけ言ってリビングをあとにする。俺は風呂に入ると、桐乃の部屋に向かう。 「おい、入るぞ」 「入って」 俺は桐乃の部屋の扉を開け中に入る。桐乃はベッドに腰を降ろして、写真とにらめっこを していた。俺も桐乃の隣に腰を降ろすと、一緒に写真を眺める。 「なかなか決まらなくてね」 「おまえが一番いいと思ってんのはどれだよ」 「あ、あれは・・・さすがに・・・」 桐乃は、頬を染めながら照れ笑いを浮かべる。 あー、あれね・・・・・ 俺は桐乃の反応を見て、一人納得してしまう。 「あんたはさ・・・どれがいい?」 桐乃から写真を受け取ると、その中から一枚よさそうなのを選ぶ。こいつも納得したよう で、それをコンクールに出すことにしたようである。 しかし写真選びが終わってしまうと間が持たなくなり、なんとも落ち着かない。すると桐 乃から体を寄せてくる。 「おまえ、なにやって・・・・・」 「いいじゃん別にさ・・・今日は二人きりなんだし」 桐乃の言葉を聞いて踏ん切りがついた俺は、桐乃の体を抱き寄せる。桐乃も腰に腕を回し て甘えてくる。俺はそんな桐乃が愛しくなり、優しく唇を重ねる。桐乃は驚いたように目 を丸くする。 「京介ッ!」 唇を離すと、お互いの唇は部屋の明かりでキラキラと輝く銀色の糸で繋がっている。今ま 驚きの表情をしていた桐乃の目から涙が溢れてくる。 「おまえ、泣いてっ」 「うっさい、ビックリしたからとかカン違いしないでね!う、嬉しいからに決まってんじ ゃん!」 涙をぼろぼろと流しながら桐乃はそんなことを言う。 「二回目だろ」 「だってさ・・・・・最初のはあたしからっていうか・・・不意打ちみたいなもんだし、 あんたからしてくれたから・・・」 そう言うと今度は桐乃からキスをしてくる。 「あたしからのお返し・・・・伝わった?」 「ああ・・・・・」 「ふふふ・・・・・じゃあ今度は舌だしてみて」 俺は桐乃に言われるままに、舌を出してみる。すると桐乃は俺の舌に優しく自分の舌を絡 める。 「きょ、ふけえっ・・・・・」 「桐っ乃ッ!」 「んっ・・・・れゆ、っはふ・・・」 柔らかく温かな桐乃の舌に触れると、頭が真っ白になり何も考えられなくなる。それは桐 乃も同じようで、お互いただひたすらに相手の舌を求めあった。 ---翌朝、あたしは肌寒さを感じて目を覚ました。何か頭がボーっとする。風邪でも引 いたのかな? 布団を肩まで掛け直して寝返りを打つと、目の前に安らかな寝顔を浮かべる京介がいた。 何こいつ安心そうな顔しちゃってさ。あたしと添い寝してんのがそんなにいいんだ。 そんな京介の寝顔を見てイタズラ心を擽られたあたしは、京介を起こさないように注意し ながら、腰に腕を回して抱きつく。するとさっきまでの肌寒さが嘘のようになくなり、京 介の温もりで心地よさを覚える。それはまるで直に肌が触れ合うかのような温かさだ。 あれ?何かおかしい・・・・・・・・・・・・・・・ いつもと何か感触が違うのである。しかしその違和感がなんであるかはすぐにわかった。 京介の胸に埋めているあたしの顔にパジャマの感触がないのである。 なんでこいつパジャマ着てないのよ。 あたしは京介がついにシスコン拗らせて変態になったのかと思い、布団の中も覗き込んで 確認してみる。すると下も穿いていない、もちろんあれも・・・それはあたしも同じであ った。 「ーーーーーーーーっ!」 あたしは声にならない驚きの声をあげて、パニックになりそうになる。 待ってよ・・・昨日なにあったっけ? 写真選んで・・・・・抱き合って・・・キスして・・・・・っ! そして一つの記憶にたどり着いた。 「そっか、あたしたちあのあと・・・・・」 あたしの顔の少し上にある京介の顔は、いまだに安らかな寝顔である。しばらくは起きな いだろう。そう思ったあたしは、京介を起こさないように体を上にずらすと、京介の寝顔 を覗き込み 「もう一生離さないかんね」 と言って京介にキスをする。 「ん・・・・・・」 あたしが唇を離すと、京介がゆっくりと目を開ける。でもまだ寝ぼけているのか状況が、 飲み込めていないようだ。しかし少しするとやっと頭が働いてきたのか 「おまえ、なにしてんだよ」 と言った。 「おはようのキス」 あたしはそう答えると、また京介の胸に顔を埋める。京介はそんなあたしの髪をやさしく 撫でてくれた。 どれくらいそうしていただろうか突然京介が 「桐乃、そろそろ起きないとやばいぞ」 と言い出す。あたしも一応時計を確認してみるがまだ6時前である。 「あと一時間くらいこうしてられるじゃん・・・もう少し抱き締めさせろつーのっ」 あたしはそう言って駄々をこねる。 「俺はいいけど、おまえシャワー浴びなくっていいのかよ」 「-------っ!」 あたしはその言葉で我に返る。 そういや、その・・・・・・・そうじゃん! あたしは慌てふためき、ガバっとベッドから飛び起きるとそのままの姿でお風呂場に駆け 込んだ。 もうあいつったら、こんなに・・・・・ あたしはそんなことを考えながらシャワーを浴びる。 しばらくすると外で洗濯機が回る音がして、お風呂場の扉が開く。ビックリして振り返る と京介が立っていた。 「あんた、なに勝手に入ってきてんのよ」 「別にいいだろ、昨日は・・・・・」 「うっさい!」 あたしは手に持っていたシャワーで京介にお湯をかけた。 「もうほんと変態シスコンなんだから・・・」 結局、あたしの攻撃に怯まなかった京介に押し切られて、体を洗ったあたしたちは湯船に 浸かっている。うちのお風呂は少し狭いから、あたしが京介に抱っこされている。 「わるかったな、変態でよ。てか、恋人同士なのにシスコンはないんじゃないか?」 「だってあたしたち・・・恋人同士だけど兄妹だし」 「まあそうだな・・・」 「後悔した?」 「ばーか、するかよ!」 京介はそう言うと、あたしの顔に手を当てて振り向かせるとキスをする。なんて優しくて 心地いいんだろうか、ずっとこうしていたい。 しかしあたしたちだけの時間はそう長くは続かない。洗濯終了を告げるブザーをともにお 互い名残惜しそうに唇を離すと、お風呂からあがる。シーツとかは部屋に干しておけば夕 方までに乾くだろう。 そのままあたしたちは部屋に戻ると制服に着替えて、リビングで朝食をとる。 そろそろ、いつも学校に行く時間だ。 「桐乃、そろそろ学校行こうか・・・」 「・・・そうだね」 あたしたちは手を取り合って玄関に立つ。いつもは別々だけど今日は二人揃って。 この扉をくぐれば、あたしと京介は次に二人だけの時間が来るまで『兄妹』に戻らなくて はならない。 「桐乃、幸せか?」 「うん、あたしは幸せ。京介は?」 「俺も幸せだ」 あたしたちはお互いの気持ちを確かめあうと、どちらともなく軽いキスを交わし玄関を抜 けるのであった。 Fin -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1549.html
937 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/13(月) 04 30 40.06 ID PmBij0jC0 【SS】ある日差しの強い日 それはとても日差しの強い、真夏のある日のこと。 「おにい……ちゃん……?」 突然掛けられた声に、俺ーー高坂京介は振り返る。 小学生くらいだろうか、顔は帽子で隠れていてよく見えないが、その声は忘れるはずもない。 「桐乃……?」 「ごめんなさい……!ひ、ひとちがいでしたっ。」 その少女は驚いた様子で逃げ出すように立ち去ろうとする。 「おい、待てって!」 慌てて引き止めて顔を確認してみると、やはり桐乃だった。 だが、それはいつも見ている桐乃ではなく、ちょっと弱気な目をした幼い頃の桐乃だった。 「きり…君は、どうしてここに?」 ごく当然の疑問を聞いてみると、幼い桐乃は、一緒に出かけている最中にちょっとした喧嘩を兄としてしまったこと、 そして兄とはぐれてしまったことを話してくれた。 「あたし、お兄ちゃんに嫌われちゃったのかな……。」 うっすらと瞳には涙が浮かんでいる。 どうにかしなければと考えていると、可愛らしい服装に不釣り合いな野球帽が目に付く。 「その帽子、もしかして誰かから借りてるものじゃないか?」 「うん。お兄ちゃんの。」 目を伏せつつも答えてくれた。どうやら正解だったようだ。助かったぜ俺。 続く言葉は自分でも驚くほどスムーズに出てくる。 「大丈夫だよ。君のお兄ちゃんもきっと君のこと心配してるよ。だから帽子を渡したんじゃないのかな。」 すると、桐乃の顔がぱぁっと明るくなる。 「そっか……。えへへ。」 どうにか最悪の事態は回避できたようだ。 … …… それからしばらくして。 遠くから中学生くらいの少年が慌てた様子で走ってくる。 その姿を見つけた桐乃は、少し名残押しそうにこう告げてくる。 「今日はありがとね。「京介」おにいちゃん。」 帽子を取り、俺に渡してくる。今日のお礼ということなのだろうか。 在りし日の兄妹は遠くで手を取り合い、彼方へと消えていった。 (おまけ) それは、ある兄妹の帰り道。 「あやせに聞いたんだけど、あんたが幼女に手を出そうとしてたって話、ホントだったら殺すから」 声の主は、俺のよく知っている今の桐乃。 可愛くねぇ。さっきの天使からどう育ったらこうなるんだろうな。 何か、反撃できるようなものはないだろうか。 「……今日は暑いからな。」 と、手にある帽子を桐乃に被せてみる。 「な……、やめてよね。セット……くずれるから……。」 深くかぶり直された帽子の下の表情は、俺には分からなかった。 おしまい。 ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/410.html
561 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/03/10(木) 19 13 21.70 ID iMmcL5Dw0 [12/13] 桐乃はもっとツンツン恥じらうのがいいと思うんだ 京介「桐乃!一緒にお風呂入ろう!!」 桐乃「きゃああああああああああああ」 569 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/03/10(木) 20 46 40.03 ID HEYv8fvI0 個人的には3.のスーパー京介がやはり高坂兄妹らしくて好きだな 561も京介壊れすぎwってなるけど、シスコン有頂天な本気京介なら有り得るかも 例えばこんな 「はぁ……まさか転んで足首ひねっちゃうなんて……湯船に入るのも一苦労……んしょ」 「桐乃!一緒にお風呂入ろう!!」 「きゃああああああああああああ!?なんで!?なんで来ちゃってるワケ!?」 「大丈夫だ!ちゃんとアイマスク完備しtプゴホォッ!?」 「この変態!シスコン!へたれ!甲斐性なし!眼鏡マニア!……って、あれ?目隠し?」 「痛ツツツ……そ、そうだ。俺にゃ全然見えてない。捻挫で風呂は大変だろうから手伝いに来たぜ」 「は、はぁ!?だ、誰もそんなの頼んでませんけどォ……」 「転んで余慶に痛めないか俺が心配なだけだ。移動&伸縮式便利台座だと思ってくれていいぞ」 「…………シスコン……」 「言っとくが、他意は無いからな?マジで何も見えてなくて脱衣所のドアにも何度かぶつかったぐれーだ」 「……あんたは見えなくても、あたしは……」 「ん?」 「だから!あんた海パンでしょ?……その、上半身、あたしは見えちゃ……目のやり場的にその……」 「何だって?よく聞こえないぞ」 「……い、いい……わ、わかったから、もうちょっとこっち、き、来てよ……」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/995.html
631 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 16 38 57.39 ID FGMo4Wbx0 [3/7] 妙な電波を受信した。 京介「確かに桐乃は見た目はいいけどよ、あいつはワガママだから絶対に彼氏なんかできないぜ。 まぁ桐乃が泣いて頼むなら俺がずっと傍にいてやってもいいけどよ」 赤城「素直になれば助かるのに・・・・・・」ボソ 京介「え・・・・・・?」ザワ...ザワ... 赤城「今、気配が死んでいた・・・・・・ 背中に妹と添い遂げようという強さがない。 ただ妹に嫌われないようにしている。 妹と冷戦を続けた人間が最後に陥る思考回路・・・・・・ 高坂はただ怯えている」 京介「・・・・・・そうだな。 お前の言うとおりだ。 なまじブレーキを踏むより、突っ走ったほうがずっとうまくいく公算が高いよな! よし!桐乃に告白してくる!」ダッ -数日後- 京介「でな、桐乃のヤツ 『あんたがしたいなら・・・今日からは毎日一緒に寝てあげる』 なんて言って来るからよ、ちゅっちゅしながらギュッと抱きしめて寝てやったぜ。 こりゃあもう6うへぇはいったな」 赤城「倍プッシュだ」 京介「なに?」ザワ...ザワ... 赤城「まだだよ・・・・・・ まだ終っていない・・・・・・ まだまだ終わらせない・・・・・・! 妹婚ENDが見えるまで、限度いっぱいまでいく・・・・・・! どちらも完全に篭絡するまで・・・・・・ 勝負の後は幸せな未来しか残さない・・・・・・!」 京介「・・・・・・そうだな。 お前の言うとおりだ。 恋愛なんて狂気みたいなもんだし、狂気の沙汰ほど面白いよな! よし!桐乃にプロポーズしてくる!」ダッ 瀬菜「最近お兄ちゃんがアカギっていう漫画にはまってるみたいなんですよ。 やっぱりアカギといえば『アカギ攻めのワシズ受け』ですよね!」 桐乃「・・・・・・」ボー 瀬菜「桐乃ちゃん、どうかしたんですか? さっきからボーっとして・・・・・・ あ!その指輪もしかして!」 桐乃「うん。 暴走する幸福列車の片道切符、かな?」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1792.html
16 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/17(火) 20 47 52.03 ID jDcrToq90 今日は千葉のじゃないものの、日本初のモノレール開業日 高坂兄妹はラッピングモノレール乗りに行ったのかな そういえば千葉モノレール人生相談ふせん、イチャラブに活用できそう 京介「んー、桐乃?なにやってんだ?」 桐乃「……」スタスタ・・・・・・バタン 京介「無視かよ!……お?なんだこの付箋、なんか書いてある」 『二人きりだからって何時間もあたしの部屋でキスするとかマジキモイ!夜は人生相談だから』 京介「……なんだこりゃ、今日は一度もしてねーし、そもそも親父達が出掛けたのだって今さっき…………、…っ!」