約 10,576 件
https://w.atwiki.jp/robotama/pages/366.html
※正式名称が非常に長い為、ページ名を短縮しています。 全領域汎用人型決戦外骨格 SOS-01 ハルヒロボ(ハルヒ☆隊長☆専用機)~ORIGINAL COLOR EDITION~ 【ぜんりょういきはんようひとがたけっせんがいこっかく えすおーえすぜろわん はるひろぼ(はるひ☆たいちょう☆せんようき)~おりじなるからーえでぃしょん~】 情報 作品名 涼宮ハルヒの憂鬱 カテゴリ COMOPOSITE Ver.Ka 定価 5,000円 発売日 2011年11月25日(金)~27日(日)(魂NATION2011会場にて販売) 受注開始 2011年12月26日(月)16 00 受注締切 2012年01月24日(火)16 00 発送開始 2012年02月15日(水) 商品全高 約220mm(ハルヒ本体:約140㎜) 付属品 手首:×12(握り手×2、持ち手×2、銃持ち手×2、平手×2、ピース手×2、指差し手×2) 武器:ライフル、ライフル用グリップ 表情:通常顔、笑顔 頭部:ウサ耳あり、ウサ耳なし その他:バイザー付き前髪、ハルヒロボ本体、専用スタンド 商品画像 商品解説 ハルヒロボのバージョンアップ版。 バニースーツとハルヒロボはメタリック塗装に変更され、長門ロボの巨大マニュピレーターが追加されている。 評価点 問題点 不具合情報 関連商品 全領域汎用人型決戦外骨格 ハルヒロボ 全領域汎用人型決戦外骨格 長門ロボ 全領域汎用人型決戦外骨格 みくるロボ キョンの妹ロボ コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1556.html
基地内倉庫 基地内部にある使用されていなかった倉庫の中は、僅か一週間前とは別世界と変貌していた。 真っ当な生活を送る一般人ならば、生涯まずお目にかかることのない機材の数々。 見たこともないような単位が書かれ、積み重ねられた研究資料の山 壁にかけられた銃器の数々は、各国の軍で採用されているそれとは根本からして違うような気もする。 そんな場所で忙しなく動き続ける四人の男達は、皆白衣を纏い一目で研究者であることが知れる。 臨時とは言え、研究所、兵器開発局と呼ぶのに違和感は存在しない。 四人の男の年齢は、最低でも30代を超え、一番上は70に手をかけている程、平均年齢は高かそうだった。 しかし、衰えというものを感じさせない鬼気迫る表情で、それぞれの研究に没頭している。それこそ、異常を感じてしまうほどに。 そんな中、倉庫兼研究所の隅――出入り口の近くで二人の男が椅子に座っていた。 一人は俺であり、もう一人は他の研究者同様に白衣を纏っていたが年齢は俺と同じくらいだ。 「暇だな……」 「戦闘報告書やらの書類はどうしたんだい? 戦闘と部隊の運用は君の仕事だぜ」 「分かってる。だがねドク、もう終わったのだよ」 「……いくらなんでも仕事が速すぎるよ。他の部隊の連中は事務仕事だけでひーひー言っているぜ。実に有能だね」 「オレはね、有能じゃない、万能なんだよ……、と一昔前のオレならば言っていただろうな。だが、今のオレでもこの程度どうということはない」 ドク、とよばれた男は、俺がこの基地に来る際、談笑を交わしていた男と同一人物のようだ。 彼は休憩中なのか、見るからに濃そうなブラックコーヒーを飲んでいた。 彼らの発言からすれば、どうやらこの強化外骨格開発部隊は研究や開発を除けば、俺一人の手で運用されているようだ。 小さな部隊とはいえ、戦闘から事務仕事まで一手に担い、更には時間が余るとは驚愕する他ないだろう。 「…………で、ゴーストによる飛行訓練の許可は下りたのかい?」 「まだだ。ヴィルケ中佐が渋っているようだな。余程信用がないと見える」 「まあ、この部隊にはパイプがない。当然と言えば当然か」 「気持ちは分からないでもないがな。我々が味方と言えるかは別として、少なくとも敵ではないのだから、もう少し多めに見て貰いたいものだ」 「仕方がないさ。彼女はまだ若い上に、隊のウィッチの命を背負っているのだからね。 尤も、此方としても君の命を預かっている身だ。速いところ、調整をしておきたい」 「誰にもオレの命を預けた覚えはないがな。 だが、最高の性能を発揮できないのは問題だ。それとも中佐はマロニー同様、オレにさっさと死んで貰いたいのかね?」 「言い過ぎだぜ」 皮肉げな笑みを浮かべ、キツイ冗談を交えながら肩を竦める俺に、ドクは苦笑してコーヒーを啜った。 口の中に広まる苦味に眠気が吹き飛ばされていくようだ。やはり、眠い時にはコーヒーに限る。 ふと、ドクが視線を移すと俺は彼の後方――一応の完成を見せた新兵器を見ていた。 それは何というか四角い箱といった感じである。一見しただけでは、それがどのような兵器であるのか理解できない。 「ああ、アレかい? あれはね、ドキッ! 強化外骨格開発部隊の新兵器! って感じかな」 「どこの現人鬼だ」 お前の冗談にはついていけん、といった表情ではあったものの、自分もちゃっかりメタっていた。 「アレは肩に乗せて使用するんだ。ネウロイのコアを露出させるのに特化した装備、といったところかな」 「ふむ、なるほど。現状、此方のスペックを鑑みれば、オレがネウロイを撃墜するよりもウィッチの援護に回った方が得策か。現実的だ」 「ただね、アレ、色々と問題点があるんだよ」 「口頭で説明されてもな。スペック表を見せてくれ」 コーヒーをテーブルの上に置き、立ち上がって臨時研究所の奥へとドクが消えていく。 暫くして、書類の山が崩れる音と研究員の怒声、更に彼の謝罪の言葉が所内に響き渡った。 帰ってきたドクの頬には青痣が出来ており、思いっきりぶん殴られた後がある。 そういえば、あの一角で研究していたのは、真っ当な研究員とは思えないほどに筋骨隆々の武闘派だったなと俺は思い出した。 「い、痛い。歯が折れた。何も此処までしなくてもいいのに」 「お前は一番の若年だからな。そんなことはどうでもいいから、早く見せろ」 涙目で頬を摩るドクから資料を引ったくり、それに目を通す。 黙ってそれを読んでいた俺であったが、読み進めていく内にいつもの無表情が曇っていく。 尤もそれが分かるのは、もう5年ほどの付き合いになるドクと研究者ぐらいのものだろう。 「……これ、正気か?」 「いや、うん……ボクもちょっとどうかと思う」 「ちょっと所じゃないぞ。確かに特化させてはいるが、ハイリスクハイリターンなんてレベルじゃない。これじゃあハイリスクローリターンだ」 「流石に、止めたんだけどね。これはこれで効果的だからって。それに、君が危険を恐れるような人物じゃないだろうって」 「ご尤もだ。しかしこれは……ああ、いや、そうでもないのか。基本的にネウロイが一機しか現れないこの戦線じゃ、確かに此方の方が……」 だがなぁ、と難色を示している。 元来、この男もメチャクチャな人物である。強化外骨格を纏っているとは言え、露出したコアの素手による破壊など敢行する方がどうかしている。 そんな俺ですらが難色を示すなど、開発コンセプトが極端過ぎて一か八かの兵器としか言えないのだろう。 「しかし、こうなるとバーニアの調整を直さなくてはならないな」 「それについての計算は終わってる。あとは―――!?」 「警報か、ネウロイだな。どうやら、本格的に襲撃サイクルが狂ってきているようだ」 「しかし、何で……」 「さて……聞いた話じゃ、カールスラントの方で動きがあったそうだが、何とも言えん」 その時、警報の中、それに掻き消されることなくよく通る内線電話の音が響いた。 受話器の向こうから聞こえてくる命令に、了解とだけ返答し、電話を切る。 「出撃だ。もう既に何人か空に上がっている。遅れる訳にはいかんぞ!」 その言葉を聴いたドクを初めとする研究員達が動き出す。 どうやら、彼らは研究員としてだけではなく整備員としての仕事も担っているようだ。 各員が武器の点検を即座に済ませ、黒い鎧を纏った俺の前に持ってくる。 三人がかりで運ばれてきたデグチャレフPSRDの設計図を元に――とはいって強化改造しすぎてもう殆ど原型の面影のないライフルを俺は片手で握った。 そして、両肩には先刻の四角い箱にしか見えない新兵器が、俺の指示で取り付けられている。この間、僅か三分ほどの早業であった。 「……幸運を」 「さあ、どうだろうな。まあ、犬死にしないように努力するさ」 それだけ言葉を交わすと、出入り口とは別に存在する巨大な搬入口の扉に手をかけた。 本来ならば、数人がかりであけるであろうそれを安々と片手で開き、外に出る。 研究所から滑走路はやや遠い。ここから鎧を纏って歩いていくのは如何にも滑稽である。 しかし、俺の身体はそんな心配を嘲笑うかのように、すっと宙へと浮かび上がった。 どうやら、彼の纏った鎧には長い滑走路は、文字通り無用の長物であるらしい。 背面のバーニアが雄叫びのような音を上げ、急加速と急上昇を行う。 基地上空に舞い上がった俺は、一度空中で静止し、滑走路から飛び立つミーナとリーネの姿を確認するや、彼女達と同じ方向へと飛び立った。 ブリタニア上空 高度15000フィート。 第501統合戦闘航空団基地より、やや離れた空域にネウロイは進入した。 出撃したウィッチは、先の二人と美緒、バルクホルン、ペリーヌ、芳佳の6人に加え、オレの計7人。 世界最高位のウィッチであるハルトマン。 速度において右に出る者のいないシャーリー。 新人ながらシャーリーとの連携が光るフランチェスカ・ルッキーニ。 未来予知の固有魔法によって被弾経験の皆無のエースであるエイラ。 上の4名を残してきたのは、前回の時間差襲撃を教訓にしたのだろう。 残るサーニャ・V・リトビャクは夜間哨戒で魔力を使い果たし、そもそも出撃できる状態にはなかった。 「隊列変更だ。ペリーヌはバルクホルンの二番機に。宮藤はわたしの所に入れ」 残るミーナとリーネ、俺が3機編成に組む。 暫くすると美緒の魔眼が敵機を捉えた。 時を同じくして、俺の視界にもネウロイの姿が飛び込んでくる。 どうやら彼の被った兜には、望遠視の性質が備わった美緒の魔眼と同等の望遠能力があるようだ。 ネウロイの形状は前回同様に細長いが、それほどの速度はなく、更に巨大だ。 機体の中央にはレーダーの役割でも果たすのか、三つの柱が不気味に回転していた。 「バルクホルン隊突入! 少佐の隊は援護に」 『了解!』 力強くバルクホルンと美緒が返答するや、4人が先行する。 爆発的な加速でネウロイとの距離を詰め、バルクホルンは両手に握ったMG42の引き金を引く。 吐き出される弾丸と空薬莢。彼女の固有魔法である怪力と呼ばれる超身体強化によって反動を押さえ込む。 擦れ違い様にの射撃に、ネウロイの機体の表面を滑るように弾痕が穿たれていく。 しかし、敵は彼女達の攻撃を意に介さず、真っ直ぐにブリタニアの本土を目指す。 (かなり硬い上に、攻撃も強力で手数が多い。拠点や空域の制圧に特化したネウロイといったところか?) 迫る紅い光状を余裕を持って回避し、引き金を引かずにネウロイを入念に観察する。 彼の持つライフルは威力、射程共に軍で正式採用されているライフルを遥かに上回るものの、装弾数は一発限りの際物である。 また弾丸そのものもライフルに誂えて造られた特別製かつ巨大であり、一度の戦闘に持っていけるのは薬室に装填されたものも含めて5発のみ。 故に、コアの位置を正確に見極めなければならない。 「――――む」 バルクホルンとペーリヌの二人が、無数の光線を放つ機首から離れたある一点を攻撃した瞬間、俺が声を洩らした。 僅かながら、ネウロイの殺意に乱れが生じたのだ。 ウィッチでもなく、ストライカーユニットと比較しても性能的に劣る強化外骨格で彼が何故、大戦初期から戦い、生き残れてきたのか。 それはネウロイの殺気を感じ取れるからに他ならなかった。 地球上に存在する生物とは明らかに異なる体構造、精神構造を有するネウロイの殺意を感じ取る。 言葉にすれば簡単なことではあるが、それを可能とする者は彼以外に存在しない。 例え、ベテランのウィッチであったとしても彼らの殺意を感じ取ることは、精神構造が異質すぎるが故に不可能に近い。 せいぜい、何となく狙えわれているような気がする、という予感めいた不確かな感覚に頼るしかない。 しかし、彼はそれを正確に読み取れる。 一体、どのような理由なのかは定かではないし、そもそもネウロイが殺意を放っているなど常人の感覚からすれば眉唾物どころか、一笑にふされかねないものだ。 だが、現実として俺はネウロイの殺意を肌で感じ取っていた。 「ヴィルケ中佐、今バルクホルン隊が撃った所をもう一度攻撃して見れくれ」 「どういうこと?」 「……一瞬だが、奴の挙動が乱れた。コアはそこだ」 何を馬鹿な、とでも言いたげな表情を見せるミーナであったが、戦場を移動し、既にブリタニア本土が眼下に広がっている。 敵も高度を下げ、地上への攻撃態勢を視野に入れ始めているようだった。これ以上の侵攻は民間人への被害が出かねない。 俺の余計な説明を省いた断定的な物言いか、或いは美緒の魔眼が使用できないことから来る僅かな焦りからか、彼女はリーネに指示を出した。 「リーネさん! 俺少尉の言うとおりに!」 「はい……ッ!」 ミーナの言葉に返事をするが速いか、ボーイズライフルが火を噴いた。 他の隊員が持つ機関銃とは比べ物にならない破壊力を以って、ネウロイの装甲を爆散させる。 黒い装甲が白い煙幕へと変わる中、その帳の向こうに赤い光がチラついた。 「こちら、俺。今一瞬だけだが、コアを確認した」 「坂本少佐、念の為、一旦距離を取って魔眼で確認を!」 『了解! 下がるぞ宮藤、遅れるな!』 『わ、わかりました!』 指示通り、ネウロイの攻撃を器用に躱し、或いはシールドによって防御しながら射程範囲を抜ける美緒と、危なっかしくも何とか着いていく芳佳。 そうなれば当然、最もネウロイとの距離が近いバルクホルンとペリーヌが狙われるが何の問題もない。 バルクホルンはその強固なシールドと長年の経験からなる戦法故に。 ペリーヌは生まれ持った才能と積み重ねた努力による華麗ですらある空戦軌道故に。 ………………そう、普段通りならば。 (いくらなんでも前に出過ぎだ。まだ町や村には遠い、何を焦っているんだ) 戦闘報告書からイメージしていたバルクホルンの戦い方の違いに、愕然とする。 俺のイメージしていた彼女の戦い方はもっとストイックで、現実的かつ合理的。攻守のバランスが取れた優秀なアタッカーであった。 だが、今の彼女は現実的でもなければ合理的でもない。攻撃に気を取られすぎて、防御が疎かになっている。 その差異に、ミーナも殆ど悲鳴に声を上げる。 「あの子、いつもは二番機を視界に入れている筈なのに!」 「拙い。中佐、一旦距離を取らせ――――!」 俺の進言よりも早く、悲劇は起こった。 ネウロイの放ったビームをバルクホルンが直撃寸前で回避する。 その先に居たのは青い空でも、緑の大地でもない。青の一番、ペリーヌ・クロステルマンその人であった。 シールドを展開し、ダメージこそ避けたものの、急展開したシールドでは攻撃の勢いまでは相殺しきれず、空間を滑っていく。 一瞬で体勢を立て直したのは見事であったが、今回に限って、バランスを崩しての墜落という不名誉の方が彼女の精神を動揺させなかったかもしれない。 ドスン、とペリーヌと回避に成功したばかりのバルクホルンの背中がぶつかった。 何のことはない、新米ウィッチの頃には誰もがやるような僚機との訓練中の軽い接触事故。 しかし、彼女達は幾度の死線を潜り抜けてきたベテランであり――そして、此処は戦場だった。 即座に、俺は引き金を引く。 狙いはビームの射出口ただ一点。 彼女達を救うべく放たれた弾丸は、無常にも敵の攻撃が終了した時点で装甲に突き刺さる。 「うわあああッッ――!!」 数条もの光線は、展開されようとしていたシールドを紙の如く破り、バルクホルンの握るMG42の弾倉を暴発させる。 「――トゥルーデ!」 『大尉ぃッ!』 「バルクホルンさんッ!!」 「ちぃッ……!」 遥か地上の森へと落下していくバルクホルンの後をペリーヌ、芳佳、俺の三人が追う。 一番最初に辿り着いたのは俺だ。 それこそ、今日見せる最高速で追い縋り、負傷した彼女に一切の負担をかけずに受け止める。 見れば、胸部から大量に出血している。 口から血を吐いていない所を見れば、食道や肺などの内臓に傷はついていないようだ。 だが、魔法力で強化されていようとも元の肉体は10代の少女である。予断を許さない状況に代わりはない。 「シールドを張れ! 地上に下りる!」 後から追いついてきたペリーヌと芳佳に防御を任せ、最新の注意を払って眼下の森へと降下していく。 地上についた瞬間、俺はバルクホルンの身体を地面に寝かせ、傷を確認するために軍服を前を開く。 あらわになったのは血で赤く染まったタンクトップ。そこから僅かに先端を覗かせる金属片が傷の原因だ。 その金属片を取り除けば大出血を引き起こし、かといってそのままにして医療可能な場所への移送へはバルクホルンの体力が持つかどうか。 (思った以上に厄介な状態だ。針と糸でも持ってくるべきだったか) 医療にも精通しているのか、一瞬でバルクホルンの診察を終わらせ、せめて止血だけでもと動き出そうとした時、芳佳が割って入った。 「私がやります!」 何を、と俺が告げるよりも早く、青い燐光がバルクホルンと芳佳の二人を包み込んだ。 魔法力の輝きに、慌てるように後退し、距離を取る俺。 「こんな力が……」 「治癒魔法か……」 治癒魔法。バルクホルンの怪力同様、念動系に分類される固有魔法。 生物が元あった形に治そうとする魔法であり、外傷のみならず病気に対しても有効とれている。 数ある固有魔法の中でも、希少な部類に入る。命を救うためだけにしか使えない魔法である。 それを見て、問題はないと判断したのか、ネウロイから攻撃を遮っていたペリーヌの横に立つ。 「クロステルマン中尉は坂本少佐の下に入ってください。此処はオレが」 「何を言って……!」 「……はあ」 俺はこれだからガキは嫌いだ、とばかりに大きく溜息を吐いた。 確かに、ペリーヌのように自分の責任と受け止める人としての度量は認めるべきだろうが、それで冷静さを欠いてしまっては意味がない。 今この状況で芳佳以外に出来る最善は、バルクホルンの治療を見守ることではなく、ネウロイをいち早く倒し安全を確保することだ。 その方が落ち着いて、芳佳自身も余計なことに気を逸らさずに済み、バルクホルンの命を救うことに繋がる。 「貴方は――――」 「落ち着けッッ!!」 何か、更に言葉を紡ごうとしたペリーヌを遮り、俺の怒号が飛んだ。 それは、一軍人としての言葉であり、また年長者としての言葉でもあった。 「いいか、宮藤。お前も一度治療を止めて、二度深呼吸をしろ」 「で、でも、そんなことをしたら……」 「――早くしろッッ!!」 更なる怒号に、まだ幼いといってもいい少女二人は肩をビクリと震わせる。 その有無を言わさぬ態度と迫力に圧され、意を決して大きく二度深呼吸をした。 「宮藤はそのまま大尉の治療を。そして、中尉。固有魔法や攻撃性能から言って、あなたの方が敵を素早く撃破できる可能性は高い」 「ですが……」 「失敗を反省するのはいい。けれど、今はその時ではない。今は、中尉の最善を尽くすべきだ。違いますか?」 「…………ッ!」 後悔や焦りを振り切るように。俺の言葉に後押しされるように。 ペリーヌ・クロステルマンは空へと翔けていく。 そうだ。彼女は何時だってそうだった。 友を失った時も、家族を失った時も、国を失った時も。数多の取り返しのつかない失敗と絶望を振り切って。振り切りきれずに後ろ髪を引かれながらも、がむしゃらに戦った。 青の一番、そう呼ばれたウィッチの真の実力がそこにある。 「坂本少佐、クロステルマン中尉がそちらの僚機に入る。フォローを」 『――了解した!』 俺の更なる算段としては、美緒ならばペリーヌの手綱を握ることが出来るとも踏んでいた。 僅かな期間しか共に過ごしていないとは言え、美緒に向けられているペリーヌの感情は、もはや崇拝に近いことは俺でなくとも分かるだろう。 まして、美緒は扶桑海事変からの大ベテランである。仲間の身が危ないからと、焦りから無茶や危険を冒すような人物でもない。 あとは、と肩越しに治療中の宮藤を見る。 先程は焦りから巧く魔法力を操作できていなかったようであるが、今は別人のように最適な形で固有魔法を行使していた。 そも魔法力とは、精神面によるところが大きい。 ならば、焦りや不安、或いは体調不良なども行使の妨げになるのである。 俺の見た所、芳佳の秘める魔法力はウィッチとしては最上級。 だが、その大きすぎる魔法力が逆に固有魔法の行使を邪魔しているように思えた。 単純に魔法力を込めれば強固になるシールドと固有魔法は一線を画する。彼女のような固有魔法に求められるのは最高ではなく、寧ろ最適である。 負った怪我や患った病気に対し、最適の魔法力と術式を以って当たることが、最終的に最高の結果を生み出すのだ。 (もっとも、オレの受け売りではないがな) かつて世話になった治癒魔法を有する二人のウィッチの顔を思い浮かべ、兜の下で苦笑を洩らす。 そうしている間にも、敵の攻撃は激しくなっていく。 自身の周りを飛び回るウィッチ達を、倒すべき敵として認識したのか、ネウロイは体勢を買え、地面と垂直の状態で停止した。 以前、エジプトで見たオベルスクのような威容は、まるで不吉を象徴しているかのようだ。 『拙い。そちらを狙っているわ!』 「問題ない。ウィッチほどではないが、此方にもシールドがある」 通信機越しの美緒の言葉に、冷静に返答し、左腕を前に差し出した。 瞬間、ネウロイの攻撃が放たれる。 あらゆる金属を消滅させ、大地と海を割る赤い閃光。 地上の三人に向けて放たれたそれは、オレの身体に直撃する寸前に軌道を代え、あらぬ方向へと飛んでいった。 展開されたシールドが、ネウロイの攻撃を逸らしたのである。 ウィッチのそれとは明らかに性質の異なるシールドは半球状に形成されていた。 『シールドまで……!』 「もっとも、ウィッチのそれより遥かに劣りますがね」 そう、彼の言うとおり、強化外骨格の張るシールドは単純な強固さにおいてはウィッチよりも遥かに劣る。 だが、その球体の形状は大抵の攻撃を受け流し、そして多数かつ他方向からの攻撃を防御可能とネウロイのビームに対しては利便性が高い。 但し、あくまでもネウロイからの攻撃を前提とした防御であり、実体弾による攻撃には極めて脆かった。 「……ッ……何を、している。……速く、ここから離れろ」 「嫌です! 仲間なんですよ、必ず助けます!」 「その力は、敵に使え……。敵を、倒すんだ。私の命は、捨て駒でいいんだ」 勝手なことを言う、俺は思わずそんな言葉が出そうになる。 ウィッチとそこらの兵士とでは、この大戦の最中、命の価値が違う。 ましてやバルクホルンは世界有数のトップエースだ。彼女が上がりを向かえるまでに、一体どれほどのネウロイを倒せるか、計り知れないものがある。 ならば、己自身と芳佳の命を捨てて、バルクホルンの命を救えるのならば――人類側の損失は極めて軽微だ。 (まあ、目的も果たさずに死ぬつもりもないがな) 彼が言う目的は、他のウィッチ達が目指すものとは異なるのか、胸の内で一人呟く。 事実、この状況においてバルクホルンを助けられなければ、万人が納得せざるを得ない理由をつけて離脱するつもりである。 それは逆に言えば、バルクホルンが助かる可能性が高いのであれば、命さえ失わなければよい、という強固な意志の現れでもあった。 「わたしには……、傷ついている人を見捨てるなんて真似、出来ません!」 「………………ッ!」 芳佳の言葉に、心にわだかまっていた何かが洗い流されたような、それこそ憑き物が落ちたような顔で、バルクホルンは優しく微笑んだ。 そんな彼女の心境の変化を察したとは思えないが、ともあれネウロイの攻撃がより苛烈となる。 舌打ちと共にシールドを展開させ、攻撃を逸らすもその衝撃に俺の全身が軋み始めた。 「いや、それより――――ッ」 その程度ならば耐えられる。それ以上に厄介だったのは、熱だ。 強化外骨格のシールドは、ビームの発生に伴う二次被害までは防げなかった。 「……来やがった。――……ッ!」 それにネウロイも気付いたのか、今まで断続的に行ってきた攻撃を連続的に。連続から更には照射に切り替える。 5秒、10秒、20秒。上空のウィッチによる援護も空しく、ネウロイの攻撃は放たれ続けた。 見る間に彼の伸ばした両腕は黒から赤く染まり、金属それ自体が赤熱化している。 一体、鎧の内側何度にまで上昇しているだろう。彼は両腕が焼けていく音を耳にしていた。 だが、それでも悲鳴の一つも上げはしない。そう、彼にとってこの程度の苦痛など、何の障害にもなりはしないのだ。 ――そこが、ネウロイの持つエネルギーの限度だったのか。2分を超える照射がようやく途切れた。 「…………無事か?」 「それは此方の台詞ですよ、大尉」 「そうか。……済まない、迷惑をかけた」 ネウロイの攻撃を凌ぎきった俺は背後で治療を終え、既に立ち上がっていたバルクホルンに軽口で返した。 芳佳は既にバルクホルンの治療で魔法力の大部分を使い果たしたのか、肩で大きく息をしていたが、最低限自分の身を守ることは出来そうだ。 二度三度、両腕を握ては開きを繰り返し、機能性が損なわれていないことを確かめる。 手甲の下は火傷で凄まじい様相を呈しているだろうが、動きさえすれば問題ないと判断し、足元にあった己のライフルを蹴り飛ばした。 「うっ!? ……何を?」 「使ってください。征くのでしょう?」 重量にしておよそ50キロはあるライフルを軽々と蹴り飛ばした方も蹴り飛ばした方だが、受け取った方も受け取った方だ。 もっとも親しんだMG42は一生はこの世から消失し、もう一丁も落下の際に失われ、この森の何処かで眠っている。 そして経験故にか、手にしたライフルの凶悪な威力を、バルクホルンは握ったその手から感じ取っていた。 「装弾数は1発ですから、注意してください」 「外すな、という訳か」 「ええ。オレが先行して装甲を剥がしますから、トドメは任せました。世界最高位のトップエースならば、簡単ですよね?」 「ああ。――――なんてことは、ないっ!!」 何処か挑発するような物言いに、バルクホルンは裂帛の意志で応じた。 俺は地を蹴り、バルクホルンはストライカーユニットで天へと上る。 加速、加速、加速ッ――!! 余計な軌道は不要とばかりに一直線に。愚直ですらあるような軌道で、ネウロイに迫るウィッチと黒い影。 無論、そのような愚考をネウロイが許す筈もない。 二匹の蚊蜻蛉を焼き尽くさんと無数の赤光を放つが、二人は更なる加速を以って掻い潜る。 突如、舞い戻った二人を唖然と見送る四人を今は捨て置き、戦場を翔けた。 余りにも長く感じる、余りにも短い時間の中、先行した俺がネウロイを射程圏内に捉える。 「新兵器だ。遠慮はするな、全弾持っていけ――!」 彼の両肩に装備された新たな武装が、獣の顎のように口を開く。そして、咆哮が響き渡った。 一瞬にして射出される数百発の黒いベアリング弾。 無数の点の攻撃は群れを無し、やがては面の攻撃へと変貌を遂げる。 近接戦闘用指向性炸裂弾。そう名付けられた新兵器は後に誕生するクレイモア地雷によく似ていた。 再生が巻き起こるよりも速く破壊が侵攻していく。 そして宣言通り、全ての弾をネウロイにプレゼントし終わった頃には、コアが剥き出しになっていた。 「これで、――――終わりだッ!」 攻撃の勢いに備えるために静止した俺の後ろから、バルクホルンが躍り出る。 最早、攻撃に転ずる余裕すらないのか、ネウロイは黙ってその現実を受け入れる術はない。 どう足掻いた所で外しようのない距離までコアに接近し、彼女はその引き金を引き絞る――! 基地内テラス 太陽は当に海中へと没し、夜闇が辺りを包み込んでいた。 少し肌寒さを感じる中、隊舎からの明かりが指すテラスで一人煙草を吸っている男が一人。そう、俺である。 戦闘が終了し、色々と面倒ごとが多かった彼であったが、今はようやく一服できる余裕が出来たようだ。 戦闘終了直後にミーナが泣きながらバルクホルンの頬を張って説教をしたり、ペリーヌと芳佳に礼と共に頭を下げられたり、美緒に称賛の言葉を貰ったりと大変だった。 しかし、と吐き出しだした紫煙が夜風に消えていく様を見ながら呟く。 「とんだ失敗作だったな、アレ」 そう、彼の使った新兵器は欠陥品だった。 その証拠に彼の額には真新しい白い包帯が巻かれている。 無論、ネウロイの攻撃によって受けたものではない。それは包帯が指先まで巻かれた両腕だけである。 両腕は重度の火傷を負ったが、彼に手術は必要なかった。手甲を外した時にベロンと皮が剥がれた時は、彼女達の前で外さなくてよかった、と心底思った程度だ。 新兵器の問題は、余りに近い距離故に跳弾を引き起こしてしまうこと。 実際に、彼は頭部のみでなく身体の前面が隈なく打撲で覆われている。 「距離が近ければ跳弾に巻き込まれ、離れれば味方への誤射に繋がるなんてな。笑えんぞ、冗談抜きで」 不幸中の幸いは、バルクホルンに跳弾が当たらなかったことだろう。そうでもなければ、今この場に彼はいないのだ。 しかし、あの破壊力は魅力的だ。巧く改良すれば、より強力な兵器になる。 俺が使うと決めた以上は、どうやって跳弾とネウロイの攻撃による誘爆を防ぐかが、これからの開発班の課題となりそうである。 「……俺少尉」 「バルクホルン大尉ですか。と、失礼しました」 「ああ、いや、そのままで構わない」 「はあ、そうですか」 持ってきた灰皿で煙草を揉み消して姿勢を正そうとする俺を片手で制し、バルクホルンは一定の距離を開けて隣に立つ。 規律が第一の女傑という印象を持っていた俺は、どこかしおらしい彼女の姿に首を傾げそうになる。 ともあれ、上官の許可はおりているのだ。あくまでも自然に、自分のしたい格好でいればいい。 テラスの柵に寄りかかり、肺一杯に紫煙を吸い込む。 「…………それで、大尉。身体の方に異常は?」 「あ、ああ。精密な結果はまだ分からないようだが、医師の診断では問題ないそうだ。傷も残らん」 「左様で。それは重畳」 暫く経っても口を開かないバルクホルンに業を煮やし、俺の方から話しかけた。 帰ってきた台詞は予想通りで、取り敢えず安堵の言葉を返しておく。 「……………………」 「あの、大尉? 何か御用が?」 「い、いや。そ、それは、だな」 歯切れの悪い返事と挙動不審に目が左右に泳いでいる様子に、なんだコイツといった視線を送る俺。 此処で頬を赤く染めてもいれば、彼くらいの男なら愉快な勘違いでもしそうなものだが、生憎と頬は染まっていなかった。 可愛らしさよりも挙動不審さが目立つ彼女であったが、深呼吸をして落ち着きを取り戻す。 「済まなかった。今回は皆に迷惑をかけた」 「謝るのなら一番動揺していたクロステルマン中尉に、礼なら一番尽力した宮藤に言ってやってください」 「もう言ったさ。中尉には先に謝られてしまったがな」 そうですか、と答えた俺の脳裏には、バルクホルンの顔を見た瞬間、頭を下げるペリーヌの姿が掠めていた。 責任感と気位の高い、何とも彼女らしい行為だ。 「………………何も聞かないんだな」 「ええ。余り興味がないので」 「随分、はっきりと言うな」 ずばっと竹を割ったようなあっさりとした返答にバルクホルンは苦笑する。 俺が何も聞かないのは興味がないのが半分、そしておおよその見当はついていることが半分であった。 俺の推察では、バルクホルンは失った誰かを、或いは失いかけた誰かの影を宮藤に重ねたのだろうというものだ。 そうであれば初めての顔合わせの際に見せた、場にそぐわない芳佳に向けられた視線にも納得がいく。 そして、それは的を射ていた。 「妹と宮藤がよく似ていてな。自分でもそれがどうかしていたと思うのだが、どうにも焦りを止められなかった」 「妹さんは、存命で?」 「ああ。だが、カールスラント撤退戦の際、私の目の前で重症を負ったまま、今もブリタニアの病院で眠り続けているよ」 「そうですか。亡くなっていないだけマシとは言え、少々酷ではありますね」 同情も憐憫もせず、彼女の境遇に淡々とした口調で意見を述べる。 彼には彼女の痛みも苦しみも理解できない。そもそも生まれてこの方、彼に家族と呼べるものは存在しなかった。 「ああ。だから、今度休暇を貰って見舞いに行こうと思っている」 「成程、ヴィルケ中佐と何か話していると思いましたが、その事についてでしたか」 「そうだ。まだ出会ったばかりの少尉に、こんなことを教えるのも何か可笑しな話だがな」 「つまり、他人にそれを伝えたくなるほど楽しみで堪らない、という訳ですか」 「か、からかうんじゃない!」 顔を真っ赤しつつも、決して否定はしないバルクホルン。 そんな彼女の姿に、俺は無表情の上から意地の悪げな笑みを貼り付けた。 「冗談はさておき。妹さんに会ったら、何でもいいから話しかけてあげてください」 「それはそのつもりだが、何故?」 「医学で解明された訳ではないですが、意識不明の患者に話しかけると意識が回復する可能性が高くなるんですよ」 「な、なに!? それは本当かッ!?」 「実際に目にした訳ではないので確かなことは言えないですが、眠っていた際に話しかけていた内容を覚えている、なんて例もあるらしいです」 「そんなことまで、あるのか……」 「人間の脳はまだまだ解明できていない部分が殆どですから。親しい人間の言葉が脳を刺激し、意識回復の一因を担うというのも、あながち不思議な話じゃない」 そういうと、見えてきた僅かな希望に打ち振るえるバルクホルンを尻目に、遠くの星を眺めながら煙草を吸った。 「そうか。なら、私は明日に備えて休ませて貰う!」 見舞いに行くの明日かよ、急な話だなおい、と心の中でツッコミを入れつつも、決して口には出さない。 俺とは言えど、他人の幸せな気分に水を指すのは気が引けた。 「そうだ。すっかり忘れていた」 「……まだ何か?」 「わたしと話す時は階級も敬語もいらん。わたしのような小娘に気を使う必要はない」 規律を重んじるバルクホルンを知る人間であれば、明日は槍が降るんじゃないのかという気分にさせる破格の提案だった。 それは今日の戦闘において最も冷静沈着で、戦士として一流の振る舞いを見せた俺に対する彼女なりの不器用な敬意の現れである。 そして、不用意に戦場で心を乱した、大人になりきれない自分自身への戒めも篭められていた。 「了解した。対価といっては何だが、君が思い詰めたら、年上として愚痴くらいは聞こう。 また無茶をされたら堪ったものではないし、ヴィルケ中佐の胃に穴でも開いたら大変だからな」 「ふッ、言っていろ。――――ありがとう。感謝している」 俺の皮肉に晴々とした笑顔を浮かべ、自室へ帰っていったであろうバルクホルンの背中を見送り、最後に煙草を吸う。 綺麗に根元まで吸い切ってから残った火種を灰皿の上で揉み消しつつ、紫煙を吐き出す。 煙草を吸った時特有の倦怠感、それとは別の多幸感を感じながら、ボンヤリとした思考でポツリと呟く。 「――――変な女」 彼の言葉は無論、彼女を侮辱するものではなく、何とも言えない気分にしてくれた彼女の意趣返しであった。 戻る
https://w.atwiki.jp/kumicit/pages/27.html
批判サイド 創造論者の主張 CC111 Ten modern human skeletons have been excavated from fifty-eight feet deep in the Lower Cretaceous Dakota Sandstone, which is dated as 140 million years old and is known for the same dinosaurs as in Dinosaur National Monument. 10体の現代人の骨格が、Lower Cretaceous Dakota Sandstoneの58フィートの深さから発掘された。その地層の年代は1億4000万年前のもので、Dinosaur National Monumentと同様に、恐竜で知られている。 Source Patton, Don, n.d. Official world site Malachite Man. Response 骨格は既に否定されたMoabの骨格[CC110]の同じものに、近所に埋葬されていたインディアンの骨格8体を加えたものである[Kuban 1998]。 目撃談で示された詳細いは明らかに間違いである。骨格は15フィートの深さのやわらかく成層化していない砂の中から見つかった。それら明らかに、堆積物が堆積してから、ずっと後に埋葬されたものだ。Dakota Formationは約9000万~1億1500万年前のもので、初期および後期白亜紀にまたがっている。Dinosaur National MonumentはMorrison Formationにあって、それはジュラ紀のものである[Kuban 1998]。 Malachite Manについて主張をしている人々は、その主張を確かめるために必要と思われる情報の提供に協力的ではなかった。彼らの主張が実際に検証可能だと考えているなら、これは驚くべきことだ。 Links Kuban, Glen J. 1998. The life and death of Malachite Man. References Kuban, Glen J. 1998. (see above) オリジナルページ ? これは Index to Creationist Claims, edited by Mark Isaak の和訳です。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/9313.html
107 名前:戦車の人[sage] 投稿日:2024/07/10(水) 00 26 45 ID 61-24-203-31.rev.home.ne.jp [18/97] 【日本大陸Fallout世界支援作品-58式強化外骨格】 2058年に日本陸軍及び海軍陸戦隊等が採用。やがては西太平洋条約機構軍に広く普及することになった、兵員用強化外骨格。 歩兵の重装備化の進捗、そして近い将来の仮想戦場におけるABC兵器対処手段の一環として、官民合同で開発が行われた。 基本設計は民間で農作業、流通産業、福祉事業などで秘録使われている外骨格と大差なく、あくまで歩兵装備の延長に存在する。 軍用規格の先進軽量合金フレームを基本とし、動力源には全固体電池を用いており、フレーム単体でも倍力装置として十分機能する。 平時や災害派遣などにおいては、フレーム単体あるいは軽量防水パネルを取り付け、各種作業に当たることも多い。 手足などの動きは電子制御でスレーブされ、ほぼ生身のそれに近い動きが可能である。連続稼働8時間が可能で、30分ほどで充電を終える。 使い勝手の良さから最終戦争以前より、特に我が国や東南アジア諸国、インドなどで激甚災害の復興支援、人命救助にも活躍している。 運用実績を重ねるにつれて電子制御、フレーム強度、稼働時間、即応性、ペイロードなどの段階的な改善も施され続けた。 元が商業用技術を用いているため、調達及び運用維持コストも安価であり、民間用外骨格の運用データも国費を支払い購入。反映している。 では兵器として見た場合の58式強化外骨格であるが、米軍のパワーアーマーのような重量級の。戦闘車輌に匹敵する装備ではない。 西太平洋条約機構軍は優秀な機甲部隊、機械化部隊を豊富に有しており、無理に強化外骨格に過剰な戦闘力を求める必要はなかった。 しかしそれら戦闘車輌や無人兵器などと連携し、なおかつABC防御能力をある程度備える装甲服としての機能は、やはり必要とされている。 軽合金フレームを覆う形で頭部、胴部、腕部、脚部に装甲モジュールの取り付けが可能で、こちらは軽量複合素材により構築されている。 防御力としては7.62ミリ徹甲弾の直撃、あるいは榴弾破片や低出力レーザーから、着用した兵を完全に守ることが可能となっている。 また頭部ヘルメットまで着用。完全気密状態をコマンドした場合、顔面部フェイスガードを含め、外気遮断・フィルター呼吸に切り替わる。 段階的に性能改善が図られた全固体電池の大容量により、ABC防御状態における冷却機能も持ち、その状態でも稼働6時間は確実である。 なお万が一放電状態となったとしても、ある程度の自由な歩行や移動、勿論着脱も可能で、ABC警戒状況でなければ電池交換も容易である。 放電済電池は戦闘車輌などからの充電も可能であり、特に3000馬力の駆動系を誇る60式戦車系列の支援能力も十分なものがあった。 108 名前:戦車の人[sage] 投稿日:2024/07/10(水) 00 27 30 ID 61-24-203-31.rev.home.ne.jp [19/97] 日本軍、ひいては西太平洋条約機構軍はネットワークを介した共同交戦能力も重んじており、この強化外骨格もその例外ではない。 今や民間では掌サイズよりも小型化されることも珍しくないスマートフォン技術を用い、相応の高い処理能力と統合データリンクへの対応を達成。 外部からの共有情報はフェイスガードにAR投影され、全天候における歩兵戦闘を大きく支援する。処理、通信系は当然装甲内部に収まる。 固有のセンサーは当初存在せず、一般歩兵用の画像増強・熱線映像併用ゴーグルを、ヘルメット上部に取り付け、やはりAR投影を行っていた。 しかしより高いABC防護能力が求められるに連れ、フェイスガードにスライド式増加装甲を取り付け、より外気防護能力を強化。 スライド装甲をマウントとして、より索敵能力を強化し、レーザー測距機能も付与された改善型マルチセンサーへと、段階的に交換されている。 当初はなるべく専用装備というものを省き、既存の歩兵が用いる各種装備で戦うことを目標としたが、58式配備以降、国際情勢は急速に悪化。 資源戦争で崩壊しつつあった欧州、中東地域等では、第一次世界大戦もかくやという頻度でBC兵器を用い、地獄を演出していた。 故に装甲フェイスガードを含むABC対応能力の強化、直接防護力も8.6ミリ徹甲弾や対人地雷完全対応へと強化、改善されている。 そして58式が歩兵装備の一環である以上、走る、飛ぶ、伏せるという動作も敏捷に行わなければならない。歩兵は常に地形を味方につける必要がある。 この点は初期型完成段階より重視されていたことであり、数十メートル先の障害物に咄嗟に飛び込む、時速15キロ以上で匍匐前進を行う。 そういった要求が当初より盛り込まれ、高いモーションアシスト能力の恩恵もあり、電力消費を抑えつつも、かなりの運動能力を実現している。 フルサイズの小銃、狙撃銃用徹甲弾でも阻止できない強化外骨格が、遮蔽物などを用い、匍匐前進を行う有用性は、歩兵なら誰でも理解できる。 歩行速度こそ毎時30キロと控えめで、長距離移動は位相収納システムを持つ装甲車を用いるが、素早く、堅牢な歩兵システムとして完成を見た。 米軍のパワーアーマーのような敵砲火をものともせずというコンセプトではなく、瞬発力と常識的な装甲で歩兵を守る方針を一貫している。 武装もやはり歩兵用を流用するところから始まり、当時、車載機関銃等として普及していた8.6ミリ汎用機関銃を、主戦兵装として用いている。 一般歩兵が用いる6.8ミリ高初速弾と比べ威力と射程双方で大きく優れ、大口径故の本体及び弾薬重量も、強化外骨格のペイロードが解消している。 高い継戦能力と精密照準、情報共有のもとに放たれる8.6ミリ機関銃の威力は大きく、60ミリ銃口装着擲弾の並行運搬、投射も可能である。 109 名前:戦車の人[sage] 投稿日:2024/07/10(水) 00 28 28 ID 61-24-203-31.rev.home.ne.jp [20/97] 58式が西太平洋条約機構軍に普及するにつれて、基本性能の向上や統一規格内における各種外装モジュールが開発され、派生型も多く存在する。 あえて装甲を軽量化しつつバッテリー容量を拡大、マルチセンサーの機能強化と光学迷彩機能を付与した浸透偵察型外骨格。 負傷した外骨格歩兵複数人を担ぎ、支援用装甲車両まで迅速に運搬し、やはり多数を携行する医薬品で応急処置を行う衛生兵用外骨格。 あるいは稼働時間低下(6時間前後)を甘受した上で装甲、武装ペイロードを大きく強化し、最終戦争当時は歩兵用標準型となった重装備型も完成。 8.6ミリ機関銃や小銃擲弾に加え25ミリテレスコープ半自動砲、携帯多目的誘導弾、果ては白兵戦用に合金鋼製トマホークさえ準備されている。 こちらは対パワーアーマーというより、中共及びソ連軍による人海戦術の突撃を受けた際に、強化外骨格の膂力で敵兵を薙ぎ払う戦斧である。 当初は災害派遣、人命救助などで親しまれた58式も、国外情勢の急速な悪化に伴い、いつしか兵器らしい凶悪さを身に纏うようになっていった。 それでも軽快な運動性、高い信頼性と汎用性、優れた継戦能力などは維持され、何よりも調達コストが性能に比べ非常に安価なことも特筆に値する。 米軍の核融合電池を用いるパワーアーマーがMBTに匹敵するコストに対し、こちらは精々が軽四輪装甲車程度のコストに収まっていた。 但し皮肉なことに日本式強化外骨格、米軍のパワーアーマーによる交戦は、両国が太平洋を隔て、米海軍が壊滅したことから殆ど生じていない。 条約機構加盟国海軍の艦艇の相当数が弾道ミサイル防衛に忙殺されたとは言え、依然として多数の空母、潜水艦等の攻撃兵力はフリーハンドであった。 時には2070年代の技術を用い蘇った戦艦さえ、戦術核攻撃さえ乗り越え上陸船団に突入し、パワーアーマーを用いる精兵諸共海の藻屑としたのである。 では58式に出番がなかったかと言えばそのようなことはなく、北海道及び北方領土に上陸を果たしたソ連軍相手の、第7機甲師団による機動防御。 そして何より地続きであるがゆえに、最終戦争で最も過酷な戦場とも言われた東南アジア戦線にて、中ソ両軍の人海戦術を相手に奮戦している。 文字通りの飢餓を原動力とした人海の攻撃力は熾烈だったが、大多数の訓練された強化外骨格歩兵たちは、概ね冷静に戦うことが出来た。 生身よりも身軽に障害物に潜み、人海の大多数が用いる歩兵火器や重迫破片を確実に防ぎ、敵歩兵に優る火力を情報共有のもとに投射できる。 また歩兵単体で戦うのではなく常に戦闘車輌、無人兵器、航空機などと諸兵科連合を維持したことが、歩兵たちの冷静さと戦意をよく保った。 戦意旺盛な部隊などは敢えて合金鋼製の戦斧を振るい、敵歩兵を銃弾とは異なる形で肉片として、人海を押し返すことさえやってのけている。 110 名前:戦車の人[sage] 投稿日:2024/07/10(水) 00 29 12 ID 61-24-203-31.rev.home.ne.jp [21/97] 一通り各陣営が熱核兵器を使い果たし、それらが撃墜されるか着弾するか。野戦軍が文字通り粉砕されるか。艦隊が溶けるように壊滅するか。 方法は様々であるが最終戦争が一応の終結を見たとき、特にインドネシアなど中国と国境を接した軍の強化外骨格。その6割が大破していた。 堅実な中防御・高機動外骨格であっても、食料を求める餓鬼となった人海の衝力は、諸兵科連合を常に維持し続けても損害は大きかった。 一方で大破したはずの外骨格の7割以上から、兵が治療可能な範疇の負傷で救出されたことは、58式がその一義を全うしたと評価できる。 何しろ歩兵だけではなく戦闘工兵、衛生兵なども着用し、生身の兵なら蒸発しかねない戦場を駆け巡った上で、これ程の生残性を発揮したのだ。 この高い生残性は58式の生残性の確かさだけでなく、自らの負傷や疲労を顧みず、治療に尽力した軍医や衛生兵の献身も忘れてはならない。 やがて戦争終結からしばしの間は地上情報収集、敵軍残党駆除等はアンドロイドやドローンに任され、多くの兵は休養を与えられている。 彼らとともに戦い命を守った外骨格も同様で、健在な4割は後方支援部隊が重整備を行い、破損した6割もメーカー工場で修理が行われた。 全般的に素直な設計を踏襲し、モジュール構造を全面的に用いたことが幸いし、大破した外骨格の実に半数以上が新品同然に復旧された。 やがてアンドロイドやドローンたちの尽力により国土除染、危険生物の駆除、地上への人類帰還が進み、強化外骨格も再び出番を得た。 ドローンやアンドロイドと連携しての国土復興事業において、多くの実践経験を積んだ兵と彼らを守る強化外骨格は、やはり必要不可欠であった。 商用強化外骨格では危険だが、人間の判断が必要な復興事業において、58式の系譜は着用者を守りつつ、着実に任務を遂行。 各種BC兵器や戦死者の遺体で汚染されたインドネシア戦線跡地、あるいは豪州熱核兵器着弾地域などの復興にも、かなりの活躍を見せた。 無論、その途中で危険変異生物や中国軍残党との戦闘も皆無ではなかったが、戦時中に比べれば余程建設的な任務と言える。 そして西太平洋条約機構の国土が概ねの除染、復興を遂げ、発展へ踏み出したとき、58式強化外骨格はついに現役を退くことになる。 民意に基づく旧敵国地域への調査派兵においては、強化外骨格歩兵は必要だが、前線を張るには生身の兵は余りに危険と各国は判断。 新世代の人型アンドロイドの着用、運用に最適化された、事実上の無人化強化外骨格が主力となり、ついに58式は一線を退いたのである。 とはいえ極めて豊富な実戦におけるノウハウは、流通や医療福祉、農作業用の新世代外骨格に継承され、人類復興と発展に今なお貢献している。 111 名前:戦車の人[sage] 投稿日:2024/07/10(水) 00 30 00 ID 61-24-203-31.rev.home.ne.jp [22/97] 【あとがき】 この度も長文申し訳ございません、これにて西太平洋条約機構軍強化外骨格の拙文はおしまいとなります。 イメージとしては佐藤大輔氏の「遥かなる星」第3巻に出てくる、北崎重工製の宇宙服兼用のパワードスーツです。 歩兵は常に伏せ、匍匐前進を行い、地形を味方につけて戦うという、軽量型パワードスーツのコンセプトを日本大陸の技術で高性能化しました。 Falloutシリーズの米軍パワーアーマーのような重装甲で敵の反撃を防ぎ、ミニガンやガトレザの大火力で蹂躙するのも一つのあり方です。 しかし最終戦争以降もXシリーズが開発され続けた理由が、最早MBT等のAFV開発を行うリソースも資源もないという背景も存在しています。 手前味噌で恐縮ですが60式戦車シリーズが広く普及し、砲兵火力や航空機、無人兵器が潤沢な西太平洋条約機構軍。 彼らが強化外骨格を開発する際にそこまで求めるか。あるいは歩兵の延長線上の存在として諸兵科連合を保つものを求めるのではないか。 トゥ・ヘァ様などの助言によりアイデアを頂き、最終的には小銃や狙撃銃徹甲弾、対人地雷に耐え、敏捷な歩兵として機能する強化外骨格。 そのような形に落ち着きました…因みに高合金鋼製トマホークは、銀英伝のオマージュです。多分銃剣より余程役に立つよねって。 そしてこの58式がそこそこの性能でありながら、最終戦争勃発の2077年までに歩兵、工兵、衛生兵などに幅広く普及している理由。 それについては軍用以前に、民間市場の様々な分野で強化外骨格が多数運用されており、技術熟成と低コスト化を果たしたと理由付けました。 流通業界や農業などでは言うに及ばず、福祉介護などでも人間の動作をトレースできる外骨格は、障害者や高齢者支援に必須でしょうし。 武装や全天候センサーも21世紀現在において、既に実用化されたものを日本大陸基準で、2050年代以降に高性能化したものに留めています。 なお58式のデフォルトとなる主要武装はシグ・ザウエルMG338であり、ラプアマグナム弾を延々と情報共有のもとに叩き込んできます。 メタファーで言えば中共人海戦術の衝力を歩兵一人に重機関銃レベルの火力をもたせ、諸兵科連合を維持しつつ破砕することを目標としています。 それ以外の重武装は米軍パワーアーマー対策に開発されましたが、肝心の上陸部隊が撃沈されたため、やはり中共の人海戦術に投射されました。 同時にABCを含め高い生残性を発揮し、兵科を問わず多くの兵を救い、自らもモジュール構造故に復旧容易としぶとさもフレーバーとして加えました。 色々と物足りない、あるいはやり過ぎな部分があるとは思いますが、Fallout日本大陸世界の歩兵装備として、参考程度にして頂ければ幸いです。
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1445.html
1945年 夏 ブリタニア 第501統合戦闘航空団基地 「…………はあ」 「おいおい、どうしたミーナ。急にそんな溜息なんぞついて」 「これを見れば、溜息の一つもつきたくなるわ」 水平線から顔を出したばかりの朝日が差し込む執務室で、第501統合戦闘航空団司令、 ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケの口唇から盛大な溜息が漏れる。 その横で資料に目を通していた坂本美緒が声を掛けるが、 返ってきたのは頭痛に耐えるような重さが宿る声と、それに応じて差し出された書類だった。 「何だ。今日来る予定の追加人員の通達と資料じゃないか。此処は最前線だぞ、戦力が多いに越したことはない」 「ただの追加人員なら、ね」 「…………?」 含みのある発言に首を傾げる美緒であったが、 クリップで止められた資料を捲るにつれて表情が怪訝なものに変わっていく。 「これは、本当なのか?」 「ええ。それも、チャーチル首相肝煎りの部隊らしいわ」 「我々ウィッチに肩入れをしている裏で、こんな部隊を独自に組織していたのか。あの狸め」 「それを首相を聞いたら、きっと喜ぶでしょうね」 脳裏に浮かぶシニカルな笑みを浮かべるブリタニア首相の姿に、ミーナはもう一度大きな溜息をついた。 その瞬間、基地にネウロイの襲来を知らせる警報が鳴り響く。 ミーナと美緒は一瞬だけ視線を交わすと、手にしていた資料を放り、ミーティングルームへと走り出した。 後に残されたのは、主が不在となり閑散とした執務室と鳴り響く警報、机の上の資料のみ。 結局、美緒が目を通すことの叶わなかった資料のページにはこう書かれていた。 『汎用強化外骨格開発部隊』 ブリタニア上空 地上より遥か。天空を矢の如く飛翔する影が一つ。 一般人では視認することすら叶わない高度を、既存の航空機とは明らかに形の異なる人型が飛んでいた。 大半の人間ならばウィッチと判断するであろうそれは、見る者が見れば――いや、仮に間近でそれを見たのならば明らかな違いに気付いただろう。 ウィッチならばストライカーを履いており、上半身や顔は確認できる。だが、それは一部の隙もない黒い鎧で全身を覆っていた。 中世ヨーロッパの騎士や扶桑の武士が纏っていたものとも異なる異形の鎧。 更に手には剣ではなく、巨大なライフルを握っていた。 表面を時折奔る赤い光のラインと相俟って、鎧から連想させるのは空を飛ぶウィッチと言うよりも――寧ろ彼女達の、人類の敵が思い浮かぶ。 『調子はどうだい、俺君?』 「無線の感度も良好、相変わらずだ。何も変わらんよ、ドク」 『それは重畳。だが、メディカルチェックは必要だ。キチンと受けてくれ』 「いまさら、そんなものが必要だとは思えんがな」 『……………………』 「冗談だ。そこで黙るなよ」 『世の中には笑えない冗談と言うものもあるのだよ。と言うよりも、そもそも冗談になっていないがね』 だが、それは間違いだった。 恐らくは無線で通信しているのだろう。男同士が軽口を叩き合っていた。 そもそも、ネウロイであったのならば、こんなにも堂々と国の上空を飛んでなどいられない。ネウロイとて、突如として出現する訳ではないのだ。 「しかし、こうやってわざわざ飛んでいく必要があるのか? トラックなりなんなりあっただろうに」 『まあ、それはそうなのだがね。研究と機材の搬入に、てこずってしまったのだよ。そうこうしている間に期日という訳さ』 「やれやれだ。これだから研究者という奴は」 『そう言ってくれるなよ。我々の気質は根っからだ。軍に入ってもそれは変わらないさ』 「だろうな。何年たっても改善しようとしないのは問題だがな。………………そう言えば、501の方には着陸許可は取っているのか」 『…………………………』 長い長い沈黙は許可どころか、彼が空を飛んで基地に向かっていることすら伝えていない何よりの証であった。 おいおい、と言わんばかりに手を額に持っていき、首を振る人型。 通信相手の肝心な時の抜けっぷりには慣れていた筈だが、これには流石に頭痛を感じずにはいられない。 「ネウロイとされて撃墜、なんて冗談じゃ――――――む」 『どうかしたのかい?』 動悸でもしたのか、軽口を止めると男は胸に手を当てる。 その行為は集中する為のものだったのか、或いは何らかの能力か機能を発揮させる為のものなのかは、本人にしか知りえなかった。 「……ネウロイがいる、な。距離が離れすぎていて、どの程度の規模かは分からんが」 『何? おい、今日はネウロイの襲来予想日じゃないぞ』 「最近、奴らの襲来が不定期になってきているという話を聞いた。別段、不思議でも可笑しくもない。奴らも日々進化しているということだ」 『だが、…………どうかしましたか? はい、はい。…………たった今、報告が入った。ネウロイを確認、ウィッチが出撃したそうだ』 「そうか。念の為、速度を上げる。通信を切るぞ」 『了解。無茶だけはしないでくれ』 男はその言葉に返答をせず、通信を切った。 間髪いれず、鎧の背面部分についていたパーツが体表から離れ、二つに開く。 一見すれば、翼のように見えなくもない。 だが、次の瞬間、それが揚力を得るための翼ではないことが明確となった。 翼の開いた部分から赤い光が溢れ出したのだ。同時に、鎧の表面に奔っていた光のラインも加速していく。 炎とは明らかに性質の異なるエネルギーのそれは、爆発的な勢いで黒い鎧を加速させる。 成程、どうやらその翼は揚力ではなく、推力を得る為のものらしい。 「さて、何事もなければいいがな」 漏らした呟きは、既に出撃したウィッチの身を案じるものではなく、自身に起きるかもしれないトラブルを心配してのものだった。 彼はネウロイとの大戦が始まって以来、世界各地のウィッチと共闘してきた。 しかし、その黒い鎧を纏った姿から何度となくネウロイと誤認されている。酷い時には銃口を向けられるどころか、引き金を引かれたことまである。 幸い、その時は事なきを得たが、二度も三度もそんなことが起きれば、いつかは撃墜されるのは目に見えていた。 最悪の展開を頭の中から弾き出し、精神を最適の状態に保つ。 戦場で生き残るには、常に冷静な判断力が必要だ。それを失った者から死んでいく。彼はそれを骨身に染みるほど理解していた。 鎧を纏った戦士は飛ぶ。全てを失った先に得た、一つの誓いを果たす為に。 501基地付近上空 「――やるものだな」 それは見事な射撃だった。 ネウロイの回避位置を予測し、ボーイズライフルによる正確な五連射。 初弾から敵を掠めつつ、次弾、次々弾と装甲を深く突き貫き、最後の魔弾によってコアを完砕してのけた。 偏差射撃と呼ばれるテクニック。とても素人の行える技術ではない。 ウィッチ特有の固有魔法の助けはあれど、ひたむきな努力が技術の骨子を支えている――そんな射撃であった。 コアを砕かれたネウロイは塵となって消え失せる。 凄まじい爆風によって、黒い異形とは真逆の色に空の一部を染めながら、自らの破片を撒き散らした。 「やった! やったよ、宮藤さん!」 「う、う~、ちょ、ちょっと待って!」 ネウロイを倒した立役者であるリネット・ビショップと宮藤芳佳は、全身で喜びを表現しつつ抱き合うが、ストライカーを操り損ね、海へと落下していった。 「おいおい。射撃の腕前は確かでも、これじゃあ素人丸出しだな」 ウィッチの固有魔法である遠望視でもなければ視認できないような遥か彼方で、二人の様子を眺めつつ、男は苦笑を漏らす。 (確か、ボーイズライフルを使うのは新人一人だけだったはず。流石は統合戦闘航空団。新人でも恐ろしい伸び代があるということか) 飛行のスピードを緩めることなく、頭の中から501JFWの人員リストを引っ張り出し、一人向かう隊の戦力を分析していた。 「――――ッ。……チッ、伏兵か!?」 リーネと芳佳が落下した地点から10時の方向に、全く同型のネウロイが凄まじい速度で飛翔していた。 但し、今度は海面と水平にではなく、上空から落下するように。 先のネウロイによって監視所の目を引き付け、奴は上空の雲の中を悠々と突き進んできたのだ。 海面に落下した二人は愚か、残りの隊員の到着も間に合わない致命的な距離。 「間に合うのは、俺だけか……!」 そんな中、幸運にも彼だけが対処可能な距離に居た。 定められている限界性能を引きずりだし、トップスピードにまで加速する。 急加速のGに耐え、手にしている特別性ライフルの銃口を向け、コアが存在するであろう部分に狙いを定める。 何も難しいことはない。全ての状況は男に味方している。 「こんな幸運、あと何度あることやら」 どうやら、彼は自らの幸運を自覚していたらしく、一人呟く。 彼の幸運は三つ。 一つは距離。余りにネウロイと離れていれば、最早手の打ちようはなかった。 一つはリーネが倒したネウロイと同型であったこと。最早、コアの位置は考えるまでもない。 更には、ビームを打たず、自らが目標地点に突撃・粉砕するタイプのネウロイとは戦闘経験があった。 あのタイプはスピードのみにその性能を特化させたがためか、攻撃も防御も回避もままならない。 故に、コアはもっとも安全な装甲の中心点に存在する。 そして、最大の幸運は――――――奴がまだ男の存在に気付いていないこと。 ――――! 「たわけ。気付くのが遅すぎる」 男が引き金を引くや、轟音と共に弾丸が吐き出される。 音速を容易く突き破った弾丸は、魔法を一切解さない純然たる偏差射撃によって装甲に突き刺さる。 もし、ネウロイに感情があるのならば笑っていただろう。 純然たる技術、ただの人間の武器など、彼らにとって何の脅威足りえない。彼らにとっての脅威とは魔法力とウィッチにおいて他ならない。 ――その通りだ、化け物。お前の認識は間違っていない。だが、それでも、人を舐めない方がいい。 着弾の瞬間、弾丸はネウロイの軌道を乱すほどの爆発を巻き起こす。 通常の弾丸ではネウロイは倒せない。例え、弾丸が当たったとしても、それ自体を吸収し、瞬く間に再生を許してしまう。 ならば弾丸を残さず、更には広範囲に渡って装甲を破壊する小型の炸裂弾を使用するまで。 人間の英知と技術の詰まった一撃―――それでもなお、ネウロイは健在だった。 装甲の破壊こそ成功しているものの、コアは露出しているものの、コアの破壊にまで至っていない。 更に、男の持っていたライフルは、デグチャレフPTRDの設計図を元に作られており、装弾数はたったの1発。 弾丸を装填し、射撃を行う頃には基地は見る影もなく破壊されているだろう。 しかし、男は甲冑の下で笑う。そんなことは初めから分かっていた、と。 浮かべていたのは自らの努力を自嘲するものではなく、会心の笑み。 勝利を確信しながらも、僅かな油断もみせない歴戦の戦士のそれであった。 鎧のウイングが更に大きく開き、彼の体勢が反転する。頭部を後方へ、脚部を前方へと向けられる。 速度に停滞はない。文字通り、己自身を矢にした、砲弾にした一撃。今まで行動は全て、この一撃を叩き込む為の布石に過ぎない。 そして、二つの軌跡が交差する――! 突き出された右脚は、再生によって装甲の奥へと消えようとしているコアを正確に捉えていた。 生み出される衝撃と威力は、8.8cm砲が如く。 直撃を受けたネウロイはその身を真っ二つにへし折られ、コアは装甲の外に弾き出された瞬間に砕け散る。 さながら、勝敗を決する天秤が傾くように。 勝者はその勝利を謳うように天上へ、敗者はその敗北を受けいれるように海面へ落下していく。 背後に砕けるネウロイの破片を見つつ、慣性の法則に抗うような急制動を行った。 周囲に更なる敵影が存在しないことを確認し、戦闘の終了を確信する。 「ミーナ中佐、アレってネウロイじゃないのカ!?」 「ネウロイ同士が戦うなんてことはないと思うけれど。いえ、アレは…………」 今しがた勝利した黒い人型を視認できる距離に居たミーナと部下であるエイラ・イルマタル・ユーティライネンは、それが味方であるのか判断しかねていた。 だが、ミーナは脳裏に浮かんだ追加人員の資料が思い浮かぶ。 それに関する設計図や写真はなかったが、文面から伝わってきたイメージと黒い鎧が一致する。 『ガ――ガガ、え――か? ガ――あー、そこのウィッチ、聞こえているか?』 「聞こえています。こちら、第501統合戦闘航空団隊長、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です。そちらの所属と目的を」 『と、失礼致しました。こちら、ブリタニア空軍、汎用強化外骨格開発部隊所属、俺少尉です。本日付で第501統合戦闘航空団に配属となります』 俺は空中で静止しながら、綺麗な敬礼を行った。 『緊急時とはいえ、独断による行動をお許し下さい』 「その件に関してはむしろ助かりました。隊を代表して礼を言います。ありがとう」 『いや、お気になさらず。それよりも、何かと手続きもありますのでそろそろ着陸しても?』 「ええ。けれど、次からは移動手段も先に連絡を貰えるとありがたいわ」 『それに関しては申し開きの余地がない。大変申し訳ありません。……と、そうだ』 「――? まだ何か?」 いえ、と下に指を差す。 それを何とか目にしたミーナとエイラは、あ、と漏らした。 そう、余りの展開と光景に忘れ去られたリーネと芳佳が抱き合うようにして海面に浮いていたのだ。 『二人の回収、手伝った方が?』 「……お願いするわ。エイラさんも、行ってあげてちょうだい」 「リョーカーイ」 二人が海面へと降下していくのを見送って、ミーナは一人大きな溜息をついた。 新隊員が男であるという事実、一部上層部との軋轢、積み重なった書類の山――そして何より、変わり始めたネウロイの襲来周期と侵略方法。 それらは彼女でなくとも溜息をつきたくなるほどの心労であることは、誰の目から見ても明らかであった。
https://w.atwiki.jp/freedom_wars/pages/500.html
説明文を貼り付けてください。 入手方法 ボランティア 第7情報位階権限 任意プ7-8号作戦:目標排除
https://w.atwiki.jp/freedom_wars/pages/565.html
説明文を貼り付けてください。 入手方法 ボランティア 第7情報位階権限 特7-4号黎明作戦:目標排除
https://w.atwiki.jp/kumicit/pages/597.html
批判サイド 創造論者の主張 Claim CC003 The knee of the "Lucy" fossil (the most complete Australopithecus afarensis fossil) was found over a mile away from the rest of the skeleton, so it cannot be used as evidence that Lucy walked upright. That evolutionists have never admitted this fact in print shows their dishonesty. 「ルーシー」の化石(最も完全なアウストラロピラクス・アファレンシスの化石)の膝は、それ以外の骨格から1マイル以上離れた場所で見つかった。なので、ルーシーが直立歩行した証拠にはならない。進化論者がこの事実を認めないことは、彼らの不正直を示している。 Source Willis, Tom. 1987. " Lucy goes to college," Bible-Science Newsletter (Oct.), 1-3. Morris, John D. 1989. Was Lucy an ape-man? Back to Genesis 11b (Nov.). http //web.archive.org/web/20041011063219/http //www.icr.org/pubs/btg-b/btg-011b.htm? Response この主張は誤りだ。ルーシーと呼ばれる骨格には完全な膝はない。これとは別に2~3km離れたところで、別の膝の化石が見つかっている[Johanson and Edey 1981]。この2つの化石を混同したことによって、誤った主張が生まれたと思われる。 これは進化論者の不正直を示すものではなく、創造論者が自分たちの主張をいかにチェックできていないかを示している[Lippard 1999]。 Links Lippard, Jim, 1999. Lucy s knee joint A case study in creationists willingness to admit their errors. References Johanson, Donald C. and Maitland A. Edey, 1981. Lucy The Beginnings of Humankind. New York Simon and Schuster. Lippard, Jim, 1999. (See above) オリジナルページ これは Index to Creationist Claims, edited by Mark Isaak の和訳です。
https://w.atwiki.jp/freedom_wars/pages/165.html
アブダクター「コウシン」の筐体から取得できる資源。分類は「T型Ⅰ」である。 入手方法 天罰ボランティア 第2情報位階権限 ロ2-4号憂国作戦:目標排除 第4情報位階権限 任意:ジ4-5号作戦:目標排除
https://w.atwiki.jp/freedom_wars/pages/520.html
説明文を貼り付けてください。 入手方法 ボランティア 第8情報位階権限 任意:特8-5号作戦:目標排除