約 10,836 件
https://w.atwiki.jp/rg7jyd/pages/234.html
イベント参加レポートとしては5回目となる今回は、よこはま国際フェスタ2011についてご紹介します。 このイベントは2005年から開催されていて、今年で7回目。以前は、パシフィコ横浜で開催されていたみたいですが、去年から象の鼻パークで開催されています。 参考URL: http //yokohama-c-festa.org/index.html 今年は10月22日~23日の2日間開催されるはずが、22日は雨天で中止。22日の天気予報では、23日も雨っぽいから中止かな~?って思ってたら、23日は雨にならず。すっきりとした晴天ではないけれど、近くまでの定期もある事だし、ちょっと見に行ってみようかなと。 先週の日曜までは本イベントの会場である象の鼻パークのもう少し先にある赤レンガ倉庫で「横浜オクトーバーフェスト2011」が開催されていたのは記憶に新しいですね。 あれから1週間が経過して、会場跡地はどのようにリフォームされてるのか気になったのでちょっと寄り道して見に行ったら・・・。 それではCM(下の写真)の後、そのリフォームの全貌をご覧頂きましょう! 前回来た時は、巨大なテントが配置され、ビールの香りが漂い、人で埋め尽くされていたこの場所は・・・ なんということでしょう!何も無くなっているではありませんか。 テントやテーブル、柵等は匠の手によって全て撤去され、光溢れる開放的な空間に生まれ変わっていました。 以前は人や物が溢れて走り回ったりする事も出来ませんでしたが、今では自由に走り回る事が出来ます。走り回りたい年頃のお子さんやワンちゃん達はきっと大喜びでしょう。 ・ ・ ・ はい、ごめんなさい。元に戻されてただけでした・・・>< では、気を取り直して、会場である象の鼻パークに戻りましょうか。まず入口付近からの1枚。 人がいっぱいいますねー。入場料は無料で、自由に出入り可能です。入口付近では、小学生位の子達がパンフ配りをしていて、私も1枚貰いました。運営スタッフのお子さんかなと思ってたけど、後でパンフ眺めてたら理由が判明。 どうやら、「だがしや楽校」というイベントに参加していたみたいです。この「だがしや楽校」というのは、以下のような内容になっています。 小学生限定 受付に行き、会場内でのボランティア活動(仕事)を斡旋してもらう(以下は一例)パンフ/ビラ配り 駄菓子の移動販売 各店舗での接客 ボランティア活動を30分間やると、エコマネー(5枚)がもらえる エコマネーは会場内の駄菓子屋でお菓子と交換可能 上記以外にも色々な企画がある子ども放送局(ワークショップ後、会場内でインタビューして映像@60分を作成する) 理科実験ワークショップ 子どもワークショップ(工作やゲームなど) パンフを良く見ると、リユース食器についても書かれていた。先日の東京ベジフードフェスタ2011でも使用されていましたね。 こちらでは、最初にレンタルして持って行く必要はなく、各店舗で必要であればリユース食器(代金にレンタル費用100円を上乗せ)に配膳して客に渡すようになっていまして、食べ終わったらエコ・ステーションと呼ばれる場所で洗って返却すると50円がキャッシュバックされる仕組み。 えっ?残りの50円?次回以降の開催時のリユース食器導入費用等に使われるそうです。着服だなんて、とんでもない! では、そろそろ世界のフードゾーン(正確には自分が何か購入した店)の紹介にいきましょう。まず、1軒目。 「モザンビークの学校を支援する会」の店で、接客は子供達です。先ほど紹介した「だがしや楽校」を介したお手伝いかな。奥では大人がせっせと調理しているのが見えます。 ここでは、アフリカンサモサを購入。1つ180円だけど3つだと500円なので少しお得。 揚げたてで熱々。ほんのりカレー味で美味しかったです。2軒目はこちら。 「(特活) モンゴル文字会」の店です。特活ってなんだろう?写真に写ってるようにNPOって事ですかね。 はい、またやらかしてます(指・・・)。大抵は1箇所につき2~3枚撮るんだけど1枚しか撮ってなかった所に限って、こうなんだよな~。目の前で焼いていた羊の串焼きがとても美味しそうだったので1本購入(300円)。 塩加減が絶妙でいいですねー。でも、量的には少なめなのですぐ終わっちゃった。2~3本買えば良かったかな。 3軒目は先程(2軒目)の店の隣。 「(特活) 神奈川県ユーラシア協会」の店です。ワインやらお菓子やら色々ありましたが、ここでは、ピロシキ(250円)を1つ購入。 焼きたてではなかったけど、まだ暖かい。でも、ちょっと小さめかな。味は良かったので、2倍位の大きさだったらもっと良かったのにな。 ここまでの分のゴミが手持ちの袋に溜まってきたので、一度エコ・ステーション(食器返却所兼ゴミ捨て場)にゴミを捨てに行く途中で凄い行列の店を発見。 「クントゥル ラテンアメリカ カルチャー プラン」という店(4軒目)。右側にある波止場会館の手前まで並んでました。ゴミを捨てた後、この行列の最後尾に並んだら、 こんなプレートを渡されました。他のイベントでは大抵スタッフがこういうのを持って立っていたと記憶してますが、ここではプレート持って立ってるだけの人は不要なようです。 大体20分位並んでたかな。やっと、自分の番になったので、タコス(300円)を購入。 メニュー写真とは大分違う気がするな。写真はもっと中身が多かったような。まあ、味は悪くないから良しとしますか。 次なる食べ物を探してうろうろしていたら、転車台おんがく広場にて、綺麗なおねーさん達が音楽に合わせて踊ってました。 パンフを見ると、YOKO舞踏団の「ベリーダンス」ですね。食休みがてら、しばらく見学(大体30分位)。 食べ物探し再開。でも、何となくお腹いっぱいな気もしてきたので、次でラスト。 先程食べた羊の串焼きを買う時に、写真右側に写っているおねーさんに一緒にどうですか?と超おすすめされてたモンゴル焼きシャルビン(250円)にしよう。この時は羊の串焼きは売り切れだった・・・>< 焼いている所を見てたんだけど、中に餡を包んだ生地を鉄板に押し付けながら薄く伸ばして焼いていく感じ。 焼きたてなので、めっちゃ熱っ。紙袋から油が染み出て、手も油まみれ・・・><。でも、おすすめするだけあって美味しかったですよ。 以上で、よこはま国際フェスタ2011の紹介(というかただの食べ歩き感想記)は終了です。このイベントは食べ物(世界のフード)以外にも、色々な雑貨販売や展示等もあったのですが、ふらふらと見てまわっただけで、特に写真を撮ってなかったので、今回は割愛します。 ・ ・ ・ そういえば、ホッチポッチミュージックフェスティバルというイベントも近くで開催されているんですよね。ちょっと見て行きますか。 参考URL: http //www.arcship.jp/nihon-street/index.htm この辺りだと、全10会場のうち、象の鼻パーク:開港の丘付近(下の写真)、象の鼻パーク:よこはま国際フェスタ会場、神奈川県庁前の3箇所位かな。 沢山の人が演奏したり歌ったり踊ったりしてました。見ている最中に近くで、 ウサギと戯れる子供達が。この写真では捕まってるけど、直前まではずっと逃げ回ってたのが面白かったなあ。 今回はまだ明るいし、氷川丸も見に行ってみようかと思い、山下公園の方へ歩いていったら、 入口付近で大道芸やってました。この場所では日替りでいろいろな人が大道芸をやっているみたいです。 参考URL: http //daidogei.jp/yamashita 今度は一輪車に乗ってジャグリングし始めましたよ。手前にいる白いTシャツのおにーさんは観客の1人なんだけど、指名されてアシスタント的な事をやっていました(火のついた松明を投げる役)。やっている間のトークも面白く、とても楽しめましたよ。有難う、MU-RA氏。 終わりに、、、 10月に入ってから3週連続(9日、16日、23日)で何らかのイベントに参加(正確には飲み食い)してきた訳ですが、飲食した量に対する使用金額は今回が一番少なかったように思います(16日は前・後半含めて計算)。 少ない金額でいろいろ楽しめるのは良いですね。 最後はコレを見に来たはずが、大道芸も見れて自分的にはとても満足でした。また何か面白そうなイベント見つけたら行ってみようと思います。 最後まで読んで頂き有難うございました。
https://w.atwiki.jp/to_dk/pages/792.html
SEGAゲーム <△> ゲームセンターの景品 VOCALOID 初音ミク EXフィギュア (マニア向け)セガ プライズ(ゲームセンターにある、クレーンゲーム機)の景品 初音ミク -Project DIVA- プレミアムフィギュア (マニア向け) ASINが有効ではありません。 (マニア向け)手足は固定みたいだけれど、台座が回る VOCALOID 初音ミク ミニプラネタリウム 初音ミク・たこルカ 全2種セット (マニア向け)映るのは星ではなくて、初音ミクやたこルカのシルエット VOCALOID 初音ミク ヴィネッティアムキュート 全4種セット (マニア向け) 定価以下で購入したい方は、次回再販の予約か入荷直後狙いを推奨 品切れ気味になると、価格が跳ね上がる事がある 高額に思った時は、定価を確認して、メーカーに再販を問い合わせるのが吉 関連する記事 ニュース - Project DIVA タグ フィギュア 初音ミク フィギュア ぬいぐるみ ねんどろいどその2 公式スタイル SEGAゲーム 初音ミク曲連動はちゅねミク ピロリミク オマージュ系 藤田咲さん。声のおもちゃ 初音ミクのおもちゃ,実用品 ▼フィギュアとぬいぐるみ ミクカー(車とミニカー) シール類 ストラップ 食器、タオル ▼煎餅、カレンダー 上へ お役立ち度( - ) Copyright ©2008-2010 to_dk. _
https://w.atwiki.jp/yergwar/pages/31.html
Jude=Sherude ジュード・シェルード 29歳 人間・男 器用11 敏捷15 知力18 筋力12 生命14 精神14 持ち物 ロングボウ17(高品質-5) アロー60本 攻撃力:3 打撃力:22 追加ダメージ:4 CT 10 ハードレザー 防御力:12 回避力:0 所持金:0 借金:200・アーウィスレット 経験点:500 ▼背負い袋 ├袋-たいまつ1セット ├袋-ロープ、楔、小型ハンマー ├袋-羊皮紙、羽ペン/インク ├小袋-火口箱 ├食器 (12) ├調理道具 (50) └手鏡 (100) ▼ベルトポーチ ├ナイフ(必要筋力1ダガー) ├水袋 ├水袋 └小袋-銀貨(初期所持金) シャーマン1 レンジャー2 王宮付きの薬剤師の家系に生まれる。 10代の頃から現役の父親について王宮に出入りするようになり、王族の薬事の面倒を見る手伝いをしている。 森と動物と子供を愛する心優しい青年。 勉学に真面目で精霊魔法も習得するなど才能は豊かだが、自身を過小評価しているのか、覇気・向上心に欠け自分のごく近しい世界の平穏に満足を見出すタイプ。 王女の世話役を優先するあまり、嫁を貰うタイミングを逸したのが父親の頭痛の種だが、本人はあまり気にしていない。
https://w.atwiki.jp/me_novel/pages/65.html
429 :優しい名無しさん:2007/10/29(月) 02 02 41 ID 13GbKIwQ tooth fairy. 一次創作/暇つぶし/若妻モノ(爆 トウコは、かちゃかちゃと食器を洗っていた。 かちゃかちゃ。 ツルツルした感触を確かめて、次。 面倒臭いと思って始めなければ、それで最後。 でも始めてみれば当然終わりは来るのだった。 朝の冷たい水を感じていた。 今日もいつも通り。 今年で六つの娘を送迎バスの停留所まで送り、そそと帰って来て、トウコを待っていたのは今朝の食卓に座していた、食器達だった。 朝の一分って、すっごい大事なのよねぇ、ね、お宅もそうでしょ? 脳裏にぼんやりと浮かぶお隣のユッコの声に、うんうんと、知らず、頷いていた。 かちゃかちゃ。 確かに朝は忙しい、台所に立つとそこはもう戦場なのだ。 そんな事を考えて、くすりと笑う。 心穏やかでいられる戦場なんて、ねぇ。 つまりトウコは、そう言う事が嫌いではなかった。 きゅっきゅと洗い立ての食器を拭いて、同じ種類ごとに並べる。 こうして一人で食器の整理をしていると、あぁこの食器はあの時の、と考えてしまうので、トウコはもう家の食器の小皿の一つまでも、それがどんな理由で買いそろえられたモノなのか覚えてしまっていた。 ロマンチックな食器はそれこそ偶にしか顔を見せないので、それはそれで、何だかつまらない。 よいしょと呟いておかずが乗っていた皿を棚に戻す。 次はここ、これはここ。 そうやって何処に何があるのか把握している事は、実は凄い事らしく、若いのに偉い(らしい)夫は、夕食の席で、トウコがひょいっと醤油の小皿を探し当てると、ううんと感心して唸ってしまうのだった。 ようやく全ての食器--二人分--を片づけ終えて、ふぅと溜息が漏れるのに気付く。 ああ、嫌だ嫌だ、溜息なんて、と思ってすぅっと息を吸い込む。 流しに立って、ふと顔を上げると、ちいさな窓の向こうにはどんよりとした雲が怠惰に寝そべり、暗鬱とした空気を吐いているのだった。 そんな光景を眺めて、当然、良い気持ちになるはずもない。 夫が『忙しい仕事』で家に帰ってこなくなってから、5日めの朝だった。 430 :優しい名無しさん:2007/10/29(月) 02 05 14 ID 13GbKIwQ カチリと時計が音を立てる。 トウコは、ごろごろと掃除をしていた。 ごろごろというのはすなわち掃除機を引っ張っているからで、本当はごろごろと鳴っていないかも知れないけれど、何となくその音が好きなのだった。 ごろごろ。 フローリングの床は冷たく、朝もはよからご苦労さんですわねぇ、なんて偉そうな口をきいている。 だって仕方がない。いつだって、さぼっていなくったって、埃がころころしているんだもの。 ころころ。 花嫁修業だと言われて母から家事仕事の半分を任せられた時を思い出す。 やるべき仕事を提示されて、もの凄く憤慨して、何となく外が恋しくなって来ると、母は言ったモノだった。 本当は一つずつ、段々やっていくんだけど、お前は黙ってたってお願いしたって、手伝いやしなかったもの。 本当はみんな、気がついたらお手伝いしているらしい。……だってだって、ねぇ。 でも、日がな一日ぼんやり過ごす娘--少なくとも母から見れば--と一緒に家事をしたいって心理は、何となく理解できる。 理解できたし、結婚式はその時には、もう目と鼻の先だったのだから。 このままじゃハルオさん、きっとあきれるわよぉ、うふふ。 嫌だなぁ母さん、そんな事無いよ、多分。 ちょっぴり心配になったあの日のトウコは、縁側でもわっと煙草の煙を吐いていた父に聞いてみたものだった。 ねぇねぇお父さん、あのね、と。 お母さん、お掃除、最初から上手だったの?と。 からからと笑って、悪戯っぽい目で父はトウコを見上げて、口を開いた。 あれは多分夏の日だった。 それでやっぱり、自分とお母さんは、繋がってるんだなぁと思ったモノだった。 それでも母の手際には目を見張ったので、今日までずっと掃除をしてる。 …くたびれてないけど、くたびれていないと何だかいけない気がして、掃除機をぴたっと止めてみた。 ふぅとまた溜息が漏れる。 柱にかかっている時計を見て、そうだ電話しなくっちゃ、と思い出したふりをする。 つるつるになった床を滑って、目立たないところにある電話機を探す。 白い、小さな電話機。 ぽんぽんと数字を押して、向こう側と繋がるのを待つ、待つ、じっと待つ。 「はい」 「もしもし、おはよう。ね、今、大丈夫」 「おはよう、大丈夫だよ」 「えっとね、昨日はねぇ」 決まり切った手順でパズルのピースを填めていく。 幼なじみの夫の声は、何だかかすれて、乾燥した仏蘭西パンを思い出させた。 何回も何回も作り上げたパズルの絵柄を思い出しながら。 ピースを繋ぐ。 夕べはもう熱くて寝苦しかった事。 夕ご飯張り切って作ったんだけど、と言う事……苦笑いして頭を掻いているハル君が見える。 ぱちんぱちんと填め込んでいく。 もう少し、もう少し、いつもの手順で昨日の報告は済んでしまった。 残っているのは、不測の事態。ん、何だか物騒でいけない。 「ああ、そうだ。今日の朝ね、アキコの歯が抜けたの」 「え…へぇ。そっかぁ……はやいね」 「それでね、前に話した事覚えてるかなぁ」 「うーん、何かあったっけ…んん……ごめん、そろそろ時間みたいだから、また次ね」 今日はきっと帰ってこられるよ、と最後にポツンと呟いて、電話は切れた。 そろそろ同じセリフを連続で聞くのは飽きてきたところだった。4回。 ふぅと口から小さな息が漏れて、そろそろお昼ご飯だと思った。 431 :優しい名無しさん:2007/10/29(月) 02 12 39 ID 13GbKIwQ もくもくとご飯を食べていた。 本当に黙々と食べていたし、擬音もきっと、もくもくで良いんじゃないだろうか。 だから私はご飯を食べる、もくもくと。 ぬるくなった麦茶をこくこくと飲みながら、むかーしむかしと言うほどでもない以前の事を思い出す。 自分で自分の為に作るご飯は、なんだかいつだってしまりがない顔をしている。 つまりそれは私が自分に甘いって事なんだよね。 うんうんと頷きながら、あきれた顔の夫にそう弁解した事があった。 今日じゃない昔の会社の休み時間に、私を驚かそうと思って黙って帰ってきた夫。 私が食べているものが質素だと難癖をつけて、そのくせメインの魚のおかずだ けさらっていくのだった。 トコはいっつも分からない事ばっかり言って。 だってほら、自分だけのご飯なんだよ?好きに作れたら、それで自分へのご褒美じゃない。 うーん、そうなのかなぁ。 ハル君に作ってるご飯より、えいようのばらんすが良い事、あるよ。 ししゃもを口に運びながらそう言ったモノだった。 夫の顔は、ぎょっ、と言っていた。 えいようのばらんすが恐い時期なんだって、そう言ってもいた。 もごもごと何か口の中で言ってもいたけど、それは聞こえないから私には関係なかったに違いない。 そして目を逸らしながら、爪楊枝に手を伸ばし、チッチとやりながら、何か名案を思い付いたようだった。 トコは、歯が綺麗だなぁ。 なんの前触れもなくそう言ってきた。いや、爪楊枝に手を伸ばした事が前触れだって言うんだろうか。 そんな殺生な、神様。 だから私は思わず吹き出していたし、飲んでいたのは冷たい麦茶だった。 どうやら私を笑わせると、えいようのばらんすは改善されるらしく、肉が好きだから肉を出せと昔々せがんだ夫は、得意そうだった。 だって、歯、毎日ちゃんと磨いていたモノ。 尊敬のまなざしで見られる。 この土俵で戦ってはまずいと思ったのだろうか、口を手で押さえながら、夫はまた思案した。 んっと……そうそう、俺の家ではさ、上の歯が抜けたら下に、下の歯が抜けたら上に投げたモンだった。 へぇえ…何だかあんまりロマンチックじゃあ、ないねぇ。 ん、なんだいそんなあきれた顔をして。 そうなると、幼い頃、私の家で母がしていた、歯の妖精のお話を、今度は私が得意になって語る番だった。 それは、どれくらい歯を遠くに投げられたか、と言う話から、華やかなりし頃の陸上競技人生を語ろうとした夫には些か不興だったようだ。 でも、知ってるんだもの。 夫の学生時代は、イヤと言うほど。 言うことはないけれど、それくらい。 だって一番近くで見ていた上に、勝利の--それは両方の--汗を拭くのは私の仕事だったのだから。 つまり、耳にたこができている上に、夫のしようとしていた話は、私には勝ち目のない遠い乙女の物語に連なるから、ねぇ。 不満げな顔を隠そうともしない夫に、とつとつと、歯の妖精の話を語って聞かせる。 それは欧米の風習らしく、いかにもと思わせるような、微笑ましいセンス。 毎日キチンと歯磨きをして、歯を綺麗に保っていたならば、歯が抜けたその日の夜に、歯の妖精がやって来てその歯を買ってくれる。 枕の下に、そっと入れておくと、次の日の朝には硬貨が代わりに置いてあるのだ。 432 :優しい名無しさん:2007/10/29(月) 02 16 18 ID 13GbKIwQ そりゃあまた、なんていうか…うーん、面白いね。 でしょう。私、気に入ってるのよね。 もしかして………アキコにもそう言ってるのか? だって、女の子が抜けた歯を外で投げてたら、世の中終わりそうじゃない。 俺の家では、と彼が言っていたという事は、彼の家の隣に住んでいた私には、それは世間一般の事実の一つとして脳裏に記憶されているという事だ。 がっくりと突っ伏した夫のソノカオだけはいつまでもきっと覚えている。 自分の幼い頃を何となく踏襲させたそうな、そんな夫だった。 でもねぇ。と私は話を続ける。 何て言うか、その、百円玉だったのよ、それ。と。 不思議そうな顔をして、夫は先を促した。 遠い知らない世界から来ているはずの歯の妖精が、百円玉くれたって、何だか興ざめしたって言うか、ねぇ。 だから私は、アキコの歯が抜けたら、外国の硬貨を置くのだと張り切って言った。 そう、そうかい。 夫は何だか、今度こそ面白そうに、笑っていた。 それは今日からちょっとだけ前の、お話。 もくもくと食べていたご飯。いつの間にかかつかつと、お箸が茶碗の底を叩いているのだった。 433 :優しい名無しさん:2007/10/29(月) 02 18 34 ID 13GbKIwQ ぼごーんぼんぼんぼん。 時計が鳴って、私はソワソワと落ち着かなくなる。 今日は外が暑そうだから、日よけの帽子がいるかなぁ、そうだあの麦わらにしよう。 ソワソワしたまま外へ出る準備をして、玄関に添えつけられた鏡の前で、ターンを決める。 鏡の中の私は、岩下さんの若い頃くらいには、決まっていた。はずだ。 ひゅーんひゅんとエレベータが音を立てる。 ちんと音がしてふわっと浮いた感じになる。 何故そうなるのか、不思議で夫に聞いた事があるけど、難しい言葉でしゃべり出したので、その時は夫を、ちょっと変わったインテリアだと思いこむ事にした。 わりかし成功だったと自負している。 カンセイノホウソクと呟くだけの結構可愛い熊に見えるのだ。 それからエレベータって、憎いなぁと、そう思った。 最初は毛嫌いしていたのだけれど、勿論それに乗る事が私には怠惰な気がしてなんだけれども、乗ってみるとなかなかどうして、悪くない。 上から下の目的地に着いた瞬間や、上に登っている最中はそんなに好きでもないけれど、下から登ってきて最後にぴたっと止まる瞬間や、降りている最中は気持ちが良い。 一人宇宙体験、たまんねぇ!と思ったりするのだ。 でもそれはあんまり褒められる事じゃないようで、停留所に迎えに行った時はパタパタと手を振っていた可愛らしい娘も、一緒に乗っていた金髪のお姉さんも、不機嫌だった私の顔がぱぁっと喜色を表した事が不思議でならないようだった。 いつだって自分に自信を持っているけれども、しゅんと肩をすぼめているのも嫌いじゃない。 だから私は娘の手を引いて、自分の城に戻るのだった。 「ママ、今日のお外、とっても熱いねぇ」 「そうね。アキコは一杯遊んだかなぁ」 「うん…うん。でもねでもね、ヒロ君が酷いんだ、アキの歯が抜けたの、笑ったんだよ」 「大丈夫、歯、またはえてくるモンね」 「そうだよねぇ…。歯が生えたら、アキ、美人になって、ヒロ君にすげぇって言わせるんだから」 何だかギクッとしてしまって、もしかしたら義理の息子になるかも知れないヒロ君と、早く仲良くならないといけないと思った。 その彼は夫に似ているだろうな、と何となく思った。 アキコは私にそっくりだと思うのだ。夫も俺に似てると言ってはばからないけれども。 かちゃりと鍵を開けた娘に続いて、手を洗ってうがいするのよ、と言いながら家の中に入った。 434 :優しい名無しさん:2007/10/29(月) 02 19 54 ID 13GbKIwQ カッチコッチと時計が呟き続けている。 夫は言っていた、今日はきっと帰ってくる、と。 今日はもう過ぎちゃったじゃないのよ、嘘つき、と手の中の外国の硬貨を弄る。硬貨を握っている事以外は四回目。 電話の話はきっと私が思っていた以上に、私にはボディーブローとして効いていたのかも知れない。 ダイニングテーブルに突っ伏して、午前二時を告げる時計を睨んだ。 トコに睨まれると、足がすくんじゃうねぇ、恐い恐い。 脳みその中の脳天気そうな夫が無性に憎たらしい。 つまんで引き延ばしてゴムみたいにパチンと弾けるところを見てみたい。 でも、そう言われた後にはきっと必ず多分さわさわと頭を撫でられるのだから、弾けて飛んでいって貰ったら困る。 はぁと溜息を吐いた。 倦んでいるのだろうか、と思ってぶんぶんと頭を振った。 トコは心配性だからなぁ、と、私が産まれてから母と同じくらい一緒にいた男の子に言われ続けてきた。 最後に言われたのはいつだっけ、と考えて、一昨日だった事に気付き、何だか私もこらえ性のないヤキモチ焼きなんだと思った。 でもでも心配事の種にそう言われる事ほどムシャクシャする事はないんじゃないかな、ねぇ。 手の中の硬貨は何だか熱くて、それをずっと握っていた事から派生して、今日は歯の妖精にならなくちゃ、とぼんやり思う。 娘は今日も張り切って歯を磨いて、白い可愛らしい袋に歯を入れて、床についた。 でも多分それよりも、いや、あるこうとしたんだけど、4日続けて完全徹夜まがいなんて、学生じゃない私にはきっと、眠すぎた。 私に似てるアキコだから、夫に似ているだろうヒロ君だからこそ。 今こうして眠気と戦って辛いなぁと思っている私のように、アキコがなってしまったらどうしようかと馬鹿みたいに心配したから。 多分そうなのかも知れないけど。 私は歯の妖精にはならなかった。 かたぁい床に尻をついて、ぺたんと壁にもたれて、瞼が落ちた。 435 :優しい名無しさん:2007/10/29(月) 02 22 28 ID 13GbKIwQ しゃっきりしゃきしゃきと、目が覚めた。 目覚めは最高に気持ちが良かった。 昨日も一昨日も、その前も、台所の床にタオルケットを敷いて寝ていたから、それは久し振りの気持ちが良い朝だった。 ここんとこ御無沙汰だったダブルベッドに寝ているのに気付いて、まずは時計を睨む。 あ、今日はお休みの日。 ではなくて、私はまずどうしてこんな所で寝ているのか気にしなくてはならないはずだった。 むーと働かない頭を振っていると、がちゃりとドアが開いたので、きゃっと言いながら顔を隠した。 「おはようママ、今日は誰の真似?」 「……」 「モンローはそんな事したかなぁ…ね、ママ、聞いて聞いて!」 やっぱり何だか申し訳なくて、眠ってしまった事には代わりがなくて、私は怠惰な人間なんだと思うと恥ずかしくて、娘にゴメンと言いそうになったので、シーツにくるまったままでいた。 「あのね、あのね、妖精さん、来てくれたよ!ほらほら、見てこれ、えへへー良いでしょ」 あれ、あれあれあれ。 私はぱたんとシーツを顔から剥がす。 まじまじと数時間前まで私の手の中にあったはずの硬貨を見る。 珍しい、名前も良く覚えていない、可愛らしい硬貨。 私に似ているアキコだから、きっと気に入ると思っていたのだ。 えへへと笑いながらベッドによじ登ってくる娘の向こう側の、開いた扉の向こうに、真っ赤になった耳をして新聞を読んでいるふりをしている夫を見た。 夫の座るダイニングテーブルの卓上には、醤油の小皿。 盛られているのは、なんだろう。 娘は、私が何も言わなくても、お手伝いをする、出来た娘だった。 「パパねー大変だったお仕事終わったから、今日からお暇なんだって!」 「へぇ……」 「パパがね、そっと言ってこいだって」 夫に聞こえるか聞こえないかの大声でそれを言う娘。私に似てる。 私は、のそのそとベッドから立って、ソワソワしている夫の傍を通り、おはようといいながら、朝の戦場に向かう。 朝の空気は新鮮で、今日は何だか埃も目立たないよう。 そして後ろを向いたまま、緩んだ頬をつねって、しゃっきりして夫に話しかけた。 「ハル君」 「ま、まぁなんだその…埋め合わせするから、どっか、いこっか」 「ママ、ハル君って、パパ?」 「そうよ、ねぇ」 むぅんと唸って新聞紙で顔を隠す夫。 それが逆さだと指摘する機会は、多分きっともうないだろう。 覚えていてくれたんですねぇーと、何処かの歌を口ずさむ。 「トコのみそ汁が、飲みたいなぁ」 「あー、今日はパパも甘える日?なーんかやーらしいの」 こましゃくれた事を言う、可愛らしい硬貨を握った、ドラマが好きな、私の娘。 赤いランドセルは、今日は準備していない。今日は休日なのだから。 多分にやけている顔を上げる。 ちいさな窓の向こうでは、からりと晴れた蒼空が、夏を迎える準備を整えていた。 「あのねぇ、アキコ、妖精さん、きっとメガネ掛けた熊さんみたいな、あんぽんたんだね」 「ええ!……そんな、それじゃまるっきりパパじゃない」 面白い冗談だと思ったのか、きゃははと笑いながら新聞紙の壁の向こうの夫に飛びかかっていくアキコだった。 今日は、もう夏に近い。 fin.
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/94.html
(3)子どもが自らの感覚や体験を通して、自然の恵みとしての食材や調理する人への感謝の気持ちが育つように、子どもと調理員との関わりや、調理室など食に関わる保育環境に配慮すること。保育所では、次の事項に留意して、保育所での人的・物的な環境の計画的な構成が望まれます。 ○自然の恵みとしての食材料や、それを育て、調理し、食事を整えてくれた人への感謝の気持ち、命を大切にする気持ちなどを育むこと。また、子どもの活動のバランスに配慮し、食欲を育むことができるようにするとともに、食と命の関わりなどを実感したり、体験したりできる環境を構成する。 ○情緒の安定のためにもゆとりある食事の時間を確保し、食事する部屋が温かな親しみとくつろぎの場となるように、採光やテーブル・椅子・食器・食具、また、調理室や保育室などの環境に配慮する。 ○子ども同士、保育士や栄養士・調理員など、また、保護者や地域の人々などと一緒に食べたり、食事をつくったりする中でも、子どもの人と関わる力が育まれるように環境を整える。
https://w.atwiki.jp/originalwitch/pages/703.html
埴科 良菜(ハニシナ ヨシナ) 暴食一家に産まれた快活な少女。 特徴的な八重歯はあらゆる物を噛み、健康的な舌はあらゆる物を繊細に味わう。 味覚は敏感で、常人にはわからない味を見分ける。若くして美食家して活躍する。 ニックネームはナナちゃん。 最近では狼のように肉を喰らい、鹿や馬のように草木に噛みつき、砂岩や金属を頬張る…という奇行に走り、度々病院送りにされていた(色んな意味で)。 彼女は飽き飽きしていたのだ。人間の食物だけでは我慢ならなかった。一種の狂気に陥っていたのだろう。 「何でも食べられるようにしてぇ!」と願う。 これにより彼女の消化力は格段にパワーアップ。あらゆる物を咀嚼、無毒に消化・吸収できるようになった。 ちなみに吐いても大丈夫である。 ナイフなどの食器を腰に備え、可愛らしいエプロンは食事中に彼女自身に害が及ぶのを拒む。 固有魔法はいただきます。ごちそうさまを発動するまで凄まじいパワーを発揮し対象を食べる。どんな魔女も彼女の食事を止めることは出来ず、振り落とす前に食べられてしまう。 GSも消化吸収してSGを浄化するのでぶっちゃけQBいらない。 魔法少女時代:牙の魔女
https://w.atwiki.jp/wiki6_yae/pages/4610.html
#blognavi サトウキビの起し作業1区画が午後4時で終了しました。 あと2区画残っていますが知り合いのサトウキビ農家に聞いたところ対費用効果を考えたらそのままで曲がったまま成長させるのが普通だと言われ残りをそのままにすることにしました。 しかし倒れ方がひどい一部は起そうかと考えています。 夕方母屋の送り盆、自分だけ早めに済ませ実家の送り盆に出かけました。 近い親戚2軒兄弟そろって焼香に行き午後8時過ぎ兄弟一族15人ぐらいが集まり先祖の話題も含め親睦会となります。 午前零時過ぎて送り盆行事が始まりました。 最年長の姉がご先祖さん方に挨拶してお供えした重箱や皿などに盛り付けたご馳走をおさげして皆で頂きながらまた懇親会です。 午前1時過ぎ解散となり午前3時前帰宅して日記を書いています。 女房も母屋(実家)送り盆の後片付けや食器の収納などでまだ頑張っていました。 日記を買い終えたら寝ます、時間的に早朝作業は中止にします。 カテゴリ [日記] - trackback- 2012年09月02日 03 08 23 名前 コメント #blognavi
https://w.atwiki.jp/sasuraig/pages/47.html
ベルサイユ宮殿の豆知識 世界遺産ベルサイユ宮殿と庭 遺産リストには、Palace and Park of Versailles として登録されています。 ベルサイユはパリ南西の郊外にあります。17世紀の建築で、フランス絶対王朝の頂点にあったルイ14世から16世までブルボン王家の居城となりました。 宮殿は、入り口正面に向いて、左右対称になっています。有名な「鏡の間」は、中央の建物の2階奥にあり、庭園に面しています。宮殿内部は、各部屋や回廊に時代を反映するさまざまな彫刻や絵画がならびまた壁をおおってます*大見出し 。 庭園は、宮殿の西側の広大な敷地を占めています。この中に、グラン・トリアノン、プチ・トリアノンなどの離宮が点在しています。豪華絢爛なベルサイユ宮殿と庭園は、その後、ヨーロッパ各国やアメリカなどで宮殿建築のお手本となりました。 ナポレオンの戴冠の絵や、歴代ローマ皇帝の胸像などを見ることができます。入り口から右側は、宝物館になってます。ロイヤルパーティに使われた食器や調度品、宝飾品が陳列されており、その美しさに圧倒されます。ただし、ここは写真撮影は厳禁です。
https://w.atwiki.jp/persona_maze/pages/22.html
不思議の国のアナタ 名前 HP 攻撃力 防御力 斬 壊 突 火 氷 雷 風 光 闇 スキル 落とすアイテム 出現場所 臆病のマーヤ 84 15 15 - - - 弱 ぶちかまし 粘性の欠片 第1章 粘性の手 虚言のアブルリー 144 15 24 - 弱 - 弱 - 弱 - ブフ 大舌の欠片 第1章 大舌の外皮 笑うテーブル 124 18 36 - - 弱 弱 - マハブフ 机の欠片 第1章 机の脚 冷静のペーシェ 188 30 36 - - - - 弱 - ぶちかまし 遊漁の欠片 第2章 タルカジャ 遊漁のヒレ 遊漁の眼 ジュピターイーグル 142 27 36 - - - - - - 弱 弱 - マカジャマ 大鷲の欠片 第2章 スラッシュ 大鷲の翼 正義の剣 162 36 36 - - - - - - - 弱 バインドカット 大剣の欠片 第2章 ポイズンカット 大剣の柄 眠るテーブル 243 42 36 - - - - - - 弱 弱 ガル 銀机の欠片 第2章 タルカジャ 銀机の脚 銀机の食器 スレイブアニマル 374 48 42 - - - 弱 - - 弱 ツインスラッシュ 獅子の欠片 第2章 獣の咆哮 獅子の鉄球 宝物の手 5 48 45 耐 耐 耐 - 宝物の欠片 第1章~第3章
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/2202.html
※東方原作キャラが出てきます ※独自設定あります ※お嬢様が姉御口調です ※今回はライトな話です ↓大丈夫ならどうぞ 紅魔館の日常(食事編) 霧の湖の畔に建つ悪魔が棲む館、紅魔館。 そしてここはその紅魔館のダイニングルーム。 一人の少女がダイニングテーブルに付いてある一際豪華な椅子に腰かけている。 少女のその小さな背中には一対の黒い翼が生えている。 この少女こそが紅魔館の主であるレミリア・スカーレットだった。 少女にしか見えない外見とは裏腹に、淑女のような気品さ、悪魔のような威圧感、そして一般大衆を魅了させるカリスマを感じさせる。 『彼女こそがこの館の主だ』 誰もがそれを納得させるような空気を彼女は放っていた。 ダイニングルームの扉からノックの音が聞こえる。 そして、その直後に切れ味鋭いナイフのように真っ直ぐな、かつ澄んだ声が室内に響く。 「お嬢様、朝食をお持ちいたしました」 「入りなさい」 レミリアが許可を出すと、扉はゆっくりと開かれる。 入ってきたのは、いくつかの食器が乗ったワゴンを押す銀髪のメイド。 彼女は紅魔館のメイド長である十六夜咲夜だった。 そう、この時間は紅魔館の主であるレミリア・スカーレットの朝食の時間であった。 「咲夜。フランは?」 「妹様はまだお休みになられております」 咲夜はワゴンの上に乗っている食器を主の前に並べながら質問に答える。 まさしくその姿は瀟洒と言う言葉に相応しかった。 ちなみに、フランというのは主であるレミリアの妹だ。 館内では妹様の呼称で親しまれている。 かつては地下室に籠り気味だった彼女も、ある事件を切っ掛けに館内の住人とも会話をするようになった。 さらに、現在は自分から外出する機会も増えてきた。 その事に関して一番胸を撫で下ろしているのは姉であるレミリアだ。 レミリアは妹であるフランについて何百年も悩んできたのだから。 フランの変化が一番嬉しかったのは間違いなく彼女だろう。 「はぁ…あの子もそろそろ寝坊癖が治るといいんだけどねえ…」 「妹様も徐々にお嬢様の生活に合わせておいでですわ」 「だと良いんだけど」 この2人が言うように、フランは地下室に引きこもっていた頃の睡眠時間がなかなか改善されない。 酷い時には今でも3日以上部屋から出てこない時もある。 レミリアが新たに彼女の部屋を用意し、フランの生活は劇的に変わったが、睡眠時間まではすぐに改善とまではいかなかった。 それでも咲夜の言うように徐々には改善されてはいるのだが。 少々呆れている顔のレミリアに苦笑しながらの咲夜。 この紅魔館はまさに平和だった。 そんな2人の耳に 「う~…」 唸るような声が聞こえた。 「あら、あんた居たの?」 「れみぃはさくやといっしょにおへやにはいってきたぞぉ!!」 「小さすぎて気付かなかったねぇ」 「う~!!」 両手を挙げながら不機嫌そうな顔をする一人の少女。 その姿は館の主であるレミリアに酷似していた。 酷似と言ってもレミリアより身長は低く、その分を横に広げたようなふとましい体型ではあったが。 その姿からはレミリアと違い気品やカリスマはまるで感じられない。 可愛い、という言葉の方が似合うだろう。 その少女の名前はれみりゃ。 館内の住民からはれみりゃ様と呼ばれ親しまれている。 見た目は幼女にしか見えないが、実は手足が付いた動く肉まんである。 彼女の種属名は『ゆっくり』と言い、最近幻想郷に大量発生した饅頭の一種である。 咲夜がある日どこからか拾ってきて以来、紅魔館の住民の一人となっていた。 レミリアもれみりゃが咲夜と一緒にダイニングルームに入ってきたことは当然気付いていた。 気付いていた上で気付いていない振りをしたのだ。 それは何故かと言うと… 「分かりやすくなるようにもう少し大きくなってくれないとねぇ」 「う~!!れみぃはさくやのあまあまぷっでぃんたくさんたべてるもん!いっぱいゆっくりしてるもん!おっきくなるもん!」 「いつの話になるのかしらねぇ」 「う~!!」 レミリアにとってれみりゃは弄りの対象だったからだ。 元々サディストの傾向がある彼女にとって、れみりゃは良いターゲットとなった。 すぐ泣き、すぐ怒り、すぐ笑う。 レミリアにとってれみりゃと接することは長い時間を生きて行く中の良い暇つぶしとなっていたのだ。 勿論、レミリアもれみりゃのことが嫌いで弄っている訳ではない。 これは彼女なりの愛情表現でもあるのだ。 本人は間違いなく否定するだろうが。 そんな2人の会話を目の前で聞いている咲夜は… 「(お嬢様とおぜうさま…2人とも可愛いわね…おっと鼻血が)」 彼女も彼女なりにこの状況を楽しんでいた。 最も、外見上はポーカーフェイスのままであるのだが。 鼻血が出そうになっても決してそれを主に見せることはない。 まさに瀟洒なメイドと呼ばれるに相応しかった。 「れみぃもおなかぺこぺこだっぞぉ♪さくやぁ♪れみぃにもぷっでぃんちょ~だ~い♪」 れみりゃがレミリアのすぐ間近にある椅子に座る。 レミリアはそのことに関して不満に思うこともない。 いつものことだからだ。 「本日のおぜうさまの朝食はイチゴのバルサミコ酢和えアイスクリーム添えでございます」 そう言って咲夜はれみりゃの前にれみりゃ用の食事を並べる。 ちなみに、咲夜はレミリアのことをお嬢様、れみりゃのことをおぜうさまと呼んでいる。 レミリアも特に気にする素振りを見せなかったので、そのまま定着してしまった。 「うっう~♪れみぃはあまあまいちごもあいすくり~むもだいすきだっぞぉ♪」 「こちらはおぜうさまの大好きな果汁100%のオレンジジュースでございます」 「うっう~♪あまあまじゅーすでゆっくりするぞぉ♪うぁうぁ♪」 「それと…」 咲夜は一瞬ニヤリを口元を歪ませてれみりゃの前に一つの食器を置く。 「野菜サラダでございます」 色とりどりの野菜が乗った皿を見て、れみりゃは露骨に顔を歪ませる。 「うぁ!れみぃおやさいいらないぞぉ!さくやぁ♪おやさいはいやぁ~ん♪」 れみりゃは咲夜の元に近づき、体をすりよせておねだりをする。 それはとても微笑ましい光景だった。 れみりゃは野菜を食べたくなくて結構必死だったりするのだが。 そして一方の咲夜は… 「(おぜうさま可愛いわね…抱きしめたい…)」 興奮していた。 しかし、そのような感情を表に出すことはない。 彼女はポーカーフェイスのままだ。 紅魔館のメイド長は瀟洒なのだから。 「あら…野菜も食べないと大きくなれないんだよ?知らないの?」 「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 れみりゃはレミリアの言葉にショックを受けたのか突然叫び出す。 目と口は大きく見開かれており、両手を頭上に上げ、体全体を後ろに大きく逸らしている。 このオーバーリアクションもレミリアにとっては堪らなく面白い物であった。 ちなみにレミリアのこの言葉も数え切れないほどれみりゃに言ってきたことである。 この言葉を出す度にれみりゃはオーバーリアクションをするので、レミリアはこの言葉を言う時を密かに楽しみにしていたりもする。 「本当だよ?ねえ、咲夜?」 「さくやぁ~…おやさいたべなくてもれみぃおっきくなれるよねぇ?」 レミリアとれみりゃが同時に咲夜に視線を向ける。 この時の咲夜は… 「(ああ…お嬢様とおぜうさまが潤んだ瞳で私を同時に…私はどちらの想いに応えれば…)」 全く関係ないことを考えていた。 しかし、彼女は当然のごとくポーカーフェイスだ。 瀟洒なのだから。 「そうですね…」 咲夜は苦笑しながら迷ったような素振りを見せる。 最初から言うことは決まっているのだが。 咲夜はその場にしゃがみ、れみりゃの視線と自分の顔の高さを合わせて彼女に告げる。 彼女にとっては非常に残酷な言葉を。 「おぜうさま、お野菜を食べなければ大きくなれませんよ?」 「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 本日二度目のオーバーリアクション。 この瞬間、レミリアと咲夜はとてもゆっくり出来ていた。 紅魔館は今日も平和だった。 「いただきます」 「いただきま~すだっぞぉ♪」 「どうぞお召し上がり下さい」 それらの言葉を合図に食事を開始する。 ちなみに、れみりゃは常に食事の際には咲夜に肩掛けのナプキンを付けてもらっていた。 そうしないと洋服が汚れ放題だからである。 「う~…」 しかし、れみりゃは食事に手を付けない。 レミリアの方を唸りながら睨んでいる。 何かが気になっているようだ。 一方のレミリアは器用に箸を使いながら、食器の中を何やら混ぜている。 れみりゃの視線など全く気にしていない。 「う~…」 そんな時間がしばし過ぎると、ついにれみりゃが立ち上がった。 「おね~さんのそれぇ!くしゃいくしゃいだっぞぉ!」 れみりゃはレミリアの食器の中の物が気に入らないようだ。 何やら臭いがするらしい。 「美味しいと思うんだけどねぇ」 レミリアが箸を宙に上げると、その箸に粘着上のねばぁ~っとした物が纏わりついている。 そう、彼女の朝食は納豆御飯だった。 彼女は西洋の生まれのはずだが、実は納豆が大好物なのである。 「う~!!そんなのぽいっしてぇ!ゆっくりできないぞぉ!!」 れみりゃはとにかく納豆の臭いが気に入らない。 ダイニングルームは広いのでレミリアから離れた場所で食べれば良いだけの話なのだが、その選択肢は彼女の頭の中になかったようだ。 一方のレミリアはれみりゃの叫びも我関せずと無視して、箸に纏わりつく粘膜ごと豆を口の中に入れる。 「うん、美味しい。咲夜の作る納豆ご飯は最高ね」 「お褒めに預かり光栄でございます」 咲夜はその場で頭を下げる。 無視されているれみりゃはそんなレミリアの姿が気に入らない。 「う~!!そんなのたべてたらゆっくりできなくなるぞぉ!!おね~さんゆっくりできてないぞぉ!!」 れみりゃにとって、ゆっくり出来ていないという言葉は全否定を意味する。 つまり、れみりゃは納豆とその納豆を食べるレミリアを全否定したのだ。 普段のレミリアとれみりゃは決して仲が悪い訳ではない。 むしろ先程のやりとりを見る限りでは至って良好だろう。 そんなレミリアをれみりゃは否定したのだ。 れみりゃにとってそれくらい納豆は嫌だった。 ここで初めてレミリアが憤慨しているれみりゃに視線を向ける。 悪戯を思い付いたかのように少しだけ口元を歪ませながら。 「あんたも食べてみればいいじゃない。きっと気に入るよ」 「…う?」 れみりゃにはレミリアが何を言っているのか理解できなかった。 自分が? 食べる? 何を? れみりゃの頭の中に疑問符で埋め尽くされた。 「ほら、私が食べさせてあげるから」 「うっ!うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 レミリアが納豆を持った箸をれみりゃに近付けると、れみりゃは立ったままの咲夜の背後まで一直線に逃げ出した。 すでに涙目となっている。 どうしようもなく嫌だったらしい。 そんなれみりゃの姿を見て、レミリアがニヤリと口元を歪ませる。 どうやら彼女のサディスト魂が刺激されたようだ。 「美味しいって、ほらほら」 「うぁぁぁぁぁぁ!!!こっちこないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 レミリアは納豆が入った食器と納豆が付いたままの箸を持ちながら、立ち上がって咲夜の背後にいるれみりゃの元へ近づいて行く。 当然れみりゃは一直線に逃げ出す。 そんな姿もまた、レミリアのサディスト魂が刺激された。 「ほ~らほ~ら♪」 「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!くしゃいくしゃいだぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 レミリアは逃げるれみりゃを笑いながら追いかけて行く。 れみりゃはそんなレミリアから悲鳴を上げながら逃げて行く。 ダイニングルームを舞台にした追いかけっこの始まりだった。 れみりゃの動きは非常にのたのたしていたので、追いかけっこと言っても非常にゆっくりした追いかけっこではあるのだが。 レミリアにもれみりゃに追いつこうという気はなく、れみりゃの走る速度に合わせて走っている。 本来、食事中に立ち上がるなどやってはいけないことのはずなのだ。 瀟洒なメイド長から見ればはしたないことだ。 主といえども注意されてもおかしくない振る舞いだった。 そんな主達の姿を見て咲夜は… 「(サディストなお嬢様と悲鳴を上げながら逃げるおぜうさま…ハァハァ…)」 とっても興奮していた。 しかしそれでもポーカーフェイスのままだ。 彼女は瀟洒なのだから。 「納豆食べないと大きくなれないよ~?」 「なっとぉだけはぜったいいやだぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」 紅魔館は今日も平和だった。 ,.-─- 、 ∧_,,∧\書/ /\ ( e'ω'a)∩‐ | 後 ⊂ / ヽ/ r‐' / `""ヽ_ノ 最近暗い話ばかりだったのでたまには明るめの話を。 私の中のお嬢様は基本姉御口調です。 ゆっくり冒険記の番外編にしても良かったのですが、何となく短編に。 冒険記のお嬢様とミリィもこのような関係と設定しております。 ちなみに、私も納豆は食べられません。 臭いも嫌ですが、味自体も好きになれません。 納豆美味しいよ!咲夜さん瀟洒過ぎて素敵でした -- 名無しさん (2011-02-13 21 08 04) 納豆美味しいぜ、それを理解しているお嬢様も素敵だぁ (邪道だが納豆チーズカレーの美味しさは異常) -- 名無しさん (2011-02-14 02 15 53) ゆっくりゆかりんにあげたら? -- 名無しさん (2011-02-15 15 13 39) 名前 コメント