約 815,341 件
https://w.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/498.html
Top 【シェア】みんなで世界を創るスレ【クロス】 地獄世界・「地獄百景」 第14話 「汝、平和を欲さば」 ◆ 完成した『リヒター』を散らかった作業台へ立たせた半角は、うっとりと精魂込めた自らの作品を眺めた。 (…よおし…完璧だ…) 人気ロボットアニメ『パラベラム!』の主役機『リヒターver'prologue』。1/10スケールのガレージキットをベースに半角が徹底改修を施した自信作だ。 結局、満足出来る可動域を得る為と、電飾を仕込む為にキットを使用したのは頭部と上半身の装甲部だけ。 敢えて過度のディテールアップは行わず、入念な表面処理と塗装でオートマタ独特の不思議な質感を表現している。 製作日数約二十日。この為に人間界から調達した新しいエアブラシは期待以上の働きを見せてくれた。 (…へへん、こりゃ殿下、驚くぞ…) 納品日の今日はちょうど非番だった。技術とセンスの結晶を閻魔殿下のもと、閻魔庁外宮へと運ぶ為に半角はいそいそ段ボール箱に緩衝材を詰める。ジオラマベースと片手間にキットを素組みした『野良』も梱包すると、結構な大荷物だ。 「…汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ…」 嬉しげに呟く彼の名は酒呑半角。ふざけた名前だが地獄界の経済を支える財閥、酒呑一族の鬼だ。今年獄卒隊に入隊したばかりの新人獄卒なのだが、人間界のあらゆるアニメ、ゲームその他インドア趣味に深く傾倒し、その知識と技術は地獄界では他者の追随を許さない。 長らくその経済力にものを言わせ、道楽三昧の日々を送っていた彼だったが、ある日ついに朱天グループの重鎮である父の逆鱗に触れ、文字通り鬼も泣くという獄卒訓練所に放り込まれた。 しかしなんとか過酷な試験をくぐり抜け、第八百壱期隊員として閻魔庁獄卒隊に奉職した今も、その行いは全く変わっていない。 しかし、そんな半角の意外な理解者が次なる閻魔大帝、まだ地獄の小学校に通う皇太子殿下だった。 ゲームやプラモデルに関する深い知識と情熱を殿下に認められた半角は、こうしてしょっちゅう獄卒の仕事をおろそかにしながら、日々殿下に依頼された模型製作に勤しんでいるのだった。 (…さて…今日は殿下、何分くらい黙り込むかな…) 殿下の審美眼は素晴らしい。的確な視点から半角の作品を黙って睨み続け、終いに『凄ぇ…』と短く呟く。その後に続く賛辞は全て、半角の意図を的確に見抜いたものだ。 …まるで『パラべラム!』のアニメ第一話から抉り抜いたような緻密さで躍動するリヒターと、黒い装甲の下に溢れるマナ。殿下は必ずこの傑作からその息吹きを汲み取る筈だ… (…え!?) 突然、半角の懐で『パラベラム!』のOP曲が鳴り始めた。しまった。仕事用の通信機の電源を切り忘れていたのだ。舌打ちをしつつも出ない訳にはいかない。もちろん発信者は、厳しい上司の蒼燈鬼聡角だった… ◆ (くそっ!! なんで非番の日に俺が子守りなんか…) 険悪な表情で肩を怒らせて地獄の大通りを歩く半角を、道行く亡者や魔物たちが慌てて避ける。 魁偉な長身に逆立つ赤い髪、剃り落とした眉に無数のピアスという彼の容貌では当然だ…もっとも、このコーディネートは月末のコスプレイベント用のものなのだが。 『…慈仙洞の子供たちが遠足に行くんだが、一人だけどうしても行きたくない、という子がいるらしい。非番の日に済まないが、嵐角と子供たちが戻るまでその子を見てやってくれ…』 殿下との約束を台無しにした、いまいましい上司の命令だ。幼い子供の亡者など、とっとと転生して人間界に戻れば良いのに、と半角はいつも思うが、『天命』というものはとかく面倒くさく出来ている。 『…この地獄で成すべき事のある魂は、たとえ赤子でも慈仙洞に留まるのだ。鬼は彼らの使命を、渾身の力で支えてやらねばならん…』 これも口うるさい青鬼上司の言葉。半角とて大江山酒呑の家系に生まれた鬼だ。恥ずかしくない程度の正義感と天命を尊ぶ心は持っている。しかし地獄に迎え、教え諭して導かねばならぬ人間たちはどうだろうか? たやすく道を踏み外して悪に染まり、また背負いきれぬ業を土産に地獄に堕ちてくる。賽の河原に果てしなく石を積んでいるのは自分たち鬼ではないか、とさえ半角には思えてならない。 (…まったく、協調性のないガキ一匹のせいで…) 不機嫌に慈仙洞の門をくぐり、半角は広大な育児施設に足を踏み入れた。いつもは子供の泣き声と歓声に満ちた鍾乳洞なのだが、どこへ遠足に行ったのやら、全ての部屋は寂しく静まり返っている。 「…おい子供。どこだ?」 反響する半角の声に混じり、かすかな音楽が『てれびのへや』と、扉に下手くそな文字の書かれた一室から聞こえてきた。仏頂面で歩み寄った彼は部屋に入る前、すでに室内で放送されている番組のタイトルを諳んじていた。 (…『ソルフォースⅤ』か…) 『ソルフォースⅤ』は、半角が一応毎週チェックはしているものの、彼が全く評価していないヒーローアニメ番組だ。テンプレ通りの捻りのない展開に野暮ったいメカデザイン。行き当たりばったりの脚本… (…ま、子供には面白いのかな…) そっと部屋のドアを開けるとたった一人、まだ四、五歳くらいの男の子がテレビに張り付いていた。おそらくこの番組見たさに遠足に行かなかったのだろう。 「…あ、お前…」 どこか見覚えのある、痩せた背中と伸び放題の髪。びくりと振り返った不安げな眼差しは、間違いなくあのときの子供だった。 数日前、半角が三途の河原で亡者の受け入れ任務に当たっていたとき、たまたま担当した痣だらけの無口な男の子だ。たしか『希くん』と名乗っていた。 禄な食事も摂らせないひどい両親に暴行を受け、あっけなく命を落とした可哀想な幼児。冥土から迎えにゆく親族も居らず、彼は居合わせた亡者に痩せ細った手を引かれ、無表情にこの地獄へとやってきたのだ。 (…やっぱり、一番酷いのは人間だ…) あのとき肩を竦めてそう考えた半角は、ただ事務的に彼を嵐角たちの待つ慈仙洞送りにしたのだった。まあ、仲間の鬼には人間の亡者と懇意にしている者も多い。中にはあろうことか恋仲にまで発展している者までいる。 しかし半角は人間の深い業に巻き込まれたり、いつかは別の道を歩む魂と縁を持つのは嫌だった。鬼だってその無限ではない命を自分の為、有意義に使って何が悪いのか… 「…面白いか? 希くん?」 「…うん。」 なんとなく発した半角の問いに、希はむっつりと頷いて答えた。しかし相変わらずその視線は、『ソルフォースⅤ』に釘付けになったままだ。 『…作戦は失敗しました…でも、次こそは必ずや…』 戦闘シーンが終わり、満身創痍の女幹部が悪のアジトに帰ってきた。彼女に背を向けた組織の首領格は、先週得た新たな闇の力で赤くその瞳を光らせている。 (…死亡フラグ、だな。かなり強引だけどな…) 組織への忠誠を失ってはいない女幹部の粛清など不合理だ。彼女と正義のヒロインの因縁も初期には描かれていた筈だった。しかし、敵組織の内紛はこの時期の決め事なのだ。 『はうっ!?』 案の定、マントを翻し振り向いた首領の剣は、女幹部の胸を深く刺し貫いた。狂気めいた笑みを黒い唇に浮かべた彼は囁く。 『…フェオレよ、貴様はもう必要ない。役立たずは消えるのが我らの掟だ…』 (…おいおい、人員整理にしても唐突だろ…例の伏線はどうすんだ?) 敵組織の非情さを強調し、強敵のパワーアップを披露する陳腐な演出だ。どこか華のないキャラクターデザインも、幹部フェオレ中途退場の理由かもしれない… (…この辺が、老舗作品との力量差なんだよな…) ふと自分が残忍な悪の首領とそっくりないでたちである事に気付き、乾いた笑みを漏らして希を覗き込んだ半角は、青ざめた彼の頬にとめどなく流れる涙を見た。 「お、おい!? どうした!!」 「…仲間なのに…殺した…」 舌足らずの涙声に、半角は一瞬言葉を失う。作り事が判らぬ年齢の子供の相手など、半角には全く経験がなかった。 「…フェオレ、怪我…してたのに…」 膝を抱え嗚咽する希の背中を曖昧に撫でながら、半角は記録にあった彼の人生を思い出す。アパートの一室から殆ど外出もせず、スナック菓子で命を繋ぎながら酔った父親に蹴り殺されるまで、僅か四年半の素っ気ない記録だった。 (…脇キャラに同情出来る人生かよ…手前のほうがよっぽど悲惨じゃねえか…) 希の恐ろしい日々の生活のなかで、僅かな外界への窓であった筈のテレビ。そしてその世界に生きる不遇なキャラクターは、この自らの死も理解してはいない幼児の大切な友人だったのだろう。 無秩序な宇宙で気まぐれな創造者に翻弄され、たやすく奪われる命。現世で同じ理不尽な仕打ちに耐えてきた彼は、また理解出来ぬ不条理な悲劇に直面したのだ。 (…確かにこいつにゃ、少し惨い展開かもな…) いつの間にか、休日出勤の苛立ちは消えていた。希に掛ける言葉も思いつかぬまま、半角はとりあえず震える小さな背中を撫で続ける。だが心に浮かぶ慰めの台詞は、どれもどこか空虚で寒々としたものばかりだった。 (…畜生、結局どこでも一番悪いのは、無責任な『作り手』ってことだ…) 348 :代行 :sage :2010/03/28(日) 14 25 53 ID FqWttdV2(12) 天の意志を疑うことは鬼の道に外れたことだ。だが半角は柄にもない憤りを覚えていた。運命は希の短い生涯に二次元の友人たち以外、一体何を与えたのか。家族の愛から瑞々しい喜怒哀楽を育むこともなかった小さな魂に… (…いや…違う…) 半角は希の傍らに座り、その悲しげな横顔をもう一度見つめる。今、彼の頬を濡らし、その薄い胸を締め付けているもの。それは紛れもなく虚構に生み出され、そして裏切られた『妖将フェオレ』への深い憐れみだった。 …獄卒の長たちは言う。『全ての魂は善を持って生まれ、苦悩の生のみがそれを磨き上げる』と。希は天に授かった善き魂を、虹のように儚い人生の間、過酷過ぎた『惨事』から、しっかりと守り抜いたのだ… 「…フェオレはもうすぐ此処に来るんだ。今度こそ、幸せになる為にな…」 ぼそりと呟いた半角は、その自分らしくない言葉に少しはにかんだ。そして涙を拭って自分を見上げる希の軽い体をふわり、と抱き上げる。 「…俺の部屋へ来い。本物の『名作』ってやつをたっぷり観せてやる。」 「あ…」 慣れない抱擁に身体を堅くする希が自分の脚で駆け出すには、熱く全身を巡る強く優しい『マナ』が必要だ。そしてその為に鑑賞すべき作品を最もよく知っている鬼が、この地獄界で半角以外にいるだろうか? 「…汝、平和を欲さば、戦いへの備えをせよ、だ」 こつん、と額を合わせ囁いた半角の言葉に小首を傾げた希は、初めて小さな微笑みをその頬に浮かべた。 終わり (【ロボット物総合スレ】よりPBMの人氏作『パラべラム!』の設定を一部お借りしました。) 上へ
https://w.atwiki.jp/mairyuga923y/pages/2.html
メニュー トップページ 学園概要 イベント 部活動一覧 キャラクター設定 男子生徒 女子生徒 教員 人外 リンク 平和な学園でなりチャ!
https://w.atwiki.jp/wiz-fo/pages/335.html
アクセス制御 NINJA TOOLS 航空券 データ復旧 平和への妄執 - アンケートページ このページは、ユーザーシナリオ「平和への妄執」のアンケート用ページです。 このシナリオに対するコメントがあれば、こちらから。ただし、シナリオの内容そのものに関わらない内容の書き込み、シナリオ作者氏や、シナリオそのものへの誹謗中傷を目的とした内容の書き込みは禁止とします。シナリオについての雑談をしたり、攻略情報の質問・返答を書き込みたい場合は、外部掲示板をご利用下さい。 名前 コメント 補足ですが、クリア後に善PT専用エリアだった場所の最深部に行くとこれまでのボスと再戦できるおまけがあるようです。 また、ラスボス戦後に適当にPTを組み替えたりすると例の護符を持ち逃げできるっぽいですが、これは不具合かも? -- 名無しさん (2024-06-08 01 30 30) (3/3) 終盤のアイテムドロップは割と渋めですが、ドロップ率UPアイテムを入手すると一気に出やすくなります。人によってこのタイミングがまちまちになりそうなのが難点といえば難点? 終盤の敵はかなり強いですが、クリティカルや即死系呪文など穴があるやつもいます。実はラスボスも浮遊が付いてなかったり…。 総合的にはかなり重厚感のあるシナリオで楽しめました。ある程度腰を据えてプレイできる人におすすめです。 -- 名無しさん (2024-06-07 23 35 59) (2/3) おそらくクリアレベルは50程度なので、中盤でPTを再編成し、全員が全呪文を使えるようにしてしまう方が結果的に楽だと思います。熟練の魔除けがあるとリセマラで簡単に上げられますが、ここは運が絡みます。 いわゆるコッズアイテムがありますが、これは戦士専用です。無限ティルトウェイトがあると中終盤の稼ぎが捗るので、1人は戦士を入れておくといいと思います。 最終的な火力は侍が頭一つ抜けています。終盤の敵はほとんど打撃半減を持っていますが、例の護符は全モンスターに倍打なので侍に持たせるといいでしょう。 装備的な意味でやや悪優遇だと思いますが、終盤で善悪PTを使い分けるイベントがあります。ただしリセットありなら事実上1戦のみで済むので稼ぎ直しはほぼ不要です(性格変更アイテムもそこそこ出る)。戦士、魔法使いあたりは中立で使い回せると思います。 -- 名無しさん (2024-06-07 23 35 38) (1/3) 作者様の攻略データ集(Wikiトップページから行ける)を読みつつ最後までクリアしました。これを読まないとわからないような隠し要素もあるので、抵抗がなければ一読推奨です。 ストーリーは素晴らしいのですが、色々とハマりポイントがあるのでリセット派の人は要所でセーブデータのバックアップをとった方がいいかもしれません。 -- 名無しさん (2024-06-07 23 35 17) シナリオについての雑談をしたり、攻略情報の質問・返答を書き込みたい場合は、外部掲示板をご利用下さい。 -- 管理人 (2024-02-21 16 58 31) ダウンロードのリストから無くなってる???? -- 名無しさん (2024-02-21 10 36 41) シナリオについての雑談をしたり、攻略情報の質問・返答を書き込みたい場合は、外部掲示板をご利用下さい。 -- 管理人 (2023-07-14 19 00 57) 最終ボスが魔法封じの状態で戦うので全滅してしまいます。詰まってしまいました。NOTEで質問しようにもログインを求められてしまいます。どこで質問をしたらいいですか。 -- 名無しさん (2023-07-14 15 22 45) ありがとうございます、楽しんでいただけたなら何よりです…! もし進行の上で何かお困りごと等ありましたら、遠慮無くお伺い下さい。 Steam掲示板のログ等もお役に立つかと思います。 -- 作者 (2023-05-04 18 38 20) 某大公倒すところまで行きましたが、 バランス・シナリオ共に素晴らしいシナリオです。 今は何の考えもなしにEX突っ込んで行ってしまいえらい目にあってます。(苦笑) 作成者が作家さんだそうですが、特に世界観が秀逸です。 -- 名無しさん (2023-04-30 17 56 35) ちなみに本作の男女差は「非力な女性が手数や装備の工夫で男性と互して戦う」シチュに萌える方にはたいへん好評をいただきました。 中盤以降には女性専用装備も出てくるので、ゲーム的な有利不利はなくなります。 ただ、パーティに男性を入れたくない、女性オンリーで行きたい方には、序盤は不自由さを感じたそうです。 最終的には性差要素は無視できますが、未プレイの方は参考にどうぞ。 -- 作者 (2023-04-09 00 20 02) ゲームはどこかで数値化して線引きしなきゃいけませんからね。 エルフより頭のいい人間も当然いるはずですが絶対に作れませんし、 ドワーフでも盗賊に適正のある者は必ずいるはずです。 僕はひとつひとつ要素を見て、自作をこう表現しました。あなたはそれが嫌だった。 残念ですけどアンマッチは必ず起きる。残念です。 --- あなたには感想を好き勝手言う権利があります。 僕にも意図を説明して「合わなくて残念です」と言う程度の権利はあります。 そして「どちらが押し付けがましいか」を決めるのは、これを見ている他の人。 あなたではありません。 -- 作者 (2023-04-09 00 01 01) 槍が使いたいわけじゃないのにまた一人よがりな押し付けですか 扱うのに体格がいるってことは この世界には身長180cmを超えるような大柄な女戦士は一人もいないし 女ドワーフも両手持ちの戦斧を使うような人は一人もいない歪な世界ってことですねってことですんw そうやって意味もなく縛られるのは嫌なのでこのシナリオはプレイしません だから作者の人はもうレスしなくていいですよ -- 名無しさん (2023-04-08 22 07 08) 武器に「装備に必要な筋力値」みたいなものが設定できたら良かったんですけどねー。 ちなみに「女性が装備できない両手武器」はグレートソードや大太刀のような「扱うのに筋力も体格も要る」ものです。 これらは女性だけではなく、ノームやホブは男性であっても使えません。 あと、女性が装備できる両手武器は実はけっこうあって、中距離系の槍やグレイブは普通に使えます。 筋骨隆々の女戦士になみなみならぬこだわりがあるようなら是非どうぞ。後列に攻撃届くし便利ですよ。 -- 作者 (2023-04-08 13 01 13) 両手持ち武器のほとんどが男性専用になっているので「筋骨隆々の女戦士」のロールプレイが不可能 作成者の理想を押し付けるだけのプレイヤーのことを何も考えていない独りよがりな設定 -- 名無しさん (2023-04-07 22 16 49) お気に召さなくて残念です。一応お返事置いときますね。 --- ・試練場B1は敵も弱く、ランダムエンカウントもないので、LVL5程度あればどんなに迷っても全滅しません。 ・試練場B2の炎の床は「見ただけでヤバい」とわかり、仕掛けもわかりやすく、二歩以上連続で踏まねば全滅しません。 ・武器合成イベントはシナリオ上必須なものではないので、面倒であればプレイヤーの判断で全て無視できます。 ・本作はインフレ系を志向していません。作者的には「悪魔や天使やそれ以上強い相手にダメージが普通に通る」方が嫌かなあ… ・武器破壊持ちはおらず、酸ブレスも低確率で吐くのが1種のみ。“極悪”の定義とは…??? --- とは言え、テレポーテーション前提のマップや魔法禁止マップは実際存在します。 新しくプレイする方は「そういう要素もある」という意味でぜひ参考になさってください。 -- 作者 (2023-04-05 08 11 35) ☓合成イベントが面倒な割に手に入るのがイマイチな性能のものが多い。 ☓後半の敵はほとんど被ダメージ半分(物理、魔法どちらも)をもっている。そのため、せっかくの武器でも普段と変わらないダメージが表示される。特定の敵がもつのはわかるが、ほぼ全ての敵がもっているのは数字が下がって見えるだけ。 ☓取り返しのつかない要素が多い。例として、 イベントでしか外せない「完全な呪い」のアイテムが複数ある。 一方通行でテレポーテーションがないと脱出不可 魔法禁止、map禁止、テレポーテーション禁止の極悪フロアあり。 これらの取り返しのつかない要素に耐えられる人はプレイをおすすめしますL. -- オーガス3世 (2023-04-05 03 02 19) ○回復の泉のかわりにnpcイベント配置していて雰囲気がだせているのがよかった。 ○後半から、魔法使い、僧侶呪文を習得できるアイテムが習得できるので、どの職業でも魔法を覚えることができるのが、パラーメーターとは別に成長を感じることができるので良かった。 ○不遇になりやすい僧侶には麻痺石化抵抗をかなり早い段階からもてる、ディスペルで倒したい敵がいる、プロディジーを習得できる。などで存在価値があるのがよい -- オーガス3世 (2023-04-05 02 55 18) 1Fでいきなり回転床とダークゾーンがしきつめられ、 2Fではフラグを立てないと大ダメージ床でパーティー全滅という 過去作のwizに果たしてその浅い階層でそんな陰湿なしかけがあったかとおもった。 -- オーガス3世 (2023-04-05 02 47 07) ちなみに「盗賊要らない子」は「忍者要らない子問題」と等価交換になる問題です。 私は後者を重く見て対処をしましたが、前者も中盤までは専用の弓と装備品で活躍の場があるよう心がけました。 最終的には(気になるようでしたら)転職アイテムで忍者になるのが最もスマートかと思います。 また、第1→第2のつなぎ問題(レベルアップ速度が停滞する)も、実は、プレイヤー側の工夫で容易に解決できる問題です。 ストレスに思われたらしい1x1マスが実はその解決の鍵になる、と申せばピンと来るでしょうか。 繰り返しになりますが、これらを最初のプレイですべて理解するのはそもそも無理なので、感想はご自由になさってください。 再プレイではじめて「こう攻めれば楽だったのか」と気付くことも多々あろうかと思いますので、気が向いたら是非また遊びに来てください。 -- 作者 (2023-01-11 14 36 13) 女性冷遇という話がたびたび出るのですが… 男性は力と生命力に若干優位な設定ですが、それを前提にゲームバランスを組んでいるわけではありません。 (女性だけで前衛を固めたから戦闘で苦戦した、ということは発生しません) さらに、中盤には専用装備のドロップで男女優位逆転の場合もあり、最強装備は男女とも使用可能。 能力値もプロディジーで基礎値+13まで向上するので、最終的に男女差と種族差はほぼ無視ができます。 また、人間男性は僧侶にまったく向きませんが、人間女性なら前衛兼務の僧侶が務まります。 エルフ男性は盗賊と忍者に向きませんが、エルフ女性はそうではありません。 侍はドワーフ男性よりドワーフ女性のほうが向いています。 「女性冷遇」ではなく「5種族×男女で10種の向き不向きがある」と捉えていただいたほうが正確かと。 ただ、これらを「最初のプレイだけですべて理解せよ」というのがそもそも無理なので… もし再プレイの機会があったら、上記を気に留めてパーティ編成を再考してみてください。 -- 作者 (2023-01-11 14 24 36) 種族性別による能力値がデフォからかなり変えられているので、キャラ作成前に調べる必要あり。最大値+10。 前衛装備の多くが男専用であるため、能力値も合わせ、エルフ女以外女性で作るメリットが薄く冷遇されている。 職業も作中で説明がある通り、戦士盗賊が不遇。罠鑑定解除+25%のアイテムが店売りされているので、盗賊が入らない子になっている。 第1→第2の繋ぎがやや悪い。第2はLv1でも倒せる敵と2桁無いと厳しい敵が混在しており、 経験値がカスく、マスターレベル付近で到達することも合わせると、全くレベルがあがらない。 マップも広大で移動距離が多く、1×1部屋をひたすら探索、移動にテレポーテーションが半必須。エンパイア2を彷彿させられる。 と、不満点ばかり上げたが、マップは緻密に作られているし、理不尽さやストレスフルな要素はかなり抑えられていてプレイしやすいシナリオ。 Wiz初心者が、中規模のシナリオをやりたいが高難易度は嫌だ、という人におすすめ。 -- 名無しさん (2022-11-29 10 42 39) Wizardry本編に対するリスペクトが感じられ、アイテムやモンスターが非常に丁寧に作られている。シナリオは一見ダークでシリアスだがNPCの発言やノリはコミカルでややメタ表現あり。 装備関連はリアリティーを重視した影響で女性前衛職にやや厳し目だが、戦闘バランスは理不尽ではない。ラスボスは長期戦必死かつ強敵で割と呆気なく終わりがちなWizardryのラストバトルをうまく調整できている。 マップも考えられて作られておりマッピングは楽しいが、一部謎解きはヒントが必要な人は居るかも。 -- 名無しさん (2022-08-14 10 50 32) お気に召さなかったようで残念です。 設定をシステムに反映させるのはフレーバー程度にとどめ、女性前衛職向けの装備もあって中盤以後ほぼ数値的な男女差は皆無となるので、さほどこだわっているつもりはありませんでした。 なお、直接攻撃半減は村正ほか強力な武具が前提、呪文攻撃半減は呪文2倍効果のアイテムに対応したものなので、レアアイテムのドロップ状況で印象はかなり変わると思います。 -- 作者 (2022-06-24 02 37 09) シナリオを通してメッセージに癖があり好みが分かれるかもしれない。 膂力が必要そうな武器は男性しか装備できないなど設定へのこだわりが細部にまで感じられた。 設定上の強さを反映しているのか終盤のモンスターには悉く直半や呪半がついており戦闘が少々冗長になりがち。 -- 名無しさん (2022-06-22 08 57 11) 他利用者からの削除要請により削除 -- 管理人 (2022-05-11 23 19 30) 和製Wizを継承した雰囲気。作者の本業は作家(解説ブログ参照)とのことで、世界観やメッセージの作り込みがとても素晴らしい。 ダンジョンは大きく分けて2つに分かれていて、1つは#1~3風、もう1つは#5~6のような感じ(地上階あり)。マップの構造は立体的に繋がっていて、何を探索しているのか徐々に明らかになってくる。マップを埋めるのが非常に楽しいシナリオだと思う。 戦闘バランスは第2ダンジョン後半からEXにかけてちょっと厳しめ。最後の超ボスはリセット前提で。 -- 名無しさん (2021-04-13 22 01 53) アイテムの設定や呪文などに丁寧に気を配られたシナリオ。五つの試練では二刀流が強すぎるという問題に対して、「特定の武器を組み合わせた状態の両手持ち武器」という設定になっている。多様なNPCが存在し、様々に冒険者たちの助けになってくれる。ストーリーに力が入れられており、これらの設定や物語について解説したサイトを制作者が用意している。その文量と内容が素晴らしく、シナリオに深くのめり込む助けになることだろう。完全にネタバレしている場所もあるので注意。(wikiのトップページ「シナリオ制作者HP、ブログリンク」にある「〔平和への妄執〕のすべて」から)攻略上では、普段と違い、進行の途中で最強の装備が手に入る。最終版の階層では最強の装備を調えてから挑むという展開になる。 -- 名無しさん (2020-10-19 20 35 32)
https://w.atwiki.jp/jewelry_maiden/pages/700.html
青年は少女と出会った。 一時の出会い……二人は、そう思っていた。 そう、これはただ一時の出会い。再会を約束出来る、ただの出会い。 -願い事、ひとつ- 「娘と話をしたそうだね」 夕食後、笑顔と髭が印象的な、初老の男性が彼に話しかけてくる。 この老人こそ、今回の仕事の依頼主であり屋敷の主。ホープの義父だ。 彼は先日挨拶を済ませているが、その容姿に合った穏やかな人物だというのが第一印象。 「はい。可愛らしいお嬢様ですね」 「ああ、私(わたし)には勿体ないほどに、な」 「そんな事はありません。貴方も立派な方ですから」 「そうか……娘の事は聞いているんだったな」 「はい。確か人形、と」 正直、まだ信じ切れていない事実。 姿形は人と変わらぬ……いや、元々人形は人を模したものだ。その言い方はおかしいかも知れない。 だが、彼はあの花を手渡すときに感じていた。彼女には温もりも、心もある。それは人形という器ではなく、人と変わらぬもの。 ……何故か、彼の頭にはホープの顔が、あの悲しげな表情が離れない。 「老い先短い男の元に何故来たのか、私には分からん。だが、妻が生きていたら喜んでいただろうなぁ」 「病気ですか?」 「昔から病持ちでね。子供を妊る事も出来ず、逝ってしまったよ……ん、すまない、こんな話を。どうも年を食うと自分語りを したがってしまう。もっと明るい話をしなくてはな」 その言葉に苦笑いを浮かべる彼。当然だが、彼はこの手の暗い話が苦手だ。 そのとき、主人の背後からホープの姿が見える。 「あの……」 「ん、どうしたんだいホープ?」 「え、何を話しているのか気になって……その」 横から口を挟んだ事を気にしているのか、どこか落ち着かない様子を見せる。 しかしそれとは対照的に、主人は笑顔でホープの頭を撫でる。 「彼に少し話を聞いて貰っていただけだよ」 「そうですか……えっと、あの……」 「彼と話がしたいのかい?」 遠慮がちに頷くホープ。すでに顔を見るだけで分かってしまう、義理とはいえさすが親子といったところか。 「構わんよ。私もそろそろ部屋に戻らなければならないしな……それじゃあ、しばらく娘の相手をお願いして良いかな?」 「はい、喜んで」 二つ返事のおまけ付で答える彼。 ホープの顔にも、笑顔はなけれど少しだけ嬉しそうに見える。 「あまり遅くならないようにな。では先に失礼するよ」 「うん。お父様、おやすみなさい」 屋敷の主は、義理の娘でしかも人ですらないホープを、実の娘として可愛がっていた。 彼が招かれたホープの自室も、そんな主の娘を少女として思う気持ちから用意してもらえたのだろう。 室内はホープが来てからわざわざ改装したのか、古びた屋敷に似合わぬ美麗さを誇っている。 一人娘の部屋としては広すぎる。庶民である彼は、心の中で呟いてしまうほどに。 「その、考えてみたんですけど……」 テーブルを挟み、向かい合わせで椅子に座る彼とホープ。 ホープは目の前にいる彼の顔を伺いながら、出会ったときに見せたあの花をテーブルに置いた。 「こんな大きな花が貴方のポケットに入るには、折りたたまなくちゃいけないと思うんです」 「まぁ、確かに」 まさか、あの手品の事を今まで真剣に考えていたのか……。 胸の内の彼が苦笑を浮かべる。 「でも花をたたんだらやっぱダメですよね。二つに折れちゃいますから……でも小さくする方法なんてそれしかないし……んー」 そしていきなり考え込む。 「あ、あのぉ……」 「え、あぁ、もう少しだけ待って下さい……自分でちゃんと考えないと……うーん」 「その、えー……分からない事を無理に解決しなくてもいいと思うけどなぁ。謎があった方が、世の中楽しいよ?」 「でも……その、やっぱり私も……やって、みたい……ので」 これが分からなくてはきっと彼と同じような事は出来ない。そう思っているのだろう。 探求に探求を重ねる事は悪い事ではない。 こうして見せた相手が悩んでいるという事は、自分の芸が楽しんで貰えたという事にもなる。彼としても喜ばしい事だ。 そして何より、一輪の花を前に悩むホープの姿が、やけに微笑ましかった。 初めて見たあの悲しげな面影。彼のホープに対する儚げなイメージも、こんな姿を見ては忘れてしまいそうになる。 「そうかー……分かった。じゃあ俺が子供の時に遊びでやってた奴、教えてあげるよ」 「え……でも、お仕事の事は……」 「いいんだよ。こういう事に興味を持ってもらえるのは嬉しいし。花の方はさすがに内緒だけどね」 「……女性には、いつもあのような挨拶を?」 「いやいや、そういう訳じゃなくて……まぁいいや。それじゃあ早速やってみようか」 ◆ 両腕の袖をまくり上げ、手の表裏をまずホープに見せる。 「この通り、何にもないただの手です。ですが、あなたと手を合わせるとたちまち不思議な事が起ります。では、こちらに手を 差し出してもらえますか?」 仕事口調の彼に戸惑いながらも、両手を彼に向けて差し出すホープ。 小さなホープの手。その上に、彼の手が重なる。 「それでは、少しの間だけ目を瞑っていて下さい。私がこれから3カウントをしますので、それが終わったら目を開けて下さい」 「はい……これで、いいですか?」 「ありがとうございます。それでは……ワン、ツー、スリー!」 「……ん」 「……あの、もう目を開けていいですよ?」 「はい……あれ?」 彼の手のひらには、先ほどまでは全く存在していなかった1枚のコイン。 ホープが目を瞑っている間、彼の手は全く動いていない。それはずっと手が触れ合っていたホープ自身が一番よく分かっている。 だが、何も動作のなかった手には1枚のコイン。 挨拶の時に浮かんだ疑問が、再び沸き上がる。何度も首をかしげてみるが、手が動いた形跡は全く見あたらない。 最初から手に仕込んでいたという可能性は全くない……ホープには、その疑問を解決する手段が見つからなかった。 そんな彼女を見て、彼は軽く微笑みを浮かべる。 「驚いた?」 「は、はい……その、これを教えてくれるんですか?」 「うん」 何もないところから物を出す。 そんな事が自分に出来るのかと、ホープが不安げな表情を浮かべる。 「大丈夫、簡単な事なんだ。じゃあもう一回目を瞑って、ちょっと準備するから」 軽く頷き、彼の言う通りに目を瞑る。 「もういいよ。じゃあ今度は目を開けたままやってみるから……下らない事だって、怒らないでね」 苦笑を浮かべながら、再び同じようにホープの手に自分の手を重ねる。 一体どんな事をしたのだろうか……今までにはなかった期待が、彼女の胸にこみ上げる。 「じゃあさっきと同じように……ワン、ツー、スリー!」 ……軽く揺れた彼の頭から、コインが落ちてきた。 「え……これだけ?」 「そ、これだけ。がっかりさせちゃった?」 「……え?」 先ほどまで何故自分は悩んでいたのか、そちらの方が疑問に思えるほどの真実。 コインは頭に乗せてあっただけで、それを手に移しただけ。 「こういうのって、大体種明かしすると面白く無くなっちゃうんだよね。大体の手品って、こういうものだから」 「はぁ……あの花も、そうなのですか?」 「まぁね。でも花の奴はこれよりずっと大変なんだよ?」 「そう、ですよね。確かにこれなら私にも……」 そこまで呟いて思った。頭に乗せたコインを、自分は手のひらに乗せる事が出来るのかと。 こんな器用な事を子供の頃からやっていたという彼。 「すごい、ですね」 「え?」 「……あんなに上手く、コインを乗せられるから。やはり、たくさん練習したのですか?」 「まぁね。こんな事を必死に練習してたなんて、ちょっとアホらしいけど。でもそんなアホらしいことでも、誰かを驚かせたり 楽しませたり出来るなら、少しは必死になってみてもいいかなって思うんだ」 彼のやってきた事は、全て練習の賜物。 彼は魔法使いでも精霊でもない、何もないところから物を出現させる事を、努力でやれるようにした。 ただ、誰かを驚かせたり楽しませるために。 ――すごい。彼女は素直にそう思った。 「練習すれば、出来るんですね?」 「うん」 「……コツとか、ありますか?」 彼ほど上手くできなくても良かった。 ただ、自分も大切な人を笑わせてみたい……それだけだ。 「コツかぁ。俺自身もう感覚でやってるから、ちょっと分からないかも」 「そうですか……」 「あぁ、でもあまり強く振りすぎないようにするべきだと思うよ。手は動かせないからね」 ――こんな風に教えるのは初めてだ。 終始彼は、そんな事を呟く。 そして、彼にとって初めての手品指導が終わるのは、執事が様子を見に来た頃だった。 ◆ 主の誕生パーティは、静かに執り行なわれていた。 来賓らしい人はなく、娘であるホープと数人の使用人達のみの宴。 貴族のパーティと言われて、もっと大勢の前でやるのかと緊張していた彼にとって、少しだけ拍子抜けする事実。 だが、それでも皆煌びやかな装いで、尚かつ暖かい空気に包まれた主の部屋。 ここは見栄の存在しない、まるで狭い一軒家に集う大家族のような雰囲気。 そんな空気の中に、自分は受け入れてもらえるだろうか……。 「この度お招き頂き、誠にありがとうございます。今宵は皆様に必ず笑顔を届けるので、是非ご覧下さい」 敬語の苦手な彼が四苦八苦の末考えた挨拶。 きっとおかしい事だらけだろうが気にしない。彼の勝負はこれからなのだ。 ホープに教えたアホらしい真実。 その中でもとりわけすごい、アホくさい練習の成果を、ここで。 ◆ 夢のような時間。 言葉にすれば短く、またそれを感じる時間も短い。 それでも、今この場はその言葉にふさわしいものだった。 笑顔の満ちあふれる宴の場。 その中央で、彼らに笑顔を振りまく彼。 ホープの目には、それが夢を作る魔法使いのようにも見えてしまう。 手先の技術を高めて生み出された芸の数々。 それが、人々に笑顔を与えている。 ……素晴らしい、魔法。 「いやぁ、本当に素晴らしい。面白い青年だ」 主……かけがえのない人が、笑っている。 彼が、笑顔を与えてくれた。 自分はどうだろう……。 「……可愛い笑顔だ」 微笑み、そう呟く主。 ホープは、笑っていた。彼の魔法で。 「今日は、本当に素晴らしい日だ。神様は私に、こんな素晴らしい贈り物を授けてくれたのだから」 彼女の頭に、手を伸ばす。 空のように青い髪を、優しく撫でる。 「ありがとう」 小さく呟いた、礼の言葉。 ……自然と、涙が溢れた。 ホープの涙に、一時は騒然とした誕生パーティ。 「一瞬失敗したのかと思った」 彼が、苦笑混じりに呟く。 夜のバルコニーでホープと二人……彼女に連れ出された、ただそれだけの事。 「ごめんなさい。でも、本当にすごかったです、ポケットからお城を出すぐらいに」 「ありがとう。じゃあ今度はお城を出すのも考えておくかな」 「それが出来たら、いつでも王様になれますね」 二人で笑い合う。 初めて、自然と浮かべる事の出来た笑顔。 「ありがとうございます。貴方のおかげで、なんだか心が楽になって……」 「……そっか」 彼はただ、ホープに笑みを向ける。 一仕事やり終えた、そんな笑顔。 「でも、これでお仕事は終わりなんですね……なんだか、寂しいです」 「また呼んでくれたら、いつでも駆けつけるよ。そういう仕事なんだから……それに」 何も持っていなかった手のひらに、コインが一枚姿を現す。 あのときの練習に使ったものだ。 「俺の初めての教え子なんだ、これで終わりなんかじゃない」 彼女の前に、コインを差し出す。 「またいつか、新しい手品を教えるよ」 少し不思議な、再会の約束。 ホープにはそれで良かった。 それだけで、また笑顔が浮かべられるから。 また、涙が溢れてしまうから……。 続
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/10167.html
「平和」の頂 ハイパー・RAP SR ゼロ文明 (7) クリーチャー:ワールド・バード/ゼニス 0000+ ■不屈の闘志 ■このクリーチャー、または名前を持たないクリーチャーは、全て名前に「原色」、「ルピア」、「アイニー」、「ピッピー」を追加する。 ■種族に「ワールド」、または「バード」とある自分のクリーチャーは全て、パワーが+5000され、それよりパワーが小さいクリーチャーにブロックされない。 ■このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある自分の、名前に「原色」、「ルピア」、「アイニー」、または「ピッピー」のいずれか一つでも持つクリーチャー1体につき、パワーが+2000される。 ■T・ブレイカー 作者:tsukasa あのミラクル・ルピアの転生版。急成長し、ファイアー・バードたちを従える子に大変身。 しかし、内に秘める「平和」を重んじる心も健在。 フレーバーテキスト 「平和」な世界を汚す、名もなき者よ。我らが長、ガルベリアス様に2度も背くつもりか? -「平和」の頂 ハイパー・RAP 収録 【企画】ブラック・ボックス・オリカパック 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/pawapokerowa/pages/258.html
願い事1つだけ ◆jnvLTxNrNA 『死は絶対で、安易に打ち消されるようなものであってはならない』 【~prologue~】 「ふぅ~」 部室棟横の記念樹の下で私は完成した二朱公人の墓を見つめて、1人ため息をついた。 墓としてはかなり粗末なものだがそれは仕方ない。目を閉じて二朱に黙祷して冥福を祈ると同時に謝罪をする。 私は二朱の願いを果たすことができなかった。 芳槻さらは死んでしまったのだ。 私はレッドを追わなかった。否、追えなかった。 気絶した夏目准を1人置き去りにするわけにはいかなかったからだ。 仕方なく夏目を記念樹横の部室棟の野球部の部室に寝かせ、墓穴掘りを再開することにした。 そしてレッドが去ってから数分後、放送で芳槻さらの名が呼ばれた。 レッドが殺したのか、それとも十波典明が接触した時点で手遅れだったのかはわからないが、事実として芳槻さらは死んでしまった。 事実として二朱と夏目、それから十波の願いは叶わなかった。 いくら悔やんでも悔やみきれないだろう。 しかし、だからこそ『死は絶対で、安易に打ち消されるようなものであってはならない』というのが私の持論だ。 『死は絶対で、安易に打ち消されるようなものであってはならない』からこそ、死は悔しくて、やるせないのだ。 『殺し合いの優勝に見合う『賞品』として、特別に願いを一つだけ叶えてあげるでやんすよ。 例え願いの内容が巨万の富でも、巨大な力でも、永遠の命でも、自分自身の国でも、何でも叶えてあげるでやんす』 亀田は死者の蘇生も可能なのかもしれない。 なにしろ亀田は『永遠の命』を叶えられるらしいのだ。死者を蘇らせることなどわけないだろう。 ハッタリの可能性もあるが亀田の持つ技術力を考えるとハッタリに聞こえない。 今考えると、私はあの処刑場で一度死んでいて、蘇生された後この殺し合いの放り込まれたのかもしれない。 まぁ、蘇生した人間を殺し合いに放り込む意味がわからないが…… はっきり言ってこの可能性が本当であるとは考えたくない。 何度でも言う、『死は絶対で、安易に打ち消されるようなものであってはならない』のだ。 安易に打ち消されないから人は死を恐れ、生きようとする。 死は絶望であり、生きることは死に対をなす希望なのだ。 もし、亀田が死者を蘇らせる力を持っていれば、死は絶望でなくなることになり、同時に生きることが希望でなくなることになる。 そんなことはあってはならない。この世界には希望が必要なのだ。 しかし…… 視線を二朱の墓から部室棟に移す。 『殺し合いの優勝に見合う『賞品』として、特別に願いを一つだけ叶えてあげるでやんすよ。 例え願いの内容が巨万の富でも、巨大な力でも、永遠の命でも、自分自身の国でも、何でも叶えてあげるでやんす』 この言葉に希望を求めるならそれもありなのかもしれない。 希望の形など人それぞれなのだから…… ◆ ◆ ◆ ◆ 墓を作り終え、空き部室に戻ると夏目が目覚めていた。 「芳槻さんはどうなりましたか?」 私が夏目の身体を心配する前に夏目の方から私に質問を投げかけた。どうやら放送は聞いてないらしい。 私は1枚の紙を夏目に手渡した。 「これは?」 「夏目が気を失っている間に流れた放送のメモだ。第2回放送までに死んだ全ての人間の名と禁止エリアを書いておいた」 夏目はメモを受け取り、目を通し、そして私の予想通り、動揺を顔に表した。 無理もない。 芳槻さらの死は夏目がこの島で二朱と共にやってきたことが無駄になったことを意味するのだから…… 「夏目、私は言ったはずだ。 死は恐ろしいんだ、絶対なんだ。簡単に怯えを失ってはいけない。死は、恐れるものなんだと。 もう夏目はこれから強くなるしかないんだと。」 「…………」 今回ばかりはダメージが大きいらしい。 夏目はメモを見たまま動けなくなっている。 「……私は校舎から十波が出てこないか見ておく。 十波が出てくるまでにできるだけ気持ちを整理するんだ」 だから私は夏目に時間を与えることにした。 気休めにしかならないだろうが、気休めでも、それで夏目が立ち直れるならそれでいい。 私は夏目に背を向けて、部室棟から出ようとした。 ◆ ◆ ◆ ◆ 【願い事1つだけ~夏目准の場合~】 (なんで…?) 准はヘルガの予想通り動揺した。 (なんで…なんで…?) “ある人物”が死んだからだ。 (なんで…なんで…なんで…?) しかし“ある人物”が誰であるかまではヘルガの予想通りではなかった。 (なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…?) ヘルガの予想は芳槻さら。 しかし、実際は違う。 (なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…?) その“ある人物”の名は…… (なんで、あんたが死んでるのよ!?) “九条英雄” メモに書かれたこの名を見た瞬間、准の視界は真っ暗になった。 (九条さんが死んだら維織さんはどうなるのよ!?) 准の大切な親友、野崎維織の大切な人。 維織は九条と出会ってから本当にいろんな顔をするようになったと准は思う。 准の知ってる中であれほどお似合いなカップルはいない。 その大切な親友の大切な人が死んだ。 そして…… (九条さんが死んだら私はどうなるのよ!?) 准も少なからず想いを寄せた人が死んだ。 (嫌だ……) もう二度とあの日常には戻れない。 あの喫茶店での日常には、准が九条をからかい、九条がそれにツッコミを入れ、維織がその傍らで本を読むという日常には二度と戻れない。 (こんなの嫌だよ……) 『殺し合いの優勝に見合う『賞品』として、特別に願いを一つだけ叶えてあげるでやんすよ。 例え願いの内容が巨万の富でも、巨大な力でも、永遠の命でも、自分自身の国でも、何でも叶えてあげるでやんす』 准の脳裏にふと亀田の言葉がよぎる。 (そうだ…!この殺し合いに優勝して九条さんを生き返らせてもらえれば…!) それは甘い誘惑。 (あの眼鏡に頭を下げるのは癪だけど、あの日常を取り戻せるなら…!) その誘惑に心が揺れる。 あの日常を取り戻せるなら、あの日常を取り戻せる方法があるならそれにすがりたい。 たとえそれが人殺しという許されざる方法だとしても。 それほどまでに准にとっては愛おしい日常なのだ。 (なんてね。そんなことできるわけないじゃない……) でも准はわかっていた。そんな方法で九条を生き返らせたとしても、九条も維織も喜んでくれないであろうことを。 (遠前町に帰ったら、まず維織さんに謝ろう。九条さんと一緒に帰ってこれなくてごめんって謝ろう。 維織さん、絶対悲しむよね……) だから強くなろうと准は決心する。 九条の死という悲劇からから立ち直れる程に。 大切な親友、維織を悲しみから守れる程に。 そう決心すると真っ暗だった准の視界に光が射した。 ◆ ◆ ◆ ◆ 【願い事1つだけ~十波典明の場合~】 さらは死んだ。 同じ親切高校の神条紫杏にライフルで撃たれた。 さらを撃った紫杏も許せなかったが、二度もさらを助けることができず、二度もさらを死なせてしまった自分自身が何よりも許せなかった。 できるならいつもの夢だと思いたい。 いつもの夢よりちょっと質が悪いだけだと思いたい。 でも、さっきの放送と握ったさらの手がどんどん冷たくなっていくリアルな感覚が、俺にこれが現実であることを突きつけてくる。 俺は空を見上げた。屋上に出たときと変わらない青空。でもさっきまでの気持ちよさではなく、今はただ虚しさを感じる。 『私は十波君を……信じます』 『……十波…君……大……好……き……』 さらの最期の言葉が頭に響く。 誰も信じられないと言ったあの時と違って、俺を信じると言ってくれた。 俺の告白に大好きだと答えてくれた。 そういう意味では、俺はさらを変えることができたのかもしれない。 でも……救うことはできなかった。 さらにはこれから先、ずっと俺の隣を歩いて欲しかった…… なぁ、さら…… 俺がもっと早くさらの所に駆けつけていたらこの結末は違ったのか? この青空も、この屋上から見える景色も違って見えたのか? さらがまたいなくなって、俺はまたひとりぼっちだよ…… 天道を倒して甲子園に行ったこと、岡田を倒して日本一になったこと、プロ野球選手になったこと、 他にもさらがいなくなってからも嬉しいことや楽しいことはいっぱいあった。 でも、さらが隣にいないとそんな嬉しいことや楽しいことも、どこか虚しいんだ。 嬉しいことや楽しいことはさらと分かちあわないとその喜びは半分になってしまうんだ。 さらを変えるなんてこと言っときながら、変わったのは俺の方がだったのかもしれない。 いや、変わったんだ。俺はさらが好きになったから。 さらしか信じることができなくなったから。 さら以外の全てを信じられなくなったから。 結局この世界で信じられるのはさらだけだったんだ。 こんな世界に、さらのいない世界に、信じるもののない世界に俺の生きる意味はあるか? 俺にはわからないんだ。 なぁ、さら。教えてくれよ。 俺はこれからどうやって生きていけばいい? 何を理由に生きていけばいい? 『殺し合いの優勝に見合う『賞品』として、特別に願いを一つだけ叶えてあげるでやんすよ。 例え願いの内容が巨万の富でも、巨大な力でも、永遠の命でも、自分自身の国でも、何でも叶えてあげるでやんす』 突然、俺の頭にあの荷田くんみたいな奴の言葉が響いた。 俺は気づく。そう、そうだよ。この殺し合いに優勝すればいいんだ! 優勝してさらを生き返らせてもらえばいいんだ! あの荷田くんみたいな奴は願いを1つ、何でも叶えてくれるって言ってたじゃないか! 悪魔の囁きってのはこういうのを言うんだろうな…… でもそれでさらが帰ってくるなら…… あの荷田くんみたいな奴にお願いするのはちょっとムカつくけど、それでさらが帰ってくるなら…… 進む道が人殺しという修羅の道でも、それでさらが帰ってくるなら…… 俺は鬼にでも、悪魔にでも、何にでもなって………! なれるわけないよな……さら…… どこか満たされたようなさらの顔を見て俺は先程までのバカな考えを捨てた。 さらは最期の最期で他人を信じることができるようになった。一歩前に進んだ。 なら、彼氏の俺が何時までも過去にすがって立ち止まってちゃいけないよな。 過去を振り返ることは悪いことじゃない。でも、すがっちゃいけないんだ。 過去は過去として受け入れて俺は前に進まないといけないんだ。 殺し合いに優勝してさらを生き返らせようなんて、思いっきり過去に後退する行為だ。 その根源には『あの頃に戻りたい』という念があるからだ。 それに俺はさらと約束したじゃないか。 俺は野球を頑張るって、それでさらは俺のことを応援するって最期に約束したじゃないか。 その約束を果たすためにも、さらに相応しい彼氏であるためにも、俺は前に進む。進み続ける。 まずは他人を信じてみよう。その人達とこの殺し合いをぶっ壊そう。 そんでもってあの荷田くんみたいな奴を倒して、この馬鹿げた島から出る。 もとの生活に帰ったら野球を頑張る。いろんな所に行く。いろんなものを見る。いろんな人に出会う。いろんな話を聞く。 さらが見聞きできなかったことまで俺が見て聞く。 そして俺がおじいちゃんになってあの世に行ったら、あの世でさらと再会する。 さらと再会したらそれまで見聞きしたことを全部さらに話す。 うん、我ながら見事な将来設計図だ。 「よし、そうと決まれば前に踏み出そうか」 俺は声に出して自分に言い聞かせるとさらのデイパックの中身を自分のデイパックに詰め込み、 さらの頭からリボン解いて、それを自分の左腕に巻きつけた。 まぁ、リボンは形見ってやつかな。過去に戻りたいってわけじゃないけど、でも何時でもさらを傍に感じていたいんだ。 次に傍らに転がっていた機関銃を回収する。 殺しはもうしたくないけど、相手が殺る気なら仕方ない。俺はさらの分も生きないといけないからな。 できればこの引き金を引くことがないようにと祈りながら俺は機関銃の持ち手を握る。 最後にさらを背中に担ぐ。下ではヘルガさんと夏目さんがお墓を掘っているはずだから一緒に埋葬してもらおう。 (ヘルガさんたちに謝らなきゃなぁ……) そんなことを考えながら俺は前に歩き始めた。 ◆ ◆ ◆ ◆ 「やっぱり、ダメだった、か……」 光を取り戻した准の視界に飛び込んできたのは、 頭部を原形がわからないほどまで破壊されて、足元に倒れ伏せたヘルガと血まみれのスパナ、 それを握る自分の手、返り血で赤く汚れたメイド服だった。 「はぁ~、これじゃ維織さんやあいつに会わす顔がないなぁ……でも私が優勝すれば……」 維織と九条の日常は取り戻せる。そこに准の姿はなくても構わない、と准は思った。 維織と九条が喜んでくれなくても構わない。准は維織の悲しむ顔が見たくない、と思った。 こんなことをして維織が悲しまないわけがないことはわかっている。 でもその悲しみの穴は九条が埋めてくれる、と思った。 でも…… 「九条さんがいなくなってできた維織さんの悲しみの穴は、大きすぎて私には埋められないよ…… それに、維織さんの傍に九条さんがいないなんて想像できないよ……」 できるならあの3人の日常に戻りたい。でもそれは叶わぬ願いなのだ。 だが維織と九条の2人の日常を取り戻す、という叶えられる願いもある。 だから准は強くなろうと決心する。 せめて叶えられる願いだけでも叶えられる程に。 せめてこの殺し合いに優勝できる程に。 准は荷物をまとめて学校を後にした。 (こんなことはきっと間違ってるんだろうなぁ) 維織を悲しませることに戸惑いを感じていないわけじゃない。 このメイド服を血で汚すことがどういうことかもわかっている。 (でもこの足は、もう止まらない……!) ◆ ◆ ◆ ◆ 俺がグラウンドに出るとヘルガさんも夏目さんもいなかった。 ただ完成した二朱さんっていう人のお墓だけがあった。 「スコップがないんじゃさらのお墓が作れないじゃないか」 俺はそんなことを愚痴りながらさらを記念樹にもたれかけさせた。 わかってる。俺はヘルガさんたちとの約束を破ったんだ。 下手すると俺のことをさらを殺した殺人鬼と思ってるかもしれない。 殺人鬼から逃げるのは当たり前だ。だからヘルガさんたちはもう学校にいない。 でも俺はそれでいいと思う。事実、俺はさらを救えなかったのだから。 確かに俺は前に進むと決めた。だけど、だからといってさらを救えなかった罪が消えたわけじゃない。 さらは許してくれるだろうけど、俺自身が許せない。 この罪は俺が一生背負っていくことになるものだ。 だけど俺は前に進むと決めた。この消せない罪を全部背負って前に進むと決めた。 その先にはさらがいるから。 俺はさらと二朱さんっていう人に黙祷した。 さらには、すぐには会えないけどいつか必ず会いに行く。だから待っていてくれという願いを。 二朱さんは生前ヘルガさんや夏目さんとさらを助けようと行動していたらしい。 だから二朱さんには、そのこと対する感謝とさらを救えなかったことに対する謝罪を、それぞれ黙祷で伝えた。 「さぁ、行くか!」 手始めに、この殺し合いをぶっ壊す。 ◆ ◆ ◆ ◆ 「ふぅ~」 私は視線を部室棟から再び二朱の墓に移すと二度目となるため息をついた。 完全に油断だった。 夏目があんな暴挙にでる可能性ぐらい容易に予想できたはずなのに、あの時私はその可能性を失念していた。 後ろで夏目が立ち上がる音がしたので、もう立ち直ったのかと思い振り向いた。 しかし私の目に映ったのは立ち直った夏目ではなく、目の前にまで迫ったスパナだった。 もはや回避は不可能だった。私はその痛烈な一撃をまともに受けて、意識を失ってしまった。 そして、次に気がつくと私の足元には私自身の死体があった。 二朱はきっと夏目がこんな暴挙を起こして何も思わないはずはないだろう。きっと止めようとしたはずだろう。 私はもう一度目を閉じて二朱に謝罪する。夏目を止められなくてすまなかった、と。 隣では十波が私と同じように黙祷をしている。 その左腕には芳槻のものと思わしきリボンが巻き付けてある。 この男は本当に芳槻のことを大切に想っていたんだなと思う。 黙祷を終えると十波は学校から出て行った。その顔は希望に輝いてるように見えた。 私はその顔見て、この世界もまだ捨てた物じゃないと思った。 この世界にはまだ希望が残っているとわかったから。 さぁ、そろそろ行こうか、地獄とやらに…… 【ヘルガ@パワプロクンポケット6裏 死亡】 【残り33名】 【夏目准@パワプロクンポケット9】 [状態] 腹部に刺傷(立ち上がれる程度には回復)、深い悲しみ [装備] スパナ、モデルガン [道具] 支給品一式×3、スコップ、拡声器、ナイフ、ラッキョウ一瓶、不明支給品0~4個 [思考・状況] 1:九条さんを生き返らせる 2:レッドに対して不信感 3:二朱さん…… 【十波典明@パワプロクンポケット10】 [状態] 「人を信じる」という感情の復活 右上腕に怪我 [装備] 機関銃 [道具] 支給品一式×2、バタフライナイフ、青酸カリ、スペツナズ・ナイフ [思考・状況]基本:この殺し合いをぶっ壊す! [備考] 1:さらルート攻略中に他の彼女ルートにも手を出していた可能性があります。 2:たかゆきをタケミの作ったロボットだと思っています。 3:タケミを触手を出す事の出来る生き物で、殺し合いに乗っていると思っています。 4:高坂茜とメカ亀田の名前を知りません。 5:ヘルガの死に気づいてません。 投下順に読む 095 未来の束縛← 戻る →097 彼女の決意とイタチの気まぐれ 時系列順に読む 095 未来の束縛← 戻る →097 彼女の決意とイタチの気まぐれ 前へ キャラ追跡表 次へ 094 彼は彼なりの正義を 十波典明 093 迷走ヒーロー 夏目准 093 迷走ヒーロー ヘルガ GAME OVER
https://w.atwiki.jp/vs-wiki/pages/4069.html
AHB/038 R ピンク色の傘 あなる/超平和バスターズ 女性 パートナー 幼いあなる/超平和バスターズ 女性 レベル 3 攻撃力 3500 防御力 6000 【次はさ〜、お花とか探そうよ〜!】《ロマンス》 【サプライズ】【自】[相手のターンのアタック終了ステップに、相手のベンチに同じ名前と称号を持つカードが2枚以上いる時]→ あなたのリタイヤがすべて《ロマンス》なら、あなたは相手のリングのカードを1枚まで選び、相手の控え室に置く。このカードをあなたのエネルギー置場に置く。 作品 『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』 備考 このカードをパートナーにしているカード 取得中です。 関連項目 取得中です。
https://w.atwiki.jp/aidaze/pages/238.html
♪平和の金 作曲 作詞
https://w.atwiki.jp/baobab-gaogao/pages/11.html
平和の象徴だよーん♪ -- la paz部隊【大将・Ъ】 (2007-08-23 04 17 19) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nowinthenorth/pages/148.html
「平和団体が武器業者を潰していることについて」 【前提】 ○武器業者潰しは共和国のインフレによる経済危機に乗じて行われており、共和国全土で武器業者潰しに動いている勢力がいる。 ○上記勢力=ここで言う「平和団体」であり、彼らは「第7世界人がいなくなれば世界は平和になる」と主張し、その結果として武器業者潰しを行っている。 ○しかし武器業者と第7世界人はイコールで結びつかない為、反第7世界人勢力が平和団体に対し何らかの工作を行った結果、武器業者潰しに動いていると思われる。 ○武器業者潰しの手法は狡猾で、武器業者の下請け業者を巧みにコントロールすることで潰しにかかっている。 【青狸の個人的意見】 ○反第7世界人勢力の是非についてはここでの相談の主眼とはしない。 (根が深く、また武器業者潰しの対応からはやや外れた話となる為。) ○その上で、第7世界人以外の人々がほとんどである武器業者を「第7世界人憎し」 という理由で潰すことは理不尽であり、国防という意味でも重要な位置づけであり そして何よりも普通の市民が行う経済行為を根拠の無い理由で意図的に妨害することは 法の理念に反すると考えた為、武器業者潰し問題を何とか解決したい。 ○そこで、法の神の僧侶さんの知恵をお借りしたい。 【問題と対策】 ○まず、平和団体はどのようにして武器業者を潰しているのか? →通常「武器」と呼ばれる品目(ここでは仮にミサイルを例とする)を製造する場合、 A重工業(「ミサイル」を製造する)→B電気(ミサイルに使用する「制御系」を製造する)→C電子(制御系に使用する「基盤の一部品」を製造する)→D鉄鋼(基盤に使用する「金属素材」を調達する) といった製造工程が存在する。 平和団体は「下請けをコントロールする」ことで 「武器業者」が軒並み潰そうとしている。 上記ABCDの業者中、「下請け」に該当するのはBCD。 「武器業者」に該当するのはABである。 (C電子の基盤は他の「武器以外の」電子機器にも使用出来るとする。) →つまり平和団体は上記C電子あるいはD鉄鋼に働きかけ、A重工業とB電気を潰しにかかっているといえる。 ※もしも平和団体がABCD全てを潰そうとするならば真っ先に潰れるのは 企業規模から言ってC電子である。 しかし平和団体はあくまで「武器業者」を潰すことを狙っており、 また、C電子・D鉄鋼としても顧客であるA重工業・B電気を いわば「裏切って」コントロールに従うのであるから、 何らかのメリットがなければ企業としてコントロールには乗らないと思われる。 ○では、「コントロール」とは具体的に何をするのか? →下請け業者をコントロールしてプライム業者を潰す場合に考えられるのが、 「物流のストップ」である。 平和団体が「A重工業/B電気向けには部材を売るな(その代わり対価を払おう)」 とC電子、D鉄鋼に働きかけた場合、 (経済危機で多くの企業が倒産の危機になければ他社との競争もあり働きかけは無視されただろうが) C電子、D鉄鋼からすればA重工業、B電気に部材を売るよりも 当座の対価が手に入ることを優先することも考えられる。 あるいは、C電子、D鉄鋼の企業規模が数十人レベルと小規模の企業だった場合、 もっと直接的に危害を加えることを匂わせて(中心人物を脅して) コントロールしたとも考えられる。 ○「コントロール」を止めさせる為にはどうすれば良いのか? →まず「コントロール」の手段が直接的な脅迫であった場合には、 法に則って脅迫行為を司法の裁きに委ねるべく捜査を進めるべきだろう。 脅迫行為は言うまでも無く犯罪であり、根絶せねばならない。 →「コントロール」の手段が「目先の対価による当座の危機の回避策の提示」 であった場合には、現行法でそれを裁くことは難しいと思われる。 経済危機の最中、貨幣の価値が失われた状況下では 企業としての存続はおろか、従業員の生死すら危うい。 そのような状況で例えば食料、燃料を保証する代償として 武器業者との取引を停止することを求められた場合、それを止めることは出来ない。 →その為、「コントロール」の手段が 「目先の対価による当座の危機の回避策の提示」であった場合には、 コントロールを行わせないよう、彼らの申し出の価値を失わせるよりほか無いだろう。 「何らかの事情により国家において経済が麻痺する等の有事の際には、 インフラ、国防等、国家において不可欠な、 政府の指定する企業の経済活動を政府は優先して回復に当たる。 政府が有事宣言を行った場合、特定の企業、団体、個人が、事前に届出をした備蓄量を 大幅に超えて物資を独占あるいは意図的に流通を阻害することを禁止する。」 等の立法の必要性があるだろう。(施行に際しては影響度合いについて要、検討。) 【その他備考】 ○「コントロール」を行っていたのはどのような存在か? →インフレ&デノミにより貨幣価値が全く失われた状況下で いち早く下請け業者をコントロールすることが出来た。 つまり、平和団体は ・「貨幣に拠らない、経済危機下でも有用な物資の保有者」を構成員に含む。 武器業者自体をを直接コントロールはしていないことから、 ・経済規模は自ずと限定される。(「巨大規模」ではない。) さらに共和国の全土で武器業者潰しに動いていることから、 ・「その国の武器業者の下請け業者について把握している(=物資流通に長ける)者」を構成員に含む。 →よって、武器業者潰しを主体的に行っている者を調べるには、まずはその国で 「それなりの規模の生活必需物資を保有しており」 「経済危機前後でそれらの物資が不自然に減少している」 存在がいないかを確かめる必要があると思われる。 (平和団体として構成員から集めた物資でコントロールを行った可能性もあるが、 いずれにせよ企業をコントロールするに足るだけの物資を持つ 「寄付者」がいることは否めない。) 「平和団体の調査に動いている戯言屋さんが社会的に抹殺されそうな件について」 フィーブル藩国摂政であり新聞社社長でもある戯言屋氏は いち早くこの武器業者潰し問題を察知し調査活動を進めていたが、 平和団体にこのことを不快に思われたらしく 嘘のスキャンダル情報をばら撒かれることにより社会的信用を失墜させ、 今後の彼の調査活動結果の信憑性、あるいは彼自身の生活を破滅に追いやろうとしている。 戯言屋氏にはキノウツン藩国としても青狸個人としても様々な場面で助けられており、 また昨今問題が再燃している人身売買問題についても 解決法を模索する為に日夜苦心しておられる。 彼をこのまま理不尽な理由で失うわけには行かない。 現に彼は今も「己の不在の間に工作をされることを知りながら」 「それでもオリオンアーム領域を守りに」宇宙で戦っている。 今まで彼に散々世話になった借りを返す為にも、 何とかして彼の助けになりたい。 我々に出来ることは何があるだろうか……?