約 906,668 件
https://w.atwiki.jp/th_izime/pages/1421.html
※魔理沙が化け物に1:26スレ541の続きです 読んでないと分からないかもしれません ※霊夢いじめ 「…以上が、あの事件で彼女が辿った事のあらましです」 皆が清聴する中、ヤマザナドゥは地獄で魔理沙の魂から得た情報を皆に話していた 「魂がズタズタで、彼女自身から言葉を聞くことは出来ませんでしたが、これが浄瑠璃の鏡が映した真実です」 円筒形の安っぽいガラスのコップに入った焼酎を、ヤマザナドゥは正座したままぐいっと飲み干す ここは博麗神社の宴会場、例の霧雨魔理沙殺人事件の真相をこの機会に聞くべく 全てのメンバーがフル出席していた 「いやー、じゃあやっぱりアレは霊夢さんが殺したんですね」 射命丸はニヨニヨしながら、霊夢の方にやってきた 「ついに人殺しですか!いよいよ貴方も私たちと同じですね、シンパシーを感じちゃいますよ」 彼女ははいつになく馴れ馴れしい 「私はあれが魔理沙だって知らなかったのよ!さっきの話で分かったでしょ!」 霊夢は怒って話を逸らすように、相手を萎縮させ黙らせるように…そして、自らの罪の意識を誤魔化すように 八つ当たりのようにテーブルをバシバシと叩いて大きな音を出した 酔いの勢いで、全てを誤魔化してしまおうという魂胆だろうか 周りでは翠香やチルノがひょろひょろと両手を上げて走り始めている 「いや、そこまでは知りませんけどね?彼女の魂から直接話しを聞けたわけではありませんでしたし」 ヤマザナドゥは小町に注がせた二杯目の焼酎をちびちびと呑みながら言った 「ただ、彼女は最後は人間に戻り、親代わりの師匠や親友と思っている貴方に助けを求めていたらしいですよ」 ヤマザナドゥは静かに目を瞑り、ふうっと深く溜息をついた 「地獄の法廷は、貴方の行為の正当性を認めますけどね…魔理沙は親友だったのでしょう?確か?」 霊夢はぐっと息を飲んで、一瞬沈黙する すぐに重要な事を思い出し、癇癪を起こしたかのように怒鳴るように言った 「私に下級妖怪の言葉が分かるワケないでしょ!なんなのよ!私が見殺しにしたとでも言いたいの!」 いつの間に後ろに立っていたのだろうか?そんな霊夢の癇癪に、横槍を挟むものが一名いた 「いや、最初に僕を呼んでくれれば通訳できたと思うよ」 青い液体の入ったショットグラスを片手に、虫達の姫リグル・ナイトバグはハッキリと断言した 「あの後虫の妖怪達が教えてくれたんだ、彼女の肉体は強靭で強い魔力を秘めていた、期待の新星だったって」 いや、もちろんその後人間をを食べるなって注意しといたけどね…などと言い訳をしながらリグルは続ける 「彼女は人里、レイム(?)、ミマサマ(?)、エーリン、竹林、越える…とか言ってたらしいんだ」 リグルはショットグラスの向こうに映る青い景色を見つめながら、呟くように言った 「つまり、彼女の話していた言葉は虫達の言葉だったんだ…つまり、私なら完全に分かる」 青いカクテルをぐっと飲み干してから、リグルはジョークを飛ばすかのように軽い口調で言った 「もっとも、蜂みたいな顔してたんだから、そんなことあたりまえだよね」 何がおもしろいのか、リグルはぷっと吹き出す お燐や地獄鴉、ミスティアといった分かりやすい動物妖怪の面々がその言葉にクスクスゲラゲラと笑った 「じゃあ何で言わなかったのよ!!!!!!!!!!!!!!」 霊夢が玉ぐし棒でリグル達に殴りかからんとする程の勢いで迫ってくる リグル達は笑いながら、だって呼ばれなかったもーんなどと言い、ピューっと端の方に逃げていった ふーっ、ふーっっと肩で息をしながら憤る霊夢 「いやー、リグルを呼ぶ手間も無視して惨殺なんて、霊夢さんなんだかんだ言って結構ノリノリだったんじゃないですか」 射命丸はにんまりと笑いながら擦り寄ってくる 「あの怒気で魔理沙をボロ雑巾のように引きちぎったのには、しびれちゃいましたよ」 射命丸はパシャパシャとむっすり顔の霊夢の横顔にシャッターを切る 近くで妹紅と輝夜が飲み比べの真っ最中、てゐがチンチンとお箸で茶碗を叩いていて音が煩い 「私たち妖怪の間では、今や妖怪博麗の鬼巫女伝説で持ちきりですよ?霊夢姐さん」 姐さん、とは…射命丸達はどうやら霊夢を博麗の巫女ではなく、山姥のような妖怪の一種、鬼巫女と看做したようだ 「巨大な巫力で人を殺すんですから、もはや妖怪です、私たちはお仲間ですよ?山でも妖怪変化として歓迎…」 悪びれのない笑顔でちょこんと霊夢の横に座る射命丸 そのニコニコ顔にフルスイングをかましてやろうと拳に力を入れた瞬間 「そうだぞ霊夢、全く恥じ入る事じゃないぞ?強大な魔力でクズどもを消し炭にするのは我らにとって高貴な振る舞いだ」 紅魔館の主、永遠の吸血鬼レミリア・スカーレットは割り込んできて、得意げに言った ワイングラスの中の紅い液体ををくるくると回しながら熱弁する 「人間の子供の最初の罪は虫殺しだと言うが、我らの幼き同胞の最初の罪は殺人」 「霊夢もようやく私たちと同じフィールドに上がって来たんだな」 レミリアは、何かを歓迎するような微笑を霊夢に向ける 「今度紅魔館に遊びに来てくれ、人間の金髪少女の生き血をご馳走…」 そこまで言いかけたレミリアの顔に、霊夢のフルスイングが飛んだ お陰で美鈴の皿のから揚げが落ちてしまい、涙目になっている いたいよー、しゃくやー などと従者に駆け寄りハンカチで鼻血を拭いてもらっている吸血鬼を他所に 霊夢はこの話から逃れるように、同じく人間で巫女である早苗に話しかけた 彼女は霊夢から少し離れた席に、丁度真ん中辺りでフィーバーしているイクさんを挟んだ対角線側に陣取り 小さなお猪口に日本酒をチロチロと舐めてほろ酔い気分だった 「ねえ、早な…」 霊夢が話しかけると同時に早苗が焦ったように言った 「いえ、分かってますから、分かってますから今回の事は、分かってます」 スススーっと霊夢の横から逃れるように後ずさる早苗 このまま追えば、料理の周囲をふよふよと浮いている幽々子やお供の妖夢を通り越し 今日は一番隅の方で暗く飲んでる、パチュリーやアリスの方にまで追い詰めてしまうかもしれない 二人の間に気まずい沈黙が流れる 「あ…ああ、そうね また今度」 霊夢はあからさまな拒否に意気消沈しながら、上座の方に戻っていった 霊夢が帰ってゆくのを見て、早苗は申し訳ないけど正直ホッとしていた あの事件から早苗などの人間、慧音など親人間、秋姉妹や諏訪子などの神々は、あからさまによそよそしくなり 以前の親しみやすさは、霊夢の前から消えうせた …人間同士の殺戮の戦場、その軍神たる神奈子まで他人行儀になるのはあんまりじゃないか? 肉食の妖怪達は馴れ馴れしく…まぁ、霊夢に以前は感じられなかった親近感のようなものをもって接してくるようになり 逆に人や神は霊夢に越えられない冷たい壁を作るようになった 幽々子やプリズムリバーといった霊の類やチルノや大妖精といった妖精 そして鬼の態度は以前と変わりない事が救いだった これは、今からちょっと前の話 どこぞの紫もやしは、とある小生意気な魔法使いと言い争いをした 「あいつ…私の事を地下生物扱いして…」 彼女は自身の生活と容姿をバカにされ、いたく憤慨していた もっとも、事の発端は彼女がたっぷり魔理沙の未熟ぶりを指摘して涙目にさせた事だ 「あの小娘は十数歳の魔法使いのクセして生意気なのよ」 紫もやしはムカムカしながら貧乏ゆすりをした 「そもそも、これだけ魔女としての序列が違えば、本来なら恭しく私の前に跪くか…従順な態度で教えを請うものよ」 彼女は百歳を越え、捨食と捨虫を会得している生まれながらの魔女 しかも図書館が出来る程の大量の魔道書を所有している 本来、魔理沙との魔法使いの、魔女としての位階はまさに天と地程の差があったのだ 紫もやしは、魔理沙がぶりっこ上目使いで自分に教えを請う姿を想像し、少しニヤニヤしてから 今度は恭しく礼をする、彼女にありないミスマッチな姿を想像して、白けてしまった そして再びあの小娘から受けた侮辱を思い出し、怒り狂う 一人きりの長い沈黙の後、紫もやしはなにやら悪巧みを思いついたようだ 「そうよ、私が地下生物なら、アイツはさながらブンブン飛び回る虫けらじゃない」 どこぞの人形使いは、とある小生意気な魔法使いと言い争いをした 「私の自慢の脚を大根ですって…!しかも上海達をただの布とビー玉のお人形なんて!」 彼女は自分の容姿と人形をバカにされ、いたく憤怒していた もっとも、事の発端は彼女が魔理沙に要らぬオシャレの世話を焼こうとしつこかったからだ 「あいつはただの魔法使いのクセに生意気だわ」 人形遣いはいらいらしながら指を組む 「魔界出身の魔女たる私に、嫉妬してるのかしら」 彼女は確かに魔界の創造主の娘で高貴な出自を持つ上、捨食と捨虫を会得した魔女 しかも様々な自律に近い人形を複数使役する事が出来る凄腕だ 本来、魔理沙との魔法使いの、魔女としての位階はまさに月とすっぽん程の差があったのだ 人形使いは、魔理沙が自分の趣味のフリフリの少女趣味の服を着る姿を想像し、少しニヤニヤしてから 今度は嫉妬に狂って枕を引きちぎる、彼女にありえないミスマッチな姿を想像して、白けてしまった そして再びあの小娘から受けた屈辱を思い出し、怒り狂う 人形だけの長い沈黙の後、人形使いはなにやら悪巧みを思いついたようだ 「大根足で悪かったわね・・・!あいつの足は恐竜にしてやる!それに上海達の怒りも思い知れ!」 魔力が満ちる満月の晩、全く違う場所で、全く違う魔女が、全く違う術式の、よく似た呪いを 結界を突き抜ける程に強力な威力で、同じ場所を狙って、全くの同一人物に掛けた だが、彼女達はその事を知らない 複数の呪いが、相乗効果を発揮した場合の危険な暴走を紫もやしは知っていたが まさか自分以外に、同じく呪いを掛けている人物がいるなどとは思いもよらなかった 結界を突き抜ける程強力な呪いは、非常に繊細な代物だと人形使いは知っていたが まさか同時に、他の術式とぶつかり合う事になるとは思いもよらなかった 「ふふふ、数日後の触覚が生えた魔理沙が楽しみね」 「クスッ、あいつは恐竜足のままドスドスとウチに押しかけてくるかしら」 宴会の席では、パチュリー・ノーレッジ及びアリス・マーガトロイトの二人がボソボソと話をしていた 彼女達は魔理沙と特に親しかった魔女の二人で、それなりに交友がある 宴会で暗いのはご法度だが、今回はきっと死んだ魔理沙を偲んで、二人で暗く喪に服してるんだろうから特別、と 暗い様子の二人組みを、今日は誰も茶化しも咎めもせず静かに放っておいた 二人きりで魔理沙の死を悲しみながら、パチュリーは涙目で自らの罪と、ありえない筈の不幸をアリスに語った そしてアリスもあの日に、自分も罪を犯したことをパチュリーに告白したのだ 「こんな事になるなんてね…でもマグレだし私たちのせいじゃないよね?」 アリスはボソボソとパチュリーと会話している 「こんなのないわ、普通にありえないじゃない」 パチュリーはボソボソとアリスに返答した 「こんなのがあの鬼巫女に知られたら・・・」 パチュリーは機械仕掛けの時計のように、むきゅーとした顔で小刻みにぷるぷるぷるぷると震えだした 「違うわよ!魔理沙を殺したのは霊夢でしょ!私たちの責任じゃないわ!」 アリスは慌てながらぷるぷるするパチュリーを宥めた 「それに、呪いが同期して効果が増大するなんて完全に事故じゃない?」 「・・・私たちは、魔理沙にちょっと両手足が爬虫類になったり虫の触覚や羽根、そして牙が生える呪いを掛けただけ」 パチュリーはぷるぷるぷるぷるをやめない 「ででででで、でも…わっわわ私達の呪いで魔理沙の魔力が封じれらるなんて…!私はそこまで!そこまでやってない!」 自分達の決定的な罪を、こんな誰に聞かれているかもしれない宴会場で喋ってしまった …幸い、アリス以外には聞こえていなかったが アリスはパチュリーの肩をつかんで揺する 「それも私たちがやろうと思ってやったワケじゃないわ!」 アリスは自分にも言い聞かせるかの用に、小さな声で力強く言った 「幸い、ヤマザナドゥや検死した月の医師にもバレてないみたいだし、黙っていれば分からない」 アリスの瞳は、何か暗いものに満ちていた パチュリーはそれを再認識して落ち着いたようだ だが、申し訳なさそうに小さな声で言った 「でもそれじゃ、魔理沙の魂は浮かばれないんじゃ…やっぱり正直に…」 アリスはカッと目を見開いた 「そんな事、霊夢に聞かれたらどうなると思ってんの!?八つ裂きじゃ済まないわよ!」 あの鬼巫女に嬲り殺しにされたらしい魔理沙の遺体 手足の指を全てへし折られ、太い手足の骨を粉々に砕かれ 間接はねじ切られ、その後命乞いでもしたのか、這いずったような痕跡があるが 更に彼女の両肩と脚の付け根は打ち抜かれていた ダルマになった彼女を身体を、弾で何度も執拗に殴打して抉り 最後まで意識を保つよう、頭部や首や心臓は狙わず 最後は腹と骨髄の先端を貫く大穴を空けて、大量出血で苦しませながら殺した 死体の苦悶の表情と、完全に屈服し縋るような瞳、そしてめちゃくちゃに泣いて哀願してたのか深い涙の溝 …忘れられない あの事件の後、自分も確認しに行った事件現場と遺体を思い出して パチュリーは再びぷるるんぷるるんと痙攣を起こした 「ん?私がどうしたの?」 いつのまにか、霊夢が彼女達の後ろに立っていた 妖怪達に擦り寄られたり人間の視線が辛くなったりしたのだろう それで、この親友魔理沙を偲ぶ会に入れてもらおうってワケだ 「べ、べつになんでもないわ!」 霊夢は特に追求するでもなく、そっと二人の側に座った 「そうね私と魔理沙は親友だった、貴方達も魔理沙と親友だったんでしょう?」 霊夢は二人の様子を探るように静かに話しかけた 霊夢は、この魔理沙を偲ぶ会の話に入れて貰おうとしてるだけなのだが パチュリーとアリスにはまるで鬼巫女が、持ち前のカンで探りを入れてきてるように感じる 「そ、そうかもね?まぁ親友だったようなそんなような気がするようなもっとドライだけどよく一緒にお茶したりとか…」 しどろもどろになるアリス 霊夢は ? と首を傾げる パチュリーも正気を取り戻し、急いでアリスの言葉の脇を固めた 「魔女同士三人で交流があったりしたかも…そういった関係で仲は良かったかも…でも一番の親友はレミィで…」 もっそもそと話すパチュリー そんな二人の話を聞いて、霊夢は静かにそっと目を閉じた 「…そう、貴方達は魔理沙と親友だったのね」 パチュリーとアリスは冷や汗びっしょりだ 言葉巧みに、なんとか霊夢を上座へ追い返した二人 心なしか、霊夢は二人に親友殺しを責められたような気になって、酷く落ち込んでいた がっくりと陰が覆う背中が哀れだ 霊夢には悪いが、流石にむざむざ殺されたくは無い 「ついにやっちゃった…霊夢を誤魔化しちゃった・・・!バレたらレミィもろとも紅魔館が壊滅させられるわ」 パチュリーは真っ青で今にも貧血を起こしそうだ 「大丈夫!バレやしないわ!この事を忘れとけば、最悪もしあのサトリに心を覗かれてもバレない」 多分、解呪された際の魔力の奔流はすぐ拡散して形跡が無く、霊夢以外に見られてはいないだろう 彼女は専門知識が無いから、分かる訳が無い 「隠し通せるわよ…私たちは、魔女でしょう」 アリスは暗い笑みで断言した あれから宴会は、いつもの終了の時刻になるまでの数時間に渡って続いた 「それじゃあ霊夢さん、今度久々に人間の踊り食いツアーを開催しようと思いますので是非一緒に…」 射命丸はぶんぶんと手を振りながら別れの挨拶を告げる 「そんな事したらぶち殺すわよ!あと私は人食い妖怪じゃない!」 両手を上げて怒る霊夢を尻目に、射命丸は おお怖い怖い と片手を振りながら黄昏の空へ飛び立っていった 「そういうのはもはや要らない恥じらいだぞ霊夢、今度紅魔館でレクチ…」 レミリアが言い終わる前に、頭頂部への拳骨がガンッと鈍い音を立てて落ちた うええええええ、霊夢がぶったー などと腰の辺りに抱きつく自らの主の頭を優しく撫でながら 咲夜は霊夢に優雅な会釈をして飛び立った 皆がぱらぱらと解散していくのを見守る霊夢 珍しく死神と共に最後の方まで残っている閻魔が、じっと霊夢の立つ階段の方を見ているのに気がついた 死神を横に侍らせ、寂しくなった宴会場に泰然と座っているヤマザナドゥに霊夢は話しかける 「私のあの罪は、どうしたら消えるかしら」 霊夢は俯き、ぽつりと言った 「…地獄の法は貴方のあの行いを許しますよ でも、もし貴方が自分自身を許したいと苦悶するなら」 ヤマザナドゥは一呼吸おいてから、言った 「出来る罪滅ぼしは、これからも人間達を守る事でしょうか…巫女としての矜持を忘れないように」 エイキの視線は、相変わらず鳥居のある階段の方を見つめている 別に、エイキは宴会の余韻を楽しんでいるだけなのだ 最後に閻魔が帰ってからすぐ、霊夢のすぐ横の空間が裂けた そのスキマから、霊夢のよく知る大妖怪 八雲紫 が現れる 同じ宴会に参加していたんだから、それぐらいの距離は歩いてくればいいのにと呆れる霊夢 紫は、スキマから顔を出しながら霊夢に尋ねた 「ねぇ?なんであの娘、殺しちゃったの?貴方達、結構仲が良かったわよね?」 紫は、なんでもなさそうにぼんやりと両肘をついている 彼女の無遠慮かつ最低の質問に、霊夢はぎゅっと拳を握りしめながら答えた 「…知らなかったって言ったでしょ!あんなグロテスクなのが魔理沙だったなんて分かる訳が無い!」 紫は目を丸くして驚く 「何言ってるのよ?貴方は博霊の巫女よ?変化ぐらい巫女のカンと奇跡を全開まで発揮すれば容易に分かった筈よ」 霊夢は唖然と口を開ける…二人きりの宴会場に沈黙が流れる 霊夢はいきなり口角泡を飛ばして叫ぶように言った 「仕方なかったのよ!あの時は分からなかったの!言葉も通じなかったの!」 顔を真っ赤にする霊夢を広げた扇子で遮るようなポーズをする紫 「ああ、なんとなくで殺されちゃったのね、あの娘」 紫は優雅に口元を扇子で隠す、ニヤついた瞳から扇子の下の唇も笑っていると推測出来る くやしさと指摘された己の罪で、霊夢の目が潤む クールが売りの霊夢は、怒りの感情をあえて表に出す事によって、更なる他の感情を隠していたのだ 紫は更に話を続ける気だ 「まぁ、長年幻想郷の管理をやっているといろいと「めんどくさい」もんね?ダルくてあんなゴミクズの事なんてどうでもよくなっちゃたんだ?」 霊夢は過呼吸のようにふっふっと呼吸を乱しながら、何か言い返そうとするも言葉が出ないようだ 目元にじわりと涙が溜まってゆく 霊夢の様子に気がつかないフリをして、今度は見下ろしながら言った 「困るわね、他の妖怪が真似したらどうするつもり?博麗の巫女様は人間達や魔理沙なんてどうでもいいんだ?」 霊夢は酸欠の金魚のように口をぱくぱくしている すっー すっーっと言う呼吸音が聞こえる そっと下を向いたのは、涙があふれんばかりに溜まっているのを悟られまいとしているのだろう もう一押し、紫は扇子をパンッと音を立てて畳むと、その先端を振りかざした剣のようにスッと霊夢に向ける 「解呪すれば助かったのに…魔理沙、無駄死にねぇ?何の為に生まれてきたのかしら?」 俯いた霊夢の瞳からぽろぽろと涙が地面に零れ落ちる 紫は、スキマを使って普通なら無理な体勢から霊夢の顔を無理矢理覗き込む …そう、これが見たかったのだ! 翠香が宴会場を片付けにやってくるまでの数分間、紫はずっと霊夢を見ていた 数日後、目を掛けている部下の白狼天狗を連れた記者の鴉天狗に、霊夢はばったり出くわした 「いやー、いい天気ですね!鬼巫女霊夢さん!この前言った人間踊り食いツアーなんですけどね」 射命丸文は満面の笑みで話しかけてくる 横にいる椛も可愛らしい笑顔を見せた 霊夢はそんな二人をキッと睨みつけた 「あややや…冗談です!冗談ですって!そんなことしませんしません!」 射命丸は慌てて両手を振って否定し、椛もきゃうんと小さく鳴いた しかしその否定も束の間、射命丸はニヤッと笑った 「でも、あの時の霊夢さんは華麗でしたよ?ホラ、見てください」 射命丸が手帳に挟んである写真を数枚ピッと取り出し、指でトランプのようにサッと広げる 最初の写真には、襲われている最中の村に霊夢の後姿、その視線の先には無残な魔理沙の遺体が ハッキリと写し出されていた 二枚目は魔理沙の死体の顔写真、女の子を一番愛らしく見せる斜め上の角度から撮影されているのがにくらしい 三枚目は遠くから見た魔理沙の死体、時刻は一番古く、霊夢が魔理沙に気がついた数秒後だ 「いやー、巫女の妖怪退治の話を聞いてからすぐ駆けつけたんですがギリギリでして」 射命丸は自慢げに写真を見せた後、たははと頭を掻いた 霊夢はギンと目と瞳孔を見開いて、射命丸の手から写真を奪い取ると 親の仇とでも言わんばかりにビリビリと細々に破いてしまった 「なんなのよこれ!アンタ、手伝いもしないで盗み撮りしてたっての!?」 霊夢は射命丸のむなぐらをグッと掴む 射命丸はまた両手を振って否定した 「違います、違いますって!本当にギリギリで戦闘シーンには間に合わなかったんです!盗んでません!」 しかし、霊夢の怒りはそれでも収まらない 「こんな悪趣味な写真撮って…人に見られたらどうなると思ってんの?」 霊夢は一層強く射命丸のむなぐらを強く締め上げる 射命丸は一層申し訳なさそうだ 「いや…あのですね、実はもう…」 射命丸は椛の方をチラッと視線を送ると、察したように椛は自分の赤い布地のポシェットに 両手をもそもそと入れて、数刊の文々。新聞を取り出して霊夢に渡した 見出しには大きく 【博霊の鬼(のように怒る)巫女爆誕 今の幻想郷のトレンドは四肢切断(か?)】 過激な説明の横に、先程の写真の一枚目がでかでかと印刷されており 下段に盗人ゴミクズの末路、人狩り初体験ながら見事、これからの活躍が…などと注釈がつけられた 二枚目、三枚目の写真が印刷されいた なお、今回の解説は、この道の専門家であるASCゆうかりんが過激な内容でに説明している 発刊日付は…2日前だ 何もかもが遅い 霊夢の顔は真っ青になり、次に真っ白になり…そして最後に真っ赤になった なお、射命丸は真っ白になった辺りで命の危険を察知して逃げた 一人取り残されたのも気がつかず、霊夢は食い入るように新聞を読む そして、怒りでぶるぶると震えながら泣いている ミシミシと不吉な音を立てる新聞、相当な力で横方向に引っ張られているのだ 霊夢がひとしきり泣き終わる頃、新聞はバリッと音を立てて引き裂かれた 「なによこれ!ふざけんじゃないわよ!」 そしてそのまま、新聞は彼女の手によって木っ端微塵にされて 散り散りになった紙吹雪が空に舞った もう暫くは神社に篭っていよう…傷心の霊夢はふらふらと神社に向かって飛ぶ その途中、数人の人間の死体の山の上でご機嫌で食事を取っているルーミアを見つけ 霊夢は目をまるくして慌ててルーミアの側に降り立った 「ちょっとちょっと!なに人間殺しまくってるのよ!」 ひい、ふう、みい、よ…少なくとも七人が殺されている 人間の腕を、まるで子供がフライドチキンを食べるようにむしゃむしゃ食べるルーミア 巫女に凄い剣幕で怒鳴られ、首をかしげる 食べていた人間の腕を一旦置くと、お尻の方に手をやり、腰に挿していた文々。新聞を取り出して広げる 先程、霊夢がビリビリに引き裂いたものと同じものだ 「霊夢姐さんもやってるのかー」 ルーミアは新聞の内容を見せ付けながら、満面の笑みだ 霊夢はギリッと鬼気迫るような顔でルーミアを睨みながら言った 「なに…嫌味のつもりなのか?」 その様子にルーミアは思わずビクッと怯えた 「れ、霊夢姐さんだけずるいのかー」 腕を伸ばして新聞を更にぐっと前に押し出し、己の正当性を主張しようとする 哀れな魔理沙の死体、過激な文章、転がっている人間の死体、ルーミアにさえ知っている、つまり皆も、 …霊夢の中で何かが切れた 「これは違うって言ってるでしょ!」 玉ぐしで思いっきりルーミアを殴りつけた、バシッといい音がする 「ひいいいい、私は食べられないのかー!」 ルーミアは霊夢に捕食されるとでも勘違いしているのだろうか 霊夢は弾を数発撃ってルーミアを転ばせると 上から馬乗りになって殴り始めた 「これはッ!私のッ!せいじゃ!知らなかったって!言ってるでしょ!私はッ!私はッ!妖怪じゃ!ないッ!」 バキッ、ベキャッ、バシッ 一言一言、短く喋りながらルーミアを何度も殴りつける 「うあーん、うえーん、うえーん…」 しこたま殴られて大泣きするルーミアを尻目に、霊夢は今度こそ神社へ帰っていった 神社に戻ると、そこには早苗、神奈子、諏訪子の守矢三人組と村人が数名待っていた 「こんにちは、霊夢さん」 早苗が曖昧な作り笑いを浮かべて、霊夢に話しかける 霊夢は妙な気まずさと浮かない顔を誤魔化すように、片手で顔を抱えるように隠す 「こんな大所帯でどうしたの?また異変?」 霊夢は冷淡になった早苗に一抹の寂しさを覚えながら、返事をした 「はい、人里の皆さんが霊夢さんに話があるそうで」 こんな事の為に山の上から早苗がやってきたのか、直接私の所に来れば済む話なのに 霊夢は首を傾げながらも、村人に話を続けるように促す 「へえ、この前は村を救っていただきありがとうございました 伏せってる長老衆に替わってお礼申し上げます」 霊夢は あら?いいのよ などと言いながら軽く聞き流す 村人の話の本題はここからみたいだ 「そんで、救ってもらって悪いんですが…暫く、村に来ないでいただけませんかね」 霊夢の目が点になる 数秒の沈黙が走った後…村人の一人が文々。新聞を取り出し広げる 「みんな、怖がってるんですわ」 村人は申し訳なさそうな、怯えるような表情だった 「いやね?巫女さんがこんな事するわけないって私たちゃ思ってるんですけど…村の皆が…ねえ?」 曖昧に濁しながら、明確な拒否を霊夢に告げた 「これは捏造よ!?私、人間を殺したりしない!」 霊夢が身を乗り出して主張すると、たちまち村人が怯える その間に早苗が割り込んでくる…すると、村人は早苗の後ろに隠れるように逃げた なるほど、それで早苗を呼んできたってワケか 「それでは霊夢さん、この写真を見てください」 そこには、超高倍率のレンズを使い、正面被写体に向かって高速で飛びながらシャッターを切ったのか 周囲の景色が激しくぶれている中、遥か先の写真中央に霊夢が怪物と戦う様子が大きく写っている 割と霊夢とグロテスクな怪物の全貌が確認出来るものの、記事には使えないだろう 「鴉天狗の部屋から盗…徴収してきたものです」 早苗はコホンと言い改めつつ、主張した 「ここ、ここを見てください」 早苗はキュッ キュッと写真中央の怪物に、二箇所赤ペンで丸をつけた 怪物の後頭部やや下と、背中あたり 一箇所目には魔理沙のいつも被っている三角帽の成れの果て もう一箇所にはよく見えないが黒い布らしきものと…エプロンの残骸のようなものが引っかかっていた 「霊夢さん、貴方はこの怪物が魔理沙さんだって分かってたんじゃないですか?」 早苗は眉間にシワを寄せながら更に尋ねる 「もしくは、分かろうと思えば分かれましたね?」 霊夢は頭を抱えながら叫ぶ 「違うの!あの時は分からなかったの!仕方なかったのよ!村が襲われてて…」 はいはい…と霊夢を嗜めるような態度を取る早苗 霊夢はブツブツと何かを唱えるように呟いている 早苗はが村人に目配せすると、恐る恐る村人は前に出てきた 「そういうワケでして、しばらくは緊急時以外は立ち入り禁止と言う事で…」 村人は申し訳なさそうに、腫れ物に触れるように続ける 「今度、あのゴ…霧雨魔法店とこのお嬢さんの葬式を村でやるんですわ」 霊夢は上目使いでじっと村人を見つめる、自分も参加したいのだろう 「んで、今日からあの嬢さんの葬式から…それから喪中の50日は少なくとも立ち入らないって事で…決定でして…」 霊夢は呆然とする 話を終えたのか、村人達はそそくさと帰っていった 村人が神社から出るのを見守ってから、早苗も外に向かって歩き出す 去り際、神奈子がポンと霊夢の肩を叩きながら 「そういうことだから、しばらくは遠慮しとくれよ」 と、つぶやいて去っていった その後、霊夢は数年ぶりにわんわんと泣いた 真っ暗な室内、涙も枯れ果てた霊夢は小さな和風のテーブルに突っ伏している そんな彼女を、翠香はじっと見守ることしか出来なかった -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*- 魔理沙が化け物に:26スレ936へ続く こんな白状な幻想郷はやだなぁ -- 名無しさん (2009-07-26 17 52 30) うーん パチュリーとアリスは死も覚悟で白状すべきだったよなぁ 恐らく死後二人の罪はバレるでしょう -- 名無しさん (2009-07-26 23 50 57) えーきさま以外誰も霊夢の置かれた状況を理解しようとしないのが悲しい。 幻想郷そうぐるみで霊夢を排除したかったに違いない -- 名無しさん (2009-07-27 03 01 38) やんなっちまうなぁ。この結末は・・・。 -- 名無しさん (2009-07-27 06 04 24) れみりゃが可愛かった -- 名無しさん (2009-07-27 08 35 27) 文と紫がうざすぎる レミリアもうざいが、まあ可愛いと言えなくもないか -- 名無しさん (2009-07-27 09 38 04) ルーミアがとばっちり食らってる件について -- 名無しさん (2009-07-27 18 13 25) 霊夢の友達は魔理沙だけだった、という事か -- 名無しさん (2009-07-27 18 33 50) さくやさんはどうなんだ? -- 名無しさん (2009-07-27 20 38 37) ここぞとばかりに勢いづく守谷勢(特に早苗)にイラついたのは自分だけでいい -- 名無しさん (2009-07-27 20 48 59) むしろ調子乗ってるルーミアは即刻退治するべきだろ 人間殺す癖に妖怪には甘い巫女とか言われるぞ -- 名無しさん (2009-07-27 23 19 54) 紫とか文とか早苗より汚いやつがいるのに、どうしてだろう……早苗に一番イラッとするんだ…… -- 名無しさん (2009-07-28 01 25 28) 早苗、全て計算通り -- 名無しさん (2009-07-28 16 30 26) まぁ実際こんな感じで殺伐としてるんだろうかね幻想郷は -- 名無しさん (2009-07-28 18 17 48) 美鈴の唐揚げ勿体ねえな -- 名無しさん (2009-07-28 20 56 28) 可哀相な霊夢に激しく萌えた -- 名無しさん (2009-07-28 22 43 36) 結局、この話で霊夢の味方なのは萃香だけか…。 しかし早苗(提案したのは神奈子と諏訪子だろうけど)もすっかり典型的な悪役に。 -- 名無しさん (2009-07-29 13 52 28) 文がウザすぎる・・・ -- 名無しさん (2009-08-01 02 21 21) なんか、魔理沙だとわからなくても仕方ないと思うけどな・・・ 理不尽なやつらだなまったく -- 名無しさん (2009-08-01 14 21 59) 咲夜さんはどうなんだろう -- 名無しさん (2009-08-05 20 19 07) 前作を読んだけど霊夢は明らかに里の危機を救うために倒したのにこの仕打ちはちょっとおかしいと思った -- 名無しさん (2009-08-06 15 35 08) ああ、これは不愉快なだけだなあ・・・ -- 名無しさん (2009-09-06 14 41 58) 虐めだけにとりあえずはこれでも良いと思う。 実際に霊夢ほどの実力の持ち主は何の力もない人間からは警戒だってされるだろうし あれだけの力があって、でも種族は人間という点が霊夢の不安定な所とも解釈できなくはない -- 名無しさん (2009-09-15 11 52 24) クソワロタwwwww霊夢可愛すぎwwwwwww -- 名無しさん (2009-09-21 06 07 37) 黒アリスwww そしてパチュリーの小物さが際立つwww -- 名無しさん (2009-11-07 11 13 40) とんだとばっちりを受けた霊夢だった件について -- 名無しさん (2010-03-24 02 12 04) この妖怪達は、きっと霊夢の取り乱した姿を見たかったんだろうね。 -- 名無し (2010-08-11 23 28 21) せめてルーミア殺してから帰れよ霊夢・・・・ -- 名無しさん (2010-10-15 22 08 37) ↑↑なんという俺達 -- 名無しさん (2010-10-30 01 47 31) 文とれみりゃが可愛すぎるだろこりゃ! 俺は萌えSSを見に来たんじゃねえってのに…… -- 名無しさん (2010-11-01 21 36 11) れみりゃが可愛かった レミリアもうざいが、まあ可愛いと言えなくもないか 可哀相な霊夢に激しく萌えた クソワロタwwwww霊夢可愛すぎwwwwwww 文とれみりゃが可愛すぎるだろこりゃ! 俺は萌えSSを見に来たんじゃねえってのに…… 明らかに場違いなの分かってるけど言わせろ。 お前らさ、やられた事無いだろ? 一回やられてみ、本当に悲しくて悔しくて理不尽な世界に絶望するから。 正直死にたくなるよ。 -- 名無しさん (2010-12-02 18 50 14) お茶碗を箸で叩くてゐ可愛い。 泣いてる霊夢たんを慰めてキャッキャウフフしたい -- 名無しさん (2010-12-28 12 32 35) 魔理沙いじめというより霊夢いじめな件について -- 名無しさん (2011-06-27 11 43 21) タイトルに書いてあったww -- 名無しさん (2011-06-27 11 43 52) いじめSS専門のサイトなのになんでこんなに否定派が多いのか意味わからん 嫌ならこんなとこまで見にくるなよ -- 名無しさん (2013-10-04 15 56 11) ルーミア殺せよ -- 名無しさん (2013-10-27 00 11 02) でも本来の幻想郷の姿がこれってのが正しい気がする -- 名無しさん (2014-07-04 13 21 59) 結論 霊夢くず。実際は霊夢のが殺したし。 しかも倒すとき[死ね。ごみくず]っていってる 詳しくは1を見る早苗や文などは悪くない -- 名無しさん (2014-12-06 14 10 59) 早苗や射命丸は性格が少し違う。後作者はどんだけ霊夢と魔理沙が嫌いなんだ?正直言って魔理沙がこうなるのは100%あり得ないし作者は東方についてもっと詳しくなってから出直せ(怒) -- 元幻想郷出身者 (2014-12-16 22 45 31) ↑早苗は原作に近い調子に乗りやすい性格だし射命丸は多少性格がずれてるけど言うほどでもない、というか二次創作なんだしずれたとしても当たり前。それすら分からない二次設定を本家だと思い込むにわかは原作やろうか。というかここが虐めスレだって分かってないだろ。愛情を持つからこそ様々な虐めを行う。安っぽい感動物が好きなガキは帰れよks。 -- 名無しさん (2014-12-18 18 44 50) ↑↑↑↑↑てめーは俺を怒らせた -- 名無しさん (2015-01-06 02 14 26) 取りあえず霊夢と魔理沙m9(^Д^)9mザマァ -- 名無しさん (2015-11-28 06 00 20) よし↑の奴は死ね。思っても書くな。コメ荒らすな。 -- キング クズ (2016-06-18 03 58 18) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/th_sinkoutaisen/pages/265.html
no +信仰 コスト 戦闘力 HP df 労働 知識 探索 特殊能力 081u 000000 004000 100 10 4 6 8 場にアリスと人形がいるときに絶対秘密の魔理沙人形をセットすると、次の自ターンに通常の人形と入れ替わっている 元の人形が人形(Normal)や人形(Lunatic)であれば自爆という癖のある攻撃が消え若干扱いやすくなったように思えるが、守護を持たずフルアーマー上海も適用されない 人形(Hard)に関しては元々悪くない攻撃倍率に加えて自爆も無いので旨みが少ないためやはり使いにくい 加えて自分か相手の場に魔理沙がいると人形はアリスによって破棄されてしまう(アリスがいなくても魔理沙と魔理沙人形が同時に存在すると消える模様) 他のプレイヤーのデッキに魔理沙がいないことを確認せずに迂闊に使用すると こちらの戦力が大幅にダウンしてしまう点に注意しよう 最終Verにて自機組が元から強かったのが更にこれでもかというくらいに底上げ強化されたのが原因で 魔理沙が超高確率で相手のデッキに存在するようになったため、現状ではネタとしても苦しいカードである。 一応全ての攻撃がマスタースパークで固定なため、場に魔理沙が居ない時の殲滅戦ならば悪くはない。 なお、威力はアリスや元の人形のギアに関わらず魔理沙(Normal)と同等である。 なお基本的には通常の人形と魔理沙人形は一緒の場に存在することはない 黒歴史を受けたりはたてが引いた魔理沙人形をアリスがいる場に出すと そのターン中は維持できても次のターンにはアリスのギアに応じた人形に上書きされている。(逆も然り) はたてなどを駆使してE~L人形+魔理沙人形を揃えるのも面白いかもしれない。戦闘には関係ないが 攻撃 恋符 「マスタースパーク」* 全体 戦闘力×0.4 1回 *体力1000以下でも超必殺 魔砲 「ファイナルマスタースパーク」にはならない。 関連霊撃 なし 関連サポートカード 238s 絶対秘密の魔理沙人形 アリス 特別な入手方法 なし
https://w.atwiki.jp/osusumesyousetu/pages/38.html
7gys7小説 傭兵物語 作品ページ 作者:コードネームδ 本小説はニンテンドーDSIの内蔵ソフト「うごくメモ帳」のサイト「うごメモはてな」および「うごメモシアター」にて 人気を博すユーザーネーム「chivalry」氏運営のオリジナルキャラ傭兵団「ナイツロード」の小説版。 主人公である「デルタ」の傭兵生活を描いたものであり、時折他ユーザーのキャラも登場している。 目次 序章 プロローグ #1 第1章 発端 #2~#6 第2章 異変 #7~#10、#12~14 第3章 幻想 #15~18、#20~21 第4章 幻滅 #22~26 第5章 陰謀 #28~32 第6章 終末 #33~35 最終章 結 #36、37 主な登場人物 デルタ 本作の主人公。 かつて「KBN『MR』(改造戦闘人間「タイプマジカルロイド」)」の被検体となり、一連の事故が原因で 能力と引き換えに本来の性別を失った少年。 明るく温和な性格で、その行動は見るものを癒す。 かなりの切れ者で、戦闘時にはさまざまな戦法を駆使し常に優位の状態で戦闘することを得意とする。 専用武器は高濃度粒子圧縮剣「パーティクルセイバー」。 ビット ユーザネーム「ウォーズ」さんのキャラ。 ノリのいい強気な青年で、デルタの一番の親友。 専用の能力はないが、類稀なる直感とその身体能力で、さまざまな戦地を切り抜けてきた。 専用武器は特にないが、剣に銃器に何でも扱えるという器用さを持つ。 サジェロ ユーザーネーム「exorcist(現在は初期化されたため不在)」さんのキャラ。 だるいことに関して一切関与したくないという極度のめんどくさがり体質。 専用の能力として、影を操ることができる。 目の下に紋様があり、これのおかげで影を操れるらしい。 専用武器は特にないが、影の力で拳やらなにやらを生成できる。 レッドリガ ユーザーネーム「chivalry」さんのキャラ。 ナイツロードの団長にして、すさまじい実力の持ち主。 ナイツロード内で彼にかなうものはいないとされる。 主に依頼の配布や、依頼人との交渉を仕事とする。 裏ではさまざまな人物とつながっているらしく、大事件の黒幕などからも依頼が来るらしい。 団長、という立場意外ではあまり表立って姿を現さないため、謎の部分が多い人物。 他人のキャラクター一覧(名前のみの登場も記載) キャラ名(作者名) ディス(Rain star) ヴァナルド(ラルバート) フウラ(A maple) ファング(ユーザー名不明) レイア(ユーザー名不明) つらら(ユーザー名不明) クロウ(ryo) アトラ・奈留亜(exorcist) レイル(コルト・ソーコム) ハルス(ターミナル) エレク・レイド・ルナ・グーロ(chivalry) エイン(strike) ツンドラ(氷炭) イエス(晴れのち曇り) なお、この作品は作者のブログにて連載しているものを小説フォーラムへ移したもの。 ブログよりも一話分更新が遅いため、続きが見たいという場合はブログへ行くことを勧める。 http //d.hatena.ne.jp/delta8428/
https://w.atwiki.jp/marisa-kirisame/pages/11.html
特徴 もう一人の主人公。 箒に鍔広の三角帽子という魔法使い風の出で立ちをした普通の魔法使い。 魔法の発動媒体は魔導器「ミニ八卦炉」。 無敵対空や横方向への突進攻撃と高火力の飛び道具を持つ火力重視万能型の性能。 付与天候は「霧雨」 スペルはパワー程度の天気 スペルカードの威力増加(約1.25倍)。 スキルもスペルも総じて威力が高い 空中可能の技の数が非常に多い 可愛い
https://w.atwiki.jp/chaos-touhou/pages/322.html
魔法を使う程度の能力「霧雨 魔理沙」 読み:まほうをつかうていどののうりょく「きりさめ まりさ」 カテゴリー:Chara/女性 作品:東方混沌符 属性:光 ATK:1(+2) DEF:1(+3) [自動]相手か自分がイベントカードを使用した場合、ターン終了時まで、このキャラは攻撃力が3上昇する。この能力は1ターンに1回だけ発動する。この能力は【裏】でも発動する。 『貫通』 RR:大魔法使いの霧雨魔理沙だ。覚えておくがいい SP:正体不明の物を見つけたらワクワクするじゃないか illust:介錯 TP-088 RR SP 収録:ブースターパック「OS:東方混沌符 2.00」 参考 ネームが「霧雨 魔理沙」であるキャラ・エクストラ一覧 魔法を使う程度の能力「霧雨 魔理沙」 魔法を使う人間「霧雨 魔理沙」 魔の御札「霧雨 魔理沙」 魔と恋の御札「霧雨 魔理沙」 花風異変「博麗 霊夢」&「霧雨 魔理沙」 紅より儚い永遠「霧雨 魔理沙」 禁呪の詠唱「霧雨 魔理沙」 「アリス・マーガトロイド」 疾風怒濤「霧雨 魔理沙」 普通の黒魔術少女「霧雨 魔理沙」 春風の夢「霧雨 魔理沙」 恋色マジック「霧雨 魔理沙」 恋の御札「霧雨 魔理沙」 幻想郷最速「霧雨 魔理沙」 「射命丸 文」 奇妙な魔法使い「霧雨 魔理沙」 リモートサクリファイス「霧雨 魔理沙」 「アリス・マーガトロイド」 マジックミサイル「霧雨 魔理沙」 マジックナパーム「霧雨 魔理沙」 ファイブシーズン「霧雨 魔理沙」 「パチュリー・ノーレッジ」 ストリームレーザー「霧雨 魔理沙」 コールドインフェルノ「霧雨 魔理沙」 オリエンタルダークフライト「霧雨 魔理沙」 オプティカルカモフラージュ「霧雨 魔理沙」 「河城 にとり」 イリュージョンスター「霧雨 魔理沙」 “異変解決”禁呪の詠唱「霧雨 魔理沙」 「アリス・マーガトロイド」 “異変解決”マスタースパーク「霧雨 魔理沙」 “異変解決”ファイナルスパーク「霧雨 魔理沙」 “異変解決”スターダストミサイル「霧雨 魔理沙」 “異変解決”“東方永夜抄”永夜異変「博麗 霊夢」&「霧雨 魔理沙」 “異変解決” “東方永夜抄”ラストスペル「霧雨 魔理沙」 “東方永夜抄”禁呪の魔法使い「霧雨 魔理沙」 “東方永夜抄”Stage4 powerful 魔力を含む土の下「霧雨 魔理沙」 「魂魄 妖夢」 “東方永夜抄”Stage2 人間の消える道「ミスティア・ローレライ」 「霧雨 魔理沙」 “東方妖々夢”森羅結界「博麗 霊夢」&「霧雨 魔理沙」&「十六夜 咲夜」 “東方妖々夢”「霧雨 魔理沙」 “東方妖々夢”Spiritual Short Bomb「霧雨 魔理沙」&「十六夜 咲夜」 Stage4 雲の上の桜花結界「霧雨 魔理沙」&「リリカ」 Stage3 紅色の境「霧雨 魔理沙」 「紅 美鈴」 Stage2 マヨヒガの黒猫「霧雨 魔理沙」&「橙」 Final Stage「霧雨 魔理沙」 「レミリア・スカーレット」 東方紅魔郷 紅霧異変「博麗 霊夢」 「霧雨 魔理沙」 東方紅魔郷 「霧雨 魔理沙」 東方妖々夢 春雪異変「博麗 霊夢」 「霧雨 魔理沙」
https://w.atwiki.jp/ascend/pages/16.html
小説募集要項 週刊アセンドは小説投稿雑誌であり、掲載小説を募集しています。小説を投稿するときは、以下の項目を添えて、各自受け取った週刊アセンドのメールに返信して下さい。原則として、小説投稿には週刊アセンドの登録購読が最低条件となります。なお、詩でも構いません。 読み切り小説 小説タイトル 作者名(ペンネームも可) 作者コメント(任意) 簡単なあらすじ 連載小説 小説タイトル サブタイトル(第1話「」みたいな感じの) 作者名(ペンネームも可) 作者コメント(任意) 「次号へ続く」のオリジナル文字列(任意) 「次号は休載します」のオリジナル文字列(任意) 簡単なあらすじ(毎話つけてください) 連載小説の場合、次の話の締め切りはその2つ前の話が発行されるまでです。例えば第5話の締め切りは、第3話の載った号が発行されるまでです。締め切りを過ぎたらその話が載る予定の号では休載となります。但し締め切りを過ぎても、もし運がよければ載るかもしれません。 これに則って、こちらに3話以上届いた時をもって新連載が成立するものとします。(上下2話完結の話も可)ややこしいことはこちらで処理しますので、第1話から普通に1週間1話ずつ送ってきても大丈夫です。 以下のような小説はお断りさせていただきます。 性的描写が非常に多い 文字数が非常に短い(目安:600字以上)※詩は除く その他こちらで不適切と判断した内容
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/532.html
魔理沙18 新ろだ220 12月24日の夜。俺は夕食の用意をしながら魔理沙の到着を待っていた。 何しろ今日は年に一度のクリスマスイブ。御馳走を作る腕もなるというものだ。そして用意も粗方終わった頃。 「メリークリスマス!」 風を切る音が聞こえたと思った直後、勢いよく開いた玄関と共に魔理沙が飛び込んできた。 「メリークリスマス、魔理沙。外は寒かっただろ。炬燵が暖まっ――」 言い終わる前に唇を塞がれた。 思わず顔を引こうとしたが、首に回された腕に固定されて離れることはできなかった。 そのまま体重を預けてきた魔理沙を今度はしっかりと受け止め、さらに背中に手をまわしてぎゅっと抱き寄せる。 そのまましばらく触れ合うだけのキスをしていたが、やがてどちらからともなく離れ、お互いに照れたように笑いあう。 改めて見てみれば、今日の魔理沙ははいつもの魔女服ではなくて赤を基調としたドレスを身につけていた。 「そのドレス、前から持ってたのか?」 「いや、今日のためにわざわざ買ってきたんだ。似合ってる?」 「もちろん。すごく可愛いぞ」 「○○がそうして欲しいって言えば、いつもこんな服にしてもいいぜ」 「それもいいかもな。でも俺はいつものお前の服も好きだ、というよりお前はどんな服を着てても可愛いと思うぞ」 「ば、ばか。そんな恥ずかしいこと言うなよ」 そう言って顔を真っ赤にした魔理沙は、いつもの癖で帽子を下げようとしたのか手をおでこのあたりでふらふらさせて、帽子が無いことを思い出して更に真っ赤になっていた。 思わず抱きしめたくなったが、そんなことをしたら歯止めが利かなくなりそうだったので強引に話を進めるべく。 「御馳走の用意はできてるから早く食べよう」 「へ? ああ、そうだな。そうしよう」 「それじゃあそこに座って待ってろ。今日のは豪華だから見て驚くなよ?」 「本当か!? それは楽しみだぜ」 「ごちそうさま。おいしかったぜ」 「おそまつさまでした」 一時間ほどかけて料理を食べ終わり、今は二人並んで炬燵でくつろいでいる。 胸にもたれかかっている魔理沙の髪を梳くように撫でてやると、気持ち良さそうに目を細め、額をこすりつけてくる。 しばらくまったりとした時間が流れたが、突然魔理沙がぴょこんと起き上がり 「そうだ、ケーキをまだ食べてないじゃないか。早くしないとクリスマスが終わっちゃう」 と慌てたように催促してきた。クリスマスディナーは俺が作る代わりにケーキは魔理沙が用意する約束だったのだ。 クリスマス当日はまだ来てすらいないんだがなと心の中で思いつつ、魔理沙の手作りケーキを食べたいことに変わりはないので、そんな無粋なことは口に出さず 「それじゃあ今すぐ食べるか。お皿とフォーク出してくるから箱から出しておいてくれ」 と言っておいて、台所へ二人分の食器を取りに行った。 食器を用意して炬燵に戻ると 「えぐっ…ううっ…」 魔理沙が肩を震わせて俯いていた。 「魔理沙!?どうしたんだ!?」 慌てて魔理沙の隣まで近づくと、その原因がわかった。 おそらく家に来るまでの飛行中に傾けたのだろう、元々は精巧に作られていたであろうケーキが型崩れしていたのだ。 「…ひっく……せっかく……せっかく○○のために一生懸命作ったのに……」 「魔理沙……」 「……だって……早く○○に…会い…会いたかったから…えぐっ……スピード出しすぎて……」 俯いたままの魔理沙に何と声をかけるべきか迷い、それでも何か言わなければと思って。 「魔理沙……」 「……嘘泣きがうまくなったな」 言った途端にビクッと肩を震わせ、そうっと顔を上げて 「えへ、ばれたか」 ペロッと舌を出しておどけやがった。 「なんで嘘泣きだとわかったんだ? 迫真の演技だと自負してたんだが」 「おまえは覚えてないかも知れんが、3か月前の誕生日の時に同じことをされたんだよ」 「ちっ、覚えてたか。あの時の慌てようが面白かったからもう一度見れないかと思ったんだがな」 「大体、お前は少々型崩れしたぐらいで泣きだすようなタマじゃねえだろ」 実際、型崩れしているとは言っても原型を留めないほど崩れているわけでもなく、食べる分には問題のない範囲だった。 「でも、○○に会いたくてスピード出してきたのは本当だぜ」 さっさと切り替えたのか、器用にケーキを切り分けながら魔理沙が打ち明けてくる。 「そんなに急がなくても俺は逃げないぞ」 「お前と一緒にいる時間は逃げるんだよ」 「どうせ一晩中一緒にいるんだから、数分の違いぐらいどうってことないだろ」 「どうってことなくない。好きな人の所には一秒でも早く会いに行きたいと思うのが乙女心だぜ。はいケーキ」 「サンキュ。乙女心ねえ……それじゃあ好きな人に一秒でも早く来てほしいと思うのは何心だ? 紅茶入ったぞ」 「ありがとう。男心でいいんじゃないか?」 「普通だな」 「普通でいいんだよ」 どうでもいいことをしゃべっている間にケーキも紅茶も準備が整った。二人で声をそろえて 「「いただきます」」 まずは一口掬って口に運ぶ。その味は―― 「うん。おいしい。前の時よりも上達してないか?」 「別に普通だぜ。お世辞言っても何も出ないぞ」 「お世辞じゃないよ。嘘だと思うなら、ほら、食べてみろよ、あーん」 もうひとかけら掬って、今度は魔理沙の口元に差し出す。 「あーん。むぐむぐ…んっ」 「な? おいしいだろ?」 「これだけじゃわからないな。もう一口くれ、あーん」 「しょうがないな。ほれ、あーん」 さらにもうひとかけ掬って魔理沙の口の中へ運ぶ。 振りをして直前で引き寄せて自分の口へ放り込んだ。 「あー!」 「むぐ、うん。やっぱりおいしい」 「こら!それは私が食べるケーキだぞ。○○が掬ったケーキを食べていいのは私だけだ!」 「それじゃあ俺が食べれないじゃないか」 「いいんだよ。代わりに私が、あーん」 今度は魔理沙がケーキを掬って突き出してくる 「あーん」 むぐむぐ。ごくり。 「あれ? さっきよりおいしくなってるぞ?」 「本当か? 私にも確かめさせろ」 「ほら、あーん」 「あーん」 「うむむ、さっきよりおいしい」 「じゃあ今度は俺にも。あーん」 「あーん」 「さっきよりもっと美味しくなってる」 「本当か?」 「本当だよ。ほら、あーん」 「あーん。あ、さっきよりももっともっとおいしく――」 結局、ケーキがなくなるまでずっとこんなことを繰り返していた。何やってんだか。 その後、二人して食いすぎで動けなくなったのは言うまでもない。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 新ろだ252 霧雨邸にてある本を読み終わり、時計を見るとかなりの時間になっていた。 「げぇ、もうこんな時間かよ。そろそろ帰るわ」 「もう帰るのか?」 椅子に座ってごちゃごちゃした机に向かっていた魔理沙が、俺の言葉にくるりと身体を向けながら言った。 「もうってお前……夜中だぞ。いつもなら『まだ帰らないのか』って言われる時間帯じゃねぇか」 「ん……そうだな。もうこんな時間か」 「俺の顔見ながら言うな、時計見て言えよ」 「年明けの宴会も終わって、せっかく落ち着いてきた所なのに」 新年が明ける少し前から、魔理沙の家に行っても寝てるか、酔っ払ってるか、居ないかでこうして会うのは随分と久しぶりだ。 俺もここに来たのが夜からであり、実際にはそこまでの時間居た訳ではない。 しかし、それは去年からずっと続いている事だった。 気が向いた時にここに来て、妖怪が跋扈する時間帯になる前に帰る。 魔理沙の言う"落ち着いてきた"は、俺からすればいつもと同じ日常に戻るという事だ。 ただ、今回は少し長居しすぎた。 「落ち着いてきたからこそ……だろ?」 「…………」 「今は新年って事で、妖怪も浮かれて人を襲わなかったからから毎日のように来れたが、これからはいつもの日常に戻る。今帰っておかないと、いつ帰れるかわからん」 「じゃあ――」 「あぁ、じゃあな」 「じゃあ帰らなきゃ、ずっとここにいてくれるんだな」 「何を言って――って、おわ!」 言葉の意味を取り違えたらしい。 玄関へと向かおうとした時、魔理沙の言葉に振り返った瞬間、押し倒された。 「おい魔理沙、これは流石に――」 「……磨り減るんだ」 やばいだろ、と続けようとしたら遮られてしまった。 言い返そうとしたが、震えていた声と、初めて見る魔理沙の表情に言葉が出なくなる。 「心が磨り減るんだ、お前のせいで」 眼に涙を溜めていた。非難するような、救いを求めるような眼で俺を見下ろしてくる。 涙が俺の頬に落ちてくる。それと同時に、心を溢れ出させる様に、魔理沙は言葉を溢れ出させる。 「毎日来てくれるならいいんだ……でも、○○は気が向かなきゃきてくれない。二日連続で来てくれる事もあった。一週間続けて来ない日もあった」 「いつ来てくれるか分からないから、家も空けられない。すれ違いになるのが嫌だから」 神社に寄った時、霊夢が言っていた。 『最近、魔理沙が来なくなった』と。 「来てくれたら来てくれたで、すぐに帰る。そして、いつも『楽しかった』なんて言葉を残してく。そのせいで、私は○○がまた明日も来てくれるんじゃないかと期待する」 「でも、来てくれないんだ。そうやって私を一人にして、心を磨り減らせるんだ」 「もう私にとって、お前はここにいる事が普通なんだ。居てくれなきゃ、普通じゃないんだ……」 「帰らなくていい、帰らないでくれ、ここに居てくれ……私を一人にしないで、くれよぉ……」 耐え切れなくなったかのように、魔理沙が俺の胸に顔を埋めてくる。 嗚咽する声を漏らしながら、服をしっかりと掴んでいる。 「魔理沙……」 気に入った物は、死ぬまで借りて行くひねくれ者 その癖、根は真っ直ぐで負けず嫌い。隠し事は下手なくせに必死に隠そうとする。 どこか憎めない普通の魔法使い。 本を盗みすぎる、という理由で紅魔館の全員からこてんぱんにされても、涙一つ見せずに懲りなかった少女が泣いている。 俺のせいで心が磨り減る、と。それだけの理由で。 「……○○?」 小さな身体を抱きしめてやると、魔理沙が顔を上げた。 「言っておくが、俺は霊夢に負けないくらいグータラしてるぞ」 「!」 驚くほどに似合わない、涙で腫らした顔。 俺はその顔に笑いながら答えてやる。 「それに、ここに居続けるって事は、稼ぎがなくなるって事だ」 「わ、私はこれでも生活力、あるんだ」 「そうだったな、盗みが大好きな魔法使いさんだもんな」 「か、借りてるだけだぜ……死ぬまでな」 真っ赤な顔に、笑みがこぼれる。 不覚にも、いつもより可愛いと思ってしまった。 「さて、いつもの調子に戻った所で離してくれないか? これじゃ動けない」 「……帰るって言わないか?」 心配そうな顔で、掴んでいた服に力を込める。 自分でさっき言ったくせに、と思いながら答えてやる。 「何言ってるんだよ――もう帰ってるだろ?」 「!!」 その言葉をすぐに理解した魔理沙が、嬉しそうな顔を見せたかと思うと思いっきりくっついてきた。 離れて欲しかったのに、逆効果だった。 「で、魔理沙さん」 「なんだよ」 「同じベッドに男女二人密着ってまずくないすかね」 「私の磨り減った心が治るまでは我慢してくれ」 「完治の予定はいつ頃ですか?」 「私の心は消耗品なんだぜ」 「治んねぇじゃん……」 「…………」 「…………」 「……なぁ、○○」 「ん?」 「私な、欲しい物は手に入れないと気が済まないんだ」 「あぁ、知ってる」 「誰の物でもないなら私の物にする。人の物なら借りなきゃ気が済まない」 「盗まない分、合理的だな」 「だから、借りてくぜ」 「何をだよ」 「○○を」 「別に良いけど、死ぬまで返してくれないんだろ?」 「こればっかりは、死んだって返せない」 「それは世に言う"盗み"って奴だぞ」 「じゃあ、盗んだぜ。だから――」 「○○は私の物だ。他の女にデレっとしたらマスタースパークだからな」 俺はとんでもない彼女を持ってしまったのかもしれない。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 新ろだ410 「またきたぜ!」 乱暴という言葉すら幼稚に聞こえる勢いで、今日も我が家の扉は―― 「あのね……君もうら若き乙女なら、ノックして入ってくるくらいはしようね?」 「お邪魔するぜ!」 ――吹き飛んだ。それも粉々に。 紅魔館からさほど離れていない、山中に設けられた小さな家。 私の半生の思い出を詰め込……いや、四半生だったか? 詳しくは自分でも忘れてしまったが、とりあえず築数百年のオンボロであることは間違いない。 「だからといって、ぽんぽん壊されるのは困りものなんだけどね……」 溜め息片手間に使い魔を呼び出し、今日も今日とて粉々になった扉を簡単に補修させる。 最近、ドアの修理ばかりさせている気がする。嗚呼、わかったからそんなに恨めしそうな目をするな。 奥の書斎をきらきらとした目で眺めて回っている少女に視線を移す。 ここ最近――とは言えど数ヶ月前からだが――私の家に定期的にやってきては、 仕様もない蔵書を読み漁っては帰る、という行為を繰り返している。 初対面はそれこそ最悪に等しかったが、今では半ば放置という状態に落ち着いている。 ここに私の家があると情報を漏らした麓の洋館には、いずれ修理費でも請求せねばなるまい。 「そう何冊も一度に出すんじゃない。 どうせそんなに読みきれないんだから」 埃に塗れた本を好奇心の赴くままに引き出す彼女は、 見るも無残に埃塗れとなっている。 それでも手を止めないあたりの知的好奇心には感嘆の想いだが、 見た目を気にしないのは女性としてどうなのだろうか。 キッチンに置いてあったタオルを僅かに湿らせ、彼女の元へと歩む。 「ほら、こっち向いて」 「ん」 せめて顔だけでもと思い、湿っている部分で彼女の顔を拭く。 やや薄黒くなっていた顔が多少はマシになった。 「はい、終わり。君も女の子なんだから、 もうちょっと淑やかさというものを身に着けた方がいいよ、魔理沙」 「う……気をつけるぜ」 頬を僅かに赤らめる彼女にそのままタオルを渡し、足をキッチンへと向ける。 タオル……明日には雑巾に成り果てているだろうか。 哀れな彼(?)の運命を儚みつつお茶の用意を終えると、 彼女の本選びも終わったようで、キッチンに併設したテーブルに腰掛けていた。 「いつもので良かった?」 「……ありがと」 礼を言うのもそこそこに、本を黙々と読み進める魔理沙。 そんな彼女を眺めつつ、真向かいに座り、お茶を飲む。 嵐のような挨拶の後は、こうして彼女の傍に座り、 時々発せられる質問に答える事が最早日課となりつつある。 見た目や扱う術式とは裏腹に彼女の魔法に対する造詣はとても深く、 私にとっても暇つぶしにはもってこいの相手だった。 「なあ○○、ここなんだけど――」 「そこの術式はね、こう――」 「そうか!それじゃあここの式に星の術式を組み合わせて――」 「うん、それもいいけど、こっちも――」 「――○、○○ってば!」 ゆさゆさ、と揺さぶられる感触と、どこか悲痛にも思える呼びかけで目を覚ます。 「ん……あれ、寝ちゃってたか」 静かに意識を覚醒させ、周囲に目をやる。 安堵したような表情の少女が視界に映った。 いつのまにか横に来ていた魔理沙が、私を揺すって起こそうとしていただけのことだった。 質問を待つうちに微睡んでいたらしい。 僅かに頬に垂れていた涎を袖で拭い去る。 ふと窓を見ると、既に日は落ち、真っ暗になっていた。 「もう夜か……」 「揺すっても全然起きないから、ちょっと心配したんだぜ」 憤慨だ、と言わんばかりに両手を腰に手を当てアピールされる。 「はは、ごめんごめん……最近どうにも眠くてね」 近頃午睡の時間が増えたものだ、と自覚はしていたが、 まさか人の気配を感じていながら転寝するとは思ってもみなかった。 頬を掻きながら横を見やる。 先ほどまでの雰囲気とは打って変わって、彼女は伏し目がちに俯いていた。 「……魔理沙?」 いつも元気な彼女にしては珍しい表情に戸惑いを覚え、自然と手を伸ばす。 僅かに頬に指が触れ、びく、と彼女が震えた。 それでも抵抗する様子はなく、緩やかにウェーブを描く髪を梳く。 日頃粗雑に扱われている割にはとても通りがよく、心地のよい感触が指に返る。 しばらく髪の感触を楽しんでいると、不意に魔理沙が口を開いた。 「なあ、○○」 「うん?」 制止の声かと思い手を離そうとすると、不意に強く掴まれた。 そのまま私の手は彼女の胸の前に引き寄せられ、握り締められた。まるで縋るように。 「○○は、どこにも行かないよな? 明日も、明後日も、ずっといてくれるよな?」 いきなり何を、と笑おうと思ったが、彼女の視線がそうはさせてくれない。 今にも泣き出しそうな人の前で冗談が言える程、私は会話に熟達していない。 空いているもう片方の手で、魔理沙の頭を優しく撫でる。 「この家に、かれこれ何百年いると思ってるのかな。 他に行く当ても無い以上はここにいるだろうさ」 「……本当か?」 無難に答えたつもりだが、まだ納得の行かないような視線。 「それに、君という得難い話相手もいることだしね」 偽りのない言葉を口にする。 毎回毎回ドアを吹き飛ばされるのは勘弁願いたいが、 彼女との何気ないやり取りは、私にとってはとても楽しいものなのだから。 彼女を抱き寄せ、あやすようにぽん、ぽんと背中を叩く。 最初は身動ぎをしていたが、何度か繰り返しているうちに静かな寝息が聞こえ始めた。 立ち上がろうと思ったのだが、右腕はしっかりと彼女に抱きしめられたまま解けそうもない。 「仕様のない子だ……よっと」 片腕の力のみで抱き上げ、膝の上へと移動させる。 久方ぶりの人の温もりを満喫しつつ、静かに眠りへと落ちていった。 新ろだ531 暖かい日差し 透き通る空 爽やかな風 大きな緑の海原 里を、神社を、山々を、湖を、館を一望できる高台 一部のものしか知らない秘密の場所 そこには一組の男女 「いい天気だなぁ。魔理沙」 「ほんとだな。○○」 二人は背中合わせに座り空を眺める 周りに人はいない 二人だけの空間 冷やかす人間も、襲おうとする妖怪もいない 平和な時間と場所 二人は自然と手をつなぎ、握り合う 優しく、強く、互いの存在を確かめ会うように 「な、なぁ。ま、○○?」 「んー、何?魔理沙」 顔を紅くし恥じらう魔理沙 普段の口調と違う まさに乙女そのもの ゆったりする○○ マイペースかつ天然 そして彼女を好いている 「○○は、れ、霊夢たちがしてるみたいに、その、あの、キキキ,キスとかはしないのか?」 「んー?…んー」 霊夢は相方できて以来、人目もかまわずイチャついている。色ボケ巫女め! そのためよく文屋にネタにされる。本人は気にしていないらしいが 周りはある意味大迷惑である。場所を考えろ!(独り身、談 「んー、してもいいけどこっちの方が俺は好きかな?」 「どうして?」 「んんー…暖かいから」 ○○はキスやそこまでよ!的な行為はあまりしようとしない 代わりによく、魔理沙とこうしてくっついていることが多い 「え?」 「キスなんかよりも直接、魔理沙を温かみを感じることができるからね。 だからこうしてくっついている方が好きだなぁ。それに長い間一緒にいられるしね」 「…うん」 より強く手を握りしめる ゆったりとした甘く甘くない時間 二つの人影 空には大きな雲と鳥、そして暖かな太陽 二人は手を握り締めあったまま、眠りにつく 暖かさが眠りを誘う 「んんー、好きだよー魔理沙ぁ…んん」 寝ぼけているのか寝言を言う○○ 「私もだぜ。○○。大好きなんだぜ」 寝ているのか起きているのかはわからないけどそれに答える魔理沙 その後上空より捉えられた写真により、魔理沙と○○の背中合わせの姿は幻想郷中に出回ったとの事 ちなみにその後、焼き鳥ができたとかできてないとか --- 糖分控えめ。ていうかイチャ? 新ろだ548 じっとりと汗ばむような陽気のある日、俺と魔理沙は博麗神社に向かって飛んでいた 「霊夢ー! 遊びに来たぜ!」 神社の裏手に着地するなり縁側に座る霊夢に声を張り上げる 霊夢がこちらを一瞥して口を開きかけた瞬間 「あーっ!だぜだー!」 「だぜだー!」 神社の横手から霊夢の子供達が走り出てきた。勢いそのまま魔理沙に飛び付こうとする姉妹。 「だぜだー!」 便乗して俺も飛び掛かってみた。 バシッ。 最後の瞬間に見えたのは、目の前に迫る箒だった。 「前にも言っただろ。私の名前は魔理沙だぜ」 「だぜだー!」 「だぜだ!」 キャッキャと絡み付く姉妹と魔理沙。 「なぜだ……」 その足下に蹲る俺。長く一緒にいる俺には分かる。魔力こそ込めていなかったが、今の一撃は本気だった! 「なぜだって……お前に抱き付かれても暑苦しいだけだし」 止めまで刺された。 「うわーんれいむぅぅ!魔理沙に嫌われたぁぁ!」 傷心の俺は霊夢に泣き付く。 「はいはい可哀相に」 ぞんざいに言った霊夢はすっと立ち上がると、未だ魔理沙にじゃれついている娘たちに境内の掃除に戻るように 命じ 「それで、あんたたちは何しに来たのよ?」 と半目で尋ねた。 「新茶とお茶受けをたかりに来ただけだぜ」 平然と答える魔理沙。霊夢のジト目を気にした風もない。 出涸ししかないわよといいつつも奥にお茶の用意をしに引っ込む霊夢。いつものことと諦めているのかもしれな い。 遠慮なく縁側から上がり込んだ俺と魔理沙は、いつものように柱を背に座る。 「……たった今本気で叩いておいて仲が良いわね」 お盆を手に戻ってきた霊夢が呆れたような顔で冷たい視線を送ってきた。 「これくらい普通だよな?」 「ああ。別に普通だぜ」 膝の上に座る魔理沙と頷き合う。軽くもたれかかってくる魔理沙の重さが心地良い。 「魔法使い用の結界でも張ろうかしら」 霊夢が辟易したような表情でズズッと緑茶をすする。 今日もおおむね平和だった。 Star Prism -星鏡-(新ろだ605) 今日は文月の七日、世間一般で言う七夕だ。 ……まだ昼だけど。 まぁ、それとはまったく関係なくて悪いんだけど。 魔法の森の霧雨邸はいつも通りの雰囲気で、相変わらずの散らかり様だ。 今、僕は霧雨邸で、魔理沙のスペカをのんびり眺めていた。 自分の能力をしっかり発揮させる手がかりにならないかと思ったのだ。 魔理沙のカードをトランプの様に扇状に開いてみる。 恋符「マスタースパーク」 恋風「スターライトタイフーン」 彗星「ブレイジングスター」 星符「メテオニックシャワー」 魔空「アステロイドベルト」 魔符「スターダストレヴァリエ」 魔符「イリュージョンスター」 魔符「ミルキーウェイ」 んー……。 「ねえ、魔理沙」 僕は前から疑問に思っていた事を魔理沙に訊いてみる事にした。 「んあ? 何だよ」 キノコの選別をしている魔理沙は、こちらを振り返らずに無愛想に言った。 「何で魔理沙のスペカって大体が星をモチーフにしたものなの? 通常弾も星の形してるの多いし、マスパとかなんてまるでビッグバンだし」 魔理沙の手が止まった。 「あー……。 ……なんとなくだ」 ……しばらくの沈黙。 「……魔理沙にしては下手な嘘だね」 沈黙に耐えかねて、僕は率直な感想を言った。 「悪かったな。 お前が急に変な事言うから、咄嗟に良い嘘が浮かばなかったんだよ」 こちらに向き直りながら。 最初から嘘は付くつもりだったのか。 眉間に皺を寄せて、不機嫌そうにむくれた顔で魔理沙はそう言った。 魔理沙のむくれた顔って意外と可愛いんだな……。 「別にわざわざそこで嘘つかなくても。 第一、そこまで変な事?」 「ああ、変だ。 私にとってはだけどな」 腕を組んでどっかりと床に胡坐をかく魔理沙。 表情を見るとまだ気分は良くないらしい。 ついでに今のも嘘っぽい、ていうか嘘。 「……」 僕は魔理沙が何かを話すまで黙っている事にした。 今、僕と魔理沙は1メートルほどの距離で向かい合って胡坐をかいている。 魔理沙は腕を組んで俯き、何かを考えているようだ。 「まあ、今はお宝探し(トレジャーハント)の相棒になってくれてる事だし。 お前になら話してもいいか、口も堅いしな」 一応信用されてる様で安心した。 ……でも、こうなるとちょっと意地悪したくなったりする。 「魔理沙が言い触らして欲しいなら言い触らすけど?」 ニカニカと歯を見せて笑いながら言ってみた。 「やりたきゃやってみな。 でも、言った瞬間黒焦げだぜ?」 僕と同じニカニカした笑いで笑う魔理沙。 うん。やっぱり魔理沙に暗い雰囲気は似合わないな。 この笑顔が僕は好きだ。 「調子、戻った?」 一目瞭然だけど、一応聞いてみる。 「ああ。全力全壊だぜ? 今なら紅魔館の門番を100回単位でぶっ飛ば――」 「それはやめてお願い。 最近はなぜか僕の方に苦情が来るようになったから」 物騒な事を言い出す魔理沙の科白を遮って言った。 苦情は紅魔館から。 居候している永遠亭の方にわざわざ伝書コウモリまで使って。 【これからはあなたが魔理沙を何とかして頂戴。 破壊の事後処理や館の修繕費がやたら嵩む上に、 お嬢様とパチュリー様の機嫌も悪くなる一方よ。 それに美鈴の命だって無限じゃないわ。 あなたに依頼する方が安く済みそうだしね。 あと、たまにはウチに遊びに来なさい。 大歓迎するわよ。 ……と、お嬢様が言ってたわ。 咲夜お姉ちゃんより】 ……新しい仕事が増えた瞬間だった。 その上連日連夜仕事で一杯一杯の(一応)人間に夜遊びしろってか? まぁ、休みが取れたら行ってみるか……。 ……じゃなくて。 「……で、魔理沙のスペカだけど。 何でまた星属性系のスペカばかりなの?」 やっと本題に戻せた。 「……まぁ、あれだ。 私の魔砲って花火みたいだろ?」 「確かにそれっぽいけど……」 「英語じゃ花火は『スターマイン』って言うじゃないか。 だから星なんだよ」 ……。 「う……。 何だよ、嘘はついてないぜ?」 ジットリとした目で見つめる僕に魔理沙は怯んだのか、ボロを出した。 <嘘「は」ついてないぜ?> ……つまり、嘘はついてないけど、まだ肝心な部分は隠してるって事だね。 「おーい、○○ー。 勘弁してくれよー……乙女には秘密ってものがあるんだぞー」 「……それなら、だぜ口調を直したら?」 「うふふ時代に戻れってか? 今更それは、流石に恥ずかしいぜ?」 ……さて。 魔理沙の家に来てずっと思っていた違和感。 大体、大のお祭り好きでれっきとした日本人を自称する魔理沙なのに、 今日これをやらないのはおかしいだろう。 「それで。 なんで魔理沙の家には、 『 短 冊 を つ る す 笹 』 がないの? 洋贔屓のアリスの家や紅魔館でさえ、『一応、郷に入れば郷に従えって言うじゃない?(byアリス&レミリア)』とちゃんと笹があったのに」 「……ぐ」 ……ようやく核心部分を突けたっぽい。 スペカにはミルキーウェイ、つまり天の川があるのに、笹が魔理沙の家にない。 去年もそうだった。 博麗神社での宴会でも、魔理沙の短冊だけはいつもなかった。 その時は。 <願いってのは自分で掴み取るもんだぜ?> ……と言われて納得してしまったけど。 今思えば違和感バリバリだ。 レミリアさんとかならまだわかるけど。 「……ちっ。 お前の洞察力にゃ適わないな。 わかったよ。本当の理由を教えてやる。 ……誰にも言うんじゃねーぞ? もし言ったらドラゴンメテオ百発だ」 蓬莱人でもなければ消し炭になります。 「言わないよ。 顧客情報の守秘義務はちゃんとしてるつもりなんだから」 「なんだ、私もまだ客扱いなのか? そいつは流石に神経の太さに自信のある私でも傷つくぜ?」 「そういうつもりじゃ」 さっきちょっと苛めた仕返しかな。 ……あはは。 「それはまあ、今はいいや。 一度しか言わないから良く聞いとけよ」 「うん」 「7月7日はな、私の誕生日なんだよ」 「……」 「……」 沈黙がその場を支配した。 耐えきれず僕は言葉を発してしまった。 「……それで?」 「それだけ」 ……は? ああ、いや。 色々と辻褄は合うんだけど。 肝心の部分が無いぞ。 「いや、誕生日なら尚更はしゃぐもんじゃないの?」 「……ああ、そうか。 お前にゃ、私の身の上をちゃんと話してなかったな」 「阿求ちゃんの幻想郷縁起である程度は知ってるけど」 「それには書いてない話だ。 香霖と霊夢とアリス、あと多分紫くらいしか知らないと思うぜ」 ……ふむ。 「……魔理沙が良いなら教えて欲しい、けど」 流石に無遠慮に立ち入り過ぎたと思った僕は、今更だが少し遠慮がちに言った。 でも魔理沙は「気にすんな」とでも言う感じで、いつものニカッっとした笑顔を見せて。 「よっし。 私の過去を知る貴重な一人に選ばれたんだ、光栄に思いな! ……だぜ☆」 冗談めかして。 そして魔理沙の過去話が始まった。 「私の母さんはさ、人間の魔法使いだったんだ。 魔法の事故で若くして死んじまったけどな。 ……でも、母さんが死んだ後。 親父は母さんの遺品をいきなり全部処分するって言い出したんだ。 だから、私は……母さんの遺品を全部持って家出した」 「……私も母さんと一緒で魔法使いを目指してたから」 ……そうだったのか。 「今となっては、親父がなぜそうしたかはわかってるんだけどな。 魔法の道具(マジックアイテム)で母さんを亡くした。 だから同じ理由で私まで失いたくなかったんだと思う」 「独学での魔法の研究は最初のうちは全然ダメだった。 それを見かねた香霖は、 『独りで研究するのは大変だろう。 僕は魔法の知識はないから手伝えないが、 道具なら用意できる。 魔理沙、これを持って行くといいよ』 って、作ったミニ八卦炉を私にくれたんだ。 それで、ここの森のキノコから魔力の素が採れるから、ここを根城にして。 今では幻想郷一の魔砲使いってわけだ」 ……これで終わりか? いや……まだ、だ。 魔理沙は本当の本心を言っていない。 僕は魔理沙の金色の目をじっと見た。 「……な、なんだよ」 「魔理沙。 ……僕は誕生日と七夕を祝わない理由を聞きたいんだよ?」 「……」 俯いて黙ってしまう魔理沙。 仕方ない……気は進まないが、突っ込むか。 「……離れてしまった両親。スペルカードの名前。 七夕が誕生日なのに両方祝わない……この3つが示すこ――」 「――○○」 魔理沙の目が僕の目を射抜いた。 明らかに怒っている。 「……ごめん、他人の内側に深く立ち入り過ぎた……本当にごめん」 「……『他人』じゃねーよ」 「……は?」 思わず呆けた顔をしてしまう僕。 「私はお前の『相棒』だろ?」 「……そうだったね、ごめん」 「まったく……それと、いちいち謝んな。 なんかまるで私が悪い事してる気分になるじゃないか」 苦笑いする魔理沙。 やっと笑ってくれた……ちょっと安心した。 「ホント、『恋人』じゃないのが残念だよなー。 私も純真な乙女だしなー。 恋色魔砲使いを自称してるんだし、恋もしたいなー。 でも好きな奴にはもう恋人いるしなー」 うわ、うぜっ! ……いや、まぁ、気持ちはわかります、すみません。 とか思ってたら魔理沙の顔がずいっと至近距離にきた。 息がかかる距離。 「んじゃ、特別にお前にだけ、さっきの答えを教えてやるぜ」 「対価は?」 「秘密だぜ?」 うわー、嫌な予感しかしない。 「私が誕生日と七夕を祝わないのは……」 「祭りに浮かれて、自分を生んでくれた親父とお袋を忘れない為」 「祭りに浮かれて、自分を生んでくれた親父とお袋を忘れない為」 同音異口で僕と魔理沙はさっきの答えを出した。 「……大正解だぜ」 「そりゃどーも」 「つーわけで、対価とご褒美タイムッ!」 ちゅーっ! 深く唇を重ねて中身を吸い取る様な強い魔理沙のキス。 なんとなく恋色の甘い味がした。 「ふーっ、スッキリしたぜ」 「……何かを吸い取られた気分。主に生命力系」 彼女持ちの男にこう言う事できるなんて、魔理沙の度胸は凄いな……これだけは本気で感心できる。 やり方とかはともかくね。 ……とりあえず、彼女になんて言い訳しよう。 「よっしゃ。 今夜はお前んちが宴会会場だ、毎回神社じゃ飽きるしな。 ああ、私が勝手に話付けとくから、お前さんはいつも通りでいいぜ?」 「いや、勝手に話を……」 「うんにゃ。 こういうのは勝手に進めちまうに限るってもんだ」 ……はぁ。 でもいつもの魔理沙に戻ったみたいで良かった。 「っと……そうだ、○○」 何かを言い忘れた様に言う魔理沙。 「何?」 「あいつの方が許してくれるなら、私は二股でも別に構わないぜ?」 うぉーい。 ……って言うか、二股でもどういう意味だ。 しかも今のあの子なら簡単に許しそうだし……。 「あのー、魔理沙?」 「開封したものの返品は受け付けないぜ?」 意味のわからない事を言う魔理沙に思わず突っ込んでしまった。 「何を開封したって言うんだよ!」 「私が着ている服。 しかも中身を見ただろ?」 ……げ、実際に見てしまっていたのがバレてた。 ていうか見たくて見たんじゃないんだって何度言えば……無理だ、諦めよう。 「……ていうか、僕は開封してない。 魔理沙が自分で開封してたんでしょうが」 「私は包装中だったんだぜー? さすがにタイミング良すぎるよなー?」 ニカニカとからかう表情の魔理沙。 意味がわからんっ。 ……ぐぐぐ。 「参った、降参だよ……好きな様にしていい。 ただ、何かするなら彼女に先に知らせてよ? それだけは絶対、お願い。 それからならいいよ」 両手を上げて降参のポーズ。 ただ、彼女との大事な約束があるから、それだけは破れない。 「わかってるさ。 あいつの方が許してくれるなら、って言ったろ。 お前らの仲を裂くのは、恋色魔砲使いの本分じゃないぜ。 ただ……さ、できるなら私も受け止めてくれればそれが……嬉しいんだ」 そう言ってにっこりと微笑む魔理沙。 いつもの少年の様な笑顔ではなく、少女らしい可愛らしい笑顔。 普段見られない魔理沙の一面に思わず見惚れてしまった。 「……んんっ、さすがにハズいなこう言うのは」 咳ばらいしながら照れ隠しする魔理沙。 「ははは……まぁ、僕は魔理沙の事もちゃんと好きだよ」 「とりあえず、その言葉で満足するか。 んじゃ、宴会の準備始めっから、そのキノコ仕分けしといてくれよー」 タタタタ……バタン。 ヒュー……ゴゥッ! ……行ったみたいだ。 はぁ、そんじゃ依頼を片付けますかね。 ゴーッ……キキッ。 タタタタ……バタン! 「って大事なもん忘れてた!」 魔理沙が戻ってきた。 大急ぎだったのか、髪がほつれて乱れている。 「どうしたの?」 「む」 いや、そこでむくれられても。 「いや、何を忘れたのかって」 「……」 徐々に魔理沙の怒りの色が濃くなる。 「すんません、ヒントください」 土下座でお願いしました。 「……はぁ、私の秘密を知ったお前ならわかるだろ?」 ああ、そっか。 「誕生日おめでとう、魔理沙」 「よしっ、正解! やっと聞けたぜその科白……10年振りかな、とにかくありがとな!」 ニカッといつもの眩しい笑顔。 言っている事は辛い内容なのだが、それを気にさせない笑顔だ。 「あ、でも後でアイツと一緒にプレゼントくれよ?」 「はいはい。 でも、彼女には話してもいいの?」 「いいよ。 私たちはお前を通して繋がった『仲間』だからな。 じゃ、今度こそ行ってくるぜー」 軽い足取りで外に出てホウキに乗った魔理沙。 こりゃホウキの最高速度記録の更新をするかもしれん。 ま、喜んでるし……いいか。 さて、仕事仕事ー……。 ……って、宴会までに終わる量じゃないぞこれ。 追加料金ふんだくってやる……覚えてろ魔理沙。 END 新ろだ636 7月。梅雨 空を覆う雨雲は幻想郷全土に雨を降らせ、それはここ魔法の森とて例外ではなかった。 3日前から振り始めた雨は弱まるどころかますます強まり、ざあっという雨が屋根を打つ音が絶え間なく響いて いる。 「まったく……いつまで降る気だよこの雨は」 窓際で外を眺めていた魔理沙が悪態をつきながらソファーに倒れ込む。 「あ゛ー暇だー。やる事がないー」 「昨日までやってた実験は終わったのか?」 少し離れた机で本を読んでいた○○は本から顔を上げ、視線を送りつつ尋ねた。 「茸のストックを全部使っちゃった。今度からもっと貯めとかなきゃな」 魔理沙はソファーに顔をうずめたまま○○を見ようともせずに答える。その後も足をばたばたさせて「暇だー」 と駄々をこねる様に繰り返す。 「そんなに暇ならここを教えて欲しいんだけど」 「どこだー? ちょっと見せてみろ」 「ここの所なんだけどさ。イマイチよく分からなくて――」 ○○は本を持って立ち上がると、座り直した魔理沙の横に腰を降ろした。 それからしばらく魔理沙が精霊魔法を説明する。時折○○の質問を挟みつつ、半刻ほどで説明は終わった。 「なるほど。つまりまず使役したい妖精を呼び出してから魔力を与えれば良いんだ……魔理沙?」 反応が無い事を疑問に思って○○が視線を本から隣に座る魔理沙に移す。同時、軽い音と共に肩に重さがかかる 。微かに聞こえてくるのは規則正しい魔理沙の寝息。 「……昨日も遅くまで実験してたからな」 今度から夜更かしをさせないようにしなければなと思う。 ベッドに運ぼうとも思ったが、いつの間にか魔理沙の手が○○の腕に回されていて外す事もできない。 動く事ができないので、金色の髪を梳くようにして撫ぜる。魔理沙の薄く開かれた口から、んっという溜め息が 漏れ、腕に絡められた手にも更に力が込められる。 髪に顔を近付けると、魔理沙の薫りが鼻腔をくすぐる。同じシャンプーを使っているはずなのに魔理沙だけ良い 薫りがするのは謎だな、と○○は心の中で思う。一度調査してみる価値があるな、とも。 髪を梳いていた手で今度は顎のラインを滑るように撫で、そのまま指で唇に触れる。しっとりと湿った唇は軽い 弾力で指を押し返してくる。 不意に魔理沙の両瞼に力が篭り、やがてゆっくりと開かれた。唇を触られたことで起きてしまったようだ。 しばらく眠そうに辺りを見回していたが、○○の姿を捉えると自分が何をしていたか思い出して急速に覚醒し。 「ご、ごめん○○!悪気があったわけじゃないんだ。えっと、精霊魔法についてだけど――」 「いいよ魔理沙。ここしばらくあまり寝ていないんだろ?続きは後でいいからベッドで寝てこいよ」 「ありがとう。でも――もう少しこのままでいい?」 クラッと来た。 上目遣いで、しかも寝起きのぼうっとした目で言われたら断れるはずもない。 返事の代わりにそっと肩を抱き寄せる。抵抗なくしなだれかかってきた魔理沙は間も無く寝息をたて始める。 ふと窓の外を見ると雨足が大分弱まっていた。 明日には梅雨が開けるかもしれない。そう思いながら○○もまどろみに沈んでいった。
https://w.atwiki.jp/th_izime/pages/933.html
魔理沙が目を覚ましたとき、そこは真っ暗な世界だった。 周りを見渡してみても何も見えない、すぐ近くにあるはずの自分の手がどんなに近づけても見えない。 さらに無音。どんなに耳を澄ましても何も聞こえない。 地面を叩いて音を出してみるも、その音は反響せず、一瞬で消えてしまう。 ここはどこなんだろう、と魔理沙は思う。地面は石畳。近くに壁はないし何もない。 魔理沙はとりあえず立ち上がってみた。自分は地面に横たわっていたから。 立って、改めて周囲を見渡してみる。やはり何も見えない、聞こえない。感じない。 不安になって魔理沙は自分の体を撫で回してみた。大丈夫、触覚はある。 あれ? 体を撫で回し、触覚を確認して魔理沙は気付く。 服は? 身に着けていると思ったものに手が触れない。 頭の上から、足の先まで。 順番に手を這わしてみるが、自分の肌にしか触れない。 屈みこみ、周囲を調べてみる。 何もない。 !? ここに来てようやく、魔理沙はこの状態の異常さに気付いた。 身包みはがされて、どことも知れぬ真っ暗な空間に放置されている。 ここはどこだ? 先ほどのような漠然とした疑問ではなく、今度ははっきりと思った。 「おーい!」 声を上げてみる。先ほどと同じように、声は一切の反響をせず一瞬で消えてしまう。 恐怖に駆られ、今度は走り出す。 ぶつからない。広い空間。 それでも、一分くらい走っただろうか。魔理沙はとうとう何かにぶつかる。 石の壁。地面と同じ。 そんなものでも、魔理沙は嬉しかった。ようやく出会えた変化。離すものか、と。 壁に手を沿え歩き出す。迷路脱出の左手の法則。 しばらくの間、壁伝いに歩く。 右、左、左、右、右…。 自分が、最初の壁から見てどの方向に向かっているのかが分からなくなってきた頃、魔理沙はようやく"光"を見つけた。 真っ暗な中にぽつんと光る、虹色の光。 先ほどまで頼りにしていた壁に別れを告げ、魔理沙はその光のほうに走り出す。 だんだん近くなってくる。ぼんやりとした点だった光が徐々に形を作っていく。 そして、その光が何であるかに思い至ったとき、魔理沙は足を止めた。それは、もう目の前だった。 「あ、魔理沙。起きたの?」 こちらを振り返り、屈託なく笑う声。悪魔の妹、フランドール・スカーレット それが、見知っている生き物であり、自分に親しくしてくれるものであるとの認識から魔理沙の心に安堵が広がる。 「フランか、助かったぜ」 「うふふ」 「なぁ、ここはどこなんだ?どうして私はこんなところにいるんだ?」 「ここはね、私の部屋だよ。魔理沙がここにいるのは何でだろうね」 「フランの部屋…、紅魔館の地下室か。でもどうして…」 「思い出せないの?」 くすくす笑いながら逆にフランが尋ねる。 その様子を見て、魔理沙は自分の記憶をまさぐり始める。確か… パチュリーのところに行っていたんだ。 いつものように門番をなぎ倒し、パチュリーの図書館で他愛のない話をしていたんだ。 この前借りた本は面白かっただの夏服を出していたら服の隙間からでっかい蜘蛛が出てきてびっくりしただの…。 そんな話をしていたらフランが来たんだ。いつものように、ニコニコして。 それで、それで、話をした。内容は…なんだったかな、思い出せない。それで、それから… 「思い出した?」 フランが顔を覗き込んでくる。 その声に現実に引きずり戻される。 真っ暗な、地下室。 「ああ、途中まで。フランと会って、話をして。そこまでだ」 「なら全部じゃない。そうよ。私と会って、話をしてたの」 「何を話したんだっけ」 「うふふ、忘れちゃったわ」 嬉しそうに、楽しそうにフランは話す。虹色に光る羽がぴょこぴょこ揺れる。 大切なところを、そう思う箇所をわざとはぐらかそうとするフラン。そんな様子に魔理沙はまた不安を覚え始める。 「なぁ、フラン!」 「待って魔理沙、もうすぐ夜になるわ」 「それが…」 どうした、と言おうとして止まる。分かるのか?時間が。 「そろそろお出かけしなくちゃ。魔理沙、続きは帰ってからね」 牙を覗かせながら言う、そのまま虹色の翼を広げる。 「おいっ!」 「またねー!」 言うが早いや、フランは暗闇の中を飛んでいってしまう。虹色の光がどんどん遠ざかっていく。 「待てよ!」 魔理沙も置いてきぼりは嫌だとばかりに走り出す。箒はない。すっぴん。走るしかない。 全速力で走るが、翼で飛ぶフランにはぜんぜん追いつけない。 一つ目の角を曲がり、二つ目の角を曲がったところで、魔理沙は完全にフランを見失ってしまった。 先ほどまでと同じ、真っ暗な空間の中で自分の荒い呼吸だけが聞こえる。 しばらく息を整え、落ち着いて近くの壁を探す。先ほどまでより簡単に見つけられた。 角を曲がったばかりなのだから当然と言えば当然なのだが、それでも魔理沙は安堵感を感じずに入られなかった。 壁を背に座り込む。これからのことを考える。 フランは帰ってくると言った。なら、今はここでおとなしくしているのが最善か。 寝よう。魔理沙は横になり目を閉じる。こんな真っ暗で無音のところで寝付けるだろうかと思いながら。 魔理沙が起こされたとき真っ先に考えたのはこんな所でも案外眠れるものだなと言うことだった。 体を揺さぶられる感覚で目を覚まし、寝ぼけ眼であたりを見渡す。 まぶしい。暗闇の中にずっといたせいか、少しの光でも異様に明るく感じてしまう。 「魔理沙、魔理沙」 「ん・・・、フランか」 起こしているのはフランドール。羽が放つ虹色の光の中に浮かび上がる姿と声でそれと分かる。 心配するような、呆れているような表情で魔理沙を見下ろしている。 「もう、さっきの場所にいないから探しちゃったよ、なんでふらふらと徘徊するのよ」 「はは・・」 お前を追いかけたんだ、とは言えない雰囲気だった。 そのまま何も言わず口ごもっていると、フランは頬をプーっと膨れさせて抗議してくる。 「あははは、悪い悪い。ちょっとじっとしていられなくってな、少し歩いた」 「無謀だなぁ、普通こんな真っ暗なトコ歩こうなんて思わないよ?」 「そう言うなよ、好奇心だよ。 それよりもフラン」 「なーに?」 さっきの話だけど、と魔理沙は切り出す。色々聞きたいことがある。 なぜ私はこんなところにいるのか、ここから出してはもらえないのか、服はどこにやったのか 「ああ、なるほど。魔理沙にとっては大事なことだよね。私はそんなことどうでもいいんだけど」 「そうだ、私にとっては大事なことだ。いきなりこんな目に合わされるなんてかなり理不尽だぜ」 「じゃあ教えてあげる。これはおしおきだから出す気はないし、ここで服なんて要らないでしょう」 「・・・な?」 あっさりと、フランは一言で答えてしまった。魔理沙はその内容をすぐには理解できず呆けてしまう。 「え、え?なんだって?おしおき?」 「そうだよ。おしおき。まさか魔理沙、おしおきされる理由が分からないなんて言わないよね」 「え…?」 思い当たらないわけではない。今まで散々紅魔館では暴れてきたから。 「分かるみたいだね。じゃあ後は簡単だよ。おしおきなんだから出さないし、こんなところでは服も要らない。 最初は危ないから箒と八卦炉だけ取り上げようっていう話だったけど パチュリーが何仕込んでるか分からないからって身包み剥いだだけだけどね」 わかった?とフランが魔理沙の顔を覗き込みながら聞いてくる。 その表情が、とても妖怪らしく、妖しかったので魔理沙はうんうんと頷いてしまう。 「うん!じゃあもう良いね。この話終わりっ!」 魔理沙の返事に満足したのか、笑顔でフランが立ち上がる。そのまま羽を広げて… 「ちょ、ちょっと待ってくれ!」 「何?まだあるの?」 それを見て、あわてて呼び止める魔理沙。不機嫌そうに振り返るフラン。 「放置するなよ、その…色々どうすればいいんだよ」 「色々って何。もう、急いでるのに」 「あの…なんだ、その…食べ物とか、…下のこととか」 「ええ~?お腹空いてるの~?」 「……ああ、食事はどうしたら良いのかな…」 めんどくさそうな顔で魔理沙を見るフラン。 その様子を見て考えられていなかったのだと悟る魔理沙。 …もしかして、ない? 「妖精メイドはここまで入ってこれないし、魔理沙は外に出しちゃ行けないし、困ったなぁ」 「そうなのか?じゃあ、いつもはどうしていたんだ?」 「いつも?」 「フランはずっとここにいたんだろ?」 それを聞き、ああそうかとフランが納得する。今の魔理沙は今までのフランと同じ状況。 「その手があったね、じゃあそれで良いや」 「は?」 一人で納得したかと思うと、フランはおもむろに自らの光る羽を引っつかんだ。 「よいしょ」 メキリ とうもろこしの収穫のような音を立てて羽が取れる。そしてその大きな羽の結晶を魔理沙に差し出す。 「はい」 「…え?」 「一週間は持つよ、大事に食べてね」 呆然としている魔理沙に無理やり羽を握らせる。 「これでいいよね、じゃあ、そろそろ行くね」 そう言って、振り返ろうともせず羽を広げて飛び去ってしまう。 その場に取り残された魔理沙はそんなフランを呆然と見送る。 これを食べる? 手に握られたフランの羽をまじまじと見つめる魔理沙。 淡く緑色に光るその結晶は見た感じ、巨大な飴玉の様でもある。 ぺろ 「甘い」 勇気を出して舐めてみた羽は、甘くて胡瓜のような味がした。 食べ物の問題は、それで解決した。 フランの羽はものすごく優秀だった。 一週間持つとの言葉どおり、舐めれば減っていくが、入るだけで出ないという素晴らしい特徴を持っていた。 だが、その効果を魔理沙が体感したのは既に入っているものを処分してからの事だった。魔理沙はやってしまった。 フランの羽は、明かりにもなったので、魔理沙は積極的に地下室を歩くことにした。 だが三次元に広がる地下室は、魔理沙の予想を超えて遥かに広大だった。 元いた場所にすら戻れず、もらった羽が尽きかけたとき魔理沙はフランと再開した。 「まだこんなところをうろうろしていたんだね」 そんなことを言って、フランは新しい羽を魔理沙に渡した。 今度は薄い菖蒲色で、舐めると甘く、ほのかになすびの味がした。 それからしばらくそんな毎日が続いた。 魔理沙は、フランの羽を頼りに地下室の探索を続け、およそ一週間ごとにフランと遭遇し、新たな羽をもらう。 羽はもらうたびに色が変わり、それぞれ野菜の味がする。 もいだ羽は、時間が経つとまた生えてくるようであり、魔理沙はもいだ箇所に小さな羽が生えてきているのを度々目撃した。 一週間が一ヶ月になり、三ヶ月になり、やがてわからなくなる。 そんな頃、魔理沙は二度目の胡瓜味を受け取ることになった。 「なあ、フラン」 「なによ」 「これ、前に食べたぜ」 「最初にあげたのと同じだからね」 「なあ」 「なによ」 「私はいつになったら出してもらえるんだ?」 「期限を言ったらおしおきにならないじゃない」 そう言って飛び去っていく。いまだ地下室の全体は分からない。 二順目が始まり、しばらく経った頃、魔理沙はあることに気付く。 フランの羽の中に一度ももいでいないものがある。 その羽は深紅に輝いており、ひときわ大きく、立派であった。 それがとても強い興味を引き、魔理沙はフランに切り出してみる。 「その、紅くて大きい奴が欲しい」 「これは駄目」 「いいじゃないか」 「これは、私の大事なところだから」 あっさりと断られる。 大事なものだというので、魔理沙も引き下がることにした。大事な生命線を怒らせるわけにもいかなかった。 二順目が終わり、三順目が始まる。 この頃になると、いつまでも全容が知れない地下室に魔理沙は苛立ちを覚えるようになっていた。 代わり映えのしない暗闇の中を歩き続ける毎日に変化を求めるようになっていた。 「なぁ、この地下室は一体どこまで広がっているんだ?」 「さあ」 くすくすと相変わらずの笑いを浮かべながらフランが答える。 四順目。 「フランはいつも決まったタイミングで私のところに来るよな、どうやっているんだ?」 「うふふ」 質問をすればはぐらかされ、その質問も底を尽くようになると魔理沙はまたあの深紅の羽が欲しいと思い始めるようになった。 さりげなくあの羽が欲しいと告げ、わざとらしくはぐらかされる。そんなことが頻繁に起こるようになった。 アレが欲しい。 あの、ひときわ大きくて立派な、長くて太いのが。 「駄目だって言ってるでしょ!」 そんなある日、とうとうフランが怒り出した。 「これは魔理沙なんかにあげて良いほど安っぽいものじゃないの。欲しいのならそれなりの見返りを用意して見せなさいよ!」 突然怒鳴られた魔理沙はうろたえながらも引き下がらなかった。 「なぁ、頼むよ。その大きい奴を食べてみたいんだよ」 「しつこい!これはね、私が生まれてきたときからずっと大事にしてきたものなの。あげない!」 「お願いだ!何でもあげるから!!」 「…何でも?」 その言葉を聞いたとき、フランの動きが止まった。 下を向いて、にんまりと笑みを浮かべる。 「本当に、何でもいいの?」 「ああ」 「これ、気に入ったの?欲しいの?」 「ああ」 普通なら、ここでとんでもない取引をしてしまったと感じ、口ごもることだろう。 だが、今の魔理沙にそのような判断能力は残っているとは言い難かった。 髪はぼさぼさに伸び、体も洗わないため薄汚れている。 加えてこの真っ暗で変化のない迷宮に何ヶ月、何十ヶ月という単位で閉じ込められている。 肉体的にも、精神的にももはや正常さを失っていた。 「…じゃあ、いいよ。やさしくしてね」 怪しい笑みを浮かべながらその深紅の羽を魔理沙に向ける。 虹色の羽の中でもひときわ紅く輝くその羽はまるで吹き出したばかりの血の色の様。 「いくぜ…」 「んっ…」 魔理沙の手が触れたとたん、ぴくんとフランが反応する。 「それにしても大きいな、こうやって触ってみると改めて感じるぜ」 「んっはあッ!」 撫でまわすとそれにあわせてフランが身を捩る。神経がつながっているのか 「ま、魔理沙…やるんなら一気に…お願い」 「す、すまない」 たまらずにフランが文句を言う。息が荒く、頬が少しばかり赤く染まっている。 魔理沙もさすがに悪ふざけは無しだと感じたのか、今度は根元のあたりを両手でしっかりと掴む。 「ひあっ!!」 「くっ、暴れるんじゃない!フラン!」 たまらず暴れだそうとするフランを地面に押さえつけ固定する。 「よし、押えた。じゃあ、そろそろほんとに行くぜ!」 魔理沙が力を込め始める。途端にミシィと音がし、フランが苦悶の表情を浮かべる。 「痛い!いたいいたい!」 目尻に涙を浮かべながら叫ぶフラン。それを見て魔理沙は押さえていた方の手を外し、フランの口にあてがう。 「痛いのは分かってる、でももうちょっと我慢してくれ!あと少しなんだっ!」 ミリミリ、メキメキと音を立てて、根本の形が変わっていく。限界まで行ったかと思った瞬間だった、 ブチィ!! 「~~~!!!!!!!!!」 音を立てて羽が取れた。付け根からは血が滴っている。 「と、取れたぜ。痛かったか?」 「・・・・・はぁっ、はあっ。っく、あ…、すごい、こんなに血が…」 「頑張ったな、ありがとう」 息も絶え絶えにあえぐフランを労う魔理沙、だがその視線はフランの羽から既に外れなくなっている。 「すごい…、大きい」 今までのものよりも遥かに大きい。魔理沙はその最大級の獲物をなでさすりながらうっとりとする。 一方でフランはそんな魔理沙を見てにやりと笑う。が、思いの外傷口が痛いのかすぐに顔をしかめる。 「どう、魔理沙。私がずっと大事にしてきたもの、大きいでしょう」 「ああ、すごく大きい。それにすごく硬いし長い」 会話をしていても、魔理沙はフランの方を見ようともしない。 フランも気にしていないのかそのまま会話を続ける。 「あーあ、最後の一本だったのに。霊夢にあげたかったんだけどなあ」 「それは済まないことをしたな。 …でも、何でこれだけあんなに痛がっていたんだ?」 「ん?ああ、それはね、初めてだから。二回目からは痛くないんだけどね」 「…そうなのか」 本当に、大事な物だったんだな。と魔理沙は思った。それなりの物をあげなくちゃいけないな、とも。 「なあ、これ食べてみてもいいか」 「いいも何も、もいだ時点でそれは魔理沙の物だよ。どうぞ食べて。私も勝手に貰うから」 勝手に貰う、そう言ったとき、フランの口が吊り上がる。笑みがこぼれる。 しかし、魔理沙は目の前の羽に夢中であり、そのことには気づかない。 ぺろ 魔理沙が、それを舐めた途端、凄まじく甘美な果実の味が魔理沙を支配した。 快楽。すべての感覚を上書きしてしまうようなその刺激に魔理沙は完全に身をゆだね、そしてそのままゆっくりと倒れる。 暗闇の中に、フランの笑みだけが怪しく残る。 * 「霊夢ー!」 博麗神社にいつものように明るい声が響き渡る。 その声に霊夢が振り向くと、途端にその胸に飛び込んでくる小さな体がある。 「フランじゃない、また来たの?」 「えへへー、いいじゃない」 最近フランは一人で行動することが多くなった。 日光にも耐性を着けたのか、日中でもこうして平気に一人でやってくる。 「そろそろ休憩でしょ、お茶入れてくるねー」 「あっ、こら待ちなさい!」 フランは毎日のように神社を訪れる。 突然空から降ってきてはこうしてお茶を楽しみ、他愛のない話をして帰って行く。 「けど、何か違和感があるのよね」 境内に取り残された霊夢が独りごちる。腑に落ちないといった顔。 「そうかしら」 「うひゃぁ!」 そんな霊夢の後ろから突然沸く影。境界の魔物、八雲紫 「あんたどこから沸いてくるのよ!」 「まあまあ」 霊夢の脇をスッと通りすぎると紫は社務所の中に向かって声を張り上げる。 「フランちゃーん、お茶もう一杯追加ねー」 「どさくさに紛れて何を言うか」 霊夢が不満そうに文句を言う。そんな霊夢を見て紫が微笑む。 「霊夢、フランの何処に違和感があるのかしら」 「えっ?」 真剣な顔で聞かれ、少しとまどう。指を口にやり、少し考えてから口を開く。 「羽と目」 「へえ」 霊夢の返事に満足そうにする紫。 「具体的には?」 「前は、違う色、形だったような…」 さすがに優秀ね、と呟く紫。しかしそのつぶやきは風にかき消されて霊夢まで届かない。 「それと、あともう一つ」 霊夢が苦しそうな顔で思案する。もう一つ引っかかる何か。最近変わった物がもう一つあるような。 「気にすることはないわ」 「紫?」 「あの子はそもそもあんな姿なのよ。あるべき姿に戻っただけよ」 「そう…なの?」 「ええ、何も問題はないわ」 にっこりと微笑んで、縁側に腰を下ろす紫。 それと時を同じくしてお茶を三杯お盆に載せてフランが出てくる。 「むぅ、八雲紫。また邪魔をしに来たのね」 お茶を出しながらふくれっ面をする。その背でコウモリの羽がぴょこぴょこ揺れる。 「あらあら、妬かれちゃってるのかしら。ならお邪魔虫はお茶をいただいたらさっさと退散することにしましょう」 「いや、別に良いんだけどね、いても」 「霊夢ーぅ!?」 あっさり迎合する霊夢にフランが抗議の声を上げる。 フランの蒼い瞳に霊夢の困ったような姿が映る。 博霊霊夢、空を飛ぶ程度の能力。博麗神社の巫女 八雲紫、あらゆる境界を操る程度の能力。スキマ妖怪 フランドール・スカーレット、ありとあらゆる魔法を使用する程度の能力。悪魔の妹 三者三様の笑い声が境内に響く。 今日も平和な一日。 * ――紅魔館 悪魔が住むと言われるこの館には、何重もの封印と扉に守られた地下室がある。 その地下室に面した最も大きい扉には更に幾重にも渡って厳重な封印が施してあり、中に入ることは叶わない。 が、その扉の、唯一空いた鍵穴からこちら側をのぞき込むものがある。 真紅に染まった瞳。 それは、しばらくの間扉のこちら側のやはり真っ暗な光景に目を這わせた後、諦めたかのように遠ざかってゆく。 扉の向こう側で、離れていく一人の少女。 髪はウエーブのかかった金髪であり、その背には虹色に光る結晶のような羽を持つ。 彼女の名前は霧雨魔理沙、ものを破壊する程度の能力を持った狂気の魔法使い。 何か元ネタがありそうだが・・・・・・ -- 名無しさん (2009-04-03 02 05 40) フランの初めては魔理沙だったのか・・・ とりあえずおっきした -- 名無しさん (2009-04-04 23 32 27) なんか途中からけしからんぞ! …と思ったけど別にそんなことなかった! -- 名無しさん (2009-04-05 14 26 17) 98のアリスかな? -- 名無しさん (2009-08-24 05 32 28) ヴァルキリープロファイルにもあったな あれは鬼を殺した奴が次の鬼になるって話だったけど -- 名無しさん (2009-08-24 21 36 59) フランちゃんが元気でなにより ...それよりおぜう様がどこ行ったか誰か知らない? -- 名無しさん (2009-08-25 00 16 51) ナンテコッタイ! 魔理沙は禁断の果実を食べたというわけだね。納得だ -- J (2009-10-24 16 19 45) 次は………お前だー! -- 名無しさん (2009-12-30 00 21 28) ギャー!! -- 名無しさん (2010-01-06 08 56 26) 素材は十分。後は脳内変換で・・・ ふぅ・・・ -- 名無しさん (2010-01-06 21 04 10) ちょっと食べてみたい -- 名無しさん (2010-01-12 10 39 53) 最後の紹介で「悪魔の妹」とあるから、とりあえずおぜうは無事なんだな。 フランの羽の効果は、因果律の交換? -- 名無しさん (2010-02-25 10 25 10) あるべき姿、か レミと同じコウモリ羽はそういうことか -- 名無しさん (2010-05-16 14 44 58) 俺もフランの羽舐めたい -- 名無しさん (2010-05-27 20 50 36) フランちゃん可愛いすぎる… -- 名無しさん (2010-07-06 09 46 09) なんか……エロいw -- 名無しさん (2010-07-06 21 51 58) 緑が胡瓜味なら赤はトマト味? -- 名無しさん (2010-07-06 23 32 09) いや血だな -- 名無しさん (2010-10-04 23 03 30) 甘美な果実らしいからリンゴじゃね? 禁断の果実とされているし -- 名無しさん (2010-10-08 21 09 42) 赤いやつはアプリコットじゃない? -- 名無し (2012-05-30 19 07 17) 良かったな -- 名無しさん (2012-09-23 19 09 44) 何か良い話だ フランの羽って食べられたのかー -- 名無しさん (2014-07-13 21 59 25) ゎだちをひきちぎろ -- 赤屍奇 (2014-08-16 11 56 04) 凄い勢いでコメントが更新されていると思ったら痛い厨房だったw -- 名無しさん (2014-08-16 19 48 08) フランの羽って美味しかったんだwww -- サクラクローバー (2014-10-15 15 38 35) 絶対手がベタベタするって… -- フランドール大好き (2015-10-09 17 38 23) 羽に限らず全身を舐めたいのぉ… おや? お姉様? 俺が怪しいって? そんなバカな… -- キング クズ (2016-06-21 03 40 21) なんか良いな おぜう様いないなぁ、フラン以外の紅魔館組出て来て欲しい これの番外編欲しいw -- 期待してました (2017-05-20 18 21 35) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/th_izime/pages/1210.html
「どうして、どうして死んでしまったのよ……」 魔理沙の霊前で泣き崩れる霊夢。その姿は、彼女と親しいつもりだった妖怪たちには とうてい想像できないものだった。 「ううっヒック、魔理沙、魔理沙ぁ…」 「霊夢、今日はこのぐらいに…」 「あぁん? この、私に飲ませる酒は無いってかぁ~!?」 宥める萃香の髪をひん掴み、荒れ果てた参堂に放り投げる霊夢。 「あ、ああ、ごめんなさ」 「もうこんな人生、シラフでやってけるかぁーー!!」 ひっと怯えて体を丸める萃香の背にストンピング、腹にサッカーキック、折れた角を 掴んで顔面パンチパンチetc… 博麗の巫女という特別な立場にある霊夢、彼女の周りには数多くの妖怪たちが集まっていたが、 彼女の心は孤独に満たされていた。 そんな中、博麗の巫女とか霊力とかそのような事柄にとらわれず、生身の彼女に向き合って 接してくれている魔理沙の存在は霊夢にとってかけがえの無い存在だった。 「私は、たった一人の、友達を、失ったのよ!! あんたに何が分かる!」 「やめ、許して、グェハァ!!」 ”たった一人の友達”。当初はその言葉にいたく傷ついた萃香だったが、今はただじっと耐え 許しを請うのみである。 博麗霊夢の心は、今や完全に壊れてしまっていた。 萃香も当初は霊夢が魔理沙のことを吹っ切れるのを待ち、慰めていた。が、やがて霊夢の嘆きが、 周囲への暴力へと形を変えるのを体感してからはそれを諦めた。 萃香が次にとった行動は、神社から逃げ出すことだった。しかしセーブを失った博麗の力は すさまじく、逃がれることなど到底かなう話ではなかった。 普通に逃げれば普通に捕まり、妖怪の山でかくまってもらおうとしたら普通に突き出される。 天界の住人も、博麗の巫女をいたづらに刺激するより彼女を生贄にすることを選んだ。 たまらず地底へ戻ったが、霊夢が旧友たちの躯で魔理沙の供養塔を建立しようとしたのを目に して以降、逃げるのを諦め暴力をずっと耐え忍ぶことを甘受した。するしかなかった。 ある日のマヨヒガ。 八雲紫はかつての式の式の布団にうずくまり、今日の惨状を嘆いていた。 「どうして、どうして…。私、何もやってない、何もやってないのに」 埃の溜まったふすまの向こうでは、ボロボロになった大量の紙がうず高く積もっていた。 全て紫が霊夢をいさめようとして送った式の成れの果てである。 ガラリと、戸が開けられる音がした。その布団越しのかすかな音に紫はビクリと反応し、 やがてガタガタと震え始める。 彼女も博麗の巫女の八つ当たりから逃げきることは出来なかった。親友の死に悲しむ霊夢の様子を 斜め見し、次第に呆れ、やがて追討のための式を送り出すがことごとく破れ、あげく自身を補足され その怒りを一身に受けた。肋骨や奥歯が折れたどころでは無い。 「………………」 悲鳴を押し殺し、じっと息を潜める。 ふすまの向こうから、くしゃりと何かを踏む音が聞こえる。そしてふすまも開け放たれて―――― 「紫、出て来いよ」 「………萃香?」 紫は予想外の声に安堵し、思わず布団をはだけてしまう。そして、萃香のその濁った目を見て、 その過ちに気がついた。 「霊夢がさぁ、魔理沙の一ヶ月忌をやりたいんだって」 紫は、萃香がこれまでどのような目に遭っていたかをつぶさに見ていた。当然、萃香もそれを 見ている存在を知らないはずが無かった。 「盛大にやりたいから、萃められるだけ萃めてこいって」 「い、嫌、嫌、いやああぁぁぁ」 そこには最早、かつての幻想郷を守護せんと魂を捧げた大妖の姿は無かった。ただの理不尽な 暴力に怯える一人の女性でしかない。 「霊夢もさ、お前とは当分会ってないから、じっくり話し合いたいって」 霊夢様ご乱心ー! -- 名無しさん (2010-01-20 23 51 59) 妖怪は本来は敵だから知り合いで唯一の人間である魔理沙が心許せるただ一人の相手だったんだろうね -- 名無しさん (2010-01-21 00 31 22) リョナられる萃香に勃起した -- 名無しさん (2010-01-21 00 37 33) 続きが読みたい -- 名無しさん (2010-01-21 10 04 24) 霊夢「なんてこった!マリサが死んじゃった!!このひとでなし!!!」 早苗「ひとでなしはあなたですよ!?」 -- 外道 (2010-01-21 12 27 47) 続きと魔理沙の死因が知りたい!! …スイマセン -- 名無しさん (2010-01-23 20 37 33) 逆パターンとして霊夢が死んだとしても魔理沙はケロッとしているんだろうなww -- 名無しさん (2010-01-27 00 03 41) 幻想卿の住人は精神的にもっとタフだと思う -- 名無しさん (2010-01-29 02 23 50) ↑×幻想卿 ○幻想郷 -- 名無しさん (2010-03-14 15 14 01) 魔理沙…なぜ死んだ… -- グランジ (2010-07-15 21 46 16) 死因はマジックアイテムが暴発とかだろう -- 名無しさん (2010-07-16 20 04 13) 紫「そんな……、霊夢にまとわりつく邪魔なムシを殺しただけでこんなことになるなんて……!?」ブルブル -- 名無しさん (2010-07-17 16 02 59) ↑ちょw -- 名無しさん (2010-07-17 16 41 24) ↑↑おいw -- 名無しさん (2010-07-17 16 53 29) ↑吹いたw -- 名無しさん (2010-07-17 21 32 49) ↑↑↑おまえかぁ!? -- 名無しさん (2010-07-18 06 52 15) 紫「霊夢、これで一緒よ…え?ぇえぇっ!?いやあああ!!」 -- 名無しさん (2010-07-18 09 04 42) 萃香「畜生…!霊夢は私のものになるはずだったのに…!痛いぃぃい!」 -- 名無しさん (2010-07-18 11 54 10) ↑7 紫wwwおまえwwww -- 名無しさん (2010-07-18 23 34 32) 霊夢モテモテだねッ!?☆ -- 名無しさん (2010-07-23 16 16 36) ↑wwwwwwwwwww -- 名無しさん (2010-07-23 21 35 25) せっかく霊夢に感情移入してたのに コメ見て吹いたわw紫からカオスww -- 名無しさん (2010-07-28 02 21 56) 魔理沙はアリスとラブラブしたら良かったのに -- 名無しさん (2010-07-28 21 44 41) アリス「ブツブツ………………魔理沙死んじゃった………魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙私の魔理沙…ブツブツ」 -- 名無しさん (2010-07-31 09 51 09) パチュリー「魔理沙が死んだ……!?そんな、そんなの嘘よ!嘘に決まってる……っ!!………………そうだわ……ふふ……なかったら作ればいいのよ……うふふふふ……待ってなさい魔理沙、……すぐに助けてあげるわ……。 ふふふふふ……あははははははははははははははは!!!!」 レミリア「うるさい」ガッ パチュリー「むきゅっ!?」 -- 名無しさん (2010-07-31 18 29 51) フラン「最近魔理沙が会いに来てくれないなぁ……寂しいよ……」 ↑彼女は何も知りません -- 名無しさん (2010-07-31 19 20 35) ハハッ わろす -- 名無しさん (2010-07-31 19 50 33) ・・・え? -- 名無しさん (2010-07-31 23 11 34) これはひどい -- 名無しさん (2010-08-11 19 04 34) 全俺が泣いたw -- 名無しさん (2010-08-12 12 32 17) アリス パチェ ヤンデレ化・・・www -- れみレミリ☆あうあう (2011-03-28 11 48 40) 紫「あの女が悪いのよ!私の霊夢に付きまとってウワナニスルノレイムヤメ…」 -- 名無しさん (2013-07-11 05 53 31) 紫「霊夢は死ぬしか助かる道はない、霊夢を殺さないt霊夢痛いやめていたいよ」ビシャ 霊夢「後、貴方だけね...?ふふふふふふあはははははははははははははっは あはははは?」 -- 名無しさん (2014-07-20 17 49 38) ↑うわ怖えぇ、これって俺の事言ってんのかな? -- 名無しさん (2014-07-20 17 52 31) 霊夢)魔理沙…魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙…………………アハハハハハハハ! 魔理沙(幽))霊夢が発狂したぜ… -- 名無しさん (2014-08-10 15 58 43) 霊夢)魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙魔理沙… 魔理沙)霊界からの! 霊夢)魔理沙魔理沙魔理沙… 魔理沙)マスタースパーク! 霊夢)きゃあああ -- 名無しさん (2014-08-11 22 05 56) ↑何故だろう、和んだ… -- 名無しさん (2014-08-14 10 41 19) 霊夢「魔理沙…どうして死ピチューン」 魔理沙「霊夢も霊界に逝こうZE☆」 霊夢「あれ?ここは…霊界?」 魔理沙「よう霊夢w」 霊夢「っ!!!!!魔理沙ぁぁぁ!」 魔理沙「おま、何す…」 霊夢「あんたの!!」 魔理沙「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ」 霊夢「ために!!」 魔理沙「霊夢…許し…」 霊夢「長く!!」 魔理沙「ーーーーー!!!!!!」 霊夢「生きようと!!」 魔理沙「れい……………む」 霊夢「思ったのに!」 魔理沙「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁピチューン」 け幻想郷にて 早苗「霊夢さん?あれ?」 諏訪子「れいむー?」 かなこ「宴会しようと思ったんだけどねぇ」 守矢3人「ピチューン」 霊夢「あんた達も霊界にこいやぁ」 -- フランドール (2015-01-28 20 42 28) 魔理沙死んじゃったよー -- 名無しさん (2015-02-02 18 34 11) コメントがカオスww -- 名無しさん (2015-08-02 20 00 23) 霊夢)『あぁ、魔理沙なぜ死んでしまったの。。。』 幽霊魔理沙)『霊夢。。。』 霊夢)『なんで!ワタシノ。。ワタシダケノマリサ。。』 幽(ry)『。。。魔砲 ファイナルマスタースパーク』 霊夢)『いぎゃぁぁぁぁぁあ!』 幽(ry)『霊界に来てまで異変を解決しないといけないのか。。。』 -- 作文みたいなのを書く程度の能力(Gomi)ww (2015-08-14 14 42 10) 魔理沙のせいでこんなことに・・・ おのれ魔理沙ゆ゛る゛さ゛ん゛!!! -- 名無しさん (2015-11-09 15 39 45) フラン「紫ー!!よくも魔理沙をー!!」 紫「私じゃないー!! 霊夢「あいつを殺せるのは私と紫だけなのよー!!よってあいつを殺したのはあんたなのよー!!『スペルカード発動夢符夢想紫「ぎゃぁーピチューン」 霊夢「ふっきたねぇ花火だ」 -- ローズ (2016-03-29 20 21 05) 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 -- bjvンfdz、kjbsvじぇslkfg冷えlvh部びれ祖yhヴれ祖vbygフィレst4エアヴぇyふふぇvbyふぁykzyヴゅアdkfgyせづあちゅfcv級tfっ瀬歩夢vfちぇうあvybふぃえwぶいふぁlbvひゅいlb君hICMC+Q*VL=[]kMJHQLAV+Orrpaemaw/jx (2016-05-01 10 02 40) そうせいせき「まりさを助けるために霊夢を呼ばなきゃ、」 霊夢「分かった~今いくわ」 そうせいせき「計画通り!」 霊夢「きたけど、え?何それ、怖いんだけd」 そうせいせき「霊符、無限地獄」 ドカーンフューンピチューン そうせいせき「さて、やるか、奇符、天国の中の天国」 フューン 魔理沙「うp主って怖いんだな今知ったぜ、ありがとな!」 そうせいせき「お前もいつかああしてやるからどういたしまして、じゃあな!」 幽霊夢)私はどうなるの? そうせいせき「知らんな(笑 幽霊夢)置いていかないで、いやっ、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ! -- あり得ないほどありとあらゆるチート能力程度の能力 (2016-07-13 20 06 40) ↑怖っ、私はどうなっちゃうの?こっちもみたい -- 霊夢 (2016-07-13 20 09 01) 魔理沙が死んだら私も狂うだろーな〜。 本心から言っちゃ無いが。 -- キング クズ (2016-07-14 01 45 21) パチュリー「私のせいで魔理沙がワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガワタシノセイデマリサガ」 -- 壊れ醤油 (2016-07-24 09 48 58) ようむ)まりさが死んだワロタワロタだみょんww まりさ)私が死んだって?そりゃー大変だな(怒) ようむ)みょん? まりさ)空前絶後 怒りのーーーー!ファイナル~ーーーーーーマスター~ーーー ようむ)待つみょん!これはうp主が・・・ まりさ)スパーーーーーーーーーーーーーーーーーーーク -- ようむだみょん (2016-09-10 07 38 28) あたい最強みょん♪ あれ?(; ̄Д ̄)? あたい最強ね♪言えた! あたい最強だぜ♪ あれ?(; ̄Д ̄)? あたい最強なのよね~、あれれ?(; ̄Д ̄)? あたい最強ですね♪ ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁ。・゜゜(ノД`) -- みょーーーーーん (2016-09-10 07 41 10) 。・゜゜(ノД`) ゴツン -- (‘Дヽ゚ ゚ ・ (2016-09-10 07 45 15) (゚Д゚)(゚▽。) -- 今のを見てた人 (2016-09-10 07 46 32) コメ欄犠牲者出し過ぎw もうダメだこりゃ、収拾がつかないw -- 名無しさん (2016-12-25 10 28 50) この続きつっくてください -- しょう (2017-08-12 13 16 34) いい話だ コメントカオスwだと思うのは、私だけ? -- まりさ (2017-11-29 18 19 30) 縺ェ繧薙°縺斐a繧薙↑縺輔>刧 -- まりさ (2017-11-30 16 59 31) なんかごめんなさい -- まりさ (2017-11-30 17 00 11) コメントがカオスw 魔理沙が死んじゃったよ~(泣) フラン「魔理沙が居ない世界なんか.......壊してしま....え..ぐす....うぅ....魔理沙.....たった一人の親友が......死んじゃった.....」 -- まい (2018-03-08 21 10 00) 魔理沙が死んじゃった!←この人でなし! -- 名無しさん (2018-08-25 14 30 00) 『魔理沙の死によって霊夢を廃人にしてしまったのは誰なんでしょうか?』 足を引っ張ったウィーケストリンクを書きなさい。 -- 名無しさん (2018-08-31 15 51 52) 霊夢「魔、魔理沙が~ どうして死ななきゃ いけないのよ~」 紫「仕方ないでしょ き、きっと寿命よ」 霊夢「魔理沙は そんなんじゃ 死なないわ!」 魔理沙「私が 死んだせいで れ、霊夢を ~~~~~」 -- 桜 (2020-02-15 10 45 19) 急だけど、はじめましてなのだ! -- 子犬 (2023-03-30 11 19 40) ダレカレンラククダサイオネガイ タメグチ(?)デゴメンナサイ -- 子犬 (2023-04-16 16 44 49) _| ̄|○ il||li -- 子犬 (2023-05-03 13 35 16) ・魔理沙の死因 → Lostword異変で黒魔理沙にやられて死亡 -- ほぼ名無し (2023-08-20 07 24 18) 霊界じゃなくて冥界の間違いじゃないだぜ -- ラスワ (2023-08-20 09 00 58) 魔理沙が死んだら私の生きる意味とはなんじゃい?魔理沙がいないと私は死ぬ -- 魔理沙を殺したのは私だ!(?) (2024-03-17 16 26 30) 黒幕「フフッ。さぁ私が殺してあげますよ。」 霊夢「本当?」 早苗「霊夢さn」 早苗「え?」 そこにあったのは乱闘の後のような散らかり方をした神社と もはや原形を保っていない霊夢の遺体だった。おそらく、 犯人はもう逃げた後だろう。 早苗「な、な、何で・・・・・魔理沙さんに続き、何で。」 一方、 黒幕「フフッ。僕のデスノートはいいものだ。」 -- 黒幕 (2024-07-10 09 20 27) あの、松田呼んでいいですか?(デスノートの松田) -- モブ (2024-07-12 08 21 06) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/950.html
1 「うあ、なんだこれ」 霧雨魔理沙はアリスの家の前にあるそれを見て呟いた。 地面から生えている真っ黒い生首。パッと見はそれである。というかそれ以外の何物でもない。 そしてその生首はブツブツと何かを呟いている。 耳を澄まして聴いて、 「そうか女の敵か」 ものすごく後悔した。その生首は、やれ、おっぱいサイコー、だの、 きょぬーって夢と浪漫と何かがつまってるよねー、だの、貧乳は滅べばいいのにー、だの、 おっぱいおっぱい、だの、ゆかりん可愛いよゆかりん、だの、その少女臭がたまらないよ、だの。 制裁を加えるべきだな。そう魔理沙は思う。この女の敵に女代表として制裁を加えなければならない。 そう、これは自らが女として生まれた以上は必然! 言わばありとあらゆる女達に代わり下す怒りの鉄鎚! 男のエゴをむき出しにしているこの生首への当然の結末! ついでに少女臭などと明らかな欺瞞をまき散らす生首への修正! ………別に、貧乳に個人的に反応したわけでは断じてない。 断 じ て な い 。 「とー!」 とりあえずげしげしと蹴る。正体も分からないし。なんとなく汚い気もするし。 げしげしげしげしげしげしげし「あふん♪」 ―――アリスの家に駆け込んだ。戦略的撤退だ、キモさに負けての敗北ではない。 「うあーん、シンー、アリスー!」 泣きそうな声出してる辺り負けてる気もするが気のせい気のせい。 「ノックぐらいしろよ……で、どうしたんだ魔理沙?」 あきれた声と表情でシンは馴れた応対をする。別段彼女がここにノックも無しで入ることなど珍しくもなんともないからだ。 ……まあ、流石に窓を「ちょいと失礼するぜ!」などとのたまいながらブチ破って入ってきたときは飲んでいたお茶を盛大に吹いたが。 だが、それでも泣きつかれながら入られるのは初めてだ。自然シンも心配そうな顔つきに変わる。 「お、おい、どうした? 何があった!?」 「お、おも、おも、おもおももおおもおも」 よほどキモかったのだろう、全く要領を得ない。もはや半泣きだ。 「落ち着け! 何か起こっても俺が守るから! だから落ち着いて何があったのか話せ!」 落ち着かせるために抱きしめて叫んだ言葉は、 「あうあうあうあうあうあ! あうあう!」 事態をさらに悪化させる! それでこそシン・アスカ! そこに痺れねェ憧れねェ!! ………その後、魔理沙を落ち着かせるため更に力をこめて抱きしめたシンに羞恥心のリミットが外れた魔理沙が ちょっとしたマスタースパークを打ち込んで事態は終息を見せた、やあめでたくなしめでたくなし。 おしまい。 「……いや待て、何一つ始まってない! 結局何があったって言うんだよ?」 幻想郷に来て以来、数多の女難に鍛え上げられたシンにとってパニック状態で放たれたマスタースパークなど、 直撃したところで服がちょっぴり焦げる程度でしかない。 「いや、その、家の前のさ、表、玄関の近くで」 いまだに顔が赤い魔理沙はぽつぽつと話し出す。そこまでで何のことか察したのだろう、シンは納得したように頷く。 ………そこには気づけて、なぜ魔理沙の顔が赤いのかについてはこれっぽっちも察してないのだろうかこの男は。 「ああ、あれか。あまり気にするなよ、関わらなきゃ害はないから」 その言葉に魔理沙は何とも言えない顔をする。納得はしかねるのだろうが、確かに害はなかった。ただひたすらキモかっただけで。 「……まあ、いいけどさ。結局何なんだあれ?」 「んー? キラさん。………元」 いい笑顔を向けるシンに、それ以上の追及はできなかった。 ―――まあ、「あんたのせいでまたやりあう羽目になったんだよ」、「状況悪くするだけ悪くして一人でさっさと消えやがって」、 「パルマ一発で済んでありがたいと思いやがれ」と疲れ切った眼のシンの呟きでなんとなく何が起こったかは把握したが。 「大体あの人は前っから……っと、悪い。愚痴になったな」 「あー、いや、別にいいんだけど、さ」 そういい魔理沙は気忙しそうにきょろきょろと視線を動かす。シンはその態度にだれか探しているのだろうとまた馬鹿な勘違いをする。 「ああ、アリスならいないぞ。今は人間の里で人形劇やってる」 「あ、や、そうじゃなくて、だな。その」 アリスではない、ならば消去法で。 「上海か? それとも蓬莱? 悪いけどどっちも外に遊びに行ってる」 「いやマジボケかそれ?」 まあシンだしな。 「じゃあ……あ。ダメだぞ、色々世話にはなってるけど魔導書は盗ませない! そんなことされたら俺がアリスに殺される」 「いや、そうじゃなしに! えーと、だな。その……たまたま立ち寄っただけ、じゃなくて、その………あの」 魔理沙は帽子と前髪をもじもじと弄くる。そんな魔理沙を見てシンは、 (魔導書でもない? とすると……紅茶か? いや、魔理沙はホットミルク派。考えにくいな…… まさかトイレ? いや、にしては切羽詰まってないな……むぅ?) さらにトチ狂った勘違いを重ねていた。もう少し、あれ、もしかしてひょっとするんじゃね?的に自惚れてもいいようなものだが。 ま あ シ ン だ し な 。 「だからぁ、その………お」 「お?」 そのまま固まる。顔は相変わらず赤いままだ。お、お、と繰り返し、そして。 「お前に、会いに来たんだよ!!」 窓をビリビリと揺らしそうな大声にシンはパチパチと眼を何度か瞬かせ、「そうか」と頷く。 「なら上がれよ、なんか出すから。ホットミルクでよかったか?」 顔もまだ赤い。息は肩でしている。真意は伝えられていない。 それでもちゃんと言うべきことを言えた魔理沙は「・・・うん」と答える。 「―――へえ、本気の幽香とやりあったのか、そりゃまたすごいな」 シンが運んできたホットミルク(蜂蜜たっぷりの極甘仕様)をすすりながら魔理沙はなんでもない話を続ける。 好きな人とはそれだけでも楽しいものだ。 「すごいって言ってもな……引き分けだぞ?」 「いやいや、十分すごいもんだぜ? 私だって本気の幽香なんてスペカ戦じゃなきゃごめんこうむるよ」 賞賛の言葉に慣れていないのだろう、シンは困惑の表情で緑茶―――アリスの見てる前では飲めない。 和風はアリスには不評だ―――をすする。 「むぅ・・・そうはいってもなー。デスティニーに変身してだからなぁ、生身でもちゃんと戦えるお前とは比べられないだろ?」 「自分をそうやって卑下するのはよくないぜ? お前の判断力があるからデスティニーは強いんだよ」 「そういうもんかねー」 「キラだって言ってたぞ、自分がデスティニーになっても性能引き出せないであっさりやられるだろうねーって」 「キラさんが?」 その言葉にシンは意外な表情を浮かべる。 「うん。あ、でもその後、まあ僕の超反応をもってすればシンなんて僕の足元にも及ばないけどねHAHAHA☆って言ってた」 その言葉にシンは玄関の方を睨みつける。 「まあまあ、照れ隠しだよ。耳赤かったし」 「分かってても腹立つんだよ! まったく……」 くすくすと魔理沙は笑う。シンも悪い気はしないのだろう、その顔は穏やかだ。 「………なんか、いいなー」 「ん、何が?」 魔理沙の言葉にシンは首をかしげる。 「いや、こういう、なんつーのかな。なんかいいじゃんか、何にもしないでだべってる時間ってさ」 「んー、ああ。そうかも」 「弾幕ごっことか、魔法の研究も楽しいんだけどさ。なんか、さ」 んー、と魔理沙は背伸びをして、ぐてりとテーブルに上半身を預ける。 「あー、これじゃ霊夢の事を笑えんなー。んあー」 仕方ないなぁとシンは微笑む。実際、魔理沙がぐてりとしてなければ自分がそうしていただろう。 ……微笑んだまま、魔理沙の頭を撫でる。ん?と魔理沙がシンを上目づかいに見つめる。 「ああ、悪い。つい、な」 「んー、いいけど別に。んぅ・・・むー」 くしゃり、くしゃりとゆっくりと撫でる。そのたびに魔理沙はむずがるような嬉しそうな声を上げる。 (うあー、いかん。なんか頭とけそーだ。なんかこー、にーにー言いそー) にへら、と顔がゆるむ。好きな人にこんなことをされればこうもなろうというものだ。 くしゃり。うあー。 くしゃり。んにー。 くしゃり。にあー。 くしゃり。うへー。 ―――ふと、頭を撫でられてだらしない顔をしている白黒の金髪と目があった。 (うわー、なんだあれだらしねー。男に頭撫でられて顔ゆるめ、す、ぎ……ん?) ようやく溶けた脳みそが動き始める。……目があったのは、鏡の中の自分だ。つまり、今の状況は。 「…………う、あ」 かああ、と顔が火照っていく。鏡で見なくたってわかる、顔が真赤だ。 「あの、かえ、る。もう、帰る、から」 「え? いや別にもう少しゆっくりしていっても」 「帰るからっ!!」 そのまま立ち上がり帽子を引っ掴んで玄関に駆け出した。 「お、おいちょっと!?」 訳が分からずにシンも立ち上がる。魔理沙は入り口でくるり、とシンに向き合い、 「お前は、もっと乙女心を分かった方がいい! バーカ!!」 べー、と舌を出してそのまま箒に乗って魔理沙は空に消えていった。 「…………????」 首をかしげるシンは実にボンクラっぽかった。やれやれだぜー、と生首が言ったのでとりあえず蹴っておいた。 おまけ1、香霖堂にて。 「――――ってなことがあったんだが、どう思うよ香霖?」 「え、僕も君が何で怒ったのかよくわからないんだけど?」 「うわ、お前もかよ! あれだなー、お前もシンも八雲紫にでも乙女心を学んだほうがいいぞ?」 「ひどい言いようだなぁ…というか」 「ん?」 「八雲紫は乙女心なんて年じゃ、あれ、なんだこの浮いてる青い棒はって魔理沙?どこ行くんだい、ってちょ、あ」 イケメン惨劇中… おまけ2、アリスの家にて。 「どうかしました、キラさん? キモい笑顔を浮かべて」 「ん?いやなに、ゆかりんからの愛の指令、イケメン死すべしが電波に乗って僕の頭にゆんゆんと届いてきたのSA☆」 「はいはいそうですかーっと。手元が狂ってスコップがあんたの頭にスコッといきそうだからちょっと黙れ」 「そう言いつつ僕をちゃんと掘り出そうとしてくれるシン萌え」 「土食わすから今すぐ口を開けろ!!」 2 魔理沙「シン、ちょっと目をつぶって欲しいんだぜ?」 シン「? ん、まあいいけどね……なんだってお前声震えてるんだ」 魔理沙「い、いいからとっとと目を食いしばれー!」 シン「無茶な。閉じるだけでいいか?」 魔理沙(よ、よーし、後は顔近付けてちょっと唇にちゅっとするだけだぜ。……ちゅっ、と。ちゅっ。……う、うあ。い、いや、やるんだ!) シン「……」 魔理沙(ふ、ふふん。やってみればなんてことないぜ、あともうちょっとでちゅっと……え、えーと。は、肌白いなぁコイツ、まつ毛も長いし) シン「(パチッ)おい、まだか…って、うお、顔近いなオイ!?」 魔理沙「――――う、え、あ」 シン「ん、どうした? 顔赤いけど」 魔理沙「………マ」 シン「マ? あれ、なんか急にヤな予感g」 魔理沙「マスタースパーク!!」 ズキューーーーンッ! アリス「や、やったッ!(心底うれしい)」 霊夢「さすが魔理沙、私たちに(ry(心底楽しい)」 魔理沙「や、やってもーた……!」 シン「何すんだよ、びっくりするだろ!?」 アリス「むしろびっくりで済ますあんたにびっくりよ」 魔理沙「ご、ごめんだぜ。いや、でも、その………ええと。本当はただ、ちゅっ、てするだけで……あー、うん。やっぱいいや、ごめんなさいだぜ」 シン「まあいいけどさ、よくわからんけど………あ。ふと思ったんだけどこの行動は誰に聞いたんだ? 怒んないから正直に」 魔理沙「誰って、そりゃあ……k」 シン「なあんだ、キラさんかぁ。そっかー、あははー。――――――よし、殺そう」 魔理沙「って、ちょ、どこ行くんだよシン……って、行っちゃった」 ぅあんたってひぃとぉはぁぁぁ!!!! フフフフ、ハッハッハッハ、アーハッハッハッハ!! 何手骨体、どうやら僕はあの子の生娘っぷりを甘く見ていたみたいだよ! キラさんめ、死ねぇっ!! 君の方こそ全☆滅だっ!! 霊夢「……ドワオ」 アリス「でもよかった、魔理沙がアンチクショウにズキューーーーンなことしてなくて」 魔理沙「全然よくないぜ……私は駄目な奴だよ!」 霊夢「まったくよね、このへっぽこ。ところでアリス、もしズキューーーーンなことしてたらどうするつもりだったの?」 アリス「そりゃもちろん―――奴を地獄に叩っ込んで私が魔理沙を幸せにするに決まってるでしょ」 霊夢「そういうことを真顔で言えるあんたは本当にキモ……なんでもないわ」 魔理沙「でもさー、アリスはいいよな。シンと一緒に住んでるんだからさー。仲が良くて羨ましいよ、ホント」 霊夢(さてアリスの心境は………あ、ダメだこれ、真っ白になってる) 魔理沙「当面は、お前がライバルだな。ま、負けないんだからな!?」 霊夢「魔理沙、それぐらいにしなさい。そろそろアリス泣くから」 アリス「何言ってるのよ霊夢、泣いたりなんかしないわ。むしろ、恋のライバル出現に燃えてる魔理沙を見れただけでも私、幸せ……ハァハァハァハァ」 霊夢「そう、相変わらず筋金入りのHENTAIね………なんで私、コレと友達やってられるんだろう?」 アスカブリーガー! 死ねぇっ!! ふ、ふふふ、たとえ僕を倒しても、人の心にフリーダムがある限り第二第三の僕と続き、最後の勝利を売るまで戦うだろウボァー 前へ 一覧へ