約 906,684 件
https://w.atwiki.jp/marisa-kirisame/pages/60.html
キャラの特徴 立ち回り基本事項 近距離 中距離 遠距離 警戒すべき技通常技 スキル スペル 有効な技通常技 スキル スペル 天候について 掲示板書き込み抜粋 コメントフォーム キャラの特徴 打撃の発生は遅いが、判定は強いパワーキャラ。一撃のダメージがかなり痛い。 自由飛翔キャラでもあり、旋回性能は随一。その分、飛翔の速度は遅めである。 全体的な動きは遅いものの、部分的に速いところがあり、あまり遅いという印象を抱かせない。 また大きな特徴として、C射系の射撃が相殺できないという特徴を持つ。そのため慎重なグレイズが要求される。 逆に幽々子側も、B射系の強度が低いこともありあまり相殺できないため、強気に弾幕を張るのも手。 この時に張る弾幕はC系の方が無難。B系は密度差で逆に相殺されてしまう。 飛び上がって射撃を撒くのに対してJ6C、C系を大きくグレイズしきった後にJ2C・HJ2A等を撒いておくと相手の動きを大きく邪魔できる。 射撃戦においては他キャラと違った動きが必要なので、連戦するなどしてコツを掴むといい。 上下段の振り分けに、霊力削りの大きい起き攻めスキカ、さらに連ガになる固めがあり、固めもとても強力。 天則キャラ中、1・2を争うほどの性能がある。 立ち回り 基本事項 相殺できないC射は、追尾性能も高い。グレイズは丁寧に。 射出後一定時間経ってスピードが出てきた後に上下に揺さぶることで回避しやすくなる。間違っても真っ直ぐ突っ込まないこと。 全体的に射撃の到達時間が遅めなので、遠距離ならJ6Cを適度に撒くことで相手の邪魔ができる。 相手が近づいてきた時、打撃の判定が広いため、特に空中から近づかれた時にむやみに迎撃しようと思ってはいけない。 基本的には射撃を早めに置くようにして迎撃した方がいい。もしくはガードしておく。 もちろんレベルを上げたミアズマでも迎撃できるが、射撃と一緒に攻めてくることも多いので注意しよう。 一方相手は2Bという牽制射撃を持っているため、うかつに攻めると返り討ちにあってしまう。 その分隙は大きめなので、範囲外からC射を撃っておくのも一つの手。 近距離 幽々子は射撃の発生が遅いため、安易に射撃が撒ける距離ではない。 こうなると相手側のアドバンテージが大きく減るため、できるだけこの距離を保っていきたい。 ただし2Bには注意。 ・固め時 暴れが強めなので、できるだけ隙のないような固めがしたい。 切り返し技はギャス、永眠、羽風の3つ。これらのスペカが握られてないかは常に確認しておくこと。 できるだけこの距離を保ってハメるように倒していきたい。 ・被固め時 上下に揺さぶった固めが非常に強い。できるだけ正ガするように頑張ること。 4A/2Aで固められることが多いが、フレーム的には2Aが優秀で4Aがあまり優秀とはいえない。 暴れるなら4A正ガから、ただし6Aキャンセルには勝てない。 レベルを上げたミアズマがあると4A/2A正ガから擦ると高確率で勝てる。 しかし暴れが通らなかった場合のリスクが非常に高いため、暴れるよりは隙を見つけて抜けるほうが無難ではある。 レバー打撃をされたあとも舞 スペカの連携がまだ残っているため注意が必要。 6A/3A 5C/6C 舞ならば2結界が通るが、射撃を挟まず舞をされたら狩られてしまう。 連ガ構成は、6A 6C C悉皆と、6A 6C 舞 スペカが主なもの。 幽胡蝶やスフィアが混ざると大きく増えるが、打撃の連ガ構成は少なめ。 中距離 射撃を撒かれると厄介なので、B射メインで牽制していく。 互いにダメージが取れる距離でもないため隙を見て突っ込みたいが、ここでもやはり2Bに注意。 相手が空中にいる場合はなかなか迎撃できないため、素直にガードしておくのが無難ではある。 遠距離 幽々子側は強気に射撃を設置できるため、あまりいたくはない距離。 こちら側も射撃を撒くことができるが、互いに相殺できないので数的には不利になる。 特にC射に気をつけて近づいて行きたい。 前述の通り、射撃の到達時間が遅いため、軸を合わせたJ6Cが効果的に作用する。 相手が地上にいるのなら、ちょっと飛び上がって低空J6Cしてもいい。 J5CやJ2Cなどの爆発も地味に邪魔になるので、地面に当てるように撒いてから攻めてもいい。 警戒すべき技 通常技 ・2A 発生8Fの下段技。幽々子の数少ない1桁フレーム技でもある。(他は羽風(最速だと7F)と永眠(8F)だけ。それ以外は軒並み10F以上) 上の方で打撃の発生は遅いと書いたが、この技は別。なんと正ガしても有利不利0Fである。 またリーチも長いため、正ガして4Aで暴れても届かないことすらある。 幽々子のダッシュは初速がとても早いため、少し離れていてもダッシュ 2Aとしてくることもある。 この技を起点にした端固めは非常に強力なので、なんとか正ガして霊力を削られないようにしたい。 ・DC 空ガ可能のグレイズ技。発生こそ遅いものの跳び上がるため、範囲はとても広い。 低空で甘い射撃ばかり撃ってると、この技が飛んできてお陀仏となってしまう。 相手が近い位置にいるときは警戒しておこう。 またしゃがむとちょうど飛び上がったところをくぐってしまうため、めくりになってしまう。注意しよう。 ・J6A 飛び上がるように慣性のかかる空中技。これもまた発生は遅いが範囲はとても広い。下の方から後ろの方までしっかり判定がある。 互いに空中にいる時、何食わぬ顔でめくってくることがある。無謀な飛翔は控えるようにしたい。 ・2B バク転してB射系の蝶を素早く広範囲にばら撒く。主に飛び込みに対して使用される。 この技があるせいでうかつに飛び込むことは出来ない。 あくまでB射系なので相殺強度は低めである。ただしこちらのB射は全て消えてしまうため、C射を撒く必要がある。 空対地で2Bを撒かれると読んだ時、範囲外からJ5C、J2Cを撒くとほぼ確定で当たる。 ・6C 設置系射撃。固めやコンボでも使われるが、設置された時のほうが怖い。 長時間画面上に居座り、かつ低速度で追尾してくる。その上、相殺不可である。はっきり言って相当邪魔である。 この技が幽々子の近くにある場合、あまり深追いしてはいけない。なるべく離れて消えるのを待とう。 スキル ・未生の光 デフォルトの波動技。空中でも撃てる広範囲レーザー。 幽々子の射撃が遅いからって遠距離で安心しているとこの技が飛んでくる。 ・胡蝶夢の舞 グレイズ付き打撃昇竜。空ガ不可だが上方の範囲は広め。 主に固めで使われる。むやみに結界したらこの技に狩られてしまう。 また舞 スペカの連携が非常に強力である。ここで主に使われるスペカは平坂か夢。 一応、舞に対して結界することでスペカ連携から逃れることができるが、猶予はたった1Fである。 連打すればなんとか結界できるが、その前に挟まれる6C等に結界してしまうと意味は無い。 ・逆さ屏風 完全無敵の打撃昇竜。判定は狭いが一発のダメージが非常に大きい。 舞が非常に強いためあまり見られないが、中央だとガードしても反確を取りづらいという優秀な性能を持っている。 ・スフィアブルーム 起き攻め強化スキル。場所にもよるが、全弾ガードすると4~5削れることもある。 魔理沙は移動起き上がりの距離が長いため、他キャラと比べて脅威になることは少ないが、それでもハマってしまうと大変なことになる。 スペル ・冥符「黄泉平坂行路」 1コス。主に舞のフォローに使われる。 密着で1.2削れ、幽々子側が2F不利。ただし距離の問題で、魔理沙は幽々子の2Aに対して勝つことが出来ない。(4Aは7Fだが届かず、2Aは10Fで相打ちとなる) 強気に2Aを擦ってもいいが、相打ちになるとリターンがあまりない。2A読みでハイジャンプや、素直に下段ガードするのも手。 ミアズマのレベルが上ってるなら見せておくのもいい。 ・霊符「无寿の夢」 2コス。舞のフォローやコンボ締めに使われる。 舞のフォローに使われた場合、霊力は1削れる。画面端だとその後幽々子側が4F不利なので強気に擦っていいが、中央だと距離が離れてしまう。 コンボ締めに使われた場合、1.2kの追加ダメージは覚悟しておこう。ダメージを与えれば解除できるが、無理に暴れると更にダメージを貰うことになってしまう。 ・死符「ギャストリドリーム」 2コス。射撃属性の無敵切り返し。根本でヒットすると約2kのダメージとなる。 この技を持っているときはあまり強気に攻めないようにしよう。 しっかりガードしたり詐欺飛びすると反確なので、大ダメージコンボを叩きこんでやろう。 ・寿命「无寿国への約束手形」 4コス。強化版夢。 ヒットしてから8カウント後にガード不可の打撃属性攻撃が発生する。 所詮打撃なので、レベル上げたBミアズマや、霊撃、スペカ等で回避できることを覚えておこう。焦らず騒がず落ち着いて。 なにもなくても、バクステで回避できる。要練習。 ・死蝶「華胥の永眠」 4コス。強化版ギャス。 発生が早くなり、2段目が発生することで威力も上がっている。根本ヒットで2.5k~3k程度。 基本的にはギャスと同様の対処でいいが、2段目が広がることに注意しよう。 密着から全弾ガードすると約4削れるが、実は連ガではない。しっかり前ダッシュしよう。 有効な技 通常技 ・DC 低空で飛んでいる時や、飛び上がりに重ねると撃墜しやすい。 幽々子はできるだけ飛びたいと考える人が多いので、届くなら強気に振っても構わない。 ・6B/JB/J2B 幽々子のC射が相殺出来ないため、意外と牽制として機能する。 幽々子はこの技を相殺するためにB射を撒かないといけないが、発生が遅かったり射角に融通がきかなかったりで撒きづらい。 先にB射が撒かれている場合はこの限りではないが、C射メインで戦う人の場合は効果的である。 ただし2Bは貫けない。 ・6C/J6C 撒いてるだけで相手の邪魔になる。 軸をあわせて撃つ、わざと軸をずらして移動を邪魔する、邪魔なB射を一掃する、等ができる。 あまり撒きすぎると霊力が無くなるため、要所要所で撃っていきたい。 スキル ・ミアズマスウィープ 頼れる無敵昇竜。B版は上半身無敵では心許ないので、できるだけレベルを上げたい。 これを持つだけで相手の強気な打撃固めを抑制できる。それでも強気なら遠慮無く入れ込んでいこう。 C版はグレイズ付きだが、被固め/起き攻め時に出すより、甘えた中距離射撃に対して刺すほうがメインになるだろう。 ・ステラミサイル 対空の牽制射撃として猛威を振るう。J2A突撃等を邪魔できるため非常に便利。 その分、打撃無敵の技を犠牲にすることになる。どちらを取るかは相手や自分のプレイスタイルに合わせよう。 ・ウィッチレイライン グレイズこそないものの、打撃突進としては十分な性能を持つ。 直接軸を合わせるよりは、その少し上あたりを目安に置いておくと当てやすい。 ガード後はキャンセルできないとリスクが非常に高いので、できるだけレベルを上げておきたい。 ・ラジアルストライク 幽々子のB射では消されず弾速も早めなので、差し込みとしてはJ6Cよりも優秀。 その分霊力の回復も遅くなるため、同じく撒きすぎには注意。 射角が広めなのも強味。 ・デビルダムトーチ 対空2B等に対してはJ2Cよりも強気に置くことができる。空対地の要。 逆に地対空で置いてもあまり効果は期待できない。 スペル ・儀符「オーレリーズサン」 射撃戦で圧倒的優位に立てる。 一撃が大きいスペカではないが、状況有利に立ちたい時は非常に便利なスペルである。 ・魔符「スターダストレヴァリエ」 グレイズを持つレイラインと考えたら刺すところが意外と多い。 軸を合わせたら、2Bを見てからレヴァリエなんてこともできる。 ・彗星「ブレイジングスター」 高空射撃に対して刺すことができるため、持っておくだけで高飛びを阻害できる。 ただし5コスなので、あまりデッキが固まらないようにした方がいい。 ・星符「ドラゴンメテオ」/光符「ルミネスストライク」 キャラ対としてより、コンボダメージや隙消し用として。 短期決戦こそが対策、と言えなくもない。 天候について ・霧雨 ギャス/永眠のダメージが大きくなる、以外のことは気にしなくても良い。 それらのカードが握られてないときは一方的にこちらが有利になる。 ・曇天 ギャスや夢が1コスになったり、ゲージ回収率が半端じゃないことになったりするので、あまり呼ばせないほうが無難。 ・蒼天 ほとんど一発ネタだが、舞キャンセル悉皆に注意しておいた方がいい。 ・花曇 幽々子の持続が長い打撃はDAぐらいである。 むしろ全射撃が摩耗になることのほうが注意した方がいい。 また、6Cをグレイズすると大量の天気玉が出る。天候が一瞬で終了するため注意。 ・風雨 前ダッシュやハイジャンプの初速が異常に上がるため、急な差し込みには注意しておく。 ・晴嵐 スペカが非常に強力なので、呼んでおくと様々な場面で有利が取れる。 逆にこちらもスペカがほとんど撃てないような状況になるため一長一短ではあるが。 ・台風 要注意天候。打撃の範囲は広いわ、一撃のダメージは重いわ、射撃のヒットストップで邪魔されるわ・・・ 平時ではできるだけ避けたい。 ・ダイアモンドダスト ただでさえ強い起き攻めが更に強くなり、猛威を振るう。 これもまた回避しておきたい天候。 【キャラ対策】霧雨 魔理沙 - 東方非想天則 西行寺幽々子 攻略 Wiki 掲示板書き込み抜粋 810 名前:名も無き人型の「それ」[sage] 投稿日:2009/09/18(金) 06 44 44 ID .OYsry520 ゆゆって無理にラインを上げるグレイズをしなければ全然戦えると思うんだ。 立ち回りのCや、2Cはしやがんでやり過ごしたり上下のグレイズを的確にしたり。 重要なのは相手がグレイズ狩りして来る場所を読んでC、6Bを相手のCを掻い潜って置くことかな。 余裕があればステラ設置も出来る。 また向こうの地C 蝶などの連携があるから6Cも置くこと。 向こうが端背負ったら距離を見極めてJCにJ6Aを差し込んだり、地CにDAを差し込んだり JCの下からJ8Aとかいろいろ出来るからダメージを取る。 DC、舞、各反確場所できっちり3kコンを叩き込む。 相手の立屈を見極める事が出来たら端でも中央でもきっちりダメージを取れ、有利に展開運べるから出来ると強い。 ギャス、永眠の反確を徹底する。 ギャスは1段技だが、永眠は2段技だという事を覚える。 ギャス、永眠の反撃時相手をダッシュ慣性をつけて殴らない事。 相手がギャスを握ったら ダッシュC バクステ これが安定した起き攻めになると思われる。 固めに関しては割り切る部分ときっちり結界する部分を徹底すればそんなに怖くないと思う。 崩れた時の夢・手形は流石に怖いけどな。 中央での固めは2Aに結界とチキガを使い分ける。 中央でも端でもDAを出されたら暴れる、こっちのAがカウンターしないからリスク低め。 端の固めの増長JC、Cは結界・グレイズで乗り切る。 端での遠A Cに対して次の舞で食らい逃げする事を狙って相手に突っ込んでもいいと思われる。 相手がCの後飛んでたり、蝶暴発、ポンデ暴発してたら反確出来るからもうけもの。 魔とゆの組み合わせは、鬼と比べると打撃も射撃も勝てる部分があるから全然戦っていけると考えてる。 みんな頑張ろう。 815 名前:名も無き人型の「それ」[sage] 投稿日:2009/09/18(金) 08 18 25 ID uYsAVARE0 ゆゆ対策か… とりあえず自分はラジアルが有効だと思ってる。 ある程度角度調整が出来る速い射撃があるだけでも大分違うと思う。 また、地上でDAで突っ込むと2A、3Aに潰されるって人はDBも混ぜるといいと思う。 低空でJC撒いてくるゆゆ様はDCで黙らせる。よほど相手が遠くない限り相討ちくらいにはなる。スカると割と泣ける。 逆に上空でJ2Cや各種射撃技を撒いてくる場合は丁寧に地上でグレイズし、降りてきたところを霊力差で押し切る。 差し込めるなら昇竜やJ8Aで突貫もあり。 降りてくるゆゆ様のJ2Aはガードすると大体後続の射撃が連ガになり固めに持ってかれるので。避けるほうがいい。 C射も有効だけど低空でだすとDCで狩られる。よんでレイラインもアリ。 キャラ対策書いてみたけど絶賛反論受付中、議論してよりよいものにしようぜ。 余談だけどオーレリーズのB射が結構役に立つ。 191 名前:名も無き人型の「それ」[sage] 投稿日:2010/02/02(火) 08 51 31 ID P2cWjeAc0 幽々子はわりとチキガが通用しやすい感じ。ただ低めだとDAやDBで狩られるのでなるべくHJか2結界ぐらいの高さがいい・・・ C射へのJA差込みは危険なのでJ6Aで。向こうのC射の軌道の関係でJ6A差込みはまず失敗しない 地上中央は幽々子側は2AやDA(舞で暴れ狩り)に任せた増長固めが基本になるので相手の挙動をよくみてしっかりつぶしたいところ。Cや6C見てからグレイズ余裕してると舞で死にます。6C 舞はガードしても前結界使わないと反確なし 空中飛び込みはステラできちんと抑制。ただしCステラの硬直が長くなってるので射撃が見えてるのにCステラ出すのは避けたい 事故からのダメージがかなり痛いのでこちらもワンチャンダメージを多くするためにブレスタドラメテ確定状況ではなんでも使う。幽々子の遠距離C射、未生や悉皆など波動逆波動はほとんど見てからブレスタが決まる 他よりも図抜けた性能を持っていますが1.03みたいな理不尽感はあまり感じないので射撃やJ2Aに事故ったりしなければPS同等程度でも勝てる相手ですって当たり前か 328 :名も無き人型の「それ」:2010/02/17(水) 13 14 40 ID DzRP3h2A0 幽々子の固めは2A、5A(4A)、6A、3A、6C、密着B、C、舞、悉皆を使ったものが主流だと思うけど、 2Aをガードした場合は大人しくした方が無難。 2Aを何度も使ってくる場合、2Aは慣性にもよるけど3回が限度なので 読み勝てばダッシュで再接近するところを反撃できたりもする。2A 2A 2A 3Aとかに注意。 5A(4A)をガードした場合は暴れが通る可能性が出てくる。 5A後にも関わらず続けて5Aや2Aをしようとした場合は大体暴れが通ると思う。ただし6Aに注意。 6Aまでガードした場合、次のゆゆ様の行動は舞、 6C 舞、6C 悉皆、様子見のパターンのどれかだと思うので、 舞か悉皆に結界するのが安定かな?舞は即結界しないと平坂とか飛んできてパリーンされる恐れがあるので注意。 C射 舞の連携は射撃の瞬間が見えるなら暴れればいいと思う。 と、思いつくままに書いてみたけどそこは違うだろというところがあれば訂正してください(;´Д`) 329 :名も無き人型の「それ」:2010/02/17(水) 13 43 20 ID ZcXHkkRY0 貧弱使い手ながら C>舞は距離にもよるけど 1,2コだと舞ガードして反撃出来たりする 舞>平坂or夢もゆゆ側が微不利なため強気に暴れる手も あとメジャーな固めの6A6C悉皆は6Aに結界で反撃できる 6A舞はスペカのフォローなしには打ちづらいから狙ってみるのもいいと思う 上手い人は変態レベルな固めしてくるけど頑張っテ 330 :名も無き人型の「それ」:2010/02/17(水) 14 22 16 ID WEU9IXwEO 端なら6Aか3Aか高めJ2A最終段に結界 中央ならそれに加えてバクステ 331 :名も無き人型の「それ」:2010/02/17(水) 17 01 30 ID S4nr7vvs0 固め抜けで困るであろう部分だけを ・6A→6C→C悉皆には、6Cから前結界で反撃間に合うキャラもいてますよー。 舞なら乙だけど、反撃出来る事が選択肢にあるだけで全然違うと思います。癖を読んで狙うくらい。 ・高めのJ2A最終段に結界。出来ないと地獄の固めスタート。 ・増長択の2Aor4Aの固めは、4Aの後に再度増長択をする場合は、暴れが決まります。相手の癖次第。 ・平坂固めは、固まるか暴れるかハッキリする事。その後は、状況によりけり。 ・夢固めは暴れ安定。だけど、7F不利なだけなのでゆゆ側が上に跳ぶ選択肢も頭に入れておく。 上にも判定のある小技持ちのキャラなら、擦っておけばターン交代できます。 ・F式は、選択肢から外していいと思います。ゆゆ側がミスったら終わりですからね。 結局全部読み合いです。ゆゆ側が超有利な。固め抜けも霊力が無ければ、所詮増長択しか残りません。 冷静に対処すれば、必ず抜けれる所は存在するので焦らず丁寧に対処してあげれば大丈夫ですよ。 100 名前:名も無き人型の「それ」[sage] 投稿日:2010/05/11(火) 11 00 38 ID eTqO6w2M0 幽々子はC幽霊撒かれたらステラかグリーンか置いてその中でグレイズorガードで仕切りなおす なければ上下グレイズしかないけど上手い人だとそこで得たターンを無駄にしないからとにかく慎重に グレイズされると即消えるけどGSD置くのも置きJAばっかする幽々子には有効 DAラジアル見せつつDA 近Aとかでずうずうしくターン奪ってったり地上からCラジアルぶっぱなしたりしてるかな C射はすぐグレイズされちゃうのでB射も混ぜたりしながら戦ってるなー 射撃を当てるように撒くとか攻めっ気が強いと幽々子はきつい気がする それよりも相手の射撃と打撃が同時に来ないように抑制する目的で撒く方がいい あと霊力不足で牽制しづらいならJH6Aも有効よ。あんまり早くないので結構相手のJCを撒く時間を奪える ステラ 9hj (ステラ内で)JC 44 JH6Aとかとか 基本だけど幽々子は切り返しスペカが低コスト域からあるんで常にカードを注意 羽生以外は読めればフルコン。使わないから分からないけど羽生もレヴァ生当て出来ると思う なんにせよ中の人のグレイズ性能がもろに勝率に直結するから相手にならないくらいひどいならそっから練習しかないだろうね 103 名前:名も無き人型の「それ」[sage] 投稿日:2010/05/11(火) 11 17 01 ID HeBohuBE0 対幽々子ですが個人的にはラジアルを推します。 弾幕が張れるキャラですのでレイラインが振りにくいということと 基本的に幽々子のC射は干渉しないこと、拒否技の2Bはラジアルで貫通することが理由ですかね。 そして魔理沙の射撃で引っ掛かかるのが6Cくらいということですが Cは誘導するので、遠距離で相手がJCまきそうな場面でしっかり巻くことは大事です。これは当たっても当たらなくても必須 HJ等で高度とってからJCっていうパターンが多いと思うので、遠距離だとそこに軸合せして6Cうってもグレイズされてしまいますし C撃って相手を動かすくらいの気持ちがイイかなと。 そしてそれ以外の場面では、相手のJC弾に事故らないようにひたすらグレイズですね。 JC弾は弾と弾に微妙な間隔があるので、6B等撃っても引っかからないと判断したらしっかり6B巻きましょう この時幽々子はこっちに向かって来てるはずなのでそれに大しての牽制です。 グレイズしてるだけでは幽々子が近づくのを楽させてしまいJ2Aも簡単に振れますからね。牽制でJ2Aを簡単に出させないことが大事です。 ただし、かなり幽々子が近づいてきてしまってる状況だと6Bで対空しても普通にJ2Aに潰されてしまうのでその時はしっかりガードです。 幽々子のJ2Aはカバー範囲が広いので潜ろうとするのはオススメできません。 私は基本的な立ち回り方はこういう感じにしてますね。 ところどころでラジアルを打ち込んで相手を事故らせます。 固めに関しては魔理沙は増長部分が多いので割り込まれるポイントではしっかり警戒しましょう。 2Aはリーチも発生も早いので相手も隙をみたら割り込んできます。 あと、相手が6Cを巻いてきたときは仕切り直すのがいいかもしれません。 あの技はグレイズしてもきえない上に誘導します。なおかつヒットするとこちらが浮き上がってコンボのチャンスを与えてしまうことに。 6Cだした幽々子に焦って近づいて攻撃しようとして、相手にはガードされこっちは6Cがヒットする。 こういう状況はよくないので、6C付近に幽々子が入るときは仕切りなおしています私は。 そして相手の固めですが、正直これはかなりキツイです 近Aと2Aの択や6Aでの空ガ不狩り、舞>スペキャン等恐ろしいですね。 特にスフィアでの起き攻めがきついですが、これはなんとかガンバって抜けるしか無いかな…。 固められたときに気を使えばいいんじゃないかっていうところは舞>スペキャンの時ですね。 平坂、夢、羽風生でのキャンセルが考えられます。 平坂の時はガード後のフレームは5分なのでAこすってもいいんじゃないかと思ってます。 夢は有利ですのでこすりましょう。 羽風生は仕切りなおしましょうせいぜいワンパンいれるぐらいじゃないとひっかかってフルコンされます。スペカあるならぶちこみましょう。 104 名前:名も無き人型の「それ」[sage] 投稿日:2010/05/11(火) 13 42 52 ID 55kdGrMI0 いろんなキャラ使ってるけどどのキャラでやってても辛い 何が辛いってなかなか触れないゲームなのに触っても拒否される、拒否システムは充実してるところ 一ついえることは後ろに下がれる位置を確保すること、空中に浮いていて下をくぐれるようにしておくこと グリーンは止めたほうがいいけどステラは有効だぞ。遠距離でCステラを撒いてその位置まで近づく 比較的楽に中距離までは近づける、これは他キャラでもやってる。例えば霊夢の警醒陣など ただし盾にはならないので注意すること、 割と強度の低い射撃も通用するから覚えておくといいんじゃないかな、魔理沙だと6Cがあるから気にならんけど 裏技としてステラじゃなくCミアズマで突っ切るのも手、バスキーのグレイズはねえんだ・・・ あまりにも図々しいCの撒き方をする人には有効 105 名前:名も無き人型の「それ」[sage] 投稿日:2010/05/11(火) 18 32 56 ID PdsAA3cE0 ダメージ取れるところでは取っておこうってことで幽々子の反確技 DC、舞地上立ちガード(ほとんどの場合C射やスペカでフォローされてるけど) DA>レイラインorラジアル(ど安定) 2Aor遠A>3A>マスパ等(距離が遠い場合は3A直接当てでもOK) DB>実り(距離限ロマン) 画面端の羽風生 第一波をグレイズしてCでダウンを取り、その後グレイズ 夢、手形以外のスペカ 暗転見てからブレスタが確定 132 名前:名も無き人型の「それ」[sage] 投稿日:2010/05/12(水) 13 15 26 ID sjLOIghk0 ゆゆ戦で気をつけてる事といえばJC,J2Cを無理に全部グレイズしようとしたらダメって事。 Cの軌道を読んでHJ6Aや、Cを置くとちゃんと機能するしターン交代出来る。 特にHJ6Aオススメ、chでマスパから4k取れます。 あと重要なのが相手がJC撒いた後近づいてくるの見てから6Bを出すこと。 相手はこっちのグレイズ呼んだらJ2AやJAを先で置いてくるからそこからリターン取れる。 相手が地上にいる時の立ち回りだけど遠距離はすることない精々カード宣言するか、6C打つくらいさっさとライン上げる。 中距離で迂闊にC打つならDA差込、マスパ持ってダッシュストップからの6Cやらトーチ。 中距離でのJCを下手に触りに行こうとしないJC 66JAで狩られる、レヴァリエあるなら確定だからぶちこめ。 中~近距離になってきたら遠A、低空ダJA、C 昇JA、6A、DAやら相手を様子見しつつ突っ込む。 相手は2BやらAやら対空が揃ってるからフェイントも含める事、ここでトーチあると楽しい事になる。 固めに関しては皆書いてる通り2A暴れに気をつけること。 固め割られポイントすると、A刻みからのダッシュ・AA 3A・AA Cor6C・JA A・2A・遠A・A3。 2A、遠Aに関してもガーミスされても普通に2A擦ってるから割り込まれる。 相手が遠Aを正ガしたなら6A選択も入れる事、GBかルミネス持ってるときが望ましいかな。 6Aは結構キャンセルタイミングずらせるからガードされても融通が利く。 距離が近い場合6Aは使っていくのが厳しいから、B射や最速でCでキャンセル出しすること。 ゆゆこ問わず、全キャラに進めたい固めが密着or遠A間合いからの6Cからのノーキャン固め。 6C ガード後、目押しAor遠Aで空ガHJ暴れ全てを狩れる。 ただ暴れとHJに関しては最速気味でしないと狩れないので、苦手にひとに6Cキャンセル J2Bという手もある。 6C J2Bは距離とキャンセル速度によって連ガ、6Chitしてたらコンボにもいける。 遠A・Aからは6Bへ繋いでエリアルコンへ、遠A 6B JA J6A JC J6Aがオススメ。 コメントフォーム 幽々子のB射に対してラジアルをぶつけられるといい感じ。 -- 名無しさん (2009-12-12 17 47 03) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kokugami/pages/6.html
小説を見る前に 小説を初めて見る人は必ず見てください。 1.ここのサイトの小説を無断で他サイトにのせない 2.マターリタウンの住民であること 3.アドバイスをする場合、マターリタウンのとろろにメールで送ってください こんな感じですね。
https://w.atwiki.jp/syouhajime/pages/12.html
恋愛小説 人物相関図 長編小説 短編小説 destiny love
https://w.atwiki.jp/touhoiuyamaut/pages/15.html
山内狼幻想郷の 霧雨 魔理沙 霧雨 魔理沙は、元々、商人だったのだが当時は、父親の手伝いで人里で酒や塩などを売る。そういう仕事をしていた。で、父親の仕事に追い付かず。結果としてグレて不良になった。金髪は、母親譲りだと伝わる。で成人した霊夢に出会い。決闘を申し込む。で、負けたので恋府、マスタースパークなど魔法をアリスに師事するがアリスは、白魔道士当然、アリスに師事された魔法以外は、独学で勉強した。黒魔法を覚えた。こうして魔理沙は、黒魔道士として霧雨 魔法店を開く。 能力は、「魔法を操る程度の能力」魔法は、一部だが雷属性の魔法を扱う。ダイムサンダーとか結局、強力。 物語でよく使う従来のスペルカードは、 恋符「マスタースパーク」 魔砲「ファイナルスパーク」 符の壱「スターダストレヴァリエ」 符の弐「アステロイドベルト」 符の参「マスタースパーク」 星符「ドラゴンメテオ」 黒魔「イベントホライズン」 光撃「シュート・ザ・ムーン」 魔符「マジカルR360」 恋符「マシンガンスパーク」 恋符「マスタースパークフローズン」 非携行品スペルカード・武器など マジックミサイル グリーンスプレッド スウィープアサイド ステラミサイル ストリームレーザー マジックナパーム 新スペルカード 魔符トリックルームSDA 雷符ダイムサンダー 雷符グレイシャルサンダー 雷符アッパーサンダー 魔符 雷撃の逆撫で 恋符シュートアッパー 恋符レインボーサンダー 恋符 必殺!!ファイルマスタースパーク!! 携行品・武器など スナイパーライフル「レア度4」 その弾丸 過去の邂逅編では、上記の通り父親の商人からなぜ霊夢のライバルになったのか?その一部主従が明らかになる。 山内狼幻想郷で有名なのは、アサシン執事で軍師フォレスト・ルナと戦った時、魔理沙は、負けたもののフォレスト・ルナに「1週間待て」と言い。たったの1週間で上記の新スペルカードを手に入れた。中でもファイルマスタースパークは、強力で結構、気に入ってた。スナイパーライフルは、あの名探偵コナンの赤井 秀一を超える程の射撃力だ。なぜ魔理沙がスナイパーライフルを手に入れた理由は、フォレスト・ルナは、短剣だけでなく自慢の機械弓矢を操る。その事からスナイパーライフルを手に入れた。
https://w.atwiki.jp/reiyonshousetsu/pages/118.html
小説以外の何か 自作ポケモン ダークマター 新御三家 写真
https://w.atwiki.jp/dbrpalpha/pages/2832.html
↑D2nd氏が思いついたために手に入れた初めてのコラボキャラSSRカード 霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ! 霧雨魔理沙とは 「東方Project」に登場する魔法の森に住んでいる人間の魔法使い。 二つ名は「普通の魔法使い」など。 実は彼女、元々は旧作「東方封魔録」で魅魔の手下として立ちはだかっていたのだ。 この時は今の姿と違う髪型をしていて、金髪なのが赤髪となっているのだ。 しかも現在とは異なり、口調が「~わ」「~ね」と女口調で話してることが多いのだ。 まるでぷよぷよのウィッチである ちなみに初出の名前は「魔梨沙」になっていた。もちろん誤字。 「東方夢時空」から現在の金髪の姿となり、「東方秋霜玉」でついに現在の姿に近いものとなった。 ただ、よく見ると微妙に違う服だが。 それから博麗霊夢と共に異変解決の旅に出たりする。 だか彼女、所詮は脇役なのだ。「太鼓の達人」でいうかっちゃん、「ドラゴンボール」でいうベジータのような、永遠の二番手なのである。 神主は言う。「魅力のある脇役」だと。 能力は「箒に乗って空を飛ぶ程度の能力」。 作中では空を飛ぶときは必ずと言っていいほど箒に乗っている。 空を飛ぶ速さは人間としては最速クラスである。 フィクションなので当然だが、EXITの「兼近大樹」、ジャマイカの「ウサイン・ボルト」が本気で走っても追いつけない。 主なスペルカードは「恋符「マスタースパーク」」。 画面いっぱいサイズの極太レーザーによる攻撃である。 実はこの技、「ガンパレード・マーチ」や「式神の域」に登場するN.E.P.という超兵器のオマージュである。 ちなみにN.E.P.の略は「Null Erinco-Gate-Point Pursuer」である。 射程距離は3km前後で、異物の存在を過去に遡(さかのぼ)って抹除(まっしょう)する。 抹除(まっしょう)された存在はその世界に最初からいなかったことになる。 その結果、それは本来あるべき場所に戻る。 実はこの「恋符「マスタースパーク」」、「東方幻想郷」の風見幽香の技のコピーである。 当時の風見幽香も画面いっぱいの極太レーザーを放つ。それが魔理沙のマスタースパークにそっくりだったため、 風見幽香の技が「元祖マスタースパーク」と呼ばれる始末。 果たしてZUNの真意はいかに・・・? 2022年夏、コミックマーケット100にて、彼女が単独主人公である 「バレットフィリア達の闇市場 ~ 100th Black Market.」が頒布(はんぷ)。 RPG要素やローグライク要素を兼ね備えたシューティングゲームとなっている。 オンゲキの霧雨魔理沙 2018年8月28日。このコラボチャプターのSSRカードもSRカードも無条件で交換可能となった。コラボキャラなので、ボイスがない。東方キャノンボール「東方電幻景」「湊 友希那」なども同様である。「乗り物デッキ」「あ、凄い!私も真似したい!」SpringMemorySpringMemoryログアウトせずに連続してこのカードを手にするのにジュエルが300個必要。なんと彼女の負けモーションの資料が見つかった。彼女は乗っている箒も消えるのだ。2023年9月30日。彼女は人気投票1位となった。
https://w.atwiki.jp/201092090/pages/13.html
イナイレ小説@
https://w.atwiki.jp/marisa-kirisame/pages/21.html
カード1枚溜めるのに必要な攻撃回数 霊力削り 台風時の各攻撃の効率 魔理沙のお尻の有効活用 DBのちょっといい話 Aからのグラウンドめくり バスキー考察 ラジアル考察 ラジアル→スペカ実験 溜め6Aクラッシュからのラジアルスペカ追撃 ルミネスストライクについて ベロシティによるガード反撃狩り コスト5スペカについての調査 ブレイジングへの繋ぎ 完熟マスタースパークを目指して カウンターヒットしたスペルのダメージ レーザー射撃のちょっと良い話 多くの記述はv1.02の時点で書かれたものであることに注意 カード1枚溜めるのに必要な攻撃回数 数字はカードが1枚貯まるのに必要な回数。全て壁端。 近A 13 遠A 7 2A 7 DA、DB、DC 5 J6A 5 J2A 3 AAAA 2 B(1) 8と余り (3) 3と余り (0)16 C(4) 4と余り (0) 10 6C(10) 4と余り (0) 10 ナロー(15) 3と余り (0) 10 レイライン 4 ミアズマ 5 フルコン入れば1枚チャージは確定。 ガードされてもチャージ量は変わらない。 ナロー、レイライン、ミアズマはBCによって違い無し。 MAXギリギリまで貯まっている状態から当てても余剰分はカットされる攻撃がある。(打撃系のみ? ただDBもカットされる) あとシャワーの削り性能を検証してみた。 AAA→B→C→236C→メテオ 884ダメージ確定 君はメテオをデッキに入れてもいいし入れなくてもいい 霊力削り 968 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/06/21(土) 01 55 13 ID 6iXmd6/s はいはい無駄な研究結果報告ですよー 今回はちょっと実戦でも役に立つかも。 各射撃ガード時の霊力削り表 端 最大ヒット 相手は魔理沙です B 1 溜めB 1.5 C 1.2 溜めC 2.1 2B 0.5 持続 1.2 2C 1 6C 1.2 22BC 1 J22BC 1.5 デブリ 1.2 ステラ 0.5 デビルダム 1 アップスウィープ 1.5 バスキー 1.2 ナロー 1.5 ラジアル 1 グリーン 1.5 メテオ 3.2 ルミネス 1.5 マスパ 1.1 オーレリーズ 弱 1.2 強 1 ファイナル 1.5 ドラゴン 1.5 ブレイジング 1個割り 実り 2.9 ついでにまたメテオの割り考察 端密着限定 B(3)→2C→メテオ→フルコン これが一番安定するかも。 要はメテオを打つ時に、相手の霊球が3.2以下のときであれば割れ確定。 ただし3未満だとメテオが余分に当たってダウンしてしまうので注意。 969 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/06/21(土) 01 57 47 ID 6iXmd6/s 968 補足 AAA>Bで繋げると割った後AAまでしか入らない AA>Bで繋ぐべし 君はメテオをデッキに入れてもいいし入れなくてもいい 970 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/06/21(土) 02 10 16 ID 6iXmd6/s 968 更に訂正orz フルコンと書いたけど入るのは AAAAかAAA>2Bの二択(これしか知らん) 距離がひらくせいでAAA>Bはガードされる 974 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/06/21(土) 02 29 31 ID 6iXmd6/s 971 お疲れ様です ついでに 969に追記 A B 2C メテオ AAA B(1) 6C J2A J6A レイライン 2635魔方陣 AAAの後のBを多く当てるとJ6Aで魔方陣でます。 台風時の各攻撃の効率 特にネタもないので台風時の効率の良い攻撃について調べてみた。 AAAA:1719 6C:1369 ミアズマ:1200前後 レイライン:1300前後 ナロー:1457 デブリ:1400前後 アップスウィープ:1822 メテオニックシャワー:2427 オーレリーズ:一回のレーザーで2200強 ルミネス:2647 ベロシティ:1229 マスパ:3798 レヴァリエ:2465 実スパ:6543 Fスパ/Dメテオ:6812 レーザー系は相手が硬直するから魔理沙側だけが一方的に撃ち勝てるのが魅力。 レヴァリエやルミネスは相手が殴り合いをしてきたときに撃つといいかもしれない。 魔理沙のお尻の有効活用 尻アタック可愛いからもっと活用したい。ということでいろいろやってみた。 尻ガード後の行動 着地ミアズマによる暴れ狩り→成功すればスペカキャンセルでゴッソリ持っていけるがガードされると悲惨 速めの22Bで空スターダスト→相手が暴れるなら刺さるが追撃不可。ガードされても反撃はまず無い(?) 端以外でスターダストガードさせると霊力1.5削り、端だと0.8~1削る。端なら固め継続できそう 遅め22Bで着地キャンセルから打撃→上記二つを警戒してる相手なら固め継続。暴れる相手だと負ける?不利フレームがわからんので自信無し 今の所主にこの3つが主流? んで、ちょっといろいろやってみた所 (相手立ちガード状態で)中央でAA 6A ナロスパ JA 遠A又はダッシュから打撃で端へ固めにいける。6A ナロスパは速めにキャンセル。 問題点はしゃがまれると悲惨。ナロスパ中は慣性でやや上に上昇しながら前へ進む為途中で当たらなくなる。 それと立ち状態でもブレイジングが当たらない事で有名(?)な西瓜相手の場合、キャンセルが遅れるとナロスパ途中でスカるようになる。これも危険 端での固めだと AA 6A J22B 6D JA JC 6D JA A~ 霊力削り:2.1 AA 6A J22B 2B 6D JA JC JA A~ 霊力削り:3.1 二つともJ22Bのあと逃げられる可能性がある。ちなみに相手が下段ガードしてたら霊力削りが5! 最後のJAで割れて立ちAからフルコンいけるぜヒャッホイ♪ 下段ガードしてくれる奴居ないと思うけどな・・・ 相手がしゃがんでた時、下の方のJAが入りにくい。 AA 6A ナロスパ JA A~ 霊力削り:1.5 端だとナロスパ JAがギリギリ連ガにならない程度っぽいので多分反撃は無い。これも相手立ちガード限定 こっち霊力消費1でナロスパ終了と同時に回復が始まり、着地後AA辺りでナロスパ分の霊力は回復する。相手は1.5個分失ったまま。これ意外と良いかも。 メテオの方は相手のガード硬直が短いせいでちょっと活用しにくかった。 まだ魔理沙と西瓜にしかやってないので穴があるかも知れないけど許して。 690 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/07/03(木) 04 18 25 ID LYdT9h9U 689修正 中央からのナロスパ固めでJAの後遠Aはガード入力し続ける相手には当たらない 693 名前:名前が無い程度の天候[] 投稿日:2008/07/03(木) 13 05 21 ID SEVyxngU 689 6aの後のナローdc jaの固めは良く使ってたけど抜け方分かってる人には 厳しいかも? 6aの後暴れる奴にはナローが刺さるしナローの後固まる奴には 固め継続できるし、利点も多いけど、ナローの後落ち着いて立ちa振る奴だと 反確貰ってしまう(勿論割り込み性能の高いスペカも食らう)連ガじゃ ないのは利点でもあるから6a→22b空キャン着地打撃重ねとか 6a→22b空キャン着地何もしないとか見せていけば有効な攻撃方法だとは 思うけど相手が反応できるかどうかな気がするな。 まぁアリス限定でいうと立ちaが下段だからかなり優位 なまま固めの継続できるけど6aの時点で斜め後ろに回避結界されると ナローがすかってこれも反確ぽい 694 名前:名前が無い程度の天候[] 投稿日:2008/07/03(木) 13 11 37 ID SEVyxngU 追記でアリス限定エロイ固め 6a→22b(空キャン)→6a *n アリスの立ちaが下段というのを利用したあほ固め。 アリスって抜けれそうなところをhj7とか後方に大きく逃げようとする人 多いと思うんだけど、そこに尻が刺さるし立ちa置かれても下段無敵だから 抜けて刺さる、当然グレイズで前に抜けようとしても刺さるw 当然分かってる人には(ry…だし そんなに難しいわけじゃないくせに 失敗するとフルコン確定だしリスクとリターンがあってないけどなw DBのちょっといい話 775 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/06/17(火) 23 30 06 ID z2Ebm0vw 結構有効なネタだと思うんだけどLuna以上だと偶にしか食らわないネタ ダッシュBは射撃属性なので相手にガードさせると霊力が一個減る 画面端で相手のガード割るとAフルコン確定 中央でも遠Aからコンボ確定 Aからのグラウンドめくり A×n>グラウンドスターダスト>ブレイジングスターでグラウンドスターダストがめくりになるよ! ちなみにブレイジング立ちガードでクラッシュからグラウンドスターダストが連続ヒット グレイズしようとするとブレイジングがささる ジャンプガードは乙だけど多分敵は心理的にうごけないはず! とどめにどうぞ ちなみに実戦ではまだ使った事ないからひっかかってくれなくても責任は持てんw ↑実戦で使ったらしゃがみ余裕でした(^q^) バスキー考察 じゃあ不人気なバスキー考察でも ダッシュ攻撃にグレイズの無いまりさにとっては貴重なグレイズ技 入力直後からグレイズついててかなりの距離をかっ飛んでいくので、弾幕抜けとしては信用できる しかし射撃属性なので意外と当たらない、固め抜けに使ってもとりあえず抜けるだけなんてのもしばしば 上からの打撃にはめっぽう弱いので、対空に使う時は早出しで 落下中は行動可能なので、とりあえず2Bでも撃ってから飛翔などで反撃はそうそう受けない ただし斜め上に長い攻撃持ってるキャラには注意 当たった時は6A 6Cがド安定、ダメージ欲しい時はC レイライン レヴァリエあたり 地上ヒットなら最初にAを足せる、地上ヒットなんて全然無いが 射撃と同時に突っ込んできた時、中距離かつ相手が空中にいる時等にテキトーにぶっぱなすが吉 結構使えるんだぜ? みょんや小町なんかには宣言しない方が良さそうだけど ラジアル考察 じゃあ他に使い手のいないラジアル考察でも 214スキル3つ(レイライン・アップス・ラジアル)の中では 発射前硬直が一番長く、発射後行動可能が一番早い 発動が遅いためDA→ラジアルが連ガにならない。 空中尻キャンからは連続ヒット。他C、6Cから連続ヒット可能 出終わり(浮きの頂点)から飛翔可能で以降空中行動自由。 空中可・射程画面端までで正面と斜め上方に内撃ち分け可能。 6Cキャンセルで上に逃げた相手をかれるのが地味に便利 地上専用含む全てのスペルで発射後最速キャンセル可能。 ヒット確認キャンセルからマスパ・ドラゴンメテオ等も繋がる。 地上ヒット確認ドラメテ、空中ヒット確認ブレイジングが便利 対アリス・幽々子・パチェ辺りで特に有効。 逆に霊夢の座布団はスピードダウンしかさせれないので非推奨。 座布団強度強すぎる。 ラジアル→スペカ実験 572 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/07/01(火) 03 32 36 ID FpNW8Ab2 ラジアルになんか使い道はないかと研究してたけど、 これスペカキャンセル性能だけはすごいな。 レイラインだと繋がらないのにラジアル→マスパすら繋がった。 ヒット確認後最速で何とかいける。 位置問わず ラジアル→マスパ:3874 ラジアル→レヴァリエ 3446 ラジアル→ルミネス 3239 位置限定 ラジアル→ブレイジング 5393 ラジアル→ドラメテ5453 ブレイジングはかなりシビアだけど ドラメテはキャンセルすればほぼ入る。 DA→ラジアルが連続ヒットなら そこからドラメテ確定するんだけど惜しいなぁ。 573 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/07/01(火) 03 54 43 ID 9ZNhfqvY 限定位置ってどこだい 574 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/07/01(火) 04 19 49 ID FpNW8Ab2 完全端だとバウンドしないから当たらない。 後完全ど真ん中はメテオのレーザーが届かない。 それ以外の中央~端手前ぐらいならだいたいあたる感じ。 限定とはいえかなり広い。 しかしこれよくわからんスキルだなぁ。 発射後の空中硬直は空中スペルでのみキャンセル可 とみせかけて頂点まであがったあとは自由に飛翔できる (飛翔後の空中行動は自由) 発射直後にキャンセルすると地上扱い レイラインヒット直後のみキャンセルすると 地上扱いになるのと同じ原理っぽい。 ただしこっちはヒットなしの空撃ちも最速キャンセル可能。 後レイラインに比べてヒット時相手が山なりに吹っ飛ぶせいで 各種スペルの追撃が間に合う様子。 溜め6Aクラッシュからのラジアルスペカ追撃 6Aタメクラッシュ→確認レイライン(→レヴァリエ) ができなくなる時点でラジアルもアップスィープもいれる要素無いんだぜ これをみて、尻キャンが連ヒットになったことから ふと思いついたのでやってみた。 溜6Aクラッシュ→空キャンラジアル→ドラゴンメテオ:3268 …はいっちゃったよ。 ただしキャンセルがちょっとシビア。 ちなみに他のも入る。 中央から可能 溜6A→ラジアル→ブレイジング:3198 溜6A→ラジアル→マスパ:2316 画面端限定 溜6A→ラジアル→ベロシティ:2104 ルミネスストライクについて 831 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/06/19(木) 03 05 11 ID h5vlscpI 流れを切るようで悪いがネタをひとつ。 ルミネスストライクって足元無敵っぽくね? 見た目でも撃つとき若干浮いてるし。 打撃がギリギリあたらない程度の距離で、けん制にあわせて ルミネス撃ったら相手が偶然スライディング系の技だしてきてて スカして当たったんだがw 足元攻撃読みで使えないかなー。 ルミネスならぶっぱしても隙も少なめだしね。 そもそも本当に無敵があるのか、とか、 無敵あるとしても入力後どこから無敵とか判らんのでアレだけど。 とりあえず少し実践投入して検証してみようかなー。 836 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/06/19(木) 13 11 30 ID O6geYQkE 妖夢は昇竜の硬直にも立ちA当たらないな 831 一回それで文の溜め3A見てからルミネス余裕でした出来た事あったなw もうルミネス外しちゃったがw 後小ネタだけどレイラインの後半部分をガードさせると空振りした時みたいに空中で行動出来るな 距離はかなりシビアだけど 837 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/06/19(木) 13 19 54 ID SYCqypWw ルミネスは558番かな、これだと足元には当たり判定無いね。 レヴァリエも多分足元は判定ないから下段はすかして撃てるな 隙の少なさやグレイズの有無があるからどちらが良いとは言え無いけど・・・ ベロシティによるガード反撃狩り 748 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/07/03(木) 22 46 47 ID Eotqhl4w ベロシティでガード反撃狩れるのか いいことを聞いた 758 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/07/04(金) 00 12 19 ID AMEgbaeg 748 あ、反撃狩るの アリス、衣玖、文にしかまだ見てない・・・ 咲夜にも、見てから反応で入ったきがするんだけどなぁ アリスで試すと、面白いほどよく狩れるよ^o^ コスト5スペカについての調査 ファイナルが中央のすいかに外れたのが気になったので コスト5スペカについて調べてみた 全てA*4>スペカ ファイナル ブレイジング ドラゴン 中央 端 中央 端 中央 端 霊夢 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 咲夜 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 妖夢 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 魔理沙 ○ ○ ○ ○ ○ ○ アリス ○ ○ ○ ○ ○ ○ レミリア ○ ○ ○ ○ ○ ○ 幽々子 ○ ○ ○ ○ ○ ○ パチュリ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 紫 ○ ○ ○ ○ ○ ○ うどんげ ○ ○ ○ × ○ ○ 文 ○ ○ ○ × ○ ○ 萃香 × × ○ × ○ ○ 小町 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 衣玖 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 天子 ○ ○ ○ × ○ ○ 中央、端でのダメージ差は無く ファイナル:4436 ブレイジング:4312 ドラゴン:4436 以外にもブレイジング外れるキャラが多く ドラゴンは全キャラ場所関係なくあたるんだけど、全く置き攻めが出来ないのが難点 ちなみに実りやすいマスパはやる時間が無駄だと思って試してません ブレイジングへの繋ぎ 64 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/07/07(月) 13 39 39 ID WEn7lbjw ブレイジングは色々と繋げられるし色々便利だな ミアズア→ブレイジング(CH不可?) AAAA→ブレイジング(一部キャラ不可) DC(CH)→ブレイジング J8A→ブレイジング(CH不可?) J6A→ブレイジング(壁が近いと不可) J2A(めくり)→J2A→ブレイジング 個人的に知ってて使ってるのはこのコンボ 何か他にもあったら教えて欲しい 65 名前:名前が無い程度の天候[sage] 投稿日:2008/07/07(月) 13 43 16 ID WEn7lbjw DBからも行けるのねブレイジング、端じゃCH限定みたいだけど 早く出さないとダメだから実戦じゃ使えなさそうだ 完熟マスタースパークを目指して 615 名前:名前が無い程度の天候[] 投稿日:2008/07/02(水) 00 34 48 ID W0A/vbi. 526 さくやさん対策を見たが素晴らしいなあ。今度実践してみる。 俺も含めてみんな実りマスパを入れてないみたいなんで どんな連続技が成立するかてきとーに確かめてみた。 結論としていっとくと実用性0だ。 実りやすいマスタースパーク 圧倒的な出の遅さと至近距離では当たらないロマン技。 実は導線が当たらないほうが威力がでる。 導線からフルヒット:5607 極太レーザーのみヒット:最大6000 霊力削り:約3個 必殺技からの連携 ■ほぼ最速で間に合う。 グリーンスプレッド:C版のほうがやりやすい デビルダムトーチ :画面端and多少距離が離れていること。 ■みてから余裕 ステラミサイル:約5000ダメ。画面端以外で1ヒット時はダメ。 ■完全ネタ(ステラMAXコンボ) 3C→ステラ→みのりん:画面端手前。3600程度。 各種カウンター時は基本的に繋がる。 レイラインカウンター時もバウンドを拾うから繋がった。 ミアズマはカウンターも含め繋がらない。 ステラが一番理想的だけどこれ自体あたりづらいんだよなあ。 カウンターヒットしたスペルのダメージ ブレイジングカウンターヒットしないね。 ついでなのでカウンターヒットするスペル調べてみた。 左が通常ヒット時、右がカウンター時のダメージ。 ヒット数ばらつくのは同じヒット数で比較してみた。 シャワー 1457 1536(7HIT時) ベロシティ 3139 3100 マスパ 3473 3524 Fマスパ 5801 5866 ルミネス 2505 2654 オーレリーズB 730 795(B-4HIT時) オーレリーズC 2100 2138(C-20HIT時) カウンターヒットのダメージ上昇時は1HIT目のみ+33%。 多段ヒットするスペルばっかだからほとんどあがってないなぁ。 ドラメテ・ブレイジング・レヴァリエ・実りは カウンターヒットしない。 5スペで唯一Fマスパだけカウンターする。 後、ベロシティだけカウンターすると 最大ヒット数落ちるせいでダメージ減るな。 ちなみにブレイジングがカウンターありになると 1.33倍なので 6000×1.25×1.33=9975 MAXならぎりぎり即死しないよ!よ! ふざけんなwww レーザー射撃のちょっと良い話 緋想天では一定の密度を保った射撃が最後の一段じゃないと回避結界できないようで、 てんこのB射撃、咲夜のB射撃等がそれに該当するんだけど 魔理沙の6Cとナロースパークも最後の一段じゃないと回避結界できない つまりガードさせた時点で6Cなら1.0、ナローなら1.5の霊力削りが確定する これを利用して端密着で「A B 6C メテオニックシャワー」が6Cをガードさせた時点で割り確定 中央で霊力2の相手に「3A(立ちガードさせる) 6C 各種スペル」が確定 既出だったらごめん
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/1563.html
─────────────────────────────────────────────────────────── ※流れ プロローグ ↓ 共通ルート1 │ │ ̄ ̄ ̄│ ̄ ̄ ̄│ │ │ │ 妹紅1 慧音1 魔理沙1 │ │ │ │ │ │  ̄ ̄ ̄│ ̄ ̄ ̄ 共通ルート2 │ │ ??? 新ろだ887 後書きより抜粋 ─────────────────────────────────────────────────────────── プロローグ 眠い。もう駄目だ。 机の上に万年筆を放り投げた俺はすかさず布団に入り込み、意識を失うかのように目を瞑った。 今は朝。ちゅんちゅんと雀の鳴く声が聞こえ、ガラスのない窓からはさんさんと日差しが降り注ぐ。 しかしそんなものは俺の知ったことではない。人が活動し始める時間だろうが、朝顔の咲く時間だろうが、徹夜明けの俺は眠いのだ。 さあ寝よう。3日徹夜してまで仕事を仕上げようとした俺がバカだったのだ。残りは起きた後に仕上げればいい。 あの新聞記者にはあと半日原稿を待ってもらって……駄目だ、意識がもう保てない…… 「やっほー。○○、起きてるかー?」 いきなり開いた玄関の扉。この家は5畳1間の狭い家なので、闖入者の声がダイレクトに俺に響いた。 最悪だ。普段ならともかく今は勘弁してくれ。俺は眠い。お前に構ってる気力はないんだ、妹紅。 俺はあくまで布団にくるまり、意識を飛ばそうとする。 「なんだ。まだ寝てたのか。○○ー、もう朝だぞー」 闖入者――藤原妹紅はずかずかと家に上がり込み、俺の布団を無理やり剥ぎ取ってしまう。 太陽の光が俺の目に突き刺さった。やばいくらいに痛い。 「も、妹紅……」 俺が布団を取り返そうと手を伸ばすと、妹紅は意地悪にも布団を高く持ち上げた。そしてニカッと明るい笑顔。 「起きた? あのさ、釣りにでも行かない? 慧音から寺子屋の子供達に教えて欲しいって頼まれたんだけど、○○もよかったらさ」 妹紅の誘い方はそっけないが、俺にとっては嬉しい申し出だ、いつもなら。 俺は動かない口を鞭打ち、たどたどしく動かしていった。 「妹紅、頼む、寝かせてくれ。俺は徹夜して今寝る所なんだ。頼む、頼みます、お願いします、どうか俺に慈悲を」 寝ころびながら懇願する俺の姿はさぞ情けなかろう。だが俺は限界なのだ。 「また徹夜してたのか……いつかは身体壊すぞ、まったく」 小言を言いながらも妹紅は優しく布団をかけてくれた。暖かい空気に包まれ、俺の睡魔が急激に勢力を延ばし始めた。 「しょうがない。魚釣りは私1人で……うん? もう寝たのか。ったく……おやすみ、○○。よく寝ろよ」 妹紅の優しい声に包まれながら、俺は夢の世界に旅立つのだった。 ※ 小説とは俺の全てだ。どんなことよりも優先し、命を削ってでも書きたいという衝動がいつも渦巻いている。 外の世界から幻想郷へと放り込まれた今でもそれは変わっておらず、俺は下手くそな小説を書き続けていた。 そして運が良かったのか縁があったからなのか、この幻想郷にて何冊かの本を出すに至り、外の世界ではできなかった「作家」としての生活を送るようになったのだ。 しかし作家とは太宰治氏や樋口一葉氏といった大先生がそうであったように、そう安穏とした生活を送ることはできない。 お金に困り、人間関係に悩み、世の中と人生について深く思慮し、時には絶望と希望の境界に立たされながら醜く生きていく者のなんと多いことか。 特に俺は、幻想郷で作家生活を送ろうと思うこと自体がおかしいと言われるのではないだろうか。 ここでは現代世界における『出版社が作家から原稿を受け取って本にし、それを大量に印刷して全国の本屋で売りさばく』という販売構造が、微塵も存在しない。いや、そもそも近代的な出版技術自体が普及していない。 さらに人間の数が少なく、それよりも遥かに多くの妖怪や超人、幽霊が跋扈しており、一部の高等妖怪を除けば言葉も通じないありさまなので、読書人口は限りなく低い。 必然的に本を作ってもさほど売れず、俺は生きていくために身を粉にして文章を書かなくてはならなかった。 一応、臨時の仕事はいくつかあるが……あくまで俺は作家だ。できることなら文章でご飯を3食食べたかった。 そうして俺は、今その作家としての仕事をひとつやり遂げた所だった。 「はい、確かに受け取りました。しかし○○さん……次は締め切りをきちんと守ってくださいね」 「まことに申し訳ない。次は締め切りギリギリまでには仕上げます」 「本当は締め切りの前日ぐらいに書き上げてくれた方が助かるんですが……」 つい1分前に書き上げた原稿を手にしてため息をついているのは、今回の仕事の依頼者である射命丸文さんだ。 文文。新聞という不定期刊の新聞を製作している女性で、種族は天狗。人間に限りなく近い姿形をしているが、背中の黒い翼がしっかり人外であることを示していた。 幻想郷では数少ない出版技術を持っており、普段からお世話になっている。 さらに俺は彼女の文文。新聞に小説を連載している。今日の朝がその最新話の締め切りだった。 しかし、今日の朝俺は完璧に眠ってしまい、昼に起床。それから死に物狂いで書いた。 そうして原稿を渡すことができた現在、太陽は沈み、月がぼんやりと三日月の形で出ている。 人里離れた竹林の傍にあるこの家。外はとても静かだった。 「今日の分の原稿料はまた明日持ってきますから」 「ありがとうございます。助かります。そろそろお金がなくなりそうで」 「顔色悪いですもんねえ。何日食べてないんですか?」 「今日はちょっと徹夜明けで……そういや昨日の昼におにぎり食べたきりだったかな……もしくは一昨日……あはは」 「つまり覚えてないわけですか。相変わらずですねえ、○○さんは」 心底呆れているらしい射命丸さん。まあこのぐらいは締め切り前なら日常茶飯事だ。 仕事中は空腹なんて気にならない。3日絶食なんてざらにある。 その代わり、仕事が終わったら急激に腹が減る。今もぐーっと、大きな音が俺の腹から鳴った。 「おっと失礼」 「原稿の受け取りの時に何十回と聞いているのでお構いなく」 にっこりと営業スマイルを浮かべる射命丸さん。お義理の笑顔だと分かっていても、こんな美少女に微笑みかけられたらドキリとするものだ。 ほんと幻想郷って所は、人妖問わず美女・美少女が多い。まあ、そういう人は大抵普通の人間では太刀打ちできないほどの力を持っているので、手を出すことなんでできやしないけど。 ただ、最近は強大な力を持つ彼女らにもそういう色恋沙汰が増えてきた、と射命丸さんが言っていたか。彼女らが男性と一緒にいる姿なんてそうそう見ないのだが、いったいどこに相手がいるのだろうか。 「適当におにぎりでも作るかな。射命丸さんも食べます? もう晩御飯の時間でしょうし」 「いえ、私はこれから新聞製作で急ぎ帰らないと……」 と、射命丸さんが立ち上がったところで玄関の扉がいきなり開いた。 「おーす、○○、生きてるかって、なんだ新聞屋もいるのか」 遠慮などという言葉を彼女は知らないのか、家主には挨拶もせずにずかずかと部屋に入ってきたのは、やはり彼女――幻想郷に来てからできた友人その1の藤原妹紅だった。 白い髪をなびかせながら、肩には何か巨大な物体を担いでいる。紙に包まれた何か。水の雫がぽたぽた落ちていた。 毎度のことながら、妹紅はここを自分の家と勘違いしているのではないだろうか。 射命丸さんも呆れた様子で、カメラを構えている。いや、カメラ? どうして? 「妹紅さん。また○○さんの家に転がりこんでるんですか? もしかして同棲ですか? 記事にしてもいいですか? 婚約発表しますか?」 「違う。私には私の家がある。今日来たのは、これを届けるためだよ」 自分の家があるくせによくここに入り浸るじゃないか、と俺が突っ込む前に、妹紅が肩に担いでいたものをどんっと無造作に放り投げた。 やけに生臭い臭いがする。これは……魚だろうか。 「どうしたんだ、これ」 「今日の成果。1人じゃ食べきれないし、食料難の○○に分けてあげようかと思ってね」 誇らしげに言う妹紅。ああ、確か慧音さんに頼まれて子供に釣りを教えてたんだったか。あやふやな朝の記憶にそんな会話があったような。 確かに食料も尽きかけているのでこれはありがたいが、これだけの大きさ、2人でも食べきれるかどうか…… この魚、軽く丸太ぐらいの大きさはある。マグロか? 海ないだろ、幻想郷。 何の魚だ、と俺が聞くと、妹紅はさも当然の如く「鮎だけど」と答えた。 通常の10倍以上の大きさなんだが……さすが幻想郷。常識が通用しない。 「妹紅さんは○○さんに貢いでいるんですか? それともこれは持参金代わりに」 「射命丸さん、新聞づくりはいいんですか?」 取材方向が変な向きになってきたのっで、ここらで止めておこう。 途端に慌てた様子で取材道具をしまい込む射命丸さん。 「あやや。忘れていました。○○さん、私はこれで失礼します。妹紅さん、今度また取材させてくださいね」 「気が向いたらね」 「それでは!」 幻想郷一の速さを誇る射命丸さんは、部屋の中だというのに宙に浮き、開いていた扉から一気に飛び出していった。 ああいう風に空を飛べるというのはうらやましいし美しいと思うが、部屋の中は勘弁して欲しい。原稿用紙が風で飛び散る。 部屋に散らばった紙達を集めつつ、ため息ひとつ。 「はあ、で、妹紅。この魚、どうするんだ?」 「食べるんじゃないの?」 何を当たり前のことを、とでも言いたげな妹紅。食料の保存のことなんて考えていないのだろう。 「まあそうだけど……2人じゃ食べきれないだろ。魚はすぐ痛むしなあ」 「3人なら食べきれるんだぜ」 「ああ、3人なら……って、今度は魔理沙か」 友人2、霧雨魔理沙の登場である。 霧雨魔理沙は普通の魔法使い。白黒のエプロンドレスを着た、まだまだ少女臭のする女の子。 しかし、妹紅がずかずかと遠慮なしに入ってくる友人なら、魔理沙は声をかけることもなく勝手に入ってくる、不法侵入大好きな友人だ。人里で知り合って以来、よくやってくる。 今もいつの間にかちゃぶ台の前に座り、ナイフとフォークを手に、うきうきした目をこちらに向けている。 食べさせてもらう気まんまんだな、こいつ。 「魔理沙、家に入るなら声ぐらいかけろって、いつも言ってるだろ」 「ああ、分かった。それよりも早く調理したらどうだ? 魚が痛むんだぜ」 なんとずうずうしい。料理して食べさせろと言っているのだ。 「そうだね。○○、釣ってからもう長い。お前も腹が減ってるだろうし、食べよう」 妹紅も魔理沙を援護する。いや、彼女の場合は純粋に魚の痛み具合を心配しているのだ……そう思いたい。 「まったく……仕方ないか。妹紅、火をくれ。一気に焼く」 「ん、ほいっと」 妹紅が少し手を振ると、調理場の薪に火種もないのに火が点いた。 魔力だか妖力だかの力らしい。妹紅は主に火を使うことが得意なのだとか。 便利なもんだ。一度こういう力について徹底的に取材してみたい。 「さんきゅ。妹紅も席について待っててくれ。すぐに用意できる」 「りょーかい」 気のない返事と共にちゃぶ台の前に座る妹紅。手伝おうという意識がまるでないのが嘆かわしい。いや、手伝われても困るけど。 前に米をといでもらった時の大惨事……思い出したくもない。 「さてと、味つけは適当でいいか……」 俺は手ぬぐいを頭に巻き、久方ぶりの食事を用意するのだった。 ※ 「「「いただきます」」」 3人一緒に手を合わせ、食料となってくれた魚に感謝の意を示す。料理した俺に感謝することなんてないな、主に魔理沙は。 「おい魔理沙、いきなり脂のってる所を食べるなよ。遠慮しろ」 「こういうのは早いもの勝ちなんだぜ」 「○○、ここ食べるか? 栄養つけないと」 対面でばくばく食べ進める魔理沙に比べて、隣に座る妹紅のなんと優しいことか。涙が出る。 しかし目玉部分はそう易々と食べられるものじゃないことを分かって欲しい。魚の目ってギロリとにらんでくるようでちょっと怖い。 「おー、妹紅は相変わらず○○にべったりなんだな」 「何を言っているんだお前は」 「そ、そうだ。私は別に、ただ餓死しそうな○○が心配なのと、美味しい料理が食べられるから持ってきてるだけで……」 妹紅はよく俺の家にきては、食料を持ってきてくれる。 過去に一度、俺が小説を書くことに夢中で本当に家の中で餓死寸前までいったことがあり、それ以来のことだ。 さすがに知り合いが餓死するなんて夢見が悪くなる、とは一度理由を尋ねた時の妹紅の弁。 妹紅が料理の素材を持ってきて、俺がつたない腕ながら調理して一緒に食べる。ギブアンドテイクというやつだ。 それ以上の関係なんてないだろうに、魔理沙は何を勘違いしているんだか。 「だったら私にも何かくれよー。○○だけずるいんだぜ」 「どうしてお前なんかに」 すがりつく魔理沙に、迷惑そうな妹紅。この2人、仲がいいのか悪いのかよくわからない。 以前弾幕ごっこで対決したことがあると言っていたが、2人の間に険悪な雰囲気を感じたことはなかった。 まあ、弾幕ごっこ自体があくまで「ごっこ」なので、遺恨を残すようなことはないんだろうけど。 「くれよー」「離せー」と言い争っている2人を尻目に、俺は魚を食べ続ける。旨い。久々にタンパク質を取った気がする。 「もし、○○はいるか?」 コンコン、というノックの音と共に知った声。この丁寧な訪問の仕方は、あの人だ。 「はい、慧音さんですか?」 「ああ、私だ。開けるぞ」 友人その3、上白沢慧音さんの登場だ。 扉が開くと特徴的な帽子が目に入り、落ち着いた雰囲気を醸し出す美人さんの姿が現れる。 この美人さんは幻想郷に来て以来、最もお世話になった人だ。 人里で教師をしている彼女は、この世界に放り込まれて右も左も分からない俺を拾ってくれた上、一時期居候までさせてくれた。 他にも職の斡旋をしてくれたり、俺が初めて本を出すことになった時には率先して手伝ってくれたりと、世話になりっぱなしで感謝してもしきれない。 今ではお礼に彼女の寺子屋を時々手伝ったりしているが、いつかは彼女にきちんと恩返ししたいと思っている。 「失礼するぞ、妹紅がこっちに……やっぱりいたか」 固い表情で妹紅の姿を認めた慧音さんは、少し怒っているようだった。 当の妹紅は魔理沙をひきはがしながら、「あ、慧音」とのんきな声をあげている。 慧音さんは深くため息をついた。 「子供達を送り届けた後にどこに行ったかと思えば……やっぱりここか」 「なんかあった? 子供は全員無事に帰したはずだけど」 妹紅と慧音さんも友人だ。主に生活能力のない妹紅を慧音さんが心配している、という関係。 慧音さんは重度の世話焼きなのかもしれない。 「子供達はいい、よく引率してくれた。だが終わったなら終わったと私の所に報告してくれてもいいだろう。まだ釣りに行っているのかと思って、ずいぶん探したぞ」 「あー、ごめん。この魚を届けることしか考えてなくって」 「ふぅ、まあいい。魚か……たいそうな大物だな」 慧音さんも目を丸くしている。ちゃぶ台を丸々占領しているのだから、驚くのも当然だ。 「慧音さんも食べます? 俺たちだけじゃきつそうなので」 「ふむ……そうだな、貰おうか。妹紅を探し続けて夕飯もまだだからな」 「慧音ー、そんな怒んないでくれよー」 慧音さんの当てつけに妹紅がすまなそうな声をあげる。微笑ましい光景だ。 俺は慧音さんに箸と取り皿を渡し、好きな所に座ってくれ、と一言。 すると彼女は、あろうことか妹紅と俺の間に座る。けっこう強引な割り込み方だったので、俺も妹紅も驚きだ。 「ではいただこう」 「はあ、どうぞ」 「慧音……怒ってるんだな、そうだなんだな」 拗ねる妹紅に、ふふんと意地悪な笑みを浮かべる慧音。いつも親切な彼女にしては珍しい表情だった。 「おーおー、○○はモテモテだなー。私も寄り添ってやろうか?」 「だからお前は何を言っているんだ」 「いてっ」 魔理沙が本当に俺の隣に座ってこようとしたので、デコピンを1発かましてやった。 魔理沙はにひひっと笑い、また魚を食べ始めた。悪ふざけの好きな奴だ。 俺もさっさとタンパク質の摂取に努めよう。 美女と美少女に囲まれて食事、とはなんと恵まれたことかと自分でも思う。 しかし彼女らはあくまで友人。あちらもそう思っていることだろう。 学生時代、仲間と一緒に鍋パーティでもしたのと同じようなものだ。 無論、俺も男なのでそういう色恋沙汰に興味がないわけではないが、彼女らは一癖も二癖もある上、幻想郷でも実力者。 売れない作家ごときがそういう関係になるなんて、おこがましいことだ。 「お、ここは脂満載だな、もらったぜ」 「おい魔理沙よ。おいしい所はみんなで分けあおうとは思わんのか」 「○○、目玉食べる? ほら、旨いよ」 狭い家ににぎやかな声。 今はこの暖かな空気に浸っておけるだけで十分だった。 新ろだ884 ─────────────────────────────────────────────────────────── 共通ルート1 万年筆の筆先が進まない。原稿用紙の上で文字を書くこともなく止まったまま。 机の周りにはすでにくちゃくちゃに丸められた原稿用紙が散乱していた。 俺が書いては捨て、書いては捨てを繰り返した結果、5畳1間の狭い部屋は紙屑まみれになっていた。 「違う……ここの心情の吐露が冗長すぎると話のリズムが崩れる……けどここで書いとかないと行動論理が破綻して……」 自分自身に確かめるかのように、俺はぶつぶつと小説についての構想を練っていた。 傍目から見れば、部屋の中で独り言を言っている不気味な青年に見えることだろう。 しかしこの狭い家に住むのは俺1人。誰の目も気にすることはない。 ふと、風呂に入ったのは何時だったかな、と俺は取り留めのないことを思い出した。 3日前は入ったか……なら、2日ほど身体を洗っていないことになる。どうりで頭が少し痒いはずだ。 肩もこってきたし、ここは一つ気分転換でもするべきかもしれない。 小説はかなり行き詰まってる。1時間は考え続けていたが、どうにも新しいことを思い浮かべそうにない。 よし、風呂に入ろう。 だが、薪はあっただろうか。確か昨日野菜炒めを作った時に全て使ったような……ということは湯が沸かせない。 「里に行くか……」 里には一応公衆浴場がある。金はかかるが、薪を拾ってくる手間を考えればそっちの方がマシだ。 俺は手ぬぐいと石鹸、着替えを押入れから取り出し、着の身着のまま外へと繰り出した。 すでに時刻は夕方。公衆浴場にも人が集まっている時間だった。 ※ 俺は里の人間と比較的仲がいい。 この世界に来た当初、俺は慧音さんの家に居候していた。 今は竹林の側で人を避けるように住んでいるが、最初は里で暮らしていたのだ。 慧音さんの助けを借りつつ、俺が幻想郷に定着できるよう頑張っていたわけだ。 職も斡旋された。就職して自立した生活を送る。外でもここでも人間の生きる方法は一緒だ。 しかしその職は苛烈極まりないものだった。 なんと、筆より重いものを持ったことがない俺に、畑を耕したり大工の仕事したりしろというのだ。 まさにシベリア送り。強制労働のように過酷だった。 俺は死ぬ直前までこき使われ、そこで反骨精神を養った……いつかこの苦渋を文章にして表そうと思って。 ……すみません、俺に体力がないのが悪いんです。 最初はがんばった。慧音さんに紹介された仕事なのだ。筋肉のない身体を鞭打って働いた。 だが次の日、俺は筋肉痛で起きあがれなくなり、さらには作家の持病である慢性的腱鞘炎が悪化して、万年筆さえ持てなくなる事態になったのだ。 さすがに見かねた慧音さんが、肉体労働をさせることは諦めて他の仕事を紹介してくれて、今の作家生活につながることになったのだが、それはまた別の話。 そんな笑い話にも等しい出来事があったためか、さらに幻想郷では珍しい小説家ということも相まって、俺の存在は里の人間によく知られている。 時には畑でとれた野菜を分けてくれたりすることもあり、俺は人間の縁ってのは大切なんだな、と再認識するのだった。 「おー、○○先生だ。あの本、見たぞー」 「あ、どうもー。ありがとうございます」 「○○先生、次はどんな話を書くんですか?」 「内緒ですよ。本を楽しみにしてください」 道端でも男女問わず話しかけられる。大抵は俺の本の読者さんだ。 先生と呼ばれるほど偉くなったつもりはないのでやめてくれと言っているのだが、どうにもその呼び方が定着してしまったらしい。 今では俺も諦めている。こういうのは慣れだ。 里の人達との交流を深めながら、俺は公衆浴場へとたどり着いた。 ここの公衆浴場は外の世界で言う銭湯に近い。 外の世界では少々廃れ始めている施設だ。だからこそこうやって幻想郷にあるのかな、俺は思っていたりする。 さっさと身体を洗おうと思って入り口に向かうと、知った背中が前を歩いていることに気付いた。 特徴的な帽子に薄い水色の髪が1人。 赤白のリボンに白くて長い髪が1人。 「慧音さん、妹紅」 「ん? ああ、○○か」 「あ、○○。おーす」 人混みにまみれても目立つ2人。手には手ぬぐいの入った桶を持っていた。 「2人も公衆浴場に?」 俺がそう尋ねると、慧音さんが「ああ」と答える。 「妹紅が昨日風呂に入っていないと言うからな。無理矢理連れてきた」 「へー、妹紅がねえ」 「け、慧値! ○○に言うことないだろ!」 妹紅が顔を赤くしている。女の子として、さすがに風呂に入っていないとばらされるのは恥ずかしい所があるのだろう。 しかしまあ、妹紅は生活能力が皆無なので不思議ではないし、驚きも少ない。俺も同じようなものだし。 「気にするな妹紅。俺も2日は風呂に入ってないからな」 「○○……それは励ましでもなんでもない」 はぁ、とため息をつく妹紅。何を見当はずれなことを、とでも言いたげだ。どうして? 一方で慧音さんが疑問を浮かべた表情をしている。 「○○、お前は確か最近大きな仕事が終わって、今は比較的生活に余裕があるんじゃないのか?」 「あー、確かに今は急ぎの仕事がないんですが、今の内に以前から書いていた長編を進めようと思ったんです。けど、どうにも行き詰まってまして……」 「ふむ、お前は小説のことになると、本当に他のことに目がいかなくなるな」 「面目ない」 だからこそ妹紅や慧音さんという友人には感謝している。 彼女らがいなくては俺は生きていけないのではないだろうか。 ※ 話もそこそこに、俺達は公衆浴場へと入っていった。 男女別なので、慧音さん達とは別れ、俺は1人でだだっ広い浴場へ向かう。 「あー、生き返るな」 頭を洗い、身体もさっぱり。身体がリフレッシュしていく。 やはりこういう時間は大事だ。いつも小説のことばかり考えていては、頭もパンクする。 慧音さんの言うとおり、集中し始めると他に目がいかなくなるのは俺の悪い所だ。 お嫁さんでもいてくれたら、そこらへんのフォローもしてくれるのかねえ、と俺はくだらない考えをめぐらせながら湯船へ。 男湯は思ったよりも客が多かった。俺と同じように湯船に入っているのが5人、身体を洗っているのが4人。なかなか盛況のようだ。 これから夜にかけてさらに客も増えるだろう。混雑する前にさっさとあがってしまおう。 ああ、そうだ。帰りに慧音さんと妹紅と一緒に何か食べに行こう。 大きな仕事の後でお金にも余裕があるし、たまには俺が奢るのもいい。 何かおいしい料理屋はあったかな。たまには脂肪分の多い食事をしてみたいものだが…… 「ひゃっはー! 銭湯だぜー!!」 突然、壁の向こう側から聞き知った声が響いてきて、俺は何事かと上を見上げる。 ここ銭湯は、男湯と女湯が巨大な壁で隔たれているだけで、壁の上の方はあちらと繋がっていた。 女湯からの声、さらにこの馬鹿みたいに大きな声は……魔理沙か。 「おー! これは気持ち良いんだぜ!」 「ちょっと魔理沙。まずは身体を洗いなさいよ」 うん? この声は誰だろうか。あまり聞いた事がない。どうやら魔理沙の知り合いのようだが…… 落ち着いているというか気だるげというか、魔理沙と同年代ぐらいの少女の声だ。 「霧雨魔理沙はクールに風呂に入るんだぜ。いちいち身体なんて洗わなくても、さっさとお湯を浴びちまえばいいんだ」 「どこがクールなのよ。それに身体を洗うのは公共のマナーよ」 「気にすんなって霊夢」 霊夢? その名前はどこかで聞いたことがある。なんだったか……ずっと以前に聞いたことがあるような。 俺は頭の中をこねくりまわして思い出してみる。 そうだ。この世界にやって来て1カ月ほど経った時、外の世界に戻れる方法があるとして魔理沙に紹介された巫女さんがいたか。 連れて行かされたのが山の上の有名な神社で、名前は『はくれい神社』だったか。そこの巫女が霊夢という名前だったはず。 俺はこの世界で暮らすことを選んだので、結局巫女さんの世話にはならなかったが……ふむ、そうか。魔理沙は友達と銭湯に来たということか。 巫女さんは湯船で暴れている魔理沙に呆れた声をあげている。 「まったく、見なさい。周りの人も呆れて……って、あら?」 「魔理沙、霊夢、お前達もこの銭湯に来ていたのか」 この落ち着いた声は慧音さんか。顔の広い彼女は巫女さんとも知り合いなのだろう。 どうにも女湯の会話がダイレクトに聞こえていけない。しかもあっちは全員服を着ていない、生まれたままの姿なのだ。 ほら、男湯に入っている人達が皆黙り込んでしまったではないか。 魔理沙の「おー!」という声が余計に響く。 「慧音と妹紅かー。ははは、なんだ、今ここにいるのは知り合いだけだ。だったら気にする必要ないんだぜ」 「気にしなさい。それにしても、今日は少ないのね……私達4人だけじゃない」 巫女さんによると、女湯にいるのは慧音さん、妹紅、魔理沙、巫女さんの4人だけということらしい。 男湯なんてそろそろ満員になりそうだというのに……広い風呂場でうらやましい。 「慧音、石鹸とってくれ」 「ん、ほら」 「さんきゅ」 妹紅の声も聞こえる。彼女は身体を洗っている途中なのか、先ほどからやけに言葉少なだ。 「やだ、私石鹸忘れてきたみたい」 「はははー、霊夢のばーか」 巫女さんは石鹸を忘れてきたのか……なんで俺はこんなに聞き耳を立ててるんだろう。 「うっさい。ねえ、藤原妹紅――だったかしら、その石鹸、次に貸してくれない?」 「……ほら」 「ん、ありがと」 なんだろうか。妹紅の声がいつも以上に暗いというか、そっけないというか。 もしかするとこれは、あれだろうか。うん、そうに違いない。 俺と同じことに気付いたのだろう、魔理沙が妹紅に話しかける。 「んー? 妹紅、お前霊夢のこと苦手だったか?」 「……どうしてだ?」 「なんかしかめっ面してたぞ。石鹸渡すときに、こんな感じで」 どんな顔だ。ちょっと見てみたい。 「……別に苦手でもないよ。少し会ったことがあるだけで仲が良いわけでもないんだから、これが普通だ」 「かーっ、お前はいつもそうだな。たまには私達以外の友達も作れよ」 魔理沙の言う通りだ。妹紅はどうにも人見知りというか、人嫌いな面がある。 別に人と話さないわけではないし、世間話ぐらいはするのだが、他人とは決して深く付き合おうとはしないのだ。 妹紅が笑ったり、怒ったり、ふざけあったりするのは、俺と慧音、魔理沙、後は寺子屋の子供達ぐらいではないだろうか。 これに関しては俺も以前から問題視している。妹紅はもっと、色々な人と話すべきだ。 だが妹紅の声は晴れない。 「……そのうち」 「そのうちってなんだよそのうちって」 魔理沙と俺が、同時にため息をついていた。妹紅、別に親友になれと言っているわけじゃない。ただ話してみればいいんだ。 「そうだな、妹紅。良い機会だ。ここで霊夢と何か話してみればいい。裸の付き合いという奴だ」 慧音さんも促すが、妹紅は意固地だった。 「い、いいよ、別に。話すことなんて特にないし……」 「あら、私は聞いてみたいことあるわよ。例えば、どうして肌も髪がそんなに白くて綺麗のかしら、とかね」 誰かが湯船に入る音。巫女さんが湯に浸かっていた妹紅に近づいていったのだろう。 「他にも、こことか」 「ひゃう!」 「おーっ、妹紅が背中触れただけで奇声あげたぜ」 なんだ、いったい何が起こっている。巫女さんが妹紅に何かしたのか? 「さ、触るな! 別に綺麗でもなんでもないだろ!」 「そう? 何か手入れとかしてるんじゃないの? うらやましいわねえ」 「霊夢なんか毎日ゴロゴロしてるから、少し太って――ぎゃふ!」 水が飛び散る音。魔理沙の奴、顔に水でもかけられたか。 「失礼ね。別に太ってなんかないわよ。ちゃんと運動もしてるし」 「けど、プロポーションは維持できてない、と。ほら、見てみろよ。そこの2人を」 「2人って……」 「慧音はぼんきゅんぼん! 妹紅はスラーッとしてるだろ? で、2人の後に自分を見ると……」 「……うっ!」 巫女さんの蛙の潰れたような声。 次の瞬間、魔理沙の爆笑が銭湯内に響いた。 「はっはっはっ!」 「何よ、魔理沙も同じようなもんじゃない。胸もないし、腰のくびれもない。移動は箒だから、ほら見なさい、腰の辺りに肉があるわよ」 「私の場合は肉付きがいいと言ってくれ。ぷにぷにしてる感じだな」 「小太りって言うのよ、それは。肉付きがいいっていうのは、慧音みたいに胸がある人のことを言うのよ」 「慧音の胸……確かに大きい……」 「こら、妹紅。そんなに見るな。私だってお前の足が細いのがうらやましかったりだな……」 なんだこの会話。徐々にまずい方向に向かっているような気がする。 こんな、人が裸になるような場所で、キャッキャッウフフな会話をされてはたまったもんじゃない。 しかも壁の向こう側にいるのは幻想郷でもとびきりの上玉(下品すぎるか?)。そうそう見かけることのできない美女・美少女達だ。 必然的に男湯の空気がムラムラとしたものに変わってきている。 こら、そこのおっさん。壁に耳をつけるんじゃない。そっちの少年は鼻血が出そうなのか……早くあがれ。 微妙に女湯側の壁に人が集まり始めている。人口密度が一気にあがったな、こりゃ。 俺は反対側の湯船でゆっくりと暖まるとしよう。 「ねえ、慧音」 「なんだ」 巫女さんが慧音さんに話しかける声。そろそろあっちも全員湯船に浸かっている頃か。 「そんなに胸が大きかったら、男にいやらしい目で見られたりしないの?」 「ん……まあ……なんだ。そういう視線を感じることも、確かにあるな」 こっちにいる男達の中の数人が「ギクリ」と身体を震わせた。視線というものに心当たりがある奴らなのだろう。 しかし、それを非難する者はいない。皆が「そりゃ仕方ない」という表情をしている。あれだけ大きければ、ねえ。 巫女さんのため息をつく声が聞こえた。 「やっぱり? 私も時々里に降りたりするけど、微妙に視線を感じることが……」 「霊夢、お前の場合は胸じゃないぞ。きっと脇だ、脇」 魔理沙のふざけたような言葉にも、男湯にいる者の何人かが頷いている。そうか、脇フェチって幻想郷にもあるのかー。 なんだか頭が痛くなってきた。 巫女さんも気分が悪くなったらしい声をあげている。 「何よそれ。そんなマニアックな視線、嫌よ」 「まあ、あれだ。人の好みってのは十人十色、人それぞれ。お前の脇に欲情する奴もいるってこった」 「十人十色ねえ……あんたの貧相な胸に欲情する奴がいるとは思えないけど」 「そんなことはないぜ? 私だって時々言い寄られたりするんだ」 ほう、それは初めて聞いた。嵐のような少女の魔理沙を口説こうとする男がいるのか。 こっちの男達も意外そうな顔をしている(何人かは顔を俯けているが)。 こちらの疑問符を感じ取ったかのように、慧音さんの尋ねる声が続く。 「魔理沙よ、それは本当か? 例えば、誰にだ?」 「そりゃー、人里離れた一軒屋に住む作家さんとか、な」 「嘘だな」「嘘ね」「嘘つくな」 慧音さん、巫女さん、妹紅の順できっぱりと切り捨てる。 俺も心の中で否定した。そんな命知らずな行為に及んだことはない。魔理沙、冗談が過ぎるぞ。 「な、なんだよ。本当なんだぜ? 前にあいつの家に言った時にだな」 「あんたの嘘はすぐばれるわ。嘘をつく時に眉がぴくぴく動くから」 「マジか!」 「嘘よ。けど、確かめたってことはやっぱり嘘なのね」 魔理沙と巫女さんは非常に仲が良いのだろう。 まるで会話のキャッチボール以上の、紅白試合のように軽やかに会話している。 妹紅もこれぐらい話してくれるようになったら…… 「○○って……どういう人が好きなんだろ……」 その妹紅が、魔理沙と巫女さんのじゃれあいの合間を縫って、かすか呟いたのが聞こえた。 おそらく囁き声に近いものだっただろうに、それはえらく銭湯の中に響いた。 妹紅、いったい何を言って――うん? 女湯がいきなり静かになったな。 「……○○さんねえ。私はあんまり会ったことないから、よく知らないわ」 巫女さんの当然の言葉。そうですね、俺もあなたのことはよく知りません。 「○○は……」 慧音さんがぽつりと喋り出した。 「何度か、私の胸をじっと見ていたことがある」 はい? 「ほ、本当か慧音!」 「○○……やっぱり胸が……」 魔理沙の驚く声と、妹紅の沈んだ声。 一方で慧音さんの声は誇らしげだった。 「あれは熱烈な視線だった。おそらく彼の好みが、そういうことなのだろう」 慧音さん、あなたはいったい何を言っているんですか…… そりゃあ確かに、初めて会った時とかにその大きな胸に目を惹かれたこともありますが、いやらしい目で見たことなんてないですよ、多分。 おかしな話はさらに続く。 「そ、それなら私だって、○○と手を繋いだ時、『すべすべするな、お前の手』って言われたことあるんだぜ!」 待て、魔理沙。それはお前に無理やり箒に乗せられた時のことを言っているのか? それにそんなロマンチックな口調ではなく、『なんかお前の手がすべすべしてて、滑り落ちそう』という切羽詰った言葉だったはずだ。捏造すんな。 「……私も、○○に髪を撫でられたことあるんだ」 ああ、妹紅。そうだな。何度か撫でたな。 それはあれだ、俺が髪フェチというわけではなく、そりゃあお前の白い髪は綺麗だと思うが、純粋に撫でてやりたいと思っただけなのだ。 小動物を愛でる時の感情に近い。だからそんな邪な気持ちを持っていたわけでは…… はっ! と俺は気付いた。男湯にいる人間の目が、一斉に俺の方へと向いていた。 その視線の種類は様々だ。羨望、好奇心、憎しみ、怒り、絶望――数多くの感情が入り混じり、物理的な痛みすら感じられるほど強烈になっていた。 「ちくしょう、ちくしょう」 「俺も作家になろうかな……」 「俺だって、たまには女の子に囲まれたい……」 い、いたたまれない。彼女達はただの友人だと説明したいが、下手なことを言えば襲われかねなかった。 「○○は、私の胸を!」 「ぷにぷにした手が!」 「髪とか足を!」 女湯の方は白熱している。何をそんなに言い争うことがあるんだ。俺の好みなんてどうでもいいじゃないか。ヒートアップしすぎだ。 仕方ない。この場を収める方法はただ一つ…… 俺は女湯の方を向いて、大きく口を開いた。 「あー、あー、テステス。女湯に入っている方、聞こえますかー!」 「「「え? ○○!!」」」 3人同時に俺の名を呼ぶ。巫女さんが「あら」と暢気な声をあげていた。 「えー、みんなの銭湯ですから、なるべく静かに入りましょうねー」 そう告げると、にわかに銭湯の中が静かになった。男湯連中も事の成り行きを見守っている。 これで余計な話はしなくなるか? 頼むから俺の世間体を潰すようなことは…… しばらくして、女湯から3人の悲痛な声が聞こえてきた。 「待て、まさか今までの会話を全て……」 はい、慧音さん、聞いてました。 「太ったとか、好みがどうとかも……か?」 そうだぞ、魔理沙。お前は嘘つきだ。 「……あ、う……っ!!!」 妹紅、叫びたいのは分かるがそこは我慢して……なんだ? お湯が急に熱くなってきたような。 「――う、うううう!!」 妹紅のくぐもった叫び声があがると同時に、湯船のお湯がぼこぼこと泡を噴き始めた。 もしかして、沸騰しているのか? 銭湯のお湯が? まさか妹紅、お前、そっちで火を。 「あっつ! あっつ!」 「ぎゃあああ!」 「死ぬうううう!」 阿鼻叫喚。悲鳴があちらこちらから上がり始める。 これは豆知識だが――銭湯の湯船って壁の下の方で繋がっているらしい。 もし、女湯の湯の温度が上がれば、必然的に男湯の温度も上がるというわけだ。 今日の銭湯――軽い火傷を負った者、数十名。 ※ 「これはどうも、『はくれい』の巫女さん。お久しぶりです」 「ええ、久しぶり。○○さんも変わらずに元気なようで、何よりね。それと、巫女さんじゃなくて霊夢でいいわよ」 銭湯の主人にこってり絞られた後、俺達は建物の前に集合していた。 さっそく俺は巫女さん――もとい、霊夢さんと挨拶を交わし、少々世間話をする。 「霊夢さんは3人とも知り合いなんですね」 「まあね。魔理沙は昔からの腐れ縁。慧音は人里との付き合いでよく会うし、藤原妹紅は、まあ以前のちょっとした事件で会ったことがあるのよ」 ちなみにその3人はのぼせてしまっているのか、手ぬぐいを頭に乗せたまま近くの壁によりかかっている。 特に妹紅は恥ずかしさが極まったことと、トラブルを起こしてしまったことで落ち込んでいるようで、地面に座り込んでいた。 俺はその様子をちらりと見つつ、霊夢さんとの世間話に興じる。 「○○さんの本、私も読んだことあるわよ」 「それはありがとうございます。霊夢さんに読んで貰えるなんて光栄です」 「ま、短編1つで挫折したんだけど……あれ、普通の人には難しすぎる文章だと思うわ」 「ああ、多分そういう小説を選んじゃったでしょうね……よければ、もう少し平易な表現の本も書いてますから、差し上げましょうか?」 「そうね、気が向いたら読んでみるわ。魔理沙にでも持たせてちょうだい。それにしてもあなたの口調、どうにも堅苦しいわ。こっちが肩凝りそう」 強力な力を持つという巫女さんを前にしているのだから、けっこう緊張しているのだ、俺も。 もう少し霊夢さんと仲良くなったら、こういう口調もおいおい直していくことだろう。 世間話もそろそろと、俺はパンッと手を叩き、座り込んでいる3人の顔をあげさせた。 「さて、と。皆でご飯でも食べにいかないか?」 「○○……怒ってないのか?」 妹紅のびくびくした表情はとても珍しいが、彼女らしくない。妹紅にはもっと堂々としてもらわないと。 確かに、妹紅以外の湯船に浸かっていた人は、どこかしら火傷を負っている。だが、そんなのは氷で冷やせばすぐに治る程度の怪我だ。 「怒ってないよ。怒られるのはここの主人だけで十分だろ? 中で起きたことは忘れて、おいしいものでも食べにいこう。俺の奢りだ」 「○○……すまん」 「やったぜ!」 「ありがと」 慧音と妹紅が頭を下げる一方で、魔理沙が大きく手を挙げて喜んでいる。 魔理沙、お前も反省しろ。1人だけ奢らないぞ。 「もちろん霊夢さんもどうぞ」 「あら。それはどうも。私も口説くつもりなのかしら?」 「ははは、お望みなら、あなたのようなかわいい人、喜んで口説きますよ」 うふふ、と笑う霊夢さん。これぐらいは社交辞令の範疇、のはずだ。 「ま、○○、まさか脇なのか?」 「脇巫女はやめとけ、金を毟り取られるんだぜ」 「……脇の空いた服なんてあったかな」 3人共、俺の好みなんてどうでもいいじゃないか。それに、3人皆が美しいし、かわいいし、女性としての魅力に溢れていると、俺は思う。 だからと言って俺が口説くかどうかは別の話。そういう関係にあるわけじゃないんだから。 俺は微笑みながら、彼女らと共に料理屋へと向かうのだった。 終わり 新ろだ887 ─────────────────────────────────────────────────────────── 妹紅ルート1 「おーい、○○ー」 その日、妹紅は○○の家を突然訪問した。 手には竹林で取れた筍と川で釣った魚を持ち、若干ウキウキした様子で木造の一軒屋の扉を開ける。 「……あれ?」 しかし、肝心の○○は留守のようだった。部屋の中はもぬけの空だ。 妹紅は荷物を置き、落胆のため息を吐いた。 「なんだ、いないのか……それにしては鍵もかけずに無用心だな。いつものことだけど」 さっさと勝手知ったる部屋の中に上がりこんだ妹紅。こうやって○○の家にやってくるのは日常茶飯事で、留守中にお邪魔することも何度かあった。 その経験から、どうせ○○は近くに散歩に行っているだけで、少し待てばすぐに帰ってくるだろうと妹紅は判断したのだった。 扉を閉め、畳の上に座り込んだ妹紅。 なんだか退屈になってきた妹紅は、畳にごろりと寝転んだ。○○がいなければ、この部屋にはなんら面白いものはなかった。 とても静かだった。ここが人里離れた場所だということもあり、昼だというのに物音がまったくしない。 「ふぅ……」 しばらく横になっていると、きぃきぃと玄関の扉が開け閉めする音がし始めた。鍵がかかっていないせいで、ちょっとした風で扉が動いてしまうのだ。 ○○には扉に鍵をかける習慣がない。無用心なことこの上なく、どうしてなんだと一度○○に聞いてみたことがあるが、答えは「かける意味がないから」だった。 『竹林の傍だから滅多に人もこないだろ? 妖怪相手なら鍵なんてそもそも意味ないし。それに、この家から盗むものなんてあるか?』 そう言って笑った○○。ふむ、と妹紅は部屋の中を見渡す。確かにこの家には幻想郷の住人にとって役立ちそうなものは何もなかった。 食料なんて他人から分けてもらわないと生きていけないぐらいに少ないし、お金もほとんどない。 その代わりに部屋の四方八方に積み上げられているのは本、本、本……一画に執筆用の机と原稿用紙があるだけで、他には本当に何もなかった。 「変な家だな、ほんと」 これなら泥棒も入ろうとは思うまい。○○の持っている本なんて、価値があるのかないのか分からないものばかりだ。 ○○は外の世界の本を大量に所有している。 ちょっと近くの本に目をやってみると、『三省堂国語辞典』『ファウスト 森鴎外訳』『チェーホフ全集』…… とまあ、表紙を読んでも何の本なのかがいまいち理解できないものばかりだ。 たとえこれを盗んでも、お金に換えることは難しかろう。買い取ってくれるのは森の中の道具屋ぐらいじゃないだろうか。 いや、そもそも○○がこれらの本を持っているのは、幻想郷に放り込まれた時に持っていたものか、もしくはその道具屋で買ったものなのだから、たとえ盗んだものを道具屋に持ち込んでもすぐに盗品とばれるだろう。 つまるところ、こんな家に盗みに入る利点なんて何もない、ということだ。 「暇だー……」 1刻ほど経っただろうか。○○はまだ帰ってこない。 わー、と声をあげてみたが、暇が紛れることはなかった。 ここで暇つぶしになることと言えば本を読むことだろうが、本なんて○○の書いた小説ぐらいしか興味がない。 それに外の世界の本を読んでも、理解できる事の方が少ないだろう。 ばたばたと足を動かす。手も動かす。床を叩く音が何度かした。 慧音がいたら「はしたないぞ」と怒ってくるだろうか。これだけ暇なら慧音の説教でも聞いた方がマシかもしれない……でもないか。 慧音と言えば、彼女は○○の持つ本に興味があるらしく、何度か借りていっている姿を見たことがある。 時にはその本の内容について白熱した議論を交わすこともあり、そういう時の○○は非常に充実した表情を見せている。 ○○にそういう顔をさせることができる慧音が、なんだか羨ましい。 「私も○○の役に立つことがしてみたいな……」 食料を持ってくることとは少し違う、○○の仕事絡みで役に立つようなこと。 せめて外の世界にいた時の記憶が残っていれば、○○にとっては自分の世界の大昔の出来事のことだろうから、少しは興味は持ってくれただろうか。 だが、年をとると物忘れが激しくなっていけない。普通の人間だった頃のことなんて、もうほとんど覚えていない。 だいたい、最近起こった出来事があまりにも印象が強すぎて、記憶の器をどんどんと侵略していっているのだ。 幻想郷にやってきた事から始まり、輝夜との再会、慧音と知り合ったこと、人間や吸血鬼と戦った事、○○と出会った事、○○の家に来たこと、○○とご飯を食べたこと、○○の…… と、そこで妹紅は思考を停止させた。自分の頭が○○のことばかり覚えていて、なんだか恥ずかしくなってきたのだ。 とにもかくにも、と妹紅は熱くなった顔を冷ましながら、気を取り直して考える。 慧音みたいに、○○を充実させてみたい。「すごいな、妹紅」と感心してもらいたい。 せめて貴族の娘であった時に培った知識が残っていてくれたら良かったのに……。 妹紅は近くに置いてあった『資本論』という本を手にとって広げてみた。目次だけをさらりと読んでみる。 だが、書いてある言語は確かに日本語なのに、何度文章を読んでも意味が分からない。 『剰余価値の利潤への転化、および剰余価値率の利潤率への転化』……マルクスという人は漢字を使うのが好きなのだろうか。 「駄目だ、他の本を……ん?」 ふと顔をあげると、○○の仕事机の上に黒い影のようなものがいるのが見えた。 腕で抱えられるほどの大きさで、全身が真っ黒なもの。 なんだ? と思いじっと見つめると、なんとその黒い影は動き出し、机の上に置いてあった○○の原稿を持ち出そうとしているではないか。 いや、すでにその原稿と共に宙に浮いている。 「お、おいっ!」 妹紅は急いでその黒い影を捕まえようとしたが、そいつはものすごいスピードで飛んでいき、一瞬だけ開いた玄関の扉から飛び出していってしまった。 まずい、と妹紅は思った。 「あれって、○○の書いた原稿のはず……もしそれが盗まれたとなると」 ○○の職業は小説家。原稿は○○にとって商品。あれがなければお金を稼げない。 お金がなければ○○は生活できず、小説家としての地位も落ち、必然的にこの小さな家で餓死なんてことに…… 「それは駄目だ!」 ○○は小説家として頑張っているんだから、あんな盗賊に邪魔させてはいけない。 妹紅は急いで立ち上がり、外へと飛び出した。だが、あの黒い影の姿はどこにもない。逃げ足の速い奴だ。 「逃がすものか……!」 妹紅は背中に不死鳥の翼を広げ、空へと舞い上がる。 あいつが飛んでいった方向なんて分からないが、とにかく追いかけてみよう。道中、聞き込みでもすれば手がかりも得られるはず。 妹紅は飛ぶ。 ○○の大切な原稿を盗んだ不届き者を成敗するために。 『東方灼熱追』 ――ステージ1 『焼き鳥屋の宿命』―― 「どこいったんだ、あの黒い奴……」 しばらくの間空を飛び続けていた妹紅だったが、重要目標はまったく見つからなかった。 現在の位置は竹林の上空といった所か…… 「~♪ ~♪」 「ん、この歌声は……」 遠くから聞こえてくる、空の上では場違いとも言える歌声。 遠くから茶色と紫色をした物体が近づいてきていた。 ―夜雀の妖怪 ミスティア・ローレライ― 「うわっ、天敵!」 「天敵? 何言っているんだよ」 空に浮かび、おおげさなまでに驚いているのは夜雀。 やたらめったら歌い続けては人間の目を鳥目にしているらしいが、今はこんな奴に用はない。というかどうして夜でもないのに歌ってるのだろうか? 妹紅はさっさと立ち去ろうとしたが、しかしミスティアは強くこちらを睨みつけ、あまつさえスペルカードの用意さえし始めるではないか。 「おいおい、私は別に戦う気ないぞ」 「そう言って私を焼く気なんでしょ! そう簡単に食べられるつもりはないんだから!」 「だから何言って……勝手に始めるな! ったく!」 飛んできた弾幕に対し、妹紅は懐から「凱風快晴 -フジヤマヴォルケイノ-」のスペルカードを取り出して、臨戦態勢を取るのだった。 少女弾幕中…… スペル・ブレイク! ミスティアの「ブラインドナイトバード」を見事攻略した妹紅。 一度も被弾しないどころかスペルカードも使わずに済み、かすり傷1つついていない服を翻して、ミスティアを睨みつける。 ミスティアは祈りのポーズを取って、はらはらと涙を流していた。 「ああ、屋台のお客さん。これで私のヤツメウナギは食べられなくなります。ごめんなさい」 「人の話は聞けってのに。おい、夜雀。私はな、鳥の丸焼きなんて食べる気ないんだ」 「だったらどうして戦ったの?」 「お前がいきなり勝負をしかけてきたからだろ……」 はぁ、とため息をつく。余計な時間をくってしまった。あの黒い影はどこにいったのか…… 「そうだ、雀。変な黒い奴を見なかったか? これぐらいの大きさの奴」 「黒い奴? それだったら竹林の中を飛んでるのが見えたけど」 「そうか、なるほど……もしかしたら輝夜の嫌がらせかもしれないな。よし、雀、そこらへんで食べられないように気をつけなよ」 「むー、そんな簡単に食べられないよー」 (あんなに弱いのに、大丈夫なんだろうか……) ミスティアのこれからを憂いつつ、妹紅は竹林へと飛ぶのだった。 ※ ――ステージ2 『いたずら兎にご用心』―― 「竹林の中を走ってたって言っても……さすがにここは広いからな」 妹紅は竹林に降り立ち、その足で広く走り回っていた。 竹がぼうぼうと生えている中で、うかつに空は飛べない。不死鳥の翼をうかつに出せば、火が竹に燃え移って大惨事にもなりかねなかった。 地道だが、この足で探していくしかない。迷いの竹林とは言え勝手知ったる庭なので、効率的に探し回る術は知っていた。 「ん、誰かが来るな……」 気配を感じて立ち止まると、正面方向から小さな人影が現れた。 「ありゃりゃ、嫌な奴に出会っちゃったなー」 「あいつの所の兎か……」 小さな体に兎の耳。いたずらっ子の目が妹紅のことを見ていた。 ―幸運の素兎 因幡てゐ― 「おい兎。ここら辺で黒い奴を見なかったか?」 「おー、珍しい。あんたが私らに物を尋ねるなんてねー」 「……どうなんだ、見たのか、見てないのか」 にひひと笑う因幡てゐ。輝夜の所にいるだけあって性格の悪そうな兎だ、と妹紅は思った。 「地獄の沙汰も金次第。教えてやるかどうかも金次第。ほらほらー、出すもの出しなよ」 「今日の私はすこぶる機嫌が悪いんだ。もしあれが輝夜の仕業だとしたら……竹林の一部分が燃え尽きるけど?」 「こわっ! こりゃ逃げるが勝ちですかね。さよならー」 「待て! こうなったら……!」 永遠亭の関係者ということで、どうしても好戦的になってしまう妹紅。 先ほどと同じ「フジヤマヴォルケイノ」のスペルカードをいきなり発動させ、その弾幕戦は始まった。 少女弾幕中…… スペル・ブレイク! 「ぐわー、やーらーれーたー」 「ふぅ、手こずらせるなよ」 「エンシェントデューパー」を軽々攻略し、てゐを捕まえた妹紅。 最初はじたばたしていたが、首根っこを掴んで持ち上げていると観念したのか、「で、何よ」とふてくされた表情をする。 「黒い影。見なかったのか?」 「それなら竹林を抜けて、花畑がある方にいったわ。どんな奴かは見てないけど。なんか羽ばたいてたような」 「そうか。ならいい。ほら、さっさと行け」 首を離して解放してやると、てゐは心底不思議そうな顔をした。 「このまま逃がすの? 珍しい。姫様相手ならぼこぼこにするくせに」 「別に私は輝夜以外と喧嘩する気もない。無駄な体力は使わないに限るしな」 「ふーん……なんだか女の子らしくなったのは気のせいかな?」 「はあ?」 「里の人間の噂を聞くに、お熱な人がいるらしいじゃないですか、旦那」 「な、何を!?」 「ふふふー、さらば!」 ささーと走り去ってしまう因幡てゐ。最後まで油断のならない兎だった。 妹紅は彼女の姿が見えなくなると、改めて頬を赤くした。 (○○との事が人里で噂になっている? まさか……ね) もしそうだったらなんとなく嬉しいな、と思いつつ、妹紅はてゐの示した方角へと急いだ。 ※ ――ステージ3 『火山に花束を』―― 「花畑か……ここらには近づくなって、慧音が○○に言ってたっけ」 夏の近い今の季節にふさわしい、色とりどりの花たちが咲き乱れる花畑。 ここには物凄く強大で危険な妖怪が住んでいるらしく、もし普通の人間が入り込めば生きて帰れないだろう、と言われているのだ。 「肝心の黒い奴が見当たらない……あの兎、嘘でもついてたのかな、っと、なんか大きなプレッシャーが来たな」 炎の翼の羽ばたきを止め、その場に静止する。やけに大きな妖力が前方から近づいてくるのだ。 これは確かに危険と言ってもいいかもしれない。普通の人間ならば。 「花達が怯えてるわね……迷惑な人間が入り込んだみたい」 ―四季のフラワーマスター 風見幽香― 「花畑に火、なんて場違いだと思ったりしないのかしら」 緑髪の女性はそう言って、手に持つ傘をくるりと回しながら、妹紅のことをギロリと睨んだ。 なんという殺気か。これは並大抵の妖怪ではない。 花畑に住んでいて、さらにフリフリスカートのかわいらしい格好をしているというのに、人なんて虫と同じにしか思ってない目をしている。 これは普通なら命の危険を感じてもいい相手だ。……普通なら。 「聞きたいことがある。戦う気はない」 「あら、この私に質問? 花達に火の粉を浴びせておいて、ずうずうしい人間ね」 傘をこちらに向ける女性。話し合うことも難しそうだった。 仕方ない、と妹紅はスペルカードを取り出した。 「ほら、花に向かって土下座するように、沈みなさい」 次の瞬間、女性の傘から魔理沙の「マスタースパーク」と同じようなビーム砲が放たれ、弾幕ごっこは開始する。 少女弾幕中…… スペル・ブレイク! 「つつつ、何度か死んだな、これは」 「……あなた一体何者? 確かに殺したと思ったのに」 女性はめちゃくちゃ強かった。輝夜と本気の喧嘩をした時と同じくらいの緊張感だった。身体も何度か壊されてしまったほどだ。 だが、こちらは不死身の身体を持つ人間。死んだって生き返る……物凄く痛いから殺されたくはないけど。 女性は少し焦げた服をぱぱっとはたきながら、訝しげな視線を送ってくる。 「霊夢といい魔理沙といい、あの作家といい、人間って時々理解できなくなるわ」 「そりゃどうも……って、作家? まさか、○○?」 「知っているの? 何度かここに来ては花について教えてほしいって……小説の資料にしたいだかなんだか知らないけど、何度追い払ってもやってくるから、鬱陶しいたら」 妹紅は愕然とした。○○はこんな危険な場所に1人で来ていたというのか。 「知り合いなら忠告しておいてちょうだい。『花のことが知りたいなら質問を手紙にでも書いて寄越しなさい。気が向いたら返事してあげるから、もう来るな』って」 しかもこの凶悪妖怪を懐柔してしまっている。いったいどうやって……自分も○○のことがよく分からなくなってきてしまった。 「それで、あなたは何の用? まさか花を燃やすつもりじゃないでしょうね」 「そんなことはしないって。黒い影みたいな奴を追ってきたんだけど……見てないか?」 「それならあっちの山の方に行ったわ。糞を落としていったから、お仕置きしたのを覚えてる」 「糞?」 てゐは「黒い影が羽ばたいていた」と言っていた。そしてこの女性は糞をしたと……もしかして、黒い影というのは…… 「そうか、ありがとう。じゃあ、これで」 「ええ、もう来てくれないことを祈るわ。あの野良作家ともどもね」 もし○○がまたここに来たら、この女性は彼を軽く捻りつぶしてしまうのだろうか…… そうならないよう、○○が来たいと行ったら、自分もついて行くようにしなければ! ※ ――ステージ4 『妹紅、まかり通る』―― 「妖怪の山か……ここはあんまり来たことないな」 緑の映える山の上空を、妹紅はきょろきょろと周りを見渡しながら飛んでいた。 人里から離れた所にあるこの山は、天狗や河童などの妖怪が住む山として有名だ。 うかつに入り込めば、天狗に追っ払われるか妖怪に食べられるかなので、人里の人間もあまり近づこうとはしない。 「あの兎と花の女が言っていたことから推測するに……黒い影は鳥なんだろうな」 普通の鳥なら、それほど速く飛べないはず。そろそろ追いついてもいい頃なのに、と妹紅は影1つ見落とさないように目に力を入れる。 それにしても○○の原稿を、どうして鳥が盗んでいったのだろうか。巣作りの材料にでもするつもりなのか? 「そこの人間! 止まれ!」 「うん?」 ―下っ端哨戒天狗、犬走椛― 怒声を浴びせてきたのは白い耳と尻尾を持った天狗の少女で、怒り顔で剣と盾を構えていた。 確か白狼天狗と言っただろうか。人間が山に入ろうとすると警告してくる天狗だったはず。 あの耳がもふもふしていて、なんとも触りたくなってくる。 「それ以上進むな! ここからは天狗の住処だ!」 「そうは言っても、私にも事情があるんだ。別に天狗のテリトリーを侵すつもりはないから、見逃してくれ」 「駄目だ! 警告はした! 聞かぬというなら攻撃させてもらう!」 「お堅い奴だな、肩凝らないか?」 白狼天狗が弾幕を張ってきたが、さほど驚異のある弾幕ではなかったので、妹紅は少し余裕を持ちながら、スペルカードを用意した。 少女弾幕中…… 撃破! 「くー、これは私には手に負えない! 撤退だー!」 「ふぅ、スペルカードも持ってないのに挑んでくるなんて……仕事熱心な奴」 さっさと逃げてしまった天狗を見送り、妹紅は妖怪の山に向かって飛び進める。 弾幕ごっこばかりしていたせいか、思ったよりも時間を食ってしまった。 あの黒い奴はいったいどこに…… 「……いた!」 前方、低空を飛んでいる黒い影。明らかに鳥だった。 くちばしには白い紙を咥えており、悠々自適に空を飛んでいる。 ○○の大切な小説を、今から破り捨てて、巣作りにでも使おうというのか。 「させるか……!」 ○○の原稿、必ず取り返す! 妹紅は懐から「フェニックス再誕」のスペルカードすら取り出し、本気の本気であの鳥を追い詰めてやる、と息巻くのだった。 ※ ――ファイナルステージ 『追跡の果てに』―― 少女弾幕中…… 撃破! 「さあ、返してもらおうか」 攻撃する術を持たない鳥など一ひねり。 鳥の首根っこを掴んで少ししめつけてやると、鳥は「かーかー」と鳴いて首を横に振った。こいつ、鴉だったのか。 「返すつもりはないって?」 鳥のくせに器用に頷く鴉。ここまで追い詰められて盗んだ原稿を返さないとは、なんとも見上げた奴だった。 しかし、妹紅はそれを許すはずもない。 「○○の書いた小説なんだ……返さないって言うなら」 妹紅は空いている方の手の平の上に、鴉と同じ形をした炎を出した。 「燃すぞ?」 ニヤリと笑いながら手を握り締め、ボンッ、と鴉の形をした炎を一瞬で消してやった。 それを見た鴉は途端にぶるぶると震え始め、かーかーと煩く鳴き続ける。 あまりにも煩いのでさらに炎を顔面に近づけてやると、さすがに観念したようで、くちばしに咥えた原稿をようやく放した。 「よし、それでいい。私だって無駄なものは燃やしたくないんだ」 原稿を受け取り、鴉は解放してやる。 妹紅は原稿がきちんと揃っているか確かめる。端の方が弾幕ごっこのせいで少し焦げているが、文字の書かれている部分には何のダメージもなかった。 これで○○の努力の結晶が散らなくて済んだということだ。 少しは○○の役に立ったかな、と妹紅は晴れやかな笑顔を浮かべるのだった。 ※ 「よかったよかった」 ふんふーん、と鼻歌混じりに○○の家に帰ってきた妹紅。 原稿ももちろん健在で、風で飛び散らないよう大事に胸の部分に抱きとめられていた。 「あれ、妹紅」 木造のあばら家に入ると、家主である○○がいつの間にやら帰ってきていた。 突然○○の顔を直視することになった妹紅は、急激に顔を赤くして顔を背けた。 「ま、○○。帰ってきてたのか」 「まあね。ちょっと散歩してたんだけど……もしかして、妹紅も来てた? この食べ物、妹紅が持ってきたんだよな?」 積み上げられた本の合間に、無造作に置かれている食料。 原稿を取り返すことに夢中で、持ってきていたのをすっかり忘れていた。 「あ、ああ。そろそろ餓死しそうになってるんじゃないかな、って思って」 「助かるよ。明日原稿料が入る予定だったから、今日はお金がなくって。いつもすまない」 「か、代わりに私はお前に料理してもらってるんだし、おあいこだ!」 ○○の顔が直視できなくて、顔を背けながらそう言い捨てる。 一緒にご飯も食べられるし、という言葉は封印しておく。そんなことを言えば、顔から火が出ることは間違いない。比喩ではなく本当に。 「ははは。あれ、妹紅が持ってる紙……それって」 「そうだ、この原稿! 鳥に盗まれそうになったんだ! で、わ、私がそれを捕まえて取り返してきて……無用心だぞ! ○○!」 「鳥? 鳥って……どんな鳥?」 「黒くてかーかー鳴く奴だったかな。多分鴉だと思うけど。まったく、大切な原稿なんだから、机の上に放置してちゃ駄目だろ」 自分でも一言多いと思うこの説教。○○のために必死になって追いかけたことが知られたくなくて、どうしても口調がきつくなってしまう。 妹紅はそんな自分に自己嫌悪しながら、○○に原稿を渡してやった。 だが、○○はどういうわけか目を丸くして驚いていた。予想外の出来事が起きた、という顔をしている。 妹紅はとたんに不安になってきた。 「ど、どうかした? 何か……あの、もしかして、原稿が足りないとか燃えてたりとか……」 びくびくしながらそう尋ねると、○○はハッとした顔をして、すぐに笑顔を浮かべてくれた。 「いや、なんでもない。そうか、妹紅はこれを泥棒から取り返してくれたんだな」 「ん、まあね。ちょうど弾幕ごっこがやりたい気分だったし、これぐらいなんでもないよ」 「ありがとう。妹紅のおかげで大事な小説をなくさなくて済んだよ」 ○○はそう言って微笑み、手を伸ばしてくる。 一瞬何事かとびくりとしたが、次にやってきたのは、とても柔らかな感触。 ○○は優しく、髪をさするかのように頭を撫でてくれた。 それはあまりにも甘美で至福な感触だった。 妹紅は撫でられるがままに目を瞑った。幸せだった。人に誉められてこんなに嬉しくなったことはなかった。 いつまでもその甘い時間に浸ってしまったかったが…… 数秒後、○○の手が離れた時、「あっ……」と短くも寂しさの篭った声を出した妹紅は、そんな声を出した自分がとても恥ずかしくなった。 そのせいでどうしても口調が強くなってしまう。 「つ、次からは気をつけるんだぞ!」 「ああ、分かってる。それじゃあ、今から料理するから、妹紅は座って待っててくれ」 「ん……分かった」 つんけんした態度を取る妹紅。 だがそれは、○○にお礼を言われ、さらには一緒にご飯も食べられるのが嬉しくて仕方なかったからだった。 口が綻ぶのが止められない。胸が馬鹿みたいにドキドキする。撫でられた所から蒸気が出てきそうだ。 (落ち着け。何度も一緒にご飯食べてるじゃないか……一緒に……一緒に……う、ううう!) 妹紅はその日、○○の家で食事をして帰った後も興奮して眠ることができなくなり、教えてもらったばかりのヤツメウナギの屋台に行って徹夜で酒を飲むことになるのだった。 ※ ――エクストラ―― 深夜、○○の家はとても静かだった。 妹紅はすでに帰ってしまい、丑三つ時の誰もが眠っている時間だったが、しかし○○はまだ起きていた。 執筆用の机に向かっている彼の目の前には、端が少し焦げた原稿がある。 ○○はそれを手に取り、「むぅ」と唸った。彼は何かに悩んでいる様子だった。 そんな時、玄関の扉がコンコンと鳴らされる。 来た、と思った○○は原稿を掴んで、急いで扉を開けた。 「どうも○○さん」 「射命丸さん……」 深夜の訪問者は射命丸文だった。 少し疲れた顔で小さくお辞儀した彼女の肩には、羽の一部が焦げている鴉が1羽、とまっていた。 ○○はそれを見て、ああ、やっぱりと小さくため息をついた。 射命丸文も力なく笑っていた。 「事情はほとんど聞いています、○○さん、今回は……」 「すみませんでした。どうにも行き違いがあったというか……妹紅が勘違いしてしまったみたいで」 ○○は大きく頭を下げる。射命丸文に迷惑をかけてしまったことへのお詫びだった。 実は妹紅が取り返した原稿、これは射命丸文に渡すはずのものだったのだ。 今日は文々。新聞に載せる小説の〆切日だったのだが、射命丸文の方に突然急用ができて原稿を取りに来れなくなってしまった。 まさか○○が妖怪の山を訪れるわけにもいかず、それなら、と彼女の使い魔とでも言うべき鴉が来ることになった。 本来は直接鴉に手渡しする約束だったが、もし○○が不在だった場合、机の上に原稿を置いておくのでそのまま持っていってくれ、ということになっていた。 しかしそれが仇となり、さらには予想外の妹紅の訪問と勘違いで、今回のハプニングが起きてしまった、というわけだった。 「本当にすみません。射命丸さんにはなんとお詫びすればいいか……」 「いえ、仕方ありませんよ。この子も妹紅さんに何の説明もしないまま持っていってしまったみたいですから。勘違いするのも当然です」 ○○はペコペコ頭を下げつつ、改めて原稿を射命丸文に渡した。「確かに」と内容を確認した彼女は頷き、そのまま懐にしまいこんだ。 「妹紅さんは必死になってこの原稿を取り返そうとしていたみたいですよ。 椛が言っていました。『攻撃したら容赦なく返り討ちにされた。怖かった』って」 「ははは、妹紅には感謝しないとですね」 ○○は妹紅に真実を伝える気もないし、たしなめる気もなかった。 彼女が自分のために頑張ってくれたことは事実なのだ。少々方向性に間違いはあっても、その彼女の行動が嬉しい。 幻想郷という、言わば弱肉強食の世界でひ弱な自分が小説家として暮らしていけるのも、彼女の助けがあってのことだと、改めて感じさせられた。 感謝しよう。彼女と出会えたことに、彼女が自分の友人になってくれたことに、そして藤原妹紅という優しい女の子に。 「さて、と。私はすぐに帰って新聞を仕上げます。原稿料は少し遅れますが、構いませんよね?」 「もちろん。妹紅が食べ物を分けてくれたので、まだなんとか生きていけそうですし」 「愛されてますねえ、○○さんは。いつになったら――おっと、これは私が言うべきことじゃありませんでした」 「何がですか?」 「いえいえ。それでは、また原稿をお願いしますね!」 射命丸文は軽くウインクして空へと飛び上がり、幻想郷最速という異名に恥じない速さで山の方へと消えていった。 ○○は彼女が最後に残した言葉に首を傾げるが、まあ妹紅に関する何かだろうと大して考えることもせず、家の中へと消えていった。 こうして、射命丸文の文花帖に『灼熱小異変』と記された、小さな小さな物語は幕を閉じるのであった。 新ろだ894 ─────────────────────────────────────────────────────────── 慧音ルート1 上白沢慧音は悩んでいた。 ある日の夕方。里の寺子屋の中にある、いつも使っている休憩室。 3畳程度の小さな部屋にて、椅子に座っている慧音は今日の授業を振り返り、悩んでいた。 (……私の授業は面白くないらしい) 慧音は大きくため息を吐き、今日の授業中に起こった出来事について思いを馳せる。 里の寺子屋。これは慧音が立案し、始めたものだった。 言葉や算術と言った、知っておけば必ず役に立ち、子供の人格形成に役立つであろう知識を与えるために、寺子屋を作った。 様々な紆余曲折はあったものの、今では子供の親達にもなかなかに好評で、子供達も学ぶことの喜びを知ったのか、頻繁に足を運ぶようになってくれた。 そんな寺子屋には、教師が慧音1人しかいない。よって彼女は1人で様々な教科を子供達に教えていた。 算術や読み書きはもちろん、星の詠み方や釣りの仕方などの実践的なものや、妖怪への対処方法など、色々とだ。 その中に、慧音が毎回自信を持って行っている授業がある。それが「歴史」だった。 (算術や読み書きは楽しく受けてくれているが……どうも歴史は不評のようだ) はあ、とまた大きくため息をつく慧音。 いつものきりっとした里の守護者としての表情はなりを潜め、思い悩む1人の女性がそこにはあった。 彼女の知り合いがその姿を見ればさぞ驚くだろうが、休憩室には彼女の他に誰もいない。 歴史の授業が不評だと気付いたきっかけは、授業中、ふと子供達がとっている学習帳を覗いてみた時だった。 この学習帳は、子供達が板書や口頭で説明したことを書き留めていくためのものだが、算術や読み書きに比べて、歴史の学習帳にはそれほど授業内容が書き写されていなかったのだ。 もちろん、試験に出るような箇所は写しているが、それ以外の雑多な内容――慧音にとっては大切な歴史の一つ一つのエピソードが、まるで書かれていない。 つまる所子供達は、試験に合格すればいいや、程度にしか授業を聞いてくれていないということだ。 (阿求にも、歴史の授業が難しすぎると言われたしな……) 机に頬杖を突いた慧音は、どうしたものかと悩む。 歴史は慧音にとって大切な、いや、自分の存在する意味の1つだった。 『歴史を食べる程度の能力』と『歴史を創る程度の能力』を持つ慧音は、幻想郷における紡がれなかった歴史を編纂することを、自らの使命としていた。 だからこそ歴史を知ることの大切さは人一倍分かっているし、子供達に教える時も熱が入る。 それこそ、ある1つの事件に関する様々な出来事、人物、その他関係する事項を詳細に説明し、その事件が起こった原因とその後の結果を、黒板に書ききれないほど板書していくぐらいに。 しかし、そんな自分の思いとは裏腹に、歴史の授業はつまらないものになっているようだったのだ。 (……ふぅ) 改善しなければいけない。それは分かる。 このまま自己満足に浸るだけの授業を続け、子供達に何も得るものがない時間を過ごさせてはいけない。 だが、いったいどうすればいいのか。まさか歴史を簡略化したり、脚色を加えたりするわけにはいかないし……もっと細かく教えていけばいいのだろうか。 「すみませーん、慧音さんはいらっしゃいますかー?」 「ん? この声は……」 寺子屋の入り口の方から聞こえてきた声に、慧音は思わず椅子から立ち上がってしまった。 自分の耳が狂っていなければ、その声は慧音にとってとても大切な男性のもののはずだったから。 慧音は休憩室を出て、寺子屋の入り口まで急ぐ。 そこには確かに、かの男性がニコリと笑って立っていた。 「こんにちは、いえ、こんばんはですね」 外来人であり、小説家としてこの世界で暮らしている男性、○○。 慧音にとっては友人であり、心配の種の1人でもあり、そして憎からず思っている――いや、明確な好意を抱いている人間だった。 慧音はすぐさま先ほどまでの悩み顔を引っ込め、キリッとした立ち振る舞いを意識して行った。 「ああ、こんばんは。○○、どうした。こんな所まで」 ○○が寺子屋に来るのは久しぶりの事だった。 小説家として生活をし始める前、幻想郷に放り込まれたばかりで住む所もなかった頃の彼は、慧音の所に居候していた。 その時、何か仕事がしたいと言った彼だったが、肉体労働ができない身体だったため、ちょくちょく寺子屋の仕事を手伝ってもらっていたのだ。 里から離れて暮らし始めた今でも、「小説家の先生」として、読み書きや言葉の表現といった授業を臨時で行ってもらうことがある。 しかし最近は作家の仕事が忙しく、そういう手伝いもできなくなっていたはずだった。 「寺子屋に来るのは久しぶりですかね。変わってませんね、やっぱり」 「お前が最後に来たのはせいぜい半年前ぐらいだろう。そんなに急には変わらんさ。で、何か用か?」 そう言い切ってから、慧音は自分の口調に違和感を感じた。どうにも硬い。声色も表情も。 沈んだ気分を無理やり抑え込んでいるからだろうか。 「ああ、はい。まずは慧音さんにこれを……以前頂いたフライパンのお礼です」 だが、さして気にしていないらしい彼は、大きな桃がたくさん入った籠をすっと差し出した。 ああ、と慧音は彼の言うフライパンのことを思い出す。 以前から○○の家には炊事道具がほとんどなく、あるとしても大きな鍋ぐらいしかなかった。 それを見かねて、少し前にいらなくなったフライパンをあげたことがあるのだ。 律儀な男だな、と慧音は感心しながら、「ありがとう。頂いておくよ」と籠を受け取った。 「里に来たということは、仕事は終わったのか? かなり忙しそうだったじゃないか」 「あ、いえ、そのことについてちょっとご相談もありまして」 ぽりぽりと頭を掻く○○。小説が書き終わっていないのに里に来るとは、よほどのことがあったのだろう。 ○○は執筆作業が佳境に入ると、自宅に缶詰になることが多々ある。 時には餓死寸前になるまで引きこもることもあり、妹紅や自分が生きているか確認しに行くことも度々だ。 そういえば、○○の顔が少しやつれているように見えた。おそらく満足な食事もしていないのだろう。 そうだ、食事でも作ってやろうか……自分の家で○○と一緒に食事をし、あわよくば泊まってくれるなんてことに、と慧音が想像していると、 「あの、慧音さん?」 ○○が首を傾げている。 いかん、変なことを考えている場合ではなかった。 「ん、すまない。ちょっと考え事があってな。それで、相談とは?」 「えっと、今書いている小説の中でですね、ちょっとした資料が必要になったんです。歴史の資料なんですが……」 「歴史か……」 歴史と言われて、慧音は自分の悩みについて思い出してしまい、声のトーンが少し落ちた。 子供達にも満足に教えられない自分が、○○にちゃんとした資料を与えることができるだろうか、と。 「××年代の幻想郷の資料なんです。慧音さんなら持っていると思いまして」 「ん? ××年代?」 落ち込みそうになった頭に、いきなり教師としてのスイッチが入った。 ××年代。今日、子供達に「明日は××年代について授業する」と言った覚えがあった。 「それなら、明日の授業でやる範囲だな。資料も用意はしているが……」 「あー、だったら今日その資料を持って帰るわけにはいかないかな。明日、使いますよね?」 「そうだな、教える範囲の項目は見ておきたい。今日はさすがに……明日の夜に渡すのでは駄目か?」 ○○が腕を組み、悩み始めた。 「うーん……明日の夜までに書き上げたい部分なので、できれば昼ぐらいに……あ、そうか」 「どうした?」 「俺が慧音さんの授業を受ければいいんですよ。おー、これは良い考えだ」 「え?」 慧音は背筋が震えるのを感じた。 ○○が自分の授業を受ける? 明日? 「いいでしょうか、慧音さん。明日の授業を受けて、その後すぐに家に帰って書き上げます」 「あ……いや、待ってくれ。授業を受けると言っても、そんな、いきなりは」 「駄目ですか?」 うっ、と慧音は言葉を失った。○○が弱った小鹿のような目でこちらを見つめてくるのだ。 さすがにそんな目をしている彼の頼みを断れるほど、慧音は薄情ではなかった。 「わ、分かった。分かったからそんな風に見つめるのはやめてくれ」 ○○が、見つめる?とオウム返しに呟いて、首を傾げている。彼は自分の懇願の顔がどれほど破壊力があるのか、よく分かっていない。 慧音は気を取り直し、余っている机と椅子ぐらいならあったかな、と段取りを立てていく。 「机と椅子は用意しよう。ただし、一番後ろの席でよければ、だがな。いくら○○とは言え、授業は子供達が優先だ」 「もちろんです。なんだったら立ち見でもいいぐらいですよ」 「そんなやつれた顔をして、何を言う」 ぺんっ、と○○の額を小突いてやった。少しの衝撃だというのに、○○はそれだけで「おとと」とふらついてしまう。 とても微笑ましい。先ほどまでの気分の落ち込みが、幾分か晴れてくれた。 「明日の歴史の授業は昼過ぎからだ。遅刻は許さんぞ」 「分かりました。慧音先生の生徒としてふさわしい態度で授業を受けます」 「せ、先生と呼ぶな。なんだか恥ずかしい」 赤い顔をする慧音に、はははと笑う○○。 こんな時間がとても愛おしい、と慧音は思った。 「○○、私の家でご飯でも食べていくか? その様子だともう何日も食べていないだろう?」 「いいんですか? 俺、めちゃくちゃ食べちゃいますよ?」 「望む所だ。私の料理の腕にびっくりするんだな」 「おー、これは楽しみです」 よほど料理が楽しみなのか、まるで子供のような顔をする○○。 慧音はどうにもその顔が直視できなかった。 そんな照れを誤魔化すかように、慧音は「では」と会話に一区切りを入れる。 「帰る準備をするから、少し待っていてくれ」 「はーい」 ○○は入り口に待たせておき、休憩室に戻った慧音。 素早く家路に着く準備をしなければならなかった。○○をそんなに待たせてはいけない。 授業道具をカバンに入れ、慧音は部屋の後片付けをし始める。 しかし、ふとなんでもない所で手を止めた彼女は、目を瞑って、少しだけ高鳴る胸に手を当てた。 (……ドキドキしているな) ○○は知らない。彼と2人で話していると、普段の「里の守護者」「寺子屋の先生」としての振る舞いが崩れてしまいそうになるのを。 それを必死に保つために、どうしても普段よりも硬い口調になったり、年長者として振舞ってしまうことを。 (妹紅達が一緒なら、幾分か素直になれるのにな……) 妹紅や魔理沙と一緒にいると、その場の勢いに押されて、自然に自分の気持ちを表に出すことができた。 だがこうやって彼と2人きりになると、彼が敬語を使ってくるのも重なって、「○○を助けたお姉さん」「里の世話焼き人」として接してしまう。 ふがいないな、と自分でも思う。そういった殻を被ってないと、○○と向き合うこともできないのだ。 そんな自分に比べ、妹紅は言葉でこそつんけんしているが、家を訪れたり食料を持っていったりと、その行動で○○への気持ちを表している。 そして魔理沙はストレートに、純粋なまでの自然体で○○と接している。 彼女達がうらやましい。自分はどうにも理性が強すぎる…… 「いや、そうやって落ち込んではいられないな」 慧音は顔を上げ、決意に満ちた表情を浮かべた。 ○○が明日、自分の授業を受ける。これはもう変わらない。 気分が乗らないからと言って、手の抜いたことはできない。そういった負の感情はすぐに子供達にも伝わってしまう。 「よし、明日は頑張るんだ、上白沢慧音よ」 いつも以上に頑張って、歴史を伝えよう。 熱意を持ってあたれば、どんなことでも結果がついてきてくれるはずなのだから。 「待たせたな、○○。それでは帰ろうか」 「あ、は、はい」 次に休憩室を出た慧音は、とても意気揚々としていた。 ○○はそんな慧音を見て、そんなに料理に自信があるのかな、と不思議に思うのだった。 ※ 翌日、ついにその時間はやってきた。 子供達との昼食を終えて一段落した慧音は、休憩室にて次の授業の準備をしながら、何度も深呼吸していた。 (大丈夫、大丈夫だ。昨日あれだけ復習したんだ。××年代については完璧なはず) 教科書と資料を持ち、なるべく分かりやすくするために用意した年表やフリップボードも持ち、慧音は休憩室の扉に手をかけた。 また1つ、深呼吸。 よし、行こう。 扉を開け、教室へと出た。すでに授業時間は始まっていたので子供達は着席しており、隣に座る者同士でぺちゃくちゃと喋っている。 そしてその教室の後ろの方、小さな机には幾分か不釣合いな、すらっとした身体の男性がいた。 もちろん、○○だ。 ○○は普段の着流しに鉢巻をして、誰かから借りたらしい教科書を机の上に置いている。 そして周りの子供に話しかけられては、笑顔でそれに応じていた。 何度か彼による授業も行われていることもあり、生徒達と○○は顔見知りだ。 ちなみに彼の言葉の授業はなかなかに評判が良く、子供達からは「○○先生は次、いつくるのー?」と聞かれたりもしている。 さらには、彼は子供向けの小説も書いているので、生徒達の間にもファンがいたりするのではないだろうか。 ○○がちらりとこちらを見て、小さく手を振った。 しかし授業中である今はそれには応えず、教壇に立つ。 「静かに。授業を始める」 そう一喝しただけで、教室はしんと静まり返った。子供達にも分別はある。これも教育の成果か。 ○○はそんな子供達に少し驚いているようで、きょろきょろと周りを興味深そうに見ていた。 ふふ、と笑いそうになったが、そこは自重。 「では、今日は××年代についてだ。まずはこの年表から見てもらおうか」 上白沢慧音、一世一代の授業が今始まった。 ※ 「では、これで終わりだ。宿題はきちんとやっておくように」 「は、はーい」 「それでは、今日はこれで解散」 「ありがとうございました!」 ふぅ、と慧音は息をついた。終わった。自らの全てを込めた授業が、今終わった。 今日はこの歴史の授業で寺子屋も終わりだったので、子供達が次々と荷物をカバンに詰めて帰っていく。 少しは楽しい授業になってくれたのかな、と慧音は教壇から子供達を観察し始めた。 「今日は特に難しかったよねー」 「俺、途中で寝そうになった……」 「宿題できるのー?」 「できるって。皆で考えてやろう!」 子供達の会話を聞くにつれて、慧音の胸は針でも刺されたが如くに痛んだ。 「そうか……」 どうやらまたしても自分はやってしまったらしい。 子供達は口々に今日の授業の難しさについて語り合い、宿題をどう片付けるか相談している。 宿題は本来、授業を理解していれば1人でできるもの。協力しなければならないということは、教師が生徒達に内容を理解させることができなかったのだ。 あれだけ頑張って用意したのに、結果はこれか。 情けない。やはり自分には歴史を教えることなんてできないのか…… 「慧音先生、さよーならー」 「ああ、さようなら」 慧音は教壇の椅子に座り、子供達が帰りの挨拶をしてくるのをいつも通りに見送る。 平静を装ってはいるが、その心は悔しさと悲しさで一杯だった。 さぞ○○も、この授業の分かりにくさに辟易し、「これなら資料を借りた方がよかった」と思っていることだろう。 そんなやりきれない思いが彼女の中に渦巻いていた。 そうして、子供達が全員帰った後。 慧音は休憩室に戻って今日の反省をしようと思ったが、ふと教室の一番後ろの席に人影が残っているのに気がついた。 「ここで事件……ああ、そうか、1年前のこれと関連してて……」 ○○だ。○○が教科書と学習帳を交互に見つつ、何か書きものをしていた。 「○○」 慧音は彼に近づき、声をかける。 しかし○○は気付いてくれない。 「ここがこうで、この出来事ではこの人が……」 「○○、おい、○○」 「ん……今は良い所で、って、慧音さん!」 「どうしたんだ。もう授業は終わったぞ。帰って小説を書かなくてはいけないのでは……ああ、そうか」 ○○はおそらく、資料を借りるつもりで残っていたのだろう。 授業なんて役に立たなかっただろうから、それも当然だ。 「少し待っていてくれ、資料は今持ってくる」 「え? 資料ですか? いや、必要ありませんよ?」 きょとんとした顔をする○○。 慧音は「なに?」と言い返しそうになったが、しかしすぐに納得した。 簡単なこと。自分なんかからは資料を借りる気もないということだ。 あんな授業をする教師が持っているモノなど、小説に活かすこともできないのだろう…… ああ、と慧音は自らの失敗を嘆く。きっと○○に失望されてしまった。 歴史の専門家と名乗っておきながら、なんと無様なのだ、上白沢慧音よ。 もう○○に頼られることもない……素直な自分を出すどころか、年長者として振舞うことすら失敗してしまったのだ。 涙すら誘う感情の高ぶりを必死に抑え、慧音はゆっくりと○○に向かって言った。 「すまない、○○。私などはもう役に立たないんだろうな。しかし、資料に罪はない。できれば借りて行って……」 「はい? なんだかよく分かりませんが、資料は必要ないですって」 「しかし、それでは小説が書けないだろう?」 「書けますよ。ほら」 ○○がそう言って差し出したのは、彼がいつも携帯している小型のノート。 彼は普段からそれにネタを書きとめたり、思いついた文章をメモしたりしている。 自分にとっては命の次に大事なものです、と彼は言っていた。 そして今そこには、先ほどの授業で行った××年代についての記述が、所狭しと書かれていたのだ。 それこそ1つの歴史書として扱ってもいいぐらい、詳細に。 「○○、これは……」 「いやー、さすが慧音さんですね。これだけ詳細なら小説にも十分活かせます。本当にありがとうございました」 そう言って頭を下げる○○。 慧音は予想外の出来事に混乱してしまった。 あの授業……あれは難しすぎたのではなかったのか? 「難しくは、なかったのか?」 「え? そうでしたか? うーん、まあ確かに、子供向けの授業にしては随分と細かく語るなあ、とは思いましたけど、分かりにくいとかはなかったですよ」 「そう……なのか」 小さく呟いた慧音。 胸につかえていたものが取れたかのようだった。 難しくはなかった。分かりにくくはなかった。 ○○はきちんと、自分が投げかけた歴史を受け取ってくれていた。 それが嬉しくてたまらなかった。 「まあ、もう少し子供目線に立って教えても……っと、すみません。小説家としての意見が出てしまいました」 「いや、いい。その忠告、ありがたく聞いておく」 とても気が楽になった。 歴史を伝えようとする姿勢そのものに間違いはなかったのだ。 伝え方が子供向けではなかっただけ。現に○○はきちんと理解してくれた。 もちろん、子供目線を考慮しなかったのは反省するべきことだ。 まだまだ精進が必要だが、やはり進むべき道が正しかったと実感できることほど、嬉しいことはない。 「それに、授業をしている慧音先生、なんだかかっこよかったですよ」 「そうか、ありがとう」 先生と呼ばれたり、自分の姿を誉められたりして恥ずかしく思うよりも、まずは彼にお礼が言いたくなった。 それは少しだけ滲み出た、自分の素直な気持ち。 自然と柔らかい微笑みを浮かべているのが自覚できた。 「あ、え、と、そんな、お礼を言われるようなことでは」 ○○が急にうろたえ始めた。きっと『慧音さんがそんな風に笑うなんて』と驚いてでもいるのだろう。 そうだぞ、○○。 私はお前の前だと、いつだってこんな笑顔になれるんだ。 普段は毅然とした態度を取っているけれども、こんな表情も見てほしい。 お前に認めてもらえれば、私はすごく強くなれる。 「あ、慧音さん、良ければこの辺りの出来事についてもう少し、いいですか?」 「ああ、もちろんだ。なんでも聞いてくれ」 慧音と○○はそれからしばらく、歴史談義に花を咲かせるのだった。 ※ それから、少し分かりやすくなった慧音先生の歴史の授業。 寺子屋の生徒達にも好評。さらには大人にも聞く価値があるとして、里の人間はおろか妖怪の見学希望者が現れたりするのにも、そう時間はかからなかった。 「この人物が里を興したきっかけは――」 いつしか立ち見の人が現れるほどになった寺子屋。 生徒達の学習帳には、彼女の語る歴史のお話がいっぱいに書き留められていくのであった。 新ろだ897 ─────────────────────────────────────────────────────────── 魔理沙ルート1 今日も今日とて霧雨魔理沙は空を飛んでいた。 箒に乗って、鳥もかくやというスピードで空を突っ切っていく魔理沙の目的地は魔法の森。 雲を追い越し、空を駆ける魔理沙を邪魔する者は何もなかった。 「大漁大漁~♪」 彼女の背中には風呂敷があり、その中には大量の本が包まれていた。 それらは全て彼女の本ではない。湖の向こう側にある紅魔館の図書館から「借りて」きたもの。 図書館の主であるパチュリーとは友人で、かつ弾幕ごっこ仲間だ。 今日もちょっとした弾幕ごっこをした後、「もってかないでー」と言われながら、これらの本を「借りて」きたのだった。 これを強奪と言うものもいるかもしれないが、魔理沙にとって「借りて」いるだけである。だからこそ性質が悪いとも言えるが。 「んーんーんー」 適当なメロディで適当にハミングしつつ空を飛ぶ魔理沙。 自分の家がある魔法の森までもう少しだった。 「んーんんー、ん? あれは……」 そろそろと着地地点を探していた魔理沙の目に、意外なものが映った。 森のすぐそばにある広い平原に、一本だけ大きな木があるのだが、そこに座り込んでいる人間 黒髪のひょろっとした体型、少しボロめの着流し。 あれは○○ではないだろうか? 「何してんだ、あいつ」 こんな所で彼の姿を見つけられるとは思わず、魔理沙は少し驚きながらも興味がひかれ、よしと箒をそちらの方向へ向けた。 まるで獲物を見つけた鳥のように、魔理沙は急降下していく。 たちまち距離が詰まり、ちょうど木の前で停止、着地した。 「おーい、○○ー」 乱れたスカートを調えながら近づいてみると、やはり○○だった。 手に本を持って顔を俯け、木に寄りかかって座っている。 しかし、○○は呼びかけられても顔をあげない。身じろぎすらしなかった。 「うーん?」 ふと、とてもすがすがしい風が吹いて、○○と魔理沙の髪を共に揺らした。 魔理沙は目の辺りにかかった金髪を指でかきあげた。一方で○○の前髪も風で吹きあがり、彼の顔がよく見えた。 そこでようやく、○○が眠っていることに気がつき、なんだ、と魔理沙は呆れ気味に息をつく。 「こんな所で昼寝とは、酔狂な奴だぜ」 ○○は暢気にも草原の真ん中ですやすや眠っていた。 おそらく本を読んでいる途中に寝てしまったのだろう。 こんな場所で何してるんだか、と魔理沙は心底呆れた。 ここは人里からも竹林からも遠い。妖怪は滅多に出ないが、散歩にしては少し遠出しすぎだ。 ○○はこんな風に幻想郷のどこでも突然現れたりする。 噂では花の妖怪の向日葵畑にも行ったとか……本当だったら呆れるよりも怒りたくなる。 「んー、よし、じゃまするぜ、っと」 まあいいや、と思った魔理沙は、○○の横に腰を下ろした。 ○○は眠ったまま。口を少し開け、だらんと身体を弛緩させている。 穏やかな寝息だけが聞こえてきた。眠っている時の○○はまるで子供のようだった。 魔理沙はふと、いい天気だな、と空を見上げた。 草原の真ん中なので、ここは太陽の光がまぶしいぐらいに降り注ぐ。 しかし気温はそれほど高くはなく、こうやって木陰にいると穏やかな陽気が眠気すら誘ってくる。 「こりゃ眠くなるわな……」 ふわぁ、と一つ大きなあくびをする魔理沙。弾幕ごっこをしてきたせいか少し疲れていた。 このまま眠ってしまいたいが、箒の近くに置いてある本が少し気になる。 それにここで寝ると無意識に寄りかかったり、あまつさえ抱きついたりしかねない、横に眠る細っこい身体に。 それはそれで面白いが、さすがの自分にも乙女の羞恥心というものがある。 非常に魅力的な眠りへの誘いをはねのけ、魔理沙は無防備に眠り続ける○○を観察することにした。 「そういや、初めて会ったのもここだったっけか?」 じーっと○○の顔を見つめつつ、そんな既視感から記憶の底をさらいあげてみるが、何ぶん結構昔の話なのでよく覚えていない。 (確かその時は、○○がこの草原で寝転んでて……) 「いや、私だったか?」 「んー」 きちんと思い出そうとすると、○○が急に声をあげたので、魔理沙はびっくりして少し距離を取った。 「……起きてない、か?」 息を潜めて○○の様子を伺う。もし今起きられたら、どうして顔をじろじろ見ていたのかと問い詰められることは間違いない。 まあ適当に「鼻でもつまんでやるつもりだった」と言えば、いつもの悪ふざけと変わらないと思ってくれるだろうけど。 ○○は眠ったままだった。まだ目覚める様子はない。 「驚かせるなよ、な」 ふぅ、と息をつき、○○の服の袖辺りをつんっと突いてやった。自分を驚かせたことに対する、ちょっとした反撃だ。 ついでに手の甲や腕辺りも突く。少しためらったが、思い切って頬にも指を立てた。 おぉ、と驚いた。男のくせにやけにほっぺたが柔らかい。これは新発見だ。 ○○は眠ったまま。頬を突かれた時は顔をしかめたが、ただそれだけだ。 唐突に、胸がドキリと弾んだ。 なんだか、とても距離が近い。 身体の距離も、心の距離も。 そうか。今、○○の最も近くにいるのは自分なのだ。 「うっ……」 そう思うと、急にドキドキしてきた。 なんて初心な反応だ、と自分でも思う。たかだか隣に座っているだけではないか。 ○○とは友達同士で、時にはふざけあってその背中に抱きつくことだってあったはず。 そんな時は逆に○○の方がわたわたと戸惑っていた。そんな彼の反応を面白がって「にひひ」と笑うのが霧雨魔理沙だ。 なのに……今はやけに○○のことを意識してしまう。 友達同士でじゃれあっている時とは少し違う。 無防備な○○が隣にいるというこの状況は、とても、特別だった。 「……やっぱ、好きなんだよなあ」 そう呟いた魔理沙は頬を染め、まだ眠り続ける○○の顔を見つめ続ける。 自分の中にある確かな好意。それを自覚したのは何時のことだったか。 こんな普通の男、いや、普通の男よりもてんで弱っちくて、「ペンより重いものは持てない!」と豪語するようなこの青年を、どうして好きになったんだろうか。 「弾幕はパワーだ!」と言っている女が好きになるにしては、どうにも頼りなさ過ぎるのではないか? 「や、違うな」 自分の疑問に自分で否定した魔理沙。 ○○が弱いなんてことはない。彼は彼なりに幻想郷で生きるために必死で行動している。 前に進もうとしている人間が弱いなんてことはない。 そういう観点から見れば、自分が○○に惚れたのも当然のことか。 「……けど、どうにも不利だよなあ」 そう呟いた魔理沙は、引き続き○○のほっぺたをつつく。 今、この○○に対して自分と同じような感情を抱いているであろう女性が2人いる。 1人は人里の守護者である上白沢慧音。 幻想郷にやってきたばかりの○○を助け、今も彼と里の間の橋渡しをしており、良き相談役としての関係を築いている。 もう1人が藤原妹紅。 彼女は「○○の小説を気に入ったから」「ギブアンドテイクだ」いう建前(多分に本音も含まれてるだろうけど)を前面に出し、何やかんや彼の傍にいることが多い。 竹林の傍に住んでいることもあり、その関係は非常に濃い。 それに比べて、と魔理沙は自分のことを振り返ってみる。 ○○とは友達。そうだ。それ以上でもそれ以下でもない。 里で偶然知り合い、時々一緒に遊ぶ程度の、とても薄い関係。相談役でもご近所さんでもない。 ○○にとっては幻想郷で知り合った友人の1人、という程度の認識かもしれない。 だったら会う量を増やせばいいのだが、自分にも魔法と弾幕ごっこの研究があり、おいそれと人里や○○の家に顔を出すこともできない。 それに……そんな毎日会っていたら、自分の気持ちがパンクしてしまう。平然としていられる自信がない。 「恋色の魔法使いが弱気になるとはねえ」 魔理沙はどすんと再び木の下に座り込み、自嘲気味の笑顔を浮かべた。 何事も押して押して押しまくる、押して駄目だったらさらに押す、というのが自分の信条だったはず。 それがなんだ。たった1人の青年に対してはこんなにも弱いのか。 「……押して押して押しまくる、か」 そう確かめるように呟くと、また風が吹いた。髪とスカートがひるがえりそうになるのを手で押さえた。 ペラペラという音が近くでした。○○の手の上にある本が、風で飛びそうになっている音だった。 魔理沙はその本を○○の手から取り、パタンと閉じたが、表紙に書いてある題名に目をひかれた。 「魔法理論基礎?」 見慣れた言葉を口にした時、魔理沙は驚き、色めいた。 これは魔法使いが読むような魔法書ではないか。しかも初心者が読むような入門書だ。 どうして○○が魔法書を読んでいるのか? いや、そんなことはどうでも良かった。 ○○が、魔法に興味がある。 そう思った魔理沙は、途端に自分の心が膨らんでいくのを感じた。 魔法はこれ以上ないほどの自分の得意分野だ。 まだまだ発展途上で、パチュリーやアリス以上だとは断言できないが、そこらの魔法使いよりも詳しいという自信がある。 それこそ、人に教えられるほどに。 なんだ、つけいる隙はいくらでもあるじゃないか。 弱気になっていたせいで、どうやら目が曇っていたらしい。 押して駄目なら押し通せ。それでも駄目なら突っ込んでしまえ! 単純明快。悩んでいたのが馬鹿らしい。 「ん……んあ」 うっかり頬を突く指の力が強くなってしまっていたようで、○○が不機嫌そうに顔を歪め、目を開いた。 しかし魔理沙は、指を引っ込めるような真似はしなかった。もう退くつもりはなかった。 「起きたか?」 「魔理沙……? って、どういう状況だ、これ……」 ○○は魔理沙の指と顔を交互に見つめ、寝ぼけた頭で状況を把握しようとしているようだった。 魔理沙は、思いっきり、見せ付けるかのような明るい笑顔を浮かべた。 「私がお前の頬をつついてる。で、お前は昼寝から今起きた。オーケー?」 「……納得はいかないけど、オーケー」 ○○が大きくあくびをして、背筋を伸ばし始めた。しかし魔理沙はまだ指を引っ込めない。 「そろそろやめてくれてもいいんじゃないか?」 「嫌だぜ」 「少し痛いんだが」 「ここで退いたら負けなんだぜ」 なんだそりゃ、と○○が笑った。 魔理沙はそこでようやくつつくのを止め、かの「魔法理論基礎」を○○の前に掲げてやった。 「なあ、○○、これはどうしたんだ?」 「ん、ああ。外の世界にはないものだから、ちょっとした好奇心で読んでみたんだ。どうにも理解しにくいけど」 「魔法に、興味があるのか」 「まあな」 そう言って本を受け取る○○。知識には貪欲で、なんでもかんでも小説に結び付けようとする○○。 きっと魔法のことも、いつかは小説に書くつもりなのだろう。 やはりおあつらえ向きな状況だった。「突っ込む場所」はもう決まった。 「私が教えてやろうか?」 「……魔理沙がー?」 「なんだよ。どうしてそんな、不満そうな顔するんだ? 私が魔法使いだってこと、忘れてないか?」 「じゃあ、例えばこの理論は分かるのか?」 「ああ、これは陣の展開の論理公式だろ? 私は使わないけど、パチュリーがよく使ってる奴だな」 ○○が物凄く驚いた顔をしている。失礼な、と魔理沙は少し腹立たしくなった。 「○○は、どうせ魔法言語のことなんて何にも分からないんだろ? こんな入門書も読めないんだもんなあ」 ニヤニヤとおちょくるかのように言ってやると、○○は悔しそうに「うっ」と呻いた。 「ほれほれ、大人しく私に教えられとけよ。優しくしてやるぜ?」 「……ったく、魔理沙のことだから、見返りでも求めるんだろ?」 むっ、やはり○○は失礼だ。確かにちょっとした下心はあるが、あくまでも親切心からの申し出だというのに。 いや、見返りをくれると言うのなら貰っておこう。貰えるものはなんでも貰う。さすが私だ。 「そうだな、見返りは……」 魔理沙は一瞬考え込む素振りを見せた後、とても輝いた笑顔を見せてこう言った。 「お前の心でも貰うぜ!」 押して駄目なら突っ込んだ結果の、その言葉。 魔理沙にはもはや「逃げる」という選択肢はなかった。 「えーと、心ってのはまさか、心づけ……金か!」 「はははは……」 しかし○○にはのれんに腕押しのようだった。 新ろだ900 ─────────────────────────────────────────────────────────── 共通ルート2 ある晴れた昼間のこと。 ○○は人間の里を1人で散歩していた。荷物は何も持たず、幻想郷では一般的な着流しを着てゆらゆらと歩いている。 普段は竹林の傍にある自分の家に引きこもっている○○だが、時折こうして気分転換に里を訪れることがあった。 特に仕事から一時的に解放された時期には、友人を誘って甘物屋に向かったり、栄養満点の食料を買い込んだりする姿が目撃されることが多い。 しかし今日の○○は違った。難しい顔をし、誰に話しかけることもなくぶつぶつと何かを呟き、不気味な雰囲気を醸し出していた。 そのため、○○のことをよく知っている里の人間も、決して今日の彼には話しかけようとしなかった。 分かっているのだ。こういう状態の○○に声をかけても、暗い声で支離滅裂な話をされるだけだということを。 そしてこんな彼に話しかけられるのは幻想郷中でも数人に限定されるのだということを。 触らぬ神には祟りなし。○○は微妙に人に避けられながら、ふらふら歩き続ける。 「ん、○○じゃないか。久しぶりだな」 話しかけることができる人の1人がようやく姿を現したことで、人里の住人達はホッと安堵の息をもらした。 道の向こう側からやってきたのは上白沢慧音。○○の親しい友人である彼女が来てくれたなら、もう安心だ。 「……」 「おい、○○、○○! 聞こえているのか?」 呼びかけても反応のない○○に、慧音は彼の目の前で手を振ってさらに呼びかける。 10秒ほどの間が空き、ようやく○○の目が慧音に焦点を合わせた。 「……ん、ああ、慧音さん。こんにちは」 「ああ、こんにちは。どうした、そんなにぼーっとして」 ○○は呆けた顔で慧音の事を見ていた。いつも以上に気の抜けた顔をしている彼を、慧音は心配そうに見つめる。 「元気がないな? 何かあったのか?」 「いえ、ちょっと……小説が行き詰ってまして。少しは気が晴れるかと思って外に出てみたんですが、逆に小説のことが気になって仕方なくなって……」 「それは辛いな。ふむ……良ければ何に悩んでいるか話してくれるか? 人に相談してみたら新しい発想が生まれるかもしれないぞ」 ですね、と○○が頷く。彼がこうして気楽に仕事についての悩みを相談するのは、本当に限られた相手に対してだけだ。 たとえ里の人間がこう提案しても、彼はやんわりと「小説のことは自分でなんとかしたいので」と断るだろう。 それだけ彼が友人のことを信頼し、頼りにしているということだ。 「私も聞くぜ!」 そんな友人がまた1人、空から降ってきた。いや、正確には箒と共に着地した。 霧雨魔理沙。空を飛んでいた彼女が突然急降下し、○○と慧音の前に降り立ったのだった。 彼女の出現により、里の人々は状況が変な方向にいきそうだと危惧し始めた。魔理沙がいつも場を引っ掻き回していくのは、周知の事実だ。 しかし、もはや彼らの間に割り込むことはできず、周りの人々は事の成り行きを見つめることしかできなかったのだった。 案の定、少し機嫌の悪くなった慧音が魔理沙を睨む。 「お前は小説のことなど何も分からんだろう」 「そんなことはないぜ。私だって最近、魔法書以外の本も読むようになってきたんだ」 「どうせ子供向けの絵本ぐらいだろう。お前が読めるものなどな」 「おっ、それは私に喧嘩を売ってるのか? 常識人の慧音様がらしくないな」 一触即発。2人が険悪なムードを漂わせ始めている中、、○○がまた暗い顔でぶつぶつと呟いている。 「魔理沙も……だけど今回は魔理沙にも聞いてもらった方が良いアイディアが浮かぶかもしれないし……けどだからと言ってその台詞をそのまま使うのも……けど、そうだな、よし」 何かを決心した○○がパンッと手を叩いた。その音に、にらみ合っていた慧音と魔理沙が目を向ける。 ○○が2人に向かって、荘重に告げた。 「2人に聞いてもらうことにする。とりあえず俺の家で話そう」 「そ、そうか。お前がそう言うなら……」 「宝船に乗ったつもりで私『だけ』に相談していいんだぜ!」 少々納得のいかなさそうな慧音と、どんっと胸を叩く魔理沙。 3人は連れ立って、○○の家がある方向へと歩いていった。 そんな彼らを見送る里の人間達は、ここで何も起こらなかったことに安心しつつ、現れなかったもう1人の友人も含め、彼らの関係がさっさと固まってしまえばいいのに、と思うのだった。 ※ 「じゃ、入ってくれ」 竹林傍の○○の家に着くと、扉を開け、女性2人を先に部屋に入れた。 「お邪魔する……ん?」 「邪魔するぜーって、あれ?」 「あ、○○帰ったのか――げっ、慧音、魔理沙」 どこから入ってきたのか、いや、そもそもそんな疑問は愚問であるかの如く、くつろいだ様子の妹紅がそこにはいた。 これには慧音と魔理沙も驚き、そして妹紅に疑いの目を向ける。 「妹紅、どうしてここにいる?」 慧音が少々威圧感を滲み出しながら尋ねる。後ろの魔理沙も八卦炉の用意をしていたり。 「え、わ、私か? いや、食べ物持ってきたんだけど○○がいなかったから、勝手にあがらせてもらって……その、○○、ごめん」 申しわけなさそうに謝る妹紅。上目遣いを無意識に使っており、慧音はその破壊力に少しくらっと来たようだが、肝心の○○は俯いたまま、またしても何事か考え込んでいた。 「……妹紅か。妹紅の視点なら意外な結果を生むことも……だったら、んー……よし」 ○○がまたパンッと手を叩く。 「妹紅も相談に乗ってくれるか? ちょっと、今書いてる小説で行き詰ってるんだ」 「相談? よく分かんないけど……私で役に立つなら」 そうしていつものメンツが○○の家に集合したのだった。 ※ 「まあ、今回の小説は恋愛系なんだ。前に射命丸さんからこんなことを言われてさ」 そう切り出し、○○はその小説を書き出すきっかけを話し始めた。 概要はこうだ。 射命丸文が○○との世間話の中で、『最近は恋話に進展がないようなので、見物――もとい、読者の方々は甘いお話をご所望のようです』と語った。 これがかなり意外な話で、最近の幻想郷の実力者達は本当に色恋沙汰に興味を持ち始めたんだな、と○○は非常に感心を覚えた。 最近、仕事が立て続けに舞い込み、ほとんど家に缶詰状態だった○○。 (そうか。仕事漬けで世間の事情に疎くなってるんだな)と、缶詰状態の時には誰にも会わない自分の生活っぷりを反省。 そして読者がそういう話を求めるのなら、と試しに恋愛小説の短編でも書いてみようとひらめいたのだ。 そうして彼が書き始めたのは、妖怪と人間の恋の話。 人里に住む青年が、近くの山に住む妖怪の女性に恋をし、種族の違いに阻まれながらも懸命に乗り越えていく、ありがちだが王道の物語だ。 「だいたいのプロットは完成して終わりまで書いたんだけど、どうしても納得のいかない部分があるんだ」 ○○が原稿を取り出し、神妙な顔の女性3人に悩みの種となっている物語の一部を見せる。 ちなみに「妖怪と人間の恋話」と○○が言った時、3人はびくりと身体を震わせていたりする(特に慧音)。 「ここ、人間の男性が妖怪の女性に愛の告白をするんだ。で、妖怪の女性は種族と寿命の違いを理由に一度は断る」 またしてもびくりと大げさなまでに反応する女性3人。今度は妹紅が一番動揺していた。 しかし○○はそんなことには気付かずに説明を続ける。 「まあ、結局最後は女性も告白を受け入れてハッピーエンドになるんだけど、その前段階であるこの場面は、物語の中でも特に重要なんだ。 だから告白の言葉にはこれでもかと力を入れて考えたんだけど、どうもしっくりこなくってさ」 「で、外を散歩してても悩んでた、ってわけか」 「そういうこと。はぁ……」 魔理沙がまとめると、○○は頷き、頭を抱える。よほど悩んでいたのだろう。ため息までついていた。 「なら簡単なんだぜ」 肩を落とす○○を、魔理沙がポンっと叩いて励ます。 ○○はまるで神様でも見つけたかのように懇願する視線を向けた。 「本当か? どうすればいいんだ?」 「小説の中だけで考えてるから行き詰るんだぜ。だから、実際にその台詞を口に出して言ってみればいい」 「なっ!? ま、魔理沙!」 慧音がいきなり立ち上がった。その顔はよく見なければ分からないが、少し赤い。 「じ、実際に言ってみるとは、つまりだな、誰かに告白しろとでも言うのか! そんな破廉恥なことは私が許さんぞ!」 「おいおい、落ち着けよ慧音先生。そんな風に取り乱しちゃ、いつものクールビューティーな印象がぶっ壊れるぜ」 うっ、と慧音は黙りこくり、深呼吸して座りなおす。 気を取り直した魔理沙は再度○○にこう提案した。 「いいか、○○。演技でもいいから、声に出してみればいいんだ。そしたら、なんとなくその台詞の印象とかがつかめるんじゃないか?」 「なるほど。一理ある」 「私がその台詞を聞いてやるよ。で、2人が一番いいと思った奴を採用すればいいんだぜ」 「……うん、いいな。このまま悩んでても仕方ないし、よし、そうしよう」 そう決めると行動が早い○○は、さっそく台詞候補を書き連ねた紙を取り出し始める。 この流れに乗り遅れまいと、慧音と妹紅も手を挙げた。 「私も協力するぞ。いいな、○○」 「わ、私も」 ○○は、もちろん協力者は多い方がいいとして了承するが、魔理沙が陰で舌打ちしていたのを彼は知らない。 ○○が台詞候補をメモしたものとして取り出した紙の数は、原稿用紙10枚をゆうに超えていた。 10パターン以上の告白の言葉を思いついたが、どれもしっくりこないらしい。 「じゃあ、声に出して読んでみるから、3人とも聞いててくれ。まずは……」 「待て、○○」 さっそく始めようとした○○を、魔理沙が止める。かすかにあくどい顔をしながら。 「それじゃあ駄目だ。告白ってのは、相手と1対1で向き合ってやるものだろ? だから、私達3人の内1人がお前の前に座って聞く。 で、他の2人は少し離れておくってのはどうだ。お前も感情を込めやすいだろ?」 「……確かに。すごいな。なんだか今日の魔理沙は冴えてるんだな」 「私はいつだって頭がよろしいんだぜ。じゃ、まずは私からだな。お2人とも、お先~」 真っ先に○○の前に座る魔理沙。言いだしっぺの特権とでもいうか、○○もそれを止めようとはしない。 慧音と妹紅は抗議の声をあげたいのを我慢し、狭い部屋ながら精一杯の距離を取って、2人の様子を眺める。 「あまり気分の良いものではないな……」 「だね……」 慧音と妹紅はそう呟きあいながら、顔を向かい合わせる○○と魔理沙を苦々しそうに見つめていたのだった。 「じゃあ、始めよう。あ、一応俺が台詞を言い終わったら手を挙げるから、そしたら魔理沙は『ごめんなさい。私とあなたは一緒になれない』って言って断ってくれよ」 「分かった。いつでも来い!」 「それでは、と」 コホン、と咳払い一つ。 ○○は原稿用紙にちらりと目を落とした後、すぐに魔理沙の目をじっと見つめた。 「好きなんだ」 ポツリと呟くように言った○○。その声と表情はまさに恋する男性そのものだった。 あまりの迫真の演技に、魔理沙は「うっ」と声を詰まらせる。 しかし、○○はまだ合図の手を挙げていない。 「好きなんだ、君の事が。胸が張り裂けそうなぐらいに。何をしていても君の姿が思い浮かぶぐらいに。 もちろん許されない恋だっていうことは分かってる。けれども、俺は君を求めている。それだけは確かなんだ。 親類縁者も友人ですらも否定したこの心を、俺は捨てきれない。お願いだ。どうか行き場の失くした俺の心を受け取ってほしい」 ここでようやく○○が手を挙げた。魔理沙が断りの台詞を言う番だ。 「あ、う……」 しかし魔理沙は最早正常な言葉を話せる状態になかった。 盛大に顔を赤くし、魚のように口をパクパクと開け閉めしている。 もはやこれが演技であることなんて頭からぶっ飛んでいた。 「魔理沙?」 ○○が不審そうに声をかけると、ようやく魔理沙はハッと意識を取り戻す。 そして台詞を言わなくてはいけないことをを思い出すが、しかし、思考は完全に混乱していた。 (せ、台詞? 断るんだったか? けど、私は嬉しいから断るなんて、いや、演技だったか、なのに○○はあんなに真剣で『親が反対しても』って、けど断らなきゃだから、あ、うううう!) 魔理沙は唐突に八卦炉を取り出し、構えた。 「ご、ごめんなんだぜえええええ!」 竹林を散歩していたウサギが、空にマスタースパークの光を確認した。 ※ 「どうして撃った」 「う、ううう……緊張してたんだ。すまん……」 「別に舞台で演技するわけじゃないんだから、緊張なんかするなよ……」 ○○の家は木造。もちろんマスタースパークの威力に耐え切れるはずもなく、天井には巨大な穴が空いていた。 この穴は後で修理することにし、とりあえず台詞を決める作業を続けることになった。 「で、だ。今のはどうだったんだ?」 「あ、えと……わ、私はいいと、思う……ぜ」 顔を赤くして俯く魔理沙。しかしそこで横から「待て」という冷静な声が割って入った。慧音だ。 彼女は至極真面目な顔でこう言った。 「今の台詞、好きであることをただ伝えているだけで、妖怪と人間の恋という設定が活かされきっていないように思うが」 その鋭い突っ込みに、○○はふむ、と頷く。 「うん、確かに。親が反対するっていうだけじゃちょっと弱いですね」 「熱烈に愛を伝えるのもいいが、そういう設定を活かしている台詞も、もちろん考えてあるのだろう?」 「んー、妖怪に愛を伝えることに重点を置いた台詞もあったはずです」 「ならば、それを聞いてから判断すればいいだろう。そして、次は私が前に座る」 慧音がずいっと魔理沙を押しのけて、○○の前に座った。 一方で顔が赤くなるのが止まらない魔理沙は、そそくさと妹紅のいる部屋の隅へと移動していった。 妹紅が彼女の傍に寄り添い、「大丈夫か?」と珍しく気を配る。 魔理沙はパタパタと顔を仰いで頭を冷やしていた。 「うー、すごい威力だった……」 「そ、そんなになのか?」 「ああ。○○の奴、完璧に感情込めてやがる。くそっ、恋色の魔砲使いが撃墜されるとは……」 ごくりっ、と妹紅は喉を鳴らし、次に始まる告白劇に目を向けた。 次は自分が……と胸を高鳴らせながら。 「よし、これでいこう。慧音さん、さっきと同じで俺が手を挙げたら、『あなたの想い、受け止められない』って断ってください」 「いいだろう。始めてくれ」 「では……」 一瞬目を閉じて咳を一つ入れると、○○はまっすぐ慧音の目を見て、口を開いた。 「俺と君は相容れないと、人は言う」 完璧に熱の入った演技だった。いや、事情を知らない者が見れば、本気の告白なのかと目を丸くするだろう。それほどに感情がこもっていた。 しかし、それに対峙する慧音は動揺していない。じっと○○の言葉を受け止めている。 「それは君が妖怪だから? 俺とは違う種族だから? それ故に俺の愛が否定されるのが世の理だというのなら、俺はそれに逆らってみせる。 種族だとか、妖怪と人間だとか、そんなものは俺の心になんら影を落とさない。外見がどうした。俺は君の魂を求めている。 いや、違う。俺は君の全てを求める。妖怪である君をも求めている。人としておかしなことだろうとも、それが俺の想いなんだ。 これまで一緒に過ごした時の中で、君も俺を求めているんじゃないだろうか?」 ○○が小さく手を挙げた。 傍目で見物する魔理沙と妹紅は、はらはらと慧音に視線を移す。 ここまで熱烈に告白されて、果たしてきちんと演技できるのだろうか。 だが2人の心配をよそに、慧音の表情はじつに涼しげだった。 「残念ながら、君の想い、受け止められない」 言い切った。表情といい声色といい、完璧だった。青年の愛を理解しながらも断らなくてはいけない悲しみがその台詞から聞こえてきそうだった。 ここらで魔理沙と妹紅は、小説なんだからこんな完璧に演技しなくてもいいんじゃないだろうか、と思ったが、そんなことはどうでもいい。 耐え切った慧音に賞賛の拍手を送りたい気分だった。 「よっし、慧音さん、ありがとうございます。どうでした?」 「いいんじゃないか? 妖怪と人間の悲恋、見事に描ききっている。そしてそれを乗り越えようとする青年の思いもきちんと伝わってきたぞ。まあ、愛しているの一言ぐらいは欲しかったがな」 「なるほど、定番の台詞も盛り込んだほうがさらに盛り上がるか……うーん、けどここでは……」 ○○が原稿用紙に視線を落とし、修正箇所を探し始めた。 そこで魔理沙と妹紅は見た。慧音の手が細かく震えているのを。 「○○」 「はいー?」 話しかけられても、○○は原稿用紙から顔をあげない。慧音は震える声で続ける。 「少し外に出る。すぐに戻ってくるから」 「はい。どうぞ」 慧音は立ち上がり、足早に外へと出て行った。○○は原稿用紙に万年筆を走らせたままだ。 妹紅と魔理沙は、いきなり出て行った慧音に疑問を感じていたが、 しばらくして、 「ふぉおおおおおおおお!」 獣のような叫び声と、何かが走り去る音が外から聞こえてきたのだった。 同時刻、竹林を散歩していた兎が、満月の夜でもないのにワーハクタクの爆走する姿を目撃したとか。 ※ ついにきた、と妹紅は震える手を抑えつけ、○○の前に座った。ちなみに慧音はまだ戻ってこない。 「慧音さんがいないけど、台詞はまだまだあるから先に続けておこう。えーと、次は……」 落ち着け。これぐらいなんだ。幾千年と生きてきた自分なら、大抵のことは経験してきたはずだ。 いや、だけど真正面から愛の告白を受けたことなんてあっただろうか……昔の記憶なんて薄れているけど、覚えている限りでは一度もない。 そう、もし経験済みだったら、こんなにも胸がドキドキすることなんてない。 (落ち着け。演技だ、これは演技……きちんと聞いて台詞を返せばいいんだ) そうだ。○○も本気で告白してくるわけじゃない。演技、これは演技…… ○○は小説のことに夢中で、自分達が彼の告白の言葉に戸惑っていることになんて気付いていないのだ……そう考えたらなんだか寂しくなってくるけど。 「妹紅、準備はいいか? 分かってるだろうけど、手を挙げたら『ごめんなさい』って断ってくれよ」 「ああ。任せろ。見事に断ってやるさ」 1つ深呼吸。大丈夫。慧音のように冷静に演じきればいい。そして後で永遠亭に行って輝夜に喧嘩でもふっかけてこよう。 「では」 ○○が軽く咳を挟み、じっと妹紅の目を見た。 「妹紅、聞いてくれ」 うっ、と妹紅は意識を失いそうになった。 おそらく小説の中の登場人物の名前を呼ぶ場面なのだろうが、破壊力ありすぎだ。 これからさらに言葉の弾幕が張られるのだろうか、と妹紅は心して身構える。 しかし、○○はふと目を瞑り、黙りこんでしまった。 「……?」 ○○は何も言わない。もしかして台詞を忘れたのだろうか。その割には原稿用紙を見る素振りを見せないが。 妹紅は戸惑い、声をかけそうになるが、その時。 ○○が目を開いた。 「愛してる。俺のものになってくれ」 短いながらも誠意の感じられる言葉。なおかつ純粋に相手を求めているという欲望に近い愛情。 それが、妹紅に向かってダイレクトに放たれた。 「……」 直球の愛情に被弾した妹紅は、もはや合図の手が挙げられていることにも気付かず、呆然と○○を見つめ続けていた。 長い告白の台詞を想定していた彼女にとって、槍のようにまっすぐ飛んできたこの愛の言葉は心の奥底にまで深く突き刺さった。 これが演技だということなんて、妹紅の頭の中には最早ない。 「……あ」 さらに数秒後、彼女は突然火山が噴火したかのように顔を赤くし、 「うん……」 かすかな返事と共に、小さく頷いた。 時が、止まった。 「妹紅……?」 「はっ!」 妹紅はようやく意識を取り戻し、○○が訝しげな表情を浮かべていることに気付いた。 部屋の隅では、魔理沙が大笑いしそうになるのを堪えている姿。 「え、や、ち、違うよな、あははは……うん、違う。分かってるんだ、今のは間違っただけで……う、うぅ、うああああああ!」 竹林を散歩していた兎は、まだ顔の赤くなっているワーハクタクと共に、真昼の花火を見物することができたのだった。 ※ 「どうしてこうなった」 「「「ごめんなさい」」」 ○○の家、全焼。 フジヤマヴォルケイノにさらされた木造の家は見事に燃え尽きていた。 炭になった我が家の前で、○○は必死に守った原稿と辞書などの仕事道具と共に、呆然と立ち尽くしていた。 「はあ……仕方ない。家は建て替えるとしよう」 「さすがに手伝うぜ、○○」 「ああ、私達の責任だからな……」 「本当にごめん」 魔理沙、慧音、妹紅の順で頭を下げるのを、○○は仕方ない、といった様子で笑顔を浮かべた。 「いいよ、そろそろぼろくなってきたしね……けど、問題は小説の方だな。結局告白の言葉が決まらなかったし……他の人にも意見を聞いてみるかなあ」 「「「それは駄目だ!」」」 後日、○○の恋愛小説は妹紅達の協力により完成し、文文。新聞に掲載。 まるで実体験であるかのような物語と、心に響く青年の告白は幻想郷の女性達に好評を博し、続編を求める声がやまなかった。 しかし○○は 「もう家を燃やされたくありません」 と言って当分は恋愛小説を書かないと宣言したとか。 新ろだ906 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/112.html
■魔理沙2 空はどんよりと曇り、一向に晴れる気配が無い。 耳をすませば約十八回目のため息が聞こえる。 「本当に嫌になるぜ……」 そう言って、十九回目のため息をつくのは霧雨魔理沙。 「仕方ないさ、ここの天気はどこぞのメイドの胸並に変わりやすいから……」 現在いる場所は魔法の森にある霧雨邸。今日は山の幸狩りをしにここに出向いたわけだが…… あいにくと森に入って霧雨邸についた直後にどかっと雨が降ってきた。……まさしくどこかのメイド長のスペルのように。 今は雨もやみ、多少霧が掛かる程度だがそれでも帰れない。 何故かって?魔法の森は迷いの森だからさ。道を間違えれば即食物連鎖最下段。そんな生きるか死ぬかのこの森に霧が掛かっている。 つまり要約するなら。『鬼畜兵器ぶっちぎりの即死弾幕を毛玉とかが常時連発してるような感じ』。一歩進めば即死。アーユーオーケイ? 「これじゃあ山の幸も取れないな。ああ、一度は食べてみたいぜナスキノコ……」 「それはきのこじゃない気がするが」 「いやいや魔理沙。ナスキノコは実在するんだぜ?その胞子を吸ってしまうと大変な事になる恐ろしいきのこなんだ」 「……ふーん」 何気にジト目で見られ、あわてて言いつくろう。 「いやふーんじゃ無いって。実際にその胞子のせいで何十人もの人が倒れたんだから」 「……って、それは凄くないか!?」 「だろ。だけど、そのきのこはいっぺん食べたら病み付きになるんだと」 ようやく魔理沙が話にのってくれてほっとする。顔つきも変わり、こちらに近づいてきた。 「病み付きって。まさかマジックマッシュルームの類じゃないだろうな?」 「いや、ただただうまいだけらしい。でな、さっきの胞子の話なんだけど……」 ここでいったん溜めを作り、魔理沙の顔をじっと見た。 「ナスキノコの胞子は……」 「胞子は……?」 「吸った者の……」 「吸った者の……?」 ごくり、と喉がなる。 「吸った者の書く文に誤字を発生させるんだ!!」 どーんっ!っと。ワンピースのように。もしくはキバヤシさんのように。 勢いをつけて叫んだが、魔理沙は反応をしない。 「…………はぁ?」 「馬鹿野郎『はぁ』じゃない!誤字だぞ誤字!ひたすらに時間かけて書いた文章が誤字だらけになるんだぞ!? 恐ろしくて恐ろしくて夜も眠れないじゃないか!」 何故か呆れ顔をしてこちらを見る魔理沙。 何気に視線が『ああ、とうとうこいつの頭も霊夢以下になったか』と語っている。誰が淫乱巫女より下だって? 「……あー。ていうか質問いいか?さっき何十人もの人が倒れたって言ったけどあれはどういう事だ?」 まったく繋がらんとぶつくさつぶやく魔理沙。 「…………ふっ。そんなの簡単さ。 かつて、このナスキノコの胞子をたっぷり吸い込んでしまった人間がいてな。その人の書く文章は万人受けとまでは行かないがかなり好評だった。 そこで、その人はとある長編の文章を書く羽目になったんだが。それはそれは大変だったそうだ。 その人が一章を書き上げるごとに誤字チェックをしなくてはいけない。しかも特殊な言い回しも使う事があるのでそれで詰まる事もしばしば。 ……そして、その文章が書き終わったときには何十もの屍が出来上がってた。 ――と言うわけだ」 「はぁ……」 もう、どうでもいいですといった顔で魔理沙は聞いていた。 「もうその話はやめにしようぜ。……でだ。これからどうするんだ?」 ……その言葉を聞いて思い出す。そういえばまだ外は霧だった。 狩りに出かけられないと言う事は家にも帰れない。となれば…… 「どうするも何も、ここにいるしか無いだろ。……まさかこんな中で家に帰れとか言うつもりか?」 「まさか。どこかのメイドじゃないんだからそこまで冷酷にはなれないぜ。」 はっはっは、と笑い、もう一度こちらを向く。 「まあ、お前は獣じゃないと私は信じてるぜ。」 「冗談。誰がお前みたいなの襲うかよ。」 冗談とも本気ともつかない言葉に軽口で返す。……後々後悔するとも知らずに。 * 「何でこんな事に……」 時間は過ぎて霧雨邸の寝室。なんというかとんでもない状況だった。 まず、こちらの会話を聞いていただきたい。 『あー、ベッドは一つしかないから添い寝な?』 ぶほっ 『な、なんだってー!?』 『私はキバヤシじゃないぜ?』 『い、いや添い寝って……』 『一人だと寒くてな。まあ湯たんぽの変わりだと思えば』 『何その人権無視発言、じゃなくて。普通は男は床で……』 『床で寝られるか?こんな散らかってる場所じゃあ寝られないだろ』 『……片付けない本人が何言うか』 そんな感じで、でかいベッドに二人で寝ることに。 ちなみに決め台詞は『どうせ私を襲わないんだろ?』でした…… でも、でもですよ?いくらそうだといっても……寝れんのよ。実際。 気配がすると起きるようになってるせいか一向に眠気がやってこない。 というか、やっぱり魔理沙だって女なわけだし……そういうのはいかんと思ったりしますがどうですか!? …………っと、いかんいかん、錯乱してた。 隣では静かに寝ている魔理沙。……もうちょっと品が無いのかと思ってたけど、意外に…… 「……んにゅ~……」 あれ、体制を変えてこちらに寝返って………… え、今、もしかして、魔理沙に抱きつかれてる? 「ん~……」 顔が間近に見えるよ。……物凄く幸せそうな顔をしている。 ちょっとね、これはね。もうね、襲えと。そうとしか聞こえないでしょう。 腕を魔理沙の背中に回し……ふと気づく。 「ちっちゃいな、こいつ……」 背中に回した両手どうしが有る程度触れそうなくらいだ。 いつもの暴れっぷりからは想像もつかないくらい、魔理沙が小さく思えた。 なんとなく小さな背中を撫でてやる。……気づかないうちにもう『襲え』とかそういうものは吹き飛んでいた。 「無理してるんだな、お前……」 こんなに幼いのに、頑張っている。血を吐くような努力をしているんだ。 何故か、いつもの魔理沙とは違う本当の『きりさめまりさ』という少女に会えた気がした。 背中から手を離し、頭を撫でてやる。……こういうのを愛しいって言うんだろうな。 「お前が望むなら、いつまでもお前を守ってやりたいよ。なあ、魔理沙……」 283 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「おい、いるか?」 無遠慮に扉が開かれ、魔理沙が姿を表す 「魔理沙…ノックぐらいしろって何回言わせるんだ」 「おお? 男の癖に細かい奴だな」 どうでもいいぜ、とでも言わんばかりにずかずかと上がり込む魔理沙 「…女の癖に大雑把な奴だ」 「そんなことよりどうだ? 土産ならある」 魔理沙が差し出したのは数本の酒瓶 「気が利くな。どうせ夕飯でも集りに来たんだと思ったよ」 「酷いぜ。今日は飲みに来たんだがな」束の間の憮然とした表情 「だが、美味い飯があれば尚更酒が美味くなるってものだぜ?」 「…はいはい、そう来ると思ってたよ」 急ピッチで酒を呷る魔理沙。流石に心配になる 「おい、少し飲みすぎじゃないか」 「あー? 美味いんだから気にするな」 酔うと絡むのかと勝手に想像していたが、当の本人はにこにこと笑っている だけである。魔理沙の意外な一面を垣間見たような気がした 「なぁ……私の事……好きか?」 魔理沙は杯を置くと、頬杖を突きながら問い掛けてくる。とろんとした、どこか 眠そうな甘い声 あまりに突然な言葉に思わず酒を吹き出しそうになる 魔理沙はそんな俺を見ながら笑みを絶やさない。普段は見せない表情をとて も可愛いと思った 「お前はどうなんだ?」 「んー、私か? 勿論好きだぜ」 どくん、と心臓が高鳴るのを感じた 「…俺もだよ、魔理沙」 「んー、そっかそっか…へへっ」 魔理沙は大層ご満悦な様子で、最後の一杯を空ける 食卓の片づけが終る頃には、魔理沙はすっかり夢の世界へと入っていた 「全く…これじゃ風邪引くだろうに」 魔理沙の身体を抱える。全く起きる様子は無い 布団に寝かせ、毛布と掛け布団をそっと乗せる 「おやすみ……魔理沙」 魔理沙が小さく頷く、そんな気がした。良い夢を見ているのだろうか ならば、自分も良い夢を見ることにしよう 願わくば、可愛い少女と同じ夢を 428 ─────────────────────────────────────────────────────────── 俺「雪が降ったんだとよ」 魔理沙「ほー」 俺「珍しくもなんともねーな」 魔理沙「珍しくもなんともないぜ」 魔理沙「雪降ったんだな」 俺「ほー」 魔理沙「珍しくもなんともないな」 俺「珍しくもなんともないぜ」 魔理沙「おお、雪だ」 俺「だから外行きたいなら初めからそう言え」 魔理沙「そんな子供っぽい事言えるか」 俺「あーもー知らんぶる」 魔理沙「だから雪降ってるって」 俺「ああそうかい行けばいいんだろ行けば」 魔理沙「初めからそう言えば良かったろうに」 俺「それはお前だ」 3スレ目 42 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「待ってくれ、魔理沙!」 駄目だ、追いつけそうにない。 「駄目なら駄目と言ってくれればいいじゃないか!」 どんどん小さくなっていく魔理沙の後姿。 「頼む!答えを聞かせてくれ!」 箒に またがっているわけでもないのに 「こんな…中途半端な状態じゃ…俺…」 走り去る魔理沙は速すぎた。 「諦めも……つかないじゃないか………」 人間の出せる速さとは思えなかった。 「魔理沙ぁ!!」 そのとき魔理沙は………動きを止めた!俺は最後の力を振り絞り、魔理沙の元へ駆け寄った。 「はぁ…はぁ…」 地面にひざまずき、首を垂れる俺。激しく息切れを起こし、しばらくは立ち上がれそうもない。 なんてカッコ悪い姿だろうか。情けない。答えなんて分かってるはずなのに。わざわざ追いかける 必要なんて、なかったはずなのに……自嘲しながら、ふと地面に映る魔理沙の影に目をやれば、 魔理沙が俺に向けて手を差し出していることが分かった。 「魔理沙………」 俺は顔を上げた。 /~ ̄~⌒\ ,-_、 <. ;;i .... ( (__  ̄ノ;;;; .... `¬´ ∑>lコ<了――ヽ__ <" ̄ ̄ ̄`―――" `> ~r--;;..____,.,;t" ~ (~~~l i i (ソ)~~ ( . l ・ ・ l () ( l " l ○ l "l ;) ( . ヽ tェェェェI / ;;) ( .. ヽ ヾェェ// ;;) ヽ ; ; ; ; ;|`---"|; ; ; ; ;ノ ,ヘヾ^^^^ソノヽ i;; \r┬r‐/`ヽ, |;;; |_,|_,|_にノ γ⌒) |;;;; 人 ,.__,,,,ノ´ |;;;;;/ ´/ ( A`)? BAD END(人違いに注意しよう。正直スマンかった。) 3スレ目 289 ─────────────────────────────────────────────────────────── ……頭の中で、何度もプランを立て直す。 ――――そう、まずはできるだけ何気ない動作で挨拶だ。「こんにちは。いい天気ね」。違う違う。これじゃアリスだ。 「どこまでいくんだ。お前の足じゃこの森を抜けるまでに日が暮れるぜ」思いっきり余計なお世話だ。 箒の後ろを叩いてクールに「乗らないか」。ウホッ! いい魔法少女…………だめだ、私。今日はおかしいぜ―――― 「ああもう。なんでこんなに私が悩まなくちゃいけないんだ」 たかが、あいつ一人に声をかけようとしているだけなのに。 そう、私が上空から見ていることも知らずに、のんびりと森の中の一本道を歩いているあいつ。 今日ここを通るのは知っていた。何回も上空から確かめたからな。 どこに行くのかも知っている。あのワーハクタクのいる里に行くんだ。 だから、その………道が狭いし暗いし危ないからな。 い、一緒に行ってやってもかまわないって、思ったんだ。わ、私だって鬼じゃないから、な。 あいつが放っておいて妖怪に襲われたら、その、悲しいっていうか、寝覚めが悪いっていうか。 なにも、おかしなことじゃないのに。 どうしてこんなに、あいつに声をかけようとすると胸が苦しくなるんだろう。 本当にいつもの私、霧雨魔理沙らしくないぜ。 私に気づかないで、どんどん向こうに行ってしまうあいつ。 ええい、どうにでもなれ。私は頭の中で考えた計画なんか全部捨てて急降下した。 超低空飛行で、あいつの後ろから声をかける。 「よっ、ようっ!」 なにがようっ! だよ。少しは女の子らしく出来ないのか私は。みっともなく上ずった自分の声に、今すぐ逃げ出したくなる。 でも、あいつが振り返った。 魔理沙、と名前を呼ばれてしまった。 それだけで、胸が高鳴る。私って単純だな。 箒から降りて着地する。 「ひ、久しぶりだなっ! こっこんなところで会うなんて、あー、えーと、き、奇遇だよなっ!」 心臓がどきどきして、今まで色々考えていたことなんて全部思い出せない。 そうだね、とあいつは少し驚いた顔で、でも笑ってくれた。 その笑顔が、力になる。 「え~とだ。その……そう、どこまで行くんだ?………………あ、やっぱり…じゃなくてそうだったんだ! あのワーハクタクのいる里までかあ。初めて知ったぜ。 ………結構、遠いよな…………いや、た、大変だなーなんて思って、思っちゃって。別に、それだけ…………」 うわーうわーもう自分でも何言ってるのかわかんないぜ。 めちゃくちゃ恥ずかしくて顔が真っ赤になる。 あいつは笑顔のまま無言。くそ~、なんで私が気を回さなくちゃいけないんだよ。 「だから……だからな……別に恩を売ってるわけじゃないぜ。いらないんだったらかまわないから………ああ、たいしたことじゃない……その……そのな………」 その先が思いつかず、私は目をつぶってただ箒を突き出した。 「乗れ! 送ってやるっ!」 ……………… …………… ………… ……… …… … かっこ悪いなあ、私。どんなふうにあいつには見えているだろう。さぞかし間抜けに見えてるだろうなあ。 沈黙が怖くなって、私は恐る恐る目を開けた。 あいつの手が、箒をそっとつかんでいた。 ありがとう、と声がした。 にっこりと笑うあいつ。 その一言で、今までの緊張が全部解けたような気がした。 「いいのか…………?」 あいつはうなずいた。 やった。全然私が考えていたのとは違ったけれど、でもうまくいったんだ。 もの凄くかっこ悪いところを見せたけれど、あいつを誘えたんだ。 「よぉし、じゃあ一つ、里まで一気に送ってやるかっ!」 内心で飛び上がりたいくらいに嬉しいことを隠して、私は箒を横倒しにしてそれにまたがった。 「ほら、後ろ。………何だよ、箒に乗るのって初めてか?」 あいつはそうだとうなずいた。 「しっかりつかまれよ…………ってソコに手を入れるなぁ!…………く、くすぐったいぜ………そう、落ちたりしないから柄につかまれって………そうだ、そう」 あーびっくりした。つかまれって言ったらいきなり腋から手を回したからな。ったく、自転車の二人乗りとはわけが違うぜ。 ひたすら謝っているけど、普通以上にびっくりしたことをあいつに気づかれちゃっただろうか。 ううん、気にするな私。今は誘えたことを楽しめ。 「行くぞ、出発!」 私の掛け声と共に、箒は二人を乗せて宙に浮き上がった。 ぐんぐんと高度を上げてから、次いで一直線に猛スピードですっ飛ばす。 私は、あいつの気配を背中に感じられるのが嬉しくて、いつもよりもさらに速く里までの空を飛ばしていった。 …………里についてから、あまりのスピードで箒から降りたあいつが腰を抜かしていたのは、また別の話だぜ。 女の子な魔理沙がメイン。相手に一切しゃべらせませんでした。 霊夢にだって置き換え可能を目指して。霊夢は飛べるけどね。 3スレ目 309-310 ─────────────────────────────────────────────────────────── 魔理沙は自分から恋するタイプである事に賛成。 「はっはー、突然ぎょうぎょうしく何の話かと思えば。 要はするにあれだ、とどのつまりこれからもよろしくなって事だろ? ああ、もちろんこっちからもよろしく・・・・・・だぜ!」 なーんてちょっと照れながらニカっと笑ってくれるのが俺の理想魔砲使い。 3スレ目 311 ─────────────────────────────────────────────────────────── 319 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/23(月) 23 46 31 [ FX31OM5U ] デフォルトでそうだとは知らなかった俺を笑ってくれorz あと恋夜抄とは、我らが黒ストの神である偽狼さんがクーリエで描いた絵のこと。 ttp //coolier.sytes.net 8080/oekaki_03/data/kaei_003275.png 魔理沙(黒スト着用済み。スカートをたくし上げてみせて) 「ほら、ほら。なんか私っていつもと違わないか?違うだろ?……え、どこがだって?………鈍いぜ、お前」 320 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/24(火) 01 02 28 [ 4SPonXH2 ] >たくし上げて > た く し 上 げ て > た く し 上 げ て ヽ(*´д`)ノ 3スレ目 319-320 ─────────────────────────────────────────────────────────── 377 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/12(日) 21 18 06 [ XhkQP0H2 ] 魔理沙のふあふあの頭をなでなでしてやりたい。 そんで照れた魔理沙に「………バカ」って言われたい。 378 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/12(日) 21 42 09 [ noOTZ5wg ] ふあふあ 「……おい」 「んー」 ふあふあ 「おいってば」 「んー」 ふあふあ 「鬱陶しいからやめてくれ」 「んー」 ふあふあ 「はあ……好きにしろ」 「んー」 ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ ゴメン 照れさせることも出来なかったし「……バカ」も言わせられなかった 379 名前: 魔理沙可愛いよ魔理沙 投稿日: 2006/02/13(月) 06 45 39 [ OFUdhxOk ] 寒い。暖房じゃ全然足りん。レティ頑張りすぎだろ。仕方ない、こんな時は…… ――おーい、魔理沙ー。ちょっとこっち来てくれ。 「んー? ってうわっ!」 呼ばれてやってきた魔理沙を、正面からギュッと抱きしめる。あー、あったけー。 「な、なんだ? どうした!? 頭でも打ったのか!?」 ――いや、寒くってさ。 「……お前は寒かったら誰彼構わずいきなり抱きしめるのか?」 ――いや、魔理沙だけ。魔理沙かーいいし、あったかいし、やーらかいし、いーにおいだし。 「~~~っ!?」 バフ、という効果音と共に、魔理沙の顔がトマトばりに赤くなった。 魔理沙は直球に弱い。 しかも紙装甲。それこそパラメーターを全部攻撃に回してるんじゃないか、と思わせるくらい。 そんな内面は誰より乙女な彼女の頭を優しく撫でる。 「んうっ」、っとくすぐったそうに目を細める魔理沙が可愛くて、ついつい撫で続けてしまう。 ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ 「くすぐったい」 ――俺は気持ちいい。魔理沙は? ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ 「くすぐったい」 ――俺は気持ちいい。魔理沙は? ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ 「くすぐったい」 ――俺は気持ちいい。魔理沙は? ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ 「……分かった。正直に言う。私も気持ちいい。けどいくらなんでも恥ずかしい。放してくれ」 ――知ってる。けど断る。それに、ほんとに嫌なら振りほどけばいいだろ? そんなに強く抱きしめてるわけでもないし。 「……バカ」 掻き消えそうな声で呟いた後、魔理沙は俯いてしまった。 暖炉のパチパチという音をBGMに、まったりとした空気が流れる。もう暫くこうしていよう…… 3スレ目 377-379 ─────────────────────────────────────────────────────────── 魔理沙が家にやってきた。 「寄らせてもらったぜ。………今、暇か?」 ⇒はい いいえ 「そうか。………実は、恥ずかしいけどちょっと魔法の実験で行き詰ってるんだ。この魔法、結構難しいんだぜ。 いろいろ必要なものがあるんだ。吸血鬼の血に、幽霊の髪の毛。それに兎の後ろ足とか、いろいろ。 それでな、仕上げに……き、キスが必要なんだ。これがないと、魔法が完成しないんだぜ。 別に嫌だったら帰るから。私だって、お前とならキスくらいいいかなーって思ったりして。どうなんだよ。協力……してくれる?」 ⇒1 よし、ひとつ協力してやるよ 2 そんなこと言わなくても、キスならいつだってかまわないさ 3 君には霖之助がいるじゃないか。彼に頼んだら? 終わってから顔を赤くして…… 「舌まで入れてくれなんて、頼んでないぜ……」 魔理沙の言っている魔法については、たぶんでたらめってことで。 相手が霊夢だと想像してもそれはそれで。 3スレ目 472 ─────────────────────────────────────────────────────────── 今回は魔理沙×自分。妄想だけを頼りに頑張ってみた。 643で書いたものより短いのは気の所為。 照れる魔理沙はとても可愛い、とか言ってみるテスト。 ----------------------------------------------------------------------------------------- 月に照らされた夜の森に、二つの足音が響いている。 「なぁ、魔理沙」 一つは青年…俺のもの。 「あー、どうした」 もう一つは少女のものだ。 「なぁ、このキノコ何に使うんだ?」 「あー、魔法」 俺の手の中には籠。その中にはいくつかのキノコが入っている。 「魔法…って、どんな?」 「魔法薬だ。効果は…お前に飲ませれば解る」 「訳の判らんモノを俺に飲ませないでくれ…」 冗談を交わしながら二人は歩く。行く先は魔理沙の家だ。 「そういえば、なんで今日は一緒に来たんだ?いつもは家で実験してるだろ」 「…それ…は…その…」 「?」 魔理沙は顔を背けて、蚊の鳴くような声で言った。 「たまには…その…○○と……いっしょ…に……」 「…?」 「いっしょに…あるい…て…?うあぁ?!」 べっちーん。 突然、魔理沙が転んだ。それはもう盛大に。 「ま、魔理沙っ!大丈夫か?」 「い、いててててて…脚を…挫いたみたい…だ」 「歩けるか?」 「こ、この程度…痛っ!!」 「お、おい無理するな」 どうやら、脚を痛めたようだ。 ここから魔理沙の家までまだ距離がある。歩くのは無理だろう。 そうすると、アレしかない。 嫌ではない。むしろ色々と嬉しいのだが…とても恥ずかしい。 …この場合は仕方ないだろう。 俺は魔理沙に背を向けてしゃがみこむ。 「……?」 「その…掴まれよ。背負ってやる」 魔理沙の顔が赤くなる。 その表情が、とても可愛らしく思えた。 少しの間。 「…いい…の…?」 申し訳なさそうな顔で訊いてくる。 「お前歩けないだろ。いいから」 「…うん、ありがとう…」 そういって、少し躊躇しながら、肩に手を回す。 それを確認して、俺は立ち上がった。 「よ…っと」 …軽い。こんなにも軽いとは予想外だ。 「重い」 それが精一杯の照れ隠しだった。 「…ドラゴンメテ…」 「悪い、冗談だ。すまん」 魔理沙の脚を抱えて、ゆっくりと歩き出す。 肩に回された腕は、白くてか細い。 背中には、魔理沙の胸のふくらみまでもが感じられる。 後ろから、小さく細い息が聞こえてくる。 正直、とてもドキドキしていた。 「…○○の背中…意外と広いんだな…」 「…魔理沙も…結構…小さいな…」 「……////」 「……////」 照れくさくて、お互い何も言えなくなる。 ただ、魔理沙の身体の温もりを感じていたくて。 ゆっくりと、ゆっくりと、歩いていく。 -------------------------------------------------------------------------------------- 二人は魔理沙の家に到着した。 「よっと」 魔理沙を背中から下ろす。 「あ、ありがとう。…助かった」 少し俯きながら、真っ赤な顔をした魔理沙は言った。 …なんて可愛いのだろう。 「…そうだ○○、なにか礼をしないとな。なにか欲しいものとか、あるか?」 その問いに、俺はこう答えた。 「俺は…俺は、魔理沙に一緒に居て欲しい」 「…ぇ」 魔理沙が驚きに目を見開く。 その綺麗な琥珀色の瞳を見つめながら、さらに言った。 「俺は、…魔理沙が好きだから」 自分でも驚くほど、自然に告白していた。 魔理沙は、まだ驚きに硬直している。 …魔理沙は俺のことをどう思ってるんだろう。 それを訊ねようとした時だった。 魔理沙の顔が突然に迫ってきて… それを判断するより早く、唇と唇が触れた。 「んッ…」 俺は、何も考えられなかった。頭が真っ白になっていた。 …魔理沙が、唇を離すまでに、どれだけの時間がたったのかは判らない。 先に口を開いたのは、魔理沙だった。 「その…これは………お礼、だ…」 魔理沙は言葉を続けた。 「私も…○○が…」 一呼吸の間。 「○○が、好きだから。…だから、これからも…」 … 「これからも、よろしく…な」 嬉しかった。 何を考えるよりも早く、俺は魔理沙を抱きしめた。 「…魔理沙、大好きだ」 「うん。…嬉しい」 そのまま俺たちは、しばらく抱き合っていた。 「…今日はすっかり遅くなったな、○○」 「ああ…もう真夜中だ」 「…その…夜雀なんかに襲われると危ないから…その…」 「…?」 「…今日は、私の家に…泊まったら…どうだ…?」 -------------------------------------------------------------------------------------- 幻想郷の夜が明ける。 妖怪の時間は終わり、人間が目を覚ます。 朝日の届かない薄暗い森を、二つの人影が横切る。 俺と魔理沙は手をつないで。 昨日、道端に置き忘れたキノコを取りに。 二人で、歩いてゆく。 --------------------------------------------------------------------------------------- あとがきという名の弁解。 えーSS書くのは二回目だったりした。 相変わらず文章が異常。今は反省している。 それ以前に魔理沙の性格が安定していない罠。 3スレ目 651(うpろだ0003) ─────────────────────────────────────────────────────────── 「師匠……」 「ん、何だ?」 「好きですよ」 「そういうことは、私の符を避けてから言うもんだぜ」 ………… …… 「なあ」 「何ですか?」 「腹減ったから、何か軽く作ってくれ」 「なら、煎餅でいいですね」 ………… ぱりぱり…… 「なあ○○」 「おかわりはありませんよ」 「たまには『魔理沙』って呼んでくれないか?」 「恥ずかしいから嫌です」 ぱりぱり………… ずずず………… 「まあ、何だ。その……嫌いじゃないからな。お前のことも」 「だから煎餅は切らしてますって」 「じゃあ茶のおかわりをくれ」 「いつもの出枯らしでよければ」 ずずず…… ずずず…… 「いいですけどね、二人っきりなら別に」 「煎餅か?」 「焼きませんよ、魔理沙」 ………… …… 「なあもう一回」 「やっぱり恥ずかしいから止めときます」 「いいだろ別に、減るもんじゃないし」 「減らなくても大事にするのが節約です」 3スレ目 782 ─────────────────────────────────────────────────────────── 手作り弁当 ~制作編~ 21 00 「さて、張り切って作るとするか…」 22 00 「なかなか味が安定しないな…。これではとても食べさせる訳にはいかないぜ……」 23 00 「しまった!試作で材料を使い切ってしまった!紅魔館の食料庫から拝借するか……」 24 00 「ぐぁ……。また味付けが濃くなってしまった……。このレシピ本当に合っているのか?」 25 00 「なんとなく形が見えて来たか…。手製の弁当というのも奥が深いものだな……」 26 00 「よし、明日の弁当はこれで決定だな。まずは仕込みからだ……」 27 00 「……はっ!?意識が飛んでいたな……」 28 00 「……完成……もうすぐ夜明けか……もう寝よう…おやすm……zzzzz」 12 34 「うぉっ!すげー!この弁当マジで魔理沙の手作りなのか!?」 「コレくらい朝飯前だ。無駄口叩いてないで、さっさと食べたらどうだ?」 「……!?こ、これはっ!?うひはぁーーっ!!超うっめーーー!すげー!神様仏様魔理沙様ありがとーーう!!」 「当たり前だ。恐れ入ったか?私の料理の腕をナメてもらっては困る。……明日も作ってやらない事もないぞ?」 負けず嫌いの魔理沙なら、これくらいはやってそうだ… 3スレ目 961 ─────────────────────────────────────────────────────────── 季節はもう梅雨なのか、外は窓をすべて閉め切ってもわかるほどの土砂降り。 既に効果音がザーザーとかではなく、ドドドドドドな感じだ。 そんなことと関係あるのか無いのか、俺は玄関先にいて、目の前には全身びしょ濡れの魔理沙。 「よぉ魔理沙。どうしたよ」 「あー……まぁ何だ。恒例の図書館突撃をしたんだがな?その帰りにこう……あー見ればわかるだろ!朝は快晴だったのに帰りにどしゃぶりとかわかるか!」 湿った金髪を手でかきながら言う。 「説明をしようとしたはいいけどいろいろ面倒くさくなって打ち切った上に逆切れとは流石魔理沙だな」 「……それは褒めてるのか?それとも貶してるのか?間違いなく後者だよな?今更訂正は聞かんからな?オーケー其処を動くなよ?」 腰を低く据え、構えるはかめh……マスタースパークの姿勢。 目がマジです目が。本気と書いてマジと読む。 「今の私は相当に機嫌が悪いからなぁ……覚悟しろな?」 「いやいや魔理沙?ここでぶっ放したら家が吹きと―――」 「問答無用だ!マスタァァァァスパアアァ―――」 「ぎゃああぁああ!」 「……くしゅ!」 ん? 「この……くしゅ!動く……くしゅ!マス……くしゅ!」 えーとこれは…… 「……魔理沙、大丈夫か?」 聞くまでもない気がしたが聞く。 そりゃあ全身びしょ濡れで長い間いたらこうなるわなぁ…… だと言うのに 「こ、このぐらいダイジョ……くしゅ!」 あーあー意地張ってるのか知らんが強がってまぁ…… ガジガジと頭をかいて溜息を一つ。 当たり前のことを言うつもりなのに覚悟がいるのは何でだろうね? 「あーもう無理すんなよ。風邪引くだろうがそれじゃぁ。風呂でも入ってけ」 「あ、ああ。ま、まぁ最初からそのつもりだったんだけどな」 はははははと空笑い。 と、顔が少し赤い。 「オマエもう風邪引いてるんじゃないだろうな?」 「……へ?何でだ?」 「いやだって顔が―――」 とペタペタと顔を触り、ピタっと硬直するは魔理沙。 「……魔理沙?」 「な、なんでもない!なぁんでもない!」 顔やら手やらをブンブン振り回して極大否定。 さらに顔が赤くなってるのは気の所為かね? 「と、兎に角風邪はまだ引いてないか……くしゅ!」 「あー……なんでもいいから先に風呂入れ」 「ん……そうする……」 さて、と言うわけで今魔理沙がうちの風呂に入っているわけだが →A.魔理沙と一緒に風呂に入る B.おとなしく出てくるのを待つ C.せっかくだから俺はこの紅い扉を選ぶぜ! とりあえずネチョは無いでしょ多分w 備考:とりあえず 全 部 だ 4スレ目 70 ─────────────────────────────────────────────────────────── 親父が旅先からいきなり荷物を送ってきた 八卦路といってこの中は常に燃えてるそうだ 俺は興味本位で穴を覗き込んだ そしたらいきなり八卦炉が光り出し中から金髪の少女が現れたのだ! 「よう、お前が私の新しい主って奴か。冴えないさそうな奴だな しかし呼び出された以上は仕方ない。派手に守ってやるからよろしく頼むぜ」 ,j;;;;;j,. ---一、 ` ―--‐、_ l;;;;;; {;;;;;;ゝ T辷iフ i f 辷jァ !i;;;;; ヾ;;;ハ ノ . !lリ;;r゙ そんなふうなことを考えていた時期が `Z;i 〈.,_..,. ノ;;;;;;;; 俺にもありました ,;ぇハ、 、_,.ー-、_ ,. ,f゙ Y;;f ~ 戈ヽ `二´ r ´ . `! 4スレ目 166 ─────────────────────────────────────────────────────────── 香霖堂にて 店内には、すでに先客がいた。 「お、いいところに来たな、お二人さん」 魔理沙が早速話しかけてくる。 この娘はいつも、どこか少年のような笑みを浮かべている。 「いいこと、ね。日をあらためて出直すわ」 そう言うや否や、急いで帰ろうとしているのが咲夜。 店に来る途中で偶然一緒になったのだ。 「ちょ、おい待てって。宴会だよ宴会」 あわてて引き止める魔理沙を無視して歩き出す咲夜。 ああ、さすがに踏んでる修羅場の数が違う。 少しでも疑わしいものは決して信用しない。 随分と言えば随分な対応だが、魔理沙の場合にはこれもやむを得ぬ事かもしれない。 彼女が如何に迷惑な人間かは幻想郷でも有名だ。 だが、それでもこれはやりすぎだろう。 「まぁ、話しぐらい聞いていこうよ。それに、ここに買出しに来るために午前中急いで仕事したんだろ?」 僕が魔理沙の援護に回ると、ようやく立ち止まってこちらを振り返り、肩をすくめる。 話しを続けろということらしい。 僕と魔理沙がなんとなく目を合わせてため息をついていると、それまで会話に入ってこなかった霊夢が。 「人徳ね、魔理沙?」 くすくすと笑いながら茶化す。 魔理沙が少しふてくされながら説明してくれたことをまとめると、大体このようなところになる。 三日後の晩に博麗神社で宴会を行う。正確な時間は決めていないが日が暮れるところには飲み始める。酒とつまみは持参。 「って、それだけ?」 思わず声を上げてしまった僕をみんなが不思議そうな顔で眺めてくる。 「それ以外に何か必要なことがあるのかしら?」 真顔でそう返してくる咲夜の言葉を受け、先ほどの魔理沙の説明を吟味してみる。 会場の位置、日程、そして持参品。 一見問題がなさそうだが、やはりどこか変だ。でも、ここでそんなことにこだわっても仕方がない。 「いや、特には見当たらない」 そういった僕のどこがおかしかったのか。 その場にいた三人の少女達が一斉に笑い始める。 幻想に生きる連中に笑われるなんてなんとも心外なことだと思いながらも、そう悪い気はしなかった。 「それにしても」 ひとしきり笑った後、霊夢が話しを変えるように言う。 「こうも宴会が続くと、色々と大変なのよね」 実際、苦労しているのだろう。博麗神社は彼女一人でもっているようなものなのだから。 普段から一人で管理しなければならない上、何かあるたびに集合場所にされるのだ。 気がつくとこう言っていた。 「じゃあ、手伝うよ。準備とか、片付けとか」 幽霊でも見たような顔をしている霊夢の顔を見て、少しくじけそうになりながらも念を押す。 「いいだろう?」 「それは、そうしてくれれば、嬉しいけど……」 りんごみたいに真っ赤になった霊夢が何事かをぶつぶつ言っていると、それにかぶせる様に咲夜が。 「なら私のほうも手伝ってもらえないかしら。宴会に持っていく料理の下ごしらえを前の晩のうちに済ませておきたいの」 と言ってきた。 普段人に頼ることをしない彼女の申し出には多少驚いたが、快く承諾した。 鬼の形相の霊夢と彼女をあからさまに馬鹿にした表情で鼻を鳴らす咲夜の対決は、確かに見ものではあった。 しかし、そのときの僕は浮かない顔をして脇に立っている魔理沙のことが気になっていた。 「もう日暮れか。こっちに着てからは時間のたつのが速いや」 結局、あの後も店の奥から出てきた主人、こーりんを交えて散々無駄話をしてしまい、用事を済ませて店を出るころには日が沈みかけていた。 目の前にいる少女を見つめる。彼女は僕の視線に気づくこともなく、下を向いて空を飛んでいる。 元気がない。普段の彼女からは想像もつかない姿だった。 いつもなら気分を高揚させる真っ赤な夕焼けも、彼女につられたのか、どこかさびしげな光を放っている。 いきおい、僕の口数も減り、想念の中へ自己が埋没していく。 嫌われてしまったのかもしれない。 ふとそんな想像が脳裏をよぎり、思わず唇をかむ。 きっとそうだ。何がまずかったのだろう。 彼女の腰に手を回していることか。でも、そうしていないと箒に振り落とされるだろうし、やっぱり仕方ない。 「あのさ」 宙を舞う箒の上で手を離すことと、自転車に乗ったままそうすることのどちらがより危険かを真剣に考えていた僕に、魔理沙はこのように切り出した。 「ナニ?」 最悪。声が変だ。思わず頭を抱え込む僕を無視して、彼女は続ける。 「私も、頼みごとをしていいか?」 「……うん?」 「明日さ。宴会の事をあっちこっちに知らせに行くんだけど、つきあってくれないか?」 「いいよ」 即答。 当然のことだ。僕が彼女の頼みを断るはずがない。 何故なら…… 「お前ってさ」 再度物思いに沈みかけた僕を、魔理沙は速やかに現へと引き上げた。 僕の返事を待つこともなく、彼女は続ける。 「好きなやつとか、いるのか?」 頼みごとでもなんでもなかった。 いや、その話題はさっきのやり取りで終了していたのだろう。 それにしても。 「君がそれを言うのかよ」 「え?」 「や、なんでもない。好きな人なんかいない」 胸がズキズキと痛む。 ここまであからさまな嘘を吐くのはこっちに来てからは初めてだ。 何でこんな思いをしなきゃいけないんだろう。 伝えたい想い。伝えたい言葉があるのだ。 それを、今にも溢れそうなそれを彼女に告げてはいけないのだろうか? その通り。それはいけないことだ。 なぜなら、四日後の朝、僕はここを去るのだから。 今度宴会をやるのも、つまりはそういうこと。 いままでありがとう。それではさようなら。 僕のうちにつくまで沈黙は続いた。 日が暮れたせいで、別れるときも彼女の表情を確かめることはできなかった。 家に送ってもらうと、僕は食事もとらずに床についてしまった。 かたく湿った布団に包まれながら、今日起きたことをつらつらと思い出す。 香霖堂での会話。宴会。元気のなかった魔理沙。帰り道。それと…… そう、確かに覚えたはずの違和感。あの時みんなに笑われたのは心外だった。結局考えるのを諦めたんだっけ。 でも、もうその正体はつかめている。 会場の位置、日程、そして持参品。 僕はこれらの要素だけでは足らない。不足であると感じていたのだ。 何が足りないのか。 それは「誰が来るのか」だ。 幻想郷に来る前に参加した、あらゆる飲み会を思い出す。 そこで最も大事なのは、果たして自分が誰と飲むことになるのかということだった。 大嫌いな奴と隣り合わせて、終始不快な気持ちで過ごすことになったり、あまり親しくないグループの二次会に混ざってしまい、気まずい思いをする。 このようなことを避けるため、事前に参加者を調べることは大変重要なことだった。 でも、と、そこで僕ははたと気づく。 何でこんな大事なことを忘れていたのだろう。 いや、大事なこと、というのがすでにおかしいのかもしれない。 最初に違和感を持ったとき、僕はそれをどう処理したか。 「そんなことにこだわっても仕方がない」 なぜそんな風に考えたのか。 そこで、今はまったく関係のない約束が、突然脳裏をよぎった。 「明日さ。宴会の事をあっちこっちに知らせに行くんだけど、つきあってくれないか?」 こちらに来てから何度か宴会に参加したことがあったが、そのたびに魔理沙が直接参加の約束を取り付けに行くことを、僕は知っていた。 大変ではないのか。そう尋ねたこともあった。 そのとき彼女はこう答えたのだったっけ。 「そうでもないぜ。二、三人に声かけたら、後はそいつらに任せてるし」 呆れた顔をしている僕を見て、にやりと笑い、彼女はこう続けたのだ。 「ここじゃ、知らない奴が混じってても誰も気にしないぜ?」 気がつくと布団を跳ね上げていた。 どうしたというのだろう。 自分の行動が理解できずに戸惑う。 そして、そうやって悩んでいる間にも、自分の下半身が小刻みに震えていることに気がついた。 貧乏ゆすり。 小さい頃。親にみっともないからやめろとよく叱られた癖。 でも、それをなぜ、他ならぬ今この時にしているのか。 これでは、まるで…… 「まるで、焦っているみたいだ」 焦っている? 自分の考えの突飛さに笑う。 僕に焦ってまでやるようなどんなことがあるだろう。 いや、一つあるとするならば。 「お前ってさ」 「好きなやつとか、いるのか?」 限界だった。 「くっ」 布団の上でうつ伏せになって震える。 僕は魔理沙が好き。 はっきりと言葉に出してみようと思ったが、口から出るのは獣のようなうめき声だけだった。 今からでも彼女の家に押しかけて、言ってやりたいのだ。 君が好きだ、と。 でも、それは叶わない。 僕はもうすぐここを去る人間なのだから。 いや、それは後付けの理由。 本当は、本当は単に拒絶されることが怖いだけなのだ。 ここに来る前からそうだった。 根拠のない疎外感。 人付き合いの苦手な僕は、幼い頃からそれを味わって生きてきた。 そして、今もそれを実感している。 だというのに。 「ここじゃ、知らない奴が混じってても誰も気にしないぜ?」 他人が怖くて仕方がないのに。 「幻想郷はすべてを受け入れる」 とうして。今も心の底に張り付いて離れない言葉。湧き出ては枯れぬ信頼があるのだ。 昼に気づいた違和感。 なぜそれをすぐ棚上げしてしまったのか。 今ならよくわかる。 どうでもよかったのだ。 だってここはすべてのものを受け入れる場所なのだから。 そして、それにすぐ頭が回らなかったのは、きっと。 僕が、すっかりここの住人になっていたから。 黙ったまま立ち上がる。 このまま森を抜けて魔理沙の家まで歩いていくつもりだった。 夜更けの森を歩くことの危険は熟知していた。 でも、そんなことは少しも気にならなかった。 だって、やりたいことがあるのにそれをやらないなんて、おかしいから。 「そうだろ? 魔理沙」 唇の端がつり上がるのがわかり、それがまた愉快だった。 さぁ、行こう。 問題はまだ山積みで、いつ解決するのかも知れなかった。 けれど、今の自分を遮るものなんて何もない。 それだけはわかった。 なぜなら、僕はいま、こんなにも魔理沙に会いたいのだから。 人が本気で何かを望んだとき、達成できないことなどないのだ。 「僕が会いに行ったら、魔理沙はどんな顔をするだろう」 想像するだけでも楽しくなってくる。 きっと彼女らしい豪快な驚き方をするのだろう。 でも、それだけでは終わらない。 おそらく、今夜は特別な夜になる。 幻想郷中に響くくらい大きな声でこう言ってやるのだ。 「僕は、魔理沙が好きだ」 4スレ目 231 238 269-270 ─────────────────────────────────────────────────────────── 初書き、初投稿。文章削り能力がないので無駄に長いです。 あといろいろと「密度」が足りてないと思います。ですので最初に謝ります。ごめんなさい。 ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・ 人間にとっていつ危険に遭遇するか分からない幻想郷において、読書に没頭できる静かな場所があることは非常にありがたい。 「いよーーう香霖! 遊びに来たぜーー!!」 ・・・たとえ容易に破られる静寂であったとしても。 「いらっしゃ・・・なんだまた魔理沙か」 「なんだまた○○か」 「そこ、真似をしない」 「お約束の挨拶だぜ。香霖はどうした?」 「奥でお休み、誰かさんの無茶な注文のおかげでね」 調整の仕上がった八卦炉をぞんざいに魔理沙に投げつける。 「っと、悪いな」 「悪いと思うならツケくらい払ったらどう? 森近さん徹夜で調整してたみたいだし」 聞きいれられることはないとは思うが、それでも言わなくてはならない。 がやはり聞いていない魔理沙はいそいそと八卦炉をしまう。 ・・・胸元へ。 「あの~、魔理沙さん?」 「ん、なんだ?」 「少なくとも男の目がある場所ではそんなところへ堂々としまわない方がいいと思いますが」 「はっはっはー、私と○○の仲じゃないか」 「はぁ・・・」 「やれやれ、森近さんも無茶な仕事は断ればいいのに。やっぱり魔理沙のことが好きなんだろうねぇ」 「そりゃ、な。○○が知り合う前からの深ーい付き合いがあるんだぜ」 「ふーん。で、そういう魔理沙はどうなん? 森近さんのことが好きなわけ?」 「嫌いだったらこうして調整を頼みに来るわけがない」 「いやいや、一人の男性として好きかどうか聞いているのだよ、魔理沙君」 「うるさいな! そう言う○○こそどうなんだ!」 何故か不機嫌な顔で魔理沙が詰め寄ってくる。 って、ちょっと距離が近すぎるんですけど・・・ 「え、あ、どういうこと?」 「お前こそ誰か好きなやつがいるんじゃないかってことだ!」 さらに詰め寄られ。 怒った魔理沙の顔のアップとなんともいえない柔らかい匂いが鼻をくすぐり。 自分の顔が急速に赤くなっていくのが分かる。 「え、いや、あの、その・・・」 しどろもどろになる自分を見て余裕を取り戻したのか、嫌なにやにや笑いをうかべる魔法使いが一人。 「どうした? この魔理沙さんに正直に話してみ?」 形勢は完全に逆転された。至急この状況を打開する策を立てよ。 「う、うるさい! 先に聞いたのはこっちだ! 恋の魔砲使いのくせに自分が好きなやつも分からないのかよ!」 思わず目をつぶって叫んでしまう。 下の下。⑨。総員対ショック体勢、更なる衝撃に備えよ。 ・・・あれ? さらに突っ込まれると思ったのに、目を開けると魔理沙の帽子、髪、背中。 「あ、あの、ごめん・・・」 「確かに香霖は好きだぜ・・・世話になってるしな。 けど、○○のことも、その、悪くはないと思っている」 え、なんでこうなってるの? 「え、それってどういう・・・」 「ああはっきり言ってやる! ○○! 私はお前が好きだ! さぁ言ったぜ! 次はお前の番だ! お前は私が好きなのか、答えろ!」 そう言って振り向いた魔理沙の顔は心なしか赤く、目も潤んでいるように見える。 まずい、非常にまずい。 パニックになるな落ち着けいやまあ確かに魔理沙かわいいよ魔理沙けどど ちらかというと気軽に言葉をぶつけ合えられる性別とは関係のない友達と 言うかってこういう状況はまったく考えてなかったしいやでもどうみて も美少女で胸はほどよく控えめでお前これ以上何を求めるというんだと えー恋愛ってのはお互いの気持ちが重なって初めて成り立つんじゃないのかと だまれ小僧女性に告白させておいて断って恥かかすなんでお前それでも男かうわ なにをするやめr ええええええええええええええええええい、考えるのやめ! 今の気持ちを率直に、だ! 「霧雨 魔理沙!」 前への決意 手を彼女の肩に置き 「ごめん!」 言わせた懺悔 その体を自分の方に引き寄せ 「好きさ、大好きだ!」 呪縛の言葉 できるだけ強く、それでいて潰れないように、私は魔理沙を抱きしめた。 パシャッ ぱしゃ? 開け放しの入り口の方から聞こえたような・・・まさか。 ジャーン!ジャーン!ジャーン! 「スクープあるところ天狗あり! ペンは弾幕より強し! 曲解、捏造思いのまま! 記事の内容こそ事実! 真実の綴り手、最速の新聞記者、射命丸 文 参上です!」 げえっ、射命丸! 思わず魔理沙を突き放す。 「おっと、酷いぜ」 射命丸の横に並ぶ形になった魔理沙だが・・・待てなんだそのにやにや笑いは。 「ここで種明かしです。今度の特集『一目瞭然! 幻想郷恋愛相関図(仮)』の取材に魔理沙さんを訪ねたのですが」 「そんなこと答えるわけ無いだろ」 「しかし半数以上の方への取材は終わっているので、そう易々と引き下がるわけにはいきません。 そこで交換条件を出しました」 「それが○○の好きな相手を聞き出すってことだ。悪いな」 「そういうことです。しかし予想以上の収穫でした、さすが魔理沙さんですね」 の・・・逃れなくては・・・ く くそ! 今はとりあえずなんとかして逃れなくてはッ! なんとかして二人をだしぬく方法を考えなくては・・・! 「それでは、次の取材に行きますね。ご協力ありがとうございました!」 「おう、またな」 まずい、射命丸に行かれてはおしまいだ! ゲームオーバー、ダス・エンデ。 「・・・・・・むむむ」 「何がむむむだ!」 振りに対して即座に反応するのはもはや新聞記者としての本能か。 しかし、ひとまず足止めはできた。 あとは・・・ 「・・・見事だ、実に見事だよ射命丸君! 一度に二人分の取材を終わらせるとはな!」 なるようになれ! 「魔理沙。お前さんは騙されてるぞ。あれだけはっきりとした証拠写真があれば魔理沙だって言い逃れはできない」 「甘いぜ。そこはしっかりと淑女協定を結んであるところだしな」 「そうです、約束は守りますよ」 「・・・一応確認しておくけど、その約束は『取材に協力したら魔理沙は答えなくてもいい』ってものじゃないのか?」 「ああ、そうだ・・・ぜ?」 ・・・・・・・・・ 「つ、次の方との約束の時間が迫ってますのでそそそろそろ失礼します!」 「魔理沙! 逃がすな!」 「おう! マスタァァァーーー」 げ。 「そ、それは止めろ、止めるんだ」 「スパーーーーーーーーーーーク!!!」 ここは店内だーーー!! 「ケホッ、ケホッゲホケホッ」 「ケホッ・・・○○・・・掃ケホケホッ・・・除してるのかよ・・・ケホ」 そういう問題じゃないだろ、と言い返す気力も無い。 膨大なエネルギーの余波で舞い込む突風、好き勝手に飛び回る埃、木片、土煙。 店内の品はどのくらいが無事だろうか。 無理矢理に顔を上げ細目を開けると、原形の一部すら留めていない入り口と抉られた森の木々。 そして星の大きさになったマスタースパーク、と恐らくは新聞記者。南無。 「生きてるか? ほら、これを鼻にあてときな」 手渡されたハンカチを大人しく顔に当てる。 さっきも感じた柔らかい匂いが鼻に刺激され、思わず大きく息を吸い込み、 「げほげほげほっげほぁ!」 盛大に咳き込む。乾いたハンカチでは細かい塵を防ぐことはできないようだ。 「何やってるんだ、外に脱出するぜ」 そう言う魔理沙に手を取られ、何とか外へ出る。 しかしなぜ魔理沙は平気なんだろう? そう思って顔を上げると八卦炉を顔に当てている魔理沙が見える。 自分の顔の周りだけ綺麗な空気を作ってるのかよ、きたねー。 しかし。 「・・・・・・・・・くっ」 「おい、○○、大丈夫か?」 思わず屈みこむが、視界には覗き込む魔理沙の顔。 「・・・・・・・・・・・・ぅぷっ・・・」 「○○、しっかりしろ! 傷は浅いぞ!」 やめろ、そんな真剣な顔をするな。 駄目だ。 「・・・・・・・・ゎあはっははははははもう我慢できないっなんだよその顔ははっは!」 「・・・っ!」 緊張を強いられてきたせいか、どうでもいい事で笑えてくる。 「人の顔を見て笑うとは随分失礼なやつになったもんだな」 「ははっはっ・・・いやだって・・・クク・・それおかしっぷははっ!」 笑えば笑うほど魔理沙の表情が硬くなっていくのが分かる。 「それ以上笑うとノンディレクショナルレーザーだぜ?」 「・・・ごめっ・・・うひっっとめようとして・・っ・・・・もとまらなひっ・・・いひっ・・・ひっく・・・」 しかし笑いの発作は止まらない。 涙で視界が歪む。魔理沙は今どんな顔をしているのだろう。 「お前こそ、鼻水までたらして・・・っ・・・ひどい顔だぜっははは!」 笑い出した。笑いは伝染するのだろう。多分、きっと。 静かなようで賑やかな森の中、仰向けに寝転がる二人。 「なぁ○○」 「ん?」 「さっきの告白は本気か?」 「そう言う魔理沙は?」 「今度は私が先だぜ」 「ん~・・・秘密」 「なら私も秘密だぜ」 ・・・・・・ 「魔理沙」 そう言って体を起こし、 「ん?」 私は魔理沙の顔を覗き込む。 「たまには秘密を共有してもいいと思わない?」 「・・・そうだな」 終わりよければすべてよし。 過程や方法なぞ、どうでもよいのだ。 4スレ目 352-354 ─────────────────────────────────────────────────────────── 七月七日、七夕当日。 星を見ながら寛ぐ予定だった丘に着いたはいいのだが。 「…やれやれ、分厚い雲だな…。 どうする、魔理沙。折角用意した竹と飾り、無駄になりそうだが。」 「ん?無駄にするわけ無いじゃないか。」 「まぁ、そうだな。曇り空だが雰囲気だけでも…」 「なに言ってるんだ?ほら、乗れ乗れ。」 疑問符を浮かべる俺を無視して、 指さすのは二人乗り用と言っていたデカい箒。 「…雲の上まで飛んで行く気か?」 「それもいいんだが、それじゃ私ら位しか楽しめないしな。 たまにはパーっと行くのも悪くは無いだろ。」 「???」 俺には彼女の真意がよく分からなかったが、 逆らってもいいことは無いと言うことだけは分かっている。 と言うわけで、素直に指示に従うことにした。 「よし、竹持ったな?…行くぜ!」 思い切り地面を蹴ると、ふわりと箒が浮き上がる。 重力を魔力で制御しているのか、全く落ちる気配はないが。 そして下を見回してみて、一瞬呆然とした。高さに、ではない。 「…おいおい、ありゃ何だ?」 川の方に見える、「地上の天の川」。 不思議としか言えない光景に魅入っていると、 「ああ…成程、蛍か。へぇ、あの蛍の妖怪もけっこうやるもんだな…」 「ん、知り合いなのか?アレをやった奴と。」 「ま…ちょっとな。」 雲の層の真ん中あたり。 死にそうなほどジメジメしていて気分が悪いことこの上ない。 「さて、そろそろ頃合か…」 「…なあ、何をする気なんだ?」 「なぁに…ちょいと頼まれてな。 盛大に行くぜ、魔符…「ミルキーウェイ」ッ!」 …ああ、そうか。 雲を吹き飛ばすにしても、何でそれかって。 …天の川、か。 「…なあ、魔理沙。」 「ん?何だ?」 「頼まれたって…誰にだ?」 「さてな?その答えは…ほら、アレが語ってるぜ。」 「アレって……へ?」 ふわりふわりと舞う白い…「雪の結晶」。 「夏に…雪?」 「どうやら、七夕の願いは通じたようだな。 やれやれ、冬の妖怪に会えますように、か。無茶な願いをしたもんだぜ。」 「…あの氷精…か?」 「いんや、その保護者。…いや、あの雰囲気からするともちっと親密かな?」 笑いながら言う魔理沙の頭をぽんぽんと叩く。 「何だ、結構いいとこあるじゃないか。」 「えー、と…いや、それはだな…」 急に口ごもる魔理沙。 「…? どうした?」 「その…お前と一緒に見たかったし…チルノの件は、あくまでついでだ。」 「…魔理沙。」 「…好きだぜ♪」 そしていつもの悪戯っぽい笑みを浮かべると、そのまま抱きついてきた。 幻想郷の空の上、天狗さえも与り知らぬ小さな空間。 雲の上の本物の天の川。 雲を蹴散らす光の天の川。 川を飾る地上の天の川。 3つの天の川を見渡す箒の上、今宵は二つの影が重なっていた。 4スレ目 630 ─────────────────────────────────────────────────────────── こんなんでました~ 「なあ、俺と1対1の勝負をしないか?内容はどっちが相手をより幸せに出来るか…だ」→魔理沙 4スレ目 688 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ホンの少しでいい、お前の努力する姿を 俺に見せてくれないか」→魔理沙 4スレ目 824 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「…ガラクタ置き場?」 入り口の扉をくぐった途端、そんなことを口にせずにはいられない光景が広がっていた。 昨晩遅く、そこそこ大きな地震があった。 いくら幻想郷とはいえ、考えてみればどこぞの空中都市宜しく空に浮いているわけではないので、地震が無い筈はない。 幸いにも元々物の少ない我が家は、皿が数枚落ちたくらいで大した損害は無かった。 しかし、傍から見ても明らかに物が「有り過ぎる」知り合いのあの家は酷いことになってるんじゃないか? …と思い、朝一で駆け付けて来たワケである。 「魔理沙ー、生きて…うおっ!?」 居間に続く扉を開けた途端、目の前に現れるガラクタの山、やま、ヤマ。英語で表すとMountain、独語ならBergeか。 足の踏み場も無い、という形容があるが、この状況はもはやその域を超えている。そもそも人が入れるのだろうか? …まぁそれは置いといて、先ずは生存者の確認だ。 「おーい、魔理沙ー、生きてるかー、返事しろ~…」 「うぉーい、ここだここー」 …累々と重なるガラクタの中に、トレードマークの帽子が動いているのが見えた。 「…凄い状態だな。まるで『ゴミ屋敷』だ」 「人が必死に集めたものを『ゴミ』の一言で片付けてくれるとは、お前なかなか酷い奴だな」 「そう見られたくなかったら片付けろよ。いくらなんでもこりゃ…」 おそらくこの状況を見たら、10万人中の99999人は俺と同じ感想を持つのではないだろうか。 使っているのか否かも解らない、膨大な数の魔導書 同じく使用の有無が知れない、怪しいマジックアイテムの数々 見るからに危険な色をした薬液の入った硝子瓶多数 以前強引に食させられ、見事に脳内が幻想色に染まったキノコ 外界から流れてきたという、「のーま○ど」という名前の対小昆虫用殲滅用物体 同じく外界産の、長さが俺の胸の高さまである「ばすたーらいふる」とかいう火縄銃の親玉みたいなもの 「香霖堂」と書かれた暖簾 何故か背中に「千客万来」と書かれたタヌキの置物 米俵 金属バット …そんな諸々の物が、地震の所為で所狭しと無秩序に転がっている様はまさにカオスである。 「…で、ここまで来てくれたからには当然私の手伝いをしてくれるんだよな?」 「あ、俺自分家の片付けしなきゃなんねぇや。それじゃ頑張ってn」 「手伝ってくれるよ、ナ?」 「喜んで手伝わさせて頂きます御主人様」 手の平にスパーク現象らしきものを確認したので、即座に従うことにする小心者の俺。 これだけのガラクタをどう片付ければいいんだという気はしたが、そのことを口に出すと即座に消し炭になりそうなので黙っておく。 「宜しい。ではさっそく仕事に取り掛かるとしますかね」 「(やる気無い表情で)お~…」 「なぁ、この本はどこに片付けるんだ?」 「それか? それは…そこらにでも置いておいてくれ。私が後で何とかする」 「…その台詞、今ので何回目だ? 結局物が別の場所に動いただけなんだが…」 「おい、これは何だ?」 「あぁ、その本は…」 「(ガブッ)ミギャァァァァス!!」 「…開けた人を襲う魔法生物なんだなコレが」 がじがじ 「…おい、これって…」 「ん?…うわわわわわわ!? 見るな触るなその手を離せバカッ!」 「…お前、こんなものも身に着けてるのな…」 「だから離せって言ってるだろう! まじまじと見るなー!!」 「ちょ! 室内で魔砲とかそれだけは止めt」 どっかーん そんなこんなで数時間… 「(ぐりぐり)…あーそこそこ…うー効く効くー…意外と上手いなお前」 あれから粗方片付いた(魔理沙基準)ということで、俺達二人は休憩を入れることにした。 で、何故かこうやって魔理沙の肩もみをさせられているわけである。…まさか俺って良い様にコキ使われてる? 「どうだい、私の専属マッサージ係にならないか?三食居住地、昼寝つきだ」 「魅力的な誘いだが、遠慮しておくよ」 「遠慮なんかするな。私は大歓迎だぞ」 …誘っておいて、その実雑用とかキノコの試食担当とかさせられそうだから嫌なんだよ。 「…まぁ良いか。それより一つ頼みがあるんだが」 「代わりに片付けて欲しいとかいうのは無しだぞ」 「疲れたから座椅子代わりになってくれ」 「それならお安い御用…なんですと?」 返答の暇も与えず、こちらに背を向けてもたれかかってくる魔理沙。 「はー極楽極楽…カンロカンロ」 そのままぐりぐりと後頭部を押し付けてくる。 「…あのー、魔理沙さん?」 「んあ? 休憩時間休憩時間。気にするな」 「いや気にしてるのはそういうことじゃないんだが…まぁいいか」 これ以上ツッコむのは不毛だと思ったので、おとなしく彼女に従うことにした。 両腕を腰に回し、もたれ易いよう軽くこちらに引き寄せる。 「…あまり私が魅力的だからといって、悪戯するなよ」 「誰がするか誰が!?」 「そんなこと言って、手は既に私の胸を揉みしだこうと用意万全なんだろう?」 「そんな在るか無いか判らないもの誰が…痛たたたたた俺が悪かった許してくれ!」 「…で、俺はいつまでこうしておけばいいんだ?」 「ん? …私の休憩が終わるまでかな」 「それって…今日中ずっとってことになるのか」 「そうなるかも知れないぜ」 「…ハァ…」 …駄目だな、口先では彼女に敵いやしない。ここも素直に従うことにしようか。 「…魔理沙」 「ん、何だ今度は」 「可愛いよ」 「…おだてたって、私は何も出しはしないぜ?」 「いや、本心だから」 因みに、その頃階下では 「魔理沙ー!これどこに仕舞えばいいのー? …ったく、何してるのよあの野魔法使い。聞く耳も持ってないのかしら…」 後片付けに強引に借り出され、上の状況も知らず独り黙々と片付けを進めている人形遣いの姿があったそうな。 恋人というよりは悪友ライク、それがMy魔理沙像。あんまりそれっぽく見えないか? 4スレ目 873-874