約 489,306 件
https://w.atwiki.jp/churuyakofu/pages/248.html
【彼の主義】 「最近変な妖怪が出るようになったらしいわね」 話題を切り出したのは、七色の人形遣いことアリス=マーガトロイド。 いつものように、売買を終えた後の雑談をしていたときのことだ。 「変なと言われても、僕の知り合いでまともな妖怪はむしろ少ない気がするんだが」 「……まさかその中に私も入っているんじゃないでしょうね?」 「おや、君は魔法使いであって妖怪ではないと思っていたんだが、まさか普通ではないという自覚でもあるのかい?」 「く……」 ニヤリと笑う霖之助。 どうも最近こんなふうにからかわれることが増えたような気がする。 いかにも苦々しく思ってますと言わんばかりの顔をするアリスを見て、霖之助はその笑顔を優しいものへと変えた。 「冗談だよ。むしろ僕にとっては君ほど褒めるに困らない性格の知り合いこそほぼ皆無だ。 僕の主観を君が信用できるかどうかはまた別の話だがね」 からかわれてばかりかと思えば、こうして手のひらを返したかのように褒めてきたりもする。 正直怒っていいのか喜んでいいのか複雑な心境だ。 まあ、こういう掛け合いのできる友人は往々にして得がたいものだし、多少は大目に見るとしよう。 「私が言ってるのは性格がどうのこうのという話じゃないわよ。 その妖怪は見た目が人間なら種族を問わず襲い掛かってくるらしいの。多分、幻想郷では新参なんでしょうね。 霖之助さんはまさしく人間にしか見えないんだし、大して強くもないんだから気をつけなさいよ」 「おや、心配してくれるのかい?」 「だっ、誰がよ!? この店がなくなったら不便だって言ってるの! 何で私が霖之助さんの心配なんて!」 「僕のことを、とは一言も言ってないんだがね?」 「今の言い方なら誰が聞いたって霖之助さんのことに聞こえるわよ!」 前言撤回。霖之助の評価をやや下方修正することにして、アリスはぷんすか怒りながら帰っていった。 「さて……」 アリスが店から出ると、霖之助は様々な道具を取り出して占いを始めた。 「今日これから、か」 別人のように鋭い目つきでその結果を見ると、霖之助は店の奥へと向かうのだった。 「まったく、最初に会ったときはもっと優しかったくせに、最近どんどん意地が悪くなってるんじゃないの? って違う! これじゃ霖之助さんに優しくして欲しいみたいじゃない!」 香霖堂を飛び出したアリスは、自宅へ戻る道中で最近の霖之助の態度について考えていた。 「まあ、そりゃ私だって優しく接して欲しくないわけじゃないんだけど。 でもあの態度はつまり、私との関係が軽口なんかじゃ壊れないって思ってるわけだし、そう考えたら私だってまんざら でも……。 ああもう何言ってんだろ。早く帰ろう」 そんなふうにぼやきながら歩いていると、背後から何かがつけてきている気配がすることに気が付いた。 足を止めてあたりを見回しても何もいない。だが、何かがアリスを観察しているように思えて仕方がないのだ。 勘違いであればいいが、楽観視していて本当に襲われたら洒落ではすまない。 「まずいわね、こんなときに……」 今日は買い物だけ済ませてすぐに帰るつもりだったため、上海以外の人形は連れてきていない。 もしこちらを見ているのが件の妖怪だとすれば、今戦うのは少々心もとなかった。 家に向かって足を速めるアリスだが、何かの気配は遠ざかるどころかどんどん近づいてくる。 走り出したアリスの背後、やや上のほうから、ガサッ、ガサッ、という音が聞こえだした。 どうやら木の枝から枝へと飛び移っているらしい。 おそらく逃げきれはしないし、家に着いたところで鍵を開ける余裕など与えてくれはしないだろう。 アリスはここで迎撃しようと腹を括った。 足を止め、周囲を警戒するアリス。 敵もこちらの雰囲気が変わったことに気付いたらしく、気配を消して様子を伺っている。 そんな状態がいつまでも続くかと思われたが、敵は早々に痺れを切らしたらしい。 ガサッと言う音に反応したアリスの目に、飛び掛ってくる大きな影が映った。 咄嗟に身を引いてかわすと、地響きと共に着地したソレと目が合う。 「猿!?」 そこには黒い毛に覆われた、身の丈2メートル程の大猿がアリスを睨みつけていた。 狒々(ヒヒ)。猿の姿をした、もしくは年老いた猿が変化した妖怪である。 獰猛でよく人を襲い、特に女性が餌食になることが多い。 本来の大きさは約3メートル。この狒々は力が弱いか成り立てのどちらだと思われる。 標準より小さいとはいえ、動きは早いし力も強いだろう。 アリスと目を合わせたのは一瞬のことで、狒々はすぐに木々の間へと飛び込んでいった。 逃げたわけではない。予想以上に反応のよいアリスを強敵と認め、全力で命を取りに来るつもりだろう。 追いかけようかとも考えたアリスだが、森の中は狒々の土俵だ。ここで待ち受けたほうがいいだろう。 スペルカードを展開する時間はおそらくない。 さっきの動きから考えて、間に合うかどうかは5分5分だ。賭けに出るにはあまりに分が悪い。 狙うなら、さっきのような着地の瞬間。攻撃をかわすと同時に弾幕を打ち込んでやる。 普段のような拡散する弾幕ではなく、魔理沙のマスタースパークのように一撃の威力を重視して魔力を練る。 念のため上海にも同様の魔法を準備をさせ、アリスは周囲の様子を伺った。 アリスを追いかけてきたときとは違い、狒々は完全に気配を消している。 となれば、頼るべきは聴覚だ。やつが飛び出してくる瞬間、茂みを抜ける音が必ず聞こえる。 耳に神経を集中させ、ひたすら待ち構えるアリス。 いつでも反応できる状態を保つというのは、想像を絶する集中力を要する。 どのくらい待ち続けただろうか、集中力の限界が近いアリス。 その耳が、草木の揺れる音を捉えた。 バッ! と音の方向を見たアリスの目に移るのは、ただ森の姿のみ。 呆気にとられたアリスの右、警戒の薄れた瞬間を突いて狒々が飛び出してきた。 「なっ!?」 まさかこちらが音を頼りにしていることを見抜いていたとは。最初の音は石か何かを投げた音か。 敵を甘く見ていた自分に歯噛みしつつ、迫り来る狒々に魔法を放とうとするアリス。 (ダメだ! 間に合わない!) 虚を衝かれた分、こちらの動きがわずかに遅い。どう足掻いても敵の爪が先にこちらの体に達するだろう。 だからと言って諦めるのは論外だ。間に合わなくてもせめて一矢報いてみせる! 手の届く位置まで来た狒々が右腕を振りかぶる。 次の瞬間襲って来るであろう衝撃に歯を食いしばりつつ、アリスは用意していた魔法を放った。 ズドン!!! 森中に響くような轟音。 だが、アリスの体に痛みはない。 狒々の爪は、アリスの体まで後数ミリというところで停止しており、その胸には大きな風穴が開いていた。 「間に……あった……?」 ペタン、とその場に腰を下ろすアリス。 とたんに暴れだす心臓を抑えつつ、湧き上がる違和感について考えた。 おかしい。どう考えても狒々の爪はあと20センチは進んでいたはずだ。 そういえば、狒々が手を振りかぶった瞬間、わずかに動きが鈍ったような気がした。 通常であれば気が付かない、ほんのわずかな硬直。 原因が何かはわからないが、あれがなければアリスも無事ではすまなかっただろう。 「……いいや、考えても仕方ないし。とにかく、怪我がなくてよかったぁ」 はしたないとは思ったが、地面に大の字になって横たわるアリス。 はあ~っ、と息を吐いてから見ると、狒々はゆっくりと崩れ落ち、そのまま動くことはなかった。 どうやら完全に絶命したようだ。ならば、今は帰って休もう。短い戦いだったが非常に疲れた。 よろよろと立ち上がり、自宅へと向かうアリス。 そんなアリスの姿を、一羽の烏がじっと見つめていた。 すう、と視界が森から室内へと変わる。 霖之助は式神との視界共有を終了させ、軽く安堵の息を吐いた。 香霖堂の地下に作られた隠し部屋。その床に描かれた直径3メートルほどの魔方陣の上で、霖之助は座禅を組んでいた。 この陣は、東洋魔術と西洋魔術を組み合わせた霖之助のオリジナル。 簡単に言うと大掛かりな魔力増幅器にして隠蔽装置。 先ほど狒々の身に起こった不自然な硬直は、この陣を介して霖之助がかけた呪によるものだった。 「危ないところだった。まだまだ彼女も甘いな……」 狒々との戦いぶりを見て、アリスをそのように評する霖之助。 魔理沙やパチュリーにしてもそうだが、どうも彼女たちはスペルカードルールに慣れすぎている。 最近の幻想郷がいかに平和とは言っても、正々堂々と襲ってくる敵ばかりとは限らないというのに。 今回はたまたまアリスの運勢を占った霖之助が陰ながら手を貸すことにしたが、次も上手くいく保証はどこにもない。 「弾幕は火力。弾幕はブレイン。弾幕は属性。確かに間違ってはいない」 彼女たちの特性と弾幕勝負の性質を考えれば、これらは正しい理念だ。 だが、と霖之助は眼鏡を押し上げる。 「"魔法"は……秘匿性だよ」 彼(相手)を知り、己を知れば百戦して危うからず。よく知られる孫子の言葉だが、これにはまだ続きがある。 『彼を知らずして己を知れば一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず敗る』 自分自身のことがよくわかっていても、相手の情報が全くなければ勝率はせいぜい5割である。 自分のことも相手のこともわからないようでは、勝つことなど到底できはしない。 言い換えれば、たとえ自分自身を知り尽くした熟練のものが相手でも、こちらの内情を一切知らせなければ5分以上の戦いが見込めるということだ。 この言葉に従い、霖之助は己が魔法使いであることを徹底的に隠し通してきた。 この部屋もあらゆる手段で持って隠蔽してあるし、使う術にしても、古今東西の魔術から秘匿性が高いものばかりを選んでいる。 己の内情はおろか、己が敵であることすら悟らせずして敵を倒す。これが魔法使いとしての霖之助の信念だ。 アリスを助けるにしても、直接狒々の息の根を止めるなり、もっと簡単な方法はいくらでもあった。 それでもあのようにややこしい方法をとったのは、ひとえに自分が魔法使いだと悟られぬため。 魔法も使えぬ貧弱な半妖を装っておけば、無用の争いに巻き込まれることはないからだ。 今回の狒々のように無差別に襲ってくる輩でも、こちらを侮っているなら不意をつくなり煙に巻くなりどうとでもできる。 その代わり、彼女たちが得意とする派手な弾幕ごっこはまるで専門外になってしまった。 おそらく八雲紫あたりは気付いているだろうし、勘のいい霊夢もどうだか分かったものではないが。 地下室の入り口を完璧に隠すと、霖之助は店番を再開すべく定位置に座った。 数日後。 「というわけで大変な目にあったわ。 とりあえず誰彼構わず襲い掛かるような妖怪はいなくなったから、安心していいわよ霖之助さん」 「それはありがたいね。お礼に今度は、心ばかり割り引きさせてもらおうか」 「……随分素直ね。逆に不気味だから遠慮しておくわ」 どうやら、アリスの考える霖之助像はあまりよろしくないようだ。 苦笑しつつ、霖之助は少し真剣にアリスに声をかけた。 「それはさておき、アリス」 「何よ?」 「ありがとう、無事に帰ってきてくれて。君に怪我がなくて本当によかった」 しばし呆然と霖之助を見ていたアリスだが、見る見るうちに顔が真っ赤になっていく。 「な、何よいきなり!? わかったわ! どうせ常連がいなくなったら店の儲けがどうとかってことでしょ!? 女の子が大変な思いをしてきたってのに、仕方ない人ねまったく!」 「そうだね、僕の店の帰り道で妖怪に襲われたなんて噂が立つのはよろしくない。 経営維持に協力感謝するよアリス」 それを聞いて、怒りつつも嬉しそうだったアリスの顔に影が降り、動きもぴたりと止まった。 ゴゴゴゴゴ、という効果音が聞こえた直後、 「あ、あんたって人はぁぁーー!!!」 ムキー!と憤るアリス。 それをのらりくらりとかわす霖之助は、実に活き活きとした表情を浮かべるのだった。 おまけ、というか別ルート? 「ありがとう、無事に帰ってきてくれて。君に怪我がなくて本当によかった」 しばし呆然と霖之助を見ていたアリスだが、見る見るうちに顔が真っ赤になっていく。 「な、何よいきなり!? わかったわ! どうせ常連がいなくなったら店の儲けがどうとかってことでしょ!? 女の子が大変な思いをしてきたってのに、仕方ない人ねまったく!」 「そうじゃない。店云々じゃなくて、君とまたこうして話ができることが嬉しいんだ」 「あう……」 更なる追撃に声が詰まるアリス。その様子を彼方から覗く影があった。 「アリス……。色を知る年かッッッ!!!」 いろいろとごめんなさい。
https://w.atwiki.jp/touhouvision/pages/96.html
《森近 霖之助》 No.028 Character <第一弾> GRAZE(2)/NODE(4)/COST(2) 種族:人間/妖怪 (自分ターン)(1): ターン終了時まで、〔あなた〕は装備カードが持つ「神器」の効果を無視することが出来る。 攻撃力(5)/耐久力(3) 「何時の間に店に来てたんだい?」 Illustration:仄柑 コメント 「香霖堂」店主。 本来伝説を所持しなければセット出来ない神器をセット出来るようにする。 今の所、神器を伝説を持たないキャラにセットする手段はこのカードと墓泥棒、天狗の小槌、国符「三種の神器 剣」(草薙剣)、ナズーリン/12弾、改良のみである。 その意味で希少な能力と言えるのだが、このカードのコスト+能力コストの3点掛かり、場に出す為の手間も掛かる。またこのカードにより神器をメインとして考えるなら、何らかのサーチ手段も用意しなければ心許ない。 特に主要な伝説所持キャラクターは自身のスペル神器の術者も兼ねている事が多い為、わざわざこのカードを使って他のキャラにセットさせるよりは普通に運用した方が楽で、なおかつ強力であったりする場合が多いのも事実である。 それでも、本来セット出来ないキャラに強力な装備をセットさせるという点から、様々なコンボが考えられる。 本人の戦闘力も結構高めで、アタッカーとして悪くは無い性能をしているので、このカードでしか出来ないデッキ構成を考えるのも一興だろう。 非戦闘員の彼の攻撃力が高いのは、「東方世界の男性は弾幕ごっこをしないだけでやはり身体能力は女性より高い」という設定に従ったかららしい。当初グレイズが0だったのも、弾幕を用いないという設定に基づいたものだろう。 コスト面で大幅に有利な天狗の小槌の登場により若干影が薄くなったかもしれない。 エラッタによりグレイズが0→2になった。 収録 第一弾 Revision Package スターターデッキ紅 関連
https://w.atwiki.jp/churuyakofu/pages/195.html
前の話へ 次の話へ あらすじ 少しずつ縮むアリスと霖之助の距離。 それに嫉妬した魔理沙が爆発、それでも朴念仁な霖之助に今度はアリスがキレる。 皆自分の気持ちが整理できなくなっていた。 アリスが飛び出していった香霖堂。 霖之助は魂が抜けたような顔をして座り込んでいた。 思い出すのはアリスの言葉。 ―――自分が何をしたのか、なんで魔理沙が泣いてるのか、悩んで悩んで悩みぬきなさい!――― かつては、自分がすでに男としては枯れているものと思っていた。 だが、アリスと触れ合ううちにそれは自分の思い込みだと気付いた。いや、アリスが気付かせてくれたのだ。 ……魔理沙の顔が頭に浮かぶ。 小さいころは甘えん坊だった。 年の割りに賢かった。 魔法を志してからは父親とそりが合わず、自分が何度も仲裁に入った。 自分が霧雨の家を出てからも縁は切れていない。 研究に行き詰ればここに来て一言二言口をこぼし、帰っていく。 うまくいったら嬉しそうに自慢しにくる。 店のものを持っていく代わりに差し入れをもらうことも多い。 料理を振舞ってくれることもしゅっちゅうだ。 ここまでなら仲の良い兄妹と言っても差し支えないだろう。 だが、 ―――安心しろ。香霖を好きになる物好きな女がいなくても私がもらってやるぜ――― ―――貰い手がなかったらよろしく頼むぜ――― こんなことは兄妹同士で言ったりしない。 なのに、本気に取ったことは一度もなかった。 自分に見せる彼女をそのまま彼女の本質だと思って疑いもせず、ただの軽口と切って捨てた。 どんなに年が経っても、言葉遣いや表面上の性格が変わっても、魔理沙は魔理沙だったというのに。 小さいころのまま、甘えん坊で寂しがりやな女の子だったのに。 今ならわかる。彼女が軽口に見せかけて、その裏でどれだけの緊張と不安を押し殺していたのか。 「最低だな……」 「ええ、本当にね」 独り言に対する、ありえないはずの返答。 こんなことをするのは一人しかいない。 「見ていたのかい……? 紫」 「ええ、あの人形遣いがここに通うようになってからさっきの顛末までずっと」 背後に気配を感じる。スキマから上半身を出して話しかけているのだろう。 「いまさら覗いていたことをどうこう言う気もないが……情けないところを見られてしまったね」 「そうね。さっきのはちょっといただけなかったわ」 ふぅ、とため息を吐く。 手厳しいことだが、今はその率直な物言いが心地よい。 「それで? あなたはどうするつもりかしら?」 「どう……か」 「まさかここまで来て選べないなんて事は言わないでしょうね? 事態をここまでこじらせたのは間違いなくあなたの責任。ならこの問題はあなたが片をつけないといけない」 「そう……そうだね。わかってはいるつもりさ」 わかっている。これは自分が答えを出さないといけない問題だ。 そんなことは痛いほどわかっているのに、それでも自分の気持ちははっきりしていない。 情けなくて腹立たしくて自分を殴りつけたい心境だが、そんなことをしても何にもならない。 「一つ……簡単に済ませるほうがあるわよ?」 その言葉が耳に届くと同時に、両肩に重みを感じる。 しなだれかかって来た紫は、霖之助の耳元でさらに言葉をつむぐ。 「私を選んでくれたら、全部きれいに収めてあげる。 私の持つありとあらゆる力を持って、元の鞘に必ず戻してあげる。八雲の名において誓うわ。 ……そのかわり、私をあなたのものにして」 それは、抗いがたい甘美な誘惑。 確かに、彼女の能力を持ってすればこの問題はすぐにでも解決するだろう。 しかも幻想郷最高の妖怪を伴侶に持つ。これ以上の名誉は幻想郷に存在しない。 だが、その選択はありえない。 「君にそこまで言ってもらえるとは光栄だが、受けるわけにはいかないな」 「あら、やっぱり? まああなたならそういうと思っていたけど」 そういうと、紫はあっさり霖之助から離れた。 「じゃあ、しっかり考えて答えを出すことね。 この八雲紫を振った男が生半可なことをしたら、永劫許さないからそのつもりでね」 「紫、君は……」 彼女なりに励ましてくれたのか。それとも……。 そんな思いがよぎった瞬間、唇を指で押さえられた。 「変なこと考えるんじゃないの。それじゃあね霖之助。頑張りなさい」 そういい残して、紫はスキマに戻っていった。 「ああ、もちろんだ。ありがとう、八雲紫――」 さあ、ここからは自分の仕事。 ――紫の自室にて―― 「はぁ……私も完全には悪役にはなりきれないのね……」 たったいま香霖堂から戻ってきた紫。 霖之助が考えたとおり、彼女も霖之助に淡い思いを抱いていた。 そんな彼女がアリスの接近を許したのは、ひとえに楽観と自信が原因だった。 客観的に見て自分は美人だと思う。 妖怪や人間を問わず言い寄る男はいくらでもいた。 だから焦る必要はない。 アリスのような1000年も生きていない小娘に自分が遅れをとることなどありえない。 そう思って放置していた。 もっと早く、自分から積極的に動いていればこんな事態にならなかったであろうことも知らず。 気付けば女にあれだけなびかなかった霖之助がアリスと懇意になっていた。 そのときにはもう手遅れで、なまじ明晰な頭脳を持つだけに、自分にはもうチャンスが訪れないことを理解してしまった。 これは自分の自業自得。 相手を侮り、自惚れていた自分の落ち度。 だから、泣くのはこの一回きりだ。 ぎゅっと目を瞑る。目じりにたまっていた涙は頬を伝い、ぽろぽろとこぼれ落ちた。 だがそのまま落とすことはしない。涙の落ちる先にスキマを開き、回収する。 自分の式は優秀だ。涙の跡でもあれば簡単になにがあったか察してしまうだろう。 いや、おそらくはもう気付いているのだろうが。 さあ、もうすぐ式の式が食事の時間を伝えに来るだろう。 それまでには、悲しみも後悔も心の奥に封じ込めてしまわないと。 「藍さま。まだ紫さまをお呼びに行かなくていいんですか?」 「もう少し、もう少しだけ待ってくれ橙」 妖怪は精神的な病に弱い。つまり心の傷の治りが遅いということだ。 たとえ霖之助がどんな答えを出したとしても、今現在人間の魔理沙や元人間のアリスはそう長くないうちに立ち直ることだろう。 だが妖怪の紫はそうはいかない。表には出さなくても、10年、20年、いやもっと長く心の痛みは残る。 だから今は、もう少しだけそっとしておきたい。 その日、マヨヒガの夕食はいつもより少しだけ遅かったという。 前の話へ 次の話へ
https://w.atwiki.jp/momodx/pages/14.html
ゲーム内容の概要は、基本情報を参照。 概要 ゲーム名:スーパー桃太郎電鉄DX 読みかた:すーぱーももたろうでんてつでらっくす 開発:ハドソン 発売日:1995年12月8日 日本列島をマップとしたボードゲーム「桃太郎電鉄」シリーズの第5作目。 詳しくはWikipediaを参照。 攻略本一覧(恐らく全て絶版) タイトル 出版社 価格 スーパー桃太郎電鉄DX プレイングマニュアル アスペクト ¥563 スーパー桃太郎電鉄DX いい日旅立ち攻略ガイド 講談社 ¥825 スーパー桃太郎電鉄DX究極本 KKベストセラーズ ¥1,165 スーパー桃太郎電鉄DX ハドソン公式ガイドブック 小学館 ¥922
https://w.atwiki.jp/h_session/pages/4516.html
PL名:みかたん 【使用キャラクター】 ・[[カメリア=ヴァーミル]]/学園 ・[[ジェス=ヴィレンティ]]/エネミー 【PL管理経験点&お金計算】 ■:取得経験点 セッション名 : 経験点 : 参加PC : 初期取得: 1300: - : 魔獣討伐戦: 112: カメリア : ───────────────────── ☆合計 : 1412: 総合 : ■:使用経験点 PC名 : 総合 : CL上昇 : クラス変更 : フェイト : カメリア : 816: 660: 20: 136: ジェス : 570: 550: 20: 0: ─────────────────────────────── ☆合計 : 1386: 1210: 40: 136: ■:残り管理経験点:26点 ■:取得金額(カメリア=ヴァーミル) セッション名 : 金額 : 初期取得: 30000: 魔獣討伐戦: 27400: ☆合計 : 57400: ────────────── ☆残額 : 16103: ■:取得金額(ジェス=ヴィレンティ) セッション名 : 金額 : 初期取得: 30000: ☆合計 : 30000: ────────────── ☆残額 : 5320: ■:残りPL管理金:0G 【キャンペーン方針アンケート】 設問1.自キャラ妊娠:5 好きな人とならば最高。それ以外でも大丈夫ですが、PCは頑張っておろそうとします。 設問2.獣姦/モンスター姦:4 おっけーですよ。 設問3.モンスターのハーフ受胎:3 孕むまでならなんとか。産むまでくるときついです。 設問4.強制属性変更(性別/年齢、[[その他]]):3 性転換は救済が用意されているのならば大丈夫。年齢は若返りならば。 設問5.堕落/邪悪化:5 やっちゃってくださいな。ただしPCロストは事前に相談してください。 設問6.苦手シチュ列挙:スカトロ、愛がない暴力、肉体改造、男同士。ただし男同士はショタならばOK。 設問7.禁止シチュ列挙:同上。 設問8.希望シチュ列挙:無理矢理でもラブラブでも。基本、禁止シチュ以外ならばかもーんです。
https://w.atwiki.jp/buturi_sankousyo/pages/49.html
物理の学習を進めるうえでの基本事項を、語り口調で解説。問題文の読みかた、問題文にある表現をどのように読みとり、どんな解法に結びつけるか、入試問題の解きかたを解説。実力を試せる入試問題演習も掲載。 躓きやすい部分を詳しく解説してあり、非常に端的にまとまっている. 微積分は使用していないので、微積を使った物理が嫌な人も使える. 例題に比べ、入試問題の演習がかなり難しいので注意. 新課程版が登場したが、中身はほとんど変わらない模様. 【難易度】★★★ 【お勧め度】★★★★ 新課程版の解法のルール出ましたよ -- ジョージ (2014-08-14 14 42 02) 情報ありがとうございます -- 名無しさん (2014-08-23 06 54 28) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/th_izime/pages/303.html
ご覧になりたいスレをお選びください。 ☆2スレにはありませんでした。もしも見落としていたというのなら、トップページにご報告願います。 シチュ妄想系 霖之助受け:1スレ目
https://w.atwiki.jp/th_izime/pages/948.html
天子との激戦でゆかりんの傘布が破れてしまった。 そのままにしておく訳にもいかないので霖之助に修理を頼むゆかりん。 霖之助は技術が無いので他をあたれと言ったが、霊夢の服等を修繕していることを言及され 止むを得ずゆかりんの傘の修理をすることに。 しかし霖之助は本当に傘の修理などやったことが無いので、時間をくれと言ってその日はゆかりんを帰らせた。 数日後、香霖堂に遊びに来ていた魔理沙が帰ろうとすると、外は大雨だった。 霖之助の部屋から勝手に傘を拝借する魔理沙。それは霖之助に預けられていたゆかりんの傘だった。 店番をしていた霖之助は、裏口から出て行った魔理沙がそれを持って行ったことに不運にも気付かなかった。 家に帰る途中で雨が傘から漏れていることに気付く魔理沙。 傘は修理中で耐久性が落ちており、しかも日傘だから雨に弱いのは当然。何時の間にやら傘は穴だらけに。 だが魔理沙はそれを「持ってくる傘間違えたぜ」程度にしか考えていなかった。 そんな魔理沙でも、家に帰ってからその傘がゆかりんの持っていたそれと同じ物だということを思い出した。 途端に真っ青になる魔理沙。たまたま同じ形をしているだけでこれは別の物だと自分に言い聞かせる。 もしこの骨組みが露わになったボロボロの傘がゆかりんの物だったら、と考えただけでも恐ろしい。 一方、霖之助も魔理沙と同じく真っ青になっていた。店中どこを探してもゆかりんの傘が見当たらない。 客から預かっていた物を無くすなど店主としてあるまじき失態。ましてや相手は幻想郷の大妖怪。 機嫌を損ねれば自分の首など比喩では無しに一瞬で飛ばされる。 霖之助が魔理沙の発言を思い出したのと、魔理沙が慌てて香霖堂に引き返してきたのは同時だった。 魔理沙の手には見るも無残なゆかりんの傘。預かり物をこんな形にしてしまい絶望する霖之助。 その彼の口からそれがゆかりんの物だと聞かされ涙目になる魔理沙。 そしてついに、ゆかりんが香霖堂にやってきた。もちろん傘を受け取る為に。 覚悟を決めてジャンピング土下座で謝る二人。すると意外にも、ゆかりんはあっさりと許してくれた。 一安心の二人だったが、人の大事な物を壊してしまったという心の傷だけは残る事になった。 実はゆかりんは腸が煮えくり返るような思いだった。その傘はかなり前から使っていたお気に入りの物だった。 何度も修理して大事に使ってきたのに、骨組みにだらしなく垂れ下がった布という悲惨な状態ともなると、 もう布を張り替えるしかない。それはもう新しい傘であって、自分の愛用品であるとは言えないだろう。 態度には出さないものの、真面目で几帳面な霖之助を信頼していたゆかりん。しかしそれは簡単に裏切られた。 そして当然ながらその怒りの矛先は、傘を勝手に持ち出した魔理沙にも向けられた。 しかし魔理沙も霖之助も知らぬ仲では無いし、今烈火の如く怒ったところで関係が気まずくなるだけ。 それよりは自分が耐え忍んで、今後も今まで通りの付き合いを続けるのが賢い選択だとゆかりんは悟ったのだ。 結局、三者三様の遺恨を心に残したままこの話は終わった。 ゆかりんが魔理沙や霖之助の前に姿を見せなくなったのは、きっと気のせいだろう。 なんかリアル過ぎ吹いたw 現実大人の対応ってこんなんだよね… 切ない -- 名無しさん (2009-10-02 05 51 51) 客から預かったものはそれ専用の場所に保管しましょうねw -- 名無しさん (2009-10-02 07 20 12) 可哀想なゆかりん… それとジャンピング土下座にチャレンジしたら、 下顎痛めた -- キング クズ (2016-06-27 02 57 56) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/churuyakofu/pages/223.html
前の話へ 次の話へ あらすじ 無縁塚で拾ったブルマを運動量の多そうな美鈴に勧めた霖之助。 穿いてみた美鈴は気に入るあまりに服をたくし上げ、霖之助に履いてるブルマを見せる。 目が離せない霖之助(赤面)を見て冷静になった美鈴、真っ赤になって硬直。 「あぅぅぅぅぅぅ」 あの後なんとか意識を取り戻し、とりあえず穿いているブルマの代金だけは払って紅魔館の自室に戻った美鈴。 思い出すだけでも顔から火が出そうだ。調子に乗るとろくなことをしない自分が恨めしい。 はしたないと思われただろうか。それとも頭が弱い子だと思われただろうか。 それともその両方か。 考えれば考えるほど恥ずかしくて消えてしまいたくなる。 無論、どんなに祈ったところで消えることなどできず、ひたすら悶える美鈴だった。 「はぁううううううううううううう~~~~」 「美鈴の様子がおかしい?」 数日後、紅魔館の主レミリア=スカーレットは、午後の紅茶を嗜みつつメイド長の十六夜咲夜に聞き返した。 「ええ、どうにも門番の仕事に身が入っていないようで」 「それはいつものことでしょう」 「それはそうなんですが、いつもとサボり方が違うと言いましょうか。 いつもは大概昼寝ばかりしているのですが、最近はボーっと宙を眺めては真っ赤になってうつむいたり、 ぶんぶんと頭を振ったりと。 しかも5分おきにです」 「……なにか変わったことはなかったの? 変なものを拾って食べたとか」 「そうですね……強いて言えば、様子がおかしくなったのはこの前の休日からでしょうか。 メイド妖精が赤い顔をして帰宅する美鈴をみたとか」 「となるとその日に出かけた場所が怪しいわね……。咲夜は聞いてないの?」 「はい、少々お待ちください」 頬に手を当て、考え込む咲夜。 思いついた! という顔をしたのも束の間、やけに神妙な面持ちで告げる。 「確か……香霖堂、だったかと……」 「「……」」 「あの店主となにかあった、そういうこと?」 「信じがたいことですが他に考えられません。その前日は休日がもらえたと喜んでいましたから」 「これは放っておくわけには行かないわね」 「ええ、根掘り葉掘り聞かせてもらいませんと」 2人の視線の先には、帽子を顔に当ててうずくまる美鈴の姿があった。 ちなみに2人からは見えないが、やはりその顔は真っ赤であったという。 その夜、美鈴はレミリアの部屋に呼び出されていた。傍らには咲夜の姿もある。 「美鈴。単刀直入に聞くわ。香霖堂の店主と何があったの?」 「ふぇっ!?」 いきなりそう切り出されてあわてる美鈴。しつこいようだがその顔は真っ赤である。 ――カマをかけたつもりだったが大当たりか―― アイコンタクトで意思の疎通を完了したレミリアと咲夜は、さらに畳み掛けに入る。 「図星ね。どうも様子がおかしいと思ったら。 で、何があったのか聞かせてもらえるわよね?」 言えるわけがない。 「い、言えません!」 「美鈴。あなたの主は誰? このレミリア=スカーレットが教えなさいと言っているのよ?」 「そ、それでもこればっかりは言えないんですっ!」 ――これはただ事ではないようね―― ――ええ、この子がここまで言うなら力づくでは無理でしょう―― ――ならばあの店主ね―― ――賢明です、お嬢様―― 再び交わされるアイコンタクト。 「そう。そこまで言うならもう聞かないわ。下がっていいわよ」 「え……? あ、はい。わかりました。失礼します」 助かった、という心境を隠しもせず、美鈴は部屋に戻っていった。 「……ああ、もうこんな時間か……」 一方の霖之助も、いつもと様子が違う自分を自覚していた。 何せいくら字を追っても内容が頭に入ってこない。 気がつけばブルマを履いた美鈴の下半身が頭をちらつき、必死に振り払う。 そんな堂々巡りがここ数日続いていた。 そしてまたいつものように眠れぬ夜を迎えようとする霖之助だったが、 バゴーン! 「店主はどこ!? うちの美鈴に何をやらかしてくれたのかきっちり話してもらうわよ!!」 今日はそれすらもできなさそうだ。 「……というわけで、別に君たちが考えてるようなことは何もしていないよ」 何とか事情を説明し終わり、息を吐く霖之助。 「あの子らしいと言うかなんと言うか……」 こめかみを押さえてため息をつくのは紅魔館の主、レミリア=スカーレット。 確かにそんなことで悩んでましたなどと言えるわけがない。主に情けないとかそういう理由で。 一方霖之助はレミリアがあけた大穴を見て赤字を計算しつつ、美鈴をフォローする。 「まあそういうわけだから、この件の事情に関しては知らぬ存ぜぬを通してあげてくれないか? いくら穿いてるブルマが気に入ったからとはいえ、 一応は男性の僕に服をたくし上げて下半身を見せるなんてことをしたんだ。 君たちに知られたとわかったら、恥ずかしくてショック死してしまうかもしれない」 「心配しなくても言わないわよ。こっちもこんなことで真面目に説教なんてしたくないわ。 咲夜には私から上手く言っておくから」 「ありがとう。そう言ってもらえると助かるよ。お礼にこの穴はなかったことにしておこう」 内心修理代を請求されるのではないかと思っていたレミリアはその言葉に安堵する。 それにしてもなぜこの店主は美鈴にここまでするのだろうか。 自分が顛末を知ったことなど、美鈴に言おうが言うまいがこの店主には何の関係もない。 それなのに頭を下げて頼んだ上、店に開いた穴のことまでなかったことにするなどと。 「あなた……もしかして美鈴のことが好きなの?」 「は!?」 なぜそうなるのかわからない霖之助は、予想外の発言に取り乱してしまう。 レミリアからすれば、まさに図星を衝かれたようにしか見えないというのに、だ。 口の端を吊り上げてニヤニヤと笑うレミリア。 「ふ~ん。女に興味なんてないような顔してねえ? まああの子は気立ても顔も良いし、出るとこは出て引っ込むとこは引っ込んでるから無理もないけど。 それともそのブルマとやらが気に入ったのかしら?」 いかん、このままではブルマ好きという噂を立てられかねない。 それの何が悪いのかはわからないが、理性ではなく本能が危険を訴えてくる。 それを感じた霖之助は、何とか目の前の悪乗りしかかっている少女をなだめようとする。 「……彼女が魅力的だということは認めるが、僕の発言はあくまで親切心と責任感から来るものだ。 そもそも、僕があんなものを勧めなければこんな事態にはならなかったわけだしね。 あと、人が特殊な性癖を持っているかのような言動は勘弁してくれ」 「つまらないわね……。まあ良いけど。少なくとも美鈴が魅力的とは認めてるわけだし?」 さらに霖之助を弄ろうとするレミリア。 (く、いらない一言だったか) もっと咄嗟に上手く取り繕う話術を磨こう。 霖之助が随分久しぶりに向上心を確かにした瞬間だった。 「さて、いつまでもこうしてたって仕方ないわね。 事情は良くわかったけど、とにかくアレじゃ門番の仕事に支障が出てしょうがないわ。 今度美鈴をよこすから、なんとか説得してあげてくれないかしら?」 正直こんなことまで頼むのは心苦しいが、自分や咲夜では事情を知らないことになっているので強気に出れない。 無理なら仕方ない、とダメ元で聞いたレミリアだったが、霖之助の返事は意外にも肯定だった。 「僕が何とかできるのならやぶさかじゃないな。わかった、引き受けよう」 「すまないわね。迷惑をかけっぱなしで」 「君たちが説得するわけにもいかないだろうしね……。 僕としても、彼女とは良好な関係を維持していきたいと思っている。 まあ貸し1つと言うことで手を打っておくよ」 「それならその穴を直してもいいようなものだけど?」 「その提案に心惹かれるものがないわけじゃないが、この穴の修理は僕でもできる。 それなら、僕の手に余る事態が起こったときに君たちの手を借りる権利を持っておいたほうが有意義というものさ」 そんなこんなで話はまとまり、レミリアは自分の館に帰って行った。 「そうでしたか…… 全くあの子らしいと言うかなんと言うか……」 やはり主従だけあって考えることは一緒のようだ。 「まあそういうわけだから、今度の休みに美鈴を香霖堂へやることにしたわ。 私たちが何を言ってもダメだろうしね。それに、あの店主も美鈴を憎からず思ってるみたいだし」 はて? このお方は美鈴に手を出された(かも知れない)のが気に食わなくて香霖堂に行ったんじゃなかったか? そう思いつつ釘をさしておく咲夜。 「しかし、それであの店主と美鈴が上手くいったら、それこそ門番に身が入らなくなるのでは?」 「んー、まあ良いじゃない。人の恋愛ほど傍から見てて面白いものはないし」 悪戯っぽく笑うレミリアに、ああ、これは何を言っても無駄なパターンかと早々に白旗を振ることにした咲夜。 今後の展開を考えると、内心でため息が漏れるのだった。 前の話へ 次の話へ
https://w.atwiki.jp/churuyakofu/pages/280.html
柴とはそこいらにいる柴犬、または八雲紫を揶揄して使われた言葉である。 そもそもの発端は霖之助スレ15の 860が 「紫」 の字を打とうとして今まで 「し」 で変換していたのであろう、間違って 「柴」 と打ってしまい、字が似ていることもあり、住民のツボに嵌ったのが由来である。 その後しばらく八雲紫=柴のような用法がなされ、次第に業を煮やした住民が是非を問い出し、問題は収束する。 以後はたまに香霖堂の近くをうろつく犬程度の使い方になったが、反射的に八雲紫を思い浮かべる人もいるため無闇に使うのはあまりよくない。 そもそも霖之助スレ住民は長らく二次設定に頭を悩まされており、スレ内でも度々 「霖之助さえまともなら他のキャラはどうでもいいのか」と問題になる。 とはいえ面白いことが好きな人間なのだから、このような問題が発生するのは完全には防ぎようがない。 予防も大事だが、真に大事なのは二次設定が発生したときにどう対処するかである。 花は半開を看、酒は微酔に飲む。人生に必要なことだと思いませんか?