約 1,031,385 件
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/228.html
「ご馳走様」 「はい、お粗末様」 開け放しの窓に掛けられた簾を白南風が通り抜けるようになった頃。 くだんの通りに夕餉を終えた僕らは二人して両手を合わせた。 今日のメニューはペペロンチーノ。 シンプルゆえに料理人の腕前がハッキリと分かる一品である。 これはこの前僕が一時的に元の世界に行った時に買い溜めしておいたパスタを使って調理したものだ。 パスタは種類も豊富で幾らでもアレンジが効くから、飽きないし便利なのだ。 霊夢は以前どれも同じ麺じゃないの、と言っていたがそれは偏見というものである。 マカロニだってラザニアだってパスタの仲間だ。 侮るなかれ。 たかがパスタ、されどパスタ。 パスタを笑う者はパスタに泣くのだ。 グルテンが豊富だからと言って舐めていると痛い目を見るのである。 因みにスパゲッティとスパゲッティーニは別物なので注意が必要だ。 「にしても、結構辛いわね。これ」 汗を掻いたのか、霊夢はただでさえ面積の少ないその巫女服をパタパタさせて風を呼んでいた。 僕の前でなら慣れたものだが、一応女性であるからそういう行為は余所では謹んで欲しいものである。 言っても無駄なのだろうけど。 「夏だからこそ辛いものを食べないとね。健康に良いし」 食器を片しながら霊夢に諭す。 だが当の霊夢はうー、とかあー、とか呻きながら寝転がっていた。 どうやら彼女は夏に汗を掻くことの素晴らしさを理解してないと見える。 勿体無いなあ。 行儀悪いなあ。 何だか僕が戻ってきて以来、霊夢のだらけっぷりが輪にかけて悪くなった気がする。 僕が会う以前のことは知らないが、少なくとも最近は退化の一方だ。 大丈夫なのだろうか、この失楽園の素敵な巫女さんは。 ていうか人の話聞こうよ。 食器も大方片付け終わり、改めて霊夢に話し掛ける。 一方の霊夢は何やら上半身を起こしながら腹筋の運動めいた事をしていた。が、挫折。 一応運動はしようとしているようだ。諦めてるけど。 「このパスタの中に入れた唐辛子にはカプサイシンっていう辛味成分が入っていてね。 発汗を促進する作用があるからダイエットにも最適で今の霊夢にもぴったrはぐぅッ!!」 居間で寝転がっているはずの霊夢が玉串をこちらに向かって投擲してきた。 どこにあったんだろう、玉串。 前々から思ってたんだけど本来の用途から凄くかけ離れてると思うんだ、玉串。 勢いをつけた凶器は寸分違わず僕の眉間を貫く。 その時に響いたスコーンという気持ちのいい音が僕の頭の中限定でハウリングした。 そして僕は短い悲鳴を上げて後ろへ倒れた、というか吹き飛んだ。 なんつー恐ろしい性格と腕をしているのか。 ていうか聞こえてるじゃん。 「女性にとっては気になるかもしれない事を容易に口走るんじゃないの」 相変わらずやる気のない目に、僅かな殺気を孕ませて話す。 そう言うって事は気にしているって言ってるようなものじゃないか、とは言えなかった。主に痛みの所為で。 「いや……ただ、言っておいた方が役に立つかと……痛たた」 じんじんと痛む額を摩る。 触れると中々に痛いことから恐らく内出血はしているだろう。 「余計なお世話よ。それほどでもないわ」 「でも最近霊夢弛んでたからさ……大丈夫かなと思って」 心配していたのは事実である。 ただその不安が向けられた方向は身体的なものに限らず生活全般においてだが。 「全く……私も軽んじられたものね。じゃあ、」 束の間の後、霊夢が一旦言葉を区切り立ち上がる。 はて、一体何をするつもりなのだろうか。 一方で僕は未だに額を押さえていた。あ、コブ出来てる。 「確かめてみる?」 何時の間にか訪れていた静寂の中、衣擦れの音が、響く。 霊夢はその顔に艶やかな笑みを湛えていた。 「ん、そうだね。それなら確実だ」 そんな彼女の誘惑から僕が逃れられるわけもなく―――― 「ちゃんと確認しなきゃダメよ?」 僕の体は吸い寄せられるように彼女の方へと近づき―――― 「大丈夫、任せといて―――んっ」 ――――そして影はひとつになる。 開け放しの窓に掛けられた簾を白南風が通り抜けるようになった頃。 くだんの通りに夜餉を迎える僕らは二人の両手を合わせた。 「っふぅ―――――暑い夜に、なりそうね」 「全くだ」 どちらともなく見詰め合い、お互い同時に苦笑が零れる。 まだこれからが夏本番。 夜はゆるりと更け始めた―――― 「ふふふふふふふふ、普段から仲睦まじい二人の事。何かあるのではと見張っていましたが……これは大当たりですねぇ」 「あらあら、楽しそうね」 「そりゃあもう…………って、ほあぁぁっ!?」 「あら、とんだ御挨拶ねぇ。人の顔見た途端奇声を上げるなんて」 「いや奇声って……って、それは兎も角!失礼しm」 「はいはい、一名様スキマごあんなーい」 「い゛!い゛やあああぁぁぁぁ~……」 「全くもう。やあねえ、覗き見なんて。 さてさて、出歯亀は片付いたことだし帰りましょうか」 「ふふっ。幸せにね、霊夢」 6スレ目 490 ─────────────────────────────────────────────────────────── クリスマスクリスマス… 皆騒がしいけど我が神社にはかんけいn 霊夢さん、何ですかその服は 霊夢「え?ああ、ほら。サンタクロースっての。あれも紅白だし暖かそうだから着てもいいかなぁって」 紅白なら何でもいいんですか いや、問題はそこじゃない 問題はその ミ ニ ス カ です 霊夢「だって…紅魔館に紫もやしみたいな奴が居るんだけどね、そからく女性のサンタクロースってのはこーゆー服だって聞いたから…」 OK,色々間違ってるがそのおみ足を拝めただけでもう全て許せる ああ、名も知らぬ紫もやしの人万歳!!クリスマス万歳!!生足万歳!! 霊夢「ちょ、○○!?鼻血出てるわよ、大丈夫!?」 ばんざーい!!ばんざーい!!ばんじゃーい!! 霊夢「○○!? ○○!?」 6スレ目 573 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「あんたも難儀よね」 「ん?」 「その性格」 「何のことやら」 「…本当に何のことやら。って顔してるし。はぁ、自覚が無いってのは恐ろしいわ」 「ふむ。じゃあ霊夢から見た俺は何処が難儀なのかね。気になるぞ」 「割と他人事じゃないのよね、カタチは違うけど。自分の核心には触れさせてくれないし他人の核心にも触れないって感じ」 「俺としてはそんなつもりは無いけどな。…あぁ、だから自覚が無いと」 「うん。あんた、よく他人の愚痴とか聞いてやってるけどさ。自分から愚痴った事なんてあったかね?」 「………ふむ。まったく記憶に御座いませんな」 「でしょ?つまりね、他人に心を委ねようとしないって事よ」 「ふむふむ。…俺が見た限り、霊夢も同じようなもんだぁな」 「まぁちょっと違うけど、大体同じね。愚痴ったりはするけど、やっぱり特定の誰かに心を委ねようとは思わないし。何でかわからないけど」 「で、それによる弊害っつうとー」 「まぁ、親友や恋人と言える人を作るのは難しそうねー」 「ふむ、魔理沙とかはどうなんだ?」 「あ~。…一応親友のカテゴリに含めてもいい気がしてきた。でも異性となるとアレだ」 「下手すりゃ生涯独身ってか。生物としては大問題だ」 「そうねー。ほら、私も跡継ぎとか遺さなきゃいけない身だから。そこらへん割とシャレにならない問題だったりするのよ」 「それは難儀だねぇ」 「まったくだ。このままじゃ大人になってもお嫁さんにはなれそうに無いわね。…貰ってくれますー?」 「遠慮しとくぜ」 「むー、即答されたわ」 「博麗の巫女がどっかに貰われちゃ不味いだろ」 「あ、そっか。…貰われてくれる?」 「考えておくよ」 「夜も更けてきたことだし、そろそろ俺帰るわ」 「ん。それじゃあ、またね」 6スレ目 607 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「れ、霊夢ッ!?」 「……ん、どうしたのよ、血相変えて」 「どうしたのじ、じゃないだろ!?人里で突然倒れて、永遠亭に担ぎ込まれたって聞いて……!! あ、ああほら顔色悪いじゃないかッ!!」 「えーと……ほら、朝たまたま食欲なかったから」 「お前が食欲無いって時点で充分病気だったんじゃないかっ!! ああもう御免な……気付いてやれなくって……ッ」 「あ……えー」 「そうだ、診察結果はまだ出て無いのか!?永琳さんからはまだ何も!?」 「(もじもじ)あー……うん、もう話はしたから。一晩入院。留守番は魔理沙と萃香と妹紅がしてくれるって」 「そ、そうか、そんなに重いわけじゃないのか、良かっ」 「(つーん)……良かない」 「え」 「誰のせいだと思っているのよ」 「う……ぁ」 「あ、あああ御免、責めてるんじゃなくて――ったくほら泣くな」 「うう、ぐすっ、い、いや、すまん」 「誰かさんがあんまり甲斐甲斐しいんで、神社が住みよくなっちゃったのかしらね」 「……?」 「年末辺り、また一人転がり込んでくるのよ」(ぽむぽむ) 「――は?」 「は?じゃないわよ。当分の食い扶持を何とかしないといけないんだから。 ――頑張ってね、『お父さん』?」 7スレ目 120 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「それで、どうするの?」 いつもと変わらない口調で俺に問いかけてくる霊夢。 まだ目立っては見えないが、彼女のお腹の中には新しい生命が宿っている。 「俺が育てるよ」 「そんなの分かってるわよ、あんたはともかく私は巫女だもの。 誰かに子供を授けることはできても、誰のお嫁さんにもなれないから」 分かってる。 以前に霊夢本人から聞かされた事だ。 「他にお母さんの宛てでもあるのかしら?」 「無い。だから、俺が一人で育てる」 「不幸になるのはあんたじゃなくてこの子なのよ?」 「幸せにしてみせるよ、絶対」 「そう」 そっけない生返事を返しながらも、霊夢は自分のお腹のあたりを撫でていた。 「……大きくなったら、一度でいいから神社に連れてきてね」 「流石の霊夢でも気になるんだな」 「当たり前でしょ? 私がお腹を痛めて生む初めての子だもの」 「じゃあ毎日霊夢の事を話すよ。どんな性格で、どんなものが好きで、どれだけ幻想郷の為に頑張ってるか。 繋がりのない母親と一緒にいるよりきっと立派に育ってくれる。霊夢みたいに、強い子になってくれると思う」 「そう」 またも気のない生返事。 静かになった部屋に薫風が流れ込んで、篭もった空気を散らしてくれる。 「……博麗の巫女の代替わりまで、二人だけで待っていられる?」 俺は「待つよ」とだけ答えた。 風の音に紛れて、小さなありがとうの声が届く。 7スレ目 121 ─────────────────────────────────────────────────────────── で、代替わりして戻ってくると。 「れ、霊夢……」 「あら、魔理沙じゃない、何年ぶりかしらね。まだ魔女やってるの」 「魔女だぜ。……で、ひとついいか?」 「何よ」 「今お前が抱いているのは、お前の子だよな」 「ええ」 「さっき、玄関で大きいのと小さいのと会ってきた。……なんか増えてないか?」 「ちゃんと『お母さん』してみたいなあ、って頑張っちゃった。てへっ」 「歳考えろ歳。で、その頑張った旦那は?」 「今日も畑に寺子屋と、働き盛りよ」 7スレ目 122 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「なあ霊夢」 「なに?○○」 「・・・好きだ」 「○○が好きなのは魔理沙じゃないの?」 「なぁ!?なんでそんなこと言うんだよ!!」 「だっていつも魔理沙と話してる時嬉しそうじゃない!」 「そんなことない!俺は本当に霊夢の事が好きなんだ 妖怪に襲われて助けてもらったあの時から!!」 「ったら・・・だったら本当に私が好きなら抱きしめて 壊れるぐらいに貴方が・・・○○が私から離れないように」 ぎゅっ 「それぐらいお安い御用だよ、で返事は?」 「・・・馬鹿////嫌いだったら抱きしめてなんて言わないわよ 好きよ○○、大好き、愛してるんだから」 「ありがとう、霊夢」 7スレ目 210 ─────────────────────────────────────────────────────────── 霊夢「浮気してもいいわよ? ちゃんと私を見てくれるのなら」 ○○「……霊夢」 魔理沙「……と、霊夢は言っている」 ○○「うおっ!?」 萃香「……が、しかし」 幽香「万が一、ということもあるわ」 霊夢「ちょ、あんたら人の濡れ場に何勝手に――」 アリス「ええ、余所の女に現を抜かして、霊夢を蔑ろにするような事があれば」 レミリア「もしも、彼女の枕が涙で濡れる事があろうものなら」 紫「博麗大結界と閻魔様――そして霊夢の涙に誓って」 レミリア&幽香&萃香「――私達は貴方を八つ裂きにする」 紫「月の都に『○ぁっきん・るなてぃっく』と書かれたシャツ一丁で 特攻させてやる」 アリス「そして『シリー・ウォーク』とかいうとれんでぃな歩き方で、 正気を失うまで幻想郷中を歩き回らせるわ。人形みたいに」 魔理沙「勿論稗田家にも記録してもらう」 レミリア「しまいにはアームストロング砲に300kgの爆薬と一緒に詰め込んで発射」 幽香「汚い花火になるでしょうね」 霊夢「え、えーと、流石に其処までは――」 紫「御免なさいね霊夢。でもこれだけは貴女の保護監督者として 言っておきたいの」 レミリア「私も、下劣な男に霊夢を取られたなんて思いたくも無いからな」 萃香「で――どうなのよ駄目亭主」 ○○「い、いや……滅相も」 幽香「あ゛ぁぁぁぁぁぁん゛ッ!?はっきり言わんかい!? はっきりせんとその小汚いモン蹴り潰すわよ!?」 ○○「アイ・メム!!しかと胸に刻みました!!メム!!」 「「「「「「よろしい」」」」」」 霊夢「浮 気 前 提 で 脅 す な ッ!!!」 「「「「「「すみませんでした!(断末魔)」」」」」」 ――陰陽散華-Lunatic- 霊夢「ったく……ねえ○○」 ○○「お!おおぅ!何だ霊夢!何かあるか!?」 霊夢「私ってさ、何だかんだで魔理沙よりズボラだし」 魔理沙in壁に耳「(そこで私を引き合いに出すか)」 霊夢「アリスよりツンばっかりで、しかもデレられないし」 アリスin同上「(ツンって何よ……?)」 霊夢「レミリアよりお転婆な事もするし」 レミリア「(人間でソレ出来るのが恐ろしい)」 霊夢「幽香より少女趣味だったりするし」 幽香「(なら袖をやめれ)」 霊夢「ウワバミだし」 萃香「(そーいえばこないだ文に勝ったね)」 霊夢「トドメに紫みたいにネボスケだったするし」 紫「(昼まで寝てるのを堂々と見せるのは乙女として……ねえ?)」 霊夢「やっぱり……そんなに魅力ないのかしらね」 (がばちょ) 霊夢「きゃあッ!?ちょ、貴方いきな――んー!?」 ○○「――あのなあ、霊夢」 霊夢「んは、何よ!?いきなり」 ○○「前からそうだが――特に今。俺には可愛すぎる」 霊夢「へ?」 ○○「何が浮気だ。今お前以外見えない」 霊夢「――」 ○○「なのに魅力が無いなんていうのなら――」 霊夢「え、あ、ちょっと待っ、多分あいつら外――んっ!」 ○○「黙る気になった?」 霊夢「ぁ……だめ、多分泣いちゃう」 ○○「泣いているのも可愛い」 霊夢「じゃあ、泣いちゃうから―― せめて、可愛い声で泣きたい」 ○○「……やばい、直撃した」 霊夢「なぁ!うぁんっ――待ってこんな格好――」 ――ぱちん(スキマが閉じられました) 魔理沙「……こ、これは(赤面)」 アリス「な……何というか(もじもじ)」 萃香「あー……何か熱いね(ぱたぱた)」 幽香「そうね、呑みに行く?(いそいそ)」 レミリア「……冷酒がいいわね(ごくり)」 紫「じゃあ、私の奢りと言う事で。 本当に――アツアツですわ」 7スレ目 240-241 244へ。やれるものなら某佐山級にグレイズしまくりたいが これがこの板その他諸々の限界だ!後は幻視してくれ! 紫「さて○○、霊夢を(違う意味で)泣かしているわけだけど」 ○○「ああ、弁明は無い。だが敢えて言うのなら、だ」 紫「はい?」 ○○「あれ以来、霊夢はよりアクロバティックな挙動とマーヴェラスな戦術を 次々に覚えていってなあ。いやあ実に『良い』ね。 才能もある。俺の想像内でしかない挙動を明瞭に再現してくrごきゃ)ぱうあ」 霊夢「あ ん た ね え ッ !?(赤面)」 紫「あらあらタイじゃなくて首が曲がっているわね。 それにしても――」 霊夢「何よ」 紫「出来てるみたいじゃないの、『デレ』」 霊夢「……夫婦になるなら……どうせ経験する事なんだから…… その、えーと……『良い』方が良いでしょ?お互いに……色々と」 (ごにょごにょもじもじ) 紫「おやまお熱い。果たしてどんなマニューバなのかしr」 「こうか!博麗ドライバー!!」 「(ぽきぃっ)ぺぉあ」 霊夢「ったく……ほら○○、首が曲がっていてよ(べき)」 ○○「げぁお!こ、殺す気か!」 霊夢「喧しい!ほら、罰として掃除!」 ○○「へ、へーい畜生ー(すたこら)」 霊夢「……そろそろ、また新しいの覚えよう…かな……(もじもじ)」 7スレ目 245 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「雨だなぁ」 「雨ねぇ」 しとしとぴっちゃん。そんなフレーズが過ぎりそうな、表の雨模様。 幻想郷の開花、折角の春模様。そんな景観を台無しにしてくれる大雨だった。 表から響く雨音に耳を傾けながら、淹れたばかりのお茶に口を付ける。あぁ、美味し。 向かいには、退屈そうな半目でちゃぶ台に顎を乗せた霊夢が。朝からずっとこんな調子だろうか。 そら、明日は花見にでも行こうか、と話していた矢先にこれだからな。憂鬱に成るのも無理は無い。 「……その内止むだろ」 「その内、ねぇ。そのフレーズ、聴いたの五回目かしら。六回目かしら?」 「あー、止まない雨は無いって言うもんだけど」 「桜が散っちゃうじゃないぃー……」 バタバタと屋根から聴こえる雨音は、雨足を緩めずに無機質に。 障子の隙間から見える桜は、雨に濡れて心なしか艶やかに見える。舞い散る花弁が、まるで季節外れの雪のようだ。 まあここ幻想郷だから、小高い山辺りには多少雪が残ってると思うけど。 「ある意味、これも春じゃない?」 「まあ、そうだけどねぇ……」 はぁ、とため息が聴こえた。そりゃあ、この天気じゃ霊夢じゃなくても退屈するだろう。 朝から読んでいた、神社の社務所に置いてあった妙な本達も、そろそろ底を尽き始めた。と言うか、 字が難しくて読めるものがあんまり無い。おまけに埃だらけで、手を付ける気に成れない物もたくさんあった。 まったく、霊夢の代ではこんな本を書く事も無さそうな気がするぞ。 御阿礼の娘が書くから良いの、とか霊夢は言ってたけど、どういうこっちゃ。 「こんな春があっても良いんじゃないかな?」 春雨、と表現するには強すぎるが、軽快に響く雨音は耳に心地良い。 雨音に限らず、自然にはたくさんの美しい音色が隠れている。それが晴天の時でも、曇天の時でも。 だが、霊夢にそんな情緒を感じる余裕は無いようで。 「いーやーよー。最近運動もしてないし、散歩ぐらいはしたいわ」 「どうせ飛ぶだけ飛んで結局その辺で昼寝するくせに何を言」 あれ? 何だか目の前が急に真っ暗に成ったよ? あぁ、俺布団に突き刺さってるのね。 気付けば霊夢にすっ飛ばされ、襖の向こうの布団に頭が突き刺さっていた。いやぁ、人間って真っ直ぐ飛ぶんですね? 「……こ、殺す気かっ!」 どこぞの漫画よろしく即座にツッコミを入れる俺だが、霊夢はニヤニヤと意地悪く笑うだけだ。 「運動がてらよ、運動がてら」 「こんな運動があってたまるか!!」 「こんな春もあっても良い、って言ったのはどっちなのよ」 そう言う意味じゃ、と言いかけた俺の唇にスッと指を当て制止する霊夢。 艶かしい笑みを浮かべたその顔は、俺でなくとも、人妖の境さえも越えて誰しもを惹き付けるモノだと思う。 「それじゃあ、こんな春はどうかしら?」 「……あぁ、勿論大歓迎だ」 世の中には色んな春がある。それは幻想郷も同じこと。食欲だの読書だの芸術だの、考えれば幾らでもある。 どれにも共通するのが、楽しまなきゃ損って事。 「春だなぁ」 「春ね」 こんな風に、二人で楽しむ春だってあるもんさ。 きっと、大勢で騒ぐ宴会のように熱く、そして騒ぎ終わった後のように静かに。 ま、宴会に比べりゃ後片付けは楽かもな。 「よーっと、雨宿りに来てやっ……」 『……あ』 お粗末。 7スレ目 285 ─────────────────────────────────────────────────────────── なんとなしに月を見ながら霊夢と会話 「なー霊夢、霊夢はGWどうするんだ?」 「私?私は基本的に神社からは離れられないわよ」 「それってつまらなくないか?」 「いいのよ、だって○○が居るじゃない ずっと一緒に居てくれるんでしょ?」 「え?あ、ああ///ずっと一緒に居てやるよ」 7スレ目 306 ─────────────────────────────────────────────────────────── うららかな昼下がり。 いつもの里での仕事が終わった俺は、住まいの博麗神社へ。 並み居る敵をちぎっては投げ、ちぎっては投げして手に入れた、 愛する霊夢の元への帰路にあった。 もっとも、敵が全て女性だったことが、幸いしたのかもしれないが。 博麗神社へ帰ると、霊夢は掃除をしていた。 今日はいつもより時間が早いので、 おそらく彼女は、この時間に俺が帰っているとは思いもしまい。 そう考えると、悪戯心がむくむくと湧いてきた。 抜き足、差し足、忍び足。 クマザサの繁みを抜け、ホトトギスは踏まないように、 クマガイソウやウラシマソウの群生を掻き分けて、 ホタルブクロを跨ぎ、霊夢の後ろ側に出る。 ここまで来れば、もう一息。 だったのだが――。 「うっ」 後一歩、のところで、 振り返った霊夢に、おでこをこつん、と、 やられてしまった。 「なんで、わかった?」 「……ばかね。 他の人ならいざ知らず、私があなたの気配を感じ取れないはずがないでしょう?」 霊夢ははにかみながらそう言った。 実は、ちょっと自分の台詞に照れてるのかもしれない。 そして、俺に箒を渡してくる。 「これは?」 「箒よ。見ればわかるでしょう? 2人でやれば、その分2人の時間が持てるもの。 いいじゃない。夏なんだから、落ち葉なんてほとんどないから楽よ」 「わかったわかった」 箒を取ると、霊夢の横で掃除を始める。 すでに、ほとんど霊夢が掃いていたので、ほどなく掃除は終わった。 「お待たせ」 そして、今。 いささか西日が傾いた縁側で、 霊夢と一緒に、2人きりのお茶会。 綺麗になった庭を前に、二人並んで、 霊夢が俺の右に座る。 俺は、その霊夢の腰に手を回し、ゆっくりと引き寄せる。 霊夢は、抵抗せずに引き寄せられると、 そのまま、俺の胸へと頭を預けた。 ……ん? 「なあ、霊夢」 「なに?」 お茶を一口。 最近は暑いから、温めのお湯で入れてくれる。 こんな心遣いが、また、嬉しい。 「シャンプー変えたか?」 「ん、そうね。 立夏も過ぎたし、春の蓬のシャンプーから、ちょっと変えてみようと思って」 「なんのシャンプーなんだ? この、甘い匂いは」 辺りには、霊夢が俺に頭を預ける時に軽く振っただけなのに、 甘い香気が漂っている。 「ふふふ、当ててみて」 「そうだなあ。甘い匂いっていうと、沈丁花?」 「残念。違うわ。 それに沈丁花は春の野草だもの。わざわざ夏には使わないし」 「夏かぁ。朝顔はこんな感じじゃないし、向日葵も違うよなあ……」 「降参?」 「ああ、降参。さっぱり見当がつかない」 霊夢は、唇に手を当てて悪戯っぽく笑うと、 「答えはね、麝香草」 とのことだった。 曰く、香水なんかに使われる、薫り高い草らしい。 そんなことを笑いながらおしゃべりしていると、 また少し、西日がこっちを向いた。 「暑くなったな」 「さっき萃香が来たわ。 西瓜を幽香からたくさんもらったから、おすそ分けだって。 井戸に冷やしてあるから、晩ご飯の後食べましょう?」 「いいな、それ。 それにしても、萃香が西瓜とはこれ如何に」 「はいはい、バカなこと言ってないの」 そして霊夢は、 少し、身を起こして、 上目遣いにこちらを見上げる。 「今日の晩ご飯、何にする?」 「そう言えば昨日のお味噌汁、ちょっと甘かったかな」 「うふふ、愛がいっぱい入ってたから」 「どれくらい?」 「3割増。 なーんてね。本当は咲夜にもらった赤味噌使ってみたんだけど。 そっかぁ。甘かったか――」 ちょっと眉根を顰めた霊夢。 俺は、右手を霊夢の腰から離すと、 そのままその手で、彼女の長い髪を梳く。 「別に、不味かったわけじゃないさ」 「うん。それなら、安心した」 そう言って、再び俺の胸板に寄りかかる霊夢。 俺が髪をさっきから梳いているせいか、 気持ちよさそうに目を瞑っている。 話で喉が渇いた俺は、お茶を一口。 それから、お茶請けの栗まんをぱくつこうとする。 その、瞬間。 「安心したら、お腹が空いてきたわ。 お饅頭、もらうわね?」 霊夢は、不意に目を開けると、 俺の、口に銜えかけの栗まんを半分、奪い去った。 唇同士が触れ合う。 「……霊夢」 「なに?」 「……狙ってただろ」 見事に策が決まってご機嫌の霊夢。 恨みがましい声をかける。 ああ、今日は好物の兎屋の栗まんだったのに。 「だって」 「うん?」 「最近、キスもご無沙汰だったじゃない。 なんとなく、寂しくて」 俺を直視しないように横を向く霊夢。 俺からは表情は見えないが、 そんな霊夢を、ぎゅっ、と抱きしめる。 「言ってくれれば、いくらでもするのに」 「こう言うのは、雰囲気でするものよ。 デリカシーのない人ね」 耳元で囁くと、すぐに答えが返ってきた。 ご機嫌斜め。 でも、振りほどくつもりがない辺り、この体勢は気に入っているようだ。 霊夢を抱きしめたまま、穏やかな時間が流れていく。 気がつくと、すっかり日は落ち、 星々が、紫色の絵の具で空を染めていた。 「もう、晩ご飯の支度しないと」 名残惜しそうに、俺の手を解く霊夢。 そのしなやかな指で、俺の指を一本ずつ、ゆっくりと。 そんな彼女を、凄くいとおしく感じて、 「霊夢」 「なに?」 立ち上がりかけた彼女の唇を引き寄せ、 「ん……」 軽く、奪う。 「晩ご飯、期待してるから」 「ええ、楽しみに待っていて」 霊夢はそう言うと、ちょこっと腕まくりをする仕草をして、 座敷の向こう、台所へと消えていった。 麝香草の甘い残り香が、仄かに漂った。 7スレ目 574 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/pcwars/pages/45.html
無印版 DX版 属性 飛行 種族 人 価格 10000P 移動力 5 射程 1 攻撃力 6 防御力 4 最大SP 60 備考 占領力10 占領力10、妖怪攻+50%、鬼攻+50%弾幕に対する攻防ペナルティなし 生産可能ショーグン:レミリア、パチュリー、咲夜、霊夢、魔理沙、アリス、チルノ、 美鈴、萃香、文、橙、藍、紫、フランドール、香霖 東方projectの主人公。永夜抄では4面ボスも務めた。 移動力5で飛行属性の占領力持ちは内政面で非常に使い勝手がいい。公式説明の言葉を借りるなら「素敵」。 単体で水の向こうの平地に結界が設置できることがどれだけの価値を持つかは元ネタのプレイヤーならよくわかるはずだ。 ただし戦闘能力はかなり低いため、単独で飛び地に結界や魔法陣を張りに行くのは少々厳しい。 ある程度の強さの飛行ユニットを護衛につけるのが理想となるが、そうすると実際の運用ではかなりコストが上がってしまうことに。 効果的に運用するためには収入が十分に確保できた上での中盤以降となるだろう。 DX版では、妖怪退治の第一人者ということもあり特効が付いた。 とはいえ、攻撃力の低さから防御が6以上あるレミリアと紫相手にはショーグンやスペカの恩恵がないと特効が無意味である。 また、フランドール程ではないが弾幕相手への攻撃もそれなりにこなせる。 弾幕弱点もなく額面以上の防御力を発揮するため、中盤以降に霊夢の大量生産から強引に占領活動できる。 なお、毛玉の処理はお手の物で、防御4でほぼノーダメ、攻撃9で瀕死(ショーグン補正+10%ならほぼ一撃粉砕)となる。 キャンペーン25面では中盤の主力としてお世話になるだろう。
https://w.atwiki.jp/touhousszunzun/pages/14.html
主人公組、博麗霊夢のSSを投稿してください
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/473.html
霊夢3 384 「・・・・・・ぅん?」 「おはよう、○○」 「ああ…おはよう、霊夢」 「○○ってホントに朝は弱いのね。正月だからって寝過ぎはよくないわよ」 「いやぁすまん。早起きってのはどうも苦手で…」 「そういえば霖之助さんの所で読んだ本に、朝早起きが出来ない人っていうのは血行が悪い、 って書いてあったわよ」 「へぇ、そーなのか。・・・・・・だからって霊夢…」 「電気アンマはやめてくれよ・・・・・・」 朝の血行(一部)良好 博麗神社の元旦はとても静かだ。普通の神社で見かける人ごみや四方八方から投げられるお賽銭やそれを狙う賽銭泥棒 なんてのは霊夢にしてみたら幻でしかない。もしかしたら霊夢の幻想が現実世界で具現化しているのではないかと思って しまうほどである。そんな中、俺と霊夢は… 「やっぱり正月の朝はお雑煮よねぇ」 「こたつに入りながら喰う雑煮は黄金の組み合わせだよな。これで鶏肉がはいってりゃ文句無しなんだが…」 「文句があるなら食べなくていいのよ(怒」 普通に朝食をとっていた。 「幻想郷で過ごす初めての正月がこんなにもダラけたもんだとはなぁ。(ゲップ)」 「あら、これが普通よ。それとも私と過ごす正月はそんなに退屈?」 「滅相も無い」 俺がこの幻想郷に迷い込んで初めて会ったのがこのぐうたら巫女、霊夢だった。 深い森の中で危うく妖怪の餌になる寸前に助けられたのだ。 その後帰る当ての無い俺に霊夢は人間の里なら自分を保護してくれるだろうと教えてくれたが 助けてくれた恩ぐらいは返したいと言う俺に霊夢は 「じゃあウチの家の手伝いでもしてもらおうかしら」と行った。 そんなんお安い御用だっつ~の、とそのときの俺はやる気マンマン男、略してマン男だった。 が、しかし。 初の宴会手伝い、妖怪だらけの面子に終始ビビリまくる。興味本位で剥かれそうになるので全力で逃亡。 洗濯物を取り込んでいるところをパパラッチ天狗に隠し撮りされ、新聞に『下着ドロ、白昼堂々の犯行!!』と書かれる。 霊夢やその他の幻想郷住民から半殺しに会う。全治一ヶ月 二回目の宴会手伝い、流石に周りの面子にも慣れてきたので親睦を深めようと試みる。ちっこい鬼の女の子に力試しと して腕相撲を申し込まれる。全力を出すも見事に完敗、そして脱臼。全治五日 ここで生き抜くには力が必要だと思い白黒魔砲使い魔理沙から弾幕ごっこを学ぼうとする。勉強するより体で感じた方が 飲み込みも早いだろうと言われ初っ端からまさかの実戦投入。アステロイドベルト(Luna)を時間一杯避け続けろと言われ るが開始十秒で被弾。魔理沙の持っていたポ○の油で事なきを得る。 三回目の宴会手伝い、おもちゃ扱いされることも無くなりほぼ全員と交流をもてるようになる。突然幻想郷のえらい方で ある紫さんにお酒を勧められる。断るわけにはいかないので一杯頂く。しかし、飲んだ酒は『ニコラシカ』だったので 失神しそうになる。なんとか踏ん張ってみたものの健闘虚しく倒れてしまい、しかも運悪く霊夢の上に倒れこんでしま った。その後どうなったか覚えていないが、気づいた時には永遠亭の診療室の中だった。全治三ヶ月 「いやぁ、よく今まで生き延びれたよな、ホントに」 今までの事を振り返ってみたら不意に涙がこぼれた。 「全くだわ。どんだけあたしに迷惑かけてきたと思ってるのよ」 「そう言われてもなぁ…。でも家の事や宴会の手伝いなんかは一生懸命やったつもりだよ」 「それはあるはね。おかげで私の心にも少しはゆとりってものができたもんだわ」 「それ以上ゆとりを持ってどーすんだ…」 霊夢の言葉を聞いてふと考えた。 俺はまだ霊夢に全ての恩を返せてないのかもしれない。と、言うより助けてもらった後の方が迷惑かけた量が半端じゃな いだろう。そう思ったら何かせずにはいられない。 「なぁ、霊夢」 「んっ…何?」 「俺に何かしてもらいたいことって、ないか?」 「…えっ?」 霊夢は少し驚いた顔をした。 「俺は霊夢に助けられてその恩を返すためにここでお世話になってる訳だろ?でも実際は恩返しするどころか迷惑かけてる ことのが多い。だから少しでも多く霊夢のためになることがしたいんだ」 「・・・・・・」 俺が自分の気持ちを伝えると霊夢はうつむいてしまった。 「あれ、霊夢?どうした?」 呼びかけに答えない。 (あっれ~、何かまずいこと言っちまったか?それともまるで役に立たないダメ男、略してマダ男がなにでかい口きいてん だよ!なんて怒ってんのか?やべぇよ新年早々永遠亭でご厄介なんて洒落になんねぇぞオイィィィ…) 頭の中で様々なBADエンディングを思い浮かべていると霊夢が不意に口を開けた。 「・・・・・・何でも・・・・してくれるの?」 いつもの霊夢の口調ではない。 「えっ…?あ ああ、何でもしてやるよ」 心なしか少し顔が紅くなっている。 「えっとね・・・・・実はさっきから・・・・・お願いしたいことが・・・・・あってね・・・」 今の霊夢からは普段では想像できないほどの恥ずかしがってるオーラが出ている。そんな霊夢を目の前にした○○は (ちょっ…なんだこの空気?霊夢もありえないぐらいモジモジしてるし…。も、もしかして霊夢…俺と××したいとか言う じゃ…。いや、××だけでなくもっとディープな△△や目も当てられない様な☆☆なんかも…挙句の果てには二人揃って X・Y・↓・↑なんて決めてみたり!?ウッヒョホーイ!こんな異郷で正月の昼間からハッスルできるなんて!夢なら覚めんといてー!!) 一瞬にして頭の中が春一色になってしまった。妄想が音速の速さでひろがっていく○○に霊夢は言葉を続けた。 「・・・・じゃあ・・・・おねがいしても・・・・いい?」 「お、おおおおオッケイぃい!何でもよござんすよ!」 満面の笑みで霊夢の願いが告げられた。 「境内のお掃除、よろしくね」 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「あ~~~~~、さぶい~~~~~」 霊夢からの死の宣告をしっかりと受け止め、○○は雪の積もった境内を黙々と掃除していた。 「はぁ…期待を大きくしちまった分現実を受け止めるのが重くなっちゃったなぁ。ってか霊夢もなんであんな思わせぶりな 表情するんだよ…」 多少の愚痴を吐きつつも自分で言い出したことなので○○は手を止めるはけにはいかなかった。かじかんだ手さすりながら掃除していると遠くの方から何か飛んできた。 「おぉ~、年明けからしっかりと雑用してるなんて偉いもんだな」 「そりゃどうも。初詣だったらそこの賽銭箱に…」 「私がそんな金持ってる様に見えるか?」 「…見えないな」 今年一番の参拝客(?)、霧雨魔理沙は新年の挨拶に来たのだが、当の霊夢はこたつの中で熟睡していたので 掃除中の俺の話し相手になってくれた。(もちろん掃除は手伝わない) 「それにしても…」 「ん?何だ?」 「良くもまぁこんな家事手伝いを続けてるよなぁ。嫌になったりしないのか?」 魔理沙が呆れ口調で尋ねてきた。 「んな訳ないだろ。俺は好きで今の事を続けてるんだからな」 「なるほどな、真性のマゾヒストってヤツか」 「断じて違う!」 「ジョークだぜ、ジョークw」 こんな会話を続けながら掃除も半分は終わってきた。だいぶ疲れもでてきたので少し休むことにした。その休憩中に ○○は魔理沙にある事を尋ねた。 「なぁ魔理沙、一つ訊いてもいいか?」 「私のプライベートなことについては一つも教えられないぜ」 「そんなこと訊かねえよ…。・・・・霊夢って、俺のことをどう思ってんのかな?」 「ハァ?」 「あ、いや、そーゆう意味じゃなくって…。俺って霊夢の役に立ってるのかなって思って…」 「お~お~、そっちか。・・・・ヌフフ・・・・なるほどねぇ」 「な、なんだよ?なるほどって…」 「いやぁなに、こっちの話だ。まぁ率直に言うとお前が霊夢の役に立ってるかどうかなんて知らんよ」 「…そっか」 魔理沙の口からは気の利いた言葉など微塵も出ず、○○は落ち込むしかなかった。 「オイオイ、何を柄にも無く落ち込んでるんだ?」 「いやぁ、俺だってナイーブな一面もあるんだよ…」 「何言ってんだか。・・・・ん、そーいえば…」 「何だ!?霊夢が何か言ってたのか?」 つい声を荒げてしまい魔理沙も少し驚いてしまった。 「おおぅっと、まぁ落ち着けって。別に何か言っていたわけではないさ。ただ…」 「ただ?」 「少しだけ、変わった気がするな」 変わった?あの霊夢が? 「俺からしてみれば幻想郷の住人はみんな変わってると思うんだが」 「私は普通だぜ、ってそういう意味じゃない。○○が来てから霊夢の性格は変わったと思うんだ」 「へぇ。どんな風に?」 「今まで霊夢は周りの奴に対してもの凄く無関心だったんだ。それが最近じゃお前に対しては何かと口を挟むようになった」 「それは俺がへまなことばっかしてるからだろ」 「単にそれだけじゃない気もするがな」 「どういうことだよ、それ?」 「要するにだな、お前の存在が霊夢にとってマイナスなわけじゃない、ってことだな」 「・・・・・そっか・・・」 どこをどう要したのかわからないが、それを聞いて○○は少し安心した。 「さてと、私はそろそろ帰るぜ」 「ん、霊夢に会わなくていいのか?」 「私が挨拶に来たことを言っといてくれればいいさ」 「おう、わかった。伝えておくよ」 そのまま魔理沙は俺に背を向け、片手をヒラヒラ振って少し日の落ち始めた空を音も無く飛んでいった。 「さてと、残りを片付けっかな」 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 日が全て落ちる前にやっと境内全体の掃除が終わった。 「くっはぁ~、やっと終わったぁ…」 この境内では雪かきから始まり濡れた落ち葉をかき集めるという作業がとても重労働に思えた。 「こんな地味に疲れることを霊夢はずっと続けてきたのか…。ほんと、霊夢には頭が上がんないよなぁ」 あまりにも周りが静かなのでついつい独り言を始めてしまった。 「しかもこの境内をずっと一人でだもんな。こんなのしょっちゅうやってたら発狂するよな、俺だったら」 自分で言ったことに笑っている内に一つだけ気づいたことがあった。 「・・・・・ずっと・・・・・一人で?」 少し前に魔理沙から聞いたことがあった。自分と霊夢は昔からの付き合いではなく知り合ったのもここ何年か前なのだと。 魔理沙に限った話じゃない。今の宴会に集まる人たちだってほとんどがそうだ。 「俺がここに来るずっと前から、霊夢は一人でここで生活してて、妖怪退治にいって、冬になったらこんな風に雪かき して…、何年も続けてきたんだろうな…」 そう考えたら少し胸が苦しくなった。 「・・・・もっと頑張らないとな」 「何を頑張るの?」 「ぬおぁっ!」 ちょっとした決意表明の直後、背後から聞こえた声におもわずみょんな悲鳴を上げてしまった。 「れ、霊夢?いつからそこに?」 「『こんな風に雪かきして…』からだけど」 「そ、そっか…。すぐに声かけてくれればいいのに」 「だって、ブツブツ独り言いってるもんだから、さすがに躊躇しちゃったわよ」 「あぁ、それもそっか…ごめん」 「別に謝らなくても…。まぁいいわ、お掃除お疲れ様。お風呂沸いてるわよ」 「うん、わかった…」 そう返事すると霊夢は「体冷えきっちゃうわよ」と言って家の中に入ろうとした。 「・・・・・なぁ、霊夢」 霊夢は歩みを止め振り返った。 「ん、なあに?」 「今まで俺は霊夢に色々と迷惑かけたり、その度に助けられてきた。たぶん、というか確実にこれからも色々と霊夢の手を 焼かせるようなこともあると思う。…でも」 霊夢は何も言わずに立っている。 「いつか・・・・いつか霊夢を心から支えられる男になりたいって、決めたんだ。 だから・・・・・今年も・・・・・世話になってもいいか?」 自分の今の気持ちを伝い終えた。お世辞にも良い言葉だとは言えないだろうし、他人からしてみればとても安っぽい言葉かも しれない。だけど、これが今の自分の本当の気持ち。 「・・・・・・・霊夢?」 「・・・・・・・・・・・・フフ」 少し間を空けてから不意に霊夢は笑い出した。ギャグを言ったつもりじゃないのだが… 「なっ…何で笑うんだよ!」 あんな事を言った後に笑いが起こると流石に恥ずかしくなってきた。 「あ、ごめんなさいね。新年の挨拶にしては凄く真剣な感じがしたもんだから、ついね」 「…そーですか」 一気に体から力が抜けていくのがわかった。 「あぁ~、ま~そーいうわけだから。んじゃあ俺は風呂に入らせてもらうよ」 そう言って霊夢の横を通り過ぎ母屋に向かおうとした。 「一つだけ・・・・訂正さしてくれない?」 後ろから霊夢の声がした。振り返ってみるとそこにいる霊夢の顔が 今まで見たことの無い、とても優しく、人懐っこい笑顔をしていた。 「『今年も』じゃなくて・・・・・『これからもずっと』よ」 後書き===================================================================================================== ども、328でっす。石は投げないで下さい… 今までは皆さんの勇姿を遠くから見ていただけでした。 しかし!多くのすばらしい作品をみるたびに自分の妄想が膨らんできてしまい、 やっとこさ吐き出す決心がつき、今回は投稿させてもらいました。 初めてSSを書いたもんですからおかしい部分も多々あると思いますが… いやぁ37氏や363氏の様に甘さ全開には書けませんでした! 甘さ控えめな上に微妙なネタを盛り込んでしまい、なんともしょっぱいものになってしまいました。 このSSを見てほくそ笑んでくれたら幸いです… おまけシナリオ============================================================================================= 「う~寒い。早く暖まらんとな」 震える体を抑えて風呂場へと向かう。 「ほら、風邪ひかないうちに早く入っちゃいなさいよ」 「はいはい。…何か霊夢ってお母さんみたいだよな」 そう言うと霊夢の顔が少し紅くなった。 「な、何変なこと言ってんのよ…」 「いやぁさ、子供の頃にも母親から同じようなこと言われた気がするんだよ。 今日みたいに家の周りが雪でいっぱいで、子供にしたら最高に遊べる環境だったんだよ。」 霊夢の表情もすぐに元に戻って、俺の話を静かに聴いてくれている。 「夕方遅くまで友達と遊んで家に帰るとさ、母親が今みたいに風呂沸かしてくれてるんだよ。 そういえば子供の頃は母親と一緒に風呂入ってたな。いや、ホント子供の頃だけだぞ。 で、俺も背中とか流してもらったけど、あれはよかったな。人に背中を流してもらうのってなんかスゴク気持ちもんだと 思うんだよ。霊夢もそう思わないか?」 そう言って振り返ると霊夢はいつもより少し真剣な顔をしていた。 「アレ?…霊夢?」 「・・・・・・・・・・・わかったわ」 一言そう言うと霊夢は家の奥に歩いていった。 「え、何だ?…わかったって…何を?」 カッポ――――ン そんな音が今にも聞こえてきそうだ。○○は湯船に肩まで浸かって考えていた。 「むぅ~~~、霊夢のやつ、何がわかったていうんだよ?いきなり俺が母親の話を始めたから俺をマザコンだと思ったのか? いやいや、そうだとしたらまずいぞ…何がまずいか自分でもわかんねぇけど」 などと自問自答していると戸口の方から声が聞こえた。 「○○ー、湯加減どう?」 「おーう、バッチグ~だぞ」 「そう?それは良かったわ。・・・・・じゃあ、入るわよ」 「どーぞー・・・・・・・ってオイ、入るって…」 と、ツッコミをいれようと戸口の方に顔を向けた。 カララッ 乾いた音と共に戸口が開き、湯煙の向こうに霊夢の姿がぼんやりと見えた。その霊夢の姿は… 「れ、っれれれれっれりえれっれ・・・・れいみゅ?」 「何?どうかした?」 バ ス タ オ ル 一丁! 「ちょっ…おまっ……何してんの!?」 「何って…背中流してあげようと思ったんだけど」 「えっ?・・・・あっ!わかったって、そっち!?いや、でも、あれは、こーゆーいみでいったわけじゃねぇんだげど…」 「何ワケのわかんないこと言ってんのよ?…ほら、はやくしなさいよ」 「え、ちょ、ちょっと待っ…」 今、俺はとんでもない状況に陥っている ある意味生命の危機 しかし 人生で初の女の子との入浴イベント 天国か地獄かを決める唯一の鍵は 俺の理性 「どお?背中痛くない?力強すぎたりしないかな?」 「いえっ丁度いいっす…」 「でもやっぱ男の人の背中って大きいわよね。洗い甲斐があるってもんだわ」 「そ…そうかな?」 頭の中に浮かんでくる卑猥な考えを押さえつけるのに必死で、霊夢の言葉に相槌を打つのはやっとのことだった。 (やばいぞやばいぞやばいぞ…。今まで生きてきてこんなにおいしいイベントは初めてだ…。だがもしここで自分の 欲望にかられたら、それこそ幻想郷住人からは女の敵とみなされLWの雨あられ、死んだところで三途の川はあの 巨乳死神に渡してもらえないだろうし、裁判長にはラストジャッジメントで消し炭に…チクショーこんな所で輪廻 の環からはずれてたまるかっつ~の!でもどうせなら死ぬ前に間近に霊夢のバスタオル姿を脳裏に焼き付けてやろ うじゃないか!いよっしゃ~見るぞ、見てやるぞ!ビビッタリなんかするもんか!) チラッ ←ビビリ 「・・・・・・・・・・」 初めて見る霊夢の素肌は、外で見た雪よりも一層白くて、スラッと伸びる手や足はいつも見せる力強い弾幕ごっこ をやってのけている姿からはとても想像できないほど華奢なものだった。 (そして、このバスタオルの下には、まだ俺の知らないもう一つの幻想郷が…) 「・・・・・・・・あっ!ちょっと○○!」 「えっ?あぁっ!!ごめんなさい!別にそういう意味で言ってみたわけじゃn」 「何ワケわかんないこと言ってるのよ!?それよりも鼻血出てるじゃない!」 「え?あ、ホントだ…」 漫画のキャラかよ…俺… 「一体どうしたのよ!?もしかしてのぼせたんじゃ!?」 (いや、ほとんどアンタの所為だよ…) 「と、とにかく止血しないと…。ティッシュ取って来るわ!」 そういって霊夢は戸口から出ようとした。 「い、いや大丈夫だよ、すぐに止まるから」 「そんな事言ったって…」 俺が呼び止めて霊夢が振り返った瞬間、霊夢の体に巻いてあった一枚に結界が… 「あっ」 「!!!!!!!!!!!(絶句)」 落ちた 「? アレ?」 気づくと霊夢は少し恥ずかしそうな顔をして突っ立っていた。格好はチューブトップに短パンという今までに見たことの 無い服装で。 「何だよ、ちゃんと服着てたんじゃないか。なんでそんな紛らわしいことを…?」 そういうと霊夢は顔を真っ赤にして 「なっ!何でって…! 男の人の前でチューブトップに短パンなんて恥ずかしいでしょ!?」 (そーゆー問題じゃねぇだろ…。やっぱ変わってるわ、この巫女。ってか何であんな服もってるんだよ…) おまけ後書き================================================================================================= 正直に言います。今回はこれが書きたかったんです…本編はコレに繋げるための前フリでした(爆 ちなみに元ネタは某家庭教師マンガからもってきました。 394 「……まあ、なんだ」 某月某日、博麗神社。 「俺が悪かった。だからそんな虚ろ、というかウロな目で俺を見ないでくれ」 久しぶりに呼び出しがかかり外の世界……というか俺の故郷に帰っていたのだが。 帰ってきて出迎えてくれたのはいい感じに出汁が取れそうなくらいに干からびた人間だった。(東方寄集録・紅、もしくは白参照) 場所と服から霊夢だという事は間違いないが…… 「とりあえず飯だな。幸いにも向こうに行ったときに食料はたっぷりと……」 ふと気づく。……先に出汁をとったほうがいいんじゃないか? もとい。先に水につけて戻しておいたほうがいいんじゃないか? * 少女吸水中…… * 「……ぷはあ、生き返ったー」 「そろそろ人間超えてきたんじゃないかお前」 とりあえず風呂桶に霊夢出汁のコンソメスープを作り、そしてそれは彼女自身に吸収されていった。 で、今は外見年齢に相応しい水も滴るいい少女になっていたり。 「とりあえず体拭け体」 「もったいないからイヤ」 もったいないって、それ曲がりなりにも風呂の水だぞ? 「風呂水でも飲めるものなら飲むの。……ちゃんと煮沸消毒はするけど」 自分でも言ったことが少々アレだと気づき、後付でフォローする。 「あー、とりあえず飯食うか。今日は俺が買ってきたから」 まあ、俺も腹は減ってるし。とりあえず体を乾かさないと…… 「霊夢?」 「何よ」 「悪いが、味を見させてくれ。」 レロレロレロレロ ひあーん…… 「……何考えてるのよこの変態は」 「いや、悪かった。いっぺんやってみたくてな」 完全に怒った霊夢と頭にアミュレットだの針だのが刺さっている俺。 ……ちなみに、『人間には害はない』らしい。痛いが。 「にしてもこれおいしいわね。手が汚れるけど」 「ああ。とはいえ食いすぎると胃がもたれるがな」 今俺たちが食っているのは某爺がトレードマークのファーストフード。 あいつが見たら卒倒するかな?こんな光景…… 「かわいそうね、ミスティアも」 「いやそれ言うなって」 なんとなく食えなくなるんだよそう言われると。 「なら私が貰うわね。どうせ久しぶりのごはんなんだし」 とか言って全ての肉をかっぱらわれた。 「……まったく。まあ俺にはこれがあるから」 そう言って取り出すは某チキンカツサンド。これはうまい。 包みを開け、一口。 「ぬふぅ」 なんともまあいやな顔になったろう。それほどにうまいのだ。 「(某ピエロの店)は安さで勝負してるけどやっぱりこれもうまいんだよなぁ」 でも金がないときは(某ピエロの店)に行くが。 「ねえ、(某ピエロの店)って何?」 「外の世界の食堂みたいなもん。地方では(某ッピ)とか(某ピエ)とか略されてるけど」 たしか(某ピエ)が関西だったな。 「じゃあさ、今度外に出たら(某ピエロの店)の物買って来てよ。食べてみたいから」 「ん」 とりあえず次に出るときには乾燥させないようにしよう。そうでなきゃこっちの心臓が持たない。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 469 境内に響く声、思ったより早くばれてしまったようだ。落ち葉を掃いていたが 久々にいい天気で暖かかったので縁側で仰向けに寝転がって日向ぼっこしていた。 声がした方を見やると目の前には盆を持った霊夢が。そして自分の目の前に 盆が置かれる。覗き込むとそこには茶の入って湯気の立っている湯のみが二つ。 「お、サンキュ・・・」 お茶に手を伸ばしたそのとき、微かに視界が薄暗くなると同時に 腹の上に強い衝撃。反射的に息がむせて握った湯飲みから茶がはねる。 目を茶から離すと腹の上に霊夢が腰掛けていた。 「もう、早いところ落ち葉集めてくれないと焼き芋できないじゃないの」 「ぐっ…いまの不意打ちはちょっと効いたぞ」 いくら小柄な女の子とて完全に予想外の不意打ちで無防備だっただけにかなり効いた。 「あんたがサボってるのが悪いのよ」 「やってくれるな、こうなったら…仕返しだっ!」 「ちょ、何するの…キャハハハハやめてくすぐったい!」 仕返しに両手を伸ばして霊夢の腹や腋をくすぐってみる。 霊夢がそんな無防備な巫女服なのがいけないんだ。反応が なかなか面白いのでこちょこちょをエスカレートさせてしまう。 「キャハちょっと、いいかげんにしないと!」 不意に両腕の力が抜ける。だらしなく床に落ちる自分の両腕。 驚いて見ると自分の胸の上に符を貼りつけている霊夢の姿。 「あー、ずるいぞスペルカードとか」 「はぁはぁ…こ、これであんたは動けないわ。お仕置きし放題ね」 もがくにもまるで四肢の運動神経が切り離されたかのように両腕・両脚が 反応してくれない。首から上は動くようだがこれだけではどうしようもない。 「観念しなさい。さぁどうしてあげようかしら」 「・・・やさしくしてね・・・」 「…やっぱやめとくわ。気持ち悪い」 幻想郷にはスペルカードとか弾幕とかあって、さらには体術もそこそこ出来る みたいなので外界由来の自分がまともに勝負できるとしたら話術くらいである。 もっとも、話術も正直互角なのかかなり不安ではあるが。 「そういえばあんたがここに迷い込んできたのもこんな天気のいい日だったわね」 「そうだったか?」 「元の世界にはもう帰らないの?」 「霊夢が俺の上に座ってる限りは帰『れ』ないな」 そう言うと無言で腰をどかす霊夢。 「おっと、そんなに帰って欲しいのかい?」 「だってあんた苦しそうだったし」 「お、俺はこの位平気だぜ」 「ふーん、じゃあ・・・」 霊夢は立ち上がると何を思ったか俺の腹の上を跨ぐように足を置き 「これでも平気かしら?せーの・・・」 「ちょ!待った待ったストップ!尻餅はやめてくれ死んじゃう!」 「平気って言ったのはどこの誰かしら?」 「いや、尻餅はかまわんがせめて最期に中を拝みたいから腹じゃなくて顔の上に」 「むしろその減らず口を封じるために顔の上ね」 霊夢はそう言うと俺の上からどいて縁側の縁に腰掛ける。 「…寝ながらお茶なんて行儀悪いわよ?」 「あぁ、そうだな」 自分も霊夢の言葉を受けて湯のみを取り霊夢の隣に腰掛ける。 気づけば胸の上に置かれていた符は既に時間切れで蒸発していた。 「お前思ったより重かったな」 「失礼ね」 「でも、ちょっと安心したぜ」 「?」 「本当は霊夢なんて幻か何かなんじゃないかとか一時期思ってたんだ」 「なんでよ」 「ほら、霊夢っていつもふよふよ飛んでたりなんか何考えてるかよく分からない時あるし、 でも、霊夢の重みでなんていうか改めて存在感を確認できたような気がするよ」 「またひどい言われようね、私ならほらちゃんとここにいるじゃないの」 「俺が幻に惑わされてるわけでなく、霊夢が確かにこの目の前に居るって判った 今だからこそ言えるけどさ、俺は霊夢が好きだからいつまでもずっとここにいてもいいか?」 「・・・うん、私もちょっと好きかも。最初は魔理沙や紫とかと同じようにしか思ってなかったけど こうやってずっと一緒してるとやっぱどうしても意識するようになっちゃって」 「それはきっと俺と霊夢の間に出会った最初の日から見えない運命の紅い糸で結ばれていたからだよ」 「「・・・・・・」」 「・・・なんてな、ちょっとクサかったか」 「相当クサかったわ」 「お前俺の上座ったとき屁こいたろ」 「その余計な一言が自分の寿命縮めるのよ」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 541 最近○○と一緒にいる時間が少ない気がする。 朝早くから出かけてしまい、昼ご飯のときに一度だけ戻ったら後は夜まで鉄砲玉。 何をしてるのか聞いても「悪い、今急いでるから」とか言って取り合ってくれない。 掃除中の神社の境内が広く感じた 文が、アリスと一緒に人里で買い物をしている○○を見たって言ってた。 気になる。けど聞くのが何か怖い。 とりあえず文を“説得”して、記事にするのはやめさせた。 疑いたくないのに不安が募る。 ○○とけんかした。アリスとのことを問い詰めたから。 ○○は一瞬言葉に詰まった後、ごまかそうとした。 だから怒って追求したら、「言えないものは言えないんだ」って逆に怒られた。 神社の境内がとても広く感じた。 その日の夜、「これやる」といって○○が包みを二つくれた。 中にはそれぞれクッキーと、不恰好なリボンが入っていた。 赤い布地に白いレース、素人丸出しの不揃いっぷりだった。 ○○の指には絆創膏がいっぱい。今まで気付かなかった。 不意にアリスといた理由がわかった。 何か言おうとしたとき、○○が「ごめん」と一言だけ。 なんだか涙が止まらなくて、あわてる○○の顔がおかしくて、 だから涙が止まった後も、ちょっとだけ嘘泣きを続けた。 ○○はその間、私をぎゅっと抱いてくれていた。 「まったく、わざわざ何日も家庭教師をしてあげて、お礼がクッキー一袋? 割に合わないわよ、もう」 そう言いながら、アリスは道具と本を片付ける。表紙には、「レースの編み方入門」とかかれていた。 周りには、アリスが作ったにしてはあまりに不恰好な、レースの飾りが散らばっている。 「デモガンバッテタァヨ? アリス」 「ガンバッテター」 「そりゃあね、でも片付けぐらいちゃんとしていきなさいよ、いくら日付が変わりそうだからって…ねぇ?」 「ソゥダネェ」 「カエルマデガエンソクー」 「遠足とは違うけど…まあそういうことね。全く、生徒が先生に片付けさせるなんて」 そういいつつも、片付け続けるアリスの表情は、あんまり怒っているようには見えない。 「ま、頑張ってたし、このくらいは見逃してやるか、次は無いけど」 「ツギハァナイー」 「ナイー」 楽しげに復唱する人形達の姿にクスリと笑うアリス。 そうして片づけが終わる頃、非常識な来客が現れた。 「ようアリス、邪魔するぜー」 「ァ、マリサダー」 「マリサー」 「邪魔するぜー、じゃない! 藪から棒になによ魔理沙!」 「いや、実験にちょっと失敗してな? ほとぼりが冷めるまでうちに戻れないんだ。つー訳で泊めてくれ」 「と、泊めてくれって、あんたねぇ!」 「マリサ、ォトマリィ?」 「オトマリダネー」 突然の展開に混乱するアリス。だが、その顔こそ赤くなってはいるが、あまり嫌そうでもないように見える。 「お、クッキーか? 丁度小腹がすいてたところだ、どれ一つ」 「あ、こら!」 「ふむ、なかなか。作り方変えたか? 味がちょっと違う気がするが。市販?」 「べ、別にいいでしょそんなこと!」 「そうだな、ま、アリスも一枚食べてみろ、いけるぜ。その間に私が紅茶を入れてきてやろう、今日は特別だぜ?」 「あ、あのね」 「何、気にするな、泊めてもらうんだしこれくらいはするさ」 「勝手に話を進めない! って言うかそれ秘蔵のお茶っ葉! こらー!」 「かたい事言うなって」 「も~~~!」 「「ティーパーティー♪」」 その後、しばし真夜中のお茶会。 その中でアリスは、ブツブツいいながらも……その顔はどこか、楽しそうだった。 次の日、魔理沙が来て、「何だ? そのひしゃげたリボンは」とか言ってきた。 カチンときたのでぶっとばした。 いいのよ、これはこれで。 だって、それでも一生懸命に作ってくれたって事だから。 あとがき―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ホワイトデーネタのつもりでやってみました。 いつものに似た新しいリボンを作ってプレゼント。 ……霊夢のリボンって赤地に白いひらひらの縁取りでよかったですよね?。 ~チラシの裏~ 原稿用紙の書き方を久々にもう一度見返してみて、自分の書き方が大体間違ってなさそうなことに安心したのも束の間、 前回流し読みしたときには気付かなかった項目が一つ。 「…(三点リーダ)」は2個1セットが基本だったとは……。 今までふつーに1個1セットで済ませてました。orz ~ここまで~ それ以前にまず霊夢が霊夢じゃねぇ……orz ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 398 二人きりになったとたんに霊夢にごろごろ甘えられたい。 ごろごろ ごろー 普段のそっけない態度と打って変わって ごろごろ ごろー ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 400 「部屋片付けに来てあげた……わよ」 休息日の昼下がり、呼び鈴が鳴ったので玄関の戸を開けると、霊夢が立っていた。 先日酒の席で「散らかり放題の僕の部屋を片付けてやる」と意気込んでいたが、 本当に来るとは思わなかった。 「はいはいどいてどいて」 突然部屋から引きずり出され、布団と一緒に縁側に放り出された。 ――な、なんか凄いやる気を感じるんだけど。 「とっとと済ませれば後が楽なのよ」 ガンガンとまとめられるゴミ。みるみるうちに部屋が片付いていく。 僕はその間に布団を干し、叩く。 「はい、お終いっ」 振り向くと霊夢は玄関から出て行こうとしていた。 声をかける間もなく霊夢は玄関から出て行った。 ――……………ええ?もう帰んの!? 綺麗になった部屋で寝転び、嵐のように来て嵐のように帰っていった 霊夢の事を考えていると、玄関がガラガラと開いた。 「なぁーにシケた顔してるのよ」 霊夢がいろいろと食材を持って上がってきた。 ――あれ、帰ったんじゃ……? 「夕食くらい面倒みるわよ。不満なら帰るけど」 エプロンを身につけ、台所に向かう霊夢。 文句なんかあるわけがない。 ――僕も手伝うよ! 「楽しみに待ってて、と言いたいところだけど、二人でやれば二倍美味しいものができるかもね」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「霊夢、好きだぞ」 「あぁそう? それはどうも、私もあんたのことは嫌いじゃないわ」 と、真顔で言っても全く照れない霊夢が俺のジャスティス 3スレ目 579 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 841 いかん、霊夢分が不足してきた。 空飛ぶ不思議な巫女 「私ね、空が飛べるの」 「ハァ?」 「信用してないようね。ちょっとやってみるから見てなさい、ほらっ」 宙に浮く霊夢 「…!?@\★◆∀ΖΘνF91」 「あら、驚いて声も出なくなっちゃった?ちなみに素敵なお賽銭箱はそこよ」 「…ぱ、ぱんつはいてない」 「☆◎#※∇∵ÅД%!?」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 51 なぁ霊夢。 「何よ。」 いや、何よて。幾ら傘が一つしか無いからってくっ付きすぎだろ。 「いいじゃない、減るもんでもなし。」 いやほら、俺男だしあまりくっ付かれるとムラッとくるっつーか過ちを犯しちゃいそうになるっつーか…。 「○○になら…」 ん? 「○○になら…その…私は後悔…しな…ぃ…。」 霊夢…、本当に俺なんかでいいのか? 「……。(こくり)」 (省略されました・・初夜を読むにはエイジスプロテクターからデストローイ、デストローイ) ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/th_izime/pages/99.html
ご覧になりたいスレをお選びください。 霊夢受け:1スレ目 霊夢受け:2スレ目 霊夢受け:3スレ目 霊夢受け:4スレ目 霊夢受け:8スレ目 霊夢受け:10スレ目 霊夢受け:15スレ目 霊夢受け:36スレ目
https://w.atwiki.jp/gununu/pages/991.html
ゆっくり霊夢〔ゆっくりれいむ〕 作品名:ゆっくりしていってね! 作者名:二代目まとめあき 投稿日:2008年3月22日 画像情報:640×480px サイズ:100,994 byte ジャンル:人外,ぐぬぬじゃねえ キャラ情報 このぐぬコラについて コメント 名前 コメント 登録タグ 2008年3月22日 ぐぬぬじゃねえ ゆっくりしていってね! 二代目まとめあき 人外 個別ゆ
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/471.html
霊夢1 1スレ目 7 霊夢へ 「博麗流陰陽術を、俺に継がせてくれ!!」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 76 そうだ霊夢。 僕の体は完璧だけど一つだけ出来過ぎている部分がある。 それを君の足りない部分に合わせようじゃないか。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 107-110 セミの声がだいぶ少なくなった夏の終わり。 僕は博麗神社の境内に足を運んでいた。 今年の夏は本当に忙しかった。 紅魔館経営の海の家でチャーハンや焼きそばを美鈴さんと作るかたわらで、海水浴の監視員も兼業していた。 体が二つあっても足りないくらいのてんやわんや。 となりの角の生えた女の子は酒ばっかり飲んでいてちっとも仕事をしない視姦員と化していて、おぼれたり流されたりした人を助けるのは全部僕の役目だった。 夜雀の子を助けたこともあったし、迷子の式の主を一緒に探してあげたこともあった。 本当に忙しかった。でも、ばっちり働いたかいはあった。 ポケットをなでると、ぎっしりと詰まった財布の感触。 レミリアお嬢様の機嫌もよくて、咲夜さんからボーナスまでもらったからだ。予想以上の報酬に心なしか足取りも軽くなる。 風鈴の鳴る鳥居をくぐると、懐かしい紅白が目に飛び込んできた。 「あら、帰ってきてたの」 竹箒片手に出迎えてくれたのは、この神社の巫女、博麗霊夢だった。 「ついさっきね。霊夢は? この夏はどうしてた?」 「私はずっとここにいたわ。巫女が神社を留守にしていられないもの。よほどの異変がない限りはね」 「そうなんだ。海はきれいだったよ。人もすごく多かったし」 「そうかもね。あなた、日に焼けて真っ黒よ。見違えるくらい」 何がおかしいのか、霊夢はくすくす笑いながら竹箒を使って境内を掃いていく。ゆっくりゆっくり、丁寧に丁寧に。 僕の前を通って、神社の向こうへと歩きながら掃いていく。 夏の終わりという季節がそうさせたのか、そんな彼女を見て一抹の寂しさを感じた。 「つまらなくない? ずっと神社にいて」 春夏秋冬変わらずにずっと博麗の巫女であり続ける霊夢。何をするわけでもなく、ただ変わらずにそこにあり続ける少女。僕のように幻想郷の外から来た人間からすれば、気の遠くなりそうな生き方だ。 「別に。そういうこと、あまり考えたこともないし」 霊夢は竹箒を動かす手を休めることなく、そう答える。声からは、霊夢が何を考えているのか分からない。達観しているのか、どうでもいいのか。 「夏だけでも休みを取ったら。魔理沙やアリスと一緒にどこかに出かけてもいいのに」 「魔理沙は魔法の研究。アリスは人形作り。二人ともやることがいっぱいよ。そういうの、あまり誘うものじゃないわ」 そんなものだろうか。 ふと、霊夢がこちらを見た。 「それにね。秋になればお月見よ。また宴会で忙しくなるわ。主に片付けでね」 ああ、そうだ。この神社ほど、月が綺麗に見える場所はないものだ。 「そのときはまた手伝うよ。洗い物なら、実家が食堂だったから慣れてるし」 「はぁ、ほんと、あなたみたいな心がけの人が少しくらい妖怪の中にもいればいいのに。みんな騒いだら騒ぎっぱなし。散らかしたら散らかしっぱなしだもの」 「仕方ないさ。妖怪ってのは戯れるものだからね」 「ええ、だから私たち人間が苦労するのよ」 「まったくだね」 そんな他愛もない会話に興じているうちに、やがてミンミンゼミは鳴くのをやめ、ひぐらしのなく頃になっていた。 「それで、今日はどういう用事だったの?」 竹箒を片付け、神社の脇にある手水鉢で手を洗いながら霊夢が尋ねる。 「ん~? 参拝、かな」 わざと、気のない返事をしてみせる。案の定、 「そう、なら、素敵な――――」 「お賽銭箱はここよってことだろ。分かってるって」 僕は余裕たっぷりにポケットから財布を取り出し左右に振ってみせる。 心地よい重みが手に伝わってくる。 「今年はがんばって働いたかいがあってね。かなり懐が潤っているんだ」 財布のお札を入れるとこに手を入れると、霊夢がぐぐっと身を乗り出してきた。 なんだ、まさかそんなに困窮していたのかな? 「だからね、今回は大盤振る舞いってやつさ。ほら」 中から取り出したのは一万円札。これを賽銭箱に入れるような奇特な人はめったにおるまい。 驚け巫女よ! 僕の信心に驚くのだ。 「えっ…………!」 とたん、霊夢の顔色が変わった。あれ、思っていたのと違う驚き方だ。 「そ、そんなにたくさん…………なの?」 「そうだけど。あっ、賽銭の上限って決まっていたっけ?」 「そんなことないけど……」 おかしいな。当初の予定だと、それだけあれば一ヶ月は食べていけるわよ、という喜びで満ちた驚きで迎えられるはずだった。 でも、目の前の霊夢の反応は違う。 なんだろう。困っているような、どぎまぎしているような、よく分からない。 「とにかく。はい、奉納」 「あっ…………」 僕が指を離すと、一万円札はひらひらと賽銭箱の隙間に吸い込まれていった。 一部始終を食い入るように見つめている霊夢。 顔はなぜか、お酒を飲んだときのように赤くなっていた。 それなぜなのか、今の僕には分からなかった。 「おーい霊夢。スイカが手に入ったからおすそわけー」 次の日の夜。僕はもう一度博麗神社を訪れていた。 今回は参拝じゃなくておすそわけだ。神社の裏手に回って玄関で霊夢を呼ぶ。 「こんばんはー。おすそわけだぞー」 返事はない。出かけてしまったんだろうか。 「おーい。いるかー」 「…………いるわよ」 何回目かでようやく返事があった。消え入るように小さな声でかすかに。 「スイカだよスイカ。妖夢がくれたんだ~」 「……あがって…………」 また、かすかに聞こえる霊夢の声。どうしたんだろう。出てこられないのかな。 風邪を引いたとか。 「じゃ、失礼して」 言われたとおりに靴を脱いで家の中へ。台所とかをのぞいたけれども、霊夢の姿はない。 「霊夢―、どこにいるんだよー」 「…………こっち」 声のするほうにとりあえず進んでみる。縁側を通って和室の前で足を止めた。 どうやら、ここにいるらしい。ああ、こりゃ本当に風邪を引いたんだな。 大丈夫だろうか。 「ほら霊夢、夏の終わりでもまだスイカが…………」 何気なくあけたふすまの先に見えた光景。 その意外さに、一瞬僕の体は凍った。持っていたスイカを床に落としそうになる。 和室の中央に敷かれたのは、誰も横になっていない布団。 なぜに、枕が二つ並んでいるんでしょうね? そして、なぜに枕元にティッシュの箱があるんでしょうね? 掛け軸に書かれた「御無体」って何? そして何よりも………… 「遅かったじゃ……ないのよ」 布団のすぐ横に、寝巻き姿で正座しているのは、 「霊夢……これは、いったい何事…………?」 どこから見ても、正真正銘博麗の巫女である博麗霊夢だった。 なぜ? どうして? そんな疑問が、顔を真っ赤にしてもじもじしている霊夢を前にして浮かんでは消えていく。 「おさいせん…………」 「は?」 「だから、あなたが納めたお賽銭…………」 「ああ、一万円。それが何?」 「だから、神社の変な決まりなの。その……一万円だと…………これ」 もじもじしたまま、視線だけを横に向ける霊夢。 そこにあるのは、紛れもない二人用に敷かれた布団。 これ……といわれても思いつくのは一つしかないけれど、まさか添い寝ってことじゃなくてこれはそのまさかで………… 「ええと…………ふ、ふつつかだけれども、よ、よろしく…………お願い」 その、恥ずかしげに発せられた言葉。 普段一度も見たこととのない霊夢の照れた寝巻き姿。 吸い寄せられるようにして、僕は部屋の中へと一歩を踏み出していた。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 387 ある日の晩、○○は神社の縁側に腰掛け、星を見上げては呆けていた。 霊夢は入浴中、彼女の長風呂は幻想郷でも有名なほどの長さだ。入浴待ちってのもあるが、 この退屈な時間を活用してそろそろやっておかなければならないことがある。 そして子の刻になる頃、西から東からアリス、魔理沙、パチュリーの3人がやって来た。 ○「やあ、本当に時間通りに来てくれたね」 ア「何?今日はあなたが宴会の幹事になるのかしら?」 パ「そういえば霊夢は?」 ○「霊夢は入浴中。宴会も悪くないが今日はもっと大事な用件だからパスだ。 実は…その、これから付き合いたい人を決めようと思ってね」 それを聞き3人の目の色が変わる。 ○「たった今から椅子取りゲームの要領で僕の膝の上を占領できた子と付き合おうと思う」 パ「思ったより簡単なのね」 ○「あぁ手っ取り早くて分かりやすいだろ。さぁもう勝負は始まってる、かかってこい」 ○○がひときわ強く声を上げると合図されたかのように彼の元に突っ込んでいく3人。 ○「おー、こりゃ魔理沙が一番早いか…っておい待てちょっとそれ軌道がおかしくnプギャ!」 魔「…あのなぁ、なんだよこの決め方。私は何となくむかついたぜ」 ○「ムギュ・・・」 魔理沙のヒップアタックをもろに受け仰向けに倒れた○○の顔の上を一人占領し毒づく魔理沙。 魔「…あとお前らももうちょっと怒れよこいつに」 顔を上げると膝の上でおしくらまんじゅうしてるアリパチェ。 霊「あー、襖壊したわね!○○さん後で体で弁償ね」 ○「ムグ…モゴコラどけ魔理沙…あぁ霊夢、実はお前が好きだ付き合ってくれないk」 魔「但し魔砲は尻から出るスパーク!!!」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 527-529 527 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/10/12(水) 17 40 29 [ ulkobMvM ] 霊夢に殴られたい 528 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/10/12(水) 18 27 59 [ Njbym132 ] /\/ i 「` ´ ヽ i ノ_,ル,_ 〉 ! l !‘д‘ノリ パーン ⊂彡☆))Д´)← 527 529 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/10/13(木) 01 46 51 [ 4avbXSBY ] 527 いいなぁ… ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 640 目を覚ますと、倉庫のような場所に居た。 古びれた旧時代の倉庫のようだ。そこは薄暗く、辺りには この倉庫の持ち主の、私物らしきものが置かれている。 風鈴や、団扇、過ぎし夏を思い出させるものばかりだ。 「…ここ、何処だ?」 まず最初に思った事はそれだった。 別に、この倉庫は俺が知っている場所のはずはない。 あの場所から俺は逃げていた。 逃げて逃げ続けて、どこかを通った覚えがある。 まぁ、そんな瑣末な事はどうでもいいだろう…。 とにかく、俺は逃げたのだ。 「出るか…」 いつまでもこんな倉庫に居てもしょうがない。 閉めきった倉庫は埃だらけで、息をするのも億劫だった。 「…っ」 思い切って戸を開けた。 開けた途端、さんさんと出ている日光を身体に浴びる。 天気は晴れ、山や森、川が見える。 「さて、どう言う事なんだろうな」 今あることは疑問しかないが、何となく、すぐに解決できるような予感がした。 周囲を見渡しても、何かあるわけではない。 いや…何も無いからこそ、おかしかった。 俺が今まで居た場所はビルがあり、車があり、無意味に多い人々が辺りを歩き回っている。 そんな場所だったはずだ。 ところが、ここはどうだろう? まるでどこかの片田舎のように、山に囲まれて、川があり、見たことのない自然が 繁栄している。 「…何だ、あれは?」 もう、驚きたくもなかった。 遠くを、見たことのない生物が飛んでいた。 生物というよりは、妖怪といった感じだが。 再び周囲を見回してみると、赤い鳥居に目が行った。 …どうやらここは、一応神社らしい。 「はぁ…」 神社の境内に回ってみると、縁側でお茶を飲む巫女が居た。 その巫女装束は、普通の神社とはまた違うものだった。 「すいません」 「はい?」 思い切って訪ねることにした。 ここが何処なのか、何故俺はここに居るのか。 他にも色々。 まぁ一人の巫女にわかるようなら苦労はないんだけど…。 「ここは、どこですか?」 「あぁ、あなた迷い人ね? ここは幻想郷の博麗神社」 いきなり訳の分からない単語を言われた。幻想郷?博麗神社? 「あんたは…?」 「私は博麗神社の巫女、博麗霊夢」 霊夢、その言葉に奇妙な感じを覚える。 「まぁ、迷い人なら、ここから外に出せばいいのよね。結界の修復は面倒だけど 仕方ないか」 呆れ気味に言う巫女――霊夢は俺の手を取ろうとしたが、俺は無意識の内に 手を引っ込めていた。 「…どうしたの?」 「あ、いや…」 そうだ。 俺は逃げていたんだ。 だから、誰の目の当たらなそうな場所に居るしかない。 ここは、そういう意味でも絶好の逃げ場所だろう。 「…とまぁ、そういう訳なんだけど、分かった?」 俺は一通りこの幻想郷についての説明を受けていた。 ここは隔離した世界とでも言うらしい。 妖怪が居る世界という説明で何となく納得できた。 「一つ質問があるんだけど」 「なに?」 「俺がここから出て行ったら、もうここには来れないのか?」 「結界の修復をするしねぇ、無理とは言わないけど、難しくなると思うわ」 …嫌だな。 せっかく、見つけたんだ。あんな世界には戻りたくない。 虚構に彩られた世界。 何が正しくて、何が正しくないのか、そんな曖昧な世界には…戻りたくない。 それに…彼女――霊夢の事も妙に気になっていた。 何故気になるのかも分からない。しかし、気になるのだ。 「あー、倉庫でよければ貸すけど?」 「あぁ、借りるよ」 ここに知り合いなんて居るはずもない。 塒があるだけでもありがたい。 今の俺には、ここを調べるという事だけが、一番重要なことだった。 人間の手が入っていない、素晴らしくも物足りない世界。 方向感覚にだけは自信があるので、夜まで俺は歩き続ける事にした。 霊夢は変な奴だ。 …変な奴とまで言うと語弊があるが、ともかく俺のであった人間の中では 比較的変わった奴の部類に入る。 だが、どことなく懐かしい気がするのも事実だ。 もしかしたら、何処かで会ったのかもしれない。 「それはないな…」 霊夢はこの幻想郷に居るのだ。 彼女が向こうに行ったなんてことはありえない。 「あら、それはどうかしら?」 夕闇に染まり始めた時、その声は響いた。 目の前に現れたのは、一人の女性。 傘を手に持つ姿は、一見して見惚れるくらい美しかった。 だがその女性が放っている奇妙な空気、とでも呼ぶべきか それだけは人間にあるまじき気配だった。 「もしかしたら会った事があるのかもしれないし、ないのかもしれない」 「いつの間に…それよりも…どういうことだ!?」 「まぁそんな事はどうでもいいわ。あなたは気付いていない」 俺が…一体何に気付いていないと言うんだ? 女性は軽く頭を振ると、俺に向かって微笑する。 「輪廻する想いは別れ、巡り、そして再び出会うの…霊夢とあなたもそんな 切れることのない縁で結ばれている」 「あんたは…一体何なんだ?」 問いに対して、女性は何も答えない。 漆黒に彩られた夜が降りて、森に住まう妖怪達がざわめき立つ。 「…いない?」 ほんの少し目を逸らした隙に、女性は居なくなっていた。 彼女は…一体何者なんだろう? 「あぁ、それ紫よ」 「…紫?」 霊夢の話によると、強力な妖怪らしい。 普段からあんな風に掴み所がなく、言う事が大体、胡散臭いらしい。 「真に受けちゃダメよ」 「…あぁ」 もっとも、あまり意味が分からなかったけど… その日、倉庫で見た夢は暗い夢だった。 一人の男が居る、女性が居る。 感覚的に何故かはっきりと分かる。 あの男は…恐らく『俺』で女性の方はきっと『霊夢』なんだと。 『もうすぐ、お別れね』 『そうなるな。…お前は一緒に来ないのか?』 『私には…幻想郷に居るっていう義務があるから』 そんな義務…捨ててしまえ。 男は人間の住まう世界に帰らなければならなかった。 最愛の博麗の巫女を置いて。 『だが、再び会える日がくる』 『それは何時かしらね?』 『例え、俺が死んだとしても、お前とは…必ず会える…再び…会える事を ――俺は願う』 ブツン まるで、出来の悪い映像が切れたような音が鳴った。 起きてみると、寝汗しかかいていない。 今のは、きっと前世の記憶とかいう感じの夢だろう。 まだ日も出ているわけではない。 頭が痛い。 魂から沸き起こるような奇妙な想い。 前世の俺が叶えることができなかった博麗の巫女への想い。 「…しょうがないな。伝えてやるよ」 まだ寝かけている頭を無理に覚醒させながら、俺は起き上がり 現在の博麗の巫女の元へ向かった。 「…起きているか?博麗の巫女」 境内の方にに向かってみると月下に佇む一人の巫女が居た。 その雰囲気は日の出ていた時の霊夢とは、また違った雰囲気をもっていた。 『待っていたわ』 はっきりと夜に響く声で彼女は言った。 「…伝えなければならないことがある」 俺の言葉じゃない。 『あの男』の言葉だ。何が起きても、もう不思議とは思えない。 今はただ、『この男』に『俺』という器を貸してやるということだけだ。 『私も伝えなければならないことがある』 「それは互いに奇遇だな」 本当はわかっているのだろう。 不敵な笑みが自然とこぼれる。 『会って言わなければならなかった』 「…俺もだ。だが、生きて会うことは出来なかった」 だから、輪廻なんていうものに頼ってしまった。 会える保障なんてないはずなのに、それに頼る。 それだけの想いが…あったのだろう。 博麗の巫女はくすくすと笑いながら、呟く。 『会えて、良かった』 「また…共に――」 自然と抱き合うような形になっていた。 彼女の想いと、温もりが俺の方にも感覚的に伝わってくる。 すぅっ、と体が一瞬だけ、軽くなった。 「…で、離れないの?」 「気付いてたなら、言えば良いだろ」 『男』と『博麗の巫女』の想いが離れて行っても、俺達は 抱き合ったままだった。 もしかしたら、こういうのが自然だったのかもしれない。 「…薄々とは気付いてたの。色々とね」 「俺は、夢に見て気付いた」 「輪廻してからの、この想いも…未だあなたに向けられているのね」 「それは、俺が想われているって事か?」 霊夢は顔を赤くしながら、黙ってそっぽを向く。 月光に照らされた顔は、夢に見たものとも、先ほどの彼女の顔とも 違っていた。 「…仲良いじゃない」 「「うわっ!?」」 急にかけられた声に俺達は一瞬で離れた。 妖怪さん――八雲紫が何処からともなく現れたのだ。 「あんた、一体どこから来るのよ!」 「そこの異次元から」 霊夢の言葉にあっけらかんと答える紫さん。 「まぁ、一部始終は見させてもらったわ」 「…紫、もしかしてあんた知ってたの?」 「知らなかったら、そこの子に教えないわよ」 そう言って俺を指差す。 どうやら、最初からお見通しだったというわけらしい。 俺が輪廻した者だという事。博麗の巫女の想いを受け取るべき 存在を、身に宿す者という事を。 「ま、とりあえず、一件落着でしょう。貴方達、この際だから許嫁にでもなったら?」 「許嫁!?」 「って、何でそこまで話が飛躍するの!?」 「言ったでしょう。想いは別れ、巡り…そして再び出会う。 別れる事となって後悔したくないなら、早い内にくっついた方がいいのよ」 確かに正論ではある。 だが、それはお互い想い合っていればの話だ。 今日出会ったばかりの俺と霊夢に言うのは無理がある。 「…別に、いいんだけど」 「は?」 俺は耳を疑った。霊夢がそんなことを? 「博麗の巫女の想いは…未だ残っているの。あなたを想う気持ちが…」 それはつまり… 「あら、貴方は感じないのかしら?あの男が残した『想い』を」 …目を閉じると、暗闇の向こうに、一人の少女が立っていた。 俺は、彼女――霊夢が愛しいと想う。 出会った時や時間なんて関係ないものだ。 前世の『俺』が言う。 「あぁ…俺って、霊夢が好きなのか」 過去の二人が巡った時間、それを俺達は引き継いだ。 互いをこんなにも想っている。 「…一応、前世の想いなんてのがあるけどさ… 俺はお前が好きだ」 月光に照らされる少女の髪が、ふわりと揺れた。 後書きという遺書。 訳ワカメでした。 ノリに任せて書いていたら、いつの間にか妖精さんが書いてくれました。 冗談ですが。 えっと、前世ネタなんで、感覚で愛を感じろ…でしょうか? ギャグは一切無しで頑張ったんですけどね… とりあえず、リクエストしてくれた方には本気で申し訳ないくらいです。 この場で、588の方に全力で謝罪しておきます。 ごめんなさい。俺はあんたの期待を裏切った。 …いや、期待されていないかもしれませんが。 ひとまず、期待してくれた方には感謝を、そして俺は地獄行く。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 856 降り始めた雪は、朝になる頃には一面の雪景色を予感させた 「ご馳走様。…随分暖かくなった」 「こういう日はこれが一番よ」 霊夢が作ってくれた夕食は、野菜を煮た汁に酒粕を溶いたものだった 「ふー。腹一杯だ…」 「寒いからって食べ過ぎじゃないの」 「腹ごなしでもすっか。外行こうぜ」 「…はぁ?」 雪で白みつつある神社の階段を静かに降りる 身を切るような寒さだが、冬の冷たい空気は何とも心地よい 「なぁ霊夢、冬の夜って特別な気がしないか?」 「寒いから嫌よ」 . . .... .. Λ_Λ . . . . / 彡ミ゛ヽ;)ー、 . . . / / ヽ、ヽ、 i . . . . / /;; 弾 ヽ ヽ l . . . .  ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ 終わっちゃうだろそれじゃ… き、気を取り直して続きだ 冬の夜が好きだと、霊夢に話してみるが上手く表現出来ないものだ 霊夢はマフラーで口を覆い、更に両手で抑える 俺との身長差から、上目遣いになる。なんとも言えず可愛い 「あなた、私には見えない何かが見えてるのかしら」 「そうか?」 「でもわかるわ。特別に感じる季節があるのは自然の事よね」 少しの間、沈黙が続く 「実は、この散歩は口実に過ぎなかったんだ」 「え…?」霊夢は訝しげにこちらを見る 今日という日を選んだのも、冬が特別なものなのだから 霊夢の肩を引き寄せ、背中に腕を回し、その小さな身体を抱いた 「あ……」驚いたようだが、抵抗は無い 「好きだよ、霊夢…」 返答は無かったが、霊夢も腕を背中に回してくる。 それだけで十分すぎる返事だ 例え言葉が無くても、受け入れられたという満足感で旨が一杯になる 寒さで乾いた唇を湿らせ、優しくゆっくりと唇を重ねる 彼女の小さな唇も乾いてはいなかった びょう、と風が吹くと互いを抱く力は強くなった。寒いはずなのにかえって暖かい 冷たい空気も、降りしきる雪も、今では心地よい祝福の言葉 備考:絵板2342の霊夢かわいいよ! ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 896 「お待たせ。もう準備は済んだのかしら?」 ぽっかりと空間に穴が空き、スキマ妖怪こと─八雲紫がにゅっと顔を出す。全く心臓に悪いものだ 俺が幻想郷を去るにあたり、外界との境を隔てている結界の破壊や修復が可能な彼女の力は必要不可欠だ 「ああ、全部済んでいる」 「最後にもう一度だけ…後悔しないわね?」紫はじっと俺の方を見る 「ああ」一瞬だけ、俺の心に何かが引っかかるような感じがした 「…そう。わかったわ」 最後の決断。もう後戻りはできない その時、霊夢が何かを抱えながら廊下を歩いてきた 「…これ、後で食べて」 霊夢が差し出したのはどう見ても弁当らしき代物。 「…人里までどれぐらいあるのかわからないし、途中で疲れても知らないわよ」 「霊夢…」霊夢の心づかいに、ドキっと心臓が鳴る ──この世界に流れ着き、いきなり妖怪に襲撃を受けた時も ──大怪我をした俺に、神社の部屋を貸してくれたのも ──怪我が治るまで何もすることが出来ない俺の面倒を見てくれたのも 楽園の素敵な巫女こと博麗霊夢。彼女はいつだって、俺のそばにいた… そして俺は、何一つ報いることが出来無かった 「本当に俺…何て言ったらいいか」 「…何回言わせるのかしら。私のことなんて気にしなくていいの」少々素っ気無い返事 「本当に…ありがとう。霊夢」霊夢に向かって深く頭を下げる。この程度の礼もできないようでは恥としかいいようがない 「…ううん、どういたしまして」霊夢は小さく頷いた 「元気でね」 「君こそ」 別れの挨拶としては、余りにも簡単なものだった (…霊夢) (何よ) (いつものあなたはどこに行っちゃったのかしら?) (…) (あなたはいつだって、思い立てばすぐに行動してたのに) (…これは私の都合だけじゃないでしょ) (夢と伝統を保守する巫女。あなたはいつだって正しいのだから) (…) (…ありがと、紫) 神社の鳥居をくぐると、奇妙な感覚が俺を包んだ。これが結界を抜けるといことなのだろうか 後は振り返らずに、俺はどんどん歩みを進める。 辺鄙な山奥とはいえ、ここは元の世界なのだ。もう振り向いたって仕方が無い 「…待って」少しだけ聞こえた、聞こえるはずの無い声 俺は驚き、思わず後ろを振り返る 「…霊夢! どうして」 霊夢は何も言わずに、俺に抱きついてくる 突然のことで思わずもんどりうって盛大に尻餅をつく 霊夢は俺に覆い被さるようにしたまま、顔を近づけると唇を重ねてきた その時見てしまった。霊夢の頬が涙で濡れているのを─ 「私…あなたと一緒に…いたい…」泣き声になりながらも、はっきりと告げてくる 「引き止めちゃ…いけないのに…でも…好きなの…離れたく…ないの」 俺は立ち上がると、霊夢の細い身体をしっかりと抱く。今度は俺から優しくキスをする 「戻ろうか」 霊夢はこくりと頷いた 夢と伝統を保守する巫女は、伝統を捨てて夢を追った 夢を捨てかけた俺は、現実を捨てて夢を取り戻した これからは、どんな夢が待っているのだろうか 人は、夢を見ることができる。夢を手に入れることもできる 最早恋と言う夢では無く、愛という現実のものなのだ ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 8 「霊夢、君の心を俺という金で売ってくれないか?」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 17 俺「あー……熱いお茶がしみるなあ」 霊「んー……熱いお茶がしみるわね」 ずず……。 俺「なあ」 霊「なに」 ずずず。 俺「結婚してくれ」 霊「ああいいわよ」 ずずずず……。 俺「そっか。んじゃそういうことで」 霊「ん。 ……お煎餅、食べる?」 俺「貰う」 霊「ほら。口開けなさい」 俺「あーん?」 ぱりっ。 霊「湿気てない?」 俺「お前のお肌くらいには張りがあるよ」 霊「そ。私も食べよ」 俺「食え食え」 ぱりぱり。 霊「……んー。これからもよろしくね」 俺「……んー? ああ。よろしくな」 霊夢はこれくらいまったりと適当にするのが似合うと思った、晩秋の日。 あ、石投げないで! ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 65 珍しく紫さんが神社に遊びにきた。 紫さんはおそらく幻想郷一なんじゃないかと思うほど美しい。 その美しさについ見とれてしまう。ドカッ そのたびに霊夢にぶん殴られるが、それでも(ドスッ 結局その日は10回くらい殴られてしまった。 …全く、橙と遊んでやってるときも殴ってくるから教育に悪いんじゃないかと思ってしまうが。 (「おねぇちゃん、○○痛そうだよ?」「橙、気にしなくてもいいのようふふ」「ヒィィ」) 紫さんが帰った後、二人で石段に腰掛ける。これもいつものことだ。 「ねぇ」 「ん?」 「私のこと、本当に好きなの?」 「ああ」 「貴方の紫に対する視線からすると、どうもそのようには見えないけど」 「いや、あれは違うんだ・・・。美しいものにはつい目が逝ってしまうんだ。だから、sの、あれd 「結局、紫の方がいいんでしょ?」 「いや、俺は霊夢、お前が好きだぜ」 「信用しにくいんだけど」 「いいか、紫さんなんてな、ただ美人なだけなんだ。 内面は腹黒いし、式をこき使う冷酷な奴だし、 年増だし、無駄に睡眠取ってるし、足は臭いし・・・(やべ言い過ぎt(ry 「そうなの?」 「そうさ。お前の方が良いに決まってる」 「本当に本当なの?」 「ああ」 「良かった~。」 そういうと霊夢は俺に抱きついてきた。 よし、今だ、この際にキスを・・・。 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・ |┃三 , -.―――--.、 |┃三 ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ |┃ .i;}' "ミ;;;; } |┃ |} ,,..、_、 , _,,,..|;;; | |┃ ≡ |} ,_tュ,〈 ヒ''tュ_ i;;;;| |┃ | ー' | ` - ト'{ |┃ .「| イ_i _ 、 }〉} _________ |┃三 `{| _;;iill|||;|||llii;;, 、 .!-' /話は聞かせてもらったぞ! |┃ | ='" | <貴様ら二人ともスキマ送りだ! |┃ i゙ 、_ ゙,,, ,, ' { \ |┃ 丿\  ̄ ̄ _,,-"ヽ \ |┃ ≡'" ̄ヽ \、_;;,..-" _ ,i`ー-  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |┃ ヽ、oヽ/ \ /o/ | ちょちょちょ、ま、待て、やめ、助けt、うぎゃぁぁぁぁぁぁっぁ --- 博麗霊夢と○○、八雲紫に宣戦布告 ――スキマ妖怪、二人に過酷な報復措置―― (3面に関連記事) ○日、博麗霊夢と○○はスキマ妖怪の八雲紫に対し、宣戦布告を行った。 八雲紫は式を伴って博麗神社を訪れ、博麗霊夢、○○と遊んでいたが、 夕方、帰った後に事件は発生した模様。 八雲紫は変える振りをして二人の様子を探っていたが、 ○○と巫女はそれに気づかず雑談を始め、 逆鱗に触れるようなことを逝ってしまったらしい。 その内容は具体的には「足が臭い」とか「足が臭い」とか「足が臭い」といった 八雲紫に対する悪口が主である。 このスキマ妖怪の足が臭いのは周知の事実であるが、 事実であるがゆえに逆鱗に触れた模様だ。 マヨヒガ在住のRさんは「足が臭くて臭くて・・・。とても寝れたもんではない。 私だけなら我慢するが、橙の教育に悪いのではないかと思っている」と語る。 重ねて言うが、このスキマ妖怪の足が臭いのは周知の事実である。 が、タブーであるようだ。 実際のところ、これを書いている筆者の背後にも殺意が感じらr・・・ 「文。」ビクッ 「あなたもスキマ送りにした方がよさそうね。事実なら書いてもいいって訳ではないのよ」 ひぇぇぇぇぇ --- ゆかりん☆しんぶん 危険分子を派手に始末 ――ゆかりん、スキマ送りの刑で秩序の回復を検討―― 次の日、配られたのはそんな見出しの新聞だった。 ----------------------------------- あとがき ----------------------------------- いつもはプロポスレを読むだけで楽しんでいたのですが、 妄想は止められず、今回初めてSSを書いてみました。 始めは、 霊夢との愛を確認→その際に紫を悪く言ってしまい、スキマ送り という感じで書くつもりでいたのですが、 次第に尾ひれがつき、結局訳の分からん話になってしまいました。 書きたいものを書きたいように書くというのは難しいと改めて実感。 人に見せられるレベルのSSを書けるようになるまでは精進あるのみですね。 つまらない物でしたが、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 502 霊夢の上手な口説き方 まず、札束を二組用意する。 金額は多いほど、成功率が高いぞ。 次に、いつものように掃除を怠けている霊夢が挨拶してくる前に、その札束を見せる。 呆然としている霊夢の前を悠々と歩き、素敵なお賽銭箱の前へ。 「こっちの札束は、賽銭だ」 そういいながら、片方の札束をお賽銭箱へ投下。 札束は吸い込まれるようにお賽銭箱の中へ。 そして、そのまま霊夢の元へ行き、彼女の目を見つめる。 「そして、こっちは俺と霊夢の結婚資金だ」 こうして、感極まった霊夢が抱きついてきたらプロポーズ成功。 夢想封印が飛んできたら失p(夢想封印 ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 811 今日もここ博麗神社では何時ものように宴会が繰り広げられていた。 夕日が己が赤で境内を染めていたころ開かれていたこの会も、今では満月が幻想郷全体を照らすがごとく、天蓋の頂点に位置している。 「―…綺麗ね」 「ん?」 騒ぐ皆を尻目にポツリと零すように、僕の傍らで座っている霊夢は呟いた。 彼女が指しているのが月の光眩い夜空か、 それとも、囲炉裏の火が本日の宴会の客人たちをまるで影絵のように照らしている様なのかは僕には解らない。 「今日、みんなに私達のことを全部話すのね…」 僕と霊夢が宴会に直接参加していないで、片隅で寄せ合って座っているのは、 今日の宴会の真の目的たる、ここに居る全員に二人の関係を告白する為の心の準備でもあったから。 すると、霊夢は僕に身を預けてきたので、手をぎゅっと握り締めてあげたら、 彼女は全信頼を預けるかのように身を完全にもたらせてくれた。 「…もう少し……このまま…ね?」 言った彼女の表情までは見て取れなかったが、その声には若干の怯えが在ったのかも知れない。 博麗の巫女を奪うことが幻想郷のバランスをいかほど崩すかは僕の知り得た事ではないけれど、 胸の中の愛しい人を守るためなら、僕はこの命までも投げ出そうと心に誓った。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 111 散歩から戻ってきた俺を待っていたのは、目に涙を浮かべた霊夢だった。 彼女の手には、ぼろいルーズリーフのノート。 「霊……夢?」 縁側に座って俯いていた彼女は、俺の方を向いた。 「ごめん……この日記、読んだ」 突然この幻想郷に迷い込み、妖怪に襲われて死にかけていた、 そんな俺を助けてくれたのが霊夢だった。 それだけでなく、元の世界に戻れるまでこの博麗神社に泊めてくれている。 霊夢には、どれだけ感謝してもお礼をしても足りない。 元々武術も習っていないし運動音痴な俺に、 この幻想郷で出来る事は少なかった。 掃除や洗濯等の家事を手伝っているが、 それでも一日の大半は時間を持て余していた。 そんな日常の中で、数少ない楽しみが日記だった。 (見た限り)平和な日々の中の、些細な変化を書き留めるのが楽しかった。 白黒の魔砲使いとの会話。 時々天狗の娘が運んでくる新聞。 幻想郷で迎えた新年。 毎日の出来事を、事細かに書き記していた。 そんな日記が、毎日内容が同じようなものになっている。 霊夢。 俺の命の恩人。 いつからか、俺は彼女に恋心を覚えていた。 日々募る彼女への想い。 今では、寝ても醒めても彼女の事が頭から離れなかった。 そして、日記もここ1、2週間は彼女一色だった。 「えっと……もしかして全部?」 こくりと頷く霊夢。 昨日の夕方に書いた日記。 告白の台詞の候補を書き連ね、 あれがいいこれがいいと考えを巡らせ、 いつ告白したらいいかと考え、 そんな事をしているうちに日が暮れて。 そんな内容の日記。 そこまでも全部、霊夢に読まれてしまった。 独り言だからこそ成り立っていた日記。 それを全部、盗み聞きされてしまい。 ――王様の耳はロバの耳―― 「……私の事、あんな風に思ってくれてたんだ」 霊夢が若干上ずった声で言う。 ――ロバの耳の王様は、 最後には笑われる覚悟で耳を民に晒した―― 「今更遠回しな台詞なんてもういいな。 霊夢…………君が好きだ」 ――しかし、民は王様を笑う事無く―― 「元の世界に……戻りたくないの?」 「それは、多少は戻りたいとは思う。 突然いなくなって、親も心配してるだろうし。 でも、今は君が何より大事だ」 ――逆に、勇気を出して欠点を打ち明けた王様を称えた―― 「……あなたって、本当に親不孝者ね。 でも、あなたに好きって言われて……嬉しかった」 霊夢の目から涙が零れ落ちる。 「春になったら、元の世界に戻りなさい。 親を悲しませたら、駄目。 ……でも、必ず戻ってきて」 「わかった、ありがとう……霊夢」 俺は、霊夢を強く抱きしめた―― 霊夢に告白してから数週間。 春妖精が遠くの空を飛び回っている。 今日、俺は元の世界に戻る。 目の前には、スキマ妖怪の紫と、顔を伏せた霊夢がいる。 「それじゃ、元の世界への道を開くわ」 そう言って紫は目の前の空間に裂け目を作った。 「……………………」 霊夢は俯いて黙ったままだ。 「それじゃ……また」 俺は霊夢の前に立って、静かに言う。 すると、霊夢は顔を上げて俺の方を向き、 ちゅっ 「……………………」 「早く…………戻ってきてよ」 「……わかった」 そして、俺は空間の裂け目へと入っていった…… 「ふふっ、お熱いこと」 その様子を、横から紫が微笑みながら見ていた。 彼が自分の世界へ戻ってから、丁度5年。 今日は、いつもの春と何か違う。 おそらく、きっと―――― 「ただいま」 声の方を向くと、そこには私の望んだ人がいた。 「遅いわよ」 終わり ――後書き―― えー、初SSです。 思いついたままに書いたら、こんな感じになりました。 話の展開が出鱈目だし。 持ち出した設定、全部使えてないし。 えーと、お目汚し失礼しました。 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/viptoho/pages/30.html
『霊夢厨』 霊夢一筋な東方厨。VIP東方で『霊夢厨』と言えば概ね彼の事を指す。 霊夢が好きな厨は他にもいるのだが、彼らはスレに頻出するわけではないので あまり話題に挙がらず、相対的に霊夢好きのなかでもよく現れて目立つ彼の事を 主に混沌板他のヲチ的なスレの住民が『(あの)霊夢厨がさ~』と話題に挙げるようになり いつの間にか、それがそのまま定着した。 しかし、霊夢厨についての話題は、概ね博麗霊太による私怨がらみ(霊夢は自分のものだ、とか) だったりするので、ババを引かされた感も拭えない。 霊夢のことを『霊夢さん』と呼ぶことから、『霊夢さんの人』とも。 ■レスの特徴 レスは丁寧語で行い、おおむね三行前後の文に落ち着ける。 博麗神社での出来事を中心に、霊夢との悠々とした日常を描く内容が主。 幻想入りしているらしく、霊夢と博麗神社の屋根の下、共に睦まじく暮らしている(という設定)。 あまりウケを狙った文は書かず、たまにギャグを言うときも、のほほんとした雰囲気は変わらない。 『バリゾーゴン』などどこか使うネタが古臭く、キレた事も言わず、常々柔和で落ち着いた風であるので どことなく隠遁したジジイみたいな印象がある。 その雰囲気から意外に思われがちだが、一人称は『俺』。 文章には気を遣っているようで、作法も修めているので読みやすい。 『つくり』について言えば、現行の常連の中では最も洗練されていると言えるだろう、 その情味豊かな内容には、時にそれを讃する声もあがる。 文章の玄妙さが突出しているためだろう、定型に依存せず、奇もてらわず、飽くまで正統の純愛路線を 文章力のみでゆき、それでしっかり認知もされているのは、この霊夢厨くらいなものである。 二人で夜の空に飛び立ちたい東方キャラ 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/04/06(金) 21 59 22.85 ID WIAvL7kJP ちょっと夜空を見上げたら、また随分と明るい夜だと思いませんか霊夢さん 十五夜は明日ですけど、今宵の月も綺麗ですよ…… 皓々たる月明かりが降り注ぐ縁側に並んで座り、手を繋ぎながら、意識を飛び立たせましょうか 果てしなく広い、星空へと その文章作法であるが、一般の人がわざわざこれを守ってレスを書くことはあまり無い(2ch、特に三行以上の 文を読むことが出来ないVIPPER相手に句読点を使ったり文が嵩張るこれら作法を用いる者は稀である)ので 実はどっかでSSでも書いてるんじゃないかと思われるが、末尾Pなので別スレ(及びPC)でどんな書き込みを しているかはまったく謎。 レスの中において目立った特徴としては、やたらと酒を呑んでいることが挙げられる。 霊夢と一緒に、ほぼ毎日呑んでいる。そろそろ肝臓の残機が尽きるのではなかろうか。 酒はサゲにも用いられる事が多く、大体二人で寄り添って、幻想郷の風雅とスレタイを肴に 杯を傾けあう、というパターンが多い。酒ではなくお茶のときもあるが、別の時間帯に呑んでたりするので 結局は変わらない。休肝日って知ってるのかな。 今夜は冷えるから一緒に暖まりたい東方キャラ 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/03/31(土) 21 50 26.12 ID dYI37aBSP ようやく春らしくなってきたものの、まだ北風の吹く夜は冷えますね霊夢さん コタツで肩を寄せ合いながら、ゆったり温まるのが一番です お茶でも飲みます? お酒でもいいですけど、たまには休肝日も必要ってコトで 知ってたようです。 ほかには「霊夢さんマジ女神」という定型も持ち、エロスレや微妙に霊夢のイメージと合わないスレ あるいはただ嫁を挙げるだけのような長文を書く取っ掛かりのないスレではこの文句を持ち出し お茶を濁すことがままある。 ■住民との関係 同じ霊夢好きという事で、ときおり博麗霊太から陰湿な絡まれ方をしている。 他の霊夢厨からは変な絡まれ方をしないのだが、どうやら霊太には相当気に入られたらしく レイタがホモ疑惑をかけられている事もあって、いつか霊夢厨の貞操が危機に晒されるのではと心配する声もある。 しかし、なにかにつけ霊太に煽られ迷惑を被っている霊夢厨であるが、彼の文章力やキャラクターを誰より称えてくれるのも 霊太であったりする。また、霊夢厨の方も霊太をまったく無視しているわけではなく、どうやら彼がVIPに建てるスレも チェックしているようで、たまに彼のスレへ現れて反応・会話をしたりすることがある。 更に親切なことに『霊夢厨が社会人or大学院生であること、東京工業大学を卒業したこと』などをわざわざ 教えてやってもいる。接触するたび深い関係になっていく二人であるが…… いつかお互いの住所とか教えあうレベルにまでハッテンしてしまわぬ事を願うばかりである。 とはいえ、別に霊太からという場合に限らず、他の住民から(普通に)話しかけられたときは丁寧に応じるし 自分から他の人のレスに対して反応を示すこともある。それも、真面目な話ばかりでなく、ちょっとくだけた、 ボケたレスを投げることも少なくないので、堅苦しかったり取っつきづらい人物では決してない。 ■出現頻度 早朝と夕方六時以降から深夜までを主な出現枠とするが、スレが建ってさえいれば、平日の昼とかにも 現れてたりする。ちゃんと働いているらしいので、どうやら暇な時間を多くとれる職種のようだ。 自身でキャラスレを建てる事もある。あまりVIPにスレが建たない時に腰を上げる事が多い。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/489.html
霊夢19 12スレ目 130 「とりあえず、風邪薬と熱さまし渡しておくわね。風邪薬は毎食後、熱さましは熱が40度を越えたら使いなさい」 「ああ、わかった」 俺は永琳から薬を受け取った。 まぁ、具合が悪いのは俺じゃないんだが。 「しかし、今年の風邪はたちが悪いな」 「ええ、うちもついにウドンゲとてゐが二人とも倒れちゃって、姫と二人で朝から永遠亭みんなの看病で大忙しよ」 「……珍しい、あの姫様が」 そう、今この幻想郷では風邪が猛威を振るっているのだ。 なにしろ、人、妖怪問わず感染し、40度を超える高熱を発し数日寝込むくらい急速に悪化する。 しかも感染力が非常に高く発病に1日かからないので幻想郷全域に広まるのにさほど時間はかからなかった。 聞いた話によると輝夜、永琳以外に発病していないのは俺だけらしい。 ……誰だ幻想郷一の⑨っていったやつは…… 「さて、私はこれから紅魔館に行ってくるわね。あそこはもう誰も動くことができないみたいだから」 「うわ、咲夜やフランまでダウンしちゃったのか……」 「ふふ、それにしても彼女はいいわね。つきっきりで面倒みてくれる人がいて」 そう、この風邪は幻想郷全域に広まった。ここ博麗神社も例外ではなく…… 「まぁ、あなたがいれば大丈夫でしょうが、とにかく水分、栄養、休息、そして病人へのいたわりが大切よ。 最後のところは心配いらないでしょうけど」 「ああ、まかせておいてくれ」 「じゃ、なにかあったらすぐに知らせなさい。かけつけるから」 「わかった。ありがとう永琳」 「それじゃお大事に」 そう言い残し、彼女は次の診察に向かっていった。 「ふぅ、あの調子じゃ休む暇もないんだろうなぁ…… さておかゆでもつくるとしますか」 ――――青年料理中―――― 「ウルトラ上手に出来ましたっと」 俺は出来上がった特製おかゆを小さな土鍋に移し 彼女の寝ている部屋へと急ぐ。 「おーい、霊夢ー。起きてるかー? 飯食べられそうかー?」 「うー、あんまり食べたくないー」 襖を開けるとそこには布団に入って真っ赤な顔で唸っている少女がいた。 彼女がこの博麗神社の素敵な巫女、博麗霊夢である。 ってなんで俺説明口調なんだ? 「だめ。ちゃんと食べないと直らないぞ。ほら、起こしてやるからしっかり食べな」 「うん、わかった」 彼女の上半身を起こしておかゆの入った土鍋と蓮華を渡す。 うーん、しかし風邪をひいている姿の霊夢はどこか引かれるものがあるな。 潤んだ瞳、ほつれた髪、うっすら汗の浮かんだうなじ…… それに普段凛とした雰囲気のある彼女がなにか年相応の少女みたいになっているところなんかなんとも…… はっ、いかんいかん。病人相手になにを考えている、俺は。 考えを払拭させるべく俺はたわいもない世間話をもちかける。 「そういや、おかゆの材料買うために里まで行ってきたついでに香霖堂覘いてみたけど霖之助さんもまだ治ってないみたいだったよ」 フラフラしながら店に出てきたときにはさすがに驚いたが。 「へぇ、そうなんだ。ねぇ、外の世界でもこんな風邪ってよくあったりするの?」 「うーん、そうだなぁ……もし例をあげるならインフルエンザかな?でも今はワクチンであらかじめ予防したり タミフルっていうインフルエンザ用の薬も出てるし、ここまで一気に広まったりはしないかな」 余談だが俺はインフルエンザにかかってもあの薬は飲まん。まだ永琳の正体不明の薬を飲んだ方がマシだ。 いや、どっこいどっこいか? 「あ、あと帰りに自分の氷頭に乗っけてウンウン唸ってるチルノ見たときは笑っちまったよ」 「なにやってるのかしらね、あの妖精は……」 っと、食べ終わったみたいだし、あとは薬を飲ませて休ませないとな。 「ほれ、風邪薬と水。それ飲んだらまたゆっくり眠りな」 「うん、ありがと。……んっ、あのさ一つお願いがあるんだけど……」 「うん?いいぞ、俺ができる範囲ならな」 「えーとね、おでこに手をあててほしい」 「あいよ、了解」 そういい俺は霊夢の額に手を乗せる。やっぱり熱があるせいだろう。手のひらがあっという間に熱くなる。 「えへへー、冷たくていいきもち」 むー、かわいいなぁ。いつもはそっけないし、素直じゃないことも多いし、いっそこのままずっと風邪でいてほしいと思う俺は不純ですか? 「もういいか?じゃ食器洗ってくるからいいこで寝てるんだぞ」 「いわれなくてもわかってるわよ。おやすみ」 さて、洗いものが終わったら掃除を始めようか。 夜中になって霊夢の症状は悪化した。 「はぁ、はぁ……」 「まずいな、41度7分もある」 呼吸をするだけでも苦しそうで意識も朦朧としている姿はとても痛々しくて見ていられない。 こんなとき何の力にもなれない自分がとても妬ましい。 「あ、そうだ。永琳から貰った薬に解熱剤があったな」 そうそう、たしかこの袋の中に…… そして袋の中から出てきた薬は―― ――――どう見ても座薬です。本当にありがとうございました。 「……うんっ!!わかっていたさ!!こうなる事ぐらい!!わかっていたけどさぁ!!」 たしかに俺と霊夢はもうタダならぬ関係ですよ? 体のどこに黒子があるかも全て記憶してますよ? でもこれはないでしょう!?飲み薬とかあるはずだよねぇ!? はっ!?こうやって俺が取り乱すことさえ計算済みっ!?えーりんおそるべしっ!! 「うううぅ……」 「はっ――」 霊夢の苦しげなうめき声で俺の頭は急激に冷えていく。 そうだ、俺がバカなこと考えているときも霊夢は苦しんでいるんだ。 なにもやましいことじゃない。心を落ち着かせて薬を使わなくては。 「――心頭滅却、明鏡止水、体は剣でできている」 よし、覚悟完了。 俺は布団をどかし、霊夢の寝間着の裾を捲り上げる。 ――ああ、霊夢の足シミ一つなくて本当に綺麗だぁ…… ってまた変な妄想してるっ!?ダメだダメだ。 気を取り直し、下着に手をかけ…… 「ねぇねぇ、霊夢が風邪で倒れたって聞いて様子見にきたんだけ、ど……」 なんで、いつもジャストなタイミングで出てくるんですか?ゆかりサン?…… 「あらあら、お邪魔だったみたいねぇ?それじゃごゆっくり~」 「まってぇーーーー!このまま放置していかないでぇーーーー!!」 その後どうしたかっていうと永琳を呼んできてもらい男の俺には出来ないこと(着替えや体の汗拭きなど)をやってもらい 今は三人で一息ついているところだ。 ちなみになぜ彼女が平気なのかというと病人と健康の境界をいじったからだそうだ。 ……もはやなにもいうまい。 「にしてもやることがなくてそわそわしているところなんかすごくかわいかったわぁ。 うちまで攫っていっていじめたおしたいくらい」 「あら、奇遇ね。私も実験にも愛玩用にも使えるこんなかわいいモルモット、霊夢に内緒で持って帰ろうかと思ったわ」 この二人笑ってはいるけど目がマジです。 「やぁねぇうそよ、うそ。本気にしないの」 「そうよ、人の男に手を出すほど飢えてないわよ」 ……幻想郷には嘘つきしかいないのだろうか? 「さてそれじゃ私はおいとまするけどあなたも早めに休みなさい。看病は意外に疲れるのよ」 「ああ、じゃ最後に霊夢の顔みてから休むって……なにさ?」 「やぁねぇ、ここまで見せつけてくれるなんて。甘すぎて砂糖吐きそうよ」 「ええ、私たちのこといきおくれの年増って見てるに違いないわ。イケない薬注入してやろうかしら?」 「……アンタら、とっとと帰ってくれ」 「はいはい、それじゃまた様子見にくるわね」 「本当に早めに休みなさいよ」 幻想郷の少女臭コンビは最後まで騒々しく帰っていった。 はぁ、なんかどっと疲れた。霊夢の顔見たらすぐに布団に入ろう……。 「いよぅ、調子はどうだい?」 「うん、熱さましが効いてるからそんなに辛くないかな」 たしかにさっきよりかは少しは顔色もいいみたいだ。 「ねぇ、寝る前に最後にお願いしていい?」 「なに?のど渇いた?水?」 「あのね……キス、して?」 布団から半分顔を出して潤んだ瞳で上目遣いをしている霊夢はとてつもなく可愛い。 ヤラれた。どうしてこう不意打ちがうまいんだろう?頭の中が沸騰状態でグラングランだ。 「もしかして、イヤ……だった……?」 俺の沈黙を否定と受け取ったみたいだ。 「いやいや!!そんなことない!それじゃいくぞ……」 「うん―――んっ」 ただ唇が触れ合うだけの軽いキス。 「……これでいいか?」 「だめ……たりない……もっと強いのをちょうだい……あっ」 さっきよりも強く、求めるようなキス。 「んぅ……んっ…ちゅっ……ふ……ぁっ……」 俺と霊夢の離した唇の間に銀糸が渡る。 「…………」 「……ありがと。元気出てきたよ。すぐにでも元気になりそう」 「それはよかった」 「うん。疲れたでしょう?もう休んで。○○が倒れたら私……イヤだよ……」 「ああ、すぐに眠るよ。それじゃもう行くよ」 「おやすみなさい」 目を閉じた霊夢はすぐに眠ってしまった。 おやすみ、いい夢を…… そして翌日みごとに風邪をひいた⑨がここにいるのでした。 「うー、頭痛いー気持ち悪いー目が回るー」 「もぅ、文句言ってないで静かに寝ていなさい」 昨日とはうってかわって立場が逆になってしまった。 って何で布団捲り上げて寝間着の裾持ってるんですか? 「ん~?さっき紫に聞いたんだけど私に座薬使おうとしたんですって?」 「あっあれは不可抗力でっ」 「うん、わかってるけど女の子にそんなことしようとするのはちょっと許せないかな~って」 うひゃあ、笑っているのにとんでもなく怖いー! 「だからってこんなことしなくてもっ、マジやーめーてー」 「ほら動かないの」 「ちょっ、おまっ、アッ――!」 「……本当に入れられるかと思った」 「冗談だって、私だって変な気があったわけじゃないってわかってるし……」 「うー、なんか悪化しそう……」 「じゃ、風邪がすぐ治るようにいいものあげるから目閉じなさい」 「うぃ」 なんだろう?って考えてたら唇にやわらかいものが。 これって……やっぱりアレ? 目を顔を赤らめた霊夢が見えた。 「これが一番の特効薬でしょ?早く風邪治してね」 そういって霊夢は部屋から出て行った。 「……更に熱が出そうだ」 さて元気の素は貰ったんだし、さっさと風邪を治すとしますか。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 138修正版 「それじゃあ行って来るな」 「……行ってらっしゃい、はやく帰ってきてね」 「そんな寂しそうな顔をするなよ、すぐに帰ってくるから、な?」 寂しそうに俯く霊夢に後ろ髪を引かれながらも俺は出掛ける準備をした 「……ねえ、○○」 「ん?なんd、んぅ!?」 ピチュ クチュリ 霊夢に呼び止れて振り向いた瞬間キスをされた 不意打ち状態だったので何の抵抗も無く俺は霊夢の舌を受け入れた 「んっ!ぁ…ふ……あっ」 クチュクチュ 霊夢のやわらかい唇の感触と甘い吐息を味わうだけで 俺の脳髄に快楽の電流が走り霊夢しか目に移らなくなる このまま快楽に流されそうになるのを必死に押し止めて霊夢を引き剥がす 「はぁ、はぁ…これで満足か?霊夢」 「はぁ…ふぁ…はぁっ……うん、行ってらっしゃい」 「ああ、行ってくるよ」 霊夢は俺と離れようとするとすごく嫌がる そして先ほどのようにキスをせがんで俺を放さないようにする それが例え里に買い物をしに行くわずかな時間でもだ 「分かってるんだけどな……」 どうも俺は霊夢のことになると甘くなってしまう それが依存的なものでお互いにとって悪いことだと理解はしてるr 「理解をしているなら何故貴方は霊夢から離れようとしないの?」 ゾクッ!! 「!!!???」 突然気配の無い虚空から声が聞こえたと思ったら、周囲が目玉の付いた奇妙な空間に変わった それと同時に圧倒的な妖気がその空間中に充満したそして俺はその妖気の持ち主を知っている 「紫か!!」 俺が叫ぶと空間に裂け目ができそこから麗しい妙齢の女性が出てきた 「御機嫌よう○○」 彼女こそ他の妖怪とは違う一人一種の妖怪にして 幻想郷の頂点に君臨する境界を操る妖怪八雲紫 「……一体何の様だ」 「何の用?分かってるくせに、私が貴方と会って話すことなんて霊夢との事以外になにかあるの?」 やはりか、紫は俺に会う度に霊夢から離れろと言い続けていたからな 「何度も言うようだけど俺は霊夢から離れるつもりは無い」 「ええ、知ってるわよ、だから今までどおり忠告じゃなくて」 「ん?、っが!!??」 ギリィッ!! 「実力行使で行くことにしたわ」 「がっぁ!?」 ギリギリ!! 突然首を掴まれ軽々と宙に吊り上げられた 見た目は女でもそこは妖怪、人間一人持ち上げるのなんて造作も無いだろう 「でも私は優しいから選択肢をあげる 1:このまま死ぬか 2:私が記憶の境界を弄って霊夢の記憶を忘れる 3:霊夢から離れる」 どれでもいいけどわざわざ私を動かしたのだから1がいいわね」 「ふざ、けるな…ふざけるな!!!」 「あら、どれも選ばないつもり?折角選択肢を用意してあげたのに」 つまんないと言いたげな顔で俺を吊り上げたまま見上げてくる紫 その顔を見ていると俺の胸の中に言いようのない怒りが沸々と沸いて来た 「当たり前だ!!!俺が選ぶ選択肢は1,2,3のどれでもない 4:俺はこの窮地を脱し霊夢と添い遂げる 以外は考えられないんだよ!!!」 「そう、そんなに死にたいわけね」 ブォン!! ドサッ!! 「くっ!げほっげほっ!!…はぁはぁはぁ」 「元気がいいのは結構なことだけど、貴方程度じゃ、私に勝つどころか掠り傷すらつけられないわよ」 そんなの最初から分かてる、何も力の無い俺が紫と戦ったところで勝ち目なんか万に一つどころか億に一つもないだろう 今だってあのまま首を絞めていたら俺の命の火は消えていた 周囲の妖気も一向に減るどころかますます増え、俺の場所だけ重力が増したかのように重圧をかける 「じゃあそろそろ眠くなってきたし幕引きといこうかしら、貴方の死をもって」 「幕引きにはまだ早いぜ!!」 威勢よく吼えたものの正直八方塞だ それでも例え勝機が無かろうとも俺は負けるわけにはいかない 「誓ったんだよ俺は、霊夢を守るって! 霊夢が弱くなったのならその分俺が強くなって霊夢を支えてやるんだってな!!」 どこまでできるか分からないがこのまま何もせず、むざむざと殺されるよりかはましだ 「……そう、これだけ力の差があっても貴方は諦めないのね………… でも残念だけど今の貴方程度の力じゃ、霊夢を守ることなんて夢のまた夢 そして、夢はいつか覚めるものよ」 「だったら夢を現実にするまでだ!!!」 一直線に紫のほうへ疾走する、しかし 「でも残念、貴方は夢を見ることも現実に戻ることもないわ」 紫の手が俺の視界を奪い、程なく俺の意識は闇に沈んだ 「 ○! き !! い! !!」 声、声が聞こえる何を言っているかわからないけど俺を呼ぶ女の子の声が ……そうだこの声は霊夢の声だ、例え地獄に堕ちようとも絶対に聞き間違えることは無い 「 ○!起き !!お い!目を して!!」 霊夢の声が聞こえるごとに俺の意識が蘇っていく 「っ…霊、夢?」 「○○!!起きたのね!!」 「あ、ああ俺は一体」 「紫が連れてきたのよ、森で倒れてたって…」 「紫が?」 俺を殺そうとしたくせに殺さずにあまつさえ霊夢の所に運んできた? 何を考えてるんだあのスキマ妖怪 「本当に、本当に何も無くてよかった、紫も『直ぐに目を覚ますから安心しなさい』って言ってたけど でも目を開けない○○を見てると不安で、もしかしてもう二度と私に笑いかけてくれないんじゃないかと思うと怖くて それで、それで……」 ギュゥ 「大丈夫、俺は生きてるしちゃんと霊夢の側にいるから」 両手を抱きしめ震える霊夢を俺は静かに、力強く抱きしめた そしてそこから霊夢の体の振るえを感じ、どれだけ霊夢が不安だったかが分かった 「ごめんな、霊夢」 「うぅ、良かった、○○が無事でよかった…うわぁーーーーーん!!」 大声で泣く霊夢に俺はただ無言で抱きしめるしかなかった 「ん…すぅすぅ」 俺のことを心配した心労と大泣きした所為か今はぐっすりと眠っている おかげで何故紫が俺を生かしたかゆっくりと考えられる あの時紫は確かに俺を殺す気でいた、それがどうして俺を殺さなかったのか 誰かが助けに入った? それは無い、スキマ空間に干渉できる能力を持った奴は俺の記憶じゃいないし(いたとしても霊夢ぐらいだ 霊夢が言ったことが確かなら紫自身が俺を神社まで連れてきたんだ 「まあいいさ、こうして霊夢と一緒にいられるんだから」 紫に何があって心変わりしたかは分からないが生かしてくれたというのならそのまま生きてやる 「強く…ならなくちゃな」 今回みたいに霊夢を心配させない為に、俺はもっともっと強くならなくちゃいけない 力だけじゃない、心身ともに、霊夢の心と体を守れるぐらいに 「んぅ、どうしたの?○○」 「いや、なんでもないさ、もう少し寝てろ」 「側に居てくれる?」 「ああ、霊夢が目を覚ますまで側に居るよ」 再び寝る霊夢の頭を撫でながら想う 願わくば、この瞬間を永遠に 「紫様、アレでよろしかったんですか?」 「何が?」 「○○のことです、何故生かしておいたのですか? わざわざ殺しにいったというのに」 藍の言うことも尤もね、確かに私はあの時○○を殺す気でいた でも…… 「見たでしょ?あの霊夢の様子を、○○を失ったらあの子、壊れるわよ」 幻想郷を守るために霊夢から○○を引き離そうとしたのにその結果霊夢が壊れてしまうのでは意味が無い それなら○○を生かしておくほうがまだいい それにアレだけ力の差を見せて尚諦めない心、に揺るがない信念があるなら○○はまだまだ強くなる 「ふぅ、取らぬ狸の皮算用ね……眠たくなったし帰りましょか」 「寝酒はどうなさいますか?」 「帰ったらそのまま寝たいから布団の用意だけお願い」 「分かりました、では先に帰っていますね」 「よろしくねー …………頑張りなさい○○、貴方の夢は現実となった だけどその現実はこれからも続いていくんだから」 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ792 少し遅めの昼食をとり食後のまったりとした空気のなか俺は炬燵にあたりながら縁側を見つめる。 冬の季節としては珍しく暖かい日の光が差し込み、雪の積もった庭をやわらかく照らす。 ……近頃霊夢とほとんど話していない。 里の方で異様な数の妖怪が出て討伐の仕事で大忙しだそうだ。 夜遅く帰ってきて、朝早く出かけていく。 顔を合わせることはまれで、会話をすることなど不可能に近い。 ……俺が力になれることはない。 未だにまともな弾幕は張れず、ザコ妖怪にすら手こずる俺が何の手助けになろうか?むしろ霊夢の足を引っ張るだけだ。 そういえば、俺がここにくるまでは霊夢も今の俺のような状況が多かったんだろうなぁ。 やることがなくただ時間が過ぎるのを待つだけの退屈な日常…… そんな日々の繰り返しを続けていた霊夢の気持ちはどうだったのだろうか? さまざまなもやもやを抱えたまま、意識が闇に落ちていく中、ただ一言だけ呟いた…… ――――さみしいよ、霊夢…… 「ふぅ、疲れた」 里の異変を片付けて神社に帰ってきて私は炬燵に突っ伏して眠っている○○を見つけた。 昼食だったのだろう。頭の横につゆの入ったどんぶりがあった。 「もう、ちゃんと食べたものくらい片付けてから眠りなさいよ」 どんぶりを片付けようと手を伸ばして―― ○○の頬に一筋の涙の跡があることに気づいた。 伸ばした手をひっこめ、○○の隣に入り込み彼がここに来てからのことを思い出す。 最初はこの幻想郷に迷い込んだただの迷子だと思った。 すぐに元の世界に帰ると思っていた。 でもそうじゃなかった。 彼はあっという間にこの世界に馴染んだ。まるで元からこの世界で生まれたかのように。 彼は誰とでも打ち解けて、みんなも彼を受け入れた。 宴会では萃香と魔理沙の二人に飲み比べを挑んで、ぶっ倒れたことがあった。 紅魔館の吸血鬼姉妹に振り回されていることもあった。永遠亭で談笑をしていたこともあった。 まるで昔からの友人のようだと彼を知る人々はそう言った。本当に彼は変わった人間だった。 そして一番変わったのはこの私だ。 今までずっと一人で暮らすのに何の不自由もなかったし、それが当たり前だった。 それが人ひとり増えることでここまで変わってしまうことには驚いた。 言い合いをした。すれ違いもあった。喧嘩も仲直りも数え切れないほどした。 ただいまといっておかえりと返ってくることがうれしかった。家に明かりが灯っていることがうれしかった。 二人で食べる食事がこんなにおいしいとは思わなかった。一つの布団でたわいもないことを話すのが楽しかった。 嬉しいこと、悲しいこと全て彼と共に作った。 いつの間にか、心の一番たいせつな場所に彼がいた―― 「………………ん、うぅ」 すこし身じろぎをして俺は目を覚ました。 あの後そのまま眠ってしまったらしい。 妙に肩が重いと思っていたら霊夢が寄りかかって眠っていた。 「…………ふぁぁっ」 俺が動いたせいだろう、霊夢もすぐに目を覚ました。 「おかえり」 「うん、ただいま」 挨拶が済んだ途端に霊夢が俺のひざに向かい合わせに座ってきた。 突然のことに戸惑っていると霊夢が先に切り出してきた。 「……ごめんね」 「いや、急に謝れられても反応に困るんだけど」 「最近ほとんど顔も合わせられなかったし、話すこともできなかったし」 「いや、別に気にしてないし。霊夢も大変なことしてるのわかってたから」 俺は精いっぱいの強がりを言う。 「うそつき」 「え?」 「頬に涙の跡ついてるよ」 急いで頬を拭う。 「もう消えてるよ。それに私しか見ていないんだから気にしなくていいのに」 「でもかっこわるいし、男として恥ずかしいし」 「ふふ、そういうところかわいくて好きだよ」 うれしさと恥ずかしさで顔が熱くなってくる。 「ほんとにごめんね。私自分のことで手いっぱいになっちゃって○○のことほったらかしにしちゃって」 「霊夢……」 ああ、本当に俺はこの少女がいとおしくてたまらない。 この小さな体で有象無象の妖怪を相手にしていると思うとどうしようもない切なさが溢れてくる。 言葉では言い表せられず、俺は行動で示すことにした。 「――ちゅっ」 「んむっ……くちゅ………ちゅっ」 一瞬、または永劫のようなキス。 「ふぁ……ねぇ、今日はずっと話していようよ」 「あぁ、いいけど特に面白い話はないよ」 「それでもいいよ。私は○○の話が聞きたいんだから」 「じゃあ、ずっと話していようか」 「うん、夜明けがくるまで、ううん夜が明けても○○のそばにいたいよ」 俺は力を込めたら折れてしまいそうな霊夢の体を抱きしめ、何を話そうか考えていた―― 「霊夢、好きだよ」 「私も、○○大好きだよ」 「ああっ、もうどうしてそこで押し倒したりしないのよっ!全然進展しなくてやきもきするわっ!!あのヘタレッ!!」 「紫さま……あまり覗き見をするのはどうかと……あとあまりそんな言い方はしないほうが…………」 「はいはい、わかったわよ。もうやめるから藍もあっちいきなさい」 藍をおいやってもう一度スキマの向こうで抱き合っている二人を見つめて 「ふふ、あのふたりほんとお似合いね。まるでお互いの心の帰る場所みたい」 そう呟いてパチンとスキマを閉じた。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 418 うpろだ824 霊夢「おかえりなさい」 ○○「ただいま、これおみやげのお団子」 霊夢「あら珍しいわね、おみやげなんか買ってくるなんて何かのご機嫌取りかしら?」 ○○「食べたかったから買ったんだよ、あー寒い寒い」 霊夢「ふーん」 ○○「やっぱりコタツは暖かいなー」 霊夢「暖炉の方が暖かいんじゃない?」 ○○「いやー俺はコタツがいいよ、ってか何で暖炉?」 霊夢「別に」 ・・・なんか機嫌悪いなコイツ。 ○○「お茶入れてくる」 霊夢「いらないわ」 ○○「ん?」 霊夢「私の分はいらないって言ったの」 ○○「・・・なぁ、何か怒ってるのか?」 霊夢「別に」 ○○「じゃあ、なんでそんなに機嫌悪いんだよ」 霊夢「知らないわよ、私はいつも通りよ。気に入らないならアリスのところにでも行けば?」 ○○「・・・なんでそこでアリスが出るんだよ」 霊夢「知らない、さっさとアリスの家に転がり込んでシチューでもご馳走になればいいじゃない」 ○○「おいおい、落ち着けよ、まずシチューはどこから出たんだよ」 霊夢「里で仲良さそうに話してたでしょ?一緒に餡蜜なんか食べちゃってさ。 アリスも珍しく楽しそうな顔してたじゃない。あの子人見知りするから、相当仲いいのね? 食べたくて買ったとか言いながらお団子に手をつけないのをみると、あの後おかわりでもしたのかしら?」 ○○「・・・見てたのか?」 霊夢「薄着してったのが心配で、あんたの上着持って追っかけていったのよ。余計な事しなきゃよかったわ」 ○○「あのな、霊夢、アリスは」 霊夢「言い訳なんかやめてよ!珍しく買出しをかって出たと思ったら、浮気してただなんて!最低よ!!」 ガタッ おそらく、これ以上言葉は通じまい。 そう悟った俺は立ち上がり、自分の部屋に向かった。 離れていても、霊夢が泣いているのが聞こえた。 俺は目的のものを取り出すと、足早に彼女の元へ戻っていき・・・ 霊夢「・・・放っといてよ」 ○○「ほれ」 霊夢「何・・・?」 ○○「ほんとは完成してから見せたかったんだけどな」 霊夢「何よ、これ」 ○○「人形だよ、細かい飾り付けがまだできてないけど。何に見える?」 霊夢は作りかけの人形をゆっくり回して見た。 赤白の布一枚を羽織っただけの人形が、小さな手の中でくるくると踊る。 霊夢「・・・もしかしてこれ、私?」 ○○「お、よく分かったな。まだ服も未完成だってのに」 霊夢「こんなの、どこに隠してたのよ」 ○○「秘密だ、それよりアリスとの事だが」 霊夢「・・・あー・・・」 ようやく自分の勘違いに気づいたらしく、霊夢は俯いてしまった。 恥ずかしかったのか、うなじのあたりまで真っ赤に染めてしまっている。ちょっと可愛い。 ○○「これの次の手順がどうにも思い出せなくてな、 今日たまたま会ったんで教えてもらおうとしたら『同じ事を何回も聞くな』と高めの授業料を要求されてしまった」 霊夢「・・・もう、最初にそう言ってよ」 ○○「知られたくなかったんだよ、人形作りなんて俺のガラじゃないじゃないか」 霊夢「でも、どうしてそんな物作って・・・」 言いかけて霊夢は固まった。こいつめ、やっと思い出したか。 ○○「俺が霊夢に助けられて、ここに世話になり始めてもうすぐ1年経つからさ」 霊夢「・・・あー、もう1年経つんだ・・・」 ○○「早いもんだよな。それでお礼じゃないけど、何かプレゼントしたかったんだよ」 霊夢「・・・いいのに」 ○○「あー?」 霊夢「お礼なんかなくたって、いつも○○が傍にいてくれるだけで十分幸せよ」 俺はたまらなくなり、押しのけるようにして霊夢の隣に入り込んで・・・ ○○「お礼『なんか』とか言うのはこの口か、えー?」 霊夢「い、いひゃい、はなせー」 ○○「この寒い中買出しに出てやったというのに、帰宅一番で浮気しただのなんだのとー」 霊夢「いひゃいってう"ぁー、あぅっ」 ○○「信用してないのか、俺のこと」 霊夢「信用・・・してるけど、さ・・・」 ○○「不安?」 霊夢「・・・うん」 ○○「・・・まぁ、それじゃしょうがない、のかな」 霊夢「・・・ごめん」 普段の霊夢からは想像もつかないくらい、見事にしおれてしまった。 これはこれで可愛いが、何とかしなければ。 ・・・と思う気持ちよりも、このしおらしい霊夢をもっと弄り倒してやりたいという ドS心の方が勝るのであった。 霊夢「んむっ!?」 ○○「ん~~」 霊夢「んーーー!!」 ○○「しょうがないから、俺がどのくらい霊夢のことを愛してるか今一度思い知らせてやろう」 霊夢「ちょ、ちょっと、待っtんむ~~~~!!」 突然唇を奪われ、ジタバタともがく霊夢。 押えつけて苛めてやりたい衝動に駆られるが、今日の俺は自重する。 霊夢「ぷはっ!な、何よいきなり!!」 ○○「思い知ったか」 霊夢「はぁ・・・十分思い知ったわよ」 ○○「なら良し」 霊夢「・・・むぅ」 俺は頬を膨らませる霊夢の頭をポンポンと撫でてやった。 ○○「ごめんな、霊夢」 霊夢「・・・何でそっちが謝るのよ」 ○○「不安だったんだろ?」 霊夢「そりゃ、そうだけど」 ○○「不安にさせてごめんなさい」 霊夢「・・・私の方こそ、ごめん」 ○○「うん、許す」 それを聞いて安心したのか、霊夢は俺の肩にぽんと頭を乗せてきた。 ○○「あ、あと」 霊夢「うん?」 ○○「これは完成するまでお見せしませんので」 霊夢「・・・うん、楽しみにしてるわ。でも・・・」 ○○「ん?でも・・・何だ?」 霊夢「出会ってから1周年って、明日よ?」 ○○「・・・あれ・・・来週じゃ、なかった・・・っけ・・・?」 霊夢「明日」 ○○「・・・・・・・・・そ、そろそろ夕飯の支度を・・・」 霊夢「あれあれ、もしかして来週だと思ってたのかしら? まさか大切な記念日を忘れてたり間違えてたりなんてことはないわよねー?」 ○○「あ、あはははははは」 霊夢「あはははははは」 ぶたれた。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 430 うpろだ826 幻想郷の東の端に存在する博麗神社。階段を上りきると境内を掃除している霊夢の姿が見えた。 「こんにちわ。霊夢」 「あら、○○。久しぶりね。今日はなんの用?」 「うん、遊びに来たんだけど、ついでに参拝をしていこうと思って」 「珍しいわね。槍でもふるのかしら?まぁいいわ。素敵な賽銭箱はそこよ」 「わかってます」 さて、僕は賽銭箱を前にして財布を取り出すと―― 「ちょちょちょっと待って!?なにそのパンパンに膨らんだお財布!?」 「うん、話すとちょっと長いんだけど……」 ――青年説明中―― 「ふんふん、かいつまむとその人は、初めて神社で参拝をしようとしていたわけだけど 連れの方が急用でこれなくなったのでたまたま通りかかった○○に自分の代わりに参拝してきてほしいってこの財布を渡してきたってわけね。 盗まれる事とか考えなかったのかしら?」 「うーん。たぶん大丈夫だと思うよ。あの人も“もしネコババなどお考えならば、後日殺すつもりで参ります”って言われたし それに終始笑顔なのにずっと背筋がぞくぞくしてたもん。まるで幽香さんと話しているみたいだったよ」 でも、なんであの人エレベーターガールの格好してたんだろう? 「それじゃ奉納させていただきます」 そして僕は財布の口を開けひっくりかえして―― ――拝符『賽銭弾幕』 ドバァッ!! ズガガガガッ!! 「「うひゃぁ!!」」 瀑布のごとく流れ出る小銭に驚いた。 魔理沙のマスタースパークもかくやというこの硬貨の流れは1分経った後も衰える気配がない。 賽銭箱を揺るがし続けているこの財布、もしかしてスペルカードででもできているんだろうか? マズい、中の小銭よりこの財布の方が欲しくなってきたぞ。 「――きゅう」 って、今までみたことない賽銭の量に霊夢が気絶してしまった。 「わあぁ!?霊夢しっかりー!?」 「――ううん……」 「あ、やっと起きた」 あの後気絶してしまった霊夢を抱き上げ縁側に寝かせて気がつくまででのんびりしていた。 「ええと、たしかすごい量のお賽銭に驚いて気絶したんだっけ…… あれ夢じゃないよね?」 「うん。嘘だと思うなら賽銭箱みてきなよ。小銭で溢れているから」 あのあと賽銭箱をほぼ満杯にしてようやくあの財布は動きを止めた。 「これで博麗神社の信仰も大幅アップだね」 「どうかしらねぇ。ご利益は奉納した金額に必ずしも比例するわけじゃないし ○○一人がいれたものだからあんまり変わらないんじゃないかしら」 「やっぱりそうか……」 「でもあれだけのお賽銭なんだから○○の願いくらいは叶うんじゃない? ねぇ、なにを願ったの?」 「うん、霊夢と相思相愛になれますようにって」 そう言ったら霊夢は真っ赤になって顔を隠してしまった。 「……その願い叶わないわよ……もう叶っている願いはどんな神様でも叶える事はできないもの」 「あっ、そうか。じゃあずっと霊夢と一緒にいられるようにって願うべきだったか」 「もう……ばか……。そんなこと願わなくてもずっとそばにいるわよ。これからもね」 頬を染めて微笑んだ霊夢はとてつもなく可愛かった。 「じゃ、これからも末永くよろしくお願いします」 「はいはい。それでどうする?もう帰る?」 「そうだなぁ。そろそろ日も暮れるし、泊まってもいいかな?」 「うん、わかった。夕飯の支度するから手伝って」 「了解」 僕は夕飯の手伝いをするため霊夢の後に続いた。 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/hgks/pages/12.html
ゲームの画像を載せる場所です モンスターハンターの画像 モンスターハンターの画像はここにお願いします その他のゲームの画像 それ以外はこちらへ