約 1,320 件
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/177.html
stage2 人間の里の喫茶店 ここは平和な人間の里 そこの小さな喫茶店 そこには何やら見慣れない男に真剣に話をするかわいらしい人形師がいた。 「あぁ、食べた食べた。秋はやっぱり飯がうまいねぇ。」 「あんなに食べて・・・・・太る・・・・・。」 「こらっ!ペッシ!女の子の前でそう言う事は言うんじゃない!」 人間の里の大衆食堂からペッシと小町が出てくる。 ここは味も良く、量もあり値段が安いと言う事でいつも昼時は混んでいるのだが、今日は幸いにして比較的空いていた。 お金がどれだけ大事かよく知っている暗殺チームは、度々この店を利用していた。 男九人で外食をすると、馬鹿にならないのだ。まぁ、食べ放題なんかに行くと確実に元は取れるのだが・・・。 「さぁて、次は何処に行こうかねぇ。あんた、他の奴がどこに行ったかしらないかい?」 「勝手に言うなよ・・・・。兄貴は任務だし、他の皆のプライベートはあんまりしらないさ。」 「なんだい、つまらないねぇ。」 小町の身勝手な言動に、ペッシは今日何度か分からないため息を付いた。 「あーあ、都合よく何か面白いものが・・・・あだっ?!」 突然、小町が何かに躓いた。 「小町っ!!大丈夫か?!」 「いたたたた・・・・・何だこれ・・・・・・。」 小町か躓いたのは、額縁に入った中くらいの鏡であった。 路地裏から僅かにはみ出し、普通に道を歩いてたらまず気づかなかっただろう、 しかし、道に鏡。 どうみても不自然です、ありがとうございました。 「・・・・・・イルーゾォ・・かな?」 「・・・・・・イルーゾォ、だよね?」 そう思い、小町は、こんこんと鏡を叩く。 そして、しばらくすると。 「何だ、小町とペッシか。」 「「うわぁっ!!」」 突然、上半身をイルーゾォがうにょん、と出してきた。 きっとこれで髪を結んでなかったら貞子そのものだったろう。 「急に出てくるなよ!鏡越しに会話しようよ。」 「いや、個別に見えるように設定するの、面倒なんだよ。」 そう言ってイルーゾォはうぞうぞと鏡から出てきた。 「いよっと・・・・。あー、任務用の鏡だから居心地悪いんだよなぁ。」 イルーゾォはんーっと伸びをしながら立ち上がる。 「任務用・・・・ってことは仕事かい?」 「いや、違うよ。居心地悪いけどこの鏡、透き通ってるからよく見えるんだ。」 おそらく、日常的に『鏡の世界』に入っているイルーゾォではなければ解らない感覚なのだろう。 「よく見えるって・・・・?」 「ちょっとな・・・・・っ?!」 次の瞬間、バッとイルーゾォは後ろを振り向く。 「来るっ!!マン・イン・ザ・ミラー!!」 そう言って、イルーゾォは小町とペッシごと、自分を鏡の中に入れた。 「「うわぁっ!!」」 「よっ!」 突然吸い込まれてペッシと小町は思わず倒れる。 それと反対に、イルーゾォは華麗に着地した。 「こ・・・小町、重い・・・・・。」 「重いとはなんだ!!ここは胸が当たってどきどきするところだろうっ!!」 「いや・・・・それより・・・早くどいて・・・。」 小町は船頭と言う体力と使う仕事についているせいか通常の女性よりも筋肉がついており体重は重いのである。 「騒がれると面倒だから、入れさせてもらったぞ。用が終わったらすぐ出してやる。」 そう言ってイルーゾォは何やらメモを取り出す。 「えーっと・・・・・・・。」 そして何やらぶつぶつと呟きながら掌を宙にかざす。 すると、そこに光る図形が現れたかと思うと、パッと小さな何かが現れる。 「よしっ!!成功だ!!頑張ったかいがあった!!」 そう言ってイルーゾォはグッと拳を握る。 そこには、ふわふわと浮かぶ可愛らしくデフォルメされた小さなマン・イン・ザ・ミラーの人形があった。 ちなみに、イルーゾォの自作である。 「さぁて・・・・これを後は・・・・・。」 そう言ってイルーゾォは人形を操って鏡の外へと向かわせる。 右手をうねうね動かし、必死に動かす。 時々地面に落ちながらも、なんとかマン・イン・ザ・ミラー人形はアリスの座っている席の下にたどり着いた。 「何だい何だい?何をするんだい?」 「黙ってろ・・・・・。」 そう言うと、イルーゾォは今度は足元の鞄の中から、何やら無線のような機械を取り出す。 「・・・・よし、感度は良好・・・・・。」 ふふふふふふ・・・といかにも怪しげに笑うイルーゾォ。 「・・・・盗聴?」 「・・・・あんたはそう言う怪しげな事が似合うねぇ。」 「違うわっ!!」 白い目で見るペッシと小町に、イルーゾォは怒る。 「ほら・・・、あそこの喫茶店を見てみろ。」 イルーゾォに言われて、二人は鏡の向こうに見える喫茶店を見る。 すると、そこには何やらオープンテラスの席に座ってそわそわしているアリスの姿があった。 「おや、あれは人形使いじゃないかい。あんたの彼女・・・・。」 「違う。」 小町の言葉に、イルーゾォは即答して否定する。 「・・・今日、アリスが相談したい相手がいるって言ってたんだよ。 今日はそいつと会う約束をしているらしいんだ。」 「・・・・で、イルーゾォは覗きをしてるんだ。」 「だからちげぇって言ってるだろペッシ!!ぶっ殺すぞ!!」 本気でキレかけたイルーゾォは、こほん、と席をして取り繕う。 「・・・その相手があんまり信用出来ないんだよ。例の・・親衛隊の片割れだからな。」 イルーゾォがそう言うと、ペッシの顔が真剣になる。 「・・・なるほど。」 「相手はあのボスの直属の部下だ、もしかしたらアリスは利用されるかもしれない。」 それを聞いて、小町ははぁ、とため息をつく。 「・・・・何だよ?」 「いや、あんたも大概過保護だねぇ。」 「・・・・・・ふん。」 ニヤつく小町から顔をそらした。 そして、しばらくするとその待ち人が現れた。 灰色のズボンに青いシャツに、銀色の時計が、褐色の肌に映えている。 銀色の髪の美しい、美青年である。 「イルーゾォ、あいつか?」 「あぁ・・・・・。あれが・・アリスの相談相手・・・ティッツァーノだ。」 そう言ってイルーゾォは精神の集中させ、人形を匍匐全身させ、アリスとティッツァーノの座っている席のテーブルの下に配置する。 『は・・・・、始めまして!アリス・マーガトロイドです。』 『はじめまして、アリスさん。ティッツァーノです。』 慣れない美形の男性を前に、アリスはガッチガチに緊張しているらしい。 それとは対照的に、ティッツァーノはリラックスした様子でアリスに笑いかけている。 「・・・・あー、確かに何か遊びなれてる感じだねぇ・・・・。」 小町はうんうんと頷く。 イルーゾォは警戒心MAXで、ティッツァーノをにらみつけていた。 「・・・あんたより、あいつの方が遥かにいい男だしね。 同じ長髪キャラでも、あんただと怪しげで暗いけど、あいつは何か耽美な感じだし。」 小町の言葉で、イルーゾォの精神力が下がった! 『私にお話があると聞いたのですが・・・・・。』 ティッツァーノは優雅なしぐさで、店員にコーヒーを頼む。 『あ・・はい・・・。その・・・くだらない事で申し訳ないんですけど・・・・実は恋愛のことで・・・・。』 アリスは真っ赤になりながら、ティッツァーノに話を続ける。 『くだらなくなんかありませんよ?ですが・・・何故私に?』 そう言うと、アリスの顔が赤くなる。 『その・・・・実は私の好きな人が同性・・・で・・・・・。』 アリスの言葉を聴くと、彼はなるほど、と言って頷いた。 『なるほど、それで私を・・・・と。』 『幻想郷は閉鎖的な辺境・・まぁ、言ってしまえば田舎です・・・・。 偏見の目は強いですし・・・、何より、どうやって彼女に思いを伝えればいいかわからなくて・・・。 それで、知り合いづたいにあなたの事を聞いたので、こうしてお会いしているのですが・・・・・。』 俯きながら、苦しそうにアリスは伝える。 「「・・・・・・・・・・・・・・。」」 その様子を見て、思わず小町とペッシも黙ってしまう。 空気が、一気に重くなる。 アリスの言葉に、一瞬イルーゾォの表情が硬くなり、拳を握り締めたのに、誰も気づかなかった。 『そうですね・・・、私の場合・・・・まぁ常に一緒にいて気づいたらそうなってたと言う感じでしたから・・・・。』 そう言って、ティッツァーノは目を閉じて真剣に考え込む。 『やっぱりいつも出来るだけ一緒にいた方がいいってことですか?』 『いえ、そう言う訳ではありませんよ。仕事の都合上、色々と2人で修羅場を潜ってましたし・・・。そうですね、強いて言うなら・・・・・・。』 そう言ってティッツァーノは閉じていた目を開く。 『相手を、徹底的に服従させることでしょうか。』 「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」」」 盗み聞きをしていた三人は、思わず言葉を失った。 『スクアーロは、何といいますか、頭が足りないんですよ。 その気になれば相当強いスタンドを持っているのにどうも作戦は立てないわ感情に流されるわ・・・。 そこで私が彼のパートナーとして選ばれたんですよ。』 『ほ・・ほぉ・・・・・。』 アリスは何やら、興味深げにその話を聞く。 『まぁ、私のスタンドを使うのにその場の状況が水分さえあれば解るスクアーロの能力があればかなり使いやすいと言う事もありますが・・。 それは置いておきましょう。 スクアーロも、始めは私に反発していたのですが・・・・。』 『・・・・・・・・。』 アリスは、息を呑む。 『なので、始めは少しずつ慣らしていきました。 下手に刺激をせず、出来るだけ、彼と一緒にいるようにして。 そして戦闘でも、出来るだけ彼をサポート出来るように火器の扱いを特訓して。』 ティッツァーノは遠い顔をして、懐かしむ。 『そうして、彼が100%私を信用するようになったら、後は簡単。 彼の心、思考、好み、全てを把握して、それを最大限に利用する。』 そして、ティツァーノはにっこり微笑んだ。 『最終的に、自分無しで生きられないようにすれば異性だろうが同性だろうが関係ありません。』 「「「こえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」」 その眩しいまでの笑顔と恐ろしい言動に、三人は顔を青くして叫んだ。 『な・・・なるほど!!参考になりました!』 興奮した様子で、目を輝かせながらアリスは言う。 『参考になったなら、何よりです。』 ティッツァーノはニコニコしながらそう言った。 すると、突然ティッツァーノの上着のポケットから、電子音が鳴り響く。 『失礼。』 そう言ってティッツァーノは、携帯電話に出た。 『はい、もしもし。どうしたんですか? ・・・・大丈夫ですよ、いくら何でも人間の里で襲われはしません。』 だが、電話の相手はアリスにも聞こえるほど大声で、何かを喚いているようだ。 すると、ティッツァーノは息を吸ってぞっとする低い声で言った。 『・・・・・・・・・・・スクアーロ、あまりナメた事を言うと本気で怒るぞ?』 ピタッと電話の声がやむ。 『仕方がありませんね、晩御飯はあなたの好きな物にしてあげます。 それじゃあ、人と一緒にいるので。』 そう言って、ティッツァーノは電話を切った。 『すいませんでしたね、少々やりすぎたので。』 『いえ!すっごく参考になりました!ありがとうございます。』 そう言って、アリスは席を立つ。 『早速帰って実戦してみます!ありがとうございました!!』 『えぇ、頑張ってください。』 失礼します!といってアリスはその場から駆け出した。 そして、ティッツァーノは、手にしていたコーヒースプーンを、ひゅんっと投げた。 「っ?!」 そのコーヒースプーンは鏡に命中し、鏡は割れた。 「・・・・・・さすが、元親衛隊なだけある。」 イルーゾォは舌打ちをする。 この程度なら十分出入りは出来るが、あそこからはバレないように鏡は配置したつもりだった。 「悪かったな、二人とも。」 そう言ってイルーゾォが指を鳴らすと、三人は騒がしい鏡の外へと出てきた。 「ったく、アリスもあんなのに影響されやがって。」 そう言って、イルーゾォはため息をつく。 その様子を見て、小町は思わず笑った。 「くくっ・・・・・。」 「何だよ。」 「何でもないさ、それより、あんた、早くあの人形使いのお嬢ちゃん止めた方がいいんじゃないかい?」 小町に言われて、イルーゾォはハッとする。 このままではアリスが由花子さん真っ青の存在になりかねない。 「そうだった!!悪い、二人とも!」 そう言って、イルーゾォは足元においていた鞄をひったくって駆け出した。 stage3 モンスターアサシン3G 突然掛かってきた電話。それは、彼の仲間からだった。 よく理由は解らないが、何やら大いに慌てている。 「さぁて、次はどこに行こう・・・・・・・ん?」 小町が人間の里を歩いていると、突然電子音が鳴る。 この幻想郷で鳴り響く電子音なぞ、そう滅多に無い。 「あっ・・・!!俺の携帯だ!!」 そう言ってペッシはズボンのポケットから携帯電話を取り出す。 「pront?」 そう言ってペッシはそのままイタリア語で会話を始めた。 どうやら、暗殺チームのだれからかの電話だったらしい。 ペッシはなにやら困ったような顔をしながら、会話を続ける。 そして、電話が終わった。 「何だって?」 「いや・・・、兄貴から。急いで湖まで来いって・・・・。」 それを聞いて、小町がニヤリと笑う。 「ふふーん、何やら面白そうだねぇ。」 「・・・・・何も言わないさ、どうせついて来るんだろう?」 ペッシはジト目で小町を見た。 「その通りさ!」 小町は正反対に、爽やかな笑顔でペッシに告げた。 to be continued・・・・ 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/178.html
「あれ・・・?兄貴いないなぁ?」 「本当だねぇ、ここであってるのかい?」 2人は、紅魔館が傍に立つ湖まで飛んで来ていた。 プロシュートが指定した場所は、紅魔館の真向かいの岸、と言う事だった。 秋のせいか少し枯れかけた植物がぼうぼうと生えており、木々は少し色づいていた。 「兄貴ー?」 「プロシュートー?」 そう言って2人はプロシュートの姿を探す。 ガサガサと音を立てて2人は草むらを進む。 「こっちかな・・・・。」 そう言ってペッシが森の方に向かった瞬間。 「うひゃぁっ?!」 突然、首筋にひやっとしたものを2人は感じる。 そして、ペッシはビーチボーイを、小町は大鎌を出現させ、構える。 だが、2人とも涙目であるのが情けない。 「落ち着いて!私よ私!」 落ち着いた感じの声が、2人を諫める。 そこには、何やら木の葉で身を隠したレティがいた。 「・・・・・レティ?何やってんだよ?」 「いいから静かに!伏せて!」 何やら慌てた様子で、レティは2人に伏せるよう促す。 レティの必死な様子に、2人は伏せる。 「そのままよ・・・・出来るだけ音を立てないで・・・・。」 そして、レティは2人を誘導する。 2人は、森の中に通された。 「・・・・・来たか。」 「兄貴?!どこですかい?!」 突然聞こえた声に、ペッシは辺りを見渡すが、プロシュートの姿はない。 「ここだここ。」 そう言うと、突然地面が盛り上がった。 「うわぁっ?!」 驚くペッシだが、すぐにそれの正体は解る。 「俺だ、俺。」 そう言ってプロシュートは色のあせた繊維の大量についた袋を被ったプロシュートだった。 「兄貴!!」 「いやー、紫の奴・・面倒な事しやがってよぉ・・・・。」 ぶつぶついいながら、服についた繊維をプロシュートは払う。 「・・・なんだい、それ?」 「あぁ、これはギリースーツって言う、本当ならスナイパーとかが使う潜伏用の道具だ。 少し一人じゃきつくてソルベに手伝ってくれって頼んだらこれを持ってきた。 ついでにここの近くにいたギアッチョにも手伝わせたが・・・相当きつかったな。」 まぁ、これのおかげで随分楽だったが、と言ってため息をつく。 「あんた、一体何を頼まれたんだい?紫って言ってたけど映姫さまからの任務なんじゃないのかい?」 小町がプロシュートの言葉を不思議に思ったのか、尋ねる。 「いや、映姫の奴経由で頼まれたんだけどよ、博麗の巫女にばれるとあとが面倒だから貸し一個でそっちで処理してくれだと。」 「そりゃまた何で?」 「・・・・相当理由がくだらないからだよ。」 そう言って、プロシュートはガサゴソと森の奥まで進む。 森が、少しひらける。 「おーい、ペッシきたぞー。」 ペッシと小町は思わず硬直した。 「おーきたかー。」 そう言うジェラートは血まみれで、何か巨大な物を縛り上げている。 血まみれのジェラートは、まぁ、いい。 ペッシも小町も、ジェラートとソルベの危なさは知っているので、それは別に驚く事ではない。 問題は、血まみれになってジェラートが縛り上げているモノである。 ピンク色の、何やら大きなくちばしの、鳥のような、だけど何か辺りの木くらい大きさがあって、鱗で肌は覆われている。 「・・・・先生や。」 「先生、先生じゃないか・・・・・・。」 思わず小町は江戸っ子口調が関西弁に、ペッシはネットスラングになる。 そう、それは某ハンターゲームで、誰もが始めにつむ、ピンク色のダチョウチックなドラゴンだった。 ペッシは無言でそれを指差しながら、プロシュートの方を振り向く。 「あぁ・・・・、それには・・深い深いわけがあるんだぜ・・・・。」 遠い目をしてプロシュートは、紫の姿を思い出した。 『カピバ○さんってキャラクター知ってる?かわいいわよねー、私、大好きなの。 最近はぬいぐるみにモフモフしながらお昼ねしてるんだけど・・・・・。 え?何よその目は。いいじゃない。女ってのはいくつになってもかわいいものが好きなの! ほら、男の子がロボット見るといくつになっても興奮するのと同じよ。 それでね、どうせなら本物呼んじゃおうっかなーって思って、自分の能力フル活用して。 二次元と三次元の境界弄ったら・・・・うっかりモンハン入れっぱなしだったPSPの境界も弄っちゃって♪ 何体かモンスターがこっちに来ちゃったから退治してくれる?ちょっと力使いすぎて疲れちゃって私は無理なのよー。 藍も橙も今日は用があるから呼ばないでください、って前もって言われてるし、お願いするわね。 あ、もちろん報酬ならきちんと上げるから安心して。 え?死んだらどうする?大丈夫でしょ、ゲームだし。 ふぁぁ眠くなっちゃった・・・、それじゃあ私は寝るからよろしくねー。』 「・・・・・・・だってよ。」 何ともいえない表情で語るプロシュートに、ペッシも小町もコメントできない。 「とりあえず、ソルベを無理やりかりだして、近くにいたギアッチョも連れ出してこれでようやく三匹目だ。」 「ちなみに、今までのは?」 「あぁ、とりあえず倒してから、この紫特性の結界縄で縛れば元に戻るってよ・・・・。 いやあ、リアルでまさかドラゴンと連続で戦うとは思わなかったぜ・・・・。」 ゲームの中だったら連続狩猟なんてあの程度楽勝なんだけどなぁ、と疲れきった顔でプロシュートは言う。 「もうモンハンも幻想入りかねぇ・・・・・。」 「あぁ、次はマジアカDSだ・・・。」 2人は遠い目をして、現実逃避を試みる、が、現実は変わらない。 「まぁ、ペッシ。後一匹だ、・・・・・一体何なのかは、解るよな?」 「え・・・・・?」 突然、後ろの草むらでガサッと物音がする。 小町とペッシが後ろを振り向くと、そこにはホワイト・アルバムを装着したギアッチョがいた。 後ろに、何やら氷のような羽根の生えた少女を乗せて。 「おかえりなさい、ギアッチョ、チルノ。かえるはいっぱい見つかった?」 レティはそう言ってギアッチョとチルノの元へ飛んでいく. 「うん!あたいいっぱい見つけたんだから!!」 そう言ってチルノは氷の檻に閉じ込めたかえるをレティに差し出した。 「・・ったく、ガキのおもりはもうこりごりだ・・・。」 子供となんぞ滅多に触れ合わないギアッチョは、チルノの相手に相当憔悴したらしい。 深くため息をついてスタンドを解除する。 そして、プロシュートのところにいく。 「ペッシ呼べたのか。」 「あぁ。」 ギアッチョの言葉に、プロシュートは頷いた。 「後はあれだけだな。」 「そうだな、あれだけだな。」 そう言って、二人はうなづく。 「じゃあ、ソルベー。指定してた位置で待機しててくれー。」 「あいよー。」 そう言うとソルベはスナイパーライフルを担いで森の中へ入っていった。 「後は・・・、メローネが来るのを待つだけだな。」 そして、メローネが来た。 彼も急いで来てくれとしか言われてないのか、その手にはベイビィ・フェイスの親機しか持っていない。 「まったく・・・何なんだアンタら。」 そう言って眠そうにあくびをする、どうやらどこかで昼寝でもしていたらしい。 「ギアッチョ。」 「おうよ。」 プロシュートに言われて、ギアッチョはメローネを縛り上げる。 「え?何?」 「拘束プレイ?とかお約束な事聞くんじゃねーぞ。お前はカエルに続く第二のエサなんだからな。」 そう言ってプロシュートはメローネを何処からか持ってきた台車の上に乗せた。 「よし・・・、これで準備はOKだ・・・。ペッシ!小町!お前らもこい!!」 「チルノ、レティ、行くぞ。」 プロシュートとギアッチョは、ガラガラとメローネを引きずりながら湖の方向へと歩いていく。 その様子を見て、チルノはポンッと手を叩いた。 「あたいああ言うのなんていうか知ってるわ!」 「・・・・一応聞こうかねぇ、なんて言うんだい?」 小町は期待せずに、チルノにその答えを聞いてみる。 「ドナドナ!!」 目を輝かせながら言うチルノに、まぁ、間違ってはないなぁ、と小町とレティ、それにペッシが考えた。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/176.html
「さぁて!久々に休みさね!!」 そう言って、小町はんーっと伸びをした。 今日は小町は、久々の休みである。 彼女があまり休みを取れない理由としては、彼女がサボりすぎてノルマに達していないと言う事があるのだが。 だが、ここ最近はペッシが見習いとして働いているせいか面倒を見ている小町も自然と仕事をするようになる。 ゆえに、今日は珍しく一般人並に休みがとれたのだ。 そして今日はとてもいい天気で、風も気持ちいい。 「・・・・・そうだ。」 小町はいい事を思いついたのか、にやりと笑う。 溜まっていた洗濯物は全て洗って干したし、洗い物もした。 特に提出しろと言われている書類もない。つまり、自分を束縛するものはない、と言うことだ。 そして、この間買ったデジカメを鞄に突っ込んで、家の外へ飛び出した。 「あぁ・・、いい天気だなぁ・・・・・。」 そんな事を呟きながら洗濯物を干していく青年が一人。 緑色の髪の、何となく大根を思わせる風貌、我らがマンモーニ、ペッシである。 本日、彼は洗濯物当番であり、暗殺チーム邸の中庭で洗濯物を干していた。 無法者だらけの暗殺チームにおいて、ペッシは真面目な部類に入る。 彼が干した洗濯ものはきっちり伸びており、型崩れしないのでリゾットは非常に気に入っている。 ペッシは自分が足を引っ張っていると自覚しているので、せめて日常の事では役に立とうとこうして小さな所で頑張っていた。 まぁ、肝心の兄貴がそう言うところをあんまり頓着しないのが悲しい所である。 リゾットはそう言うところを評価してくれるのだが、残念だがプロシュートを兄貴とするペッシにとって、リゾットは上司の上司のような存在でありどうも緊張してしまうらしい。 それをリゾットが結構気にしているのはペッシ以外には周知の事実である。 「よしっ・・・・、これで終わりだな・・・。」 そう言ってペッシは洗濯籠をまとめる。 この屋敷には九人(レティは洗濯は自分でしているのでノーカウント)で、洗濯籠も複数必要なほど洗濯物が溜まるのだ。 「えぇと・・・、今日兄貴は任務だっけ・・。大変だなぁ・・・・。」 自分もついて行きたかったが、兄貴に休むときは休め!!としかられてしまったのだ。 この間の休みは、結局皆でゲーム大会で終わってしまったので今日は何処かに出かけようかな、と考える。 「よっ!!ペッシ!!」 「うわっ!!」 突然、上空から話しかけられ、ペッシは飛び上がりそうになる。 上を見てみると、そこには私服の小町がいた。 「な・・・何だよ小町・・・・・!ちゃんと玄関から入って来いよ!!」 「いいじゃないかい。リゾットはいないだろう?あいつは下手すると映姫さまより煩い事があるからねぇ。」 裾の短い着物にスパッツと言う活動のしやすい格好で、なにやらバッグを肩から提げている。 そして、何より目を引くのが首から下げたデジタルカメラである。 「何だ、それ?」 「何って・・・・デジタルカメラさ。」 それ、見れば分かる、と思わずペッシは突っ込んだ。 「いやぁね、あんたら元々外の人間じゃないか。だから、あんたらがどうやって幻想郷に馴染んでるか気になってね。 ちょっくら天狗の真似でもしてみようかと思ったのさ。」 要するに、休日の暗殺チームの面々を観察し、何か面白いことでもしてないか見に来たらしい。 「さぁ、ペッシ行くよ!!」 「えぇぇぇぇぇぇ!!俺も行くのかーっ?!」 「文句を言わない!黙ってお姉さんに付き合うんだ!」 ノリノリの小町に首を引っ張られ、ペッシの幻想郷巡りが始まった。 stage1 小人と魔女のわくわく動物ランド ここは魔法の森のとある広場。 普段は魔法使い達が大きい儀式をしたりする時に利用する広場は、氷と星の舞う戦場となってた。 「ちっ!!」 魔理沙は氷のツララをかろうじて避けた。 これにぶつかったらひとたまりもないだろう。 敵の当たり判定は小さく、かなりの素早さでこちらの攻撃を避ける。 「なるほど・・・確かに強いぜ・・・・けどな!!」 魔理沙が両手を上げると、彼女の弾が着弾した地点から、レーザーが放たれた。 網の目のようなレーザーにより敵は動きを制限され、逃げ場をなくす。 「喰らえっ!!マスタースパーク!!!」 そして、敵は魔理沙のマスタースパークにより、見事に打ち落とされた。 「・・・なんじゃありゃ、魔理沙が戦ってるのは・・・氷の妖精でも、ギアッチョでも、冬の妖怪でもないねぇ。」 小町は、その様子をさらに上空から眺め、写真を撮る。 色とりどりのレーザーが氷に反射し、飛び散った氷の欠片がカラフルな星と共に舞う様は、非常に美しかった。 それを見て、ペッシは小町に思い当たるところを言う。 「あっ・・・、あれは多分ホルマジオが拾ってきた・・・・。」 「おぉ、そこまでだな。」 そう言って、ホルマジオは打ち落とされた魔理沙と対峙していた相手の下へ歩いていく。 その相手とは、鋭い目つきをした隼である。 隼はまだ戦意を喪失していないのか、飛び上がろうとする。 だが、すぐにそれをホルマジオに取り押さえられた。 「おいおい、だからスペルカードルールに従えっつってんだろ。魔理沙に手伝って特訓してもらってる立場だろ。」 羽を掴まれた隼は、ホルマジオを睨み付ける。 次の瞬間、ホルマジオの真上に巨大な氷塊が現れた。 「って・・・おい!」 ホルマジオは慌てるが、すぐにそれは上空で砕ける。 そしてその氷塊を砕いた主はシュタッと華麗に地面に着地した。 「ふんっ!!たかが氷なんて芸がないな!!」 そう言ってふんぞり返るのは、橙だった。 その足元では、奇妙な服を着てる猫がふわぁとあくびをしている。 「何だ?ドルチ?つまんないか?」 すると、猫は確かに知性を持った目で、猫はホルマジオを見返し、その口を開いた。 「いやぁ、俺は戦いなんて出来ないただの飼い猫なんでね。 別に今の生活に不満はありゃしないし、ホルマジオの旦那にゃ感謝してるさ。 渡り鳥の背に乗って脱出したはいいもののこんな山の中でどうしようかと思ってたからな。 しかもそいつに襲われるしよォー・・・・・・さんざんだぜ。」 そう言って猫はホルマジオの肩に乗った。 そして、ちょいちょいと前足でホルマジオの持っている隼の頭をつつく。 キエェッと鳴いて、隼は怒る。 「ペットショップ、おめえもそんな戦闘馬鹿でどうするよ? もうその飯をくれるDIOって奴はいねーんだろ?」 しょうがねぇなぁーとドルチはホルマジオを物真似をした。 ペットショップと呼ばれた隼は、バッとホルマジオの手を振り切り、そのまま空高く飛び去ってしまった。 ビュンッと小町の横を、風のごとくペットショップが通り過ぎる。 「うわっ!!なんだいあいつ!下手な妖怪より速いじゃないか!!」 小町ははしゃぎながらペットショップの姿を写真に取る。 ペッシは苦い顔でため息を付いた。 「速いだけじゃないのがなぁ・・・・・。」 そして、あの日の悪夢を、ペッシは思い出した。 「懐かれてないな、マジオのおっさん。」 そう言って笑いながら、魔理沙が上から降りてきた。 ホルマジオはためいきをつきながら話す。 「いやあ、俺だってあいつの怪我を看たり面倒みたんだぜ・・・・・。」 怪我が治ったとたんペットショップは大暴れしだしたのだ。 屋根に穴が開き、イルーゾォのお気に入りの鏡は割れ、その他もろもろ被害総額は計り知れない。 しかし相手が悪い、相手はスタンド使いをいくつも葬り去っている暗殺チームである。 ペットショップはマン・イン・ザ・ミラーでスタンドを封じられ、グレイトフル・デッドで老化し飛ぶ力が弱まった所をビーチボーイでキャッチ。 そしてリトル・フィートで小さくさせられた上、、メタリカで拘束されたのだ。 その後、しばらく屋根はビニール、割れた窓ガラスはギアッチョの氷で間に合わせるといった自体になった。 映姫様にはめちゃくちゃ怒られ、周りのメンバーからも相当な怒りを買い、減給のうえ暫くだれも口をきいてくれなかった。 「しかもよぉ、結局あの後、ペットショップはリゾットの言う事だけ聞くようになったんだぜ・・・・。俺に何が足りないってんだ・・・・・・。」 くうっと本気で悔しがるホルマジオ。 「あれだよ・・・・・カリスマ?」 「かりすま?」 「カリスマだぜ。」 「お前らなぁっ!!」 ほぼ同時に同じ事を言った三人、正しくは一人と二匹に、ホルマジオは切れかける。 すると、橙が突然、ふと思い出したかのように言った。 「前から気になってたんだけど・・・・・お前、本当に三歳か?私の配下の猫でも、お前みたいにたった三歳で喋れるようになった子なんていないぞ?」 橙は訝しげに、ドルチェを見る。 彼女の配下の猫は妖力を持った猫ばかりだが、それでも喋れる物はそういない。 「さぁ?あれだ、火事場の馬鹿力ってやつじゃねぇーのか?俺もそうとう追い詰めれらてたし。」 まぁ、しょうがないんだけどな。と言ってドルチは再びあくびをした。 自分も元飼い主も、どちらも生き残る為に必死だったのだ、恨んではいない。 彼が作った衣装をまだ身に纏っているのが、その証拠だった。 「そういや、そろそろ昼飯の時間じゃないか?」 魔理沙が空を見て、ふと思い出したように言った。 ホルマジオが腕時計を見ると、確かに時間は12時過ぎだ。 「マジだな。・・・・今日は誰も家にいねぇんだよなー。面倒だから食いに行くか。」 「おぉ!橙!!今日はマジオのおっさんのおごりだそうだぜ!」 「やったー!マジオのおごりだー!」 「お前らぁぁぁぁぁぁ!!」 笑いながら言う魔理沙に、橙はぴょんぴょん飛び跳ねながら喜ぶ。 口では文句を言っているが、最終的にホルマジオが奢ってくれる事を、2人は重々承知しているのだ。 「そういやそろそろ昼だねぇ。よし、あたい達も飯を食いに行くか。」 魔理沙達から興味を失ったのか、小町はデジカメの電源を落とした。 「達って・・・・まだ俺も付き合うのかよぉ・・・・。」 ペッシはなにやら渋そうな顔をしてため息をつく。 「まぁ、そう言うなって!お姉さん奢ってあげるからさ!ほら!人間の里に行くぞー!!」 そう言って小町は無気力なペッシの首をつかみ、人間の里の方向に飛んでいくのだった。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/trivia-mike/pages/3690.html
リーダー気取りがたくさんいて悪い方向に向かうこと。 対になるもの 三人寄れば文殊の知恵
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/180.html
stage5 夕暮れ、朱色の滝 妖怪の山の滝は、紅葉も手伝ってか夕方はひたすら赤く、美しい。 そこに流れる音は、水しぶきの音と、金属のぶつかり合う音。 問題だらけの暗殺チームの一番の問題児、切れてる殺人鬼の片割れジェラート。 決して某クーラの改変キャラではない。 そしてそのジェラートは常にソルベと一緒である。 ソルベにつねにべったりくっつき出来てるんじゃないか?ってレベルじゃねーぞ!という依存具合だった。 具体的に言うと、ソルベがいない時、彼を一時間放置して置くと部屋の中の家具と言う家具が細切れになる。 しかもジェラートは野生の動物並に警戒心が強い。暗殺チームの仲間はともかく、それ以外にはまったくと言っていいほど心を開かない。 実際、死後、地獄でもまったく馴染まなかったらしい。 だが、そんな彼がソルベと一日離れて過ごしている。 それをまず、暗殺チームのメンバーが聞けば、「ねーよww」と一笑しただろう。 だが、それが現実に起こっているのだ。 「あ・・・・ありえねぇ・・・・あの時にはペッシ以上のマンモーニだったジェラートが・・・・。」 「まぁ、あれだ。二年もたてばあいつだって成長するさ。」 空を飛び、妖怪の山の方向に向かいながら、一同は移動していた。 未だにプロシュートはソルベの話が信じられないのか、先ほどからぶつぶつとプロシュートは呟いている。 「ねぇ、メローネ。そのジェラートって人はどう言う人なの?」 初めての外に興奮しているのかフランは様々な事を先ほどから質問していたが、ずっとプロシュートとソルベがその事について話していたのか気になったらしい。 「そうだなぁ、フランみたいな性格の人はそれほど珍しくないって事かな。」 「えっ?!その人もモノの目を壊せるの?!」 「いやぁ、確かに近い事は一応できるけどねぇ。ギアッチョに続く二番目のぶっ壊し魔だから。」 メローネは、やれやれといった様子で両手を上げた。 そんな彼も、間違いなくリゾットのストレスの原因の一つだが。 「あははははーっ!面白い髪ーっ!!あたいこーゆー果物、本でみたことあるわ!」 「痛いっ!!引っ張るなぁぁぁぁ!!」 チルノは面白がってペッシの頭をひっぱって笑っている。 ペッシも子供相手にスタンドを使う気にならないのか、されるがままである。 「あらあら、チルノったら・・・・・。」 「止めろレティ!!おいクソガキ!将来ペッシが剥げたら・・・あれだ!もうペッシの特徴がなくなるからやめろ!!」 「あんたもひどいねぇ・・・・。」 笑いながらその風景を眺めるレティに、それを止めようと慌てるギアッチョ。 そして小町はキセルを吸いながらその様子を他人事のように突っ込んだ。 一同の下では、色づいた葉が赤い夕日に照らされてさらに赤くなっていた。 時折、風に乗って落ち葉が飛んでくる。 「ん・・・・・・・?」 その時、フランは聞いたこともない、何かが響くような音を耳にした。 「ねぇねぇ。この音、なぁに?」 「・・・・・音?」 フランはメローネに問いかけるが、メローネの耳には何も聞こえない。 『メローネ、フランと貴方では聴力が違うので、そのせいです。』 突然、フランの傘から声が聞こえる。ベイビィ・フェイスの息子である。 「なるほど、何の音が解るか?ベイビィ・フェイス。」 『この近くだと、おそらく目的地の滝の轟く音かと。』 「あー、なるほど。」 ベイビィ・フェイスの言葉にメローネは納得する。 つまり、そろそろ目的地だ。 音を轟かせ、紅葉を巻き込み、流れ落ちる滝。 そこでは、何かが火花を上げてぶつかり合っていた。 「何だ?ありゃ?」 小町がのんきな声をあげる。 それを見て、ギアッチョは納得したように呟いた。 「なるほど・・・・、確かに幻想郷だったら、おおっぴらに暴れられるもんな。」 滝の前で激しくぶつかり会っていたのは両腕に鋼の爪をつけたジェラートと、この妖怪の山の警備員である、犬走椛だった。 「・・・・・しそう。」 フランが、突然ぽつり、と呟く。 「ん?」 メローネが気になってその目を覗き込むと、その目が赤く光っていた。 「楽しそう!私もあの人達と遊びたい!!」 そう言ってレーヴァテインを手に出現させ、二人の元へ向かおうと翼を広げ、高速で飛ぶ。 「しまった!!」 フランが暴走しかけている事に気づき、メローネはベイビィ・フェイスに命じて、彼女を拘束しようとする・・・・・。 が。 「きゃわっ?!」 妙な悲鳴を上げて、フランが弾き飛ばされる。 そして、体勢を立て直し、ぐしぐしと泣きながらとぼとぼとこちらに帰ってきた。 その顔はまるで壁にぶつかったように赤くなっている。 「・・・・・・川の上で戦ってたから、いけなかった。」 どうやら、流水に邪魔されてそこまでいけなかったらしい。 「あー、泣かない泣かない。家に帰ったら○テナのDVDの続きみせてあげるから。」 「本当っ?!世界を革命する力をーっ!」 メローネに慰められて、すぐにフランは機嫌を直した。 「・・・・よく扱えるなぁ、あんな子供を。」 ペッシが呆れながら関心した瞬間、突然傍の川の水面に、何かの影が現れる。 「おりょ?ソルベじゃないか。」 次の瞬間、近くの川からザバンッと何かが浮き上がってきた。 緑色の帽子を被った、水色の髪の少女である。 「おう、にとり。悪いな、ジェラートの面倒見てもらっちまって。」 「いいっていいって、いつも外の道具がどういう用途か教えてくれるから、これくらいお安い御用さ。 それにあたしじゃなくて、ほとんど椛様がああやって相手してるからね。」 どうやらソルベの知り合いだったらしい。 2人は和やかに談笑を始めた。 「河童か!・・・あんたら地獄にあんまり中のいい奴いないと思ったら、妙な所に人脈・・いや、妖怪脈があるねぇ。」 小町が、その少女を見て思わず感嘆する。 「カッパ?」 耳慣れない単語に、ギアッチョが首を傾げる。 「日本の妖怪よ、本とかで見たことない?天狗とかに続いてメジャーな妖怪だと思うんだけど・・・・。」 レティが、ギアッチョに説明する。すると、ギアッチョは思い出したらしい。 「あー、昔読んだ本に乗ってな・・・・。あれだ、ハリー・○ッターの妖怪図鑑みたいなのに・・・・。」 「小泉 八雲が出てこないって所があなたも最近の子ねぇ。」 ギアッチョの言葉に、レティが呆れた。 まぁ、妖怪である彼女が人間の若者の活字離れを心配する義理はないのだが。 「それにしても珍しいね、ソルベがジェラート以外の奴と一緒に、しかもこんな大勢で。」 にとりはソルベの後ろを飛んでいる一同を見て、愉快そうに笑う。 「あたしは河城にとり、この川にすんでいる河童さ。あんたらは?」 一同は順番に、にとりに自己紹介をしていく。 流石に、フランが自己紹介をしたときは、にとりもひっくりかえったが。 「それにしても、一体どういう経緯で河童、あとあっちでジェラートが戦っている天狗も・・・知り合いになったんだ?」 ペッシが、ふと、疑問に思いついた言葉を呟いた。 それを聞いてソルベは気まずそうに目をそらす。 「・・・・何やらひと悶着起こしたな、お前ら。どれくらい殺したんだ?」 「殺してはいねぇよ!」 さらっと言ったプロシュートに、ジェラートが突っ込んだ。 「あー・・・・・、実はよぉ・・・・・・・。 その、地獄に来たばっかりの頃、結構重い罪人ってことで、俺ら他の奴らからこき使われてたんだよ。 幻想郷中回って、幽霊成仏させたと思ったら買出しに行かされて道中妖怪倒して、 で戻ったら戻ったでデスクワークで、居眠りでもしようものなら先輩からネチネチと・・・・。」 ため息とつきながら、当時の過酷な労働環境を思い出すソルベ。 地獄には、労働基準法なんて物は適応されないらしい。 「映姫様が俺らに目をかけ、異常な労働量に気づくまでその状況は続いてたんだが・・・・・俺はともかく、ジェラートが限界だった。 いやぁ、出来るだけストレスをかけないようにしてたつもりだったんだけどなー・・・・・。」 あはははーと遠い目をしながらソルベは語り続ける。 「あー、あの時は大変だったねぇ。」 あっはっはっはっはと、他人事のようににとりは笑った。 「それで、さらに悪い事に俺達、天狗の新聞屋に目を付けられたらしくてもう常について来てるんだよ、あいつら。 俺達カタギじゃねぇからもう気配がはっきり解るのがたち悪くてよぉ、ぶっ殺す訳にもいかねぇし。 とか考えてたら、ジェラートの奴が限界で・・・・・一人で妖怪の山に乗り込みやがったんだ。」 「「「うわー・・・・・。」」」 そっから先は、まるでどこぞのアクションゲームのようだったらしい。 「何せスペルカードもガン無視してたらしいからな、あいつ。 もう弾幕避けて近づいたらざっくり、って感じで。 で、そこで剣術の得意なあの今ジェラートと戦ってる白狼天狗のねーちゃん・・・犬走 椛って言うんだが、ジェラートと直接対決をしだしたわけだ。」 「で、その時お前は?」 「あぁ、ジェラートが怪我でもしたら大変だから、大急ぎで向かったさ。 ただ仕事中だったから俺を追いかけてくる先輩やら上司やらを全員ノサなきゃいけなくてよー。」 脳内で、何処かの無双とかBASARAチックに暴れまわるソルベの姿が、一同の頭に思い浮かぶ。 「駆けつけた頃には・・・・全て終わっていた。 ジェラートは暴れまわってだいぶストレスを解消したらしく、椛の家で晩御飯をご馳走になっていた。」 「「「「「は?」」」」」 予期もしない展開に、一同はみょんな声を上げる。 「いや、どうもジェラートが精神年齢低いせいか、力の強い子供の妖怪が迷い込んできたって勘違いしたらしい。 確かにあいつは十年前記憶喪失だった所を拾って俺が育て上げたから確かに精神的にはガキそのものだが・・・・。 それからまー、ジェラートの奴すっかり椛に懐いて、俺と出かけるより椛のところに遊びに行きたいとか言い出しやがって・・・。 あれだな、そろそろ反抗期に入るのか・・・・おれの・・・俺のジェラートが・・・。」 「うるせぇ、親バカガチホモがっ!!」 急に泣き始めたソルベに思いっきりプロシュートが蹴りを入れる。 真面目に話を聞いていたのに、急に脱線されてブチ切れたのだ。 「だってよぉ!ジェラートの奴!河童や天狗以外に山の上の神様にも懐いてるんだぜ?! しかも相手もまんざらじゃなさそうだし!! あいつが大きくなったらどんな女たらしになるかもう心配で心配で・・・。」 「いや、もう十分大きいだろう・・・・・・・。」 「ほら、今までべったりなのが常だったからその反動だよ!!」 取り乱し巻くるソルべに冷静にギアッチョが突っ込み、ペッシはなんとかフォローをしようとする。 「じゃあ・・・・・やきとり!」 「あたいの番ね!えーっとぉ・・・・・りんご!」 「あら、じゃあゴマ。」 「まぁ?!またかい?!ま・・・ま・・・マントヒヒ!!」 フラン、チルノ、レティ、小町の四人は途中で話に飽きたのか、しりとりを始めていた。 だが、話している間に、ジェラートと椛の試合も佳境に入っていた。 「くっ・・・・!!」 盾で防御することで体力を温存していた椛に対し、ジェラートの体力が尽きてきたのだ。 元々、ジェラートが超人的な体力を有していたとはいえ、妖怪である彼女とはやはり元々ハンデがある。 そのため、短期決戦で終わらせようと激しい責めを続けていたのが裏目に出たらしい。 息が荒く、動きが鈍くなってきている。 それを見た椛は、後ろに大きく跳びジェラートから距離をとる。 椛は腕に装着していた盾を外し、手に持つ。 そして、まるでフリスビーのようにそれをジェラートの方へ向かって投擲した。 「っ?!」 予期せぬ攻撃に、ジェラートが一瞬、たじろぐ。 が、すぐに身体をそらし、盾を避ける。 「残念でござるな。」 避けた瞬間、背後から夕日を反射する銀色の刃が突きつけられた。 ジェラートの顔に汗が流れる。 「さぁ、降参するでござるよ。」 「・・・・・・・・・・いやだ。」 「ジェラート殿!リゾット殿や諏訪子殿に言いつけるでござるよ!!」 「えぇっ?!リーダーとか諏訪ちゃんに?!やだやだ!あの2人怒るとすっごい怖いんだよ?!」 苦手な名前を出したとたん、腕を上げて降参のポーズをジェラートは取る。 「よろしい。」 そう言って、椛は刃を収める。 「むぅ・・・・、また負けた・・・・。」 ジェラートは姿勢を直し、そう言ってぶつぶつと不満そうにつぶやく。 「前よりは改善されてはいるが、やはりまだまだ動きに無駄が多いでござるな。 まぁ、ジェラート殿の生前の生業から考えると、実際こうした戦闘はあまりしたことがないでござろう? 紅魔館の門番や拙者と戦い、経験を養うのも重要でござるが、やはり「いめぇじとれぇにんぐ」も重要でござる。 様々な戦闘を観察するのもまたよかろう。 あと、ソルベ殿が迎えに来たからって視線を僅かにそらさないこと。」 椛はジェラートに、細かくアドバイスをする。 それをふむふむとジェラートは聞き、胸のポケットからメモ帳を取り出してメモをする。 「さて、拙者もそろそろ帰って夕餉の支度をしなくては。今日は文様がこられますのでなぁ。」 やれやれ、と言いながらも愉快な上司と食事が出来るのが楽しみなのか、楽しそうだ。 「もみちゃんの家、今日は何?」 ふわり、と飛んで迎えに来た一同の元へ向かおうと、ジェラートと椛は進む。 「今日は栗ご飯でもしようかと。この間巡回中にいい場所を見つけた故・・・、ジェラート殿にも今度お教え致すでござるよ。」 「ふーん、今度パスタとかリゾットに栗入れてみようかな、料理当番の時に。」 たぶん、よっぽど美味く作らないと某マウンテン的な物体が出来上がるだろう。 「あーあ、お腹空いたなー!。」 そうジェラートは、赤い夕日に向かって叫んだ。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/179.html
「・・・・・・・・・・。」 そして、ペッシは紅魔館前の湖で、釣りをしていた。 ビーチボーイの先には、カエルがぶら下がっており、それは湖の中を漂っている。 ピクッと釣り糸が動いた。 そして、物凄い勢いでビーチボーイの糸が引っ張られた。 「う・・・うわぁっ!!」 「ペッシ!!」 引きずり込まれそうになったペッシを小町が支える。 ペッシは全力で、ビーチボーイを振り上げた。 そして、巨大な水しぶきをあげてビーチボーイに噛み付いた巨大な魚のようなドラゴンが、地上に姿を現した。 「「うわぁぁぁっ!!」」 驚く二人を置いて、次の瞬間ギアッチョとプロシュートは駆け出す。 ギアッチョが先行し、スタンドを発動させる。その手にはメローネが乗った台車にくくりつけた紐を持っている。 そして、プロシュートは後ろから物凄い勢いでその台車を押していた。 「レティ!チルノ!!!」 「おっけーよ!!」 「まかせなさい!!」 ギアッチョの合図でレティとチルノが、紅魔館に向かって一直線に氷の道を作り上げる。 プロシュートは台車に飛び乗り、ギアッチョがそれを猛スピードで引っ張り滑走した。 「し・・・尻尾を切ればいいんだよね?!」 「こいつぁ尻尾を切っても意味がないよぉ小町!!」 ペッシと小町は2人で巨大な魚竜を相手にしている。 「あたいの攻撃!受けてみろー!!」 「チルノ!そんなに接近すると・・・あぁぁ・・・・・。」 小町の大鎌は確かにゲームの武器に劣るとも勝らない大きさだが、振るのに時間がかかり、尻尾に吹き飛ばされる。 ペッシのビーチボーイは、心臓にたどり着く前に振り回される。 チルノは⑨なので論外だし、レティはギアッチョがホワイトアルバムを発動している間は人形サイズである。 ちなみに、グレイトフルデッドは水中で生息する生き物のせいか体温が低い魚竜には聞きにくく、直触りしようものなら尻尾になぎ倒され。 ホワイトアルバムは全身を凍らせるまでなく、相手が歩いた瞬間に踏み潰される。 ソルベのスタンドはどうみても戦闘用ではないので、精々森に逃げ込む時に役に立ったくらいである。 そして結論として、彼らは魚竜を一撃で倒せる火力が必要だと判断したのだ。 幸い、近くにはその火力のアテがあった。 紅魔館の地下である。 そして、そこの『火力』が非常に懐いているエサを、彼らは持っていた。 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 あまり前線に出る事のないメローネはあまりの出来事に涙目である。 そして、もうスピードで紅魔館に突っ込んでいく。 「おい・・お前達とまれっ・・・」 美鈴は必死に2人を止めようと構えるが。 「よっと。」 プロシュートはメローネを抱え、台車を蹴ってその場から降りる。 宙を舞うプロシュートは、地面にグレイトフルデッドを出現させ、自分を抱きとめさせる。 そして、ギアッチョはそのままパッと引っ張っていた手綱を離し、自分は横に移動する。 そのまままっすぐ、台車は美鈴に向かって高速で滑っていく。 「え?・・・・ってきゃあぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!」 そして美鈴は、思いっきり台車に吹き飛ばされた。 「おー、景気よく吹っ飛んだなー。ま、妖怪だし生きてるだろ。」 そう言ってメローネを抱えたままプロシュートは気絶している美鈴の元へ向かった。 地面にメローネを転がしてから美鈴の服をさぐり、スカートのポケットから門の物と思わしき、鍵を見つけた。 「セクハラー。」 「てめぇが言うな。」 メローネを一度蹴ってから、プロシュートは、がちゃんと門を開け、中に侵入した。 そしてギアッチョも台車を回収してその後を追って屋敷の敷地の中に入る。 侵入した瞬間、異常事態に、大量の妖精メイドが侵入者を撃退しようと弾幕を放っている。 だが、そんなスペルカードルールなどに従っていたらペッシと小町が死んでしまう。 「ギアッチョ、メローネ抱えてろよ。」 「おう。」 ギアッチョはホワイトアルバムを発動させて、メローネを抱え、弾幕を防ぐため氷の壁を目の前に張った。 「冷たっ!!」 そして、プロシュートは再びグレイトフル・デッドを発動させる。 ギアッチョが弾幕を避けるための壁を消した瞬間、冷気がなくなり妖精メイド達が次々老化して落ちていく。 「・・・・・何だっけか、今の家に越してきて、山の中には蚊が多いからってリゾットが買ってきた奴。」 その風景を見て、ギアッチョが呟く。 「あれだ、あのぐるぐるした奴だろ?」 プロシュートも思い出そうとしても思い出せないのか、うーと唸って考え込む。 辺り一体の妖精たちは、すっかり干乾びていた。 「蚊取り線香の事?」 元々日本文化に知識があったメローネが、二人の考えている物の答えを言う。 「「それだ!!」」 微妙に、グレイトフルデッドが嫌そうな顔をしたことに、誰も気づかなかった。 「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!」 紅魔館の廊下に、物凄い勢いで台車を引っ張る音と咆哮のような叫び声が響いた。 それは、グレイトフルデッドを乗せた台車を引っ張りながら走るプロシュートの声である。 列車の中のような狭い空間なら、グレイトフルデッドの効果範囲だが、さすがに広い紅魔館は無理である。 しかも機動力のないグレイトフルデッドでは、すぐに弾幕にやられてしまう可能性がある。 この台車は、元々グレイトフルデッド機動力のなさを防ぐ為に用意したのだ。 見かけこそかなり間抜けだが、非常に有効な手段であり、実際に妖精メイドやメイド長は彼らの位置を特定するまえにやられていた。 そして、安全になった廊下を、悠々とギアッチョはすべる。 「メローネ、次は何処だ。」 抱えたメローネに、ギアッチョは案内させる。 「あ、もう次の角の左に地下への階段があるから。部屋の前に行けばベイビィ・フェイスとフランが全力で壁壊すから大丈夫だ。 それよりギアッチョ、冷たい。」 既にメローネの唇は真っ青である。 「大丈夫だろ、変態は環境に適応するためにあるってホルマジオが言ってた。」 「それ生物学的な意味での変態だろ!!」 ギアッチョの台詞に、メローネが突っ込む。 「おーいプロシュート!!次の角で・・・・。」 「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 既にプロシュートは暴走特急アニキガインと化しているのか、止まらない。 「止まらないとやばくね?あんまり行き過ぎるとレミリアが出てくるぜ?」 「解ってるわぁぁぁぁ!!プロシュートとまれぇぇぇぇぇぇ!!」 ギアッチョはホワイトアルバムで一気に加速し、プロシュートを止める為に駆け出した。 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!誰か助けてぇぇぇっ!」 ペッシが必死に魚竜の攻撃を避ける。 小町は既に船を呼び出して湖へと逃げ出しており、チルノは飲み込まれた。 「チルノを返しなさいっ!!」 レティは必死に弾幕を撃っているが、あの大きさでは焼け石に水以下である。 「おいっ!ペッシ!レティ!どいてろぉぉぉぉぉっ!!」 すると、突然、プロシュートの叫ぶ声が聞こえ、ペッシはそちらを振り返る。 そこにはこちらに飛んでくるプロシュートがいた。 「あ・・兄貴っ!来てくれたんだねっ!!兄貴ぃ!!」 ペッシは目に涙を浮かべながら駆けつけたプロシュートに感動する。 だが。 「それよりどけっつってんだろぉぉぉッ!!このマンモーニがぁぁぁぁぁぁっ!」 そう叫んで、プロシュートは歓喜の涙を浮かべるペッシを思いっきり蹴り飛ばし、ペッシをその場から吹き飛ばす。 そして、自分も空高く飛び上がり、魚竜から離れる。 「今だっ!ソルベ!!動きを止めろっ!!」 プロシュートが手鏡を光らせ、合図をする。 「・・・ったく、貴重なハイドラを使わせやがって。」 そう言って、耳に耳栓をつけたソルベは愚痴りながら非常用の弾丸を拳銃に込めた。 彼がいるのは、湖の周りの森で、すこし魚竜から離れた、木の陰だった。 まず、拳銃で魚竜を撃つ。 サイレンサーはつけず、あえて音を出し相手の注意を引く。 通常の弾丸より貫通力があり、威力の高いその弾丸は流石に痛かったのか、叫び声を上げてソルベの方に振り返った。 「ほいっ。」 ソルベが指示を出すと、魚竜の目の前にふわりと二匹の青白い蝶が、その鼻先に何かを落とした。 次の瞬間、辺りに走る閃光、フラッシュバン、いわゆる閃光弾である。 ゲームの中では効かないモンスターもいるが、ここは現実、視覚さえあれば間違いなく相手は怯む。 「お、ソルベの奴、うまくやりやがったな。」 プロシュートは下に光った閃光を見て、ソルベがうまくやってくれた事を理解した。 そして、次の瞬間、動きの止まった魚竜に、赤い閃光が突き刺さる。 それはまるで花火のように、パァンっと弾け、それと共に竜もその鱗と血肉を飛び散らせた。 ちなみに、同時にチルノも弾き飛ばされた、近くの木に引っかかって、目をクルクル回している。 「これでいい?」 そうメローネに、幼い少女が話しかける。 太陽の光が当たらないようにフリルのたくさんついたかわいらしい傘を差している。 「あぁ、いいぜ。よし!じゃあ今日は俺達の家にご招待だ!」 「やったぁ!初めてのお泊りだわ!」 そう言って、フランは手を叩いて喜ぶ。 ギアッチョとプロシュートが思いついたのは、フランを借り出す事だった。 幸い、彼らの仲間であるメローネに非常に懐いていた。 なので、メローネにどうにかして説得してもらい、こうしてフランにとどめを指してもらったのだ。 「どうすんだよ・・・、これ。バラバラだぞ。」 ギアッチョがどうやって竜の死体を回収するか、考え込む。 「とりあえず、ギアッチョ。お前レティと強力して凍らせろ。んで一塊にして、それからベイビィ・フェイスで再構成して縛れば大丈夫だろ。」 プロシュートの言葉に、不満そうながらしぶしぶギアッチョは作業に移る。 そして、行き成りの事に驚いて腰を抜かしているレティを見つけて慌てて降りていった。 「おーい、チルノー。大丈夫かー?」 そう言って、ギアッチョはチルノを木から下ろす。 既に作業は終わっており、紫特性の縄で縛られたグロイ氷塊は、転送されていた。 余談だが、このあと紫のモンハンはこのモンスターと戦おうとするとフリーズするようになる。 チルノを起こさなかったのは、教育上よろしくないグロイ氷塊を見せたくなかったからである。 「あ・・・あたいどーしたの・・・・?」 そう言ってチルノは起き上がる。 事態がよく飲み込めてないのか、ぼーっとしている。 「あなたはあの竜に飲み込まれたのよ?身体は大丈夫?」 「全然平気っ!あたい最強だもんっ!!」 レティの言葉に、元気よくチルノは答える。 これならばおそらく大丈夫だろう。 「レティ!あいつはどうなったの?!あたいケチョンケチョンにしてやろうと思ったのに!」 悔しそうに、チルノは頬を膨らませる。 「あいつなら、あの子が倒してくれたわ。あなたを助けてくれたのよ。」 そう言って、レティは視線でフランを指す。 「っ!!」 チルノの意識がこちらに向いたことに気づき、フランは大慌てでメローネの後ろに隠れる。 だが、チルノはそれを意に介さず、フランの元に飛び立つ。 「あんた!」 チルノに呼ばれて、フランはビクッと怯える。 「ありがと!おかげで助かったわ!」 そう言って、チルノは思いっきり笑った。 「え・・・・?」 その様子に、フランは、目をぱちくりさせる。 「いやー、最強のあたいとした事がゆだんしたわ。普段だったらあんな奴、一瞬で氷付けなのに・・・・。」 チルノはフランの様子を意に返さず、うんうんと唸る。 「でも、それにしてもあんた強いわね!!おどろいたわ!」 そして、目をキラキラ輝かせて、フランを見る。 「ねぇ!友達になってよ!あたいとあんたが組めば怖いものなんてないわよ!」 「えぇっ?!」 チルノの言葉に、フランは仰天してのけぞる。思わず日傘を落とす所だった。 「・・・・・もしかして、嫌?」 フランの様子を悪い方に解釈したのか、チルノはしゅんとする。 それを見て、フランは大慌てする。 「あ・・・っ!違うの・・っ!私・・友達ってあんまりいないから・・・・どうすればいいか解らなくて・・・。」 「友達いないの?!何で?!」 フランの言葉に、今度はチルノが驚く。 「その・・・、お屋敷から出た事が・・・あんまりないから・・・・。」 そう言ってフランは俯く。 「ふーん・・・。じゃああたいが先輩として色々教えてあげる!」 チルノは大いに胸を張って告げる。 「木苺のなっている所とか、かえるといっぱいいる池とか!他にも色々あるのよ!」 そう言って、チルノはわくわくとした様子でいう。 いつの間にか、レティがチルノの隣に来ていた。 「あらあら、でもチルノ。もう夕方に近いからこれから遊びに行くのはだめよ。」 レティにいわれて、チルノは頬を膨らませる。 「えーっ?!やだやだやだやだっ!せっかく友達になったんだからもっと一緒にいるっ!!」 「あらあら・・・。」 我が侭を言うチルノに、レティは困ったように笑う。 それを見ていたメローネが、一つの提案をした。 「じゃあ、君もうちに遊びに来るのはどうだい?皆君のことはレティからよく聞いているから、大歓迎さ。」 「本当っ?!」 それを聞いて、チルノは大喜びする。 「わーい!わーい!」 チルノは嬉しそうにフランの手を取り、くるくる回る。 「きゃあっ・・・!!」 フランは結局、チルノに振り回されて同じようにくるくる回るしかなかった。 「おーおー、メローネの奴、変態のくせにガキの扱いうめぇなー。」 「ガキだからうまいんじゃね?」 タバコを吸いながら、プロシュートとソルベは上空でくるくると遊んでいる妖精と吸血鬼を眺めていた。 「あ・・・・、あの・・・・プロシュート・・・・?」 「何だ、小町。」 苦しそうに呻く小町に、プロシュートが答える。 「ど・・・どいてくれないかい?」 紅魔館の湖の上に浮かんだ小町の船の上、ソルベとプロシュートは、そこにいた小町を踏みつけて船の上に腰かけていた。 「やだな、お前何ペッシ一人に押し付けてんだよこの野郎。」 そう言ってプロシュートは靴で小町をグリグリと踏みつける。 「あっ!痛いっ!やめてっ!!あたい女の子だよ?!」 小町は非道な行動に、必死に講義をする。 「女だろうがなんだろうか他人に物事を押し付けるってのはぁいけないよな。 むしろこれくらいで済んだ事に感謝しろ。もし今のお前の立場がペッシだったらあいつは・・・。」 「いいっ!聞きたくないっ!」 小町はそう言って、おそらくプロシュートが行う非道な罰の数々を思い浮かべた。 「そういやペッシは?お前吹き飛ばしただろ。」 ソルベがふと、思い出したようにプロシュートに言う。 「あいつなら、ギアッチョが助けにいってくれたわ。いやー、今日はよく働くわあいつ。」 まるで他人事のように、プロシュートが答えた。 「お前こそ、ジェラートどうしたんだよ。あいつ、お前がいないと・・あれだ、辻斬りとかし始めるだろ。」 「こわっ?!」 プロシュートの物騒な発言に、小町が思わず突っ込む。 相変わらず、足蹴にされているが。 「あぁ、大丈夫だ。信用できる預け先、見つけたからな。そこなら絶対あいつは暴れない。」 「マジでか!さすが幻想郷だな!」 すげーと心底プロシュートはソルベの言葉に驚く。 「じゃあ帰りがてら、ジェラート回収するか。」 「帰りたがるかなーあいつ。」 「そんなにか?!やばい!!!実はもう幻想郷の外滅亡してるとかそんなオチじゃねえだろうな!!」 一体こいつらは何なんだろう、そう思いながら、何かに目覚めそうになりながら、小町はひたすら踏まれ続けていた。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/181.html
stage5 リゾット・ネェロの日常。 我らが暗殺チームリーダー、リゾット・ネェロはリーダーである。 個性が豊か過ぎる部下を纏める為に、彼は常に気苦労が多く、謎も多い。 そんな彼でも、素の自分をさらす事がある。 「と・・・、言うわけで。 幻想郷では妖怪はいまや滅多に幻想郷の人間に本気で襲い掛からない。 だが、幻想郷に来たばかりの妖怪や、スペルカードルールに反対する妖怪や、知能の低い物は人間を食べようとする・・・・。」 「なるほど・・・・・。」 リゾットは藍の話をメモする。 ここは暗殺チーム邸の居間、普段ならメンバーで騒がしいこの部屋も、今は二人しかいない。 八雲 紫の式、八雲 藍と暗殺チームのリーダー、リゾット・ネェロである。 ここでリゾットは、藍から幻想郷の常識や歴史、日本文化、さらには妖怪について教えてもらっていた。 何故、八雲 藍がリゾットにこのような事を教えているかと、それには訳がある。 紫がこの間の宴会で、すっかりイタリアンに嵌ってしまったのだ。 ところが、藍が作っても、どうもうまくリゾット達の作る味を再現できない。 元々、藍はあまり洋食が得意でない、作ったとしてもレストランではなくみんなのお母さんのハンバーグやクリームシチューの味である。 もちろん、藍の作る料理は美味しいのだが、紫はあの味が食べれない事を少し残念がった。 その話を風の噂で聞きつけたのか、リゾットは藍にレシピを教え、自分が使っている食材を教えたのだ。 イタリアでしか手に入らないようなメーカーの物も、紫のスキマさえあれば一発である。 藍はリゾットに感謝し、そのお礼として幻想郷の様々な事について教えることにしたのだ。 それをきっかけに、リゾットと藍は交流を持ち、お互いに料理について教えあっていたりする。 橙も最近はよくここに遊びにきているようなのだ。 今日は午前中に家事を終わらせ、午後から藍はリゾットに、今日は妖怪について教えていた。 リゾットのイメージする、いわゆるヨーロッパの「モンスター」と、日本の「妖怪」の違いである。 さらに幻想郷における、人間と妖怪との関係も、リゾットに教えた。 「サナエのジンジャはそういう事であそこにいて・・・、妖怪達がいたのか。」 「あぁ、とってもやはり幻想郷にはパワーバランスがあるから・・・・・。」 夕焼けの照らす家の中に、2人の声だけが響く。 きっとここが年齢制限板だったら、とっても素敵な展開になるだろうが、全くそんな可能性はここには微塵にない。 「さて、今日はここまでとしよう。」 そう言って藍は用意した資料を纏めて本にしまう。 あきらかに、容量を無視しているがきっとスキマを利用しているのだろう。 「そろそろ橙が帰ってくるな・・・。」 そう呟いて藍は窓の外を見ていた、ふと、気づいた。 リゾットがじっと自分を見つめていたのだ。 黒く、まるで悪魔のような瞳が、夕焼けに照らされて黒曜石のように輝いている。 (な・・・何だ?!急に静かに・・・・。ま・・、まさか!確かに昔はちょーっと大陸の皇帝とかたぶらかしてたけど・・・・。 いや、だめだ!久々に若い子といっぱい知り合えたからって!私は紫様の式なんだ! でも。ちょーっと味見するくらいならぁ・・・・・・。) 身を捩じらせて、ピンク色の妄想をする藍に、リゾットがずいっと近づく。 「藍、頼みがあるんだが・・・・。」 唐突にリゾットが頼みごとをしてきた。 「な・・・・何だ?!」 ドキッとして、藍は妄想と中断させる。 「その・・・実は・・・・・。」 リゾットは視線をそらしながら、藍に近づく。 そして、彼女の目をまっすぐ見て、言った。 「尻尾を・・・・触らせてくれないか?」 「どうぞ・・・・・・。」 バカな妄想をしていた自分を恥じながら、藍はリゾットに尻尾を差し出していた。 「いいのか?本当にいいのか?」 普段、一切の感情の色を含まないリゾットの瞳が、きらきらと輝いている。 「構わないさ、紫様や橙が枕にするくらいだからな。時々よだれを垂らされて困るが・・・・。」 「な・・・・・っ?!それはうらやましい・・・・・・・・。」 そう言って、リゾットは藍の尻尾にそーっと触れる。 「・・・・・・・・・・!!」 声にこそ出さないが、そのさわり心地に感動したようだ。 無心にもふもふと藍の尻尾を触り続ける。 (さ・・流石にこんなに触られ続けると・・・・こそばゆいな・・・・。) そう思って藍がむずむずしながら、少し気恥ずかしくなっていると・・・・。 ガチャリ、と玄関の扉が開く音がした。 すると、リゾットはバッと藍のしっぽから手を離し、入ってきた人物の気配に意識を集中させる。 「「「「ただいまー。」」」」 そして聞きなれた仲間の気の抜けた声を聞いて、リゾットは警戒を解いた。 彼らを出迎えようと、リゾットは玄関に向かう。 居間には、藍がぽつんと残された。 「な・・・なんだ・・・・この・・・、『あんなに激しかったのに、やっぱり奥さんの所に行くのね。』的敗北感はぁっ?!」 そう悔しげに拳を握り締め、うな垂れる藍。 しかし、いつまでもここにいる訳には行かない。 「帰ろう・・・・・橙も帰ってくる・・・・・。」 ため息を付いて、藍が居間から玄関にでる扉を開けると。 「・・・・・・・メタリカ、メタリカ、メタリカ、メタリカ、メタリカ、メタリカ・・・・・・・・。」 そこには、一心不乱にプロシュート達に、メタリカを仕掛けるリゾットの姿があった。 「もうやめてぇ!!とっくにギアッチョ達の残機はゼロよ!!」 「お前達は・・・・メタリカ・・・この間紅魔館に喧嘩を売ったかと思えば・・・メタリカ・・・・今度は誘拐だと・・・・・・メタリカ。」 レティが止めるのも聞かずに、ひたすらメタリカを続けるリゾット。 玄関の床が石造りである理由を、レティは鮮血が流れる床を見て理解した。 「俺がこの間一体どれだけ紅魔館の主に謝罪して・・・・・映姫さまにどれだけ怒られたか・・・・お前らは知っているのか・・・・・?」 もはやスタンドの名を呼ぶ間もなく、リゾットのスタンドは発動を続ける。 「・・・・まぁいい。」 そういった瞬間、一同の傷口は鉄線で縫合される。 そして、リゾットは一同に背を向けて玄関の扉を開けた。 「俺はいますぐ、紅魔館に謝罪をしてくる。お前達は自宅で待機しておけ。罰として今日から一週間、食事当番はお前らだ。」 そう言って、リゾットは着の身着のまま玄関から日が暮れ始めた空へと飛び上がった。 「ねぇ、メローネ達の血、舐めていいかな?」 大量の血液に、フランは目を輝かせながらベイビィ・フェイスに訪ねた。 「汚いからやめてください、フランドール。」 事務的な冷静な声で、即座にベイビィフェイスはフランの行動をとめた。 「帰ったぞー・・・って何やってんだお前ら。」 帰ってきたホルマジオが見たのは、玄関を雑巾と箒で掃除しているプロシュートとメローネだった。 玄関はむせ返るような血の匂いで溢れている。 「おぉ、何だ何だ。またお前らリゾット怒らせたのか。」 呆れたように、ホルマジオは呟く。 ちなみに一同の傷は、リゾットが去った後藍が術である程度治療してくれたので、問題ない。 「ったく・・・、相変わらず小さぇ男だなぁ、あいつは。」 ぐちぐちと呟きながらプロシュートはまるで木の葉のように散らばったカミソリを箒で集めて、チリトリで集める。 「だよなぁ、細かいこと気にしすぎなんだよリーダー。」 ぶちぶちと文句を垂れながらメローネも雑巾で固まった血をはがしていく。 「他の奴らは?」 「ソルベとジェラートは飯作ってて、ギアッチョは外に出れる扉からフラン達の為にケーキ買いに行った。 ペッシには血のついた服を洗ってるついでに、今日は大浴場に入ろうと思って洗ってもらってる。」 メローネはバケツで雑巾を洗い、絞る。 あっという間に水が、真っ赤に染まった。 「あー、お前ら。後で纏めて言っとくがな、あんまりリゾットに苦労かけるなよ・・・・・。」 ホルマジオはため息をついて、2人を注意した。 「別にいいじゃねぇか、いつもの事だろ。」 あっけらかんとプロシュートは答えた。 「お前ら・・・・、俺はな、帰ってくる途中、リゾットに会ったんだ。」 『おっ!おーい、リゾット!!』 ホルマジオは、リゾットを見つけて、手を振った。 だが、リゾットは俯いたまま、ぶつぶつぶつと何かを呟き続けている。 『俺なんぞに始めからリーダーなんて無理だったんだ、どんなに部下を思おうと、あいつらはそんなのは余計はお世話なんだろう。 俺は・・・リーダーになれない・・・・・。もっと・・別の奴があいつらの上に立つべきなんだ・・・・。 そもそも、殺ししか取り得がない俺が、リーダーになんてなれるわけないのは当然だ・・・・・・。 ・・・・・こんな平和な世界で、殺ししか取り得のない俺は、生きている価値があるのか・・・・?』 すれ違いざまに、聞きとっただけでも、リゾットは生気のない表情で、ひたすらこのような事を呟いていた。 それを聞いて、さすがのメローネとプロシュートも顔を青くする。 「あんまりにお前らが言う事聞かないから、もう怒りを通り越して絶望してたぞ・・・・。」 ホルマジオも、顔を青くしながら、話す。 「ど・・どうする?」 「さ・・・・流石に、やりすぎたな・・・・・。」 フリーダムなメローネに、我が道を行くプロシュートも、大いに反省した。 すっかり自分達がストレスの掛からない生活のせいで忘れていたが、リゾットは大いにストレスを溜め込むのだ。 しかもそれを彼らの前では常に『完璧なリーダー』でいようとするせいか、微塵も出さない。 表情があまり動かない顔も、その影響だろう。 「・・・後で全員で会議して、リーダーに出来るだけストレスをかけないようにするぞ。」 ちなみに、その後のリゾット抜きの会議で一人一つ、決め事をした。 ホルマジオ:出来るだけ、リゾットの仕事を変わる。 イルーゾォ:たまには家にいて、リゾットの家事の手伝いをする。 プロシュート:自重する。 ペッシ:そのままの君でいて、リーダーを安心させてあげてください。 メローネ:セクハラ発言や、あちこちから苦情がくるような事をしない。 ギアッチョ:キレて物を壊さない。 ソルベ:銃や銃の弾丸を経費で買い込み過ぎない。 ジェラート:わがままを言わないようにしましょう。 ペットショップ:もしよろしかったら、リゾットと戦闘でもしてストレス発散の相手をしてくれないでしょうか? ドルチ:あぁ見えてあの人、結構小動物とか好きなんで、ぬこパワーで癒してあげてください。 レティ:唯一の女性かつ年上なので、お酒お酌して愚痴を聞いてやってください。 「メローネ、掃除は俺がしとくからお前は来てるガキどもの相手しとけ。 いくらレティがいるからって、ギアッチョじゃいつガキども殴るかわかんねーだろ。」 きゃーきゃーと居間で、何やらはしゃぐ声が聞こえる。 「いや、今の時間ならアニメがTVでやってるから、あと十五分は大丈夫だ。」 俺ががんだむだーとか言うチルノの声が聞こえる。 どうやら、ストーリーがよく解らなくてもそれなりに楽しんでいるらしい。 すると、突然バーンッと扉があいて、フランが飛び出してきた。 「フ・・・フランッ?!どうした?!今日はフランの好きなキャラクターが出てくる回じゃなかったけ?!」 もしかして、そのキャラクターが怪我でもして機嫌が悪くなったと思ったのかと、メローネはギクッと硬直した。 フランはまっすぐメローネの方に飛んでいき、彼の首を掴んでブンブン振る。 「チルノ、がんだむだぶるおー知らないんだって!!メローネでぃーぶいでぃー貸して!!チルノに見せるから!!」 「お・・・落ち着けフラン!!お前のパワーでやったらそいつ間違いなく死ぬから!」 ホルマジオは、メローネを振り回すフランを必死に止める。 フランは落ち着いたのか、メローネを振り回すのをやめた。 すると、突然ギィーッと玄関の扉が開いた。 「今帰った、新しい客人だ。」 そこには、一人の女性を連れた、リゾットがいた。 リゾットが連れてきた女性を見たとたん、フランがそちらのほうに駆け出す。 「あ・・・、初めまして!紅 美鈴です!!お嬢様に言われてフランドール様の・・・。」 「めーりーん!!」 「ぐえっ!!」 自己紹介を済ませる前に、美鈴はフランに思いっきり愛の突撃をされる。 リゾットが連れてきたのは、美鈴だった。 必死にリゾットはレミリアに謝罪し、フランはこちらでしっかり面倒をみて、翌日必ず返すと誓った。 レミリアも、前回プロシュート達が乗り込んできたときにもリゾットがお菓子をもって謝罪に来た事を覚えていた。 その様子に、「あぁ、この人間相当苦労してるのねぇ・・・何処かの巫女と違って・・・・・。」と思ったのか、 『美鈴を共につけ、彼女が常にフランの傍にいる事』を条件にフランのお泊りを許可したのだ。 「と、言うわけでレミリア様は許してくださいましたよ。」 「本当?!」 そう言って、フランは美鈴の手を引っ張って、居間に案内する。 「あのね!私友達できたよ!チルノっていうの!!」 「えっ?!すごいですね!!」 まるで仲の良い姉妹のように美鈴とフランは今に入っていった。 玄関には、野郎どもが残された。 「・・・メローネ、気を落とすなよ。」 「落としてない!!」 リゾットの言葉に、メローネは全力で反論した。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/1475.html
スターターオリカデッキのひとつ、光と闇で構成された構築済みデッキ。 すべてDMW-09以前のカードと、新規収録のカードで構成されている。 メインカードは《悪魔聖霊マジックワンド》であり、周囲のクリーチャーがその能力とシナジーするように組まれている。 「自分のクリーチャーをシールドに埋め込む」という動作を多用し、置換効果でそれを《悪魔聖霊マジックワンド》に適用しつつ《顕現ゴッド・アイズ》でコスト踏み倒しを行う、というのが主な戦術。 収録カード ■収録カード 枚数 ■光文明 20 《アイズ・パーシャ》 4 《シンクロの求道者マーニュ》 3 《霊力の使徒パランクス》 3 《複製の精霊アミュレット》 2 《雷船の守護者ラビエル・サーバ》 1 《封じの求道者ワンド・グリモ》 1 《代償の精霊ボルティマ》 2 《ライト・シンクロ》 3 《バイオ・エンジェル》 1 ■闇文明 12 《ケンゲン・スレイベル》 4 《デッド・ブレスレット》 2 《黎明の影マンデー》 1 《天馬伯爵カントローネ》 1 《マジックワンドの斥候》 2 《ダーク・シンクロ》 2 ■光/闇文明 8 《龍聖恐皇マジタリア》 1 《悪魔聖霊マジックワンド》 3 《神滅聖霊マスターオブガード》 1 《顕現ゴッド・アイズ》 3 関連 エキスパンションリスト スターターオリカデッキ
https://w.atwiki.jp/mabinogi-gentei/pages/41.html
「船頭多くして船山に登る」ということわざがあります。 船頭というのは船の運転手のことです。 一つの船に船頭が多く乗っていると、船をどのように操縦すればいいのか混乱し、 かえってまともに進むことができなくなってしまう、という意味です。 「私はこっちに進みたい」 「いや、僕はこっちへ」 「俺はこっちに進むんだ」 公式サイトの「知識王」を見たことがあるでしょうか。 知識王が荒れるのは、船頭が多すぎるのが原因であることがほとんどです。 船頭A「私が答えますよ」 船頭B「いやいや、僕がもっと適切な回答をしてみせますから」 船頭C「俺が答えるから、お前ら黙ってろ」 船頭D「必死だなw」 船頭E「余計なことを書き込まないでください」 船頭F「あなたも書かないでくださいよw」 質問者「?????????????」 こんな状況になれば、質問者が困ってしまうのも無理はありませんね。 どんな人にも多かれ少なかれ「自分の知っていることを他者に教えたがる」傾向があるもので、 私も例外ではなく、こうして自己主張の場を設けて発言しています。 人の組織を運営するのに大切なのは、船頭を常に一人だけにすることです。 基本的にはギルドマスターがその権限にあずかるわけですが、ずっとギルドマスターというわけではなく、 「何かをしたい」と提案をする人がいれば、その意見を聞くようにしていきます。 ギルドマスター以外の誰でも意見を出すことは可能です。意見を出して、それを受け止めてもらうことは大切です。 (学校でもこのような教育を受けたことがあるはずです。国語や道徳の授業で) この点で、ギルドマスターは率先して柔軟な対応をとる能力が求められています。 どんな意見にも耳を傾けて、あらゆる可能性を想定し、楽しいことも悲しいことも、 成功することも失敗することも、都合のいいことも悪いことも、真摯に受け止める必要があるのです。 なぜでしょうか? 自分以外の人は、自分とは異なる考え方や価値観を持っているからです。 「自分以外は黙っていろ」ということではありません。 そんな高圧的な雰囲気のギルドは、やはりうまく運営できないのです。 自分の主張したいことがあっても、すぐにはせず、相手の意見を聞くことを優先します。 一方的に主張するのではなく、自分の主張が与える影響を事前に考えるようにしましょう。 そのように常に意識して行動すれば、意見を交わすことはあっても、ぶつかることはなくなります。 つまりスムーズに交流できるようになるのです。 それでも上手くいかないギルドやプレイヤーが多いのはなぜ? 根本的な原因の一つが「言論と出版の自由」というところにあります。 これはつまり「何かを述べたり書いたりすることは自由」という意味です。 逆にそれらを制限したり禁止したりすることのほうが「違法」であるといえます。 人は誰でも自分の望まない拘束や、納得のいかない支配を好まないものなのです。 それなのに、ある一部の人たちは好んでそれを実行しようとするため、 そこで反発が生じ、交流にひびが入ってしまうというわけです。 このような状況がしばしば差別や偏見を助長し、極端な話、対立する宗教の衝突や戦争が起こったり、 いじめ、(言葉の)暴力、集団・組織的な悪事(犯罪)などに結びついたりもします。 これは「対岸の火事」ではなく、実際に誰でも経験する可能性のある問題ですから、 少しでもいいので意識をしていてください。起きてからでは遅いのです。
https://w.atwiki.jp/junretsuwago/pages/1658.html
辞書 品詞 解説 例文 漢字 日本国語大辞典 名詞 (「か」は楫(かじ)、「こ」は人の意)① 船を操る人。楫(かじ)取り。船乗り。船頭。 ※書紀(720)応神一三年九月「凡(すべ)て水手(ふなこ)を鹿子(カコ)と曰(い)ふこと、蓋(けだ)し始め是(か)の時に起れり」 水手・加子・水夫 ② 江戸時代、船頭以外の船員、または船頭、楫(かじ)取り、知工(ちく)、親仁(おやじ)など幹部を除く一般船員のこと。櫓櫂を漕ぎ、帆をあやつり、碇、伝馬、荷物の上げ下ろしなど諸作業をする。 ※財政経済史料‐一・財政・輸米・漕米規則・延宝元年(1673)二月日「御城米相廻候時、送状御城米員数之儀は不 レ 及 レ 申、粮米并船頭水主何人乗、何年造之船荒増之船道具、俵口合数等可 二 書付 一 」 広辞苑 名詞 (「か」は 楫 (かじ)、「こ」は人の意)船をこぐ者。ふなのり。すいふ。 万葉集4「朝なぎに―の声喚び」 水夫・水手 大言海 名詞 〔 檝 (カヂ) 子 (コ)ノ略、萬葉集、十二 四十一 「 八十梶 (ヤソカ)懸ケ、漕ギ出ム船ニ」 網 (アミ) 子 (コ)ヲ、あこト云フ例、應神紀ノ播磨ノ鹿子水門ノ事ハ、 談辭 (カタリゴト)ナリ〕船ヲアヤツリ 遣 (ヤ)ル者。舟 (フナ) 子 (コ)。フナノリ。船頭。 萬葉集、四 十六 長歌「朝ナギニ、 水夫 (カコ)ノ聲喚ビ」同、十五 十一 「夕ナギニ、加古ノ聲ヨビ」箋注倭名抄、一 百三 「水手、加古」 水手・水夫 検索用附箋:名詞 附箋:名称 名詞