約 247 件
https://w.atwiki.jp/truexxxx/pages/186.html
悪鬼滅殺(1)◆ZbV3TMNKJw 「がああああああ!!」 ブンッ。 明の叫びと共に袈裟懸けに振るわれる刀を、雅は華麗に躱す。 「ハハハハハ、全く当たらないじゃないか明!」 「ほざけ!」 常人ならば反応もできぬ速度と受けきれぬ力強さで振るわれる太刀も、吸血鬼の王からすればさほど脅威ではない。 明が剣を振るい、雅が躱すという膠着状態は崩れない。 そして、どちらの疲労が溜まりやすいかと問われればそれは一目瞭然だ。 「うおおおおおお!」 振り下ろした剣は、明も自覚しないほどだが、おお振りになり、隙を突いた雅は左手で剣の腹を叩き剣筋を逸らした。 「なっ」 驚き動きが止まる明に雅の掌底が振るわれる。 ごっ 額にかかる衝撃と共に後方へと吹き飛ばされる明。 「ぐあっ」 「ふんっ!」 倒れた明に、雅は追撃のブーメランを放つ。 それを察知した明は、剣を盾にし、腹を滑らせ受け流した。 「嘗めるなよ雅...ッ!」 明は目を見開く。 ブーメランに気を取られた一瞬で雅の姿は消え失せていた。 (どこだ?どこだ雅!) 警戒心を高め、左右を確認する明。 「久しぶりにお前の血が飲みたくなったぞ、明」 ハー、ハー、と荒い息遣いと共に背後から声が聞こえる。 「み、雅!」 明が慌てて振り返るももう遅い。鋭利な歯がいくつも並んだ巨大な口腔が、明の首元へと襲い掛かる。 瞬間 ツルッ 「!!」 ガンッ 突如、雅の脚が浮遊感に襲われ、地面に勢いよく頭を打ち付けた。 「なんだここは!?滑るぞ!」 手を着き立ち上がろうとするも、地面が滑り立ち上がることが出来ない。 ひやりと手を伝う感触で理解する。 「氷!?これはあの人形が放った氷か!」 「雅ィィィィィ!!」 これを好機と見た明は、倒れる雅へと斬りかかる。 「チィッ!」 雅は舌打ちと共に氷に手を打ち付け手元の箇所だけ破壊、そのまま力を籠め身体を押し出し腹で氷を滑る。 振り下ろしを回避された明は、しかし慌てることなく雅へと追撃をかける。 天元の日輪刀は二刀一対。明は右手に持ったひと振りを投げ、雅の足に刺した。 無論、それだけではダメージは微々たるもの。本命はその後だ。 ここまで隠していた、日輪刀のもう一つの機能である爆発を行使する―――が、しかし。 「なっ!?」 不発。日輪刀は委細変わりなし。 クラゲアマゾンの時は問題なく爆発したというのになぜか。 (氷!この氷で爆薬が湿気ってやがるのか!) 予想外の事態にうろたえかけるが、しかしすぐに切り替え、飛び掛かり、残りのもう一振りで斬りかかる。 脚から刀を抜きつつ、再び腕で身体を押し出し滑り躱す雅。 カンッ。 雅の身体で隠れていた岩に打ち付けられる日輪刀。 ポキッ。 打ち所が悪く、日輪刀の先端が欠ける。 クルクル。 あまりの力強さで打ち付けられた為、折れた先端が回転しながら宙を舞う。 プスッ。 「うぐっ!」 その先端が明の肩口に刺さり、思わぬ痛みに襲われた明は咄嗟に目を瞑り歯を食いしばった。 「明さん!」 炭治郎が明を心配し視線をやる。 早くも恐れていた事態が起こってしまった。 眼前の氷人形は、驚くべきことに、炭治郎の相手をしながら明たちの方へも徐々に氷を放っていたのだ。 (マズイ、明さんの戦いの邪魔になっている!早くこいつを斬るんだ!) ドラグレッダーと共に、結晶ノ御子へと斬りかかる炭治郎。そんな彼らにも構わず御子は氷を放ち彼らを遠ざける。 氷に耐えて斬りかかろうにも、相手も木偶の坊ではない。 炭治郎の刃が届く前に回避されてしまう。 だが、いまの炭治郎に出来るのは刀を扱う接近戦だけだ。近づかなければ防戦一方でしかない。 (あああああ駄目だ、何度やっても突破できない。なにか打つ手はないのか!?) 攻めあぐねる炭治郎たち。 しかし、その状況を打破する機会が訪れる。 『血鬼術 散り蓮華』 大粒の氷の華が炭治郎たちに降り注ぐ。 (受けきれるか...駄目だ、数が多すぎる!避け...足場も氷だらけで動きづらい!せめて少しでもダメージを減らせ!) 刀を振り、せめて致命的な怪我だけでも減らそうとする炭治郎。 ゴウッ。 その炭治郎の眼前で、氷の華は炎に包まれた消え失せた。 パチクリと目を瞬かせる炭治郎は、ぎこちなく炎の出所を探る。 自分の隣だ。つまり、出所はドラグレッダー。 その証拠に、彼の口元には炎の残照がある。 氷に対しての炎。これほど相性がいいものがありながらここまで使わなかったのは理由がある。 まず、炭治郎はドラグレッダーが攻撃用の炎を吐けることなど知らなかった。 加えて、いまのドラグレッダーはライダーデッキのある正当な契約ではなく、単に己の意思で着いていっているに過ぎない、言わば偽の契約。 本来のデッキの所有者である真司であれば、簡単な指示だけでもそれに従っただろう。 だが、デッキがない以上は行動の選択権はドラグレッダーにある。 炭治郎からの指示が無く、まだ温存していたため、炭治郎が明確に危機に陥ったいまになってようやく火炎弾を放ったのだ。 つまり、ドラグレッダーがなにをできるのかが分かれば戦術は大幅に広がるということだ。 「もう一度お願いします!あの攻撃を溶かすように!」 放たれる氷の雨に放たれる火炎弾は、あっさりと氷を消し去っていく。 (いける!あとは俺が斬ることが出来ればあいつを倒せる!) 勝機は見えた。炭治郎の脳内で最適解が模索される。 「ほう。あの小僧、勝機を掴んだか」 そんな炭治郎を見て、雅は嗤う。 やはり戦いはどんな形であれ変化があってこそだと。 「明よ。せっかくこんな場所で会えたのだ。ここはひとつ、今までにない戦い方をしようではないか」 「なに?」 眉を顰める明に、雅は笑みを携えながらデイバックに腕を突っ込む。 無造作に取り出されたソレに、明は息を呑む。 ガトリング銃。人を滅ぼすのには充分すぎるほどの兵器。 「てめえ!雅!」 「お前ならばものともしないだろうが、せいぜい楽しませろ明!」 雅の邪悪な笑みと共に、引き金に指がかけられた。 引き金が引かれる、その刹那。 トッ、と雅の傍に影が舞い降りた。 完全に不意を突かれた雅は、腹部にはしる衝撃に思わず手を緩め、続く顎下からの衝撃に地面を転がる。 そして離れたガトリングを手に、影は明へと向き直る。 あまりにも鮮やかな奇襲に、雅も明も呆気にとられ思考も行動も置き去りにされていた。 それは明も知る人物だった。 下手人の正体を明が口にする前に、引き金は引かれた。 ただし、銃身が向けられていたのは明ではなく。 「よけろ炭治郎!!!」 彼と対極の位置で戦っていた炭治郎だった。 ☆ 明の叫びが耳に届いた時には既に遅かった。 ドラグレッダーと共に接近しながらの火炎弾で氷を溶かし、既にヒノカミ神楽・『火車』で氷人形の背後に飛びドラグレッダーと挟み撃ちにしていた最中であり、炭治郎は体勢を変えることが出来なかった。 辛うじて視線だけ振り返るも、降り注ぐ弾丸の雨に、もはや避けることも受けることもできない。 迫る脅威に成すすべもなく―――放たれた強力な熱気に押し倒される。 火炎弾。ドラグレッダーが新たに放ったソレは、炭治郎を弾き飛ばし地面に倒す。 そのダメージこそはあれど、炭治郎へ直撃するはずだった弾丸は彼の身体を掠めるに留まる。 そして、弾丸の雨は氷の人形と赤き龍へ降り注いだ。 氷人形と共に身体を砕かれていく龍へと手を伸ばす。 だが、炭治郎がなにか行動に移す前に弾丸の雨は止み、駆け寄った時にはもう遅い。 装甲のほとんどを破壊され倒れ伏す赤き龍を抱き、思い知らされる。 また自分は助けられたのだと。 ☆ ギリギリ、とガトリングと刀身が競り合う。 ガトリングが放たれたのに少し遅れ、明が斬りかかりどうにか追撃を止めていた。 下手人は明も知る男だった。 「テメェ!クソジジイ!!」 「一緒にいてくれてよかったよ。きみにもリベンジマッチをしたいと思ってた」 名前は知らないが、温和な笑みを浮かべた謎の老人―――つまりは佐藤。 鍔迫り合いの中、明は不安と疑念に駆られていた。 どうなっている。確かにこいつはかなり不死身に近い存在だった。 だが、こいつは炭治郎に首を切られ身体すら燃やされたはずだ。 恐らく、万全の雅ですら再生が困難なほどに。 だがなぜ。なぜこの男はこうも五体満足でいられる!? その不安を突き、佐藤は膝をおりまげ上体を逸らし、明の体勢を前のめりに崩す。 そのまま脚で明の身体を持ち上げ投げ飛ばした。 咄嗟に体勢を立て直す明に向けられる銃口、そして引かれる引き金。 「くっ!」 明は二刀の刀で迫りくる弾丸を次々に弾いていく。 「驚いた。弾丸ってそんな風に弾けるものなんだ」 沖田のように洗練されていない、どちらかといえば大雑把な太刀筋でありながら、彼のような神業的な技術を振るう明の剣術に佐藤は素直に関心する。 だが、徐々に頬や服を掠めていく姿に、佐藤はやはり無敵ではないと確信し、そのまま銃撃を継続。 「待て。貴様、私の玩具を返してもらおうか」 佐藤の肩を掴み止めたのは雅。 突然の乱入に加え、使おうと思っていた武器すら奪われたのだ。 その顔から笑みは消え明らかに不機嫌になっていた。 無論、威圧感溢れるその睨みも佐藤には関係ない。 ゴッ。 構わず、雅の顔面に裏拳を放つ。 怯まず佐藤へと殴り掛かる雅の腕を掴み、背負い投げの要領で脳天から地面へと叩きつける。 「ぐあっ!」 血を流し悲鳴を上げる雅の腹部に佐藤は銃口を押し当て、躊躇いなく引き金を引いた。 飛び散る肉片と夥しい流血にも佐藤は顔色ひとつ変えはしなかった。 「さてと」 雅はこれで死んだ、と佐藤は改めて明と少し離れた炭治郎へと振り返る。 悠然と歩み寄る佐藤、その右腕に走る痛み。 思わず動きを止め、右腕を確認してみる。 「あれえ?」 佐藤の右腕は穴だらけになり、血もとめどなく流れ出ていた。 怪我の感触からして、撃たれたのかと理解する。 「すごいねえ、そんなことできるんだ」 己の右腕と、ゆらりと立ち上がる雅を交互に見返し、佐藤は変わらず笑顔で雅を讃えた。 「きみはなんなんだい?私たちとはまた違うようだけど」 「私は吸血鬼だ。人間を糧にし、人間を支配する優れた種族の王。それが私だ。そういう貴様はなんだ?」 「亜人さ」 「聞いたことが無いが...なるほど面白そうだ」 二人は変わらぬ笑みを浮かべながら歩み寄っていく。 一人は愉悦に歪み。一人は温和で柔らかく。 対照的な笑みであれど、その根底は同じ。 『コイツと戦うのは面白そうだ』 そして、互いに拳を握りしめ、吸血鬼と亜人の殴り合いが始まった。 ☆ 雅と佐藤の戦いが始まろうとする最中、明は体勢を立て直す為に炭治郎とドラグレッダーを連れ、近場の物陰に身を隠した。 「落ち着け炭治郎」 「...ハイ。大丈夫です」 明から見ても炭治郎の顔には怒りが満ちており冷静さを失いつつある。 無理もない。よりにもよって自分が倒したと思った相手に仲間を瀕死の目にあわされたのだから。 だからこそ、ここで急かず心を落ち着けなければならない。 だが、現実は悪いことが重なるものだ。 炭治郎は見つけてしまった。 自分たちが隠れている物陰の向かい側に座り込む人影を。 先ほど別れた同行者―――上杉風太郎を。 「あ...明さん...炭治郎...」 「上杉...ッ!」 駆け寄り、風太郎の姿を見て、二人は絶句する。 至る所に着けられた切り傷。折られた左手の指。削がれた左耳。潰された喉。包帯の巻かれた足の腱。 彼は別れた時とは比べ物にならないほど傷つき息も絶え絶えだった。 それこそ、明たちのように激戦でも繰り広げたかのように。 「悪い...炭治郎...明さん...」 「喋るな、傷が開く」 「大丈夫...見た目ほどじゃない...俺が死んだら、ゲホッ、意味が無くなるから...死にはしない程度に痛めつけられただけだ...」 咳き込み、途切れながらも風太郎は言葉を紡いでいく。 「あいつの目的は...明さんたちへの...リベンジだ...俺は...二人を逃がさない...ための...餌...」 「......」 炭治郎は歯を噛み締め、額に青筋を浮かべ、射殺さんばかりの形相で佐藤を睨みつける。 「だ、駄目だ...二人とも、いまのうちに離れろ...!」 いまにも斬りかかりに行きそうな炭治郎を必死に制止する。 「お...俺のことは気にするな...!俺はこの様ならどうせ死ぬ...!だから、二人は、一花たちの方に...!」 「ハッ」 明がふっ、と頬を緩める。 「上杉。お前の言いたいことはわかる。だがな、もともと俺は雅を逃がすつもりはないんだよ。それは炭治郎も同じだ。あのジジイをこれ以上野放しにするつもりはない」 「あ、あいつらの同士討ちを狙えば」 「奴らは不死身だ。恐らく、飽きて途中で戦闘を止めるのが関の山だろう。それに、どうやったかは知らんが、雅には首輪が無い。恐らく、身体のどこかにはあるのだろうが...ジジイがそこを突いて雅を殺せるとは到底思えない」 安心させるかのように、風太郎の頭に、ぽん、と手が置かれる。 そこには、風太郎が今までの明からは感じられなかった温もりが何故か感じられた。 「まだ動けるな?炭治郎」 「はい。俺はまだ折れていない。戦えます」 「ハッ、頼もしい相棒だ」 滾る闘志はそのままに、散っていった者たちに報いる為、鬼殺の戦士二人は再び戦場へと駆けだした。 ☆ グシャリ。 雅の拳が佐藤の顔を潰し、地面に打ち倒す。 脳まで破壊されたのだ。専門家が見なくても即死だと判断できるだろう。 なんだこんなものか? あまりの呆気なさに落胆しかける雅だが、しかしそれは杞憂というものだった。 ぐじゅり、となにかが蠢くような音が鳴ると共に、佐藤の頭部は傷一つなく再生。どころか、撃たれた腕やかすり傷、あますことなく万全な状態になっていた。 そのまま立ち上がり、再び戦闘態勢をとる。 「なるほど素晴らしい。再生能力に限れば私や鬼の王にも劣らんかもしれん。だが、それだけだ。それだけでは私には勝てんよ」 「そうかい。それは楽しみだ」 佐藤は両拳を握りしめ、格闘家のように構え、対する雅は、構えもなく、無造作に拳を振るう。 一撃受ければ致命的。そんな攻撃にも、しかし佐藤は恐怖も焦燥もなく、冷静に攻撃を捌いていく。 佐藤の拳がパシリ、と雅の胸を軽く叩き、上体が崩れた隙を狙い、雨のように佐藤のジャブが放たれる。 ダメージは少ないとはいえ、弾かれれば体勢は崩れてしまう。 為すすべもなく、雅は佐藤の拳をその身に受け続け、ラッシュの締めのアッパーカットにより、雅はそのまま仰向けに倒れた。 相手は人間よりも遥かに強靭な吸血鬼。 その存在を肉弾戦において地面に転がせるのは、亜人の不死身性関係なく、佐藤の力だ。 己の圧倒的な暴力にものを振るわせる雅や、彼ら異形の者を倒す為に鍛え上げられた明や炭治郎の技術では培われない、対人においての経験、軍隊的格闘・戦闘技術。 それこそが、亜人の特性以上に、佐藤を真に脅威たら占めるのだ。 「う~ん、吸血鬼なんて初めてだけど、これならあのお侍さんの方が手ごわかったかな」 「...ハハハ、失望させてしまったか?では信頼を取り戻さねばな」 むくり、と何事もなく立ち上がる雅に、佐藤はポカンと口を開ける。 殴打による雅の傷は、皮膚の細胞が蠢き瞬く間に治癒していた。 「驚いた。きみは死ななくても再生できるんだね」 思わず漏れた佐藤の呟きに、雅の眉がピクリと動く。 「生物は死ねば終わりだ。だから人間は不死を求め生き永らえようとする。それは貴様もそうだろう」 「いやあ、私は楽しめればいいかなぁ」 「...ハッ、違いない。生において京楽を忘れるほど愚かなことはない」 ヌッ、と雅はブーメランを取り出し構える。 「卑怯とは言うまい。やはり私は手で弄べるものがあった方が調子がいいのでな」 「もちろんさ。それで楽しませてくれるならそっちの方がいい」 互いに構え、一呼吸の後に同時に駆け出す。 振りおろされる雅のブーメラン。それを屈み躱し、懐に潜り込む佐藤。 トッ。 ザ ン ッ ―――その両者の腕を切断した、明の奇襲。 「明!」 「ガアアアアアア!」 咆哮と共に地面へと振り下ろされる、明の太刀。 ボボンッ。 本来の持ち主である宇随天元の音の呼吸、壱の型『轟』にも似たその太刀筋は、日輪刀を爆発させ、明を含む三人を煙に巻いた。 「くっ、ちょこざい!」 視界が爆炎に覆われたことで、斬られた腕を回収しつつ後退し、距離を置く雅。 ヌッ。 その煙の中から、刀を振り上げた明が姿を現した。 ギ ン ッ。 刃とブーメランが交叉する。 「何度も言わせるなよ雅。お前の相手はあのジジイじゃねェ。俺なんだよ」 「その笑み...昔を思い出すぞ、明」 再び、明と雅の斬りあいが再開した。 一方、佐藤は煙に紛れつつ、ガトリング銃で己の頭を破壊し、蘇生すると共に斬られた腕も治していた。 「うまいこと分断されちゃったなぁ。ということは、君が相手をしてくれるんだね」 煙が晴れた先に立ちはだかっていた炭治郎は、油断なく刀を構え、佐藤を睨みつけていた。 「俺は竈門炭治郎。お前の名前はなんだ」 「?」 突然の名乗りに佐藤は首を傾げるも、聞かれたのなら答えてやるべきだろうと笑顔で返す。 「佐藤。私の名前は佐藤だよ」 「佐藤...城戸さんと沖田さん、球磨川さんは俺や皆を守ろうとして命を散らした。上杉さんや赤き龍も守るために戦いお前に傷つけられた」 炭治郎の腕に力が籠っていく。 彼らとはまだ会って数時間程度の関係だ。 だが、それでもこの殺し合いをどうにかしたいと願う同志であり、力なき者を守り悪鬼を討つ為に共に戦った仲間だ。 そんな彼らを、己の我欲で踏みにじり唾をかける悪鬼がここにいる。生き残りたいという衝動すらなく悪意をまき散らす生物がここにいる。 斬らねばならない。これ以上、その悪意に巻き込まれる人を増やさない為に。 「俺はお前を許さない...佐藤、これ以上、罪なき命をお前の欲に踏みにじらせはしない!!」 「いいね。それじゃあ改めて、リベンジマッチと行こうか」 かくして、吸血鬼と修羅、亜人と鬼狩りの殺し合いは幕を開けた。 「あー、壊されちゃったなぁ」 上弦の弐、童磨は日陰に身を隠しつつ、残念がるように声を落とした。 放った結晶ノ御子が、耳飾りをした鬼狩りの少年と接触したまではよかったが、奇襲で破壊されてしまった為に、戦況の把握が不可能になってしまった。 本来ならば一体壊されたところで追加の御子を放てばよいだけなのだが... (なんで戻らないかなぁ?) 童磨は己の術に違和感を感じていた。 本来、結晶ノ御子の製造限度は5体ではないが、しかしこの首輪による制限なのか、今は最大で5体までしか出すことが出来ない。 しかも、佐藤に破壊されてから産み出せる数が1体減ったのを実感した。 出さずとも、無理やり理解させるような感覚で解らせられた。 (あのまま放っておいてもいいけれど、せっかく見つけた鬼狩りの少年もいるしなぁ) 主、無惨は耳飾りをつけた鬼狩り、竈門炭治郎を特に警戒しており、見つけ次第殺せと命じていた。 見たところ、戦闘員の四人の中で一番非力であるためあのまま放っておいても一番に命を落としそうだが、万が一のこともある。 「もう一体送っとこ」 数秒の後、童磨は御子を産み出し再び戦場へと向かわせた。 童磨は己の命に執着できない。 戦闘において己が有利にことを運ぶのも、己の保身ではなく、鬼として教祖としてより多くの人間を救う為に過ぎない。 故に、多少、己が不利になるとしても合理的に判断しそちらが有意義ととれば、迷いなく実行できるのだ。 (俺が使える御子はあの子を壊されたら三体になるけど、さてどうなるかな) Next 悪鬼滅殺(2) Previous I Wanna Be... 前話 お名前 次話 命ノゼンマイ 雅 悪鬼滅殺(2) 佐藤 竈門炭治郎 宮本明 上杉風太郎 獣性目掛けて銃声は鳴る 童磨 目次へ戻る
https://w.atwiki.jp/ktsangoku/
■説明 当wikiは携帯三国シリーズ(「携帯三国」,「携帯三国Plus」,「携帯三国Plus+」,「三国神将伝」)に関する情報をまとめている非公式サイトです。 「携帯三国」とはSomething Big株式会社が提供する、三国志をモチーフとした戦略ゲームです。 ※IOS版の「携帯三国」は「三国神将伝」にアプリ名が変更されました。 プレイヤーは乱世の英雄となり、魏、蜀、呉、群雄の四つの陣営に分かれ、数多くの任務をこなし、施設を建築し、有能な武将を集め、連盟を結び、勢力を拡大して、中国統一の夢を実現し、世界制覇を目指していきます。 戦っていく中で、武将と兵士の凛々としたたくましさと美人店員さんの雅やかな美しさで、まるで三国時代に戻ったように感じさせ、三国時代をそのまま目の前に再現していきます。 そして、ゲーム業界では前代未聞の神武将が更にゲームのクライマックスを迎えていきます。 ■注意事項 当wikiの管理者とSomething Big株式会社は一切関係がありません。 当wikiで使用している携帯三国の画像はSomething Big株式会社が保有しています。当コンテンツの再利用は禁止しています。 当wikiの記載内容に不備があり、それによりユーザーが何らかの損害を被った場合でも、管理人は責任を負いかねます。あくまで自己責任で当wikiをご活用ください。 ■アプリダウンロード アプリ名 ダウンロード 説明 携帯三国 課金方法 GoogleWallet,WebMoney,Paypal 携帯三国Plus タスクバーに「ヘルプ」ボタン追加課金方法 GoogleWallet,WebMoney,Paypal 携帯三国Plus+ タスクバーに「お気に入り」ボタン追加課金方法 GoogleWallet,WebMoney,Paypal 三国神将伝 iOS版「携帯三国」が「三国神将伝」とアプリ名が変更されてリリース※旧アプリからアカウントを継承する場合は旧アプリにてアカウント登録が必要 ※Androidで今から始める方は、どれをインストールしてもアカウントは共通で、機能は上位互換ですので下方のものをインストールすることをお勧めします。 ■関連リンク 携帯三国公式ページ 携帯三国(別称:三国神将伝)~公式ページ~ 公式コミュニティ mixi, Facebook, Twitter 2chスレ http //anago.2ch.net/test/read.cgi/applism/1349782647 ■タグ 携帯三国 携帯三国Plus 三国神将伝 三国志 無料ゲーム 攻略 スマホ アプリ wiki
https://w.atwiki.jp/marurowa/pages/183.html
【名前】御坂美琴 【出典】とある魔術の禁書目録 【種族】人間 【性別】女 【口調】 一人称:私 二人称・三人称:アンタ、~さん 【性格】 一言で言うならばツンデレ。粗暴で負けず嫌いだが、根は善良。 年上に対しては基本敬語だが、人(上条等)によってはタメ口をきいたりする。 【能力】 電撃使い(エレクトロマスター) 自らの能力で発電した電気を操る能力。 光速の電撃の槍、落雷、電気信号を介したハッキング、警備ロボの操作、 ネットを介した遠隔破壊攻撃、砂鉄や鉄骨を自在に操る電磁力、水を電気分解しその水素により飛行など汎用性の高い特技を持つ。 超電磁砲(レールガン) 御坂美琴の切り札であり、通り名。 物体(主にコイン)に電磁加速を加えて放つ超電磁砲が十八番かつ決め技。 【備考】 名門お嬢様学校の常盤台中学に通う14歳。 学園都市で7人しかいないレベル5(超能力者)の1人で、第3位。 当初はレベル1であったが、数々のカリキュラムをこなして今の地位に上り詰めた努力家。 お嬢様学校に通うにもかかわらず自販機への蹴りでジュースを出したり、スカートの下には短パンを着用していたり、 コンビニで漫画の立ち読みを楽しんだり、年上の上条にタメ口を聞いたりとその言動は優雅や品行方正とは到底言い難く、 周りからは「全くお嬢様っぽくない」などと言われる。 以下、マルチジャンルバトルロワイアルにおけるネタバレを含む 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 御坂美琴の本ロワにおける動向 初登場話 0021 ruins 死亡話 --- 登場話数 7話 登場話一覧 【とある魔術の禁書目録】 スタンス 対主催 現在状況 一日目午前の時点で生存 参戦時期 キャラとの関係(最新話時点) キャラ名 関係 呼び方 解説 初遭遇話 カズマ 敵対 あんた 交戦するが、生き残る事を優先し撤退する 0027 我が﨟たし悪の華 衛宮切嗣 友好 衛宮さん 協力してクロコダイル達を襲撃するが、"砂嵐『重』"から美琴を庇い大ダメージを負う 0071 同じ夜明けを見ている サー・クロコダイル 敵対 雷撃によってクロコダイルの首輪が爆発し、結果的に殺害する 0071 同じ夜明けを見ている ライダー(イスカンダル) 敵対 クロコダイルもろとも奇襲を仕掛けるが逃げられる 0111 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編) レッド 敵対 あんた 友好関係になりかけるも、混乱のため攻撃して逃げる 0123 私らしくあるためのImagine(幻想) ハクオロ 敵対 あんた 友好関係になりかけるも、混乱のため攻撃して逃げる 0123 私らしくあるためのImagine(幻想) ラッド・ルッソ 敵対 地下で襲撃され、その後乱戦 0133 Radical Good Speed ストレイト・クーガー 友好 地下鉄で乱入、逃がしてもらう 0133 Radical Good Speed リヴィオ・ザ・ダブルファング 敵対 地下鉄で乱入、乱戦 0133 Radical Good Speed ブレンヒルト・シルト 敵対 共同戦線を張るが、改心のため敵対 0144 UN-SYMMETRY
https://w.atwiki.jp/kunitorialpha/pages/45.html
基礎武官型 巡察 文官型 巡察 指揮官型&万能型 巡察 内政農地開墾 商業発展 技術開発 防衛力強化 城壁補修 軍事戦争&賊退治(合戦場) 戦争(城内制圧) 金強奪&米泥棒 人気アイテム 逆引き 基礎 武官型 巡察 〜の街にて〜を討ち取り「アイテム」を入手する。 熊肝、熊の毛皮、虎の毛皮、大蛇の牙、蛇の抜け殻、呪われた血、虹の欠片 火の玉、水の玉、木の玉、金色の玉、土の玉、光の玉、闇の玉 〜の山にて白虎をなぎ倒し「アイテム」を入手する。 白虎の爪、白虎の牙 文官型 巡察 〜のとある水辺にて、巨大な「アイテム」を釣り上げる。 鰻、河豚、海老、蟹、ザン、ナマズ、スッポン、鯉、サメ とある水辺にて、「アイテム」を釣り上げる。 クマのぬいぐるみ 指揮官型&万能型 巡察 〜の民から貢物として「アイテム」を貰い受ける。 朽ちた鏡、虹の欠片、ねじれた杖、名も無き人形、真珠の数珠、民族衣装、珊瑚の欠片、白い十字架、不恰好な埴輪、雅な扇、魔除けの札 火の玉、水の玉、木の玉、金色の玉、土の玉、光の玉、闇の玉 内政 農地開墾 〜にて農作業の最中に「アイテム」を入手する。 ツバメの巣、奇妙な種、奇怪な芋、ダツラ、赤い木の実 虹の欠片、貴重な薬草、謎の樹液、蜘蛛の糸、太くて長い竹 火の玉、水の玉、木の玉、金色の玉、土の玉、光の玉、闇の玉 商業発展 〜にて商人から「アイテム」を貰い受ける。 白い石臼、名も無き絵画、虹の欠片、雅やかな織物、小さなひょうたん、大きな釜、古の護符、蒼い水晶玉、琥珀の装飾品、紅の火鉢 火の玉、水の玉、木の玉、金色の玉、土の玉、光の玉、闇の玉 技術開発 〜のとある廃屋の書斎にて「アイテム」を入手する。 抱朴子、馬王堆医書、肘後救卒方、神農本草経、神仙伝、謎の秘伝書、異国の奇書、漆黒の古文書、真紅の古文書、神々の叙事詩 火の玉、水の玉、木の玉、金色の玉、土の玉、光の玉、闇の玉 防衛力強化 〜にて防衛力強化の作業中に「アイテム」を入手する。 銅塊、銀塊、金塊、大理石、黒曜石、御影石、鉄鋼石、中国粘土、翡翠 火の玉、水の玉、木の玉、金色の玉、土の玉、光の玉、闇の玉 城壁補修 軍事 戦争&賊退治(合戦場) 〜の合戦場にて「アイテム」を入手する。 古びた鎧、長い棒、強弓、大槌、画戟、手斧、朽ちた剣、妖刀、巨矛、駿馬 火の玉、水の玉、木の玉、金色の玉、土の玉、光の玉、闇の玉 戦争(城内制圧) 〜 城内制圧の最中、宝物庫に眠っていた「アイテム」を入手する。 赤水晶、青水晶、黄水晶 ムーンストーン、オパール、アクアマリン、エメラルド、ルビー、ダイアモンド、サファイア 金強奪&米泥棒 〜のとある廃屋の書斎にて「アイテム」を入手する。 抱朴子、馬王堆医書、肘後救卒方、神農本草経、神仙伝、謎の秘伝書、異国の奇書、漆黒の古文書、真紅の古文書、神々の叙事詩 火の玉、水の玉、木の玉、金色の玉、土の玉、光の玉、闇の玉 人気アイテム 逆引き 馬やアクセサリの主要素材 駿馬 馬材料 - 戦争&賊退治(合戦場) 赤い木の実 赤兎馬材料 - 農地開墾 紅の火鉢 赤兎馬材料 - 商業発展 魔除けの札 アクセサリ材料 - 指揮官型&万能型 巡察 古の護符 アクセサリ材料 - 商業発展 神々の叙事詩 馬・アクセサリ材料 - 技術開発・金強奪&米泥棒
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/388.html
【名前】御坂美琴 【出典】とある魔術の禁書目録 【種族】人間 【性別】女 【口調】 一人称:私 二人称・三人称:アンタ、~さん 【性格】 一言で言うならばツンデレ。粗暴で負けず嫌いだが、根は善良。 年上に対しては基本敬語だが、人(上条等)によってはタメ口をきいたりする。 【能力】 電撃使い(エレクトロマスター) 自らの能力で発電した電気を操る能力。 光速の電撃の槍、落雷、電気信号を介したハッキング、警備ロボの操作、 ネットを介した遠隔破壊攻撃、砂鉄や鉄骨を自在に操る電磁力、水を電気分解しその水素により飛行など汎用性の高い特技を持つ。 超電磁砲(レールガン) 御坂美琴の切り札であり、通り名。 物体(主にコイン)に電磁加速を加えて放つ超電磁砲が十八番かつ決め技。 【備考】 名門お嬢様学校の常盤台中学に通う14歳。 学園都市で7人しかいないレベル5(超能力者)の1人で、第3位。 当初はレベル1であったが、数々のカリキュラムをこなして今の地位に上り詰めた努力家。 お嬢様学校に通うにもかかわらず自販機への蹴りでジュースを出したり、スカートの下には短パンを着用していたり、 コンビニで漫画の立ち読みを楽しんだり、年上の上条にタメ口を聞いたりとその言動は優雅や品行方正とは到底言い難く、 周りからは「全くお嬢様っぽくない」などと言われる。 以下、マルチジャンルバトルロワイアルにおけるネタバレを含む 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 御坂美琴の本ロワにおける動向 初登場話 0021 ruins 死亡話 --- 登場話数 7話 登場話一覧 【とある魔術の禁書目録】 スタンス 対主催 現在状況 一日目午前の時点で生存 参戦時期 キャラとの関係(最新話時点) キャラ名 関係 呼び方 解説 初遭遇話 カズマ 敵対 あんた 交戦するが、生き残る事を優先し撤退する 0027 我が﨟たし悪の華 衛宮切嗣 友好 衛宮さん 協力してクロコダイル達を襲撃するが、"砂嵐『重』"から美琴を庇い大ダメージを負う 0071 同じ夜明けを見ている サー・クロコダイル 敵対 雷撃によってクロコダイルの首輪が爆発し、結果的に殺害する 0071 同じ夜明けを見ている ライダー(イスカンダル) 敵対 クロコダイルもろとも奇襲を仕掛けるが逃げられる 0111 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編) レッド 敵対 あんた 友好関係になりかけるも、混乱のため攻撃して逃げる 0123 私らしくあるためのImagine(幻想) ハクオロ 敵対 あんた 友好関係になりかけるも、混乱のため攻撃して逃げる 0123 私らしくあるためのImagine(幻想) ラッド・ルッソ 敵対 地下で襲撃され、その後乱戦 0133 Radical Good Speed ストレイト・クーガー 友好 地下鉄で乱入、逃がしてもらう 0133 Radical Good Speed リヴィオ・ザ・ダブルファング 敵対 地下鉄で乱入、乱戦 0133 Radical Good Speed ブレンヒルト・シルト 敵対 共同戦線を張るが、改心のため敵対 0144 UN-SYMMETRY
https://w.atwiki.jp/truexxxx/pages/145.html
あらがうものたち ◆Mti19lYchg 1. 鬼であり、修羅である猗窩座。 人であり、虎である宮本武蔵。 二人の戦いは終局を迎えようとしていた。 今まで左構えだった猗窩座は、逆に左足を前に出し、左掌を突き出し、右拳を腰に沿えた。 猗窩座の足元には、雪の結晶の様な図が浮かび上がっている。 相手の闘気の方向、位置、強弱をレーダーのように読み取る、猗窩座の攻防一致の戦いを支える血鬼術。 ――破壊殺・羅針 対する武蔵。元からある刃こぼれだらけの刀は右手に構え、永井圭より渡された刀を左手に持つ。 その刀は鍔が無く、熱したように赤い刀身をしている。鍔元から上には"悪鬼滅殺"の文字が刻まれている。 「まさかこの場で、杏寿郎の日輪刀を拝めるとはな。天命、と呼ぶにはいささか出来すぎだな! その刀の持ち主、煉獄杏寿郎は俺の全力を受け切れなかったが、武蔵、貴様はどうかな!?」 武蔵は左の刀を垂直に立て、右の刀を真一文字にし、切っ先を組み合わせ、両刀で十字の形を作り構える。『円極の構え』である。 全身のつま先から刀の切っ先まで闘気を満たし、猗窩座の放つ技を迎え撃たんとする。 ――観えるか、武蔵。見切れるか、技の『起こり』。 『起こり』とは、技を打つ前の予備動作、予兆のことを指す。 本来なら、このようなわかりやすい突きの構えなど、肩の、肘の、足の動きで簡単に『起こり』を読める。 だが、猗窩座の武は尋常ではない。武蔵がその孤剣で最重要視する『拍子』を読ませない一撃を放つやもしれない。 ――相打ちではいかん。相打ちでは。 相打ちなら狙えるし出来るだろう。だが成功したとしても、あくまで人の武蔵は死に、鬼の猗窩座は生き残る。それでは意味がない。 ――狙うは『後の先』。打つは一点。己の剣を信じよ、武蔵! 攻めの気を発する猗窩座。それを受け止める武蔵。 互いの意識、時間の感覚は極限まで引き延ばされ、一瞬が一刻にも二刻にも思える。 何時までこの状況は続くのか。互いに不明な中、猗窩座の『羅針』に微かな揺れが生じた。 ほんの僅かだが武蔵の『闘気』が緩んだ。そう見た瞬間、猗窩座は、武蔵に向かい爆発するように『跳んだ』。 抜重によって落ちる勢いを、後ろ足の踵で受け止め、前足の膝の力を抜くことで全身を急加速。 深層筋である大腰筋、小腰筋を使って後ろ足を引き抜き、前足に腸骨筋の力を載せてさらに加速させ、不可視の域へ。 勢いを殺さず武蔵の間合いに入り、地面を砕く踏み込みで、重量を数倍に増やす。 増えた重量を余さず踵から腿、腰、背中、胸、肩、肘、手首に伝えつつ、流れる重量に合わせ筋力を連動させ、拳を大砲の如く弾き出す。 ただの順突きが、鬼の膂力を持ちながらも、それに奢らず数百年の武功を積んだ猗窩座が放てば、それは必滅の刃と化す。 ――破壊殺・滅式! 2. 永井圭にとって、その攻防はほんの数秒の出来事でしかなかった。 武蔵に向かい刀を投げ、武蔵はそれを受け取った。 日本の刀を十字に組み合わせたその数秒後に、猗窩座が突進した。 二人の衝突で、猛烈な爆音が鳴り、土煙が上がる。 数秒後、圭が見えてきた光景は。 突きを武蔵に放ったまま、静止している猗窩座。 両刀を降ろしたまま、やはり静止している武蔵。 ただ、武蔵は後ろに三間以上、地面を削り後ずさっている。 その理由は――武蔵は、猗窩座の滅式に、腕が伸び切る寸前、両刀を叩き付け、撃ち落としたのだ。 鬼の牙に、虎の牙を食い込ませ、止めていた。 「……素晴らしい」 猗窩座が万感の意を込めて呟いた。 「素晴らしいぞ、武蔵! 俺の絶式を撃ち落とすという着想と胆力! 威力が乗り切らず、尚且つ拳の軌道を変えられない瞬間、その刹那の拍子を捕らえる機眼! 針の穴を通す正確無比な太刀筋! 正しく神技!」 「――恐悦!」 武蔵は返答しながら、左の刀で猗窩座の腕を押さえ、右の刀を外し、猗窩座の首に向けて横に薙ぐ。 武蔵もまた、猗窩座の武に感嘆していた。 あの突きは、鬼の膂力に頼ったものではない。力の入れ具合、抜き方、踏み込み。 全身の動きが完全に突きの一点のみに連動したがゆえの絶技。 人に仇名す鬼とはいえ、目の前の相手は拳術に全てを捧げ尽くした男だ。同じ兵法者としてある種の共感さえ覚える。 故に敬意を払って、首を落とす! 猗窩座は刃こぼれした日輪刀が頸部に斬り込まれた瞬間、歯を食いしばり、膨らんだ首の筋肉で刀を締め付け、さらに左手で掴み止めていた。 ――首の切断を防ぐは、死を恐れるが故。 武蔵は確信した。この鬼は、猗窩座は頭を射抜かれても首を断たれても死ななかった、あの不死身の鬼どもとは違う。 猗窩座が日輪刀と呼んだこの刀で、首を断てば死ぬのだ。 「オオオオオオ!!」 猗窩座が吼える。刀に銜え込まれた右手を外そうとし、左手と首の筋肉で頭を断たんとする日輪刀を押さえる。 「ぬおおおお!!」 武蔵もまた、吼える。左の刀で猗窩座の腕を押さえつつ、首に食い込んだ右の刀で押し斬らんとする。 ここを逃せば最早勝機は無い。 徐々に、だが確実に日輪等が猗窩座の首を押し斬っている。 猗窩座は右手から刀を外そうと試みる。 だが、外れない。どんなに力を入れても、押しても引いても、まるで縫い止められ、一体化したかのように刀が動かない。 武蔵は猗窩座の加える力に合わせ、武蔵が力で受け、あるいは力を抜いて流し、動きを制御している。 それは中国拳法でいう『聴勁』。あるいは馬庭念流でいう『即位付』に似ていた。 練った米で作った糊が粘りつくが如く、外観からは見えない動きで、武蔵の剣が猗窩座の右腕を止めている。 左腕の柔、右腕の剛。虎の力に人の技。その完全な融合。 常の猗窩座なら賞賛していただろうが、最早その余裕はない。 同じく、見た目ほど武蔵に余裕はない。疲労、負傷ともに限界に近い。頚骨を切断できるか怪しい。 二人とも焦る中、圭が二人が組み合う中に走ってきた。 ――この状況なら猗窩座の首を落とすのに、刀を押すくらいなら出来る。 「オオォオァッ!!」 迫る圭を見た猗窩座はなりふり構わず右手を暴れさせ絶叫し、遂に骨を削り刀から右腕を外すことに成功。頚骨まで迫らんとしていた刀の側面を打ち、へし折った。 そこまで焦った理由は圭が理由ではない。圭が迫ってきた東の方向を見、空が白みがかっている事に気づいたからだ。 もう日の出が近い、限界だ! 武蔵を殺す時間はない! 「白銀、退け!!」 叫ぶと同時に、猗窩座は武蔵より全速力で離れた。 武蔵は大きく息をつくと、膝をついた。追う気力も無い程に限界だった。 それが二人の決着だった。 3. 善吉と白銀の戦いは、先程とは逆に、善吉が一方的に攻めていた。 攻めなければ逆に追い込まれる。そう善吉が判断したからだ。 膝へ踏みつけるようなローキックで動きを止め、そのまま胴へ突き蹴り。 白銀が呻いた瞬間、足を降ろさずに顎へのつま先蹴り。 さらに放たれる回し蹴りを白銀は防御とも呼べない、腕で顔をただ覆って防ごうとする。 それでも鬼の膂力なら止められるが、善吉は防がれた足の踵を伸ばし、つま先を白銀の頭に突き刺した。 先程は戦いを知らないが故に圧倒していた白銀は、今度は知らないが故に不利に立たされていた。 攻撃の仕方を知らないという事は、防御の方法も知らないという事。 天性、何の格闘技も学ばず喧嘩の強い人物は存在するが、そのほぼ全ては攻撃の当て感に優れた者であって、防御は頑健さに頼ったものだ。 防御にはどうしても攻撃に応じた経験と訓練が必須なのだ。 白銀は簡単なフェイントにも引っかかり、上段、下段につま先からかかとまでを使った流れるような連続攻撃にまるで対応できなかった。 白銀の頭へ後ろ回し蹴りが入る。 白銀は、たまらず頭を両腕で覆い、閉じこもったように防御する。 善吉は隙だらけの胴体に、空手で言う三日月蹴りを全力で放ち、白銀の肝臓をつま先で突き刺した。 呻き、涎を流す白銀。だがその顔は笑みを浮かべていた。 白銀は善吉の蹴りを受け続ける事で、ようやく鬼の利点に気づいた。どんな攻撃を受けても、痛みを感じても、一瞬で回復する。 だから、この人間なら悶絶する肝臓蹴りも、鬼の身体にとっては何という事も無い。 無論、怯えたように頭をかばったのはわざとだ。胴体を狙わせるためにだ。 この突き刺した状態なら、足を引くまで僅かに時間がかかる。そして、回し蹴りよりはるかに掴みやすい。 白銀は捕食者の笑みを浮かべ、善吉の踵を掴んだ。 ――ようやく捕った。このまま足を―― へし折る、ねじ切る。白銀がそれを実行しようとした瞬間。 「そう来ると思ってたぜ!」 善吉の声が、頭上から聞こえた事で、白銀の意識は混乱をきたした。 白銀が上を見上げると、高々と宙を飛ぶ善吉の姿。 これは雅との戦いで蹴り足を掴まれた経験を生かした策だ。 善吉は白銀の腹に食い込んだつま先と、とられた踵を踏み台にし、一気に跳躍したのだ。 しかし、この策は善吉にとって賭けだった。一歩間違えれば足をへし折られるだろうという恐怖があった。 その恐怖を覚悟でねじ伏せ、善吉は賭けに勝った。白銀が人間の感覚を色濃く残し、鬼の身体にまだ慣れてなかったから成功したのだ。 善吉は空中で、靴を前提としたサバットの蹴り技の中で、最も威力のある蹴りを放つ。 ――下段踵蹴り! 善吉の踏み付けが、白銀の脳天に直撃した。白銀の目が眩む。 さらに善吉は空中で身を半回転させ、踵を白銀のこめかみに叩きこんだ。 サバットの代名詞的技、ローリングソバットである。 二度の脳を揺らす打撃で、白銀は目を廻し、地面を転がった。 「こいよ、チュートリアルバトルでゲームオーバーになるゲームなんて、珍しくないんだぜ。 特にお前のような初心者ならな!」 怒りの表情ですぐさま立ち上がる白銀。体中の痛みを気合で押さえる善吉。 二人の思いは同じ。 絶対に負けない! この男にだけは負けたくない! ――白銀、退け! 白銀は一瞬、憎悪を込めた目で善吉を睨みつけたが、猗窩座に従い、同じ方向に行った。 善吉はぜいぜいと息を切らし、前かがみになった。 現界だった。 これが二つ目の人と鬼の決着だった。 呼吸が落ち着いた武蔵と善吉は合流した。 「永井よ、感謝する。猗窩座を退けられたのはお主の投げた刀のお蔭だ」 「え、あれ!? 無事だったのか、永井!? ていうか、なんで傷一つないんだ!?」 圭の姿を見て、驚きと疑問を隠せない善吉。 「そうだ、永井。お主に恩義はある。だがまずは話してもらおう。お主の身体の秘密、その全てを包み隠さずな」 殺気混じりの視線を、武蔵は圭に向けた。 ――それについては、我もぜひ聞かせてほしいな。 唐突に、涼やかで美しく澄んだ声が、玲瓏として響いた。 4. 三人がいる場所から僅かに離れた位置に立っている木から、何者かが優美に宙を舞い、地面に降り立った。 それは紅毛の青年だった。身に纏うは派手な袴に、襟に真紅の薔薇が描かれた白い羽織。 唇は女のように赤くて薄く、目は煌々と生命力を主張している。 体つきは間違いなく男のそれなのに、胸には膨らんだ乳房がある。 だが、この者にはそれが三人に異形の持ち主と思わせない。猛々しさと華麗さが見事に調和した絶世の美と感じさせる。 ただ立つ姿勢、歩く動きがそれだけで美しいと三人は感じる。 その中で武蔵は、その美しさの要因は、歩みに正中線のブレが無く、鍛え上げられた体幹によるものと見切った。 「ただならぬ技量の持ち主と観た、何者か!?」 武蔵が問うと、その者は落ち着いた涼やかな声で答えた。 「我が名は波裸羅。人は呼ぶ。『現人鬼』」 『また鬼か。もういい加減にしてくれ』 善吉は疲労困憊、深い負傷で気力が萎えかけていた。 圭もまた、疲労、負傷こそ先程の死亡で消えているが、魔人ばかりのこの殺し合いに精神的な疲労で身体を重く感じていた。 ただ一人、武蔵だけは疲労、重傷を無視し、波裸羅に斬りかかった。 一度剣を持てば、武蔵の全ての身体の機能は戦いのみに特化する。流れる血流が変化する。筋肉も戦闘用に特化する。内臓も戦闘用に機能が作り替わる。 武蔵が放つ袈裟切りを躱し、波裸羅が宙に舞った。 空中で蹴足を瞬時に三連撃。つま先蹴り、回し蹴り、そこから独楽のように回転しての踵落とし。 武蔵は二撃は躱したが、最後の踵落としは躱しきれず、頬に線が刻まれた。 波裸羅の蹴りは容易く筋骨を断ち、熟した瓜を砕くが如く人体を苛む。 ――旋風美脚『塾瓜(ほそぢ)』。 さらに空中で繰り出される波裸羅の蹴りを武蔵は柄で受け止め押し返した。 波裸羅は宙で開脚して回転し、地面に降り立ち、二人は間合いを取る。 善吉に戦慄が走った。同じ足技を主体とする武術を学んでいるからこそ分かった。 足技の冴え、威力、速さ、柔軟性、安定した体幹、軸のブレの無さ。 どれをとっても尋常ではない。純粋な武術として善吉のそれをはるかに上回っている。 武蔵もまた戦慄した。 鬼の膂力があれど、これは純粋な武芸による蹴足。猗窩座に劣らぬ武。上の上! 猗窩座が数百年の武功をつんだ者ならば、この者は数百年、否、千年に一人の天稟! ――ならば武蔵、勝たねばならぬ! 千年の後にうたわれる武芸者として! 互いに闘気満ち、波裸羅と武蔵の間に覇気が充満する中、波裸羅は一方的に構えを解き、武蔵に向かって微笑んだ。 「案ずるな、武蔵。波裸羅に手負いの獣を嬲る趣味などない。 だからそう撫でてくれるな、いきり立ちそうではないか。お前の奥ひだを味わってみたくなるではないか」 「カッ、そう簡単に俺達がやられるもんかよ!」 善吉が吼える。 その瞬間、波裸羅は無表情になり、三人に向かいゆるりと進んだ。 その様子に気を張り詰めた武蔵以外の二人は、ただ茫然としていたが、善吉は目の前まで波裸羅が迫った事でようやくハッとした。 突然、パン、と音が鳴った。波裸羅が善吉に平手打ちしたのだ。 「善吉。貴様は今、三人が手を合わせれば何とか、と考えたな。 武蔵が瞬殺を免れたなら、加勢により何とかなるだろうという愚かしき、浅ましき、人に背負ってもらおうとする考え」 波裸羅はさらに互いの唇が触れるほどに近づき、善吉の股間を撫でた。 「摘み取ってやろうか、つくしの先を。掻き出してやろうか、蕾の奥を」 波裸羅の優しげ且つ獰猛な笑みを浮かべ、変わらず涼やかな声で囁きかける。何より、何とも言えない良い香りが善吉の鼻腔をくすぐる。 その様は雅や猗窩座の様な鬼らしき鬼よりさらに恐ろしく善吉は感じ、身体は震え、汗が噴き出た。 「震えるな善吉! 先程の啖呵はどうした。あの根性はどこにいった!?」 武蔵も圭も動けない。この意図が不明な鬼は、少しでも動けば言葉通りに善吉の股間をえぐる。そう確信したからだ。 「よっく聞け、小僧! 死の覚悟、地獄に堕ちる覚悟ない男子が、この波裸羅に同等口(ためぐち)叩くまいぞ!」 波裸羅は柳眉を逆立て、善吉に怒鳴りつけた。 「つ、つくしって……お、俺たちを喰う気か?」 わけのわからない善吉は、それしか言えなかった。鬼なら人を喰うのではないかというやはり深い考えなしの言動。 「愚か者め。飢饉の際の悍ましき民草でもあるまいに、この波裸羅が人など喰らうか」 善吉から離れ、侮蔑もあらわに波裸羅は言い切った。 「もとより波裸羅は、この催しに乗り気では無い。興味があるとすれば、この場に集う猛者共と、それ以外の者たちの生き様と死に様よ」 「ならば、波裸羅よ。何故善吉に張り手など。お主なら首を飛ばすなど朝飯前であったろうに」 「武蔵の様な虎が強きは当たり前。だが善吉は凡人でありながら、根性で鬼との差を埋めて見せた。その意気やよし。 その根性に陰りが見えたので、少し喝を入れてやったまでよ」 「…………あえてあざっすと言わしてもらいます。確かに俺は覚悟を失うとこでした」 善吉は素直に礼を言った。確かにさっき自分は気力が尽きかけ、人と協力するのではなく、武蔵の強さに寄りかかり、陰から隠れて大言を吐いただけだ。 これじゃとてもめだかちゃんに並ぶなんて夢のまた夢だ。 「その率直さ、覚悟は良し。今後とも忘れるな」 波裸羅は善吉に対し、薄い唇の端を吊り上げた。 「あ! 色々ありすぎて煉獄さんの事、すっかり忘れてた! 早く行かねえと!!」 慌てて自転車を起こしに行こうとした善吉を、圭が腕を掴んで止めた。 「待って下さい。今からいった所で、もうそろそろBBの通信が始まります。まず生存しているかどうか確認しましょう。死んでいれば無意味どころか逆に危ない。 聞いてから行っても遅くないと思います」 その台詞は正論だと善吉は思ったが、それでもやはり煉獄を放っておくわけにはいかない。善吉は武蔵の方を見た。 「宮本さん、俺と一緒に行けますか? 煉獄さんと雅の所へ」 「善吉、すまぬ。武蔵は頬に傷を負った。これでは吸血鬼とやらになってしまいかねぬ」 雅という鬼がどれほどの者であろうと、負ける気などない。だが、血を一滴も浴びずに勝つなどはより以上に思えない。 勝ったところで自分が鬼に変じてしまえば意味がない。 「大言を吐きながらこの有様。武蔵は助けに行けぬ。詫びの言葉も無い」 武蔵は善吉に対し、深々と頭を下げた。 「いえ! 頭をあげてください、宮本さん。元々足手まといになった俺が悪いんです。 こうなったら、今はせめて煉獄さんが勝つか、もしくは無事逃げられるように願いましょう」 首を上げた武蔵は、今度は波裸羅に対し殺気を放ち睨んだ。 「波裸羅。お主は、この武蔵が斬る。鬼退治ではない。武芸者同士の果し合いとしてでだ」 「波裸羅はまだこの催しに興味がある。それに飽きたら応じよう」 波裸羅は緩やかに武蔵の殺気を流し、微笑んだ。 5. 「桃は皮ごとかぶりつくのが一番旨し喰い方ぞ」 波裸羅がバッグの中から桃を取り出し、各人に渡しながら言った。 波裸羅の話によると『波裸羅に与えられた兵糧は、この桃のみよ。幾つあるか分からぬ』との事だ。 「有り難く頂こう」 武蔵は鄭重に片手で受け取った。 善吉と圭の二人も礼を言いながら貰った。 四人は市街地を走る道の中で、先程善吉が自転車で走っていた広い道で座を囲んでいた。 ここでは誰の目にもとまりやすく、殺し合いに乗った参加者に見つかる恐れもあるが、それ以上に煉獄が見つけ易くするためだ。 北から右回りに武蔵、圭、善吉、波裸羅の順に胡坐をかいて地べたに座っている。 「いいのかな……煉獄さんが今どうなっているのかわからないのに」 善吉は弱冠の罪悪感と共に呟いた。 「この場はいつ、誰に襲われるか分からぬ情勢だ。 ならば、食える時に食っておくべきであろう。次にいつ休息が取れるか知れぬからな」 そういう武蔵は、桃を地面に置き、折れた刃こぼれだらけの刀から鍔を取り、煉獄の日輪刀に嵌め込む。 波裸羅がその刀が一本欲しいといったので、武蔵は抜き身だけならという事で承諾したのだ。 「では、圭よ。お前の身体について話してもらおうか」 波裸羅が促すと、圭は自分の知る限りの『亜人』に関する知識を話した。 亜人とは、人間と同じ姿をした別種の生物である。 実際に死んで生き返るまで、亜人は人間と区別がつかない。細胞レベルだと何か違うらしい。 戦死、病死、事故死、絞殺。毒殺。どんな死に方をしても亜人は蘇生する。 それまでの負傷、疲労は初めから無かったことになる。手足を切断されても生え変わる。撃たれた弾丸などは別の物質に変換され、体内から無くなる。 この再生の際に周りの物質を変換する性質を利用し、金属の壁に切断した腕を押し当て死んで、生き返る時に壁を巻き込み腕の通る穴をあけるなんて事も出来る。 ただ、怪我や病気をしてもすぐ治るわけじゃない。特に手足を欠損したら、一度死ぬまでそのままだ。自然治癒力は人間と同じだ。 そして、人間同様成長も老化もする。不老ではない。研究者によると寿命があるようだ。 能力として、不死身の他に『声』と『IBM・黒い幽霊』がある。 亜人同士には効かないが、亜人が放つ叫びには人間の動きを止める効果がある。 IBMは亜人の放出する黒い粒子で亜人以外には見えない。亜人でも出せない者も居る。 それが人の形を持ったのが黒い幽霊と亜人たちが呼んでいるモノで、人間が火事場の馬鹿力を出したくらいの力を持つ。 亜人の意志で行動し、出せる量と時間は決まっている。出せる亜人は通常、一度に1、2体を5分から10分程度出せる。圭は一度に最大9体、30分は出せる。 弱点として頭部を破壊されると散ってしまう。水や雨の中だと動けなくなる。 「永井よ。その幽霊とやら、猗窩座に対し使えたのではないか?」 桃を両手に持ち、交互に食いながら武蔵が疑問点を指した。 「僕のIBMは思い通りに動かないんです。あの状況だと武蔵さんの方に襲い掛かる危険がありました」 圭の答えに武蔵は頷き、食い終わった桃の種を捨て、波裸羅から桃を受け取り、また食っている。 『一体何個食ってんだ宮本さん、つーか波裸羅さん何個桃持ってんの?』 善吉が心の中で突っ込む。 確かにこの桃は旨い。皮が薄く、固すぎず柔らかすぎず、歯を当てると甘みと酸味のバランスが絶妙な甘露が零れる。 それでも何個も食えば飽きる。善吉は4個、圭は3個が限界の所、武蔵は地面に落ちた種の数だけでもう10個を超えている。 武蔵の余りの食いっぷりに、善吉と圭は見ているだけで胸やけがしてきた。 「ふむ、やはり『端麗人』とは違うのか」 「何ですか、そのきらぎらびとって」 善吉が武蔵の食べる姿から目をそらす目的で、波裸羅に尋ねた。 「端麗人とは、永遠の命を持ち不老。時を超える者。時の支配者に使える事を条件に『置き血』と呼ばれる物を飲むことで変ずる者」 「亜人でも寿命があるって話なのに、本当にそんな生物がいるんですか?」 圭もまた話を変えて落ち着こうと、波裸羅に尋ねた。 「波裸羅はそのお方と出会った。吉備津彦命、かの伝説の桃太郎卿とな」 善吉と圭の二人は、同時に口から唾を霧状に噴いた。 全く、ナイチンゲール、宮本武蔵、源頼光、酒呑童子と歴史や伝説に名を残す者達が名簿に載っていて、実際ここに武蔵がいるところに今度は桃太郎ときた。 「僕がその『端麗人』だったとしたら、なりたいと思ったんですか?」 圭にとっては軽い疑問だったが、その圭の言葉で波裸羅の表情は一変した。怒りに任せて波裸羅は桃の種を圭の足元に投げた。 桃の種が地面にめり込んだ。めり込む音は種のそれじゃない、まるで砲弾を撃ち込んだかのようだ。 「舐めるなよ、圭! この波裸羅が牢獄のごとき永遠の命を望むと思うか! 時の支配者に奴婢のように、畜生のように使えて永遠を生きるよりも、身の保証無き身分なき身で、一瞬に一生分の力燃やして戦い続ける命懸けの『好き勝手』こそが我が望み!」 どうやら、波裸羅は随分と反体制、アナーキズム的な考えの持ち主らしい。少し常軌を逸しているが。 この反骨心を上手く誘導できれば、佐藤を殺し、脱出するという目的の力になるかもしれない。 先程もし殺されても、生き返る事が出来たとはいえ、この状況でそう考える圭の合理的思考もまた常軌を逸していた。 「圭よ。この場にお前と同じ『亜人』はいるのか?」 波裸羅が尋ねると、圭は顔をこわばらせていった。 「他に佐藤がいます。あいつは危険です。 どんな事をしても死なないから、わざと簡単に自分を殺させたり、相手をたきつけたり、状況を悪化させたりする。 よくゲーム感覚で人を殺すって言うけど、あいつは本当にこの世を自分が主人公のゲームだと思っているんだ。 だから自分が楽しむためだったら、どんな事でもする」 嫌悪感を露わに、というにはむしろ落ち着いた表情で圭は言った。 「あと、さっき言ったIBMも佐藤は一体だけだけど自由に操れて長時間、一日何回でも使えます」 佐藤の事を話した事で、圭は予定を思い出した。入間自衛隊基地で武器や医薬品を探すというものだ。 だが、猗窩座達が北の方角へ向かってしまった。 これでは入間基地に行って、使える武器を探す予定は、断念するしかないだろう。 ふと、圭に一つの疑問が浮かぶ。なぜ、猗窩座と白銀の二人は突然離れたのか。 追い詰められたから、じゃない。少なくとも猗窩座は圭をもう一度殺し、武蔵に再びあの技を放つくらいの余裕はあったはずだ。 それまで善吉や武蔵、猗窩座の口から出たキーワード、戦いで得た情報をもう一度確認する。 吸血鬼、血液から感染、鬼、不死身。首に食い込んだ刀を止める猗窩座。 圭の方向を見た猗窩座。その視線は圭の顔ではなく、さらに上の方に向いているように圭には見えた。 ――猗窩座が気にしていたのは、俺じゃなくて太陽? もしかしたら、猗窩座達の種族は、日光に弱いのでは? 吸血鬼が日の光を浴びると、灰になるという伝承は有名だ。猗窩座達も同じだとしたら? そういえば猗窩座は、圭が渡した刀を見て『にちりんとう』と言っていた。 漢字に変換すると『日輪刀』か? 刀は二本とも独特の形状をしていた。猗窩座は胴体や腕の負傷は即座に治るため気にかけていなかったが、首を刎ねられるのだけは必死になって防いでいた。 あの刀には何か鬼を殺すために必要な力でもあるのか? 何か光に反応する特殊な機能でもあるのか? 今のところ、乱暴な推測だが、猗窩座達の鬼の種族は―― 1.日光に弱い。 2.首を刎ねられると死ぬ(日輪刀と呼ばれる刀限定で?) といった所か。 「武蔵さん、もしかしたらあの鬼達は……?」 圭が武蔵に顔を向けると。 「……寝てる」 武蔵は地面に仰向けになって、寝息を立てていた。 「襲い、喰らい、寝る。正しく虎よな」 波裸羅は口端を吊り上げた。 「えっと……波裸羅、さん?」 波裸羅の名前を呼ぶだけでも、圭は緊張した。無礼者、様を付けろ、と一度殺されるかもしれないと思ったからだ。 だが、ここで一度下僕のような態度をとれば、とても共闘、最低でも同行などできないだろう。だから、最低限の敬意だけは払って尋ねた。 「なんだ」 圭は内心で一息つき、一つの質問をした。 「今年は何年ですか? あと、人吉にも同じ質問をするけど」 「元和二年だ」 「2009年だろ?」 宮本武蔵と会った時点で圭の中に会った仮説が、この答えで確信に至った。 「僕の認識では、今は平成24年、2012年です。 波裸羅さんからすれば……僕の世界は396年後で、元号は38回変わっています」 「永井……お前、もしかして学校の成績トップクラス?」 「全国模試一桁台でしたけど、ここではそんなことどうでもいいです。 つまり僕たちは全員、喚ばれた時代が、世界が違うんですよ。とんでもない事だけど今のところ、それしか思いつかない」 「いわゆるパラレルワールドってやつか? 確かにとんでもねえな」 「時代、世界が違うというのは、正しいかもしれぬな。善吉が先程申した雅。あの者は、日の本の国に棲まう民草の大半を吸血鬼とやらに変えたという」 「それ、なんてバイオハザードですか?」 善吉は冗談しか言えなかった。どうやら雅は目に見える危うさ以上に危険すぎる相手だったようだ。 「それ、だれから聞いたんですか?」 一方、圭は平然として波裸羅に尋ねた。 「ここに来る前、出会った勝次という童から聞いた」 「その勝次は」 どうしたのか、と圭が言う前に、波裸羅が言葉を遮った。 「この世には様々な『壁』がある。住まいを隔てるための壁。何かを隠すための壁。国の境目の壁。 特に硬いのは、身分を分かつ壁」 波裸羅は何を言おうとしているのか? 善吉も圭も分からなかった。 「衛府という全ての命、まつろわぬ民も貴族も支配者も同等とされる幻の都がある。身分なき者が死に対して抗う時、都の使者である龍が力を授けるという」 今でも結構身分の差というのはいろんな国である。ましてや約400年前の波裸羅の時代なら、身分高きものは低きものに何をしても許されただろう。 だが、この話はどこに繋がっていくのか? 「だが、その衛府でも『才』の『壁』は歴然としてあるだろうて」 そう言って波裸羅は、バッグから二本の注射器を取り出した。 「その才の壁を越える事が出来るのが、この薬よ。上手くいけば人の域を超えた能力を持つ『脳力者』となるという。失敗したら死ぬ。 波裸羅が最初に出会った童の勝次は、常に守られる自分を拒んでいた。 波裸羅がこれの使い道を話すと、勝次は死を覚悟して、これを使い死んだ」 波裸羅はナノロボ入り注射器の解説書を二人に広げて見せた。 「どうだ、善吉。圭。試してみるか?」 そう言う波裸羅の表情は、きっと善吉と圭の二人には、美しすぎて悪魔じみて見えた事だろう。 6. 「受け取っておきます。ですが、僕は使わない」 それが圭の答えだった。 「僕は亜人のままで十分だし満足です。本来なら交通事故で死んでたはずの自分が生きているのはそのおかげですから。 でも、佐藤にこれを使えば、もしかしたら亜人の細胞を変化させて殺せるかもしれない。あいつを殺せる選択肢を増やせるなら、それが何であろうと使います」 勿論、亜人のまま、身体能力が上がり、新たな能力が加わる可能性もある。だが、選択肢は多いに越したことは無い。 リスクを考えた上で、圭は持っておくことに決めた。 波裸羅は圭に対し、何か不可思議な印象を抱いていた。その理由は佐藤に対する姿勢だ。 佐藤に対する殺意がどうにも読めない。同じ亜人同士による敵意なのか、嫌悪なのか、責務なのか、人間の正義感なのか。 亜人とは別に圭の在り方について、波裸羅は好奇心を抱いた。 一方、波裸羅の問いに対する、善吉の答えは。 「……いらねえよ、こんな物」 怒り混じりの否定の言葉だった。 「ふん、死の覚悟なしに力など」 「違う!!」 波裸羅の声を遮って、善吉は叫んだ。 「死ぬのが怖いからじゃねえ!!」 今まで使っていた丁寧語をかなぐり捨てて、善吉は波裸羅を見据えた。 「確かに俺は強くなりてえよ! 頭だって良くなりてえ! めだかちゃんの隣に並べるくらいに、庇えるくらいになりてえ! だけど、だけどよ! それをめだかちゃんに失望されるような自分でも、その自分自身と引き換えにしたらお仕舞いじゃねえか! この俺を、めだかちゃんを好きだという自分を無くしてまで力を手に入れようとしても、受け止める俺がいなくなったら、結局何も残らねえじゃねえか! 自分をつまんない奴だと決めて、それをいらないもんみたいに放り投げて、全く別の、そう、漫画やアニメやゲームの主人公に成り代わったって意味ないじゃねえか!!」 勢いよく並べ立てたそれらが、善吉が力をチートじみた方法で手に入れる事を拒む決意の源であった。 「何でもできて、全てを完成させられるめだかちゃんに並ぶって、勝つって俺自身が決めたんだよ! 決めたからには、絶対に、俺は、俺のままでそこへ行くんだ!」 叫びながら、いつの間にか善吉は波裸羅より、白銀の顔を思い浮かべていた。 この言葉はあいつに言いたかった。あいつが鬼になる前に言ってやりたかった。 「そんなお前にこそ、衛府の加護があるやもしれぬな」 そう、石弓一本で波裸羅に立ち向かった伊織のように、と波裸羅は思った。 「そんな主人公補正だっていらねえ! 誰かの加護なんて、その気になればその誰かに突然取り上げられるものじゃねえか! そんなものはいらねえ!」 その善吉の叫びに、波裸羅は目を丸くし。 「ふ、ふ、ふ。あ、はは。はははははは!!」 笑い出した。波裸羅は、心の底から笑っていた。 こんなにおかしいのは生まれて初めてだ。 生まれた時から強者の波裸羅にこの台詞が言えるか? 生まれる前にこの台詞が言えるか? そう考えると笑いが止まらない。 「面白いぞ、善吉! 身の程知らずに身分の差も才の差も乗り越えんとし、そのような考えの持ち主、身分なき者に授けられる衛府の力も拒み、そのめだかちゃんとやらだけを目指し、並ばんとする『大言』やよし! 波裸羅は大言が好きじゃ! あはははは!!」 波裸羅は実に愉快だった。楽しかった。 ただ一人の為だけに何があれば、人はここまで決意を固められるのか。劣等感に押しつぶされずにいられるのか。才なき身を諦めずにいられるのか。 何だか知らんが、とにかくよし! 実に愉快じゃ! 「人吉少年!」 波裸羅の笑い声が終わると同時に、やたら張りのある声が聞こえてきた。善吉にとって聞き覚えのある声だ。 近づいてきたのは、金髪の先が朱色に染まった髪の男、煉獄杏寿郎だ。 「煉獄さん! 無事でしたか! よくここが分かりましたね」 「うむ! 君の叫びと笑い声を聞いて居場所が分かった!」 居場所の言葉で、善吉は周囲にある地面に転がった桃の種を見て、煉獄に恥じた。 「あ、すんません。一人で戦わせておいて俺たちだけ休んでいて」 「気にするな! このような状況下では、飯は食える時に食っておくべきだ! それで、声の主には出会えたか?」 「声の人の方は……」 俯いた善吉の姿で、煉獄はもう手遅れになったと悟った。 「そうか……」 常に豪放磊落な煉獄も、流石に顔を曇らせた。 「それにしても、ずいぶん人が集まっているようだが、彼らは何者だ?」 「えっと……とりあえず、このバトルロワイヤル、殺し合いには乗っていない人達です」 波裸羅がいるため、やや歯切れの悪い言葉になった。 「僕は、永井圭です」 「我が名は波裸羅」 「それがしは、宮本武蔵と申す」 順番に各人が煉獄に対し、自己紹介をした。 「俺は鬼殺隊隊士、煉獄杏寿郎だ! よろしく頼む!」 「って武蔵さん、いつの間に起きたんですか!?」 さりげなく眠りから目を覚まし、煉獄に顔を向けた武蔵に善吉が突っ込んだ。 「今しがただ。飯と眠りのお蔭で疲れもだいぶとれた」 「待って下さいよ。こんな浅い眠りで疲れなんてとれるはずないでしょう!?」 「四半時をさらに十分割した時の眠りで、四刻の熟睡に匹敵する癒しの効能を得る。これも常在戦場を旨とする兵法者の心得よ」 『いやいや、それ無茶だって。ありえないって』 寝起きで水を飲む武蔵に対し、善吉と圭の二人は心の中でツッコミを入れた。 「ほら、煉獄。お前も食え。甘き水菓子は疲れを癒すぞ」 波裸羅がバッグから桃を取り出し、煉獄に投げ渡した。 「いただこう。うむ、うまい!」 煉獄は皮ごとかぶりついた。 「良い食いっぷりだ。まだたっぷりあるぞ」 「もらおうか!」 『また、食う場面を見せつけられるのか……』 善吉と圭は煉獄が食べる光景を見るだけで顔をしかめ、胸を押さえた。 【C-4・市街地/1日目・早朝】 【永井圭@亜人】 [状態]: 健康 [装備]: なし [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2、ナノロボ入り注射器@ナノハザード [思考・状況] 基本方針:佐藤を倒す 1.自衛隊入間基地に向かう予定を、箱庭病院へと変更するか。 2.使える武器や人員の確保。 3.雅や猗窩座といった鬼達を警戒。 4.波裸羅を上手く対主催側に誘導できないか。 [備考] ※File 48(10巻最終話)終了後からの参戦 ※亜人の蘇生能力に制限らしい制限がかけられていないことを知りました。 【宮本武蔵@衛府の七忍】 [状態]:ダメージ(大)、疲労(小)、頬に傷。 [道具]:基本支給品一式×2、ランダム支給品0~3、折れた嘴平伊之助の日輪刀@鬼滅の刃 、煉獄杏寿郎の日輪刀@鬼滅の刃 [思考・状況] 基本方針:この世にまたとない命を散らせる――鬼を討つ。 1.傷の治療をし、鬼を追う。 2.事情通の者に出会う。 3.煉獄や波裸羅から、さらに詳しく事情を聴く。 4.波裸羅に対し一騎討ちを望む。 [備考] ※参戦時期、明石全登を滅したのち。 【人吉善吉@めだかボックス】 [状態]:精神的疲労(小)、全身にダメージ(極大) 、頬に傷 [道具]:基本支給品一式、御行のママチャリ、佐藤のコルトガバメント(レッグホルスター付き) [思考・状況] 基本方針:殺し合いを止める。めだかちゃんに勝つ。 1:随分と人が集まったので、まずは今後の相談から。 2:めだかと球磨川との早期の合流。もしも殺し合いに賛同するような行動をとっていれば、自分が必ず止める。 3:波裸羅に感謝すると同時に警戒。 【波裸羅@衛府の七忍】 [状態]:健康、胸に傷 [装備]:派手な和服 [道具]:基本支給品一式、ナノロボ入り注射器@ナノハザード、ホログラム@ラブデスター、折れた嘴平伊之助の日輪刀@鬼滅の刃、真田の六文銭@衛府の七忍 [思考・状況] 基本方針:びぃびぃの企画には現状惹かれていないが、割と愉快になってきた。 1:勝次のことは忘れぬぞ。 2:善吉の生き方が実に愉快。 3:永井圭に興味。 4:彼岸島勢に興味。すぐ隣に雅がいるなら、会ってみようか。 [備考] ※第十四話以降からの参戦。 ※波裸羅の食料品は他の参加者と違い、桃100個が与えられています。 【煉獄杏寿郎@鬼滅の刃】 [状態]:疲労(中) [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2 日本刀@彼岸島、涼司の懐刀 [思考・状況] 基本方針:力なき多くの人を守る。 1:人吉少年、永井少年を守る。 2:炭治郎、禰豆子、善逸、義勇、しのぶとの合流。 3:無惨、猗窩座には要警戒。必ず討ち倒す。 4:日輪刀が欲しい。 5:雅のような鬼ではない存在の討滅手段を探す。 [備考] ※参戦時期は死亡寸前からです。 3.5. 少し時は遡る。 朝日が迫り、焦る二人の鬼が人の速さを越えて疾走している。 その鬼達、猗窩座と白銀は北へ向かっていた。 北には自衛隊入間基地がある。猗窩座に自衛隊の意味は分からないが、基地なら分かる。 軍隊の拠点ならば、日の光から隠せる場所などいくらでもある。 さらに、ここへ銃器の類があると推測した者たちがやって来ることも期待できる。 「……俺は、何もできなかった……」 白銀が誰ともなく呟いた。人間だった頃はまず吐かなかった弱音だ。 鬼となり、人間の頃の抑制が薄くなっているが故だ。 「俺は強くならなければならないのに……」 強くならなければ、『彼女』の隣に並べない。 強くならなければ、『彼女』に■される自分になれない。 「強くなったはずなのに……」 その言葉で、猗窩座は振り向き、白銀を視線で射殺さんばかりに睨みつけた。 「思い上がるな! たかが一刻前に鬼に変じたばかりの貴様が、上弦の鬼にでも成り上がったつもりか!」 猗窩座は白銀の何に関して逆鱗に触れたのか、自分でもわからないまま、さらに白銀に対し怒鳴りつける。 「鬼殺隊ならいざ知らず、只の人間はなり立ての鬼にも勝てない。特にあの男に貴様が負ける要因など何一つなかった。 それを仕留めきれなかったのは『俺は強くなった』という貴様の驕慢のせいだ! 強くなりたいのであれば、先程の人間を必ず殺すと誓え! 奴を『己が強くなるための獲物』と考えず『己がより強く上回るための敵』と思い牙を剥け! そうして喰らい強くなり、さらなる強者を選び、戦い、喰らえ! 『強くならなければならない』ではない! 『必ず誰よりも強くなる』と狂えるほどに力を求めろ!」 白銀の叱咤を終えると、猗窩座の心は急速に冷めていった。 ――何を俺はこいつに言っているのか。これではまるで人間の師と弟子の様ではないか。鬼にそんな関係は必要ないどころか有害だ。 猗窩座は自分の心を引き締め、最後に鬼の役目を言った。つもりだった。 「強くなれ、白銀。そして無惨様のお役に立て」 ――まただ。俺はこいつに何を言っているのだ? 何を見ているのだ? その疑問は猗窩座の心の中を隙間風のように通り抜けていった。 猗窩座とは逆に、白銀の心は高揚していった。 ――そうだ。必ず強くなるんだ。そうすれば胸を張って■■■に会える。 白銀の脳裏に浮かぶのはあの金髪の少年。 凡人でありながら、あそこまで鍛えた執念。命懸けの機略。 そして『おまえは俺なんだよ』という言葉。 そう、同じだ。いや違う。二つの思いが同時に浮ぶ。 だが、決めた感情は一つだ。 ――次は必ず殺す! 猛烈な殺意だ。 【C-4・B-4近く/1日目・早朝】 【猗窩座@鬼滅の刃】 [状態]:全身に負傷、回復中 [装備]: [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3、可楽の羽団扇@鬼滅の刃 [思考・状況] 基本方針: 強さを求める。 1.無惨様のために動く。 2.鬼殺隊、それに童磨か……。 3.新たな鬼に対して──? 4.自衛隊入間基地で日光から身を隠せる場所を探す。 [備考] ※煉獄さんを殺した以降からの参戦です。 【白銀御行@かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~】 [状態]:頭に負傷、回復中、鬼化、軽い飢餓、強い怒り [道具]:なし [思考・状況] 基本方針:この力を振るって、■■の隣に。■■に■される、自分に。 1:無惨様の役に立つ。 2:人吉善吉、次に会ったら必ず殺す! 3:自衛隊入間基地で日光から身を隠せる場所を探す。 [備考] ※奉心祭の準備を視野に入れるぐらいの時期。 ※無惨の血によって鬼化しました。どれだけの血が与えられたかは後続の書き手さんにお任せします。 前話 お名前 次話 あけないたたかい 白銀御行 第二回放送 猗窩座 永井圭 夜明孤島男刀競聞書(よあけのことうおとこのかたなくらべききがき) 宮本武蔵 人吉善吉 波裸羅 紅蓮の華よ咲き誇れ 煉獄杏寿郎 目次へ戻る
https://w.atwiki.jp/bc5656/pages/1420.html
ヌマチさんが入室しました ヌマチ (ゲームから数日)仕事が忙しかったのです。久しぶりに喫茶で肉です。 ヌマチ (店に入りカウンター席で肉タイム) ヌマチ (漫画肉にかぶりつきつつ、時計見遣る 13時 ランチタイム、外は晴れている) ヌマチ (骨だけになったそれを舐めて)です。 ヌマチ (セントラ新聞をラックから引っ張ってくる ヌマチ …ニコラスクエア開通記念イベント、です。 ヌマチ 主催者はお父さん…? …ではないのです。野茨。貴族です? ヌマチ 客だから仕方ないのです。警備ぐらいはしてやるのです。 ヌマチ (会計済ませて去っていく ヌマチさんが退室しました 忍奉さんが入室しました 忍奉 (夕方、清掃も済ませて) 忍奉 よーし、いい感じにお客もいない。コーヒータイムだ。 辰砂さんが入室しました 辰砂 (カランカラン(入店してくる 忍奉 おや、いらっしゃいませ。 辰砂 あぁ。 …ん(忍奉見て 辰砂 … どうも。 忍奉 こんにちは!さて席にご希望は? 辰砂 …(この間の…、 …この間の。(なんか少し伺うように忍奉を見て 辰砂 …特に無いな。何処でも構わない。 忍奉 では室内のテーブル席で。そろそろ寒くなりますからねぇ(案内 忍奉 昼はそれなりに暖かくも、急に冷え込んでくる。しかも瓦礫だらけで寒風です。 辰砂 あぁ。驚くほど殺風景になったものだ。(案内を受け、席に座る 忍奉 ご注文はI★PADか店員に直接どうぞ。ま、復興も進み南側は真新しい施設だらけですよ。 忍奉 地下はもう完璧らしいですがね、地上部はやはり遅めと。復興の妨害もあるらしくて。 辰砂 あぁ、著しい速度で進んでいるという話だな。この後そちらにも向かうつもりなんだ。 忍奉 私もこの前行きましたが、やはり駅があると人の出入りが違いますねぇ。 辰砂 賑わっているようだな。良い事だ。 やはり守護の強い都市は違う。 辰砂 …(I★PAD使うかどうか迷って)… 辰砂 …アイスティーを、 お願いします。(何故か敬語で忍奉に 忍奉 アイスティー 忍奉 一つ、と(微笑んで)いつも通りで結構。私に聞きたいことがあったりするでしょう? 忍奉 私もそろそろコーヒーでも飲もうかと思っていたところ(厨房に 辰砂 …んな!(驚いて 辰砂 …… …(居心地悪そーに眉間に皺寄せて、居住まい正して待つ 忍奉 (戻ってきて、アイスティーを置いて 自分もコーヒー置いて) 忍奉 どうも、私は血達磨忍奉。初めましてでは無かもしれないけれど、改めて挨拶しておこう。 辰砂 あぁ。何度か店員と客として会った事はあるかもしれないが。改めて。 辰砂 僕は南城。南城辰砂だ。 忍奉 うん、珊瑚クンの弟君だね。たまに珊瑚クンから聞いてる。 辰砂 あ、あぁ。 …つまり、やはり、姉と、…知り合い、なんだな。 忍奉 知り合いというか、そうだな(ふーむ、と 忍奉 現在、お付き合い頂いている状態、というべきかな? 辰砂 …!! 辰砂 …そ、そうか。(何か顔紅くして片手で顔を押さえる 予想はついてた ついてた、が 忍奉 驚くかもしれないが、私も実は驚いているし、珊瑚クンも驚いている気がする。 忍奉 それぐらい偶然の重なりでスタートを切った形だ。あっはっは、自分がどう転ぶかなんてわかったもんじゃないな。 辰砂 … そ、 そうか。(迂闊に物が言えない状態 忍奉 そう緊張することは無い。珊瑚クンにはとてつもなく失礼になるかもしれないが 忍奉 珊瑚クンに突然『彼氏ができました』なんて聞いたら周囲はまず驚くはずだ。 辰砂 よくわかってるじゃないか!!(思わずバァン 忍奉 彼女は賑やかすことは得意だが、本質的には主役ではないからね 忍奉 それがいきなり話題の渦中になったら仰天というわけだ!(笑って) 辰砂 …あぁ、というかライトが当たると何故か逃げるんだあれは。 辰砂 おまけに自ら貧乏くじを引きに行く節がある。…つまり、(忍奉を見て 辰砂 僕の懸念はそういう事だ。 わかるな。(忍奉をじっと見て 忍奉 となれば(それを受けて)そう、次に話題になるのは『彼氏どこの誰だよ』という 忍奉 話だね!特にこんな胡乱な喫茶であれば、どんな出自の相手が来てもおかしくないし… 忍奉 それこそ貧乏くじとやらを引いてしまった可能性もある、と 辰砂 ぁぁ、そういう話だ。君はどういった人間だ?…いいやあの姉を心配している訳では 辰砂 決して無いんだが。僕の身に関わる事でもあるからな。 忍奉 まず、大前提として君のお姉さんは頭がいい。 忍奉 決して愚図ではないし、利用されているとわかったら自分で気づける人間だ。 忍奉 愚直ではあるかもしれない。なので、お節介は焼いてあげたほうがいい。 忍奉 そこを前提として、私が何者かと言えば、彼女にとっての私は喫茶EBの店員さ。 辰砂 ……。(ふむ、と 忍奉 勿論、それだけではない。闇都出身であったり、厳密には人間ではなかったりするかもしれないが 忍奉 珊瑚クンにとって…で言えば、そのあたりは無駄なことだろう。実際、もう気にしてないだろうし。 忍奉 とはいえ君にとってはどこの馬の骨かもわからない輩が…ということだろう 忍奉 よって名乗ろう!私はエンデ=ドラクル=ブラッドカバー。闇都のさる吸血鬼の従者さ。 辰砂 … エンデ殿、と言うのか。忍奉の名は仮の物という事か? 忍奉 主につけられた名はエンデ、忍奉は私自身の名乗りだ。どっちかというと忍奉の方がしっくりくる。 辰砂 なるほど。……そうだな、 忍奉 現在はお暇を頂いている状態だが、いざ戻ることになった場合には… 忍奉 …実はそこが問題でね、珊瑚クンには今後聞いておかないといけないところだ 忍奉 今後聞いておかないといけないことと言えば、珊瑚クンの学業はどの程度まで続けるのか 忍奉 続けたいならあんまり離れるわけにもいかないだろうしねぇ… 忍奉 今は“お付き合い”で、お互いに探ってるような状態さ。微笑ましく見ていてくれるといい 辰砂 … …(難しい顔で口結んで )成程。了解した。 春夏秋冬さんが入室しました 春夏秋冬 (カランコ(バンッ(閉 辰砂 …僕自身が、君の事を詮索しようと言う気は余りない。基本的には、姉が知るべき事だろう。 忍奉 あっはっは、めっちゃくちゃ気になってるくせに! 春夏秋冬 ……!?(扉の外から 辰砂 ただ僕が一つ問いたいのは―― !?(バンッ(閉 忍奉 おや、お客さんのようだったが扉が閉まった。これはどういうことだろうか。 忍奉 ひとまず、問いたい内容の確認をしておこう。 春夏秋冬 (辰砂んと忍奉……? どういう組み合わせだいあれは 辰砂 … 何ださっきの。 とにかく! き、君は、その………、、 忍奉 珊瑚のことなら、好きだよ。 辰砂 !?? 辰砂 (完全に先読みされて死んだ 忍奉 好きになったのか、好きにならされたのかはわからないが。 忍奉 現在は彼女の魅力を現状以上に発掘中さ。 春夏秋冬 (けどこれだけは判る。 内容は十中八九、珊瑚のことだ……! 辰砂 ……… そ、 忍奉 なにせ告白はしたが、お互いに一目ぼれみたいなものだ。 辰砂 そうかぁ……(何故か赤面 自分で訊きかけたのに 忍奉 なので理解を深めていっている最中というわけだ。時に、辰砂クンは彼女は? 辰砂 い、いないが!何か(目瞑って 忍奉 いや、居たら面白くなるなと思っただけさ。姉弟でダブルデートってね! 忍奉 嘘偽りなく言えば、珊瑚クンはたぶんしばらく、いや吹っ切れるまでは 忍奉 私との関係性は隠そうとするか、おおっぴらにはしないだろう。 忍奉 だいたい君ならわかると思う。 辰砂 ……あぁ。(だいたいわかる 忍奉 が、いざ吹っ切れた時に、君に対して珊瑚クンがどう報告するのかは…私にも予測がつかない 忍奉 そんな時、『実は彼女がいるんだ』となれば、『なんだ、姉弟揃ってゴールだね一号君』『そうだねおめでとうだね二号君』と 忍奉 そうならないかな? 忍奉 君に彼女がいないと、何故か自分が負い目を感じる珊瑚クンの姿が目に浮かばないか! 辰砂 いかにも言いそうだが…その前に素で驚きそうだが…な、何がなんだ!突然僕か!? 春夏秋冬 (ああこれじゃ完全に出歯亀じゃないか! 何話してるかは聞こえないけどさ…! 忍奉 うむ、珊瑚クンの中には君の占める幅か少なからず大きい。 春夏秋冬 (普通だ。平静に、何食わぬ顔で入れば良いんだよ(戸に手をかける 忍奉 姉弟で思いやりが溢れている。が、それとこれとは別で、珊瑚クンに負担はかけたくない。 忍奉 そんなわけで姉の幸せを思うなら、君もちょっと彼女探そうか☆(てへぺろっと 辰砂 結構無茶苦茶な事言う奴だな!大丈夫かこの彼氏…!? 辰砂 …き、気になっている女性なら! 忍奉 ほう。あと、勘違いしないでもらいたい… 忍奉 私は珊瑚クンに負担をかけないために躊躇していないだけだ。 忍奉 自分だけ幸せになっていいのだろうかーとか絶対思わせないからな! 春夏秋冬 ……… 辰砂 ……!(ハッと忍奉を見て 忍奉 恋人が居ることが幸せ、とは断言しない。 春夏秋冬 (――帰ろう! 何だか嫌な予感がするよ!(直感A+ 忍奉 が、珊瑚クンの現在の視点だと間違いなくそこが引っかかる。わかるね…? 辰砂 わからんでもないが…!想像は付くが…! 忍奉 ならば、せめて気になっている女性がいるんだ、ぐらいは珊瑚クンに言ってあげれば 忍奉 きっと珊瑚クンも楽だ。間違いない。 忍奉 まあ君達の間でそういう話題になるかはわからないけど! 辰砂 …、~~~ぐぐ、それは、その……(ぐぬぬ) そういう話するか…? 辰砂 君にはきょうだいはいないのか。その辺り、その…わからないか。 忍奉 しないだろう。君達の間にはなんだかすごく遠慮というかお互いへの配慮が見える。 忍奉 が、するようになるし、気にするようになる。というか今、君が気にしている! 忍奉 弟が気にしてるなら姉も気にするだろう!(バァァァン 辰砂 なんッッッ(バァァァン!! 忍奉 そういうわけだ。なに、この血達磨忍奉、これでも執事。 忍奉 もしデートの服装などに困ったら相談してくれたまえ。こちらが連絡先。 春夏秋冬 (直感がけたたましく警鐘している! が! 同時に好奇心も打ち震えている! 辰砂 、、どうも。(受け取り 春夏秋冬 ――――(何の話をしているのか――? 忍奉 あと、私が彼女を守れるか、つまり強さについてだが 忍奉 残念ながら私はこの喫茶で三連敗中の身だ。もし強さについて疑問があるなら 忍奉 遠慮なく言ってくれ。この血達磨忍奉、荒事は苦手だけれど、今はそうも言ってられないのでね 辰砂 (こちらもポケットからメモを取り出し、連絡先を書き 春夏秋冬 ……(カラン、コロン、と控えめに鈴が鳴る 辰砂 何、姉も素人ではあるまい。此処に来るのならば。…だが(ん、と忍奉にメモ渡す 辰砂 もしもの時は、見極めさせてもらうとしよう。 忍奉 お手柔らかに頼むよ。さて、では私はこれにて(あっはっは、と 忍奉 またお茶でもしよう、辰砂クン。おさらば!(ドロン、と コーヒーごとキエル 春夏秋冬 …、(こっそり顔を出す 忍奉 (戸の裏、辰砂から見えない位置に出現して)さ、次は君の番だ。がんばろうじゃないか、春夏秋冬サン。 春夏秋冬 っっひぃ!(ビックゥ 辰砂 、!(挨拶返す前に消えてる 忍奉 (そのままドロンと転移 忍奉さんが退室しました 春夏秋冬 そ、そんなんじゃ――(振り向く前に消えてる 辰砂 ……つ、掴めない奴だな! 別の意味で心配になってきたぞ!? 辰砂 ……ふぅ。 って、(入口を見て 辰砂 ……春夏秋冬殿だったのか? 春夏秋冬 はぁ…何だいもう、心臓に悪い――、って(向き直して 春夏秋冬 …ぁ、、ぁあ。 辰、砂……奇遇、だね(ハハ、と作り笑い 辰砂 …誰かずっと外にいるな、とは思ったが。まさか君だとはな(来たまえ、と手招き 春夏秋冬 …、、(バツ悪そうに入ってくる 教員室に招かれるそれである 辰砂 …何だ。難しい顔して。 …聞いてたのか? 春夏秋冬 き、聞こえちゃいないよ!(ワタワタと 春夏秋冬 ただまぁ、二人で話し込んでるのが見えたもんだから…… 辰砂 ぁ、ぁぁ。 …あの店員、君とも知り合いなのか。 春夏秋冬 忍奉、だろ? まぁま世話になってるからね 辰砂 …そうか。 なんだ、その、姉と、の、 辰砂 こう、なんだ。…そういう事だという話を、 だった。 春夏秋冬 う、うん…? いや、わかるけども 春夏秋冬 ……それで、どうだったんだい? 春夏秋冬 弟殿の査定結果は如何にして? 辰砂 ・・・ (頬杖突いて)わからん。 春夏秋冬 …「わからん」? 辰砂 長く言葉を交わした訳でも無いしな。そもそもこういった事態は初めてだ。ただ… 辰砂 …なんだ、それなりに、真剣なんだろうという事は解った。 …から 辰砂 … 保留だな!(目閉じて 春夏秋冬 保留。 辰砂 … な、なんだ。(春夏秋冬見て 春夏秋冬 いやなに、辰砂からすれば苦手そうな気質だろうと思ってね。 春夏秋冬 それでも、保留にするってこたぁ…見るものはあるってわけだ?(対席に座り 辰砂 確かに、あぁいう飄々とした手合いは…得意では無いかもしれないが。(どうぞ、とI★PAD渡す 辰砂 まぁ、それだけで突っぱねたりはしないさ。(ふん、と 春夏秋冬 「弟君は心中複雑と見える」?(I★PAD受け取りつつ 春夏秋冬 それで保留というわけだ?(お茶だけ注文 辰砂 ……(ぐぬぬ 辰砂 い、言っておくが。特別姉に執着しているわけじゃないぞ。(やっとアイスティー呑む 氷溶けかけてる 春夏秋冬 ……(そういや誰かが言ってた。絵に描いたようなシスコンの気があるとか 春夏秋冬 …わかってるよ。大事な姉さんだろう? 春夏秋冬 人一倍気にもするもんさ(お茶呑む 辰砂 姉の気質の問題でもある。見てるとハラハラするだろう。 春夏秋冬 …、それ姉さんの前で言っちゃダメだよ?(頬杖ついて微笑み 辰砂 …、言わないさ。気を揉んでると思われたくないからな。(はぁ、と 春夏秋冬 あたしも珊瑚に色々訊いておきたいもんだねぇ…… 辰砂 …ん、最近は会ってないのか? 春夏秋冬 あいにく運が悪くってね。 春夏秋冬 そういう辰砂は? 元々そんなに会って無さそうだけども。 辰砂 あの時此処ですれ違ったきりだな。言う通り、そんなに頻繁に会う訳では無い。 春夏秋冬 それはお気の毒様。今度珊瑚ん家に行ってくるよ。 春夏秋冬 何か訊いておくことでもあるかい? 辰砂 …いや、いい。 そういう間柄でもない。 春夏秋冬 そうかい。ならそれで構わないけれど 辰砂 …。(ちら、と春夏秋冬を見て 辰砂 春夏秋冬殿、は。 … 春夏秋冬 …ん?(ズズ、と一口 辰砂 …… …、、 (ん?何聞こうとしてんだ??)い、否、なんでもない。 春夏秋冬 何だい、言い出して淀むなんてらしくない(キョトンと 春夏秋冬 (一方入り口ではワタワタしていたが、一度安全圏に入ると通常運行する彼女であるが 辰砂 っ、、い、言われてみればそうだが、(ワタワタ 辰砂 ……っ 春夏秋冬殿は如何なんだ! 辰砂 いるのか! 意中の方とか! 春夏秋冬 へぇ? 春夏秋冬 ――っへぇ!!?(真っ赤になって 辰砂 っへ!!?(真っ赤になって 春夏秋冬 な、ななな何だい藪から棒に! それとこれが何の関係があるってのさ!? 辰砂 ひ、人の恋話ばかり聞いたからなぁ!す、、少し!気になっただけだ!! 春夏秋冬 へ、、へぇー、そ、そうかい。辰砂がそんな、四方山話が気になるなんてね…!? 辰砂 ゆ、、友人、、 の事を気にするのは、、、普通じゃないか?! 春夏秋冬 ――、、そ、そっか…そうかい……(俯き 春夏秋冬 ……そ、そういう辰砂はどうなんだい……? 辰砂 っ、、 それは……、 辰砂 き、 辰砂 君が先に、答えたまえ。 春夏秋冬 ……(じっと俯いている 辰砂 ……、、 辰砂 …… 否、 春夏秋冬 (僅かに目線を上げて、上目でじぃ、っと 辰砂 ……止めて、おこうか。そんなに答えたくもないのならば。 春夏秋冬 ……居るよ。 辰砂 っ 春夏秋冬 恋仲でも何でもない、私が一方的に思ってるだけ、どさ(じぃ、と見つめたまま 春夏秋冬 (羞恥で死にたくなる。視界も潤んできた。何で本人を前に言わされなきゃならないんだ。拷問か。 辰砂 ……。 … そ、(頭がくらっとする 何が理由なのか 春夏秋冬 (…陽城の殿すら相手取って啖呵切ってみせたのに、何だい、辰砂のバカ 辰砂 そう、か。 辰砂 ……(居ない、のならば、 辰砂 (何処か誘ってみようか、などと考えていた。姉の彼氏だという男にあてられたのか。 春夏秋冬 ……、、辰砂……? 辰砂 (でも、 好いた相手がいる、のなら… それはできまい。 辰砂 僕も居る。 春夏秋冬 ―――、 辰砂 (ぎゅっと口結んで 春夏秋冬 そ、 っか。 そう、よな? 辰砂 君にだけ答えさせるのは、公平ではないからな。 春夏秋冬 ……先に言わなかったくせに(じ、と 辰砂 、それは。僕が先に聞いたからだ。(ぎゅっと目瞑って 春夏秋冬 ………。 春夏秋冬 辰砂だって木の股から産まれたわけじゃなかったんだねぇ。 春夏秋冬 ま、いいさ(ふ、と睫毛を下ろす。 元から不釣り合いだと、望み薄だと思っていた 辰砂 …ぼ、僕を何だと思ってるんだ?君の方こそいつも人の…主に姉だが、の世話ばかり焼いて。 辰砂 君自身のそういう話は全く… まあ、自然にする話でもないか。 春夏秋冬 世話焼きってんなら仕方ないだろ、そういう性格なんだ 辰砂 … …そうか。まあ、それが、 辰砂 いい所だよな。君の。(はは、と、珍しい笑い方をする 春夏秋冬 。。。(ボンッと赤面する 春夏秋冬 ~~~~、、(何故か悔しくワナワナと 辰砂 、ど、どうしたんだよ。(言いつつグラスで顔冷やしてる 色々言った熱が来てる 春夏秋冬 そ、それはどうも! 辰砂こそ、その女子苦手が直ったらすぐ落とせるんじゃないのかい! 辰砂 、言ってくれるな!そう簡単ではない。 春夏秋冬 面も中身も良いんだからすぐさ! 何なら手解きしてやろうかい!?(やけっぱち 辰砂 忍奉殿にも言われたなそれ! 皆世話焼きか!? 春夏秋冬 あ、あたしはダメだったけど、辰砂がそれで――(言って脳裏に過る倒錯した妄想 春夏秋冬 (気になる子を仕留める手解き?? 言い方?? 仕草?? それを手伝う??(ぐるぐる 辰砂 … だ、ダメだったのか!? …え??? 春夏秋冬 (練習台でも良いからって???(ぐるぐるぐる 春夏秋冬 …………(目が潤む 春夏秋冬 (それは) …イヤだ ぁ……… 辰砂 ……っっ、、春夏秋冬殿。(そんな…泣くほど…!? 春夏秋冬 っ、(目元を拭って 春夏秋冬 帰る!!(席を立ってバンッと代金置いて 辰砂 ま、待て!(追って立ち上がって 春夏秋冬 い、いいいイヤだ来るんじゃないよ! 春夏秋冬 手解きなら他をあたってくれなぁ! 辰砂 っ、それはそもそも、 諸事情により遠慮する! 辰砂 …僕も片想いなんだ。僕も、ダメかも、しれない。 だが… 辰砂 、…春夏秋冬殿、 失恋、したのか?(デリカシーが皆無 春夏秋冬 …………!!! 春夏秋冬 (いつもの雅や余裕など欠片もない、ただの小娘に痛恨の一撃 春夏秋冬 ……し、、、したよ……(ワナワナと 春夏秋冬 たった今しがたにね!!(乱暴に扉を開けて 辰砂 ……、 っ ま、え、 え!?( 春夏秋冬 辰砂んバカ!! もう知らない!(叫んでバァァン!と閉じる扉 春夏秋冬 (逃げるように走り去っていく 辰砂 春夏秋冬殿! ちょっ、、、 春夏秋冬 (辰砂のバカ辰砂のバカ辰砂のバカ―――大馬鹿だあたし――!! 春夏秋冬さんが退室しました 辰砂 ――― は、、、はぁ??? 辰砂 (真っ赤になった顔 片手で押さえる 熱い ものすごく熱い 辰砂 どっ、どういう 辰砂 どういう事―――……!! 辰砂さんが退室しました
https://w.atwiki.jp/godcrown/pages/33.html
主人公の能力値や名声によって変化する。 名声による変化 特殊な変化 能力による変化 名声による変化 0:田舎者 10:闖入者 20:城の一員 30:寵愛者 40:要注意人物 50:俊英 60:逸材 70:傑物 80:要人 90:最重要人物 100:王候補 MAX:神の使者 特殊な変化 浮気者:2人の印愛が高い。 誘惑者:2人の好愛が高い。 多情家:3人以上の印愛が高い。 色事師:3人以上の好愛が高い。 寂しがり:3人以上の印友が高い。 交友上手:3人以上の好友が高い。 世渡り上手:5人以上の印友が高い。 社交家:5人以上の好友が高い。 悪たれ小僧:2人の印愛が低い。 忌み子:2人の好愛が低い。 罵り屋:3人以上の印愛が低い。 怨嗟の的:3人以上の好愛が低い。 厭世者:5人以上の印友が低い。 能力による変化 取り得も無い:全能力50以下。 勇ましい:武勇50以上最大。 賢い:知力50以上最大。 信心深い:信仰50以上最大。 礼儀正しい:礼節50以上最大。 垢抜けた:魅力50以上最大。 食えない:交渉50以上最大。 いかめしい:威厳50以上最大。 どこか怪しい:魔力50以上最大。 文武両道の:武勇、知力50以上最大。 凛然たる:武勇、信仰50以上最大。 堂々とした:武勇、礼節50以上最大。 剛毅な:武勇、交渉50以上最大。 隆とした:武勇、威厳50以上最大。 理知的な:知力、信仰50以上最大。 上品な:知力、礼節50以上最大。 物柔らかな:知力、魅力50以上最大。 気の利いた:知力、交渉50以上最大。 慇懃な:信仰、礼節50以上最大。 近づき難い:信仰、威厳50以上最大。 浮世離れた:信仰、魔力50以上最大。 優雅な:礼節、魅力50以上最大。 抜け目ない:礼節、交渉50以上最大。 厳格な:礼節、威厳50以上最大 小粋な:魅力、交渉50以上最大。 高貴な:魅力、威厳50以上最大。 妖しい:魅力、魔力50以上最大。 多才な:50以上の能力が3つ以上、100以上の能力無し。 全てに優れた:全能力50以上、100以上の能力無し。 猛々しい:武勇100以上最大。 怜悧な:知力100以上最大。 敬虔な:信仰100以上最大。 奥ゆかしい:礼節100以上最大。 見目麗しい:魅力100以上最大。 弁才長けた:交渉100以上最大。 峻烈な:威厳100以上最大。 掴みがたき:魔力100以上最大。 知勇備えた:武勇、知力100以上最大。 武神たる:武勇、信仰100以上最大。 紳士的な:武勇、礼節100以上最大。 勇猛果敢な:武勇、交渉100以上最大。 貫禄のある:武勇、威厳100以上最大。 慎み深い:知力、信仰100以上最大。 才知溢れる:知力、礼節100以上最大。 才色兼備の:知力、魅力100以上最大。 世知に長けた:知力、交渉100以上最大。 畏敬すべき:信仰、礼節100以上最大。 神々しい:信仰、威厳100以上最大。 神がかった:信仰、魔力100以上最大。 雅やかな:礼節、魅力100以上最大。 如才ない:礼節、交渉100以上最大。 気高い:礼節、威厳100以上最大。 洗練された:魅力、交渉100以上最大。 やんごとなき:魅力、威厳100以上最大。 妖艶な:魅力、魔力100以上最大。 才走った:100以上の能力が3つ以上。 万能の:全能力100以上。
https://w.atwiki.jp/fumi-ka/pages/28.html
濃厚 ついこの間まで「クールビズ」で小泉首相もテレビCMも営業マンも言っていたのに、 あっという間にすっかり秋模様。 暑いときは、アイシャドーも香水もブルーや薄いピンクの涼しげな色を選んでいたのに、 食べ物もスィーツも冷たいものやさっぱりすっきりなものを好んでいたのに、 涼しくなるとそんなことは忘れてしまったかのように好みが変わる。 少し甘めの香水を選んだり、アイシャドーも口紅も少し濃い目のものに目がいったり、 洋服だってなんでか、落ち着いた暖色系のものを選んだり、 生地も目の詰まったしっかり生地を手に取るようになる。 小物もスェードやベルベットもの、見たり、触っただけでちょっとあったかくなるような・・・。 お料理はグツグツ、ホクホクした湯気が立つもの、そしてクリーミーなものにそそるのだ。 スィーツだっておんなじ。 ギュウっと、とろりと、まったりと、濃厚な感じがいいのだ。 だから、チョコレートが良かったりするし、クリーミーなチーズケーキもいい。 これから冬を越えて春になるまでは濃厚な季節。 やっぱり寒いからだろうか・・・。 きっと人との距離もグッと縮まるのかもしれない。 ホカホカと、ほわほわと。 ちーちゃん 濃 霧 恩師の記傘差す夜の法晶寺想い起こして霧中を歩く 由(ユ) 信濃 長野県の「県民性」と言えば? 真面目で勤勉、理屈っぽく、議論好き・・・ なんていう俗説があるが、結構当たっていると思う。 母は長野県で育ったが、 兄弟姉妹はまさに”長野県人そのもの”。 親戚で集まると、とにかく皆よくしゃべる。 「あーでもない、こーでもない」と自分の意見を主張する。 お酒が入るとさらに饒舌に。 しまいには「信濃の国」(県歌)を歌い出したりして、 盛り上がる、盛り上がる。 アクが強いと思うこともあるけれど、 そこがまた魅力だったりする。 そんな長野県人が、私は大好き。 大ちゃん 濃紫 濃紫 というと「こむらさき」や「こきむらさき」と読むらしい。 紫色は心理学的に言うと、自然治癒能力を高める色だそうです。 他にも催眠作用、リラックス効果、想像力・創造力促進、孤独感、不安・ストレスの蓄積などなど。 古代からも優雅や高貴を表す色として使われていたそうで、東西問わず、古代中国、ローマ帝国、律令時代の日本、特に冠位十二階では「濃紫」が最高位とされていたとか。 とすると、なぜ「紫=高貴」なのか。 これは色の重さとのカンケイだと思うのですが、つまり物質的な重さではなく、イメージのもつ心理重量のことで、例えば1キロの各色の荷物を体感すると、白は0.9キロ、赤1.6キロ、黒1.7キロくらいだというように、黒に近い濃紫は重いイメージ、つまり信頼感や安定感があったのかもしれません。 ちなみに引越し業者のダンボールの色に白が多いのは、重さの負担を感じないように作られたと言われています。 濃紫は重いイメージ。重々しい人柄というコトバも、軽いヤツってコトバもすべて色の持つ心理現象から生まれているわけです。 重いものが階級の一番上にくる、というのもオモシロイですけどね。 重さのない星での文化なら、どういう心理効果や意味が生まれていたのでしょうか。 気になる秋の夜長です。 成 ※添付の色は、プラム。配分:C60M100Y20K50
https://w.atwiki.jp/3594br/pages/192.html
169 名前:忠臣 1/2 投稿日:2006/08/12(土) 02 37 44 春には、見渡す限りの美しい桃を咲かせる、豫州は[言焦]県。 此処には、三国志の最たる英雄といえる曹孟徳の、生家があった。 朱や銀で彩られた雅やかな佇まい。麗しい女人の肌を思い出させるような、白い庭園。 今でこそ、がらんどうの内部にただ一人が腰を下ろすのみだが、 その優美な面影はまるで失われては居なかった。 「―――いらっしゃいませんでした、ね・・・」 優麗な面持ちに、夕日が落ちた。気づけばもう、三日目も空が赤い。 荀イクは、緩やかに寝台から立ち上がると、左手の窓を閉めた。 そう。もう、三日目も半ばを過ぎたのだ。 私は漢室最後の忠臣、荀文若。 皇帝陛下の御望みを叶え、その無聊を慰めるために、戦う者。 なのに。 なのに、未だ三人しか殺せていないのだ。 なんと不甲斐無い。自分の余りの情けなさに、自殺したくなった。 それではいけない。何とか殺さねばと思い、真っ先に曹操を求めた 天に心を遊ばせ、期待を胸に[言焦]へとやってきたものの、しかしこの有様である。 荀イクの落胆のどれほどであった事か。 (残念です・・・) ガリルARを愛しげに撫でる。 美しい流線型。艶の有る銃身。陛下は、私にとてもいい武器を下さった。 その期待に、応えたいと思う。応えなくては、いけない。 「曹操様だけに拘ったのがいけなかったのかもしれませんね・・・」 逆賊は、まだまだ生き残っているではないか。 劉性を頂きながら、不遜にも皇帝を名乗った蜀の逆賊、劉備。 たかが田舎の一豪族の癖に、冠を被るという大逆を犯した、呉の逆賊、孫権。 まだまだ。そう、まだまだ殺すべき者は沢山居る。 それを思うと、不思議と元気が湧いてきた。 さあ、私が頑張らなくては! 170 名前:忠臣 2/2 投稿日:2006/08/12(土) 02 38 18 降り続ける雨は北を蹂躙し尽くし、段々南へと去っていく。 溢れ出した河が大地に染み込んでいくのを見て、思い出した。 悲しみの復讐者は、その本懐を遂げたのであろうか。 彼もまた、荀イクと同じ復讐者なのだ。 まったく、曹家というのは親子そろって性質が悪い。 荀イクは微笑みながら、桃仙院から抜け出した。 美しい夕焼けが目の前に広がる。血の様に、赤い夕焼けが。 ああなんて美しいのだろう。 この空のように、大地を赤く染め上げたいと思った。 そうしたら、陛下はきっと喜んでくださるから。 まずは、呉だ。 それから、蜀。そして、曹操様。 愚かしくも陛下から帝位を奪い取った彼の息子は、任せておいてもいいだろう。 自分が出張るならば、彼が失敗した後だ。 (じゃないと、可哀想ですからねっ!) 荀イクは、その影を緩やかに、赤い空へと消えた。 誰もが見惚れ、慈しんだ微笑を其処に残して。 私は漢室最後の忠臣、荀文若。 逆賊どもには等しく死の裁きを。 @荀イク[洗脳されている?]『現在地 豫州・[言焦]県・曹操の生家』 【ガリルAR(ワイヤーカッターと栓抜きつきのアサルトライフル)】 ※劉備、曹操、孫権を中心に、無差別に殺戮を望んでいます。 ※また、ゲームに乗らない者を狙います。 積極的にゲームに参加している者は殺しません。 殺意はありますが冷静です。 ※取りあえずは呉に向かうようです。