約 85,635 件
https://w.atwiki.jp/d_va/pages/121.html
SS作るよ 藩王の憂鬱1:文族 あさぎ 藩王の憂鬱2:文族 あさぎ 戦後処理開始:文族 あさぎ 摂政救出作戦?: ジェントルラット亡命文族 あさぎ 吏族の戦い 文族 あさぎ 情報官の戦い 文族 あさぎ シュワ失踪 文族 あさぎ シュワの脱藩…その時 文族 あさぎ ジェントル小ネタ:文族 朱
https://w.atwiki.jp/dangerousss3/pages/95.html
第一回戦【時計塔】SSその2 俺は隣にぶら下がった大きな鐘を眺めるのをやめる。 この鐘は毎正時に鳴るらしいがこのデカさじゃとんでもない音が鳴るのだろう。 俺は鐘から離れると塔の縁から下を覗き込む。 ここはザ・キングオブトワイライト1回戦が行われる時計塔。 時刻は試合開始のちょっと前。 最上部に設けられた鐘楼はざっと地上32、3メートル。 屋根のてっぺんは40メートルには届かないってところだろう。 見下ろしたすぐそこには大きな時計の文字盤がある。4方向全部にだ。 塔自体が10メートル四方ってとこだったから時計は6メートル程度か。 その下、壁は地上まで大したでっぱりもないデザインで、素材はこれはコンクリか? 外の地面に触れたら場外、壁に張り付くのはOKってことらしいが俺には難しそうだ。 俺は外の確認を終えて1階下の機械室に戻る。 部屋の中央には歯車やらが組み合わさった時計の本体が鎮座している。 歩幅で測ると約2メートル四方。身近な時計と比べればはるかに大きいけど、 昔見た、泥棒が主役のアニメ映画の時計塔と比べると相当に小さくてシンプルだ。 たぶんあれは秘密の仕掛けの方が大掛かりだったんだろうな。 それとも水門からの動力伝達の仕掛けかな? まあ想像より小さいとは言っても部屋の半ばの高さで、 文字盤にシャフトが伸びていたりもするしで大いに邪魔だ。 ちなみに本体中央あたりの床には穴が開いていて下の階に振り子をぶら下げている。 その下の階には片道2秒で往復する巨大な振り子以外は何も無かった。 この機械室よりは暴れまわりやすいだろう。 で、それより下の階には何もない。 はるか1階の床までズドンと吹きぬけで、 目算で高さ3メートルごとに手すりの簡素な、ふたりで並べるぐらいの廊下が7層、 ぐるりと壁に張り付いていて、北側の壁に階段が設置されている。 1階の床から数えて3メートル×8=24メートルの吹き抜けってのは震えがくる。 もちろん武者震いだ。 入り口は南にある両開きの大扉がひとつだけ。 転送を使わずに来て入り口で鉢合わせってのは気まずいだろうな。 オホン 俺の肩口で誰かが咳払いをする。 誰かってこいつだ。我が肩に担がれし親愛なる相棒、知性ある槍のガングニル。 俺思いのいいやつだがちょっと口うるさくて浪漫を解さないのが玉に瑕。 どうやら今回もそうらしい。 「もう時間だが敵は姿を見せない。ふたりとも下にいるようだ。 この部屋の出入り口を封鎖すれば下で潰し合いになるだろう。 漁夫の利を得るべきだ」 なるほどいい考えだガングニル。だけどそれは男のやり方じゃないぜ。 それにまだ試合は始まってないんだ。 「それはなしだ。封鎖後にここに直接転送してこられたら逆に厄介だろ」 真野はバイクを持ってたはずだから転送は選ばないだろうけどな。 ガングニルに言ったりはしないけど。 とその時だ。部屋中央の機械からガチッと何かが噛み合う音がして、 天井に伸びたシャフトが動き出し、上からリンゴーンと鐘の音が鳴り響く。 試合の始まりだ。 「入り口を封鎖しろ」 すかさずガングニルが指示を出す。 結局対戦相手はふたりとも下からスタートしたってわけだ。 「まあ待てよガングニル。 敵さんはステルス系の技術とか能力を持ってるかもしれないぜ」 心にも思ってないが封鎖する気はないから言い訳は必要だ。 「そういえば相手はともに探偵だったか。ならば……いやしかし……」 ガングニルがぶつくさ言ってるけど知ったこっちゃない。 振り子の部屋へ降りる。居ない。耳を澄ます。下の方で音がする。 それはだんだん大きくなって戦闘音だと分かってくる。 じれったくなって階段を駆け下りる。 吹き抜けの最上部。8階北壁東端に飛び出した俺は辺りを見回し、 ……居た!逆サイドにある下り口からエプロンドレスの女の子が駆け上がってくる。 女にしては背は高め。リュックを背負って右手に包丁、左手に鋏。 残念。おっぱいは控えめに言うと控えめだ。 あの子が三重人格のミツコちゃんか。えっとお料理上手は確か、 「ふむ、中華料理の象形拳使い。長姉の蜜子だな。油断するな武志!」 そうそうお料理上手は上の子だよな。俺だってそれぐらい覚えてるって。 もうちょっと信頼しろよと口を開き掛けるが階段からもう一人飛び出してくる。 それは男。それは派手な全身タイツ。股間もっこり、もっこり股間。 おおぅ予想外だぜ。何だアレ? 呆気にとられてお口ぽかーんな俺を見てミツコちゃんが振り返る。 怪しい男(消去法で真野だ)は拳を固め、 「でりゃあッ(delicious:「お口に合うと嬉しいです」という意味の英語)」 気合一発殴りつける。 クロスさせた包丁と鋏で受けるも吹っ飛ばされてきたミツコちゃんを受け止めて、 「待て、悪いやつ!お嬢さんボクが着たからにはもう安心です!」 ぴしりと真野を指差す。……決まった。腹が熱くなる。 いやいや腹はおかしいだろ。熱くなるのは胸と決まってる。 「アハー!ごめんねェ!キモイから思わず刺しちゃったァー!!」 俺から飛び離れたミツコちゃんがこっちに包丁、真野に鋏を向けて叫ぶ。 オヤオヤ、ハサミノサキガマッカデスヨ? 「いつものことだが君は女性に弱いな」 慰めありがとうガングニル。だけど女性を守るのは男の努めだ。 俺はまだ警戒しているミツコちゃんに笑顔を向ける。 「ははは急に抱きつかれたらビックリするよね! でも大丈夫。ボクはあんな変態タイツと違って安心出来る男だよ。 こんな傷は気にすることないよ!」 実際俺にとっては大したことはない。 「力を合わせて一緒に戦おう!」 「ハァ?!アタシたちがあんたなんかと手ェ組むとかキモくてありえなァーい!! それにさァー、ミツコちゃんが多勢に無勢とか嫌いだしねェ! だいたいお嬢さんってさァ。これミツゴ君の体だから男だしッ! アハハハハハハハハハハ」 何……だと……結構可愛いのに男!残念だがさすがにまだ男はハードルが高いぜ。 真野の方から視線を感じるが哀れみなんかじゃないだろう。絶対。 あ、目が合った。あ、逸らされた。あ、見えなくなった。 ミツコちゃん改めミツコが視界に被ってきている。 「ヤーハー!続きだ続きだァー!!」 「おおっ、掛かって来い!」 突き出された包丁を真野の右手が上に弾き、その手をミツコの鋏が挟み込む。 しかし鋏が閉じられる前に真野の左がミツコの前襟をとる。 真野は深く息を吸い、くるりと回り腰を入れると、 「ほッ(hot:「熱々ですよ」という意味の英語)」 弾かれた包丁につられ上体が浮き気味のミツコは踏ん張りが効かずに投げられる。 「よっしゃ、いっけーーーーーーーー!!」 チャンス到来、俺はガングニルの狙いを真野に合わせ射出する! しかし思わず叫んだのはマズかった。 真野は半分こちらへ振り返り、手すりの向こうへ後ろ向きに飛び降りる。 落下する真野は1層下の廊下の手すりをすれ違いざまに両手で掴むと、 体を折りたたみ手すり下の腰下ほどしかない隙間を鉄棒のようにくるっとすり抜けた。 その勢いのまま体を伸ばし手すりの上で倒立、 片手を離し180度回転すると再び両手に持ち替えて、 上半身は立てたまま、腰から下を折り曲げ両手の脇の手すりに足裏を付けると、 吹き抜け側へ、くるりくるりと2回転。 そのまま手を放し空中で丸まり独楽のように回転を決め はるか向かいの南側廊下へ華麗にY字で着地する。 「ブラーヴォー!」 気付けば私は腰の前で縦に拍手していた。 なんたるシルク。シルク・ドゥ・ラーメン! 思わず、沸き立つ寸胴の中で軽やかに舞うラーメンを幻視していた。 拍手はいつまでも鳴り止まない。 「……武志」 おっと?いつまでも感嘆している場合じゃなかった。 俺は手すりに飛び乗ると、こちらも負けじと思い切り跳ぶ! 廊下の間、吹き抜けの幅は約5メートル。 助走なしじゃちょっとばかしきついが1階下だし問題ない。着地! だが真野は入れ違いで東側、最上階へと華麗に舞い戻る。 「武志、後ろ!」 ぐあっ!背中に衝撃。振り返ると俺を踏み台にしたミツコが真野を追って空中にいる。 どうやらミツコも一歩遅れてここへ跳び込んでいたようだ。 しかし硬い廊下や手すりと違って人体は踏み台には不向きだ。 残念ながらミツコは廊下の手前で放物線の頂点に達した。 キュルルッ 何かが高速で擦れる音がしてミツコの手元から手すりへと糸が伸びる。 ミツコは振り子みたいに揺れると、左回りで廊下を走る真野へ向かって糸を切り離す。 糸使いは末っ子ミツゴだったっけ? こうしちゃいられない。俺もふたりを先回りしようと向かい、北側廊下へ跳ぶ。 今度は1階上だから助走を付ける。1歩2歩、手すりを踏んで全力跳躍! なんとか届いたが着地は失敗。 壁際まで転がり込む俺の背後を真野とミツゴ?が攻撃を交し合い駆け抜ける。 立ち上がった俺もすぐに追いつく。 真野は英語による精密動作というやつなのか器用にも後ろ走りで、 2本のアイアンロッドを繰り出すミツゴと渡り合っている。 俺はミツゴを背後から襲うのもなんとなくアレなので横から真野に突きを繰り出す。 廊下の幅は槍を振り回せるだけあるがミツゴが邪魔だ。 「俺にやらせろよ。 突き 「多勢に 突き 「無勢は嫌なんだろ?」 「いや、その、先に戦ってたのは僕ですよ!?」 右のロッドを上から突き出し、左のロッドを下から振り上げミツゴが抗議する。 真野が立てた平手でこちらを招く。 さすがに無傷じゃないがクリーンヒットさせてくれない。 形の上では2対1とはいっても連携してなければこんなものか。あるいは 「探偵だからだ。 私は構わん(come-one:「1名様ご来店」という意味の英語) ふたりまとめて掛かって来い!」 「私は、お姉さまとみっちゃん以外の誰とも!組んだりしません!」 いつの間にか人格入れ替わってたミツコが激高。 懐から取り出した何か(マスクっぽいぞ)を顔に当てるやいなや、 ブシュッと音がしてもう一方の手元から白い煙が吹き出す! 近すぎて避ける間もなく煙に包まれる。 「グアァァァァ!」 途端に目鼻に強烈な刺激が加わり、涙と鼻水が止まらずとても目が開けていられない。 くっそ、なんかクスリ撒きやがった。何でもありだな! 「前へ!」 の声に一歩前へ出た俺の背中で風切り音と灼熱感。 「左へ!しゃがめ!4時へ突き!全力前進!……振り返って構え!」 ガングニルの指示で誰かの攻撃をなんとかやり過ごして、やっとこさ目を開く。 誰もいないじゃないか。おいガングニルさん? 「君を襲うミツコを真野が襲った。ミツコが逃げて真野が追った。下だ」 手すりから覗き込むとふたりはかなり下にいる。 2階から4階、はたまたいっきに1階。北西東北南。異様な身軽さで飛び回っている。 ミツコはまたミツゴに変わったらしく糸をうまく繰り、 そして真野は姿が変わっている。 上下黒尽くめに頭部を白いタオルで覆って、 口元は左右に「独」「立」と刻まれた面頬で隠れている。 ああイエス。ニンジャなんですね…… 流石はニンジャ、常識が通用しない変態機動で文字通り飛び回ってやがる。 ミツゴが移動に紛れて糸を張り巡らせれば、真野の手裏剣が切断し、 真野の手裏剣が飛べば、ミツゴの網が柔らかく受ける。 まずいな。すっかり蚊帳の外だ。 俺は一気に2階分を飛び降り手すりを掴む。慣性を殺してさらに2階降下。 空中でやり合っていた二人が弾け、 ミツゴは俺の向かいの廊下に着地。 真野は俺の3階下の手すりに腕を組んですっくと立つ。 突然ミツゴの手元から巨大な龍神が出現。身を縮めると真野に向かって開放! 手裏剣が飛び龍神を切り裂くがバラバラに解けたように見えた龍神は、 9体の小龍に変わって9方位から真野に殺到する! 龍が右上から襲い掛かり、真野の手裏剣が切り裂く! 龍が左から襲い掛かり、真野の手裏剣が切り裂く! 龍が左下から襲い掛かり、真野の手裏剣が切り裂く! 龍が上から襲い掛かり、真野の手裏剣が切り裂く! 龍が右下から襲い掛かり、真野の手裏剣が切り裂く! 龍が右から襲い掛かり、真野の手裏剣が切り裂く! 龍が左上から襲い掛かり、真野の手裏剣が切り裂く! 龍が下から襲い掛かり、真野の手裏剣が切り裂く! 龍が中央から襲い掛かり、真野の手裏剣が切り裂く! 龍をすべて糸くずに変えた真野は蹴りの構えを取るって跳び上がると、 紐で釣られたように重力に逆らいスーっとミツゴのところへ飛んでいく。 半歩ずれて避けたミツコは包丁を構えると、 「――喝(cut:「まずは具材を切ってください」という意味の英語)」 気合とともに切り込むと、真野が光に包まれシルエットになり何かがほどけていく。 光がおさまると真野は、探偵服に探偵帽をかぶりオカモチを持った姿になっている。 「ヒャッハー!アタシだってねェ、料理用の英語ぐらい使えるのよォー!」 うーむ、他の料理人の干渉でLa Amenの精妙なレシピが乱されたってとこか? 現在のラーメン発祥元ともされる中華の料理人ってのと、 浸透力のある英語を使ったのも効いてるか。 ガキンッ と金属音が響き包丁がオカモチに防がれる。 「料理を生み出すべき包丁が、料理を護るべきオカモチを破壊しては本末転倒だ。 ……しかし英語のグローバル力を知っていながら、 英検士が自分だけだと思い込んだのは私の不覚だ」 「アタシ英検なんて受けてないしィ。英語なんて喋れりゃいいのよッ!」 「確かにネイティブは産声から英語だ。それが言葉というものの本質! 英検など力の数値化の手段に過ぎないのを忘れていた。 次は油断しない。one sentenceお声合わせいただけるかな?」 「O.K.牧場!ヒーハー!!」 ふたりが深く息を吸い 真野がオカモチを頭上に振り上げ、 ミツコが包丁を箸に持ち替え腰溜めに構える。 「喰らいなッ!(cook-like-nurse:「愛を込めて調理します」という意味の英語)」 「ほっ!(hot:「辛いので入れすぎに注意しましょう」という意味の英語)」 ふたりの英語が激突し、膨れ上がった力が台湾島の形を取り、爆発する! 閃光の中から真野が吹き飛ばされ落下。 1階に叩きつけられ体があらぬ方向に折れ曲がる。 かすかに動いてまだ生きているようだがいくらなんでも戦闘不能だろ? そして俺の前。向かいの廊下にはミツコだけが立っていた。 「何故だ?純粋な英語力では真野の方が上回っていたはずだ。」 ガングニルの問いの答えはミツコの足元にある。 ミツコの足はいつの間にか生えた蔦によって手すりの支柱と繋がれていたのだ。 だが吹き飛ばされなかった分まともに威力を受けたふしがある。チャンスだ。 俺は向かいの廊下へ向かって跳び出し、ミツコに向かってガングニルを射出。 半歩ずれて避けたミツコは鋏を構える。 このままじゃ俺がお終いなので槍の柄を横向きに構えなおす。 顔面直撃予定の柄を避けるためミツコはバックステップ。 ミツコの着地とほぼ同時に俺も廊下に着地。再度ガングニルを射出する。 さっき避けられた時点で巻き取り始めていたのだ。 さすがにこれは当たるだろ?という願いも虚しく、 ミツコは着地の勢いそのままに深く沈みこみ間一髪で刃を避ける。 「ただいま武志。褒めてくれてもかまわないぞ」 もう一度巻き取られ再接合されたガングニルが何やらほざく。 と、立ち上がったミツコがバランスを崩す。 左の肩紐が切断されたリュックが右側にぶら下がっている。 それで重心がずれたわけだ。 なるほどなるほど完全には避けきれてなかったのか。 「ふっふふ、どうだガングニル俺の計算どおりだ!」 穂先に向かって片手をひらひら振ってやる。何か悪い? しかしミツコはあんなバランスの悪いものぶら下げて戦えるのか? ミツコの方へ視線を戻し、 「やあお嬢さん。お荷物はお預かりいたしましょうか?」 と言ったときにはミツコはリュックを捨ててさっさと逃げていた。 つれないお嬢さんだ。リュックはまた拾われても面倒だから下へ落としておこう。 そう思って近づきかけたときだ、 「戻れ武志!」 ガングニルの叫びを聞いた瞬間リュックが爆発! 咄嗟に吹き抜けに身を投げたが一瞬高熱に舐められる。 振り仰げばさっきまで居た空間に黄色や緑の炎が広がっている。 「こいつぁ……」 リュックに仕舞っていた薬品に火をつけたのか! だけど問題は火じゃなくて吹き抜けのど真ん中を落下中のこの有様だ。 絶体絶命大ピンチだけど、アドレナリン大量放出で加速した思考でまったり対応。 やあやあ壁がゆっくり昇っていくよ。色とりどりの炎も昇ってて花火みたいだ。 いいタイミングなのでガングニルを射出。廊下の裏に突き刺さる。 ガクンと衝撃を感じて一瞬落下が止まったけど穂が抜け落ちる。 幸いなことにその一瞬で横向きの力が働き3階ほど落ちて廊下にぶち込まれる。 ぐはっこれは死ぬ。あの一瞬は超重要だった。 あれでちょっととはいえ落下速度が弱まったわけでグゥァ全身が軋むぜ。 なんとか立ち上がって上を見上げるけどミツコの姿は見えない。 しかたない真野に止めでも刺すかと今やすぐ下の1階を見下ろす。 真野は、眩い光に包まれていた。 シルエットになりディテールは分からないけど、 体を覆っていたものがほどけて、代わりに新しい何かに包まれる。 折れ曲がっていた体もまっすぐになっていく。 そして光が晴れたとき、つなぎに身を包んだ真野が五体満足で立っていた。 「原子の転換再構成か。私のような人工生命の創造にも関わる力だな」 ラーメン野郎がラーメンに何を求めてるかは知らないけど、 そんなご大層なラーメンは俺はちょっと御免だなあ。 「や、元気?」 真野に一声掛けてガングニルに出撃命令。 病み上がりとは思えない動きで見事に回避。 代わりにスパナをプレゼントしてくれる。ありがたいね。 「残念。死んでくれたかと思ってたんだけどな」 「探偵は最後まで生き残るものだ。勝つのは私だ」 「なるほど一理あるけどどうだかな?」 俺は右手の人差し指を立て、 「第一に、探偵は死ぬことはなくても負けることはある」 あのホームズだって負けたことはある。 続けて中指を立て、 「第二に、最近じゃ探偵が死ぬことすら珍しくない」 セオリー外し自体がセオリーってことだ。 おまけで薬指も立てる。 「そして最後だ。これはミステリなんかじゃないんだぜ?」 うりゃっ、俺は手すりを飛び越え長く持ったガングニルを叩きつける! 横に避ける真野に薙ぎ払いで追撃。 今度はしゃがんで避けられたが1回転して低めにもう1撃。 一方的に攻撃出来るのが長物の良いところだぜ。 跳び上がってさらに避けやがるので、 慣性で流れるガングニルを強引に振り上げる。 さてさて足場のない空中でどう避けるって?! 答え:槍を足場にする。「私を踏み台にした!?」 でした。柄を踏んだ真野は俺の力を利用して3階へ跳躍。 「フハハハハ、さらばだ黒田君! 私は彼にラーメン(真実)を届けなければならないのだ!」 ばさりと存在しないマントを翻す勢いで、 むしろ怪盗っぽいセリフを吐いて階段へ駆けていく。 ノリがいいなあ。俺もああ在りたいものだ。 と感心しながらも追いかける。ぼっちは御免だ。 ぐんぐん登っていった真野に遅れること数秒、振り子部屋の前で追いついた。 真野はしゃがみ込んでノブの辺りをを調べている。 無防備さらしちゃって、俺って舐められてるのか? 暫く調べていた真野はつなぎのポケットから小さな薄い棒状の器具を取り出すと、 「鍵穴と糸のトリックとは古典的だ。探偵である私に通用するとでも?」 といって鍵穴を二、三度こじる。 途端に扉の向こうで何十本もの鞭を振るうような鋭い風切り音が鳴る。 音が止むのを待って扉を開けると壁や天井から無数の糸が垂れ下がっている。 なるほど迂闊に飛び込めば糸で切り刻まれていたってわけか。 「短絡的に真野を襲わなくて良かったというわけだ。 君にも多少の運はあったらしいな。安心した」 本気で言ってるのが恐ろしいな。 「何もないのに敵に無防備な背中晒し続けるわけないのは当然だろ? 運じゃなくてちゃんと頭使ったんだぜ。 「ところで真野さんよ。ミツコは見当たらないしここでふたりでやっちゃうかい?」 「私は構わん。と言いたいところですが、 今はあなたのような真実を蔑ろにする人は後回しだ」 そう言って階段を上り機械室への扉に向かう。 「聞き捨てならないな。俺がいつ真実を蔑ろにしたって?」 「例えば今だ」 訳知り顔で言う。 「ふむ、よしここには仕掛けはないようだ」 そして躊躇いなく扉を開く。 今度は何も起こらず真野は機械室へ消える。 当たり前に無視してくれちゃって、三つ巴で戦ってるんだって分かってるのやら。 俺はぼっちになる気はないって言ってるのに。 ……いや口には出さなかったけどさ。 「光吾くん。キミに言うべきことがある」 「ハァア?胡散臭いラーメン野郎にこのアタシがッ、 可ァ愛いミツゴ君の耳に変なこと吹き込ませると思ったァー?!死ねッ」 「やれやれしかたない。一旦けりをつけるしかないか」 機械室に入ると真野とミツコが時計の本体を挟んで対峙していた。 くっそ、いい雰囲気つくってやがる。 これ以上の脇役扱いは御免なので、 こっちに向けられた真野の背中に遠慮なく突きをぶち込む。 半ば避けられたけど左脇腹を抉ってやった。 俺を邪魔者みたいな目で見るが、主役を無視するからそうなるんだぜ? 真野は暫く時計の本体にもたれていたが急に上への階段へ駆け出す。 3段飛ばしで駆け上り鐘楼へ飛び出した俺は、 鐘の向こうへ逃げていく真野を見つけて追いかける。 だが突然、リーンゴーンと振れ始めた鐘が俺を塔の外へと弾き出す! 「馬鹿なッ、次の鐘が鳴るほどの時間は経ってないはずだ!」 ガングニルの驚愕は正しい。 だからこれはきっと人の手によるもの。そうだ真野の仕業だ。 さっき機械にもたれていた時に弄ってやがった! 今日はよく落ちる日だ。嫌になる。だけどお蔭様で対処法はばっちりだ。 俺は壁に向かって斜め下にガングニルを射出。 穂先ががっちり壁を穿つ。斜め下向きで刺されば簡単には抜けないはずだ。 俺は光のリボンに吊られて文字盤に激突。 デジャヴがほんと嫌になるが落ちて負けるよりましだ。 とはいえ文字盤より下まで落ちなかったのはラッキーだ。 壁と違って手掛かり足掛かりは十分にある。 登り始めた俺の上に鐘楼での会話が降ってくる。 「秘密は暴かれた」 風が強くて聞き取りづらいが、これは真野の声だ。 「ハアッ?秘密ゥ?」 「英語を交し合ったあの時、私には分かった。 光吾くん。キミのお姉さん達は既に亡くなっている。 今キミの中に住んでいる彼女たちはキミの心が作り出した偽者だ!」 「下劣な卑怯者!それでみっくんを動揺させる気!?」 「光吾くん。本当は分かっているんだろう? キミも探偵ならthing-the-true(真実という意味の英語)を受け入れるんだ!」 「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」 それきり風が強さを増して聞き取れなくなる。。 ようやく登り終えた俺の目に映ったのは一人佇む“ケルベロス”ミツコ だった。 今、どのミツコだ?真野は? 「真野はどうした!?」 「彼なら僕が倒しました。姉ちゃんと姉さんを侮辱したから」 塔の淵のその向こうを指差して、 「ほら、そこを落ちていきましたよ。 確認するならどうぞ。襲ったりしませんから」 俺は指された場所へ移動すると、ガングニルの穂先をミツコに向けて下を覗き込む。 なるほど遥か彼方の地面には真野がひしゃげて張り付いている。 さすがに死んでいるだろうけど、生きていても場外だ。 そしてこの時、真野を倒したことでミツコの能力が条件を満たし、 とある邪悪な映画があらゆる記録媒体から消滅していたのだけどそれはまた別の話。 「オーケー。あとは俺達が決着をつけるだけってことだ」 なっ! 俺はミツコに向けていたガングニルを射出。 向かって左、鐘の向こうへ回り込み避けられるが気にするな。 そのまま柄を左に振ってやると穂先がリボンに引っ張られて追撃。 「外した!」 という声と共に穂先が鐘の左から登場。とっとと引き戻して再接合。 続いて飛び出すミツコに向けて構えるが、 ミツコのすぼめられた口からキラッと光が迸る。 ガングニルを体の前で回転させて、飛んできた無数の光を打ち払うが数が多すぎる! 回転する柄の間を抜けて何かが俺の体にいくつも突き刺さる。 「くそっ」 一瞬怯んだ隙にミツコが逆向きに駆け出す。 追いながら確認すると刺さっていたのは縫い針だ。 小さい分ダメージは大した事はないが毒でも仕込まれてると厄介だな。 急いで勝負を決めようと追う速度を上げるが、剣山をマキビシのようにばら撒かれる。 軽く跳んで避けたところに網が飛んでくるのを切り裂いてさらに追うが、 距離が詰まると包丁が飛んできた。 打ち落とすのは簡単だがほんの一瞬わずかとはいえ速度が落ちるのは否めない。 「ああもう、小賢しい時間稼ぎを!」 距離を詰める度に、、 肉切り包丁、中華包丁、出刃包丁、柳刃包丁、菜切り包丁、 次から次へと飛んで来て鐘の周りを2~3周した頃、 ようやく手持ちが尽きたのか、また懲りずに網を放ってくる。 イライラしながらガングニルを振りかぶるが、 「待て、いくらなんでも単調すぎる!」 と警告。知ったことじゃないしもう間に合わない。 穂先が網をどんどん切り裂き、途中で硬い何かに邪魔される。 何だ?裂け目に目を凝らすと、網の裏に空の糸車が張り付いている! 断ち切れなかった網が絡みつくが、裂け目から強引に引き剥がす。 だがその隙にミツコが何かを一気に引いた。 その瞬間、鐘を取り巻くように十重二十重に糸の螺旋が立ち上がる! くっそ、これがやりたくてグルグル回ってやがったのか! 鐘楼中心に下がる鐘めがけて引き絞られる糸の螺旋と体の間に、 ガングニルの柄を立てて受けるが背中から鐘に叩きつけられ、 強力な締め付けで柄が体に押し付けられて、その両脇の肉が切り裂かれる。 力に耐えられなくなった糸が弾け飛び、ようやく開放される。 恐ろしいことにガングニルの柄にまで食い込んでいやがった。 そんな戦慄をする時間も禄にくれず両手に鋏を構えてミツコが襲ってくる。 左右別の鋏だが、俺にはそれが料理鋏なのか園芸鋏なのか断ち鋏なのか分からない。 分からないがどうでもいい。ようするに挟んで閉じるか突き刺すかぐらいだ。 リーチで上回るこっちが有利。まだなんとかしてみせる! 俺は鐘の下をくぐって反対側にまわりガングニルを構える。 相棒の視界は360度。どっちから来ても対応できる。 「左だ!」 の声に構えを修正。即射出! これぐらいは読まれているが、穂先をやり過ごしたミツコに柄を棍として殴りかかる。 右上から叩きつけ、逆に返して左下から石突で突く。 返した力に引っ張られ戻ってきた穂の茎がミツコの背を突く。 さすがに刺さりはしないが肉の一部を抉って跳ねた上げられた穂を再接合。 そのまま斬り下ろすが踏み込みが乱れ、穂が地面を叩く。 まずいな。ここまでの負傷の蓄積が効いてきた。いよいよ決着をいそが…… ジョギリ 今まで知ったことのない不気味な感触を受け、腹が切り割られる。 視線を下ろすと3つめの鋏が俺の腹を割っていた。 鋏を握るドス青い蔦植物の束は、ミツコのスカートの中から伸びている。 ジョギリ 左手の鋏が胸を裂く。 ジョギリ 蔦の掴む鋏が背後から首筋を断つ。 急速に力が失われ俺は膝から崩れ落ち、 ガングニルの柄にすがってかろうじて地に伏すのを耐える。 意識が遠い。 ゴギョリ 右手の鋏が柄を半ばから切り折る。 支えを失った俺は倒れ伏し、 カラン、ラン、カンと柄の片割れが地に跳ねる。 俺の右手には沈黙するガングニル。 うお、ぉぉ? 「うおおお!」 きさま 「貴様!!」 よくも 「よくも、ガングニルををををををををををををををををををををををををををを」 ををををををををををををををををををををををををををををををををををををを ををををををををををををををををををををををををををををををををををををを ををををををををををををををををををををををををををををををををををををを ををををををををををををををををををををををををををををををををををををを ををををををををををををををををををををををををををををををををををををを ををををををををををををををををををををををををををををををををををををを ををををををををををををををををををを!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 気付いたとき(それは実はほんの一瞬後のことだった) 俺は力を失ったはずの足で立ち上がり、ミツコの喉元に槍の穂先を突きつけていた。 射出した。首が半分千切れた。頭がぶら下がった。勝利した。槍は折れていた。 俺は勝った。 だが、決して失ってはならないものを失ったのだ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「…ってはならないものを失ったのだまる」 ターン!と音高くエンターキーを叩き、黒田は満足げなため息を漏らす。 ここは黒田の部屋。机の上にはノートパソコン。 今はザ・キングオブトワイライト一回戦を終えた夜。 黒田は終わったばかりの一回戦を元にして自伝小説を書いていたのだ。 傍に立て掛けてあったガングニルがモニタを覗き低く呻く。 「ひどい。捏造だ」 「おいおい人聞きが悪いだろ。脚色だよ脚色。 読者に楽しんでもらうためのちょっとしたサービスさ」 黒田は小首を傾げ、肩をすくめて両手を広げる。 「大きな流れは変えてないだろ。 俺が上にいてふたりが下から上がってきて始まった。 ふたりがどこでどんな順番で戦かったかとか、ふたりがどんな戦い方だったかとか、 なんてとこでは嘘はないぜ?」 黒田の名誉にかけて確かにその言葉には嘘はない。 だが誤魔化しがある。ふたりのという言葉が問題だ。 あの場にいたガングニルを誤魔化せると思うのは虫がいい。 「だが君は何度かちょっかいを出しただけ。 ほとんど戦う振りをしていただけの様なものだ」 (それに私はあんなにお喋りじゃない)という私的な問題への指摘は飲み込む。 そう、黒田自身は自伝小説とやらで書かれているほどまともには戦っていなかったのだ。 「ふむふむガングニル君。それは主観によるところが大きいのではないかね? 手数は少なくても戦局への影響度は大したものだったと推量しても良いのではないかと、 私などは愚考するところであるよ」 黒田が反論するが、残念なことに目が泳いでいては説得力に欠ける。 そわそわとして腰が落ち着かない様子だ。 「いいだろう。だが最後のあれはなん… 「おっとー!」 ガングニルの台詞が黒田の大声で遮られる。 「そういえばミツコちゃんたちとお食事の約束があったんだー。 わー大変だー。遅刻しちゃうー。ゴメン、話はまた今度!」 言い捨てて、黒田は脱兎のごとく部屋を飛び出した。 明かりが消され部屋は暗闇と静寂で満たされる。 「私が折れたのは君が何でもないのに何にもない場所で転んだせいじゃないか……」 ぽつりとこぼれたガングニルの嘆きを、モニターの中のあの原稿だけが聞いていた。 このページのトップに戻る|トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/dangerousspy2/pages/72.html
生徒会・SS2 2 :雨竜院雪路:2014/07/11(金) 04 34 20 雨竜院雪路プロローグSS ※pixivへの外部リンク。R-18指定のためログインしないと閲覧できません。 ストレートなスカトロ描写があるのでR-18です。嫌な方は見ない方がいいです。wikiにもリンク先だけ記載してもらえれば転載していただかなくて結構です。 雨竜院雪路(イラスト) こっちは多分大丈夫 7 :翻訳者:2014/07/14(月) 00 47 55 ジャン=マリー・クロワザール プロローグSS 無駄に長いですが、とりあえずこちらで問題ないですよね。核心ついた話するはずが、わけわからん話になってしまった。>のしさん 「霜月」ポジション、使わせていただきます。ちょっとした仕掛けしてあるのですぐ空席になるかもしれませんが。 8 :のし:2014/07/14(月) 03 33 55 文月ひさぎプロローグSS 若干、設定のネタバレをしてしまった感が……。 9 :ミケナイト:2014/07/14(月) 05 34 23 ミケナイト・プロローグ『また私を守ってね』 11 :ミケナイト:2014/07/14(月) 19 29 19 【ミケナイトの大冒険!】 第1話『VS辻斬子&象』 16 :ミケナイト:2014/07/15(火) 19 15 48 【ミケナイトの大冒険!】 第2話『VSハッピーエンドメーカー』 20 :ミケナイト:2014/07/16(水) 19 31 09 【ミケナイトの大冒険!】 第3話『VS斉川愛咲&一六六六』 23 :翻訳者:2014/07/16(水) 20 31 47 ジャン=マリー・クロワザール エレジーSS ~彼女はいつだってわたしたちのことを「ジャン=ポール」と呼ぶ~ 25 :ミケナイト:2014/07/17(木) 19 27 56 【ミケナイトの大冒険!】 第4話『VS桐谷流』 29 :ミケナイト:2014/07/18(金) 08 34 38 【ミケナイトの大冒険!】 第5話『VS佐渡ヶ島 貞仁』 37 :斉川愛咲:2014/07/20(日) 11 22 05 『ハッピーエンドメイク;斉川愛咲の場合』 41 :翻訳者:2014/07/21(月) 21 55 58 とりあえず前半だけ、殺人事件と今回のハルマゲドンについて私なりの解釈です。 ジャン・マリー=クロワザール エピローグSS & ~さあさ、答え合わせと参りましょう~ 文月ひさぎ フィナーレSS 44 :のし:2014/07/23(水) 03 58 50 『暦』SS~幕間~ ※pixivへの外部リンク。R-18G指定のためログインしないと閲覧できません。 幕間なのに、一番長くなってしまったよ……。 45 :翻訳者:2014/07/26(土) 11 04 46 よし、やっと出来ました。 これでのしさんにお渡しできます。 しかし、キャラが勝手に動き出すってあるんですね。 ある者にとっての終わりはまたある者にとっての始まりでもあるのです。 ?????・???????? プレリュードSS 裏応援スレより 10 :翻訳者:2014/07/16(水) 20 36 25 表に投稿しましたが、ネタバレ激しそうと気付いたので後半部は裏に。 さらっと書くはずだったのになぜこんなに膨らんだし。 すみません。採点は一つきりでお願いします。 ジャン=マリー・クロワザール エレジーSS(後編) 17 :翻訳者:2014/07/19(土) 11 46 30 直前! なんとか間に合ったー。 口舌院さんお借りしてます。ごめんなさい、私の中ではこういうキャラなんだ。 ジャン=マリー・クロワザール インターリュードSS ~犯人探し~
https://w.atwiki.jp/dangerousss3/pages/174.html
第二回戦【ジャンボジェット機】SSその2 ~~~~~~~~~~~ 猪狩誠は己の邪悪を自覚しない。 猪狩誠という魔人が如何にして此処に至ったか。 それは、恐らく誰にも解らない。 生まれながらにしての狂気であったのか。 育った環境がそうさせたのか。 あるいは魔人ヤクザ園堂長次郎と出会ってしまった事が彼の邪悪を引き出したのか 猪狩誠自身も解らないのだ。 ~~~~~~~~~~~ (糸かッ?!) 一瞬の判断が生死を分ける。 目の前の、今まで自分が立っていた場所。 エコノミークラスの座席がバラバラに切断されている。 座席の間を縫うように、空間を編み込むかのような複雑な動きで数本の糸が迫る。 (凄まじい動き、これが手芸の技かッ) 手芸。 世間一般でいう手芸とは個人的に行う裁縫、刺繍、編み物などの創作活動をいう。 しかし、魔人の世界においてソレは全く違う意味を持つ。 針や糸を使った人外の技。 無理やり解り易く例えるならば忍者という概念が最も近い。 (だが、避けられる) 冷泉院は特殊なステップで座席の間を飛ぶ。 体が地面についていない時に身体能力を上昇させる“仮面”の力。 狭い機内を縦横に動く糸を避ける。 そして、もう一人の敵を見た。 (凄まじい再生能力を持っているようだが…あれでは、な) ここに集められた三者は共に身体能力が高い魔人である。 戦いが始まった瞬間、同じ場所に放り出されたとき。 ミツコは迷わず攻撃に移り。 猪狩は爽やかに挨拶をしようとした。 冷泉院は宙を舞った。 (その結果がアレか) 少し離れた場所では少年が笑顔を浮かべたままバラバラに切り刻まれていた。 「俺に油断はない!!そして遊びに付き合う暇はない!!」 薙ぎ払われた座席の間に着地すると一気に前方へ走る。 そして、迫り来る糸を全て掴み取る。 (この敵の攻撃には怒りがある。その怒りの矛先は俺ではないだろう。) 地に足をつけた時に使用される能力『白刃獲り没収EX』はミツコの繰り出す糸を全て絡め取る。 奪い取った糸を使いこなす技術は冷泉院にはない。 ならば、素早くステップを踏み加速。 (一撃で、しとめ…) 横合いから顔面に叩き込まれた裏拳が冷泉院を吹き飛ばした。 吹き飛ばされる瞬間に冷泉院が見た男、猪狩誠の顔は涙で濡れていた。 ミツコの視線は猪狩誠を捉えている。 (怒りの矛先はコイツか…。) ~~~~~~~~~~~ 仮面が何者であるか冷泉院は解らない。 仮面が何物であるか夕霧紅蓮と呼ばれた男は知りようがない。 仮面がなにものであるかLローズという名の海賊も知りえない。 仮面がナニモノであるか仮面自身も解らない。 故に、冷泉院拾翠は自身がどういう存在であるか解らないのだ。 ~~~~~~~~~~~ 「俺は、泣いているんだなッ!!」 冷泉院を殴り飛ばした俺はミツコの前に立つ。 ちぎれた腕は新しい筋肉繊維が生えてくっつき、頭部と胴体の間には血管が繋がっている。 「みつおはよぉー、変なことばっかり言う奴だった。でも詩を書くのが上手かったんだ。俺のために応援歌を作ってくれたりしてよぉ。将来は作詞家になるのが夢だったッ!!」 俺は一歩前に踏み出す。 「それは残念でしたね」 目の前の少女が答える。 許せない、まず名乗りの途中で攻撃してきた。 なんて卑怯な奴だ。 「よしずみはッ。いつも空を見ていたッ!!天気に詳しかったッ!!あいつならきっと天気予報士にだってなれた。」 「だからどうしたというのでしょう?」 女は噴霧器を構える。 白い霧?ガス? なんて奴だ、こんな奴のために、みつおとよしずみッ。 「ごふッ!?」 「あらあら?気分が悪いのかしら、いけませんいけません。化学肥料とか農薬とか配分を間違えてしまっては~」 口から血が。 と、ともぞう!!やめろ!!ともぞうの命が!! 毒だとッ!!この外道め!! 「もちろん、農薬というのは無駄に殺しすぎては意味がありません。目的の害虫だけを殺す、それが理想です。あなたの身体データはみっちゃんがしっかり調べてくれていますよ」 「てめえ。人を虫けらか何かと勘違いしてんじゃねーぞッ!!てめえのせいでッ!!」 「あら?この毒で動けるなんてやっぱり…」 体の中の毒が浄化されていくのがわかる。 「もう、ともぞうの俳句を聞くことはできねえんだなッ!!」 こいつのせいでッ!! 力がみちる!! この戦いの前に消費した、あやめッ。 将来女優になるって楽しそうに、役にとらわれないで演技したいって剛力な夢を、いつも俺に語ったAYAME!! 詩人のMITUO、天気のYOSIZUMI、俳句のTOMOZOU。 一回戦で犠牲になった。 MAYU!!MEI!!MASARU!! ああッ!! 真っ黒に日焼けしたヒロ!!HIRO!! 色黒のマツ!!MATSU!! 日焼けサロン大好きウサ!!USA!! ニューヨーク帰りのヒゲなんかはやしてた黒いマキダイ!!MAKIDAI!! サングラスの似合う黒い夏の男アツシ!!ATSUSHI!! マルチに活躍する黒い日焼けのアキラ!!AKIRA!! 沖縄空手と書道が得意な黒い肌のタカヒロ!!TAKAHIRO!! YOKOHAMA生まれのYOKOSUKA育ち色黒ケンチ!!KENCHI!! 料理が得意だった日焼けのケイジ!!KEIJI!! ロマンチック5・7・5、ブラックスキンのテツヤ!!TETSUYA!! ワイルドなヒゲブラック、ネスミス!!NESMITH!! 野球少年だった日焼けのショウキチ!!SHOKICHI!! 特に特徴はないけれど色が黒かったナオト!!NAOTO!! 病弱だけれど色が黒いナオキ!!NAOKI!! どいつもこいつも小学生とは思えないほどに色が黒くてダンスが好きだった。 俺のために予選で犠牲になっちまった13人くらい!! あいつらはこの世からの追放者(エグザイル)になっちまった!! 目の前の女は包丁を構える。 ヤバイ女だ!! だが!!だがよぉ!! 「今まさに死んでいった俺の家族の為にも!!そして俺をここまで連れてきてくれた家族の為にも!!てめえに負けるわけにはいかねえんだよッ!!」 「ハッハーッ!!なんだよリソースって!!ソースの一種?日本語話せてますかァ?!」 「こいよ悪党!!てめえのせいで永遠に失われた俺の家族(リソース)の痛みを味あわせてやるぜ!!」 「腹ァ!!カッ捌いてェー!!てめえの腹の中のどす黒いモン処理してやるよ!!」 腕をもぎ取る。 ああ、確かに早い、すげぇ攻撃だ。 生物の構造を理解した上で解体する技術がコイツにはあるんだろう。 だが、腕をもぎ取るのは俺の方だ!! あやめはもう物を持つことができない!! 「お前のせいで!!」 「自分の傷を治すために子供を犠牲にしているのは貴方だ!!」 何を言っているのかわからない。 なんて無責任なやつだ。 だいたい口調が一定しない、ヤバイやつだ。 会話が通じる気がしない。 こいつは異常者だ。 こんな異常者の為に俺のッ!! こんな異常者に足は要らねえ!! あやめはもう歩けないんだ、ならその報いを!! 「自分が勝つために他人を犠牲にしているのでしょう…?」 「人のせいにしているのかッ!?あやめはこんなヤツの為にッ」 体がこれほど傷ついても冷静に語ってやがる。 サイコパスとかシリアルキラー? どっちにせよ変態だな!! こんなやつが勝ち進むなんて許されるわけがない!! だがコイツはもう動けない。 止めを!! んおおッ!?が!?い、痛え!! 背中に包丁?これはさっきもぎ取った腕といっしょに捨てたミツコの包丁か!? 「一撃でやられるとでも思ったか?」 仮面!! こいつが包丁を投げたのか? 一撃で倒れていればいいのに!! コイツも俺の家族(リソース)を消費させるのか!! 自分の部屋を持つのが夢だったテツコ!!TETUKO!! 「なんてことするんだ!!『限りある家族(しげん)を大事にしよう』って学校で習わなかったのかよぉ!!お?うおおおおッ!?」 なんだ!!この機体の揺れはッ!! まさか?ジェット機が落ちている? 「この機体はまもなく墜落する、自由落下状態の機内はほぼ無重力」 「コソコソとそんな事を!!街に落ちたらどうするんだ!!この外道!!」 「お前の力は確かに凄い、だが足場を失ったお前と、空中での戦いを得意とする俺、どちらが勝つんだろうな!!」 「人の話聞いてんのかッ!!お前、他人の迷惑とか考えたことあるのか!!」 こいつは絶対に許せない!! ~~~~~~~~~~~ ミツコは知っている。 ミツコ達は知っている。 自分たちが何者であるかを!! 自分たちが何に怒り何を倒すべきなのかを!! 世界に理不尽を振りまく敵の喉を食い破る三つ首の地獄の番犬!! 相手が世界の敵ならば、その敵を喰らうのがケルベロスの役目!! ~~~~~~~~~~~ 冷泉院は空中を走る。 凄まじい速さで移動し猪狩を一方的に攻撃している。 強いなぁ。 「できると自覚せよ!!出来損ないとは言え俺は転校生になれる!!」 「何言ってんだァ!!このテロリストがッ!!」 痛い。 痛いな。 やっぱり腕と足を引きちぎられると痛いなぁ。 でも、あの時の痛みに比べればどうってことはない。 姉さんの用意した鎮痛効果のある化学薬品と姉ちゃんの用意した薬草にも使えるハーブでとりあえず気を失わずに居られる。 「なんどでも首をへし折ってやる。その再生力が尽きるまでな!!」 「おおおッ!!ボクシングが好きだったコウキ、ダイキ、トモキ!!」 空中を舞う冷泉院と両足を壁に突き刺しながら歩くことで体を安定させた猪狩の戦い。 今のところは冷泉院からの一方的な戦い。 でも、僕の調査では。 「そうかっ。空気を蹴ってるんだなァ!!」 「なッ!?なんだとッ!!」 「アンタに出来る事は、家族の力を得た俺にはできる!!つかまーえたぁッ!!」 「馬鹿なッ」 掴んだ冷泉院を機内の色々なところに叩きつける。 痛そうだな。 そして搭乗口に向かう、ああ猪狩のやる事がわかる、酷いな。 「アンタは空を飛ぶのが好きなのか?そういえばミユキは客室乗務員になるのが夢だったな。アレ?ヨシコだったかな?まあいいや、あの子の空を飛ぶ夢を奪ったのはアンタだからさァ」 「がッ!!こ、このゲスめ!!」 「はあ?飛行機墜落させようとしてるゲスはアンタだろ?安心しなよ。ミユキの、ああもう!!どっちかわからないぞ。ミユキとヨシコ二人分の絆があればこの飛行機を安定させるくらいはできるからさぁ」 「こいつ…」 「アンタは先に空の旅を楽しんできなよッ!!」 無理やり開けた入口から冷泉院は外に投げ出される。 空気圧で機内の残骸も空中に放り出された。 でもボクは残った片腕でなんとか耐える。 ドアは閉められたようだ。 そして程なくして機体は安定する 「体制を立て直して空を走った所でジェット機のスピードには追いつけないよね。ふう、壊されてたんじゃなくて良かった。ここから飛び降りなきゃならないとなると。もう少し必要だもんなあ、さて残るはアンタだ。どうする?降参する?」 「降参はしないよ」 「哀れだなぁ、大人しくしていれば殺す理由もないんだけどな、だって俺ヒーローだしさ」 「降参する理由はない、君のその力」 「ああ!?」 「その家族の絆、リソースはやがて世界に及ぶだろう」 「まあね、俺は人類みな兄弟って言葉信じてるからさ」 「その言葉、本気だね」 「ああ、俺は世界を救うぜ。家族を痛めつけるヤツを許さねえからさ。みんなが家族になれば、それを俺が守ってやるさ。」 「君の力は無敵だ。世界中で常に誰かが死ぬ。悪意も善意も関係なく事故や病気で死ぬ。それが君の力になる。それが君の到達点だ。」 「ああ、今までみたいにやる必要もなくなるから楽だなあ」 「君に逆らう者はいなくなるだろう、君は実質世界と同一になる」 「はははッ。面白いこと言うなアンタ。」 「ボクはこれでも探偵の端くれだからね。君のことは調べたよ。君の家も家族のことも。」 「なんだ俺のファンなのか?じゃあもうアンタも俺の家族だな」 「君は世界を喰らう、そしてそれは君自身の為だけに使われるだろう」 「まあまあ面白い話だったぜ!!後でゆっくり話そう!!俺とアンタの仲だからさ!!」 猪狩が腕を振り上げる。 「でも、一応。家族の分殴らせてくれよ。ホラ、拳で語って生まれる友情ってヤツさ。」 「だから、君は!!世界の敵だ!!」 ザザザザザッ… 「なんだァ?」 世界にノイズが走る!! ~~~~~~~~~~~ ヒーローってヤツはさ。 ピンチに現れるもんだ。 はっはっはァ!!おーこりゃすげー!! だって俺は主人公だもんな。 ~~~~~~~~~~~ 「流石に二回戦ともなると、おもいきって数を切らねばならんか…」 暗い階段を降りる男がいた。 手にはノコギリを握りしめている。 「だが、結果的に得るものがあれば良い、誠ぉまっとれよ」 地下室の扉を開ける。 冷たい石造りの部屋には様々な拷問器具が並べられ。 床には何人かの子供が寝息を立てている。 「スマン、スマンなァ。これも誠の為だ。ひひッ。」 「さてどれからイこうかの。」 舌なめずりをして初老の男は子供達を舐めるように見た。 だが、そんなことはさせないぜ!! 「うげぇッ!?な、ながあああ!!」 腕に突き刺さった槍を見て初老の男が絶叫する。 「お、おごう!!あああ!!痛えッ!!な、槍?」 「おーこりゃすげー!!実に変態趣味だなァ。ガングニル。」 「そのようだ、そして間違いない園堂長次郎。ジグ・ソウの園長と呼ばれた男に間違いないぞ武志。」 「てめえッ。コラァ何しやがる!!」 「はっはぁ、何ってヒーローがやることは人助けだぜ!!」 「単なる目立ちたがりかもしれんがな」 「言うねえガングニルゥ!!今日はいつもより話してるじゃん」 男に気づかれないように跡をつけてきたのさ。 そう、この悪事を見逃す俺じゃあねえ!! 俺の名は黒田武志、ちょっぴり目立ちたがり屋のヒーローさ。 「くっ、ワシの邪魔を!!がああッ!!」 「おっと動くなよ?俺の槍はスゲー早いぜ、誘拐犯!!」 「誘拐犯だと?何を言っている?ここはワシの運営する孤児院だぞ。この子達は気分が悪いから寝とるだけだ。大工仕事の途中に子供の寝顔を見に来ただけだってのに。この不法侵入者め!!」 「おお、こりゃすげー。よくそんなにスラスラと出まかせを言えるもんだ、おおッっとぉ」 手に持ったノコギリを投げつけるが、そんなものが俺に効くとでも思ってんのかねェ。 階段を園長が駆け上がっていく。 ちッ 扉を閉められたか。 まあこの扉くらいはカンタンに破壊できるぜ。 逃がしはしねえ。 「ああん?どうしたんだオッサン逃げないのかよ」 鉄の扉を破壊して一階に登った俺が見たのはガックリと膝をついた男の姿だった。 「な、なんじゃコレは。ワ、ワシのどんぐりの家は…ワシの孤児院は…いったい?」 「何言ってんの?ここが孤児院だったのはもう4年も前だぜ」 「ばばばばば、馬鹿な事をいうなァ!!ワ、ワシが地上げして孤児院を再建して!!」 「孤児院は無くなったんだよ」 「なな、何を言っている。相次ぐ災害で家族を失った子供が道にあふれておる、飢えたガキどもを集めて孤児院を作って、それをワシが、ワシがァ…。誠を手に入れたワシは世界を…。」 「オイオイ、オッサン。食糧難っていつの話だよ」 「ばっかもんがァ!!世の中を見ろ!!そこらへんで飢えたガキなどいくらでも!!」 「いねーよ」 「なッ、ナにぃ!?これだから新聞も読まんクズは!!」 「オッサンこそ新聞読んでる?真野真実のラーメン基金財団とか知らねーの?」 「ラーメン?基金?なんじゃソレは!!」 「子供達を飢えから救うそれがたった一つの真実ってさ。真実を届けに来ましたとか言ってよ、得意の英語で世界中から食料を集める活動をして食糧危機を救ったのさ。たった一人のラーメン屋がな」 「なら、ワシは、ワシは一体…」 「おっさんはガキを誘拐して薬とか使って洗脳したあげくに売り飛ばしたり殺したりする誘拐犯じゃねーの?元は魔人ヤクザだったけれど組を放逐されたとか」 「馬鹿な…馬鹿な…ここには子供が、沢山いるんじゃ、この子供をリソースにしてワシと誠は世界を…手に…五本指…ワ、ワシの可愛い誠の餌を養殖する、どんぐりの家…」 「夢でも見てろや、爺さん。あとは牢獄でさ。」 「いいや!!まだじゃ!!これは恐らく何らかの能力!!誠が勝てば打ち破れる!!」 「お、オイ。暴れんなっての!!」 「誠ォー!!ワシの命を使え!!そして勝て、勝ちさえすればお前は何でもできる!!いずれワシを生き返らせることもできる!!ワシが生き返ればどんぐりの家なぞなんぼでも作ってやるワイ。お前のための良質な餌場をなァ!!」 「離れろ、武志!!この男の能力は『ジグ・ソウ』対象を切断する能力だ!!」 「お前が射程距離のある能力だった時点でワシに勝ち目はない。指でゆっくりなぞった線を切断する能力じゃからな!!だが、こういうことはできるぞ!!」 「コイツッ自分をバラバラにッ!!」 「受け取れ誠ォ!!お前を最も大事にしているのはワシじゃあ!!ワシこそがお前の最大のリソース!!」 ~~~~~~~~~~~ 世界の敵の敵 ~~~~~~~~~~~ ザザザザザッ。 世界にノイズが走る。 「なんだ、何が。ん?」 猪狩の体が輝きを帯びる。 「ま、まさか死んじまったのか?園長ォ。何があったか知らねえが。この力は使わせてもらうぜッ」 しかし。 「な、なんだ。力が。園長の力がすぐに消えていく、え?どういうことだ?俺のオヤジは。園長は俺のオヤジ同然の…。あ?あれ?おかしいな?体の感覚が…」 メキョッ。 猪狩誠の首が折れ曲がる。 「あ?あー?なんだ?痛いぞ」 ビキッ。 背中からは血が流れ。 猪狩誠の体に無数の線が浮かび血が滲む。 「えーと、アレ?」 皮膚が焼けただれるるような痛み。 「いやいやいや、おかしいよコレ」 グチャ。 足が潰れる 「園長、どうして死んだんだよ。早く俺の代わりに家族を、さ。」 「それは今日の分です。」 ミツコが告げる。 告げたのは恐らく弟のミツゴだろう。 「あやめ、みつお、よしずみ、ともぞう…」 ミツゴが名を告げるたびに猪狩の体は欠損していく。 「ボクの能力は主人公の力で世界を救う能力。テツコ、コウキ、ダイキ、トモキ…」 「何言ってんだよぉ。そいつらは俺の家族だ気安く呼ぶんじゃねえ」 「世界にはびこる病を消すには至らなかったけれど、真野さんと黒田さんの二人の力があればこの程度の不幸を消すことは簡単です。ミユキ、ヨシコ。彼女たちは死んではいない、当然あなたの家族でもなく今はどこかで平和に暮らしている。」 ゴリッ。 猪狩の顔がへこむ。 「あ、あが。なんだって?」 「貴方は正しく世界の敵だ。世界の敵は主人公が倒す。いままで何人の家族をリソースにしてきたんですか?」 「はははッ。俺は過去を引きずらない。だって俺が見ているのは明るい未来だけだからな」 「あなたの歪みを引き受けてきた家族は居なかった。だから貴方の痛みは貴方だけのモノです。誰かに分け与えるべきじゃない。まゆ、めい、まさる。」 ぞりゅ。 右腕から先が圧縮されて赤い小さな塊に変わる。 「俺は、家族を傷つけるやつを許さねえ、園長の死を無駄にはしない」 「これほどの負荷を受けてまだ喋っていられることが園長の貴方への思いなのでしょう。とても歪んだ思い、でもヒロ、マツ、ウサ、マキダイ、アツシ、アキラ、タカヒロ、ケンチ、ケンジ、テツヤ、ネスミス、ショウキチ、ナオト、ナオキ。たったひとりの思いであなたが踏みにじってきたリソース分を賄いきれるとは思えません。今まで数百人単位で世界を食ってきた貴方の払うべき制約は、こんなものではない」 もはや猪狩誠は赤い塊だ。 辛うじて眼球と口が伺える。 「実際、貴方は自分を唯一無二だと思っているのかもしれませんが、他人を犠牲にして能力を発揮する魔人は少なからずいます。貴方ほど歪んでいる人は珍しいけれど。」 「ひひッ。俺は天才だからなァ。それに俺は家族の為を思って動いている。数十人は犠牲になるだろ?でも、それはお前らが強いから悪いのさ。俺は悪くない。」 「この世界にはルールがある。他人を犠牲にする事で力を得る能力者は味方しか犠牲にできないと」 「ヒヒヒッ!!生き残ったやつに利益は分配するさ、だって家族だもんな。俺が家族のために頑張ってるのを邪魔してるのはテメーらさ。テメーらが邪魔しなけりゃ誰も苦しまねえんだよ。ヒヒヒッ。」 「あなたの家族はもういない。あなたが救わなくても他の誰かが救うでしょう。」 「そうだ。アンタ最初の挨拶の途中で攻撃してきただろ、ひでえよな。な?」 「ボクは君に似ている所がある。他人のの主人公力をリソースにしているという点ではボク達も君に近い存在だったのかもしれない。」 俺は、猪狩誠だ。なあ…正々堂々戦おうぜ。 さようなら、世界の敵、猪狩誠。 貴方がまっとうな主人公になれる世界を必ず。 ザザザザザッ。 世界にノイズが走る。 赤い肉塊と化した猪狩は家族(リソース)を失った。 仮面の男、冷泉院は戦闘空域から引き離されて場外負けとなった。 二人の主人公力を吸い取り。 ミツコは次の戦いへ挑む。 ~~~~~~~~~~~ 2回戦ジャンボジェット機の戦い 了 このページのトップに戻る|トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/lakcy/pages/14.html
えー・・・長いです。一言で言うと(滅 ここでは人名変換とかが残念ながら出来ないのでご了承下さい。 夢小説その1 ~こなた編~ 主人公の名前は「ながせおうか」と言います。 夢小説その2 ~かがみ編~ 主人公の名前は「ささのかい」と言います。 夢小説その3 ~みなみ編~ 主人公の名前は「かわしまゆうじ」と言います。 夢小説その4 ~パティ編~ 主人公の名前は「あいかわかげと」と言います。 夢小説その5 ~ゆたか編~ 主人公の名前は「やしまこういち」と言います。 番外編 夢小説 ~こなた後編~ 黙って読めば分かる・・・多分。 その四人は らき☆すたSSコンクールに投稿した作品。 お題は「柊姉妹」という事で柊家メイン。
https://w.atwiki.jp/h_session/pages/6121.html
ギルド『AAA』関係者ルミナ・ソル(叶 りゅか) ギルド『Ariel』関係者カラム・アーカイル(烏丸 蒼) 向日 葵 ギルド『七将旗』関係者七将と呼ばれる7人のPC ギルド『GXG』??? ギルド『神聖衛士団』エルナ(神代 梢) ビッグス&ウェッジ(神野 光太郎&八神 宗次郎) ギルド『はきゅ~ん♪』アルマ(神代 恵) その他サロメ トロネータ 飛龍 レイミエル ギルド『AAA』関係者 ルミナ・ソル(叶 りゅか) クラス:『アイギス』(異名:カラドボルグ) ウィザード/ドラグーン 役 割:『便利屋ギルドAAA』ギルドマスター 「誰かのため…なんて最初はいい。 だが考えてほしい。 私達は何を想ってこの場所に来たのかと言う事を。」 「もちろんゲームのため、遊びのためだ。だが、それは誰かに決められたことだろうか? 自分の意思でここに来たこと、それだけは憶えておいてもらいたい。」 「だからこそ私は、皆に自分の生命を他人に預けるままで居て貰いたくはない。命を掛けて攻略しろ、最前線に立てなども言わない。」 「ただ、現実に戻れた時に、ここでの時間、こうして過ごしている時間がただの無為であった。 と言う結果に、恐怖に呑まれただけの時間であったとならないで欲しい。」 「此処がゲームだが、私達は生きている。 私は、志を共にするものを求める。」 ――2011年7月 第一層 泉の都市 中央広場にて ギルド解説の宣言より抜粋。 幅広い人脈とプレイ時間の長さ。見る限りでは可憐、話す姿は速射砲、と彼女を知る人は言うだろうか。 二週間前の第三層の攻略戦の途中で、街エリアで起きた事件を切っ掛けに、『Ariel』を脱退、自らが人前に立つ事を決意する。 その時から、彼女から笑顔と、周囲の空気をブレイクする言動の大半がなりを潜めた。(人前限定だが) メインクラスはメイジの上級職であるウィザード、だがその実体はガチガチの前衛である。 ちなみに、パッシブスキルに方向音痴があるとか、ないとか。 ギルド『Ariel』関係者 カラム・アーカイル(烏丸 蒼) 役 割:『Ariel』ギルドサブマスター リアルでは社会人。その心の内側には熱い想いを抱きながら社会に出たものの、社会の現実と理想とのキャップに悩まされる日々を過ごしていた。 現在は大人としての使命感。少年の心を残したままの青年として、ムードメーカーかつ、ギルドの支え役として活躍している。好きなものは熱いモノ。 向日 葵 役 割:元『Ariel』メンバー 通称は『ひま子』で呼ばれていた『Ariel』の元メンバーで、故人。 攻撃能力の一切を防御魔法に充てた『センターガード』と言うクラスで、ボス戦には必須の役割でありながら2週間前の第三層攻略時に「嫌な感じがする」と街に残る。 その日に起きた『GXG』による、街中でのモンスター召喚アイテムの大量使用の際に、逃げ回る大勢の引き籠もりプレイヤーを守り、その命を散らす事になった。 ギルド『七将旗』関係者 七将と呼ばれる7人のPC 役 割:ギルド『七将旗』幹部 最大手ギルド『七将旗』は7人の幹部による合議制を取るギルドであり、SSオンラインの現段階に於いて最大規模を誇る。 秩序と管理の元に、得られたものを分配する。その開始当初は機能していたものの、時間の経過と共に上からの管理体制と言う形式になり、暴走を招くことも目立ち始めた。 そのギルドの決定権は、幹部である7将の合議制。だがそれに決定的な揺らぎが生じたのは、ひとつの事件が切っ掛けであった。 第三層の攻略時に7将の一人が戦死、3対3になることのないように構築されたシステムは、それにより決裂を遂げた。 「秩序と管理が為された上でこそ、人間は生きる事が出来る。 無秩序な自由はただの掃き溜めに過ぎない。 統率された集団こそ、このような空間では秩序足るべきだ。」 ――七章旗ギルド会議より、『一将』アモス・アルガハムの言葉より抜粋。 「戦えるものは戦い、支えるものは支える。 あるものが分かち、なきものが享受する。 現在立てないと言うなら立てるまで支え合うのも、またひとつの秩序じゃないですか。」 ――七将旗ギルド会議より 『六将』茶子・RGの言葉より抜粋。 ギルド『GXG』 ??? 役 割:ギルド『GXG』幹部 SSオンラインに於いて最大規模を誇るPK組織。PC数を1000人以下にする事で脱出をはかるもの、己の享楽に生きるもの、MMOの本懐と称するものと考えは様々である。 だが、その中でもギルドマスターにはカリスマ性があるらしく、一様に筋の通った行動を見せることもある。単純にβテスターであったギルドマスターが怖いだけと言う話も。 「ルールに則ってプレイをするのがゲームだろう? このPKが良い行いであると言うつもりはないが、ルールを則った上でのこのやり方に異論を唱えるのは筋違いとは思わないか?」 ギルド『神聖衛士団』 エルナ(神代 梢) 役 割:ギルド『神聖衛士団』幹部 第四層の解放時に起きた『参を刻む影』の事件の生き残り。ギルドの中軸が全滅する中で、自分の娘の安否を確認する為に離れていたのが幸いしたのか。 家族ぐるみでSSオンラインに参加。仕事の関係で自宅に居なかった旦那を残して、二人でこの仮想世界に取り残された。 支援魔法を駆使しながらも前衛に立ち続けるパラディンであり、ギルド内では食事係を担当するギルドの中でなくてはならない存在である。 「この先で、もしも私が死ぬような事があっても…あの子は現実の世界に返してあげたいんです。」 ビッグス&ウェッジ(神野 光太郎&八神 宗次郎) 役 割:ギルド『神聖衛士弾』メンバー 神聖衛士団の生き残り。従兄弟同士なのか、顔立ちが似ている上に装備が同じものを着ているせいで、名前が見えない状態だと同じに見える。 余りにも似ているが、武器が違うので判断は可能。 槍を持ってる方がビッグスで、斧を持っている方がウェッジらしい。 「それにしても、やばいよな。 あの時は刃物で腹のど真ん中をざっくり遣られたんだぜ。」 「だが、それでも救われたんだろ、凄いじゃないかその『はきゅーん力』と言うのは、生き残れたのもそのせいだな。」 「うむ、萌えは世界を救う。『はきゅーん力』こそ、偉大なり。」 ギルド『はきゅ~ん♪』 アルマ(神代 恵) 役 割:ギルド『はきゅ~ん♪』ギルドマスター 背中まで伸びた黒髪の両サイドをツインテールにした外見年齢の割に幼い言動の目立つ少女。誰かの真似をしているのか、ファッション重視した装備を好んでいる。 最近までは、よく居る引き籠もりのひとりだった。母親の稼いでくるお金を使って、他の引き籠もりの連中と遊んでいる生活をしていた。 現在はまだまだ未熟ながらも、その引き籠もり連中を誘って小さなクエストをこなす日々。AAAの連中と肩を並べる日も何時かは来るのだろうか。 「ああ、この髪型ね?…はきゅ~んの人の真似をしてみたんだ、可愛いでしょ?」 「そのうちに追いついてやるんだから、その時はボスの攻略とか…手伝って貰うから、よろしくね。」 その他 サロメ テレサのリアル友人、風柳泉(故人)の使用していたPC。クセっ毛の赤いツインテールとくりっとした大きな目が特徴。なお、現在の中身であるが、一言で言うなら頭の中に花が咲いている。また、無邪気さゆえの残虐性を持ち合わせる。 「えへーばかじゃないよー。サロメはとっきゅー200のちょーてんさいなんだよー。」 トロネータ テレサのリアル友人、火村 聖也(故人)の使用していたPC。扱う属性は名前にそぐわず風(らしい?)サロメの頭にお花が咲いている分、もっぱら苦労を背負い込みそうなタチではあるが、一見するとツッコミ担当。その実として"目的”の遂行のためには手段を選ばないかもしれない。 「それをいうならIQだこのばか!」 飛龍 アインの実の従兄弟、長谷部 龍彦の使用していたPC。ログインが目撃されたと同時期に PC飛龍を殺害したギルド、煉獄のメンバー一人をPKしている姿が目撃されている。非常に享楽的で暴力的。力で相手を屈服させたり、涙や泣き声は最大のご馳走とか言いそうな、ヤバい系。現在は、炎を用いる姿や複数の飛ぶ道具を用いる姿 が目撃されている。 レイミエル フィズリアのリアル友人、麗美の使用していたPC。自我があまり強くないのか、現時点ではあまり言葉を発する姿は見られていない。現在確認されている4人の中では一番、ほぼ活動といえる活動を見せていない。
https://w.atwiki.jp/bokurobo/pages/217.html
超進化石機ディノダイダー・SS 単発 1話 DBへ SS保管庫へ
https://w.atwiki.jp/tokimeki_dictionary/pages/66.html
Sumire Nozaki 野咲 すみれ【のざき すみれ】 『ときめきメモリアル2』に登場するキャラクターの1人で、3人いる隠し攻略ヒロイン(隠れキャラ)の1人でもある。 派生ゲーム『サーカスで逢いましょう』では主人公もつとめている。 プロフィール 人物紹介 その他 『サーカスで逢いましょう』 関連項目 プロフィール 誕生日 1985年3月1日 趣味 ラジオ体操(朝の日課) 星座 魚座 好きな物 サーカス 血液型 A型 嫌いな物 旅生活 身長 153cm 特技 空中ブランコ 体重 37kg 所属 タケヒロサーカスの団員 3サイズ B75 W49 H72cm (1年目) テーマ曲 ピエロのキモチ B76 W50 H73cm (2年目) 劇中歌 雲を追いかけて B77 W50 H75cm (3年目) 声優 本井えみ 人物紹介 タケヒロサーカスのアイドルで、『2』本編ではひびきの市に巡業に来た際に主人公と出会う事になるキャラ。 設定上、野咲のノリは「世界名作劇場」と「ひびきのウォッチャー」で公言されているだけあって、とにかく健気で困難にも笑顔を絶やさない。 (フリートークで本井えみさんも同じ趣旨の話をしている) 全国を巡業して回る彼女には友達が少なく、メガネザル(?)のデイジーはその数少ない友達の1人(匹)である。 そのデイジーを通して主人公は野咲と知り合う事になる。 彼女の父親がタケヒロサーカスの団長をしているが、彼も年々減っていく団員やお客に苦労が絶えないようだ。 なお、母親は彼女を産んで間もなく亡くなっているとの事。(ひびきのウォッチャーより) その他 プロフィールにある「劇中歌」とは、2年目(2回目)に野咲と会った時にすみれがひびきの高校中庭で歌っている曲のことである。(1コーラスだけ) オリジナル・ゲーム・サウンドトラックvol.2(ディスク1の36番目)または後述の『サーカスで逢いましょう』(エンディングテーマ曲)ではフルコーラスで聴ける。 どちらも手元にないが「今すぐ聞きたい」という方はこちら→http //www.youtube.com/watch?v=_cqHrDC8gl0 東日本大震災後の現在では「その歌詞は被災者の心に響く」という感想を述べた人もいる。 本編でも3月11日は偶然にも2年連続でサーカスを見に行くことが可能な日(=野咲と会える日)になっている。 『サーカスで逢いましょう』 上記の通りこのゲームでは主人公をつとめている。 彼女を操作して火の輪くぐり(ライオン、デイジーも操作)、ジャグラー(ジャグリングのこと)、綱渡り(所々デイジーも操作)の3種類のミニゲームをやることになり、 得点が規定数を超えれば陽ノ下光、八重花桜梨、麻生華澄、赤井ほむら、伊集院メイのPVを獲得することが出来るが、2人目からは規定点数が高くなる。 ジャグラーはまだしも、綱渡りは慣れないと結構難しいと思う。 関連項目 「野咲 すみれ」の攻略 野咲 ストレリッチア デイジー サーカス サーカスで逢いましょう
https://w.atwiki.jp/tokimeki_dictionary/pages/314.html
Bowling alley ボウリング場【ぼうりんぐじょう】 デートスポットの1つで、全作品に登場。 ちなみに『1』と『2』では「ボーリング」表記だが、球技の方の表記は「ボウリング」が正解である(「ボーリング」だと土木用語になる)。 概要 登場条件は、 『1』:3年目秋以後に行けるようになる(要情報誌確認)。 『2』:1年目秋以後か3年目夏以後に行けるようになる(要情報誌確認)。 『3』:映画館でデートした後、2年目の秋以後に街エリアで散策して発見すると行けるようになる(『3』ではボウリングのミニゲームがある)。 『4』:1年目3月以後にアミューズメントスポットから行けるようになる。 GSシリーズ:最初から行ける。 『2』では3年目夏、『GS1』では2年目5月(要情報誌確認)以降はビリヤードも選択可。 また、『GS1』では3年目5月以降に卓球が、『GS2』では2年目1月以後・『GS3』『GS4』では2年目4月以後にダーツが選択可能となる(要情報誌確認)。 『2』本編では、八重花桜梨のアベレージは180という台詞が聞けるのだが、『MRO』で一緒にボウリングをすると80にも届かない事が多い。 八重に限らず、『MRO』ではほとんどの女性キャラはさほど強くない。 と言うのも、『MRO』のボウリングは後述の『3』のものに比べると現実のボウリングからかなり乖離しており、中々まともなゲームにならないのである。 例えば、一文字茜・赤井ほむら等のパワーキャラが全力で投球すると、ヘッドピンを捕えているのにそのまま突抜けて3ピンしか倒れないといった有り得ない事が起きる。 赤井は「力み過ぎかなー」などの台詞を吐くが、そういうレベルの話では無く、根本から違っている。 逆に、『3』のキャラはかなり強い。特に運動系のキャラだと、スプリットにならない限りはスペア連発で見事にスコアメイクしてくる。 スプリットになると、確実にいく場合と果敢にトライする場合がある模様。 俗にスネークアイと呼ばれる7-10ピンのスプリットでも、稀にクリアする事がある。 やはり、運動が得意なキャラには喜ばれるスポットの1つである。 『4』では、好感度が上がりにくい皐月優に好感度がどの状態で行っても必ず「バッチリ良い印象」が与えられる場所なので、ボウリング場がオープンしたらすぐに連れて行きたい。 アミューズメントスポット自体は相性が悪い事から、デートの約束を取り付けるのが一苦労ではある…。 陽ノ下光や橘恵美・真咲元春・氷室零一(ビリヤード)・若王子貴文(ダーツ)あたりからは、頻繁にお誘いを受けるデートスポットでもある。 このスポットでデートイベントが発生するキャラ 『1』:清川望 『GS1』:葉月珪(ビリヤード) 『GS2』:針谷幸之進(ダーツ)・天地翔太(ボウリング) (イベントの発生条件等の詳細は、各キャラの攻略の項を参照) 関連項目 地名・デートスポット ミニゲームetc
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/411.html
372 :名無しさん:2011/11/21(月) 04 41 43 ネタSS ある人の最期 嶋田よ… おまえもとうとう死ぬのです… 「やっと、仕事から解放される…地獄に行くのか…何かに生まれ変わるのか…教えていただけますか?」 いいえ、おまえは地獄には行きません。 次の仕事が待っています。 「生まれ変わっても仕事漬けなのか!」 いいえ、おまえはこれから神となり、八百万の神々の一柱として仕事することになるのです。 「その仕事が終われば生まれ変わるのですか?」 神となった後には生まれ変わることはありません。 お前にはもう永久に…この世がなくなるまで仕事から解放されるチャンスは無いのです。 「そんな!そんなバカな!大体なんで地獄行きでなく神になるんです!」 辻との取引の結果です。 さあ、おまえたちのやらかした件の後始末を含め、懸命に働きなさい。 「またお前か辻ーーーーーーーーー!!」 あとがき →175-176の辻ーんならこれくらいやってくれるような気がした。