約 3,871 件
https://w.atwiki.jp/galgerowa2/pages/209.html
GO MY WAY!! ◆LxH6hCs9JU イェーイ! 高槻やよいです! 貧乏だけど、頑張りますけど、とりあえず今日は帰ります! 賢く特売行ってきます! ええ、だからもう本当に帰らせてください! 家ではおなかを空かせた弟と妹が待ってるんです! 私、こんな暗くて怖いところ堪えられません! だから、お願いですから帰してください! 帰りたい、帰りたい、帰りたいったら帰りたいんです! 次頑張りますから、とりあえず今日は帰してください! うっうー……帰りたい、帰りたいよぉ……プロデューサーぁぁぁ………… ◇ ◇ ◇ 「うっうー……帰りたいよぉ……」 電灯もまばらな夜の市街地。人通り皆無の道端で、女の子が一人、泣いていた。 やや癖のある長髪を、両サイド二本に纏め上げた少女の名は、高槻やよい。 父親の仕事が安定しないために貧乏生活を強いられている彼女の職業は、アイドルだ。 長所は明朗快活な性格と、思いやりに溢れた心、強い責任感。短所は、強いて挙げるなら貧乏性だろうか。 私服のトレーナーはかなり着古しているのか、襟首の部分がくたびれており、アイドルらしさを感じさせない。 アイドルだというのに自前の携帯電話も所持しておらず、オフの日は小遣い稼ぎにバイトを入れる日もしばしば。 ――これが弱冠13歳の少女のプロフィールだというのだから、大人としては嘆息するほかない。 もっとも、そういった一端の感情を、彼――葛木宗一郎が持っているかどうかは不明だが。 「っぐ、っうう…………プロデューサーぁぁぁ…………」 「……お~い相棒、こういうとき、男として気の利いたセリフでもかけてやれねえのかよ」 「…………」 渋い声が一つ、やよいの前に立つ男……の、右腕から発せられる。 無愛想な男の容貌からは、不似合いにもほどがある腹話術専用パペット人形。 名前はプッチャン――装着者の意志を無視して、自分勝手に喋る人形だった。 とはいえ、声帯は装着者である男の声を間借りしている。 ゆえに、響く声はプッチャンの声ではなく、プッチャンの口調をした男の声。 それがひどく、プッチャンの印象をハードボイルドなものに変えている。 「おい、相棒。オイったらオイ」 「…………」 プッチャンの呼びかけにひたすら無言を貫き通すのが、装着者たる葛木宗一郎だ。 なんの不幸か、口やかましい上に自分では外せないという寄生虫のような人形を支給され、右手を封じられた状態で既に一戦。 今はその戦闘の際の『拾い物』を前に、傍観を続けている。 この状況も、かれこれ三十分ほど経過しただろうか。 ツヴァイと名乗る男から逃れた後、宗一郎とやよいは軽い自己紹介をすることになった。 とはいっても、語っていたのは主にやよいで、宗一郎は己の名前と職業くらいしか説明していない。 そしてやよいの自分語りが進み、崩壊は突然だった。 「う、うう……うっう……」 きっと、話しているうちに実感してしまったのだろう――かつての日常と、今ある現実の落差に。 ただでさえ、やよいは殺し合いが始まって間もないこの時期に、死の間際というものを体感している。 痛感。やよいが突然泣き出してしまった症状について説明するなら、この一言だけで事足りた。 そんなやよいに対し、宗一郎はただ待った。彼女が泣き止むその瞬間まで。 人情味に溢れた人間ならば、励ましの言葉くらいはかけただろう。が、それもない。 葛木宗一郎は――人並みの感情を失った暗殺者は――そういう人間だからだ。 「ごまえー……ごまえ……がんばぁぁってぇ……ゆーきましょ……」 嗚咽混じりのか細い声で、やよいが突然歌いだした。 曲名は『GO MY WAY!!』。 やよいの持ち歌であり、本来はもっと明るくポップな曲調だが、今のコンディションでは欠片の魅力も引き出せない。 子供はよく、怖い局面などに遭遇すると、自身を元気づけるために明るい歌を歌いだす。 今のやよいも恐怖に打ち勝つため歌っているのだろうが、背後に潜む恐れの原因が死だと考えると、ひたすら不憫に思えた。 職業など関係ない、やよいはどこにでもいる13歳の女子児童だ。 それも理解しているだろう。しかし宗一郎は、大人として、教師として、一参加者として、やよいの再起を待った。 決して目を背けず、去ろうと思えばいつでも去れるのに。 「……うん」 三十五分ほどかかっただろうか。一頻り歌い終えると、やよいは顔を上げ、涙を拭った。 ずっと待っていてくれた、厳しくもやさしい教師と顔を合わせ、やよいは言葉を弾く。 「あの、さっきはどうもありがとうございますっ! 葛木先生……それから、プッチャン!」 元気よく屹立。両手を後ろに大きく跳ね上げ、深くお辞儀。やよい独特の感謝のポーズ。 その子供っぽい仕草を見て、プッチャンは僅かに笑み。 宗一郎は、微かに唇を揺らした程度だった。 ◇ ◇ ◇ 高槻やよいは、涙を拭いながら決心を固める。 頑張ってゆこう。 殺し合いというゲームに対し、単なる子供にすぎない自分がなにをできるかはわからない。 少なくとも、悲しみに浸ったまま時間を浪費し続けることは正解ではない。それだけはわかった。 「落ち着いたか、やよい?」 「はい、なんとか。えーと、葛木先生……じゃなくて、プッチャン」 「そう。俺の名はプッチャン。それ以上でもそれ以下でもない」 (うっうー、すごく上手な腹話術ですぅ) 宗一郎の口は堅く閉ざされたまま、プッチャンの厳格な声が発せられる。 素人目だが、まったくの違和感が覚えられない、完璧すぎる腹話術だった。 「……肩が震えているようだが」 「え?」 やよいが達人の腹話術に感動していると、宗一郎が唐突に口を開いた。 元気を取り戻したかと思われたやよいの肩は、まだ小刻みに震えている。 体から恐怖が抜け切っていないのだろう。やよいはまだ本調子ではなかった。 「えへへ……まだちょっと、元気が足りないのかも。あ、そうだ! いつも学校でやってるアレやれば、怖いのも治まるかもっ!」 「アレ? アレって、なんだ?」 「葛木先生。私と、手をポーンって、合わせてくれますか? それやると調子出るんです」 やよいは宗一郎の難しい顔を眺め、普段プロデューサーと交わすような笑顔を振りまく。 「それじゃ、いきますよ~っ。うっう~、ハイ、ターッチ!」 「むっ」 満面の笑みを浮かべながら、やよいは右の手の平を高く突き上げた。 差し出された手の平に、宗一郎は反射的に自分の左手の平を合わせる。 「いぇい!」 パン、という爽快な音が響き、やよいの笑顔も明るみが増した。 「お、おもしろそうだなソレ。なぁやよい、俺ともやろうぜハイタッチ」 やよいと宗一郎のやり取りに共感を覚えたのか、プッチャンも名乗り出る。 このハイタッチは、自分を元気づけるためのおまじないみたいなものだ。 やよいは屈託なく頷き、再び手の平を突き上げる。 「いいですよ。じゃ、プッチャンもハイ、ターッチ!」 「ターッチ!」 やよいの手の平を目が――けず、プッチャンを装着した宗一郎の右手は、そのまま下方にずれていった。 プッチャンの小さな手が飛び込んだ先は、やよいのトレーナーに刻まれた『MARCH』のロゴ。 つまり、胸元である。 ぽふっ、という軽い音が一つ。 音に柔らか味が欠けていたのが、やよいにとって少しだけ残酷だった。 「うううっ、葛木先生~、どうしてそんなところにタッチするんですかー?」 「いや、違う。これはこいつが勝手に」 「はははっ、まあいいじゃねぇか。 コミュニケーションの苦手な相棒に代わって、俺がスキンシップを取ってやっただけのことさ」 やよいが頬を赤らませつつ困惑し、宗一郎が僅かに動じ、プッチャンが愉快に浸る。 「ううー、ひどいですプッチャン。私、ちゃんと手にしてほしかったのに……えいっ」 やよいはちょっとだけ怒った素振りを見せ、プッチャンの頬を軽くはたく。 すると、プッチャンは宗一郎の右手からスポッと飛び、そのまま地面に落下した。 「え……あ、あれ? ああ、ご、ごめんなさい葛木先生っ」 「……いや」 自分が弾き落としてしまったプッチャンを慌てて拾い、やよいは宗一郎の右手に嵌めようとする。 しかし、宗一郎は右腕を自分の背中に隠すことでそれを拒否した。 「え?」 「それは君に譲ろう」 「ええー? いいんですかぁ?」 抑揚のない声で、プッチャンをやよいに贈る宗一郎。 やよいはさっそく、プッチャンを右手に嵌めてみることにした。 宗一郎とは手のサイズがまるで違うが、やよいの手でも抜群のフィット感。 新しい玩具を手に入れた子供のように、やよいは童心のまま腹話術を試みる。 「うっうー! こんばんは、プッチャン! 今晩のおかず、アジ一匹でーす!」 「アジ一匹でーす、じゃねー! おい相棒! いきなりひでぇじゃねぇかー!」 「もげー!? 私、なにも言ってないのに、プッチャンが勝手に喋りましたー!?」 「気にするな。それはそういうものらしい」 「そうじゃねぇだろ! 出会ったばかりの相棒を捨てるなんて、おまえそれでも人間かコノヤロー!」 「右手が塞がっていてはいざというとき対処に遅れる。しかし……随分と可愛らしい声を出すのだな」 「んなー!? 笑った、おまえいま笑っただろう!? 顔じゃ笑ってなくても、心の中で笑っただろう!?」 「うっうー。なにがなんだかわかりません……私、実は腹話術の天才だったのかなぁ?」 宿主を宗一郎からやよいに移し、声質を少女のものに変えたプッチャンの怒声が響く。 プッチャンを単なるパペット人形としか思っていなかったやよいは、事態にただただ困惑。 宗一郎はそんなやよいへの説明すら放棄し、結局プッチャンが当人の声を借りて、やよいに説明する形になった。 ――理解が追いつく頃には、すっかり元気を取り戻したやよい。 アイドルとお喋りな人形、無愛想な男の三人組は、並び合って夜道を歩く。 三人の行く先には、一軒の巨大な建物が聳えていた。 博物館である。 ◇ ◇ ◇ 博物館内の電灯は、最初から点灯していた。 既に何者かが踏み入っているのでは、とも懸念したが、宗一郎を信じるにどうやらその線は薄いらしい。 いるとすれば、気配遮断を極めた隠密の者か……という言は、やよいにはよくわからなかった。 「しっかしなぁ……博物館っていうのは、恐竜の骨とか、船の模型とかが置いてあるもんじゃねぇのか?」 やよいの幼い声で、プッチャンが男らしく喋る。 言葉遣いと声質がまったくマッチしておらず、どこか舌足らずな印象を受けた。 「美術品や学術資料を展示しているケースが多いものだが……これも、そうだということだろう」 「うっうー……でも、どうしてこんなものがあるんでしょう? ひょっとして動くのかなぁ?」 「いやぁ……これは本物じゃなくて作り物だろう、さすがに……」 やよい、宗一郎、プッチャンの三者が見つめるのは、博物館に入っていきなり目に飛び込んできた展示品。 ドラム缶のような円筒形のフォルムに、取りつけられているのは二本のアーム。その先端にはドリル。 第一印象で捉えるならば、正にロボット……展示品の名を記すプレートから参照すると、『破壊ロボ』とあった。 「んでぇ、こっちのはなんだ? いや、あっちのダサいロボットに比べりゃ一目瞭然だけどよ」 「うっうー、ショベルカー、ですよね?」 破壊ロボから少し離れた地点には、また別の展示物。 ホワイトカラーに覆われた独特な車体は、工事現場などでよく見受けられる重機の一種。 ロボットなどに比べれば随分と一般的な、パワーショベルカーと呼ばれる代物が、そこに鎮座していた。 「『雪の名を冠さす少女が駆りし、伝説の機体』……おいおい、随分とご立派なショベルカー様だなぁ」 「ショベルカーって、いったいいくらくらいするものなんでしょうか?」 「この手の油圧ショベルなら、安いものでも三百万ほどはすると思うが」 「3000000円!? そんなにあったら、もやし祭りができちゃいますよっ!?」 「も、もやし祭りってなんだ……?」 「でもこれ、すっごく本物っぽいですけど……こっちは頑張れば動くんじゃ」 「頑張るって言ってもなぁ。おい相棒、おまえはこれ動かせたり……っておーい、勝手に先に進むなー!」 博物館の奥へと進む宗一郎の背を、やよいとが慌てて追う。 命を助けてもらった恩からだろうか。宗一郎と行動を共にすることへの疑問は、欠片も湧かない。 この人は味方。この人はいい人。この人といれば大丈夫。そんな安心感が、いつしかやよいの中で働いていた。 宗一郎の揺れる心とは、裏腹に。 ◇ ◇ ◇ 自分の背中をちょこちょことついて回る、アイドルの女の子と傍迷惑なパペット人形。 教師としての立場を考えるならば、他校の生徒であろうと守護の対象に加えるべき存在だ。 そんな常人の選択を、常人ではありえない宗一郎は、選び取ることができなかった。 (――殺し合い、か) こうやってやよいと行動を共にしているのは、仮の選択にすぎない。 殺し合いという現状を、葛木宗一郎という人間は、どう立ち回るか。 その決断は、まだできない。決断するための判断材料が不足しているからだ。 学園の生徒たる衛宮士郎と間桐桜を保護するか―― プッチャンの言う家族とやらを探してまわるか―― 高槻やよいを守りつつ彼女の知人を捜索するか―― 当面の選択肢はこの三つ。しかしこれは、どれも他者に用意されたものにすぎない。 人生のかかったゲームだ。選択肢は自らで調達し、自らの意志で選び取らなければならない。 なぜならば、ここには『指令』を与える者など誰もいないのだから。 「うっうー、待ってください葛木せんせーい」 この博物館の中に、宗一郎が選択肢を得るために必要な判断材料はあるのだろうか。 確率すらもわからない。あてもなく周旋する、旅人ならざる彷徨い人。 彼が答えを見つけ出す時は、いつか――? 【B-5 博物館/1日目 黎明】 【葛木宗一郎@Fate/stay night[Realta Nua]】 【装備】:なし 【所持品】:支給品一式 【状態】:疲労(小)。右肩に切り傷 【思考・行動】 1:博物館内を探索。 2:今後、どうするべきか考える。 3:高槻やよいを守る? 4:蘭堂りのと如月千早と菊地真を探す? 5:間桐桜や衛宮士郎に関しては保留。可能なら保護 ※自身の体が思うように動かない事には気付きました。 【高槻やよい@THE IDOLM@STER】 【装備】:プッチャン(右手) 【所持品】:なし 【状態】:肉体疲労(中)、精神疲労(小) 【思考・行動】 1:葛木先生と一緒に行動。 2:うっう~。千早さんと真さんに会いたいです。 046 求めなさい、そうすれば与えられる 投下順 048 クモノイト 045 まこまこクエスト~狸と筋肉とスライムと呪われし血脈 時系列順 049 胸には強さを、気高き強さを、頬には涙を、一滴の涙を。 001 Einsatz 高槻やよい 072 望郷 001 Einsatz 葛木宗一郎 072 望郷
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/787.html
97 名前: Fate/Ball TM 投稿日: 2007/08/09(木) 16 58 58 ――異様な光景だった。 まず飛び込んできたのが幾人もの死体、死体。死体。 傷だらけの死体。腕がもげた死体。・・肌が緑色の死体もある。――何故か全員、武道着を着用している。 「これは・・一体・・・」 事故?それとも病気?この荒野の中心で? 周囲を見渡す。 まるで隕石でも落ちたかのような穴、まるでサーヴァントの宝具がぶつかり合ったかのようにえぐれた大地。 荒々しく削られた大地は、事故以外の・・何かが起きた可能性を示していた。 丁寧にそれぞれの死を確認していくシロウ。だが彼の確認もむなしく、ここに生きている人間など一人もいないことがわかった。 「畜生。何故こんなことが・・・・!」 シロウ・・・。 いや、でもこれは・・。 「―――いえ、シロウ、まだ生きている人間の気配がします。こちらです!行きましょう!」 死体・・。必ず戻ってくるので、それまで放置していくのを許して欲しい。 ――これもまた異様といえば異様な光景だった。 生存者は5名。大怪我をしてるであろう男達が倒れ、中には丸裸の子どもまでいた。 一人だけ立っている小男が、這いずっている男にゆっくりながらも近づこうとしている。 「ぐ、ううっ・・・こ、このオレが・・ブザマだ・・・」 ずる、ずる、と球体まで這いずる男。――変な髪形の男だ。球体は前面が展開し、まるでカプセルのようになっていた。どうやらその傷まみれの男はそれに入りたいらしい。 そしてそれに止めを刺すべく剣を片手に迫る禿頭の小男。 「み、みんなのカタキだ・・死ねぇぇーーーー!!!」 「―――待つんだ!」 これから行われる殺人を止めようと大声を張り上げるシロウ。そして大きく目を開いて私達を見張る小男。 私達というイレギュラーの乱入に、周囲の空気が張り詰める。 「何をやってるんだ、お前は!その刀を放すんだ!」 「い、いや、これは・・・。いや、邪魔しないでくれ!こいつは、こいつは地球を滅ぼしに来たんだ!こ、こんな奴をかばわないでくれ!!」 シロウは殺人を許さない。例えどんな理由であろうと止めようとする。だが――今度ばかりはそれが裏目に出たようだ。 小男が私達に注意を払った隙に、這いずっていた男は球体へと乗り込んだ。 「ク、クククッ・・・バ、バカな地球人どもめ・・・。傷を癒し、ナメック星のドラゴンボールで不老不死を手に入れたら、す、すぐまた来てやるぜ・・・。それまでせいぜい楽しむんだな・・。ク、クク、ハッハッハッ・・・」 「ま、待てっ!ベジータ!!」 無情にも小男の叫びは届かず、球体の前面は閉じ、何の前触れもなく球体が浮いて空へと飛び去っていった。 98 名前: Fate/Ball TM 投稿日: 2007/08/09(木) 17 25 56 男が乗った球体は去っていった。 あれは・・何だったのだろう?私達を地球人と呼んでいたが・・。 私とシロウがこの出来事の考察に耽っていると、それまで虚空を睨んでいた小男が私達に視線を落とし、声を張り上げた。 「な、な、な、なんてことをしてくれたんだ、あんたらは!!あと・・あとちょっとで止めを刺せたのにっ!!!」 小男の叱責に驚く私達。確かに・・・事情がわからないというのに、手出しをするべきではなかったかもしれない。あの這いずる男―――小男が言うにはベジータという名前らしいが、そのベジータなる人物には邪悪な気配が感じられた。もしかすると・・私達は大変なことをしてしまったのかもしれない。 「い、いや、でも、あれ放っとくと殺してたじゃないか。どんなことがあっても殺人はよくないぞ」 「バ、バカヤローー!!あんたは奴のことを知らないからそんなこと言えるんだ!あ、あいつは・・あいつは・・」 (もうよさねぇか、クリリン) いきなり。 心の中から声が聞こえた。 このことは小男も驚いたらしく、私達と一緒に目を合わせている。 「ご、悟空か?お、お前の声が心に伝わってくるぞ・・?」 (あぁ。でもよ、クリリン。実は、さ、その人達が止めなくってもオラがおめぇを止めるつもりだったんだぜ?) 「しょ、正気か、悟空!?あいつは・・ヤムチャさんや天津飯、チャオズ・・しかもピッコロまで。―――ピッコロが死んでしまったから、神様も死んでドラゴンボールが石になり、みんな生き返れないんだぜ・・・?」 (あ、ああ、わかってる。でもよ、オラ思ったんだ。もったいねぇって。しょ、正直ビビったよ。オラは界王様のとこで修行して頂点を極めたつもりでいた。で、でも・・あのベジータはそんなオラを軽く超えるほどの強さだった) 「・・・・・・・・・」 (だ、だからさ。今度あいつが来た時はもっと強くなって絶対に負けねぇからさ・・。約束するよ) 「・・悟空。今度あいつが来たらチョイチョイっとやっつけてくれよ」 倒れている男・・ゴクウを見る。 遠くから見ても彼は重症だとわかる。でも・・・心なしかその顔は穏やかだった。 シロウは・・どことなく気まずそうだ。先程の会話を見る限り、彼らは悪人ではなかった。彼らを邪魔してしまったのを後悔してるのだろうか。 「とりあえず手当てをしましょう。特にゴクウ。ひどい重症ですよ。一刻を争います」 99 名前: Fate/Ball TM 投稿日: 2007/08/09(木) 18 02 43 病室。 そこでは包帯に巻かれたクリリンとゴハン、妙な器具の中に入ったゴクウが居た。 「へ、へへ。オラの体、治っても元通りに動けるか保障できねぇってよ・・」 ゴクウの体はどうしようもなかった。 あの後迎えに来たゴクウの身内によって急いで病院へと運ばれたが、彼の体は既に何を施そうと無駄なほど壊れきっていた。 「だ、大丈夫ですよ、セイバーさん。仙豆っていう豆を食べればお父さんの傷は治りますから。・・でも仙豆が新しく収穫できるまで時間が掛かるらしいですが・・」 というのはゴクウの子息であるゴハンの言。 仙豆・・・聞いたことがないが幻想種の植物か何かだろうか?食べればどんな傷でも治るらしい。 「でも・・生きていてくれて良かったよ。その仙豆ってやつを食べればまた動けるようになるんだろ?」 私とシロウはちょっとした縁から彼らのお見舞いに来ていた。彼らの邪魔を知らずにしてしまったという負い目もあったが・・・。 そしてその間、様々な話が聞けた。 まず第一に――――ドラゴンボール。 これには本当に驚かされた。七つの玉を集めればドラゴンが出てきてどんな願いも叶えてくれる・・。 世界中に散らばった玉を集めなければいけないという手間はあるものの、聖杯戦争に比べて圧倒的なローリスクで願いが叶われるのだ。このような物があったことに、心底驚かされた。ともすれば昔、私が命じた聖杯探索の発端は、このドラゴンボールの噂が変形して伝わったからかもしれない。 そして・・・汚染された聖杯では叶わなかった願いも・・・叶う可能性がある。 このことは私を大きく揺るがせた。 かつて諦めた王国を救うという夢。それがドラゴンボールによって果たすことができるのかもしれないのだから。 だがこの地球上では消えてしまったと聞いて落胆したが、続いてナメック星という所にあるかもしれないという話を聞き、再度私を迷わせた。 どうやらゴハンとクリリンは仲間を生き返らせてもらう為にナメック星へ向かうらしい。 これは決して手の届かない夢物語ではない。もし本当なら・・・私は・・・。 「私もそのナメック星という所へ一緒に行きます。・・・フフ、大丈夫、私は強いですから頼りになりますよ?」 ナメック星に行くフェイトメンバーを決めます。宇宙船は確定メンバー以外は三名までしか入れません。先に一人2票入ったら確定。 1、衛宮士郎 2、アーチャー 3、遠坂凛 4、間桐桜 5、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 6、バゼット・フラガ・マクレミッツ 7、ランサー 8、キャスター 9、バーサーカー 10、ライダー 11、間桐慎二 12、間桐臓硯 13、アヴェンジャー 投票結果 1 2 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0 7 1 8 2 9 0 10 0 11 2 12 0 13 0
https://w.atwiki.jp/yaranaio/pages/32.html
長編 ホロ やるやらホロナギが食べ歩くようです グルメ やる夫が騎士団に入団したようです 元ネタ有り:ヴィーナス&ブレイブス やる夫blivion 元ネタ有り:The Elder ScrollsⅣ: Oblivion やる夫が不思議町の住人になるようです。 元ネタ有り:足洗邸の住人たち ヒロイン:雪華綺晶・セイバー・ホロ ナギ やる夫と静かな非日常 オリジナル コトコト煮の短編をあなたに やらない夫のサラリーマン哀歌 オリジナル やらない夫の月は綺麗なようです オリジナル ヒロイン:雪華綺晶・やらない子・ナギ・弱音ハク・チンク 逢坂大河 やる夫達は広島でB級グルメを食べ尽くすようです グルメ 完結済み やる夫たちは文化祭でバンドるようです オリジナル 完結済み やる夫達は広島でB級グルメを食べ尽くすようですの続編 やる夫達は様々な事から卒業するようです オリジナル 過去ログ直リンク やる夫たちは文化祭でバンドるようですの続き やらない夫は猫を拾ったようです オリジナル R-18 バラライカ 愛のやらバラ日記 オリジナル 完結済み やる夫は自分らしく生きるようです 元ネタ有り:シャドウハーツ2 紅月カレン やらない夫は教師になるようです 元ネタ:サモンナイト3 ヒロイン:巡音ルカ・シグナム・ルイズ・紅月カレン・ティアナ やらない夫達は捻れた世界にいるようです オリジナル 過去ログ直リンク ナナリー・ヴィ・ブリタニア やらない夫は学生映画を作るようです オリジナル C.C やるなぎ 元ネタ有り:短編「よめなぎ」 アイギス あっぱれやらない夫 元ネタ有り:戯曲『あっぱれクライトン』 ヒロイン:水銀燈 やる夫が混沌に立ち向かうようです 元ネタ有り:TRPG ウォーハンマー ヒロイン:アイギス・麻呂重 ルイズ やらない夫は教師になるようです 元ネタ:サモンナイト3 ヒロイン:巡音ルカ・シグナム・ルイズ・紅月カレン・ティアナ やらない夫で TALES OF THE END のようです オリジナル ヒロイン:ルイズ、読子・リードマン かえってきた やらない夫 オリジナル(2次創作SS元作) ヒロイン:ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール やらない夫板直リンク グラハム やらない夫のペルソナ4 元ネタ有り:ペルソナ4 完結済み ヒロイン:薔薇水晶・霧雨 魔理沙・小早川 ゆたか・星野 ルリ・菊地 真・ナタル・バジルール・亞里亞・グラハム やる夫はミステリー調査部の部長のようです オリジナル 完結済み ヒロイン:秋山澪(・グラハム) 乱崎凶華 やらない夫は天使の彫像を彫るようです 元ネタ有り:Sound Horizon 完結済み 綾波レイ やらない夫が美少女なロボットと同棲するようです 元ネタ有り:My Merry May 完結済み ヒロイン:綾波レイ・翠星石 僧侶 高校球児やる夫 スポーツ 完結済み エリー やる夫で学ぶ陶芸入門シリーズ 学ぶ系シリーズ物 構成は以下の通りやる夫で学ぶ陶芸入門 やる夫で学ぶアロマテラピー入門 やる夫で学ぶビリヤード入門 やる夫がカリブ海で大統領になったようです元ネタ有り:トロピコ ~南の島の楽園~ やる夫で学ぶ電子タバコ入門 やる夫がピーターラビットになったようです やる夫で学ぶダーツ入門 ゼオラ・シュバイツァー やる夫がメールのせいで大忙しなようです 元ネタ有り:ペルソナシリーズ 鑑純夏 やる夫がカウンタックを手に入れるようです・やる夫がカウンタックを手に入れたようです 元ネタ有り:漫画『カウンタック』 鋼鉄ジーグ 初代ジー子・ジャパン オリジナル グゥ やらない夫が少女に罵られながら 女の尻を追いかけるようです 元ネタ有り:サンサーラ・ナーガ2 完結済み 伊藤伸恵 やらない夫は嘘をつかない オリジナル 完結済み エリカ・フォンティーヌ やる夫がドラゴンクエスト5の勇者?になるようです 元ネタ有り:ドラゴンクエスト5 完結済み 関内・マリア・太郎 やる夫がドラゴンクエスト5の主人公のようです 元ネタ有り:ドラゴンクエスト5 完結済み エルルゥ やらない夫が竹中半兵衛になるようです 歴史系 フレーム使用ホーム 直リンク シェリル・ノーム やる夫は憂いを取り去る者 元ネタ有り:ブルーブレイカー クラン・クラン やる夫は転校生のようです 元ネタ有り:東京魔人學園剣風帖 レヴィ やる夫はハートに火をつけるようです 元ネタ有り:牧場物語3 ファルネーゼ やらない夫が破滅の剣を手にするそうです 元ネタ有り:ヴァンダルハーツ イカ娘 やらない夫と幻の大地 元ネタ有り:ドラゴンクエスト6 星野ルリ やらない夫のペルソナ4 元ネタ有り:ペルソナ4 完結済み ヒロイン:薔薇水晶・霧雨 魔理沙・小早川 ゆたか・星野 ルリ・菊地 真・ナタル・バジルール・亞里亞・グラハム 菊地真 やらない夫のペルソナ4 元ネタ有り:ペルソナ4 完結済み ヒロイン:薔薇水晶・霧雨 魔理沙・小早川 ゆたか・星野 ルリ・菊地 真・ナタル・バジルール・亞里亞・グラハム 亞里亞 やらない夫のペルソナ4 元ネタ有り:ペルソナ4 完結済み ヒロイン:薔薇水晶・霧雨 魔理沙・小早川 ゆたか・星野 ルリ・菊地 真・ナタル・バジルール・亞里亞・グラハム ナタル やらない夫のペルソナ4 元ネタ有り:ペルソナ4 完結済み ヒロイン:薔薇水晶・霧雨 魔理沙・小早川 ゆたか・星野 ルリ・菊地 真・ナタル・バジルール・亞里亞・グラハム ベール=ゼファー やらない夫は数奇な人生を歩むようです 元ネタ有り:ドラゴンクエスト5 ヒロイン:ベール=ゼファー・エヴァンジェリン・桜木茉莉 エヴァンジェリン やらない夫は数奇な人生を歩むようです 元ネタ有り:ドラゴンクエスト5 ヒロイン:ベール=ゼファー・エヴァンジェリン・桜木茉莉 桜木茉莉 やらない夫は数奇な人生を歩むようです 元ネタ有り:ドラゴンクエスト5 ヒロイン:ベール=ゼファー・エヴァンジェリン・桜木茉莉 読子・リードマン やらない夫で TALES OF THE END のようです オリジナル ヒロイン:ルイズ、読子・リードマン 遠野秋葉 やる夫はフラグクラッシャーのようです オリジナル 桂言葉・間桐桜・竜宮レナ・遠野秋葉 麻呂重 やる夫が混沌に立ち向かうようです 元ネタ有り:TRPG ウォーハンマー ヒロイン:アイギス・麻呂重 イブ(金色の闇) 牧場スローライフ オリジナル 過去ログ直リンク ヒロイン:蒼星石・柿崎めぐ・竜宮レナ・北条沙都子・金色の闇(ToLoveる) シオン・エルトナム・アトラシア やらない夫は経済帝国の影を生きるようです 元ネタ有り:シャドウラン2版 ヒロイン:やらない子、シオン・エルトナム・アトラシア 秋元こまち やらない夫のワールドネバーランド 元ネタ有り: ワールド・ネバーランド ~オルルド王国物語~ ヒロイン:黒井ななこ、イリヤ、秋元こまち、フェイト・テスタロッサ、アイビス・ダグラス アイビス・ダグラス やらない夫のワールドネバーランド 元ネタ有り: ワールド・ネバーランド ~オルルド王国物語~ ヒロイン:黒井ななこ、イリヤ、秋元こまち、フェイト・テスタロッサ、アイビス・ダグラス 三千院ナギ やる夫はアンデッドを封印するようです 元ネタ有り:仮面ライダー剣 速水厚志 兄、ちゃんとしようよっ! 元ネタ有り:姉、ちゃんとしようよっ! ジェレミア・ゴットバルト 兄、ちゃんとしようよっ! 元ネタ有り:姉、ちゃんとしようよっ! 音無小鳥 やる夫がフラグの塔をのぼるようです 元ネタ有り:アザーライフアザードリームス リリアーヌ(怪物王女) やる夫たちは凸凹カップルのようです オリジナル シャナ やる夫はみんなに狩られるようです オリジナル ヒロイン:セイバー、シャナ、琴吹 紬
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/6045.html
もぐもぐ。 解説 ころうばのうp主めーじん氏がデータクラッシュからのリハビリとして開いた大会。 基本はチーム戦だがいくつか独特のルールが入っている。 2011年10月29日、完結 ルール 参加キャラクラーは大将候補(以下ネクロマンサー)として12人。中堅・先鋒候補(以下ゾンビ)として24人の計36人。 まず、抽選王を使用してこれらのキャラで3人1組のチームを12チーム形成する。 その後は、ランセレによりチーム間対戦を繰り返し、最後の1チームになるまで戦う。 脱落は以下の特殊ルールで判定される。 各キャラはライフポイント(以下LP) ネクロマンサーは3、ゾンビは2がLPの初期値となる。各キャラはラウンドを落とすとLPが1減少する。 ゾンビは、ゾンビ・ネクロマンサーからラウンドを取ると、もぐもぐ。してLPが1回復する。 ゾンビがゾンビによりLPを0にされると全部もぐもぐ。されて成仏する(キャラが大会から除外される)。 ネクロマンサーがゾンビのLPを0にするとLP1の自分の下僕にすることが出来る。 ネクロマンサーがネクロマンサーにLPを0にされると全部もぐもぐ。されて下僕諸共昇天する。 ネクロマンサーがゾンビにラウンドを取られると、もぐもぐ。感染されてLP 1のゾンビチームになる。 チームは最大4人。ゾンビの序列はLPの低い順に先鋒から。同値の場合は前の序列順を優先。 下僕が4人を越えると一番LPの低い下僕を生贄にささげて新しい下僕が加入する。この際に、ネクロマンサーのLPが1回復する。 ネクロマンサー + ... 間桐桜 モーラ 天草四郎時貞 ワラキアの夜 テスタメント ゴッドルガール ダンテ 神楽那由他 ブロントさん 毛利元就 アンジェリア アミバ ゾンビ + ... アドラー ムラクモ ヴァイス ジル 豪血寺お梅 豪血寺お志摩 沙耶 翡翠 黒河雲母 八神庵 麟 A.B.A 羅刹丸 ミラ マリア レイレイ 朧ビシャモン ジャギ P3主人公 織田信長 スコーピオン 藤原妹紅 八雲紫 汚い忍者 関連大会 ころしてでも うばいとる ばとる おやつトーナメント【間食】 ころしてでも うばいとる ばとる2 コメント 今度はPCふっとばないといいな。 -- 名無しさん (2011-08-25 14 30 34) 大将ゲーで勝ってもおいしくないタイミングがほとんどなのはわざとなんだろうな -- 名無しさん (2011-08-25 18 28 58) 大将無双=配下ゾンビLP減りまくりだからただ生き残ったってだけでチームとしては得があまりない。ゾンビが増えてあふれないとネクロマンサーのLPが回復しないルールがいい感じだな -- 名無しさん (2011-08-28 15 43 23) 大将間の強さにちょっと差があるような気もするけどな -- 名無しさん (2011-08-28 20 31 58) ゾンビを奪うタイミングが難しいな、ネクロマンサーに当たる前に大抵前のゾンビ倒してるはずだからLP1のゾンビに遭遇しない -- 名無しさん (2011-09-01 22 25 09) まさか、アンジェがジャギ付とは思わなかった。さすがにネクロマンサー同士の強さはもう少し統一しておいて欲しかった -- 名無しさん (2011-09-10 21 59 45) ぶっちゃけついててもついてなくてもバリバリの凶だぞアンジェ。 -- 名無しさん (2011-09-13 14 31 32) 現状、桜はあの2人で乗りきるしかないな…多分紫が強すぎてゾンビの強奪は無理臭い。 -- 名無しさん (2011-09-15 15 06 47) ライフゼロよりソンビ化のほうが優先されるのか。そのほうが面白くなるって判断なのかな -- 名無しさん (2011-09-17 20 23 08) LP1の下僕複数のチームは数が有ってもいつ窮地に立たされるか分からない 一気に2人チームから居なくなるのなんて稀じゃないのが怖い -- 名無しさん (2011-09-17 21 45 18) 那由他がどんどんゾンビ仲間増やしまくってるw -- 名無しさん (2011-09-24 21 18 02) 那由他が疫病神すぎるw -- 名無しさん (2011-10-02 14 52 16) 生き残りすくねえwゾンビばっかw -- 名無しさん (2011-10-02 16 10 29) 感染拡大とはよく言ったものよ…… -- 名無しさん (2011-10-02 17 29 50) 那由他負けて先鋒になってから大暴れだな。そして移動しまくりだなw -- 名無しさん (2011-10-02 17 47 13) 今回だいぶ動いたな -- 名無しさん (2011-10-08 10 04 11) なゆたおつかれさまでした。 -- 名無しさん (2011-10-08 16 00 35) なゆたはまさしくMVPだったなw -- 名無しさん (2011-10-10 23 43 54) 新作 あと1回で終わりそうね -- 名無しさん (2011-10-14 15 20 03) 一発の試合でここまで形勢が変わるとはなあ。色々もう読めない。そしてこの大会が初代天草となゆたの知名度貢献に繋がって他でも見られるようになればいいなって思う今日この頃 -- 名無しさん (2011-10-15 00 09 09) 中盤戦以降が望外に面白い -- 名無しさん (2011-10-15 01 42 21) ネクロゾンビ取って安泰かと思ってたら一試合で窮地だからな。ワラキアも決して安泰とは言えない状況だ -- 名無しさん (2011-10-15 02 06 44) 同じ作者だから仕方ないことだが M AM Aうるせぇな -- 名無しさん (2011-10-23 18 46 58) ほぼ一騎打ちプラスはぐれ一匹になったな。 -- 名無しさん (2011-10-23 19 04 37) そして誰もいなくなった -- 名無しさん (2011-10-29 16 01 31) うん EXやった時に嫌な予感してたんだよ畜生w -- 名無しさん (2011-10-29 17 17 42) 結論:結局はころうば2への前哨戦に過ぎない大会だった (本音:第六天魔王とナユタには盛大に笑わせてもらいましたw) -- 名無しさん (2011-10-29 20 33 47) MV -- 名無しさん (2011-10-29 21 13 19) 間違えた MVPはなゆただよなこれwあいつのせいでカオスになったしw -- 名無しさん (2011-10-29 21 13 31) 結論:M A再結成したかっただけ -- 名無しさん (2011-10-29 22 21 48) アンジェ何試合ぶりの活躍だったんだろうw -- 名無しさん (2011-10-29 22 53 22) テスタってあんなに設置張れたんだなwww -- 名無しさん (2011-10-29 23 52 47) ジャギ様が嬉しそうで何よりwwwwひそかにゾンビエンド期待してたが実現するとはw -- 名無しさん (2011-11-01 13 50 54) 那由他・忍ブロ対決・3タテとポーションの天魔王、モーラの奮闘などなど見所が多くて楽しい大会だったなw -- 名無しさん (2012-03-30 03 25 44) 最近このトーナメント見つけて最後まで見たけど楽しいなこれwwwテスタはカレーループ自重してもよくやったよ・・・ -- 名無しさん (2013-08-15 22 52 23) 名前 コメント マイリスト
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/6343.html
大半の動物がペットになりそうにない気がするけど、そんな事を気にしてはいけない大会 解説 魔界杯の作者である無双丸氏が送るタッグ大会。ブリーダーと動物?たちが協力して戦いを繰り広げる。 なおマイリスのコメントによると【ゆっくり主催】お前ら動物園に来るなタッグトーナメントをリスペクトして作られているらしい。 大会の手順 ランセレでブリーダーと動物を選択して、ブリーダーと動物のタッグを2組作る。 作ったタッグ同士で戦闘。なお、動物がブリーダーより先に死んだ場合、ブリーダーのライフは0になる。 無事戦闘で勝利して、かつブリーダーが生存している場合には、チャンスタイムに突入する。 チャンスタイムではタッグを組んでいた動物と1対1で直接対決を行う。 チャンスタイムでブリーダーが動物に勝利した場合は、ブリーダーとその動物は固定タッグになる。固定タッグになると能力などが強化される。 一度戦ったキャラはランセレからしばらくの間除外される。また勝ち残ったキャラはAリーグに留まるが、負けたキャラはBリーグになる。 再びランセレに復活した後は、再び戦闘して勝敗によってリーグを分かれていく。その際に固定タッグのいないブリーダーは再びランセレで動物を選択し、この手順を繰り返す。 Bリーグで敗退すると脱落となる。またブリーダーに2回勝利した動物も、ブリーダーに愛想を尽かしてランセレから除外される。 出場選手 各キャラ細かく調整がされているので注意。 + ブリーダー カワイマン プリエ 川澄舞 エトナ マローネ アーサーなんだぜ? 魔法剣士(ディスガイア) 妹(うろブラ) タツオ 緋雨閑丸 先代巫女 ミラ・ミシアーノ アサギ アオバ 男 テリー・ボガード ヴァイス クラリーチェ・ディ・ランツァ ゼニア・ヴァロフ リリカ・フェルフネロフ 美凰 朱鷺宮神依 廿楽冴姫 愛乃はぁと リーズバイフェ・ストリンドヴァリ 両儀式 蒼崎青子 シオン・エルトナム・アトラシア 制服秋葉 間桐桜 白井黒子 ナイア・ルラトホテップ 空条承太郎 DIO ダンテ シャオ・カーン キワミ けんちゃん CCO 師範4P カルマ ジョイメカヒスイ オトナシ ルシェカ アナザーブラッド 水原奈優 スク水ゆうかりん イングリッド + 動物 1 犬枠 レオパルドン きゅうきょくキマイラ わんわん ワンワン イギー シナモン いぬさくや このは 2 猫枠 ぬこアルク ネコカオス・ブラックG666Mk2 フェリシア (´・ω・`) T.A.C. ねこ セフセフなレンたん 塩レン 3 鳥枠 ペリカン 天魔様 プリニー プリニーアサギ 十得制御棒うにゅほ いろは ペットショップ 音速丸 4 ドラゴン枠 FF5神竜 ブラッドヴェイン 恋するドラゴン グリゼラ kuro dragon リューゲン 5 ネズミ枠 ボン太くん ソニック・ザ・ヘッジホッグ 6 海洋生物枠 Primeus アノマロカリス イカ娘 カモノハシのハッシー(ビーバー) すけとうだら クレイクロウ 7 蟲枠 ガーゴイルキューブ ニャッキ ぽんこつ魔王 ダーマ FWガイガン(カマキリ) メガロ 8 牛枠 モーモー・ダイナマイツ ゾッド オックス バイソン(ベガ) 9 豚枠 鈴々 クリーパー ぶりぶりざえもん こぶた 10 うさぴょん枠 EXウサピー ヤコプ デップーイナバ ウサピー 11 蛇枠 デス=アダー オロチ(戦国ランス) シュリセル ゲーニッツ 12 サル&ゴリ枠 エイプマン ウゴカザル ソンソン キングコング 13 植物枠 エイリアン・グリーン ビオレンテ アダツボミ アミンゴ 14 ナマコ枠 ナマコ クリーパー 15 熊枠 アナログマ クロウベア 16 パンダ枠 白湯 ホイホイ 17 お徳用枠 セクメト ネロ・カオス 18 たぬき枠 たぬき ポンタ 19 獣人枠 フェリル ガロン 20 トカゲ枠 スペースゴジラ ハウザー ゴジレン バーティゴ ディアブロ ゴルゴン タロン アロサウルス その他 いたち きりん ぞう クッパ しかと きつね デュアルヘッド・モケーレ・ムベンベ 動物番長 関連大会 【ゆっくり主催】お前ら魔界でやれタッグトーナメント 人間界軍vs魔界軍 人間界争奪ランセレ勝ち抜き決戦 お前ら魔界でやれチームトーナメント 動物と一緒にタッグトーナメント タッグで挑め!魔界サバイバルレース チームで駆け抜けろ!魔界サバイバルレース 手書きキャラonlyトーナメント ペットを大切にしない奴は死ねトーナメント ペットを大切にしない奴は死ねトーナメント愛情デカ盛りLOVEMAX! win 新MUGEN交流戦!ワイド画面でタッグトーナメント ポイント争奪!MUGEN学園バトル ばけものフレンズ大会 愛と拳とジャパリまん 並盛りシングルトーナメント サイドメニュー コメント + ネタバレ注意 暇になるまで待ってもページが出来なかったらページ作ろう、とか思ってたら、ページ作った時には既に大会終盤になってたけど気にしてはいけない件。自分が応援してたタッグをとっくに落ちてたけど気にしては(ry…まずいところやミスがあれば修正お願いします。 -- 名無しさん (2011-12-29 14 22 50) シナモンのやばさに驚く動画。 -- 名無しさん (2011-12-29 15 24 19) ページ作成乙! -- 名無しさん (2011-12-29 19 31 10) 面白い大会だから作るか作るまいかでやきもきしてたところだった。作成乙。 -- 名無しさん (2011-12-29 20 50 16) 記事作成ありがとうございます -- 夢想丸 (2011-12-29 21 58 18) ↑ 今年一年楽しい動画をありがとう!毎度の神展開とBGMには腹を抱えて笑いました -- 名無しさん (2011-12-29 23 23 41) ビオレンテやシナモンが活躍していて嬉しいなぁ -- 名無しさん (2011-12-30 02 02 41) まさかの怪獣対決 -- 名無しさん (2011-12-30 11 53 53) 強豪が結構落ちたな、桜とシナモンに勝てそうなのいるのか -- 名無しさん (2011-12-30 17 04 09) 白黒もおかしいがビオレンテもタッグ相当強いな、単体だと精々強か凶下位もいかないレベルだとは思うんだが -- 名無しさん (2011-12-31 04 12 16) 動物側このままだと多数出番なしで終わるなこれ。つうかもう出番なし確定? -- 名無しさん (2012-01-02 21 20 36) ついに終わったか。 -- 名無しさん (2012-01-04 16 26 17) フェリルの回復がずるいっていう意見が多いけど、「いかに強いペットを獲得するか」もこの大会の醍醐味の一つだからこの大会では文句はお門違いだよな。 -- 名無しさん (2012-01-04 20 17 30) 奈優も獲得戦で、あの木を出された上で勝ったわけだしな -- 名無しさん (2012-01-04 20 36 47) まあ、このシリーズは如何にも「撮り直しはない」と思える展開でその点良かった -- 名無しさん (2012-01-05 18 39 40) 「白黒デモーニッシュ」を巡って荒れてる件。 -- 名無しさん (2012-01-05 19 16 47) 最終回動画見たが、それ関係のコメがひとつも見当たらない件について・・・どっかのスレかなんかか? -- 名無しさん (2012-01-05 20 02 55) デモーニッシュ関連での動画タグの埋め立てとかが起ってるっぽいね -- 名無しさん (2012-01-05 20 41 59) 明日からサバイバル形式の大会を開きます。楽しんでいただければ幸いです -- 夢想丸 (2012-03-02 12 13 41) 期待してます。今回も人外多めかな? -- 名無しさん (2012-03-02 12 56 06) ↑2人間界軍VS魔界軍の動画はもう見れないんでしょうか? -- 名無しさん (2012-03-02 23 36 54) ヒャッハー!楽しみにしてまーす。 -- 名無しさん (2012-03-03 15 23 35) 名前 コメント マイリスト
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/7743.html
解説 ありそうでなかった、ビンゴゲームのルールに基づいた大会。 狂上位~狂最上位のキャラが中心となっている。 ルール 女性のみのREDチームと男性のみのBLUEチームによる対抗戦。 試合は制限時間99秒、2ラウンド先取のシングル戦。 ゲームの流れ まず両チーム共にランダムで25人ずつ選び、5×5のマスに配置する。 25人の中からランダムで1人ずつ選び、試合を行う。 負けたキャラは一旦脱落となり、そのキャラに勝ったキャラが負けると復活できる。 復活は1ゲーム3回までで、3回負けると次のゲームには参加できない。 負けたキャラが1列以上揃うと列の数だけ相手側にポイントが入り、次のゲームに移る。 先に5ポイント取ったチームが優勝となる。 出場選手 + REDチーム 選手名 キャラ製作者 カラー 備考 孤独な美凪さん rakurai氏 5P AILv 5 アンジェラ dkn氏 12P 紅蓮の魔導師出現 黒衣玖V2 piyo氏 12P 弾幕Lv 3、召喚AILv 2 ブラッド秋子さん 作者不明 11P 聖なるセシリア melt氏 1P 精霊化・時止・TU回復 OFF、与ダメ追加 シャルロット masquer氏 - ファンタズマ氏AI、AILv 9 ドラノール・A・ノックス シロト氏 12P エレシュキガルEASY EINZBERN氏 11P ハレイムクラニ パピット氏 12P クリスマスチキンの代用品使用率高、マネートラップモード Hei_F FLAM氏 12P キャンセルコストなし、性能変化3 アイドル翡翠 夫氏 7P 喰らい抜け頻度多め 星影 stupa氏 12P 魔界公式モード、ドクロ減らない 右代宮朱志香 シュウ氏 12P ジョーカー式 解体夜氏 9P AILv 11 Julius Emery macbeth氏 9P AILv 11 カルマ 獅子堂久遠氏 9P AILv 10 KENDOU 影縫氏 12P 小悪魔AC 1/8192氏 11P AILv 11、11P向けオプション設定 黒リムカスタム 黒い鳩氏 10P AILv 5-3-3 Lord of library 紅毛玉氏 12P AILv 6、イントロ賢者の石発動 魔砲少女青子 駄菓子菓子氏 7P 春日舞織 アフロン氏 - 蜂百合氏AI、AILv 10、性能変化3火アルカナ固定、姉妹が勝手に率最大 間桐桜 六雪氏 - ボスモード、全ゲージ回復、開幕巨人 先代巫女(心綺楼風ドット) プレート氏 1P 熄癈人氏強化パッチ、微強化、全攻撃ガード不可耐久UP 桃レン サクラ氏 11P AILv;3 ニルヴァーナ Lates氏 11P 影縫氏強化パッチ ペトラ・ヨハンナ・ラーゲルクヴィスト Ina氏 - 蜂百合氏AI、AILv 10、性能変化3時アルカナ固定 possibility of Chizuru tokage氏 11P リヴァイヴァー まるがお氏 1P 復活なし、狂モード R久那妓 lunatic氏 10P Sレミリア 熄癈人氏 1P 自重、AILvUPなし シューティングスター魔理沙 軟骨カレー氏 11P Spera みかえる氏 5P スピーディースーサイド A.c.c.氏 7P DISRUPTER Kaixa氏 12P AILv 6 聖帝空 amimba氏改変版 - オプション全開 T椛2nd tmtm氏 11P AILv 10 ティセ-WB 深山氏 1P AILv:7、紙モード、自爆あり、フライング強化、小人と光球なし 朱鷺宮神依 匿名スマブラー氏 9P AILv:5、攻撃補正なし 幽香ちゃん oga氏 10P + BLUEチーム 選手名 キャラ製作者 カラー 備考 Aアギト aaa氏 10P アレンジカイン A.c.c.氏 1P AILv:2、フライングペナルティLv:2 アレンジマリオ SuperMario193281氏 4P アスラ しもつき氏 9P 暴走アレックス 影縫氏 12P バルバトス・ゲーティア クロガネ氏 7P 剛体20 Crazy-Catastrophe 熄癈人氏 1P 自重、%n・Pバグ・親捏造・時止・専有超必以上・輪廻・因果・死誘・狂爆全て封印 ドクオ サクラ氏 12P AILv:3 fh-Mr.Karate huolisi氏 7P ディオボロ氏改変パッチ、ストライカー登場頻度:2ストライカーMr.カラテ封印、胡散臭さ:3 ゴッドアーデルハイド 608氏 12P DLS氏AIパッチ 超サイヤ人4ゴジータ SHELD氏 10P オカチャンマン氏AI、覚醒復活なし 波動ケン SAMSARA氏 1P 服部半蔵 Masquer氏 - ファンタズマ氏AI、AILv:9身代わりの術:全てON・確率1 Hige しげふらいど氏 1P イオリミックス 黒い鳩氏 5P AILv:11 ジョンス・リー キシオ氏 11P Lv60氏改変パッチ、AILv:11、一撃制限撤廃 K-カービィ 車掌B氏 10P AILv:10 限界突破ブロリー かませ氏 5P AILv:5、LSSJモードスタート ルイージ閣下 STG氏 2P TU回復以外の全スイッチON、ダメージ制限350 マスタークリス humi氏 - 軟骨カレー氏AIパッチ、AILv:2、強化2 マスターダルトン 漢氏 7P マガキEX こんちゃん氏 7P マスターゴッドリュウ M@kUBEX氏 12P aaa氏強化パッチ、ストライカーあり 機皇帝ワーロック∞ kuron氏 9P Mr.Dragon-JC DLS氏 6P 無界3 KAMUI氏 9P 剣聖ムラクモ 駄菓子菓子氏 3P 覚醒条件軟化 七夜葬志貴 STYM氏 3P PKおとこ スターマン・センゾ氏 11P 猛禽王ペットショップ 雑魚氏 - ルガール2nd fxm508氏 12P 作者不明AI リョウ・サカザキ ポポポンタ氏 12P 聖霊サラマンド (笑)氏 8P AILv:6、3ラウンド限定解除、覚醒なしフライングペナルティあり シン 平成㌢氏 12P AILv:11、死兆星・バスケ・ムテキング ショボーンSF サクラ@氏 9P AILv:11 トキ シュウ氏 12P AILv:12、指先一つでダウンさモード ベガEX PotS氏 11P 123456789氏改変パッチ、論外化OFF、バリアON 吹き荒ぶ旋風のゲーニッツ モジャック氏 11P AILv:4、EXやみどうこくノーゲージON 美しい斬鉄Hard Silverstar氏 7P 暁絶N 十字星Nkz氏 12P Try氏AI、AILv 6、ファイナルベロシティ制限2喰らい抜けあり、ゲージ上昇2対狂モードII、威霊の錬成具・真夜の錬成具2無常の太刀Lv4以上1、ファイナルベロシティ脳2 コメント なんか…すいません。 -- はいうぇい (2014-06-28 17 55 51) 露骨に強化キャラを勝たせていて残念な大会 -- 名無しさん (2014-10-11 08 33 11) 庵MIXは超強化の分類だからしょうがないのさ -- 名無しさん (2014-10-11 19 08 36) まずOPの段階で散々指摘されていたバランス崩壊をそのまま押し切って始めた時点でね…狂中位上限くらいのキャラと狂最上位がハンデなしで混ざっている絶望 -- 名無しさん (2014-10-11 21 56 21) キャラ交代で参戦した改変ヴァネッサはリドミ詐欺やらかしてる神キャラなんだよな 以前から狂じゃないとかちょくちょく言われてたんだけれど -- 名無しさん (2014-10-11 22 52 39) ブログの方もなかなかひどいな。こうなるの狙ってやってたんじゃないかな -- 名無しさん (2014-10-11 23 33 31) ブログ見てみたけどちょっと酷いね。コメで注意されてるのにキャラ批判も何度もしてるみたいだし…mugenの大会に正解はない、でも明らかにいろいろ間違ってる大会はある -- 名無しさん (2014-10-12 00 39 08) ブログってどれ? -- 名無しさん (2014-10-12 08 10 52) 名前 コメント マイリスト
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/7798.html
第2回です 解説 投稿者やまびこ氏初大会であった第1回 4人タッグVSボス 大会の続編 大会構造上今回はMUGEN1.1を利用した4人制タッグシステムとして開催されている また第2回だけあって前回とはルールが多少変わっている ルール タッグ28チーム、ボス28人による対戦 タッグ・ボスそれぞれランセレで選び、60秒2R先取で戦う タッグ側のメンバーは狂下位が上限(全員1P)ボス側は凶~狂となっている タッグ側は3敗、ボス側は1敗で脱落。そのため勝っても「基本的」にライフは減らない 復活ルール 具体的に「タッグの脱落組」+「ボスの脱落」=10になるごとにランセレで1人(組)?が復活する タッグ側が復活した場合、該当タッグは1敗で脱落 ボス側が復活した場合、味方の生き残りボスの誰か1人のライフが「50%」ダウンする(2回選ばれたらライフは1になる)。復活した本人は1敗で脱落 相手チームを全滅させた方の勝ち 出場タッグ + ... チーム名 メンバー シスター エルザ・ラ・コンティ(発破氏AI) クラリーチェ・ディ・ランツァ(蜂百合氏AI) シエル(IQS氏AI) アノニム(おまけの人氏AI) 鎌 みやかか アクセル=ロウ(ACモード) テスタメント アイリ 2世 Gアーデル(DLS氏AI・アーマーON) ロック・ハワード(MKⅡ氏AI) レイミ・謝華 ジョルノ・ジョバァーナ(ama氏AI) 戦争 夜水 IV号戦車D型改F2型 DISRUPTER 傭兵 色物 ネコアルク(YK氏AI) 四条雛子(対モード) ネコアルク・カオス Mr.師範(GURI氏AI) 居合 セシリア(el氏AI) 琥珀(IQS氏AI) リンディス(誠治氏AI) ジョニー(yuki氏AI) 時間 十六夜咲夜(>天<氏AI・メイドインヘブン使用ON) 朱鷺宮神依(自動で死祀ON) 空条承太郎(misobon-ism氏AI) 暁美ほむら(お家氏AI) 芸人一座 春日舞織(蜂百合氏AI) 城門光(青村氏AI) リーズバイフェ・ストリンドヴァリ(お家氏AI) ブリジット(ナテルオ氏AI・GGモードON) ビーム 上海人形(ユリポエ=久瀬佐祐氏AI) hybrid ケーブル サイクロップス お色気 山田青葉 ミラ・ミシアーノ(お家氏AI) イアリ・ヴェグルレスフ ナイア・ルラトホテップ(蜂百合氏・AIレベル10・ボイス:本多未季) カンフー カンフーマン(口水軒氏AI) カンフーマン2009(AIレベル11) ミッシングパワーカンフーマン アナザーカンフーガール(カサブタ氏AI) 働き者と怠け者 たいが~&ぶるま ルーミア(覚醒ON) リリィ・カーン(Silvan氏AI) リリス・エルロン バイオレンス ロールシャッハ(おまけの人氏AI) 朝倉涼子(おまけの人氏AI) 右代宮楼座(ペパーミント氏AI) 桂言葉 鉄拳制裁 ゴリ条さん 右浪清 高町なのは(ディオボロ氏パッチ入り) 恵曇愁子(お家氏AI・タッグスイッチON) 妹 犬若なずな(紅炎氏AI) アフターアネル リーゼロッテ・アッヒェンバッハ(どっせいうさぎ氏AI) 神崎ゆん 厨二 弾幕七夜 小田桐統果 ローレン・レディアンス ユーリ・ローウェル(KELN氏AI) 種運命 右代宮譲治(>天<氏AI) フリーダムガンダム(リュウセイ氏AI) 竹中半兵衛(Lifeend氏パッチ入り) 両儀式 保護者 桃レン(弾幕レベル9) 一方通行(>天<氏AI・飛び道具反射確率10・アドガレベル10) ケビン・ライアン(DHQ氏AI・AI超反応ON・ヘルキャン速度人外速度) エリアス・パトリック(おまけの人氏AI) スカーフェイス 花山薫 ルビィ・ハート(あかさたレオン氏AI) 梅喧(ナテルオ氏AI・GGモードON・ACモード・AIレベル11) 幾世あやね(AIレベル10) 姉 ゼニア・ヴァロフ(蜂百合氏AI・AIレベル10・タメ技設定1) ボウソウ 鬼・千鶴 レギン・ヴェグルレスフ 神崎ゆか(旧版・jurica氏AI) 援軍 仏教文化の重み 二条乃梨子 花諷院骸羅 弥勒 破魔明星鳳凰(AIレベル最大) 病人 トキ(nemeless氏AI・一撃解除) パチュリー・ノーレッジ(蜂百合氏AI) 橘右京(mage氏AI) アナザー栞 ロリママ アル・アジフ(Tinoza氏AI) 鳴雪 洩矢諏訪子(robo氏製作) 羽入 モンスター KJ晴香(おまけの人氏AI・避け設定全開) ジルチェ(お家氏AI) ロードレイナブスEX(赤敷氏製作AI) 沙耶(NS氏AI) 傘 アリエッタ 緋雨閑丸(ファンタズマ氏AI・AIレベル9) 朱憐香乃(おまけの人氏AI・AIレベル16) 黒河雲母(AIレベル4) 蒼の剣 伊達政宗(雑魚氏製作強化パッチ付き・一撃ON) 美樹さやか(おつかい氏製作) チルノ(ふるれ氏製作) テムジン747J 魔法使い 霧島佳乃(sekt氏AI) シャーロット・オーリン ミント(ペペロン氏AI) ルシェカ(木。氏ボイスパッチ付) 二丁拳銃 ジョン・プレストン ペトラ・ヨハンナ・ラーゲルクヴィスト ルナ姫木(QK2Key氏AI) アサギ(金プリニー5体 自爆0% 常時フィーバー 変身確率100%) 出場ボス + ... ラオウ(12P・ハートキー氏AI) バルバトス・ゲーティア(1P) 間桐桜(12P・ボスモード・開幕巨人あり) 大地神(12P) ベール=ゼファー(12P・エマノン氏AI) ゼノン・ゼシフィード(12P) 真カムラナート(12P) 聖夜ノエル(12P・カオス同盟氏AI) アナザーブラッド(12P・QAZ氏AI) ベルンカステル(12P) 神ベガ(1P・名無しのぽろろ氏改変パッチ入り) 神人豪鬼(1P・名無しのぽろろ氏改変パッチ入り) オメガルガール2nd(12P) マスタークリス(12P) ミランダ・謝華(12P・くねくね氏AI) 範馬勇次郎(7P) 赤(9P) Psyqhical(7P・ディオボロ氏パッチ入り) グスタフ・ミュンヒハウゼン(11P・PP氏AI) 動物番長(12P) 悪魔将軍(12P) マスターギース(AILv6) HIGE(9P) デス=アダー(1P・>天<氏AI) エルクゥ(鬼化パッチ入り) 綿月依姫(1P・AI Insane) アルテラシアTYPE-H(1P) 空母ヲ級(12P) 関連大会 第1回 4人タッグVSボス 大会 多分ゼットン未満男女タッグトーナメント めざせ名勝負! 打倒神1Pトーナメント(リスペクト) 悪役4人 VS 正義1人 勝ち抜き大会 30Fまで駆け上がれ ゲージMAXサバイバル大会(リスペクト) 第2回 4人タッグVSボス 大会 相方が死ねば負けトーナメント 暑いぜ! 漢トーナメント スーパーJrカップ 凶1 VS 強2 タッグへの挑戦 大実験 凶タッグ VS 狂上位 取り直し大会 Border Line Carnival 第3回 4人タッグVSボス 大会 強ランクタッグ タイムアタック大会 メリークリスマス! みんなで祝おう!タッグ大会 マニー主催!! お年玉争奪杯 懐かし男女タッグトーナメント 第4回 4人タッグVSボス 大会 アタックVSディフェンス チームバトル 1Pのチカラトーナメント 仁義なき6兄弟トーナメント 第5回 4人タッグVSボス 大会 コメント 今回もページを作らせていただきました。完走期待してますよ -- 名無しさん (2014-08-03 19 57 09) いつもお世話になります。バランスが難しいですが、完走を目指します。 -- やまびこ (2014-08-03 21 52 26) 名前 コメント マイリスト
https://w.atwiki.jp/infinityclock/pages/257.html
アーチャーのクラスを得て現界せしサーヴァント、アタランテは俊足を誇る。 今は陽が昇り人々が活発に動く時間、つまり人目が増える時間帯である。 だが人目につかないよう用心しながらであっても彼女は速やかに、実体化は維持したまま移動することができる。 彼女の足を以ってすれば会場の区切りに換算して4ブロック程度の距離は遠出と呼べるほどのものではない。 細心の注意を払いながら、アーチャーは思考の隅で先ほどの出来事、すなわちランサーと刃を交えた後同盟を結んだ時の事を思い出す。 (何故ランサーは私の真名をたったあれだけの戦闘で見抜けた―――?) 現状、自分は同盟相手たるランサーに一方的に真名を知られている状況にある。 これは不味い。同盟である以上いつかは破綻するのは必定であり、いざ再びランサーと相対した時にこの情報差は確実に致命となる。 ましてあの飄々としたランサーからはどこか陰謀の気配を感じる。既に何か対策を練られていると考えて良い。 ならばこそ今は味方であるはずのランサーに対して思考を巡らせるのは当然であると言えよう。 先の戦闘、アーチャーは確かにある程度のスキルを披露していた。 とはいえ宝具は使用しないままに戦闘が中断された以上、たったそれだけの情報で真名をピタリと当てることなど出来るものか? もしかすると、他の要因によって真名を見抜けたのではあるまいか? 例えば互いの生前や出身に手掛かりを得ていたのだとすればどうだ? (私はあの男の顔を知らない。少なくともアルゴノーツの勇士という線はない。 しかしランサーは私を知っていた……ならば奴は同じギリシャの、私よりも後の世代の英雄、とは考えられるか。 加えてあの槍捌きはヘラクレスには及ばずとも並の英傑に収まる技量ではない。つまり大英雄と呼べるだけの実力を伴ったサーヴァント) よく思い出してみるとあの鎧の装飾にはどこか見覚え、というよりアーチャーの知る勇士たちが身に着けていた鎧の名残があったように見受けられる。 さらに高い実力を有しながらハッタリや駆け引きにも通じる油断ならぬ頭の冴え、何よりこのアタランテの足に初見で対応してのけたという事実。 「まさか……」 トロイア随一の名将と呼ばれた、ペレウスの息子アキレウスと何度も渡り合った大英雄の名前が脳裏に浮かぶ。 トロイア戦争の時代といえばアタランテの活躍した時代にほど近い年代だ。少ない手掛かりでも自分の真名に辿り着けても別段おかしくはない。 とはいえ、確証があるわけでもない。どうにかして確認を取りたいところではあるがどうするか。 あの男ならカマをかけたところではぐらかされるのがオチだ、いっそ直接言い当ててみるのも悪く無いかもしれない。 「……む?」 ふと、嗅ぎ慣れない匂いが漂ってきた。 自然の中で野生動物同然に育ったアーチャーにとって現代の空気はもとより不快な匂いではあった。 嗅覚が英霊の中でも一際鋭敏な彼女にとってそれは少なからぬ苦痛だったがここ最近はさすがに慣れのおかげか気にならなくなりつつあった。 今感じた匂いは世界そのものが放っているものとは別の匂い、NPCたちからは生じ得ない類のそれだ。 「あれか」 千里眼を持たずとも、弓兵らしい超視力、動体視力も併せ持つアタランテである。 匂いの発生源の正体はすぐさま特定できた。 自身のはるか前方、S中学校の近くに煙草を咥えて路傍に立つ一人の男の姿をしかと捉えていた。 一般人に溶け込んでいるつもりのようだがアーチャーの目と鼻は誤魔化せない、奴はマスターの一人だ。 とはいえサーヴァントが側に控えている可能性が高い以上、狙い撃つには些か早すぎる。 アーチャーの狙撃とて同じサーヴァントであれば迎撃することはさして難しいわけでもない、焦りは禁物。 少しして、学生らしき一人の少女と男が交差しようとした瞬間のことだった。 少女の側から柔和にして鋭利といった印象を与える青年が出現し、それと同時に男の側からも無骨な印象を与える青年が現れ突撃していった。 これこそはまさしくサーヴァント同士の戦闘。最後までの生き残りを賭けた戦争なればこそここは見に徹するが上策。 そうしてアーチャーは死を運ぶ刃が如きアサシンと全てに破壊を齎さんが如き銃使いの戦いの一部始終を見届けることにした。 ▼ ▲ ―――思っていたより持っていかれるものだな。 死神を取り逃がしてから僅かに数分、それだけの時間で両腕の再生を果たした霧亥を見ながら衛宮切嗣は供給した魔力量に思考を巡らせる。 燃費が良いサーヴァントにも種類というものがある。 例えば戦闘に使う魔力が多い代わりに体内に有する機能によって莫大な魔力を生成して補うタイプ。 例えば魔力総量に優れない代わりに消費する魔力が圧倒的に微小で済むタイプ。 霧亥はどちらかといえば後者のサーヴァントであった。 最低値を示すパラメーター上の魔力が示す通り霧亥が保有できる魔力総量そのものは格別に秀でているというわけではない。 霧亥の超絶的スタンドアローン性を支えるのは超高ランクの単独行動のスキルと宝具の反則的なまでの魔力消費の少なさだ。 両腕を丸ごと失うほどの負傷を一気に治癒しようとすれば、流石に全く負担を感じずに済むというわけにはいかないらしい。 さて、ここからどうするかと心中で独りごちる。 中学校に潜伏していたマスターは先の死神を統べていた少女であるに違いない。 出来ることなら彼女と一時休戦し、中学校の情報について聞き出したかったが霧亥の度を越した攻撃性によってその目論見は潰えた。 また討伐対象たるヘンゼルとグレーテルの思慮の浅さを思えば彼らもしくは彼女らがそう長生きできるとは考えるべきではない。 危険を承知で序盤からこうして動きまわった挙句成果は他のマスターに取られた、などという事態になっては笑い話にもなりはすまい。 ―――アーチャーの千里眼に頼るべきか? これまで意識して頼るまいとしてきた従僕の能力を今こそ有効に使うべきか思案する。 何しろ相手は双子のマスター、霧亥ならば十分発見できるだろう。 しかし、切嗣は安易に霧亥の保有スキルを頼ることにどうにも抵抗感があった。 まず如何に霧亥の千里眼が強力であれ敵もまた超常存在たる英霊である以上絶対とは言えない。 先ほど気配を点滅させるという、切嗣にさえできない芸当で霧亥の千里眼から逃れた死神のような、こちらの裏を掻くスキルを持つサーヴァントもいるだろう。 慢心し従者の力に依存すればいずれそのツケを命で支払わされる時が来よう。 また暴れ馬どころではない制御の困難さという問題を抱える霧亥にフリーハンドを持たせて良いものか、という考えもあった。 奴は決して狂戦士(バーサーカー)ではない。何か口実をつけて切嗣の制御から逃れようと画策している可能性もゼロではないのだ。 そしてその疑念は先の独断専行によってより深まっている。 霧亥に戦略を依存すれば何か取り返しのつかない状況を招くのではないか、という不安から切嗣は情報収集を極力自らの力で行ってきていた。 とはいえ本戦が始まって生き残ったマスターも英霊も粒ぞろい。そろそろ独力の現界が見えているようにも感じられる。 「狙撃だ」 相も変わらぬ端的に過ぎる言葉と同時に、風を切り矢が飛来した。 切嗣が明瞭に状況を認識できたのは霧亥が銃把で矢を叩き落とした一瞬の後のことだった。 「…アーチャーか!」 強化した視力が捉えたのは数キロ先の民家の屋根の上に立つ獣の如き耳と尻尾を生やした少女。 弓を構えたその姿は紛れも無く霧亥と同じ弓兵のクラスで招かれしサーヴァントの一柱。 あからさまなマスター狙いの一撃はマスターの指示によるものか、サーヴァント自身の判断かは判然としないが手段を選ばぬ敵は得てして手強いものだ。 しかし、敵のマスターの姿が見つからず自身は敵のアーチャーに一方的に狙われているこの状況は些か不利だ。 というのも霧亥は不死性こそ備えているものの常軌を逸した火力と攻撃性を併せ持った超攻撃特化型のサーヴァントであるからだ。 防具の類は所持しておらず、不死の肉体も攻撃を通さぬわけではなく傷つきはするため護衛という仕事は比較的に苦手としている。 「片付けろ、アーチャー。宝具は極力建造物やNPCを巻き込まないよう最低出力でのみ使え」 だが、それがどうしたという。 ことサーヴァント戦において霧亥に多少の苦戦はあるとしても敗北はまず有り得ない。 無論他のサーヴァントを侮るわけではないが、切嗣を狙わせず、かつ一対一に持ち込みさえすれば大抵のサーヴァントは圧殺できる。 純粋な強者や先の死神のような例外であっても為す術なく負けることはほぼない。何せ不死身なのだ。 とにかく、現状でこちらが敗北する要素があるとすれば切嗣自身が殺されることだ。 霧亥とともに離脱を図る手もあるがそうなると彼の強みを殺し、弱点を露呈した状態で敵のアーチャーと向き合う羽目になる。 (問題があるとすれば……) 霧亥の異常な攻撃性。最低出力であっても現代の建築物を蹂躙する宝具、GBEの火力。 街やNPCに余計な被害が出るのではないか、という懸念だけは拭いがたい。 しかしサーヴァントに対処できるのはサーヴァントだけだ。 マスターを捉えられない状況下にあっては衛宮切嗣に出来ることは何もないのが現実である。 不安があれども今は霧亥に対処、いや処理を任せる以外にない。 民家の屋根に跳躍した霧亥と別れると、切嗣は建造物を盾にしながら全力でアーチャーを撒くべくこの場からの離脱を図った。 遠くから聞こえるGBEの発射音から本格的に戦闘が始まったことを察した。 先ほどの一瞬で透視したアーチャーのパラメーターは敏捷性以外に特筆するべきところはなく、その敏捷にしても霧亥と同等程度。 死神のような、霧亥の射撃すら逃れるような手合いであっても霧亥と戦うだけで精一杯であろう。 「………!」 ―――だというのに、不意に背中を死の予感が襲った。 咄嗟に物陰に隠れたと同時に、超音速で飛来した矢が舗装されたコンクリートを破砕した。 数多の修羅場を潜り抜けたことで培われた直感が今の矢は流れ弾ではないと告げている。 「Time alter――double accel!」 衛宮切嗣にのみ許された固有魔術、固有時制御を二倍速で発動。 遮二無二、加速して逃げる、逃げる、逃げる。ただ生き残るために。 「それでは遅いぞ、魔術師」 側面でも正面でも背後でもなく、上空から飛び出した翡翠の少女が弓を構え矢を番えようとする。 同時にGBEの破壊の光条が迸り周囲を容赦なく抉っていくが、少女は二倍速となった切嗣の目にも写らぬほどの速さで軽々と躱してのけた。 信じ難い。あの霧亥が振り切られたというのか。 死神の技巧に満ちた回避とは種類の違う、理不尽なまでの機動性による千里眼からも逃れる回避性能。 翡翠の弓兵はあろうことか、GBEを回避するだけでなく同時に攻撃に転じようとしている。 そしてその射程には衛宮切嗣が収められているとなれば、どこに矢が放たれるかは自明の理だ。 駄目だ、躱せない、殺される。二倍速の時間切れを待つまでもなくあの矢は自身を射抜く。 ならば――― ▼ ▲ (何と凄まじいサーヴァントか) 必然の事象として、アタランテは死神と交戦する霧亥の暴威に強い警戒を抱いていた。 無論その霧亥と相対して五分の勝負を演じる死神の殺戮技巧も目を見張るものがある。 しかし、より明確にアタランテとランサーが思い描く戦略に支障を与えるのは霧亥であることは疑いない事実だ。 両者の真名を知らず、サーヴァントの能力を透視することもできない彼女にも互いのクラスと戦いの趨勢は見て取れる。 紛れもなくアサシンであろう青年は釘や拳銃という、およそ武装としては頼りない代物を巧みに操り小型の銃を構える男に着実にダメージを与えていっていた。 それ自体にも驚くが、アーチャーがより強く着目したのは戦闘開始時の両者の動き出しだ。 猛烈な破壊を齎す銃の担い手は明らかにアサシンの気配遮断を看破していた。 暗殺さえ無効にできるほどのサーヴァント感知能力の高さを以ってすれば、件の双子を見つけ出すことも容易いに違いない。 もっと言えばあの馬鹿げた身体能力とさらなる潜在火力を秘めていると思しき銃を駆使すれば双子のサーヴァントが何であれ簡単に鏖殺できるだろう。 そうなってしまっては困るのだ。 アーチャーとしては出来る限り長く―――桜に危害が及べば別だが―――双子の主従には生存してもらい、多くのマスターの注意を惹きつけてくれた方が望ましいからだ。 討ち取れば令呪が得られるという討伐対象にして多くのマスターにとって共通の敵が存命していればその分だけ桜に危険が迫る確率は下がる。 そればかりか、自らを狩る側と認識している者どもの背中をアーチャーが狩る機会が増えることをも意味する。 故に、この状況を早期に終わらせる可能性が高い者は見逃すわけにはいかない。 やがて戦闘が終わり、自分がいる方へ近づいてきた死神主従をやり過ごすべく息を潜め霊体化。 しばらくしてからどちらに狙いをつけるか、僅かの逡巡の後決定した。 狙うは血と硝煙の匂いを漂わせるマスターとアーチャーの主従だ。 双子の主従を殺害する危険度の高さではアサシンも良い勝負ではあるものの、あれを追跡するのは骨が折れるし何よりマスターの攻撃性が低い。 アーチャーのマスターに対して何か会話ないし交渉を試みていたのをアタランテは見逃さなかった。 その点で比較すると銃使いのアーチャー陣営はマスター、サーヴァント共に極めて攻撃的と言えよう。 特にサーヴァントは糸のようなもので両腕を切断されて尚戦闘を継続しようとする呆れた戦闘狂だ。 そのくせサーヴァントを察知する能力にかけては右に出る者はいないのではないかというほどであり、あらゆる意味で放置するには危険すぎる。 そう、奴らが殺すのは双子の主従のみではない。いずれはあの破滅の光が桜をも―――――― ―――アーチャーさん、いかなきゃだめですか? 「………っ!」 ギリ、と。我知らず唇を噛み締めていた。 先ほど出発する直前、桜から投げかけられた言葉が胸を締めつける。 桜は自分が勝ち残れるマスターではないことを自覚している節がある。 もっと言えば彼女にとって苦痛のないこの世界で死んでも構わない、終わっても良いと考えているようにも見える。 客観的に見てもいくら魔術回路が優れているといえど何の自衛手段もない幼子が優勝するには聖杯戦争という環境は厳しすぎることは理解できる。 「終わらせるものか…!我が全てを捧げても、必ず……!!」 けれどそんな無情な結末は、仮令如何なる存在が容認しようとこのアタランテだけは決して認めはしない。 誓いを新たに、高所へと昇り天窮の弓(タウロポロス)を強く、限界を越えて引き絞る。 これから相手にするサーヴァントが如何に強大であるかなどは百も承知。 しかし―――今、この状況と条件ならば自分の方が圧倒的に有利だ。 「策を誤ったな、魔術師。貴様はそのサーヴァントを伴って出るべきではなかったぞ」 相手方のサーヴァントはマスターを守るしかなく、逆にアタランテは一方的にマスターを捕捉している。 尋常な決闘なら勝ち目は乏しいであろうが、これは果たし合いではなく殺し合いにしてバトルロイヤルだ。 相手に有利な条件で戦ってやる必要などどこにもなく、わざわざ強みを発揮させてやる理由もまた存在しない。 見る限りあちらは自分と同じく攻勢に特化したサーヴァント、であるなら守勢を強いれば自然こちらが優位となる。 限界を越えて引き絞った弓からマスター狙いの一矢を放った。 アタランテ自身の膂力はさしたるものではないが、天窮の弓に宿りし加護により放たれた矢の威力はAランクにも達する。 しかしそれを迎撃するのは聖杯戦争において最強と呼んでも過言ではない実力を誇る霧亥だ。 アタランテの行動を察知していたこともあり、持ち前の筋力で矢を軽々と叩き落としてみせた。 この程度の奇襲で倒せる相手でないことはわかりきっている。これは布石だ。 ―――遥かなる吾が故郷アルカディア、峻険なる山嶺連なりし彼の地の岩から岩へと、飛び渡り遊びし吾なりき 霧亥が防御行動を取った一瞬の隙に、獣もかくやというほどの俊敏さで屋根から屋根を渡り接近する。 如何にサーヴァントの能力が人間を大きく超越するといっても足場が悪ければ機動に制限を受けることは間違いない。 しかしアタランテはそんな道理など知らぬとばかりの軽やかさで霧亥へと接近を図る。 そう、接近だ。遠く彼方から敵を射抜くことが本領の弓兵にあるまじき戦法である。 霧亥もまた、明らかに自らを上回る速さを発揮して迫るアタランテを撃滅するべくGBEを構えた。 彼の千里眼には全てが見える。たかが圧倒的速さを誇るだけではその眼から逃れることは至難の一言だ。 狙うは必中。マスターの命令通りに出力を最低に抑え敵の動きを読み、発射。 あまりにも暴力的な銃撃、否、砲撃と呼ぶにも過剰な光条がアタランテの命を刈り取らんと迫る。 ―――先にゆけ。しかるのち吾、疾風となりて汝を抜き去るべし 「殺ったぞ」 上空からの声。霧亥の目に空から弓を引き絞るアタランテの姿が見えた。 ランサー、ヘクトールとの小競り合いにおいても披露したスキル、追い込みの美学。 仮令高ランクの千里眼を持つ霧亥が先読みを働かせようとも後の先を必ず制す。 さらに言えば、霧亥の千里眼が如何に強力な代物でも必ず射撃を当てられるわけではない。 銃という兵器の構造上の特徴として、トリガーを引かなければ発射できず発射された弾丸も原則真っ直ぐにしか飛ばない。 つまり予備動作を見切る技術と一定のスピードがあればGBEを回避すること自体は絶望的に困難というわけではないのだ。 死神もこの事実を利用して霧亥の射撃から逃れ反撃を加えてみせたのだった。 アタランテは元より死神を大きく上回る機動力の持ち主である。 加えて先ほどの戦闘を偵察していたことで霧亥の戦い方、動きをある程度まで見知っている。 これだけのアドバンテージがあれば、GBEを余波まで含め完全に回避することなどは難しいことではない。 GBEの発射と同時にアタランテは大きく前方へ跳躍、空中から引き絞った矢を霧亥の頭部目掛けて放った。 十全の態勢ならば迎撃や回避が可能だっただろうが、今この瞬間においては霧亥といえど満足な回避行動はできない。 およそあらゆる宝具を凌ぐ破滅的火力を誇るGBE、しかし無視できぬ欠点もまた存在する。 その最たるものが反動の大きさだ。霧亥の筋力でも抑えきれない反動によって発射直後は仮令最低出力であろうと大幅に動きに制約が生まれる。 先の戦闘を盗み見ていたことでこの弱点を知っていたアタランテが狙ったのはまさにこれだ。 それは死神とは真逆の発想、敢えてGBEを撃たせ、回避しつつ反動で硬直した隙を突くサーヴァントであってすら正気を疑う策だった。 戦車砲をも凌ぐ威力を与えられた矢は過たず霧亥の頭部を吹き飛ばし、その身体は仰向けに倒れ伏した。 「これで…斃せたのか?」 空中で霧亥を追い越し、着地したアタランテは注意深く討ち取ったであろう敵の姿を見やる。 会心の手応えがあったというのに、何故か強敵を倒した安堵を感じない。 確かに相手の戦法を見て、対策を立て必殺の気合で矢を打ち込みはした。 だというのに、何か妙だ。上手く行き過ぎている―――そんな漠然とした不安が拭えない。 「!」 有り得ないことが起きた。 地に倒れ伏した筈の霧亥の腕が、GBEの銃口がアタランテへと向けられた。 有り得ぬ筈の発砲。無論十分な狙いのついていない一撃に当たるアタランテではないが驚きは隠せない。 「不死(しなず)の英霊、というわけか」 信じ難いことに、霧亥は急速に破壊された頭部を再生し立ち上がろうとしていた。 当然通常のサーヴァントには不可能な行いである。頭部とはサーヴァントを形成する霊核の一つであるのだから。 これでは肉体全てを吹き飛ばしたとて本当に殺せるかわかったものではない。 しかし不死性を持つサーヴァントの存在は聖杯戦争の開始以来全く考慮していなかったわけでもない。 そしてどんなに強力な不死のスキルないし宝具を持つ英霊であろうとも、その力を発揮、維持せしめるのはマスターの魔術回路に他ならない。 とどのつまり、マスターさえ失えば戦闘力も不死性も維持できなくなるのがサーヴァント故の避けられない泣き所というわけだ。 倒せなかった場合の予定通りにマスター一点狙いに移行、特徴的な匂いですぐに場所はわかった。 衛宮切嗣の隠形はマスターとしては高いレベルにあるが、アタランテからすればまさしく「頭隠して尻隠さず」に等しい。 むしろ純粋な一般人の方がまだしもアタランテの追跡を撒ける可能性は高かっただろう。 ▼ ▲ 「それでは遅いぞ、魔術師」 そして高速で走り逃れようとするマスターの姿を容易に捉え矢を番える。 追ってきた霧亥の銃撃を身を捻って回避、直後にアタランテの矢が敵マスターの頭蓋を砕く―――はずだった。 「令呪を以って我が傀儡に命ず!僕を守れ、アーチャー!!」 最早逃げきれないと悟った霧亥のマスター、切嗣は令呪に訴え従者を自らの下に引き寄せ盾とした。 それがこの状況において悪手であると理解していても、そうする以外にないほど追い詰められていた。 銃で矢を弾いた霧亥は左腕で切嗣を抱え、アタランテから逃れるべく走り出した。 「逃がさん、汝らはここで落ちろ」 「くっ……!」 まさしく、アタランテにとって絶好の狩り場の完成であった。 絶え間なく矢を撃ちながら、霧亥の近接攻撃の届かない中距離を保っての追撃を仕掛けるアタランテに対して霧亥はただひたすら逃げることしかできない。 有効な反撃をするには片手でGBEを撃たなければならないが、令呪の縛りが銃撃を許さない。 何故なら切嗣を抱えた状態でGBEを撃とうものならば致命的な隙が生まれ、生じた隙に切嗣が打ち抜かれることになる。 そうなれば当然令呪の強制に反することになり、故に霧亥は何の反撃もできないままただ逃げることしかできない。 「何てことだ……!」 抱えられながら、切嗣はただ歯噛みするしかなかった。 千里眼の自立稼働で無駄なく矢の猛射を避ける霧亥だったが、マスターという荷物を抱えたまま、それも庇いながらとあっては完全な回避は望むべくもない。 腕、肩、腰と次々に被弾していき、ダメージもまた蓄積していった。 勿論、マスターある限り霧亥が敵の攻撃によって死を迎えるようなことはない。 しかし霧亥は不死ではあっても攻撃を受け付けない無敵性は有しておらず、傷つけばその分戦闘力、性能にも陰りが生まれてしまう。 とはいえ十分な力を発揮できない護衛という状況下でもマスターに傷一つつけていないのはさすがに最強のサーヴァントと言うべきか。 「そこだ」 「ぐっ」 されど、追うアタランテも世界最速クラスにして弓兵としてもトップランクの技量を誇る神代の狩人。 霧亥が地を蹴り空中へ飛び出した直後、その動きを読んでいたかのように放った矢が霧亥の膝から下を吹き飛ばした。 さしもの霧亥も空中でバランスを崩し、切嗣諸共道路に身を投げ出す格好になった。 この間がどれほど致命的な隙となるのか、誰もが明瞭に認識していた。 「我が弓と矢を以って太陽神(アポロン)と月女神(アルテミス)の加護を願い奉る」 霧亥たちが空に投げ出され、起き上がるまでの間にアタランテは渾身の魔力を込め弓矢を空高くへと掲げた。 誰の目にも明らかな、英霊の半身たる宝具の起動であった。 アタランテの持つ天窮の弓は格の高い武装なれどそれ自体は彼女の宝具というわけではない。 矢が怪しい輝きを放つ。そう、弓と矢は彼女の宝具を発動するための触媒に過ぎない。 弓に矢を番え空高くへ放つという術理それ自体がアタランテが誇る宝具なのである。 「この災厄を捧がん――――――訴状の矢文(ポイボス・カタストロフェ)!」 空へと放たれし二本の矢は輝く軌跡を残しながら遥か空へと舞い上がる。 それは神への訴えだった。アポロンは弓矢の神、アルテミスは狩猟の神を司る。 彼らはアタランテが加護を求めた代償に災厄―――無論敵方に対しての―――を求める。 空から淡い光が降り注ごうとしている予兆を霧亥の千里眼は余すところなく捉えていた。 今まさに、霧亥と切嗣を断罪すべく災厄(カタストロフ)という名の豪雨が襲おうとしていた。 「出力を上げる」 光り輝く矢の雨が出現したと同時、起き上がった霧亥がGBEを空へと掲げた。 片足を失った身では切嗣を連れて逃げることは叶わず、であるならば対処は迎撃のみ。 この世のあらゆる存在を蹂躙する破壊の光が空を貫き、今まさに降り注がんとしていた矢の雨を一つ残らず消滅せしめた。 霧亥と宝具の撃ち合いをすればどうなるか。当然すぎるほどに当然の結果だ。 「―――そうだ、汝はそうするしかない。 仮令――――――その先に敗北しか待ち受けていないとしても、な」 ―――であるならば。アタランテがこの未来を予見することもまた必然である。 限界まで引き絞り、放たれた矢が伸びきった霧亥のGBEを持った腕を吹き飛ばした。 アタランテは最初から訴状の矢文がGBEに撃ち負けることを前提として宝具を使ったのだ。 如何にGBEが最強に等しい火力を誇るのだとしても、同じ宝具を撃ち落とすならば出力を上げざるを得ない。 出力を上げるということは反動の増大を意味し、発射直後の硬直が大きくなるということ。 そこまでを読み切っていたアタランテの本命の一矢が趨勢を完全に決定づけた。 アタランテの訴状の矢文は空へ矢を放ってから光の矢が降り注ぐまで僅かのタイムラグが存在する。 そのタイムラグを最大限有効活用すれば、このように宝具に対処させた隙に次の攻撃を浴びせることも可能なのだ。 「では、これで詰みだ」 反撃、防御、回避。全てを封じられた哀れな獲物を仕留めるべくとどめの矢を番える。 もう何をしても死の未来を回避することはできない―――たった一つの手段を除いては。 「………令呪を以って命じる!僕を連れて転移しろ、アーチャー!!」 残り二画になった令呪。絶対の窮地を前にして切嗣は二度目の使用を決断した。 魔力の光が二人を包み、矢が命中する直前でその場から完全に掻き消えた。 「逃したか……。これがマスターの援護なきサーヴァントの限界ということか」 残念ながら相手はアタランテの知覚範囲の外まで転移してしまったらしい。 圧倒的に有利な条件で戦い、宝具まで晒したというのに最後の詰めの段階でマスターの有無の差が出てしまった。 とはいえあちらも令呪を二画も使った以上、もう一度同じ条件で戦えれば自分があのマスターを仕留めて勝つだろう。 それにあそこまで消耗させたならば早々に双子を仕留めに行くこともできないはずだ。 最低限の結果は出せた、と考えるしかない。 ―――もしこの場にアタランテの同盟相手であるランサーがいたならばこう付け加えるだろう。 「いやいや上出来上出来。向こうさんは令呪が欲しいのに逆に使わされたんだ。 これで焦って派手な行動にでも出て自滅してくれれば儲けもんだ」 【B-2/一日目・午後】 【アーチャー(アタランテ)@Fate/Apocrypha】 [状態] 疲労(小)、魔力消費(小)、精神的疲労(大)、聖杯に対する憎悪 [装備] 『天窮の弓(タウロポロス)』 [道具] なし [所持金] なし [思考・状況] 基本行動方針:もう迷わない。どれほど汚れようとも必ず桜を勝たせる 1 追撃はせず引き続き遊撃。一度ゴーストタウン付近まで後退する。 2 討伐クエストには参加しない。むしろ違反者を狙って動く主従の背中を撃つ 3 正体不明の死霊使い、及びそれらを生み出した者を警戒する 4 ランサー(ヘクトール)との同盟関係を現状は維持。但し桜を脅かすようであれば、即刻抹殺する [備考] アサシン(死神)とアーチャー(霧亥)の戦闘を目撃しました 衛宮切嗣の匂いを記憶しました 建原智香、アサシン(死神)から霊体化して身を隠しましたが察知された可能性があります ランサー(ヘクトール)の真名に気付きましたがまだ確信は抱いていません ▼ ▲ ゴーストタウンの一角にある幽霊屋敷と呼称されるビルディング。 その屋上で気怠げに槍を持ち座り込んだサーヴァントが一人。 「あ~、暇っていうのはいいことだねえ」 如何にもやる気がなさそうな声音で呟く様は十人が見れば九人は呆れ返るだろう。 しかし、残りの一人はこの態度が彼の本気を隠すポーズに過ぎないことを見破れるかもしれない。 (アーチャーに俺の真名を悟られた可能性は……まあ五分五分ってとこかね) 一見して腑抜けたようにも見える仮面の下では冷静に状況の分析、思考を進めていた。 先ほどのアタランテとの遭遇戦、鬼気迫る様子で戦う彼女を真名を当てるという一手で講和、同盟に持ち込んでみせた。 しかし何故アタランテの真名を言い当てることができたのか、という点については種も仕掛けもある。 そもそもランサーはアタランテが思考したような、出身地や活躍した年代だけで相手の真名を特定できたわけではない。 いや、何の予備情報もなくともある程度までは絞り込む自信はあるがさすがに一人にまで特定することは如何なヘクトールでも無理な話だ。 (俺は特異点の事を憶えているのにあちらさんには記憶が無いらしいってのはどういう基準なのかね) 一体何故ランサーがアタランテの真名を特定できたかと言えば、単に最初から知っていたからに過ぎない。 人理焼却の一環で生じたとある特異点での聖杯戦争においてランサーとアタランテは敵同士だった。 最後には互いに刃を交えたこともある故姿を見た時点で彼女の正体についてはわかりきっていたのだ。 あたかも戦闘スタイルで特定したかのような物言いをしたのは彼女にも特異点の記憶があるのかどうか、カマをかけるためだ。 結果はシロ。言動から考慮するにアタランテは特異点での記憶は一切引き継いでいないのは間違いない。 とはいえ異常なのはあちらではなくランサー自身の方であろう、ということはわかっていた。 聖杯はどのような判断でランサーに記憶の引き継ぎを許したのか、推理したいのは山々だが今は如何せん情報が足りなさすぎる。 (むしろ今すぐ考えとかないと不味いのはアーチャーのことだよな。 やれやれ、何で味方と一緒に頭痛の種まで増えるんだかねえ) 考えても仕方ない事柄への対処を早々に打ち切り、今は同盟者となった二人の少女に思いを馳せる。 同時に、少しは様子を見ておくべきかと思い立ち霊体となってビルディングの中へするりと入り込んだ。 霊体というのも便利なもんだ、などと思いながら桜とルアハがいる部屋へと入った。 「どうかなさいましたか、ランサー様」 「ああ、ちっと様子を見にな。ところでマスター、あの子はどこ行ったかわかるかい?」 部屋にいたのは相も変わらぬ機械的な態度を崩さぬルアハのみだった。 部屋を見渡してみれば、桜が羽織っていたコートが彼女が元いた位置に置いてあった。 「桜様でしたら、本を読みに行くと言っておられました」 「そうかい、ありがとよ」 ヘラヘラとした外面を崩すことなくルアハに礼を言い、桜を探すことにした。 レイラインの繋がっているルアハはともかく、そうではない桜は自分の足で見つけるしかない。 とはいえここは既にランサーにとって勝手知ったる屋敷だ。 そう時間をかけずに、一度手に取ったのであろう本を棚に戻そうとしているらしい桜の姿が見つかった。 「ランサーさん」 当然、コートを置いていっていた桜は一糸纏わぬ全裸だった。 いくら幼いにしても少女が男の自分に裸体を見られて顔色一つすら変えないというのは如何なものか、と思わずにいられない。 彼女は年齢のわりには聡いと思える節がある。感性が育っていないとは考えにくい。 先ほどアタランテがポツポツと話してくれたが桜は元いた世界でも、こちらでも陵辱の限りを尽くされたらしい。 女性としてあるべき羞恥の感性をも摩耗させてしまった、と考えるのが妥当なのだろう。 夫であり父親でもあったヘクトールからすれば苦々しい思いしか込み上げてこない話ではあるが。 とはいえここは努めて平静を装って話すべきか。 「よう、オジサンはちょっとばかし疲れたから休憩してるとこだ。 桜ちゃんは本でも読んでたのかい?」 「はい、でもわたしにはよめない字ばかりでした」 出会った時から変わらぬ光のない瞳で話す桜は手で身体を隠そうとさえしない。 全く育っていない平らな胸も未熟な女性器も晒したまま平然と話している。 ランサーでさえこんな有り様を見せられては痛ましいと感じずにいられないのだ。 アタランテがこれまで受けてきた精神的苦痛たるや、想像するに余りある。 「ランサーさん、ひとつきいてもいいですか?」 「ああ、オジサンにわかることなら何でも答えてやるよ」 「死んだら、いたいことやくるしいことは全部なくなりますか?」 空気が凍った。いや、そう感じたのはランサーだけだったのだろう。 ほら、現に桜は純粋な疑問だけを顔に浮かべたまま自分を見上げている。 とりあえずここは適当にはぐらかしておこうか。 「はは、そりゃあ桜ちゃんが知らなくても良いことさ。 桜ちゃんが死んだりしないようにオジサンがこうして気張ってんだから」 「でも―――ランサーさんはさいごにわたしをころしますよね?」 「―――――――――」 今度こそ凍りついた。見えないけれど、きっと自分の表情が。 ああ、これは駄目だ。こういう察しの良い子どもは大人がどんな理屈で煙に巻こうとしても勘だけで見抜いてしまう。 桜は聖杯戦争についてきちんと理解している。ならば殺し合いが続いた先に待つ結果についても認識しているのは当然ではあったか。 最後に残るのは一人だけであり、であれば同盟というものが最後には破綻するしかないということも。 「……そうだなあ。オジサンはあのお人形さんのサーヴァントだからなあ」 「気にしなくてもいいですよ。間桐の家にかえっても、どうせ……」 俯いて座り込んだ桜を見て、そういえば彼女は魔術師の家系の娘だったと聞かされたことを思い出した。 何でも養子に出された家が蟲を操る魔術を扱う家系で、淫虫に身体を貪られることを鍛錬と称して強制されていたのだとか。 「魔術師って人種は何だってこうも業が深いのかねえ……」 「?」 単なる虐待としか思えない行為にも魔術的には何か意味でもあるのだろうか。 ルアハのサーヴァントとしては無用な思考と理解していても、つい呆れが口をついて出てしまうのは仕方ない。 そう、ランサーであるヘクトールはあくまでもルアハを生かし助けるための従僕(サーヴァント)であって間桐桜は一時的に利用する存在に過ぎない。 何故自分は桜に何もしてやらないのか。外套の一つもかけてやるなり、ささやかでも出来ること自体はあるはずだというのに。 決まっている。いつか桜を殺さねばならない時が訪れた時、万に一つ以下の確率であろうとも槍の穂先が鈍ることは許されないからだ。 どれほど同情の余地ある人間であろうと己のマスターとの線引きは明確でなければならない。 だからこそ、情が移らないよう今も自らを律しているのだ。 必要とあらばヘクトールは平気な顔をして、この槍で間桐桜を貫くだろう。 もっとも、平気な顔をして殺すことはできても平気で殺せるかといえば自信はない。 ランサーは将軍であり政治家でもあった故に、何時如何なる時も非情に徹することはできる。 できるが決して心からの冷血漢ではない。単に感情を相手に悟らせない術を身に着けているだけだ。 「ランサーさん、人が死んだらどうなりますか?」 「……別に何もないさ。オジサンは死んでから、気がついたらこっちに呼ばれてたって感じかね。 けど何だって死んだ後のことなんて気にするんだい?」 「だってわたし、もうすぐ死にますから」 間桐桜は自身が置かれている状況を幼いなりに理解していた。 聖杯戦争というものを椅子取りゲームに置き換えればわかりやすい。 何人いるかもわからないマスターがたった一つしかない椅子に座るための競争。 それならただでさえ運動が苦手な自分が椅子に座る一人になるのは無理だろう、と諦めている。 いつか訪れる死の運命を粛々と受け入れようとしている。 桜は別段自殺願望を持っているというわけではない。 ただ、自分が最後まで生き残っているという希望を信じていないだけだ。 それは何もかもを奪い尽くされた少女に許されたたった一つの処世術だった。 あらゆる希望、光は存在しないものとして徹底的に目を背け絶望に身を浸すことで桜はギリギリのところで心を壊さずに済んでいる。 それでもこの世界では唯一親身になって世話をしてくれているアーチャー、アタランテにだけはある程度心を開いていた。 元々この世界は間桐家に比べれば遥かに良い環境―――少なくとも桜にとっては―――だったが、彼女のおかげで今は何の苦痛もない世界にいられる。 後は全てが終わるその時まで彼女が寄り添っていてくれればもう何も文句はないのだけれど、やはりその望みも叶わないようだ。 ―――アーチャーさん、いかなきゃだめですか? 先ほど彼女がこのビルディングを出る直前、それとなく側にいてほしい旨を伝えたもののやはり届かなかった。 荷物以外の何でもない自分を聖杯戦争の勝者にするという出来もしないことを本気で成し遂げようとしていることは理解できる。 もっと本気で止めた方が良かっただろうか。けれどそうすると彼女はまたあの顔をするだろう。 何かに対して怒っているような、それでいて泣きそうにも見えるあの顔に。 あんな顔はしてほしくないから、なるべく迷惑をかけないよう言いつけを守ってじっとするようにしている。 (はあ、こりゃあアーチャーが躍起になるはずだわ) ランサーはまるで望まれるままに振る舞うだけの、ルアハとは異なる意味で人形のような少女を見て今は共闘する間柄のサーヴァントのことを思う。 当然生前に面識などあるはずもないが、アタランテの逸話から考えれば彼女が何を思い桜に肩入れしているかは自明だ。 親の愛情に恵まれなかった捨て子のアタランテが全てを奪われた少女に自分を重ねたか懸命にマスターを救わんと戦いに身を投じる。 なるほどこの一文だけを見れば間桐桜に配されるべくして配されたサーヴァントだったと取れるのかもしれない。 (けど如何せん相性が悪すぎるんだよなあ……) しかしこの二人、根本的なところで噛み合っていない。 桜は絶望に浸かるあまり希望と呼べるものの一切を信じておらず、聖杯という願望機が放つ眩くも妖しい光さえ目に入っていない。 そんな少女に対してただひたすら希望を訴えたところでその心にまで届くはずもない。 事実桜は親切にしてくれる人間としてアタランテを慕っているものの、自らを闇から拾い上げてくれる救い主であるとは全く信じていない。 もし桜の心に触れて救えるような者がいるとすれば、それはアタランテやヘクトールのようなまっとうな英雄ではなく桜に共感できる反英雄の方だろう。 あるいは間桐桜という人間の本質が正統英雄と相性が悪いと言えるのかもしれない。 そして桜という存在はアタランテに対して深刻な悪影響を与えている。 親に見放され、望まぬセックスを強要されるなどその境遇はアタランテの生前のトラウマを踏み抉るものであることは容易く想像できる。 そんな桜に接するアタランテは四六時中精神を苛まれ続けているようなものであり、その結果今のアタランテは暴走に近い状態にある。 アタランテは桜を勝者にするため積極的に動いて回っている。 一見してサーヴァントとしてごく当然の行動に思えるが、一つの前提が抜け落ちている。 そもそも桜は現状に満足しており聖杯を求めていない。 どこを目指すのかが未だはっきりしていないルアハと異なり、明確に闘志を捨てて勝利を目指していない。 つまり聖杯の力を以って桜を救おうというのはアタランテの願望であって桜が望んだことではないのである。 この二人は聖杯戦争への向き合い方という大前提からしてまるで噛み合っていないのだ。 が、そのこと自体は恐らくアタランテも理解しているはずだ。 理解した上で自らのエゴを押し通そうとしているのだろう。 むしろ聖杯を求めず現状に甘んじる桜のスタンスがよりアタランテの暴走を強めていると言える。 アタランテからすれば桜が深い闇の底に在ることそれ自体が既にして耐え難いことなのだ。 故になりふり構わず、それこそ生命・魂・誇りの全てを擲っても桜を救おうと足掻いているのだろう。 それは子を想う母の無償の愛にも似ている。 であるからこそ、もし桜が先に死ねば残されたアタランテがどうなるか容易に想像がついてしまう。 今は辛うじて抑えている桜を貶め傷つけた要因に対しての怒りとか憎悪といった感情が暴発する。 それこそ聖杯戦争のセオリーになど構うことなく際限なく狂い堕ちていくことだろう。 「……嫌だねえ」 無論、アタランテがどうなろうとランサーはルアハのサーヴァントとしての務めを果たすのみだ。 必要とあらば桜をこの槍で貫くことも、アタランテを切り捨てることも躊躇せず行ってみせる。 しかし出来ればそんな事態が来てほしくない気持ちがあることも事実だ。 アルゴー船の一員として名を馳せた麗しの狩人が狂気に支配され堕ちる様など好き好んで見たくはない。 【A-8/ゴーストタウン・幽霊屋敷/一日目・午後】 【ルアハ@赫炎のインガノック-what a beautiful people-】 [状態] 健康 [令呪] 残り三画 [装備] なし [道具] なし [所持金] なし [思考・状況] 基本行動方針:自動人形として行動 【ランサー(ヘクトール)@Fate/Grand Order】 [状態] 疲労(微)、精神的疲労(小)、肩に軽度の刺し傷 (回復中) [装備] 『不毀の極槍(ドゥリンダナ)』 [道具] なし [所持金] なし [思考・状況] 基本行動方針:とりあえず、程々に頑張るとするかねえ 1:拠点防衛 2:『聖餐杯』に強い警戒 3:アーチャー(アタランテ)との同盟は、今の所は破棄する予定はない。ただしあちらが暴走するならば…… [備考] ※アタランテの真名を看破しました。 【間桐桜@Fate/Zero】 [状態] 健康、全裸 [令呪] 残り三画 [装備] なし [道具] 毛布、大人用コート [所持金] なし [思考・状況] 基本行動方針:アーチャーさんの言いつけを守ってじっとする 1 …アーチャーさんにぶじでいてほしい 2 どうして、お人形さんは嘘をつくの? [備考] 精神的な問題により令呪を使用できません。 何らかの強いきっかけがあれば使用できるようになるかもしれません ▼ ▲ 「馬鹿野郎……」 衛宮切嗣は既に二画が消えた令呪を見ながら、悔恨とも怒りともつかぬ言葉を吐いた。 言葉の向かう先は今も負傷の治癒を行っている霧亥、ではない。 戦略そのものに大きなダメージを受けるほどの失態を犯した自らの迂闊さをこそ切嗣は呪うのだ。 「僕はこれだけの兵器(サーヴァント)を与えられながら何をしていた……!」 今回に限っては霧亥には何の落ち度もなかった。 敗因はただ一つ、衛宮切嗣の軽率にして迂闊な行動にのみ存在する。 もっと合理的に戦略を練り動いていればこの敗戦は決して有り得なかった。 切嗣を襲撃してきたアーチャーの真名はアタランテと判明した。 アルゴー船の乗組員として勇名を馳せた稀代の狩人であり、アーチャーとしても最高峰の実力を持つ英霊の一人だろう。 狩人。そう、あの戦闘はまさしくアタランテによる狩りとでも表現すべき一方的なものだった。 今にして思えば奴は予め霧亥の能力、戦術を把握した上で仕掛けてきたのであろう。 そしてどこで霧亥の情報が漏れたかといえばその前に戦った死神との戦闘を見られたからであることは疑いない。 つまり双子を狩るためにこの序盤から動き回り早仕掛けに走った切嗣の軽率さが招いた敗北だった。 如何に相手が神代を駆け抜けた英傑であろうともう少し戦闘条件がマシだったなら、霧亥ならば瞬殺は難しくとも勝利することは十分可能だったはずだ。 例えばこちらが一方的にアタランテのマスターを射程に捉えているような状況なら討ち取ることは難しくなかっただろう。 よりにもよってギリシャ最高の狩人に、狩りという絶好のシチュエーションを与えてしまってはいくら霧亥が絶大なサーヴァントでも不利を覆せるわけがない。 「…他にも選択肢はあったはずだ」 何故魔術師殺しとまで呼ばれた切嗣がこれほどの失敗をしてしまったのか。 その原因は霧亥の持つ精神異常のスキルとそれに端を発する異様な攻撃性への不信感だ。 衛宮切嗣の価値観ではサーヴァントは兵器であり道具だった。 故に武器や道具が勝手に誤作動を起こし発砲、暴発するなどという可能性は到底認められるものではなかった。 だからこそ切嗣が戦略の全てを主導するために本来の彼ならしないようなサーヴァントと行動を共にするという策を取った。 「僕が多少魔術師を狩ることに長けていたとしても狩りを生業にする英霊からすれば問題にもならない。 少し考えれば簡単にわかったはずだ……くそっ!」 気づかないうちに自らのマスターとしての実力を過大に評価してしまっていたのだろう。 攻撃特化の霧亥と暗殺、対魔術師戦に特化した切嗣が共に行動したところで性能を発揮するどころか強みを殺し合い弱みを増やすだけ。 現にたった今護衛に意識を割くしかなかった霧亥も、サーヴァントに一方的に狙われた切嗣も全くもって真価を発揮できなかったではないか。 予選で何の問題もなく勝ち進めていたことが勘違いを深めてしまったのかもしれない。 確かに霧亥の精神異常については警戒して然るべき案件ではあっただろう。それは今でも間違っていたとは思わない。 しかし切嗣はその一点を過剰に警戒するあまり自身と霧亥の性能を活かすことを疎かにしてしまっていた。 何も仲良く揃って行動せずとも使い魔を介して様子を見つつ単独行動させるなり取りうる方法はあったはずだ。 いや、そもそも馬鹿正直に討伐クエストに参加するべきではなかったのだろうか。 無論クエストに参加することによって生じるリスクについて承知していないわけではなかった。 双子を討伐しようと自らを獲物を仕留める狩人と信じて疑わない者の背中を撃たんとする者は出てくるだろうとは考えていた。 というか霧亥の精神異常の件さえなければ切嗣も迷わず討伐クエストに参加した者を狩ろうと動いていた。 「…そうか、そもそも最初から僕らしい方針ではなかったということか」 少なからぬ主従が双子討伐へ動き出しているであろう中で、衛宮切嗣の性能を活かすことを捨ててまで令呪を欲した結果がこれだ。 いや、それでももっと積極的に霧亥の千里眼を活かすなりすればこんな無様は晒さなかったはずだ。 たかが魔術使い一人が、サーヴァントの力を活かさず動いたところで英霊に祀り上げられた者どもに競り勝てると何故勘違いしてしまったのか。 「……腹を括るか」 現状は極めて不味い。霧亥の制御に使用する予定だった令呪は自己防衛のためだけに二画も消費し、連戦による魔力消費もそろそろ馬鹿にならない段階に達しつつある。 宝具の連続使用はともかく数度に渡る重傷からの回復はそれなりに魔力を持っていかれるのだ。 加えて翡翠の弓兵、アタランテは今も切嗣らを追っていると考えておくべきだ。 拠点からも遠く離れたところに転移してしまった今、もう一度同じ状況で奴と接敵してしまえば為すすべなく殺される。 事前にK市の地理は端末の検索と実地での調査で把握しており、ここはB-7の海岸付近であるとわかる。 つまり拠点にまっすぐ戻ろうとするとアタランテを避けて通るのが難しいということ。 しかしこれだけの不利が重なっているとしても、霧亥の性能が多くのサーヴァントを圧倒できるものである事実は動かない。 実際には彼を凌駕するような英霊も存在するかもしれないが、今は魔術師殺し一人の能力と裁量だけで切り抜けられる状況では決してない。 今は霧亥の力が必要だ。暴走のリスクがどうだのと言っていられる段階はとうに過ぎた。 「アーチャー、千里眼を最大限に稼働させて索敵に専念してくれ。 そしてその視界を僕もレイラインを通して共有する」 視界共有。使い魔を操れる程度の力量を持った魔術師なら誰でも修得している魔術だ。 切嗣は今、千里眼を自律稼働させた霧亥の視界を自身が見ることによって同時に多数の情報を得ようと考えた。 霧亥の視界ならばサーヴァントの位置情報も特定でき、余計な戦闘を避けながら移動することが可能だ。 そして最大限上手く行けば双子の位置も特定し、討伐することで失った令呪も一画は補填できる。 が、この方法には大きなリスクが伴う。 ただでさえも超常存在たるサーヴァントである上に常軌を逸した千里眼の持ち主である霧亥の視界を見るという行為に切嗣の脳が耐えられるかは未知数だ。 衛宮切嗣は自らを目的を遂行するための機械と規定しており、そうであるが故に焼けつくことも辞さないなら限界を超えた駆動も厭わない。 そもそも魔術師というものは後先さえ考えないのなら自身の限界などというものは容易く超越することができる。 (―――しかし、それでもやはり限度はある) あの霧亥の視界ともなれば下手をすれば一瞬にして脳が視覚を通して入り込む情報を処理しきれず廃人と化す恐れもある。 この懸念があったために今までこの手段を禁じ手として封印してきたのだった。 だが今はその禁じ手すら使わなければとてもここから先を勝ち抜くことはできない。 意識を集中し、視界共有の術式を発動した。 【B-7/海岸付近/一日目・午後】 【衛宮切嗣@Fate/Zero】 [状態] 打撲、魔力消費(小)、焦燥 [令呪] 残り一画 [装備] なし [道具] 小型拳銃、サバイバルナイフ(キャリコ短機関銃を初めとしたその他武装は拠点に存在) [所持金] 数万円程度。総資金は数十万以上 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯による恒久的世界平和の実現 1:アーチャー(霧亥)と視界共有を行い入手した敵陣営の位置情報を元に方針を練る 2:アインツベルンの森の存在が引っ掛かる 3:討伐対象の『双子』を抹殺し、令呪を確保したい 4:アーチャー(アタランテ)を強く警戒。勝てる状況が整うまで接敵は避ける 5:ひとまずアーチャー(霧亥)への疑念は捨て置き存分に性能を活かす [備考] アーチャー(アタランテ)の真名を看破しました アーチャー(霧亥)と視界共有を行います。 どの程度の情報が得られるか、切嗣への負担の大きさなどは後の書き手さんにお任せします 【アーチャー(霧亥)@BLAME!!】 [状態] 疲労(中)、魔力消費(中)、右腕左足喪失(急速回復中)、ダメージ(中) [装備] なし [道具] 『重力子放射線射出装置(グラビティ・ビーム・エミッター)』 [所持金] なし [思考・状況] 基本行動方針:聖杯獲得 1:サーヴァントの討滅 2:アサシン(死神)、アーチャー(アタランテ)は殺す
https://w.atwiki.jp/fate_extra/pages/17.html
1回戦(目標レベル 8) 1回戦(目標レベル 8)1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 コメント 1日目 学園 朝 聖杯戦争とサーヴァントについての確認セイバーのみさらに選択肢発生、どのクラスか質問「セイバー」「ライダー」「わからない」 1F保健室の間桐桜から「携帯端末機」入手 屋上の遠坂凛と会話 夕方 教室の女子生徒と会話 3階廊下のラニと会話 屋上の凛と会話 購買部のNPCと会話 1F廊下の言峰神父と会話すると「マイルーム認証コード」入手。2-B教室がマイルームになる 1F廊下の藤村大河と会話すると、「竹刀」探しの依頼 アリーナ 第一層 途中までしか進めない 2日目 学園 昼 2F廊下の掲示板で対戦者発表 対戦者:間桐慎二 決戦場:一の月想海 夕方 2F廊下の言峰から暗号鍵の説明 1F廊下の慎二と会話 購買部のNPCと会話 1F保健室の桜と会話すると「エーテルの粉末」入手 アリーナ 1日目進めなかった所でサーヴァントと戦闘(MATRIX(1)入手)コマンド開示なし、ダメージは小こちらの行動に対応した攻撃+相打ちをしてくるので勝てないが、回復を挟んでいけば負けることは少ない。3ターンで終了 第一層の赤いアイテムフォルダから「竹刀」入手(依頼用) トリガー入手 宝箱入手・アリーナ踏破100%隠し通路なし 3日目 学園 夕方 2F 図書室前でMATRIX(2)入手 図書室の本棚で無敵艦隊について調べる 図書室の女子生徒から二丁拳銃の英雄についての会話 4日目 学園 夕方 2F廊下の凛と会話 図書室の慎二と会話 図書館の本棚からガウェインについて調べる 1F廊下にいる大河に「竹刀」を渡すと第二の依頼。アリーナ内の「みかん」を探す 1F廊下の言峰と会話。教会で魂の改竄が可能に 1F廊下からアリーナ方面へ行くと第二層に暗号鍵生成 マイルームで黄色会話有り アリーナ 第二層で「古ぼけた手記」入手(戦闘後、MATRIX入手) 古ぼけた手記入手後、間桐慎二が来て戦闘 3ターン凌ぐと戦闘終了。MATRIX入手(Lv3)開示されていない場所はこちらの行動に応じた有利攻撃をしてくる 被ダメージ量を考えながらヒールor回復アイテム 「古ぼけた手記」入手場所付近の赤いアイテムフォルダから「聖者のモノクル」入手(4日目限定) 赤いアイテムフォルダから「みかん」入手(依頼用) トリガー入手 宝箱、アリーナ踏破率100% 隠し通路? 5日目 学園 夕方 アリーナに入ろうとするとイベント。学園内の魔法陣探し 魔法陣は、保健室と、2-A間桐慎二の席にある □ボタンでショートカット移動ができる様になる アリーナ 次の日のトレジャーハンティングを有利に進めるため、マップをできるだけ埋めておく 6日目 学園 夕方 1F廊下の大河に「みかん」を渡すと「タイガーライト」入手 アリーナ 第二層でトレジャーハンティング(1周目は3個が限界?) ハンティング開始前に、財宝の位置確認&SELECTボタンでマップ拡大をしておくことを推奨 2周目以降は強化スパイクのコードキャストを使って追いかければ、1つ目の財宝ポイント直前で追いつくことが可能。戦闘になったら3ターン耐え凌げば相手が撤退する。 Lv11あたりまで上げて筋力特化したセイバーやアーチャーがパターンを読みきれば倒すこともできる。2周目以降で、古びた神刀があればLv9程度でも可。パターンは下記の決戦時の通常モードと同じで、宝具パターンには入らない。ただし倒してもEXPはゼロで、特に展開に変化があるわけでもない。 手に入った財宝は1個につき2000PPTで売却できる。序盤の良い資金源になるので忘れずに売っておくといい。 7日目 マイルームで情報を整理する 選択肢「クラシックな2丁拳銃」→「船」→「フランシス・ドレイクだ」でMATRIX LEVELがEに 情報を整理したあと、1F用具室の言峰に話しかけ決戦へ1回戦のみ情報整理しないと決戦に迎えない。 敵主従と会話選択肢1「やってみないとわからない」「そんなルールあるの?」 選択肢2-1「一応聞かせて」→選択肢2-2へ「遠慮しておく」→会話終了 選択肢2-2「断る」「呆れたので返事をしない」 VSライダー 【戦法・対策】 HP3094 1回戦ということで火力に不安があるが、3手目のスキルにだけ気をつけて分からないところは スキルでつぶせば競り勝てる 「姐さんの華麗な略奪」の効果を守り刀でスタンさせて止め続ければ宝具パターン以外、姐さんの華麗な略奪の発動の2パターンに固定できる。その場合偶数手が見えれば6手完封も可。ただしHP30%切った後の宝具パターンは上記問わず強制的に入るため慢心に注意。 ダメージは100~200、EXはGUARDで200~300、慎重にコマンドを読んでエーテルの欠片(200)で確実に回復すればおk 6日目のトレジャーハンティングのお宝取得数で攻撃力変化? 行動パターン S(補) B A B A B S(補) G A G A G B A S(攻) A G A B A S(攻) A B A G A S(攻) A B A G A S(攻) A G A A B A B A B A B A G A B A G A G A G B A B A B A B A B A G A B A G A G A G A B A B A G A G A G A A ? S? A A G A A AB? G A A HP900以下? A A A G B S(Ex) A A B B B S(Ex) A A G A B S(Ex) A B A A A S(Ex) A B A A B S(Ex) A B B B A S(Ex) A B B G G S(Ex) A B G A G S(Ex) A G B A B S(Ex) A G G G G S(Ex) B A A B B S(Ex) B A G G G S(Ex) B B A A B S(Ex) B B B A B S(Ex) B B B B A S(Ex) B G B A A S(Ex) G A G A A S(Ex) G G A A A S(Ex) G G A B G S(Ex) G G B B A S(Ex) スキル・宝具 名称 効果 発動条件 S(補) 姐さんの華麗な略奪(エランダ・ソル・ポネンドゥ) ATTACKの攻撃力上昇(3ターン)(トレジャーハンティングの結果に応じて効果アップ) 効果未付与時の1手目 S(攻) カルバリン砲 筋力ダメージ 3手目 S(Ex) 黄金鹿と嵐の夜(ゴールデン・ワイルドハント) 筋力ダメージ(そのターン内のコマンド勝敗数に依存) HP30%(約930)以下 code loss_lck(32) 幸運ダウン(3ターン) code shock(32) ダメージ+スタン(1手) コメント 最新の10件を表示しています。情報提供、情報検証などにお役立てください。 5日目の魔法陣探しのイベント中は、校舎入り口に男子生徒、三階に柳洞が出現し、ラニの会話内容が変化する。また、二階廊下の図書室前では凛と慎二の会話イベントが発生する。魔法陣を全て消滅させると上記の変化がリセットされる模様。 - 名無しさん 2012-02-19 10 01 23 4 - 名無しさん 2012-04-05 21 13 33 4日目。教会に行って外に出ると、慎二とダンの会話発生。ダンはボイス有り - 名無しさん 2012-04-05 21 14 23 守り刀を持ってる人なら、スキル完封、楽勝でした - 名無しさん 2012-05-13 07 19 56 ライダーとの決戦の時のアーチャーのレベルが23だったと言ったらどうする?(地味に自慢。アリーナに三週間藻居た。楽勝!) - エミヤ 2012-08-02 01 45 28 始めに出るSkill(姐さんの華麗な略奪)を”守り刀”でつぶしとければ、出るのは始めの2手だけだと思う。 - Master TK 2012-12-08 19 44 23 BAGGGEx - 名無しさん 2012-12-30 02 55 55 4日目限定と書かれてる「聖者のモノクル」、4日目に取り損ねたけど5日目に取れたよ。ちなみに弓で女主。 - 名無しさん 2013-07-16 03 14 34 fate/extra - 名無しさん 2015-06-13 00 14 33 S(EX)って、もしかして宝具のことですか? - 名無しさん 2015-11-04 08 02 29 真剣に聞いてるのかセックスであるといいたいのかわからないコメントはよしたまえ - 名無しさん 2016-01-22 00 04 35 セックス! - カミーユ 2016-02-16 17 46 21 やめないか! - 名無しさん 2016-09-22 12 01 38 お子さまだもんね♪ - 名無しさん 2016-09-22 23 06 19 2日目の慎二との戦闘、死なないのならめんどくさかったのでall Attackでいったら死にました……(´・ω・`) - 名無しさん 2016-09-21 00 22 55 ”負けもしない”と書かれてはいるが、”死なない”とは書いていない。。。 - 名無しさん 2016-09-21 12 35 06 名前
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2519.html
Fate/EXTRA CCC 【ふぇいと えくすとら しーしーしー】 ジャンル 対戦型ダンジョンRPG 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売元 マーベラスAQL 開発元 TYPE-MOONイメージエポック 発売日 2013年3月28日 定価 通常版 6,279円ヴァージンホワイトボックス 10,479円 廉価版 PSP the Best/2014年1月30日/ 3,065円 レーティング CERO D(17才以上対象) 判定 なし ポイント システム・演出は前作からの正統進化前作シナリオの不完全燃焼キャラの掘り下げを痒いところまで届かせたストーリーはやや前作プレイ済み前提続・ラスボス(裏)が色んな意味で危ない Fateシリーズ関連作品リンク 概要 ストーリー 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 『Fate/EXTRA』の外伝的続編。 前作はFateシリーズ本編とかなり毛色の違う番外編ということもあり色々と賛否が分かれたが、概ね好意的に『Fate』シリーズファンへ受け入れられた。 作品のテーマは「少女の情念、そしてエロス」であり、対象年齢がCERO D(17歳以上対象)となっている(*1)。 また前作にも登場した『Fate/stay night』からのキャラクター「間桐桜」が、物語のキーパーソンとして据えられている。 主題歌は分島花音氏の「サクラメイキュウ」で、本作では「魔法少女まどか☆マギカ」「化物語」で有名なシャフトが担当したオープニングアニメが収録される。制作監督は新房昭之氏。 選択した主人公の性別によってオープニングアニメのVer.が変化する。 前作データ引き継ぎ特典として、主人公のコスチュームに「体操服」が手に入る(男女でデザイン変化あり)。 ストーリー 霊子虚構世界「SE.RA.PH(セラフ)」における聖杯戦争は終わりを告げたはずだった。 しかし、月の聖杯たる霊子コンピュータ「ムーンセル」のエラーによって、電脳世界そのものの在り方が変異してしまう。 放棄された裏側の領域に落着した主人公たちは、破綻した謎を解くため、桜の大樹の下に広がる迷宮の攻略へと身を投じていく。 溺れる夜に、淫靡で妖艶な物語が、いま幕を開ける。 + 一部キャラクター簡易紹介 主人公(男/女) 私立月海原学園に通う生徒。2年A組に在籍している(男・女いずれかの性別を選択。)今回は名前入力時のセレクトボタンでデフォルトネーム有り。前作コミカライズ版からの逆輸入で「岸波白野」(男女共通)。ニックネームは男で「キシナミ」、女で「はくのん」となる。 セイバー 難易度:スタンダード。剣士のサーヴァント。最も優れていると言われるクラスの名に恥じず、通常攻撃を軸としたバランスのよい戦闘力をもつ。やや幼い容姿に唯我独尊な態度だが、マスターに熱い親愛の情を抱く。 アーチャー 難易度:テクニカル。弓兵のサーヴァント。基本能力はさほど高くないが、投影魔術を用いて強化した攻撃スキルを主力とする。皮肉屋で徹底した現実主義者。 キャスター 難易度:マニアック。魔術師のサーヴァント。魔力と特殊スキルに特化したクラスで、正面対決ではサーヴァント中最弱と言われている。毒舌だが、主人公には忠節を誓っている。 ギルガメッシュ 難易度:チート。クラスを与えられず真名を隠さない、黄金の甲冑を纏う英雄王。圧倒的な総合能力に裏付けされた自信に満ちており、戦闘力のみならずその洞察力も他の追随を許さない。 間桐桜 月海原学園に通う1年生で、保健係の少女。 評価点 EXTRAの補完 前作は諸事情によりTYPE-MOONのメインライターたる奈須きのこ氏はあくまでシナリオ監修という立場だったが、内部で色々あったのか発売目前にしてシナリオ担当となる(結果発売予定日から大幅の延長となった)。その結果色々と奈須氏としても納得いく修正が出来なかったらしく、その不満はプレイしたファン側でも如実であった。 今作は最初からシナリオを奈須氏が担当。そして外伝という位置づけの通り、前作本編の合間に起こった出来事という時間軸のなかにて展開される。 Fateシリーズ原典である『Fate/stay night』のメインヒロインの一人であった間桐桜はEXTRAでもパラレルワールドの似た存在として登場していたが、そちらでの役割はほぼ端役同然であり、ボイスも無く、はっきりいってあまり良い待遇ではなかった。だが、今回その立場はCCCの真のヒロインと言って間違いない大役へと躍進を遂げている。 それでいて、かねてから「腹黒い」「報われない」「暴走ネタキャラ」と二次創作は勿論公式からもあまり良い扱いでなかった彼女であるが、今回はその「純真さ」「一途な良い子」っぷりが実に際立っている。とても好評となった。 ちなみに「腹黒い」「報われない」「暴走ネタキャラ」に該当する要素は、桜と非常に密接に関わるキャラに受け継がれている。 あくまで「EXTRAの桜」であり、「stay nightの桜」とは無関係であるが、「この桜は桜で好き」と概ねファン感情は良い。 前作からのファンの強い要望であった「パートナーのサーヴァントともっと親密な関係になりたい・触れ合いたい」というものは勿論きっちり叶えられている。これによりサーヴァントの背景の掘り下げはより深くされ、またとても親密な関係となるイベント・各自EDなども用意された。 テーマ的にも女性キャラがクローズアップされる事の多い本作だが、前作では詳しい描写のないままに死んでいった男性キャラの考えや信念なども掘り下げられており、本作ではきちんと見せ場が用意されている。完全な脇役はいないと言って良いレベル。 見せ場らしい見せ場という意味では、むしろ男性キャラの方が印象深いほどである。 前作からある程度出番の多かったキャラに関してもコミカルな人間臭さがクローズアップされたりしている。 四人目のサーヴァント、ギルガメッシュ参戦 発売前からファンの目を引いた要素の一つ。それがstay nightからのキャラクター「ギルガメッシュ」を自分のサーヴァントとして使えるということである。 「事実上最強のサーヴァント」として名高く、加えて基本的に悪役側であり屈指の強敵と言う立場の多かった彼をまさか味方として見ることができるとあり、その話題性はとても高かった。 新規参戦サーヴァントということもあり、彼だけシナリオもところどころ変更され、前作のプレイヤーにとって新鮮味がありながら違和感が少ないという配慮になっている。 ただしその変化部分に本作の核心部分を前提とした台詞が入っているため、公式のインタビューではスタッフが「二周目以降の選択」を勧めている。もちろん「チート」評価だけあって最終的なステータスは優遇されているが、その意味合いは難易度というよりストーリーによるものが強い。 ダンジョン探索・戦闘の正統進化 前作ではダンジョン(アリーナ)内でセーブ不可で、加えてダンジョンから一度出たらシナリオが勝手に進んでしまいもう前のダンジョンフロアには行けないという、一方通行かつあまりに油断の出来ないシステムであり、長時間のレベル上げや探索がワンミスの死亡により泡と消えるというシビアさであった。 このシビアさが良いという意見もあるにはあったが、やはり不満の方が多かったようで今作では変更されている。 各フロアに全回復ポイントが設置され、それがセーブポイントも兼ねるようになった。これにより事故死の心配は格段に減った。 クリアしたフロアも後日また行けるようになった。これにより探索の見落としが尾を引くことはなくなった。 ただし一回目の探索ではとれなかったアイテムがそのフロアクリア時にとれるようになったのに勝手に帰還してしまうという状態が今作からある。分かっているのにその時とりに行けず一部とりに戻らなくてはならないという面倒さも出来てしまった。 前作で出来なかった雑魚からの逃走も可能になっているが、手順が開示されていけばほぼ使われなくなる。 やや戦闘の演出が地味とされていたが、それらも順当なイメージで強化された。 サーヴァントの台詞以外どちらも同じだった完封時のEXTRAターンは、プレイヤーが2連続成功時(6ターン目)の専用モーションが追加され、各アタック・ガード・ブレイクのアクションやセリフも連続成功数に応じて色々とバリエーションが増えた。 一部別技なのに動きがまったく同じと指摘されたセイバーのスキル技や、設定の割には技のレパートリーが少ないというアーチャーだったが、各スキル演出の強化・差別化や技の増加等により、それらもそこそこ改善された。 前作では全回復ポイントがあるか否かという程度の違いだった難易度設定だったが、今作では行動パターンの開示数・アイテムの入手率の上がるSWEET/従来通りのNORMAL/敵の体力・攻撃力が上がるMANIACの三段階が用意された。この為初回がよりプレイしやすくなった他、周回プレイ時それなりにやりごたえが出来た。 戦闘のコマンド選択にはオート選択も可能。選択すると開示されている行動に対して勝てる手を、不明な手に対してはランダムな手を設定する。 レベルが低く敵の行動パターンが開示されていない内はバクチ行為でしかないが、レベルが十分ある時点での雑魚戦の手間は格段に減った。 コスチュームチェンジ 主人公とパートナーのサーヴァントの衣装にレパートリーが出来、マイルームのクローゼットで着せ替えが出来るようになった。 サーヴァントは大きく分けて「今作での衣装」「前作での衣装(ギルガメッシュ以外)」「現代風衣装」「水着」「最終決戦用の衣装」と四~五種類。 主人公は「今作での衣装」「前作での衣装」、およびクリア特典となる「水着」、そして前述の前作引き継ぎ特典の「体操服」。更にカラー変更出来る「眼鏡」と、「手袋(男)」「靴下(女)」のアクセサリー付となっている。 これらを着せ替えることで視覚的にも周回プレイに飽きが来にくくなった(シリアスなシーンで水着姿というセルフムードブレイクも可能)。 やりこみ要素 ラスボスはルート分岐により二体存在しており、やり込み甲斐が増した。 隠しボスも三体に増え、それらは自分のサーヴァントにより相手とやりとりが変化したりする為、毎回新鮮味が沸く。 パターン開示だけでなく、サーヴァント毎に周回でのレベル引き継ぎが行われるようになった。前作ではレベル1からのやり直しを強いられていた為これも嬉しい所。 数は多くないがCG閲覧モードも搭載されており、EDのCGも引継ぎ可能。 男女主人公とサーヴァントのシナリオの多彩分岐 主人公の性別や選択したサーヴァントによるキャラクター達の受け答えや主人公自身の反応に差異が増えた。 前作では女主人公は男主人公の流用感が強く、あまり女の子扱いされているとは言い難かった(今作でも作中で「男らしい」と呼ばれたり女子とデートする作戦をやらされたりするが)。 しかし今作では女主人公によるシナリオ内の変更が大幅に増えた。女の子らしい恥じらいやときめきをしたり、特定のサーヴァントと組み合わせるとシナリオの変更が如実になったりする。 前作からのサーヴァントの一人であるセイバーは性別に区別なく人を愛するキャラであり、それもあってか主人公がどちらの性別だろうがシナリオや台詞的にはアーチャーやキャスターに比べると差異が殆ど無かったが、今作では男女で台詞に結構差異があり周回で違いを楽しめる。 通常ルートには各サーヴァント毎のグッドエンディングがそれぞれ用意されており、加えてもう一つ、(通称CCCルートによる)トゥルーエンドが存在するという豪華さ。 通常ルートのノーマルエンドが前作のエンディングに当てはまる内容となる。といっても各サーヴァントエンドのイベント部分を取り除いた簡素なものであり、元々前作があまり救われない結末だったことも影響している。 ちなみにそれぞれのボスイベントで敗死時に対応したバッドエンドも用意されており、これらも結構凝っている(これは前作から)。一方、今回はイベント戦以外で敗北した際に戦闘リトライが可能になっている。 賛否両論点 より「TYPE-MOON」的なシナリオ 前作のシナリオは、別のライターが執筆したものを奈須氏が書きなおしたものであるため、粗こそ多いものの比較的万人向けのシナリオであった。 今作のシナリオは奈須氏が最初から執筆しているため、粗は少なく出来は良いのだが、その一方でよりTYPE-MOONファン向けとでも言うべき、癖の強いシナリオになっている。 一部にギャグ要素が強い。 特に序盤(第1章~第2章)に関してはかなりキツいレベルのキャラ崩壊がメインとなる。 + ... 第1章、第2章の顔は前作でマスター側として主人公の協力者となった遠坂凛とラニ=VIII。仮にも主人公とパートナーサーヴァント以外でいい感じの関係を築いたこの二名(特に凛はFateシリーズ通してのヒロイン)の扱いが完全にギャグ。ヒロインが続編や外伝でネタキャラ化するのはTYPE-MOONではよくあること(*2)なのでこれに馴染んでいる濃いファンには気にならないが、馴染みのないライト層の一部やそういった作風をよく思わないファンからは疑問があがった。 第4章終了後にドシリアスな間章が入るのだが、直後の第5章前半もギャグ全開。盛り上がった心が一気に冷めるプレイヤーも。こちらは上ほどキャラ崩壊はしていないが。 パートナーの一人・キャスターの最後に覚える新追加技が完全にギャグな点はついていけない者も。 主人公に告白しながらだが(*3)凛々しく攻撃する技のセイバー、stay nightからのファンには嬉しいサプライズ技であるアーチャー、地球上が舞台となるstay nightではとても全力の表現が出来なかった分月の電脳世界で遠慮なく権能級の宝具を振るうギルガメッシュ等と違い、彼女のはもうシリアスの欠片もない。 あろうことか魔術師のクラスの彼女なのに物理技である。前作から仄めかされていたネタの技で彼女らしいといえばらしいスキルなのだが、シリアスな戦闘中にぶちかませば緊迫感は完全崩壊。しかも強い! 確かにキャスターはメタなギャグも自重しないキャラであるが、決める所ではシリアスに決めてくれるキャラでもある。だが戦闘中の技には、そのような「決め所」に合わせた配慮などない。自粛すれば良いのだが、ゲーム的にとても苦労する羽目になる。 逆に、一部にとても暗い箇所も。 元々Fateシリーズ全体がシリアスで多かれ少なかれ悲愴感があるシナリオなのも関係していると思われるが、本作でもちょっと後味の悪さを感じさせる箇所が多々ある。 最後まで生き残れないキャラも敵味方双方に存在する。それでもほぼ例外なく見せ場が存在したり、何かしらの救いがあったりするのは幸いと言うべきだろう。 「迷宮を進むためには敵に回ったヒロインの隠しておきたい秘密を暴き立てていく必要がある」と言う趣旨は、若干悪趣味で好みが分かれる。 また、そのヒロインを撃破した際には言葉責めによって完全に心を折り、成功するとヒロインのエロティックなイラストを見る事が出来る……と言うまるで脱衣麻雀のようなイベントがある。ギャグシナリオの後はともかく、シリアスなシナリオの後にも容赦なくこのイベントが挿入され、せっかくの盛り上がりが薄れてしまう事も。 「エロが燃えを削ぐ」と言うのはある意味Fateの伝統ではあるが、そんな所を引き継いでどうするのか。 物語が進むにつれて、言葉責めパートもシリアスになってはいく。が、全体がシリアスになるのではなく、序盤はギャグの流れで容赦なく笑わせに来るのに、選択肢をひとつ越えるごとに急激に雰囲気が重くなっていくという傾向が顕著になっていく。後半では最後の最後で誤った選択肢を選ぶと、ヒロインが逆上し一気にゲームオーバーになる(3点のライフが一度に全て消し飛ぶ)チャートが多い。そしてエロはそのまま。 ストーリー上のボスキャラクターのうち、約1名と裏ラスボスを除くと、作中同一もしくは容姿が類似したキャラクターと複数回戦闘することになる。後者に該当する三人は表ラスボスとそのアルターエゴ(別人格)という設定から、内面や容姿にそこそこ大きな違いはあるものの、顔はだいたい同じ。 幾度もの戦闘を経て性格や背景まで丁寧に掘り下げられている反面、キャラを何度も使いまわしていると感じるプレイヤーも。 ここまでを総括すると、ギャグとシリアスの間で上げて落としてを繰り返す流れが極端に多いと言える。これが本当に好みが分かれる。 Fateシリーズにおいても「hollow ataraxia」が同様の構造(コメディ主体の中に、おもむろにシリアスなイベントが入る)をしていたが、ここまで落差が強烈ではなかった。本作はキャラ崩壊級のギャグと悲劇的な展開が同じ章に(場合によっては同じイベントに)混在する。ギャップを狙っているのだろうが、あまりに緩急が付き過ぎてついていけない所も。 「きのこ節」とも言われる癖の強い文章・シナリオ 例えば、似た台詞を3回(あるいはそれ以上)繰り返すシーンが非常に多い。「言う事を聞きなさい。聞いて。聞けってば!」と言った具合。 他の奈須きのこ作品でも多い文章だが、その多くは地の文であるため違和感は少ない。本作ではその形式上、地の文よりキャラクターの台詞が多いので、皆が皆不自然な繰り返しを口にし易いため、違和感が若干強い。 前作が万人向けストーリーということで主人公のキャラクターも極力無個性で思考も比較的常識人…といった印象だったのだが、今作の主人公は氏の個性が爆発しまくっている。 特に中盤、主人公が示す脅威の精神力と行動力は最早プレイヤーの感情移入がちょっとついていけなくなるレベルに至る。TYPE-MOONの主人公らしくなったといえばそうなのだが。 新キャラの行動や性格、イベント等に関しても、割とひねくれていたり、理屈じみていたりする事が多い。同じ奈須きのこ作品でも、「stay night」等以上にかなり癖が強く、馴染めない人にとっては本当に馴染めない。「何故そんな行動を取るのか分からない」「何故そんな事を考えるのか理解出来ない」などと一度感じてしまうと、シナリオを楽しみにくい。 特に表ラスボスとアルターエゴの2人は、「stay night Heavens Feel」並に非常にアクが強く好みが分かれる性格にもかかわらず、シナリオ(特に真ルート)において、強く感情移入を求める重要キャラという立ち位置に置かれている。 総じて、好きな人にとってはとても面白いが、苦手な人は最後まで馴染めない、と言う要素が殆どを占める。もちろん、「それが良い」と言うプレイヤーも少なくないので、まさしく 賛否両論 点と言う所だろう。 エンディングの分岐 それぞれ別個に幸せなエンディングが存在するとはいえ、サーヴァントと間桐桜の両方を同時に幸せにする事は不可能。最終的にはそのどちらかを選ぶ必要がある。 さらに言えば、前作ヒロインである凛やラニへのエンディングは本作に存在しない(一応、フラグ不成立時の通常エンドが前作ストーリーへと戻る内容なので、その先に前作エンディングが待っているとは言える)。 裏ラスボスのヤバさ 通常ルートの表ラスボスもそれなりに少女の情念の恐怖やらなんやらを感じさせる存在だが、真ルートのラスボスはそんな生易しい奴ではない。 テーマのもう一つ「エロス」を突き詰め体現したに相応しい、淫靡で妖艶な立ち居振る舞いとラスボスとしての技の数々。冗談抜きで、ヘッドフォンをつけた上で、外でこのゲームをやるなら周囲に、家でも背後に誰もいないことを確認したうえで、裏ラスボス戦をやったほうがいい。 最終技である宝具についてはまさにこの為のCERO Dと言っていい。裏ボスのパートナーが知らせて曰く「最低最悪の宝具」。言いえて妙と多くのプレイヤーが共感したという。 裏ラスボスの声優の熱演もありそのキャラクター性はある意味ドン引きものともいえる代物に仕上がっている。 成長システム 前作ではレベルアップ時に入手したポイントを筋力・魔力…等に振り分けるシステムがあったが、今作ではそのシステムは廃止され、能力値は自動成長のみとなった。 前作では(特にセイバーにおいて)筋力優先強化が強すぎたりした他、キャスターも筋力を育てないと雑魚戦がどうしようもなかったりと、ポイント振り分け自体がバランスを崩す一因になっていた。 その為、なくなっても別に気にしないプレイヤーも多い。実際、今作は自動成長のみできちんとクリアできるゲームバランスになっている。 反面、何かに特化して成長させる楽しみ等がなくなった為、成長システムは残して欲しかったと言う声もなくはない。 問題点 前作未プレイ者への配慮の中途半端さ 続編にして外伝である本作だが、シナリオは『前作のキャラクター達がほぼ続投し時間軸も前作の真っ只中に起きた出来事』ということもあり、前作の中盤までのストーリー情報を持っていないとかなり置いてけぼりにされる。 主人公やそのサーヴァントは勿論、前作キャラクター達も前作での記憶が事情により一部を除きおぼろげである……と言う設定で、ある程度未プレイ者への配慮が窺えるのだが、その配慮はあまりに中途半端。はっきり言うといきなり今作からプレイすることはお勧めできない。 「会話やシナリオは前作の内容を前提としているが、その内容は詳しく語られない」「キャラは思わせぶりに思い出すが、プレイヤーに対する説明は一切無し」と言ったシーンが非常に多い。一部のキャラの動機や行動は前作の内容を前提としているため、前作のストーリーを知らないと「このキャラはなぜこんな事をしているのか」「このキャラは一体何を言っているのか」と言う疑問が尽きない。 その一方、「ネタバレ配慮しているっぽいが、バレバレで全く無意味」と言うシーンも多い。例えば、本作ではネタバレを避けるためか、味方・敵を問わず前作から登場したサーヴァントの真名は(時々一人称で思いっきり言っちゃっているキャスターと前作同様最初から名乗っているガウェインを除き)最後まで一切明かされず、それについての会話は全体的にぼかして語られる。が、宝具は別としてもプロフィールの開示により正体がバレバレとなるため、配慮の意味を為していない。 特にキャスターに関しては「一人称では思いっきり真名を喋るくせに、イベントでは徹底して伏せられる」と言う、なんとも意味の分からない事になっている。 何より、後半のマイルーム会話などは「真名が分かっている事が前提の会話」が展開されるため、もしプロフィールでピンと来なかった場合、意味不明にも程がある事になってしまう。 今回新規参戦のギルガメッシュを除く、前作からの使役サーヴァント三人の主人公へのいきなりの好感度の高さも、前作未プレイ者にとってはちょっとついていけないかもしれない。 逆に前作プレイ済のプレイヤーからすると、未プレイ者への配慮のせいで不自然に語られない部分が有るためモヤモヤする。「サーヴァントの生前の話」を語りながらも、そこで絶対に名前を出さない、など。 前作未プレイ者にとっても既プレイ者にとっても、どっちつかずで中途半端になってしまっている。いっそ完全にネタバレを解禁してしまった方が、どちらにとっても親切であっただろう。 前作プレイヤーにとっての物足りなさ 前作に登場した多くのキャラクターが本作でも登場するのだが、登場しないキャラも結構いる。 魅力的なキャラが多い作品だけに、チョイ役でもいいから出て欲しかったと考えるファンも少なくない。本作は続編であると同時にファンディスク的な要素も強いため、なおの事。 なお、前作キャラの一部不在の影響から、本作では聖杯戦争における基本7クラスのうち、2クラスが登場しない(該当のクラススキルはアルターエゴに割り振られている)。また、新規サーヴァント三騎のうち二騎がランサーと、バランスも悪い。 戦闘における非改善点 演出面は、スキルの演出強化や新技追加などを行い多少は良くなっているのだが、改善されていない点も多い。 前作で問題となった、多段ヒット技における「やられボイス連呼」については何故か改善されていない。「程度があろう!程度があろう!程度が程、程、てて程度があろう!」「おのれぇおのれぇおのお、お、おおおのれぇっ!」と言った間抜けな悲鳴が緊張感を削ぐ。 システム面は、「オート」と「逃走」の追加、その場リトライの実装のみでそれ以外の欠点は改善されていない。また、経験値を稼がなければならないので「逃走」を使用する事はまずない。 その場リトライに関しては「ダンジョン中で死んでもすぐに復帰出来るので面倒さが無くなった」とも「どうせ死んでもすぐ復活出来るので緊張感が無くなった」とも取れる。なるべく死なないように自分で心がければ緊張感を保てるが、常にオート選択して死んだらやり直し、の方が時間がかからない。そしてそれはただの作業プレイである。 総じて、「多少問題点は減ったが、ゲームとして面白くはなっていない」と言った所。特に前作プレイヤーにとっては、二作(×周回数分)同じシステムの戦闘をやらされる訳で、飽きも来やすい。 性別ごとのテキスト差異の微妙さ 女主人公にすると、キャラとの関係に不自然さが出てくる。 男主人公の場合多数の女性キャラクターからの好意が自分に向けられるという「まあギャルゲーとかでよくある光景か」とまだ納得出来るが、それがそのまま女主人公でもほぼ適用されてしまう。 「王子様」と呼ばれたり、「男同士の会談はやっぱり盛り上がるんですね」と男性陣に含められて言われる女主人公の心境は一応本編でもフォローが入っているが、それでもちょっと解せないものがある。 単純に「男性主人公の時とあまり反応が変わらない」だけなので、所謂ガールズラブな「百合ゲー」っぽさは表面的にしか存在しない。 女性キャラクターからの好意はさておき男性キャラクターの女主人公への反応はというと、「人物としては敬愛しているが異性としての好みじゃない」と全員に遠回しにだがすっぱりシナリオで言われる始末。 パートナーの男サーヴァントはアーチャーとギルガメッシュがおり、一応好感度は上がっていき恋人のような雰囲気にもなるがアーチャーは「娘や妹のようなもの(それを僅かに超える感はあるが)」「女性なら誰でも優しくする」なスタンスだったり、ギルガメッシュに至っては「容姿は好みからかけ離れている」とここでもすっぱり。乙女ゲー的な何かを期待していたプレイヤーは少し肩透かしを食らった感があった。 ここで問題となるのがアーチャーの個別エンディング。詳しい事はネタバレになるので書けないが、結局「アーチャーという存在の彼」を幸せにすることは出来ずに終わってしまい、まして女主人公にしてもまったく甘い終わり方ではない。これには前作からFateを知り、アーチャーとそれなりに甘酸っぱい関係を見せられてきた為本作でそれと同等かそれ以上の何かを期待した女性ファン勢(特に二次創作方面)に賛否両論となった。…これはstay nightから繋がる彼の生き方や思想そのものが幸せになれない原因であるのだが、それでもせめて彼と一緒に未来を歩む主人公が見たかったという意見はある。一方のギルガメッシュはなんだかんだで主人公と明るい未来を邁進する個別エンドだった。 ただし、完全に二人称を差し替えただけにしかなっていない前作よりはマシである。 周回プレイにおける不親切さ 周回プレイに対するやりこみ要素は増えたが、既読スキップなどはプロローグを除き一切なく、サーヴァントの会話部分以外目新しい部分が少なくなりがちで周回プレイに対するモチベーションを保ちにくい。 会話の高速スキップは可能だが、既読かどうかは構わずスキップしてしまい、注意しないと一周目とは別のサーヴァントを選んだ際の会話変更部分を見逃してしまうため、非常に使いづらい。また、会話以外の部分(移動など)は当然スキップ不可。 気づいた段階でバックログで文章は確認できるが、ログでは音声は再生されず表情も表示されないとあって、普通に読み進めるのに比べて盛り上がりに欠ける。 プロローグだけはスキップ可能で、すぐ本編に入れる。他のシナリオにもこの要素を追加してくれれば……。 戦闘も、周回プレイなどで行動が全て開示された時点で雑魚戦は負けようがなくなり面倒な経験値稼ぎになってしまうが、その作業を怠るとボス戦で勝てない……と言う前作の問題点が改善されていない。これについては、戦闘システムと密接に関わりすぎて改善が難しかったのもあるだろうが。 ルート分岐に関しても、「もう1つのルートは、通常ルートの途中にイベントが挿入される(ごく一部のシーンとクライマックスのみは変更)」と言う形を取っているため、ルート分岐に関わらないイベントシーンは毎周回ごとに見なくてはならない。 + ※中程度のネタバレを含むので注意 周回プレイにおいて中盤のとあるイベントが非常につらい。 詳細は伏せるが、普段の歩行速度より遅いスピードでただただ前に歩くだけのイベントがあり、10分近くはただ前に進む必要がある。 シナリオと初見プレイの上では納得のイベントであり、その直後の展開も含め非常に盛り上がるイベントではあるのだが、シナリオが分かった上でプレイする2周目以降では退屈な時間になってしまっている。 加えて2周目以降のイベントスキップもゲーム序盤のみ、この箇所は対応していないのがつらい。 周回プレイに関しては、「何周も繰り返していろいろなテキストを読んでいく事が前提」のアドベンチャーゲームの要素が強い本作では「2周目が有っても、あくまでやり込みレベル」のRPGの要素と噛み合っていない、と言えるかもしれない。実際、2周程度ならばまだ、(上記のネタバレ項目を除いて)そこまで強いストレスを感じるほどではないが、3周、4周と続けるにはあまりに不親切。 引継ぎに関しても「引き継げるものは全て引き継ぐ」という強制式のため、「真ルートのために選択肢のガイドだけ出したい(*4)」、「緊張感を保つために2周目で同じサーヴァントでもレベルだけリセットしたい」ということは不可能。 総評 前作にあった数多くあったシナリオの不満点が解決され、「ファンにとっては」良作と呼べる作品。進化した演出とシナリオの質は、大幅に向上している。 一方である程度は万人向けであった前作と比べ、本作は癖が相当強くなっており、奈須氏のファン以外にはやや敷居の高い作品になってしまっている。 また、きっちりシナリオを理解する為には前作プレイが必須であるため、ファンか否かを問わず本作のみを初見のプレイヤーには勧め辛い出来である。 ゲーム面も、一部は改善されたがそうでない不満点も多く、あまり面白くなってはいない。 とはいえ、奈須氏の作品がかなり好きなプレイヤーならば、シナリオ面では強くオススメできる。 その際は、必ず前作のシナリオを把握してからプレイする事をお勧めしたい。 余談 ディレクションを担当した新納一哉氏は本作の制作途中にイメージエポックを退社、同氏が同社で手がけた最後の作品となった。 スクウェア・エニックスに移籍して『ドラゴンクエストビルダーズシリーズ』等を手掛けた後、2019年8月からTYPE-MOONに移籍している。 2013年のTYPE-MOON公式サイトでのエイプリルフールネタ「路地裏さつき ヒロイン十二宮編」にてCCCの桜の扱いが触れられているが、そこでも扱いが悪いかのような文面だったため一部で物議を醸した。 これはライター曰く、シナリオ執筆時期がCCC発売前だったためとのこと。裏を返せばCCCのネタバレに触れていないため、結果オーライだったのかもしれない。「どうせ扱い悪いんだろう」と思ってエアプで書いたことにもなってる気がしないでもないが シナリオライターである奈須氏は、自身の日記で「まだまだ続く」と記しており続編も期待されてたが、肝心のパートナーであったイメージエポックは倒産という憂き目に。だが2016年11月10日、前作EXTRAと本作の発売元であるマーベラスが開発を担った完全続編として『Fate/EXTELLA』が発売。Fate/EXTRAシリーズの血統は無事受け継がれた、かのように思われたが… Fateシリーズのソーシャルゲーム作品である「Fate/Grand Order」では本作の後日談的なシナリオのコラボイベントが配信された。もちろん本作登場のサーヴァント達も入手出来るようになっている。詳細は当項目では脱線となる為割愛。気になる方は各自検索されたし。