約 40,599 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4051.html
前ページ次ページゼロの軌跡 第九話 公爵令嬢のクエスト 「ひどい目にあったわ…」 「それはレンの台詞のはずよ、ルイズ」 「レンは楽しんでたじゃないの…」 ルイズの実家、ヴァリエール公爵家に二人が到着したのは朝方のこと。 愛娘が帰ってきたと喜んだのも束の間、まだ学院の休暇に入っていないことを思い出した一家は何があったかと慌ててルイズを出迎える。そこで彼らが見たものは、末娘と謎の少女と鉄のゴーレムだった。 「ただ今帰りました、お父様、お母様、お姉様。彼女は…私の親友のレン。このゴーレムは<パテル=マテル>」 一体何から聞けばいいのだろうと思い悩んだが、客人に礼を失することがあってはいけない。とりあえず朝食の席に同伴し事情を聞くことにしたのだが、開口一番ルイズの一言に食卓の一家は凍りついた。 「魔法学院を退学して領地経営の勉強をすることにしました」 順を追って話すことにしたルイズだったが、わずかに三十秒後、サモンサーヴァントのくだりで父ヴァリエール公爵が顔を真っ赤にしてレンに杖を向けた。姉カトレアが必死になだめて事なきを得たものの、 ルイズが全てを話し終えた後、今度は母カリンも幽鬼のように立ち上がりレンに決闘を申し込んだ。冷静に見えてその実、十二分に頭に血が上っていたらしい。レンは勿論その申し入れを快諾。 これにはカトレアも処置無しと天を仰ぎ、三人が庭で思う様戦っている間にルイズに詳しく話を聞くことにした。 戦いが終わり、疲れ果てた両親に姉妹は必死の説得を試みる。 それが功を奏したのか、はたまたあまりの事態に考えることをやめたのか定かではないが、どうにか両親はルイズの退学とレンを迎え入れることを認めたのだった。 「終わったことを気にしてはいけないわ、ルイズ。明日からはどうするの?」 「お父様に許可を貰えたから、とりあえずは町や村、色々な場所を視て周ろうと思うの。自分の家の領地だというのに、私はまだ何も知らないから。レンは一緒に来る?」 「そうね…気が向いたらついて行くわ」 それからルイズは毎日のように領内を飛び周った。 多くの場合はレンが一緒だったが、<パテル=マテル>はしばしばその姿を見せなかった。 <パテル=マテル>を一体何のために自律行動させているのかと不思議に思いレンに尋ねてみれば、元の世界に帰る手がかりを探させているという答えが返ってきた。 遠く離れてもスタンドアロンでそこまで高度な行動出来ることに驚きながらも、ルイズはレンに協力を申し入れる。 レンがリベールへの帰還を望んでいるのなら、召喚主であるルイズがそれを手伝うべきだろう。必要ならヴァリエール家の力を借りることになっても構わない。 そう思ったがルイズの助力はやんわりと拒絶された。 「トリステインの人はもし手がかりを見つけてもそれとわからないと思うわ」 それを聞いて自分の力が及ばないことに歯噛みする。 一緒に旅をすればレンについて何か分かるかも知れない。彼女を救うために出来ることはまだあるかもしれない。ルイズはそんな祈りにも似た思いを抱いて、馬を走らせた。 「徴税官が不当な税を取り立てているかもしれないっていうこと?」 「はい。アンリエッタ様の天領よりも税は一割重うございます。隣の街、あそこはうちと同じくヴァリエール領ですが、そこと比べても五分多く税を支払っております」 「妙ね…すぐにお父様に言って綿密な調査を行うわ」 「ヴァリエール家のご令嬢の口添えがあるとは…本当に有難うございます」 領内を回っているうちに、二人は多くの出来事に遭遇した。 「山に凶暴なオウガが棲みついたらしいわね」 「このままではおちおち山に入ることが出来ません。軍や騎士団も頼りになりませんし、猟兵に頼むようなお金もうちの村にはないのです」 「うふふ、ここはレンの出番ね」 「一体何を…あなたのような可愛らしいお嬢さんが立ち向かえる相手ではありませんぞ」 「まあ見てなさい。来て!<パテル=マテル>」 地に足をつけて暮らしている平民と直に話し、悩みを訴えを聞く。 「農作業に必要な風車が壊れてしまいました。ルイズ様はメイジでいらっしゃいます。どうか風車を直していただけませんか?」 「え、いや、その…私は土メイジじゃないから…。ギーシュでも連れて来れればよかったんだけど」 「ああ、これでは畑に水をやることも出来ません。私らはどうすれば」 「少し風車を見せてもらうわよ… なによ、全然簡単な機構じゃない。今レンが設計図を書いてあげるから、その通りに作り直しなさい」 それはルイズにとってもレンにとっても初めての経験で。 「マスター、何か冷たい飲み物を…って、一体この騒ぎはなんなのよ」 「真昼間から大の男二人が酔っ払って大喧嘩さ。全くいい迷惑だよ」 「ワインを飲み過ぎたこの前のルイズにそっくりね」 「レンだって顔真っ赤にして介抱されてたじゃないの…。私が説得してくるわ」 「頼んだよ、お嬢ちゃん」 「ちょっと、そろそろ落ち着きなさいよ」 「「黙ってろ、小僧!」」 「こぞっ…アンロック!!」 「更に滅茶苦茶にしてどうするのよ、ルイズ」 奇しくもそれは、エステルがヨシュアと遊撃士としての旅をしたのに似ていた。 「エステルもこうやって旅をしていたのかしら」 「どうしたの、レン?」 問題を解決したあとはそのまま祝宴にもつれこむことがしばしばだった。無論、功労者であるルイズとレンがそれに参加しないということを周りの人間が認めるはずもなく、毎回村や町をあげての狂乱に巻き込まれるのだった。 お世辞にも上品とはいえない宴だったが、二人には物珍しく楽しいものであった。 とはいうものの、毎回夜遅くまで酔っ払いに絡まれるのもひどく疲れることだったから、酔いを醒まそうと二人で外を散歩していた。 「リベールには遊撃士っていう仕事があってね、今の私達みたいに民間人の問題、遊撃士はクエストってよぶらしいんだけど、それを解決するの。 国家や軍に対しては中立で、民間人のために活動するんだって」 「そのエステルっていう人も遊撃士だったのね」 「そうね、新米でまだまだ弱かったけど」 今までレンは自分とその周りの人間のことを殆ど語らなかった。リベールの文化やちょっとした機械工学などあたりさわりのないことしか話そうとしなかったのだ。 これはレンのことを知るいいチャンスかも知れないとルイズは意気込んだ。もしかしたらレンを救うためのその手がかりが掴めるかも知れない。 「ルイズみたいに思い立ったらすぐ行動する人だったわ。本当にお人よしで自分の事は顧みないで、困った人を見ると助けないではいられなかった。<身喰らう蛇>にいた犯罪者の私を引き取ろうとするくらいのお馬鹿さん。 エステルがそんなことを言うものだから、結局レンは組織には戻らないであちこちを旅していたの。意思もなく意味もなく」 空に白く輝く月を眺めながら、レンは独り言のように話し続けた。 「エステルの恋人のヨシュアはね、今はエステルと遊撃士をしているけどヨシュアは昔、レンと同じで組織の執行者だったの。私を拾ってくれるように組織に頼んだのがヨシュアだったらしいわ」 だからエステルとヨシュアがいなければ、私はここにいなかったかもしれない。 そうレンは、少しだけ、淋しそうにつぶやいた。 頭を振って、視線をルイズに戻す。 「お酒はダメね。あてられて、しゃべりすぎてしまったわ。忘れてちょうだい」 「そんなことないわ、もっと話して欲しい。私はレンのことをもっと知りたいの」 「あらあら、エステルと同じことを言うのね」 レンはルイズに笑いかけて踵を返した。 それは、これ以上は話さないという明確な意思表示だった。 「そろそろ寒くなってきたわ。部屋に戻りましょう、ルイズ」 その夜、ルイズはベッドの中で延々とその思考を巡らせていた。 数週間もの間寝食を同じにして、それでもルイズはまだレンを包む闇の、その断片すらも手にしてはいなかった。 レンはいつでも余裕たっぷりにその類稀なる頭脳と力を振るっていた。<身喰らう蛇>で身につけたその異才は、常にレンを覆い隠していた。 ルイズがいくらレンを見つめても、圧倒的なまでの力量の差で、その内実はようとして窺い知れなかった。 ルイズがレンの心の深奥の一端にかけたのはただの一度きり。サモンサーヴァントの際にレンに絞め殺されそうになった時のその、人がお互いの心に触れるにはあまりにもわずかな瞬き。 それ以来レンは片時も、執行者『レン』としての仮面を外してはいない。 これはレンに対する侮辱なのだろう、と思いながらもルイズは願わずにはいられなかった。 小さい子供は暖かく大きな手に守られて、何も思い悩むことなくただただ笑っていられれば、それでいいはずなのだ。その心を引き裂くような痛みを強要し、彼女の世界を閉ざす権利など神だって持っていない。 いや、あってはいけないのだ。 それでも、この世界は冷たいばかりではない。姉様やキュルケやギーシュや、この旅で出会った多くの人達のように、レンにも優しく接してくれる世界がある。 ならば、いつか『レン』が本当の自分を取り戻して、ただの稚く優しい少女として、一人のレンとして生きられる日が来ますように。 「そして、出来れば私が、その力になれますように」 その言葉が隣で寝ているレンに届いたかどうか。 そのままルイズは眠りに落ちていった。 「ルイズに手紙が来ていますよ。シエスタって方から」 「シエスタから?一体何かしら」 久しぶりにヴァリエール家に戻ったルイズとレンはシエスタからの手紙を受け取った。 「ルイズもたまには学院に紅茶でも飲みに来ませんかって、お茶会のお誘いかしら」 「…半分は当たりよ」 半分?と首をかしげたレンに、ルイズは便箋を差し出す。 「シエスタの実家、タルブ村っていうらしいんだけど。休暇が取れたから遊びに来てくださいだって」 「それは素敵ね、行きたいわ。いいでしょう、ルイズ」 「勿論よ、早速準備しなきゃ。ちいねえさま、というわけですので少し出かけてきます」 一時間後、カトレアに見送られてルイズとレンはタルブ村へと飛び立っていった。 前ページ次ページゼロの軌跡
https://w.atwiki.jp/kanagawakuso/pages/13.html
カナガワ君が数年に渡り自ら闘病日誌を公開 精神異常者の軌跡 長いこと入院していたが自宅療養に切り替え? 華麗に復活!! ダイビングとサーフィン板分けません?? http //sports10.2ch.net/test/read.cgi/msports/1168347340/ やはり本物は違う。切れのある妄言はネ申レベル!! ■■■ 海スポ-ツ板自 治スレッド■■■ http //sports.2ch.net/msports/kako/1054/10546/1054616114.html ■■■ 海スポ-ツ板自 治スレッド2■■■ http //makimo.to/2ch/sports3_msports/1057/1057732923.html ■■■ 海スポ-ツ板自 治スレッド2.1■■■ http //makimo.to/2ch/sports9_msports/1058/1058129574.html ■■■ 海スポ-ツ板自 治スレッド3■■■ http //makimo.to/2ch/sports9_msports/1137/1137941008.html ■■■ 海スポ-ツ板自 治スレッド4■■■ http //makimo.to/2ch/sports9_msports/1140/1140959599.html ■■■ 海スポ-ツ板自 治スレッド5■■■ http //makimo.to/2ch/sports9_msports/1142/1142456606.html マリンスポーツ掲示板自治スレッド 6 http //makimo.to/2ch/sports9_msports/1149/1149323599.html 【ERROR】スレッド立てすぎですよ! http //sports9.2ch.net/test/read.cgi/msports/1021812962/ 華麗に削除されてます↑ ★前スレ★ ■■■海スポーツ板自治スレッド7■■■ http //sports9.2ch.net/test/read.cgi/msports/1151300942/ ★★★現在活躍中 ★★★ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ■■■海スポーツ板自治スレッド8■■■ http //sports9.2ch.net/test/read.cgi/msports/1153951022/ 【ERROR】スレッド立てすぎですよ!2 http //sports9.2ch.net/test/read.cgi/msports/1147183024/ ↑削除依頼済 マリンスポーツ板ローカルルール申請 http //qb5.2ch.net/test/read.cgi/operate/1151333661/ カナガワ君の自治スレ私物化対処のため 元からあったローカルルールの不備点を洗い直し申請。 あっちこっちで妨害工作中。携帯とエロ動画満載PCで頑張ってますw 相談も無しに違うローカルルールまで勝手に申請! ★ローカルルール設定変更議論及び集約★6 http //qb5.2ch.net/test/read.cgi/operate/1153388424/71-108 ローカルルールが制定された後、不平を訴えに運営板へ文句タレ。 結局馬鹿扱い・軽くあしらわれてヤケッパチ!! かなり古いモノだがカナガワ臭いやつが・・・・・恐ろしい!かなりのオッサンか? http //sports.2ch.net/msports/kako/1054/10546/1054616114.html カナガワクソが如何にキチガイか・・・証拠 その1 http //qb5.2ch.net/operate/kako/1110/11105/1110515823.html カナガワ糞・キチガイの証拠 その2 マリンスポーツ板 荒らし報告スレッド http //qb5.2ch.net/sec2chd/kako/1144/11443/1144369829.html マリンスポーツ板の荒らし報告スレッド http //qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1147789539/l50 マリンスポーツ板の設定、分割、ID制など 板住人の話し合いが必要とされる問題を 自治スレで自演を重ね、たった一人で話しをまとめようとする カナガワ君にとって苦手な自治スレッド。 別の板に設けられた自治スレ避難所↓ 海スポーツ自治スレッド避難所 http //ex9.2ch.net/test/read.cgi/accuse/1140440210/
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4125.html
前ページ次ページゼロの軌跡 第十四話 銃火のマドリガル 「ルイズ、あなたは<パテル=マテル>と行動して」 「何言い出すのよ!どうしてレンが<パテル=マテル>と離れなければいけないの」 レンがルイズに告げた内容は驚くべきものだった。 <パテル=マテル>はルイズと行動を共にし、レンは単独で戦場に出るというのである。 「レンは前線に出なければならないわ。いくら士気が高くて地の利がこちらにあるとはいえ、訓練を受けた軍人相手に戦争の素人である平民が立ち向かうのは無理だから。 でもそれだとレンが積極的に動くことは出来なくなる。 後方で指揮を取りつつ援護、前線が崩壊しそうになったら救援に向かう役が必要。それが可能なのはルイズと<パテル=マテル>だけなのよ」 「でも…。私、そんなこと出来ないわ」 戦で指揮を取った経験もなければ、<パテル=マテル>を上手く動かせる自信もルイズにはない。 それでも、ルイズ以外にその役を肩代わり出来る者はいないのもまた確かだった。 「ルイズにやってもらうしかないの。私達には後なんてないのだから。 …早速来たわよ。覚悟を決めなさい」 姿を現したのは歩兵。ちらほらと杖を持ったメイジも散見される。進軍速度がゆっくりなのは先の騎馬隊の轍を踏まないためか。その陣は重厚で容易には崩せそうになかった。 「銃隊前に、構え!」 レンの号令に銃を持った男たちが応える。一糸乱れずとは言えないが、寄せ集めの民兵にこれ以上を望むのは酷というものだろう。 敵の目鼻が見える距離まで引き付ける。彼らが突撃の姿勢を見せた瞬間、矢の様に引き絞られた声が飛んだ。 「今よ!撃て!」 さして広くもない街道に密集した集団に向けて放たれた弾丸は狙いを外しようもなく、その全ては標的へと吸い込まれていく。前面の幾人かは腹や足を押さえ、また幾人かは腕を動かすことなくその場に倒れ伏した。 後の先を見事に取られたレコン・キスタ兵は一瞬怯みを見せたが、自分達が敵兵より遥かに多いことを思い出し、再び喊声を挙げて走り出した。 このままでは不利とみて、レンはオーブメントに手をかざす。このペースで強力なアーツを使い続けては近いうちにクォーツのエネルギーも空になるだろうことは分かっていたが、 かといって今ここで退けばその『近いうち』さえレン達には訪れはしないだろう。 <パテル=マテル>の存在が恋しかったが、その助力は得られない。おそらくはこの部隊のほかに別働隊がいるはずだ。それもグリフォンなどを連れたメイジが。 レンは騎馬隊を退けた後、次にレコン・キスタが打つであろう手を予測した。 もしレコン・キスタが正面からタルブ村を攻め落とそうとすれば、たとえそれが出来たとしてもレコン・キスタ軍に無視できない被害が出るだろう。 ならば空中機動力のある部隊でタルブ村の内部に侵入し、お互いを孤立させて各個撃破すればいい。 敵将が馬鹿でなかったらその位は策を弄するだろう。そうなってから対策を講じては遅い。 だから、<パテル=マテル>をルイズに託したのだ。 ここは何があってもレンとその指揮下の百五十人で防ぎきらなくてはならなかった。 オーブメントの回路が駆動する感触を得て、レンは呪文とともに鎌を振り下ろす。 「滾り吹き上げる大地の血、骸を糧とし触れる総てを朱に染めよ!ナパームブレス!」 融けずにあった氷に覆われていた道は赤く燃え盛る火炎に飲み込まれ、舞い上がった氷の結晶は吹き荒れる火の粉に取って代わられた。 火に巻かれのたうち転がりまわる者の悲鳴が響く中、獣の嘶きと共に遠くの森から飛び上がる姿があった。 やはり別働隊がいたか、とレンは舌打ちしたが眼前の敵を放置することは出来ず、後ろを振り向かずに敵中へとその身を踊らせた。 「頼むわよ、ルイズ。<パテル=マテル>を立派に操ってみなさい」 ルイズは民家の屋根に登り戦局を見守っていた。 向かってくる歩兵の数はレンが指揮する部隊よりずっと多い。そうそうに出番があるかもしれないと考え、いつでも援護に出れるように準備していた。 しかし、レンの放ったアーツで炎が地面を裂いて溢れた瞬間、森の上に現れた人影にそれを断念する。十数の空行騎が一直線にルイズのほうに飛んでくるのが見えたからだ。 「<パテル=マテル>、少しだけ力を貸して」 ルイズの請願に応え、<パテル=マテル>からミサイルが発射される。空中に放り出されたそれは一瞬頭上で回転していたが、点火されると敵兵目掛けて雲を引きながら飛んでいく。 命中したのは数発だったが、爆風と熱波は周りを巻き込む。悲鳴を上げて墜落したのはおよそ十騎。 あとは肉弾戦で仕留める他ない。 ルイズが大きな手のひらに飛び乗ると、<パテル=マテル>は青白い炎を噴出し空中へと飛び上がった。 敵兵は散開してルイズを囲むように飛び回る。そのうちの一騎に狙いを定め、接近して鉄の拳を叩き込んだ。真上から振り下ろされたそれを受け流すことは出来ずに、一人と一匹は真下の民家の屋根を抜いた。 その間に敵が手を拱いているはずもなく、魔法が続けざまに<パテル=マテル>に襲い掛かる。土で作られたゴーレムがその手を伸ばす。それをどうにかすり抜けたところにファイヤーボールが直撃した。 <パテル=マテル>の手がルイズを包んで守ってくれたが、熱までは防ぎようがなく彼女の白い足に水泡が膨れ上がる。 回避に専念しようかとも考えたが、この巨体では敵の魔法をかわすことは困難だと判断し、ルイズは再び攻勢に出る。 鉄の軋む音を聞き竜が怯え竦んだのを見て取り、<パテル=マテル>は杖を構えて呪文を唱えていたメイジを乗騎もろとも吹き飛ばした。 「まさに化け物だな、あのゴーレムは…」 ワルドはグリフォンの手綱を操り、必死に逃げ回っていた。 既に五騎が落とされ、戦場を飛んでいるのは<パテル=マテル>と彼の操るグリフォンのみ。 未だ目の前に立ちはだかる鉄のゴーレムを打倒する方法が浮かばないでいた。 エア・ハンマーは既に何発も放っている。うち一発は関節部に命中し、数本のパイプをもぎ取ってはいたが、決定打には程遠かった。 <パテル=マテル>を行動不能にするまでエア・ハンマーを撃ち続けようとしたが、残りの精神力も囮になってくれる味方もワルドは持ち合わせていなかった。 このまま引き下がっては貴重な空戦力の浪費にしかならない、せめて倒すための糸口を見つけられないかと逃げながら観察していると、<パテル=マテル>の左手に立つ人影を見出した。 おそらくはあれがこのゴーレムを操っている術者だろうとあたりを付け、彼は戦局を変えるべく賭けに出た。 身の危険も顧みず、ワルドは剣を抜き<パテル=マテル>に向かって直進する。 振り下ろされる右手を紙一重で避け、手のひらの上で身動きの取れないメイジにそのまま剣を突き出そうとする。しかし、そのメイジはワルドがよく見知った、意外な人物だった。 「ルイズ!」 「ワルド様!」 思わず剣を引いたワルドに、彼の婚約者から声が掛かった。 「何故ワルド様がレコン・キスタの軍に身を投じているのですか?」 「ああ、僕の可愛いルイズ。どうして婚約者同士が争わなければならないのだい。さあ、こっちへおいで」 ワルドの頭の中では、ルイズは小さくか弱い少女でしかなかった。甘言を弄せば自分に従うだろうと予想し、彼は昔のようにルイズに囁く。 しかし、ルイズは以前のような世間知らずの令嬢ではなかった。既に彼女は一人のトリステイン貴族として己のなすべきことを見据えていた。 「ワルド様、もう一度お聞きします。どうして魔法衛士隊隊長のあなたがレコン・キスタに参加しているのですか?返答次第では、私はあなたを倒さねばなりません」 その言葉が本当か否か、それが読み取れないほどワルドは愚かではなかった。 一つ息を吐き、彼女に別れの言葉を告げる。 「大人になったのだね、ルイズ」 「ワルド様、一体何を…?」 「僕は僕の目的のためにレコン・キスタの旗の下に居る。国と民を捨てて自分のためだけに行動している。君に罵られても、軽蔑されても、杖を向けられてもなさなければならないことがある。 だから、お別れだ。ルイズ。 君が僕の前に立つのなら、僕はまた君に剣を向けるだろう。その時は容赦はしない」 「私もです。ワルド様」 「ここは一旦退こう。…さようなら、もう僕のものではない、可愛いルイズ」 それから三度の侵攻があった。ルイズ達は辛くもそれを退けて村を守ったが、一戦するごとに被害は幾何級数的に増大した。負傷者が増え、戦闘要員が減り、更に負傷者が増える悪循環。 敗北はもう目の前にまで迫っていた。 「戦闘が可能な人数は何人?」 「七十三人です。そのうち軽症を負っている者が二十八人」 「重傷者の搬送も追いついていません。手当てするにも人手が足りない有様です」 既に村の入り口は抜かれ、防衛線は広場まで後退している。砲弾で吹き飛ばされたバリケードをかき集め、民家の家具をありったけ積み上げてなんとか防いでいるという状態だった。 「<パテル=マテル>も右足が動かないわ。常に飛んで移動しなくちゃならないから出力もだいぶ落ちてるみたい」 「困ったわね、レンのアーツもあと二、三発ってところかしら」 レンがオーブメントにカプセルを差し込むと、クォーツにわずかだが光が戻る。これでEPチャージも最後の一本を使い果たした。 空になったそれを投げ捨ててレンは立ち上がる。その拍子に腕に巻いた白い包帯が取れそうになったが、生憎と頓着している暇はなかった。 「もう限界よ、ルイズ。撤退するしかないわ」 「まだアンリエッタ様の軍が到着するまで四、五時間は掛かるのよ!」 「次の侵攻を防げるかどうかすら分からないわ。もし防げたとしても、その時には撤退出来るような余力は残されてないの。負傷者を見捨てていくわけにはいかないでしょう」 「でもこのままじゃ「敵襲です!歩兵、騎馬合わせておよそ八百!」」 二人の会話を敵襲の知らせが遮った。全ての選択肢は消えて失せ、絶望が村を覆った。 決まりね。と、レンは言って鎌を持ち直す。 「村人は全員、即刻退去しなさい。レンと<パテル=マテル>で逃げるだけの時間は稼ぐわ」 「レンちゃん!そんなの危険すぎます!」 「シエスタ。あなたはまだ動けるでしょう。怪我人に肩を貸して早く避難しなさい」 なおも言い募るシエスタだったが、それを切って捨てたのはレンではなくルイズだった。 「あなたが残ったら私もレンも逃げることが出来なくなるの。あなたがここで出来ることはもうないわ。わかったら、早くなさい」 「でも、でも、そんなことって」 「レンと私を殺したいの?シエスタ?」 シエスタはしばらく俯いて拳を震わせていたが、ルイズとレンが翻意することのないのを悟ると、彼女に出来ることをなすために重傷者の中へと走っていった。 広場に残ったのはルイズとレンの二人。そして傍らには<パテル=マテル>。 「私は止めないのね。レン」 「あなたには言っても無駄だからよ。頑固者のルイズ」 これから二人が始めるのは死に向かう進軍だった。懸絶した戦力の差を前にして、それでも二人は並んで立っていた。 数百メイル離れた所には死神が列を成して歩いていた。それでも二人は笑っていた。 「死ぬんじゃないわよ」 「あなたこそ」 ルイズは右手を、レンは左手を、それぞれ固めた。そして一度だけ、互いの手を打ち付ける。 オーブメントを起動させ、<パテル=マテル>の手に飛び乗り、二人は敵陣に向かって疾走する。 前ページ次ページゼロの軌跡
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4016.html
前ページ次ページゼロの軌跡 第七話 狂ったお茶会 その日、オスマンは自室で昼食をとっていた。 人の生に必要な栄養と熱量を摂るにしては、それは不必要なまでに贅と趣向を凝らされたものであったが、間断なく痛みを訴える胃を無視しええず、料理人への冒涜ともとれる速さで彼は箸を置いた。 しかし食事の前後に捧げた祈りは、食事量とは対照的に平時に比して遥かに長いものであり、皮肉なことに既にその在り様が一種の不信心といえた。 とはいえ、その真摯であるところは誰にも否定できないだろう。果たしてそれが報われたのかどうか、ノックもなしに部屋に上がりこんだロングビルが一声にしたのは彼の待ち望んでいた吉報だった。 「ミス・ヴァリエールがミス・レンと和解したようです」 快哉が口をつく。一瞬にして天上の人となったオスマンだったが、やはり始祖ブリミルは彼の日頃の乱行に目こぼしをくれなかったようで、ロングビルの第二声によって彼は深淵にまで叩き落された。 「五人の生徒がミス・レンに決闘を吹っかけました」 「君は一人で我々は五人だ。流石に一対五では君に勝ち目などあるまい。ここは一対一の勝負を五回行うということでどうかな」 レンとルイズがヴェストリの広場に着くと、相手から決闘の方法について提案が出された。その内容にルイズはおろか、周囲の観客までもその馬鹿馬鹿しさに思わず耳を疑った。 いかに言葉を重ねようと、彼らの魂胆はあまりも露骨で見え透いていた。小柄なレンに連戦が出来るほどの体力はあるまいと踏んで、思うままに嬲ろうということか。 「そんなの面倒だわ、貴方達五人一斉に掛かってきてもレンは構わないわよ」 「君がそう言っても、我々には我々の誇りがある。年端も行かない少女を大勢で囲んだなどと言われては、その信念は拠って立つ場所を失うだろう」 誇りとか信念とか、言葉の意味を軽んじる連中ばかりがそういう重い言葉を口にする。自分の中身が空洞だから言葉で埋めようとしているのか。 その精神をなくした言葉に意味も力もあろうはずがない。彼らに使われる言葉があまりにも哀れだ。 キュルケとギーシュがよく似た思考を巡らせているうちに決闘の準備が整ったのか、辺りのざわめきは急速に静まっていった。 どこか喧騒にも似たしばしの静寂、合図が出され決闘が始まった。 さて、どうしてやろうか。平民の女風情、一ひねりにしてやってもいいのだがそれでは些か興をそぐというものだ。そう考えた貴族はすぐに己の浅はかさを悔いることになった。 レンが大鎌を取り出し、その右手を動かした瞬間までは彼はレンの姿を捉えていた。その後、右手の草むらでたった音にほんのわずか気を取られる。石を投げたのだと気づき視線を正面に戻した時にはレンの姿は見えなくなっていた。 どこに消えたか迷ったのも一瞬、視界に差した影がレンの形を成す。彼が上を向くのとレンの上空からの一撃がほぼ同時。 「うふふ、ごきげんよう」 理解も納得も追いつかぬうちに叩き込まれた柄の一閃。 スカートの裾を持ち、愛らしく別れを告げる少女の足元に彼は声もなく崩れ落ちた。 「卑怯だぞ!小娘!」 石で気をそらすという戦法を採ったレンに残りの四人から批判が浴びせられる。だがその声からは怒りは微塵も感じ取れず、怯えと恐れのみがはっきりと表れていた。石などを使わなくても彼女の力はあまりにも明らかだったからだ。 そこにレンから再び提案がなされた。彼らが先ほどその空虚なプライドのために拒絶したそれ。 「だから言ったでしょ、まとめて相手してあげるからいらっしゃい」 彼我の戦力差を思い知り、彼らも今度は甘んじて受け入れた。彼らの理念とやらは、仲間の一人が気絶した程度で羽を生やして逃げおおせるものらしかった。 「せいぜい楽しいお茶会にして欲しいものね」 レンがこちらの世界に来てからこの方、まともな戦闘は行っていない。自分がこの世界でどのくらい通用するのかどうか確かめておかなくてはならなかった。 無論、この程度の連中に負けるつもりは毛頭ない。レーヴェやヴァルター、カシウスといった猛者相手ならともかくも、戦歴も実力も三流の猟兵以下の彼らに遅れを取るようでは<殲滅天使>の異名も泣こうというものだ。 勝つ、彼らを完膚なきまでに叩きのめす。 その上で、この世界で使われる魔法、戦術を知り、<パテル=マテル>とオーバルアーツを有効に利用する土台を構築しなければならない。 そう考えとりあえず見にまわったレンだったが、彼らのとった行動を見て、開始早々に期待の半分はたやすく打ち砕かれたことを知った。 レンを遠巻きに半包囲した彼らは各々勝手に呪文を唱え始めたのだ。それを一瞥しただけで彼らがいかに戦闘に慣れていないか分かろうというものだった。更には敗北を見ても何も学ばない連中ですらあるらしい。 互いに援護できない位置に陣取れば、何人いようが単なる各個撃破の対象となるに過ぎない。ましてやレンの機敏さを考えれば、仲間同士の距離を取ることが愚の骨頂であると何故理解できないのか。 距離を生かしてアウトレンジから魔法を放つにしても、それが戦術的な意味を何ら持たない、思考の放棄の末に生まれた散漫なものである限り、レンを追い詰めることなど出来ようはずもない。 統制の取れていない散発的な攻撃は微塵も脅威にはなりえない。エアハンマーやファイヤーボールがレンめがけて飛んでくるが、それら全てを難なくかわしていく。 決闘の第二幕が始まってわずか数分。彼らから戦術を学ぶ愚を悟り、レンは攻勢に出た。 金色の鎌を振りかざしてレンに向かって放たれた火球を払いのける。作り出した一瞬の空白の利用して戦術オーブメントを起動させた。 見せてやる。そして震え慄くといい。これが導力魔法オーバルアーツだ。 貴族社会体制と特権階級意識の温床であるこの世界の魔法とは似て非なるもの。 無数の人間のたゆまざる克己と努力が育てた知恵の果実。 女神エイドスの息吹を受けたセピスの結晶と人の生み出した導力理論、その申し子。 大鎌を頭上に振り上げ、レンは高らかに呪を唱えた。 「請い願うは遥か地の底のひとやの瘴気、迸るその白き災いをもたらさん! ホワイトゲヘナ!」 レンの詠唱が終わった瞬間、一人の足元に魔方陣が浮き出た。彼の知っている如何なる図形文様とも異なる規則で描かれたそれは大地と異界とを結ぶ道となる。 本能が警鐘を鳴らす間もなく、地の底から這い出た悪霊と瘴気が彼を包み込んだ。数瞬の後にそれは天高く消え去ったが、生気を吸い付くされたその貴族は杖を取り落とし顔から地面に倒れこんだ。 残る三人はアーツの範囲外におり無傷だったが、彼らもその顔からは完全に血の気が失せていた。 レンが行使した魔法は彼らの理解の範疇にはなかった。先の戦闘で見せた身体能力の高さなら理解もできようというものだが。 もしや先住魔法か、この一見良家の子女然とした少女はエルフかさもなくば精霊か幻獣、その類か。 到底敵し得る相手ではないと判断したものの、だからといって前言を翻して頭を下げる気にはなれなかった。半ば自暴自棄になって呪文を唱えようとする。しかし、再び始まったレンの詠唱を耳にして、その口は凍りついた。 その局面にあっても尚、矜持と命を天秤にかけその平衡を保っていられた彼らは一種の賞賛が送られるかもしれないが、それはしばしば無謀と呼ばれるものでもあり、そう呼ばれたものが例外なく辿った末路を彼らも歩むこととなった。 「全てを飲み込み土塊へとその姿を変えよ、大地を揺るがす怒号!ジオカタストロフ!」 毎日使用人達の手によって美しく整えられていたヴェストリの広場は当分の間見るも無残な姿を晒すことになるようだった。 木も花も草も折れて曲がり地中に埋まっている。柵は壊れ塀は崩れ、銅像は粉々になって既に誰を象って作られたものであるかもわからなくなっていた。スクウェアクラスのアーツを放ったのだからそれも道理。 しばらく庭師が暇をもてあまさずに済むだろう。 オスマンの命を受けてコルベールが広場に着いたのは全てが終わった後。無責任な述懐を胸の内にしまい、生徒を指揮して五人の救助にあたった。 決闘が終わり、レンはルイズの方に足を向けた。 本来ならばここまで大規模のアーツを使う必要などなかった。それでもレンがそうしたのはルイズを試したかったからだ。 <パテル=マテル>を操るだけでなく、一人の戦士としてもその強さを誇るレン。 その異能を目の当たりにしても、ルイズはレンと共にあろうとするのか。 そしてレンは正義の騎士などではない。つい半年前まで犯罪結社<身喰らう蛇>にいてその力を恣意的に振るっていたのだ。 今回の決闘の理由も、あの貴族達が貴族らしからぬ振る舞いをしたからレンが立ち上がったのではない。それがレンにとって不愉快で、認めることの出来ないものであったからだ。 結局、レンはトリステインやリベールの法律と道義に則って行動するのではなく、誰の掣肘も受けずにレン自身の価値基準で行動する。 ならば私も問わなくてはならない、とレンは思ったのだ。 ルイズは私に手を差し伸べた。真に貴族であろうとする誇りをその胸に秘めて。 私はそれを美しく、また心地よく感じたからその手をとった。 決闘の前に差し出されたルイズの手は、私に対する謝罪の証だ。 ならば今から私がルイズに差し出す手は、ルイズと私との盟約だ。 次は私がルイズに受け入れてもらう番だ。 この世界での私の在り様を彼女が肯定してくれるならば。 道を違えるまでのしばらくの間、私はルイズと共にあろう。 もう一度、ルイズの手を握らなくてはならない。 「一つ尋ねるわ、ルイズ」 ルイズの目を捉え、レンは語り始める。 「レンはあなた達の理では動かない。私は私の思うように行動するわ。 私はこの世界では異邦人で、持っている力は異質にして脅威」 そしてレンはルイズに手を差し伸べる。ルイズがレンにそうしたように。 「それでもルイズはレンを受け入れてくれるかしら?」 ルイズはレンの手を硬く握り、答えた。 「それでもレンと私は同じ道を歩いて行けるわ。 そして私はレンの力になれるし、なりたいと思っている」 「<身喰らう蛇>執行者NO.ⅩⅤ<殲滅天使> レンよ」 「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。よろしくね」 ルイズもまた、歩き出すために一つの決断をした。 握手の後、ルイズはレンに提案する。 「レン、私はこの魔法学院を退学することにしたの。一緒に来てもらえるかしら」 「もちろんよ、行きましょう。ルイズ」 二人はオールド・オスマンのいる学院長室へと歩き出した。 前ページ次ページゼロの軌跡
https://w.atwiki.jp/kisekiseries/pages/406.html
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/9239.html
英雄伝説 黎の軌跡II -CRIMSON SiN- 【えいゆうでんせつ くろのきせきつー くりむぞんしん】 ジャンル ストーリーRPG 対応機種 プレイステーション5プレイステーション4 発売・開発元 日本ファルコム 発売日 【PS5/PS4】2022年9月29日 定価 通常版 8,580円ダウンロード版 8,250円 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 なし ポイント 共和国編第二幕前作のダークなシナリオは健在しかし死に戻りシステムは不評倍速機能で遊びやすさアップ ドラゴンスレイヤー 英雄伝説シリーズ 概要 ストーリー(公式サイトより抜粋) 新システム 設定関連 施設・アイテム関連 戦闘関連 シナリオ・イベント関連 ミニゲーム関連 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 「黎と紅が廻る“罪(キセキ)”を掬い上げろ――」 概要 日本ファルコムの二枚看板の一つ・『英雄伝説・軌跡シリーズ』の第4シリーズ「黎の軌跡」の二章にあたる作品。前作同様に「カルバード共和国」を舞台に、アークライド事務所に新たな事件が立ちふさがる。 登場人物や既存システムについては前作を参照のこと。 ストーリー(公式サイトより抜粋) 七耀暦1209年。 マフィア組織《アルマータ》の脅威が過ぎ去り、かつての平穏を取り戻したカルバード共和国。 そんなある日── 首都イーディスの片隅で、CID特殊部隊が何者かに惨殺されるという猟奇的な事件が発生する。 事態の収拾に向けて動き出すカルバード警察や遊撃士協会。 新たな騒乱の匂いを嗅ぎつけ、暗躍を始める裏社会の勢力。 そんな中── 『裏解決屋』ヴァン・アークライドも 意外な人物の来訪をきっかけに調査に乗り出すこととなる。 惨殺事件を引き起こした人物は一体誰なのか? その目的とは? そして、曾祖父の最後の遺産、“第8のゲネシス”を探し求めるアニエスは──? 獣じみた“紅黎い”異形の咆吼と、 “何か”を追い求める少年少女との邂逅が、 彼らの《軌跡》(物語)を逃れられぬ因果へと誘っていく──。 新システム 設定関連 ハイスピードモード 過去作にも搭載されていた、特定のシーンを除いてすべての挙動が2倍速になる機能。ボタン一つでON/OFFができ、周回プレイや稼ぎが非常に快適になる。 シャードサーチ 街中で特殊なシャードを展開し、様々なアイテムやイベントギミックを解除させる。 施設・アイテム関連 《お伽の庭城》(メルヒェンガルデン)(*1) Xiphaを使って体験できる仮想空間。現代風に言えばVR空間のようなもの。いくつかの階層に分けられており、途中何度か分岐ルートを選択する。(戻ることも可能だがそこから別の分岐を選ぶのは不可)。特定の条件を達成するとアイテムが得られるが、このアイテムは分岐選択前に確認することができる。最奥では守護者と呼ばれる大ボスが出現する。なお、庭城のボス戦においては、グレンデル化が常時解禁となっている。 マルドゥックサポート 庭城に挑戦しているあいだ使用可能な施設で、新キャラであるミラベルが開いている特殊ショップ。以下の施設を利用できる。 CP補給サービス…全員のCPを一定量回復する。再利用するにはモンスターを一定数倒す必要がある。レベルを上げることで回復量はどんどん増え、再利用のために倒すモンスターの数が減る。 アイテムサポート…基本的なショップ機能に加え、○○の断片という衣装やBGMの元になるアイテムを修復したりできる。修復したBGMは庭城で流すことが可能。 マルドゥックポイント交換…錬成石や断片を交換できる。 シャードトークン 庭城のブレイクオブジェクトや、シャードサーチで得られるアイテム。庭城の準備メニューでミスティックキューブと呼ばれるオブジェクトにぶつけることで、様々なアイテムを獲得できる。このときメアがその役割を担うのだが、特定パートや特定アイテムを所持していると別のキャラに差し替えることが可能。 錬成石 ○○(キャラ名)の錬成石といった名前で庭城で入手できる。このアイテムを消費することで、対応するキャラのクラフトを強化できる。強化段階が進むとステータスもアップする。 戦闘関連 クロスチャージ フィールドバトルの時、敵の攻撃をタイミングよく回避することで発動する。その後△ボタンを押すと別のメンバーに交代してすぐさまチャージアタックを仕掛けられる。また、交代したメンバーは一定時間攻撃力にバフがかかる。 EXチェイン コマンドバトル中にある条件を満たしていることで発動。画面に2キャラのカットインが移り、掛け合いをした後にコンボ攻撃を繰り出す。 クイックアーツ フィールドバトルで使用できるアーツ。使用可能なクイックアーツはアーツドライバによって決められており、それぞれの属性の基本アーツしか使用できないが、いずれもEP30という低コストで使用が可能。 デュアルアーツ 二種類の属性をあわせ持つアーツで、属性の計算は敵の弱点となるほうを優先して行われる。 たとえば、水属性と地属性をあわせ持つ「アイヴィーフロスト」は、地属性150、水属性70の敵に対して、150の属性ダメージを与えられる。 シナリオ・イベント関連 タイムリープ シナリオにおいて敗北・拘束・ 死亡 といった展開を回避するために行われる。発生するとDetroit Become Humanのようなタイムチャートから巻き戻してシナリオをやり直す。 チャプター 創の軌跡にもあった、別キャラの視点でストーリーをなぞるシステム。基本はヴァンとその他に分けられる。 ミニゲーム関連 アクティビティ シナリオの途中、休息という名目で各キャラと交流をはかる。アクティビティポイント分だけ可能で、対象キャラのコネクトポイントが増える。 尾行 一部シナリオで怪しい人物を尾行するのだが…どう見てもキムタクのそれとまんまである。もっとも相当な難度だったあちらと違いこちらはそこまで難しくないので安心。 セブンスハーツ 4人対戦式のカードバトル。ミニゲーム扱いで関わりの深いキャラとプレイできる。 FIO みんなもお世話になったカトルの相棒、「FIO、みんなを癒やして!」のドローン。今回も、クラフトの補助やアイテムを範囲問わず使用可能になるうえ、彼(彼女?)を特設操作できるミニゲームもある。 ハッキングテスト イベントや特殊な宝箱を開けるときに発生する。メアを使って障害を抜けてゴールを目指す。途中ボタン操作やギミックを使って障害をやり過ごしたりと、それなりに歯ごたえがある難易度になっている。 バスケットボール 2on2で楽しめる世界共通球技。それぞれオフェンスとディフェンスフェーズがある。 アラミスクイズ王大会 最終幕で遊べるゲーム。創の軌跡における「軌跡でポン!」とほぼ同様だが、今回の難易度はかなり高め。 評価点 前作の魅力をそのままに再現された大人向けシナリオ 今回も過去作に比肩するほどにシビアでハードな展開が目白押し。特にサブクエストのLGCアライアンスはヴァン以外の選択も可能となり、より個性のある展開が楽しめる。メインクエストも質はさておき(後述)、非常に重いシナリオが展開されており、その中にはタイムリープの項目でも触れたが キャラの死亡 といったかなりヘビーな展開も含む。 しっかり掘り下げられたキャラ達 過去と決別するレン、4SPGメンバーなど、元々良かったキャラの魅力がより一層引き立っており、さらなる愛着がわく。特に、創の軌跡の主役でもあったスウィンとナーディアのシナリオにようやく決着がついたので、ファンを安堵させた(*2)。 メインキャラで大きな活躍を見せたのはアーロンとカトル。アーロンは、ヴァンを見習って故郷で裏解決屋の真似事を始めて、治安維持に大きく貢献。さらに、子供の頃から世話になっていた黒月の未曽有の混乱を仲間たちと共に収束させるなど、著しい成長を見せている。カトルは、前作で謎に包まれていた正体がいよいよ発覚。自らのトラウマを乗り越え、すべての過去を受け入れるに至っている。 メインヒロインのアニエスも、前作に劣らぬ活躍を見せる。第二部Bでは主人公を務め、クラスメイトとなったスウィン、ナーディアと共にアラミス高等学校に訪れた危機に挑み、見事これを解決する。終章のアラミス学園祭におけるダンス、そしてヴァンの行動に対して行ったアニエスの魂の叫びも必見、必聴ものである。 ヴァンの幼馴染であるエレイン、キンケイド、そして、斑鳩の副長であるシズナが、ゲストキャラクターであった前作からメインキャラに昇格し、正式参戦。その性能もそれぞれの立場に見合った強力なものとなっている。 アップデートで空の軌跡から「ジン」、閃の軌跡から「フィー」がそれぞれ正式参戦。ジンは今作で重要なキーパーソンであり、フィーは前作で活躍したので参戦を熱望していたファンには嬉しいサービス。 ジュディスの後輩であり、彼女に匹敵する演技力を誇る天才女優「ニナ」も、ついにその正体が明かされる。そのあまりに意外と言える正体は、多くのプレイヤーを唸らせた。このほか、ヴァンの家族と言える「ユメ」や「ポーレット」、彼女たちと深いかかわりを持つ「マクシム」、憧れの人を失った「マリエル」も、それぞれ見せ場がある。 前作から存在がほのめかされていた「ジータ」と「ドミニク」、シズナに匹敵する最強格の戦士として現れた「カシム」と「ガウラン」、前シリーズの主役の一人である「トワ」も、大きな活躍を見せる。 グレンデル同士の争い 本作は、ヴァンが変身するグレンデルのライバルとなる「グレンデル=ゾルガ」や、その量産型である「デミ=グレンデル」が登場する。 グレンデルとグレンデル=ゾルガは、幾度かに分けて戦うことになるが、そのシーンは非常に熱く、仮面ライダー龍騎などに代表される「ライダーバトル」を彷彿とさせるものとなっている。 コネクトイベントのクオリティ 前作でもキャラの掘り下げにて好評を博したコネクトだが、その良質さは健在。特にレンのあるコネクトでは、古参ファンであれば感涙必至のストーリーが用意されている。 快適なハイスピードモード 新システムでも触れたが、このモードにする場合はボタン一つでできること、倍速までの移行が非常にスムーズであることが非常に快適。今回庭城といった稼ぎ場で時間を使うことが多いので、こういった単純作業が苦にならない工夫があるのは非常に助かる。 より洗練されたモーション 前作は一部のモーションに問題があり、後々修正されたものがいくつかあったものの、今作はリリース時点でどれも違和感ないものとなっている。普段のモーションも同様ではあるものの、取り立てて悪いわけでもない。 Sクラフトにカットインが追加 前作でなくなったことが問題視されていたSクラフトでのカットインが復活。プレイヤーキャラクターはもちろん、イクスやヨルダ、ハーウッドなどの敵キャラにも実装されており、好評を博した。 視覚的に嬉しい展開 本作でようやく全キャラの水着衣装(*3)が本編でお目見えし、(一部)プレイヤーから絶賛された。歴代シリーズでも特に女性陣が(どことは言わないが)豊かな作品なので、アーロンもとい男共は歓喜した。ちなみに、ハッキングテストやミスティックキューブでもメアの(どことは言わないが)今までよく見えなかった部分もしっかり映るようになったので、そこも評価するロリコンプレイヤーもいるとか。 非常に熱い最終盤の展開 + ネタバレ注意 本編のラスボスである紅黎いグレンデル「グレンデル・ゾルガ」戦において、戦闘背景が過去のシチュエーションを再現した舞台となっている。特に最初のシチュエーションはヴァンとエレインが(タイムリープしなかった場合の)死亡する現場での決戦という、これまでの雪辱を果たすような演出で非常に熱い。もちろんこれだけではなく、前作のシチュエーションもいくつか含まれるので、前作からプレイしている人にとってはニクい演出となっている。更にグレンデル・ゾルガにとどめを刺すときの演出は固有のもので、そのど迫力さはまさに最新作といえるほどのクオリティである。 高クオリティのBGM ファルコム作品の例に違わず、本作もBGMは非常に良質 主題歌である「CRIMSON SiN」は、本作を象徴するある人物たちの心境を鋭く描いた歌詞に、優れた曲、佐坂めぐみ氏の歌唱力とすべてにおいてスキがなく、シリーズの主題歌の中でも高いレベルの人気を獲得している。 ゲーム内で使用される曲も、タイトル曲の「愛しき刻限の果てに」や特定のボス戦で使用される「solid-state shard blow」など、言わずもがなの名曲ぞろいとなっている。 賛否両論点 強すぎるアーツ「ケートゥスファンタズマ」 幻・水属性のデュアルアーツで、通称「クジラ」(*4)。敵全体に大ダメージ&バフ解除&全能力デバフをぶっ放せるヤケクソじみた性能を誇る。本作は敵のバフが強烈であるため、解除できるキンケイドやシズナが重要なのだが、これを修得すれば誰でも容易にバフを解除できてしまう。そのため、低い難易度であれば、本編もクリア後追加されるダンジョンもこれだけでなんとかなってしまうほど。 星杯騎士の扱い 今回ゲスト参戦としてセリスとリオンが登場するが、他のメンバーがことごとく第3部のラストバトルや最終章で共闘できる中で彼らだけ同行できない。また、セリスは性能もやや低めで、どちらかと言うと物足りないと考えるプレイヤーもいる。一方、作中で何度か協力してくれたり、タイムリープにおける打開策になることもある(*5)ので、不要な存在とは言い難いのも事実である。 また彼らの代わりなのかは不明だが、彼女たちと関わりのある前作のプレイヤーキャラが不参加になってしまっている。詳細は問題点にて。 非常に面倒なアクティビティ キャラクターと遊んだりできるシステムで、ヴァンとのやりとりが非常に癒されるもののはずだが…このアクティビティ、消化するための行動が非常に面倒。パラセーリング(*6)は終わるまでひたすら待つだけ、ドライブは狭い道路を微妙な挙動をする車でポイントを通過する、カクテル作りはだだっ広いフィールドでアイテムを採取する…といったもので、やけに時間がかかる。その他とにかく地味なバスケ、難しい上に時間もかかるクイズ等、まともに消化させるつもりがないものばかり。もっともそれらを達成して得られるやりとりはなんとも得難いものがあるので、その点は評価できる。また評価点において記述された通り、コネクトイベントの内容は非常に良質だがその数は前作よりかなり少なく、「もう少し欲しかった」と言うプレイヤーもいる。 相変わらず癖の強いテキスト これは前作に限らず過去作でも度々見られた事だが、(ダブルクォーテーション括り)や傍点を多用し、同じ慣用句や単語を使い回すのは改善されていない。多くのキャラが狂言回しのような物言いが目立つ(*7)のも目が滑る要因になっている。気にしないプレイヤーや、シリーズの個性として肯定的に見るプレイヤーがいるのは事実だが、テキスト量が多いためなおのこと眼についてしまうプレイヤーがいるのもまた事実である。 問題点 あまりにも拙く冗長なタイムリープ 概要は前述した通りだが、このシステムが本作の評価を大きく落としている主要因。例えばあるルートにおいて正規ルートが「A→D→E」だったとすれば、最初に「A→B」ルートを進む必要がある。もちろんこれでは敗北エンドとなるので、今度は新たに出現した「A→C」にルートを切り替えてやり直す。もちろんこれでも敗北エンドとなるので、ようやく正規ルートの「A→D」が解放される。要するに正規ルートにたどり着くまでには、 用意された敗北エンド(BC)をすべて通り、その分再び最初(A)に戻らなければならない面倒な設計 となっている。そもそもタイムリープとはいわゆるADVゲームでは暗黙の了解で存在するシステムであり、数ある可能性の中から幾多もの世界線を自由に選んで様々な世界を楽しむ装置なのだが、本作は始まりと終わりは常に固定で、しかも途中の行き先も正解以外はすべてハズレ扱いなのである。その上、正規ルートを見つけるには敗北エンドを一定数見る必要がある。一言で言ってしまえば、ただの総当りでしかないのだ(*8)。しかも使用制限などもないので、タイムリープに慣れるとキャラが死のうが負けようが正解に辿り着こうが、得られるカタルシスがほぼなくなっている。このタイムリープは断章と三章で特に多く見られ、そのたびにやり直して死んでやり直して敗北して…を繰り返すのでとにかくシナリオが冗長に感じること請け合い。俗に「 DIEジェスト 」と言われることも。しかも先に挙げた「A→D→E」はまだシンプルなほうで、更に複雑なルートも多々存在する。ただし断章の方は、上手く進めれば二回のみのタイムリープで済ませることが可能。また、これまでのシリーズではたとえ敵に敗北したりしても、そこから這い上がるような展開もあったのだが、本作においては「死亡」は仕方ないにしても「敗北(拘束)」であってもタイムリープできてしまう。裏解決屋はいかなる失敗も許されないという気概が見て取れる。さらに、死亡する流れも、前作で様々な罠を(タイムリープなしで)無効化してきたメンバーたちからは考えられない醜態とも言われている。特にヴァンは、シリーズ主人公の中でも屈指の知性と勘のよさを誇り、それを嗅覚と言う形で再現していたため、「鼻が詰まった」と揶揄されることもある。何度も何度も死に戻りを繰り返している割には危機感もなければ対策も立てない解決事務所の面々に違和感を覚えることも(*9)。 庭城の水増しぶり 本ダンジョンはレベリングや稼ぎでも使われるが、それぞれの階層は多少の違いはあれど、どれも数パターンのコピペダンジョンであるため早々に飽きが来る。階層が追加されるタイミングで毎回ミラベルから直接ボイス付きの連絡が来る上、スキップもできないので鬱陶しく感じる人もいる。ではやらなければいいのでは?と思うが、クリア後の追加ダンジョンは庭城最下層で、これまでの階層をすべてクリアする必要がある。しかも前作ファンには是非見るべきシナリオが存在するので、無視することもできないのがなんともはや。 また、類似コンテンツである「影の国」や「夢幻回廊」「真・夢幻回廊」で実装されていたキャラ同士の会話もカットされており、これについてはもったいないという意見も見られた。 侵食 これまで関わりのあったキャラに対して、過去の記憶や 経歴などを改変 し、敵対させる現象。閃の軌跡における「呪い」と、空の軌跡の「影の国」を統合したような形になっており、仲間として協力していたキャラが敵として立ちふさがることになる。その中にはメインキャラクターも相当数含まれていることから、そのキャラに愛着があるプレイヤーにとっては非常にショッキングな展開となる。そもそも記憶はともかく経歴も改変はやりすぎではないだろうか…?その他、特にやりすぎとされるものは、「本体とは別にある意識体を使役」(*10)「死者を復活」といったチートじみたものがあり、もはやなんでもありとなってしまっている。 余りにも肩透かしな大ボス 本作には「二人の黒幕」と前述した「グレンデル=ゾルガ」、「クリア後ダンジョンの最終ボス」などが大ボスとして立ちはだかるが、その正体がどれも予想外すぎて深みが感じられない。前作の大ボスであるジェラール・ダンテスとメルキオルが軌跡シリーズでも印象に残る悪役な分、肩透かしを食らったとしか言えないのである。 + ネタバレ注意 黒幕 その正体は「破戒のハーウッド」と「思想家オーギュスト」である。だが、前者はともかく、後者は …誰? と思ったプレイヤーは非常に多い。一応彼はカルバードにおける建国の母シーナ・ディルクの盟友ではあるのだが、彼よりも学園の名前にもなったアラミスのほうが知名度が高く、本作以前に明かされているとはいえ、本作を普通にプレイした状態でオーギュストの名前が確認できるのはあまり多くない(*11)。しかもその時はあくまでシーナ・ディルクの盟友であるとの説明だけで、彼の真意や末路は明らかにされない。だというのに、作中のキャラは「もしや…」「やはり…」とわかっているような口ぶりだったのでプレイヤーが置いてけぼりを食らった状態で決戦に臨むことになる。 グレンデル=ゾルガ 正体は「ディンゴ・ブラッド」。前作のキーパーソンではあったものの、明確に死亡していたキャラなので、やはり彼が出てきたときも …なんで? と思うプレイヤーが続出。しかも、彼はヴァン寄りの人間なので、ボス側に周る理由(*12)がまったくもって理解できない(*13)。一応、彼は定番のコードネーム《C》を名乗っており、それがヒントであると教えてくれるのだが…はっきり言ってミスリードすぎて推理というよりかは言葉遊び(*14)にしかなっていない。当然、作中で彼であると指し示すものは《C》のヒント以外ないので…。 回収されない伏線と更に増えた謎 リゼットが義体である理由やメアの謎言語とユメの関連性、またゲネシスのタイムリープ機能や終わりの聖女…といったこれまでの謎に加えて追加された謎が更に膨れ上がっている。そのうち本作で回収されたものはごくわずかでしかなく、消化不良になっている。このシリーズでは半ばいつものことであるが…。 ボリュームが薄い 上記の通り、シナリオはタイムリープにおけるやり直しと、庭城の周回による水増し感が強いため、ボリュームそのものはあれど、密度としては相当スカスカである。しかも、シナリオは結局あまり進行しておらず、どちらかというとスウィンとナーディアに焦点を当てたものが主体であるため、「創の軌跡2」または「黎の軌跡1.5」と揶揄されることもある。 メインキャラのリストラ なんと、前作でメインキャラの一人であった「ベルガルド」が本作では登場しない。 メインキャラがのちの作品で出演不可になったのは本作が初(*15)である。人気も高いキャラだっただけに、残念がる声は大きい。 グレンデルの活躍が、前作より控えめ 前作では、章の終わりの大ボス戦をグレンデルに変身して楽しむことができたが、本作は必ずしもすべての章の終わりにグレンデルが出てくるわけではない。その影響から、イベントによるグレンデル戦の頻度が大幅に低下してしまっている。 総評 過去作のキャラへのフォローがしっかりされており、またメインキャラの魅力も更に向上したことでより一層ヴァンに対して安定感を得られるようになったのは非常に良い点とされる。 ゲームシステムと演出においても確実に進化し、コマンドバトルとアクションバトルのいいとこ取りがより強くなったといえるだろう。 しかし、前作の魅力であったシナリオにおいては大きく劣化したと言わざるを得ない。 魅力的なキャラや世界観も、侵食とタイムリープというご都合主義によって大きく損ねてしまい、ファンから反感を買ったたのは非常にもったいない。 元々足の遅いシリーズではあるものの、本作は特にその鈍足さが露骨に現れてしまったため、長年のプレイヤーからしたら辟易ものだろう。 ボリュームについても決して多いとはいえないというのに、前作よりも値上がりしているのは納得できない問題になっている。 余談 本作のラストで「To be continued kuro no kiseki Final Chapter」という文字が表示された。 そして、2023年12月15日に、軌跡シリーズの新作『英雄伝説 界の軌跡 -Farewell, O Zemuria-』が発表された。主人公勢は本作と同じメンバーに加えて、ベルガルドも復帰。さらに、ケビン、リィン、ルーファスなど、かつて主人公を務めたキャラクターも登場する。発売は2024年9月26日を予定されている。
https://w.atwiki.jp/tera-sun/pages/37.html
青春:Now and Then 2
https://w.atwiki.jp/yurina0106/pages/3841.html
タグ おっとり 曲名せ 歌 観月あんみ 作詞 紺野比奈子 作曲 松本慎一郎 作品 Volume7挿入歌 Volume7 サウンドトラック
https://w.atwiki.jp/honobonita_library/pages/68.html
2012年 2月7日 大分県津久見市 津久見市をぶらり レポート レポート2 3月10日 栃木県宇都宮市など マイ春休み旅行 1日目 レポート 3月11日 栃木県宇都宮市 マイ春休み旅行 2日目 レポート 3月12日 東京都内 マイ春休み旅行 3日目 レポート 3月13日 東京都内 マイ春休み旅行 4日目 レポート 3月14日 東京都内 マイ春休み旅行 5日目 レポート 3月15日 東京都内など マイ春休み旅行 6日目(最終日) レポート 2011年 4月14日 鹿児島県鹿児島市 花かごしま2011 レポート 8月13日 熊本県阿蘇市など 九州横断の旅 レポート 8月26日 岡山県岡山市など 青春18きっぷで行く スポーツ満喫の旅 1日目 レポート 8月27日 大阪府大阪市など 青春18きっぷで行く スポーツ満喫の旅 2日目 レポート 8月28日 徳島県鳴門市など 青春18きっぷで行く スポーツ満喫の旅 3日目 レポート 8月29日 大分県大分市など 青春18きっぷで行く スポーツ満喫の旅 4日目 レポート 9月23日 大分県中津市 からあげフェスティバル レポート 2010年 9月11日 鹿児島県鹿児島市 鴨池もホーム 鹿児島レポート レポート 11月27日 福岡県福岡市 マイナビ合同企業説明会 レポート 12月11日 福岡県福岡市 リクナビ合同企業説明会 レポート
https://w.atwiki.jp/mr400get/pages/17.html
400ゲット君の軌跡>日付順 ここでは、400ゲット君の出現を、出現した日付(年)順に並べています。 2005年のゲット君 2006年のゲット君 2007年のゲット君 2008年のゲット君 2009年のゲット君 2010年のゲット君