約 3,567,861 件
https://w.atwiki.jp/kmpnote/pages/638.html
存在の耐えられない軽さ ミラン・クンデラ (著), 千野 栄一 (翻訳) 集英社文庫 われわれの人生の一瞬一瞬が限りなく繰り返されるのであれば、われわれは十字架の上のキリストのように永遠というものに釘づけにされていることになる。 ニーチェの永劫回帰について考察をはじめる冒頭からちょっと変わった小説という印象。物語の全貌を前段で明かし、振り返るように進む。まるで芝居のような構成に惹きつけられた。 作者は登場人物たちを人間とは考えていないようだ。SFが思考実験であるように、小説の世界を動く人物はあくまでもキーワード、そこから広がる物語は思索の場でしかない、そう言っているかのよう。 内面を深く描写していくドラマでなく人物を「感情モデル」で動かし、それを見て思考を広げるキャッチボールのようだ。 主眼はどこか。「存在の軽さ・重さ」であったり、「俗悪なるもの=キッチュについての批判」であったり。それは物語世界への没入を避けるようでもあるけど、同時にこの小説を面白くさせてもいる。 「軽さ」とは自由で明るい。そして存在の無意味さ、虚しさにつながる。「重さ」は充実した人生の姿。そして束縛やすれ違いを生む。我々はどちらを選ぶべきか、疑問を投げかけられる。 軽さの男女としてトマーシュ(男)とサビナ(女)が居る。トマーシュは「性愛的友情」と呼んで愛人をたくさん持ち、テレザと結婚しても浮気は日常ごと。テレザの描き方から見て、思考実験というよりも作者自身の生き方を示しているかのようにリアルだ。 テレザは自分の身体が唯一つしかない、取り替えのきかないものであることを強く訴える。一方、トマーシュにとって妻と愛人との差は歴然と存在し、浮気が妻への愛を何ら妨げるものではないのだと言う。 いったい「心と身体」を別々なものとして考えるのか、男女の差こそキッチュであり根深い違いなんだと言われているよう。 あたかも心を切り離し、他と同じ身体として扱われることが経験として、またジェンダーとして消え去らない女性がいて、またその原因を(間接的に傍観することでも)作り続けている男性がいる。 男女の差が、性愛とか純愛とかの関係だけでなく、軽く生きるのか重たさの呪縛から逃れられないのか、前者と反転したフランツとサビナの断絶を描く鍵にもなっていて興味深い。 男女関係の語りがたさ、どちらとも着かないそれぞれの理想像、分かりあえないことの魅力、本質的に求めあうさま。それらはみな「俗悪なるもの」によって支えられているのだろうか。そんなことに思えた。2010-10-11/k.m (追記) ヨーロッパのすべての信仰の背後には、宗教的であれ、政治的であれ、創世記の第一章があり、世界は正しく創造され、存在は善であり、従って増えるのは正しいという考えが出てくる。われわれはこの基本的な信仰を存在との絶対的同意と呼ぼう。(中略)以上のことから、存在との絶対的同意の美的な理想は、糞が否定され、すべての人が糞など存在しないかのように振る舞っている世界ということになる。この美的な理想を俗悪なるもの(Kitsch)という。(P314) 俗悪なものは続けざまにふたつの感涙を呼びおこす。第一の涙はいう。芝生を駆けていく子供はなんと美しいんだ!第二の涙はいう。芝生を駆けていく子供に全人類と感激を共有できるのはなんと素晴らしいんだろう!この第二の涙こそ、俗悪を俗悪たらしめるのである。世界のすべての人びとの兄弟愛はただ俗悪なものの上にのみ形成できるのである。(P318) この部分をはじめとするキッチュさに対する徹底した批判は随所に折り込まれていて、それら細部にとても共感させられる。先日のチリ落盤事故を世界中でブラボーと叫ぶ無防備さへ過敏になってしまうのも、この小説を読んだ直後だからではないよいうな気がする。微妙な問題かもしれないけれど・・。2010-10-15/k.m カテゴリー-小説
https://w.atwiki.jp/dcd10/pages/573.html
【種別】 用語 【用語】 まだ食べられないの? ナマコ 【よみがな】 まだたべられないの? なまこ 【登場話】 第9話 ブレイドの世界のBOARD社員食堂にて対面を果たした海東大樹が門矢士に対して放った言葉。 これが何を意味するかはまだ解らないところではあるが、海東が士の知らない何かを知っているのを匂わせる台詞でもある。 伏線は回収されることはなく、ファイナルステージでは海東自身が食べられなかったことが発覚した。 【関連するページ】 海東大樹 用語 門矢士
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/15684.html
おむらいすがたべられない【登録タグ お ほぼ日P 初音ミク 曲】 作詞:ほぼ日P 作曲:ほぼ日P 編曲:ほぼ日P 唄:初音ミク 曲紹介 オムライスを食べられないと女子力が上がると聞いたのでインスパイアされてみました。(作者コメ参照) 歌詞 私ってオムライスが 食べられない人なんです だって生まれてこられない ヒヨコが可哀想だから…… オムライス嫌いじゃないし 食べたいんですけど 卵割ったらヒヨコさんが 死んじゃうじゃないですか ピヨピヨも泣けないんですよ お母さんにも会えない まだ生まれてもいないのに 赤ちゃんかわいそうです 気をつけろ 気をつけろ そいつは 猛禽 猛禽 合コンで居合わせたら 全部持っていかれる 諦めろ 諦めろ そいつは 猛禽 猛禽 天然キャラと巨乳ぶりが もう手に負えない おんなじセリフを私が言っても ドン引きされるばかり 痛い目を見る覚悟がないなら 素人にはおすすめできない 真似してみたって 逆立ちしたって 戦力の差は歴然 生まれ持った素質の違い これこそが 女子力 コメント 1かな ほぼ日さんじゃなかったらどうしようかとw -- 名無しさん (2011-05-05 22 31 19) このニュース読んだわーwwしかしほぼ日Pだとすぐ分かるなwww -- 名無しさん (2011-05-05 22 33 36) タイトルでほぼ日Pの気配を察知した -- 名無しさん (2011-05-05 22 37 27) タイトルでの作者特定余裕でしたwもうこの人ナイスすぎるwww -- 名無しさん (2011-05-06 01 09 33) 間違いなくほぼ日Pだと思いました -- 名無しさん (2011-05-06 02 38 47) この人、まじナイス -- ばか (2011-05-06 21 43 41) ほぼ日Pと特定余裕なタイトル(笑) -- 名無しさん (2011-05-06 21 54 40) タイトル余裕www -- 名無しさん (2011-05-07 10 08 17) タイトルで分かるww -- 名無しさん (2011-05-08 08 56 22) ほぼ日Pじゃなければ誰かとw -- 名無しさん (2011-05-08 10 33 46) タイトルでやっぱりw -- 名無しさん (2011-05-08 13 01 39) あぁあぁ、女子力こぇぇぇぇ -- めこ (2011-09-21 09 49 15) ほぼ日pじゃなければどうしようかと -- テヘペロ (2011-09-21 10 20 47) 無精卵なら産まれないから可哀相じゃないです^^← -- ちる (2012-04-04 17 04 02) 売ってる時点で死んでるからむしろ食べないと可哀想です。卵が。 -- 名無しさん (2012-05-25 15 37 08) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/4002.html
413 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 18 05 30 ID ??? 空気替えに弱めの報告するわ さっき友人からこーどぎあす最終回らしいって話聞いて思い出した話 NWの話で、ハンドアウト上でPC1がエミュレーター側の象徴としてかつぎ上げられる話だったんだけどすでにハンドアウトの時点ですでに捨てられるの確定なのがわかる様になってた それでそのPC1を嬉々として選んだ奴がいたんだが、そいつがそれを読みとれてなかった時点でダウト 最初は敵側にいるのでパーティに合流できないのは仕方ないとして、PC1は初めは本当に敵役みたいにノリノリだったからこっちら側もノリノリで敵対ロールプレイしてたんだけど、いざPC1が裏切られる展開に入ると突然、奴がキレた どうも裏切られたのが信じられないらしい すでに他のPLはどこかでPC1を受け入れる事ができる余地を作ってたり、GMも初めからずっとPC1が今の立場から捨てられる事を臭わす程度の時からほぼぶっちゃけに近い情報提示があっただけに、そのPL以外呆然としてしまった しかもPC1が捨てられるのを阻止しようとしてこの展開なら軽くグチっても仕方ないかも知れないが、PC1がやった事と言えば某ぎれん閣下の如く周りを見下してただけ。 PC1が困PLだったのに納得したセッションだったさ 430 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 21 57 42 ID ??? 413 見下したあと、どうなったんだ? 自分の事は棚にあげて、ムギャオーしたエピソードはなし? 431 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 22 07 54 ID ??? いや、普通にキレたらしくて普通にふてくされてただけ 地蔵化だから困った程じゃなかったかな まあ、終わった後に飯に誘われたけど断ったんだが行ったらこのスレ的に楽しい展開になったかもなと少し思う スレ201
https://w.atwiki.jp/wiki7_aa/pages/41.html
(2005-12-28)舟橋さん: 文字の色が変えられない (2006-01-04)SJP この功能は、最初に見積もり書の中で書いたことがない。しかし、サポートにとして、開発をすることができます。
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/839.html
ブランド evoLL #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (000.jpg) ジャンル 女まみれの孤島脱出ADV 原画 羽鳥ぴよこ シナリオ 池かなた 発売日 2022/3/25 価格 5,800円(税別) 選評 【2022】クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 1本目 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1647683806/ 186: 南国プリズン 選評 ◆kpIy6y/jcA :2022/06/21(火) 20 41 14 ID e.XvsH8Q タイトル:南国プリズン ~漂流した無人島が子作りしないと出られない島だった件~ ブランド:evoLL 発売日:3月25日 価格:5,800円(税抜き) ジャンル:女まみれの孤島脱出ADV 原画:羽鳥ぴよこ シナリオ:池かなた ◎あらすじ 僕は夢を見ていた。 これまで会ったこともない美女とセックスしている夢だ。 めくるめくセックスの快感。美女が言う。 『やはり妾の見込みに誤りはなかった……おまえだ。おまえ こそ、我が力を顕現しうるもの……』 快感に思わず精を放ったその瞬間、夢は醒め 僕は波打ち際で目を覚ましていた。 異端の考古学者【沢田礼次郎】は、助手【島流ユメ】と 古代ヴロンコ文明発祥の地 始まりの場所と呼ばれる『聖地』を目指すべく 研究旅行にでかけた……までは良かったのだが 気が付くと何処とも知れない島の波打ち際に 何故か下半身丸出しで倒れていた。 その後、ユメと合流した礼次郎は島の探索に乗り出すと 漂着したこの島こそ目的地の『聖地』だと判明。 更には別の漂流者である4人の女性たちと知り合い 島脱出に向け共同のサバイバル生活をすることになった。 そんな中、島の奥地で大遺跡を発見。 そこにあった碑文には、預言が書かれていた。 『島に来たる比古、すべての姫と悦びを極めることなくして 島を出ること能わず』 解読が正しければ、島を脱出する為には、ユメを含めた5人 の女性全員と子作りをしなければならないらしい。 そんな馬鹿な……と思う礼次郎だが、他に方法が思い付くわ けでもなく、女性経験のない礼次郎は ユメの手助けを借り、預言を成就させようと奮闘するのであ った……。 「いや、待てよ? ……そもそも僕に助手なんかいたっ けか?」 ◎シーン数 攻略ヒロイン5人でシーン数は45。但しすべてのシーンは一枚絵で差分のみ。よってCG数も差分含めて45。絵師は良い仕事をしていて、後述の問題さえ無ければミドルプライスの抜きゲーとしては何とか及第点。 ◎問題点 量産型ラノベ風なタイトル副題に、わくプリかと思うような頭がおかしくなるあらすじで何となく想像できそうであるが、中身はその予想を下回ってくる。 まず本作はエロシーンとエロシーンの間が縮地の様に進んでゆき、気付けばエンディングに到達している。 主人公は気付いたら体1つで何処とも知れない場所にいるという、ある意味極限の状況だが、悲壮感どころか危機感やサバイバル感すら無い。また考古学の権威らしいが主体的に何かをする訳でも無く、助手を含めて出会った女性の言動行動に従っておっきさせている猿である。 偶然漂着していたというヒロイン勢は全員ネジが飛んでいて、自称カワイイと煩い現役アイドルは只の処女ビッチ、そのマネージャーはアイドルの身代わりと叫びながら竿にとりつく処女マゾ女、姉妹の姉の方は快楽狂で、その妹も清純処女と思わせておいて主人公の素性を知るやマッハでビッチにジョブチェンジする。助手は本作の黒幕的存在だが、設定が電波なせいで全く感情移入は出来ない。 作中選択肢は二か所あるが、一つ目はヒロインに出会う順番が変わるだけ、二つ目は中田氏CGの順番が変わるだけの工夫も何も無い一本道で、完全に無用な代物。 システムはシンプル且つ最低限だが、アイコンの上にマウスのポインターが乗っている状態だと右クリックが効かない謎仕様。 音声・サウンド関係は割と良好だが、口で水をぐちゅぐちゅしているような感じのピストン音と下水管からスライムが湧き出てるような感じの射精音だけは勘弁して欲しかった。 ◎まとめ 抜きゲーとしては悪くなかったが、シナリオが全てをぶち壊した。光る素材もあったが使ったミソがクソだったら料理としては成立しない。とても残念な一品だった。
https://w.atwiki.jp/cocorenzi/pages/75.html
コスト 12 チャージタイプ 成長 通常 攻撃力 820 弾数 1×4 弾回復力 780 オールボトル 全カードの残弾ゲージを回復させる
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/1307.html
「ミッドにも梅雨ってあるんかなぁ」 窓をパタパタと音を立てて叩く雨を眺めながら、山ほど重なった案件から少しだけ気を逸す様に、八神はやては呟いた。 事務仕事をする時、掛けているとはかどる気がするからという理由でしている伊達眼鏡をはずして眉間を少し揉みながら 故郷の日本を瞼に写した。 ここ数日間、休みを忘れたかの様に降り続く雨は今も止む気配は無い。 六課解散後、皆がそれぞれの道を力強く歩き出してからどれほど経っただろうか? 相も変わらず自分は忙しく走り回っている。 「偉くなるってのも考えモンやな」 彼女の小さな体に纏わり付くしがらみは、登れば登るほどに増えていった。 気の赴くままに何処かへと行ってしまいたくなる事がある。 実際にそんなことなど出来るはずも無い。 いや、やってしまう事は出来るが、はやてはそんな事が出来る様な人間では無いと言うべきか。 集まった元部下達は皆優秀であり、その活躍は誰と無く耳に入れてくれる。 それを聞くたびにはやては嬉しくなり、そして自分もやらねばいけないといった気持ちになるのだ。 副官を務めたグリフィスは本局次元航行部隊に転属し、バリバリの事務屋として鳴らしている。 そしてもう一人。 六課解散後、正直な所あまり行く場所の無かった彼は今もなお、部下として付いている。 魔法の魔の字も出ない彼は六課在任時、完全な生身の格闘教官を務めながら副官補佐として勉強を重ねていた。 元々が努力家なのだろう。 真綿が水を吸うように知識を吸収し、その豊富すぎる戦場の経験もあってか、メキメキと 指揮官としての才を見せ始めた。 少ない情報から確実に現場の状況を理解し、組み立てる様は正直な所憧れすら持って眺めていた。 あれは一つの才能だろう。 豪胆な心臓と繊細な感情は奇跡のように両立し、自らの経験も相まって戦場の指揮官としては理想的な人物だった。 本当は自分も戦場の最中へと飛び出していく性格なのだ。 それを必死で押さえ込み、血が滲んで震える拳はCICの中に居る 人間の心を捕らえて離さない。 事実として、J・S事件の中盤以降は彼の立案した作戦に私が判を押すという形態が常で有り、私を含めたすべての人間がそれを受け入れていた事実がそれを物語る。 しかし彼は戦場のに生きる軍人としては最高ではあったが、政治家ではまったくと言っていいほどに無かった。 事務仕事はそこそこに出来るが、如何せん彼は世渡りが下手だったのも災いした。 真っ直ぐ過ぎる心は美徳以外の何物でもないが、気高い精神だけでは上へと昇ってはいけない。 寝技や政治的な搦め手はその心が許さず、過去に積み上げた実績も無ければ強力な後ろ盾も持たない。 早い話、ポッと出の風来坊なのだ。 そして蛇蝎の如く忌み嫌われる質量兵器の使い手であったという過去。 それだけならばまだマシだったが、元エースという称号はミッドにおいては栄光のそれで無く、大量殺戮者のレッテルでしかない。 聖王協会やハラオウン家の威光は私の時で大分目減りしている。 これ以上の干渉は管理局での彼らの立場が危うくなる。 借りを作りすぎるのは毒でしかない。 何よりも彼自身がそれを望まなかった。 本心を言えば、はやては部下として彼の下に付きたかった。 彼が出来ない政治家を自分がやればそれでいい。 機動六課を強引に作り上げた自分の政治力には自信がある。 官僚としてグリフィスを迎え入れ、直属の部隊としてヴォルケンリッターの騎士を組み込み、エースオブエースと金の雷光を両腕に従えて彼は現場で思う存分に戦い、指揮し、輝かしい道を歩む。 本気そう思っていた。 あの時の六課に関わったほぼ総ての人間がそれを夢想した。 そんな夢を描かせるほどに彼は真摯で、有能で、志高く、気高かった。 「ホンマに嫌な雨やなぁ…… 纏わり付くようや」 「そうですねぇ」 傍らのリィンにぼやいてみても、何も変わりはしない。 元部下や親友達について考えていたはずなのに、気が付けば頭は彼の事だけを考えていた。 解散後、それぞれが自分の希望の部署へとすんなりと行けたのは六課在籍という手柄があったからだ。 はやての指揮官としての功績など無いに等しかったが、それでも名目上の指揮官は彼女だった。 真偽のはっきりとしない情報、矢継ぎ早に起きる不測の事態、錯綜する戦場。 後手後手に回る状況で自分が思いついたのは下策だけだった。 事件後、彼の功績は目に見える形では残っておらず、加えて私を含む隊長陣のネームバリューが仇となった。 幼少時より管理局で名を上げた私達と、ポッと出の元殺戮者。 管理局と大衆が望むのは前者だった。 苦悩する私達を見て彼は自分から手柄など要らない、守れたという事実があればそれでいいと答え、少し悲しそうな顔をした後退席した。 今考えてもあの悲しみがなんだったのか、はやては理解出来ないでいる。 他の部隊からの招聘を断り、捜査官とし戻る際に貰った土産が彼だった。 このまま埋もれさせてしまうには惜し過ぎる才だったし、はやて自身の感情もあった。 それは彼の持つ気高い精神と苛烈な生き様に対する憧れと、年下でありながら自身が想像した兄の様な優しさに対する思慕。 時折見せるどこか破れた様な悲しい笑顔と澄んだ紅い瞳。 かと思えば幼さの残る弾ける様な笑顔。 憧憬とやすらぎと保護欲はやがて混ざり合い、初恋は形を変えて愛へ成長した。 自分の下で実績を積ませ、いつか自分を追い越して高みへと登らせたいと思いながらもこのまま自分の下から出て行って欲しくないとも思う。 結局自分がどちらを望んでいるのか分からなくなり、口に出たのは 「たぶん…… どっちもなんやろなぁ、はぁ…… わからんモンやな」 「なにがですか? はやてちゃん?」 「ん~、なんでも無いわ。 仕事しよか」 「はいです!」 分からないという結論と仕事の再開を告げる宣言だけだった。 コンソールと流れるように滑らせ、先に解決した事件の報告書を手早く打ち込み始め、やがて作業に没頭していた1時間ほど経つと無遠慮にドアがプシュッっと小気味よく開いた。 ほとんど終わった文書の作成画面から目を離すと、見えたのは昔の様なボサボサ頭ではなく、少しオールバック気味に後ろへと流す様にしたヘアスタイルと親友と似て非なる血の様に紅い瞳。 「はやて一人か? まだ終わってないのかよ」 「一人じゃ無いです! リィンもいるです!」 「はは、悪い。 見えなかったよ、小さくて」 「きぃぃぃぃっ! リィンは小さくなんてないです!! あえて小さいだけです!!!」 「結局小さいじゃん」 ドアと同じ様に無遠慮な挨拶をした愛しい人は、軽い漫才をした後むきぃぃぃとむくれるリィンを軽くなだめると、何時の頃からか彼女の指定席となった頭頂部に座らせて、手に持った二本の缶コーヒーの内一本を差し出しながら口を開いた。 「飲むか?」 「ん…… 貰うわ、もうほとんど終わりや」 「了解、んじゃ待つよ」 「十分で終わらすわ」 再度了解と告げ、申し訳程度に置いてある来客用ソファーに腰掛けるシン・アスカを見て、はやてはじんわり幸せになった。 「なんで笑ってるんだ?」 知らんわ、と答えを返すとはやては少し温くなった缶コーヒーを啜って、聞こえないように呟く。 「ホンマにもう…… 知らんわ…… 人の気も知らんと好き勝手言うんやから」 デスクに立てかけてある写真立てには、駐車場でバイクと一緒に笑う彼と、明らかの通りがかりのはやてがわずかに写っている。 そっと気づかれない様に、自然な仕草で写真立てを見えないように倒したとき、写りこんだ自身の頬は嬉しそうに笑っていた。
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/4418.html
https://w.atwiki.jp/2ndchecker/pages/665.html