約 18,840 件
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/6452.html
309 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/11/11(金) 13 54 52.62 ID ??? そういや、クトゥルフ思い出したが。 どこぞの古き神を細々と信仰している村があって。 たまたまそこに行ったPCが、その神様を復活させようとしてる現場に立ち会って。 その神様がやばいものだとロールに成功したPCがいて。 それは危険だ、やめろと説得しても村人は言うことを聞かなくて。 儀式を中断させようと調べていたところ、RPとかのミスで間に合わないことが判明して。 数人のPCは、逃げ出して。 一人だけ、そんな災厄を世界に呼び出したお前らは悪じゃーと、村人と殺し合い始めて。 そして復活した神様に、村人ごとSAN値吹っ飛ばされて、PCロストしたやつなら知ってる。 310 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/11/11(金) 13 55 41.26 ID ??? 正しいクトゥルフじゃないか 311 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/11/11(金) 13 57 38.44 ID ??? 309 すまん それごく普通のセッションじゃね? 312 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/11/11(金) 14 00 17.85 ID ??? おいおい、実演は困るぞw 313 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/11/11(金) 14 01 38.06 ID ??? その最後に、PLもSAN値ロストして、GMとリアルファイト始めてたら面白いんだがなw 314 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/11/11(金) 14 05 44.70 ID ??? ただシナリオのクリアには失敗してるな 別に逃げ出すのがシナリオの目的じゃなかったろう シナリオのクリア目的達成に失敗したことが確定したシナリオでどういうオチをつけたかというだけの話だな 315 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/11/11(金) 14 05 44.99 ID ??? 正しい行いをしようとして、正しい筈が受け入れられなくて、 それでも何とかしようとする卑小な人間の思い上がりに対して 偉大なる神が鉄槌を下しただけだから普通だな。 まあ 309はゲーム(の世界観)によってキャラロストに対する 感覚は違いますよという実例を上げてくれたんだろう。 荒らしやレス乞食が跋扈するこのスレで、そんな気の利いたレスをする 309は困ということでw 317 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/11/11(金) 14 07 50.53 ID ??? 309 模範的クトゥルフじゃん もしそれが失敗とか思ってるなら お前はクトゥルフに向いてない 320 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/11/11(金) 14 13 03.21 ID ??? 309の一人だけ残って殺しあい始めたPCは、 間違いなくSAN値が減りすぎてたんだろうw 全く正しいクトゥルフだぜw 321 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/11/11(金) 14 15 51.64 ID ??? 317 いやむしろこれをシナリオ失敗と思ってないなら、そいつこそクトゥルフを自殺ゲーと勘違いしてるだけと思うが 322 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/11/11(金) 14 15 57.37 ID ??? これで 309が「クトゥルフの話を思い出したが」じゃなくて「クトゥルフで思い出したが」で クトゥルフ以外のシステムでやったシナリオの話だったら大笑いなんだが スレ293
https://w.atwiki.jp/playyugiohvip/pages/287.html
上級×14 地縛神ccapac apu×3 大天使クリスティア×1 フェルグラントドラゴン×2 創世神×3 光神機ー轟龍×2 古代の機械巨竜×3 下級×7 創世の予言者×3 オネスト×3 メタモル・ポッド×1 魔法×16 死皇帝の陵墓×3 歯車街×3 テラ・フォーミング×3 トレード・イン×3 神秘の中華なべ×2 大嵐×1 死者蘇生×1 罠×3 王宮のお触れ×3 ハグルマガイは破壊されなければ意味を成さないという歯車陵墓と呼んで良いのかは疑問視されるデッキ。ロックにめっぽう弱い。天敵はギガンテックファイター。たまにお触れが砂塵になったり大災害になったりする。 歯車街の発動はカウンターしてはいけない… このデッキに良くあること ハグルマガイのエフェクト発動! 中華なべ発動して古代の機械巨竜をチャーハンにします。 フェルー!! 初手がフィールド魔法3枚にテラフォ2枚 創世の預言者のハイビート トレードインで下取りに出されるフェル setモンスターへのアタック→DEF1900のオネスト「ふん!」 お触れは常にデッキで待機
https://w.atwiki.jp/cf_clan/pages/308.html
設立日 :2009.09.26 かりっくす、きゃりっくすじゃありません 「かりす」です ほぼEcsIrAの面子で立てたクラン CMacrux→Mr.kurosu→acrux 解散しました(笑) またね☆ミ 8/25 再結成 11/3/2 また解散しちゃった(笑) CoDに行くわ またね☆ミ 11/4/28 はいさいしゅうごー クランサイト 公式ページ6082 コンタクト #Ca1iX レコード- CFJL 3rd 予選リーグF 1位通過 決勝トーナメント 1回戦敗退 8-9 vs 約束の時2軍 公式リーグ10 Season1 予選リーグ4 1位通過 決勝トーナメント 1回戦敗退 7-3 vs赤字食品 CFDT チーム 腐れ外道 三位 準決勝敗退 9-7 vs [Ceres] CFDTⅡ チーム 鴨all☆s 優勝 メンバー ID Type etc. acrux AR mjkt神CM [EC]Loro AR ばか ニンジャマン MR 台湾人 m0zilla* SR * Fortress MR キチガイ JXXXXXXXXXXL MR Joy Ho0ZuKi MR osu! 殺戮獄龍神 AR すれいぷにる MR Eden0 AR 鳥の小骨 AR 過去在籍メンバー なんなる アイアス とし坊 H^aPPy M.S. だめスナ ☆麻奈☆ ψまっちψ X-tend jake nE_MozIllaX ness.t last update 2011/12/14 01 20 44 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/21silverkeys/pages/36.html
運命の呼び声~Call of Fate~◆q4eJ67HsvU 探索者(マスター)たちよ。そして銀鍵の守り手(サーヴァント)たちよ。 運命の呼び声の時ですと、シオン・エルトナム・アトラシアの姿をした者は、そう言った。 ▼ ▼ ▼ ――すべてを始めるにあたってまず、このアーカムという街についていくつか語っておく必要がある。 マサチューセッツの州都ボストンより北東20マイル、ミスカトニック河の下流に位置するこのアーカムは、 港町として知られるキングスポートから程近くに位置し、悪名高い魔女狩りの街セイラムからもまた近い。 事実、17世紀末のセイラム魔女裁判を逃れた魔女共がアーカムに流れ着き、隠れ潜んでいたという噂もある。 二人の魔女のうち一人は行方をくらまし、もう一人は街の住民によって縛り首にされたと言われるが、今や知る者は少ない。 ともあれアーカムという街の起こりは概ねその時期であり、現在のフレンチ・ヒル周辺が最初の集落だったと言われている。 港町としてのアーカムの発展は近郊のキングスポートの影に隠れて遅々として進まなかったが、 アメリカ独立戦争においては私掠船の停泊地として、また長距離交易の中継港として、そこそこの賑わいは見せた。 戦争が終わると貿易拠点としてのアーカムの価値は地に落ちたが、しかしアーカムの真の発展は19世紀に入ってからとなる。 海上交易が廃れることを予見した人々によって繊維工場が相次いで建てられ、農業や貿易の衰えと反比例するかのように工業が盛んとなった。 新聞社が設立され、電話線が通り、南北戦争の後にはガス灯が灯り、市警察が設立され、タクシーが走るようになっていた。 そして何より、この街を支えているのはミスカトニック大学の存在だった。 18世紀末に貿易商の遺産と蔵書を元に設立されたこの大学はアーカムの中心として成長し、年々その規模を大きくしていった。 蔵書の充実が魅力となってか市外から名のある学者たちが続々と集まり、ミスカトニック大学の教授陣に名を連ねた。 19世紀になってニューイングランド一帯を襲った景気の停滞も、ことアーカムにおいては大学の存在がその影響を和らげた。 ミスカトニック大学を中心とした人の往来が、閉塞した地方都市にありがちな行き詰まりを打破したのである。 今日に至るまでミスカトニック大学の名は広く知られ続け、アーカムもまた大学街として隆盛を誇っている。 しかし、このアーカムという街の底には、未だに仄暗い何かが横たわっているように思える。 旧い魔女狩りの時代から続く陰鬱な空気は、アーカムが経済的に発展した今なお、石畳の下で息づいているのだ。 曰く、ミスカトニック大学の大図書館には、禁じられた魔導書の写本が眠るという。 曰く、かつて書庫に忍び込もうとして番犬に噛み殺された青年は、人ならざる異形であったという。 曰く、魔女の隠れ家と伝えられる場所で寝泊まりしていた学生が、何者かによって心臓を抉り取られて死んだという。 曰く、街の郊外に存在する廃屋にはおぞましく飛び跳ねる名状しがたいものがおり、近付く者を襲ったという。 曰く、呪われた漁村インスマウスからこの街に来た者どもは、みな一様に魚めいた異相をしていたという。 曰く―――― いずれもただの風聞に過ぎない。だが、これ以上語る必要もないだろう。 このアーカムで真実に近付くことは、この世ならざる神秘にその身を晒すことに他ならない。 深淵を覗き込むのならば、心せよ。誰もお前の精神を守ってはくれないのだから……。 ▼ ▼ ▼ 【 01: Library Use 】 ミスカトニック大学キャンパス内、大学図書館。 今しがた架空都市アーカムの歴史に関する本を読み終え、《鷺沢 文香》はほうと一息ついた。 「伝説に満ちた街、その裏側に潜むもの……このアーカムは、ただの舞台装置ではないのでしょうか」 文香は、自分がこの場所にいる意味を今までずっと考え続けている。 ただの偶然で片付けてしまえば気が楽なのかもしれない。それでも、思案を止められないのが文香の性分だった。 銀の鍵。聖杯戦争。サーヴァント。そして万能の願望器。 自分が巻き込まれたそれらについて何も知らないままでは、きっと何も出来ずに終わってしまいそうで。 ……終わる、というのが自分の死を意味することを思い出し、文香は肩掛けの裾をぎゅっと掴んだ。 未だに戦争を実感できたとは言いがたい文香にとっても、死を想像するのは恐ろしい。 きっとこの街で文香が命を落としたとして、誰一人として悼んではくれないだろう。 家族も、やっと打ち解けてきた事務所の仲間も、そして自分を新しい世界に連れ出してくれたプロデューサーも。 文香にとって大切だと思える人たちの誰もが、文香の死にすら気付かない。 こんな見知らぬ街で、孤独に、ただ孤独に、ひとりで……。 「アーチャーさん……っ」 文香の漏らした呟きに答えるように、叛逆者の英霊《ジョン・プレストン》が実体化した。 まるで機械のように冷徹な男。文香は未だに彼への潜在的な恐怖心を拭い切れていない。 それでも、彼が詩の美しさに揺さぶられるような感受性を持つこともまた分かっているから。 その感受性が自分と彼との縁だったのではないかと、そう感じているから。 彼がいれば自分は孤独ではないと、ひとりぼっちではないのだと、そう思おうとした。 「……書物もいい。だが、周りにも目を向けろ。もうじき、始まるぞ」 プレストンは多くを語らない。その言葉は常に端的だ。 ゆえに人一倍内側に考えを篭もらせるタイプの文香は、無意識に言葉の裏を考えようとしてしまう。 始まるとは無論、聖杯戦争のことだろう。いよいよ役者が出揃い、戦いの幕が切って落とされる。 知識を得るのがいかに大事なことでも、いずれ自分の世界で思案を巡らせるだけではいられなくなる。 (私ももっと、他の人と関わるべきなのでしょうか) 思えばミスカトニック大学に「通い始めて」以来、文香はあまり他の学生と話した記憶が無い。 人との関わりがなければ、このアーカムで埋もれてしまいそうな、そういう感覚がある。 試しにこの大学図書館に通う学生とでも、話をしてみるのもいいのかもしれない。 そういえば、この図書館には講義にも出ないでずっと入り浸っている学生がいると聞いたような気がする。 あだ名は確か、図書館の魔女――。 ▼ ▼ ▼ 【 02: Natural History 】 表面上は魔術とは無縁の生活を送っているはずなのに、いつの間にか魔女と呼ばれるようになってしまったことについて、 正直なところ《パチュリー・ノーレッジ》はかなり辟易としている。 これでも幻想郷と勝手の違う近代社会へ溶け込もうと、最低限の注意は払っているはずなのだが。 服装だっていつもの装束では目立ちすぎると考え、自分なりに現代風の格好を揃えてみたのだ。 いくら現代のアーカムについての知識は持っているとはいえ、流行風俗についてはどうしようもない。 まぁ、少なくとも目をつけられなければいい。まだ目立つには早過ぎる。 この聖杯戦争において、自分の正確な立ち位置を定めていない今のうちは、まだ。 「ったく、ようやく戦の臭いがしてきたってのに、辛気臭い顔してんじゃねえよ」 「辛気臭いは余計よ、セイバー。貴方の戦馬鹿に付き合わされたら、こっちの身が持たないわ」 まだ早すぎる、と言っているのに。 パチュリーのサーヴァント、《同田貫正国》は好戦的な姿勢を一向に崩そうとしない。 武者震いというのだろうか、近付く戦いの予感に沸き立っているのがそばにいるだけで分かる。 刀剣の付喪神のようなものなのだから、武者震いというのもおかしな話だが。 「時が来れば戦わせると言ったでしょう。今は待ちなさい」 今のパチュリーは魔術師というより猛獣使いだ。 目を離せば鎖をちぎって獲物に飛びかかりそうな獣を、なだめすかして飼い慣らしている状況。 猛獣が自分にとりあえずは忠実なのが、救いといえば救いだが。 (戦うことだけがプライド、か。魔法使いとはつくづく無縁の生き様ね) 彼の在り方を受け入れるには、まだしばらく時間が掛かりそうだ。 だが、そんなことは関係ない。ここが何処であろうと、相手が誰であろうと。 パチュリー・ノーレッジのプライドが魔術にある以上は、当面は魔術師の流儀でいかせてもらう。 ▼ ▼ ▼ 【 03: Pilot 】 戦いの中で、己の力を示すこと。 それこそが、《クリム・ニック》にとってのプライドである。 宇宙世紀から幾千年の時をおいたリギルド・センチュリーにおいても、モビルスーツパイロットの矜持は変わらない。 もちろんそれは、モビルスーツを降りて本来の世界ではまったく無縁だったはずの戦争に加わることになってもだ。 聖杯戦争。万能の願望器を賭けた、魔術師同士の決闘儀式。 その手のオカルティズムなるものに対してクリムは造詣など深くはないが、だからこそ奮い立つ。 トライする。チャレンジだ。運試しに賭けてみる。 クリム・ニックはそういう事柄に命を懸けられる男である。 「……相変わらず、呑気な様子ね。緊張感というものを教わらなかったのかしら」 「緊張? していますよ。私は常に緊張を保ち、それと同時に緩和を実現しているのだ。 それが戦場に立つ者の流儀というもの。そうでしょう? 戦姫さま」 「否定はしないけれどね。ある意味大物なのかしら、まったく」 「そうとも。私は大物なのです。稀代の傑物と呼んでいただいて構わない」 そう言うと、槍の英霊《リュドミラ=ルリエ》は呆れたと言わんばかりに首を振った。 決して関係が険悪なわけではないのだが、どうも変な奴だと思われているようなのがクリムには不満である。 とはいえ、それも戦場に出る前までのこととなるだろう。 モビルスーツの操縦桿を握らなくとも、天才と呼ばれるに足る男であると証明するまで。 「戦姫さまにも近々ご覧に入れましょう。この天才クリムの目の冴える采配ぶりを」 「はいはい、期待はしておくわ」 「これはつれない。だがこのクリム・ニック、大統領の息子という生まれで評価されてきたわけではない。 この血ではなく己の実力で名を挙げて来たのだ。それはいずれ分かっていただく」 自信満々に言い切るクリムに、リュドミラは何処か思うところのあるような視線を向けた。 ▼ ▼ ▼ 【 04: Credit Rating 】 生まれひとつで、人を取り巻く世界は何もかもが一変してしまう。 みすぼらしいボロを纏った自分と、きらびやかなドレスを身につけたかつての親友。 認められるはずがない、そんなことは。 私は「選ばれた側」なのだ。「ドレスを身につける側」でなければならないのだ。 「その通りでございます、プリンセス・ローズマリー」 「あなた様こそが本当の姫です、プリンセス・ローズマリー」 「真に高貴な血統はあなたから生まれるのです、プリンセス・ローズマリー」 自分を称える言葉と共にかしずく者達を《ローズマリー・アップルフィールド》は見下ろした。 少なくともこのアーカムにおいて、ローズマリーはみすぼらしい孤児ではない。 歴史ある屋敷に住み、綺麗な服を着て、豪華な食事を口にする。 まるで貴族のようだ。まるで。 「王子様?」 「ここにおります、プリンセス・ローズマリー」 銀髪をなびかせて進み出る、この館で誰よりも美しい剣士。 己のサーヴァント、《グリフィス》の声を聞くたびに、ローズマリーは陶酔感すら覚える。 この完璧な殿方が、自分のためだけに尽くしてくれるという事実。 実のところ、この屋敷も、服も、食事も、全て彼の宝具『鷹の団』の一員となった者達に与えられたものに過ぎない。 しかし、グリフィスだけは別だ。彼だけは本当にローズマリーが所有しているのだ。 これこそがプリンセスの特権なのだ。 「私、この借り物の暮らしじゃ満足できないの」 「分かっております。あなたに相応しいのは、あなたの為だけに造られた王国」 「なら、貴方のその美しい剣で、私の夢を遠ざける人達を皆殺しにしてみせて?」 「仰せのままに。我が鷹の団が、必ずやプリンセスの敵の在り処を暴き立てましょう」 その頼もしい言葉に、ローズマリーは頬が熱くなるのを感じた。 この忠実な騎士は、自分のためなら誰だって殺してくれるだろう。 そんな男を従える自分は、やはり「選ばれた側」の人間なのだろう。 ――今この瞬間もグリフィスが嗤いを噛み殺していることに、ローズマリーは気付かない。 ▼ ▼ ▼ 【 05: Law 】 悪意に満ちた笑みに、《アイアンメイデン・ジャンヌ》は不信の眼差しでもって応える。 世界に平和をもたらすために聖杯戦争を戦い抜こうとしているジャンヌにとって、眼前の存在はあまりに耐え難い。 傲岸不遜の極みにして、残虐非道の化身たるもの。 このような男が『神』を名乗ること自体が、法神を従えるシャーマンであるジャンヌには許せずにいる。 「ヤハハハ、随分と嫌ってくれるではないか。この神を率いる栄誉に浴しているのだ、誇るべきだぞ聖・少・女」 「……戯言を。私のために力を尽くす気など無いのは初めから分かっています、ライダー」 「貴様のためだろうがそうでなかろうが、何も変わらん。我は神なり、神の前に立つ者はただ滅ぶのみ。 最後に立っているのが我らであれば、どのみち聖杯は降臨し願いは叶う。ヤハハハハ、違うか?」 違いはしない。しかし、それとこれとは話が別である。 確かにこのライダー――《エネル》は、此度の聖杯戦争において最強の英霊の一角だろうとジャンヌは考えている。 自然の猛威そのものを宝具として持つこの男は、その過剰なまでの自信に相応しい戦果をもたらし得るだろう。 だが、このような英霊に――悪意に満ち満ちた「神」に、自分の運命を預けることが出来るだろうか? 「まあいい。貴様の下らぬ令呪で気晴らしも出来ずにいたが、これでようやく興も乗るというもの」 「……殺しを愉しむなと言ったはずです」 「愉しむのはついでだ。魔術師だろうがサーヴァントだろうが、この神・エネルに無礼を働く以上は当然死んでもらう……。 どのみち殺すならば、愉しまずば損というものではないか。なに、木っ端英霊ごときでも道化役は務まる」 「……………………っ」 ジャンヌは奥歯を噛み締めた。 耐えなければならない。法の秩序があまねく行き渡る、完全平和の世界をもたらすために。 聖杯戦争集結まで耐えて、耐えて、耐えて……全ての縛りから解き放たれるであろう、聖杯降臨のその時には。 必ずやこの神を名乗る不遜な男に、法神シャマシュの名において正義の裁きを下してみせる。 だがそれまでは――この男を、上辺だけでも神と認めなければならないのか。 ▼ ▼ ▼ 【 06: Occult 】 神様は信じるものでも、すがるものでも、ましてや畏れるものでもなく、ただ心の中に想像しては楽しむもの。 つまるところ《神崎蘭子》にとっての神とは、今までずっと信仰とは遠い概念だった。 神の実在を心の底から信じなくても生きていけるし、だからこそ光と闇の夢想に遊ぶことも出来たのだ。 いるかいないか分からない。でも、いたらちょっとだけ楽しいかもしれない。 空想を好む内気な少女の、それが神に対する認識だった。 だから、太陽神の血を引くという大英雄《カルナ》を実際に目の当たりにして、蘭子は内心の戸惑いを捨てきれずにいる。 神の子がいるのなら当然神様も、もしかしたら魔王もいるのかもしれない。 遠い世界の話だと思っていた存在が、自分と地続きのところにいるという事実。 確かに存在するのならば、それはきっと、確かに向き合わなければならないもののはず、なのだけれど。 「どうした、主。いつもにも増して顔色が悪いぞ」 「わ、我が白き肌は生まれ落ちし刻よりのもの! 決して心の内なる泉に翳りが生まれるなどということは――」 「そうか。ならいいが」 「…………うぅ」 率直に言えばまだ分からないのだ、彼のことが。 太陽神スーリヤの息子、不死身の大英雄カルナ。 彼はあまりにも、己を語らない。今だって、自分を心配してくれたのか、ただ気になったことを口に出しただけなのかすら分からない。 蘭子も、自分の気持ちを人に伝えるのが苦手だ。尊大な態度のポーズは、弱気な自分を奮起させるためでもある。 だからこそ、自分の気持ちが伝わらないのが、彼の気持ちが届いてこないのが、怖い。 カルナが自分を主として認めてくれている、そのことだけは確かだ。 ならば蘭子も、この神代の大英雄の主として相応しいように振る舞い、彼の期待に応えないといけないのに。 「我が力は未だ翼を広げぬ雛……太陽を纏って羽撃くにはあまりに幼い、か……」 「オレの鎧のことなら案ずるな。常時展開してはお前の魔力では保つまい、切り札として留めおく」 「あぁっ、太陽を纏うとはそのような意味では……なくもない、けど……」 その冷徹にすら見える姿の裏で何を考えているにせよ、彼が自分を気にかけてくれているのははっきりと理解できる。 だったら、成長しなければいけないのだろう、きっと。 それはきっととても辛く、苦しく、困難な道のりなのかもしれないけれど。 神崎蘭子はアイドルだ。だからこそ、夢は夢で終われない。 ▼ ▼ ▼ 【 07: Hide 】 夢に潜る魔を殻として生まれ出で、夢と現のハザマでたゆたうように存在するもの。 オリジナルの夢魔との区別を考えるのならば彼女のことは《白レン》と呼ぶべきだが、ここは単にレンと呼ぼう。 彼女はここしばらく、白猫の姿をとってアーカムの市街地を、商店街を、裏路地を駆けていた。 猫の姿のほうが都合がいいというのもある、しかしそれだけが理由でもない。 レンは今、己のサーヴァントの宝具の影響を受け、自分の世界「真夏の雪原」の中でしか力を振るえない。 アーカムの通常空間では、白の少女の姿を取ることすら一苦労だった。 『首尾はどうだい、マスター?』 「良くも悪くもないわね。そう簡単に尻尾を出す馬鹿ばかりではないか」 『そんなこと言って、こないだ一組仕留めたばかりじゃないか』 「あれはたまたま……というより、既に淘汰が始まっているのかも」 『淘汰?』 「私達以外にも動いてる奴らがいて、実力のない連中はあらかた狩られた後、ってことよ」 霊体化して付き従うサーヴァントに、猫の姿のままで言葉を返すレン。 キャスター――《ドッペルゲンガーアルル》はふーんと気のない返事をし、それから思いついたように言葉を足した。 『あれ、良くも『悪くも』ないっていうのは?』 「いくつか気になる噂は耳にしたわ。あとで教えてあげる」 『あはは、流石に猫に聞かれてるとは思わないだろうね。でも、噂かぁ』 「あら、噂は馬鹿にならないものよ? 他ならぬタタリから生まれた私が保証してあげる」 レンは、自分達に正面切って他のサーヴァントとやり合える力があるとは思っていない。 アルルの魔術師としての能力がいくら高かろうが三騎士には通用しないし、自分の力だって今やこのザマだ。 だが、いくらでもやりようはある。 夢魔の力。タタリの力。あらゆる認識を曖昧(ファジー)にするという、ドッペルゲンガーの力。 邪道こそが我らの正道。相手の裏を掻き、隙を潜り、真夏の雪原に引きずり込んで始末してやる。 『そーいえば、マスターが聖杯に懸ける願いってボク聞いたっけ?』 「はぁ? とっくに話したじゃない、のうみそぷーは貴女じゃないの?」 『あーっ、ひどいなぁ』 「もうこれっきりだからちゃんと聞きなさい、私はね――」 ひとりから分かれたひとりの片割れが、ふたり並んでアーカムの街を往く。 ▼ ▼ ▼ 【 08: Listen 】 一人から分かれた二人の片割れ。 アーチャーとして現界した虚の世界の英霊《ストレングス》の出自は複雑なものだ。 このアーカムで出会って以来少なからぬ言葉を交わしたが、彼女のことをちゃんと理解出来ているのかは分からない。 もっとも、彼女にとっての自分も同じかもしれない。分かり合うというのは、難しいことだから。 「はい、一騎カレーお待たせ」 喫茶店『楽園』――アーカムの下町、リバータウンで最近評判の店だ。 商業地区から少し離れているにも関わらず客足が途絶えないのは、コーヒーや紅茶よりも名物の料理にある。 雇われ調理師である《真壁一騎》の作るカレーやケーキは絶品だと、密かな評判になっているのだ。 それを目当てに、リバータウンだけでなく河向こうの市街地からも客が訪れている。 結果、一騎は彼らの注目の的となり――否応なしに、彼らの生活を見せ付けられている。 「……このアーカムに暮らす人達にも、それぞれの暮らしがあるんだよな」 呟く。 聖杯戦争などという血で血を洗う儀式の只中にいながら、一騎は穏やかな人々の暮らしと共にあった。 最初こそはストレングスの勧めで店内の客の話に聞き耳を立て、情報収集を図ってみたのだが。 話される内容はどれも当たり前の日常のことばかりで――それが今の一騎には愛おしく、そして辛い。 友人の結婚式が近い。取引先の役員が横暴だ。次のテストのヤマはどこだろう。 ここのところ天気が悪い。このカレー美味しい。ダウンタウンで怪人騒ぎが。子育てについて悩んでいる。 隣のクラスの子に告白したい。最近暇だ、何か面白いことでも起こらないだろうか―― 平和だ。少なくとも表向きは、戦争なんて遠い世界のことのようだ。 彼らは何のためにいるのだろう。このアーカムが架空都市なら、彼らもまた他の世界から呼ばれたのだろうか。 そして架空都市が聖杯戦争のために存在するのなら、彼らの役割は目くらまし……そして、生け贄。 『一騎……』 「……分かってる、アーチャー。これはきっと、余計な感傷なんだ。でもさ」 『うん。言いたいこと、分かるよ。あの人達も、きっと……』 「ここにいたい。存在したいはずなんだ。俺が、俺達がそうであるように」 存在することの重み、そして痛み。 真壁一騎は、竜宮島を離れてなお、その頚木(くびき)から逃れられずにいる。 ▼ ▼ ▼ 【 09: Psychology 】 そこにいるのに、そこにいない。 そこにいないのに、そこにいる。 確かにそこに存在するはずなのに、その存在は何処までも虚ろで、何処までも空っぽで、何処までも「無」だ。 バーサーカーとして召喚された虚空の英霊――かつて《広瀬雄一》と呼ばれていた少年を形容する術は、それしかない。 遥か外宇宙から来たりし精神体をその身に宿し、万物を消し去る力を手にした、しかし元を辿ればただの少年。 彼の物語は最悪の災厄であると同時に、ある意味ではありふれた、存在の痛みを巡る叫びでもあった。 『――――』 彼は何も語らない。 狂化スキルによって言語能力を奪われたからなのか、もともと言葉を持たない英霊なのか。 何も語らず、何も表さず。その整った容姿からも、「虚ろ」以外の何物も感じ取れはしない。 媒介を用いないサーヴァントの召喚は、マスターとの縁によるものであることが多いらしい。 それが《木戸野亜紀》にとっては、自分でも不可解なほどに不愉快だった。 「……姿だけじゃなく、完全に私の前から消えてくれればいいのに」 こめかみに指をやり、溜め息をつく。 あの少年を見ると無性に苛立つのは、被虐体質スキルとやらのせいなのか、それともそれ以外の何かか。 夢で見た彼の過去……亜紀の過去ともどこか重なる、あの虐げられた記憶のせいか。 同属嫌悪。その陳腐な言葉が頭をよぎり、亜紀はかぶりを振ってその考えを払った。 「ただでさえ魔力消費で体が重いのに、まったく……」 非戦闘時でこれならバーサーカーの力を戦いの中で使いこなすのは困難かもしれないが、亜紀にとってはどうでもよかった。 自分はこのアーカムに聖杯を求めてやってきたわけではない。 元の世界に戻れさえすればいいのだ。文芸部のメンバーが待つであろう、あの世界に。 恭の字ならこんな時どうするだろう、と無意識に考えてしまった自分に気付き、亜紀は自嘲した。 万能の願望器を巡る聖杯戦争。 願いを叶えるための戦いの中で彼のことを考えていたら――いずれはやましい考えまで、一緒に浮かんでしまいそうだ。 ▼ ▼ ▼ 【 10: Navigate 】 《空目恭一》は、確かに親しい人間には魔王陛下と呼ばれている。 しかし、自分と契約したというこの神隠しの主犯に繰り返しその名で呼ばれると、流石に鬱陶しげな表情にもなる。 「つまり私がそう呼ぶのが不満ですのね、魔王陛下?」 「そうではない。お前が俺のことをなんと呼ぼうが、どのみち愉快なことにはならん」 「あら、それならば何がお望み?」 「端的に言おう。必要もないのに口を開くな」 「それは残念。でもね、必要と不必要の境界は曖昧なもの。分かるでしょう、魔王陛下」 「…………」 「彼女」ではないもう一人の神隠し――《八雲紫》にまともに取り合ってはいけないということは、既に思い知っている。 意味のない戯言を弄ぶことを何よりも楽しむような妖怪だ。理由を求めようとすれば余計な労力を消費するだけだ。 かといって、黙れといって黙るタマでもない……このやり取りも、もう何度目か。 「それにしても、大学生に紛れても意外とばれないものねぇ」 「別に大学側がいちいち学生のチェックをしているわけでもあるまい。図書館の稀覯書は流石に許可がいるようだが」 「欲しいなら、私が境界をいじって忍び込む?」 「どうしても必要になればな」 身分上はハイスクールの学生になってはいるが、空目はほとんどの時間をミスカトニック大学で費やしている。 知識を得るにはこれ以上の場所はない――「彼女」を取り戻すために、知るべきことは多い。 聖杯戦争に積極的に関与するつもりがなくても、いずれはそれについての知識も得る必要があるだろう。 「神隠しとしての本分を果たすのは先になりそうね。それで、魔王陛下はこれから何をするおつもり?」 「そうだな――」 そういえば、ミスカトニック大にはオカルトめいた講義をするという民俗学の教授がいると聞く。 会ってみるのもひとつの選択肢かもしれないと考えながら、空目は神隠しを引き連れて講義堂の影に消えた。 ▼ ▼ ▼ 【 11: Psychoanalysis 】 《竹内多聞》はミスカトニック大学でそこそこ人気のある講師だが、学生の熱心さがその人気に比例するとは断言しにくいものがある。 現に今日の講義に参加している学生たちも、講義でいかに突拍子もない説が飛び出すかを期待している節がある。 無論、竹内は何の考えもなしにオカルトを吹聴するつもりがあるわけではないし、不真面目な聴講者には相応の課題を持ち帰らせている。 とはいえ……アーカムに来る以前に比べて、より講義の内容が思索に寄ったものになっているのは否めない。 他でもない、竹内自身が自分の考えを纏め上げるために、講義を利用しているからでもあるのだが。 「それで、真実には少しは近づいたかね、マスター? おお、言わずとも分かる。分かるとも。 そのぶんでは遠いな、実際遠い。真実はすぐそこにあるのだ、マスター、手が届くほど近い。 しかしこのままでは5マイル先まで霧だ。私が導いてもいいが、しかし、ふふふ」 「アサシン……突然現れてまくしたてるのはやめてくれと言ったはずだ」 ……竹内にとって、講義の間はこの狂ったサーヴァントに話しかけられないで済む貴重な時間でもある。 アサシン、ニンジャ真実に辿り着いたと嘯くこの《メンタリスト》は、言葉を交わすだけで人間の精神を引きずり込む力があるようだ。 竹内にとって彼は貴重な協力者である。邪険にするつもりはない。いざとなれば彼の力を頼ることにもなるだろう。 しかし、彼の言葉に耳を傾けすぎると、自分自身の自我境界が不安定になっていくのを感じるのだ。 「私はマスターに真実に到達して欲しいのだ。何かおかしいことがありますか? ありませんね? なのに、ふふふ、マスターは私の力を使おうとしない。視界を奪えるのでしょう? 見たくないかね? 私の見ているものをマスターが見る。そうすれば真実は近いぞ。ふふふ、試してみては?」 「……遠慮しておこう」 「ふふ、残念だ。そうとも、大いに残念だとも。マスターにも私の視界を、ふふふ、いつでも言ってくれたまえ」 実際のところ、アサシンに視界ジャックを使うというのは、客観的に見れば有効な手なのかもしれないが。 竹内には当面それを行うつもりはなかった。理由は言うまでもない。 有名な警句だ。深淵を覗く時、その深淵もまた、お前を―― (このアーカムで真実にもっとも近いのは、おそらくキーパーのサーヴァントだろうが。さて) アサシンの言葉をほどほどに聞き流しながら、民俗学者は考え込む。 ▼ ▼ ▼ 【 12: Martial Arts 】 (それでは、君はあのキーパーの声に聞き覚えがあると?) 『あ、ああ……済まない、もう少し考えが纏まってから話す』 今までの彼女――槍の英霊《リーズバイフェ・ストリンドヴァリ》らしからぬ歯切れの悪い返事に、 《亜門鋼太朗》は僅かな困惑を含んだ眼差しを返した。 彼女が清廉潔白な英霊であることは、他ならぬ亜門自身がよく知っている。 亜門自身が背中を預けてもいいと言い切れるほどに。 だからこそ、話せないのならば今は信じるしかない。彼女が自分を同じように信頼してくれていることを。 「何をガタイに似合わないシケた顔をしてるんだね、亜門君」 「す、すみません署長」 「HAHAHA、よいよい。男はたまにはミステリアスなところも見せたほうがいいからな」 「はは……」 署長の声で、亜門は会議という現実に引き戻された。 聖杯戦争のことは一旦頭から締め出し、手元の資料へ目をやる。 あの連続衰弱死事件については首謀者のマスターとサーヴァントを始末したはずだが、 ここアーカムではそれ以外にも不審な事件が起こっているらしい。 イーストタウンではチンピラが外傷なしの謎の不審死を遂げているという報告もある。 亜門にとってそれ以上に気になるのはロウワーのスラム街で起こっているという殺人だが。 「まるでグールだな」 「"喰種(グール)"……!?」 「"喰屍鬼(グール)"だよ。地下鉄に棲んでいて、人間を捕まえて食うという」 「は、はあ。都市伝説か何かですか」 ともあれ魔術師絡みの線も捨てきれない。亜門が自ら志願すると、上司はそう言うだろうと笑った。 「例の捜査官に手柄を掻っ攫われないように気をつけたまえよ、亜門君」 「FBIから出向してきたという彼ですか。外見と言動こそ奇矯ですが、有能な男だと聞いていますが」 「だからだよ。アーカム市警がこれ以上舐められるわけにもいかんのでな。頼むぞ亜門君」 上司の励ましを背に、会議室を後にする。 リーズバイフェの沈黙も気になるが、亜門には考えるべき問題が山積みのようだ。 ▼ ▼ ▼ 【 13: Track 】 「ひどい有様だな。山火事とハリケーンが同時にでも来たのか?」 ロウワー・サウスサイド。スラム街の一角、廃ビル内の事務所を見回しながら、青年は呆れた声を出した。 外見も、声も、まだ若い。色素の薄い髪をすべて後ろに撫でつけている。 しかし彼と対面した者は、すべて彼のとある一点に視線が吸い寄せられることになるだろう。 それは彼が被っているマスクである。視覚補助と記録媒体を兼ねているというその仮面は、しかしまともな人間が被るものではない。 その仮面がそのままコードネームとなり、彼は《マスク》と呼ばれている。本名は公にしていない。 「おっと、動くなよギャングども。貴様らには別件の手配状が出ているのだ。 つまりは私には捜査権限がある! もっともその有様で暴れられるようならだがな」 縛られた状態で汚れた床に転がったギャング達を見下ろし、マスクはオーバーに肩をすくめて見せた。 間抜けな話だが、ギャングの事務所が押し込み強盗にあったらしい。 FBI捜査官として別の事件を追ってロウワーに乗り込んだマスクがこの現場を見つけたのは、実際のところただの偶然だった。 もっとも、使えるものは使わせてもらう。これでアーカム市警に恩を売れば、もっと市内で動きやすくなるというものだ。 それに。 (どう思う、アサシン?) 『明らかに錬金術……聖杯戦争の流儀に合わせるならば、魔術によるものだ。自然ではない』 (やはりか。ただの物盗りではないな) アサシンのサーヴァント、《傷の男(スカー)》の答えにマスクは頷いた。 マスクは魔術に明るくない。そちらの方面にそれなりの知識を持つアサシンを召喚できたことを感謝する。 やはりこれは魔術師が……十中八九、聖杯戦争の関係者が何らかの目的をもってやったこと。 ならば追跡すれば、いずれは何らかの情報を得られるかもしれない。 (運が巡ってきたか。見ていろ、聖杯に連なるサクセスは私が掴む!) ギャング達が不審げな視線を向けるのも構わず、マスクは好戦的な笑みを浮かべた。 ▼ ▼ ▼ 【 14: Fast Talk 】 「ね、ねえリナさん。本当に、あんなに派手にやっちゃって大丈夫だったのかな……?」 「なによ、今になってあたしのやり方に不満が出てきたってわけ?」 「い、いや、そういうわけじゃないんだけど」 「だったらこう、ドーン!と構えてなさいよ。男の子でしょ?」 彼女――キャスター《リナ=インバース》はそういうが、流石にギャングを丸ごとひとつ潰したのはやりすぎではなかろうか。 流石に魔術を使ったなどとは思わないだろうが、アーカム市警も馬鹿ではないだろう。 自分は鎧を着ていたから顔は見られてはいないだろうが、もしも素顔だったら手配書が出回っていたと考えると気が滅入る。 《アルフォンス・エルリック》が召喚したサーヴァントは本当に規格外だった。魔力量も、その行動力もだ。 ドラゴンすらまたいで通る――その逸話が嘘偽りではないことを、アルフォンスはこれまでの時間で散々思い知らされている。 「肝っ玉が小さいわねぇ。それでもあたしのマスターなわけ?」 「リナさんに付き合える肝っ玉の持ち主がいたら見てみたいですよ……」 「何か言った?」 「言ってません!」 「ならばよし! だいたい、あたし達がしたのは悪党退治! 何一つ恥じることなんてないわ!」 (勢いで言いくるめられてる気がする……) リナに見つからないように溜め息をつく。 どうやらアルフォンスは、勢いで振り回される星の下に生まれてきたようだ。 今は覚えていないけれど、兄――エドワード・エルリックも弟の自分を散々振り回しながら旅を続けていたようで。 記憶がないとはいえ、今のリナとの関係にどこか懐かしさのようなものを感じているのもまた事実だった。 (兄さん、か) アルフォンスにとっての聖杯戦争は、すべてエドワードともう一度出会うためのもの。 もしも旅の記憶が戻れば、今よりもっと兄に、聖杯に近づけるのだろうか。 ▼ ▼ ▼ 【 15: Operate Heavy Machinery 】 勇者、《三好夏凜》には兄がいる。 文武両道で、完璧超人で、それなのに自分のことをいつも気にかけてくれて。 そんな兄と自分を比べて、どうしても追いつきたくて、認めてほしくて。 それが夏凜にとっての出発点であり、勇者に選ばれるための努力を始めた最初のきっかけだった。 だけど、今はそれだけじゃない。認められたいから戦うんじゃない。 勇者であること、それがみんなとの絆だから。 大切な人を守るために勇者になったんだって、今なら胸を張って言えるから。 だから、あの時『満開』したことにも、後悔はきっと無い。 「考え事か、夏凜?」 「そういうんじゃないけど。まぁ、勇者の憂鬱ってやつよ」 「そうだな。勇者であろうとも、時には思い悩むこともあるさ」 「何よ、凱! 勝手に理解者みたいな顔しないでくれる!」 夏凜と凱、すなわちライダーのサーヴァント《獅子王凱》は今、アーカムの上空にいる。 といっても飛行機をチャーターしたわけでも、魔術的な手段を使って飛んでいるわけでもない。 凱の最終宝具、『勇気ある者たちの王(ガオガイガー)』の部分展開。 本来莫大な魔力を必要とする宝具ではあるが、ファイナルフュージョンを伴わない場合、実は個々のマシンの神秘性は低い。 あくまでガオガイガーの神秘は凱・ギャレオン・Gストーンの三位一体にあり、あくまでガオーマシンはテクノロジーの産物。 ゆえに例えばこのように、航空機ステルスガオーⅡを召喚し、騎乗スキルで操縦することは可能である。 「それにしても、こうして上から見ると、本当に普通の街ね……ここで戦争が起きてるなんて信じられない」 「だが、事実だ。夏凜と俺は、夏凜の世界と友達を守るために戦う。そうだろ?」 「もちろんよ。私の世界は……私の友達は、絶対に助けて見せるんだから」 「その意気だ。だが、お前一人で戦うんじゃない。俺たちの勇気を信じろ」 最初は暑苦しくて馴れ馴れしい奴だと思ったけれど、凱の言葉には確かに人の心を勇気付ける力があるようだ。 これが、自分だけでなく人にまで勇気を与えられるのが、本物の勇者なのだろうか。 友奈が、夏凜に戦う勇気をくれたように。 (まだ一人倒しただけ。この街にはまだまだ戦うべき相手はたくさんいる。でも、勝たなくちゃ) そういえば、凱が最初に倒したあのサーヴァントのマスターはどうなったんだろうと、夏凜は頭の片隅で考えた。 ▼ ▼ ▼ 【 16: Biology 】 「き、きんいろのらいおんがくるの……わたしをいじめにくるのよ、おかあさん……」 駄目だな、これは。 《Dr.ネクロ》は、拾った女魔術師から証言を聞き出すのを早々に諦めた。 このアーカムにおいてネクロに割り振られた役職は、ロウワー・サウスサイドの闇医者である。 医術の心得はあるし、この少女の姿では他の地区では大っぴらに動きにくい。 治安の悪さゆえに余計な詮索を済むロウワーを拠点と出来たのはネクロにとってありがたいことだった。 おまけに闇医者ともなれば、公にしにくい理由で怪我をした者が勝手に寄ってくる。 聖杯戦争においては悪くないポジションなのではないか……そう思っていたのだが。 「かくいう私も精神科の心得は無いんだよなぁ……こいつはミスカトニックの精神病院にでも放り込むか」 ぶつぶつとうわ言を言いながら歩く女からネクロのサーヴァントが魔力の残滓を嗅ぎ取って、 雑居ビルの診療室に引きずり込んだまではいいものの。 どうやら彼女は完全に精神に異常をきたしているらしく、まるでまともな証言が取れはしない。 聖杯戦争の関係者なのは間違いないのだろうが、こうなってはお手上げだ。 「そう上手くは事は運ばないか……どうした、シン」 部屋の隅に目をやる。 精悍な、しかし眼光の鋭い黒髪の青年、《仮面ライダーシン》に人間体・風祭真が、静かに唸り声を発していた。 彼が感じているのは、怒りだろう。狂化し感情を抑えきれなくなった結果、怒りだけが表出している。 「許せないのか、シン。命を弄ぶ魔術師が」 「…………」 答えは無い。だが、仮に答えられたらイエスと言うだろうということは、ネクロにも分かっていた。 「……なぁ、シン。私もきっと、お前にとっては極悪非道の魔術師だぞ。お前の怒りは、私にも向いているのか?」 答えは無い。だが、仮に答えられたら。 (……アレックス。やはり、私には正義の味方の相棒をやるのは向いていないのかもな) かつての相棒へと向けた呟きは、幸い、今の相棒へは届いていないようだ。 ▼ ▼ ▼ 【 17: Persuade 】 「……それで? 私に何が言いたいの?」 マスターの冷酷な声にその小さな肩をピクリと震わせながら、それでも槍の英霊《セーラーサターン》は毅然として言った。 「お願いです、マスター……不必要に、命を弄ぶのはやめてください……!」 しかし彼女の呼びかけに、マスターたる魔術師《プレシア・テスタロッサ》は溜め息だけで応える。 二人の間には、気を失った少女が一人。このミスカトニック大学の学生である。 彼女は、応用科学部の教授であるプレシアを追って、『工房』のあるこの研究棟まで足を踏み入れた。 勉強熱心な学生なのだろう。手元には講義の資料やノートが束になっている。 恐らくは、プレシアを研究棟で捕まえて、質問攻めにするつもりだったに違いない。 もっとも、猜疑に歪んだプレシアの目にはそうは映らなかったようだが。 「この人は、聖杯戦争の関係者じゃありません……! 命を奪う必要なんて、ないはずです……!」 「私の周りに付き纏っていたのは確かだわ。誰かに暗示を掛けられていた可能性も十分にあるはず」 「で、でも……! 何も殺すことは……それに、あんな」 「あんな? 『魂食い』の対象とする、その命令が貴女にとっては不満なの、ランサー?」 その単語を聞き、サターンは唇を噛んだ。 「……マスターからの魔力供給は十分です。魂食いで魔力を補給する必要なんてないはずです」 「いざという時のこともある。一人分でどれだけの魔力を補給できるのか、知っておく必要はあるわ」 「それでも……!」 「くどいわね! やりなさいと言っているの! 貴女、私に令呪を使わせるつもり!?」 プレシアは激昂し、サターンはただ項垂れる。 それからどれくらいの時間が経ったか、サターンはよろよろと歩き、その槍の先端を少女に向けた。 次に起こったことは、時間にすれば一瞬だった。だが、それだけで済ませてはならない行いだった。 サターンは槍を取り落とし、呆然自失の表情を両手で覆い、その隙間から嗚咽だけを漏らした。 「あはははっ! いいわサターン……貴女のそういうところが見たかったの。これからもアリシアのために尽くしなさい、英霊様!」 死すら気に掛けない魔術師と、優しく気高い英霊の、決定的な断裂がそこにあった。 ▼ ▼ ▼ 【 18: Sneak 】 死すら超克する。 冥界の管理者たる亡霊姫、《西行寺幽々子》にはそれだけの力がある。 死者に生を与えるのではなく、死者を死によってすら開放させない、という意味でだが。 「ガンバルゾー!」 「ガンバルゾー!」 「はいはい、頑張ってね」 気合の叫びを挙げているヨタモノ二人は、数日前に彼女が魂を奪ったチンピラである。 宝具『反魂蝶』で命を抜き取られた者は成仏することは出来ない。 この世とあの世の中間に囚われたまま、幽々子の死霊統率スキルで使い魔として使役される運命である。 「えげつないもんだな、まったく」 「あら、宝具を試せって言ったのはあなたよ?」 「そりゃそうだ。だがな、まさかサンズ・リバーを渡れもしないようになるとは」 「思わなかった?」 「ああ」 「他人の生き死ににそんなに興味のなさそうな顔してるのに」 「そりゃあいい。メンポ越しでも分かるのか」 「分かるわよ。あなた、半分は死んでるようなものだから」 死人か。まったくもってその通りだ、と《シルバーカラス》は自嘲する。 半分死んでいる、ではなく、完全に死んでいるはずだ。それがどういうわけかここにいる。 このアーカムの住人のメンポを被り、聖杯戦争という新たなイクサに身を投じようとしている。 これもまたブッダ殿の思し召しなら、随分と人生というものを弄んでくれるものだが。 (イクサの中で生き、イクサの中で死ぬ。それが少しばかり延びた。それだけのことだ) シルバーカラスの心中に感慨というものはない。 他人の生き死にどころか……今は自分の生き死ににすら。 振り返った幽々子が、これから妖怪桜を植える場所を探さないとね、と言った。 ▼ ▼ ▼ 【 19: Ride 】 サクラ咲く未来、恋、夢。高まる鼓動、抑えずに。 初音島――枯れない桜が咲き誇ったあの島から、この街までいったいどれくらいの距離があるのだろう。 この高らかに響く蹄の音が、《芳乃さくら》の心をアーカムから遠く、故郷へと誘おうとする。 だって彼は……剣の英霊である彼女のサーヴァントは、さくらにとっては昔からずっと英雄だったのだから。 「揺れるか、我が主よ」 「い、いえ! そんなことは全然無くて、その、光栄です、新さん!」 「はっはっは、ならばよい。そのまま掴まっておれ」 「はいっ!」 端的に言えば、夢のようだ。 徳田新之助、もとい、英霊《徳川吉宗》はさくらが幼い頃から憧れ続けた人物で。 彼の白馬にこうして一緒に跨っているという事実が、自分を舞い上がらせてしまう。 あくまでこれはアーカム市の外縁がどうなっているかの確認のため。 それは分かっているのだが、逸る心は抑えきれないものなのだ。 「……ふむ。どうやら地図の外側は森になっているようだが。魔性の気配がするな」 「魔性の気配?」 「踏み込めば取って食われるかもしれん……なに、物の喩えよ」 「つまり外まで出れば逃げられるわけじゃないのか。まぁ、ボクは元々逃げる気なんてないけど」 しかし、浮かれてばかりはいられない。 このアーカムは、確かに聖杯戦争のために作られた舞台のようだ。 逃げ出そうとすれば、何らかの手段でマスターを抹殺してこようとするに違いない。 マスターである以上は、もはや戦うしかないのだ。 「あの、そういえばなんですけど、新さん」 「どうした、我が主?」 「その、恐れ多くも八代将軍ともあろうお方に主と呼ばれるのはなって……」 「なるほどな。あい分かった。ならば、これよりは『さくら』と呼ばせてもらおうか」 「さ、さくら!!!」 ――負ける気がしないと、さくらは思った。 この英霊と一緒なら、自分はどんなに過酷な戦争であろうとも、負ける気がしない。 だって彼は……暴れん坊将軍は、ずっとヒーローだったから。 どんな神話の英雄にだって、物語の英雄が負ける道理は、ない。 ▼ ▼ ▼ 【 20: Art 】 嗤う。嗤う。物語を嗤う。 嗤う。嗤う。舞台を嗤う。 嗤う。嗤う。役者を嗤う。 演出家は誰だ。脚本家は誰だ。舞台監督は誰だ。 狂人《シュバルツ・バルト》は嗤う。 この馬鹿げた舞台に上がったすべての物どもを、嗤う。 まだ気付いていないのか。自分たちの滑稽さに。 何も知らずにいるのか。そんなにも愚かなままで。 ならばいい。知らしめてやろう。この聖杯戦争という舞台のおぞましさを。 黒き森(シュバルツ・バルト)とは、暴き立てることを恐れる深き森を指す。 近づかなければ、何も知らずに済んだのに。だが、もう遅い。もう遅い! 寄り添う影が、《ワラキアの夜》が、小さくカットと呟き、嗤った。 この物語を、嗤った。 ▼ ▼ ▼ 【 21: Conceal 】 ――彼を主役に物語を書くとすれば、それはきっと、悲劇だ。 《金木研》――彼の足取りは、彼自身を除いて誰にも掴めていない。 ただ彼の通った後には、ウォッチャー――《バネ足ジョップリン》の撒き散らす都市伝説が残るだけ。 曰く。 アーカムには、『白髪の喰屍鬼(グール)』がいる、と。 ――この物語をもって、舞台の幕は上がる。 ▼ ▼ ▼ 【 ???: Chutulhu Mythos 】 「これでマスター、サーヴァント、共に二十一。すべての主従が出揃ったわけか」 男の声に、秘匿者(キーパー)《オシリスの砂》は、正しくは26騎です、と応えた。 「既にセイバーが大英雄カルナに、ランサーが勇者王・獅子王凱に、アサシンがドッペルゲンガー・アルルに敗れています。 キャスターに至っては……リーズバイフェのマスターに始末されたようです。ウォッチャーの宝具が彼の礼装に神秘を付与したようですね」 「そしてアーチャーのマスターは戦うことなく発狂、その死は君が見届けたそうだね?」 「ええ。ですから21騎でも間違いは無いといえば、その通りですが」 オシリスの砂が振り返ると、そこにいた赤いローブの男は大げさに頷いた。 奇妙なほど肌の黒い男だった。黒色人種というだけでは説明の付かないほど、漆黒の男。 それだけにその赤い衣装と真っ白な手袋が目を引く。 物腰は紳士的だが、決して心を無条件に許せる男ではないような、奇妙な違和感があった。 「ナイ神父」 オシリスの砂が彼の名を呼んだ。 「当初の予定通り、私は監督役としてアーカムに出よう。何、聖杯戦争では神父が場を監督するものなのだろう?」 「私の邪魔はしないと、約束していただけますね?」 「当然だとも。私の目的は最初から、この舞台を最後まで見届けることなのだから」 神父がそう言って歩き去ると、オシリスの砂は無感情に掃き捨てた。 「……這い寄る混沌め。この聖杯戦争をあざ笑うつもりなのでしょうが、せいぜい見ているがいい」 背後に彼女の宝具たる巨像、『永劫刻む霊長の碑(モニュメント・トライヘルメス)』が出現する。 その手のひらの上で、オシリスの砂は告げる。 アーカムの聖杯戦争、それに関わるすべての人間、そして英霊に向かって。 「探索者(マスター)たちよ。そして銀鍵の守り手(サーヴァント)たちよ――運命の呼び声の時です」 賽(ダイス)は投げられた。 探索者ならば、今こそ、狂うまで戦え――運命の呼び声と。 【邪神聖杯黙示録~Call of Fate~ ――開幕】 BACK NEXT "Watcher" 《神話生物》金木研&ウォッチャー 投下順 001 蒼い空 "Watcher" 《神話生物》金木研&ウォッチャー 時系列順 002 首括りの丘へ BACK 登場キャラ NEXT Saber01 《覇王の卵》ローズマリー・アップルフィールド&セイバー ローズマリー・アップルフィールド&セイバー(グリフィス) 006 God bless the child Saber02 《植物学》芳乃さくら&セイバー 芳乃さくら&セイバー(徳川吉宗) 007 接触 Saber03 《日本刀》パチュリー・ノーレッジ&セイバー パチュリー・ノーレッジ&セイバー(同田貫正国) 002 首括りの丘へ Archer01 《図書館》鷺沢文香&アーチャー 鷺沢文香&アーチャー(ジョン・プレストン) 011 Answer And Answer Archer02 《イグジスト》真壁一騎&アーチャー 真壁一騎&アーチャー(トレングス) 001 蒼い空 Lancer01 《天才》クリム・ニック&ランサー クリム・ニック&ランサー(リュドミラ=ルリエ) 010 妖怪の賢者と戦姫 Lancer02 《心理分析》プレシア・テスタロッサ&ランサー プレシア・テスタロッサ&ランサー(セーラーサターン) 002 首括りの丘へ Lancer03 《心理学》神崎蘭子&ランサー 神崎蘭子&ランサー(カルナ) 003 選択 Lancer04 《守護者》亜門鋼太朗&ランサー 亜門鋼太朗&ランサー(リーズバイフェ・ストリンドヴァリ) 004 アーカム喰種 Rider01 《勇気ある心》三好夏凜&ライダー 三好夏凜&ライダー(獅子王凱) 001 蒼い空 Rider02 《オカルト》アイアンメイデン・ジャンヌ&ライダー アイアンメイデン・ジャンヌ&ライダー(エネル) 006 God bless the child Caster01 《鍵開け》シルバーカラス&キャスター シルバーカラス&キャスター(西行寺幽々子) 008 Horizon Initiative Caster02 《錬金術》アルフォンス・エルリック&キャスター アルフォンス・エルリック&キャスター(リナ・インバース) 007 接触 Caster03 《芸術/演劇》シュバルツ・バルト&キャスター シュバルツ・バルト&キャスター(ワラキアの夜) 004 アーカム喰種 Caster04 《隠れる》白レン&キャスター 白レン&キャスター(ドッペルゲンガーアルル) 008 Horizon Initiative Assassin01 《民俗学》空目恭一&アサシン 空目恭一&アサシン(八雲紫) 010 妖怪の賢者と戦姫 Assassin02 《怒り》マスク&アサシン マスク&アサシン(傷の男(スカー)) 009 アーカム喰種[JAM] Assassin03 《真実》竹内多聞&アサシン 竹内多聞&アサシン(メンタリスト) 011 Answer And Answer Berserker01 《生物学》Dr.ネクロ&バーサーカー Dr.ネクロ&バーサーカー(仮面ライダーシン) 009 アーカム喰種[JAM] Berserker02 《劣等複合》木戸野亜紀&バーサーカー 木戸野亜紀&バーサーカー(広瀬雄一) 012 鉛毒の空の下 "Watcher" 《神話生物》金木研&ウォッチャー 金木研&ウォッチャー(バネ足ジョップリン) 004 アーカム喰種 INTRO 導入、あるいは名も無き魔術師の手記 キーパー(シオン・エルトナム・アトラシア?) 004 アーカム喰種 ナイ神父 007 接触
https://w.atwiki.jp/21silverkeys/pages/120.html
妖怪の賢者と戦姫 ◆Jnb5qDKD06 『探索者(マスター)たちよ。そして銀鍵の守り手(サーヴァント)たちよ――運命の呼び声の時です』 * * * 聖杯戦争開幕の号令が空目恭一とアサシン『八雲紫』の脳髄に響く。 「蠱毒の始まりか」 「ええ、そうですわねマスター」 ミスカトニック大学のキャンパス。日本から取り寄せたという桜の下に彼らはいた。 「『あやめ』はまだ見つからないか」 「生憎と、マスターと違ってパスが繋がっていない子を見つけるのは難しいですわ。マスターの“鼻”はどうでしょうか」 「生臭い水の臭い以外に特に何も匂わん」 空目恭一の鼻は特別、と言うより異常だ。過去に神隠しにあったことにより彼の嗅覚は異界の存在や異形の匂いに敏感になっている。 そして彼が探している『あやめ』という少女もまた、神隠しの被害者である。 いや、正確には加害者でもあるし、神隠しそのものでもあるが、今の本人はそれを望まない。 「ともあれ、彼女の正体を嗅ぎ付けたら少々厄介ね。何をされるかわかったものじゃないわ」 「大抵の奴はあやめをどうこうできん。下手すれば自滅するだろう……が」 「だろうが?」 「お前クラスの〝怪談〟がゴロゴロいるならば話は別だ。あやめが取り込まれてしまうかもしれない」 あやめは異界の住人である〝異存在〟と呼ばれる存在だ。 『異界』とは文字通り、世界とは異なる世界。自分たちの世界の裏側。本来ならば人間が認識できないはずの常世である。 そしてそちら側にいる彼女と接触できるということは、『異界』に対して親和性を有する、つまり『異界』に惹かれる者である。 そうした人間を『異界』へ引きずり込んでしまうのが〝異存在〟であるあやめの力である。 そんな彼女がなぜ、空目と居られるか。それは──── 「異存在は認識される世界の住人となる……でしたね」 「そうだ。俺は文芸部や大勢の生徒にあやめを認識させて『異界』からこちら側へ引き込んだ」 「だが、魔王陛下(マスター)があやめという子を陛下側の世界に引き込んだように、このアーカムで大勢に彼女が認識されれば、この世界の住人となってしまう。 幻想郷とは真逆の仕組みなのね」 アサシンこと八雲紫のいた世界、『幻想郷』は忘れ去られて『幻想』になったものが最後に行き着く世界である。 幻想郷、異界、無何有の地、隠れ里、桃源郷、ニライカナイ、未知なるカダス。名は多くあれど実体はそんなところだ。 だからこそ八雲紫は『あやめ』という娘には興味がある。 「ともあれ……あら?」 「どうした」 「どうやらサーヴァントみたいですわ。感知できる範囲で二騎います」 サーヴァント。即ち敵がいるということだ。 近くにいれば互いの位置が大体分かるのがサーヴァントに与えられた能力のひとつである。 しかし、アサシンのクラススキル『気配遮断』は自分を感知させなくするスキルである。 攻撃の時にバレてしまうのが欠点だが今のような隠密活動状態では相手のサーヴァントに見つからないため先手が取れる。 「いかが致しますマスター? サックリやってもよろしいですが?」 「いいや、戦闘はしない。戦闘はしないが、実験はする」 「実験? 何の?」 「お前のスキルと宝具の実験だ」 * * * サーヴァント同士の戦いが始まった。 片方は侍。片方はセーラー服の少女。 片方の剣士のマスターはこの大学で何度か見た事がある。何度か図書館で見た顔だ。 確か彼女は大学の神秘学科で『七曜の魔女』と呼ばれていた少女。彼女もマスタ―だったのか どちらのサーヴァントも尋常ではない速度で武器を振るい、空目の動体視力を超える速さで戦闘を繰り広げる。 神速域の攻防が火花を散らし、周囲に破壊を撒き散らす。 それを空目はキャンパスからかけ離れた商業地区の南部。ノースサイド線の最西の地下鉄駅入口から視ていた。 勿論、空目恭一にアフリカのマサイ族並の視力は無い。 これはアサシンの宝具『境界を操る程度の能力』による空間接続で戦場の空間の一部を繋げて見ているのだ。 当然、この宝具を戦っている2人に気付かれる可能性も重々承知であるが、情報は集められるうちに集めた方がよい。 「マスターは結構大胆なのね」 「うるさい。黙っていろ」 「ああ、激しいわ」 「戦いがな」 「ノリが悪いですわ魔王陛下」 切妻屋根の鋭角に生じた『スキマ』から戦闘をじっくり観察する。 本来ならば宝具の発動自体にも多くの魔力が消費されるため、こんな近距離で宝具を使おうものならばすぐにもバレてしまうだろう。 そこでアサシンのスキル『神隠しの主犯』が活きてくる。 この宝具の発動中はそのスキルによって『気配遮断』が有効なまま発動できるらしい。 「本当に陛下は豪胆ね。 知識で可能と分かっていても相手が2騎もいる状態でいきなりやろうとは思わないわよ普通」 「実験にはリスクは付き物だ。いや、生きること自体リスクそのものだ。生きる時は生きる。 死ぬときは死ぬ……誰だってそうだ、例外は無い」 いつか、あやめを引き入れた時に文芸部のメンバーに言ったセリフだ。 戦況が動いた。セーラー服の少女が宝具を使ったのだ * * * 「《沈黙の鎌(サイレンス・グレイブ)》――――――!!」 英霊が名を呼ぶ、その時、伝説は蘇る。 * * * 「……………ッあ、ぐ」 目に焼き付く宝具の輝き。網膜から入って脳髄を冒す神秘。 ────人を買え。 ────首を括らせろ。 ────そして埋めてしまえ。 ────お前の怪談(きょうふ)はお前の中でできている。 それは常人を発狂させる法則であり、聖杯戦争のマスターとしてある程度の神秘保護を受けている空目とて例外ではない。 あれこそは滅びの具現。あれこそは刈り取る者の象徴。 腐肉に集る蝿の如く湧いてくる頭痛、吐き気、悪寒。恐怖、狂気。 かつて『異界』に連れ去られた際も心を乱さなかった自分が今、神秘の輝きに恐怖している。 (なんだ……コレは……) 手が震え、奥歯が震え、胃が蠕動した。 死を恐怖している、俺が? 文芸部の連中が知れば噴飯ものだろう。 こみ上げる吐き気を抑え込みながら視界の端にいた剣士のマスターに目が行った。 (あいつ……平衡感覚を失っている……それにあの表情……) パニックを起こしているのか? 神秘学科の新星は間違いなく恐慌している。 そしてそれが意味するところを理解する寸前、天を裂いて雷電が落ちる。 雷雲もなく、あんな狙い打ったように雷が落ちるなどあり得ない。 サーヴァントのものでもない。この場にいない誰かが攻撃を仕掛けたのだ。 強烈な光に空目の目が眩む。一秒、二秒、三秒、四秒…視界がやっと戻った時には既にサーヴァント2騎の姿はなく、戦闘も終わっていた。 既に異形特有の枯草のような匂いもない。 「アサシン、引き上げるぞ」 自分のサーヴァントに話しかけるも反応が無い。 振り向いてみると彼女は路地の闇を見つめていた。 「どうした?」 「どうやら敵のようですわ」 「何?」 警備員の巡回はまだだし、そもそもアサシンが〝敵〟と呼ぶのだから相手はサーヴァントだろう。 問題は『気配遮断』中になぜ見つかったかだ。 路地から人影が二つ現れた 「おや。そこにいるのはサーヴァントとそのマスターか?」 「本当に勘だけで見つけるなんて」 「何、天才ならではの直感というやつですよ」 茶髪のおかっぱの青年と青い髪の少女だった。 おそらく少女の方がサーヴァントだろう。 水晶と氷塊から削り出したような、輝く槍を持っているし、何よりも異界の者の〝匂い〟が濃い。 互いのマスターが相手のサーヴァントのステータスを視て、それを瞬時に念話で自分のサーヴァントに伝達する。 四者共に眉一つ動かさずにそれを知った。 「見つかってしまいましたね。 どうしますかマスター? ここで……」 「戦わん。こちらに害が無い以上戦う必要がない」 戦うつもりなど毛頭ないのにわざわざ喧嘩を吹っ掛ける必要もないだろう。 しかし、空目の態度は相手のサーヴァントの癇に障ったようだ。 「害が無い? へぇ、それは自信? 平民風情が出たわね死ぬほど後悔して逝きなさい」 「厳然たる事実だ」 空気が凍りつく。 一触即発、何か行動を起こそうものならば火薬庫に火をつけた如く爆発するだろう状況。 その中で、まず動いたのはアサシンだった。 * * * 突如、アサシンは片手で空目を抱え、もう片方の手で魔力の塊を弾丸にして放つ。 それは分裂して攻撃ではなく目眩ましとして機能し、槍のサーヴァントの視界を弾幕で覆い隠した。 弾幕が晴れた時、二人の姿は豆粒ほどにまで小さくなっていた。 「逃がすか!」 アサシンを追ってランサーも疾走を開始した。 マスターは何も言わない。お手並み拝見ということだろう。 アサシンがマスターを担いで走った先は地下鉄の駅ではなくアーカムの中央を流れるミスカトニック川。 「は、馬鹿ねどこへ行こうと……」 ミスカトニック川は浅瀬とは言えないし、川幅も決して狭くない。 サーヴァントといえど水中でマスターを担いだままでは十分に動けるはずがないしそもそもマスターの息がもたないだろう。 よって連中の行き先はデッドエンド。ミスカトニック川は物理的な三途の川として存在している。 かといって何処かで引き返そうものならば私と対峙することになる。 アサシンが暗殺者として召喚されている以上、三騎士のサーヴァントとは戦闘能力で差がある。 よってここで私に敗北はない。 ついに暗殺者の主従が川へと飛び出した。 そして、暗殺者の女の足が水面へ──着水しない。 「なっ」 まるでふわふわと浮くように、だが決して遅くない速度で反対側へと移動していく。 まずい。 ランサーの英霊『リュドミラ=ルリエ』の胸に焦りが募る。 この世界では大型の騎乗機械で空すら駆けると聞いていたが、それにしてもあれは反則だろう。 敵は飛行することで先ほどのミスカトニック川の地形の悪条件をクリアしている。 水中にいたくなければ空中にいればよいと理不尽な行為を現実にやってのけてしまった。 そして逆にリュドミラには浮遊や飛行の術はない。このまま水中に飛び込めば絶対不利の状態で戦わなければならない。 戻って地下鉄道から反対側に渡る術もあるがタイムロスが激しいし、何よりノースサイド線の土地勘がない。 そんなリュドミラの焦りを見透かしてか、アサシンの英霊は一瞥して 「では、さようならお嬢さん。帰りは車に気を付けるのよ」 と虚仮にしたような挨拶をかけやがった。 それでリュドミラの心に火がついた。 * * * 時刻は草木も眠る丑三つ時。魑魅魍魎が跋扈し、幽玄妖魔が隊を成すとされる時間帯である。 サーヴァントシステムによって英霊の属性に嵌められたアサシンであるが、スキル『妖怪』によって妖怪の属性も得ている。 故に本来のスキルとは効果の異なる二次的な効果であるが、魔力の回転率、判断速度、身体の活性率全てが好調だった。 「お姫様だっこされてどんな気持ちでしょうか、魔王陛下」 「あと川岸へはどのくらいだ」 「普通、この場合男女逆ね。 まぁ魔王陛下の細腕じゃあ幼子すら持てるか怪しいでしょうけど」 「冗談を言っている場合か」 「さっきから慌ててどうされました?」 「後ろを見ろ」 言われるままに振り向くとそこには蒼髪の少女が水面上を走って追いかけてきていた。 その足元にはミスかトニック川の流水を凍らせてできた氷の橋が作られており、更に周囲のみずも凍らせて足場を広げていった。 「あら素敵」 流れる水すら凍らせる彼女は氷使い。接近されることは死を意味する。 「マスター首に腕を回してください」 マスターと支えていた左手を自由にして、体の向きを180度変える。バックステップで移動しながら相手を沈めることにした。 アサシンの五指から生じる魔弾。 それはアサシン『八雲紫』のいた異界の技で遊びのルールそのもの。 魔力、妖力、霊力などを固めて撃つだけならばアサシンのクラスでも十分可能だ。 圧倒的な面制圧力は氷上のランサーが回避できるはずもない。 「ふざけているの?」 だが所詮は魔弾。それも魔術師ではないアサシンのものである。対魔力を持つランサーに命中したところで豆鉄砲ほどの効果も及ぼさない。 ただし、ランサーの足場を、氷橋を破壊していた。しかし、それで水没するランサーではない。 四散した氷の破片は木の根のように伸び、繋ぎ合って新たに足場を生み出す。 「これでは拉致が明きませんわね」 氷の軍勢は戦姫を筆頭にその領土を広げて進軍をしていた。 このままでは追いつかれる。 「やれやれ」 今まで黙っていた空目がポケットから紙束を取り出した。確か聖杯戦争開幕前に〝包帯男〟がばらまいていた紙を半分に折ったものだ。 それらは空目が手を離すと空気抵抗に煽られて紙吹雪のように舞っていく。 「“鋭角”ができたぞ」 「流石です魔王陛下」 異次元たる『スキマ』を展開するアサシンの宝具『境界を操る程度の能力』。 この聖杯戦争の仕様で鋭角がある場所のみに使用可能という制限がついているが、裏を返せばそれだけだ。数に制限などない。 次の瞬間、半分に折った紙の鋭角から射出されてきたのは道路標識。鉄骨。コンクリート塊などの物体。 出現したそれらは魔力を帯びてランサーへ迫る。加えてアサシン本体の魔弾掃射もまだ続いていた。 氷橋が落とされる。氷柱が砕かれ、衝撃波で荒立った波がそれらを呑み込んでいく。 一筋の光、一発の弾丸として放たれたそれらはランサーの領土(あしば)を食い散らかして破壊していった。 しかし── 「それがどうしたっていうのよ!」 一閃(にしか空目には見えなかった)でいくつもの火花が散り、スキマから射出された鋼鉄と魔弾が弾き飛ばされた。 更に返礼とばかりに氷の塊が生み出される。その数十。全てアサシン目掛けて発射された。 そして秒と経たずに、それら全てが役に立つことなく撃墜される──と思えば次の瞬間には三十の氷塊が迫っていた、 それを落としても次は四十が、その次は五十が、まだまだ増える。 なるほど、ここは水の上で彼女は氷使い。 凍らせるものは困らないというわけね。でも─── 「弾幕で私に挑むつもりかしら────幻巣『飛光虫ネスト』」 * * * ────く、面倒ね。 リュドミラのスキル『氷風の盾』はラヴィアスから出た冷気と衝撃波で矢などの飛び道具を吹き飛ばすスキルだ。 故に紙から飛び出す現代風の煉瓦や木材などはリュドミラへ届く前に消し飛ぶ。 しかし、鉄の表札(道路標識というらしい)や鉄棒はその限りではない。理由は単純にして明解。質量が大きい。 凍結から粉砕までの行程でも破壊しきれない、むしろ細かくになって防ぎにくいものとなる。 故にあれらは直接弾く方が効率が良いが、それだと足が止まる。 お返しに何発も氷塊を打ち出しているが、弾幕戦では相手に勝てない。 「弾幕で私に挑むつもりかしら────幻巣『飛光虫ネスト』」 アサシンの周りが一瞬光ったかと思えば、矢のように光る魔弾が進路上の氷を残さず砕いた。 「本当にアサシンなのあなた?」 「ええ。見ての通りアサシンです」 お前のような暗殺者がいるか──と否定できないのも事実である。 そもそもアサシンだから魔術が使えないと考えるのは誤りだろう。 魔術、呪術といった呪(まじな)いで人を密かに殺すためにするものもかなりある。故に魔術師と暗殺者を兼業できる者は少なからず存在する。 再び白光の魔弾が足場へ撃ち込まれる。その数、十発。残さず氷を砕いて再び足を止められる。 眩い光と氷の割砕する音が乱舞する中、リュドミラは相手の魔弾の特性を分析していた。 おそらく、あの白い魔弾は先ほどまで指から撃っていたものと大差違いはない。 連射していた弾を固めて放つ、量より質を重視した弾だ。その証拠に対魔力を持つ自分へ向けられる弾は一発もない。 よって気にかけるべきは紙から出てきた鉄塊のみ。 「空餌『中毒性のあるエサ』」 足元に的のような重層の正方形が出現した。 空中から前方と上空から先ほどまでと毛色の違う魔弾が迫ってきた。先ほどまでのよりも断然速い。 でも数が少ない分防げる。 道路標識を槍で撃ち落とし、蹴りで弾を弾いたその次の瞬間、足場の氷が割れた。 「な、に」 原因は水面下。水中からも弾が発射されていた。 アサシンが今まで撃った弾や道路標識は魔力を宿し、魔力のパスがアサシンと繋がっている。 それを手繰って水中で魔弾を作ったのだと、リュドミラが気付いた時は既に手遅れ。 足場を崩され、余裕も崩されて氷を再凍結するための集中が出来ない。 結果、ミスカトニック川へと落ちる。 (……まずい) 最悪だ。 今、相手が道路標識を撃ち込んできたら防御ができない。水中で冷気を使おうものならば凍結するのは自分だ。 霊体化は論外。再び浮上するしかない──と思ったところで足が地面を踏む感触を得た。 (川底!) 目を凝らせば、目の前には斜面が広がり、川底とは違った意匠の、治水工事の石畳が敷き詰められている。 そう、既に反対岸に着いていたのだ。 アサシンはまだ前方二〇メートル先を飛行している。ならば──── 川底の地面はぬかるんでいるが、即席の氷の足場と違い、揺らがないし崩れる心配も無用だ。 川底を思いっきり踏みしめて跳躍する。 「アサシン!!」 砲弾のように水中から飛び出したリュドミラはあっという間にアサシンまで詰めて竜具『氷槍ラヴィアス』で薙ぐ。 アサシンはそのゴシック・ファッションめいた服のフリルから傘を取り出し防ぐ。 手品のように現れた傘は恐ろしく頑強で、鋼鉄の鎧すら切り裂く『氷槍ラヴィアス』の刃を防いだ。 「頑丈な…傘ね!!!」 しかし、ステータスだけならばランサーの方が上だ。そのまま力任せに傘ごとアサシンを地面へ弾き飛ばした。 マスターを庇うべく、足で着地したアサシンをラヴィアスから発せられた冷気が覆って下半身丸ごと凍らせて縫い付ける。 遂にリュドミラの間合いでアサシンとそのマスターを捉える。 「終わりよ平民」 続いて着地し、ラヴィアスの刃を動けないアサシンのマスターの喉元に突きつけた。 「私を相手にここまで健闘できたことは褒めてあげるわ だから選ぶ権利を与えてあげる。 ここで死ぬか。忠誠を誓って私達の部下になる名誉を得るか」 「そこに対等の相手として同盟を結ぶという選択肢は無いのか?」 「殺されないだけ有り難く思いなさい。 対等? 笑わせないで。私からすれば貴方達は等しく下等よ。 身分が上。立場が上。力が上。だから私には勝てない」 そして事実そうなっている。 それを聞いて選択の余地がないと知ったアサシンのマスターは沈黙し、そしてその隣にいるアサシンは──── 「プッ、ハハ、ウッフフフフフフフフ」 爆笑していた。 「貴女、何が可笑しいの?」 「失礼。貴女のことを誤解していましたわ。 てっきり情け容赦の無い百戦錬磨の冷血な殺戮者かと思ったけど蓋を開けてみれば可愛らしいものでしたので」 そしてアサシンはリュドミラに微笑む。 まるで小動物を見る人間のように。 「ええ。貴女の言う通り。貴女は私よりも強いから私に勝つ。 寺子屋に通ってもいない稚児にすら分かる理屈ですわ」 つまり、とアサシンは付け足して。 「貴女って実は大したことはないでしょう?」 * * * 「貴女って実は大したことないでしょう?」 紫が言った瞬間に、ただでさえ低い周りの温度が更に低くなった気がした。 「なぜなら強者は力なんて誇らない。というよりそんなものに執着しない。 戦えば勝つのは本人にとって当たり前だから力は手段であって目的じゃない」 特に八雲紫のいた幻想郷ではそれが顕著だ。 ────吸血鬼は永遠の夜を生み出そうとした。 ────冥界の主が一切の春を奪おうとした。 ────鬼は宴会をするためだけに力を使う。 ────核融合の力を分け与えて文明を栄えさせようとした神もいた。 力自慢するために弱者を襲う強者はほぼ皆無。あくまで障害を排除するための手段でしかない。 「だというのに貴女ときたら平民だの格上だのまるで強者であることが存在意義みたい。 だから笑えるのよ」 次第に氷に圧迫されていく足と、強くなる凍気はまさにランサーの怒りを顕しているのだろう。 もはや下半身全体が壊死寸前まで冷やされながら、それでも紫は悪魔のごとき挑発を続ける。 「貴女は真っ当よ。少なくてもその判断基準は常人だわ。 だから、いつか必ず負ける。貴女は強者を倒す弱者に勝てない」 例えば妖怪を素手で打ち負かす人間のような──勇気やら気合いやらで弱肉強食を無視する手合いには特に。 「貴女は怪物でもなければ怪物を一人で退治しようとする狂人(えいゆう)でもない。 特別な玩具を手に入れて浮かれている、ただの──小さな子どもよ」 「黙れよ貴様ァ!」 * * * リュドミラの怒りが爆発した。 先ほどの部下云々の話し合いは三千世界の彼方へ消し飛び、もはや息の根を止めずにはいられない。 コイツは殺す。 私は戦姫で、ラヴィアスの戦姫である誇りこそが私の全てだ。 母が、祖母が、私に託してくれた戦姫のバトン。それに恥じない戦姫であろうとする矜持。 それを踏み躙らせていいわけがないでしょう。ねぇ、ラヴィアス。ねぇ、■■グル、エレオノー■。 氷槍の刃がアサシンの胸元、霊核へ真っ直ぐ突き入られ、氷の刃は過たず、アサシンの胸に深くめり込む。 しかし──── 槍の手応えがない。まるで空を突いたように何かに刺さった衝撃がまるでない。 「フフフ」 アサシンが微笑む。 何ら傷を負った風にも見えない。 次の瞬間──── 槍が引っ張られる。アサシンの胴体へずるりと、一切の障害なく。 吸い寄せられる。奪われようとしている。戦姫の証、いやそれ以上にかけがえのない宝物が。 よって奪われないようにと力を込め、その結果見る羽目になる。 氷槍ラヴィアスの穂先を。 何がそこにあるのかを。 「──────」 〝それ〟は言語化できない異常な角度を持つ空間だった。 妄念、欲望、悪性渦巻く醜悪な隙間。 人間ならば受け入れられない、いやそもそも見たいとも思わないはずだ。 内側から溢れ出す理解不能の負の感情に手の力が弛んだ。 結果、ラヴィアスを奪われる。凍漣の槍自身も奪われまいと氷を張るがもう遅い。隙間の中へ取り込まれる。 「あ、ああ……」 * * * 寝静まったオフィス街。 人間の文明開花はこの魔市街たるアーカムをも浸食し、その穢れた土壌から4、50階建てのビルディングを無数に生やしていた。 特にオフィス街のノースサイドでは他の地区より多くのビルディングが立ち並ぶ。 そこを背景にして二騎のサーヴァントの戦いに決着が着いた。 槍の穂先、それが服を突き破る前に生まれた鋭角。そこにアサシンはスキマを作り短槍を異次元へ吸い込んだのだ。 短槍を奪われた少女は今にも憤死しそうなほど怒りと恥辱に顔を歪め、そしてもう一人はしたり顔で微笑んでいた。 それっと掛け声をしながら魔弾によって己とそのマスターを捕らえていた氷を弾く。 空目はこの結果が予測出来ていた。 八雲紫は最優の妖怪であり、遥かな太古に最強の妖怪達を率いて月へと進軍したという伝承は伊達ではない。 元々のステータスはきっと知略、暴力、能力の全てのバランスが高水準で整っていたのだろう。 特に知略・経験値においてはアサシンとして召喚されたところで失われるわけではないのだ。 ────式神が呼び寄せられない、あら大変。 ────結界が巧く編み込めない、それは困りましたわ。 ────能力による論理崩壊ができない、で、それが何か? 八雲紫という神隠しの妖怪が最上級であるという事実は揺るがない。 「逃げてもよろしいですよお嬢さん」 この妖怪は悪辣……というより老獪なのだ。 この戦いは最初から最後まで八雲紫の掌の上だったと言っていい。 * * * 戦姫の証たるラヴィアスを奪われた。ルリエ家最大の失態である。 リュドミラの冷徹な頭は失態を恥じるより早く、何故こうなったかを冷静に分析していた。 まず河川上の戦い。 この段階で敵の攻撃は始まっていたのかもしれない。 最初の会話でリュドミラが誇り高い人物だと看破したアサシンは川岸で挑発してリュドミラを誘い出したのだ。 マスターとの連携を絶ったアサシンはそのままゆるりと引き付けつつ後退、反対岸まで誘い込み私に捕まる。 よくよく考えればあんな水中から攻撃可能な弾幕を最後に使った時点でおかしかったのだ。 あれを最初から使えばリュドミラが反対岸まで追うことなど不可能だったのだから。 そして、凍らされた後に挑発して私に攻撃をさせて逆に私から槍を奪う。 詰まるところリュドミラが挑発に乗らなければ回避できた状況なのだが、相手は必ず怒るように仕向けたのだ。 リュドミラはこれでも戦いの中での自制心には自信がある。 敵軍が罵詈雑言や挑発的な行動をとっても冷静に軍を動かし、堅実な戦いで勝利したことなど限りなく、それ故に英霊として信仰されたのだ。 しかし、アサシンの挑発はリュドミラ個人の、それもアイデンティティーを攻撃するものだった。 リュドミラの家系は代々竜具『氷槍ラヴィアス』によって戦姫に選ばれた珍しい一族だった。 故に戦姫として誇りがある。 先達から誇りを継いだという矜持がある。 その誇りを守り抜いて見せるという気概がある。 アサシンの毒舌はそこを精確につついたのだ。 戦姫(おまえ)は大したことない。 力など所詮は手段で戦姫(そんなもの)に意味はない。 誇りたい? むしろ滑稽だぞ笑えるな、と。 その戦術は悪辣。この一言に尽きるだろう。 人の気持ちに唾を吐くような下劣さと、そんな不確定要素を精密に計算して事を運ぶ悪魔じみた演算能力が合わさっている。 そして事実としてリュドミラの宝具を奪い、マスターとの連携も絶っている以上、認めざるを得ないだろう。こういう強さもあるのだと。 「さて、では降伏していただけますか?」 「はっ、ふざけるないで。槍を奪われたくらいで私が降伏なんてすると思うの?」 ブラフである。ラヴィアスのないリュドミラの戦力はサーヴァントを相手にするには低すぎる。 しかし、既にリュドミラの宝具は非戦闘用の紅茶(チャイ)一つ。 一方でアサシンの宝具は未だ未知数だし、リュドミラ同様に一つとは限らない。 故にリュドミラは詰んでいた。マスターと離れているこの状況では令呪の支援など望めまい。 しかし、いや、だからこそ。彼女は最後まで誇り高くありたい。 嘲笑われたまま、踏み躙られたままで終われないのだ。 「では、さようならお嬢さん」 * * * 「では、さようならお嬢さん」 「茶番はそこまでだアサシン」 空目がアサシンの茶番を止める。 ここで彼女を殺すのは空目の意図するところではない。 「槍も返してやれ。この状況では同盟も休戦協定もできん」 「それは止めておいた方がよろしいでしょう。次やれば負けるかもしれません」 八雲の言うことも一理ある。むしろ聖杯戦争の参加者ならばこの状況を逃す者はいないだろう。 しかし、好んで殺し殺されをする趣味は空目にはない。 「十分に承知している。その上で休戦協定を──」 「その協定、乗ろう!」 現れたのはランサーのマスターだった。 「マスター? どうやってここまで?」 「遊覧用のボートがあったので漕いできた。 それで、首尾は?」 「槍を奪われたわ」 「そうか、ならば槍と交換で同盟を結ぶというのはどうだろう?」 どちらが不利な立場なのか全く考えてもいない発言であるが、そこには不思議と人を不愉快にさせない何かがあった。 アサシンも知り合いを思い出したように外の世界にもこういう人いるのねー、と呟く。 「こちら側としては問題無いが槍を返した途端に攻撃されては敵わん」 「でしたら魔王陛下。実はこんなものが」 アサシンが服の袖口をまさぐって出したのは紙だった。何やら古びた護符だった。 「〝匂う〟な。これは牛王符か?」 「ええ牛王符……正式には『熊野牛王符』」 「〝本物〟か?」 「ええ〝本物〟です。マスターの嗅覚と同じく」 「で? 何なのそれは?」 勝手に話を進めるアサシン主従にランサーは口を挟む。 「簡単に言うとこの紙に一度誓えば絶対破れない誓約紙ですわ」 「あら? 〝絶対に〟破れないですって? 仮に破ろうとするとどうなるの?」 「破れば烏がやってきて血を吐いて死にます。そして裏切り者もそれに続いて死にます。おしまい」 昔は絶対に破らぬ誓いとして血判状に使われた護符だが、電子的な誓約書や契約書がポピュラーとなった現代では幻想入りした物である。 しかし、現代で淘汰されたからといってもその力が失われたわけではない。 今、八雲紫が取りだした物は『本物』だった。 「ではこちらに血の判を」 スッと差し出された牛王符にはこう書かれている。 〝此度の聖杯戦争においてアサシンのマスターである空目恭一及びランサーのマスターであるクリム・ニックは以下を誓う 1.互いに三日間攻撃しない。 2.同期間の間、互いの情報を第三者に漏洩しない。 3.この誓約はランサーがアサシンから槍を返却された時点から有効となる。〟 「問題ない」 クリムは親指の端を噛み千切って血の判を推す。 その瞬間、両マスターの背筋にゾワリと寒気が走り、呪術契約が開始した。 「ではこちらをお返しします」 いつの間にかアサシンの手に槍が握られていた。それをランサーに柄の方を差し出す。 仮にこのまま握って刺し貫こうとしても勝てるという算段なのか、それとも単純に嘗めているのか。 「…………」 形容し難い感情と共に槍を受け取った。そしてこう告げる。 「せいぜい三日間生き残りなさい。三日後に必ず殺してあげる」 そのまま霊体化して姿を消すランサー。 「あらあら大変。長生きしないといけませんわ」 余裕綽々の様子でアサシンも姿を消す。 そして、残された(正確にはサーヴァント二騎共ここにいるが)のはマスター二人。 空目にとってここからが本題だった。 「ランサーのマスター。依頼したいことがある」 「ほう、なんだ?」 「あやめという少女を見つけたら連絡してほしい」 「どんな姿だ」 「人種はアジア系、髪は黒、年齢は10代前半だ」 「ふむ。覚えておこう。 だが妙だな。何故さっきの契約に入れなかった? 例え見つけても君に教えないのかもしれないぞ」 「保護者を見失って、戦地で迷子の少女を見捨てられる人種か?」 「まさか」 「そういうことだ」 【ノースサイド/1日目 未明】 【空目恭一@Missing】 [状態]健康 [精神]疲労(ほぼ回復済) [令呪]残り3画 [装備]なし [道具]なし [所持金]学生レベル [思考・状況] 基本行動方針:あやめを探す 1.ノースサイドでも探す [備考] ※邪神聖杯戦争の発狂ルールを理解しました ※ランサー(セーラーサターン)とその宝具『沈黙の鎌』を確認しました。 ※セイバー(同田貫)とそのマスターを確認しました。 ※ランサー(リュドミラ=ルリエ)とそのマスターを確認しました ※クリム・ニックとの間に休戦協定が結ばれています。 四日目の未明まで彼とそのサーヴァントに関する攻撃や情報漏洩を行うと死にます。 【アサシン(八雲紫)@東方シリーズ】 [状態]健康 [精神]健康 [装備]番傘、扇子 [道具]牛王符(使用済) [所持金]スキマには旧紙幣も漂っていますわ。 [思考・状況] 基本行動方針:??? 1.マスターの支援 [備考] ※ランサー(セーラーサターン)とその宝具『沈黙の鎌』を確認しました。 ※セイバー(同田貫)とそのマスターを確認しました。 ※ランサー(リュドミラ=ルリエ)とそのマスターを確認しました ※クリム・ニックとの間に休戦協定が結ばれています。 四日目の未明まで彼とそのサーヴァントに関する攻撃や情報漏洩を行うと死にます。 「ごめんなさい」 「いきなりいかがされました姫様?」 「貴方は成果を上げたのに私は何も出来なかったわ」 「気にしないでいただきたい。死ななかっただけマシです」 最悪の場合、サーヴァントを失う状況だったのだから生きているだけ儲けものだろう。 「サーヴァントのステータスの違いが、戦力の決定的差でないということを教えられましたね」 ステータス、スキル、宝具だけが全てではない。様々な能力が英霊には備わっている。 つまりスキル化してなくても生前持っていた能力を持ちうるのだ。 軍の元帥ならば戦術眼を、怪物を殺した者ならば勇猛さを。 マスターの権限であるステータス可視ですら見抜けぬ落とし穴がある。 「ええ。そうね。反省したわ」 でも、と付け足し。 「それを踏まえた上で三日後、必ず私はアサシンを倒すわ。 アサシンに嗤われた借りを取り返すために」 今回の戦い。リュドミラは確かに命を拾った。 だが、代わりに失ったのは誇り。それを取り戻さなくてはならない。 何よりあのアサシンに戦姫という存在の気高さを痛感させてやる必要がある。 誇りを取り戻す聖戦は三日後。 「では奴等を死なせてはなりませんね。 まぁ、奴等は死なないでしょうが」 「何か根拠があるの?」 「私と同盟を結んだのです。つまらない奴に殺されるはずがない」 自信満々でクリム・ニックは歩き出す。 そうとも彼は負けるつもりなど微塵もない。〝戦えば勝つのは天才である自分なのだから〟 未だ夜は明けない。 【ノースサイド/1日目 未明】 【クリム・ニック@ガンダム Gのレコンキスタ】 [状態]健康 [精神]疲労(全速力で舟を漕いだため) [令呪]残り3画 [装備]なし [道具]なし [所持金]クレジットカード [思考・状況] 基本行動方針:天才的直感に従って行動する 1.とりあえず休む 2.同盟相手を探す 3.あやめとやら、見つければアサシン主従の貸しにできるな [備考] ※アサシン(八雲紫)とそのマスター『空目恭一』を確認しました ※空目恭一との間に休戦協定が結ばれています。 四日目の未明まで彼とそのサーヴァントに関する攻撃や情報漏洩を行うと死にます。 【ランサー(リュドミラ=ルリエ)@魔弾の王と戦姫】 [状態]健康 [精神]若干の精神ダメージと苛立ち [装備]氷槍ラヴィアス [道具]紅茶 [所持金]マスターに払わせるから問題ないわ [思考・状況] 基本行動方針:誇りを取り戻す 1.四日目の未明にアサシン主従を倒す 2.それまではマスターの行動に付き合う 3.朝の紅茶を飲むわ [備考] ※アサシン(八雲紫)とそのマスター『空目恭一』を確認しました ※アサシンの宝具『境界を操る程度の能力』を確認しました。 ※空目恭一との間に休戦協定が結ばれています。 四日目の未明まで彼とそのサーヴァントに関する攻撃や情報漏洩を行うと死にます。 彼女は歩く。彼女は詠う。 それは人とは触れ合えぬ、枷を纏うて歌うもの。 彼女は聖杯戦争のイレギュラー。本来ならば呼ばれるはずの無い一般人である。 しかし彼女は空目恭一の〝所有物〟としてアーカムに来ていた。 元々あやめは人身売買の末に神隠しの山神に生け贄として隠された少女である。 彼女は買われた。首を吊るされ、そして埋められた。 ──彼女の怪談(せかい)は彼のものである。 【???/1日目 未明】 【あやめ@Missing】 [状態]不明 [精神]不明 [令呪]なし [装備]不明 [道具]不明 [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:空目恭一を探す 1.詠う [備考] ※空目恭一の所有物です。持ち主を探して詠い歩いています。 ※アーカム市内のどこかにいます。 ※魔術師等の神秘の使い手ならば視認で、それ以外ならばコミュニケーションを取った瞬間に、 一時的に『異界』に引きずり込まれ正気度を失います。 ※サーヴァントがいればあれに関わるなと助言を受けられます。 BACK NEXT 009 アーカム喰種[JAM] 投下順 011 Answer And Answer 002 首括りの丘へ 時系列順 001 蒼い空 BACK 登場キャラ NEXT OP 運命の呼び声~Call of Fate~ クリム・ニック&ランサー(リュドミラ=ルリエ) 016 BRAND NEW FIELD 空目恭一&アサシン(八雲紫) 017 それぞれのブランチ あやめ
https://w.atwiki.jp/teamsatisfaction/pages/77.html
モンスター22 上級4枚 インフェルニティ・ジェネラル1、 インフェルニティ・アーチャー1、 インフェルニティ・デストロイヤー1、 地縛神CcapacApu(コカパクアプ)1 下級18枚 インフェルニティ・デーモン3 インフェルニティ・ネクロマンサー3 インフェルニティ・リベンジャー1 インフェルニティ・ミラージュ3 インフェルニティ・ビートル3 インフェルニティ・リローダー1 インフェルニティ・ガーディアン1 インフェルニティ・ナイト1 インフェルニティ・ビースト1 インフェルニティ・ドワーフ1 魔法6枚 インフェルニティ・ガン1 虚無の波動1 ZERO-MAX3 死皇帝の陵墓1 罠13枚 インフェルニティ・インフェルノ3 インフェルニティ・バリア3 インフェルニティ・フォース2 インフェルニティ・ブレイク3 ハンドレス・フェイク1 エクストラ ワンハンドレッドアイドラゴン3 インフェルニティ・デスドラゴン3 煉獄龍オーガドラグーン3 インフェルニティのサポートのみ(死皇帝の陵墓以外)で構築した鬼柳さんデッキ このデッキを使いこなすのはかなり難しくなりそうだ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/teamsatisfaction0/pages/47.html
モンスター22 上級4枚 インフェルニティ・ジェネラル1、 インフェルニティ・アーチャー1、 インフェルニティ・デストロイヤー1、 地縛神CcapacApu(コカパクアプ)1 下級18枚 インフェルニティ・デーモン3 インフェルニティ・ネクロマンサー3 インフェルニティ・リベンジャー1 インフェルニティ・ミラージュ3 インフェルニティ・ビートル3 インフェルニティ・リローダー1 インフェルニティ・ガーディアン1 インフェルニティ・ナイト1 インフェルニティ・ビースト1 インフェルニティ・ドワーフ1 魔法6枚 インフェルニティ・ガン1 虚無の波動1 ZERO-MAX3 死皇帝の陵墓1 罠13枚 インフェルニティ・インフェルノ3 インフェルニティ・バリア3 インフェルニティ・フォース2 インフェルニティ・ブレイク3 ハンドレス・フェイク1 エクストラ ワンハンドレッドアイドラゴン3 インフェルニティ・デスドラゴン3 煉獄龍オーガドラグーン3 インフェルニティのサポートのみ(死皇帝の陵墓以外)で構築した鬼柳さんデッキ このデッキを使いこなすのはかなり難しくなりそうだ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/revenator/pages/68.html
運命の遭遇 京都に住む高校生、結月響と如月彩音は、部活から帰宅中、町中にある住宅街にて奇妙な現象を目撃する。 それはブロック塀から光の亀裂が発生していることであった。しかし前を歩く人数名はそれに気づいているようには見えない。二人は恐る恐るその亀裂に近づくと、ある事を思い出した。 今から数年前、この京都に移住するきっかけとなった恐ろしい事件。その事件を引き起こした犯人の気配を感じとった響は、亀裂の中に入ろうとする。一旦は止めようとした彩音だったが、心配で後に続く。 するとそこには、巨大な怪しく光る黒白の狼のような怪物が立ちはだかる。二人は村の仇を取ろうとするが、歯が全く立たない。 逆に敵の攻撃で負傷した二人は、絶体絶命のピンチに陥る。 だがその時、二人の前に二人組の男が現れた。彼らはすさまじい攻撃で狼を撃退したのであった。そう、彼らこそがヴィダールが生み出した神の使徒、神造兵器。名前をハーネイト、サルモネラ伯爵と呼ぶ。 霊量士(クォルタード)の素質 ハーネイトは、響と彩音を事務所に連れて行き、そこでなぜ亀裂に入ったのかを質問する。そのうえで、彼らにはある力を使いこなす素質、潜在能力があると判断し自身の下で働かないかと提案する。2人は彼らのことを知りたいため仲間にしてほしいというが、ハーネイトはいったん頭を冷やしてからそのうえでもう一度事務所を訪れるといいと提案し、2人は伯爵に付き添われ自宅に帰宅したのであった。
https://w.atwiki.jp/shinmegamitensei2/pages/132.html
出現数 1体 性格 威厳B 防御相性 36:魔法喰い 月齢影響 C 攻撃回数 3~6回 魔法継承 1 経験値 1608 お宝 パール マッカ 804 MAG 402 【魔法・特技(敵専用):-】 【解説】太古の昔、宇宙から舞い降りてきた神。あらゆる魔法を無効にするか吸収し、攻撃回数もやけに多い。結構しぶといので倒すのが大変だが、経験値が多いのでただ単に嫌な奴というわけではない。 出現数 1体 性格 威厳B 防御相性 28:ザン使い 月齢影響 K 攻撃回数 2回 魔法継承 4 経験値 944 お宝 オパール マッカ 708 MAG 354 【魔法・特技(敵専用):-】 【解説】メソポタミア、熱風と疫病の魔王。麻痺引っかきが凶悪すぎる。ルシファーがどうしても倒せない人は合体で造ろう。 出現数 1体 性格 威厳B 防御相性 39:反魔法 月齢影響 J 攻撃回数 1回 魔法継承 2 経験値 848 お宝 ダイアモンド マッカ 636 MAG 318 【魔法・特技(敵専用):ぎゃくかいてん】 【解説】闇の跳梁者。魔法を反射する防御相性が特徴。どこぞの世界ではラスボスになったらしい。何気に経験値が高い。 出現数 1体 性格 威厳B 防御相性 23:強アンデッド 月齢影響 J 攻撃回数 1~3回 魔法継承 8 経験値 376 お宝 秘孔針 マッカ 564 MAG 282 【魔法・特技(敵専用):デビルスマイル】 【解説】メキシコの残虐な軍神。ザコ戦だけでなら結構使える。攻撃回数はそこそこあるし、魔法も強力だ。敵のときはエナジードレインを使ってくる点に注意したい。 出現数 1~4体 性格 古風男B 防御相性 23:強アンデッド 月齢影響 J 攻撃回数 1回 魔法継承 8 経験値 328 お宝 デスブリンガー マッカ 492 MAG 246 【魔法・特技(敵専用):-】 【解説】スリランカの悪魔。特技・魔法がいやらしい。HPも結構あるからしぶといし、なにより銃が効かないから戦いにくい。集団で出現した場合は、逃げた方がいいかもしれない。
https://w.atwiki.jp/magamorg/pages/9365.html
パロディ中心として作られたものが多いです。作るつもりのものも入れるかもしれません。中にはネタがかぶっているものもあります。まして能力が高く、種族が4つ以上あったり、しまいには、表記が下手くそですが、(下手くその遥かなる下だと思う)申し訳ありません。 サイバー・D・エーモン カッター・ルピア 時空の創生コナタ/創生の覚醒者ハレハレ・コナタ [[]] [[]] [[]] 見たほうがわかりやすいもの マーンーガー 明日またあるとき笑いながら・・・ 創生神Cool a shrine(クール・ア・シュライン) 未来神アサヒ 宇宙神Y‐K なんか必殺転技でおなじみの人 大天馬ギンギン 本家 不亜城ガルド ホワイト・アウト 合体されたもの 悪魔爆裂リュウガ・セト 悪魔神滅・バロム・Z・マサムネ 霊騎大河・F・アキヒサ 覚醒されし“神” 時空の大河マモル/大河の覚醒者マモル・ハンド 時空の竜王ショーブ/竜王の覚醒者メテオ・ショーブ 時空の聖魔ハルヒ/聖魔の覚醒者ハルヒ・ハレハレ 時空の神秘ギンギン/神秘の覚醒者ギャラクシー・ギンギン 時空の大牙Y・アキヒサ/大牙の覚醒者Y・サモン・アキヒサ 無関係なもの エンペラー・アーク ダブルソード・武零苦・ドラゴン 大空の昇天ソルト 超・ハイパー・バトルキャッスル なんか勝手に作ったシリーズ アルファ・コマンド