約 1,724,870 件
https://w.atwiki.jp/stairs-okai/pages/88.html
私の魔法の言葉の効果は、早速次の日からはっきりと現われた。 「おはよう、栞菜。」 「あ、お、はよう。」 レッスンスタジオまでの道を歩いていると、日傘をさしたちっさーが後ろから声をかけてきた。 いつもどおり、ごく自然に振舞うちっさー。胸が高鳴る。 「もう夏も終わりなのに、暑いわね。」 そんなことを言いながら、入る?とばかりに日傘を傾けてきた。 「ありがとう。」 こんな可愛い心遣いをしてくれる子に、私は何てひどいことをしようとしているんだろう。 良心がチクリと痛む。 今日のちっさーは、後ろに大きなリボンのついたシンプルなライトイエローのワンピースを着ていた。歩くたびにふわふわ揺れて、とても可愛らしいと思った。 「ちっさー、チョウチョみたいだね。可愛い。」 「あら、ありがとう。明日菜にも言われたわ。こういう色の蝶、本当にいるんですってね。」 ちょっと照れくさそうに笑うちっさーは、昨日のことなんて何も気にしてなかったかのようにも見えた。 「ちっさー、おしゃれになったよね。よく似合ってる、それ。」 「嬉しいわ。これはね、早貴さんがくれたの。あんまり着ないからって。」 「へえ・・・」 またじわじわと、心臓の鼓動が大きくなってくる。そんな交流があるなんて、私は知らなかった。 「ねえ、ちっさー。今度うちに遊びにこない?栞菜が着なくなった服とかあげるよ。」 「まあ・・・でも、何だか申し訳ないわ。お気持ちだけで嬉しいから、そんなに気を使わないで。」 何で。 私じゃ、嫌なの? 私だって、ちっさーのお姉ちゃんみたくなりたいのに。 「・・・私が、キッズじゃなくてエッグだから?」 気がついたらまた、あの一言を口走っていた。 ちっさーに魔法がかかる。 私に微笑みかけていた表情が一気に強張って、ゆっくり歩いていた足がピタッと止まった。 「栞菜、どうして・・・・?私、そんな風には」 私は無言でちっさーと押しのけて、早足で先に歩いていった。 ちっさーは追いかけてはこない。 やがて私の後ろで力ない足音が聞こえてきたら、なぜだか少し心が落ち着いた。 結局ちっさーは、集合時間直前までロッカーに来なかった。 「あれ、ちっさー珍しいね!今日ギリギリじゃん!」 舞美ちゃんの声に振り向くと、少し慌てた声でごめんなさいと言いながらちっさーが入ってきた。 さっき私に見せていたあの悲愴な顔じゃなくて、いつものおっとりお嬢様の表情に戻っていた。 「おはよう、ちっさー。」 さっきまで一緒だったくせに、とぼけて挨拶をしてみる。 「あ・・・おはよう愛理、栞菜。」 なんだ、特に引きずってはいないんだ。 ほっとすると同時に、なぜかそれを残念にも思っている自分がいた。 「千聖、今日一緒に柔軟やろう。着替え手伝うから急いで!」 舞ちゃんがちっさーの手を強く引っ張っていく。 舞ちゃんはいいな。私みたいな汚い手を使わなくても、ああやってちょっと強引でも正々堂々とちっさーを独占できるんだ。 それに比べて、私のやってることって・・・・ 「栞菜?・・・なんか怖い顔してる。大丈夫?」 「うん。なんでもないよ。それよりさ・・・」 話題を逸らす。 心から心配してくれる愛理に胸が痛んだ。 ごめんね、愛理。 そんな葛藤はあったものの、禁断の魔法の味を知ってしまった私は、どんどんあの言葉を簡単に使うようになっていった。 例えば、何かおそろいの物を持ちたいと思った時。 一緒にコンビニに行って、何か買ってあげたいと思った時。 そして、ちっさーの好きそうな服をあげる時。 主に私がちっさーに何かしてあげたい時には、効果がてきめんのようだった。 慎み深いちっさーは必ず遠慮するけれど、私があの一言を言えば従ってくれた。 悲しい顔をさせることに、罪悪感はあった。 それでもこれは単なる私の親切の押し売りであって、ちっさーを傷つけるのが目的ではないという理由付けができたから、私は自分の矛盾した気持ちから目を逸らし続けることができた。 ちっさーも、私があの言葉を口にしないかぎりはごく普通の態度でいてくれた。 異常な結びつきになってしまったけれど、私たちはいつでも一緒にいるわけではないし、私もみんなの前では魔法を使わなかったから、誰も2人のおかしな状態に気づいてなかった。 そのことが私を増長させたのかもしれない。 私はわかっていなかった。 何でも言うことを聞いてくれる素直な妹ができたとばかり思っていたけれど、お嬢様のちっさーの中には、前の千聖の気の強さもしっかり残っていたということに。 終わりの始まりは意外に早く、そして突然やってきた。 いつもどおり本当につまらないことで切り札を使おうと思った。 ちっさーが私のヘアピンを可愛いと言ってくれたから、すぐに髪からはずして、ちっさーの手に握らせた。 いつもどおり遠慮するちっさーに、また私は「私が・・・」といいかけた。 「・・・そうね。栞菜が、エッグだからかもしれないわね。」 最後まで言い終わる前に、ちっさーは私の言葉を遮った。 唇をギュッと噛んで、強い目で私を睨みつけている。 ――嘘。 だって、ちっさー。 私はただ、私だけのちっさーが 何を言われたか、とっさにわからなかった。 頭が真っ白になる。 「ちっさー・・・」 呆然としたまま名前を呼ぶと、みるみるうちに硬く強張っていたちっさーの表情が青ざめていく。 「あ・・・・私、私何てこと・・・・・」 涙で霞んだ私の眼の向こう側で、ちっさーが力なく床に崩れ落ちた。 同時に、私にも立っていられない程の強い衝撃がゆっくりと襲ってきた。 ちっさーと同じような体勢でへたり込む。 「え・・・ちょっと、どうしたの!?千聖?栞菜?」 なっきぃの声が遠いところから聞こえたような気がした。 涙が止まらない。 ちっさーを怒らせたことがショックなのか、 自分の行いがあまりにも馬鹿すぎたことがショックなのかわからない。 こんなことになって、初めて気づいた。 私は自分の気持ちばかり考えていて、ちっさーがいったいどんな気持ちで私の言葉を受け止めていたのか考えていなかった。 こんなに無神経なのに、何が「ちっさーは私の妹」だ。 本当に最低だ、私。 今すぐちっさーに謝らなければいけないのに、嗚咽で声が出ない。 「栞菜、落ち着いて。大丈夫だよ、息吸って、吐いて・・・・」 舞美ちゃんの大きな手が優しく背中を叩く。えりかちゃんが頭を撫でてくれる。 私はただ、私もこういうお姉ちゃんになってあげたかっただけなのに、どうしてこうなっちゃったんだろう。 こうして私のかけた魔法は、あまりにももろく、簡単に消え去ってしまった。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/11016.html
339 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/14(月) 21 14 40.21 ID 72NNx41I0 ウチのサークルには困ったちゃんドクターを自負するGM専がいるんだこれがかなりウザい 面子のプレイ時の態度を見て「ロールプレイに拘り過ぎている」「GMの裁定に異議を唱えすぎ」「要求が我儘」 「テクニック向上に執着してる」「自己中心的な行動が目立つ」「コンセンサスを取ろうとしてない」等の問題点を 指摘して改善するまでしつこく注意してくる。この流れが診察と治療らしい。 当人の持論は「困ったちゃんとはTRPGに真摯になるあまり他人の事が考えられなくなったもの。 治療法はTRPGを”たかが遊び”と軽く捉えるようになること」らしいが荒探しに夢中になってるように に思えてならない 340 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/14(月) 21 23 16.69 ID ca4wamXb0 339 乙 他人の事が考えられなくなってるのはどっちだよって話だわな 341 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/14(月) 21 52 10.80 ID stjphxa10 いちいち粗探しされて遊び方徹底否定されて何が楽しいんだ 誰より重く捉えて空気悪くしてるじゃねえか 342 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/14(月) 22 16 43.35 ID 32ZmQHbe0 339 乙。ツッコミどころ満載の持論だな。TRPGを”たかが遊び”と軽く捉えてる困なんて掃いて捨てるほどいるし、TRPGに真摯になったら逆に他人のこと考えるようになるわい。 正直、「人のプレイにケチつける口実にしてももうちょっとマシなこと言え」って言葉しか浮かんでこない。 343 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/14(月) 22 37 45.84 ID F0xNiOnX0 339 これ困自身に適用すると 「たかが遊びで診察とか治療とかwww」 だよなあ ドクター「最近患者を見ないな。私の『治療』で皆が健康になったからだな!」 看護師「いや先生最近セッション呼ばれないからでしょ」 350 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/14(月) 23 59 56.33 ID 7t3Kb2qR0 [2/2] 347 温存するのは選択肢としては正しいと思うよ。それによって結果が変わるんだから だから 305だけなら俺も困じゃないと思う。所詮プレイスタイルの違いだからね 問題はそれを忘れてか無視してか死亡したあと、無駄にごねた事だ もし弁護する余地があるなら、他の参加者は「死ぬと大変だぞ」って声をかけてやったかどうかぐらいじゃないかな 339 乙ー。冒頭一行でやばい気がしたがやばかった そんな自負してる時点で困ったちゃんだわ 349 乙。まさに典型的なGM系困って感じだな… てか気に入らないシナリオで説教って何様なんだ。接待じゃねえんだぞ 351 名前:339[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 00 06 36.04 ID e2i4moJH0 [1/4] 344 350 うん全くその通りなんだがこの困ドクターの厄介なところは本当に困を更生させた実績もあることなんだ。 相手の反論をガン無視してしつこく注意するし誰にでも遠慮しない。 面倒な用心棒と考える人もサークルにはいる。害も多いが利も多少あるのがメンドクサイ。 352 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 00 09 59.43 ID MPngSAuO0 [1/2] 351 手間じゃなければ治った奴の報告とどう治ったかも教えてくれないか そんなやつに治されるとか本当に困だったのか疑問だ 353 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 00 17 24.81 ID CMsUXUnW0 351 成功例があるからって正しいとは言えんのだがな まあデメリットがメリットを上回るタイミングもあるだろう それまで待って上手く処分してくれ 354 名前:339[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 00 26 10.43 ID e2i4moJH0 [2/4] 352 OK、一例を上げるわ。困は色んな意味で汗臭い男だった。困ドクターが嫌いと 公言する”技量向上に拘る””PL専””体育会系”の三要素を兼ね備えていた。 偏った正義感の持ち主でもあり実際厄介者ではあった。困ドクターは当初から気に入らず 注意を続け反論は全て無視か屁理屈、オウム返しを徹底的にした。 ある日困がオウム返しされた発言でブチ切れ、困ドクターの胸倉掴む事態になるも興奮した困に当人は にやにやしてたのを覚えてる。困ドクターに煽られ続けたが困はそれ以上何もできず、折れて大人しく なり仕事の都合で北海道に転勤してサークルを抜けた。 355 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 00 28 59.09 ID qqAf8KLn0 354 荒療治すぎる…てかドクターがいなかったら悪くて微困止まりだったんじゃねえかそいつ なんかドクターの害な面が強調されただけのような気がするぞそのエピソード 356 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 00 34 05.41 ID 937752je0 [1/5] 354 一瞬、体臭がきつい方の汗臭いかと思ったが、 いわゆる修造のようなキャラ立ちを気にくわないからと 心を折りに行ったのか… 正直、その一件だけで、俺ならばGMの方が サークルからいなくなってくれと思ってしまう。 357 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 00 35 08.07 ID nmnRGOKQ0 [1/2] 354 それ、気に入らない相手に嫌がらせして追い出しただけと何か違うんですかね… 358 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 00 36 21.11 ID vztbzEep0 [1/2] 治療でも何でもないわ 359 名前:339[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 00 38 39.05 ID e2i4moJH0 [3/4] 355 補足すると困の正義感は常に正しいことはしなければいけないという強迫概念じみたもので どんなPCにも徹底していてセッションを崩壊させたこともあった。この事件の時はドクターはサークル内でヒーロー扱いされてたんだ。 360 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 00 40 39.04 ID vztbzEep0 [2/2] クソとウンコが争ってウンコが勝っただけやで 361 名前:339[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 00 44 31.48 ID e2i4moJH0 [4/4] 360 うん実際全くその通りだ。いわば困ドクターはクソみたいに硬いウンコなんだ。 メンタルが異様に強いというか人の事無視できる精神が厄介。 362 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 00 44 58.20 ID nmnRGOKQ0 [2/2] ああ、わかった つまりその時の経験のせいで「悪い人じゃないんだ…」とか「俺はこれで正しい」ってサークル内でなっちゃったんだな? どう贔屓目に見ても毒を毒で制しただけなので、残った毒も処理すべきだと思う 364 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 00 55 30.69 ID nW8l6Fgi0 更正じゃなくて単に相手の心へし折って自分正しいって思い込んだ勘違い野郎ってだけじゃないか… ドクターじゃなくてただの暴君だよそこまで来ると。 ここまでくるともうその毒だけで固まってた方が被害が他にいかなくていいかってレベルの。 365 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 01 05 15.74 ID bxDD7DlI0 [1/2] 354 わろたw 喧嘩に勝って 負けた方が先にちょっとだけ大人になった ってケースだなぁ、それは 366 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 01 10 20.23 ID emiwr8De0 邪悪すぎるぞ困ドクター 自己愛性パーソナリティ障害じゃないか 367 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 02 25 27.39 ID e/R5YAqZ0 スーパードクターK(困) 369 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 06 31 28.97 ID XgFdWg3F0 [1/2] 結果的に利にはなったことあるにしても、困のやり方が正しいってわけじゃないから、勘違いする奴が出ないように気を付けたほうが良いかもね。やってることはほぼ洗脳だから。 370 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 06 44 22.09 ID 0chwTbGf0 困ったちゃんとはTRPGに真摯になるあまり他人の事が考えられなくなったもの。治療法はTRPGを”たかが遊び”と軽く捉えるようになること ってことは、本人にこそ治療が必要なんじゃないかしらね? たかが遊びで何をムキになって治療とか言って人を攻撃してるの? 遊びで人を攻撃することを世間では虐めと言うのだ 371 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 06 46 57.06 ID iqA5QDR50 ドクターのやり方は明らかに間違いで、正義君も更正じゃなく集団が敵しかいないから自己主張をやめて仕事を機に抜けてった、ってだけの事例じゃねーかな 372 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 07 05 55.36 ID 73C50TLw0 354 更正じゃなく嫌がらせによる追い出しじゃないか 更正というのは、困がドクター気取りの言葉で困行動を起こさなくなった時に使用する言葉だぞ 報告者もドクター気取りを『更正』させたらいいのでは? 373 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 07 09 57.25 ID pY2jYhxz0 「争いは同レベルの者同士でしか発生しない!」のAAを思い出した。 376 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 09 16 40.47 ID kt4WmE9G0 ドクターでもキリコタイプだな 377 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 09 26 07.48 ID 5zsIivoe0 一応キリコでも治る見込みあるならちゃんと治すからもっとダメだ奴だろ むしろアミバでない? 378 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 09 50 54.34 ID Kdg9yI1R0 [2/2] そもそも専門家資格やスキルがあるわけでもないのに根拠のない自信だけあるタイプだからアミバが相当だろうなぁ 妙に偏執的だし 381 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 12 42 16.39 ID RulUbtbb0 378 アミバはスキルあるやろ! 382 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 12 53 43.26 ID QuwPjMTq0 困ドクターって呼び方がすげーきもい 両方困だろ 383 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 13 35 18.91 ID +S673T+50 スーパードクターK(困)に一票。元ネタのKには失礼すぎる話だが。 呼び名が何であろうとTRPGじゃない他のねじ曲がった楽しみにふけっていることは間違いないから。 384 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/12/15(火) 18 10 00.93 ID RcY5X8d00 376 キリコは依頼を受けて安楽死させるだろ 本人が望んでないのに勝手に仕事せんわ スレ429
https://w.atwiki.jp/shokudou_gradius/pages/16.html
おばちゃん 斑鳩の旦那の奥さん。 「食堂グラディウス」のおかみさん。 元グラディウス宇宙空軍「秘密時空組織G」元帥。 元帥のあと、大元帥に就いたと思われる。 前の前の元帥。 過去、斑鳩の旦那と娘を守るため、 皇帝のお召しに応じた。 もともと斑鳩の旦那と娘の身元引受人だったが、 現在は利害の一致した斑鳩の旦那と婚姻関係を結び、 娘を夫妻の実子としている。 斑鳩の旦那とはちょっと遠い親戚。 師匠は斑鳩の兄貴。 兄貴とは激しく愛し合っていた。 兄貴亡き後、コードネーム「アクアフレイム」と、 斑鳩の旦那含む弟子たちを引き継いで、 斑鳩一門の長となった。 軍ではハニートラップ要員。 斑鳩の兄貴の手により、能力を開発され、 兄貴亡き後は軍で訓練と経験を積んだ。 老若男女問わず人の心を惹き付けて離さないという、 特殊能力の持ち主。 ヴェノム博士はおばちゃんのこの能力を評価する一方、 危険視し、警戒もしていた。 12月20日生まれ、Rh-A型。 大阪府生野区桃谷出身。 実家は「いかるが牛乳」という牛乳販売店。 おっとりとした丸い性格。 軍から解放されたせいか、笑顔も見せるように。 全人類の中で斑鳩の旦那を最も信頼している。 「おばちゃん」という呼び名は、 当時の天使たちから見ても「購買のおばちゃん」だったが、 斑鳩の旦那から見て「おじさんのいとこ」だったため、 5歳の頃から「おばちゃん」である。
https://w.atwiki.jp/girlstankbattalion/pages/94.html
プロフィール翔ちゃん 原作における翔ちゃん プロフィール 空は僕のモノだから… 誕生日 サイズ 血液型 星座 身長 体重 声優 平山笑美 自信があるところ コンプレックス 好きなこと 好きな食べ物 座右の銘 僕たち、心をひとつに重ね合って!あなたと友達になりたい! アニメ『ロボットガールズZ+』からのゲストキャラクター。 TVアニメ『ゲッターロボ號』に登場するゲッター翔の美少女擬人化キャラ。 初出は『ロボットガールズZ ONLINE』。アニメでは『+』第3話『決定!最強ロボットガールズ』で初登場。 RGZでの声優は乃木坂 美璃や北上 麗花と同じく平山笑美。 同作ではでもにかも演じている。 翔ちゃん 相手にならないね… タイプ 補助 リーダースキル 攻撃補助ライン 同じ列にいるユニットの攻撃補助10/20/30%アップ 必殺技 ブレストボンバー…! 1/2/3ターンの間、全員に発動者の攻撃補助1/1.4/1.6倍の攻撃力をプラス。さらに発動者の攻撃補助1.8/2/2.5倍と同じ数だけ、敵のHPを1/2/3ターン減らし続ける。発動ターン数 Lv1 11/Lv5 7 HP 攻撃 攻補 速度 回復 防御 防補 好きな戦車 UR BatChatillon25t 赤鉄のZ(全能) 戦車スキル 攻撃補助プラス HP +8% 攻撃 +10% 攻補 +12% 速度 +10% 回復 +6% 防御 +8% 防補 +6% 会心 +7% 回避 +5% 入手 2015/8/18~8/27 ロボットガールズZ+ × しんぐんデストロ~イ! HR 激レアドロップ(普通&難関:黒キリアちゃんの謎 2)超合栗P報酬 SR 超合栗P報酬 UR 超合栗P報酬 戦車 超合栗P報酬 特効 ロボットガールズZ+ × しんぐんデストロ~イ! しんぐんでは補助タイプとして登場。 中列からの補助で味方をバックアップするタイプの隊員。 必殺技は真壁 瑞希から攻撃力バフの倍率を下げ、代わりにスリップダメージを追加した感じ。 純粋な倍加系ではないのと、スリップダメージの低さから単独での性能はいまひとつ。 他の必殺技と組み合わせて使いたい。 好きな戦車は『T54 高坂海美仕様』とかなり性能が似通っている。 全能系だが、大部分の補正が10%以下に留まっていて劇的な強化は期待できない。 戦車スキルも同じ『攻撃補助プラス』。翔ちゃんは補助系なので、海美より活かせる場面は多いが 他の強力な補助系戦車に乗せた方が、より持ち味を発揮できると思われる。 なお、でもにかの好きな戦車と補正は翔ちゃんと同じ。 Zちゃんと異なり、イベント上位報酬限定バージョンは存在しない。 原作における翔ちゃん チームG(&新生チームG)のゲッちゃん(CV 内田真礼)に 暇を出された執事のハヤト(CV 竹本英史。原作通り男性)が、 新生チームGと対抗させるために結成したご当地チーム『チーム號』のメンバーの一人。 他のメンバーはリーダーの號ちゃん(CV 三上枝織)と剴の嬢(CV 小澤亜李)。 容姿のモデルは『ゲッターロボ號』に登場した橘翔。ただし、性格は大きく異なる。 瀬戸内地方一帯の名士である代議士の娘。 ハヤトとは従兄妹、號ちゃんと剴の嬢とは幼なじみの関係。 幼い頃に男の子として育てられ、女の子らしい自分自身を出すことが許されなかったため、 無口で人見知りな性格になった。 チーム號への参加後は女の子へと戻り人気も獲得したが、短いスカートはまだ少し恥ずかしいらしい。 チーム號のメンバーでは一番の巨乳。ハヤトからは親しみを込めて「ボインちゃん」と呼ばれているが、 翔ちゃん本人は下ネタに聞こえるのでこの呼ばれ方を好まない。 彼女自身はハヤトを「ハヤト兄ちゃん」と呼んでいる。 趣味は機械いじり。これは剴の嬢の家の船によく乗せてもらっていたことから、メカに詳しくなったため。 なお、チーム號が売り込みに行っている八百屋はチームZによくぶっ飛ばされているため、 リーダーの號ちゃんはチームZを悪者と思い込んでおり仲が悪い。 『+』第4話『進撃!!ガールズ軍団!』では光波少女ピクドロン(CV 明坂聡美)の 攻撃により、3人まとめて一瞬で倒されてしまった (弱点看破光線を喰らった新生チームGやチームZと違い、弱点を見抜かれる描写すらない)。 ちなみにOVA『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』は、ゲッターロボ號のリファインにあたる。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/278.html
第21話『帰ってきたせっちゃん――ある日のせっちゃん。幸せの青い鳥――』 四つ葉中学校写生会。テーマは“街の景色”。午後の授業を全部使って、体操服に着替えた全学年の生徒たちは四つ葉公園に向う。 クローバータウンの象徴。広大な敷地を誇り、自然林に植樹を効果的に加え、四季折々の景観が楽しめる憩いの場所。 各クラスの先生は自由行動を許したが、生徒たちの足は自然と一箇所に向う。 通称――“もみじの道”。公園の一角にある、大きな湖に繋がる小道が真っ赤に染まる。 もみじの赤葉を中心に、銀杏とブナの樹の黄葉が連なり、色彩の調和を奏でる。 午後の陽を浴びて、赤と黄色の葉が輝きを増す。 足元にはそれぞれの落ち葉が積もり、柔らかなクッションとなって、道行く人々を優しく受け止める。 遠目にはオレンジ色の絨毯のようにも見える。皆一様に、自然が作り出した芸術作品を、感嘆の声をもらしながら眺めた。 「すっごく綺麗だね、せつな。創作意欲が湧き上がってきたよ」 「そうね。自信ないけど、精一杯描いてみるわ」 「ラブ! せつな! 一緒に描いていい? お邪魔なら遠慮するけど」 「もちろんだよ、由美」 「私は、始めからそのつもりだったわ」 クラスメイトの由美が、ラブとせつなに同行を申し出る。せつなと由美が視線を交わしてクスリと笑う。文化祭からの小さな変化だった。 仲の良い二人に、時々嫉妬するような態度を見せたり、積極的に割り込んだり。 ただ、どちらに嫉妬しているのかわからない。由美はラブとの友情に負けないくらい、せつなとも親しくなっていた。 湖のほとりに座り込んで、三人は背中を合わせるようにして写生を始める。 青く澄んだ湖に、紅葉がところどころ緋を落とす。メジロやヒヨドリ、多種の小鳥が気持ち良さそうに水浴びをする。 家族・友人・恋人連れを乗せた真っ白なスワンボートが、愛らしい鳥達と共に、静の景色に動きを与える。 せつなはその景色の美しさに心を奪われつつも、懸命に鉛筆を走らせる。 繊細に、正確に、緻密に、何より――忠実に。可能な限り、その美しさを損ねないように。 デッサンが終わると、絵の具で色を付けていく。何度も塗り直して、景色と照らし合わせて、自然美を再現していく。 「せつな……すごい、まるで写真みたい!」 「ホント、見惚れちゃう! 景色をそのままスケッチブックの中に閉じ込めたみたい」 「大げさよ。似せてはみたけど、写真には遠く及ばないわ」 「そりゃあ絵だもん。あたしなんて……」 「わたしだって……」 ラブの絵は、まさに自由奔放だった。そもそもどこの景色を描いてるのかすらわからない。 色彩もデタラメだった。赤や黄色はわかるとして、桃色の紅葉なんてどこの世界にあるのだろうか……。 由美の絵は、何を書いてるのかは一応理解できた。ただし、その絵はシンプルで曲線的にデフォルメされていた。 平たく言えば、丸っこくて単純なのだ。 複雑な地形の湖は、まるで円形のプールのようだ。枝や葉を再現しようとせず、木々はベタっと色だけで表現されている。 小鳥とボートは気に入ったのか、やけに大きく描写されていた。玩具のように可愛かったけど……。 スワンボートに至っては、湖の面積の一割を占めていた。 「由美の絵って子供の絵みたい! かわいくってあたし好きだよ」 「絶対! 馬鹿にしてるでしょ? ラブこそ、ピンクの紅葉はいいとして、どこに柿がなってるのよ?」 「生ってた方が楽しいかなと思って……」 「それじゃ空想画でしょ? 今は写生の時間よ」 目を丸くして二人の掛け合いを見ていたせつなが、「プッ」と吹き出した。つられてラブと由美も笑い出す。 ひとしきりみんなで笑ってから、せつなは自分の絵を見てため息を付いた。 「私は、ラブや由美の絵のほうがずっと魅力があると思うわ」 「ないない! ありえないって!」 「そうよ! せつなの絵なら美術部でも通用するんじゃないかな」 「でも、写真を撮らずに絵に描くのは、どう感じてるかを他人に伝えるためよね?」 「そっか、そんなこと考えてもみなかったよ」 「わたしはこの絵が好き。こんなに丁寧に描けるのは、この景色を大事にしてるからだと思うもの」 「それは、由美が私を知ってるからよ。友達が書いた絵って前提は、他人には通用しないわ」 ラブの絵はデタラメだけど、なぜか心に深く残る。いつまでも見ていたいような、あたたかい気持ちにさせてくれる。 由美の絵はいかにも女の子らしくて、可愛らしくて、やっぱり見ているだけで頬がゆるむ。 せつなの絵は緻密で、誰もが見た瞬間に驚くに違いない。でも、それだけ。“上手い”それ以上の感想を他人に与えることはないだろう。 記録媒体としてなら、写真や映像の方がずっと優れている。自由に感じて、自由に表現するのが絵。 知識としてわかっていても、理解して行動に移すことがどうしてもできない。 (やっぱり私には、ラブたちと比べて決定的な何かが欠けているのかもしれない……) 集合時間までまだ少しある。空き時間を利用して、ラブと由美と一緒に散策を楽しんだ。 その間中、せつなの表情は冴えなかった。 幸せになると決めたからこそ、前向きに生きると誓ったからこそ、小さな不安は棘となってせつなに刺さるのだった―― 『帰ってきたせっちゃん――ある日のせっちゃん。幸せの青い鳥――』 カツン カツン カツン 日曜日の朝、日が昇る前の薄暗い時間、せつなは小鳥に起こされる。 この世界に来て、安心して眠ることを学んだ。今のせつなは、ただ鳥が鳴くだけなら目を覚ましたりしない。 その日は特別だった。見たこともない小鳥が窓をつつく。まるで、せつなを呼んでいるかのように。 (青い鳥? 確か幸せを運ぶって、そんなお話があったはず) 目の覚めるような鮮やかな青い羽。クルクルと動く愛らしい瞳。近づくと、小首をかしげるような動作の後、パッと飛び立った。 せつなの視力は、常人の遥か先まで見渡すことができる。小鳥は公園の湖の辺りの樹に止まったようだった。 (追うつもりはないけど、名前くらいは知っておこうかしら) せつなは私服に着替えて、公園に出かける支度をする。この前の反省から、「散歩に行ってきます」と机の上に書き置きを残した。 また会えたなら、携帯で写真を撮ろうと思った。ふと、机の棚に立てかけてあったスケッチブックが目に入る。 (そうだ、写真に収められなかったら絵を描こう。正確に描くこと“だけ”は得意なのだから) 絵でもちゃんと特徴を捉えられたなら、祈里に聞けば名前くらいはわかるだろう。図鑑で調べてもいい。 結局、絵のセットを一式持って行くことにした。 (この辺りのはずなんだけど……) 四つ葉公園の“もみじの道”を通って、湖のほとりに着く。それは先日の写生会で、ラブと由美とスケッチをした場所でもあった。 奇しくも全く同じ場所で、一人の少女が腰を掛けてデッサンに耽っていた。 歳は自分とそんなに違わないような気がした。いきなり声をかけて驚かせないように、わざと足音を立てて近づく。 ガザガザと落ち葉や小枝を踏む音がしてるはずなのに、少女は気が付く様子がない。 悪いと思いつつも、せつなは声をかけた。 「あの、おはよう。邪魔してごめんなさい。青い小鳥を探しているのだけど、見かけなかった?」 意識して大きめの声を出したにもかかわらず、やっぱり少女は気が付かない。 意図的に無視をしている――というわけでもなさそうだった。 姿を見せたら反応してもらえるかも? と思って前に回りこんでも、やっぱり気が付かない。 一心不乱に鉛筆を走らせていて、それ以上前に出て視界を塞ぐのは躊躇われた。 せつなはため息を付いて、すぐ横に腰をかける。 とても美しい少女だった。“小柄で可憐”と言ったら失礼になるのだろうか? 身長もせつなと大差ないはずなのだから。 それでも、“小さい”という印象を与える顔立ちだった。 紫色の髪。白のブラウスの上に青いシャツ。紺色のジーンズ。一見して、青の印象を与える少女。 まるで――あの小鳥が、この少女に変身したかのようだった。 (どうかしてたわね。こんな大きな公園で、一匹の小鳥になんて気が付くはずないのに) いつの間にか、小鳥の行方が気にならなくなっていた。それよりも、今はこの少女とお話したいと思った。 どこを描いているのかしら? と、せつなは少女のスケッチブックに目を落とす。 思わず息を呑む。 それは数日前、せつなが選んだ景色とほとんど同じ場所の風景画だった。 それだけなら驚くには値しない。そこが最も美しいと感じたからこそ描いたのだ。目の前の少女が、同じ景色を選ぶのも不思議ではない。 しかし、出来栄えには、実力には、天と地ほどの開きがあった。 ラブや由美のように、抽象的というわけではない。せつなと同じ、写実的な絵だった。 繊細に、正確に、緻密に、何より――忠実に。可能な限り、その美しさを損ねないように。 それでいて、何か心に訴えてくるものがあった。まるで、絵に描かれた木々や葉や小鳥に、本物の命でも宿っているかのように。 やがてデッサンが完成する。「ふうっ」と、大きく息を吐いて、少女の全身から力が抜けていく。 せつなの視線に気が付いたのか、クルリと顔を向けて、チョコンと小首をかしげる。 その仕草は、まさに今朝、小鳥が見せた動作そのものだった。 状況が理解できたのか、「きゃっ」と小さく悲鳴を上げてから、慌ててペコリと頭を下げた。 「またやっちゃった」とか言ってる辺り、初めてのことでもないのだろう。 「驚かせてごめんなさい。私は東せつな、せつなと呼んで。取り込み中だったようだから、ここで待たせてもらったの」 「はじめまして。失礼なことしてごめんなさい。わたしは――」 見た目通りの、可憐な名前の子だった。あらためて少女をまじまじと見つめる。 穏やかな雰囲気、おっとりとした口調。ポニーテール風の髪に、少しツリ目気味の大きな瞳。 おとなしい子なのは間違いないだろうが、反面、どこか鋭さを感じさせる一面もあった。 例えるなら、美希と祈里を足して二で割ったような印象。それよりも、今朝見た小鳥を擬人化した方がわかりやすいだろう。 「驚いたわ、絵がとても上手なのね。まるで本物のようで、それでいて本物以上の魅力があるようで」 「そんなことないけど、絵は小さい頃から描いてたから」 せつなは続きを描くように促す。少女は小さく頷いて、今度は絵の具で色を塗り始めた。 やはり、せつなのように原色に忠実で、正確に色合いを表現しようとしている。 (でも、私の絵とは根本的なところで全く違うわ) デッサンからして腕前が全然違う。色が付けば、更にその差は広がるだろう。もっとも、せつなはちゃんと絵の勉強をしたことがない。 基本から練習を積み重ねれば、遠くない将来、同じくらいのものが描ける自信は十分にあった。 問題はそこではないのだ。少女の絵には、技術では説明しきれない“命”が宿っていた。 色を付ける作業にはそれほどの集中力を必要としないのか、単にさっきの反省のためか、今度は自分の世界に入ったりはしなかった。 楽しく談笑しながら絵を仕上げていく。せつなも当初の目的はすっかり忘れて、お話しながら絵の完成を見守った。 「同じくらいの歳だと思うのだけど、この辺りに住んでいるの?」 「ううん、お父さんのお仕事の手伝いで付いて来たの。昼間はすることがないから、絵でも書こうかなって」 土日を利用して、この街にやって来たらしい。昼間はすることがないと言っていたので、お父さんは夜に働く職業の方なのかもしれない。 お父さんがどんな方なのかはともかく、中学生の手を必要としているとは思えない。彼女なりの理由があるのだろう。 共通の話題の少ない少女とせつなは、互いの友達のことに話が及ぶ。そこで思った以上に話が弾んで、意気投合して、すっかり打ち解けてしまった。 「素敵な絵ね、完成おめでとう。実は私も同じ場所の絵を描いていたの――」 「綺麗ね……。せつなさんも絵が上手なのね」 「そう見える? あなたにはわかるはずよ、私の絵には魅力がないわ」 「そうは思わないけど……。せつなさんの絵は、自分の気持ちを込めるのを恐れてるみたいに感じる」 「私が、恐れている?」 「うん、上手く言えないけど――」 少女は、自分が絵を描く時に気を付けていることを慎重に話していく。 感動や驚き、感じたことや考えたことを絵の中に表現すること。 対象をじっくりと観察して、一つ一つの違いを描き分けること。 「それなら知ってるわ。写真を撮らずに絵に描くのは、どう感じてるかを他人に伝えるためよね」 「知ってはいても理解はしてない……ってことよね? こんな言葉があるの」 “全てのものに、命は宿る” 鳥や花のような生き物だけじゃない。この世界の全ての物に命は宿っている。宇宙にも、星にも、空にも、風にも、大地にも。 それは人の目には見えないもの。ファインダーには写らないもの。だから絵で表現するんだって。 対象を客観的に、忠実に再現することは間違っていない。ただ、その底に主観をにじませること。 目で見えるものの奥にある、命そのものを捉えて描くこと。 よく見て、観察する。それを繰り返していると、対象が自分の心の中に溶け込んできて心と一つになる。 そうなると心が自由になり、対象の中に入り込んで、自由に翼を広げて羽ばたけるのだと。その先で命を見つけるのだと。 少女の説明はたどたどしくて、要約して解釈するには時間がかかった。普段は感じているだけで、言葉にしたのは初めてなのだろう。 そして、その考え方は絵だけに留まらないような気がした。例えば、ダンスにだって通じるものがあるのかもしれない。 懸命に伝えようとしてくれる少女に感謝して、大切な教えとして胸に刻むことにした。 「大事なことなのはわかるわ。でも、理解したとは言えない。例えば、この鉛筆にも命は宿っているの?」 「そうよ。せつなさん、大切に使ってるのね。記念にわたしのと一本交換しない?」 「ダメッ! これは駄目よ!」 「冗談よ、ごめんなさい」 少女が自分の新品の鉛筆を持って、せつなの筆箱に手を伸ばす。せつなはとっさに体で覆いかぶさって隠した。 鉛筆も消しゴムも、絵の具や筆箱も、全部、あゆみと圭太郎が買ってくれたもの。 せつなの幸せを願って、贈られたものだった。 そんな様子を見て、少女は優しく微笑んだ。本来、あまり冗談を口にするようなタイプではないのだろう。 今度はちゃんと断ってせつなから借りて、自分の鉛筆と並べて携帯で写真に収める。 「特にこだわりのないわたしの鉛筆と、せつなさんの鉛筆。どちらが大切かなんて、他人には伝わらないわよね?」 「この写真だけじゃ、同じものにしか見えないわ。私にも見分けが付かない」 「でも、こうしたら――」 少女はスラスラと二本の鉛筆をデッサンしていく。形も長さもほとんど同じ。違うのはメーカーくらいのもの。 再び訪れる極限の集中力。下書きの線が一本増えるたびに本物の形に近づいていき、 やがて――本物すら超えた。 「これなら、せつなさんの鉛筆がどちらかわかるんじゃないかしら?」 「すごい……。全く同じ形に描いてるように見えるのに――私のは、こっちよ!」 まだ色も付いていない、形だけを捉えたデッサン。でも、よく見ると線の力強さが微妙に違う。 影の濃さにも僅かな違いがある。他にも何か違うのかもしれない。 一つ間違いなく言えるのは、“鉛筆という道具に込められたせつなの想い”を命として感じ取って、描かれたものであることだった。 「せつなさん、この景色が好きなんでしょ? それだけはちゃんと伝わってきたわ。手を加えるのが怖いって」 「そうね。私はこの景色を失うのが怖い。壊して、奪って、そんなことをずっと続けてきたから」 「せつなさん?」 「ごめんなさい、なんでもないわ。私は自分の気持ちを表現するのが苦手だったけど、おかげで何かつかめた気がするの」 そう言ってせつなは鉛筆を走らせる。 せつなの集中力が極限まで高まり、意識の全てが視界に収束されていく。 秋風が肌をくすぐる感覚も、木の葉が揺れる音も、横で少女が囁いている声すらも、 全てが視覚情報として処理されて、絵の中に封じ込められていく。 「ふうっ、やっぱり――みたいにはいかないけれど」 「そんなことないっ! これ、とても素敵な絵よ。せつなさんにはこう見えるのね」 「ええ、私、紅葉が好きよ。特に赤いモミジは大好き。葉が落ちていく前触れなのに、なんだか温かいイメージがあるでしょ」 「そう! それが絵を描くってことよ」 「私、なんだかわかった気がする。“全てのものに命は宿る”生きてないものに命を宿しているのは、それを愛している人の心なのね」 「うん。真っ白だったスケッチブックも、せつなさんの心で命が宿ったんだと思う」 話してる途中で、せつなのお腹がグーと鳴る。真っ赤になるせつなの前で、少女のお腹も同じように―― 「もうこんな時間。お昼には遅いけど、美味しいドーナツ屋さんを知ってるの」 「じゃあ、休憩して食べに行きましょう。この絵が完成するところ、わたしも見てみたいから」 ドーナツを買ってきて、二人で談笑しながら食べる。ラブ以外で、こうして二人きりでドーナツを食べるのは初めてかもしれない。 その後、再び絵を描く作業に取りかかる。景色を心に投影して、心の鏡に映った通りに忠実に色を塗っていく。 数時間後に完成する。それは単に景色を写し取ったものではなくて、絵が飛び出してくるような迫力を伴ったものだった。 「やっぱり素敵! せつなさんは絵を描くべきよ!」 「ありがとう。でも、私の夢は別にあるの」 「あっ……もう行かなきゃ。もっとお話したかったけど」 「これを持って行って。お礼にはならないけれど、せめてもの感謝の気持ちよ」 せつなはそう言って、描いたばかりの絵をスケッチブックから外して少女に手渡した。 多めに買っておいたドーナツの袋と一緒に。 「ありがとう、大切にする。代わりにわたしの絵を持っててほしいの」 「ありがとう。私も宝物にするわ」 「もう会えないのかしら?」 「今度は友達を連れて遊びに来るわ。その中の一人は、せつなさんが話してたラブさんに似てるかも」 「楽しみにしてるわ」 「じゃあ、またいつか、必ず会いましょう!」 少女はそう言って別れを告げると、元気よく走り出した。だいぶ離れてからもう一度振り向いて、大きく手を振りながら“さよなら”と伝える。 大人しいようで活発で。控えめなようでハッキリしていて。空に羽ばたく鳥のように自由で。 少女の姿が見えなくなった瞬間、せつなの前に青い小鳥が舞い降りる。小首をかしげてせつなを見てから、少女が去った方向に飛び立った。 もう名前は気にならなかった。その青い鳥は、確かに幸せを運んでくれたのだから。 その小鳥に、少女と同じ名前を付けて覚えておくことにした。 家に帰って、再びせつなはスケッチブックを開いた。 少女が最後に教えてくれたアドバイスを実行するためだ。 “本当に絵が好きになりたいのなら、一番好きなものを描くの。多ければ多いほどいいわ” せつなは一人の少女の絵を描いた。楽しそうな笑顔。嬉しそうな笑顔。元気いっぱいの笑顔。せつなが世界で一番好きなもの。 どれも、これも、全部同じ人。そっくりでありながら、一つとして同じ表情はない。 それは、スケッチブックいっぱいに描かれた―― 桃園ラブの笑顔だった。
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/8609.html
982 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/20(水) 13 11 03.61 ID inS8ryOS0 [1/2] チーズ食べたいは出てくる女の子みんなを食べたいに比べればそれ自身は大したことないような気がした。 女の子食べたいはよっぽどうまくやらないと困になるけど。 990 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/20(水) 17 30 10.00 ID jAyPTxcxO 982 いるいるそういうの。 自分が主人公のエロゲでもやってるつもり何だろうかああいうの。 先月オンセで出くわした奴だと、空気読まずにひたすらPCNPC問わず口説くわ無理やりキスしようとするわセクハラじみた行動取るわでシナリオ進まず埒が開かない。 しかも場合によっちゃシナリオヒロインの類や他PCの技能で取得したNPC扱いのアイテムの類まで 『色事技能で口説き落とします。抵抗不可で成功俺の嫁ntrキタコレ寝取られ男pgrwww』とか言いだすやらやりだすやら。 オマケに他のPC(男)にはひたすら徹底的に適当か上から目線(『高等遊民のオレサマに楯突くワケ?』etc.) トドメに戦闘じゃ攻撃も妨害も支援も壁役もしないで『口説き落としたPCNPC(ソイツの称する所に依れば)』の影で黙ってるかエネミーが性別 女ならそれまで口説きだして 『和解ルートあるから絶対!』とか妄言言い出すわで。 まあ、最終的には『サタスペでやってろ!んな技能このシステムにねーから!!』 ととうとうキレたGM+他PCのPLに叩き出されてたが。 985乙 終了してないなら 97に一票入れたい。 993 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/20(水) 18 11 31.18 ID NqrsFuqw0 990 これなんか見覚えある 以前報告されてなかったっけ 994 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/11/20(水) 18 12 03.30 ID /KSUT+xI0 990 あーめんどくせぇ奴だな…と思って読んでたら技能すらないとかw そりゃ困だわ次スレでkwsk頼む スレ366
https://w.atwiki.jp/moshimo_rishamiya/pages/182.html
199. 名無し募集中。。。 2009/08/20(木) 12 25 10.59 O みや達が今日から強化練習に入るって聞いたので朝からあたしはスタジオに向かっていた フェスまでの期間、臨時マネージャーを買って出た みやは「真野先輩にできんのー?」ってからかってきたけど あたしが三人を会わせたんだからそれなりに責任は持っているつもり 絶対フェス成功しますように…。 そう願いながらあたしは一番にスタジオに入った 243. 名無し募集中。。。 2009/08/21(金) 12 41 17.00 0 「よし。じゃあ少し休もうか」 佐紀の一言でいったんバンドの練習は休憩になった みんな各々に寛ぐ中、今日だけ特別にまのえり特製ジュース(市販だけど)を入れてあげた 相当練習してるだけあってかなり上手くなってきてるから、マネージャーからのちょっとしたご褒美 「あ、真野先輩!チケットもらえた?」 「うん。安倍さんにばっちしとってもらったよ」 私はカバンからフェスのチケットを取り出すと、3人に順番に渡していった 「熊井ちゃんは、あの子の分もいるよね?」 「なかさき?いりますいります!」 「佐紀は、家族と、愛理ちゃんね」 「サンキュー」 「みやは梨沙子ちゃんね」 「どうも」 チケットを見ながら嬉しそうな3人 きっと彼女のことを思っているんだろう みやなんて今すぐ飛び出して渡しに行きそうな雰囲気だよ、まったく 「ほら!練習しよ練習!!」 佐紀の気合の一言で練習を再開した 3人とも活き活きしていた 大丈夫、きっと成功する だってこんなに輝いてるから 早く多くの人にBuono!を見てもらいたい 3人の奏でる思いがたくさんの人に、そして大切な人に届きますように・・・
https://w.atwiki.jp/kasumifes/pages/25.html
11月14日(日)12:00~16:00 霞祭メイン会場にて「まひろちゃん献血」を行います。 ご協力をお願いします! ~まひろちゃん献血ってなに??~ 急性骨髄性白血病のため、昨年7月に5歳で亡くなった山元茉央(まひろ)ちゃん。 現在、まひろちゃんの住んでいた竹原市では、お父さんの忠良さんを中心に「竹原市を献血の町に!」と行動を起こし、“まひろちゃん献血”を行っています。 今年の霞祭では、特別に“まひろちゃん献血”を行います!まひろちゃんのお父さんも会場に駆けつけてくれます。 いまも、献血を待っている人たちが沢山います。 けんけつは元気のおすそわけです。あなたの元気を分けてください。
https://w.atwiki.jp/stairs-okai/pages/388.html
「ウチは、キュートが大好きだよ。でも、今叶えたい夢は、今のままじゃきっと叶わない。憧れだけで終わっちゃう」 「でもっ・・キュートにいたって、目指せることじゃんか・・・」 「そうかもしれないけど、大好きなキュートを言い訳にしたくないの。ウチ、ヘタレだしすぐ甘ったれるし、行き詰ったらまたみんなのところに逃げ込みたくなっちゃうと思う。 どっちもこなせるタイプの人もいるんだろうけど、ウチはきっとそういう風にはできない。 ちゃんと離れないと、自分の決心さえ揺らいじゃうぐらい、ウチにとってキュートは大きな存在なの。舞美も、なっきぃも、愛理も、千聖も、舞もいないところで、一人で踏ん張らなきゃ、意味がないんだ」 私はまくしたてるように一気に喋ると、大きく息を吐いて唇を噛んだ。 今回の件に関して、ここまで自分の意思を告げたのは初めてだった。誰と話していても、何となく、この手の話題はお互い避けていたから。 だけど、こうしてはっきり口に出した事で、改めて自分の気持ちを確認できたようにも思う。精神的にかなり弱い私が、こうして泣いて引き止められても揺るがないなら、やっぱりもう、二度と振り返ってはいけないんだろう。 「えりかちゃん」 しばらくの沈黙の後、私の手を握り締めたまま、千聖が思いの他明るい声を出した。 「よかった、ちゃんと話してくれて」 顔を上げると、ほっぺたを濡らす涙を拭おうともせず、真っ赤な目でじっと私を見ている千聖と視線が交わった。いつもみたいに、目を三日月にして笑っている。 「ちゃんと泣かないで話しきったし、偉いぞえりか!」 「もう・・何言って・・・」 おどけた調子で頭を撫でられて、思わず笑った拍子に、気が緩んでしまった。 356 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2009/10/19(月) 22 45 10.20 0 「ごめ・・・結局泣いちゃった・・・」 笑いかけようにも、壊れた蛇口から水が溢れるみたいに涙がボトボト落ちて、手で顔を覆うのが精一杯。 「もう、しょうがないなあ」 あまりの私の惨状に苦笑して、千聖は私の顔を裸の胸に押し付けるようにして抱きしめてくれた。 「さっき、ごめんね。困らせるようなこと言って。何か急に淋しくなっちゃった。でも、大丈夫だからね。えりかが頑張るみたいに、千聖も・・・キュートも走り続けるから。何か気合い入った。」 「うん・・・」 「それに、今までよりは回数減っちゃうけど、会いたくなったらいつでも会えるでしょ?っていうか、会おうよ」 カラッとした表情で笑う千聖は、私なんかよりずっと大人びて見える。本当は胸の奥にまだいろんな気持ちを抱えているはずなのに、もうそんな素振りは微塵も見せない。 「どうしよう・・今更不安になってきた・・・ちしゃとぉ、ウチちゃんとやっていけるかな」 「大丈夫だって!舞美ちゃんも言ってたけどさ、えりかが雑誌載ったら千聖も、全部買い占めるから!感想のハガキだって書いちゃうよ!お嬢様の時にも書けばさぁ、筆跡微妙に違うから枚数稼げそうだし」 痛いくらいにバシバシ背中を叩いていた手が止まって、そっと私を抱きしめなおす。 「だから、これからも一緒に頑張ろう。えりか大好き」 「・・・それは、お嬢様と同じ意味で?」 「グフフフ。さあねー・・・ね、続きしようよ」 千聖は屈託なく笑って、私の手を引っぱった。そのままソファに仰向けに寝っ転がって、首に手を回して体を密着させてくる。 「元気だねー・・・」 「だってまだ匂い移ってないからね。ほら早くぅ」 いつのまに持ってきたのか、私のポーチに入っていたはずの練り香水は、千聖の小さい手の中に納まっていた。大きなたゆんたゆんを惜しげもなく揺らしながら、また胸に刷り込んでいく。これ、何プレイだ。 「もっとずーっとギューしてたらえりかと千聖同じ匂いになるよね?まだまだ時間あるし、・・・ちょっと、えりかちゃん?」 「・・・ゴメン、もう、限界・・・・」 さっきまでのかなり張り詰めていた空気が一変したから、安心感とともに体から力が抜けていく。 「もー、何だよぅ」 「申し訳ないです・・・ちょ、っと一眠りした・・・」 「ちょっと!千聖の上で寝るな!」 ギャーギャー喚く声も、このぐったりした体と頭を目覚めさせるパワーにはならなかったみたいだ。千聖の弾力のある肌を抱き枕みたいに体に押し付けながら、降りてきた瞼に逆らわず、私は目を閉じた。 ――ゴロゴロゴロゴロ 「んー・・・?」 ――バラバラバラ 「ん・・・何・・・・?」 お腹の底に響くような音が、何度も耳を打つ。どうにもうっとおしくて目を開けると、真っ白な壁が目に入った。どうやら、ベッドまで千聖が運んでくれたらしい。毛布をかけていてくれたから、体も冷えていない。 ――ゴロゴロゴロゴロ 「うわっ」 突然、目の前が光ったかと思うと、またあの地鳴りのような音が響いた。雷、らしい。 時計を見ると、もう朝の10時ちょい前。だけど、曇天で外は薄暗い。 「千聖・・・?」 体を起こしてキョロキョロ見渡しても、千聖の姿が見当たらない。隣のベッドにも、ソファにも、もちろん床に転がっているということもなかった。 「ねえ、千聖・・どこ?千聖?」 私は雷は超がつくほど苦手だ。おまけに、光ってからゴロゴロ鳴るまでの間隔がどんどん狭まっている。・・・ヤバイ。一人でいるときに停電にでもなったら。考えるだけでも鳥肌が立つ。 「千聖ってば!」 「なぁに?どうかしたの」 さっきとは違う意味で半泣きになっていると、いきなり廊下から千聖がひょっこり顔を出した。体から湯気が立ち上っている。 「お風呂入ってたの。雷すごくない?」 「・・・・なんだ、いなくなっちゃったかと思った・・」 「そんなわけないじゃーん。千聖知らないホテルとか怖いもん。あんまり出歩きたくない。お風呂だって、本当はえりかと入りたかったし。でも気持ちよさそうに寝てるから・・・ていうか何で涙目?うけるー!」 うひゃひゃと笑いながら、千聖は私の座っているベッドの横に腰を下ろした。 「ずっと起きてたの?」 「ううん。えりかのことベッドまで引きずって、隣で寝てたんだけど、何か朝早く目が覚めちゃったから、テレビ見てた」 「そう・・・うわっ!」 また、部屋に閃光。体をすくめると、千聖は小首をかしげた。 「そんなに雷怖いの?」 「怖いよ。普通女の子は怖がるんだよ。岡井少年はそうでもないかもしれないけど」 喋ってる間にも、雷の音はどんどん近づいてくる。雨も、窓ガラスを叩くような勢いで降っている。・・うぅ、怖い! 図体の大きい私が体を丸めてるのがツボに入ったのか、千聖は相変わらず楽しそうだけれど。 「・・・これね、多分千聖が降らせたの」 「え?何それ?」 「やらずの雨って知らない?国語の授業で習ったんだけど。千聖の地区だけなのかな」 ヤラズ?やらず・・・はて。 授業中は上の空なことが非常に多かったから、正直全く記憶にない。頭を捻っていたら、千聖が説明を続けてくれた。 「あのね、好きな人のことを“まだ帰らないでー”って引き止めるために、どしゃぶりの雨を降らせるの。そしたら、雨がやむまでは、一緒にいられるでしょ?」 「千聖・・・・」 「千聖が降らせたの」 得意げに二度繰り返すと、千聖はおもむろにベッドの上に立ち上がって、毛布ごと覆いかぶさってきた。 「こうやってお布団被ってれば、光っても怖くないよ。・・・ね、もうちょっと一緒にいよう?雨が止んだら出ようよ。まだチェックアウトの時間じゃないよね?」 「・・・だね。もしお昼まで雨ひどかったら、パパ呼んで迎えに来てもらおう。そんで、ミーティングまでうちでまったりしようよ」 「うへへ。千聖がえりか独り占めだ」 それから私たちは、夜の続きと言わんばかりに、イチャイチャベタベタしながらチェックアウトまでの時間を過ごした。 そして、予想以上に千聖の“やらずの雨”は気合いが入っていたらしく、結局パパを呼ぶことになってしまった。 「・・・・あ」 「ん?どうかした?」 お迎えの車の中で、千聖はきまり悪そうに私の顔をうかがってきた。 「気になるから言ってよ」 「いやー・・・あのさ、結局ベッド1台しか使ってないじゃん?使ってない側のベッド、パリッとしてたら怪しまれないかな?とか思ったんだけど」 「・・・・大、丈、夫。だよ。ベッド、大きかったから二人で寝ました的な」 「あー・・・まぁ、そうだよね。うん、大丈夫だよね!キュートのみんなだって、一つのベッドに2人で寝ることとかよくあるし!」 「うん。まあ、多分」 とはいえ、キュートの常識は外では通用しない事も多々あるから、若干不安は残るところだけど。 「・・・次は、千聖がえりかにホテルおごってあげるからね」 「えっ」 「あっ違うよ!やらしいホテルじゃないよ!普通の今日みたいなモゴモゴ」 それはわかってる!私はパパの手前、慌てて千聖の口を手でガッと塞いだ。 「次があるって、期待してていいの?」 「・・・言ったじゃん、えりかはこれからもキュートの仲間なんだから、会いたいときに会うんだって。お嬢様の千聖もそうしたがってるはず」 千聖はちょっと大人びた顔で笑って、私の肩に頭を乗せてきた。 「・・・昨日、今日って、えりかちゃんと2人っきりで過ごせてよかった」 「まだ、今日終わってないから。うちでまったりするんでしょ?」 「そうだ、まったり。だらだらしようぜ、えりか!」 「そこ、テンション上がるとこじゃないから」 なんていうか、たった2日間の出来事とは思えないほど、ものすごく中身のぎっしりした時間だった。横浜散策も面白かったし、ちゃんと自分の考えてる事を話せたのも良かった。 ――それに、アッチの方もかなり大満足。お嬢様は貞淑かつ淫らで、こっちの千聖はほらあれだよ元気っ子が色気づいてグヒョヒョヒョ 「・・・えりかちゃん、だけどさ、今日あとで舞ちゃんに何か聞かれたら、全部えりかちゃんが答えてよ。千聖は怖いからチョットムリデース」 「えっ!ウチだって無理だよ!」 「じゃあ、千聖寝たりないからえりかんち着くまでお休みー」 エロ顔で昨日の反芻をしていたのがバレたのか、千聖は思いっきり舌を出して、そっぽを向いて寝始めてしまった。 ――いやいや、舞様だけでも釜茹で火あぶり石抱きといった拷問プランが容易に思いつくけど、千聖にはさらに桃子様という恐ろしいバックも控えてるわけで。桃子様は精神責めとか得意そうなわけで。 待て待て、千聖ラブという観点からすれば、なっきぃ様とかも十分危険領域に入るお方なわけで。 「うぅ・・・ちしゃとぉ・・・・・」 卒業前とはいえ、私に対して遠慮や無駄な気遣いなんて一切しないであろうそのメンツの顔を思い浮かべて、冷や汗が噴き出した。 数時間後にその予感がある意味本物になるとも知らず、私はなすすべもなくキリキリと痛む胃を撫でつけながら、微笑んで眠りこける千聖の手をギュッと握りしめたのだった。 前へ TOP コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/5209.html
647 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 11 24 33 ID ??? ありのままに昨日起こったことを話すぜ 会社から帰ったら、サークルから追放された困が家にいた くつろいでたんで無理やり追い出したら、本棚からワースブレイド 関連の本がごっそり消えていた 今警察に事情を説明して対応待ちなところ まったく何がどうなったのか今でもさっぱりわかんねえ、もはや普通の窃盗だぜ 648 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 11 29 23 ID ??? 借りただけって絶対言うぞそいつ。 事情がわかる第三者に協力を頼まないと、下手するとあんたが警察に説教されて終わる。 649 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 11 54 16 ID ??? 何という正道派報告! 事後一段落したら事後報告頼む。 650 名前:NPCさん[] 投稿日:2009/09/12(土) 12 01 42 ID mbdP6u9g 647 住まいが実家で、親や配偶者が部屋に上げたんでもなければ不法侵入じゃねぇかw 651 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 12 39 11 ID ??? 借りたって言うならまだましかも 自分で買ったんだとか言い張りそうで困る 652 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 12 53 09 ID ??? 立件が難しい・面倒くさい事件だと警察の腰は重いぞ… ただ運良く良心的な警官と当たったら別だが。 653 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 13 00 47 ID ??? とりあえずまずは鍵を変えるか家族の認識を変えるかしないと 654 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 13 13 02 ID ??? 同人板のお泊り厨思い出した コミケ前日に昔の知り合いが大挙して押しかけて散々騒いだ挙句 チケット強奪されて時間内に会場入れなかったやつ 655 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 13 13 52 ID ??? なんという妖怪ぬらりひょん 盗人猛々しいとはまさにこのこと。 656 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 13 22 21 ID ??? 困ったちゃんの報告じゃなくて 困ったちゃんがとうとう犯罪犯した報告だな。 あっちからもこっちからもナァナァで済ませたほうが良いと言われるだろうが、ぜひともきっちりやって欲しい。 657 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 13 38 13 ID ??? 確実に息の根を止めておいたほうが安全だよな 犯罪暦が付くので次からの対処もしやすくなるし。 658 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 13 57 06 ID ??? 追加報告に期待 659 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 14 17 37 ID ??? おざなりな対応されたらその警官の氏名と階級を聞いておくこと 660 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 14 19 36 ID ??? これは後出しでもいいからくわしく聞きたい 661 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 14 25 49 ID ??? ボイスレコーダーを何気なく持っておくと対応が向上します。 662 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 16 35 44 ID ??? 警官になった友人に聞いたところ、コノテのトラブルは、 「直接警察から相手に電話してもらう」と、殆どの場合は解決するそうだ。 こっちが本気だと伝わるし、このての小犯罪を犯す奴は小心者が多いから。 663 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 16 43 38 ID ??? まあ、確かに警察からの電話一本で終わる案件はたくさんあるんだ 問題は、その電話一本を警察がなかなかしてくれないことにあってなあ… 664 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 16 51 50 ID ??? 被害届けを出します、とはっきり言うと、まあその前に電話してみよか、となるらしい。 受理しちゃうと、ある程度は動かないといけなくなるから。 あとは担当した人次第らしいね。実際のところ、すんげー忙しい時に限って、小さい事件が山ほど持ち込まれるんだと。 665 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 16 54 24 ID ??? この時期は10月の異動前でゴタゴタしてるから鬱陶しがられるかもだ。 まあとりあえず被害届だな。色んな伝手を頼りに弁護士とかに相談できるとなおグッド。 666 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 18 35 49 ID ??? 弁護士は敷居が高いとか、お金が、とかだったら 市町村で無料相談の日があるはずなので、それを使いましょう。 667 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 18 52 30 ID ??? …ところでさ、ワース関連のブツって仮に今揃えるとしたらどれくらいかかるもんなん? いやさ、それ(=被害総額)次第では警察の動き方ももしかしたら変わるかも…だぜ。 668 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 18 57 48 ID ??? 持ち主にとって価値があることがわかっていて、自分でも手に入れにくいものだとわかっていたなら、 俺みたいにそれを知らない奴にとってはほぼ無価値なものであっても、やっぱり「価値あるもの」として扱うべきだよな。 669 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 19 16 18 ID ??? 書籍の盗難だと警察は動かないかもしれんから 「家の物が無くなった。もしかしたら空き巣かもしれない」と110番しろ 犯人が知人だと民事不介入を理由に動かないことがあるから困が怪しいとかは言わない方がいい 670 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 19 17 40 ID ??? 669 あとから「もしかして事情を知っているかも」とか言ってやればいいな。 671 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 19 25 19 ID ??? というか本当に空き巣かもしれんぞ 被害にあった物の中で気づいたのが本なのかも 泥棒の中には発覚を遅らせるために少しずつ物を盗む奴がいるらしいからな 672 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 19 43 58 ID ??? 困にこんな内容のメールしてみろ 泥棒に入られたみたいだから警察へ通報しようと思う 家にきた貴方にも警察が話を聞きに来ると思うので迷惑をかけると思うけど協力を頼む 何が盗まれたかは困には言わない方がいい 困「たかが本くらいで警察なんて大袈裟過ぎ」 647「本が盗まれたなんて言ってないのになんでそんなの知ってんの?」 こんな感じに自爆するかも試練ぞ 673 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 19 51 18 ID ??? 金と通帳と印鑑の確認はしといた方がいいだろうけどな 674 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 19 52 58 ID ??? くつろいでたんで無理やり追い出したら この時点で「家宅不法侵入」で警察呼ぶべきだったかもな 675 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 19 59 39 ID ??? きっと困は本物の空き巣が家に入るところに偶然遭遇してどうすべきか迷っていたんだ でもついに決心した困はちょうど空き巣がワースブレイド関連本を漁っている時に乱入し 報告者のために戦ったんだよ、で心身ともに疲れ果てた状態ながら このまま家を開けると再び空き巣が帰ってくるかもと心配した困はそのまま家で休憩 そこへちょうど報告者が帰宅 結果的に空き巣の被害を最小限に留めた人間を困扱いしてる報告者が困ったちゃんってことだ って困擁護が出ましたが如何でしょうか? 676 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 20 01 25 ID ??? 672 2ちゃんの卓ゲ板にお前が書いたのみたから 678 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 20 30 04 ID ??? 被害額は幾ら位なんだろ 679 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 20 53 57 ID ??? ただ本と言わず、絶版本多数でかなりの金額に~と言ってもだめか 680 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 20 54 58 ID ??? 667 678 旧版フルセットなら定価で\35,000~\40,000くらいかな? 小説やD20版も含めるともっといくが。 でも今入手するなら確か前にヤフオクで旧版フルセット\70,000くらいで落札されてた記憶がある。 681 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 20 57 08 ID ??? それはKに言えw 被害額がそれだと多分動くw 682 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 20 58 20 ID ??? 専門店でしか取り扱いのない、絶版の稀覯本が多数盗難。 普通に大事なんじゃないの? 683 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 20 59 50 ID ??? 681 680だが俺は被害者本人じゃねぇよw 「ワースブレイド関連がごっそり」だけじゃどこまで含むかわからんしなぁ。 686 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 21 37 15 ID ??? 犯人が知人だと「お友達とよく話し合ってください」で終わりかもな 687 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 22 00 13 ID ??? ここに書き込んじまった時点でねえ 688 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 22 14 37 ID ??? ワースってそんなにするんだ。 実家出るときに古本屋にうっぱらっちまったよ。 689 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 23 05 14 ID ??? 普段「犯罪者はスレ違い」っつってんのに、このテの話だと食いつきが良いなw スレ237