約 45,008 件
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/2386.html
BEFORE DMW-13 「ビギニング・レゾン」 NEXT DMW-15 「レジェンス編II ビガの野望」 「レジェンス編」の記念すべき初弾。 メインテーマは覚醒リンク、三文明。 パッケージイラストは《雷雲竜ガイギアズ・ボルトカイザー》。 新種族はクリーチャー・カイザー、アグリッド。 4つの大国「レジェンス」「ブローウィン」「ビガ」「ソワル」の間に繰り広げられる大戦が舞台となる。 メインとなるレジェンス国は、5つの文明すべての共存を認める万物平等の国。 ブローウィン国は機械文化の発展を目論む電子国家。 ビガ国は芸術と哲学を重んじる、知性の国家。 ソワル国は夢と現の境界に触れる幻影国家。 それらすべてが、外敵に剥く牙を持つ。 ある時。帝王国家と謳われた、ある北の国の崩落により、謎の緊張感が各国を包む。そしてそれにつけこもうとする、悪しき影がここにひとつ、満を持して生まれたのだった。 収録カード ビクトリー2種類 《アポカリプス・クール》/《神皇サイクール・アポカリプス》 《ギアズ・ライトカイザー》/《雷雲竜ガイギアズ・ボルトカイザー》 スーパーレア8種類 《フェレールの光神龍ファントム》 《サイバー・X・トラステージ》 《黒神龍ビガ・フィロソフィー》 《火の干渉の超神星ヨハン・ヴァーティミウス》 《ソワルの大地ラングドシャ》 《レジェンスの王 カタストリウス》 《電脳の大自然エクストラ・ワールド》 《ダーク・フレア・モンスター》 ベリーレア10種類 《修道院の精霊アーカニア・オリヴィナン》 《時空のブローウィン・ゼロ》/《光都の覚醒者カイザー・ブローウィン》 《写実主義なゲンガー》 《悪魔神ギアズ・トゥミラス》 《霊墓の肯定者アレス=ネクサス》 《ギアズの竜オルビエール》 《緑神龍ガルドルム・メイソン》 《時空のマキナ・ドール》/《機械の覚醒者ガンナード・マキナ》 《ロード・オブ・ザ・デュエル》 《無双竜機カクメイ・ライザー》 レア30種類 《紅蓮の精霊レッド・クール》 《予言者モス・アリスキー》 《巡霊騎パラパラ・フィーバー》 《オリヴィナンの大聖洞》 《接聖》 《グーテン・モーゲン》 《ブローウィン・ヘッド・クラスター》 《大河海王ビバ・パラドックス》 《説得力》 《五色の懲戒》 《淫する影インドルージ》 《砕戒の巨兵エレストラーデ》 《のこぎりのブレスレット》 《サイ・ダーク・ハンド》 《追悼する邪悪》 《ダブル・カリバーン・ドラゴン》 《オルビエールのエッグ》 《機神装甲 COOL GUY・バスター》 《ギアズ・デス・フレアー》 《銀鱗オルビエール》 《無双大地ビバ・ガガルディ》 《ソワルの妖菓子卿》 《レジェンスの自然主義者》 《野性なる予見》 《常緑》 《アグリッド・ドロマー》 《超次元クール・ホール》 《黙示無双バーバリアン・フィスタシオ》 《アグリッド・デアリガズ》 《超次元ギアズ・ホール》 アンコモン30種類 《光の干渉の精霊エムリーナ》 《信奉の求道者ネクサス・スレイブ》 《英知フェンシング》 《輝く遺産》 《ライト・コラージュ》 《水の干渉の封魔ディモータル》 《無敵巨兵ダッシュ!ヒーローMAX》 《シンカイマキナ》/《神皇サイクール・アポカリプス》 《結束病》 《コーデッド・バリア!》 《闇の干渉の影ヤミダンゴ》 《ヤミノブレイカー》/《雷雲竜ガイギアズ・ボルトカイザー》 《融合怪人デイビット・クール》/《神皇サイクール・アポカリプス》 《悪意ある煽動》 《ダーク・イリュージョン》 《涙風の使者レンフー》 《蛸牙野郎ゴーゴナイト》 《神風ガルケーノ・グレンオー・マックス》 《飛び散る溶解》 《アースクエイク》 《自然の干渉の超人》 《妖精大地ユートピア》 《ギアズの化身》/《雷雲竜ガイギアズ・ボルトカイザー》 《自然の領域》 《ビースト・パワー》 《マーブルドリル・ボーイ》 《霊騎ディス・ポタージュ》 《封魔ヘルブラッド》 《闘竜 NEX・ドラグーン》 《赤緑の愛好家ショブル》 コモン40種類 《アレス=ネクサスの予言者ファイニ》 《沿岸の守護者プライド・ホーク》 《浮雲ドーナツ》 《接触の伝道師キャッスル・ステイ》 《光器ノイシュヴァン》/《光城 ノイシュヴァン・シュタイン》 《交森》 《モス・アリスキーの正統》 《封魔ブルース・ラッテ》 《接触機巧アイ・アム・サイキック》 《パーティー・プリッツ》 《ルナ・シュタイン》/《光城 ノイシュヴァン・シュタイン》 《ドリームライト・コニーデ》 《海溝の光》 《プランクトン異常》 《湾曲の影ダーク・プライマル》 《ビガの調停人サザンカ》 《寝床人形ギロチン》 《アレス=ネクサスの背徳せし者》 《ラフレシア・ティアラ》 《黒死病のネズミ》 《湾岸墓地》 《蛮賊兵ドラコニアス》 《アスピーテ・グレンオー》/《勝火山 マール・アスピーテ》 《接触のトロイデ・バイパー》 《プライド・ピッピー》 《囁く雷鳥 ウィス・ルピア》 《マグマ・マーチ》 《屍体焼き》 《掃除学者マール》/《勝火山 マール・アスピーテ》 《トゥミラスの槍斥候》 《健忘するココヤシ》 《接触せしシンリン・ウォーク》 《緑の新生子》 《ブロッサム・タワー》 《採石》 《超次元ドロマー・ホール》 《火電 プライド・スパーク》 《超次元デアリガズ・ホール》 《進化戦隊!エボリュート・ファイアー》 《アグリッド・ステロイド》
https://w.atwiki.jp/nouryoku/pages/1797.html
________Name________________________________________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Όνομα ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 綴られる、これからの彼女の紫苑色の記憶 〝June 14〟 オイチャンと交戦、様々な出来事があった上での初戦闘。 終始相手のペースに飲まれがちであったものの〝Thnks fr th Mmrs〟で本来の彼を再生 一矢を報い、何とか敗北だけは免れた。 〝June 15〟 雲外鏡と交戦、彼の能力によって生成された 六本の腕を持つ男性と戦う。〝Dead Memories〟により勝利したものの 内容的には殆ど負け、といったところか。 戦闘終了後に蛍川 翠に介抱され、親しくなる 〝June 16〟 ヴェルチェリと出逢い、少々の会話を交わす。 それなりに親しくなったものの、会話の中でヴェルチェリが紡ぐ言葉に翻弄されっぱなしであった。 余談ではあるが、酒のせいで大暴走、黒歴史、その1。 〝June 18〟 ライク・ヴェルトゥスと出会い前々から彼に頼んでいた品物を受け取る。 そして彼と模擬戦の約束をし、別れる――――彼に髪の色について聞かれたが まだ整理がついていないのか応えることはできなかった。 〝June 19〟 ドラと出会い、彼に誘われ彼女の過去について、そして〝ロゼ〟について騙る。 しかし、彼の一言によって激昂、何やら危ういまま、彼と別れることになった。 恐らく、その奥に在ったのは自責の念と、彼への、あこがれ 〝June 21〟 蛍川 翠と路地裏で遭遇、彼女の生い立ちを聞き、彼女を知る。 そして彼女に対し自身の心を述べる、似た境遇の彼女の言葉は恐らく彼女と自分に向けた言葉。 悩みが晴れ、彼女は新たな一歩を踏み出し始める(百合方向っぽいのは内緒) 〝June 22〟 オイチャンと〝偽者〟が路地裏で戦っているのに遭遇、彼女も応戦する。 彼女は新たな能力でもあり、まだ良く使えていない〝Thnks fr th Mmrs〟を使い、後一歩まで〝偽者〟を追い詰める 結局止めはオイチャンに任せるが、彼女の成長が僅かに感じられた。 〝June 26〟 ラグナと路地裏にて遭遇、彼に憧れ、彼とお話し、彼に撫でてもらった。 少し弱音を吐いて、またくしゃくしゃと撫でてもらって、嬉しかった……って思って あとパンツを見られて思いっきり拗ねた、やっぱりあんまり成長して無い。 〝June 27〟 〝ダイヤ〟と交戦、序盤から相手のペースに押されていたが 逆転をかけた〝Thnks fr th Mmrs〟が何とか成功。 結果的には勝利したが、心にはわだかまりが少々。 〝June 29〟 ライク・ヴェルトゥスと魔術協会の図書館で邂逅、親しげにお話をする。 からかわれつつも、表情には終始笑顔が絶えないのは、ハッキリとした信頼の証。 レイアム・ハルドルという人物の情報を知り、興味を抱く 〝June 30〟 吟雪と魔術協会の図書館で邂逅。 以前のトラウマがあるのか、最初は不快感を露にしていたものの、吟雪の巧みな愛撫で 何やら、色々な感情が生まれた様子、告白らしき事をされたものの、邪魔が入り、答えは告げなかった。 〝July 6〟 ドラと町で偶然出会い、季節柄、二人で短冊を書きにいく。 そこで願い事の話題になり、ドラから告白されるものの 自身の感情に正直になれずお茶を濁して終わった。 〝July 10〟 第二次対機関連合襲撃に参加 ライク・ヴェルトゥスと共にラグナと交戦。 ラグナに対する思いから離れられず、途中で戦線を離脱してしまった。 〝July 12〟 カルピスを飲んでいたところ、吟雪と遭遇、説教を受ける。 その最中、互いの気持ちを確かめるために交戦、敗北し、吟雪のものになる 結局、吟雪の家にお泊りしたと、さ 〝July 18〟 ≪R.I.P.≫ The fiRst evenT 〝PReLuDE〟に参加 吟雪と共にエンジと交戦。 高い身体能力を保有するエンジに終始圧倒されるが〝Dead Memories〟により、僅かな反撃を為す。 パートナーのお陰で勝利したものの、満足には程遠い結果で。 〝July 20〟 時雨れる雨の中龍雷寺 蒼女とドラと遭遇する。 三人で他愛も無いお話をしながら、ゆっくりと甘いものを食べ、交流する。 静かな幸せを噛み締めながら、一時の休息を感じた。 〝August 1〟 ≪R.I.P.≫ ThE sEcoNd EvEnT TruE PReLuDE に参加 番怒 氷山と共にゴーストと交戦 ゴーストの高い身体能力に翻弄されながらも〝Dead Memories〟により足止めに成功 パートナーとの連携で、見事、撃退に成功する。 〝August 5〟 〝櫻が夜行〟の撃退に参加、ヴァルトスラットと共に戸隠 夢二と交戦する。 慣れない環境での戦闘に戸惑いながらも、それを〝Dead Memories〟で逆手に利用、勝利を収めた。 戦闘後、夢二に対し殺すことを拒み、彼女の思いを打ち明けた。 〝August 15〟 無道 武美と森の中で邂逅する。 武美との会話を通して、彼女の能力が欲しくなった彼女は、その旨を伝えると 歪曲して伝わり、うっかり告白しちゃったことに。 けれども武美に対して、自身もその思いを持っていたことを実感し、それを受け入れて、形にした。 〝August 18〟 吟雪と森の中で邂逅、お酒についてお話した後に、飲んでしまう。 酔った勢いでイチャイチャ、ねちゃねちゃした後に、吟雪に応えについて尋ねられる。 それに返す言葉を形作ると、二人仲良くその夜を明かした。 〝August 21〟 蛍川 翠と路地裏で邂逅、そして翠の正体を知ってしまう。 困惑を持ったまま、翠と交戦、当然ながら戦闘には敗北する。 けれども、思いを伝えて、翠の気持ちを汲み取って……互いの思いを再確認した。 〝August 22〟 ライク・ヴェルトゥスとドラとノビタと邂逅する。 ライクの思いに対し、謝罪の念を伝え、そして和解を為す。 その後ドラ達の告げる〝ナイトメア〟に興味を抱き、助力することを約束した。 〝September 13〟 梧堂 渉と魔術協会の図書館にて出会う。 勘の鋭い梧堂に会話のペースを支配されるものの、互いの益となった様子 親しい知人として、彼の名前が加わった。 〝September 23〟 〝水の国〟大会エキシヴィジョンに参加、ネコサバトとタッグを組みチェルシーと蛍川 翠と対戦 〝Dead Memories〟〝Thnks fr th Mmrs〟を活用した戦法で、ネコサバトと共に善戦するが 後一歩のところで力尽き戦線を離脱、悔やまれる結果となった。 〝September 28〟 街中でドラと邂逅、予期せぬ出逢いであったが、良い機会と思い かねてから考えていた、夕食を、彼へとご馳走した。 思いを伝えられ、迷っているところを、そっと口付けを交わされた。 仄かに、彼女の中の彼が大きくなるのを、静かに感じて―――― 〝October 11〟 街中でライク・ヴェルトゥスと邂逅、彼の苦悩について、僅かながら力を貸す。 〝Dead Memories〟によって、彼の記憶を覗き、言葉を紡ぐ 力になれないかもしれないが、きっと……彼女は全力を尽くした。 〝October 22〟 ホーンナイト・アパートにて堕落天使(笑)のコスプレをしていたところ吟雪と遭遇 イチャイチャと会話を交わした後に、再び吟雪に問われて、遠まわしにしていた答えを、キチンと告げた。 貴女達と、その道を添い遂げると。 〝October 23〟 ハニーと森林で交戦。 全体的に優位に進めるものの、相手を甘く見すぎ、痛い目にあう 結局敗北してしまい、自身の無力さを痛感した。 〝November 5〟 第九回大会予選オイチャンと交戦。 星五個賭けの勝負であったが、戦いの年季の差を見せ付けられる結果に。 戦闘後に星を受け取るなど、彼の優しさに涙した。 〝November 6〟 第九回大会予選ライク・ヴェルトゥスと交戦。 試合に関しては完全に実力の差がハッキリとでた内容であった。 仄かに悔しさを感じながらも、貴方の強さに、賛辞を送った。 〝November 7〟 第九回大会予選エリオットと交戦。 五部五部の戦闘で、互いの為せる最高の技で激突、そして、戦闘の際に彼の正体を知って 憧れを抱いていた人物だと知って、感激して、この出逢いに感謝した。 〝November 13〟 路地裏にてR93号と交戦。 新しいワイヤーの活用法と〝Thnks fr th Mmrs〟を見つけたものの 殆ど見逃される形で逃走され、力の差を感じた。 〝November 22〟 公園にてドラと邂逅。 幾度か繰り返してきた彼女らの言葉……彼女はドラが大好きだからこそ ドラの申し入れを断り、その場から立ち去った。 ドラが居ると、これからの自分になれない。 これまでの自分が居るのは、間違いなく貴方のお陰だから…… 〝November 24〟 じゃすてぃすのお城にてミーナ=ヴィリクに呼び出される?形で邂逅。 ライク・ヴェルトゥスとしていた約束を果たし、ミーナの手助けをする その底なしの明るさに癒されながらも、ミーナの無事を、静かに願った。 〝December 3〟 蛍川 翠、無道 武美、東 銀鶏の三人と噴水広場で邂逅。 それぞれの交流の後に、銀鶏の〝蜂のモチーフを掲げた人間たち〟の情報を手に入れる。 交流を深めながらも、迫り来る危険に、一人静かに不安げな思いを馳せていた。 〝December 14〟 ノビタと街中で邂逅。 彼のけんか腰な口調に微かに圧倒されながら吟雪について、情報を手に入れた。 僅かに、怒りの色を見せながらも、彼へと感謝し、心の中に色を零す。 〝December 21〟 吟雪と島津 綾菊に病院内で邂逅……というより吟雪のお見舞いに。 傷ついた吟雪へと、貯めていた思いを告げると、今度は吟雪から、一緒にすまないか、とお誘いが ……時期が来たら、と告げる彼女は、色々と悩んでる御様子。 〝December 28〟 ノビタと街中で邂逅、何やら不穏な空気に。 互いの感情をぶつけるために、その力を、互いにぶつけあった。 ノビタの言葉が、思いが、痛いほど強く感じられて、彼女と、自分の嫌いな自分と重なるようで 〝Dead Memories〟による逆転を狙ったものの、思いに負けて、自ら敗北を選んだ。 〝January 3〟 オイチャンと灰羽祐司と街中で邂逅。 オイチャンに対する再会の喜びと、灰羽に対する出逢いの楽しさを感じながら 灰羽の〝Justice〟加入の斡旋と、オイチャンを自宅へ泊まる許可を出してみたりした。 〝January 26〟 黒縄 無間と路地裏で邂逅、交戦する。 これまでにないほど、完膚なきまでに敗北し、得意の能力も逃げにしか使えなかった。 心におったトラウマは大きく、その名前は、彼女に絶望を植え付けた…… 〝February 12〟 戦艦〝リヒトギルティ〟にてジャステヴィルと共にウェル子と交戦 以前の無間との戦闘で負ったトラウマがいえていないのか、乱される心を、ジャステヴィルの言葉で持ち直し 〝Thnks fr th Mmrs〟を最大活用し、善戦するものの、途中で戦闘不能となる。 〝February 26〟 〝R.I.P.〟のイベントに参加、クラウス・アヴィットと共にヴュネルド・ダーンヒュラインと交戦 ヴュネルドの≪ラ・テュオレ・セルフェタス(美徳の抱擁)≫により大ダメージを受けた彼女は〝Sonic Youth〟なる技を使用。 その結果現れた〝彼女〟なる人物は敵味方の区別無く暴走。 最終的にクラウスとヴュネルドのタッグに破れ、彼女へと戻り、戦闘不能となった。 〝February 27〟 谷山 基樹と街中にて邂逅、そのまま場所を移し会話を為す。 互いに同じ組織に所属していると知り、親しさを感じるものの、谷山の不安を感じ取る。 そして告げられた真実に、彼女なりの言葉と思いやりを返して、ほんの少し、踏み出す手助けを為した。 なでなでされて、思わず安心したらしいよ!
https://w.atwiki.jp/satoschi/pages/5927.html
バキ語 |Austronesian languages|Malayo-Polynesian languages|Central-Eastern Malayo-Polynesian languages|Eastern Malayo-Polynesian languages|Oceanic languages|Central-Eastern Oceanic languages|Remote Oceanic languages| 言語類型 現用言語 使用文字 ラテン文字【Latn?】 type living language writing system Latin alphabet ISO 639-3 【bki】 言語名別称 alternate names Burumba Paki 方言名 dialect names 参考文献 references WEB ISO 639-3 Registration Authority - SIL International the LINGUIST List Ethnologue
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/242.html
幸せの赤い翼 第2話――おもちゃの国は秘密がいっぱい!?(国王さまとの邂逅)―― 「おもちゃはな、生きておるんじゃよ。愛情を持って語りかけてやれば、会話だってできるんじゃ」 一人のおじいさんが、寂しそうにそう呟いて、ゴミ袋から頭を覗かせた一体の人形を手に取る。 まだ比較的新しいはずのその玩具は、無理な力がかかったのか、四肢が稼動しない方向に捻じ曲がっていた。 可愛かったはずの衣装は、ベットリと汚水にまみれて見る影もなかった。雨晒しになった顔は、まるで、人形が泣いているようだった。 そして、傘も差さずに雨に打たれているおじいさんもまた、泣いているように見えたのだった―― かつて、その一生をおもちゃ作りに捧げた職人がいた。 おもちゃを心から愛していて、それ以上に子供たちを愛していた人だった。 おもちゃを手に入れた時の、嬉しそうな笑顔が大好きだった。 おもちゃで遊んでいる時の、楽しそうな笑顔が大好きだった。 その人が、ある時期を境におもちゃを作らなくなった。 代わりに、壊れた玩具を修理して歩く、おもちゃの修理職人となった。 収入は激減し、たくさんいた弟子たちも、みんな去っていった。 それでもおじいさんは、たった一人で玩具を直し続けた。捨てられた玩具を拾い集めては、修理して児童擁護施設などに贈った。 やがて、老いで体が動かなくなり始めた頃、数十年ぶりに、一体の人形制作に取りかかった。 子供に恵まれなかった孤独なおじいさんが、想いを託した一体の人形。 数千体のおもちゃを手がけてきた、おじいさんの最後の一体にして、子供以外のために作ったただ一つの人形。 「お前はおもちゃの王様じゃ。子供から愛されなくなったおもちゃ達を、代わりに助けて守ってやるんじゃぞ」 世界で唯一つ、おもちゃを愛するために作られたおもちゃ。 その人形に名前を与えることもなく、おじいさんは静かに息を引き取った。 ナイテ……イルノ? ソファに深く身を沈めて、目を閉じたおじいさんの頭上に、十字の光源がゆっくりと近づいてくる。 その光が、音声ではない手段で語りかける。 返事はない。当然だ。おじいさんは、目覚めることのない眠りについたのだから。 ドウシテ ナイテ イルノ? 更に問いかける。そこで人形は、その光はおじいさんではなく、自分に問いかけているのだと知る。 ヒトツダケ ネガイヲカナエテアゲル ダカラ ナカナイデ (それなら、捨てられたおもちゃが静かに暮らせる場所がほしい。悲しみを癒して、楽しかった思い出に浸れる場所がほしい) 光は直接心に語りかけてくる。だから、おもちゃは心で強くそう念じた。 光は一瞬、更に輝きを増した。そして、やがて、ゆっくりと離れていく。 オモチャノクニ キミハ ソコノオウニナル (待ってください! あなた様のお名前は?) ワガナハ インフィニティ ムゲンノ――メモリーナリ 『幸せの赤い翼――おもちゃの国は秘密がいっぱい!?(国王さまとの邂逅)――』 高い外壁に囲まれた街の中にあって、更に重厚な城壁に守られた、大きな建築物が目の前にそびえ立つ。 八箇所に備え付けられた見張り台や、城の全体を取り囲む堀も本格的だ。 ただし、離れた距離から、見ている場合に限っての話だった。 「これは……おもちゃのお城だね」 「確かに、どう見てもおもちゃよね」 「あんさんら、おもちゃの国の城に何を期待しとったんや」 「キサマ等、今、侮辱したな?」 「してない! してないって! じゃあここまで案内ありがとう」 「我らは任務に従い連行しただけだ」 「ともかく……、中に入りましょう」 門を叩いてもいないのに、大きな扉が開かれる。その先には、青い軍服を着たおもちゃの兵隊の一団が待ち構えていた。 青い兵隊の隊長らしき者が進み出て、赤い兵隊の隊長の前で敬礼する。 「ご苦労、伝令から話は聞いている。牢ではなく謁見の間にお連れしろとの、国王様からのお達しだ」 「しかし、この者たちはトイマジンの名を連呼し、街に混乱を与えた罪人だぞ?」 「繰り返す。謁見の間にお連れしろとの、国王様からのお達しだ。復唱せよ!」 「了解! 我らは国王さまの命により、この者たちを謁見の間にお連れする」 「ねえ、ウサピョン。どうなってるの? あたしたちどうなるの?」 「あたしも、この城に来たのは初めてなの。よくわからないわ」 「ともかく、王さまに会えるみたいだからいいじゃない」 「そうね、話のわかる人だといいけど」 「どうか、何事もありませんように」 赤と青、二色の兵隊たちに連れられて、まずは控えの間に入る。すぐに謁見の間へと通された。 ここで隊長たちは進み出て、王さまの両側を固めた。残りの兵隊たちは左右の壁際に整列する。 スウィーツ王国の謁見の間にも似ていたが、ずっと近くて、王さまの顔もしっかりと見ることができた。 イメージ通りの、初老の気の良さそうな人物――否、人形だった。にこやかな笑顔を浮かべている。 隣の女性はずっと若く、もしかしたら、王妃ではなく王女なのかもしれなかった。こちらは美しいフランス人形だ。 「ようこそ、異世界からの客人どの。私はこの国の王です。ロイヤルが失礼な応対をしたようです。申し訳ありませんでした」 「はじめまして、王さま。あたしは桃園ラブ。そちらの子の名前は? ロイヤルって、あの兵隊さんのことですか?」 「蒼乃美希です。えっと、本日はご機嫌麗しく……なんだっけ? とにかく、ラブ。いきなり質問は失礼よ!」 「美希ちゃん、ひそひそ声が大きいよ! あっ、失礼しました。わたしは山吹祈里です」 「東せつなよ。よろしく」 「はじめまして、わたくしはこの国の姫です。父と共に名はありません。ロイヤルも名前ではなく、部隊の名称なのです。青い軍服はガード隊です」 「なるほど、あの赤い失礼な連中がロイヤル隊ちゅうわけか。あっ、わいの名はタルトっていいますねん。こっちの子はシフォンや」 「キュア~」 「あたしはラブのおもちゃで、ウサピョンといいます」 それぞれに、不慣れでぎこちない自己紹介をする。 みんな一安心して表情を和らげる中、せつなだけは警戒を続ける。 ウサピョンが誇らしげに「ラブのおもちゃで」と言ったところで、姫が悲しそうな顔をした。 理由を尋ねると、彼女は目を伏せて、ただ一言「おもちゃの名前は、持ち主が付けてくれるものだから」と答えた。 そして、王さまは―― シフォンの挨拶の後、しばらく硬直していたかと思うと、やがて、フラフラとラブたちの元に近づいてきた。 そして、あろうことか、シフォンの前で膝をついて頭を下げたのだった。 『王さま!!』 「お父さま!?」 「なんや! どないしたんや!?」 「また、お会いできて嬉しく思います。おもちゃの神様」 『ええ~っ!!!!』 その場に居合わせた全員が、驚きの声をあげる。 王さまは玉座に戻ろうともせずに、そのまま、ゆっくりとこの国の生い立ちを語り始めた。 ―――――――――――― ―――――――― ―――― 王さまは、あるおもちゃ職人の遺志を継いで生まれたおもちゃであった。 遺志というよりは、無念。職人ならぬおもちゃである彼には、仲間の修理も保護もできようはずがない。 そこで、不思議な声と光の導きにより、おもちゃの国を創ったのだった。 「えらい、不思議な話やなあ。仮にそれがシフォンやったとしても、パラレル作り出すやなんて、そないな力はないと思うで」 「うん。それに、それってずっと昔のお話だよね? シフォンはまだ赤ちゃんなんだよ」 「片言でも話せるようになったのは、本当に最近のことだし……」 「でも、インフィニティって……。それに外見がヌイグルミであることも、偶然とは思えないし」 「キュア~」 「キー」 「シフォンちゃんは、知らないって言ってる」 「わからないことを、考えていても仕方がないわ。私たちの目的は、この国の調査ではないのよ」 「うん、そうだね。ともかくこれでシフォンの謎が一つ明らかになったね」 「いや、突っ込んでいいなら、また一つ謎が増えたって言うべきじゃ……」 「もしかしたら、シフォンちゃんのお父さんとかお爺ちゃんだったりするのかも」 王さまの話が続けられる。 この国は、捨てられたおもちゃが集う場所。正確には、捨てられたおもちゃの悲しみが集う場所。 元居た世界では、壊されたり、捨てられたり、燃やされたりしたおもちゃの、絶望の心が集まる場所なんだとか。 だから、どのおもちゃも傷一つ、汚れ一つなくて。一番楽しかった頃の記憶を再現しながら、悲しみが癒えるまでこの国で暮らすのだ。 「すっごく楽しそうな国なのに、そんな悲しい事情があったなんて……」 「それで、その悲しみが癒されたおもちゃはどうなるの?」 「眠りに付くのです。そのまま消滅するのか、新しいおもちゃに生まれ変わるのか、それはわかりません」 「全部、あたしたち人間の責任なんだね。ごめんなさい」 「『玩具みたいに扱う』なんて言葉があるわ。アタシたち人間は、ずっと、おもちゃに酷いことをしてきたのね」 「いいのです。壊されるのも、捨てられるのも、またおもちゃの役割。私のマイスターは、それを十分に理解していました」 「この国のことはわかったわ。それで、トイマジンのことなんだけど」 「トイマジンもまた、持ち主に捨てられたおもちゃであったのでしょう。ですが彼は、悲しみを憎しみに転化させて、子供たちに復讐を企んだのです」 「そんなこと、できるの?」 「一体だけならば不可能でしょう。しかし、彼は大勢の同じ憎しみを持つ仲間を集め、力を増しています」 想いは集って力になる。かつて、せつなが、キュアパッションが口にした言葉。それは、プリキュアの力の根源でもあった。 それと全く同じ方法で、トイマジンは力を蓄えたらしい。憎しみもまた、集えば力になるのだ。 もう、王さまにも手の付けられない存在となっているのだとか。 王様にできるのは、せめてこの国のおもちゃたちが、これ以上トイマジンに近づかないように見張ること。 彼の意思に触れた者は、その憎しみに感化されて、彼の一部になってしまうからだった。 「それで、あたしたちは捕まったんだね。ごめんなさい」 「でも、トイマジンがやろうとしていることを、見過ごすことはできないわ」 「わたしたちの世界も大変なことになってるの。全てのおもちゃが消えてしまって……」 「取り返して、止めさせるわ。トイマジンの居場所を教えて!」 「神様の使いが、伝説の戦士プリキュアというわけですね。再び神の力にすがる時が来たようです。ロイヤルを同行させましょう」 「はっ! 御意のままに!」 「みなさま、どうかお気をつけて」 おもちゃの国の防衛を預かる、二大部隊の片翼。攻撃の赤の兵隊、ロイヤル隊がせつなたちと同行する。 目指すは、トイマジンの本拠地“魔人城”。スゴロクの森を抜けた先にあり、光の届かぬ死の大地の上にそびえ立つという。 「共同戦線なんて初めてね。おもちゃの兵隊を引き連れて、鬼退治にレッツゴーってところかしら?」 「だったらいいんだけど、鬼はあたしたちの方かもしれないよ」 「ラブちゃん……」 「戦うのが、気乗りしないの? ラブ」 「戦うよ。でも、あたしたちの守りたかった幸せが、別のところで悲しみを生んでいたなんて」 「だとしても、悪いことをしている友達がいるなら、やめさせなくちゃ! でしょ?」 「大丈夫、わかってくれるよ」 「今からでも、きっとやり直せる。私にそう教えてくれたのはラブよ」 「うん、そうだね。あたし、トイマジンと話してみるよ」 「見えてきたぞ」 おもちゃの兵隊に連れられた一行は、大きな森の入り口に到着する。 「ここで止まれ」 「ここが、スゴロクの森?」 「そうよ。この先のゴールに、トイマジンの居城があるらしいの。以前は素敵な草原だったんだけど」 口数の少ない兵隊に代わり、ウサピョンが説明する。このマスの一つ一つは、おもちゃの国の主要な街や施設に繋がっているらしい。 年に一度、建国祭で開かれるスゴロク大会では、国中を舞台に盛大なゲームが行われるのだ。 「ここから先は、敵のテリトリーだ。慎重に進まなければならぬ」 「見た感じ、楽しそうな場所だけど?」 「ともかく、行きましょう」 最初にラブが、続いて、美希、祈里、せつながスゴロクのマスを飛び越えていく。 ウサピョン、タルト、シフォンも後に続く。そして、ウサピョンがスゴロクの森の中ほどに差しかかった時だった。 沈黙していたはずの、スゴロクのマスが突然光を放ちだした。 「キャッ! なに? スゴロクのマスが生きてる?」 「ええ、生きてますとも。なにしろ、私がここにいるのですから」 「あなたは!!」 「ええ、私こそは、回る回る、クルクルまわーるルーレットでお馴染みの、ルーレット伯爵でございます」 突然、ウサピョンの近くのマスから現れた怪しい男が、回転しながら自己紹介をする。 そして、その挨拶が済んだ時には、ウサピョンは彼の腕の中に囚われていた。 「ちょっと! 何をするの? 離して!」 「そうよ、ウサピョンを離しなさいっ!」 「おやおや、もうお芝居はやめにしませんか? プリキュアを連れてきてくださった功績、トイマジン様もお喜びでございますのに」 「なんのこと? あたしは知らないわ!」 「そいつがプリキュアのこと知ってるちゅうことは、ウサピョンはん、わいらを騙したんか?」 「ちがうわ! あたしはただトイマジンの野望を止めたくて。お願い、信じて!」 「大丈夫! 信じるよ、ウサピョン」 「せつな、ブッキー、どう思う?」 「わたしも、……信じたい」 「結託していたなら、拘束したりしないはずよ」 「信じあう、人間とおもちゃの絆ですか。実に――不快ですねえ」 ドン! ドン! ドン! 伯爵の口上を遮るように、立て続けに銃声が鳴り響く。 「いかに伯爵と言えど、我らは国王様の命により客人を護衛しておるのだ。勝手な狼藉は許さぬ!」 「なるほど、先に邪魔者の排除を致しますか」 伯爵の胸部にあるルーレットが回る。止まった数字は2だ。ニマス目が光り輝き、中から二体の人形が現れる。 西洋の鎧を身に纏った、人間よりも一回り大きい石像。それらが、見た目からは想像も出来ない俊敏性でおもちゃの兵隊に襲いかかる。 おもちゃの兵隊は、横一列に並んで、一斉射撃で迎え撃つ。 おもちゃの兵隊の、標準装備の小銃。フリントロック方式特有の、短い間隔での集団射撃が火を噴く。 大隊を八つの小隊に分けて、横一列の銃弾を、四段階の高さで発砲する空間制圧攻撃。 しかし――当たらない。 弾丸は空しく残像を通過するばかりだった。 凄まじい機動力を持つ二体は、次の射撃の時間を与えず、おもちゃの兵隊たちの背後に回りこんでいた。 「バカな! 国の護りを預かる我らが、こうもたやすく敗北するなど……」 「我が名はルーク。貴様らの動きは遅すぎる」 「某の名はビショップ。直線の攻撃には捕まりません」 彼らの口上が終わった瞬間、おもちゃの兵隊が残らず崩れ落ちる。 おもちゃの国が誇る最強の軍隊の、それが最期であった。 「なんて……ことを!」 「貴女の相手は、私たち全員でしてあげます」 「なっ!」 「せつなっ!」 「せつな!」 「せつなちゃん!」 いつの間にか背後に立っていた、クイーン。女性型の石人形がせつなをマスに引きずり込む。 「おやおや、他人に気を取られて足元をおろそかにするとは、ラビリンス元幹部の名が泣きますな」 「一体、どこまで知っとるんや!?」 「そんなことより、せつなをどうしたの?」 「他人のことより、自分の心配をなさってはいかがです? 回る回る、クルクルまわーるルーレット、スタート!」 「きゃっ!」 「ちょっと!」 「ラブちゃん! 美希ちゃん!」 せつなに続き、ラブ、美希、祈里がマスの中に引きずり込まれる。 後には、タルトとシフォン。そして、伯爵の腕の中のウサピョンが残された。 「ルーレット伯爵! みんなをどこへやったの!」 「シフォン、大丈夫や、わいが付いとるさかいな」 「キュア~」 「あなた方に用はありません。下手に手を出すと、かえって危ないと聞きますしね。そこで寝ていてください」 ボンッと、音がしたかと思うと、マスから煙が立ち込めて、タルトとシフォンは眠りに付いた。 「さて、ウサピョン殿は一緒に来ていただきますよ。トイマジン様がお待ちですから」 伯爵のルーレットの針がゴールを指す。遠くのマスが光を放ち、二体は吸い込まれるようにゴールへと飛んだ。 (あたし……どうしたんだっけ?) ラブが目覚めたのは、体育館を思わせるほどに大きな中国武術の道場だった。 古代建築様式で造られ、太く丸い支柱は、重厚な屋根(斗拱)と、反り上がった軒(飛檐)の重量にも耐える。 内装は赤色で統一されており、それらを繋ぐ金具は、高価な金箔が施されていた。 窓は、意匠の施された金属の枠で覆われている。 どれも――全て、本物であった。 (ここだけ、おもちゃじゃないんだ?) 床は石畳でできていた。室内なのに、どうして石が敷き詰められているのか? 疑問には思うものの、日本で育ったラブには見当も付かなかった。 続いて、体の確認をする。痛い場所はない。手も足もちゃんと動く。どこにも異常はない。おかしなところは―― 「って、あたし、なんでこんなの着てるのぉ~!?」 例えるならば、薄手の柔道着。腰の帯は黒く、学校の授業で着た物よりも軽い気がした。 本人には知る術もないが、これは、より軽やかに動くことを前提に作られた、空手着と呼ばれるものだった。 「黒帯で……いいんだ……」 柱の影から、一人、もとい、一体の人形が姿を現す。 つま先立ちで、重心を体幹の中心に残したまま、すり足で移動する特殊な歩き方。 黄色に黒のラインの胴着。映画なんかでよく見るカンフーシューズ。そして、二本の棒を鎖で繋いだ有名な武器“ヌンチャク”。 「あたしだけ素手なんてずるい! とか言ってる場合じゃないよね」 「ホワァ~」 「えっと、暴力反対! 話せばわかる……なんて、ダメ?」 「ホワッタァー!」 「きゃあ!」 問答無用と、ヌンチャクが風を切って襲いかかる。威嚇目的のためか、踏み込みが浅く命中はしない。 しかし、下がることしか出来ないラブは、あっという間に壁際まで追い詰められてしまう。 「あなたも捨てられたおもちゃなの? できれば壊したくないの、話を聞いて」 「ホワァー」 「無駄だよ、そいつはお前を倒すことしか考えてない。僕の所に来たかったら、勝ってみせるんだね」 「どこっ!? どこにいるの? あなたがトイマジンね?」 「その空間は、おもちゃが最大限に力を発揮できる場所なんだ。バラバラでは力を出せないお前たちに、どこまで戦えるかな?」 「勝てば、話を聞いてくれるんだね? だったら!」 「勝てないよ。男の子なら、誰でも最強を夢に見る。そして、必ず忘れ去られるんだ、おもちゃと一緒にね。その無念が、集まって生まれたのが彼さ」 ラブは懐からリンクルンを取り出す。これは、持ち主に悪意を持つ者には決して触れることのできないもの。 空間が捻じ曲げられ、世界が書き換えられようとも、必ずそこにあるもの。 “チェインジ・プリキュア・ビートアップ” (アタシ、確かマスに吸い込まれて、気が遠くなって、その後……) 暗い夜空に、満天の星々が輝く。地面は灰色。ゴツゴツした、水分の欠片も感じられない乾いた岩肌。 そして、大小さまざまな窪み“クレーター”。 服はいつの間に着替えさせられたのか、昭和のアニメの雰囲気漂う、レトロなスペーススーツ。 美希は、大きく一つため息を付く。 「息はできるみたいね。でも、この格好はひどいんじゃない?」 スゥーっと、音もなく巨大な飛行物体が岩の陰から垂直に飛び上がる。 円盤状の乗り物。誰もが一度ならず見たことのある、それでいて、現代ではまず売られてはいないおもちゃ。 UFO――未確認飛行物体の模型であった。 「テレビゲームの黎明期に造られ、一世を風靡しながらも、次々と処分されたゲームとそのおもちゃたち。積み重なった怨念を思い知るがいい」 「なるほど、あなたがトイマジンね。アタシにこんな恥ずかしい衣装着せたんだから、モデル料は高くつくわよ!」 UFOの機体から眩い閃光が走る。レーザー光線? 考える暇もなく足元の岩が弾け飛び、破片が容赦なく襲いかかる。 横に飛んでかわしながら、美希はリンクルンを取り出した。 “チェインジ・プリキュア・ビートアップ” (うぅ~、なんか、体が重たい……) 高い湿気を含んだ空気が、祈里の肌にまとわり付く。ムワッとする濃厚な植物の匂いと、サウナのような暑さに息が詰まる。 見慣れない樹木や草。森というよりも、密林と呼ぶべき光景が広がる。 「これは常緑樹ね。蔓性の植物なんかが、絡み合うように密生した森林。熱帯降雨林ともいうのよ」 (って、誰も突っ込んでくれないと悲しい……) せめてタルトちゃんでもいれば、「暢気にうんちく傾けてる場合とちゃうがな!」なんてフォローしてくれるのにと思う。 そして、視線を自分に移す。 両手には、反りのない大きな剣。体は皮の鎧を着込んでいて、頭には、やっぱり頑丈そうな被り物、というか、兜……。 「ばすたーどそーど、とかいうのかな? 目立つ格好はプリキュアだけで十分なのに……」 (こんなの、重たいだけよね) 祈里は、躊躇わずに直刀を投げ捨てる。この先どんな危険が待ち構えてるにしても、刃物で何かを斬るつもりなんてなかった。 重たくて動きを妨げそうな兜を外した時、地震のような揺れに襲われる。 自分の周囲だけ、急に日が陰る。突然、祈里の前に現れた巨大な壁。それは、白亜紀に栄えて、史上最強の肉食恐竜と呼ばれた―― 「北アメリカ大陸に生息した最大の獣脚類、ティラノサウルス。学名――って、きゃああ!!」 よく見れば、おもちゃの恐竜だった。しかし、十メートルを超える巨体は、本物としか思えない程の迫力がある。それが敵意を持って襲いかかってくるのだ。 素材が樹脂であっても、目の前にいる存在は実際に数トンの重量を持つ。その恐るべき牙は、生身の人間など一瞬にして噛み砕くだろう。 背を向けて一目散に逃げ出す祈里に、どこからともなく声がかけられる。 「恐竜のおもちゃはね、力に憧れて最初はチヤホヤするくせに、必ず最後は悪役にして使い捨てられるんだ。お前も、乱暴に扱われる気持ちを味わうがいい」 恐竜は、わき目も振らずに祈里を追いかける。しかし、密林に覆われたジャングルは、巨大な恐竜には狭すぎた。 自らが倒した木々に体を傷付けられ、恐竜は苦しそうにうめく。 その声を聞いて、祈里は足を止めて振り返る。その表情には恐れもなく、脅えなく、ただ慈しみだけがあった。 「その恐竜さんを、焚き付けているのよね、トイマジン! 乱暴なのはあなたも一緒よ。待っててね、すぐに楽にしてあげるから」 祈里はリンクルンを掲げて叫ぶ。その身体が、眩い光に包まれた。 “チェインジ・プリキュア・ビートアップ” (――ッ、ここは? おもちゃの国とは雰囲気が違う。異空間に飛ばされた!?) 落下というより、地表に叩き付けられたようだった。せつなは地面の上で受身を取って衝撃を殺す。 そこは、西洋風のお城の庭らしい。床は縦横にマス目で正方形で仕切られており、ゲームの盤となっている。 前方にいくつかの気配を感じる。いつの間に戻ったのか、石柱の中央にクイーンが、その左右をナイトとビショップが固める。 やがて残りの石像も、変化して石の人形となる。数は六種類、全部で十六体。先ほどのナイトとビショップも、対になる片割れでしかない。 コンディションを確認する。身体に異常はなし。装備は、白のブラウス、赤いベストとリボン、紺のスカート、カジノのディーラーのコスチューム。 一番大切なものを腰に感じ、問題なしと判断する。 「これも、城というわけなの? ずいぶんとたくさんあるのね」 「当然だ。ワシもまた王であり、王が構えるのは城と相場が決まっておる」 クイーンの横に位置する巨漢の駒が、せつなの問いに腕を組んで答える。もう、せつなにも、このおもちゃの正体がわかっていた。 “チェス”イギリスで発祥し、西洋を中心に普及した戦争ゲーム。サウラーが好んでいたため、イースとして何度か相手をしたことがあった。 日本の将棋に似ているが、より駒に依存するゲームである。ハンデとしても駒落ちが認められないほどに、数が重要な意味を持っていた。 「フフッ。十六対一でいきがる、六十四マスの王様ってわけね。滑稽ね」 「だからこそ、逃げ場は無いと思え、小娘。たった一体で戦いに臨んだ時点で、戦略的敗北は決しておるわ」 「それはどうかしら? イレギュラーな駒を受け入れた時点で、そちらに戦術的勝利はなくなったわ」 「ボクのセリフを全部取るな、チェスのキング。こいつらは戦いを知り尽くしたプロで、ボクの最強の駒だ。お前に勝ち目なんてあると思うな」 「あなたがトイマジンね。自分のやっていることが、自分が憎んでいる子供たちと一緒だとなぜわからないの?」 「黙れ! おもちゃを愛したことの無いお前に、ボクの気持ちなんてわかるものか!」 「――わからないわ。あなたに、私の気持ちがわからないようにね!」 相手のポーンが前に進み出る。それは、ゲーム開始の合図だ。 せつなはリンクルンを掲げ、高らかに変身のキーワードを唱える。 “チェインジ・プリキュア・ビートアップ” 異なる四つの空間に、四柱の伝説の戦士が降臨する。 おもちゃの国の、最初の戦いの舞台が、ここに華々しく幕を開いた。 第3話 幸せの赤い翼――おもちゃの国は秘密がいっぱい!?(それぞれの戦い~前編)――へ続く
https://w.atwiki.jp/climaxloststars/pages/781.html
なかたじょうじ 職業 声優 生年月日 1954年 4月 22日 タイトル 仮面ライダー鎧武 役名 ロシュオ タイトル 超新星フラッシュマン 役名 サー・カウラー タイトル 光戦隊マスクマン 役名 グロンドグラー タイトル 海賊戦隊ゴーカイジャー 役名 ザイエン タイトル 動物戦隊ジュウオウジャー 役名 アザルド タイトル 機動戦士Vガンダム 役名 ゴッドワルド・ハイン/アビゴル タイトル NARUTO 役名 バキ タイトル 呪術廻戦 役名 禪院直毘人 タイトル ゴールデンカムイ 役名 土方歳三 タイトル ケロロ軍曹 役名 ギロロ伍長 タイトル ソニックロストワールド 役名 ザボック タイトル Fate/stay night 役名 言峰綺礼/グレゴリー・ラスプーチン タイトル Fate/Grand Order 役名 山の翁 タイトル Overwatch 役名 ドゥームフィスト
https://w.atwiki.jp/sikaku/pages/42.html
学者風 × 風行さんの音楽 ○ 明らかな劣化コピー ☆ センス(ポータブル) × ポータブル ○ ヘッドフォンごと × 兄貴の楽器 シェフ(調べる) × 料理長 ○ 地位なんて ○ 何もせずに ☆ センス(本) シェフ(会話) × 五カ国 ○ 知識だけ おばさん ○ 花瓶とか ☆ センス(陶器) ○ 高級そうな指輪 弟 ○ なんとなく ○ うちの家系 ☆ センス(スケッチブック) × どちらか シェフの会話が出てきません? -- あか (2008-12-22 01 46 46) シェフバグニついて -- 邂逅の庭園 (2010-12-23 13 55 25) 一回ゲームオーバーになるとそのような事になるようです(未確認 -- 邂逅の庭園 (2010-12-23 13 58 22) 上の間違えていました。欄の会話は「□調査」でできました。 -- 邂逅の庭園 (2010-12-23 15 10 05) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/30mmnumbers/pages/72.html
幻獣計画。 それは連合のとある一派がかつて研究していた生物兵器群の総称である。 これはNUMBERSベース“イマジナリ・ロスト”内で発見された一種【サンダーバード】のデータから判明した事実だ。 この一派は、遥か太古より語り継がれる異能や神霊を、この科学極まる今世に蘇らせようと考え、そして研究をしていたらしい。 神獣や幻獣などと呼ばれる伝説の生き物たちを、その異能ごと科学的に再現するための研究だ。 サンダーバードの他にも研究データがあったが、その膨大さに対して成功例は指で数えられるほどであり、番ちゃんことサンダーバードはその数少ない成功例のうち、現にこうして生き延びている最も稀有な成果の一つと言える。 番ちゃんを頭に乗せたままで、アリスはそんな研究データを読み漁っていた。 「ーーーー役に立つようで立たねぇな」 しかし、結局は失敗作。 アリスが求めるようなー例えばCOLORSや番ちゃんのようなー完全なる異能は、後天的に付けられるものではない。 少なくとも簡単には無理だ。 後天的につけられた生体改造では、まだ足りなかった。 故に、番ちゃんの成功例から何かヒントを得られないかと考えたアリスは、ベースに引きこもっていたのだ。 「わかっちゃいたが、オメェらは人とは違う。ままならねぇな」 番ちゃんを人差し指でつつくと、甘噛みされる。 ピヨピヨと鳴く群体は、脅威になど見えない。 しかし、こんななりでも有事には黒天魔《サンダーバード・オリジン》などという規格外を乗り回すのだ。 しかも、ベースでコイツらが開発した機体というのだから恐れ入る。 知能、心、生物としての機能に異能。 幻獣計画の成功例は伊達ではない。 「ピッピ?(どうしてそんなに強くなりたい?)」 こうしてテレパスで語りかけてくることすらある。 喋らないのではなく、多くを語らないだけ。 この群体は、こういう時だけこうして語りかけてくる。 多分、精神の高ぶりを感じ取っているのだろう。 「私はな、少しでもこの世が平和になればいいと思ってんだよ。そのためには抑止力が必要なんだ」 番ちゃんは小首を傾げた。 「ピィー(エースはもう十分に強い。それでは不足?)」 番ちゃんは不思議そうに訪ねた。 それはそうだろう。 今のアリスはおそらくNUMBERSの中でも上から数えた方が早いくらいに強い。実際に確かめた事などあるはずもないし、それが事実かどうかはさておいて、それくらいの自信はある。 それでも、足りないのだ。 かつて見たアナザーゲートドラゴンや、COLORSたち、それに朱天。 アリスが負けるような相手がごまんといる。 「抑止力には足らねぇよ。誰も辿り着けないくらいの高みが欲しいのさ」 惰性でテキストをスクロールしていく。 野槌、サキュバス、クラーケン、ナイトメアにネメアの獅子、スキュラ。 他にも様々な種類が生み出され、消えていったようだ。 結果はほとんど全てが失敗作や行方不明。 幻獣には生殖機能がないため、次代は原則として発生しない。 コンセプトと元になった生物、改変の内容。 そのどれもが悍ましいと評されるものだろう。 他にも西洋から東洋まで多種多様な研究がなされてきた。 その中で、ふと目が止まる項目がある。 「九尾之妖狐、か」 コンセプトは、分体と神通力。 実体をもつ影と、テレキネシスあたりだろうか。 それに加えて、胡散臭いオカルトや魔術思想もごった煮されているようだった。 「こんなんじゃ、成功する訳ーーー」 その項目を追っていて、目を疑った。 「ーーーー成功例は生存状態で逃走中、だと?」 生きている。 しかも逃走中で自由の身。 食い入るようにそのデータを読む。 「本来は瑞獣であるとされるが、本研究ではこれを災害級の破壊力を有するものとして定義する」 そんな一文が添えられたデータには、九尾之妖狐が異能力者や他の幻獣の遺伝子情報を基礎に、組み換えで生み出されたとある。 素体はヒト型で、獣耳や体毛、特徴的な尻尾が与えられている他、培養液産ならではで、端からインプラントやナノマシン移植などが計画されていた。 極めつけは眉唾モノ、降霊術とある。 とある時期以降の研究に取り入れられていたモノらしく、異能をもつ魂を器に入れれば異能を再現できるという考えらしい。 しかし、九尾以前は全て失敗。 普通なら計画を見直すのだろうが、この研究者はそうしなかった。 そして、九尾之妖狐を生み出した。 研究データには結論の空白があり、特記事項として担当研究者死亡に伴う計画凍結とある。 「……怪しさしかねぇな、こりゃ」 だが、アリスの直感は正しい。 それを肯定するように、番ちゃんがそのデータの画像をみて、つぶやく。 「ピィ……(彼女は強いよ)」 番ちゃんはコンソールをコツコツとつついた。 「なんだ、知ってるのか?」 ビリビリと、番ちゃんから発せられる電流。 「ピッピー(仲間を連れていくと良い)」 アリスの質問に答えるように、ヒヨコから伸びた電子の手がコンソールの表示を書き換える。 「これは……ーーーー」 コンソールに表示されたのは2枚の画像。 そして、座標を表す数字の羅列。 「なるほどな。コレが九尾の機体ってことか」 画像は朱天・絶火と呼ばれるマクシオンの機体。 そしてもう一枚は、見たことのない、白い機体。 その背後には8本の尾にも見えるユニットが並ぶ。 その手には、漆黒の大太刀。 身の丈を超えるほどの大業物。 八尾一刀。 それがこの九尾之妖狐が従える機体なのだろう。 「……狐狩り、か」 アリスは呟くと、テキストを打つ。 照らされるコンソールに表示されるそれは手配書だった。 絶海の孤島、そこに標的は潜んでいる。 餌は報酬。 ジャンク屋の魔石の一部のデータや武装の現物。 新たな強敵の出現に、その口元はつり上がっていた。 ーーーーー前日譚 邂逅と啓蒙、そして逃れ得ぬ焦燥 完 30MM Nine-tail Fantasm #30MMNF ジャンク屋グリムシェイドから手配書が発行された。 内容は指定地点での敵対勢力機体の鹵獲とあり、座標は絶海の孤島Nとなっている。 指定時刻に指定ゲートから直接孤島Nにおもむく計画らしい。 ーーーーーーーーー プロローグ【幻獣計画】 幻獣計画の成功例。 連合の一部末端が推し進めたオカルト科学、その成果。 それが今回のターゲットらしい。 NUMBERSのエース、つまりアリスが今回の発起人。 NUMBERSでありアリスに想いを寄せる僕ーエミリオ・ゴールドスミスが、それについていかない訳がない。 指令書を見て集まった機体の中に、愛機で混ざる。 周りを見れば、見知った者たちもちらほらいるようだ。 『あー、あー、聞こえてるか?……ん、大丈夫そうだな』 そうしているうちに、聞き覚えのある声が響く。 『今回のターゲットは幻獣計画の検体、九尾之妖狐だ。専用機体に搭乗しているこれを、機体ごと鹵獲するのが目的だぜ』 アリスはクエスト限定チャンネルで情報を開示した。 九尾之妖狐、その搭乗機は【妃夜九天(びゃくてん)】というらしい。量産型朱天の設計データを一部流用したその機体は、マクシオンと連合の技術が融合したハイエンドモデルの大型機体だ。 『ターゲットは単機でも凄まじい出力と速度を有する。鹵獲するには質と量の両方が必要だ。しっかり頼むぜ?』 アリスの声色はいつもどおりの獰猛さをはらんでいた。 『さぁて、狐狩りと洒落込もうか』 アリスは宣言する。 同時に、用意されていたゲート発生機が唸り、空間が結ばれた。 次々とゲートをくぐっていく友軍に、僕も続く。 アリスの声色に、同じくいつもどおりのわずかな不安を抱きながら。 ーーーーーーーーー フェイズ1【自浄幻惑】開幕 ゲートを抜けた先は、事前データ通りの絶海の孤島だった。 大きな島には山と森、そして拡がる濃霧。 アリスの駆る煉獄月蝕石を先頭とした集団を阻むように、視界を奪う霧が立ち込めている。 そして。 『さて、目的地に到着だ。さっそく熱烈な歓迎かありそうだな?』 アリスの言うとおり、目の前にボヤリと揺れるように現れる影たち。 その姿は徐々にはっきりと視認できるようになり、その全貌は友軍を混乱させるには十分な衝撃を伴っていた。 『ほほぅ?データコピーにしちゃ、スゲェ再現度だな?』 アリスの言葉通り、目の前にはこちらに並ぶ機体と同じ数、同じ姿の機体が対峙していた。 『ーーーーーー………』 物言わぬコピー機たち。 しかし、その言外の圧力は凄まじい。 様子見する両軍の沈黙は、しかしわずかも続かない。 『立ちふさがるなら押し通るまで……!』 煉獄月蝕石が躍り出て、ダブルライフルを容赦無く撃ち始めたからだ。 軽快なリズムで吐き出される実弾とレーザーの弾幕。 それは敵側の煉獄月蝕石に揺らめくように軽く躱され、それが開戦の合図となった。 「僕も、僕の役目を果たさなきゃ……!」 僕は愛機を駆り、自身のコピー機を叩きに跳んだ。 ーーーーーーーーー No.77「なんだこの感触、まるで【手応えがない】?」 「攻撃は当たらない、散発的な銃撃、これは一体ーーー」 【揺らめく】ようなコピー機たち。 霧がセンサーを阻害しているらしく、ロックオンが定まらない。 「これ、まるで【幻影】みたいなーーー、くっ、意外に攻撃が鋭い……!」 ーーーーーーーーー No.1「霧がなんだ!反撃がなんだ!そんなものはまやかしだ!」 そう叫ぶと、アリスが煉獄月蝕石に電磁パルスフィールドを纏わせる。 「これは真似できるか?」 そのまま自機の幻影に突っ込み、霧散させたかと思えば、そのまま高速で木々の間を駆け抜ける。 「ーーーー見つけたぜ?」 バチバチと弾ける音とともに、煉獄月蝕石が何かを弾き飛ばす。 その無防備な背中に、どこからともなく射撃が浴びせられ、僕は思わずカバーに入った。 ガガガッ! 装甲板が削れる。 その発信源に向けて、僕はビームライフルを放った。 ーーーーーーーーー フェイズ2【火虎跋扈】 No.77「やった……の、かな?」 ビームライフルが撃ち抜いた幻の月蝕魔晶石。 その隣でも幻の煉獄月蝕石が切り裂かれて霧散していく。 No.1「油断すんな、エミリオ。本命が来るぞ?」 幻影たちが消えていく。 それは決して勝利ではない。 手応えのない煙には、そもそも正体などない。 幻は幻にすぎず、アリスやエミリオ、他の友軍が致命打を与えた幻影が霧散して、代わりに姿を現した者たちがいたからだ。 黄色い機体色に、黒の縞模様をペイントしたその姿。 火山惑星にて確認されていた原生生物と思しきその猛獣。 ポルタイガー。 ざっと見えるだけでもこちらより数が多い。 多種多様な兵装を見るに、幻影に合わせてこちらに攻撃を加えてきていたのは、ポルタイガーたちだろう。 そして、彼らが立ちふさがる先。 岩石の玉座に座す【妃夜九天】がみえる。 「我が名はヨルネア、誇り高きポルタイガー、紅牙族の筆頭」 だが、ターゲットに話しかける前に、白い虎が前に出てきた。 「お前たちは何者か。なにゆえここに来た。なにゆえ我ら紅牙とそのホムラカミ、陽炎(かげろう)様に害をなす。ここで退かぬなら、我らがお前たちを討ち滅ぼす。我は返答を要求する」 一方的な質問と撤退要求。 それぞれの得物を構えるポルタイガーたちを前に、アリスは。 「ハッハー!聞きたきゃ力強くで聞いてみな!」 交渉決裂どころか、端からその気などない。 すぐさまポルタイガーたちとの戦端がひらかれるーーー ーーーーーーーーー No.1「ハッハー!獣狩りだ!」 No.77「前に出すぎると孤立するよ……!」 No.1「煩ぇぞ、エミリオ!テメェに心配されるほど鈍っちゃいねぇっつーの!」 No.77「……!あれは、一番圧の強い子!?」 No.1「上等!突っ込むぜ!」 No.77「あぁもう!僕も追随する!」 No.1「邪魔はすんなよ?」 魔石と魔犬が虎に飛びかかる。 サ「速い!でも、負けない……!」 サマニャは強敵にも怯まず、回避に専念、反撃の隙を窺う。 1「ハッハー!小賢しいが、その技量は中々のもんだな!褒めてやる!」 77「褒めるか貶すかどっちなんだい?!」 サ「うっさい!速すぎるんだよ!飛ぶな、この卑怯者!」 ーーーーーーーーー 一方、強個体を除くポルタイガーたちは、数で勝り、武装面で劣っていた。 ただのポルタと侮るべからず。 フレームこそ化石レベルだが、異能とともにあったポルタイガーは、すでにアーティファクトとよべる代物だ。 徒手空拳から鹵獲した銃火器、支援兵装を使いこなすものまで、多種多様な者たちが揃っている。 しかも、その使い手はエース級とは言わないまでも、けっこうな手練揃い。 それが束になってかかってくるのだ。 苦戦の予感がしていた。 ーーーーーーーーー フェイズ3【白虎演舞】 ポルタイガーたちが一体、また一体と倒れる。 やはりただのポルタではなかったらしく、味方も無傷とは言えない。 それどころか、それなりにダメージを蓄積したらしい。 しかし戦力はまだまだ優勢。 加えて、敵の数が減った事で、九尾を守るように仁王立ちする白いポルタイガーに近づく事が可能となった。 「味方が倒れてくのに傍観か、筆頭さんよォ?」 必然、アリスはいの一番に前に出る。 アリスに追随する僕もその横に並ぶ。 「我ら紅牙を打ち負かすか。我はお前たちについて、認識を改めねばならないようだな」 そう言って、白いポルタイガーが構える。 「そうこなくっちゃ、面白くねぇよなァ!」 瞬間、ナックルと魔剣が交錯する。 エミリオは一瞬遅れ、銃を構えて静観するしかできなかった。 一方、魔剣で砕けない拳に、アリスは満足げに歯を剥いた。 「やるじゃねぇか、白虎ァ!」 すぐさま振り向いたアリスに対して、ポルタイガー筆頭ヨルネアは、独特の構えを解かずに舞踊を繰り出す。 「ーーーーーーー紅牙流《八掛鳳火》」 サーバルポルタイガーが、“四方八方へと爆散した”。 白い焔の塊の分身が、実体を伴って、襲いかかる。 エミリオの迎撃で貫けない。 それが継戦の先駆けとなる。 鋼を打ち合う神楽舞が、再開されたのだ。 ーーーーーーーーー フェイズ2【火虎跋扈】サブクエストフラグ回収 ポルタイガー筆頭の一番弟子【サマニャ】を撃破した。 これにより、筆頭【ヨルネア】の警戒度があがり、鎮座する【陽炎】が、襲撃者の強さに興味を抱いた。 より大きな強さを示すことで、さらなる変化があるかもしれない。 エンディング変化 A→B ーーーーーーーーー フェイズ3【白虎演舞】ターゲットリプ 白炎の剣歯虎が舞い踊る。 オリジナルはNo.1とNo.77が抑えている。 白虎の分身たちを鎮圧せよ ーーーーーーーーー フェイズ3【白虎演舞】サブクエスト ポルタイガー筆頭【ヨルネア】ターゲットリプ 「どうした、その程度か?」 白い躯体がしなやかに回避を繰り返す。 アリスとエミリオの攻勢でも足りない強敵は、被弾を最小限に立ち回る。 「我を越えなければ、陽炎様にはたどり着けんぞ?」 ーーーーーーーーー No.1「ちょこまかとウザってぇな!」 No.77「見切られてるよ、ミス・ピルグリム。連携して狙おう」 攻撃を巧みにかわし、被弾をほとんどせず、確実な隙だけを狙ってくるヨルネアは、間違いなく歴戦の戦士だ。 遠距離攻撃が少ないことだけは幸運だった。 ヨルネア「我が舞踊、よく見ておくがいい」 魔犬の細かな射撃、魔神の手数に任せた火力は、決して連携が無いわけでも、雑な射撃というわけでもない。 むしろその逆だ。 故に、単純に筆頭を名乗る白虎の技巧がずば抜けているのだ。 アリスとエミリオから逃れているのが異常。 そんな獣たちの演舞は果てしなく続くーーーー ーーーーーーーーー フェイズ3【白虎演舞】サブクエストフラグ回収 ポルタイガー筆頭【ヨルネア】を撃破した。 これにより、鎮座する【陽炎】が、襲撃者の強さにさらに興味を抱いた。 エンディング変化 B→C ーーーーーーーーー フェイズ4【災禍之火】 激闘の果てに、白虎が膝をつく。 本体のダメージか。 それとも分体を使用し続けた消耗ゆえか。 いずれにせよ、ポルタイガー筆頭【ヨルネア】は無力化された。 ついに【九尾之妖狐】への道が開かれたのだ。 そして、それは同時に、眠れる獅子を起こす行いでもあった。 「善き神楽舞じゃった、ヨルネア。そして襲撃者たちよ」 鎮座していた【妃夜九天(びゃくてん)】が立ち上がる。 そして、ふわりと宙を踏みつけて、アリスと僕、その後ろに続く襲撃者を睥睨した。 「妾の名は天廻綾津日神。汝らの求めし幻獣計画、その一体【九尾之妖狐】にして、異界の災神を降ろせし獣なり」 威圧感があるのに、澄んだ清水のような鈴の音が響く。 まさしく神々しいまでのその圧に、僕は思わず後ずさる。 そんな一瞬の先を越して、アリスが笑った。 「神様を自称するか。面白ぇじゃねぇか」 その表情は、見なくてもわかった。 ギラつくような三日月が頭に浮かぶ。 「神殺しは人の極みの所業だ、遠慮なく私の糧になれよ」 人の極み、それは英雄的でありーーー極めて獣じみている。 「呵呵!神殺し!妾を屠ると?」 災禍が火のごとく赤い舌をちらつかせる。 「確かに神殺しは人の極みじゃろう!じゃが、汝に為せると思うてか?」 徒手空拳の妃夜九天の手に、燃え上がるように刀が顕現する。 「その刃届くと言うのなら、汝の武、示してみせよ……!」 「さぁ踊れ!妾を愉しませよ!」 陽炎が刀を振りかざす。 途端に大量の分体が燃え盛るように出現する。 本人だけでも手が負えないのは目に見えているのに、さらに分体が現れて、状況は絶望的にみえる。 だが、彼女は諦めてなどいない。 「ーーー笑わせんな」 ーーーーーーーーーー フェイズ4【災禍之火】ターゲットリプ 災禍の神、幻獣計画の成功例、九尾之妖狐。 ポルタイガーたちに祀られた神が目覚めた。 幻獣を鎮めよ。 ーーーーーーーーー 戦況はなだれ込むように乱戦へ。 全身燃え盛る焔のように高速て動き回り、飛び回る妖狐の分体たち。 それに食らいつく友軍機たち。 それを横目に、僕はアリスと並んでオリジナルの妃夜九天と対峙する 「力をみせてみよ」 僕は震え上がる身体を理性で押さえつけ……られなかった。 最も原始的な死の恐怖が、身体を、心を、深く絡め取る。 僕の大半を占めるアリスへの恋慕さえ縮み上がる。 今までの死地が、まるでお遊びに思える重圧だった だけど、アリスは違った。 「ったりめぇだ、クソ狐が!」 生き生きとした声で、顔で、動きで。 まるで戦いこそが一番の生であるかのように、跳んだ。 人機一体。 それは人の極み。 魔剣と黒刀が幾重にも衝撃波を撒き散らす。 「ハッハー!いいねェ、滾るじゃねぇか!」 その光景を前にして、僕は。 エミリオ・ゴールドスミスは、完全に停止した。 ーーーーーーーーー 動け。 動け。 動け、 ………駄目だ。 死にたくない。 死にたくない。 死にたくない。 ーーーーだけど。 ーーーーーーここで諦めれば、僕は。 ーーーーーーーーー僕は永遠に。 永遠に、彼女の隣に、並ぶ資格を失う。 「ウアアァァァァァアア!!」 気が付けば、僕は跳んでいた。 戦線に飛び込んだ僕に対して、アリスが叫ぶ。 「邪魔だ、エミリオ!すっこんでろ!」 陽炎の攻撃をいなし、カウンターを放ちながらも僕に意識を向けた。 「嫌だ!僕は、僕はぁ!」 僕は今、彼女の邪魔をしている。 それを理解しながらも、僕は引かない。 ビームライフルを連射しながら接近し、陽炎に斬りかかる。 「クソがっ!足手まといはいらねぇんだよ!」 アリスが僕の隙を潰すように連撃を続ける。 その連撃は、今までのどんな攻撃よりも激しく、速く、精度が高い。 そしてそれを、陽炎は受けた。 ーーーーーーーーー エピローグ【煉獄火炎】 ついに、妃夜九天の装甲を貫いた。 魔剣の切っ先は、機体の左肩口から刀身を埋めている。 「…………見事」 妃夜九天が燃え上がり、塵に消えたかと思いきや、少し離れた中空に“無傷”で再度現れる。だが、そこに威圧はなかった。 「神殺しにはまだ足りぬが、善きものを見せてもらった」 そんな陽炎の言葉に、アリスは舌打ちを返す。 終幕を迎えた事で、アリスはコックピットを開く。 そして、妃夜九天を睨みつける。 「……結局、足りてねぇってことかよ」 「汝の牙は、妾には届いておったさ。妾が単に死ににくいというだけじゃ、この異能も含めて、の」 アリスへの返礼なのか、妃夜九天のコックピットが開く。 その中には、紅眼黒髪の獣人が、ギラつく笑みを見せていた。 唐突に、焔が島を包む。 熱を感じない、見せかけの焔が、ポルタイガーたちを燃やしていく。 虚空に消えるように、ポルタイガーも、紅牙族たちも、全て。 「妾のポルタイガーたちは回収させてもらうぞ」 単に燃えたわけではないらしく、燃え跡にはなにもない。 陽炎の異能の力が、印をもつ信奉者たちを支配領域に引き込んだのだが、アリスにはそれを知る由もない。 「汝の名前は何という?」 陽炎の紅い瞳が、アリスを真っ直に射抜く。 「ーーーー名前は失った」 負けじと睨み返す。 「それでは呼びにくかろう。仮でも、名を名乗るがよい」 「ーーー、ピルグリム、ヴェンデッタだ」 「巡礼と復讐か。名乗りというには些か可愛げがないのお」 「煩い。仮でも良いと言ったのはお前だろう」 「そう猛るな。妾の名は天廻綾津日神(あまねあやつひのかみ)、通り名を陽炎という。神楽舞の返礼として、異能を望むこと、質問をすることを赦すぞ」 アリスは今一度、陽炎を睨む。 「ーーーなら、まずは質問を」 「申してみよ」 「お前に全ての争いは消せるか?」 「呵呵!災禍の神格にソレを問うか!」 「どうなんだ?」 「汝らの認識する世界において、であれば可能じゃ」 それは、ある意味で絶望的な答えだった。 「方法は、全ての生命の根絶。それによってであれば、可能じゃろう」 アリスは表情を変えない。 しばしの沈黙ののちに、再び口を開く。 「ーーーもう一つ。抑圧された平和に、意味はあるか?」 「それは“妾に聞いておる”のか?」 「ーーーーーーーいや、今のは不要だったな。忘れろ」 アリスは一度目を伏せ、大きく息を吐いた。 「他に聞きたい事はあるか?」 雰囲気がいつものアリスへと戻っていく。 「……異能を殺すにはどうすればいい?」 「知らん。ただ、その異能に理があれば、その構造の脆弱性を突くしかあるまいよ」 異能の脆弱性、か。 この九尾之妖狐にも、脆弱性はあるのだろうか。 「これで汝の問答は終いじゃな」 陽炎はアリスとの謁見を締めると、後方にいた友軍機に声をかける。 「後ろに控える者らも、妾への謁見を望むなら拒まぬ」 そして、アリスに再び意識を向けると、破滅的な笑みを零す。 「さて。汝は異能を望むか?」 アリスの答えは、決まっていた。 「ーーーー世界を焼き尽くすほどの力を、私は渇望する」 陽炎は笑う。 「ーーーー己を失った者よ。汝の渇望はいずれ身を滅ぼすじゃろう。そうなる前に、“止まれる”と良いのぉ」 陽炎の手が、虚空を掻く。 同時、アリスの心臓が跳ねる。 焼け付くような、千切れるような痛みから、アリスはグッと呻いて胸を掻きむしる。 それは永劫にも似た一瞬。 「汝には焦天の刻印を与えよう。それは異能の種じゃ。どういう風に開花するか、どういう風に成長するか、それは汝の有り様次第。楽しみにしておくがよい」 ーーー いくらかの謁見の後、 妃夜九天は焔に消えかけていた。 「そこの。神楽舞の最後の覚悟は中々のものじゃった」 エミリオを指して、陽炎は片手に炎を灯す。 「コレはその褒賞じゃ」 その瞬間、エミリオの首すじに炎が爆ぜる。 「「痛……」」 アリスと声が重なる。 コックピットの映像には、アリスの首すじに赤く刻まれた炎の刻印が見えた。 状況からして、エミリオの首にも同じ印がなされたのだろう。 「それは縁じゃ。ソレを繋ぎたくば、一層の努力と運命に抗う力をつけよ。さもなくばーーー」 言いたいことだけを言い残し、妃夜九天とポルタイガーたちは消えてしまった。 あとにわだかまるのは、無事で良かったという安堵とある種の敗北感、無力感だけだ。 「…………まだ、足りねぇ」 そんなアリスの呟きに、僕は何も言うことができなかった。 #30MMNF 30MM Nine-Tail Fantasm 終幕 ーーーーーーーーー EDルートA【災禍の刻印】 アリスのくびすじに、陽炎の焔による刻印が残された。 これは戦火を呼び込む呪印である。 アリスは今後いっそうの戦火に飛び込むことになるだろう。 ーーーーーーーーー EDルートB【災禍双翼の刻印】 アリスとエミリオのくびすじに、陽炎の焔による刻印が残された。 これは戦火を呼び込む呪印であるとともに、互いに紐付けられた対の刻印である。 アリスとエミリオは今後いっそうの戦火に飛び込むことになるだろう。 ーーーーーーーーー EDルートC【陰陽心火の刻印】 アリスとエミリオのくびすじに、陽炎の焔による刻印が残された。 これはつがいの呪印である。 アリスとエミリオは互いの心が通じている時、普段より何倍もの力を発揮するように運命付けられる。 ーーーーーーーーー イベントクリア報酬 【木彫りの災禍神像】x 1 絶海の孤島Nのポルタイガー紅牙族集落にて作られたと思しき木彫り。 躍動感溢れる神様の手には、熱もなく燃え移りもしない火が燃え続けている。 異能の力が込められているとされ、しかるべき手段を用いれば、その力の主と交信できるらしい。 その性質から、ポルタイガー種であれば、直感的に使い方がわかるだろう。 もしくは、作ったと思われる紅牙族を探してみるのもいいかもしれない。 なお、直接触れていると不運になり、やがては気が触れると言われており、とある界隈では高価な取引をされているとか。 ーーーーーーーーー 【終幕】 幻獣“九尾之妖狐”は逃げおおせた。 作戦自体は失敗となったが、得るものが無かったわけではなかった。 参加者たちにはきっちりと報酬が支払われ、幻獣計画というものが、単なる噂話よりも現実よりに浮上した。 この一連の騒動は、こうして幕を下ろしたのだった。 #30MMNF
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4645.html
いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 蒼い空。雲ひとつ無い空。 清々しいまでに澄みきったその空で、箒に跨り黒の山高帽から金色の 長髪をたなびかせながら、魔法使い霧雨魔理沙は飛んでいた。 「いやぁ最近ずっと自分の部屋でキノコ弄ってたから久しぶりに霊夢 の所で酒盛りでもしたくなって飛び出して来ちゃったぜー。ちなみに アポイントメントはない」 まるで誰かに説明するような事を口走り、手に持った一升瓶をぶんぶ んと振り回しときたま近くを飛んでいる毛玉や妖精を殴って落としな がら魔理沙は空を征く。ちなみにキノコを弄るというのはいやらしい 意味合いは含まない。 「そんなこんなで神社に着いたんだぜ。うぉーい霊夢ー」 縁側で横になっている霊夢の後頭部に向かって手を振りながら、魔理 沙は地面に降り立った。 霊夢の後頭部は魔理沙の声に反応し、その場で縦に半回転、横に4/1 回転して、魔理沙の方に振り向いてずりずりと魔理沙の方へと這いよ ってきた。 手を上げた状態のまま魔理沙は凍りつく。 その間も霊夢の顔は魔理沙の膝元まで近付いてくる。 そして、とうとう縁側の縁までたどり着き、その奇妙に変形している 顔を更に歪ませて、ぴょいんと魔理沙の眼前まで跳ね上がり、歓迎の 言葉を口にした。 「ゆっくりしていってね!」 魔理沙は何も言えず咄嗟に手に持っていた箒で、飛んできたその霊夢 の膨れた生首を全身全霊の力を込めて打ち返した。 「で、何か言う事は?」 やや不機嫌そうな顔で、頭に×形の絆創膏を貼って瞳に涙を浮かべな がらも決してふてぶてしい表情を崩さない霊夢の生首を抱えながら、 不自然に腋を露出した紅白の巫女装束に身を包んだ博麗の巫女博麗霊 夢は、畳の上で正座して俯く魔理沙を見下ろしながらそう言った。 「悪気は無かった。出来心だった。ごめんねだぜ」 「だそうよゆっくり」 「次は気をつけてね!」 『ゆっくり』と呼ばれた生首が魔理沙を見下ろしながら元気良く言う。 魔理沙は内心「次もあるのか」と鬱くしい気分になったが、それを悟 られないように下げたくもない頭を下げる事で難を逃れた。 「で、それは一体何なんだ? 私は最近ずっと家に篭ってたから世情 に疎くて困るんだぜ?」 「れいむはれいむだよ! ゆっくり理解してね!」 「だそうよ」 「わけわからん」 魔理沙がそう言うと、そのゆっくりとやらは霊夢の腕の中でニヤリと 不敵な笑みを浮かべる。「お前の無知にはほとほと呆れて一週回って 笑いすらこみあげてくるよHahaha」とでも言いたげな、一発こ づいてやりたくなる面である。 「で結局それは何なんだぜ霊夢」 が、そこを黄金の鉄の塊でできた精神力でなんとか堪え、ゆっくりの 頭をべちんべちんと叩きながら霊夢に問う。 「まぁ簡単に言うと、喋るこれね」 霊夢は背後から白い饅頭の乗った皿を取り出してそう言った。魔理沙 はその饅頭に指を伸ばし、そのうちの一本を霊夢に掴まれれて反対側 に捻じ曲げられごぎりと嫌な音を立てた。 霊夢は綺麗に曲った指を放して一言。 「人のものを取ったら泥棒!」 「ゆ、指の骨が折れた……」 「人間には206本の骨があるのよ。一本くらい何よ」 どこか非現実的な自らの掌を眺めながら魔理沙はそう呟いた。そんな 魔理沙の事など放って霊夢はかいつまんだゆっくりの説明を始めた。 「ゆっくりっていうのは最近になって現れた、妖怪なんだか妖精なん だかよくわからない生き物の総称よ。なんだか知らないけどどこかで 見た顔を潰したような顔をしてるらしいわ」 「なぁ霊夢、この指の曲ってる所がなんかじんじんしてきたんだけど」 手元のゆっくりの頬をぐにぐにと弄りながら熱弁する霊夢の袖をくい くいと引っぱりながら魔理沙は言う。霊夢は、そんな魔理沙を華麗に スルーして説明を続けた。 「ほら、こいつもなんだかカラーリングが私に似てるでしょ。私はこ れしか見たことないけど、色々な種類がいるらしいわよ。アリスに似 た奴とかパチュリーに似た奴とかレミリアに似た奴とか。ちなみにこ の皿に乗ってる饅頭はこいつのほっぺを千切ったものよ。私でも食べ ないようなものを食べて饅頭をくれるってんだから本当に便利よね」 「えっぐ、指が痛いよぉ……ひぐ、うぇぇ……」 「あぁもう五月蝿い。ていっ」 霊夢は、嗚咽を漏らす魔理沙の異様に曲った指を掴むとそのままぐり んと捻り、コキャッという小気味のいい音を響かせた。すると、激し い痛みが一瞬襲ったが、すぐに痛みが引き、指も動くようになった。 「ほら、もう痛くないでしょ」 「ぐすっ、うん」 「ゆっくり泣き止んでね!」 「お前は黙れ」 見上げてくるゆっくりにびしっと言ってやると、ゆっくりは薄笑いを 浮かべたままおぉこわいこわいと呟いた。 「まぁアレだろ。要するに喋って食べれる面白生物って事だろ」 「ああ、それ良いわね。次から説明ではそう言うわ。うぇっぷ」 魔理沙が持ってきた一升瓶の中身を空にしながら霊夢はそう言う。普 段なら人の物を取ったら泥棒とか、自分の事を棚に上げた物言いをす る所だが別の物に興味が移っている今では、たかだか酒のひとつやふ たつなど、魔理沙にはどうでもいい事だった。 魔理沙は昼間っから堂々と酒を飲んで頬を赤く染めている酔いどれ巫 女に向かって、こう言った。 「そいつって何処にいけば見つかるんだ?」 「そんなわけで捕まえてみた」 「やめてね! やめてね! まりさをはなしてね!」 手の中でうぞうぞと動く面白生物を抱え、満面の笑みを浮かべながら 魔理沙は高らかに声を上げた。 魔理沙は手の中でもがく金髪のゆっくりを今一度眺める。 その饅頭は霊夢の所で見たそれよりもやや色白で、ぐずぐずと惨めに 涙を零しているが、どこかふてぶてしかったあの饅頭と比べると少し だけ愛嬌がある顔をしているのがわかる。 「きっと私に似てるからだな。やっぱり冷血巫女よりやはり魔法使い だな」 「へんなこといってないでまりさをはなしてね! おうちかえる!」 「しかし良く泣くなぁこいつ」 手の中でひたすらに涙と泣き言を垂れ流すそいつを見ながら魔理沙は そう呟いた。 どうして魔理沙がこのような生き物を手に入れようと思ったのか。 どこぞの巫女のように今日の糧にも困る生活を送っているからではな い。ただ単純になんだか面白そうだと思ったからだ。いわゆる知的好 奇心という奴である。 しかし、それにしてもこれは五月蝿すぎる。魔理沙は耳に突っ込んで いた指を抜いて、それの頭目掛けて軽く振り下ろした。 「泣き止めー!」 「ゆびぇ?!」 先刻、神社で霊夢のゆっくりに放った箒の一撃に比べれば余りに弱い 一撃。「そんなチョップじゃ蚊も殺せないよ」と薄笑いを浮かべられ るであろう一発であった。 が、 「ゆ゛あ゛ーーーーーー! いだいよーーーーーー!」 その金髪のゆっくりは、瞳に溜めた涙を一気に溢れさせて更に大袈裟 に泣き出した。 「どぼじでごんなごどずるのー?! ばりざなにもわるいごどじでな いのにー?!」 「あ、そ、その……ごめんなさい」 予想だにしない展開に思わずそのゆっくりを放して頭を下げて丁寧語 で謝ってしまう。 「ゆっ、おねーさんがはなしてくれたよ! いまのうちにゆっくりに げるよ!」 その隙に背を向けて逃げ出すゆっくり。魔理沙はすぐに正気に返りゆ っくりの後を追おうとするが、ある事を思いつき、慌ててその場に踏 みとどまった。 「そうか、ここでアホ面下げて追いかけた所を罠にハメる作戦だった んだな! その手は食わないんだぜ!」 そんな事を言ってる間にゆっくりは茂みの中へと潜っていった。 「フフフ、さぁ何処だ……何処から来る!」 魔理沙は全神経を集中させて相手の出方を伺う。 一分、二分。三分。 五分ほどが経ち、魔理沙は黙って足元の草を掻き分け、ゆっくりが飛 びこんだ茂みを上から覗き込んだ。 「ここならゆっくりできるよ~♪」 そこには、魔理沙から逃げ切れたと信じて疑わないゆっくりが嬉しそ うにぐねぐねと動いていた。 「本気で逃げてたんかいー!」 「ゆぐぇ?!」 乙女の純情を弄ばれ深く傷ついた魔理沙の憤りのストンピングがゆっ くりの脳天に突き刺さり、ゆっくりは潰れたカエルのような声を上げ た。 「どぼじでおねーざんごごにいるのー?!」 「五月蝿い! 私の期待を裏切りやがって! くぬっくぬっ!」 「やべでー! ばりざにひどいごどじないでねー?!」 魔理沙は地面に這い蹲るゆっくりを箒の先っちょでちくちくする地味 な嫌がらせを敢行する。ゆっくりが逃げようとするたびその方向に先 周りして移動の勢いを利用したカウンターちくちくを喰らわせる。 「ゆ、ゆっぐ」 逃げようとする度に顔面を凄まじい激痛が襲う。かと言って動かなけ ればこの責め苦から逃れられない。一体どうすればいいのかわからず にただひたすら涙を流す。 そのゆっくりの様子を見ていると、魔理沙はなんだかちょっと胸の奥 がむずむずするような感覚を覚えて、箒に込める力を強めてしまう。 ゆっくりが跳ぶ、魔理沙が箒で叩き落してつつく。 ゆっくりが這う。魔理沙が足で上から押さえつけてつつく。 ゆっくりが泣く。魔理沙の心が躍る。 どうやっても魔理沙からは逃れられない。数十分の足掻きの末、それ を理解したゆっくりは。 「ゆっぐりでぎなっ……エレエレエレ!」 口から黒々とした餡子を吐き、見る見るうちに黒ずんで。 「もっど、ゆっぐりじだがっだ……」 最後に一言だけを残して、この世を去った。 ゆっくりの遺体を前にした魔理沙の心に後悔は無かった。ただ自分は ちゃんとやり遂げたという爽やかな清々しさがあった。 おわれ 後日談。 「というわけで全然楽しくなかったんだぜ」 「それは弱い方のゆっくりね」 「弱い方?」 「なんだかこいつらにも種類があるみたいで、あんたが見つけたのは たぶん饅頭の癖に交尾とか出産とかするやたらと弱い奴ね。なんでも ちょっと殴っただけでも死ぬらしいわよ」 「ふーん。ところでまた指が痛くなってきたんだけど」 「え、まさか病院(永遠亭)行かなかったの?」 「え、まさか饅頭取ろうとしたくらいで病院行かなくちゃならないよ うな怪我させたの?」 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2624.html
いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 蒼い空。雲ひとつ無い空。 清々しいまでに澄みきったその空で、箒に跨り黒の山高帽から金色の 長髪をたなびかせながら、魔法使い霧雨魔理沙は飛んでいた。 「いやぁ最近ずっと自分の部屋でキノコ弄ってたから久しぶりに霊夢 の所で酒盛りでもしたくなって飛び出して来ちゃったぜー。ちなみに アポイントメントはない」 まるで誰かに説明するような事を口走り、手に持った一升瓶をぶんぶ んと振り回しときたま近くを飛んでいる毛玉や妖精を殴って落としな がら魔理沙は空を征く。ちなみにキノコを弄るというのはいやらしい 意味合いは含まない。 「そんなこんなで神社に着いたんだぜ。うぉーい霊夢ー」 縁側で横になっている霊夢の後頭部に向かって手を振りながら、魔理 沙は地面に降り立った。 霊夢の後頭部は魔理沙の声に反応し、その場で縦に半回転、横に4/1 回転して、魔理沙の方に振り向いてずりずりと魔理沙の方へと這いよ ってきた。 手を上げた状態のまま魔理沙は凍りつく。 その間も霊夢の顔は魔理沙の膝元まで近付いてくる。 そして、とうとう縁側の縁までたどり着き、その奇妙に変形している 顔を更に歪ませて、ぴょいんと魔理沙の眼前まで跳ね上がり、歓迎の 言葉を口にした。 「ゆっくりしていってね!」 魔理沙は何も言えず咄嗟に手に持っていた箒で、飛んできたその霊夢 の膨れた生首を全身全霊の力を込めて打ち返した。 「で、何か言う事は?」 やや不機嫌そうな顔で、頭に×形の絆創膏を貼って瞳に涙を浮かべな がらも決してふてぶてしい表情を崩さない霊夢の生首を抱えながら、 不自然に腋を露出した紅白の巫女装束に身を包んだ博麗の巫女博麗霊 夢は、畳の上で正座して俯く魔理沙を見下ろしながらそう言った。 「悪気は無かった。出来心だった。ごめんねだぜ」 「だそうよゆっくり」 「次は気をつけてね!」 『ゆっくり』と呼ばれた生首が魔理沙を見下ろしながら元気良く言う。 魔理沙は内心「次もあるのか」と鬱くしい気分になったが、それを悟 られないように下げたくもない頭を下げる事で難を逃れた。 「で、それは一体何なんだ? 私は最近ずっと家に篭ってたから世情 に疎くて困るんだぜ?」 「れいむはれいむだよ! ゆっくり理解してね!」 「だそうよ」 「わけわからん」 魔理沙がそう言うと、そのゆっくりとやらは霊夢の腕の中でニヤリと 不敵な笑みを浮かべる。「お前の無知にはほとほと呆れて一週回って 笑いすらこみあげてくるよHahaha」とでも言いたげな、一発こ づいてやりたくなる面である。 「で結局それは何なんだぜ霊夢」 が、そこを黄金の鉄の塊でできた精神力でなんとか堪え、ゆっくりの 頭をべちんべちんと叩きながら霊夢に問う。 「まぁ簡単に言うと、喋るこれね」 霊夢は背後から白い饅頭の乗った皿を取り出してそう言った。魔理沙 はその饅頭に指を伸ばし、そのうちの一本を霊夢に掴まれれて反対側 に捻じ曲げられごぎりと嫌な音を立てた。 霊夢は綺麗に曲った指を放して一言。 「人のものを取ったら泥棒!」 「ゆ、指の骨が折れた……」 「人間には206本の骨があるのよ。一本くらい何よ」 どこか非現実的な自らの掌を眺めながら魔理沙はそう呟いた。そんな 魔理沙の事など放って霊夢はかいつまんだゆっくりの説明を始めた。 「ゆっくりっていうのは最近になって現れた、妖怪なんだか妖精なん だかよくわからない生き物の総称よ。なんだか知らないけどどこかで 見た顔を潰したような顔をしてるらしいわ」 「なぁ霊夢、この指の曲ってる所がなんかじんじんしてきたんだけど」 手元のゆっくりの頬をぐにぐにと弄りながら熱弁する霊夢の袖をくい くいと引っぱりながら魔理沙は言う。霊夢は、そんな魔理沙を華麗に スルーして説明を続けた。 「ほら、こいつもなんだかカラーリングが私に似てるでしょ。私はこ れしか見たことないけど、色々な種類がいるらしいわよ。アリスに似 た奴とかパチュリーに似た奴とかレミリアに似た奴とか。ちなみにこ の皿に乗ってる饅頭はこいつのほっぺを千切ったものよ。私でも食べ ないようなものを食べて饅頭をくれるってんだから本当に便利よね」 「えっぐ、指が痛いよぉ……ひぐ、うぇぇ……」 「あぁもう五月蝿い。ていっ」 霊夢は、嗚咽を漏らす魔理沙の異様に曲った指を掴むとそのままぐり んと捻り、コキャッという小気味のいい音を響かせた。すると、激し い痛みが一瞬襲ったが、すぐに痛みが引き、指も動くようになった。 「ほら、もう痛くないでしょ」 「ぐすっ、うん」 「ゆっくり泣き止んでね!」 「お前は黙れ」 見上げてくるゆっくりにびしっと言ってやると、ゆっくりは薄笑いを 浮かべたままおぉこわいこわいと呟いた。 「まぁアレだろ。要するに喋って食べれる面白生物って事だろ」 「ああ、それ良いわね。次から説明ではそう言うわ。うぇっぷ」 魔理沙が持ってきた一升瓶の中身を空にしながら霊夢はそう言う。普 段なら人の物を取ったら泥棒とか、自分の事を棚に上げた物言いをす る所だが別の物に興味が移っている今では、たかだか酒のひとつやふ たつなど、魔理沙にはどうでもいい事だった。 魔理沙は昼間っから堂々と酒を飲んで頬を赤く染めている酔いどれ巫 女に向かって、こう言った。 「そいつって何処にいけば見つかるんだ?」 「そんなわけで捕まえてみた」 「やめてね! やめてね! まりさをはなしてね!」 手の中でうぞうぞと動く面白生物を抱え、満面の笑みを浮かべながら 魔理沙は高らかに声を上げた。 魔理沙は手の中でもがく金髪のゆっくりを今一度眺める。 その饅頭は霊夢の所で見たそれよりもやや色白で、ぐずぐずと惨めに 涙を零しているが、どこかふてぶてしかったあの饅頭と比べると少し だけ愛嬌がある顔をしているのがわかる。 「きっと私に似てるからだな。やっぱり冷血巫女よりやはり魔法使い だな」 「へんなこといってないでまりさをはなしてね! おうちかえる!」 「しかし良く泣くなぁこいつ」 手の中でひたすらに涙と泣き言を垂れ流すそいつを見ながら魔理沙は そう呟いた。 どうして魔理沙がこのような生き物を手に入れようと思ったのか。 どこぞの巫女のように今日の糧にも困る生活を送っているからではな い。ただ単純になんだか面白そうだと思ったからだ。いわゆる知的好 奇心という奴である。 しかし、それにしてもこれは五月蝿すぎる。魔理沙は耳に突っ込んで いた指を抜いて、それの頭目掛けて軽く振り下ろした。 「泣き止めー!」 「ゆびぇ?!」 先刻、神社で霊夢のゆっくりに放った箒の一撃に比べれば余りに弱い 一撃。「そんなチョップじゃ蚊も殺せないよ」と薄笑いを浮かべられ るであろう一発であった。 が、 「ゆ゛あ゛ーーーーーー! いだいよーーーーーー!」 その金髪のゆっくりは、瞳に溜めた涙を一気に溢れさせて更に大袈裟 に泣き出した。 「どぼじでごんなごどずるのー?! ばりざなにもわるいごどじでな いのにー?!」 「あ、そ、その……ごめんなさい」 予想だにしない展開に思わずそのゆっくりを放して頭を下げて丁寧語 で謝ってしまう。 「ゆっ、おねーさんがはなしてくれたよ! いまのうちにゆっくりに げるよ!」 その隙に背を向けて逃げ出すゆっくり。魔理沙はすぐに正気に返りゆ っくりの後を追おうとするが、ある事を思いつき、慌ててその場に踏 みとどまった。 「そうか、ここでアホ面下げて追いかけた所を罠にハメる作戦だった んだな! その手は食わないんだぜ!」 そんな事を言ってる間にゆっくりは茂みの中へと潜っていった。 「フフフ、さぁ何処だ……何処から来る!」 魔理沙は全神経を集中させて相手の出方を伺う。 一分、二分。三分。 五分ほどが経ち、魔理沙は黙って足元の草を掻き分け、ゆっくりが飛 びこんだ茂みを上から覗き込んだ。 「ここならゆっくりできるよ~♪」 そこには、魔理沙から逃げ切れたと信じて疑わないゆっくりが嬉しそ うにぐねぐねと動いていた。 「本気で逃げてたんかいー!」 「ゆぐぇ?!」 乙女の純情を弄ばれ深く傷ついた魔理沙の憤りのストンピングがゆっ くりの脳天に突き刺さり、ゆっくりは潰れたカエルのような声を上げ た。 「どぼじでおねーざんごごにいるのー?!」 「五月蝿い! 私の期待を裏切りやがって! くぬっくぬっ!」 「やべでー! ばりざにひどいごどじないでねー?!」 魔理沙は地面に這い蹲るゆっくりを箒の先っちょでちくちくする地味 な嫌がらせを敢行する。ゆっくりが逃げようとするたびその方向に先 周りして移動の勢いを利用したカウンターちくちくを喰らわせる。 「ゆ、ゆっぐ」 逃げようとする度に顔面を凄まじい激痛が襲う。かと言って動かなけ ればこの責め苦から逃れられない。一体どうすればいいのかわからず にただひたすら涙を流す。 そのゆっくりの様子を見ていると、魔理沙はなんだかちょっと胸の奥 がむずむずするような感覚を覚えて、箒に込める力を強めてしまう。 ゆっくりが跳ぶ、魔理沙が箒で叩き落してつつく。 ゆっくりが這う。魔理沙が足で上から押さえつけてつつく。 ゆっくりが泣く。魔理沙の心が躍る。 どうやっても魔理沙からは逃れられない。数十分の足掻きの末、それ を理解したゆっくりは。 「ゆっぐりでぎなっ……エレエレエレ!」 口から黒々とした餡子を吐き、見る見るうちに黒ずんで。 「もっど、ゆっぐりじだがっだ……」 最後に一言だけを残して、この世を去った。 ゆっくりの遺体を前にした魔理沙の心に後悔は無かった。ただ自分は ちゃんとやり遂げたという爽やかな清々しさがあった。 おわれ 後日談。 「というわけで全然楽しくなかったんだぜ」 「それは弱い方のゆっくりね」 「弱い方?」 「なんだかこいつらにも種類があるみたいで、あんたが見つけたのは たぶん饅頭の癖に交尾とか出産とかするやたらと弱い奴ね。なんでも ちょっと殴っただけでも死ぬらしいわよ」 「ふーん。ところでまた指が痛くなってきたんだけど」 「え、まさか病院(永遠亭)行かなかったの?」 「え、まさか饅頭取ろうとしたくらいで病院行かなくちゃならないよ うな怪我させたの?」 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/2589.html
火の干渉の超神星ヨハン・ヴァーティミウス SR 火文明 (8) 進化クリーチャー:フェニックス 13000 ■進化V―自分の火のクリーチャー2体を重ねた上に置く。 ■メテオバーン―このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを好きな枚数選び、墓地に置いてもよい。そうした場合、こうして墓地に置いたカード1枚につき、相手の山札の上から3枚を持ち主の墓地に置き、カードを1枚、いずれかのマナゾーンから持ち主の墓地に置く。 ■T・ブレイカー 作者:赤烏 フレーバーテキスト DMW-14 「レジェンス編I レジェンスの邂逅」焼け残るものは、実感のない生だけ。 サイクル DMW-14 「レジェンス編I レジェンスの邂逅」の、相手の山札とその他のカードに働きかける「干渉」サイクル。 《光の干渉の精霊エムリーナ》 《水の干渉の封魔ディモータル》 《闇の干渉の影ヤミダンゴ》 《火の干渉の超神星ヨハン・ヴァーティミウス》 《自然の干渉の超人》 収録 DMW-14 「レジェンス編I レジェンスの邂逅」 評価 名前 コメント