約 45,018 件
https://w.atwiki.jp/bo-dorowa2/pages/46.html
唐突に、あまりに唐突に起こったこの出来事を見て、思った。 世界中の人間に、こんな質問をしてみたい。 「ぬおおおおおおぉぉぉ!」 …真っピンクの、高速で動く物体が、自分の目の前に突っ込んできたら。 そのうえ、自分の真横ギリギリで通り抜けていったりしたら、あんたはどんな対応をとるだろうか。 おそらく、誰もがこんな反応になるだろう。 「…なんだってんだよっ!?」 少なくとも、この俺―――ティトレイ・クロウは、そんな反応をした。 ――――――― 現在、スポーツカーに乗り、市街地を目指すストレイト・クーガーにとって、ひとつ気がかりな事があった。 「(カズマやら劉鳳の野郎やらは、この大会とやらに出てるのか?)」 そう思いつつ、自分の持ち物を確認する。 ペンやメモ帳といった、あの場でも話された基本的な物資に加え、ひときわ目立つものが。 「…西瓜?」 まるまるとした巨大な西瓜だ。 「…帰ったら瓜核のやつにでも渡してやるか」 瓜核(うりざね)とは、彼の友人である、ホーリー所属のアルター使いである。 西瓜が大好物で、アルターも西瓜を使ったもの。 なぜ西瓜が入っているかはともかく、バッグの奥底から、やっと名簿らしきものが出てきた。 「…知ってる名前が無いな。って事は、誰が敵かもわからないって事か?」 名簿に目を通し、独り言を呟くストレイト・クーガー。だが彼は2つのことに気づいていない。 1つは『エンジンを止めるのを忘れている』こと。 そしてもう1つとは… 「ぬおっ!?」 『前方不注意』である。 市街地エリアに入っていることも知らず、西瓜やら名簿やらに気をとられているうちに入り組んだ道に入ってしまったのである。 まあ、ハンドルも握っていない状況で車体に傷一つ付けずにそんな道に入ったこと自体が凄まじいとは言えるが。 「くっ…我ながらとんだ不注意だ…だが!」 そういいながら、車の一部がボロボロと崩れていく。 そして、新たな装甲(?)が付けられる。途轍も無く悪趣味な。 「『ラディカル・グッドスピーーーード!』」 そう叫んだと思ったら、突然猛スピードで加速する。 そしてそのスピードのままで急カーブを曲がり続ける。一種の曲芸だ。 「俺がこのまま無残に壁に激突してアーレーなんて結末になるわけが無いだろうが常識的に考えて!なんせ俺は文化的かつ二枚目であるためにあらゆる障害を潜り抜けられるよう最速で最良の解決方法を考えているのだからな って行き止まりかよぉぉぉぉ!?」 Uターンしようにも面積が足りない。急ブレーキしようにも距離が足りない。 そんな絶妙なポイントだった。 「ぬおおおおおおぉぉぉ!」 激突。南無三。そして現在に至る。 ――――――― 【場所・時間帯】B1・袋小路・朝 【名前・出展者】ストレイト・クーガー@スクライド 【状態】壁に激突。頭を強打するが特に異常は無し 【装備】車(大破) 【所持品】西瓜・不明所持品1つ 【思考】基本・最速で帰還する 1,どこだよココ… 2,ひとまず車から降りる 3,味方になるヤツを探す 4,敵は最速で撃破 【名前・出展者】ティトレイ・クロウ@テイルズオブリバース 【状態】若干混乱しているが健康。 【装備】小型ボウガン 【所持品】不明所持品2つ 【思考】基本・打倒主催者 1,なんなんだコイツ… 2,とりあえず目の前のヤツ(クーガー)と話す 前の話 026 天才と馬鹿は紙一重 次の話 028 ナナカと輪廻のバリバリ漫遊記
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/8314.html
831通常の名無しさんの3倍2017/03/17(金) 19 24 05.63ID t+UJTI1pO オルガ「お」 アスラン「あ」 オルガ「(こいつ…この歳であの生え際とは随分苦労してんだな)」 アスラン「(彼は…確か鉄華団の団長だったか?俺とそう歳も変わらないだろうに白髪とはさぞ心労がすごいんだろうな)」 オルガ「(…頑張れよ)」b アスラン「(偉いな、君は)」b 言葉は交わさないものの、人知れず分かり合う苦労人二人であった 833通常の名無しさんの3倍2017/03/19(日) 01 35 18.40ID QwCDCNrc0 831 アスラン………一応言っとくけど、白髪じゃなく銀髪だよオルガは 銀髪の人見ても全員白髪に見えるのなら何も言わないけど どちらも女性関係で苦労してることには変わりはない オルガは見えない死神の姉さん、 アスランは主にチリソースのカガリ、いやカガリのチリソースか?それともカガリソース?によって苦労している 次回?『ヒタイダー、激辛の攻防。 ヒタイダー、ほぼ全滅!?』 834通常の名無しさんの3倍2017/03/19(日) 01 55 38.86ID 3kfQBJYjO 833 そんなこと言ったらアスランだって別に額がヤバい訳じゃないぞ ただ単に作画がしょっぱかったせいで額が広くなっただけで。リマスターなんかではちゃんと修正されてる オルガを白髪扱いしたくないならアスランのハゲ扱いも止めるべき アスラン「…送信、と」
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/865.html
その日のハルヒは、どこかおかしい素振りを見せていた。 そう言うと誤解を与えそうだから、ひとつだけフォローを入れておこう。いつものハル ヒは傍若無人で1人勝手に突っ走り、厄介事をSOS団に持ち込んでオレを含める団員全 員が苦労する──そういうことを、オレは普通だと思っている。この認識に異論があるヤ ツは前に出ろ。オレの代わりにハルヒの面倒を見る役割を与えてやる。 それはともかくとして。 その日のハルヒは……世間一般の女子高生らしい素振りを見せていた。 例えば、休み時間にクラスの女子たちと普通に話をしていたり、あるいはまじめに授業 を受けていたり、さらには放課後にこんなことを言ってきた。 「ねぇ、キョン。今日の放課後、時間空いてる?」 事もあろうに、あの涼宮ハルヒがオレに都合を聞いてきたのだ。 おいおい、なんだよそれは? まさに青天の霹靂ってやつじゃないか。おまえにそんな 態度を取られると、オレはどうすればいいか分からんぞ。 「ねぇ、どうなのよ?」 「あ、ああ、そうだな……それは部活が終わった後ってことか?」 「あ、そっか。うーん……そうね、大切な活動を中止するわけにもいかないか。終わって からにしましょ。忘れたら罰金よ!」 おいおい、オレはただ「いつの放課後だ」と聞いただけなのに、いつの間におまえに付 き合って時間を潰すことになっちまってるんだ? けどまぁ、そういうのがハルヒらしいってことだろう。そんな長時間でなけりゃ付き合 ってやっても罰は当たらないさ。 それにしても……あのハルヒがしっかりアポイントを取ってまで、いったい何を企んで いるのかね。オレは何かやらかしたかな? 思いつくことは何もないが……いやいや、も しかすると相談事とか? それこそありえないだろ。 それなら……と、あれやこれを考えつつ古泉とゲームに興じていると、長門がパタリと 本を閉じた。運命の時間になってしまった、というわけだ。 「それじゃキョン、下駄箱で待ってなさい」 団長さま直々のお達しにより、オレは下駄箱で待つこととなった。古泉に「おや、デー トですか?」などと聞かれたが、軽やかにスルーしておいたのは言うまでもない。 しばらく下駄箱前でボーッとしていると、ハルヒがやってきた。 ここで「待った~♪」などと言ってくれば「おまえは誰だ?」と言い放てるのだが、そ んなこともなく、代わりに口を開いて出てきた言葉は「ぼさっとしてないで、さっさと行 きましょ」とのこと。やはりコイツはオレの知っているハルヒで間違いない。 「んで? オレの貴重な青春時代の1ページを割いてまで、いったい何の用だ?」 北高名物のハイキングコースを並んで歩きながら、オレの方から話を振ってみた。 「……あんたさ、中1の夏、何してたか覚えてる?」 ややためらいがちに、ハルヒが口を開いた。 「なんの話だ?」 「いいから! 覚えてるのかって聞いてるの」 わざわざオレを呼び出して、意味不明なことを聞いてくる。そんな昔の話なんぞ、覚え ているわけがない。 おれが正直にそういうと、ハルヒは眉根にしわを寄せた。 「そうじゃなくて……ああ、もう! 中1の七夕の日、あんた何やってたの?」 この瞬間湯沸かし器みたいにキレる性格はどうにかならんもんか? それはそうと、中1の七夕だって? 我が家では七夕に笹を出して織姫と彦星の再開を 祝う習慣はないから、いつもと変わらない一日だった……というか、待て待て。なんでそ んな話題を振ってくるんだ? オレはともかく、ハルヒにとっての中1の七夕と言えば……校庭ラクガキ事件の日じゃ ないか。そのことは新聞にも取りざたされた話だから、知っているヤツは多い。けれど、 ハルヒ自身の口からそのことを言い出すのは皆無だ。 「中1の七夕なんて、いつもと変わらない1日に決まってるだろ。そういうおまえは、校 庭にはた迷惑なラクガキしてたんだっけ?」 その詳細を知ってはいるが言うわけにもいかない。誰でも知ってるような話で切り返し たが、ハルヒは不意に立ち止まり、じーっとオレの顔を睨んでいる。 「なんだよ?」 「あんたさ、好きな子とかいる?」 …………おまえは何を言ってるんだ? 「いいから、いるのかいないのかハッキリしなさいよ!」 なんでそんな怒り口調で問いつめられなければいけないんだよ? とも思ったが、ここ でこっちもテンションを上げるのは、ハルヒの術中にハマりそうでダメだ。オレが冷静に ならなきゃ、会話が成り立たなくなる。 「なんで中1の七夕の話から、そんな話になるんだ? そもそも、どうしてそんなことを おまえに言わなくちゃならないんだ」 「それは……」 なんなんだこれは? なんでそこで口ごもるんだ。タチの悪いイタズラかと思えるよう な展開じゃないか。今のハルヒは、そうだな……まるで告白前に戸惑う女の子みたいに見 える。いや、オレにそんな状況と遭遇した経験なんぞないが、ドラマでよくある展開だ。これ でハルヒがオレに告白でもしようものなら、明日には世界が滅亡するぜ。 「…………」 「…………」 ハルヒが黙り、オレも黙る。なんともいたたまれない沈黙に包まれて、かと言ってオレ から話しかける言葉も見つからずにいると。 「もういい」 ふいっと背を向けて、1人早足で坂道を降りていく。その背中には妙な殺気が籠もって いて、とても並んで歩く気にはなれず、ただ後ろ姿を見えなくなるまで見送った。 そんなことがあった前日、どうせ今日には元に戻ってるだろうと登校してみれば、ハル ヒは学校に現れなかった。 あいつが休むとは珍しい。これは別の王道パターン──ハルヒが海外に引っ越す──か と思ったが、朝のホームルームで担任の岡部からそういう話はなかった。むしろ、「涼宮 は休みか?」などと言っていたから、病欠ってわけでもないようだ。純然たるサボリって ことなんだが……そうだな、おかしな事態だ。 あいつは授業中こそつまらなさそうにしているが、無断でサボるようなヤツじゃない。 異常事態だってことさ。 1限目が終わり、オレはすぐに9組の古泉のところへ向かった。ハルヒの精神分析専門 家を自称するアイツなら、何かわかるかもしれん。 「え、登校していないのですか?」 と思ったが、古泉も寝耳に水の話らしい。 「昨日から様子がおかしくてな。それで今日は不登校だろ? 何かあったのかと思ったん だが……おまえの様子を見るに、閉鎖空間もできちゃいないようだな」 「そうですね。ここ最近、僕のアルバイトも別方向の役目が多くて……おっと、これはあ なたには関係ない話ですが。ともかく、今の涼宮さんは安定しているようです」 おまえのアルバイトでの役目なんぞどーでもいいが、その話でハルヒがストレス貯めて たり、妙なことを企んでる訳じゃないことは把握した。 しかし、まったく何もないわけじゃないだろう。 これまでの出来事を思い返し……あんな物憂げなハルヒを見たことは、2回ほどある。 七夕とバレンタイン。 あのときの様子とよく似ている。かといって、今はバレンタインって時期じゃない。も ちろん七夕って日でもないが……しかし、あいつの方から七夕の話題を出したってことは、 思い出さざるを得ないことがあった、ってことだろう。 ジョン・スミスの名前を。 時間的には昼休みか。そろそろ電話をしてもいい頃合いだろうと考え、ハルヒの携帯に 電話をかけてみた。 2~3回ほど留守電サービスに繋がったが、その後にようやく繋がった。携帯からじゃ なくて公衆電話からだからか、警戒したようだ。そりゃオレも見知らぬ番号や携帯からか かってきた電話には出ないがね。 『あんた誰?』 電話応対の定型文を使うようなヤツじゃないが、そういう態度はどうかと思うぞ。 「オレだ」 『あたしに「オレ」って名前の知り合いいないんだけど? つーか、さっきからしつこい し。その声、もしかしてキョン? だったらふざけた真似はやめなさいよ』 「いや……ジョン・スミスだ」 『…………え?』 この名前を口にするのも久しぶりだ。できることなら名乗りたくもなかったが、事情が 事情だしな、仕方がない。対するハルヒも、オレが何を言ってるのか理解できていないよ うだった。それも仕方がない。 「なんつーか……久しぶりだな」 我ながらマヌケな言葉とつくづく思う。毎日その顔を見ておいて「久しぶり」もなにも あったもんじゃない。 『あんた……ホントに、ジョン・スミス? じゃあ、やっぱりあの手紙もあんただったの?』 それがハルヒの物憂げな気分の正体か。 その手紙になんて書かれていたか聞き出すのは難しそうだが、わざわざ「ジョン・スミ ス」の名前を語っているということは、タチの悪いイタズラで済まされる話じゃない。 「その手紙になんて書いてあったかは知らないが、オレが出したものじゃないことは確か だな。今日、学校を休んでいるのもその手紙のせいか?」 『そうだけど……ちょっと待って。ジョン、なんであたしが学校休んでるの知ってるの?』 しまった、余計なことを口走っちまった……。 『あんた、今学校にいるのね? そうなんでしょ! 今から行くからそこにいなさいよ、 逃げたら死刑だからね!』 言うだけ言って切っちまいやがった。やれやれ、これもまた規定事項ってヤツか? だ としたら……そうだな、ここで頼るべきは長門か。はぁ……まいったね。 5限目の終了を告げる鐘の音とともに、教室のドアがぶっ壊れるほどの勢いで開かれた。 そこに、鬼のような形相でハルヒが立っている。 ハルヒは呆気に取られているクラスメイトと教師を一瞥し、ずかずかと教室の中に入り 込んできたかと思えば、オレのネクタイをひねり上げてきた。 「着いてきなさい」 声が低く落ち着いているだけに、逆に怖い。 ずるずる引きずられて教室から出て行くオレを、哀れな生け贄を見るような目で見つめ るクラスメイトの視線が痛かったのは言うまでもなく、教師すら見て見ぬふりをするとは どういう了見だ? 教育委員会に訴えてやろうか。 「協力しなさい」 屋上へ出る扉の前。常時施錠されていてほとんど誰も来ないこの場所で、既視感を覚え るような事を言われた。前と違うのは、今回はカツアゲどころか命を取られそうな殺気が 籠もっているというところだろうか。 「いきなり学校にやってきたと思えば、何に協力しろって?」 「校内に、あたしらより3~6歳年上の見慣れない男が一人、うろついてるはずよ。そい つを見つけて確保した上で、あたしの前に連行してきなさい」 なんつーことを言い出すんだ、おまえは? そもそも校内に見慣れない男がうろちょろ してたら、誰かがすでに気づいてるだろうが。 「あんた、校内にいる教師の顔、全員覚えてる? 一人くらい見慣れないヤツがいたって、 それらしい格好してれば紛れ込めるわ」 まぁ……言われて見ればそうかもしれないな。部室にあった、過去の卒業アルバムに載 っていた教員一覧は4ページに渡っていたわけだし。 「いい? 時間はないの。怪しいヤツを見かけたら、拉致って即座に連絡すること。次の 授業なんかほっときなさい。それと、このことはSOS団全員に通達することも忘れない ように! ところで……あんた、携帯忘れてないわよね?」 「それは持ってるが……」 「ちょっと貸しなさい」 言うが早いか、ハルヒはいきなりオレの上着の内ポケットに手を突っ込むと、携帯電話 を強奪しやがった。どうしてオレはキーロックをかかけてないんだ、と最初に思った時点 で何か間違ってる気がするのは、この際ほっとこう。 「……あんた、昼にあたしに電話した?」 我が物のようにオレの携帯をいじるハルヒは、どうやら着信履歴を真っ先にチェックし たらしい。こいつの旦那になるヤツはあれだ、履歴チェックは欠かさないようにすること を忠告しよう。 オレはどうだって? オレの場合、見られて困る相手に電話をしてるわけじゃないから、 別に気にしないさ。 「かけたよ。おまえが学校に来ないのが気になったんだ。通じなかったが」 「ふーん、そっか」 正直に話すと、それで興味を無くしたのかハルヒは携帯を投げ返し、そのまま猛烈な勢 いで階段を駆け下りて行った。オレはいつぞやのように一人、取り残されたってわけだ。 どうやらあの様子から察するに、あいつの頭の中では校内にジョン・スミスがいるっ てことになってるんだろう。 それはあながち間違いではないが……捜す対象がオレらより3~6歳ほど年上の男とな ると、まず見つかるわけがない。それは言うまでもなく、オレがジョン・スミスだからだ。 そりゃまぁ、あいつが中1の七夕のとき、オレは北高の制服を着ていたし、事実高1だ った。学年まで気づかなかったとして、制服を着ていることから3~6歳ほど年上と思う のも仕方がないことだろう。 しかしなぁ、かくいう張本人を目の前にして、そいつを捜せと言われても困るんだがな ぁ……。捜す振りをして、ひとまず残りのメンツに話だけを通しておけばいいだろう。 そんなことを考えていたら、突然オレの携帯が鳴り出した。 ディスプレイを見れば、 番号非通知。 嫌な予感がくっきり色濃く脳裏を過ぎった。どんな色かと問われれば、黒というか闇色 というか、そんな感じだ。 「……もしもし?」 『午後3時、旧館屋上に』 「は?」 通話できたのは、たった一言。無味乾燥な物言いは、どこかで聞いたことのある声だっ た。けれど、記憶にあるその声とは何かが違う。 どうやら、オレが思っている以上に厄介なことが起きてる。そんな予感を感じさせるに は十分な通話内容だ。 「なにがどうなってるのかサッパリだが……」 宇宙的、あるいは未来的、もしくは超能力的な厄介事に巻き込まれているのは間違いな い。これがせめて、異世界的な異変でないことだけを心から願いたいが……何であれ、そ れでもオレを巻き込むのは勘弁してもらいたいね。 困った事態というのは、ひとつ起こればドミノ倒しの要領で立て続けに起こるもんだ。 オレはそのことを、涼宮ハルヒという人間災害から骨の髄まで染み込むほどに学んだ。 それが今、まさに、この瞬間、立て続けに起こっているわけだ。 ひとまず古泉には事情を説明して『機関』の人員の手配を頼んでおいた。長門にも協力 要請を出しておいた。朝比奈さんは、申し訳ないが最初から巻き込んでいる。 SOS団的に言えば、盤石のフォーメーションで挑んでいると言っても過言ではない。 にもかかわらず、オレが危惧しているのは、オレ自身が上手く立ち回れるかどうかについてだ。 まいったね。「やるかやらないかより、出来るか出来ないかが問題だ」なんて格言があ るのかどうかは知らないが、ここで本音を語ろう。声を大にしてだ。 出来ません。無理です。勘弁してください。 「フォローはする」 心強いコメントだが、どこか投げやりなのは気のせいか? 「そもそも、本来の場所はここじゃなかったよな。公園だっけ?」 「些細なこと。重要なのは事実が現実になるかどうか。情報操作は得意」 そういうもんなのかね。やっちまった……と思って、けっこうへこんでるんだが……。 「それならそれで長門よ、前にも言ったが……もうちょっとマシな形にはできなかったの か? かなり抵抗があるんだが……」 オレは手の中に収まっている黒光りする鉄の塊を、腫れ物にでも触るような手つきで持 て余していた。 「その形状がもっとも効率的。あなたが無理ならわたしがする」 「……すまん、さすがにオレには無理だ」 「そう」 オレは手の中のもの──拳銃を長門に手渡した。自分がやるべきなのだろうが、いくら なんでもこんなものをハルヒに向けて、狙い通りに撃ち抜くなんて、そこまでオレは淡々 と物事を冷静に運ぶことはできない。 「そろそろ時間」 ふいっと視線をはずし、長門は目の前の扉に目を向ける。オレは時計を見る。朝比奈さ んを見習って、電波時計にしているから狂いはない。 時間は午後3時になる5分前。各教室では本日最後の授業が行われている真っ最中だ。 普通なら、歩き回っている生徒なんているはずもない時間だが……目の前の扉が、もの凄 い勢いで開いた。 「見つけたわ!」 ドカン! と音を立てて、旧館屋上の扉が開かれた。 そこに立っているのは、言うまでもなくハルヒ。その形相は、親の敵を見つけた仇敵と 相対する西部劇のガンマンみたいな顔つきだ。 「あなたがジョン・スミスね! ふざけた名前で捜すのに苦労したわ。よくもまぁ、あた しが中1のころから今の今まで、逃げおおせたものね!」 「落ち着けよ。積もる話もあるだろうが、そういう場合じゃないんだ」 「どんな場合だっていうのよ! あたしはずっとあんたを捜してたわ。そのために北高に も来たし、SOS団まで作ったのに……あんたはずっと雲隠れしてて! どれもこれも全 部あんたを捜すために、」 「おいおい、そうじゃないだろ」 ハルヒの言葉を遮って、オレは言うべきことを口にする。 SOS団、つまり『世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団』っ名称は、そりゃ 確かに七夕のときのオレの一声をもじって付けたものかもしれない。そこにどんな思いが 込められていたのかなんて、オレにはとっくに分かっている。 だが、それはあくまでも切っ掛けにすぎない。今ここにいるハルヒがやってることは、 何もジョン・スミスに会うためだけにやっていることではないはずだ。 「今、おまえはけっこう楽しんでるだろ? オレと会うことでほかのすべてを捨ててもい いとは思ってないはずだ。目的と手段が入れ替わってることに、そろそろ気づいてもいい んじゃないのか?」 「何よそれ!? あたしは……」 「言いたいことは分かってるさ。ああ、悪いな」 オレはちらりと時計を見る。そろそろ午後3時。時間だ。 「話は、ここまでだ」 オレの言葉に合わせるように、長門は迷いなく銃口をハルヒに向けて、その引き金を引 いた。 パシュン、と軽い音が響く。その音に胸騒ぎを覚えたオレは、階段を出来る限りの速さ で駆け上った。 そこで目にしたのは、倒れているハルヒと、スーツに身を包んだ一組の男女。その二人 が何者かと考えるよりも先に、オレはハルヒに駆け寄っていた。 正直、血の気が引いた。直後によく動けたものだと、あとになって自分自身に感心したほどだ。 「ハルヒ! おい、しっかりしろ!」 見た限り、ハルヒに外傷はない。ただ、いくら呼びかけても返事はなく、その姿はまる で眠っているように見えた。 「眠らせただけ。それより、動かないで」 まるでどこぞの社長秘書のような出で立ちで、ご丁寧に怪しさ倍増のサングラスまでか けたその女性が、膝を折ってオレを見る。……あれ、この顔はどこかで見たことが……と、 考えるよりも先に、それは起こった。 大袈裟な変化があったわけではない。ただ、オレが駆け込んできた屋上へ通じる出入り 口がなくなっている。場所こそ旧館の屋上ということに変わりはないが、目の前にはどこ にでもいそうな大学生、あるいは社会人的な年代の男女数名が現れていた。 いったい何時の間に、どこからやってきたのかさえオレにはわからない。というか、そ もそも今がどういう状況なのかもわからない。 「悪いが見ての通りだ。ここでドンパチやるのは構わないが……」 ダークスーツに、こちらもサングラスをかけている男が、目の前の相手を前に口を開き、 彼方の方向を指さした。 「鷹の目がここを狙っている」 その瞬間、男と数名の男女のグループの間の地面が、パキン、と爆ぜる。まさか……と は思うが、もしかして今、どこぞから狙撃でもされてるんじゃないだろうな? 仮にそう だとしても、ここから狙い撃てる場所なんて、裏山の傾斜くらいだ。1キロくらい離れて るんじゃないのか? 「さらにここには、なが……こいつもいる。ジョン・スミスの名前を使ってハルヒを引っ 張り出すのは悪い考えじゃないが、できれば二度と使わないでもらいたいね」 男とその敵対グループらしい連中とのにらみ合いがしばし続き──誰と言うわけでもな く舌打ちを漏らすと、連中は次々に屋上の柵を乗り越えて飛び降りていった。 「時空間転移を確認。この時空間からの消失を確認した」 「はぁ……やれやれ。もう二度とこんなことをさせないでくれよ……」 深いため息をついて、男は腰が抜けたようにしゃがみ込む。この二人は……まさかとは 思うが……けれど、そんなバカな話があってたまるか。 「みなさん、大丈夫ですかぁ~?」 がちゃりと音を立てて、いつの間にか下に戻っていた屋上のドアが開かれる。そこに現 れた人影を見て、オレの疑念は確信に変わった。 現れたその人は、オレが何度も会ってる朝比奈さん(大)だった。ここでこんな登場を するということは、規定事項ってことなんだ。それはつまり、目の前の2人はオレが思っ ている通りでいいってことですね? 「ああ……いや、深くは聞かないでくれ。オレのこともだいたい分かってると思うが…… そうだな、古泉が所属する『機関』の上の人間と思ってくれ」 「ちょっ、ちょっと待ってくれ。なんだって!?」 「時間を自由に行き来できるなら、未来が過去において自由に動けるその時間帯での組織 を作っていてもおかしくないだろ。そうでもしなきゃ、ハルヒは守れないんだ」 「ハルヒを……守る?」 「ちょっとキョンくん、喋りす……あ」 朝比奈さん(大)は黒スーツの男に向かってそう言った。「あ」って、迂闊すぎます… …が、今は有り難いね。それで確信が持てた。 やっぱり、この二人は……未来のオレと長門なのか!? 「そいつは禁則事項ってヤツだ。ただ、今回のことでわかったと思うが……まだまだハル ヒ絡みの厄介事は続くってわけさ。同情するぜ」 いやもう、頭が混乱してきたぞ。何がどうなってるのかしっかり説明してくれ。 「それは追々分かるだろ。ハルヒはもうちょっと寝てるだろうから、しっかり介抱してく れ。目が覚めたら今回の出来事は忘れてるはず……だよな?」 未来のオレが隣の……たぶん、未来の長門に確認を取ると、微かに頷いた。 「ああ、あと古泉経由で新川さんにも礼を言っといてくれ。さっきの狙撃はなかなかのも んだったしな。んじゃま、10年後に会おう」 その後のことを少しだけ語ろう。 屋上からの出入り口から出て行った3人の後を追うように、すぐに後を追ったが姿はなく ……長門(大)に眠らされていたハルヒを保健室に運んだオレは、未来からやってきて いたオレたちについて憶測を巡らせた。 今回の出来事は、直接的には今のオレやハルヒに関係のない事件かもしれない。むしろ 未来のオレらに関わる事件が、たまたまこの時間軸に関わりがあったにすぎず、その騒動 に巻き込まれただけのような気もする。 この時間軸で事の詳細を正確に理解しているのは長門だけだろうが、親切に話してくれ なさそうだ。何しろ、オレの未来に直接的に関わってくる話だしな。 未来のオレは「古泉が所属する『機関』の上の人間」だと言った。つまり、オレは将来 的には古泉と同じ『機関』の、それもトップクラスの立場になるかもしれない。下手をす ると、『機関』の現時点でのトップは未来のオレ……なんてことも、あの口ぶりでは十分 にあり得そうだ。もしそうだとしたら、悪いが全力でそんな未来を変えようと足掻くだろう。 しかし未来のオレは、その現実を受け入れていた。そう決断しなければならない出来事 が、今後起こり得るかもしれないが……そんなことは考えたくもない。 「……うん」 「よう、お目覚めか」 「あれ……キョン? あれ……あっ!」 寝起きとは思えない勢いでハルヒは保健室のベッドから飛び起きた。こいつは低血圧と は無縁なんだろうな。 「ちょっとキョン、あの男はどこ行ったのよ!」 オレの首を締め上げて、もの凄い勢いでまくし立てている。おいおい長門(大)よ、今 回の騒動のことをハルヒは忘れてるんじゃないのか? どう見てもしっかりばっちり完 璧に覚えているじゃないか。 「あ、あの男って誰のことだ!?」 「誰って、そりゃ……あれ? えーっと……」 続く言葉が出てこないのか、ハルヒは肝心なところは覚えていないらしい……というか、 ジョン・スミスについて何も覚えてないんじゃないのか? 「なぁ、ハルヒ。真面目に聞くから正直に答えて欲しいんだが」 いまだにオレの首を握りしめている──といっても力はまったく込められていなかった が──ハルヒの手を取り、オレは肝心なことを尋ねようと思った。 それがたとえ、オレの思ってる通りでも違ったとしても、オレとハルヒの今の関係が崩 れる類のものではない。ただ、オレの決心が鈍るかもしれない質問だ。 「おまえ、SOS団を何のために作った?」 「はぁ? あんた何言ってるの。最初に言ったでしょ。もう一回聞きたいの?」 「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶことか? 本当にそれだけか?」 当初ならそのセリフで納得も……できやしないが、まぁ、ハルヒならありえそうだなと 思って追求しなかったさ。 しかし、今日この日に至るまで経験したさまざまなことを鑑みて、ハルヒがただその理 由のためだけにSOS団なんて作り出したとは、オレには到底思えない。SOS団の名称に したってそうさ。 ハルヒはただ、ジョン・スミスとの再会を願ってこの名前を付けたんじゃないのか? だからもし、ハルヒがジョン・スミスがオレと知ってしまえば……SOS団はその役目 を終える。それが怖かった。もしそうなら、オレはこいつに「自分がジョン・スミスだ」 などとはとても言えやしない。 「……あんたが何を考えてるか、だいたい分かってるわ」 キュッとオレの手を握り替えし、ハルヒがオレの予想とは違うことを言った。 「最近、みんなと一緒に遊ぶことが楽しくて、本来の結成目的がおざなりになって不安に なってるんでしょ? でも安心しなさい。あたしはまだ、当初の目的を忘れていなんかい ないわ! いつか、必ず、絶対に宇宙人や未来人や超能力者を見つけてやるんだから!」 「本当に……そうなのか?」 「はぁ? 当たり前でしょ!」 語気を強めるハルヒだが、オレはまだ納得できない。 「しかしだな、SOS団の名称が……なんつーか……センスないなと思って」 「うっさいわね! 昔、変なヤツが言った言葉を借りて命名したのよ。あたしのセンスじ ゃないわ」 「そいつを捜すために、名前を借りたのか? つまり、SOS団ってのは……」 「うーん、そりゃ捜したい気持ちはあるし、ちょっとは気になってるけど……ほら、昨日 あんたに中1の七夕のときのこと聞いたでしょ? そのときに会ったヤツが言ってたセリ フでさ。そいつ、なんかあんたに……そうね、ちょっと似てたかも。だからもしかして、 あんたじゃないかって考えたこともあったわ。なんでそんなこと考えたのかしらね? あ り得ないのに」 あり得ないと思ってくれるのは有り難いが、事実その通りで、こいつの勘の鋭さにはと にかく呆れるね。 「でも、それはあくまでも切っ掛け! そもそも、その男は自分は自分で楽しいことして るに決まってるわ。あたしも負けてられないから、名前を借りたのよ! いつかあたしの 前にふらっと現れたときに言『あんたより、あたしのほうが楽しいことしてる』って言っ てやるためにね!」 ああ……どうやらオレは、未来の自分と会って少し混乱していたらしい。よく考えれば、 疑う余地なんでまるでないじゃないか。 ハルヒはSOS団結成の理由を「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶこ と」としているが、実際はそうじゃない。 かといって、オレが邪推したように、ジョン・スミスを捜し出すためでもない。 そりゃ、その両方もまったくのウソというわけではなく、心の片隅にちょっとはあった のだろう。だが、ハルヒの心を占めているのは、普通の高校生らしい、ただ純粋に「今の この瞬間を思いっきり楽しみたい」って気持ちだけなんだ。 ハルヒにちょっと桁外れのトンデモパワーがあって周りは騒いでいるが、本人は青春を 謳歌したいだけなんだ。それならオレは、ハルヒ的青春の謳歌に付き合ってやるさ。今ま で散々、周囲に迷惑をかけて面倒を巻き起こしてきた過去に比べれば、どれほどまともで 健全なことか。 それを未来的な策謀や、宇宙人的な思惑や、秘密結社らしい陰謀で潰すのはあまりにも 身勝手な話だ。だからオレは……そうか、だからなのか。未来のオレは、10年経ったそ のときでも、SOS団のメンバーと一緒にハルヒを守ってるわけか。そのために、面倒な ことに進んで首を突っ込んでいるのか。それこそ、願ったり叶ったりだ。 もしかすると、今回の事件はオレにそう思わせるために必要な出来事だったのかもな。 「何よあんた、ニヤニヤと締まらない顔しちゃって」 予想以上の結論に至って満足していたのか、その喜びが顔に出ていたらしい。ニヤニヤ とは、そこまでイヤらしい感じじゃないだろ。 「なぁ、ハルヒ」 「な、なによ」 「これからも、一緒にいてやるぞ」 「ふぇ?」 ……なんでそこで赤くなるんだ? どうして急に力を込めて手を握りしめてくるんだ? 「キョン……それってつまり……ええっと、世間一般で言う告白……のつもり?」 「は?」 待て待て。なんでそういう……そういうことになるのか? もしかしてオレ、素で勘違 いされるようなこと言ってたか? ここは一応、フォローしておくべきか……? 「……つまり、SOS団の一員として、なんだが……いだだだっ!」 物の試しで言ってみたが、瞬く間にハルヒの顔が別の意味で赤くなった。つまり、照れ 方向から怒り方向にシフトして顔が赤くなった……ようにオレには見える。 「……いっぺん真面目に死刑にしてあげようかしらね?」 ハルヒさん、リンゴを握りつぶすような握力で手を握らないでください。その鉄球みた いな頭突きを繰り返さないでください。いや、マジで痛いって! 「あんたには言葉の重みってのを教えてあげる必要がありそうねぇ……覚悟しときなさ いよ!」 妙なスイッチが入ったハルヒを、オレが止めることなんて出来るわけがない。そもそも こいつを守る必要が本当にあるのかどうかも悩むところだ。 これから少なくとも10年は、こんなことが続くのか……やれやれ、まいったね。 だがそれでも、オレはもう二度と冒頭に思ったセリフは口にしないつもりだ。 そりゃそうさ。こんなハルヒの面倒を、今後10年は見守っていられるるヤツなんて、 オレ以外の適任者がいるとは思えない。 なぁ、そうだろ? 〆
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/37446.html
ネームレス・リターンサイド (UC) (闇/水/自然) (7) 呪文 ■相手の墓地からクリーチャーを1体選び、相手のバトルゾーンに出す。 ■バトルゾーンにいるクリーチャーを3体選び、1体を破壊し、1体をマナに置き、1体を手札に戻す。 ■自分の墓地に名前が異なるネームレス・コアクリーチャーが4体以上いるなら、シールドから手札に加わるこのカードは「S・トリガー」を得る。 作者:Rose Crown 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/236.html
第三十話≪狐の少女の考察、そして邂逅≫ 古城で新藤真紀の襲撃から何とか逃れた狐少女・葛葉美琴は、 木々が生い茂る山中にぽつりと建っていた古い木造の山小屋に隠れていた。 山小屋の中には木製の小さなテーブルと椅子、マットレスとシーツ、枕がボロボロになったベッド、 古いテレビ、小さな台所等があった。 床に古い薬莢や壊れた猟銃が放置されている事から、ここは猟師小屋か何かだったのだろう。 使えそうな猟銃は無いだろうかと探した結果、辛うじて戸棚の中に入っていた一丁が使用可能だった。 単発式のボルトアクション小銃、十三年式村田銃である。 試しに外に向けて一発撃ってみたが、反動こそ少し強いものの、 何とか扱えるレベルではあった。 入っていた戸棚から予備弾薬も手に入れた。 多少動作や扱いやすさに難があるが、出刃包丁に比べれば何十倍も良い武器だ。 美琴はテーブルに座って考えていた。 このバトルロワイアルという殺人ゲームについてだ。 まず、主催者について。 あの開催式が開かれた教室に響いた声は若い男の物一人だけだったが、 この首輪といい、自分を含め50人もの人間を拉致した事といい、 どう考えても一人でゲームを運営しているとは思えない。 第一この首輪が監視装置を兼ねていると言うのなら、参加者全50人を一人で監視する事など、 とてもでは無いが不可能に近い。 だとすれば、それなりに大人数で監視体制を敷いているはず……。 ならば、このバトルロワイアルは裏で大きな組織が糸を引いている、と言う事になる、だろうか。 次に参加者について。 自分の知人である四宮勝憲、朱雀麗雅の二人。有名野球投手の長谷川俊治。 AV女優の稲垣葉月(勝憲が以前美琴に葉月が出演しているAVを見せた事があるので名前を知っていた)。 AV男優の堀越辰夫(稲垣葉月を知っている理由とほぼ同じ理由)。 世界最高齢女性としてテレビ番組で報道されていた菊池やと。 美琴が知っている名前は6人。後は全く知らない名前ばかり。 恐らく大半の参加者は自分と同じごく普通の一般人がほとんどなのだろう。 一般人を殺し合わせて何をしようと言うのか。 次に首輪について。 この首輪は逃げようとしたり、主催者に逆らったり、無理に外そうとすれば爆発するらしい。 らしい、と言うのはおかしいかもしれない。何せあの教室で首輪が爆発する場面は見たのだから。 逃げようとしたり、無理に外そうとしたり、というのは分かるが、 逆らったり、というのは、つまりこのゲームの進行に支障を来すような行為、という意味だろうか。 しかし、主催側は――恐らく首輪に発信機か何かでも仕込まれているのだろう――は、 どうやって「不穏な行動」を判断するのだろうか。 美琴は首輪の内側に指先を入れるようにして首輪を調べた。 すると、内側に何やら妙な感触を感じた。 (……これって……マイク?) 細かい穴が幾つも並んでいるような感触を感じる。 指先まで毛皮に覆われているのになぜそんな事が分かるのか、 などという野暮な質問はご遠慮願いたい。 首輪の内側に、どうやら小さなマイクのような物が仕掛けられている。 なぜマイクなど? このマイクの用途は? 状況から察するに、考えられるのは一つ――。 「盗聴……されているの?」 盗聴――もしそうならば――監視者がどれだけ把握しきれているか分からないが――参加者の 会話は主催側に筒抜けになっている、と言う事になる。 つまり、この殺し合いを打破、或いは脱出を目論む意志がある者は、 盗聴器の存在に気付いていない場合、思案した脱出の方法や作戦を全て主催側に聞かれるという事になり、 それがゲームの進行の妨げになると主催者が判断した場合、 問答無用で首輪を爆破される恐れがある。 爆破はされなくても、その作戦を阻止しようと主催側があらゆる手段を行使してくるかもしれない。 これだけの大掛かりな舞台を用意し、参加者全員の監視システムまで用意しているのだから、 主催側も絶対にこのゲームを完遂させる気なのだろう。 だがしかし、流石に脱出やゲームの破壊を口にしただけでは爆破はされないだろうが……。 「これは、他の人にも知らせた方がいいかも」 もし殺し合いに乗っていない者で、この事実を知らない者がいたら、 ――いや恐らく知らない者がほとんどかもしれないが――。 脱出のため、或いはゲームの破壊のための手段を講じて、それが主催側に筒抜けになる。 そして主催側はその手段を阻止しようと工作し、最悪の場合、 その参加者は首輪を爆破され――文字通り、処刑される危険性がある。 折角の脱出の糸口が断たれてしまうような事態は避けなければならない。 それに――。 「早く、四宮さんや麗雅さんと合流しないと」 同じくこの殺し合いに呼ばれている自分の知人二人。 彼らとも早めに合流したかった。 きっと二人共、この殺し合いに反逆する方向に動いているはず。 少なくとも、進んで殺し合いに乗るはずは無い、と、美琴は確信していた。 なれば、いつまでもこの山小屋にステイしている訳にもいかない。 下手に動き回るのは危険な事は彼女も十分理解はしていたが……。 「……隠れてばかりでも、しょうが無いよね」 美琴は村田銃の予備弾薬をブレザーのポケットに詰められるだけ詰め、 村田銃を両手で持ち上げた。 残り弾薬はデイパックの中に入れる。 小柄な少女である美琴には、村田銃はそれなりに重量があった。 「行こう」 美琴は村田銃を携えながら、山小屋の出入口へ向かった。 ◆ 中山淳太と菊池やとは、山道を歩きながら他愛も無い会話を交わしていた。 「へえ~、中山さん、俳優をなさっているのですか」 「ああ。まあ、モブシーンとかにちょいちょい出てる程度だけどさ、まだ。 やとちゃんは……学生とか?」 「え? え、ええ、まあ……」 「ハァ……俺も学生時代が懐かしいよ」 などといった会話を交わしながら、山道を進んで行く。 淳太は知る由など無いが、自分より年下だと思っているこの菊池やとと言う少女は、 自分より100歳以上も年上の老人なのである。 それだけ年齢差があればジェネレーションギャップも半端では無いようで、 好きなタレントやテレビ番組の事などを聞かれた際には、 やとは上手くはぐらかして何とか回避していた。 別に隠す必要も無いのだが、 恐らく淳太に「自分は実は147歳のおばあちゃんなの」と話した所で到底信じてはくれないだろう。 その辺りを一々説明していくのは非常に難儀な作業なので、 やとは可能な限り自分の本当の年齢の事は話さないようにしようと決意したのだ。 そして会話をしている内に、二人の前方に木造の古びた山小屋が見えてきた。 長時間歩きっ放しで二人共足に疲労が蓄積していたので、 やとがあの山小屋で休息を取る事を提案し、淳太もそれに同意した。 そして二人が山小屋に数歩近付いた、その時。 ガチャ。 山小屋の出入口の扉が開き、中からカーキ色のブレザーを着た黄金色の狐獣人の少女が現れた。 その手には猟銃と思しき物が。やとが持っている物とは違うタイプの物だ。 二人は突然現れた狐少女に驚きの表情を浮かべる。 「!!」 そして狐少女も淳太とやとの姿を確認し、驚きの表情を見せる。 直後。二人と狐少女――葛葉美琴は、お互いに銃口を向けていた。 「……」 「……っ」 「……!」 二人と一人は、しばらく互いに銃口を向けたまま、睨み合いを続けていた。 しばらくして、先に口火を切ったのは、やとだった。 「私達は殺し合いをするつもりはありません」 その言葉に、美琴はさっきとは違う形の驚きの表情を浮かべ、銃口を下ろし、 「……私も、です。殺し合うつもりはありません」 と言った。 淳太とやとの二人も、銃口を下ろす。 「私は菊池やとと言います。こちらが中山淳太さん。貴方は……?」 「私は葛葉美琴と言います。あの……もし良かったら、一緒に同行しても宜しいですか?」 「はい、喜んで! いいですよね? 中山さん」 「えっ? ん、ああ、全然OKだぜ」 淳太に取っては可愛い女の子の仲間が増える事は大歓迎だった。 狐の獣人ではあるが、恐らく美少女の部類に入る。 淳太に取って、まさに両手に花な状況である。 「ありがとうございます。菊池さん、中山さん。ここで立ち話も何なので、 歩きながら情報交換でも……」 「ちょ、ちょっと待ってくれ。俺達ずっと歩いてきてもう足がキツいんだ。 そこの山小屋の中で情報交換しようぜ」 「えっ」 淳太の言葉に美琴は戸惑った。たった今山小屋を出立しようとしていた所なのだが。 しかし二人の様子をよく見てみれば、確かにやや疲労しているように見える。 ここで自分の都合に付き合わせて歩かせるのは少し酷に思えた。 美琴が心優しい性格の持ち主だからこそこういった考えが出来たのかもしれないが。 美琴は淳太の提案を受け入れ、一度は出立しようとした山小屋の中へ引き返す事にした。 そして淳太とやとの二人も山小屋の中へ休息を取る事も兼ねて入っていった……。 【一日目/午前/C-6山小屋】 【葛葉美琴】 [状態]:左頬に掠り傷(治癒中) [装備]:十三年式村田銃(1/1) [所持品]:基本支給品一式、11.15㎜×60R弾(ポケットに24、デイパックに22)、出刃包丁 [思考・行動] 基本:殺し合いはしない。 1:首輪に盗聴器が内蔵されている事を他参加者に知らせる。 2:知人(四宮勝憲、朱雀麗雅)と合流したい。 3:中山さん、菊池さんと情報交換する。 4:たった今山小屋を出ようと思ったばかりなのに……しょうが無いか。 5:襲われたら戦う。 【菊池やと】 [状態]:疲労(中) [装備]:ミロクSP-120(2/2) [所持品]:基本支給品一式、12ゲージショットシェル(50) [思考・行動] 基本:殺し合いの転覆。或いは脱出。そのために仲間を集う。 1:中山さんと行動。葛葉さんと情報交換。 2:襲われたらまず説得、駄目なら戦うか逃げる。 3:首輪を外す方法も探す。 4:何で10代の頃の身体に戻ってるの……? 【中山淳太】 [状態]:肉体的疲労(大)、精神的疲労(中) [装備]:S W M36”チーフスペシャル”(5/5) [所持品]:基本支給品一式(水半分消費)、38S WSP弾(50) [思考・行動] 基本:死にたくない。生き残りたい。 1:やとちゃん、美琴ちゃんと行動を共にする。 2:可愛い子ktkr! [備考] ※「菊池やと」という名前に心当たりがあるようですが、よく思い出せません。 ※C-6山小屋の中に幾つか猟銃が放置されているようですが、どれも古びていて、 葛葉美琴が持ち出した銃以外は使い物にならないようです。 Back 029魔手接近 時系列順で読む Next 031[[]] Back 029魔手接近 投下順で読む Next 031[[]] Back 010古城×群像劇×戦いの予感 葛葉美琴 Next 039錯綜する犠牲者 Back 017長寿が故の苦悩、そして新たな旅立ち 中山淳太 Next 039錯綜する犠牲者 Back 017長寿が故の苦悩、そして新たな旅立ち 菊池やと Next 039錯綜する犠牲者
https://w.atwiki.jp/naianakikaku/pages/1004.html
「………」 シン・シー……そう名乗った男の行動を、ヴァイスは一部始終観察していた。 言動から察するに、彼は人外……つまり、人間ではない存在を敵視し、人間の味方を自称しているようだ。 そして、そのために容赦をしないことも理解した。 「………」 理解した。……が、それだけだ。少なくとも、ヴァイスの価値観に照らし合わせると、その行動は全く許容できない。無論、この男に同情などと言う安い感情はない。つまり、結論は一つ。 『面白くない』。 ヴァイスの娯楽は、他人を利用して他人を「壊す」……具体的には、喪失や自己嫌悪の輪廻に叩き落とすこと。 あるいは、それらの発起点になるかとも思ったが、あれではとても使えない。 妖怪やその主などは心底どうでもいいが、あの男、シン・シーの行動は非効率的に過ぎる。 (下らない区分けに拘るとは……全く、ワタシの遊技場を荒らして回られては困るのですよ) 奴がこのまま動けば、いかせのごれの妖怪は一挙に危機に陥る。その中には、アースセイバー・ウスワイヤに属している者も少なからず存在する。仲間意識の強い彼らは対抗措置を取るだろう。あるいは、それに乗じてホウオウグループが介入して来る可能性も大いにある。 そうなれば、いかせのごれは人知れぬ混乱の渦に叩き込まれる。そしてそうなってしまえば、せっかく良い「役者」の揃っているこの場所で動くことが難しくなる。 ああいう効率の悪すぎる行動をとる人物は、ヴァイスにとっては嫌いなタイプだ。それだけなら放っておくが、自分の邪魔になりそうだというなら話が別だ。 (ここはまず……ん?) 「そこにいる人間は、人外の味方なのかな…?」 (む) どうやら向こうは自分に気づいていたらしい。確か本人が「能力のオーラが見える」と言っていたから、その力によるものだろう。 「……さて。少なくとも味方ではありませんがね」 わかっているなら隠れる意味はない。軽く、ヴァイスは死角から姿を現し、その男、シン・シーに相対する。 「………」 改めて見ても、この男はかなり珍妙な格好をしていた。が、それがかえって、闇の中に溶け込むような、不気味な「非存在感」を現していた。 「……何ですか、その格好は」 「あなたに言われたくはないなぁ」 確かにヴァイスの格好も大概珍妙だが。 「確かに。ですが、今そんなことはどうでもいいのですよ」 「へぇ? ま、いいや。ところで、あなたは何をしてるのかな。どうして僕の後をつけて来たのかな」 「何……次のシナリオの種にならないかと思ったのですがね」 「シナリオ、ねぇ。もしかして噂に聞く、人を壊すためのあれかな」 帽子の鍔を片手で上げる。どうやら、向こうは思ったよりこちらの事情に通じているらしい。 「まさしくその通りですね」 「そうか……噂は真実だったってわけか」 「それで、どうしますか『人間の味方』。人を壊すワタシを排除しますか?」 「そうだね……今は他にすることがある。それは」 シンの台詞を、ヴァイスは先取りして言葉に変える。 「害なす人外、妖怪の完全排除ですか」 「あれ? 何だ、わかってるなら話が早いや。僕は、あいつらを全員排除するつもりなんだ」 「……単刀直入ですね」 「余計に言葉を飾るのは趣味じゃないんだ。……ともあれ、人外の味方じゃないならいいや。僕の敵はあくまで人外だからね。……じゃ、これで」 軽く言って、その場を立ち去ろうとするシンの、 「待ちなさい」 その足下に、ヴァイスの放った投げナイフが突き刺さった。 視線がわからないが、明らかに怪訝な顔をしている。 「……何のつもりかな」 「見ての通りですが」 瞬間、その場に敵意が満ちる。 「……嘘はつかないのが信条じゃなかったのかい? それとも、それ自体が嘘なのかな? やはり、人外の味方なのか、あなたは」 「いいえ、違います」 鋭い声で言うシンに、ヴァイスは明確な否定で返す。 「人外の味方をするのではありません。アナタの邪魔をします」 「理由は何かな?」 「アナタにこのまま動かれると、巡り巡って逆にワタシが動きにくくなるのです。それは困るのですよ」 「……僕は『人間の味方』だけど、振りかかる火の粉を払うのは吝かじゃない」 す、とシンもナイフを取り出す。 「殺しはしない……けど、少し大人しくしていてもらうよ。あの人外達を排除するまでは、ね」 「だから、それをされてはワタシが困るのですよ。あなたこそ、邪魔をするなら消えてもらいます」 他者から見れば、いずれも狂人。しかれど、互いに思惑があり、それが相容れない。となれば、戦うのみ。 「では、行くよ」 「来なさい、『正義の味方』とやら」 シンとヴァイスの戦いは、かつてこのストラウルで何度か行われた派手なものではなかった。でありながら、状況はシンの圧倒的不利だった。 「人間の味方」を自称するシンの攻撃は、あくまでも「人間」であるヴァイスの命を狙ったものではなく、動きを封じることを意図したもの。逆に、シンを邪魔者とみなしているヴァイスの攻撃は、殺せるならば今すぐ殺すほどの鋭さを持っていた。 「く、速い!」 「手加減している場合ですか? 死にたくなければ殺す気で来なさい」 しかし、対するヴァイスの方も攻めきることが出来ない。明かりのほとんどない闇の中、シンの姿は時折霞むようにして視界から消えるため、決め手となる一撃を叩き込めない。対するシンの方は能力でヴァイスの位置を捕捉出来る。この差は決定的だった。 シンはその心情ゆえに致命打を繰り出せず、ヴァイスはこの状況ゆえに致命打を打ち込めない。 おまけに場所が場所だった。ここはストラウル跡地、「アンバランスゾーン」だ。理由もなしに何かが起こる。ここで常識や「そんなはずはない」という観念は通用しない。予想外の何かが起きる可能性を常にはらんだ場所での戦闘だ、両者とも慎重にならざるを得なかった。 「むッ!?」 「させるか!」 互いに決定打を出せないまま、応酬だけが延々と続く。そんな繰り返しに、先に音を上げたのはシンの方だった。 「やれやれ……これ以上続けていても埒が開かない。ここらで退かせてもらうよ」 「逃がすと思いますか?」 シンが一歩バックステップしたタイミングに合わせ、ヴァイスがナイフを真っ直ぐに投げつける。が、 「む?」 その一撃は、闇の中に溶け込んだシンを捉えられず、カラン、と乾いた音を立てて転がった。 「僕は人間の味方だ。必要とあらば、あなたとも協力する。人外を排するためなら、僕は手段を選ばない」 闇の中から聞こえるその声に、ヴァイスはため息を一つつき、返した。 「……では、一つ忠告をしておきましょう。とある家に、近く人外がひとつ来ます」 「へぇ? それは見逃せないな……」 「ですが、手を出すのはやめておきなさい。下手をすると痛い目ではすみませんよ」 脅しではない、実感からの本音として、ヴァイスは答えを知りつつも言う。案の上シンの答えは、 「忠告は受け取っておくけど、人外は見逃せない。どんな力を持っていようと、全て排除するだけだよ」 それを最後に、気配は消えた。その場を去った男に、ヴァイスはもはや届かぬ警告を送る。 「問題は、その人外そのものではありません……『彼女』の許には、何人もの守護者がついています。アナタとは絶対的に相容れない者達が、ね。それに、アースセイバー所属の者を襲った以上、アナタももはやただではすみません」 真っ先に頭に浮かんだのは、赤と白、特徴的な髪を持った姉妹と、格闘の達人。そして、異能殺しの男。彼ら彼女らとは、シンは絶対に相容れまい。 「……まぁ、後は地球の剣達に任せるとしましょうか」 物憂げにひとりごちると、ヴァイスもまた、闇の中に姿を消した。 狂人と「正義の味方」の邂逅 (敵か、味方か) (知る者も、知らぬ者も) (容赦なく、巻き込まれていく)
https://w.atwiki.jp/new2souennokanntai/pages/397.html
トップページ イベント攻略 [部分編集] 報酬 勝利回数 1 VeryHard ★5 J・ドーリットル Extreme ★6 J・ドーリットル [部分編集] VeryHardの編成 敵戦力:41901 陣形:梯形陣 重油消費:30 時間・天候:夕・晴 敵構成 : 空母、空母、空母、空母、駆逐、駆逐 敵旗艦技 : 艦隊戦の達人4(火力 +20%) 敵空母戦技 : 無数の戦力 x2、蒼空の支配者、龍の領域、速攻奇襲作戦、フォーボウディング 技能 : 敵駆逐戦技 : 、、 技能 : 未分類技能 : Extremeの編成 敵戦力:83102 陣形:梯形陣 重油消費:30 時間・天候:夕・晴 敵構成 : 空母、空母、空母、空母、駆逐、駆逐 敵旗艦技 : 艦隊戦の達人4(火力 +20%) 敵空母戦技 : 無数の戦力 x2、蒼空の支配者、速攻奇襲作戦、フォーボウディング 技能 : 爆撃機 300機、360機、275機、220機 敵駆逐戦技 : 乱れ五月雨 x2、集中爆雷投射、全方位爆雷投射 技能 : 未分類技能 : 火力上昇5、対潜上昇5、戦技発動上昇5 ↓コメント等 名前 閲覧数 今日: - 昨日: - 合計: -
https://w.atwiki.jp/irohahifumi/pages/110.html
弦月の下で/獅子邂逅◆DzuK1MKXmE 「神の剣…ね、馬鹿馬鹿しいにも程があるわ」 人の姿をした、しかし人ではない存在──。 『どのような願いも叶えましょう』 ロワと名乗ったあの女の言葉や存在は、かつてミズー・ビアンカが対峙したモノを彷彿させるのに十分だった。 ソレは人にとっての未知の存在。人々が世界の空白を既知によって埋め尽くしたと思い込んだ時、世界の空白地帯より現れる怪物。 ミズーはその存在、未来精霊アマワと関わった事により引き起こされた数々の事件と戦いの記憶に強く歯噛みをする。 「アマワの呪縛を打ち破り、全ては終わったはずなのに──」 アマワと似て非なるロワの存在を──そして、神の剣の存在を許せなかった。 かつて、この世に存在しない伝説の鋼を、その一振りを求めた狂える都市があった。 ミズーの出自であり、自身が全てを焼き滅ぼした錬金都市イムァシア。 究極の絶対殺人武器という幻想を、ただひたすらに追い求めた都市の錬金術師達は、幼少のミズーを冷たい牢獄へと監禁する。 「そして、私は絶対殺人者として、徹底的に今の私にさせられた──」 そう、ロワの語った言葉は、死してなおイムァシアの狂人達を狂喜させるに十分すぎるモノだった。 それ故に、ミズーの怒りはその総てを許せない──。 「ロワ…私はお前を必ず打ち滅ぼすッ」 神の剣の破壊を誓い、その女の名を憎々しく叫びながら唇を噛み締める。 『剣の所有者がそれを望むのならば』 ──幻聴。 否、その声は確かに聞こえてきた。 『でも貴方にそれが出来るのかしら』 剣を柄に手を重ねて、問い返してくる声に、ミズーは動じずうなずく。 「然るべき時に、然るべき場所であれば、必ず──」 『ならば最後の一人になりなさい、それがこのゲームのルールよ』 その言葉を最後にロワの声は消えていった。 「──ええ、そのつもりよ」 虚空に浮かぶ弦月を見つめて、頭を振る。 (でも、それは最後の手段) マントの下で剣の柄に手をかけて。 「そう易々とお前の言葉に乗るつもりは無いのよ!」 剣の宝玉が輝き抜刀、背後の闇へと一気に斬り付ける。 ──ギイィン。 金属同士がぶつかる鈍い音が空間に響き渡った。 「あはっ、どうして気付いたの?」 「ただの感よ、不意打ちには慣れているの」 一瞬の攻防後、不敵な笑みを浮かべた両者は同時に地面を蹴り、二つの刃が空気を切り裂いた。 ☆ ★ ☆ うっそうと生い茂る木々の合間を月明かりの煌きが照らす。 その薄闇の中を、荒い呼吸を吐き出しながらも駆け抜ける者がいた。 真紅の外套を纏い、炎のような長髪を振り乱してミズーが疾走する。 対峙する者は、夜の闇より濃い黒髪の美少女、諫山黄泉。 「はあぁッ!!」 裂帛の気合と共に凶刃が閃き、鳴り響く轟音が周囲の大気を震撼させる。 黄泉の放った一振りの斬撃が森の木々を次々と紙屑のように薙ぎ倒していく。 「冗談じゃないわよ! 馬鹿力にしたって限度があるでしょう!」 ミズーは軽く舌打ちをすると、倒壊する木々の残骸をかわして地を転がる。 服の上から柔肌を襲う衝撃に苦しみながらも視線をあげると。 ミズーの先へと回り込んだ黄泉が、地へと水平に刃を突き立て跳躍した。 その姿を認めたミズーは迎撃は間に合わないと即座に判断するや、剣を地に突き立てて。 黄泉が飛び、二人の身体が地上で交差する。その寸前に、ミズーは立ち上がりざま、手にした剣を逆手で構え、飛来する黄泉の刃を剣腹で受けその先端へと受け流す。 響く鈍い金属音、防御に成功。と同時に黄泉の背に蹴りを放つ。 が、しかし無理な体勢で放たれた技は当たらず。受け流されるままに、黄泉はミズーの後方へと飛び退いた。 「あはははっ、なかなかやるじゃない」 戦いの最中で高笑いをあげる黄泉の姿は見る者に不快感を与えるに十分だった。 人の世の穢れを祓う為に、超自然災害対策室のエージェントとして悪霊と戦った諫山黄泉は既にいない。 此処に居るのは殺生石の妖力を持ち、人の限界を超えた膂力で刃を振るう、自身もが悪霊となった存在であり。 黄泉が振るう剣は、今は失われて久しい、古の技術で造られた一刀。 それは鋼鉄をも断つファン・ガンマ・ビゼンのニホントウだった。 (あの腕力に、あの剣、なんて厄介な組み合わせなのよ!) もしもミズーが手にした武器が普通の剣であれば、初手の一撃で剣ごと両断されていたかもしれない。 不意に走った悪寒に背筋が震える。だが、ミズーがその手に握る武器もまた、とある名工が若き竜の勇者の為に伝説の金属で鍛え上げた一振りだった。 (この剣に、運に命を救われた?) 不意に湧き上がる疑念に、今は目の前の敵を倒す事に集中しろと、頭を振る。 幸いな事に、剣技そのものは決して対処できないものではない。 力を使わずに技量と視力だけでどんな相手にも対抗できる、剣術の基本だった。 それでも、本来なら障害物であろう森の木々をものともしない異常な膂力の相手には、 草木や枝に剣を制限されるているミズーの不利は否めない、上に距離が掴みにくい。 (此処は…不味いわね、何処か拓けた場所を……) 森林の空白地帯を探してミズーが駆け出した、そして──。 「……見えた」 地面を駆ける靴の下で、小枝を踏み折る音を立てながら、ミズーは一気に森を抜ける。 足元に広がるは若草が揺れる草原、追撃をかけようとした黄泉の足がほんの一瞬だけ止まった。 「ここなら有利に戦えるとでも思ったの」 「そうかもね」 少なくとも、邪魔な障害物で相手の剣を見失う事は、無い。 「そう、じゃあ試してみようかしらッ!」 小細工なしで正面から突進を駆ける黄泉の刃、その速度と重量を馬鹿正直に受け止める気には到底なれない。 ミズーは大きく飛び退きその斬撃をかわす。が、逃がしはしない。 とばかりに黄泉は更に踏み込み、振り下ろした刃が手の内で跳ね上がる。 黄泉の放った切っ先が迫り、それに抗うのはわずか一瞬、ミズーは空で身体を旋廻させて、手にした剣をニホントウの腹へと横からぶち当てる。 甲高い金属の音が響き、体勢を崩した二人が左右に弾き飛ばされる。 体勢を崩しながらも、外套の裏に隠した短剣をミズーが素早く放ち。 視界に鈍色の輝きを認めた黄泉は首を捻り、短剣を避けたか見えた。 が、飛来した残光が通り過ぎた後、その頬には赤い一筋の線が走る。 (……なんて無茶苦茶な刃の軌道をするのよ!) 上段からの斬撃を腕の内で翻し、更なる下段からの突き上げを行ったその刃に、ミズーは静かに戦慄する。 黄泉が今しがた放った技は、言うなれば彼の有名な剣豪、佐々木小次郎の燕返しを力技だけで再現したようなモノだった。 とはいえ、それは黄泉自身が幼き頃から神童と呼ばれた剣の腕を持ち、殺生石で人の限界を突破していたからこそ再現出来た技なのだろう。 (このままじゃあ……負ける?) 地面にニホントウを突き立てた黄泉が笑い。 頬から流れ出る雫を指で拭い、ぺろりと舐める。 それでも、相手が生きている以上は──。 (いいえ、私に殺せない者はいない……私は負けない) ★ ☆ ★ ミズーは真紅の外套を留める、獅子のレリーフが入った留め金を無意識に掴む。 炎の獅子、獣精霊ギーアが封じられた水晶檻、しかしその力は封じられていた。 「なかなか埒が明かないわねえ」 「それはお互い様よ」 ミズーと黄泉が戦いを始めてどれくらいの刻が過ぎたのか。 ほんの数分なのか、数十分なのか、それはわからないけれど。 時間の経過と共に、両者の身体に疲労が蓄積していくのだけは確かだった。 「そうね、それならこれはどうかしら?」 黄泉は楽しそうに笑いながら、手にしたニホントウを納刀すると、鞘を背に隠したままに腰を低く落とす。 抜刀術、居合いの構え。それはミズーとの切り結びにおいて、剣の腕は相手が上と見た、黄泉なりの戦略だった。 (剣を収めた? いえ狙いは判るわ……此処で決めるつもりなのね) 黄泉の構えを凝視したミズーは内心の動揺を隠しながらもあくまで平静を装う。 が、しかし。未だ動けずにいるミズーの姿に黄泉は小声でほくそ笑む。 「ふふ、これは狙い通りかしら。まるで御伽噺の中から出てきたようなその服装を見れば、ね」 ミズーとて、居合いに似たような技を見た事がない、まったく経験がない訳ではない。 それでも黄泉が尋常ではない膂力から繰り出すであろう居合いの距離を掴むのはとても難しい。 そして、それが即座に自身の死へと直結する事もわかっている。 それでもミズーに抜刀術へと対抗する手段がない訳ではない。 こうしてあれこれ思考している間も、黄泉はその距離をジリジリと詰める。 (念糸能力を使うには…今はリスクが大きすぎる) ならば打つ手は一つ。居合いを打ち破るものは、その攻撃圏外からの先制攻撃のみ。 ミズーは念糸の行使を即座に振り払い、己が持つ必殺の構えを選択する。 (そう、殺害はもともと困難なもの……) ミズーは剣を持ち上げて、そしてつぶやく。 (殺害を可能にするのは、すべて距離にかかっている……) 持ち上げた剣を構える。普通に振りかぶるのとは多少、違う。 (すべての距離を自分のものにできれば、殺害は思いのままとなる……) 剣を水平にしたまま、大きく肩の上に担ぎ上げて、必殺の距離が迫り──。 「「ハアッ!!」」 それはミズーと黄泉の必殺の間合いが交錯した瞬間──。 腰溜から腕の筋肉を伝い、その力の一切を余す事なく指の先まで浸透させる。 極限まで引き絞られた技を、後はただ目の前の敵を打ち滅ぼすために解き放つ。 一撃必殺の投剣術、大気を切り裂くダイの剣が黄泉へ迫り──。 一撃必殺の抜刀術、大気を切り裂くニホントウがミズーへ迫り──。 極限の殺意が集う、無の一点、絶対の殺人領域に絶叫と残光が響き渡った──。 ☆ ★ ☆ 瞬間の静寂。 限界まで引き絞られた殺意の余波が空間を攪拌させて──。 炎を纏った獅子が、真紅の閃光でその薄闇を切り裂いた。 「「──なっ!!」」 激しい残響の後に起こった結末は、二人の予想を裏切ったものだった。 「間に合って良かった──」 勝者の剣が敗者の体を貫くであろう刹那の刻に、ミズーと劣らぬ真紅の輝きを煌せて。 黄泉のニホントウを炎の剣で受け止めて、ミズーの刃をその身に纏った鎧で弾いた、紅蓮の少女が必死に叫ぶ。 「みんな、戦っちゃダメだよ──殺し合いなんて絶対に間違ってるはずなんだッ!」 額にうっすらと汗を浮かべながら、少女──獅堂光はにっこりと二人に笑いかけた。 思いもよらなかった新たな乱入者の姿に黄泉は軽く距離を取り直して。 ミズーはこの場所で見せるには場違いな少女の笑みに戸惑い、顔をしかめる。 「勘違いしないで頂戴、殺し合いに乗って襲い掛かってきたのはそっちの女よ」 「余計な邪魔が入ったと思えば子供か。いいよ私は、邪魔をするならお前も一緒に斬ってあげるから」 光の鎧に弾かれた剣をミズーは隙なく拾い、黄泉は舌なめずりをする。 「そんな、どうして! あなたは人を殺してまであの剣が欲しいのというの!? それに、あなただって襲われたとしても、それだけの強さがあれば戦わずに済む方法だってあったんじゃないないのか!?」 両手を広げて必死に叫ぶ光の姿は、この殺し合いの場にはあまりに似つかわしくない。 ミズーは黄泉を、黄泉は光を、光はミズーを止めようして、三人が睨み合う形となり、状況が膠着するかに見えた。 その中で、光の言葉にミズーの鼓動がどくんと跳ね上がる。 (そう…わたしは殺そうとした…) 襲ってきたから殺す。それは最後の手段だと決めたのに。 無理に戦わず、逃げるという選択肢もあったはずなのに。 ──どうしてその考えが浮かばなかったのだろう。 (やはり──私は絶対殺人者でしかないの? いいえ、違うわ!) 突然、ミズーの身体から剥離した銀色の糸が、黄泉の身体へと収束していく。 「なにっ!?」 咄嗟に身体へ巻きついてくるソレを斬ろうとするが、黄泉は半不可視の銀糸に触れることが出来ずにいた。 「くっ、なんだこれは!」 「あなたは何をするつもりなんだ!」 「それは念糸──、私の切り札よ」 冷たい表情でミズーが告げる。 (もっとも、本当の切り札は──) 獣の瞬間──他にあるのだけれど、という事はおくびにも出さない。 「この三人の中で明確に殺し合いに乗っているのはあなただけよ。 この子が乱入してきた以上、このままじゃあ、ますます埒が明かないわよね。 だから、今は退きなさい──」 無言のままに、黄泉はミズーと光を見比べながら思案すると。 「……ふふ、ここで無茶をする必要もないか」 チンッ、という微かな金属音が響き、黄泉がニホントウを鞘に納めた。 その姿を、殺意が消えた事を確認したミズーがゆっくりと念糸の力を解除する。 二人が戦いを止めた姿を見て、光に微かな安堵が浮かぶ。 「──ここは退くわ。でも、次はちゃんと殺してあげるから」 その言葉を最後に黄泉は駆け出していった。 ★ ☆ ★ (どうにか、ハッタリが効いたみたいね……) ミズーが黄泉に対して仕掛けた念糸、その念糸能力は《発熱》である。 本来のそれは相手と自分を思念の道(念糸)で繋ぎ、そしてさらに意思を注ぐというツーアクションが必要になる。 しかしその力はこの場所で大きく制限されており、本来のアクションに加えて、 意思を注ぎ、発熱が始まるまでにタイムラグが生じ、さらに発熱後、相手の戦闘力を封じるまでの威力を発揮するには多くの時間を要することになる。 といった、言うなればフォーアクション、どころかファイブアクションさえ必要とする、戦闘ではとても使えない代物になっていたのだが。 ミズーがゆっくりと剣を納めると。 「今だけでも…あなた達が殺しあわずに済んでよかった…」 黄泉が去ったのを見届けた光が一言つぶやき、そのままがくりと地に膝をつく。 その光景を見たミズーが光の元へと急いで駆け寄り、光の肩を抱く。 「なんて無茶をするのよ! 一歩間違えていれば、貴方が死んでいたのよ!」 地に倒れたままに苦しげな表情を見せる光。 その肩口からは左腕にかけておびただしい量の鮮血が溢れていた。 「いいんだ、これ位わたしは大丈夫だから…」 「動かないで、まずは私に傷を見せてちょうだい」 「えっ、あっ、うん…」 真剣な表情で迫るミズーの言葉に光は胸の辺りで両手を合わせる。 すると薄桜色の虹彩が光の全身を廻る。淡い輝きが消えた後には真紅の鎧が消失していた。 「驚いたわね、それは貴方の魔法なのかしら?」 「うん、これは導師クレフが授けてくれた魔法の鎧なんだ」 さして興味の無い話でも多少の気休めにはなるだろうかと光の声を聞いて。 とりとめもなくそんな事を考えながら、ミズーは制服姿になった光の腕を確認すると。 それは思った以上に真っ赤に染まっていた。ミズーが負わせてしまった傷だった。 それはミズーの放ったオリハルコン製の剣が、魔法騎士の鎧を貫き光の肩を深く抉っていた痕だった。 (この傷は私が付けたのよね…) その事実に多少の罪悪感を覚えてしまう。 「光だよ…」 「うん?」 「わたしの名前…獅堂光っていうんだ」 「そう…それよりも、今は止血をするのが先ね」 「…どうするの?」 ミズーは光の腕を覆う制服を軽く引きちぎり、意識を集中して、再び念糸を紡ぐ。 「…少し痛いけど我慢しなさい」 剥き出しになった肩口の傷に銀色の糸が絡みつき、そして。 「うあぁぁッ!」 光が悲鳴をあげて、脂肪が焦げる嫌な臭いが鼻をかすめ。 身を焼く痛みに、奥歯を噛み締めて必死に耐えていた。 (こんな華奢な身体で無茶をして…) 尚も続く光の悲鳴にミズーは顔をしかめながら止血を続けていき。 しばらくして、汗を拭ったミズーが顔をあげて告げる。 「傷口を焼いて接着したわ。多分……一時はこれで大丈夫なはずよ」 「あっ、ありがとう…お姉さん」 「礼を言うのは私の方、あなたが割って入らなければ、正直どうなっていたかのかわからないもの」 「光だよ、わたしの事は光って呼んでほしい」 未だに激しい痛みで肩を震わせながら、額を流れる冷や汗を拭い、光はミズーの瞳をじっと見つめていた。 「そう…ヒカルね…」 「お姉さんの名前は?」 「…………」 光の問いにミズーは戸惑い逡巡してしまう。 このような殺し合いの場で、一体名前を名乗ることにどれほどの意味があるのかと。 (積極的に殺し合いをするつもりはないけれど、それでも私は殺人者なのよ……) だとしても、ヒカル(光)という名の少女の微笑みに──。 「…私はミズー、ミズー・ビアンカよ」 「へぇ、素敵な名前だね、えっとミズーさん?」 つい答えてしまい。ミズーの口からは軽い溜息が出た。 (私も甘いわね……) そんなミズーの様子を光は不思議そうに眺めていたが、その瞳に観念したようにミズーがゆっくりと立ち上がった。 「ミズーでいいわよ。それに助けてもらったせめてもの礼ね。 とりあえず、あなたを安全な場所までは連れていってあげる」 こうしてミズーは東に見える村を指しながら光と共に歩き出した。 (何なのかしらね、コレは…) やたらと人懐っこい光の様子に、ミズーは不思議な感覚を覚えてしまう。 その少女はミズーの半身ともいえる相棒、獣精霊ギーアに何故か似ているような気がした。 【C-4 草原/一日目/深夜】 【ミズー・ビアンカ@エンジェルハウリング】 【状態】健康、疲労(小) 【装備】ダイの剣@ダイの大冒険 【道具】基本支給品一式、ガッツの短剣(×8本)@ベルセルク 【思考】基本:最終目的はロワを倒し、神の剣を破壊する。 1:今はヒカル(獅堂光)を連れて東の村を目指す。 2:無駄な戦いは出来るだけ避けたい、が敵対する者は倒す(殺す) [備考] ※参戦時期は原作9巻(ミズー編最終巻)アマワの契約が破棄された後からです。 ※自身の制限を全て把握しています。 ※念糸能力は制限により発動がとても遅く、本来の威力を発揮する事が難しくなっています。 ※精霊の召喚、行使は制限により不可能です。 ※ミズーはダイの剣を扱えます。他の人間が扱えるかは不明です。 【獅堂 光@魔法騎士レイアース】 【状態】疲労(小)、右肩に深い刺し傷(止血済み)出血と治療(火傷)によるダメージ、 【装備】魔法騎士の剣(光専用最終形態)、魔法騎士の鎧(光専用最終形態) 【道具】支給品、 【思考】基本:主催に反抗し、殺し合いを止める。 1: 今はミズーさん、ミズーと東の村へ向かう。 2:海ちゃんと風ちゃんがいるなら合流したい。 [備考] ※参戦時期は光がセフィーロの柱になった以降(最終回後)です ※魔法騎士の剣は魔法騎士の鎧(手甲の宝玉)に収納可能です。(光の意思で自由に出し入れ可能) ※魔法騎士の鎧は光の意思で自由に纏う事が出来ます。 ※魔法騎士の剣、魔法騎士の鎧を他の人間が扱えるか不明です。 ☆ ★ ☆ 「ハァ…ハァ…」 ミズー達と別れ、戦いが終わり。極度の興奮状態から開放された黄泉は森の中を出鱈目に彷徨っていた。 「アアアァ…!!」 額に痛みが走り、身体を駆け巡る妖力に打ち震える。 「私は…一体…あの女は…どうしたんだ…」 不意に、制服の裾から零れ落ちたモノが視界に入る。 そこに落ちている赤い携帯を拾い、折りたたみ式のそれを指先で開くと、そこには黄泉と神楽が微笑んでいた。 「そうだ…今日は確か神楽と約束があって…」 記憶が混濁している。赤い携帯を制服のポケットに仕舞う。 「そうだ…私は神楽を本当は憎んで…いた。 違う、私はあの子を家族のように……!」 いつの間にか森を抜けると、虚空には弦月が変わらずに浮かんでいた。 その月光を浴びて、黄泉の額に赤い石が浮かび上がり、黄泉の両眼が妖しく輝く。 「そうだ、私は殺さなきゃ、あの子を守る為にすべてを…」 頬の傷はいつの間にか消え、その体内では殺生石が静かに脈動していた。 【D-3 草原/一日目/深夜】 【諫山黄泉@喰霊-零-】 【状態】健康、疲労(小) 【装備】ファン・ガンマ・ビゼンのニホントウ@海皇記 【道具】支給品、ランダムアイテム×1 【思考】 基本:神楽の為に他の参加者は皆殺し。 1:出会った者は皆殺し。 2:赤い髪の女(ミズー)はいつか殺す [備考] ※参戦時期は三途川に殺生石を埋め込まれた後です。 ※殺生石の妖力で身体能力が大幅に強化、軽症は時間経過で回復します。 ※法術の類がどの程度使えるのか不明です(後の書き手氏にお任せします) ※ミズーと獅堂光の名前は知りません。 BACK NEXT 006 偽りと正当 投下順 008 妖夢・衝撃!光の来襲 006 偽りと正当 時系列順 008 妖夢・衝撃!光の来襲 BACK 登場キャラ NEXT GAME START ミズー・ビアンカ 038 絆を紡いで GAME START 獅堂 光 038 絆を紡いで GAME START 諫山黄泉 035 流れの行方は
https://w.atwiki.jp/takayukigb/pages/2.html
メニュー トップページ メニュー 右メニュー めんばー リンク たかゆき wikiの編集方法についてはこちら 左メニューの編集方法についてはこちら ここを編集
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/105.html
オーガニックな機体とニュータイプの邂逅 ◆9NAb4urvjA 俺達は当初の予定通りにH-2に留まり他の参加者が接近するのを待っていた。 「なあアムロ」 この横にいる核ミサイルに乗った男はシャア・アズナブル。自分の生涯のライバルであり、敵から 味方へ、味方から敵へ、敵から味方へと変わり身の早い油断のならない男だ。 「どうしたシャア」 「暇だ」 「……索敵すらしない役立たずはもう助けてやらんぞ」 「冗談だ。ところで、もしここが奴らの言っていた禁止エリアになったらどうする?」 たしかに、奴らが監視等をしているとすれば自分達が動かないことに業を煮やして移動させようと するだろう。だが、そこまで考え俺は自惚れていると気付く。 この状況では単独で行動したとしても奴らを出し抜くどころか勝ち抜くことすらできやしない。まして 足手まといを抱えている状況では尚更だ………こいつにはMS-05Bでもいいから早く核ミサイル以外 の機体に乗ってもらいたいところだ。 「そうなったらH-1かG-1に移動するまでだ」 そうしていると唐突に北東の方に何かが現れたのを感じた。 「シャア?」 「貴様も感じたか。だがこれはいったい?」 「カミーユともララァとも違う。強化人間にしては穏やか過ぎる」 なんだ、この唐突さと妙な感覚は? 「とりあえずお前は上空で待っていろ。俺が接触する」 「何度も同じ台詞を言わせる気か?私を置いていこうとしたら追い縋って貴様ごと自爆すると言ったはずだ」 チッ!折角こいつと離れるチャンスなのに。 「こら、露骨に嫌そうな顔をするな。さっさと先に行け」 「まあ、慌てるなよ。とりあえず放送を聞いてから行くことにするぞ」 放送では10人もの人間が呼ばれたことに驚きはしたが知っている名前はいなかった。だが、奴らが言った 『ご褒美』の『死者の復活』『世界の改変』等とは大きくでたものだ。しかしそんな話を信じてやる程には 子供ではないし、そんな理由でゲームに乗ってやるつもりもない。 例えその話が本当で誰かを生き返らせることが可能としてもだ。 「奴らの話をどう思う?」 「あいにくと興味はないな。お前こそ馬鹿な考えは起こすなよ」 「フッ、アクシズの連邦軍を騙し撃ちする計画を立てたのは私だぞ。奴らの話を信じると思うのかね?」 どうだか、貴様を信じるぐらいならプチモビに乗ってサイコガンダムに喧嘩を売る方がマシだと 思うがな。とりあえず、思考を元に戻す。 一番気になるのは奴らの目的だ。ゲームを実行して優勝者を出すことが目的ではなくあくまで それから得られる結果が重要なはずだ。でなければこんなことをしでかす理由がないだろう。 …考えていたところで埒があかないな。 とりあえずは北東を調べることにし放送の内容をメモしてからシャアを後ろに付け北東に向かう。 「…赤いが大破しているな。残念だ」 しばらくすると大破したと思われる赤い機体とその前にへたり込む人影、そして 俺達に妙な感覚を感じさせるピンクの機体を見つけた。 とりあえず、殺し合いに乗った可能性が決して低くないとは思い、機体を変形させてある程度距離を保ち ガンポットを構え外部音声のスイッチを入れる。 「こちらは………」 アムロ・レイだ、と言いかけて止める。この名前は有名すぎて味方も多いが敵はそれ以上に多い。 とりあえず、偽名を使うことにする。 「………ハヤト・コバヤシだ。そちらと話し合いをしたい」 「私はエドワウ・マスだ」 こいつも俺の意図を読んだのか、偽名を使う。 すると、ピンク色の機体が動いた。パイロットが乗っているのかと思い身構えているとピンク色の機体は 人影を庇うかのように両手を広げ立ちふさがった。 相手を完全に信用したわけではないが、殺し合いに乗っているわけではなさそうだと思いガンポッドを下ろす。 「俺達は殺し合いに乗ってはいない、とりあえず話し合おう」 すると、ピンクの機体がその人影をまるで壊れ物を扱うかのように両手ですく上げこちらの方に近づいてきた。 敵意がまったく感じられず、目の前に来るまで武器を構える発想さえできなかった。そのおかげかじっくりと 相手を観察できた。 人影の方はへそを出しているよく分からない服装をしており赤毛の若い女性であることが確認できる。 最近の若い人間のセンスはよく分からんな。 機体のほうはこの機とほぼ同サイズであり、武装らしき物が見受けられず内臓火器等も見受けられない、 ピンクのカラーリングの所為か穏やかな印象を受ける、なにより先刻の機体ともMSとも違い無機質的である が同時に有機質的な外見が特徴である。 そして、開いているコックピットのような場所には誰も乗っていなかった。 だが、ガンタンクのような構造ならばコクピットが二箇所あるので別の所にパイロットがいるのだろう。 「……………………………………………………」 女は俯いたままこちらを見ようとはせず、なんの反応も返してはこない。 この落ち込み様からすると、先刻の放送で家族か恋人が死んだかもしれないと仮定し、 このピンクの機体のパイロットは俺達に慰めさせようという魂胆かもしれないと考える。 こいつの相手よりはマシとはいえ、女性を慰めるということは俺にとっては苦手な分野である。 とりあえず、シャアの方が女の扱いにはたぶんうまいはずなので接触通信で奴に話しかけるように促す。 『お前が話しかけろ』 『アムロよ。複数の女性の股をかけているくせに女が苦手とかいうのは罪だぞ』 『いいからさっさとしろ!また振り回されたいのか!というか、今の発言はどういうことなんだ!?』 だが奴は俺の疑問に答えるもことなく、ミサイルから掌に移り女性に話しかける。 「何があったのかね?」 「……」 「黙っていては話すらできんよ」 「……」 シャアは仕方がないという表情を浮かべは彼女の肩を揺らす。 すると、ようやく女がこちらに気付き驚愕の表情を浮かべ奴の腕を振り払い後ずさる、 そして掌から落っこちた。 「「な!?」」 慌てて操縦桿を動かすがマニピュレーターと彼女の間にある距離は絶望的なまでに開いている。 奴も腕を伸ばそうとするが僅かに届かない。 「間に合わないか!?」 だが、ピンクの手が地面に落ちる彼女を間一髪で掴んだ。どうやら一安心のようだ。 「いや~!!離して!離してよ!!」 「落ち着くんだ!俺達は君の敵じゃない!」 だが彼女は俺達の言葉を聞き入れず、ピンクの手に掴まれたまま暴れ続ける。 そうして彼女が暴れ疲れてからやっと会話ができる状態となった。 ピンクの機体が奴を右手に乗せ、女性を左手で掴んだままの状態で。 「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ」 「落ち着いて聞いてくれ。俺はハヤト・コバヤシ、こいつはエドワウ・マス、ゲームには乗っていない」 「…信用できない」 「私達がゲームに乗っていたらもう既に戦闘状態になっているはずだ」 「…あんたらの作戦なんじゃないの?足手纏いがいるし」 「ならばこそハヤトは乗っていないと考えるべきではないかね?」 「……」 そのまま黙り込む、こちらを信用する気は毛頭ないらしい。 どうしたものかと思っていると彼女が口を開いた。 「…ねえ、あんたら殺し合いに乗ってないんだよねぇ?」 「ああ、そうだ」 「それなら、まずあんたら二人とも機体から降りてみなよ」 「それは出来ない。そちらの機体にパイロットが乗っている以上こちらとしても用心したい」 そういうと、彼女はキョトンという表情を浮かべ、自分を掴んでいる腕を見た。 「あれ、なんで?…ジョシュア、ジョシュアなんでしょ?生きているんでしょ、出てきてよ」 女がコクピットを除き込む。 「…いない」 「コクピットがもう一つあるのではないのかね?」 「一つしかないよ」 「なら、人工知能でも付いているんじゃないのか?先刻から動いていたぞ」 心あたりがあったのかハッとした表情を彼女が浮かべる。 とはいえ、俺の知っている技術ではこのサイズだと先刻の様な動きはできず、 彼女がニュータイプ等ならばサイコミュ等の遠隔操作で動かす手段もあるがとてもそうとは思えない。 無論この異常な状況下では俺の知識が当てになる保障もないが。 「とりあえず、AIが搭載されているのなら君のことを離すように言ってみればどうかね?」 「…離してよブレン」 彼女がそう言うとピンクの機体がゆっくりと彼女を奴の目の前に降ろす。 「…かしこいな、それに優しい」 「ジョシュアもブレンは優しいて言ってた」 「ハヤト、私の勘ではどうやらこの機体は生きているようだ」 「どうやらそうらしいな」 機体の動作とこの妙な感覚からしてそう考えるしかない。信じ難いが。 「…おっさん達、軍人なの?」 彼女が奴のパイロットスーツを見ながらそう問いかけてくる。 もっとも、それはここに連れて来られたさいに奴に支給されたものだが。 「おっさんはひどいな。こう見えても30前なのだよ、軍人が嫌いなのかい?」 嘘こけ、お前は34だろうが。そう突っ込みたくなったがとりあえず我慢する。 「別に…」 「これから、どうするのかね?よければ私達と共にくるかい?」 「…あんた達はラキって女の人を知らない?」 「いや、私達はゲームに乗ったと思われる男と遠距離攻撃を仕掛けてきた赤い機体しか知らない」 それと、知り合いにはそんな名前の女などいないという言葉を心の中で呟く。 あのドームでは奴も俺もプレッシャーに圧倒されて他のことに気遣うことなどできなかったので他に 知っている人物がいるかどうかすら分からなかったしな。 「そのラキという女性は先刻の放送で呼ばれたジョシュアという人物の知り合いかね?」 「……あんた達に答えてやるつもりはない」 「もしそうなら私達と共にくるべきだ。君一人ではこの状況で見つけるには少々辛かろう」 「足手纏いはごめんだよ」 たしかに、お人好しでもなければ今のこいつと行動を共にしたいとは思わないだろうな。 「フッ。たしかに今の私が足手纏いである事は認めよう。だが、私と彼は地球圏で一番有名な パイロットこと、シャア・アズナブルとアムロ・レイなのだよ」 「……おい。俺が偽名を使った意味を考えていないのか?」 だが、こいつは俺の呟きなど聞こうともせずにそのまま喋り続ける。 「欺いたことは謝ろう。だが、今地球圏を騒がしている二人が目の前に現われて共に手を取り合って いると言っても信じられずに余計な警戒心を持たれるだろうと思いあえて偽名を使わせて貰った。 君が宇宙の民か地球の民であってもこの状況を打破するために我々と協力しては 貰えないだろうか?」 あいかわらずこのようなアジが得意な奴である。 「知らない」 「は?」 だが、彼女の言葉は俺達の想定していないものだった。 「…地球やコロニーでもニュース等でやっているだろう。ネオ・ジオンが5thを落としたとか」 「ねおじおんとふぃふすって何?」 「…ジオンは?一年戦争は?赤い彗星は?連邦の白いヤツは?ガンダムは?」 「他は分からないけど連邦なら知ってるよ。地球連邦政府は常識でしょ」 おかしい。彼女は知らなさ過ぎる。仮に嘘をついていたとしても何のメリットもないし、下手な嘘をついた ところで相手に警戒心を持たせるだけでこの状況ではマイナス要因になるだけだ。 そう考えていると、頭の中にとある言葉が浮かんだ。 『パラレル・ワールド』 SFではよく使われる設定で、世界は複数に渡って存在するといった解釈だ。 この解釈を用いれば彼女が俺達を知らないことや、このピンクの機体や先刻の赤い機体、今俺の乗るZタイプ とは違う可変機の存在が納得できる。 普段なら一笑にするところだがこの状況では信じるしかないだろう。 「どうやらお互いに知らない情報があるな。とりあえずは情報交換をしないかね」 彼女は奴の言葉に少し逡巡してから口を開く。 「…いいよ。そのかわりにジョシュアを埋めるのを手伝うのと、放送の内容を聞かせてよ」 そうして、俺が機体に乗ったまま奴と彼女が情報交換をすることになった。 無論、奴が大法螺を言ってもすぐ分かるよう収音マイクのボリュームを上げておくのは忘れない。 【アムロ・レイ 搭乗機体:VF-1Jバルキリー(ミリア機)(マクロス7) パイロット状況:良好 機体状況:ガンポッド、ホーミングミサイル共に若干消費 現在位置:H-2北東部 第一行動方針:とりあえず情報交換 第二行動方針:首輪を確保する 第三行動方針:協力者の探索 第四行動方針:首輪を解析できる施設、道具の発見 第五行動方針:核ミサイルの破棄 最終行動方針:ゲームからの脱出 備考:ボールペン(赤、黒)を上着の胸ポケットに挿している】 【シャア・アズナブル 搭乗機体?:核ミサイル(スーパーロボット大戦α外伝) パイロット状況:良好 機体状況:真っピンク 現在位置:H-2北東部 第一行動方針:とりあえず情報交換 第二行動方針:核ミサイルをダシにアムロに身の安全を確保させる 第三行動方針:仲間を増やし自分(と核ミサイル)を守らせる 第四行動方針:強力な機体の入手 第五行動方針:首輪を確保する 第六行動方針:缶切りを手に入れる 最終行動方針:ゲームからの脱出 備考:核ミサイルの荷物収納箱からブライト、ガトー、アズラエルのマスクを発見、所持。 ボイスチェンジャー機能付き。H-2の何処かにシャアの吐瀉物あり】 【アイビス・ダグラス 搭乗機体:ヒメ・ブレン(ブレンパワード) パイロット状況:良好 機体状況:ブレンバー等武装未所持。機体は表面に微細な傷。バイタルジャンプによってEN1/4減少。 現在位置:H-2北東部 第一行動方針:とりあえず情報交換 第二行動方針:ジョシュアの遺体を埋めたい 最終行動方針:考えていない 備考:長距離のバイタルジャンプは機体のEN残量が十分な時しか使用できず、最高でも隣のエリアまでしか飛べません。放送をまともに聴いていない。 H-2北東部にクインシィ・グランチャー が大破(上半身が消失している)しており 右手のソードエクステンションは無事なまま放置されている】 【時刻:18 30】 BACK NEXT 煮えきらぬ者 投下順 殺し合い Time Over ―私の中のあなたにさよならを― 時系列順 青い翼、白い羽根 BACK NEXT ふりまわされる人、ふりまわす人 アムロ 赤と流星、白と勇者王 ふりまわされる人、ふりまわす人 シャア 赤と流星、白と勇者王 アンチボディー ―半機半生の機体― アイビス 赤と流星、白と勇者王