約 76,850 件
https://w.atwiki.jp/ankachaos/pages/44.html
支給品一覧 【黒い甲冑@夜明けの口笛吹き】 大学でこの本を読んでる俺に支給、現在所有者はぎゃんぐ おぶ ふぉぉー。 一度着ると死ぬまで脱げないが、岩を斬るほどの力と、鉄壁の守りを得ることが出来る。 原作ではクリシュナというアホ毛で僕っ娘の少女が着ていた。
https://w.atwiki.jp/shichouseiko/pages/358.html
いちばん暗いのは夜明け前 毎週月曜02 00~02 30(TX) 視聴率はビデオリサーチ調べ(関東地区) 【表組】 # サブタイトル 放送日 視聴率 01 204号室 2005/07/04 1.8% 02 親友 2005/07/11 1.2% 03 人魚姫 2005/07/18 1.7% 04 マイ・ラブリー・ペット 2005/07/25 1.6% 05 ドーリー 2005/08/01 1.4% 06 赤い女 2005/08/08 1.2% 07 奴(やっこ) 2005/08/15 1.0% 08 アルケミスト 2005/08/22 1.3% 09 クローゼットの中 2005/08/29 1.6% 10 ティッシュ 2005/09/05 1.0% 11 凡と天 2005/09/12 0.5% 12 アイコ 2005/09/19 1.1% 13 不破族 2005/09/26 1.6% 平均視聴率 1.31% 最高視聴率 1.8% #01…2005/07/04放送 最低視聴率 0.5% #11…2005/09/12放送 視聴率一覧へ戻る トップページへ戻る
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/61303.html
【検索用 まりーこーるとのよあけ 登録タグ 2014年 UTAU ま 何卒P 曲 曲ま 珠之歌キオ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:何卒P 作曲:何卒P 編曲:何卒P 唄:珠之歌キオ 曲紹介 マイク替えて音源録りました。更に元気が無くなりました。 曲名:『マリーゴールドの夜明け』(マリーゴールドのよあけ) 何卒Pの42作目。 歌詞 曖昧な朝を迎える度 そこには何が眠るんだろう 今感じている全てが 鏡写しの誰かに見えるなら 埋められた花が朝焼けに泣いている 笑顔が欲しい 怒っていて欲しい 僕の為に 泣けないよ その痛みじゃ 届かないよ その背中に 流れ落ちる星屑すら憎むなんて 僕だけが抱く醜い心 あげないよ この感情は 返さないよ この声も歌も 零れ落ちる一片すら羨むなんて あなたには似合わない心だろ コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/asagaolabo/pages/2789.html
アンセム(天空の夜明け) / ANTHEM 【アンセム】 大いなる空に響くは天使の歌声か…清らかな聖歌が今、奏でられる アンセム(天空の夜明け) / ANTHEM ハイライト発生箇所 他のBEMANIシリーズへの収録 その他関連 収録作品 関連リンク ポップンミュージック Sunny Parkで登場した楽曲。担当キャラクターはイリス(20-2P)。 初出がbeatmaniaIIDXからの移植曲で、クプロ・ミミニャミ・パステルくんのみんなで宇宙戦争!!のイベント隠し曲として登場した追加配信曲。 天空の夜明け / Cuvelia BPM 150 新難易度 EASY NORMAL HYPER EXTRA 12 30 42 49 ハイライト EASY NORMAL HYPER EXTRA 5 6 6 6 初出はbeatmaniaIIDX19 Lincleにおける、「Lincle Kingdom」の最終ボス曲(ONE MORE EXTRA曲)としての登場で、アーティスト名義のCuveliaの正体はdj TAKA。今までのボス曲の曲調としては禍々しさがあったり暗いイメージがあったが、あえてそのイメージを払拭して明るい曲調で壮大なインスト曲という、難易度の高い要求の下で手掛けられている。曲全体にかかっているコーラスは女声ではなくボーイソプラノをイメージしていることのこと。コーラスから始まる雰囲気はいかにも神聖的だ。ちなみに初登場時のIIDXではANOTHER譜面をフルコンボすることが、WONDER WALKERの出現条件になっていた。移植元でのアニメはGOLIによるもので、真っ白で天使をイメージさせるロボットと、その中の本体と思われる少女が現れる。 ハイパーは同時押しが多くはなく、代わりに階段や乱打、交互連打が占める。階段や乱打に余計な配置がないので、階段・乱打の地力があればフルコンボは狙いやすい方か。24分スライド階段には注意が必要だが。EXはスライド・隣接階段や乱打にオブジェが付加される配置が目立つ譜面で、かなりの片手処理力が必要になる。さすがにIIDXのANOTHERの2000超もあるノーツは大きく削られて移植元より弱体化しているが、Lv49とボス曲らしく体力が要求され、さらに高速階段のラス殺しもあるのでかなりの超上級レベル。終盤の休憩地帯前の8小節は難所とも言える二重階段が絡んでくるので、ゲージを1/3以上維持できる地力は必要だろう。 ハイライト発生箇所 番号 5Buttons / EASY NORMAL HYPER EXTRA 1 2 3 4 5 6 他のBEMANIシリーズへの収録 beatmaniaIIDX 19 Lincleで登場した「Lincle Kingdom」の最終ボス曲。同作品内で行われた、後述するLincle Link第3弾にも関わっていた曲である。 ANOTHER譜面はどちらも2000ノーツ超、SPが2072ノーツという皆伝レベルの物量。DPも2261ノーツもありながら、こちらはスクラッチが一切出てこない(DPHも同じ)という完全な鍵盤特化譜面になっているが、休憩が無いに等しく、2分近く最後まで捌くのは至難。 Lincle Link第3弾では「WONDER WALKERの伝導師」と称して、条件を満たしてjubeat copiousと共に出現する楽曲「WONDER WALKER」の重要な鍵となっていた曲である。その条件は「この曲のANOTHER譜面をフルコンボ(SP・DP問わず)」という単純なものとはいえ、まさしく限られたトッププレイヤーにしか不可能なレベルであった。 KONAMI Arcade Championship 2011の決勝開催前に「WONDER WALKERの伝導師」の第1号が誕生した。その第1号が同大会のIIDX部門において優勝したDOLCE.であり、伝導師の条件を見事回答した。またこの大会でCuveliaの曲名と、Cuveliaがdj TAKAであることも判明した。 次作のtricoroで、段位認定の皆伝にSP・DP共に登場した。SPは長らくtricoroのみで10年後の30 RESIDENTで再登場したが、何と[perditus†paradisus]と共に中伝に降格となり、中伝取得のハードルが一気に上がる事態となった。一方DPは段位に登場して以来、現時点で一度も離れていない。ノート数の量が体力を削りやすいゆえか。 26 RootageでIIDXシリーズ20周年を記念して登場した、DJ TOTTO#?・HuΣeR#?の合作「X-DEN」(カイデンと読む)において、DP側の譜面でこの曲のフレーズの一部が使われている。SP・DP共に皆伝の実力を持つHuΣeR#?がIIDXシリーズに初めて書き下ろした「Highcharge Divolt」の初出がcopulaでかあるため、copula DP皆伝において当楽曲が対象になったことにちなんでだろう。ただしこの曲の部分のみ、ANOTHERではSPと同じ2220ノーツにするためか、譜面配置が大きく変わって4個同時や縦連打が存在しないが、引用元にはないスクラッチがありBPMが上がっているため強烈。 REFLEC BEAT ジャケット limelightで、Lincle Link第5弾において移植された。HARDはIIDXのSP NORMALをベースにした800ノーツ超の物量譜面で、ボス格を醸し出している。 jubeat ジャケット #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 festoで「フラッグラリー!!」において、2021/11/02から期間限定のSYMPHONY編で獲得できる曲として登場。BEMANI SYMPHONY#?で収録された、Nagiha + gaQdanによる「 天空の夜明け (BEMANI SYMPHONY Arr.) 」となっている。 2021アプリ版でもアルバム「BEMANI SYMPHONY」枠として、2021/12/15から配信された。 その他関連 麻雀格闘倶楽部 豪華絢爛において、「The 7th KONAMI Arcade Championship 開催記念!! サウンドフェスティバル」のイベントで獲得できる対局BGMの1曲として選出された。BEMANI機種から選出された曲はいずれもオンライン予選の課題曲になっているため、その影響だろう。 メダルゲーム「スマッシュスタジアム」で2022/04/25から、スマッシュポイントで獲得できるフィーバー楽曲の1曲として追加された。 移植元では「キュベリア」と呼ばれる女性キャラが出てきており、GOLIは当初女性のコーラスが使われている曲だと思って女性キャラで描いていたことを語っている。アルファベットではCubeliaとなり、アーティスト名と微妙に表記が違う。 収録作品 AC版 ポップンミュージック Sunny Parkからの全作品 クプロ・ミミニャミ・パステルくんのみんなで宇宙戦争!!のイベント隠し曲。 CS版 関連リンク 関連曲 [Sky High] 同ジャンル名 アンセム(GLORIA) クプロ・ミミニャミ・パステルくんのみんなで宇宙戦争!! dj TAKA 楽曲一覧/ポップンミュージック Sunny Park
https://w.atwiki.jp/noppo/pages/23.html
(2006年12月28日) ひどいね (2006年12月21日) 反応は? (2006年12月10日) 疲れているようだけど? (2006年12月07日) 振られた? (2006年12月04日) さて、今日は? (2006年11月29日) お土産? (2006年11月26日) 一緒に食事しないのは? (2006年11月22日) 試合前? (2006年11月19日) メールしてない? (2006年11月15日) 夜勤明け (2006年11月11日) 夜の練習? (2006年11月06日) 洗濯は?
https://w.atwiki.jp/hisshuu/pages/19.html
- 現在学校名がわかっている履修漏れ高等学校一覧 西日本編(ソース不明の高校も含まれている) ※注意事項 誤った情報が記載されている可能性もあるので、各自記事内容を確認すること。 名前が載っている高校でも全員が履修漏れとは限りません。一部コースや一部学年のみの場合もあります。 隠蔽しているところがあるようなので、今後も増える可能性があります。履修不足:高3男子告発「学校は潔く認めて」(毎日新聞) ソースがあるもののみ追加してください(必ずソースへのリンクを添えること)。 富山 16校(公立13校、私立3校) 【公立】高岡南、滑川、桜井、富山南、呉羽、氷見、南砺総合福光、高岡西、泊、大門、八尾、高岡、砺波 【私立】富山国際大付属、富山第一、龍谷富山 【備考】富山、富山中部、富山いずみ、高岡、高岡西、氷見、砺波、井波、福光、石動、上市、大門、高岡南、福岡、魚津の15校(一部、未履修判明校と重複)では文科省に照会中。富山新聞(11/2) 富山新聞(10/27) KNB(10/27) 毎日(10/28) 富山新聞(10/28) 富山新聞(10/31) 毎日(11/2) 石川 10校(公立3校、私立7校) 【公立】羽咋、金沢辰巳丘、金沢桜丘 【私立】星稜、金沢、北陸大谷、北陸学院、遊学館、金沢学院東、鵬学園 【備考】金沢泉丘では理系と理数科の00~05年3月の卒業生で履修漏れ判明。在校生は問題なし毎日(11/2) 朝日(10/27) 北陸朝日放送(10/27) 北國新聞(10/31) NHK金沢(11/2) 福井 18校(公立12校、私立6校) 【公立】藤島、高志、羽水、三国、金津、勝山、敦賀、丸岡、大野、鯖江、武生、武生東、丹生(田中寿和(現武生高校)、谷口康治教諭が主導「教師としては未履修はアリ」と発言) 【私立】北陸、仁愛女子、福井工大福井、啓新、敦賀気比、昭英 【備考】福井県教委は県立丸岡高を単位不足校から外すと発表。理由は「単位不足が5、6コマと短いため」。毎日(11/8) 福井新聞※10/27の記事 福井テレビ(10/27) 産経(10/28) 中日(10/31) 岐阜 19校(公立11校、私立8校) 【公立】加納、大垣北、大垣東、大垣南、可児、加茂、郡上、多治見、斐太、吉城、本巣松陽 【私立】岐阜女子、鶯谷、大垣日大、多治見西、中京、美濃加茂、岐阜東、帝京可児 【備考】「公立は4校以外の履修漏れはない」と県教委 中日(11/2) 岐阜新聞(10/27) 中日新聞(10/31) 読売(11/1) NHK岐阜(11/1) 中京テレビ(11/2) NHK岐阜(11/11) 岐阜新聞(11/11) 静岡 46校(公立35校、私立11校) 【公立】下田北、三島南、三島北、長泉、御殿場南、沼津東、吉原、富士、富士東、富士宮北、富士宮西、庵原、清水東、清水西、静岡、静岡城北、磐田南、浜松北、浜松西、浜松湖東、静岡市立、浜松市立、藤枝西、伊東、韮山、沼津城北、富岳館、清水南、藤枝東、島田、吉田、榛原、袋井、沼津西、掛川西 【私立】藤枝明誠、加藤学園、静岡学園、磐田東、静岡英和女学院、浜松学芸、聖隷クリストファー、浜松日体、西遠女子学園、静岡雙葉、日大三島 【備考】「グレーゾーンの高校はすべて未履修と認定した」と県教委 産経 毎日(10/27) 毎日(10/28) 加藤学園不正告発(H14/10) 静岡新聞 (会員登録)(10/31) NHK静岡(11/1) 朝日(11/2) 毎日(11/8) 愛知 35校(公立30校、私立5校) 【公立】蒲郡東、五条、一宮北、一宮南、木曽川、津島東、安城、岡崎、岡崎北、岡崎西、知立東、豊田北、豊田南、国府、半田東、安城東、豊明、豊野、御津、西尾、春日井、一宮西、一宮興道、豊田西(文系)、松平、吉良、豊丘、国府(理系地理選択者) 【私立】杜若、岡崎城西、桜丘、清林館、桜花学園 【備考】「全県立高訪問」行わず 必修漏れで愛知県教委中日(11/23) 中日(11/23) 新たに26校未履修か 岡崎、豊田西、国府、半田東など中日(11/13) 他にも未履修校があると情報が寄せられるため、全県立高校を対象に立ち入り調査を決定 中日(10/31) 県教委が11/9までに県内の全県立高校159校に立ち入り調査を実施、週明けにも調査結果を発表中日(11/10) 中日(10/27) 読売(11/1) 中日(11/14) 朝日(11/14) 三重 2校(公立0校、私立2校) 【公立】 【私立】高田、セントヨゼフ女子学園 【備考】伊勢、津西、桑名、四日市、津高などで化学偏重授業、県教委は「各校の裁量の範囲内」。生徒や保護者からは「履修漏れではないか」の声。毎日(11/2) 共同(10/30) 滋賀 9校(公立7校、私立2校) 【公立】彦根東、膳所、草津東、大津、八幡商業、長浜北、玉川 【私立】近江兄弟社、光泉 NHK大阪(10/27) NHK大阪(10/29) びわ湖放送(10/31) NHK大津(11/2) 京都新聞(11/7) 京都 9校(公立1校、私立8校) 【公立】市立塔南 【私立】平安女学院、京都成章、同志社国際、洛南、聖母学院、ノートルダム女学院、京都精華女子、福知山成美 NHK京都(10/27) 京都新聞(10/30) NHK京都(11/1) 京都新聞(11/2) 大阪 29校(公立0校、私立28校) 【公立】 【私立】大阪桐蔭、金蘭会、関西大倉、帝塚山学院泉ケ丘、明浄学院、大谷、大阪成蹊女子、初芝、初芝富田林、大阪青凌、プール学院、大阪信愛女学院、追手門学院、梅花、東大阪大学敬愛、阪南大高、清風、四天王寺羽曳丘、聖母女学院、大阪学芸中等教育学校、大阪産業大学付属、東海大学付属仰星、英真学園、大阪薫英女学院、飛翔館、千里国際学園、清風南海、大阪国際大和田、清教学園 NHK大阪(10/27) 産経(11/1) 毎日(11/1) 毎日(11/2) 毎日(11/3) 毎日(11/7) 毎日(12/22) 兵庫 21校(公立8校、私立15校) 【公立】兵庫、長田、龍野、相生、猪名川、八鹿、西宮北、明石西 【私立】神戸海星女子学院、灘、報徳学園、神戸国際、須磨ノ浦女子、関西学院高等部、東洋大学附属姫路、兵庫県播磨、三田学園、雲雀丘学園、近畿大学附属豊岡、柳学園、滝川、賢明女子 【備考】2002年に県立60校で同様の問題が発覚し、処置済。神戸新聞(2002/3/29)神戸新聞(2002/4/11) NHK大阪(10/27) 朝日(10/30) 読売(10/31) NHK神戸(10/31) 兵庫高校ほか県立5校で未履修判明(よみうりテレビ 11/1) 神戸新聞(11/1) 神戸新聞(11/17) 奈良 2校(公立0校、私立2校) 【公立】 【私立】東大寺学園、奈良大学付属 奈良新聞(10/27) 朝日(11/7) 和歌山 5校(公立1校、私立4校) 【公立】新宮 【私立】開智、高野山、智辯和歌山、近大新宮 【備考】県教委は、文科省から履修漏れ調査の通知を受けながら調査せず「該当なし」と回答していたことが判明紀伊民報(11/6) テレビ和歌山(10/27) NHK和歌山(10/31) 毎日(11/1) 毎日(11/3) NHK和歌山(11/8) 鳥取 2校(公立0校、私立2校) 【公立】 【私立】鳥取城北、米子松蔭 朝日(10/27) 島根 23校(公立19校、私立4校) 【公立】安来、松江北、松江南、松江東、大東、三刀屋、平田、出雲、飯南、大田、川本、矢上、江津、浜田、益田、津和野、隠岐島前、松江市立女子、横田 【私立】開星、松徳学院、出雲北陵、益田東 【備考】「調査、処分しない方針。厳しいせんさくは教員の士気に影響」と島根県教委の藤原義光教育長 山陰中央新報(10/31) 島根県では文科省の救済策に、県独自の対応を上乗せし、補習をさらに軽減山陰中央新報(11/7) 山陰中央新報(10/27) 朝日(10/27) 中国新聞(10/28) 中国新聞(11/4) 中国新聞(11/8) 岡山 16校(公立6校、私立10校) 【公立】総社南、瀬戸、岡山城東、西大寺、岡山後楽館 【私立】関西、岡山、明誠学院、岡山理科大、岡山学芸館、美作、作陽、黎明、岡山白陵、興譲館 毎日(10/27) 中国新聞(10/28) 中国新聞(10/31) 西日本放送(11/8) 広島 7校(公立3校、私立4校) 【公立】府中(下記備考欄参照)、安古市、吉田 【私立】呉青山、英数学館、近畿大付属福山、広島城北 【備考】2001年に県立14校(広島皆実、呉宮原、三原、尾道東、尾道北、福山葦陽、海田、廿日市、世羅、府中、庄原格致、高陽、広島井口、安芸南)で同様の問題が発覚し、処置済。 広島県教育委員会発表(平成13年9月14日) 朝日(10/27) NHK広島(10/27) 中国新聞(10/31) NHK広島(11/1) NHK広島(11/8) NHK広島(11/9) テレビ新広島(11/10) 山口 2校(公立1校、私立1校) 【公立】華陵 【私立】高水 読売(10/27) 中国新聞(10/30) 徳島 2校(公立0校、私立2校) 【公立】 【私立】成徳、徳島文理 【備考】唐突に必修科目の時間を大幅に増やす「駆け込み履修」、それでも「未履修はない」言い張る校長たち―徳島県立城ノ内、徳島北、城北高校 徳島新聞(11/10) 池田高,阿波高,脇町高,川島高、他県では、こうした授業形態を未履修と判断した高校もある徳島新聞(11/11) 未履修、複数教師が認める。県内公立高「裏時間割で授業」。それでも「未履修は一切ない」と言い張る校長。徳島新聞(11/18) 「教科書を一度も開けたことがない」生徒が言うのに、「未履修はない」、隠蔽続ける徳島県教育委員会。徳島新聞(12/8) 徳島新聞(10/29) NHK徳島(11/1) 香川 3校(公立1校、私立2校) 【公立】丸亀、三本松、高松桜井、観音寺第一 【私立】大手前、藤井 四国新聞(10/29) 西日本放送(10/27) 毎日(12/29) 愛媛 29校(公立22校、私立7校) 【公立】川之江、三島、新居浜東、新居浜西、西条、丹原、今治東、今治西、今治北、松山東、松山北、松山中央、松山商業、東温、伊予、大洲、小田、八幡浜、宇和、宇和島東、野村、南宇和 【私立】愛光、済美、新田、帝京第五冨士校、松山聖陵、聖カタリナ女子、松山東雲 【備考】新居浜西高の校長が自殺。校長室に必修逃れをほのめかす遺書。読売(11/6) 新居浜東、調査書に虚偽記載(11/9愛媛新聞)→未履修認める。(11/11愛媛新聞) 松山南、調査書に虚偽記載。未履修は認めていない。(11/11愛媛新聞) 小松・松山西でも調査書虚偽記載(11/15愛媛新聞) 新居浜西・八幡浜で96年度から、三島で97年度から未履修だった。(11/16愛媛新聞) 済美高校は15年前からから履修不足だったことが判明。テレビ愛媛(12/1) 【関連】未履修の場合は早急に調査書の再提出を。愛媛大学の対応 愛媛大学 調査書差し替えで推薦入試の出願基準を満たさなくなった生徒がいたが、今回に限り特別に出願を認めた。(11/17愛媛新聞) 愛媛新聞(10/27) 朝日新聞(10/28) 毎日(10/28) テレビ愛媛(10/30) 南海放送(10/31) テレビ愛媛(11/1) テレビ愛媛(11/2) 毎日(11/7) 高知 5校(公立0校、私立5校) 【公立】 【私立】土佐塾、高知学芸、土佐女子、高知、土佐 高知放送(10/27) 高知新聞(10/31) 福岡 23校(公立6校、私立17校) 【公立】鞍手、福岡中央、三池、田川、筑紫中央、八幡中央 【私立】東和大東和、九州国際大、自由ケ丘、大牟田、筑紫女学園、東福岡、明光学園、明治学園中学高等学校、泰星、福岡大附属大濠、精華女子、福岡工大附属城東、九州産業大付属九州、筑陽学園、筑紫台、敬愛、東筑紫学園 【備考】福岡県教委高校教育課は「内申書はあくまで成績の見込みであり、今後補習などで未履修科目を修得すれば問題はない」として、推薦入試などで大学に提出した内申書について、各校に再提出を指示しない方針。 城戸秀明課長は「振り替えた科目の成績をもとに未履修科目の評定を出していると思われるが、これを根拠に大学が内定を取り消すなど混乱は生じないと考えている」と話した。(ソース) 西日本新聞(10/27) 西日本新聞(10/27) 西日本新聞(10/28) 西日本新聞(10/29) 報知(11/2) NHK福岡(11/8)、毎日新聞(11/8) 佐賀 18校(公立13校、私立5校) 【公立】致遠館、小城、唐津東、東松浦、佐賀東、佐賀北、白石、鹿島、武雄、伊万里、三養基、唐津西、佐賀西 【私立】東明館、佐賀学園(成穎高等部)、佐賀清和、龍谷、敬徳 【備考】県立高校9校すべてで、大学推薦入試などのための内申書計264人分を、履修したかのように虚偽記載し、大学などに提出していたと発表。佐賀県教委は生徒が不利益を被らないように、各校に正確な内申書を再提出するよう指示。(ソース) 西日本新聞(10/27) 佐賀新聞(10/27) 西日本新聞(10/29) 西日本新聞(11/18) 長崎 1校(公立0校、私立1校) 【公立】 【私立】鎮西学院 西日本新聞(10/27) 熊本 0校(公立0校、私立0校) 【公立】「なし」 【私立】「なし」と県私学文書課が報告 【備考】熊本県では1999年に発覚。また、2006年5月に私立1校(熊本マリスト学園)で発覚。これ以降、校長会などでたびたび注意し、随時チェックしている。 「先進県」熊本、未履修0 日刊スポーツ(11/1) 熊本日日新聞(10/25) TKU(10/27) 大分 11校(公立5校、私立6校) 【公立】別府羽室台、大分上野丘、大分豊府、臼杵、佐伯鶴城 【私立】大分、岩田、福徳学院、大分東明、明豊、柳ケ浦 読売(10/27) 西日本新聞(10/27) 毎日(10/31) 大分合同新聞(11/2) 宮崎 14校(公立11校、私立3校) 【公立】宮崎大宮、妻、宮崎北、宮崎西、日向、都城泉ヶ丘、都城西、日南、飯野、小林、福島 【私立】鵬翔、宮崎第一、延岡学園 西日本新聞(10/27) 西日本新聞(10/28) 西日本新聞(11/1) テレビ宮崎(11/2) 鹿児島 8校(公立4校、私立4校) 【公立】武岡台、志布志、鹿屋、川内 【私立】鹿児島第一、れいめい、池田学園池田、神村学園 南日本新聞(10/27) 南日本新聞(10/31) 沖縄 1校(公立0校、私立1校) 【公立】 【私立】興南 【備考】公立高については履修漏れ校があったともなかったとも何のニュースもない。 琉球新報(10/31)
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/890.html
第二章 cruel girl’s beauty ――age 16 俺を待っていたであろう日常は、四月の第三月曜日をもって、妙な角度から崩れ始めた。 その日は、憂鬱な日だった。 朝目覚めると、すでに予定の時刻を過ぎ、遅刻は確定していたので、わざとゆっくりと学校へ向かうことにした。週明けの倦怠感がそうさせたのかもしれない。風は吹いていないものの、強い雨の降る日だった。ビニール傘をさし、粒の大きい雨を遮った。昨晩からの雨なのか、地面はすでに薄暗いトーンを保っており、小さな水溜りからはねる水が俺のズボンの裾を濡らした。急な上り坂は水を下にある街へと流し、留まるのを拒んだ。 学校に着いたのは一時間目が終わった休憩時間だった。雨で蒸しかえる教室はクラスメイトで満たされ、久しぶりの雨音は教室を静穏で覆った。俺の席――窓際の後ろから一つ前だ――の後ろを見た。ハルヒは窓ガラスの外側を眺め、左手をぴたりとガラスにくっつけていた。進級したことで、階が一つ下がり、窓からの景色は変わった。外ではグラウンドが水浸しになり、小さな川を作っていた。 一年前のあの日。 俺がハルヒと会ってそう経っていなかった頃、ハルヒの表情は怒りで満たされていた。無矛盾な世界への怒りなのか、自分自身への怒りなのかは分からない。だが、SOS団の活動を通して、ハルヒは少しずつ感情を取り戻していった。取り戻すというのは、ハルヒが持っていたであろう――抑えていたであろう――感情を開放していったというのが正しいだろう。 俺がハルヒと会ってからずっと引っかかっていたのは、ハルヒがなぜ普通の人間を嫌うのだろう、ということだ。一般人を代表したような俺は谷口や国木田とそう変わるところはあるまい。国木田より頭は悪いし、谷口みたいにバカ丸出しでもない。健全な高校生を演じていた俺になぜあいつは目をつけたのか。確かに俺は七夕に一度会っている。だが、俺の名前は知らないし、他人の空似程度にしか思っていないだろうよ。ではなぜ? おそらくそれはハルヒにしか知りえないことであった。しかし、一つの推測を述べたい。ハルヒは普通の人間を嫌っているのではなく、人と仲良くなることを避けているように見えるということだ。 今、ハルヒは陰鬱な表情であやふやな視線を泳がせていた。 椅子に座ると、ハルヒに倣い、窓の外を眺めることにした。雨は激しさを増し、窓ガラスに伝わる水滴が水へと変わった。特別変わったことはない。世界の普通さに慣れ、そしてSOS団にも慣れた。日常と非日常を繰り返す毎日が日常になってしまった。かつて望んでいた非日常が日常へと変わってしまっていた。あまりにも奇妙なことがありすぎてそれに慣れてしまったわけだ。 そんな憂鬱な世界とハルヒ、そして俺を崩していったのは谷口の一言だった。 そうそれは、本当に妙な角度からの一撃だった。 谷口は近づいてくるなり、いつものデカイ声を倍にして唾を飛ばしながらこう言った。 「おい、長門有希が転校したってよ」 「へ?」 俺は間抜けな声を漏らした。 「本当だよ。さっき六組のやつが言ってたぞ」 谷口は語気を強めていった。 ガタンという音ともに後ろに座っていたハルヒが立ち上がった。 「谷口! 本当なのそれ? 嘘だったらただじゃおかないわよ!」 ハルヒは谷口のネクタイをもの凄い勢いで引っ張りながた怒鳴った。 「そんなに怒るなって。言ったことは本当だよ」 「ちょっと、キョン!」 なんだ。 「隣のクラスに確認に行くわよ!」 ハルヒはネクタイが引きちぎれそうな勢いで俺を連行した。 長門が転校したって? どうして? 俺にはそんな事一つも言ってなかったぞ。ハルヒもこの様子じゃ何も知らされてないみたいだな。 ハルヒは隣のクラスに入るやいなや壇上に上がり、 「有希が転校したって本当なの?」 ハルヒはクラス全員に向かって大声で尋ねた。 「本当ですよ。朝、ホームルームで先生が言ってましたし」 近くにいた大人しそうな女生徒がおずおずと言った。 「そう」 ハルヒは礼も言わず教室を飛び出した。ネクタイを引っ張られたまま俺も飛び出した。こりゃ傍から見たら犬と飼い主だろうな。かっこ悪いぞ俺。 教室から出るなり、俺と向かい合うと、 「職員室に行くわよ!」 「とりあえずネクタイから手を離してくれ。大丈夫逃げたりしないから。長門のことだしな」 ハルヒはネクタイを思い切り下に引っ張って、手を離した。そして、職員室のあるほうへ一人で走っていった。締まる簡素なネクタイに苦しめられながら、俺は必死にハルヒを追いかけた。 俺とハルヒは教室に戻り、ドカッと自席に座った。 結果は同じだった。俺が遅れて職員室に入ると、ハルヒは教師を馬鹿でかい声で問い詰めていた。教師は住宅街を歩いていたら突然犬に吠えられたような驚きと疑問を顔に浮かべながら、ハルヒをいなそうと必死だった。ハルヒハ教師が長門の転校の理由が分からないと見るや、「役に立たないわね! 無駄に年食ってるんじゃないわよ!」それを捨て台詞に職員室を出て行った。職員室の入り口から事の成り行きを見守っていた俺を無視してハルヒは階段を登っていくので、俺は仕方なくハルヒを追いかけることにした。 俺はおそらく長門がどこに行ったかなんて分からないだろうと踏んでいた。しかし朝倉の時とは違い、行き先も不明だった。確かに行き先を教えたらハルヒはそこまで会いに行くだろうからこれでいいんだろうな。俺だってカナダにいると分かれば、泳いででも行くつもりだったさ。 打つ手はない。おそらく長門のことだろうから、情報操作をしているはずだ。しかし、なぜ? 「なあ、ハルヒ。なんで長門は転校したんだと思う?」 俺が振り返り尋ねてみるとと、ハルヒはバンっと机を叩き、 「分かるわけないでしょ! なんで有希は言わないのよ!あたしたちってその程度の仲だったの?」 「そんなことはないだろ。何かしらの理由があるんだろ」「キョンもよく落ち着いてられるわね! 何かしらの理由って何よ!」 ハルヒはヒステリックな声を張り上げた。 「それは俺にも分からん。放課後、朝比奈さんや古泉にも聞いてみよう。なにか分かるかもしれない」 ハルヒは何も答えなかった。そのまま崩れるように椅子に座り込んだ。そして、聞き取れないほど小さな声で「もう失うのはいやなの」と呟いた。そしてハルヒは机に突っ伏したまま放課後まで起きることはなかった。 授業はいつにもまして、手がつかなかった。もんもんと長門のことを考え、窓の外を見ていた。上の空というのをこれほど実感したことはない。昼食を一人で済ませ、あてもなく学校をうろついた。そうでもしないと落ち着いていられなかったし、どこかに長門が隠れているかもしれなかった。無意識に歩いたのに、行き着く場所は一つだった。 部室棟、通称旧館の文芸部部室。 ドアをそっと開け、部室を眺めた。パイプ椅子に腰掛け、分厚いハードカバーをめくり、陶器のように佇む長門有希を期待したが、いるはずがなかった。パーツを失った部室は空回りをしているように見えた。これ以上見ていることはできず、教室へと逃げ帰った。 放課後、部室には長門を除く全員が揃っていた。 今日の古泉は笑ってはいなかった。沈痛な面持ちで、心ここにあらずといった様子だ。なぜこんなありきたりの表現かといえば、意識的な表情に感じられたからだ。葬式の時に笑って手を合わせてはいけないのと同じだ。ハルヒは団長椅子に浅く座り、教室の時と同じように机に突っ伏していた。朝比奈さんは健気にもメイド服に着替え、お茶の準備をしていた。しかし部室内に流れる異様な空気に気づいたのか、朝比奈さんは困惑しているようだ。 「あのぉ、キョン君。みなさんどうなされたんですかぁ?」 朝比奈さんは耐え切れずに俺に小声で尋ねてきた。 古泉は『機関』とやらから情報が流れているだろうが、朝比奈さんは上級生であり、なにも聞かされていないのは明らかだ。俺は静まりかえった部室で、朝比奈さんの質問に答えることにした。 「長門が転校したんですよ。理由もいわずにね」 「ひぇ?」 朝比奈さんは驚きとも悲鳴とも取れない声をあげた。 「な、長門さんがですか?いっ、いったいどうして?」 「それは分かりません」 俺はいい加減に答えた。もう、朝比奈さんのかわいらしさを堪能している余裕はなかった。メイド服を着た朝比奈さんでも無理なら、何がこの動揺を抑えることができるか。俺はひどく追い詰められていた。すぐにでも自分の部屋のベッドに身をうずめ、長門のことを考えたかった。 それからどれだけ時間が経ったのだろうか、突然ハルヒは立ち上がり、俺達を見つめた。 「じっとしてても何も始まらないわ。明日は学校を休んで、有希を探すわよ。まだ、何か手がかりがあるかもしれない。時間はいつもと同じ九時だから」 いつものような勢いは感じられない、淡々とした語り口だった。 「そうだな。マンションとかに行ってみるのもいいかもしれない」 ハルヒはそれだけを言うと、部室から早足で出て行ってしまった。 「古泉」 「なんでしょう」 「お前はなにも知らないんだな?」 「もちろんです。前に約束したように、長門さんには危害を加えることはありません。というより、不可能でしょう」 古泉はいつものハンサムスマイルを見せた。 「じゃあどうして長門は転校、いや長門のことだからおそらくこの世界から消えてしまっているんだろうな。理由は分かるか?」 「分かりません。ただ、長門さんの転校は上が決定したことでしょう。それに長門さんは従った、推測ですが、おそらく正しいでしょう」 「それは分かってる。あいつが命令を聞くのは情報なんとかだけだろうさ。問題はハルヒっていう観察対象がいるのになんで消えちまったかってことだ」 「すいません。分かりません」 古泉は困ったような顔をして、肩をすくめた。 やれやれ、古泉が駄目なら誰に聞けばいい。俺は、なぜ長門が消えなくてはならなかったのか、その理由を知りたかった。理由があっても納得できるかは分からないが、正当な理由以外はハルヒと結託して、この世界を変えたっていい。 「あの、キョン君」 朝比奈さんがおずおずと話しかけてきた。 「ひぇ! そんなに嫌そうな顔しないでくださいぃー」 そんな顔をしてたのか。 「すみません。ちょっと考え事をしてたもんですから」 「いえ、いいんですけど……」 「で、なんですか?」 明らかに俺は苛立っていた。 「いえ、その……」 「何も無いなら帰りますよ?」 「だから、その……」 「帰ります」 「あ、キョン君」 朝比奈さんが呼び止める。だが、俺は朝比奈さんにかまってる余裕は無かった。古泉ともこれ以上話しても無駄だろう。俺は朝比奈さんを無視して帰るという、男としてあるまじきことをした。鞄を肩にかけ、部室を後にした。 帰りには雨はやんでいた。それにかわって、蒸発した水によって街は蒸しかえっていた。 家に着くと、妹がキャンディーを口にくわえながら出迎えてくれたが、無視して階段を上がった。一刻も早くベッドに身をうずめたかった。 部屋に入ると、鞄を投げ、ベッドに飛び込んだ。そして身体を丸め、もがいた。 「どうして長門は消えちまったんだ? せめて俺に一言ぐらい前もって言ってくれたっていいじゃないか」 そう自分に問いかけても虚しくなるだけだったし、俺は長門がなぜ転校したのか、考えることは断念した。しかし何も考えないでいると、長門との思い出がフラッシュバックしてきて、それを断ち切ろうと、また頭を抱えてもがいた。まだ、長門は消えたとは決まってはいない。明日には見つかるかもしれない。ひょっこりと現れたりするかもな。 長門だって風邪を引くんだぜ。長門達と敵対する存在にまた妨害されているだけかもしれない。長門だって週明けの倦怠感がいやになることだってあるだろうさ。そう、俺だって月曜日の朝は憂鬱になるさ。長門だって落ち込んで、ブルーな日だってある。 その日、俺はそのまま、満たされない気分のまま眠りについた。 次の日。 予定より一時間も早く起きると、昨晩から部屋にひきこもりっきりで何も食べていないことを、軽くなりすぎた胃の不快感が告げていた。リビングに行くと妹がすでにソファーでテレビを見ていて、いつもこんなに早く起きているんだなと感心した。 「あ、キョン君おはよぉー。今日は早いんだねぇ」 「まあな。ちょっと用事があって」 母親がトーストと目玉焼きという朝食の定番を持ってきたところで俺は今日学校を休んで出かけることを告げた。男には一生に一度やらなければならない時が来るとどこかで聞くありふれた理由を切々と説明すると、案外素直に了承してくれた。 「ふふっ。そういうことにしておくわ」 どこか含みを持たせた笑みで俺を見る。 「それなら早くご飯食べちゃいなさい」 「ああ」 言われなくても食べるさ。俺は昨日から何も食べてないんだからな。 俺は疑惑の判定で世界チャンピオンになったボクサーよりあっけなく食事を済ませ、自室に行って手早く服を着替えた。ちょうどリビングから出てきた妹と鉢合わせになり、妹は不思議そうな顔で 「いってらっしゃーい」 と言って、俺を見送った。俺は妹の頭を撫でてから玄関を出た。ママチャリをとばし、集合場所の駅前へ向かった。予定より一時間も早かった。 駅前に到着すると、SOS団の面々は揃っていた。 ハルヒの「遅い!罰金!」の定型句はなかった。遅刻はしてないしな。というか、お前ら何時間前に来てんだ。俺はこれでも一時間も早いんだぞ。 「今日はお早いんですね」 いやみか。 「いえ、そういうわけではありませんよ。あなたのことだから長門さんのことを考えていて眠れなくなり、睡眠不足で来るだろうなと思っていただけです」 てことは、それを見越して早く来たってわけか。 「それもありますね。それはそうと涼宮さんを見てください。彼女の精神はとても不安定です」 そんなの見なくても分かるし、あいつはいつも精神不安定だろうよ。 「そして、彼女は今日一番早くこの場所に来ていました。僕が来たのが今から十分前ですから、それより前に来ていたことになりますね。僕の言いたいことがわかりますか?」 分からん。でも、俺は古泉が何を言いたいのか分かっていた。古泉は俺を非難している。 「長門さんがいなくなって悲しいのはあなただけじゃないってことです。昨日あなたは朝比奈さんを無視して帰りましたね? 彼女、あの後一人で泣いていたんですよ? 『わたしキョン君をおこらせちゃったかなぁ? ごめんなさい』って」 「……」 「涼宮さんはきっとあなたと同じで夜も眠れずにここに誰よりも早く来たのでしょう。でも、僕がここに来たとき彼女は不安な顔一つ見せずに『遅いわよ、古泉君』って笑顔で言いました。さすがの僕でも胸が苦しくなりましたね」 「……」 「僕も同じです。僕だってSOS団のメンバーと色々と時間を共有してきましたし、突然長門さんがいなくなるのは悲しいんですよ」 「……」 俺は何も言えずに、ただ呆然と古泉の顔を見つめていた。「キョン達何してんの? ほら喫茶店行くわよ! 班決めしないと」 タイミングよくハルヒが俺達の間に割り込んでくれた。「ああ、行くよ」 俺達はいつもの喫茶店に行った。俺はコーヒーを、ハルヒはアイスティーを頼んだ。 「じゃあ、班分けしちゃいましょうか」 ハルヒは爪楊枝を取り出し、俺達に差し出す。 「んー、キョンとか面白くなさそう」 班分けは俺とハルヒの組、そして古泉と朝比奈さんの組に決まった。アイスティーを飲むハルヒの顔はいつになく真剣だ。古泉が言っていた通り、ハルヒは俺達の中で一番真剣なのかもな。もちろん俺だって真剣さ。あれだけ俺を助けてくれて、信頼までしてくれていた長門を見捨てるわけにはいかないからな。 「じゃあ、行きましょ。時間もないし。それとキョン! 今日遅れたでしょ?」 ハルヒは俺をじとっと睨みつけると、 「罰金。分かってるんでしょうね?」 言わないと思ったら今頃かよ。しかも今日は遅刻してねえよ。と思いながら、呆れながら、不承不承ながらもきっちりと払う俺を褒め称えてくれるやつはおらのんか。神様が見てる? そんなの嘘っぱちだ。 一度駅前に戻り、俺達は二手に別れた。今回は範囲の指定はなかった。別れ際にハルヒは、 「真剣に探すのよ! でないと全裸で市中引き回しの刑だから!」 朝比奈さんに向かって言った。それから俺のほうを向き、 「さあ、いくわよ。キョン。絶対見つけてやるんだから!」 ハルヒはいつになく真面目な顔で言った。 「分かってるよ。今回は俺も本気だ」 俺はハルヒの真面目な様子を見て、若干気にかかることがあった。それは、長門がいなくなることをハルヒは望んでいたのかということだ。そうじゃないのに長門が消えたとなれば、神様であるハルヒはいったい? 俺達はまず、長門の住むマンションに向かうことにした。ハルヒは怒っているのか不安なのか、初めてみる表情でややうつむきながら大股で歩いた。俺も自然と早歩きになっていた。一秒でも早くマンションに着いて、何か手がかりを得たかったからな。 「ねえ、キョン?」 「なんだ、突然」 「あたしあの後、有希がどうして転校しちゃったのか考えてみたのよ」 「何か分かったのか?」 ハルヒに分かるはずはないだろうが、一応聞いてみる。 「まずね、教師も行き先を知らないような転校なんてあると思う?」 「普通に考えてないだろうな」 「そうなのよ。それに有希は転校するなんて素振りを一度も見せたことはないし」 「そうだな」 「続きは後で。有希の家に行ったら何か分かるかもしれないしね」 ハルヒ、すまんがおそらく長門のことだから何も分かんないだろうよ。まあ、俺はそれでも行ってみる価値はあると思うぞ。 長門のマンションは駅から近く、気まずくなる前に到着した。中から出てくる住民を待ち、閉じかけの自動ドアを通り抜け、長門の住む階へ向かった。もちろん、ドアは開かず、鍵がかかっており、仕方が無いので管理室へ向かった。管理人のおっちゃんによると、まだ708号室からの届出は出ておらず、未だに長門名義の家になっているとのことだった。おっちゃんとの会話を終了させ、708号室の鍵を借り、また七階へと向かった。部屋に入ると、そこは変わらずに無機質なものだったが、本やら缶詰カレーやら、その他いろいろなものが残されており、本当に長門は消えたのかと感じさせた。結局何の手がかりも見つからず、その場を後にし、マンションから出た。その間、終始ハルヒは俺に対して無言を通し、俺も同様だった。 俺達はこれ以上に行くあてもなく、意味も無く歩き続けた。ハルヒの大股歩きについていくのは堪えたが、それ以上に立ち止まっているのは苦痛だった。歩いていると長門のことを考えないで済むからな。住宅地をぐるぐると徘徊していると、 「駅前の公園に行きましょ」 ハルヒがそう言ったので、それに従うことにした。 光陽園駅前公園のことだ。延々と長門の電波話を聞かされたあの日の集合場所である。 公園に着くと、誰もいない公園でベンチに並んで座った。 俺の左側にハルヒが座った。なにか思い詰めた表情で、斜め下を見つめていた。覇気のないハルヒはあまりにも不自然だった。 「やっぱりおかしいわ」 ハルヒは話を切り出した。 「何がだ。昨日考えてたってことか?」 「それもある。でも、有希が転校したって何か辻褄が合わないのよね」 「それは、お前の中でのことだろう」 「そうだけど。キョンは有希が転校した理由は分かるの?」 「いや、さっぱりだ。長門はこういう時、探しても見つからない気がする」 「なんなのよ! あんた有希のこと大事にしてたんじゃないの?」 「急に怒鳴るな。確かに長門は大事だが、それは団員いうか一人の友達としてだ。ハルヒが思ってるほど大事に思ってねーよ」 「そう、なの? あんたもっと有希のこと好きなのかと思ってた」 「そういうことにしといてくれ。それより、お前の辻褄が合わないってやつを教えてくれないか?」 「そうね」 ハルヒは少し間を空けてから話し出す。 「まず、さっき有希の部屋に行った時なんであんなに物が残ってるのか不思議に思ったの。普通、転校っていったらも家を移動することでしょ? なのにあの部屋はまだ全てが残ったまま。それに管理人に鍵を預けているわけでもない。こう考えると有希って本当に転校したのか怪しくなってくるわよね」 「確かにそうだな」 「でね、思ったの有希は何か事件に巻き込まれたんじゃないかって」 「巻き込まれたとしても転校はできないんじゃないか?」 「うーん、そうなんだけど。有希って一人暮らしなのよ。それに親もどこにいるか分からない。誰でも偽装できると思うけど。あたしは団員のプライベートについては聞かないほうがいいと思って今まで聞いてこなかったから、有希については詳しくは知らないけど」 「長門については俺も詳しくは知らないな」 もちろん、それは嘘だ。 「事件に巻き込まれてないといいんだけど」 「そうだな」 俺は素直に頷いた。 そのまま俺達は三十分ほどそのまま座り続けた。隣に座るハルヒは甘美な匂いがした。横から眺める真っすぐとした黒髪と、整った目鼻立ちは見慣れているはずの俺を緊張させた。 誰もいない公園は、自らの存在価値を失い、泣いているようにも見えた。俺達がいることで存在の瀬戸際を保っていた。そして、俺達がいなくなることでまた価値を失うのだ。そんななんの変哲も無い哲学を考えていると、ハルヒはまた話しかけてきた。 「ねえ、キョン」 「なんだ」 「あたし、一つ謝らなくちゃいけないことがあるのよ」 「誰にだ」 「あたし自身に、それに探してくれてるSOS団のみんなにも」 「そうか。お前が謝るなんて珍しいな」 「珍しくなんかないわよ! あたしだって悪い時はあやまるわ。ただあたしはあんまり後ろを見ないだけよ。あたし過去って嫌いなの。過去っていいところだけを鮮明に覚えてるから、見てるとずっと過去に浸っていたくなるでしょ。そんなのあたしの性格に合わないわ。だって、未来にはもっと楽しいものがあるかもしれないじゃない」 そうだ。俺はこんなハルヒの未来志向が好きだった。そして、憧れていた。ハルヒは俺には無いものを持っている。が、話がずれてるだろ。話はハルヒが謝ることじゃないのか? 「で、お前の主張は分かったが謝らなければならないこととは何なんだ?」 「うん。あたしね、有希が転校したって聞いたとき、それは驚いたわ。なんで?ってね。でも、一瞬あたしは楽になった気がしたの。そして、そう感じた自分に失望した」 「なんで楽になったんだ?」 「それは言えない。あたしにも分からないの」 俺とハルヒは公園を後にして、駅前に戻った。 すでに、朝比奈さんと古泉はいて、二人でなにかを話し合っていた。 「こちらは何も収穫なしです」 古泉は残念そうに言った。 「そう。あたしとキョンは有希の家に行ってみたんだけど、 誰もいなくて、手がかりなしね。ホント、どこいっちゃったのかしら」 「残念です。それとすみませんが、バイトが入ってしまったので 午後からの捜索には参加できそうにありません」 ハルヒは少し考えた後、 「それじゃあ、仕方ないわね。 どうせもう探すところなんてないから、これで解散でいいわね?」 俺と朝比奈さんにむかって言った。 「しょうがないよな。一度帰って、各自で探す方法を考えてみるか」 「そうですね。わたしもそれがいいと思います」 朝比奈さんは頷いた。 「それじゃあ、解散ね。明日の放課後話し合いましょう」 ハルヒはそれだけ言うと、駅に向かって歩き出した。 「それでは僕はこのあとバイトがあるので」 「バイトって、閉鎖空間か?」 「そうです。この件で涼宮さんの精神状態は悪化していますからね」 「そうか」 俺は朝比奈さんが手を振って帰るのを見送ると、 「頑張れよ」と古泉に言って、帰宅した。 家に着くと、すぐにベッドに横になり、また長門のことを考えた。 なにか手がかりはないのか、必死に求めた。 今まで、長門はどんな時でもヒントを出してくれていた。 根拠は無かったが、今回もあるはずだということを確信していた。 そして、俺は今までの長門との思い出をめくった。 そして気づく。 ははっ、なんだ簡単じゃないか。 昨日は気が動転していて気づかなかった。 俺と長門をつなぐもの。 そう、あの本だ。そしてそれは栞という形をとって俺に伝える。 そう思う前に、俺は駆け出していた。 学校をサボったことを忘れ自転車で、全速力で学校に向かった。 息が切れた。 全速力といっても自転車の最高速度はせいぜい四十キロ。 速く、もっと速く。 ペダルは空転し、それ以上を拒んだ。 学校に着くやいなや、部室棟に向かった。 階段を駆け上がり、勢いよく部室のドアを開けた。 すぐに『あの本』を探した。 ――――あった。 素早くページをめくり、栞を探した。 はらりと足元に落ちた、長方形の紙。 それを慌てて拾い上げ、読んだ。 『午後七時。光陽園駅前公園にて待つ』 あの時と同じ、ワープロで印字されたような綺麗な手書きの文字が書いてあった。 俺は栞をポケットに入れると部室を後にした。 そしてそのまま、今日ハルヒと座った、あのベンチへと向かった。 長門を待たせたくなかったからだ。 公園につくと、俺はベンチに座り、辺りを見回した。 公園の時計は三時をさしていたが、それでも遅すぎる気がした。 そのあと俺はじっと長門が来るのを待った。 夜風が肌に凍みた。 こういうときの時間は永遠にすら感じるものだ。 長門はどうしてるのだろうか。 昨日の衝撃が、肉体と精神を限界へと向かわせていた。 長門にもう一度会いたい。 せめて、さよならぐらい。 そして、また会おうなって言ってやりたいんだ。 「来たか」 日が沈み、辺りが暗くなった頃、制服姿で長門は現れた。 時計を見ると、七時一分をさしていた。 無機質な表情のまま、俺の前で立ち尽くしていた。 そして一言だけ。 「こっち」 長門は無言のまま歩き出し、マンションに向かっているようだ。 足音のしない、忍者のような歩き方は変わっていない。 歩き出した長門の横を歩いた。 夜風に揺れるショートカットが鮮明に映った。 マンションに着くと、手押ししていた自転車を適当に止め、 今日三度目のガラス戸を抜け、エレベーターに乗り込んだ。 エレベーターの中で俺は長門を見つめていたが、 無表情のまま立っている以外のことを発見することできなかった。 708号室のドアを開けると、 「入って」 長門は俺をじっと見つめ、言った。 「ああ」 玄関で靴を脱ぎ、リビングへと歩いた。 年中置いてあるこたつを指差すと、 「待ってて」 「いや、お茶ならいいぞ。話を聞かせてもらおうか」 「そう」 長門がこたつの前に座ると、俺も向かい合って座った。 「それじゃあ、聞かせてもらおうか。なぜ転校することになったのかをな」 長門は俺を真っすぐに見つめた。 「情報統合思念体はわたしの処分を決定した」 「そうか。思ったとおりだ」 「ただし、今回の決定は私自身の過失に起因するものではない。 涼宮ハルヒの情報を生成する能力が収束に向かっていることが主な原因。 現在の涼宮ハルヒの能力は、 かつて弓状列島の一地域から噴出した情報爆発の十分の一にも満たない。 大規模な情報改竄は不可能になり、情報統合思念体の無時間での自律進化の可能性は失われた」 ハルヒの能力が収束? 「これからのことは最近になって明らかにされたこと。 わたしのような端末には与えられていなかった情報」 長門は一呼吸おいて続けた。 「わたしはわたしの存在理由を涼宮ハルヒを観察して、 入手した情報を情報統合思念体に送ることだと考えていた。 しかし、それだけではなかった。 そもそもそれだけでは矛盾が生じるのは明らかだった。 情報生命体である彼らは宇宙中の情報を無時間で入手することができるからだ」 長門はまた間を空けた。 「彼らは情報生命体である以上、時間という概念を持つことはない。 それゆえに、人間でいう死の概念、そして記憶というものを持たない。 わたしが十二月に異常動作を起こしたのもこれに起因する。 記憶は彼らの中に本来的に存在しないため、 情報として置き換えるのには曖昧さが残った。そのため、バグが溜まっていった。 十二月に実行された世界改変は、 インターフェースのなかでわたしが最も長い時間を生きているために発生した事故」 「それゆえに、わたしの処分は決定的なものとなった」 「で、結局なんで処分は決定されたんだ?」 「涼宮ハルヒの能力の収束に伴い、地球上で活動する、 インターフェースの絶対数を減らす必要がある。 それに加え、記憶によるバグは危険を伴う。 だから、最も時間を経たわたしから順に処分を開始する。当然の処置」 「だとして、いなくなることはないじゃないか」 「……仕方がない」 「仕方がなくなんかない!」 俺は憤慨していた。すでにこの二日で限界を迎えていた。 「長門、お前はどう思ってるんだ?」 「わたしはこの世界に残りたいと感じている」 「なら!」 「わたしには決定権がない」 「なんでお前の意思は尊重されないんだ!」 「……仕方がない」 「ハルヒに俺が『俺はジョン・スミスだ』だということを明かすと 情報なんたらやに伝えてくれ!」 「涼宮ハルヒにはもう時間を改変するほど力は残されていない」 「くそっ。どうすればお前を助けられる? 俺にできることはないのか?」 「ない」 「……仕方がない」と長門は呟いた。 「……どうすればいいんだ」 「……仕方がない」 俺は立ち上がると、長門に近づき、抱きしめてしまった。 それがいいことなのかは分からない。 ただ、強く抱きしめた。 細い身体は今にもサラサラと砂になりそうだった。 長門は抱きしめ返すことはなかった。 ただ、正座したまま動かなかった。 無機質な有機アンドロイド、長門有希。 寡黙な文学少女、長門有希。 そして俺たちはそのまま。 しばらくすると長門は俺の胸を押し、離れようとした。 「あ、すまん。つい勢いで」 俺は長門から離れ、謝った。 「帰って」 「へ?」 俺は間抜けな声を出した。 「帰って。もう時間」 長門は俺を強く見つめた。これ以上はできないぐらいに。 「帰らないと言ったら?」 「あなたのわたしに関する記憶を消すことになる」 「そうか」 俺はしぶしぶ同意し、リビングを出ることにした。 それ以外ないだろ。長門の記憶が消えてもいいのか? 去り際、長門は言った。 「あなたがわたしのことで本気になってくれたことを嬉しく思っている」 「でも、もう時間がない」 そして最後に、 「ありがとう」 長門ははっきりと言った。 俺は何も言わず、玄関を飛び出た。 エレベーターを待てず、階段で降りた。 マンションの前に放置してあった自転車に乗り、走り出した。 輝かない空を見上げ、自転車を全速力でとばした。 「くそっ。どうして俺は何もしてやれないんだ」 そして俺は逃げ出したのだ。仕方がなかったでは済まされない。 だが、自分を責めることはできず、長門を責められるわけでもなかった。 俺は圧倒的な暴力の瀬戸際に立たされていた。 忘れていたのだ、自分が何もできない普通の人間だということを。 揺らぐ意識の中で、長門のことを思った。 せめて、 長門がバグだというその記憶が、 幸せで満たされていることを、ただ、祈った。 chapter.2 おわり。 chapter.3
https://w.atwiki.jp/sundayrowa/pages/230.html
明け方の演奏会 ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ 小金井薫、才賀エレオノール、ロベルト・ハイドンの三人は、未だビジネスホテルの一室にいた。 小金井とエレオノールが自身の境遇や探し人の特徴を話しているうちに、放送の時間が迫っていたのだ。 ゆえにそのまま動かず、放送を聞き逃さぬよう耳を研ぎ澄ましていた。 その放送は先ほど終わったのだが、誰一人として口を開こうとしない。 それほどまでに、先ほどの放送で告げられた内容が衝撃的だったのだ。 殺し合い開始から僅か六時間で十六名が命を落とし、しかもそのうち二名は小金井が合流しようとしていた仲間であった。 ベッドに腰掛けたまま俯いている小金井に、才賀エレオノールは話しかけようとするもなに一つとして口からは出てこなかった。 どう声をかけるべきなのか判断できず、ただ沈痛な面持ちで見つめるしかできない。 小金井と異なり、放送で告げられた死者のなかに、エレオノールが探していた相手はいなかった。 それでも、だからといって喜ぶことはとてもできなかった。 かつてのエレオノールならばともかく、現在のエレオノールはつい顔も知らぬ十六名にもそれぞれ家族や友人がいたであろうと想像してしまうのだ。 それに、合流したかった相手というワケではないが、知った名が一つ呼ばれていた。 ――才賀アンジェリーナ。 最古の『人形破壊者(しろがね)』の一人であり、同じく最古のしろがねたるルシール・ベルヌイユの娘。 かつて不意にしろがねの集団から行方をくらまし、日本の地で『生命の水(アクア・ウイタエ)』を飲みしろがねとなった男性と結婚をしていたのだという。 感情の起伏が乏しいしろがねでありながら愛に生きた彼女の伝説は、女性のしろがねの間でしばしば語られている。 そのためエレオノールの耳にも入ってきたことがあったのだが、当時はこれといって思うことはなかった。 恋愛というものがよく分からず、ゆえにしろがねとしての使命を捨ててまで婚姻を交わす意味が理解できなかった。 だが、現在はどうだろうか。 才賀勝と出会い、彼を守り続けてきた。 加藤鳴海と出会い、彼の姿を心に刻みつけた。 仲町サーカスに入団し、団員たちとともに過ごしてきた。 そんな、現在のエレオノールならば―― はたして、その伝説にどのような感情を抱くのだろうか。 いくら考えてみても、答えは出てこない。 いまとなっては『才賀』という姓にも気にかかるところがあったが、そちらに思いを巡らすことはできなかった。 ただ、なぜか、自分のなかでなにかが少し騒いだ気がして、エレオノールは自身の左胸を押さえた。 ――エレオノールのなかにアンジェリーナの記憶が眠っていることは、彼女自身とて知らぬ事実なのだ。 黙りこくっている小金井とエレオノールの横で、ロベルト・ハイドンもまた静かに考え込む。 殺し合い開始から、まだたったの六時間しか経過していない。 そんな短期間のうちに、すでに十六名が息絶えている。 たかだか数人が殺し合いに乗っているだけとは、到底考えられない。 シルベストリのような人ならぬ存在もいるだろうが、いままで出会った参加者から考えるに人間のほうが多いと推測できる。 ということであれば、やはり―― (自分自身だけのために他人を踏みにじる参加者が、少なからずいる……ということだ) 迫害された過去が、ロベルトの脳内にフラッシュバックする。 人より強いというだけで、人と違っているというだけで―― よってたかって石を投げてきた。 信頼を裏切り、罪を擦り付けてきた。 化物と呼び、受け入れることを拒否してきた。 「……ッ」 意図せず、ロベルトの歯が軋む。 蘇った過去の記憶を振り払おうと、首を勢いよく回す。 もう、あのときのように人より少し強いだけではないのだ。 町の三分の一程度で済ませずとも、町ごと一発で消滅させることもできる。 それは明白であったが、ロベルトはそのような行動に移ることをしなかった。 (…………まだ、分からない) 佐野清一郎や鈴子・ジェラード、そして植木耕助の姿を思い返す。 自分自身のためでなく他者のために、彼らは格上のロベルトに立ち向かってきた。 その事実があったからこそ、人間が本当に滅ぼすべき種であるのか見定めるつもりだったはずだ。 だというのに、早々に答えを出すワケにはいかないだろう。 そう結論を出し、ロベルトは傍らの二人に意識を向ける。 守る対象がたとえ自分より強くても、相手を守るのだという。 彼らの言葉が真実であるのか、それが気にかかった。 もしもそういう人間が本当にいるのならば、聞こえのいいでまかせなどでなく真実であるのならば―― かつてのロベルト・ハイドンは、人々に見捨てられはしなかったのだから。 エレオノールとロベルトの視線の先で、小金井がゆっくりと顔を上げた。 「あー……まいったな。そんなに見つめられちゃうとさァ」 「す、すみません、薫!」 「いや、まあ、別にめーわくとかじゃねーんだけどね。ドキドキしちゃうって話」 慌てるエレオノールに、小金井はおどけたように返す。 それから大きく伸びをして、ベッドから飛び降りた。 傍らに置いてあったエレザールの鎌を忘れず手に取って、折り畳んだままの状態で柄の部分をくるくると回す。 「なんていうか、さっき呼ばれた二人は……まあどっちもかなりやるのはやるんだけど、案外あっさり死にそうっちゃ死にそうでねえ。 いやまあ殺しても死ななそうっちゃそうだし、実際いままでそうだったんだけど、一方ですぱっと死ぬところも浮かぶっていうか。 誰かしら庇って死んでったとか、そういうオチなんじゃねーのかな、どーせ。 こういうこと言うとブン殴られそうだけど、あの二人結構そういうとこ似てるからなあ。別々のとこで、同じようにそんな死に方してそうだよ。ははっ」 まあ、もうブン殴られることもないんだけどね。 小金井は軽い口調でそう言って見せたが、誰も反応することはできなかった。 返答がないことに小金井は一人短く笑うと、さらに続ける。 「誰が他人のために死ぬかとか、自分一人で生き延びてやるとか、普段はそういうこと言いそうなんだけどね。 でもたぶん、実際そういう事態に陥ったら、一番冷静に自分一人を切り捨てる選択をしちゃうタイプだと思うんだよ。 熱いようでいて意外に冷静だったり、クールなようでいて超激熱だったり、そんな二人だし。 まったくふざけんなって話だし、いつもなら笑い飛ばしそうな話だけど、落ち着いて考えてみたらスッゲーよく浮かぶ」 小金井は、曲芸のように手元で回していた鎌を止める。 そのまま流れるような動作で、一瞬のうちに本来のサイズに展開する。 「ナメんなよ、ちくしょう! 柳ちゃん助けに行く前の、こんなつまんねーとこで死んでんじゃねえや!」 語気を荒げながら、小金井は先ほどまで腰かけていたベッドに鎌を振り下ろす。 引き裂かれた掛け布団から白い羽毛が飛び出し、部屋中に舞い上がる。 刃を返した鎌で、眼前に飛んできた羽毛の一つをきれいに二分する。 その動作をしばらく続けて、小金井は鎌を下ろした。 いくらそんなものを切ったところで、怒りが収まることはなかった。 動けば動くほど、余計に鬱屈としたものが溜まっていくだけだ。 「……もういねーんだから、遠慮してやんねー。 どうせなら、いっそ柳ちゃん俺が貰っちゃおうかな。あの世でいくら悔しがったって知らねーよ。 せいぜいそっちで俺が来るの待ってりゃいいけど、簡単に行ってなんかやるもんか。五百歳まで生きてギネス記録更新してやるかんな」 再び鎌を折り畳んで、小金井はエレオノールとロベルトのほうに向き直る。 「ごめん、ついカッとなって」 申し訳なさそうに、小金井は頭を下げる。 呆然としている二人をよそに、もう一度大きく伸びをした。 「放送終わったのにダラダラしてるワケにもいかないし、そろそろ出ようか。 いち早くこんな殺し合い終わらせて、柳ちゃん助けなくちゃなんないしねー。 何せ、二人の分まで働かなきゃなんねーんだ。めーわくな話だよ、ほんっとーに」 白い歯を見せて言う小金井に、エレオノールは頬を緩めた。 「そうですね。私も、お坊っちゃまに会わねばなりません ロベルト、これからも付き合ってくれますか?」 「あ、ああ……」 いきなり会話を振られたため、ロベルトは曖昧な返事になってしまう。 彼には、二人がいきなり微笑みを浮かべた理由が分からなかった。 にもかかわらずどこか安堵してしまっている自分自身もまた、ロベルトには理解できなかった。 下ろしていた荷物を手に、三人が部屋から出ようとしたとき。 前触れなく、ロビーのほうからガラスの割れる音が鳴り響いた。 ◇ ◇ ◇ 眼前に広がる惨状に、ジョージ・ラローシュは大げさに肩を竦めた。 呆れかえった素振りを隠そうともせず、その惨状を生み出した張本人であるコウ・カルナギの肩を掴む。 「やれやれ。まったく、君はいったいなにをやっているんだ? もしかしたらこちらが勘違いをしているのかもしれないから一応聞かせてもらうが、君はあくまで分類上は人間なのだろう? ヒト科ならざるその他の種に属する猛獣じゃあるまいしわざわざ体当たりで破らずとも、君の破壊したそれは自動ドアと言ってだな」 善意から出たジョージの忠告が、最後まで告げられることはなかった。 言い切るよりも早く、カルナギの大きな拳が顔面に叩き付けられたのだ。 ロビーに設置されているソファーを三つほど巻き込んで、ようやく吹っ飛んでいくジョージの勢いが止まる。 「何ごとですか!?」 慌てて飛び出してきたエレオノールに、ロベルトと小金井が続いてくる。 明らかに警戒している三人を前に、カルナギは口角を吊り上げた。 「はッは! おいジョージ、テメェの言った通りここには誰かが潜んでやがったな!」 やたらとでかいカルナギの声とは対照的に、返ってきた声はひどく微かで消え入りそうなものであった。 「……そのよう、だな…………」 奇妙な方向に曲がった腕で壁を支えにし、奇妙な方向に曲がった足でどうにかこうにか立ち上がる。 どう見ても死にそうなジョージの姿に、三人は未だ警戒を緩めない。 「険しい顔をしてどうかしたのか、君たち。 見れば分かるように、私とカルナギ……サマーとつければ満足だったか?」 「もう、余計なもんつけんでカルナギでいい」 面倒くせェからと続けながら、カルナギはジョージにローキックを浴びせた。 その衝撃でもう一段階曲がった足で、ジョージは時間をかけて立ち上がる。 「そうか、呼びやすくて助かる。 君たち、見ての通り、私とカルナギはこのプログラムを打破するべく同盟を組んでいる。 おそらく君たちもそうなのだろう。なので、そんなに警戒することはない」 「「「…………」」」 小金井、エレオノール、ロベルト、それぞれ無言である。 一方的に殴るカルナギと、一方的に殴られているジョージ。 傍目には、とても彼らが殺し合いを打破するために同盟を組んでいるとは思えない。 というか、どの辺りが見ての通りなのか。 「おいおい君たち、どうかしたのか? ……ああ、そうか。なるほど。つまり、そういうことなのだな? たしかに悪かった。名も告げずに同志などと言っても、このような状況で信用されるはずがない」 一人で勝手に納得したジョージは、怪訝な視線を意に介さずに名乗り始める。 「私の名はジョージ・ラローシュ、彼はコウ・カルナギだ。 よければ、君たちの名前も明かしてもらえると嬉しいのだが」 そして、ロビーに静寂が広がった。 困惑する三人を前に、ジョージは困惑するばかりである。 面倒ごとはジョージに任せることにしていたカルナギであったが、この辺りでようやく気づいた。 あ、やっぱり、こいつ、偉そうなこと言ってたけど、全然こういうの向いてねえんか――と。 そう認識するやいなや拳をかざしたカルナギであったが、振り下ろしはしなかった。 その前に、エレオノールがジョージに話しかけたのだ。 情報を聞き出すこともできないのならば即殴るが、聞き出せるのならばそのうちくらいは殴らないでおいてやろうと判断した。 「もしかして、あなたしろがねですか?」 ジョージの傷が少しずつ治癒していくので、エレオノールはようやく気づいたのだ。 その発言に驚き、ジョージは声の主を見据える。 あまりに殴られすぎたせいで視界がぶれていたが、目を凝らせば誰なのかは明らかだった。 「そういう君は……才賀エレオノール、か……?」 名前を知られていた事実に、エレオノールが目を丸くする。 その疑問をそのまま口にすると、ジョージは少し考え込んでから答える。 「我らが倒すべきフェイスレスが狙っている女性だからな。当然、知っている」 フェイスレスが人類全体に仕掛けた最後の舞台『機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)』。 その騒ぎに乗じて、エレオノールはフェイスレスにさらわれていたはずだ。 これはフウ・クロード・ボワローからの情報なので、間違いはない。 ならば、この事実を隠す必要もないだろう。 そう判断してのことだったのだが、返ってきた反応にジョージは困惑するハメになる。 「……はあ。ですが、フェイスレス司令とは私たちしろがねの同士なのでは……?」 「は?」 この女、誘拐なぞされておいてなにを言っているのか。 そう思いかけながらも、一つの可能性に行きつく。 あの男には、様々な名前があるのだ。フェイスレスと名乗っていない可能性もあるではないか。 「他の名前を使っていたのかもしれない。 とにかく、自動人形(オートマータ)とともにお前をさらった男のことだ」 「さらった……? あの、それはいったいいつのことでしょう?」 エレオノールが首を傾げると、ジョージも首を傾げた。 「いつもなにも、この殺し合いに巻き込まれる直前だろう。 しろがねの記憶力を持ちながら、そんな最近のことを忘れたとは言わせないぞ」 「はて……人違いではありませんか?」 「人違いもなにも、お前の名は才賀エレオノールなのだろう?」 「はい」 「むう……?」 互いに、銀色の目をパチクリとさせる。 どうにも噛み合わない。 「直前という言い方が悪かったか。 デウス・エクス・マキナ……とヤツが呼んだ、全世界にゾナハ病を振り撒いた騒動の直後だ」 「全世界にゾナハ病!? まさか、そんなことが!?」 「し、知らないのか……?」 「存じ上げておりません! もしそんなことになれば、お坊ちゃまは……!」 あまりに首を傾げすぎて、ジョージの首はついに直角になっている。 そのままの姿勢で思考を巡らせ、ついにある可能性に至る。 至っていながら、いやまさかそんなはずがないだろうと否定しかけるも、一応聞いておこうと尋ねてみる。 「いまは■■■■年■■月■■日だろう?」 「いえ、■■■■年■■月■■日のはずですが……」 「……は?」 ジョージの首の角度が、さらに凄まじくなる。 即肯定されてこの話はもうおしまいのはずが、思わぬ方向に進んでいる。 戸惑っているうちに、ロベルトと小金井が怪訝そうな表情のまま割り込んでくる。 「正直、二人がなにを言っているのか分からないが……今日は■■■■年■■月■■日のはずだ」 「いやいや、■■■■年■■月■■日でしょ。なにいってんのさ」 さらに困惑するジョージに、カルナギが苛立ったような声を浴びせる。 「なに言ってんだ、テメェら。■■■■年■■月■■日だろうが。 こっちはここから脱出するために手ェ組んでやってんだ。ふざけてんなら、ブチ殺すぜ」 かねてより、カルナギは情報交換のような面倒ごとは任せると言っていた。 そんな彼が割って入ったということは、それだけ分かり切った話であったのだろう。 そう容易に窺えるできるからこそ、ジョージにはこう言うしかなかった。 「…………は?」 浮かんだ仮説が当たっているようだからと言って、必ずしも素直に喜べるとは限らないものらしい。 ◇ ◇ ◇ いくら確かめてみても、五人の認識は激しく食い違っていた。 もしやとは思ったが、使っている暦が違っているワケでもないらしい。 誰かが嘘を吐いているのかもしれないが、『誰か一人』が嘘を吐いているだけでは到底説明がつかない。 何せ、五人全員の認識が食い違っているのだから。 とりあえず、全員が嘘を吐いていないものとして考えてみる。 まず―― 小金井薫がもっとも過去の人物である。 ほとんど同時期からコウ・カルナギ。 その数年後から、才賀エレオノール。 数ヶ月後から、ジョージ・ラローシュ。 そして、ロベルト・ハイドンがもっとも未来から来たことになる。 話してみたところ、小金井は『時の流れを超える』技術の存在を知っていた。 ――『時空流離』。 時空の流れに、過去や未来に通じる穴を開けるという忍術である。 使用者に不死の呪いがかかるとのことだが、ともかくそういう技術自体は存在するのだという。 ならば、主催者がその手の技術を用いたのだとする。 信じ難いが、現状が現状ゆえひとまず受け入れてみる。 だとしても――やはり、辻褄が合わない。 コウ・カルナギの言う、キース・ブラックの率いた組織『エグリゴリ』と『オリジナルARMS』の戦い。 その仮定において、ニューヨークに巨大な魔獣が出現し、ニューヨーク市街には甚大な被害が出たとのことだ。 しかしカルナギより未来から来たはずの三人は、その事実を知らない。 ニューヨークといえば、あらゆる意味で世界の中心である都市だ。 そこにそれほどの被害が出たならば、大きく報道されてしかるべきだろう。 だが――知らない。 いかに世俗に疎いしろがねといえど、あまりに不自然だ。 また、ジョージの知るデウス・エクス・マキナ。 つまるところ、全世界にゾナハ病が蔓延した事件。 ロベルトは、これにまったく心当たりがないのだという。 もしもジョージがプログラムに呼び出された以後、全世界にバラまかれたゾナハ蟲が根こそぎ駆除されたのだとしよう。 だとしても、当時すでに小学校高学年であるはずのロベルトが、騒動自体を知らぬということはありえない。 これは、はたしてどういうことなのか―― ◇ ◇ ◇ 静寂が立ち込めるなか、ロベルトの脳内にある可能性が浮かぶ。 それを口にするべきか少し迷ったが、意を決して沈黙を破ることにした。 「……『僕たちの記憶が、主催者に作られたもの』だとすれば」 全員が目を見開き、空気がざわつく。 当然だろう。 それが真実であるのならば、自身の持つすべての記憶が偽物ということになるのだから。 しばし黙考したのち、ジョージがロベルトの仮説を否定する。 「たしかに辻褄は合うが、それはありえないな。 フェイスレスほどの天才でさえ、記憶や人格のダウンロードには多大な時間を要した。 しかもすでに存在していた記憶ではなく、一から作り出すのならばなおさらだ。 私は、先ほど話したしろがねとしての自動人形との戦いの記憶以外にも、さまざまな細かい記憶を持ち合わせている。 それらすべてを八十人分も作りだし、さらにその記憶通りの性能を誇る人体を作り、そこに移すなど…… 技術的には不可能ではないかもしれないが、そのような手間ばかりかかることをしてなんになる。 しかもそれだけ参加者に手間をかけたというのに、すでに十六人も死んでしまっている。あまりに無意味すぎる。意図が読めん」 「それは……たしかに、そうだな」 ようやく浮かんだ仮説が否定されたというのに、どこか安堵したような空気が流れた。 「やはり、これしか浮かばんな」 しばらくまた思考に沈んでいたジョージが、デイパックに手を突っ込む。 取り出したのは、ソフトボール大の石の塊だ。 色は黒く、仄かにであるが輝いている。 歪な形もあって、精製前の宝石を思わせる。 「ジョージ、それはいったいなんなのですか」 怪訝そうに尋ねてきたエレオノールに、ジョージは淡々と答えた。 「『賢者の石』だ」 一瞬、エレオノールにはジョージの発した言葉の意味が理解できなかった。 目を丸くしたまま賢者の石をまじまじと眺めて、もう一度問いかける。 「ですが、我々の知る賢者の石とは……」 「ああ、似ても似つかないな」 彼らしろがねの知る賢者の石とは、バラ色の柔らかな鉱物だ。 現在ジョージの手にしている石の塊とは、外見からして異なっている。 さらに違いを証明するべく、ジョージはリュックサックから取り出した水を注ぐ。 注がれた水が光り輝き、生命の水に変化する――なんてことは一向に起こらない。 ただ、水は石を濡らし、石を持つジョージの手を濡らし、床へと落ちていくだけだ。 「やはり、紛い物なのでは」 「違うな。最初に道具を確認した際には私もそう思ったが、しかし違う」 エレオノールの言葉を遮って、ジョージはさらに続ける。 「これは、紛れもなく賢者の石なのだろう。 ただし、我らしろがねのいたのとは『異なる世界』の、だがな」 言って、ジョージは賢者の石の説明書を取り出す。 そこには『加工次第で黄金や精神感応金属を生み出す』と書かれていた。 しろがねたちの知る賢者の石とは異なるが、この記述が本物ならばそれはそれでかなりの逸品であろう。 それこそ、賢者の石などと呼ばれていても決しておかしくない。 「この説明は事実であり、この石も本物であり、つまり……そういうことなのだろう」 一人で頷いているジョージに、カルナギが声を張り上げる。 「テメェ、勝手に納得してねーで分かるように言いやがれッ!」 それに対し、ジョージは目を丸くした。 意図が伝わっていないらしい事実に驚きながらも、分かりやすく言葉を選ぶ。 「キース・ブラックが『時間を越えて』参加者を集めてきた、という説明はしただろう?」 「ああ。まぁ、あんまり合点がいったワケじゃねーけどな」 「それは私も同じだ。 とはいえそうとしか考えられんし、小金井によればそうする技術自体は存在するというのだから、とりあえずそう考えるべきだろう」 「ああ、面倒だからそういうことだと思っとく、って言ったろうが」 「それでだな。 ようは、ブラックが時間だけではなく、『世界も越えて』いたということだ」 「ああ……あァ!?」 一瞬納得しかけて、すぐにカルナギは首を捻る。 いまいち分かってないようだったが、それを汲んでくれるジョージではない。 「まず『我らしろがねの世界』。 君の『エグリゴリがある世界』。 小金井の『魔道具や忍術のある世界』。 そして『我らの知らぬ賢者の石がある世界』。 それらは、すべて異なる世界ということなのだろう。 他にも、いくつかの世界から参加者をつれてきたのかもしれないな」 数分ほど考え込んだカルナギが、浮かんだ疑問を口にする。 「それよォ、さっきの偽物の記憶うんぬん説より飛んでねえか?」 「なにを言うか。 あの説は技術的に可能であっても、ブラック自身に行う意味がない。 だがこちらの説は、いま手元にある情報をすべて踏まえた上での可能性ではないか」 「そういうもんかねえ……」 「そういうもんだ。 なにも確実とは言っていない。これならば辻褄が合う、程度のことだ」 ともあれ言っていること自体は分かったので、カルナギは拳をジョージに叩き付けた。 やたら偉そうな口を効いてくれた憂さ晴らしである。 「そういやよォ、さっきの世界? だか四つしかあげてなかったけど、こいつの世界はどうなんだよ」 ロベルトを指差しながら、カルナギが問う。 めり込んだ身体を抜き出そうとするのをいったんやめ、ジョージが健気に返答する。 「分からないな。 私たちや君の世界の住人ではなさそうだが、他の二つと違う五つ目の世界かは不明だ」 「へえ、そうかよそうかよ」 適当に返しながら、カルナギは指の関節を鳴らす。 十指すべてを鳴らしたのち、猛獣のような笑みを浮かべた。 「さっきから見てて思ったんだけどよォ……テメェ、なにか隠してんだろッ」 短く告げると、カルナギは大きく跳び上がった。 壁にめり込んでいるジョージが止めに入ることも、小金井やエレオノールが割って入ることもできず。 カルナギの飛び蹴りが、ロベルトへと放たれた。 「……はッ、なんだそりゃあ!? 自分のことなんにも話さねえクセに、大層なもん持ってんじゃねえかッ!」 蹴りが当たる寸前で、ロベルトは一ツ星神器『鉄』を発現させていた。 右腕から生えた巨大な砲台で、カルナギの蹴りを防いだのである。 ただ、攻撃を防いだだけではない。 防いだ結果、後ろに仰け反ることもなく、同じ姿勢を保っているのだ。 かなりの実力者であることは、もはや言うまでもない。 「けどよォ……」 言いながら、カルナギはバックステップで距離を取る。 間に小金井とエレオノールが割って入るが、見据えるのは奥にいるロベルトだけだ。 声色を低くしすると、苛立ちを籠めて怒鳴った。 「テメェ、そんなもんじゃねえだろッ! この俺、『牙(ファング)』コウ・カルナギをナメてんのかッ!!」 ロベルトがまだ力を伏せているのは、カルナギの嗅覚をもってすれば明白だ。 たとえ力を見せずとも、強者の気配は隠し切れてはいない。 「落ちつけ、カルナギ。 なにを根拠にそんなことを……」 「うるせえッ! 黙ってろ、この銀目野郎ッ! 俺は、こいつが気に喰わねえんだッ!!」 カルナギが苛立っているのは、力をセーブしていることだけではない。 いきなり飛び蹴りをかまされておいて、防いだだけで済ませたのも気に入らなかった。 さらに、これだけ挑発しても一向に仕掛けてこない。 苛立ちは募っていくばかりだ。 「なんなんだ、テメェはッ! 強ェのは分かってるっつってんだろうがッ! 全部出しゃいいだろうがッ!!」 それでも、ロベルトは口を開こうとしない。 口籠ったまま、ただ視線を小金井とエレオノールに一瞬飛ばした。 その僅かな動作で、カルナギはすべてを理解した。 「……はッ、そーゆーことかよ。くッだらねえ」 未だ『鉄』を発現させたままのロベルトに背を向け、カルナギはジョージのほうに向かっていく。 やたら深く埋まったらしく出るのに苦心しているジョージを掴み、強引に抜き取ってやる。 「俺は、本気でブン殴ってもついてくるヤツ見つけたぜ。いいだろ」 振り返ることなく勝ち誇った口調で言い放つと、カルナギはジョージを引きずって去って行った。 「いや、私としては殴らないでくれるならそのほうがありがたいのだが」 などと呟いたのち、ジョージはホテルに残った三人に声を張り上げた。 「君たち、情報の提供感謝する! 私たちはひとまず施設を回ることにしているので、動物園にでも向かうとする! 再会したときには、またよろしく頼むぞ」 そして、ふと思い出したように。 「そういえば、夜中にそこから真西の方角で花火が上がっていたぞ。 もはやだいぶ前のことなので、アレを上げた本人や集まってきた参加者がまだいるかは分からないがな。 それでも、当てがないのならば考えてみてはどうだ?」 言い終わったと同時に、ジョージはカルナギにブン殴られる。 すぐ近くで叫ばれ、やかましかったのである。 それでも全部言い終えるまで待っていた辺り、それなりにジョージの意思を反映してやっているのかもしれない。 小金井とロベルトは、どちらも微動だにしなかった。 ただ歯を噛み締め、床を眺めているだけだ。 理由は分からないが、なにか落ち込んでいるらしいとは、エレオノールにもさすがによく分かった。 (……そういえば) エレオノールの脳内に、自身に支給された道具のことが蘇る。 懸糸傀儡どころか武器ですらなく、この場においては必要ないと考えていた。 とはいえ蔵王に収納できるのならば、かさばらないので場所は取らない。 そのため手放さなかったのだが、それは正解であったらしい。 そう考え、エレオノールはリュックサックからその支給品を取り出した。 単なるなんの変哲もない、アコースティックギターを。 (よし。問題ありませんね) 軽く弦を弾いて、音の具合を確認する。 チューニングが乱れていることはないらしい。 「かわいいぼうや、愛するぼうや――」 なぜ二人が落ち込んでいるのかは、エレオノールには分からない。 もし他の誰かならば、人の感情を汲み取って言葉をかけることもできるのだろう。 だがまだ人間らしい感情を得たばかりのエレオノールに、それは難しい。 それでも、エレオノールにできることはあったのだ。 歌を聞けば、人は嫌なことを忘れられる。 そのような話を、どこかで聞いたことがある。 その気持ちはいまいち理解できないが、しかしエレオノールはサーカスの芸人である。 ならば、なにをするべきなのかは明白だ。 芸人は、人を笑わせるためにいるのだから。 「――いつかは恵みをくださいますよう……」 歌が終わっても、ギターを弾く手を抜いたりはしない。 終奏まで気を配り続けて、最後にじゃらんと一際大きく弦を弾く。 そうしてエレオノールが顔を上げてみると、視界に入ったのはもう俯いていない小金井とロベルトの姿だった。 軽く微笑むと微笑みが返ってきて、エレオノールにはそのことがとても喜ばしかった。 「あのさ、みんな」 どこか言いにくそうに、小金井が切り出す。 「たぶん、さっき言ってた花火って、烈火兄ちゃんがあげたヤツだと思うんだよね。 ちょっとそっち見てみたいんだけど、一緒に来てくれるかな?」 「もちろんです。ロベルトは……」 花菱烈火が放送で呼ばれた以上、安全な場所とは言い難い。 それを分かった上でエレオノールは即答し、ロベルトを見やる。 すると、彼もまた静かに首を縦に動かした。 【E-4 ビジネスホテル周辺/一日目 朝】 【ロベルト・ハイドン】 [時間軸]:9巻85話『アノン』にてアノンの父親に悩みを打ち明ける寸前。 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、支給品1~3(確認済、人形はない) [基本方針]:人間を見極める。ひとまずしろがねと小金井と同行。花火が打ち上がったという方角へ向かう。 【才賀エレオノール】 [時間軸]:28巻『幕間Ⅰ~「帰れない」』にて才賀勝と再開する直前。 [状態]:健康、焦り [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、自転車@出典不明、アコースティックギター@からくりサーカス、残り支給品0~1(確認済、人形はない) [基本方針]:とにもかくにもお坊ちゃまを捜索し、発見次第守る。ナルミにも会いたい。花火が打ち上がったという方角へ向かう。 ※名簿は『才賀勝』までしか確認していません。 【小金井薫】 [時間軸]:24巻236話『-要塞都市-SODOM』にてSODOMに突入する寸前。 [状態]:首に切り傷(処置済み) [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、エレザールの鎌@うしおととら、風神@烈火の炎 [基本方針]:仲間たちと合流し、プログラムを破壊する。花火が打ち上がったという方角へ向かう。 【コウ・カルナギ】 [時間軸]:第五部開始時 [状態]:軽い疲労、両掌に軽い怪我 [装備]:なし [道具]:なし [基本方針]:サーチアンドデストロイ。ARMS、鬼丸を特に優先。刃も見つけ次第ブン殴る。ジョージに面倒な事は全部やらせる。 【ジョージ・ラローシュ】 [時間軸]:本編死亡後 [状態]:殴られすぎて通常行動は可能な程度にガタが来ている、疲労(小) [装備]:無し [道具]:ジードのタバコ@金色のガッシュ、ピアニカ@金色のガッシュ、基本支給品一式 [基本方針]:脱出して子供たちにピアノを聞かせる。乗る気はない。コウと共に脱出を画策する。動物園に行く。 【支給品紹介】 【賢者の石@スプリガン】 ジョージ・ラローシュに支給された。 現代科学では合成出来ない鉱物。 加工次第で、黄金や精神感応金属を生み出せる。 からくりサーカスに登場するものとは別物。 【アコースティックギター@からくりサーカス】 才賀エレオノールに支給された。 これといってなんにもない、フツーのアコギ。 41巻の頭のほうに出てきた。 投下順で読む 前へ:たった一つの卑怯なやり方 戻る 次へ:禁句 時系列順で読む 前へ:たった一つの卑怯なやり方 戻る 次へ:禁句 キャラを追って読む 055:境遇――孤独だった三人 才賀エレオノール 114:置き手紙 ロベルト・ハイドン 小金井薫 068:ジョージ・ラローシュの交渉 コウ・カルナギ 115:檻のなかの獣 ジョージ・ラローシュ ▲
https://w.atwiki.jp/enemy/pages/783.html
スレ200より 230 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 15 49 23 0 自分もアホだった調停待の者です。 昨年秋に、バツ一子有の男性と再婚する予定だった。 ささやかながら式場も予約し、子供とも養子縁組することになってた。 しかし、相手方父子と同居していた姑がネックだった。 されたことは、テンプレ内(作った食事を目の前で捨てられるとか)程度だったけど いっこうにかばってくれない彼と、一生添い遂げる自信がなくなった。 で、婚約の破棄、結婚式のキャンセル、指輪を返却、 もちろん謝罪もした。 これで終わったと思ってた。 232 名前:230[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 16 01 38 0 だけど、事前に署名捺印していた婚姻届を回収するのを忘れてた。 結婚式をするはずだった日、 (私は心労で寝込んでいた) 相手方が勝手に提出してしまった。 結局、一日も結婚生活は送ってない、今まで通り自分のマンションで一人暮らし。 恥ずかしながら、婚前交渉だってしてなし、 生活費をもらってるわけでもない、結婚の実態なんて何もありません。 だけど、戸籍上は人妻で、一児の母。 離婚したら早いけど、なんの実態もない結婚のせいで 離婚歴がつくのは納得が行かない。 で、今、家裁に「婚姻無効」の申し出をしています。 調停に呼び出されるのを待っている状態。 彼からは毎日5,6通のロミオメール(勤務中だろ!)。 子供が会いたがってるから会おう、子供が書いた手紙を手渡したいとか 最近は子供(子供のことは大好きだった)をダシにしてて、腹立たしい。 でも、調停がうまくいくまではコトを荒立てたくなくて (もし相手方が意固地になって調停を長引かされたら疲れる) 無難に事務的にに返事メールをしてるとこです。 だれかに聞いてほしくて、長々と書きこんでしまいました。 読んでくださった方、ありがとう。 233 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 16 13 08 0 調停待が調停侍に見えた 234 名前:230[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 16 15 48 0 233 私もそう見えて、笑ってしまいました。 ざんねーん!と、ならなければよいのですが。 235 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 16 16 23 0 アホな男は前妻と離婚かね。 やはりその姑が絡んでいたりするんだろうか。 離婚だとして理由は聞かなかったのかな? 236 名前:230[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 16 21 04 0 元奥さんは、好きな人ができて出て行ったそうで。 だからお子さんも置いて行ったと聞いていましたが 一番の原因は姑(とそれに逆らえない夫)だったんじゃないかと思っています。 237 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 16 21 42 0 230 悪いことは言わん 大至急弁護士を立てなさい のんびり待ってる必要もないことじゃないか 239 名前:230[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 16 24 17 0 237 アドバイスありがとうございます。 調停って、裁判官と調停員と、本人だけでするんじゃないんですか? 弁護士を立てたら、どういうことをしてもらえるんでしょうか。 242 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 16 31 44 0 230= 239 あなたが考えている以上に 相手の法的責任を追及してくれます 243 名前:230[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 16 37 14 0 法的責任・・・ 相手方は悪意とか不法行為はないんですよ(愛想は尽きてるけど)。 ただゴタゴタに巻き込まれたくないっていく、不作為の罪はあるかも。 244 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 16 40 43 0 いや……無断で婚姻届出した時点で悪意てんこ盛りですってばさw 248 名前:230[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 16 47 17 0 そっか・・・ 破談にした自分に非があると、つい思いこんでしまって 相手方を鋭く非難できなかったんです。 もっと強気に出てみようかと思います。 こんな短時間でたくさんのレス、ありがとうございます。 引き続き、アドバイス・レス頂けますよう、よろしくお願いします。 253 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 16 55 34 0 もう立派な刑事事件なのに、弁護士なしとかww 頭悪すぎww 259 名前:230[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 17 04 49 0 いやほんと、我ながら頭悪いです。 破談を謝罪して、相手も納得してた様子だった(男泣きしてた、於焼鳥屋さん)ので まさか、婚姻届が出されるとは(しかも祝日だった)とは 思いもしませんでした…。 相手の姓になった自分の保険証(別居家族用みたいなの)が送られてきて 初めてコトに気付いた次第でした。 今のところ、相手方も婚姻無効にしぶしぶながらも応じてくれる感じですが どたんばでひっくり返されやしないかと冷や冷やしている状態です。 法律相談とか弁護士事務所とか、行ってみることにします。 263 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 17 13 26 P いまって男女ともに身分証持参でださなきゃいけないんじゃなかったっけ? 自分元旦に出したけど受付のおじちゃんに身分証の提示求められたよ 役所の受付時の状態は確認した?手順に不備があったら そこも一応押さえておかないと もし相手が偽物仕立てて手続きしたとしたら悪質度倍増w 272 名前:230[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 17 52 41 0 祝日の婚姻届、別にIDは要らなかったみたいです。 守衛のおじさんが預かるかたちだったそうです。 婚姻届提出後も、独身生活(別居)のままなので 既成事実というなら、「実態のない婚姻」の既成事実にしかならないかと。 そしたら帰って有利かと思ってましたが…甘いですか? とにかく、とりいそぎ、専門家に相談します。ありがとうございます。 私が「婚姻無効」で検索したら 外国人が日本国籍を取得するためになんたらかんたらが出てきました。 犯罪レベルのことだったんですね・・・ 相手方からは 「あなたの希望だから、とりあえず調停では合意するけど あなたの心が戻るまで5年でも10年でも待ちます」と年賀状が来ました。 5年も10年もこっちが独り身でいると思うなよ! 274 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 17 58 45 P 272 調停とやらがどういう形ですすんでるのかわからないけど ひとつでも多くの客観的証拠を集めておくこと 別居婚もあるんだから別居だけじゃ弱そう 弁護士への相談(5000円のとかでもいいし)とかしておけば? あと最後の謝罪?までの日付と行動、自分の言動相手の言動を すべてメモに書き起こす 結婚をとりやめたことを相談報告した周囲の人へのメールや その人達の日記とか 証拠物となるものをなるべくたくさん確認しておいたほうがいいみたいですよ 280 名前:230[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 18 10 02 0 えーと、一応必要書類は揃えて家裁に提出して 2週間くらいで呼び出しの書類が来て、2月中に第一回調停です。 異常なメールとか、マンションの呼び鈴押し続けた日にちの記録とか 残せるものは残してます。 今はただただ、調停1回だけで、さくっと無効を認めてもらうことだけ考えています。 定期を買うときとか、氏名を記入するときに もとの姓を使ってるのですが、なんか偽名を使ってるような気がして なんでこんな思いをしなければならないのかと、情けないやら腹立たしいやらです。 また、自戒をこめて、経過を報告させていただきますね。 同じようなケースの人(あんまりいないでしょうが)の 参考にしていただければ。 282 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 18 23 12 0 280 それだけ粘着されてるのに調停で相手が同意すると思えるのが凄いよ。 身辺の安全にはくれぐれも気を付けて。 復縁を迫る男から乱暴されかけた報告は多いし実際にされた例はもっとあると思う。 286 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 18 51 26 0 まあ…なんだ また報告に来るんだったらコテトリ付けてってね 288 名前:◆31ZrzN4KAA[sage] 投稿日:2010/01/08(金) 20 14 36 0 230ですが、これでいいでしょうか。 相手方が、愚直なくらい真面目で素朴な人だったので つい気を許してしまってました。 我ながら残念な人だと思いますorz 307 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/09(土) 00 15 36 0 調停侍 調停員にもよるけど、弁護士連れて行くと態度がコロッと変わる調停員(特にジジババ)もいる。 治療費請求の調停だったけど、 1回目は相手は鼻ホジな態度&調停員も「大人気ない、許してやれ、仲直りしろ」と上から目線 2回目に弁護士連れてったら調停員「弁護士センセイ!センセイの仰るとおりに!全部センセイが正しいです!」 で全面的にこっちの主張が通って終わった。 こんな馬鹿な調停員ばかりでないと思いたいけど、 女だからって舐められることもあるかも試練。 サクッと終わらせるためにも、gdgdしてないで弁護士のとこ逝っとけ。 316 名前:婚姻無効調停侍 ◆31ZrzN4KAA[sage] 投稿日:2010/01/09(土) 10 03 33 0 弁護士同伴がいいというアドバイス、すごく参考になりました。ありがとう。 弁護士のツテがないので、 とりあえず週明けに、法テラスか、市役所の法律相談に 予約をとることにします。 317 名前:婚姻無効調停侍 ◆31ZrzN4KAA[sage] 投稿日:2010/01/09(土) 10 53 57 0 連投すみません。 法テラスの24時間電話相談にかけてみました。 調停って、私と、相手方と、調停員と、裁判官が ひとつ部屋で話をするのかと思っていましたが、 私と相手方は、別々に調停員と話すのですね。 電話相談では、 「1回目で話がつかず、長期化するようなら弁護士を同伴すればいい。 詳しくは法テラスで『扶助相談』(ただし月収18万円以下の人のみ利用可)を 受けるとよい」 とのおことでした。 折悪しく3連休なので、連休明けを待って動き出そうと思います。 長々と失礼しました。 509 名前:調停侍 ◆31ZrzN4KAA[] 投稿日:2010/01/11(月) 21 41 23 0 残念な頭の調停侍です。 昨日、「息子が、きみのすきなB’zの絵を描いたから、お昼頃ピンポン鳴らすね」 と、メールが来たので 「郵便受けに入れといてください、調停までは会いません」と拒否。 届けられた養子(5歳)の一生懸命書いてくれた絵と手紙をみて 嬉しいけど、お母さんになれない申し訳なさで、心がつぶれそうでした。 もう手紙もつらいから、よこしてくれるなとメールしたら 今朝、「これならいいよね」と、子の写メとメッセージ。 私の「関わらないでほしい、ほっといてほしい」という気持ちは、 ぜんっぜん伝わらない。 むしろ善意で、食事に行こうだの、子のランドセル買いに行こうだの 誘ってくる。嫌だって言ってるのに。 通じない。全然通じない。もういやだ。 外国人、いや宇宙人とはなしているみたいです。 525 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 21 57 12 0 509 >きみのすきなB’zの絵を描いた んじゃなくて あなたのB z好きなことを知ってる元婚約者が 無理やり子供に書かせたんでしょうが。 子供が可哀想だと思うなら 親の欲望のために子供を使役して作らせた物なんか 受け取り拒否しようよ あなたがそこで決断できないから 子供がいつまでも親の道具として利用され続けるんでしょうが 単に受け取り拒否だけじゃなくて 子供をダシとして使役することへの嫌悪感を伝えられればなおいい 527 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 22 04 19 0 509 まだ善意とかいってるの? 辛いからよこしてくるな→辛いってことは子供使えばまだ付け入るチャンスがある! って気付いてるんだよ。貴方が隙を堂々と見せといて、善意だとか馬鹿言ってんじゃないよ。 馬鹿じゃないの?いや、馬鹿でしょ。呆れた。 とっとと弁護士やとって、弁護士に任せなさい。 じゃないと、どんどん隙につけこんできて、最終的に子供使って 「一緒に暮らそうママ」とか言わせて貴方が折れるように仕向けるよ。 子供を巻き込ませたくないのなら、しっかりした対応しなさい。 母になるつもりがないなら、毅然とした態度をとらない事は子供にも酷い事をしてるんだよ。 子供を巻き込んでるのは馬鹿男だけじゃない、毅然とした対応しない貴方もなんだよ。 657 名前:調停侍 ◆31ZrzN4KAA[sage] 投稿日:2010/01/12(火) 16 43 50 0 昨日は取り乱した書き込みをしてしまい、すみませんでした。調停侍です。 たくさんのレスを頂いて、驚いています。 温かい言葉、厳しい言葉、痛み入ります。 子に愛着があるあまり、かえって子にひどいことをしてしまっていたと 改めて痛感しています。私のエゴでした。 また、私の書き込みで不快な思いをされたかた、お詫びします。 私は調停を取り下げるつもりは毛頭ありませんし、 よりを戻すなんて、絶対にしません。 今は、婚姻無効を裁判所に認めてもらうことだけを考えています。 弁護士探しにも着手しました。 今日、家裁から調停の日取りの通知が来ました。 相手方とは、別の日です。 争う者同士がかち合わないようにとの、家裁の配慮でしょうか。 今日も長々と失礼しました。 後日、こちらによい結果報告ができるよう、頑張ります。 660 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/12(火) 16 49 53 0 657 そういう調停の書類ってどんな書式になってるかわからないんだけど、 「別の日」ってわかるってことは、双方の日付が書いてあるからわかるとか、 そういうことじゃないんだよね? 「別の日に行います」って書いてあるだけってことですよね? 661 名前:調停侍 ◆31ZrzN4KAA[sage] 投稿日:2010/01/12(火) 16 58 35 0 657 いえ、私への呼び出し状には、私の分の日付しか記載してありません。 相手方がご丁寧に「ぼくは●日の●時からです」と メールしてきてたんで。 なお、家裁からの封筒の差出人は 「○○裁判所」でなくて、個人名(担当者?)になってました。 色々配慮してくれてるんですね。 663 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/12(火) 17 13 49 0 661 早急に決着をつけたいのなら、しっかりした弁護士さん雇うの忘れずにね。 弁護士さん見つけたら、相手のしてきた事、善意とか温いこと言ってないで 「子供を使って、こういうことを」「メールでこんなことを」と、恥など何も気にせず やられた事を包み隠さず伝えておくんだよ。 プロはそれらの細かい事でも、こちらの有利になるよう利用する術を持ってるんだから。 せっかく弁護士雇ってるのに、肝心な事を弁護士に伝えておらず、 こちらが不利になってきましたとか馬鹿言う過去の相談者にもいたんで、 そう言う事にならないように、ここの相談以上に、弁護士さんには相談してください。 793 名前:調停侍 ◆31ZrzN4KAA[sage] 投稿日:2010/01/13(水) 23 30 07 0 しばらく沈黙するつもりだった調停侍ですが アホ相手方から、うちの母あてに(私にはメールするな!と言ってあるので) とほほなメールが来たので、小ネタ投下。以下がそのメールです。 「○○(私)さんから、メールを出さないようにと言われたので 代わりにお義母さんに出します。 ○○さんの希望は全てかなえてあげたいので、 しばらくメールは出さないことにします。 でも、そのことで、○○さんが もしかして僕が病気になってメールが出せないんじゃないかとか、 心変わりしたんじゃないかとか、 心配したらいけないので、 お義母さんから、そうではなくて、『僕がメールを出すことを我慢しているんだ』と さりげなく伝えてもらえたら、うれしいです」。 …誰もあなたの心配なんかせんわーーーーーっ! この人の思考回路が、ほんと、理解できません。 親をまきこまないでほしい… 母は気の強い人なので、このメールで怒り心頭。 母が全面的に私の見方になってくれているので、ものすごく心の支えになってます。 811 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/14(木) 08 35 20 0 こういう場合は弁護士の手で、きちんと被害を訴えた上で 結婚取り消しの書面があった方がいいと思う。 弁護士費用よりも、自分の戸籍にバツを消す方が大事だと思うな。 さっさと弁護士決めろに一票!
https://w.atwiki.jp/sinatmaskedrider/pages/79.html
PHASE-03 完璧なる殺人鬼 服を着替えていた。うむ、中々似合うんじゃないだろうか?。キラは鏡の前でポーズを決めながら見ていた。恥ずかしくなり、トイレに入ってみる。 どうしたことか小便が出ない。くそ、緊張してるのか?そうなのか?。そんなノリを自分で思いながら、キラは扉を潜った。 「――ようこそ……オーブ・ヘリオポリス配属部隊、アークエンジェルへ」 マリューや他のメンバーが拍手して迎い入れてくれた。ああ、入学式みたいじゃん、とキラは内心思った。 「似合ってるわよ?よろしくね、キラ君」 「はい。よろしくお願いします」 堅苦しい挨拶をしたあとはトールやアサギ達にどやされてばかりになってしまった。 「おいよ~~……変身するなんて羨ましすぎるだろう?」 「キラ君ってば私達よりも早く変身しちゃうなんて……」 聞くところによるどアークエンジェル ゙にいるトール達が候補生だったらしい。ライダーシステムは個々のベルトに意志があり、適合者を選ぶという。 「仕方がないだろ?ベルトが合っちゃったんだから」 カガリが付けても変身は出来なかったので少なくとも現時点では自分だけなのだろう、とキラは思った。 「各バックルにば適合者゙がいるんだ。だから、基本的にストライクバックルはキラにしか変身は出来ない」 アスランが優しい声で教えてくれた。彼は残り2つのバックルを見せた。 「まだこの2つは見つかってないんだが、俺と同時期に゙デュエルバックル゙の適合者が見つかってる」 つまりはキラよりも先輩ライダーがいるというわけか。正体を聞くと、後のお楽しみだとはぐらかされてしまった。 キラはZAFTについての説明を改めて聞いてみた。そして、その内容はどれも衝撃的であった。 「つまり、ZAFTは自分達の星が異常気象により滅んだために地球へ来た……と?」 「まあ、そうなるな。現時点では……」 バルトフェルドはPCのボタンを幾つか押す。すると、地図が立体画面に映し出された。 「ある場所から半径25Km以内が活動範囲だ。あんまし、広くないがな」 ならばあまり心配しなくても良さそうだ……と、キラは思った。だが、その思考ばある場所゙が中心にある事がわかると揺らぎ始めた。 「バルトフェルド先生……この場所……」 そこは悲劇の墓標、24万人の市民が犠牲になった地―――ユニウスセブン。 「そう、ユニウスセブンを中心にだ。これはきっと意味がある…。」 「調査とかは出来ないんですか?」 「しているさ……だが、今のところ何もわからん。なぜ16年も活動しなかったか、なぜ今になって動いたのか、なぜユニウスセブンを中心とするのかもな」 2人が話していると、カガリがコーヒーを持って間に介入してきた。 「何にせよ、ZAFTは敵だ。倒さなくちゃいけない」 何だか怒り、いや、ツンツンしていた。粗い手つきでカップを置くと、そのままドアへと消えた。 「カガリ……なんで怒ってるんですか?」 「……青春なのさ」 自分が原因だとはさほど思ってないキラを見て、女難の相をバルトフェルドは見いだした。 何にも無かったかのように普段どおりの生活を続ける市民。もちろん、フレイもその中の一人なわけだ。スーパーに行って買い物をしていた。 (……あれはキラ・ヤマト君だったわ……) 爆煙が治まると変身をフレイの目の前で解いた。驚きを隠せない。手が震えだしている。声も上手く出せない。 キラもフレイもお互いに何を言っていいかわからない。こんな経験は普通あるわけじゃないから、どうしたらいいか教えちゃくれない。 だが、まずはその静寂を破らなくてはいけなかった。キラはフレイを起こすと、口を開いた。 「怪我、ない?」 「あ……うん、ありがとう……」 少し気まずそうながらもキラの顔は優しかった。バスで見る朝の顔。それと一緒だった。 (あの後、何もキラ君は言わなかったけど……) 今度会ったらちゃんと聞いてみようと心に決め、フレイはレジに並んだ。 ヘリオポリスの中心にある市役所。そこの市長室で今会議が終えたばかりだった。市長であり、カガリの父でもあるウズミ・ナラ・アスハが頭を抱えていた。 「……ついにこの街まで来たとはな」 ヘリオポリスは規模が大きい方だが、ユニウスセブンからは距離があるほうだ。そこへZAFTがやってきたのはかなり頭を抱える問題だ。 (まあ、そのためのオーブなのだが) それよりも問題なのは現在の日本を裏から操作している政府容認対ZAFT組織゙ブルーコスモズからの技術提供を求められている。 正直、状況は悪い。ヘリオポリスは海底火山からの熱を制御して効率的にエネルギーを取り出す技術を開発した事から国の方針には従わない特権を持っているが圧力はある。 ブルーコスモスからの要請は国からの要請に等しい。事実、ブルーコスモスはヘリオポリス付近の市内では戦果を挙げている。 「ウズミ様」 さて、どうしたものか?。ライダーシステムの情報はなるべく与えたくはない。だが、ブルーコスモスは街を一つ潰すくらい簡単にしそうだ。 「あの……ウズミ様?」 「!?。あ、ああ……」 気付かなかった。集中しすぎたか?。やれやれ、またカガリに言われるな。そう思うと顔から疲れを感じさせないように調節し、秘書の話を聞いた。 「ライダーシステム・ストライクの所持者は再び少年の手に……」 「そうか……」 また子供。出来れば巻き込みたくはないのだが……。 「その少年はキラ・ヤマトと言います。現在は……」 「すまん、ちょっと見せてくれ!!」 秘書の持つ電子ノートに貼られた一枚の写真。ウズミは暫らく黙ってしまったが、窓を開けて空を見た。陽が差し込んできて明るい。 「これも運命なのだろうか??」 キラはアスランに案内されてアークエンジェル内にある倉庫に連れていかれた。入ってみると、オーブ兵が使っていた弾薬や防護服が幾つも並び、その奥には幾つかのバイクらしきものが並んでいる。 「これはライドグラスパー。ライダー専用にしてあって、高速戦闘には持って来いだ。これがお前が乗るストライクモデルだ」 ストライクと同じくトリコロールカラー仕様となっている。また、形状は他のバイクとは一線を変えてある。 丸みを持ちながらもシャープに仕上がったフロントと、やや細目の車体が格好良さを引き立てている。 「へぇ~~、こりゃ凄いや……」 ――ん? 何か大事な事が抜けている。そうだよな、゙仮面ライダー゙というくらいだ。バイクに乗るのは不思議じゃない。 「あのさアスラン、僕は免許ないんだけど……」 キラの通学は決まってバスか自転車だ。バイクどころか原付ですら乗った事はない。そこにいきなり乗れと言われて、 「はい!!」 、と出来るわけがない。そこへナタルが入ってきた。 「心配するなヤマト。私が一日で乗れるように訓練してやる」 ――はい?。今、何と?? 容赦なしに腕で掴まれ、連れていかれた。アスランは潤んだ眼でキラに敬礼した。 (ああ……。アスランもこうやってシゴかれたんだな) 学校では数学を教え、規律を重んじていて厳しく、無愛想かつ美人のナタルは、生徒達の間の通称で゙鉄の女゙と呼ばれている。 それがここで実感させ……いや、出来るとは……。トールなんかは笑って受けれそうだけど、キラは不安でいっぱいだった。そして案の定、キラは疲弊した顔でアークエンジェルを後にしたのが確認されてる。 次の日、週明けの学校の午前を寝て過ごしたキラは午後に備えて……寝ていた。 「おい……キラが眠るなんてないのに……」 「そんなキツイのか?ナタル先生……」 オノゴロ高校の一部の教師と生徒はオーブに所属している。とはいえ、彼らは家族や友人には黙っている。変に混乱を招いても仕方がないからだ。 キラの苦しみをわかってやれるのも、アスランやトールくらいしかいないのだ。学校ではマリューやバルトフェルドも助けちゃくれない。 「スクールでは~誰でも~一人一人きり~。僕~の願~いも~、僕~の悲しみも~。だ~れ~もわかって~くれ~な~い……」 既に意味不明な歌を口ずさみ、キラの精神はずたボロだった。しかし、昼飯を調達するためにいざ購買へ向かった。 キラが購買に着くと、食券争いはピーク状態だった。荒波に飲まれてキラは…… 「敗けてたまるかーーー!!」 終わった。今日の午後のエネルギーはゼロなんだ。食券はないし、パンも売り切れ。昨日の疲れは取れてないし、授業を乗り切れるか心配だ。 「仕方がない……我慢して……」 「あ、キラ君……」 この声の主は……フレイ。そう、この荒んだ心を癒してくれるのは彼女の声だ。 「どうしたの?」 「昼ご飯……買い損ねたんだ……」 フレイ自身は先日の事件の事を聞きたかったが、あまりにもやつれた顔のキラを見て可哀想に思えて、その気は失せた。 「よかったら私のお弁当少し食べる?」 ――何だって!? 「いいの!?」 コクリとフレイは首を縦に振った。ああ……この荒んだ心を癒してくれるのは君だけだ。そう、キラは心の中で泣いた。 「フレイ……」 キラが感動している時、後ろには眼鏡をかけた少年が現われていた。その人物は初めてフレイと話した時にラブレターを既に渡していたというサイだった。 「サイ!?」 しかし、サイはキラを無視するかのようにフレイに話し掛けた。 「フレイ、俺からの返事……」 そういえばラブレターの返事はしてなかったのか……。 ――は??目の前でOKされたら…… キラの精神は絶望的だった。 ――屋上にいって、自殺……したくねぇぇぇ!! 自分のキャラをすっかり忘れて内心のキラはフレイの返事に耳をすます。 「ここじゃ……放課後に話すわ」 フレイはそう言うと自分の教室のほうへ去っていってしまった。弁当の事など忘れているだろう。愛情も味も感じることはなかった。 「サイィィィ!!何で……」 歪んだ顔をしていた。サイはキラを見ることすらせずに歩って行ってしまった。 放課後、フレイは学校から少し離れた公園にいた。幼稚園や小学校くらいの子供達がブランコや砂場で遊んでいる。 友達とかに見られるわけにはいかないし、自分の気持ちはきちんと伝えなくてはいけない。 「フレイ……よく来てくれたね……」 サイが歩いてくる。フレイは自分の前に立つなり、いきなり頭を下げた。 「ごめんなさい。気持ちは嬉しいけど、私は……」 「……ぷ、ぷひゃひゃひゃ!!」 突然狂ったようにサイは高らかに笑いだした。フレイを含めて公園にいる人間全てが視線を一点に集中させた。 「あ~あ、俺の負けか……」 どういう事だかわからない。振られたからといってサイはこんな風になる人間ではないはず…… 「わあぁぁぁーーー!!」 「!?」 遊んでいた子供達だろうか?悲鳴があがった。子供達の後ろには先日フレイが見た怪物、ジンが立っていた。 「君達、私の後ろにきなさい!!早く!!」 子供達を集め、自分の後ろに隠す。自分もだが震えが止まらない。 (あれがキラ君が戦っていたZAFT……だったかな?)「あんた、サイじゃない……誰なの??」 サイは再び高笑いを始めた。ジンは迫ってきていて、3体はいる。 「ひひひ……質問に答えなくちゃな~……サイは死んだよ。お前にラブレターを送った後にな。」 「!!?」 死んだ?だって目の前に…… 「俺達ZAFTは人間に擬態が出来るんだ。当然、容姿だけだがな……でも基になった人間を喰えば記憶や思考も受け継ぐんだよ」 固まってしまった。人の成りをしているが、中身は周りにいるジンと同じで怪物。そう思うと、ますます絶望感を感じてしまう。 「かかか……この前、賭けをしてな……。もし告って成功したら俺がお前を喰う。失敗したら丁度右にいる奴らに喰わせるとな」 「勝手に私の命を扱わないでくれる?」 せめて子供達は助けてあげたい。でもジンは銃を手にしているようだし、下手に動けば殺されてしまう。 「ひひひ……だが、美味そうなのが15人……。お前を喰えないのは残念だが、そのガキらでも……」 キキイィィィ……ブウゥゥゥン!! 「!??」 ジン2体が音と共に体が舞った。フレイ達を囲むように、守るようにバイクが2台止まっていた。 「……キラ君、アスラン君……」 ヘルメットを取り、キラはサイと対峙した。ジンを従えて見えるので、このサイはZAFTだとわかった。 「アスラン……フレイと子供達をお願い」 「……ああ」 アスランはイージスバックルを取り付け、左腕が胸を越すように折り曲げて叫んだ。 「変身!!」 手でバックルの中心部を叩いくと、装甲を着けるためのアーマーフィールドがアスランの体を包む。しかしそれは一瞬。瞬く間に赤い装甲を纏った。 腰にあるビームライフルを取り出し、ジンのマシンガンに向けて撃ちつけた。全て撃ち落とすと、腰にライフルを戻して格闘戦に持ち込んだ。 「早くその子達を連れて逃げろ!!」 言われた通りフレイは子供達を誘導して公園の外に出た。それを確認すると両腕からサーベルを出してジン達を斬りつける。 「お前らを野放しにするわけにはいかないんだ!!」 キラはサイを殴り付けた。家族や友達を残して死んだ事に、姿を利用されてる事に殴らずにはいられなかった。 「サイ……友達として君を楽にしてあげるよ」 左腕をピンと胸の前で右斜め上に伸ばし、腰のストライクバックルを叩く。そしてキラはアーマーフィールドを通過して装甲を着けた……とたんにもう一度殴った。 ぐにゃりと曲がった首。それを元に戻し、眼鏡を落として踏み付けた。 「へへ……簡単には死なせないぜ」 サイの体は剥がれ落ち、代わりにジンともシグーとも変わった姿が現われた。 「こいつを見るのは初めてか?俺はジンハイマニューバっつってな……上位種なんだよ!!」 剣を取り出してストライクに斬りかかる。さっと避けると、ストライクはバックルのボタンを押した。 ゙CHANGE ALE゙ 瞬時にフォームチェンジを完了して、背中からサーベルを抜き取り、ジンハイマニューバとの鍔迫り合いに持ち込んだ。 「絶対に許さない!!」 膝蹴りで体を浮かせ、サーベルで斬っていく。負けじとマシンガンを至近距離でストライクの体に撃ちこんだ。 さすがにダイヤモンドの16倍の硬度をライダーの装甲、゙フェイズシフト装甲゙でもダメージを軽減しきれない。 「お前、フレイに惚れてるだろ?だったらサイなんて人間どうだっていいんじゃないのか?」 「黙れ!!いくら人の思考はコピーできてもお前らに、人間の心が理解できるはずはない!!」 キラはもう一度フォームチェンジをした。こいつは許せない。そんな感情がキラを支配した。 ゙CHANGE LUNCHER゙ 背部にあった装備は消え失せ、代わりに右肩にはバルカンが付いたパーツ、左腰には大型の砲、゙アグニ゙がついていた。 アスランはライドグラクパーから゙スキュラ゙というパーツを取り出し、腕を差し込んでジン達に向けた。 ゙X303 ライダーキャノン゙ 「終わりだ!!」 鉤状の中央にプラズマ粒子が集まっていき、赤い閃光が放たれた。一列になっていたジン達は爆煙へと姿を変えた。 ゙X105 ライダーキャノン゙ アグニにもスキュラ同様プラズマ粒子が集約していく。その威力を推してか、サイの姿になって弁解を始めた。 「待て、俺を撃てば二度とサイには逢えないぞ?」 「見かけだけの奴に言われたくない……向こうでサイに謝れ!!」 引き金が引かれ、赤い閃光がジンハイマニューバを撃ちぬいた。戻ってきたフレイは泣き崩れるキラにそっと駆け寄って、後ろから腕を伸ばして、一緒に泣いた。