約 72,146 件
https://w.atwiki.jp/teikokuss/pages/525.html
ぶっちゃけ、困ってはいないけれど、あったほうが楽しいw リコメンドキボンヌ。 情報参謀、兵站参謀、先任従士二人をw 先任の一人は、エリア88の ゲイリー・マックバーンをあてます。 情報参謀に、おなじくミッキーというのは、ハメすぎな気がしてw 13Rのキャラ 連隊 連隊長 シルフィス・シリヤスクス・シルディール上級騎士隊長 言わずと知れたシル子。 他に言うことも書くことも無いw 副連隊長 連隊次席指揮官。連隊長のラインにあり、かつ連隊長のスタッフを使えるはずだと思うけど、その辺の細かいことは、わりと抜けているのがオタ。 サキ・ヴァシュタール(エリア88) すげえ迷っていないことにしようかと思いつつ、結局、発作的にサキ。でも、ばっちり決まっている気がする。 おそらく、北方貴族で、アドルファス軍に参加。北側から戦争していたはず。おそらく負傷が原因で、例の発作的視力喪失症状を患うことになったのだろう。内戦終結後、退役、というか戦後の始末をもろもろした上で、弟のリシャールに家督を譲り、退いたのだろう。 それを引っ張り出してきたのは「良い指揮官を駆り集め過ぎないため」すばらしいぞ、俺w 北方情勢はすばらしく良い設定と状況で、レオニダス家、アレクシアの青春と使いまくっているのだけれど、ここでもどーんと使ってしまうw したがって、現在でも視力の問題は抱えている。シル子との面接が行われたはずだけれど、彼は原作どおりの頑固さで拒否したはず。 年齢もたぶん、シルフィスより上。 シルフィスは、口説き落とすようなことはしなかったろう。ただ、二人がともにあった戦場での、戦訓分析を披露し、そこに必要であった部隊をこれから訓練する。それは、帝國の剣になるだろう、と示しただけじゃないだろうか。 帝國SSでのサキは、指揮官ではなくなっているから、正直に突発的視力喪失症をあかし、ゆえに部隊指揮などとれない、と返すのだろう。 では、参謀長に、と言われて、思わず笑ってしまう気がする。 受諾と、帝國への忠誠との牽強付会は、サキを意固地にさせるだろう。しかし、シル子はそういうことを言ってしまうかもしれない。 だからこうだ。 「正直に言いましょう、バシュタール卿、人が足りません。必要としていたものを得たときに、それを必要としていたもの達は、國のために働いています。あなたにも、その働きを見せていただきたいのです」 ここまで言われたら、サキも受けるだろう。 めでたしめでたし ヴァイス・プレジデントってものすごく大変のはず。シルフィスの副隊長というのは、さらに輪をかけて大変なはずw シルフィスは、自分とは違う考え方をしながら、自分の代理を果たせる人間を探していたはずで、北方軍従軍者からそれを探してきたのは、まさしく人材発掘とリサイクル♪ 彼はきっと、のちのち参謀本部勤務となる気がする。 めでたしめでたし。 参謀長 :参謀長は、連隊長の意を受けて、隷下部隊を指導する セネイ だれ?といっても、誰も覚えていない。風の谷のナウシカ漫画版の中に登場した、口ひげの第三軍将校。 強行着陸したクシャナを迎えたとき「どうしたセネイ、わたしは帰ってきたのだぞ?」といわれて感極まる男。後にヒュドラに襲われて死ぬまで、部隊を取りまとめた。原作での地位は、おそらく連隊長級。 シルフィスが自分の参謀長を選ぶとしたら、頭の回転の速さより、全体俯瞰的で堅実な男を選ぶはず。即断即決なら、自分で行えてしまうし、そのためのリソースの収集と指揮も自分で行えてしまうから。 逆に言うと、そのリソースの収集と、維持を堅実に行える人のほうを望むはず。加えて、セネイ自身は、上長との年齢差、性差をポジティブに認識する、そんな男だろう。 たぶん、東方人。 口ひげの宮崎風オサーン シルフィスを操縦することもいとわない、クロトワ参謀のような男とのゲームは、クシャナ殿下ほどは好かないと思う。 参謀 情報参謀 未定 兵站参謀 未定 ホント、誰がいいかなあw 企画参謀(非常設。13R支援のために配属) 言わずと知れたクロトワ参謀。 シルフィス相手に、おっさんらしくちょっかいだしては断られるゲームを多分楽しんでいる。彼の役割は、知見を生かして、連隊に益をもたらすこと。ぶっちゃけ公認遊び人w ただし、建設的勝つ実用的な提言と、それを実行する能力がなければ、とっとと放り出されて以後ポストなしになってしまうだろうw 東方人なのか、南方人なのか、ちょっと迷っている。情報畑なのか、兵站畑なのかもよくわからんw。そのほうが、この人らしいとは思う。 たぶん「第二のサウルカダフ」と陰口を叩かれているはずw ロリクシャナ様付きのクロトワカルッチとは別人。ただしソウルメイト。だから互いに気が合わない。でも判断は一致してしまうw 彼は装甲兵で無いほうが面白いんじゃないか、と。 だから、馬に乗って部隊に追従する。 副官 :段列を担当し、人事も担当し、人事の中では騎士に対して直接の影響力をもつ。 誰よ?誰がいいんだよ>< シルフィスの好みからして、若手の男性でもなければ、若手の女性でもないでしょう。つまり、普通にというか仕事のできる奴、と。やっぱり、ブッカー少佐(原作版)?BOOKERというだけあってw よし、決定w ジェムズ・ブッカー 多分、辺境ではなく中央の人。軍人家系ではなかったかもしれない。この世界にいるだろう、がみがみばあさんから離れたら、つぎはシル子だったというかわいそうな人。 彼ならシルフィスとも上手く付き合ってゆけるだろう。むしろ嬉々として段列管理をやるにちまいない。 とゆーか、新機の導入と、新編成部隊の段列管理なんて、この人じゃないとできない気がするw ガイユス殿下とは、話が合うはず。クロトワ参謀とも合うはず。というか、クロトワ参謀が利用する側かw 原作どおり、頬傷があるはず。 この人が現場の指揮官だとしたら、兵站参謀は一体誰だろうw(キャゼルヌ禁止w) 軍旗小隊長 軍旗警衛、とゆーより連隊長の護衛に使われることのほうが多いはずです。 シン・カザマ サキが出てきちゃったら、彼しかいないだろうw ほとんどコマンド指揮官レベルの彼の能力は、シルフィスのナウシカ三巻化には絶対必須。 ナイーブな内面の物静かな彼なら、必要とするまでしゃしゃり出ないで楽なはず(w したがって軍旗小隊は、ウォーレン、ケンといったいぶし銀連中w 原作どおり、身寄りが無いほうがいいだろうw 帝國SS内では既婚にしよう。涼子がいるわけですw 種族も変なほうがいいw 先任従士 未定 帝國軍での、先任従士長の働きはきわめて大きいので、早めに決めないといけないのに、ゆっくりしていたらこのざまだよ! 実際、部隊の気風やら性格が変わるので重要なんですが、第十三連隊のような複数兵科混合部隊での先任従士長選びは大変だろうと思っています。 騎兵部隊は、兵科従士だし、機甲部隊は、段列付属の従士が多くて、一人の従士長のやり方では、収まらないでしょう。 そこでおそらく、先任従士長を騎兵から、次席従士長を機甲から輩出し、二人に権限を分散させているのでしょう。 ってことは、二人、決めるのかw 蔡務官殿のリコメンドいただきました。 機装甲先任従士長 ゲイリー・マックバーン エリア88 プロジェクト4側のパイロット。冷静、冷徹な判断力と、奇妙なセンチメンタリズムの両方を持っている。それも娘の難病治療資金のために傭兵になったからだろう。原作での最後は、神埼への奇妙な忠誠と裏切りだった。 もろもろ未定だけれど、いずれ、醸されるでしょうw 未決が多くて大変だw 人事って大変だねー_
https://w.atwiki.jp/teikokuss/pages/1456.html
闇の零 (4) 家の影に身を寄せ、ルキアニスは屋根の向こうをうかがう。 帝都は夜を知らない街だけれど、あちこちの灯明はすでに消されて、残された光と星明り、そして機装甲の魔道の双眸が頼りだ。まっすぐな道は、荷馬車が詰まらないようにするためだけれど、その道も闇に沈んでいる。 もともとは運河の倉庫の一つで、倉庫一つ一つに番がいるのだというが、その一人一人を内務省は訪れて、倉庫から立ち退かせている。残っているのは、これから向かう先の目標だけだという。 目標は、機神格とだけ知らされていた。初めは黒騎士小隊が主に相対するのだと思っていたから、そうなのだくらいだったのだけれど、今はルキアニスたち自身が相対せねばならない。 だからマルクスが土の術で、それが起き上がる前にうずめる役で、シニス騎士長とともに表の道を行く。ルキアニスとサイモス騎士長は裏道から抑える。 上手くいってくれるといいけれど、そうルキアニスは思う。 合図はぎりぎりまで近づいてる内務省の者が、知らせの花火を焚いたときか、港の方の連隊長たちが知らせの花火を打ち上げた時。いずれもまだ見えない。 こんなことになるとは思ってもみなかった。さっきまで毛布にくるまって寝てた。連隊の皆はどうしてるだろう。大門前広場あたりだろうか。あそこの帝都衛士もとんだとばっちりだっただろうなと思う。それから、あそこでの不思議な感じ。あれは何だったのだろう。 『前方注意』 不意にサイモス騎士長の声が魔道で響く。 『花火だ。確認せよ!』 その通りだった。石畳の道に、赤い花火が投げ出されてくるくる回りながら燃え、煙を噴き出している。 『突入信号と認識する』 サイモス騎士長が言う。すぐにシニス騎士長の声が応じる。 『こちら側にも花火一を確認。突入指示信号と認識する。我が方の突入信号上げ、突入信号上げ。一班突入する』 『突入信号上げ。二班突入する』 その二班とはルキアニスたちのことだ。通りの前側のサイモス機が立ち上がり、駆けだす。右手に携えた大斧を、右肩に負うようにして。ルキアニスも機を立ち上がらせ、そのあとを追った。左手見やると倉庫と倉庫の隙間で、駆ける白の六の姿が見え隠れする。 ルキアニスは魔力を練る。練るとしか言いようがない。右手の平に力を集めて、それが現世に顕現するように、練る。前を行くサイモス機が石畳を踏みしめる。火花が散って、さらに転がっていた花火の知らせを蹴り飛ばす。行き脚を殺したサイモス機は、わずかに態勢を立て直し、それから裏口を蹴った。石積みの壁ごと内側に吹き飛んで、ごっそり穴が開く。だがまだ中は見えない。ルキアニスも地を踏んで行き脚を殺す。滑りかかったまま身構える。右の掌に魔力の炎が膨らむ。 「!」 聞こえた大きな音は、表の道から。マルクス達が表の大扉を蹴破った音だ。 「マルクス!」 待ちきれずルキアニスは叫ぶ。まだ応答はない。敵がいるのか、いないのかも。 「マルクス!どうしたの!」 『確認中だ』 少しして、わりとのんびりとマルクスの応えが届く。 『敵は無し。繰り返す、敵は無し。内務省班を突入させる。そちらも頼む』 ルキアニスも拍子抜けした気持ちだ。右手の魔力の術を解く。そうしながら機の胎外へ向けて言った。 「内務省班、突入、突入、突入」 防具と抜身の剣を持った内務省班が、一列になって壁際を進み、蹴り開けられた破孔を前に止まる。それから流れるように倉庫に突入してゆく。 頭上に、今更のように突入信号の花火が尾を引いて飛んで行く。これで港のほうにも、こちらが突入したことが伝わるはずだ。その間に内務省突入班の第二梯団の列が壁沿いに進んでくる。同じく防具に身を固め、こちらは捕縛のための棒の獲物を持っている。うかつに入らないのは、味方同士の切りあいにならないためだ。まだ中から逃げ出してくるものはいない。敵も、味方も。それらは道を封じた別班が抑えることになっている。何が起きているのか、わからないまま時がじりじりと流れてゆく。 『機装甲班聞こえるか。こちら突入隊長。内部を掌握した。機体は見られない。警戒解除。内部に機体は見られない。内部に機体は見られない』 「どういうこと?」 『こちらは抜け殻さ』 マルクスが応える。 『あるとしたら港だ。もうどちらにも無いかもな』 何が起きてるのか、さっぱりわからない。そもそも内務省と一緒に、帝都の中で、機神格の何かと戦うかもしれないということから、訳が分からない。 そもそもそれは何だったのだろう。 機神格のものが、あるのかないのかわからない。そんなことで大丈夫なのだろうか。 もちろん、大丈夫などではなかった。 「・・・・・・」 どこをどう間違えればそうなるのだろうと、ルキアニスは戸惑うしかなかった。 まず、駐屯地に引き上げることができなかった。 一旦、もとの待機場所へ戻って休憩した後、連隊長に移動を命じられた。 追従せよ、と言われて、歩速移動しながら途中で気づいた。進む先の門は、外へ向かう門ではない。 帝都の中にあって、さらにあんな大きな門があるところは一つしかない。 宮城だ。皇帝陛下のおわすお城だ。ルキアニスが驚き臆したところで、先を行く連隊長機の脚は緩まない。そもそも待ってくださいなどといえば、何が起きたのか、どうかしたのかという話になる。たとえば、宮城に行くなんて聞いていませんなどと迂闊に言ったとしても、ではこれより宮城に向かうといわれるのがせいぜいだ。いや、それさえ言われないかもしれない。 隊列は少しも緩まず進み続ける。 門前の橋には、袂に灯明が焚かれ、警衛の姿があるけれど、まったく止めることもない。石橋を機装甲のまま渡り、そして城門をくぐる。 まったくなにごともなく。帝都に入った時のような悶着などひとつもなく。 そこが皇帝陛下のおわす宮城だった。 あたりを見回すゆとりなどない。ただ命じられるままに降機しただけだ。 連隊長は、先任騎士、つまり軍旗小隊のサイモス騎士長に任せ、迎えの皇宮衛士とともにどこかへ行ってしまった。任せられたサイモス騎士長も、どうすりゃいいのさ、と口に出す始末で、とりあえず機側待機を命じられた。われ関せずなのは黒騎士小隊だけで、たぶんあの人たちはどこででも同じなのだろう。それに、建制の建前では黒騎士は黒騎士大隊からほかの部隊へ臨時配属されている。先任順でも、指揮官序列でも部隊指揮を継承するのは最後に近い。しかし黒騎士たちにはそれら指揮系統上とは違う提言の権限があって、配属先の指揮官にいつでも戦術上の提言をしてよいことになっている。今のようなときは、本当にわれ関せず、だ。彼らは最も厳しい場所に送り込まれる。宮城くらいどうということはないのだろう。 「ねえ、マルクス」 ルキアニスは隣の機で、脚に寄りかかっているマルクスへと問うた。マルクスも宮城くらいどうってことない、って顔をしている。 「ここ、お城でいいんだよね?」 「たぶん三の丸だ。ここまでなら諸侯の家臣格でも入れる。控えどころだな。幕舎を張って主を待つところだ」 あたりはまだ暗く、よくはうかがえない。入ってきた門のほかに、もう一つ門があって、いずれも篝火が焚かれ、開いたままだ。そちらの門へと、連隊長は消えていった。左右には城壁が張り出し、ぐるっとめぐっているらしい。ところどころ城壁の上に灯明が見える。 足元は石畳だ。よく見ると何列か、何個かに一か所、小さく石の欠けているところがある。よく見ると鉄杭が打ち込まれていた。それが幕舎を張るためのものなのだろう。マルクスは言う。 「昔は、参内する諸侯が幕舎のきらびやかさを競った、ってさ。今は諸侯の話は元老院とか、枢密院とかになってるから、ここは、今、どんな風に使ってるんだろうな」 問われてもルキアニスにはわからない。だから問い返す。 「皇帝陛下には、どれくらい近いの?」 「遠い。全然遠い。諸侯家臣が入れるところだぞ」 「わかんないよ」 「まあ、そりゃそうだろうな」 己の機の脚に寄りかかったままマルクスは応じる。 「俺たちを入れて待たせるには都合がいいんだろうが。こんなところ、ふつうは入れないよな。皇族部隊だからか」 そんなことを聞かれてもルキアニスには答えようもない。なのにマルクスは自身でさらっと答えを言い出す。 「次があるからっぽいな。帝都の外に戻すにはまだ早いんだ。たぶんな」 怖いことをマルクスは平気で続ける。 「皇帝陛下には、黒の龍神の守りがあるとして、俺たちみたいな一般部隊が、内務省部隊と一緒に動いているんだ。動けるところが他にないのか」 「憶測はそこまでにしておけよ」 シニス騎士長が低く言う。はい、とマルクスは口をつぐむ。ルキアニスは息をつく。空はまだ暗い。明るい星がいくつも見える。そういえば今何刻なんだろうとも思う。寝入りばなを起こされて、そのままここまで来たけれど、気が抜けると急に眠くなる。警戒配置ではないけれど、機側待機だから眠り込んでしまうのは拙い。いつもだったらお茶の一杯くらい飲めるのだけれど、行軍装具を携行してないから、それも無い。そういえば憚りはどうすればいいんだろう。宮城でその場に、なんて絶対にない。そう思うと、なんだか行きたい気がしてくる。冷たい機の脚に背を預けたまま、石畳に座り込む。うとうとしかけて、はっとして、二度繰り返して、立つことにした。 そのとき皆が動いたのもわかった。二つ目の門、たぶん城内に続く方から人影が出てくる。門を照らす篝火を背に、長い影が薄く石畳に揺れる。後ろにいるのはたぶん皇宮衛士、そして前を歩く姿がシルディール連隊長なのはすぐにわかった。 「集合」 駆け集まると、連隊長は皆を見まわす。 「ご苦労。夜明け前に再出撃する。全機をもっての単一目標への攻撃を支援する。攻撃実施は内務省部隊が行い、我々はその一般支援にあたる。まずは行動計画説明を行う。連隊長に続け」 向かったのはこの石畳の続く先だった。 城内へ続く門の近くに、石造りの建物がある、その中だ。マルクスは、詰所か、とつぶやいた。入ってすぐの広間にはおなじみの机があり、地図が広げてある。いつも通りと言っていいくらいだ。ほかに良い打ち合わせのやり方があるかどうかは知らないけれど。すでに何人もの人がいたけれど、帝國軍の軍装ではない。内務省だ。 「これではない。これか」 連隊長が机の地図をめくる。 ルキアニスたちも地図を囲む。示されたところは、まだ城壁の中だ。見覚えのある通りの名がある。一度行ったことのあるところだ。 アル・カディアから帰ってきた後、手紙を届けに。アリア姫とともにアル・カディアに行った近衛騎士デラムィウスからの手紙を、だ。ルキアニスはマルクスを伺いみる。彼は面に何も浮かべていなかった。ただ黙って聞いている。連隊長は続ける。 「これを目標一と呼称する。連隊の任務は、機神格の敵が隠匿されていた時に備えての配置だ。目標近辺は狭隘なため、隊を三つに分け、かついずれも要があるまでは目標に近接しない」 近衛騎士宅は、貴族の邸宅とは全く違う。貴族の家がこの帝都でどれくらい広いかというと、憚りだけでルキアニスの住んでいた家くらいの広さがある、というのはそれほど冗句でもない。近衛騎士宅はずっと普通だ。 連隊長が示す配置場所は、先の倉庫の時のように、その目標の前までつながる道の辻だ。黒騎士小隊はその正面側へ、裏は軍旗小隊が行う、と連隊長は言う。臨時第二軍旗小隊は―連隊長はマルクスとルキアニスを見た―連隊長とともに、控置位置で予備となる、と。 「現在までの情報収集では、機神格の敵の兆候は無い。現在目標一に推定されるのは、警備数名とみられる。門の破砕は内務省機卒が行う。要請あるまで目標に近接するな。内務省部隊に被害を出す恐れがある。火災の恐れは高い。これに備えよ。黎明前から通行は増える。移動には十分注意。質問は」 「魔道戦の必要性は」 エイクルが問い、連隊長は応える。 「機神格対処前進の必要があれば、これを許可する。連隊長が命じる」 「了解。周囲については」 「魔術戦の余波を含めて、特に考慮の要はない」 ルキアニスは思わず息をのむ。連隊長は続ける。 「この作戦の特性上、事前の避難行いえない。目標一以外の目標についても内務省部隊は捜索摘発を実施する。作戦上の要請に従い、対象の撃破を最優先とする」 「・・・・・・」 摘発、と今連隊長は言った。事前に避難は行えないとも。 それではまるで、近衛騎士の誰かが、機神格の何かを隠しているかのようだ。 今までに聞いた中で、いちばん、何が起きているかに近いこと、そう思える。ちらりとマルクスを見る。聞きながら考えに耽る風だ。その面からは、何を思っているのかはわからない。連隊長は言った。 「ほかになければ、準備開始」 敬礼と答礼。皆が息をつくのがわかる。そして今まで、周りにいた内務省の者らは、一言も口を利かなかった。ただルキアニスたちを見ていただけだ。部隊のほかの人も同じだ。軍旗小隊組も、マルクスもだ。黒騎士小隊は、変わりないのかどうかよくわからない。どうでもいいのかもしれない。 三の丸の石畳の広場に戻った時に気づいた。騎兵小隊がいない。いつからだろう。その時になってようやく思い出した。倉庫で待機していた時だ。 「騎兵小隊がいない」 ルキアニスを追い越しながら、マルクスは言う。 「さっきの時からだよ。要るのは俺たちだけ。機密保持だろ。俺たちが三の丸で待機しているのもな」 ここならば、外の目は容易には入ってこない。その間にこちらは次に備える。どこで何をする気なのか、誰かに気取らせないためだ。そして一気に押し掛ける。 誰かって誰だろう。それ自体を探しているのかもしれない。 何が起きているのか、もしかしたら誰も知らないままなのかもしれない。 ただ機体だけは、機装甲だけは、確かなものとして闇に侍って待っている。魔道光を灯してやっても、機体は何も示しはしない。ルキアニスがその手で手入れをしてやって、胎内で仮面をつけて一つになってやらねば、動くこともない。 誰もが黙って機体を手入れしていた。終わらせて、手の油を拭い、それからマルクスを見た。 「何だよ」 以外に明るく彼は応じる。ルキアニスは訳もなくくちごもる。 「・・・・・・うん」 「近衛騎士はついこないだまで累代受け継ぐものだったんだ。何代も皇帝陛下を護持する側だった。帝都に何かあれば、それぞれの近衛騎士の家は、護持の壁になるんだ」 「壁?」 「陣地だよ。本当にそうするかどうかはともかく、いざとなればそうする覚悟だそうだ。だから昔は、機場のところまでなら機装甲を入れられた」 「機場」 「旗本街のすぐ近く」 「帝都の場所は、よくわからないよ」 「そういうところがあったんだよ。知らないか。機場の決闘って」 「知らない」 まあ、いいか、とマルクスはつぶやく。ルキアニスを見て言う。 「それで、何が気になるんだよ」 そんなことは言ってなかったはずだけれど、でも気になることはあった。 「あの人、覚えてるでしょ。シナプス卿の家も、近いし。それに教官の家も」 「卿のほうがわかってるはずさ。近衛騎士であることも、それに何かしらの疑いがかかった時のことも」 その疑いが何なのかも、ルキアニスは知らない。機神格の目標に備えろということしかしらない。その二つが、どこで重なるのかも、判らないままだ。 「それにな、片目のことは知らねえよ」 マルクスは言う。マルクスも覚えていたんだ、と変に可笑しく思える。そんな場合じゃないのに。 「大丈夫か」 マルクスが言う。ルキアニスは応える。 「うん」 しっかりしろよ、とマルクスは言う。俺たちが近衛騎士になんてなることは無いだろうからな、とも笑う。 自分が都内の人間ではなく、庶民街の人間だとつくづく思うのが、帝都の話の時だ。 都内の千代田区のイメージではなく、新宿より西とか、東京湾側とかしか思い浮かばない。旧諸藩邸跡地の広大さのイメージがないから、小さくなってしまうのだが、本来帝都は江戸のように巨大だが、僕にはうまく書けない。 ルキアニスが寡婦の家を借りていたという10年前のアイデアは、時系列外になりそうだ。 まあ、あのころは時系列自体が帝國SSに無いも同然のアレだったから仕方ない。むしろあの辺のアレこそが、時系列を強化していったわけで、ジェネレーション1のルキアニスの時系列が矛盾するのはやむを得ない。 なので、蟹様から八相魔導が出てきた時、僕は大喜びしたし、その設定を僕なりに受け止めると、ルキアニスの相は虚と物霊に自動的に決まってしまった。ルキアニスの主観から書かれたものが多いのもその辺だ。 これらは、どの時点のルキアニスが観測した不明だが、ルキアニスが追憶している何がしかが主なものなのだ。 観測者と被観測者の間を意識せずに行き来しながら、さらに存在していた時間軸さえ揺らいでいる。だから起きたことが事実なのかどうか、実はどうでもいい。棄却上等とか言ってたのも、その認識からだ。そのことが無くなってしまっても、実は全然平気なのだ。だから弓の機神が出て来たり、出てこなかったりするのも、どっちでもいいのだ。そういうことができる世界なのだ。 ただ、ルキアニスが思い出すべき時には、あの寡婦の家で起きたことは起きたことになるし、そうでないときもある。帝國SSのあらゆることが相対化されながら、最もあやふやな存在がルキアニスになる。だから、スヴェルスガルド将軍のアレが出てきたからこそ、これが書けている。メタ的には、ルキアニスが記憶を抹消しているのと同じだ。シャルロッテを消し去るために。あるいは、消し去らないために。 これだけ強力な存在に、実は9年前くらいにはもうなっていた。これだけ強力な存在ならば、あの世界の最強の術者が干渉するのも、創作世界ルール的に当然なのだ。 こういう超絶な創作共有世界をに出会える確率ってどれくらいだと思うよ。 ほとんど0さ。 だからこそ、僕はやめられないんだと思う。もうすこし、甘えさせてもらえれば、と思っている。 しかしその割に手は落ちてゆく一方だ。 そして10年の時間を経ねば、書けなかった。本当はもっと早く書けてもよかった。ただいい加減な思い付きを、この世界で形にするには、相応の積み重ねが要る。これをそう簡単に書けるものか。そう簡単に書かれてたまるものか。 ここに至ってこう書くのは、はやりこれまで書かせてもらえたからなのだ。 もちろんこれら一連のスケッチは、8~9年前のセッションによっている。 セッションのときには、機神保有者と、機神の所在確認が行われるだろうっていうのがあったんだが、それは13Rの任務にはならなそうなので、この辺になる。 本当は(江戸城)三の丸ではなくて、大手門でレオニダス公爵家の馬車とすれ違うくらいやればよかったのかもしれないけど、やっぱり部隊と、ケイロニウス一門とがそんなところですれ違うのはおかしい気がして、カットとなった。 朝になればミノール・マルクス・ケイロニウス・レオニダス太宗公爵が、参内して機神の安堵を報告するはず。ケイロニウス一門に何柱あるかはともかく、皇帝の名で直に報告を求めて、城内に一時的に囲い込むことで、実は皇帝のすぐに使えるアセットが強化できる、みたいな。その意味でも、レオニダス公爵家の機神が長く無い、というのは本当に末席なのだと思う。機神の復活で、皇帝のアセットが増えるというのは、それなりに価値がある、と。 現在の時系列だと、黒の零が無いことがわかり、これをすぐに報告し、徹底捜索が行われ、やはりないのがわかり、関係担当に「尋問」を行ったところ、そこでゲロって、持ち出されたことが分かった。この時点で、すでに帝都にはないのだけれど、内務省が追跡して、倉庫まで特定したけれど、相手が黒の零なので、そのままでは手を付けられずに、皇族部隊の投入となった。 目的が不明のままの持ち出しであるから、帝都での(スケールの小さな)核爆発を想定せざるをえなかったし、その標的として皇帝陛下、副帝、おねいちゃんが普通に想定されていた、と。 まあ、セッション通り、重厚な組織力を使って逆に狩り出すことを選択し、宮城の態勢を強化しながら、認知していた情報に基づいて、摘発を進めた、と。ここで絶対的に情報漏洩の危険なく運用可能で、かつ黒の零と対抗可能な稼働戦力として13Rを想定した、と僕は考えている。 セッション通り、そしてそのほかの予告通りに、黒の零は持ち出され、オスミナへと持ち込まれる。 その後の未来にイサラが何かしたかもしれない。しないかもしれない。 その時系列のヴェルキンとアレシアは、すでに越境してるだろう。オスミナのリメスを突破するのに、戦力とリソースの多くを消耗し、諸侯軍は厳しい情勢に置かれているだろう。オスミナ軍は反撃に移り、情勢打開のために、運び込まれたばかりの黒の零は、その力を発揮するだろう。 しかしそれも拙く敗れ、諸侯軍はほとんど残党となりながら撤退し始めるだろう。そしてそれらを、レイヒルフトはただ収容せよとは言わないだろう。 再び21Bは出動する。 そのための皇族部隊なのだから。 そして10年の時間を経ねば、書けなかった。本当はもっと早く書けてもよかった。ただいい加減な思い付きを、この世界で形にするには、相応の積み重ねが要る。これをそう簡単に書けるものか。そう簡単に書かれてたまるものか。 ここに至ってこう書くのは、はやりこれまで書かせてもらえたからなのだ。
https://w.atwiki.jp/jfsdf/pages/345.html
509 :<平成日本召還> ◆OZummJyEIo:2007/03/13(火) 22 12 52 ID vrfouxkY0 ○ 第二次メクレンブルク事変 編7 1/2 ――1 “帝國”と再戦。 その命令に俄然とやる気を出したのは、 大協約 第14軍団第2歩兵連隊であった。 連隊長にとって、手に塩かけて育てた大隊が消し飛ばされたのだ、復讐の念が無い筈が無かった。 更には個人的にも、第1421大隊長は自身の愛娘の婿にと考えていた相手なのだ。 これでやる気が出ない方がおかしいと云うものであった。 第142歩兵連隊長は 大協約 第14軍団軍団長へと意見具申し、自らの連隊を対メクレンブルク攻略軍の先鋒へと 配備する事を強く要請した。 軍団長側としては、戦意旺盛な第142歩兵連隊が前衛を務めるのであれば是非も無い話であり、特に 躊躇する事も無く、快諾していた。 否。 それどころか、虎の子の第3“鉄血”鉄竜騎士団から鉄竜の2個中隊の派遣を認めた。 貴官らの勝利を期待する、と付けて。 割と単純な所のある第142歩兵連隊長は、それだけで舞い上がった。 必ずや勝利してみせます、と断言して軍団長の部屋を辞した。 「閣下、甘すぎるのでは?」 軍団の参謀が1人が呟く。 第3鉄竜騎士団が保有する鉄竜――Mk-Ⅶ カッティング は最新鋭の鉄竜であり、 大協約 各軍団でも まだ200両と配備されていない代物なのだ。 それを2個中隊、24両もである。 第3鉄竜騎士団に所属するMk-Ⅶが4個中隊分と予備を含めて52両しか無いにも関わらずである。 更に言えば、第3鉄竜騎士団にも歩兵部隊は軽歩兵大隊として存在しており、又、第141歩兵連隊への 支援も考えれば、大盤振る舞いと評しても良いだろう。 少なくとも 大協約 軍の常識として見れば。 「そうでも無い。ふむ、参謀長。君が出したメクレンの叛徒制圧作戦で、少しばかり冒険的なものがあったな?」 「はっ? ――ああ」 突然自分に向けられた軍団長の一言に、参謀長は少しだけ首を傾げ、それから思い出す。 自分が極めて冒険的な献策を行っていた事を。 「ではトッカータ航空団司令をお呼びすればよいですな」 「いや、面倒事は一度で十分だろう。選抜竜挺隊指揮官も呼びたまえ」 「はっ」 参謀長が人を走らせるのを横目に、軍団長は手元の煙草箱から極上の葉巻を取り出す。 吸い口をナイフで切り飛ばすと、心得た参謀が素早い仕草で火を差し出す。 深呼吸 紫煙を盛大に噴出す。 「苦労を買って出てくれたのだ。我々は精々それを活用しようでは無いか、ん?」 その口元には人の悪い笑みがこびり付いていた。 上層部の思惑とは別に、やる気に溢れた指揮官に率いられた第142歩兵連隊は、自らの同胞の汚名返上と 武名を掲げようと、これまたやる気に満ち満ちていた。 「“帝國”軍にめにもの見せてくれるわ!」 細身の体をふんぞり返らせた第142歩兵連隊長は、出撃準備を終えた手勢を見る。 連隊の全戦力、2個の歩兵大隊と魔道砲兵大隊、そして戦竜大隊。 更にその後ろには小山のような鉄竜、Mk-Ⅶが2個中隊も居るのだ。 鋼鉄の奔流、下手な国家の軍など鎧袖一触の戦力だ。 連隊長は口元を緩めて、手を大きく振り上げる。 「諸君、さぁ往くぞ!!」 奔流が動き出す。
https://w.atwiki.jp/peaceonpeace/pages/227.html
http //news.www.infoseek.co.jp/topics/society/councilor_election/story/06fuji320070106010/ 「ひげの隊長」参院選出馬へ…自民比例の公認候補に (夕刊フジ) 陸上自衛隊のイラク派遣で第1次復興業務支援隊長を務め、現地で「ひげの隊長」と親しまれた佐藤正久1等陸佐(46)が、11日付で自衛隊を依願退職することが6日までに分かった。 自民党は今年夏の参院選比例代表の公認候補に佐藤1佐を擁立する方針を固めており、今月中にも公認される見通し。 佐藤1佐は退職理由について「一身上の都合」とした上で、参院選出馬は「前向きに検討中」と語った。 防衛庁は昨年12月26日、辞職を了承する人事を発令していた。 自衛隊イラク派遣で、佐藤1佐は先遣隊長として平成16年1月にサマワ入りし、復興支援活動で地元との調整に奔走。口元に蓄えたひげと気さくな人柄で、地元部族や住民から「ひげの隊長」と親しまれた。 帰国後は16年12月に第7普通科連隊長兼福知山駐屯地司令(京都府福知山市)に就任。防衛大同期の中で最初に連隊長に選ばれ、将来の陸上幕僚監部の幹部と期待されていた。18年8月から陸上自衛隊幹部学校(東京)の主任教官を務め、安全保障問題などを教えていた。 [ 2007年1月6日16時12分 ]
https://w.atwiki.jp/jyugoya/pages/1207.html
第二次黄金戦争/リザルトリスト ステージ イベント 報酬 根源力 アイテム その他 0 01 10億 封土用20000 猫士/犬士10匹、資源、食料、燃料、娯楽に10万tづつ 02 なし 03 1億+3億 04 1000 尚書:下賜された軍配 0.5 04.5 10/10000 星見司仮免許 1 05 別記 06 別記 07 なし 08 3~10億 09 3~5億 10 1000 尚書:名誉爵位(準男爵) 11 1000 ウイングマーク 12 なし 13 1~3億 食料消費 14 食料(量はまちまち) 15 I=D(数はまちまち) 2 16 次のアイドレス2~4 1 17 1000 アイオブザアーミー 2 18 猫:連隊長賞20億、大隊長賞10億、参謀賞5億、連隊長賞、5億 2000 犬:全員水泳大会、猫:アウドムラ迎撃戦 21 22 23 特別賞+5億、1等+3億、2等+1億、3等食料1万t 別記 24 25 26 27 20億 たけきの藩国に新アイドレス2つ 28 3 29 1000 尚書:イベント:”吏族だけしか気づけない秘密” 30 31 32 33 34 35 36 37 38 4 39 40 2000 たけきのこ救出勲章 新アイドレス2つ バトメ 2000 バトルメード勲章 新アイドレス2つ 41 42 43 44 45 戻る→儀式魔術/第二次黄金戦争
https://w.atwiki.jp/teikokuss/pages/929.html
ルキアニスは足を止めた。体を動かすときそのままのありようで。 鉄の脚に踏みしめられた森の小道が、重みを受けてやや沈む。ルキアニスはさらに鉄の体をかがめさせて片膝をついた。そのまま木々の向こうへと魔導の双眸を向ける。その胎内の操縦席にあるルキアニスの思うままに、その鉄の兵は動く。 森の中には夏の終わりのけだるい気が満ちている。暑かった日差しも森の天蓋に半ばほど遮られ、残り半分ほどが筋を引いて降り注いでいる。光の筋と木々とが重なりあって先へと広がっている。 その先は、さらに明るくなっていた。ルキアニスは言った。 「前方七十呎、森が切れる」 『先導小隊長了解』 すぐの応えが風水晶の魔法陣から光となってこぼれてくる。見なくてもわかる。ルキアニスの背後で同じく片膝をついた鉄の兵の姿からだ。マルクスの乗ったその機装甲、白の二からの声は魔道の光となってなおもこぼれる。 『先導小隊長より前衛中隊へ。先導小隊現在位置、歩測進行XX。YYに林縁。先導小隊は道をはずれて林縁まで前進する』 森は静かだった。黙っていたらそのまま眠り込んでしまいそうだ。 『前衛中隊長了解』 風水晶の魔法陣がきらめいて新たな言葉を響かせる。 『先導小隊は林縁適地にて援護せよ』 『先導小隊長了解』 マルクスはこたえ、続ける。 『先導小隊は路外を前進する。ルキアニス』 呼びかけられてルキアニスは少し驚いた。その呼びかけはつまり、ルキアニスにどうするか言えということだ。 「・・・・・・左手側の林縁のほうが突出しているから、突出部付け根へ出るのがいいと思う」 森から伸びる小道は見張られているかもしれない。だから道を外れて見つかりづらくする。森の突端から飛び出してしまえばやはり目立つわけだから、そのちょっと付け根側に出る。それは前衛中隊長の指示した、林縁適地での援護のためだ。森の切れ目に行き当たってしまったら、今まで通りの進み方はできなくなる。どのように進むかを決めなおさねばならない。もちろんそぞろ歩きでもないから、常に敵がいるかもしれないと考えて動かねばならない。 上級騎士課程みたいだとルキアニスは思った。この演習では対抗部隊は出ていないけれど。 『了解した。騎兵分隊へ進路を指示しろ』 「・・・・・・了解」 うまく役目を押し付けられてしまった。ルキアニスは操縦席の魔道の六分儀へと目を向けた。それは太陽のありかを示し、磁石が無くても空が見えなくても方向を明らかにしてくれる。そしてそれを見ながら、随伴の騎兵分隊へと進路を示す。 今の場合は、意図を伝え、方位を示し、わかりやすい目標を言えばいい。たとえば「前方に見える垂れ枝」と。 『騎兵分隊長了解。騎兵分隊先導する』 マルクスの白の二のさらに背後に控えていた騎兵たちがルキアニスの左手を通って森の中へと踏み込んでゆく。彼らは銃を携えた乗馬銃兵でもある。十騎ほどの彼らが森へ踏み込んでゆくのを見送ったあと、ルキアニスは己の白の二の身を起こした。鑓を引き寄せ、枝をくぐって森の中へ踏み込む。 何しろ機装甲は大きい。人の背丈の五倍ほどはあり、鑓はさらに長い。馬ならやすやす通れるところでも、機装甲はそうもゆかない。せっかく森に入ったのに木を揺さぶって機装甲がそこにいることを知らせてしまうのも拙い。 慣れてくると、通りやすいところがわかるようになる。下生えの茂みをよけて、張り出した枝をくぐり、倒れた木をまたいで進む。そうしているうちに騎兵の進路と離れてしまうのだけれど、どちらもそれはわかっている。最後に同じところ、つまり先に示した垂れ枝の木のところで落合えばいい。 『先導小隊前進再開。森中進行』 ふたたびマルクスの報告が聞こえる。ルキアニスはちらりと背後をうかがった。マルクスの機も身を起こし、鑓を引き寄せてルキアニスのあとについてくる。 マルクスは森歩きが苦手だ。気軽にひょいと枝を除けて木を揺らしてから、しまったなどと言い出す。邪魔なものは退かすのがいかにもマルクスらしいと思う。今は小隊長役なのにルキアニスに進路を決めさせたのも、森歩きが苦手だからだと思う。でもマルクスは苦手なんて決して言わない。代わりに「お前の方が得意だろ」なんて言う。 もちろん役割分担として正しいのはわかっている。小隊長役ならば進路だけでなく、進行速度や、敵と遭遇したときの対処を考えていなければならない。森を歩く方に夢中になってはいけない。ルキアニスが小隊長役を任ぜられたらどうするだろうかとふと思い、そして少し落ち込んだ。マルクスのように誰かに任せることなんて思いつかず、何もかも抱え込みそうだ。 やわらかい森の土を踏み、ルキアニスは足を止めた。 何かおかしい。 操縦席の前にしつらえられた魔道の六分儀を見た。進路は間違っていない。そして思った。 おかしいというより、感じる。誰かに見られている。 森の中は静けさに満ちていた。木々と木漏れ日の光の筋の中に、流れるのは風ばかりだ。この演習の設想では対抗部隊は無かったはずだ。代わりに連隊の半分が演習に参加していて、ルキアニスたちの背後に続いている。敵との遭遇を予期しつつ前進する想定だ。丸三日の間、演習場を歩き回り、実際に出動して行うすべてのことを行う手筈になっている。 ルキアニスは地を蹴った。 身をひるがえす。 気配のある向きがわかった。引き寄せていた鑓を木々の隙間でふるって構える。 向けた切っ先の先の先、木々と筋引いて降る木漏れ日の向こう。 その姿がある。 立つ姿に寄り添う馬が、おびえたように頭を振り、立つ姿は軽く手を挙げてその鼻筋に触れてなだめる。黒の乗馬手袋に、黒の軍装、左の肩には乗馬用の短い外套がかかっている。手銃嚢をつるす銃帯を斜めに通している。黒の軍袴も乗馬用のもので腿のところは膨らみ、長靴は磨き上げられた艶とともに細くのびる。 その軍装は、身に着けた人の姿をよく引き立てていた。襟元は白い頸布に守られ、同じように色白の、けれど生ける者の強さと意志とをたたえたおもてがルキアニスへと向けられている。薄紅色の唇よりも、通った鼻筋よりも、闇色の瞳と、瞬く睫毛こそがルキアニスには見えた。 『ルキアニス』 呼び声にはっとして振り向いた。マルクスの声がなければ、そのまま見入っていたかもしれない。 『どうした』 「・・・・・・連隊長がいる」 シルフィス・シリヤスクス・シルディール連隊長。そう。ルキアニスたち近衛混成第十三連隊の連隊長その人がいた。 はあ?と風水晶の陣がいぶかしげな声をこぼれさせる。 『何言ってるんだ。居て当然だろう』 「・・・・・・でも、なんで」 『見ろよ。連隊斥候だ』 示されて初めて気づいた。森の中に別の騎兵たちがいる。身を潜めているから気付かなかった。マルクスの言うとおり連隊斥候だった。連隊本部が前方に派遣し、連隊長の求めることを直に見取り、直に届ける。そのための斥候だ。 『連隊斥候と一緒にいたんだろう』 「どうしよう・・・・・・連隊長が見てる・・・・・・」 『予定通り林縁確保だ』 マルクスは低く静かに言う。 『先導小隊長より前衛中隊長へ。先導小隊は連隊斥候と林縁で接触した。先導小隊長は降機して連隊斥候と連絡する』 『前衛中隊長了解。以上』 『先導小隊長、以上』 それからマルクスは言った。 『何してる。連隊長が見てるのにサボるつもりか』
https://w.atwiki.jp/teikokuss/pages/1464.html
追撃 アル・ディオラシス (2) 丘の裾をめぐる道を、歩測で三哩。 ルキアニスは、いつもと違って、先導の位置ではなかった。前を行くのはオゼロフ中隊長の機だ。そもそもルキアニスは、枝道の地図を持っていない。アル・ディオラシス軍から鹵獲した地図から写し取られた地図を、オゼロフ中隊長が持っている。とはいえ、先導任務に使えるような、距離や方角をきちんと記したものではない。 いつもなら、連隊斥候の概算が打ち合わせで与えられるのだけれど、この道は連隊斥候も確認していない。本来ならば派遣されるべき道だった。けれど、今の十三連隊には複数経路の斥候を長駆派遣するほど馬の余裕がない。先の会戦で少なからず乗り潰されていたし、そもそも西方種の軍馬には、このアル・カディアは暑すぎるのかもしれない。敵の落伍兵すら、機装甲の投擲で追い払っているようなありさまだった。だから機装甲の手当の都合で、頻繁に部隊の足が止まる。 大休止は、防御可能な場所を選ぶから、それそのものは見えない。マルクスたちの先導小隊も同じだ。枝道の分かれ目にある丘を背にしている。そうやって別れたこの枝道には、軍勢の通った跡は無い。本道の方はマルクスたちの丘の裾野を境に、北側へ向かっている。というより、ルキアニスたちのこの枝道が南西へと向かっている。 『先導、中隊長。前方の独立丘を目指せ。そこで周囲観測する』 シルディール連隊長の声が、風の魔方陣を震わせる。連隊長は、すぐ後ろだ。わずか五機で随伴騎兵もない、前方偵察だ。 『先導了解』 オゼロフ中隊長の応じる声がする。彼の機は、一度足を止め、片膝をつく。考えより早く進んではならない、というのはどちらか言えば騎兵の教えだけれど、もちろん中隊長も欠かさない。よく言っていた。中隊長ともなると、中隊の誰よりも巧くて当然なんだからな、と。肩越しにルキアニスを見たオゼロフ中隊長の機は、ふたたび進み始める。 道は丘のふもとを抜けて伸びてゆくようだ。アル・ディオラシス軍から鹵獲した地図では、このまま本道から少しずつ離れながら西南西へと向かってゆくらしい。本道の方は、枝道と別れて、平野を西へと伸び行く。そのあとにやや迂回する形で南西に向きを変え、メッセナ市へと向かう。枝道は、その迂回の分を、少し縮めるかたちになっている。本道は弓なりに行き、枝道は弦のようにその両端を結んでいるかたちだ。だから、枝道を往けば、本道を往くものに先んじる。地図が正しければ。 そのメッセナ市は、アル・ディオラシス軍の攻囲を受けているという。国王親卒軍大敗の知らせを受けたなら、必ず合流しようとするはずだ。もうメッセナ市を発しているかもしれない。それに、どの道をたどってくるのかもわかっていない。 逃げ続ける国王親卒の軍は、この枝道をたどらず、本道を進んでいる。本道で合流する手はずなのかもしれない。その時は、もう一度、帝國と戦うかもしれない。いや、もう戦うつもりで手はずを打ち始めているのかもしれない。 敵は、重機装甲の部隊を、残置している。今まで国王を守っていたものらを、今になって置き去りにしているとは、ちょっと思えない。あれだけ激しいいくさで、囲みをかけられたアル・ディオラシス軍は、国王手勢だけがなんとかその包囲を突破していったのだから。 もしかしたら、増援が、本道を通って、国王親卒軍に届き始めているのかもしれない。 『アモニス、道を外れる。つづけ』 「了解」 枝道は、踏み固められただけの道で、きちんと突き固めたりはしていないようだった。ところどころ石が転がっている。オゼロフ中隊長の機は、かまわず道から踏み出し、連隊長に示された丘へと進んでゆく。稜線、頂を超える前に、脚を止め、腰を落とし、膝をついて、にじりすすむ。機装甲の背から遠くを望見できるけれど、あちらからも機装甲は良く見える。 『荒野、だな。丘陵が続く。全体として隆起しているようだ。丘の起伏もあって、先は十分に見通せない。連隊経路としては不向き』 中隊長は言う。先導兵の所感は、適切に伝達されるべきものではある。 左手には、ずっと開けた平野がある。たぶん、川が長い長い刻を経て作り出したものだ。道はあの平野の北沿いに巡ってゆくはずだ。この枝道は、丘の少し南へ逸れてゆく。丘をどちらに避けるかの違いらしい。 『敵影なし。行軍経路としては、機卒の通行に問題があるだろうな。通行可能なように隊列を統制すると、行軍長径が長くなりすぎる』 ルキアニスもにじり進む。砂色の丘の頂の向こうに、やはり砂色の野が広がっている。緑は丘の裾野に茂みがあるくらい。草もあるのだろうけれど、地にしがみついて草そのものも枯れた砂色だ。道は、この丘の左手をめぐる。進みながらやがて左へ、左へ、あの丘の集まりの南側へとめぐってゆく。右手北側の平野の方がまだ潤いがある。 あちらには川があり、川沿いにはこちらよりずっと多くの茂みがある。崩れたりして、小さな崖になったようなところに集まっているように見える。やはり水が染み出したりするのだろうか。右手の街道は、通っていたときに思っていたほどは、滑らかな道ではなかった。荒れているのは、アル・ディオラシスの軍勢が通ったからだ。それよりも、思ったよりも道は上下にうねっている。 アル・ディオラシス国王らの手勢は見えないかしら?と思ったが、その姿は無かった。追撃にもかかわらず、十分に詰め寄れないのは、十三連隊の騎兵の消耗が大きいからだ。一方で、アル・ディオラシス国王旗本のほとんどは騎馬だと聞いていた。時折、死んだ馬が捨てられているのを見たし、心砕かれた人らが茫然と座り込んでいるのも見た。いちいち捕虜にはしていられないから、投擲で追い散らしていた。彼らの多くはすでに得物も持っていなかった。落伍したら、生きてもどれないと思っていただろう。それでも辛くて、脚を止めたのだ。生き諦めた者から聞き出して益になることもあまり多くはない。 『連隊長了解。頂上へ向かう』 「・・・・・・」 もしかしてひょっとして、連隊長は本当にこの道を、連隊に進ませるつもりだろうか。肩越しにその機を見ながら、ルキアニスは思った。連隊長機と、軍旗警衛小隊機二機の合わせて三機は何事もないかのように、丘の斜面を登ってくる。ルキアニスたちの機のさらに下側でいずれも片膝をつく。降りてくるのはいつも通り二人。つややかな黒髪を一本束ねに結ったシルディール連隊長と、近接警護を任ずる軍旗警衛小隊の片方。もう一人は機上待機。 『アモニス、機上のまま待機。中隊長は降機する』 「了解」 すぐ前の機の背で、甲蓋が押し上げられ、オゼロフ中隊長が姿を見せる。背を伝い降り、砂色の地で背を伸ばして、連隊長を迎える。それから丘の頂までのわずかな道のりを登る。青空の向こうから風が吹く。連隊長の黒い髪がなびいて揺れる。足元を砂塵が抜ける。オゼロフ中隊長は、そのわずか後ろに立つばかりだ。時折あるこういう時に、中隊長や他の小隊長とは、どんな話をするのだろう、とルキアニスは思った。それに、意外と何も話さないのだな、とも。ルキアニスが迂闊にしゃべりすぎるのだろうか。笑われちゃったりすることが、たまに良くあるように思うのは、ルキアニスの考えすぎなのかな、とも。 「・・・・・・」 シルディール連隊長の黒髪が揺れる。すぐ後ろのオゼロフ中隊長も身じろぎして前のめりになる。連隊長は、通眼鏡を持っている。革嚢に収められて、使うときにだけ伸ばせる、磨き上げられたものだ。 『アモニス。北側の街道。第一刻方向の砂塵』 「見えます」 中隊長の声に、ルキアニスは応える。機装甲の魔道の双眸に映るものは、その胎内の乗り手がそのまま見たように感じられる。ただ双眸に仕込まれた仕掛によって、夜目が効いたり、遠目が効いたりするものもある。白の五は、ともに効くようにつくられている。砂塵をみやって、獣かな、と思った。人の作った道を行くものが時折あるのだ。鹿とか猪とか熊とかも。それから南方にそういうものがいるのかしらと思い、そして気づいた。 「・・・・・・馬だ。騎兵です。数少数」 十騎もいないだろう。けれど確かにその背に人を乗せている。 『我が方の斥候ではない』 連隊長の声が魔術で響く。 『敵の斥候だとして、何が目的だと思う、アモニス上騎』 不意に問われて、ルキアニスは口ごもる。 「えっと、我が方の追撃が、どれほどまで近いか探るためでしょうか」 『半分だけ正解』 連隊長は言って、オゼロフ中隊長へと振り向く。 『オゼロフ一中長、アモニス三小長は、敵に動向を気取られぬよう、静粛のまま後退、本隊に合流せよ。中隊長と三小は前進、二小と合流して、さらに前進を継続、待ち伏せているだろう敵を撃破せよ。さらに捕虜を得よ』 「・・・・・・待ち伏せ」 『そうだ。こちらの前進を見せてやれ。どこかの丘で待ち伏せをしているだろう。規模は判らない。敵勢多数のようなら、連隊前衛で処置する。二個小隊で処理可能ならば、処理し、捕虜を得、そして敵陣地を占領せよ』 その捕虜は、マルクスとルキアニスで仕留めた。 敵があきらめてくれたから、脚を突き壊して、頭を刈り飛ばして、擱座させられただけだ。 背の甲蓋を引き開けられるように、引き倒して、甲蓋を無理やり引きはがしたら、胎内の騎士は自ら姿を見せた。そして、累々と倒れた僚機の残骸を見やって、肩を落とし、そして座り込んだ。 アル・ディオラシス王国の重機装甲というのは数もそれほど多くは無く、帝國ほど厚い陣形も組まない。彼があきらめて捕虜となった訳や、彼の僚機が戦神のごとく戦った訳は、あとからわかった。彼の口からきいたという。尋問は、いつも通りクロワティス参謀が行った。いやあ、往生しましたぜ、殺せ殺せの一点張りで、むしろ王国送還と言ったら黙り込むありさまでしたから、と。 「奴は、いわゆる名家ってやつに累代仕えているようです」 天幕の下で、ひげをしごきながら、クロワティス参謀は帳面を見やる。 「その名家の若様の世話役といった役柄だそうで、機上訓練から担任していたようです。で、その若様ってのが、今回が初陣だった」 参謀は言う。だが、若様の監督する隊は、落伍したのだ、と。見込みと違った本隊の動きに、機装甲がついてゆけなくなっていた、と。 「若様の機はすでに不調で、若様はすでに予備機に乗っていた始末で、機と若様を分けることも、隊のみ追従も、奴らの秩序意識からは難しかったようで。そのまま隊ごと落伍。仮修繕、追従していた途上で、会戦の敗北を知った、と」 まったく、とクロワティス参謀は独語ちる。 「敗走で殺気立ってやがるから、かなり厳しい叱責を受けたようです。死して詫びろ、くらいじゃ済まなかった様子です。だから、あの調子になった」 参謀は顎で示す。砂色の丘に、累々と機装甲が倒れている。ルキアニスが数えたかぎりでは七機もいた。七機もを、一つの家で抱えて持っていたなら、さぞ名家だったのだろう。王国の何かお役も持っていたのかもしれない。ルキアニスにはそれはわからない。けれど、彼らは初めから決しだった。だから今でも、焦げ臭いにおいがしている。 彼らは丘の影に隠れていた。引き寄せて叩く気だったのだろう。それだけでなく、道にも仕掛けがしてあった。地雷だ。気づいたのは先導を引き受けていたマルクスだった。彼でなければ気づいたかどうかはわからない。地雷だから、誰かが火をつけねばならない。隠れていたそのものらを見つけたのかもしれない。それはちゃんと聞いていないからわからない。今、マルクスは打ち合わせの天幕の下で、腕組みをしてひどく不機嫌そうだ。あの時には、爆発が起きて、後衛のルキアニスにも何が起きたかわかったのだ。 ただ、爆発させるのが早すぎた。砂礫が飛び散って、砂塵が叩きつけても、白の五にも緑の五にもほとんど差しさわりはない。砂塵で視野を奪われても、全周警戒を命じる前に、三小各機は位置での分担方向警戒をしていた。すぐにオゼロフ中隊長の命じる声が響いた。 『隊列、縦列のまま後退。砂塵を抜ける。周囲に注意しろよ。まだ地雷が埋まっているかもしれん』 それは引き込んでの地雷に備えるとともに、投擲戦の備えだった。ただ、彼らの地雷は、引き込み埋めたものではなかった。 『丘方向より歩兵複数。いや多数』 報告は二小の機からだったと思う。砂塵の向こうに、人の姿が二十ばかり見えた。多数ってほどじゃない。丘のむこうから、斜面を駆けてくる。得物はほとんど持っていない。持っているのは、その集団の後ろにいるものばかりだ。まるで、前にいるものらを駆り立てているようだ。でも、遠すぎる。まだ三百呎より向こうにいる。それだけあって、背に何か背負わせて、駆け通しにさせても、そう簡単には・・・・・・ 「!」 ルキアニスが気づいたときには、中隊長もマルクスも気づいていた。 『近接攻撃注意!』 『鑓構え、低く!各個対応、近づけるな!』 敵兵が背負っているのは、爆雷だ。帝國だってやる。歩兵連隊の最優秀こそが、刺突爆雷を担い、機装甲への近接攻撃を担う。騎兵にだって刺突爆雷の投擲を訓練させたし、その対応も訓練した。ただ、今は騎兵はわずかな警護分しかいない。 「三小はさらに後退し投擲体制をとる。後衛駆け足、二十歩!その後路外展開。小隊長に追従!」 ルキアニスは駆けた。二小が退けるような場を作った上に、二小が近接戦闘に入る前に、敵を打ち減らさねばならない。三小各機とすれ違うように、路肩を駆け戻り、それから丘を背に路外へ駆け出す。慌てては駄目だ。ここで転んで損傷したら、話にならない。それでも駆けて、地を踏み、展開起点で振り返る。振り返りながら、投擲紐を腰から引き出す。編んで作った網袋から砲丸を取り出し、投擲紐の砲丸受けに包む。 小隊各機もこちらに駆けてくる。慌てさせてはならないと思っていたけれど、どうしても気が急く。敵の近接攻撃兵は、マルクス達二小から、まだ二百呎は離れている。それでもやがては駆け込んでくる。ルキアニスからはまだ三百はある。投擲なら四百まで余裕で届く。 「・・・・・・」 ルキアニス一人だったら投じていただろう。だがまだ三小の隊列が整わない。慌てさせてはならない。待つしかない。 「投擲戦準備。三小長の投擲に追従せよ。目標を示す。各機は確認せよ」 マルクスだってこちらを待っているのだ。彼だって一人だったり二小のみだったりしたら、後退して間合いを取ったはずだ。そうしないのは、三小の支援を受けて、敵近接攻撃兵を排除できれば、次の相手ができる。そのまえに敵近接攻撃兵だ。 「注意!三小は投擲戦に入る!目標は敵歩兵集団」 マルクスの機が砂塵の中で、ちらと魔導の双眸を向けるのが見えた。 そしてルキアニスは、投擲紐を頭上に振り上げた。 初めに考えていたのは、ちらっとカナンらしきものが姿を見せる、だったのだけれど、アル・カディアとアル・ディオラシスとの国境や、戦後体制をつらつら思うに、そこまでできないかもしれないと思うに至った。 国王をとらえて、条約を強制して、解放するというのは、帝國のやり方だけれど、それでは国王の権威は徹底的に失墜してしまうだろう。したがって、これは起きなかった。 起きなかったが、シル子がやろうとさえしなかったかといえば、まったくありえない。かならず追撃しただろう。しかし本気で追撃しながら、手が届きませんでした、を許しもしないだろう。 ということで、いつものことながら13Rの組織上の欠点に目を付けた。騎兵の数も、機装甲の数も少なすぎる、が、連隊としては大きすぎる、ってところを。この欠点は、魔属領での全滅のときにも解決されないまま残ってしまったんだろうと思う。オゼロフ中隊長は、たぶん戦死している。その他のこの時系列人員については、他の剽騎兵連隊要員になったりしていて、全滅ではないだろう。 アル・ディオラシス王国軍は、戦場到達までの機動で消耗していたし、急な会戦にもなっていたから、落伍追従が残った状態だったろうと考えた。 数と火力に優勢な敵に、少数で足止めさせられる、というのは、もちろん日本軍を想定してしまったし、その結果ビルマでのある戦例をモチーフにすることとした。日本人軍オタをしていて、まさか逆に書くことがあるとは思わなかった。びっくりである。が、実際には次回に(次回があるのか、おれw) 最近得た知己で、ノイエ銀英伝を見る機会があったのだが、ロイエンタールが中村悠一であったことを知った。抜かったわ。日本一変態上手≒銀河一の変態上手がロイエンタールである。ミスターブシドーとロイエンタールの一人二役で帝國軍幕僚をやっていてもおかしくない。まったく抜かった。そしてアルト姫から10年。彼は着実にキャリアを積んでいる。 オフレッサー無双は次回上映である。松竹は動員が想定以下で、小屋を小さくしたがってると聞いている。 ノイエ、おハル姉弟の睫毛がイイゾ
https://w.atwiki.jp/teikokuss/pages/524.html
トイトブルグ干渉戦争前に、やっておきたいもろもろのことをまとめていたわけです。 たとえば、演習地を舞台にした運用の訓練とか、 西方へ移動するときのもろもろとか、 西方から、国境外への一時出撃での偵察とか、 そーゆーのを。 で、例によって状況に入るための状況をまとめねばならずry 西方演習 1 ルキアニスは、自分の寝台に腰掛けて、軍服の上着を、そっと広げていた。 新しい徽章をつけなければならない。それは、階級章や、機甲兵の兵科章と同じくらい大事なものだ。 銀色に光る、魔道兵を示す徽章だ。 今までは、魔道に関わる技能章をつけていなかった。それまでは、軍の認める正規の課程を、修了していなかった。学生のときに受けたのは、座学と魔道の発現の手ほどきまでだ。 本来は、その上で、実際に魔力を導く術を、習い覚える。けれども、学校には魔道の修練場た無かった。 だから、ルキアニスは、その手ほどきまでしか知らずに、戦場へ行った。 指先から、銀色の徽章が零れ落ちる。 それは、寝台の上に横たえた上着の上を転がった。 胸の奥で、鼓動が強く打つ。 それは、他の卒業生だって同じだ。ルキアニスはまだいい。北の戦場は、本当にひどいところだったという。 震える指を握って、抑えて、ルキアニスは息を吹きかける。それでどうなるわけでもないけれど。 そして、魔道兵の徽章をとり、上着の胸の定められたところへつける。 ルキアニスたちの小隊には、三人の魔道兵がいることになる。小隊長のヴィルヌス上級騎士、マルクスと、ルキアニスだ。それはもう、ちょっとした魔道機小隊だ。他の小隊か、ひょっとしたら他の中隊へ振り分けられるのではないかと思っていたけれど、それも無かった。それに少し安堵してもいた。 小隊ごとに基本戦技を再取得をしたばかりなのに、人を動かすはずが無いだろう、とマルクスは笑っていった。そういうことがわかっているマルクスのことが、すこしうらやましい。 ルキアニスとマルクスが、魔道教育課程から原隊復帰した頃、第十三連隊は中隊規模での実働訓練に入っていた。 ただ行軍し、示されたところに赴けば良いというものではない。 第十三連隊部隊は、どの部隊より先んじて、踏み込む部隊だ。味方は居ない。敵がどこにいるかもわからない。往く地も、地図の示しどおりかどうかわからない。 頼りになるのは、同じ部隊の互いだけだ。 騎兵は連隊の目として働くし、機装甲は連隊の鑓として働く。けれど、それだけでは足りない。 三つ目の働きをする、二つをあわせたものがある。 騎兵と、機装甲とを組み合わせたそれは、いつのまにか、連隊長と共に行動することとなっていた。 とゆーわけで、本当に連隊長と行動をともにするかはともかく、連隊長がいつも間近にあるわけです。 その辺、森の遭遇戦からのブラッシュアップ、と。
https://w.atwiki.jp/truck8/pages/22.html
最終階級少将 ■安達久 第40軍参謀長 ■永井八津次 参謀本部。東部軍司令部付。降伏文書調印に全権代表の随員として参加 ■松村知勝 参謀本部。関東軍総参謀副長 ■小野打寛 第53軍参謀長 最終階級大佐 ■今村方策 山東方面。今村均の弟 ■赤真昌二郎 前橋陸軍予備士官学校歩兵生徒隊長 ■芳賀栄政 第6航空軍直轄 第45航空地区司令部 ■島貫忠正 第2飛行集団参謀。航空兵大佐。ノモンハンで戦死 ■清水克己 第11軍参謀。昭和16.3.13戦死(錦江作戦?) ■松永英夫 歩兵第210連隊長 ■平瀬亨彦 陸軍予科士官学校教官 ■矢部忠太 ソ連大使館附武官 ■前田瑞穂 歩兵第371連隊長 ■中森恒二 第132師団参謀長 ■原田潔 第13飛行師団第1飛行団長 最終階級中佐 ■下山俊作 下山琢磨弟 ■賀谷興吉 賀谷支隊独立歩兵第12大隊長。沖縄戦で戦死。死後少将 航空? ■黒田久文 飛行第27戦隊長 技術畑 ■野村恭雄 陸軍兵器行政本部技術課長。大佐 2.26事件関連人物 ■田中弥 橋本欣五郎の腹心で桜会メンバー。3月事件・10月事件後ソ連駐在武官。2.26で自決 ■野中次郎 野中四郎の兄。野中五郎の兄 陸軍を離れる? ■中川以良 皮革産業中央会会長。戦後政治家に転身。四国電力社長 リストにない陸士33期 ■谷川一男 少将。大本営参謀
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/2999.html
愚連隊長ユニオン・ジャック C 火文明 (2) クリーチャー:ヒューマノイド 1000+ フューリー・ソウル ■自分のマナゾーンに自然のカードがあれば、このクリーチャーは「パワーアタッカー+3000」を得る。(攻撃中、「パワーアタッカー+3000」を得たこのクリーチャーのパワーは+3000される) ■自分のマナゾーンに闇のカードがあれば、このクリーチャーは「スレイヤー」を得る。(「スレイヤー」を得たこのクリーチャーがバトルする時、バトルの後、相手クリーチャーを破壊する) 作者:ぐりぐら フレーバーテキスト 突撃!襲撃!直撃!なんでもいいから、とにかく突っ込め!――愚連隊長ユニオン・ジャック 収録 DMGG-01「エピソード1 トリニティ・ワールド」 評価 テキスト清書しました。 -- ぐりぐら (2013-08-01 03 51 42) 名前 コメント