約 3,423,886 件
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2438.html
とある昼下がり 学校町の繁華街に存在する、ウェイトレスの制服のデザインがちょっとアレな事で有名なファミレス「フェアリー・モート」にて ことん、と 机の上に置かれた小さな子瓶 中には、液体…薬品が入っている 「これが、悪魔の囁きを体外へと排出させる薬かい?」 「あぁ。つっても、深く憑かれた奴には、一発じゃ効かねぇからな。そう言う奴には、数度に渡って投薬するか、投薬前に説得なりなんなりして、悪魔の囁きを少しでもそいつから引き剥がす必要がある」 「第三帝国」所属のドクターと、マッドガッサー一味の1人である広瀬 辰也 この二人はとある理由から協力しあっており、時折、こうやって薬品類の譲渡などを行っている 辰也が、本来はドクターのような研究者の類を毛嫌いしている事を考えれば、随分と異質な光景である 「こっちでは、ひとまず、魔女が精製に成功した。だから、それはそっちで好きに使え」 「あぁ、それでは、そうさせてもらおう」 薬品の入った小瓶を、懐に仕舞うドクター その表情には、やや疲れが滲んでいた 「また、ロクに休んでねーのか、お前は」 「…何せ、沙々耶が襲われてしまったからね。彼女を護る為の対処もしなければならないからな」 「…悪魔の囁き契約者の、口封じか」 ドクターの研究の成果によって、悪魔の囁きから人間になった少女、沙々耶 だが、彼女から、悪魔の囁きであった頃の記憶が消えた訳ではない …契約者であった存在に、彼女はいつ、口封じされてもおかしくないのだ 人間となった今、その気配を探る事もできないであろうから、彼女が過敏に犬を怖がっていなければ、ほぼ、バレなかったはずなのだが 「朝比奈 秀雄。かなり冷酷な人物のようだね」 「…冷酷どころか、人間のカスだ」 ぼそり、低く呟く辰也 朝比奈 秀雄と言う男の経歴その他を調べた結果わかった事実は、ただでさえ、仲間が悪魔の囁きに憑かれて暴走したり、悪魔の囁き憑きに襲われて負傷した事実から彼が抱いていた怒りに、油を注いだ 辰也にとって、朝比奈 秀雄と言う男は、どこまでも憎悪の対象でしかなくなっていた 「相手の戦力その他は、こっちのメモに纏めといた。「第三帝国」が連中に対してどう言う態度に出るかは知らねぇが、使えそうだったら使っとけ」 「ありがたく、その情報も頂こう……こちらとしては、総統が無茶な事をしでかさない事を祈るばかりだよ」 小さく苦笑するドクター …そうなのだ 朝比奈の、クールトーとの契約による、犬を操る能力 それは、「第三帝国」総統日本支部代表にとって、まことに嫌悪すべき能力である 無茶な事をしでかさないでほしい 本当に、祈るばかりである 「…それにしても、これくらいのやり取りなら、診療所で行っても、良かったのではないかね?」 コーヒーを口にしつつ、そう尋ねるドクター まぁ、この店のウェイトレスの制服は、目の保養になるのでこれはこれでいいのだが …ドクターが尋ねたその言葉は、辰也は難しい表情を浮かべた 「……つってもな。診療所にあの餓鬼がいる時は、なるべくこう言う話はしたくねーんだよ」 「エニグマ姉妹の、妹の事かね?」 あぁ、と頷く辰也 あの少女から、何らかの都市伝説の影響を感じて以来、辰也はずっと、彼女を警戒し続けていた なるべく顔を合わせようとせず、彼女の前ではいかなる情報も口にしようとしない 徹底したさけようである 出来うる限り、恵を彼女に会わせないよう努力も忘れていない 「何の都市伝説の影響か、わかったもんじゃないからな。悪魔の囁きの可能性だって捨てきれないし……万が一、「アメリカ政府の陰謀論」の影響なんざ受けてた日にゃ、洒落になんねぇだろ」 「まったく、君は警戒心が強いな……まぁ、悪い事ではないと思うがね」 辰也の生い立ちや今までの経験を考えれば、むしろ、その警戒は当然の事と言えよう 自身の身の安全のためにも、仲間の安全の為にも 彼は、強い警戒心を持って、行動しているのだ …その辺りに関する知識は、恐らく一部…どころか大半が、あの黒服から受け継いだ知識なのかもしれないが 「複数の都市伝説組織と敵対してんだ。警戒は当たり前だろ」 ドクターの予想通り、そう口にする辰也 そうだな、とドクターも頷く 「…君が身につけているピアスが、ミスリル銀製なのも、一部都市伝説の不意打ちを警戒してかい?そのピアスならば、「ピアス穴の白い糸」の効果は受け付けないだろうからね」 「……よくわかったな。これがミスリル銀だって」 ちらり、普段は肩の辺りまで伸ばされた髪に隠れてよく見えない、その耳 そこにつけられた一対のピアスは…確かに、ドクターの言う通り、ミスリル銀製だ その存在自体が都市伝説であるそれは、他の都市伝説の影響を受け付けない 「組織」にいた頃に、黒服Hから渡された物だった ……また、あれに世話になっている事実に気づかされ、辰也はやや、面白くない 「…とにかく。あいつについてる都市伝説、さっさと確認した方がいいんじゃねぇのか?」 「……そうだな。君の言うとおり、「アメリカ政府の陰謀論」の影響を受けていたら…それは、問題だ」 …もっとも、それ以上に問題なのは 彼女についているのが「アメリカ政府の陰謀論」だったとして…それが判明した時、どうするか? それが、非常に重い問題として、存在してしまっている それが、ドクターを憂鬱にさせた 「もしもの時は、こっち経由であの双子の餓鬼の引き取り先、探すぞ?」 「…気持ちだけ受け取っておこう。こちらの問題は、こちらで始末をつけるさ」 …それが、最悪の結果になってしまわないように、努力するだけだ ドクターはそう、口の中で小さく付け足したのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2489.html
噂をすれば 都市伝説設定 設定はその9の時点のものです。 写真部 学校町西区の工業高校でひっそりと活動している。 活動内容は基本自由。コンクールに出たりもしない。 ホームページもあるらしい。 副部長 名前:服部琴葉(はっとりことは) 学校町西区の工業学校の美術科に通う高校2年生。 性格はいたって普通、人当たりはややきつい。 写真部の副部長をしている。 運動は出来るほう。 勉強は苦手。 髪は薄く茶色がかった黒、ストレートで肩の下まである。 『噂をすれば影』と契約している。 部長 長谷部映(はせべえい) 西区の工業高校の美術科に通う高校3年生。 ミステリアスな魅力のある美人。 副部長に対してはかなり傍若無人だが、他の下級生や赤の他人には意外と優しい。 写真部の部長 体力はまるでないが、なぜかスポーツは負け知らず。 髪はウェーブのかかった黒、肩口まである。 『カメラに撮られると魂が抜ける』と契約している。 ヒラ 平井容平(ひらいようへい) 建築科2年生 基本的にめんどくさがり。 割とお人よし。 勉強も運動もそこそこ。ただし要領がいい。 貧乏くじを引きがち。 都市伝説契約者 スケベ 足助透(あすけとおる) 機械科2年生。 アホの子。 スケベだが、発想が中学生レベルなのでそんなに変態ではない。 勉強ダメ。 運動はかなり出来る。 その4で『エロ本にバターを塗ると黒塗りが透ける』と契約する。 コナ 小長谷務義(こながやまさよし) 情報科1年 気弱なショタ系男子。 頭は悪くないが、発想が若干アホ。 運動も出来る。 小学校まで大阪に住んでいた。 しゃべる言葉は標準語。中学校のうちに直した。 『大阪人の体の半分は小麦粉で出来ている』と契約している。 けーちゃん 結城計子(ゆうきけいこ) 情報科1年 写真部会計 真面目ないい子 眼鏡をしたショートカット 図書委員 背が小さい 都市伝説については知っているが、今のところ契約はしていない そよ 蘇賀芳江(そがよしえ) 美術科2年 線の細い感じで和風美人のお嬢様 家は超お金持ちの名家 部の出席率は低い 成績は学年トップ 運動神経は絶望的・病弱 たまに常識が欠けている 『ペンローズの三角形』と契約している。 使い捨てキャラの方々 『ベッドの下の斧男』 都市伝説。契約者はいない。 びっくりするほど弱い。 その3でヒラに撃退されて以来、ヒラの部屋に居候している。 臼緒雄介 機械科2年 陸上部 性格悪い 一応部長のことが好きだったらしい。 足助魑 スケベの父 足助工業社長 人外クラスの怪力を持つ 豪快で、細かいことは気にしない性格。 足助衛 スケベの兄 大学1年生 弟同様運動神経がいいが、人の範囲内。 単純で熱くなりやすい。 足助福江 スケベの母 魑ほどではないが怪力の持ち主 技術を持っているので実質魑と対等 優しく、寛容な性格 ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/66.html
Tさん 俺 俺 所属:フリー 本名:伏見舞(ふしみ・まい) Tさん及びリカちゃんの契約者。一人称俺だが女の子。 容姿・社会的地位:高校生、肩口までの長さの髪を適当にまとめている。 備考:普段から鞄の中にリカちゃんを入れて持ち歩いている。喋る人形を特に気にしない雰囲気の場所では頭か肩に乗っけている。 貧乳 契約経緯:都市伝説に襲われていたところを偶然通りがかったTさんに助けられた。そのまま契約。 若干厭世的な気があるがまあそれほど問題はない。たぶん 一人称俺なのはその昔男の子たちと遊んでいるときに一人称が私だとからかわれたために俺を一人称にしてしまいそれが本人の中で定着した。カタカナ表記にすりゃよかったといつも作者は思っている。 Tさんを憎からず思っているが親友とか兄妹とかの感覚に近いかもしれん。……と思っていたら最近思うところがあるようです。 そして想いは成就したそうです。 ツッコミ体質。 好きなもの:Tさん、リカちゃん、コメディ、ぐうたらすること 嫌いなもの:つまらない、めんどくさい、危険 癖・趣味:面白そうなことがあると写真をとることが癖であり、趣味である。 備考:薔薇よりも百合が好き。 はないちもんめ、かごめかごめ、赤い靴、黒服D、黒服さん、口裂け女等と面識・共闘経験あり。 喫茶ルーモア関係者とも面識有り 夢の国の夢子ちゃんと仲良しに。 ってかもう知り合いのみだととんでもない量になってるので誰と知り合いか知りたい君は本編読もうぜ☆ すみません読んでくださるとありがたいですマジで! Tさん 容貌:悟った雰囲気が醸し出ている黒髪の青年。 性格:半歩くらい引いた視点で物事を見ている。 攻撃時に「破ぁ!!」と叫ぶ癖がある。 知識、知性:知識はかなりある。頭の回転も早く、有能。 趣味好物:酒(酒豪)、のんびりすること、契約者、リカちゃん、こちらに対して好意的なもの 嫌いなもの:自分とその周りに危害を加えるモノ 知名度は低いがその話の性質上都市伝説に対して大きな優位性を持つ。 気合いやら何やらで都市伝説を一掃できるがその力の源はかつて契約していたケサランパサランの持ち主に幸せを運んでくる能力の曲解、 お願いすると叶えてくれる能力によるところからきている。(~があると幸せだな。が能力起動キー。口に出す必要は特にない)むしろ能力のほぼ全てはケサランパサラン譲り。 ※便利で有用だがあまり無茶なことは叶えてくれないため専ら気合いの声と共に何か得体のしれないものが飛び出たりしてる。とりあえず死ななければけがを治したり人探ししたりくらいは出来るらしい。 霊体、実体のシフトが自由にできる。 身体能力は常人並。しかし近接戦闘時にはケサランパサランに身体能力の祈祷強化を頼んでいる。 割とエグイ程強い。 人間の時はケサランパサランはあまり持っていることを人に知らせない方が良いという話から人との関わりを持たなかった。 都市伝説化して契約した当初は一人の期間が長かったため目の前の全ての問題を自分一人で解決しようと言う意思があった。(≪夢の国≫との決着も一人でつけるつもりで他のモノが≪夢の国≫の被害に遭わないようにその存在をルーモアにて触れまわった。) しかし猿夢以降、自らの能力は万能ではないと自覚。現在≪夢の国≫相手に暗躍中。 人間時には≪組織≫内でもそれなりに名は通っていた。≪組織≫からの汚れ仕事はほとんど断ってきたため≪組織≫は彼を快くは思っていなかった。 人間であった時のことは特殊事例で都市伝説化したためほとんど覚えており、都市伝説よりも人間に近い。が、本人は人間で会った時のことにそこまでこだわっておらず、ふつうに人づきあいができる現状を好いている。 エンジェルさんのとこの情報屋をよく活用。黒服D、はないちもんめ、かごめかごめ、赤い靴と共闘経験あり。 黒服Hを生前見たことがありその時に薔薇十字と何らかの関係があるっぽいことを把握した。(深くはしらない) ルーモアをよく利用(一人でも契約者付きでも)。その関係者とも一通り面識有り。他、黒服や人面犬などとも知り合いであり、顔が広い。 知り合いのみだと(ry リカちゃん 年齢:初登場時に生まれた 女の子 所属:フリー ≪ひとりかくれんぼ≫でリカちゃんと名付けられたために≪電話をかけてくるリカちゃん≫と混同して生まれた。 綿が中に詰まったおにんぎょうさんの姿をしている。生まれて間もないため会話文はほとんどひらがな。口癖は~なの。 良くも悪くも無知。普段から契約者とはほぼ一緒にいる。 好きなもの:Tさん、契約者、日常、大事にされること 嫌いなもの:怖いこと、いらないといわれること 能力 顔を知っている人間の電話を鳴らすことができ、もし出てしまったらリカちゃんに居場所が割れる。GPSみたいな感じ。 対象に向けて瞬間移動可能。しかし移動距離はごく短いため何度も電話をかけて後を追うことになる。 あと隠れるのがうまい。ただし消えるわけではないので開けた場所では隠れられない。感度のいいレーダー系統の能力にもあっさり見つかる。 一方で 探す ということに関してはTさんを上回る。 人をその手で引き裂ける程度には膂力があるがあまり契約者側は使わせる気がない。 ≪フィラデルフィア計画≫ 契約者 名前:二十代前半の女(名前は?)。フリーター。 所属:首塚組織 容姿:黒髪ロング普乳。 組織内での立ち位置:将門のメッセンジャー兼皆のアッシー君担当。(首塚からだって学校町にひとっ飛びだぜ!) 性格:大人の女の人って感じ(どんな感じだ)。 長所:危機感知能力が高い 首塚組織参加の経緯:契約した直後に野良都市伝説に襲われていたところを≪組織≫と対立したばかりのころの将門(胴体付き)に助けられ、そのまま所属。 長ったらしい都市伝説名のためフィラちゃんと呼ばれるが本人は響きが卑猥だと嫌がっている(もう諦めているが)。 ≪能力≫ フィラデルフィア計画 その中でも鉄の隔壁に守られ影響を受けなかった一部のエンジニアたちの話を能力として有する。 鉄の箱の召喚、その中に入ると発光体が発生。それに包まれることよってほぼ自由な空間跳躍が可能。 鉄の箱の召喚から跳躍までに十秒ほどの時間がかかるため、戦闘能力はほぼ皆無と言ってもよい。 また、無生物と同化したりなどの能力は彼女の≪フィラデルフィア計画≫は擁していない。 鉄の箱に収容できるのならその限りにおいては何人でも空間跳躍可能。さしあたって2,500km以上は跳躍可能なはず。 鉄の箱の大きさは一般的なエレベーターくらい。結界等も基本無視して跳べる。 一応跳躍を願ってきた首塚の人間全員とは面識有り。チャラ男を苦手としている。貴腐人にはわりかし好意的。 ≪夢の国≫への復讐者の登場人物はこちら ≪夢の国≫への復讐者 ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4049.html
天地に、「組織」の人達の事を徹にどう説明すればいいのか尋ねてみた紗奈。 考えている様子の天地に代わり、辰也が口を開く。 「「組織」の事を隠したままにするか、それとも、伝えるか。そこで変わるだろう」 天地以上に事務的な口調で続ける。 「天地、葬儀の手続きを行っているのは、どのナンバーだ?」 「…C-NoとD-Noだ」 「それなら、純粋な「組織」の黒服って事もないだろう。葬儀屋と言う事にしておけ。「組織」は警察とも一部協力関係にある。その従兄とやらに事情の説明を求められたら、そちらに任せる手もある」 「組織」の事を隠したままにするか…話すか。 …徹も都市伝説と関わっている以上、「組織」と無関係でいる、という訳にもいかないだろう。 ただ、徹が、従妹の両親の死に「組織」の一部の黒服が関わっていた、と知ったら…「組織」を嫌いかねない。 「組織」の中にも、自分達に警告してくれた黒服や、天地のように良い人もいるのに…誤解されたくはなかった。 折を見て、「組織」の事を話すべきだろう。 「…とりあえず、そう言う事にしておいてくれ。一応、俺も葬儀には立ち会うから、ある程度フォローする」 「…分かりました…ありがとう、ございます。「組織」の事は…今は無理でも、折を見て、話したいと思っています」 ――― 「…都市伝説も、人間も、命である事に代わりは無い」 「……?」 獄門寺の言葉に、紗江が立ち止まる。 「……あの時、俺が切ったのは元は人間だっただろう…だが、今は黒服と言う都市伝説だった」 「俺は、今までも都市伝説を殺してきている。「退治」と言う名目で」 「……っ」 「……初めに、都市伝説を斬ったのは、12歳の頃だ。その時点で、俺はとうに、命を奪うと言う行為を行っている」 「その時も……あの、黒服を切った時も。どちらも、俺の意志で行った事だ。天倉が謝罪する事ではない」 「……っでも」 「…どちらにせよ………俺は、役目をやり遂げる為にも。いつかは、この手を血で染める必要性がある。ただ、それが早いか遅いかそれだけだ」 12歳…そんな幼い頃に、初めて都市伝説の命を奪った、と獄門寺は言った。 昨日、人を殺した自分よりもずっと前から、彼は奪った命の重さを抱えて生きていた。 「……せめて、お前達が無事だったならば、良かった……………お前達の両親を助けられなくて、申し訳ない」 獄門寺が、紗江に頭を下げた。 「…引き止めてすまなかった。俺は、これで」 「ぁ………」 そう言って、獄門寺は歩き出した。 獄門寺の姿が視界から消え、一人その場に残された紗江。 獄門寺は、命を奪った事を忘れず…それでも前に進もうとしている。 だから、自分も逃げてはいけない。 紗奈を、護る為にも。その手を、血で汚させない為にも。 もう、戻れはしないのだから。 ただ、獄門寺と話していて……獄門寺が、背負った物を護ろうとして、戻れない、深い所へおちていくような…そんな錯覚を覚えた。 ――― 障子が開いて、紗江が戻ってきた。 ここに来た時と同じように紗奈の隣に座る紗江に、紗奈が尋ねる。 「おかえり、紗江ちゃん。獄門寺君と話、出来た?」 「…うん」 「そっか…なら、良かった。 あ、門条さん達に聞いたら、徹兄には「組織」の人達の事…「組織」の事を話すかどうかで変わるみたいなんだけど…今は、葬儀屋さんって説明しておく事になったよ。 徹兄も契約者な以上、「組織」と無関係でいるわけにも行かないだろうし… 「組織」の事は、折を見て、話したいなって思ってるの。 門条さんも、葬儀に立ち会ってくれるみたいで…フォロー、してくれるって」 「そうなんだ… 門条さん…色々と、ありがとうございます」 紗江が、天地に頭を下げる。 「いや…大したことじゃない」 しばらくして、紗江が、迷いながらも口を開く。 「………あの、門条さん…私達、本当に「組織」を抜けてもいいんですか…?」 自分達に色々としてくれた天地達に対して、申し訳ないと思う気持ちと、「組織」に居るのが怖いという気持ちがぶつかりあっていた。 「ああ。さっきも言った通り、お前達は被害者だ。それに、もう暗示も解けている。お前達の好きにすればいい。A-No.666の実験に協力していた残党共にも、邪魔はさせない」 はっきりと答える天地。 「―――ええと、それじゃあ……私達、「組織」を抜けたいです」 続く…?
https://w.atwiki.jp/legends/pages/343.html
買って嬉しい はないちもんめ まけて悔しい はないちもんめ あの子が欲しい あの子じゃわからん この子が欲しい この子じゃわからん 相談しよう そうしよう 俺が組織からの命令は○○町に組織に非協力的かつ危険な契約者がいるから始末して来いと言う物だった 組織の命令でしかも危険な契約者となれば戸惑う必要はどこにも無く二つ返事でOKした俺だったが今は少し後悔している その契約者はまだ年端も行かぬ少女だったからだ 「おじさん?」 「・・・ん?」 イカン・・・考え事をしていた所為で標的が目の前まで来ている事に気付かなかった 「少しお願いがあるの・・・あの帽子を取ってくれない?風で飛ばされちゃったの」 見ると確かに木に帽子が引っかかっている 本当なら今すぐ始末するべきだったんだろうが相手が子供な事からこの任務に抵抗を感じていた俺は最後の頼み位聞いてやろうと帽子を取ってやった 「ありがとう、叔父さん良い人ね」 「あ、あぁ・・・」 「だからね」 少女が朗らかに笑い 「苦しまないように殺してあげるわ」 背筋が凍る様な声でそう言った 「え?」 俺の戸惑いを他所に後ろにあったマンホールの蓋が飛び、中から巨大な生物が現れる 白いワニ、俺が契約した都市伝説だ 「何?!」 契約者の俺の意思と関係なしに鰐が出てきた・・・どう言う事だ!? 「やだ、組織から私の能力聞いてなかったの? 相変わらず杜撰な所ね・・・最期だから教えてあげるわ 私の都市伝説はね――はないちもんめ」 「・・・まさか」 「はないちもんめ」は有名な童謡だがその歌詞の内容は人身売買の歌だと聞いた事がある 「そ、相手にお金を渡す事で相手の都市伝説や仲間を操る事が出来るようになる・・・それが私のはないちもんめの能力」 「金を渡す・・・だと?」 「鈍いわねぇ、帽子の裏を見て御覧なさい」 言われて帽子の裏を見る 帽子の裏には100円玉が貼り付けてあった 「・・・・・・」 「その100円で、あなたのワニ買わせてもらったわ」 とても楽しそうに笑う少女 こんなの、子供のする表情じゃない・・・ 「子供相手だと油断した時点で貴方の負け・・・食べちゃえ」 少女のその言葉を聞いてワニがこちらに向ってくる 今まで何年も共に戦った相棒が俺に・・・・・・バクンッ クチャ・・・クチャ・・・ 「さよなら、間抜けな叔父さん」
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4271.html
ゲーム王国編 第二話 【詞後硬直】 「無理、絶対無理。何これ、何なのこれ」 「何度も言わすな、『子泣き爺』だ」 「都市伝説じゃなくて妖怪じゃん! 水木しげるワールドの住人じゃん! こういうのは鬼太郎の仕事じゃん!」 『人面犬』と契約した翌日。 何故かはわからないが、都市伝説と戦うことになった。 都市伝説を憶えるのには実戦あるのみだとか言われたがそんなことはあるだろうか、いや、ない。 自慢じゃないが殴り合いの喧嘩どころか口喧嘩すらしたことない温厚な人間が実戦なんて無理。 というか、どうやって戦えってんだ。 「ヤバいヤバい、殺されるってマジで、死ぬって本気で」 「そう簡単に死にやしねえよ。殺させやしねえから安心しろ」 「怖い怖い怖い怖いいいいいいいい!」 「俺の話を聞け!」 あれだよ、『子泣き爺』って言えば泣き始めると巨大化して砂をかぶせてきて引っ掻いてちゃんちゃんこで窒息死させる無慈悲で残酷な凄い体臭の化物だよ。 子供の頃鬼太郎で見たことあるから間違いない。 ここで人生終了か、死んでしまうのか、もうあの無邪気な頃には戻れないのか。 だが。 だが、その前に。死ぬ前に。っていうかあれだ。 「死に……たく……ないいいいいいい!」 「ちょ、バカ、逃げんな!」 全速力でその場から逃げ去った。 こう見えても百メートルを十八秒くらいで走れる自信はある。 「逃げんなって言ってんだろ!」 あっという間に追いつかれ、首根っこを咥えて戻された。 徒競走で一位を取ったことのない経験がこんなところでも活かされるなんて。 「あああぁぁぁ~」 「言うこと聞けこの糞ガキ!」 「お前らみたいな万国ビックリショーの仲間になりたくねええええええ!」 ◆ □ ◆ □ ◆ 「お前達の仲間にはならない――そう言ったはずだが?」 同日、同じ場所。 時間だけが違った。先の時間が昼間なら今は夜更け。 ふたりの男が相対していた。 ひとりの名は江良井卓。 もうひとりの名は高城楓といった。〈ゲーム王国〉建国を目論む六人のうちのひとりである。 「敵にならないとの言葉を聞いていない」 だから、現れた。 シンプルな物言い。 「敵にはならん。勝手にしろ」 「……信用できない」 「ならばどうする」 単純に数だけで見ると江良井はひとり、彼らは六人。 江良井の能力である〈地獄の帝王〉を含めても――ふたり。数の上では優勢である。 「錨野はお前を敵にするなと言っていた。逆らうつもりはない」 彼らのリーダー格である錨野蝶助は、江良井だけは敵に回すなと厳命してある。 江良井の中に何を見出したのか多くは語らないが、単純な戦闘力だけではないようであることは確かだ。 無論、彼ら五人は錨野に逆らうつもりはないし、対峙するだけで汗が出てくるような江良井を敵に回そうとも考えない。 今こうして平然としていられるのはただの虚栄にしか過ぎない。 「ならそれでいいだろう。それとも――今ここで死ぬか?」 「――ッ!!」 江良井は何もしていない。ただ言葉を発しただけだ。 それなのに、体にかかるこの凄まじい圧は何だ。 都市伝説でも〈異常〉でもないこの見えない圧力は何だ。 純粋な殺意。純然たる殺意。憎悪や悲哀や恐怖や愉悦といった不純物のない、清流のように澄み切った混じりっけなしの殺意。 ふつふつと湧き上がる汗と脱兎のごとく逃げ出したい衝動をこらえ、高城が何かを口にすべく声を絞り出そうとした時――第三者が現れた。 「そうしてくれると助かります」 「な――」 現れたのは黒いスーツを身にまとう男。 言うまでもなく〈組織〉の黒服だ。 「とある契約者がこの付近で戦闘したとの報告があったので来てみましたが、それ以上のものが見つかりましたね」 「〈組織〉……!」 「如何にも。お初にお目にかかります。A-№107のナンバーを与えられている〈組織〉所属の黒服です」 「何の用だ」 「江良井卓さん、貴方の監視と高城楓さん、貴方達〈ゲーム王国〉の情報収集を担当しています」 口元に笑みを浮かべ、淡々と答える。裏がある笑みなのを隠そうともしないのは自信か否か。 「もっとわかりやすく言いましょう。――私は貴方達の敵です」 「そうか」 答えるが早いが、A-№107に真っ直ぐに突き進む。 その拳が黒服に届こうとした瞬間、その姿は消えた。 「意外に気の早い方だ。敵とは言いましたが戦いに来たわけではありません。少なくとも今日のところは、ですが」 「瞬間移動……?」 「私に課せられた命令はあくまでも貴方達の監視及び情報収集に過ぎません」 高城の問いに答えず、やはり淡々と口にするA-№107。 自身の拳が空を切った答えを探しているのか、何も言わぬ江良井。 そして続けざまに攻撃を仕掛けるべく走り出すと――電子的な音が高城から聞こえた。 いつの間に持っていたのか、右手に携帯ゲーム機を手にしていた。 音が聞こえると同時に標的を変えた江良井の手刀が高城の首筋に迫る瞬間―― 「『アメリカ村』発動」 高城の声が聞こえたかどうか、ふたりの男はこの場から消失していた。 ◆ □ ◆ □ ◆ 「死にたくないいいいいいいいいいいいいいいいい!」 「んだよ、ぎゃあぎゃあうるせーな」 首根っこを咥えられて『子泣き爺』のいた場所に引き戻されると、面倒臭そうに男がひとり立っていた。 中年――と呼ぶにはまだ若干早そうな、頭部が若干心許ないのを見るに中年のような。 「っと、何だお前」 『人面犬』を見て驚く男。そりゃそうだ、誰だって驚く。 って、隠さないとマズいんじゃないか? 「あー……その犬の契約者か」 「って驚いてないし!」 「んー、ま、確かに野良じゃない『人面犬』ってのは滅多にないかもな」 「いやいやいや、そっちじゃなくて『人面犬』そのものに驚こうよ!」 「都市伝説なんて驚くことじゃないだろ」 当たり前のことのように笑う男。 ああそうか、この男もどっかおかしいんだ。 「残念そうな人を見る眼で俺を見るのはよせ」 「いや、だって……なあ?」 「お前も契約者だな?」 「そうだけど?」 即答かよ、何なんだよ、知らない間に都市伝説ってこんなに市民権を得ていたのか。 きっと選挙とかもやってんだ。衆議院参議院の他に都市伝説議院ってのがあるんだよ。 「ゴロが悪いってーの」 「お前……その都市伝説どこで手に入れた? いや、質問を変えよう。――何と契約している?」 と、アホなことを考えていると『人面犬』が呟いた。 流石は犬なだけあって、都市伝説の臭いに敏感なようだ。 「そりゃ企業秘密だ」 「神、妖怪、噂、デマ、ネットロア……数多くの人外を見てきたこの俺でも初めてのタイプだ」 「何? そんなヤバいのこの人?」 「別に俺はヤバくねえよ」 「よく飲まれないな」 「そりゃそうだ」 何故か自信満々に男は答えた。 「飲まれにくくなる方法を俺らのリーダーから教えてもらったのさ」 「人の手柄じゃん! それ自慢するところ!?」 「そこはツッコミどころじゃねえ。――そんなことよりもお前、ここにいた『子泣き爺』はどうした?」 「消した」 あっけらかんと言い放つ男。 って消した!? あの化物を? 「お前の能力で、か?」 「イエス」 「その力は本当に都市伝説のものか?」 「イエス」 「どんな能力だ?」 「企業秘密」 「仲間がいるのか?」 「イエス」 「目的は?」 「企業秘密」 どうしよう……この置いてけぼりのやり取りにどう加わればいいんだろう。 『人面犬』の質問にイエスと企業秘密しか口にしないのを見るに絶対に怪しいのは間違いないんだけど、何がどう怪しいって聞かれると……。 犬は犬で何だか男相手に警戒してるようにも見えるし。 「っていうかさ」 「あん?」 「何だ?」 「あんた、何て名前なの?」 きょとんとした顔のふたり。いや、もう片方は犬だから一頭と数えるべきか。あれ、犬って一匹だっけ。 それは兎も角。この問いに、男はめっちゃ笑い出した。 「面白いヤツだな、お前さん」 笑いながら言われてもバカにされてるとしか。 「至村」 「?」 「俺の名前は至村賢ってんだ。〈ゲーム王国〉建国の為にこの町に来たのさ」 「目的……企業秘密なんじゃないの?」 ニヤリと屈託の無い笑顔で、男――至村賢は言った。 「だいじょぶだ」 続 前ページ次ページ連載 - 葬儀屋と地獄の帝王
https://w.atwiki.jp/legends/pages/198.html
ずるりっ 女が、階段に引きずり込まれていく 階段から伸びる、血塗れの手に引きずり込まれていく 女は泣き叫び暴れるが、逃げられない ずるりっ、ずるりっ 女はそのまま、階段に引きずり込まれていって… …女を引きずり込んだ、階段の「13段目」が、ふっ、と消える その様子を、にやにやと見下ろしている人影があった 階段の手すりに腰掛け、それを見下ろす 「よし…いいぞいいぞ。やっぱ強いぜ、『13階段』……!」 けらけらと、それは笑う そうだ、自分が契約した都市伝説は強い 階段さえ傍にあれば、自分は無敵なのだ…! 都市伝説 「13階段」 普段は12段しかない階段が特定時刻には13段になり、その13段目を踏むと使者に引きずり込まれるという都市伝説 契約により、特定時刻でなくとも13段目を具現化させ、踏んだ相手を引きずり込めるようになった 元々13段以上ある階段の場合も、13段目を踏んだ相手を引きずり込む事が可能 当然、階段がない場所では無力である ちりんちりん… 彼は、夜道を自転車で走っていた まったく、深夜のバイトは疲れてしまう 自転車で、事故らないように気をつけないと… ……グキッ!! 「がっ!?」 ---ッ突然、彼の腰を激痛が走った その瞬間、バランスを崩し…ガシャンッ!!と 自転車を転倒させた彼は、その場にうずくまって、動けなくなってしまった… 「ひ~ひっひっひっひ!!」 けたけたけた 倒れた青年を見下ろし、少女が笑う 箒に乗った、可愛らしい少女 その姿は、魔女そのもの 「ひ~ひっひっひ!!楽しい国だねぇ、日本ってのは!何故か若返れたし、本当最高だよ」 けたけた、けたけた笑いながら 魔女は、箒で空を飛びまわり、獲物を探し続けるのだった 都市伝説 「魔女の一撃」 ヨーロッパなどでは、ギックリ腰は魔女の仕業である、と信じられてきた それの具現化が彼女である 元々はババアだったが、日本に来たらなにかの魔女っ娘と混ざったのか若返った 今のところ契約者は存在せず、ギックリ腰を起こさせる以外に特に能力は発見されていない 「え~と…あれ、どこだっけ…」 ごそごそ 女性は、鞄の中を探りながら歩く あれ、おかしいな 携帯は、確かに鞄の中に… 「…あ、あったあった」 ほっといて、彼女は鞄から携帯を取り出す …いっそ、見付からなければ良かった、と 後悔する暇が、彼女にあっただろうか? ぴ、と、携帯を操作した…その瞬間 どごぉんっ!!と、携帯が爆発した 携帯の画面を見つめていた彼女 腕と、頭が吹き飛んで……あっさりと、その命を散らしてしまったのだった 「…く………くく……」 …その、光景を 離れた所から見ていた男がいた 女の持っていた携帯が爆発した事で、周囲の人間はパニックになって 往来の真ん中に、腕と頭が吹き飛んだ死体が転がっている 「くく………くくくくく……っ」 その様子を見て 男は、俯いて…体を、震わせていた 「く…………くく………くけ、くけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ………」 不気味に、不気味に、男は笑っていた あぁ、なんて楽しいのだろう なんて、簡単に人を殺せるのだろう この力は無敵だ 自分は傷つくことなく、こんなにも簡単に人を殺せる なんて、なんて、素晴らしい力なのだろうか、と……… 『携帯電話が爆発する』 ガソリンスタンドで携帯電話を使ったところ、携帯が爆発した 原因は、電波を受信する際に大量の電流が流れ、それがガソリンに引火した為である…と言う都市伝説 人間と契約したことにより、ガソリンスタンドから離れた場所であっても、携帯電話を爆発させられるようになった ただし、ガソリンスタンドから遠ければ遠いほど威力は落ちる 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4646.html
王隠堂ぼたんには悩みがある。 二、三日前から変な電話がかかってくるのだ。 prrrrrr prrrrrr prrrrr 「はい、もしもし」 「私メリーさん、今」ガチャン これだ。 意味も意図も分からない悪戯電話。夜中にもかかってきたため、ぼたんは寝不足である。 それ自体は携帯電話の電源を切ることで解決したのだが、電源を入れればすぐに携帯が鳴りだす。 これでは友達と連絡もとれない。 prrrrrr prrrrrr prrrrr 「……はい、もしもし」 何度目かの着信にぼたんはうんざりしながら、携帯を耳にあてる。 ぼたんは、そろそろきっぱりと言ってやらなければなるまい、と考えていた。 「私メリーさん、今あなたの後ろn」 「貴女ね、迷惑って言葉知ってます?」 「えっ」 「昼も夜も電話してきて、こっちにも都合があるんですよ?だいたいこの電話番号どこで知ったんですか?ストーカーですか?警察呼びますよ? 貴女、声からしてまだ子供でしょう?電話は玩具じゃないの。こんな事したら、お母さんやお父さんが悲しみますよ。夜中に意味も無く起こされたら、 貴女だって嫌でしょう?だいたい」 「うっっさいわあああぁぁぁ!!」 「後ろにいるって言ってんだから振り向きなさいよ!何なのよ!?いつまでもくどくどと!!」 喚く少女の声にぼたんは渋々という風に、後ろを見る。 蜂蜜色の髪を腰まで揺らせながら、白いワンピースの少女が若干涙目になっていた。 「ハァ……。 それでですね。もし夜中に電話すr」 「まだ続くの!!?」 ぼたんの話は長いとは、彼女の家族の談である。 「だいたい、どうして貴女そんな上から目線なんですか?『うっさい』とか『後ろ向け』とか」 「あなた、私が怖くないの……?」 「何ですか、話を逸らさないでください。」 「私メリーさんよ!?都市伝説よ!?もっとこう、何かあるでしょ!?」 「貴女が都市伝説な事は今は重要ではありません。今は貴女の常識はずれな行動について話をs」 「足は、いらんかねぇ?」 「はい?」「え!?」 二人の会話に介入してきた声の方を向く。 にこやかなお婆さんが大きな風呂敷を背負いながら立っていた。 都市伝説「足売り婆」 すぐにソレだと分かったメリーさんは、すぐに逃げる準備を始めた。 (これ以上この女の長話なんか聞いてらんないわ。婆が襲ってる間におさらばよ。) 「足はいらんかね、お嬢さん達。」 「…………達?」 メリーさんも襲う対象であった。 足売り婆、足はいるかと尋ねてくる都市伝説。 いらないと答えれば足を取られ、いると答えれば、無理矢理足を付けられる。 マイナーなのか、口裂け女のべっ甲飴やポマード、赤い紙青い紙に別の色で答えるような有名な対処法が存在しない都市伝説。 「ちょっと!なんで私にも聞いてんのよ!?同じ都市伝説同士でしょう!?」 「足はいらんかね?」 「私の方を向きながら言うな!!」 「落ち着いてください、メリーさん。こういう場合は契約です。」 「そ、そうね………………て、違うわぁ!!」 「あれ?何か間違いました?」 「契約ってのは都市伝説から人間に持ち掛けるのが話のセオリーでしょ!?なんであなたから契約の話してんのよ!!」 「そういうメタな発言はちょっと……」 「知るかああああ!!」 二人は完全に足売り婆を無視していた。 「足いらんかねぇ…………」 「このままじゃ埒が明かないわ。さっさと契約して終わらせましょう。」 いろいろと諦めてメリーさんはついに投げ出した。 「じゃあ契約ですね。」「ええ、力を貸してもらうわ。」 長い言い争いの果てに、やっと二人は契約した。 「それで、貴女は何ができるの?」 「敵の後ろに瞬間移動できるわ。」 「ありきたりですね。しかも敵を目の前に能力をばらすなんて……」 「あんたが聞いたんでしょうがあぁぁぁぁ!!」 言い争いは終わっていなかったが。 「じゃあ、とりあえず足売り婆の後ろに移動してくださいな。」 「いや、なんでよ!?待ち伏せされるじゃん!!」 「能力をしゃべってしまったのは貴女の責任ですよ?」 「あれ、私のせい!?」 「ほら早く能力使ってください。ほらほら。」 「だー、もー、やけくそだー!!『私メリーさん、今足売り婆の後ろにいるの』!」 突然、メリーさんの姿が消える。ソレと同時に足売り婆は後ろを向き、 「足はいらんかね。」 瞬間移動したメリーさんの足を掴む。 「うわぁ!やっぱ待ち伏せされ」 ドガンッ 「足、いら……」ズガンッ 「貴女、押し売りって知ってます?」ズガッ「迷惑なんですよ」グリッ「いらないっていったら?」グチャッ「取る?」グチ 「日本語って難しいと思いますよ?」ズチャ「でも、それだったら」ガンッ「いるって言った時は何もしない」ニチョ「そういうものでしょう?」 「ス、ス、ススス、ストォォォォォップ!!」 「何ですか、メリーさん」 「何、やってんの……?」 「何って、」 ぼたんの手には、高校生ぐらいの女の子の手より、工具箱の中が似合いそうな、金槌。 足売り婆がメリーさんを襲う為に振り向いた瞬間、ぼたんはソレを足売り婆の頭に振り下ろした。 何度も何度も。足売り婆が死に、光となり消えるまで。 「な、なんで、そんな物持ってんのよ……」 「二、三日前からかかってくる悪戯電話にいらいらしていたから。つい♪」 「あ…………………………そう」 「あ、そうだメリーさん」 「ハ、ハイ!?」 「契約したのですから、これからよろしくお願いしますね?」 「え、えぇ、よろしく……」 自分に使われていたかもしれない金槌を見つめながら、複雑そうにメリーさんは呟いた。 終
https://w.atwiki.jp/legends/pages/417.html
バールの少女 登場人物 高校生および高校教職員の皆さん 早川小塚(はやかわこず(づ)か) 辺湖市「新町」在住の少女。県立星霜高校の1年生。 夏休みに入る前、小学校から友達だった田倉巡(めーちゃん)が謎の死を遂げる。 失意の中にあった小塚は、夏休みのとある夜に『幽霊ビル』の屋上から手を振る巡を目撃。 『幽霊ビル』に捕らわれている彼女を救うべく、都市伝説の世界に関わる事になる。 秋祭り期間中に学校町へと赴き、「夢の国の黒服」に追われるなか、「バールのようなもの」を拾う。 逃避の最中に出会った首なしライダーに対し「イイヒトおーら」を感じ、 「妊娠させて」とエキセントリックな発言をかます。その真意は巡を救う為の言動であり、 本来の彼女は恥ずかしがり屋である。 ちなみに、辺湖における性教育は諸事情により色々と歪んでおり、 その教育の洗礼を受けた彼女は「両手を繋いで眼を閉じたままキスすれば妊娠する」と頑なに信じている。 「バールのようなもの」 鈍器の婉曲表現として用いられる「バールのようなもの」が、 その正体を巡る〈うわさ〉の中で都市伝説化したもの。 外見は70cm程度のバールで、鈍器としての性能はなかなかな部類である。 早川小塚と契約関係にある。 学校町にて「夢の国の黒服」から逃げる途中で拾った。 〔音叉〕 「バールのようなもの」を核とし、半径数m程度の球形の「結界」を展開する。 通常は地面等の基盤となるものに刺し込んで使用するが、 持ち歩く事により、実質上「移動する結界」となる。 使用方法次第では、対象を「結界」により圧撃する事も可能。 西野楓子(にしのかえでこ) 星霜高校1年生。早川小塚の友人で、彼女からは「カエちゃん」と呼ばれる。 辺湖市「新町」で、祖母(巴さん)と2人で住んでいる。 都市伝説と契約こそしていないものの、 祖母の契約している諸々の「伝承」と共に過ごしている為、その知識は豊富。 田倉巡(たくらめぐり) 県立星霜高校の1年生。 早川小塚とは小学校からの友達で、彼女からは「めーちゃん」と呼ばれている。 1学期の終わりの日に、『幽霊ビル』前で遺体となって発見される。 享年16 『組織』「辺境」 黒服I(くろふくあい) 『組織』所属の黒服。数年前にどういう因果か、『組織』内部の村八分、「辺境」へ移動となる。 土壇場での運の悪さと情けなさとは、『組織』内部で群を抜いている。 本人にそのつもりがなくても、周囲には奇行に及んでいるようにしか見えない。 『組織』「本部」に出向した時の「邪悪ロリ同人誌収集のご協力」を声高に絶叫する行為は、 彼の評判を墜落させる事に拍車を掛けている。 「ターボじじい」 黒服Iと契約関係にある「お呪い」は、現象型のようである。 〔加速〕 同僚曰く「一応、物凄く速い」らしい。弱体化している。 〔時間認識の細分化/細分化中の加速〕 現在発動不能。 黒服M(くろふくえむ) 『組織』所属の黒服。自称「メカニック担当」。 後輩であるIの事を「へっぽこ」と呼ぶ。 契約関係にある「???」のみならず、高度な工学的技術を用いた製作物の運用に長けている。 本人は「空間情報への接触・侵入・干渉〈ハッキング〉」を得意とするようだ。 「???」 一応、外向きには「パソコンの中で感電死したゴキブリ」と説明しているが、 それは偽装能力である。 実態は、「都市伝説」から創造された「製作物」を保有しているようだ。 〔???〕 {使い勝手はお世辞にも良くない、らしい。 黒服V(くろふくう゛い) 『組織』所属の黒服。MとIの上司。 I曰く「泣く子も黙る鬼じょ、ゲッフンゲフン、美人上司ですよねぇ」。 「ラッキーストライク」 器物型都市伝説。但し、該当する煙草は自分で用意しなければならない。 Vは時折これを「幸運の一撃〈ラッキーストライク〉」と呼ぶ。 〔幸運の一撃〕 喫煙中に放った攻撃を、「確実に命中させる」。 霊体型や情報生命体型であったとしても、ダメージを与える。 その分の反動も少なからずあるようである。 「???」 {他にも、契約関係にあるものが存在するようだが……。 ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/940.html
―第24章 主人公は大変な都市伝説をセイバーヘルッ!― やはり人間には休息が必要だ。毎日勉強ばかりでは流石の俺も駄目になっちまう。休日の間に疲れが取れるといいが… 「うおっとぉ!」ドカーン!やはり俺に休息は与えられないようだ。今回の相手は― 「ウガー!」…なんで残暑厳しいこの時期に雪男がこんなとこにいるんだよ! 雪男はお構いなしに俺に攻撃してくる! 「くっ…天照、防げるか?」 「まかせて!えーい!」 俺の目の前で雪男のデカい腕が見えない壁に当ってこちらまでは届かない!だが― パリーン! 「きゃうっ!」 「大丈夫か、天照!」 「ええ、何とかね…」 相手は馬鹿みたいにデカすぎる!…やっぱり「アレ」をやるしかないみたいだな。 「よし皆、一気にかたをつけるぞ!建速!いつもの2倍の刀を出せ!」 「了解!」 そういうと建速は、いつものように刀に変化した。ただしいつもとちょっと違うところはその刀が「2本」であるという点だけである。 「天照は『結界』を展開して被害を最小限に食い止めろ!」 「分かったわ!」 「月読は全世界のネットワークを駆使して奴の弱点を探れ!あと俺たちのサポートも忘れないでくれ!」 「了解しました。ネットワーク同調開始…」キィィィン! 「あとは俺らで食い止めるだけだっ!いくぞ!」 『結界』の中では、俺は重力・空気抵抗・その他諸々の抵抗力はほとんど無視できる!故に上空に飛び上がって― 「こんな事だって出来るんだぁっ!」ガキーン! …なんてこった。全くと言って良いほど全然ダメージを受けてない! 「月読、弱点は出たか?」 「…出ました!弱点は…「肩の後ろの二本の牛蒡の真ん中にあるすね毛の下のロココ調の右」…なんですか、これは?」 …絶対に有り得ない!大体肩の後ろに牛蒡なんて生えるわけがないし、もし生えたとしても、背中にすね毛は生えるはずがない!更にロココ調って何だよ! もし仮に牛蒡じゃなかったとしても、奴の背中には角らしきものは生えてないじゃないか! 「…こうなったら!ゴルディオンセイバー、発動承認だっ!」 「了解…。ゴルディオンセイバーMk.2、セーフティデバイス、リリーブ!」ピンポン♪ 「ツインゴルディオンセイバー!」 二本の刀はそれぞれ金色の刀と銀色の刀へと色を変えた。 俺は銀色の刀で奴の脳天から縦一文字に斬った! 「セイバーへルッ!」 そして金色の刀で今度は縦の中心と交わるように横一文字に斬った! 「セイバーヘヴン!」 最後に2本の刀で三十四分割の大盤振舞いを食らわせた! 「光になれぇっ!」 切り捨てた肉塊は全て光になって消えた。勿論、奴に流れていたであろう真っ赤な血液でさえも― あとに残ったのは、『結界』内部で奴が破壊した道路だけである。この道路の凹みも『結界』を解除させてしまえば復元されてしまうため問題はない。 次回予告 ―君たちに最新情報を公開しよう! 忍び寄る気配、新たなる都市伝説か?それとも契約者なのか?更に遠くから見つめる怪しい黒服の男。果たして彼の正体は? 「結界都市『東京』」the NEXT,"新たなる白き破壊者"次回もこのチャンネルでファイナルフュージョン、承認! これが勝利の鍵だ!! つ「プラズマカリバー」 前ページ次ページ連載 - 結界都市『東京』