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注意書きです。 1 駄文です。 2 希少種優遇です。 3 人間は少ししか出ません。 4 他の作者様の作品と似ている可能性があります。 5 少し理不尽かもしれません。 それでもOKという方のみ、どうぞ。 そこは、ゆっくり達が暮らしている何の変哲もない森の中。 只今の時刻は深夜の2時。ゆっくり達だけでなく、他の野生動物のほとんどが寝静まっていました。 昼間のゆっくり達のにぎやかな光景とは打って変わって、ただただ、何も無い暗闇に覆われた世界となっていました。 そんな暗い森の中を、人型の生き物がふわふわと飛んでいました。 森の木の隙間から、満月の光が差し込み、その生き物の姿を照らしだします。 その生き物は、どうやら女の子のようです。 黒を基準とした服装。 胸元には銀色に光るバッジ。 口の端から除く八重歯。 ショートカットのきらびやかな金髪。 お札のような赤いリボン。 そして、その女の子は、 「おなかすいたのかー」 と呟きました。 その生き物は、胴付きのゆっくりるーみあだったのです。 これは、純粋で美味しい食べ物を求める、ちょっとグルメなゆっくりるーみあの物語です。 「あなたは、食べてもいい○○○○?」 作者:ぺけぽん このるーみあは森の近くの一軒家に住んでいる、愛でお兄さんの飼いゆっくりでした。 お兄さんはるーみあをとても可愛がっており、るーみあもお兄さんの事が大好きでした。 その関係はとても良好で、飼い主とペットと言うよりも、家族と言った方がいいでしょう。 ですが、るーみあには一つだけ不満な点がありました。 「るーみあ、ご飯だよ」 そう言ってお兄さんが差し出すのは、B級ゆっくりフードでした。 「わはー、いただきますなのかー」 るーみあはそのゆっくりフードをぱくぱく食べます。 「美味しいかい?るーみあ」 「うん、おいしいのかー」 お兄さんの問い掛けに、るーみあはそう答えました。 しかし、るーみあは内心少しだけ不満でした。 このお兄さんは料理が苦手で、食事のおかずは大抵スーパーで買った総菜物を食べていました。 るーみあの食事は大抵がゆっくりフード。 その種類こそ変わる事はありますが、さすがにいつもゆっくりフードばかり食べていては健康に悪いです。 他に食べる物と言えば、お兄さんと同じ総菜物か、レトルト食品。 るーみあは、『自然の味』がする食べ物を食べたかったのです。 しかし、自分がわがままを言えば、お兄さんは困ってしまいます。 ですので、るーみあはその事をお兄さんに黙っていました。 そんなるーみあには、お兄さんには言えない秘密が一つだけありました。 夜。お兄さんが寝静まった頃に、るーみあはこっそりと気付かれないように家を抜けだします。 そして近くの森の中を徘徊して回るのです。 るーみあは夜行性で、昼間は大抵のんびりしている事が多いので、眠たくはありませんでした。 何故森の中を徘徊するのか。 それは、森の食べ物を探して食べるためです。 るーみあは今まで何回も森に生えているキノコや木の実、花や果物を食べていました。 それらはるーみあが好きな『自然の味』そのものでした。 そして現在。 今夜もるーみあは美味しい食べ物を求めてふわふわ飛んでいました。 ……ですが。 「みつからないのかー」 かれこれ1時間ほど探していましたが、今回は目当ての食べ物がなかなか見つかりませんでした。 当然、毎回必ず美味しい食べ物を見つける事が出来る訳ではありません。こういったハズレの日もあるのです。 そんな日にはどうするのか。るーみあはある対策を練っていました。 「しょうがない、ほかのゆっくりとたべものをこうかんしてもらうのかー」 るーみあは野生のゆっくりの巣を探し始めました。 数分後、さっそく最初の巣を見つける事が出来ました。 「こんばんはなのかー」 るーみあは薄暗い巣の中へ挨拶しました。 「むにゃ……。こんなよなかにだれなのー?わからないよー……」 寝ぼけ眼で巣の中から出てきたのは、成体サイズよりも少し小さめなゆっくりちぇんでした。 このちぇんは最近一ゆ立ちしたばかりで、まだ子供っぽさが抜けていませんでした。 本来ならこんな真夜中だからこそ、その声に対して警戒すべきなのですが、寝ぼけていた事もあるため、ちぇんはそのままのそのそ出てきてしまいました。 「みかけないゆっくりなんだねー、だれなのー?」 「るーみあはるーみあなのかー」 「るーみあっていうんだねー、わかるよー」 「そーなのかー」 「うんうん、わかるよー」 「わはー」 傍で聞いていると何とも脱力してしまいそうな会話ですが、本ゆん達はお構いなしで続けます。 「るーみあはおなかがすいてしまったのかー。すこしでいいからなにかたべものをわけてほしいのかー」 「え?たべものを?」 るーみあの突然の物乞いに対し、ちぇんは少し悩みましたが……。 「わかったよー。こまっているゆっくりはほおっておけないんだねー」 ちぇんは巣の中に戻って、キノコを一つるーみあに差し出しました。 「ありがとうなのかー」 るーみあはちぇんにお礼を言い、そのキノコをぱくぱく食べ始めました。 「おいしかったのかー」 キノコはあっと言う間にるーみあのお腹の中へ入って行きました。 「おれいにこれをあげるのかー」 るーみあはスカートのポケットの中から、ビー玉を一つ出して、ちぇんにあげました。 「わー!とってもきれいなんだねー!もらっていいのー?」 「いいのかー。きのこのおれいなのかー」 「ありがとう、いいゆっくりなんだね、わかるよー」 るーみあはちぇんに手を振りながら去っていきます。 るーみあはなかなか食べ物が見つからない場合、こうして野生のゆっくりの巣を訪問して、家から持ってきた物を物々交換して食べ物を手に入れているのです。 強奪なんて悪いゆっくりがする事。世の中はギブアンドテイク。 るーみあはそう考えていました。 しかしるーみあはまだ満足していません。 キノコは美味しかったのですが、さすがにそれだけでは腹は膨れません。 るーみあは別のゆっくりの巣を探しました。 次に見つけたのは、先程のちぇんの巣よりも少し大きめの巣でした。 「こんばんはなのかー」 るーみあは薄暗い巣の中へ挨拶しました。 「むきゅう……、なんなの、こんなよるおそくに……」 「とかいはじゃないわね……」 寝ぼけ眼で巣の中出てきたのは、番のぱちゅりーとありすでした。 「むきゅ!?なんなのこのゆっくりは!?みたことがないわ!」 「なんだかふらんににているわ!おねがいだからたべないでぇ!」 二匹は今まで見た事が無いるーみあに対して、酷く怯えていました。 「こわがらなくてもいいのかー。るーみあはちょっとおなかがペコペコだから、なにかたべものをわけてほしいのかー」 「むきゅ!?」 「ありすたちを……、たべないの……?」 「たべたりしないのかー」 るーみあのその言葉にぱちゅりーとありすは少しだけ落ち着きを取り戻しました。 「むきゅ……、ありす」 「……そうね、いまたべものをもってくるわね」 ここは逆らわない方がいいと考えた二匹は、巣の中へ戻って、近くの小川で獲った小魚を差し出しました。 「ありがとうなのかー」 るーみあはぱちゅりーとありすにお礼を言い、その小魚をぱくぱく食べ始めました。 「おいしかったのかー」 小魚はあっと言う間にるーみあのお腹の中へ入って行きました。 「おれいにこれをあげるのかー」 るーみあはスカートのポケットの中から、飴玉を数個だして、二匹にあげました。 「むきゅ……?」 「も、もらっていいの……?」 「いいのかー。さかなのおれいなのかー」 「……」 「……」 るーみあはぱちゅりーとありすに手を振りながら去っていきます。 二匹はポカンとしたまま、るーみあの背中を見続けていました。 「さっきのさかなはとってもおいしかったのかー」 るーみあは先程の小魚の味に満足していました。 しかしるーみあはまだ満足していません。 小魚は美味しかったのですが、さすがにそれだけでは腹は膨れません。 るーみあは別のゆっくりの巣を探しました。 次に見つけたのは、先程のぱちゅりーとありすの巣よりもさらに大きめの巣でした。 「こんばんはなのかー」 るーみあは薄暗い巣の中へ挨拶しました。 しかし返事はありません。 「こんばんはなのかー!」 それでも返事はありません。 「……おじゃましますなのかー」 業を煮やしたるーみあは、巣の中へ上がり込む事にしました。 「ZZZ……ZZZ……」 「ゴー……ゴー……」 巣の中には、番のれいむとまりさがいびきを立て、よだれを垂らしながら寝ていました。 れいむの方はどうやら胎生にんっしんっしているらしく、かなり腹が膨れていました。 「こんばんはなのかー!!」 先程よりも大きな声でるーみあは挨拶しました。 「んぐ……、いったいなんなのぜ……」 「う~ん……、あまあま……」 やっと二匹は起き出しました。 「こんばんなの『なんなのぜおまえはぁぁぁぁ!?』『こんなよるおそくに!ばかなの!?しぬのぉぉぉぉ!?』……あう」 二匹の怒号に、るーみあは少し気後れしてしまいました。 「かってにまりさとれいむの『すいーとほーむ』にはいってくるんじゃないのぜぇぇぇぇ!?」 「ふほうしんにゅうだよ!?ばかなの!?しぬのぉぉぉぉ!?」 「ごめんなさいなのかー」 酷い言われようですが、勝手に入ったのは事実。るーみあは素直に謝る事にしました。 「じつはるーみあはちょっとおなかがへって『しったことじゃないのぜぇぇぇぇ!』『でていけこのこそどろぉぉぉぉ!』……うぅ」 二匹は両目をぎらつかせ、歯ぐきをむき出しにして怒り出しました。るーみあはその表情に少し怯えてしまいました。 「……ここにチョコレートがあるのかー。これをあげるからなにかたべものをわけてほしいのかー」 「……ふん!いいのぜ、そのあまあまさんをくれるならかんがえてやってもいいのぜ?」 「わかったらはやくあまあまちょうだいね!ばかなの!?しぬの!?」 るーみあは二匹にチョコレートを差し出しました。 「うっめ!これむっちゃうっめ!」 「ぱねぇ!まじぱねぇよこれ!」 二匹はそのチョコレートをかなり意地汚く食べ始めました。 「それじゃあなにか『はぁぁぁぁ!?こんなのでたりるわけがないのぜぇぇぇぇ!?』……え?」 まりさのその言葉にるーみあは面喰ってしまいました。 「いまのはまりさとれいむの『すいーとほーむ』にかってにあがりこんだいしゃりょうなのぜぇぇぇぇ!?」 「そんなこともわからないの!?ばかもここまでくるとかわいそうだね!」 「……じゃあ、このキャンディーをあげるのかー」 るーみあは残りの飴玉を全部二匹に差し出しました。 「むーしゃむーしゃ!めっちゃしあわせぇ!」 「へぶんじょうたい!まじうめぇ!」 二匹はその飴玉を意地汚く舐めもせずに噛み砕いて食べ始めました。 「たべも『いったいなにをいっているのぜぇぇぇぇ!?』……」 「まりさは『かんがえてやっても』いいといたのぜぇ!だれも『あげる』なんていってないのぜぇ!」 「れいむはにんっしんっしてるんだよ!?れいむにやさしくするのはとうぜんのことでしょう!?」 二匹のその言動はまさにゲスそのものでした。 「……どうしてもくれないのかー?」 るーみあの周囲の空気が少しだけ変わりました。 ですがその事に二匹は気が付きません。 「あたりまえなのぜぇ!ばかなおまえがわるいんだぜぇ?」 「わかったらさっさとかえってね!かえらないとせいっさいっするよ!?」 「……ねぇ」 「「ゆ?」」 るーみあは八重歯をむき出しにしながら、微笑んでこう言いました。 「あなたは、たべてもいいゆっくり?」 「「……!?」」 つい先程までるーみあを馬鹿にしていた二匹は、何か冷たいモノを感じ、後ずさりしました。 おかしい。何かがおかしい。 二匹は直感的にそう感じていました。 目の前のゆっくりは明らかに馬鹿そうなゆっくりだったはず。 なのに。 今、目の前にいる、コイツは、何? この二匹でも分かる位、るーみあの雰囲気は先程とはガラリと変わっていました。 先程の、のほほんとした表情は消え去り、『エモノ』を目の前にした、自分達が恐れる捕食種のような表情になっていたのです。 「ゆ、ゆっへっへ!な、なにをいっているのぜぇ!?」 それでもまりさはるーみあに虚勢を張り続けました。 「ま、まりさをたべる?やれるもんならやってみるのぜぇぇぇぇ!!」 先手必勝。殺らなければ殺られる。そう感じたまりさは渾身の体当たりをお見舞いしようとるーみあに突撃しました。 「あなたは、じゃま」 そう呟いたるーみあは、腕を軽く振りました。 その腕に当たったまりさは。 「ぶべらあぁっ!?」 勢いよく壁にぶち当たり、そのままずるずると落ちて行きました。 二匹は知りませんでした。 今まで馬鹿にしていたるーみあが。 捕食種の一種である事に。 「ま、まりさぁぁぁぁ!?」 「ゆ……ゆぐ……」 れいむは突然の出来事に数秒間、餡子脳がフリーズしてしまいましたが、まりさの変わり果てた姿を見て、絶叫しました。 まりさは先程の一撃で餡子の三分の一を口から吐き出し、体は大きくへこみ、片方の眼球が飛び出てしまっていたのです。 それでもまりさはまだ死んでいません。 これが幸か不幸かは、まりさしか知りませんでした。 「やりすぎたかな?」 そんな悲惨な状態になっているまりさを見て、るーみあは涼しそうな表情をしたまま呟きました。 まずい。まずい。 れいむは焦りました。 こんな弱そうなゆっくりは、まりさの相手ではない。 そう思っていたのに。この現状はなんだ。 れいむがそんな事を考えている内に、るーみあはつかつかとれいむの方へ歩いてきました。 「ま、まって!まってね!れいむたちがわるかったよ!たべものはおくのほうへあるから、すきなだけもっていってね!」 素直に食べ物を差し出せば、こいつも満足して帰るだろう。れいむはそう考えていました。 「もういいわ、そんなの」 現実は非情でした。 「や、やめ、やめてねぇぇぇぇ!?れいむをころさないでぇぇぇぇ!?」 「ころさないよ」 「……ゆ?」 殺されるものとばかり思っていたれいむは正直驚きましたが、自分は助かると解釈したれいむは少し強気になりました。 「ゆ、ゆふふふ!だったらあんしんしたよ!でもれいむはゆるさないよ!」 「……」 「まりさがあんなふうになっちゃったんだから、いしゃりょうとしてもっとあまあ」 「うるさい」 るーみあはそう言いながら、れいむの右目に指を突き立てました。 「ゆぎゃあぁぁぁぁっ!?」 そしてるーみあはれいむの右の眼球を引っこ抜き、その眼球を少し舐めました。 「まずい」 れいむの眼球をそう評価したるーみあは、眼球を地面に叩きつけ、踏み潰しました。 「……ゆ、ゆぎぃ、れ、れいむの、だいやもんどのようなおめめがぁ……」 「……」 るーみあは、今度はれいむの膨れた腹を殴りつけました。 「ゆぶげあぁっ!?」 凹ませない程度に、手加減しながら何度も何度も殴りつけました。 「や、やべ……、ぢんぢゃう、あがぢゃ、ぢんぢゃう……」 それでもるーみあは殴り続けます。 「ゆ!?ゆぎぃぃぃぃ!?」 れいむは急に、殴られている痛みとは違う痛みを感じました。 それは、まさに陣痛でした。 るーみあは何度もれいむの腹を殴る事により、無理矢理出産を早める事に成功したのです。 今、るーみあの頭の中には、赤ゆっくりを食べる事しかなかったのです。 それを確認したるーみあは、殴るのを止めました。 「う、うばれる……!でいぶのあがぢゃん、うばれるぅ……!」 れいむの産道がミチミチと音を立てて開きました。 その産道から顔を覗かせているのは、ふてぶてしい笑顔の赤れいむでした。 「ゆっ!!」 スポン、と音を立てて、赤れいむが飛び出しました。 「ゆっきゅりちていってにぇ!」 赤れいむはれいむに最初の挨拶をしました。 ああ、れいむの可愛い赤ちゃん。れいむとそっくりで本当に可愛いよ。 さっそくすりすりしてあげなければ。そしてお歌を聞かせてあげて、一緒にご飯を食べて、お昼寝して……。 れいむは赤れいむを目の前にして現実逃避をしていました。 「……」 るーみあは無言で赤れいむを手に取ります。 「ゆゆ~ん、きゃわいくっちえごめ~んにぇ!」 「……」 るーみあは無言で、赤れいむの両目に指を突き立てました。 「ゆぴいぃぃぃぃっ!?」 「!?お。おちびちゃあぁぁぁぁん!?」 赤れいむの甲高い金切り声の悲鳴を聞いて、れいむはようやく現実へと帰って来ました。 「れいみゅのおめめぎゃあぁぁぁぁ!!いぢゃいぃぃぃぃ!!」 「……」 るーみあはその赤れいむの半分を食いちぎりました。 「ゆぎいぃぃぃぃ!?」 「おちびちゃぁぁぁぁん!?」 赤れいむの体をむしゃむしゃ食べていたるーみあですが……。 「まずい」 そう一瞥すると、まだ息のある赤れいむを壁に投げつけました。 ビチャっと音を立て、赤れいむはただの餡子の染みになりました。 「おちびぢゃ……い、いぎぃっ!?」 れいむには自分の娘の死を悲しんでいる暇はありませんでした。次の出産が来たのです。 産道から顔を覗かせたのは、やはりふてぶてしい笑顔の赤まりさでした。 「ゆっ!!」 スポン、と音を立てて、赤まりさが飛び出しました。 「ゆっきゅりちていってにぇ!」 赤まりさはれいむに最初の挨拶をしました。 「……」 るーみあは無言で赤まりさを手に取ります。 「ゆゆっ!?なんなのじぇ!?まりちゃをはにゃしゅんだじぇ!しぇっしゃぃっしてやるのじぇ!」 「……」 るーみあは無言で、赤まりさの髪の毛の三分の二を引きちぎりました。 「ゆぎゃぁぁぁぁ!?」 「おちびちゃぁぁぁぁん!?」 「まりちゃのしゃらしゃらへあーぎゃぁぁぁぁ!!いぢゃいぃぃぃぃ!!」 「……」 るーみあはその赤まりさの半分を食いちぎりました。 「ゆぎいぃぃぃぃ!?」 「おちびちゃぁぁぁぁん!?」 赤まりさの体をむしゃむしゃ食べていたるーみあですが……。 「まずい」 そう一瞥すると、まだ息のある赤まりさを壁に投げつけました。 ビチャっと音を立て、赤ゆはただの餡子の染みになりました。 「おちびぢゃ……い、いぎぃっ!?」 れいむには自分の娘の死を悲しんでいる暇はありませんでした。次の出産が来たのです。 産道から顔を覗かせたのは、やはりふてぶてしい笑顔の赤れいむでした。 「ゆっ!!」 スポン、と音を立てて、赤れいむが飛び出しました。 「ゆっきゅりちていってにぇ!」 赤れいむはれいむに最初の挨拶をしました。 「……」 るーみあは無言で赤れいむを手に取ります。 「はなちぇぇ!!れいみゅをゆっきゅりちゃちぇりょおぉ!!」 「……」 るーみあは無言で、赤れいむの尿道に勢いよく指を突き刺しました。 「ゆぴゃあぁぁぁぁ!?」 「おちびちゃぁぁぁぁん!?」 「れいみゅのぷりちーにゃみゃむみゃむぎゃぁぁぁぁ!!いぢゃいぃぃぃぃ!!」 るーみあはその赤れいむの半分を食いちぎりました。 「ゆぎいぃぃぃぃ!?」 「おちびちゃぁぁぁぁん!?」 赤れいむの体をむしゃむしゃ食べていたるーみあですが……。 「まずい」 そう一瞥すると、まだ息のある赤れいむを壁に投げつけました。 ビチャっと音を立て、赤れいむはただの餡子の染みになりました。 「なんでぇぇぇぇ!?なんでごんだごどずるどぉぉぉぉ!?」 れいむは叫びました。 自分の娘をただ殺されるだけならまだしも、むごい方法で傷つけられ、半分食われて殺されているのですから、当然と言えば当然でしょう。 「なんで?なんでって……」 るーみあはれいむや赤ゆ達に対して怒りを感じている訳ではありません。 るーみあ自身に加虐癖がある訳でもありません。 「こうすれば、おいしくなるとおもったから」 生まれたばかりの赤ゆを痛めつければさらに美味しくなる。 ただ、それを実行しただけでした。 「でもだめだね。ぜんぜんまずいよ、れいむのあかちゃん」 「ゆがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 れいむは発狂する寸前でした。体と精神のダメージに限界が近づいているのです。 ……しかし。 「ひぎぃぃぃぃっ!?」 れいむの出産はまだ終わりません。 産道から顔を覗かせたのは……。 「んぴょおぉぉぉぉっ!!」 「な、なんでありすなのぉぉぉぉっ!?」 今にも産まれそうな赤ゆは、れいむでもまりさでもなく、ありすでした。 しかもその赤ゆは既にレイパーであり、目をギラつかせてぺにぺにをおっ立てていました。 何故本来産まれるはずの無いありすが産まれそうなのか。その答えは簡単でした。 数日前に、れいむは夫であるまりさが狩りに言っている間に、浮気相手であるありすと既にすっきりしていたからです。 その後にまりさともすっきりし、何食わぬ顔で今まで過ごしていました。 ありすともすっきりしたという事は、ありすの子供も産まれる事になるとも知らずに。 何より最悪なのは、その子供にレイパーの因子があった事でした。 「……」 さすがにるーみあは、その赤ありすを食べようとは思いませんでした。 ですが、このまま産ませても、色々と面倒な事になりそうです。 そう思ったるーみあは。 「よいしょ」 「!?ゆ、ゆぎゃぁぁぁぁっ!?」 れいむを前に倒して、出産をさせないようにしたのです。 「ひぃっ!?いぎっ、いぎぃぃぃぃっ!?」 れいむにしてみればたまったものではありません。 このままでは赤ありすを産めずに延々と出産の痛みを味わなければいけないのですから。 「……もういいかな」 るーみあはそろそろお腹も膨れてきたので、家に帰る事にしました。 ……後半はあまり美味しい物が食べれなかったのが心残りでしたが。 るーみあはれいむとまりさの『すいーとほーむ』を後にしました。 「もどしてぇっ!もどしてぇぇぇぇっ!!」 後ろで、れいむの悲痛な叫び声を聞き流しながら。 「ゆ、ゆぎぎぎぃぃ……」 るーみあが立ち去ってから1時間後。 れいむは未だに前に倒れたままでした。 最初のような痛みこそないものの、このままでは確実に死んでしまう。れいむはそう考えていました。 「ゆぐうう……、どうずればいいどぉ……」 れいむは餡子脳をフル活用して考えていました。 ……そして。 「ゆ!ぞうだ!よごにだおれればいいんだぁ!」 起き上がれないなら、体を横に捻らせればいい。れいむはなんて天才なんだろう。 そんな考えは大抵ならもっと早く思いついているようなものですが、そこは餡子脳。れいむは自分のひらめき(笑)に自己陶酔していました。 「ゆっ、ゆぐぅ……、ゆんんんっ!!」 れいむは持てる力を振り絞り、体を横に捻らせました。 ズボッ!! 「うぎゃがぁぁぁぁっ!?」 今までの音よりもはるかに大きな音と痛みがれいむを襲いました。 ……が、それは一瞬の事でした。 倒れたままのれいむの目の前には……。 「「ゆゆ~ん!ゆっきゅりちていってにぇ~!!」」 二匹の赤れいむと赤まりさと。 「んぴょぉぉぉぉ!!」 自分たちから少し離れた所でぺにぺにをおっ立てている赤ありすの姿でした。 どうやら赤ありすの後ろにまだ産み終えていない赤ゆがいたそうで、三匹同時に産まれたようでした。 ……まずい。 もう自分の腹の中に赤ゆっくりの存在は感じず、痛みは治まりましたが、今が危険な状況である事には変わりありませんでした。 このままではあの赤ありすに襲われてしまう。どうしよう、どうしよう……。 「おい!このくちょびゃびゃあ!きゃわいいれいみゅをみゅちちゅるにゃあ!」 「まりちゃはおにゃきゃがちゅいたんだじぇ!ちゃっちゃとあみゃあみゃしゃんをよういしゅるんだじぇ!」 自分達に向かっていつまでも挨拶しない赤れいむと赤まりさは口汚くれいむを罵倒しました。 ……この糞餓鬼共め。れいむがこんな状態でなければ今すぐにでも瞬殺しているのに。 れいむには既に赤ゆ達に対する母性(笑)を放棄していました。 何とかしてあの赤ありすから逃れなければ。 「「おいぃぃ!?きいてりゅ「ありす!このくそがきどもなられいぽぅしてもいいよ!」ゆっ!?」 「んぴょっ!?」 自分の娘達を囮にして自分は逃げる。 れいむは親として最低の手段を選びました。 「「ゆんやぁぁぁぁっ!?ありちゅだぁぁぁぁっ!!」」 赤れいむと赤まりさは今頃になって赤ありすの存在に気が付きました。 「んぴょぉぉぉぉっ!!」 赤ありすは待ってましたとばかりにこちらへ突進してきました。 「「このくちょびゃびゃあぁぁぁぁっ!!」」 「ゆふふっ!!くそがきどもはれいむのためにしんでねっ!!」 もはやこのゆっくり達の間に親子の絆は存在しませんでした。……いや、赤ゆの言動を見る限り、初めからそんなものは無かったのかもしれません。 「んぴょぉぉぉぉっ!!」 「「ゆんやぁぁぁぁっ!?」 赤ありすが赤れいむと赤まりさに飛びかかる……かと思われましたが。 「なんでこっぢにぐるどぉぉぉぉっ!?」 赤ありすは赤れいむと赤まりさには目もくれず、れいむの方へ突っ込んできたのです。 赤ありすが突っ込んで来たのは……。 「んぴょぉぉぉぉっ!!みゃみゃのみゃむみゃむのにゃかはときゃいはにぇぇぇぇっ!!」 「うぎゃあぁぁぁぁっ!?」 計6匹もの赤ゆっくりを産んで、まだ閉じきっていないれいむの産道でした。 約1時間もの間、外に出れずにれいむの産道の中で興奮していた赤ありすは、居心地の良さを感じてしまっていたのです。 しかし、れいむにとってはたまったものではありません。 再び産道を、しかもかなり乱暴に犯されているのですから、その痛みはかなりのものです。 「ゆぎゃぁぁぁぁっ!?お、おちびどもぉぉぉぉっ!!だずげろぉぉぉぉっ!!」 れいむは先程見捨てたばかりの娘達に助けを求めました。 しかし。 「「げ~りゃげりゃげりゃ!!いいきみだにぇ!!」 そんな自分勝手なれいむを助けるはずがありませんでした。 その時です。 「ぼうやべでぇぇぇぇ!?」 巣の入り口付近で存在を忘れられていたまりさの叫び声が聞こえました。 赤ありすを除く全員が声の方へ目を向けると……。 「やべでねぇぇぇぇっ!?ばりざのあんごずわないでぇぇぇぇっ!?」 「うー、あまあまー!」 捕食種であるれみりゃが、半死状態のまりさの命の餡子を吸っている光景でした。 「「「れ、れみりゃだぁぁぁぁっ!?なん(にゃん)でぇぇぇぇっ!?」」」 れいむ達は信じられないといった表情で叫びました。 しかし、れいむ達は先程まで大声で悲鳴を上げたり罵倒したりしていました。 ただでさえ夜は捕食種ゆっくりの世界だというのに、そんな事をするのは自殺行為以外の何物でもありません。 「や、やべでね!ありす!れみりゃがいるんだよぉ!?」 れいむは赤ありすに自分を犯すのを止めるよう言いました。……しかし。 「んぴょぉぉぉぉっ!!」 レイプする事以外頭に無い赤ありすに、そんな制止は聞えません。 「れいみゅがおにぇえちゃんにゃんだよ!まりしゃがおとりになっちぇにぇ!」 「にゃにいっちぇりゅんだじぇ!まりちゃがおにぇえちゃんにゃんだじぇ!」 「「ちにぇにゃんていうげちゅはちにぇぇぇぇっ!!」」 赤れいむと赤まりさは、父親であるまりさが襲われている内に逃げればいいものを、自分が助かろうと互いを罵り合い、必要の無い殺し合いを始めていました。 「やべろぉぉぉぉっ!!」 「んぴょぉぉぉぉっ!!」 「ゆっゆっゆっ……」 「れいみゅにょきゃわいいもみあぎぇしゃんぎゃぁぁぁぁっ!?」 「まりしゃにょちゃくまちぃあんよしゃんぎゃぁぁぁぁっ!?」 もはやこのゆっくり一家に、救いはありませんでした。 「ふあ~あ……、よく寝た……」 時刻は朝の7時。お兄さんはいつも通りの時間に目が覚めました。 「さて、朝飯の準備をしないとな……」 お兄さんは冷蔵庫の中から、牛乳とシ○アルを取り出しました。 「お~い、るーみあ、ご飯だぞー」 お兄さんはるーみあの部屋へ行きました。 お兄さんが部屋のドアを開けると……。 「すぅ……すや……」 そこには、ベッドの上ですやすやと可愛らしい寝顔で寝ているるーみあがいました。 「もうたべられないのか……」 その寝言にお兄さんは少し笑ってしまいました。 「……もう少し寝かせるか」 きっとるーみあは幸せな夢を見ているのでしょう。 途中で起こすのも可哀想だと思ったお兄さんは、部屋を後にしました。 るーみあがお兄さんの家に戻ってきて、手を洗ってから寝ようと台所へ行った時でした。 テーブルの上に本が一冊置いてありました。 「?」 るーみあが気になってその本を読んでみると……。 その本には、様々な料理の作り方が載っていました。 実はお兄さんは、会社からの帰り道で、このまま総菜やレトルトをおかずにご飯を食べるのも体に悪いと感じ、簡単な料理レシピを本屋さんで購入していたのでした。 その本に載っている料理は、るーみあが今まで見た事が無い食べ物で一杯でした。 「……おにいさんが、このごはんをつくってくれるのかー?」 るーみあはその本をあらかた見終えた後、手を洗って部屋に戻り、パジャマに着替えて、ベッドの中へ潜りこみました。 今日はあんまり美味しい物を食べる事はできなかったけど。 明日は、美味しい物が、食べられるといいな。 るーみあはそんな小さな期待を胸に秘めながら。 ゆっくりと、目を閉じました。 END あとがき 反省点です。 1 まりさの制裁分が足りなかったかも……。 2 きめぇ丸ともみじのSSを期待していた方、御免なさい。いつか必ず載せますので。 3 赤ゆっくりの台詞が読みにくいったらありゃしない! 結論 るーみあは腹ペコキャラだ!と思い、このSSを書きました。 一応他にネタはあるのですが、このSSは一番まとめやすいなぁと思ったので最初に書きました。 テスト終わった!ヒャッハァ!……と思いながら久々に来てみると、色々と機能が変わっていて戸惑いました。 ゆっくりボタンもいいのですが、私としては、皆様の感想を読ませて頂くのが一番嬉しいです。 このSSを読んで、ゆっくりボタンを押して頂ければ幸いです。 これからも頑張りますので、宜しくお願いします。
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※俺設定注意 「ゆっくりしようね、れいむ!!!」 「ゆっくりしようね、まりさ!!!」 今、僕の家の中で嬉しそうに頬を摺り寄せるのは2匹のゆっくり。 れいむとまりさだ。 彼女たちは、「お菓子をあげる」という僕の誘いに乗ってここまでやって来た。 基本的に僕はゆっくりが好きだ。 人間の生首をデフォルメしたような容姿、なんとも言いがたい微妙な表情。それらが僕の関心を惹いて離さない。 一般的には愛でお兄さんと言われる部類の人間ではないだろうか。 でも、そんな僕が最近気にかかっている事がある。 ゆっくり全体、その繁栄の基盤を揺るがすような重大な事だ。 恐らくだが、このまま誰もが放っておいたらゆっくりは遠からず未来で絶滅してしまうだろう。 それは嫌だ。「僕の好きなゆっくり」には、この先もずっと生き残って欲しい。 だから僕はこの二匹を家へと呼んだ。 この部屋はこれと言った家具が無い。もし彼女たちが暴れても、何一つこちらも、あちらも損害を被る事は無い。 それに今からやる事は彼女たちにとっても良い事のはずだ。最初は悲しみこそすれど、後に僕に感謝するようになるだろう。 少なくともその事だけは確信している。 さぁれいむ、まりさ。 今から僕が、君たちの決定的な矛盾点を取り除いてあげよう。そうすれば君たちは生物としてより強くなれるはずだ。 そうすれば絶滅なんかしない。ずっと僕の好きなゆっくりで居られ続ける。 始めようじゃないか。 あかちゃんはとってもゆっくりできるんだよ! 「ゆ~ゆゆ~ゆ~♪」 「ゆっゆ~♪」 ふにふにと、頬を摺り合いながられいむとまりさは間抜けな歌声を晒している。 この二匹は、今現在「とてもゆっくりしている」状態にあった。 事の起こりは数十分ほど前。 いつもの様に日向ぼっこをしていた二匹の前に、男が現れてこう言ったのだ。 「美味しいお菓子をあげるから、うちに来ないかい?」と。 深く物事を考え(られ)ないゆっくり二匹。二秒と考えずに、男の誘いを快諾した。 彼に連れて来られたのは、ゆっくりの常識に当てはめるなら途轍もなく広いおうちだった。 そこの一室に通される二匹。勿論そこも、ゆっくりからして見れば異様なほど大きいおうちだ。 そしてそこに降って湧いた沢山のお菓子と男の「ここをれいむ達のお家にしていいよ」という言葉。 労せずしてれいむとまりさは誰もが羨むおうちを手に入れたという訳だ。 菓子を平らげ、そのままそこでゆっくりしだす二匹。 ゆーゆー歌を歌ったり、昼寝をしていたりするがゆっくりは基本娯楽に乏しい生活を送っている。 しかもつい先程巨大な住処を手に入れた二匹の取る行動と言えば、最終的にはたった一つ。 「ゆほおおおおお!!!れっ、れいむううううぅぅぅぅ!!!」 「まりさあああああああぁぁぁ!!!ゆうううぅぅぅん!!!」 交尾だ。 食・住が満たされれば即交尾に繋がる。他にやることが無いから。これは田舎の人間とかにも当てはまることだ。 今かなり(人間に対して)失礼な説明をしたが、とにかくこの二匹は生殖を選択した。 「ゆううううぅぅぅぅ・・・・・・すっきりー!!」 「んほおおおおおおおおお!すっきりー!!」 ほぼ同時に達する二匹。それに伴い、母親役のれいむからにょきにょきと生えてくる茎。 年中発情期のゆっくりは、交尾すればすぐさま子供が生まれる。 一部では例外があるものの、このれいむ達はその中には含まれなかったようだ。 異常ともいえるスピードで成長する茎。 まるで実が成るが如く、赤ん坊のゆっくりが茎の先に実っていく。 中々にこの全世界の生物にとって反常識的・冒涜的・嘲笑的な産まれ方だと言えよう。 「ゆううぅぅぅ~!!!あかちゃんがうまれるよおおおぉぉ~!!!」 「ゆっ!!」 「ゆっくち!!」 「ゆんっ!!」 「まりさのあかちゃん、とってもゆっくりしてるよぉ~!!!」 茎の先に実ってから生まれ落ちるまでたったの五分。 そのサイズに比べて余りにも早いスピードで赤ゆっくり達は生を受けた。 感動の涙を流す親ゆっくり。 命の尊厳を感じさせるには少々軽すぎる雰囲気だ。 「ああ、おめでとう。可愛い赤ちゃんだね」 「「ゆゆっ!!」」 赤ん坊に囲まれ、幸せの絶頂にいる二匹に声がかけられる。 この部屋をれいむ達に与えた男。れいむ達にとっては、優しいお兄さんだ。 「ゆっ!!おにいさんがれいむたちにりっぱなおうちをくれたから、かわいいあかちゃんがうめたよ!!」 「ありがとう、おにいさん!!あかちゃんたち、こっちにでてきてね!!」 「「「ゆぅ~?」」」 赤ゆっくり達を呼び寄せるまりさ。 男に赤ちゃん達を見せて、ゆっくりして貰おうというのだ。 可愛らしい赤ん坊達を、前に並ばせる。 「あかちゃんたち、かわいいでしょ!!ゆっくりしていってね!!!」 「おにいさんにはとくべつに、かわいいかわいいあかちゃんみせてあげるね!!!」 「「「ゆっ!!きゃわいくてごめんしゃい!!!」」」 こんなに赤ちゃんは可愛いんだから、きっとお兄さんもゆっくりできる。 そんな考えの下、れいむとまりさは誇らしげに胸を張った。 各々の赤ゆっくりも、それぞれ最も自分が可愛く見えるポーズをとっている。 「ああ、可愛いね。とってもゆっくり出来るよ」 笑顔を浮かべながら赤ゆっくりの前にしゃがみ込む男。 その笑顔を見て、お兄さんがゆっくりしていると思って嬉しくなるゆっくり一同。 とてもゆっくり出来る笑顔を浮かべたまま、男は右手を赤ゆっくり達の方に差し出して――― ―――そして、そのまま押し潰してしまった。 れいむとまりさの、動きが止まる。 にっこりと笑顔を貼り付けたまま、石膏の象のように動かなくなる。 二匹の視線は、億劫そうに手を振り、餡子をはらうお兄さんへ。 「「・・・・・・な゛に゛じでる゛の゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!?」」 クワッと眼を見開き、ぶるぶると震えながら叫ぶ二匹。 今しがたのお兄さんの行動が理解出来ない。いや、そんなことよりも。 赤ちゃんが。とってもゆっくりした赤ちゃんが。赤ちゃんが死んでしまった。 「・・・え?何って赤ゆを潰したんだけど?」 さも当然、蚊が居たから叩き潰しました、とでも言うように答えるお兄さん。 何の感慨も無い。後悔の欠片すら見受けられない。 二匹はついさっきまで信頼に値していた筈の人間に対して、疑問をぶつける。 「どぼじであがぢゃんをごろじぢゃっだのおおおぉぉぉ!!!」 「あがぢゃんはどっでもゆっぐりでぎるのにいいいぃぃぃ!!!」 涙を流し、身を振りかぶりながら悲しみをアピールする二匹。 どうしてこんなに可愛い赤ちゃんを。赤ちゃん達ももっとゆっくりしたかった筈なのに。 悲しみに胸(無いけど)が引き裂かれそうだ。何故、何故こんなことを。 「ああ、それそれ。それだよ、それ」 そんな二匹の態度こそ、彼が懸念しているものだった。 ピタリと動きを止める二匹。一体何の事だろう。もしかして、なにかお兄さんがゆっくりできない事だったのかも――― ―――いや、そんな事はもうどうでもいい。どうしてこんな事したの。今はただ、赤ちゃんのために謝って欲しい――― 二匹の願いをよそに、彼は素気無く言い放つ。 「君達さぁ、野生動物でしょ?もうちょっとそれらしく生きたら?」 「君達ゆっくりは弱い。そりゃもう弱い。人に負け、犬に負け、鼠に負け、下手したら蟻にも負ける。 いや別にそれが悪いって事は無いよ。君達は『そういう風に』出来てると考えたら何もおかしい事は無い。 とてつもなく弱くて、ちょっとしたことですぐに死ぬ。だから沢山子を産まなきゃならない」 れいむとまりさは呆然としている。 お兄さんは、一体何を言っている?理解できない。いや、したくない。 「で、君達は所謂多産多死の生物なわけじゃないか。それは、問題ないんだ。 でもさぁ、そこからがおかしいんだよ。多産多死型の生物ってのは、基本的に親の助けを借りずに成長するんだよ。 マンボウとかさ、三億個も卵産むらしいけど親は一切面倒を見ないわけ。そんで自生して、成長するんだ。 他にも身近な所だと蟷螂とか、鮭とか・・・哺乳類は多分鼠辺りが該当するんじゃないかな?まぁ君達は哺乳類じゃないからどうでもいいけど」 まんぼうさん、かまきりさん、さけさん。ねずみさん。 それがどうした?それがれいむ達と、何の関係がある・・・・・・? 「いいかい、君達は、沢山産んで、沢山死ぬ。 なんで他の動物を見習わないんだい?子供なんかいくらでも産めるだろう? 一昔前は『あかちゃんしんじゃったから、またたくさんつくろうね!!!』とか言ってたじゃないか。 それが今では、人間並みに母性だの、愛情だの、そんな所だけ発達して・・・誰かが言ってたけど、それ、歪んでるとしか言いようが無いよ」 知らない。知らない。知らない。 昔なんて知らない。昔のゆっくりがそんな事を言ってたとしても、れいむ達には何の関係も無い。 歪んでる・・・誰がそんな事を決めた?れいむ達が、赤ちゃんを愛することがそんなに悪いのか? 「ぶっちゃけさ、君達にとって赤ちゃんなんてデコイ兼餌扱いくらいでいいと思うんだよ。 普段は産み捨てて、手元に置くなら外敵に対して囮にするか非常食として食べる。それくらいでいい。 レイパー・・・だっけ?そっちの方がまだ自然だとすら思うね、僕は」 赤ちゃんをそんな風に扱うなんて信じられない。 このお兄さんは、赤ちゃんの事を一体何だと思っているのか。 それに、レイパーだと。あんなゆっくりできないレイパーが・・・自然? 「このままだと、遠からぬ未来に君達は絶滅しちゃうと思うんだ、僕は。 そんなの嫌だ。僕はゆっくりが大好きでね。君たちの居ないこの世の中なんて、想像出来ない。 昔のようになれば、きっと君達は生き延びられる。だから僕は身近な所から手を打つことにしたんだ。 安心して、れいむ、まりさ。僕が君たちを、きっと立派に世界に『適応』させてみせる。矯正だよ」 そう言って、彼はにこりと微笑んだ。 れいむとまりさは何も言えない。言う気にすらならない。端的に言えば、絶望していた。 これから何が待ち受けているのかが凡その所、理解してしまった。『野生動物』に相応しい振る舞いをする矯正・・・それがどういうものなのか。 彼の指導の下、『矯正』日々が今、始まる。 大体は二匹の予想の通りだった。 毎日毎日子供を強制的に産まされ、そして色々なシチュエーションの下、殺していく。 ただ産み捨てる場合、雨の日の場合、寒い日の場合、虫や獣、人間に襲われた場合―――。 赤ちゃんたちの悲鳴が、れいむの心を壊していく。赤ちゃんたちの助けを呼ぶ声が、まりさの精神を磨り減らしていく。 徐々に、徐々に二匹の価値観は壊され、そして新しい価値観を刷り込まれていった。 そして、現在。 「おかーしゃん・・・・・・どうちて・・・・・・」 「ふん、うるさいよ!!!れいむはすっきりー♪できればいいんだよ!!!あかちゃんはひとりでかってにいきてね!!!」 「あんまりやかましくするなら、まりささまがたべちゃうのぜ!!!おまえらちびどもは、とってもおいしいのぜ!!!」 一匹で力無く震える赤ゆに、容赦ない罵倒を浴びせる親ゆ二匹。 言うまでもなく、かつてのれいむとまりさだ。 その表情は醜く歪み、赤子を赤子とも思っていないと言わんばかり。 赤ゆ・・・赤れいむは、多数の姉妹と一緒に産み捨てられた(お兄さんの家の庭に)。 親に会いたい一心でなんとかお兄さんの家に姉妹達と一緒に潜り込んだが、そこで待っていたのが親であるはずの二匹からのこの待遇。 既に半分以上の赤ゆ達は叩き出され、残りは食われた。今両親の前に立つのは、この赤れいむただ一匹のみ。 「おかーしゃん・・・おとーしゃん・・・すりすりしてね・・・」 「んほおおおおおおお!!!まりっざあああああああああ!!!」 「れいぶうううううう!!!れいぶのもぢはだはあいがわらずざいごうなんだぜええええええ!!!!」 泣きかける我が子を全く意に介さず、ネチョネチョと粘液を飛ばしながら交尾に耽る二匹。 今となっては二匹にとってこれが当然の事となっていた。 赤ちゃんは産み捨てる。運がよければ勝手に育つ。だから自分たちはひたすら子を作る。 産んだ後の事などは関知する必要などないのだ。だから目の前のガキもどうでもいい。 「すっきりー!!!・・・・・・ふぅ、おなかすいたね」 「それならあかちゃんをたべればいいのぜ!!ぶちっ!!むーしゃむーしゃ!!」 「お、おとーしゃんなにやっちぇるのおおぉぉぉ!!!?」 れいむの頭に生えた妹達を引き千切り、咀嚼する両親に対して赤れいむは恐怖さえ覚えた。 こんなに赤ちゃん作っているんだから、たまにはこうやって茎の状態からでも食べてもいい。自然界ではよくある事。 もはや二匹の価値観は完全に通常とは逸脱していた。いや、これこそが正しい姿なのか。 「まりさ、いまのあかちゃんたちだけじゃすくないよ!!!このあかちゃんもたべようよ!!!」 「ゆっ!!!いいかんがえなのぜ、れいむ!!!」 「ゆっ・・・ゆあああぁぁぁ!!!おとーしゃんおかーしゃんやべちぇええぇぇl!!!」 言うや否や赤れいむに襲い掛かるれいむとまりさ。 抵抗も出来ずに、噛まれ、潰され、絶命する赤れいむ。 二匹は幸せ。だってこんなに美味しい餌が食べられたんだから。たとえそれが、我が子の餡子だったとしても。 「んほおおおおおおおおおう!!!まりざあああああああああ!!!!」 「れいぶっれいぶうううううううううううううう!!!ゆっほおおおおおおおおおおお!!!」 一息つく間もなく、またネチョネチョと交尾を始める二匹。 惨殺した子供のことなど頭の片隅にも留めてはいない。 だってそれが自然なのだから。お兄さんが言ってた、本来のゆっくりなのだから。 最早理性と呼べるものがあるのかどうかも疑わしい饅頭二匹。 部屋の隅に佇んでいた彼はそんな二匹をじっと見つめている。 そして、ポツリと一言、こう呟いた。 「・・・うーん。これってゲスゆっくりだよなぁ。いかん、矯正しなきゃ」 おわり ――――― 書き溜めです。 要約するとゆっくりにリアリティを持たせたらゲスゆっくりになりました、とこんな感じ。 お兄さんはゲスも嫌いなら不自然すぎるゆっくりも嫌いな頭の可哀想な人です。 ゆっくりが絶滅だって。ゆぷぷ。ゆっくりは勝手に生えてくるのにね!!げらげら!!! このSSに感想をつける
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竹取り男とゆっくり 10(最終回・中編) まりさのあにゃる噴水の横で、何かに目覚めた男が強烈な存在感を発揮していた。 「ゆぶゔゔゔ!!?? どすはぎゃくさつおにいさんとはゆっくりできないよお!! ゆっくりしんでねええええええええええっ!!!」 キュバアァァァァァァ!! キュバアァァァァァァ!! キュバアァァァァァァ!! 連射されるドスパーク。 男はケモノのような身のこなしでドスパークを避けながら群れの中に飛びこむと、布袋から伸縮性の竹槍を取りだした。 「おらあ!」 男の槍が、足元でマゴマゴしていたれいむの口から後頭部を貫く。 「おぼおっ!!?」 さらに、飛びかかってきたまりさの口から後頭部を貫く。 「ゆぼおっ!!?」 またまた、襲ってきたありすの口から後頭部を貫く。 「ごぼおおおっ!!?」 仲良く槍に刺さった赤、黒、黄色のオーソドックス3匹……春らしい三色団子(饅頭だけど)の出来上がりだ! 「いっただっきまぁぁぁっす!!」 皮を食いやぶり、グッチャグッチャと中身を食い荒らす男の姿に、群れのゆっくりは両眼を見開いて震えあがった。 「ごちそーさまでしたぁ!!」 「「「「「「「「ゆぎゃーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」 前線にいたゆっくりは恐怖で逃げ出した。 だが人間の足にかなうはずもなく、ふん捕まえられて一方的に中身を味見されて終わった。 ズドォォォォォォォォォォォォン……!! 「「「「「「「「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛っ!!?」」」」」」」」 大爆発が起こるたびに、無数の饅頭が空を舞う。 仲間などおかまいなしに放たれるドスパークはゆっくりをはねあげ、男の身を何度も焦がした。 「どぼじであたらないのおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!????」 固定砲台・ドスまりさが叫ぶ。 男は俊敏に動けないドスの弱点をついて、その背後へ背後へと回ってドスパークを避けつつ、ゆっくりを駆逐していたのだ。 「れいむたちとゆっくりできないにんげんはゆっくりしんでね! ゆげえっ!!?」 体当たりしようとしたれいむが、縦に一閃されて真っ二つになる。 れいむの右目は左半身を、左目は右半身を……生き別れになった自分自身を凝視しながら、地面に中身をぶちまけた。 「ありすは"ふくへい"だからこうげきしないでね! そろーり…そろーり…ゆぎゅぽっ!?」 身を伏せて忍び寄っていったありすは、一撃も加えないうちに踏み潰された。 踏まれた瞬間に寒天質の目玉が飛び出し、ぽっかり開いた穴からカスタードが噴き出した。 「ゆぎゃーっ!! あたまがいだいよぉ!! ばでぃざのおぼうしがぁ!! あだまがああああ!! おぼうじがああああ!!」 不用意に近づいて男の振りまわす槍に頭を切り飛ばされたまりさ。 フタのない餡子壷となったまりさは、傷の痛みと帽子を失ったダブルショックに苛まれながら、黒々としたツブ餡をあふれさせた。 「ゆゆっ? れいむをもちあげないでね! ゆっくりやさしくおろしてね!」 男は布袋から竹トンボを取りだすと、捕まえたれいむの脳天に埋めこんで主軸を回した。 「ゆぎゃあああ!! でいぶおそらをとんでるみたいぃぃ ぃ ぃ ぃ ぃ ……」 回転する竹トンボであさっての方向へ飛んでいったれいむは、どこかに墜落して餡子を撒き散らした。 「ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ! ゆっくりできないじじぃはさっさとどっかにいってね!」 「ここはまりさのゆっくりぷれいすだぜ! いたいめにあいたくなかったらしっぽをまいてにげだすんだぜ!」 「ここはありすのゆっくりれじでんすよ! いなかもののじじぃはさっさとでていってね!」 直接攻撃するのが怖いのか、遠巻きになって竹取り山をおうち宣言する3匹。 男は布袋から竹の水鉄砲を取りだすと、3匹に向かって辛子水を発射した。 「ゆ! おみずさんだよ!」 「ゆっくりのむんだぜ!」 「ごーくごーく!」 さっきまでの罵倒はどこへやら、3匹は嬉しそうに敵の水を飲みはじめたが、急に目を見開いたかと思うとブバッと噴き出した。 「ゆげぇっ!! からいいいい!! ゆっくりできないいいいいい!!」 「ぐぞじじい!! ばでぃざにあやまれえええええ!!」 「れでぃーにどくをのませたわねえ!? このいなかも…の…………ゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っ」 自分から飲んだくせに抗議を始めた3匹は、すぐに痙攣をはじめてから白目を剥いてショック死した。 「あでぃずのばでぃざがああああああ!!!!」 もはやどのまりさか分からないが、長年ゆっくりしてきたつがいを殺されて怒り狂ったありすが、歯茎をヒン剥いて飛びかかってきた。 男は餡子と砂糖汁でナマクラになった槍を投げ捨てると、飛んできたありすをキャッチした。 「ガブッ!」 「ゆんやぁっ!! あでぃずの"ももじり"があぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 おしりを噛みちぎられたありすは、生きたまま中身を吸い上げられて目玉をギュルンギュルン回した。 「おまえ、味も食感もゲロ悪!」 「どぼぢでぞんなごどいうのおおおおおおお!!!??」 投げ捨てられたありすは一命を取りとめたかに見えたが、後続の仲間に押し潰されて地面を黄色く染めた。 「うっうまれるっ!! みんなっ、でいぶのあかちゃんがうまれるよおおおおおおおおおおおお!!!!」 戦場で産気づいた目立ちたがり屋の胎生にんっしんっれいむが、唸り声をあげて赤ちゃんをひり出していた。 「ゆ゙ゔ~っ!! ゆ゙ゔ~っ!! でいぶのあがぢゃんをゆっぐりみていってねえええええええええ!!!」 「その赤ゆ、よこせ」 出産宣言を聞きつけてやってきた男の姿に、れいむは「ゆ゙っ!?」と驚愕した。 「ゆひいっ!? おにいざんなんがよんでないよぉ!! あがぢゃんででごないでねええ!!! ゆっぐじながにもどっでねええええ!!!」 れいむは必死に産道を閉じて赤ゆっくりを押し戻そうとしたが、男はすばやく穴に手を突っこんで赤ゆっくりの数をさぐった。 「「「ゅっ…! ゅっ…!」」」 撫で回されるのを嫌がってゆんゆんと身をよじっていた3匹の赤ゆっくりを、産まれる前にプチプチプチッと握りつぶす。 「やめてね! あかちゃんがゆっくりできないでしょ! ……ゆ? ゆ? ゆゆっ? れいむのあかちゃんがかんじられなくなったよ? どうして?」 だが、産道から小さなカチューシャやリボンが餡子汁に乗って流れてきたのを見た瞬間、れいむはすべてを悟った。 「あ、あかちゃんが……れいむのかわいいあかちゃんがっ……せかいでいちばんゆっくりしてたあかちゃんがっ……」 もう二度と赤ちゃんとゆっくりできないと理解したれいむ。 「あかちゃんと……いっしょにゆっくりしたかった………………カハァ」 れいむは魂のようなものを吐いて動かなくなった。 男は赤ゆっくり3匹分の餡子で気分転換すると、長い舌を垂らして絶望死しているれいむを残し、もとの戦場に戻っていった。 「れいむはしにたくないよ! もぉおうちかえるぅ! どいてね! どいてね! どぼじでどいてぐれないのぉぉぉぉぉぉ!!?」 「ゆぅぅぅぅ! まりさのおぼうしがなくなっちゃったよ! だれかもってないのぉぉぉ!?」 「ちょっとそこのれいむ! ありすにきやすくさわらないでね!」 戦場は大混乱だった。 「面倒だ!」 隙間なく群がるゆっくりに嫌気がさした男は、布袋から折りたたみ式の竹馬を取りだすと、その上に乗ってデタラメに闊歩した。 「ゆぎゃんっ!」 「ゆぎぃ!?」 「ゆぶしっ」 「ゆげぇ!」 「ゆぼぉ!?」 一歩踏み出すたび、竹馬に踏みぬかれたゆっくりの悲鳴が面白いように聞こえた。 男の通った後には、潰れたゆっくりの皮や餡子、カスタードが混ざり合って甘ったるい匂いを放っていた。 ここへきてやっと劣勢だと気づいたドスまりさ。 長く生きているためドスパーク用のキノコはまだまだあるが、ゆっせゆっせと狙った方向へ体を動かしているうちに疲れてしまった。 「ゆ゙ふぅぅぅっ! どすはつかれたからゆっくりきゅうけいするよお! れいむしょうぐん、でばんだよおおおおお!!」 「おぉでばんでばん!」 ありす将軍に匹敵する、これまた巨大なゆっくりれいむが応えた。 「みんな、じゅんびはいいね!?」 「「「「「「「「「ゆーっ!!!」」」」」」」」」 れいむ将軍の合図で、男の前に9匹の胎生にんっしんっれいむがズラリと並んだ。 本当はもう1匹いたはずなのだが、なぜか行方不明だった。 「ゆっ! ゆっくりさくせんをかいししてね!」 れいむ将軍が合図した瞬間、 「「「「「「「「「ゔ …… ゔ ば で どぅ (うまれる)ゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔ!!!!!!」」」」」」」」」 9匹のにんっしんっれいむが一気に産気づいた。 れいむたちは集団でミチミチミチミチと9つの産道を広げたかと思うと、この世のものとは思えない醜悪な顔でおたけびを上げながら、 赤ゆっくりを次々にしゅっさんっしていった。 「まだだよぉ!! きゅーとなあかちゃんまだまだうまれるよぉぉぉぉぉぉ!!!」 まだ産み終わらないれいむは、ネバつく餡子汁を噴き散らしながら息張っていた。 「……ゆゆ! さくせんかんりょうだね! ゆっくりようすをみようね!」 しばらくして、任務を終えた9匹のれいむは、ふた回りも小さくなって産後の余韻にひたっていた。 一方男の足元では、湯気でも立ちそうな20匹前後の赤ゆっくりがとてもゆっくりした姿(ゆっくり視点)でウニウニと小さな体を振っている。 「ゆっくちちていっちぇにぇ!」 「ゅ~! ゅ~!」 「ゆっくちーん♪」 「ゅっゅっ! ゅっゅっゅっ!」 「ゆ? おじちゃんはゆっくちできりゅひちょ?」 これは、生まれたばかりのゆっくりした赤ちゃんを見せて敵を骨抜きにするという、れいむ将軍の恐るべき作戦のひとつである。 だが… 「ヒャッハァ!! 赤ゆだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 竹馬から両手を広げてダイブする男。 なにもわからない赤ゆっくりは、飛んできた男に目を輝かせた。 「ちゅご~い! おしょらをとんでりゅみちゃい~~~♪」 ドザンッ! ぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぃっ!! 「「「「「「「「「ゆぎゃあああ!!!?? でいぶのあ゙がぢゃんがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!」」」」」」」」」 産後のゆんゆん気分から一転、赤ゆっくり全滅地獄に転落した母れいむたちが絶叫する。 「うっめ! 赤ゆ超うっめ! やっぱ産みたて最高!」 「ゆぐううううっ!! よぐもでいぶのあがぢゃんをっ!!!」 「あんなにゆっぐりじでだのにぃ!!!」 「ゆっくりごろしいいいいい!!!」 「ごろずぅっ!! でいぶがぜっだいごろじでやるうっ!!!」 赤ちゃんをミンチにされて食べられ、怒り狂った母れいむたちが凄まじい形相で迫ってくる。 だが、しゅっさんっで体力を失い、体を引きずることしかできないゆっくりれいむの始末など、男には造作もなかった。 赤ゆっくりにくわえ、特務を与えた9匹の部下がいとも簡単に粛清されたのを見て、れいむ将軍は怒り狂った。 「れいむはおこったよ!! みんなのかたきうちだよ!! とむらいがっせんだよ!!」 そう叫びながら、目から餡子汁を飛ばしてボヨヨンボヨヨンと飛び跳ねてくる。 男は布袋から竹の切り株(以下、火炎竹)とマッチを取りだした。 この火炎竹には油が入っていて、火をつけて投げることで対象物を燃焼させる、いわゆる火炎瓶のようなものだ。 もちろん、れいむ将軍はただの竹の切り株だと思っている。 「ゆゆ? そんなのでれいむをたおせるわけないでしょ! おじさんばかなの!? あんこのうなの!?」 ボハァッ!! 「ゆぎえ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁぁぁぁあ゙ぁあ゙ぁあ゙ぁあ゙ぁ!!!!???」 火だるまにされたれいむ将軍は、醜い悲鳴をあげてゴロンゴロンと転がった。 しかし小麦粉でできた皮が油を吸収しているため、どんなに転がっても火は消えなかった。 「ゆがあ゙あ゙あ゙!! ゆがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!! だずげでえっ!! はやぐううっ!! あづいよおおお!! んごおおおおおっ!!」 最初は激しく暴れていたのに、しだいにぐったりとなってゆくれいむ将軍。 「あづいい…もっどゆっぐりじだいいい…かひっ…かひぃっ…きひぃっ! ひくっ……ひくっ…………………ゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っ」 燃えさかる炎に焼きつくされ、とうとうビクンビクンと痙攣をはじめる。 まっ黒な特大焼き饅頭となったれいむ将軍は、全身から湯気をたてながら、その数年間のゆん生を終えた。 「れいむの丸焼き、一丁上がりだ」 焦げた皮を剥がすと、ホクホクした熱い餡子が露出する。 全身大ヤケドの苦痛で甘くはなっていたが、高齢のゆっくりにありがちな餡子のパサパサ感はぬぐえず、非常に残念な味だった。 男がムダにデカい焼き饅を蹴っ飛ばすと、ゴロンと転がって群れのほうを向いた。 あんなに大きくてゆっくりしていたれいむ将軍の凄惨な死にざまに、群れのゆっくりはぷるぷる~っと震えていた。 「……やっぱりれいむはいなかものね! ありすがでるわよ!」 「ゆゆ!? ありすのとうじょうだよ!」 「ゆっくりまかせるよ!」 「きょうもありすはとかいはだね!」 群れのナンバーワン・ありす将軍の出陣に、ゆっくりの士気がよみがえった。 「また年増か」 「どぼじでそんなこというのぉぉぉ!? あでぃずはもぎたてのぷるぷるよおおおおお!!??」 「まぁいい、かかって来い」 「ゆっくりかくごしてね! しんのとかいはのありすが、おにいさんを"きょうふのゆんどこ"におとしてあげるわよ! ゆんっ!!」 先手必勝とばかりに、ありす将軍はその巨体で男を突き飛ばし、倒れた体に乗っておさえつけた。 「ゆっくりかもん!」 「「「「「「「「ゆっくりとりつくよ!!」」」」」」」」 ありす将軍の合図で、成体ありすが次々に飛び乗ってくる。 これは、大量のゆっくりありすの重みで敵を押し潰そうという、ありす将軍が考案した恐るべき作戦のひとつである。 取り付いたゆっくりありすの数が増すにつれて、まるい大きな黄色いかたまり…ありす団子が形成される。 細胞のようにボコボコした団子の表面……それらはすべて、ありすのおしりだった。 「ゆふふふ。おもいでしょ? くるしいでしょ? ありすのごーじゃすなぼで~に、ゆっくりつぶされていってね!!」 ゆっくりありすもこれだけの数になるとかなり重い。 男は振りほどくのを諦め、全身をブルブルと震わせた。 まるで発作を起こした患者のように、激しく体を揺すった。 「むむむむむむほほほほほほっっっっっ!!!!????!?!?」 最初に発情したのは、男に一番近いありす将軍だった。 男の振動はありす将軍を介して、まわりのありすにも伝播していった。 「むほ?」 「むほ!」 「むほぉ!?」 「むほーっ!!」 外周に向かって発情してゆくありす団子。 個々の体からは透明な粘液がにじみ出し、ありすたちは互いの粘液ですべって落ちていった。 そうして崩れたありす団子の一角から、男は無事に脱出した。 周囲には、ヌチョヌチョしながら熱い吐息を漏らしている危険な状態のありすの群れ。 「おい、あそこにまりさがいるぞ」 男はあっちでお昼寝しているドスまりさを指した。 ほてった体を持て余していたありすたちは、ドスを見るなり一斉に飛んでいった。 「「「「「「「「「「どすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっ!!!!」」」」」」」」」」 「むーにゃむーにゃ…………ゆっぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!!!!?????」 疲れて眠っていたドスは、たくさんのグッチョリありすに取り付かれて悲鳴をあげた。 みんなドスにすっきりさせてもらおうと、夢中で体を擦りつけている。 その中央に陣取って、ドスのまむまむと思われる場所を激しく擦っているのがありす将軍だった。 「どすぅ!! おっきくてすてきよぉ!! あでぃずのらぶあんどぴーすをうけとってねえええ!!」 「どおしてこんなことするのおおおおおお!!!?? ゆっくりやめてねえええええええええ!!!」 ず~りず~り! ず~りず~り! 「ゆふん!! ゆふん!!」 「どぼじでやめでぐれないのおおおお!!!?? ごんなごどざれだらゆっぐりできないでじょおおおおおおおおおおお!!!!」 もうこんなありすとはゆっくりできないと思ったドスは、体を激しく揺さぶって振りほどいた。 「まぁどすったら!! ほんとうは"どえす"だったのねえ!!?? でもあでぃずは"でぃーぶい"だってへっちゃらよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「もういやだよお!! どすはありすなんていらないよお!! ゆっくりあっちにいってねええええ!!」 「つんでれなどすもだいすきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!???」 ドスパークを撃ちこまれた発情ありすたちは、集団で炭素と化した。 (後編)へ
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『自販機 The day before yesterday』 5KB 虐待 小ネタ いたづら 番い 野良ゆ 赤ゆ 都会 現代 小ネタですよ 誰しも子供の頃に生き物で遊んだことはあるだろう。 正確を期する表現を使うなら、決して少なくはない元男子小学生たちは虫などの小動物を玩具として一時の遊 興のために消費した経験があるだろう、ということだ。 残酷、なのだろう。 遊びで殺される生き物たちにとっては、迷惑、などという言葉では生ぬるいにもほどがある仕打ちである。 だが、子供はそうやって生と死を、命の大切さを知っていく、そういう側面もあるには、ある。 その少年たちの間では、赤ゆっくりや仔ゆっくりを何かに詰める遊びがはやっていた。決してゆっくりには助 け出すことのできない、当然自力では脱出できない場所に詰め込むのだ。 例えば、自販機の硬貨取り出し口。ここには茎から落ちたばかりの大きさの赤ゆっくりが向いている。しかし 生まれたばかりの赤ゆっくりはとても柔らかくもろい。ほんの少し力加減を間違だけで潰れてしまうので、潰さ ずに詰めることのできる少年は職人と呼ばれ尊敬を受ける。 国道沿いに林立する自動販売機。どう見ても小学校低学年のその少年は、職人の称号を手に入れるための練習 中だった。 「やべぢぇぇぇぇ! まりちゃちゅぶれりゅぅぅぅ!」 「うるせー。潰されたくなかったらおとなしく入れ」 硬貨取り出し口に赤まりさを押し込もうとしている。他にも赤れいむと赤まりさが合計五匹ほどいたのだが、 ことごとく失敗して潰してしまい、この赤ゆっくりが最後の一匹だった。 もっとも、無くなったらまた作らせればいいだけなのだが。 なので親は二匹とも底部を切り裂き、逃げられないようにしてある。 とはいえそれでも一応は最後の挑戦というわけで、慎重に慎重に赤ゆっくりの丸い体をひしゃげさせながら、 僅かな隙間から押し込んでいく。押し込む途中、赤ゆっくりに少しずつ中身を吐かせながらやるのがコツだと、 上手な友人からアドバイスを受けていた。 「やぁぁぁべぇぇぇでぇぇぇぇ! れいぶのあがぢゃんをいじべないでぇぇぇぇ!」 「やべで! やべでにんげんざんやべで! がわいいおぢびぢゃんなんでず! まりざどれいぶのはじべでのお ぢびぢゃんなんでずぅぅぅぅ!」 「うるせー気が散る。…こいつなかなか吐かねー」 「ちゅびゅっ! まぢ…ぢゃ…ちゅぶ…ちゅ…ぢゅびぇ……びゅっ」 「あー」 「…も…ぢょ…ゆ…ぐぢ…」 赤まりさの目玉を押さえていた指先がほんの少しだけずれた。 直後、圧力に耐えかねて赤まりさの目玉が飛び出した。 赤まりさは中身を吐くまいと死にものぐるいで歯を食いしばっていた。そのことがかえって災いした格好であ る。 歯を食いしばったまま叫べる理由は誰にも分からない。 無意識に舌打ちが出る。 「てめーらが騒ぐから、失敗したじゃんか…よっ!」 「ゆぶぉっ!」 少年は腹いせに親れいむの顔の中心を思い切り蹴りとばす。 れいむを選んだ理由は特にない。強いて言えば、仔を産んだのがれいむだから、程度の理由になるのだろう。 蹴りとばされたれいむは何度もバウンドしながら車道に転がり出た。タイミング良く走ってきたトラックのタ イヤに巻き込まれる。 断末魔の悲鳴は上がらなかった。 れいむは潰れた。自分の体がタイヤとアスファルトの間で踏みにじられ引き伸ばされ押し潰されすり潰され、 道路上にはじけた小麦粉と餡子の混合物と化したことも気がつかないまま。 タイヤの溝に詰め込まれた役立たずのゆっくりだったモノは、シルクスクリーンよろしくアスファルトに等間 隔でタイヤパターンを刻印するインクの役目を、しばらくは果たすだろう。 少年は赤まりさが潰れた直後から呆けた顔のままで硬直している親まりさの帽子で、手にこびりついた赤まり さだったモノをぬぐう。その帽子が学校の防火バケツに四六時中引っかかっている雑巾より汚いことに今さらな がら気がついて、少年は顔をしかめながら自販機の上に帽子を投げ上げた。ふわりと自販機がまりさの帽子をか ぶる。 しばらくはその自販機に挨拶をするゆっくりが何匹もいることだろう。 帽子を取られたことでようやく再起動のスイッチが入ったのだろうか、まりさが動揺と狼狽を驚愕と恐怖を混 ぜ合わせた表情で周りを見た。 「ゆっ? え? え? おちび? おぼうし? まりさの? おちび? ゆえ? れいむ? おぼうしのおちび? れいむのまりさ? ゆあっ? おちびのれいむのおちび? おぼうしのまりさ? おちびおちびちびまりまりさ れいむおぼうちおぼうちおぼうちまりちゃまりまりまりゅゅあああああああああ!?」 「はぁ? なに言ってんのかわかんね」 少年は子供ながら器用に片方の眉を跳ね上げ、さらには二度三度と小刻みに上下する。 ゆっくりは同時に複数の事象を認識、理解することができないとされる。潰れた赤ゆっくりと蹴りとばされた ツガイと取られた帽子、意識の再起動まではなんとか済ませたものの、それらはまりさの認識可能な範囲を軽く 越えていた。あっさりとオーバーフローを起こしたまりさの思考回路は、長い長い逡巡の末、ようやく一つの解 決策を見いだす。 「どぼじでえええええええええ!」 すなわち、思考そのものを放棄し短絡的に解答を誰かに教えてもらう、という解決方法を。 だが、無論、いない。 答えてくれるものなどいない。 このまりさに限らず、ゆっくりの疑問に答えてくれる人間など、よほどの博愛主義者か、よほどの暇人か、あ るいは言葉でゆっくりを追い詰めることを好む人間くらいだろう。 当然ながらこの少年も答えたりはしない。 だって。 子供は忙しいから。 おもしろいこと、楽しいこと、おかしいこと、うれしいこと、くやしいこと、難しいこと、興味があること。 やること、やりたいこと、次から次と現れて尽きることはない。 だからゆっくりの疑問などというどうでもいいことは、本当にどうでもいい。 それは存在していないのと同義だった。 「んーと、次は何すっかな。マンホールの穴に詰めるかなぁ。それか踏切の隙間に詰めるかなぁ」 それっきりまりさへの興味を失ったのだろう、いっけねーまた赤ゆつかまえなきゃ、などと少年はぶつぶつと つぶやきながら歩き始める。その少年の背中に、やや斜めにずれた視線を送ったまま、まりさはつぶやき続けた。 どぼじで。 どぼじで。 どぼじで。 つぶやき続けていた。 応えるものは、無い。 思いがけなく挿絵をいただいてから、何か書かねばと思っているのですが なかなか筆が進みませぬ。ネタばっかり溜まっていく… なのでスミマセン。セルフパロディっぽくでっち上げてしまいました。 書いたモノ anko3400 自販機 anko3403 WP
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最近流行の楽団が我が町にもやってきた。 一部の人間の間で評判で、かなり評価が高いそうだ。 すばらしい演奏を聴かせてくれるということで一般人の間でも評価されつつある。 チケットは販売初日で完売、ダフ屋のアイドルNo.1だ。 何とかチケットを手に入れ、彼女と二人で見に行く事にする。 そして公演当日。 全3回公演あるにもかかわらず、初日から満員御礼。 元々地元のコンサートホールの収容人数は500人だが、無理やり席を50ほど増やしたほどだ。 わざわざ他県からも観客が押し寄せるほどだ。 海外のメディアの取材もあるようだった。 彼女と二人で客席に着く、C席なので少々舞台から遠い気もするが仕方ない。 A席は6000円だったものがネットオークションで50,000円で落札されるほどだったし。 この席にしたって3000円だったのがダフ屋のせいで6000円も払うことに… ダフ屋がゆっくりだったら潰しているところだ。 ブー! 開演の合図とともに幕が上がっていく。 幕の影響があったのだろうか?途端に舞台上が騒がしくなってくる。 ………うるさいな、防音加工の幕だったのかな? 「ゆげげっ!くそにんげんがいっぱいいるよ!あまあまもってきてね!!」 「みるんだぜぇ!にんげんがごみのようだぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「このとかいはなありすのためにあつまってくれたのね!いいわ!ぜんいんどれいにしてあげるわぁぁ!」 「くずにんげん、いたいめをみたくなかったらさっさといのちごいするのぜ!!」 「きゅーず!きゅーず!ばーきゃ!ばーきゃ!」 「きょうはこのどすのためにあつまってくれてありがとうなのぜ!さっさとどれいせんげんするのぜ!」 ……………「「「「「ビギィ!!!!!!」」」」」 思わず、観客総ヒャッハーの体勢を取ってしまいそうになる。 愛護はこういうゲスでも可愛いと思うのだろうか?頭が痛くなる。 現れたのはどれもゲスばかり、種類も種族も様々、赤ゆから成体までまさかドスまりさまで居るとは。 しかし誰も席を立ち、舞台に上がるものも居ない。 それはなぜか? まあ、注意書きにも書いてあるが登場したのはゲス達ばかりではない。 ゲスのそばには十数人の人間、全員なにやら手に持っている。 釘、針、ハンマー、はさみ、のこぎり、ドライバー、等々どれも一般的なゆ虐道具だ。 よくみるとドスはあんよが固定されているな。 そこに指揮者が登場、聞くに堪えない騒音は拍手でかき消される。 指揮者は観客に一礼すると、タクトを構える。 演奏開始だ。 「……ゆんやー♪」 「ゆっぎぃぃぃぃぃ♪」 「いだいぃぃぃぃ♪」 「やべろおぉぉぉぉ♪」 美しく奏でられる悲劇の協奏曲。 それはゆっくりたちの悲鳴であることを忘れさせるほどの、深く美しいメロディ。 演奏者達は虐待道具を巧みに操り、悲鳴と言う名の音を奏でる。 ただの虐待、悲鳴を上げさせることなら誰にでもできるだろう。 しかしこれはちゃんと曲になっている。 曲目は、有名なクラシック曲から近代ポップス、懐かしい動揺、ロック、 様々な年齢層にあわせて演奏される。 目が熱い。 実が震えるほどに、息をするのを忘れてしまいそうなほど… 俺は感動していた、それはほかの観客も同様だろう。 「ゆひーゆひー」 「……ギギギギ…」 「……ぼうやめで…」 演奏が終了する頃には、ゲスどもは満身創痍。 周りを見渡せば全員涙を流している。 指揮者が一礼すると、全員総立ちで拍手。 「ヒヤァァァァァッハァァァァァァァ!!!!」パチパチパチパチパチ 「ブラボー!!!!」パチパチパチパチパチ 「QN!QN!」パチパチパチパチパチ 感動の余韻はしばらく続いた… 彼らは一流の虐待演奏家、虐待加減でゆっくりたちの悲鳴を調整、メロディを生み出すのだ。 まさかゆっくりでこんなに感動できるとは… ちなみにカーテンコールは無し、曲目がすべて終る頃にはゲス達は使い物にならなくなるからだそうだ。 ゲス達は公演のたびに新調される。使い古しは加工所送りとアフターも万全だ。 「すばらしかったね」 「ええ、とても」 「俺と一緒に、人生と言う名の協奏曲を奏でてください!」 「…………」 「けっこんしてください!」 「……よろこんで!」 プロポーズは大成功かな? 完 ゆんセルクは、まあ北欧神話の「獣の皮を被った狂戦士」のほうですね。 原作のパロを期待していた方、すみません。 バーサーカーだともじり難かったので 過去に書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 819 ムシゴロウ王国 ふたば系ゆっくりいじめ 826 ムシゴロウ王国2 ふたば系ゆっくりいじめ 828 ムシゴロウ王国3 ふたば系ゆっくりいじめ 831 ムシゴロウ王国~王国の仲間達~ ふたば系ゆっくりいじめ 835 罰ゲーム ふたば系ゆっくりいじめ 836 ショート ふたば系ゆっくりいじめ 841 ゆんセルク ふたば系ゆっくりいじめ 842 ハイテンション ふたば系ゆっくりいじめ 848 思いを伝えよう
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注意書きです。 1 駄文です。 2 希少種優遇です。 3 人間は少ししか出ません。 4 他の作者様の作品と似ている可能性があります。 5 少し理不尽かもしれません。 それでもOKという方のみ、どうぞ。 そこは、ゆっくり達が暮らしている何の変哲もない森の中。 只今の時刻は深夜の2時。ゆっくり達だけでなく、他の野生動物のほとんどが寝静まっていました。 昼間のゆっくり達のにぎやかな光景とは打って変わって、ただただ、何も無い暗闇に覆われた世界となっていました。 そんな暗い森の中を、人型の生き物がふわふわと飛んでいました。 森の木の隙間から、満月の光が差し込み、その生き物の姿を照らしだします。 その生き物は、どうやら女の子のようです。 黒を基準とした服装。 胸元には銀色に光るバッジ。 口の端から除く八重歯。 ショートカットのきらびやかな金髪。 お札のような赤いリボン。 そして、その女の子は、 「おなかすいたのかー」 と呟きました。 その生き物は、胴付きのゆっくりるーみあだったのです。 これは、純粋で美味しい食べ物を求める、ちょっとグルメなゆっくりるーみあの物語です。 「あなたは、食べてもいい○○○○?」 作者:ぺけぽん このるーみあは森の近くの一軒家に住んでいる、愛でお兄さんの飼いゆっくりでした。 お兄さんはるーみあをとても可愛がっており、るーみあもお兄さんの事が大好きでした。 その関係はとても良好で、飼い主とペットと言うよりも、家族と言った方がいいでしょう。 ですが、るーみあには一つだけ不満な点がありました。 「るーみあ、ご飯だよ」 そう言ってお兄さんが差し出すのは、B級ゆっくりフードでした。 「わはー、いただきますなのかー」 るーみあはそのゆっくりフードをぱくぱく食べます。 「美味しいかい?るーみあ」 「うん、おいしいのかー」 お兄さんの問い掛けに、るーみあはそう答えました。 しかし、るーみあは内心少しだけ不満でした。 このお兄さんは料理が苦手で、食事のおかずは大抵スーパーで買った総菜物を食べていました。 るーみあの食事は大抵がゆっくりフード。 その種類こそ変わる事はありますが、さすがにいつもゆっくりフードばかり食べていては健康に悪いです。 他に食べる物と言えば、お兄さんと同じ総菜物か、レトルト食品。 るーみあは、『自然の味』がする食べ物を食べたかったのです。 しかし、自分がわがままを言えば、お兄さんは困ってしまいます。 ですので、るーみあはその事をお兄さんに黙っていました。 そんなるーみあには、お兄さんには言えない秘密が一つだけありました。 夜。お兄さんが寝静まった頃に、るーみあはこっそりと気付かれないように家を抜けだします。 そして近くの森の中を徘徊して回るのです。 るーみあは夜行性で、昼間は大抵のんびりしている事が多いので、眠たくはありませんでした。 何故森の中を徘徊するのか。 それは、森の食べ物を探して食べるためです。 るーみあは今まで何回も森に生えているキノコや木の実、花や果物を食べていました。 それらはるーみあが好きな『自然の味』そのものでした。 そして現在。 今夜もるーみあは美味しい食べ物を求めてふわふわ飛んでいました。 ……ですが。 「みつからないのかー」 かれこれ1時間ほど探していましたが、今回は目当ての食べ物がなかなか見つかりませんでした。 当然、毎回必ず美味しい食べ物を見つける事が出来る訳ではありません。こういったハズレの日もあるのです。 そんな日にはどうするのか。るーみあはある対策を練っていました。 「しょうがない、ほかのゆっくりとたべものをこうかんしてもらうのかー」 るーみあは野生のゆっくりの巣を探し始めました。 数分後、さっそく最初の巣を見つける事が出来ました。 「こんばんはなのかー」 るーみあは薄暗い巣の中へ挨拶しました。 「むにゃ……。こんなよなかにだれなのー?わからないよー……」 寝ぼけ眼で巣の中から出てきたのは、成体サイズよりも少し小さめなゆっくりちぇんでした。 このちぇんは最近一ゆ立ちしたばかりで、まだ子供っぽさが抜けていませんでした。 本来ならこんな真夜中だからこそ、その声に対して警戒すべきなのですが、寝ぼけていた事もあるため、ちぇんはそのままのそのそ出てきてしまいました。 「みかけないゆっくりなんだねー、だれなのー?」 「るーみあはるーみあなのかー」 「るーみあっていうんだねー、わかるよー」 「そーなのかー」 「うんうん、わかるよー」 「わはー」 傍で聞いていると何とも脱力してしまいそうな会話ですが、本ゆん達はお構いなしで続けます。 「るーみあはおなかがすいてしまったのかー。すこしでいいからなにかたべものをわけてほしいのかー」 「え?たべものを?」 るーみあの突然の物乞いに対し、ちぇんは少し悩みましたが……。 「わかったよー。こまっているゆっくりはほおっておけないんだねー」 ちぇんは巣の中に戻って、キノコを一つるーみあに差し出しました。 「ありがとうなのかー」 るーみあはちぇんにお礼を言い、そのキノコをぱくぱく食べ始めました。 「おいしかったのかー」 キノコはあっと言う間にるーみあのお腹の中へ入って行きました。 「おれいにこれをあげるのかー」 るーみあはスカートのポケットの中から、ビー玉を一つ出して、ちぇんにあげました。 「わー!とってもきれいなんだねー!もらっていいのー?」 「いいのかー。きのこのおれいなのかー」 「ありがとう、いいゆっくりなんだね、わかるよー」 るーみあはちぇんに手を振りながら去っていきます。 るーみあはなかなか食べ物が見つからない場合、こうして野生のゆっくりの巣を訪問して、家から持ってきた物を物々交換して食べ物を手に入れているのです。 強奪なんて悪いゆっくりがする事。世の中はギブアンドテイク。 るーみあはそう考えていました。 しかしるーみあはまだ満足していません。 キノコは美味しかったのですが、さすがにそれだけでは腹は膨れません。 るーみあは別のゆっくりの巣を探しました。 次に見つけたのは、先程のちぇんの巣よりも少し大きめの巣でした。 「こんばんはなのかー」 るーみあは薄暗い巣の中へ挨拶しました。 「むきゅう……、なんなの、こんなよるおそくに……」 「とかいはじゃないわね……」 寝ぼけ眼で巣の中出てきたのは、番のぱちゅりーとありすでした。 「むきゅ!?なんなのこのゆっくりは!?みたことがないわ!」 「なんだかふらんににているわ!おねがいだからたべないでぇ!」 二匹は今まで見た事が無いるーみあに対して、酷く怯えていました。 「こわがらなくてもいいのかー。るーみあはちょっとおなかがペコペコだから、なにかたべものをわけてほしいのかー」 「むきゅ!?」 「ありすたちを……、たべないの……?」 「たべたりしないのかー」 るーみあのその言葉にぱちゅりーとありすは少しだけ落ち着きを取り戻しました。 「むきゅ……、ありす」 「……そうね、いまたべものをもってくるわね」 ここは逆らわない方がいいと考えた二匹は、巣の中へ戻って、近くの小川で獲った小魚を差し出しました。 「ありがとうなのかー」 るーみあはぱちゅりーとありすにお礼を言い、その小魚をぱくぱく食べ始めました。 「おいしかったのかー」 小魚はあっと言う間にるーみあのお腹の中へ入って行きました。 「おれいにこれをあげるのかー」 るーみあはスカートのポケットの中から、飴玉を数個だして、二匹にあげました。 「むきゅ……?」 「も、もらっていいの……?」 「いいのかー。さかなのおれいなのかー」 「……」 「……」 るーみあはぱちゅりーとありすに手を振りながら去っていきます。 二匹はポカンとしたまま、るーみあの背中を見続けていました。 「さっきのさかなはとってもおいしかったのかー」 るーみあは先程の小魚の味に満足していました。 しかしるーみあはまだ満足していません。 小魚は美味しかったのですが、さすがにそれだけでは腹は膨れません。 るーみあは別のゆっくりの巣を探しました。 次に見つけたのは、先程のぱちゅりーとありすの巣よりもさらに大きめの巣でした。 「こんばんはなのかー」 るーみあは薄暗い巣の中へ挨拶しました。 しかし返事はありません。 「こんばんはなのかー!」 それでも返事はありません。 「……おじゃましますなのかー」 業を煮やしたるーみあは、巣の中へ上がり込む事にしました。 「ZZZ……ZZZ……」 「ゴー……ゴー……」 巣の中には、番のれいむとまりさがいびきを立て、よだれを垂らしながら寝ていました。 れいむの方はどうやら胎生にんっしんっしているらしく、かなり腹が膨れていました。 「こんばんはなのかー!!」 先程よりも大きな声でるーみあは挨拶しました。 「んぐ……、いったいなんなのぜ……」 「う~ん……、あまあま……」 やっと二匹は起き出しました。 「こんばんなの『なんなのぜおまえはぁぁぁぁ!?』『こんなよるおそくに!ばかなの!?しぬのぉぉぉぉ!?』……あう」 二匹の怒号に、るーみあは少し気後れしてしまいました。 「かってにまりさとれいむの『すいーとほーむ』にはいってくるんじゃないのぜぇぇぇぇ!?」 「ふほうしんにゅうだよ!?ばかなの!?しぬのぉぉぉぉ!?」 「ごめんなさいなのかー」 酷い言われようですが、勝手に入ったのは事実。るーみあは素直に謝る事にしました。 「じつはるーみあはちょっとおなかがへって『しったことじゃないのぜぇぇぇぇ!』『でていけこのこそどろぉぉぉぉ!』……うぅ」 二匹は両目をぎらつかせ、歯ぐきをむき出しにして怒り出しました。るーみあはその表情に少し怯えてしまいました。 「……ここにチョコレートがあるのかー。これをあげるからなにかたべものをわけてほしいのかー」 「……ふん!いいのぜ、そのあまあまさんをくれるならかんがえてやってもいいのぜ?」 「わかったらはやくあまあまちょうだいね!ばかなの!?しぬの!?」 るーみあは二匹にチョコレートを差し出しました。 「うっめ!これむっちゃうっめ!」 「ぱねぇ!まじぱねぇよこれ!」 二匹はそのチョコレートをかなり意地汚く食べ始めました。 「それじゃあなにか『はぁぁぁぁ!?こんなのでたりるわけがないのぜぇぇぇぇ!?』……え?」 まりさのその言葉にるーみあは面喰ってしまいました。 「いまのはまりさとれいむの『すいーとほーむ』にかってにあがりこんだいしゃりょうなのぜぇぇぇぇ!?」 「そんなこともわからないの!?ばかもここまでくるとかわいそうだね!」 「……じゃあ、このキャンディーをあげるのかー」 るーみあは残りの飴玉を全部二匹に差し出しました。 「むーしゃむーしゃ!めっちゃしあわせぇ!」 「へぶんじょうたい!まじうめぇ!」 二匹はその飴玉を意地汚く舐めもせずに噛み砕いて食べ始めました。 「たべも『いったいなにをいっているのぜぇぇぇぇ!?』……」 「まりさは『かんがえてやっても』いいといたのぜぇ!だれも『あげる』なんていってないのぜぇ!」 「れいむはにんっしんっしてるんだよ!?れいむにやさしくするのはとうぜんのことでしょう!?」 二匹のその言動はまさにゲスそのものでした。 「……どうしてもくれないのかー?」 るーみあの周囲の空気が少しだけ変わりました。 ですがその事に二匹は気が付きません。 「あたりまえなのぜぇ!ばかなおまえがわるいんだぜぇ?」 「わかったらさっさとかえってね!かえらないとせいっさいっするよ!?」 「……ねぇ」 「「ゆ?」」 るーみあは八重歯をむき出しにしながら、微笑んでこう言いました。 「あなたは、たべてもいいゆっくり?」 「「……!?」」 つい先程までるーみあを馬鹿にしていた二匹は、何か冷たいモノを感じ、後ずさりしました。 おかしい。何かがおかしい。 二匹は直感的にそう感じていました。 目の前のゆっくりは明らかに馬鹿そうなゆっくりだったはず。 なのに。 今、目の前にいる、コイツは、何? この二匹でも分かる位、るーみあの雰囲気は先程とはガラリと変わっていました。 先程の、のほほんとした表情は消え去り、『エモノ』を目の前にした、自分達が恐れる捕食種のような表情になっていたのです。 「ゆ、ゆっへっへ!な、なにをいっているのぜぇ!?」 それでもまりさはるーみあに虚勢を張り続けました。 「ま、まりさをたべる?やれるもんならやってみるのぜぇぇぇぇ!!」 先手必勝。殺らなければ殺られる。そう感じたまりさは渾身の体当たりをお見舞いしようとるーみあに突撃しました。 「あなたは、じゃま」 そう呟いたるーみあは、腕を軽く振りました。 その腕に当たったまりさは。 「ぶべらあぁっ!?」 勢いよく壁にぶち当たり、そのままずるずると落ちて行きました。 二匹は知りませんでした。 今まで馬鹿にしていたるーみあが。 捕食種の一種である事に。 「ま、まりさぁぁぁぁ!?」 「ゆ……ゆぐ……」 れいむは突然の出来事に数秒間、餡子脳がフリーズしてしまいましたが、まりさの変わり果てた姿を見て、絶叫しました。 まりさは先程の一撃で餡子の三分の一を口から吐き出し、体は大きくへこみ、片方の眼球が飛び出てしまっていたのです。 それでもまりさはまだ死んでいません。 これが幸か不幸かは、まりさしか知りませんでした。 「やりすぎたかな?」 そんな悲惨な状態になっているまりさを見て、るーみあは涼しそうな表情をしたまま呟きました。 まずい。まずい。 れいむは焦りました。 こんな弱そうなゆっくりは、まりさの相手ではない。 そう思っていたのに。この現状はなんだ。 れいむがそんな事を考えている内に、るーみあはつかつかとれいむの方へ歩いてきました。 「ま、まって!まってね!れいむたちがわるかったよ!たべものはおくのほうへあるから、すきなだけもっていってね!」 素直に食べ物を差し出せば、こいつも満足して帰るだろう。れいむはそう考えていました。 「もういいわ、そんなの」 現実は非情でした。 「や、やめ、やめてねぇぇぇぇ!?れいむをころさないでぇぇぇぇ!?」 「ころさないよ」 「……ゆ?」 殺されるものとばかり思っていたれいむは正直驚きましたが、自分は助かると解釈したれいむは少し強気になりました。 「ゆ、ゆふふふ!だったらあんしんしたよ!でもれいむはゆるさないよ!」 「……」 「まりさがあんなふうになっちゃったんだから、いしゃりょうとしてもっとあまあ」 「うるさい」 るーみあはそう言いながら、れいむの右目に指を突き立てました。 「ゆぎゃあぁぁぁぁっ!?」 そしてるーみあはれいむの右の眼球を引っこ抜き、その眼球を少し舐めました。 「まずい」 れいむの眼球をそう評価したるーみあは、眼球を地面に叩きつけ、踏み潰しました。 「……ゆ、ゆぎぃ、れ、れいむの、だいやもんどのようなおめめがぁ……」 「……」 るーみあは、今度はれいむの膨れた腹を殴りつけました。 「ゆぶげあぁっ!?」 凹ませない程度に、手加減しながら何度も何度も殴りつけました。 「や、やべ……、ぢんぢゃう、あがぢゃ、ぢんぢゃう……」 それでもるーみあは殴り続けます。 「ゆ!?ゆぎぃぃぃぃ!?」 れいむは急に、殴られている痛みとは違う痛みを感じました。 それは、まさに陣痛でした。 るーみあは何度もれいむの腹を殴る事により、無理矢理出産を早める事に成功したのです。 今、るーみあの頭の中には、赤ゆっくりを食べる事しかなかったのです。 それを確認したるーみあは、殴るのを止めました。 「う、うばれる……!でいぶのあがぢゃん、うばれるぅ……!」 れいむの産道がミチミチと音を立てて開きました。 その産道から顔を覗かせているのは、ふてぶてしい笑顔の赤れいむでした。 「ゆっ!!」 スポン、と音を立てて、赤れいむが飛び出しました。 「ゆっきゅりちていってにぇ!」 赤れいむはれいむに最初の挨拶をしました。 ああ、れいむの可愛い赤ちゃん。れいむとそっくりで本当に可愛いよ。 さっそくすりすりしてあげなければ。そしてお歌を聞かせてあげて、一緒にご飯を食べて、お昼寝して……。 れいむは赤れいむを目の前にして現実逃避をしていました。 「……」 るーみあは無言で赤れいむを手に取ります。 「ゆゆ~ん、きゃわいくっちえごめ~んにぇ!」 「……」 るーみあは無言で、赤れいむの両目に指を突き立てました。 「ゆぴいぃぃぃぃっ!?」 「!?お。おちびちゃあぁぁぁぁん!?」 赤れいむの甲高い金切り声の悲鳴を聞いて、れいむはようやく現実へと帰って来ました。 「れいみゅのおめめぎゃあぁぁぁぁ!!いぢゃいぃぃぃぃ!!」 「……」 るーみあはその赤れいむの半分を食いちぎりました。 「ゆぎいぃぃぃぃ!?」 「おちびちゃぁぁぁぁん!?」 赤れいむの体をむしゃむしゃ食べていたるーみあですが……。 「まずい」 そう一瞥すると、まだ息のある赤れいむを壁に投げつけました。 ビチャっと音を立て、赤れいむはただの餡子の染みになりました。 「おちびぢゃ……い、いぎぃっ!?」 れいむには自分の娘の死を悲しんでいる暇はありませんでした。次の出産が来たのです。 産道から顔を覗かせたのは、やはりふてぶてしい笑顔の赤まりさでした。 「ゆっ!!」 スポン、と音を立てて、赤まりさが飛び出しました。 「ゆっきゅりちていってにぇ!」 赤まりさはれいむに最初の挨拶をしました。 「……」 るーみあは無言で赤まりさを手に取ります。 「ゆゆっ!?なんなのじぇ!?まりちゃをはにゃしゅんだじぇ!しぇっしゃぃっしてやるのじぇ!」 「……」 るーみあは無言で、赤まりさの髪の毛の三分の二を引きちぎりました。 「ゆぎゃぁぁぁぁ!?」 「おちびちゃぁぁぁぁん!?」 「まりちゃのしゃらしゃらへあーぎゃぁぁぁぁ!!いぢゃいぃぃぃぃ!!」 「……」 るーみあはその赤まりさの半分を食いちぎりました。 「ゆぎいぃぃぃぃ!?」 「おちびちゃぁぁぁぁん!?」 赤まりさの体をむしゃむしゃ食べていたるーみあですが……。 「まずい」 そう一瞥すると、まだ息のある赤まりさを壁に投げつけました。 ビチャっと音を立て、赤ゆはただの餡子の染みになりました。 「おちびぢゃ……い、いぎぃっ!?」 れいむには自分の娘の死を悲しんでいる暇はありませんでした。次の出産が来たのです。 産道から顔を覗かせたのは、やはりふてぶてしい笑顔の赤れいむでした。 「ゆっ!!」 スポン、と音を立てて、赤れいむが飛び出しました。 「ゆっきゅりちていってにぇ!」 赤れいむはれいむに最初の挨拶をしました。 「……」 るーみあは無言で赤れいむを手に取ります。 「はなちぇぇ!!れいみゅをゆっきゅりちゃちぇりょおぉ!!」 「……」 るーみあは無言で、赤れいむの尿道に勢いよく指を突き刺しました。 「ゆぴゃあぁぁぁぁ!?」 「おちびちゃぁぁぁぁん!?」 「れいみゅのぷりちーにゃみゃむみゃむぎゃぁぁぁぁ!!いぢゃいぃぃぃぃ!!」 るーみあはその赤れいむの半分を食いちぎりました。 「ゆぎいぃぃぃぃ!?」 「おちびちゃぁぁぁぁん!?」 赤れいむの体をむしゃむしゃ食べていたるーみあですが……。 「まずい」 そう一瞥すると、まだ息のある赤れいむを壁に投げつけました。 ビチャっと音を立て、赤れいむはただの餡子の染みになりました。 「なんでぇぇぇぇ!?なんでごんだごどずるどぉぉぉぉ!?」 れいむは叫びました。 自分の娘をただ殺されるだけならまだしも、むごい方法で傷つけられ、半分食われて殺されているのですから、当然と言えば当然でしょう。 「なんで?なんでって……」 るーみあはれいむや赤ゆ達に対して怒りを感じている訳ではありません。 るーみあ自身に加虐癖がある訳でもありません。 「こうすれば、おいしくなるとおもったから」 生まれたばかりの赤ゆを痛めつければさらに美味しくなる。 ただ、それを実行しただけでした。 「でもだめだね。ぜんぜんまずいよ、れいむのあかちゃん」 「ゆがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 れいむは発狂する寸前でした。体と精神のダメージに限界が近づいているのです。 ……しかし。 「ひぎぃぃぃぃっ!?」 れいむの出産はまだ終わりません。 産道から顔を覗かせたのは……。 「んぴょおぉぉぉぉっ!!」 「な、なんでありすなのぉぉぉぉっ!?」 今にも産まれそうな赤ゆは、れいむでもまりさでもなく、ありすでした。 しかもその赤ゆは既にレイパーであり、目をギラつかせてぺにぺにをおっ立てていました。 何故本来産まれるはずの無いありすが産まれそうなのか。その答えは簡単でした。 数日前に、れいむは夫であるまりさが狩りに言っている間に、浮気相手であるありすと既にすっきりしていたからです。 その後にまりさともすっきりし、何食わぬ顔で今まで過ごしていました。 ありすともすっきりしたという事は、ありすの子供も産まれる事になるとも知らずに。 何より最悪なのは、その子供にレイパーの因子があった事でした。 「……」 さすがにるーみあは、その赤ありすを食べようとは思いませんでした。 ですが、このまま産ませても、色々と面倒な事になりそうです。 そう思ったるーみあは。 「よいしょ」 「!?ゆ、ゆぎゃぁぁぁぁっ!?」 れいむを前に倒して、出産をさせないようにしたのです。 「ひぃっ!?いぎっ、いぎぃぃぃぃっ!?」 れいむにしてみればたまったものではありません。 このままでは赤ありすを産めずに延々と出産の痛みを味わなければいけないのですから。 「……もういいかな」 るーみあはそろそろお腹も膨れてきたので、家に帰る事にしました。 ……後半はあまり美味しい物が食べれなかったのが心残りでしたが。 るーみあはれいむとまりさの『すいーとほーむ』を後にしました。 「もどしてぇっ!もどしてぇぇぇぇっ!!」 後ろで、れいむの悲痛な叫び声を聞き流しながら。 「ゆ、ゆぎぎぎぃぃ……」 るーみあが立ち去ってから1時間後。 れいむは未だに前に倒れたままでした。 最初のような痛みこそないものの、このままでは確実に死んでしまう。れいむはそう考えていました。 「ゆぐうう……、どうずればいいどぉ……」 れいむは餡子脳をフル活用して考えていました。 ……そして。 「ゆ!ぞうだ!よごにだおれればいいんだぁ!」 起き上がれないなら、体を横に捻らせればいい。れいむはなんて天才なんだろう。 そんな考えは大抵ならもっと早く思いついているようなものですが、そこは餡子脳。れいむは自分のひらめき(笑)に自己陶酔していました。 「ゆっ、ゆぐぅ……、ゆんんんっ!!」 れいむは持てる力を振り絞り、体を横に捻らせました。 ズボッ!! 「うぎゃがぁぁぁぁっ!?」 今までの音よりもはるかに大きな音と痛みがれいむを襲いました。 ……が、それは一瞬の事でした。 倒れたままのれいむの目の前には……。 「「ゆゆ~ん!ゆっきゅりちていってにぇ~!!」」 二匹の赤れいむと赤まりさと。 「んぴょぉぉぉぉ!!」 自分たちから少し離れた所でぺにぺにをおっ立てている赤ありすの姿でした。 どうやら赤ありすの後ろにまだ産み終えていない赤ゆがいたそうで、三匹同時に産まれたようでした。 ……まずい。 もう自分の腹の中に赤ゆっくりの存在は感じず、痛みは治まりましたが、今が危険な状況である事には変わりありませんでした。 このままではあの赤ありすに襲われてしまう。どうしよう、どうしよう……。 「おい!このくちょびゃびゃあ!きゃわいいれいみゅをみゅちちゅるにゃあ!」 「まりちゃはおにゃきゃがちゅいたんだじぇ!ちゃっちゃとあみゃあみゃしゃんをよういしゅるんだじぇ!」 自分達に向かっていつまでも挨拶しない赤れいむと赤まりさは口汚くれいむを罵倒しました。 ……この糞餓鬼共め。れいむがこんな状態でなければ今すぐにでも瞬殺しているのに。 れいむには既に赤ゆ達に対する母性(笑)を放棄していました。 何とかしてあの赤ありすから逃れなければ。 「「おいぃぃ!?きいてりゅ「ありす!このくそがきどもなられいぽぅしてもいいよ!」ゆっ!?」 「んぴょっ!?」 自分の娘達を囮にして自分は逃げる。 れいむは親として最低の手段を選びました。 「「ゆんやぁぁぁぁっ!?ありちゅだぁぁぁぁっ!!」」 赤れいむと赤まりさは今頃になって赤ありすの存在に気が付きました。 「んぴょぉぉぉぉっ!!」 赤ありすは待ってましたとばかりにこちらへ突進してきました。 「「このくちょびゃびゃあぁぁぁぁっ!!」」 「ゆふふっ!!くそがきどもはれいむのためにしんでねっ!!」 もはやこのゆっくり達の間に親子の絆は存在しませんでした。……いや、赤ゆの言動を見る限り、初めからそんなものは無かったのかもしれません。 「んぴょぉぉぉぉっ!!」 「「ゆんやぁぁぁぁっ!?」 赤ありすが赤れいむと赤まりさに飛びかかる……かと思われましたが。 「なんでこっぢにぐるどぉぉぉぉっ!?」 赤ありすは赤れいむと赤まりさには目もくれず、れいむの方へ突っ込んできたのです。 赤ありすが突っ込んで来たのは……。 「んぴょぉぉぉぉっ!!みゃみゃのみゃむみゃむのにゃかはときゃいはにぇぇぇぇっ!!」 「うぎゃあぁぁぁぁっ!?」 計6匹もの赤ゆっくりを産んで、まだ閉じきっていないれいむの産道でした。 約1時間もの間、外に出れずにれいむの産道の中で興奮していた赤ありすは、居心地の良さを感じてしまっていたのです。 しかし、れいむにとってはたまったものではありません。 再び産道を、しかもかなり乱暴に犯されているのですから、その痛みはかなりのものです。 「ゆぎゃぁぁぁぁっ!?お、おちびどもぉぉぉぉっ!!だずげろぉぉぉぉっ!!」 れいむは先程見捨てたばかりの娘達に助けを求めました。 しかし。 「「げ~りゃげりゃげりゃ!!いいきみだにぇ!!」 そんな自分勝手なれいむを助けるはずがありませんでした。 その時です。 「ぼうやべでぇぇぇぇ!?」 巣の入り口付近で存在を忘れられていたまりさの叫び声が聞こえました。 赤ありすを除く全員が声の方へ目を向けると……。 「やべでねぇぇぇぇっ!?ばりざのあんごずわないでぇぇぇぇっ!?」 「うー、あまあまー!」 捕食種であるれみりゃが、半死状態のまりさの命の餡子を吸っている光景でした。 「「「れ、れみりゃだぁぁぁぁっ!?なん(にゃん)でぇぇぇぇっ!?」」」 れいむ達は信じられないといった表情で叫びました。 しかし、れいむ達は先程まで大声で悲鳴を上げたり罵倒したりしていました。 ただでさえ夜は捕食種ゆっくりの世界だというのに、そんな事をするのは自殺行為以外の何物でもありません。 「や、やべでね!ありす!れみりゃがいるんだよぉ!?」 れいむは赤ありすに自分を犯すのを止めるよう言いました。……しかし。 「んぴょぉぉぉぉっ!!」 レイプする事以外頭に無い赤ありすに、そんな制止は聞えません。 「れいみゅがおにぇえちゃんにゃんだよ!まりしゃがおとりになっちぇにぇ!」 「にゃにいっちぇりゅんだじぇ!まりちゃがおにぇえちゃんにゃんだじぇ!」 「「ちにぇにゃんていうげちゅはちにぇぇぇぇっ!!」」 赤れいむと赤まりさは、父親であるまりさが襲われている内に逃げればいいものを、自分が助かろうと互いを罵り合い、必要の無い殺し合いを始めていました。 「やべろぉぉぉぉっ!!」 「んぴょぉぉぉぉっ!!」 「ゆっゆっゆっ……」 「れいみゅにょきゃわいいもみあぎぇしゃんぎゃぁぁぁぁっ!?」 「まりしゃにょちゃくまちぃあんよしゃんぎゃぁぁぁぁっ!?」 もはやこのゆっくり一家に、救いはありませんでした。 「ふあ~あ……、よく寝た……」 時刻は朝の7時。お兄さんはいつも通りの時間に目が覚めました。 「さて、朝飯の準備をしないとな……」 お兄さんは冷蔵庫の中から、牛乳とシ○アルを取り出しました。 「お~い、るーみあ、ご飯だぞー」 お兄さんはるーみあの部屋へ行きました。 お兄さんが部屋のドアを開けると……。 「すぅ……すや……」 そこには、ベッドの上ですやすやと可愛らしい寝顔で寝ているるーみあがいました。 「もうたべられないのか……」 その寝言にお兄さんは少し笑ってしまいました。 「……もう少し寝かせるか」 きっとるーみあは幸せな夢を見ているのでしょう。 途中で起こすのも可哀想だと思ったお兄さんは、部屋を後にしました。 るーみあがお兄さんの家に戻ってきて、手を洗ってから寝ようと台所へ行った時でした。 テーブルの上に本が一冊置いてありました。 「?」 るーみあが気になってその本を読んでみると……。 その本には、様々な料理の作り方が載っていました。 実はお兄さんは、会社からの帰り道で、このまま総菜やレトルトをおかずにご飯を食べるのも体に悪いと感じ、簡単な料理レシピを本屋さんで購入していたのでした。 その本に載っている料理は、るーみあが今まで見た事が無い食べ物で一杯でした。 「……おにいさんが、このごはんをつくってくれるのかー?」 るーみあはその本をあらかた見終えた後、手を洗って部屋に戻り、パジャマに着替えて、ベッドの中へ潜りこみました。 今日はあんまり美味しい物を食べる事はできなかったけど。 明日は、美味しい物が、食べられるといいな。 るーみあはそんな小さな期待を胸に秘めながら。 ゆっくりと、目を閉じました。 END あとがき 反省点です。 1 まりさの制裁分が足りなかったかも……。 2 きめぇ丸ともみじのSSを期待していた方、御免なさい。いつか必ず載せますので。 3 赤ゆっくりの台詞が読みにくいったらありゃしない! 結論 るーみあは腹ペコキャラだ!と思い、このSSを書きました。 一応他にネタはあるのですが、このSSは一番まとめやすいなぁと思ったので最初に書きました。 テスト終わった!ヒャッハァ!……と思いながら久々に来てみると、色々と機能が変わっていて戸惑いました。 ゆっくりボタンもいいのですが、私としては、皆様の感想を読ませて頂くのが一番嬉しいです。 このSSを読んで、ゆっくりボタンを押して頂ければ幸いです。 これからも頑張りますので、宜しくお願いします。
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・二作目だよ! ・前作のコメントで指摘を受けて、色々試してみたよ! もし悪化して読み辛くなってたりしたらごめんね! ・一応現代設定だよ! ・俺設定満載だよ!嫌いな人は気を付けてね! ・感想やご指摘があれば、とってもうれしいよ! むしろもっといじめてね!!! ・最後に、相変わらず自己満足からできた物ではありますが、 お一人でも楽しんでいただければこの上なく幸いです。 それでは、どうぞごゆっくり… れいむは困っていた。 望まぬ出産でごはんが足りなくなってしまったのだ。 とは言っても別にレイパーによる強制にんっしんっなどではない。 ちゃんとした番である、まりさとの子だ。 れいむと番のまりさは町に巣食う、いわゆる野良である。 野良ゆっくりが害獣指定されて野良に対して厳しい環境の中、 親姉妹がいないもの同士でそれなりに上手くやってきた。 が、ここ最近の寒さのせいで震えながら互いに寄り添って寝ていたことで、 つい振動がもたらす快楽に我慢できず、すっきりしてしまったのだ。 どこぞの路地裏で生まれ、路地裏で育った生粋の野良であるれいむ達。 町での生き方は他のどのゆっくりよりも熟知しているつもりだ。 なので、うかつに狩りという名のゴミ漁りもできないこの世の中、 食欲旺盛な食い扶持が増えてもそれを賄えなどしないことぐらいわかっていた。 それでも解決策までは思いつかない。 いっそ死産してしまえば、とも思った。 だが比較的安全な胎生にんっしんっだった事も手伝ってか、全部で3匹の赤ゆは全て無事に生まれてしまった。 生まれてしまった赤ゆ達を前にして、一時的には空腹も忘れて幸せな気分に浸れた。 しかし、もちろんそれだけで本当に腹が膨れなどしない。 子供が生まれてから数日後、赤ゆたちが寝静まったある夜。 かつて必死で蓄えたごはんも底を尽きかけているという現実を目の前にして、 二匹はようやく慌てて、対策を練ろうとした。 番のまりさは、辛いがもうおちびちゃんを捨ててしまおうと提案したが、れいむはそれを有無を言わさず一蹴した。 ゲスとでいぶというどうしようもない組み合わせの二匹ではあるものの、 実際に我が子を目にして、れいむの中に生まれたなけなしのぼせい(笑)がそれを拒んだのだ。 だが他に妙案も浮かばず時間だけが過ぎ、貴重な食料は減っていく。 そして現在に至る。 「れいむ、どうするんだぜ?おちびちゃんたちもおなかをすかせはじめてるし このままじゃぜんいん、えいえんにゆっくりしちゃうんだぜ…」 自分が必死に考えているというのに、まるで他人事のように話すまりさ。 先程の無慈悲な提案も相まって、イライラしていたれいむはまりさに対してきつく当たった。 「うるさいよ!いわれなくたってわかってるよ! いちいちわかりきったこといわないでね!!まりさばかなの?」 「いらいらしてるからってまりさにあたるのはやめるんだぜ! まりさががんばってだしたていあんをいやだっていったのはれいむなんだから れいむがかわりをかんがえるのはとうぜんなんだぜ!! どっちがばかなのかゆっくりりかいしてね、ばか!!!」 だが、同じくイライラしていたまりさに言い返されてしまった。 確かにまりさの言い分を一方的に蹴ったのは自分である。返す言葉も無い。 れいむは再び口を閉ざし考え込んでしまった。 「ゆぅ…どうしよう…… いいかんがえなんてまったくでてこないよ。 やっぱりまりさのいうとおり、このこたちをすてるしか… こんなにゆっくりできるこたちなのにぃ…… ……ゆっ?」 眠っている赤ゆ達を見つめながらうちひしがれるれいむだったが、 急に何かに気がついたように、顔を上げた。 「どうしたんだぜ?れいむ?」 「まりさ!れいむいいことおもいついたよ!! これならにんげんのたべてるおいしいあまあまもいっぱいもらえるよ!!!」 「ゆっ!?それはほんとうなのかぜ!? まりさにもはやくおしえるんだぜ!!!」 「あのね………」 夜は更けていく――― ―――――――――― 朝。 早朝独特の爽やかな空気を吸い込んで最高だった俺の気分は、 路地裏から這い出て来た、奴らを視界に入れた事で直下降した。 「「にんげんさん。ゆっくりしていってね!!!」」 「「「ゆっきゅりちていっちぇね!!!」」」 少し視線を下げると、そこには薄汚れてところどころゴミの付着した汚饅頭が2匹と、 何か癇に障る声で舌足らずに話すチビ饅頭が3匹。 ―――出たな、ゴミ饅頭め。 ふてぶてしい顔でお決まりの挨拶を吐く饅頭どもを見て、俺は陰鬱な気分になった。 つい十数秒前まではあんなに晴れやかな気分だったのに一瞬でこれだ。 それもそうだ。こいつ等と関わって喜ぶような人間はいないし、 一々潰すのも面倒臭い。後片付けだって楽じゃないしな。 が、いくら面倒臭くとも、野良を見つけた場合は確実に駆除。 そういう決まりがあるのだから、放っては置けない。 そのために、市が設置した公共の野良ゆっくり専用ゴミ箱なんかがある。 (えっと野良専用のゴミ箱はっと…) さっさと潰してしまおうと、近くに野良専用ゴミ箱があるか探す俺に不穏な空気を感じたのか、 慌てた様子で親ゆっくり達が話しかけてきた。 「ま、まってね、にんげんさん!!まりさたちのはなしをきいてね!!!」 「れいみゅたちなんにもちてないよ!!!」 うるっせえなぁ… 何もしてないもクソもお前らは存在してるだけで害悪だろうがよ。 ただでさえこっちは朝っぱらから汚いもん見せられて気が立ってるのに、 甲高い声で喚くなっつーの。俺のストレスがマッハだわ。 20メートルほど先に野良専用ゴミ箱を見つけた俺は早く済ませようと足を上げる。 「にんげんさん! れいむたちはおたがいがゆっくりできる“とりひき”がしたいんだよ!!! ゆっくりしないでりかいしてね!!!」 「「りきゃいしちぇね!!!」」 あん?取引だ? 妙な事を言い出した親れいむの話に、思わず足を止めてしまった。 それを好機とみたのか、親ゆっくり達は次々とまくし立てる。 「かわいいれいむたちはおなかがすいてるよ!! にんげんさんをゆっくりさせてあげるから れいむたちにあまあまよこしてね!!」 「そうなんだぜ!! ちゃんとゆっくりしたらさっさとあまあまよこすんだぜ!!!」 言いたい事はなんとなく伝わったけど、話を勝手に進めすぎて大雑把にしかわからん。 興奮しすぎてゲスの本性を出し始めた親ゆっくりに一応確認してみる。 「あー、つまり俺をゆっくりさせてやる代わりに 食い物よこせって事でいいんだな?」 「ゆっ!そうだぜ! りかいがはやいとたすかるんだぜ!!!」 うるせーよ、餡子脳。舌引っこ抜くぞ。 なんでいつ見ても常に上から目線で偉そうなんだ、こいつら。 「まあそれはいいんだけど、どうやって俺をゆっくりさせる気だ? まさか『かわいいれいむのうつくしいこえがきけたんだから、ゆっくりできたでしょ?』 とか言わんだろうな。 もしそうなら問答無用でゴミ箱へ直行してもらうが」 「ゆっ!?ちがうよ! そんなこというわけないでしょ?なにいってるの?」 「ばかなの?しぬの?ってか。 それはともかく、それならどうすんだよ。 やるなら早くやってみせろ。時間がもったいない」 「とりひきせーりつだね!わかったよ!! じゃあゆっくりさせてあげるね!! おちびちゃんたち!!!」 親れいむの号令で赤ゆたちがそろって俺の前で得意げに胸(?)を張る。 「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!!」」」 そのまま数秒間静寂が場に流れる。 ここからどうするのかと思っていると 一仕事終わったとでもいうような顔で親れいむが言った。 「はい!ゆっくりできたでしょ? さっさとれいむたちにあまあまよこしてね!!!」 「よこしぇ~!!」 「あみゃあみゃ~♪」 「あみゅあみゃはゆっくちできりゅんだじぇ!!」 ……はい? どういうことか理解できないので、改めて聞いてみる。 「で、俺をどうゆっくりさせてくれるんだ?」 「ゆ?なにいってるの? れいむのかわいいおちびちゃんたちをみてゆっくりできたでしょ?」 「ゆゆ~ん♪まりささまのあかちゃんはとってもゆっくりできるんだぜ~♪」 「「「かわいくっちぇごめんにぇ!!!」」」 ―――ああ、そういうことかよ。要するに、いつもやってる事と変わんねえじゃねーか。 こいつらの言わんとした所を理解した俺は、あまりの野良饅頭共の馬鹿さ加減に思わず頭を抱えたくなった。 ―――――時は戻って深夜――――― 「だから、かわいいあかちゃんをみせて ゆっくりしてないにんげんたちをゆっくりさせてかわりにあまあまもらえばいいんだよ!!!」 「ゆ!?でもれいむ、まりさたちがなにをいっても にんげんたちはきかずにころそうとしてくるんだぜ!! そんなにんげんにおねがいしようだなんてきけんなんだぜ!!!」 そう。伊達にまりさやれいむとて長年野良をやってはいない。 人間にはどう足掻いても敵わないことは身にしみてわかっていたし、 自分達を目の敵にしていることも知っていた。 まりさ達だってこれまで人間に見つからないように、必死になってきた筈だ。 そんな恐ろしい人間に自ら近づこうなんてれいむは何を言っているのだろうか。 なんとかれいむのやる気を失くさせようするまりさをれいむは鼻で笑うように言った。 「だからおねがいじゃないよ!!これは“とりひき”だよ!! にんげんとは“いーぶん”なかんけいなんだからもんだいないよ! 『そうごのりえき』をついきゅーしたけっかがこれだよ!!! まりさもゆっくりりかいしてね!!!」 普通に考えれば問題だらけ、穴だらけなプランだ。 と言うよりも、いつもゆっくりがやっているやり口の見方を変えただけである。 しかし、まりさはれいむのゆっくりにしては小難しい言葉と 持ち前の餡子脳に惑わされて、至極あっさりと話に乗った。 「ゆぅ~!すごいんだぜ、れいむ!!! まりさだってそんなことかんがえもつかなかったんだぜ!!! こんなかしこいれいむをおよめさんにもらってまりさはしあわせものなんだぜ!!!」 「ゆぅ~♪ほめすぎだよ、まりさ!!」 番にほめられてグネグネ蠢く汚饅頭。 気色の悪いことこの上ないが、そこまで調子付くのも無理からぬ事。 この汚饅頭たちにとっては、今が間違いなくゆん生最高の時だったのだから。 結局その日の夜は有頂天になったまま寝てしまい、次の日の朝早く親ゆっくり達は赤ゆ達に考えを簡単に説明した。 「…というわけで かわいいおちびちゃんたちならぜったいににんげんなんかいちころだよ!!!」 「わーい!にんげんしゃんのあみゃあみゃがちゃべれりゅんだじぇ!!!」 「ゆっくちれいみゅたちのきゃわいいところみしぇてあげようにぇ!!!」 「きゃわいくちぇごめーんにぇ!!!」 「さあ!じゃあだれでもいいからにんげんをみつけて“とりひき”しにいこうね!!!」 「「「「「ゆっゆっおー!!!」」」」」 意気揚々と、巣である汚いダンボールからずーりずーりと這い出てくる野良一家。 その威勢の良い様子とは裏腹に、これから先ろくでもない運命しか待ち受けていないのは明白なのだが。 ―――――――――― そんなこんなで、自慢げに食料を要求してくる饅頭達を見ながら、俺はどうしようかと思っていた。 無論食料をやろうかやるまいかではない。このままさっさと潰そうかどうしようかだ。 普通ならこのまま言っていることを無視して潰すのだが、 貴重な休日の朝一の散歩を邪魔された腹いせもあるし、少し暇潰しでもしてみるか。 ま、どの道最後に潰すのは変わらないけどな。饅頭潰すか、暇潰すかの違いだ。 「どうしたの?さっさとかわいいれいむたちにあまあまよこしてね!!!」 「じぶんだけゆっくりしようなんてげすのかんがえることなんだぜ!!」 「しょーだしょーだ!!」 「ゆっくちしゃしぇろー!」 「ゆっくち♪ゆっくち♪」 どんどん調子に乗り出すクソ饅頭達。 ならば、俺はこう返すしかないだろう。 「あ?嫌だよ。何で俺がお前らにメシなんぞやらなきゃいけないわけ?」 「「「「「ゆ゛!?」」」」」 俺の言っていることが理解できないとばかりに一斉に固まる野良達。 「あん?言ってることわかんねーのか?お前らなんかにやるものなんぞ何もねーっつってんだよ」 もう一度言ってやると、一拍置いて饅頭共が騒ぎだす。 「どおじでぞんなごどいうの゛ぉぉ゛ぉ゛ぉ!!!」 「うぞづぎはゆっぐりでぎないぃぃぃぃぃぃ!!!」 「うしょちゅきはゆっくちちね!!!」 「ゆあぁぁぁん!あみゃあみゃちゃべちゃいよぉぉぉ!!!」 「どうちてあみゃあみゃくれにゃいにょぉぉぉぉ!!?」 「嘘つきも何も嘘なんぞついとらんがな。」 「じゃあざっざどあ゛まあ゛まよごぜぇぇぇぇ!!!」 「だから何でやんなきゃいけないんだっつってんの。人の話聞けよ。 そもそもそんなブッサイクなガキ見たってゆっくりできないっつーの。」 「「「「「ゆ゛っ!?」」」」」 またもや固まる饅頭達。 また騒がれる前に、言いたいことは言っておきたい。 「あのなぁ、お前ら『赤ちゃんはゆっくりできる』とか言ってるけど そりゃお前らの中での話だろ。何で俺までそうなると思えるんだ?」 「どおじでもなにもあがじゃんがゆっぐりでぎるのはどおぜんでじょおぉぉぉ!!!」 「じゃあ自分の子供だけ見てゆっくりしてればいいだろうが。 別にメシなんぞ無くともお前らにとっては『ゆっくりすること』が一番大事なんだろ?」 「なに゛いっでるの゛ぉぉぉ!!おながへっでじゃゆっぐりでぎない゛でじょぉぉ!!!」 「へぇ、じゃあお前らにとって子供はメシにも劣る存在なのな。 おい、聞いたかチビども!お前らの親はお前らよりもメシの方が大事なんだってよ!」 俺と親の会話を聴いて、さっきまで固まっていた赤ゆ達が急に騒ぎ始めた。 「ゆ゛っ!?どういうこちょ!?」 「おかーしゃんちゃち、れいみゅがだいじじゃにゃいにょ…?」 「ち、ちがうよ、おちびちゃんたち!おかーさんそんなことおもってないよ!!」 「そうなんだぜ!おい、にんげん!へんなこというんじゃないんだぜ!!!」 つっかかってくる親まりさを気にもせず、更に続ける。 「変なことも何もお前らが言ったんだろうが。 『赤ちゃん見てるよりも、メシ食ってたほうがゆっくりできる』ってな。 可愛いおちびちゃんはゆっくりできるなんて人には言いながら その実メシの方が大事ってわけだ。大した役者だよ、お前ら。」 それを聞いたチビたちは、更に大声で泣き喚く。 親れいむは子をあやすのに必死だったが、親まりさは違った様だ。 簡単にこっちの挑発に乗ってきた。 「ゆぐぐぐぐ……だまるんだぜ!! おとなしくしてやってれば…もうゆるさないんだぜぇ。 おちびちゃんやまりささまをばかにするげすにんげんはまりささまがせーさいしてやるのぜ!!!」 俺が鼻で笑うと、堪忍袋(笑)の緒が切れたまりさがこちらに飛び掛ってきた。 たかが饅頭とはいえ親サイズともなればそれなりの重量はある。 ゆっくりにしては中々に早い動きで急に飛び掛って来たまりさに、 油断していた俺は膝を横から殴られるような形で突撃され、思いっきり吹っ飛ばされた。 ―――などという事は無く、普通に向かって来た所をカウンターの要領で蹴り飛ばした。 「ゆ゛びゃあぁぁぁぁ!!! ぶびゅっ!!!」 「……ば…ばりざぁぁぁぁ!!!」 「「「おとーしゃぁぁぁん!!!」」」 反動付きで蹴り飛ばされた親まりさは、壁に激突してボテンと落ちた。 歯は抜け落ちてボロボロになっていて、帽子も壁に激突した拍子に破れたようだ。 微かに動いてるところからしてまだ生きてるらしい。しぶとい饅頭め… 俺は親まりさに近づき、踏みつけてから更に足で壁に押し付けるようにして力を込める。 「何だ、制裁って?俺はお前らが言った事解り易くしただけだろうが? 言った内容まで人のせいかよ。そんだけでゲスになんのか、あぁ? なら、自分の言った事に責任持たずに人に擦り付けるお前らもゲスだよなぁ。 じゃあお前の言う通りゲスは制裁しないとな!」 更に足に力を込めると、今度は親まりさの尻から餡子が漏れ出した。 「あ゛あ゛あ゛あ゛!!ごべんなざい゛い゛い゛!!! ばでぃざがわるがっだでずぅぅ゛!!! いだい゛!じんじゃう!!! おでがいじばずがらぜいざい゛じないでぇぇ゛!!!」 「簡単に謝るくらいなら最初からでかい口叩くんじゃねーよ。 自分の発言に責任も持てないなら言うんじゃねえ、ボケ!」 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 まりさは餡子を吐いて呻くだけで、何の反応もしなくなった。 他の奴らはさっきまでの勢いはどこへ行ったのか、 未だかつて見た事の無い光景にしーしーを漏らしながらガタガタと震えている。 その様子に少しスカッとした俺は足を親まりさからどけて、他の饅頭達に話し掛けた。 「よう、クソ饅頭共。ありがとよ、その不細工なチビよりはゆっくりできたぜ」 「なに゛いっでるのおぉぉ!ごんなのゆっぐりでぎるわげないでじょぉぉ!!!」 「そりゃお前らはな。でも俺はゆっくりできるんだよ、わかるか?」 「にゃんでぇぇ゛!?わがらな゛いよぉぉぉぉ!!!」 なにか違う種類のゆっくりになりかけてるれいむに対して、俺は続ける。 「あー、ったくめんどくせぇなぁ。まあおとなしく聞けや、汚饅頭。 例えばだ、ありす…レイパーっているだろ」 「ゆ!?れいぱーはゆっくりできないよ!!」 「お前達にとってはな。 でも無理矢理他のゆっくりにすっきり仕掛けてる時が、 あいつらにとっちゃ一番ゆっくりできる時なんだよ。 なんでかわかるか?」 「そんなのわからないよ! れいぱーみたいなゆっくりしてないゆっくりのきもちなんてわかんないよ!!!」 「ああそうだろうな。じゃあ聞くけどよ、 レイパーの気持ちはわかんないのに、何で人間の気持ちはこうだって言えるんだ?」 「ゆ?」 「ゆ?じゃねーよ。バカか、お前。 何でお前らは、人間がお前らのクソチビ見てゆっくりできるって考えれんだっつってんの。 お前らの不細工なガキ見てゆっくりできる奴なんぞお前らぐらいしかいねぇよ。 少なくとも人間にはそんなもん当てはまらねーっつーの」 親れいむはボケーッと馬鹿面下げて聞いている。うん、これはわかってないな。 「つまり、個人や種族によって『ゆっくり』の形はいくらでも変わるんだよって事だ。 お前らとは別に、レイパーにはレイパーの、俺には俺の『ゆっくり』があるんだよ」 「だ、だってれいむたちはかわいいおちびちゃんたちみてゆっくりできるんだよ? れいむたちがゆっくりできるならほかのみんなもゆっくりできるって……あれ?」 混乱している親れいむが言っている事に心底呆れた俺は、更に続けた。 「はぁ…ホンットどうしようもないな、お前。 そもそもゆっくりってやつは、誰かをゆっくりさせようとするものなんじゃねーの? なのにお前ら見てると、自分達がゆっくりするために他の奴らを都合よく使ってやろうって魂胆しか見えないんだよ」 「ゆっ、そんなこと…」 「無いって言えるのか? ありとあらゆる価値観を自分が中心になるように都合よく当てはめて、 それを他の者に押し付けて好き放題しようとするお前らが?」 「ゆぐっ…ぐぐ…ぐぐぐ……」 「おかーしゃぁん…」 「にゃんだかゆっくちできにゃいよぉ……」 「今回だってどうせ自分の事だけしか考えてないんだろうが。 『お前をゆっくりさせてやるから、こっちもゆっくりさせろ』だ?何様だ、お前。 そういうのはまず相手の気持ちを汲んでやれて初めて成立するものなんだよ。 自分の『ゆっくり』=他者の『ゆっくり』だと思ってるお前らにはできねえよ。 お前らのやってる事は取引じゃない。ただのこじ付け、屁理屈の類だ。」 親れいむの顔は、とどまる事を知らずに醜く歪んでいく。 「自分の価値観のみで作った、自分に都合のいい恩を押し売って、 その代わりに自分が欲しいものを自分が望むだけお前から貰いますってか? ゆっくり理解しときな。 そういう、お前らの様に相手の『ゆっくり』を無視して、自分の事しか考えないような奴をゲスって言うんだよ」 「ゆっぐり…だばれ……」 「ハッ!何で黙らなきゃいけないんだよ。 お前ら言い返せなくなったらそれしか言うことないのな。 なあ、実際の話お前らほど『ゆっくりしていってね』って台詞が相応しくない奴はいねーよなぁ。 挨拶も『ゆっくりさせていってね』に変えた方がいいんじゃねーの? あ、もう態度からして言ってるようなもんか。 さすがゲスは一味も二味も違うな!俺の頭では理解しきれんわ」 「ゆがぁぁぁぁ!!だま゛れえぇぇ!!! ぞれいじょうでいぶをばがにずるどゆっぐりでぎなぐじでやるぅぅ゛!!!」 「うるせーよ、黙んのはテメーだゲス饅頭!」 ブヂッ!! 「エ゛ン゛ッ゛!!!」 「「「おがーじゃぁぁん゛!!!」」」 先程のまりさと同じように、こちらの言う事に耐え切れなくなって 飛び掛ってきた親れいむを、迎え撃つようにしてリボンごと上から踏んづける。 「ゆ゛あ゛ぁぁ゛ぁ゛!やべでぇぇぇ゛!! あんごでじゃう!でいぶじんじゃうぅぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 こちらもいい加減我慢の限界が近い。 踏みつける足にも、つい力が入ってしまう。 「別にいいじゃねえか、死んじまっても。 で、何だ、ゆっくりできなくしてやるだ? ああそうかよ。でも生憎とお前らが何もしなくても、 お前らがいるだけでゆっくりできねーんだよ、こっちは! …どんだけ言っても無駄かよ。クソっ、やっぱ変な事考えなきゃよかったぜ。 とんだ暇潰しになっちまった。さっさと潰すか、気分悪い。」 そう言った途端に全員、さっき蹴り飛ばして息も絶え絶えだった親まりさまでもが、 潰すという単語に反応したのか、命乞いを始めた。 やはり自分の命には相当執着するものらしいが…… 「だ、だずげでぐだざい…ばでぃざだげでも!ばでぃざだげでぼぉぉぉ!!!」 「でいぶはおにーざんをゆっぐりざぜれるように゛がんばりばずがら!! がわいぞうなでいぶはづぶざないでぐだざい!!!おでがいじばずぅぅ!!!」 「ゆぁぁぁん!ちにちゃくにゃいぃぃ!! だれきゃきゃわいいれいみゅをたしゅけちぇぇ!!!」 「ゆんやぁぁぁ!こんにゃにょっちぇにゃいよぉぉぉ!!! れいみゅゆっくちしちゃいだけにゃにょにぃぃ!!!」 「にんげんしゃん、まりしゃをゆっくちしゃしぇてほしいんだじぇ!! いもうちょたちはみんにゃちゅぶしちぇもいいかりゃ まりしゃはたしゅけちぇほしいんだじぇ!!」 見苦しい事この上ねえな。この期に及んで、自分だけは~か。 そりゃ生きる上では誰だって持ってる本能だろうが、家族を全部売ってまでしがみ付きたいもんなのかよ…… まあいいさ。どうであれ、こいつら野良がどうしようもないやつってことには違いない。 せめて最後はお前らの流儀に合わせて、潰してやる。 「あー、じゃあ取引だ。」 「ゆ゛っ!?ど、どりひぎ!!?」 「なんでぼじばず!!ばでぃざなんでぼじばずがら!!!」 「あっそう。じゃ、俺はお前達でゆっくりさせてもらう事にするわ。 その代わりお前らをゆっくりさせてやるよ」 俺の言葉に少し顔色がよくなる饅頭達。 「ゆ、ゆっくちさしぇてくれりゅの……?」 「ほんちょに…?」 「……まりしゃたしゅかりゅんだじぇ?」 「に、にんげんざん、あでぃがどうございばずぅ!!」 「までぃざだぢなんでぼじばず!!!」 急に明るくなって、涙を流しながら感謝の言葉まで言い出す饅頭達。 ……なにか勘違いしてんな、こいつら。 「いや、別になんもしなくてもこっちで勝手にやるから、さっと!」 「ゆ゛ぴぃ゛!!!」 言い終わると同時に赤ゆを一匹踏み潰す。れいむ種だ。 「……ど、どぼじでぇぇぇぇ゛ぇ゛!!?」 「う゛わ゛ぁぁ゛ぁぁ゛!!でいぶのおぢびぢゃんがぁぁぁ!!!」 「れーみゅぅぅ!!」 「まりちゃのいみょうちょがぁ!ゆっきゅりちてぇ!!」 あー、うるさい。 今更言うのも何だけど近所迷惑だな、こりゃ。さっさと終わらせよう。 次は、うろたえているもう一匹のれいむに大股で近づく。 「おかーしゃんたしゅけ…ゆっ、ゆっ、も…もっちょゆっきゅりぢぃ゛!!!」 プチュン!! 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! ばでぃざのあがぢゃんん゛ん゛ん゛!!!」 言わせるかよ、ゲスが。 お前らみたいな他者の事を顧みないゴミ屑に『もっとゆっくりしたかった』などとほざく権利があると思うなよ。 「おぢびじゃぁぁん゛!!! どぼじでごんなごどずるの゛ぉぉ゛ぉ゛!!?」 「どうしてって俺がゆっくりするために決まってんだろうが」 「な゛んでごんな゛ごどじでゆっぐりでぎるの゛ぉ゛ぉ゛!?」 「ゆっくちできにゃいぃぃ!!!」 「お前らの都合なんぞ知るかよ。 人間は、って言うか俺はこうしなきゃゆっくりできないんだっての。 さっき俺が言った事もう忘れたのか?餡子脳。お前らが居るとゆっくりできないの。 俺がゆっくりできないのは可哀相だろ? もう理解しなくてもいいから、さっさと潰されろ。いい加減めんどくせーし」 止めを刺そうとした俺に饅頭たちは尚も食い下がる。 「ばでぃざだぢゆっぐりでぎでないよ゛ぉぉ゛!!! どりひぎばどうなっだのぉぉ゛ぉ゛!!?」 「取引?ちゃんと守ってるだろうがよ」 「どごがぁぁぁ!?でいぶのがわい゛い゛おぢびぢゃんえいえんにゆっぐりじぢゃっだでじょぉぉ!!?」 「永遠にゆっくりしたんだろ? どんな形であれお前らをゆっくりさせてやってるじゃん。ほら、何も間違えて無い」 俺の答えを聞いて、饅頭達の顔が一気に青白くなった。 「「「ぞ、ぞんな゛ぁぁ゛ぁ゛「もういいよ、おまえら。じゃあな。」 「ゆ゛ん゛やぁぁ!!ゆ゛ん゛やぁぁ゛ぁ゛!!!」 「いやだ、いやだいやだいやだ!!ま゛だじにだぐない゛!! ばでぃざま゛だごれがらもっどゆっぐりずるんだぁぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 「なんでがわ゛いいでいぶがごんな゛め゛に゛ぃ゛… ごんなごどならごども゛なんがうばなぎゃよがっだ……」 親れいむの後悔の言葉を最後に、野良一家はその惨めなゆん生を終えた。 ―――――――――― 胸糞悪いやり取りを終え、ゴミ箱に捨て終わった後に時計を見ると、早朝というには少し遅すぎる時間になっていた。 帰ろうと後ろを振り向くとすぐそこに、昔っから俺の苦手なカミナリおじさんが青筋たててこっちを睨んでいる。 そりゃ朝っぱらからあんなに饅頭騒がせてりゃ、大迷惑に決まってる。 せっかくの休日の朝が台無しになった事に俺は深く悲しみ、いい歳こいて説教を受け、おじさんに謝りながら思った。 ―――ゆっくりゴミ饅頭なんかの戯言を聞いた結果がこれだよ、と ・あとがき 今作は「もっとゆっくりしたかった」と言わせたくないという、 ふとした想いからまたもや衝動的に生まれたものです。 その割にはえらく長いうえにどこかで見たような話に… でも反省はするけど、後悔はしません。多分。 もっと簡潔、かつ解り易くするのが今後の課題かも。 本当は…おもいっきり希少種愛でるようなやつも書きたいです…… では、ここまで読んで下さった全ての人に感謝を。 本当にありがとうございました!! ・過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 412 僕と『あの子』とゴミ饅頭と
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『大人のゆっくり』 13KB 小ネタ 調理 番い 野良ゆ 姉妹 赤ゆ 子ゆ 現代 独自設定 ふたばのネタから思いつきました。酒の知識があまりないので、矛盾点が多いかもです。 この世界のゆっくりは、種類を問わず、甘い液体ならば傷が回復してしまう設定です。 筆者はお酒についての知識は余りありません。色々矛盾点があったらすいません。 ゆっくりが濁った液体の中で他のゆっくりが見えたり、会話する事ができるのは、ゆっくりだからという事で…… ここは、とある自然豊かな田舎町の農村。ブドウの産地として全国的に有名であり、殆 どの人々はその栽培、加工で生計を立てている。 そんな人間によって楽園のような場所、そんな場所は”ある生物”にとっても楽園であ ると言える。”ある生物”とは、ご存知ゆっくりである。 ゆっくり達にとって、この村と、その付近は天国だった。天敵になる動物や捕食種は多 少なりとも生息していたが、何と言っても食料に困ることが無かったからである。緑が多 いこの地では、春や夏には木の実や野苺等が豊富であり、秋になればたっくさんのきのこ が採れる。唯一、ゆっくり達の不満は、人間が作っているブドウが食べられない事ぐらい であった。 ゆっくりは小さく、手足を持っていないために、高い所に実っているブドウは食べるこ とができないのだ。木の実は自然に落ちた物を食べることができるが、ブドウが落ちてい ることは殆ど無いのである。しかし、実はこれはゆっくり達にとって幸運だったのだ。も し、ゆっくりが高いところのブドウを取ることができたら、間違いなく人間によって周辺 のゆっくりは大規模な駆除を受けていただろう。この地域の農家は九十五パーセントがブ ドウ栽培をしているので、実害が余り無いゆっくりに対しての対応が、実に甘かったので ある。 「ゆっ! れいむ、まりさのかわいいおちびちゃんたち、きょうはあたらしいおうちを ゆっくりさがしにいくよ!」 「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!!!」」 「ゆーん! おちびちゃんたちはとってもききわけのいい、とってもゆっくりとしたよ いこだね!」 こんなテンプレのような会話を繰り広げているのは、とあるゆっくりの番であるれいむ とまりさと、そのおちびちゃん達のれいみゅとまりちゃである。現在住んでいる巣が、れ いみゅとまりちゃが産まれた事によって狭くなったので、もっと広いお家へと引越しを行 おうとしているようだ。 「ゆぅ~ん……おちびちゃんたちも、とおくへはねていけるぐらいに、あんよがつよく なったよぉ……」 「まりさぁ……れいむとまりさはとぉーってもしあわせだね……こんなにかわいいおち びちゃんたちと、これからもずーっとくらせるんだから……」 そう言って、れいむとまりさはすーりすりを始める。そこに、れいみゅとまりちゃも加 わって、家族ですーりすりをする。野生のゆっくりの中でも、この家族はとても幸せな部 類に入ると思われる。そう、この時までは…… ――数時間後 「ゆーん。これはりっぱなおうちだよ! ここをまりさたちのおうちにしようよ!」 「だめだよまりさ。ここは、ゆっくりできないにんげんさんのおうちだよ! ゆっくり できなくされちゃうかもしれないよ!」 「だいじょうぶだよ、れいむ。なかをそろーり、そろーりとのぞいたけど、にんげんさ んはいなかったよ! ここはあきやさんなんだよ!」 「ゆゆっ! それならだいじょうぶだね!」 「「ゆわ~い!!! ここがあらたしいおうちなんだにぇー!!!」」 一家がやって来たのは、とある人間が所有する物置である。一家が中に入ると、一家が 入っても、まだまだ余裕があると思われる円筒状の入れ物が、幾つか並んでいる。 「ゆっ! あそこのたおれたつつさんに、ゆっくりはいれそうだよ! れいむ、おちび ちゃんたち、ゆっくりあそこにはいろうね!」 「「「ゆっくり(ち)りかい(りきゃい)したよ(しちゃよ)!!!」」」 人間もゆっくりも、必要以上に広い家は、逆に居心地が悪いと感じる物である。この円 筒状の入れ物のお家は、ゆっくり達にとって丁度良い広さで、とてもゆっくりできるよう である。 ゆっくり家族は入れ物の中で、のーびのーびしたり、ごーろごーろをして、一通りゆっ くりした後、早速お家をもっと住みやすくするためのリフォームを行う事に決めたようで ある。 「れいむ、おちびちゃんたち、まりさはおうちをりふぉーむするためのざいりょうさん をさがしてくるよ! ゆっくりここでまっててね!」 まりさは、そう宣言し、外へリフォームの為の材料を探しに行こうと飛び出そうとする のだが…… 「あー、よっこらしょっと!」 人間によって、その行動を阻まれたのであった。 「ゆっくりぃの日ィィィィィェァ! まったりぃの日ィィィィェェァァァァンッ! や っぱり音楽はロックだぜぃ! オーイエー!」 人間はヘッドホンで大音量で音楽を聞きながら、自身もその歌を大音量で口ずさんでい る。口ずさんでいると言うよりは、叫んでいると言ったほうが正しいが…… この物置は、とある農家がワイン造りのために使用している。この物置を所有している 農家は、自分の畑でブドウを生産する傍ら、生産した内の一部のブドウを、自宅の物置を 使ってワインにしているのだ。 ちなみにこの男は、農家の息子である。都会へ出たいが、一人息子の為、この村に残っ て家を継がなければならないのである。そのような事情から、農業にも、ワイン醸造もや る気がまったく無いのである。日頃から適当な仕事をしているので、今日もゆっくりが入 っている事を、完全に見逃してしまったようである。 「おそらがまわってるみたいいいいい!?」 樽の上部にいたまりさが、樽が立てられた事によって底部へと滑り落ちる。 「「ゆべぇ!!」」 そして、そのまま底部にいたれいみゅとまりちゃを潰してしまう。 「「ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ……」」 まりさに押しつぶされてしまったれいみゅとまりちゃは、若干の餡子を吐いた後、痙攣 を始める。このまま放置しては、間違いなく永遠にゆっくりしてしまうだろう。このレベ ルの傷を治療するためには、あまあまが必要不可欠である。しかし、ここはゆっくり一家 以外には塵一つない樽の中。あまあまなんて、絶対にあるわけがない。しかし、その時で あった。 ジョボジョボジョボジョボジョボジョボ…… 一家の入った樽の中に、赤紫色の液体が注がれていく。樽が満たされると同時に、人間 によって樽の蓋が閉めらた。それにより、一家は樽の外に出ることができなくなってしま った。 (ゆぅ……まりさたちはここでえいえんにゆっくりするんだね……) まりさは一家全員が永遠にゆっくりする事を覚悟した。まりさの両親は、まりさが巣立 つ直前に、まりさの妹の妹れいむを助ける為に、村のはずれの池に落ちて、皮がふやけて 体内の餡子が漏れ出し、妹共々永遠にゆっくりしたのだ。なので、まりさはこの状況がい かに絶望的な物なのかが瞬時に理解できたのである。 しかし、何時まで経ってもまりさの中身が溶け出していく感覚がないのである。まりさ は恐る恐る目を開けてみた。すると、自分の皮はまったく溶けておらず、周りを漂ってい る家族も平気のようであった。それどころか、先ほどまで瀕死の重症だったれいみゅとま りちゃが、赤紫の液体の中を元気に泳ぎ回っているではないか。 「れいむ……? おちびちゃんたち……? おからだはだいじょうぶなの!?」 まりさが家族に問いかける。 「ゆんっ! まりさっ! れいむはなんともないよっ! それに、なんだかげんきがわ いてくるよっ!」 「おちょーしゃん、れいみゅはとってもげんきげんきなんだよっ!」 「まりしゃもなんだじぇ! このあまあまなえきたいさんは、とってもゆっくりできる んだじぇ!」 そう、現在この家族が浸かっているのは、この村の特産品であるブドウの果汁なのであ る。ゆっくり達にとって、極上のあまあまとも呼べるブドウ果汁に浸かった一家は、皮が 水分によってふやけても、あまあま効果により、ふやけた部分が一瞬で回復するため、永 遠にゆっくりすることが無いという訳である。 「それににぇ、おちょーしゃん。このあまあまさんは、ちょっとだけごーくごくしただ けで、おなかがいーっぱいになれるんだよ!」 「お、おちびちゃん! このえきたいさんをのんだのっ!?」 ブドウ果汁は、ゆっくりにとって万能薬であると共に、最高級の食料にもなる。濃厚な ブドウ果汁は、ほんの少量でゆっくり達の満腹中枢を刺激するのである。 「まりさ、ここはさいっこうっのゆっくりぷれいすだね! おそとでのーびのび、ごー ろごろできないのはざんっねんっだけど、ずっとここでゆっくりしようね!」 れいむはこのゆっくりプレイスを大変気に入ったようだ。れいみゅとまりちゃも、れい むと同じ意見の様子である。考えて見れば、捕食種や動物等の天敵の危険もなく、極上の あまあまがいくらでも手に入り、何故だか体の調子もすこぶる良い。そんな条件の揃った この場所は、最高のゆっくりプレイスに違いない。そのように、まりさも考えた。 「そうだねっ! このさいっこうっ! のゆっくりぷれいすで、ずっとゆっくりしてい こうね!」 「「「ゆうううううっー!!!」」」 ――数週間後 「おちびちゃんたち! そんなにはしゃいだら、けがしちゃうよっ!」 「「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!!!」」」」」 「ゆーん! だいじょうぶだよ、まりさ! あまあまさんのなかにいれば、けがさんは どこかへいっちゃうからねっ!」 元気すぎる程にはしゃぎ回る、五匹のおちびちゃん達。それを優しく叱るまりさと、そ れを嗜めるれいむ。そう、れいむとまりさは数週間前に新しいおちびちゃん達を産んだの である。 「ゆぅぅぅぅん! まりさのいもうとたちは、とってもゆっくりしてるんだぜ!」 「ゆんっ! まりさもれいむと、もっともっとゆっくりしようね!」 それを見て嬉し涙を流しているのは、高栄養の環境下であっという間に成体にまで成長 したれいみゅとまりちゃだ。他ゆんのいないこの環境において、二匹は当然のように番と なった。今、れいみゅのお腹には数匹の新しい命が宿っている。 「「「「「「「「みんなでずっと、ずーっとゆっくりしようね!!!」」」」」」」」 ――二ヶ月後 「ゆ……にゃんだが……うみゃくしゃべれにゃいよ……?」 ゆっくり達に変化が起きていた。どのゆっくり達も上手く言葉を喋ることができなくな ったのである。 「ふぁりざぁ……でみょ、なんだきゃきもてぃいぃよぉぉ……ひっく!」 ゆっくり達がこうなってしまった原因は、ワインに含まれているアルコールである。元 々ゆっくり達が入っていた樽は、ワインを熟成させる為の樽である。ある程度の月日が経 った事によって、樽の中のブドウ果汁が、ワインへと変化していったのである。食料とし て、毎日少量ずつ果汁を摂取していたゆっくり達は、徐々にブドウ果汁の中に発生してい ったアルコールの作用によって酔っ払ってしまったのだ。 しかし、酔っ払って、ふーらふーらしてしまう事以外は問題はないようだ。酔っ払った 時特有の気分の良さは、ゆっくり達にとっても悪くない物ではなかったようだ。ゆっくり 達は、特に気にする事無くそのままの生活を続けていった…… ――そして月日は経ち 「どぼぢでえぎだいざんにゃぐにゃっでりゅの゛お゛お゛お゛お゛!?」 樽の中のワインも無限に湧いてくる訳ではなく、最初に入れられた分しか存在しないの である。たとえ一度の消費量が少量でも、無計画ににんっしんっ! をして増えていった ゆっくり達を長期的に養っていく事など、出来るわけがなかったのだ。 「どぼぢで! どぼぢでな゛の゛お゛お゛お゛お゛!」 「――あん……?」 一人の男が、樽の中からゆっくりの声がしている事に気付いた。彼はこの物置でワイン を製造している農家。つまり、ゆっくりを樽の中に放置した男の親父である。彼は定期的 にこの物置を訪れていた。樽の中がワインで満たされていた期間は、そのお陰もあってゆ っくりがいくら騒いでも聞こえることは無かったが、中のワインが殆ど無くなった今、ゆ っくり達の騒ぎ声が、外に響くことになったのであった。 男が樽の蓋を開けてみると、樽一杯に入っているはずのワインが無くなっており、代わ りに樽の半分の高さまで、増えに増えたゆっくり達が、ぎっしりと詰まっていた。 「ゆっきゅりー!」 「ゆっきゅりしちぇいってにぇーー!」 「ゆっきゅりしちゃいよぉー!」 その全てが赤ゆ言葉を喋っている。いや、赤ゆ言葉ではない。その言葉を発しているゆ っくりのサイズは、赤ゆサイズから成体サイズまで、幅広かったのである。男は考えを巡 らせる。 「ワイン樽に入った、居るはずの無いゆっくり……その代わりに消えたワイン……そう か、こいつら、ワインを全部飲みやがったな?」 樽の中に入ったゆっくりを一匹だけ取り出して、じっくりと観察してみる。じっくりと 見たゆっくりの顔は、『アヘ顔』と言うのがしっくりくる程、憎たらしく、醜い顔である と言える。皮は赤紫色に変色しており、腐っているのではないかと勘違いしてしまいそう である。しかし、男は思った。 (このゆっくり、普通のゆっくりとは違う、とても良い香りがする。食用ゆっくりは何 度か食した事があるが、ここまで良い香りはしなかった。野良で汚そうだが、強制アルコ ール消毒されているだろうから、大丈夫か……?) 男はおもむろにゆっくりを掴むと、そのまま一気に食いちぎった。 「もぐもぐ……上品な甘み、ブランデーチョコを食べたときのように、口の中に広がる 芳醇さ……これは、旨い! 今までのゆっくりが子供のおやつだとしたら、このゆっくり は、正に”大人の味わい”だ!!!!!」 男は、ワイン漬けゆっくりの美味しさに驚愕した。これは商売になる。そんな予感が男 の中に駆け巡っていた。 「「「「ゆっぎゅちぃぃぃ! ゆっぎゅぢじじぇいっじぇねええええええ!」」」 男の考え等知らないゆっくりは、今後の自分達の未来も知らず、アルコールの効果によ って、好きなだけ騒ぎ続けていた。 ――数年後 男が興した会社が東京に進出した。支店長を務めるのは、あのやる気の無かった息子で ある。元々能力はあったらしく、立派に支店長の仕事をこなしているようだ。 会社の目玉商品は『大人のゆっくり』名前は某ふりかけの名前からインスパイヤされて 付けられた。種類もれいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇんと豊富。近日中には高 級贈呈品として、中身が抹茶餡のさなえも発売されるという。 ゆっくり加工食品は、ゆっくり加工所がほぼ百パーセントのシェアを誇ってきたが、こ の会社の登場により、シェアの十パーセントを奪われたという。今や立派なライバル企業 である。 男の農村も、今では『ブドウ』の村ではなく、『ブドウとゆっくりの村』として町おこ しを始めた。男の会社の経営する大きな加工施設も建造され、毎日フル可動している。 「一時はワインを樽一つ丸々失うことになると思って青ざめたが、まさかこんな結果に なるとはな。被害者から一変して成功者。本当にゆっくりには感謝しなくちゃな」 男が過去を振り返って、呟く。この事件の本当の被害者は…… 「だずげてええええええ! でいぶだぢがなにがわるいごとじだっでいうのおおおおお おおお!?」 「ゆがああああああ! だれがばりざをだずげろお゛お゛お゛お゛お゛」 男の村で積極的に狩られ、大人のゆっくりの原料として使われるようになった、ゆっく り達なのかもしれない。 END あとがき 実際のワインの醸造は、ある程度タンクで発酵が進んだ状態で樽に移されて、そこから 熟成に入るらしいです。この作品の場合は素人が作ったということで…… 一般人は無許可で酒を作るのは違法と知ったのは作品を書いた後なので、ご容赦を。 コンバートあき いままで書いた作品 anko2495 一番多いゆっくりは anko2498 日本を支える一大産業(本編) anko2501 胴付きになりたかったまりさ anko2503 新たなエネルギー源 anko2504 冷凍ゆっくり anko2514 新発見、ゆっくりの新しい移動法 anko2516 読書の秋 anko2561 すぃーはゆっくりできない anko2737 イヴの夜に anko2751 ゆっくり餅 anko2753 共生 anko2758 作ろう!ドスまりさ! 挿絵:○○あき
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それでもゆっくりは畑を守る 9KB そのまりさは畑を守っていた。 耕された、栄養さんのある黒い土。 そこに、さほど深くなく埋められた小さな小豆色の種。 埋めたのは何日前になるだろう。 三日より前は数えられないからわからない。 気が遠くなるくらい年月をこうして守っている気がする。 だが、冬さんはまだ1回も来ていないし、まあるい月さんはまだ2回しか見てないから、そんな長すぎるわけではないだろう。 畑からは数本の、長い茎が伸びていた。 種から出た芽が成長し、伸びたものだ。 その茎の先端に、ピンポン玉かミニトマトくらいの大きさの、丸いつぼみがくっ付いている。 それは、まりさの我が子たちだ。 愛しい我が子達だ。 立っている茎の周辺には、枯れてしなびた茎や、半分から先が齧られて無くなっている茎もいくつかある。 それは、育たなかった我が子たちだ。 あるいは、守れなかった我が子達だ。 まりさは先端を削った短い棒を口に銜えながら、大分前からこうして我が子を守っている。 やがて、あの丸いつぼみが花さんが咲くようにゆっくりと割れて開いて、中から可愛い我が子が生まれてくる。 それを、まりさはひたすら待っていた。 「みずさんをかけるよ! ゆっくりそだってね!」 「はやくおおきくなってね!」 まりさとれいむがすっきりー!して、れいむの頭から伸びた蔓に宿り、そして零れ落ちた数十の小豆色のゆっくりした種。 日当たりの良い肥沃な土地を木の棒で耕して畑を作り、撒いた種にそっと土を被せる。 その上に、まりさは川から口に含んで汲んで来た水さんをかけた。 まりさとれいむの種族はこうやって子供を作るゆっくりだ。 土に抱かれて水分をたっぷり吸った子供たちの種は、やがて土の中で小さな芽を出す。 夜のうちに土を押しのけて芽は外に出て、朝の光を浴びるだろう。 「ゆっ! めさんがでたよ! ゆっくりしていってね!」 「おひさまをあびて、ゆっくりはやくそだってね!」 日光を浴び、穏やかな風を受けた小さな芽は、すくすくと育つ。 葉を二枚、四枚と増やし、茎を伸ばし、空へ向かって成長する。 しかし、全部の種が芽を出せるわけではないし、全部の芽がそうなるわけではない。 「やべでえええええ!! はとさん、まりさたちのたねをたべないでええええ!!」 「ここはれいむたちのはたけなんだよお!? たねさんたべたらあがちゃんだちがゆっくりできなくなるでしょおおおお!? ほじるのやめないとれいむおこるよ! ぷくー!!」 「うわああああああ!! めさんがたべられぢゃっでるうううう!!」 「どおじでごんなごどずるのおおおおお!? とりさんやむしさんには、ちもなみだもないのおおおおお!?」 折角撒いた種や、折角発芽した芽を何割か食べられてしまったまりさとれいむは、畑を守る必要性に直面する。 群れで畑を作っている同種のゆっくりたちは、一箇所に畑を作って皆で植えて、皆で交代で畑を守る事もするという。 しかし、いかなる理由によってか群れに属していないまりさとれいむは、たった二匹きりで自分たちの畑を守らなければならなかった。 畑を守るのは容易ではない。 畑を襲いに来る外的は、昼に来るのも夜に来るのも居るからだ。 加えて、まりさとれいむは自分たちが生きるためにご飯を調達しなくてはならない。 交代で畑の番をすれば、片方一匹だけでは畑を守りきれない事も多いのだ。 そして、畑を襲うのは何も外敵だけではない。 「ゆっ! おいしそうなやさいさんがはえてるよ!? むーしゃむーしゃしあわせー♪」 「なにやっでるのおおおお!? それはまりさたちのあがぢゃんなんだよおおおおお!?」 「ゆ? なにいってるの? あかちゃんがはたけからはえてくるわけないでしょ? へんなうそをついておやさいさんをひとりじめしないでね!」 「まりさたちはそうやってこどもをつくるゆっくりなんだよ! そのくきさんからまりさたちのあかちゃんができるんだよ!?」 自分たちとは繁殖方法が違うので、それが子供たちが実のる茎だと知らないゆっくりの襲来。 「ゆーしょ! ゆーしょ! ゆー! いっぱいしごとごっこしたりゃ、ちゅかれたよ!」 「なにやっでんのおおおお!? どうじでくきさんをひっこぬいでるのおお!! どこのちびちゃんなの!? おやはどんなぎょういくしでるのおおおおお!? ばかなの!? しぬの!?」 「ゆぇーんしりゃないおばちゃんがいじめりゅー!」 「ずいまぜんずいまぜん! なにもわがらないこどものやっだごどなんでず! ゆるじでね! ゆるじでね!」 分別の付かない子ゆっくりの遊びや悪戯によって、台無しにされてしまう茎や芽。 自然環境もまた、敵である。 「どおじでかれじゃっでるのおおおおおお!?」 「ゆう…あめさんがゆっくりしてたから、ねっこがくさっちゃったんだよ…おひさまもっとでてね!」 「こんどはどおじでたおれちゃでるのおおおお!?」 「ゆうう…あめさんがたりなかったからだよ…みずをくんでこなきゃ…おひさまあんまりゆっくりしないでね!」 「ゆあああああん!! やべでね! かぜさんゆっぐりふいでね! れいむたちのこどもをゆっぐりさせであげでよおおおおお!!」 「ゆああああん! せっかくみがつきはじめたのにいいい!! おっごちぢゃっだよおおおお!! かぜざんのばがああああ!!」 ただ長雨が続いたり、日照りが続いたり、風が強く吹くだけなら多数は残ってくれる。 最大の敵は季節の変わり目にやってくる。 「たいふうざんゆっぐりじないではやぐどっがいげえええええ!! あめさんもかぜさんもどっがいげええええ!! れいむのかわいいちびちゃんをゆっぐりさぜろおおおお!! たいふうさんはゆっぐりじねえええええ!! こどもだちはれいむがまもるよおおおおおお!!」 「れいむ! だめだよ! はやくおうちにもどってね! れいむがえいえんにゆっぐりしぢゃうよおおおお!!」 大粒の雨が勢いよくれいむの体を打ちつけ、強風がゴウゴウと森の木々を揺らすなか、れいむは畑の前で暗い空にむかって叫んでいた。 まりさは帽子が吹き飛ばされそうになるので、おうちの中かられいむに呼びかけるしか出来ない。 だが、必死に畑を守ろうとするれいむには、まりさの声は届かなかった。 やがて、れいむの悲痛な声も風に掻き消されて聞こえなくなり、台風はその夜が明けるまで猛威を振るい続けた。 ゆっくりできない台風さんがれいむと、畑の子供たちの多くを永遠に連れ去ってしまってからも、まりさは畑を守り続けた。 残った実をつけている茎は、まりさが数えられるほどしか無い。 たったこれだけしか、生き残らなかった。 台風の後も、大きく育ったつぼみを狙って、捕食種のれみりゃやふらんが畑を襲う事もあった。 「うー♪ うー♪ あまあま~♪」 「やべろおおおお! まりさのあかちゃんたちをすうなあああ!!」 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 「ゆっ! このっ! ゆぎゃあああ!!」 生まれる前の、赤ゆっくりを宿したつぼみは捕食種にとって絶好の餌である。 毎夜襲来するれみりゃやふらんに対し、まりさは尖った棒で必死に応戦し、傷だらけになって畑を守ったが それでも力及ばず、残り少ない実はさらに少なくなってしまった。 あらゆる色んなものがゆっくりしてくれなかったので、愛しいれいむとの結晶は、たった一本の茎とその先端のたった一個の実だけになった。 だがそれも、やがて報われる。 茎の先のつぼみは、ようやく充分な大きさにまで育っている。 もうすぐだ。 もうすぐ、あのつぼみが、実が割れて、中からまりさとれいむの赤ちゃんが姿を現すはずだ。 そして、ゆっくりしていってね! と挨拶してくれるに違いない。 そうしたら、自分も涙を流しながらゆっくりしていってね! と返すのだ。 茎から元気よく飛び降りてくる赤ちゃんをまりさのお腹で受け止めて、そして残った茎をまりさが柔らかく噛み砕いてから、 赤ちゃんたちは生まれて最初のご飯を食べるのだ。 それからは、まりさは赤ちゃんとゆっくりした日々を過ごすのだろう。 まりさはその瞬間を待ちわびながら、畑の前で守り続ける。 いまかいまかと、つぼみを見つめながら。 そして、運命の瞬間は 「ゆっ…! つぼみさんがひらきはじめたよ! まりさのあかちゃん、ゆっくりでてきてね! ゆうううう! おそらさんにいるれいむ、みて、まりさたちのあかちゃんがゆっくりうまれるよおおおおお!!」 「ゆっくち…」 ゆっくりと 「あっ、こんなところに畑さんがあるよ! 赤ちゃんゆっくりさん、お兄さんに千切られてね!」 「ゆびぇ!」 台無しにされた。 心無い人間の手によって。 「ゆうううううう!? にんげんさんなにやっでんのおおおお!? まりさのあかちゃんがああああ!!」 「何って、赤ちゃんは畑から勝手に生えてくるものでしょ? お前ら、俺の畑をいつもそうやって荒らすじゃん。 赤ちゃんを独り占めにするのは悪い事なんだよ? 」 「あかぢゃんはかっでにはえでごないでじょおおおおお!? それに、まりさはにんげんさんのはたけをあらしたごどなんがないよおおおおお!! どおじでごんなひどいごどずるのおおおおお!!」 「うるせえ! いつもいつも俺が苦労して耕して、種を撒いて、虫を取って、鳥を追い払って、育てた野菜を収穫前に荒らしやがって! 野菜だって勝手に生えてこないんだぞ!! お前がやってなくても、お前らの仲間がやってるんだろうが! お前らゆっくりなんて大嫌いだ!! 全滅しちまえ!! 種族を残せないようお前らの畑全部潰してやる!! ヒャッハー制裁だ!!」 …結局、人間の八つ当たりに近い報復行為のおかげで、まりさは自分たちの子供を一つも守る事が、生まれさせる事が出来なかった。 たった一つの、生まれようとしていた赤ちゃんを人間に潰され、自身も暴力を振るわれてボロボロになったまりさは 痛む体を引きずって畑の上に投げ捨てられた、生まれるはずだった我が子の亡骸に這って近づいてゆく。 人間の手で乱暴に掴まれ摘み取られ、握りつぶされて捨てられた赤ゆっくりのひしゃげた体からは、餡子がぶにゅると漏れていた。 まりさは涙をとめどなく流すと、我が子の亡骸に頬を摺り寄せた。 声も出なかった。 泣き言一つ呟く気力すら、まりさには無かった。 やがて秋が訪れ、冬を越し、暖かい春が来た。 「みずさんをかけるわ! ゆっくりそだってね!」 「はやくおおきくなってね!」 まりさとありすがすっきりー!して、ありすの頭から伸びた蔓に宿り、そして零れ落ちた数十の小豆色のゆっくりした種。 日当たりの良い肥沃な土地を木の棒で耕して畑を作り、撒いた種にそっと土を被せる。 その上に、まりさとありすは川から口に含んで汲んで来た水さんをかけた。 生き延びて冬を越したまりさはありすという新しいパートナーを見つけ、再び畑に子供たちを植えた。 土に抱かれて水分をたっぷり吸った子供たちの種は、やがて土の中で小さな芽を出す。 夜のうちに土を押しのけて芽は外に出て、朝の光を浴びるだろう。 「ゆっ! めさんがでたよ! ゆっくりしていってね!」 「おひさまをあびて、とかいはにそだってね!」 まりさは何度でも繰り返す。 何度芽を踏み潰されても、引っこ抜かれても、雨や日照りや強い風に枯らされても、台風になぎ倒されても、 捕食種に実を食べられても、人間に意地悪されても。 それでも、種を撒き、育て、畑を守る。 今度こそ、今度こそ守る、ゆっくりした自分たちの赤ちゃんと、ゆっくりしていってね!と笑いあうと胸の内で誓った。 元ネタ絵 byM1 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 挿絵の顔がキモイ -- 2012-12-18 17 18 59 絵の鳥謎いw -- 2012-09-16 22 43 42 ゆっくりがお百姓さんにおこなってきた仕打ちを考えれば、ゆっくりは何も言えないような気がする。 -- 2012-09-01 23 11 40 今回の虐待お兄さんは新でいいとおもう。 -- 2012-04-08 04 31 48 流石に今回は人間が余計 -- 2012-02-22 19 49 31 因果応報ってのはまさにこのことか… 赤ゆの行動ってどうしても悪意があるとしか思えない -- 2011-07-17 19 27 11 押絵の鳥がエビフライに見えるwww -- 2011-01-10 22 56 38 普段ゆっくりが自然や人間にやってる事がそのまんま返ってきてるな -- 2010-10-06 16 08 01 やはり同種であっても赤ゆ子ゆのウザさは異常 まじで赤ゆ子ゆだけは無条件で潰れろ -- 2010-08-25 23 13 28 挿絵のれいむが可愛すぎる -- 2010-08-25 20 29 26 こんな繁殖法では滅びちゃうんじゃ… -- 2010-07-07 09 25 56 やっぱ赤ゆがいっとうウザいな 親は何も分からない子供とか言ってるし実際そうなのかもしれんが、行動がいちいち悪質すぎる -- 2010-06-26 15 52 17 八つ当たり兄さんのせいで野菜勝手に生えてこないと思ってる種全滅させたら自業自得だと思う -- 2010-02-25 22 24 40