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赤ゆっくりには罰を 13KB 虐待 誤解・妬み 妊娠 ツガイ 飼いゆ 赤子・子供 現代 オリジナル性皆無です ペットショップで二匹のゆっくりを買ってきた。 れいむとまりさの子ゆっくりだ。 リボンとお帽子には銀バッジが輝いている。 ゲージの中ですやすやと眠る二匹は天使のように思えた。 社会人である男は、一人暮らしの寂しさを埋めるようにゆっくりに愛情を与えた。 そして、半年が過ぎた。 二匹はすくすくと成体にまで育った。 飼い主である男に甘え、時にはささいな悪戯をして叱られ、 それでも二匹は幸福に包まれながら成長した。 そんなある日、二匹はきりりとした表情で男に向かってこう言った。 「「おにーさん、れいむ(まりさ)たちはおちびちゃんがほしいよ!」」 二匹はぷるぷると震えつつも、飼い主の男から目を逸らさずにいる。 男は二匹にすっきりを禁じていた。 二匹が居れば寂しくなどなかったし、これ以上増えれば世話が煩わしくなるからだ。 「すっきりをしたら捨てる」そう言いつけて育てたと言うのに…… 「なぁお前たち――」 「「れいむ(まりさ)たちはすてられてもいいよ!!!」 「!?」 男が二匹を諭そうとした瞬間、二匹は大声を発した。 驚いて動きを止めた男に向かって、二匹はまくしたてる。 「れいむはおちびちゃんがほしいんだよ!」 「まりさたちはふたりでもちゃんといきていけるよ! おにいさんがいなくてもだいじょうぶだよ!」 「れいむたちにもゆんせいがあるんだよ! おちびちゃんがほしいのにがまんしなきゃいけないなんてりかいできないよ!」 男のこめかみに青筋が立った。 なんだと言うのだ、こいつらは! 赤ゆっくりの頃から面倒を見てやった俺がいらないだと! 大人になったらジジイはいらねぇってことか! 胸のうちに激しい怒りが込み上げるが、それは直ぐに沈殿する。 子供が欲しい、という欲求は生き物として当然のものだ。 こいつらは悪くない。悪くない…… 「ゆ……おにーさん?」 俯いて黙り込んだ男を伺うようにまりさが覗き込んだ。 男はバッと顔を上げる。 そこには有無を言わさない真剣な表情が浮かんでいた。 「お前らの言い分はよくわかった」 「ゆ! それじゃあ!」 「おちびちゃんをつくってもいいの!?」 二匹が喜色満面の笑顔を見せる。 「ちょっと待ってろ。お前らを捨てる準備をしてくる」 「「ゆゆっ!?」」 男の言葉に二匹が驚愕した。 「どうした?」 「お、おにーさん……?」 「れいむたちをほんとうにすてちゃうの?」 「お前らがそう言ったんだろう」 言い捨て、男は家から出て行った。 残された二匹はしょんぼりと気落ちする。 「まりさたちすてられるんだね」 「うん……おにーさんゆるしてくれるとおもったのに……」 「でもおちびちゃんはほしいよ」 「ゆん……」 二匹は別に嘘を言っていたわけではない。 だが、捨てられてもいいという覚悟を見せればすっきり禁止を解いてくれると思っていたのだ。 それだけにショックは隠しきれない。 今まで大切に育ててもらった恩を仇で返したようで申し訳ない。 二匹のゆっくりは悲しみに暮れ、それでも子供への執着も捨てきれず、 結局このまま素直に捨てられる事に決めた。 翌日。 男は二匹の飾りから銀バッジを外した。 二匹は反発せずされるがままだった。 「ごめんね……おにーさん」 「れいむたち、わがままいってごめんね」 二匹の言葉に男は何の反応も見せなかった。 ゲージの中に二匹を入れる。 男が二匹を運んだのは自宅の庭だった。 そこには大型犬用の小屋があった。 その前で二匹を放す。 「ゆゆっ!?」 「おにいさん、これって?」 「ここを巣にしろ。人間の家の庭ならどこよりも安全だろう。 だが餌はやらんからな、自分たちでなんとかしろよ」 男はそう言い残して二匹を背にして家の中に戻っていった。 てっきり遠い山の中にでも捨てられると思っていた二匹は喜びを体言するように跳ね回った。 「ゆゆ~ん! おにいさんおこってなかったよ!」 「よかったよれいむ~! またおにいさんにあえるよ~!」 体を密着させる二匹、すりすりと喜びを分かち合う。 そこで気づく。 もうすっきりしてもいいんだ。 まりさのぺにぺにが天を突いた。 れいむの顔は蒸気しまむまむが湿り気を帯びる。 二匹は小屋の中へもつれ合うように入ると情熱的なすっきりを開始した。 そして30分後。 れいむの額から1本の茎が生え、ゆっくりの実が結ばれていた。 「ゆっゆっゆっ~、まりさのあかちゃん~」 「ゆっくりしていってね~♪」 まだ青い実の状態だと言うのに二匹とも嬉しさのあまりはしゃいでいた。 と、その時れいむの腹の虫が鳴った。 「ゆっ! おなかすいたね!」 「そういえばそうだね! おにいさんに……」 まりさはハッと口を噤んだ。 そうだった、まりさたちは捨てられたんだった。 餌は自分で調達しなければならない。 「ゆっ! れいむはここでまっててね!」 「まりさ……」 「まりさにまかせてね! ここのにわさんはひろいからむしさんもいっぱいいるよ!」 まりさは張り切って小屋から出た。 これで晴れて番になったのだ。 れいむの旦那さまとして頼れるところを見せてやるんだぜ、と表情をきりりとして見せた。 「ゆ~ゆゆ~んゆ~ん♪」 まりさは日の光の下、自由を満喫するように庭を探索する。 すると、バッタが草に止まっているのを発見した。 「バッタさんはまりさのごはんになってね!」 宣言して大きな口にぱくりとバッタを入れる。 歯でそれをすり潰した瞬間、苦味が全身の餡子に走った。 「ゆっぺぺぺぺぺ~!!!」 咄嗟に口の中のものを吐き出すまりさ。 飼いゆっくりとして甘さ控えめのペットフードを食べてきたまりさ。 それでも甘いものは甘いもの。 苦いものなど食べたことのなかったまりさは、虫がこんなに不味いとは創造だにしてなかったのだ。 「ゆぅ~どうしてぇ~?」 ゆっくりは親子間で少しではあるが記憶が伝達される。 まりさの親のゆっくりは野良で虫さんはゆっくりできると記憶していた。 その記憶との齟齬にまりさは泣きそうになる。 「ゆゆ~……ゆっ、おはなさんがあるよ!」 庭の花壇には色とりどりの小さな花が咲いていた。 まりさはさっそく口に含む。 「ゆっ! ゆ~ん、ふしあわせ~……」 花には甘味もあったが青臭くて苦い味も強く、 吐き出すほどではないが美味しくなかった。 「ゆ~……こんなのれいむに食べされられないよ……」 意気消沈するまりさ。 先ほどまでの元気が嘘のようになくなり、眉を八の字に曲げる。 ぽよんぽよんと跳ねて、それでも何か食べられるものを探す。 すると、庭の緑に際立つほど浮く白くて丸い拳大の物体を見つけた。 それが5つほど無造作に転がっている。 訝しがって舌でつつくと柔らかな感触。 食てみる。口の中に広がる濃厚な甘さ。 「ゆぅ~~~~~!!! しあわせえええええええ~~~~~~!!!」 それは饅頭だった。 だが、生粋の野良だった親も、飼いゆっくりとして育てられたまりさも饅頭の事は知らなかった。 なんだか知らないけど美味しいものが庭にあった。 まりさは喜んでそれを口に含み小屋に持って帰った。 れいむも饅頭の存在は知らないようだった。 食すと跳ね上がるほどの舌鼓を打った。 二匹はそれを今と夜に分けて食べ、存分にゆっくりして眠った。 翌日以降も庭には饅頭が5つ転がっており、まりさは狩りの成果としてれいむに届けた。 れいむはまりさを英雄のように褒め称えた。 雨の日もあった。 饅頭は小屋の屋根の下に入るように転がっていた。 きっと雨宿りしていたに違いない、とまりさは勝手に納得しつつそれを狩った。 飢えることなく、二匹の蜜月は過ぎていった。 二週間後、ついに出産の時を迎えた。 まりさは帽子を脱いでれいむの茎の下に置いた。 クッション代わりである。 「ゆぅ~~もうすぐうまれるよ~~」 「おちびちゃん、ゆっくりはやくうまれてきてね~」 れいむの茎がゆさゆさと揺れている。 こどもたちが体を揺らして茎からその身を離そうとしているのだ。 そしてついに、ぽとりと赤ゆっくりがひとつ落ちた。 赤れいむだった。 両親はごくりと固唾を飲んで赤ん坊を見守る。 今すぐにでも「ゆっくりしていってね!!!」と叫びたい。 しかし先ずは赤ん坊から声を掛けてくるのを待たなければならない。 それがゆっくりのルールだった。 「ゆ……」 「「ゆ……?」」 目を瞑ってぷるぷるしている小さな赤ゆっくりが口を開き始めた。 両親は期待いっぱいにその動向を見守る。 そして、赤ゆっくりは言い放つ。 「ユギャギャギャギャギャギャアアーーーー!!!!!!」 赤ゆっくりとは思えぬ音量で奇声を上げ、どろりと融解した瞳を見開き、 その小さなれいむは死んだ。 両親は呆然と間を置いた後、目を円くして叫んだ。 「どぼじてえええええええええええ!!! なんででいむのあがぢゃんじんぢゃったのぉおおおおおおおおおおお!!?」 「ゆぎゃああああああああああ!!? きぼじばるぃいいいいいいいいいいい!!!」 まりさはクッションにしていた帽子を加え、ぶんぶんと振った。 赤れいむが飛んでいき、小屋の壁にぶち当たった。 べちゃりと、まるで濡れたまんじゅうのようにグズグズの皮が付着した。 「でいむのあがちゃんんんんんん!!!!」 「ゆがあああああああああ!! くさいよおおおおおおおおお!!! ばりさのおぼうしざんがぐさいよぃいいいいい!!!!」 滝のように涙をながすれいむと、気が狂ったように自分の帽子をばんばん小屋の床に叩きつけているまりさ。 ゆっくりは死ぬとゆっくりにしか分からない死臭を放つ。 その臭いはとてもゆっくり出来るものではない。 まりさは染み込んでしまった死臭を取り除こうと必死に帽子を叩いていた。 「ゆゆゆ、うばれる! ばりさ! またうばれるよ!」 「ゆっ!?」 れいむが言うと、まりさは我を取り戻し、赤ん坊たちを注視する。 もう帽子を床に敷こうとは思わないようだ。 再び、ぽとりと一匹の赤ちゃんが落ちた。 今度は赤まりさ。 ぷるぷると体を震わせ、第一声を発する。 「ゆっきゅりちていっちぇね!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 両親が口を揃えて赤まりさに答えた。 今度はまともな赤ちゃんのようだ。 さきほどの赤ちゃんは何かの間違いだったのだ。 れいむとまりさは目を合わせて、安堵の笑みを浮かべた。 「ゆっくち! ゆっくち!!」 赤まりさがその場で体を揺らしている。 「どうしたの、おちびちゃん?」 れいむが尋ねると、赤まりさは小さな瞳から涙を流した。 「どぼじてあんよしゃんうごかにゃいにょおおおおお!!!」 「「ゆううううううううううう!!!?」」 ゆっくりは生まれた直後でも自分で動くことが出来る。 そうだと言うのにこの子は動けないと言うのだ。 両親は唖然として子供に声をかけることもできない。 そうしているうちにも子供は生まれてくる。 次に落ちてきたのは赤れいむだ。 赤れいむはぷるぷると震えた後、仰向けになって大口を開いた。 舌を天井に突き出して、目を大きく開いて、ぶるぶると震えている。 やがて顔色が紫色となり、そしてゆっくりと息を引き取った。 次に落ちてきたのは赤まりさ。 床に着地、と同時にふやふやのあんよがやぶけて餡子が床に広がる。 「ゆぐぢぃぃぃ……」 虫の声で呟くと、そのゆん生を終えた。 次に落ちてきたのは赤れいむ。 全身を震わせ、目を開いてきりりとお決まりのセリフを口にする。 「ゆっくちちていっちぇね!!!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 両親の目が期待に彩られた。 今度こそまともな子だ! そう信じて疑わない眼差しが、すぐに絶望に縁取られた。 「ゆぅううううううう!!」 ころん、とその赤れいむは後ろに転がったかと思うと、 頭で倒立したままあんよをうねうねと動かしていた。 「もどりぇにゃいよぉおおおお」 「おちびちゃん!」 まりさが舌を使って赤れいむを元の体勢に戻す。 が、すぐにころんと転がり倒立状態に。 どうやらこの赤れいむは中のあんこのバランスが悪く倒れてしますようだ。 「もどしちぇええええええ!!」 「ゆぅううううう」 まりさがしどろもどろしているうちに、最後の赤ゆっくりが生れ落ちた。 赤まりさだった。 そのまりさは目を開くと、にやぁとだらしない笑みを浮かべた。 「ゆぎゅりぃ~~」 そして青虫のように体を曲げては伸ばして移動し、親であるれいむにぴとりとくっついた。 「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃっ!」 よだれを撒き散らして笑うその赤まりさは、ひどく醜悪だった。 そして、子を産み終えたことを示すようにれいむの額に生えた茎が床に落ちた。 惨憺たる有様だった。 夢描いていた赤ん坊との団欒など見る影もない。 壁にへばりついて死んでいる赤れいむ。 足を動かそうと必死に体を前後に揺らして泣いている赤まりさ。 まるで窒息したかのよう紫色になって死んだ赤れいむ。 床に餡子を撒き散らして死んだ赤まりさ。 倒立状態で涙を流している赤れいむ。 青虫のように這い回り気色の悪い哄笑を続ける赤まりさ。 生きている赤ん坊は三匹。 だがこの赤ん坊は、あまりにも両親が望んだ赤ん坊からかけ離れていた。 「まりさぁー……」 「れいむ……」 希望などどこにもない暗い表情で互いを見合うれいむとまりさ。 ゆっくりできない。 と二匹が思ったところで、小屋の屋根が不意に外された。 「おー、生まれたみたいだな」 上から元飼い主である男が覗き込んでいた。 「おにいざんんーーーーー!!!!」 「でいぶのあがぢゃんだぢがああああああああああ!!!!」 どこから出るのか疑問になるほどの勢いで涙を流すれいむとまりさ。 男は小屋の様子を見回して、首を振った。 「あ~、ひでぇなこりゃ」 「おにいざんんんんーーー、ばりざのおちびぢゃんをだずげでぇええええええええ!!」 「いや、無理だ。死んでるし、先天的障害は治しようがない」 「おねがいじばすぅううううううう!!!」 「無理だってば……お前ら多分、まともな赤ちゃん作れない病気なんだな」 「どぼじてぞんなごというのおおおおおおおお!!?」 「ぼにいざんのばがあああああああああああ!!」 「ちゃんと見ろよ。六匹も生んで普通の赤ちゃん一匹もいないじゃんか」 「こでばちがうううううううううう!!」 「ぼにいさんはああ……」 まりさが食って掛かろうとしたところで、男は手のひらをまりさに向けた。 静止の合図だ。 「ま、それは置いといてだ」 「「ゆ?」」 「お前ら、飼いゆっくりに戻るか? 赤ん坊も連れてきてもいいぞ」 「「ゆゆゆゆゆ!!?」」 れいむとまりさが互いの顔を見合う。 戻れる? あの幸せーしかなかった家に戻れる? 戻りたいよ、戻りたいよ!! 「「おにいさん、もういちどれいむ(まりさ)をかってね!!!」」 「ああ、いいぞ」 そうして、二匹は再び飼いゆっくりになった。 ※ ※ ※ 子供を生みたいという欲求に罪はない。 だから男は二匹に子を生ませてやった。 ゆっくりできない子供を。 庭に饅頭を置いたのは、もちろんこの男だ。 饅頭には赤ゆっくりや子ゆっくりにだけ毒となる鬼意印の薬が含まれていた。 奇形ゆっくりが生まれたのはその為だ。 二匹が再び飼いゆっくりになって二週間が経った。 今男の家にはゆっくりが四匹いる。 れいむとまりさ。 歩けない子まりさ。 倒立してしまう子れいむ。 汚らしく涎を撒き散らして笑う赤まりさは、夜中のうちに男が始末した。 さすがにこんな汚物を置いておけるほど男の心は広くない。 男はれいむとまりさのことを気に入っていた。 二匹は男をゆっくりさせてくれていたし、男もゆっくりを与えていた。 その関係を崩そうとしたのが赤ゆっくり。 ならその赤ゆっくりに罰を与えてやろう。 男の中でそんな理論の飛躍がなされたのだった。 動けない子ゆっくり二匹は今、運動してじゃれ合っている両親を羨ましげに眺めている。 倒立れいむはきちんとした体勢で固定した簡単な歩行器に入れられていた。 ゆっくりはゆっくりすることを何よりも尊ぶ。 子供たちとおしゃべりしたり歌うこともゆっくりする手段だが、体を動かすこともゆっくりできることだ。 運動をしている時は完全に子供たちから無関心になる両親。 そして運動でいい汗をかいた後、子供たちとゆっくりを始める。 二匹とも、ゆっくりしていってね!!! 終わり なんか考えてた以上に〆がイマイチです…… トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 赤ゆへの欲求を断つという形で関係を修復したお兄さん 有能 -- 2016-01-08 01 11 49 倒立れいむの設定、他でもはやれ! -- 2014-05-09 08 36 39 ゆっくりすなわちゴミ奴隷 -- 2014-02-28 17 49 29 ↓↓↓おちびちゃんのときからかってたからきゃっしゅさんをたくさんつかったんだね。 ちぇんわかるよー。 どうかんがえてもおんぎさんをわすれてたんだね!わかれよー!! ちぇんわかるよー!にんげんさんはゆっくりしてたらおちびちゃんつくっていいって いってくれるんだね。 わからないよぉー!あんちさんはすれさんちがいだよ!! -- 2013-09-25 11 00 17 とてもゆっくりできました‼ -- 2013-07-18 13 30 42 涎撒き散らしてる奴ください!! -- 2012-10-03 07 39 20 親れいむとまりさにも罪は無いだろう。子供を作りたいのは生物としての本能で、飼いゆっくりなんてのはその本能を人間様()の都合のいいように捻じ曲げてるだけだ。 赤ゆの世話も人間がして当然と思ってるゲスは制裁されるべきかもしれんが、こいつらは結局捨てられることを潔く受け入れたし、飼い主への恩義も忘れてなかった。 こういう人間は、ペットを奴隷か何かと勘違いしてるんだろう。 -- 2012-09-17 07 14 23 Why? -- 2012-07-22 15 51 52 とってもゆっくりできました!!! -- 2012-02-26 14 52 14 障害関連はゆっくりできないよ…ゆっくり理解してね… -- 2012-02-13 18 12 10 なんで飼い戻すのか -- 2011-11-25 17 47 09 お話しはゆっくりできたけどコメントに日本語読めない人が多すぎてゆっくりでぎないぃ -- 2011-09-25 02 27 04 先天性奇形赤ゆの話は凄くゆっくりできるよ! しかも親の罪を子が丸被りするとか子が無様過ぎて尚の事ゆっくりできるよ! -- 2011-05-19 21 55 58 ↓奇型も正しく変換できないような低能に脳がなんだと言われたくないと思うわ。 というかお前なんでバカのくせにそんなに上から目線なの?バカだから?俺たちはお客様じゃないってことをいい加減理解しろよ。 こんなクソコメント書いちゃうやつは奇型以前に脳量が足りてないとしか思えないな。 -- 2011-02-15 18 53 17 身の程知らずにも自分達だけで生きていけると 大口を叩いた番はそのままか・・・ 気系の赤ゆっくりの為に作ったSSなんだろうけど これじゃあゆっくり出来ないよ はっきり言えば不愉快レベル こんなクソSSを平気で投稿出来ちゃう作者様の脳が気系としか思えません -- 2011-02-15 15 41 58 いやいやいや・・・赤ゆがどうなろうと知ったこっちゃないがゴミクソ饅頭二匹が調子に乗りすぎだろ・・・ -- 2011-01-26 02 00 56 ( ;∀;) イイハナシダナー 作者の赤ゆヘイトが伝わってきて、ゆっくりできたわ 凄惨な死産(と生まれて即死)のそれぞれの死に様が実に良い どうしてもひっくり返る奇形が特に良かった 赤ゆの無防備さ、無力さ、無能さを更にここまで引き立てる設定の障害は見た事がない 歩けない赤ゆが必死に足掻く描写でご飯美味しいです とにかくゆっくりできたわー -- 2010-12-24 06 13 26 結局れいむとまりさを飼い続けるのかよ この飼い主はれいまりと同次元のカスか -- 2010-12-18 21 18 05 ラスト直前までは結構面白かったです。〆は作者さんの言うとおり、ちょっと赤ゆへの貶めが 緩かったかもしれませんね。赤ゆたちの悲しみを書き加えると良かったかも。 -- 2010-12-18 07 52 47 赤ゆには罪は無いが… 親を傷付けずに罰を与えるって手で選択したってのならわかるな。 去勢してから飼えば良かったねぇ。 飼いゆっくりも、一匹だけ育てるとか下手にお願いしたらよかったのにw -- 2010-10-16 20 24 37
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「ふたば系ゆっくりいじめ 566 赤ゆっくりには罰を/コメントログ」 生理的に受け付けないな、1と6は -- 2010-04-16 02 03 35 障害関連はやめたほうがよい -- 2010-04-19 00 43 41 結構怖い -- 2010-05-17 22 33 41 短い -- 2010-06-08 21 56 12 罪に対して罰がある。赤ゆ…別に罪を犯してなくね? -- 2010-07-11 01 20 58 うーん、何故赤ゆが罰を与えられるんだ すっきり禁止したいならはじめから去勢するか番で飼うなよ……その上この仕打ちとはこの飼い主は餡子脳なのか -- 2010-07-11 02 04 37 個人的には赤ゆじゃなくて番に対して積極的な制裁をしてほしいんだが…SSの趣旨がちがうのはしょうがないか… -- 2010-07-18 14 21 51 ゲスな飼い主に翻弄されるゆっくりの話として見れば、まぁ悪くない。 -- 2010-08-23 14 40 26 ゆっくり共が不幸せな話しはいい。 -- 2010-08-28 00 11 31 むしろ野良も大変だったろうとか話した後でもう一度飼って欲しい、と言わせた上で 「捨てたろ?」って絶望させるテンプレ話でよかった -- 2010-09-28 13 27 20 「悪いのは赤ゆだ」と言う考えに行き着かせたこと、 或いは行き着いたことが悪いと思う人もいるだろうが、 物語の趣旨・着眼点が面白い。実に素敵な論理飛躍だw -- 2010-09-28 17 46 39 赤ゆには罪は無いが… 親を傷付けずに罰を与えるって手で選択したってのならわかるな。 去勢してから飼えば良かったねぇ。 飼いゆっくりも、一匹だけ育てるとか下手にお願いしたらよかったのにw -- 2010-10-16 20 24 37 ラスト直前までは結構面白かったです。〆は作者さんの言うとおり、ちょっと赤ゆへの貶めが 緩かったかもしれませんね。赤ゆたちの悲しみを書き加えると良かったかも。 -- 2010-12-18 07 52 47 結局れいむとまりさを飼い続けるのかよ この飼い主はれいまりと同次元のカスか -- 2010-12-18 21 18 05 ( ;∀;) イイハナシダナー 作者の赤ゆヘイトが伝わってきて、ゆっくりできたわ 凄惨な死産(と生まれて即死)のそれぞれの死に様が実に良い どうしてもひっくり返る奇形が特に良かった 赤ゆの無防備さ、無力さ、無能さを更にここまで引き立てる設定の障害は見た事がない 歩けない赤ゆが必死に足掻く描写でご飯美味しいです とにかくゆっくりできたわー -- 2010-12-24 06 13 26 いやいやいや・・・赤ゆがどうなろうと知ったこっちゃないがゴミクソ饅頭二匹が調子に乗りすぎだろ・・・ -- 2011-01-26 02 00 56 身の程知らずにも自分達だけで生きていけると 大口を叩いた番はそのままか・・・ 気系の赤ゆっくりの為に作ったSSなんだろうけど これじゃあゆっくり出来ないよ はっきり言えば不愉快レベル こんなクソSSを平気で投稿出来ちゃう作者様の脳が気系としか思えません -- 2011-02-15 15 41 58 ↓奇型も正しく変換できないような低能に脳がなんだと言われたくないと思うわ。 というかお前なんでバカのくせにそんなに上から目線なの?バカだから?俺たちはお客様じゃないってことをいい加減理解しろよ。 こんなクソコメント書いちゃうやつは奇型以前に脳量が足りてないとしか思えないな。 -- 2011-02-15 18 53 17 先天性奇形赤ゆの話は凄くゆっくりできるよ! しかも親の罪を子が丸被りするとか子が無様過ぎて尚の事ゆっくりできるよ! -- 2011-05-19 21 55 58 お話しはゆっくりできたけどコメントに日本語読めない人が多すぎてゆっくりでぎないぃ -- 2011-09-25 02 27 04 なんで飼い戻すのか -- 2011-11-25 17 47 09 障害関連はゆっくりできないよ…ゆっくり理解してね… -- 2012-02-13 18 12 10 とってもゆっくりできました!!! -- 2012-02-26 14 52 14 Why? -- 2012-07-22 15 51 52 親れいむとまりさにも罪は無いだろう。子供を作りたいのは生物としての本能で、飼いゆっくりなんてのはその本能を人間様()の都合のいいように捻じ曲げてるだけだ。 赤ゆの世話も人間がして当然と思ってるゲスは制裁されるべきかもしれんが、こいつらは結局捨てられることを潔く受け入れたし、飼い主への恩義も忘れてなかった。 こういう人間は、ペットを奴隷か何かと勘違いしてるんだろう。 -- 2012-09-17 07 14 23 涎撒き散らしてる奴ください!! -- 2012-10-03 07 39 20 とてもゆっくりできました‼ -- 2013-07-18 13 30 42 ↓↓↓おちびちゃんのときからかってたからきゃっしゅさんをたくさんつかったんだね。 ちぇんわかるよー。 どうかんがえてもおんぎさんをわすれてたんだね!わかれよー!! ちぇんわかるよー!にんげんさんはゆっくりしてたらおちびちゃんつくっていいって いってくれるんだね。 わからないよぉー!あんちさんはすれさんちがいだよ!! -- 2013-09-25 11 00 17 ゆっくりすなわちゴミ奴隷 -- 2014-02-28 17 49 29 倒立れいむの設定、他でもはやれ! -- 2014-05-09 08 36 39 赤ゆへの欲求を断つという形で関係を修復したお兄さん 有能 -- 2016-01-08 01 11 49
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『あまあまプレイス』 「お……、お……おいしく……ゆぐっ……えぅ……」 入念にあんよを焼かれた一匹のれいむが透明な箱の中に閉じ込められ、嗚咽混じりに何か言おうとしている。 「オラァ!! べそべそ泣いてねーでちゃんと客引きやれや!! このクソ饅頭がぁ!!!!!」 「ゆひぃぃぃっ!!!!」 そのれいむに対して罵声を浴びせるのは、白い前掛けに三角巾を頭に巻いた職人風の男。 れいむが怯えた表情でその男を見上げる。 まるでナイフのような鋭い視線がれいむを射抜く。 今すぐこの場所から逃げ出したい……いや、せめて箱の反対側の壁に顔を押し付けて少しでもこの男から離れたい。 そうは思っていても、その場から動くことは叶わない。 「ゆぐっ……おい……おいしく……おいしくたべていってね!!!」 ようやく男の望んだセリフをれいむが口にすると、箱の中のれいむに一瞥しながら、 「チッ……手間かけさせんじゃねーよ」 それだけ言い残して店の中に戻っていく。 「ゆぅぅぅ……ゆっぐり……ゆっぐりしたい゛……したいよぉぉぉぉ…………」 炭化したあんよ、涙の痕、悲痛な表情で泣き続けるれいむ。 こんな有様でも、れいむはこの店の客引きを担当しているのだ。 れいむの閉じ込められている透明な箱のすぐ脇に、大き目の看板が立っている。 【回転ゆっくり:あまあまプレイス】 なんとも怪しい響きの店名だが、それなりには繁盛している。 “回転寿司のゆっくり版”。 それが、この店の事を最も簡潔に説明する言葉になるだろう。 普通なら、まず客は寄り付かない。 涙ながらに人語を用いて助けを求める生き物が客引きをやっている店など、どう考えても常軌を逸している。 それでも、このやり方で店が運営できているのにはちゃんと理由があるのだ。 一つ。 店の運営は近隣の加工所と提携しており、安い元手で商売を行うことが可能である。 二つ。 ストレス社会の渦中に放り出された人々は泣き叫ぶゆっくりを見ているだけでも癒される。 三つ。 苦痛を与えられたゆっくりは、単純に“食べ物”として美味しい。 中には、「ゆっくりがかわいそう」と言って毛嫌いする人もいるのだが、この世界においては少数派である。 これまで散々、社会問題になってきたゆっくりたちだ。 それらを駆除しようとは思っても、保護しようと考える者は少ない。 食べて美味しいのなら、どんどん食べよう。 そういうコンセプトで、この店はつい最近オープンした。 あまり詳しいことは知られていないが、加工所ではおびただしい数の“食用ゆっくり”が量産されている。 その数は一万や二万程度のものではない。 その量産方法については割愛させていただくが、無限に、しかも手軽に増殖可能なゆっくりを利用しない手はなかった。 統計学的に見て、加工所産のゆっくりは基本的に人間に対して友好的ではない。 親ゆっくりの餡子に刻まれた負の記憶が如実に受け継がれているからであろう。 こういう理由から、ペット用としてのゆっくりは野生で暮らしているゆっくり家族を拉致してくるのがベストだとされている。 一時期、ゆっくりの品種改良なども考案されたが、存在そのものが謎であるゆっくりに対して現代の科学では不可能とされた。 「ゆんやあああああああああああああ!!!!!!!!」 店内から、赤ゆの叫び声が聞こえてくる。 職人たちが、下ごしらえを始めたのだろう。 客が多い日であれば、一日で千匹近くのゆっくりが“調理”されて、そのゆん生を終える。 開店と同時に、既に数名の客が店内に足を踏み入れていた。 「お……おいしくたべていってね……!!」 力なく、それでも笑顔を絶やさないように自分の前を素通りしていく人間に声をかけるれいむ。 意思と無関係とは言え、同族を「美味しく食べてね」などというれいむの姿。 その様子は、れいむの情けない泣き顔の効果も上乗せされて、あまりにも滑稽なものであった。 「ぷっ」 「馬鹿じゃねーの」 通りすがりの人間に、笑われて馬鹿にされるれいむは、悔しくて悲しくて下を向いたまま、ずっと涙を流していた。 「へい、らっしゃいっ!!!」 内装は、時代劇に出てくる茶屋をイメージして作られている。 店の中央には回転寿司屋でよく見かけるベルトコンベア。 そこを流れていく皿の上には、様々な種類の“お菓子”が載せられていた。 「ゆっゆっゆっゆっ……」 一様に、がくがくと震えながら目だけを動かして席に座っている客に視線を向ける。 客引きのれいむ同様、あんよを焼かれているのだ。 逃げ出すことはできない。 「ゆぁぁぁぁ……っ!!! やめちぇにぇ!! やめちぇにぇっ!!!」 禿饅頭になっている赤れいむだか、赤まりさだかはわからない赤ゆっくりの載っていた皿に客の一人が手をかけた。 コンベアの上を流れている間中、そこから降ろされた仲間がどうやって死んでいったかは、鮮明に餡子脳に焼き付いている。 「ゆ……ゆわぁぁぁぁ!!!!」 禿赤ゆの眼前には、少し大きめの爪楊枝のようなものが迫っている。 「い゛ち゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛ぃ゛ぃ゛!!!!」 目と目の間に、思いっきり爪楊枝を突き立てる。 叫び声を上げる禿赤ゆは、ちょろちょろとしーしーを垂らしている。 客も狙ってやっているのかは知らないが、一口サイズなのに、一口で食べようとはしない。 禿赤ゆの顔の三分の一程を、噛みちぎって咀嚼する。 「ゆ゛ぎゃああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」 甲高い悲鳴が店内に響く。 恐ろしいのはその悲鳴を聞いて、店内にいる人間全てが不気味な笑みを浮かべている事だろう。 ちなみに張り紙には、「他のお客様の迷惑になりますので、店内で“ヒャッハーー!!”と叫ぶのはご遠慮ください」とある。 「まりじゃの……まりじゃの……きゃわいいおきゃおがあぁぁぁぁぁ!!!!!」 誰もわからなかったが、禿赤ゆの正体は赤まりさだったらしい。 「おにぇがいしましゅぅぅぅぅぅ!!! たちゅけちぇぇぇぇ!!!!」 「やぁぁぁぁ!!! れいみゅ、おいちくにゃいよぉぉぉぉぉ!!!」 「ときゃいはじゃにゃいわぁぁぁ!!!」 「わきゃらにゃいよぉぉぉぉぉ!!!!!」 「むきゅぅぅぅぅ!!!! むっきゅぅぅぅん!!!!」 泣き叫ぶ仲間の声に呼応するかのように、喚きだす他の赤ゆたち。 客に出される商品は、全て赤ゆである。 そうでなければ皿の上には載らないし、何より新鮮な赤ゆは非常に美味しい。 「大将!!」 「へい!!」 「れいむの炙り」 「あいよっ!!!!」 「「「ゆんやああああああ!!!!!」」」 「「「「やじゃやじゃぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!」」」」 客から“れいむ”という単語が口に出された時点で、大きな箱の中に詰め込まれた赤れいむたちが途端に騒ぎ出す。 そこに、大将が手を延ばすと、その叫び声は一層大きくなった。 「おしゃらをとんじぇるみちゃいっ!!!!」 ぐしゃぐしゃの泣き顔でも、本能に抗うことはできないのか、一瞬だけ笑顔で叫ぶ。 大将は、リボンをつまんでおり、そのままの状態で赤れいむをまな板に打ち付けた。 「びゅぎゅっ??!!!」 打ち付けた瞬間、手首のスナップを利かせて赤れいむのリボンと髪の毛を引きちぎる。 「い゛ぎゃあ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ッ??!!!!」 まな板の上にぐったりと横たわる赤れいむは既に禿饅頭となってしまった。 赤れいむに与えた苦痛は、餡子に濃厚な味を染み込ませたことだろう。 わずか数秒で赤れいむを瀕死に追い込みながらも、皮には傷一つついておらず、餡子を漏らしてしまっている事もない。 まさに匠の技である。 「いちゃい……れーみゅの……きれいにゃ……きゃみのけ……ぴこぴこしゃん……」 泣き崩れている赤れいむの目の前には、竹串と小型のバーナーを手にした大将がいる。 「ゆっ……?」 気付いた時にはもう遅い。 「ゆ゛ん゛っ、や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!」 赤れいむの動きを固定するために竹串を必要最低限の長さ分、皮に突き立てる。 その場から必死に逃げ出そうとするが、思うようにあんよを動かすことができない。 そこに、バーナーの炎が赤れいむの顔面に放たれる。 「ん゛っびゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!!!!!!!!!!!!!」 ピンポン玉ほどのサイズしかない赤れいむは、一瞬で全身に火傷を負い苦痛に身を捩らせている。 竹串に突き刺したまま赤れいむを持ち上げ裏返すと、あんよだけは少し長めに炎を浴びせる。 赤れいむのあんよが、ひくひくとしか動かなくかった事を確認すると、大将はようやく竹串を引き抜いた。 「へい!! “れいむの炙り”お待ち!!」 皿の上に載せられ、凄まじい形相のまま固まってしまっている赤れいむが客に出される。 「やべ……ちぇ……」 この期に及んで、まだ命乞いを続ける“れいむの炙り”を一思いに口の中に放り込んで噛みつぶす。 「うめぇ!! やっぱ饅頭はちょっと火で炙ったくらいが一番美味いぜ」 歓喜の声を上げる客の口の中からは、小さな小さなか細い声で、 「もっちょ……ゆっくち……しちゃかっちゃ……」 その後も次々に惨殺されていく無数の赤ゆたち。 大き目の水槽の中に入れられている少しだけ大きくなった赤ゆたちも、声も上げることができずに四隅で震えている。 このぐらいのサイズになると、たまに箱を飛び越えて脱走するゆっくりがいるので、隔離しているのだ。 最も、客にとっては恐怖で顔を歪める赤ゆを見るのは楽しかった。 客の中には水槽の中の赤ゆを指名して調理して欲しいという者もいたので、案外無駄にはなっていないのだ。 「大将! チョコパフェ一つ!!」 「あいよっ!!!」 「その端っこのちぇんと、中身吐いてないそこのぱちゅりーで頼むわ」 「へいっ!!!」 「わ……わきゃらないぃぃぃぃぃ!!!!」 「むぎゅぅぅぅぅ!!! やめちぇちょうらいっ!!!」 水槽の裏側に、従業員が回ると蜘蛛の子を散らしたように赤ゆたちが逃げ回る。 「こっちこにゃいじぇぇぇぇぇ!!!!」 「ゆんやああああああああああ!!!!!!!」 「やぁぁぁぁ!!!!」 「ゆひぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 その様子を見て、客は満面の笑みを浮かべていた。 今さらだが、この店に来る客は、“あちら側”の人間が多い。 中には、 「フフン。 水槽の中で逃げ惑う赤ゆを見ると、すぐ勃ちやがる……」 などと言っている者もいた。 先端に、鋭いフックのついた柄の長い棒が水槽の中に侵入し、正確に赤ちぇんの顔面を貫いた。 「に……ぎに゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!! 深々と体内にフックが突き刺さったまま宙に浮かされる。 「おしょ……りゃを…………っ!!!」 二本の短い尻尾をふるふると左右に振って、抵抗を試みるが無駄なことこの上ない。 ちなみに、注文されたのは“チョコパフェ”。 ちぇんの顔や皮がどうなろうと知ったことではない為、多少乱暴に扱われる。 わざわざ手荒な真似をする必要はないのだが、その方が客受けがいいのだ。 「やめちぇぇぇぇ!!! いちゃぃぃぃ!!! わきゃらにゃいぃぃぃ!!!!」 二本の尻尾をそれぞれ指でつままれた状態のまま、タッパーの上に持って来られる。 そして、尻尾を左右に強く引っ張る。 ぶちぶち……ッ、という音と共に赤ちぇんの顔が真っ二つに引きちぎられた。 「がひっ……っ!!!」 その中からチョコレートがぼとぼとと落ちてくる。 「お客さん! こいつ一匹じゃ足りないんで、他のちぇんも使いますよ?」 「お願いします」 同じように、赤ちぇんと赤ぱちゅりーが数匹ずつ顔を引き裂かれ、その中身をタッパーに垂らす。 その後、数分でチョコパフェを完成させてそれぞれの中身が客の腹の中に収まった。 「ありすのぺにぺにの輪切り!!!」 「へいっ!!!」 「「「「ときゃいはじゃにゃいわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」」」」 今度は、赤ありすたちが絶叫する。 しかし、大将が箱から取り出したのは成体のありす種だった。 ピンポン玉のぺにぺにの大きさなどたかが知れている。 商品にはならない。 「ゆ……ゆっくりしていってねっ!!!」 既に恐怖で思考が麻痺しているのだろう。 ありすは、大量の冷や汗をかきながら歯をカチカチと鳴らしていた。 「よっ!」 ありすを持ち上げてゆする。 「ゆっ?? ゆゆゆゆ…………っ、お……おにぃさ……へんなこと……しないで……ね?」 ゆする。 まだゆする。 「ん……んぅっ……!!!」 見る見るうちの頬を紅潮させ、息を荒げ始めるありす。 顎の辺りから十センチほどのぺにぺにが出現していた。 「んっほおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ……!!!!!」 十分に興奮したところで、一思いに出刃包丁でぺにぺにを切り落とす。 「ッ??!!!!!」 目を見開き、口を引き裂けんばかりに大きく開く。 顔面蒼白になっており、切り口からはぽとぽとと中身のカスタードが漏れ出している。 「ゆ……? ゆゆ……?」 余りにも突然の出来事でフリーズしてしまっているのだろう。 「あ……ありすの……とかいはなぺにぺにがあああああああああああああ!!!!!」 まな板の上に無造作に転がるぺにぺにを見ながら泣き叫ぶ。 それに淡々と包丁が落とされ、切り分けられていく。 「ゆああああああああああああああ!!!!!!!!!」 「へいっ!! ぺにぺにの輪切り、一丁!!!」 「美味ぇ!! 芳醇なカスタードを包む、ちょっとコリッとした外側の皮がたまんねぇ!!!!!」 まだ何か叫ぼうとしているありすを包丁で叩き切り、袋の中に捨てる。 ぺにぺにの為だけに、取りだされたありすの末路は大抵こんなものだ。 ちなみに、目の前で調理されるゆっくりを見るのが目的という客の方が圧倒的に多いので、コンベアの上の赤ゆは基本無視される。 ぐるぐる、ぐるぐる。 ずっと回り続けて、売れ残る。 いつ客に自分が載っている皿を取られるか分からない状況で、仲間の惨たらしい最期を見るしかないのだ。 閉店後。 客引きのれいむが入った箱に、甘い香りのする何かが投げ込まれた。 (ゆぅ…………みんな……ゆっくり……ゆっくりしていってね……っ) れいむには、“それ”が何かわかっているのだろう。 今日、売れ残った同族の中身。 これが、れいむに与えられる食事だった。 店の外にいても、ずっとゆっくりたちの叫び声は聞こえてくる。 従業員が看板を片付け終える。 いつまで経っても、与えられた“餌”を食べようとしないれいむ。 従業員はその様子を見ても、特に何も言わない。 どうせ、翌朝には綺麗にたいらげているのだ。 箱をノックする。 れいむが従業員を振り返った。 「美味しく食べていってね」 おわり by余白
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「ゆっくちしちぇいっちぇにぇっ!!!」 あれから一週間。赤れいむ二匹と赤まりさ一匹が女の家族に加わった。元気いっぱいの赤ゆたちは外敵の存在し ない女の部屋で一日中ゆっくり過ごし、すくすくと成長していった。 「ゆっくち!ゆっくち!」 縦横無尽に部屋の隅々まで飛び跳ねて遊ぶ赤まりさ。 「ゆー…ゆ、ゆゆぅ……」 れいむの指導のもと、おうたの練習をする赤れいむ。 「おしょらをとんでりゅみちゃい!!!」 まりさの帽子のつばの上に乗って高い高いをしてもらい、歓声をあげる赤れいむ。 女がトイレから出てくると、部屋中を飛び跳ねていた赤まりさと鉢合わせた。 「おにぇーしゃん!まりしゃたちとゆっくちあしょんでにぇっ!!!」 「そうねぇ…何をして遊ぼうか?」 口元をタオルで拭きながら、女が一家の元へと歩み寄る。 「おにぇーしゃん!ゆっくち~~~!!!」 赤まりさを手の平の上に載せているのを見た二匹の赤れいむが、 「れーみゅも!れーみゅもやっちぇ~~!!!」 「………っ!」 女が無言で赤まりさを床に下ろす。そして、再びトイレへと駆けこんだ。 「ゆゆぅ…!れーみゅもやっちぇほしかっちゃのにぃ…ぷきゅぅ…」 赤れいむはご機嫌斜めだ。しかし、れいむとまりさは女が一瞬見せた苦しそうな表情を見逃さなかった。最近、 女はよく突然トイレに向かう。一度、れいむ、まりさ、赤れいむ二匹と順番にゆっくりフードを餌皿に入れていた とき、その途中でその場からいなくなり、餌を貰えないと勘違いした赤まりさが大泣きする事件があった。 女は、赤まりさに何度も何度も謝っていた。ようやく、赤まりさの機嫌が治りかけた頃、女は再びトイレへと駆 けこんだ。 今までにこんなことはなかった。 れいむやまりさと一緒に過ごしている時、その場を離れることがあれば、必ず一言声をかけてくれた。 「れいむ…おねえさんのことだけど…」 「うん……さいきん…ゆっくりできていないみたいだよ…」 すぐに二匹の脳裏に浮かんだのは、自分たちの家族が増えたことで、それが女の負担になっているのはないか… ということだった。 女がトイレから出てくる。れいむとまりさが見ても、女の顔色は決していいとは言えない。れいむがぴょんぴょ んと女の傍へと駆け寄る。 「あ…れいむ、お昼ごはん…ちょっと待っててくれない?ごめんね…?」 「おねえさ…」 そう言うと、女はベッドに潜り込んでしまった。右の掌を顔にのせ、深いため息を吐く。 れいむは、まりさの隣にあんよを這わせると小さな声で、 「どうしよう…おねえさん…くるしそうだよ…」 「ゆぅ…」 困惑する二匹をよそに、三匹の赤ゆたちは空腹で騒ぎ始めた。れいむとまりさが必死になだめる。先ほど、女は “ちょっと待って”と言っていた。れいむとまりさは、それができる。しかし、赤ゆたちにはそれができない。 お腹が空いているのにいつまで経ってもご飯をもらえないことで、赤ゆたちが大声で泣き喚いた。 「ゆんやあああああ!!!おにゃかすいちゃよ~~~!!!!」 「ごはんしゃん…ごはんしゃん、たべちゃいよ~~~!!!!」 「ゆっくちできにゃいぃぃぃ!!!ゆっくちさしぇちぇ~~~!!!!」 これまで、決まった時間に餌をもらっていた赤ゆたちは、遊び疲れたことからくる空腹に耐える力など皆無であ った。ご飯を貰えるのが当たり前だと思い込んでいるからだ。 れいむとまりさが、赤ゆたちをたしなめる。 「ゆ!ちびちゃん!ゆっくりがまんしてねっ!」 「そうだよ!おねえさん…ゆっくりできてないからやすませてあげようね!」 「やじゃやじゃやじゃやじゃあああ!!!ごはんしゃんたべちゃいよぉぉぉぉ!!!」 赤ゆたちの我がままは一向に収まる気配がない。れいむとまりさはおろおろしていた。頼ってはいけないとわか っていても、赤ゆの泣き声を聞きつけた女がなんとかこの場を収めてくれないかと期待していたが、女はベッドか ら出てこない。 「ゆびゃああああああああん!!!」 泣き叫ぶ赤ゆたち。れいむが意を決して、 「まりさ!おねえさんがいつもよういしてくれるごはんさんのあるばしょはわかるよ!」 「ゆゆっ!まりさとれいむでちびちゃんたちにごはんさん、むーしゃむーしゃさせてあげようねっ!!!」 そう言って、れいむが三匹の赤ゆをなだめ始めると、まりさは台所へとぴょんぴょん跳ねていった。ゆっくりフ ードの入った袋は、流し台の横に置いてある。 まりさは、まず椅子を経由してテーブルの上に飛び乗ると、ジャンプ一番流し台へと着地した。 「れいむーー!こっちにきてねー!!」 まりさからの呼びかけにれいむと三匹の赤ゆたちがずりずりとあんよを這わせてやってくる。 「れいむ!いまからごはんさんをしたにおとすよっ!」 「ゆっくりりかいしたよっ!!」 そう言って、まりさがゆっくりフードの袋を口に加えるとそれを床に落とした。 「「「ゆゆーん!!!」」」 赤ゆたちが歓声を上げるのもつかの間、床に落ちた袋は衝撃で破れ、中身のフードが床一面に散らばってしまっ た。 「ゆ゛…っ!!」 まりさの顔が青ざめていく。れいむも、呆然とした様子で床に敷かれたゆっくりフードの絨毯を見渡している。 (*1) 二の句を継げない二匹をよそに、赤ゆたちは床に落ちたゆっくりフードをぱくぱくと食べ始めた。 「おいちぃよぅ!!!」 「むーちゃ、むーちゃ…しあわちぇぇぇぇぇ!!!」 赤ゆたちは、次々にフードを口に入れて行く。 「ゆゆ…っ、そんなにたくさんたべたらおなかがいたくなっちゃうよ!!!」 れいむが叫ぶが赤ゆたちの耳には入らない。まりさも心配そうだ。 「そんなにたべたら…っ」 「ゆゆっ!れーみゅ、おにゃかいっぱいになっちゃから、うんうんしたくなってきちゃったよっ!!」 赤れいむの言葉に呼応するかのように、三匹の赤ゆたちが横一列に並ぶ。 「ゆゆ!!!まってねっ!そこでうんうんしたら…」 「「「うんうんしゅるにぇっ!!!ちゅっきり~~~!!!」 仰向けになった三匹の口とあんよの間にある穴…あにゃるからうんうんが排出される。ゆっくりのうんうんは、 人間のそれとは異なる。ゆっくりは食べたものを餡子に変換して、体内に蓄積させる。中身の餡子はゆっくりが運 動エネルギーを生みだすのに必要なものだ。 しかし当然、餡子の最大許容量には限界がある。成体になって体が大きくなれば、それだけ餡子を充填できる量 が増えるが、体の小さな赤ゆはすぐに餡子が限界まで溜まってしまう。 それにも関らず、ゆっくりが活動するのに必要なエネルギーを生み出す餡子の量は成体でも子供でも変わらない ため、赤ゆはすぐにお腹が減る。 やんちゃ盛りで遊び回ってばかりいる赤ゆたちの餡子の消耗は激しい。赤ゆは餌を与えてくれる親ゆがいること で初めて存在が成り立つのだ。 赤ゆが“動く死亡フラグ”と呼ばれる所以のひとつが実はここにある。 つまり、個体によっては一度もうんうんをすることなく生涯を終えるゆっくりもいるのだ。ちなみに水分を過剰 摂取してしまうと、しーしー穴と呼ばれる場所からしーしーを排出する。 ゆっくりは無意識に体内の餡子と水分の量を調節して生きているのだ。 「ん…れいむ…お昼ごはんを用意するから……って、え?」 相変わらず苦しそうな表情で台所に現れる女が見たのは、床中に散乱したゆっくりフードと三匹の赤ゆが捻り出 したうんうん。…とは言っても、古くなった餡子もしくは余分な餡子というだけで汚いわけではない。…食べよう と思えば食べられる。ゆっくりはうんうんをなぜか毛嫌いするが、そのあたりの感覚だけは人間と同じなのだろう。 「ご…ごめんなさいっ!れいむたち…ちびちゃんにごはんさんをむーしゃむーしゃさせてあげようと…」 「ゆ…ゆっくりかたづけるからゆるしてねっ!!ごめんなさい!ごめんなさい!!!」 女はゆっくりフードを拾い集めながら、 「ううん…。私も謝らないと…。みんなお腹すいてたのにね…ごめんね」 「そ…そんなことないよっ!!おねえさん…つかれているんだったらゆっくりしないでやすんでねっ!!!」 れいむの言葉に、女が一瞬目を見開く。 「ちびちゃんたちのせわはまりさたちがやるよ!おねえさん、ゆっくりしてねっ!!!」 女が無言で立ちつくす。満腹になったことで余裕が出てきたのか、ようやく赤ゆたちも女の様子がいつもと違う ことに気がついた。 「ありがとう…。でも、大丈夫。苦しいことは苦しいんだけど…病気っていうわけじゃないから」 「ゆゆっ?」 「でも、あんなにくるしそうに……」 女は、少しだけ口元を緩めると、左手を自分の腹部に当てて、 「私ね…。お腹の中に赤ちゃんがいるのよ」 今度はれいむとまりさが、動きを止めた。そして、 「おねえさんの…ちびちゃん…?」 「ゆっくり…うまれるの…?」 「うん、そうだよ。“私のかわいい赤ちゃん、れいむたちには特別に見せてあげるね”」 れいむの言葉を真似して女が言葉を紡ぐ。れいむとまりさの顔が輝く。赤ゆたちもなんだか嬉しそうだ。 「ゆゆぅん!れーみゅ、おねーしゃんになるんだにぇっ!!!!」 赤れいむの言葉に女がにっこりと笑う。 「そうだよ。ちゃんとお姉ちゃんらしく、しっかりしないと…これから生まれてくる赤ちゃんに笑われちゃうよ?」 その言葉に、三匹の赤ゆがキリッとした表情で横一列に並び、 「「「ゆっくちりきゃいしちゃよっ!!!」」」 叫んだ。 「というわけで、れいむ?まりさ?私、ちょっと体の調子が悪いから、ご飯だけでも自分たちで用意してくれないか しら…?今度はご飯を取りやすい場所に置いておくから」 「ゆゆっ!とうぜんだよっ!!!おねえさん、ゆっくりしていってね!!!」 「ありがとう」 そう言って、女はれいむ一家と一緒に昼食を取った。 五、 休日。 れいむとまりさは、三匹の赤ゆたちとゆっくりしていた。女は部屋の中にいるが、今日は遊び相手として催促は しない。ここ最近、女の体調も良く、昨日の夜は久しぶりに豪勢な夕食を振舞ってもらった。 女は、今日は用事があって出かけるらしい。 鏡台の前に座り、化粧をしている。れいむ一家には告げていないが、女は付き合っている男と会う約束をしてい たのだ。 慣れた手つきで薄い化粧を施して行く。まだまだ若い女に厚化粧など必要ない。 口紅を丁寧に唇に塗っていく。 れいむはその様子をずっと見ていた。不意に、 「れいむもお化粧したいの?」 女から質問されると、れいむは顔を横に振った。 「ちがうよ…。おねえさん…たのしそうだな、っておもってただけだよ」 れいむにそう言われて、鏡に映った自分の顔を見る。なるほど。少しだけ口元が緩んでいる。女はクスリと笑う と、誤魔化すようにれいむをそっと抱き上げた。 れいむがこの家に来て一年半が経つ。れいむの頭を撫でながら、女は昔のことを思い出していた。れいむにバッ ジは付いていない。女は、れいむを拾ってきたのだ。 「あ…時間だわ。ごめんね、れいむ。帰ってきてからゆっくり遊ぼうね」 そう言うと、女はれいむをそっと床に置いて玄関へと小走りで移動した。れいむもまりさも、久しぶりに嬉しそ うな女の表情を見て穏やかな気持ちになっていた。遊び疲れた三匹の赤ゆたちも、ゆぅゆぅ寝息を立てている。 「じゃあね」 玄関のドアを閉め、鍵をかける。 部屋の中は、れいむ一家だけとなった。 「まりさ…おねえさんのちびちゃんがうまれたら…れいむたちもなにかおねえさんにあげたいよ」 「ゆゆっ!そうだね!!なにをあげるかいっしょにかんがえようよっ!」 あーでもない、こーでもないと二匹で論議を繰り返すうちに、いつのまにか眠ってしまった。静まりかえった部 屋に時計の針が動く音だけが聞こえる。 穏やかな時間がゆっくり、ゆっくり、過ぎて行く。 昼のご飯もちゃんと赤ゆたちに与えることができた。それから一家で遊んだ後、またそのまま眠ってしまった。 幸せな時間がゆっくり、ゆっくり、過ぎて行く。 ドアの鍵を回す音が聞こえ、五匹のゆっくりたちは玄関に集まった。ドアが開かれ、女が部屋に入ってくる。五 匹は、待ちわびたと言わんばかりに、 「「「「「ゆっくりおかえりなさい!!!」」」」」 また、一列に並んで叫んだ。 「………………」 しかし、女は何も言わなかった。れいむとまりさが不思議そうに女の顔を覗こうとするが、俯いた女の前髪に邪 魔されて表情を確認することができない。 女は無言で、靴を脱ぐと部屋の中へと入って行った。 れいむ一家も、そんな女の後姿を見送るだけで、どれ一匹声を掛けることができなかった。 女は、何も言わずにベッドの中に潜り込んだ。布団を顔まで覆っている。 五匹のゆっくりがそれぞれあんよを這わせて、女の元へと集まってくる。布団の中の女は微動だにしない。 「…おねえさん…?」 れいむが声をかける。反応は返ってこない。赤ゆたちも不安そうに互いの顔を見合っている。 「…ゆっくり…どうしたの?」 まりさも声をかける。やはり、反応はない。 女と“帰ってきてからゆっくり遊ぼう”と約束していたれいむは、不安そうに女のベッドの下をうろうろしてい た。 日が傾いて行く。開けっぱなしのカーテンから夕陽が差し込み、部屋を茜色に染める。 女はベッドの中から動かなかった。やがて、完全に日が沈むと、電灯の点いていない女の部屋は真っ暗になった。 街灯の明かりがかろうじて窓から入り、そのあたりだけはうっすらと互いの顔を確認できる。 そろそろお腹も空いてきた。 れいむとまりさがあんよを這わせて台所へと向かう。 「ゆぅ…くらくてよくみえないよ…」 「だいじょうぶだよ!まりさのうしろをついてきてねっ!ずーりずーり…」 まりさが先頭を歩くのは、れいむが壁やテーブルの脚にぶつからないようにするためだ。細心の注意を払って二 匹がようやくゆっくりフードのある場所へとたどり着く。まりさがフードの袋を、れいむが餌皿をそれぞれ咥える と、今度は窓辺の明かりを目指してあんよを進めた。 そのとき、突然部屋の中が明るくなった。 れいむとまりさが思わずあんよを止める。赤ゆたちもびっくりして震えている。 電灯のスイッチがある壁際に女が立っていた。女がベッドから出てきたことに、れいむたちはまったく気付かな かった。そして、部屋の明かりに照らされた女の表情を見て、れいむは思わず硬直してしまった。 視点の定まらぬ瞳。ずっと泣き続けていたのか化粧の一部が落ち、目は真っ赤に充血している。女はその場に座 り込んだ。 れいむとまりさがぴょんぴょんと女の元に駆け寄る。 「おねえさん!ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!!」 れいむが声をかける。声をかけなければ、そのまま女が消えてなくなりそうな気がしたからだ。 「おねえさん…どうしたの?」 まりさも不安そうに声をかける。女はふらふらと立ちあがりながら、 「ん…何でもない…何でもないのよ…」 そう言って台所へと向かった。 「おねえさん!」 「すぐにご飯の準備をしてあげる…少しだけ待っててね…」 「おねえさん!なんだかゆっくりできてないよ!!ちゃんとやすんで――――」 「何でもない、って言ってるでしょ!!!!!!!」 女はれいむたちの方に向き直らずに大声を上げた。れいむもまりさも怯えて、互いの頬をくっつけている。赤ゆ はぷるぷる震えて、目に涙を浮かべていた。 部屋の中を静寂が包む。 一呼吸置いて、 「ごめん…。でも、本当に…大丈夫だから…」 れいむたちの返答を遮るかのように、流し台の蛇口を捻る。水の流れ出す音が、部屋に響いた。れいむたちは家 族で寄り添って台所に集まった。赤ゆたちはれいむとまりさの頬にぴったりと顔をくっつけている。 そのまま、待つこと三十分弱。空腹であったことさえ忘れていた五匹のゆっくりの前に、ゆっくりフードとオム ライスが出された。 「おねえさん…」 「どうしたの…?美味しそうでしょ?今日は一日かまってあげられなかったから、せめてものお詫びのつもりよ?」 そう言って、女が微笑む。三匹の赤ゆは、 「「「ゆっくち~~~~~!!!!」」」 叫んで、それぞれの餌皿に顔を突っ込んだ。まりさも、女の笑顔に安心したのか、食べ散らかす赤ゆたちをたし なめながら、餌に口をつけた。 「……………」 「……………」 れいむは、女を見つめたまま動かない。不安そうな表情を見せるれいむとは対照的に、女は空虚な視線をれいむ に向けていた。まるで、れいむの向こう側にある何かを見ているようだ。 「食べないの?」 女が口を開く。れいむは、ぴょんぴょんとテーブルの上に飛び乗った。 「おねえさん…ほんとうに…ほんとうにだいじょうぶなんだよねっ?」 女が微笑みを浮かべ、 「大丈夫よ」 「しんぱいしなくても…いいんだよねっ?」 「大丈夫」 「……しんじても、いいの…?」 「大丈夫」 「ゆっ!れいむはおねえさんをしんじるよっ!ゆっくりしていってね!!!」 「大丈夫」 れいむは、それだけ言うと、床に下りて行きまりさや三匹の赤ゆたちと一緒にご飯を食べ始めた。女の作ったご 飯は今日も美味しい。きっと、大丈夫なんだ…れいむも、そう思っていた。 思い込んでいた。 「大丈夫…大丈夫大丈夫大丈夫…だいじょうぶ…だいじょうぶ…ダイジョウブダイジョウブダイジョウフダイジョウブ……………」 微笑みを浮かべたまま、うわ言のように“大丈夫”と繰り返す女の声は、 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせえええええ!!!!」 れいむたちの耳には届かなかった。 食事を終えたれいむたちはリビングでテレビを見ていた。シャワーを浴びて部屋に現れた女の表情は少しだけ晴 れているようにも見える。鏡台の前に座る。 (…我ながら、ひどい顔ね…) 鏡の前で溜め息をつく。 (…あれ…?) 女の化粧道具の入ったポーチが鏡台の上に置かれている。いつもなら、鏡台の引き出しの中に入れてあるはずな のだが。女は几帳面だ。道具を出しっぱなしになどしたりはしない。なんとなくそれに手をかけ、中身を取り出す。 口紅が入っていない。 (…おかしいな…) 部屋には鍵をかけている以上、ポーチに触れるのはれいむたち以外にはいない。そういえば朝、化粧をしている 女の横にはれいむがいた。疑いたくはなかったが、れいむに声をかける。れいむがぴょんぴょん飛び跳ねて女の元 にやってきた。 「ゆゆ!おねえさん、どうしたの?」 「あのね…知ってたら教えてほしいんだけど…私の口紅を知らないかしら…?ああ、こうやって口に塗るヤツなん だけど…」 女が口紅を塗る仕草をしてみせる。れいむの表情が一瞬変わったのを女は見逃さなかった。 (…もしかして本当にお化粧したい、って思ったのかしら…?) 「ゆっくり…ごめんなさい…れいむが…つかっていたよ…」 そう言うと、ぴょんぴょんと飛び跳ねて寝床に向かったかと思うと、口に口紅を咥えて女の元へと帰ってきた。 「何に使っていたの…?お化粧、してみたかった?」 「ゆ…ゆぅ…。そ、そうだよっ!おねえさんのまねをしたくて…ごめんなさい!」 一瞬、言葉に淀みがあったような気がしたが、女は気づかなかったフリをした。女はれいむの頭を優しく撫でる と微笑んだ。 「いいのよ、別に」 れいむが女の腕に頬をすり寄せた。 「おねえさんのちびちゃんは…あとどれくらいでうまれるの…?」 「……………ッ!!!」 女が目を見開く。いつのまにか、れいむは女の膝の上に乗っていた。 「おねえさんのちびちゃんがうまれたら…れいむがおうたをうたってゆっくりさせてあげるね…」 女の右手が小刻みに震える。れいむは、まるで我が子を見るかのように愛おしそうな視線を女の腹部に向けてい た。 「おねえさんがいそがしいときは…れいむがちびちゃんのめんどうみてあげるよ…っ!」 それはれいむにとって、女への恩返しのつもりだった。食べ物を取ってきてあげることはできなくても、生まれ てくる赤ん坊の遊び相手くらいにはなってあげられる。自慢の子守唄で赤ん坊を寝かしつけることだってできるだ ろう。 母親としては先輩に当たるれいむは、子守をすることで女の手助けをしようと考えていた。 自分たちのちびちゃんにも負けないくらいの愛情を注いで接するつもりだった。 女が唇を震わせながら、何かつぶやいた。 何を言ったのかは聞き取れない。れいむが、女に尋ねる。 「ゆ?きこえなかったよ…?どうしたの、おねえさん…?」 「…ごめ…ごめんね…私……私、ね…。多分、赤ちゃん…産めなくなっちゃった…」 女の涙が雫となってぽたり、ぽたりとれいむの顔に落ちる。れいむも、女が冗談を言っているのではないと理解 していた。 「どう…して…?」 女は何も答えない。ただ、ただ、泣き続けるだけだ。 戸惑うれいむ。赤ちゃんができたのに、生まれない。 れいむは一生懸命考えた。女にかける言葉を。 女は、子供が生まれることを喜んでいた。自分たちに特別に見せてあげる、という約束までしてくれた。と、言 うことは女は子供を産みたいと願っているのだろう。 でも、子供は産めなくなった、と言った。れいむにはそのことの意味がわからない。だが一つだけ、思い当たる 節があった。ゆっくりの頭の上に生えた茎に実った赤ゆが、生まれる前に死んでしまうことがある。赤ゆが茎に実 っている間は、茎を通して親ゆの栄養分を赤ゆに送ることになる。人間で言えば、へその緒の役目に相当するのが 茎である。 しかし、親ゆの栄養分が十分でなく実った赤ゆに満足に行き渡らなくなると、親ゆから最も離れた茎の先端に実 った赤ゆから順番に、栄養不足で朽ちて死んでいく。 れいむは、最近の女の体調不良を思い出していた。それで、れいむはれいむなりの答えを出した。 “お姉さんの赤ちゃんは、生まれてくる前にずっとゆっくりしてしまったのだろう”…と。 れいむが、女に質問をした。 「おねえさん…おねえさんは…ちびちゃんをうみたいんだよね…?」 女は、ゆっくりを相手に泣きじゃくりながら、何度も何度も頷いた。 れいむは、そんな女の姿を見てかける言葉を決めた。女に元気を出してほしかった。 「ゆゆっ!」 れいむが女を見上げる。そして、女に“慰めの言葉”をかけた。 「 お ち び ち ゃ ん は ま た つ く れ ば い い よ ! ! ! 」 女の震えがぴたりと止まった。涙も、嗚咽も、呼吸さえも止まってしまったのではないかと思うほど、女はぴく りとも動かなかった。 膝の上で、れいむが誇らしげに女の顔を見上げている。 「………、……て……………たの………?」 途切れ途切れに女が言葉を紡ぐ。 「ゆ?」 れいむには聞き取れない。 「今、なんて言ったの…ッ?!」 「おちびちゃんはまたつくれば―――――――」 女の中の、“何か”が音を立てて壊れた。 六、 女はれいむの右の揉み上げを掴むとそのまま宙釣りにして、腰を捻りすぐ傍の固い壁に投げつけた。 「ゆ゛ぶる゛っ゛??!!!!」 壁に顔面から激突したれいむが跳ね返り、今度は床に叩きつけられる。女は肩で呼吸をしている。息が急激に荒 くなっていく。 「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛!!!れ゛い゛む゛のがわ゛い゛い゛おがお゛があ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 絶叫するれいむの声を聞いてようやく異変に気付いたのか、リビングにいたまりさと三匹の赤ゆが女とれいむの いる部屋にやってきた。 「どうした…の………ッ!?」 まりさの視界に入ったのは、額の皮が破れ中身が漏れ出し、半分飛び出かけた目玉と、バラバラに砕けた歯。そ して痛みにそこら中をのたうちまわっている最愛のれいむの姿だった。 「れ…れいむうぅぅぅぅぅぅぅ??!!!!」 まりさが声を上げる。れいむに駆け寄り、慰めるために頬や額を舐める。 「れいむ!!!れいむ!!!ゆっくりしないでなおってね!!!ぺーろぺーろ…っ!!!」 女はまりさの後頭部につま先をめり込ませた。 「ぎゅっ!!!」 蹴りあげられて、鏡台の大きな鏡にまりさがぶつかると、鏡が激しい音を立てて割れた。割れたガラスの破片が まりさの顔中に突き刺さっている。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!!」 今度はまりさが悲鳴を上げた。 自分たちの目の前で転げまわる両親を目の当たりにした三匹の赤ゆは、がたがた震えながらしーしーを漏らして いた。 れいむも、まりさも、痛がってはいるがこの程度で死ぬほどヤワではない。優しいお姉さんはおかしくなってし まった。それを理解するだけの意識はまだ保っている。怯えてあんよを一歩も動かせない赤ゆに向かって、れいむ が叫ぶ。 「ちびぢゃあ゛あ゛あ゛ん゛!!ゆ゛っぐりじな゛いで…にげでね゛っ!!!!」 それでもその場を動くことができない赤ゆに、女がゆっくりと近づいて行く。れいむが泣き叫ぶ。 「おね゛え゛ざあ゛あ゛ん!!どう゛じちゃっだの゛お゛お゛!!???」 「ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛よ゛お゛お゛お゛!!!!!」 女が、赤れいむのリボンをつまむ。つまみ上げられた赤れいむは、 「ゆ?ゆっくち……ゆっくち!!!」 あんよを動かして逃れようと、床を探して宙を蹴る。リボンをつかまれているため、抵抗らしい抵抗はできない。 小さな口で噛みつくことも、のーびのーびして抜け出すこともできない。 「や…やめちぇ…はなしちぇ…きょわいよ…きょわいよおおお!!!おきゃーーしゃあああああん!!!!」 ようやく事の重大さに気付いたのか、赤れいむは顔をぐしゃぐしゃにして大泣きを始めた。まりさがずりずりと あんよを這わせて女の足元にやってくる。割れたガラスの破片が動くたびに、体内の餡子をこすりつけるのだろう。 歯を食いしばり、涙を滝のように流しながら女に懇願する。 「お゛でがい゛じばずぅ゛ぅ゛!!!ちびぢゃんに゛ぃ…びどいごどじな゛い゛でぇぇぇ!!!」 「おでーざぁ゛ぁ゛ぁ゛ん゛!!!ちびちゃんがごわがっでる゛がら…やべであげでね゛ぇっ?!!」 女の氷のような表情は変わることはない。そして、冷ややかな口調でこうつぶやいた。 「何を言ってるの…?れいむ…あなたが言ったのよ…?」 れいむとまりさの動きが止まる。 「ゆ?ゆゆっ??」 一瞬、痛みを忘れてれいむが困惑の表情を浮かべる。 「オチビチャンハ…マタ、ツクレバイインデショ?」 女が何を言ってるのか理解したれいむが、激痛に耐え女の元へと向かおうとする。赤れいむをつまんだまま、女 は鏡台の引き出しに入っていた、裁縫道具を取りだした。その中から針を一本取り出し、赤れいむのリボンに突き 刺して針刺しに固定した。 あんよを使って逃げようとするが思うように床を蹴ることができない。赤れいむは仰向けの状態にされていた。 だから、女の動きだけは嫌でも視界に入る。 女は一番太い針を取り出すと、それに黒い糸を通し始めた。針の先端を見た赤れいむが怯えている。 「や…やめちぇにぇっ!なにしようとしちぇるにょぉ?!!ゆっくちできにゃいよっ!!!」 まりさがずりずりと女の元へとやってくる。女はそのまりさの目の前に見せつけるように赤れいむを持ってくる と、ひと思いにその針を赤れいむのもちもちした顔に突き刺した。 「ゆ゛びゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!」 赤れいむが大粒の涙を流し、張り裂けんばかりの勢いで口を開き絶叫した。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛…っ!!!やべでぐだざい゛ぃ゛ぃ゛!!おでがいじばずう゛ぅ゛ぅ゛!!!!」 最愛の我が子の悲痛な叫び声を聞いたまりさが、割れたガラスを顔の奥に突き刺しながら土下座をした。床に 頭を叩きつけるたびに、ガラス片は体内深くに突き刺さっていく。 「い゛ぢゃい゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!!」 女が針をずぶずぶと赤れいむの体の奥に刺して行く。柔らかい肌と餡子の抵抗を針が問答無用に貫いていく。人 間でいえば、脇腹あたりから鉄パイプを突き刺され、反対側の脇腹へと貫通させられようとしているのだ。赤ゆが 泣き叫ばないわけがない。 「ゆ゛ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ…っ!!!!!!」 歯を食いしばる。それでも、体内に侵入してくる針と糸の蹂躙は終わらない。刺された箇所と突き通っている最 中の部分が熱くてたまらない。 「あ゛…ゆ゛…ゆ゛…びゅえ゛………いぢゃい゛…い゛ちゃい゛…い゛ちゃい…!!!」 涙もしーしーも止まらない。痛みに必死の形相で耐えているためか、顔は真っ赤だ。揉み上げもピンと張ってい る。やがて、反対側の皮を突き破って針の先端が顔を出した。もう一度皮を貫かれる痛みが赤れいむを襲い、目を 見開き体をびくつかせる。 我が子がもがき苦しむ一部始終を見せつけられているまりさは、それでも涙を流し続けるだけで女に攻撃を加え ようとはしなかった。 「たちゅ…けちぇ…おきゃ……しゃん……」 赤れいむの揉み上げも力なく垂れる。 れいむは、もう一匹の赤れいむと赤まりさの前に立ちはだかり、がたがた震えながら泣いている。 「や゛め゛ぢぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!!!!」 女は赤れいむに針を貫通させた。貫通させても、赤れいむの体内にはまだ細い糸が残っている。体内に異物が混 入している違和感に、赤れいむは気持ち悪さで中身の餡子を吐き出す。女は赤れいむの顔を自分のほうに向けるよ う左手に持ち帰ると、ようやく貫通した針を右手に持った。 赤れいむは、涙と冷や汗と涎としーしーをだらだら垂れ流して、目で助けを求めていた。 「……だぢゅ…げちぇ…」 女は無言で、右手に持った針を一気に手前に引いた。 「い゛っぢゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!」 赤れいむを襲ったのは、糸による摩擦である。突き破られた二カ所の皮と体内を、糸が勢いよく駆け抜ける。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぢゅい゛い゛い゛い゛!!!!!!!」 摩擦熱で糸に触れていた部分が瞬間的に火傷を引き起こす。女は赤れいむの体内を通っている糸を持って一気に 引っ張り続けた。時にゆっくり、時に素早く。体内を糸が動いて行くおぞましい恐怖と、体内を瞬間的に焼き焦が される痛みが生まれて間もない赤れいむを長い時間、苦しませた。 痛くてたまらない。それなのに、中身の餡子が減るわけではないから苦しみは終わらない。結局、女は巻かれて いた糸が全てなくなるまで、赤ゆの中の糸を引き続けた。ようやく体内の異物を引き抜かれた赤れいむは既に虫の 息だった。 「ゆ゛…………………ゆ゛っ…………………」 皮の張りも柔らかさもそのままに、二点だけ開けられた小さな針穴の周りだけは黒ずんでいる。中身の餡子も糸 が触れた部分だけは同じような状態になっているだろう。 これまで味わったことのない痛みと苦しみに、赤れいむは痙攣を起こしている。 「ちびちゃん…ちびちゃん…っ!!!」 痛みのピークを通り越したのか、それでも体内にガラス片が残っているはずのまりさが、泣きながら赤れいむの 傷を舐めている。 女はそのまりさから赤れいむを取り上げた。赤れいむはもう特に何の反応も示さない。女は、赤れいむの二つの 揉み上げの根元を右手と左手でそれぞれつまんだ。 「おねえざん…おでがいだよ゛ぉ゛…やべでよぉ…あんな゛に゛やざじぐじでぐれだのに゛ぃぃ…!!」 女が無言のまま、指に力をかける。揉み上げの根元をつまんでいるため、揉み上げだけが引きちぎれることはな い。 「んぎぃぃっ??!!!」 ぶち…ぶち…ぶつっ… 嫌な音が赤れいむの顔から聞こえてくる。頭頂部から皮が裂けようとしているのだ。遠のきかけていた意識が激 痛により無理矢理引き戻される。もう、体内に残っている水分などほとんどないだろうに、それでも反射で目から 涙が溢れ出す。水分もほとんど残っていないのか、餡子混じりの液体がとろとろと流れ出してきた。 「お゛ぎゃ…じゃ…い゛ぢゃ………だじゅ…げ………い゛ぃ゛っ!!!い゛ぎぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!!!」 引き裂かれた皮は、すでに目と目の間にまで到達している。顔の中央部分から中身がどろりとこぼれ出す。これ が致命傷となった。中身の餡子が三分の一以下になった瞬間、赤れいむはようやくこの永遠とも言える苦しみから 解放された。自身の死をもって。 まりさが、歯を食いしばり、女を下から睨みつけていた。小刻みに震えている。絶え間なく溢れだす涙。それは 我が子をむごたらしく殺された恨みと、大好きな優しいお姉さんに裏切られた深い悲しみとが入り混じったものだ。 すでに息絶えた赤れいむの顔を半分に引き裂いて、ようやく赤れいむは女の指から離れた。 ぺしゃり… ぽとり… 二つになった赤れいむの皮が床に落ちる。目は見開かれたままだった。 「ゆ゛う゛う゛…ゆぐぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ!!!!!」 変わり果てた我が子の姿を見たまりさが、うめき声を上げた。女を睨みつける視線には、明確な殺意が込められ ていた。それでも、ここまでされても、まりさは女に攻撃を仕掛けようとはしなかった。ただ、ひたすらに大きな 声で、 「どぼじでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ゛!!!!!!!!!!」 怒鳴りつけた。 女はまりさを無視して歩き出す。向かう先にはれいむがいた。れいむが泣きながら威嚇する。大好きなお姉さん に向かって。 しかし、その滑稽な姿は女の視界には入らない。女はれいむの後ろにいる赤れいむと赤まりさだけを見据えてい た。 「ぷくぅぅぅぅ!!!ゆっぐりやべてねっ!!!!れいむ…ほんどうに…おごっでるんだよ!!!!」 女は歩みを止めない。無言で近づいてくる。 「やめてねっ!!こないでね゛っ!!!いくら゛おねえ゛ざんでも…ゆるさない゛よっ!!!」 女がれいむのリボンを持って自分の顔の高さまで持ち上げた。れいむは威嚇をやめない。 「ぷくううぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!」 顔を真っ赤にして頬を膨らませる。女はそんなれいむの唇に、自分の唇が触れるか触れないかくらいのところに まで顔を近づけて、 「邪魔」 一言。ただその一言が、れいむにとっては重い衝撃だった。膨らませた頬が収縮していく。悲しくて寂しくて怖 くて…そして、自分が女には絶対に勝てないということを悟り、絶望した。 女はれいむを床に放り投げた。着地をすることができずにまた顔面から床に叩きつけられたが、痛みよりも渦巻 く暗い感情のほうが心を支配し、その場を動けなくなった。 赤れいむと赤まりさ。二匹は頬をぴったりとくっつけたまま、その場を動かない。 女は赤まりさの小さなお帽子を取り上げた。恐怖よりも、飾りを取られることのほうが感情的に勝るのか、金縛 りから解けたように赤まりさがぴょんぴょんジャンプして、 「ゆあああああ!!!まりしゃのおぼうち…かえしちぇ…かえしちぇぇぇぇぇ!!!!」 泣き叫ぶ。ジャンプしたところで、女のくるぶし辺りまでしか届かないというのに、どこまでも無駄な行動を取 る赤まりさ。 女が再び裁縫道具のある場所へと向かう。まりさが睨みつけてくるが、女の視界には入らない。それどころか、 半分に引きちぎられた赤れいむの顔を踏みつぶしたことにさえ気づかなかった。女の足の裏にべったりと餡子が貼 りついている。 赤まりさは必死にぴょんぴょん飛び跳ねて、女の後を追っていく。 女はハサミを取り出すと、赤まりさのお下げを切り落とした。 「ゆ…?」 赤まりさが、足下に転がったお下げを見下ろす。血の気が引いて行く赤まりさ。小刻みに震え始めた。頭を左右 に揺らしてみる。いつもはゆらゆら揺れていたはずのお下げがそこにない。 「ゆ…ぁ…あ…ぁぁ…まりしゃの……まりしゃのおしゃげしゃんがあああああああああああああああああ!!!!!」 顔面蒼白の赤まりさの眼前に先ほど奪い取った帽子をちらつかせる。 「ゆっくちぃ!!!ゆっ!!!かえしちぇ!!!かえしちぇにぇっ!!!」 ぴょんぴょんとジャンプするが、愚鈍な赤まりさの動きで女の手から帽子を奪い返すことなどできない。 女が無言で帽子にハサミを入れる。つばの部分に大きな切れ込みが入った。それを見るだけで、赤まりさは混乱 状態に陥っている。 「ゆあああああああ!!!!ゆっくちやめちぇえええ!!!ゆっくちできにゃくなっちゃうよぉぉぉぉぉ!!!!!」 二度、三度、赤まりさの帽子をハサミで切り裂く。そのたびに、大声を上げる赤まりさ。どうにもできないとわ かっていながら、それでも絶叫を繰り返すしかない。小さな白いリボンもバラバラに切り裂かれた。ハラハラと落 ちてくる布切れを眺めて、全身を震わせている。 「どうしちぇ…こんにゃこちょ…すりゅの……?」 ついに、赤まりさの黒い帽子はただの布クズになってしまった。赤まりさが無言で泣きながら黒い布切れをぺろ ぺろ舐めている。 「ゆゆっ?!」 肉体的なダメージはまだ無傷の赤まりさの長い金髪をつかむと、風呂場へと足を進めた。赤まりさは、餡子の重 みで垂れ下がったあんよを左右に振って抵抗しながら、 「おきゃあああああしゃああああああん!!!!たちゅけちぇええええ!!!!!」 れいむとまりさに助けを求める。しかし、れいむとまりさは動かない。ただ、泣きながら悠然と歩みを進める女 の後姿を見ているだけだった。 「おねえざん………どう…じで…」 女はいつも、れいむとまりさの髪を洗ってあげていたタライの中に熱湯を注ぎ始めた。沸き立つ湯気の熱気から お湯に触れればどうなるのかということが、餡子脳の赤まりさにも理解できた。 タライの中の熱湯の深さはそれほどない。赤まりさの体が半分浸かるくらいのものだ。 女は無言でその中に赤まりさを放り込んだ。 「ゆ゛ん゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 ばしゃばしゃと水しぶきを上げながら、赤まりさが熱湯の海の中でのた打ち回る。ジャンプしてタライの外に脱 出しようとしても、あんよが水中にあるため上手く跳ねることができない。できたとしても、赤まりさに越えられ る高さではないのだが。 「あ゛ぢゅい゛よ゛ぉ゛ぉ゛!!!まり゛じゃ…な゛んにも゛わりゅいごどじでにゃい゛の゛に゛ぃぃぃぃ゛!!」 女が赤まりさの髪をつかんで、熱湯から引き出した頃には、茹で饅頭と化していた。あんよの皮がふやけている。 「ゆ゛…ゆ゛…ゆ゛…ゆ゛…ゆ゛…」 そのとき、赤まりさの表情が一瞬だけ明るくなった。女が後ろを振り返る。そこにはまりさがいた。 「おぎゃあ゛じゃあ゛あ゛ん゛!!!だちゅげでぇぇぇ゛!!あ゛ぢゅい゛のや゛じゃあ゛あ゛あ゛!!!!」 まりさは唇を噛み締めて、涙を流すだけで赤まりさを助けにはやってこない。 れいむも、まりさも、どうして自分を助けに来てくれないのか…。赤まりさはどうしてもそのことについて納得 がいかなかった。 「どうしちぇ…?どうしちぇ、まりしゃを…たしゅけちぇくれにゃいにょ……?」 まりさは俯いたまま、何も答えない。 「まりしゃのこちょ…きりゃいになっちゃったにょ…?」 まりさが俯いたまま、顔を横に激しく振る。 「じゃあ…っ!どうしちぇ―――――」 女は再びタライの中に赤まりさを投げ入れると、今度は熱湯のシャワーを浴びせ始めた。 「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!おにぇぎゃ…あ゛…ぎぃ゛…っ!!!あ゛ぢゅい゛!!やべちぇ!!!」 まりさに助けを求めようにも、上から絶え間なく降り続く熱湯が、目に、口に直接入り込み、赤まりさの全身を まんべんなく火傷させていく。 「…っ!!!……………っ!!!!」 口の周りが溶け始めた。あんよはすでに崩れていて動かすことができない。もう、逃げられない。熱湯の水位は 赤まりさを完全に飲み込んだ。赤まりさは溺れていた。大量の熱湯を飲み込み、体の外も中も火傷を負っていた。 目を見開くと、目玉が焼けるように熱い。もがけばもがくほど、新たな苦しみが襲ってくる。それにも関らず、じ っとしていることはできない。 やがて、顔中の皮がふやけて破れ、中の餡子が漏れ出してきた。タライの水面が餡子で覆われ、赤まりさの姿を 見ることはもうなかった。女がタライをひっくり返すと、どろりと餡子が流れ出した。排水溝には赤まりさの金髪 が絡みついて行く。小さな目玉がころころと飲み込まれていった。 女は熱湯のシャワーを入念に床のタイルに浴びせ、赤まりさの存在した痕跡の全てを洗い流した。 まりさは、その様子を泣きながら見つめていた。歯を食いしばり、我が子の最期を見届けた。女はまりさを無視 して、最後の赤ゆである赤れいむの元へと向かっていた。 言えなかった事@
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れいむ、俺の為に赤ちゃん産んでくれ 前 40KB 虐待-凄惨 理不尽 妊娠 赤子・子供 透明な箱 現代 虐待人間 「餡子ンペ09」 善良ゆっくり虐待 ・餡子ンペ09出展作品、テーマは 「1.親子-期待外れ」です ・普通の頭のおかしい虐待お兄さんによる普通の虐待詰め合わせ話です ========== 「のーびのーび! のーびのーび!」 「みてみて! まりしゃがいちばんのーびのーびじょうずだよっ!」 「ゆっ! まりちゃだってまけないよ! のーびのーび♪」 「れいみゅもっ! れいみゅものーびのーびできりゅよっ!」 「ゆ~! みてみて! おにいしゃんっ! まりしゃのーびのーびだよ!」 のーびのーび! ふふふ! ここは、とある山奥のキャンプ場。 俺の目の前で賑やかに声を上げているのは、まだ赤ゆ言葉の抜け切らない子ゆっくりの姉妹達。 丸太で作られたテーブルの上で、のびのび競争の真っ最中だ。 テーブルの上で仰向けやうつ伏せに寝そべって一列に並び、元気よく体を伸ばしている。 「まりしゃおねいちゃん、ぎゃんばれー!」 「れいみゅおねいちゃんもがんばっちえぇ!」 「にょーびにょーび! まりちゃもにょーびにょーびだよ!」 「れいみゅもにょびにょびしゅるよ!」 「ゆぅ~ん! れいむのおちびちゃんたちとってもゆっくりしてるね!」 そして、子ゆっくり達の周りには妹の赤ゆっくり達。 声援を送ったり、姉達を真似て自分ものーびのーびをしたりと、思い思いのゆっくりを楽しんでいる。 彼女らの母親であるれいむが、そんなおちびちゃん達の様子を微笑みながら見守っている。 全員合わせて十数匹の大家族だ。 このキャンプ場は取り立てて人気スポットでもなく、しかも平日とあって俺とゆっくり達の他には誰もいない。 つまり、可愛いゆっくりちゃん達を俺が独占しちゃってるわけだ! 「ふふふ! みんなとってものーびのーびが上手だね!」 ゆっくり達の笑顔に釣られて、俺の顔も綻びっぱなしである。 「ゆうぅぅ…まりちゃ…うまくのーびのーびできないよぉ…」 おや、ひとりだけのーびのーびが苦手な子もいるようだね。 精一杯体をのーびのーびしようとしているけど、体がやや楕円系になる程度だ。 立派ななすび型になっている他の姉妹達に較べると、のび方はその半分にも満たない。 「ほら! まりちゃちゃん! がんばって! おなかに力を入れてぇ…ほら! のーびのーび!」 「ゆぎゅぎゅ…! のーび…のーび…!」 「おっ! ちょっと伸びたよ! その調子、その調子! のーびのーび!」 「ゆ…ゆぅ! のーびのーび! のーびのーび!」 正直さっきと全然変わっていないが、俺が元気づけてあげたらすぐに明るい表情を取り戻してくれた。 何だって一人寂しく無人のキャンプ場へ来てるかって? それは、こうしてゆっくり達と遊びたかったからだ。 キャンプ場の近くで見つけたこの一家は、最初に声をかけたときこそ警戒されたが、 持参したクッキーを食べさせてあげたらすぐに心を許してくれた。 その後、ここに連れて来て一緒にお菓子を食べたり、"おうた"を聞かせてもらったりする内に、あっと言う間に仲良しになった。 で、今は何をしているかと言うと、俺の発案でどの子が一番のーびのーびできるかなぁ? 競争をしている。 なんと一番になった子ゆっくりちゃんには! じゃっじゃ~ん! デパ地下で買ってきた1カット630円のケーキ! を! 1ホールプレゼントでーす! という事でみんな大張り切りでのーびのーびしているという訳。 「あっ、ほら~まりしゃちゃんダメだよ~、ちゃんとあんよをここに付けてね!」 別の子まりさの体を優しく引っ張り、テーブルの上に置いてある角材にあんよをくっつけさせる。 誰が一番のびのびかわかりやすくするために、全員この角材にあんよをくっつけてもらっている。 子ゆっくり達の大きさは皆同じぐらいなので、こうしてあんよの位置を揃えておけば、 お顔の位置を見れば誰が一番か一目瞭然という仕組みだ。 この子まりさは、張り切りすぎる余りにあんよが離れてしまったのだろう。 「ゆぅ…おにいしゃん、ごめんなしゃい…」 怒られたと思ったか、子まりさがしょぼんとして謝る。 大丈夫! わざとじゃないって、お兄さん、ちゃんとわかってるからねええ! 「いいんだよ! さあ! もう一回!」 そう言って笑いかけてあげると、子まりさもニッコリ笑って、またのーびのーびを始めた。 ああ、なんてかわいいんだろう、子ゆっくりちゃん達。 そもそもからして、だ。 「子ゆっくり」 この言葉の響きの時点で、もうかわいさが炸裂してはいないだろうか? もし今、職場や教室、あるいは、電車やバスの中にいるのなら、是非声に出して言ってみて欲しい。 「こゆっくり」「コユックリ」「こゆっくり!」 どう!? かわいいよね!? そうでもない? そう… いや~でもいいよね~! 無垢な野生ゆっくり! お行儀のいい飼いゆや、必死に生きる街中の野良ゆにもそれぞれの良さがあるけど、 やっぱり俺は元気溌剌・天真爛漫にのびのび育った野生ゆっくりが好きだなぁ~ 「のーびのーび♪」 「ゆわ~♪ まりしゃはすっごくのーびのーびできるね!」 「ゆゆ~ん! れいみゅだってのーびのーびしてるのじぇ! まりしゃもまけないのじぇ!」 豪華賞品がかかっているにも関わらず、子ゆっくり姉妹は互いに敵意剥き出しで争うでもなく、 競争という名の遊びを純粋に楽しんでくれてる。 とってもゆっくりとした子ゆっくり達だ。 きっとこの子ゆっくり達なら、誰が勝ってケーキさんを手にしても、家族みんなで分け合って食べてくれるだろう。 むーしゃむーしゃ、しあわせー! みんなであまあまさんたべるとゆっくりできるね! おにいしゃんもいっしょにたべようね! とか言ってね! うふ! うふふふ! 「ゆうう…まりさぁ…! まりさとれいむのおちびちゃん達、とってもゆっくりしてるよぉ…!」 母れいむが目の端に涙を浮かべながら、感慨深げにそんな言葉を呟く。 先程聞いたところによると、つい最近つがいのまりさがれみりゃから家族を守って死んでしまったらしい。 いわゆる、しんぐるまざーだ。 今は餌が豊富に取れる時期なので、これだけたくさんの子供達を養っていけているようだが、やはり相当の苦労がある筈だ。 それ故、子供達がこうしてゆっくりできている姿を目にするのは、ゆ一倍感慨深い物があるのだろう。 …この子供達もやがて自然の摂理に従って淘汰され、冬ごもりをする頃には適正数にまで減ってしまうのだろうが、 今この瞬間だけでも、家族揃ってのゆっくりを楽しんでもらいたいではないか… 「そうだね…れいむ…れいむのおちびちゃん達はとってもゆっくりしてるよ! お兄さんも見ているだけで、とおってもゆっくりしちゃぬぅおうりゃあああぁっっっ!!!」 メッシャアッ!!! 袖口に隠し持っていた竹刀を取り出し、テーブルの上面、 その上で元気にのーびのーびしていた子ゆっくり達の、一列に並んだ柔らかいお腹に向けて渾身の力で叩きつけた。 余りに力を込めすぎたせいで、竹刀が割れてしまう。 両の腕にジンジンと心地よい痛みと痺れが伝わってきているのだろうが、今はこれっぽっちも感じない。 何故なら、この一家を目にしたときからずっと待ち望んでいた、この瞬間の光景を視る事に全神経を集中させていたからだ。 その待望の光景は、スローモーションのように俺の眼前でゆっくりと流れて行く。 割れた竹刀の破片が宙を舞う。 その中に混ざるように、潰れたお腹から飛び散った黒い餡子もキラキラと黒く輝きながら宙を舞う。 テーブルの上には、小さなお口からもりもりと餡子がこぼれて盛り上がる。 あにゃるからも餡子がこぼれ、テーブルの上に黒い筋を描く。 破れたお腹の饅頭皮が捲れ上がり、そこからも餡子が飛び出す。 素晴らしい。素晴らしい光景。俺の口からも笑みがこぼれる。 スッと竹刀を上げ、そのまま放り捨てる。 一列に並んで寝そべる子ゆっくり達。 そのお腹が、竹刀の形にベッコリと潰れ、お饅頭山を切り開いて作った一本の直線道路を描く。 向かって左に見えますのがお顔山、右に見えますのがあんよ山でございます。 どちらのお山もピクッピクッとかわいく痙攣している。 ああ哀れ、子ゆっくりちゃん達のかわいいお腹、綺麗に まっ! ぷたぁっ! つぅぅぅ! んっほおおおぉぉっ!!! 「ゆ…ゆびっ……ゆびいいぃぃっ?!」 何が起きたのか理解できず、?マークを浮かべていた子ゆっくり達だったが、数秒遅れで一匹が白目を剥きながら悲鳴を上げた。 それが引き金となり、他の子ゆっくり達も極上の調べを奏で始める。 「いぢゃいいい…! まりしゃの…おなががぁ! いぎゃいよおおぉ…!!」 「いちゃ…おなきゃ…ゆえっ…ゆげっ! あ、あんござん…でないでなのじぇ…ゆげえっ!!」 「ゆぎっ…ぎ…れいみゅの…あんよざん…どじで…そごにいるの…? れいみゅ…ぴょんぴょ…でぎなくなっぢゃう…」 「ゆぎいいぃ…! おにゃかがないよおぉ! おにゃかがないのに おにゃかいだいよおぉぉ!!」 テーブルから生えた頭達が泣き声を上げる。 砂糖水の涙を飛び散らせながら半狂乱で振られる頭、のけぞって天を仰ぎながら餡子を吐く頭。 お尻達も頭に負けじとグネグネ元気に振られている。 ブルンブルンと勢いよく振られていたお尻の一つが、テーブルから剥がれて転がって行き、地面に落ちた。 潰れたお腹もまだ餡神経が通っているのか、所々でピクピクと蠢き、テーブルから剥がれようと少し浮き、力尽きてまたへばり付く。 ああ…のーびのーびが苦手だった子まりさちゃんだけは、竹刀の位置に頭があったので中枢餡ごと… でも残ったお尻はまだプリンプリンと元気良く…あ、止まった。 「おきゃあじゃ……ぽんぽん…いぢゃいよ…ぺーりょぺーりょ…じでぇ…ゆっぐじ…でぎないぃ…」 「ゆげっ…! やぢゃ…じにだぐ…ない…! おねえぢゃんを…だじゅげで…れいみゅぅ…まりぢゃぁ…ゆげえぇ…」 子ゆっくり達が助けを求めて母れいむや妹の赤ゆ達を呼ぶ。 だが、頼みの綱の家族は突然の状況変化に餡子脳の処理が追いつかず、(◯) (◯) と目を見開いたまま完全フリーズ状態だ。 「おにいしゃ…たしゅけ…れいみゅの…あんよしゃ…くっづげでぇ…いちゃいよぉぉ…! くりゅしいよぉ…!」 おっとぉ、俺ェ? 俺に助けろと? れいむちゃああん! 誰のおかげでこうなってるかわかってないみたいだね! ああ! もう! ホントにおつむがかわいいよほぉぉ! よっしゃー! 俺に任せろおおぉ! 「ほーら! あんよさん、くっつけー!」 「ゆ…あ、やめ゛ 分断された子れいむの頭とあんよを手に取り、雪合戦の雪玉を固める要領でギュウギュウ握ってくっつけてあげた。 「いっちょあがりぃ!」 ベッシャアッ! 饅頭皮や赤いリボンの混ざった餡子玉を瀕死の子まりさの目の前に叩きつけ、放射状に広げる。 「ゆ…おにい…しゃん…どじで…? まりしゃたち…わりゅいこと…しぢゃっだの…? のーびのーび…じだだけだよね…?」 その子まりさがボロボロと涙をこぼしながら、俺の顔を見上げて聞いてくる。 ………びきぃ 「なにがのーびのーびだあっ!! お前らかわいいぃぃんじゃあぁっ!! QNッQNッするんじゃあぁっ!! もっとかわいい泣き声聞かせろおぉぉおふっ…ふ…うふっ…! うふ…うふふふ…! 潰れてね! ゆっくり潰れてね! うふ! うゆふふ! うひゅひゅ…! ゆふひゅひゅぅ!!」 「ゆびゅぶっ…やめ…おにいしゃ…くりゅし…! まりしゃちゅぶれっ…!」 「あ、あの゛~…」 「ん?」 楽しくヒャハってる所に、今までフリーズしていた母れいむが遠慮がちに声をかけてきた。 ちょっと引きつった笑顔で左右のもみあげをもじもじと擦り合わせ、上目遣いに俺の顔を窺っている。 「おにいざんはぁ…もしかじてぇ~………"ぎゃくだいおにいざん"?」 「え? …そうだけど?」 「でずよねえ!!」 何をわかりきった事をと不思議そうに答えた俺に対し、れいむが大口を開けて、パアァ…!といい笑顔を浮かべた。 それから、その笑顔のまま赤ゆっくり達の方に向き直る。 「ゆっ! あかちゃんたち! それじゃ、おかあさんのおくちのなかにはいろうね! ゆっくりいそいではいってね!」 「ユー!」「ユ!」「ユッユッ」「ユッキュリ ユッキュリ」 俺が見守る中、赤ゆ達がどこかぎこちない動きでよちよちとれいむのお口に入って行く。 そして、全員がれいむの口の中に収まった。 「じゃあ、れいぶだぢ、これでしつれいじまぁず!」 「お疲れさまー!」 こちらに向かって、後頭部を曲げて礼儀正しく笑顔のお辞儀をしたれいむに、俺も右手を上げて笑顔で応えた。 ========== 「だしてえぇ! おにいさん、ここからだしてよぉ! れいむたちをおうちにかえしてよぉ!」 「おきゃあしゃん…れいみゅたちも おねえちゃんみちゃく…いちゃいことしゃれりゅのぉ…? やぢゃよぉぉ…いちゃいのやぢゃよぉぉ…」 「ゆえええぇん! まりしゃ ちにたくないよぉぉ!」 「ゆわあぁぁん! ゆっくちできにゃいのじぇぇ!!」 そんなわけで、母れいむと赤ゆ達は我が家にお持ち帰りした。 当然ながら、れいむからの抵抗はあったが、その辺は"テンプレ"とだけ言っておこう。 "虐待お兄さん"の存在を知っていただけあって、彼我の力の差を理解してくれるまでが早くて楽だった。 ゆっくり達は虐待部屋に置いてある水槽に閉じ込めてある。 水槽は成体ゆっくりが優に4匹は入るサイズ。もちろん強化ガラス製。 中には土を敷き詰めた。 それだけでは殺風景だし、ゆっくり達も落ち着かなかろうと、拳大から両手の平に乗るサイズまで大小の石を適当に入れてやった。 防音機能とか無粋な物はないので、ゆっくり達の泣き声をたっぷりと楽しめる。 無論、虐待お兄さんの嗜みとして部屋自体は防音にしてあるので近所迷惑にはならない。 「まあ落ち着いてよ。お兄さん、別にみんなを殺すために連れてきたんじゃないんだよ?」 「ゆゆっ? じゃ、じゃあ、はやくれいむたちをおうちにかえらせてよぉ! おにいさんとはゆっくりできないよ!」 「ゆにぇぇん! おうちかえちちぇー!」 「ゆっぐ…おうちぃ…おうちかえりちゃいぃ…」 「すぐに帰らせるわけにはいかない。だったら初めから連れてこないよ。 実はね…れいむにお願いしたいことがあるんだ」 「ゆ…ゆぅ…なあに…?」 疑いの眼差しを向けながらも、他に何ができるでもないと理解しているのか、素直に俺の話を聞く母れいむ。 「うん、お兄さんね、赤ちゃんまりさが欲しいんだよ」 「ゆぴゃああぁっ!! やぢゃやぢゃあ! きょわいおにいしゃんはゆっくちできにゃいいぃ!」 「おきゃあしゃあん! まりしゃを あげにゃいでにぇぇ! まりしゃ、いいこにしゅるかりゃあぁ! ゆにゃあぁあぁ!」 俺の言葉に真っ先に反応して泣き出したのは、赤まりさ達だ。 無理もない。お姉ちゃん達を殺した怖い人間さんに貰われたら何をされるかわからない。 でも大丈夫! そんなに怖がらなくていいよ! 「いや、違う違う。君達のことじゃないよ。お兄さん友達から頼まれててね。 生まれたばかりの赤ちゃんまりさを欲しいって言われてるんだ。君達じゃ少し育っちゃってるからダメなんだ」 「ゆっぐ…ほんちょ…? ゆっぐ…」 「うん、ほんちょほんちょ」 友達云々とかのくだりは本当じゃないが、大筋においては嘘ではない。 適当に答えて泣いている赤まりさ達をあやすと、用意しておいた透明な箱を水槽の横に置いた。 そこに入っているのは、一匹の成体ゆっくり。 ゆっくりまりさ。 「ここで産んで欲しいんだ。れいむに」 ========== それから数日後 「ゆぅ…あかちゃぁん…」 箱に入れられ俺に連れていかれる二匹の赤ゆを、母れいむが涙の滲む目で見上げている。 赤ゆは、れいむが今産んだばかりの赤まりさと赤れいむだ。 「おきゃーしゃーん! おねいちゃーん!」「ゆえええぇん! ゆっくちしゃせちぇー!」 「れいみゅのいもうちょを つれちぇかにゃいでえぇ!」「いもうちょかえちてー!」 離れ離れになる姉妹達も泣きながらに互いを呼び合う。 始めての「ゆっくりしていってね!」の挨拶を交わす間もなく引き離され、 二度と逢えない事を予感しているのか、しきりに泣き声を上げる。 今回がここに来てから二回目の出産。 一回目には、赤まりさが二匹生まれた。 そのときは、母れいむも今の赤ゆ達と同じように赤ちゃんを返してと泣き叫んでいたが、もともと俺が貰うために産ませた赤ゆ。 返す道理もない。 今回れいむが騒いでいないのは、それを理解して諦めているからだろう。 一匹生まれた赤れいむも"ついでに"俺が貰うと伝えたときには、多少の抵抗はあったが。 「れいむ、お疲れさま。今日もとってもかわいい赤ちゃんだったよ。 じゃあ、またすっきりー頑張ってくれるかな?」 俺は水槽の横にれいむの三回目のすっきりー相手が入った透明な箱を置いた。 ========== 「ゆうぅぅ…なんだかゆっくりできないまりさだよ…」 そう口にしてしまってから、れいむはハッとする。 (本ゆんの前でそんなこと言うなんて、れいむゆっくりしてなかったよ…でも…) これまで、赤ちゃんまりさを産むために、二回、別々のまりさと無理矢理すっきりーをさせられた。 ふたり共、ゆっくりしていないまりさだった。 お肌も、髪も、お帽子も、どこも薄汚れていて、汚い色の染みがこびりついていた。 れいむのはにーのまりさとは大違いだった。 お兄さんは、「まちののらゆっくり」だから汚いんだよと言っていた。 それでもれいむは、面と向かって他のゆっくりにゆっくりできない等と口にするような事はしなかった。 (ゆぅ…でも、このまりさは…) だが、今度のまりさはどうだ。 体そのものは前の二人程には汚れていない。山に住んでいたれいむ達とさほど変わらない。 でも、大きく見開いた、真っ赤に血走った目が怖かった。 まりさはその目でお兄さんを睨んでいた。 とっても怖い目。 れいむが子ゆっくりだった頃に群れを襲った、怖い"れいぱー"よりももっと怖い目をしていた。 それにまりさは、何かでお口を縫いつけられて、開けなくなっているみたいだった。 (お兄さんにいじめられたのかな…?) それなのに、開けないお口でお兄さんに向かって何かを叫ぼうとしていた。 あんまり叫ぼうとするので、縫いつけられたお口が切れて餡子さんが少し漏れていた。 見ているだけで、れいむのお口まで痛くなってきた。 まりさは何かに怒っていた。狂ったように怒って、箱の中で暴れていた。 とてもゆっくりできないまりさだった。 れいむが「ゆっくりできない」と口走ってしまったとき、まりさの怖い目がれいむを見た。 そして、怖い目でれいむを見て、ますます目を見開いて、れいむにも何かを叫んだ。叫ぼうとしていた。 とっても怖くて、思わず目を逸らしてしまった。 れいむのまりさと同じまりさの筈なのに、全然ゆっくりできなかった。 このまりさには悪いけど、一緒にすっきりをするなんて、考えただけでゆっくりできなかった。 すっきりしたくないのは、今までのまりさもそうだったけど。 (れいむはれいむのはにーのまりさのれいむなのにぃ) でも、お兄さんは最初に言った。笑いながら。 「赤ちゃんまりさを産んでくれないなら、れいむの赤ちゃん全員殺すね。どっちがいい? 産む? 産まない?」 だかられいむは、すっきりーをするしかなかったんだよ。ごめんね、まりさ。ごめんね。 (でも、それでも、こんな怖いまりさは嫌だよ。せめて前のまりさにして欲しいよ) でも、お兄さんは、れいむにこのまりさとすっきりーをさせようとする。 「前のまりさはもう死んじゃったんだ。もうこんなのしかいないから、コレで我慢してね」って笑いながら。 いつものように、お兄さんがまりさに"おくすり"を"ちゅうしゃ"をする。 怒っていたまりさの目がドロリと濁って、お顔がトロンと蕩ける。 前のふたりのまりさと同じ顔。れいぱーみたいな顔。 この後に起こる事も同じ。 ここでの生活で、一番ゆっくりできない時間の始まり。 泣いている赤ちゃん達が見ている前で、ベトベトの頬を擦りつけられて、無理矢理すっきりーをさせられて、 お兄さんがまりさを箱に戻してくれるまでの、とてもゆっくりできない時間。 ========== 「むーちゃむーちゃ…ちあわちぇ…」 「ゆ…おいちい…」 赤ゆ達が食べているのは、クッキー。 れいむが赤まりさを産んだ日だけの特別なご褒美だ。 にも関わらず、目の前で母親が"変な事"をされるのを延々と見せられ泣き続けた直後とあって、 辛い事を忘れ易い餡子脳でも、流石にべそをかきながらのお食事タイム。 ちなみに普段は腐りかけの生ゴミ、しかも赤ゆが衰弱し過ぎない程度に抑えた量しか食べさせていない。 赤ゆを産ませる都合上、母れいむだけは栄養価の高い食事を十分に食べさせているが。 「そうそう。実はみんなに良いお知らせがあるんだよ」 「ゆ…?」 いきなり話しかけた俺に、ゆっくり達が顔を向ける。 「あとひとり…あとひとりだけ、赤ちゃんまりさをお兄さんにくれたら…みんなをお家に帰してあげる。 ひとりだけくれれば、一緒に生まれた他の赤ちゃんも一緒に帰してあげるよ」 「…ゆ…ゆっ!? ほんと?! おにいさん、ほんとに!?」 「ああ、本当だよ」 「かえれりゅの? れいみゅたちおうちにかえれりゅの?」 「ゆっくちできりゅよ! まりしゃたちゆっくちできりゅよ!」 「おきゃあしゃん! はやきゅう! はやきゅ あかしゃんうんでなのじぇ!」 暗闇の中、突如現れた光明に、ゆっくり一家が色めき立つ。 「ゆっ! だいじょうぶだよ! おちびちゃん! もうすぐ…! もうすぐかえれるんだよ! おにいさん! やくそくだよ! ぜったいだよ!」 はいはい。わかってます。約束は守るよ。 安心してね。お兄さん、ゆっくりとの約束はそんなに破ったことないんだよ。 ========== それからまた数日後 「ゆぐぐうぅ…! う、うばれるうぅぅ!」 水槽の中には、りんっげつっのお腹を抱え、いきんでいる母れいむの姿があった。 「おきゃあしゃあん! がんばっちぇええ!」 「うまれりゅよ! れいみゅのいもうちょがうまれりゅよ!」 「あかしゃん! ゆっきゅりうまれちぇにぇ!」 「ゆ! れいみゅもあかしゃんうむよ! う、うみゃれりゅううぅ!」 れいむの周りでは、これからお姉ちゃんになる赤ゆ達がはしゃいでいる。 汗をダラダラ流してじんっつうっの痛みに呻く母れいむの表情も、心なしか笑っているように見える。 既に二度、生まれたばかりの赤ちゃんとの辛い生き別れを経験していると言うのに、よくこれだけ喜べるものだ。 餡子脳だからというのもあろうが、やはりゆっくりにとって、愛くるしい赤ゆっくりの存在こそが至上のゆっくりの素だからだろう。 しかも、今回、赤まりさが誕生すれば、念願叶ってお家に帰ることができるのだ。 一匹を除けば、新しい妹達も一緒に。 「れいむ! ヒッ、ヒッ、フーだ! ヒッ、ヒッ、フー!」 「ゆぐぐ…! ひっ、ひっ、ゆぅー! ひっ、ひっ、ゆぅー!」 実のお父さんは、透明な箱で別居させているので、出産立ち会いは僭越ながら俺が努めている。 れいむの射出口の前に使い古しのタオルを丸めたクッションを用意し、飛び出してくる赤ゆを受け止める態勢も万全だ。 「おきゃあしゃん! ぴっ、ぴっ、ゆぅー!」 「ゆゆっ?! あかしゃんの おかおがでちゃのじぇぇ!!」 「まりしゃがおねえちゃんぢゃよぉ! ゆっきゅちちchっちぇ! ゆっきゅちちい☆い#cっへえぇ!!!」 うん。落ち着け。 「ひ…ひっ…ゆぅぅー! うば…! うばれるうぅぅぅ…!!」 赤ゆの顔が、ムリムリとれいむの産道からせり出してくる。そして すっぽーん!! 間の抜けた音と共に、遂に新しい饅頭がこの世に生を受けた。 柔らかいクッションが赤ゆを傷つけることなく優しく抱き止める。 「うばれるっ…! またっ…うばれるよおぉ!!」 すっぽーん!! すっぽーん!! 先に生まれた赤ゆにぶつからないよう俺がタオルをずらしたところで、更に立て続けに二匹。 計三匹の赤ゆが誕生した。 胎生出産だが、れいむの餌に出産促進剤を混ぜて促成したため、大きさはピンポン玉大。 姉の赤ゆ達と同じくらいのサイズだ。 タオルの上でプルプルと震えている三匹の赤ゆを、家族達がこちらもプルプルと震えながら期待に満ちた視線で見守る。 最初のご挨拶、「ゆっくりしていってね!」の瞬間を待ちかまえているのだ。 そして、遂にその時が、ゆっくりのゆん生における最初の祝福の時がやってくる。 「「「…ゆ…ゆっ…ち………ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」 「ゆっくりしていってね!!」 「「「「「「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」」」」」」 家族全員、満面に笑顔を浮かべてのご挨拶。 正に今がしあわせーの絶頂期だろう。そう。絶頂期だ。 「ゆううぅ…! れいむのあかちゃん、とってもゆっくりしてるよおぉ! れいむによくにた…ゆ?」 そこで母れいむの言葉が止まる。ある事実に気付いたからだ。 勿論、俺も最初からその事に気付いていた。 生まれた赤ゆは、全てれいむ種だったのだ。 「ゆ…ゆ? お、おにいさん…」 れいむが俺の顔を窺う。 「うん、ごめんね、れいむ。お兄さんが欲しい赤ちゃんはまりさだからね。お家に帰るのはまだだね」 「ゆう……」 れいむの表情が曇る。 そう。"もう一匹赤まりさをくれたら"、お家に帰らせる約束だ。 残念ながら、今回は条件を満たせなかったようだ。 「ゆっ…! お、おにいしゃん! れいみゅのいもうちょたち、つれてっちゃやぢゃあ!」 「ん? 連れていかないよ。まりさちゃんじゃないからね」 ぴょんと一跳ね前に出た姉の赤れいむが、震えながらも妹を連れていかないでと俺に直訴してくる。 その赤れいむに返事をしながら、事前に用意しておいたペットボトルの蓋を開ける。 「やっちゃあ! いもうちょとゆっくちできりゅね!」 「ゆう~♪ みんにゃ! おねいちゃんと、いっちょにゆっくちちようにぇ!」 「あー…一緒にゆっくりはちょっと無理かな」 新生赤ゆ達が乗ったタオル、その外周に沿ってペットボトルの中の灯油を振りかけた。 「ゆぴいいぃぃっ!! あちゅぅぅ!! あちゅううぅぅ!!」 「みゃみゃあああぁあ!!」「おにぇいちゃあああん!!」 「ゆびゃああぁあっ?! れーみゅのいもうちょがああぁっ!?!?」 「まりじゃのいもうぢょがああぁぁあっ!?!?」 「いもおちょがあづがっでるよおお!!」 三匹で寄り添って泣き声をあげる、生まれたての赤ゆ達。 その周りをメラメラと音を立てて燃えさかる炎の壁がぐるりと囲んでいる。 生まれたてと言えど、よちよち這うぐらいはできるが、 わずかに炎に近づくだけでジリジリと身を焼く熱に晒され、それ以上進むことはできない。 姉の赤ゆ達も、同様に燃えさかる炎の壁に近づく事ができず地団駄を踏んでいる。 赤い炎の壁のすぐ向こうに、姉妹はお互いの泣き顔を窺うことができる。 少し跳ねれば、あるいは這えば、赤ゆでも簡単に到達できる距離。 にも関わらず赤ゆでは絶対に越えることのできない壁。 そうしている間にも、炎の壁はジリジリと妹赤ゆ達に迫ってくる。 「れいむのあがぢゃああん!! はなじでえぇえ! はなじでよおぉぉ!! おにいざあん!! あがぢゃんがあぁあ! れいむのゆっぐりどじだあがぢゃんがああぁあ!」 母れいむならば相応の被害を覚悟すれば赤ゆを救出する事ができるかもしれない。 だが生憎、俺の手に押さえつけられジタバタともがくのに忙しくて、助けに行ってあげられない。 なんたる間の悪さ。 しかし救世主は別の所からやってきた。 「ゆうぅぅ! おねいちゃんがたちゅけりゅよ! ぴいぃぃっ!! あちゅいよおぉ!!」 小さな救世主の伝説は2秒で終了した。 一匹の姉赤れいむが、妹を助けようと果敢にも炎の壁に挑んだが、 瞬く間にもみあげに引火、火を消そうと水槽の土の上を転げ回る事になった。 だが、この赤れいむは幸運だ。 もう一歩深く踏み込んでいたら、一瞬で全身火ダルマ饅頭になっていた。 まあ…踏み込んでいようといまいと最終的には同じ事なんだけど… 空いている方の手を伸ばし、ようやく火を消し止めてゆぐゆぐ泣いている赤れいむを掴む。 そして、妹達が助けを待つ炎の壁の中に放り込んだ。 「ゆびいいぃぃっ!」 炎の熱さから逃れたと思ったのも束の間、四方から饅頭皮を焼く熱波に襲いかかられ、姉赤れいむが再び悲鳴を上げる。 「おにぇいちゃああん!!」「ゆぴぃー! ゆぴぃー!」「あちゅあちゅしゃんけちてえぇ!!」 「ぴぎゃあぁあっ!! あちゅいよおぉ! やめちぇえぇ! こっちこにゃいでぇえぇ!!」 既に体に火が回り、燃え始めていた妹赤ゆ達が、救いを求めて姉赤れいむに縋り付いてくる。 姉赤れいむは妹達を振りほどこうとするが、妹とは言え体格はほぼ変わらない、 お姉ちゃんなら自分達を助けてくれるに違いないと信じ、無我夢中で三方から擦り寄って来られては跳ね除ける事もできない。 そうする内に妹達の体を焼いていた炎は姉赤れいむにも燃え移る。 姉赤れいむだけではない。 妹達同士でも、互いの纏う炎が互いの体に燃え移り、肌も髪もリボンも瞬く間に炎に包まれる。 全身を炎に包まれ、一つの塊になって燃えさかる姉妹達。その願いも一つ。 「「「「たちゅけちぇえぇっ!! れいみゅあちゅいよおぉぉっ!! おぎゃあじゃああぁぁぁんっ!!」」」」 無慈悲な赤い炎に焼き尽くされて行く小さな命。仲良く揃ったかわいい悲鳴。 「あがじゃああん!! おにいざんおねがいじまずうぅ!! あがぢゃんだずげであげでえぇっ!」 「ああ…綺麗だなぁ…かわいいなぁ…ふふ……ふふふふ……」 俺のすぐ下でれいむが大声で何かを喚いているが、まったく耳に入ってこない。 それほどまでに、目の前の光景は美しく、聞こえる音色は甘美だった。 ……… 「あかちゃん…? れいむのあかちゃん…? …おねがいだよ…おへんじしてね……おへんじしてよぉ……!」 母れいむが頬をすり寄せているのは、湯気を上げる四つの真っ黒な丸い消し炭。 球形のそれには窪みが三つ。 つぶらなおめめが嵌っていた、小さな窪みが二つ。 「おかあさん」 その言葉の形に大きく開いたままの、お口だった窪みが一つ。 他は全て焼け落ちて、何にもない、のっぺらぼうの消し炭。 他の赤ゆ達は、その光景から逃れようとするかのように水槽の隅に固まって涙を流しながらブルブルと震えている。 「ゆぅ……ゆぅぅ…! あか…ちゃん……れいむの……あかちゃんがぁ…! …どーしてぇ…? どーしてこんなことするのおぉぉ…!! おにいさあぁぁん!?」 「ああ、ゴメン。言い忘れてたね。 れいむが赤ちゃんれいむしか産まなかったら、産まれた赤ゆちゃんは全員殺すから。 あとオマケでお姉ちゃんの赤ゆちゃんも一人殺すから。 そういうルールだから、これ」 後付はゆっくりできないが、忘れていたものは仕方がない。 改めて、俺が決めていた"ルール"をれいむに説明する。 「な、なにそれえぇぇ!? ぞんなのれいむ ぎいでないよおぉぉ!?」 「だからゴメンってば。じゃあ、もう一回選んでいいよ」 「ゆ…? え、えらぶって…なにを…? ゆっ? おそら?」 れいむの髪の毛を鷲掴みにし、その顔が俺の顔の真ん前に来る位置まで持ち上げる。 「俺が、決めた、ルールで、赤ちゃんまりさを産むか、それとも、産まないで全部の赤ちゃんを殺されるか、だ。 言っておくが俺が決めるルールに文句は言わせないぞ? 文句があるなら、もうれいむには頼まない。自動的に『全部の赤ちゃんを殺される』だ。 さあ、選べよ。どっちがいい? ん?」 「ゆっ…ゆぅぅ…そんなぁ…そんなのぉ……ゆぅ……ゆぇ……ゆえええぇん!」 俺の言葉をゆっくりと飲み込んだれいむが、涙を流す目から、更に溢れるように涙を滲み出させて赤ゆのように泣く。 「泣いてちゃわからないよ、れいむ? どっち? 答えないなら…」 「ゆううぅぅ…うびばず……ゆっぐ…あかちゃん…うびばずがらぁ…もうれいむのあかちゃん…ゆっぐ…ころさないでよぉ…!」 「なあんだ! やっぱりそっちでいいのか! だったら先にルールを説明してても、結局あの赤ゆちゃん達が死ぬのは変わらなかったね! あ、あとね、れいむの赤ちゃんが死んじゃうかどうかは、れいむ次第だからね? 赤ちゃんまりさを産まなかったら、また赤ちゃん死んじゃうからね? お兄さんのせいにしないでね? ゆっくり理解したかい?」 「……ゆっ……ぐい………りがい………じだよ……」 「さっすが、れいむ! ものわかりが良くて、お兄さんうれしいよ! それじゃ、早速かわいい赤ちゃん作ろうか!」 俺はれいむを水槽に降ろすと、次のすっきりーに取りかからせるべく準備を始める。 楽しいショーはまだこれからだ。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×3 ========== れいむが俺の家に来てから4回目の出産を終えた。 「「「ゆっくしちちぇいっちぇね!!」」」 「はい、今度もれいむちゃんでしたー! 残念だったねぇ…みんな」 気の毒そうに声をかける俺に、ゆっくり一家は何も言葉を返さず押し黙ったままだ。 今回もれいむは3匹の赤ゆを産み落としたが、運命の悪戯か、或いはもっとタチの悪い別の何かの仕業か、全て赤れいむだった。 タオルのクッションの上では、生まれたての赤れいむ達がキリッと眉を上げてプルプル震えながら、 最初のゆっくりしていってね!のご挨拶を叫ぶ。 しかし、母親と姉達は呆然とその姿を見つめるだけで、青ざめた表情のまま誰も挨拶を返そうとはしない。 「ゆ…? ゆっくしちちぇいっちぇね! ゆっくしちちぇいっちぇね!」 「ゆっくしちちぇいっちぇねえぇぇ! ゆっくちいぃい…!?」 「ゆっくち…? ゆっくち…しちぇいっちぇね…? ゆぅぅ…ゆええぇ…」 挨拶を返してくれない家族に、生まれたての赤ゆ達の表情も曇り、すぐに泣き顔に変わる。 お母さんのお腹にいるときから、ずっと待ち望んでいたゆっくりしていってね!のご挨拶。 お外から聞こえてきた、お母さんとお姉ちゃん達のゆっくりとした声。 (れいむのあかちゃん! ゆっくりうまれてね!) (いもうちょはゆっくちできりゅよ!) (ゆんゆ~ん♪ れいみゅのおうちゃをきいて、ゆっくちちちぇね!) (おきゃあしゃん! いもうちょのまりしゃも いりゅよね!) (ゆっ! こんどはだいじょうぶだよ!) 自分達の誕生を待ち望む家族の声。 れいむは"まりさ"じゃないけど、それでもかわいいれいむを見れば、お母さんもお姉ちゃんもゆっくりしてくれる。 祝福で迎えられる誕生、そう信じて疑わなかった。 それなのに、お母さんもお姉ちゃんも、誰もゆっくりしていってね!と答えてはくれない。 れいみゅはゆっくりしちゃいけないの? ゆっくりできないの? ゆっくりしたいよ… 輝けるゆん生への希望は、生まれ落ちた瞬間から落胆へと変わった。 まだ己の運命を知らない妹達も、これから待ち受ける運命を知る家族達も、一様に悲しみに沈む。 そして楽しい時間は始まる。 「ど・の・こ・が・し・ん・じゃ・う・の・う・か・な」 水槽の中に並ばせた姉赤ゆ達を俺の指が順番に指し、指を向けられた赤ゆがその度にビクッと震える。 言うまでもなく、今回の処刑赤ゆを選んでいるのだ。 最後に指が止まった先にいた子が死んじゃうからね!と説明してあるので、俺の指が向くたびにおめめからじんわり涙が溢れてくる。 「え・い・き・さ・ま・の・い・う・と・お・り」 俺の言葉が進むにつれ、赤ゆ達の緊張感は増していく。 もう既に全員涙目。か~わいいなあ! そしていよいよクライマックス! 一音一音に力を込める。 「ラ・ス・ト・ジャ・ツ・ジ・メ!・ン!・トォォォ!!」 「ゆぴゃああぁっ!? やぢゃやぢゃやぢゃあぁっ! ちにたくにゃいよぉ!」 俺の指がビシィッと差した先にいた赤まりさが甲高い絶叫を放った。 その横では、難を逃れた姉妹達が安堵の表情を浮かべている。 まさに天国と地獄の境目だ。 特に赤まりさの次の順番だった赤れいむに至っては、泣き喚く姉妹に気遣うでもなく露骨に安堵を口に出す。 「ゆぅ…たしゅかっちゃよ…これでれいみゅはゆっきゅ 「『ピチュゥゥーンッ!』 はい! れいみゅちゃんに決定~!」 その赤れいむをリボンごと摘み上げ、俺の頭上に高々と掲げた。 「ゆわあぁ?! れいみゅのきゃわいいおしょらをたちゅけちぇえぇ! おきゃあしゃんがとんでりゅみちゃーい!!」 やや錯乱気味になりながら、大空を羽ばたこうとするかのように、もみあげとあんよをバタバタ動かす赤れいむ。 天から飛び散るおそろしーしーが俺の顔に降り注ぐが、この業界ではご褒美だ。 「にゃんでえぇぇ?! れいみゅじゃなくちぇ、まりしゃでちょおおぉ?!」 「うちの田舎ではラストジャッジメントピチューン!まででワンセットなんだよ! ゆっくり理解してね!」 「ゆやああぁぁっ!! れいみゅちぬのやああぁぁっ!」 泣いても無駄だ。ミニスカ閻魔様の決定は絶対。 俺達地べたを這う者に許されるのは、その足元にひれ伏し、スカートの中をチラチラ覗き見る事だけだ。 さーて、じゃあ、お楽しみ処刑タイムいっちゃおうかなあ! 処刑道具はコレ! 透明なアクリルケ~スぅぅ! ゆっくりを閉じこめておくアレじゃなくて、20cm角ぐらいで小物入れとかにする蓋無しのヤツだ。 水槽から処刑赤れいむを取り出し、床の上に置く。 「ゆやあぁぁ! こ、ころちゃないでぇ! やぢゃああぁっ! れいみゅちにたくにゃいよおぉぉっ!!」 叫び声を上げて、赤れいむがぴょんぴょん跳ねて俺から逃げる。 「あ、ちょっとれいみゅちゃん! 動かないでじっとしててもらえるかな?」 「ゆんやあぁぁ! ゆんやあぁぁあぁぁ!!」 ははは、聞いてないね。 赤れいむを捕まえて、あんよを紙やすりでザリッと一擦り。 「ぴいいぃいぃっ!?!?」 んー! いい声! 俺の言う事を素直に聞いて大人しくなってくれた所で、再度、床に置く。 「おねーちゃんにひぢょいことちないでー!」 「ゆう…おにいしゃん…おねえちゃんをいじめにゃいでね…?」 「どうちておねえちゃんに こんなこちょちゅるの! れいみゅおこりゅよ! ぷきゅううぅ!!」 今度は、まだ状況を理解していない妹の赤ゆ達が、姉の窮状を見て抗議の声を上げてきた。 俺に向かってぷくうをしてくる威勢のいい赤ゆちゃんまでいる。おお、こわいこわい! 怖いのでここは穏便に許してくれるようお願いしよう。 「れいみゅちゃん、やめてね!? やめてね!? ぷくうしないでね!」 「ちゃんとはんしぇいちたの!? はんしぇいちたらおねえちゃんにあやまっちぇね! しょしたらゆるちちぇ バチィン! 「ゆぴいいぃっ!?」 ぷくう赤れいむを掴んで、顔面にデコピンを一発。 顔面がベコンとへこみ、顔の内側に埋没した目から涙が滲み出してくる。 少し待つとへこんだ顔が戻り、顔の真ん中を真っ赤に腫らして…お、俺をキッと睨んできたよぉ!? 強気な赤ゆちゃんもかわいいよね~! 「ゆっ…きゃわいいれいみゅになにすりゅ バチィン! 「びぎいぃっ!?」 「いちゃいよ! やめちぇ バチィン! 「ぴいぃっ!!」 「い、いいきゃげんにちないと バチィン! 「ゆびぃっ!!」 「や、やめちぇ! いちゃいのやめちぇ バチィン! 「いぢゃあっ!!」 「ばっちんやめちぇえぇ バチィン! 「ぴぎいっ!!」 「たちゅけてえぇ! おきゃあ バチィン! バチィン! 「ぶぎゅうぅ!!」 「おにいさあぁん! もうゆるじであげてぐだざいぃ! れいむのあかちゃんがいだがってるよぉぉ!! あかちゃんも おにいざんに さからっちゃだめえぇ! いたいいたいされちゃうよぉぉ!! あやまっでえぇ!」 「ゆぴいぃぃ! ごめんにゃしゃいぃぃ! もうぷきゅうちましぇ バチィン! 「ぎにぃっ!!」 「謝らなくていいんだよ! お兄さん、怒ってなんかないからね! 赤ゆちゃんの強気をへし折って粉々にしてあげたときのかわいいお顔が見たいだけだからね! ほらほらぁ! もっとかわいいお声で泣いてよおぉ! れいみゅちゃあん!」 「ゆんや バチィン! 「あやまりまちゅ バチィン! 「はんしぇいちまち バチィン! 「ゆっくちちた バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! 一カ所だけ叩くとすぐに皮が破れるので、お顔に、ほっぺに、頭に、背中に、あんよにと四方八方からデコピンを喰らわせる。 このね! 赤ゆちゃんの柔らかい体にボフンと指が食い込むときの感触がなんとも言えないんだよねっ! ……… 「ふう~! れいみゅちゃん! すっごくかわいいお顔になったよ!」 「ぶ゛ぎゅ…ぶっぐ…ぢぃ………」 赤れいむの顔はブクブクに腫れ上がり、垂れ流した涙としーしーのお池にデコピンで折れた小さな歯が浮く。 残った二匹の妹赤ゆ達は、ようやく自分達の置かれている状況が少し理解できてきたか、母れいむに縋って泣いている。 「さ、じゃあ、みんなもお姉ちゃんと一緒に並んでね!」 抵抗しなくなった四匹の赤ゆを、何センチか間隔をあけて正方形を描くように床に配置。 対角にいる姉妹と顔が向き合うようにする。 これで素敵な赤ゆちゃん台座のできあがり。 早速、台座にアクリルケースを載せる。 「ゆぎゅ!」 「ゆゆ?!」 「おみょいよぉ!」 「や、やめちぇくだちゃい! れいみゅいいこにちまちゅかりゃ、やめちぇくだちゃあい!」 突然頭上に物を載せられ、これから何をされるのかと赤ゆ達が怯えた声を上げる。 特にデコピン責めにされた赤れいむが激しく怯えている。 ここで取り出しましたるは、一本のペットボトル。 中身はしゅわしゅわあまあまジュース、サイダーさん。 「赤ゆちゃん達! 驚かせちゃってごめんね! お詫びにあまあまで美味しいジュースさんをあげようね!」 「ゆゆっ?! あみゃあみゃ?! ほちい!」「れいみゅも! れいみゅも!」「ゆ…? あみゃあみゃしゃん…?」 自分達がどういう結末を迎えるか知らない妹赤ゆ達が、あまあまという言葉に先程までの怯えぶりが嘘のようにおねだりを始める。 泣いていたデコピンれいむもあまあまが気になるようだ。 リクエストにお答えすべく、ジョボジョボとサイダーをケースに注いであげると、シュワァァと炭酸の泡が心地よく弾ける音が響く。 「ゆぴー! ゆぴー! あみゃあみゃあ!」 赤ゆ達が頭上のケースに降り注ぐ甘露を求め、餌を待つ雛鳥のように舌を伸ばす。 当然、アクリル板の向こうのジュースは飲めないが。 「ゆっくちあみゃあみゃしゃんちょうだいにぇ!」 「ぺーりょぺーりょ!」 「あみゃあみゃちあわ…ゆ? あみゃくにゃいよ?」 赤ゆ達の舌がケースの底面を這い、夢中で注がれたあまあまにありつこうとするが、舌に感じるのは無機質なアクリルの味ばかり。 お間抜けな光景が繰り広げられる間にも、ジュースは注がれている。 「ゆゆ…?! にゃんだか あちゃまが おもくなっちゃよ!?」 「「「ゆぴー! ゆぴー! ゆ?」」」 最初に異変に気づいたのは姉赤れいむ。妹達も続いて異変に気づく。 当然ながら、注がれた液体の分だけ頭上のケースが重量を増したためだ。 「ゆぎぎ…! おみょいよぉぉ!」 「やめちぇにぇ! おみょいよ!」 「ゆっくちできにゃいよ! あみゃあみゃさん! れいみゅにいじわりゅちないでにぇ!」 「れいみゅおこりゅよ!? ぷきゅううぅぅ!」 更に重量が増し、赤ゆ達が平たくひしゃげて行く。 ぷくうしていた姉妹がどうなったかもう忘れたのか、頭上のジュースにぷくうで威嚇する妹赤ゆもいるが、 ケースに頭を押さえつけられているので不格好に横方向だけにほっぺが膨らむ。 ジョボジョボ… 「ゆきゅうぅぅ! あみゃあみゃさんごめんなしゃいぃ! ゆるちちぇぇ! もうぷきゅぷきゅしないかりゃぁぁ!」 ジュースさんと重力さんにそんな威嚇が効く訳もなく、頭上の重みは増すばかり。 ぷくうしていた赤れいむは、ちたちたともみあげで床を叩きながら必死に謝るが、ジュースさん達は許してくれない。 ジュースさんおこっちぇるよ!? 勿論、赤ゆちゃん全員の連帯責任だ。 更にジュースを注いでやり、アクリルケースがまた一段沈み込む。 「ゆっ…ぎゅ…おみょ…おみょいよぉ…! ゆっくち…できにゃいいぃ…」 「ゆぎゅうぅぅ…!」 「たちけちぇ…! おねい…ちゃぁん!」 妹れいむが対面にいるお姉ちゃんに助けを求めるが、そう言われても、お姉ちゃんだって一杯一杯だ。 目に涙を浮かべながら踏ん張ってはいるが、時間と共に増える重量の前に奮闘虚しく押しつぶされて行く。 そろそろくる頃かなーと思いながらゆっくりとジュースを注いでいると… 「「「「ちゅ……ちゅ……ちゅっ…!」」」」 お? これはぁ?! 来た? 来たの?! 来たんだね! よーし!! ジュースを注ぐスピードを少し早め、タイミングを見計らう。 「行くよぉ! 赤ゆちゃん達ぃ! せーの!!」 「「「「「ちゅぶれりゅうぅぅぅ!!!」」」」」 はい! 「ちゅぶれりゅう」いただきましたぁ! みんな息ピッタリだね! とってもかわいかったよおおぉ! ちなみに俺も赤ゆちゃん達と一緒にちゅぶれりゅうコールに参加した。 いやぁ、楽しいなぁ! 「ちゅぶれりゅう」! かぁわいいよね~ もし今、満員電車の中にいるのなら…おっと、そんな事言ってる暇はない。赤ゆちゃん達がお待ちかねだ。 ささ、もっとあまあまさんあげるからねええ! 「ゆぶっ…ぶっ!」「ぢゅ…ぶぅ…!」「ぶっ…! ゆぎゅううぅ…!」 いよいよ危なくなってきたか、赤ゆ達はあにゃるをキュッと窄め、歯を食いしばり、餡子の噴出に耐えている。 顔を真っ赤にして、ぷくうと大きく膨れた両のほっぺたは、まるでほおずきの実のようだ。 甘い匂いのする脂汗を浮かせながら、ブルブルと震えている様は実に愛らしい。 「ちゅっ! ちゅぶれっ…! ちゅぶれりゅう! ちゅぶれりゅうぅ! ちゅぶれりゅううぅぅっ!!」 今のは俺だ。 赤ゆちゃん達喋る余裕無さそうだし代弁してみた。 「ちゅぶれりゅうぅぅ! おきゃあしゃあん! れいみゅたちちゅぶれちゃうよおぉ! たちけちぇええ! ゆんやあああぁ!」 「ゆっぎっぎっぎっ……!!」 今のも俺。 水槽にへばり付いて赤ゆ達の様子を見守る母れいむに、赤ゆちゃんの言葉を通訳してあげたのだが、なんか睨まれた。 かわいさが足りなかったせいかもしれない。 「ゆぶううぅぅっ!!!」 そうしている内に、遂に耐えきれずに一匹が口から餡子を噴き出した。デコピン赤れいむだ。 歯をへし折ってしまったので、閉じた唇だけでは吐餡を抑えられず真っ先に限界に来たようだ。 透明なケースとジュースを通して、赤ゆの前にこんもりと餡子が盛り上がる様子がはっきりと見て取れる。 勿論、水槽の中で泣きながら赤れいむ達の様子を見守っているゆっくり達にも、その様子はよく見えている。 噴出した餡子の一部は、遠くまで飛び散り、デコピンれいむの対面にいた姉赤れいむの顔にもかかった。 「ゆ゛…ゆ゛…ゆ゛え゛っ!! ゆっぶ!? ゆぶろろおぉおおぉぉっ!?」 妹の吐餡を見て気分が悪くなったか、姉赤れいむがえづき、そのまま餡子を吐き出す。 「ゆぶっ! ぶびゅうぅっ!?」 「ゆ゛んむ゛~!?」ブビュビュビュ… それを見た残りの妹赤ゆの一匹も吐餡を始め、最後まで耐えていた一匹は先にあにゃるが決壊した。 どの赤ゆも再びブルブル震えて餡子の噴出に耐える作業に戻るが既に限界が近い。 少し餡子を吐いては、涙ながらに歯を食いしばりあにゃるを窄める、その連続だ。 じゃあ、そろそろフィニッシュといきますかあ! ドボドボと一気にジュースをケースに流し込む。 「「「「ゆぎゅうぅぅぅっ?!?!」」」」 急激に増加した重量に、赤ゆ達は一声泣いた後、みるみるうちに平面に近づいて行く。 口元から、あにゃるから、餡子が次々と溢れ出す。 それでも急速に高まる圧力には追いつかず、饅頭皮まであちこち破れ、ぷつぷつと餡子色の蕾をつけ始める。 その蕾はふわっと広がり、アクリル板の下で幾輪もの餡子色の花が咲き乱れた。 黒い餡子の花に囲まれた八対の白い目が、頭上のアクリル板に押しつけられながら 水槽から自分達を見下ろしている家族達を見つめていたが、その目玉もやがて弾け飛び、白い花となって咲いた。 「死んじゃった♪」 俺の手がピラピラと振るのは、アクリルケースの下敷きとなってグシャグシャに潰れた4匹の赤ゆ。 潰れてベッタリと広がった姉妹達の餡子と饅頭皮が混じり合い、どこまでが誰の物かその境界も曖昧だ。 まるで一枚の大きなのし饅頭。 そののし饅頭を水槽にベタンと貼り付ける。 「ゆんやあぁぁあ! ぎょわいよおぉぉ! ぎょわいよおぉぉ!!」 「いもおぢょがぁ……まりしゃのいもおぢょがぁ……」 「れいみゅがぁ…れいみゅがちんじゃったぁぁ…」 「ゆえぇえ…! ゆっくちできにゃいぃぃ…! ゆっくちできにゃいよぅ…!」 「あが…ぢゃん……れいむの………あがぢゃん………」 のし饅頭が乾いて剥がれ落ちた後も、ゆっくり一家は泣き続けていた。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×2 中編に続きます 挿絵 by36番あき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 出た、彼の有名な頭おかしいお兄さんwww -- 2018-01-02 23 50 48 お兄さんと結婚したいな本当にちゅぶりぇりゅぅぅぅぅ!!!でワロタ -- 2016-09-25 23 26 27 本当にのーびのーびは苛々するなwww -- 2016-01-26 16 47 57 やめろー何てひどいことするんだ❗ -- 2015-05-11 23 49 51 一つ一つの虐待が最高におもしろいね! -- 2015-02-02 21 02 01 この人の文章好きだwww -- 2014-11-03 02 31 18 おおwHENTAIHENTAI -- 2014-08-08 11 32 01 俺お兄さんと結婚したいw -- 2013-01-28 18 35 22 のーびのーびしたゆっくりのトンでもないキモさwww -- 2012-10-16 21 44 47 ゆっくりがぞうたくさんだしてね -- 2012-01-20 20 47 03 ミニスカ閻魔様の~スカートのくだりセンスと狂気を感じる -- 2011-11-26 05 54 25 CRAZYお兄さんwww 36番あきキターーーーーー!! -- 2011-10-17 23 58 51 おお、なんか斬新なスタイルだw -- 2010-10-30 00 33 16 良い感じにクレイジーだなw -- 2010-10-01 18 33 24 お兄さんの喋りがいちいち面白いwww -- 2010-09-10 17 25 38
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ゆっくりの食べ方講座~初級編~ 出演:お姉さん 4代目れみりゃ グ~ッ…… 「う~、おなかがすいたんだど~」 飼い主さんと一緒にリビングでゆっくりしていたられみりゃのお腹が空いてしましました。 ピンクのスカートの裾をつかみながらにぱーとカワイコぶりっ子飼い主さんにおねだりをします。 「さっき、お昼ごはんを食べたじゃない」 そうです。お昼ごはんに白飯と焼き鯖とお味噌汁を一人前平らげたのにれみりゃはお腹がすいてしまったのです。 人間でもそうですが、食べさせ過ぎは体によくありません。太ってでいぶになってしまいます。 「れみりゃはせいちょうきなんだど!」 ソファーの上でガッツポーズを取るれみりゃ。 確かに、れみりゃは大人になりかけの子ゆっくりなので必然とお腹がすいてしまうのは道理なのです。 自然界のれみりゃや他のゆっくりもこの時期が一番大変な時期です。 「しかたないわね、今日もおやつを作りましょうか」 「やったど~!!」 今日も優しい飼い主さんです。 最初に言っておきますが、野良ゆっくりをそのまま食すと危険です。 なるべくお金を掛けたくない方は野良ゆを捕まえ、精子餡のアンプルを使って生まれた赤ゆを使いましょう。 何故危険かというと、野良ゆっくりには有害な残留物質が残っているからです。 消化しきれていない食べ物が実はプラスチックだった、もしくは腐ったものだったというパターンがあり、予備知識もなくゆっくりを食べて病院送りになる人は少なくありません。 ですので、加工場から販売されているものもしくは自家培養した赤ゆをおすすめします。 リビングから窓を開け、庭に出ると室外機の上に頭にピン球サイズの赤まりさ3匹と赤ありす2匹をぶら下げた一匹の大人まりさがいます。 以前、まりさはお庭の花壇を家族で荒らしていた所をお姉さんに捕まえたのです。 優しいお姉さんは一度は助けてやろうかと思ったのですが、 まりさのゆっくり出来ない罵詈雑言を耳にしてれみりゃのおやつ製造機としての任務を与えることにしました。 フタを開けると早速、 「おい、どれい! まりさをここからだせぇえええ!!!」 大声で喚きますが、あんよを1センチほどの厚さで削ぎ落としているのでまりさは動くことが出来せん。 更に、雨よけ用にゆ虐用の透明な箱に入れられているから外的な理由で死ぬことも許されません。 「じゃ、もらうわね」 「ゆぴ!」 手馴れた手つきでお姉さんは茎の根元からプクプクと育った赤ちゃんを取りました。 その茎を用意していた砂糖水の入っているコップに移し変えます。 「あかちゃんをかえせぇえ!!! この、くそどれい!!」 お姉さんは喚くまりさを無視して、一本のプラスチック製の注射器を取り出しました。 「そいっ!」 ぶすりと先端の尖った部分を挿し込み、ピストンを押します。 「ゆぶぶぶぶぶぶぶ」 痙攣するまりさのことも構わずに更に倍プッシュします。 「これでよしと」 ニョイーンとまりさのデコから茎が伸び、先程と同じく5匹の赤ゆの実が成りました。 加工場が販売しているありすの三等級精子餡の効き目が早速出たようです。 「ゆひぃ……ゆゆ、またあかちゃんができたよ!! こんどこそはゆっくりしていってね!!」 おや、まだ赤ちゃんは生きているのにまりさは次の赤ちゃんにメロメロのようです。 「あとそれと」 箱の中にパラパラとゆっくりフードを撒いて、まりさの頭にオレンジジュースをかけました。 「ゆ~ん、とってもゆっくりできるのぜ~」 また喚きかねないので蓋を閉じておきます。加工場の箱は完全防音ですよ。 三日もすれば赤ゆも十分成長するでしょう。 「れみぃ、お砂糖足りないから取ってきて」 うーと返事をしながら、れみりゃは急いで台所へと飛びます。 「ちゃんととってきたど~」 ですが、取ってきたものには塩という表記があるではありませんか。 「れみぃ、舐めてみなさい」 無理だと言っても嫌だと言っても体に教え込まないといけません。 さて、場所を台所に移します。 「あとは、お皿を」 用意するものは先程のコップと包丁、まな板と底のあるお皿とオレンジジュースです。 「まずは、赤ゆっくりを目覚めさせないと」 砂糖水につけているだけでは赤ゆっくりは生まれません。 そのため、砂糖水の濃度を濃くして生まれるのを早めなければなりません。 「れみぃ、お手手洗っといて」 その間に大さじ3杯ほどコップに砂糖を注ぎます。これで赤ゆの顔がだんだんと白っぽい色から生き生きとした赤身がかった肌色へと変化します。 「ゆぴ!」 肌色が安定し始めると目が開きます。これが誕生の合図です。 「ゆっきゅりうまれりゅよ!!」 舌っ足らずの返事と共に茎からポトリポトリと落ちてきます。 落下地点に何も置かずとも大丈夫ですが、心配ならタオルを敷くのもありです。 「ゆっきゅりしていっちぇね!!」 一斉に私に向かって声をかけますが、ここで声をかけてはいけません。 「ゆゆ、にゃんでへんじをしてくれないの?」 「なんでって、みんながゆっくりできないからよ」 生まれた時点から言葉攻めをすると感受性豊かな赤ゆはそれを間に受けます。 ゆっくりはゆっくり出来ないほど甘みが増す生き物です。その為、いかに苦痛を与えながら調理するかがポイントなのです。 「ゆ! まりしゃはゆっきゅりできりゅのじぇ! へんにゃこというとぷきゅーするのじぇ!!」 「しょ、しょうよ! いにゃきゃもののおにぇーさんはゆっきゅりときゃいはなありしゅたちにあやまってにぇ!!」 一部の反抗的な赤まりちゃと一緒に威嚇行為であるぷくーをしてきます。 ゆっくりは調子に乗ったりゆっくりすると甘さが減ってしまうので要注意です。 ですが、ご安心あれ。ゆっくりはゆっくりするというレゾンデートルを持つ生き物なのです。それは赤ゆとて例外ではありません。 「見てご覧、まりちゃ達のお母さんは他の赤ちゃんとゆっくりしているよ」 お皿に載せた五匹を連れて窓際へ移動します。 「ほ、ほんちょだ……」 のほほんと餌を食べながら日向ぼっこをする母まりさがいました。 「みゃみゃー!!」 赤ありしゅの叫びますがその声は母まりさの元へは届きません。 他の赤ゆも狂ったように母まりさの名前を叫びます。 「おきゃーしゃーん!!」 お姉さんはお皿を片手に母まりさの目の前に現れました。 「みゃみゃ!」 母まりさが私たちを見ている、これからのしあわせーな家族生活を夢見ながら赤ゆたちは母の顔を見ますが、 「…………ッ!!!!」 帰ってきたのは怒りを顕にした鬼のような母まりさの顔でした。 「どぼじで……」 「それはね、みんながゆっくりしていないからだよ。ゆっくりしていないからお母さんに見捨てられちゃったんだよ。残念だね」 本当は母まりさはお姉さんに対して怒っていただけであって、赤ゆっくりに対しては怒っていません。 ですが、子供の顔など物の数分で忘れているので事実上、赤ゆたちは捨てられゆっくりです。 決して、母まりさが薄情なゆっくりだとは思わないでください。 自然界では悲しさを紛らわせるために別のものに依存し、過去にはとらわれないように記憶を改ざんするのがサバイバルスキルの一つなのですから。 「ゆっくり出来ないゆっくりは生きる価値がないよ」 自然界でもそうですが、ゆっくりはゆっくりしていないとレッテルを貼られた瞬間、生きる価値を失うのです。 もちろん、本ゆん達はそうじゃないと思っていても現実は冷たくゆっくり出来ないゆっくりを普通の世界から押し出してしまいます。 絶望させたあとは調理の開始です。先程の過程はより一層甘くするためのものであり、省いても問題はありません。 「まりしゃはゆっきゅりできにゃい……」 まず初めにしなければならないのは不必要なお飾りと髪を除くことです。 「や、やめてにぇ…‥おきゃじゃりしゃんだけは……」 ゆっくりに取って飾りも重要な一部なのです。飾りがなければゆっくり出来ないゆっくりとみなされ追放されるのですから。 追い打ちをかけるようにお飾りをもいでください。 「ありしゅのかちゅーしゃしゃんが~~!!」 お飾りは集めたい人だけ集めてください。加工場がお一つ0.1円で引き取ります。 ただし、死臭がついたものは却下です。ゆっくり避けに使うか捨てるかしてください。 「後はあんよを」 調理中に動き回られたら嫌だという人は最初にあんよを傷つけておくと良いです。 ただ、深く傷つけると餡子を出しすぎて死ぬ可能性があるので薄く刃を走らせるだけで良いです。 「まりちゃのかみょしかのようにゃしゅんしょくしゃんがー!!」 カモシカは足が太くて綺麗ではないです。 一度、赤ゆ達を皿に置いて動かないかを確かめてから次の工程に移ってください。 「よっと」 今度は赤ゆの髪の毛を剃ります。なるべく剃刀のような刃が短い物を使用すると良いです。 ゆっくりは弾力性があり、また作業中に暴れ、誤って自分の手を傷つけてしまう可能性があります。 そのため、ゆっくりに対して刃物を使うときはゆっくりをまな板に置いてゆっくりの頭上を指で弾力性を感じなくなるまで押しながら作業すると良いです。 赤ゆやぱちゅりー種などのゲロを吐きやすい弱いゆっくりは口を閉じるように押すことをお忘れなく。 「ゆぎぃいいいいい!!!」 髪を剃るときは薄皮を剥ぐように切るようにしましょう。 髪の毛の剃り残しがあると舌触りに影響するので中身が漏れないように歪でもいいので刃を入れてください。 「ゆぎぎぎぎぎぎぎ……」 最初は側面を切り取り、最後に指で抑えている箇所を抑えながらスライスしましょう。 全員の髪の毛が剃り終わったら一度、赤ゆにコップの中に入れていた砂糖水を全てぶっかけてください。 これで先程の工程のダメージを和らげます。ダメージを蓄積しすぎると非ゆっくり症に罹り途中で死んでしまいます。 「ゆふ~」 「ゆっくりできるのぜ~」 皿に貯まった砂糖水に浸りながら赤ゆたちはゆっくりしています。 ある程度放置しておくことで、次の段階に移った後の恐怖感が増します。上げて落とすのもいい調理法の一つです。 「それじゃあ、れみぃ。次お願いね」 「わかったど~」 「れ、れみりゃだああああ!!!!」 砂糖水の上ではしゃいでいたゆっくりも大慌てです。 赤ゆといえど、捕食種に対する恐怖は本能レベルで刻み込まれているのです。生きるための知恵の一つと言っても良いでしょう。 「うーうるさいど!!」 れみりゃは太っちょで短い指を使い赤ゆを掴むと、空になったコップの中に落としました。 「いちゃい!」 受身を取り損なってほっぺたから落下したみたいです。 衝撃の痛みに耐えながら、まりさはコップの底から天井を見上げます。 「みょ、みょうにゃにもしにゃいでほしいのじぇ!!」 そう叫んだ矢先に橙色の液体が流れこんできます。 ゆっくりの万能薬、オレンジジュースです。 「あ、あみゃあみゃ……」 勢いを止まることを知らず、コップの縁ギリギリまで注がれました。 「い、いきができにゃいのじぇ!!」 ゆっくりには正確な呼吸器官はありませんが、呼吸を行ないます。 焦った赤まりちゃは空気を吸おうとしすぎて口を開けっ放しにしてしまい結果として浮き上がることが出来ません。 感情を言葉に出しやすいゆっくりの性質上、沈んでしまうのは当然の結果なのです。 ゆっくりが暴れてオレンジジュースをコップの外に吐き出してしまうので、台所が汚れてしまうのが嫌な人はジュースの量を減らすか、タオルを敷いてください。 「げぇぁあああ」 また、普通の水ではすぐにふやけて死んでしまいますが、オレンジジュースの治癒効果でなかなか死ねません。 「……っ!!」 ですが、過信はいけません。オレンジジュースといえど液体です。徐々にゆっくりの皮膚はふやかされていきます。 その間にお姉さんが用意した小麦粉をれみりゃはタッパの中に注ぎます。 「あぎゅ、あびゅびゅ」 沈みかけたところを見計らい、れみりゃは菜箸を使って赤ゆをつまみ上げました。 「た、たしゅけて」 今度はお皿に残っている赤ゆと一緒に小麦粉が詰まったタッパに落とします。 「こにゃこにゃしゃんはゆっきゅりできにゃいよ!!」 「ゆっくちん!!」 「うー!」 睨みを利かしたところで、今度は小麦粉を赤ゆたちにふりかけていきます。 「こーねこーねだと~」 「みゃえがみえにゃ……い、いちゃいいい!!!」 「やべでぇえええおしゃないでえええ!!!!」 「くちぎゃこにゃこにゃすりゅうううう!!!」 「ゆっくちん、ゆっくちん!!」 平手で小麦粉を掬ってはそれを頭からまぶし、皮膚にくっつくようにこねる。これを十回ほど繰り返してください。 小麦粉を体にまぶすことによって、耐水性を少し上げます。 また、身を引き締めることができるのでオレンジジュースでふやけた体を元に戻すときに最適です。 「うーもういっかいだどー」 馴染み混んだと思ったら、もう一度赤まりちゃをコップの中にぶち込みます。 「もういやじゃぁああ!!!」 急ぎの方は全部いれてしまっても構いません。それで十分です。 ですが、もっと甘くしたい方は一匹ずつ入れていきましょう。 そうすることによって姉妹の悲鳴を聞いた赤ゆは更に甘くなります。 コップの中に入れる一匹の目安時間は30秒。これぐらいの時間で十分中身が甘くなります。 赤ゆ全てに作業を施したら次は灰汁抜きを始めます。 これは、体から排出されていない甘くない部分を排除し、より一層甘くするための工程です。 それならば、うんうんを出させれば良いと言う声が聞こえますが、うんうんを出るまで待つのはゆっくりしすぎです。 また、トウガラシ等の下剤等の仕様は味に強い影響を与えるのでやめたほうが良いです。 「今度は私がやるかられみぃは見てて」 細かい作業になるので今度はお姉さんが担当します。 「もうやめちぇえええ!!」 涙を流して懇願する赤まりちゃとその姉妹たち。 ですが、優しいお姉さんに迷いなんてあるものですか。 「あなた達はゆっくり出来ないゴミだかられみりゃのあまあまになるしか能がないのよ」 優しさのベクトルは常にお姉さんの物に向けられています。他のゆっくりなんて知ったこっちゃ無いのです。 「しゃかしゃまにしにゃいでえええ!!」 「喋り過ぎると舌を噛むわよ」 赤ゆを裏返しにしてあんよを先程と同じく指で押し付けてください。 それから、刃を赤ゆの頬に上から斜めに入るように入れてください。猫の髭のような線を2本引きます。 力加減はあんこが少し漏れるようにしたいので、切り込みを入れている最中に弾力が変わったと思ったらそれ以上力を入れないでください。 もし、そこまで器用じゃないと思うのならば、包丁の先でぷすりと両方の頬に三回刺すだけでも良いです。 ですが、上斜めに切ることを忘れないでください。ゆっくりを裏返しお皿の上に置いた時に自重で中身が漏れるようにしたいからです。 「ひゅーひゅぅううー……」 痛みを言葉で吐き出せないまま口をすぼめて呼吸をする。頬の痛みで口を大きく広げられなくなったら成功です。 赤まりちゃも赤ありちゅも中身の餡子・カスタードがゆっくりと零れていきます。 あるゆっくりは痛みの恐怖でおそろしーしーを出している子もいます。水っ気が減りより甘くなるのでお漏らし歓迎です。 このまま放置すると死んでしまうので、赤ゆに極少量の砂糖を上げます。 ですが、口からいれたとしても吐き出すのが関の山です。 そこで、ゆっくりの消化の特徴を使った食べさせ方をしましょう。 「ひゅううう!!!!!」 中身が漏れ出している両頬を指で摘み、頭の天辺を包丁でスライスして、中身が見える程度に切り開いてください。 「ゆひゅうううう!!ゆひゅうううう!!!!」 苦悶の表情を浮かべながら荒い呼吸で震える赤ゆ。 頭上に砂糖をパラパラと撒くことによって漏れ出した分を補給し、痛みを少し緩和させることが出来ます。 ハッピーターンの粉があればなおよろしいです。 砂糖をつまみ五週ほど赤ゆ全体に振りまき終えたら今度は傷の治療をします。 治療と言っても簡単で、先程使ったオレンジジュースに小麦粉を少量入れたものを綿棒等に含ませて傷跡に擦り付けると回復します。 「これでできたんど~」 一応、これで完成ですが、ただ甘いだけのゆっくりでは正直物足りない感が半端ないです。 「なんでだど?」 れみりゃやふらん等の捕食種は甘いだけのゆっくりで満足ですが、人間の舌ではそうはいきません。 オレンジソースで炒めたり、スコーンに挟んで食べたりすると美味しいですが、今回は天ぷらにしてみましょう。 「もういやじゃあああああ!!!!!!!! はやきゅゆっくりしゃしぇろおおおおお!!! このくしょおやあああああああああああ!!!!!!!!!!」 まだまだ元気なところがゆっくりの生命力の凄さです。 もし、この元気が残ったまま油で揚げると、途中で油が飛び散って火事になることがあります。 ですので、串を使って赤ゆたちの口を縫いつけてしまいましょう。 「やべろおおおおお!!!!!!!」 串の指し方ですが、二本の串を使い五匹まとめて差し込みます。下顎から上顎の歯肉を裏から通すように刺してください。 「むがぁあああああ!!!!!」 跡は小麦粉と塩、お好みで日本酒を使って天ぷら同様上げれば終わりです。 「う~どうしてあげないんだど~?」 そう言うとお姉さんは電子レンジのボタンをピッピと押しました。 「元々用意してあるから」 「れみりゃほんとにおなかぺーこぺーこだったんだどーっ!!!!」 「次回、ゆっくりの食べ方講座~れみりゃの美味しい活用方法~をお送りします」 「どぼじでそんなこどいうんだど!!!」 抗生物質などの治療を受けていない飼いゆっくりも美味しく食べれます。 よかったら試してみてください! プレゼンテッドバイゆ虐ちゃんねる 嘘あきが書いたやつ anko1864 まりさは“英雄ん”なのぜ! 1 anko1876 まりさは“英雄ん”なのぜ! 2 anko1986 まりさは“英雄ん”なのぜ! 3 anko1992 まりさは“英雄ん”なのぜ! 番外編 anko1995 まりさは“英雄ん”なのぜ! 4 前編 anko1999 まりさは“英雄ん”なのぜ! 4 後編 anko2026 ゆっくりの権利 anko2089 此の世のひがん anko2108 ゆっくりしていってねだどー☆ anko2129 『四股付きゆっくり』 anko2132 ゆっくり学 anko2133 4WDちぇん
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anko1481 その台詞は言わせない と、登場する人は同じですが時間的な前後関係はありません。 (テンプレート) その台詞は言わせない2 ~うんうんするよ!~編 春にしては、風に寒さを感じる午後三時前。 「ゆぅ……いもむしさん! まりさの……おちびちゃんのために……くぅっ! ゆっくりつかまえられてね!」 簡単な柵に囲まれた小さな畑で、まりさは労働にいそしんでいた。 全身から砂糖水の脂汗を流しつつ、まりさはキャベツの葉についた芋虫を舌で捕らえた。 まりさは、今にも噴出しそうなうんうんによって、苦悶の表情を浮かべている。 「ゆ――! あにゃるさんが……ゆっくりできないよ! でも……まりさはがんばるよ!」 消化できない土や砂が、断続的にまりさのあにゃるへと波状攻撃を仕掛けていた。 ごろ……ごろごろごろごろ――! 古い餡子や、砂が、普通の餡子と分離し、あにゃるの方に向っている。 「まりさは……ま゛り゛ざば! れいむと、かわいいおちびちゃんのためにがんばるんだよ!」 きゅるるるるるるる! 「ゆふぅ……ふぅ……ふぅ……」 もはや、ぴょんぴょんの衝撃が危険である。 あにゃるに突撃するうんうんの波が収まった隙に、まりさは慎重なずーりずーりで移動しはじめた。 ごろごろ……。 「ゆっ! ゆっくり! うんうんさん、ゆっくりしていって……ね!」 まりさの体内(おもにあにゃる近辺)が何故、このようなゆっくり出来ない事態になっているのか。 それには、時計を二十分ほど巻き戻してみる必要がある。 ――二十分前。 小さな畑で、椅子代わりの箱に腰掛けている男は、たき火で暖を取っていた。 鉄串にさしたおやつを火であぶっていると、草むらをガサガサいわせて、一頭のゆっくりまりさが姿を現した。 サイズはバスケットボール程。 「ゆ……にんげんさん! まりさはまりさだよ! ゆっくりしていってね!」 「お兄さんはお兄さんです。ゆっくりしていって下さい。――ところで、まりさがゆっくりしているゆっくりなら、 私に向って"のーびのーび"してくれますか?」 「…………ゆ!? まりさはゆっくりしているよ! だからおにいさんにのーびのーびしてあげるよ!」 男――これからはおにいさんと呼ぶ事にしよう――は、縦にのーびのーびしているまりさを見て、 「ええ、確かにゆっくりしていますね」と微笑んだ。 「ゆふふん……おにいさんもゆっくりしているよ~」 「ありがとうございます。それで、まりさの用事はなんでしょうか? お野菜さんが欲しいんですか?」 ゆっくりが畑に来る理由など、一つしか思い浮かばないが、お兄さんは一応聞いた。 「ゆっ! まりさは、おやさいさんをただでもらおうなんておもってないよ! はたけはにんげんさんのなわばりだよ! まりさは"ろうどう"をしにきたんだよ!」 「労働……つまり、畑仕事を手伝うからお野菜さんを分けて欲しいという事ですか?」 冬ごもりを終えて、番とすっきりーした所、寒の戻りで餌が不足したのだろうが。 余りにも脳内お花畑な発言である。 「そうだよ! "おさ"のぱちゅりーがいってたんだよ、おやさいさんがはえてくるのは、にんげんさんが おやさいさんをゆっくりさせてるからだよ! まりさもおやさいさんをゆっくりさせてあげられるよ!」 「ふむ……何が出来ますか?」 「むしさんやくささんをたべられるよ! おやさいさんもくべつできるよ!」 ただそれでも、ゆっくりを監視する手間に対して、ゆっくりの作業効率は決して高くない。 普通の農家なら、即座に叩き潰されて土にすきこまれるか、生きたまま肥だめに放り込まれるだろう。 ところがこのお兄さんは、あまり普通では無かった。 「ええ、まりさがお野菜さんをゆっくりさせてくれるなら、人間の食べられない野菜を少し、分けてあげます。 ――ただし、うんうんをするまでに終わらせて下さい」 「ゆ? うんうん? どういうことなの、おにいさん?」 「言ったとおりの意味です」 お兄さんは、まりさほどもある雑草の山を指した。抜いて盛られた雑草は、根っこに土がついたままだ。 「まりさの仕事は、野菜についた虫を取って貰うことと、この雑草の山を処理してもらうことです。 全部できたら、野菜屑をあげますし、まりさが捕まえた虫は、おうちにもって帰っても良いですよ」 「ゆう~~。それはゆっくりできるおしごとさんだよ~~」 人間に例えると、おにぎりを食べていちご狩りをしたら、お土産にお寿司を貰えるような物だ。 ゆっくりにとっては破格の待遇だろう。 「ただし、途中でお野菜さんをつまみ食いしたら、制裁として、このたき火であんよを焼きます。 脅しではなくて本当にやるので気をつけて下さい」 「ゆぅ……せいっさい! はゆっくりできないよ……」 人間に例えると、横領したらたき火で足を焼かれるような物だ。 ゆっくりにとっても苛酷な制裁だろう。 「でも、どうしてうんうんをしちゃいけないの?」 「それはまりさが餡子脳だからです」 「ゆ……あんこのう? まりさよくわからないよ、ゆっくりせつめいしてね!」 「まりさ達ゆっくりは、餡子やクリームと言った"中身"に物を覚えています。"中身"に変換できない物や、 古くなった"中身"をうんうんとして定期的に排出しているのですが、ゆっくり出来ない記憶を同時に外へ 排出してしまうことが多いのです。特に、我慢や禁止といった内容は餡子の排泄と共に忘れて……」 「もっとわかりやすいことばでいってよ、おにいさん」 立場の強い人の言葉を遮るのは、ゆっくりでなくとも死亡フラグだが、お兄さんは特に気にしなかった。 「"ひとつ。おやさいさんについたむしさんと、ざっそうさんをたべてね。ぜんぶでいいよ!"」 「ゆ!?」 「"ふたつ。ただしおやさいさんをかってにたべたら、せいっさいするよ!"」 「ゆゅっ!?」 「"みっつ。まりさは、うんうんをするとおにいさんとのやくそくをわすれちゃうよ!"」 「ゆゆゆゆゆっ!?」 「"だからおしごとのあいだは、ゆっくりしないでうんうんをがまんしてね!"」 「ゆっくりりかいしましたっ!」 ドスの効いたお兄さんの声に、まりさは直立不動(?)で返事した。 「理解出来たら、途中で逃げない様にまりさのおぼうしを預かります」 お兄さんは、まりさの帽子を取った。 「ゆっ――! おにいさんかえしてね! まりさのおぼうしかえしてね!」 「そして代わりに、別のおぼうしを制服として貸してあげます」 そして、ポケットからおもむろに別のおぼうしを取り出すと、半泣きのまりさに被せた。 「ゆ~ん、まりさのおぼうしほどじゃないけど、ゆっくりしたおぼうしだよ! わかったよ、これをまりさの"さぎょうぎ"にするよ!」 「家に300以上ありますので、自由に使い潰して大丈夫です。では、どうぞ始めて下さい」 「ゆっくりしないではじめるよ! むーしゃむーしゃ………………それなりー」 とまあこんな訳で、まりさは抜かれた雑草の山をたいらげた。 そして、借り物のおぼうしに芋虫を詰め込みながら、キャベツの虫取りをしているのだ。 「ゆうぅぅぅ……! ゆっくり! ゆっくりぃ!」 まりさにとって誤算だったのは、雑草の山――その量ではなく、抜かれた雑草の根についた土であった。 消化できない、つまり餡子に転換出来ない砂や土を、雑草一緒に食べてしまったため、うんうんを したくなる早さとその激しさが、まりさの予想を遙かに上回っていたのである。 「うんうんがもれないように、ずーりずーりでいくよっ!」 等と叫ぶ余裕があったのは先程までのこと。 既に、雑草部分は体内で餡子に転換され、残った砂の部分をあにゃるから排出しようという動きが 活発化していて、マグマのようにうごめいている。あにゃるという結界が決壊しそうだ。 「ずーり、ずーり……」 まるで、這いずり回る肌色のナスビ。 「おもに顔がきもいですね」 つまり全体がきもい。 「まりさの……わいるどなあにゃるがもえているうぅぅ! ゆっくりできないー!」 あんよの後ろ側が、ずーりずーりをするたびに、内部のマグマを刺激してさらなる便意を催す。 まりさは、ドツボにはまろうとしていた。 「うんうんをがまんしたまま"かり"をするなんて……あにゃるがふっとーしそうだよう!」 「ああ、ちなみにアナルは『肛門の~』という形容詞で、肛門という意味の名詞がアヌスです」 「いばぞんなごどがんげいないでじょおおおおぉぉ!」 ぷりゅ。 「ゆ――!! 「出ましたか?」 「ゆっくりい……ゆっくり、ゆっくりぃ。ひーひーふー……ひーひーふー」 「出ませんでしたか……」 「どぼじでざんねんぞうなのおおおぉぉぉぉ!?」 「特に意味はありませんが……喋って大丈夫ですか?」 ぶぴ……ぷ――。 「うんうんしたらせいっさい……うんうんしたらせいっさい……!」 「別に、お野菜を勝手に食べたりしなければ、うんうんしても大丈夫なんですが……聞いていませんね」 まりさの餡子内では、いつの間にか脱糞=制裁の等式が成り立っていた。 生命の危機を感じているのか、まりさのぺにぺには痛いほどに勃ち上がっている。 ――まりさは間違っていたよ! うんうんはとっても恐ろしいものだったよ! 勘違いの果てにうんうんを恐れ、カタツムリ並みのスピードでずーりずーりするまりさ。 そしてついに! その歩みは畑にある最後のキャベツにまで到達しようとしていた。 「ゆ……いもむじざん――! ゆっぐじおぼうしにばいっでね!」 そして、葉っぱの裏についていた芋虫を舌で捕り、"さぎょうぎ"の中に収める。 「お゛に゛い゛ざん゛――!」 「何でしょうか?」 「ごれで、おじごどゆっぐりおわりまじだ! ぜんぶだよ!」 「ファイナルアンサー?」 「…………ぶぁいなるあんざー!」 「……………………」 「……………………!」 「…………いいでしょう、お疲れ様です」 Q、音の速さでまりさがうんうんしたらどうなるの? A,リアルな話すると多分反動でまりさが吹っ飛ぶ。 ぽんっ! ぴゅぴゅぴゅっ! 「すすすすすすすすっきりー!」 溜めに溜めたうんうんをぶっ放す反動で飛び上がったまりさは、ペにペニから吹き出す精子餡で 卑猥な虹を作りつつ、綺麗な放物線を描いてお兄さんの足下に着地した。 あにゃるを数倍に拡張しながら排出したうんうんは、餡子との分離が進んでほとんど土塊であり、 小学生が丸めた泥団子の風体である。 「ふむ、キャベツに少しでも飛び散ったら、そこがまりさの"うんのつき"でしたが……命拾いしましたね」 「……ゆふ~ん……」 「――まりさ?」 返事はない。あにゃると口をだらしなく開き、すーぱーうんうんたいむの余韻に浸るまりさ。 開けた口に、お兄さんは気付けのあまあまを放り込んだ。たき火で炙り立てだ。 「焼き饅頭を一個どうぞ」 「むーしゃむーしゃ――あっつ! これめっちゃあつっ! マジぱねぇ……でもしあわせー! ゆ……? "ろうどう"はおわったよ! ゆっくりおやさいさんわけてね、おにいさん!」 「はい、多少傷の入ってですが、まりさたちなら問題ないでしょう。おぼうしに入れてあげますね」 「ゆわあああああ……ゆっくりしているきゃべつさんだよお。おにいさんありがとう!」 「つい先程、売り物にならなくなった物なので、まあ捨てるくらいなら貰って下さい。 それからこの焼き饅頭と焼きシュークリームはお土産です」 「ゆ……あまあまさんだよ! おちびちゃんがよろこぶよ、ありがとう!」 数個の饅頭とシュークリームを、キャベツと一緒に詰めてあげると、何度も頭を垂れながら、 まりさは畑から去っていった。 あにゃるはずっと開きっぱなしだった。 「……さて」 まりさの去った畑で、お兄さんはおもむろに立ち上がると、腰掛けていた"透明な箱"を開いた。 「~~~~~~~~~~っ! ~~~~~~ッ!」 「こにょいなかものおおおぉぉ! ありすのとかいはなおちびちゃんをかえせ~~! とかいはなおちびちゃんたちをひで"せいっさい"するいなかものはゆっくりしね~!」 と、中にはリボンの無いゆっくりありすと、おぼうしを取られ、口をありすのリボンで縫い付けられた まりさが出てきた。まりさは更に、たき火を使って丁寧にあんよ焼きを施されている。 先程のろうどうまりさが気づかなかったのは、二頭ともお飾りが無いためだ。 「よくもおちびちゃんをたべたわね、この……いなかものの"げす"!」 「あまり美味しくなかったので、別のまりさに差し上げました」 「~~~~っ!!」 特にまりさは、無理矢理詰め込まれた雑草によって体積が三倍近くにふくれあがっており、 口を縫い付けるリボンのせいで吐くことも喋ることも出来ず、あんよ焼きついでにあにゃるを 焦がして閉ざされたために、先程のおしごとまりさが味わったうんうんの苦しみを数倍の 勢いで体感していた。 「ああ、でも大体は消化されてますね」 お兄さんの手がぶもん、ぶもんとまりさを揉む。 「やべでね! ばりざのぽんぽんもまないでね!」 まりさの、今にもはち切れそうな饅頭肌のすぐ下で、固い土饅頭が、焦げ目の中に消滅した あにゃるを求めて体の『中』と激しく擦れ、粘膜を紙やすりで削るような痛みがあんよに走る。 吐き出そうにも、まりさの上唇と下唇は、最愛のありすのおりぼんによって幾巻きも貫通され、 しっかりと縛り付けられていて、餡子の出てくるスキマも無い。 砂の塊があにゃる側に溜まっているのを確認した男は、手刀でアリスのおりぼんを切り、 「ありすのとかいはなおかざりが~~!」まりさの口を解放した。 「う…………うんうんさせて~~! あや゛ばり゛ばずがら゛! ばんぜいじまじだ! まりざばばんぜいじまじだ!」 「何が悪かったか説明できますか?」 「わがりばぜん~っ! うんうんざぜで~~~っ! ぽんぽんがはれつしちゃう~!」 「まあ、謝まられても扱いを変えるわけではないので、別に良いのですがね」 このまりさとありすの番、先程のろうどうまりさと同じく、彼らは家族連れで草取りや虫取りを 申し出てきたのだが、その狙いは美味しいむしさんと、報酬のおやさいさんだった。 彼らは、お兄さんが面倒な草刈りを終えたのを見計らって、出てきたのである。 しかも、報酬――キャベツ一玉――の先払いまで要求したのだ。子ゆっくりが飢えているから、 という理屈に応じたお兄さんも大概だが、キャベツを食べ尽くした後で、 「ゆっへん! くささんはおにいさんがぬいてるから、まりさたちはむしさんをたべるだけでいいのぜ!」 と言って雑草の処理を拒否し、あまつさえ、 「むしさん、まりさのおくちにはいってね!『がぶり』ゆへへへへ、きゃべつさんが"きずもの"に なったのぜ、にんげんさんのおくちにはきっとあわないから、まりさたちがもらってあげるのぜえ!」 と、言い出したため、お兄さんが労働契約の不履行と判断し、ゆっくり一家からキャベツ二玉分の "中身"を徴収することと決定したのだった――重量ベースで。 「とかいはなありすとまりさをゆっくりさせない"いなかもの"お! ゆっくりしないで はやくありすにあまあまもってきなさい! たくさんでいいわ!」 「用さえ済んだら持ってきてあげますよ? 餡子とクリームとチョコと、どれが良いですか?」 子ゆっくり達を取り立てしてなお、キャベツ一玉分の"中身"が足りない。 「うんうんさせて~! でちゃう~! でもうんうんでないのぜ! くるしいのぜ! うう……しね! まりさをゆっくりさせない"げす"な"じじい"は、ゆっくりしないでゆっくりしね!」 「のこり、ゆっくりと80年くらいで死にますね」 百過ぎまで生きるつもりのおにいさん。 「ただ、今すぐうんうんをさせる訳にはいきません。今うんうんをさせると、 まりさの餡子が一緒に出て行ってしまいますからね。きっと大量に」 そう言うと、お兄さんはおもむろにアリスを"透明な箱"から取り出た。 「ゆ――おそらをとんでるみたい! じゃなくって、ありすをはなしなさい、このいなかもの!」 「まだ大分"餡子"で返して貰っていないので、それは勿体ないですから」 ありすの抗議を無視して、その体を上下に左右に、小刻みな動きで揺すっていく。 「はやくはな――ゆ――ゆゆゆゆゆゆ…………んほおおおおおぉぉぉぉ!」 「くそじじい!……ありすになにしてるんだぜーーーー!?」 「ありすの中枢餡に毎秒12周期程の正弦波を送って"れいぱー"化させています」 「……ゆ?」 「駄目にした野菜分の餡子は、赤ゆっくりで支払って下さい――」 れいぱー。その不穏な響き。 「やっぱり子ゆっくりまで育つと、餡子に雑味が混じりますし――」 れいぱー。その不吉な単語。 「赤ゆっくりの方は、焼かなくても無菌ですから――」 最愛の番であるありすが、ぬらぬらとした粘液に塗れ、ぺにぺにを痛いほどに勃起させ、 何か自分の知らない存在へ変貌を告げようとしている瞬間を、まりさは腹中で暴れるうんうんの 嵐すら忘れて見上げた。 「んほおおおぉぉぉ! まりさああぁぁぁ! おちびちゃんのかわりをつくりましょおおおおぉぉぉぉ!」 「ゆ……ゆああああぁぁあ!」 「あれだけ雑草を食べたので、餡子の体内ストックは十分でしょう――?」 駄目だ、逃げなければ。体が重い。そう、さっきあんなに一坏食べたから、うんうんが重くて あんよでぴょんぴょん出来ないんだ。うんうんさえすれば、まりさは"しっぷうっ!"になって、 ちぇんよりも、むれのどのゆっくりよりもはやくはしれるんだ。 「ちなみに、のるまはおちびちゃん約90匹――」 うんうんをするんだ。 「二十本ほど茎を生やして貰えれば大丈夫です……ゆっくりがんばって下さいね」 うんうんさえすれば、あんよがかるくなって逃げられる! なのに―― 「どぼじでうんうんでないのおおぉぉ!?」 「あにゃるは完全に焼きましたから。まむまむは焼いてませんよ……さあどうぞ」 お兄さんは優しく、とても優しく、まりさの後ろに発情したれいぱーを、置いた。 「ままままままままりざああああああぁぁぁっ――!」 「あにゃるがあぁ! すっきりよりさきにうんうんさせて~~~~~~!!」 透明な箱の蓋を閉じると、内側からゆっさゆっさと揺れ始めた。 「んほおおおおぉぉぉぉ! うんうんまみれでやりまくるのも、いいかもしれないわああーーーー!」 「……防音にまだ少し、改良の余地がありますね。それにしてもあのまりさ……」 たき火の後始末をして、ゆっくり二頭を内蔵した透明な箱を抱える。 「……どうして、虫を捕まえてから草を食べなかったのでしょう?」 かすかな疑問と共に、お兄さんは夕焼け空の下家路についた。 やがて、夕日を浴びる透明な箱から、「「すっきりー」」の唱和が聞こえた。 車田あきさん、挿絵ありがとうございます。とてもゆっくり出来ました。
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山菜を摘みに山へと入ってしばらくした頃、俺はゆっくりの群れを発見した。 まりさ種とれいむ種、そしてそれの幼生体、いわゆる赤ゆと呼ばれる奴らだ。恐らくはつがいとその子供といったところか。 茂みを掻き分け、ゆっくりの群れへと近づいていく。野草を食い漁っていたゆっくり共は、俺が茂みを越える音でようやくこちらに気付いた。 野生の生き物にしては致命的に勘が悪い。 「ゆ? ゆっくりしていってね!」 「ゆっくしちていっちぇねー!」 家長と思しきれいむが俺に声をかけ、追随して赤ゆがきゃいきゃいと喚く。正直気持ち悪い。 こんな不細工な生き物が人間の解する言葉を喋るのが気に喰わない。 「ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ! おにいさんはとっととどこかにいってね!」 しかめっ面のようなまりさの小憎たらしい表情が、俺の不快感をさらに煽る。 片割れはゆっくりしていけと言いつつ一方ででていけとはどういう意味だろうか。 問答無用で排除してやってもよかったが、ちょっとした悪戯心の湧いた俺は、ゆっくりに話しかけてやる事にした。 「此処がお前らのゆっくりプレイスなんて、誰が決めたんだ?」 「れいむとまりさがこのばしょをみつけたから、ここはれいむとまりさのゆっくりプレイスなんだよ! ゆっくりりかいしてね!」 「そんなこともわからないなんて、おにいさんはばかなの? しぬの?」 「ほうほう。じゃあ……『わあ、すてきなところだね! ここをおにいさんのゆっくりプレイスにしよう! まりさとれいむはとっととでていってね!』」 ゆっくりの話し方にあわせて、いかにも馬鹿っぽく宣言してやる。 予想外の反応だったのか、れいむとまりさは驚きに目を丸くした。 「ゆっ!?」 「やめてね! ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ! でてくのはおにいさんだよ!」 「どうして?」 「だからさっきもいったでしょ! れいむとまりさがこのばしょをみつ……」 「見付けたらゆっくりプレイスにしていいんでしょ?ならおにいさんもこの場所を見つけたじゃん。おにいさんのゆっくりプレイスにしても問題ないよね!」 「ゆ……! ゆぐ、ゆうぅー!!」 「おにいしゃんもいっちょにゆっくししゅるにょ? ゆっくちしちぇいっちぇね!」 言葉を喋るとは言え所詮は畜生。こんな言葉騙しにもならない暴論にも言い返す事ができず、れいむとまりさは悔しそうに歯軋りした。 一方、赤ゆは事態を飲み込めていないらしく、喧しく転がったり喋りかけてきたりする。 ああ目障りだ。ちょっと苛めてやるか。 俺は手近に転がってきた赤ゆを踏みつけた。 「ゆ~ゆ~♪ れいみゅはきゃわいいゆっきゅ……ゆぎゃっ!!」 「あああああ! まりさのあかちゃんー!」 「なんてことするの! れいむのあかちゃんをつぶさないでね!」 足の下で、赤ゆがもぞもぞと蠢く。抜け出せない、しかし踏み殺さない程度の力で上から捻るように押さえつける。 なんとか助け出そうと、れいむとまりさが俺の脚に体当たりをしてくるが、ゆっくりごときの力で人間を動かす事などできるはずがない。 俺に踏まれている赤ゆが、苦しそうに呻いた。 「ゆ、ゆ……っぐち、たちゅけちぇにぇ……」 「うん?『たちゅけちぇ』ってどういう意味だ?『たすけて』なら分かるんだがなあ……『たちゅけちぇ』じゃあ分からないや、ごめんなー」 「……れ、れいみゅを、た、しゅ、……た、たす、け、ちぇ……たす、けて!」 「『れいみゅ』って何? 俺が踏ん付けてるのは『れいむ』だし、『れいみゅ』なんて生き物は助けられないなあ」 「ゆ、ゆぎゅうううぅぅぅぅ……!」 ぼろぼろと涙を流す赤ゆ。 いい気味だ。媚を売るような喋り方でべたべたと、鬱陶しい。 かねてから赤ゆの舌っ足らずな喋り方に虫唾が走っていた俺は、ここぞとばかりに皮肉で返してやる。 「この、くそじいい! れいむのあかちゃんをはなして、とっととしね!」 「じじいってどこにいるんだ? お兄さんはお兄さんだし。じじいじゃないかられいむの赤ちゃんを離さなくてもいいよね!」 「ゆがあああああ!! このじじいいいいい!!」 俺の揚げ足取りに業を煮やしたれいむが、何度目かの体当たりをしてくる。 好きなようにやらせているが、わざわざ当たってやる義理も無いので、俺は身を引いてれいむを避けた。ついでに踏んでいた赤ゆを離し、蹴り転がしてやる。 「ゆうー! まりさのあかちゃん!! だいじょうぶ!?」 「みゃみゃー! れいみゅ、あちゃまふまれていちゃいよー!!」 すかさず赤ゆに寄り添うまりさ。 赤ゆは相変わらずの口調で親に擦り寄っている。 だから何でそんなに人の神経を逆撫でするのが得意なんだお前らは。 「みゃみゃって誰だよ。宮崎都か? 俺はその『こんな小さい子がこういう風に喋ると可愛いでしょ』っていうあざとい態度が大嫌いなんだよ」 いい加減我慢の限界が来ていた俺は、赤ゆのもみあげのような髪を掴みあげ、まりさとれいむに叩き付けた。 「ゆげぅ! ゆびゅ! ゆっびゃあ!」 「ゆぎぃぃ! ゆぐ、ゆぎゃ!」 「びゅぶっ! いぢゃい! ゆぶぅ!」 「おら、『みゃみゃ』に『しゅーりしゅーり』してやるよ。『まま』と『すーりすーり』したければ『やめて』って言ってみな」 「やっ、やめぢぇにぇー!」 「ハイ残念。『やめちぇ』じゃ俺何言ってるのか分かりませーん。ホント学習しないよなゆっくりって。馬鹿なの? 死ぬの?」 しばしの間ゆっくり親子をどつき回し、俺は赤ゆを手放した。三匹とも最早虫の息だ。 「ゆっ……ゆっ……」 「……ゆぅ…………ゆ……」 「……」 赤ゆに至ってはただ泣くだけで、もう喋る気力も無い。あるいは俺の『教育』のお陰で、うかつに喋ると痛い目を見るとやっと学んだのか。 「もう、やだ……! おうちかえる……!」 「おうちで……ゆっくり、しようね……まりさ……」 ほうほうの体で、赤ゆを帽子に入れてまりさが逃げ出そうとした。 跳ねる気力は無いようで、這いずるように逃げていく。 俺が歩くよりも遅い速度だ。無言でその後を着いていく。 「ゆっ……? つ、ついてこないでね!」 「何で? 俺がどこに行こうと俺の勝手でしょ」 「ゆ、ゆ……ゆっくり、しね!」 「はっはっは、殺せるならごゆっくりどうぞ、殺してみな」 「れいむ、じじいなんてむしして、はやくおうちにいこうよ。おうちならゆっくり……」 「ふむ。お前らのおうちを俺が『見付けて』、俺のゆっくりプレイスにするのも面白いかもな。さあ、俺にかまわず早くおうち帰れば?」 「ゆ、ゆああああああああ……!」 「どうじでえええええええええええ……!」 ゆっくり共の悲哀の叫びが木霊した。 このSSに感想を付ける
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『ゆたんぽふえる~一般向け~』 13KB いじめ 虐待 続編なんかかいてみたりー とおりすがりです。 「ゆたんぽ」の続編というかなんというかです。 「」はゆっくり 『』は人間 過去作 anko4545 ゆっくりしていくがいいさ anko4555 おにいさんはゆっくりする anko4561 鬼意山と遊ぼう! anko4580 ゆっくりしつもんするよ! anko4591 ゆたんぽ anko4597 ドスまりしゃ 12月の半ば、寒さがこれから増していく季節に、 マフラーとジャンパー姿の男が、ゆっくりショップを覗いていた。 『うーん、ここも売り切れかぁ………』 男は はぁ、とため息をつき、店を出ようとした。 どうやら何か探し物をしていたようだが、見つからなかったのだろうか。 『あのー…何かお探しでしょうか?』 と、店を出ようとしたときに、 店員が男に話しかけた。 『いえ、あの…まあ、ちょっとしたものです』 『よろしければ、なにをお探しか教えていただけませんか?』 店員のその言葉に、男は少し苦笑いをしながら答えた。 『どこにいっても売り切れなんですよ、「ゆたんぽ」』 ゆたんぽふえる CASE 1 『いやあ、今日はラッキーだな』 ジャンパー姿の男は自宅への帰り道を嬉しそうに歩いていた。 手にゆっくりショップで購入した「ゆたんぽ」が入ったビニール袋を持って。 店員に尋ねたところ、在庫にあったものを持ってきてくれたのだ。 『ゆたんぽ』は冬場の人気商品で、何処も在庫がない状況だった。 ゆっくりショップは基本愛で派御用達の店なので、こういった物は扱ってないと思いつつ ダメ元で足を運んでよかった、と思いながら気付けば男は自宅へ着いていた。 『ただいまー…ってそうか、さくやはお泊りだっけ』 この男は胴付き金バッジのゆっくりさくやを飼っている。 今日は友人のふらんとれみりゃの家に泊まりに行っているのだが、普段はさくやに家事を任せているので、 さくやがいないと少し調子が狂うな、と苦笑いしながらつぶやいた後、 『まあ何はともあれ、まずはコレを使ってみようかな』とベットルームへ向かった。 『へえ、サービスいいんだな、加工所って』 そういいながら男が見ているのは、付属品の『真空冷凍赤ゆパック』内の赤ゆだった。 『ゆたんぽ』には付属でこのパックがついている。 内容は真空パックに詰まった赤ゆ5匹で、種類は基本種の中からランダム。 どの赤ゆが入ってるか分からないのは軽いくじ引きのような気分になる。まあどれでも変わらないが。 男が手に入れたパックの中はれいむ×2、まりさ×1、ぱちぇりー×1、ちぇん×1。 どうにもアタリとは言えない気がするが、れいむまりさばかりよりはマシだろう。 『えーと、中の赤ゆを入れて(ポトッ)、このキューブを入れて、と…なんだ簡単じゃないか』 男は真空パックの赤ゆと、付属の濃縮オレンジキューブをゆたんぽに入れ、蓋を固く締めた。 『ほむほむ、だいたい10分ぐらいであったかくなるのか…じゃあご飯でも作ってるかな』 そういうと男はベットルームから台所へ移動した。 ゆたんぽの中の赤ゆ達は「ゆぴー…ゆぴー…」とのんきに眠っていた。 これが最後のゆっくりとも知らずに。 「ゆ~ん!しゃいきょうのまりしゃがゆっきゅりおきりゅのじぇ!」 ゆたんぽの中で赤まりさが目を覚ました。以後まりしゃと呼ぶことにしよう。 まりしゃが周りを見渡すと、既に目覚めている4匹の赤ゆっくりがいた。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」 「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」」 「まりしゃはまりしゃなのじぇ!」 「れいみゅはれいみゅだよ!」 「ゆ!れいみゅもれいみゅだよ!」 「むっきゅう!ぱちぇはぱちぇよ!」 「ちぇんはちぇんにゃんだねーわきゃるよー」 それぞれの自己紹介が終わった。 どうやら顔見知りは一匹もいないらしく、皆初対面だった。 少し落ち着いたところで、まりしゃたちは疑問をなげた。 「ゆゆ~?きょきょはどきょなのじぇ?」 「わからにゃいよー」 「けんじゃのぱちぇにもわからないわ」 「おなきゃしゅいたよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 どのゆっくりもここを知らない。 そもそもこの赤ゆは加工所で生まれた食用のうち、 それぞれ適当なものを詰め合わせて売られていたものだ。 生まれた赤ゆはベルトコンベアで運ばれた後、一定の処理をしてから ラムネで眠らせて冷凍してから出荷されるのだ。 この場所どころか、最後に見た場所さえ覚えているのか不明なのだ。 「おきゃあしゃんはどきょ?れいみゅはきょきょだよ?」 「とうしゃまー?わきゃらないよー?」 それぞれの赤ゆが自分の親を探し始めるが、勿論ここにはそんなものはいない。 次第に不安が広がっていくが、そんな中でまりしゃが叫んだ。 「みんにゃ!まじゅはきょきょからでりゅのじぇ! そうしゅればきっとおきゃあしゃんたちがいりゅのじぇ!」 このまりしゃは仲間想いのゆっくりなのだろう。もしくはプラス思考なだけだろうか。 だが支えもなく途方に暮れている赤ゆっくりたちにはそれが励みになった。 「ゆ!しょうだよ!きっときょきょをでりぇばおきゃしゃんたちがまっちぇるよ!」 「わきゃるよー!みんにゃできょきょをでりゅんだねー!」 「「「「「えい!えい!ゆー!」」」」」 こうしてまりしゃたちによる脱出劇が始まった。 出口のない脱出口を探す、脱出劇が。 そして探索を初めて1分後、ようやくまりしゃ達は目の前にある四角い物体に気が付いた。 「ゆ?きょれはなんなのじぇ?」 これはオレンジジュースを濃縮した、通称オレンジキューブと呼ばれる白い物体だ。 「ゆ?にゃんだかいいにおいがしゅるよ!」 「むきゅ!きっとこれはたべものだわ!」 森の賢者(笑)のぱちぇりーがそう言った。確かに食べ物ではある。 「ゆゆ!あまあましゃんはれいみゅがたべりゅよ!」 二匹いるうちのやや大きいれいみゅがオレンジキューブに近づいた。 「ゆゆ!?れいみゅだけじゅるいよ!れいみゅもたべりゅよ!」 「むきゅ!?ぱちぇもたべるわ!」 他の赤ゆ達もオレンジキューブに近づき始める。 「れいみゅのしゅーぱーむしゃむしゃたいむ!はじまりゅよ!きゃわいきゅってぎょめんにぇ!」 わざわざテンプレ台詞を言った後、れいみゅがオレンジキューブに噛みついた。そして… 「むーしゃむーしゃ………ゆげぇ!?こりぇどきゅはいっちぇるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!?」 ものすごい勢いで転がり始めた。 オレンジキューブはゆっくりに食べられないように、控えめの苦味にしてある。 そのため赤ゆでも死ぬことはないが、苦痛には変わりなかったようだ。 「ゆゆ!?にゃんだきゃれいみゅがゆっくりしてないのじぇ!」 「わ、わからないよー?」 「むきゅ!みんな、あれはどくなのよ!たべちゃだめ!」 最初に食べ物といった張本人もとい張本ゆんぱちぇりーが叫んだ。 やや大きめのれいみゅを除いた4匹の赤ゆ達はオレンジキューブから離れることにした。 「にぎゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 そしてれいみゅは数秒間、ゆたんぽの中を転がる羽目になった。 (むきゅ?なんだかぽーかぽーかしてきたきがするわ…?) ぱちぇりーは不思議に思いながらも、れいみゅがこっちに来ないことを祈った。 そんなまりしゃ達に最初の変化が起きた。 「ゆ…?まりしゃ、にゃんだきゃしーしーしたくなってきちゃよ!」 そう、しーしーである。 一定の処理と言ったが、それはこの『しーしー』を強要する処理だ。 目が覚めてから約1分後、赤ゆ達がしーしーをしたくなるようにする、それだけの処理である。 だが、たったそれだけの処理が『ゆたんぽ』の確実な効果と効果発生までの時間短縮という重要な要素に一役買っているのだ。 「ゆ!れいみゅもしーしーしゅるよ!」 「ちぇんもしゅるんだねーわきゃるよー」 「「「「「しゅーぱーしーしーたいむ、はじまりゅよ!」」」」」しゃー… こうして五匹の赤ゆは、仲良く平等に床にしーしーをまき散らした。 さて、密閉された空間でしーしーなんてしたら、どうなるのか。 「ゆ………?くしゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 当然、臭いが外に出ずにこもるため、凄く臭くなる。 「むっきゅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?どぼじでごんなにくしゃいのぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「わきゃらないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!くしゃしゅぎりゅのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 それぞれのしーしーの臭いが混ざり合い、 フローラルな少女臭にも引けを取らない(ゆっくり基準)臭いがゆたんぽの中に充満した。 「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!れいみゅもうおうちかえりゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」 それから三分後、叫び続けた赤ゆ達はどうにか臭いに慣れることができた。 「ゆ、ゆげぇ………」 「わきゃらないよー…くしゃいんだねー」 だが、そんな赤ゆ達に更に追い打ちを掛ける仕掛けが、このゆたんぽには搭載されているのだった。 「ゆゆ!?にゃんだきゃぽーかぽーかししゅぎだよ!?」 そう、温度が急上昇したのである。 これこそが『ゆたんぽ』最大の特徴である『Y波加熱処理』である。 ゆっくりの声には『Y波』と呼ばれる特殊な波長が含まれている。 このゆたんぽはそのY波に反応して温度を上げる特殊な素材が使用されており、 現在42度まで温度が上がっているのだ。 …そして、温度が上昇したことにより、更なる変化が訪れる。 「ゆ…ぽーかぽーかししゅぎだよ………?く、くしゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 温度が上昇したことにより、より臭いがきつくなったのだ。 例えるなら、夏場に靴下を置きっぱなしで 炎天下の中放置しておいたら部屋中に臭いが散乱した時に似ているだろうか。 そんなことはどうあれ、地獄がマッハで舞い戻ってきた。 「むっっっきゅぅぅぅぅぅぅぅ!!なんなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「くしゃいのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 だがそれだけでは終わらない。 臭いの元となるしーしーは、ゆたんぽの底辺にまだ残っている。 そしてゆたんぽ内の温度は更に上昇し続けている。 つまり、このしーしーの温度も上昇しているわけなのだ。 「あ、あんよがあちゅいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 そして熱湯と化したしーしーが、赤ゆを襲う。 臭いと熱湯のダブル攻撃である。 「わがらないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!あぢゅいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「れいみゅのあんよがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!?」 「くしゃいのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「む、むぎゅ………」 「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!もうおうぢかえりゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 この波状攻撃に赤ゆ達はパニックになっていた。 臭いだけでもきついのに、逃げ場のない熱湯が足場を支配している。 何処を見ても逃げ場などない。絶望的だ。 だが、こんな過酷な状況でなぜ脆い赤ゆが生きていられるのだろうか? それはオレンジキューブのおかげである。 このオレンジキューブがしーしーと混ざり、濃縮されたオレンジジュースの成分を 赤ゆ達に送り込んでいるのだ。そのためゲロ袋と言われるぱちぇりー種でもゆたんぽ内では生きていられるのだ。 だが、この中では決してゆっくりなどできはしない。 「あじゅっ!あじゅっ!あじゅいよぉぉぉぉおおおお!!!」 灼熱の中であんよを燃やされるような感覚。少なくともゆっくりはできないだろう。 しーしーに浸っていなくても十分熱いのだから、熱湯はなおさらである。 「ゆ、ぴょんぴょんしゅるよ!」 熱湯から逃れようとぴょんぴょんするまりしゃ。 まだあんよはふやけていないので、確かに効果はあるだろう。一瞬だけでも。 「ぴょんぴょ………ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!くしゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 だが忘れてはならない。このゆたんぽ内はしーしーの臭いで充満しているのだから。 まりしゃがあまりの臭いに悶えながら、再度しーしーの中に落下した。 「ゆぅぅぅぅ!!あじゅいよぉぉぉぉおおおおお!!」ぴしゃっ そして跳ねたしーしーは周りの赤ゆに降り注いだ。 「わがらっ!?」 「れいみゅのおべべがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 「あじゅいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「むぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?くしゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 そしてしーしーがかかった赤ゆが跳ね、 着地する瞬間にしーしーがまた跳ねる。 そしてそのしーしーが他の赤ゆに(ry無限ループってこわくね? 「ゆんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」 『まあ料理とかあんまりやらないし、失敗もあるさ』 男がそういいながらベットルームに入った。 今晩は野菜炒めを作るつもりが、 何故かあんかけチャーハンになってしまった。 まあおいしかったしいいか、と言いながらベットに入った男は 『………ぽーかぽーかしてるよ…』 幸せそうな表情を浮かべた。 あれから約30分ほど経ってしまったが、 足元ががちょうどよい暖かさになっていた。 買ってよかった、男はそう思いながらゆっくりと眠りについた。 「ゆ………ゆべ………」 その頃ゆたんぽの中では、赤ゆ五匹が死の境界線を漂っていた。 正確には濃縮オレンジジュースで死ぬことを許されていないのだが、 濃縮オレンジジュースの成分だけでは身体的な障害はなおせても、 精神の治療はできないのだ。 「あみゃあみゃ………たべちゃい……よ………」 確かにオレンジジュースなら甘くてしあわせー!になれるだろう。 だが、このオレンジキューブから出てしーしーと混ざったオレンジジュースは、 致死量ではないもののゆっくりが飲むには苦すぎるのだ。 「む…きゅ………」 ゲロ袋と言われるぱちゅりーも、中身を吐くことはできない。 オレンジジュースの効能によって中身を吐くほどの衰弱には至らないのだ。 逆にいえば、ゲロを吐いて永遠にゆっくりすることもできないのだ。 「かあしゃま……とうしゃま………たしゅけて………」 親のゆっくりなどどこにもいない。 そもそも親ゆっくりは加工所の生産用ゆっくりだ。 いたところでどうにもならない。 「……ゅ…………。」 あれほど元気だったまりしゃは、 もう喋ることもできない状態になっていた。 (まりしゃ…………ゆっきゅりしたいのじぇ……… ゆっきゅりって………なんなのじぇ?) ゆっくり、それはゆっくりの本能に刻まれている言葉。 そしてゆっくりが生存意義だと主張する言葉でもある。 だが、ゆっくりすることを知らずに生まれてきたこの赤ゆ達に、 はたしてこの言葉は必要なのだろうか? (まりしゃ…………どうしちぇうまりぇてきちゃのじぇ……? こんにゃにくるしいにゃら……うまりぇてこなきゃったほうが………) どんなに考えてもどうにもならない。 この地獄は、ゆたんぽが冷めるまでつづくだろう。 それが何時間、何日かは誰にもわからない。 一か月後… 『ただいま』 仕事を終わらせ、僕が帰宅した瞬間、ベットルームからさくやの声がした。 「おかえりなさいごしゅじんさま!ちょっときてください!」 さくやが呼んでいるので行ってみると、 さくやがゆたんぽを抱えていた。 「これ、もうあたたかくないんですよ、ごしゅじんさま」 ゆたんぽを触ってみると、少しぬるい温度になっていた。 さくやとは一緒に寝ている(HENTAI的な意味で)ので、 今朝まではゆたんぽが暖かかったのを覚えている。 不思議に思ってゆたんぽの蓋を開けてみる。 『………わーお…』 そこには、壮絶な顔で息絶えている5匹の子ゆっくりの死骸があった。 入れた赤ゆっくりはオレンジジュースの成分だけで子ゆっくりまで成長していたのだが、 なにも食べていないため、体はゆっくりとは思えないほどにやせ細っていた。 まあ、さくやにはみせられないだろうな、と思いつつゆたんぽの掃除をしよう。 意外なことは、5匹の中身らしきものがなかったことだ。 予想ではぱちゅりー辺りは中身を吐いて死んでしまうと思っていたのだが、 これは全く予想外だった。掃除は思ったより簡単そうだ。 何はともあれ、まずはゆたんぽのなかにあった死骸をゴミ箱に捨て、 水で軽く洗い流す。これだけだ。 あっと言う間に片付けが終わった後、重要なことに気が付いた。 「あんしんしてください。ちゃんとかいそろえましたよ」 そういいながらさくやが取り出したのは、 『濃縮オレンジキューブ』と『真空冷凍赤ゆパック』だった。 ゆたんぽは代えのゆっくりがいる限り、何度でも使えるエコロジーな商品なのだ。 『でかしたぞさくや。ご褒美に今度なにか買ってあげるよ』 「それじゃあごしゅじんさま、わたしにくまんさんがほしいです!」 そんな他愛ない会話をしながらパックの中の赤ゆを取り出し、 ゆたんぽの中に入れていく。 まだ冬は続く。これからもずっとゆたんぽにはお世話になるだろう。 『さくや、今日のご飯は?』 「きょうはおなべでーす!」 冬はまだ、はじまったばかりだ。 あとがき えーとですね、これはかんそういたで、『実用化後のSSを書いてもいいのよ?(チラッ』といわれて てんしょんあがってかいたさくひんです。 もげー 3333さんおよび「ゆたんぽ」を評価してくださった皆さん、ありがとうございます。 今回はなんだが半端感が… このゆたんぽは一般向けで、他にも鬼威山向けとか考えています。 赤ぱちぇの口調がわからない。わからないことだらけだ。
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あまあまプレイス 12KB 虐待-普通 調理 現代 ゆっくりは美味しい! 『あまあまプレイス』 「お……、お……おいしく……ゆぐっ……えぅ……」 入念にあんよを焼かれた一匹のれいむが透明な箱の中に閉じ込められ、嗚咽混じりに何か言おうとしている。 「オラァ!! べそべそ泣いてねーでちゃんと客引きやれや!! このクソ饅頭がぁ!!!!!」 「ゆひぃぃぃっ!!!!」 そのれいむに対して罵声を浴びせるのは、白い前掛けに三角巾を頭に巻いた職人風の男。 れいむが怯えた表情でその男を見上げる。 まるでナイフのような鋭い視線がれいむを射抜く。 今すぐこの場所から逃げ出したい……いや、せめて箱の反対側の壁に顔を押し付けて少しでもこの男から離れたい。 そうは思っていても、その場から動くことは叶わない。 「ゆぐっ……おい……おいしく……おいしくたべていってね!!!」 ようやく男の望んだセリフをれいむが口にすると、箱の中のれいむに一瞥しながら、 「チッ……手間かけさせんじゃねーよ」 それだけ言い残して店の中に戻っていく。 「ゆぅぅぅ……ゆっぐり……ゆっぐりしたい゛……したいよぉぉぉぉ…………」 炭化したあんよ、涙の痕、悲痛な表情で泣き続けるれいむ。 こんな有様でも、れいむはこの店の客引きを担当しているのだ。 れいむの閉じ込められている透明な箱のすぐ脇に、大き目の看板が立っている。 【回転ゆっくり:あまあまプレイス】 なんとも怪しい響きの店名だが、それなりには繁盛している。 “回転寿司のゆっくり版”。 それが、この店の事を最も簡潔に説明する言葉になるだろう。 普通なら、まず客は寄り付かない。 涙ながらに人語を用いて助けを求める生き物が客引きをやっている店など、どう考えても常軌を逸している。 それでも、このやり方で店が運営できているのにはちゃんと理由があるのだ。 一つ。 店の運営は近隣の加工所と提携しており、安い元手で商売を行うことが可能である。 二つ。 ストレス社会の渦中に放り出された人々は泣き叫ぶゆっくりを見ているだけでも癒される。 三つ。 苦痛を与えられたゆっくりは、単純に“食べ物”として美味しい。 中には、「ゆっくりがかわいそう」と言って毛嫌いする人もいるのだが、この世界においては少数派である。 これまで散々、社会問題になってきたゆっくりたちだ。 それらを駆除しようとは思っても、保護しようと考える者は少ない。 食べて美味しいのなら、どんどん食べよう。 そういうコンセプトで、この店はつい最近オープンした。 あまり詳しいことは知られていないが、加工所ではおびただしい数の“食用ゆっくり”が量産されている。 その数は一万や二万程度のものではない。 その量産方法については割愛させていただくが、無限に、しかも手軽に増殖可能なゆっくりを利用しない手はなかった。 統計学的に見て、加工所産のゆっくりは基本的に人間に対して友好的ではない。 親ゆっくりの餡子に刻まれた負の記憶が如実に受け継がれているからであろう。 こういう理由から、ペット用としてのゆっくりは野生で暮らしているゆっくり家族を拉致してくるのがベストだとされている。 一時期、ゆっくりの品種改良なども考案されたが、存在そのものが謎であるゆっくりに対して現代の科学では不可能とされた。 「ゆんやあああああああああああああ!!!!!!!!」 店内から、赤ゆの叫び声が聞こえてくる。 職人たちが、下ごしらえを始めたのだろう。 客が多い日であれば、一日で千匹近くのゆっくりが“調理”されて、そのゆん生を終える。 開店と同時に、既に数名の客が店内に足を踏み入れていた。 「お……おいしくたべていってね……!!」 力なく、それでも笑顔を絶やさないように自分の前を素通りしていく人間に声をかけるれいむ。 意思と無関係とは言え、同族を「美味しく食べてね」などというれいむの姿。 その様子は、れいむの情けない泣き顔の効果も上乗せされて、あまりにも滑稽なものであった。 「ぷっ」 「馬鹿じゃねーの」 通りすがりの人間に、笑われて馬鹿にされるれいむは、悔しくて悲しくて下を向いたまま、ずっと涙を流していた。 「へい、らっしゃいっ!!!」 内装は、時代劇に出てくる茶屋をイメージして作られている。 店の中央には回転寿司屋でよく見かけるベルトコンベア。 そこを流れていく皿の上には、様々な種類の“お菓子”が載せられていた。 「ゆっゆっゆっゆっ……」 一様に、がくがくと震えながら目だけを動かして席に座っている客に視線を向ける。 客引きのれいむ同様、あんよを焼かれているのだ。 逃げ出すことはできない。 「ゆぁぁぁぁ……っ!!! やめちぇにぇ!! やめちぇにぇっ!!!」 禿饅頭になっている赤れいむだか、赤まりさだかはわからない赤ゆっくりの載っていた皿に客の一人が手をかけた。 コンベアの上を流れている間中、そこから降ろされた仲間がどうやって死んでいったかは、鮮明に餡子脳に焼き付いている。 「ゆ……ゆわぁぁぁぁ!!!!」 禿赤ゆの眼前には、少し大きめの爪楊枝のようなものが迫っている。 「い゛ち゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛ぃ゛ぃ゛!!!!」 目と目の間に、思いっきり爪楊枝を突き立てる。 叫び声を上げる禿赤ゆは、ちょろちょろとしーしーを垂らしている。 客も狙ってやっているのかは知らないが、一口サイズなのに、一口で食べようとはしない。 禿赤ゆの顔の三分の一程を、噛みちぎって咀嚼する。 「ゆ゛ぎゃああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」 甲高い悲鳴が店内に響く。 恐ろしいのはその悲鳴を聞いて、店内にいる人間全てが不気味な笑みを浮かべている事だろう。 ちなみに張り紙には、「他のお客様の迷惑になりますので、店内で“ヒャッハーー!!”と叫ぶのはご遠慮ください」とある。 「まりじゃの……まりじゃの……きゃわいいおきゃおがあぁぁぁぁぁ!!!!!」 誰もわからなかったが、禿赤ゆの正体は赤まりさだったらしい。 「おにぇがいしましゅぅぅぅぅぅ!!! たちゅけちぇぇぇぇ!!!!」 「やぁぁぁぁ!!! れいみゅ、おいちくにゃいよぉぉぉぉぉ!!!」 「ときゃいはじゃにゃいわぁぁぁ!!!」 「わきゃらにゃいよぉぉぉぉぉ!!!!!」 「むきゅぅぅぅぅ!!!! むっきゅぅぅぅん!!!!」 泣き叫ぶ仲間の声に呼応するかのように、喚きだす他の赤ゆたち。 客に出される商品は、全て赤ゆである。 そうでなければ皿の上には載らないし、何より新鮮な赤ゆは非常に美味しい。 「大将!!」 「へい!!」 「れいむの炙り」 「あいよっ!!!!」 「「「ゆんやああああああ!!!!!」」」 「「「「やじゃやじゃぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!」」」」 客から“れいむ”という単語が口に出された時点で、大きな箱の中に詰め込まれた赤れいむたちが途端に騒ぎ出す。 そこに、大将が手を延ばすと、その叫び声は一層大きくなった。 「おしゃらをとんじぇるみちゃいっ!!!!」 ぐしゃぐしゃの泣き顔でも、本能に抗うことはできないのか、一瞬だけ笑顔で叫ぶ。 大将は、リボンをつまんでおり、そのままの状態で赤れいむをまな板に打ち付けた。 「びゅぎゅっ??!!!」 打ち付けた瞬間、手首のスナップを利かせて赤れいむのリボンと髪の毛を引きちぎる。 「い゛ぎゃあ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ッ??!!!!」 まな板の上にぐったりと横たわる赤れいむは既に禿饅頭となってしまった。 赤れいむに与えた苦痛は、餡子に濃厚な味を染み込ませたことだろう。 わずか数秒で赤れいむを瀕死に追い込みながらも、皮には傷一つついておらず、餡子を漏らしてしまっている事もない。 まさに匠の技である。 「いちゃい……れーみゅの……きれいにゃ……きゃみのけ……ぴこぴこしゃん……」 泣き崩れている赤れいむの目の前には、竹串と小型のバーナーを手にした大将がいる。 「ゆっ……?」 気付いた時にはもう遅い。 「ゆ゛ん゛っ、や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!」 赤れいむの動きを固定するために竹串を必要最低限の長さ分、皮に突き立てる。 その場から必死に逃げ出そうとするが、思うようにあんよを動かすことができない。 そこに、バーナーの炎が赤れいむの顔面に放たれる。 「ん゛っびゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!!!!!!!!!!!!!」 ピンポン玉ほどのサイズしかない赤れいむは、一瞬で全身に火傷を負い苦痛に身を捩らせている。 竹串に突き刺したまま赤れいむを持ち上げ裏返すと、あんよだけは少し長めに炎を浴びせる。 赤れいむのあんよが、ひくひくとしか動かなくかった事を確認すると、大将はようやく竹串を引き抜いた。 「へい!! “れいむの炙り”お待ち!!」 皿の上に載せられ、凄まじい形相のまま固まってしまっている赤れいむが客に出される。 「やべ……ちぇ……」 この期に及んで、まだ命乞いを続ける“れいむの炙り”を一思いに口の中に放り込んで噛みつぶす。 「うめぇ!! やっぱ饅頭はちょっと火で炙ったくらいが一番美味いぜ」 歓喜の声を上げる客の口の中からは、小さな小さなか細い声で、 「もっちょ……ゆっくち……しちゃかっちゃ……」 その後も次々に惨殺されていく無数の赤ゆたち。 大き目の水槽の中に入れられている少しだけ大きくなった赤ゆたちも、声も上げることができずに四隅で震えている。 このぐらいのサイズになると、たまに箱を飛び越えて脱走するゆっくりがいるので、隔離しているのだ。 最も、客にとっては恐怖で顔を歪める赤ゆを見るのは楽しかった。 客の中には水槽の中の赤ゆを指名して調理して欲しいという者もいたので、案外無駄にはなっていないのだ。 「大将! チョコパフェ一つ!!」 「あいよっ!!!」 「その端っこのちぇんと、中身吐いてないそこのぱちゅりーで頼むわ」 「へいっ!!!」 「わ……わきゃらないぃぃぃぃぃ!!!!」 「むぎゅぅぅぅぅ!!! やめちぇちょうらいっ!!!」 水槽の裏側に、従業員が回ると蜘蛛の子を散らしたように赤ゆたちが逃げ回る。 「こっちこにゃいじぇぇぇぇぇ!!!!」 「ゆんやああああああああああ!!!!!!!」 「やぁぁぁぁ!!!!」 「ゆひぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 その様子を見て、客は満面の笑みを浮かべていた。 今さらだが、この店に来る客は、“あちら側”の人間が多い。 中には、 「フフン。 水槽の中で逃げ惑う赤ゆを見ると、すぐ勃ちやがる……」 などと言っている者もいた。 先端に、鋭いフックのついた柄の長い棒が水槽の中に侵入し、正確に赤ちぇんの顔面を貫いた。 「に……ぎに゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!! 深々と体内にフックが突き刺さったまま宙に浮かされる。 「おしょ……りゃを…………っ!!!」 二本の短い尻尾をふるふると左右に振って、抵抗を試みるが無駄なことこの上ない。 ちなみに、注文されたのは“チョコパフェ”。 ちぇんの顔や皮がどうなろうと知ったことではない為、多少乱暴に扱われる。 わざわざ手荒な真似をする必要はないのだが、その方が客受けがいいのだ。 「やめちぇぇぇぇ!!! いちゃぃぃぃ!!! わきゃらにゃいぃぃぃ!!!!」 二本の尻尾をそれぞれ指でつままれた状態のまま、タッパーの上に持って来られる。 そして、尻尾を左右に強く引っ張る。 ぶちぶち……ッ、という音と共に赤ちぇんの顔が真っ二つに引きちぎられた。 「がひっ……っ!!!」 その中からチョコレートがぼとぼとと落ちてくる。 「お客さん! こいつ一匹じゃ足りないんで、他のちぇんも使いますよ?」 「お願いします」 同じように、赤ちぇんと赤ぱちゅりーが数匹ずつ顔を引き裂かれ、その中身をタッパーに垂らす。 その後、数分でチョコパフェを完成させてそれぞれの中身が客の腹の中に収まった。 「ありすのぺにぺにの輪切り!!!」 「へいっ!!!」 「「「「ときゃいはじゃにゃいわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」」」」 今度は、赤ありすたちが絶叫する。 しかし、大将が箱から取り出したのは成体のありす種だった。 ピンポン玉のぺにぺにの大きさなどたかが知れている。 商品にはならない。 「ゆ……ゆっくりしていってねっ!!!」 既に恐怖で思考が麻痺しているのだろう。 ありすは、大量の冷や汗をかきながら歯をカチカチと鳴らしていた。 「よっ!」 ありすを持ち上げてゆする。 「ゆっ?? ゆゆゆゆ…………っ、お……おにぃさ……へんなこと……しないで……ね?」 ゆする。 まだゆする。 「ん……んぅっ……!!!」 見る見るうちの頬を紅潮させ、息を荒げ始めるありす。 顎の辺りから十センチほどのぺにぺにが出現していた。 「んっほおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ……!!!!!」 十分に興奮したところで、一思いに出刃包丁でぺにぺにを切り落とす。 「ッ??!!!!!」 目を見開き、口を引き裂けんばかりに大きく開く。 顔面蒼白になっており、切り口からはぽとぽとと中身のカスタードが漏れ出している。 「ゆ……? ゆゆ……?」 余りにも突然の出来事でフリーズしてしまっているのだろう。 「あ……ありすの……とかいはなぺにぺにがあああああああああああああ!!!!!」 まな板の上に無造作に転がるぺにぺにを見ながら泣き叫ぶ。 それに淡々と包丁が落とされ、切り分けられていく。 「ゆああああああああああああああ!!!!!!!!!」 「へいっ!! ぺにぺにの輪切り、一丁!!!」 「美味ぇ!! 芳醇なカスタードを包む、ちょっとコリッとした外側の皮がたまんねぇ!!!!!」 まだ何か叫ぼうとしているありすを包丁で叩き切り、袋の中に捨てる。 ぺにぺにの為だけに、取りだされたありすの末路は大抵こんなものだ。 ちなみに、目の前で調理されるゆっくりを見るのが目的という客の方が圧倒的に多いので、コンベアの上の赤ゆは基本無視される。 ぐるぐる、ぐるぐる。 ずっと回り続けて、売れ残る。 いつ客に自分が載っている皿を取られるか分からない状況で、仲間の惨たらしい最期を見るしかないのだ。 閉店後。 客引きのれいむが入った箱に、甘い香りのする何かが投げ込まれた。 (ゆぅ…………みんな……ゆっくり……ゆっくりしていってね……っ) れいむには、“それ”が何かわかっているのだろう。 今日、売れ残った同族の中身。 これが、れいむに与えられる食事だった。 店の外にいても、ずっとゆっくりたちの叫び声は聞こえてくる。 従業員が看板を片付け終える。 いつまで経っても、与えられた“餌”を食べようとしないれいむ。 従業員はその様子を見ても、特に何も言わない。 どうせ、翌朝には綺麗にたいらげているのだ。 箱をノックする。 れいむが従業員を振り返った。 「美味しく食べていってね」 おわり by余白 余白あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ( ´∀`) -- 2017-10-14 08 47 57 うまそうジュルリ -- 2016-09-04 09 21 01 こんなのがあったら食べに行きたいな。 -- 2014-10-27 14 37 50 おいしいのか・・・食べたいね。 このSSはいいものを題材にしてくれた。食料になるものがどんな気持ちなのか・・ だから、残さず食べようぜ!!! -- 2012-08-03 22 28 13 ↓原料2円原価30円定価80円 -- 2012-07-27 13 15 10 最高です!! 一皿いくらなんだろ -- 2012-01-26 18 32 04 これは良作! ありがたい! -- 2011-08-04 21 18 34 毎日通いたいぜ! -- 2010-12-23 01 46 40 しかしゆ虐趣味の人は全員糖尿病を患ってそうだ -- 2010-12-12 16 20 07 9cmの某朝国民涙目だなw -- 2010-08-20 04 36 51 ありすのぺにぺには10cmもあるのか・・・ -- 2010-08-19 19 26 46 行きたいなここ -- 2010-07-09 22 40 06 ちぇん・ありす・ぱちゅりーは洋菓子好きとしては三大食べたいゆっくり -- 2010-07-01 00 29 30 良い店だ。 -- 2010-06-28 16 18 12 面白かった -- 2010-06-19 12 06 00