約 198,194 件
https://w.atwiki.jp/phi-phantasmal/pages/62.html
ダンジョンへの行き方 王都ネオからまっすぐ西へ 建物内の魔法陣から盗賊の棲家へ 攻略 ①入口から南に行けば盗賊のボスがいる(倒す必要はない) ★ボス Mafia Boss 何もしてないのに... ◆ドロップ Name Mafia badge Wp 5 Type Accessories Steel claw Fn None ATP 1 attack to FORE Effect Thief guard ②入口東に行けば隠し通路があり、謎の遺跡へ出る ③ボス前の入口で合言葉が必要となる 通路が『ORIS』の形となっていることから、合言葉が推測できる ★ボス Lost angel Oris 我が名はOris... ◆魔法 Spell Oris spellup mode Power 17 Fn Water Effect Spell up Spell Oris lights Power 11 Fn Water Effect Hp damage (Explode) ◆ドロップ Name Protection of Oris Wp 40 Type Armor Silver claw Fn None ATP 1 attack to FORE DFP 40% MRP 30% S.E. Shell ④ボスを倒しキーアイテムOris symbolを入手する ガラス前にキーアイテムを置くとワープ 古い看板から宮廷魔術師ロランが残した情報を得ることができる +... <古い看板> ------------------------- "オリス" 彼を呼んだがために、我らは神の怒りを買うことになった。 彼を封印することが、我らに出来る精一杯のことだ。 全てはまだ終わったわけではない。 しかし、ブーゲ12世はもういない。 ブーゲ12世は、一体彼をつかって何をしようとして いたのだろうか? それだけが死にゆく私が一番気がかりなことである。 宮廷魔術師ロラン -------------------------
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4244.html
『おたべなさいをしたれいむ』 17KB 虐待 家族崩壊 共食い 赤ゆ 現代 人間なし 独自設定 ゆっくりが勝手に自滅する話です 「さあ、おたべなさい!」 一匹のゆっくりれいむが、娘たちの前でおたべなさいをした。 野良生活の末、飢えに苦しんでの決断だった。 (おちびちゃんたちのために、おたべなさいをするなんて……れいむはぼせいたっぷりのゆっくりしたおかあさんだよおお!) おたべなさいをした瞬間、れいむはこれ以上ないくらいしあわせーを感じていた。 子供たちには尊敬され、自分はお空のゆっくりぷれいすでゆっくりできる。 まさに理想の最期だと思っていた。 「おきゃあしゃんが、えいっえんにゆっくちしちゃったのじぇ……」 「ゆえええん! おきゃーしゃあああん! ゆっくちいいいいい! ゆっくちいいいいいい!」 その二匹の赤ゆっくりは、れいむの餡を分けた娘だった。 姉まりさは割れた母を見上げて呆然としている。 妹れいむはもみあげをぴこぴこ振り回し、泣きながら左右にじたばた暴れている。 (ゆ……ゆ? れいむ……おきてる?) れいむは不思議と意識がハッキリしていた。 てっきりゆんごくのゆっくりぷれいすに行けるんだとばかり思っていたのに、いくら待っても何も起こらない。 よく考えてみれば、れいむはおたべなさいをした後、永遠にゆっくりしたゆっくりがどうなるのかを知らなかった。 夜のように真っ暗で、何も見えない。 可愛いおちびちゃんの声も、近所の他ゆんの声も、人間さんのすいーの音も、風の音も、何も聞こえない。 土の匂いも、水の匂いも、人間さんのごはんさんの匂いも、何も感じられない。 しゃべろうとしても口が動かせず、声を出せているのかも分からない。 「……おきゃあしゃんをたべりゅんだじぇ」 「ゆ!? おにぇーちゃん、おきゃあしゃんをたべちゃうにょ!?」 「おきゃあしゃんは、まりちゃとれいみゅのちゃめに、おちゃべにゃしゃいをしちゃんだじぇ。 まりちゃたちがたべにゃかっちゃら、おきゃあしゃんがむだじにになっちゃうのじぇ」 「ゆうぅ、おきゃーしゃん……」 姉まりさと妹れいむは、覚悟を決めて母の前に並んだ。 母はいつもの優しい笑顔のまま、真っ二つに割れて転がっている。 人間から見れば、さぞかし間抜けな表情に思える事だろう。 「ゆっくち、いちゃぢゃきましゅ……」 (ゆぐぐうう……なにごれえ、ぎぼぢわるいよ) れいむはお腹の中の餡子をぐちゃぐちゃとかき混ぜられるような不快感に襲われた。 何か硬いものが皮を破り、もぞもぞとれいむの体内に入っていく。 「おきゃあしゃん、ありがちょうにぇ」 姉まりさは涙をこらえ、母の餡子を喰らった。 本当は母とずっと一緒にいたいし、食べてしまいたくなんかない。 しかし自分が泣いたり嫌がったりしたら妹にも影響が出ると思い、何度も歯を噛み締めて悲しみに耐えた。 「うっみぇ! こりぇ、めっちゃうっみぇ!」 「れ、れいみゅうう!?」 それまで泣いていた妹れいむは一転し、大喜びで母の餡子に喰らいついた。 妹れいむのあまりの興奮ぶりに、姉まりさはちょっと引いてしまった。 姉妹がこんなにおいしいものを食べたのは、生まれた時に父から口移ししてもらった茎以来だ。 今までにも生ゴミや虫など、野良にしては豊かな食事を与えてもらっていたが、やはり餡子に勝る甘味はない。 (ゆっびゃあああ! でいむがだべられでるうううう!? やべでええええ!) 自分でおたべなさいをしたにも関わらず、れいむは心の中で抵抗した。 すっかりパニックに陥ってしまい、自分の体を喰らっているのが我が子だと気づいていない。 本ゆんは大声でやめろと訴えたつもりだったが、それは言葉にならなかった。 しゃべるための口も声帯も真ん中から半分に割れ、すでに使い物にならなくなっている。 「おきゃーしゃん、しゅっごくおいちいよお! しあわしぇー!」 (やべろおおおおおお! でいむをだべるなあああああああ!) 「おめめのぷるぷるしゃんは、とっちぇもゆっくちできりゅにぇえええ! むーしゃむーしゃむーしゃむーしゃ!」 (うごいでえええええ! でいむのずでぎなびぎゃぐざん、ゆっぐぢじでないでうごいでえええええ! うごげえええええええええ!) れいむは必死に逃げ出そうとしたが、体は一ミリも動かなかった。 泣きたいほどつらいのに、涙が流れる事もない。 子供たちから見える母の表情は、まるで食べられる事を望んでいるかのように穏やかに微笑んでいる。 「ゆっぷう! れいみゅ、ぽんぽんいっぴゃいだよぉ」 「……ゆ、ゆう。のきょりはあちょでたべようにぇ」 母の両頬を深くえぐったところで、子供たちはその日の食事を終えた。 食い破られた穴から餡子が漏れ出し、ぐずぐずに崩れたまんじゅうの塊と化している。 子供たちは母から離れ、段ボール箱のすみっこに移動した。 目玉をほじくられ、ぺしゃんこに潰れても笑ったままの母が、少し不気味に思えたからだ。 姉まりさは母を喰らっている罪悪感から目を背けたい気持ちが強かった。 「おにぇーちゃん、れいみゅにしゅーりしゅーりちてにぇ」 「ゆん、いいのじぇ……しゅーりしゅーり……しゅーりしゅーり……」 「ゆっふうぅん、しあわしぇー」 お腹いっぱいでご満悦の妹れいむは、いつもより格段にゆっくりしていた。 姉まりさは口にこそ出さないものの、大好きなお母さんを平気でむーしゃむーしゃできる妹れいむが怖いと思い始めていた。 (でいむはいまどうなっでるのおおお!? だれがだずげでえええええ! ばりざあああああ! おどうざあああああん! おがあざああああああん!) いくら心の中で叫んでも、誰も助けてくれない。 目も見えず、声も出せず、もみあげもあんよも動かせない。 れいむは意思伝達の方法を完全に失っていた。 (どぼぢでぎゃわいいでいむがごんなべにい!? でいむは、でいむはああ、えらばれだゆっぐぢでじょおおおおおお!?) れいむは公園で生まれた野良ゆっくりだった。 汚らしい段ボール箱のお家で、家族と一緒に暮らしていた。 その公園には他ゆんの家族も住んでいたが、群れを作っているわけではなかった。 段ボール箱のお家は数が限られていて、お家宣言をされないよう互いに牽制しあっているような場所だった。 一度目の冬に父まりさがおたべなさいをし、れいむは子ゆっくりに成長した。 二度目の冬に母れいむがおたべなさいをし、れいむは成体ゆっくりに成長した。 その間、姉妹が次々と命を落とし、生き残ったのはれいむだけだった。 両親を食べ尽くしたれいむは、同じ公園に住む幼なじみの野良まりさとつがいになった。 そして娘の姉まりさと妹れいむを産んだ。 つがいのまりさは優秀なゆっくりで、餌を狩ってくる能力に長けていた。 そのためれいむの一家は安定した生活を送り、再び冬を迎える事ができた。 しかし長い冬が終わり、ようやく暖かな春がやってきたところで事態は急変した。 つがいのまりさが狩りに行ったきり帰ってこなくなってしまったのだ。 不慮の事故にあったのか、人間に捕まったのか、その後の消息は不明だ。 ただ事実として、つがいのまりさは二度と戻ってくる事はなかった。 つがいのまりさを失い、れいむたちの生活は一気に困窮した。 今まで狩りなどした事もなかったれいむは、子供たちを養う術を持たなかった。 れいむが母から教わったのは子育ての仕方だけだ。 それも子供たちと歌ったり踊ったりするだけで、実用的な能力は何一つ培われていない。 お腹が空いてたまらないれいむは、両親と同じようにおたべなさいをした。 本当ならそこで、れいむのゆん生は華麗に幕を閉じるはずだった。 (でいむはおだべなざいじだのに、どぼぢでおぎでるのお…… まざが、ごのぐらぐでゆっぐぢでぎないどごろが、ゆんごぐだの!? いやだあああああ! やっばりおだべなざいやべるうううう! でいむおうぢがえるううううううう!) 「ゆぅ、まぶちい……あしゃになっちゃんだじぇ」 「きょうも、おきゃーしゃんをゆっくちたべりゅよ!」キリッ! (ゆぎ!? ぎ、ぎぼぢ、わるい……まだげずがでいむをだべでるうぅ……) 眠りから目を覚ました子供たちが、また母の餡子を喰らい出した。 時間の感覚がなくなっているれいむは、翌日の朝になった事も分からなかった。 (ぞうだよ、でいむはおだべなざいじだんだよ…… じゃあでいむをだべでるのは、でいむのおぢびじゃだのおおおお!? やべでねええええ! おがあざんを、むーじゃむーじゃじないでねええええええ!) 子供たちのために食べられようなんて気持ちは、すっかりなくなっていた。 ゆんごくがこんなに恐ろしい場所だなんて思わなかったからだ。 (むりいいいいい! だべられるのむりいいいいい! でいむがゆっぐぢでぎないいいいいい!) 「むーちゃむーちゃ、しあわしぇー」 「まりちゃも、しあわしぇだじぇ…… おきゃあしゃんのおきゃげで、ぽんぽんいっぴゃいごはんしゃんたべりゃりぇりゅのじぇ……」 妹れいむは心の底から嬉しそうに、姉まりさは無理に笑顔を作って、母の体を貪った。 食欲旺盛な二匹の赤ゆに餡子を喰われ、れいむの体はどんどん小さくなっていく。 (がらだがだいのに、がらだがぐるじいよ……ぐらいのはごわいよ…… おうだがうだいだいよ……むーじゃむーじゃじだいよ……だれがどおばなじじだいよ……) おたべなさいをしたゆっくりの中枢餡には、保護膜のようなものが作られる。 最後の一欠けらでさえ残さず他者の糧となれるよう、体が変化するためだ。 こんな状況下にあってもなお、れいむが非ゆっくり症にかかる事なく自我を保っていられるのも、この保護膜のおかげだった。 保護膜に守られた中枢餡は、周囲の餡子を失っても損傷しない。 結果、そのゆっくりは完全に死ぬ事はなく、意識だけが鮮明に取り残されてしまう。 真っ二つに割れた体は黒ずんだりせず、思いこみの死臭も放たない。 それこそ瀕死の状態で生きながらえている何よりの証拠だ。 そして餡子が甘くおいしくなるのは、生きたまま体を貪られ、ゆっくりできない状態に陥るからだ。 どんなゆっくりでも、自分の体がかじられていくのを感じて恐怖心を抱かないわけがない。 まさしく他者に食べられるためだけに生かされている存在と言える。 (でいむはもう、だにもがんがえだくだいよ…… おぢびじゃん、はやぐでいむをだべでね。だべでね。だべでね。だべでね…… だべろおおおおおおおおお! もういやだあああああああ!) 「まりちゃたちのおきゃあしゃんが、あんこだましゃんになっちゃっちゃのじぇ……」 もはやれいむの体は、中枢餡しか残っていない。 それでも思考する意識があり、れいむはまだ生きていた。 顔も目も耳も鼻も口も足も何一つ残ってはいないただの餡子玉が、 果たしてナマモノとすら呼べるかどうかは分からない。 「ごくっじょうのあみゃあみゃ、れいみゅにちゃべりゃりぇちぇにぇええええ!」 「ゆううぅ……おぎゃあじゃあああああん!」 大口を開けて喰らいつこうとする妹れいむを押しのけ、姉まりさは母の中枢餡にすがりついた。 自分のお腹の下に母の中枢餡を包み、ぼろぼろと涙をこぼして震えている。 「ゆ!? おにぇーちゃん! おいちいあんこだましゃん、ひちょりじめしゅりゅき!?」 「ぢゃべだぐだいよおおおおお! おぎゃあじゃんまでいだぐだっぢゃううううう!」 「にゃにいっちぇりゅにょ? おきゃーしゃんは、れいみゅにちゃべりゃれりゅちゃめに、おちゃべにゃしゃいちたんだよ? だきゃらしょにょあんこだましゃんは、れいみゅのあみゃあみゃだよ!」 「ちぎゃうぅ! ごのあんごだまじゃんは、ばりじゃだぢのおぎゃあじゃんだよおおおおお!」 父の真似をして強がっていた姉まりさの口調が素に戻っている。 今まで姉妹でケンカした事なんて一度もなく、姉まりさはいつでも妹れいむを優しく守ってくれるゆっくりだった。 こんなに取り乱してわんわん泣いている姉まりさを見たのは生まれて初めてだ。 家族を悲しませているのが自分だという事実に、妹れいむはゆっくりできない気持ちにさせられた。 まるで自分だけが母を愛していないゲスゆっくりだと言われているようで不愉快だった。 悲劇のヒロイン役は、泣いている姉まりさではなく、末っ子の妹れいむにこそふさわしいものだ。 「ゆん! きめちゃよ、おにぇーちゃん。 おきゃーしゃんのあんこだましゃん、のこしゅこちょにしゅりゅよ!」 「ゆ? い、いいにょ?」 「つちしゃんにうみぇちぇ、おはかしゃんをちゅくりょうにぇ。 きっちょゆんごくにいりゅおきゃーしゃんも、しょのほうがよりょこんでくれりゅよ」 「れ、れいみゅぅ、ありがちょう……やっぴゃりれいみゅは、やしゃちいこだったんだにぇ……」 姉まりさは起き上がり、おさげで涙を拭った。 こんなに優しい妹なのに、一時でも薄情で怖いと思っていた自分を恥じた。 もちろん妹れいむには打算があった。 今は姉まりさに付き合って埋めておいて、後でこっそり掘り返すつもりでいた。 妹れいむは母のためにお墓を作ってあげた優しいゆっくりとしての立場を確立し、 なおかつおいしい餡子玉も独り占めできる。 その素晴らしい計画を立てた思考回路が、母のれいむとまったく同じであるのは親子ゆえだろうか。 「おきゃあしゃんのあんこだましゃん、ゆっきゅりこーりょこーりょしゅりゅのじぇ!」キリッ! (ひぎいいいい! いだあああああ! れいむのあんござんが、ごーろごーろじでるううう!? おぢ、おぢびじゃんが、げっでるのおおおおお!? おがあざんをお!? おばえらをうんでやっだおがあざんを、げっでるのがああああああああ!?) 剥き出しの中枢餡を転がされ、れいむは激しい苦痛に襲われた。 あまりの衝撃に、かなり強い力で蹴り飛ばされているものと思いこんだ。 実際には姉まりさがゆっくり押しているだけなのだが、 まさかれいむ自身、自分が中枢餡だけの存在に成り果てているとは想像すらしていなかった。 気が狂いそうなほどの苦痛を味わわされた挙句、れいむの中枢餡は段ボール箱から外に出された。 「しゅこっぷしゃんで、おきゃあしゃんのおはかしゃんをほりゅのじぇ」 姉まりさはお家から小さな赤いスプーンをくわえて持ち出した。 それは父のまりさがゴミ箱から拾ってきたプラスチックのスプーンだった。 土を掘るのに便利なため、この家ではスコップさんと呼んで大事に使っていた。 「ゆんしょ! ゆんしょ!」 「おにぇーちゃん、ぎゃんばっちぇにぇー」 姉まりさが地面に穴を掘っている間、妹れいむは暇そうに母の中枢餡を転がして遊んでいた。 本当はそのまま食べてしまいたかったが、そうすると自分が悪者になってしまうので嫌だった。 間違っても姉まりさを、母のために穴掘りしていたのに妹にその想いを打ち砕かれた悲劇のヒロインにはしたくなかった。 (ぐべえええ! でいむのあんござんであぞぶなああああ! あだまがごわれるううううう! あがぎががあああああ! おがあざんをぐるじべるぐぞげずぢびはじねええええええ! いまずぐじねえええええええええええええええ!) 「こんなもにょかにゃ……れいみゅ、おきゃあしゃんをゆっくちうみぇりゅのじぇ」 「ゆっくちりょうきゃいしちゃよ!」 (ゆぎょばがぶぇばああああああああ!) 妹れいむは母の中枢餡をあんよで蹴り飛ばした。 中枢餡はゴルフのパターのように転がっていき、姉まりさの掘った穴にころんと落ちた。 姉まりさは赤いスコップさんを使い、丁寧に土をかぶせていく。 「ゆわーい! おきゃあしゃんのおはかしゃんが、かんっせいしちゃのじぇ!」 お墓といっても土を盛っているわけではなく、何か目印があるわけでもない。 ただ湿った土の色が他の場所と違うため、掘り返したことが分かる程度だった。 それでも赤ゆの姉まりさにしてみれば、かなりの大仕事をやってのけたと言えた。 大喜びしている姉まりさとは対照的に、妹れいむはどこか冷ややかな気持ちでいた。 何の面影も残っていないただの餡子玉を母と呼んで慕っている姉まりさが、 だいぶ頭のかわいそうなゆっくりに思えたからだ。 「おきゃあしゃん。まりちゃはりっぴゃに、いもうちょとふちゃりでいきちぇいくよ。 おしょりゃのゆんごくかりゃ、じゅっとみまもっちぇいちぇにぇ」 姉まりさは母のお墓の前でお祈りをした。 その姿を見た妹れいむは、心の中で姉を侮蔑した。 あんな餡子玉が生きているとでも思っているのか、そうせせら笑っていた。 実はそれが見事に的中しているわけだが、その真実に気づける者は誰もいない。 (だんだのごごはあああああ!? でいむはどうなっだのおおおおお!? げずぢびどもはだにやっでるんだああああああ! はやぐでいむをぐいごろぜえええええ! ぞれがでぎないだらじねえええええ! でいむをゆっぐぢざぜないやづはみんなじねええええええええええええええ!) れいむは心の中で憎しみをぶつけまくった。 それしかできる事がなかったからだ。 もし今れいむの中枢餡を食べたなら、最高に美味な甘さになっていた事だろう。 一日、二日……数日。 どれだけの時間が過ぎようとも、れいむの意識だけは生きていた。 何度も朝日が昇って夕日が沈んだが、れいむには分からない。 それはまるで数分の出来事のようにも思えたし、永遠の地獄のようにも思えた。 暗闇と無音。 それだけがれいむに残されたすべてだった。 (ゆんごくはすてきなところなんだよ。 あかるくて、きらきらしてて、おはなさんがいっぱいで、ちょうちょさんがひーらひーらしてて、 あったかくて、とってもゆっくりできるんだよ) (おとうさんとおかあさんが、れいむをみてるよ。すっごくおこって、れいむをにらんでるよ。 れいむがおとうさんとおかあさんをむーしゃむーしゃしたから、うらんでるんだね。 ちがうんだよ。れいむはしらなかったんだよ。おたべなさいがゆっくりできないことだって、しらなかったんだよ。 やめてね。そんなめでみないでね。おこらないでね。 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい……) (ゆんごくには、おとうさんも、おかあさんも、おねえちゃんも、いもうとも、みーんないるよ。 だーりんのまりさが、たくっさんのあまあまをよういして、れいむがくるのをまっててくれてるよ) (れいむはおちびちゃんたちのために、がんばっておたべなさいしたんだよ。 それなのに、なんでこんなひどいめにあうの? こんなことなら、げすちびどもをむーしゃむーしゃしてやればよかったよ。 もしこのからだがじゆうになるなら、げすちびどもをせいっさいしてやるのに…… くやしいよ。くやしいよおおぉ……) (れいむのゆんごくはどこにあるの? みんなのいるゆんごくはどこ? れいむもつれてってね。おねがいだよ。おねがいだから、れいむをたすけてね) れいむの意識が夢を見ているのか、それともただの願望なのか。 いくつもの思考が脳裏をよぎり、そして霧散していった。 「にがにがのくさしゃん、はえちぇきちぇにぇ……」 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ……」 母の体というご馳走を食べてしまった後、子供たちは泥まみれの雑草をかじって飢えをしのいでいた。 しかし狩りの仕方を知っているわけでもないので、お家の近くに生えているわずかな雑草を食い尽くしてしまえばもう後がない。 赤ゆだけで残されても、まともに生活などできるわけがなかった。 おまけに餡子脳が災いし、姉妹は母のお墓がどこにあるか分からなくなった。 湿っていた土が乾けば、周りの地面と同化してしまうのは当たり前だ。 姉まりさが必死に集めた苦い草には目もくれず、妹れいむは埋めた餡子玉に固執した。 あまあまが食べたい一心で必死にあちこちを掘り返したが、とうとう見つけられなかった。 妹れいむは掘って出てきた小石を口に入れ、あまあまだと言い張ってかじっていた。 その内に非ゆっくり症を患い、言葉を話す事もできなくなった。 食料探しに尽力していた姉まりさも時間の問題だろう。 「ごんにゃどごりょで、じぬわげにはいがにゃいのじぇ…… ばりじゃだちのだべにおぢゃべにゃじゃいじでぐれだ、おぎゃあじゃんのだべにも、じあわぜーにならだいどいげだいんだじぇ……」 ほとんど母恋しさで心を保っている状態だ。 土の下にいる餡子玉の母が娘たちに呪詛を吐き、その死を願っていると知ったらどんな気持ちになるだろうか。 (ごろじで……ごろじで……だれがでいむをごろじで……) 中枢餡が無事である以上、れいむの意識は保たれたままだ。 土に埋められた中枢餡が完全に朽ちるまで、れいむの苦痛は終わらない。 「おぎゃあじゃ……ゆんごくで、いっじょに……ゆっぐぢ…… ゆっぐっ、ゆゆっぐぢっ……ゆっ、ゆっぐ、ゆっ、ゆっ、ゆっ…… ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ……」 (ゆっぐぢじだい……ゆっぐぢじだい……ゆっぐぢじだい……ゆっぐぢじだい…… ゆっぐぢじだい……ゆっぐぢじだい……ゆっぐぢじだい……ゆっぐぢじだい…… ゆっぐぢじだい……ゆっぐぢじだい……ゆっぐぢじだい……ゆっぐぢじだい……) 終 ────────────────────────────── おたべなさいをして逃げ得みたいな流れを見かける事が多かったので、 さらに苦しめられないかと考えた結果がこれでした。 それから前作で挿絵を描いてくださった方、ありがとうございます! れいみゅのぶっさいくな潰れ顔が実に愉快でQNQNしました! 【過去SS】 anko4116 放置飼い~赤れいむ編~ anko4152 ゆっくりのびねじってね 挿絵:
https://w.atwiki.jp/zpng/pages/8.html
動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。
https://w.atwiki.jp/zpng/pages/17.html
CPU IA-32 Intel VT-x AMD-V IA-64 Intel VT-i SPARC UltraSPARC T1 Power LPAR ARM TrustZone I/O Intel VT-d AMD IOMMU PCI-Ex SR-IOV NIC Intel VT-c メリット 仮想マシン-ホスト間、仮想マシン間のリソース取得のオーバーヘッドが少なくなり、レスポンス、スループットが向上する デメリット 対応HWで構築する必要がある。ちなみに、IntelとAMDの互換性はない。 ハイパーバイザ、仮想マシン側で専用ドライバ等で対応する必要がある エンタープライズ向けで普及途上である為、総じて高価 現状 高負荷になるとデバイスに対する割込み要求が足を引っ張る(特に1コアでしか割り込み処理できない場合) PV数、通信頻度が多いと、NIC割込みが真っ先にボトルネックになる為、Web用途には対策が必要(他は運用でどうにでもなる) WindowsADコントローラを仮想化するには、WindowsServer2012以降である必要あり。(ドメインの時刻が狂う シーケンスが破綻する) 製品(2013/11更新) VT-c対応のIntel Chipset ListEthernet Server Adapter I350-T2 Ethernet Server Adapter I350-T4
https://w.atwiki.jp/jyanou17/pages/23.html
・必笑だんご剣 面白そうなことを書いていきます。本人が話のネタを忘れないためのメモでもあります。 ・不眠症の私が手放せないもの 私は夜なかなか眠れません。 世間でよく言う「不眠症」ってやつです。 べつに悩み事も多くない、むらむらして眠れない そんなことは無いんですが、なぜか眠れない・・・ 先日たまたま無印良品で買い物をしていると 「ピローミスト」なるものが販売されていました。 能書きには ヒノキやサイプレスなどウッディ系のエッセンシャルオイルを4種類ブレンドしました。 これらの成分は眠りを誘発されるといわれる○※×■△・・・・ な、なんですとぉ!!!眠りを誘発ぅぅぅぅぅ!! これは買わねばと思ったのですが、まず、テスターで試しに 「シュッ」 う・・・(x.x)くさい こんなの欲しかったのに香りがまるであの懐かしの鉛筆のにおい がっかりしていると、隣にまったく同じ色で同じ大きさの小瓶が・・・ 「シュッシュッ」 これはキモチイイ!!(^.^) 即、購入。 しかし帰宅してよく見ると ラ・・・ランジェリーミスト・・・ ま、まぁええや・・・めっちゃエエ匂いやし、落ち着く・・・(-.-) 今日も毎晩 枕に 「シュッシュッ」と2プッシュしてます。 快適です。 しかし、部屋においてあるのを見られたら 変な趣味の人と誤解されそう・・・ 次に買うの勇気がいるなぁ 他の品物に紛れ込ませてレジに並ぼう・・・ 通販という手も・・・ ・絶対に死ねない 私の友人、H氏の体験談です。 彼は若いころよりバイクが好きで、その日もバイト代を貯めて買った単車に乗っていました。 近所で買い物を済ませ、しばらくすると雨が降ってきました。 路面は滑りやすくなってきたため注意して走行していたのですが、 運転をあやまって転倒してしまいました。 大きな転倒をしてしまったため、体がバイクから投げ出され、 通行している車も停車して自分の様子を伺っているようでした。 本来なら無理をせず、助けを呼ぶか救急車を呼ぶかするのですが、 彼は渾身の力を振り絞り、バイクを引き起こし、 自宅に向かいました。 なぜそんな無理をしたか? それは近所で彼が買ったものが原因でした。 そう、彼は近所の書店でエロ本を買って帰宅する途中だったのです。 もし、救急車などのお世話になれば、近所でも硬派で有名な彼がエロ本を買っていることがばれてしまう。 帰宅後、ボロボロの服を見て親は「どうした?」とたずねましたが 「なんでもない」と言い2階に上がりました。 ・サンタクロースからの質問 お笑い芸人シャンプーハットてつじさんの子供のころの体験談です。 てつじ少年は翌週のクリスマスに向け、靴下をベッド脇に用意し、ほしいプレゼントを紙に書いて靴下にいれておきました。 内容はガンダムのプラモデル「ザグ」が欲しいと・・・ するとクリスマスの前日、「私はサンタクロースです」と、 てつじ少年に電話がかかってきました。 それは明らかに母親の声であったのですが、気づかぬ振りをしながら聞きました。 そのサンタクロースからの内容は 「君が欲しいと言うザクは赤色のザク かい?それとも緑色のザクかい?」 と聞いてきました。 もちろんてつじ少年はシャアの乗っているほうを希望しましたとさ。 ・あややん姫のお母上 あややん姫のお母上は大変天然な方 つい先日、孫悟空の如意棒(にょいぼう)のような1m20cmほどの棒を手に入れました。 これが大変お気に入りのようで、普段家の中で意味なく手にしている。 たとえば、庭先で飼っているゴールデンレッドリバー 夜 無駄吠えしてうるさいときは、窓を2センチほど開けて 隙間からその如意棒で犬を突付くと犬が大人しくなるというのだ。 「動物虐待では?」と思うのだが、かなり天然なお母上なので犬も仕方ないと 思っているだろう。 そんなある日、お母上が洗濯機を買い換えたというのだ。 ある日洗濯機が動かなくなったらしい。 そんなに旧式の洗濯機でもなく、買ってまだ数年しか経っていない。 原因を聞くと、洗濯物をつめすぎてしまったというのだ。 そこでお母上が手にしたのが、例の「如意棒」 その棒を洗濯機に突っ込んでみたら、なんと洗濯層に穴が開いたのだ。 洗濯機は棒を突っ込まれるようにはできていないので、穴が開くもの当たり前だ。 早速、メーカーに「動かなくなったので棒を突っ込んだら穴が開いたけど 修理してくれるか?」と電話したらしい。 お母上無敵(-_-) でも無理(あたりまえ)ということで新品購入。 一番の犠牲者はあややん姫のお父上だろう。 ・あややん姫のお母上2 あややん姫のお母上はケーブルテレビのショップchにご熱中されてます。 つい先日、あややん姫が実家に帰ると、高さ40cmほど奥行き20cmの グラミー賞のトロフィーか?と思うようなガラス製の置物があった。 部屋の入り口のあたりで怪しく青白い光をはなっている。 あややん姫がお母上の聞くと、 「この光が空気を綺麗にし、SARS鳥インフルエンザウイルスも 撃退するスグレ物でニューヨークの地下鉄にも採用されている 。なんといってもあのNASAで開発されたのよ!!」との事 NASAねぇ・・・ (笑) ・あややん姫のお母上2 続編 そのNASAで開発された優れもののガラス製の置物(空気清浄機) 今日お宅にお伺いすると置いてない。 さすがに我に戻ったか気がついたか、やっと撤去したのかと思い、その話題に触れずにいると あややん姫のお母上より、「何か無くなったと思わない?」と聞いてきた おいらはわざと気がつかない振りをしていると、 「あのSARSにも効果のある置物、不良品で発火事故が起こったみたいで回収になったの」 「お金も全額返ってきたわ」とルンルン その代わりにシャープ製の最新型の空気加湿清浄機が備えられていた。 強運である。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nafutaren/pages/3.html
カウンター 今日 - 人 昨日 - 人 合計 - 人 現在-人が閲覧中。 更新履歴 取得中です。
https://w.atwiki.jp/zpng/pages/18.html
DB2 Express-Cライセンスに関してhttp //www.ibm.com/developerworks/jp/offers/db2express-c/faq.html DB2 Express-C制限DB2が実施に利用する最大CPUコア数 2個 DB2が実際に利用する最大メモリ 2G 他の制限はなし
https://w.atwiki.jp/mikannbati/pages/8.html
動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。
https://w.atwiki.jp/epicofbattleroyale/pages/409.html
そして夜は明け、世界は蝙蝠ではなく鳥が空を支配する時間を向かえた。 窓から差す光が立香に対し〝目覚めよ〟と声をかける。 果たして立香はゆっくりと瞼を開き、借りていたベッドの上で上半身を起こした。 「おぉ、マスター。おはよう。夢見はよかったかい?」 「ん? あ、おう……って、あれ? ケツァ姉は?」 「俺の代わりに屋根の上。今は姐さんが物見役だ」 「なるほど。交代してたわけね、納得納得」 窓のすぐそばで椅子に座っていた燕青と軽く会話をし、ベッドから降りる。 すると燕青は「姐さん、起きたぜー」と外へと声をかけると、 「朝餉、作ってやろうか」 立香と同じタイミングで立ち上がりながら、こんなことを言ってくれた。 「嬉しいけど、作れんの? 中華のメシの材料とか絶対ないぞ、ここ」 「どうにかするさ。さぁてと、エプロン借りてこねぇとな」 「この状況下で男の裸エプロンとか、どういう層に響くんだ」 「下半身は穿いてるから厳密には違いますぅ」 「そうスか。っと、んじゃ……おーい、ダ・ヴィンチちゃーん?」 キッチンへと向かっていく燕青の背を眺めながら、カルデアへの通信を開いた。 声はすぐさま聞き届けられたらしく、ダ・ヴィンチが『はいはーい。ちゃんと皆いるよ』とすかさず応える。 続けて「ちゃんとマシュ達も寝たんだろうな?」と訊ねると、今度はマシュが『ええ。交代制でしっかりと』と言った。 声色もしっかりしている。言葉に嘘はないだろう。安心した立香は「ならよろしい」と呟いた。 「マスター、よく眠れたみたいね。よかったわ」 そんな彼に話しかけてきたのは、窓から部屋の中へと入り込んできたケツァル・コアトルである。 どうやら屋根からそのまま地に着かず、アスレチックを踏破するかのようにやってきたようだ。 ルチャリブレって凄い。立香はそう思った。 「見張りお疲れ様。ありがとな」 「カルデアの皆も力を貸してくれたから大したことありまセーン! それよりも、燕青は?」 「メシ作ってくれてる。まぁどうにかするとは言ってたけど、材料とか考えると本当に大丈夫かねぇ?」 「確かに少し不安だけれど、彼ならなんとか出来るでしょう。ひとまず朝食が終わるまで、外への警戒は続けておくわ」 「助かる。じゃあ一緒に待ってようぜ」 キッチンから微かに聞こえてくる、包丁とまな板が触れ合う音。 一定のリズムを刻むそれをバックに、立香はその場で大きく伸びをするのであった。 ◇ ◇ ◇ 結果から述べると、朝食に関しては完全に杞憂であった。 何をどうやったか知らないが、燕青は南米で取れる素材でもって見事に中華料理もどきを作り上げたのだ。 おかげで心なしかスタミナを強化された様に感じ、若干の心強さを覚えている。 プラシーボ効果であるのは理解しているが、食事という行為の大事さがよく身に染みる朝ご飯であった。 「広々とした場所で真っ向勝負を挑むのはさすがに無謀すぎる……ってのは〝あちらさん〟も考えてるみたいだな、ケツァ姉」 「そのようね。マシュ、そちらでもまだ敵は観測されていないのよね?」 『はい。サーヴァント反応はおろか、ホムンクルスも捕らえていません』 『君達の旅路はとても順調だ。怖いくらいに、ね』 「おい姐さん、俺も気を張っちゃいるが、そっちも頼んだぞ。敵が視認出来ないからと油断はしないでくれ。無頼漢との約束だ」 ちなみに、朝食を終えた立香達はすぐに車へと搭乗すると南下を再開。 死角からの奇襲を防ぐためにと、なるべく周りを見渡しやすい道を選んで進むことにした。 そして数時間経った今……出発時の判断が功を奏したのか、彼らは何者かからの襲撃を受けることもなく、極めて穏やかな旅を続けられている。 ダ・ヴィンチの言う通り、怖いくらい順調にだ。 「……マスター」 「ああ」 そんな中、運転席と助手席に座る二人――おそらくは荷台に座す燕青もそうだろう――は、あることに気付く。 視界に広がる景色の中に、ぽつりぽつりと建物が混じりだしたのだ。 そしてある地点を越えたのを境にその数は一気に増加し、それら自体の豪華さや大きさもパワーアップしていく。 間違いない。再び、幾多の建築物が入り組む街へと入り込んだのだ。 青空の面積が、背の高いビルなどによって狭められていく。 『なるほど、ボゴタに入ったか』 「街の名前か?」 『ああ。コロンビアの首都さ。かなりの規模を誇るから……我々も敵方もお互いに〝かくれんぼ〟をやりやすい』 「よりによって首都とはな……」 助手席で、立香は頭を抱えた。 昨日は、基本的に遮蔽物の数に困らない場所で襲われるパターンがほとんどだった。 故に立香達は後手に回らないようにと、広々とした場所を進んでいたのだが、よりによって首都に入り込んでしまうとは。 完全に不覚を取ってしまった。なるべくなら、すぐさま離れて別のルートを探したいところである。 「やめとこう。別のルートを……」 「ええ、そうしたいところだけれど……」 「どうした?」 「もう燃料が残り僅かよ。リスクを承知で補充しないと、確実に止まるわね」 「……マジか」 しかしタイミングの悪いことに、車が〝そろそろメシをくれ〟と言い出してきた。 無理もない。延々と前に前に走るだけではなく、サーヴァントから逃亡するためにも使わせてもらっているのだ。 相当な無理を強いている今、このまま燃料を手に入れなければろくでもない場所で立ち往生をする羽目になるのは明白だろう。 『ならば急いでガソリンスタンドを捜索し、燃料を補給。その後すぐに街から離脱しよう』 そうなると、ダ・ヴィンチの提案に乗るのが最もベストだ。 ケツァル・コアトルは「ええ」と短く返事をすると、周囲の看板などへと視線を向けながらハンドルを動かす。 果たして無事にガソリンスタンドへと辿り着いたのは、十五分ほど時間が経過してからのことであった。 立香はほっと胸を撫で下ろした……のだが、ここで問題が発生する。 「ちょっと待ったケツァ姉。これ、代金払えなくね?」 「あっ」 『あっ』 そう。支払うお金がないのである。 胸を撫で下ろしたその手で髪を掻きながら、立香は「しまったー……」と呟く。 欲しいものは目の前にあるのに手が届かない。 どうするべきか。一体どうしたら、この問題は解決されるのだろうか。 「よしきた」 などと悩んでいたら、燕青の声に被さるように轟音が鳴り響いた。 例えるなら、鋼鉄製の物体に勢い余った何かが衝突したかのような音だった。 まさか、と立香は視線を向ける。 「マスター、姐さん、これでいいかい?」 見れば燕青の片足が、背の高い機械へとめり込んでいる。 雑にも程がある荒唐無稽な例え話は正しかったのだ。 「燕青……お前、もうちょっと躊躇するとか、そういうのないわけ?」 「おいおいマスター、背に腹は代えられねぇだろぉ?」 乾いた笑みを浮かべるしかない立香の目に映るのは、破損した機械からあふれ出るお金、お金、お金。 お釣りの取り出し口から金の雨が降っている。 「大体、さっさと街から離脱しようってのはそっちが言い出したんだ。なら、一番手っ取り早い策を取るまでさ。だろう?」 「これまで寝ずに策を考えてきたであろう歴史上の参謀達に謝ろう。な?」 『マシュ、真似はするなよ。あれは悪い大人だ』 『しようと思っても出来ませんよ。少なくとも、今の私では……』 だがこのまま手をこまねいている暇がないのは事実。ないものはないと素直に受け入れ、急ぎでの現地調達を尊ぶべきだ。 燕青とて、楽しいから荒い手口に走っているわけではないのだ。決してそこははき違えてはならない。 彼は自分達のために汚れ仕事を一手に引き受けてくれた。ならばもう、ぼさっとしている暇などあるものか。 立香は「まぁ俺もカルデア施設から〝善性・中立です〟って言われて〝本当にぃ?〟って思ったしな……」と言い、金をかき集めた。 そして額も気にせず別の機械へと入れまくる。コロンビア・ペソの相場など、今この瞬間だけはどうでもいい。 とにかく急いで給油し、離脱する。今はそのことだけを考えていればいいのだ。 立香は「こんだけ払えば充分だろ!」と叫び、いつかに母国日本で見た店員の動きを真似て給油を始めた。 ぎこちない動きだが、別に文句を言われる筋合いはない。何せこちとら初心者なのだから。 「マスター、何かあったらすぐ荷台に載せてやる。だから落ち着け」 「……サンキュな」 背後に立ってくれた燕青に礼を言いながら、ガソリンをタンクへと流し続ける。 視界の端に映る高身長の建物から今にも敵が飛び出して来やしないかと、尋常ではないほどの不安に襲われながら作業を続ける。 まだか、まだか、まだか。気付けば延々と心の中で問いかけ続けていた。 「やったわマスター、満タンよ! ありがとう!」 「おっしゃ! 燕青、乗るぞ」 「あいよ!」 やがて、任務は無事に完了した。 タンクの蓋を閉めた立香は、燕青が荷台へと飛び乗る姿を目で追いながら助手席へと座る。 食事を終えられた車は実にゴキゲンらしく、ケツァル・コアトルがアクセルを踏むと勢いよく前へと走り出した。 これで首都という名のゴーストタウンとはおさらば。後はすぐさまかくれんぼに相応しくない場所へと移動するだけである。 急がば回れ。目指すは南に進めば出会うことになるであろう黒幕だ。 『……まずい! 皆、敵性反応だ!』 「なんですって!?」 だが、そうは問屋が卸さない。 「おい、姐さん! Uターンだ! 轢き殺せ!」 荷台で叫ぶ燕青の声に驚いてバックミラーを覗くと、遠く真後ろの小道から派手な色の煙が天へと伸びていた。 それを見るのは昨日以来となる。そう、ホムンクルス達の標準装備が一つ〝信号銃〟から放たれた発煙弾だ! だがケツァル・コアトルは「もう遅いわ! あれを撃たれたもの!」と言い、勢いよくハンドルを切る。 向かった先は大通り。荷台からは「なるほど、狭い道に向かうよりは遥かにお利口な手だ!」という賞賛が聞こえた。 目を細めて助手席から外を眺める立香は「なるほど。いっそ見晴らしがいい方が戦いやすいし、何より逃げやすいってか」と呟く。 だがその一方でダ・ヴィンチは『確かに袋小路になるよりはマシだが、これはこれで離脱が難しくなったぞ』と、確かな問題点を指摘。 マシュは『囲い込むように接近されてはいますが、どこかに穴はあるはず……!』と、眉間に皺を寄せていた。 各々が思い思いの言葉を放つ中、立香は思考を研ぎ澄ます。結果、彼はケツァル・コアトルに停止を促した。 「こうなったもんは仕方がない。まだ見られてない内に車を隠して、迎え撃ってくれ。つらいだろうけども……」 「……解ったわ。なら、今すぐにっ!」 既に様々な自動車が並んでいる駐車場へと突っ込んだケツァル・コアトルは、激しいドリフトをかまして停止する。 ケツを振らせて停止するなどという荒い方法をとったにも関わらず、駐車スペースを示す線から全くはみ出していなかった。 さすがはEXランクの騎乗スキル持ちだ。計測不能は伊達ではない。 「燕青、いけるか?」 「俺を誰だと思ってる?」 「愚問だったな」 また新たに放たれ、花火よろしく上へ上へと登っていく発煙弾。 それらを眺めながら、燕青とケツァル・コアトルは構えた。 未だ敵の姿は肉眼では確認出来ない。ならば自然と後の先をとらざるをえなくなる。 まだか。まだか。まだか。まだか。まだ、来ないのか。 数の上ではそちらが有利だろう。昨日の様に攻めては来ないのか。怖じ気づいたか。 まだか。まだか。まだか。まだか。いつになったら来てくれるんだ。 反芻するように、立香は心中で繰り返す。 「……?」 だが、ホムンクルス達はいつまで経っても顔を見せなかった。 訪れているのは、静寂のみだ。 不気味に過ぎる。まさか謀られたか。嫌な予感を覚えた。 『サーヴァント反応だ! 例の如く高速で接近している!』 そして予感は的中する。なんとダ・ヴィンチが最悪の事態を知らせてきたのだ。 この報告に、立香は「やられた!」と声を張り上げる。 「くそっ! あいつら! 今度は〝敢えて出てこない〟ことで俺らを釘付けにしやがった!」 「私達が待ちに徹するのを踏んだというの!? なんて滅茶苦茶なやり口……!」 「上屋抽梯……いや、少し違うか? ともかく、今回は全員揃って覚悟を決めたのが裏目に出たな。 さてマスター、どうする? 周りを囲まれ、更には向かってくるサーヴァントを感知した以上は……」 「ああ、逃げる時間なんてないだろうな。ぶつかるしかない!」 苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる立香は、そのまま通信へと移行した。 無論、受けられるだけのサポートを全て受けようという考えだ。 この状況下で詳しい情報を受け取り損ねれば、確実に死が待っている。 あらゆる特異点で窮地に陥ったからこそ得られた確証だ。 「ダ・ヴィンチちゃん! 向かってきてるサーヴァントは何騎だ!?」 『反応は二騎分! だがいないとも言い切れないアサシンを感知出来ていない可能性もある! 一体どうやって注意しろと、という話だが気をつけてくれ! 無論、こちらも注視は続ける!』 「方角は!?」 『今の君の向きを基準とするなら、二時の方向だ!』 ダ・ヴィンチの答えに反応し、立香達は一斉に身体の向きを変える。 すると然程の間も置かず、聞いたとおりの方角からサーヴァントが現れ、名乗ることもなく武器を振りかぶって突貫してきた。 「うへぇ、剣呑剣呑」 「情け無用とはこのことね」 容赦無しの奇襲ではあったが、前もって情報を得ていたおかげで被害はない。 燕青は群青色の手甲で、ケツァル・コアトルは自慢のマカナで攻撃を受け止めていた。 相手も各々〝失敗した〟と素直に認めたのだろう。二人は仲良く揃って宙を舞い、大きく距離をとった。 対するケツァル・コアトル達は一歩も退かない。てこでも動かない、とでも言わんばかりだ。 「なるほど。彼が貴方方を虎と呼ぶ理由がよく解りました」 まずは燕青に対して白銀の剣を振るった青年が口を開く。 日の光を受けて美しく輝く白銀の鎧を纏った彼は、実に顔が整っていた。眉目秀麗という四字熟語がすぐに頭をかすめてゆく。 鼻は高く掘りも深いが、さりとて人を選ぶような濃さはない。むしろ大人びた雰囲気に包まれながら、無垢な少年に似た何かを感じさせる。 ルックスでは燕青と互角か。しかし立ち居振る舞いを見る限り、同じ美形でも燕青とは違うベクトルの魅力を持っているのは明白であった。 背負っていた盾を構え、上品な立ち姿を晒すその姿……まさに絵に描いたような騎士様である。 いや、人によっては〝王子様〟と呼ぶかもしれない。どちらにしろ、育ちは良さそうだ。 「ええ。受けて立つという姿勢から、芯の強さを感じる……残念だけど、きっと一筋縄ではいかないわ」 続いて今度は、純白の薙刀でケツァル・コアトルに挑んだ少女が言葉を紡ぐ。 みどりの黒髪を首の中程で切り揃え、長い袖が特徴的な袴着の上から細身の鎧を着用している彼女もまた美しかった。 だが、何となく幸が薄そうだ。黒目がちの大きな瞳が自信なさげに伏せられているからか。またはその小さな口から溜息が零れたせいか。 纏う袴着の上は彼女の得物のように白く、下は淡い水の色……この全体的な色味の薄さも、儚い印象を与える手伝いをしている様に思えた。 長い袖の先端部分に黒のグラデーション加工が施されているのは少し変わっているが、鎧の存在感に比べれば大しておかしくはないだろう。 男の方が騎士か王子ならば、こちらは――歪な例えだが――戦うお姫様とでも形容しようか。どうも今回のコンビは育ちが良さそうに見える。 別に、セイバーやアヴェンジャーを貶めているわけではないのだが。 「しっかし……大したお出迎えだな、美形騎士様。どうやらアンタにも俺達とマスターの話は伝わってると見たが?」 「ええ、しっかりと。その上で、今回は我々に白羽の矢が立ったわけです」 「だからこうして奇を衒えたのね。その意地の悪さ、お姉さんはあまり好きじゃありません」 「わたしだって、好きで意地悪したいわけじゃないわ……必要ならそうしなきゃだから……ただ、それだけ」 剣先同士をちくちくとぶつけ合うような、腹の探り合いにも似た会話が交わされる。 そうしている内に、毎度お馴染みとなった〝マスター役〟のホムンクルス達が、彼らの後ろからやってきた。 相変わらず、サーヴァント一騎につき幼い男女二人組で構成されている。そんなにこだわるかよ、と立香は苦笑いを浮かべた。 だがそのマスター役が、合計六画もの令呪を使用可能である……という情報を思い出したので、笑みはすぐに消えた。 へらへらと笑っている場合ではない。そうやって怯えなどを振り払うフェイズは、とうの昔に終わっているのだから。 「……頼んだぞ、ケツァ姉、燕青」 令呪が刻まれた手をぐっと強く握り、敵を睨み付けながら呟く。 その直後に、青空の下で英霊四騎が再び激突した。 BACK TOP NEXT 第8節:月の繭 南米瞋恚大戦 ダス・ドゥリッテス・ライヒ 第10節:ターミネーター
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/297.html
皆川亮二作品とのウソ予告とか。 たまたま旅行でとある山村を訪れた当麻たち。 その村ではここしばらく深刻な猿害に悩まされているという。 そんな話を聞くでもなしに聞いていたその矢先に突如出現する猿の群れ。 「な……なによあれ!猿が梨を収穫してるわよ?!」 そして登場する猿の長。 「……ねー、とうまとうま。日本の猿ってあんなに大きいの?」 「いや……あれは……サル……かぁ……?なあ美琴、お前はどう思うよ」 「……私に振らないでよ……何なのよアレ?」 人知を超えた恐怖に戦慄するとーまたち!幻想殺しvs完全武装の勝負やいかに?!