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「なあ夜月、わっふるわっふるってどういう意味か知ってるか?」 「お、お兄ちゃんパソコンで何を見てるのかな…?」 「ブログのタイトルっぽく名前を編集した夜月のお気に入りBL掲示板はは今は見てないよ」 「!? 勝手にお気に入りは見ないでって言ったのに! 馬鹿っ」 「悪い悪い、夜月が昨日ネット見た時の履歴は消しておいたから」 「ああっ! うううぅー…」 「で、わっふるってケーキのことじゃあないよな。 僕、掲示板ってあんまり使ったことないから分からない用語が多いんだよね」 「えとえと、わっふるわっふるっていうのは「続きを期待する」みたいな意味のことばだよ。 続きが気になる文章を書いて、「全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください」ってするのが流行ったことがあるみたい」 「ふうん、詳しいな。つまり今僕は続きを書くことを要請されてるわけだ。 802なんか僕より会話の雰囲気作りがうまそうだから自分で書けばいいのに。」 というか、化物語は図書館で借りただけだから原作の雰囲気とか忘れかかってるんだよな、僕。 手元に無い本のSSを気まぐれで投下なんてするんじゃなかったかな。 正直クビシメロマンチストあたりのほうが好きだし。 「お兄ちゃん、こんな時間からエロパロ板に書き込んでたんだ……」 「いつ見たって僕の勝手だ。というか夜月エロパロ板知ってたんだな。 ところで夜月、提案があるんだが、続きを書く参考にするために、服を脱いでくれないか?」 「え?えとえと」 夜月が動揺している間に、すばやく背後に回って抱きしめ、座らせる。 「もう、お兄ちゃっ、にゃ!」 そのまま体を撫でる。昔通りに後から抱きしめたのは、 こっちのほうが体を密着させたままあちこちを触りやすいと思うからだ。 というのはもしかすると言い訳で、未だこういった行為に対する 恥ずかしさが残っているというだけのことなのかもしれない。 「んんー、あ、にゃう!お兄、やみゃ!」 夜月の反応のいい所は既に把握していた。耳たぶ、うなじ、あばらの下、脇腹、などなど。 座っているため脚の付け根の裏側を触れないのが残念だ。 ひとしきり服の上から弱点をチェックした後、肌を直接触ろうと、服の中に手を、 「お兄ちゃん、やめ、お兄、お兄ちゃんってば!」 するりと、腕の中から夜月に逃げられてしまった。 そういえば今日は夜月の意思を確認していなかった。 普段は言葉責めがてら、確認してから行為に挑むのだが。 「う、ううー」 唸りながらこちらを睨みつけてくる。少々機嫌を害してしまったらしい。 「ごめんごめん、夜月が体触ってほしそうな顔してたから」 「そんな顔してないもん!」 「阿良々木くんと神原になりきって色々してみたそうな顔してたから」 「そ、そんな具体的な顔してないよー」 「したくない?」 「も、もう……」 「したくないなら仕方ない、僕は掲示板巡りに戻るかな」 ここら辺で一歩引いてみる。これで夜月のほうから来なかったら今日は諦めよう。 「あ、えと、お兄ちゃん」 「何?」 「夜月の、体、さ、触ってほしいかなー」 やはり自分から言うのは恥ずかしいのだろう、顔を真っ赤にしている。 「触るだけ?」 「え、えとえと……さわるだけ!」 む、神原×阿良々木なりきりプレイはおあずけか。 そんなにやりたかったわけでもないけど。 「よし、よく言えました」 僕は今度はゆっくり夜月に近づいて、そっと抱きしめてやる。 さきほどがっついてしまった分優しくしようと、まずは頭を撫でてみる。 「えへへー。お兄ちゃんに頭撫でられるの、好き」 夜月は幸せそうにはにかんだ。もうすっかり機嫌は直ったらしい。 夜月が幸せなら僕も幸せだ。こんな時間がずっと続けばいいのにな、と思った。 「こんな時間がずっと続けばいいのにな」 口に出して言ってみる。 「? うん、夜月も嬉しいかなー」 夜月の同意も得られた。これは兄としてなるべく実現させねばならないだろう。 頭を撫でる。 「えへへー」 頭を撫でる。撫でる。 「……」 撫でる。撫でる。撫でる。撫でる。 「え、えーと、お兄ちゃん」 「何?夜月」 「か、体も、触ってほしいかなー」 そういえばそういうお願いだった。忘れてなかったけど。 「体の、どこを触ってほしい?」 「え、うー、 ―――――!!」 どこをイメージしたのだろう、頭をぶんぶんと振り始めた。 夜月の髪が鼻をくすぐる。 「どこ?」 「あ、えと、えと、お兄ちゃんの好きなところ、触っていいよ」 さすがに、触ってくださいと言うのは抵抗があったのだろうか。 まあ、そこまで言わせないでもいいか。 僕は先ほどと同じところを、先ほどよりずっと優しく撫でた。 「あ、うん、ん、……」 夜月はすっかり力を抜いてこちらにもたれかかっている。 やはり、こういった行為には思いやりが必要だ。 数分前の僕にはそれが欠けていた。 あんな奴は自慰行為だけしていればいいのだ。 そんなことを考えつつ、恐る恐る服に手を挿しこんでゆく。 「んっ!」 夜月は一瞬身を強張らせたが、抵抗はしなかった。 そのまま手を上へと進め、ブラジャーに触れるところまで腕を挿し入れた。 「お、お兄ちゃん」 「僕の、好きなところを、触っていいんだよな?」 ゆっくりと確認の言葉を言う。 「う、うん、お兄ちゃんが触りたいなら、いいよ」 僕はブラジャーのホックをはずし、隙間から手を入れた。 戻る
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「おい阿良々木、これをくれてやろう」 「…………正直予想していた。が、やっぱりねえなと思っていたのに! 間違いなくお前とは友達でも何でもねぇぞ貝木!」 「何を言っている? 俺が一銭にもならないのにお前にチョコレートを渡すと思うのか?」 「逆に訊きたいが、お前が僕にチョコレートを渡すことによって何かが発生するのか? 二度と会わないとか言ってたくせに」 「発生するもの? それは決まっているだろう、愛だ」 「え、あ、ああ?」 「何度も言わすな。俺はできればお前と仲良くしたいと思ってだな」 「お、おい、何故にじり寄る? 息を荒げるな!」 「あ、阿良々木、俺はもう…………」 「アッー!」 「なんてことにならないよう私が今からあなたを保護します。あの男に会わせるわけにはいかないからね」 「ないから! 絶対ないから! だからこの手錠を外せ!」 「今日明日の辛抱よ。そうそう、私のチョコももちろん用意してあるから楽しみにしててね♪」 「♪をつけられてもちっとも喜べないよガハラさん……」
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『いい、受験勉強で徹夜はなるべく避けること。生活サイクルが崩れる上に【自分は頑張った】と思い込みがちになるから』 以前羽川にそう注意されたことがある。 確かにそれはそうだと思ったものだが、過ぎていく時間に気づかずに徹夜してしまった場合はどうなのだろう? 「ていうかあまり眠くならないんだよな……」 かつてであり出来損ないとは言え、さすがは吸血鬼の肉体だ。 とは言えそろそろ休んだ方がいいかもしれないな。 僕はそう思ってベッドに潜り込んだ。 ……寝苦しい。 寝ている間に何か違和感を感じたのは気のせいではなかったのか。 だんだん意識がはっきりしてきた。 「…………?」 身体が妙に重い。 まるで重し蟹が取り付いたかのごとく。 「……忍、重いからどいて」 僕は布団をめくりながら叫ぶ。 案の定ワンピース姿の忍が僕の上にのしかかって眠っていた。 「ん……」 もぞもぞと身体を動かし、顔を上げる。 「おはようじゃ、お前様よ」 「おはよう、とりあえず状況説明よろしく」 「説明と言われてもな」 忍が頭を掻きながら上半身を起こし、僕はようやく息苦しさから解放された。 いや、別にそこまで忍は重くないんだけど気分の問題で。 「特に話すことなどないぞ、ただ儂も寝ていただけじゃし」 「なんで僕の上で寝るのかって聞いてるんだが」 「まあよいではないか、減るものでもなかろう」 そりゃ減るものはないけどさ。 「それにお前様も悪い気はしてないはずじゃ。ここがこんなになっておるしの」 そう言って忍はぐりぐりと股間を僕の下腹部に押し付けてくる。 その感覚で気付いたが、いつの間にか僕は下着を脱がされていた。 「大きくなってるのはただの寝起きの生理現象だよ、それより早くどいて欲しいんだが」 僕がそう言うと忍がちょっとむくれた顔をする。 そのまま腰をくいくいと振って僕のモノを股で擦った。 まるで騎乗位のようだ。 「んっ……な、何を?」 「聞き捨てならんな、まるで儂の身体が気持ちよくないみたいなことを言いおって」 「そんな凹凸のない体型で何を言ってるんだか」 「ふん、やせ我慢してもますます大きくなってるのはごまかせんぞ」 忍はひょいとワンピースの裾を持ち上げて下半身を見せつけた。 飾り気のない真っ白な下着が僕の肉棒に押し当てられている。 その光景に興奮してしまった僕は危機感を覚えた。 このままだと忍のペースにのせられる! 僕は忍の動きを抑えようと手を伸ばす。 が、両腕とも忍に手首を掴まれて阻まれる。 ワンピースは裾を口にくわえ、お腹や胸元まで晒していた。 服は自分の意志で消せるのにわざわざそんなポーズをしているのが凄くエロチックだ。 くすくすと忍は声を出さずに笑い、腰をぐりぐりと動かす。 「ん……くっ」 布地の擦れる感触が気持ちいい。 と、突然ヌルッとした感覚が走った。 確認すると下着だけ消したらしく、忍の小さい性器が変わりに押し当てられている。 そこから溢れ出る愛液が二人の性器を濡らしていた。 ぐちゅぐちゅと音を立てながら擦られ、僕は思わず歯を食いしばる。 忍も心なしか息が荒くなっているようだ。 身体の角度を変え、敏感な陰核を擦り付けてきた。 それが僕の気持ちいいところを刺激し、射精感が高まっていく。 …………ひょっとしてこのまま出したら僕の顔とかにかかってしまうのではないだろうか? 「忍、あのさ……」 そこで僕は見た。 忍が邪悪そうに楽しそうに笑っているのを。 明らかに忍はわかってやっているのだ。 「くっ……」 なんとかはねのけようと身体を揺らすが、びくともしない。 軽い身体のはずなのに万力で押さえられているかのようだ。 相変わらず両腕もがっちりと固定されている。 それでいながら性器の箇所だけは擦り続けていた。 「ぐ……う」 迫り来る射精を堪えようと僕は唇を噛む。 だけど柔肉の感触にいつまでも抵抗できるものでもなく、僕の感覚はどんどん高まっていった。 それを察したのか忍は腰の動きを速める。 「ん……く……う……あっ!」 もう限界だ、と思ったとき、忍はくわえていたワンピースの裾を離した。 二人の下半身が覆われた瞬間。 びゅるっ! びゅっびゅっ! 「あっ! ああっ! うあっ!」 僕は射精した。 どくんどくんと噴射される精液がワンピースの裏地を汚す。 「あっ……あ……あ……っ」 僕は腰を揺すって溜まっていたものをすべて吐き出した。 やがて全身の力が抜けると、両腕を解放した忍がにやにやしながら訊いてくる。 「どうじゃ、上に乗られるのも悪い気はしなかろう?」 僕は何も答えない。 だけど忍はにやにや笑いを崩さず、ワンピースの裏地や僕の腹に飛び散った精液を指で掬い取り始める。 それらを全部口に含んで飲み干すと、再び僕の身体に倒れ込んでのしかかった。 何かと思ったらすぐに寝息が聞こえてくる。 …………まあ、たまにはこういうのもいいか。 僕は忍を起こさぬようそっと抱きしめた。 戻る
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正直に言えばこの話をするのはあまり気の進むことではない。 誰にだって語りたくない話の一つや二つはあるものであって、 数百年を生きてきた伝説の吸血鬼には及ぶべくもないたかが十と八年余りの人生を生きてきただけに過ぎない若造の僕にしたところで、 もちろんそうだ。 春休み。 GW。 だが阿良々木暦、つまり僕の人生はこの二つの要素のみで構成されてきたわけではない。 大きな転換点となった狂気の到達点でこそあるものの、 しかしそうはいっても合計で一ヶ月にも満たない以上、結局のところ点に過ぎないのであって、 それらだけでは線にはなりえない。 所詮はきっと、幕間劇なのである。 もちろんこんなのはただの強がりであり虚勢に過ぎないのだけれど、 それが事実なのだと思う。 僕が僕であったのは、僕になったのは、高校生になってからではなく、まして戦場ヶ原に出会ってからでもない。 羽川に出会ってから変わったのは事実だが、言うなればそれはベクトルの種類が変わっただけで方向性は、きっと根本のところで変わっていないのだろう。 前置きが長くなってしまった。 これは語りたくない物語の一つだ。 語られるべきでもない物語だ。 猫に魅いられた聖女も、蟹に行き逢った彼女も、牛に迷った幼女も、猿に願った淑女も、そして何より、鬼である美女すらも、登場しない物語だ。 主役は、僕であり、僕でしかない。 自分が愚かであることにすら気付かなかった、かつての僕の物語。 傷物になる前の、化物となる前の、偽物ではなく本物であると信じて疑わなかった頃の、 しかしそれ故に刀剣のような鋭さを有していた頃の阿良々木暦の物語である。 そしてまた端的に言うならば、――そう、 僕が何故、友達を作れないと自覚したのかを明らかにする物語である。 むろん。 人間強度が下がるから。 春休みにそんな台詞を口にするまでは、言葉にすることさえ出来ない自覚ではあったのだけれど。 『業物語~こよみメモリー~』 戻る
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二人の舌が亀頭をぺろぺろと舐め続ける。 「くちゅっ、んっ、んっ、んぅ」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 火憐は伸ばした舌を擦り付け、月火はキスをしながら舌をチロリとくっつける。 熱でぼおっとしてる頭とは裏腹に柔い舌の刺激は鮮烈にモノをそそり立たせた。 「うぁぁ……はぁぁあぁ」 「ぴちゃ、じゅるっ、れろっ、はぁっ」 「じゅるるっ、ちゅぅっ、ぴちゃ」 舐めて吸い付かれ僕のモノを奪い合うかのように味わう妹らの秘裂からじんわりと蜜が垂れる。 だるい腕を動かしてほとんど毛の生えていないそこをなぞると二重の悲鳴が響いた。 「んあっ!?」 「ひゃぅっ!?」 二人は真っ赤な顔を向けて怒鳴る。 「兄ちゃんがしたら意味ないだろ!」 「いいからお兄ちゃんは寝てるの!」 うう、看病という名目で寝てるのを邪魔したのはお前らだろうがなんてつっこみをするガッツすら足りない。 おとなしくなった僕を尻目に火憐は根元を唇ではむっと咥えて舐め上げた。 月火は逆に反対側の先端を咥えて舐め下げる。 「うあぁっ!」 半分を火憐が舐め上げて反対を月火が舐め下がる。 息のあったコンビネーションで往復する二人のフェラチオは異常なほど気持ちがいい! 「ちゅ……はむ、はむ、じゅるっ、ぴちゃっ!れろっ、ちゅるっ!」 「ちゅ……んっ、はぁ……くちゅちゅっ、じゅじゅる!ちゅぷりっ!」 股間の上で妹二人の頭が規則正しく上下に動いている。 僕の腹に両胸が纏わりつき興奮でしこった乳首がくすぐったい。 上下の動きに合わせて眼前で二つのお尻がふりふりと揺れている。 粘膜じゃないからいいかなと、お尻を両手で触るとぷにっとした手応えだ。 なんでこんなに柔らかいのかと握ると妹らは一瞬快感に身悶えた。 「んぅ……」 「あっ……」 動きが乱れるがすぐにフェラチオが続けられた。 どうやらお咎めはないようだ。安心して両手でお尻を撫で回す。 火憐ちゃんのほうは鍛えて引き締まった肉の内に隠しきれない柔らかさが心地いい反発で僕の指を押し返す。 月火ちゃんのほうは思ったよりも女らしく丸みを持った曲線が柔らかくて沈んだ指が吸い付くようだ。 「くちゅっ、んぁ、んっ、じゅぷ……あぁ、んっ」 「ぴちゃ……ぐじゅっ、やぁ……んぅ、ちゅぶぶっ」 声色にわずかな甘さが混じってきた。 それでも奉仕は激しさを増すばかりでおっきい妹とちっさい妹の唇と舌に サンドイッチされたモノは狂おしいほどの快感を伝えてくる。 「ぁぁぁああ、はぁ、火憐ちゃん……月火ちゃん……」 僕の呻きに合わせたかのように二人は体勢を変え両手を組み合わせながら亀頭をキスするように咥えた。 いや、これは僕にではなく火憐と月火がキスをしているのか? 「「ちゅっ……ちゅっ……んぅ」」 二人の唇と咥内に亀頭が挟みこまれ飲み込まれている。 ディープキスをするように舌が絡み合う。 その奔流に巻き込まれて、裏筋も尿道も亀頭全てが融けてしまいそうだ。 「「ぐちゅっ!びちゃりっ!ぐじゅじゅっ!んっ!ちゅうっっっっっっ!」」 丹念に舐め上げられとどめとばかりに急激に吸い込まれ強制的に射精を要求される。 その衝撃に耐え切れない僕はあっけなく二人の唇の間へ欲望を解き放った。 「うあぁあぁっぁぁっっっっっ!」 「「んっ、んぅ、ぴちゃっ、こく、んぅ」」 何度も精液が迸り柔い唇を叩き続ける。 ディープキスをしたままの二人は零れ落ちないよう唇を絞めて舌で精液をすくって嚥下し続けた。 最後の一滴まで吸い付くとちゅぽっと音を立てて唇が遠ざかる。 「もう風邪移ったかな?」 「きっと半分ぐらい移ったよ!」 半分ってなんだよ。そんな一気に風邪移るかよ。 「じゃあもう半分やろうぜ。月火ちゃんは上半身と下半身の粘膜どっちがいいと思う?」 「どっちも!」 妹二人が僕の身体で大岡裁きをしそうで怖い。 っていうか裸のままでちょっと寒いんだけれど。 「「じゃんけーん!」」 「ぱー!」 「ぐー!」 「勝ったぜ!じゃ、あたしから選ぶぞ!」 「うー、負けた!」 なんでこいつらこんなテンション高いの?そろそろ寒くてだるくて苦しいんだが。 「じゃああたしはどっちも!」 「わたしもどっちも!」 そういって寝てる僕の両足に妹らが脚を絡ませて二人のきわどい部分が僕の真ん中に。 頭に火憐が頬擦りして、胸に月火が抱きつく。 なんのためじゃんけんしたんだよ。おまえら 戻る
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「――――で、タンショーな荒々木さん」 「荒い荒いってどんな呪いの木だ。それ以前にタンショーってなんだよタンショーって」 「失礼、噛みま……痛い…………」 「……まったく」 八九寺と話すのは楽で良いけど、たまに訳がわからなくなるしね。会話は続くけど。 「で、何と言おうとしたんだよ」 「単純な阿良々木さんと言おうとしましたが」 「悪かったな単純で」 「まあ、短小包茎童貞紳士な阿良々木さんですし、あながち間違いではありませんでしたが」 「…………コンクリに積めて海に叩き落とすぞ」 「幽霊を二度殺すなんてすごいサイコパスですね」 「サイコキネシスだと思うんだが」 「あれです。戯言シリーズとかいう本の一姫の真似です」 「誰だよ」 0.5秒で突っ込んだ。 「まあ、とりあえず短小包茎童貞紳士阿良々木暦推定四十七歳住所不定無職さん、気味が悪いですっ!近寄らないでくださいっ!」 「誰が包茎だ誰が!」 普通比べないから小さいかはわからないし、童貞なのも言い返せない僕だった。 「ねえ阿良々木くん」 「なに?」 「そういえばなんだけど、短小包茎童貞紳士だって噂を聞いたのだけど」 どっから流れたんだよそんな噂…………。 戻る
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泊りがけで遊びに来た浅野の部屋は相変わらず狭くって、しかも部屋の半分を 骨董品が埋めているから布団を敷くのに困ってしまった。 結局一人分の布団に二人でもぐりこんで、アタシ達は体を縮めてくっついて 眠った。 しばらく、闇が続いたと思う。掛け布団がもそもそ動くのに促されて覚醒し て、アタシは目をつぶったまま手を伸ばして動くものを捕まえた。 触れたのは、あったかい何かだった。その何かの方向から小声で浅野の声が する。 「起きていたのか、鈴無……」 アタシはまだ半分寝ていて、目を開けるのは面倒だ。瞼を閉じたまま口だけ 動かす。 「いま起きたんだわ」 「まだニ時だから寝ていていいぞ。起こして済まないな」 浅野の声はハッキリしている。直感が思考のさきを越して、アタシの口を動か した。 「浅野、寝てないのね」 頭がだんだん覚醒してくる。もともと比叡山では三時に起きていた。目を開 けると、少し離れたところに輪郭だけぼんやりと布団から出た友人の顔が見え る。 「眠れなくてな」 それなら起こして欲しかった。 無駄話も夜語りでも、なんなら子守唄でも歌ってやったのに。 「浅野は気を遣いすぎるんだわよ。いの字を甘やかしてばっかりじゃなくて、 自分も甘えなさい」 小さく、笑ったようだった。 「20過ぎれば甘え方なんて忘れてしまうさ」 アタシは息をついて、掴んでいた浅野の腕をチャイナのスリットから中に入 れてやって、太ももで挟んだ。もう片方、アタシの自由な方の手は浅野の頭を 自分に引き寄せるのにつかう。 「誰かの体温があると眠りやすいでしょう」 よくわからない沈黙。納得しているのかしていないのか。 「あんたが男だったら胸に触らせてやってもよかったんだけど、浅野は女だし」 「……どっちかといえば鈴無の方が男役だろうに」 「チャイナ服の男なんていないだわよ」 距離が縮まったせいか、吐息に混ざった体温すらわかってしまう。 体を動かして、二人で布団を頭からかぶるようにした。狭い空間にお互いの 息が混ざって、どちらがどちらとも分からない。触っていないのに触ったよう な感覚に沈む。太ももで挟んだ浅野の手は、自分の体温と同調して、なんだか 自分の体の一部のような気がしてきた。 顔色の分からない闇が続いている。耳を澄ませば、規則正しい呼吸のリズム がして、だからだろう言ってみたくなった。 「キスもしてあげようか」 返る言葉は無い。 脳髄までわかりきっていた、それでもタメ息が出てしまう。 眠った後でしか本音を言えない自分に、何度も味わいすぎて慣れてしまった 失望をして、拗ねるように手を挟んだ両足に力を入れた。 戻る
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「阿良々木くん、阿良々木くん。阿良々木は発育優良、健康活発な男子高校生よね。」 「一部例外的体質は有しているものの、まあ、一般的にはそうだろうな。」 「私達、正式に付き合い始めたとはいえ、まだ純異性交遊の範囲の関係だけど、、」 「その先を期待していいのか?」 「期待だけなら個人の自由だわ。でも、私にもう少し時間をもらえないかしら?」 戦場ヶ原の怪異の原因となったことを思うと、心の準備時間がかかることは理解できた。 「まあ、焦らなくてもいいよ。僕はいつまてでも戦場ヶ原を待つから。」 「この件については、私も申し訳ないと思うわ。だから私が出来ることはすべてするわ。」 「ん?」 「話がそれたから、最初の質問に戻るわ」 それてたのか? 「健全な高校生である阿良々木は、月に何回、、してるの?」 「何を?」 「ナニを、、、」 何を言ってるんだ? 「つまり、自分自身を慰める行為を、」 「それ、答える義務あるのか?」 「二人の間に隠し事は無しにしようって言ったの、阿良々木君よ。」 なぜそんな事を知りたがるんだ? 「ねえ、何回くらいなの?」 「戦場ヶ原はどうなんだ?お前が言えたら、僕も答えるよ。」 「私はしたことがないわ。」 そう言うと思ったよ。 「あなたに助けられるまでは。」 「は?」 「今はほぼ毎日ね。あなたのことを考えながら。。。で、あなたは?」 本当か嘘かわからないが、これで僕は答えなければならない状態になってまった。 「、、週に2、3回くらい、、、かな?」 「2日に1回ね。」 なぜわかる!? 「で、何を利用するの?」 「は?」 僕は道具を使うようなマニアックな趣味はない。 「トボケないで。雑誌のグラビアか、HなDVDか、日本人向けの海外サイトを見ながら妄想するんでしょ?」 まあ、妥当なオカズの調達方法だな。 「主にネットで、、」 「違法サイトね。」 「米国では合法な内容だ!」 海外でも違法な内容には手を出していない。 「ふーん。わかったわ」 なにがっ!? 「とりえず、それらのコンテンツを用いた自慰行為は今後禁止します。」 「彼女とはいえ、横暴だ、、、と思います。」 「なんの為の彼女だと思ってるの?」 そう言いながら、戦場ヶ原はするすると服を脱ぎ始めた。 「今から私の前でしなさい。そしてその目に私の肢体を脳裏に焼き付けること。」 下着姿の彼女に見とれながら、下半身を固くする男子高校生の姿がそこにあった。 というか、僕だった。 以上 戻る
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3 薄暗い体育館倉庫跡。鈍く光る千枚通しと包丁と鉄パイプ。 忘れられるモノじゃない。 それでいいさ。最初から全部できる人間なんて、それこそ偽物なんだから。 誇るべき、僕の妹たち。成長の余地をのこした彼女たちが丸くなるのか、鋭くなるのかはまだわからないけれど。 まだまだ子供っぽいところがあるのはしかたない。彼女はまだ十五才だ。 でも誰よりも家族想いで、他人思いな火憐を僕は誇りに思っている。 僕は火憐の頭をなでた。ポニーテールではなくなり、短くなってしまった火憐の髪を梳くようになでる。美容師さんの腕がよかったのか、この短い髪型も火憐には似合う。 「な、なにすんだよ……。そんなことされるような年じゃねえって」 「照れるなよ、愚妹」 「照れてねえし……。そもそも月火ちゃんのことがなかったら絶対に一緒にお風呂なんてはいらないんだからな!」 「僕だって月火ちゃんのことがなかったら実の妹なんて抱かない。そもそも僕はおまえらのことが大嫌いだった」 「あたしだって兄ちゃんのことは大嫌いだった!」 月火ちゃんのことがなければ、か。 だけどが月火がいなかったら僕と火憐の関係はもっと険悪だったかもしれないし、逆に有効だったかもしれない。 だけど、月火がいたおかげで大嫌い『だった』妹とこうして肌を合わせることになった。一般的な仲がいい兄妹とはいかないかもしれないけれど、まあそれなりの兄妹関係は築けた。大嫌いだったころとはえらい違いだ。 「話かわるけど」 火憐がいいながら身じろぎする。局部があたっているのが気になったらしい。ほんの少し自分の腰を浮かせて、僕の体と距離をとりやがった。 「翼さんとひたぎ姉ちゃんが、兄ちゃんがまるで野獣のように求めてくるから体がもたないっていってたんだけどさ……。そんなことねえよな。あたしや神原さんはぜんぜん実感ないし、せんちゃんは――文句なんていわないだろうし。なにされても」 そりゃおまえらの体力がずば抜けているからだろ。千石に関しては文句どころかいろいろ要求してくるしな。その文要求もしているので等価交換ではあるはずだ。 しかし、羽川や戦場ヶ原にはそんなふうにおもわれているのか。反省だ、反省。 本日はやけに反省が多い。 反省はできるが、その反省を実現できるかというとそう簡単ではない、はずだ。努力だけは買ってもらおうと心にきめ、火憐への愛撫を再開した。 僕のペースではなくて相手のペースでを念頭に。置きっぱなしになっていた膣口から手を離した。 「なあ、火憐ちゃん」 「んあ?」 首をめぐらせた火憐の耳に唇をよせながら、 「ちょっと、自慰、見せて」 とつぶやいてやる。 とたんに、火憐のほおから首筋がまっかに染まる。 「な――はぁ? いやいやいやっ!?」 火憐が音がしそうな勢いで首を横に振る。 「恥ずかしすぎぜ――それ! なんで突発的に妹の自慰をみたくなるんだよ! わ、わけわかんねー! さっきまであたしのあそこに指をつっこんでたろ……」 「なんとなくとしか言いようないけどさ……やっぱり妹と本番ってどうなのかなと思って……」 「は、はじめてのときにいきなり中出ししたの、兄ちゃんじゃん……いやだって泣いて頼んだのにさ、無理矢理――」 「わかった、僕はこれから火憐の胸のみ愛撫する。下半身には手をださない。これでいいな?」 「にいちゃんってときどき全く話が通じないよな!」 「ほらほら、はじめるぞー」 「くっ」 そもそも僕に無防備な背中なんてむけるのがわるい。 火憐の後ろからまわした両手の指で、乳首をつまむ。さきほどの愛撫はまだ有効だったらしく、勃起したそこを指先で転がす。 「うひゃ……あっ……兄ちゃん……」 「火憐ちゃん……」 指の動きをそのままに、湯気でしっとりと濡れた首の動脈あたりを舌先で舐めあげ吸いついた。 「はうっ……そんなに強く吸ったら……あと、残る……」 「すこしくらい大丈夫だろ」 「んっ、大丈夫じゃないって、う、んっ! みんなそういうの、敏感なんだから……」 「ああ……そういうのに敏感な時期だっけ中学生って」 かの日を思い出す。誰かがくっついた、離れたという情報になによりも耳をむけていた年ごろだった気がする。 火憐ちゃん、キスマークつけてどうしたの? だれかとエッチしたの? とかか。 嫌だろうなぁ。 嫌だろうなぁ。 正義のヒロインたる阿良々木火憐がどこぞの男に抱かれている。 いやぁ、スキャンダラスなニュースだ。一面記事にもなりかねない。 そのままファイヤーシスターズ解散なんてことにもなりかねない。 嫌だろうなぁ。 だから僕はよりつよく、火憐の首筋を吸った。 「っ――人の話を聞けって! っ!?」 「んちゅ……聞いたよ、もちろん」 まず間違いなく話は聞いた。その上の行動だ。 火憐が騒ぎだし立ち上がって僕に暴力を振るう前に、その口のなかに人差し指をつっこんだ。さっきまで火憐の下の口に挿入されていた指を。 指先は唾液で濡れた舌を絡めとる。 「ひゃふ――? ひゃにひゅるんひゃ――」 「歯磨きの続きの体磨きだろ? 体で――指で洗ってやるよ。口閉じるなよ?」 乳房をもむ勢いで逃げ腰だった火憐の体を抱きしめる。もちろん局部も密着するが、「指」づくで文句は言わせなかった。 歯磨きの先端よりは刺激がないだろうがしかし、軟体動物の触手のごとく自由自在な指先で、口の中を縦横無尽に蹂躙する。内壁をこすりあげ、歯の根をなで、抵抗するように動き回る舌を蹂躙した。 その間にも乳房への愛撫はとめない。手のひらを全体に当てるようにして円を描くようにもみほぐす。僕の舌はその両手とはまったくべつに、汗の味がしはじめた首筋を舌から上に舐めあげる。 「んんっ――んっ、んっ、んっ! んぁっ!」 風呂の壁に矯声が反射し軽いエコーがかかる。 最初こそ抵抗が強かったものの、しばらくやっていると火憐の体から力が抜けはじめるのを感じて、僕は耳元でこうささやいた。 「胸、片方さびしくないか? なんなら自分でさわってもいいんだぞ」 悪魔のささやきだった。 それに対して火憐は、 「んっ! んちゅ……じ、じぶんでやる……にいひゃんはてをひゃふな!」 なんて答えを返してきた。おずおずと片手を乳房に向けて自ら愛撫をはじめる。 手を出すなって。出せないよ、両手ともふさがってんだから。 「んっ……もうひょっとやひゃしく……にいひゃん……」 「ん? こうかな」 指を舌を絡めとるような動きから、抜いて、入れる動作に変えてみる。まるでフェラチオされている気分だ。さすがに妹にフェラチオなんて覚えさせてないけど。 「な、んちゅ……ちがう、ちゅぱ……そうじゃな、ちゅ、て……」 明らかに語尾が弱い。 指の動きが直線的になったせいで少しはしゃべりやすそうだけど、火憐の口を行き来する指はぴちゃぴちゃと嫌らしい音を響かせはじめた。 疑似フェラチオは僕のみならず、火憐も興奮させる。 口からはきつける荒い呼吸が手に当たってくすぐったい。 「んっ、ひゃう、おっぱい、ちゅ、やばい……それに、んちゅ……」 そういってた火憐は指先を舐め始める。肩越しから見る火憐の顔は、歯磨きをした時と同じく、興奮と快楽で真っ赤になっている。夢中で指先をしゃぶりながら、自らの乳房をこねまわし、快楽に身を震わせる妹に、不覚ながら――男根が堅くなる。 急激に膨らんだ僕の局部は、なんと火憐の体をおしのけて、股間の間にあらわれた。 「ひあっ!」 雁首のあたりが火憐の秘処をすりあげ、油断していた火憐は腰を浮かせる。 目をぱちくりとしながら、自分のまたの間に生えた局部をみつめる火憐。 「に、にいひゃんの……」 「そんなにまじまじとみるなよ……」 「うま○棒三本分の……」 「そんなに巨大じゃないわ!」 縦方向に三本分なのか、横方向に三本分なのかわからないが、そんなに巨大ではない。そんなんだったら月火と情事をかわせねえよ。 子宮までつぶしかねないぞ、その大きさ。 「三本分は冗談だけど、いつもこんなの大きいのがはいってたのか……月火ちゃんとかよく大丈夫だな」 「ああ、いつもは暗くてよく見えないからか」 「ちげーよ。兄ちゃんがすぐ挿入してくるだろ……」 「だから、今日はおまえの自慰をだな」 「今日の兄ちゃんには反省の色がない!」 それにクンニすることはあっても、まだ千石くらいにしかフェラチオを試していない。常時の際には電気を消すのが暗黙の了解になってたし、大きさに驚くのにも無理はないか。 「しっかし……こ、心なしかいつもより小さいような……体感だけど」 「月火ちゃんとやったばっかりだからな。吸血鬼スキルっていっても万能じゃないし、これでも復活ははやいほうだぜ?」 「ふ、うん……」 「もちろんこれから大きくなる予定だぜ。火憐ちゃんの自慰をみるからな……」 「……」 あれ? 想像していた反応がない。これほどしつこくさそえば怒りそうなものなんだけれども。 おそるおそる火憐の耳に口をよせてつぶやく。 「おーい火憐ちゃん?」 「自慰……したら、兄ちゃんのこれ、大きくなるんだな?」 「あ、ああ。そりゃあな。火憐ちゃん自慰行為だし……みれるだけでレアっていうか、希少価値的に勃起しないわけにはいかないだろう」 「わかった……。貸し一個だぜ」 火憐がそろそろに指先を自分のそこに向かわせる。 僕にせかされるわけでもないのに、火憐は胸を揉みはじめた。 「は――あ、んっ」 秘処にむかった指が、股間の間に潜り込む。ちょうど僕の男根と火憐の秘穴の間のあたりに指をうずめ、しごき始める。 「か、火憐ちゃん……」 「んっ、ううぅ――は、あぁっ、んっ、んっ、んっ」 指のテンポとあわせて、火憐の体がおどる。色っぽく体をくねらせ、はしたないあえぎ声を風呂場にとどろかせて……。 「あんっ、まり、んっ……んっ、オナ、ニー好きじゃねえけどっ、ひゃっ、にい、ひゃんに気持ちよくして、んっ、ほしいから……」 「火憐ちゃん……」 「月火ちゃんにしてもらうほうが、んっ、自分でやるよりっ! ああっ、気持ちいいし……」 そんな理由かよ。 たしかに指先の動きはすこしつたない。どこをどういじれば、気持ちよくなれるのか模索しているように、指をうごかしていた。 「ひあっ、はぁ、はぁ、は、あああ……月日ちゃん、どうやってたっけ……んと……」 はじめこそ単調だった火憐の指の動きが、だんだんとリズミカルになっていく。 ひくひくと揺れる火憐をだきしめながら、胸と口への愛撫を再開する。 「むふっ、んっ、ふぅ……」 これ以上はないと言うほど勃起した乳首を指先でしごき、舌先を「嘗める」ように指を動かした。 唾液をこねくりまわし、体の内側をなぶってやる。さきほどよりも粘性を帯びた唾液が指先に絡まりつき、さらにそれを火憐の口のなかでまぜかえす。 口内陵辱。 内ほおをこそぐように指の原でなぞってやると、火憐が口を思い切りすぼめる。 「んゃっ! じゅるっ、あっ、あんっ……うぅ……」 手が四本なければ実現できない愛撫に、火憐はおぼれはじめる。 僕は手の動きをはやめながら、目の前にある火憐の耳たぶを甘くかんだあと、舌先を耳の穴にすべりこませた。 「んんっ!? ひ、ひゃんなひょほろ……」 だんだんと弱って――快楽におぼれていく火憐と反比例して、僕の息子は元気をとりもどしていく。火憐の内股の間からたけだけしい、僕からしたら見慣れた局部が、天にむかってそそり立った。 「はぁっ、はぁつ、あっ、あっ、にいっ、ひゃんの、おっきくっ!」 火憐の叫びに同調するように水の揺れが激しくなる。 口内で動き回る指先に絡まる、唾液が熱い。乳房の向こう側で心臓の鼓動が激しくなるのを感じる。なにより密着した体が、火憐の手が動くたびに過剰ともいえるほどの反応を僕につたえていた。 恥も外聞もなく、阿良々木火憐は僕の腕のなかでよがりくるっていた。 「はぁっ、あっ、あっ、あっ、くっ、うぅ! い、いくっ、かもっ!」 より激しく火憐が淫核をなぶりはじめる。だが、もう一歩のところで失敗しているらしい。 逆に達することができなくて、苦しんでいるのが見て取れた。達しようとしているのに、それができない。どこをどうすれば達することができるのかわかっていないのだ。 「はぁっ、つっ、にい、ひゃん! てつだっ――」 「うん」 何事でも一人でやりたがる妹の懇願に答える。 僕は乳房においていた手をさっきと同じ場所に、つまり膣道口に突っ込み、ぬめった粘膜をこそぐようにして指を折った。 その瞬間。 「んあっ、ああああああああぁ――!」 火憐が僕の鎖骨のあたりに後頭部をあずけた。湯船の水面から飛び出すくらい体を反らした。 一度大きく体をおりまげた火憐は、何度か大きく、ぴくぴくと全身をゆらす。 吹き出した潮が膣口のすぐそばにある男根に当たる。潮吹きつきのエクスタシーだ。 「はぁっ、はぁっ、はぁっ……つ……」 火憐が力つきたかのように湯船に沈んできた。 僕は荒い呼吸を続ける火憐を両手で抱きしめる。 局部の先端に性欲がたまり、いまにでも火憐を犯したい気分だったけど、いまはゆっくり火憐をねぎらってやりたかった。 身長こそ若干僕より高いものの、火憐は女の子だ。細い肩はすっぽり、腕のなかにおさまった。 「ありがと、火憐ちゃん。これ以上ないくらい元気になったぜ」 すると火憐は息も絶え絶えながら、気丈にも僕に答えをかえしてきた。 「はぁ……いいよ……あとで……貸し、返してもらうから……」 火憐は熱にうかされたような声でそう言った。 4 「はぁ……はぁ……はぁ……兄ちゃん……兄ちゃん……兄ちゃん……」 壁のタイルに手をつき、腰をこちらに向けた火憐は、惚けたような表情で、体をねじって僕をみつめた。 流した涙のあとが色っぽい。体をねじったせいでできるくびれからひとすじ、水滴がながれる。流麗で美しいのに、女の色気をかもしだすくびれにくらくらとしながら、僕は一歩分うしろにさがる。 「に、兄ちゃん……はやくっ……!」 火憐は腰をいやらしくゆらした。まだ子供なんだけどなぁ……。要求は中学生のものじゃねえよ……。 僕はまあるい臀部をみつめた。白い桃をぱっくり二つに割ってくっつけたらこんなふうになるだろうか。みずみずしい肌から水滴が……脚のほうへと落ちていく。 割れた白桃の真ん中には、明らかにお湯ものではない光かたをするワレメがある。 これなら十分濡れている。 「に、兄ちゃんに、……、見られてはずかしいぃっ……」 「照れ隠しに「……」を隠したつもりなんだろうけどさぁ。そんなかすれた声だとまったく意味ないからな」 愛らしくひくひくと、開いたりとじたりする未成熟な膣穴へ狙いをつけ、僕はゆっくりと腰を火憐へ近づけた。 ちゅく…… 「ふあ……」 先端が火憐の肉襞とキスをする。 この世のなによりもやさしく受け止めてくれる感触をとおりこし、やわらかく湿ったそこを割っていく。 まるですいこまれるように、何の抵抗もなく僕の男根は火憐に飲み込まれていく。 体の内側の体温を伝えるそこは、さっきふれあった肌と肌よりも暖かい。いや、むしろ熱い。指で触れたときよりもぬめりを帯びた火憐のそこが、入れた先から間断なく刺激をくわえてくる。 「んっ、ひぃ……」 一度達しているのが効いているのか、火憐は背中を矢なりにそらせながら僕をうけとめていく。 一気に貫くとそのまま射精してしまいそうだ。しかたなく自分でもじれったいほどゆるやかに腰を進める。 進める間にも、裏スジはなめらかなおうとつになぶられ、刺激され続けた。 「んぅ……んぅ……、ま、だ……兄ちゃん……?」 「もうちょっと……」 目線で急かす火憐に答えつつ、僕はやっと根本までを膣に埋めた。恥骨のあたりをおしりにおしつけ、僕と火憐はひとつになった。 ため息を飲み込み火憐の腰をなでまわす。 「全部はいったぞ……」 「うん……兄ちゃんが全部はいってるぜ……あたしのなかに……。やっぱ家族って似るのかな? 入れられてるだけなのにすげえ気持ちいい……鍵と錠前みたいな……」 「言いたいことはわかるけどな……」 「な、なぁ、兄ちゃん。さっきのオナニーの貸しあるだろ?」 「わかったよ」 直接要求をはじめる火憐に答えて、僕は腰を引きはじめた。 「は、あああああ……熱っ……あつい……」 「んっ……火憐ちゃん……そんなに締めるな……すぐでちゃうだろ……」 「無理っ。兄ちゃんだって無理だろ……ここでやめるとか。借り返すつもりでいいからさっ、あたしや神原さんは丈夫だからさ……兄ちゃんの好きにして……」 泣きそうな声で火憐が言った。 「そこまで言うなら、遠慮なくやるけどさ」 男根の亀頭の部分をのこして全部引き出し、再び火憐のなかに体を沈めていく。 「あ……ああぁ……兄ちゃんが……あつい……」 かわいいことを言いながら、火憐は僕を受け入れ続ける。 目をうつろに開き、顔の半分を壁のタイルにおしつけるようにして、こっちをみる火憐の顔は――はげしくエロかった。 「あっ、あっ、やっ、ああああ……奥、つっついてる……」 火憐が目を細めながら荒い呼吸と矯声をあげる。 火憐の荒い呼吸に急かされるように、僕は腰のストロークを大きくした。 出し入れするたびに火憐の尻と僕の太股が当たって、拍手のような乾いた音を浴室に響かせる。 「あ、ああっ! にいちゃん、にいちゃん、にいちゃん!」 僕を呼びながら、火憐は自分から腰を動かしはじめる。 「あっ、ひゃあっ、はぁ、はぁ、はぁ……」 「あ、ちょ、火憐ちゃん……」 「はぁっ、はぁっ、はぁっ……兄ちゃんが……兄ちゃんが気持ちいい! はぁっ、はぁっ」 僕の言葉など耳に入っていないかのように、火憐は腰の動きを加速度的にはやめてくる。肉襞に刺激され、尿道に射精感が溜まっていくのがわかる。 「か、火憐ちゃん! ちょっと弱くっ!」 「あっ、はぁっ、あっ、あっ、あぅ、あ――!! きもぢいい――きもちいよぉ――!」 「うわ……」 完全にトリップをはじめてしまった火憐の片側だけこちらに向けた顔は、もうこれ以上はないというほどとろけている。とろん、と瞼を半分くらいにおろし、目尻に涙をうかべ、唇の端からあごに向かって唾液が流れ続け、口はだらしなく半開きで、そこから矯声が流れつづけた。 いつもの凛とした表情は、快楽にゆがんでいた。 普段はやらない自慰行為におよんだせいで、快楽を感じるレベルが下がっているのかもしれない。 「う、あああっ、んっ! やあぁ! はぁっ、やっ、やっ、やっ!」 火憐はいつのまにか、壁から手を離しあいた両手で自分の乳房をもてあそんでいた。 腰をたたきつけるたびにわずかにゆれるくらいの大きさをもった乳房の先端を、指と指にはさんで刺激している。 しかも無意識にやっていそうだ。 これは止まらないな、という結論に至った僕は、火憐の腰をつかみなおして、火憐の動きにあわせるように腰を動かした。 とたんに、今までとどかなかった子宮口に先端が届く。 「――! あ――!」 悲鳴にならない悲鳴をあげながらも、腰を止めようとしない火憐に、僕は男根を突きつけ続ける。 ぱんぱんぱんぱんぱん―― ぐちょぐちょぐちょぐちょ―― くちゅくちゅくちゅくちゅ―― 僕と火憐の荒い呼吸と腰をおしつける。火憐の愛液が絡まった男根を引き出し、たたきつける。火憐の長い足がガクガクとふるえだした。 つま先立ちになり、本能的に僕の局部から逃げ出そうとする火憐をつかまえる。一秒でも深く、長く火憐を味あうために。つま先だち立ったのを無理矢理平立ちにさせる。 脚先がすとんと落ちたせいで、火憐は再び串刺しになる。 「う、ああああ……っ! に、にいひゃん!」 「はぁ、はぁ、いいよ、一緒にイこうぜ、火憐ちゃん――」 「うっ、ん! あっ、あっ、あっ、あっ……いやぁ!」 返事なのかあえぎ声なのか、判別しかねるが、了承はとれたようだ。 腰をつかみなおしながら、奥へ奥へより奥へ男根を割り込ませる。引き抜こうとするたびに、火憐が締めつけてくる。エラからなにから、刺激されて腰が止まらなくなる。 ただ無心に、火憐とリズムを合わせる。ふとももとふとももがうちなる音と、火憐の甘ったるい喘ぎ声だけが聞こえた。息苦しくもない。ただ火憐の締め付けだけを局部に感じる。 頭が白くなると同時に終わりの感覚が局部の付け根をおそう。 「あっ、あっ、あっ、やっ、あっ! たってらんないよぉっ! あっ、やぁっ!」 力なくしゃがみ込みそうになる火憐をささえる。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ! 火憐ちゃんっ! いくからな!」 「やあっ! はぁっ、はぁ、はぁ、にいちゃん……いっぱいっ!」 とどめとばかりに強く腰を繰り出して、先端から精液を発射する。 どくっ、どくっ、どくっ! 「ひっ、ああああああああ! あっ、あつい――!」 今日一番大きな悲鳴をあげながら火憐は、背をこれでもかというほどそらして、達した。 まだまだ足りないとばかりに男根をしめつける膣道。それにつられるように先端は精液を吐き出し続けた。 どくっ、どくっ、どくっ 「あっ、あっ、あっ……やぁ……」 最奥ではいいだされたそれは、きっと火憐の奥の奥まで刺激しているはず。女性ならぬ僕にはよくわからないが、少なくとも火憐はエクスタシーを感じている。 射精するたびに、火憐は膣道をしめつけた。尿道にのこっている精液すら、どん欲に飲み干されていく。 「あっ……やかれる……ひ、ん……」 本日二回目とは思えないほど長い射精でした。自分でもおどろくほどの量が、火憐の子宮にたたきつけられたはずだ。 「あ……あっ……」 ようやく気がおさまり、局部が堅さを失っていく。 どくん、どくん、どくん…… 「はぁ……はぁ……はぁ……火憐ちゃん……」 汗みずくになった背中にそっとキスをする。塩っぽい。しばらくそのまま火憐の背中に引っ付いていた。いつまでも感じていたい火憐の体温を抱きしめる。 射精に対する快感となぜだかわからない幸福感が胸を満たしていた。 妹とのセックスでこんな感覚を覚えるなんて、僕はやっぱり変態なのだろうか。 「にいちゃん――いつまでいれてんだよ。重いよ……」 「あ。ああ――」 あわてて体をおき上げる。ただ、挿入だけは続けていた。あまりにも抜きがたい。 射精して終わる男性よりと達してから始まる女性の違いか、絶頂を感じたタイミングは同じでも、火憐のほうが若干回復がはやかった。 火憐が首をこっちに巡らせた。なみだとよだれのあとが、情事のあとの色気をかもしだしていて――。 「兄ちゃん……激しすぎだっての……もたねーよ、ほんとに。犬じゃねーんだからさ……」 「おまえが先に激しくしたんだろうが!」 「あ……? ぜんぜん覚えてねえけど……。兄ちゃん止めてないだろ……止めることをかんがえもしなかったんじゃねえの? ほんと、サカった犬みてーじゃん」 「……その犬についてこれる奴がなにを言うのか。僕が雄犬ならお前は雌犬だろ」 僕は尻をなで回しながら言う。憎まれ口も今はかわいらしい。 まだどこかに快楽の余韻が残っているのか、火憐はときおり、それこそ犬が頭の水滴をはらうかのように細かくふるえた。 「雌犬かあ……。はあ……お腹のなか兄ちゃんのでいっぱいだ……あっつい。体動かすとなかで……動くんだけどさ……嘗め尽くされてる感じが……どうも……なあ、兄ちゃん。触手プレイってこんな感じなのかなあ?」 「知るか。触手でも、女性でもない僕に聞くことじゃないだろ」 「でもすくなくとも、あたしは兄ちゃんの十倍、気持ちよかったぜ、きっと」 男の僕には想像ができない。 いまのの、十倍の快感? 発狂するんじゃないかと思う――。 にしし、と笑う火憐。そしてどこか切なげな、照れたような表情をしながら言った。 「ん……でもさ、兄ちゃん……」 「うおっ」 火憐が二、三度たしかめるように腰を振るう。 射精したばかりの、火憐の膣に挿入しっぱなしだった男根は、心地よい刺激に反応して鎌首をもたげはじめた。 むく、と火憐の中で身じろぎする男根に気がついた火憐が、目をそっぽに向けながら言う。 「に、兄ちゃんがどうしてもっていうなら……もっかい、やってあげても、いいぜ――? ほら、女の快楽って男の十倍って言うだろ? 兄ちゃんが十分の一倍、フェアじゃないじゃん」 顔を真っ赤にしながら、目にらんらんと情欲をたぎらせながら中学三年生の妹は、恥ずかしそうにそう言って、僕の答えを待つ。 もう一ラウンドやったところで、十対一の差は埋まるどころか開くばかりなのだけれど。 僕は――。 「そ、そうだよな。火憐ちゃんだけ僕の十倍気持ちいいなんて不公平だよな!」 「そ、そうそう! こ、今度はあたしがリードするからさ!? だからさ、兄ちゃん……もういっかい、セックスしようぜ」 その言葉だけで十分だった。 火憐の言葉を実践するように、僕は再び腰を動かしはじめた。 そのあと僕は。 力が抜けた火憐をお風呂マットに寝かせ、犯した。 浴槽の中で対面座位の格好で、犯した。 ちなみに火憐がやりたがっていた体磨きとはどうやらソープごっこのことらしい。 もちろん、体中精液まみれになった僕たちは、互いに互いの体をこすりつけて、体磨きをしたわけで――。 しばらくの間、ごしゅ、ごしゅ、じゅる、じゅると阿良々木家の風呂場では淫猥な音が続いた。 待ちかねた月火が乱入してくるそのときまで。 戻る
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「君は本当は腐女子なんじゃないのかな?」 ある日、秋葉原のドンキホーテ五階にある喫茶店に呼び出された。 そこに居た知人は、ボクが目の前に座ると間髪をおかずにそう尋ねてきた。 「ボクは男ですし、夢見る乙女をやっていませんよ」 「そりゃ夢見る乙女に対する差別発言かい?」 「…それでこんなところに呼び出して一体何のようなんですか?」 「あぁ悪い、どうも君の作る文章を見ていると一つ気になる事があって、その真偽を問いただしたかったのだよ」 彼は近くに居た店員に「いつものを2つ」と頼むと程なくして「メロンソーダ」を店員は持ってきた。 「なに、俺は心のそこからメロンソーダが好きなだけで、《害悪細菌/GrennGreenGreen》に掛けているわけではない」 そう、一人で笑いながら答えていた。 「さて君のターンだ、何か質問は有るかな?」 「じゃあ──」 と、ボクは言葉を繋ぐ。そしてぐるりと、この何の秩序もない部屋を見回した。 「──よくここに来るんですか?」 「おっと。一旦矛先を矛先を変えてきたな?成程、俺の油断を狙う─(略)─答えはシンプルだよ、単なる趣味だ。 いや、この場合は俺の趣味ではない、《一群》メンバーのMの家賊がこういった萌えというのに大変興味を持っていてね、彼とは親しくしたものだ。 なんならこの店のオーナーに君の事を紹介しようか?本来なら許されないが、特別扱いしてもらえるぞ」 「えんりょしますよ」 ボクは彼の申し出を断る。 「そうか、残念だ。」 彼は本当に残念そうだった。 「さて俺の番」 「お手柔らかにお願いしますよ」 「質問、異性に対してどのくらい興味が有る?」 「人並みに、ですね」ぼくは相変わらずのセクシャルハラスメントに耐えつつ、答える。 「当然でしょう?そんなこと」 「ふふ。そういう意味ではないよ。」彼はそんなボクの心中を知ってなのか知らずなのか、更に時代掛かった感じで言う。 「ここでかつての《作品》キャラクター、《大野加奈子》の言葉を引用する─略─」 「どんな言葉を引用するんですか?」 「ホモの嫌いな女子なんていません」そう、彼は店内で、満席状態の店内で両手を天にかかげて叫んだ。 店内は静寂に包まれ、しばらく時が止まった。 「冗談は置いといて、君は百合は読むし薔薇も読む、だけれどだからと言って男に尻の穴を掘られたいとは思わない」 「……」 「それをふまえて聞こう」 彼は直ぐには言わず、いくらか間を置いて、それから言った。 「君は──」 僕に向かって訊いた。 「────きみは──」 ぼくの脳内をじっくりと、えぐった。 「きみは西東天のことが本当は好きなんじゃないのかな?」 朝日、何時の時代も、何処の国も、魔を払うとされている聖なる光。 ただし、いかなることにも例外ということは存在する。 例えばこの世界には麻雀ルーチンが組み込まれていない脱衣麻雀ゲームが存在すると言う。 そんな物は麻雀ゲームとは呼べるはずがない、だけれどもそれはれっきとした麻雀ゲームなのだ。 その関係者はこうも言っている。「『フリテンにしかならない?』ふん、そんなことは大した問題ではない」 さて、今回における例外というのは朝日によって消滅せずに、露呈する魔の存在だ。 自分が服を着ていないこと?そんなのは問題ではない。 見覚えの無いクローゼットがあること?それも問題ではない。 ちがう、今この状況で、現れる魔というのは── 隣にいる狐が、狐面を被った誰かが──同じ布団に入っていると言うことだ。 「……」 《話術師/Spell Master》として2階に住む《抱き枕/Servant》の《暗殺者/Assassin》を呼び出すべきか考えるが、とばっちり、否、攻撃が全て自分へと向けられることが既に何度と無く体験しているのでやめる。 だとしたらやるべきことはタダ一つ、気がつかれぬ様に布団から抜け出し、台所から包丁をとりだす。 事後処理は玖渚に任せれば良い、一人死んだと言うことはあの時の半分の半分に過ぎない。それにこいつは既に死んでいるはずの人間、亡霊だ。 包丁を振り上げたところで一つの可能性に思い至る。 「もしも別人だったら、ただ狐面を被って、人の布団にもぐりこむ。ただそれだけで判断できない訳が──あるあるwwwねーよwww」 最短の軌道を、最少の動きで、最大の力をこめて、最速の速さで振り下ろす。が、そこに居るはずの狐面の男は居ない。 「もし別人でしたらどうするおつもりで?」 さっきまで誰もいなかったはずの方向から女性の声が聞こえた。 「これで七度目です、そんな可能性を考えるだけムダでしょう、木の実さん?」 「何だ、何があったんだ?」 ガタガタと暴れるクローゼット(恐らく彼女が寝てる間に仕掛けた)の方へ歩き、クローゼットを蹴る。蹴る。蹴る。そして前に倒す。 「おい、ちょっとまて俺の敵。出れねぇじゃないか。木の実、そこに居るんだろ。ちょいと起こして──」 ゲシゲシ、と更に蹴り続ける。 やばいな、今の騒ぎでアサシンが目覚めてしまうかもしれない。慌てて服を探すが見当たらない、何故? 「いーちゃんの服なら離そうとしなかったから、一緒にそこの中ですよ」 そう、彼女の指差す先はやはりあの箱。 「それと今この部屋には誰も入ってこれません、もちろん二階に居た少女も」 空間製作─狐面の男をクローゼットに保護した時に一緒に入ったらしい、だがここに崩子ちゃんが入ってこれないのは助かった。 「もっとも、気が付かれないように竹取山へ運ぶのは難儀しましたが」 空間移動だった。 「とにかく、毎回毎回布団に入ってくるのをやめてもらえませんか?」 「『やめてもらえませんか?』ふん、そんなことは──」 「一、二─」と箱を蹴る。 「三、四、五──っと、一旦ストップ」 「・・・…」 もう、反論も制止の言葉も、聞こえない。…あれ、既視感? 「耳が聞こえなくなったらどうするんだ!おい木の実」 ガン! 「木の実さんも、こんな人についていくのをやめたらどうですか?」 「耳が聞こえなくなったらどうするんだ!おい木の実」 ガン! 「木の実さんも、こんな人についていくのをやめたらどうですか?」 「それは心揺さぶられるお誘いですが、わたくしは狐さん以外に仕えるつもりは有りませんから」 それ以前に、諦めが肝心じゃなかったのかよ。 「狐さんを助けるのに手伝って頂けないでしょうか、戯言遣いさん」 「いやです、何でぼくが助けないといけないんですか!」 「仕方ないですね、力仕事は好きじゃありませんが」 と、言って倒れていたクローゼットをヒョイと片手で起こしてしまった。 そうして中からヨロヨロと出てくる狐面の男、まるでハサミ男の如く。 「最悪な目覚めだぜ、まったく。俺の敵」 「それはこっちのセリフですよ、狐さん」 「『狐さん』。ふん、もう名前で呼んでくれないんだな」 「…じゃぁ西東さん」 「俺の事を苗字で呼ぶのは敵だけだ」 「思いっきり敵じゃないですか!」 それにそれは哀川さんのセリフだし。 「さて、今日のところはコレくらいにして引き下がるとして、後の事は任せたぞ、木の実」 「はい、分かりました」と彼女が頭を下げているのに一瞥もせず、かつん!と、狐面の男は踵を鳴らして── ぼくの脇を通り過ぎた。立ち去るつもり、らしかった。 見送る気など、更々無い──振り向く気すら、ぼくにはなかったが、しかし── 「そうそう──」 扉を開けて出る際に、狐面の男は言った。 「ベッドの下の──」 ことのついでを告げるように、気の抜けた声で。 「エロ本のことなら──」 昨日の晩飯でも報告するかのような、適当さで。 「──俺が、貰った」 「………………てめえっ!」 振り向いて、走った。狐面の男の後を追って、扉の外へ出るが、しかしもう真っ白なポルシェに乗り込んでいた。 「縁が合ったら、また会おう」 そう言って逃げるように、逃げて行った。 「…………」残されて呆然と立ち尽くすぼくと、 「♪」何事も無かったかのように後始末をする木の実さん。 もう、見慣れた光景だった。これで7度目だ、嫌でも慣れる。 自分の名誉のために言っておくなら、ベッドの下に有ったのは魔女が貸してきた春画だ。 魔女に返そうにも旅行にいっているらしく、その間崩子ちゃんの目に入らないように安直だがベッドのしたに隠していた。 ちなみにそれは歴史的にも学術的にも価値が有るらしく、「無くしたら片手じゃすまないから」と言われている。 片手…5万、じゃないだろうなぁ。 「さてと」 彼女はぼくが意識を外している間にクローゼットを分解してしまっていた。 クローゼットが今まで在った場所には不自然な空間がポッカリと空いていた。 「それでは失礼したいと思いますが、何かご用件はありますか?」 「狐さんに、もう止める様木の実さんからも言ってもらえませんか?」 「それは、狐さんの行為にわたしくしが口出しできることは出来ませんので。 ただわたくしから見ればあなたの立場が羨ましくて溜まりません、代わってあげたいくらいです」 「ぼくも代わってほしいですよ」 ジェイルオルタナティブ…、ぼくの代用品は木の実さんではなく、人間失格の零崎人識以外は存在しないらしい。 だから、小唄さんに頼んで探してもらおうとしているが、連絡が取れない。 「それでは失礼いたします」と、書き置きが机の上に置いてあった。 気が付けば既に木の実さんは居なかった。 部屋には何も残っていない、まるで何事も起きていなかったかの様に、昨日までと変わらない風景。 「ガシャン!」と窓が割れ、何かが部屋に入ってくる。 「お兄ちゃんどいて、そいつ殺せない!」 息を切らせ、擦り傷を創り、誰も居ない虚空に向かってナイフを構えているのはボクのサーヴァントだった。 「あれ?お兄ちゃん魔女は一体何処へ」 「奈波ならまだ旅行から帰ってないけど?」 「違います!私を山奥に隔離した魔女です!!」 「……木の実さんならもう帰ったよ」 そうですか、と背負っていた筍を数本足元に置いて 「それではお兄ちゃん図書館へ行ってきます、息災と、友愛と、再会を」そう言って、先ほど入ってきた窓から何処かへと飛び去っていった。 そこで一回思案する、思考する、思索する。 一体ボクは何処へ向かおうとしているのか、誰の元へ行こうとしているのか、何をしに何をされようとしているのか。 主たる登場人物は殆んど登場している、残っているのと言えば玖渚機関で目下検査中の友、小唄さんに付きっ切りの真心、そして─ 「らいらーい、暇だから遊びに来てやったぞ~」 そんな言葉に続けて、玄関前で爆発でも起こったかのような勢いで、青年のいる部屋の扉が一つ、内側に向いて吹っ飛んできた。 そのドアはそのまま先ほどぶち抜かれたままの窓へと衝突し、更にそのまま向こうへと抜けてしまった。 そして。 扉が吹っ飛びぽっかり開いたそこから── 一人の人間が、部屋の中に乗り込んできた。 威風堂々、それが当たり前のようにして。彼女は─『彼女』は、すらりとした─略─ 『彼女』は──『彼女』は、『紅き正妻』、違う『紅き制裁』と呼ばれる。 「遊びに来たぜ──いーたん」 火炎のように紅く紅蓮の如くに赤い。 地獄そのままに緋く流血さながらに赤い。 鞭で打たれた後の如く痛々しいほどに美しく赤い。 請負人が皮肉な笑みを浮かべて。 ただ単純に、存在していた。 「おうおう、相変わらず暇そうだな、いーたん」 突然の来訪者は玄関口に立って、笑顔でつまらない挨拶をする。 「実はさ、ここに来る前に事故に出くわしてさ。駅前の交差点でさ、白いスポーツカーにのった中年が交通事故。 多いって聞いてたけど実物に遭遇するとは思わなかったな。────ほいこれ、冷蔵庫」 玄関でブーツの紐をほどきながら、手に持ったコンビニのビニール袋を投げてよこす。中にはハーゲンダッツのストロベリーが二つ。解ける前に冷蔵庫に封入しろ、という事らしい。 冷蔵庫……三日前に誰かの手によって分解と言う分解を分解され、破壊と言う破壊を破壊されてその機能を完全に停止させられていた。 「あぁ、また嫌がらせをされたのか。いやー、いーたんモテルね。羨ましいよー」 全く持って羨ましそうに見えないのは気のせいだろう──いや、羨ましいと思う奴の顔が見てみたい。 「それで今度は何のようです?また何か問題でも起きたんですか」 「はん、クソ親父がここら辺に居るって斑鳩から情報が入ってさ、一発殴ろうかと思ってそのついでにいーたんの所に寄ったわけ。 それでだ、よかったら大好きなお姉さんに何か知っていることがあれば、教えてくれないかな?」 猫撫で声を出しつつ、ぼくの顔に指を這わそうとする哀川さん。 「多分、駅前で事故ってるのが哀川さんの──」 「潤だ!」 「潤さんの探してる人だと、思いますよ」 大方、読むのに熱中して事故ッたんだろう。江戸時代において、禁忌の存在で、禁忌の伝説で、禁忌の神話で、禁忌の奇跡なヤオイ春画。……製作者の罪口ぎくるって何者だよ、おい。 「あぁ?そういや事故ってた奴見覚えのある仮面をしてると思ったら、あのクソ親父、性懲りも無く変装してたのか!」 だから、アレの何処が変装なのか小一時間(ry そう言ってかつん!と、請負人は踵を鳴らして── ぼくの脇を通り過ぎた。立ち去るつもり、らしかった。 止める気は無い、止まるつもりも無いだろう。ぼくは彼女を黙って見送り、彼女は黙って見送られる。 これでもうだれも残っていない。 白き人類最悪、紅き人類最強、橙なる人類最終、蒼き聖少女、主たる登場人物は居ない。 だが、何か足りない、狐さんの言うところの、運命という名の物語りに記載されている登場人物には、決定的な何かが─── そこで、思考を変える、…………寒い。 取りあえず服を着るかな。確か押入れに服が有ったはずなのに、おかしいな、何処に入れたっけな? 「…………」この前、即売会で一括購入したばかりなんだけどな。 「─── 。」おっかしいな、まさか狐さんが全部持っていったことは無いだろうし。 「─────です。」ん?何か聞こえた気がするんだけど、耳がオカシクなったかな。 「オカシイのは、あなたです」 狐さんの言う、運命という名の物語の作者が何を望むのか、その読者が何を望むのかをぼくは知らない。 知らないはずなのに、この再会はぼくにとって5年前から予想がついていたかのように明確で、十年前から知っていたかのごとく、そして生まれる前から知っていた── 確認するまでもなくとも──この目で確認したい。 腰まで届く──整った黒い髪。ダークネスの半袖、胸元をしめるようなスカーフ。ブリーツスカートに──いや、そんな、そんな図抜けた馬鹿な説明なんて要らないだろう。 けれど、 けれど、彼女は、 けれど、彼女は、死んだのだ。 このぼくの──目の前で。 最小の糸に巻かれて。かんぷなきまでに──死んだのだ。 だけど、だけど、だけど、彼女は、生前と変わらぬ黒髪をたなびかせ、あの時と同じような鋭い目つきでぼくを睨んでいる。 「私の名前は萩原子荻。私の前では悪魔だって全席指定、正々堂々手段は選ばず 真っ向から不意討ってご覧に入れましょう」 「あはは、少年。あはははははははは。あーはははは」 会うなりいきなり彼女は、ぼくに向かって大爆笑した。今更もう、それを失礼だとは思わない。季節の変わり目の一風景みたいなものだ。 「あはは。少年。メイドにやり込められたみたいだねぇ。あー、もう。おかしい。やーい。やーい。ざまーみろ」 「……どうして生きているんですか」 「今更それをあたしに訊くのかい?中々面白い番組だったよ、素直な嘘吐きくん。退屈しない人生だね、きみは。羨ましいよ」 居た、羨ましいと思う奴がここに。 「言ったろ、私が死ぬのは二年後の三月二十一日、午後三時二十三分。それが私の命日と死亡時刻ってさ。 それともその自慢の記憶力とやらで忘れたのかい?」 「…………」沈黙するしかなかった。 「変な奴が奇妙な奴がいたから身代わりをね、影武者って奴だよ、少年」 納得。あの時ひかり(またはてる子)さんが死んだと言って来たのは狐さんに生きている事が露見しないようにか。 「それでそこにいるレイヤーさんは」 「れ、レイヤーとは失礼ですね、私の名前は―――」 子荻ちゃんの口調で。 子荻ちゃんの態度で。 子荻ちゃんの物腰で。 喋る彼女は、まるっきり、萩原子荻だ。ただし、背は阿呆みたいに背が高くて、阿呆みたいに足が長くて、そして阿呆みたいに似ている。 「呼びにくいなら赤音さんで構わないよ、きみの驚いた顔が見たいからこの格好をしているだけで、今はまだ、そう名乗っている」 「それで、一体何の用ですか?隠れているならこんな所にいちゃ駄目でしょうが」 すると名もなき彼女は何かに気が付いたらしく「少年」と言って土足で部屋に入ってきた。 「ハーゲンダッツのアイスは中々おいしいから一つの私にくれ」 さっき哀川が持ってきた袋をあさって中からアイスを取り出してそんなことを言った。 ぼくは黙って首肯した。赤音さんは嬉しそうに取り出した一つ、袋に入れて袋ごと持って行ってしまった。 どうせそんな所だろうとは思っていたし。 それからして、二人は予定調和の如くアイスを食べ終えると 「それじゃ私達はこれで失礼させてもらうよ、いやいやめずらしいものをみせていただいて。眼福眼福」と名もなき彼女は意味不明な言葉を残し、 「中の上、あはははははははは。また来週会おう、息子」 と、人類最低な占い師はやはり理解不能な不吉な予言を残していなくなった。 「…………」なんだか、ねむたくなってきた。 next→