約 31,328 件
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/806.html
「で、何時まで私はここで待っていればいいんですかね!?寒村先輩!!?」 「おお!すまんすまん。何分男中心の空間が濃密だったので、貴殿を迎え入れるタイミングを逸してしまったのだ。ハハハ!!」 「ハハハ!!じゃないです!!全然言い訳になってないんですけど!完全に私の存在を忘れていましたよね!!?」 「あれ、一厘じゃないっすか?どうしたんすか?」 開幕早々大声でツッコミを入れる少女は一厘鈴音という少女。風紀委員159支部に所属している常盤台中学3年生である。 「寒村先輩と速見先輩に偶然外でバッタリ。速見先輩がすごく暗い顔していたから気になって話しかけたんです」 「もしかして、常盤台も今日テストっすか?」 「ええ、今日が最終日で。午後からは久しぶりの自由時間で羽を伸ばそうと思っていたんですけどね」 「ごめんね一厘ちゃん。僕のせいで・・・」 「いえ、そんなこと無いです。・・・私なんかより速見先輩の方がよっぽど災難ですよ」 「一厘ちゃん・・・ありがとう」 速見と一厘が話し合っているのを他所に、椎倉は思案に耽り続けている。 そして・・・椎倉の目が見開かれる。その意味を知っている一厘(成瀬台支部員はもちろん既知)は尋ねる。 「椎倉先輩・・・何が対抗策でも思い付いたんですか?」 「思い付いたって程じゃねえよ。とにかく今回の案件はスピードが要求されている。 期限はテスト期間終了日。それまでにこの案件を解決に導かなきゃならねえ。 お前ら、わかってるな?テスト勉強なんぞに構っている暇は無えぞ?」 支部員は誰も口を開かない。その代わり、各自真剣な顔や気合の入っている顔、中には笑顔を浮かべている者さえいる。 それは、「言わなくてもわかっている」という意思表示か。椎倉は再び問う愚行は犯さない。 「午後2時半より作戦会議を執り行う!!各自必要な資料を収集・整理し、俺の前に叩き付けてこい!!!」 「「「「了解!!!」」」」 椎倉の号令を受けて各々がせわしなく動き始める。普段は馬鹿なことしかしないのに、有事の際は一致団結して対処する。 そんな光景を見て一厘は小さく言の葉を漏らす。 「・・・私の支部でもこんな団結力・・・1回でいいから見てみたいなあ」 その呟きに幾分の羨望を混ぜながら。 「荒我君。どうだったでやんすか・・・?今日のテスト」 「あああ?んなもん決まってんだろ!!赤点だ!!クソッ!!また、餅川先生に馬鹿にされる!!」 「まあまあ、落ち着いて荒我兄貴。これもそれも、荒我兄貴の教科書やノートを潰した奴のせいですよ」 ここは成瀬台高校の屋上。そこにいるのは荒我拳、梯利壱、武佐紫郎の不良3人組。彼らは梯が買ってきた弁当を食べていた。 「武佐君の言う通りでやんすよ。荒我君の本来の力ならあんなの楽勝でやんす」 「・・・」 『荒我君はこの弁当覚えているでやんすかねえ?この前餅川先生の呼び出しでオジャンになった旨い弁当屋のやつを。これならきっと荒我君の機嫌も直るでやんす』 「(!!・・・これは)」 梯の思考が荒我の頭に流れてくる。そんな真似ができる心当たりは今ここにおいては1人しかいない。 「そうそう。荒我兄貴が万全ならあんなテスト問題、軽く高得点を叩き出してますって」 その心当たり、武佐は素知らぬ+ウインクを混ぜた顔を荒我に見せ、梯の言葉をフォローする。 どうやら武佐の精神感応能力『思考回廊』で梯の思考を読み取り、それを改めて自分の思考として荒我に見せたようだ。 「・・・ワリィな。いらねえ気を使わせちまってよ」 「そんなことないでやんすよ。ねえ武佐君」 「そうだね、梯君の言う通りだと思うよ。さあ、冷めない内に食べようっと。ほら、荒我兄貴も」 「・・・ああ」 舎弟兼友人が気遣ってくれることに感謝と申し訳なさを感じながら荒我は箸を進める。 今回はそれなりに真面目にテスト勉強を進めていただけに、テスト期間突入5日前に 自分の持つ教科書やノートを潰されたのは痛かった。 おかげで、残り2日間のテスト勉強にも支障が出ている。 「(くそ、どこのどいつだ!・・・必ず見つけ出してやる!!そしてボコボコにしてやる!!)」 荒我は心の中で誓う。必ず犯人を見つけ出し、己が手でケリを着けると。 「ようやく新しい制服が届いたー。これで、バカ形製が選んだこの服ともおさらばできる」 「その言い草は無いだろう。形製の善意で貸し出してくれたんだぞ。感謝こそすれ、文句を付ける筋合いは無いと思うが」 「俺にとっては地獄だったっつーの。お前が言うもんだから渋々着ていてやったんだぞ。このだっさい服をさ」 「(お前が選んだ服より何万倍もマシだと思うが)」 ここは成瀬台高校の視聴覚室。そこにいるのは界刺得世と不動真刺の2人組。 実はこの2人、1週間前に制服の盗難事件に遭っているのだ。 そして、今日新しい制服が届いたという高校からの連絡を受け、テストが終わっても校内に残っているのだ。 「その形製だが今から成瀬台に来るそうだぞ。少し前に連絡があった」 「はあ?何それ。聞いてないぞ」 「何でも『制服が届いたことをいいことに、あのボケナス界刺にあたしのコレクションを台無しにされたらたまらない』とか何とか」 「はああ!?誰がそんなことするかっつーの。これでも俺は服の扱いには気を付けているんだぜ? いくらアホ形製のモノだからって、それに泥を塗る真似なんかするかよ!」 「(そうなのか。私はてっきり何かしそうだと思っていたんだが。この男にもそれなりのプライドがあるわけか)」 少しホッとした不動。学校側からは新しい制服が届くまでは私服での登校を許されたのだが、 壊滅的なファッションセンスを誇る界刺が何を着てくるかは悪い意味で予測が付かない。 何せそのファッションセンスによって“成瀬台の変人”の異名を欲しいままにしているのだから。 そこで、不動が『シンボル』の隠れメンバーである形製流麗に頼み込んで服を貸してもらったのである。 最初は界刺・形製共にすごく嫌がったのだが、界刺には筋肉ダルマを脅し文句に説得を、 形製には頭を下げ続けることで、何とか貸し出しにまで漕ぎ着けたのだ。 そんなこんなで界刺と不動は届いた新しい制服に袖を通す。1週間ぶりの母校の制服。 1週間しか空いていないのに、どこか懐かしささえ感じる感触を抱いていると、視聴覚室のドアがノックされる。 「界刺!不動!業者へ代金の支払いをするぞ。それぞれ代金を持って玄関先までこい!」 「わかりました!さあ、行くぞ得世」 「いいけど、形製の服ってどうすんの?」 「一緒に持っていくのは少々面倒だ。代金を払った後でここに戻ってくれば問題無い」 「それもそうか。んじゃ、さっさと済ませるか」 そうやって形製の服を一時的にだが視聴覚室に置いて行った界刺と不動。 そんな彼らが去った後に部屋に忍び寄る影があった。手にカッターナイフを忍ばせて。 後に界刺と不動の2人は―――地獄を見ることとなる。 continue!!
https://w.atwiki.jp/sokentrpg/pages/175.html
アーセナル アーセナルの説明ページです。 アーセナル所属(関連)PC・NPCのまとめページでもあります。手動でリンク貼ってください。 セル概要 元戦闘用セルで、現調査用のFHセル。所在地不明(N市以外か?) 数か月前都築京香が抜けて、コードウェル博士が日本のFHを掌握するまでの合間の機関に、戦闘が起こり前リーダーが倒された。 前リーダーのサポートを行っていた現リーダーがセルをまとめ直し、いまにいたる。戦闘の実力的な意味では現リーダーはまったく 平にかなわないなめ、実力を重視する戦闘メンバーは別のセルに離脱、代わりに調査用の人員が増加している。それでもセルに 残留した戦闘要員は現リーダーからの扱いが手厚い。 セルの目的は昔と同じ、戦闘を楽しむこと。現在は比較的荒っぽい方法で調査が必要とされる任務をうけることがお多い。 ただ今のリーダーには同時に別の目的があるらしいが……。 セルの形式も前と変わらず、任務があれば各自に連絡が入り、定期的に訓練場への呼び出しメールが入る (以前は前リーダーが直々に相手をしたがった)。 セルのアジトは地下訓練場。上部は書類仕事や医務室などのあるカモフラージュ会社。 戦闘要員が書類仕事をしなくて済むように、ICレコーダーなどの支給が手厚い。機械が苦手な場合は帰還後、担当者が聴取を行う。 チームで任務に取り組む場合は代表が報告書を出す形である。 歴史 セル発足(数年前) 前リーダー・荒上 雄剛によりセル発足。 戦闘要員を中心にセルメンバーにする。必要あって調査用人員が入る。 荒上 雄剛・静堂 響 他加入。 ラグナ・ヴィゴーレ加入(?前) 高梨 柚月加入(数か月前) 都築京香がFH離脱(数か月前) リーダー交代(数か月前) 他のFHセルと戦闘がおこり、荒上 雄剛死亡。 敵対セルの撃破及び荒上の死亡確認を行った静堂 響がリーダーの座を掴む。 戦闘要員の離脱が進む。 コードウェル博士の日本FH掌握。(数か月前) 前回の事件(だいたい今) アーセナル関係者 セルメンバー 静堂 響…現セルリーダー。前セルリーダーの右腕だった。 荒上 雄剛…前セルリーダー。故人。 ラグナ・ヴィゴーレ…所属エージェント。荒上の死の真相が気になりセルに残留。 高梨 柚月…所属チルドレン。 名前…組織に関連する簡単な説明 セル協力者 御鏡 桐人…面白いのでちょっかい出しに来る第七使徒メンバー 空…協力イリーガル。
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/683.html
【名前】武佐 紫郎(むさ しろう) 【性別】男 【所属】科学 【能力】思考回廊(テレパシーリンク) レベル2 【能力説明】 最大3人までの思考を自身へ繋ぐ(受信)事が出来る「精神感応(テレパス)」系統の能力 自身の思考も最大3人までに繋ぐ(送信)事が出来る。一回に送信or受信出来る思考時間は10秒 10秒経過した後、次能力行使までの間に7秒のタイムラグ有り 指定範囲は自分を円の端とした上で25m先の地点を円の中心とした半径25mの範囲内にいる人間 よって自身が移動する事で指定範囲は動いていくので注意が必要である 【概要】 成瀬台高校一年生で、荒我拳の友人にして舎弟。 前はスキルアウトに入っていたが、とある無能力者狩り集団に組織を潰され無能力者狩りのメンバーから雑用兼パシリの扱いを受けていた。 しかし救済委員の荒我拳によって、その無能力者狩り集団から助けてもらったことから荒我拳を慕っており、 荒我兄貴と呼んでいる。また同じ舎弟の梯利壱とも仲が良い。 ナンパが趣味でよく女に声をかけて大体失敗に終わるが、彼はあくまでナンパが趣味なだけで、断られたら潔く諦めるが、 見た目が不良なので、声をかけても風紀委員に通報されたり、ツンツン頭の少年に顔面を殴られたりと悲惨な目に遭っている。 喧嘩はあまり強くないがかなりの情報通で、救済委員の荒我拳に情報を提供している。 彼が情報通なのは、自身の能力で他人の思考を読み取ることで、様々な情報を入手しているから。 兄とは疎遠で、自分から兄について話すことは全く無い。 実はスキルアウトに入った理由が、風紀委員で高能力者の兄に対するコンプレックスだったりする。 【特徴】 茶髪のドレッドヘアで、常にマスクをしている。身長は170cmで体系は普通。 実はドレッドヘアにする前は、髪の色以外兄にかなり似ていたとか・・・ 【台詞】 口調は見た目の割りに意外と穏やか 「荒我兄貴!第十学区の無能力者狩り集団がスキルアウトを襲ったらしいよ!」 「ねえねえ君、俺と一緒に遊ばない?あ、困る・・・?邪魔してごめんね・・・」 「梯君って毎日みんなのために頑張っていて凄いなぁ・・・俺、梯君も尊敬してるよ・・・」 【SS使用条件】 特になし
https://w.atwiki.jp/city_blues/pages/194.html
未知との遭遇というフレーズを聞いて余人が思い浮かべる物と言えば、それはなんであろうか。 例えばUFOに代表される未確認物体であったり、あるいはタイムスリップのような異常空間遭遇であることも考えられるだろう。人によってはそれこそ御伽噺めいた代物を想起するかもしれない。 例示されるものは枚挙に暇がないが、それらは総じて未知の言葉が示す通り、普段通りの日常を過ごす分にはまずお目にかかれない非日常の産物となるのが通例である。 そして実際に「そういうもの」と遭遇した場合、その瞬間に人は一体何を感じるのか。 驚き、戸惑い、恐怖といった感情。もしくは生命に関わる危険であるとか、豪気な者であるなら関心や興奮を覚えるだろうか。 それこそ十人十色の反応を見せるだろうが、そういった「怪異」と遭遇した者の多くに共通する証言のいくつかに、こういったものがある。 曰く、「一切の音が聞こえなかった。無音だった」というものがそれだ。 それは突如の事態に脳内処理が追いつかず、五感が麻痺していたのだ……と、そういうこともあるだろうが、しかしこうも考えられる。 つまり、目撃者の聴覚が麻痺していたのではなく、"普通"でないモノの近くには雑音というものが存在しないのだと。 無音領域、無音円錐域、コーンオブサイレンス。"異界"はあらゆる音を排除する。周囲の雑音は一切消え失せ、そこには当事者と、当事者に対峙する異物だけが存在するのだ。 ならば、この時間、この場所において。 眼前に聳え立つ無人の大邸宅を覆う無音の領域もまた、この現実離れした豪奢な邸宅がある種の"異界"であることを証明しているのかもしれなかった。 「はい、お邪魔しますよっと」 そんな、静謐という言葉をこれ以上もなく体現する、しんと静まり返った邸宅敷地内に、明らかに場違いな声が響いた。 声の主は青年だった。黒よりも深い夜色の廊下に、対照的に白く映える頭髪と服装。小さく呟かれた声はそのままに、しかしそれ以外のあらゆる動作音を立てないまま、青年は突如としてこの場所に現出したのだ。 何故、あるいはどうやって、という疑問は青年には通じはしない。この異界めいた邸宅と同様、彼もまた通常とは異なる存在であるのだから。 「そんじゃ、捜索開始といきますか」 言うが早いか、青年は素早く、しかし音と無駄を一切排した動きで歩みを進める。 手近な部屋のノブに手をかけ、躊躇することなく中に押し入った。そしてそのまま、何かを探すように行動を開始する。 棚を漁り、引き出しを開け、あるいは物と物の間の隙間を見て周る。天井裏や床だって見逃さない。 都合五分ほどあくせく動き回った彼はふと動きを止め、ふぅと一息つく 表情は優れず、首に手を当て、一言。 「……外れやな、こりゃ」 部屋の中を一通り見まわって舌打ちひとつ。青年は無造作に部屋を出て、次の部屋へと入り再度作業を続行した。 単純作業を繰り返す肉体と同様に、体内のI-ブレイン絶え間なく情報収集を続けている。脳内に展開される空間座標図には、周囲数十mに動く人間が存在しないことをはっきりと表示されていた。 見ようによっては新手の空き巣とも解釈できる行動を取る青年の名前はイリュージョンNo.17。この新宿においてはアサシンのクラスで召喚されたサーヴァントである。 勿論のこと、彼は本来盗みといった露骨で自分本位な犯罪行為に走る者ではない。ならば、彼は一体何をしているのか。 それは、他ならぬこの場所自体に理由がある。 神楽坂の一等地に居を構える西洋式の屋敷、あの有名な遠坂凛がかつて住んでいたのが、現状彼が忍び込んでいる邸宅だ。 真昼間の大通りでまさかの大量虐殺を行い、一般の警察機構に指名手配され、今や全国どころか全世界で時の人となっている、聖杯戦争においてはバーサーカーのマスターである、あの遠坂凛の元住所だ。 今も少なからぬ武装した警察官が24時間体制で警戒し、捜査を続けている場所である。彼らの目を潜り抜け、遠坂邸そのものに配備されている魔力感知の魔術さえも容易くすり抜け、彼は今この場にいた。 (けどまあ、どっかに必ずあるはずなんやけどな) 二つ目の部屋も収穫なしのまま退出し、ぽりぽりと頭を掻きながらイルは一人ごちる。 今彼がやっているのは、言うまでもなく手がかりの捜索だ。右も左も分からぬ新宿において、どれほど僅かでも情報は重要な存在である。 だからこそ、渦中の人物である遠坂凛の住んでいたこの場所まで遠路はるばるやってきたのだが……今の所、特にめぼしいものは見つかっていない。 生前のイルは時折諜報のような任務も請け負ったことはあるが、大抵は軍のバックアップがついて、専門の機材による情報収集を主としていたため、自分一人による捜索は想定よりもずっと難しいものとなっていた。 元より頭脳労働は専門外だし、そもそも既に警察の手によりガサが入れられている以上は目立つ証拠品など残されているはずもなし。そんな状況で成果を期待するほど、彼も楽観的な人物ではない。 しかし、あるはずなのだ。仮に遠坂凛が"そういった人種"なら、確実に存在するものが。 三つ、四つと次々に捜索を続け、最初に屋敷に押し入ってから数十分が経とうかという頃。漆黒の帳に沈んだ長い廊下を歩いている最中、彼のI-ブレインにとある反応が感知された。 情報制御を感知、という短い文言が脳内に走り、それを認識したイルは、口の端を知らず吊り上げた。 「……おし、おれの勘が当たったな」 そして反応のあった場所に、気持ち早足で近づく。辿りついた一見するとただの壁で、そこには何もないように見える。 しかしそれは間違いだ。実際にはドアが存在し、それを魔術によって視覚的に誤魔化しているに過ぎない。I-ブレインには極めて物質密度の低い空間が広がっていることが如実に表示されている。 一般の警官は騙せても、サーヴァントを騙すことはできない。イルはそのまま、ドアに手をかけようとして――― 「っと、そうやな」 (固有値捕捉。波動関数展開。『シュレーディンガーの猫は箱の中』) 寸前、イルは脳内に撃鉄を叩き込み、己が宝具を発動させる。そして改めて右手を伸ばした。 次の瞬間、その手はドアに触れることなく、まるで霧の中に手を突っ込むかのように「するり」と向こう側にめり込んだ。 最初は手首が、そして肘、肩と続き、遂には体が丸ごと向こうに消えていく。 最早ドアが持つ物質的な隔たりは一切意味を為さず、それはドアに仕込まれた魔術―――恐らくは感知式の防御魔術か―――すら発動の予兆を見せないほどだった。 そして、イルは部屋へ一歩足を踏み入れる。これまでの無機質なまでに整理された空気から一転、そこには乱雑に置かれた物品が所狭しと並び、この部屋の主が持っていた強い目的意識が感じられるようだった。 大量の書物がばら撒かれた机を横目に、イルは壁の書棚へと足を向ける。 そこに置かれた冊子を取り出し、開く。 「……とりあえずビンゴ、ってとこか」 イルは呟き、手の中の紙片をポケットに突っ込んだ。 ▼ ▼ ▼ 神楽坂は表通りから少し外れた箇所、そこに荒垣の姿はあった。夏場の東京で着るにはあまりにも不自然な厚手のコートを羽織り、目つきが悪いを通り越して凶眼とさえ形容できそうな視線を中空の一点に向けている。いかにもこれから戦場にでも行きますと言わんばかりの圧を放つ彼は、しかし何をするでもなくコンクリ壁に背を預けていた。 周囲に人の気配はなかった。元々神楽坂は、一本路地を入れば、人通りの多い表通りとは違い閑静な雰囲気を保つ静かな場所だ。もっとも、そういう事情や現在時刻が午前2時過ぎであるという事実を差し引いても、無差別大量殺人が話題になっている今、好き好んで夜中に出歩くような人間は皆無と言っていいだろう。 ならばそんな状況において荒垣は何をしているのかと言えば、なんのことはない、ただ待っているのだ。偵察という名のガサ入れに赴いた己がサーヴァントの連絡と帰りを待っている。 効率や戦略を語るならば、マスターである荒垣がわざわざ現場近くまで来る必要はないのだが、しかしこの青年にそんな理屈は通じない。そもそも彼らが行おうとしている"聖杯を破壊する"という生産性の欠片もない反逆行為は、元々荒垣が主導して行おうとしているのだから。そんな精神的な気負いを除いても、荒垣真次郎は安穏とした場所で待機するようなまどろっこしい真似を是とする人間ではない。 仮にアサシンが潜入した遠坂邸で戦闘が起こったならば、自分も即座に参戦する気概でいる。常道云々など関係ない、自分がそうと決めたのだからどこまでも突き進むだけなのだと、既に彼は心に決めていた。 「……遅ぇな」 とはいえ、彼は見境なく暴れまわるような馬鹿ではない。 故に今はその時ではないと、大人しくこうして機を待っているのだが、どうにもアサシンからの連絡が遅いように感じる。 二人が別行動を取ってから既に1時間。荒垣は今まで潜入行為に関わったことがないため推定などできはしないが、何かしらの進展があってもいいのではないかと、そう思う。 先に言った通り、荒垣はまどろっこしい行為は好いていない。有体に言ってあまり気の長いほうではないため、手持無沙汰な状況はどうにも落ち着かないのだ。 何某かの魔力感知に引っ掛かるかもしれないから控えるようにと言われた念話でもしてみるか、などと考え始めた、その矢先。 ふと、視界の向こうに黒い影が垣間見えた。 見れば、それは年若い、けれど妙に老けて見える女であった。 マタニティドレスのような余裕のある服を着て、それ以外には特に飾り気のない女だ。痩せた体は不健康さをひしひしと感じさせ、こけた頬は街灯の白い光を反射して死人のような青白さをこれでもかと浮き出させている。 窪んだ眼窩からはこれだけは異様なまでに生気の溢れた眼球がぎょろりと存在を示し、ふらふらとした足取りと合わせて、まるで幽鬼のようだというのが女への第一印象であった。 だが、荒垣は女のそんな異様な風体にも、不気味な雰囲気にも、一切目をくれない。 荒垣が目を向けるのは、女の口と胸元。 そこには、明らかに真新しいと分かる、大量の血反吐がへばり付いていた。 「……おい、あんた。俺が言えることでもねぇが、夜中の一人歩きは感心しねぇな。 早いとこ家に帰ったほうがいい」 分かりきった茶番のようなことを言いながら、左手を懐に忍ばせた召喚器に伸ばす。 既にこちらの準備はできていた。 声をかけられた女は、ぴくりと痙攣するように反応し、緩慢な動作で振り返った。 焦点の合わない目でこちらを見る女は、やはりふらふらとした足取りで荒垣へと近づいてくる。 徐々に鮮明に見えてくるその顔は、何かを失い慟哭しているような、そんな風にも見えた。 「ミンチ殺人……週刊誌で読みましたわ。 ふふ……犯人はきっと正気の者ではないのでしょうね」 外見から来る印象とは裏腹に、女の言葉は流暢なものだった。言葉尻からは確固たる知性が感じられる、そんな語り口調であった。 「人が死ぬ悲しみは痛いほどに分かります……私にも赤ちゃんがいてね、もうじきあなたくらいの歳になるのよ。 生きていれば、だけどね」 「……死んだのか」 会話を続けながらも、荒垣の警戒心は一切緩みを見せない。 背は既に背後の壁から離れ、足は適切な間合いを定めて地を踏みしめている。 「ええ。でも、もう悲しくはないの。分かったから。もうすぐ戻ってくるって」 そこで、女の言葉が微かに変質したのを荒垣は感じた。 いや、声だけではない。見れば女の体の震えは勢いを増して、最早痙攣の域に達していた。 「きょ、今日こそは、今日こそは間違いない! あなた、あなたよ赤ちゃん。私の、私の赤ちゃん。 さあ、戻っておいでぇ」 「……」 ……万が一の可能性を考えて話に付き合ったが、結果は無情にも予想通りだったらしいと、荒垣はそう考える。 最早疑う余地などなかった。この女は、狂っている。 そして、異常なのはその思考のみでは決してない。 何故ならば―――この女から発せられる、ある種慣れ親しんだ気配の正体は……! 「もう一度……私の、お腹にぃ!」 「ペルソナァ!」 瞬間―――人の身の丈ほどに巨大化した女の口に、黒く巨大な鉄槌がカウンターで打ち込まれた。 先ほどまで女だった何かは、潰れた蛙のような絶叫を上げながら後方10m近くまで弾き飛ばされ、金属の軋む音と共に街灯をへし折り、そこでようやく地面に落下した。 「てめえがどこのどいつで、どんな事情があるかは知らねえ。だが、襲ってきたってんなら容赦はしねえ」 銃を手にした荒垣の頭上には、半透明の、霊的あるいは精神的な一つの"像"が出現していた。 たなびく金の長髪、髑髏の如き無機質な白き仮面、全身を覆う黒の意匠、黒馬を模した異形の騎乗物。機械めいた性質をも併せ持ったそれは、荒垣の心象具現。 ペルソナ、名をカストール。古代ギリシアの大英雄にして勇壮なるディオスクーロイの片割れを模したヴィジョンだ。 今の荒垣の全身からは、青色の魔力が荒れ狂う暴威となって逆巻き溢れ出ている。 人を喰らう超常を、更なる超常を以て撃滅せんが為に、かつて忌避した"力"をここに顕現させたのだ。 「うぅ……が、ァ、アガアアァァッ!!」 倒れ伏した異形から、歪んだ狂声が迸る。想定外の攻撃に身悶えていたそれは、しかし苦痛とは別種の蠢動を更に加速させた。 次の瞬間、かつて背中であったろう場所を巨大な脚が幾本も突き破って出現した。硬質の物がひしゃげ、粘性の液体が飛び散る音を振りまきながら、辛うじて人型を保っていた肉体が急速な変質を遂げた。 「……そうか。それがてめえの正体なんだな」 呟く荒垣の眼前に"それ"はあった。 体高およそ3m、人の胴体ほどの脚を何本も持ち、後ろには丸々と肥えた腹部。全体的に蜘蛛を象った異形なれど、頭部から角が二本生えており、面はまるで鬼の如し。 鬼族・ギュウキ―――近畿、四国に伝承が残る半牛半鬼の妖物にして、蜘蛛の胴体を持ち人を喰らう悪鬼とされている。 荒垣はそんな伝承の類は知らなかった。けれど、眼前のこいつが人類と相容れない正真正銘の怪物であることは、嫌でも理解することができた。 「ォォォオオオオオオオオオッ!!」 人間では発声不可能な音域の咆哮と共に、ギュウキが瞬時に距離を詰めて襲い掛かる。 10mはあった相対距離は一瞬にして0となり、鉄骨の太さと日本刀の鋭さを持った脚が荒垣を串刺しにせんと唸りを上げる。 常人であるなら反応不可能な神速の動き。荒垣は、しかしその動きを一から十まで把握し、そして上体を逸らすことで回避した。 狙いの逸れたギュウキの脚が、背後のコンクリ壁を段ボールを破るかのような気軽さで粉々に破壊した。 喰らえば即死。そんな攻撃に、しかし荒垣は一切動じていない。捻った上体を戻し、つま先で軽くバックステップを取る。 ステップにより浮いた一瞬、それを狙ったのか否か、ギュウキによる薙ぎ払いが荒垣を襲った。中空に留まる彼に回避の術はなく、払われるままに建物の上部へと弾き飛ばされた。 しかし荒垣はギュウキの脚に合わせ蹴り上げることで衝撃を緩和、空中にて身を捻ると、何の危うげもなく屋根に着地した。 接地した荒垣が即座に後方へ跳躍すると同時、一瞬前まで彼がいた屋根部分が下から盛り上がるように破砕される。同じように飛び跳ねたギュウキが、文字通り食い破ってきたのだ。 幾本もの脚を器用に用いて屋根上に上がるギュウキを前に、荒垣は冷静な目で事態を見つめていた。 獲物の健在に苛立ち吼えるギュウキ姿からは、人であった残滓など僅かも感じられない。 野獣など比にならない唸りをあげる凶面は恐ろしく、けれどそれ以上に哀れで――― しかし、荒垣は微塵の躊躇もなく引き金を引き絞った。 ガラスが砕けるような音と共に、カストールの鉄槌がギュウキを真上から叩き潰す。肉を潰す湿った音が響き渡り、着弾点の胴体が瞬時に下へとめり込む。ギュウキの体は階下へ落とされ、その姿は見えなくなった。 ……戦闘の喧騒は、呆気なく終わりを告げた。最後の攻撃によって開いた穴に近寄り見下ろせば、元型の無くなった胴体に上を向いた数本の脚がくっついた前衛的な肉塊が、建物内部にへばり付いていた。 「……ったく、面倒かけやがって」 その言葉に、勝利の喜びも、額面通りの侮蔑もなかった。荒垣は女であった成れの果てから視線を外し、音もなく地面に降りる。 やはり聖杯戦争なんざ欠片も好きになれねぇ、と。彼の心中はそんなものであった。 ▼ ▼ ▼ 事が終わって数分、荒垣は既に戦闘のあった場所を後にし、今は別の道を歩いていた。理由は無論、凄惨な屠殺現場を目撃されて厄介に巻き込まれないようにするためである。 不意の襲撃であったため手加減ができなかったがために、後先を考えず全力で攻撃したのが仇となったのか、かの戦場跡は今や発破工事さながらの廃墟と化し、大量の血と肉片と臓物が溢れかえる地獄のような様相を呈していた。 それをNPCに見られたらどうなるかなど、よほどの馬鹿でもない限り理解できるというものだ。故の移動である。 わざわざ事態を厄介事に昇華させる趣味は荒垣にはない。そして、ぶち撒けた後始末をするつもりも、また。 「お待ちどうさん、しっかり物証掴んで……って、なんやその返り血。物騒やなぁ」 とはいえ、服にべったり付着した血は如何ともし難いようだ。 パスを辿って帰還したイルが、明らかに血生臭い荒垣を前に呆れたような口調で言う。確かに物騒だったことは否定できないが、それをサーヴァントに言われるのは腑に落ちないと、荒垣は心の隅でそう思った。 「人間に擬態したバケモンが襲ってきた、だから返り討ちにしただけの話だ。誰の仕業かは知らねぇがな。 ……んなどーでもいい与太話はともかく、なんかいい情報は見つけられたのか?」 「いや、どうでも良くはないやろそれ。人を変異させるっちゅーと、多分キャスターかそこらの仕業やと思うが…… ……まあこっちの話からにするとな、仕事はバッチリこなしてきたで。おれに抜かりはないってな」 ポケットから取り出した紙片をひらひらと振るイルに、荒垣はただ「そうか」とだけ返す。 明らかな無愛想にも特に動じることもなく、イルは話を続けた。 「で、結論から言うと、遠坂凛は黒でもあり白でもある、ってとこやな」 「……おい、ちょっと待て。言ってることが矛盾してるって自分で気付いてんのか」 「まあまあ、人の話は最後まで聞くもんやで」 ほれ、と軽い調子で渡されたメモを見遣る。それを傍目に、イルの言葉が続いた。 「まあ掻い摘んで言うと、遠坂凛は魔術師で間違いない。屋敷にはセンサーの役割を果たす魔術がかかってたし、魔術で隠蔽された部屋もあった。 そんで、このメモ見る限り聖杯戦争にもそれなりに意欲的だったみたいやな」 「なるほどな、それが"黒"ってやつか」 「そゆこと」 走り書きに書かれた内容を、荒垣もまた理解した。魔術が云々、聖杯を狙う、セイバーかランサーが欲しい等々、自分のような巻き込まれではありえない記述が散見される。 「そんで"白"ってのは、多分やけど遠坂凛は望んであの惨事を起こしたわけやないってことやな。 さっき意欲的だった言うたけど、"意欲的"言う程度には綿密に計画やら作戦やらを練ってたことは明らかや。そないな奴があんな無計画に無差別殺人起こすか? それにな、これは前にも教えたことやけど、あの瞬間の遠坂凛の顔、ありゃ完全に予想外って面やったで」 イルが言うのは、ニュース報道における遠坂凛の映像のことだ。 今や特番にもなっている遠坂凛関連のニュースにおいて、嫌というほど流されたのが殺人現場における二人の映像だ。 それは周辺の監視カメラによる不鮮明で荒いものであり、礼服のバーサーカーが殺人を犯したことは分かれど、両者の表情などといった細かい部分は一切確認できない代物だった。 その不鮮明な映像を、しかしイルはI-ブレインによって修正・補正し、鮮明な代物へと作り変えて荒垣に提示していた。 それを見て荒垣は思う。確かに、あの画像に映っていた遠坂凛の表情は明らかな驚愕に染まっていた。とてもじゃないが、狙ってあの惨事を引き起こしたようには見えなかった。 「だが、それだけで白ってのは言い過ぎじゃねぇのか。大量殺人をやる気がなかったってだけで、別に野郎が善人だとか決まったわけじゃねぇ。むしろ、聖杯戦争に乗り気な魔術師って時点で俺としちゃ黒そのものだ」 「ま、おれかてこいつが善い奴とか言うつもりはあらへん。ここで言う白ってのは、あくまでキチガイやないって程度の意味や。 それに、仮に遠坂凛が善人でも、従えてるバーサーカーは何がなんでも排除せなあかん。わかっとるやろうけど、これは絶対や」 どちらにせよ、遠坂凛とかち合ったならば戦闘は不可避であると、二人は互いに承知し合っていた。 もしもの話、遠坂凛が善人あるいはそれに準ずる良識を持っていて尚あのような惨事を巻き起こしたというならば、つまりはそれだけ礼服のバーサーカーが凶悪な存在であることの証左になる。 遠坂凛が外道であろうと、そうでなかろうと、出会ったならば排除すべく戦わなくてはならないのだ。 「ああ。そもそも俺に言わせりゃ、自分で制御できねえ力なんざ持ってるだけで罪みてぇなもんだ。 それで誰かを傷つけたってんなら尚更な。だから、俺は容赦しねえ」 語る荒垣が思うのは、先ほど自分に襲い掛かってきた女だった。 奴も、自分では御することのできない力を持っていた。いや、無理やり持たされたと言ったほうが正しいのだろうか。 ともかく、自らの分を超える力など、どう足掻いたところで毒にしかならないのは明白なのだ。遠坂凛然り、怪物の女然り、かつての自分然り。 それを身を以て知っているからこそ、荒垣は躊躇しない。力には力で、理不尽には理不尽で対抗するのだと決めている。 「遠坂凛も、セリュー・ユビキタスって奴も、他人を化け物にする糞野郎も纏めて相手にしてやるさ。 ……まあ、遠坂凛は事情如何によっちゃ、病院送りくらいで済ませてやってもいいがな」 あくまでも平静した呟きではあったが、そこに隠し切れない怒りの念と、どこか憐憫を感じさせる響きが含まれていることに、イルは気付いた。 この荒垣という男は、本人は無頼漢ぶっているが、実のところかなり人情味のある人間なのだ。そのことを、短い付き合いながらもイルはよく知っている。 「OK、お前のやりたいことはおれかて重々わかっとる。馬鹿は馬鹿なりに突っ走って、やらかしてる連中共々裏でふんぞり返っとる奴らをブッ飛ばしてやろうやないか」 だからこそ、イルは荒垣の方針を笑顔で以て迎え入れる。 軽口を叩きつつ、その先に待っているであろう苦難を見つめて、それでも尚馬鹿らしく突き進もうと決意して。 二人はただ、自らの感情に従い聖杯の破壊を目指すのだった。 【早稲田・神楽坂方面(神楽坂一等地、元遠坂邸の近く)/一日目 午前2時】 【荒垣真次郎@ペルソナ3】 [状態]魔力消費(小)、疲労(小) [令呪]残り三画 [契約者の鍵]有 [装備]召喚器 [道具]遠坂凛が遺した走り書き数枚 [所持金]孤児なので少ない [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争を企む連中を叩きのめす。自分の命は度外視。 1.ひとまずは情報を集めたい 2.遠坂凛、セリュー・ユビキタスを見つけたらぶちのめす。ただし凛の境遇には何か思うところもある。 3.襲ってくる連中には容赦しない。 4.人を怪物に変異させる何者かに強い嫌悪。見つけたらぶちのめす。 [備考] ある聖杯戦争の参加者の女(ジェナ・エンジェル)の手によるチューナー(ギュウキ)と交戦しました。 遠坂邸近くの路地の一角及び飲食店一軒が破壊され、ギュウキの死骸が残されています。 【アサシン(イリュージョンNo.17)@ウィザーズ・ブレイン】 [状態]魔力消費(小)、霊体化 [装備] [道具] [所持金]素寒貧 [思考・状況] 基本行動方針:荒垣の道中に付き合う。 1.敵意ある相手との戦闘を引き受ける。 [備考] 遠坂邸の隠し部屋から走り書きを数枚拝借してきました。その他にも何か見てきてる可能性があります。詳細は後続の書き手に任せます。 時系列順 Back 君の知らない物語 Next ウドンゲイン完全無欠 投下順 Back Brand New Days Next 求ればハイレン ←Back Character name Next→ 00 全ての人の魂の夜想曲 荒垣真次郎 32 開戦の朝 アサシン(イル)
https://w.atwiki.jp/mhfotw/pages/1041.html
《獵人任務》 剝取的奧義・強麻痺袋(剥ぎの極意・強麻痺袋) 承接HR 參加HR 難易度 限制時間 契約金 季節與時間 目的地 主要魔物 100~ 100~ ★★★★★ 50分 500z 繁殖期/白天 沙漠 砂龍王變種 目標與條件 主要目標 討伐1隻砂龍王變種 小目標A 破壞主要目標的背鰭 小目標B 上繳3個草食龍蛋 特殊條件 無 備註 無 條件一覽 部位 頭部防具 身體防具 腕部防具 腰部防具 腳部防具 武器 自由/租借 自由 自由 自由 自由 自由 自由 租借內容 許可武器種類 許可武器種類 單手劍 大劍 大錘 長槍 輕弩 弓 許可 O X X X X X 許可武器種類 雙劍 太刀 狩獵笛 銃槍 重弩 許可 X O O X X 補給物資 補給箱內容 地圖×1 地圖×1 地圖×1 地圖×1 攜帶砥石×2 攜帶砥石×2 應急藥×3 應急藥×3 應急藥×3 應急藥×3 攜帶食物×2 攜帶食物×2 攜帶食物×2 攜帶食物×2 冷飲×1 冷飲×1 冷飲×1 冷飲×1 熱飲×1 熱飲×1 熱飲×1 熱飲×1 音爆彈×2 音爆彈×2 小目標A達成補給 熱飲×1 熱飲×1 熱飲×1 熱飲×1 應急藥×2 應急藥×2 攜帶砥石×2 音爆彈×2 任務獎勵 主要報酬金 3600z 主要目標HRP 900 小目標A報酬 500z 小目標AHRP 50 小目標B報酬 2000z 小目標BHRP 100 固定報酬 隨機報酬 強麻痺袋×1 主要目標報酬 小目標A報酬 強麻痺袋×1 10% 強麻痺袋×1 15% 魚龍種的鰭×1 20% 魚龍種的鰭×1 20% 魚龍種的上鰭×1 18% 魚龍種的上鰭 13% 魚龍種的特上鰭×1 12% 魚龍種的特上鰭×1 19% 魚龍種的血×1 20% 魚龍種的血×1 21% 魚龍種的濃血×1 12% 魚龍種的濃血×1 13% 魚龍種的特濃血×1 8% 魚龍種的特濃血×1 9% 小目標B報酬 強麻痺袋×1 20% 染色草・虹×1 2% 染色草・紅×1 6% 染色草・黃×1 12% 銀蛋×1 30% 金蛋×1 10% 謎樣的骨頭×1 13% 謎樣的頭骨×1 7% 委託人:剝取素材的工匠 任務詳細 最近常聽說,因為變種的袋類非常難剝取,以至於許多獵人很為難。 而我可以很俐落的剝取下來,只要你們能把獵物完整的送到我這。 為了容易剝取,這個任務附加了武器限制和小目標。那就拜託了! WiKi編輯意見 以下輸入框 「書き込む」是留言用的 . 要查素材 請用上方或下方的[検索する] 維持版面整潔 感謝您的配合 拜託不要再用「書き込む」這個框框查素材了,這是留言用的。 素材查尋 検索
https://w.atwiki.jp/mhfotw/pages/911.html
《獵人任務》 剝取的奧義・發電袋(剥ぎの極意・発電袋) 承接HR 參加HR 難易度 限制時間 契約金 季節與時間 目的地 主要魔物 100~ 100~ ★★★★★★ 50分 500z 繁殖期/夜晚 雪山 電龍變種 目標與條件 主要目標 討伐1隻電龍變種 小目標A 破壞主目標的頭與身體 小目標B 上繳2個草食龍蛋 特殊條件 無 備註 無 條件一覽 部位 頭部防具 身體防具 腕部防具 腰部防具 腳部防具 武器 自由/租借 自由 自由 自由 自由 自由 自由 租借內容 許可武器種類 許可武器種類 單手劍 大劍 大錘 長槍 輕弩 弓 許可 O O X X X X 許可武器種類 雙劍 太刀 狩獵笛 銃槍 重弩 許可 X X X X X 補給物資 補給箱內容 地圖×1 地圖×1 地圖×1 地圖×1 攜帶砥石×2 攜帶砥石×2 攜帶砥石×2 攜帶砥石×2 應急藥×3 應急藥×3 應急藥×3 應急藥×3 攜帶食物×2 攜帶食物×2 攜帶食物×2 攜帶食物×2 熱飲×1 熱飲×1 熱飲×1 熱飲×1 破爛十字鎬×1 破爛十字鎬×1 破爛十字鎬×1 破爛十字鎬×1 任務獎勵 主要報酬金 7200z 主要目標HRP 800 小目標A報酬 1000z 小目標AHRP 100 小目標B報酬 2000z 小目標BHRP 300 固定報酬 隨機報酬 發電袋×1 主要目標報酬 小目標A報酬 發電袋×1 10% 發電袋×1 15% 飛龍種的皮×1 20% 飛龍種的皮×1 17% 飛龍種的上皮×1 18% 飛龍種的上皮×1 11% 飛龍種的特上皮×1 12% 飛龍種的特上皮×1 9% 飛龍種的肝×1 20% 飛龍種的體液×1 18% 飛龍種的上肝×1 12% 飛龍種的濃液×1 17% 飛龍種的真肝×1 8% 飛龍種的特濃液×1 13% 小目標B報酬 發電袋×1 20% 染色草‧虹×1 2% 染色草‧白×1 6% 染色草‧綠×1 12% 魔物蛋×1 21% 龍骨【小】×5 16% 銀米草×3 13% 金蛋×1 10% 委託人:剝取素材的工匠 任務詳細 最近常聽說,因為變種的袋類非常難剝取,以至於許多獵人很為難。 而我可以很俐落的剝取下來,只要你們能把獵物完整的送到我這。 為了容易剝取,這個任務附加了武器限制和小目標。那就拜託了! WiKi編輯意見 以下輸入框 「書き込む」是留言用的 . 要查素材 請用上方或下方的[検索する] 維持版面整潔 感謝您的配合 這個任務是在雪山不是沼澤 - 2010-04-12 01 37 16 而且為什麼小a的報酬有激毒袋阿 - 2010-12-17 16 57 47 拜託不要再用「書き込む」這個框框查素材了,這是留言用的。 素材查尋 検索
https://w.atwiki.jp/lexicon/pages/137.html
ガルバダオラ 大型探査船での調査中に遭遇した古龍。全身が黄金色の鱗と殻に覆われ、さらに至る所に結晶の様なものが生えている。詳しい調査から、この地域に住み着いた鋼龍クシャルダオラが、砂金を多く含む川の水や特殊な鉱石を、長年にわたり摂取し続けたことで、このような進化を遂げたと推測される。 別名 金塵龍(キンジンリュウ) 称号 燦然(20)/光彩陸離(50) 燦然<さんぜん>きらきらと鮮やかに光り輝くさま。 光彩陸離<こうさいりくり>光が乱れ輝き、まばゆいばかりに美しいさま。 実績 金色の旋風 ガルバダオラ武具 武具の種類 名称 備考 双剣 金塵翔龍双剣【風刻】≪剛種武器≫ 金塵翔龍双剣【旋刻】≪天嵐武器≫ 金塵翔龍双剣【纏刻】≪覇種武器≫ 金塵翔龍双剣【荒刻】≪G級覇種武器≫ 金塵翔龍双剣【嵐刻】≪烈種武器≫ 大剣 金塵翔龍大剣【風断】≪剛種武器≫ 金塵翔龍大剣【旋断】≪天嵐武器≫ 金塵翔龍大剣【纏断】≪覇種武器≫ 金塵翔龍大剣【荒断】≪G級覇種武器≫ 金塵翔龍大剣【嵐断】≪烈種武器≫ ハンマー 金塵翔龍鎚【風重】≪剛種武器≫ 金塵翔龍鎚【旋重】≪天嵐武器≫ 金塵翔龍鎚【纏重】≪覇種武器≫ 金塵翔龍鎚【荒重】≪G級覇種武器≫ 金塵翔龍鎚【嵐重】≪烈種武器≫ ガンランス 金塵翔龍銃槍【風咆】≪剛種武器≫ 金塵翔龍銃槍【旋咆】≪天嵐武器≫ 金塵翔龍銃槍【纏咆】≪覇種武器≫ 金塵翔龍銃槍【荒咆】≪G級覇種武器≫ 金塵翔龍銃槍【嵐咆】≪烈種武器≫ 穿龍棍 金塵翔龍棍【荒飛】≪G級覇種武器≫ 金塵翔龍棍【嵐飛】≪烈種武器≫ ヘビィボウガン 金塵翔龍重弩【風轟】≪剛種武器≫ 金塵翔龍重弩【旋轟】≪天嵐武器≫ 金塵翔龍重弩【纏轟】≪覇種武器≫ 金塵翔龍重弩【荒轟】≪G級覇種武器≫ 金塵翔龍重弩【嵐轟】≪烈種武器≫
https://w.atwiki.jp/mhfotw/pages/833.html
《古龍任務》 暗中接近的威脅 承接HR 參加HR 難易度 限制時間 契約金 季節與時間 目的地 主要魔物 71~ 71~ ★★★★★★★★ 50分 600z 繁殖期/白天 沼澤 霞龍 目標與條件 主要目標 討伐1隻霞龍 小目標A 無 小目標B 無 特殊條件 無 備註 無 條件一覽 部位 頭部防具 身體防具 腕部防具 腰部防具 腳部防具 武器 自由/租借 自由 自由 自由 自由 自由 自由 租借內容 許可武器種類 許可武器種類 單手劍 大劍 大錘 長槍 輕弩 弓 許可 O O O O O O 許可武器種類 雙劍 太刀 狩獵笛 銃槍 重弩 許可 O O O O O 補給物資 補給箱內容 地圖×1 地圖×1 地圖×1 地圖×1 攜帶砥石×2 攜帶砥石×2 應急藥×2 應急藥×2 應急藥×2 應急藥×2 攜帶食物×2 攜帶食物×2 攜帶食物×2 攜帶食物×2 染色球×1 染色球×1 LV2 貫通彈×30 LV2 回復彈×5 滅龍彈×10 強擊瓶×10 麻痺瓶×15 補給用大爆彈桶×2 音爆彈×2 煙霧球×2 任務獎勵 主要報酬金 15000z 主要目標HRP 2500 小目標A報酬 0z 小目標AHRP 0 小目標B報酬 0z 小目標BHRP 0 固定報酬 隨機報酬 霞龍的上皮×1 霞龍的上皮×1 22% 古龍之血×1 6% 霞龍寶玉×1 5% 霞龍的翼膜×1 20% 霞龍爪×2 20% 霞龍皮×1 14% 靈鶴石×1 8% 古龍骨×1 5% 委託人:大老殿公會 任務詳細 霞龍在古龍種當中也是一種被視為異類的存在… 在隱身的時候突然出現,讓老鳥獵人都難以對付。 捕獲是不可能的,所以請使用確實而又慎重的攻擊方法… WiKi編輯意見 以下輸入框 「書き込む」是留言用的 . 要查素材 請用上方或下方的[検索する] 維持版面整潔 感謝您的配合 拜託不要再用「書き込む」這個框框查素材了,這是留言用的。 素材查尋 検索
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/111.html
ハジマリ ◆lmLSfwR9C2 「――――私は魔術師、荒耶宗蓮。諸君らをここに集めた者だ」 深く、重く声が響き渡る。 それは仏僧のような男だった。 天を衝くような巨大な体躯を包むのは黒いマントじみた長いコート。 その表情は険しく、永遠に解けない命題に挑む賢者のようだ。 永遠に変わることのない苦悶の表情。 それがこの男の変わることのない貌なのだろう。 「君らには最後の一人になるまで、殺し合いをしてもらう」 男、荒耶宗蓮は、深く眉間に刻まれたしわをそのままにつまらなさげにそう呟いた。 「殺し合いは私が用意した会場で行ってもらう。 参加者のやり取りの反則はない。どのような手段を用いてもいい、最後の間で生き残った者が勝者となる。 そして定期的に死者と禁止エリアを伝える放送を行う。 放送の間隔は6時間、死者の発表の他に伝達事項を告げる可能性もあるので各自聞き逃さぬようにすることだ。 武器は各自に支給するので確認を怠らぬように」 途切れることなく淡々と説明を終える荒耶。 その言葉に感情はない。感傷もない。 ただ決まり切った事実を伝える冷淡さだけがあった。 畳みかけるような理解を越えた事態に誰も反応できない。 「説明は以上だ。では、これより会場へと君らを送る」 戸惑う群衆を気にするでもなく、荒耶は何かの合図のように片手を突き出した。 だが、荒耶が力を込め何かをする直前、カツン、と足音が響いた。 「まあ、待ちたまえ荒耶宗蓮。 それではあまりにも不親切というものだろう」 足音はそのまま荒耶の横へと並び、そこで止まる。 暗がりから姿を現せたのは、荒耶と肩を並べるほどの長身の神父だった。 こちらに与える印象も荒耶と同じ黒。 だが、荒耶が見る者に圧迫感を抱かせる底の見えない闇のような黒だとしたならば、 この男は見るものに嫌悪感を抱かせるような、どこまでも濁った泥のような黒だ。 「やあ、大半の者は初めまして。 私は言峰綺礼という、見ての通りのしがない神父だ」 現れた言峰に荒耶は視線だけを向け、重々しく口を開く。 「最低限の説明はしたこれ以上は不要だ」 「まあそう言うな、いきなり殺しあえといわれて放りだすのも酷というものだろう。 迷い子をそのまま放りだすのも聖職者としては放ってはおけん」 余りにも彼にそぐわない言葉に、荒耶は怪訝そうな顔を返す。 「…………まあいい。好きにするがいい。 殺し合いが完遂されるのならば、私としてはそれでいい」 そう言い捨て、影に溶けるように荒耶は引き、言峰に進行役の席を譲った。 進行役を譲り受けた言峰は参加者たちに向けて薄く笑う。 「さて、突然の事態だ。殺し合いなどと縁遠い生き方をしてきたものも少なくあるまい。 君らの不安も戸惑いも十分に理解しよう。疑問や迷いをもったままでは殺し合いなどままならんだろう。 せめてもの情けだ、疑問があるならばここで晴らしておくといい」 神の使いのごとく寛容な態度で言峰は言う。 とはいえ、余りにも胡散臭いこの言葉に素直に従う者などいない。 誰もが、疑惑と疑心と戸惑いに、言葉と行動を失っていた。 こんな状況で動けるものがいるとするならば、それはよほどの馬鹿か、よほど空気の読めない者か、 「いきなり訳わかンねぇ事ほざきやがって、何なンだテメェ等は?」 何が起きても自分が死ぬなど考えない、よほど自分の力に自信のあるものかのどれかだろう。 血のような赤い瞳、白い蜘蛛のような模様をあしらった黒い服。 目つきの悪い白髪の少年が前に出た。 「この殺し合いの主催者さ。 といっても私はあくまで主賓ではなく、協力者といったところだがね」 「そうかよ。で、その殺し合いってのは何なンだ? そンな実験をやるなんて話は聞いてねぇぞ」 「事前通知を怠ったのはこちらの落ち度だ。許せ。 だが、残念ながらこちらにも都合があるのでな。君らは選ばれたのだ、始まってしまった以上逃れることはできない。 元いた場所に帰りたくば、参加者を皆殺しにして己が最強を証明してもらうしか選択肢はないのだ」 「はっ。選択肢ならもう一つあるぜ」 嘲笑うかような声。 白髪の少年の者ではない。 現れたのはここにきて白。 オレンジの髪を逆立てた白い軍服を着た男だった。 「ほぅ。何かね、ルキアーノ・ブラッドリー? それは是非ともお聞かせ願いたいところだ」 「全員殺すまでもなく、お前ら二人をこの場でぶっ殺しゃそれで終わりだろうが」 そう言ってルキアーノ・ブラッドリーと呼ばれた男は、壇上の二人を完全に舐めきった態度で口の端を釣り上げる。 その言葉に、荒耶は微動だにしない。言峰は僅かに肩をすくめた。 「なるほど。それはなかなかに賢明な判断だ。 さてどうするか、こちらとしてもおめおめと殺されるわけにもいかん。 『人殺しの天才』相手では分が悪いというもの、これは逃げた方が懸命かな、荒耶?」 言峰の問いにも荒耶は眉一つ動かさぬまま無言。 そもそも、言峰の言葉には危機感などまるでない。 「しかたあるまい、対策をとらせてもらうことにしよう」 「あん?」 カチリという音。 どこから取り出したのか、言峰の手中には何かのスイッチが握られていた。 爆発音。 直後、ルキアーノ・ブラッドリーの首が蹴りあげられたサッカーボールのように高く吹きとんだ。 残ったのは噴水のように血を流す首の泣き別れたオブジェだけ。 一瞬遅れ認識が来る。 辺りから劈くような女の悲鳴がいくつか響いた。 「彼の選んだ選択肢の結末は見ての通りだ。 さて、君はどうする一方通行(アクセラレータ)彼と同じ選択肢を試してみるかね? 私としては素直に従うことをお勧めするが」 「ケっ。ンなちんけな爆弾がオレに通じると本気で思ってンのか?」 周りの動揺を意に介さず、目の前に転がる生首に目もくれず一方通行と言峰は言葉を続ける。 呆れたような冷めた態度で投げかけられたその問いを言峰は、ふむ、と噛みしめ一方通行に問いを返した。 「ならば逆に問うが――――何故君の首にその首輪は付いているのかね?」 「…………あン?」 一方通行は自らの首元を確かめる。 気づけば、彼のみならず、全ての者達の首にその首輪は取り付けられていた。 「君の能力を持ってすればそんなものを取り外すのは容易いはずだ。 だが、その首輪は今も君の首にしっかりと取り付けられている。 それが何を指示しているか、学園都市最高の頭脳を持つ君が解らぬわけもあるまい?」 「―――――――」 言峰の問いに心当たりがあるのか、一方通行は押し黙る。 「さて、この中にも自身の生命力や耐久力に自信をもつものも少なからずいるだろう。 だが、その過信は捨て去った方がいい。この首輪が爆発すれば例外なく死ぬ。これはそういうものなのだ。 信じる信じないも自由だし、試したければ試してもらってもかまわない、己が命を代償に支払う勇気があればの話だが」 誰も動かない。 誰も何も言わない。 なんてわかりやすい。 従わなければ死ぬ。 言峰の言葉通り、後方の迷いは断ち切られた。 「異論はないようだ。互いに面倒がなくて何よりだ。 さて、後ろ道がないと理解してもらえた所で、その他異論、質問があればできる限りこたえるが?」 言峰は言う。 だが、下手に動けば首が吹き飛ぶこの状況で言葉を放つなど、よほどの胆力がなければ不可能だろう。 「では、一つ聞かせてもらおうか言峰綺礼」 そんな状況の中一人の青年が高らかに声をあげた。 「何かね、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」 「貴様らは我々に殺しあえと言ったな? つまり、この場にいる貴様ら以外の全員が参加者ということか?」 「ああ、その通りだ」 「ならば、そこにいる奴らも我々と同じ参加者ということだな?」 そう言ってルルーシュは後方を指さす。 そこには3メートルはあろうかという影が二つ。 人あらざる人外の影である。 それを確認した言峰は得心したと僅かに頷く。 「なるほど。言わんとすることは解らないでもない。 つまり個人の戦闘能力に差があり過ぎる、と?」 「その通りだ。出来レースがお望みという訳でもないのだろう? だれしもが勝者となりえる、そんな仕掛けがあるのではないか?」 投げかけられたルルーシュの言葉に、言峰は満足げに笑う。 「良い質問だ。集団対集団の戦争ならばともかく個人レベルの殺し合いともなればあまりにも武力に特化したものが有利であるのは事実だ。 知力、あるいは運を武器とするものもいるだろう。そういうもの達への救済処置を求めるのもまた当然と言える。 そこでだ。君らには武力のほかに、己の知力と運を武器としてもらう」 「どういうことだ?」 ルルーシュの問いに言峰は勿体ぶるように言葉を溜めて吐き出した。 「――――賭博(ギャンブル)だよ」 「賭博だと?」 「そう、各参加者に初期資金として一億ずつ支給する。 単価は円でもドルでもなんでもいいのだが、そうだな、ここでは仮にペリカとしておこうか。 その一億ペリカを元金としてギャンブルを行ってもらう」 「その金で我々は何を得られる」 いきなりルルーシュは話の核心を突いた。 隔離された殺し合いの舞台で、金の力などなんの役にも立たない。 その金で得られる何かがなければ金などただの紙切れに過ぎないのだから。 「勝者となった暁には当然そのまま君らの紙幣に換金し持ち帰ってもらっても構わんのだが。 ゲーム中の使用用途としては金額に応じた武器、情報、傷の手当てといった様々なモノを提供するといったところだ」 「ふん。たとえ武器を渡されたところでそう簡単に力や経験の差が埋まるとも思えんな。 その程度では我らが一方的に虐殺される弱者であるという事実は拭えない」 自分ではなく多くの参加者がそう望んでいると言わんばかりの口調で、まだ足りぬと、慎重ながらもルルーシュは強かに言峰の足元を測る。 問いかけられた言峰は僅かに思案し、口を開く。 「ふむ、そうだな。では―――――、一度だけ任意の首輪を爆破する権利を与える、というのはどうかな?」 「―――――ッ」 「これならば如何なる弱者でも、どんな強敵であろうとも何の苦労もなく葬り去ることができる。 当然安くはないがね。金額にして、そうだな、10億、いや15億ペリカは必要といったところだろう」 ルルーシュにとっても予想以上、いや予想外の報酬だった。 確かに首輪の威力が言峰の言葉通りだというのならばどのような敵も倒せる一撃必殺だ。 「……賭博の方法は?」 「会場のいくつかの施設に賭場が用意してある。賭けはそこで行うのが基本だ。 だが、参加者間のやり取りは自由だ。合意のもとであればルールを決めて独自に賭けを行うのもいいだろう」 「賞品の換金どうやって行う?」 「これも賭場と同じく会場の各地に換金所が設定されている。 ただし、場所によっては賞品の内容や扱っているものが違うかもしれん、注意することだ」 ルルーシュの問いはここで途切れた。 それを確認し、言峰は視線をルルーシュから外し、佇む参加者たちへと向けた。 「質問は以上かね。他になければこれで締め切るか?」 そう言って言峰は後方の荒耶へと合図を送る。 「では、これより君らを会場へとお送りする」 そう言って荒耶が腕を突きだすと、参加者の足もとが泥のように沈んだ。 「最後に聞かせろ、貴様の目的はなんだ?」 泥に沈むルルーシュが声を放つ。 それに対し言峰は愉しそうにこう言った。 「そうだな――――強いて言うなら娯楽だよ」 【バトルロワイヤル スタート】 【ルキアーノ・ブラッドリー@コードギアス 反逆のルルーシュR2 死亡】 ■ 全ての参加者が転送され、その場に残ったのは二人だけだった。 そのうちの一人、荒耶宗蓮が一歩前へと踏み出した。 「では、私も会場へ向かう。後は任せる言峰綺礼」 「ああ任されよう荒耶宗蓮。 私の目的は達せられたも同然だが、君の場合はこれからなのだから、存分に目的を果たすといい」 残される言峰綺礼が愉しげな声で答えた。 「然り。この矛盾した螺旋の果て『』に至るまで、私は決して諦めぬ」 言いながら荒耶は自らの体を地面へと沈めてゆき、その場から消えた。 残された言峰は一人、このゲームの動向を予測し愉しげに心躍らせた。 【主催 荒耶宗蓮@空の境界】 【進行役 言峰綺礼@Fate/stay night】
https://w.atwiki.jp/kwskp3/pages/462.html
考 特別課外活動部メンバーは名前で呼ぶ者が大半だと思う。 意義ある者、より詳細を記述出来る者は加筆を求む。 ・主人公(男性)…… リーダー、(名前)、(名前)君、(名前)さん ・主人公(女性)…… リーダー、(名前)ちゃん、(名前)ッチ ・岳羽ゆかり …… 岳羽、ゆかりちゃん、ゆかりさん、ゆかりッチ、ゆかり ・桐条美鶴 …… 桐条先輩、美鶴、美鶴先輩、美鶴さん、桐条 ・伊織順平 …… 伊織、順平、順平くん、順平さん ・真田明彦 …… 真田先輩、真田さん、明彦、アキ ・山岸風花 …… 山岸、山岸さん、風花、風花さん ・アイギス …… アイギス、アイギスさん、アイちゃん、姉さん、お姉様 ・天田乾 …… 天田、天田くん、天田さん ・荒垣真次郎 …… 荒垣先輩、荒垣、荒垣さん、シンジ ・コロマル …… コロマル、コロちゃん、コロ ・メティス …… 妹ちゃん、アイギス妹、メティス 基本的に同年代は名前で、それ以外は苗字で呼び合う。天田のみ、誰も名前で呼ばない。