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こんにちは。ちぃは黒ちぃというちぃ。 簡単にちぃがどういう人間かというと 小学生のころから人一倍ドラえもんが大好きで、うる星やつらにもはまっており、 その一方で科学クラブとか入ったりパソコンショップに通ったりして理科に関心があり、 本はSFを図書館で熱心に読んでたり、映画ではやはりSFを好んでいたちぃ。 ただ美術と国語と社会とただ走る以外の運動が苦手だったので、 そのころから趣味がアニメ視聴で実益が理科によってしようと思ってて、 その態度は今も変わらないちぃ。 (でもときおり物語の夢を見てはよい話だったな、書けば良いかもと思うってのは、話作りに興味があるのかも) んで画像ですが、ちょびっツの白ちぃと黒ちぃのぬいぐるみ。 そういう画像を載せるだけちょびっツにはまってるちぃ。(ペットの写真を載せるのに似た禁戒かも)
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第二回「夜を駆ける蒼い流れ星、再デビューした特急」 東海道新幹線の開業は東海道本線・山陽本線の昼間のダイヤを大きく変えた。特に東海道本線を走る昼間の特急が全てリストラされたことが当時の時代の転換を象徴していると言える。 一方、夜を駆け抜ける寝台特急列車は「蒼い流れ星」とも呼ばれるブルートレインの人気が絶賛上昇中であった。 新幹線が出来たと言っても大阪までだったので、九州へ行く人にとってはまだまだ夜行の方が有利だったのである。 そんなわけで1・2列車さくら、3・4列車みずほ、5・6列車あさかぜ、7・8列車はやぶさに続いて、5番目の蒼い星が流れ出したのだった。その列車は9・10列車と番号がふられ、この愛称が付けられた。 富士 と。 富士の名は元々戦前、最初の特急列車の愛称として登場し、近年「はやぶさ」と共に最後の九州ブルートレインとして残り、2009年3月14日に廃止されたということで有名であるが、この寝台特急の新しい人生の始まりはまさにこの時である。 その時のダイヤがこちら 富士の編成は電源車1両と14両の客車の15両編成で、1号車と8号車に1等寝台車(今のA寝台車)、2号車に食堂車、7号車に2等座席車(今の普通車)、その他が2等寝台車(今のB寝台車)という内容。8号車から14号車は東京~下関でのみ連結される付属編成だった。 この編成内容「みずほ」と同様である。 当時は1等寝台車の中でもA,B,Cと三種類のグレードが存在し、みずほと富士はBのみが存在。さくらとはやぶさはAとBの2グレード構成とやや格が高め。 あさかぜもAとBだが、1等寝台車自体が6両もあり、ブルートレインの中でもフラッグシップ的な存在だった。 これで見ると富士はみずほと共に格下の感があった。 他の寝台特急が全て博多を通り、九州の西側や南側を結んでいるのに対して、富士は日豊本線を通り九州の東側の輸送を担う列車となった。 その後年を経て宮崎や西鹿児島まで運転される時代もあり、富士は廃止の日まで日豊本線を代表する寝台特急として存在し続けるのであった。 ところでこの富士、寝台特急として再デビューを図る前に2度の人生を送っている。 1度目は先にも述べたが、最初の特別急行列車。走り始めたのは明治45年(1912年)だがこの時はまだ愛称と言うものがなかった。 実際に愛称が付いたのは昭和4年(1929年)と世界恐慌の煽りをうけ、日本も大不況の真っただ中という頃。 どうにか世の中を明るくできないかと考えていた鉄道省(JRの前身の国鉄の前身)は東京~下関を結ぶ2本の特急に一般公募によって愛称をつけることを思いつく。 そして数ある応募の中から見事1位に輝いたのが「富士」であり、2本のうちの片方に付けられた。 ちなみにもう1本の特急には3位の「櫻」という愛称が付けられた。2位には「燕」が入っていたが、これは後に東京~大阪・神戸を当時としては恐るべきスピードで駆け抜けた特急の名前になる。 そういうことで各特急の最後尾にはその列車の愛称が書かれたテールマークが取り付けられ華々しく東海道を駆け抜けたが、そのうち戦争が始まると鉄道は徐々に軍需輸送に特化されていく。 1942年には関門海峡トンネルが開通し、九州は長崎まで運転区間が伸びたものの翌年 には「特急」というものがなくなってしまい、富士は第一種急行という種別に変更されてしまう。そして戦争が激化した1944年に廃止となった。命名から15年で消えるという運命にさらされたのだった。 戦争が終わり16年が経った昭和36年(1961年)10月、全国で大規模なダイヤ改正が行われた。ファンの間ではサンロクトオと呼ばれている。 この改正は7月に「もはや戦後ではない」と経済白書が歴史的名フレーズを残した通り、戦後からの復興が終息し、次の高度経済成長を見据えたものだった。 事実この頃から列車の混雑は増す一方、大幅な列車の増発が必要だった。 そんな状況から実に13本の特急が登場したのだが、その中に「富士」の姿があった。今度は電車の特急として東海道本線の降臨。1日2往復が設定され、1往復は東京~神戸だが1往復は東京~宇野で運転。当時の宇野は宇高連絡船を介し当時の宇野は宇高連絡船を介し四国の高松に連絡するための重要拠点。富士は四国連絡の役目も担い、つばめ・はと・こだま・おおとりと言った名だたる特急達と共に東海道を疾走したのだ。 しかし新幹線建設はすでにこの頃より前から既に始まっていた。電車特急として再デビューしたと同時に余命宣告をされた瞬間でもあった。 結局、富士が電車特急として君臨したのはわずかに3年。新幹線の開業に伴い特急達はそれぞれ転勤を命ぜられる。こだまは新幹線へ。つばめ・はとは山陽本線へ。おおとりは北海道へと大異動しているがそれはまた別の話。 その頃、寝台特急みずほは熊本行きと大分行きの2つの行き先を持っていた。だが門司で大分行きを切り離すと7両編成。少なくとも博多まではフル編成が欲しかったし、さらに増える需要を考えると大分行き編成を独立させてもう1本寝台特急を仕立てるべきと考えた。 そんな背景から東京~大分の新しい寝台特急の任は職にあぶれかけてる富士に託されることになった。特急として3度目の門出となった富士は1度目は15年、2度目は3年の命だったのに対し、実に45年もの間走り続けることになるという安定感を世に見せつけた。 西鹿児島行きの時は1574.2kmを24時間かけて走りぬく定期最長距離列車ともなった。 こうして富士はブルートレインの衰退によって一つまた一つと消えゆく僚友を見送りながら最後まで残り続け、東京対九州ブルートレイン終焉を自らの幕引きで飾ったのであった。 ところで本州と九州を結ぶ寝台特急は消えても寝台特急が消えたわけではない。東京からは高松行きと出雲市行きの電車寝台特急、サンライズ瀬戸・出雲が出ているし、豪華寝台特急、カシオペアと、トワイライトエクスプレスは健在だ。また今なおブルートレインで東北・北海道方面へ向かう、あけぼのや、北斗星は当分安泰のようだ。 さらにJR九州によると九州を1周する豪華寝台特急を計画中だと発表している。昔とは寝台特急を使う動機が変わってきてはいるが、まだまだ可能性がなくなったわけはない。 今後の寝台特急の動向にも注目である。 2012年1月22日
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9月16日土曜日 すっかり寒くなって終わって欲しいと願った夏がもう恋しい。 気温が変わりやすいのでかぜに注意しましょう 本題 雛たんが久しぶりにスレに来てくれました みんなも再会を喜んでいました、勿論ボクも 新しい人がいっぱいいたみたいだけど雛たん覚えられるかな 再開でテンション上がっちゃって ほっぺにキスをそれとなくせがんでみたら 少し困っていたようなので自重しますね、ごめんね雛たん 今日の雛苺スレ みんなで協力し合って 次スレ立てを滞りのないよう進めていました みんな仲良しですねぇ 困り顔の雛たん 追伸 これ1ページ1ページ作っちゃって大丈夫? どんどん増えちゃうよね、ひとつのページに 何日分か書き込んだほうがいいのかな? TOPに戻る 雛たん日記に戻る 好きにしていいよん -- 名無しさん (2006-09-20 00 40 30) うにゅ♪よっぴいさんの雛にっきなの〜 -- 雛苺 (2006-12-21 11 11 33) 名前 コメント
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注)前半はネタが混じっています。 コルベールがオスマンにガンダールヴの事を報告する下りですので、あまり好きではないという方は飛ばして下さい。 ミス・ヴァリエールが召喚した人間。彼は一見異世界から来たただの平民にすぎない。だが、彼の左手に刻まれていたルーン、 あれはまさか……伝説の使い魔のルーンではないだろうか… おれは使い魔になるぞジョジョーッ! 幕間其の二 伝説の使い魔ガンダールヴ 図書館で一人の教師が調べ物をしている。時折本を取り出してはパラパラとめくり、ため息をついて本を戻す。 何冊目になるだろうか、教師のみ閲覧を許される部屋で本をめくっていた彼はとある本を食い入るかのように読みはじめ、 やがて本を持って走り去った。 トリステイン魔法学院の院長オールド・オスマン。白い口髭と長い白髪に覆われた外見の彼は一見するとただの老人に見えるが、 その正体は年老いてなお膨大な魔力を持つメイジである。 そんな彼は今本を読んでいる。近くの椅子ではオスマンが雇った秘書、ミス・ロングビルが同じく本を片手に何かを書いている。 ゆったりと無限とも思われる時間が流れていく空間は突然入ってきた太陽、もとい光が頭に反射して眩しい コルベールが入ってきた事によって壊された。 「たた、大変です!オールド・オスマン!」 ちょうどシーザーという青年が吸血鬼になった祖父の弟子を倒すという山場を中断されたオスマンはあからさまに不機嫌な様子で本、 いや吸血鬼が連載しているという噂のある「戦闘潮流」と題した『マンガ』を置く。 「大変な事などあるものか。『味方だったはずの男が吸血鬼になった』事に比べればすべては小事じゃ。 …ええとなんだっけ………そう…コルベールよ。」 しかしコルベールは先程まで図書館で読んでいた『始祖ブリミルの使い魔たち』を押し付け、とあるページを指差す。 それに何事かを察したオスマンは 「ミス・ロングビル、席を外しなさい」 とロングビルに退席を命じる。 ロングビルはぼうっとした顔をしていたが、怒ったような泣いたような不思議な顔をしながら先程まで書いていた手紙を持ち、 ふらふらと部屋を出ていった。 ロングビルをちらちらと見るコルベールの目に「あーん!スト様が死んだ!」という手紙の文面が目に入ったが、 訃報を覗くのはよくないと思い直し、それ以上見るのをやめた。 「それでは話を聞こうではないか」 説明を始めるコルベール。 「先日ミス・ヴァリエールが不思議なルーンを持つ使い魔を召喚した事はすでにご報告した通りです。 その後、そのルーンが気になり調べていたのですが、ついに同一の物を発見致しました。 あのミス・ヴァリエールが召喚した使い魔のルーン!彼は間違いなく始祖ブリミルの使い魔、ガンダールヴです!」 オスマンの眉がピクリ、と上がる。 「ほう、始祖ブリミルの使い魔、ガンダールヴとな?」 「はい。何故彼がガンダールヴなのか、何故ミス・ヴァリエールに召喚されたのかはまだわかりませんがこれは大事に違いありません!」 伝説の使い魔が召喚されてきたという事はただ事ではない。それが何かはまだわからないが、いずれにせよ重大な事が起こるのであろう。 だが、万万が一コルベールの口からその事が伝わろうものなら騒ぎになるのは目に見えている。オスマンはとりあえず誤魔化す事にした。 「ふむ、しかしルーンが同じだからといってガンダールヴと決めつけるのは早計かもしれん。」 「…はあ…そうですか」 不承不承ながらも納得するコルベール。 と、突然扉が開かれる。先程出ていったロングビルだ。 「オールド・オスマン!大変です!ヴェストリ広場で決闘騒ぎです!教師達が眠りの鐘の使用許可を求めています!」 「決闘などたいした事もなかろう。どうせ若気の至りじゃろ」 「しかし、決闘しているのはギーシュ・ド・グラモンとミス・ヴァリエールの使い魔の青年です!」 「「なんだと(ですって)!!」」 オスマンが慌てて遠見の鏡を起動させると、二人は広場の様子を食い入るように見つめるのであった。 to be continued…
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タルブ村の中央に位置する、丸い広場。 その石段でできた広場に設置された噴水。 流水が涼しげに波紋を作っている。 その光景を最もよく見えるように、大きくテラスを張りだたせた建物。 その建物は、入り口が南側。壁は、白い漆喰。 「ここみたいね」 キュルケが、午後の太陽の光を背中に浴びながらいった。 彼女たちの目的地は、ここ、『魅惑の妖精亭・本店』である。 タルブ村は平凡な田舎村でありながら、実は、特異な郷土料理で有名な村であった。 その郷土料理の名声は、遠くゲルマニアの地にまで聞き及ぶ。 物好きな豪商や貴族たちは、この魅惑のリストランテまで足を運んで、己の舌に鼓 を打つのだった。 このリストランテは、貴族や豪商にも利用できるように清潔に整備されている。 店内には、席が百席ほど用意されているだろうか? ルイズはそう見て取った。 「ついたわよ、ダーリン」 キュルケのその言葉にも、ブチャラティは気づかない。 なにか書かれている紙を手に持ち、それを一心に見つめている。 ブチャラティが、タバサの竜に乗っている間中、ずっとだんまりを決めていたのも このためだ。 彼は、道中、ずっとこの店のメニューを見ていたのだ。 「う~ん……やはりマルガリータは当然頼むとして…… ボルチーニ茸をのせてもらうか……」 「あの……ブチャラティさん……?」 さすがのギーシュも、ブチャラティの異様な態度に気がついたようだ。 「イカスミが無いのが残念だが……」 ルイズは、大きく息を吸い込んだ。 一瞬の間のあと、広場を少女の大声が支配した。 「ブチャラティ!!!」 「なんだ? ルイズ、そんなに大声を出して?」 「着いたわよ、『ピッツァ』が食べられる店」 「おおっ! そうか!」 ブチャラティはそういい残すと、やっと顔をあげた。 「ずいぶんと、人が並んでいるな」 そういった口は、不満の色を隠せない。 彼の言うとおり、『魅惑の妖精亭』の前にあつらえてある、待合椅子には、三十人 ほどの、いかにも身なりの良い人たちが並んで座っている。 おそらくは、メイジの客なのだろう。 「こんなに混んでるんだったら、相当待ちそうだな」 ギーシュは自分のおなかをさすりながら言った。 今の時刻は、とうにお昼時を過ぎている。 今頃トリステイン学院では、食事も終わり、食後の紅茶が配られている頃だろう。 この時間になっても、貴族たちですら並んでいるという事実は、ブチャラティに希 望を抱かせた。 だが、同時に、ルイズたちも、結構な時間を待ち時間に浪費する、という真実を示 してもいた。 「どのくらい待つだろうかな?」 多少は冷静さを取り戻したブチャラティは、誰ともなしに発言してみた。 彼は、まともな返答が返ってくる事は期待していない。 だが、それにもかかわらず、彼の原始的な欲求は、心の中でやくたいもない不平を 量産していくのであった。 くそっ。 これがもし故郷のネアポリスであったならば。 あの、なじみのポモドーロおばさんの店だったのであれば。 自分の不登校な息子のことで愚痴を言いながらも、俺に優先してピッツァを包んで くれるのに。 だが、ここは異世界。 ブチャラティ以外に、生粋のイタリア人はいない。 その代わりに、彼らに声をかけるものがいた。 「お~い」 ルイズは、その声が店内からかけられたことまではわかったが、正確な位置はわか らない。それほどまでに、この店は混んでいたのだ。 「あそこ」 タバサが人差し指を店内の一点に向ける。 ルイズは見つけた。 タバサが指さす、店の奥に設置された大き目の丸テーブルを。 それをたった三人で占拠していた。 そのうちの一人が、彼女らに声をかけた張本人。 岸辺露伴だ。 「うまい! 最高だ。ネアポリス特有の厚めの生地。それを、外側はかりっと、内 側はややふんわり焼いてある。 しかも、このマルガリータピッツァにのったモッツァレラチーズは、フレッシュ タイプの水牛のものだな。臭みがまったく無い」 ブチャラティが露伴の隣に座り、熱々のそれを口に運ぶ。 とろけたチーズと、トマトが舌の上で絶妙に絡みつく。そこに、ルッコラの葉がア クセントを加える。この店の自慢の一品である。 「ええ、ブチャラティさん。このチーズを作るお牛さんは、おじいちゃんがわざわ ざ東方の地から探してつれてきたそうですよ」 シエスタは、ブチャラティのコップに赤レモンのジュースを注ぎながら答えた。 「すごいな、君のおじいさんは。こんな地で、本場のイタリア料理が食えるとは思 いもしなかったよ。このパッケリのパスタと、トマトソースは実によく合う! なんというか、どこかのバカとプッツンの組み合わせだ。いい意味でな」 露伴はレモンジュースを飲みながら言った。彼が今、食べているパスタはアツアツ のボロネーゼだ。 タルブ村に降り注ぐ、真っ赤な太陽をたくさん浴びて育ったレモンの酸は、露伴の 舌にいまだ残る、モッツァレラチーズの後味と混ざり合わさり、さわやかな快感を 露伴の脳に感じさせた。 「いえ、私のお爺ちゃんは、故郷を探しにいった帰りに見つけたらしく『ついでだ』 といってました。ただ、この赤いお野菜のほうは、わざわざ探したみたいです。 『世界中を探して回った』といってたそうです」 「そうすると、君は曽祖父も、祖父もハルケギニアの人間じゃないのか?」 「はい。ええと、『タケオ』曾おじいちゃんは、お母さんのおじいちゃんですね」 ブチャラティとシエスタ、岸辺露伴が、このように魅惑の妖精店内で舌鼓をうってい たころ。 ルイズたち、トリステイン学院の学生たちはその恩恵を受けられずにいた。 なぜなら、彼女たちは、コルベールの前で、小さくなっていたからだ。 「ミス・タバサ。私は言ったハズです。学生に、長期休暇は与えられないと」 「……」 タバサは上目遣いに、その人物を見やった。 コルベールではなく、彼の奥に座っている露伴を。 「余所見をしないでください!!!」 「……はい」 「特に、あなたは御家の事情とかいうもので、何かと休みがちなのです。いくら成績 がいいとはいえ、あまり感心できません」 ルイズたちは椅子に座って、コルベールの頭越しに、ブチャラティたちの宴を見せ付 けられているところである。 「コルベール先生。タバサも反省していることですし、その位になされては?」 タバサとは反対に、キュルケは、明るい感じでコルベールの顔を直視した。 コルベールの額が日光で輝いている。その反射光は、キュルケの谷間を照らしていた。 「ミス・ツェルプストー。これは、あなたたち学生には共通して言えることですぞ!」 「フフフ、すみません。でも、来てしまったのはしかたがありませんわ」 「むむむ……そういわれては……」 危うく、キュルケの誘惑に陥落しそうなコルベールであったが、彼の脆弱な男心に、 意外な助っ人が表れた。彼の前で恐縮しきっている男子生徒、ギーシュである。 「コルベール先生。まあ、今回はブチャラティさんが『この店に行きたい』といって のことです。あまり長居はしませんってば」 この言葉に、コルベールは教職としての本分を何とか思い出した。 「それならば、なぜあなたたちがついてくるのです? 彼はミス・ヴァリエールの使 い魔であって、君達の使い魔ではありませんぞ? 特にミスタ・グラモン。 君は、私の『基礎地歴学』の単位を落としているではないですか。追試は来週です。 ここに来るほど、君は試験の成績に自信があるのですか?」 「う゛……」 「それにですな。ミスタ・ブチャラティは、使い魔であっても中身は立派な成人男子 です。ミス・ヴァリエール、君がこのタルブ村まで付き添う必要はないではありま せんか」 「いえ……でも、自分の使い魔の管理はちゃんとしないと……」 「はっきり言って、日ごろの生活態度から見るに、ミス・ヴァリエール。あなたこそ がミスタ・ブチャラティに監督される立場ではないですかな?」 「……はい、そうです……」 コルベールの説教癖のせいで、ルイズたちは、日が落ちるまで彼の御言葉を拝聴しな くてはならなかった。 そのおかげで、ルイズたちは一泊だけ、タルブ村の、シエスタの実家に泊まることを 許可された。 コルベールが、学生たちに夜半の、危険な旅をさせることに反対したからである。 だが、ルイズたちは、学院を抜け出した罰として、昼食にありつける事はなかった。 俗に言う、『おあずけ』というやつである。 To Be Continued...
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前ページ次ページS.H.I.Tな使い魔 一人で食べる食事というのは味気ないものだ。 だから、そんなときにやってきた食事のお誘いは大歓迎なわけで。 しかも誘ってくれたのが十人中十人が振り向く絶世の美女であれば、もうなにも言うことはないのであった。 「おいしそーだなあ―――!いただきまあ―――す!」 肉汁滴るステーキにかぶりついた康一は、目を輝かせた。 「おいしい!」 キュルケは微笑んだ。 「喜んでいただけてうれしいわ。あなたのために特別に用意したんですもの。」 「へぇー!うれしいなぁ!」 どれもこれも絶品だ! しかし、グラスを手にしたところで康一はキュルケに尋ねた。 「これってワイン・・・ですよね?」 「それがどうかして?」 「いやぁ、ぼくの国ではお酒って大人にならないと飲んじゃいけないものだったんですよ。」 あら・・・。とキュルケは目を丸くした。 「あなたのお国はどちらなの?」 「え!?え、えーっとぉー、ロバアルカリイエ・・・てとこかな。」 康一はとりあえずルイズが言っていたようにすることにした。 「そう。あなた東方の出身なの。だから顔つきもそんなにエキゾチックなのね。」 キュルケはワイングラスを軽く掲げて見せた。 「でも、ここはトリステインなのだから、あなたも気にせずに飲めばいいと思うわ。」 「そ、そうかな?じゃあ、ちょっとだけ・・・」 グラスをちびちびと傾ける。 「あれ、でもなんだかお酒って感じがしないね。結構飲めるかも・・・」 「いいワインは人を選ばないの。お気に召した様で良かったわ。」 ふーん・・・。そういうもんかぁ・・・。ワインをちびちびと舐めながら康一は感心したが、ふと疑問に思った。 「そういえば・・・どうしてぼくを食事に誘ってくれたの?わざわざこんな料理まで用意して・・・」 ヴァリエールとツェルプストーの因縁の話を思い出した。 「ひょっとして、ルイズのことが聞きたいの?でもぼく、まだここに来てから日も浅いし、そんなにすごいことは知らないよ?」 おほほほほ。とキュルケは口に手を当てて笑った。 「あたしはルイズなんて眼中にないの。それにこんな回りくどいことはしないわ。」 キュルケは顔を赤らめた。 「あたしが知りたいのは、あなたのことよ・・・」 「ぼ、ぼくですかぁー?」 キュルケが潤んだ瞳で見つめてくる。康一はなんだかドキドキしてきた。顔が赤くなるのがわかる。 「最初はちょっとした興味だったの。ルイズがあなたみたいな不思議な使い魔を召喚したから。」 キュルケは立ち上がった。 「あなたは小さくて可愛らしいわ。でも、見ているうちに分かったの。あなた、その瞳の奥に、それだけじゃない『何か』を持ってる。」 キュルケはテーブルクロスを指でなぞりながら、ゆっくりと康一のところへ歩いてくる。 「トドメに、あの決闘。ギーシュを倒したあなた、すごくかっこよかったわ。まるでイーヴァルディの勇者のようだった・・・。あの時のあなたの強い瞳を見て、あたしの心は今までにないくらい燃え上がってしまったの。」 康一の肩にそっと手を乗せた。 「恋してるのよ。あたし。あなたに。恋はまったく、突然ね。」 ほっぺたに、スープがついてるわよ? キュルケは康一の耳元で囁くと、康一の頬についた汚れを、小さく舌を出して舐め取った。 「なななななななにを!!」 康一はガタン!と立ち上がり後ずさった。 しかし、足元がおぼつかなかない。 ふらつく康一の手を、キュルケが握った。 「急に立ち上がったら危ないわ。ベッドに座りましょ?」 「う、うん・・・。」 どうしたんだろう。頭がぼうっとする・・・。 康一はふらつきながらも、キュルケに導かれるまま、ベッドに腰掛けた。 キュルケも隣に座って、しかし、康一の手は離さなかった。 暑くなってきたわね。とキュルケはブラウスのボタンをもう一つ外した。 ついそちらに目が行く。 康一君を責めるのは酷である。正常な男であれば目が行かないわけがないのだ。 それでも康一は慌てて目を逸らした。 「からかってるの!?」 すでに顔は真っ赤だ。 「いいえ。あたしは本気よ。あなたが好きなの。あなたのことがもっと知りたいのよ。」 キュルケは、康一の手を握っているのとは別の、もう一方の手で康一の膝頭を軽く弄った。 「う、うわぁ!」 こ、これはなんだかまずいぞ!と康一は思った。 このままではまずいことになる! 「ま、待って!ぼくには恋人がいるんだ!」 「あら、そうなの?でも当然よね、あなたのような可愛いくて頼もしい魅力的な男の人を、女が放っておくわけないもの。」 「い、いやぁ。そういうわけでもないけど・・・」 今まで由花子さん以外に浮いた話などまったくない康一である。 でもね・・・。 キュルケは続けた。 「ここはハルケギニアよ。はるかかなたにあるロバアルカリイエは、あたしたちの恋を邪魔できないわ・・・!愛してるの!コーイチ!」 キュルケは康一の頬を両手で挟んで、情熱的な口づけをした。 ベッドの上に押し倒されると、康一の頭の中で世界がぐるんぐるんと回転した。 押しのけようとしたが、腕に力が入らない。 あたまがぼーっとする。 ごめん由花子さん・・・。ぼくはこのへんてこな世界でお星様になりそうです。 そのとき。バターン!とものすごい音がして、扉が開いた。 「・・・なにをしてるわけ?」 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 廊下の明かりを背にそこに立っていたのは、白い肌にくっきりと青筋を立て、ドラゴンも逃げ出しそうな怒気をまとった、康一のご主人様だった。 数分後。康一はルイズの部屋で正座をしていた。 髪型を貶されたときの仗助もかくや、という勢いでプッツン来ていたルイズは、キュルケから康一を引っぺがし、そのまま襟首を持って部屋まで引き摺ってきたのだ。 ルイズが康一を見下ろす。まるで、道端に落ちた馬の糞を見るような目である。 康一の顔は未だ真っ赤だ。 部屋に連れ帰ってからもぼーっとした様子を見て、ルイズはようやく康一が酔っ払っていることに気づいた。 「(そっか・・・これが酔っ払うってやつか・・・)」 康一は回らない頭でぼんやりと考えた。 ルイズの手には乗馬用の鞭が握られている。 「・・・で、食事に誘われたわけね。」 「うん。」 「初めてのお酒を飲まされたと。」 「うん。」 「ついでに、ベッドにも誘われたと。」 「うん。」 「お酒のせいで、ろくな抵抗もできずに。」 「うん。」 「わたし、言ったわよね。ツェルプストーなんかにデレデレするなって。」 「うん。」 「デレデレしたら死刑って言ったわよね。」 「うん。・・・・・・え!?そんなこと言ったっけ?」 「言ったのよ。心の中で。」 康一は目をあげた。ルイズの目が本気と書いてマジだったので、康一は言い訳するのをやめた。 ルイズはぷるぷると震えている。 「それなのに・・・!それなのに・・・・!この・・・!スケベ犬がぁー!!!」 バシンバシンと鞭が振り下ろされ、康一は悲鳴をあげた。 「い、痛っ!やめっ・・・!痛い痛い!」 逃げまわる康一を、ルイズは鞭を振り回しながら追い回した。 「(がんばった使い魔に、せっかくご褒美を用意してたのに!一緒のベッドで寝させてあげようと思ってたのに!)」 よりによってキュルケに先を越されてしまうなんて! べ、別にわたしは康一を誘惑しようとしたわけじゃないけど! あの万年発情期のキュルケと違って! ルイズは追走劇の結果、ボロ雑巾のようになった康一を見下ろした。 「もう・・・知らない!」 ルイズは鞭を投げ捨てて、ベッドにもぐりこんだ。 ようやく折檻から開放された康一がふらふらと起き上がった。 ルイズは毛布にもぐりこんで丸くなっている。 「・・・ぼくは、どこで寝ればいいんでしょう。」 凍て付くような視線が帰ってきた。 「犬は床って、相場が決まってるわ。」 今度は毛布すらなかった。 しかたなく康一は、部屋の隅に丸くなった。 寒い。床が自分の体温を奪うのがよく分かる。 ぼくがなにをしたっていうんだ・・・ 康一は赤い顔で溜息をついた。 前ページ次ページS.H.I.Tな使い魔
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ルイズは自分のベッドへ行き二時間眠った。そして…目をさましてからしばらくして 使い魔が逃げ出したことを思い出し…… ………泣いた…… おれは使い魔になるぞジョジョーッ!第三話 ディオがルイズの部屋に入ると昨日散乱した下着がそのまま散らかっていた。どうやらあの後ルイズはそのまま寝てしまったらしい。 まだ朝は早い。使い魔として信頼を得る為ならば心底嫌だが掃除、洗濯くらいはやってやらなければいけないだろう。 日の光を浴びて小川はきらきらと輝いてまるでダイヤモンドが流れているようである。 ディオは洗濯場らしき場所を見つけると腰を下ろし、洗濯を始めた。 ディオ・ブランドーといえば常に上に立ちながら都合よく部下を使っていた印象が強い。 だがディオはジョースター家に養子として入る以前、具体的には母が死んでから父を殺害するまでの間、 家事の一切を切り盛りしていたのである。 故に洗濯も一通りこなせるのだが、それは同時にダリオとの辛い生活を思い出す事でもあった。 よってディオは早々に「この洗濯、昔の生活を思い出すッ!」と不機嫌になると、下着の端をつまんで小川の流れに暫く浸すだけにした。 「それじゃあ汚れは取れませんよ」 気がつくと後ろにメイドが立っていた。その笑顔はディオに一瞬だけ遠い昔、元気であった頃の母の笑顔を思い起こさせた。 「君は誰だい?見たところこの学院のメイドのようだが」 「私はシエスタと申します。あなたはミス・ヴァリエールが召喚した平民の方ですね?」 「ああ。ぼくはディオ・ブランドーだ。よろしく」 どうやらゼロのルイズが平民を使い魔にしたという噂はあっという間に校内に広がったらしい。 「それよりディオさん。そんな方法じゃちゃんと綺麗になりませんよ。」 と言うとシエスタはディオの籠を手に取り、慣れた手つきで洗いはじめ、あっという間に洗濯を終えた。 「ふぅ、できました。」 笑顔で洗濯済みの籠を渡すシエスタ。 「すまないね。ぼくは女物の下着を洗った事がなくてね、どうしたらいいのかわからなかったんだ」 そう言うとシエスタは今更ながら女物の下着を洗っているディオを思い出して赤面する。 「でっでもっ酷いですよね!他の方は使い魔がいても自分で掃除も洗濯もするのに…」 やはりルイズはおれを奴隷かなにかと勘違いしていたようだ。怒りの感情が込み上げてくる。 「…。」 気が付いたらシエスタが少し引いていた。気付かないうちによほど凄い顔をしていたらしい。この感情がすぐ顔にでるのもなんとかしないとな。 「あの…」 やがてシエスタは怖ず怖ずと提案をした。 「よかったらこれからは私が洗濯しましょうか?」 「本当かい?しかし君も忙しいだろう。大丈夫かい?」 「はい。あの程度の洗濯ならすぐに終わりますから♪」 フフ…この言葉を待っていたぞッ!人が困っていれば手助けしてしまうようなお節介野郎めッ! 「ありがとう、ミス・シエスタ」 「そ…そんな…ミスだなんて…///ただのシエスタでいいですよ」 「でもそれじゃあぼくの気がすまないな」 「いいんですよ、困った時はお互い様です」 「ありがとう、いつかお礼をするよ」 そういうとシエスタに背中を向けて部屋に戻るディオ。その顔つきはまさに『計画通り!』とでも形容できるような表情だった。 ディオにとってシエスタは都合よく動く駒の一つを見つけたぐらいでしかなかったのだろうか…。 to be conthinued…
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ある日、何者かに『矢』で射抜かれ、その身に発現した超能力、『スタンド』! 一体誰が?何のために?まともな感覚を持っているなら疑問は次から次へと湧いてくるはずだが、彼―――間田敏和の心中は、『この不思議な能力をどうやって有効活用するか?』という考えで満たされていたッ! せっかく普通の人間には無い能力を手に入れたのだ。他の奴らよりもっと楽しく自由に、実りのある人生を送りたいではないか! そう思った彼は、さっそく自らのスタンド―――『サーフィス』で片思いだった順子をコピーし、好き放題してやろうと自室へ連れ込んだのであるが・・・・・。 バッチィィ―――z___ン! 今まで思い描いてきたあんなことやこんなことを実現できるという喜びに、すっかり緩んでいた間田の顔面を襲ったのは、他でもない、サーフィス順子が放った平手打ちだった!そのあまりの威力に間田は吹っ飛ばされ、部屋の隅に無様な格好で転がる。 そんな間田に、今度はサーフィス順子の怒鳴り声が襲い掛かる。 「間田君っ!貴方ねえ・・・どんなことしてるか、わかってるの!?」 「は、えっ?」 突然のことに、ブン殴られた頬を押さえ、涙目になりながら返事を返すことしかできない間田。サーフィス順子は容赦なく、彼に罵声の数々を浴びせる。 「女の子を無理やり部屋に連れ込んで、こんな仕打ち・・・・貴方は男として最低よッ!」 「前から思ってたけど、こんなに陰険で卑怯な手段を使うなんて・・・・・何で貴方は、そんな手段を使おうとしかしないのッ!?」 「気に入らないことはすぐに暴力や卑怯な手を使って解決しようとして・・・!そんなの、人間としてクズだわ!」 「知ってるのよ!貴方が授業中にキン○マいじってるの!学校まできて何キモいことやってんのよ!!」 「大体その髪型はなんなワケ!?頭にエチゼンクラゲ乗っけてるみたいじゃない!カッコイイとでも思ってんの!?」 「貴方みたいなヤツを人間として認められるわけないわ!貴方はカスよ!ゴミ以下よ、ゴミ!」 「ううッ!・・・グググ・・・・クキィーッ!!」 スタープラチナのラッシュもビックリなほど、隙無く連打される言葉というパンチの応酬! あまりの悔しさに――――予想以上に自分が順子に嫌われているというショックもでかかったが――――間田は、その場に卒倒してしまったのである! 数時間後。 気絶から覚めた間田は、サーフィス順子から浴びせられた言葉を反芻していた。 サーフィスがコピーした偽者とはいえ、このスタンドは相手の外見、性格、記憶まで完全にコピーする。たとえ偽者とはいえ、 あれらの言葉は常日頃、順子が彼に対して思っていたことなのだ。 後半はほとんどただの罵倒だったが・・・・・・大きな目を潤ませ、彼女が浴びせた言葉には、間田自身も心当たりがあった。 些細なことで喧嘩をした友人に、一生心に残ってしまうような傷を与えてしまったこともある。 気に入らない相手に陰湿な手段を使って攻撃したこともある。 ――――考えてみれば、俺の今までの人生は、『卑怯』という2文字に塗りつぶされていた。 間田は考える。なぜ自分は、音石明に協力して承太郎を町から追い出そうとし、最後には殺そうとまでしたのだろうか。 承太郎が気に入らなかったから?己のスタンドを誇示したかったから? いや、違う。 『音石明が怖かったから』・・・・ただそれだけのことだ。電撃をまとい、電気の存在するあらゆる場所に現れる彼のスタンド『レッド・ホット・チリペッパー』は、 小心者の間田に恐怖心を植え付けるには充分すぎる力を持っていた。 間田は音石明に従った。それこそ、不良に媚びへつらう使い走りのごとく。彼の命令どおり、何の関係も無かった1年生の仗助と康一に危害を加え、承太郎を抹殺しようとした。 もっとも、その命令は失敗に終わり、サーフィスは破壊され、間田は自分が痛めつけた一般人の男2人にコテンパンにやられてしまったのであるが・・・。 間田は考える。『生き方を変えよう』と。 『改心した』などと白々しいことをいうつもりは無い。自分はサーフィスの能力を悪用し、多くの人を傷つけてきたのだから。 だが、彼はどうしても変えたかった。いや、『変わりたかった』のだ。 卑怯で陰険で・・・・小心者だった過去の自分にオサラバし――――優しくて、タフで、頼りになる男に。 うわっ面の使い魔 「ったく、せっかく決意したってのに・・・・このままじゃ張り合いがねーよなぁ」 学生服を着込んだ男が不満げに呟きながら道を歩いていた。 だらしなく伸びた黒髪に、痩せた体。俗に言う『オタク』という人種の外見だった。 彼の名は間田敏和。ぶどうヶ丘高校に通う3年生である。 『優しくて、タフで、頼りになる男』になろうと決めてから早一ヶ月。結論から言うと、彼は全然変わっていなかった。 単に自分の努力が足らないだけとも言えるのだが、間田は何故か周囲のせいにしていた。 「なんつーかなぁ・・・冒険が足りねーんだよ、冒険が」 曰く、炎髪灼眼のツンデレ美少女と共に紅世の徒と戦ってみたいだの、死神代行になって開放とかしてみたいだの。 そんなことで自分が変われると思っている時点で彼は立派な中二病なのだが、平和になった杜王町にそんな冒険の気配はナッシングだった。 「吉良吉影みたいなのがまた来てくれれば、なんて言わねえけどよぉ~。血湧き肉踊るような戦いの日々に身を委ねてみたいぜ・・・ん?」 そう言いながら、彼は一軒の書店の前で足を止めた。 「おっと、いけねー。今日は『キラ☆スタ』の発売日だったんだ。買ってくか」 愛読書の最新巻が発売されることを思い出し、進路を変えた直後。 突如、眼前に光り輝く鏡のようなものが現れ、猛スピードでこちらに迫ってきたのだ! 「な・・・何だよこりゃあ!う、うわぁーッ!!」 鏡はあっという間に間田の身体を飲み込み、徐々に小さくなり・・・消えていく。 ―――スタンド使い、間田敏和。彼の冒険はここから始まる―――。
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※ここまでのあらすじ 豊橋から7時間かけて飯田線を北上、上諏訪までたどり着いたひいらぎ。すでに夕方18時になろうとしていたがまだホテルのチェックインには時間がある。そこで久しぶりに「あの」電車に乗ろうとひいらぎは塩尻を目指す。 地元の人曰く"いつにない強風"で列車遅延 東西の境界はぶどう押し「塩尻」 旧線の主は元・荷物電車 幹線からローカル線に転落した通称「辰野線」 時代は繰り返すのか 地元の人曰く"いつにない強風"で列車遅延 ▲上諏訪ですれ違ったのはE257系特急あずさ"千葉"行き 異変に気がついたのは次の列車に乗ろうと発車案内板を見たときでした。 列車が軒並み10分かそれ以上遅れていたのです。 案内によるとどうも山梨県内での強風による遅延だとか。 前回の房総半島の時に続いて今回も風によるトラブルです。 ここで当初の予定を変更し、経路を再構築。 ▲接近時、なんか昔のファミコンのような電子音が鳴る・・・ 乗ってきた飯田線列車の折り返し駒ヶ根行きに乗るのが当初の予定でしたが 乗ったのは中央本線の下り、普通列車長野行きに乗車します。 東西の境界はぶどう押し「塩尻」 すっかり日も暮れたころ、降りたのはここ塩尻駅。 中央本線は東京~名古屋を結ぶ路線ですが、東京~塩尻がJR東日本で塩尻~名古屋がJR東海の管轄。 ▲乗ってきた列車は特急の待ち合わせでしばらく停車 この駅を境に、JR東日本側が中央東線、JR東海側が中央西線とも呼ばれています。 塩尻駅自体はJR東日本に属してます。 ▲特急スーパーあずさがやってきた 中央東線、中央西線からの列車は一部を除いて全てが塩尻から篠ノ井線に入り、松本・長野方面と直通しています。 ▲篠ノ井線から中央西線に直通する普通列車 でも定期列車で東西を直通する列車は存在しません。 過去不定期で何度か直通してますが、その場合は駅南の連絡線を使用するので塩尻駅には止まらなかったりします。 ところで塩尻駅には・・・ こんなワイン樽っぽいモニュメントとか こんな待合室とか お土産屋さんのところにも とどめがこれ。 季節になるとここにブドウが実を結びます。 ちなみに駅舎もぶどう色してます。 塩尻はぶどうの名産地だそうですが、ここまで推してくる駅も珍しいんじゃないですかね。 これに対抗できる駅があるとすればさぬきうどん駅と呼称するようになった高松駅くらいでしょうか。 旧線の主は元・荷物電車 しばらく待っているとターゲットとなる列車が到着しました。 たった1両で来たこの電車、名前を123系と言います。 ワンツースリーってなんとなくごろが良いですね。 そしてこの電車はそのトップナンバー、クモハ123-1. JR東日本にはこの1両だけが在籍しています。 そしてこのプレートの数々。これがこの電車が時代に翻弄されてきたことを物語ってます。 元々、この電車は旅客用ではありませんでした。 国鉄時代には荷物や郵便物を輸送する列車が存在していました。 これらの列車は単独で走ることもあれば旅客列車にくっついて走ることもあり、柔軟な運用に対応させるために1両単位での運転を可能にしていました。 しかし、国鉄末期に行われた合理化作戦の一環で荷物・郵便輸送は廃止され荷物電車達は行き場を失います。 その中には造られてまだ10年と経ってないものもありました。 一方でローカル線の合理化も押し進めたい時期でもありました。 だが国鉄時代の旅客用電車は基本的に電動車は2両1組のユニット構造をしていたため、1両単位での運転は不可能でした。 そこで国鉄が目を付けたのが当時まだ若かった荷物電車、クモハ143でした。 下から2番目のプレートにある通り、昭和61年(1986年)に長野の匠の手によって荷物から人を運ぶ列車へと魔改造を執行。 その結果がこの電車なのです。 外見はほぼそのままですが、「ミニエコー」という愛称が付けられ顔のまんなかに表示されてます。 車内に入れば端から端まで本当に長いロングシート。 これによって車内はえらく広々感を覚えます。 ワンマン設備と冷房はJRになってから増設されました。 このように荷物電車からの転身第1号となったクモハ123-1。 この電車の後、いくつかの荷物電車が同様に魔改造され、JR西日本とJR東海でも使用されましたがJR東海では既に全車引退しています。 幹線からローカル線に転落した通称「辰野線」 この「ミニエコー」、一日のほとんどを塩尻と辰野を行ったり来たりして過ごしています。 タイトルには「中央旧線」と書いてありますが、地元では「辰野線」という呼び方の方がなじみ深いようです。 元々この区間は1906年に中央本線の一部として開業したれっきとした幹線でした。 しかし1983年にみどり湖を通る新線が開通し、そちらが本線に。 辰野を経由するこちらの区間は支線となったのでした。 地図で見て明らかにショートカット出来ていることがお分かり頂けると思います。 でもなんで最初からこのルートにしなかったのか。 計画段階のとき、木曽谷を貫くルートと伊那谷を貫くルートの2つの案があって論争になっていました。 結果、伊那谷を貫くのは遠回りになるので木曽谷ルートが選択されたのですが、そこで納得いかなかったのが当時の鉄道局長、伊藤大八。 この人は伊那谷出身でした。 不服な彼は伊那谷の入り口、辰野に駅を造ることに奔走。結果この辰野経由のルートが生まれたのです。 このことから辰野経由は大八廻りとも呼ばれています。 だが一説には当時のトンネル掘削技術では今の新線の建設は不可能だというのもあります。 岡谷駅とみどり湖駅の間にある「塩嶺(えんれい)トンネル」は6km近くもあり、当時の技術では困難だったという声は少なくありません。 時代に翻弄された路線に時代に翻弄された電車、なんとなくこの上ない組み合わせですね。 時代は繰り返すのか ミニエコーは終点辰野に到着、今日二度目です。 旧線は厳密には辰野から岡谷までを含みますが既に第1回で触れているのでそこはカットしますね。 ところで辰野駅にはこんなのが 新線が開通する前、特急あずさは辰野に停車していました。 中央本線がみどり湖経由になったことで大幅なスピードアップは実現しましたが、引き換えに辰野には特急が来なくなりました。 それでも当時は急行「アルプス」と飯田線に直通する急行「こまがね」や「天竜」といった旧線経由で走る優等列車も存在していました。 しかし飯田線直通の急行は消滅し、急行アルプスも夜行は旧線経由で残っていましたが2002年に消滅し辰野に停まる優等列車が消滅しました。 今は飯田線と長野を直通する普通・快速「みすず」が唯一停車する愛称付き列車です。 そして取り残された辰野駅ではこのようなことが行われているのです。 ▲上諏訪駅で買った「アルプスの四季」弁当 最近リニア新幹線のルートが決定しましたが、その決定に至るまでたくさんの論争が飛び交いました。 と言うのも、ここでもこの伊那地方が絡んでいたのです。 当時では南アルプスを貫通して飯田に至るルートと、伊那谷を迂回するルートの2つが最終候補として上がっていました。 リニアのメリットである速達を考えれば一直線で結んだほうが良いに決まってますが、火山帯を貫く危険性などを理由に伊那谷を経由した方が良いという意見がありました。 それはまるで中央本線のルート決めのときを彷彿させるものだったのです。 ▲そしてミニエコーは塩尻へ戻っていった 今回ホテルは甲府駅前に予約してあったのでこの電車で岡谷まで行き、甲府行きに乗り換えて甲府へ行きます。 第2話終わり 次回に進む 前回に戻る 入り口に戻る おなまえ: ひとことあればどうぞ: