約 5,052,196 件
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/665.html
原作四巻21話の、蒼星石のローザミスティカが水銀燈に奪われるシーンに、このスレの住人が乗り込んできたら 水「貰っちゃった貰っちゃったぁ……蒼星石のローザミスティカ……」 翠「水銀燈、そいつを返すですぅ!」 ???「待てぇーーーーーーーーい!!!!」 水・翠「!?」 赤い変な人「マスターレッド!」 青い変な人「マスターブルー!」 黄色い変な人「マスターイエロー!」 赤・青・黄「三人揃って!」 赤・青・黄「蒼 星 石 と お 話 し た い ん ジ ャ ー !」 翠「な、なんですかこいつらは……」 レッド「ヘイ! そこの真っ黒な羽根を生やした第一ドール!」 水「な、なぁによあなたたちは……」 レッド「今しがたお前が蒼星石から奪ったローザミスティカ……我々が奪い返させてもらう!」 ブルー「レッド貴様! その台詞は私が喋る算段だったのではないのか!?」 レッド「うるせぇこの腐れブルーが! 蒼星石と同じ色だからって調子に乗るんじゃねぇ!」 ブルー「なんだとこのイカれレッドが!」 イエロー「ふ、二人とも喧嘩はやm」 レッド・ブルー「「黙れ! 貴様は蒼星石に愛されたくないのか!?」」 翠「誰でもいいから早く蒼星石のローザミスティカを取り返すですぅ!」 レッド「くっ……ブルー! イエロー! ここはひとまず協力しよう! ブルー、まずは先制攻撃だ!」 ブルー「任せろ! 喰らえ水銀燈! ラピスラズリキィーック! トゥッ! トゥッ!」 水「………………」 翠「全然届いてないじゃないですかぁ……」 ブルー「貴様ぁ、正々堂々と地面に降りてから戦わないか!」 翠「そこからですか!?」 イエロー「落ち着くんだブルー、ここは蒼星石のフィールドの中なんだから、その気になれば我々だって飛べるはずだ!」 レッド「はっ! ここは蒼星石のフィールド……いわば蒼星石の中……! あぁ、蒼星石、感じるよ。君のぬくもりを……」 イエロー「しまったぁ! 感受性豊かなレッドがおしゃかになったぁ!」 ブルー「よっしゃ、飛べたぞ! 改めて喰らえ、水銀燈! ラピスラズリキィーック!」 水「そんなの当たらないわぁ……死になさい!」 ブルー「ぐぶふぉぉおおぉおおおお!?」 イエロー「ああっ! ブルーが羽根まみれに! レッド、早く目を覚ますんだ!」 レッド「あ、ありのまま今起こったことを話すぜ! 「『ストライク』と話したらいつの間にか蒼星石とピーッしていた」催眠術だとか超スp」 イエロー「レ、レッドが駄目なら僕がぶごふぁぁああぁぁあああ」 翠「よ、弱すぎですぅ! こいつら何なんですかぁ!」 レッド「すいません、特殊スーツ(単にnのフィールドに入れるだけ)を着たただの一般人です」 翠「頼りにならないですぅ! やっぱり私が……きゃぁぁああ!」 レッド「ああっ、義姉さん!」 水「たかが庭師と一般人ごときが私に勝負を仕掛けるなんて、おこがましいにも程があるわぁ……」 レッド「な、なんだと貴様!」 翠「(あ、足をやられたですぅ……不本意ですけど、この人間を頼りにするしかないです!)やい、赤いの!」 レッド「何ですか義姉さん!」 翠「そ、その……もしも蒼星石のローザミスティカを取り返してくれたら、そ、蒼星石を一日貸してやってもいいですよ!」 ナ ナンダッテー!! Ω ΩΩ 翠「きしょっ! 全員復活したですぅ!」 レッド「そうと決まれば水銀燈! 貴様のその真っ黒な羽根全部毟り取って、手羽先にして蒼星石に料理してもらってやる!」 水「ぜ、全力で阻止させてもらうわぁ! 喰らいなさい!」 ブルー「レッド! また羽根を飛ばしてくるぞ!」 レッド「三人の力を合わせるんだ!」 レッド「お話スレがのびーる、のびーる、ストップ!! 大きな声で、数を数えてみよう!」 レッド・ブルー・イエロー「い~~ち、にぃ~~、さん~~、しぃ~~~、ごぉぉ~~~!!」 水「な、なんなのあれは!」 翠「い、隕石ですかぁ!?」 レッド・ブルー・イエロー「どうだぁ、蒼星石への愛情パワーがここ(主に隕石)に、溜まってきただろう!!」 水「み、見える……! 黄色い全身タイツの変態が……キャァァァァァァ!」 ドゴーーーーーン! 翠「お、恐ろしいやつらですぅ……あの水銀燈を難なくぶっ飛ばしてしまったですぅ……!」 レッド「はい姉さん! 蒼星石のローザミスティカですよ!」 翠「あ、ありがとですぅ。さぁ蒼星石、目覚めるですよ!」 蒼「う、うぅん……あれ、僕は……」 レッド・ブルー・イエロー「そ、蒼星せkくぁwせdrftgyふじこlp!」 蒼「うわぁっ、す、翠星石、この人たちは……?」 翠「一応、命の恩人です。礼を言うですよ、蒼星石!」 蒼「あ、あの。助けていただいて、ありがとうございます」 レッド「蒼星石が!」 ブルー「我々に礼を!」 イエロー「たまらん!」 レッド・ブルー・イエロー「ぐばぁっ!」 バタッ バタッ バタッ 翠・蒼「…………………」 翠「とりあえず、戻りましょうか」 蒼「なんか原作と僕の性格違うし、真紅たちがいないようだけど」 翠「気にするなですぅ、作者がアホなだけですよ」 完 投下後のスレにて 水 「何なのアナタたち!? 名乗って欲しいわあ?」 1 「蒼レンジャイ!」 2 「蒼レンジャイ!」 3 「蒼レンジャイ!」 4 「蒼レンジャイ!」 5 「蒼レンジャイ!」 12345 「5人揃ってっ、ゴレンジャイ!」 水 「ちがぁああああああう!」 翠 「なんで戦隊モノはミドリ居ないのかチョー不満ですうっ!」 5 「だから、ボクらはそのっ、蒼い子とお話したいだけやから… ひとつエエ話があるんやけどっ」 水 「そんなん関係ないわぁ!」 3 「(「そんなん」って…)」 以下略
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/376.html
蒼「マスター!時間ですよー!!」 マ「お、もう時間か。ぉk、把握した」 カチカチカチカチ!!!!!パチン!! マ「蒼星石の可愛さは異常保守!!」 蒼「マスター//」 マ「ハハ、可愛い 可愛いよ蒼星石」 蒼「マ、マスター//止めて下さい//」 マ「わはは!凄いぞ!可愛いぞー!!わはははは!!」
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/230.html
「なんだって?」 「前マスターの時もお互いにすごく仲がすごくよかったです。 あの子がマスターに対してあんなに愛情を感じたことはなかったんですぅ」 つまり蒼星石の俺に対する愛情がジェノサイドの発現を促しているのか。 「じゃあ蒼星石に幻滅させろって事か!?」 「そういう手もいいかも知れないですぅ」 翠星石はさらっと答える。もちろん蒼星石とは離れたくないしこのまま蒼星石を放っておくわけにもいかない。 「どうすればいいか困ってるっていう顔ですぅ」 「しかたないだろ。どうしようもないんだから。」 「なら方法を教えてやるです。これも予想ですが・・・」 翠星石が説明を始める前にドア付近で何かが破壊される音がした。俺たちはドアの方を振り向く。 そこには蒼星石・・・いや、ジェノサイドに冒されてしまった蒼星石が居た。 「マスター・・・マスター・・・?」 蒼星石は俺を探しているのか、必死に俺を呼んでいるようだ。 「・・・理性と、ジェノサイドが同時に顕現してるです」 「え?」 「つまり蒼星石はまだジェノサイドに全てを乗っ取られているわけじゃないです。 よっぽどお前と親しくしてたんですね。」 しかし依然蒼星石の手には庭師の鋏が握られている。一体どうすれば・・? 「とりあえず可能性が出てきたですぅ。」 「どういうことだ?」 「蒼星石の理性が残っていると言うことはお前と蒼星石の間にある絆とかのほっそい紐が蒼星石の 理性を支えているわけですぅ。」 「なら事は簡単ですぅ。愛情を増幅させて紐をより頑丈なものにし、蒼星石の理性を引っ張り上げるですぅ」 翠星石はずいぶんと簡単に言ってくれる。そんな隙が今の蒼星石にあるはずがない。 「翠星石が隙をつくってやるからその時に・・」 翠星石が全てを言い終える前に蒼星石が加速度をつけて接近してくる。俺も翠星石も蒼星石の鋏を防ぐすべはなく、 気休め程度の腕で防御する。そして蒼星石の右腕が一閃した。 「・・・」 「・・・」 「・・?」 俺は顔を上げる。そこにはジェノサイドに必死に抵抗し、腕をの動きを止めた蒼星石が居た。 よくわからないが俺はチャンス、と感じた。俺は膝をつき蒼星石と目線が同じになるように調節する。 両手で蒼星石の頬を包み込み、唇を重ねる。傍で義姉が見ていると言うのに。 蒼星石、帰ってきてくれ――――――― どのくらい経ったのだろう。多分10秒ないし15秒ってところか。俺の中で何かの鼓動を感じた瞬間、 蒼星石は力なくバタリと倒れた。翠星石によると力のリバウンドなんたらかんたらで一時的に気を失っている だけらしい。鞄で休ませておけば意識が戻るだろうとのこと。 「・・ところで、お前」 「ん?」 「舌は入れてないですよね」 「俺の一欠片の理性に阻止されたぞ。 それよりあのドアバラバラなんだがどうするんだ?」 「大丈夫ですぅ。お前はそんなことに心配はせんでいいですぅ」 まあ翠星石の表情からすると心配はなさそうだ。直す手立てでもあるんだろう。俺は蒼星石を抱きかかえて 先に自宅へ帰ることにした。後日、再び居残りになったのは言うまでもない。 ――後日談 「ねぇマスター」 扇風機の風を全身に浴びながら文庫本の読破を進める俺に蒼星石が不意に質問を投げかけてきた。 「僕昨日の記憶だけがすっかりないんだけど・・・」 昨日とは俺の人生でもっとも忌々しい事件のあった日だ。忘れていると言うことは蒼星石は自分のジェノサイドが 顕現したことさえ知らないんだろうな。 「ね"え"マ"ス"タ"ー"聞"い"て"る"~?」 蒼星石が扇風機の風を遮りつつ扇風機の前で喋る。誰でもやったことがあるだろう。しかし文庫本を読みふけっている 俺の集中力は並ではない。これを破れる者は存在しない。 ピッ ・・なんだ?すごくありきたりな電子音が俺の鼓膜を震わす。そして俺の体にぶつかっていた扇風機の風力が増す。 そして文庫本のページがバラバラバラバラとめくれていく。理性蛾物故割れた。 扇風機をイジって遊んでいる蒼星石を捕まえようとするがぴゅっと逃げられる。流石薔薇乙女随一の近接格闘派。 瞬発力は尋常じゃない。追いかける俺の頭に何か硬いものがヒットする。そしてその後に遅れてガッシャーンという 破裂音。音が聞こえるはずの順番が入れ替わるなんて俺ももうだめかもしれない。 俺の頭にあたったそれは床にスピンしながら落ちていく。スピンが完全に止まるとバカッとそれが横に割れる。どう やら鞄のようだ。その中から飛び出してきた物が俺の目の前に降り立ち、一言。 「鍋に突っ込んで弱火でじっくり煮たぐらい暇だったから来てやったですぅ」 一言じゃなかったな。それにしても異常な比喩表現だ。ああ、疲れた・・・そういえば我が家に居候していた猫は どうしたんだろう。あまりにも見なくなったから名前すら忘れてしまった。 昼間のゴタゴタを洗い流すようにゆっくりと湯船につかる。熱い。ちょっと熱めに湯を張ってしまった。 「マスター、ここにお着替え置いとくね」 蒼星石がわざわざ着替えを持ってきてくれた。俺は 「すまんk・・・いや、ありがとう。」 危ない・・・もう少しで言うところだった。VIPの魔力は異常。 俺は風呂場のドアを開けて出る。体洗い?何それ。それはいいとして俺はトランクスを勢い良く穿く。爽快感を感じる。 そして寝巻きも着て居間へ向かう。居間へ足を0.5歩踏み入れた瞬間に俺はずっこける。腰を勢い良く打ち付ける。 男なら誰でもそんな反応をするはずだ。わかりやすい例を挙げてやる。同居している彼女(しかしキスも何もしない)が 居間で上半身裸だったらそりゃ・・・うん。蒼星石も驚いてこちらを振り向く。鋏が飛んでくるんじゃないかと緊張 したが蒼星石は恥ずかしそうに俺に言う。 「マスター・・・良かったら背中を拭いてくれないかな」 背中・・・?蒼星石の背中には昨日の件でついたと思われる泥っぽい汚れが。どうやら手が届かないんだろう。蒼星石から タオルを受け取るとソープで筆下ろしをする男性のような手つきで蒼星石の白く、やわらかい背中を拭いていく。 それ以降のことはあまり覚えていない・・。 寝る準備を終えた俺は布団にもぐりこむ。しかし暑かったのですぐに出た。俺は眠りにつくまでのこの時間が一日の中で 一番好きだ。賛同してくれる人も何人かいるだろうか。 ちょっと意識が夢の中に引きずり込まれかけたころ、布団の中で何かがもぞもぞ動く感覚が脊髄を伝って脳に届く。 俺は布団の中に手を入れてそれが何かを確かめる。どことなく察しはついていた。予想どうり、蒼星石が布団の中から出てきた。 よく暑くないな・・・人形には汗腺がないのか。涙腺はあるのにな。(デジャヴ) 「なあ・・・鞄で寝なくていいのか?」 「大丈夫だよ1回ぐらい。」 「ふーん。まあいいけど。」 俺が一つ質問してやろうと口を開きかける。が、蒼星石は俺の腕にしがみついてもう眠っていた。その寝顔を見るとなんだか どうでもよくなってきた。 「ん・・・マスター・・大好き・・・」 「これからも・・・ずっと一緒だよ・・・」 俺はその夜ずっと起きていた。俺は寝相が悪いからな。
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/422.html
「なぁ蒼星石」 「ん? なぁにマスター?」 夕食後のひととき、隣でお茶を飲んでいる蒼星石に俺は声をかけた 「実は、ずっとお前に言いたかったことがあるんだ」 真剣なまなざしで蒼星石を見つめる 「いきなりこんなことを言って、迷惑かもしれないけど・・・ でも、どうしても。どうしても知りたいんだ」 「う、うん」 俺の視線を、同じく真剣に受け止める蒼星石。 何か期待を込めた目。心なしか頬が赤くなっているようにも見える。 「あ、あのな・・・お前のナカを見せてくれっ!」 蒼星石はドールだ。 ドールも食事はする(必要はないらしいが) しかし排泄はしない ならば、食べたものは何処へ消えてしまうのか。積年の謎であった。 「ほら、もっと大きく開けて」 俺と対面する形で膝に乗った蒼星石が、ひかえめに口を開けている 「な、なんか恥ずかしいよ・・・」 「別に恥ずかしがるものじゃないだろ。ハイ、あーーん」 蒼星石は、頬を染めながら大きく口を開けた 白くて綺麗な並びの歯と、小さな舌が見える 「うーむ・・・恐ろしく精巧に出来てるのはわかるが・・・」 肝心の消化能力に関することはまったく分からない 「よし、ちょっと指入れてみるぞ。痛かったら言えよ」 「えっ! はふっ」 突然の俺の行動に、蒼星石の身体がビクリと跳ねる しかし侵入者は遠慮なく彼女の口の中を徘徊する 薄い唇を。白い歯を。頬の裏を。 縮こまった舌に触れたとき、膝の上の身体がふたたび震えた (ん?) もう一度触ってみる ピクピクッ (敏感なのかな?) 見ると、蒼星石の目がちょっとトロンとしてきている その様子が可愛くて、色っぽくて、舌への愛撫を続けた。 表面をそっと撫でると、身体を震わせながらチロチロと指をなめてくる。 指を離すと、もっともっとと求めるように舌を伸ばす。 いつの間にか、蒼星石は俺の手首を握って、いとおしそうに指をしゃぶっていた。 「はは、そんなに俺の指美味しい?」 「うんっ、マスターの、んっ、ちゅぴ、おいし・・・」 蒼星石は口の周りを自分の唾液でべとべとにしながらも、その行為をやめようとしない 「すごいな。こんな3本も頬張っちゃって。中も外ももうトロトロだよ」 俺の言葉に、サッと紅潮する蒼星石。 「あの・・・マスター」 潤んだ瞳で、おずおずと見上げる 「ふふっ、もう指じゃ足りない?」 恥ずかしげに、しかしハッキリと頷く。 俺は蒼星石を抱え上げ、ベッドへ (省略されました・・全てを読むには「指ちゅぱ蒼星石の可愛さは異常」を書き込んでください) 続き 「あの・・・マスター」 潤んだ瞳で、おずおずと見上げる 「ふふっ、もう指じゃ足りない?」 恥ずかしげに、しかしハッキリと頷く。 俺は蒼星石を抱え上げ、ベッドへと連れて行った。 「その・・・この服はお父様から頂いたものだから自分からは・・・」 そう言う蒼星石の胸のリボンを解いてあげる 上着の下には、白いYシャツ。その下の素肌も純白であることを俺は知っている。 ひとつずつ、ゆっくりとボタンをはずす。蒼星石の目をじっと見ながら。 我ながらいじわるな性格をしていると思う。 だが、潤んだオッド・アイの魔力には抗えない。 白い肌も、いまはほんのりと桜色の染まっている。 最初は戸惑った球体関節も、いまは可愛いチャームポイントだ。 「ますたぁ、はやく、たべさせて・・・」 もう我慢できないような表情が、俺の情欲をそそる ジッパーを下ろすと、自分でもおどろくような状態になっていた。 「あっ・・・」 頬を染めながら、うれしそうな顔をする。 そのまま舌を伸ばし、少しためらいながら先端を舐めはじめた。 「もっと、深くしてごらん」 そう言ってやると、少しずつ口の動きを大胆にする蒼星石。 鈴口を超え、亀頭の丸みを感じ、カリを刺激しながら、根元へ。 小さな舌は、しかし貪欲に俺を味わっている。 そして、蒼星石は、熱い液体を一滴も残すまいと飲んだ。 それから・・・ 俺は蒼星石とひとつになった。 それを身体ではなく、心で感じていた 「ますたぁ・・・ますたぁ・・・」 口の周りを濡らしたまま、蒼星石が俺のことを呼ぶ。 俺は頭を撫でてやりたかった。 好きだよ、と囁いてあげたかった。 だが、俺にはできなかった。 頭を撫でる手が、愛を囁く唇が、俺には無かったから。 全ては愛しい蒼星石のナカへ。 あぁ、いま耳を食べられてしまった。もう蒼星石の声を聞くことも出来ない 音の無い世界で、一滴も残すまいと血をすする少女が見える さぁ、最後にこの目を食べておくれ 蒼星石。キミとトモにエイエンのトキをスごそう 「マスター、これでずっと一緒だよ」 最後の意識の断片。心から愛した少女の声を聞いたような気がする
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/801.html
あっ!こりゃたまらん!(性的な意味で)ヨダレずびっ!! 「あなたの名前」の所は自分の名前に置き換えてください。 タイトル「二人の蒼星石in無意識の海」 1 夏真っ盛りの八月、何処に行く予定も無かった俺は家でテレビを見ていた。 冷蔵庫から取り出したアイスを食べながらソファに腰掛けて忙しなくチャンネルを回す。 どのチャンネルも夏の特集ばかりであまり面白くない。 しかしそんな中で一つだけ興味を引くチャンネルがあった。 「夏と言えば海、と言うわけで私は今とある海水浴場に来ています・・・」 テレビに多くの客で賑わう海の様子が写される。海辺で水を掛け合う子供や浜辺で寛ぐ男女。 遠くには沖まで泳ぎに行く人も見える。レポーターのインタビューに威勢よく答える若者もいる。 皆夫々の楽しみ方で海を楽しんでいるようだ。混んでいる場所は嫌いなのでプールなどは行かないが テレビを見ているうちに無性に海に行きたくなった。テレビとは人の潜在意識を知らぬうちに 刺激する物だ。よし、友人を誘って海に行こう。 「あ、もしもし俺だけど」 携帯電話を取り出し友人に誘いの電話をする。が、帰ってきたのは殆ど「都合が合わない」 といったものだった。最終的に都合がいいのは男ばかりだった。 男だけで行く海ほど悲しいものも無い。都合のいい者達に取消しのメールを送ると携帯を投げ置いた。 海とは男女で行くからこそ楽しいものなのであって、男ばかりで行く海など華が無くつまらない。 ゴロリとソファに横になると蒸し暑い部屋で昼寝を始めた。暑さと蝉の喧しさでなかなか寝付けなかったが 暫くすると意識が下がり深い眠りに落ちていった。 「ここは・・・」 気付いたら広い砂浜に立っていた。照りつける太陽の日差しが眩しい。 ザザーン、と水のぶつかり合う音が聞こえてくる、どうやらここは海のようだ。 熱い砂の上を素足で歩いていき、青い海へと向かう。不思議な事に人一人見つからない。何故だろうか。 水辺に着くと、潮が満ちては引き、満ちては引き交互に足を濡らしては乾く。 少しおかしなところを見つけた。足元を歩いている蟹の形が少し奇妙だった。 ハサミが三本ある蟹など見たことが無い。これで理解した。ここは夢の中なのだ。 夢だとしたらここは何処の海なのだろうか。見たところ日本ではない。 透き通るような青色の海から察すると、ハワイあたりだろうか。 しかしそれも何処か違う。夢なので現実には存在しない場所なのかもしれない。 「あ、いたいた。探したよマスター」 不意に後ろから聞き慣れた声がした。振り向くとそこには見慣れた蒼星石がいた。 確認の為蒼星石に此処が何処なのか問いかけてみる。 「蒼星石、ここは俺の夢の中だよな」 「半分正解で半分間違いってところかな」 「何だそりゃ」 蒼星石はコホンと一つ咳払いをすると此処が何処なのか説明し始めた。 「ここは確かにマスターの夢の中。それでここは「無意識の海」と言って・・・」 更に蒼星石は説明を続けるが、複雑で今一理解できなかった。 「分かってくれたかな」 「あんまり」 「分かりやすく説明したつもりなんだけどな。まあいいや。そろそろ皆も来る頃だし」 「皆?」 「皆が来たらまた説明するよ」 暫く蒼星石とその場で皆を待った。ヒトデが波に流されてきてはまた波に飲まれていった。 そんな情景を二人で見つめていた。誰も居ない海で二人。潮風が蒼星石の髪を揺らす度に蒼星石の香りが鼻腔をくすぐる。 チラと蒼星石の横顔を見ると笑っていた。ヒトデが足元まで流されてきた時に見せたビクっとした仕草といい今の笑顔といい 素直に可愛いと思う。もし蒼星石が人間だったならば、迷わず告白しているだろう。最も、自分には振り向いてくれないだろうが。 近くに居た三本ハサミの蟹が小さく見えるようになった頃、遠くから賑やかな声が聞こえてきた。 段々と近づいてくるにつれ姿が見えてきた。水銀燈、金糸雀、翠星石、真紅、雛苺、なんと薔薇水晶と雪華綺晶までいるではないか。 その後ろの大きな影はどうやら桜田君のようだ。目の錯覚だろうか。桜田君の横にもう一人誰かいるようだが。 あちらも俺の存在に気付いたのか雛苺が手を振ってきた。俺は皆の方へ駆け寄った。 2 「やっと見つけたです。この迷子人間。探すのに苦労したです」 大分歩いたらしく、翠星石は多少怒った様子で言った。 「蒼星石が貴方が無意識の海の夢を見ているというのでお邪魔しにきたのだわ」 「やあ、マスター。迷惑だったかな。でもどうしても皆に教えてあげたくて」 「それは構わないが、お前何時の間に桜田君の横に移動したんだ?」 「嫌だなぁ、僕はさっきから此処にいたじゃない」 「だってさっきまで俺と一緒に海を見てたじゃないか・・・」 そう言うと俺の後ろから蒼星石がピョンと飛び出してきた。突然の事で頭が上手く回らなかった。 蒼星石が目の前に二人いるのだ。桜田君の横の蒼星石は驚いている。俺の横の蒼星石はニコニコと笑っている。 どういう事だ。状況を上手く把握できずに戸惑っていると桜田君の横の蒼星石が庭師の鋏を取り出した。 「マスター!!騙されちゃダメだよ!そいつは偽者だよ!!」 「嫌だな、いきなり何を言うんだ。君こそ偽者じゃないのかい?」 「ふざけるな。お前は誰なんだ」 「僕はローゼンメイデン第四ドール蒼星石だ。君こそ誰だ」 俺の横の蒼星石は涼しげな表情でニヤリと笑って反論する。今にも飛び掛りそうな蒼星石を翠星石が必死に抑える。 俺の横の蒼星石が俺の後ろに隠れ怯えている。 「怖いよマスター・・・あんな野蛮な事をするなんて、やっぱり偽者だよあいつ!」 「え、ああ。そうだな・・・」 「酷いやマスター!!僕よりもそいつの言う事を信用するの!?」 「え、いやそういう訳では・・・」 何がどうなっているのか分からない。一体どっちが本物なのか。二人の姿を見比べても全く同じで 外見だけではよく分からない。やはりここは・・・中身で確かめるしかないか。 しかしどうやってそこまで事を運ぼうか。悩むところだ。 「ねぇ、マスター。あんな偽者放っておいてさ、僕にサンオイル塗ってよ。お願い・・・」 そう言うと何処からか取り出したサンオイルを俺に手渡すとリボンを解き服を脱ぎだした。 待てよ、サンオイル・・・そうだ。偽者を見破る方法を思いついた。名づけて「サンオイル作戦。」 姉に止められ鋏を仕舞った蒼星石がもう一人の自分が服を脱いでいく様を黙って見つめていた。 サンオイル作戦は二人共にサンオイルを塗らなければ実行できない。 「よし、君にも塗ってあげよう。早く服を脱いで」 「え、ぼ、僕も脱ぐの?マスター?」 「このまま偽者扱いのままでいいのか?」 「うう・・・分かりました・・・」 そう言うと桜田君の横の蒼星石は渋々服を脱ぎ始めた。なんとか上手く口車に乗せられた。 二人とも堂々と俺の前で着替えるので目のやり場に困り、俺は太陽の光を手で遮り上空を見上げていた。 暫くすると「おお」という歓声が聞こえてきたので終わったのだろうと二人の方を見た。俺も「おお」と声を上げた。 「み、水着まで同じとは・・・いやまいったなこりゃ」 まさか水着まで同じとは考えもしなかった。全く同じ顔が二つ並んでいる違和感を改めて感じた。 二人の水着は白のビキニ上下に腰には青いパレオを巻いているというモデルの様な姿だった。 照りつける太陽の下で二人の白い肌がより映えて見える。増してや露出の多いビキニならば尚更だ。 その様子は中学生の桜田君や小さな雛苺にはなかなかシゲキテキらしく、桜田君は視線を逸らして時々チラチラと見ていた。 雛苺は蒼星石を見つめて「うゆー」と感嘆の声を漏らしていた。 「やっぱり恥ずかしいな・・・」 「蒼星石すっごく綺麗なのー!!セクシーなのー」 「セセセセクシーだなんて!!僕はそんなんじゃないよ・・・ははは・・・」 薔「蒼星石・・・侮れない・・・」 雪「・・・美味しそう・・・」 J「勃起した」 「そういえば「マスター喜んでくれるかな」とか言ってたかしら」 「わーっ!!わーっ!!」 突然蒼星石が大声を出した為金糸雀のセリフがよく聞こえなかったが、何か嬉しい事を言われたような気がする。 次はサンオイルだが、よくよく考えるとドールは日焼けしないのに塗るというのはどうなのだろうか。 しかしこれでどちらが偽者かハッきりする。二人をうつ伏せに寝るように促す。 球体関節があるのを確認して、改めて人形だと認識する。 「お願いします、マスター」 「マスター、早く早く」 「マスターは僕のマスターだよ。気安く呼ばないで欲しいな」 左の蒼星石が鬱陶しそうな目で見ながら言い放つ。 「君こそ気安く呼ばないで、「貴方の名前」さんと呼んでもらいたいね・・・」 冷ややかな目で右の蒼星石が言い放つ。その様子に左の蒼星石はかなりイラついているようだった。 「ほらほら、喧嘩しないで。じゃあ塗るぞ」 サンオイルを適量手に取り伸ばす。そして右の蒼星石から塗ろうとすると、左の蒼星石から文句を言われた。 「ちょっとマスター!!なんでそいつからなのさ!?僕が先でしょ!?」 「偽者のいう事なんか気にしないで早く塗ってよ、マスター。ね?」 「じゃあここはジャンケンで決めてくれないか・・・」 二人の蒼星石の言い合いを聞いていたがまるで子供の喧嘩のような稚拙な言い合いだったが。しかしどこか可愛く思えた。 どちらかは本物の蒼星石だが、蒼星石がここまで負けず嫌いだったとは。辺りに同じ声の「じゃんけんぽん」が響き渡る。 他の姉妹達はいつの間にか今まで無かったビーチパラソルの下で寛いでいた。薔薇水晶と雪華綺晶は水着になり海辺で水を掛け合っていた。 あいこが20回続いた後、ようやく決着がついたようだった。どうやら右の蒼星石が勝ったらしい。 夢の中とはいえ太陽の暑さが妙にリアルだ。いつの間にかかいた汗が首筋を伝う。 「じゃあマスター、僕からだよ。」 「分かった。」 「痛くしないでね・・・優しく、ね?」 「オイル塗るだけだろ。そんな嫌らしい表現はやめなさい」 「えへへ、分かりました」 ペロリと舌を出して謝る蒼星石をうつ伏せに寝かすと背中にオイルを塗り始めた。 隅々まで満遍なくオイルが渡るように蒼星石の背中で手を動かす。 横から左の蒼星石の突き刺さるような嫉みの視線を感じながらもオイルを塗り続ける。 時々気持ちよさそうな声が出るたびに不覚にもどこか心の奥底で何かを期待してしまっていた。 「ん・・・気持ちいよマスター・・・」 「だから変な反応するなって・・・よし、終わり!」 「ありがとうマスター。ふふ、マスターの(塗ってくれたサンオイルで)でヌルヌルになっちゃった・・・」 何と言うか、右の蒼星石は蒼星石にしては少し明るすぎるような気がする。決して蒼星石が暗いという訳ではないが。 次は左の蒼星石の番だ。恥ずかしいのか少しもじもじしている。うつ伏せに寝かせると手にオイルを取った。 よし、サンオイル作戦の開始だ。 「あの、マスター。紐邪魔だったら解こうか?」 「え、別に平気だ・・・が」 言い終える前に背中に手を回して自らビキニの紐を解くと少し恥ずかしそうな声で「いいよ」と呟いた。 何だか自分が蒼星石を試しているのではなくて自分が蒼星石たちに試されているような気がしてきた。 右の蒼星石がその手があったかというような顔をしていた。再びオイルを手に取り蒼星石の背中に伸ばしていく。 蒼星石は撫でられて気持ちよさそうにしている猫のように手が背中を滑る度に気持ち良さそうな顔をした。 よし、そろそろだ。手は動かし続けながら蒼星石に問いかける。 「なあ、蒼星石」 「ん、何?マスター」 「オイル塗ってて気付いたんだけどさ、お前達って背中に番号が刻まれてるのな」 「え!?」 ビーチパラソルの下で寛いでいた他の姉妹達も俺の質問に思わず声を上げた。 自分の背中は自分では見れないので他人に見てもらうしか無い。だが他の姉妹の背中など見る機会も滅多にないだろう。 だが右の蒼星石は少しも驚いた様子無く答えた。 「やだなあマスター。今頃気付いたの?失礼しちゃうなあ。僕の事でまだ知らない事があるだなんて」 右の蒼星石がおどけたように笑って見せた。本人はまだ気付いていないようだがこれではっきりした。偽者は右の蒼星石だ。 「嘘でしょ?マスター」 「ああ、嘘だぜ・・・だがマヌケは見つかったようだな・・・」 「あっ!!」 皆揃って右の蒼星石の方を見る。「あっ」と叫んだときにはとき既に遅し。右の蒼星石が偽者である事が証明された。 3 「あ、さっきのは間違い、やっぱり番号なんか無いよね・・・あは、あははは」 「見苦しいぞ!!偽者!僕に化けて何をするつもりだったんだ。答えろ!」 蒼星石が庭師の鋏を取り出し構える。偽蒼星石の周りの空気が重くなる。 それはアリスゲームの時の水銀燈が持っている空気と同じものだった。 俺はその重い空気に気圧されそうになるがなんとか耐えて二人のやり取りを見ていた。 「ふふ・・・ばれちゃしょうがないね。本物さん」 「一体何を企んでいたのかな・・・?偽者さん。正体を現せ!!」 「正体?正体は無いんだ。名前ならあるけどね」 「なら名前を言ってもらおうかな」 蒼星石の表情が険しくなる。ふざけた真似をしたら今にも斬りかかりそうだ。 蒼星石と偽蒼星石の険悪なムードに他の姉妹も気付いたらしくビーチパラソルからこちらを見ていた。 「僕は・・・蒼像界王乙レデス!!」 「蒼像界王・・・?」 J「ポロリまだー?」 蒼像界王乙レデスと名乗った偽蒼星石は話を続けた。蒼像界王など聞いたことが無い。 名前からして漫画やアニメのキャラクターみたいだ。 「僕は人の夢と夢を行き来して生きる夢の住人。僕の仕事は人に夢を見せる事。」 「夢を見せる・・・?」 「そう。楽しい夢も怖い夢も僕の思いのまま。悪夢ってあるでしょ?あれは僕の機嫌が悪いときに当たっちゃった人が見るんだ」 「それで、どうして俺の夢に出てきたんだ。」 「それは貴方を好きになったから。本当はこのまま貴方をこのまま夢の世界の住人に引き込もうと思っていたんだよ。でもまた失敗しちゃった。」 そこまで言うとレデスは蒼星石を見つめた。そして蒼星石の方を見つめたまま話を続けた。 「僕は自分の姿を持たない。逆に言えば何にでもなれるんだ。ほら」 そう言うとレデスは目の前に他の姉妹や俺に化けて見せた。どれも本人と全く見分けつかないくらい完璧な変身だった。 一通り変身した後はまた蒼星石の姿に戻った。 「だから貴方の好いている蒼星石の姿を借りて貴方を夢の中に引き込もうとした。」 J「夢の世界とか超KOEEEEEE!!」 「でもばれちゃそうがないなあ・・・今日はもう帰るよ。あっそうだ、蒼星石」 「何だ」 「蒼星石、僕はまだ君のマスターを諦めていないから。また何時か君のマスターの前に現われるかもしれないよ。 その時は必ずマスターを僕のものにするから。それだけ覚えておいて。君は僕の恋敵だ」 「僕だってそんな簡単にマスターを渡せないよ。僕の大事なミーディアムなんだ」 俺はただ目の前で起こっている二人のやり取りを黙って見ていた。突然レデスの唇が俺の頬に触れた。 そしてペロリと舌を出すと空高く舞い上がった。 「ふふ、じゃあねマスター。好きだよ。」 そう言った後空高く見えなくなるまで舞い上がるとレデスは消えた。別の人間の夢に移った様だ。 何気なく空を見上げる。太陽がまだ眩しかった。 「・・・ちょっとマスター!!」 ハッと蒼星石の気付き蒼星石の方を振り向く。何やら様子がおかしい。どうやら怒っているようである。 俺が浜辺に腰を下ろすと蒼星石も腰を下ろした。 「何で空を見上げてたのさ?まさかレデスの事を・・・」 「別にそういうわけじゃないぞ」 「そう。それならいいんだけどさ」 「もしかして嫉妬してるのか?」 「別にそうじゃないけどさ・・・」 からかう様な口調で言う俺の頬に蒼星石の唇がレデスがキスした頬とは逆の頬に触れた。 「少しは僕のことも考えて欲しいな・・・」 そう言うと蒼星石は立ち上がり海のほうへ走っていった。潮風で蒼星石の髪と青いパレオが揺れた。 「僕だって、マスターの事が大好きなんだからさ」 そう呟くとレデスのようにペロリと舌を出した。蒼星石の言葉より心臓の高鳴りの方が強くて蒼星石のその言葉は聞こえなかった。 fin 番外編「その頃のJUM」 「ちくしょー見せ付けやがって「あなたの名前」の奴!!欝だぜ。」 「ならあたし達もやってみる?」 「何をだよ真紅」 ちゅっ 「ウレピー!!」 fin 「言い訳程度の文」 原作は一度呼んだ後は読み返していない為無意識の海の定義が曖昧になっているかもしれません。 無意識の海は「夢の中」ではなくて「nのフィールドの中」だったかもしれません。 どう考えても原作の無意識の海とは違いますがそこは創作SSという事で多めに見ていただけると嬉しいです。 私個人の蒼像界王乙レデスのイメージを下記に記しておきたいと思います。 実体は無く、何にでも変身できる。 マスターの事が好きで、蒼星石は恋敵だと思っている。 夢の世界の住人で、夢を見せるのが仕事、いい夢も悪夢も思いのまま
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/984.html
「悪いが今から桜田君の家に少し行っててくれ」 いつも優しいマスターが今日は冷たい・・・僕は嫌われたのかな? 「でもいきなりは失礼じゃ・・・」 「大丈夫だ桜田君には連絡はしてある」 「分かったよじゃあ行ってくるね」 僕は鞄に乗りジュン君の家に向かう ーー桜田家 どうにかならないかと真紅達に相談してみた 「そう、そんなことがあったの」 真紅は至って冷静だ 「あのダメ人間蒼星石に冷たくやがったんですか、これは粛清してやらんといかんですね・・・」 翠星石はかんかんに怒ってる悪いのは僕なのに・・・ そんなときのりさんの声が聞こえた 「蒼星石ちゃーん!○○(マスター)さんから電話よー!」 僕は恐る恐る電話をとった 「もしもし・・・」 「蒼星石か?今から帰ってきてくれ」 マスターが素っ気なく言う 「うん分かったよ」 僕は複雑な気持ちで電話を切った 「どうしたですか?」 翠星石が尋ねてきた 「今から帰らなくちゃいけないんだ」 「それなら翠星石も一緒に殴り込みに行ってやるですぅ、真紅、チビ苺一緒に来るです」 翠星石は意気揚々と鞄に乗った 僕も色々考えながら鞄に乗った 10分くらいでマスターの家に着いた いつもとは違い全部のカーテンやブラインドが閉まってて中の様子が分からない 玄関のドアを恐る恐る開ける 「ただいまー・・・」 返事がない いつもなら走ってきて抱っこしてくれるのに 「やっぱり嫌われたのかな・・・」 僕はリビングの扉を開けた そこには 下手な上に所々間違った字で 「祝!蒼星石と契役一週年」 そして少し形の崩れた手作りケーキ 僕は呆然としていた そして 「パァン!」 鳴り響くクラッカーの音 「やっと今日が何の日か分かったですか」 そこにはマスターや翠星石達がいた そうだ今日はマスターと契約してちょうど一年だ 「おいおい、泣くなよ、そんなにびっくりしたか?」 「ううん・・・」 いつもの優しいマスターだ・・・ 僕は嬉しくてマスターの胸に飛び込んだ
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/228.html
結局、翠星石が言っていたことなど気にもかけず6時間目をむかえた。これでさっきの言葉は 翠星石の嫉妬と確信した。意外と可愛いところもあるんだなと腕を組み、頷く。それが先生には 変な者に見えたのだろう。自称ダーツの天才である先生のチョークが額にヒットする。一瞬にして 教室は笑いの渦に満ちる。俺は真性でしかもドのつくMなのでなんともなかったが。先生に一喝の 言葉を貰った後、再び授業へ戻る。しかし先生が使っていたチョークが黒板に押し当てられポキッ と乾いた音がする。そこで誰かが「プッ」と噴出す。断じて俺ではない。すると先生の手が一閃。チョークが 白いビームのように残像を残しながら蒼星石の額に吸い込まれていく。どうやら吹き出してしまったのは 蒼星石らしい。今回は誰も笑わなかった。かわりに先生に対するあまたの殺気のこもった視線があった。 翠星石が如雨露を召喚して本気で先生を殺しにかかろうとしていたが俺がなんとか止めた。蒼星石は というと涙目で俺の腕にしがみつき「もうお嫁にいけない」となんともそそることを言ってくれる。本気で この先生を殺しそうだ。6時間目はこんなグダグダな感じで終わりを告げた。 放課後。俺はやり忘れていた数学の課題のおかげで居残りをさせられていた。数学の課題を忘れると罰として プリント4,5枚をやらなければならない。奮闘していた俺の元に蒼星石と翠星石が来た。いったん家に帰った後 再び学校へ来たのだろう。制服からいつもの服装に戻っていた。俺は翠星石に 「なんだ、俺と蒼星石をくっつけまいとしてたんじゃないのか?」 「そうしたいのは山々ですけど、蒼星石がどうしてもって言うから・・・」 うーむ。過保護と言うか甘やかしというか。つまるところ妹に弱いと言うことなんだろうな。 俺が3枚目のプリントに手をかけたときだ。蒼星石の体がぐらりと揺れる。俺は机から飛び出して蒼星石が倒れる前に 抱きとめる。様子がおかしい。翠星石はいかにも「来てしまった!」な感じの表情だ。 いきなり蒼星石が勢い良く起き上がった。俺はびっくりして後ろへ2、3歩下がった。蒼星石は何も喋らずに ただ下を向いている。いつもの蒼星石ではなかった。翠星石が早く逃げろと目で俺に語る。俺は何も考えれず、何もできず に突っ立っていると蒼星石が右手を宙にかざす。すると蒼い光球が瞬いたかと思うと次の瞬間には蒼星石の手に庭師の鋏が 握られていた。これには俺も危機感を感じたんだろう。震える足で逃げようと足掻いた。しかし蒼星石は無常にも右手を 一閃させた。俺の右腕の制服部分がスパッと裂かれる。ついでに血が垂れる。蒼星石が右腕を真上に構え、俺に止めを さそうとする。そして腕が振り落とされる。 ・・・目を開けるとスライドしている廊下の天井が見える。どうやら翠星石が俺を引きずっているらしい。とにかく今、俺は 生きていた。 翠星石は俺を引きずって技術室の中に入る。そして施錠。 「ド低脳人間!なんで逃げないですか!?」 いや、そんなこといわれても人間なら誰でも腰を抜かす。特に蒼星石と暮らしてきた俺には効果覿面だろう。 「蒼星石は・・・いや、アレは一体どうなってるんだ!?」 俺はうまく発音できない口で必死に翠星石に問う。 「あれは・・・ジェノサイドですぅ。蒼星石の別人格が現世に顕現した姿ですぅ」 何を言っているのか理解できない。しかし俺は質問を重ねることしかできなかった。 「午前中、蒼星石に近づくなって言ってたよな。以前にもあったのか?」 「はい・・。前マスターの時、一回だけですぅ。」 「つまり、その時は止まったってことだろ」 「そうです。と言っても何でジェノサイドが収まったか原因は不明なのですぅ・・・」 なんてこった。これではどうなるかわからない。 「と、とにかく。蒼星石はすぐここに来るです。さっさと逃げ――」 「まてよ、まだ1つ質問がある。」 翠星石がはっ、と表情を曇らせる。 「なんで蒼星石のジェノサイドが発現したんだ?」 俺がその質問をすると翠星石はう~と唸り頭を垂れる。そして下を向いたまま淡々と話し始めた。 「あくまでわたしの予想ですけど・・・多分マスターに対する愛情度数が関係してると思うですぅ。」 「マスター・・・どこ・・?苦しい・・・苦しいよ・・ マスター・・・」
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/222.html
一日がサプライズの塊だった日の夜。改まって俺は蒼星石を問い詰めることにした。 「なんでいきなり学校に来たんだ?つーか手続きはどうした?」 「何を言ってるんだいマスター?」 蒼星石はあくまでもとぼける。じゃあ今日のはどう説明すると言うんだ。まさか義姉さんの変装 じゃあないよな?このままでは埒があきそうにないので俺は蒼星石の後ろにすばやく回りこむ。 「とぼけるならこちらにも手がある。」 そう言うと俺は蒼星石の横腹を指でくすぐる。つい最近知ったことだが蒼星石は体中がすごく 敏感で、首筋・脇・脇腹のどこをくすぐっても弱いらしい。詳しくは知らないがこれを性感帯と言うのだろう。 「答えろよ。尋問はすでに・・・拷問にかわってるんだ。」 我ながらどこかで聞いたこともあるがかっこいいセリフを吐いたなと思った。このまま蒼星石の頬を舐めようと 検討したが脳内各部首脳会議の結果廃案された。 蒼星石は短く、そしてリズムよく喘ぎご・・いや、笑い声を張り上げる。だんだんと俺もハイになってきたぞ。 しかし流石にまいってしまったのか蒼星石が白旗を振る。 「ふぅ・・。じゃあ動機から話してもらおうか。」 「だって・・・マスターが学校に行っている間が退屈なんだ。だからちょっとお遊び程度で学校に 行ってみたんだけど・・・」 「じゃあ次の質問だが、どうやって学校に来た?転校手続きとかはどうしたんだ?」 俺が一番気になっていた質問をする。蒼星石は手のひらをちょいちょいと動かす。俺はそれを即座に理解する ことができた。 「まさか先生の夢の中でなにかやらかしたんじゃないだろうな・・・」 俺が確認するようにつぶやく。蒼星石はブンブンと首を縦に振る。蒼星石・・・恐ろしい子。 翌日。今日もごく普通の1日を演じるために蒼星石とは時間差をつけて家を出る。転校生と一緒に登校なんて いかにも怪しすぎるからな。そのため俺はなんと午前5時に家を出た。弁当も持っていってないので今日は 学食だな。 しかし予想外の出来事が起きた。校門が開いていなかった。俺はなぜ気が付かなかったのだろう・・・。 仕方がなかったので草むらに隠れて開門を待つことにした。 「まさちゅーせっちゅ!?」 俺はおなじみ寝言を叫びながら覚醒した。どうやら草むらで寝ちまったらしい。俺は急いで飛び起き、校舎に へばりついている時計を見る。8時29分。始業のチャイムが鳴る1分前。俺はフルスロットルで教室へ向かった。 遅刻こそしなかったもの教室に向かっていた先生と交通事故を起こし俺は朝のホームルームで晒し者となった。 叱られつつもちらと俺の机付近に視線をやるとやはり制服に身を包んだ蒼星石がこちらを見て微笑んでいた。 時が経つのは本当に早い。いつのまにか昼食の時間だった。これは俺が授業中居眠りをしていたことを指すのかも 知れないがまあいい。俺は小銭を握り締めて食堂へ向かおうとする。 しかし耳元ゴオオ、と何かが唸る音がする。次の瞬間蒼星石の放った弁当箱が後頭部に直撃。俺は前につんのめり ぶっ倒れる。周りの奴らはおぉ~と歓声を上げる。黙れ。 俺は後頭部を押さえつつ起き上がる。どうやら蒼星石は学校生活ではツンデレになってしまうのかもしれない。単なる 恥から来てる行為なのかもしれないが。仕方なく俺は弁当を手にとり机を蒼星石の物とくっつける。重松(友人A)と 山田(友人B)がそれにならって机を持ってくる。すごくうざったい。 「すごいなお前。一体どうやってたった1日で親密になってるんだよ?」 重松がおちょくる。そりゃ同居してるからな、とは口が裂けても腹が裂けても言えない。 隣で話を聞いていた山田が俺の弁当から蒼星石お手製と思われる卵焼きを勝手に盗み口に放る。 「う、うまい!卵焼きでこんなに味の差があるなんてなぁ」 俺も1つ食べてみる。確かにうまい。でもいつもこの卵焼き食べてるから他の卵焼きというものがわからない。 楽しいお昼の時間も終わり午後の授業へと移行する。午後は数学の1時間だけだが数学と言う名前に重みを感じるのは 俺だけだろうか?とにかく俺は単に数学嫌いなだけだろうな。 不等式の証明?何それははは。そんな俺をよそに蒼星石は自分の手には合わないサイズのエンピツを握り締めてノートを まとめている。その不釣合いなのがまたいい。そうこう考えているうちに時は過ぎていくものだ。 終了時刻まであと1分を切る。俺は片付けモードに入った。わからない物をわかろうとするのは俺にはすることのできない 芸当だ。さりげなく蒼星石は理解しているようだから困る。これじゃ俺のしめしがつかんね。 聞きなれたチャイムが鳴り響く。これでたるい学校も終わりだ。 校門を急ぎ足に通り過ぎる。人間より体格が小さい蒼星石はタタタと走らなければならない。慣れないスカートで走るのが よほど辛いのかマスタ~、と助けを求めるような声で俺を呼ぶ。俺もそこまで鬼畜じゃないので止まるが。 そして一言詫びの言葉を言ってから手をつないだ。周りからするとかなり身長差のあるカップルとでも捉えられてたろうな。 そして俺はおもむろに――― 「もふぅ!?」 俺は顔の上に乗っかる何かモフモフしたものにより起こされた。どうやら俺は朝食を食べた後そのまま寝てしまったらしい。 今日は実によく眠れる日だ。それにしても見ていた夢のことだがかなり残念なところで終わった気がする。でも内容は 全て忘れてしまった。人が夢を見ると書いて儚い。夢とは儚いものなのだろう。俺は自分の中で結論を出すと時計に目をやる。 ジャスト12時。ちなみに今日は金曜日。 「あ・・・学校・・・」 俺は慌てて顔の上で惰眠をむさぼるクラウスを弾き飛ばして着替えに取り掛かる。蒼星石の姿が見えなかったが脳内パニック を起こしている俺には思考の片隅にも残らなかった。 行って来ます、と誰も居ない家にあいさつをし、いつもの通学路をとおり学校へ向かった。 俺が教室に入るともうそれは爆笑の渦だったさ。寝ぼけて昼過ぎに来る奴なんていないだろうしな。そんな中俺は急な転校で 去っていった奴が座っていた隣の自分の席に座る。 「遅かったじゃないか、マスター」 誰も座っていないはずの席から声がかかる。 「そうだ、そうだ。今日から一緒に勉強をすることになった――」 担任が説明を始めるがそんなものは必要なかった。そこにはいっつも一緒にいた蒼星石が微笑んでいた。俺はとっさに頬を 自分の出せる力の全てを使って抓る。正直に痛かった。俺は予知夢を見れるのか。信じる気にはならなかった。 ああ俺の人生に幸多からん事を。ついでにおまえらにも。
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/227.html
さらに俺の置かれる状況は悪化していく。 「あー。窓際のあそこが空いてるな。あそこ、座ってくれ。」 担任が指定した席とは俺の後ろの席だろう。俺は最前列なので八方塞になったということだ。 実はこれが翠星石とのファーストコンタクトではない。以前彼女が家に遊びに来たときがあった。 窓を破るという非現実的な入室方法だった。その後もなにかとやらかして俺を不安のどん底に陥れた悪女だ。 あれが蒼星石の双子の姉というから驚きだ。しかし外見は性格の判断材料にはなり得ない。休憩時間になると 周りにはどこかで見たような黒山の人だかりが。それに翠星石はあたかも"優しい女性"のように接している。 俺は蒼星石に問題起こさないのか聞いてみる。 「大丈夫だよ。こういう公共機関の中だと流石に問題は起こさないと思うよ」 蒼星石の落ち着いた言葉にこれ以上ない安心感を覚える。本当に起こしてくれないといいけど。 1時間目、数学。今日は先生が出張で居ないので自習プリントが配布された。内容は中学三年生レベルの問題 だ。ほら、展開とか根号とか三平方なんとかいうやつだ。俺がスラスラとプリントを進める中、横に居る蒼星石は まったく鉛筆が動いていない様子だ。ちなみに後ろからもカリカリと音はしない。そこで蒼星石が、 「マスター、この問題よくわからないんだ。教えてくれないかな。」 と弱気になる。俺は周りの目など気にせずに乗法公式から加法・減法など何から何まで教える。蒼星石はそれを 理解していった。よく俺の説明でわかるものだな。俺の教授が終わり、俺も蒼星石もプリントにとりかかる。相変わらず 後ろから音沙汰はない。しかししばらくすると、翠星石が蒼星石の机にコソコソと近寄って「教えるですぅ」と蒼星石に 助けを乞う。それを蒼星石は受け止め律儀に教授し始める。これはこれで微笑ましい光景だ。俺の視線に気がついた蒼星石が 「こっちみんな」と言わんばかりの表情をする。俺は冷や汗をかいてプリントへ視線を戻す。 そんな事があった1時間目も終了を継げるチャイムが鳴り響く。刹那、何者かが俺の首根っこを鷲掴みにしてそのまま万力 で俺を引きずる。おそらく翠星石だろう。直感がそう俺に教える。教室を出る瞬間視界に俺と同じ用に首根っこをつかまれ 引きずられている男子生徒が映る。そして彼を引きずっている女子生徒が翠星石を追い抜かす。その際に、 「よお、お前も大変だな。」 とその男子生徒が話し掛けてきた。 「ああ。自分を見ているかのようだ。」 「俺はこの後何されるかわからん。そのときは骨を拾っておいてくれ。」 「わかった。遺骨はその怪しげな部に送りつけといてやる」 俺は引きずられながらも答える。相手も俺の言葉を聞いてニヤリと笑って見せた。そしてそいつはそのまま何処かへ拉致 られていった。同じ境遇に居るもの同士の奇妙な友情が芽生えた瞬間だった。 俺は屋上へと続く階段の一番上まで拉致られた犯人は思ったとおり翠星石だ。 「お前に言っておく事があるですぅ」 不意に翠星石が口を開く。一体何を言われるのか。蒼星石に手を出したらぶち殺すぞ、とか言われるんじゃあないだろうな。 「お前は蒼星石に今近づいちゃいけねぇです」 あー、内容は同じようなことを言われました。 「わかったですか?わかったら三べん回ってワンと咆えろですぅ」 何ワケのわからないことを。俺は反論する。 「何でだよ?ワケを詳しく原稿用紙一枚以内で答えてくれないか。」 翠星石はむっとこちらを睨んだ後重々しく話す。 「だが断るです」 そう言うとさっさと階段を下りて行ってしまった。どうやら単なる焼きもちだったようだ。俺も授業に遅れそうなので 戻ることにした。 「おかえり」 と席についた俺に蒼星石が迎えてくれた。俺はさきほど言われたことを無視して蒼星石といつものように接する。 しかしこの後、今やっていることを後悔するはめになる。
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/316.html
蒼「ねえ、マスター?」 マ「うん?」 黙って待っていると、何事かを考えていた蒼星石がこちらに話しかけてくる。 蒼「もしも本当に、あのゲームみたいな状況になっちゃったらどうする?」 どうやらさっきから悩んでいたのはその事らしい。 いや、むしろああいった緊急事態に直面した時に自分たちの関係が壊れやしないかが不安なのかもしれない。 マ「そうだなあ、蒼星石だけはなんとか守れるようにするよ。」 これは偽らざる本心だ。自分の命だって彼女のためなら投げ出せるだろう。 蒼「でも、もしもさっきみたいにお互いが犯人って思える事態になっちゃったら?」 蒼星石が意地悪な質問を投げ掛けてくる。 マ「僕は、蒼星石を信じ抜くさ。たとえ最後まで残ったのが僕ら二人きりになってもね。」 蒼「それじゃあ誤解したボクに殺されちゃうかもよ?」 珍しい事に、それでも執拗に食い下がってくる。 蒼星石がそんな事をするなんて到底考えられないが、そこが一番気になるところなのだろう。 ― 自分の命と相手の命、どちらを優先しようとするのか? ― アリスゲームなんてものを背負い込んでいる以上、お互いにいつそういった選択を強いられないとも分からない。 それこそ明日にだってあることなのかもしれない。 マ「うーん…そうなったら恨むしかないかな。」 蒼「犯人や状況を?それともボクをかな?」 マ「自分を、かな。蒼星石に土壇場で信頼してもらえないような不甲斐ないマスターでしかなかった自分を。」 これだけでは蒼星石の求める質問の答えにならないことは分かってる。そこでこう付け足す。 マ「…そして、しっかりと対処できずに、蒼星石に要らぬ苦悩を遺してしまった弱くて愚かな自分を、ね。」 蒼「もう、マスターはいつもずるいなあ。」 マ「ずるい?」 蒼「いつもいつもこっちが用意した選択肢以外のものを選んで…、それでいて… それがいつも一番の正解みたいな、こちらが一番求めていたものを与えてくれるような気がする…。」 マ「そうかい?ところで蒼星石の答えも聞いてみたいな?」 蒼「さっき言ったような状況になっても、マスターの事はボクがきっと守るよ。マスターなら最後の最後まで信じ抜ける!」 マ「こらこら、僕だって男としてやるときゃやりますよ?」 蒼「うふふ、頼りにはするね。でも、もしもマスターが美樹本さんにやられそうになったらボクが出て行ってやっつけるからね!」 マ「ぜんっぜん、信用されてないのなー。」 そんなゲームそのものの情けない展開は嫌だな…、大いにありそうではあるが。 そこでとあることに気が付いた。 マ「ねーえ、蒼星石。さっきも言ったけどさ、これからはもっと素直に甘えてくれて構わないんだよ? 」 蒼「へ?」 マ「別に“やったことがない”ゲームにかこつけなくても、ってこと。」 蒼「…あっ!」 やがてこちらの言った意味が理解できたようで蒼星石が赤くなる。 蒼「で、でも、怖がる振りをしてたとかじゃなくって怖かったのは本当なんだからねっ!」 マ「ふふふ、分かってるよ。何回目でも怖いものは怖いだろうし、僕が楽しめるように気遣ってくれてた、…って事だよね?」 蒼「もう、意地悪なんだからあ。」 そう言うと、頭からタオルケットをかぶって潜り込んでしまった。 マ「おーい、腕枕させてよー。」 蒼「しらない、しらない!」 どうやら完全にへそを曲げられてしまったらしい。 マ「せめて顔くらい見せてよ。」 蒼「やだ!もう今夜は顔を合わせたくない!」 想像以上に怒りは激しいようだ。 ここは素直に非を認めて引き下がるとしようか。 マ「本当にごめんね。すまなかったよ…。それじゃあ、おやすみなさい。」 すぐ隣には蒼星石がいるというのに一人さびしく仰向けに寝る。 しばらくして何やらもぞもぞと動く気配がした。 そちらの方を見ようとす… 蒼「見ちゃ駄目!もう今夜は顔を合わせないんだからね!」 まあ、見るまでもなく何をしているかは分かる。 蒼星石はタオルケットの中を這って僕の胸の上へ移動してきていた。 蒼「マ、マスターが素直に謝ってくれたから…ボクもちょっとだけ、素直になるんだからね…。」 そう言って蒼星石が胸に顔を当ててくるのが分かる。 視覚なしに触覚だけに集中しているのでかえって生々しく、彼女の吐息すら感じられる。 蒼「ふう…あったかいなぁ…。」 マ「そりゃあ、蒼星石への愛がいっぱい詰まっているところだからね。」 タオルケットの上から優しく蒼星石を包み込む。 蒼「もう、マスターったら…。でも…幸せで…すごく安らぐ…。」 しばらくして可愛らしい寝息が聞こえてきた。 胸の宝物を大事に抱えながら、自分もそのまま眠りに就いた。 完