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手を繋ごう【てをつなごう】 寿々歌、藍 普段からベタベタするのが嫌いで手をつなぐのも苦手なクールな彼女 そんな彼女とのデート 今日もやっぱり手は繋がない 少し寂しい、けど手を繋がなくても藍ちゃんはうちを好きでおってくれているので我儘は言わへん 「人多い…」 今日は少しでも長く一緒に居たくて普段通らない道を歩いてみた すると藍ちゃんが苦手な人混みの多い所に辿り着いてしまった どうやら今日はこの辺でお祭りがあるらしい 浴衣姿の人を何人も見かけた 「うわ…はぐれないようにな!」 「うん…」 本当は今すぐ手を繋ぎたかった しかし藍が嫌がるからそれは出来ない 「わあっ」 「きゃっ!ごめんなさい!大丈夫ですか?」 「すいません、よそ見してて…大丈夫ですか?」 浴衣姿の同い年くらいのカップルの彼女の方にぶつかってしまった 彼氏もうちに謝ってくれたが、よそ見していたのはうちの方だった 「いや…うちの方こそごめんなさい。人多いですからはぐれないように気をつけて下さいね」 「すみません、ありがとうございます!」 本当に人が多い。しかも知らない場所だから藍ちゃんは早くここから抜け出したいだろう 「藍ちゃん、早よ出よか…ってあれ?藍ちゃん?」 隣に居たはずの藍ちゃんが居ない いつのまにかはぐれてしまったようだ。こんなに人の居る所で、一体何処に行ってしまったのだろうか 辺りを見回しても見当たらない上にあまりの人の多さに途方に暮れる 「どうしよう…藍ちゃん…」 一瞬だけもう二度と見つからないんじゃないかという考えがよぎった 「もう!寿々歌ちゃん勝手に居なくならないでよね!」 「藍ちゃん!何処行っとったん!?おらんくなっとったんは藍ちゃんやろー良かったああ」 「もう…帰るまで離さないでよね」 藍ちゃんはそう言ってうちの手を握った 「うそ…」 「何?嫌なの?…私と手を繋ぐの」 「ううん全然嫌っちゃう!藍ちゃん大好き!」 「ちょっと!暑苦しいから離れてよね」 「藍ちゃああああああん!」
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671 二日目45 ◆lQS9gmV2XM sage 03/09/23 21 43 ID /+trNY4w 噛まれたクーの目は虚ろで息は荒く、涎で床に絵を描いている。 褐色の肌に汗が浮かび、胴着に擦れて感じるほど敏感になっていた。 「か、身体が、熱い………燃えそうアル……」 しかし身体は痺れて動かない。自由を奪われた肉体が、本人の意 志に反して欲情していく。 「これが吸血鬼の唾液の威力ですよクーちゃん」 「危ない成分たっぷりだぜ」 「普通は血といっしょに唾液も吸い戻すから問題ないんだけど」 吸血鬼たちはクーの服を破りながら、くすくすと嗤う。 「早く血といっしょに吸い出さないと、発狂しちゃうよ」 「ふはぁあ──っ! や、止めてっ! お願いアル、あ、あっ」 弱々しく首を振るクーの褐色の肌を、桜子と風香の舌が這い回る。 胸の谷間や乳首まで丁寧に舐めて汗を拭き取り、代わりにとろりと した唾液を塗り付けていく。 「ひぃ、ひぃ…し、死んじゃうアル…感じすぎるアル……」 史伽はクーの性器にキスをして、ちゅるちゅると愛液を啜る。 「アイヤァァァァァ───っ!」 鍛えぬかれた幼い肉体が官能に蝕まれる。 勇猛な拳士の仮面が剥がれ、欲情した少女が泣き狂う。 クーは頭の中が真っ白になった。 吸血鬼の唾液が原因で、責められてイき続ける状態が続く。 「はひぃ、もう、や、あ、ああっ、許し、て…私を、吸血鬼に、し て、くださいアル…」 「ふふふ、最初からそう言えばいいのに」 桜子たちがクーの身体に貪りつく。 「あっ…あっ…」 クーは快楽にびくびくと身体を震わせる。 表情が弛んで、笑顔に変わった。 「あ、す、凄いアル……あは、は、はははははは───」 クーが見ているのが天国か地獄なのか分からない。 確かな事は、 その口から牙が…… 「ひぃ、ひぃ、ひぃ あ、あんなに強いなんて、予想外ですっ!」 夕映は走って逃げながら携帯のリダイアルを押した。 「ゆえー、囮作戦は成功した? 長瀬さんゲット?」 裕奈の声、ただし携帯はまき絵のモノだ。 「失敗しました! パル達は全滅です──」 「そっか…じゃあもう一つの作戦に切り替えだね」 「そうです──」 夕映が足を止めると、後ろの楓も立ち止まった。ハルナたちを素 手で全滅させた恐るべき実力者は、いつもと変わらない微笑を浮か べ、ニンニンしていた。 「……長瀬さん、貴女にお電話です」 「もしもし、楓ちゃんけ?」 木乃香の声、ただし震えている。 「い、今な、ウチの部屋なんやけどな…お願いがあんねん…」 「お願い?」 「まず、其処におる夕映ちゃんに手ぇ出したらアカン」 「……」 木乃香は人質のようだ。 「それから、15分後に、一人で、ウチの部屋に、ドアから入ってき て欲しいねん。窓も天井もアウトや、ええかな?」 「もちろんいいでござるよ」 即答する楓。 「…………や、やっぱり来たらアカン! これは罠や! 早く逃げ て「余計な事言うな!」来たらあかん! きゃあっ───」 「まあ、そういう訳です。ぶっちゃけ罠ですけど、来るか来ないか は自由です」 楓を見て、夕映はくすくす嗤う。 「行くでござるよ」 「優し過ぎですよ」 「装備は自由でござるか?」 「裸で来いとは言いません」 「主らの目的は?」 「仲間を増やし、先生を確保する事。主人自ら先生と交戦している 今、生きている命令は前半だけですが」 夕映はそう言って、走って去っていく。 「……」 夕映の言う事が正しいなら、寮で暴れている勢力に目的はない。 無意味。 「………」 楓は無言で、無人の廊下を歩いていく。 ──643号室 「余計な事言っちゃ駄目だよー」 「ひゃあっ!」 まき絵に突き飛ばされ倒れた木乃香に、人形たちがペニスを突き 付ける。髪の毛を引っ張って顔を上げ、半開きの唇にペニスをねじ 込む。 「はむっ、むう、むぶぶ…」 どひゅるるるっ、どぷぷっ 成分不明の人形の精液が、木乃香の口に注がれた。 「ん、んん……」 ペニスが口から抜かれない。木乃香は仕方なく精液をこくん、こ くん、と飲んでいく。顔中にペニスを擦り付けられ、長い髪から精 液の白いシャンプーが滴れ落ちている。 どぴゅるるっ 「───! ぶはあぁあっ!」 鼻孔に別の人形が射精した。木乃香は口と鼻から精液を撒き散ら して、顔を真っ赤にして訴えた。 「み、水ちょうだい…コップ一杯でええから」 「木乃香が悪いんじゃん。楓ちゃんを素直に呼ばないから」 裕奈は木乃香の性器を広げて、指を三本突っ込んだ。ぐちゅぐち ゅと愛液を掻き混ぜながら、尿管も穿り反応を見る。横ではチャチ ャゼロが興味深そうに指を肛門にねじ込んでいた。 「いやぁぁぁぁぁぁ────!」 「素直に楓ちゃんを呼べば本番は勘弁してあげたのに…」 「コラ逃ゲルナヨ!」 『本番』と聞いて腰を退こうとする木乃香の陰毛を、チャチャゼ ロが掴んで引っ張る。 ブチブチブチッ 「あああ───っ!」 「ゴメン!」 むしり取った陰毛を見て頭を下げるチャチャゼロ、そしてそのま まペニスを出して木乃香の中に突き入れた。 「ひぐぅぅぅ、うあ、あすなぁ助けてぇぇぇ───!!」 チャチャゼロに貫かれた木乃香の性器から、赤い血が伝う。 「あ、勿体ない!」 すかさず裕奈がそれを啜る。 「そうだまき絵! 水欲しがってる木乃香に、アレやりなよ」 亜子にかけたのが気に入ったのか、まき絵は嬉々として黄金水の シャワーを木乃香に浴びせた。 「ぶはぁ、あ、ふぅぅぅ」 木乃香が呻き声を上げて頭を振る。長髪は濡れて肌にべったり張 りついている。 その時、ドアが開いた。 皆の注意がそちらに向いた一瞬の隙をついて、木乃香はドアに向 けて走りだした。 「くーふぇちゃん助けてぇぇぇ───!」 木乃香はドアから現われたクーに泣き付いて、 「きゃあああああああ───!」 そのまま押し倒されて牙を突き立てられた。 続
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おきろ、なんでこんなところでねてるんだ。 □ 「う、ぇ………」 啜り泣く声が、静かな夜の街に聞こえていた。 その声にあるのは恐怖と不安よりも、深い深い悲しみが大半だ。 やり場のない不安定な感情と、自分の仲間たちへの心配。そして、この『バトルロワイアル』に招かれる前に見た、世界の秘密。終わってしまう楽しいユメ。 願い星に誓って、大切な親友と苦難の丘を越えることを決意した。 暖かかった毎日、友と過ごした時間。 全てがユメでも、嘘だったとしても、一緒に歩んでいこうと決断させた友。自分たちの中では弱い方だと思っていたのに、本当はいつの間にかすごく強くなっていた少年。 直枝、理樹。 自分の手を引いてくれた人。 ユメから覚めて、やがて来る過酷を乗り越える決意をさせてくれた人。 なのに。なのに。なのに。なのに。なのになのになのになのに――――。 「こんなの、あんまりだ」 泣きながら、大きな瞳から大粒の涙をぽろぽろと流しながら。 少女、棗鈴は『それ』を、握り拳を作って叩く。 力は入っていなかった、入らなかった。入れられなかった。 彼女の前にある、かつて一人の人間だった『死体』。 直枝理樹の変わり果てた姿。 腹に穴を開けて血を流し、その瞳はすっかり虚ろな、死人のそれとなっている。 誰よりも優しくて誰よりも仲間想いで、皆が大好きだった少年。 勿論例に漏れず鈴だって理樹のことが大好きだった。 その彼は、もう動かない。 あの優しい笑顔で笑うことも。 馬鹿たちにツッコミを入れることも。 バトルをすることも。 野球を一緒にすることも。 猫たちに餌をやることも。 みんなでわいわい遊ぶことも。 ミッションをやることも。 一緒にご飯を食べることも。 真面目に勉強することも。 楽しく話をすることも。 リトルバスターズを誰よりも愛していた理樹には、もう出来ないんだ。 「おきろ、りき」 揺さぶる。しかし起きない。 「おまえが死んだら、きょーすけが悲しむぞ」 「真人も、馬鹿に付き合ってくれる奴がいなくなってすっごく悲しむ」 「謙吾だって、理樹がいなくなったらきっと泣く」 「こまりちゃんとクドなんて、もうくちゃくちゃ泣く」 「はるかはそれでも笑わせようとして、でも途中で泣いちゃうんだ」 「みおはきっと泣かない。でも、くちゃくちゃ悲しむ」 「くるがやも泣かない。でもやっぱり悲しむ」 「大体理樹が居なくなったら、あたしたちだけじゃくるがやを止められない」 「な?みんな、くちゃくちゃ悲しいんだ」 「お前の居ないリトルバスターズなんて、間違ってるんだ」 理樹は、それでも目覚めない。 「なあ、いい加減に起きろ」 理樹が目覚めることはない。 彼は完全に生命活動を停止している。 鈴もそんなことは理解していた。 ただ、認めなくないだけ。 大好きな親友の死を、認めたくないだけ。 「あたしだって」 すぐに認められる筈がなかった。 誰か一人が居ないリトルバスターズなんて、嫌だ。 目からとめどなく涙を流し。 棗鈴は感情の堰を決壊させた。 「あたし、だって………くちゃくちゃ、悲しいんだからな……!!」 そこから先は声にならなかった。 泣き声だけが、夜の街の静寂を切り裂いて響き渡る。 もう殺し合いなんて関係ない。 ただ―――親友の死に、悲しんでいた。 ■ 私は、何をしていたのか。 哀れで無様で惨めな空回りをして、一つの真実に辿り着いた。 それは本来喜ばしいこと。だが私の中には、妬みに近い負の感情が沸き上がった。 結果あの不可思議な右手に、私は無様な敗北を喫したのだ。 錬金術師・アウレオルス=イザード。それが私の名だ。 神の采配にさえ等しい力『黄金錬成(アルス=マグナ)』を手にして、魔導書の速記などではかなり有能な人材だとか随分と持て囃されたものだ。馬鹿馬鹿しいことだが。 そんな私は一人の少女と出会い、やがて彼女を救おうとする。 『魔導書図書館』と呼ばれた少女を救う為に奮闘した。 『吸血殺し』の少女を手に入れ、科学崇拝の頂点に立ち。 ようやく準備を整えた時に、現れた二人の少年。 そして私は彼女―――インデックスが『救われていた』ことを知る。 後は余りに蛇足で惨め。 黄金錬成を以てして尚、私は敗北した―――記憶にあるのはそこまで。 「……………必然。これもまた当然の報いか」 バトルロワイアルという悪趣味な催しに、私は参加させられている。 だが、特に私は生き残りたいと思わない。いや、思えない。 全てを失い、挙げ句の果てには狂乱に近い状態で力を振るったのだ。 この私に救いなど、用意されている筈もない――――必然。 ならば適当に足掻いて適当に死すのみ。 精々優勝を目指してみるのも悪くない。 デイパックの中身など探らずとも、私には『黄金錬成』がある。 弱体化こそしているが、それでも下手な近代武器よりはよっぽど手に馴染む。 別に策など用意してはいない。ただ運命に身を任せるのみ、だ。 「り………きぃ………ぐしゅっ、ひぐっ……おきろ、りき……!!」 む。 まだ幼さの残る甲高い泣き声。 少なくとも今の私にとっては幸運なことに、泣き声はそう遠くない。 いや、不運にも成り得るのかもしれないが。 まあ良い。ただ殺すだけだ。 ◇ 地面に染み込んだ血が乾いて、染みになり始めた。 それでもあたしの目から流れてくるしょっぱい水は、全然止まらない。 こんなところをくるがやなんかに見られたら、大変な事になる。 理樹は。くるがやの暴走を止められる奴はもういないんだから。 馬鹿兄貴とか、馬鹿二人にこんなに会いたいと思ったのは久しぶりだ。 あたしはとっても弱いんだって、よくわかる。 猫でもいい。レノンにファーブル、ドルジでもいい。 誰か、そばにいてくれ。 「時に少女よ。貴様は何故泣いている?」 びっくりした。 知らない男の声で、すぐそこで理樹が死んでるのにまったく動じてない。 こいつは悪いやつだ―――なんて、いつものあたしなら睨んでやった。 けど、今のあたしはとっても弱気で情けなくて、そんなこと出来なかった。 ただ、顔を向けた。 涙と鼻水でくしゃくしゃになった顔で、そいつの方を見るのが精一杯。 きっと目の下なんかは赤くなってるんだろう。 そいつはでかかった。 真人ほどの筋肉ダルマじゃないけど、真人よりもでかい。 緑の髪をオールバックにしてて、『きざ』な白いスーツなんか着てる。 悪いやつなのかどうかは、あたしには分からなかった。 でも、やっぱり………人が死んでるのに、ちっともびっくりしない。 「理樹………友達が、死んだ」 絞り出すように声を出した。でもこれしか言えなかった。 ふむ、なんてでか男は息を漏らして、何故か理樹のことを見下ろした。 「蘇れ―――――駄目か。『黄金錬成』が万全なら死人の一人や二人、蘇生することくらいは朝飯前だったのだが……済まないな、残念だが私にはどうにもできない」 何を言ってるのか分からない。 なんだ、こいつ魔法使いなのか?でも理樹は生き返らないのか……。 次の瞬間、でか男の目があたしに向いた。 怖い。やっぱり、でかい男をあたしはまだ完全に克服できちゃいない。 でも、こいつの目はちがう。 こいつは、あたしを殺そうとしてるんだ。でも、殺したくなさそうにも見える。 何故だかあたしは、こいつのことを。 『かわいそう』って思ったんだ。 「一つ問おう。貴様はこれからどうする気だ?その少年の死を乗り越えるか?それともこの場で私に殺されることを望むか。………尤も、死した方が楽であるのは確かだが」 あたしは答えられない。 いつものあたしならきっと、何も答えなかった。 理樹が居ない日々なんていやだし、あたしはまだ死にたくなんかない。 多分困ったように目を泳がせて、理樹や馬鹿兄貴に助けてもらうんだ。 でも。 もう理樹はいない。どんなに泣いても、帰ってこないんだ。 きょーすけの馬鹿兄貴も居るみたいだけど、今ここにはいない。 あたししかいない。 こまりちゃんたちもいない。馬鹿二人だって助けてくれないんだ。 もう甘えていられる時間はおしまいなんだって、あたしはようやく分かった。 理樹がどんなに強くて、強くなるのがどんなに苦しかったかも分かった。 強くなることはとってもつらい。心が、もうくちゃくちゃに苦しくなる。 だけど、行かなくちゃいけない。 あたしは結論を出さなきゃいけないんだ。 「あたしは――――――」 あたしは確かにはっきりでか男に自分の口から言った。 それが、あたしが理樹の強さを手に入れた瞬間だった。 ◆ ◇ 猛る。黒いフルプレートに身を包んだ怪物が、夜の街を往く。 見る者に恐怖と威圧を与える、その不気味かつ威厳漂う姿。 体表から発生している黒い霧のようなそれは、彼という存在のありとあらゆる詳細を秘匿していた。『己が栄光の為でなく(フォー・サムワンズ・グローリー)』と呼ばれるそれは確かに、街を往く狂戦士の『宝具』であった。 生前の彼を知る者が彼の正体を知れば、きっと誰もが驚き嘆いたろう。 元は誇り高き騎士であった『彼』。しかし今は見る影もない。 「………ar……ur………」 人智を超えた存在・サーヴァント。 契約者(マスター)不在でもその力は人間では相手にならないほどに高く、強い。 そしてサーヴァントについて知識を持つ者が彼を見たなら、総じて言うだろう。 もしサーヴァントなど知らぬ者が彼を見ても、きっとこう言うだろう。 ――――――――『バーサーカー』と。 ◇ ◆ 「―――――あたしは生きたい。あたしが、理樹の代わりに強くなる。きっとあたしはそうしなくちゃいけないんだ。だからあたしは、お前に殺されてやることはできない」 なっ、とアウレオルスは声を漏らした。 予想外だった。 泣きじゃくっていた鈴は、直枝理樹と共に死を選ぶと思っていた。 なのに、この少女は敢えて苦難の道を選択したのだ。 理解出来なかった。アウレオルス=イザードの脳で、疑問符が反響する。 目は泣きじゃくった後なのがよく分かるほどに充血して。 頬も感情の高まりによって紅潮している姿は強さとはあまりに遠い。 しかしアウレオルスは、自分が鈴だったなら同じ選択は出来なかったと思っている。棗鈴という少女は、親友の亡骸を間近で見て『強さ』を得たのだ。 死んだ親友の為に、辛くても生き続けたいと確かに、毅然と言い放った。 ―――――私は。 ―――――私は、何をしているのだ? アウレオルス=イザードの狂いかけた心に、彼女の強さは勢いよく刺さった。 理由を失った錬金術師の心を揺さぶるだけの価値がある強さ。 頭の中に投影される、自らの生涯。 走馬燈にも等しい、自己回想。 最初は、先生だった。 生きる意味だった少女の先生になったところから、人生が変わった。 彼女を救うために何冊もの魔導書を書き、やがて自分が彼女に救われていたことに気付く。それから、筆が進められなくなってしまった。 ただ、一人の少女を救うために。 最大宗派・ローマ正教に離反を起こし、『世界』を敵に回した。 しかし、やっとのことで救う準備を整えた時には彼女はもう救われていた。自分などとは全く違う、正真正銘の『ヒーロー』の手によって、彼女は救われていたのだ。積み重ねてきた努力も、綿密な計画も、何もかもが報われることはついになかった。 後は堕落。 やり場をなくした怒りを叩き付け、あまりに哀れで無様な敗北を喫した。 ―――――私は、大馬鹿者ではないか。 彼女が救われたことを、喜ばなかった。 その時点で自分は、何かを決定的に間違ってしまったのだ。 彼女を助けて幸せにしてやりたかった。それが最初だったのだ。 ―――――あの子の笑顔が見られれば、それだけで良かったんじゃないか。 「お前」 少女の声が、自分の真実に気付いたアウレオルスの耳に入る。 それは毅然とした、とても真っ直ぐな呼びかけだった。 「お前、あたしについてこい。何を迷ってるのか知らないが助けてやる」 ああ。私を助けてくれ。代わりに、私が責任を持って君を守ろう。 アウレオルスに比べればちっぽけな少女は、彼に手を差し伸べる。 その小さな手は、握手の意味で差し出されたのではない。 手を取れ。 この手を取れば、アウレオルス=イザードは正しい道に戻れるかもしれない。 だが、良いのか。 強さを得たからといって、彼女はまだとても脆い。 自分の分の重荷まで背負わせてしまっていいのか。 葛藤がアウレオルスの胸の中で繰り返される。今の彼は、心の底から棗鈴という少女を心配していた。――――彼は気付かない。もう、彼は正しい道に戻れているのだと。 「なんだ。お前強情だな!………じゃあ、決め台詞をつけてみるか」 泣き腫らした目で。親友の死を越える決意をした少女は。 心の底からの笑顔で、言った。 「助けてやる。あたしたちはリトルバスターズだ。一緒に行こう」 もう、迷わなかった。 アウレオルス=イザードはその小さな手を、取った。 理樹の強さを背負ったから『あたしたち』。 一人が辛いから、二つの手を繋いだ。 二人じゃ寂しいから、輪になって手を繋いだんだ―――。 □ ■ □ 「そうか。あうれおるすは本物の魔法使いなんだな!すごいな!」 「正確には錬金術師だよ、鈴」 二人は、より深い路地裏を歩いていた。 先程鈴の泣き声がかなり響いていたのだから、殺人者も集まってくる筈という案だ。 『鈴のリトルバスターズ』を作る為にも仲間は多いに越したことはない。 ゲームに乗った者も説き伏せていくくらいの心構えだった。 だがさすがに、複数の敵に囲まれたりしては目も当てられない。 『黄金錬成』が万全なら一国を相手にだって出来たが、相当制限されている。 今の力では―――いや。弱気な考えは捨てるべきだろう。 そんな時。 アウレオルス=イザードと棗鈴の全身に、同時に怖気が走った。 魔術に心得のあるアウレオルスはすぐにその意味するところを理解し。 魔術など知らない鈴も、走る寒気とアウレオルスの様子から只事ではないと知る。 「鈴、下がっていろ。アレをどうにかせねばならないようだ」 「出来るのかっ!?何かあいつ鬼こわいぞっ!?」 心配は無用だ、と鈴に言い聞かせつつも、内心では冷や汗をかいていた。 今自分たちの前に立ちはだかる存在が、魔術的観点から見ればどれほど脅威的な存在かをアウレオルスの知識は即座に理解し、そして覚悟を決めた。 英霊。『神の子』の特徴を持つ『聖人』にさえ匹敵する途方もない怪物。 「………ur」 「暗器銃を右手に。その刀身を回転射出!!」 右手に突如出現する暗器銃。 その鋭利な刀身が回転射出され、狂戦士を両断せんと迫る。 普通なら、甲冑を刀で斬り裂き、その内部の人間を両断するなど不可能だ。 しかし『黄金錬成』にはそれが適用されない。外敵の抹殺を命じれば、法則などの事項を全て無視して外敵を抹殺する………いわば『思った事を実現させる』ことに等しい。 まず防ぐ術など存在しない力だった。それは制限を科されようともとても強力な力。人間と英霊の絶対的な力の差を埋め、勝機すら作り出す。 が。バーサーカーは放たれた刀身を掴み取る! すぐにその輝きは失われ、黒く染まり、本来の効力さえ失った。 アウレオルスは眉を顰める。バーサーカーの保有する何らかの力は、どうやら掴んだモノを何であれ自らの武器『宝具』にしてしまうのか―――厄介だ、と思った。 バーサーカーの怪物じみた力で投擲されれば、防御が間に合うかは微妙だ。 「撲殺」 空中から現れるは金属の槌。 しかしそれをバーサーカーはまたも掴み取り、更に先の刀を投擲した。 不味いな、と思うが、あれをまともに食らう訳にはいかない。 『黄金錬成』への制限の中で最も厄介と思われるのが『回数制限』。 五回の使用につき、三時間のインターバルが発生する。 つまり後三回しか使えない。バーサーカーとの相性はどうやら最悪。 これをたった三回の『黄金錬成』で倒し切るのはほぼ不可能に近い。 「守れ」 黄金の膜が生じて投擲された黒い刀を受け止める――――が。膜には罅が入り、後少し威力があれば間違いなく貫通されていただろう。 『命令』の威力の弱体化。これもまた、相当に面倒な代物だった。 しかもただ『死ね』と命じても何も起きることはない。 「■■■■■■■――――!!」 黒く染まった槌を片手に、バーサーカーが迫る。 背後の鈴の怯えが伝わってくるようだった。だから彼は選んだ。 およそ格好いいとはいえない『逃げの一手』を。 「道を閉塞。外敵を決してこちらに通すな!」 路地を挟むように建っていた小さなアパート二件が、アウレオルスの眼前で倒れ、文字通り『道を塞いだ』。そしてアウレオルスは鈴を抱え、最後の『黄金錬成』を使う。 「脚力強化」 ただ、走る。 迫る黒騎士から離れるために、ただただ、駆け抜けた――――。 【H-3 街/未明】 【棗鈴@リトルバスターズ!】 【装備:なし】 【所持品:支給品一式、ランダム支給品×3】 【状態:健康、強い決意】 【思考・行動】 1:理樹の強さを受け継いで、生きていく 2:アウレオルスと逃げる。 【備考】 ※Refrain、虚構世界脱出直前からの参加です 【アウレオルス=イザード@とある魔術の禁書目録】 【装備:なし】 【所持品:支給品一式、ランダム支給品×3】 【状態:疲労(小)、黄金錬成使用可能まであと三時間】 【思考・行動】 1:鈴と共にバトルロワイアルを駆逐する。 2:バーサーカーから逃げる。 【備考】 ※上条当麻に敗れた直後からの参加です ※『黄金錬成』について 五回の使用につき三時間のインターバルが発生する。 思うだけでの使用は出来ず口にする必要がある。 規模、威力が大幅に制限されている。 生み出した物は数分で消滅する。 相手の攻撃の軌道を逸らすことは出来ない。 ■ □ ■ □ 狂戦士は一人路地の裏、瓦礫の山を吹き飛ばす。 手にしていた槌は既に消滅し、今は何も持ってはいない。 また、アウレオルスらを追う、という選択肢もまた彼にはなく。 彼は再び、威圧と殺意を放ちながら街を往く。 憎み、もはや呪いに近いほどの感情を抱く一人の騎士王を探して―――。 【バーサーカー@Fate/Zero】 【装備:なし】 【所持品:支給品一式、無毀なる湖光@Fate/Zero(封印中)、ランダム支給品×2】 【状態:健康、狂化(永続)】 【思考・行動】 1:■■■■■■■■■――――― 【備考】 ※間桐雁夜に召喚される前からの参加です。 ※戦闘能力が抑えられています。 ※セイバー@Fate/stay nightを視認すると、全ての行動を放棄して彼女に襲いかかります 【無毀なる湖光@Fate/Zero】 バーサーカーの宝具で支給品扱い。 使用すると全てのステータスが1ランク上昇する。 また原作通り、使用している間は『己が栄光の為でなく』『騎士は徒手にて死なず』を封印する必要がある。 023 夢想曲 時系列 038 クールになれ、刻命裕也! 026 Angel Meets! 投下順 028 少女の戦 START 棗鈴 071 たとえバラバラになろうとも START アウレオルス=イザード START バーサーカー 061 決意と殺意が交わる時
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護り手 蒼炎、暁に登場したスキル。救出中でも技・速さが半減しない。~ いかにも防御系のスキルだが、GBA三作とは違い蒼炎・暁では救出されているユニットでも支援効果は有効。~ そのため強いユニットで支援相手を救出すれば単騎(?)突撃がしやすくなり、攻守両面で活躍するスキル。~ 蒼炎の軌跡では書の入手が24章と遅め。さらに少々面倒な位置にある民家を訪問する必要があるため実用性は微妙なライン。~ 暁の女神ではフリーダの初期スキルとして一部7章と序盤から使用可能。~ さらに蒼炎と違い、スキルのつけ替えや支援が自由にできるため実用性は高い。~ 救出される側はどんなに弱くても問題ないのでとりあえず支援だけつけておくのも手。 蒼炎・暁ともにティバーンの初期スキル。
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手毛 てげ (名)手の甲に生えている毛。加山雄三のそれが有名。
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みさきちからかがみのことを聞かれるなんて、予想外だった。完全に油断していた。 かがみ……元気ないんだな。どうにかしたいけど…… 私はもう、かがみとは会わないって決めたんだ。 私はかがみに振られた。だから……かがみに会う資格なんてないんだ。 「ねえ、こなちゃん」 「何?」 つかさと秋葉原に寄った帰り道、つかさが深刻そうな顔で話してきた。 つかさとみゆきさんには、何があったのか話してある。だから二人は、私がかがみが好きだってことも知ってる。 「多分、こなちゃんを振ってからだと思うけど……お姉ちゃん、元気がないんだ。こなちゃんも上の空な時があるし……そんなお姉ちゃんとこなちゃん、見たくないよ」 つかさが言いたいことはつまり……『元気を出してもらうためにも、二人に会ってもらいたい』ということだろう。 「……それは、無理だよ。私とかがみの関係は終わったんだ。会わない方が……逆に二人のためだと思う」 「……そっか……」 シュンとして、視線を下げるつかさ。 私がかがみに告白したから……つかさにもみゆきさんにも寂しい思いをさせてるんだな。 やっぱり……告白しなけりゃよかったんだな…… 告白さえしなければ……こんなことには…… 「それじゃ、また明日」 「うん……じゃあね、こなちゃん」 電車を降りて、恋人であるゆーちゃんが待ってくれてるはずの家に向かう。 もうすっかり日が暮れてしまった。お父さんもゆーちゃんも心配してるかな。 数分歩いて、自分の家が見えるところまで来た。あと少し。 (ん……?) 家の前でうろうろしてる人がいる。 ゆーちゃんかな、と思ったけど、身長と髪型からそれはないだろう。 まあ、近づけばわかるかなと思って歩いていくと…… 「やっと帰って来たわね、こなた」 いるはずのない人間が、そこにいた。 〈このまま手を繋いで〉 「……」 「……」 とりあえず、かがみを招き入れたものの……お互いにあさっての方向を向いたまま一言もしゃべらない。 こっちから何か……と言いたいけれど、私は話すことなんてない。 それに、かがみの方から訪ねてきたんだ。向こうの用件を聞かないことには何もできない。 そう思っていると、かがみがおもむろに口を開いた。 「あ、あのさ……」 「……」 「な、何から話せばいいのかわからないんだけど……」 「……」 「私が断ったのは……私とアンタが同性どうしだから、なのよ。同性どうしの恋は許されない……そう思ってた」 「……それで?」 「それで……ある人に言われたの。『お前はこなたを振ってから、ずっとこなたのことばかり考えてるだろ』って」 顔を赤くして、そっぽを向くかがみ。 「私は、寝ても覚めてもこなたのことばかり考えてた。こなた無しじゃ、私の生活は成り立たないって気が付いた。だから……」 かがみがポケットから何かを取り出す。それは……私がプレゼントした、あの指輪だった。 「遅くなって、悲しませてごめん。自分勝手だけど……これが、私が出した答えよ」 そう言ってかがみは、自分の左手の薬指に指輪をはめた。 それは……私の告白を受け入れるという意味だった。 「こなた、今度は私からの告白よ。まだこの指輪を持ってたら……こなたの薬指にはめてちょうだい」 ……嬉しさの前に、怒りがこみあげてきた。 せっかくかがみがOKを出したのに、なんで怒りなんか感じてるんだろう。自分が信じられなかった。 「……何言ってんの……?」 「え……」 「かがみの言葉が、どれだけ私を傷つけたかわかってるの!? なのに、なのに今ごろOKを出したってそんなの受け入れられるはずがないじゃん!!」 「こなた……」 止まらない。本当はこんなことを言いたいわけじゃないのに、口が止まらない……! 「一度振っておいて、なのに後で告白を受け入れる……? ふざけるのもいい加減にしてよ! それに、私はゆーちゃんという恋人がいるんだ!」 「え……!?」 「もう……なにもかもが遅すぎるんだ!!」 『遅くなんかないよ』 突然聞こえた二人以外の声。振り向くと、そこにはゆーちゃんがいた。 「ゆーちゃん……?」 「遅くなんかないよ。こなたお姉ちゃん、私とデートに行ってる時も、かがみ先輩のこと考えてるじゃない」 「そ、それは……」 図星だった。買い物に行ってても、ついついかがみに似合いそうなものを探したりしちゃってる。 私はまだ……かがみのことを諦めきれなかったんだ。 「お姉ちゃんは、かがみ先輩が好きなんでしょ? せっかく受け入れてくれたんだから、付き合わないとおかしいよ」 「で、でも……そうしたらゆーちゃんは……」 私はゆーちゃんと付き合ってる。かがみと付き合うとなると、ゆーちゃんと別れなくちゃならない。 それは……ゆーちゃんに失礼だ。 「私は大丈夫。前に言ったよね、私はこなたお姉ちゃんが幸せならそれでいいって」 「……あ……」 そうだ。確かにゆーちゃんは……そう言っていた。 『私はこなたお姉ちゃんの愛を応援する』……そんな感じのことを。 「だからお姉ちゃん、お願い。かがみ先輩と……」 ゆーちゃんはチラッとかがみを見て、後ろのドアに手を掛ける。 「……じゃあ、私は外に出てるね。私が言いたかったのは……それだけだから」 ゆーちゃんが部屋から出る瞬間に見えたのは、ゆーちゃんの涙だった。 扉が閉まって、部屋には私達二人だけ。会話もなにもない。 「……仕方ないなぁ……」 私は立ち上がって、机の引き出しをあさる。 そして、引き出しの奥にしまってあった、かがみとおそろいの指輪を……左手の薬指にはめた。 「ゆーちゃんに……感謝してよね……」 「……こなたっ!!」 顔を真っ赤に染めているであろう私に、かがみが抱きついてきた。 「こなた……本っ当にごめんね……」 「ううん、私こそひどいこと言ったよね。ごめん」 「こなた……」 「かがみ……」 私達はお互いに、相手の身体を抱き締めた。 もう二度と離さない、私が大好きな人。 私のために諦めてくれたゆーちゃんの分まで……私はかがみを愛していく。 「ところでこなた」 「ん?」 「さっきのアンタ、完全に『ツンデレ』だったわよ」 「ぶっ!!」 ……どうやら、私の方がかがみんの嫁だったようで。 それから数日後、私達は遊園地デートを楽しんだ。 仲直りの印に、と……初恋成就記念に。 そして家に帰ってきて……とても珍しい人物を見つけてしまった。 「ただいまー」 「お邪魔しま……」 「おう、チビッ子に柊じゃねぇか。邪魔してるゼ」 ……えーっと……なにゆえ私の家にみさきちがいるのだろうか…… 「あれ? 言ってなかったっけ。私とみさお先輩、付き合ってるんだよ?」 ……え……? 「……マヂかよ?」 「またレアなカップリングだネ……」 「レアって言うなってヴぁ! アタシらはちゃんと愛し合ってるんだからな!?」 「みさお先輩、落ち着いて……」 ちゃっかりみさきちのことを名前で呼んじゃってるゆーちゃん。 これは……どう考えても本当みたい。 「みさお先輩と話してるうちに、どことなくこなたお姉ちゃんに似てるように感じて……それで、私から告白したんだ」 「柊みたいな奴も好きだったんだけどな、実はゆたかみたいな子も好みだったんだよ」 ふぅむ……対極にいる二人だからこそ、ってことかな。恋愛って奥が深いねぇ…… 「で、柊とチビッ子はどうする気?」 「え? どうするって……」 「これからの生活ですよ。同性結婚は認められていないので……」 これからの生活、か…… 「そんなのわかるわけないじゃん、未来に描けることなんて。買い立ての、真っ白なスケッチブックみたいにさ」 買ったばかりのスケッチブックは真っ白。これから自分が何を描くかなんて……わかるはずがない。 成り行きに任せて……って言ったらイメージ悪いけどさ、そんなもんじゃないの? 「ふむ、こなたにしてはまともな台詞ね」 「ひどっ!!」 かがみの言葉に即座にツッコむ。それを見て笑うみさきちとゆーちゃん。 なんだか恋人というよりは友達だけど……これが、あるがままの私達なんだから別にいいんだ。と思う。 「しっかし、まさか日下部とゆたかちゃんが付き合ってたなんてね」 夜。早々と私のベッドに潜り込んでるかがみがネトゲをしている私に同意を求めてきた。 「確かにね。でもさ、二人にとっては『あり得ない話ではなかった』ってことだよね」 パソコンの向こうの黒井先生な別れを告げ、パソコンの電源をOFF。 かがみの隣に潜り込んで、ベッドの中で会話を続けた。 「私ね、今回の一件で『あり得ないことなんて何一つない』って知ったわ」 「100%がないように、0%もないんだね」 「いや、0%はあるぞ。あんたが法学部や医学部に入る確率ね」 「あぅ」 私のおでこをツンツンとつつくかがみ。さっきも言ったけど、これが私達なんだ。 「こなた」 「かがみ」 お互いに名前を呼び合い、顔を近付けて……唇にそっとキスをした。 私はかがみの手を握る。かがみも私の手を握ってくる。好きな人と触れ合うのが、こんなにも嬉しいなんて知らなかったな。 そしてちょうどいい眠気が私達を夢の世界へと誘う。 夢の世界でも一緒になれるよう、私達は手を握ったまま、すうっと目を閉じた。 このまま手を繋いで、二人でどこまでも行こうね。かがみ。 「「……おやすみ……」」
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あたしは栴檀香美! 戦いにきたはいーけどさっ、ご主人気絶しちゃってるじゃん。 だからご主人守らなきゃなんないの! だからあたしなりにいっしょー懸命あの垂れ目と戦ってるんだけど! くしっ! くしっ! んにゃ! あーくしゃみ出た。で、なんだっけ。 ………… ………… ふぎゃああああああ! やばい、まちがえた! 失敗したー!! 枝の上にのぼってさ、手のぶよぶよしたうっとうしい奴から……うん? 名前なんだっけ? ……うーみゅ。分からん。ご主人教えてくれたっけ? って、考えてる暇なんてないじゃん! ひええ、また飛んできたぁっ! あああ、あの、あの、あのうっとうしい奴で葉っぱを吸収して、針のよーに撃つつもりだったワ ケよあたし! 分かる? ねぇ、分かる! ここ高いし暗いし、メチャクチャ恐いの! あーもう1人じゃ恐い。ご主人早く起きてよ…… でもあたしはこらえてるの! 孤独の雨に打たれても、瞳は明日を見てるのよ!! 枝の上のしげみに隠れてさ、撃って撃って撃ちまくったら楽勝って考えたから! ほらあたしってすっごく頭いいじゃん! 電話帳一冊ぐらいなら一瞬で暗記できるし! ま、どういう意味かはちっとも分かんないけど。本当もう、時間とか足し算とか難しすぎ! 考えた奴、ばかじゃん! 難しいコト書いて弱い者イジメするなんてほんっっとーにイヤ! でもあたしは頭いいから、しげみに隠れて一方的にアイツ撃てば勝てると思ったワケよ! でもこのザマ! きぃぃっ、垂れ目むかつく! だいたいあたし、あんたが吹っ飛ばされたあと手当てして付き添ってたやったじゃん! ありがとーぐらいいってもいいじゃん。それから戦いやめてくれたら解決じゃん。 あたしはねぇ、できたらケンカしたくないの! そりゃ弱い者イジメする奴はこらしめるけど、死んだり殺したりはイヤなの! なのにどーして追い詰めてくるワケ! 負けたって別に死ぬワケないじゃん! アイツさ! 木の陰にひらひら隠れて針避けるの! んで、針を撃ったあたしに武器投げるの! そしたら枝がぎゃーしてあたしが落っこちそうになって、ばーっと安全な場所に飛ぶの! 今もそう! 枝がぎゅらーって切り取られてあたしは軽やかにじゃーんぷ! うにゃー! お、お? あたしちょっと今、あやちゃん入ってるかも! 小札のあやちゃん風だとさ、 「ふしょー、ぶっ太い枝をたわませつつ軽やかにじゃんぷ! 幸いにしてゆく先には人一人 ぐらいなら辛うじて支えられそうな枝あり! これは松か、はたまた樫か! ともかくも人一人 ぐらいなら辛うじて支えられるコトは確実です! そこへ手を伸ばしがしりと掴み、軸にふわ りと半回転すれば着地は無事なせるでしょう! おお、目に浮かびまするは、軽捷なる香美 どのならではの絶妙なる体技。正にウルトラC! 実現すればふしょーは10点満点の札を差 し出しだすでしょう」 ってトコ? 「しかしここでアクシデント発生!」 え? 「枝にはカナブンさんが止まっておりました。このまま枝を握ればつぶすは必定! さー握る かやめるか、今のお気持ちはどっち!」 や、やめるっきゃないじゃん! 死んだらカナブンかわいそう。で、でも…… わわわわ、落ちる落ちる、下見たけどココ結構高いじゃん! 猫だからってねぇ、奇麗に着地 できるのは2mぐらいまでなんだから恐いに決まってるじゃん! こうなったら奥の手じゃん。しっぽで枝を…… うがああ! しっぽ痛い痛い! お尻も痛い痛い! でもどうにか枝にしがみ、ぎゃああ! な、なんであんたがここにいんのよ垂れ目! カ、カナブン踏んでないでしょーね! あ、ああ。よかった。飛んで逃げてる。よかったよかった。達者でくらすのよカナブン。 ふぁ? 何よ垂れ目。変な顔して。 さっきの武器を見ろ? うん。見る。でも不意打ちしたらひっかくわよ! いいわね! うあ、他の枝に引っかかってる。で、なんか蔓がついてて、それが枝のところにぐるぐる巻き。 え? 目がいい? そうでしょそうでしょ。だってあたし猫だもん。目はいいの。 じゃあなんで暗いところが嫌いかというと、暗いところだから。 目が良くてもね、人間でいうなら懐中でんとーで照らしてるよーなもんだから、暗いのに変わ りないし。まぁ、正直あんたが来てくれてちょっと安心してるかも…… え、あ。さっきの武器の話? ……ふっふっふ。何いってんの。 電話帳は一瞬で暗記できるのに言われたコトはすぐ忘れるのがあたしよ! 覚えてるワケないじゃない! だからもう1度見る! ゴメンね垂れ目! ははん。よーするにアレね! 鳩尾の奴がよくつかってる鉤なんとか。 遠い場所に引っ掛けてここまで上ってきたってワケね! ん? でも何か忘れてるよーな。 ………… ………… ………… はっ! あたし追い詰められてるじゃん。ダメじゃん! でもそれ以上にやばいの! は、早く移動すんの垂れ目! 違うじゃん! 逃げるとかそういうのじゃなくて、ああもうほら、ミシミシいってる! 何が? きぃぃ! これだけ説明しても分かんないの! ここは人一人分ぐらいしか支えられないの! だから……ぎゃあ! 足元がボキリといった! 枝折れた! あああああああああああああああああああああああああああ!! 落ちる! 落ちる! 恐い恐い! 高いの嫌あああ! ちょっと漏らしたああ! やだやだ。あたし死にたくない。恐いの嫌……って、止まってる。 お腹のあたりに垂れ目の手がある。 で、あいつ、もう片方の手で蔓握ってる。 あ。 さっきの武器が支えになってあたしと垂れ目が宙ぶらりんだ。 ありがと垂れ目。何とか助かったからさ…… 「あたしの負け」 地上に戻ってからあっけらかんと呟く香美に、剛太は唖然とした。 ID77名前:永遠の扉 [sage]投稿日:2007/04/09(月) 18 12 35 ID DLMRNqzE0 まるで卵を丸呑みしたようなマヌケな表情だと、自分でも思う。 思いながらも香美の肩口からモーターギアを抜き取り、枝に投げ、括っていたもう片方を回 収した。 (ま、いっか。いつまでもコイツと戦ってても仕方ない。さっさと捕まえて先輩と合流するのが 大事) 「ってワケであたしを逮捕!」 剛太が葛藤する間に、香美は自分の手を正面でぐるぐるに縛った。 先ほどの蔓である。蔓をくわえて最後の結び目をくいっと一引き。 「何やってんだ」 「何って、あたし降伏したから。ん? なんだったらさ、お腹見せながら寝っころがる?」 「いや、そーじゃなくて」 剛太は頭が痛くなってきた。 どうにも現実主義的な傾向だから、気楽な人間というのが受け付けられない。 カズキもそうであったし、香美も然り。 「お前、さっき散々ご主人がどうとか喚いてただろ。それが何で急に降伏とか」 香美は不思議そうに剛太を見つめた。それからしぱしぱと瞬きをして、笑った。 笑うと八重歯が覗いて本当に気楽な表情だ。 「だってあんた、あたしを助けたじゃん」 剛太は焦った。そういえば何故香美を助けたのか。 (放っておきゃあ良かったんだ。だってコイツ、ホムンクルスだぞ?) 戦士の通念上、もはや害獣としかいいようのない存在だ。 戦場でそれを助けたとあれば、査問会に掛けられても仕方ない。 ただ、剛太が枝に移動したとき、香美はカナブンがどうとか本気で心配して、無事な様子を 確認すると心底安心したような表情を浮かべていた。 それを動機に助けたとしたら、すさまじく甘い対処といわざるを得ない。 カズキですら ──武装錬金(コレ)は人に害を成す怪物(ホムンクルス)を斃すための力で、人を殺すた ──めの力じゃない。 といっている。でも剛太はモーターギアを鉤縄のように使って香美を助けてしまった。 (ったく。本当に俺は何やってんだか) 剛太は腰に左手を当てた姿勢のまま香美から視線を離し、軽く舌打ちした。 「るせぇ。勘違いすんな。てめーには色々話して貰うコトがある。だから殺さなかっただけ」 香美のしっぽがひょこひょこした。 「だったら殺すつもりなかったってコトでしょーが! んで、あたしを殺すつもりないってコトは、 ご主人も殺さないってコトで、あんたはご主人の敵じゃないワケよ。だったらケンカしない。も りもりからも、戦えって言われてるけど、勝敗はどっちでもいいらしいしっ!」 気楽な様子に、剛太の頭痛はますますひどくなる。 軽くうなだれ、頭に手を乗せた。 (本当分かってんのかコイツ? 尋問終わったら殺されるかも知れないって。キャプテンブラ ボーや千歳さんならともかく、先輩がコイツを放っておく筈が──…) ハっと目を見開くと、剛太は慌ててかぶりを振った。 (い、いや。俺がコイツの心配をしてやる必要ないって! 大事なのはコイツを護送して、それ から先輩と合流する! それだけ!) 同情的な気配を払拭するように、剛太は話題を変えた。 「ところでてめェ。なんで俺の顔を知ってたんだ?」 「んにゃ?」 ぐじゅぐじゅと蔓の端っこを食べながら、香美は猫耳をぴくぴくさせた。 「喰うなよ!」 「っていわれても毛玉吐くのに必要だし」 ごぎゅりと飲み込むと、「何?」っと香美は応じ、今一度の誰何を受けると答えた。 「あ、あれね。あれはね、もりもりから聞いたの」 「もりもり……ああ、総角主税とかいう男か」 「そそ。んで、もりもりはひかり副長から聞いたって。ん? あんたひょっとして知らないの?」 「何がだ」 「だってひかり副長さ、あんたと会ったコトあるらしいけど」 「はぁ!?」 「だってね、実は……」 『ハーッハッハッハッハッハ! 不覚にも気絶していれば香美が途轍もない大失態を やらかしかけてるなぁぁ!!!』 大砲のような大声が、突如として山中に響き渡った。 剛太は反射的に度を失った。生物的な驚嘆に肩をびくりと震わせるのが精一杯。 反対に香美は喜色満面だ。 「別に時間かせぎしてたワケじゃないけどさ、ご主人起きた。これで夜道も恐くないっ」 「ご、ご主人……?」 そういえば先ほどの戦闘の最中、ご主人と呼ばれる男の声が随所で響いていた。 山に飛ばされた直後にも、香美は「ご主人が気絶して……」といっていた。 (しまった。まさか敵はこの猫娘だけじゃなく、もう1人……!?) 『駄目だ香美!! それは極秘中の極秘!! すでに6つある割符のうち、5つは僕たちの 手中にあるなんてのは!!」』 森がとてつもない静寂に包まれる。 剛太も、そして香美も、全身から脂汗が溢れる思いをした。 「ちょ、ご、ご主人、それだけはバラしちゃ……」 「本当なんだな」 「え、え?」 急に沈み込んだ声のトーンに、香美はどぎまぎした。 「てめェらが割符を既に5つ持っているというのは!」 『ははは! ウソだ! ちなみにドロボウがよく使う唐草模様の風呂敷は、むかしの家庭に よくあったもので、忍び込んだドロボウがそれに貴重品を包んで逃走するというイメージの 元に作られたようだ! こっちは本当だぞ! オレンジページの”あなたに代わって見聞帖” で読んだからなあ! そして割符5つはウソだぞ本当に!』 「ご、ご主人、垂れ目全然話聞いてない! てか飛び掛ってきたあ!」 剛太のこの時の機敏さは、特筆するに価するだろう。 (本当だとすれば一大事じゃねェか……! ボヤボヤしているヒマはねェ!) よく分からないが敵の声の出所は香美。 香美へのかすかな葛藤もあったが、緊急ともいえるこの事態の前に押しつぶした。 瞬殺狙いで攻撃するのは当然の術理であろう。 もっとも、そういう術理を電撃的に身体へ反映できる者は稀有といえる。 剛太は、稀有であった。 手にしていたモーターギアを踵に移動させ終わる頃には、その身を躍り上がらせ、香美の喉 首目がけて鋭い蹴りを繰り出していた。 手を拘束していてもさすがに香美。慌てて足を後ろに半歩引き、蹴りをかわしていた。 「しゃーっ! さっきの言葉はウソなの!」 『怒るな香美! 戦士としてはむしろ正しい行動だぞっ!!』 「けど」 『お前を追い込むほどの相手だ! 今こそ交代するぞ、時間を稼ぐんだあ!』 「う、うん。……分かった」 戸惑いの色を含んだ眼差しを、剛太に向ける。 その色はホムンクルスらしからぬ申し訳なさに溢れていて、剛太の胸が一瞬きりきりと痛ん だ。 「実をいうとさ。あたしの手の中に割符があるワケよ」 縛られたままの手を無理にねじ開いて、剛太に向ける。 「あんたら、コレがないと困るんでしょう?」 事実だろう。 少なくてもその回収を任されている新人戦士の立場からすれば、目前にしながら回収できな いというのは立場的な死活問題である。 「だから今から……コレを撃っちゃう!!」 「何を」 「忘れたの? あたしの手から射出された物はそこそこ素早いの!」 『そうだぞそうだぞ! 水はウォーターカッターのようにホムンクルスを切断し、葉とて針のよ うに鋭く飛ぶ! 空気はいわずもがなのカマイタチ! いかに割符が頑丈でも、そんな速度 で木にぶつかったらどうなるか!!』 破壊は目に見えている。 「く…… だったらその前にお前たちを!」 「残念だけど、遅い!」 香美の手から射出された長方形のプレートが、剛太の頬を掠めた。 声にならない呻きで踵を返す。そして踵の戦輪(チャクラム)を全身全速! 急発信の自動車のような無理な重力に上体がさらわれそうになる。 それを力づくで戻し、けして平坦ではない森を疾駆する。 視界の両脇には木のみならず大人が座れそうな石すら点在している。 気持ちの悪い揺れが足からガタガタと立ち上り、至る所が軋み始める。 そんな努力をよそに割符はぐんぐん遠ざかる。 行く先には大木。当たれば粉砕は想像に難くない。 「く…… おおおおおおおお!」 剛太は駆けに出た。 右踵で活動中のモーターギアを心持ち斜め前へ射出! 右足が動力を失い、左足に引きずられる形になる。 されどそれは一瞬のできごと。 左踵の戦輪に先ほど射出された右踵のそれががっぎと絡み合い、弾く。 モーターギア、スカイウォーカーモードの回転数は平生のそれを下回る。 なぜならば剛太の自重を支え、かつ、地面との軋轢に力を散らしているからだ。 自然、投擲時の回転数を下回る。 だが! いいかえれば中空においては踵の回転数よりはるかに早いというコトになる! そのありあまる回転が、土着疾走の戦輪に絡み合えばどうなるか! 次の瞬間、爆発的な加速が剛太の左踵から誕生した! 彼は一瞬だけ、何の重力の干渉もない本来のモーターギアの回転数を動力としたのだ。 本来なれば追いつけない、割符の飛翔速度をもしのぐ加速を得た! そのまま彼は飛び上がり、割符目がけて大きく手を広げ──… 掴んだ! そのまま地面に転がり落ち、服を土塗れにしながらごろごろと転がるコトしばし。 乗り物酔いにも似た吐き気に顔面を蒼白にしながら、剛太は立ち上がった。 「気持ち悪ぃ……」 手に割符があるのを確認する。どうやら蝶の羽を模したらしいレリーフが刻まれている。 もっとも剛太はさほど昆虫に興味がないので、それがどの部分の羽かは分からない。 ちなみに近くには一抱えもある大きな石が鎮座しているが、先ほど弾き飛ばした右踵のモー ターギアがほとんど埋没した状態で突き刺さっている。 左踵の戦輪を弾いた時の衝撃のすさまじさが雄弁に語られているといえよう。 『ハーッハッハッハ! ナイスだぞ少年!! 身を呈した任務遂行、実に恐れ入る思いだ!』 「そのご褒美に見せたげようか? あたしたちの交代っ」 木々を縫ってゆるやかに現われたのは香美だ。 やや背は高くすらりとしながらも豊かな胸を持つ、ちょっとお馬鹿な猫耳美少女。 『ソフト面ではすでにOKだ! 後はハード面のみ!』 彼女は身構える剛太を物ともせず、手を動かした。 どうやら先ほどの拘束は自力で解いたようだ。ひょっとしたらその時間稼ぎも含めて割符を 飛ばしたのかも知れない。 「ぴしゅう、ぴしゅう、ぴしゅう、ぴしゅう……」 まじないのような声が香美の口から漏れる。 両手の人差し指(猫にあるかどうかは別として、人間でいうところの部分)を彼女は立てた。 次に左手は腰だめに。 もふもふした右手は、腰からゆるやかに持ち上げた。 そしてそれが肩のやや上まで来ると、剛太に掌が向くようババっと捻った。 「……変身!」 『ターンアップ!』 自らの頭を掴み。 そのまま、力任せに香美は捻った。 ごぎりという鈍い音に一拍遅れ、香美の頭は180度回転した。 「な……?」 異変はそれだけで終わらない。 髪に入った鶯色のメッシュが、周囲の茶色に溶けていく。 のみならず、髪が見る間に縮む。逆に後頭部では髪が伸びる音がする。 そぞろに戦慄を禁じえない。 いったいどう形容すればいい。 現実主義者の剛太だから、見たままそのままをいえば済むはずだ。 だが彼は唖然と目の前の光景を見た。見守るように見るほかなかった。 それまで香美の後頭部だった部分から。 人の顔が現われた。 まず見えたのは顎だ。T字型の無精ひげを生やしている。 唇は火の酒を含んだように赤く、鼻は取り立てて特徴がない。 眼は閉じたままだ。 剛太は微熱の出る思いで、縮みきった髪を、変貌を遂げた香美を見た。 短い茶髪。 ミディアムボブを基調とし、トップから前髪までを左に向かって撫で付けている。 かといっていわゆる「横分け」のように平坦ではなく、ふんわりとしたボリュームがある。 サイドの長さは耳を隠しながら頬の中ほどまで。軽く入ったシャギーが香美を連想させる。 襟足もひょろりと伸び、シャギーがある。 そしていまや体には男性的な変化が訪れている。 豊かな胸はすっかりしぼみ、肩も華奢さを失い、ごつごつとした岩場のような景観だ。 ハーフパンツから覗く脛にもうっすら脛毛が生えている。 だから手足がみちみちとした筋肉に彩られていても、ああそうかと麻痺した脳が思うのみ。 『ふふん。ビックリした!?』 香美の声がした。先ほど聞こえた『ご主人』のようなくぐもりを帯びて。 それもそうだ。なぜなら彼女の顔のあった部分はいまや後ろを向き、髪に覆われているの だから。 「激しい雨と風に打たれて、鼓動が俺を呼び覚ます!! ……さーてさてさて!! 貴方と面 と向かって挨拶するのはこれが初めてか!?」 眼が開いた。 レモンを横に貼り付けたような形で、かなり大きい。 全力で見開けばそこから顔がめりめりと裂けるのではないかと思わせるほどだ。 反面、瞳孔は極めて小さい。太いマジックで点を打った程度だ。 「初めてだろうなあ!! ああ、初めてだろうとも!! そーいえば学校でも早坂桜花と顔を 合わさなかったか! 声を掛けただけらかな!」 『ご主人、噛んでるって』 「ふはは。人と顔を合わせるのは久々だから緊張している! よって僕は挨拶をするぞお!!!」 とてつもなく気合の入った暑苦しい言葉がほとばしる。 剛太は期せずして2~3歩後ずさった。気おされたのだろう。 「僕の名は貴信! 栴檀貴信(ばいせんきしん)!! 香美と体を共有するブレミュ随一の鎖 使い!! 好きな物はゲッターロボの歌だ! 漫画やOVAは見ていない!」 そのまま剛太は駆けた。後ろに向かい。 「ふはは。逃げるか! 『走り出せッ!! 振り向くコトなく冷たい夜を突き抜けろ!』か! それもそうだろう、だって僕たちが割符を占有していると知りッ! 今しがた割符を1つ手に 入れた! そして目の前には未知なる敵!!! 戦わずして引き、本隊と合流せんとするの は戦略上正しい!! 確かに正しい!! だが、向かい合う僕には真逆で間違い、許しちゃ ならん一大事ぃぃぃ!」 人間のそれに戻った掌がぼこりと隆起し、核鉄を出した。 「熱くなれ夢見た明日を! 必ずいつか捕まえる!!」 貴信は核鉄を握り締め、山を揺るがす大音声で叫んだ。 「武 装 錬 金 ! !」 小銭を落とすような「ちゃり」という音が響くなり、光が大木めがけて伸び退る。 大人が4人がかりでようやく抱えられる野太い幹に、鈍色の金属が纏わりついた。 互い違いに編まれた金属の輪、という方が実体がわかり易い。 その名称──… 「鎖分銅(クサリフンドウ)の武装錬金!! ハイテンションワイヤー!! いぃけええええええええええ!!!」 貴信が手を引くと、鎖にまとわりつかれた大木が怒号のような音と共に引き抜かれ、轟然と 宙を舞った。 それを力任せに貴信は振り回す。 大木は恐ろしいコトに、枝でホウキのように空掃きつつ2mほどの頭上で旋回している。 やがては加重すら帯び、めりめりと辺りの木々をなぎ倒しなぎ倒し。 逃げる剛太は背後のおぞましい音に怖気を覚えた。 (どうせ割符は手に入れたんだ。早くこの場を離れねェと) 「させるとお思いか! この僕が貴方のお相手つかまつろう!!」 貴信、言葉も終わらぬうちに、「むん!」と背筋に力を込め、大木を剛太めがけて投げつけた。
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武器名 攻撃力 値段 効果 十手 4 ¥1800 銭投げ(所持金の10の位の数字の攻撃力)が使用可能、所持金の10の位は0になる +画像 通常 銭投げ 技の銭投げはアイテムの銭投げと同じ性能で、攻撃力は0~9。 攻撃力は所持金の十の位と同じで、同時に十の位が0になる。 借金の時も同じく投げることができるが投げた量にかかわらず攻撃力は0。 一応、竹刀の素振りと同じく、気合だめ稼ぎができるため、借金投げの性能も悪くない。 この武器と組ませよう 盗賊のダガー系統-敵を倒さず金額調整できる。 入手方法 旅の商人(安全エリア、洞窟エリア、海辺エリア、海辺エリアEX、開拓地エリア) 闇の商人(秘境エリア) 買い戻しバザーEX 偽商人(海辺エリアEX) 選択肢 投票 とても強い (0) 強い (0) 普通 (0) 弱い (0) とても弱い (0) コメント デビルソード系での変動金額は3桁目だけなのであまり効果的とは言えないのでは? -- (名無しさん) 2013-06-02 01 01 04 百手から丸コピーしてミスしてるぞ -- (名無しさん) 2013-06-02 09 51 54 ↑、↑↑修正しました。 -- (名無しさん) 2013-06-08 19 08 26 名前 コメント すべてのコメントを見る
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わいわい!ウォールチャレンジ パーティー 体感 プレイ人数× 1 ~ 4 800円(税込)455MB ポーズをとって 壁穴を通り抜けよう! 手に汗握る緊張感の中、人型に切り抜かれた無数の壁が、あなたに迫り来る! さあ、両手にJoy-Conを持って、壁の穴と同じポーズをとって隙間を通り抜けよう! そんなのカンタンだって?いえいえ、徐々に狭くなったり、スピードアップする壁穴を通り抜けるのは至難の業です。 はたしてキミは水にドボンと落ちることなく、最後まで生き延びれるかな? 1人でプレイするのも、仲間とワイワイ遊ぶのも楽しいパーティーゲームの登場です! 4種類のゲーム! 「ノーマル」、「ハイスピード」、「メモリー」、「ミラー」の4つの試練があなたを待っています。 3種類のモード! 「チャレンジ」 ハイスコアを目指して黙々と練習しよう。 「VS」 分割画面で1対1で対決!迫り来る壁のプレッシャーに、先に押しつぶされるのは誰かな!? 「アーム&レッグ」 あなたが操作するのは、右手?左手?それとも右足?左足? 急いで自分が操作するパーツを確認して、迫りくる壁に合わせて、ポーズをとろう。 ラウンドが終了するごとに、操作するパーツが自動でシャッフルされるので注意してください。 最後まで生き残ったプレイヤーが勝者です。1~4人までプレイできます。 メーカー レイニーフロッグ 配信日 2018年10月25日 対応ハード Nintendo Switch セーブデータお預かり対応 プレイモード TVモード, テーブルモード プレイ人数× 1 ~ 4 対応言語 日本語, 英語, スペイン語, フランス語, ドイツ語, イタリア語, ロシア語, 韓国語, 中国語 レーティング CERO A セール履歴400円(50%off) 2019/1/24 00 00~2019/2/7 23 59 名前 コメント
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Written by Late ActressS42 パワーストーンを扱うショップ・通販 2店目 http //kohada.2ch.net/test/read.cgi/shop/1313891171/ 532 名前:おかいものさん:2012/02/06(月) 04 29 16.97 なんだよ中国系が不安になるじゃんかw ヤフオクで落札したら経営者が中国系の名前だった・・ でも評価欄よくて信用できそうなトコ 名前出しちゃうとBigStoneて店 まともな店だと信じて商品届くの待ちます☆ 539 名前:532 ◆ActressS42 :2012/02/06(月) 20 25 40.84 534 それは知ってたが、ごく一部の例だけで判断は難しいだろう BigStoneて評価欄いろいろみてるとリピーターが結構いるのはなんで? 評価付けた落札者みても一般人みたいだし 本当に粗悪品なら、「素晴らしい~」」とか「綺麗な~」とかレビューしないと思う 自作自演とかステマにしては無理な気がする 経営者同じ楽天店も調べましたが少なくとも詐欺や偽物の類ではないような印象 それに偽物疑惑なんてどこのショップでもありえる問題でしょう 偽物もそうですが画像と色が違うなども、石の種類とかによって・・・じゃないですかね 返品については楽天では3日以内なら可能と書いてあります。 色/形などイメージ違いによるご返品 。 届いたらレビューします。なりすまし阻止のためトリップ付けます。 551 名前: ◆ActressS42 :2012/02/07(火) 18 58 48.83 549 同意。このスレではタブーなのかもしらないが、2chだから本音で・・ パワー重視?の奴って頭おかしいんじゃねって時々思うことある オカルト信者だよね、新興宗教とか霊感商法とかも・・こういう人たちが業界のおいしいカモなんだよ 私はあくまでも宝石とか半貴石とか石の美しさそのものが好きなので 石の効果とかは気分的なものや楽しむためのものだと認識してる 浄化というのもよくわからんw月光浴とかなにそれww パワーストーン業界は本来希少価値などない石でも適当にそれらしい名前つけて売るから酷い まあ、石の楽しみ方は人それぞれ、不快な思いした方ごめんなさい 558 名前: ◆ActressS42 :2012/02/08(水) 06 24 49.11 この板は「通販・買い物」 オカルトなしで消費者の視点で店や商品の評価を語るべき パワーとかは人によって感じ方バラバラだろうからw それと"パワーストーン"は店がモノを売るためのキャッチフレーズな印象 宝石スレはあるが、宝石扱いされない石のスレが必要 次スレからスレタイを「天然石を扱うショップ・通販」にでも変えたほうがいい 569 名前: ◆ActressS42 :2012/02/08(水) 20 46 06.84 BigStonneから発送したよ連絡きた 意外にも対応とかは早くて、文章も丁寧だな。少し日本語変だがw ココの店は初回連絡時にテンプレ返信を促される しかし私は利便性を考慮し、その旨(使わない理由)書きテンプレ使わないで返信した そしたらわざわざ「落札者様には不便な思いをさせてお詫びします」と返信に書いてあって少し驚いた 商品到着後24時間以内に取引ナビに書けば対応するらしい 下は取引ナビより一部抜粋 --------------------------------------- ≪返品依頼書≫ ○返品商品タイトル: ○商品到着日時: ○返品理由:( )※下記番号をご記入ください 1.写真と全く違う商品が届きました。 2.開封確認したところ、天然石性質以外の破損があります。 3.商品説明記載サイズ・粒数と違います。 4.商品天然石名・説明内容記載違いがあります。 5.写真(イメージ)とかなり色違いです。 上記理由で、商品を返品希望です。 ----------------------------------------- 570 名前: ◆ActressS42 :2012/02/08(水) 20 47 54.38 BigStonneじゃなくてBigStoneのスペルミスw 587 名前: ◆ActressS42 :2012/02/11(土) 16 42 52.82 昨日届きましたのでレビューします。 私が購入したのはグリーンガーネットのブレスレットです。 画像の現物を送るって奴を開始価格2000円で落札しました。 メール便使ったが梱包はブレスを密封パックに入れプチプチで包囲、それをプチプチ壁封筒に。 届いたものはイメージ以上の綺麗な品物。色が画像と同じ、透明度は画像よりクリア 試しに下に白い紙敷いて照明当てて撮影したら出品画像みたいの撮影できた それで肝心の本物かどうかだが 届いて即、舐めて冷感調べたり、ルーペで観察、穴の奥チェック、重量チェック、温湯に沈めて色が落ちるかとか・・ 素人なりにいろいろ検証した結果、おそらく本物であると思われます まあ、宝石質でないガーネットは偽物の心配は少ないかなと思いますが染めには注意ですね やはりどこのショップでも石の種類によって警戒レベルがあるような感想です BigStoneの評価に「母へのプレゼントに・・」なんて書いてる人いたが 本物か偽物か、あんまり神経質になり過ぎるのもどうかなと思ったりw 信じる者は救われるというのかな 信頼性が命の高級ジュエリーと違って天然石やパワーストーンは曖昧な部分が多いですよね・・ 例えばアベンチュリンで安いのはグリーンクォーツァイト、水晶やトルコ石も練りばかり、 モルダバイトは本物なら貴重で高価な代物、もう業界全体が腐ってる 仕入れで本物か偽物かの判断ができない業者も多い 私的気をつけたいこと 偽物が多い石は注意、特に不透明の石は鑑定が難しい 相場よりあまりにも安い石は疑う、しかし高価だから本物とは限らない クラックやインクルージョンが少ない石ほど偽物の危険がある 聞いたことないような変な名前の石には手を出さない パワーや霊感を不自然なほど謳っているショップは避ける 日本人経営のショップから購入したほうが安心感があるかも 本物を数多くみること、これが一番です。 あ、もう24時間が経過しちゃいましたww ------------------------------------------------- パワーストーンを扱うショップ・通販 3店目 http //kohada.2ch.net/test/read.cgi/shop/1339381456/ 457 : ◆ActressS42 :2012/09/16(日) 02 33 39.85 最近、オリジナルのブレスレット作るために天然石集めてる 高品質なラブラドライトがこんなに綺麗だとは知らなかった 次は濃いブルーのラリマーが欲しい あと私は自殺予告なんてしてない、ただ愚痴っただけ・・・