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343 :カルガモ ◆ij0uQpYHCo:2014/09/12(金) 07 40 24 ID 12yOsGs6 天津風とケッコンして数ヶ月。 艦隊を指揮するべき俺がいるのは、執務室の椅子ではなく、私室のベッドの上だった。 「もう、また少し熱が上がってるじゃない」 我が嫁天津風の声。体温を測ってくれたようだ。 俺氏、絶賛風邪なう。 AL/MI作戦の終了、撤退の僅か数日後に倒れてしまった。軍医によると、過労と心労だという。 大和や北上の策略(大本営への有給申請)により、こうして天津風と二人、おとなしくしているわけだ。 「ほら、少し水飲んで、少し寝てなさい」 そう言ってスポーツドリンクを差し出してくる。 キャップ部分を換装したストローを口にくわえ、ゴクゴクと飲む。 「ありがとな天津風」 ストローを外してスポドリを冷蔵庫に仕舞う天津風に声を掛ける。 「い、いいのよ別に!夫の面倒を見るのが妻の役目でしょ!」 自分で夫だ妻だと言って、悶えている。かわいい」 「な、なにいってるのよ!大人しく寝てなさい!」 おっと、口出ていたようだ。仕方ないので、大人しく布団に潜る。きゅーそくせんこー。 戻ってきた天津風の、いつもより少し赤い顔を見たあと、目を閉じる。 「大規模作戦中、ずっとみんなの事心配してたものね…こういうときくらい、ゆっくり休んでね」 睡魔の暗闇に落ちる寸前に聞こえた優しげな声は、俺の幻聴だったのだろうか…? 344 :カルガモ ◆ij0uQpYHCo:2014/09/12(金) 07 41 26 ID 12yOsGs6 ふと目が覚めると、時計の針はヒトフタマルマルを指していた。 ゆっくり体を起こす。調子は悪くないようだ。 「あら、起きた?」 天津風の声。 寝起きの働かない頭が、天津風を認識する。 次の瞬間、俺は天津風を捕まえ、ベッドに押し倒していた。 「きゃあ!」 可愛らしい悲鳴をあげつつ、抵抗する事なく倒れ込む。 「風邪ひいてるってのに元気ね…」 クスクスと笑いながら、天津風がそっと、俺の耳元に顔を持ってきて、 「そうね、大規模作戦、頑張ったご褒美あげる。あたしを好きにしていいわ」 艶っぽい声でそう囁かれ、様々な要因で欠片ほどしか残っていない理性が、欲望にあっさりと押し流される。 345 :カルガモ ◆ij0uQpYHCo:2014/09/12(金) 07 42 48 ID 12yOsGs6 「んん…んむぅ…ちゅる…」 溶けるようなキス。天津風の口内を、ねぶるように蹂躙する。その間に天津風の服のボタンを外していく。 左手でボタンを外しながらもう右手で天津風の頭を撫でる。 さらけ出された下着は黒。いつもそうだが、するときにはいつも、誘っているように見えてしまう。 やがてキスを少しずつ下に下ろしていき、黒いブラにたどり着く。 頭を撫でていた右手で、ブラのホックを外し、取り払った。 先程からのキスに天津風も興奮してくれたらしく、薄い胸の頂にツンとピンクの乳首が立っていた。 堪らず左(主観)に吸い付く。 「ひゃああっ!」 快楽の悲鳴。その声に含まれる色香に気をよくし、右手でもう片方を弄る。 舌で転がし、やわやわと揉み。唇でねぶり、指先でつまみ。 「ひぅっ…ダメ…もうイッちゃ…あぁっ!…イクぅぅぅぅぅ!」 胸への攻めで、天津風が達する。 「大丈夫か?」 やり過ぎたかと心配する俺に、少し落ち着いたらしく、優しく微笑んでこう言ってくれた。 「大丈夫、気持ちよかったから。それより、続けよ…?」 「ああ」 許しも得て、行為は再開する。胸から更に下へ降りていき、二つ目の黒い布にたどり着く。 両側が結ばれているタイプの下着。片側だけ解いて、秘部をさらけ出す。 これまでの反応から予測してはいたが、予想通り天津風の秘部は愛液で濡れそぼっていた。 くちゅり。 俺の指が秘部に触れる。 「ひゃああ!」 胸に触れたときと似たような、しかし含まれる快楽は比べ物にならない声が響く。 今度はやり過ぎないように、慎重に。毛の生えていない秘部に、そっと左手の人差し指と中指を入れる。 「ふぁっ!あぁっ!」 天津風の膣内は、とても熱い。普通の艦娘達(他の子達にこんなことをしている訳ではない。あくまで平均的な体温の話である)よりも、天津風は体温が高い。それゆえか、天津風の膣内が、とても熱く、心地よく感じる。 ぐちゅぐちゅと、入れた指でかき回す。親指と薬指で、クリトリスをいじり回してやる。ただし、焦らさない程度に慎重に。 「あんっ!ふぁっ!んあぁっ!」 いつもはすました表情の天津風が、俺だけに見せる『女』の顔。その顔に我慢できなくなり、指をそっと抜く。 346 :カルガモ ◆ij0uQpYHCo:2014/09/12(金) 07 45 29 ID 12yOsGs6 少し落ち着かせるため、ゆっくり頭を撫でていると、天津風が『女』の顔のまま、こう言った。 「ふふ、我慢できなくなっちゃった?」 「ああ」 「なら、いいよ?あたしで、いっぱい気持ちよくなって?」 その言葉に、俺は服を全て脱ぎ捨て、天津風に覆い被さる。 ガッチガチに固くなった肉棒の先を、天津風の秘部に当てる。 「いくぞ?」 「うん、来て」 その掛け合いを合図に、ゆっくりと肉棒を沈めていく。 「んぁ!あぁっ!いいっ!いいよぉ!」 ずぷぷ…と卑猥な音を立て、秘部が肉棒を受け入れていく。天津風の膣内はいつも通り熱く、締まっていた。 最奥まで挿入れて、天津風の小さな体を抱き締める。 「相変わらず、熱くて気持ちいいな」 「そうっ?ならっ、嬉しっ!んぁっ!」 天津風の膣内が蠢く。まるで、早く精液を寄越せとねだっているようだ。 「いいわっ!いっはい、動いてぇっ!一緒に、気持ちよく、なりましょっ!あぁっ!」 その言葉通り、ゆっくりと動き出す。奥まで突き挿入れた肉棒を、まだ始まったばかりだしとゆっくり抜いていく。ズプズプと、雁首が少し出るまで抜くと、今度はまた埋めていく。 「んああああぁぁぁ!」 どうやらきちんと感じているらしい。何度か同じペースで繰り返した後、天津風を抱き締めてキスを落とし、こう宣言した。 「もっと早くいくぞ」 俺の宣言に、快楽の余韻がが残る微笑みを浮かべた後、俺に抱きついてこう囁いた。 「いいわ。あなたもあたしも、もっと、もっと気持ちよくして?」 グッと腰を引き、今度はパンッと音が鳴る位、激しく突き挿入れる。 「ふぁっ!いいっ!気持ち、いいっ!もっとっ!んぁっ!もっとぉ!」 347 :カルガモ ◆ij0uQpYHCo:2014/09/12(金) 07 46 05 ID 12yOsGs6 何度も、何度も腰を打ち付ける。 膣内は熱く蠢き、締め付け、俺から精を搾り取ろうとする。 膣内の快感。 天津風の、俺だけが見ることができる恥態。 天津風の、快感を隠す事なく教えてくれる嬌声。 それらが合わさって、俺を絶頂の寸前に導く。 「天津風っ!そろそろ、イくぞっ!」 「いいわっ!あなたでっ!いっはいにっ、してぇっ!あぁっ!イく!イッちゃう!」 その言葉と共に、最高の快感をもたらす締め付けが肉棒を包む。 「くうっ!射精るっ!」 ビュルルルル!ドクッ、ドクッ、ドクン、ドプドプドプ! 「あぁっ!きたぁ!あなたが!んああああぁぁぁ!イくぅぅぅぅぅぅうううう!」 まだ、射精は止まらない。ドクドクと、天津風の子宮に精液を流し込んでいく。 びくびくと体を震わせる天津風を抱き締め、頭を撫でてやった。 348 :カルガモ ◆ij0uQpYHCo:2014/09/12(金) 07 47 04 ID 12yOsGs6 「そういえば、あなたが風邪ひいてるの、すっかり忘れてたわ」 もう一回ヤった後、シャワーを二人で浴び、結局風呂場で三回戦。上がって飯食ってその後戻ってきた俺提督が異常に熱いことに気付いた天津風が、その事を思い出して布団を変えてから一言。 「でも、ここ1ヶ月、ご無沙汰だっもの。お互い様よね」 そんなことを無自覚で言うものだから、俺はもう臨戦態勢に移行。 「なあ天津風」 「なに?」 「このまま着衣セックスしたまま寝ちゃおぐぼぁ?!」 ナイスパンチ。鳩尾を的確に狙うとは。 「な、なにいってるのよ!」 顔を真っ赤にして叫ぶ天津風。しかし、俯いて一言。 「でも、それも悪く無いかも…ひゃあ!」 俺氏節操無さすぎ。でも仕方ない。天津風が可愛いんだもん。熱い夜が始まる。早速天津風の下の下着を取っ払いー +おまけ 349 :カルガモ ◆ij0uQpYHCo:2014/09/12(金) 07 47 37 ID 12yOsGs6 イオナ「ぐんぞー、私もう一度鎮守府行きたい」 千早群像「ああ、以前世話になったとこか。そうだな、行く方法を探さな*�* ヒュウガ「姉様!千早群像!またあの世界に飛ばされました!」 イオナ「噂をすれば?」 演習場 ドオォォォオン! 北上「」 金剛「」 大和「」 時津風「」 五月雨「」 第六駆逐隊「」 第七駆逐隊「」 赤城「これって、イ401…イオナさん…ですよね?」 提督私室 ドオォォォオン! 提督「うわぁっ!」パン 天津風「きゃあっ!イくぅ!」ビクンビクン 物陰 タカオ「タカオ、見ちゃいましたぁ…」 ハルナ「タグ添付、分類、記録…」 初風「(唖然)」 350 :カルガモ ◆ij0uQpYHCo:2014/09/12(金) 12 45 42 ID 12yOsGs6 文字化けするし投下直後に端末落とすし最悪… 文字化け部分は上から順に演習場、提督私室、物陰になります。 試験前のおかしなテンションでやりました。反省はしている。後悔はしてない。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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前回の続き 海水浴ではしゃぎ過ぎた艦娘たちは早々に夕飯を食べ終え各自の部屋に戻るヒトハチマルマル。 何時もはうるさい食堂で霧島は湯呑に入れたお茶をゆっくりと飲んでいた。普段は姉の金剛に合わせ紅茶を飲むことが多いが、生まれも育ちも日本な彼女はどちらかと言えば緑茶の方が好みだったりする。 「あ、霧島さん。今時間良いでち?」 振り向くと提督が羽織らせたのかぶかぶかの上着を着たゴーヤがピッと背を伸ばして立っていた 「あら、ゴーヤ。体は大丈夫?」「ハイでち!心配かけてごめんなさい」 ぺこりと頭を下げるゴーヤに隣に座るように促す。 「失礼しますでち」「そんなに畏まらなくてもいいわよ?それで何か用かしら?」「あの、てーとくの事まだ怒ってるでち?」 霧島の顔を覗いつつそう聞いてくるゴーヤに 「大丈夫よ、怒っていないわ」 そう返すとニッパとゴーヤの顔に笑みが戻る。 「よかったでち。」「ふふ、ゴーヤは指令が大好きなのね」「ハイでち!」 いつもの調子に戻ったゴーヤに頬が無意識のうちにゆるむ。 「あ、それででちね」「まだ何か?」「今日これから何か予定とかあるでち?」 うーんと考えるがとくにはない。いつも賑やかな姉たちは遊び疲れて寝ているし榛名もそれにつき合わされてくたーっとしている 「とくにはないわ。どうかしたの?」「んと、霧島さんもてーとくとお風呂入りたいって言ってたでち。だから一緒に入ろうかなって」 不意を突かれカッと顔が赤くなる霧島。 「き、聞いていたの?」「ハイでち。」「いえあれは、その…」「じゃあフタマルマルマルに指令室にくるでち、水着忘れちゃだめでち!」 そう言い残すと真っ赤になった霧島を置いて鼻歌交じりに食道から出ていくのであった。 「指令とお風呂…」 つぶやきながら霧島は自室の衣装ダンスから水着を取り出す。彼女は資料庫の整理を提督に頼まれていたためこの水着は着用していない。 ―指令と一緒にお風呂に入る―そんな想像をした自分の少しに緩んだ顔に気が付きパンとほほを叩く。 ダメよ霧島、この鎮守府の風紀を乱しては。そう言い聞かせふぅと息をつく。 「あ、あれ?」 気が付けば指令室の前。手には水着を入れた小さな鞄。時刻はヒトキュウゴーゴー 無意識のうちに指令室に来てしまった。しかも五分前に。今なら引き返せると思いつつもその手は指令室の扉にかかり、開けていた 「霧島さん?早いでちね」「え、ええ」 指令室にいたのはゴーヤのみだった 「指令は?」「今お風呂でち。さ、早く行くでち」 そして霧島はゴーヤに手を引かれ更衣室に消えてゆくのだった 「はぁ…やってしまった」 こんこんとわく風呂に入りつつ天井を見上げる。自分の艦隊に所属する潜水艦と性行をしてしまった。(字面にすると物凄いな) 別段彼女だけを特別扱いするわけには職務上行けないのだが体の関係となってしまへばそうも言えない。どうしたものかそう思案していると急に浴室のドアが開く 「てーとく!」 水しぶきを建てながらお湯に入りさも当然のように提督の膝の上に座るゴーヤ。そして水着に着替えおずおずと入って来る霧島にポカーンと口を開ける提督 「お、お邪魔します」「え、あ、え?」 霧島はちゃぷっと静かに入り提督の左隣に座る。提督はというとぽかんとしながらも霧島の豊満な体に目が釘付けとなっている。 「あ、てーとくの魚雷さんこんにちはでち!」 当然男として反応してしまう物は仕方なくゴーヤの尻の下でムクムクと大きく勃起する提督の魚雷。以前と違い提督は水着など付けていないため直にゴーヤの尻とスク水に当たっている。 ゴーヤが尻をどけ向かい合うように座ると尻の下で隠れていた魚雷が当然霧島からも見える訳で 「お、大きい…これが指令の…」「霧島さん、てーとくの魚雷さんは凄いでち。こうやってなでなでしてあげるともっと大きくなるでち!」「おい、ゴーヤ止めなさ、オウッ!」 提督がゴーヤを止めようとするが不意に霧島の手が竿を握り阻まれてしまう。 ちゃぷちゃぷと霧島の細く白い手が竿をしごきゴーヤの小さく肉付きのいい手が先端を撫で繰り回す。同時に霧島の豊満な胸がギュッと提督の左腕に当たり、太ももではゴーヤのスク水を着た尻が当たる。 そんな状況で我慢が続く訳もなくどっぷりと湯の中に射精してしまう。 「これが、指令の精液…」「それ不味いでち」 湯の中をフワフワと漂う精液を救いまじまじと見つめる霧島と以前精液を口にしたときの感想を言いゴーヤ。そんな中すでに歯止めがきかない提督の魚雷は再び高度を上げる。 「好き勝手すんな!」 と右手でゴーヤの頭を捕まえキスをし、左手で霧島の股間部を弄りだす。 「んちゅ…ふぁ…てーとく…」「や、駄目です。し、しれぇ!」 ばちゃばちゃという水音と共に熱がこもった声が響く。 「ぷは…霧島さん、こんなことをしたんですから覚悟は出来ていますよね」 ゴーヤとのキスを止め隣にいる霧島に声をかける。普段は眼鏡をかけ凛とした彼女とは思えないくらいに溶けきった表情に理性など吹っ飛ばしてむしゃぶりつきそうになるのを堪え最終警告をする。 「は、い。指令…お願いします」 その言葉を聞き提督の欲求が爆発する。左手はそのまま動かしながらかぷっと胸の先端にかぶり付き吸い上げる 「あ、だめ…ん…そんなに吸っては」「ふぁめ?」「しゃべらないでぇ!」 ゴーヤには右手で股間に指を入れ少し荒々しく動かす。 「てーとくぅ!指、キモチイイでちぃ!」 そして霧島の胸から口を離した提督はゴーヤに耳打ちをする。 「ゴーヤ、霧島さんの胸どう思う?」「ふぁ…すっごく柔らかそう…でち」「よし、じゃあゴーヤは右胸を舐めて霧島さんを気持ちよくしてあげよう」「ハイでち!」「二人とも何を話して…」 霧島が言い終わる前に二人はそれぞれ左右のたわわな胸にしゃぶりつく 「あぁあああ!」 当然ゴーヤたちの中に入れている指を動かしながら貪るように胸をしゃぶる。 「あ、やめッ、イッ、イクゥ!」 霧島の股間からお湯とは違う暖かさの水が放たれ気を失った。 「ゴーヤ、次はお前だ」「ハイでち!」 霧島の中から指をだしゴーヤの股を覆うスク水をどかす。ぬめっとした粘液を出す肉穴に硬度を上げた提督の魚雷がゆっくり入ってゆく。昼間に一度経験したとは言ってもまだ幼いそこはきつい。ゆっくりと侵入させてゆくとぶるっとゴーヤが震える。 「痛いか?」「うんん、大丈夫でち…てーとく、もっと深く入れて…」 提督にしがみ付くように密着するゴーヤの頭を撫でながら魚雷はゴーヤの奥深くに進んでゆく。 「此処までか。動くぞ…」「ん」 激しく水音を立てながら互いに求め合う提督とゴーヤ。その音に目を覚ました霧島は無意識に自身の性器を弄っていた。同時に彼に対し愛を叫ぶ姉に対しての引け目を感じていた。 (私なんかが金剛姉様より先に指令とこんなことになるなんて) そんな彼女をよそに目の前の男女の行為は終盤に差し掛かっていた。 「行くぞゴーヤ!」「あ、来て!てーとく!」 ビクンと二人の体が震えゆっくりと結合部が離される。ぽたぽたとお湯に落ちる精液と愛液。 「気持ち…よかった…でち」 くたっと気を失ったゴーヤに提督はバスタオルをかけそして霧島を見つめる。まだ硬度を失っていない。それを見るうちに金剛に対する引け目がすっと消えていく。 「指令、改めてお願いします」「ああ」「私を抱いてください」 その後二人は激しく求めあった。胸を貪りしがみ付き指で性器を弄られ…そして 「行くぞ」「はい」 お湯から出て浴室の壁に手を付き尻を突き出す形になった霧島の性器にゆっくりと提督の肉棒が入っていく。 ゴーヤと違い柔らかくそして優しく包み込むような肉のうねりに直ぐに腰を振りたい気持ちを抑えじっくり入れて行く そして入りきったのを確認しゆっくりと腰を突き出す。そのたびにプルプル震える胸や形のいい尻を鷲掴みにする。 「あ、それダメ、です」 胸を弄りながら突いてやると一層ナカが締まる。そして提督も知らず知らず腰が激しくなる。 「霧島、さん、イきそうだ」「はぁ、ください、指令の、私に!」 ドップリと霧島の中に出し二人はストンと床にへたり込む。 「ヘイ!霧島!こんな時間に何処に行ってたのかナー?」「金剛姉様!?いえ。その…」 自室に戻る途中の寮内でばったりと姉に遭遇してしまった。 「ドックにもいないし心配シタノヨ?」「御免なさい…」 このまま白を切るつもりの霧島だったが偶然ゴーヤがそこを通りかかり 「霧島さん!またいつかてーとくとお風呂入るでち!」 と言ってしまった 「お風呂ネー」「あ、あの姉様?」「比叡!」「ハイ此処に!」「霧島を連行シマス!」「了解」 「え、ちょっと姉様!?あーれー…」 翌日から提督の入浴中に艦娘たちが浴室に侵入、経費に大量のまむしドリンクが追加されたのはまた別の話
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「朝潮よ、ちょっとこれを着てみないか?」 昼下がりの鎮守府、指令室に呼んだ朝潮に衣服の入った紙袋を渡す。 「艦のスペックは服装に左右される」という噂を聞き試してみたいという好奇心から建造ドッグの妖精さんに頼み込み新しい服を仕立ててもらったのである。報酬として大量の飴玉を要求され財布にダメージを喰らったがまぁいいだろう 「服…ですか…」「ああ、かの不沈艦雪風の着ている服だ。」 じっと紙袋を見つめたのち 「はい、朝潮すぐに着替えてまいります!」 と良い返事を返してくれた。 「司令官、そのズボンかスカートは…」「ん?ないぞ」「え」「雪風はその格好でいるらしい」 もじもじと服の裾を必死につかみ前を隠そうとする朝潮。諸提督もご存じの通り雪風の服は上のシャツのみであり、うっすらと下着が見える。 「そ、その、さすがに恥ずかし…」「さぁ朝潮、行くぞ」「え、あの何処へ?」 「どこって今日は間宮さんが食糧物資を持ってきてくれる日だろ?秘書官の君にはそのチェックの仕事を機能頼んだじゃないか」「あ、では着替えて…」「もう間宮さんの到着時刻だな。早く行くぞ」「え、あ、は、ハイ…」 朝潮はそのままの格好で廊下を共に歩く。当然鎮守府内は多くの艦娘がいる。彼女らの視線が朝潮に注ぎ朝潮の顔はこれでもかと真っ赤になっている。 「うぅうう…」 仕事を終え指令室に戻ってきた。責任感の強い朝潮は羞恥心に耐えきっちりと仕事をしていた。間宮さんからは「あまり虐めちゃだめですよ」と窘められたが 「ご苦労だったな。」「ハイ…」 未だ雪風の服を着ているがもはや羞恥心が限界なのか目に涙を溜めている。 「どうした?」「いえ、なんでもないです」 言葉とは裏腹に珍しく怒ったような声色になっている。 「悪かった、朝潮が可愛すぎいてついな。一種の愛情表現だ」「…私としてはもっと普通の愛情表現を望みます」 はぁと一息つき朝潮の両の肩に手を置き唇を重ねる。触れるだけのキスから段々と舌を入れ互いに絡ませる。 「ふぁ…しれぇ…んふ」 ちゅう、と音を立て唇を離す。先ほどとは違いとろんとした顔になった朝潮のシャツのボタンを取ってゆく。白いインナーの中に右手を入れ、わずかな膨らみの頂にピンと尖る乳首を突く。 「あ、だめっ」 ピクンと朝潮の体が跳ねる 「駄目?じゃあ止めるか?」「いやぁ、止めないでぇ」 何時もの真面目でしっかり者な一面は消えただ気持ち良くなろうとする朝潮にゾクリとなる。 「いつの間にかエッチな子になっちゃったなぁ」「司令官のせい、です」 すっと左手を下腹部に伸ばす。すでに濡れてぐっしょりとしたパンティの上から筋を人差し指でなぞる。すぐにでも指を突っ込んで掻き回してやりたいところだがそれでは些か面白みがない。 「あん、しれぇかん…」「なんだ?」 もじもじと太ももを摺る朝潮。何が欲しいかは把握しているが口に出すまでは気付かないふりをする。 「言いたいことはちゃんと口にしないとなぁ」「ん…いじわるですぅ」「今更だな」 筋をなぞるスピードを緩めつつ言葉を促す 「司令官の…で、朝潮をめちゃくちゃにして下さい」「…40点かな」 指をパンティの中に忍ばせわざと音の出るように動かし人差し指を入れる。同時に胸を弄る手を激しくし時折ペロッと舐める。 「あ、あぁ、来ちゃいますぅ!」 パクッと右の胸を口に含み、左乳首は抓む。そしてナカを弄る指は追加で中指を入れバラバラに激しく掻き回す。 「あ、あぁあああああああ!!!」 力が抜けた朝潮の体を支える。 「よっと、大丈夫か?」「は、はひぃ」 左手を朝潮の中からだし涙と鼻水も出てぐちゃぐちゃになった顔をハンカチで拭ってやる。 「しれぇかん」「なんだ?」「お、おちん、ちん下さい」 ゾクゾクと背筋が震える。この真面目な朝潮が卑猥に懇願する光景。膨張した一物をズボンから出す。 「力抜けよ」「ハイ」 くちっと朝潮の陰部を開かせゆっくりと入れて行く。幼く浅いそこは締り良く肉棒を包み込む。ぐっちゃぐちゃと粘着質な水音が響き朝潮の嬌声がだんだんと大きくなっていく。 「どうだぁ、いつも皆と居る此処で滅茶苦茶にされるのはぁ!」「き、キモチいいですぅ」 朝潮が一段と高い声を出すと同時にキュッと締りが強くなる。 「ふぁ、あああああああ!」 ドップリと精液が朝潮の中に流れ込み意識が遠のいて行った。 「ん、司令官…?」「起きたな」 ソファーの上で膝枕された状態で朝潮が目覚める。服はいつものになっており色々汚れた体も奇麗になっている。 「あの、お手を煩わせてしまって…」 此処で相手を責めない辺り彼女らしいと思う。 「何、気にするな」 優しく頭を撫でると気持ちよさそうに目を細め再びまどろみに落ちていく。 その寝顔を見ながらさて次はどうやって弄ってやろうか、と考えを張り巡らせながら指令室は夕焼け色に染まっていった 当初、朝潮には何の感情も抱いていなかった。数ある駆逐艦の中のネームシップの一つ。 その程度の認識しかもっていなかったのだ。 だがある日、秘書を務めている艦娘が長期遠征に出ており雑務を任せられる者がいなくなってしまった。 どうしたものかと考えていたとき、ふと朝潮の事を思い出した。子供っぽさの残る駆逐艦の中では勤務にも真面目だし、手際も良い。 さっそく放送を使って呼び出すと朝潮はきりっとした面持ちで指令室に入って来る 「何かご用でしょうか」 ピンと背を張りはきはきと声を出す。なかなかに仕事は出来そうだ 「今秘書艦が遠征中でな。その間の手伝いを頼みたいのだが」「分りました。この朝潮、精一杯務めさせていただきます」 実際彼女の仕事ぶりは素晴らしかった。一つ一つ丁寧に仕事をしてくれるし何より細かなところに気が利く。 「お疲れ様、できれば明日も手伝ってもらってもいいか?」 一通りの仕事を終え労う。 「了解しました!」 元気に答える彼女の頭を撫でてやると恥ずかしそうではあったが嬉しそうに目を細めていた。 それからしばらく彼女に代理の秘書官として働いてもらった。時折大潮や荒潮、満潮、霰、霞も手伝いに来てくれた。 満潮には「アンタが朝潮に何かしないように監視するだけよ」と言われ霞には「みんなに手を出したら…」と砲を向けられた。朝潮型の中で最初に配属されたのは満潮、次に霞だが姉妹艦が増えるにつれ若干刺々しい言葉が丸くなっていった気がする。 「で霰、お前は何故俺の膝の上にいる?」 小休憩させていた霰が無言のままに左膝に乗る。無口なほうの彼女だがこういった行動をとるのは初めてだ。 「司令官…朝潮の事…どう思ってる?」「んあ?」「朝潮…司令官と居ると、すごく楽しそう…」 どうと言われても別段特別な感情は抱いていない。 「頼りになる良い娘だと思っているぞ?」「そう…でも朝潮は、きっと司令官のこと好きだと思う」 無口だが他人の事はよく見ている霰は何時もの無表情で続ける 「司令官…朝潮の事宜しく」「いや、宜しくと言われても」「あーーーーー!!!!霰ズルい!!!」 突如として意味を劈くような高い声が響く。手洗いから戻った大潮がこちらに指をさして立っていた。 「私も乗ります!!!それ、どーーーん!!」 右膝に大潮が乗る。なんだこの状況 「戻ったわよ…って何してんのよアンタたち!」 次に戻った満潮が声を上げ 「死んじゃえ!」 と霞が砲門を開く 「落ち着いて二人とも!!」 と朝潮が必死になだめて事なきを得た。 酷い目にあいかけたが朝潮以外は帰し執務に戻る。 「すいません司令官。妹たちがご迷惑を…」 仕事に区切りをつけた朝潮が頭を下げる。別に被害を受けたわけではないし気にはしていない。 「なに、気にするな」「ですが…」 どうにも生真面目すぎるな。 「そうだ、俺の膝に朝潮も座ってみるか?」「ふえ!?」 素っ頓狂な声を上げる朝潮。いい反応だ。この時無性に彼女を弄りつくしたいという感情が生まれる 「まぁ嫌ならいいさ」「い、いえ!宜しくお願いします」 柔らかな体が密着しちょうど鼻のところに朝潮の頭頂部が置かれる。少しシャンプーの匂いが鼻をくすぐる 「それ」「ふにゃ!?」 後ろから彼女の頬を左右に引っ張る。餅のような柔らかな頬は面白いように伸びる。 「ひゃめふぇふふぁしゃい」「ん~?」 聞こえないふりをし頬を弄る 「ひへひふぁんしゃん」 両の手を開放すると涙目になりながらこちらの顔を覗き込んでくる 「酷いです、朝潮をおもちゃみたいにして」「ははは、悪い悪い」 口ではいつも通りに返すが実は心臓が早くなっている。涙目になった朝潮に加え霰のあの一言が余計に意識させる 「お詫びになんかしようじゃないか」「お詫び…ですか…」 少し考えたようにうつむきぽつりと 「キス…」 とこぼした 「え」「あ、いえそのなんでもないです!」 真っ赤になりながら膝から出ようとする朝潮の腕を掴み抱き寄せる 「あ、あのその…」「朝潮」 優しく顔をこちらに向けさせゆっくりと唇を重ねる ピクッと一瞬朝潮の体が強張るが次第に力が抜けていきこちらに身を委ねてきた。 「んちゅ、はぁ…司令官…」「朝潮、可愛いな」 そう囁くとさらに真っ赤になる。 「そんな朝潮にはもったいないお言葉です」「可愛いから仕方ないだろ」「あぅ…言わないでください…」 そんな朝潮を見てもっと乱したいという欲求が思考を支配していく。抱き寄せたまま浅くキスを繰り返し左手で彼女の尻を掴む 「ひゃあ!司令官なにを!?」「何をってそりゃセ…」「言わなくていいです!!」 そういう知識もあるんだなと思いながら張のある尻を揉みしだく。 「嫌なら突き飛ばすなりしな。」「あ、う、嫌じゃないです」 まぁ彼女の腕力で突き飛ばされるような軟な体ではないが ムニムニと手に合わせ形を変える尻に荒くなっていく吐息。ぎゅうっと抱きついている腕に力が入る。 「んじゃ、次行くぞ」「…ハイ」 シャツを脱がしインナーの中に手を入れる。ほとんど平らな胸にちょこんとある小さな乳首。それを指で弾き抑え転がすたび朝潮はピクンと跳ねる。 「ひゃん!」 尻にある手を彼女の股に移動させパンティ越しに筋をなぞる。 「そこは、汚いですぅ」「へぇ…じゃあどんだけ汚いか見てみるか」「やあ…」 いったん体を離し下着をずらす。べちゃりと愛液がズボンをさらに濡らすが気にせず朝潮のナカに指を入れる。 「ひっ!」「力を抜け、ゆっくり呼吸するんだ」 きつく指を締め上げられる。その異物感に強張る体を解させゆっくりと広げるように指を動かしてゆく。 「あ、何、これぇ…変にぃなっちゃいますぅ」 ぽろぽろと涙をこぼしながら快楽に翻弄される朝潮。すでに蕩けた顔にはいつもの面影はなくそのギャップがさらに興奮させる。 二本目の指を入れゆっくり時間をかけて肉穴を広げて行く。 「…しれえかん」「ん?」「しれいかんの下さい」 リクエストに応えズボンのチャックを開く。すでにテントを張り臨戦態勢を取っていたそれは何時になく大きい気がする。 (入んのかこれ…) 正直すぐさま突っ込んで腰を打ち付けたいが相手は駆逐艦。慣らしたが果たして大丈夫だろうか、と残った理性がわずかに躊躇させる。が 「早くぅ…」 とねだる朝潮にそんな理性など押しつぶされた。 狭い入口をぎちっと広げゆっくり朝潮の中を蹂躙してゆく。しがみ付いた朝潮の手が背中に食い込む。ゆっくりと少しずつ奥へと進むたびキツイ膣圧に射精しそうになる。 漸く奥にたどり着いたところで一回止まる。結合部からは破瓜した血が流れ椅子とズボンを赤く染めている。よくもこんな小さな体に入ったモノだと他人事のように思う反面、自分を受け入れてくれた朝潮がたまらなく愛おしい 「もう、大丈夫です」 そう答えた朝潮は優しく微笑んでいた。 軽いキスをしながらゆっくりと腰を打ち付けて行く。ぐちゅぐちゅという水音が次第に大きくなり重ねた唇から熱い息が漏れる。すでに何回も達した朝潮はキュウっと何度も締め付けてくる 「んふ…あ」 唇が離れ激しい息遣いの中堪えてきた射精が限界を迎え朝潮の中の一物が一層大きくなっていく。 「あぁ、しれいかん、しれいかん!!」「出すぞ、朝潮!」 強い締め付けの後どっぷりと朝潮の中が満たされてゆく。 「うーん…?」 朝潮が目を覚ますと自室のベッドの上だった 「夢…?」 しかししっかりと下腹部に残る異物感と痛み、中からどろりと溢れた精に現実だったと教えられる。 「~~~~~!」 真っ赤になりながら枕に顔を押し付ける。恥ずかしさに悶えながらまだ残った疲労に朝潮は幸福感と共に眠りへと落ちていくのだった 「司令官…」「おう!?霰か、吃驚した」 寝巻に着替え行為で汚れたズボンを洗っていると後ろか霰に声を掛けられた。 「何を…しているの…?」「あ、いや、ちょっと鼻血が出てズボンが汚れてな」 はははと流そうとするが一言 「お姉ちゃんは…任せた…」「!?」「…泣かせたら…許さないよ…?」 んちゃと言い残し部屋に戻る霰に言いようのない恐ろしさを感じつつ再び洗濯にいそしむのであった
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462 :名無しの紳士提督:2016/01/01(金) 23 01 31 ID WgoJ.gPI 新年明けましておめでとうございます。新春一発目のSSを投下します 鹿島との年末年始のお話で、、この前のクリスマスの話の続きです 今回も独自設定やわかりにくいネタがたくさんあります NGは『練習方法は実践する事だけ―年末年始編―』でお願いします 463 :練習方法は実践する事だけ―年末年始編―:2016/01/01(金) 23 02 16 ID WgoJ.gPI 「Guten Tag」 「Buon giorno」 「?…………こんにちは……」 提督室の大掃除を一段落させていた俺は突如外国人の美女二人に声をかけられた。 俺は乏しい知識から外国語での挨拶とわかり、日本語で返した。 「君達は………艦娘か?」 「私はビスマルク型戦艦のネームシップ、ビスマルクよ」 「私はヴィットリオ・ヴェネト級戦艦2番艦、リットリオです」 「ビスマルクにリットリオだと……今日来るはずのドイツ艦とイタリア艦がもう来たのか? だが約束の時間にはまだ早いはず……」 「少し早過ぎでしたか。遅れないように早く来たんですが」 「それよりもあなた、提督はどこにいるのかしら?」 「…………私が提督だ…………」 そう。俺がこの鎮守府の一番上に立つ提督だった。 「あなたが提督!?冗談はやめなさい。 そんな格好の提督がいて、お掃除なんてしているかしら」 いるんだよここに。汚れないようにジャージを着て掃除をしているけど、俺は提督だ。 「生憎だが私は今日提督としての仕事をし始めたばかりでね、 不測の事態のせいで引き継ぎもほとんど出来ずに提督になる事になったからな」 「提督が掃除なんてするのかしら?」 「提督だろうが掃除をするものだ。 厳密に言うと大掃除の指示が俺の提督としての初仕事なわけだが」 「その初仕事をサボるなんていい度胸してるじゃないの、このクソ提督!」 「仕事をサボって女性と楽しそうに喋っているなんて、鹿島さんが泣くわよ」 海外艦娘と会話している俺を咎め、叱責する声が聞こえた。 駆逐艦娘の曙と霞だ。昔からきつい口調な彼女達だったが、 俺が提督になってからそれが更に増した気がする。 霞は俺が立派な提督になれるように厳しくあたっている節があるし、 曙は…まあ掃除をサボって美女と会話してたら俺にはああも言いたくなるわな。 彼女は不遇の運命だった駆逐艦曙の艦娘故か上官的な存在に無意識に反発する癖があったが 俺に対しては提督でない頃から関わりがあったからか、 俺に対しての言葉遣いがあまりきつくなかった。 「掃除は一段落したよ。それで海外艦のビスマルクとリットリオの二人と話をしていて…」 「ビスマルクとリットリオ?もう来たの?…………少し見苦しいところを見せたみたいね」 「……提督、この鎮守府の艦娘の上官への口の聞き方は酷いようね。 この鎮守府、少し規律がなってないようね」 「誤解しないでね。この鎮守府で口が悪いのは私たちくらいよ。 それと、この司令官がここの司令官に任命されたのはつい先日だから、 この艦隊の規律等についてこの新米司令官を責められるものではないわ」 霞は厳しい艦娘で、真面目にやらなかった時の叱責はきついが、全力で望んだ末の結果や、 その人物に責任を求められないような事を理不尽に責めるような真似はしない。 彼女に厳しく言われ続けたからといって、 彼女を脊髄反射で拒絶するのは少し思慮が足りない事だろう。 「提督、お掃除終わりました。提督室は……あら?」 昔からこの鎮守府の中心人物として働いている大淀が足柄と共に部屋にやってきた。 「ビスマルクにリットリオ!もう来られたのですか!?」 「そうよ。あなた達は?」 「私が大淀です。よろしくです」 「私は妙高型重巡洋艦三番艦足柄よ。よろしくね」 「こちらこそよろしく。ところで、この男の人が提督なの?」 「ええ…提督となったのは先日からですけど… 前提督が突如新泊地へ赴く事になったので、引き継ぎや準備が不十分で… 今は出撃や演習、遠征の指示等の艦隊指揮は私が代行しています。 それ以外のことは提督に順次させていっています」 「だからといって大掃除の指示が初仕事になるなんてな…」 「掃除は大切なことよ!掃除をすることによって心も引き締まるし、 大掃除は一年の汚れを全部落として、 新年を新たな決意で迎えるために特に大切なことなのよ! ……大掃除の段取りを一任してくれたことは感謝するけどね…」 「一任というと聞こえはいいけど、要するに丸投げってことじゃない?」 「司令官にまかせるよりはよっぽどマシよ。この司令官、あまり掃除しないし」 「それもそうね」 酷い言われようだが大体事実だから仕方ない。 この鎮守府に勤めるようになってから自分では掃除を頑張るようになったと思っていたが、 それでも霞にとってはまだまだらしい。 しかし霞に大掃除の段取りの指示を一任した判断は間違ってなかっただろう。 彼女は掃除に対するこだわりが人一倍強いらしく、 去年の大掃除で霞が担当した部分は他と比べて少しだが綺麗に感じた。 まあ普段他人に目をやらない俺が霞に目をやったのは きつい事を言われたので霞に言い返せる欠点を見つけてやろうとしたのではなく、 四日市に“かすみ”という名前の清掃船があるから、霞もきっと掃除が上手かもしれない という根拠のないアホらしい考えだったが、どうやら当たっていたらしい。 余談だが“かすみ”を所持している団体の本拠地は千歳町という場所で、 近くには大井の川町や曙町、 少し離れた所には清掃船かすみの名前の由来先と思われる霞という場所がある。 艦娘達と直接の関係はないにしろ名前が一緒なものが沢山集まっているので、 ちょっとした話のタネにはなるかもしれないし、ならないかもしれない。 「みなさん、お疲れ様です」 聞けば心躍る可愛らしい声が聞こえた。 「もうすぐ3時ですし、少しお茶にしましょ…あら?あなたたちは?」 「ビスマルクよ。よおく覚えておくのよ」 「リットリオです。覚えておいてください」 「ビスマルクとリットリオ…… 私はこの鎮守府の提督さんの秘書艦を務めます、 香取型練習巡洋艦二番艦、鹿島です。よろしくね。 よかったらお二人もお茶、どうぞ」 鹿島は初めて見た人が勘違いしそうな感じの笑顔ではなく、 誰が見ても普通の笑顔といえる表情で言った。 「提督さんのリクエストの汁粉サンドです。どうぞ」 そう言って鹿島はあんこが薄く挟まったサンドイッチを出した。 「それじゃ、いただくわね」 もぐもぐもぐもぐ…… 「この甘み、たまらないわね」 「喜んでもらえてよかったです。なにぶん汁粉サンドは初挑戦でしたので、 色々と試行錯誤を重ねました。その甲斐があったようですね」 「本当おいしいわ。日本の文化を取り入れたサンドイッチ、素晴らしいわ」 ビスマルクやリットリオら海外艦娘達には大好評なようだ。 「カツサンドが一番だけど、これもおやつとして考えたら中々いけるわね」 「餡もくどくなくておいしいですけど、白玉も餅に近い食感がいいですね」 足柄や大淀も喜んで食べていた。 「あれ、提督さん、お口に合いませんでしたか? ……長良さんや木曾さん、伊勢さん達も… 何か気になる点でもありましたか?」 「いや、美味しかったよ……」 確かにとても美味しかった。 サンドイッチは鹿島の代名詞と言えるくらい彼女にとって得意な料理であり、 具材である餡や白玉もとても美味しかった。 「美味しかったですよ本当に。でも…その……何て言えばいいのか…言いにくいですけど…」 「俺の知ってるしるこサンドじゃない!」 「そうそう、私たちの知ってるしるこサンドじゃないのよね」 東海地方出身の人がしるこサンドと言われたらこれを出されたならまず驚くだろう。 「……司令官、鹿島に何て言ったのかしら?」 「何てって……今日は軽くしるこサンドでいいって言ったはずだ…」 「クソ提督には頭が回らなかったのかもしれないけど、 サンドイッチが得意な鹿島さんにしるこサンドって言ったら お汁粉を挟んだサンドイッチって発想すると思うわ」 「確かにしるこサンドってだけ言ってそれっきりで、 鹿島は少し驚いた顔だった気がしたけど別に何も聞いてこなかったからな。 とにかく俺が指示を明確に出さなかったせいだ」 「まあそうなるな」 「これが戦闘関係だったら大変なことになっていたかもしれないわ。 これからは情報をちゃんと共有するように気をつけなさい」 俺は時々自分がわかっている事は相手もわかっていると思い込んでしまう癖がある。 艦隊指揮をする上ではそのような癖は死に繋がりかねない。 俺は今この場で失敗しておいてよかったと思った。 次からは絶対に失敗してなるものか。 「はぁ…着任早々言いたくはないけど、こんな人が提督だなんてね……」 「彼は新任提督なんだ。少々のことは勘弁してあげてくれ。 不満があるなら君が提督を立派にしてあげてもいいのではないか?」 「…そうね、新任提督なら育て甲斐があるものね。 いいわ。私が提督としての心構えを一から教えてあげるわ」 不満げだったビスマルクは日向の言葉に乗せられて上機嫌になった。 日向の人間観察力…前々から思っていたが並大抵ではないかもしれない。 俺は彼女を人間観察力を身につける為の師匠にしたいと思いつつあった。 「でもあなたが提督に付きっきりになったら鹿島が怒るわよ。 彼女は艦娘の他に未来の提督を育てる練習巡洋艦で、提督の秘書艦で…… そして何より提督のお嫁さんだから」 「ええっ!?この提督……結婚していたなんて……」 「つい先日……クリスマスに籍だけは入れたのですよ。 クリスマスを記念日にしたいからって書類も揃ってないのに無茶しますよ。 婚姻届けだけ届けて書類は後からでもいいとはいえ…」 「戸籍関係の書類なしって…何考えてるのよ。ちゃんと準備しときなさいよ」 「26日以降にちゃんと用意してもう出しておきましたよ」 「けど……前々から司令官と鹿島は仲が良かったみたいだったけど、 精々司令官が鹿島を片思いしているってくらいに思っていたのに まさか結婚を決めてしまうほど二人の仲がよかったなんて思わなかったわ」 「だって提督さんと気持ちが通じ合ったのがクリスマスイヴの日でしたから。 どうしても気持ちが抑え切れなくて、 翌日役所に行って籍だけは入れておいたんですよ。 クリスマスが結婚記念日っていうのもとてもロマンチックですしね」 「二人がそうなるに至った理由は、 提督が新泊地の司令官として着任する事が内定していて、 離れ離れになってしまうからってことがあったからかもしれませんね」 「そうですよ。イヴの日に香取姉から提督さんの新泊地行き内定の話を聞いて、 それでもしかしたらもう二度と会えないかもしれないって思って… 気持ちを伝えずに離れ離れになってしまう前に せめて思い出だけでも作りたいって思ったんです」 「ちょっと待てよ。思い出だけでも作りたいって……」 「ええ、実は最初はすぐに結婚しようとは考えていませんでした。 結婚しようって考えたのは、結局提督さんが新泊地に行かずに済んで、 それから……色々とあった時ですね。 結婚していれば、提督さんが本当にどこかへ行かなくちゃならなくなっても、 妻であれば一緒に行けるように融通も利かせてもらえるでしょうし」 「しかし…色々とって……イヴの夜に提督が新泊地に行かずに済むとわかって、 それからクリスマスの日に入籍したわけだろう。時間から考えて急過ぎないか?」 「いいじゃないですか。情熱的に恋の道を突き進み 愛し合うってとっても素敵なことじゃないですか」 「そうよ。若さに任せて自分の信じた道を貫く…… ホント、若いっていいわねえ…私もこんな情熱的な恋をしてみたかったな…」 「足柄…あなたはまだ若さに憧れるとか、 そんなこと言うような年齢じゃないでしょ。 それに情熱的な恋がしたかったとか、あなたの旦那と子供が泣くわよ」 「確かに情熱的な恋には憧れたわ。 でも今の私には暖かな家庭という、平凡な幸せが一番大事なのよ。 暖かな家庭……提督と鹿島だってきっと築けると思うわ」 「まあ提督は指揮官としての力はまだまだだけど、悪い人間じゃないし、 一度好きになった女性と結ばれておいて捨てるような人じゃないでしょうしね」 「あら?曙ったら、もしかして提督のことが気になっていたのかしら?」 「バ、バカ!?何言ってるのよ。ホント、冗談じゃないわよ! 第一私はまだ子供なのよ!年齢的に釣り合うわけないし、 提督が子供の私なんて相手にするわけないし……」 「曙ちゃん……」 「……鹿島、あなた、絶対に幸せになりなさいよね! 提督、もし鹿島を泣かせたりして不幸にしたら、 その時のあなたはクソ提督だからね」 「あ、ああ、絶対に不幸にはしないって約束する。 約束するよ、絶対に不幸にはしないってね」 急に曙に話を振られてつい一瞬言葉に戸惑ってしまい、 念を押すように鹿島を不幸にはしないと誓った。 しかし女の子ってどうしてみんな恋バナが好きなんだろうな…… 男の俺が口を挟む余地なんて全然ないくらい話に切れ目がない。 もしここに青葉と如月と秋雲がいたなら 最早収集をつけるのは無理だったかもしれない。 まあ、仕方ないから汁粉サンドイッチをバクバクと食べていたけど、 急に振られた時の為に耳を少しは傾けておくべきだった。 「あら、いけない。ちょっと休憩するつもりだったのに長話しちゃった」 「いいのよ、あなたたちと楽しくお話が出来たから」 「そうですよ。素敵な歓迎ありがとう」 「そうじゃなくて……業者さんや一般職員たちに他の艦娘… 彼らが大掃除をしているというのに私たちだけいつまでも休んでられないわ。 特に私は汁粉サンドを用意してって言われて ずーっと汁粉サンドイッチを作っていて、全く大掃除してなかったし… あっ、提督さんのせいじゃないわ。確認しなかった私が悪いのだし…」 鎮守府は広い。務めている艦娘や職員達 (男だけではなく、艦娘ではない女性もいる)だけでは掃除しきれない。 ましてや彼らは掃除に関しては素人である。 簡単な掃除ならともかく本格的な大掃除となると清掃業者に頼まざるをえない。 そこで鎮守府の外まわりの清掃に関しては業者に一任する形を取っている。 清掃業者は鎮守府と契約を結んでいるわけだが、 別に鎮守府専属ではなく、他にも得意先はある。 外部機関に等しい存在である為に内部機密流出防止の為、 鎮守府関係者による監視も欠かせないわけである。 彼らは清掃作業をしない事になるが、清掃業者の清掃作業の方が効率がいい為、 彼らは監視に専念出来るわけである。 鎮守府内部はさすがに内部関係者がせざるをえないだろうが、 監視者以外は外まわりに人手を取られない為効率はよくなる。 「司令官、倉庫の大掃除、終わりましたわ」 「玄関の掃除も終わったよー。お疲れちゃーん。 あ、そうそう、外まわりももうすぐ終わりみたいだよー」 「司令官、トイレ掃除、全て終わらせました」 どうやら鎮守府中で大掃除が終わったようだ。 「もう掃除できるところはないの……」 「パッと見ですけど、もうどこも終わりのようです」 「そう……」 鹿島は少し暗い顔だった。 「鎮守府の掃除がとりあえずひと段落したみたいね。 でも最後に私が確認するわ。もしまだ不備があったらその時に言うから」 「わかった。ところでこの部屋は……」 「…………とりあえず合格ね。でもだからといって毎日の掃除は怠らないことね」 「ありがとう……」 「提督室はもう掃除の必要はないのですか……」 「気になるところがないわけではないけど、でもわざわざ掃除をするまでもないわ」 「そうですか……」 「そうだ、鹿島、業者達の土産にペットボトルの熱いお茶を用意してくれないか?」 「ペットボトルのお茶ですか?」 「そうだ。大工や電気業者なんかが来た時にそういった事はするものじゃないのか?」 「今まではしたことはありませんけど……」 「そういうところに気を利かすのもいいけど、仕事もちゃんとしてよね」 「ああ……とりあえず熱いペットボトルのお茶がなければ 冷たいペットボトルのお茶とか、缶コーヒーとかでもいい。 業者の人数分より少し多めに用意しておいてくれ。 あと何かちょっとした食べ物とかないか? できればここでお菓子をよばれてほしかったところだが彼らも彼らで忙しい。 手で食べられるようなものとかないか?」 「えーと……あっ……」 鹿島が少し考え込んだあと何か思い当たったようだ。 「どうした?」 「実は……お汁粉を固めるために ゼラチンや寒天の量の調整をしていたら餡が薄くなって、 薄まった分餡を足したら今度は普通の餡みたいになっちゃって、 それでまた寒天とかを足していって……」 ……何となく予想はつく。ある意味駄目なパターンだ。 「つまり作りすぎちゃったってわけか」 「……はい…」 やっぱり。 「まあいい。サンドイッチ用のパンはいくつある?」 「サンドイッチ用のパンだったら長期保存が効くものがたくさんあります」 「よし、それで汁粉サンドイッチを沢山作っておいてくれ。 業者達のお持ち帰り用だけでなく 他の艦娘や職員達にもよばれてもらう為にだ」 「分かりました、急いで準備します。足柄も手伝ってください」 「わかったわ」 「リットリオ、私たちも手伝いましょう。 サンドイッチくらいなら私たちでも作れるわ」 「ええ、私たちも行きます」 鹿島は足柄とビスマルクとリットリオと共に準備に向かった。 「あっ、提督さん、忘れないうちにひとつ聞いておきたいんですけど、 しるこサンドって一体どういうものですか?」 「しるこサンドは餡をビスケットで挟んだ東海地方のお菓子だ」 「そうですか……分かりました」 そう言って鹿島達は再び準備に向かったのだった。 「提督さん、今年最後の夕焼けです。綺麗ですね」 「ああ、あの時は見れなかったけど、今こうして見ると感慨深いな」 大晦日の夕方、俺達は全てを終えて夕焼けを見ていた。 「提督さん、今年もあっという間でしたね……」 「ああ……今年は年末、特に一週間が今までにないほど慌ただしかったけどな」 「疲れましたか?さすがに提督ともなると苦労が今までの比ではないでしょうし…」 「まだまだ!こんな事でへばってちゃ、提督なんてやってられないよ」 「元気ですね。でも、無理はしないでくださいね」 「わかってるよ」 わかってるけど、どうしても俺はそこら辺の加減ができない。 やるかやらないかが極端であり、やると決めたらそれしかないという事もかなりあった。 いい加減な具合にやるべきだけど、そこが俺には難しいんだよな。 「だったら鹿島さんが司令官を見てあげればいいじゃない」 二人きりで夕日を見ていたところに突如可愛い乱入者が現れた。 一人前のレディを自称する暁だ。 「暁ちゃん、何か用事かしら?」 「鹿島さんにコーヒーを作ってもらいに来たの。 大晦日だからちゃんと起きていられるように 濃いブラックコーヒーを作って」 「ミルクは…」 「一人前のレディにはいらないわ」 「そうは言ってもなあ暁、ただでさえ珈琲を飲むと カフェインの効果でトイレが近くなるぞ」 「トイレくらいひとりで行けるもん!」 「それくらいならいいだろうが、珈琲をブラックで飲んだら わかめの味噌汁を戻す事になるぞ」 「はあ?」 二人は俺の発言に驚いていた。 「俺は中学一年の大晦日の前日に大人に憧れて珈琲をブラックで飲んだ事があるが、 それで胃を荒らしたのか、 その日の昼食に出たわかめの味噌汁を戻す事になってしまったんだ。 そうなってしまえば一人前のレディどころではなくなるぞ」 「……ミルクはそれなりにお願いね。お砂糖はいらないわ」 「はいはい」 暁の言葉に鹿島は優しく答えたのだった。 「あの、提督、ちょっといいですか」 また乱入者が現れた。今度は夕張だ。 「何だ?」 「実は相談があるんですけど…… 今日の午後十時半から明日の午前四時半まで暇を戴けないでしょうか?」 「……CSのアニメチャンネルでアレを見たいのだな。駄目だ、認めるわけにはいかん」 「そうですか……そうですよね……」 「後でブルーレイを貸してやるから今日は精一杯働け」 「本当ですか?ありがとうございます。ところでアレって何のことだかわかります?」 「十二星座の戦士達が大活躍するアニメだろう?」 「そうですよ」 「君は持ってないのか?」 「ブルーレイもDVDも……ネットの公開も見逃しちゃったし……」 「……何のことだかさっぱりです……」 鹿島は話についていけないようだった。 ちなみにアレの最終巻はクリスマスイヴ発売である。 色々あってその日に買えず、 自分へのクリスマスプレゼントにはできなかったが。 「あっ、もうすぐ日が沈むよ」 「ええっ!?」 暁の注意に日の入りを見逃しかけていた俺達は日の入りをなんとか見届けた。 「なんとか日がスッと落ちる瞬間を見ることができたわ。ありがとう暁ちゃん」 「えへへ……」 「ごめんなさい鹿島……邪魔をしたみたいで」 「いいのよ、日の入りの瞬間はちゃんと見られたし。 あなたも綺麗な夕焼けを見れたでしょう」 「はい、綺麗でした。でも二人きりの時間を邪魔してすみません」 夕張は俺達に少し負い目を感じているようだった。 もっとも、暁ちゃんの時点で邪魔されたと言えなくもないが。 「いいのよ、みんなで見る夕焼けも格別ですから。 ……提督さん、そろそろ年越し蕎麦ができる時間ですね。 私達は夜が忙しいですし」 「ああ。年越し蕎麦を食べて、今年最後の仕事を頑張ろう」 今年最後の夕焼けを見終わった俺達は、 年越し蕎麦を食べて夜の仕事に備えるのだった。 そして、年が明けた。 「新年、あけましておめでとう」 「おめでとうございます、提督さん」 俺は真っ先に鹿島に新春の挨拶をし、鹿島も俺に今年初めての新春の挨拶をした。 「司令官……あけまして……おめで…と…」 「寝るな暁!」 俺は暁を揺さぶって無理やり起こした。 本当はあまりするべきじゃないだろうが、 暁を眠らせてぷんすか!させちゃうのもちょっと可哀相だ。 「うぅ~……コーヒーが少し薄かったかも……もうちょっと濃いコーヒーを……」 「やめろって。これ以上飲んだら本当に腹を壊すぞ」 「でも……」 「……しゃあない。鹿島、珈琲を作ってやれ」 「珈琲を!?いいの!?」 「ああ、濃さはそれなりで頼むが……」 「皆さん、新年あけましておめでとうございます。ぜんざいをどうぞ」 「ありがとう、伊良湖……そうだ、鹿島、珈琲はもう少しだけ濃く作ってやってくれ」 「提督さん!?」 「いいから」 「……はい……」 鹿島は渋々濃い目のコーヒーを作った。 「どうぞ……」 「ありがとう。これをぜんざいに……」 「提督さん、何を!?」 「コーヒーぜんざいだ。 ぜんざいの甘さと珈琲の苦味がマッチして美味しいぞ。 暁、どうだ、食べるか?」 「当然よ!」 暁はコーヒーぜんざいをかわいくふーふー冷ましながら食した。 「うーん……なかなかいけるじゃない。 一人前のレディもたまにはこういうのを食べてもいいわね」 「それじゃ私たちも試してみるわ…………うん、美味しいです」 「これはなかなかですね」 「だろう?」 こうして俺達は初日の出の時間まで任務をしつつ たまに料理の話題を喋り合っていた。 途中でリットリオもやってきたが、 甘口抹茶小倉スパゲティと甘口いちごスパゲティをとても気に入ったのか 任務中にも食べるのかたくさん持ってきてやってきたのだった。 そして初日の出の時間…… 「綺麗……特にフッを出てくる瞬間が……」 「これが日本の初日の出……素晴らしいわ」 「今年一年……いいこと……ありますよう……に…………」 各々が感想を述べる中、暁は力尽きたのか、 初日の出を見届けた後、可愛い寝息を立てて眠りについた。 「あら?暁ちゃん、眠っちゃいましたか…」 「ここまでよく頑張ったな、暁……」 俺達は初日の出を見終えて暁を褒めた後、 暁を背負って彼女の部屋のベッドに寝かしつけた後、 新年最初の仕事を大淀に聞きに提督室に行くのだった。 「新年最初の夕焼けも、日の入りも、とても綺麗でしたね」 「とても綺麗だったな」 そして新年初めての仕事(主に挨拶だが)を終え、 仕事から解放された俺達は風呂に入ったあと、夕焼けを見ていた。 今日の夕方から明日まで俺達は正月休みだ。 大淀には苦労をかけるが、彼女が休んでくださいと言ってきたので 俺達はその行為に甘えようと思う。 「提督さん、今日も一日お疲れ様」 最愛の人の思いやり溢れる言葉と笑顔、 それが疲れきった俺に再び立ち上がる力を与えてくれる。 「あぁー、ありがとう…」 でもやっぱり疲れるものは疲れる。 特に今回の正月は提督になって初めての正月だ。 今までも鎮守府では正月だからといって 特に変わった事をしてきていたわけではなかったが、 普通の士官とは違い一応最高責任者の身となって迎えた正月だ。 やはり精神的に緊張してしまう。 「ありがとう鹿島、いつも支えてくれて。でも…」 それでも弱い面を見せるわけにはいかないと力を振り絞って元気に振る舞った。 「提督さん、そんなに無理しちゃダメですよ。 弱いところを見せられないって気持ちはわかるけど、 せめて私と二人でいる時くらい、弱いところを見せてほしいな」 そうは言われても中々他人に弱い所を見せられないのが男である。 つい最近男を知ったばかりの鹿島でもそんな男心はわからないだろう。 まあ最近女を知った俺だって女心は中々わからないものだから人の事は言えないが。 「特に今回の年末年始はとても慌ただしくて あなたもかなり疲れていたでしょうから…… 今回は私に任せてくださいね…」 「任せるって…」 何の事か疑問に思う間もなく鹿島は俺のパジャマのズボンを下着ごとおろした。 「…………」 「…………」 沈黙が走った。鹿島は意外さにきょとんとしていた感じだった。 俺のちんちんが小さくて皮を被っていたからだ。 勿論真正包茎というわけではなくちゃんと剥く事ができ、 勃起した時はちゃんとそれなりのサイズに膨張する為、行為の時に困る事はない。 だから臨戦態勢にない今小さくてそれを言われてもほとんど気にはしない。 「……ふふっ、可愛い」 鹿島は悪戯っぽい笑顔で言った。俺を馬鹿にするような事はしなかった。 まあ一度関係を持った事があったわけだから、 その時に最大限に膨張したモノを見た事があったからだろうけど。 「…ちょっと自信ないけど、お口で可愛がって、大きくしてあげますからね…」 「口で?待て…」 俺の止める声も聞かず鹿島は俺のちんちんの皮を剥き、口に含んだ。 「んん…」 「あっ、痛かったですか…?」 「いや、痛くない。ちょっと気持ち良くて…」 「よかった。でもこれからもっと気持ち良くさせてあげますからね」 と言って再び俺のちんちんを口に含んだ。 根元を唇で軽く甘噛みしながら、亀頭を舌で優しく舐めた。 「ぐ……」 俺は声を出さぬよう歯を食いしばった。 そんな俺を気にする事なく鹿島は亀頭を舐めていた。 ペロリ…ペロリ… 鹿島の舌技は決して強い刺激を与えるものではなかった。 しかし経験がないに等しい俺にはそれさえも十分過ぎる刺激だった。 また、鹿島自身もそんな経験はない為、 どれくらい強くすればいいのかの加減がわからないのかもしれない。 しかし彼女の優しい舌技がまるで彼女の心を表しているようだった。 小さな子供の頭を手で慈しむように優しく撫でて育むかのごとく、 舌で亀頭を優しく刺激して勃起を促していた。 やがて俺のちんちんは硬く大きく膨張した。 「もうちょっと刺激を強くしてもいいぞ…」 俺の言葉に鹿島が行為で応えた。先程よりも舌の動きが少し激しくなった。 鈴口や裏筋を舌先で刺激されたり、唇の甘噛みを強めたりしながら扱いたり… 鹿島のテクは決して上手とは言えないだろう。 だが俺の堪え性のなさにはそれでも絶頂へと導くには十分だった。 何よりも愛する人にされているという事実そのものが テクとかそういったものを超えて大事なものだった。 「もう射精る…離れて…」 もう我慢出来ないと俺は伝えた。だが鹿島は口を離さなかった。 それどころか強く吸ってきた。そこまでが限界だった。 ドプッ!ドププッ!ドクンッ!ドクン!ドビュッ! 一週間ぶりの射精だった。溜まりに溜まった欲望が鹿島の口の中に激しく解き放たれた。 「ん……んんー…………んー!」 鹿島は口を離す事なく、次々と発射される濃厚な精液を喉を鳴らしながら飲み込んでいた。 ドビューッ!ビューッ!ビュー! あまりにも溜まっていたからか、まだ吐き出され続けていた。 それでも鹿島は飲み込み続けていた。 まるで俺の愛情を全て受け止めようとしているかのように………… 「…ん………ん…………」 やがて射精は止まった。だが鹿島は鼻で息をしながら咥え続けていた。 そして口内に吐き出された濃厚な白濁の欲望を飲み込み、 萎えたちんちんについていたものも舌を這わせ、綺麗にお掃除フェラしていた。 「…ぁぅ……ふぅ……」 「鹿島……ごめん……」 口を離し、一息ついた鹿島に俺は謝った。 おしっこの出る所から出たものを飲ませてしまった事に少し心が痛み、 気持ち良かったとはいえ素直に喜べなかった。 「……気持ち良かったですか?」 「…ああ、とっても気持ち良かったよ…」 「うふっ、よかったぁ……」 しかし鹿島の顔を見ていると素直に気持ち良かったと言うしかなかった。 そして俺の素直な言葉を聞いた鹿島は、 自分のした事が間違っていなかったと裏付けられた事により、 とても安心した顔で嬉しそうに言った。 その笑顔は俺の心から申し訳なさを消していった。 「アイスキャンディで練習したつもりですけど、上手く出来るかやっぱり不安でした」 「上手く出来ていたよ。でもなんでこういう事を?」 「お正月はめでたいじゃないですか。だからそんな日くらいは飲んじゃおって思って」 特別な日でなくても飲みそうとは思うが…… 「それにこの前の大掃除、お手伝い出来ませんでしたから、 だからあなたが去年溜め込んでいたモノを全部吐き出させて、 綺麗さっぱり大掃除をして、スッキリさせてあげたかったんです」 鹿島は気にしていたようだ。別に俺は気にしていないのに…… 「あら?また大きくなってる」 俺のちんちんは再び勃起していた。 あれで終わりとは思わず何かを期待するかのように…… 「まだ掃除しきれていなかったみたい。もっとスッキリさせなきゃ…」 「鹿島…もっとしたい……」 「ああっ、あなたはじっとしていて。私に全て任せてって言ったでしょ。 去年から寝てなくてとっても疲れているでしょうし」 そう言って俺を押し倒してきた。 そして天に向かってそびえ勃つちんちんの鈴口に膣口をキスさせながら跨がった。 「こっちも……飲んじゃいます!」 鹿島は全体重をかけて俺のちんちんを飲み込んだ。 滑らかにちんちんを擦る刺激、そして鈴口と子宮口が激しくキスをする衝撃。 もし先程射精していなければ簡単に暴発していただろう。 「ん……」 「鹿島…大丈…」 「大丈夫だからっ!だから…私に任せて……」 まだ慣れていないだろうに、 濡れが少なくて痛みがないわけでもないだろうに、 鹿島は俺の為に激しく動き始めた。 「ううっ!くうっ!はあんっ!」 その動きは本当に激しかった。テクもなく、ただ力任せという感じがした。 だが単純な刺激にならぬよう時々止まったり、前後左右に動いたりもしたが、 結局激しい上下運動ばかりになっていた。彼女にも余裕はないのだろう。 感じた事のないような、自分で激しく動くのではなく、 他人から与えられる激しい刺激に一度発射していた俺でももう我慢はできなかった。 しかも新しい命を生み出す可能性のある行為をしているという事が、 本能を刺激していたのか、射精を早めようとしていた。 「私……もうダメ…です……ああっ」 鹿島が一際艶かしい声を出したかと思ったら膣が激しく締め付けてきた。 自分で動いたゆえに彼女は絶頂できたのか…… そう思って射精を抵抗する俺の心も虚しく…… ドビュルルルッ!ビュルルルッ!ビュクン! 彼女の胎内に先ほどよりも激しく射精した。 俺と鹿島が一つになっているように、 俺の精子がいるかどうかもわからない彼女の卵子と一つになり、 そして未来を作る為に………… 「うぅ……はぁ……」 動いてもいなかったのに疲れた感じがした。 元々の疲れを精神で耐えていたが、 二度の射精によってその緊張感が解けてしまったのか…… 「あぁ……」 鹿島は俺にドサっと倒れこんできた。 「あ……ごめんなさい……」 「気にしないでくれ。この重みだって、今はとても心地いい……」 「…私…もう限界……です……」 彼女の動きが激しかったのは彼女自身も疲れに囚われまいとした為だろう。 いつも俺の事を第一に考えてくれていた鹿島。 彼女も緊張の糸が切れたのか、眠そうだった。 「ありがとう……いつも……この瞬間も……本当に、ありがとうな……」 「えへへ……私……頑張れました……?」 「よく頑張ったね…とても気持ちよかったよ……」 「そうですか……私も嬉し…………」 限界を超えた鹿島は寝てしまったようだ。 俺も相当眠気に襲われたが、どうにか布団に入った。 性器の結合を解くことはなかった。 互いに一つになり、温もりを感じ合う。 それだけでも本当に俺には嬉しいことだった。 「おやすみ鹿島……今年もよろしく…………」 最後の力を振り絞って鹿島に感謝した俺は夢の世界に向かった。 彼女との楽しい初夢の世界に行く事を願って………… ―終― +後書き 480 :名無しの紳士提督:2016/01/01(金) 23 19 22 ID WgoJ.gPI 以上です 今回は前回書き忘れていた事や 回収しきれなかった限定ボイスから閃いたネタも入ってます 年末ボイスの時点で書ける話もありましたが、 正月話に書くものがなくなってしまう為、 年末年始という事で一つに纏めました 未だに文章力は拙いですが、 妄想力だけなら誰にも負ける気がしないという思いで書きました それでは今年も一年よろしくお願いします これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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@Wikiサポートです。 ご連絡いただきありがとうございます。 お問い合わせいただきました件に関しまして、 左メニューの?#endregion?が一つ 不足していただことが確認できました。 該当wiki内の潜水艦の項目に?#endregion?が 不足していた可能性がございましたので、 追加させていただきました。 お手数おかけ致しますが、間違いがございましたら 修正していただきます様よろしくお願い致します。 その他、ご不明点などございましたらお気軽にお問い合わせください。 これからも@Wikiをどうぞよろしくお願いいたします。 このメールは送信専用のメールアドレスです。 メールをご返信いただいてもお答えすることができません。 お問い合わせは以下のお問い合わせフォームよりお問い合わせください。 ===================== @Wiki(あっとうぃき) URL http //atwiki.jp/ お問い合わせフォーム http //desk.atfreaks.com/form/atwiki/ ===================== お問い合わせ日時 2014-05-19 03 21 58 URL http //www55.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/275.html 本文 2014年5月19日午前三時前、該当ページのメニューを編集し、その編集完了後、該当まとめwikiに不具合が発生 不具合内容 該当まとめwikiにおけるトップページが一部しか表示されない その表示されている一部ページのリンクにアクセスしてもそのページにとべない ログインもできない(ブラウザに表示されるURLはかわる) モバイルwiki表示ではメニューページのみがおかしい模様 ブラウザはクローム、エクスプローラ両方現在最新バージョンにて不具合ページでしかみれません
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「たりめーだろ!俺が一番強いんだからよッ!」 南西諸島の青空の下。海底へと沈みゆく敵艦を見下ろしつつ、勇ましいガッツポーズが天を貫く。 「天龍ちゃんお疲れさま~」 二番艦の龍田が旗艦の天龍へと寄せる。 「おぅよ。とはいえ空母二隻相手とかさすがにキッツイわ…」 レベル上げなら2-1とかでイイじゃねーか、とぶつぶつ言う彼女の装甲は甲板に爆撃を受け、若干の被害を被っていた。 脱げない程度に。 「でも連れてきた駆逐艦ちゃんたちもケガなかったしー、任務は見事に達成ね~」 「おぅ、お前らちゃんと経験値ゲットしたか?!帰んぞ!!」 鎮守府に向け回頭する天龍と龍田に追随し、新米駆逐艦たちは不慣れな長距離航海にふらふらした波線を描きつつ後に続いた。 「天龍ちゃん帰ったらドック入りだねぇ」 「ちぇ、龍田は無傷かよ…。まぁしかたねーなー。戦線離脱はしたくねーけど」 「勇ましいねぇ。天龍ちゃん、男の子に生まれたら良かったのにね~」 「あー、まったく。そうしたら剛勇無比の最強戦艦の誕生だったのにな」 フハハと笑う天龍。 水平線しか見えるもののない、若干退屈な帰投中。何気ない姉妹艦の会話。 怪しい光を帯びた龍田の目を見逃したことは、天龍の一生の不覚であった。 「天龍ちゃん、おはよ~」 「……ん……」 目覚めた視界に飛び込んできたのは、見慣れた工廠の天井。龍田の間の抜けた顔。 帰投後、幸いにも赤城の修理が明けたばかりで空席だったドックに突っ込んで…丸一日。 「…小破だった割には、意外と時間掛かったんだな」 上半身を起こし、豊かな胸を無造作に揺らしつつ伸びをして、自分の身体を見直す。修復上がりは装甲板なし、いわば全裸に武装のみの状態である。 旧式ながら馴染みの主砲、14cm単装砲。 提督にムリを言って換装してもらった、20.3cm連装砲。 そして新装備、股間の15.2cm単装砲。 ……? 全裸であぐらをかいたまま、天龍は自分の股間を見直した。 ある。間違いなく。 見に覚えのない股間に。屹立する単装砲が。 「なにか気になることでも~?」 「……コレハ?」 ショックのあまり青ざめたカタコトで、同じく全裸の龍田を見上げる。 やわらかそうな下乳。男なら垂涎もののアングルだ。いやそんなことはどうでもいい。 「うふ。寝てる間にぃ~、ちょっと男の子っぽくできないかな~って。ムリ言って付けてみてもらったのよー」 「あ~なるほど!これこれ!こういうの欲しかったんだよ!早くブッ放してぇなぁ」 笑顔で視線を交わす姉妹艦。 「………なんて言うと思ったか?!揚げるぞこのアホ艦!龍田揚げにすんぞ!!!」 「ぐぇ、クビ絞めないで天龍ちゃん…」 「とっとと外せ!カッコ悪い!」 「それがね~、」 言いにくそうに視線を逸らす龍田。 「ちょっと接合にムリがあったらしくて~、全弾発射してからでないと危なくて外せないんだって~」 「え、ちょ……全弾って、何発?」 「200。フル装填済で~す」 ショックのあまり言葉のない天龍に、龍田が背後からにじり寄る。 「だからぁ~…」 龍田は天竜のハダカの背に豊かな素胸を押し付けつつ、そっと股間に手を伸ばした。 「な、何を?!」 びくん、と全身で反応する天龍を抱きしめつつ、白魚のような龍田の指が無骨な15.2cm砲を撫でさすりはじめる。 「責任とって…最初は、わたしが何発か発射させたげる……」 耳に熱い吐息を絡ませつつ、そう囁いた。 「…いや?」 「………し、…仕方……ねーな…………」 最悪の恥ずかしさ。事態をどうにか好転させたいという理屈。そして。 砲に触れられるたび、身体を震わせる気持良い指の感触。――本能的な、期待感。 「………やさしく、やれよな…」 顔を真っ赤にしつつも小さく呟く自分を、天龍はどこか遠くから眺めているような気がした。 「さて、じゃまずはお口で一発…」 おずおずと正面から近づいた舌に、股間が舐め上げられる。 「…ひっ」 指とは違う、未知の感覚。やわらかい生暖かい感触。 そして親しい姉妹艦にそんなことをさせている背徳感。天龍の砲は、最大仰角で発射準備を整えてゆく。 「……く…」 髪を掻き上げ、砲の先端を口に含んだ龍田のショートヘアを、天龍は呻きながら思わず手で抑えた。 (…天龍ちゃん、かわいい) 龍田は普段は絶対に見せない表情であえぐ天龍の姿に気を良くし、指先、舌、唇、喉まで使って全力で砲を愛撫する。 「…く…っ……龍田……龍田ぁ……もう、オレ……」 「…もううひたい?うってもいひよ~」 喘ぎに答えつつ、咥えたモノは離さず責め続ける。 「………っ!あああああ…あっ…!」 幾度目かの、龍田の舌先が天龍の先端を滑った瞬間。 「…う…あッ…!」 目の前で、夜戦の砲撃のように光が弾ける感覚。…轟音。 座った姿勢のまま竜骨を大きく反らし、豊かな胸を振り乱して、天龍は果てた。 「っく……はぁ、…はぁ…」 一気に吹き出した汗が背を滴る。目が回る。 気持ちいい。死にそうなほど。…これこそ、未知の感覚だ。 「ふふ。気持よかった?天龍ちゃん」 「……」 立ち込める硝煙のニオイ。天龍には返す言葉も余裕もない。 「さぁて。お次は艦内に発射してみようか~?」 「う、うぁ、龍田あぁ………やめッ……撃った、ばかり…感じすぎるから…やぁ……!」 力ない抵抗を無視して押し倒し、龍田の手がぬるぬると容赦なく扱き上げる天龍の15.2cm砲は、即座に次射が装填され発射準備が整ってゆく。 「…ん、…あは…おっきくなった……じゃ、誘導するね~…」 「あああ…熱い…ッ!お前の、…なか…ッ!」 大きく足を開いた姉妹艦が、屹立した自分の砲を、ゆっくりと上から飲み込んでゆく。 ぬるぬると、とろけるような、吸い込まれるような。感じたことのない感覚が、全船体を震わせる。 「あたしの中、気持ちいい?天龍ちゃん?」 「だめ、う、動かないで…あ、やめ、あぁぁっ!ま、また…撃っちまううぅぅ…!」 「いーよぉ、どんどん発射して…熱いの全弾、ちょうだいな…」 腰をゆっくりと上下させつつ、全力運行のボイラーのように赤く熱く、とろんと上気した龍田の顔。漏れ伝わる吐息。柔らかな肌。…甘くやさしい、女の匂い。 「んぁ…!」 ふしだらに固く屹立し、緋く色づいた自分の胸の先端を不意に両方同時に摘まれ、痺れるような快楽にカラダが跳ねる。 「ふしぎぃぃ。キモチイイのがあたしの中にあるのに、目の前で天龍ちゃんのおっぱいが揺れてるなんて~」 「やっ、う、うぁ、あああぁぁっ……龍田、それ気持ちいい、気持ちいいよぉぉ……」 こりこりと絶妙な力加減で摘まれる両の船首から伝わるぴりぴりした快楽が、感じる自分を見下ろしている龍田の視線が、腰の奥をじんじんと熱くする。 目の前の龍田と同じように女の顔、女の声で鳴く自分がとてつもなく恥ずかしい。たまらず両手で覆った真っ赤な顔、ぎゅっと閉じた瞳に、思わず涙がにじむ。 潤滑油を溢れさせながら、自分の股間のモノを根本まで飲み込んで。自身も豊かな双丘をふるふると揺らしつつ、じゅぷじゅぷと淫らにくねる龍田の細い腰。 もう――耐えられそうにない。 「龍田…悪ぃ…先に…イ…クぜッ…!」 絶え間なく三点から与えられる快楽は、やがて喫水線を越え―― 「~~~~!!」 姉妹艦と接続したまま、天龍は轟音を発し、艦体全てを震わせながら、三番大砲を幾度も発射した。 「あらぁ?まだ10発位しか撃ってないけど~」 「も…もうムリですスミマセン…」 うつ伏せになって滝のように汗を流しつつ肩で荒い息をする天龍は、連続発射に股間の砲が燃えるような感覚を味わっていた。 対して龍田は肌こそ汗ばんではいるが、まだまだ余裕の表情である。 「お…お前、巧すぎないか…?」 「そうかしら~?艦隊の中では普通のほうだと思うけど~」 「…みんなそんなにベテランなのかよ…」 「演習の次の日とか、キラキラしてる子いるでしょう~?」 無言で頷く天龍。 「あれって提督にご褒美いっぱい貰ったからなのよ~?ベッドで」 「あのキラキラってそういう意味だったのか?!」 それは提督絶倫すぎね!? 「と…とにかく、お前相手じゃもうカラダ持たねぇ…今日は終了で…」 「あらぁ~。じゃ残りの190発は~?」 「じ…自分でなんとか…処理、しても、良いし…」 顔を赤らめて言う天龍を、龍田はニヤニヤととても楽しそうに眺める。 「爆発物処理、頑張ってねぇ~。協力して欲しかったらいつでも言って頂戴な~」 「…ッ!そもそも誰のせいだ誰のッ!!」 ひらひらと手を振って去る龍田に、手近なドラムカンを投げつける。 くそ!恥ずい!超恥ずい!しかも邪魔ッ!なんだこの砲ッッ!! 訂正する。 …男になんか、死んでもなりたくねぇッ!! (おしまい)
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もう辺りは真っ暗になっていくらかたったころ、机に山積みだった書類は、優秀な秘書官のおかげでなんとか片付いていた。 榛名「提督、今日も一日お疲れ様でした。明日からは新海域への出撃任務があるので、ゆっくり休んで疲れを残さないようにしてくださいね。」 俺「ああ、ありがとうな。仕事が思ったより早く終わって助かったよ。榛名も、明日に疲れを残さないように、しっかり休んでくれ。」 「提督は優しいですね。ありがとうございます。それでは、失礼いたします。」 榛名が部屋から出て行ったあと、俺は言われたとおり疲れを残さないようにすぐに寝てしまおうと思っていたのだが、 「寝れんな…」 明日からは新海域への出撃任務がある。子供ではないが、仕事を任された嬉しさと、なんとも言えない楽しみで目が冴えていた。 「酒でも少し…」 そうすれば嫌でも寝られるだろうと安い酒を取り出して、一人酒か…とおもっていると 「提督…おやすみのところ申し訳ありません、一つ忘れ物をしてしまいまして…」 と、控えめなノックとともに、榛名の声が聞こえた。そういえば机にまだ幾つか書類があったかもしれない。 「入れ」 入ってきた榛名は、薄暗い明かりに照らされて、なんともいえない雰囲気があった。 忘れ物をして恥ずかしいのか、少し顔が赤い。 「申し訳ありません…自分でゆっくり休んでくださいと言っておきながら…」 「いや、気にしなくていい。目が冴えて眠れなかったところでな、少し酒でも飲めば休めるかとおもってたんだ。」 「そうでしたか、お邪魔をしてすみません。重要な書類だったもので…」 その手には、あまり見覚えのない便箋が握られていた。 「いや、ちょうど一人でさみしかったところでな。もしよかったら少しつきあってくれんか」 少し冗談めかして言ったつもりだったのだが、 「は…榛名でよければ、お相手させていただきます」 快く返事をくれた。 「提督…そんな少しだけだと、疲れなんてとれませんよ…」 そう言って榛名は酒を勧めてくる。ほんの少しのつもりだったのだが、それなりの量をとってしまっていた。 「いや、もうこれ以上は」 そう言っても、なかなか榛名は引いてはくれず、大丈夫ですよ、と言ってくる。 榛名の顔は赤く高揚し、床に投げ出された足は艶かしく…と、そこまで考えたところでイカンイカン、と思っていると 「提督…お顔が赤いですよ…どうかされましたか?」 そういってぐぃっと顔を近づけてくる。もしかして酔っているのか、と思ったところで、どん、と榛名の体重を感じて思わず倒れてしまった。 「提督…」 倒れてしまった俺は、そのまま榛名にのしかかられているような状態だった。 「は…榛名…顔が近いぞ…」 暖かく優しい息が感じられるほど、間近に榛名の顔があった。 「お、おい、榛名…?」 真っ赤に顔を染めた榛名は、さらに顔を近づけてきて、そして唐突に自分の唇を俺のそれに重ねてきた。 「!?」 あまりのことに、頭が思考を停止した。そして何を考えることもできないまま、体を動かすこともできなかった。 そして自分の口の中に、榛名の舌が入ってきたことにすら、しばらく意識をあわせられなかった。 榛名「ん…んぁ…ふ…」 熱く、そして優しいその口づけに、ぼんやりとした意識はまとまろうとしない。しかし俺の体は、あろうことか欲望を満たそうと榛名の舌に自ら舌を絡ませる。 「ん…て…ていとく…ぁ…」 その声は、頭に直接響くように聞こえてくる。 そしてしばらくの後、榛名は顔を離しゆっくりと微笑んだ。しかし、それでも頭はこの状況をのみこまない。先ほどの酒が、回ってしまっているのか。…いや、本当に、それだけなのだろうか。 「提督…提督も、もっと気持ち良く…なりませんか…ほら、提督…」 残念ながら、自分の欲張りな肉棒は、我慢などどいうことを知らなかった。最近は仕事に追われ、自分でやる暇などなかった。その鬱憤を示すかのように、ぐっとそそり立っていた。 そして理解した。じぶんも、この状況に、興奮してしまっているのだ。 しかし、ようやく頭の片隅にまとまったひとかけらの理性が反応した。このようなことが、艦娘との間になどあってはならないと。榛名の肩をとり、語りかける。 「榛名、おちつくんだ。こんなことをしては…」 しかし、その言葉が終わらないうちに、榛名に腕を抑えられてしまった。頭ではなけなしの理性が働いていても、欲望を満たさんとする体は反抗しようとはしない。榛名が腕を離しても、俺の意思になど従わず、動いてはくれなかった。 そして榛名は、その手を、盛り上がったズボンに持って行った。ゆっくりとジッパーをおろす。すると、もう我慢の限界だとでも言わんばかりの肉棒が飛び出した。 そして榛名は、その手を今度は自分の巫女服の前に持って行きはだけさせた。そしてそのしたからは、さらしに巻かれた胸がわずかに姿をみせていた。 そのまま、さらしまでほどいて行く。いよいよ理性などどいうものはとびさっていた。その手が、一周して行くたびに、そのものが見えてくる。 そして、とうとうその姿を現したそれは、そのまま俺の肉棒を包み込んだ。 「くっ…」 その快感に、思わず声が漏れる。そして榛名は、そのまま上下に胸を動かし始めた。 「提督…あっ…もっと…榛名を感じてください…おっぱいで、気持ち良くなってください…」 普段健気に仕事をこなす榛名の口からおっぱいなどという単語が出てきたことに、肉棒は早くも興奮で決壊寸前だった。 くちゅ、くちゅ、と、いやに神経を刺激してくる音が響く。 「榛名…だめだ、出るっ」 榛名のさらに激しく動く胸に導かれるように、先から白濁液が飛び出す。 そしてその液は、もうほとんど脱げていた巫女服に、榛名の胸に、そして顔に大量についていた。 「まだまだです…提督…」 顔についた精子を舐め、飲み込みながら、榛名は言った。そしてその言葉に期待しているかのように、肉棒はおさまることなど知らぬ、といったようだった。 榛名がミニスカートをたくし上げ、秘部を晒す。 まだ穢れをしらぬ、綺麗なものだった。そしてそこは、淫らな液で、すでにぬらっといやらしくひかっていた。 そしてそれを不器用な手つきで、俺の肉棒にあてる。 「…あぁっ!…んぁぁ!」 そして、ゆっくりと腰をさげ、 そのまま、ズッと沈み込む。 「はぁ…はぁ…て、提督…もっと、もっと、…榛名を感じてください…」 ダメだ、ダメだと、ここへ来てようやく理性が戻ってきた。しかし、そんなものはもう手遅れである。極限まで高められた体の興奮は、理性の言うことなど聞かない。 動き出す榛名にも、何の抵抗もなく、快感に身を任せていた。 すっ、すっ、とゆっくりとした動きが、じれったく、そして確実に肉棒に快感を与えている。しかし一度イッているそれは、早々果てそうにはない。 そのうち、榛名の腰を動かすスピードも上がってくる。 「あぁっ…はっ…はっ…はぁっあっ」 もう腕にかかっているだけの服と、恍惚とした表情は、男の欲情を増大させ、快感を与えてくる。先ほどのはてそうにないなどという言葉は全くのうそだった。 「だめっ…あっ…んぁぁっ!て、提督!あっ…はぁっ、もう、止まりません…あっ!」 「ダメだ、榛名、俺も、もう…」 「提督!提督!榛名は…!あっ!」 「榛名!もう、出る…」 中になど、出せるわけがない。せめて、外に… 「提督!いいです…いいですから!中にください!あなたの!あぁっ!」 そして止まることなどない榛名に、またもやなすすべなく、発射する。 「あぁっ!て、提督!提督…!!」 そして榛名も絶頂に達し、体をひくつかせ、果てた。 「ん…ん?朝か…」 あのまま寝てしまったのだろうか、すぐ隣には榛名の姿があった。もう少し寝かせておこう。 その間に、汚れたところを綺麗にしてしまおうと、シーツや、自分と榛名の服をとる。 そしてしばらく経ったあと、ムクリ、と榛名が起きた。 「おはよう、榛名…」 …キャァァァァァァァァ!!!!!!! しかしその挨拶は甲高い叫びにかき消された。 「て…て…提督ぅぅぅ!!!!????え、な、なぜでしょうか…、え、あ…」 もしかして、もしかすると、 「覚えていないのか…?」 「…え?…あ、あれ…」 どうやら、あまり覚えていないのかもしれない。げんなりとした気分に襲われながら、綺麗になった服をわたす。 「え、あの、提督…その、申し訳ありません…」 顔を真っ赤にしてうつむく榛名。 まあ、酔っていたからあんなことになってしまったのだろう。 「気にするな。今日から、新海域へ向けて、気分をきりかえていこう。」 はい…、と返事があり、なんとか無理矢理にもそらせたか、と思いきや。 ドタドタドタと足音がしたと思うと、ドアが荒々しくノックされた。 「て、提督ゥー!?榛名の叫びが聞こえてきたのデスが、大丈夫ですヵー!?」 金剛の声だ。少し焦るが、榛名にすぐ服を着るようにつたえ、急いで周りを片付ける。 「あ、いや、大丈夫だ、心配しなくていい…」 「………」 ……返事がない。安心して帰ったかと思ったのもつかの間、 「グッモーニーン!提督ゥー!今日もいい天気……!!!!!!!!!榛名!なんデスか、その格好ハ!」 バーンとドアを開けて入ってきた榛名の姉の、声にならないさけびに、場が凍りつく。不運なことに、榛名はさらしを巻いている最中で、いつもよりなんというか露出の多い格好となっていた。 「あ…いえ、姉様これは…」 「こ…金剛、これはだな…」 必死に言い訳を考えているところに、さらなる絶望がおしよせる。 つまり、今の金剛の声を聞いた艦娘たちのこちらへ来る足音が響いてきたのだ。 「姉様!?やはり榛名になにかあったのですか!?」 ほかにも、大丈夫ですかー??とか、提督は一体何を…などと様々な声が近づいてくる。 「はは…やべ…」 その日の鎮守府は、その歴史に類を見ない大嵐を迎えようとしていた…
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469 名前:避1-444[sage] 投稿日:2014/08/06(水) 23 59 16 ID M6IL9BjI 大鯨のSSです。注意点は ハプニングはありますが非エロ 龍鳳のSSと話の繋がりはありませんが、キャラ付けや一部来歴等が共通する所があります NGは『幼妻大鯨ちゃん』 です 「不束者ですが、よろしくお願いします」 俺の前に立っていた少女はそう言った。彼女の名は大鯨。艦娘である。 艦娘とは、基本的にはかつて実在した艦船の力をその身に宿した少女の総称であり、 大鯨と名乗った彼女も潜水母艦大鯨の力をその身に宿している。 大鯨という名も彼女が大鯨の力を宿し、行使できる存在であることから名乗っているのであり、彼女の本当の名前を俺は知らない。 彼女に限らず大半の艦娘は本当の名前を封印し、その身に宿した艦船の名を名乗っている。 ちなみに艦船の中には人名のような名称のものも存在するが、そのような艦船の力を持つ艦娘は本当の名前、もしくは名字が一緒ということがあるらしい。 名もなき孤児だったが艦娘として幼い頃から育てられた故にそれこそが自身の本当の名前である艦娘もいるらしく、 中には艦娘が大切にしている、あるいはしていた存在の名前と、力を行使できる艦船の名前が偶然一緒だったということもあるとか。 とりあえず彼女に関しては純粋に力を行使できる艦船の名前を名乗っているだけと思う。 「よろしくな、大鯨。早速だが君の練度を上げる為に演習をするから君には第一艦隊旗艦になってもらう。 戦闘目的の艦でないとはいえ、ある程度は強くならないといけないからな」 「第一艦隊旗艦……それは私が秘書艦になれということでしょうか」 「ああ、他の艦隊は遠征に出かけているからな。なに、心配しなくていい。秘書艦の仕事といっても君はまだこの部隊に来たばかりだ。 君は私の仕事を見ながら、部隊のみんなと打ち解けていけばいい」 「はい、わかりました」 いつもだったら演習以外で秘書艦に新人をつけておくことはほとんどない。 俺が新人の彼女を秘書艦にしたのも彼女と一緒にいたいからだ。彼女に一目惚れしてしまった以上仕方ないことだ。 一応公私混同と言われた時の為の大義名分もあるにはある。 潜水母艦大鯨は戦闘目的で作られた艦ではない。空母にされる目的で作られ、実際空母龍鳳に改造されたこともあった。 しかし彼女の場合設計図が必要らしく、勲章とは無縁な俺には関係のない話だった。 だから彼女にデスクワーク等を教える名目でずっと一緒にいてもそう不自然ではないだろう。 こうして、俺の新たな仕事が始まった。 大鯨が来てから一週間が過ぎた日の夕方、全ての仕事を終えたばかりの俺は机に突っ伏していた。 「あぁ………腹減った…………」 突っ伏していたのは腹が減ったからというだけではない。 というのも俺は大鯨に一目惚れしたとか言ったが、実際は生で見る…いや、写真で見る前に艦娘達が描いた似顔絵で見ていたが、 その時には何も感じなかった。なので実は一目惚れとは言えないんじゃないかと悩んでいた。 くだらん事と思われそうだが俺は時々だが普段は気にしないような事を気にする。 勿論仕事には支障がないよう最大限努力したが仕事を終えた途端緊張の糸が切れたからかどっと色んなものが押し寄せてきた。 俺はそれらから逃れるかのようにまどろみの中に落ちていった………… 「ん……時雨か………」 物音がして眠気が吹っ飛んだ俺は起き上がった視界に入ってきた少女に声をかけた。 「提督…しっかりしてください!いくら私が時雨と似ているからって間違えちゃうなんて……」 そこには時雨ではなく、遠征に出していた大鯨がいた。 「私がいない間に提督に沢山の仕事が入ったって聞いて、帰ってきてすぐに飛んで来ましたけど……」 心配そうな顔でこちらを見る大鯨。仕事が忙しかったとはいえさすがに何も食べなかったのはまずかったか。心配かけすぎたようだ。 「すまないが冷凍庫のうどんをポットのお湯で解凍して、戸棚にあるレトルトの親子丼をかけてレンジでチンしてくれ」 「ええっ!?それじゃあまり…」 「早く…」 「わ、わかりました。それじゃすぐ」 そう言って大鯨は言われた通りにした。途中で訝しがるような表情をした気がしたが、腹が減っていたから気に留めなかった。 「あー、食った食った」 「元気になられて何よりです……」 空腹のせいで調子悪かったが、満腹になったから元気になった。 しかし今度は大鯨がなんだか元気なさそうである。 「ん?どうかしたか?」 「提督……レトルトの賞味期限、少し切れていましたよ……」 「ああ、すまない。忘れていたよ。まあ美味しく食べられる期限だから少しくらいは過ぎていても…」 「あと冷凍した生うどん、消費期限が過ぎてますし」 「冷凍してあるから少しくらいなら大丈夫さ」 「……そうですか…………」 大鯨は諦めたかのようにそれ以上は何も言わなかった。だが少し不安そうにしている表情は俺が司令室を出るまでそのままだった。 大鯨が来てからちょうど一ヶ月が過ぎた。俺は普段行かない食堂に珍しく足を運んでいた。 「提督!?いつも食堂に来られていなかったのにどうして今日は……?!」 「え…ああ、そうか。君は今週は遠征していて食堂に来れなかったんだったな。実は今週七夕フェアをやってるから久々に来ているんだ。 あと今日はハヤシライスが出るからな。小学生の頃に体験学習で行った先の一日目の昼食で出るはずが 台風の影響でそこに行ったのが午後からになってハヤシライスを食べ損ねたんだ。 それ以来、学食とか食堂でハヤシライスが出る日は必ずハヤシライスを頼むようにしたんだ。 これはあの時以来変わらない癖みたいなものだな」 「駄目ですよ…食堂で出るお食事は栄養バランスがいいんですからちゃんと食堂で食べるようにしないと…」 「ハヤシライスだけじゃないぞ。トルコライスや鳥の唐揚げのマヨネーズがけ丼の時だって食堂に顔を出すし。 あと親の知り合いが俺がラーメン好きと知って毎年ラーメン送ってくれるくらい俺は麺類好きだから麺類フェアの時は欠かさず顔を出すし、 食べたことが無いような珍しい料理が出た時も…」 「…提督は普段どんなお食事をなされているのですか……?」 「ああ、普段はグッズがもらえるキャンペーンやってるコンビニのパン買ったり、 スーパーのお惣菜コーナーで夜に半額の商品を買ったり、安売りのカップ麺を買ったり…」 「…提督、もう少しお体を労ってください」 「大丈夫だ、トクホの商品を買って…」 「ダメです!!」 大鯨が怒鳴る。 「……ごめんなさい、大声をあげて。でも…このままだと本当にお体にさわりますよ」 大鯨の目に薄らと涙が浮かぶ。 「……わかったよ。これからは気をつけるよ……」 「本当ですか……」 「本当だって…」 渋々納得したような感じだがまだ疑うような目をしていた。 これからはお惣菜やカップ麺を控えてちゃんとお弁当を買ったり、 なるべく食堂で食べるようにしようと誓った。 あくる日の朝、俺は葱を切っている音で目が覚めた。味噌汁の匂いがして久々に…… ってちょっと待て!俺は鎮守府近くの宿舎で一人暮らしの筈だぞ! 「誰だ!」 俺は起き上がって身構えながら声をあげた。 「あ、提督、おはようございます」 そこにいたのは大鯨だった。俺は相手が顔見知りな部下だった事に安堵したが、 同時に何故彼女がここにいるのかと思い問いただした。 「提督、昨日の事を覚えてらっしゃらないんですか?今日の七夕祭の為の会議に参加して、飲んでいたことを」 鎮守府は基本的に深海棲艦と戦う為の基地であるが、同時に深海棲艦の被害者達への慰問等も行っている。七夕祭もその一つだ。 「確か会議が終わった後飲み会に誘われて……酒は強くないから飲んだのは最小限で済ませたけど、 体が微妙にフラついて、大鯨に頼んで一緒に俺の宿舎に帰ってきたんだったな」 「覚えてらっしゃったんですね」 「酔い潰れるまで飲んだわけじゃないからな。しかしお前は自分の宿舎に帰らなかったのか?」 「少し気になったので提督の部屋の冷蔵庫を見たりしましたけど……あれじゃ本当に健康に悪いですよ。 野菜とかほとんどありませんし、戸棚もレトルト食品ばかりで、今作ったお味噌汁も期限が迫っていて…」 「ああ、すまなかったな、ありがとう」 「とりあえずそのままだとあれなので冷蔵庫にあった葱をきざんで入れましたよ」 「すまぬ…」 「はぁ……本当に心配になってきました………」 心配そうにする大鯨を見て心が痛んだ。俺はそれから逃げるかのように味噌汁をズズっと啜った。 「ん?これ、生姜が入っているか?」 「よくわかりましたね。あまり入れませんでしたけど…」 ほのかな生姜の味がなんだか活力を与えてくれるようだった。 ちなみに葱や生姜は元々俺が買っていたもので、素麺等に使う為だ。 「インスタントの味噌汁でさえこんなに美味しく作れるなんて、大鯨は将来きっと…料理で人を幸せに出来るだろうな」 いいお嫁さんになれそう、と言いかけ、なんとか別の言葉で言う。 「そんな…幸せにできるだなんて…」 「自信持ってもいい。俺は今生き生きとしてきたぞ」 俺の言葉に大鯨は恥ずかしそうに顔を逸らした。 そういえば誰かと朝ごはんを食べるなんていつぶりだろうか。 無論出張した時とか、朝まで会議していた時には誰かと一緒に食べたことがあるが、 こうして自分の空間で誰かと食事したことは鎮守府に来てからは記憶にない。 ふと俺は時計を見た。よかった、まだ結構時間がある。俺は大鯨に注意をされないように普段はあまりしない身支度を自分からやった。 昼過ぎ、俺が七夕フェア最終日のメニューを食べ終えた頃、食堂内に大きな笹の葉が入ってきた。 立て掛けられるや否や次々と群がる子供達。食堂はお昼時には一般開放されているのが、学生である彼等がここにいるのは社会見学を兼ねている為である。 「ほらほら、お前ら一気に群がるんじゃない。順番順番」 今日の俺の秘書艦の天龍が社会見学に来た子供達に言う。 いつもの秘書艦の大鯨はちょっとした用事があると言って秘書艦の仕事を天龍に代わってもらっていた。 「ふふっ、天龍さんったら、口は少し乱暴そうですけどみんなをちゃんと思いやって見ていますね。きっと将来いい先生になれそうですね」 そう言いながら大鯨が戻ってきた。そして天龍に謝るような口調で 「すみません秘書艦なのに仕事を天龍さんに押し付けてしまって…」 と謝った。 「気にすんなって。元々俺が子供達の引率担当だったからな。ちょっと手間が増えただけだ。それよりもお前らも願い事を書いていけよ」 気にするなと言うような感じで短冊とペンを俺達に手渡し、天龍は子供達を連れて行った。 天龍達を見送った俺達は短冊に願いを書き、笹の葉に飾り付けた。 「大鯨はどんな願いかな……『私の願いが叶いますように』……これまた随分とスーパーアバウトだなあ……」 「提督は……『この世から不幸がなくなりますように』…ですか」 「幸せを望むよりも不幸を望まない方がいいかなって思ってさ。ちょいと消極的過ぎかな?」 「いえ、この世から不幸な事や悲しいことが消えればいいって私も思っています」 「あ、提督!それに大鯨さん!一緒にいたんですね、調度よかった」 鎮守府の連絡係兼事務長の大淀が書状を持ってやって来た。 「大鯨さんよかったですね。提督もこれを見てください」 大淀が見せた書状には、大鯨が俺の所へ住み込んでお世話することを許可する、という旨の内容が書いてあった。 どうやら大鯨が午前中いなかったのは不摂生な俺の世話をする為だったらしい。 なんだかやけにあっさりと許可が下りたなと思われるだろうが、こういったことはそんなに珍しい話でもない。 宿舎は部屋こそどれも広いが原則的に一人部屋であり、複数人での入居が許される範囲は家族くらいであり、 他人、ましてや異性と同居するなどありえないだろう。 しかし例外もあり、艦娘側が詳しく事情説明をすれば艦隊司令官以上の者の警護も兼ねて男性艦隊司令官との同居が許される。 ちなみに男性司令官から警護が欲しいと言われれば男性憲兵が警護に来て、 女性司令官から言われた場合は艦娘が警護につき、艦娘側から女性司令官警護を申し出ても簡単に警護出来るらしい。 大鯨があっさりと許可を貰えたのは俺があまりにも不摂生だということがみんなに知れ渡り過ぎているからなんだろう。 鎮守府の最高責任者にまで『もう少し摂生しよう』と言われたくらいだからなあ。 まあわざわざ言ってくれたという事は俺の事を必要と思っているからであろう。 俺は階級こそあまり高くないが、かつて……去年のクリスマス頃に現れた謎の敵― ―深海棲艦とは違い、艦娘と同じくかつての艦船の力を持った存在、 しかし力を発現できる存在ではなく艦船そのものがパワーアップして現れた存在― ―それらに対し一番有効な対策を立て、どうにか撃破することが出来た事が評価されているからか、 鎮守府における俺の重要性は結構高かった。 「まあ理屈は通っているけど、わざわざそこまで…」 「提督が倒れたら少なからず皆さんの心に影響がありますし、なによりも私…」 「わかった、俺を護ってくれ」 「…………はい!」 何拍か置いて、大鯨は嬉しそうに返事をした。 こうして、俺達は一つの部屋で一緒に暮らすようになった。 それからというもの、俺は凄く幸せだった。一人暮らしだった時と比べたら自由な時間は減り、同居人である大鯨にも気を遣ったりしたが、 それは大鯨も同じ、いや、無理を言って押しかけたからこそ俺以上に気を遣っているだろうと考えたら文句なんて言えない。 下手な事を言って彼女に嫌われたら、例え世話だけはしてくれたとしてもかなり気まずい。 それに、少々俗な言い方になるが、まるで幼妻と言いたくなるようなセーラー服を着たかわいい女の子が一緒に住んでくれて、 自分の為に手料理を作ってくれるという状況は男なら誰でも憧れるだろう。 それが自分が好きな女の子なら尚更だろう。もしその行為が仮に女の子に恋愛感情がない場合での関係だったとしても。 大鯨と一緒に暮らすようになって数ヶ月。秋の健康診断の結果は前の健康診断の時よりも良くなっていた。 これも大鯨の手料理のお陰だろう。なんだか嬉しくなった俺は、仕事が終わったらどこにも寄らずに帰っていった。 大鯨と一緒だったなら結果が出てすぐに大鯨に見せ、帰りも買い物をしていっただろうが今日は大鯨は休養日である。 「ただいまー!」 俺は嬉しそうに部屋に入っていった。しかし大鯨の声が聞こえない。 いる時はいつもすぐに返事をするのに珍しいと思い、買い物かなと思ったが、ふと浴室からシャワー音が聞こえた。 なんだ、風呂掃除をしていたのか。俺が一緒にいる時はいつも俺が掃除していたが、 俺がいない時は大鯨が風呂掃除をするというのが誰が言い出すでもなく決まっていた。 「大鯨、ただい………!?」 バスルームの戸を開けた俺の目の前に凄い光景が広がっていた。 大鯨がシャワーを浴びていたのである。勿論服なんて何も着ていない。 形の良さそうな、安産型みたいな大きいお尻に一瞬釘付けになったが、すぐに視線を上に逸らした。 大鯨の横髪は濡れているにもかかわらずいつものようにまるで鯨のヒレを表しているかのごとくハネていた。 大鯨が気配に気付いたのか顔をこちらに向けた。 数瞬の沈黙の後、声をあげたのは俺だった。 「ご、ごめん!」 俺は全力で謝り、その場からすぐに離れた。 「本当にごめん、大鯨……」 「いいえ、悪いのは私の方です。掃除に疲れたからって、提督がお帰りになる前に勝手にお風呂に入ろうとした私の方が……」 こういう時はたとえ男に落ち度がなくても責められるものだが、大鯨はひたすら自分に非があると謝り続けた。 そんな彼女を見るのが辛かった俺はすぐに健康診断の結果を見せた。 この前の時と比べて凄く良くなって、これも大鯨が来てくれたお陰だとひたすら大鯨がいてよかったと讃えた。 その甲斐があったのか、大鯨はやっと落ち着いた。 その夜、俺はふと目が覚めた。色々あって疲れているはずだから眠りも深くなるはずなのに目が覚めるのは珍しい。 しばらくして俺は横に僅かな温もりを感じた。そして豆電球の明かりに照らされたものを見て俺は声をあげそうになった。 なんと大鯨が俺の隣で寝ていたのだ。 ひょっとしてマズい事をしてしまったのかと思い、布団をあげた。 非常時の為に置いておいた懐中電灯で照らして見た感じ特に変な様子はない。 俺のパジャマにも、大鯨のパジャマにも乱れた様子はなく、布団も汚れているわけではない。 俺は時計を見て何もなかったという事を確信した。俺が寝る前に最後に確認した時間からそれほど経っていなかったからだ。 俺は大鯨が何故俺の布団に入ってきたのかを考えたが、寒くなったからとか、間違えたとか、そういった事と思えなかった。 しかし考えていても仕方がない。俺は大鯨がいつも寝ている畳部屋に彼女を運んだ。布団は敷いてあったから彼女を寝かせた。 さて、これからどうするか。あんな事があって目が覚めてしまい、寝ようとしても悶々とした気持ちになってしまうだろうからと、仕事に取り掛かった。 仕事といっても軍務関係ではなくイベント関係だった。今度のイベントはハロウィンである。 ハロウィンまではまだ日程はあったが、この機会に草案くらいは作っておこうかと思った。 色々調べ事をしたり考えていて、気が付いたら朝になっていた。我ながらよくもまあここまで作業が出来たものだ。 時計を見るといつもは大鯨がもう既に起きて朝食ね準備が出来ている時間だが起きている気配さえない。俺は大鯨を起こしに行った。 大鯨はまだ眠っていた。よく見ると枕が涙で濡れているように感じる。とりあえず俺は大鯨を起こそうと声をかけた。 「大鯨、起きて!」 「…………」 「大鯨、もう六時半だよ!」 「ん……あ…………ええっ!?もうこんな時間!?」 大鯨はひどく慌てた様子で起き上がった。目を見ると泣き腫らしていたのか少し赤くなっていた。 「提督、ごめんなさい、寝過ごしてこんな時間に……」 「いや、気にしなくていい。今日は俺も休みだからな」 俺が夜更かししてハロウィンプランを練っていたのはそのためである。 「今日はゆっくり休もう。働いてばかりでも駄目だからな。とりあえず起こしてしまってごめんな」 俺はそう言って大鯨を再び寝かせた。俺は昨日の夜からずっと目が冴えているからまだしばらくは眠れそうにないだろう。 その間に俺は考えた。何故大鯨は泣いていたのだろうか。色々と思い返したところ昨日のシャワーシーンが思い当たった。 確証はないが、多分裸を見られてしまってもうお嫁に行けないと思ったのかもしれない。 だとすれば、俺は男として責任を取らなければならない。 俺は大鯨が目を覚ますまで、彼女が目を覚ました時に何と言うべきか考えた。 「提督、さっきはごめんなさ………何ですか、そんなかしこまって?」 大鯨…いや、一人の少女が驚いていた。 「君に大事な話があるんだ。昨日俺が君の裸を見てしまっただろう。 だから君がもうお嫁に行けないって思ってしまったんじゃないかと思ってね。 俺はそうなってしまった責任を取りたいんだ… いや、それも単なるきっかけに過ぎないかもしれない。 俺は君を一目見たときから好きになっていたんだ。そして、君との日々を過ごす内に君の優しさや思いやる心に触れてますます好きになっていったんだ。 そして君が一緒に住んでくれる事になった時は本当に嬉しかったんだ。君と過ごす幸せな日々…… それはとてもかけがえのないものだったんだ。そしてこれからもそんな日々を過ごして行きたい。だから…俺と結婚してくれ!」 俺の一世一代の告白である。失敗するならその時はその時である。 しかし、彼女の言葉は俺の言葉への答えではなかった。 「……どうして……どうして私に何もしなかったのですか……………」 「え……」 「若い男女が一緒に暮らしていたなら何かあってもおかしくはないでしょう。 でも、あなたは私に何もしなかった……私が布団に潜り込んだ時だって……」 昨日俺の布団に彼女が潜り込んだ理由はそれだったのか。 「私は枕を濡らし、もうこの恋が実らないものと思っていました。優しく想ってくれていたのは私の勘違いなのかなって……」 「それは違う!俺は下手なことをして君を傷付け、嫌われてしまう事を恐れていた。 だけど、それこそが間違いだったなんて…… 俺だって男だから色々と思う事だってあった。だけど、君と過ごす何気ない日々…… テレビを見ながら笑い合うとか、一緒に音楽を聴くとか……そんな何気ないことでも、君と一緒というだけで幸せだったんだよ」 「…………ううっ……私はなんて馬鹿だったんでしょう……あなたの気持ちを理解できなくて……」 「だったら教えてくれ。俺の言葉への答えを」 「あなたの言葉への答えは……私もあなたと一緒にいたい。私を選んでくれてありがとうございます……」 涙を流しながらだったが。徐々に笑顔になり、嬉し涙に変わっていく。そして、彼女はある言葉で俺の気持ちに応えた。 俺達が初めて出会った時に言った言葉、だが、その時とは少し意味が違う言葉で。 「不束者ですが、よろしくお願いします」 ―終― これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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雨、降り続く雨。また、僕は一人になってしまったのか。 帰りついて見れば、夜の帳も降り、待つ人などいないと思った。 艦隊壊滅の報はすでに届いているはずだし、僕一人では次の作戦もままならない。 だから、帰還を告げる気はなかった。 だけど、提督は待っていた。凄い人だ。 誰を待っているのだろうか。山城か扶桑、もしかしたら最上かな。何にせよ彼女たちは幸せだ。 次は何をするのか分からないけど、今日のところは休もう。 踵を返した刹那、雨音の他に音のなかったドックに足音が響いた。 「誰だ?」 当惑、困惑、そう言った感情が分かる。ああ、言わなきゃならないのか。 「時雨、ただいま帰還しました」 聞かれるのは他の娘の無事だろう。そう思っていた僕を提督は抱きしめた。 降り注ぐ水。雨ではなく、暖かいそれに驚いた。菊の紋すらない駆逐艦の無事に涙しているのかと。 良かった、本当に良かったと呟く提督を抱き返し、唇を奪う。触れるだけの接吻。 呉では、幸運は女神が接吻を交わす事で授けると言われているらしい。 僕の力なんて些細なものだけど、できるなら提督には生き延びて欲しかった。だから、何度も何度も接吻を繰り返す。 ああ、そうさ譲れない。譲れるはずがない。 だけど、よく見れば提督の目は虚ろで、僕を捉えてなどいない。 映るのは僕か、それとも誰かの偶像なのか。確かめるのが急に怖くなった。 だから、装備を外して一つに繋がろうとした。今くらいは、僕だけを見てほしい。それはおこがましいだろうか? 僕でない誰かを見ていたら、分かるはずだから。 手始めに提督の全身に接吻を加えて行く。寓話のように唇だけ無事などとはならないように。 額から足の先まで終え、目線を上げればそそり立つものが。良かった。きっと提督は僕を見てる。 一つに繋がり、腰を振り、はたと気づく。どうして提督の手は空を切っているのか。 ああ、そうか。そこにはないものを掴もうとしているのだね。 扶桑も山城も凄かった。僕だけではなく覚えているのだろう。 提督の薄い子種を体の中に感じ、虚しくなる。雨もいつか止むのだろう。けれど、その前に。 装備と一緒に置いた短刀を取り、緩やかに振り上げる。願わくば、止めて貰えるようにと。 崩れ落ちる提督の体を支えれば頭上に降り注ぐ赤い雨。あは、良い雨だ、僕もこれで行けるね。
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874 :名無しの紳士提督:2015/01/28(水) 23 57 26 ID el/0ce56 怖い話……、当たり前のように怖い事なんて周りにある。石ころとか海藻みたいにたくさんある。 だけど、一番怖いのは……その怖い何かが自分には関係ないと勘違いしていること。 当たり前だけど……人が死ぬように私たちも沈む。それを私は理解していなかった。 あるいはそれを知らなければ……、もしくは見なければ、悲しいだけ……、だったかも……。 沈む深雪を見て……、おかしくなった。 部屋に引きこもり……、何も食べず、何も飲まず。あるいは緩やかな死が私を迎えに来てはくれないかと願うように。 頑張り方などとうに忘れ……、姉妹もあまりに部屋の扉を叩かなくなっても……、あの人は私を訪ねて来た。 大丈夫か? 何をもって大丈夫というのだろう。 配給、貯まってるぞ? 取りにいける程、厚顔に思われていたのだろうか。 アイス貰って来た、溶ける前に開けてくれないか? そんなものいらない。 ただ当たり前のように姉妹で出撃して……私から沈みたかった。 痛いのは嫌だけど……、今切り裂かれている心より痛い事はないだろうから。 お前を笑わせに来たと彼が言った時、私はついにキレた。 冗談じゃない……、帰ってくれ……そんな気持ち。あるいは解体して下さいと望もうかと。 扉を開け、見えたその顔は幾分やつれたように見えた。 その時、私は気づいた。ああ……、人間は私たちは負けるのだと。 本土から離れたこの泊地が切り捨てられるのも遠くはないだろう。 良かった。 だけど、だから……なんと言えば良いのだろうか……私の頬を暖かい何かが流れた。 吹雪が沈んだと教えられた時も……流れなかったのに。 酷く怖くなった。 一人消えていくのが……、身勝手と知りながら怖くなった。 だから、 彼を押し倒した。私と……繋がって貰えるようにと。 その日からずっと、ずっと彼を犯した。 彼のものが……小さくなると抱き合い、朝か夕方かも分からない時間に大きくなるとまた繋がった。 彼も疲れていたのだろう。私にされるがまま……、部屋から逃げようともしない。 だから……、今日もまた同じ日が始まる。何でもない日…… 裸で抱き合い……、したくなれば繋がり……、寝たくなれば寝るそんな日が。 今日も私は引きこもる。あるいは死が二人を分かつまで、ずっと……ずっと。 この地が焼き尽くされても、一緒に居よ……ね? これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/