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563 名前:妹の面影 ◆QleDgIFrdU[sage] 投稿日:2014/10/03(金) 14 43 30 ID BBR2SbPo [1/3] 突然ですが、1レス強お借りします。 エロシチュを思いつけなかったので、事後と前日談の回想を兼ねたものです。 主な登場人物は潮と提督。担当海域哨戒中に救助要請を受けた提督の 数奇な運命的な一発ネタを目指しました。 「無理を言ってごめんなさい。最後のお勤めかもしれないと思うと切なくて」 私が情けを与えることで潮の自信に繋がるなら、その程度にしか考えていなかった。 「……私を困らせないでくれ。誰が何と言おうが、今の私には君が最愛の秘書だ。」 「ごめんなさい……ごめん、なさい……」 天涯孤独となった今、私は目覚めぬ妹を想い執務を行なう生ける屍でしかない。 「秘書官の任を解いてくれ、他の適正のある子と交替してくれなんていわないで欲しい。」 「君自身の魂か、艤装に宿る魂かは解らない。私には最も思い入れのある船なんだ。」 妹が目覚めぬからには、私は君と殉職しても良いと煎餅布団の中で告げたとき、 覚悟したように始めた話にゾッとした。私が艤装や魂にかくも惹かれている理由ともいうべき、運命の数奇さに。 ーーあなたの妹であるはずなどないのに、夢の中ではあなたを慕うのです。 目覚めぬままの妹さんのことを想うと、そばにいて良いのかと思ってしまいます。 「潮」を解放すれば、妹が目覚めるかもしれない。妹を求め解放しても、両方失うかもしれない。 命だけは救えた代償と思えば安いものだが、難しい二律背反に苛まれることになった。 救助任務後に一筆書いていて、当時の秘書官に紹介されたのが、潮とのなりそめだった。 哨戒中、同海域で海難事故にあった民間船の情報を入電し、救助船を要請して直行。 小さめの外傷以外ないが、目を覚ます様子はない。 応急処置を済ませ、救助できた子らとともに救護艦に託してすぐ、鎮守府に帰投したのだ。 海難事故に遭って植物状態となった妹と酷似していた彼女は ただでさえ、私の家系にとって縁のある船、『潮』の艤装に宿る艦娘だった。 取り乱しそうになるのを抑え自己紹介を促すと、「潮」の艤装に宿る艦娘だと告げられたが、 当時はせいぜい他人の空似だと想っていた。 了 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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久々の長期遠征から帰った不知火。 鎮守府の長い廊下を抜け執務室の扉をくぐるとそこは (p)http //kancolle.x0.com/image/28691.jpg な光景であった。 慣れ親しんだどことなくボロ臭い壁と床、窓にかかっていた赤いカーテンは姿を消し 壁はピンクドットな壁紙、真っ赤な絨毯にティーセット、なんか落書きのしてあるガラス窓 部屋の隅には季節にはまだ早い白いツリーが置いてあり トドメに壁には何故か『第六駆逐隊』の掛け軸がかかっている。 見慣れたものは提督と自分の机くらいだ。 まさかとは思いながら一旦外に出てみると、やはりそこは執務室に続く鎮守府の廊下である。 再び中には入りしばらく頭をひねっていると後ろから声をかけられた。 「すまない、出迎えに間に合わなかったか。おかえり不知火」 「お~、ぬいぬいおっかえりー」 「司令に鈴谷さん……これは一体何が起こったのでしょうか?」 「あーこれな……」 提督も苦笑いを浮かべている。 「うちは基本こういうのに金をつかわかったんだが予算はおりているんだ。 で、基本的に寮の改修やら間宮さんの方に金を回していたんだが こういう使い方もしていると報告しないとこの手の予算が次からおりなくなるんでな」 年末の道路工事みたいなもんだ。 とざっくりと説明されてだいたい納得する。 「それにしても少し派手すぎないでしょうか、落ち着かない気がするのですが…」 「それはコイツに文句を言ってくれ」 そう言うと提督は鈴谷を指さす。 「えー、どうせなんだから可愛くしたほうがいいじゃん」 「……鈴谷さんの趣味ですか」 ガックリと肩を落とす不知火。 ちなみに掛け軸は部屋を見た第六駆逐隊が作成して飾ってくれとねだってきたものである。 「あーなんか傷つくなーその反応。他の娘たちには結構好評なんだよ?」 「いえ、主にこの部屋を使うのは司令と不知火なのですが……」 「机は変えてないし大丈夫大丈夫、慣れるって」 得意満面な鈴谷を見た不知火はハーっとため息をつき諦める事にした。 遠征から戻ったばかりにも関わらず溜まった書類を整理し始める不知火と提督。 鈴谷は基本ブラブラしつつたまに不知火から頼まれた仕事を手伝っている。 提督にとってはかなり意外な事に、二人の仲は最近悪くはない。 鈴谷が前ほど仕事の邪魔をするでもなく、むしろ手伝っているということもあるかもしれないが あの不知火にもまったく物怖じせず接することのできる鈴谷のフランクな性格のなせる技なのかもしれない。 しばらくすると扉がノックされた。 「提督、今よろしいですか?」 「ああ、間宮さんですか。どうぞ」 返事をすると間宮がお盆を片手に入ってきた。 「あら、どうしましょう」 「??? なにか?」 「いえ、提督と不知火さんにアイスの差し入れを持ってきたんですが、鈴谷さんもいらしたんですね」 「ああ、アイスの数ですか」 「はい」 「なら二人にあげてください、こっちはお茶でも飲みますから」 「そうですか? ではお二人ともどうぞ」 そう言って不知火と鈴谷に間宮アイスを渡すと間宮は一礼をして部屋から出ていった。 「提督あざーっす」 「申し訳ありません、不知火たちだけいただくなどと」 「ねーねー提督」 「ん?」 「どうせだからさぁ、あーんするから食べさせて。そしたらお返しに食べさせてあげるから♪」 またアホなことを言い出し始めたよコイツは…… と思っているとまるで加賀張りに「ここは譲れません」とばかりに不知火が接近してくる。 「鈴谷さん、いくらなんでも司令に対して無礼ではないでしょうか?」 「いや、別に食べさせるくらい構わんのだが……」 「構わないってさー、ぬいぬい? あっ、そうか。ぬいぬいも食べさせてもらいたいんでしょ~?」 「ッ……!!!!!」 とたんに顔を真っ赤にする不知火。 なんだか不知火も随分わかりやすくなった気がするな、などと提督が思っている間に勝手に事態は進行している。 「で、では、その……じゃんけんで勝った方がということで……」 「あっれ~、いいのかな? こないだの夜戦は鈴谷の勝ちだったのに」 「今度は負けません」 真剣な顔をして一体何やってるんだろうこいつらは……呆れながらも口を出すのは憚られるので静観する提督。 「「じゃーんけーん」」 「「ぽん!!」」 「う……嘘……負けた?」 「フッ……」 今回は不知火の勝ちのようだ。 「で……では司令。そ、その……お願いしてもよろしいでしょうか」 「はいはい」 そう言いながら不知火のアイスをスプーンですくい、彼女の口元に持っていく 「ほら、あーん」 「あ、あーん」 アイスを口にいれた不知火、なんだか顔がにやけるのを必死に押さえつけているような妙な顔になっている。 しかしなんというか他人の前だというのにこんなことをする不知火など 少し前までは全く想像もできなかった。 まぁ近くにいるのが鈴谷だからかもしれないが。 話を聞いていても自分の事についてはあけすけに喋るが『不知火がどうしたこうした』という噂は全く聞こえてこないあたり わりとそのあたりのTPOは弁えているのかもしれない。 「で、では司令、どうぞ」 自分が口をつけたスプーンにアイスをすくい提督の口元に持ってくる不知火。 必死にポーカーフェイスを装っているが顔は真っ赤で口元がヒクヒクと引きつっている。 「ああ、ありがとう。で、あーんは?」 「あ、あ……あーん」 「あーん」 パクっとスプーンを咥え、アイスを食べる。 美味である、さすがは間宮さん特製のアイス。ファンが多いのも頷ける。 よくよく考えればこれ以上ないほどこっ恥ずかしい どころか不知火に至っては鈴谷以外に見られたら自決するんじゃないかというやりとりをしながら アイスを消費していく。 一方鈴谷は「ブーブー」とブーイングをしながら自分のアイスを頬張っていた。 次の話
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「そろそろトドメを……刺しちゃおっかなあ!」 自信に満ちた号令一下、迷彩カラーのカラクリ飛行甲板が寄せ木細工のように複雑な変形をみせる。 中から飛び立った艦爆隊は、千代田の操り糸に導かれ華麗に空を舞い、敵旗艦を西方海域の藻屑と変えた。 「やったぁ! この艦載機運用能力、正規空母並みよね! 千歳お姉っ、ちゃんと見てた?」 「もう、千代田ったら。調子に乗るな、っていつも私に言ってるくせにはしゃいじゃって……」 「ごめんごめん。でも千歳お姉の艦攻隊もすごかったよね~。先制打撃で敵、もうボロボロだったもん」 実際、“改二”に改造されてからの彼女たち姉妹の活躍はめざましいものだ。 水上機母艦から甲標的母艦を経ての長い道のりだったが、ここまで育ててきて良かったと心から思える。 うむ……しかし、それにしても……。 「現海域に残存敵戦力、認められず。付近の警戒を続けつつ母港に帰投しますね、提督」 『……あ、う、うん。ご苦労様』 そう呼ばれて、思わず返事がワンテンポ遅れてしまったのは、 哨戒機から送られてくるリアルタイム映像にいつのまにやら見入っていたからだ。 それが偶然映し出していたのは―――千歳と千代田、ふたりの胸部装甲部分のアップだった。 たゆん。 ぽゆん。 (大きくなってる……よな) 元々肉付きのいい千代田は勿論、千歳もスレンダーな体に比して胸はしっかりある方とは思っていたが。 こと航改二になってからというものの、どうも今まで以上の重量感、威圧感を感じるというか……。 戦闘中の“揺れ”や、秘書艦として働いて貰っている様子を見るにつけ、どうもそんな考えがぬぐえない。 (はっ……いかんいかん。何を考えてるんだ俺は。欲求不満なのか?) いや確かに、最近は夜遅くまで執務をしている上に、大抵そばには秘書艦の千歳がいる状態だから、 セルフ処理する機会があまりなくて溜まっていると言えばそりゃ溜まっているのだが……。 ともあれ、くだらない考えは脳裏から追い払って、雑務に戻りつつ艦隊の帰りを待つことにしたのだった。 「今日のぶんはこれで一段落……か。すまんな千歳、いつも遅くまで付き合わせて」 「お気になさらず。提督こそ、毎日お疲れ様です」 片付けた書類の山を前に、あくび半分で伸びをすると、千歳がすかさず旨そうな煎茶を淹れてくれる。 ありがとな、と礼を言ってそれを啜っていると、執務室のドアがノックされ、意外な訪問者がやってきた。 「ん、千代田か。千歳を迎えに来たのか? それならちょうど終わった所だ」 仲が良すぎるほどに仲の良い姉妹のことだから、その行動自体に不思議はなかったが、 後ろ手に扉を閉めた千代田の、ややうつむいて頬を染めた奇妙な表情が、おや? と俺に不審を抱かせた。 こんな態度の彼女を見るのははじめてだった。 「ち、千歳お姉……夕方言ってたこと、ほ、ほんとにするの……?」 「ええ、もちろんよ。気が進まないなら、千代田は無理に参加しなくてもいいんだけど?」 「そ、それはもっと嫌なの! 二人きりでさせたら提督、お姉に何するかわかったもんじゃないし!」 俺の方をちらちら見ながら、なんだか妙に余裕のない妹と、マイペースにそれをいなす姉。 「ええと……すまん、まったく話が見えないんだが」 「あ、置いてきぼりにしちゃってごめんなさい提督。実は私たち―――」 座ったまま呆然としていた俺に、いきなり千歳が笑顔で距離を詰めてきて……次の瞬間。 ぽふっ……むにゅうぅっ。 布ごしに触る大きな水風船のような、ウォーターベッドのような……それともエアバッグ? えもいわれぬ心地よいまろやかさが突然、俺の頭部をすっかり覆うと同時に、視界を奪っていた。 ……な、なんだこれは、何が起こったんだ!? 「―――提督の欲求不満、その処理のお手伝いをさせてもらおうかなぁと思ったんです」 「うう……あ、あたしは千歳お姉がやろうって言うから、付き合ってあげるだけだからね!?」 「わかったから、千代田もはやくこっち来なさい、ほら」 「……っ! ああもう、なんであたしが提督相手にこんな……!」 む、むにゅにゅっ……と、新たなふたつの圧迫感がためらいがちに後頭部からやってきた。 服ごしにもはっきりわかる、計4つの柔らかな大ボリューム。 俺の顔は今、姉妹の乳房、予想以上のサイズのそれらに全方位から余すところなく包まれているのだ。 しかもこの感触、間違いない。前から疑っていたがふたりとも、ノーブラ……! 「ふふ、提督。改二になってからずっと、私たちの胸、ちらちら見てたでしょう?」 「いやらしい目つき、わかってたんだからね!? だから注意しなきゃってお姉に言ったのに……」 ……な、ば、バレてたのか!? と、予想外すぎる現状に半ば金縛り状態になっていた俺は、 心地よいゆりかごのような感触と良い香りにぼんやり酔いかけた頭で、今更ながらマヌケに驚く。 「ずっと我慢してるんだから無理もないですよね、提督? だったらこれも秘書艦の務めかなって」 もにゅもにゅと押しつけられる柔球が、顔の輪郭にあわせて縦横無尽に形を変え、 「あ、あたしは関係ないのに……ともあれ、やるからにはちゃっちゃと終わらせるから!」 千歳が抱き寄せているのか、不服そうな声とは裏腹に千代田の肉感はむにむにと後頭部を強く圧迫する。 「すぐ済むかしら? 提督が満足するまでたっぷり搾り取ってあげないといけませんからね―――」 いきなり二人が身を離し、天国のような拷問から解放される。 どこか楽しそうに微笑んで双球を手で持ち上げる千歳、不満げに顔を赤らめつつ腕で胸を寄せる千代田。 ゆさっ……ぽゆん、と目の前で、それぞれの巨乳が形をゆがめつつ蠱惑的に揺れた。 「―――この、わたしたち姉妹の……おっぱいで」 「あら提督、お疲れかと思ったらこんなに元気じゃないですか……すごい」 「う、うわぁ、なにこれ、グロっ!」 椅子に座る俺の前にかがみ込んだ千歳が、はちきれそうに反り返った肉棒を見て微笑む。 隣に立つ千代田の方は顔をそむけたが、ちらちらと股間に視線をやっているあたり興味はあるようだ。 面目ないことだが、この状況とこれからへの期待に、俺の高射砲はかつてないほどの仰角を見せていた。 「じゃあ、まずは……」 濃紺に金の模様をあしらったジャケット状の上衣は羽織ったまま、 一見着物風だがその実シャツのような構造をした白い服のボタンが、ぷちぷちと胸の下側だけ外される。 わずかに開いたその隙間から、白くすべすべした双丘の作る、むっちりした魅惑の谷間がのぞいた。 「ここから、千歳の生おっぱいの感触を楽しんでくださいね、提督」 そう言って俺の肉砲をそっと握ると、ぴとっ……と、下乳の“入り口”に赤黒い先端をあてがい、 早くも漏れている先走りを、ぬるぬると“穴”の周辺に塗りのばしていく千歳。 「うっ……! ち、千歳っ……」 敏感な亀頭がすべらかな肉の上を這う感触だけでもたまらなく気持ち良く、ビキビキと主砲が硬度を増す。 「はい、準備OK。じゃあ私のドックに“乳渠”させちゃいますよ、提督のおちんぽ艦……んっ」 ぬぶ、ぶ、ぬぷっっっ……! オスのローションをまぶされた肉棒が、極上のおっぱいオナホールに埋没していく不思議な快感。 女性器とは違う、かすかに汗ばみしっとりしたきめ細かな柔肌がまるで吸い付くように密着して、 もちもちした弾力を伴って左右から硬い男根を押し返してくる……他では味わえない未知の快楽だった。 「こんなに熱く、硬くなって……ふふっ、気持ちいいですか? 提督」 「もうっ……千歳お姉のおっぱいを好きにしていいのは、あたしだけなのに……!」 千歳がもにゅもにゅと服の上から両球をこねるたび、柔らかな、しかしずっしりした圧力がランダムに襲う。 なにやら不穏なことを言う千代田を気にする余裕すらない。気を抜くとこれだけで射精してしまいそうだ。 「次は千代田の番なんだから、ちゃんと見て参考にしないとダメよ?」 「わ、わかってるわよお姉……う~、こんなのの何が楽しいのか全然わかんない」 千歳のコントロールが、左右よりの圧迫から、上下にユサユサ揺する運動にギアチェンジした。 服を着たままというのも相俟って、手で握る以上の乳圧がみっちりと容赦なく、 そしてあくまで優しく、勃起主砲を包み込みシゴきあげてくる。 「くっ……くうっ……おぉっ……こ、この感触はっ……!」 たぱっ、たぱっと乾いた音が繰り返すたび、にちゅ、にゅちゅっと湿った音がそこに混じっていく。 極上の着衣パイズリにチンポが流す歓喜の涙が潤滑液になり、新しい刺激がまぶされるのだからたまらない。 「あら、提督。ふふふ、腰が動いてますよ?」 気付かないうちに、乳ズリに合わせて自分もピストン運動を始めていたらしい。 ギシギシと椅子が揺れ、硬く勃起した先端が胸元の布を破らんばかりに押し上げ、じわりと染みを広げる。 「む、無理もないだろ……千歳の、むねっ……気持ち、よすぎる……っ!」 「嬉しい、じゃあもっとサービスしちゃいますね? ほら千代田、提督にアレをやってあげて」 いつしか食い入るように姉の痴態を見つめていた妹が、びくっと反応し、 ぶつぶつ不満をこぼしながら、自分も服のボタンをはずして前をはだけた。 「……目、つぶっててよね。お姉以外に胸とか、見せたくないんだから」 「いやだからそれはどういう意味か詳し……わぷっ!?」 チンポを包んでいるのと同じ柔らかな手応え、いや顔応え? が俺の顔を直に包む。かすかな汗のにおい。 どこかヤケになったような動作で、ぱふぱふと巨大な生肉の水風船に挟まれ、こねくりまわされる。 姉のしっとりした美巨乳にパイズられながら、妹のたっぷりした生意気乳に顔をうずめている……! その贅沢な事実が、俺に残っていたなけなしの理性を吹き飛ばした。 「や、ちょっ……!? お、おっぱい舐める、なぁっ……! て、提督のバカぁ……っ!」 思わずすべすべした極上の肉に舌を這わせ、吸い、甘噛みする。驚きつつも逃げるまではしない千代田。 おっぱいに思う存分甘えるってのは、こんなに気持ち良く癒されることだったのか―――! 「ふふっ、提督ったら子供みたい。こっちの悪い子もい~っぱい、甘やかしてあげますね」 ラストスパートとばかりに、俺の興奮に合わせて、にゅぶっにゅぶっと激しく乳肉を上下させる千歳。 ぱちゅっ、ぬぶ、ぶぷっ―――と下品な音をたてて、天国の拷問具に追い詰められていく肉の主砲。 こみあげてくる射精感に必死で堪えながら、やや乱暴に千代田の広大な乳世界を探索する俺の舌が、 「……や、そっそこだめっ! そこだけはダメぇ~っ!!」 ほかと感触の違う部分……乳輪を越えて先端に到達した。だが、そこにあったのは、突起ではなく。 「千代田は、陥没乳首なんですよ、提督。舌でほじくり出してあげると、よろこぶと思います」 「なっ何教えてるのよお姉っ!? ……ひっ!? や、あっあッ、だめぇっ、舌でほじらないでぇぇ!?」 俺は下半身の爆発から気をそらそうと無我夢中で、穴に隠れた可愛い肉突起を探り当てた。 制止も聞かず、指が埋もれるような柔乳房を鷲掴みにして、両の乳首を交互にねぶり、吸い出す。 とたん、抵抗しようとしていた千代田から力が抜け、がくがくと背をそらしながら、されるがままになる。 「よ、弱いのそこぉ! だ、だからダメって言ったのにぃぃ……お姉のばか、提督のばかぁぁ……!」 「千代田ったら、いつも乳首いじりですぐイッちゃうんですよ。提督、一緒にイッてあげてください」 あっ、でも……と、叩き付けるように暴れる俺の腰を、柔らかな双乳で受け止めながら微笑む。 「―――濃ゆぅい精液をたぁっぷり出すのは、私のおっぱいの中に、してくださいね?」 「ううっ! ち、千代田、千歳……っ! 出すぞ、千歳の胸に、乳内射精(なかだし)するぞっ!」 「ふあ、んあぁぁ! お姉っ、あたしもきちゃう、おっぱいでイッちゃうよぉ! て、提督ぅぅっ!」 どぐんっ! と、背筋を痛いほどの快感が走り抜け、爆ぜた。 柔らかな谷間でとどめの乳圧を浴びせられた肉砲からの初弾が、胸元の布をその勢いで内側から押し上げた。 くぐもった音をたてて千歳の乳肉に、谷間に、服の中に……濃厚な白濁液がどきゅどきゅと撃ち出される。 「んっ、熱っ! て……提督の、すごくいっぱい射精してますよぉっ……! すご、まだ止まらない……」 「やっあっああっっ!? お、おっぱいイッてるのぉ、イッてりゅから、ゆ、ゆるひてぇぇ……!」 若鮎のように背をそらして絶頂する妹を乱暴に抱き寄せ、こりこりと勃起した乳首を強く吸う度に、 まるでそこから存在しないミルクが俺の体を上から下に通過でもしているかのように、 姉のたわわな乳性器の中へと、ぐつぐつ煮えたぎった数週間ものの大量スペルマがぶちまけられていく。 「う、くぅぅっ! うぉ……ち、千歳っ、ま、まだ出るっ……!」 「うふふ、提督ったらこんなに……千歳のおっぱいおまんこ、妊娠させるつもりなんですか?」 長い長い放出を終え、肉幹に残ったぶんまでを器用に乳圧で搾り取った千歳が、ゆっくり胸を持ち上げた。 にちゃあぁっ……と糸を引く谷間から、プルプルした白濁が震えながら押し出されて垂れる様子は、 まさに女性器の中に思う存分欲望を生出しした後の光景のようだった。 「はぁ、はぁ……う、うそ、まだあんなに大きいままなの……!?」 驚くべきことに、あれほど射精したにもかかわらず、湯気と粘液にまみれた俺の欲望は天を突いたままだ。 「やっぱり一回出したくらいじゃ全然みたいね。ほら千代田、交代よ」 「……ふえ? あ、あたしもやっぱやらなきゃダメ……? あうぅ……」 激しい乳絶頂の余韻にもはや抵抗の気力もなくしたのか、 上気してうっすらと汗の浮いたふたつの重々しい乳房を、千代田は無防備に俺の前へと差し出した。 すっかり引っ張り出された乳首が俺の唾液に濡れ、だらしなく尖っているのをもう隠そうともしない。 そんな妹の乳を姉に続いて犯すべく、肉の主砲に再び新鮮な血が流れ込むのを俺は感じていた―――。
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163 :名無しの紳士提督:2014/08/31(日) 19 35 49 ID Y8Xw.KMU 「いいよー。入って。わたし個室だから遠慮することないし」 「お、お邪魔します…」 夜更けの駆逐艦寮。亜麻色の髪の、どこか漠然とした表情の少女――『島風』に割り当てられた私室に招待されたのは、やや緊張した面持ちのどこか古風な銀髪の少女――『天津風』。 ベッドの他にはさして目立つ飾りも見当たらない簡素な部屋に二人で入り、ドアが閉まりきらないうちからさっさと服を脱ぎ始めた島風を見て、天津風は今更胸が大きく高鳴るのを感じていた。 「あまちゃんもはやく脱いでー。汚れちゃわないよう、ハダカ同士が一番いいよ」 「ぜかまし…ほんとに、するの?」 立ったままで特徴的なZ旗黒パンツから自慢の美脚を抜き、やがて床に脱ぎ捨てた島風がこんどは天津風の衣服に手をかける。 まるで一緒に風呂でも入ろうかという気軽さだが、ことはそうではない。もっと重大で、もっと仲良くなれること――を、しようというのである。これから、二人で。 そしてそのための驚異的な準備を、二人は既に終えていた。 「ね。男の子とこんなのしたことある?」 未成熟な裸身を、友人の匂いのするシングルベッドに横たえた天津風は、同じ格好で覆いかぶさるように四つん這いになった島風の問いにふるふると首を横にふった。 合わせられる唇。少女から女になりかけた時期の、独特の甘さをもった二人の裸身が、重なる。 「じゃあ島風が一番、だね」 「ぜかましは……あるの?」 「ないよ」 だからあまちゃんも一番だね、とニヤリと特徴的な笑みを浮かべた島風は、ぎゅっと天津風の脚の間の『第三砲塔』を握った。 「!」 未知の感覚に、天津風の表情が羞恥と不安に染まる。 今日はいっぱい撃たせてあげるからねー、と同じものを装備した島風は、いつもと変わらない口調で言った。 ――仲良くなりたいんだよ。 一緒に秘密の遊びしようよ。 そう島風に強引に誘われて、流された結果。 工作艦『明石』を二人掛かりで散々に酔わせ、その状態で秘密に特別に増設してもらった単装砲――その特殊過ぎる準備をもって、今二人は本当にベッドの上にいた。 164 :名無しの紳士提督:2014/08/31(日) 19 39 34 ID Y8Xw.KMU 「あまちゃんて身体あったかいねー、気持ちいい」 島風がすりすりと天津風にハダカの全身をこすりあわせてくる。 ふにふにと胸の先端が重なり、思わず声が上がる天津風。しかしそれよりも―― 互いの股間の砲が軽く接触し、絡むたびに与えられる奇妙な切なさに、溜息のような吐息が天津風の唇から漏れる。 「ふふん。もう感じてるのか、あまちゃんは」 挑発的な口調で言いながら天津風の砲を再び握った島風の表情もしかしわずかに紅潮し、股間の砲は最大仰角でいきり立っている。 「はあ……はあ……じ、自分だって……!こ、これはどういうことよ……!」 天津風の手が、逆に島風の砲に触れる。 一瞬驚いた表情になった島風は、淫靡に笑って天津風のそれを上下に刺激し始めた。 与えられる未知の快感に喘ぎながらも、天津風は上に重なった島風のそれを同じ動きで反撃する。 「うっ……あ、はぁ……」 「ん…だめ、もう……」 相手の行為に高ぶっていく気持ちが、互いに相手を責める。 まるで互いにひとつになって自慰を行うようなその行為は、止めることなどできない快感を伴っていて。 「…うあっ!な、なんか出る……っ!」 「やあぁぁあぁん!きゃはぁぁぁっ!」 やがて駆逐艦・島風と駆逐艦・天津風の第三砲頭は、同時に初弾を放った。 165 :名無しの紳士提督:2014/08/31(日) 19 40 23 ID Y8Xw.KMU 「ふっふーん。さて、わたしにどうしてほしい?なんでもするよ」 「…どうして……って……」 足を開いた形でベッドに寝転び、排熱も収まらず硝煙の匂いも真新しい天津風の砲頭を見つめる島風。 その積極性に終始押されっぱなしの天津風は、次の言葉が見当たらない。 気持ちいいには、気持ちいいけど――。 「そうだ。こっちと一緒に触ってみようか?」 いいことを思いついた、と言わんばかりの表情を浮かべた島風の左手が再び砲を掴む。 ひっ、と軽い悲鳴に似た声を上げた天津風の、その砲塔の下――既にとろとろに濡れた天津風の『女』の部分に、島風の右手が触れた。 「やぁぁぁっ!!い、一緒に…しないでぇ……!」 左手が、屹立した砲を上下にこしこしと扱く。 右手が、濡れた秘唇に中指をじゅぽじゅぽと抽送する。 「お、…おかしくなるよう…っ!やめて、ぜかまし、それやめてぇぇぇっ!!ああああああんッ!!!」 通常の二倍の快楽――いや相乗して十倍とも百倍とも感じとれるような快楽が、やがて天津風の『女』のほうを到達に導いた。 「おぉー。あまちゃん、すっごい気持ちよさそうだねぇ」 声にならない声を上げながら、びくん、びくん、と全身ごと震わせる天津風の秘唇から、中指を抜き去ると。 島風は天津風と逆向きに倒れ、何を思ったか両脚を伸ばしてきた。 自分の性器までも露出するのは、一切お構いなしだ。 「こっちは足でヤられるのが好きな男子もいるときいた。どう?」 「ぅぁ……ごわごわしてて、へ、変な感じだよ……」 つるつるの両脚の裏が自分のを挟みあげしごきあげるそのじれったいような感覚に、よじるように船体を揺らす天津風。 あれ、ストッキングが要るんだったかな、などと呟きながらしばらく足指でそれを玩んでいた島風がふと止めて、天津風を見下ろす形でベッドに膝立ちになった。 166 :名無しの紳士提督:2014/08/31(日) 19 41 05 ID Y8Xw.KMU 「ね。挿れてみていい?」 「ええっ?!だ、だって……ぜかまし、初めてなんでしょ……?いいの?」 「いいよ。女の子は数に入らないってコトで。ってか、あまちゃんなら全然、いいし」 あわあわしている天津風の砲を、にやにやと笑いながらお構いなしにつまみあげ、上から腰を下ろす島風。 「…っく……えぇいっ!」 かなり狭くてキツい感触に、互いにぎゅうぎゅうに擦られながらも、島風は痛みをこらえ全体重をかけて一気に飲み込んだ。 「ふあぁぁっ!」 「入ったぁ……凄く熱いよ、コレ…あっつくて、気持ちい…」 快感に悶える天津風の砲を艦内に受け入れて、接続したまま揺れ始める島風が小さくため息をつく。 「……ふふふ。かわいいなぁ、あまちゃんは。もうちょっと動いてみよ……っと……ん……」 「ふっ、うあっ、あぁん、ぜかまし……ちょっ…と、もう……」 積極的に小さな腰を揺らす島風の下で、股間の砲から伝わる未知の感覚に、同じ高速型駆逐艦と接続する背徳感に、天津風は一気に高みへと昇り上げられる。 「あ……だめ、もう…もう、撃っちゃうよ、中に……っ」 「いいよ」 「いい…って、ああ…っ、あっ、あああああああっ!」 ぴったりと身体をくっつけて、小さな乳房を自分の乳房に擦り付けられた瞬間―― 島風を持ち上げるかのように反り返り、びくびくと勝手に震える身体。先端から腰に、背中に、全身に伝わる痺れるような快感。――轟音。 駆逐艦・天津風の第三砲塔は、友軍艦の艦内に向け、その砲弾を幾度も発射した。 甘い香りの風が吹き抜け、ぎゅっと瞑った眼の奥に、ちかちかとした光が何度も瞬くような夢想を彼女は覚えた。 「ふー。あー凄かった。楽しかったー」 「………」 全裸でベッドに腰掛けたまま、満足そうに手足を伸ばした島風とは対照的に、隣に転がって肩で息をする天津風は応える体力もない。 「……なんで…こんなこと…思いついたの……?」 「べつに。仲良くなりたかったからだよ。もっと、もーっと」 貴方は私の最初の、大好きな『お友達』だし。そう言って屈託のない笑みを浮かべた島風の顔を、天津風は複雑な表情で見返していた。 キモチは嬉しい。嬉しくないワケがない。不快だった――訳でもない。 気持ち良かった。多少、不本意ながら。 「……もういっかい、やる?」 「……えぇっと……」 こんな実験みたいな責めを相手に体力がどこまで持つだろう。そう思いながらも逆らえず、島風の望むままに再び押し倒される天津風であった。 甘い夜はまだ、始まったばかり。 +後書き 167 :名無しの紳士提督:2014/08/31(日) 19 41 55 ID Y8Xw.KMU 以上苦手な方には失礼しました そろそろ新世界の扉を開きたい今日このごろ これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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38 :6-632:2014/04/19(土) 22 15 19.48 ID 1AcVbCPh では予告の「アレ」を書きます 1.今回は非エロとなります 2.舞台は現在の日本となります。色々と原作クラッシャーです 3.史実部分に関しては細心の注意を払い研究しましたが、異なっていたらごめんなさい ************************************************************************** 俺は、突如出現した「深海棲艦」に対応するため再編された海軍の横須賀鎮守府に勤務している指揮官だ この謎の敵は海上自衛隊の力をもってしても排除できなかった恐ろしい敵だ 俺は現在秘書を務める加賀と新たな赴任地へ移動しているところだ 先日の人事異動で呉鎮守府へ移動となってしまった。 「加賀、どうだ快適か?」 「ええ、とても。でも提督、何で海路ではなく陸路を?」 加賀が首をかしげた。 俺はゆっくりとなぜ「コレ」を移動手段に選択したのかを加賀に語り始めた 「加賀は、“弾丸列車計画”というのを知っているか?」 ふと加賀に尋ねる 「確か、東京から下関を経由して満州に伸びる時速160キロを超える交通手段だった と記憶してるわ。でも顛末は知らない。沈んでしまったから」 昔の記憶を辿るように遠い眼をして答える加賀 「そう、これはその弾丸列車の延長なんだよ。」 「ところで、加賀、桜花は・・・。知らないか」 「ええ」 加賀か間髪入れずに答える。まぁ無理もない桜花が開発されたころ 加賀は冷たい海の中に居たのだから 「桜花は旧海軍が開発した“特別攻撃”用の兵器なんだ。北上やゴーヤが嫌がる“アレ”と同系列だな」 加賀が震えて講義をする 「それが、今何の関係があるのですか!“アレ”が意味する事。提督も割ってるはずで」 俺は加賀の抗議にかぶせるように言う 「この乗り物はな、その桜花を設計してしまい、苦しんだ開発者が開発に絡んでる」 「それに、加賀に搭載してるゼロ戦の開発者や陸軍の通信技師もだ」 加賀は完全におかんむりだった 「では、何故提督はこんな危険な兵器でくつろいでいるのですか!!」 「だからだ、彼らはこの乗り物を設計する時に『もう二度と人殺しはしない この乗り物に乗った人は何があっても死んではならない。絶対に安全なもの作る』 と心に固く誓ってこの乗り物を作ったそうだ。 そして、それらの指揮を執った人物は弾丸列車を夢を持ちつつ、志半ばで散った 者の息子だったという」 加賀は黙って聞いている 「彼らの思いが強かったからは知らないが、大きな地震が直撃し、ボディーマウントしつつも この乗り物は誰も犠牲者を出さなかったと言いう逸話もある」 加賀も頷きながら 「私も、昔は皆を守りたかったから必死に戦った。この子(ゼロ戦)を作った人も 私が居なくなってから、守りたいものを必死に守れる子を作っていたのね」 とつぶやいた 乗り物か軽快な音楽を鳴らす そののち女性の声が流れ始める 『まもなく、広島です。山陽線、呉線、可部線、芸備線はお乗換えです。 今日も、新幹線をご利用くださいまして、ありがとうございました。』 もうそろそろ、降りる支度をしなくては 「なぁ、加賀。50年の長い間、地震の直撃を受けてもなお、乗客が一人も死んでないんだ それは、誇れることだろう?桜花をゼロ戦を開発して多くの人を殺したとひどく後悔した彼ら への供養とならないか?」 加賀は冷静さを取り戻し 「そうね、きっと」 それだけ言ってドアを出る。 かつて、戦火の中多くの人の悲しみをこだまさせた技術は 時を経て日本を照らすひかりとなった 1964年からこの国を照らしているひかりは、やがて大きなのぞみとなり この、みずほの国とも呼ばれる日本を照らし続けている。 「なぁ、加賀その・・・。ありがとう。この国を守ってくれて。 そして、これからは深海棲艦の駆逐の為にまた力を貸してほしい」 ぼそっと俺がつぶやく あの戦いを知らない俺が言うのはルール違反かもしれないが・・・。 「抵当。その言葉で十分です」 いつもは表情が硬い加賀もこの時ばかりは満開のさくらのような笑顔を返してきた +後書き 40 :6-632:2014/04/19(土) 22 49 35.22 ID 1AcVbCPh と、いうことで完全自己満足な「アレ」を書きました。 はい、「しまかぜ」の時と同じように「鉄ヲタ提督シリーズ」ですが 多少史実を湾曲させてます 桜花の設計者→0系新幹線の車体をデザインした ゼロ戦の設計者→正確にはゼロ戦の試験飛行中に発生した空中分解事故の原因を特定した人 →脱線事故に対してゼロ戦と同じ原理で発生する可能性を見出し台車につけるバネの改良 陸軍の人→ATC(列車の車間距離などを計算してコントロールする装置)の生みの親(2014年現在ご存命) 特にゼロ戦の人は目の前で海軍航空隊員を事故で亡くし桜花の人は桜花の「アレ」的運用に反対だったので 「新幹線は絶対に安全でなければいけない。もう誰も死なしてはならない」と口を酸っぱくして言っていたそうです。 加賀さんをいチョイスしたのは、わが艦隊一の空母だから・・・。 では乱文失礼しました
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前回の話 ――提督―― 「提督、まだかかりそうですか?」 「執務は一旦やめた」 「……何見てるんですか」 「家具のカタログ」 「仕事してください」 「家具がなければ戦はできぬと言うだろう」 「言いませんよ」 「ところでこいつを見てくれ、これなんか寒い執務室にはよくないか」 「聞いてください」 大井は呆れた様子をそのままにこちらまで寄ってきて、自分の手にある冊子を覗き込んできた。 なんだかんだ言ってこっちの駄々にも大分付き合うようになったな。 「……『早く出しすぎた炬燵』?」 「ああ」 販売が始まった時期が時期なので商品名は分かるが、今やもう年末だ。 にも関わらず商品名が変わらないところは是非ともツッコミを入れたい。 大井はフローリング一面の執務室の中、 部屋の隅で四角く区切られている石の床、正確にはそこに鎮座する家具に目をやった。 「……あのダルマストーブは?」 「あれは置物だ」 見た目は風情があっていい。 亜炭や薪を使うストーブは空間を暖める性能としても抜群だが、炬燵に入って温もりを得るのもそれに劣らない。 しかし、コンセントにプラグを刺すだけの家電である炬燵と利便性で見比べてしまうと、言うまでもなく炬燵に軍配が上がるのだ。 大井としても暖を得られるのだから反対する理由はあるまい。 暇そうにカタログをぼんやりと眺める大井を尻目に、早速備え付けの電話機で炬燵と床の貼り替えを頼んだ。 …………………… ………… …… あれから数日が経ち、朝になって寄越してきた家具屋の連絡では、これから執務室を数時間占拠するという。 上も必ず遂行しなければならない任務はそんなに寄越してこないので……。 「本日、艦隊の出撃、演習、遠征は無しとする。繰り返す。……」 目の前のマイクに機械的に喋りかける。 「総員、休むなり自由にするといい。以上」 そう締め括り、内線を切断した。 アナウンスしている間も大井は秘書らしく自分より一歩下がったところでじっとしていた。 時刻はほぼマルキュウマルマル。 執務室が数時間使えなくなるのでは執務する気が起きないので、このような判断を取った。 ちなみに機密書類等は全て資料室に移して施錠してあるので問題ない。 しかし連絡は当日の朝ではなく前日に欲しかった。 普段通りに起床して軍服に着替えるなどの身支度が無駄になってしまったではないか。 事前に分かっていれば今日は昼前まで寝ていたというのに。 「ダメです。早起きは三文の得ですよ」 そして釘を刺すこの真面目系部下。 軽い気持ちで寝過ごしたかったとぼやいただけで少し目元をキツくさせている。 まあ心配するな。一度目が覚めた後ではもう寝る気は起きない。 今となっては、その諺にも賛同できる理由があるからだ。 「一緒に出かけないか」 予想だにしなかったというように二つほど瞬きをしてから口を開く。 「……私と、ですか?」 「そうだ」 せっかくの休日だし、起きたなら起きたで有意義に過ごさないとな。 どちらかといえば出不精の自分がこうして人を外出に誘うのは、自分で言うのもなんだが珍しいことだ。 「…………」 大井は黙りこくった。 何か迷っていることでもあるのだろうか。 それにしても、考えに耽って口許に手を小さく添える大井の姿からは 可愛らしさと淑やかさの二つを感じ、これを見ているだけでも大分頬が綻ぶ。 しかしこちらに目を合わせにっこり笑って踊るように出した答えは、弾みかけていた自分の心を絶望のどん底に叩き落としたのだ。 「嫌です」 「えっ……?」 漫画等ならばこれくらい明るい調子の台詞の語尾に音符の記号が添えられているのだろう。いや普段読まない漫画の話はどうでもいい。 何故拒絶する? 他に外せない用事があるなら仕方がない。 しかし嫌などと言われる理由が分からない。 私と出かけるのがそんなに嫌か? もう愛想を尽かされたのか? 何故。 頭で考えを巡らせても心当たりがない。疑問符が解消されずに残る。 心臓がきゅっと締め付けられるような感覚を覚えた。手が痺れるような感覚を覚えた。 開いた唇が塞がらない。返す言葉が浮かばない。 「……嘘ですよ」 「え」 先よりも力のない声が出た。 ……嘘? 「……あ、あぁ……、嘘ね……、洒落にならんなぁ……」 そもそも嫌いだと言われたわけでもないのに苦しくなった胸に手を当てて落ち着かせる。 はは、と軽く笑って誤魔化そうとしたが渇いた声にしかならなかった。 大井は後悔した念を少し顔に浮かべてから静かに抱きついてきた。 「……ごめんなさい。少しおいたが過ぎました」 「ああ、全くだよ……で、付き合ってくれるのかな」 「……はい」 抱きつくのをやめて一歩下がり、今一度顔を合わせて幾分か明るく答えてくれた。 短い返事だが、これを聞くだけでも気分は大分持ち直した。 「よし、じゃあ私服に着替えよう。お前も好きに着替えてくるといい」 「そうしますね」 へそが見える裾の短い普段の装甲は嫌だろう。まして今は冬の真っ只中だ。 無論あれは自分の趣味じゃない。感想としては悪くないが……ってそんなことはどうでもいいな。 こんな時まで軽く礼をしてから執務室扉を閉める大井を苦笑して見送った。 それから、いざという時のために職場に持ち込んだ幾つかの私服を選ぶために、寝室に戻ることにした。 …………………… ………… …… ――大井―― 絶対に音を立てないよう、閉めた扉に背を預けてしゃがみ込む。 やってしまった。 近頃よく素の表情を見せてくれる提督が面白く、たまにこうして意地悪をする。 提督も本気で嫌がっている様子を見せなかったのでさっきもやってみたが、実行したあとで後悔した。 提督の反応がいつもと明らかに違ったからだ。 嘘と言えども言っていいこととそうでないことがある。 軽巡の軽は軽率の軽ではない。まず今の私は軽巡ではないけれど、軽い気持ちで提督を悲しませてしまった。 提督のあの、全てを失ったような、生気を失ったような顔は見ている私まで苦しくなってくる。 しかしいつまでも後悔している場合ではない。 提督から誘ってくれたのだから、くよくよしてないで精一杯応えてあげないといけない。 何より私も楽しみたい。 そっと立ち上がって自分の部屋へ歩き始めたが、数歩で懸念事項に思い当たる。 「私服、あったかしら……?」 …………………… ………… …… 結論から言うとなかった。 自分の部屋を漁っても出てきたのは、軽巡だった頃に使っていた緑を基調とした服。 そして今使っているクリーム色と深緑の、何故か裾が短い服。 その二種類が三着ずつ出てきただけ。 いずれも支給品だ。私服なんてものはなかった。 思えば編成に入らない休みのときに北上さんと行動を共にするときも、特に着替えるようなことはしていなかった。 「どうしよう……」 急に私服と言われても出てこないので、この二種類から選ぶしかない。 へそ出しの比較的派手な方も嫌いではないが、へそを出して街を歩く一般人はまずいないだろう。 別にこのようなファッションを広めたいわけでもないのに流行の最先端に立ちたくはない。 何より、恐らく目立たなくするために提督は私服に着替えると言ったのだ。 艦娘もあまり目立っていいものではないだろう。 このような幾つもの理由を踏まえて、私は地味な方に再び袖を通した。スカートも黒と見間違える深緑の物に履き替える。 クリーム色の服と違い、裾は並にある代わりに袖が短い仕様のこれを着るのは何ヶ月ぶりだろう。 この部屋を使う私も北上さんもお洒落に気を遣うタイプではないので、姿見という贅沢なものはない。 でも今までそんなものなしでやってきて、提督からも身だしなみで指摘されるようなことはなかったからきっと大丈夫。 部屋の隅に置いてある艤装をちらと見やってから、処女航海の時と似たような緊張混じりの高揚感を胸に部屋を出た。 廊下を歩くと、何人か同僚とすれ違う。 あまり話をしない人は好奇の目を私に向けるだけだが、それなりに関わる機会が多い相手の場合その限りではない。 「……あら?」 私と同じく第一艦隊に所属する、空母赤城さんが足を止めた。 ついさっきのアナウンスが流れるまでに出撃準備を整えていたのか、弓など空母に必要な艤装を携えている。 「大井さん……よね? 前からいる……」 ……ああ、そうか。 一瞬何を言っているのか理解が及ばなかったが、建造等で被った別の私ではないかと迷ったのだろう。 私の格好が以前のものだし、容姿は別個体も一切の違いがないので見分けがつかなくても仕方がない。 「そうですよ」 この人はお喋りが好きというか好奇心が旺盛というか、お姉さんなのに子供のような人だ。 それが赤城さんという人の魅力であり個性だ。無論悪い意味ではない。 だから服装が変わっただけの私に声をかけてきたのだろう。 「今日は出撃ないのよね? 何かあったの?」 そういえばそれについての詳細までは、提督はアナウンスしていない。 しかし提督のやり方に異論はなかったから、あの時も後ろで見ているだけで何も言わなかった。 告知とは重要な情報だけを確実に伝えることが大切だからだ。 私は、さして重要ではない詳細の旨を赤城さんに伝えた。 最初少し真剣だった赤城さんの顔が苦笑に崩れた。 「執務室の改装……って、完全に私情ね」 「そうでしょう?」 「でも大井さんは良かったんじゃないの? 炬燵が使えて」 「執務室以外にも暖房はあるじゃないですか」 「まぁねぇ……。ところで、何故今になってその服を?」 あーやっぱりそれ聞かれちゃうんですか。 というか最初からそれを聞くつもりでいたのかも。 「……気分転換ですよ」 「ふーん……?」 気恥ずかしさを隠し、極めて冷静に返したが赤城さんは納得してはくれなかった。 少し背丈の低い私に合わせて屈み、じっと顔を見つめてくる。 こんなことが前にもあったような気がする。 その時の教訓を胸に、私は目を逸らさずに見つめ返した。 光らせるような真剣な目をする赤城さんは一体何を考えているんだろう。 「……デート」 「!?」 私は勘のいい占い師に秘密を当てられたような驚愕をした。 相方の加賀さんはイメージ通りの鋭い人だが、この人も大概だったらしい。 普段と違うところは服装だけのはずが、そうピシャリと当てられては……。 「……僅かだけど、いつもよりお化粧に気合が入ってるわね」 本格的に占いじみてきた。 銀座のママに倣って横須賀のママとでも名乗ってはどうだろう。 確かに今日の化粧にかけた時間はいつもより二割増しだ。 無意識に私の片足が後ずさった。 赤城さんはニヤッとした笑みを浮かべ、さながら核心を突き止めた探偵のように顎に手を添える。 「まず大井さんってもう提督と付き合――」 「失礼しましたっ!!」 勢いに任せて頭を下げ、赤城さんの横を通り過ぎる形でその場から逃走を図った。 別に追いかけてくるわけでもないのに私の足は小走りをやめようとしない。 心臓がバクバクする。 ああもう。 ただ外出するだけで、面倒臭い。 「……赤城さん? どうしたの、そんなところで」 「あ、加賀さん、あのね……」 …………………… ………… …… ――提督―― ノックされた扉に返事をやり、姿を現した大井の姿を見て驚愕した。 大井の格好は昔懐かしい軽巡の頃のそれではないか。 「……お前、私服持ってないのか?」 「必要だと思わなかったので」 なんということだ。 これくらいの年――実年齢は知らないが――の少女、見なりを気にするはずなのに、大井の姿からその様子は伺えない。 ひたすらに艦娘として練度を高めるため来る日も来る日も演習や出撃をさせていたが、愛の注ぎ方を自分は間違えていたのかもしれない。 洒落する暇を作ってやれなかったことを反省しよう。 任務を減らすのではない。自分が手伝ってやればいいのだ。 財布を取り出して中身を確認し、閉じる。 「……ようし。ならばまずお前の私服を買ってやろう」 「えっ」 「この辺は偶に出歩いているから私に任せろ!」 高揚してきた気分が自分に胸を張らせた。 今日は鎮守府の提督ではないから羽目を外しても何ら問題はない。 「ちょっ提督、私は要るとは」 「まあ一着くらい いいじゃないか。私の我が儘も偶には聞いてくれよ」 「要らないって言ってるんですが」 「金は私が持つし、選ぶのも私だ。大井は何も心配いらない」 「……提督が選ぶんですかあ? センスないもの選ばないで下さいね」 なんだかんだ言って買うなとは言ってこないんだな。 自分だって並みにセンスはあるのだ。ないとは言わせてやらない。 大井の不安がる様子を表した、冬の倉庫で無造作に積まれているボーキサイトのように冷ややかな眼差しも、 普段以上の調子の良さをもって凪いだ。 とにかく、顔も痛くなるほど冷たい風が吹く今の季節に半袖は頂けない。 いつも臍だしの服で出撃させているじゃないかというツッコミは控えてくれ。 あの格好は工廠がさせているのだ。 一言添えてから寝室に戻り、予備の上着を持ち出す。 上着は自分が着ているのと合わせて二着しかないが、黒にブラウンと、どちらも落ち着いた色なので問題はない。 「外は寒いからこれを着なさい」 「……提督の服は地味な物ばかりね」 地味と言うな。 四六時中真っ白な軍服を着ていると嫌でも明るい物を避けるようになるのだ。 背中から上着を羽織らせてやると、肩幅は自分のほうが広いのが改めて認識できる。 肩パッドでも入れたほうがよさげな程度には上着の大きさが合っていない。 手が半分ほどしか出ていない長い袖を見つめる大井にボタンを留めさせる。 サイズは合わなくても寒さは凌げるだろう。膝まで隠すほど長い裾は好都合だ。 自分よりも体温の低い大井の小さな手を引いて共に執務室を後にしていく。 「あっ……、もう……」 「何か言ったかー?」 「なんでもありませんっ」 …………………… ………… …… 艦娘一人だけを私服姿の提督が連れ出す光景はさぞ珍しかっただろう。 明らかに狼狽えていた門番に軽く渇を入れ、家具屋が来たら通すように伝えてから鎮守府を離れていく。 まあこんな形で出かけるのも初めてだから驚くのも無理はないかもしれない。 敷地内での他の艦娘からの視線さえも多かったからな。 歩幅の大きくない大井に合わせて歩きつつ、両手を擦り合わせる。 両手で皿を作り、歯は閉じたまま、しーと息を吸い、はーと皿に吐息を当てる。 それでも暖は得られない。防寒用の手袋は持っていなかったからついでに買っておこうか。 不意に皿の片手に白い手が重ねられた。きゅ、と握られ自分の手が下ろされる。 横を見てみると、前方を向いて目を合わせようとしない一見平然とした大井。 「…………」 だがな大井、私には分かるぞ。緊張を隠そうとしていることくらいな。 そんなにぱちぱち瞬きが必要なほど大気は乾燥していないだろ。 それから平静時よりも顔の血色が良くなっていないか。 しかし自分も何も言わず、歪みそうになる顔の筋肉を引き締め前方を向く。 繋いでいない方の手は上着のポケットに突っ込んだが、繋いでいる手は寒気に晒したまま。 それでも振り払って同じくポケットに突っ込むという考えは起きない。 そのまま足を進め、公道に合流した。 肌を刺すようなこの空気でも人は抗って街を行き交う。 昔から港町の一つとして発展してきた横須賀から人が消えることはなく、むしろ年末ということで普段よりも人通りが多い。 明らかに娯楽目的で出歩いていると見受けられる人達だっている。 特に分かりやすいのは、自分らと同じく手を繋いで楽しげに談笑する成人した男女や家族連れ等だ。 こちらは談笑はしていないが、ちょうど良いので話を振ってみる。 「私達も、夫婦に見えてんのかね」 「……何言ってるんですか。夫婦と見るには年が離れてますよ」 「なら兄妹か親子かな?」 「顔が似てないと思いますが」 「……まあ、恋仲だろうね」 「…………」 異論の消えた大井は何も言わない。 にぎ、と繋いでいる大井の手に力が幾分か送られたのが分かる。 人通りが激しくなってきた。 「……ぶつかるといけないから、もっと寄りなさい」 「変なことしたら帰ってから撃ちますよ」 「ほう? 変なこととは具体的に何なのかな?」 「今してるそれもセク質と言って立派な犯罪なんですよ」 「しょうがない。帰ってからにするよ」 「撃っていいですか?」 「駄目」 一寸劇終えたところで言う通り、肩が触れそうになるまでに寄ってきた。 再び静寂が自分らを包む。しかし街の喧騒が聞こえなくなる感覚が離れることはない。 大型複合店に入るまで繋いだ手を通じて人肌を感じ合った。 …………………… ………… …… 「おお……」 「うわぁ……、すごい……」 荷物を提げて帰投してまず執務室の扉を開けると、玄関のように靴を脱いで上がるつくりになっていた。 靴を脱いで上がるそこは注文通りの畳。やはり実際に目の当たりにすると感嘆の声が出る。 ダルマストーブは位置を変えずに靴脱ぎ場にちゃんと残っているし、そして炬燵も完備だ。 炬燵を退かせれば茶道もできてしまうだろう。和のかほりが強まったここでは時どころか執務も忘れそうだ。 「荷物置いてきたらおいで」 「でも私、北上さんと……」 なんということだ。断られてしまった。 でも今日は執務は休みだし、北上は親友だから仕方が無い。大井は自分だけのものではないから。 偶には一人寂しく本でも読んで、雑魚寝で夢の世界に身を投じるさ。 「そうか……」 「はい」 「…………」 「…………」 「…………」 「……ああもうっ」 不意に声を荒げられた。 素っ気ない顔から力が抜けたように見える。やれやれとでも言いたげか。 「北上さんも連れてきていいなら、来てあげます」 その言葉が聞きたかった。自分の気分は高騰し、顔が綻んだ。 ぐっと握り拳を作る。口調が逸る。 「いいよ! 全然構わないよ!」 「……子供ですか」 「私はいつでも子供だよ」 気分の折れ線グラフは垂直上がりだ。 疲れたような大井の反応にも、テレビでそこそこ前に聞いた自動車のコマーシャルのフレーズを改変して声を低く作り、ビシッと言ってやった。 ……決まった。 私のセンスの良さと共に、低燃費の良さも分からないとは言わせない。 いや、それが流れていた頃はまず艦娘なんてものはなかったか。 「…………」 「……失礼します」 軽く引いてないで何か言ってくれよ。 こんなギャグをかまされても軽く頭を下げてから出て行くところは感心するけど。 おい。 …………………… ………… …… 「提督ーお茶飲みたいよ」 「よし待ってな」 和室とまではいかないにしても畳部屋の素晴らしさに感化された自分は、久しぶりにダルマストーブを稼働させた。 おかげで炬燵の中だけでなく部屋全体が暖かい。 突然の北上の要求に応じてやろうと炬燵を抜けようとすると、大井に制止される。 「私が淹れるわ」 「お前はいつもやってるだろ」 それに偶にはこちらから振舞ってやりたいのもある。 まともな教育を受けている奴に、いい年して茶を淹れられない奴はいないから心配はない。 というか、できなかったら人に茶の淹れ方など教えることはできない。 「そうだよー、それに提督のお茶飲んでみたいじゃん」 「でも……」 「いいから。大井は座ってろ」 二人がかりで不満げな大井を座らせた。 秘書艦としての使命でもあるのか? しかし今日の自分は何一つ提督らしいことはしていない。提督でもなんでもないただの一人の男でしかない。 軍服を着ていない男が提督であるはずがない。 だから一日くらい気負いしなくてもいいのだ。 おっと、何の肩書きもない者が軍施設に出入りはできないというツッコミはなしだ。 大井が北上に茶を振舞いたかった可能性は、やかんを調達しに行こうと執務室の扉を閉めたところで思いついた。 もう遅い。 昼時を過ぎたので間宮は暇そうにがらがらの食堂を掃除していたが、彼女も今日くらい休むべきだ。 厨房から借りて水を張ったやかんを、焜炉を使わずに執務室に持ち出しあえてストーブに乗せて沸かす。 ついでに火室の中を覗き、脇に積んである亜炭をシャベルで放り込む。 二十一世紀になって本格的にこの光景が珍しくなってきたのかと哀愁を誘う。 湯ができるまでの間に、談笑に花を咲かせている二人に混ぜてもらおうと、 急須と湯呑みと茶葉の缶を乗せたお盆を畳に置いてから上がり込む。 ふうと一息ついて座椅子に胡坐で座り、上から炬燵の布団をかける。 すると談笑が中断された。 「提督~……」 北上は何故か苦笑した様子で、文句の一つでも出てきそうな声を投げ掛ける。 器用だなお前。 「お湯が沸くまではお茶は我慢してくれよ」 「いやそうじゃないよ」 北上はじとっとした攻めるような目を向けてくる。 「大井っちが惚気ばっかり聞かせてきてさあ」 「え?」 「北上さん!? 私が言ったのは愚痴で――」 何故そこで大井が慌てるのか。 惚気って。大井は一体何を言ったのか。 「えぇー? とりあえず提督が子供っぽいのは分かったからって感じ……。面白いんだけどさ」 本当に何を喋ったんだ大井よ……。 この鎮守府で築き上げてきた自分のキャラが崩れるようなことはあんまり言わないでくれるとありがたい。 多くの部下を束ねるような立場に就く以上、ある程度の威厳やら何やらを身に纏わなければならないわけで……。 それにしても最近は大井が北上に一杯食わせられる光景をよく見るものだな。 「ああ、うん。すまんな。子供っぽくて」 「そうじゃないってば。提督わざとやってない?」 「クク、わざとだよ」 このやり取りが面白くて、アクのある笑い声が混ざった。 やっぱり大井も北上も癖があって面白い奴だよ。 「……気持ち悪いですよ」 左から毒が飛んできた。眉の下がった大井の弾丸のような目が冷たく刺さる。 しかし、今朝の出来事のように拒絶反応をされるのには弱いが、 毒に関しては何度も叩かれた熱い鉄のように耐性がついているので怯まない。 むしろ柔軟な発想を要する作戦指揮官としては、それすらも逆手に取ってやるのだ。 「気持ち悪いだって……。北上慰めてくれえっ」 勿論このべそかきは演技である。 右の子に向かって両手を広げて抱擁を求めようとする。 あくまでも求めるだけでこちらからいきなり抱き着きに行くような真似はしない。 「しょうがないなーおいでー」 うむ。ノリのいい子は好きだぞ。 北上から許可をもらえば、大井に強気に出る隙を与えることなく北上に抱き着ける。 いや、これで合法的に北上に抱き着けるとかそういうことではなく、これも作戦の内なのだ。 本当だって。 「ううっ」 「おーよしよし」 北上はこちらの考えている内が読めているのか? こちらは抱擁に力や感情までは込めていないのだが、北上が頭まで撫でてくれるとは予想していなかったぞ。 とにかくこうして大井の出方を見る! ……北上の頭がすぐ横にあるので、この体勢では大井の様子は伺えなかった。 「提督、私を悪者にして楽しいですか」 ……大井は冷静だった。ゴルゴばりに冷静だった。 面白くないので次の作戦を即興で考えた。 北上から離れて立ち上がって大井の席へ歩いていく。 そして大井の背後を陣取ってしゃがみこむ。……これもデジャヴだな。 がばっと逃がさぬようそれなりの力で抱きしめた。 「ッ!」 「んー」 大井の体の温もりを感じて癒される。 鼻が後髪にくすぐられる。さらさらでいい匂いがするものだ。 しかし大井は、抵抗しようとしない。 「提督『も』、愛してます」 そこで、大井が普段言う台詞を意味を少し変えて使ってみる。 しかしやはりというか、抵抗する素振りさえ見せない。 それどころか腕に頭を預けてきた。 「提督なんか愛してません」 なんだそりゃ。 それが本心なら抵抗したらどうなんだ。 いや、本当は分かっている。言葉は本心だけを無造作に吐き出すだけのものではないからな。 ちらと北上に目をやるとムッとしたような表情をしていた。 北上のその顔は初めて見るな。 北上を弄ろうとしてこんなことをしたんじゃないんだがな。 まあ目の前で男女が仲睦まじくされたら誰だってこうなるか。 ピー!! ストーブに乗っかったやかんが、北上の心の内を代弁するように勢いよく湯気を吹いた。 やれやれ。時間が経つのは早いな。 北上もいることだし、また今度にしてやろう。 一つ溜息をついて立ち上がり、茶の準備をする。 まず急須と湯呑みに湯を注いでそれぞれ温めるところから始める。 短時間で建水という器に湯を捨てる。 急須に茶葉を入れ、湯を注いで短時間待つ。 三つの湯呑みに均等に茶を一滴残さず注ぎ切って、炬燵の上に置いていく。 「どうぞ」 最後に自分の湯呑みを持ち、息を吹きつつ恐る恐る口にする。 茶の適温は人間の口には熱いから注意が必要だ。 空気を一緒に吸い込みつつ澄んだ黄緑色の燃料を流し込み、ほうと一息。美味い。 「あー美味いねえ」 北上がこう言うとまるで酒を仰ぐオヤジのようだ。 大井は何も言わずにちびちび飲んでいるが、それもまたらしい。 「提督、こういうことは面倒がらないんだねえ」 そうなのだ。 自分としてはこだわりを持った淹れ方だと自負しているが、それでも本格的な茶道は流石に気が向いた時にしかやらない。 でも畳部屋ができたわけだし、偶には気が向くこともあるだろう。 ところで。 「それでは私がいつも面倒がってるみたいじゃないか」 「朝の放送とかすごくダルそうだったけど」 それは朝だからさ。 夜戦馬鹿ということではないが、寝起きに気分は上がらないもんだ。 四六時中だるいような態度は取ってないつもりだぞ。 戦果の獲得は兎も角、一定のラインより落とさずにするところからも自分の鎮守府の運営ぶりを分かってほしい。 また企業等と違って毎週土日を休みにしているわけでもない。 ここまで言うと鬱陶しい多忙主張になってしまうが、普段傍にいる大井なら鎮守府をおざなりにしていないことは分かるだろう? 「まあ……」 おい。 ここで歯切れを悪くするな。ここは即答すべきだろうが。 なにか不満でもあるのか。 「やる気がないとは言いませんが、それと実力とはまた別の話ですよね」 う……。 「執務の進め方とか」 うぐ……。 「あとは作戦の考え方とか?」 北上まで言うか。 「艤装の開発もダメですよね」 それは工廠の連中次第だろ。 こちらは完成しやすい必要資材の配分も資料に記録しているんだ。至って真剣に頑張ってるんです。 ……ここまで駄目出しされたのは久しぶりだ。 こいつ等以外の艦娘とは事務的な会話以外殆どしないのだが、他の艦娘も心の内では不満が眠っているのかもしれない。 湯呑みの底の茶渋くらい沈んだ気持ちで茶を口に運ぶ。 「……そんなに私は向いていないかな?」 「……大丈夫だよ」 北上? 「沈んだ子がいないってだけでも上出来だと思うよ。あたしは」 「……そうね」 大井? 「提督は、よく頑張っていますよ」 ……やられたな。 軍とは関係のない平和ぼけした世間話をする時に見る北上と大井の微笑み。 からかわれていたのか。 こいつ等は揃って思った事を口にするタイプだ。お世辞を言ったような事は記憶にない。 だから突然掌を返すような評価を、理屈でなく勘で信じることができた。 北上が言うように沈んだ艦がいないのは事実だし、大井のこの短い太鼓判の一言にも自分を自信付ける程度には価値がある。 指摘された点はとても改善が難しいが、良い評価もされていることが分かって口角が少し持ち上がった。 「……それならよかったよ」 …………………… ………… …… それからまた、軍と全く縁もゆかりも他愛さえもない談笑が始まり、続く。 だから茶は割とすぐに飲み切ってしまった。 まだ飲むには再度湯を作る必要があるが、もう面倒臭い。 「ねー、提督は付き合う時なんて言ったのか聞かせてよ」 流石にネタの引き出しも少なくなってきた頃に、北上は急にニヤけた顔を作ってそんな事を聞いてくる。 「……そういえばまだだったな」 「え?」 そうだった。まず交際の申し入れなどしていない。 そんな形式ばったやり方など正直要らないと思って念頭にも置いていなかったのだが、 話題に出されたので一応やってしまおう。 疑問符を浮かべる北上から大井に向き直る。 大井はきょとんとした表情で私を見つめていた。 「大井……。私と、付き合ってくれッ!」 そう言って畳に額が当たらんばかりの土下座の姿勢を取った。 しかし真に気になるのは確信している答えではなく大井の反応だ。 いつ顔を上げていいのか教えてくれる観測妖精は……いないか。 「……は」 『は』? これは一体どういう反応かと顔を上げて見ると、大井はちらと北上を気にしつつも端が僅かに上がった口を開いた。 「はい」 ……流石と言うか、やはり冷静なものだ。 こちらとしては面白く慌ててくれる反応を期待していたんだがな。 こうも普通に返されるとこちらが反応に困る。 土下座から上げた真顔のままさて何を言うべきか迷っていたが、顔の筋肉さえ動かす前に、右舷から非難するような声がかかった。 「いやー提督さあ……」 「ん?」 「付き合ってもいないのにそういうことしてたの?」 はて、自分は今日だけで何度このように細めた目を向けられただろう。 備蓄の弾丸を箸でつまんで数えるよりも下らない、そんなことを数えて報告してくれる観測妖精もやはりいないな。 まさかそんなことで北上から非難を食らうとは思わなんだ。 もしや結婚するまではそういうことはしてはいけませんとかそういう古風な貞操概念か。 意外だが侘・寂が感じられる、とても良い心掛けだと思うぞ。 「と言われても、始めに仕掛けたのは私じゃ――」 びしっ。 「い゙っ!」 非難から逃れようとした自分は、北上とは違う方向からかなり力の入った手刀で黙らせられた。 今度は前方の状況を確認する。 さも手刀をやりましたと手を立てたまま取り繕うこともしない大井の姿があった。 やはりというか目が細められているのだが、北上がやったような眉を寄せての分かりやすい表情ではない。 当鎮守府比三割増しと大々的に印刷したラベルでも額に貼ったらどうかと言わんばかりの目を細めた笑顔だ。 その掌に全ての力が入っていると思わせるくらいには、眉間に力が入っていない。 しかしよく見ると口の端がひくひく動いている。 そして瞼が細くなって光があまり差し込まなくなったその眼は笑っていない。 「……まあ、皆が皆北上と同じような考えではないということだよ」 一先ずはこれだけ北上に言っておくことにする。 大井の威圧するような顔の裏には言わないでほしいという意図があることくらい分かるし、 自分も少しふざけたというか魔が差したというか、うん、デリカシーに欠けたな。 図に乗るとすぐこうなってしまうが、反省する気はない。 自分の身を滅ぼすほどの過激なことはしないし大丈夫さ。 「大井っち……」 「な、なに?」 「……まあ あたしはやっぱ、基本そういうのきっちりしてからだから」 苦笑しつつも大井にも何か言おうとして、一旦は納得したのか引き下がってくれたようだ。 自分もいつまでも大井の前で正座していないで自分の座布団に戻ることにする。 「ほう。北上にもそういう予定はあるのか」 「当たり前でしょ。あたしだって一応は女の子なんだよ?」 自分で一応と言っていいのか。 でも北上は普段の調子から垣間見る女の子らしいところがとても印象に残るから、 少なくとも自分はちゃんと女の子だと思っている。 自信持っていいぞ。 「え、そ、そう?」 「大丈夫。北上さんは十分女の子らしいわ。悪い虫に取り憑かれたら追い払ってあげる」 「そうだな。下手すれば私も唾つけてたかもしれない。なんてな!」 冗談を一つかましてニッと笑ってみる。 このあと大井から撃ちますだの悪い虫だの突っ込まれる事を狙ってやったのだが、自分はどこかで計算を間違えていたらしい。 突然北上から照れた笑みが消える。 「……大井っち、いい?」 「大丈夫よ、北上さんなら」 何が? 「じゃあ……」 主語が欠けたわけの分からない質疑応答によって置いてけぼりにされた自分の気持ちなど構わず、 北上がこちらへ四つん這いで近寄ってくる。 そして自分のすぐ横に正座で居座ったかと思えば、あろうことかその頭を肩に寄りかからせてきたのだ。 自分からは北上の黒曜石のような黒髪しか見えなくなり、心の内を語る顔は伺えない。 何を考えている? 「……おい。この話の流れでそれは勘違いされるぞ」 念のため注意しておく。そしてこれは確認の意味も含めている。 それでも北上は離れようとしなかった。 「んー? 好きに取るといいよ」 その返事が一番困るんだが。 自分の察しが勘違いか正しいか、よく考えようとして疲れてくるこちらの事情をせめて重油の涙程度だけでも考えてほしいものだな。 そして更に悩ませることに、いつの間にか音を立てずに近寄っていた大井も北上のように左側でもたれかかってきたものだから敵わない。 ……大井も北上も自分を好いてくれる理由が分からん。 自分は平凡だ。そのうえで人を惹きつける魅力は特にないと思っている。 さっきも言ったが、こいつら以外とは私的な会話が少ないところもそれをよく表していると思う。 自分がどういった話を振ればいいのか分からないのも理由の一つと言えるが。 「んん……」 楽な体勢にしようと擦り付けるように動き呻く大井の声と、警戒心が全く感じられない穏やかな北上の息遣いに邪魔され、 改装されずに古ぼけたままでいる木の天井を仰いで自分に問いかけた疑問は答えが出ないままに脳の深海に沈んだ。 この状況はいつまで続くのか。座椅子の背もたれは、ぎし、としか答えない。 気がつけば西日もいよいよ薄れ、そろそろ明かりを灯したいと思えてきた頃にちょうど腹の虫が鳴る。 食堂に赴くまで自分の体は左右の人肌によって程よく保温された。 …………………… ………… …… 夕食時の食堂の喧騒は外からでも聞こえるほど大きい。 しかし中に入ってみると、入り口に近い席に座る艦娘はまるで学校の優等生が珍しく遅刻してきたかのようにこちらを見て黙った。 「……?」 一先ず気にしないことにしてカウンターの様子を見に行くと、間宮は落ち着きを手放さず慌しそうに動いていた。 厨房の奥を覗いてみると、戦力になる一部の者も割烹着を着用して手を貸しているらしい。 ご苦労なことで、と他人事のように思っていると、カウンター席で大きな存在感を放つ者を見つけた。 「むぐむぐ、……あら、提督?」 赤城だ。 とりあえず厨房係による回収の手が追いつく程度まで皿を積み上げる速度を落としなさい。皿を落とされると危ないから。 「善処します」 食べながら口を開きつつも口を手で隠すところは良しとしよう。 しかし善処するとしか返さない者は大体その気がない事を経験上知っている。せめてゆっくり噛め。 ……決めた。今回はここに座ろう。 「相席してもいいかな?」 「え? ……どうぞ」 なんだ。その間は。 「だって……いいんですか? 後ろのお二人は」 ううむ。やはりどこかのテーブル席を取ったほうがいいだろうか。 ついてきていた大井と北上に振り返り、答えを求める。 「……いいんじゃない?」 「私も、特には」 問題ないな。 ならばと赤城の隣の椅子を引いてどっかと座った。あとの二人も静かに席に着き、左から赤城、自分、大井、北上の順に並ぶ。 再び箸をそれなりの機敏さで動かし始めた赤城の食べっぷりを見て、間宮の手が空くのを待つ。 目の前に並ぶ調理済みの海幸山幸穀物の品々は逃げないというのに赤城のペースは落ちない。 しばらくして間宮が現れた。 「お待たせしました。何にしましょう」 慌しそうなのに間宮のおっとりした口調は健在だ。 そういえば赤城の様子をぼーっと見ていて何を頼むか考えていなかった。 厨房は忙しいというのにこれはいけない。えーと……。 「あ……お二人にはまたあのメニューでも出しましょうか?」 食堂全体を見渡すと忙しいはずなのに、息を切らすような様子をおくびも出さず、 にっこりとこんな戯言まで吐く間宮を見る限りでは全く忙しそうには見えないから不思議だ。 そういうことを全く考えていなかった自分はと言えばまんまと不意を突かれ、首に氷でも当てられたように体がびくついた。 「い、いや、いら――」 「いりませんっ!」 うわ。今度は右に驚いた。 砲撃音とも思わせた大声を張り上げた大井は顔を伏せているが、その横顔は赤いのが分かる。 この大声によって食堂の喧騒は静まり、赤城を含めた周りの艦娘の視線が自分らに集中砲火された。戦況は非常に不利だ。 指揮官である自分さえも、前方と右舷からの先制攻撃によってしばらく動きを拘束されてしまう。 「……あ、とりあえず適当に……じゃない。えー、鉄火丼と味噌汁を頼む」 兎に角間宮を追い払う、もとい作業に戻らせるべく、適当に見繕ってもらおうとして、やめた。 美味ければなんでもいいのだが、それを伝えたら結局あのメニューを出されるかもしれないからだ。 露骨というより隠す気が全くないあれを人前で頂くのには抵抗がある。 「あら、残念ですね。北上さん」 「残念だねー」 おい。お前らいつの間にか妙な同盟でも締結していたのか。 そういえばあのメニューを思いついたのは北上だったか。二人揃ってその生暖かい笑みをやめろ。 この二人が手を結んでいるようじゃ、北上に真冬のアイスクリン過剰供給の脅しも暖簾に腕押しと言ったところか。 「あたしは……、い号定食でいいや」 「かしこまりました」 あとは頼んでいないのは大井だけだが、大井はエンストでも起こしたように動かない。 大井の肩を叩いて問いかける。 「……おい。お前はどうするんだ」 「えっ!? あっ、提督と同じ物で!!」 「…………」 その時歴史が止まった。 「……あっ」 ……というのは流石に過言というもので、 実際のところ自分はせっかく散りかけていたのに再び集まった注目の視線が、どのようにすればまた散ってくれるのか、 脳の燃料とも言えるブドウ糖を惜しげもなく浪費していただけだ。 仕舞いには耳に蜘蛛でも侵入してくるかのような、ひそひそとした内緒話まで聞こえてくるものだからもうやってられない。 顔を伏せたり上げたり大井も忙しい奴だな。膝の上に作った握り拳と肩から力を抜け。 自分で言ってから小さく、あっ、というのは何なんだ。 「あらあら」 間宮よ。戦艦の口癖でも移ったか。 元の雰囲気から似ているとは思うがそこまで似せなくてもいいんじゃないか。 赤城も食べていた物のおかわりを頼み、間宮は赤城が積み上げた皿をいくつか回収して厨房に引っ込んだ。 あんな成りでも意外としっかりしているものだ。 そろそろ部屋中の艦娘の視線は外れてきたが、最初の喧騒は戻ってこなかった。 聞き取り辛い小さな話し声が後ろでいくつも飛び交い、少し居心地が悪い。 天井を仰いでも喧騒は戻らないし、居心地も良くならない。 こんなつもりで食堂に来たんじゃないんだがなあ。 「……あのメニューってなんですか? お勧めなんですか?」 赤城は知らんでいい。お勧めでもない。そんな子供みたいな純粋な瞳を向けても教えてやらんぞ。 恐らく盛り付けるだけだろう鉄火丼と味噌汁はすぐに届いた。 味噌汁は味噌汁で多くの者が嗜むはずだから、きっと作り置きしてあるのだろう。 落ち着きを取り戻した大井の図らいにより、北上の御膳が届いてから三人で召し上がる挨拶をした。 好意で付けてくれたお新香を摘み、早速丼の鮪をタレの通った米飯と共に口に運ぶ。 美味い。甘辛いタレがいい刺激になる。 鮪の赤身からは筋が取り除かれているところが特に素晴らしい。 やはり間宮の作る飯は美味い。これだから自宅に帰る気がなくなる。 丼を持って赤城にも劣らない速度で目の前のご馳走を減らしていると、赤城が飲み込んでから声をかけてきた。 「んぐ。そういえば提督に聞きたいことがあったんです」 「むぐむぐ、なんだ」 一方こちらは腹が減っていたこともあり、口と箸を止めずに先を促す。 「今日は大井さんとデートに行ってらしたんですか」 「んぐッ!」 近くの艦娘からであろう視線が背中にビシバシ当たったり、大井がむせ始めたり、なんとも影響力のある奴だな。赤城は。 その力は戦場で彩雲や先制航空部隊を飛ばしたりする時は遺憾無く発揮してほしいが、ここは戦場じゃないんだぞ。 しかもその後で先制魚雷を放つ重雷装艦に悪影響を与えるのはやめてくれ。 丼と箸を置いて咀嚼したまま、むせてしまった大井の背中を擦ってやる。 ……こちらに顔を伏せて私の袖を摘まんでくるのは無意識か? 「大井さん大丈夫?」 「……ほら味噌汁飲みなさい」 口の中身を飲み込んでから指摘してやると、言われてやっと気づいたように慌ててお椀に口つけた。 「はーっ……」 喉の引っかかりは無事解消されたようだ。大井もやはり不意打ちには弱いものだな。 不意打ちされても動じないようにするにはきっと相当な精神の訓練が必要だろう。自分はやりたくない。 「……で、なんだったか。デート?」 「ええ。提督、今日は出かけていましたよね? それにお二人の服……」 自分は私服のままだし、大井も軽巡時代の装甲だ。この状態で何もない方がおかしいかもしれない。 さて、言ってしまっていいのだろうか。自分は抵抗ないのだが。 大井を見やって答えを求める。 「……いいですよ」 夜伽については言うなという反応を見たが、これくらいなら構わないようだな。 「……行ったよ。デート」 「……へぇ……」 自分で聞いておいてそれしか言うことはないのか。 しかも不審なことに、変な虫でも止まっているのか、目の前に並ぶ多くの料理を見つめたまま食べようともしない。 少し不気味だ。料理にとっては蛇に睨まれた蛙のように、不気味どころでは済まないだろうが。 兎に角は目の前の鮪などを腹に収めることに専念する。 背中に視線がまだまばらに当たる気配を精一杯無視し、食べる速度が落ちた赤城を尻目に自分は最後の米粒を摘まんだ。 大井と北上が完食するまで待ち、まだ終わりそうにない赤城には別れを告げて食堂を出た。 窓に目をやるともうすっかり日は見えなくなっていた。いざこうなると暇だ。 北上は姉妹艦のところへ行くと言うが、大井は着いてきては駄目、と言う。 気でも遣ったのか? 最初大井は着いて行きたがったが、結局すぐに大井が折れた。満更でもなさげな様子が分かった。 …………………… ………… …… 執務室に戻って再びストーブに火を起こし、炬燵の電源を入れ、部屋を充分に暖める。 先に炬燵に入り温もりを得ようとする大井の後ろに自分は腰を下ろし、抱きすくめ、大井から温もりを得ようとする。 北上が見ている時でも往生際が良かったように、北上さえもいないこの場で大井が抵抗することはなかった。 「提督、この手はなんですか? 何かの演習ですか? 撃ってもいいですか?」 しかし、大井は受け入れる態度とは真逆の言葉を放った。 そのギャップが可笑しくて、くす、と笑いが漏れる。 艤装をつけているのならばまずこうして後ろから抱きしめることすら不可能なんだがな。 「提督は最近子供染みた振る舞いばかりで困ります。仮にもこの鎮守府の提督でしょう?」 あのな。私以上に威厳ある役職に就いている人間だって誰しもこういう面はあるんだよ。 そしてそういう面は決まって特定の人物にしか見せないという共通点がある。 こんな提督が嫌だって言うのなら、それまでの信頼を築いた自分を恨むんだな。 「嫌です」 突つき合うような科白を繰り広げながらも、 自分は笑いながらやっているし、大井の声色もまた全く棘のないものだった。 「あっ」 大井は何か思いついたような声を上げたかと思えば腕を振りほどいて立ち上がり、執務室の鍵をかけた。 突然腕の中から消えたその熱源が振り返って戻ってくるその顔は、とても愉快そうだ。 指定席と化したらしい座布団に正座し、何故か炬燵に足を入れようとせずこちらを向く。 「子供の提督には膝枕をしてあげます」 おお。率先してそのようなことをしてくれるとは。 ならば早速と横になって、渋い深緑の枕カバーから伸びる綺麗な膝に頭を乗せる。大井の体はどこの部分も柔らかいな。 ただ、これだけでは部屋の鍵をかける理由が分からない。 しかし大井が突然上半身の装甲のボタンを解き始めた事で、それは明確になる。 やがて装甲の前部が開かれ、中々に重みのありそうなタンクが苦しさから開放されたように姿を現した。 たぷんと揺れるそれに目が釘付けになるのは男としての性であり、こんなものを見せられた暁には子供のままではいられない。 ぐぐぐ、と自分のズボンの中の魚雷が反応を見せる。 「……ぁ」 最初からその気だったのだろう大井は、それに気づいたというよりも気づく前から目をつけていたと思う。 男のモノの変化の過程を異性に見られるというのは、まだ理性が抜けきらない事により恥ずかしいものもある。 だから嬉しそうな反応をするのもいいが、さっさとそいつをどうにかして中途半端な理性を消して欲しかった。 それを行動で示そうとして、自分はタンクに手を伸ばした。 「ッ」 向こうの質素な寝室と違ってこの部屋には暖房器具があるから、この手は冷たくはないだろう。 遠慮なく手を動かす。ただ柔らかいだけでなく張りがあるから飽きない。 飽きるどころかそれだけで満足はせず、更なる一つの欲求が浮かび上がってくる。 揉みしだくのを一旦止め、ぐっと上体を持ち上げて赤子のように吸い付く。 ちゅ。 「んっ!」 やっていることは子供だが、はたして子供が股間をおっ立てたりはするものかな。 そして授乳する母親が、はたして子供の股間を摩ったりなどするものかな。 勿論そんなことはあり得ないよな? 「ん、ふふ……」 背中に手をやって支えてくれるのはいいが、ズボンの上から擦っていじめるのはやめてくれ。直接触ってほしいんだよ。 しかしそれを伝えようにも口はタンクによって塞がれているので、言葉で伝える事は不可能だ。 タンクから口を離すだなんて考えは南西諸島の渦潮にでも捨てている。 一瞬で結論が出た脳内の軍法会議の末、口に含んだこいつを舌で転がしたり突いたりしてやることにした。 「ん、んん……!」 攻めようとする考えで行ったのに、自分の魚雷が愚直にも硬度を増した。 しかし攻めが通じたのか苦しげな魚雷を哀れに思ったか、じー、と独特な宣戦布告の音が耳に入った。 優しくまさぐられ、やっと魚雷が格納庫から取り出された。望み通り、きゅ、と握ってくれる。 最初は所々を指圧マッサージのように指で押されるだけなのだが、魚雷のどこを押されても一定の快感が伝わる。 その刺激によって順調に魚雷は限界まで固く膨らんだ。しかし大井はまだそこまでしかしてくれないようだった。 膨らみきっても指圧マッサージは何の変化もつけられないまま続行される。 仕方がないので口の中のこいつに不満をぶつけることにしよう。 つん、つん。 「ッ……」 ぺろぺろ。ちゅー。 「んん! っく」 やられっぱなしではなく、立派に抗う大井も馬鹿にはできない。 そうして魚雷の硬度を保ちつつ暴発しない程度に巧みに弄られては、潤滑油が漏れてしまうではないか。 だが大井はそれを狙っていたようで、掌を魚雷の先端にぐりぐりと押し付ける。 少量の潤滑油を塗り広げた大井はやっとそいつを扱き始めた。 潤滑油が出てくるのを待つという体で焦らしたんじゃないだろうな。 完全に大井の思うがままにされているだろう自分のそれは、感度を良好な状態まで上げてから急に上下運動をされるものだから、 突然跳ね上がった快感の規模にうまく抵抗できずに口を離してしまう。 「くあっ!」 「うふふっ」 大井はとても愉快そうに笑みを零した。 目の前のタンクに吸い付きたい欲求に少しの反発心を加えて今一度攻撃を開始する。 それからの自分らは、互いに攻撃して攻撃されるという守りなしの一騎打ちが続いた。 大井のタンクの先端も、こちらの魚雷も、物は違うが透明の液体でひどく濡れそぼっていった。 おいしい。気持ちいい。 ちろちろ。ちゅうちゅう。 「ん、っく!」 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ! 「……ッ! ッ!!」 扱く速度は速い。最早焦らすなどは考えられておらず、ただ魚雷を暴発させようと追い詰めるだけだ。 こちらは誤って口のこれを噛んでしまわぬよう繊細に気を配りつつ愛撫するので精一杯で、正直我慢している力は残っていない。 こちらが我慢できないなら大井も道連れにしてしまう気持ちで乱暴にタンクを吸い上げにかかる。 ちゅうううう! 「んっ! んんんん!!」 ほら、声が高く上がって行っている。 しかしもうこちらは充分健闘した。限界だ。 口をほんの一瞬離して息を吐き出してから咥え、中身が漏れ出るくらいの気持ちで吸い上げる。 ちゅううううううっ! 「んああああっ!!」 びゅっ! びゅるっ! 魚雷は暴発し、視界は一瞬ちかちかして、自分は糸が切れた人形のように口を離して体から力を抜いた。否、抜けた。 大井は最後のところだけ口を開けて啼いたくせに、魚雷が噴出した白い油は飛び散らないようしっかりと手で受け止めていた。 「はあっ、はあっ……」 今はただ息を整えることだけしか頭にない。今日は油がどれくらい出たとかはどうでもいい。 「はー……。いっぱい出ましたね、提督?」 そうか。 「まだできますよね?」 「……ああ」 ついでに言い忘れていたが、この執務室は施錠に加えて部屋全体が防音処理もされていて、とても密談に向いている。 わざわざ寒い向こうの寝室へ行ってからなんて煩わしい。嗚呼、今日布団をもう一枚買っておくんだったな。 現時点でまだ深くない今夜は、このようにしてのめりこんでいく。
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「また、かや」 司令は艦が沈むと自室にこもる。 誉められたものではなく、むしろ叱咤する文がたびたび送られて来ておる。 限界なのじゃな。そう感じる。 「あ、え、子日?」 わらわの妹を想ってくれるのは嬉しいのじゃが、見ていていたたまれないのう。 最初に失った艦だからじゃろうか子日を、あるいは若葉を呼ぶ。 「そうじゃ、子日じゃよ」 だからわらわはできる限りそう振る舞う。忘れさられる艦と比べればいかに幸せかなど問うまでもなかろう。 「ああ、子日、子日だ」 そう言ってわらわの胸に吸い付く。果たしてこやつが子日とねんごろだったのか知る術はない。 「ふふ、まるで赤子よの」 一心に吸い付く姿はまるで全てを投げ捨て幼子に戻っているようじゃ。 「よしよし、わらわがついておるからのう」 そう言ってそっと抱きしめる。 「ああ子日、あったかい」 もしこやつが子日と、あるいは若葉とそのコトに及んでおったら、わらわはそこまで真似できた自信はない。 じゃから、こうやって胸や唇を吸う行為で止まっておるのは安堵しておる。 ただ、たまに思うんじゃよ。 全て、諦めさせてやれたら、そのほうが楽になるんじゃなかろうかと。 こんな紛い物ではなく、御霊となった二人に会える方が幸せではなかろうかと。 そんな迷いがあったからじゃろうか。こやつが錯乱しておるのに気づけんかった。 小声でなんぞ話しとる思えば、若葉は現実じゃない、やと。笑えてくるのう、そんなのいつからじゃと思っとるんじゃ。 思えば此度初霜を失い、わらわはひとりになったのじゃな。 「子日! 何を」 こやつが下半身に血を集めておったことくらい気づいておる。 じゃから、長袴さえはいでしまえば、出来ることは分かっておった。 一つになるとわらわの秘所からは避けるような痛み。流石に無理があるようじゃの。 見れば、焦点の合わぬ虚ろな目をしておる。ちょうど良い。 「わらわが初春じゃ。よろしく頼みますぞ」 そう耳元で呟いた瞬間、跳ねた。 わらわを押し倒すような体位に変わりわらわの首筋に手がかかる。 「あ、あ、返せ返せ」 一体何をじゃと思えば子日を返せと叫んでおる。ああ、わらわも疲れた。 じゃから、手に力が入り息も出来ず、全身がおかしくなろうとも抗わん。 こういう時、なんと思えば良かったか、ああそうじゃ。 痛いぞ、じゃが悪くない。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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63 :名無しの紳士提督:2015/02/12(木) 19 56 10 ID Da0WDTxc 提督「俺は命令とかするけど君たちのように戦えないから、君たちの為にご飯を用意するぐらいしか出来ないんだ…」 艦娘達「(提督の手料理…)いただきまーす…………ンマアアアアイ!」 赤城「MVP貰って提督のご飯は私のです!」 加賀「提督の手料理は譲れません!」 金剛「テートクの焼いたデリシャスなケーキで二人きりのティータイムデース!」 武蔵「この武蔵、提督の手料理の為ならどんな敵にも負けぬ!」 吹雪「MVPとって、て、提督特製のあんみつを」 深海凄艦「ダ、ダレカタスケテエエエエエエ!?スゴイ殺ルキニミチタカンムスタチガコッチニヤッテクルゥゥゥゥゥ!!」 提督「MVPとった人に何か作ってあげると言ったらなんか戦果が格段に挙がっているのだが…」 間宮「orz…ワタシノタチバガガガガガ」 鳳翔「(提督と二人でなにか店を、そして…ポ)」 トニオさんばりの料理上手な提督のお陰で今日も鎮守府と深海凄艦は修羅場です おまけ 提督「俺の焼いたクッキー美味しいかい?」 ほっぽ「ウマイ!モットクレ!」 提督「そうか、なら鎮守府にきたらケーキもあるけど、どうかな?」 ほっぽ「ケーキ!!イクイク!!」 陸奥「深海凄艦の情報 を得るとはいえ、提督、それじゃ不審者よ…」 提督「みんな、ご飯出来たよ」 艦娘達「まってました!」 他鎮守府艦娘達・深海棲艦達「御相伴預リニキマシ…」 艦娘達「カエレ!!」 65 :名無しの紳士提督:2015/02/12(木) 21 57 38 ID mMAbmXt. 深海凄艦になつかれる提督か、pixivのちいか○提督やつ○提督のイメージが 前者は女で後者は妻子持ちだけど 66 :名無しの紳士提督:2015/02/12(木) 22 00 54 ID mMAbmXt. 間違えたつ○じゃなくてご○だ 74 :名無しの紳士提督:2015/02/14(土) 11 50 55 ID B4a2mrSs メシウマ提督かな 75 :名無しの紳士提督:2015/02/14(土) 12 17 07 ID KaO.e07s 泊地で取れた新鮮な海産物で毎晩豪華なディナーだって?w 77 :名無しの紳士提督:2015/02/14(土) 12 57 57 ID vftbawpw ドロップ艦も深海棲艦も海で産まれた海産物だよなぁ・・・・・・。 78 :名無しの紳士提督:2015/02/14(土) 13 33 22 ID HAuCF4PU マグロ漁船(レア艦掘り) これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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青空の陽光と海面からの反射光が、おそらく戦時中から照らし続けてきたであろう年季モノの建造物、横須賀鎮守府。 その3階、執務室…士官制服に短い金髪をツンツンと逆立てた奇妙な若い「提督」のナワバリに、怒号が響く。 「だ・か・らッ!!あれは誰がみたって中破の戦艦を追うべき場面でしょ?!なんで敵駆逐艦優先に指示変えたの!」 「いやぁ…オレがそうしたい、そうすべきと思ったからであって、普通に言うこと聞いてくれればそれで良いと思うんだけど?」 今日の采配について怒鳴りこんできたショートカットのボーイッシュな艦娘に、とても軍人に見えない面構えのヤンキー提督が机に両脚を上げて組んだまま応戦する。 あいにく戦艦1隻に攻め込まれた位でビビるような男でも、部下と本気のケンカする体面を気にする男でもない。そういう場面での精神はチンピラのそれに限りなく近い。 「比叡、あれは命令ヨ。ここはこれでも軍属で、こんな人でも司令は司令ネ」 「…お前あとで屋上な」 ジト目で睨みつける提督から視線を外し、見た目の話ヨーと口笛を吹く本日の秘書艦は金剛。 「姉様も姉様よ。こんなチャラい奴とずっとイチャイチャして!戦艦の誇りはどうしたのよ?!」 比叡の怒りの矛先が金剛にまで向けられる。前世紀からずっと大好きだった誇り高き金剛型一番艦の現在の姿が、久々に再会した二番艦たる彼女にはまったく気に入らない。 「…比叡。テートクは…」 「やめろ、金剛。…オレの指示がきけねーっつーのか、比叡ちゃんよ」 「気安く呼ばないで」 「あぁ?何言ってんだテメェ」 怒気を含んで立ち上がる提督。二人は相手の目を至近距離で殺気を込めて睨みつけ、互いに一歩もひかずついに額をゴリゴリと押し付けあう。さながらシカのケンカである。 額に青スジを浮かべた比叡が、先に口を開いた。 「伝わらないならはっきり言ってあげる。…戦況読めないなら口出さないで!やる気ないなら辞めなさい!この、素人提督!!」 「んだとテメェ?!装備ひっぺがして練習艦に戻して欲しそうだなぁコラ!あぁ?!」 提督の怒号に、思わず4番砲塔を抑える比叡。 「う、そ、それは………てか、し、素人の割に妙に詳しいじゃないの…!!」 トラウマを突かれて引いてしまった比叡を見下し、一転優位に立った提督は相手を指差しドヤ顔でふんぞり返る。 「こっちにゃ頭脳派の霧島センセがついてんだよ。てめーの恥ずかしい過去もアワレな最後もぜんぶバレバレだぜ」 「~~~~~!!!」 肉食獣の顔で歯ぎしりする比叡であったが、もはや流れは相手にある。 「あ……あんたなんかの言うこと、絶対聞いてやんないから!そのうち金剛姉様も返してもらうからね、覚悟してなさい!!!!」 凄まじい勢いでドアを蹴り閉め、比叡は大股で執務室を後にした。 ドスドスという床を踏み抜かんばかりの足音が、やがて遠ざかっていった。 *** 「――と。ああは言ったけれども、やっぱちょっとマズイかな…」 廊下の突き当たりまで来て比叡は、口を尖らせたまま形の良い顎に手を当てて考えていた。熱するのが早いぶん冷えるのも異常に早い。 ここ以外に彼女に往くあてはないし、そもそも――彼女の心から敬愛する金剛はすっかりここに馴染んでいるのである。 『金剛お姉さまのいる場所はすなわち私の居場所』と考えている比叡にとって、鎮守府から出てゆくのはよく考えなくともそもそも選択肢ではなかった。 (姉様に嫌われないためだ。あのチャラい提督のためなんかじゃない) 自分を納得させる言い訳をなんとか見つけ出し、執務室の扉の前に再び立ったそのとき。 「――そうだ。オレがたった一隻を与えられてこの鎮守府に来た頃、あいつは艦を救いに行くため二日も三日もオレを根気よく説得した。オレは意地を張って聞く耳持たず、逃げることばかり考えてた」 室内から、提督の声が聞こえた。思わず聞き耳を立てる。 「そのうちあいつは一人で海に出ていって、帰ってこなかった。引き換えに軽巡二隻を、この鎮守府に寄越して」 「神通は泣いてたヨ。覚えていないけれど、彼女を沈めてしまったかもしれないって」 姉の――金剛の声。比叡は扉に寄り掛かるようにして聴音に務める。不知火が怪訝な顔で後ろを通り過ぎていった。 「あいつを見つけるのはこの鎮守府の優先的な目的だ。私物化と言われても仕方ねーけどな…はやくあいつを引き上げてやって、この数カ月の成果――お前らを見せてさ」 ――少しは頑張ったんだぜ、とドヤ顔で見せつけてやりたいんだ。そう付け足した提督の声は、いつもの調子からは想像もつかないほど静かで、遠かった。 「比叡には、まだ誰も伝えてなかったんだな。戦術戦略から見ればきっと、アイツの方が正しいコトを言ってんだろう。…次に合ったら、オレからワビ入れて、説明しとく」 「あの娘は…吹雪は、とってもマジメな良い娘だったネ。テートクのお陰で助かったわたしたちだけど、それはあの娘がわたしたちを助けてくれたも同然ヨ」 だから、と言った姉の声は、これまで比叡が聞いたこともない優しさを含んでいた。 「だからテートクは、間違ってないヨ。比叡も本当はとっても良い娘、きっと分かってくれるネ」 「金剛…」 「テートク…」 次の瞬間、ドアを蹴破って比叡が室内に再び舞い戻った。 「すみません全部聴いちゃいました!謝らないとならないのは――ワビなきゃなんないのはあたしのほうです!!!すみません!!!」 「!?」 比叡は入室するなりガッと勢いよくアタマを下げたため、金剛が赤面してさっと背を向け、乱れかけた服の胸のあたりを正したのには幸い(?)気づかなかった。 「駆逐艦を優先することに、そんな大切な目的があったとか――その、あたし、知らなくて――!」 「あ、あぁ……いや、オマエだけが悪いワケじゃねーし。つか、そもそも事情の説明も大してしねーで、こっちもついアツくなっちまってスマンかった。この通りだ」 とりあえず瞬間的な混乱から立ち直った後、提督も男らしくツンツン頭をすっと下げ、言葉を続ける。 「――だがとにかく、今のオレにはお前らの力が要る。お前の言うとおり何にも知らねーシロウトだが、そこは――頼む、としか言えない」 それらの態度とセリフに、俯いたまま驚く比叡の頬が思わず熱くなる。 いや自分のためっていうかそれは結局、いまだ彷徨う艦娘たちのためで… あれ、なんか…実はすっごいいいヒトなんじゃないこの人?? もしかしてやっぱり、あたしが言い過ぎのお子様だっただけ?まずい、なんかガッツリヘコみそうだわこの展開…… 「比叡。テートクはそういう寂しさと後悔を背負いつつもそんな素振りは一切見せず、強く明るくわたしたちを導いてくれるできたお人ネ」 金剛が珍しく姉の顔で強く伝える。大好きな姉の言でも自分の直感を肯定され、比叡はうつむいた顔が上げられない。 「そんなテートクの寂しさつらさを少しでも紛らわせるべく、わたしはこうしてテートクと頻繁にスキンシップをとっているのデース」 「……ふーん」 ついでの弁解にものすごく疑いの表情でクビを傾げる比叡だったが、そんなことは意に介さず金剛は畳み掛ける。 「それはそうと、比叡はテートクのハートをいたく傷つけてしまったネ。ワビる方法はこうなったらひとつヨ」 「え」 提督と比叡の声がキレイにハモる。 「大丈夫、ワタシと一緒ならコワくないネー。一緒に可愛がってもらいまショー!!」 「あ、そういう仲直りなら大歓迎。今日もう仕事ないからベッド行こうぜ、比叡」 「………ひ………えぇぇぇえぇぇぇ?!」 驚愕の悲鳴が、鎮守府に響いた。 *** 「ドーデス?テートク?」 「いやドーデスも何も…キレイなカラダしてんなー。本当に」 カーテンの隙間から遮りきれない陽光の差し込む、昼下がりの提督の私室。 「あ、あの…」 そこには大きめのベッドの上に座り込み、大好きな姉に背後から拘束するように抱きすくめられ力なく困惑する比叡の姿があった。 「自慢の妹デスヨー。テートクは脱がないんですカー?」 「まぁとりあえず、観るだけで」 (うぅ…な、なんでこんなことに…) 比叡の衣服は言葉巧みに金剛によってすべてが床に剥き捨てられ、髪飾りのみを残し芸術品のような裸体を晒した彼女は、頬を染めて怯えた瞳で正面の金髪提督を見つめている。 「ね、姉さま…恥ずかしい、んですけど…」 自分を抱きしめている、背後の金剛を振り返る。姉も提督も着衣のままなのに、自分だけが全裸でいるというのが居たたまれないほど恥ずかしい。 「恥ずかしいのはこっちヨー。あんなに堂々と上官に逆らって、アナタは軍属としての自覚はあるノ?」 「……」 叱られた子供が拗ねるように、言い返せもせず意外に長いまつ目を伏せた比叡に、金剛は優しく顔を近づけ――そのまま軽く、唇を奪った。 「ウソ。アナタはアナタらしくが一番。でもネ――ベッドの上では武装解除が、艦娘の心意気ヨ」 「姉さま…」 心を蕩かすようにあちこちに繰り返されるキスの感触と、金剛の優しい声が、比叡の抵抗する力を徐々に奪ってゆく――次の瞬間。 金剛の両手が不意に、背後から比叡の形の良い両脚の膝裏を持ち上げ、左右に大きく開いた。 「ね、姉さま!?」 「さあテートク。御召艦の美しさ、隅々までじっくりとご鑑賞下さいネー」 「や、いやぁ!姉さま、こんな……格好……!!」 全裸で大きく美脚を広げられ、当然、正面の男性に柔らかなふとももの間のモノ――性器を露出する体勢になる比叡。 「へー。色もカタチもきれいなもんだな。毛も多すぎず少なすぎず、なんというか上品な感じ」 「やぁぁぁ……!みないで、みないでぇぇぇ……」 味わったことのない恥辱が、電撃のように全身を震わせる。しかし姉の手は硬く動かず、全裸で脚をMの字に開かれた彼女にはぎゅっと目を瞑り首を左右に振るしか抵抗はできなかった。 「下の穴も綺麗だし、全体的に匂いもしない――いやむしろ、なんか良いニオイする」 「やああぁぁぁぁ……!!」 「ピンクのポッチはまだ半分、鞘の中――お、ちょっと出てきた?」 「やだやだぁぁぁ!!もう見ないで、言わないでえぇぇぇぇ!!」 どこにも触れられてもいないのに――両胸の先端と、見つめられる一点に切ない何かが集中してゆく感覚に、涙目の比叡は身をわななかせた。 金剛に持ち上げられた比叡の両脚はじたばたと暴れるのをやがて止め、提督の左右に突き上がった足指の先がぴんと伸びたりぎゅっと丸まったりを繰り返す。 「は――はぁぁ――」 「あー、完全に出てきた。興奮してるな、比叡。……ちょっと濡れてきてるし。あ、戦艦だから――排水?」 「うあああぁぁ…あ、あああぁぁぁぁ…」 完全に真っ赤になった顔を両手で抑えた比叡に、金剛が背後から優しく声を掛ける。 「比叡……大丈夫だから。テートクに全部お見せするのヨ。ココロも、カラダも、全部」 「もう…やあぁぁぁ…」 こんなガサツな自分が、キレイであっても仕方がない。 たとえ多少見目が良くても、男性になんか好かれるはずがない――敬愛する金剛を、すべての艦娘を姉や妹と呼んで慕う彼女の心の根底には、そのようなコンプレックスがあったことを比叡自身は知らない。 だが。 「キレイだぜ、比叡。お前はたぶんこの鎮守府で、オレが今まで見てきた中で、最高にキレイな艦だ」 「――――!」 提督の気負いのない一言が、彼女の堰を破った。途端に全身を火照らせた彼女のカラダは、ガタガタと大きく震え出し。 吐息を感じるほどの距離で、提督の目前に晒された彼女自身が、やがて一際大きく収縮して――そして。 「や、やだ、なんかヘン――来る、来ちゃうよぉ――あ、あああぁぁぁぁああッ!!」 胸にも性器にも触れられないままに。制御の効かない甘やかな感覚は頂点に達し、比叡の美体はびくびくと到達を迎えた。 *** 「比叡……」 金剛が荒い息を吐く妹を、愛しげにぎゅっと抱きしめる。既に拘束を解かれた両脚はそれと気づいていないのか慣れてしまったのか、形を変えず大きく膝を割ったまま。 「え、もしかしてもうイッたの?まだ触ってないのに?」 ――肉付きの締まった両のふとももの間に、提督のツンツン頭を挟んだままで。 「比叡のココ、ひくひくしてて――ちょっとだけ谷間が開いてて、ときどき蜜が溢れてくる――すっげぇエロい」 「…や、やあぁぁ…言わないで、恥ずかしい……もう、もう…やだ、また、きちゃ――う――!う、うぁぁぁぁッ!!」 視線と言葉と、頂点を超えた恥ずかしささえも快楽に繋げてしまうかのような自分の身体を制御できず、比叡は間を置かず白い喉を大きく反らして、姉に似た豊かな胸を揺らしながら二度目の絶頂を迎えた。 「…感じやすいんだなー。追い打ちかけるようだけど、触っても良い?」 「モチロンデスヨー」 ――な、なんで姉さまが答えるのよ…。あたしのなのに…。 比叡にわずかに抵抗の感情が蘇りかけたが、この状況は『謝罪』であり『懲罰』である、という意識が基本的には生真面目な彼女に心の奥底でブレーキを掛けてしまう。 「や…やああぁぁぁっ……ふっ…くぅぅ…っ!」 やがて侵入してきた指の感触。触れられずに二度も達した身体が、待ちかねたように狂喜するように受け入れてしまう。再びぎゅっと目を閉じる比叡。 「お前のココもぐもぐしてんぞ、比叡」 「…し…しかた…ないの…!あたしが、やってるんじゃ……な……あぁん、は――」 気持ちいい。 気持ちいい。 背後から姉さまに抱かれて、正面から提督に触れられて、胸がどきどきして――ものすごく、心地いい。 「あぁァァァ…ッ!!」 一際大きな声で啼くのも、自分の身体が望むままに背を反らすのも、さっきほどの抵抗はない。 無意識のうちに腰は大きく揺れ、自分の右手が揺れる自分の乳房を揉みしだく。 「そろそろまたイキそうか?」 「ん、もう、あ、…うあああ、ああああ……あ、はぁんっ!!ふぁぁぁッ…!」 慣れてきてしまったのか、三度目の快楽は頂点の限界を超え――二度、三度と絶頂の潮を吹き上げた後、体力と精神を消耗し尽くした比叡は、くったりとシーツの上に突っ伏した。 「テートク?そろそろここ、窮屈になってきたんじゃないノ?」 「まーそりゃね。比叡は本当キレイだし――金剛、もしかして妬いてる?」 金剛が四つん這いで提督ににじりより、無言のまま軽く押し倒すのを白く霞んだ視界の端に捉えつつ――比叡は混乱と疲労の向こう側に、快楽を求める裸の自分が目覚めつつあるのを感じていた。 *** ――提督の陰部を露出させて口に含み、指と舌とで丁寧に奉仕し、勃ち上げる姉の姿。 黒レースの下着のみを脱ぎ捨てて提督に跨り、挑発的な表情で着衣のまま身体を落とす姉の姿。 やがて――腰をくねらせつつ、リズミカルに上下に揺れ、快楽に嬌声を上げ髪を振り乱す姉の姿。 二人の手慣れた感じの痴態をどこか遠くで見つめるような気分だった比叡の心が、不意に疼く。 でも。でも、絶対に気づかれるから―― ――いや。 あれだけの姿を晒して、今更何を恥ずかしがるというのか。 そう思い至ったとき、すでに彼女が快楽を求めることを阻むものはなかった。 比叡の指先は、自分の脚の間へと伸び――人差し指の先端が、いまだ乾くことのない秘肉の間へと飲み込まれる。 「は、はッ、はぁッ…」 ぴちゃぴちゃと派手な水音を立てて自分の性器を出入りする自分の右手指。 感触も、その音すらも、気持ちが良い。 空いた左手は乳房の先、無意識に固く色づいた自分の胸先をこねまわし始める。 ぴりぴりした感触が、気持ちが良い。 「あ、…あ、キモチいい……キモチいいよぉ……ねえさまぁ……」 愛する姉の性交を見ながらの自慰は、まるで自分が抱かれているようで、 恥辱のない世界、背徳感のない行為は、――気持ちが、良かった。 やがて二人がこちらに気づく。比叡にもしてあげてクダサイ、そんな声が遠くで聞こえる。 そして自分は自分の欲望を声に出し、伝える―― 「さっきの、カタチで、してください――」 背後に姉さま、正面に提督、すべてを解放した自分――そこから失神へ至るまでは、良く覚えていない。 *** ――翌朝も、よく晴れた日だった。 「…大丈夫かな。勢いであそこまでやっちゃったけど」 「ダイジョブヨー。すっきりさっぱりがあの娘の良いところネ。はい紅茶デース」 執務室に鎮座したまま、今朝一発目はどういうリアクションが返ってくるかといろいろ脳内シミュレーションが絶えない提督に対し、金剛はあっけらかんと言い放つ。 やがてぱたぱたと元気な足音が近づいてきて―― 「おはようございます!、司令、姉さま!なにかご用の向きはございませんか!!」 昨日とはうってかわって満面の笑顔の比叡が、執務室の扉を蹴り開けた。 「じゃせっかく横須賀だからオマエ用のスカジャンとグラサン買ってこい。あとオレにヤキソバパン」 「わたしはメロンパンネー」 「了解!気合い入れて、いってきます!」 元気な足音が入ってきた時と同じように、遠ざかってゆく。 「さすがテートク、もはや手足のように」 「うん。なんか自動的に身体が反応してた。思った以上にしっくりくるわ」 ずずずと紅茶を啜るヤンキー提督。司令と呼んだのは、今後は命令に服従するつもりの表れなのか―― と。 はやくも元気な足音が帰ってきたかと思うと、再び執務室の扉が蹴り開けられた。 「大事なこと言い忘れました!」 「どうしたノ、比叡?」 「司令も姉様も、――大好きです!」 顔を見合わせる提督と金剛の表情が、思わず緩む。 「あと」 「ん?」 「――昨日は超気持ちよかったです!今度もまた絶対誘ってください!」 ふたたびぱたぱたと去っていく足音を聞きながら、提督が再び紅茶をすする。 「…なんか、大事なものをぶっ壊しちまったんじゃないよな?」 「艦娘はあるがままが一番。もちょっと紅茶が飲みたいネー」 若干不安げな提督の表情を尻目に、笑顔で再び紅茶を入れに行く金剛。 まぁいいか、と金髪提督は口の中で呟いた。――とりあえず、付き合いにくい奴ではなさそうだし。 「そういや、あとまだ来てないのは榛名ってのか?どんなタイプなんだ?」 「えっとネー…」 横須賀鎮守府は今日も、平和であった。 (End.)
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