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登録日:2022/03/31 (木) 23 01 00 更新日:2022/04/01 Fri 20 34 32NEW! 所要時間:約 11 分で読めます ▽タグ一覧 イベント海域 ナ級祭り 空母棲姫 艦これ 艦これアーケード 飛行場姫 駆逐棲姫 高難易度 いいですか、落ち着いて聞いてください。 1MYBフレームとグッズを狙っていたあなたの財布は、既にジリ貧です。 艦これアーケードの期間限定イベント海域。 開催期間は2022年3月17日(木) 7 00~ 4月12日(火) 23 59までを予定している。 - 目次 【概要と海域の特徴】 【この海域にて追加されたシステム】◆戦況変化 【特効艦娘一覧】 【報酬関連】 【海域一覧】E-1 E-2 E-3 掃討戦 【概要と海域の特徴】 2021/3/15にC2機関のツイートとアーケード公式にて発表された、ブラウザ版のそれをモデルとしていないオリジナルのイベント海域。 アーケードオリジナルのイベント海域は今回で三回目の開催となる。 今回のイベントは通常の戦闘と輸送作戦が混在したE-1~3で構成される、合計3海域の構成となっており 連合艦隊を編成する海域や、ダブルゲージ、ギミックゲージの類は採用されていない。 各海域は通常海域の5-3と同様に1つの海域で2通りの作戦が設定され、どちらか片方を選んで戦力ゲージを減少させて作戦を進めていく。 戦力ゲージは1つの海域で共有しているためどちらの作戦を選んでも構わないが、敵編成や出撃制限、ドロップテーブルに関しては作戦ごとに異なっている。 また、アーケードでは数少ない甲乙丙難易度の設定がされていないイベント海域でもあるが 後述するシステムにより、違った形で難易度が設定される仕様となっている。 なおこの項目では便宜上、海域タップ後に表示される左側の作戦を「E-〇-A、作戦A」、右側の作戦を「E-〇-B、作戦B」として表記する。 【この海域にて追加されたシステム】 ◆戦況変化 作戦進行の状況による戦況の変化。具体的には戦闘結果により3通りの戦況が用意され、敵編成や敵旗艦のステータスに変化が生じるシステム。 例えば初期の状態では「敵戦力ニ変化ナシ」、という実質的な難易度乙の敵編成となっているが S勝利が続くと高難易度の編成、隻数となる「敵艦隊ノ増援ヲ確認」という、難易度甲に相当する敵編成に修正されたうえでの出撃となる。 「変化ナシ」の状態でもD~E敗北が続いた場合は「敵戦力ノ漸減ヲ確認」という、実質的な難易度丙による出撃となり この難易度でS勝利が続いた場合は「変化ナシ」に難易度が戻る…ということになる。 勝利や敗北でどの程度難易度が変動するかは不明だが、道中から主力艦隊まで完全勝利Sを貫いた場合は、ほぼ確実に難易度が上昇する模様。 最初から難易度が選択できないデメリットがあるものの、沼る心配や甲種勲章を気にする必要がなく、配布される報酬も全ての提督が同一になっている。 【特効艦娘一覧】 ◆E-1 駆逐艦 朝霜、清霜、霞、神風 軽巡洋艦 大淀 重巡洋艦 足柄(E-1-Aのみ) ◆E-2 駆逐艦 初風、雪風、天津風、時津風、浦風、春雨、神風 水上機母艦 千歳 ◆E-3 駆逐艦 曙、潮、初春、初霜、霞、長波、朝霜、清霜、島風、春風 【報酬関連】 今回は新艦娘として神風、春風が参戦し、限定フレームは本イベント海域での邂逅に限り 番傘と桜の意匠が描かれた「船団護衛作戦フレーム」が排出されるようになる。 例によって建造では同フレームの対象とはならず、大和や大鳳などのフレームカードは排出されない。 【海域一覧】 E-1 詳細 ・南西海域哨戒(消費GP300) ☆6 作戦A 南西海域の哨戒を実施する! 哨戒部隊、出撃せよ! E-1-A出撃制限:なし 作戦Aは道中に潜水艦が出現せず、軽巡ツ級elite旗艦や重巡リ級改flagship旗艦、軽母ヌ級改flagshipの艦隊が登場する 戦艦の出番こそないもののこの時点で火力の高さを感じさせられるが、駆逐ナ級後期型も目立つようになるので従来よりも攻略に時間を要する可能性もある。 主力艦隊旗艦は軽巡ホ級flagshipだが、2番艦以降はエリツや駆逐ナ級後期型eliteで固められており、近距離時での火力が高くなっている。 ホ級の場違い感よ ただ、消費GPが少なく最短2周で攻略が可能なので、攻略はしやすい。 作戦B 南西海域の哨戒を実施する!敵潜水艦群を 捕捉。対潜哨戒を実施せよ! E-1-B作戦出撃制限:軽巡1隻以上、駆逐艦2隻以上 作戦BはAとは違い、敵編成は潜水艦のみが出現する海域となっており 道中に潜水ソ級eliteを旗艦とした4~5隻編成の艦隊が4隊出現する。 軽母や水母を編成に加え、道中2~3艦隊を狩れば2周で突破できる海域なので、航空攻撃で事前に出鼻をくじけば早期に決着を付けることも可能。速度を我慢できるなら伊勢型改二の5スロに対潜機体を満載するのもアリ。 主力艦隊旗艦は潜水ヨ級flagshipで、増援難易度の場合は6隻編成となるため時間がかかることもあるが、戦い方に変わりはないので 対潜戦闘に慣れていれば難しくはない海域となっている。周回ついでに新艦娘のレベリングも十分可能。 なおE-1のドロップテーブルはE-1-Aに大淀、香取、鹿島、明石、伊401といったレア枠が採用され E-1-Bはそれら艦娘が出ない代わりに、照月、初月、速吸と邂逅する機会がある。 報酬は12.7cm連装砲A型×2、家具コイン200、特注家具職人。周回クリア報酬で家具コイン100 E-2 詳細 ・発令!船団護衛作戦(消費GP400) ☆8 船団護衛作戦が発令された!戦略重要 拠点へ向かう輸送船団を護衛せよ! E-2-A出撃制限:駆逐艦2隻以上 E-2-B出撃制限:軽巡1隻以上、駆逐艦2隻以上 TP値:570 作戦A 道中は軽巡へ級flagshipや駆逐ハ級flagshipでTP値を稼ぐことも出来るが、中には空母ヲ級lagshipや戦艦ル級flagshipなど輸送作戦には厳しい艦も含まれている。 理論上は初期TP値80以上に調整し、道中全滅、海上のドラム缶全回収とした場合は2周で突破が可能だが、残り時間との戦いも念頭に置かなければならない。 主力艦隊旗艦は揚陸地点からおよそ8時の方向に出現する潜水ソ級elite。増援の場合はまた6隻編成の潜水艦隊が相手となる。 道中艦隊への火力と主力艦隊への対潜の両立といった点から、伊勢型改二を編成すれば比較的楽に突破することが可能となっているが 1戦闘当たりの航空攻撃の手数も考えると、駆逐艦や軽巡の対潜装備も要調整。 ドロップテーブルに採用されている艦娘は吹雪型、雪風、初月、千代田など。 作戦B 道中は潜水ソ級の潜水艦隊2隊に、フラル旗艦、輸送ワ級flagship旗艦の編成が待ち構えており 一見TP値が稼ぎやすいように見えるが、時間がかかる対潜戦闘に高耐久な輸送艦、ル級旗艦編成を考えると作戦Aより足止めの要素が強い。 ではこの編成を突破した先に待ち構える編成はというと… 主力:水母棲姫(耐久680、先制雷撃あり)、空母ヲ級改flagship×2(装甲ゲージあり)、軽巡ヘ級flagship、駆逐ロ級後期型elite×2 随伴:空母ヲ級改flagship(装甲ゲージあり)、空母ヲ級flagship、重巡リ級flagship、軽巡ヘ級flagship、駆逐ロ級後期型×2 編成だけなら過去のイベント海域でもありがちな面子だが、問題はこの海域が輸送作戦という事…。 普通に戦うだけでも高難易度であり、上記編成に対して輸送作戦を考慮した装備と編成で挑むことになる…という苦行が待ち構えている。 輸送作戦ではS勝利を取らなければ出撃中に稼いできたTP値は削られてしまい、そういった点でも急激な難易度の上昇を感じさせられるが 勝てるのであればともかく、選ぶとすれば残りTP値が少ない時に止めを刺す意味合いで出撃すれば、装備枠にも余裕ができるかも知れない。 安定した突破を実現したい場合は作戦Aを選択することが定石となるが、作戦Bのドロップテーブルは 浜風や島風、天津風、秋津洲などが採用されており、彼女たちのフレームカードを狙う場合は本作戦の選択が必須となる。 報酬は12cm単装砲改二x2、戦略ポイント500 周回クリア報酬で戦略ポイント200 E-3 詳細 ・春風船団を護衛せよ!(消費GP450) ☆10 泊地あり 出撃制限(両作戦共通):軽空母1隻以上、軽巡1隻以上、駆逐艦1隻以上 作戦A 敵飛行場より敵機が発進している模様。 敵基地を撃滅し春風船団を護り抜け! 作戦Aの道中は潜水艦が出現せず、軽巡ツ級elite旗艦、戦艦ル級elite旗艦、空母ヲ級elite旗艦、空母ヲ級flagship旗艦の艦隊が出現するが 全ての艦隊の駆逐艦枠に対し、駆逐ナ級後期型や駆逐ナ級後期型eliteが採用されている。 ナ級後期型はアーケードでも例にもれず装甲と火力、耐久がツ級並み、雷撃は100を超える安定の艦種詐欺艦だが、近距離サークルに入らなければ砲撃される心配はない。 そして作戦内容にも記載の通り、主力艦隊旗艦は飛行場姫。 主力:飛行場姫(耐久630)、護衛要塞(耐久166)×5 随伴:駆逐棲姫(耐久370)、軽巡ツ級elite、駆逐ナ級後期型elite×4 編成はこのように飛行場姫は代わり映えしないものの、随伴艦はヲ級でもル級でもなく、イベント常連の駆逐棲姫が随伴艦隊へ参戦する。 彼女は過去の例で行くと制空を取り、特効駆逐などに水上電探を装備させて命中率を底上げする戦法などが取られていたが、問題は「陸上型敵艦の随伴」に参戦しているという点。 味方編成は必然的に対空CI要因、そして三式弾やロケランなどの対地装備で固めた艦娘が必須となり、電探を装備する枠が確保し辛く また僚艦のナ級後期型もニ級ほど簡単に沈まないばかりか、駆逐棲姫の雷撃カットインの対象にもなりえるため、飛行場姫の戦闘に慣れていても雷撃で大破する可能性が高い。 その結果、飛行場の攻撃を避けても、あるいは彼女に勝ったと思ったらメスガキ艦にわからせられていたアケ提督もしばしば…。 火力要因としては回避を優先する場合はダズル3積みの金剛型改二2隻、道中の潜水艦対策も兼ねたい場合は伊勢型改二、資材と回避に自信がある場合は大和&武蔵が 対空CI要因には21年末に実装され、CI発動率と機銃CIによる撃墜率がブチ壊れている摩耶改二などが候補に挙がる。 ますます秋月型の立つ瀬が無くなるとか言うな 後述する作戦Bと違って装甲ゲージ持ちはいないので特効装備さえ完備していれば勝てなくもないが、海域の選択はお好みで。 作戦B 台湾方面への船団護衛を実施、敵機動部隊を 撃滅し、航路の安全を確保せよ! 作戦Aとは違い道中には潜水ヨ級flagship旗艦の潜水艦隊が2隊、後は駆逐ナ級後期型eliteが含まれたツ級やヲ級が旗艦の艦隊が出現するのだが 作戦Bのみ敵編成に駆逐ナ級後期型flagshipも含まれるようになる。当然eliteより高性能で、火力は91、雷装123…という近づくことも憚られる相手。 道中の敵潜水艦隊は、旗艦を駆逐艦にして作戦開始後全速力で上にある小島上部分まで進むようにすれば戦わなくて済む。 主力艦隊旗艦は空母棲鬼。対地装備がほぼ必須といった制約はないものの、編成は 主力:空母棲鬼(耐久470、金色装甲ゲージあり)、空母ヲ級改flagship×2(装甲ゲージあり)、重巡ネ級elite、駆逐ナ級後期型flagship×2 随伴:駆逐棲姫(耐久440)、軽巡ツ級elite、駆逐ナ級後期型flagship×4 と、作戦Aに負けず劣らずの高難易度を誇っている。 旗艦は中破にさせてしまえば攻撃不可能となるが、装甲ゲージ持ちが3隻も混ざっていることもありダメージの累積には時間を要する。 その上、この海域の空母棲鬼は戦力ゲージ半分以下の際にダメージを与えると 主力:空母棲姫(耐久540、金色装甲ゲージあり)、空母ヲ級改flagship×2(装甲ゲージあり)、重巡ネ級elite、駆逐ナ級後期型flagship×2 彼女と入れ替わる形で空母棲姫が海域を走る艤装に対して空中から出現して搭乗し、編成が差し変わるばかりか僚艦ごと完全回復する…という インチキ効果 を発動する。 当然戦闘終了寸前であっても、一から上記の編成を相手にしなければならなくなる。 空母棲鬼/姫の航空サークルは回避が極めて困難に思われがちだが、艦隊にサークルが接近したら船速を一杯ではなく5速程度で待機し その後、ある程度サークルが侵食した時点で一杯にして引き離す…という戦法で航空サークルの回避が可能となるため、慣れていれば航空を受ける可能性も低くなるかもしれない。 随伴艦隊は作戦Aと同様に駆逐棲姫が参戦し、対陸上型の戦闘ほど行動可能な範囲が狭くないため同艦隊から離れることも可能だが それでも雷撃サークルの対象になる可能性も捨てきれず、何よりしれっと駆逐ナ級後期型flagshipが編成に含まれているので、そういった点にも難易度の高さが際立つ。 相変わらずの高回避力で全艦一斉射撃すらカスダメにしてくることもあり、駆逐棲姫撃破は考えないほうがいい。 味方編成に関しては道中対潜戦闘も兼ねて伊勢型改二、雷撃のダメージに期待したい場合は特効艦である島風を駆逐艦枠に 軽巡には大淀改や、夜戦火力の高い神通改二などが候補として挙げられる。 また、高錬度の伊勢型改二の艦爆は装甲持ちの敵に対して高い効果を期待できる。道中で敵潜水艦隊をやり過ごせるならこちらを採用するのもあり。 ドロップテーブルに関しては作戦Aだと熊野、作戦Bだと高雄型…といった差異があるが 作戦Bのみようやく龍鳳に改装できる大鯨と邂逅可能となっている。余裕があれば狙ってみよう。 報酬は甲標的丙型、家具コイン200、戦略ポイント500、戦果2000 甲標的丙型は今回が初登場の装備となる。 掃討戦 詳細 ・春風船団を護衛せよ!(消費GP200) ☆10 残存する敵潜水艦を掃討し、 船団護衛作戦を完遂せよ! 出撃制限:駆逐艦1隻以上 恒例のチャンスタイム。編成はその時点での難易度で編成が決まり、増援アリの場合は 潜水ソ級elite×2、潜水ヨ級×2、潜水カ級flagship×2 と、掃討戦では初となる潜水艦隊が相手となり、戦闘終了後は神風か春風/同改が確定で邂逅する。 追記・修正はE-3-AorBを初見でS勝利出来た方がお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
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456 :幼妻大鯨ちゃん:2015/07/24(金) 22 44 51 ID JYJG9zAE 今日は土用の丑なので投下します 2015年7月24日金曜日。今日は土用の丑だ。 7月に入ってから海沿いで花火大会がたくさん行われる事、 8月には大規模な作戦があり、主力艦隊が出撃して日本の守りが手薄になることから 深海棲艦の襲撃から人々を護る為に艦娘をどのように編成するかでかなり悩んでいた。 それに地域の人々や海上自衛隊、 海上保安庁や水上警察の方々とも話を付けたりとかなりの激務だった。 去年の大規模作戦の折には主力艦隊の不在を突かれて日本本土が襲撃された為、 もう二度と同じ過ちを繰り返すまいと早い段階から対策を立て続けていたのだった。 その為俺はもう疲れ果てていたが、鰻を食べたら元気になったのだった。 「今日のうなぎ、とってもおいしかったですね」 「ああ。なんだか元気になれそうだよ」 「こちらの小さくてかわいいうなぎさんもいただきますね」 そう言うや否や彼女は俺のちんちんを口に入れたのだった。 それはまるで大きな鯨に食べられる鰻の稚魚のようである。 だが食べられたわけではなかった。 レロ…レロ…… 俺の鰻の稚魚は彼女によって優しく心地よい刺激を受けていた。 ムスコを口で力を入れずに咥え、舌で亀の頭をなぞる行為。 それはまるで母が子を優しく暖かく包み込み、頭を撫でているかのようであった。 さすがは潜水母艦大鯨の力を宿した艦娘だ。 いや、溢れんばかりの母性があったからこそ大鯨の艦娘となったのか…… どちらなのかは俺にはわからない。運命にひかれた、というのが俺の推測だ。 いろいろと考えているうちに俺の鰻の稚魚は大きくなって成魚へとなっていた。 「大きくなりましたね。それじゃ、いただきまあす」 そして大きな鯨はこの時を待っていましたといわんばかりに激しく味わった。 強烈な感覚に思わず放出しかけたがなんとか堪えた。 しかし、粘膜への強い刺激だけでなく、他の部分へも強弱つけながら刺激していた。 それが俺の堪える心を惑わせ、弱い刺激になってからもう大丈夫と思い、 油断したその時最大級の感覚が襲い掛かり、堪え切れなかった俺は… 「ん!?………………」 大きな鯨の暖かさに包まれながらすべてを吐き出していた。 出てしまう事を相手に伝えられなかったが、 今まで何回も同じ事をしてきたからか彼女は吐き出されるタイミングがほぼわかっていた。 発射に備えて舌の腹で鈴口を押さえていた。 舌に当たるどろりとした刺激を楽しんでいるのか、 射精の感覚に酔いしれていた俺には冷静に考えられなかった。 「はぁ………んっ………………もう…………」 射精が終わったと思い口を離した少し後、遅れてもう一撃放たれた。 もう終わったと油断していた為か顔に当たっていた。 ただ勢いはなかった為顎の辺りにかかったのだった。 そしてさっきまで恥態を晒し、 更におかんむりだった彼女からは想像出来ないくらい落ち着いた感じで口を開いた。 「少し……変な味がしました…………」 彼女は尿道から吐き出された白濁液を味わっていた。 味わっていたといっても全部飲んだわけではなく、 次の行為の為にほとんどを俺の未だ大きい鰻さんに残してかけていた。 「変な味?」 「いつものも何とも言えない いえ、飲めなくはない味ですけど、今のは明確にちょっと……」 彼女の本音が少し垣間見えた気がしたが、 それよりも今のは、という言葉が気になり思い返してみた。 さすがに鰻を食べたとはいえすぐには効くものではないか。 「お疲れでしょう。次も私に任せてください」 俺の不調に気を遣って彼女は俺のモノを豊かな胸で挟み込んだ。 「んしょ……よいしょっ…………」 いわゆるパイズリである。本来はローションによって滑りを良くする必要があったが、 先ほど射精していた白濁液がローションの代わりとなっていた。 「ん……この鰻さんは…元気ですね…」 俺のちんちんを胸で扱いていた彼女は少し驚いたようだった。 さっき発射したにもかかわらずちんちんだけは硬いままだったからだ。 その事が彼女の心に火を付けたのか、そのパイズリは激しさを増し、そして…… ビュルルルルッ! 俺は再び発射していた。もっと驚かせようと何とか声をあげずに出したが、 何回かやってきた彼女の方が一枚上手らしく、 発射のタイミングを予測して発射する瞬間に俺のちんちんを胸で強く包み込んだ。 皮肉にもそれが強い刺激となってますます発射威力を高めてしまう事になったが 彼女はそれさえも見越していたかのように強く包み込んでいた。 結果、一滴も彼女の顔にかかる事はなく放出が終わった。 「またいっぱい出ましたね。しかもまだまだ元気ですね… あっ、今のうなぎさんをおっぱいで挟んでいるの、これが本当のうなぎパイ、でしょうか」 うなぎパイ、か……やってる事がいつもと一緒でも 新しい名前が付いたらまた違った事をしているように感じるな。 さて、彼女にさせっぱなしだったから今度は俺からするか… 俺は彼女の胸にへばりついていた白濁液を拭い、それを彼女の太ももに付けた。 そして俺は彼女の背後に回り込み、 ちんちんを彼女の太ももの間に入れ、激しくピストン運動した。 「やっ、そんなっ、いきなり……えっ…………?」 彼女の理解が追いついていないのか、どうやら入れられたと勘違いしたようだ。 素股なんてしたことないから驚くのも無理はないだろう。 どうせ鰻はぬるぬるしてるんだ。今日は土用の丑、ちょうどいいじゃないか。 「ひゃん…あっ……こすれ……てっ……」 太ももだけではなくデリケートな部分にも触れているのだろう。 彼女も未知の感覚に戸惑っているようだったし、 俺も受動的ではなく能動的にやったからかすごく気持ちが良い感じがした。 おかげで三回目だというのにすぐに射精感が込み上げてきた。 「もう出る……!」 「えっ………ええっ!?」 俺は射精しそうな事を伝え、彼女に股間の部分を見させた。 そこから白濁の液が勢いよく吐き出されていた。 それはまるで彼女が射精しているかのように見えた。 「はぁ……はぁ……」 「うぅ……すごい…です……何だか変な気分…………」 彼女自身も不思議な気分に囚われていたようだ。そしてほんのしばらくの後、 「私が出しちゃったみたいですけど、これじゃ猛【たけり】じゃなくて雛から出たみたいです……」 まだ達していなかったのかすぐに冷静になって言った。 猛とは鯨のちんちんであり、雛とは雌鯨のクリトリスを指す言葉だ。 …………大鯨の艦娘に子供が生まれてもその名前は付けられないな、と思った。 「あの……もう…入れてください…」 こちらは三回も達したのに自分が一回も達していないのが不満なのか、求めてきた。 俺は鰻を食べたせいか未だに硬かった猛る鰻を少し乱暴に突っ込んだ。 「ひゃああん、あっ、い、いいっ!」 もう準備万端だったのか、乱暴に突っ込まれてもすんなりと入り、痛がるそぶりは見せなかった。 「やんっ、そん、なっ、無理しちゃ……やぁぁっ!」 「くっ、はぁ、あうっ!」 心配をよそに俺は全力で突き続けた。 確かに今日の行為では俺はほとんど動いていなかったとはいえ、 今までの仕事の疲れが溜まっているはずである。 だが鰻を食べたせいか……いや、答えはもっと簡単だ。 俺はいま大きな鯨を食している。 俺にとっては鰻以上に最高のものである。 「やだ、そんなに激しくされたら…私…も……ぅ……あぁぁぁーーっ!!」 「あぐっ、お、俺も……」 大きな鯨が激しく潮を吹いたかと思ったら中で暴れる鰻を締めにかかってきた。 その締め付けは今まで以上のものであり、俺が耐えられるはずもなくすぐに射精してしまった。 ビュルルーーーッ!! 既に三回も射精していたというのに今までで一番多く出ている気がする。 鰻を食し、大きな鯨を食していた俺の精力はもしかしたら底なしと言えるのかもしれなかった。 「すごかった……ですね……やっぱりうなぎの力って、すごいですね……」 「それもそうだけどさ、とっても美味しい、肉付きのいいくじらさんを食べたからかな」 「ッ!!……もう……恥ずかしいこと言わないでください……」 あ、拗ねてしまった。本気で怒っているわけじゃないだろうけど、 これ以上変なこと言ったら取り返しのつかないことになりそうだからやめておこう。 「ところでさ、明日の花火大会の事なんだけどさ…」 「明日の花火大会…………先週伊勢の花火大会が中止になりましたので 伊勢の花火大会の警護につくはずだった伊勢さんと五十鈴さんが 私たちの応援に来るんでしたよね?」 「ああ。だから大鯨の負担は少しは少なくなるはずだ」 「でも提督のやることは変わらないんですよね」 「ああ、そうだ」 「寂しいですね……」 「だけど俺達がやらなきゃ、多くの人々がなんの楽しみもない人生を送ることになってしまうだろう。 俺達に戦う力があるのなら、俺達は戦い続けなきゃならない」 「…そうですね。私も艦娘である以上わがままばかりは言いません。でも……」 「すまない……」 「じゃあ約束してくださいね。明日の花火大会の警備が終わったら、二人だけの花火大会をするって」 「二人だけの花火大会ってのは寂しいからみんなでやろう」 「……ええ」 微妙にフラグっぽい上に彼女の意図がひょっとすると俺の感じたのと違うかもしれない。 しかしどんな事があったって俺達は地上の人々全てを守りたい。 地上の人々みんなを守れば、俺達の未来も守られると信じて…… ―終わりー +後書き 463 :幼妻大鯨ちゃん:2015/07/24(金) 22 52 08 ID JYJG9zAE 以上です 極上の鯨肉が食べたいです 海鳥の肉でもいいですけどね それでは これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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朝日が昇る。 冬の空気は冷たく澄み渡り、照らされた水平線の向こうまでもがくっきりと浮かびあがっている。 日差しは早朝の寒さに凍える鎮守府に優しく降り注いだ。 「ん……0630……ふぁぁ…いつも通りね」 空母寮の一室で彼女は目覚めた。 秘書艦の朝は早い。 提督を起こし、本部からの手紙の回収をしたり、他にも朝のうちにやることは沢山あるのだ。 まずは布団から出るわけだが… 「あら?…まったく…今日も勝手に入って来てるんだから、この子は」 隣の布団で寝ていたはずの可愛い妹が彼女の布団に潜り込んでいた。 いつもの事ながら、ある意味過剰な妹の愛に思わず苦笑が漏れる。 片腕に人形の様にすがりついて寝ているのは、以前抱き締められたのを少し叱ったせいであろうか。 「ごめんね、お姉ちゃんは仕事があるから」 彼女はゆっくりと妹の手をほどき、もぞもぞと布団から這い出た。 枕元に準備してあった服を着て、長髪ゆえに大きく乱れた寝癖を直した。絹糸のような銀髪を後手に束ね、一つに結わえる。最後に額に鉢金を巻き、これで準備は完了である。 「さて、と…艦載機の皆さん、おはようございます」 艦載機妖精たちに声をかけながら、戸の傍に置いてある飛行甲板を抱えて部屋を出た。妹を起こさぬよう戸は静かに閉める。 「はぁ~…あら、吐く息が白い!いよいよ冬も本番なのね」 鎮守府の廊下を提督執務室に向かって歩く。 不意に向かい側から歩いてくる音がした。 巡回担当の駆逐艦であろう。 彼女の想像通り、向かいから現れたのは第六駆逐隊姉妹の三女、『雷』だった。 「おはよう、雷ちゃん。巡回ご苦労さま」 「おはよう…千歳さん…」 軽空母『千歳』と雷はすれ違いざまに軽く挨拶を交わす。雷は片目を擦りながらぼんやりとした様子で応えた。 普段は元気いっぱいに提督と戯れる彼女には珍しい姿である。 昨日は長時間遠征から帰投し、そのまま一晩の定期巡回に入ったのだ。眠さと疲労でへとへとなのだろう。 これから一日、雷がゆっくりと休めることを千歳は祈った。 「失礼しますよー…」 コンコンと小さなノックをしてから執務室の扉を開ける… 中はカーテンも締め切ったまま真っ暗だった。 「…」 千歳は静かに中に入ると、執務室脇にある提督私室のドアに向かう。秘書艦となった時に渡されたこの部屋の鍵で扉を開けた。 「…くぅ~…」 暗闇から寝息が聞こえた。まだ提督は夢の中のようだ。本当に朝に弱い人だなぁと千歳は微笑んだ。 千歳はカーテンを開け、冷えた部屋に温かい陽射しをとりこむ。 「…はぁ~…」 顔面に日光が直撃してもこの男は目覚めなかった。 「まったくもう…提督!起きてください!」 布団の上からばしばしと提督の体を叩く。 「んぁ…おはよう……千歳」 「おはようございます。朝ですよ」 「あ~、あと30…分……」 「提督、寝ないで!…もう」 ここの提督はこのように普段は頼りない、ぐうたらのアラサー男である。 朝は弱い、仕事はすぐサボる、執務室に居ないと思えば、埠頭の先で昼寝していたりとダメ人間ぶりを挙げれば枚挙にいとまがない。 しかし、それでもこの提督を慕う艦娘は多い。 千歳はその筆頭である。 怨念に囚われ、深海棲艦として暗い海の底から這い上がってきた千歳を、この提督は数十年に及ぶ呪縛から救いだした。 水上機母艦『千歳』は艦娘としてこの鎮守府にやって来たその日から、長く、共に戦って来た。 五度の改造を施され、軽空母となった彼女は秘書艦として共に沖ノ島の海を越えた。 この頃からふたりの間には単なる提督と艦娘という関係を越えた想いが芽生えていた。 どちらからとも無く、二人は自然にひとつになった。 千歳に溺愛する千代田や、金剛、その他多くの艦娘たちとひと悶着あったりしたが、今では鎮守府周知の恋仲となっている。 「たまにはしゃっきり起きたらどうですか?……あ、そうだ。うふふっ、いい事思いついちゃった」 困り顔だった千歳はふいに悪戯っぽく笑った。そして、まだ眠る提督の耳元に顔を近づけると…耳の穴にふぅっと息を吹きかけた。 そのままどこか扇情的に囁きかける。 「提督、起きて……今すぐ起きてくれたらイイコトしてあげますよぉ…最近はご無沙汰じゃないですかぁ?…て・い・と・く♪」 「…」 が、提督は目を開けない。すうすうと寝息を立てている。 「…そう。ならおあずけです…あら?」 千歳はこれでもダメかと思いながら上体を起こすと、視界の端に奇妙な布団の膨らみを捉えた。 大した膨らみではないが、先程までは確実に無かったものだ。 それは提督の股間あたりに見受けられる。 「もう…提督~?こっちは正直ですよ」 妖しく微笑みながら千歳は膨らみを撫ぜる。布団の下で何かがピクリと小さく動いた。 「お布団、はいじゃいますね」 ばさっと勢いよくはがされた布団の下には寝間着のズボンが見事なテントを立てていた。千歳はそれを見て微笑むと、ズボンもゆっくりとずり下ろす。 ぶるんと屹立した提督の息子が現れる。 「このままじゃあ、今日の執務に影響が出ちゃうわね…しょうがないなぁ♪」 千歳はベッドに腰掛けるとそれを掴んでゆっくり上下に扱き始める。一往復ごとに手のひらの中の肉棒は堅さを増していった。 「しこしこ…しこしこ……うふふっ」 千歳はやわやわと握ったり、強く、速く扱いたり、手の中で猛るものを弄ぶ。 ひとしきり手で愛撫した後、千歳は屈み、顔を近づける。 「すんすん……あぁ…提督の、匂い」 目を閉じて確かめるようにくんくんと愛しい男の匂いを堪能すると、千歳はゆっくりと舌を伸ばした。 「んちゅ…えろ…れろれろ…」 既に先走りを滲み出している先端を舌先で舐めまわす。円を描くようにくるくると舌を這わせて刺激する。 千歳の唾液と提督の先走りで亀頭がぬらぬらといやらしく光った。 「ふふ…あむ…ん~」 亀頭までを口に含むと、鈴口を舌でつつく。つついた先から溢れる先走りを味わい、嚥下する。 「んむんむ…くちゅ…ふむ!!」 唐突に千歳の口腔内で精液が迸った。ビクビクと震えながら、約一週間分の濃厚なものを先端から溢れされる。 千歳は口を窄め、尿道の中の分もしっかり吸いだすと、窄めたまま口を肉棒から離した。 「…ハァ…ハッ…」 「ひぇいほく…おはおうごらいまふ」 「…おはよう」 呼吸を乱しながら目を開けた提督に、千歳は口に精液を残したまま挨拶をした。 「…んっ…こくっ、こくっ…はぁ…提督、ごちそうさまでした」 「お粗末さま…」 「寝たふりしててもわかりますよ」 「半分は本当に寝てたよ…」 「こっちは元気でしたけどねぇ…とっても濃かったですよ、ゼリーみたいで」 口に溜めていた精液を飲み込むと、完全に目覚めた提督を少しからかった。 ツンツンと指で肉棒をつつく。未だ萎える気配はない。 「どうします?続きをしますか?」 「…胸でしてくれ」 「ですよね、ふふ♪…わかってる!」 千歳は嬉々として答えるとベッドに乗り、提督の胸辺りに後ろ向きで跨がった。 ぷちぷちとシャツのボタンを外し、その豊満な胸を露出させる。白くきめ細かい肌にピンクの乳首が映えていた。 千歳はむっちりとした二つのおっぱいで未だ猛る提督の肉棒を挟みこんだ。 そのままたぷたぷと両側から少し揺らす。少し汗ばんでしっとりした谷間は柔らかく、しかし張りのある弾力でもって提督の男根を包みこむ。 「んっ…はぁ…あー…」 千歳は谷間へ唾液を垂らし、滑りをよくする。まずは交互に左右の乳房で擦りあげた。 もちもちと柔らかな左右の乳房から交互に与えられる乳圧がやんわりとした気持ちよさを与えてくれる。 「ふふっ、提督?気持ちいいですか?」 「ああ…!」 「嬉しい♪…まだまだですよー」 千歳はぎゅうぎゅうと左右から圧迫し、押しつぶすような動きに変えた。 ぎゅうと押されるたびに谷間の唾液ローションが小さな泡となって谷間から溢れ、弾ける。 圧迫される時の柔らかくも強い刺激と、解放された時のもちもちとした感触がじわじわと提督を絶頂へと導いていく。 「…ッ…千歳…そろそろ」 「はぁい、いつでもいいですよ」 ラストスパートと千歳は両手で乳房を抱え込むと上下に激しく擦り始めた。 提督の腰と乳房が当たって、たぷっ、たぷっと音を立てる。 と同時に唾液と溢れ出した先走りでにゅぽにゅぽと淫靡な音が溢れ出した。 もっちりとした柔肉に挟まれ、さらに自らの粘液によってにゅるにゅると擦られる様はまさに極上のおっぱいホールである。 谷間の上から顔を出したり、引っ込んだりを繰り返す肉棒の先端を千歳はぼーっと眺めていた。 早く、早くと射精を待ちわびる。 提督の息は荒く、乳房の中の男根は熱く、震えている。千歳は急かすように一層動きを激しくしていった。 にゅぶ、にゅぶと響く音も激しさといやらしさを増していき、打ちつける乳房の音も大きくなる。 「イ…くッ!」 「!!…はむ!」 その瞬間に千歳は肉棒の先を咥えた。白濁した奔流が口の中に吐き出される。 先ほどよりは少ないといえ、勢いは衰えず、少しばかり千歳の唇の端から溢れてしまった。 千歳はそれを指ですくい取り、ちゅぷと口に含む。こくこくと嚥下し、ふぅとひと息ついた。 「…ハァァ…もう…大丈夫だ…起きよう」 「あら、本当に?」 「これ以上やったら…逆に起きられなくなりそうだ」 「…そうですか」 少し物足りなさそうに千歳は提督の上からどき、ベッドからおりると部屋の端によった。 「流石に寒いな…はやく着替えんと……そんな顔をするなよ」 「提督、自分だけスッキリなさって…ずるいです」 着替えを始める提督に少し意地悪く千歳は言った。 「心配しなくても、今夜はちゃんと相手をするよ…一緒に風呂でも入ろう」 「それは……いえ…たまには、それもいいですね」 そう答えると千歳はやんわりと微笑んだ。
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806 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/07/06(日) 20 55 04 ID WPQREMKw 以前浜風が無理やりフェラして吐く長編を書いた者です。 上の方でトリップつけたほうがいいというような議論があったみたいなのでつけさせていただきます。 祥鳳って前付き合ってた男の事をずっと根に持ちそうだなという発想から大鳳との修羅場ものを書きました。 長編未完 エロ薄い(後の話でもっとがっつり塗れ場を書きます) なので苦手な方はスルーをお願いします。 行間詰めすぎとの事だったので台詞前後に空行を入れます。 序章 吸い込んだ空気は容赦なく、喉を炙るように通り過ぎた。肺腑凍てつき、背筋には槍の刺さったような痛みが走り、彼は思わず真白 い吐息に手をかざした。波の岸壁に打ちつけるごぅごぅという音が、厭に大きく厭に不気味に、辺りを猛然と駆け巡っている。 正月飾りの取り払われた玄関には、寂寞と孤独が横たわっている。目前にあるはずのアスファルトは夜の闇に解け消えて、灰色の石 段だけがくっきりと浮かび上がった風であった。未開拓の無人島にぽつねんと取り残されたような、そういった凄まじい哀情が沸いて きて、彼は居た堪れなく焦って足を動かし始めた。吹き荒ぶ海風に当てられた耳が裂かれたかのような痛みを発し、頬は一歩踏み出し た途端に真っ赤になる。外套のポケットに突っ込んだ掌は、それでも隙間から入り込む冷気によって一向温まる気配もない。鳥肌立っ た背中が肌着と擦れ、ぞっとしない感触に肩が震えた。 少しでも中から体を暖めようと、彼は足を速め岸壁沿いを進んで行く。 寒風荒ぶ夜の中この提督が外へと繰り出したのは、何も酔狂によるものではなかった。元来風来坊の性質を持って生まれたために、 確かに周りからは変人という肩書きを与えられていた彼ではあったが、今回のこの行動に限って言えば、常識の範疇内の理由による外 出なのだと説明できる。 腕時計を見、現在時刻が体感のものより大分遅れている事を、彼はどこか安堵した思いに受け止めた。意外にも、執務室を飛び出し てからまだそんなには経っていない。眇めた眼にて用心深く辺りを見渡し、人の気配の無いのが分かるとまた足を速めてゆく。 秘書艦である祥鳳が、鎮守府宿舎から出て行った。その情報の執務室へ転がり込んできたのが、つい五分ほど前のことである。 それは当直の警備に当たっていた妖精が報告したものであった。息を荒らげ興奮気味に戸を抜けたそれは、提督に宥められつつ叫ぶ ようにしてあらましを説明した。 曰く、怪しい人影がふらふらと危うげな足取りにて歩いていた、そのシルエットは大きな二つ結びで確証はないにしても 祥鳳らしき事、声を掛けようとしたものの背後から発せられていた徒ならぬ雰囲気に怖気づいてしまい、結局は黙って見送ってしまっ た事。大雑把にそんな内容である。 日はとうに西に沈み、月とクレーンの航空障害灯だけが静かに闇を照らす時分。霧のようにぼんやりとした白光を赤い明滅が彩る様 は、途方も無く寂しいものである。秘書仕事を終え部屋に戻ったはずの彼女が、今こんな時に外出するなど俄か信じがたい事であった。 急ぎ内線で門の警備に連絡を取った所、一切外へ出て行った者はないとの返答。恐らくは、鎮守府の敷地内を放浪しているらしかった。 そこまで差し迫った危険性は無いと分かったにしろ、やはり憂慮せずにはいられない。もしかしたら余計なお節介なのかもしれない と、そう思う気持ちもありはした。しかし、胸を締め付ける気遣わしさには到底敵うわけがなく、提督はラックに掛かった外套へ急ぎ 袖を通したのだった。 彼女の赴きそうな所に、幾つか当てはあった。事の報告をした妖精は他の艦娘にも協力を仰ぐよう提言したが、すかさずにそれは却 下された。この破滅的行動は間違えなく心内の問題から発生してるのだろうし、だとしたら解決しやすいのは自分であると、提督には そういった自負があったのだ。 何も自惚れであるとか、過剰な自意識によるものではなかった。客観的に見ても、彼の考えは実に妥当なものだと言えた。おおよそ、 その鎮守府の誰もが知りえない秘密が、二人の間には確かに存在していたのである。 即ち祥鳳と提督は、実に三ヶ月ほど前より恋仲にあった。秘書と直属の上司という間柄は、厳重な秘匿の元で時に男女の関係に変化 していた。その律儀さたるや、噂好きの幾らかの艦娘にさえ、未だ疑われもしていないほどである。 決して公に睦まじくすることはなかった。両者とも、絶対に第三者に知られてはならないと固く信仰しており、その無言に交わされ た約定のような制限が、決して外れぬ楔となっていたのだった。 彼らは、立場ゆえの関係の掩蔽に烈しい刺激を見出してもいた。仕事の関係から外れたたまの逢瀬は、痛く思えるほど耽美に過ぎ、 それは当人達でさえ思い出すだけでも頭を抱えたくなるような代物だった。それだけの慈しみがこもっているからこそ、提督は決して 捜索に仲間を募らなかったのである。 凍えに凍えた空気は、しかし幾ら取り込んだところで煮えた頭を少しも冷ましてはくれない。一番近しい所にいたくせに、彼女にこ んな事をさせてしまった事。まったく何にも気が付かなかった自身の鈍感さが恨めしく、歯痒かった。地団駄の踏みたいのをぐっと堪 え、提督は後悔と贖罪の意を胸に、暗闇に目を凝らしていった。 幾らほど歩いたか。やたらに早まっている体内時計を鑑み、およそ五分は経った頃か。提督は視線の先に薄ら女性の輪郭を捕らえる ことができた。鎮守府の敷地内でもっとも大きな防波堤の末端。海水のぶつかった飛沫がかかるのを意にも返さず、ぽつねんと体育座 りに腰掛ける、大きな三つ編み二つ結びの影である。 彼女は身じろぎ一つせず、物思いに耽っているのかただ暗晦な海面を見つめている。暗がりからぼぅと影が浮き出た様には身の毛の よだつ程の凄みがあって、事情を知らぬ者が見たならきっと心霊の類と見なすだろう。そう思えるほどの気味の悪さが漂っていた。 かっぽりと削り取られるようにして作られた防波堤の階段。その小さな段を一歩ずつ昇り、とうとう彼女と同じ地平に立つ。乱雑に 詰まれた波消しブロックの、海水のぶつかる度に降りかかる霧が、途端提督をしっとりと濡らした。 氷のような冷たさを湛えた霧である。海に向かって進めば進むほど、それはより濃くなっていった。耳の感覚は消え失せ、指先や膝 が独りでにがたがたと震え始める。 「祥鳳!」 防波堤の中腹、ちょうどくの字に曲がるその起点にまでたどり着いた頃、提督は彼女の名を自棄になったように叫んだ。前髪の毛先 がシャリシャリに凍り、それがちょうど眉間を叩くから不快な事この上ない。足先や指先の感覚が、末端から溶ける様に消えていた。 かちかちと歯が鳴った。顎を震わせている姿を想像すると、何とも無様で格好の付かない様に思われ、彼は無理やり飲み込むように してそれを収めた。状況として、決して彼はそう意図しているのではないが、どうしてもこの先颯爽と登場するようになってしまうの だから、最低限瀟洒な風情を漂わせようと思ったのである。 情けなく震えた叫び声を耳に入れ、祥鳳は途端無意識に背を跳ねさせた。 すぐ近くにまで寄ると、彼女はゆっくりと振り返る。その佇まい、髪は濡れ唇は青白く瞳はどんよりと濁り、それでも微塵も震えて はいないその様子には薄ら寒い気持ちを抱きもした。提督は彼女の頭を撫で 「帰ろう。皆心配している」 開口一番にそう言った。 何故ここに来たのかだとか、何故こんなことをしたのかだとか、そういったことを聞くのはやはり憚られた。話したいのならば自分 から口を開くだろうから、今はただ何時もらしくに接すればいい。提督はそう結論付けると、あとは濡れそぼった彼女の髪をひたすら 指で梳くだけになった。 それ以上両者から、何も言葉は発されなかった。静けさに耐えられなくなったか、祥鳳はしばらくの後、彼から目を逸らして再び海 面に視線を向けた。 触られることに抵抗しない様子を認め、とりあえずは彼女を立たせようと、提督は地に置かれた小さい手を取ろうとした。冷えて感 覚も希薄になった掌は、それでも祥鳳に比べればまだまだ血の気は通っているらしく、握った手は吃驚するほど冷たく思えた。 華奢で骨ばっている為か、まるで氷に厚手の布を巻いたかのような感触である。戦闘時には何時も弓の弦を引き絞っているから、人 よりも皮膚が厚くなっているのかもしれない。幾回も体を重ねその度に指を絡ませていたにも拘らず、今初めて知った事実であった。 きっとそういう鈍感さだからこそ、今まで彼女の仔細な機微にも気が付かなかったのだ。そういった自嘲の念がわだかまり、彼は頭を 抱えたくなった。 今すぐにでも額を地につけ、ひたすら謝罪をしたかった。彼女の望む事なら何でもこなしたい、仮にこの海に飛び込めと言われたな ら喜んでその命に従うだろう。そういった悔悟はじくじくと胸を痛ませたが、果たしてそれが免罪符にならないことも知っていた。 今この段階ではとにかく帰ることが先決だと、そう思い直して腰を上げる。掴んだ掌を引っ張ってみると、まるで釣り上げられるか のようにして彼女も立ち上がったのだった。 提督は自身のコートのポケットに、掴んだその掌を入れ、更に指を絡ませて握った。服越しの体と掌で挟みこみ、少しでも暖かいよ うにと体を寄せる。カイロや、何かそういった類のものを持ってこなかった事が、今更になって悔やまれた。 一歩、恐る恐る足を踏み出してみると、彼女も続いて歩を進めた。足取りは覚束なかったが、抱える必要があるほど衰弱しているわ けでもなさそうである。ゆっくりと歩くべきか、冷えるから足を速めるべきか。気遣うという同じ源泉から湧き出した背反する思いは、 何とも煩悶たるものであった。 「寒いね」 「上のケチ共は資材上限を絞っているんだな、まったく」 「新たにレ級なんていう敵も発見されたらしい。物騒なことだよ」 帰路につき、そのようなことをポツリポツリと話しかけてみても、まったく何も反応はなかった。彼女はただ顔を伏せ、半歩遅れて ついて来るだけである。握り返してくれている手の感触だけが、唯一の繋がりを示す楔に思えてきて、感じられる存在の気配はどんど んと希薄になっていく。やがて話題のストックが消え果てると、提督もただ黙々と足を動かすだけになった。 来た時よりも大分長く感じられるアスファルト舗装の道は、それでも何時しかその終端には辿り付けるのだった。ずっと先に見えて いたはずの光の粒が、今でははっきりと鎮守府の窓から漏れる灯りだったのだと認識できる。そのぼんやりと浮き出た建物の影に、ど こか安堵を覚えた。 彼はつと祥鳳の方へ視線を向けた。もうすぐ着くぞと、そう言いたかった訳であるが、思い返せば手を握ってから彼女の顔をきちん と見てはいなかった。腕の触れるほどすぐ近くにいたために、寧ろ何時もより様子を認めるのを怠っていたのだ。普段外では大っぴら に、恋人のように寄り添って歩くこともままならなかったわけだから、変に緊張していたのかもしれない。だがこの時まで、祥鳳のそ れにまったく気がつかなかったのは、間抜けとしか言いようのない愚鈍な過ちだった。 彼女の顔を見て、提督の口からは吃逆のような音が漏れ出した。祥鳳は空いていた方の手でひたすら目元を拭い、よく耳を澄ませば、 波飛沫の音の狭間に、小さな嗚咽も聞く事ができる。歯を食いしばり、時折肩を跳ねさせながら、手の甲を湿らせている。そういった 状況を認識するのにも時間が掛かり、顔を向けてから十秒は経った頃、ようやく 「どうした?」 そう一言訪ねる事ができた。 言ってしまってから、何て気の利かない言葉だろうと思った。訪ねたということは、察す事ができなかったと宣言しているようなも のではないか。そう気が付くと、腹から脳天へ悔恨がさぁっと駆け抜ける。 「ごめんなさい」 搾り出すようにして吐き出された謝罪へ、提督も慌てて反応を寄こす。 「いや、別に気にしていない。……だから、泣くのは止めなさい。何も責めないし、言いたくないことは言わなくていいんだから」 「違うんです! そうじゃなくて……それ以外にも、私、謝らなくちゃいけないんです」 過呼吸気味に途切れ途切れ言葉を紡ぐ彼女の様子は、とても痛々しいものである。彼女はここまで言い切ると、後から堰を切ったように漏れ出す嗚咽に、続きを言う事ができなくなった。 気まずい間が開いたが、提督は決して先を急かすような事をしなかった。そんな事のできる権利はないと思われたし、悪意はなくとも結果的に追い詰める事になってしまうのは厭に思えた。 気が付けばポケットの中に手は無く、いや向かい合っているのだからそれも当然な訳であるが、掌に残っている温もりの残滓が寂寞 を掻き立たせてならなかった。一抹の不安感が足元を通りすぎ、胃がきゅうと縮み上がる。ぞっとしない感覚に、提督は思わず生唾を飲 みこんだ。 「一つお願いがあります」 意を決した風に、祥鳳は彼を見つめた。纏う雰囲気からいうならば、睨むと形容してもおかしくは無い。語気は冷静沈着なれど、滲 む凄みは紛れも無く、高ぶった感情のそれである。 「うん。何?」 「私と、別れてください」 提督の口からは、再び引き攣った吐息が漏れだした。 意外にも、その言葉を聞いたときに何かショックを受けるような事はなかった。ただ厭な予感が的中してしまったと、そういった納 得のようなものが漠然と心内に広がっただけである。一旦は流れを止めた彼女の涙も、だがすぐに眼は潤みだす。それをぼんやりと眺 め、しかし頭はそういった視界の状況さえ処理できないほどだった。真っ白に、虚無が果てまで伸展する。 「ごめんなさい。理由は聞かないで。……ごめんなさい」 やがて彼女は泣きながら、走って提督の横を通り過ぎた。 その場に立ち続けていると、今更遅れて防波堤で座るという行為の意味を理解できた気がするのだった。極寒が自身を罰してくれ、 しかも地平線に広がる闇は思考を煮詰めてくれる。 一体自分は、彼女の何を分かっていたというのか。 自嘲の念は何時までも、彼の心に纏わりついていた。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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「うーん、やっぱり噂は噂なんでしょうかねぇ」 ついさっき遠征から戻ってきたばかりの青葉が呟いた。 手には愛用の手帳とペンが握られているが、開かれた手帳は持ち主に渋い顔をさせている。 このところこの艦隊に所属する艦娘達の間で流れている「提督が夜な夜な鎮守府内を徘徊している」という噂。 この噂について真相を確かめるべく、数日前から取材して回っているのだが…… 「○月×日二三○○、トイレに行こうとして営舎の廊下を歩いていたら、営舎の外の茂みからしれぇが出てくるのが見えました」(駆逐艦Yさん) 「×月△日二二四○、間宮さんから訳あって試作品のお菓子を頂いたので、お茶請けにと姉さまたちの部屋へ行く途中提督らしき人影が執務室から出ていくのが見えました」(戦艦Hさん) 得られる情報はこの程度で、それ以上詳細な情報は何もつかめなかった。 それで渋い顔をして手帳をにらんでいたわけであるが、それでただの噂と決めつける青葉ではない。 好奇心の女王こと青葉にしてみれば、むしろこれぐらい骨があったほうが燃えてくるというものだ。 「かくなる上は……仕方がありませんね」 ポン、と勢いよく手帳を閉じて青葉は誰ともなしにつぶやく。 やはり何事も、自分の目で確かめなくては。 「それにしても、司令官はああ見えて意外とガードが固いですね」 その夜、こっそりと営舎から抜け出した青葉は、昼間のうちに用意した今夜のための「艤装」を取りに営舎裏の茂みに入った。 青葉の言うとおり、彼女たちの指揮官としてずいぶん前に着任した提督は、豪放磊落で飄々とした兄貴分といった感じの人物で、 筋骨隆々とした体躯と相まって海軍将校というよりは海賊のお頭や戦国武将といったほうが近い印象があった。 そしてそんな豪傑でありながら、その過去や作戦時以外の行動はその多くが謎に包まれている。 青葉にしてみれば、ここまで調べがいのある相手というのもそう多くはないだろう。 ―純粋にただの好奇心だけかと青葉を問いただせば、赤くなってはにかむ彼女を見ることもできるだろう。 やがて茂みから一体の異形が這い出してきた。 この緑色の塊を、いったい誰が青葉だと思うだろうか。 「ふっふっふ。それでは青葉島取材行ってきます」 青葉だった緑の塊はそこだけ色違いの白い歯を見せて笑った。 顔には緑のドーランを塗り、どこで手に入れたのか鎮守府内に実際に生えているものと同じ種類の植物を編み込んだギリースーツを着込んだその姿は、 彼女の前世の記憶を参考に作り上げた自信作だ。 仕上げに愛用のカメラにレンズ保護と光の反射防止を兼ねたカバーをつけ、目撃情報のあった営舎脇の茂みのほうへ慎重に近づいていく。 あの後、これまでの取材をまとめ、提督がここを通る可能性が高いと踏んだ青葉は直接尾行することを思いついた。 地面と同化し、ターゲットの出現を待つこと数十分。 青葉の主観ではもうすぐ日が昇ると思うくらい待ったような気がしてきたころ、周囲を警戒しながら提督が現れた。 きょろきょろとあたりを見渡しているがしかし、茂みに同化している青葉を見つけられず、異常なしと判断したのか背中を向けて足早にどこかへ向かう提督。 (よし、慎重に尾行しましょう) その後ろで緑の塊が動く。 時には地にふせ、時には木陰に隠れ、時には植え込みに飛び込みながら尾行を続けるが、唐突に提督が立ち止り、何者かと話し始めた。 (誰かと密会ですか!?これは大スクープでは!?) 茂みから頭だけ出してカメラを構える青葉だったが…… (なんだ、警備の人か) 提督が話していたのは、通りすがった二人の兵士だった。 おそらく警備中の兵士に見つかり、出歩いていた理由を説明していたのだろう。 上手くはぐらかしたのか、はたまたまっとうな説明だったのかはわからないが、兵士たちは納得したらしく、敬礼をして元の巡回ルートに戻っていった。 しかしここで青葉に問題が起きる。 兵士たちは青葉の読みが正しければ間違いなく自分の目の前を通る。 その上茂みの前には煌々と光る電灯があり、下手に飛び出せばすぐに見つかってしまう。 当然、こんな格好で潜伏しているのがばれたら問題になるし、最悪の場合侵入者としてその場で射殺されることもありうる。 隠れてやり過ごすのが無難だが、そうしているうちに提督を見失ってしまっては元も子もない。 となれば、なんとかして二人の兵士のいる道を横切らなければならないのだが…… どう突破するべきか思案していた青葉の耳に低いエンジン音が近づいてきた。 音のする方向を見てみると、ちょうど兵士たちとは反対側からトラックが走ってくるのが見えた。 そういえば今日は鋼材の搬入が夜になると提督が話していたのを青葉は思い出した。 (ちょうどいいや。あれを使いましょう) チャンスをうかがう青葉にトラックがさらに近づいてくる。 (ステンバーイ……ステンバーイ……) 思わずそう呟いたとき、兵士たちがトラックの接近に備えて青葉側の道の端によけた。 やがてトラックが青葉の前を通過した瞬間、青葉は茂みから飛び出し、徐行するトラックのすぐ後ろについて走る。 こうすることで、兵士たちからは死角となっていて、堂々と道を横断した青葉を発見できない。 なんとか危機を脱した青葉は提督の尾行を再開した。 青葉が再び提督を発見したとき、ちょうど提督が今は誰も使っていない鎮守府はずれの小屋に入っていくところを目撃した。 小屋に近づいてみると中から小声だが何か話し声が聞こえる。 (やはり密会だったのですね……相手は誰かな?) 青葉の好奇心はいまだかつてないほど盛り上がっていた。 謎に包まれた提督の一面を見ることができる。 もちろん、軍人の密会というと良からぬイメージがないわけでもなかったが、あの提督に限ってそんなことはないと青葉は信じていた。 誰だって他人に知られたくないことの一つや二つはある。勿論、青葉とて例外ではない。 だからこそ、青葉は相手の嫌がりそうな過去を穿り返すようなことはしなかったし、 芸能レポーターのようにそれを騒ぎ立てるよりも、事件の真相を究明したり、最新情報を仕入れることに好奇心を刺激されるタイプでもあったが、 気になる相手の一面を知ることになるとなれば別らしい。 (では……青葉見ちゃいます!) 手ごろな隙間を見つけた青葉は、意気揚々と中を覗き込む。 そこから見えたのは提督と、 (えっ……) 口づけする古鷹だった。 (古鷹……?) 口を離し、うるんだ瞳で愛おしそうに提督を見つめる古鷹。 そんな古鷹をやさしくなでる提督。 たくましい腕で古鷹を抱き上げ、近くにあった古い寝台に運んでいく提督。 お姫様抱っこされながら、提督の首に手を回し、寝台に下されるときにもう一度濃厚な口づけを交わす古鷹。 (なんで……古鷹、司令…) 青葉はただ、くぎ付けになっていた。 提督は再び古鷹を抱きしめるように腕を背中に回し、服を脱がせながら古鷹を寝台に寝かせる。 寝かされた古鷹はその足を提督の胴体を挟み込むように絡め、指で己のまたぐらを触っている。 提督はまるで母乳を求める子牛のように、古鷹のまたぐらに頭をうずめている。 時折古鷹の体がびくり、びくりと跳ね、その度に「んっ!」「あっ…」と嬌声を上げる。 切ない声を上げ、頬を紅潮させながら提督を求める古鷹に、求められた本人は下を脱ぐと、 一度自分の胴に巻き付いている足をやさしく外し、いきり立つそれを古鷹の二つの膨らみへと持っていく。 (あ、あ、あ……) 二つの膨らみで提督のそれを挟み込み、前後に扱く古鷹 (やめて、やめて…) むくむくと大きくなった提督のそれから白濁液が噴出し、古鷹の顔にかかるが、古鷹はそれでも嬉しそうに笑う。 青葉の視界はここで歪んだ。 見たくない。認めたくない。 そんな思いを表現したかのように青葉の両目からはとめどなく涙があふれている。 古鷹は青葉にとって今も昔も恩人だ。 ここの艦隊に配属されたとき、青葉は先に配属されていた古鷹に前世の謝罪をした。 そんなことで許してもらえるとは思っていなかったけれど、そうしないわけにはいかなかった。 そんな青葉に返ってきたのは「気にしないで。またこれからもよろしくね」という言葉と、差し出された握手だった。 この日から青葉は、今度は自分が古鷹を助けることを決めた。 作戦海域の資料など、古鷹が求めれば青葉は持ちうる全てを提供し、足りなければ持ち前の取材能力をフル動員した。 ともに前線に出れば、古鷹をかばって戦艦の砲撃を受けることもあった。 古鷹には幸せになってほしかった。 だがその幸せが実際に目の前で展開されたとき、青葉はそれを見ていられなかった。 その幸せが嘘であってほしいと願った。 そこにいるのが古鷹ではなく自分であることを願った。 目の前の現実と、古鷹を恨めしく思ってしまった己自身から逃げるように、青葉は一目散に走った。 走って走って、気が付いた時には元の営舎脇の茂みに戻ってきていた。 まだ涙は止まらない。本当は声をあげて泣きたいけれど、それだけは何としてもこらえなければならなかった。 そんなことをすれば誰かが聞きつけるだろうし、泣いている青葉を見つければ訳を聞くだろう。 そうすれば提督と古鷹の関係が露呈してしまう。 それだけは何としても避けたかった。 提督と幸せそうにまぐわる古鷹を恨めしく思ったのは事実だし、 一瞬だがどうにかして提督を彼女から奪えないかと思ってしまったのも事実だ。 だがそんな己の心を抑えたのは、皮肉にも前世の「あの記憶」だった。 自分のせいで古鷹が辛い目を見るのはもうたくさんだ。 青葉は泣いた。悔しさと悲しさと自己嫌悪とで自分でも訳が分からなくなりながら声を殺して泣き続けた。 そして数日後の夜、鎮守府はずれの今は使われていない小さな乾ドック跡に青葉は現れた。 周囲をこそこそ見回し、誰もいないことを確かめると、放置されたガラクタの中から案山子のようなものを引っ張り出す。 成人男性ぐらいの大きさのそれは、ぼろ布を巻き付けて柔らかさと厚みをだしており、服を着せれば遠目には人間に見えるだろう。 その案山子を地面に寝かせると青葉は懐から今回の肝を取り出した。 提督の顔写真と男性器の張型。 顔写真を案山子の顔部分に、張型を股間部分にそれぞれつけると青葉はその「提督人形」を抱き起し、 自分を抱きしめるような形を作り、写真の口にキスをした。 ちゅ。ちゅと写真の表面をなめるように吸う青葉。 やがて直角におれるようにした人形の腕の部分を自分の胸に当て、押しつけたりこすったりし始める。 「司令っ!…司令っ!!」 物言わぬ人形に語りかけながら、青葉は張型を今度は自分の胸に持ってきて、その谷間に挟み込む。 覗き見た古鷹を再現するかのように谷間に挟んだそれを上下させ、自分の性感帯を何度も往復させる。 その後、懐から小瓶を取り出すと、人肌のぬるま湯で溶いた強力粉を張型の先端に塗り、それを咥え込む。 「んくっ…ん、むぅ…んっ、ぷはっ」 咥えたそれをチロチロと拙い舌づかいで舐め、途中で口から離すとだ液と混ざった白濁液が口の周りに流れた。 「うふっ。そろそろ良いですよ」 自分の股間に手をやると、生暖かく湿ってくちゅくちゅと音を立てているのがわかる。 仰向けになった青葉は、ちょうど提督人形が馬乗りになるように自分の上に乗せ、張型の先端で秘所の周りをくすぐってみる。 「ひゃ!あ、あ、ひゃん!」 わずかな刺激でも快楽が押し寄せるほどになった青葉は、そのままゆっくりと張型を挿入していった。 「ううぅ、ふぁ!ああっ!」 張型はみるみる内に青葉の中に入っていき、少し進むごとに嬌声が上がる。 やがて最奥部に張型が到達すると、青葉は嬌声を上げながら提督人形を小刻みに揺らし始め、揺れに合わせて一段と大きな嬌声を上げる。 「くぅ!ああっ!くひゃあ!」 上気した肌には汗がにじんでいる。 「あん!あっ……あ、ふぅ……」 絶頂に達した青葉は張型を抜き、人形の重さを腹で感じながら壊れた屋根の隙間から星空を眺めていた。 「古鷹……本物はあげるね」 これが青葉の出した答えだった。 古鷹からは奪えない。しかし何の未練もないほど提督への思いは小さなものではない。 ならば、古鷹の追体験をすればよい。 自分にはこの、自分だけの提督がいてくれればよい。 撫でてくれて、口づけしてくれて、初めてを奪ってくれて……。 「おやすみなさい司令官。また今度お願いします」 写真と張型を外し、ただの案山子に戻ったそれを元の場所に隠した青葉は、 寝転んだ際の汚れを払い、外したそれらを大事に懐に隠して部屋へ戻っていく。 古鷹を守るための懸念事項の一つは取り去った。 あとは、この一件を有耶無耶にできるようなネタをそれとなく流し、他の者の注意をそちらに引き付ければそれでおしまい。 一筋の涙が頬を伝ったが、すぐに拭い去って歩き出した。
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776 :名無しの紳士提督:2015/01/19(月) 00 13 36 ID SX4JdFMc ※キャラ崩壊注意 ※ちょっとメタい ある提督の秘書艦は長門である。 戦闘においては常に勇敢で頼もしく、平時においても冷静沈着で理知的。 仲間への気配りを忘れず、提督を上官として、また相棒として忠誠を誓い、その凛とした立ち居振る舞いに心惹かれぬ者はいない。 提督は大型建造で彼女と出会ったが、―つぎ込んだ資源の量とその物質的見返りだけが艦娘の価値ではないとしても― それだけする価値は十分以上にあると断言できる(大和?未実装じゃないですかね?)。ただ一つ違っていたのは― 「長門、赤城さんどこ行ったか見てないかしら。さっきから姿が見えないのだけど」 「ああ、赤城なら……さっき提督が風呂に沈めたから暫く戻ってこないぞ」 「入渠させただけだよ誤解するような言い方すんな」 ……こういう所である。 「そう言えば提督、アニメ版第2話は見たか?」 「ああ見た。意外と青葉でかかった」 「むしろその青葉と並んだ時の五月雨が……じゃなくて他に感想は?」 そんな話をしている時に執務室の扉をノックする者がいた。 「失礼します。ご主人様、遠征から戻りました」 「おお漣か。お疲れさん」 戻ってきた漣が報告を受けた提督が机上のノートにTの字を書いているのを見つけた。 「何ですかそれ?」 「いや、大したことじゃない。ちょっとした賭けだ」 そう答えた提督に長門が付け加える。 「アニメ版の私がながもん化しなかった話数だ。第5話までながもん化しなければ正の字完成で私の勝ち。……それで提督、どうだった?」 「まだだ。まだあと3話ある。赤城盛りやら足柄さんの合コンやら出たんだ。やってくれるさ」 ふんす、と鼻息を一つしてぐっと胸を張る長門。 アニメ版はともかくこの人はながもん要素あるよなと思ったが口にはしない漣。 「賭けの結果は私もちゃんと記録しているぞ。ただ、その時適当な紙が無くてな」 「掌にでも書いたのか?それじゃ消えちまうぞ」 「いや尻に」 「すぐに消しなさい」 この人はながもんじゃねえ。もっと別の何かだと思ったが口にはしない漣。 777 :名無しの紳士提督:2015/01/19(月) 00 17 17 ID SX4JdFMc また別のある日、提督と長門は所用で朝から出かけていたが、昼過ぎには鎮守府に戻ってきていた。 執務室に戻る道すがら、空母たちの訓練の様子が見える。 「そう言えば弓の構え方がどうこうと話題になっていたな」 何の気なしに提督が呟くと、横にいた長門がそれに応じる。 「まあ空母の弓は正確に的を射ることが目的ではないからな。空母は艦載機を確実に打ち上げ、その間無防備にならない事のほうが重要だ。 だから玩具のような軽い弓を使って射形はともかく早く引くことを重視するそうだ。目標を直接撃つのは艦載機の役目だからな」 これは提督にも意外だった。 長門は戦艦で、航空機など扱えない筈だ。 「何でそんな事を知っている」 「連合艦隊旗艦たるもの、他の艦種についても知っておく必要があるからな」 長門は勉強家だ。 秘書としての業務をこなす傍らで、この様な知識を吸収することにも余念がない。 艦娘としては模範的と言えるだろう。艦娘としては―。 執務室に戻ってから少しして、長門がパニック気味に言う。 「あれ?あれ?提督、何もしてないのに壊れた」 「プラグさしてないのに動くか。何もしてなければ壊れねえよ」 艦娘として以外は壊滅的である。 ともあれ執務を再開したわけだが、どうも長門がもぞもぞと落ち着かない。 座っている椅子に尻をこすりつけるような動作を繰り返している。 「……何をしている?」 「この前尻に書いたと言ったろう?あの後かぶれてしまって…」 思わずため息の出る提督。 本当に艦娘として以外は壊滅的である。 「何で書いたらそうなるんだ…というかもぞもぞするな落ち着かない」 「尻に手を突っ込んでかくのは何か恥ずかしいじゃないか」 「尻に字を書く方が恥ずかしいわ!……ちょっとトイレ行ってくる」 突っ込みを入れながら席を外した提督。 一人になった長門の目に箪笥の一番上が映る。 (そうだ、あそこに薬箱が入っていたな。かゆみ止めとかないかな) 果たして思った通り、薬箱から軟膏を手に入れた長門。 提督が戻ってくる前に終わらせようと、下着を脱ぐと軟膏をつけた指先を尻に持っていく。 指先で患部を探り、軟膏を塗ろうとするがなかなか上手くいかない。 (どうやって書いたのだったか…) 我ながら妙な所で器用だと思いながら、かゆみのある部分に軟膏を塗っていく。 778 :名無しの紳士提督:2015/01/19(月) 00 19 47 ID SX4JdFMc そのとき不意に、指先が割れ目をこすった。 「ひゃん!!」 走る衝撃に思わず声を上げる。 (なっ、何だ今の!?) 自分でも初めての感覚に戸惑いながら、今度は何もつけていない指をおそるおそる近づける。 (薬がしみただけだ。そうに決まってる) その自分へのごまかしを自分の指が打ち砕く。 「ふひゃあ!」 乾いた指先が、先程と同様の衝撃を生む。 自分自身の肉体が、自分の思っている以上の変態的なものであったことを、この時長門は知ってしまった。 (駄目だ、ここで辞めなきゃ……。薬を塗って、それで終わりに…) 頭ではそう思っているが、それとは別の部分でそれと相反する思いが大きくなっている。 そしてその思いは、長門の理性を軽々と打ち破る。 「ふああっ!ふひん!くあっ!!」 指が動き、それに合わせて嬌声が上がる。 (駄目だ。何をやっているんだ私は!?早くやめないと提督が―) 何度もやめようとするが、快楽に支配された体は全くいう事を聞かない。 既に、前の方がジワリと温かくなり始めている。 「ひうっ!ふぁああ!」 (止めなきゃ駄目なのに……。駄目なのに……気持ちいい) 何度も敗れた彼女の理性は、既に抵抗を諦めていた。 「あひっ、あひいっ!!ううぅ、くあああっ」 ただ本能の赴くままに指を動かし、その動きに合わせて身をよじらせ声を上げる。 頬を紅潮させ、口からは涎を垂らすその姿は、毅然とした艦娘の長門ではなく、一匹の雌。 「うふぁ!ひっ、ひゃん!!ああっ、んああっー!!」 がくがくと膝が笑い、床にぺたりと座り込む長門。 絶頂を感じた体が徐々に鎮まっていく。 「早く、早くしまわないと……。提督が戻って…」 気怠い体に鞭打って片付け始める長門。 扉の向こうで提督が足音を殺して今しがた用を足したトイレに戻っていくことに、長門は気付かなかった。 終 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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雷の司令官LOVEな休日 私は雷。読み方はかみなりじゃなくていかずちよ! 昨晩はキス島撤退作戦を無事に完遂させてきたの、 途中で戦艦が出てきた時はほんとヒヤヒヤしたわ。 で、嬉しかった事があるんだけどね……司令官が私を褒めてくれたの! 最近は戦艦や空母ばかり活躍していて、私や他の駆逐艦の子は遠征につきっきりだけど、 やっぱりこうやって戦果を挙げて司令官に喜んで貰えるのが一番嬉しいわ! 今日は入渠とかの処理で、出撃とかはなしで鎮守府はお休みなんだけど……(もちろん開発とかは行ってるわ) 私は久々に司令官の寝顔を拝みに私室の前に居るの。 時間は朝の六時。何時もの司令官だったら七時頃にはもう起きてるからバレちゃうかもしれないけど、 今日みたいに余裕のある日は司令官は遅めに起きるの。もうっ、ねぼすけさんなんだからっ! でも私が今から司令官の所へ行くのは、起こす為じゃないの。 (音を立てないようにそーっとそーっと) 私は工廠妖精さんに作ってもらった私室の合鍵を使って鍵を開け、司令官の部屋へと侵入する。 (もー、また汚くなってるわ。仕事が忙しいのは分かるけどちゃんと部屋の掃除はしなきゃだめよ? 司令官ったら世話が焼けるんだから!) 私室の台所にはまだ洗っていないであろう食器、机の上には何らかの書類、風呂場の方にはまだ洗ってない服…… ただでさえ小さい部屋が更に小さく見える。今すぐにでも綺麗にしてあげたい所だけどそれはまた後ね。 (ふふ、よく寝てるよく寝てる) 私は司令官が布団で寝ているのを見ると、顔を綻ばす。 他の艦娘の所に泊まり込んでたら司令官が更迭されちゃうかもしれないからね。 (あっ! いつまでもこうしてるわけにはいかないわ!) しばらくしてはっと我に返る。 寝ている司令官の顔に息を吹きかけたり、頬をプニプニしたり、 色々と堪能していた私だけど目的を忘れちゃいけない。 (ゴミ箱には……うんないわね) 私は机の近くにあるくずかごを漁……捜索して、怪しいティッシュがないかを探す。 何してるかって? 司令官が昨晩自慰したかを確認するのに決まってるじゃない!! 本当は私が秘密で司令官に御奉仕して慰めてあげたいけど、 司令官は私をちっとも女性として扱ってくれないの。ひどーい。 だからこうやって朝早くからスッキリさせようと私室に来たのよ。 (むっ、小さいわね。だけどこの雷様に任せて! ちゃーんとお仕事中に発情しないように抜いてあげる) 私は提督の布団に潜り込んでパジャマとパンツをゆっくりと脱がせ、 司令官の7.7mm機銃を口に銜える。 (お掃除お掃除♪ここは男性にとって、とっても大切な所なんだから!) 私はペロペロと機銃の先っぽや周りをを、舌でお掃除してあげる。 余裕がある時に毎朝してあげたから、汚れすぎてたり発射できないなんて事態にはならないわ。 そうやって丹念に掃除しているうちに、司令官の機銃がどんどん大きくなって 口の中で46cm三連装砲に改造される。本当はそこまで大きくないけど…… (んんっ! っ……流石に口内に咥えきれないかしら? だけど私は負けないわよー!) 息苦しくて一度司令官の連装砲を離しちゃったけど、私は負けじと また連装砲を口内に咥える。 そして今度は司令官の弱点を狙って舌撃を加えていく、 カリ首を円を描くように舐めてあげたり、鈴口を優しく刺激してあげたり…… そんな風にしてあげると司令官のくぐもった切ない声が私に聞こえてくる。 きっと私の奉仕で快感を感じている証拠なのだろう。 私は嬉しくなって、もっと気持ちよくなれるように連装砲を責める。 (っ…はぁ…司令官はどんな夢見てるのかしら? もちろん私よね?) ぺちゃぺちゃの淫猥な水音を立てながら、私は必死に最後のスパートをかける。 司令官の連装砲は震えていて、今すぐにでも精液を発射しそうだった。 (んんんんっ! んむぅ!) 私の口内に大量の精液が放たれる。数日分の溜まっていた精液は これでもかと言わんばかりに私の口へと流れ込んでゆく。 (…ぜ、全部飲むんだから! し、司令官の為ならこれくらい……!) 私が飲むペースよりも早くどんどん精液が放出されてくる。 咽そうになるけど、私は頑として司令官の連装砲から口を離さず、精液を飲み干していく。 (んぐんぐ……ぷはっ! ぜ、全部飲んでやったわ! これくらい私には余裕なんだから!) 司令官の精液を全部飲んだ自分が少しだけ誇らしくなった。 本当はそんな自分を褒めて貰いたかったけど、司令官はまだぐっすりと寝ている。 これじゃあどれくらい気持ちよかったのかも分からない。 ……起きればよかったのに、起きればなし崩しに司令官と関係を結んだりして、 もーっと傍に居てあげられるかもしれないのに…… いっその事睡眠薬とかつかって眠らせて手錠とか付けて監禁して 私なしに生きていけないくらい依存してもらうとかそういうのも…… (あーあーダメダメ私がこんなに暗くなっちゃ! 司令官に笑ってもらうのに自分がこんなんでどうすんのよ雷!) 私は思いついた嫌な考えを振り払う。 少し魅力的な考えだったけど司令官には大切な仕事や役割があるし、 私だけが全部独占できる人じゃないから。 私は司令官の連装砲を口内で綺麗にすると、 元通りにパジャマと布団を着せ台所へ向かった。 (ん…ちゃんとあるわ。調味料の方は……) 私は冷蔵庫を開けて中にある食材を確認する。 司令官の為に前作った佃煮や金平牛蒡はちゃんと食べられてるし、 私がリクエストしておいた食材も買ってある。 戸棚の中に入っている醤油や酢も新しくなっていた。 (これなら美味しい朝ご飯を司令官に作ってあげられるわね!) といっても今から食事を作ったりはしない。 私が合鍵を作っていて勝手に私室に入り込んでいるのを司令官は知らないからだ。 朝ご飯を作るのは司令官が起きそうな時間帯に合わせて、また来ればいい。 絶対にバレたら駄目。もしそんな事になったら……考えたくもない。 (じゃあねー司令官。また来るわ! 楽しみにしてて) 私は物音を立てずに部屋を出て、扉の鍵を閉めた。 私は自分の部屋に戻る。 「ん……雷? また司令官の所?」 「ええ。司令官分を補給してきたの。やっぱりこれがあると力が漲るのよ」 丁度外へ出ようとしていた響とばったり出くわした。 私の部屋は電・響・暁……第6駆逐隊四人の共同部屋だ。 「響はまた早朝散歩? 飽きないわねー」 「それだったら雷だって同じさ。私だったら 司令官の為とはいえあそこまで尽くせない」 部屋の外の薄明かりの中で取るに足らないことを話し合う。 響は私達より早起きで、よく早朝に鎮守府周りを散策することが多いの。 まー何が目的かは知らないけど、本人が楽しんでるからいいんじゃないかしら。 司令官とそんな風に二人っきりで誰も居ない鎮守府を、私も歩き回ったりしたいな…… 今度お願いしてみるのもいいかも。 「……あんまり話し込んでると太陽が昇ってきちゃうね。 私はそろそろ出かけてくるよ」 「いってらっしゃい。面白い事があるといいわね」 私は響を見送る。港の方に向けてだんだんと背が小さくなっていった。 「ふー。準備準備」 時間までまだだいぶ余裕があるけど、必要なものはきっちりそろえておかないとね! 私は鞄の中にエプロンやタッパを詰める。 洗面所で髪やお肌をチェック、服に変な臭いや皺がないかも入念に調べる。 「……おっけー! 今日も私は万全!」 くるっと一回転してポーズを決め、私は時間を待った。 八時十五分。まだ眠っている暁と電を起こさないようにゆっくりと私は部屋を出た。 「しれーかん! しれーかん! 朝よー。早く起きなさい!」 私は扉をドンドンと叩く。 「……雷。また来たのか」 少しだけ間が空いて司令官が扉を開ける。口に歯ブラシを咥えてパジャマ寝間着姿、 予想通り起きてすぐだったみたいね。 「今日も朝ご飯作りに来たわ。さ、台所貸して頂戴♪」 私はウィンクをして、いつものように部屋へ入ろうとする。 「キス島撤退作戦が昨日完了したばかりだろう。無理せず休んでおけ」 そんな私を司令官は腕を上げて立ち止まらせた。 気遣ってくれるのは嬉しいけど、司令官だって色々と苦労してるはずでしょ? これくらいなら私が余裕でやってあげる。まさに朝飯前ってやつね。 「なーに言ってるの、雷はもうピンピンしてるわ! 司令官も一人じゃ碌な食事作れないんだから、私に任せなさい! ……入れてくれるまで私は諦めないから」 「分かった分かった。遠征に支障がでないようほどほどにしとけよ」 司令官は渋々私を部屋の中に入れた。 「あーまた汚れてるじゃない!」 さっき侵入したくせに、白々しくも、私は部屋を見て言う。 「すまんな。後でちゃんと片付ける」 「はいはい言い訳はしちゃだーめ! 司令官は早く着替えて歯磨いて顔洗って、済ますこと全部済ましてくるのよ? 朝ご飯の準備は私がしておくから」 「あい」 司令官はそう言われると、頭を掻きながら洗面所へと戻って行く、 私が居なかったら、本当にこの部屋はどうなっていたことか。 「さーて今日も腕によりをかけて美味しい朝ご飯を作るわよー!」 私はまだ洗い物が残っている台所へと向かっていった。 「じゃーん! 朝ご飯の完成!!」 ご飯・味噌汁・納豆・鮭の塩焼き・卵焼き。 割とテンプレなメニューだけど、朝はあんまり時間がないから凝った食事が作れないのよねー…… 「毎朝私に頼んでくれるなら、もっと色々作れるわよ?」 「いんや、大の男が子供に頼りすぎるのは良くない。例え苦手な料理であってもだ」 「なに言ってるの! 朝ご飯はね今日一日を元気に……」 「OK言いたい事は分かるから、朝っぱらから説教だけは勘弁してくれ」 はあ……私は司令官の体を心配して言ってるのに。 そーやって無茶するから病気になったり倒れたりするのよ? そんな私が心配しているのをよそに、司令官は朝ご飯を食べ始める。 ふふっ、でもこんな風に美味しそうに食べてくれるのは、作った甲斐があるわ。 もっとお料理頑張ろうって気になるもの。 「ふふん」 「……どうした雷」 「なーんでもないの」 私は料理を食べている司令官を見つめる。 司令官が度々私の方を『何が面白いんだ?』って顔で訴えてくるけど、 私はそれに微笑んで返すだけ。 だってそうでしょ? 好きな人と一緒に幸せな時間を過ごすのは女の子なら きっと誰でも望むでしょうから。 こうして私と司令官のゆったりとした朝ご飯の時間は過ぎていった…… 「ふぅ……さてと、私は仕事があるから司令室に行ってくる。 雷も早く皆の所へ戻れ……って言ってもこの部屋を掃除するつもりなんだろう」 朝食も食べ終わり、制服に着替えた司令官が立ち上がる。 休みの日なんだからゆっくりすればいいのに。仕事が残ってるのかな? 「当然雷が責任持ってお掃除しておくわ! 司令官は安心してお仕事に行ってきてね」 「ああ、分かった。でも、別に無理して掃除しなくていいからな? この部屋を汚したのは私なんだからな?」 「はいはい。後は私に任せて」 私はバツが悪そうに歩く司令官の背中を出口まで押していく。 掃除中にHな本見つけたからって捨てたりしないわよ? 私だっていつも一緒に居られないから、少しぐらいだったら仕方ない仕方ない。 あ、私の下着や服で自慰してもらうのもいいわね。 今度わざと部屋に置いていっておこっかな。 「そういえば今日の仕事ってどれくらいで終わるの?」 扉を開けて外へ出ようとする司令官に、私は話しかける。 「仕事か、昨日のキス島撤退作戦の事後処理が少し残っているから…… まあ昼前には終わるな。どこか行きたい所でもあるのか?」 「ううんそうじゃなくて。今日はどれくらい司令官と一緒に居る時間が あるのかなーって、そう考えてたの」 「……部屋の掃除や食事を作ってくれる雷には感謝している。 あまり特別扱いは出来ないが、何かして欲しいことがあったら言ってくれ」 こちらを振り向いた司令官の顔は真剣そのものだった。 じゃあ私にキスして、夜、布団の中で司令官と夜戦したい……なんて言える訳がない。 たぶん……ううん、司令官は絶対に断るだろうから。 「今日も私の作ったお昼ご飯とお夕飯を食べてくれる? 後……司令官の部屋に泊まってもいい?」 「それで雷が喜んでくれるなら私は構わない」 「じゃあ約束よ! 忘れたらだめだからっ!」 司令官は黙って頷き、外へ出て行った。 司令官の居ない部屋はとてもガランとしている。 大きくない部屋なのに司令官が居ないと、まるで広いお屋敷のようにも感じた。 (しれーかん……) 私は脱衣所へ向かう。寂しい心の隙間を埋める物を求めて。 (はぁ……しれーかんのにおいだぁ……) 司令官の服と下着に包まれて、匂いを嗅ぎながら妄想をする。 私が秘書艦になって勤務中に性行為を強要される。 机の下で無理矢理フェラチオされたりして、私の顔に精液をかけられる。 倉庫に呼び出されて、声を押し殺しながら二人で交わりあう。 司令官の私室の布団で私が上になって司令官を快楽で喘がせてあげる。 私達の部屋で司令官との激しい性行為を、暁・響・電に見せつける。 「んっ……は……ぁ……」 私は司令官の為なら何でも出来る。 例えその結果、私が轟沈するとしても。 「……もっとぉ……しれーかん……しれーかん」 私の頭の中が司令官でいっぱいになる。 現実じゃなくても幸せだった。 「ふあぁぁ!!」 そして私は絶頂に達する。 頭の中では司令官が私の耳元で何度も何度も愛の言葉を囁き、 膣内へと精液を注いでいた。 (しれーかん大好き……) しばらく私はその妄想に浸り続け、何度も達した。 そんな妄想から覚めてみると、何ともいえない寂寥感が私を襲う。 海の底へ沈む感覚はこれに近いのかもしれない。 冷たくて何も見えない、真っ黒な世界が私の目の前に広がるような。 (お掃除お洗濯……) 私はそんな感情を忘れたくて家事に取り掛かった。 時は流れて十二時三十分。私は食事を用意して司令室に司令官を呼びに行く。 (司令官以外にも誰か居るのかしら?) 司令室に近づくに連れてガヤガヤとうるさい話し声が聞こえる。 秘書艦の赤城さんはそこまでおしゃべりな人じゃないし…… (もしかして……) ここまで騒がしくて明るい人はだいぶ限られてくる。 私は頭の中にある人を想像した。 司令室の前に立った時それは確信に変わった。 「だからな金剛、雷と約束があるんだよ」 「HEY!提督ぅー。Lolitacomplexはだめヨー。 雷ちゃんも偶にはrestが必要ネー」 金剛さんの声だった。 何を話しているのかは分からないけど、考えるよりも先に自分の体が動いた。 バタンと扉を勢いよく開ける。音が司令室に鳴り響いた。 「oh! ちょうどいい所に来マシタ」 金剛さんが部屋に入ってきた私を見て、都合が良さそうに司令官に言う 「最近提督はthunderちゃんに頼りっきりデース。 朝昼夜、全部お世話をしてもらうのは駆逐艦には荷が重すぎマース」 「全部って……雷が居ない時は自分の事ぐらい自分でやっている」 「つまり。thunderちゃんがいる時はentrust toっきりじゃないですカー。 それがいけないのデス!」 金剛さんの司令官への説教を聴きながら、私は無言で司令官に歩み寄り 手を取って出口へと無理矢理引っ張っていく。 「お、おい雷」 「thunderちゃん。wait a minute! 貴方にもお話ありマス」 「私は司令官のお世話を嫌だと思ったり、辛いって感じた事は一度もないわ!」 私を止めようとする金剛さんの声を背に受けながら、 声を張り上げ一言だけそう言って司令室を出て行く。 「crazy……」 金剛さんたら失礼しちゃうわ! 私は体は小さいかもしれないけど、立派な女性なのよ。 建造された歳から考えたらどうなってもみんな二十歳以上だし、ここに来てからだと全員三歳以下になる。 そういう意味では私の主張は間違ってない。そうよね? それに荷が重いなんてふざけた話よ。私は時間がある時に、 司令官の日々の負担を少しでも減らそうとしてるだけ。無理なんかしてないのよ! 「雷。さっきの事で怒ってるのか?」 そんなに酷い顔をしていたのだろうか、司令官に声をかけられる。 だめだめ、だめよ雷! 楽しいお食事の時間を私の機嫌で台無しにする訳にはいかない。 「ううん怒ってなんかいないわよ。ちょっと考え事してただけ。 ……金剛さんの言うこともちょっと分かるかなーって」 そう言いつつも、私の本心はまったくそう思っていない。 むしろもっと私に頼って欲しいくらいだ。 「ささ、早く食べて。和食ばかりじゃ飽きるとおもって、 お昼は洋食にしてみたのよ?」 午後一時。私は第6駆逐隊共同部屋に戻ってくる。 どうして司令官と一緒に居ないのかって? ……私だってそうしたいけど、司令官に気を遣わせちゃうし、 うっとうしがられたりするのはもっと嫌だから。 司令官も一人で行きたいとこや、居たい時もあると思うの。 そんな貴重な時間を私の我侭で潰すのは良くないって考えてるだけ。 でもそれは私の本心と矛盾する考えでもある…… 「ねえ暁。一人前のレディーって何だと思う?」 真剣そうな顔で『月刊パラレルハート』を読んでいる暁に私は質問する。 「一人前のレディー? そうね……」 「ブラックコーヒーを飲めるとか、胸が大きくなるとか、 頭を撫でられて喜ばないとか、お子様ランチを頼まないだとか、 そーゆーのはなしでお願い」 「わ、私がそんな事言うわけないでしょ!」 そう口では言いつつも、態度に図星を指された様子がはっきりと分かった。 自分の気持ちを巧く誤魔化すのも、大人の女性に必要なのかもね。 私にはまだまだ出来ないけど。 「えっと……やっぱり周りに対する気遣いよね。空気を読むのって大切だと思うの。 後はやっぱり余裕って言うか……冷静とはちょっと違うんだけど、心の広さじゃないかしら?」 「ふ~ん。暁も結構考えてるのね」 「当然よ私だってちゃんとしたレディーなんだから!」 言ってることは間違ってないけど、 暁を見ているとまだまだ一人前のレディーには遠そうだって思うわ。もちろん私も。 午後二時。 「電ー、ちょっと背中に乗せてー」 「雷電ごっこはもういいと思うのです……」 「せっかく天龍さんから高周波ブレードを借りてきたのに」 午後四時。電の背中に乗っかりながら、海の水平線を見つめる。 「電って司令官の最初の秘書艦だったのよね?」 「お姉ちゃん……もうそれは何回も話したのです」 「ん……んー、やっぱり電が羨ましいっ!」 私はくしゃくしゃと電の頭を撫でる。ちょっとの嫉妬を込めて。 きっと電は司令官の良い所や悪い所を私より沢山見てきたのだろう。 私よりも長く司令官の傍に居たのだろう。 もしかしたら誰にも言えない秘密の関係を持っているのかもしれない。 羨ましい妬ましい、私ももっと早く司令官の傍に行けたなら 深い関係になれたのかもしれない…… 「お、お姉ちゃん?」 「へっ? あ、ああボーっとしてたわ」 電に話しかけられて、私の思考は中断される。 「そろそろ夕食の用意しないといけないんじゃないですか?」 「……あああっ、もうこんな時間じゃない! 電、私行ってくるわ!!」 私は電の背中から素早く降りて、司令官の私室に向かう。 辺りの空はまだ青いけれど、手の込んだ料理を作るには時間がかかるから。 「お姉ちゃんは相変わらずなのです」 私が料理に失敗することもなく、司令官が約束を破ることもなく、 そして司令官との夕食に邪魔が入ることもなく時は過ぎていった…… 夜十時。お風呂や歯磨きを済ませて、私と司令官は一緒の布団に潜り込む。 あ、残念だけどお風呂は一緒じゃないわ。きちっと自分の部屋で入ってきたの。 「司令官と寝るの楽しみにしてたの!」 「その言い方だと変態的な意味にも聞こえるからやめろ」 「いいじゃない本当の事でしょ?」 せっかくピンク色の色っぽいパジャマを着てみたのに、 司令官は全然興味を持ってくれない。 私は悔しくて、こちらに背を向けている司令官の首に抱きついて体を寄せる。 「暖かいわ……」 「もうそろそろ冬だからな。雷も寝る時はちゃんと毛布を使うんだぞ」 「でも今夜は司令官がいるからいらないわね」 ぎゅうぎゅうとより強く司令官を抱きしめる。 「電気消すからちょっと離れてくれないか?」 「はーい」 司令官が立ち上がって、電灯を消す。 部屋は真っ暗、外に幾らか光はあるけどそれは港を照らすものだけだった。 「明日の遠征も頼む」 そう言って司令官は私を抱きしめた。今度は背じゃなくて胸の中に。 私は無言で司令官を見つめて、抱擁の暖かさに浸る。 (はぁー、まさにこの為に生きてるって感じよね……) 頭も撫でてくれて、溶けてしまいそうなほど幸せ。 この感覚を毎日味わうことが出来たのなら…… (また明日も頑張ろう、もっと頑張って成果を上げて、 いつか司令官に……) 私は司令官に抱かれながら心地よい眠りの世界へと落ちてゆく、 いつか私の願いが叶うのを祈って。 (しれーかん大好き……)
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507 :3-91:2014/04/10(木) 13 23 49.87 ID bP3dsiIH 提督×吹雪で投下します いつも見えてる吹雪のパンツが気になって書いた エロ薄め。一発ネタ 508 :提督×吹雪:2014/04/10(木) 13 24 59.44 ID bP3dsiIH パンツとは男の夢である。 偶然見れたならもちろん嬉しさは倍増するが、そんな機会はなかなか訪れない。 ラッキースケベでなくともどうにかして見たいという思いは常に存在する。 ……ある時から俺は、秘書艦・吹雪のパンツを毎日見ることが出来るようになった。 「司令官! こちら、新しく配属された艦娘の資料です!」 吹雪が書類の束を抱えて入ってくる。 「ああ。ちょっと手元のデータと照合するから、そこで待っててくれるか?」 「はい!」 俺の言葉に吹雪は元気よくうなずき、行儀正しく、執務机の前で「気をつけ」の姿勢をとって待つ。 ベストポジションだ。 俺は抜け目なく、目の前のパソコンに指を走らせた。 このパソコンは、鎮守府に着くと自動的に支給されるもので、どの提督の机にも一台ある。 資源の収支や艦娘のデータなど、機密に属する情報で溢れた、大変貴重なものだ。 ちなみに俺のパソコンは、以前この鎮守府にいた前任者が使用していたものらしい。 その中に一つの秘密のプログラムが存在するのを、俺は発見したのだ。 いま俺が起動させたのが、ソレである。 「どれどれ……問題ないと思うが、とりあえず確認していかなきゃな……」 などと、さもマジメに作業しているかのような台詞を吐きつつ。 俺は手元の画面に表示された小さなウィンドウ、そこに現れる光景に全力で注視していた。 その画面に映っているのは、いま、正に目の前に立っている吹雪のパンツだった。 まるで彼女の足下から見上げるようなアングル。 そしてスカートがわずかに揺れて動くのさえ伝わる、高画質なリアルタイム映像。 ……そう。秘密のプログラムとは何を隠そう、この執務机の下に見えないよう設置された、 超小型の隠しカメラ、そのデバイスを管理するためのモノである。 俺はパンツを堪能する間に、本来の作業をパッパッと片手間に終わらせてしまう。 パンツが俺の仕事の活力となり、原動力となる。 それにしても。と俺は思う。 今日は花柄か……!! 何か、朝からいいことでもあったんだろうか。ついつい、そんなことを目の前の吹雪に尋ねてみたくなる。 すると俺の目線に気づいた吹雪が、ん?と可愛らしく小首をかしげるような動作をする。 「あ、終わったんですか、司令官?」 「え!? ……あ、ああ、終わった終わった! ちょ、ちょっと待っててくれ」 いけないいけない。「こっち」の作業も済ませなければ。 俺はそのリアルタイム映像をキャプチャするボタンをクリックし、吹雪の今日のパンツを一枚の写真に収める。 ベストショットを決めるカメラマンのように。 「……よし。じゃあ資料はこちらで保管しよう。あ、それと第二艦隊に遠征の内容説明書を持って行ってくれるか?」 「はい! わかりました!」 俺が書類を渡すと、吹雪は受け取り、挙手敬礼をする。 そして、仕事を任されて単純に嬉しいのだろう。駆けるように出て行った。 その拍子に、短いスカートが浮き上がり、パンツがちらっと見えた。 花柄だ。 あ……と、俺は微妙に得したような損したような、不思議な気分を味わう。 ……いやまあ、気にするまい。 パンチラは、記憶の中にしか残せない。だけど俺は、しっかり『記録』に残せるモノを持っている。 そう独りごちると俺は、パソコンに向き直る。 画面の下にいくつか配置されたタブのうち、『情報』と書かれたタブをクリックした。 その中のプライベートなフォルダ群の中に、『fubuki』というフォルダが掘ってあり、パスワードを入力してそこを開く。 これが俺の記録であり、お宝。数ヶ月に渡って記録した、毎日の吹雪のパンツ写真である。 (ちなみに一瞬フォルダアイコンまで吹雪のパンツにしようかとも思ったけどやってないよ、ほめて) 俺はそこに今日の一枚を保存すると、また一枚増えたそれらのパンツ群を眺めて、しばし恍惚に浸る。 「うむ……今日の花柄はなかなかの当たりだ……」 基本的に、吹雪のパンツは一週間ほどでローテーションされている。 その内訳を数えると、花柄一枚、水色一枚、ピンク一枚、ピンクの縞々一枚、白が三枚。 年頃の女の子にしては少ないが、そこはやはり軍隊生活ゆえだ。 三枚ある白のパンツを、俺は密かに『白のい号』、『ろ号』、『は号』と呼んでいる。 中でもフロントに小さな赤いリボンのついた『は号』は、俺の一番のお気に入りだ。 ……閑話休題。 パンツ空間をひとしきり堪能してニヤニヤすると、俺はちょっと椅子にもたれ、天をあおぐ。 (この偉大なる『パンツ監視システム』を作った前任者さん、あんたには感謝してもしきれない…… いつかどこかで出会ったら、秘蔵の写真をおごらせてくれ……) 前任者とは俺の先任の提督、すなわちこの執務机の下にカメラを設置し、その管理ツールを密かにこのパソコンに仕掛けた人物である。 今はどこで提督をやっているものか、ようとして知れない。 噂ではどうも何らかの罪科を問われ異動になったと聞くが……。 ハテ、一体こんなすばらしい趣味と能力を持つ人物が、何の咎で左遷されたと言うのか? 不思議でしょうがない。 「ぱんぱかぱ~ん! 提督、作戦完了で帰投よ~~!! え~い、むぎゅっ」 鎮守府の夜。夜戦を終えた第一艦隊が帰投する。 その旗艦・愛宕さんが帰るやいなや飛びついてきた。 「ご苦労だった。どうだった、戦果は?」 「ええ、我が方の勝利! でしたけど……服はボロボロになっちゃいましたぁ~」 彼女の言うとおり、その服は夜戦で受けた砲撃によって、溶ける水着を発明したドイツ人もビックリのすさまじい脱げ方をしている。 こぼれた二つのたわわな果実が、そのままむにゅ~っと俺に押しつけられていた。 「うむ。入渠ドックは2つとも空いているから、損傷の激しい者から先に入ってくれ」 「あ……はい、提督」 抱きつく愛宕を引き離して、俺がこともなげに言うと、彼女は少し気勢をそがれたようにそう言う。 「提督って、マジメでいらっしゃるんですね……」 去り際に愛宕は、寂しげな声でそう呟いた。 そんな彼女に続いて、大半の者が服が裂けたり、下着が見えたりしている満身創痍の艦隊が、ひょこひょこ夜の鎮守府へ帰って行く。 ある意味扇情的な光景だが、俺はそれに別段心動かされることはない。 マジメ……その評価に俺は、内心少し笑ってしまう。 なるほど、現に俺はあられもない姿をした愛宕に抱き着かれても、 こうして中破大破の艦娘たちを見てても、決していやらしい心を起こしたりはしない。 そんな態度のおかげで、すっかり艦娘たちの間では『マジメ』『堅物』で通っている俺だ。 ……が、実のところさっきの愛宕のハグに股間一つ動かなかったのは…… 単純に、昼に吹雪のパンツ写真を『おかず』にナニに耽り、文字通り精も根も出し尽くしたからに他ならない。 そう。官能的で成熟した艦娘たちに囲まれながらも、なぜだか俺の性欲の矛先は、吹雪にしか向かないのだ。 「あっ、司令官! お疲れ様ですっ!」 ……などと述懐しながら戻る途中、廊下で吹雪と出くわした。 こんな夜中でも、相変わらずの元気な挨拶だ。 「あ……ああ、お前も秘書艦の務め、ご苦労だな。吹雪」 「はいっ、ありがとうございます!」 昼間、さんざん彼女を妄想の中で辱めた罪悪感のせいか、つい返答がぎこちなくなってしまう。 が、吹雪はもちろんそんな素振りに気づいた様子もない。 「司令官は今日のお仕事はもうお済みですか?」 「うーん……あとは今日の資源の収支報告をパソコンに打ち込むだけかな」 「あの、それでしたら私、代わりにやっておきましょうか?」 「本当か!? 助かるな……それじゃカギ渡しておくから、頼めるか?」 俺は懐から執務室のカギを取り出し、吹雪に手渡す。 「はい、お任せ下さい!」 吹雪は挙手敬礼すると、回れ右して執務室の方へ駆けていく。 そのときにまた、スカートがひらりとそよいでパンツが見えた。本日二回目の花柄。 「…………」 支給品のスカートが短いためでもあるが……こう日に何度もパンチラされると、目のやり場に困る。 最近気づいたのだが、べつに盗撮などしなくても、吹雪は普段からガードがゆるいのだ。 もしかしたら、自分が他の艦娘に目もくれず、吹雪に欲情する理由はそこにあるのかもしれない。 自分が性的な対象になることなんて全く想像していないその純真さ。そして無防備さ。 まだ『女のコ』としての自覚が薄い彼女を、守ってやりたいという庇護欲。 そして同時に、そんな無垢な彼女を自分の手で汚してしまいたいような征服欲。 最初に秘書艦として選んで以来、俺はそんなアンビヴァレントな感情を、知らず知らずのうちに吹雪に抱いているのだった。 ……ああ、それにしても、日頃あれだけパンツを見てしまっていると、 ふとした偶然のパンチラに『ありがたみ』を感じなくなるからいけない。 もっとパンツを見るという機会に『敬意』を払わなければ……。 そこまで考えて、俺は廊下の途中でピタリと足を止めた。 ……あれ、俺は……何か恐ろしいことを忘れていないか? 『それじゃカギ渡しておくから、頼めるか?』 『はい、お任せ下さい!』 さっきの会話がフラッシュバックする。 俺はカギを吹雪に渡した。吹雪は俺の仕事を引き継ぐためパソコンに向かい…… パソコンに…… (う、うおおおおおおおぉぉぉ!!) 俺は心の中で声にならない叫びを上げながら執務室にダッシュした。 そうだ。まずい。あのパソコンの画面には……昼間見ていた吹雪のパンツ写真のフォルダがそのまま! ついでに隠しカメラも起動しっぱなしだ!! ばたん! と執務室の扉を開けると、ちょうど吹雪がパソコンの前に座っているところだった。 「や、やあ吹雪……」 「し、司令官……!?」 驚いたらしい吹雪が、ガタッと席を立つ。 彼女の向かっているパソコンの画面は、もちろん入り口からは見えない。 どうか、どうか吹雪が見ていませんように、と心の中で祈る。 「あ~……その、そのだな。し、仕事はやはり自分でやることにしたよ。ご苦労だった吹雪、下がってよろしい」 「あ、は、はい司令官……」 そう言うと吹雪は席を立った。そして、いつもの活発さを欠いた足どりで、 執務室の扉へ小股で歩いて行く……なぜか俺を心持ち迂回するようにして。 「なあ、吹雪……」 「は、はい、なんでしょう!?」 「……いや。おやすみ、吹雪」 「……あっ、はい! お、おやすみなさい司令官っ、し、失礼します!」 ぱたん。 吹雪が退出し、むなしい響きで執務室の扉が閉まった。 「…………」 恐ろしいぐらいの嫌な予感を抱きながらも、俺はよろよろと執務机のパソコンへ向かう。 パソコンの画面には……はたして、カメラのウィンドウも、例のパンツ写真フォルダも展開されていなかった。 デスクトップ画面が表示されてるだけだ。 ……俺の思い過ごしだったのだろうか? もしかしたら昼間、俺はちゃんとウィンドウを閉じて席を離れたのに、それを覚えていないだけなのか? それとも吹雪がすべてを目にし、俺が来たとき驚いて閉じたのだろうか? ……あらゆる希望的観測と、逆に最悪の事態の予想が頭に渦巻いて、その夜はほとんど一睡もできなかった。 次の朝。 執務机に向かい、秘書艦・吹雪がやってくるのを待つ俺の心は非常に重かった。 いつもなら先んじて隠しカメラを起動させておいたりするのだが、それすらする気が起こらない。 何しろ、こうした盗撮のすべてが吹雪にバレているかいないか、それを何としても確かめないといけないのだ。 とりあえずは、それとなく探りを入れるしかないだろう。 昨夜の彼女の態度は若干ぎこちないものがあったが……とにかく、すべてが杞憂でありますように、と俺は必死で祈っていた。 と、ぱたぱたと元気な足音がして、執務室の扉が開いた。 「……し、司令官、おはようございます!」 そう言って吹雪は、まずはいつもどおりの時刻にやってきた。 ……若干、声が上ずってる気がしないでもないが。 吹雪の立った位置は、いつもならそのパンツをカメラで拝見する絶好の位置だ。 やめなければと思いつつ、つい頭はいつものクセで、彼女のスカートの下に隠されているものを想像してしまう。 「……うむ、おはよう。え、えー……今日の仕事はだな……」 そう言いながら俺は適当にパソコンをいじって、スケジュール帳を開こうとする。 「……あの、司令官」 「うん。何かな、吹雪?」 「……あの……今も……見てるんですか?」 一瞬、俺の体は石像のようにピタリと止まった。 キーを叩こうとする手がカタカタと震え、吹雪に目を合わせることができない。 「……み、見てるって、ナニを、かな」 舌がもつれて、ほとんど言葉にならなかった。 「……その……私の……ス、スカートの中、を……」 「!!!」 俺の頭の上に、メタルギアソリッドで主人公を発見した敵兵の頭に浮かぶみたいな巨大な!マークが浮かぶ。 目眩がし、冷や汗がドッと滝のように次から次へと流れた。 心臓が早鐘を打ち、足下の床が抜け落ちるような喪失感が体を襲う。 やっぱり吹雪は、見てしまっていたのだ。何もかも。 吹雪は他の艦娘にも話しただろうか? ……それとも、上に訴え出たりしただろうか? どこまで噂が広がったかによっては、艦娘たちから総スカンどころか左遷、いや軍刑務所行きすらありえる。 ……いやそれよりも。 吹雪の中で、今まで俺が有能な司令官として培ってきた信頼は地に堕ちたに違いない。 きっと彼女がこの先、今までと同じ誠実で勤勉な秘書艦を務めてくれることは、もうありえない。 そう思った瞬間、心の中に懺悔の気持ちが湧き起こった。 「吹雪……今は、今は見ていない……たのむ、信じてくれ」 俺は震えながら、罪を告白するようにそう絞り出す。 今までずっと、吹雪のパンツを盗撮してきたことは事実だ。 うわべには面倒見のいい司令官を装ってきた分、盗撮魔としての俺の姿は、きっと吹雪の心にダメージを与えたに違いない。 けれど、今は罪を悔いている。それだけは俺の、最後に残った真実だった。 「……」 吹雪は黙って俺の言葉を聞くと。 次に、信じられない一言を言い放った。 「司令官……あの、見てても……いいですから……」 「……え?」 吹雪、いまなんと? 「し、司令官がどうしてもっておっしゃるなら……ぱ、パンツ……見てても、いい、ですから……っ!」 「!!!!!!!!!!!!!!!!」 まるでメタルギアソリッドで敵兵全員が一斉に主人公を発見したときみたいな、!マークの羅列が俺の頭に浮かんだ。 「吹雪……ほ、本当に……?」 「……は、はい……!」 ようやく顔を上げて吹雪を見ると、なんといつもの彼女からは想像もつかないような、真っ赤な顔をしていた。 こっちをまっすぐに見ようとはせず、恥ずかしそうに顔は伏せられている。 あの吹雪が、それほどの恥ずかしさを我慢して、俺がパンツを見るのを許容しようとしてくれている? ……俺のために? そう思った瞬間、否応なく興奮で心臓が高鳴った。 その高鳴りは、さっきまで絶望に苦しく鳴っていた鼓動とは全く種類を異にするものだ。 「本当に……いいんだな?」 「…………はい……」 最後の念押しをすると、俺はおそるおそる……カメラを起動する。 これまで幾度となく吹雪の前でなに食わぬ顔で行ってきた操作。 だが今は、その吹雪の合意の下に盗撮(?)に及んでいるという事実が、比べ物にならない興奮をもたらしていた。 ほんのわずかな動作音がして、カメラが立ち上がり、映像を写すウィンドウがポップアップした。 (おお……っ!!) 吹雪が何枚か持っている、地味なたたずまいの白パンツ。 しかしその正面には小さな赤いリボンがあしらわれ、ヒラヒラ揺れて可愛げに存在を主張している。 これは……『白のは号』! 思わず吹雪(本体)の方へ目をやると、さながらカメラを通して食らいつくような視線を感じてでもいるかのように、 その細い体をフルフルと震わせていた。 もしかしたら彼女にとって、初めて男の餓えた目に晒されるのを自覚した瞬間なのかもしれない。 そんな真っ赤になった吹雪の顔と、ウィンドウの中で白く眩しいパンツを交互に見ていると、俺の心の中にふと、ある問いが浮かぶ。 吹雪は、どこまで許してくれるのだろう、と。 「吹雪……」 それは同時に、この清らかな少女を、どこまで自分色に染められるだろう、という卑俗な思いでもあった。 けれど構わなかった。今までモニター越しにぶつけるだけだったこの欲望を、俺は吹雪に知ってもらいたかったのだ。 「吹雪、その…………直接、見せてくれないか!?」 「!!?」 吹雪の肩がビクッと揺れ、かわいそうなくらい動揺しているのが見てとれた。 「直接って……あ、あの……」 「パンツだ。吹雪のパンツを、この目で見たい」 「……!! ……あの、今、ここで……ですか……っ!?」 そう答える吹雪は、相変わらず、爛々と欲望に輝く俺の目と目を合わせようとせず、おろおろした顔を下に向けたままだった。 いけない。俺は決して吹雪を困らせたり、いいように弄びたいわけじゃないのだ。 「言っておくが吹雪、これは決して命令じゃない」 「あ、え……!?」 「もしお前が少しでもイヤだと思ったら、そう言ってくれ。 そしたら俺は、二度とこの話を持ち出したりしない……パンツ写真も、全部削除して、二度と覗かない」 別に殊勝なことを言ってるつもりではない。第一、写真を捨てたところで、 今までの盗撮の事実も精算して吹雪と元通り、ふつうの司令官と艦娘の関係に戻れるなんて考えてはいなかった。 ただ、権力をカサに着て、いたいけな女の子に望まない行為を強要する、なんてのは、 それこそ軍刑務所どころか地獄に堕ちても仕方ない罪だ。そう思っただけだった。 「吹雪……イヤか?」 「いっ、イヤじゃありませんっ……! わ、私……」 驚いたことに吹雪はそんな風に即答してくれた。イヤじゃないと。限りなく恥ずかしくとも、イヤではないと。 「私……し、司令官のため、なら……」 吹雪の手がスカートの前に伸びる。 俺は耳元のすぐ近くで鳴ってるみたいな自分の心臓の音を聞きながら、その動作を取り憑かれたように見ていた。 吹雪のスカートが、お腹の高さへとまくり上げられるまで。 (……う、おおおぉぉっ……!!!!) 夢ではなかった。純白だった。 目の前でまぶしく輝いていた。吹雪のパンツが。 吹雪のパンツそのものには、年頃の女の子の下着らしい性的なアピールなどは一切ない。 むしろウェストがおへそのすぐ下までくるような、だぼっとしたタイプだ。 けれどその下にあるモノが描くカーブは、やっぱり隠すことが出来ない。吹雪の大事な部分が描く、ふわりとした曲線。 そう。その下に吹雪の、女の子の秘密を守っているからこそ、覆い隠すような形も、純潔の白の色すらも予兆的で、性的に見えるのだ。 ……また一歩パンツの奥義に近付いた気分だった。 しかもそれを、他ならぬ吹雪自身が。この執務室の中、俺一人だけにさらけ出してくれている。 興奮するなという方がムリな、至福のシチュエーションだった。 「ふ、吹雪……っ」 そして吹雪はと言えば。 スカートを自分の手でまくり上げながら、極度の恥ずかしさで固まったみたいになっていた。 目はぎゅっと閉じられ、首は横を向いている。真っ赤に火照った、桜貝みたいなかわいらしい耳がよく見えた。 膝はわずかに震えていて、羞恥で腰が抜けてしまいそうなのを必死にこらえているかのようだ。 「吹雪……ち、近くで見てもいいか……っ!?」 「……~~~!!!!??」 けれど俺は、ここで止まるつもりはなかった。 浅ましい覗き魔の俺を受け容れ、許してくれた吹雪に、もっとそのままのむき出しの俺を知ってほしかった。 「……近くで、見たいんだ。吹雪のパンツを」 「…………は、はい……っ」 吹雪のか細いが確かな返事をもらうと俺は、執務机から立ち上がる。画面に映った方のパンツなどは、もう目にも入らなかった。 「……ぁ、あの、し、司令官……っ……!」 俺が近寄ると吹雪が反射的にそんな声を漏らす。しかしまず俺が向かったのは吹雪の方へではなかった。 彼女の後ろにある執務室のドアに向かい、それをカチャリと施錠する。 そうしてからふたたび吹雪の方へ、くるりと向き直る。 「し、司令官っ……!! わ、私……司令官以外には、こんな、見せたことないですからっ…… あ、だから、あのっ……司令官が、は、初めての人ですから、私……っ!!」 そんな俺の行動に、テンパってるのか怯えているのか、しどろもどろになる吹雪。 「吹雪……お前の考えてるようなことをするわけじゃない。その……痛いことはしないから、安心してくれ。吹雪」 「……え、あ……」 実際、ここで吹雪を押し倒したとしても、彼女は受け容れてくれたかもしれない。 吹雪が司令官である俺に寄せる全幅の信頼とは、どうやらそれほどのものらしい。 けれど俺には、恋に恋する少女が夢見る『初めての男』になってあげるよりも、もっと崇高な義務が、自分に課せられている気がした。 その使命感に従うまま、俺は吹雪の前まで来ると、ひざまずく。 目と鼻の先に、フロントリボンをあしらったパンツ『白のは号』が鎮座ましましていた。 「…………~~~~!!!!」 吹雪が声にならない声を上げるが、構いはしない。 もはや吹雪のパンツのすべてのディテールが目に入る距離だった。 やわらかな綿の繊維の質感も。吹雪のおへその下にキュッと控えめに食いこむゴム紐も。 太ももの間でわずかにふくらんだ部分を守っているクロッチも。 それでも俺は顔を近づけていく。 鼻で息を吸いこむと、洗いたての服の爽やかな匂い。それから、太陽と波の潮をたくさん浴びた健康的な肌の匂いがした。 ああ、吹雪のスカートの中の空間にはいつもこんな甘やかな匂いが広がってるんだろうか? (……吹雪……吹雪っ……!!) ついにたまらなくなった俺は。 吹雪の腰をがしっと両手で掴むと、そのまま吹雪のパンツに顔をうずめた。 「ひゃあぁ、ああッ……~~~!!!!? し、司令官……っ!!!」 ふにゅっ、と。言葉で表すのも変だがとにかくそんな感触がした。 鼻先を押しつけるともっと、ふにゅにゅ、と確かな弾力があり、ついでに頭の上で吹雪がひっくり返ったような声を出す。 目の前には一面白い世界が広がっていた。『白のは号』のフロントリボンが時々鼻にこしょこしょと当たって、こそばゆかった。 ……不思議な空間だった。 目に映るのはただ清潔な、純白の布地ばかりなのに、その向こうにはたしかに体温を持った、ふにふにとやわらかい感触がある。 きっとこの奥には、吹雪のいちばん大切な部分が隠れているのだ。ある意味ではいちばん不浄な部分が。 吹雪がお風呂で洗うとき、トイレで用を足すとき、生理のとき、あるいは……吹雪が自らを慰めるとき。 そんな人目をはばかるときにしか、姿を現さない場所が。 それを守るパンツという空間は、はたして聖域なのか不浄なのか。 いま触れているのは布なのか、体なのか。 ここは夢なのか、現実なのか。 吹雪の匂いと体温とパンツの感触に包まれて、頭がクラクラしそうだった。 (……ん?) ちゅく、と。触れている部分が、前触れもなく濡れ始めた。明らかにパンツの中から染み出たものだ。 確かめてみようと、舌で触れてみる。 「や、ぁああああぁぁっ……~~~!!!!!」 ひときわ高い吹雪の声が上がり、同時にまた、じゅくじゅくした液体が、パンツの奥から染み出してくる。染みは生理食塩水の味がした。 抑えきれない声と、とろとろ滴る露と。 二つはともに、成熟の途上にある吹雪の身体が、未知の快楽に対してせいいっぱい返す反応だった。 何か夢中になってしまい、杯を頂くようにして吹雪のクロッチに口を付ける。 その部分を吸い上げてやると、また可愛い声が漏れた。 「ああぁっ、司令官っ……!! 舌、や、舐めちゃ……ッ、ふ、あぁ、当たって……!!!」 吹雪が滴らすものと唾液とで、大事なところの形がすっかり浮き出てしまった吹雪のパンツ。 そのどこを刺激してやれば好いリアクションが返ってくるか、俺はなんとなく把握しつつあった。 ぷにぷにとした門を割り開いて、舌を差し入れてやるようにすると、とろりとした愛液が。 その門の上、触るとようやくわかる程度に尖り出た秘芯を吸ってやると、驚いたような声と共に、もれなく体が跳ねる。 「ひゃう、ふあああぁぁっ……!!! ん、あぁっ……し、司令官……っ!!!」 ぱさっと。頭の上に布が降ってきた。 吹雪が自分でまくり上げていたスカートの端を、掴んでいられなくなったのだろう。 スカートに頭を突っこんだ格好になりながら、俺は吹雪の布越しの秘所への責めを続ける。 きっと布地の上からでは、吹雪にはもどかしいような刺激しか与えられないかもしれない。 それでも懸命に、吹雪の感じる場所を探って舌を動かす。 こっちのひとつひとつの責めに、いちいち小動物みたいな、愛くるしい声を上げる吹雪が、可愛くてたまらなかった。 鼻にかかったような甘い声や、甲高い、はしたない嬌声。 吹雪がそれを漏らすたび、俺は、吹雪が清らかな少女の殻を破り、俺と同じ、浅ましい欲に駆られた、 むき出しの姿を見せてくれているみたいで、ただただ快感だった。 「ん、やあぁぁっ……!! あ、ふあっ……も、や、やめっ……あ、ああぁぁっ……~~!!!!」 吹雪が弱々しい声を漏らすと、急に俺の肩へと両手をかける。 とうとう腰が抜けたのか、足だけでは立っていられなくなったらしい。 俺の抱えている吹雪の腰も、ふいに、ふにゃりと弛緩したように力が抜ける。 その隙を逃さず、舌で尖った部分を刺激しつつ、強く吸い上げてやると。 「……~~~~~っっ!!!!! だ、だめです、し、司令……んっ、ぁ、あああああぁぁぁぁッッ!!!!!!」 嬌声と共にがくがくと、面白いように腰と膝を震わせる吹雪。 そして快楽に突き動かされるように、自ら腰を突き出して、俺の顔に押しつけるようにしたかと思うと。 びくん、と一度、体を震わせ、やがて、糸が切れたように大人しくなった。 ……絶頂を迎えたのだろう。 くたっと脱力した体が床へと崩れ落ちそうになるのを、慌てて支え抱きとめてやった。 吹雪の頭を肩にかかえ、床に膝をついた吹雪の体を抱き、あやしてやるみたいな格好になる。 「……ぁ、はあっ…………し、司令官……」 耳元で吹雪が熱い息を吐き、夢見るような声で言う。 まだ快楽の余韻に震えているせいだろうか、すごく艶っぽい声だった。 ちなみに。 俺の砲身はズボンの中で、さっきから馬鹿みたいに硬く屹立している。 それでなくても、吹雪の体をひしっと抱きとめているこの姿勢は色々危なかった。理性との戦い的に。 「……なあ、吹雪」 「はい……司令官……」 甘い声で返事をする吹雪。なんだかすっかり恭順してしまった犬のようだった。 その艶っぽい声に当てられそうになったが……俺には使命として、吹雪にやってもらわなければいけないことがあった。 そう、ここまで来たからには。 「吹雪……パンツ、濡れちゃっただろ。脱いだらどうだ」 それを聞いて吹雪は、一瞬固まったものの。 「……はい」と小さく呟くと、その場でしゅるしゅると、パンツを脱ぎだした。 肌に触れるたびぐしゅぐしゅと濡れた音を立てるそれを、吹雪は膝立ちのまま器用に、片足ずつ抜く。 脱ぎ終わると、パンツを片手に持ったまま、ちょっと戸惑う吹雪。濡れて丸まったそれをどこに置いたものか迷っているのだろう。 俺はその隙に。ひょい、と吹雪の手からそれをさらう。 「……ぁ、やっ……!!」 わずかな抗議の声を上げる吹雪。 「パンツ、記念にキープしといちゃ、ダメか?」 「…………いえ、し、司令官がお好きなら……」 そう言いながらも、ちょっと焦れったそうな吹雪の声色が面白かった。 まるで脱ぐだけじゃなくて、もっと先を求めてるかのように。 けれど、きっと今日の体験だけで初めて尽くしだろう吹雪に、『これ以上のコト』をしてしまうのも酷だろうと思った俺は。 「ほら、立てるか? 吹雪」 吹雪の手を引いて立たせてやる。 ふらふらと立ち上がった吹雪は、少し潤んだ目で俺の方を見つめてきた。 その可愛さにまたちょっと心動かされかけたが、とりあえず俺は吹雪の背中を押して、ドアの方を指し示す。 「その、なんだ……今日の執務は他の艦娘に任せるから、ゆっくり休むといいぞ、吹雪」 「……はい……」 それだけ言うと吹雪は。 ノーパン状態が気になるのだろうか、いつもより三倍増しくらい女の子っぽい仕草で、スカートをなでつけたり、押さえたりしながら。 これまた普段は滅多に見ないような、かわいらしい小股歩きで、ぴょこぴょこと執務室を出て行った。 ぱたん。 ……後に残されたのは、そんな吹雪のあまりに女の子ちっくな仕草に、股間を最大限まで怒張させきった俺と。 その手にしっかり掴んだ、吹雪のパンツ『白のは号』。 「………………」 やることは決まっているような気がした。 その後、吹雪のパンツを見ながら1回。吹雪のパンツを自分の砲身に被せながら3回。 吹雪のパンツを顔に被って吹雪のパンツ越しの酸素を吸いながら2回。 涸れ果てそうなくらい自慰に耽った俺が、ようやく空を仰いだ頃には、もう午後もだいぶ回っていた。 今日の艦隊は平日休業、と事前に艦娘たちには伝えてある。鎮守府は音もなく静かだ。 横須賀の海の上には、夕陽を受けて、青い水着のパンツと少女の肌のような、青と橙色のコントラストが広がっていた。 その景色を見ているうち、ふと思い立って、机に戻りパソコンに指を走らせる。 いくつかの操作の後、俺のパソコンからは綺麗さっぱり、隠しカメラの管理ツールも、 そして『情報』タブの中の『fubuki』フォルダの写真も、すべて消えていた。 今の俺にはそれらはもう必要ないものだった。 隠しカメラを外すため、アホみたいな体勢で机の下にゴソゴソ潜りこみながら俺は、 この隠しカメラを同じくアホみたいな体勢で設置したであろう、前任者の提督のことを思った。 また、彼が左遷された理由も、何となくわかった気がした。 俺は、彼の轍を踏むまいと思った。 何より俺には。 吹雪が自分の意思で託してくれた、本物があるのだから。 次の日の朝。 「司令官、おはようございます! 今日は、何をすればよろしいですか?」 挙手敬礼して、執務室の俺の前に立つ吹雪。その挨拶はいつも通り、元気にあふれていた。 その若い血気がうらやましくもあり、俺もついつい笑みがこぼれてしまう。 「そうだな、今日は主に南西諸島方面への遠征、それから各艦娘へ装備の定期検診の通告、 それに……そうそう、一番大事なことがあった」 「はい、何なりと!」 俺は肘をついた手を胸の前で組みながら、最も重要な任務を重々しく宣告するときの面持ちで言う。 「吹雪、今日のパンツは何色だ?」 問いを受けた吹雪も、一瞬目を大きく開く。 そして、ちょっと顔を赤らめてから背筋を伸ばし、息を吸いこんで答える。 「はい! 私の今日のパンツの色は……」 (了) +後書き 518 :3-91:2014/04/10(木) 14 11 11.45 ID bP3dsiIH 吹雪ちゃんが女のコとしての自分に気づき始めるのはいつ頃だろう うちの鎮守府の吹雪にもいつか「パンツ見えてるよ」って指摘してあげないとなぁ 持病の文章が長くなる病で一発ネタのはずが読みづらい文章量になった SSを簡潔にまとめる工夫とかあったらどなたか是非ご教授くださいませ
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/528.html
9 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 39 18 ID zamWRWyc 四章 1 季節は廻った。 結露に濡れた窓の外では、粒の小さな粉の雪が、密度も薄く舞っている。空調に暖められた寝室、その褥の上に服を脱ぎ去った二人、 獣のように睦み合っていた。 手元にシーツを握りしめている大鳳は、四つん這いに組み敷かれながら、恥辱の嬌声を肺の絞られるままに発していた。重ねた逢瀬 に躾けられた身体は、被虐の仕打ちにこそ悦楽を見出すようになっていた。乱暴に突き立てる彼のものを、爛熟した女陰が貪婪に咥え 込んでいる。 がたがたと震えていた肘が手折れると、彼はその華奢な手首を掴み、無理やりに体を起こさせた。より奥を、ただ乱雑に犯す。水音 と皮膚のぶつかり合う音が、大きく部屋に響き始めた。 「んぁ……深ぁ、ぃ」 涎を口の端に零しながら、大鳳は悦びの声を出す。焦点の合わない眼や、快楽にだらしなく崩れた表情。理性はとうに失われ、甘い 刺激を際限なく求めるだけになっていた。 一見、征服の行為に見えるそれであるが、精神的な部分においては寧ろ、追い詰められているのは提督だった。慰めの伽に手を出す という罪は、後より次第に害を成す蟲毒が如きものである。その実感と悔悟に最も侵蝕されるのは、まさしく行為の最中だった。 彼女との情交無しには、最早自身を律せない彼である。慰みが仮初であるからこそ、更新を怠れば疵は開く。 決して寵愛している訳ではない。だが歴然たる事実として、自身は大鳳を必要としているのだった。それを意識すると、むず痒く、 焦燥に駆られるような快楽が、どこか恋慕のわだかまりにも似ているように思えて、独り含羞の厭悪を覚えてしまう。 射精感に駆られ、腰の振る速度を速めると、彼女は一段と嬌声を大きくした。ドロドロに煮詰まった苛立ちと自責の念が、全て切羽詰 った感覚に塗り替えられてゆく。事の後には、それらの感情が何倍にもなってぶり返す事を承知しながら、彼は悦を享楽せずにはいられ なかったのだった。 背に手をあて、小さな体躯をシーツに押さえつけるようにしながら、自身の精を吐き出した。瞬間、彼女の中はまるで搾り取ろうと するかのように蠕動し、肉槍の硬度がある程度失われても尚、扱きは止まらない。背筋の凍ったように思われる快楽、痛みとも形容で きるような刺激に、危殆な感覚が沸いて出てきて、彼は慌てて自身のそれを引き抜いた。 薄ら寒い思いに、腰砕けになって頽れる彼女を見下ろした。回数の重ねるごと、大鳳の性戯はその熟度の高まること留まらず、一向 に限界も認められない。ただ慰めの道具として割り切っているのならば、それは喜ばしいことなのでもあろうが、胸底の怯懦を却ける ことができないくらいには、提督も仔細な感情を有しているのである。捕食されるような、篭絡されるような恐怖を感じ、しかし彼女へ の負い目からして、それも受け入れなければならないのだとも思えている。大鳳の望んでいることは分かっていた。だが、それを叶え るには未練たらしく、拒絶するには未だ惰弱な彼なのだ。 10 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 40 41 ID zamWRWyc 心を囚われていた提督の下、大鳳は仰向けになったかと思うと、息の整わないうちに彼の首に腕を回した。 「キス、ください」 気の向かい、一旦の制止を呼びかけるよりも、舌の舐られるほうが早かった。上体を起こそうとしても、巻きつけられた腕は固く絞 られ、提督はただ彼女の舌を受け入れざるを得なくなる。無遠慮に口腔内を侵す彼女の動きは、先ほどまでの彼の思考を知ってか、ま るで口全体を食むかのようなものだった。落ちてくる唾液は残さずに啜り、大きく開いた唇は口全体を覆い、そして舌がところ構わず 舐めあげた。 「提督、愛してるって言って?」 キスの合間、彼女は蕩けた声音にそう言った。行為の終わった後には必ず口にされるこの言葉だが、最近は提督も憫殺するのには労 をとっている。流され従ってしまえば、胸の痛みも楽になるだろうことを知っている。遮る喉の引っかかりが如何なるものなのか、最 早彼自身にも分からなくなっていた。 「今日はね、私も本気なんだから」 大鳳は独り言ちるようにしてそう言うと、彼の胸を押し、上体を起こした。萎えた陰茎を視界に認めると、一度上目遣いに彼を見つ めた後、おずおず口を近づけてゆく。 「んっ……」 咥えた瞬間眉を顰め、僅かに呻いた彼女だったが、すぐ後には意を決しそれを啜り上げたのだった。 苦く生臭い行為の残滓が口腔内に広がる。とても快いものとも思えない味、感触であるが、彼の焦った制止の声や肩に置かれた震え る手。そういった悦からの反応を見てみると、途端に行為に面白さが感じられるようになった。舌を突き出し、亀頭の割れ目をなぞって みれば、ぴくぴくと脈打つように跳ねる。凶暴な固さで自身を抉っていたものが、いまや与える刺激のまま従順に反応を寄こす。愛お しさと、溜飲が下がったような心地を胸に抱き、彼女は執拗に刺激を与え続けた。 提督の立場が苦しい事を彼女とて心得ていた。初夜こそ祥鳳の代わりになる事を嫌った彼女だが、冷静に見方を改めてみれば、代替 の関係とは即ち恋仲である。満足とまではいかないまでも、望み焦がれた状況に、かなり接近したものでもあるはずだった。 11 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 41 15 ID zamWRWyc 献身を無碍にできるほど、彼は非情な男ではない。その優しさに恋をした彼女は、故に篭絡の方法を熟知していた。 未だ絶頂の余韻を引き摺りながら、いつしか彼のものは与えられる刺激へ応じようと中途半端な固さを得ていた。力の入ったような 動きが時折口腔に感じられ、その間隔の次第に狭くなってゆくのが認知される。再度の絶頂の近いことを悟り、彼女は一旦口を離した。 「提督。私のこと好き?」 唇には透明な橋が伝っている。亀頭の先に唇を触れさせるだけのキスを繰り返しているうちに、それは自重で折れ崩れた。 より穢れを意識させる事。即ち取らねばならない責任を意識させる事こそが、彼には有効なのだった。この口淫はそういった打算の 上で行われ、果たして彼の瞳は、動揺と逡巡に揺れ動いていた。 だめ押しとばかりに、彼女はぬめる陰茎に頬擦りをした。竿の先から根元まで、愛おしむようにキスをしながら、彼の匂いを擦り込 むが如く、執拗に頬を当て続ける。先端に触れた髪の幾本かは、先走りの汁に濡れそぼった。恥ずかしげな微笑をたたえて、 「私のこと、好き?」 そう再度言えば、とうとう数ミリの首肯、おずおず二、三回されるに至ったのだった。 大鳳は口淫を再開した。既に限界の近いことは分かっていたし、弱点らしき部位にも見当がついていた。全体を啜りながら、舌は亀 頭の裏を舐る。ストロークを速めるより、一回の動作を深く丁寧にしたほうが、快楽は大きいらしかった。 十回ほど繰り返した後、陰茎が一段とびくついたのを感じ取り、彼女は口を離して目を閉じた。放出された白濁は、前髪から頤まで をも汚し、唇に付着した分は後から舌で舐め取られた。 顔に受け止めたのは、犯され、穢された事を視覚的に印象付けるためである。先ほど得られた左券の補強として、これほど強固な物 はない。提督の顔つきは昏く、しかしどこか憑き物の落ちた風でもあった。 今回で、およそ何回目の逢瀬であったか。同衾の褥の下には悉く、眸子光らせ耳朶そばだてる一人の娘の姿があった。 12 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 41 46 ID zamWRWyc 2 「第一機動部隊、出撃します!」 普段どおりの台詞に颯爽と出撃する大鳳以下六隻の艦娘。その背中を執務机越しに見送る提督は、しんがりの雪風が扉の向こうへ消 えたのを確認すると、手元の内線の受話器を取った。 三、四回の呼び出し音の後、線が繋がりまず聞こえたのは、がやがやとした喧騒であった。主には声、それから食器具の擦れたり跳 ねたりの甲高い音や妖精の羽音が、おびただしく、氾濫して方耳に流れ込んできた。 三秒ほどその環境音は流れ続け、つと柔らかに女性の声が耳をうつ。 「もしもし、提督ですか?」 さも忙しそうな早口、遅れて妖精へすぱすぱと指示を飛ばしているらしき声が小さく追って聞こえる。再び受話器を耳にしたであろ うタイミングを見計らい、提督は口を開いた。 「あ、間宮さん? 今彼女ら出撃したから」 「そうですか。はい、わかりました。じゃあこれから好き勝手やらせてもらいますね」 「お願いします」 語尾の言い切らぬうちに、蒸し器が云々という叫び声が再び小さくスピーカーを振るわせる。喧騒に紛れて細部まで捉える事はでき なかったが、どうやら普段は使わないような機材を倉庫から運び出すらしい。 自身の依頼によって大掛かりな手間を掛けさせてしまっているということに、提督はばつの悪い思いを抱いていた。 「なんだか悪いね」 本心をそのまま言葉に乗せてみると、 「いえ、お気になさらず。お安い御用ですよ」 と、恐らくは笑顔に返答される。 今後、退屈が予想された。このままできれば雑談したい気分であったが、これ以上受話器の側に拘束させてしまうのも気が引けて、 結局は礼を言った後、こちらから切ってしまった。 執務室には、途端沈黙の寂寥が横たわり、何かそれが勘弁ならなくなると、何となしに窓を全開にしてみた。寒風吹き込むのも厭わ ず、換気がてらに潮の音を聞いていれば、ざわついた心は幾らか安寧を取り戻す。 身辺整理のつもりで、本日分の執務の大半を昨日の内に終わらせていた。徹夜と同義なほどの時間しか寝ていないのだが、不思議と 眠気は欠片も沸いてこない。ゆったりとした時間の流れを感じ、彼はすることもなくただ窓辺に立ちながら思慮に耽っている。 葛藤がないわけでもない。しかし、こうして先に状況作ってしまえば、意志の問題は封じ込められると考えた。後には厳然とした義 務だけが残され、そうなれば惰弱な自身にも決断ができる。 意外にも心持は軽く、頭にちらつく祥鳳の影も、憧憬と似たような感覚に捉えられた。決して未練や悔悟など、暗い方向の感情に支 配されているわけではないのだ。未来は明るく予想できたし、過去を思い出として処理できていた。ポケットの中を探り、硬質の立方 体を撫でてみる。しばらくは、そうして無為に時間を浪費していた。 その後無理やりに仮眠をし、起きたら鎮守府の敷地内を適当に歩いて、そして第一艦隊の帰還は夕飯の時刻の一時間前。入渠の必要 な艦娘はおらず、もはや計画に齟齬の発生する要因は消失した。 戦闘の報告も短かった。元より、今のレベルのこの鎮守府には役不足な海域だったのだ。この出撃は、提督個人の都合によるものであ ったわけだが、それを知るのもまた、彼と彼に協力してくれた間宮たちだけなのである。 「おつかれさま。全員夕飯までに補給してこい。大鳳はちょっと残れ」 答礼すると五隻の艦は嬉々として、駆け足に執務室を出て行った。不安の僅かに滲んだ表情を湛えながら立ちすくむ大鳳は、互いの 肘を支えるように腕を組み、訝しむ声音に聞く。 「何か私に用ですか? 提督」 彼女は彼が机を回り込む間もずっと、視線を寄こし続けていた。 どう切り出すかは決めていた。そしてその後に続く言葉も、それに対する返事も、もう何回もシミュレートした事なのだ。少し距離 を開けて前に立ち、躊躇いもなく、心緒の平静なまま口を開く。 「大鳳、ケッコンするか」 まるで、散歩にでも誘うかのような気軽さ。彼女はたっぷり十秒沈黙した後、ようやく鼓膜の振るえを処理したか、 「はい?」 一語、ただそれだけを返した。 「だから、ケッコンしよう。ケッコンカッコカリ」 「だ、誰がですか」 「いまここには私達しかいない」 絶句。彼女の心は理非より先に、まず猜疑に囚われた。彼のこの言葉は嘘であるはずだと、そう証明するための根拠を無理やりに探 し出す。胸の内を支配するのは、恐れと似たような感情だった。壊れた人形のように頭を振りながら、震える声音で疑問を投げかける。 「だって私……錬度が足りないはずじゃあ……」 「昨日確認をした。もう充分らしい」 「でも、あの提督は祥鳳さんのこと……」 「もう一年も前の話だ」 「えぇ!? えっと、いやでももっと、あの……そう! ムードとか。こんな、え……悪戯なんでしょ? 私の反応を見て……」 「違う。本気だ。……ムードについてはすまない。私はベッドの中でこんなこと言いたくなかった」 ポケットに手が入れられる。大鳳は彼の手が今何を掴んだのか、そしてこれから何をしようとするのかをも瞬時に察すると、半ば反 射的に踵を返した。 兎に角、落ち着きたかった。処理の追いついていない思考が、これ以上の負担になるような場面を拒絶した。彼にこのまま押され続 けてはならないと、意識の敷居の下に、防衛反応とも呼べるような観念が結ばれたのだった。 「わ、私! 補給してくるわ! 失礼します!」 戸に向かい叫び、彼女は走って部屋を出た。 指輪も渡せず逃げられるというパターンは、頭の中の予行では三回目に考えられたものである。別段、彼女が秘書であり続ける限り何 時かは機会が巡るのだから、焦る必要も無い。 提督は分かりやすく進む展開に安堵をしながら、しかし打ち立てた計画では、寧ろここからが本番であった。その事を意識すると、 高揚と緊張の複合したものが腹底に流れだし、思わず長く嘆息をついた。 一刻の後、食堂に向かうため廊下を進めば、食欲を司る神経を直接握りこまれるが如き香りが遠くからも感じられた。提督は階段下、 敷居のガラス戸の奥を認めると、息を飲まずにはいられなかった。時間と食料のストックとを考慮しなければここまで華美な雰囲気に なるものかと、ただただ間宮たち食料配給部隊の手腕に畏敬の念を覚えるばかり。 部屋に入り定位置に着席すると、この煌びやかな食膳、目の前にし続けるには気苦労してしまうほどの絢爛さである。 彼女の意匠としては、本来ならば一品ずつ差し出してゆくスタイルにしたかったのであろう。供給人数の多すぎる故、それは達成で きなかったが、寧ろ会席料理の一堂に机に並ぶ様というのは、今回の趣旨に沿っているものだとも思えた。 長机には等間隔、四五人に一人の割合で酒瓶が給されている。そして各個人の目の前、先付から強肴までが、所狭しとぎゅうぎゅう に、机の領域一杯に押し込められていた。 蒸し鮑の小鉢から始まり、白身の、恐らくは鱧の椀物。造りは赤身と小海老、青魚は鯵だと思われた。人参と茄子、里芋に隠された 鯛の切り身の煮物。おまけにイクラの和え物やら鱈の西京焼きやらの乗った八寸までもがあった。 人の気配を感じ後ろへ振り向くと、いつの間に立っていたのか、得意な表情の間宮がいた。 「あとホタテの炊き込みご飯と香の物と、止め椀の赤出汁があります。デザートは苺と金柑です。ご満足?」 「……君はここで腐ってちゃいけないね。小料理屋でも営めばいい。そしたら毎日通ってあげるよ」 「魅力的な提案ですけど、ますますこの鎮守府の業務が滞りますから遠慮させていただきます」 礼を言うと、彼女は微笑み颯爽と背を向けたのだった。 続々と食堂に入る艦娘、その反応は皆一様であった。驚愕と感嘆と疑問である。 幾人かは、席に着くより先に提督へわけを尋ねに来たが、投げかけた問いは全てはぐらかされるのみだった。唯一大鳳だけは、仔細 な顔つきに黙って彼の隣に座った。空間は何時もよりも騒がしかったが、この両者の間にだけは沈鬱とした空気が流れている。 六時を回り、号令の為に立ち上がる。ざわつきがある程度落ち着いたのを見届け、提督は用意していたその台詞をとうとう舌に乗せ たのだった。 「いただきますをする前に、ちょっと報告することがある。今日の食事が豪華な理由でもあるんだがね。……大鳳とケッコンするこ とにしたから。以上。んじゃ、いただきます」 復唱は、普段よりも幾分小さい。言葉の意味が各々に理解されてゆくのと比例して、歓声やら驚愕やらの声が徐々に大きくなってい った。 ひとつ契機となったのは、正面に座っていた金剛、昏倒したように白目を向いていた彼女の突然の絶叫である。 「ノオオォォォゥ!」 腰を浮かせ半身を乗り出し、わなわな肩を震わせながら提督を睨む。隼鷹の発した冷やかしの歓声が伝播し、あたりは笑いや嗚咽に 途端姦しくなった。 まったく動じずに鮑を咀嚼している提督。その姿は増大している怒りを更に盛りたてたらしく、彼女の顔は真っ赤になった。 16 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 45 33 ID zamWRWyc 「どういうことネ!」 「言った通りだよ。大鳳とケッコンするから」 「ノゥ! 私許可した覚えないヨ!」 「何でお前の許可を貰わなきゃならん」 「信じてたのニ! 浮気モノ! 大鳳さんも抜け駆けなんてずるいネ!」 箸を手にしたままぼうっと硬直していた大鳳は、話をふられようやく我に帰ったようだった。 「わ、私はまだ、返事をしたわけじゃ……」 取り繕うように言うと、逡巡の後に金剛は表情に安堵を滲ませる。 「なら、私とケッコンしてもいいはずネ。私はいつでもOKなんだから」 「お断りだな」 「ノゥ! なぜ!」 「……昨日、大鳳は私の部屋で寝たから」 ようやく小鉢を手に取ろうとしていた大鳳は、聞くや 「ば、馬鹿っ!」 そう言って頬を朱にして肩を殴る。その反応はまさしく、提督の口走ったことが狂言でないことの証明でもある。彼女自身その事に 気が付いたのは、周りの艦娘が黙し一様に頬を染めていたのを認めてからであった。 17 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 46 08 ID zamWRWyc 金剛は流れる涙をそのままに、目前の料理に手をつけはじめた。 「姉さま。私がいますから」 肩に手を置き、半笑いに慰める比叡。そして堪えきれなかった嗚咽が、口の端から漏れ出した。 「なんや? キミはショックじゃないんか」 三つの机を挟んだ先、龍驤は隣に座る祥鳳へそう疑問を投げかけた。性格からして大仰に泣け叫んだりはしないのであろうが、それ でも彼女の様子には悲壮であるとか嫉妬であるとか、そういった横恋慕にあるべき感情が欠落しているように思われたのだ。 彼らのやりとりを、ただ微笑ましく見つめている。不気味なほど正の方向に傾き過ぎた、そんな純粋の瞳が顔に二つ貼り付いていた。 「私? ……嬉しいわ」 感慨深げな声音に、そう返答があった。 「随分潔いというか、純真なんやな」 「だってあの人が幸せになるんだもの。嬉しく思わないわけ無いわよ」 「ははっ。大鳳はんよりも君のが提督のこと想ってたりな。存外」 「当然よ」 一体どこに背筋の鳥肌立つ要因があったのか。祥鳳の声音、そして表情に一切差異はなかったのにも関わらず、しかし龍驤は「当然 よ」というこの一語に底冷えする恐怖を感じていた。 恐る恐る伺い見る彼女を感じ、祥鳳は訝しげな視線を寄こした。そこに、腹の暗い何かは無い。道化を演じる違和感も無い。ぎこち なく笑顔を返し、彼女はただ忖度し過ぎたのだと思う事にした。 18 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 47 15 ID zamWRWyc 「それにしても意外やな。今の時期に……電撃ケッコンや」 「私はもっと早くにすると思っていたんだけどね」 「知っていたんか? あの二人がそういう関係やったって」 「ええ」 「なら、こんなになる前に奪えばよかったのに」 龍驤としては、それは冗談を口にしたつもりなのであった。祥鳳も、さも可笑しそうに笑いながら、しかし次に発せられた言葉は意 図を真逆にしたものだった。 「むしろ今の方が都合がいいわ」 「……キミ。冗談言うなら、もちっとわかりやすくしてもらいたいなぁ」 祥鳳は微笑を崩さず、小首を傾げるだけだった。 樽俎はそれから二時間は続いた。 執務室に戻ってみると、空調の切れていた為に空気はやや肌寒い。椅子に座り、つい習慣で万年筆を手に取った提督は、机に書類の 無いのを見ると慌ててペン立てにそれを戻した。 食堂からずっと金魚の糞をしていた大鳳は、この部屋に入ってからは習慣に倣い、彼の隣に突っ立ていた。両者することも無く、ただ 気まずい沈黙を双肩に感じるだけになる。 先に行動を起こしたのは提督である。およそ五分の後、彼は椅子を回転させ大鳳の方を向くと、軽く両手を開いて膝を出した。 「おいで」 19 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 47 35 ID zamWRWyc 意図を察し半歩後ずさりした彼女は、しかしこの何をしていいのかも分からない状況に疲れていたのも事実だった。渋々といった風 を装いながら、ちょこんと彼の膝先に尻を乗せる。 「落ちるよ。もっと来て」 腹に手を回し少し締めてみれば、大人しく身をにじり寄せる。しばらく、恋人同士のするような抱擁の体勢のまま、秒針の振れる音 を聞く。十秒二十秒と経つうち、すっかり彼女は背を預けて、首元に彼の吐息を感じるのだった。 「ケッコンしよう」 まどろみの出端を覚えだしていた頃合、突如そう切り出されて、大鳳は体躯をびくつかせた。すぐさま、 「ごめん。驚かせた」 と謝罪があり、彼女はかぶりを振ってそれに答える。 食事中も、冷やかされている最中でさえ、彼女はずっと問いただしたい事が何なのか考えていた。流されてはならないのだという前 提は、何故か初めから胸に根付いていたものである。わだかまり、つかえる感情の切れ端を、果たしてどう処理したものか。一体どん な返答を聞けば満足なのか。それをずっと思っていた。 「……何で提督は、私とケッコンしたいんですか?」 結論としては、やはりこの疑問に落ち着いた。自身と彼との関係はそう明快なものではなく、故にケッコンという楔の打つことをゴー ルにはできないはずであった。慰めあうだけ、少なくとも提督に恋情は無いんだと諦めていた矢先、あまりに都合の良すぎる提案だと感 じられた。 20 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 47 55 ID zamWRWyc 吐き出し切ってみると、返答を聞くことへの恐怖が突如として湧き出した。思わず耳を塞ぎたくなり、スカートを握りこみなんとか 堪える。今まで充分に傷ついてきてはいたが、それでも与えられる胸の疼痛に慣れることはないのである。 彼は、極めて落ち着いた口調に語りだした。 「祥鳳のことは、もう忘れようと思った。それに、お前にした諸々の事の責任も取りたかったし、何より私自身けじめをつけたかっ た。お前の事が好きなのかは……正直言うとまだちょっと分からないんだが。……状況を先に作れば、後から感情もついてくるという のが私の持論だ。そして、お前とそうなってもいいと思えるくらいには、やっぱり私はお前の事が好きなんだ。だからケッコンしてく れ」 一語一語を噛み砕き彼の言葉を理解してみると、自身の想像とほぼ一致したものだった。それが嬉しくもあり、口惜しくもあり。果た して感情が正負どちらに傾いたのか、仔細過ぎて判断に困る。 いつの間にか左手が掬い取られていた。彼の指には白銀の輪が摘まれており、その煌びやかさ、無駄な装飾一切を廃された気取らな い輝きに息を飲んだ。 「待って……」 言葉で制してみても、近づいて来る手に躊躇は生まれない。薬指の先にとうとう端が掛かり、だが彼女は最後まで抵抗できなかった。 諦観と呼ぶには、希望と歓喜の鼓動が煩い。その複雑な感情が胸中に増大し、涙となって溢れ出してくる。僅か指の締まる感触に報わ れたような気になってしまい、そんな単純さを自嘲せずにはいられなかった。 歯を食いしばり必死に嗚咽を堪えていると、梳くようにして頭を撫ぜられた。いよいよ耐えられなくなり、向き直って背中へ手を回す。 肩に顔を押し付け、不器用な息づかいに慟哭した。 「愛してる。大鳳」 提督の囁きと肩を抱く腕が、感情の濁流を更に昂ぶらせる。その日、彼女は縋りついたまま、いつまでも留まらない涙を彼の上着に 染みこませ続けていた。 21 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 48 21 ID zamWRWyc 3 桜の花弁の張り付いた岸壁を、提督は早足に歩いていた。徹夜による気だるさと尾を引く混乱が、散発的に眩暈を引き起こしている。 事件発生から既に十二時間が経過していた。ようやく取れた小休憩だが、気の抜けた状態でどこかに座ってしまったが最後、そのまま 意識を失うであろう事は想像に難くない。肉体的疲労と何より心的ストレスが苦しく、意識の敷居の下、精神はどうやらこの現実から の離脱を求めているらしかった。 仕方無しに海岸線を散歩する彼であったが、少しも気の晴れる事はなかった。そもそも、外の空気に向精神の作用を期待していたわけ でもなし。今回の事態、寧ろこれからが本番なのだとも思えている。 鎮守府玄関に近づくにつれ、足取りは重く、嘆息の出る頻度は増していった。とうとう敷居を跨いでしまうと、途端胸の中を馳騁する 憂鬱。幾度目かの立ちくらみを覚え、彼は下駄箱に寄りかかった。 険しい山を登攀する心地に階段を這い上がり、なんとか執務室の前にまで辿り着いた。思えば現場を視察しお偉い方の相手をし、携 帯片手にあちこちを馳走していた為に、ここに戻ってくるのも久方ぶりである。 戸を開けてみると椅子の背もたれに伸びていた大鳳の、がばっと上体を起こすのが視界に入った。万年筆を手に取りながら、慌てた 様子に彼女は叫ぶ。 「ごめんなさい!」 「別にいいよ。疲れたなら休んで」 「大丈夫。ちょっとぼぅっとしてただけだから」 かぶりを振って無造作に、書類の塔のてっぺんを掴む。 事態の対応のため処理する余裕の無くなった雑務全ては、大鳳一人に任せてしまっていた。それを依頼した時、慣れない酷な任務で あるはずなのに、彼女は嫌な顔一つせず無言で首肯してくれた。 22 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 48 57 ID zamWRWyc 最後にこの部屋を出たのは、およそ八時間前。決して他人に触らせるなと戒められた横須賀鎮守府の角印さえ預け、連絡一つもせず、 ずっと放っておいたわけである。朝から夕刻まで如何に長く思われた事か。提督の胸内には配慮の至らなかった事への悔悟が、今更沸 き出してきたのだった。 「すまない。無理させてるな」 近づき、右手に握られた万年筆を取り上げて、机の上に放る。怪訝そうな瞳には答えず、背後に移動してから、華奢な肩へと手を回し た。 彼の体温を久しいと思うのは、状況が作り上げた印象だった。普段、執務の最中に抱き合うことなどないのだから、これほどまでに 感慨深く感じるのも馬鹿馬鹿しい話ではある。 しかし充足を覚え、ささくれ立っていた心が静謐を取り戻しているのもまた、純然たる事実であった。 首元の腕に掌を置き、大鳳は口を開いた。 「……無理してるのは提督の方だわ」 「そうかな」 「声に元気がないもの」 「じゃあ少し分けてもらおうか」 体を横にずらしたのを見て、彼の意図を察す。眼を瞑り口を差し出せば、すぐに啄ばまれる感触があった。 キスは一分ほど続いたが、流石に舌を差し込まれる事は無かった。そこに安堵を覚えつつ、やはり残念だとも思えていた大鳳は、突 如気付かされた一つの心緒に途端表情を暗くした。 「どうかしたか?」 互いの薬指のものを視界に入れていなければ適当に誤魔化しもできたであろうが、今この関係となった彼に嘘をつくのも後ろめたく 思われ、結局は正直に告白するより他に無い。申し訳なさそうな声音に、彼女は胸中のそのままを舌に乗せた。 「その、嬉しく思ってる自分もいるの。もう祥鳳さんは関係ないんだなあって。……ごめんなさい、不謹慎だわ」 きょとんとした表情は、数秒後に微笑に変わった。髪を梳きもう一度軽くキスしてから、彼は名残惜しげに体を離した。 「ごめん。じゃあ行ってくるから」 「ええ」 幾らかのやる気を取り戻し、提督は執務室を後にした。 23 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 49 30 ID zamWRWyc 戸の先に消えた背中を見ていると、不安が増大して胸を埋める。唇の残滓を拠り所として、彼女は震える肩を抱き、ただ迫り来る寂 寞から耐えた。 中央階段一階の脇、柱に隠されるように設置された床扉。 一畳ほどの大きさを持つそれは、中央に二つ引き起こし型の取っ手があり、その間に挟まれるようにして小さく鍵穴が鎮座してある。 もとより目立ちにくい場所にある扉ではあるが、設立より長いこの鎮守府。その存在を知っている艦娘も、もちろん幾人かはいるの であった。しかし開けることを許されているのはこの鎮守府現職の提督のみであり、しかも管理は徹底していた。鍵の在り処は秘匿さ れ、真相を語ることさえも固く禁じられている。故に噂好きの艦娘の間にも、憶測以上の会話がなされる事はなかったのである。 一生使う事はないだろうと思っていた鍵。およそ三センチほどの大きさしかない質素なそれを、提督はポケットから取り出した。鍵 穴に差込み時計回りに一巡させれば、がちりと、背筋の寒気立つ音が鳴る。既に二、三度は耳にした音であったが、未だ慣れるという ことはない。不気味に腹底を叩く感触は、不快以外のなにものでもなかった。 戸を開けると、地下へと続く階段が姿を現す。コンクリートそのままの壁と踏み段。たとえ初見であったとしても、この空気を肌に 感じただけで、尋常の目的に作られた所でない事は察せるであろう。汚らしいわけではなく、寧ろ清潔と呼ぶことのできる空間ではあ るが、だからこそ薄気味悪くもあるのだった。 提督は中に入り戸を完全に閉めてから、足元に点く僅かな明かりを頼りに進みだした。四十段の長い階段を降りきると、白く厚い扉 が一枚、行く手を阻むように設置してある。 扉の前には一匹の妖精の姿があった。敬礼へ応じ目配せをすると、彼は戸に備え付けられたコンソールを弄りだした。電子音、それ から短くブザーが響き、少し遅れて施錠の解かれたらしい音も鳴る。再び妖精は敬礼の姿勢を取り、提督は答礼をしてから大仰な扉の 取っ手を掴んだ。 扉はごく静かに、そして不気味なほど滑らかに開いてゆく。先には狭苦しい灰色の部屋。事務机と椅子だけが物寂しく置かれ、隅には 監視カメラが設置されてある。そして机を挟んだ対面、僅かな微笑みを湛え彼女はそこに座っているのであった。 再び扉の完全に閉まった事を確認してから、提督もおずおずと席についた。机上の埃を払い、嘆息を一つついてから口を開く。 「監視カメラの記録機械に細工をした。今から一時間先の映像は、全て五時間前のものに差し変わる。ボイスレコーダーも同じだ。 そこの妖精も懐柔して、私が今ここに来たという情報は完全に抹消される。……お前の望みは叶えてやったぞ。ようやく二人っきりの 時間だ」 祥鳳は満足げに口角を吊り上げ、一言 「ありがとうございます」 と言った。その後、場は沈黙し、互いが互いを忖度する重苦しい時間が流れ出す。 24 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 50 15 ID zamWRWyc 十二時間前、朝方五時に発生した入渠ドッグの爆発と火災は、その不自然な建屋の損壊状況から、すぐに人為的な原因によるもので あると断定された。天井に空いた穴より艦爆を用いて爆撃された事は明白であり、他の施設には被害がなかった事から、敵艦による攻 撃とも考えられない。横須賀鎮守府全空母、軽母への身体検査が実施されようとした矢先、彼女が一人執務室へと出頭した。 ここに身柄を拘束したのは九時間前。そして腰を落ち着かせて話をするのは、今回の面会が初めてとなる。 先に静けさに耐えられなくなったのは提督の方であった。彼は懐から報告書のコピーを取り出すと、それを彼女の前に差し出した。 「入渠中だった艦娘は全員無事だった。だが負傷した妖精は重軽傷合わせて百六十体。ドッグ四基が全損。被害総額が幾らになるか 検討もつかない。……教えてくれ。なんでこんなことしたんだ」 祥鳳は短く唸った後、 「一言で言うなら……」 それだけを言って、焦らすように口を噤む。悪戯っぽい笑顔を向け上目遣いに彼を見ていた。まるで、あててごらんなさいとでも言っ ているかのような、余裕と嘲りの表情である。 「なんだ」 湧き出す苛立ちを隠しもせず静かに怒鳴ると、彼女は破顔しながらすぐに言葉を付け加える。 「羨ましかったからです」 「大鳳が、か」 「はい」 「……理由になってない。詳しく説明しろ。どういうことだ」 「長くなりますから、コーヒーでも淹れませんか?」 兎角、真相を遠ざけ続ける彼女である。逡巡の後、提督は無言に立ち上がり、壁面の内線受話器を取った。扉前の監視員に繋がる線 であり、コーヒーの注文をつけると二つ返事に快諾される。状況は緊迫しているはずなのに、どこか間の抜けた空気が漂っていた。 25 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 50 53 ID zamWRWyc 昂ぶった感情に尋問は成功しない。提督自身、そのことはよく分かっていたし、まだ内圧のコントロールもできていた。冷静さを欠 かせることが目的ならば、極限まで甘やかせ続ければ、何時か計画もご破算となる。 五分ほど経って、戸のノックされる音が響いた。盆を受け取り机に置くと、彼女は奥のカップに指を掛けた。端に口をつけ一口舐め ると、 「提督も飲みましょう。お互い冷静に話したほうがいいと思うんです」 唯でさえ極限にまで疲労を感じている中、椅子に座り、しかも沈黙の時間も多かった。眠気に侵蝕された瞼は幾分重く、悔しい事で はあるのだが、コーヒーを飲む機会に恵まれたことをありがたく思う自身もいる。彼は一口啜った後、 「説明を続けろ」 冷たく言った。 「私、ずっと提督のことお慕いしていました。昨年の冬の後もずっと」 「先に私に背を向けたのはお前だ」 「それは、反省しているんです。自分のした中で過去最悪の行動でした」 「私に飽きたんだろ」 「ごめんなさい。それも嘘です。ただあの時は、ずっと秘密にしているのが辛かったから……。それで色々と一杯一杯になっちゃっ て……あのほんとに反省してます。気が触れたの」 「……今更遅い」 断じる口調に言い放つと、彼女は悲しげに眼を背けた。途端、心の根の一部分にじくりと痛みが走り、必要の無いはずの悔悟が胸を 締め付け始める。 26 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 51 19 ID zamWRWyc 誤魔化すように更に一口カフェインを飲み干し、だがそれでも胸中の苦さは流されず、追って言い訳じみた言葉を口にした。 「信用できるわけないだろ。あれからもう一年以上だ。その間ずっとお前は……私がケッコンをしてもずっと口を閉ざしたままだっ た」 「ごめんなさい。でも信じてください! あなたのことを想っているのは本当なの」 「じゃあ仮に信じてやってもいい。とにかく、本題だ。なんでこんなことをしたのかを言え」 「仮に、じゃだめです」 「その話はもういいから」 「よくありません!」 その時、伺い見た彼女の眼光の、燦爛とした様。口元に笑みは既に無く、背筋の鳥肌立つ凄みが発せられていた。 白い服の影が伸び、ようやく遅れて祥鳳が立ち上がったのを理解した。ぼやける思考と倦怠の体躯は、より注意を散漫とさせている らしい。 「なんだ?」 近づく彼女に問いかけると 「信用を、してもらいます」 短くそう返答される。 自身の体に違和感を持ったのは、その時ようやくであった。立ち上がろうと脚に力を入れたのだが、まるでその勢いが全て地面に流 れ出すかの如く腰を上げられなくなっていた。頭はずんと重く、何時もの散発的な眩暈かと思われた視界の歪みも、思えば長く継続し過 ぎである。 「妖精さんを懐柔していたのは、提督だけではありません」 得意な声音に彼女は言う。視界の隅に映るコーヒーカップ。幾らクロック数の落ちた頭とは言え、原因は容易く特定できる。 27 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 51 48 ID zamWRWyc 「何を、飲ませた」 「酩酊薬です。少し力の抜ける程度の、極軽いお薬」 上体の体重さえ支えられなくなり、提督は遂に背もたれに伸びた。いつの間にかすぐ目の前に佇立していた祥鳳は、如何わしく僅か に唇を開き、赤くぬたる舌を差し出して、露わになった彼の首筋を舐め上げる。 腕で払うくらいの抵抗もできず、ただ舐られ続けるより他になかった。彼女はひたすら鎖骨から頤までを執拗に舐め続け、往復する ほどに吐息を熱くさせていった。 「お口のキスは、後であなたからしてもらうから……。今は我慢しますね」 「な、にが……」 舌も回らず思考は断裂し、ただ彼女の敷居の下に根付いていた切望のようなものが、感じれるだけになった。上着は肌蹴られ、薄い 唇が胸板を吸う。彼女の欲情の増してゆくに比例して、徐々に接吻の位置は下がっていった。 とうとうバックルも緩められると、細く凄艶な指が下着の中へと進入した。既に固さを持った陰茎を見つけるや、くるくると周りを 這いずって、軽く握りながら外へと露出させる。 祥鳳は焦らす事も無く、そして躊躇も見せずにそれを咥えた。長い髪は耳に掛け、丁寧に先から奥にまで舌を伸ばし、ゆっくりと喉 の入り口にまで迎え入れる。 酩酊の成分以外にも、そういった効用のある薬が混ざっていたのだろう。体の力は悉く抜け視界もぶれるほどの状態なのに、彼女の 口腔の感触だけはぞっとするほどの鮮明さに感じられていた。 卑猥な音が部屋に響いた。唾液が零れるのも厭わず、祥鳳は激しく頭を前後させている。舌がのたうち回り、時折腰の抜けそうなほど の吸引があった。 時間の感覚が希薄になりだした頃合。性の快味を享楽し続け、彼の頭の中は真っ白く塗り潰されていた。限界の近いことを察し、彼 女はより奥まで肉槍を咥え、それからゆったりと唇で扱いた。何度目かの喉奥の感触に、遂に提督は絶頂し、口内へ自身の精を吐き出 しつくすに至る。 「んっ……く、ぅ」 祥鳳は陰茎の引き抜かれてすぐ、口を両手で覆い隠し、涙目になりながらもそれを嚥下し始めていた。途中途中に荒く息をつきなが ら、三十秒ほどかけて何とか飲み込んでいった。 28 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 52 27 ID zamWRWyc 「飲みました。……好きでなきゃ、こんなことできないでしょ?」 口を開け舌を差し出し、彼に中を見せ付ける。まだ頬の裏や舌先には白濁の飛沫がこびりついており、それがいやに淫靡に見えた。 「何が、目的なんだ……なにが……」 息も絶え絶え、薬の酩酊と状況の混乱に頭痛を抱え、彼は呆然と口にする。膝上から肩口にまで彼女の体躯がしな垂れ掛かり、そし て耳元に、とうとう真相が語られだした。 「提督。私への罰は恐らく解体だけでは済まされません。あそこまでやったんだもの。除籍と雷撃処分……をしてもまだお釣りがで てきます」 「腹いせに死んで満足か……。そうまでして私を苦しめたいのかお前は!」 「いいえ、まだ私も死ぬ気はありませんよ」 一度体を離し、彼女は眇めた眼に彼を見た。その瞳の明るさ、明々と輝く漆黒の珠に正気を失った者の濁りは無い。何時もと変わらな い、普段どおりの彼女である。それが、恐ろしくもあり虚しくも感じられた。 「提督。私を連れて逃げて」 遂に本懐が吐露される。驚懼に目を見開く提督を見下ろし、彼女は続けて口開く。 「ずっと、提督がケッコンなさるまで待っていました。提督はお優しいですから、中途半端なままだったら大鳳さんのこと思って首 肯なさらないだろうなって。彼女はもう、幸せを得ました。それから提督への絶対の信頼も。……たとえ二人で逃げても関係を疑った りはしませんよ。……だからこそ心置きなくここから逃亡できるんです」 「……私が、それでもお前を拒否したらどうするんだ。お前を忘れて、ずっと大鳳と二人で生きてく選択だってある」 「提督はそんなことできません。……でももし仮にそうなったなら、その時は私の死という枷を首に巻いて生きてもらいます。一生 繋ぎとめることができるんだもの。……満足、ではないけれど充分です」 その枷は、恐らく大鳳にも向けられているものなのだろう。自身の恋慕によって死人が出たとして、果たして彼女はそれを受け入れ ることができるのか。 祥鳳の策謀に掛かった時点で、既に選択の余地は無かったのだ。再びもたれ掛かってきた彼女の身体。その温かみに諦観の空虚が増 大して、目尻から涙があふれ出した。 「……泣いているの?」 「ようやく前に進もうと思ったんだ。進めていたはずなんだ。……なんでお前は、私をずっと、そうやって……」 「でも、いつも提督は許してくれました。そういう優しいところが、やっぱり私は好きなんです」 彼女は嫣然として、頬に伝う雫を舐めた。 29 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/08/19(火) 13 53 16 ID zamWRWyc 4 事件から十日後の朝、大鳳が目を覚ますと隣にいるはずの彼の姿が無かった。枕元には一枚の便箋が置かれ、その内容は以下のよう なものであった。 『縁を結んだ君さえ捨て置きこの鎮守府を去る事、心より恥じている。弁明をするつもりは無い。同情を買うためにこれを書き残し ているのでもない。ただ君の優しさに甘え、胸の内の名残惜しさを消すためだけにこの筆を取っている。許せとは言わない。だがもし 君が最後までこれを読んでくれたなら、それに勝る喜びは無い。思えば私は、ずっと君の寛大さに付け入り傷つけてばかりいた気もす るから、もうこの駄文の初めを読む間に既に見限られてしまっているのかもだけれど。私個人はしばらく君の顔を見れないこと、ひた すら寂しく辛く思っている。 この逃避行は、実はそんなに長く続きはしないんじゃないかとも考えていて、だからこれだけ気障に見せかけたものを残しておきな がらあっさり一週間くらいで連れ戻されてしまって、頭を抱えながら君の横を通り過ぎる羽目になるんじゃないか。実はそんな想像も していたりする。私が彼女に同行して逃げるのは、あくまで戦友として部下として、彼女を殺すわけにはいかないから。ただその一点 の理由に拠っている。理非より命は優先されるべきというのが私の数少ない信条だった。だから、身の安全を保証できる場所を見つけ られたなら、すぐに私は、私だけでも帰ってくるつもりだ。君を見放し、心中の旅に出たのではない。薬指の物を外したりはしない。 それだけはここにはっきりとさせておいてくれ。 とにかく、この先どうなるのかは分からない。だけどもし全てがうまくいって、何もかも都合よく、神様を味方に付けられたなら私 は必ず帰ってくる。君と契った冬の日に、いや身が軽くなればすぐにでも帰るが、できれば冬の記念日に帰還すれば格好もつくかなと か、そう思った。ただ私の性質はいい加減だから、それが一体いつになるのか、もしかしたら君の期待を裏切ってしまうかもしれない。 勝手だとは思うが、そういう覚悟だけはしていて欲しい。もちろん次の提督がいい奴ならば、君を止める術が私には無いという事も明 記しておこうと思う。(もし帰還した時、本当にそんな風になっていたなら、私は号泣するだろうがね) ただの一枚の便箋では、たったこれだけの文字しか書き込めない。最後に、一番伝えたい事を。どうか、体だけは大事にしてくれ』 枠をはみ出し、直筆の文字は下限ぎりぎりに終端を迎えた。 今回の騒動について無粋な想像を膨らます者は幾人もいたが、彼女は問われた悉くの質問に、薬指を見せながら答えたという。 「私は提督を信頼していますから」 まさしく祥鳳の予知した通りとなった。しかしそれについて幸か不幸か決める権利を有しているのもまた、彼女自身をおいて他には いないのである。その後の結末について、記すには及ばない。 <完> これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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提督×足柄の続き 潮風と窓から差し込む陽光が艦娘の頬をくすぐる。 うすぼんやりと覚醒した彼女は体をよじる。 汗でしっとりと肌に張り付いた布の感触。 対照的にスースーとする下半身の解放感。 切りそろえられた黒髪の下の大きな瞳がうっすらと開かれる。 奇妙な感触がする指先を目の前に持ってくる。 何かの液体が乾いた後と微かな性臭が彼女を急速に覚醒へと押し上げる。 「はうっ、…これって……」 乱れた夜着から零れ落ちた白い双球とあられもなく晒された太腿と淡い翳り。 右足首に丸まっているのは間違いなく下着だ。 「や、やだっ!…わ、わたしったら……」 もぞもぞと布団を手繰り寄せて、妙高型4番艦羽黒は赤面した。 出撃から帰投した昨晩、偶然覗いた提督の部屋で行われた秘め事。 姉の足柄と提督との激しいセックス。 行為が終わると足早に隠密発射された酸素魚雷のごとく彼女は自室に飛び込んだ。 まんじりともせず布団にもぐりこんだが、おさまりがつかない。 耳に残る姉の嬌声と図らずも最後まで見てしまった姉の痴態が瞼の裏から離れない。 意識下で昂ぶっていた戦闘終了後の精神と相まって思わず股間に手をやってしまった。 乳房をまさぐり、幾度も陰核を擦る。 尖った桜色の乳首を弄び、蜜に指を濡らす。 いつしか脳裏に浮かんでいたのは提督の姿。 逞しい彼自身で貫かれる自分を想像した彼女は竜骨が折れんばかりに背をのけぞらす。 まだ未成熟の秘裂から大量の蜜を吐き出し上り詰めてそのまま落ちた。 昨夜の自分の痴態を思い出し赤面する。 そして、提督を”おかず”にしてしまったことも彼女の頬をより熱くした。 「-ぐろ……羽黒?」 布団の外から聞こえる声にひょこりと顔を出す。 太眉に切りそろえられた黒髪-姉、妙高のいつもの優しい笑顔があった。 「どうしたの二日酔い?」 額に当てられた手がひんやりとして気持ちいい。 「ううん、大丈夫」 「そう。出撃後のお休みだからいいけど、そろそろお昼よ」 もそもそと布団の中で身繕いをして起き上がる。 「朝ごはんは出来てるからおあがりなさい。それと1730に提督が執務室に、って」 羽黒はていとくの四文字を聞いてびくりと体を固くする。 「あ、あのー、妙高姉さん?」 「なぁに?」 「あの、その……」 姉の顔を真正面から見れず下を向いて、もじもじと布団を胸の前でこねくり回す。 「提督、何か…言ってなかった?」 真っ赤になった顔で上目使いで尋ねる。 「さあ?特に何も……何かあったの?」 「な、なにも!なんにも無いよ!」 妙に慌てふためく妹の挙動を不審がりながらも妙高は部屋を出た。 「あぅぅ…気付かれちゃったのかな……」 布団を畳みながら呟く。 「司令官さん……」 提督の顔が浮かぶ。 彼女達は兵器だ。戦うための道具に過ぎない。 だが、提督はそんな彼女達、艦娘を自分と同列の仲間として扱ってくれる。 この泊地以外でも各地の鎮守府、基地で連合艦隊の魂を受け継いだ艦娘達が謎の敵、深海棲艦と戦っている。 その中には大破した艦艇を無理矢理進撃させたり、駆逐艦を使い捨てにしている司令官もいると噂では聞いている。 だが、提督は決してそんなことはしていない。 艦隊に小破した艦娘が一隻でもあれば、たとえ勝利が目前でも必ず引き返した。 『帰ろう。帰ればまた来られるから』 那智や足柄、木曾といった積極策を唱える艦娘達が抗議の声をあげても彼は頑として流されることは無かった。 『資源は時間が立てば回復する。戦機はまた作ればいい。だが、君達は私にとって唯一無二の存在だ。代わりはいない』 そう言って、照れたように頭をかくのが常だった。 -提督、私の唯一無二の司令官さん。 羽黒の胸がほうと暖かくなる。 服を整えながら羽黒の頭の中は提督でいっぱいになる。 そうすると今度は艦本式重油専焼缶が燃え上がるように動悸が高まる。 昨晩の足柄の姿が浮かぶ。 -姉さん、あの凛々しい姉さんがあんな……。 私も司令官さんに……。 足柄を自分に置き換えたところで羽黒は頭を振った。 -私は姉さんみたいに美人じゃないし、それに……。 「もしそんな事になったらボイラーが爆発しちゃう!」 そう呟いて、ため息をつく。 そのため息が持つ意味を羽黒はまだ良く理解していなかった。 「妙高型4番艦羽黒、出頭しました」 「うん。入って」 1725に執務室に入ると秘書艦を務めている姉-那智とともに提督が出迎えた。 「あのぉ……わ、私…ご、ごめんなさい!」 「へっ?」 顔を真っ赤にして突然、平身低頭する羽黒に提督はポカンとする。 「あの、昨日はその、あの」 「ん、昨日?……ああ、一航戦なら大丈夫だよ。それに仲間を大事に思う羽黒の気持ちは間違ってないよ」 「へっ?」 今度は羽黒がポカンとした顔になる。 昨日の戦闘で不用意に突出した一航戦が敵の艦載機に襲われた。 統制砲雷撃戦突入直前にも関わらず羽黒は反転して空母の盾になろうとした。 提督はその事を気にしているのだと思っている。 「優しさは羽黒の良いところだよ。今度はもう少し視野を広げて考えればいい。私も気を配るようにするから」 デスクを立って羽黒の頭を優しく撫でる。 「あ、あの、その、…夜の……」 「ん?夜?」 羽黒は口からタービンが飛び出してしまいそうにドギマギしながらも昨夜の覗きを謝ろうとする。 「…何やら、意見の食い違いがあるようだが。それよりも、提督」 「あ、ああそうだな」 あきれ顔で間に入った那智に気付いて照れながら机に戻り、ファイルをパラパラとめくる。 「羽黒、大海令だ。我が艦隊は沖ノ島海域の攻略に乗り出す」 「えっ…あの、難攻不落の…」 沖ノ島海域は全世界の鎮守府司令を悩ませている敵の一大集結海域だ。 複雑な航路、濃密な敵の哨戒網、そしてフラッグシップと呼ばれる強大な戦艦、空母。 既に突破に成功した艦隊も無数の屍-轟沈艦娘の尊い犠牲の上にそれを成し遂げたと戦闘詳報にはある。 「いきなりの攻略は難しい。我が艦隊にはその力はまだ無い」 忌々しげに那智が机上の海図を睨む。 「そこでだ。積極的な偵察活動を行うことを私は決めた」 「小規模な機動部隊を組んで敵泊地周辺に遊弋。敵の小規模部隊にヒットアンドアウェイを繰り返す」 海図と編成表を指しながら那智が作戦概要を淡々と告げる。 「敵戦力の減殺と艦隊の練度向上、並びに航路開拓がこの作戦の意味だ」 先ほどの浮かれた気分は引っ込み羽黒の顔に緊張が走る。 「それでだ」 一際厳しい顔で提督は羽黒を見つめた。 「妙高型4隻は部隊の中核として作戦に参加してもらう」 「貴様も察しがつくと思うが、本命の敵泊地攻撃には航空戦力拡充が必須だ」 脳内に艦隊の編成を浮かべ羽黒はうなづいた。 艦隊の航空戦力は赤城、加賀、蒼龍の正規空母が主力だ。 軽空母に分類されてはいるが隼鷹、飛鷹の姉妹も航空機運用能力は高い。 だが、赤城を除く全ての空母が練度十分とは言えない。 艦隊に配属されたのがごく最近であるし、艦載機運用を支えるボーキサイトは慢性的に不足している。 「第5戦隊は一旦解隊。高雄達ともローテーションを組んで母艦航空隊を守ってやってくれ」 準同型艦の高雄型は普段は第四戦隊を編成している。 第五戦隊に比べると練度は低いが艦隊の中でも第二水雷戦隊と並んで有力な部隊だ。 「わ、わかりました…」 少し不安げに返事を返した羽黒に提督は優しい笑顔を見せる。 「姉さん達と離れて不安だろうけど、大丈夫。俺も必ず一緒に出撃するから」 頬を上気させて羽黒は元気に敬礼した。 「正式な命令は明日、全員の前で行う。下がって宜しい」 「失礼します」 妙に軽やかな足取りで執務室を出ていく妹を見て那智はやれやれといった顔をする。 「……罪なお方だ。」 「んっ?何か言ったかい」 「いいえ、何も…それより」 那智は彼女らしからぬ、茶目のある表情で提督の手を取った。 今夜は私に一杯付き合わないか?」