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小耳に挟んだ話では、海上自衛隊から返り咲いた海軍は現在人手が不足していると言う。 少子化と言う名の底なし沼への片道切符に鋏を入れられてしまったこの国がもう一度戦争に立ち向かう事は、 決して口には出さないが心情を独白させて貰うと、先の戦争より無謀ではないか、とこう思うのだがな。 然しそうも言っていられない。 どういう訳か新たな敵はこの日本近海でハエトリグモのように徘徊しているのだから、腹を括るしかないのだ。 平穏に宜しくないその根幹の話について、小耳に挟んだ程度の知識しか持ち合わせていないのは当然だろう。 自分はその程度の人間でしかないからだ。 それでも先に述べた人手不足が理由で、士官学校を出たばかりの自分でさえ新設された鎮守府に磔にされたのだ。 学校に入ったばかりはそこまで状況を深刻に捉えていなかったのだが、 海軍の現状を知ってしまい、違和感を覚える程の対応の早さを受けた自分が戦々恐々とさせられるのも無理はない筈。 先行きが不安で早くも胃薬と精神安定剤が必要になりそうだ。 「……提督は、もう少し力を抜いてもいいと思いますよ。特に顔とか」 「む……」 自分の目の前で佇む眼鏡をかけた女は、確か自己紹介で軽巡大淀と言ったか。 本日付で鎮守府の提督として着任し、 敷地内の設備やそれぞれの艦の事その他の説明を矢継ぎ早に受けた記憶を回顧する。 この大淀は、鎮守府と大本営とのパイプの任務を担っているらしい。 編成を始めとする鎮守府運営のイロハを改めて復習する為の簡単な任務を寄越して来た。 任務通達はこの大淀一隻だけが担当しているらしい。 人だけでなく艦も不足しているようだ。 「任務であれば従おう」 確かに、自然と身が強張っていたのは事実だ。 これから戦争へ向かう片道切符に自分も鋏を入れてしまった事を改めて実感したからだろう。 自分は別に死にたがりではないが、将校でもない自分がいきなり一鎮守府の頂点等 荷が重過ぎて沈みそうなのだ。 大淀が不安気な顔でこのような忠告をするのも無理はないが、仕方が無いものだと割り切って貰いたい。 「いえ、これは私の個人的な意見です」 「……気が向いたら従おう」 意訳すると"指揮をする前から動揺されては困るから改善しろ"と言う大本営が用意した横槍文句かと思ったが、 どうやらそうではないらしい。 此奴は自己紹介してからと言うもの終始任務の話だけをしていたが、 如何せん第一印象ばかりに信用するのも余り宜しく無さそうだ。 「更に力が入ってしまっていますよ。こことか……」 ふっ、と大淀は自然な手付きでそれを私の頬へ持って行った。 ぺたぺた、すべすべと見た目相応の手の感触が頬を撫ぜた。 自分は不意を突かれて更に顔を強張らせてしまう。 「っ、分かった分かった。善処はしてみる」 後方に下がって大淀の手から逃れた。 初対面で肌を無抵抗で接触させる事ができるのだろうか。艦娘とは皆こうなのだろうか。 人間の女でもパーソナルスペースは男より狭いと言うが、それでもこうまでは行かないだろう。 鎮守府に慣れる前にまずは艦娘に慣れる事から始めた方が良さそうだが、中々ハードルが高そうである。 自分だけが変に緊張している事は今ので充分自覚したが、 大淀がそれを特に不快には思っていなさそうなのが救いだ。 何故そんな事が分かる、と? 寧ろ面白そうにくすりと小さく笑ったところを見て自分と同じ感想を抱かない者がいたら、 それは相手の心中を察する能力が欠けた人格障害者で、軍を含めた何処の職場にも入れないと思うね。 「これから、どうぞ宜しくお願い致します」 自分と大淀の馴れ初めはこのようなものだった。 …………………… ………… …… 「遂に進水か」 大きな擬装を背負って任務通達に現れた今の大淀は、私が初めて昇進した時よりも嬉しそうに見える。 最初から鎮守府に配属された軍艦なのに他の艦を見送るしかできない大淀の心中は、どのようなものだっただろうな。 その反動から考えれば大淀は狂喜乱舞しても罰は当たらないと思うのだが、大淀はそんな事はしなかった。 慣れた今ではそんな大淀の姿を想像するのは不可能だし、大淀らしい。 「はい。やっと艤装が出来上がったんです」 それにしても他の軽巡とは一線を画する艤装をしている。 大きさは他よりも大柄なものだし、構造も直線基調なのが目立つ。 然し、大淀の艦体は極めて小柄なものではない。 半ば無理に搭載している――貶している訳ではない――軽巡夕張と違って、上手く馴染んでいるように見える。 自分は頬を幾分か緩め、大淀を祝福した。 おめでとう。私も嬉しく思うよ。 「あ……ありがとうございます」 大淀は困ったように、照れ臭いように眉尻を下げて謝辞を述べた。 大淀も待ち遠しかったものだろう。おかげで他の艦よりも練度向上が遅れてしまっている。 早速だが、大淀を秘書に任命したい。 「え、確かにAL作戦決行は近づいていますが、そのような任務は」 「だからこそだ。大淀には早急に練度を上げて貰いたい。任務等ではなく、また艦隊旗艦として返り咲かせたい」 そう言ってやると、大淀は着任初日に見せたあの笑顔で、任務通達文書群を私に差し出して来た。 これから、大淀の運用データを記す執務が増える事だろう。 その為の白紙が今から何枚も文字と簡略図で埋め尽くされて行く事を私は今から楽しみでならなかった。 「……はい、お任せください」 この進水日までには、大淀とは任務通達ついでで世間話をする位の仲になっていた。 初日の気苦労は自分の考えすぎだったのか、初期秘書艦か大淀が揉み解してくれたのかは分からないが、 慣れとは恐ろしいものだ。 士官学校時代のお気楽な自分を短期間で取り戻せたのだから。 …………………… ………… …… 「……大淀。少し力が入ってるんじゃないか」 「え? そのようなつもりはありませんが」 大淀の練度を優先して向上させるべく出撃を繰り返すうち、大淀を改装する設計図が大本営から送られた。 そして改装は何事もなく終わったのだが、艤装は特に何か変わったところは見受けられなかった。 寧ろ大淀の艦体の方に見受けられる。 「握り拳なんか作って言う事じゃないぞ。ほうら」 席から立ち上がり、大淀へ歩み寄る。 何故か握り締めている右手を己の手でやんわりと開かせたが、何か隠している訳でもなさそうであった。 やはり単に力が入っているだけのようだ。 肩やら腕やらへ力が抜けるような念仏を送る……、つもりでそれらを撫ぜる。 「あっ……? え、あ、あ……」 「……更に力が入っているようだが」 おかしいな。悪化している。 身を縮こめ、腕をぴったりと上体に沿わせるようにくっつけてしまった。 明らかに身が強張っているのが見て取れる。 緊張しているのか? 初日で私の頬を撫ぜ、それから世間話を交わし、秘書の任命をした程の仲である私に対して? 何故。 「あ……、だ、大丈夫です! お任せくださいっ」 大丈夫だろうか。この大淀は。 それならば今度は自分が。 「まだ鍛錬が足らんようだな。しいては一つここは私が大淀の整備に協力を……」 そういった名目を放ち、繊細な手付きを努めて大淀に触れる。 艦体と艤装の隙間に右手を差し入れ、背中を撫ぜる。 上部装甲と下部装甲の間で露出している、腰の横の部分を左手で撫ぜる。 自然と自分は大淀を抱き締める体勢になってしまうが、艦娘ならば抵抗は感じないのだろう? 「てっ、提督! そこは司令部施設とは無関係です。お願い! 艦隊指揮の邪魔、しないで!」 「じゃ、邪魔……」 大淀は磁石で弾かれたように私から艦体を引き剥がした。 驚いた。 あの大淀が、声を張り上げて、しかもタメ口で。 艤装に変化は見られないがやはり艦体のほうは大きく改装されたらしい。 実感を得たがそれはあまりに衝撃的で、思わず呆然とする。 口をぽっかりと開けている自分の顔は大淀には間抜けで新鮮に見えるだろう。 今までそんな醜態を晒さぬよう努めて来たのだから。 「あ……。申し訳ありません、強く言い過ぎました。……あの、司令部施設であれば、その」 「力、抜けたようだな」 然し大淀は面白そうな顔をしなかった。 呆れるだろうと思っていた自分の予想に反して謝辞を告げる大淀は少し不可解だが、任務は達成できたようだ。 それに満足して、思わず大淀の言葉を遮ってしまった。何を告げようとしていたのか分からない。 肩が落ちた大淀は、私の言葉で私と同じようにぽっかり口を開けた。 「……わざとだったのですか?」 「大淀に言われてから、私も肩の力が抜けて来たということだよ。この提督なら安心出来るだろう?」 うんうんと自分は大袈裟に頷いたのだが、 大淀はうんともすんとも言わず無言で物思いに耽ってからぷいと顔を逸らした。 「……っ、私、艤装の整備をしてきますっ!」 「え、おいこら。まだ話は」 終わっていないのだが。 と言う静止の言葉は、走り去る大淀の足音と扉を閉める音で終始掻き消されてしまった。 貰い損ねた任務通達の文書を手に入れるべくその後大淀を探しに出かけたのだが、 誰か言い出したか鬼ごっこが始まってしまったのだ。 整備と言いながら自室でも工廠でもない何処かへ身を潜めていて、私が声をかけると大淀はまた逃げ出す。 高速艦で更に改装したての大淀は能力を遺憾無く発揮し秘書の仕事をサボタージュしてくれたので、 その日、大淀の運用報告書の隅に"速い"とだけ記して一人寂しく頭を悩ませる事となった。 この辺りから、自分は大淀を面白い奴だとも可愛い奴だとも思うようになり、大淀を目で追うようになった筈だ。 …………………… ………… …… AL、MI、鎮守府防衛作戦は無事終結し、それから月日は流れた。 自分もこの頃には既に"将校"の仲間入りを果たしていた。 ようやく提督という肩書きが自分に馴染んできたとしみじみつらつら思っていただろう。 数多の作戦に耐えてみせ、数多の執務補佐に耐えてみせ、大淀は軍艦の貫禄を持って佇む。 自分は一つ小さな箱を取り出し、中身を大淀だけに初めて見せた。 すると貫禄がなかったかのように大淀はうろたえる。 「えっ? ……あ、あの、この任務は私に対して行わなくても達成できますよ」 まーだ何かにつけて任務だのなんだの言うのか。大淀らしい。 だが今はくすりとも笑っている場合ではない。 私はこれまでにない程真剣な気持ちで大淀の目を見詰める。 任務遂行のつもりではない。これは私の個人的な意思だ。 「……分かりました。従いましょう」 大淀は一応は理解したという神妙な面持ちだ。 従う、という言い方は気に食わんのだがな。拒む権利はある。 そう反論すると、大淀は司令部の回転の速さを生かし、ほんの少しの沈黙だけを挟んで口を開いた。 私に期待を向けるような面持ちで。 「……では、少し変えましょう。このような暗号ではなく、平文で通信を下さい。私が理解できるように」 「……大淀。私はお前を……」 …………………… ………… …… 懐かしいな。 と言っても、着任したあの日あの馴れ初めから老いぼれる程年月が経った訳でもないのだが。 まだまだこれからさ。 自分は回顧と筆を止め、 最後の大淀運用報告書を書き記す途中で顔を上げ先ほどから感じていた視線を受け止める。 艦隊の休息の為に艤装を下ろして用意した秘書艦の椅子に腰掛ける大淀は、 落ち着き無くちらちらと此方の様子を伺って来るのだ。 「大淀。すまんが通信方法は口で頼む」 「そ、そうですか? では失礼、します……」 すると何を思ったか、必要ないのに椅子から立ち上がり私の元へ歩み寄る。 あの時と変わらぬ感触の手だが、今度は両手を使って私の頬をついと撫ぜた。 「……っ」 次に感じた感触は、柔らかい唇の感触だった。 どこに感じたか、と? 自分の同じ物にだ。 大淀は目を瞑っている。 何故分かるか、と? 不意を突かれて自分は瞑る事もできなかったからだ。 将校の仲間入りを果たそうともこれに関してはからっきしだ。 こんな事をされてはもう執務どころではなく、自分は筆を置く。 今までが分かりにくかった訳ではないが、これまでにない程分かりやすく伝わった。 自分の心臓が急速に回転数を上げている事を大淀に隠し、ほんの数瞬で離れた大淀へ努めて冷静に諭す。 「……口頭で、と言う意味だったのだがね」 「あ、あら、申し訳ありません! 私てっきり……」 はっと今更察した大淀はわたわたと慌て、 行方の定まらなかった両手はやがて熱の篭った顔を隠すように自身の頬へ当てた。 全く、第一印象では大淀は "真面目" "品行方正" "頭脳明晰" と言った具合だったのだが。 「大淀にしては直接的な通信だが、その、私は好きだぞ」 「そう、ですか……っ」 触れてくる大淀に歩み寄りたくて、自分は照れ臭いのを抑えて素直に気持ちを伝える。 すると大淀は更に赤くなったようだが、息を呑んで顔を覆う手を下ろし、私の手を捕まえる。 大淀の眼鏡の奥にある瞳をよく見ると、潤んでいるようだった。 「……なら、もっと沢山しましょう? 私と提督だけの、通信を……」 運用報告書に"可愛い"と書こうかと考えて、やめた。大淀のこんな面を知るのは自分だけでいい。 大淀は執務室の隅に置いた艤装の司令部施設や水上観測機を整備する妖精に拾われないような とても小さな声で私に囁きかけ、私を奥の寝室へ牽引して行った。 【以下は提督により検閲】 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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322 :名無しの紳士提督:2014/09/10(水) 11 35 45 ID hx4Xp/wM 私は知らなかった 大人になれば、自然とレディになれるのだと思っていた もちろん、レディになるための努力は欠かさなかったし、だからこそあの時、夜警も引き受けたのだ 私は知らなかった大人というものを でも、あの時ついうっかり寝入ってしまったのは私が紛れもない子どもであったことの証明だと思う 「やっ…!やめっくひぃっ!暁…っちゃんが!あ!こんな…こんなぁ…」 「ふふ…そんなに騒いで起きちゃったらどうします? お か あ さ ん ?」 「あぁ…っそんなそんな言い方!堪忍…堪忍してくだっんひぃ!あ!あ!あ!あぁっ!!」 何か水っぽい音と、妙に鼻にかかったような声に意識をくすぐられ、薄目を開けた私の見たものは… 「??、へ?え…?」 そこにいたのは楚々とした仕草の美しい軽空母でも、少し意地悪だけど大好きな司令官でもなく ただ、獣たちが、そこにいた 323 :名無しの紳士提督:2014/09/10(水) 11 42 03 ID hx4Xp/wM 「あぁ、暁起きたんですね…いや遂に観念したのかな?っと!」 「んひィっ」 私が憧れて"いた"2人…獣、いやケモノはそんな声を上げると組み敷いていたケモノの顔をぐいとこちらに見せてきた 「ぁ…あぁ…」 綺麗にまとめていた髪はほつれ、優しい表情を浮かべていた顔はよだれまみれでひきつり、目はうつろで…! 咄嗟にかけられていた毛布にくるまり、目を閉じ、耳を塞ぐ アレはダメだ、見てはいけないものだ、だって私の理想の中にあるものは… あんなに、きたなく、ない その後のことはよく覚えていない 何か顔にかけられた気もするけれど、本当に覚えていない ただ、思い出そうとするだけで切なくなるのがもどかしくて、ついに私は姉妹に相談することにした でも、自分でも要領を得ないと思う私の話を根気よく聞いてくれた妹は、響は私に顔を近づけてきて… 「それは…もしかしてこんな感じだったかい…?」 そう、ささやいたのだった 324 :名無しの紳士提督:2014/09/10(水) 11 48 58 ID hx4Xp/wM 憧れは人を盲目にする きたないケモノと同じモノになってしまった暁 暁はきたなくなんかない 全てをさらけ出しているからこそ 暁は綺麗なんだよと耳元で囁き続ける響 自己卑下と響の囁く甘言の板挟みになった幼い精神が悲鳴を上げる 次回、暁に響き亘る やはり赤ずきんは狼に喰われるが宿命か これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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22 :名無しさん@ピンキー:2013/08/16(金) NY AN NY.AN ID kqM8JiqQ 出撃後の日課である扶桑お姉様と提督との セクースを覗き見して、日々、嫉妬に燃える山城ちゃん。 でも、実はお姉様を盗られたことじゃなくて、 提督との情事に対して、身体が疼いていた事に気付く。 ある夜、我慢しきれず好きでも何でもない、冴えない整備士のオッサンを誘惑し、 一夜を過ごしてしまう。 それからも、駄目とは思いながら、疼きを静めるために、オッサンの下へ通う山城ちゃん。 初めは戸惑い気味だったオッサンも、徐々に本性を現しだし、変態プレイ、 同僚、若い整備士の筆下ろしセクースも強要。 (いやー、~さん流石ッスね。あの高飛車な山城ちゃんを手なずけるなんて) エスカレートしていくオッサンの要望にけなげに応える山城… ある日、オッサンと若い整備士達との複数プレイで、 顔中・体中精液まみれ、両手に若手整備士のチ〇ポを握り、騎乗位でオッサンに激しく突き上げられながら、 『俺のチ〇ポと扶桑お姉様とどっちが大事なんだ?!』 と聞かれ、 『チ〇ポ!扶桑お姉様より、おじ様のチ〇ポの方が大事なの!!』 と叫ぶ山城。 しかし、ふと倉庫の入口を見ると、口に手を当て、驚きの表情を浮かべる扶桑が… 『お、お姉様…これは…これは違うの!嫌!嫌ぁぁぁぁっ!』 と山城ちゃんが叫んだ所で目が覚めた。 盆休みも明後日までか… 25 :名無しさん@ピンキー:2013/08/16(金) NY AN NY.AN ID 51JO0vgt うちの山城ちゃんは提督が扶桑姉様と愛し合ってるところに目撃して興奮してるのが姉様にばれて招き入れられて 扶桑「ふふ、こんなにして・・・山城はいけない子ね」クチュクチュ 山城「ふぁ、やっ、姉様、ごめんなさ、こんなのダメぇっ!」ビクンビクン 扶桑「提督、山城の事も可愛がってください」 山城「ぇ・・・?やだ、だめ、そんなの入らな・・・」(ズンッ) って姉様の前でイくまでやられてから健気に提督にご奉仕するようになってるよ
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ありがとう ありがとー いつもありがとうー 本気 おはようございます カーンカーン どうかよろしく どっかーん なのです はずかしいよ ぱんぱかぱーん ふにゃっ ふわっ 引退 主砲撃て 出撃です 衝突 沈んだ敵 痛いって 那珂ちゃんスマイル 那珂ちゃんだよ 那珂ちゃんはみんなのもの 那珂ちゃんぱわーあっぷ 那珂ちゃん轟沈 那珂ちゃん魅力的 命中させる 問題ないですか きゅうそくせんこー んひゅ 少し疲れた 魚雷装填完了 魚雷入力完了 ロックオン 那珂ちゃん今日もかわいい 那珂ちゃんごきげん 那珂ちゃん現場入ります 那珂ちゃんオフ いたい? イクのー 19の魚雷
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π艦巨砲主義 ※ふたなり千歳&ふたなり千代田のオナニーもの。 「おかしいわね。一体どこにいったのかしら、私の……」 思案気な顔で鎮守府の宿舎の廊下を歩く女性、その名を千歳という。帝国海軍に空母として籍を置く、所謂艦娘である。 つい先ごろ任務を終えて鎮守府に帰還し、羅針盤の都合で想定より日数の長引いた疲れと汚れを洗い流してきたその帰りであった。 「誰かが気を利かせて洗濯に出してくれた……?けれど、アレだけというのも……うーん。」 彼女が探しているのは入浴前に着用していた下着であった。浴室を出てみたところ何故かそれが見当たらない、しかも下だけが。 羅針盤の都合で作戦日数が延びて替えの下着が不足したため、つけ続けていたもののため汚れが酷い物だ。正直人に洗濯を任せるのは気が引けた。 「千代田なら何か知っているかしら……下着が無いなんて伝えたら、泥棒だとか変に暴走してしまいそうで困るのだけど。」 ふと脳裏に浮かんだ妹の姿に溜息をつく千歳。自身を極めて強く慕ってくる妹。 愛情が深いのは姉妹として望ましいのだろうが、千歳の身の回りにいらぬ気を回しすぎたり愛情表現が時折執拗すぎることが千歳の悩みの種であった。 「千代田、いるかし……」 『……ねえ……お、ねえっ……ちとせ、おねえっ……!』 妹の部屋の前に立ち、戸を叩こうとした千歳。それに先んじ部屋から洩れてきた声に動きを止めてしまう。 妹が連呼しているのが自身の名、しかも妙に熱っぽい声であることに気づき思考をしばし混乱させる千歳。 「……風邪、よね?多分。出撃中も妙に熱っぽそうに私を見たり、なんだか辛そうにしてたもの……」 強い違和感を感じながらも強引に自分を納得させる千歳。 しかし改めて戸を叩こうと意を決したその時……聞こえてきた言葉は、千歳の認識を根底から打ち崩すものであった。 『ほぉぉぉッ……お姉のっ、千歳お姉のパンツぅっ♥♥んおッ♥はひぃぃぃッ……♥♥』 「えっ……」 反射的に息を飲み、無意識に音を殺して扉を僅か開く千歳。細く室内を覗かせる戸口から覗いた室内の光景、それは…… 寝台の上にいる妹、千代田。しかしその着衣は前を肌蹴られ……豊かな乳房と、そして股に聳えた肉の器官を剥き出しにしていた。 「千歳お姉っ♥千歳お姉っ♥千歳お姉ぇぇっ♥お゛ッ、ほぉぉぉぉッ♥♥♥」 「う、そ……千代田?なんで、アレは私の……下着?」 当の千歳に見られているとも気づかず、寝台の上で千歳の名を連呼しながら股間で勃起する肉竿……男性と同様の生殖器を一心不乱に扱く千代田。 血管を浮き立たせ脈打つ凶悪な肉棒を摩擦するのと逆の手に絡ませ口元に押し当てた布……それは無くした筈の千歳のパンティであった。 クロッチの部分に鼻を押し当て大きく息を吸い込んだ千代田が酩酊したような表情となり、一際激しく喘ぐ。 「んお゛ぉぉッ♥キツいッ♥千歳お姉の体臭染みついてるぅッ♥おっほぉぉッ♥ちんぽバキバキになるぅぅッッ♥」 「う……ぁ……」 替えの不足のため、汚れても仕方なく履き続けた下着……行方不明になったと千歳が思っていたソレにむしゃぶりつく千代田。 発情期の獣のように発情し乱れ、赤黒くパンパンに腫れ上がった陰茎を乱暴に扱き立て続ける。 「ん゛ふうゥゥゥゥンッ♥千歳お姉のッ♥おしっこ染みッ♥美味しいぃぃッ♥イグッ……ほお゛ぉぉぉぉッッ♥♥」 「ひっ……そ、そんな……」 下着の僅かな染みを見つけ、そこを飴でも舐るかのように口に含んで蕩けた貌をし喘ぐ千代田……あまりにも卑しく淫らな妹の姿。 妹の過剰な好意も行き過ぎた姉妹愛に過ぎない……そう信じていた千歳にとって、妹が自身を性欲の的……自慰行為の種としている姿は衝撃的であった。 「出りゅっ♥ザーメンッ♥千歳お姉のおまんこ臭嗅ぎながらぁぁッ……チンポからザーメン射精ッ♥♥チンポ射精でいぐぅぅぅぅッ♥」 「……!!」 瞳を上向かせ背筋を弓なりに反らせた千代田が感極まった声で叫ぶ。肌蹴た胸元から零れたたわわな乳房が跳ね、肉茎が激しく脈打つ。 次の瞬間、弾かれたように跳ねた男根が精液を噴き……まるで蛇口を全開にしたかの如く放出された精液は宙にアーチを描いて撒き散らされた。 その射精は凄まじく、寝台の側とは逆の壁まで届きそうな勢いで精液が放たれ……粘つく黄ばんだ精液を床にこびり付かせていく。 「ふお゛ぉぉぉぉンッ♥♥お姉ッ♥お姉ッ♥千歳お姉ぇッ♥♥大好きぃッ♥千歳お姉とセックスしたいッ♥セックスぅぅッ♥♥」 激しい射精に痙攣する自身のモノをなお執拗に扱き、狂ったように千歳の名を呼び欲望を叫び続ける千代田。 妹の痴態、心を許していた相手の狂気、自己に向けられた情欲の深さ、それから……様々な衝撃に千歳は瞬きすることすらできず氷つく。 室内から漂ってくる牝の発情臭と栗の花の香りが混濁した匂いが千歳の脳を痺れさせ、思考を麻痺させていた。 「ふう゛ぅ~……あはあ゛ぁ~♥千歳お姉ぇ……♥ここ、ここにぃ……千歳お姉のチンポ欲しいのぉ♥お姉のチンポぉぉ……♥♥」 大量射精の余韻に脱力していたのも束の間……下着を握ったままの手で未だ硬さの残る陰茎を扱き、逆の手で枕元から何かを取り出す千代田。 男根を模した器具、それを口に含んで唾液を絡ませると自身の秘所に押し当て擦りつける……まるで雄を誘う淫乱な牝のような表情で。 「んぎぃぃっ♥千歳お姉ッ♥突いてぇっ♥私のおまんこズブズブ抉ってッ♥姉妹セックスで気持ち良くなってぇぇッ♥♥」 「っ……ぁ……あんな風に、私にされるのを……思い浮かべて……ぅ……」 その行為を幾度繰り返してきたのか、自身の熟々に潤った蜜壺へ荒々しく突き込んだ疑似男根を激しく出し入れしすぐさま喘ぎだす千代田。 千歳の名を呼びながら器具で膣穴を抉るたび彼女の陰茎は激しく跳ね、膣よりの快楽の強さを明瞭に伝えてくる。 妹の淫蕩に浸る様を盗み見する……あまりに異常で背徳的な状況に本人の意思とは裏腹に千歳の体の一部は激しく反応していた。 「う、ぁ……勃起してる、私の……。妹の、ぉ……おなにー、見て……ダメ、駄目なのに……ンンッ♥」 扉の向こうで更に熱の入った自慰に耽る妹の姿を覗き、己のスカートを内から持ち上げる硬く怒張した物体……自身の男根を恐る恐る撫でる千歳。 その途端。想像以上に鮮烈に痺れを伴った疼きが奔り、思わず悲鳴を上げかける。咄嗟に口元を押さえ、室内を伺う千歳。 「千歳お姉ぇっ♥チンポ凄いっ♥お姉チンポぉっ♥ゴツンゴツン来てッ♥お姉もイイのッ!?私もッ♥♥お姉のチンポイイィッ♥♥」 下着を絡めた手で陰茎を摩擦し、膣穴を疑似男根で責める。両性具有者のみが味わえる両性器からの快楽に溺れ乱れ狂う千代田。 その千歳に視姦されていようとは気付かぬ様子で獣の啼き声に近い喘ぎを上げ、姉との仮想性交に耽り続けている。 「だ、めぇ……こんなことっ、妹にオカズにされて……それで興奮するなんて、これじゃ私……変態じゃない、ンくぅぅっ♥♥」 撫でるように緩慢な刺激にも忽ちに硬く勃起しきる千歳の陰茎。もっと強い快楽を求めるかのようにビクビクと跳ね自己主張する。 口元を塞いで必死で声を殺しながら肉竿を握る手の動きを徐々に速め、妹の自慰を凝視しながら興奮に溺れていく千歳。 「チンポぉッ♥お姉のチンポッ♥チンポチンポォォッ♥♥チンポ扱きチンポセックスお姉とするのイイのおォッ♥ンお゛ぉぉぉッ♥♥♥」 「千代田、あんなに激しく私をっ……いけないのに、こんなのダメなのに……止まらないっ、んあっ♥はひっ、はへぇっ……♥♥」 常軌を逸した状況で興奮し、背徳的な自慰を止められない自分。こんな浅ましい姿を妹に見つかってしまえばどうなるか……? 何の躊躇もなく、組み伏せられ犯されるかもしれない。あの自慰のように激しく、卑猥に、熱烈に凌辱され……そんな妄想が更に千歳の手淫を速める。 「イくっ、チンポイくっ♥マンコもイくッ♥千歳お姉とチンポセックスでイグッ♥♥イグイグイグぅぅぅッ♥♥♥」 「だめっ、だめだめだめぇっ……私も、出……んうぅぅッ、バレちゃうっ……んぁぁぁぁぁっ♥♥♥」 もう堪えきれないといった様子の乱れ方で猛烈に膣と肉竿を自責する千代田。同調するように千歳も自制を失っていく。 互いに互いと性交する様を妄想し興奮を頂点まで猛らせ、極限の自慰快楽に耽る姉妹。次の瞬間、両者は同時に限界を越え…… 「孕ませてっ♥♥お姉ザーメンで妊娠させてぇぇぇッ♥♥ン゛オ゛ォォォッ♥♥私もチンポイグウ゛ぅぅぅッッッ♥♥♥♥」 「千代田ッ、私も……ンンンン~~~~~~~ッッ……♥♥♥♥」 淫らな絶叫に紛れ込ませるように己もまた蕩けた悲鳴を上げ、妹と同時に絶頂し精を放つ千歳。 妹が背を反らせて腰を突き上げ、精液を噴水の如く撒き散らす痴態を凝視しながら千歳もまた扉に精液を思うさま吐きかける。 部屋の内外に精汁の青臭い濃密な芳香が満ち、その嗅覚刺激になおも興奮が高まって射精中ながら更に大量の精液を精巣から送り出し噴射してしまう。 「お゛~~~っ♥んお゛ォ~~~……♥♥ちとせ、おねえ……しゅき♥らいしゅきぃ……♥♥」 「ふう゛っ……ん゛ぅぅっ……♥ちよ、だ……ふぁぁっ♥」 大量射精の余韻にビクビクと四肢と男根を痙攣させ、緩慢な手淫で射精の残滓を搾り出し合う姉妹。 荒く息を吐きながらしばし法悦に満ちた意識のまどろみに浸り続ける。永遠にその陶酔が続くかに思われた、その時。 「あっ……?ッ!!」 絶頂の反動で力が抜け、崩れ落ちかけた千歳。咄嗟に踏みとどまり……床が想像を上回る大きな軋みを上げた。 咄嗟に我に返り、萎れた陰茎をスカートの裾に押し隠してその場を走り去る千歳。後に構う余裕など一切ない。 「誰か、いた……?見られて、いた?……あ。」 寝台にぐったりと体重を預け、己の精液をねっとり絡ませた姉の下着を口に含んで恍惚に浸っていた千代田が身を起こす。 殆ど裸同然に着崩していた衣類を羽織り直しながら恐る恐る室外に顔を出すも、そこに既に人影はなく…… しかし。そこに視姦者がいた事を明確に主張するかの如く、ベットリと濃厚に雄臭さを放つ大量の精液が扉を伝い落ち……床に白い池を作っていた。 「あ、れ……これ?この臭い……んちゅ♥んふぁぁぁっ……そっか……そっかぁ、ふふふっ……♥♥♥」 持ち主不明の精液溜まりの匂いを嗅いだ千代田。なんの躊躇もなく精液を掬いとって口に含み……陶酔に満ちた呼気を吐いた。 忽ちに胸に湧き上がった興奮にまたも陰茎を硬く屹立させ、発情した牝の貌で淫らに歪めた唇から妖艶な哂いを漏らす。 彼女の胸に姿を浮かべた人物との、これから始まる快楽と淫蕩の日々……その光景を夕闇の暗がりの向こうに空想しながら。 「待っててね、千歳お姉……♥」 +後書き 486 :名無しさん:2014/06/15(日) 20 09 23 ID OcZ4O/c2 続きは無いんですけどね。 以上にて終了です、この場をお借り致しましたことに感謝。 おっぱいふたなり女性に変態オナニーをさせるのって楽しいです。 また次なにか書く機会がありましたらどうぞよしなに。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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930 :名無しの紳士提督:2016/06/06(月) 00 48 38 ID 921OSk/2 渋やらニコ静やらでときどき見かける村について思いついたので投下します 若干ヤンデレ? 931 :930:2016/06/06(月) 00 52 19 ID 921OSk/2 「よう、久しぶりだな」 山奥の無人駅に迎えに来てくれた友人は、乗ってきた軽自動車のライトに照らされながら手を上げてそう言った。 訳あってこんな山奥までやって来たはいいものの、既に終電は無く、 途方に暮れていた私がこの辺に引っ越したと言っていた彼の言葉を思いだし、藁にもすがる思いで連絡したのが三十分ほど前だ。 「いやすまん。助かったよ」 助手席に乗り込み礼を言いながら、計器の光に浮かび上がる友人の横顔を見ると、その口には火のついていない細巻きの煙草が揺れていた。 「煙草いいかい?」 「ああ。いいけど……やめたんじゃなかったか?」 その言葉が口をついてから私はそれが失言だったと思い直したが、吐いた言葉は戻せない。 友人は苦笑いを浮かべている。 「これを嫌う奴も、もういないからな」 「ああ……すまん」 遅い謝罪を口にした私に彼は気にするなと言いながら煙を吐き出し、ライトだけが見える農道に車を走らる。 かつて彼は煙草をやめていた。彼の妻がそれをとがめたからだ。 無表情で物静かなその妻が彼の健康を案じてたしなめていたと聞いている。 車は三十分ほどで彼の家についた。 居間のソファーに腰かけた我々は、前から二人で会うとそうしていたように、他愛もない話をしながら酒を酌み交わす。 日付が変わろうかと言う頃、不意に彼の視線がテーブルの端に置かれた写真に注がれる。 仕方のない事だ。そもそも我々の出会いはそこなのだ。 写真には彼と、彼の妻と、その沢山の仲間たちとが写っている。 彼を中心に身を寄せ合い、皆嬉しそうな笑顔で。 その姿を見て、私は取るべき態度をとる。即ち、彼の気が済むまで黙っているという事。 いつの間にか二人の間に出来たルールだった。 昔話になり、当時を思い出し、それにふけりたい時はそうさせる。 彼は今、あの頃に、少将に戻っている。――私がたまにそうするように。 と言っても――これもまた私がそうであるように――長い時間ではない。互いに孤独にも慣れる。 一年前、我々は提督だった。 艦娘を率い、彼女らに囲まれ、深海棲艦と戦う日々。 多くの提督にとって、苦楽を共にした艦娘達には愛着や信頼と呼ぶには強すぎる絆がある。 銃後の家族とのそれをも上回る強い絆が。 だからこそ、戦いを終えた時多くの提督達は困惑した。 艦娘達と引き離された事、彼女達が忽然と姿を消してしまった事。それらの真相を知る上層部が一切を秘密とした事。 だがそれすら、時間の経過は薄れさせていく――筈だった。 「なあお前、こういう話を聞いたことないか」 それから暫くして、私は再びあの日と同じ無人駅にいた。 同じように終電は既にないが、誰にも連絡はせず、ホームに一人佇む。 あの日、友人から聞かされた話。曰く『どこかに艦娘が暮らす世界に行く方法がある』 最初私は全く信じていなかった。お互い酔っぱらっていたし、そんなのはよくある与太話だ。 誰もが望むが故に生まれてくる夢物語。東では西にあると言われ、西では東にあると言われるような類の話。 だがその話をした数日後、彼が一通のメールの後に行方不明になった。 そしてその最後のメールにはただ一言『辿り着いた』とだけ。 彼は精神を病んでいたのだと理性では考える。孤独に慣れたと思い込んでいただけで結局耐えられなくなったのだ。 だが同時に感情は希望的意見を主張する。 結果、私は試すことにした――どこかで自分も“辿り着く”事を望みながら。 あの日彼が語っていた方法――提督が終電を終えた無人の駅で待っていると、暗闇からダイヤには存在しない列車が現れる。 行き先表示も何もないその列車には乗客もなく到着時のアナウンスもないが、ドアが閉まるまで後ろを振り返らずに乗車するとその世界に行ける。 正直、信じているかと聞かれればノーと言わざるを得ない。 だがそれでも試さずにはいられなかった。宝くじだって当たらないと言いながら買うのだ。 僅かな希望にすがって試す。自分も“辿り着く”事を、即ち壊れてしまう事をどこかで望んで。 私も所詮耐えられなかったのだ。 「……」 だから目の前の光景が信じられなかった。 音もなくホームに滑り込んだ、古い一両編成の列車は、ぼんやりと明かりを真っ暗な無人のホームに照らしている。 そちらに行く 数日前のメールに返信すると、聞いていた通り振り返らずに中吊りも何もない列車に乗り込んだ。 静かにドアが閉まり、真っ暗闇の中を滑り出す。 不意に瞼が重くなり、規則的に伝わってくる揺れが眠りへと引きずり込んだ。 どれぐらいの時間が経ったのか、気が付くと私はシートに座り船を漕いでいた。 車内には日の光が満ちて、青々とした田園風景の中を電車はゆっくりと走っている。 カタン、カタンと規則的に揺られながら、穏やかな日差しに照らされてのどかな景色を見るでもなく眺めている。 これは夢なのか、それとも―― 不意に電車がスピードを緩め、田んぼの真ん中で停車した。 駅、と言うより土塁と呼んだ方が近いような土を盛り上げただけのホームが見えて、私は不意にここが目的地だったような気がして席を立った。 ホームには聞き覚えのない駅名が記されている。表記からして終点ではない様だが、この次の駅も前の駅も聞き覚えがない。 「どこなんだ?ここは……」 思わずつぶやく。 田んぼの真ん中に走る単線。駅の周りは田畑に囲まれ、まっすぐに伸びた畦道が続いている。 遠くを見ると高く緑の山々が連なり、この辺り一帯はその山々に囲まれた場所であることが分かる。 のどかで、知らない場所の筈なのにどこか懐かしい、日本の田舎のステレオタイプな風景。 「提督」 懐かしい声、懐かしい呼び名に振り返る。 ホームの端に忘れようはずもない人。伊勢。今は艤装を外している、私の最初の戦艦。 「お待ちしていました」 最後にあった時と同じ屈託のない笑顔。優しく、柔らかな声。 温かいものが一筋頬を伝った。 「行きましょう。皆待ってますよ」 感無量とはこういう事を言うのだろう。 これが現実なのか、それとも幻なのか、そんな事はどうでもいい。 何か言いたい。けれど胸がいっぱいで何も言えない。ただ彼女の背中を追う様に後についていくことしか出来ない。 涙で歪んだ視界をごしごしこすって畦道を歩く。 遠くに軽トラが走っていく。ぽつぽつと田畑の隙間に点在する民家。路肩に放置された泥だらけのトラクター。死にたくなるぐらい懐かしい風景。 そんな景色の中を歩き続け、野菜の無人販売所のある角を曲がった時だった。 「司令官!」 振り返った先には里山のふもとに建つ、木造一階建ての、この村同様古く寂れた学校。その校門の前に立つ一人の少女。 セーラー服姿で長いサイドテール。健康的な少し日に焼けた肌。屈託のない愛らしい笑顔。柔らかな懐かしい声。 忘れもしない。大切な娘。 「綾波……」 名前しか言えなかった。それ以上は泣き声にしかならなかった。 泣きながら、子供のように大泣きしながら彼女を抱きしめた。 「おかえりなさい、司令官」 綾波の声もまた涙ぐんでいたのは、気のせいではないだろう。 それから暫くして、私と綾波は広い居間に卓袱台を挟んで座っていた。 二人に泊まっていけと連れてこられた古い日本家屋は、先程の校舎からほど近い所に建っている。 「ゆっくり寛いでいてくださいね。夕食の準備してきますから」 「あ、ああ……、悪いな」 伊勢がそう言って台所に行ってしまい、私は綾波にいくつか尋ねてみた。 「ここはどこなんだ?」 「ここは、私達のような艦娘が暮らす村。司令官と引き離されてから、ここでずっと待っていましたよ」 艦娘が暮らす村。これが私の脳が見せている幻覚でなければ、友人の言っていた噂話は本当だったのだろう。 「そうか、私も逢いたかったよ」 「えへへ」 恥ずかしそうに頬を赤らめ照れ笑いを浮かべる綾波。 彼女達と同じ空気を吸い、同じ時間を生きている。当たり前だったことがこんなにも素晴らしい。彼女達と引き離されてからそのことを痛感していた。 そうだ。逢いたかった。逢いたかったのだ。 どんなに慣れたふりをしたところで孤独は孤独。一度でも彼女達の、艦娘の温もりを知ってしまった以上は、それの無い人生は苦痛でしかなくなっていた。 「他の皆もここに?」 「はい。今日はもうすぐ日が暮れますから、明日以降に伊勢さんが他の人たちに紹介するって」 そう言われて、猛烈な郷愁に襲われた。懐かしい皆の顔。彼女達にまた逢える。 成程、彼と連絡がつかなくなった理由もよく分かる。 ここに居れば、もう外界なんて、艦娘のいない世界なんてどうでもよくなってしまう。 「そうか、皆いるのか」 「はい。この家も私と伊勢さんと、今日は当番で加賀さんの所にいっている敷波と三人で暮らしているんです。鎮守府みたいで楽しいですよ」 そう言えば、この家は誰の家なのだろう。 田舎の農家と言って頭に浮かぶ、これまたステレオタイプな木造一戸建て。 広い敷地と相応に広い建物。今では珍しくなった縁側が、これまた珍しくなりつつある畳敷きの広い居間の前に設けられ、 その先に広がる庭の隅、垣根の足元に朝顔が――綾波と敷波のものにそれぞれ名札付きで植えられている。 その垣根の向こうには、夕日に照らされた田畑が絵画のように広がっている。 この家といい、あの田んぼや畑といい、乗ってきた電車といい、この村には不明な点が多すぎる。 そもそも、この村の正確な所在も何もわからない。 「あっ、それ」 私の目線が朝顔に注がれていると思ったのか、綾波が立ち上がり、縁側に移動しながら語り始めた。 「私と敷波で毎日お世話しているんですよ。きれいでしょ~」 追いかけて縁側に腰掛けた私の横に綾波もちょこんと腰かけ、朝顔を眺める。 紫色に変わりつつある空の下、垣根の向こうから虫の音が聞こえ始めた。 初夏の夕暮れ。静かで平和でのどかな時間。 二人並んで縁側に座っていると、その中に溶け込んだような、目の前の景色の一部になったような気分になる。 ここがどこか?そんな事はもうどうでもいい。 結局そのまま、「ご飯ですよ」と伊勢に後ろから呼ばれるまで並んでいた。 「敷波バスに乗り遅れちゃって、今加賀ちゃんの家で一緒にご飯食べてくるって電話があったから三人でご飯ね」 「は~い。三時間待ちは大変ですからね~」 「三時間?加賀の家そんなに遠いのか?」 伊勢とそんな話をしながら食器と料理を運んできた綾波に思わず聞き返す。 「まあ、山一つですから歩けば四十分ぐらいですけど、バスが三時間に一本しかないので……村のあっち側に行く時はバスを考えて動かないといけないんですよ」 どうやらこの村はこの辺り以外にも集落があるらしい。それにしても中々な田舎だ。 「さあ、提督もご飯にしましょう」 「ああ、悪いな手伝わなかった」 「気にしないでください。さあ座って」 味噌汁、冷奴、山菜の和え物に肉と野菜の炒め煮のような物が湯気を立てている。 「「「いただきます」」」 三人で囲む食卓、誰かと食卓を囲むなど本当に久しぶりだ。 伊勢の手による料理はどれも美味しかったが、この雰囲気の中でなら磯風だろうが比叡だろうが誰の手によるものでも最高の食事となるだろう。 「「「ごちそうさま」」」 久しぶりの、本当に久しぶりの楽しい食事。 「片付けは私も」 食器を片づける伊勢と綾波にそう言ったものの、二人から丁重に断られてしまった。 その結果一人残された居間。静かになるとじんわりと実感が込み上げてくる。 また出会えた。また一緒になれた。そう思うと自然と顔がほころぶ。 二人が戻ってきたらここがどこで、どういう所なのか詳しく聞こう。 この近くに住めるところを探して、この近くで仕事を見つけて、彼女達と一緒に生きて行こう。 もし許されるのなら、彼女達のこれからを、平和の中にいる彼女達を見守っていこう。 元の暮らしに戻る気はない。彼女達に再び出会えたのに、そんな事をする必要はどこにもない。 その決意が固まった時、不意に瞼が重くなった。 世界がぐるぐる回る。体から力が抜ける。 重力に逆らえず、そのまま卓袱台に突っ伏し、意識を失った。 どれぐらい時間が経ったのか、私は冷たい尻の感覚に目を覚ました。 温かく明るい居間は、暗く冷たい石造りの密室に変わっていた。 燭台の上でゆらゆらと揺れる蝋燭しか灯りは無く、天井に近い小さな明り取りの窓は固く閉ざされている。これではまるで牢獄だ。 その暗い密室に、私は全裸で転がされていた。 「気が付きましたか?司令官」 暗闇に慣れてきた目を声の方に向けると、先程までと同じ綾波の姿があった。 「綾波!?これは……」 答える代わりに綾波は私の懐に飛び込むと、しっかりと抱きつきながら唇に吸い付いた。 「むっ……!?」 突然の行動に驚いている私の唇をこじ開けると、そこに彼女の舌が滑り込み、私の舌先を舐めつけていく。 くちゅり、くちゅりと淫らな音を立てたそれは、突然の事に準備が出来ず息苦しくなった私が半ば突き飛ばすように離れるまで続いた。 「あ、綾波……、これは一体……?」 「うふふふっ、司令官。私の初めて、あげましたぁ~」 そういって無邪気に笑う綾波。だがその目は熱を帯び、興奮した獣を思わせる。 「お前、どういう――」 「ああ、気付いたんですね提督」 混乱の中、何とか発した問いかけはもう一つの声で中断された。 「薬よく効いていたからもう少し寝てると思ったけど……案外早かったですね」 「伊勢……薬ってお前……」 扉の開く音、足音に続いて近くの燭台に影がかがみ込んだ。 薄明かりに照らされた伊勢の顔が浮かぶ。 「美味しかった?私の自信作ですよ」 この異常事態、人を一人監禁しているという状況に不釣り合いな屈託のない笑顔。 その笑顔が、私の心を読んだように説明を語り出した。 「提督から引き離された後いろんな事があった。けど、皆提督の事が忘れられない。 提督と一緒にいたかった。こうして世間から離れて暮らしながらその事ばかり来る日も来る日も考えていた」 ゆらりとろうそくの灯が揺れ、伊勢の瞳に反射した。 その目もまた、興奮した獣のようにぎらついている。 「気付いてました?皆、提督の事が大好きだったんですよ。勿論私も」 男冥利に尽きるカミングアウトだが、今この時にしなくてもいいだろう。 「だから決めました。いつか提督がここを見つけてくれたら、皆でここから離れないように繋ぎとめようって、二度と離れないようにずっと一緒にいようって」 ここから離れないように繋ぎとめる。全裸にして監禁。綾波の行動。答えは一つしかない。 狂っている。 じっとりと脂汗が背中を伝い、不意に一物を柔らかいものが包み込んだ。 「うわっ!」 「大丈夫です。綾波に任せてください」 いつの間にかまたぐらに潜り込んだ綾波の手が私の一物を上下に扱き始める。 「ぐ……っ、綾波……やめ……っ!」 幼い手の細い指が何度も何度も往復し、そのくすぐったいような快感は言葉とは裏腹に一物を大きく隆起させる。 吊り上るほどに膨張したそれを、今度は先程初めて接吻したという口が咥えた。 チロチロと拙い舌づかいで根元から先端まで丁寧に舐め上げ、小さな口の中いっぱいに加えたそれを前後左右から刺激する。 やがて勢いがついたのか、綾波はチロチロと舐めるだけでなく、口全体で扱き始めた。 吸い取られるようなその動きにあわせて、一物は既にはちきれんばかりに怒張している。 最初は示していた拒絶も、もうこうなってくると何の意味もなさない。 快楽が全身を駆けあがり、脳を制圧した。 「んむっ!?むぐっ……、けほっ」 限界に達した白濁が一斉に飛び出し、綾波の口内を満たした。 恐らく予想以上だったのだろう。驚いた様子で口を離した綾波は少しむせ、顔にも少し白濁がついている。 「よーし、上手い上手い」 わしゃわしゃと、伊勢が綾波の頭を撫でる。 「えへへ、司令官すごいですね。こんなに沢山……」 そう言って彼女はとろんとした笑顔を私に向けた。 恍惚状態の私は何も言えず、ただ快感の余韻に浸りながら暗闇の中に浮かぶ彼女を眺めていた。 「あっ、皆来たみたい」 不意に伊勢がそう言って小さな戸口を開ける。 現れるいくつもの人影。いくつもの獣の目。 「おー、提督遂に来たんだー、いや長かったねぇ」 「僕達みんな、提督を待っていたよ」 「嬉しいなぁ、本当に来てくれた」 懐かしい声がいくつも口々に歓迎してくれる。 どれくらいの時間が経ったのか。暗いここでは蝋燭の長さでしか時間が測れないが、さっき見た時は新しいものに交換されていた。 今どれぐらいの長さなのかは目隠しされているのでわからない。 「んっ……、むぐっ……」 温かい舌が怒張した一物を丁寧に撫でまわす。 もう何人も体を重ねたはずだが、伊勢の薬には精力剤でも入っていたのか、全く衰える気配がない。 そしてまた、吸われ、扱かれ、舐めまわされ、温かい口の中に吐き散らす。 「ぷはっ、んむ……」 何度かやると慣れたのか、もうむせることなくそれどころか噴き出したものをさらに舐めとろうとチロチロとすぐに舌が動き出す。 「はい、今のは誰ですか?」 後ろから両手で目隠ししていた娘――多分吹雪が尋ねる。 「うーん。これは磯波……じゃないな、綾波だ」 「わっ、すごい三連続正解!」 脇の方でもう一人の声――こっちはおそらく深雪だ。 あれからどれだけ時間が経ったのか、新しい蝋燭もすでに半分ほどになっていた。 今なら分かる。友人の連絡が途絶えたのは、なにか問題があったからではない。 きっと彼も、彼の妻たちに歓迎されているのだろう。ここから歩いて四十分ぐらいの所で。 「えへ、綾波上手くなりましたか?」 吹雪の手が離れ、またぐらにかがみ込んでいた綾波がにっこりと笑う。その笑顔は在りし日に私が愛した娘の、記憶にある中で最高の笑顔と同じものだ。 「もう出ても大丈夫そうですね」 きゃっきゃっとはしゃぐ駆逐達の後ろから伊勢が姿を現した。 開け放たれた小さな扉からはまぶしい朝日が差し込んでいる。 もし、このペースで毎日彼女達と交わり、完全に絞り尽くされたら?その時は用済みとして始末されるのだろうか? それとも私がもう完全にここに繋ぎとめられていると分かったらこのまま置いておいてくれるのだろうか? (まあ、今はどっちでもいいか) 駆逐達に手を引かれて外に出ると、太陽に目がくらむ。 そう、どっちでもいいのだ。今やるべきはそんな事に悩むことではない。 建物の外には大勢の艦娘達が待っていた。 私は彼女達を全力で愛そう。これまでの空白を埋めよう。狂わせてしまったその責任は取ってやらねばなるまい。 彼女達の目が、優しく、綺麗な目が一斉に私に注がれた。 「「「「「「ようこそ、しばふ村へ!」」」」」」 終 +後書き 939 :名無しの紳士提督:2016/06/06(月) 01 21 41 ID 921OSk/2 以上スレ汚し失礼しました ゲーム中で言及(加賀の『赤城さん』等)が無い場合、戦艦組と空母組は結構フランクに呼び合いそうという妄想してたら加賀ちゃんと呼んでしまった 多分隣の駅はやどかり町 940 :名無しの紳士提督:2016/06/06(月) 08 57 48 ID b9DAmT4o 乙です なるほど、例の話としばふ村の合わせ技ですか 941 :名無しの紳士提督:2016/06/06(月) 20 05 35 ID irgmFds6 乙。しばふ村があるならやどかり村とかしずま村もあるはずだ! 942 :名無しの紳士提督:2016/06/06(月) 23 20 59 ID ZfNBQWDs 扶桑嫁提督の自分としては六花村(二人しかいないし六花屋敷?)監禁を希望する所存であります! じじ村だと比率的には2割の筈の駆逐艦がわらわら居そうで「ダメです」 943 :名無しの紳士提督:2016/06/07(火) 00 40 22 ID eBQT4Q4I bob村でなら骨を埋めてもいいなぁ これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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カード図鑑 コスト:1 各カードの情報を1ページ毎に分割して作成し、 #include_cache(ページ名)によって読み込む形式で作成しておくと コスト別など他の分類の一覧を作成したいときにも利用できるので便利です。 なお、各カードを1ページにして、include_cacheを使用した場合 一つ一つのコンテンツの幅が崩れてしまうことになるかもしれません。 そういった際には、管理画面からcssを指定すると幅を揃えることができます。 例) .cardlist table{ width 90%; margin 0px; } を設定する。 アイコンと書かれている部分を image(画像URL,title=画像名,linkpage=図鑑/カード名)とすると 画像リンクを張ることができます。 image()の詳しい使い方はこちらのガイドを参考にしてください。 名称:テンプレート1 レアリティ:☆1 アイコン編集 タイプ・属性 火 レベル 1(10) 入手先 入手先1入手先2入手先3 成長タイプ 普通 攻撃 100(1000) コスト 1 防御 100(1000) 売却価格 100 スキル スキル1
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537 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2014/02/13(木) 12 43 37.15 ID 1GYqCe5p 「それでは、珊瑚諸島海域の突破を祝して!乾杯!」 「「「かんぱーーーい!!」」」 鎮守府、フタマルマルマル時。艦娘と提督が一同に会し、祝勝会が開かれていた。 100人に近い艦娘達が大騒ぎしている様は、圧巻というほかない。 戦艦勢が次々と盃を空にしては注文の声を上げ、間宮と鳳翔はてんてこ舞いの様子だ。 向こうの方では那珂が2人の姉を引っ張り出して歌いはじめたのが見える。この時間なら夜戦夜戦と騒がしいはずの川内も、妹の勢いに押されている。 「提督!次はいよいよ最前線ですね!」 「五月雨じゃないか。先の海戦ではよくやってくれた。次もよろしく頼む」 「お任せくださいね!」 「だから・・・私は飢えてなんかないって・・・何度言ったら・・・・」 「駄目だ、もう出来上がってやがる。羽黒、足柄を頼むよ」 「は、はいっ」 俺はといえば、皆の間をまわって、今次作戦で活躍した艦娘の慰労につとめていた。 飲み物を注いでやり、自分も一杯やって、しばし会話を楽しむ。 どっちが慰労されているのか分からなくなりそうだが、これだけの規模の艦隊を運営する日頃の激務を思えば、これぐらいの役得があってもバチは当たるまい。 一回りおえて空母勢のテーブルに来てみると、想像外の光景が展開されていた。 「やはり鳳翔さんの料理は最高ですね・・・潮さん、おかわりをください」 「た、ただ今っ」 「ええ、本当に・・・漣さん、おかわりを」 「はい、どうぞ」 「お前たち、随伴艦を給仕に使うのはやめないか」 そこにあったのは、山盛りの茶碗と、同じく山のように積み重なった皿と、せっせと働かされる哀れな駆逐艦と、食欲なお衰えぬ赤城に加賀の姿であった。 「提督、続けて出撃の予定もないのに高速修復材を使用したのはいかがなものかと思いますが」 「遠征組が頑張ってくれているんだ、当分使い切る心配はないさ。そんなことより、主賓抜きで祝勝会もないだろう」 「それは、そうですが」 「お前たちが疲れを癒してくれなければ、この会を企画した意味もない。存分に楽しんでくれ」 「ありがとうございます」 「適当なところで給仕も解放してやれよ」 そう言って席を立ち、その場を後にする。宴席を回る間にそれなりの量を飲んでおり、少し酔いを覚ましたかった。 執務室に戻ると、秘書艦のいない空間がやけに広く感じた。いくつか残した書類を片付けるべく机にむかうが、酔った頭で作業がはかどるはずもない。 多少なりともなんとかならないかと格闘しているさなか、ふとノックの音が響いた。 「加賀、戻りました。────申し訳ありません、お手伝いもせず」 「ああ、おかえり。構わないよ、今日はもう仕事にならないからやめだ」 立ち上がって加賀を出迎える。彼女も酒が回っているのだろう、かすかに上気した顔に視線が釘付けになる。 「少し、こっちにこないか」 「?はい」 電燈のスイッチを切って、俺は加賀を窓際へ誘った。 暗がりのなか、はっとした表情の加賀が月明かりに浮かび上がったが、彼女は何も言わずについてきた。 肩を並べて外を眺めると、がらんとしたドックの上に月が浮かんでいるのが見えた。 「綺麗な月ね──────」 「ああ、戦の真っ最中だというのに、嘘みたいだな」 「そうね」 「改めて、今回はよくやってくれた。礼を言うよ」 「私は務めを果たしたまでです」 「それでもだ。加賀航空隊の奮戦がなければ、今日こうして祝うこともできなかった」 その言葉は嘘ではなかった。攻めあぐねていた敵戦艦を吹き飛ばして突破への道を開いたのは、他でもない加賀航空隊だった。 「みんな優秀な子たちですから」 加賀はそう言って左肩の飛行甲板をゆっくりと撫でる。普段と変わらない沈着な表情、しかしその目にはどこか愛おしさが込められているように感じた。 「大事に思っているんだな」 「ええ、私の誇りです」 「なら、優秀な旗艦である加賀は俺の誇りだな」 「・・・・・提督、夜戦はお断りしたはずですが」 肩に手をやって引き寄せると、加賀は抗議するように腕の中で小さく身じろぎした。 「今次作戦の一番の武勲艦に、なにか褒美を上げたいと思ってな」 「褒美、ですか。それは受けとらなければ失礼にあたるわね」 こうやって加賀からスキンシップを拒否されるのは、初めてではない。 最初は、飛行甲板はデリケートだから触るなと言われた。飛行甲板でなければいいのだろうと頭を撫でたら、怒られた。 次は遠征に出る水雷戦隊の見送りに行った帰り道、そっと手を握ってみた。こっちを睨んできたが、手が冷たいから暖めてくれと言うと、焼き鳥にされたいのかと言いつつもおとなしくなった。赤城に見られそうになると慌てて振りほどいて逃げていった。 大破してボロボロの状態で執務室に帰ってきて、思わず抱きしめたこともあった。さっさと報告を聞いて入渠させろと言いながら、抵抗はしなかった。 そんなこんなで徐々に距離が近づいていったある日、近代化改修を終えた自分を見てほしいと言ってきた加賀を、俺は抱いた。 何か理由でもなければ触れることを許してくれないのは、彼女なりの照れ隠しなのだということに、その時ようやく気づいた。 以来、俺たちは子供じみた言い訳を見つけては体を重ねることを繰り返していた。加賀からねだってくることも、珍しいことではなかった。 腰に手を回して抱き寄せる。もう抵抗するそぶりもない。互いの体が密着する。程よくくびれた腰の感触。こちらを見上げる目つきに背筋がざわつく。 これ以上我慢できなかった。俺は彼女を抱きしめ、そっと唇を重ねた。 539 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2014/02/13(木) 12 48 56.50 ID 1GYqCe5p 短いですが、以上です。やっぱり書くのは難しかった。 何かお気づきの点があったら、ご指摘ください。 546 名前:527 ◆pzvVvkndz. [sage] 投稿日:2014/02/13(木) 17 41 08.81 ID 1GYqCe5p レスありがとうございます 続きは・・・書けるか分からんです 書けるだけ書いてみるつもりでいますが 一応酉つけて消えます
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62 :3-91:2014/04/22(火) 01 14 13.68 ID wHbOr9s/ おおイベントを前になんか素晴らしい投下の流れが…! 僭越ながら自分も一本 提督×球磨 お姉ちゃん肌なクマーに甘えっぱなしのイチャラブ純愛 人類敗北後の話だけど鬱要素はあまり無いつもり 連投規制で間隔空きますご勘弁を (ついでにハートマーク出るかテスト ♥) 63 :提督×球磨:2014/04/22(火) 01 15 50.12 ID wHbOr9s/ 数週間ほど前から、球磨と二人、山の中の穴蔵で生活している。 いや、まあ何故かと言えば、横須賀は深海棲艦に占領されてしまったからだ。 それで球磨と二人、呉へと逃げるつもりで脱出したら、呉も敵の手に落ちてるらしい。 こりゃどうすんべと思ってたら、球磨が船を出してくれて、かろうじて敵船が跳梁してない日本海を二人逃げる逃げる。 それでどこをどう逃げたものか俺は覚えてないが、球磨に聞けば、現在地は北海道某所の山中だという。 球磨は「の・ぼ・り・べ・つ! 登別行きたいクマー」などと無邪気に言っている。何のことやら。 ……あ、書き忘れたかもしれないが、人類は深海棲艦に敗北した。 もちろん完全な敗北までには、各鎮守府の重雷装巡洋艦への「アレ」の配備通告、「日乃レポート事件」に始まる大規模な政変、 挺身特攻隊「暁の戦力外部隊」による深海棲艦の巣への神風突撃、飛行/潜水能力を有した「合体変形種」深海棲艦の出現と戦況の悪化、 太平洋を中心に投入された巨人兵器「イェーガー」の活躍、米国が主導で唱えた核兵器による徹底殲滅論と、 それを察知した深海棲艦側の「巨大深海氷山空母姫」のワシントンD.C.への先制攻撃と陥落、などなど…… 今後100年は映画の脚本のネタに困らないようなドラマと涙の数々があったワケだが。 とにかく結果的に。 人類は敗北した。 ………… …… しかし今の球磨との二人の生活の中では、なぜかそんな敗戦の事実さえ、遠い星の出来事のように思えるのだった。 *** 「おっ、提督、起きたクマー?」 まぶたを開けると、球磨のぱちくりした目と目が合った。 俺の目は、涙と目やにでかすんでる。おまけに頭は熱でフツフツ煮えるようだ。球磨の輪郭線もぼやけて見える。 「クマー、あいかわらず熱があるみたいだクマー」 「……ああ、治すように努めてるが……すまないな」 球磨が、湿った布で俺の顔を拭いてくれながら言う。 その手つきがすごく優しくて気持ちいいので、つい口の周りを汚した子供みたいに、球磨にお世話されるままになってしまう。 ここ一週間ほど、ガラにもなく熱なんて出して臥せっているのだった。 その間の看病をずっとこいつが、球磨が、一人っきりでしてくれている。 「ご飯は食べられるクマー? 出来れば少し栄養付けとくといいクマ」 顔を拭われて少しはしゃきっとした俺に球磨が言う。 言われてみれば、穴蔵の中にふわりと漂ういい匂い。 川魚の塩焼き、ふかして潰したジャガイモ、山菜にキノコ。そんな食事が、テーブル代わりにしてる木箱の上に並べられていた。 球磨が俺のために一品一品、苦労して山の中を集めてきてくれたのだろう。 熱のせいで、食欲はさほど湧かない。 けれどそんな球磨のいじらしさを思うと、何としても食べてやらねばという気になった。 寝床の上から身を起こす。 「提督、ムリに起きなくていいクマ-、球磨が食べさせてやるクマ」 ……球磨の手で寝床に戻されてしまった。 仕方なくその言葉に甘えることにする。 「……すまん」 「気にするなクマー、提督だってきっと、球磨が風邪ひいたらおんなじことするクマ」 艦娘に風邪やらなんやらがあるのかはわからないが、球磨はそんなことを言う。 もしかしたら冗談なのかもしれない。 いずれにせよ俺も熱でふわふわする頭では適当な返しが思いつかないから、曖昧に笑って返す。 「ほれ、『あーん』だクマー」 「……」 「提督、『あーん』だって言ってるクマー」 「……あ、あーん」 逡巡したが結局、球磨に「あーん」で食べさせてもらう(所詮人間、その気になった艦娘の力には逆らえないから、従っておくのが賢いのだ)。 食べやすいように潰したジャガイモが、スプーンで口に運ばれる。 ほくほくして、塩気があって、噛むとジャガイモの甘みが出てきて、旨い。甘い。北海道だからか。 「うまいなー、球磨。うまいよ……にしてもコレ、どこで採ってきた?」 「ふふーん、球磨が山を下りてったら村があって、そこの地面一面にジャガイモが『生えてた』んだクマー」 「……すまんな、俺のために畑ドロボウまで」 自分のせいで軽巡・球磨に野生の熊さながらのマネをさせてると思うと、申し訳ない。球磨と、あと農家の人に対して。 「いーや違うクマ! すぐ近くに人の家もビニールハウスもあったけど、たぶんアレは野生のジャガイモだクマー、 球磨に採って採ってーって言ってたクマ」 「うーむ……野生かー、球磨が野生って言うんじゃしょうがないなー」 なんだか、球磨は俺に徹底的に気を遣わせないつもりらしい。 俺も特にそれを追求することはなく、今は旨いからいいか別に、などと思いつつ、モグモグと球磨の手からジャガイモを食べさせてもらう。 ジャガイモもふわふわなら、球磨と俺の会話もふわふわしてて、熱に当てられた俺の頭もふわふわで。 ついでに人類が深海の敵に負けてしまった事実さえ、何だか現実味がなくてふわふわしてて。 ぜんぶがぜんぶ、ぬいぐるみの中身のようにふわふわしてる。 それがこの、球磨と二人きりの空間だった。 「ほい、『あーん』だクマ」 「あーん……んむ、むぐ、うむ」 球磨の獲ってきた魚も、また格別旨かった。 しかも俺には自分で骨をとる苦労すらない。 ほぐされた状態の切り身を口に運ばれるたび、なんだか赤ん坊の頃に戻るような、イケナイ快楽が芽生えそうになる。 ……このままでは俺は、球磨をお母さんだと思いこんでしまうんじゃなかろうか。 「提督、気に入ったクマ?」 「ああ、うん……この魚もうまい」 「そっちもだけど、その……球磨に『あーん』されるの、気に入ってしまったクマー?」 「…………!!!?? い、いや、そんなことはないぞ!? 断じてない!!」 いけないいけない。普段はゆるキャラみたいな言動してるくせに、こいつは妙に察しがいいのだ。 「ふっふっふ~そりゃ残念クマ、なんなら提督が元気になった後も、食べさせてあげてもいいと思ったのにクマー」 「……~~~~~!!!!!」 やばい、ちょっとしてもらいたいと思ってしまった。 「あ、あぁ~~~それより、よく温かい料理が作れたな、大変だったろう?」 あわてて俺は話題を変える。 「大変?」 「ほら、山の中とはいえ、火を焚いて煙が出たら、たぶん山狩りに見つかるだろうし」 「あぁ……そのことかクマ」 事実、俺たちは追われる身だった。だから戦争が終結した今も、こうして隠れ潜んでいる。 追われると言っても、かつての敵、深海棲艦ではなく、人間の手によって。 そう。今回の敗戦の責を一方的に負わされたのが我々――提督や艦娘たちなのだ。 俺たちは各地に落ち延びたあとも、懸賞金をかけられ、鵜の目鷹の目で捜索され、追い立てられる運命だった。 「まあ、燃料用アルコールがあるから、しばらくは煙の出るたき木を燃やさないで済むクマ」 「なるほどな……まあ、何にせよお前たち艦娘には、本当に苦労をかけるな」 「……こっ、こんなの、昔の戦に比べたら苦労のうちに入らんクマ!」 しばらく穴蔵の中に沈黙が落ちた。さっきのふわふわした雰囲気なんてどこにもない、澱のような沈黙。 けど俺はやっぱりその重苦しさを引き受けねばならない気がした。だからこんな風に話題を変えてみせたのだ。 俺にはその責任があった。 実のところ、深海棲艦は重要な拠点や泊地を除いては、いっさい陸への侵攻をしてこなかったのだ。 ただ人類をすべての海域、すべての空域から追い出して、深海棲艦は満足してしまったらしい。 だから人類は滅ぼされることなく生き残った。俺と球磨もおかげで生き残った。 しかし生き残った人類が、当然そのやり場のない怒りの矛先を向けたのが、人類の海と空を守る戦に敗北してしまった軍人たちだ。 海と空という希望を失った世界で、俺や球磨たち艦娘は、地を這いずって生きていかねばならない。 人類すべての怨みを受けながら。 「すまん…………ぜんぶ、俺のせいだ」 ぽつりと呟いた瞬間、球磨にガッ!と胸ぐらをつかまれた。 これがベアクローか、と冗談を言う間もない。息がつまる。 「~~~ばっ!! ばか言うんじゃねぇークマ!!! そんな、一人でそんな風に思っていたのかクマ!? ひとりで、世界ぜんぶの運命をしょいこんだみたいな顔して、どうすんだクマー!!!?」 球磨に、そんな風に本気で叱られた。 ほとんど球磨の顔も涙まじりなのに、不思議とすごい気迫があって押されてしまう。さすがは球磨型5人の長女だ。 「こ、こら、な、なんとか言えクマー!!!」 「球磨、あの……く、くるしい……」 「!? ……あ! す、すまないクマ~!!」 「い、いや大丈夫だ……」 球磨の手をぺしぺしとタップすると、あわてた球磨が離してくれた。 「……提督、やっぱり、そのことを気に病んで、それでこんな熱を出してしまったんだクマー。気づいてやれなくて、本当にすまんクマ……」 「何言ってる……机仕事だった俺なんかより、きっと本当に辛いのを我慢してるのは、矢面で戦っていたお前たちだろ……」 そうだ、結局俺の苦労なんて、ものの数ですらないのだ。 本当に最前線で敵艦と砲火を交え、仲間が沈んでいく横で、痛いのも泣きたいのも押し殺して、戦ってきた彼女らに比べれば。 なのに結局戦争を取り仕切るのは、俺のような安穏として無能な指揮官たちで、 彼女らがどれだけ戦争を終わらせたくても戦略に口を出す権限などなく。 帰ってきたら言われもない敗戦の責を負わされて、一方的に追い立てられる。 「……なあ、球磨。俺を自警団かどこかへ突き出して、その懸賞金でお前だけ逃げるといい。俺みたいな顔が売れてる士官と違って、うまく隠れ潜めるはずだ」 俺は球磨にも、きっと今までたくさん苦労をかけ、我慢させてきたはずだった。 だから球磨を、せめてこれ以上束縛したくはない。そういう思いがあった。 「なっ……何を言ってるクマー!!?」 「女だから尼寺に隠れたっていい。何にせよ、俺をかくまって逃げたり俺のために苦労するより、よっぽど自由で気ままな……」 「……て、提督……」 球磨の震える声に気づいて、顔を向ける。 「提督は、それが本当に球磨にとって幸せだと思っているクマ?」 球磨が、今度は本当にぽろぽろと涙をこぼしている。 俺はあわててその手を取る。 「い、いや俺は可能性の一つを述べてるだけであってだな」 「球磨の幸せは……苦労しないことでも、自由になることでもないクマ……」 そう言うと球磨が、寝床に横たわったままの俺の体に覆いかぶさってくる。 やわらかくて、温かくて、細っこい球磨の体が、ぎゅーっと押しつけられる。 人なつこい動物に抱きつかれてるみたいだ。 「球磨のしあわせは、好きなもの、守りたいもののために生きることだクマ。もしも、好きなものを守るために戦えるなら、 どこだってそこが戦場クマ。守りたいものが側にいてくれるなら、どこだってそこが球磨の家なんだクマ」 潤んだ瞳で俺の瞳を覗きこみながら、球磨が一言一言、はっきりと俺に語る。 「だから提督は、球磨の生きがいだクマー。ずっと……ずーっと、離さないクマー」 球磨にしつらえてもらった寝床の上で、球磨の腕と体に抱かれながら。 そんな風に宣言されてしまった。 なんでだろう。球磨の涙ぐんだ目に見つめられて、俺も涙が出てきてしまう。 俺を非難し、糾弾し、ひっぱたき、ののしる権利だってあるはずのこの球磨は。 俺が生きてるだけでいい、そう言ってくれている。 そんな風に言われると、何だか自分でも、それでもいいのかもなあという気分にさえなる。 このままずっと、球磨の腕に抱かれてても、いいのかもしれない。 「んっ……そうだ提督、食後のデザート、忘れてたクマー」 「デザー、ト……?」 言いながら球磨は、ほこほこ湯気を立ててるティーカップをテーブルから取り上げると。 その中身の液体を、自分でくいっとあおる。 そうしてから、球磨は俺に口づけた。 「……っ、んッ……ぅむっ」 球磨の口に含まれた液体が、俺の口に流し込まれる。 球磨の舌を伝って、喉の奥へ。口移しだった。 液体はあったかくて甘い。何よりとろりとなめらかだ。 そんな甘くて深い液体を、こくこくと、球磨の唇から分け与えてもらうのは、 まるで球磨から、あふれるような生命を分けてもらってるみたいだった。 「蜜湯だ、クマー。ハチミツと生姜を湯に溶いたクマ」 ぷは、と離した唇をちょっと舐めてから球磨が言う。 「元気の源だクマ」 たしかに甘さの中から活力を湧かせるみたいな、やさしい味だった。 けどそれがハチミツの味なのか、球磨とのキスの味なのかは、よくわからない。 そして、何よりも眠かった。 温かいものをたっぷり胃に入れたせいだろうか。 熱に悩む体が休息と回復を求めてるかのように、急に猛烈な眠気に襲われてしまう。 「球磨……すまん、少し、眠る……」 「ん、それはいいことだクマ。きっと起きたら今までどおり元気だクマ。球磨が、保証するクマ」 「……うん、球磨がそう言うなら、そうなんだろうな……」 「ふふふ~、提督、目がとろんとしてきたクマ。おねむだクマー」 球磨がそう言いながら、俺の上に覆いかぶさってた体を少し動かす。 そして今度は、球磨が隣に寝ながら、俺をひしっと抱きしめる姿勢になる。 布団代わりのハグだ。 球磨が胸に俺の頭を抱いて、脚でしっかり、俺の腰につかまっている。 上質な毛皮につつまれてるみたいな、心地よい窮屈さと暖かさ。 球磨の胸もとから、汗と、女の子の香りと、ハチミツみたいないい匂いがした。 「球磨が抱きしめてやるクマー。こうして、あったかくして、眠るクマー」 こうして。 人類が敗北した世界で俺は。 暖かい巣穴の中、球磨に包まれながら、とろとろ、とろとろと眠ったのだった。 *** 起きると、なんだか妙に寝覚めがスッキリとしていた。 昼寝から起きると怖いくらい頭が冴えわたってる時がたまにあるが、正にそんな感じだ。 と、そこで気づいたことだが、今まで患ってた熱がすっかり引いている。 ダルさも辛さも、体から抜けている。どうやらこの爽快さの原因はそれだった。 その代わり、何だか体全体がぽかぽかと暖かい。 狭くて、匂いがこもってて、ぬくい、獣のすみかにいるみたいだ。 「……球磨?」 思い出した。俺は球磨の体そのものに包まれて、寝ていたのだ。 球磨は起きてたらしく、俺が呼ぶとすぐに返事が返ってくる。 「クマ~、提督、お目覚めクマー?」 「うん……おかげで、すごくよく眠れた」 「……そうかクマー」 「ああ、もう熱もすっかり引いたみたいだ」 「ん。なら、よかったクマー」 俺を胸に抱きながら喋るという奇妙な格好のせいか、何だかぎこちない球磨の返事。 「なあ……球磨?」 「なんだクマー?」 球磨の胸もとからもぞもぞ顔を出して、球磨の顔を見すえて言う。 その顔はちょっと蕩けていて、夢見るようだ。もしかすると眠いのかもしれない。 「その……ありがとう、な。さっきも、今までも、ずっと……」 「ふふふ~~、大したことじゃないクマー」 「いや、ほんとうに感謝してるんだ…………なあ、ところで、球磨」 「クマ~?」 「お前、顔が赤くないか?」 いま気づいたのだが、球磨の顔はとろんと蕩けているだけでなく、なんとなく赤かった。 もし俺の看病のせいで伝染ったりしたのなら、申し訳ないどころの話ではないので、俺はちょっと本気で心配する。 「ん? あー……別に、気にするような理由じゃないクマ」 「そ、そうなのか? 何か出来ることがあったら、言ってほしいんだが……」 「……じゃあ、提督にひとつ頼み事してもいいクマー?」 「あ、ああ! もちろん、球磨のためなら何でも!」 「クマー。それじゃあ……」 球磨がちょっといたずらっぽい、不敵な笑みをうかべて言う。 「なら、ちょっと腰を引いてほしいクマー」 「……え?」 「その……提督の……が、当たってて……」 「……~~~~~!!!!!? すっ、すまん!! 球磨っ、すぐ、離れるからっっ!!!」 寝床の中、隣り合って並ぶ球磨と俺の下半身。 その片方、俺の腰から、朝の元気にまかせて突き出たモノが。 球磨の腰に、無意識のうちにくいくいと自身を押しつけているのだ。 球磨が頬を染めてたのはそれでか! しかし俺があわてて腰を引こうとした途端、球磨の両脚がガッチリと俺の腰を押さえてホールドしてきた。 「あーはっはっは!! あはは、はーっ、て、提督、冗談だクマ~! 球磨はぜんぜんイヤじゃないクマ、本気に受け取らないでほしいクマー」 なるほど体がぽかぽか暖かいのは、まんざら球磨に包まれてるせいだけでもないらしかった。 まるで頭の熱がすべてそっちへ移ったように。 あるいは抵抗力が弱まっている間、体に入った微菌や悪いものを、ぜんぶそこから排出したいとでも言うように。 とにかく俺のモノは、極限まで熱く硬くなっていた。 ……有り体に言えば、『溜まってる』状態なのだろう。熱のせいで寝込んで処理も出来なかった、この一週間分が、丸々。 そして俺の分身は、まるでその切ない熱のはけ口を球磨に求めているかのように、キュロット越しの球磨のそこへと、 厚かましくぐいぐい、ぐいぐいと自身を押しつけている。 そんな体の動作に気づいてしまうと、俺の中でも、腰の奥から登ってくるそわそわした欲望が、むらっと鎌首をもたげる。 「ふっふっふ~……提督が寝てる間ずーっと、この子は可愛かったクマー」 「か、可愛いって……っ!」 「提督がくーくー眠り出すと、球磨の腰とくっついてるところで、この子がむくむく大きくなってきたクマ。 さすがに恥ずかしくて球磨がちょっと腰を引いたら、今度は寝てる提督が、自分から腰をくっつけてきたクマ~」 「…………~~~~~!!!」 「この子は球磨のお腹でも太ももでも、とにかく先っぽでつんつんしたり、すりすりしたり、くっついてきたがったクマー。 必死で球磨の中に入りたい入りたいって言ってるみたいで……ふふ、すごく可愛くって、球磨まで照れちゃったクマっ」 顔から火が出るような恥ずかしさで、しばらく絶句してしまう。 ……そう言われるとまるで、俺が自分の体と性欲の操り人形のようではないか。いや、事実そうなのかもしれないけど。 しかしさすがに、寝起きの勃起と溜まった性欲に任せて、ずっと付きっきりで看病してきてくれた相手を抱く、 なんてのは、さすがに恩知らずとかいうレベルではないだろう。 球磨がどんなに無邪気に触れてきたり、どんなにこっちの無遠慮を許してくれても、そこまで甘えてはいけない。 こんな山の中の生活ではあるが、まだ俺は動物じゃなく、人間のつもりなのだ。 「な、なぁ球磨……離れてくれないか」 今度は俺が頼む番だった。 「クマー? 提督は、球磨としたくはないクマー?」 「そうとは言ってないが、そうじゃなくてだな……」 男の精神、というか男心は、必ずしも不随意な勃起と連動するものではないのだ。 しかしそれを女の子の球磨にどう説明すればわかってもらえるだろう。 と、そんなことを思っている合間にも、きゅーっと球磨の腰に密着させられている部分から、とても無視しがたい感触が伝わってくる。 キュロット越しの球磨のやわらかい丘の丸みが、屹立をやさしく包みこんでくれる感触。 いかん。このままでは本能に理性が負けて、ほんとうに獣になりかねない。 「クマー……うーん、提督は、ハチミツが媚薬の一種だって話、知ってるかクマー?」 「は、えぇ?」 突然そんな話を持ち出す球磨。 「もちろん球磨も詳しくは知らないクマー。けど、人間の食べ物が貧しかった昔は、栄養満点のハチミツはきっと、 それだけで身体を興奮させたはずだクマ。だから、最近精力のつくモノを食べてない提督にも、 ちょ、ちょっとはそーいう効果が出るかもとは、き、期待してたクマ……」 「球磨、お前……まるで『一服盛った』みたいな言い方を……」 「そうクマー! だーかーらっ」 そう言って球磨が背中を抱いてくる。 「球磨の、『計画通り』なんだクマっ」 「く、球磨……だって、何のために?」 「むぅー……好きだから、くっつきたい、つながりたいって、それだけじゃ、いけないクマー?」 そう言って球磨がもっとひしっと抱きついてくる。 いまや腰と同じように、お互いの腹と腹、胸と胸もくっつき合っていた。 球磨の鼓動が、こっちの体の中にも伝わってくる感じがする。 「提督の方は、どうなんだクマー?」 「俺の、方……」 「球磨のこと……その、好きクマー? 球磨と、くっついたり、つながったりしたいクマ?」 「俺は……」 そんなことを聞きながら、球磨の手が不安なようにこっちの背中をさ迷う。 その仕草に気づいて、思わずこっちも球磨の背中をぎゅーっと抱いてやる。 球磨の体はあたたかくて、やわらかいのに、しっかりと質量があった。 すごく、『生き物』だと実感する手触りだ。 何だか、こんなにあったかくてやさしい生き物に、自分が想われてることを、何かに感謝したい気持ちだった。 「球磨が好きだ……くっつきたいし、つながりたいと思ってる」 そう言って、球磨をもっと固く抱きしめる。 抱きしめると、球磨の言ってる「好き」と「くっつく」と「つながる」という言葉がもっとよく理解できる気がした。 三つはひとつづきの同じ意味の言葉のように思えた。 洞穴で二匹暮らすつがいや、母を求める哺乳動物の子供。あるいは群れで暮らしお互い依り添い暖め合う生き物みたいに。 相手を求めてくっつき合うのは自然なのだ。 好きな気持ちだけでも、下半身で球磨とつながりたいだけでもなくて。全身で球磨と『くっつきたい』のだ。 「……わかったクマー、それじゃあ……」 頭をこちらの肩に乗せたまま、球磨がささやく。 「いっぱい、くっついて、つながり合うクマ」 *** 布団もない草の寝床の上で、球磨が下になり、俺が上になって、重なり合う。 ゆっくり、くすぐり合うような手つきでお互いの服を外していく。 まずは球磨のセーラーの上を脱がす。 すると、下着も何もなく、そのままの乳房が転がり出てきた。しかも結構、ある。 「ふっふっふ~……意外におっきい球磨ちゃんって、よく言われるクマー」 白くてふわふわした胸を自慢するみたいに揺らしてみせる球磨。 「……感触、確かめてみたいクマー?」 その言葉に誘われるまでもなく、すでに両手が、丸くてやわらかいモチみたいなのに伸びていた。 初めは吸いつくようで、そしてふよふよふよふよと、どこまでもやわらかい感触。 あんなにしっかり締まった球磨の肢体に、こんなふわふわしたモノがくっついてるのが不思議でならない。 不思議でならないので顔をうずめてみる。 「ク、クマーっ?」 森の熊さんが驚く声がするが、気にしない。 球磨の胸の間は、ぎゅーっと挟みこまれる圧迫感があって。 そして心臓の鼓動がとくとく、とくとく、と聞こえてくる。思ったとおり、とても落ち着ける場所だった。 いい発見である。 「……ふふ、提督は甘えん坊さんだクマー」 「……うん」 球磨にそんな風に甘やかされながら、球磨の体を下へ、下へと降っていく。 球磨のお腹は、胸よりは数段しっかりした肉付きをしていて、うっすら筋肉が感じられる。これも、心地いい手触りだ。 その下、球磨のキュロットパンツの部分に至ると、さすがに球磨がちょっと身を震わせた。 「あ、て、提督……」 まだ何だか脱がせるのが勿体なくて、やっぱりその部分に顔をうずめてみた。 キュロットの股間の丸みの中に、球磨の大事な部分の形が隠れているのが感じられる。 圧迫されると気持ちがいいのか恥ずかしいのか、球磨の腰がふるふる、切なそうに震えて面白い。 ふくらみの部分に鼻先を押しつけて少し息を吸いこんでみる。 やっぱり汗の匂いと、それから山道の草みたいな匂いがする気がした。 「は、恥ずかしいクマ~! そんなところ嗅がないでほしいクマーっ!」 「う、うわっ、球磨っ!」 ぐわしっ、と。 跳ね上がってきた球磨に押し返されて、逆に寝床にのされる。 そうして今度は球磨が上になって、俺の動きを封じ押さえつけてしまった。 形勢逆転、というワケらしい。 「ふしゅーっ……提督、おまえ、うまそうだクマー……」 そんなことを言いながら球磨が俺の体の上を、獲物の弱い部分を探し当てるみたいに、ふんふん、ふんふん、と嗅ぎ回る。 正直ちょっと冗談に聞こえない。 そのうち球磨の鼻がぴたりと、俺の首筋の上で止まった。 次の瞬間、狙い定めたようにその箇所が、ぴしゃ、ちゅるる、と水音を立てるようにして吸われる。 「うあ、あぁっ……球磨っ……!!」 首という生命につながる器官の周りを吸われると、くすぐったくって仕方がなかった。 きっと生命の危険を知らせる信号の一番弱いようなのがほとばしって、体を疼かせるからだろう。 その信号は下半身にも届くのか、俺の腰の奥にも小さな快楽の電流が、連動したように流れる。 「ぷはぁっ……提督の体、まだ熱いクマ。熱が残ってる感じがするクマー」 首筋に口づけたまま、球磨の手が俺の肩、胸骨、腹、脇の下と、遠慮なくするすると這い回る。 こんな硬いだけの身体のどこが面白いのだろう。いい匂いもしないし。 けれどどうやら球磨は、その雄臭さとでも言うべきものに興奮を覚えているらしい。 撫でまわすうちに淫靡さを増す球磨の手つきに、こちらまでつられて、昂ぶらされる。 「はぁーっ……すごく、熱いクマー……」 腰骨に頬ずりするようにしながら、球磨の手も熱を求めてそろそろと下へ降っていく。 まだ脱がされていない下半身の中心で屹立しているモノも、期待に身を震わせてしまう。 「クマ~……いちばん熱いのは、ここかクマー?」 しゅるっと。履いたままだったズボンと下着を一気に下ろされる。熱の中心が外気にさらされた。 そしてソレが下着から顔を出したかと思う間もなく、球磨が顔を近づけ、鼻をよせてくる。 そのまま球磨が、ふんふん、ふんふん、と鼻をひくつかせた。 「あ、あぁっ……!! 球磨ぁっ……」 球磨の発情したような熱い吐息と、ときどき当たる鼻の感触。 溜まっていたばかりでなく、外の空気に触れるのすら久方ぶりのソレには、もどかしいぐらいの、繊細すぎる刺激だった。 「ふふ~……はちきれそうで、雄の匂いがいっぱいしてるクマー」 そう言って一度舌なめずりをしたかと思うと。 ちろちろ、ちろちろと踊る球磨の舌先が竿全体を舐め回し始めた。 「ああぁぁぁ……っっ!!! く、球磨っ……! は、あぁっ……!!」 根本の茂みの生えてる辺りから、裏筋、敏感なカリの周り、そして先端の割れ目まで。 汚れを気にもせず、それどころか、より興奮しているかのように。 一週間分の垢をこそげ取ってくれるかのように、球磨の舌が俺のモノの上を這い回る。 獣が毛繕いをするみたいな、そんなさりげない動きなのに、俺は幾度となく腰を浮かせてしまう。 「仕上げだクマ」と球磨が、ついばむようにちゅう、ちゅっ、とそこかしこにキスを残していった後は、 ソレはもうてらてらと濡れて、先端から先走りすら溢れさせていた。 「ん……もっと、提督と全身で、くっつきたいクマー」 そう言いながら球磨が、俺の上に乗ったまま器用にキュロットパンツと下着を脱ぐ。 球磨に腰から下を押さえられている俺は、その動作にただ見とれるだけだ。 今までキュロットの奥に隠されていた場所には、わずかに茂みに覆われた、控えめな割れ目が現れていた。 そうして球磨が俺と球磨の付けていた最後の布を取り払ってしまうと、二人とも本当のむき出しの姿になる。 間に何も挟まるものはなかった。 「このカッコで、くっついてみるクマ?」 「え? ……あ、ああ、そうしよう」 そう言うが早いか球磨が両手を広げてぎゅーっと抱きついてくる。俺も両手を広げて受け止めてやる。 球磨のすべすべした頬と俺のヒゲでちりちりした頬。 ふっくらした胸と硬い胸。ふっくらした腰と硬い腰。 両者はぜんぜん違うもののはずなのに、何故だかぴとっ、と、一つにくっつくようだった。 こっちが呼吸するたびに球磨もそれに合わせて呼吸し、だんだん同じリズムで呼吸するようになる。 そうすると、本当にまるで二人が一つの生き物みたいだ。 境目のない世界で、球磨をぎゅーっと抱いてぎゅーっと抱かれて、ハチミツのようにとろり溶けて一つの体になる。そんな錯覚すら覚えた。 「……提督の、さっきよりすごい勢いで、球磨を突っついてるクマー」 「……うん」 そんな心地よさの中でも、やっぱりこの熱をもったモノの疼きだけは、どうも無視しようがない。 いまや球磨のぴったりとした割れ目に、直に押しつけられている屹立。 たしかに快感ではあるけれど、何だか同じ場所で足踏みしているだけのような焦燥感がある。 もっとやさしく自分を包んでくれる、ふさわしい入り口があるはずのソコの前で、 おあずけを食らっているのがもどかしくてしょうがないのだ。 「クマァ♥……提督、球磨にもっと、きゅーって、抱いてもらいたいクマ?」 そんな焦れた欲求を抱えているのを見透かすように、球磨が聞いてくる。 「あったかくて、とろとろして、ふわふわした球磨のナカで、きゅぅーっ、て、抱きしめられたいクマ? 提督のも、すっごく球磨の中に入りたがってるクマー」 「ああ……球磨の中に、入りたい」 「ふっふっふ~、よく言えたクマー」 そう言うと俺の体の上で、球磨が少し身を引いて、腰を浮かせて膝立ちになる。 「それじゃ、球磨の方から迎え入れてやるクマー」 くち、と熱に喘いでひくひく震えている先端に、湿りのあるモノが触れた。 「は、あぁっ……!」 そして息をつく暇もないまま。 にゅる、ぬぷ、と、球磨が腰を深く沈めるにつれて、にゅくにゅくと球磨の暖かい蜜壷に入りこんでしまう。 気づいたときにはもう、肉茎全体がとっぷりと湯に浸かったみたいに、心地いい感触で満たされていた。 球磨の言ったとおりにあたたかくて、とろとろしてて、ふわふわしている。 「は、んぅっ……」 「く、球磨、その……大丈夫か?」 「……んっ……心配ご無用クマー、提督のがあったかくて、気持ちいいぐらいクマー」 さっき球磨にうながされるまま、わずかな抵抗をする膜に当たったときも、それをぷつりと破って進んでしまったが、 球磨は少しの痛みの他は、何も苦にしていないらしかった。 「ふふ~、こんな体勢でつながる生き物は、きっとそうそういないクマー」 「まあ、そうだな……」 俺は球磨に上にのしかかられたまま、いわゆる⊥字不利……もとい、騎乗位の体勢で球磨とつながっていた。 こんな風に、雌が上位になって雄を搾りとるなんて交わり方をする動物が他にいたものか、寡聞にして知らない。 「でも、この方が球磨には動きやすいクマー。だから、提督……ふふ、動いて気持ちよくしてやるクマー」 そう宣言すると、球磨は俺の上で動き出す。 暖かい洞の中ぬくぬくしていたモノが、ちゅぷちゅぷ、ぬるぬると上下に激しく擦り上げられる。 ハチミツみたいな時間がとつぜん動き出したかのようだ。 球磨の荒い呼吸と共に、収縮しては痙攣する球磨の内側の秘肉。 それに圧迫され、揉み上げられ、ただ横たわったまま、敏感な部位へ与えられる快感を享受するのは、至上の快楽だった。 球磨が腰を沈め、苦しそうなくらいに俺の剛直をくわえ込み、そしてぬるぬると腰を動かして、 色んな液体に濡れた竿を見せつけるように引き抜き、またくわえ込む。 純粋で、白くてふかふかしてて、女らしさや淫らな部分なんてのが想像もつかない球磨が行う仕草だけに、それがとても淫靡で鮮烈な姿に写る。 「あっっ……く、球磨っ、ちょ、ちょっとタンマ!」 「クマ~? どうしたクマー?」 制止の声をこちらが上げる間にも、にゅくにゅくと腰を振り立てる動きをやめない球磨。 そのたびに生まれる途方もない快感に、下半身からそろそろ危険信号が告げられる。 「そっ……そのっ、このままだと出っ……ヤバいから、一旦、抜いてくれるとっ……!!」 「んー? 提督は、気持ちよくないクマー?」 「いっ、いや、そうじゃなくて……」 しいて言うなら死ぬほど気持ちがいい。 「気持ちいいなら、何もガマンすることなんてないクマー。このまま、んっ、球磨のナカに、出してほしいクマ~」 そう言うが早いか、球磨の腰の動きが、ただの上下運動から、こちらのモノを絞り上げるような動きに変わる。 「…………~~~~!!!!」 きゅう、きゅう、と。脚を閉じるようにして、蜜穴の中もいっしょに締めつけ、くわえ込んだ肉茎を圧迫するような動き。 そして脚を開いたかと思うと、今度はふりふりと、媚びるように腰を横に振ってみせ、中へと振動の快楽を送り込む。 さっきまでの、ただ性急なだけの動きが可愛く思えるほどだ。 同時に、その雄の快楽を誘うような動きの中に、これまでにないくらいに、『女』としての球磨を見出してしまう。 「く、球磨っ……!! もうヤバいっ、出、出るっ……!!!」 「大丈夫クマ、提督……来てほしい、クマー……」 腰を振り立てる球磨に追い詰められ、すべての部位を余すところなく刺激されるような、めくるめく快楽に浸されて。 こらえるために腰を引くことも出来ず、そろそろと登ってくる、じくじくした快感に押したてられるまま。 「~~~~ぁ、ああぁぁ……っっ!!」 やがて止めることの出来ない奔流が先端に登ってくるのを感じると、抵抗する間もなく。 びゅく、びゅく、と、溜まりにたまっていた熱い精を、球磨に捧げるように、内側へと漏らしてしまっていた。 もちろん一週間分の射精は一度の放出では途切れずに、二度、三度と、脈動しながら吐き出される。 そのたびに暴れる肉茎を、球磨の蜜穴がやさしくあやすみたいに抱きとめてくれるようで、 その心地よさにまた新たな快感を呼び起こされてしまう。 結局俺の分身は、長く尾を引く快楽の証を、ぴゅーっ、ぴゅっ、と球磨の中に噴き出させた後、 ようやく降参したようにくったりとなったのである。 「んっ……提督、気持ちよかったクマー? 球磨の中に、たくさん出てるクマー」 内側に射精されたばかりの自分の下腹部を撫でながら、球磨がそんなことを言う。 こうして尽くすのが何より嬉しいとでも言うような、慈しむようなその表情。 けれどその顔を見るたび、やっぱりそんな球磨の優しさにすがってばかりではいけないという気持ちが、心の奥で湧き起こる。 欲求を解放してひとここちついたせいか。また、球磨に対してすまないと思った。 「球磨……その……ごめん」 「なっ、なんで謝るクマー?」 「その、ホントは出す前に引き抜くなり何なり、しようと思ってたんだが……」 「……て、提督は、球磨との間に子供、作りたくないクマァ!??」 「……な、ええぇっ!!?」 絶句する。 いや、こんな風になる前は、そもそも球磨が子供の作り方を知っているとすら想像しなかった俺も悪いが……。 球磨が、俺との間に子供を、欲しがっている!? 「く、球磨は欲しいのか、子供……?」 「と、当然だクマっ!! 好きな相手といっしょに、子供作って、産みたいって思うのは、あ、当たり前の気持ちだクマー!!」 俺の上に覆いかぶさったまま抗弁する球磨の目は、真剣そのものだった。 「そっ、それに……」 球磨が俺の胸に顔をうずめながら、続ける。 「……たしかに球磨たちはこうして、深海の敵に負けてしまったクマー……けど、子供を作って、 その子供たちが戦いの記憶を受け継いで、新しい世界や、新しい戦いのための礎にするんなら、負け戦も、ちっともムダではないクマー」 「球磨…………」 ふたたび俺は言葉も紡げなくなる。 理解できないのではない。むしろ、ああそうか、平静感じていた球磨の強さは、ここにあったのかと実感したからだ。 俺が再戦のために奮起するでもなく、敗北を受け入れて生き方を考えるでもなく、ただのろのろと。 漫然とした自罰感に引きずられ、何かを生み出すことも出来ず、ただ球磨との安楽な生活を引き延ばしていた間に。 球磨はこんなにも希望にあふれた未来を思い描いていたのだ。 それでいて俺を無理に付き合わせようとせずに、ハチミツを媚薬代わりに盛ったり、 添い寝をしてくれたりして、事が自然に進むようお膳立てしてくれたのだろう。 体を重ねながら、俺との子供を産む未来に思いを馳せていただろう球磨に対して、俺は快楽を求めていただけだったなんて。 「……そうだよな、球磨。気持ちいいだけじゃ、ないもんな」 「く、クマっ?」 俺が身を起こすと、球磨がびっくりしたように身をすくめる。 「ずっと、考えてた。こんなに俺に尽くしてくれるお前自身は、何か望むものはないのかって。俺は何かしてやれないのかって」 球磨が驚いている隙に、そっとその顎に手を添えた。 「子供、作るぞ球磨。何人でも」 「あ、提督……」 ゆるやかに開いている球磨の唇に口づける。 やっぱりさっきの口移しの甘さは、ハチミツのせいだけではないらしい。 球磨が、んっ、と鼻にかかったような切ない声を漏らし、体がちょっと弛緩する。 その瞬間を見逃さず、腰をバネに力をこめて、体を倒す。 そうして俺は、球磨をふたたび押し倒す格好になった。 「て、提督……やっぱり、この体勢が好きクマー?」 「なに、お前にしてもらってばっかりじゃ、男としてアレだからな」 押し倒されると弱いのか、ちょっと身を縮こまらせる球磨。 その胸の上で、同じくふるふる揺れてるモノを掴み、やさしくマッサージするように揉みしだいてやる。 「あ、く……クマァっ!」 さっきの騎乗位の間中もずうっと、ぶるんぶるんと自己主張していた胸に、 ふかふかと指を沈め、こねるように揉む。コリをほぐすような感じだ。 やがて中心で、ピンク色の乳首がぷっくりと立ちふくらむ。何となく白米にちょんと乗った鮭の切り身みたいで、可愛らしい。 球磨の反応を楽しみつつ、ソレを口にふくみ、吸い上げてやる。 「ふぁ、はあぁぁっ……!! だ、だめクマァっっ!!」 ピンと勃ち上がったのを口の中でねぶり、転がすたびに、球磨がそんな嬌声と呼ぶにはあまりに可愛らしい声を上げる。 「こ、これは子供が出来たときにすることクマァ……子作りには、ぁんっ、関係ないクマァっ……!」 「いいや、関係あるぞ球磨。お前も一緒に気持ちよくなった方が、子供を作るにはいいんだ」 「え、えぇっ……!?」 それを証明するように俺は、二本の指をそっと、球磨の湿りの中に浸す。 そうして次第に指の動きを激しく、壷の中の蜜を探るように、わざとくちゅくちゅ、と音を立ててやる。 「はあぁ、ああぁッ……~~~んんっ……!!」 「ほら球磨、この中、球磨が濡らしてビショビショにしてるけど、俺が放ったモノはだいぶ、こぼれ落ちちゃってるだろう?」 「……!? あ、あぁっ~~!? ほ、ほんとだクマ~っ……!!」 その言葉に思わず自身の足の間に目をやった球磨が、驚きの声を上げる。 さっき俺があふれるほど放った精液が、割れ目の外へとかなり滴り落ちてしまっているのだ。 雌が騎乗位で雄から搾りとってしまっても、そのあと跨がったままの姿勢でいれば、重力に従って子種はこぼれ落ちる。自然の摂理だった。 「……その、俺を気持ちよくさせようとしてくれて、ありがとうな、球磨。だけどやっぱり、俺がちゃんと自分で動かなきゃダメだ。 球磨にしてもらうんじゃなくて、俺が動いて、球磨が身を起こせなくなるまで気持ちよくしてやんなきゃ」 「提督が、球磨を……」 「ああ。だから球磨、体を楽にしろ。あんまり、恥ずかしがるな」 「ク、クマぁ…………っ」 球磨は最初、女の子らしいためらいと恥じらいを見せつつも、次第に俺にゆだねるように、体の力を抜く。 それを確認すると、俺はゆっくり球磨の体に覆いかぶさり、曲線を愛でるように、 球磨の乳房や、腰や、球磨の体に官能をもたらすだろう場所を撫でさする。 そうして球磨が、安心したような、深い息で呼吸するようになったのを確かめると。 「……じゃ、もう一度、挿れるぞ」 「ん……クマァ♥……っ」 声をかけて安心させる。そして俺の肉茎の前にさらけ出されている球磨の秘肉の中へ、にゅくく、と、かき分けるように差し挿れた。 「……ん、あ、ああぁぁッ……!!」 自分から快楽を貪るため動かすのと、待ち焦がれた快楽が入ってくるのでは、やはり違うものなのか、 球磨が騎乗位のときは上げなかった甲高い声を放つ。 「あ、提督にっ……してもらう、のっ……ふぅっ、す、すごいクマっ……あぁッ!!」 にゅぷにゅぷと、球磨の予想もしない角度で突き入れてやったり、 膣壁を擦る竿の動きに合わせて乳首にも刺激を与えてやったりすると、涙を流して吐息を漏らす球磨。 そんな球磨のむき出しの反応が、俺も嬉しかった。 俺自身も、さっき球磨に跨がられていた時より快感が劣るなどということはない。 むしろ一突きごとに昂ぶりを見せる球磨の愛らしさに、ぞくぞくと、背中から腰まで快感の電流が流れる。反作用のように。 「んうぅっ……てっ、提督ぅっ……く、球磨がちゃんと気持ちよくなったら……あぁっ、子供、ほんとうにっ、出来やすくなるクマァ……っ!?」 「俺もよくはその、知らない……けど、自然な営みなんだから、これでいいんだ、球磨っ…… 二人とも気持ちよくなれるやり方が、自然で、正解なはずだ」 少なくとも球磨の体の反応は、きっとこれだけでも子供を作るには十分だろうと思うくらい、熱心で意欲的だ。 どんなに激しく抜き挿ししても、決して子種を生むソレを離しはしないという風に、肉茎に吸いつき、からみついてくる秘肉。 射精を待ち焦がれ、あるいは煽り立てるように、とろりと愛液をまとった粘膜でつつみこみ、くにゅくにゅと収縮する内壁。 それらの動作をどれだけ球磨が自身の意思で行っているかはわからなかったが、とにかく刺激が繰り返されるたびに、 射精という見えつつある頂点へ向かって、一段一段確実に、登り詰めさせられていく。 「はッ、ああぁぁぁっっ……!! 提督、提督ぅっ……!! なんか……なんかっ……きちゃうクマァっ……!!!」 一方逆を言えば、そんな不随意の運動を繰り返す球磨の体も、限界が近いということなのだろう。 いまや球磨は、俺の手が触れるすべての箇所にこらえがたい快楽を感じるのか、 そのたびにお腹を押すと鳴き出す人形みたいに、切ない吐息まじりの声を上げている。 球磨の反応が俺を昂ぶらせ、昂ぶった俺の動きが、また球磨から好い反応を引き出す。 まったく自然はなんて生き物に都合よく出来ているのだろう。 「いいんだ球磨っ……気にせず受け止めろ、それが、気持ちいいって、ことなんだからっ……!」 「く、んうぅっ……!! 提督は……提督も、気持ちがいいクマァ……っ!?」 「ああっ、すごく、いい……! でも、もうそろそろ……っ!!」 俺が最後のスパートに腰の動きを一段と早めると、球磨もそれに気づいた様子を見せる。 「ひ、ぁああっ……!! 提督っ……! 提督の子種っ、いっぱい、んうっ、球磨の中に……ほしいクマァっ……!! 球磨に子供、作らせてほしいクマっ、あ、ああぁ……っっ!!」 「わかってる、球磨っ……! たくさん作るぞ……っ!! 俺の、俺の子供を生んでくれ、球磨ッ……!!」 「クマぁぁっ……あ、や、ぁん……んっ~~~ぁぁあああっっ!!!!」 球磨がひときわ大きな声を出したかと思うと、背中を反らせて全身を大きく震わせた。 同時にきゅうっと締め付けを強くする蜜壷と、タガが外れたような球磨の乱れっぷりに、俺も完全に余裕を失う。 数回、きつく締め上げる球磨のナカに突き入れた後、最も深くに至った瞬間に、痺れるような快感が腰に走り、とうとう限界を迎えた。 どぷどぷと、球磨の最奥へと思う存分、精を叩きつける。それを待ち望んでいたかのように、球磨の内壁も合わせて動く。 蠕動する蜜壷にきゅうきゅうと揉みしだかれながら、最後の一滴まで搾りとられ球磨に捧げる快楽を俺は味わった。 *** 恍惚をしばし味わいながら、球磨の上に折り重なるように倒れ込む。 隣に横たわる球磨も、深い快楽を感じているような蕩けた顔をしている。 見つめると少し照れたように笑った。 「ふぅ、んっ……提督の、あったかいのが、今度こそじんわりお腹の中に、広がってるクマァ……」 そう言う球磨の様子は、本当にお腹に子供を抱えた生き物のように、おごそかで安らかだ。 引き抜いた後の縦筋からは、わずかに白い液が滴っている。 まるでほつれた縫い目から綿いっぱいの愛を溢れさせるぬいぐるみだった。 まあこうして激しい動きもしなければ、俺の出したモノも無駄になることはないだろうからいいか、なんて思った瞬間。 「ふっふっふ~。提督も、がんばったクマァ、えらかったクマー。クマクマァ♥」 などと連呼されつつ、頭を胸のところに抱かれ、撫でられてしまう。 ……やっぱり球磨は元気である。 俺のしたことと言えば、ほとんど気持ちよさに任せて腰を振ったことにすぎないと思うのだが、 何だかそんな風に球磨にほめられると、自分でも本当に、何かを成し遂げたような気さえした。 そして二回続けて果てたことの疲れもあってか、なんとなく球磨に抱かれるこの体勢に落ち着いてしまう。 「なぁ、球磨」 「クマクマ?」 「その、なんだ……こうしてつがいになったからにはさ、俺も男として頑張るよ。 お前の夫の役目も果たすし、子供が生まれてきたら、ちゃんとした親になる覚悟がある……だから、その……」 両手で球磨の背中をぎゅっと抱き、球磨に身を寄せる。お気に入りのぬいぐるみを抱く子供のように。 球磨の頭と胸の間。球磨の吐息を頭の上で、球磨の鼓動を間近で感じられる、安らぎの場所へと顔をうずめてみる。 「あと少しだけ、球磨に甘えさせてくれ」 「ふふふ~ん。お安い御用クマー」 そう言って球磨が、二人の体がぴったり一つにくっつくぐらいに、強い力で抱き寄せてくれる。 こうすれば二人の体温の間にはすきま風すら通ることなく、やがて寝床の中はぬくぬくした熱で満たされるだろう。 二人の巣になったこの穴蔵の外では、雨がしとしと降っている気配がした。 その他には、球磨と俺の吐息、球磨と俺の心音だけ。あとは、何の音もない。 もしかしたら球磨と俺、二人の他は、誰ももう世界には残っていないような気さえした。 けれどそんな二人の間にも、いつか新しい生命の灯火が宿るのであり。 そして何より。俺は。 「……クマ~……クマ~……」 スピースピー、と。 いつの間にか眠りについた球磨の吐息と鼓動と体温を間近に感じつつ。 たとえこれが世界の終わりでも、球磨の腕の中に抱かれながら、俺は今例えようのないぐらい幸せなのだった。 (了) +後書き 78 :3-91:2014/04/22(火) 01 41 53.94 ID wHbOr9s/ 「球磨のセリフからクマの語尾を取るとすごくカッコいい」との話を聞いて以来、自分の中ではすっかり 『球磨=お姉ちゃん=甘えさせてくれそう』のイメージです。もちろん愛玩動物なクマーも好きだけど。モコモコボンボン! イベントで資源がボロボロになってしまったらぜひ艦娘にたっぷり甘やかされたいものです ちなみにこの話の後は、世界中で人類と艦娘のハーフが生まれて深海棲艦と対話が可能になり滅茶苦茶和解した とかそんなご都合主義ハッピーエンド では長文失礼しました
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提督×北上3-267の北上視点。作者は違う方です。 提督と付き合うことになってから1ヶ月だけど、一向に進展はない。 大井っちはなんとか説得できたけど、一部の娘からはちょっと嫌われちゃったかな。 ああ見えて提督は割と人気者だから仕方ないね。 付き合い始めたきっかけがきっかけだったから、提督とはいつの間にか普段の日常に戻ってしまっている。 あの時はこう見えて、結構緊張したんだけどなー… …そこで、あたしはある作戦に出た。 ガチャ 「おかえりー」 「おー、ただいまー」 提督の私室をたまり場にするのだ。名づけて「提督と一緒にいれば好感度だって上がるよね」作戦。 我ながら安直だけど、これぐらいしか思いつかなかったのよね、実際。 最初にやったときは正直ちょっと不安だった。 「何してんの」 「こっちの部屋の方がくつろげるし」 「あんまりそういうの良くないんじゃね?」 「いーじゃん付き合ってるんだし」 仮にも上官の私室に勝手に入ってるんだし、追い出されたり、引かれたりしないかな…とも思ってたけど 案外あっさりと提督は受け入れてくれた。…面倒なだけだったのかもしれないけどね。 「そういや雑誌届いてなかったか?」 「あーこれ?」 「それそれ、って人の荷物を勝手に開けるな。しかも読むな」 「まーまー気にしない気にしない、っていうか提督もこういうの読むんだねぇ」 「いや、どういうのだよ」 「『闇に隠された悲劇 艦娘へのセクハラ疑惑を追う!』」 「俺が読んでるのは連載されてる漫画だ」 「ああ、この『ファム痛クリアコミック GUNこれ』って奴?」 「そうそれ」 提督が定期購読しているというこれは、内容はよくあるいわゆるゴシップ誌。あたしはこういうの結構好き。 提督はオマケで連載されている漫画が目当てで買ってるらしいけど、あたしはそっちは正直良くわかんない。 「というわけだからそれをよこせ」 座椅子にどっかと座った提督が手を差し出してくる。 「えー、あたしも今読みはじめたばっかなんだけど」 「そもそも俺が買った雑誌じゃないか」 「ん~、じゃあ一緒に読む?」 「まぁそれでもいいけど」 …これは、ひょっとしてチャンス?なけなしの勇気を振り絞ってみてもいいかも知んない。 「ほい」 ポフッ 「んじゃ読みますかー」 わわっ…提督と密着してる… 「おい、人を座椅子替わりにするな」 「仕方ないじゃん、座椅子それ一つしかないんだし」 何の気なしにしたふりをして、あたしは雑誌を開く。良かった、拒絶されなくて。 「おおっ、なんかわけわからない理由で争いが始まったんだけど?」 「一応史実ネタが入ってるらしいからそれなんだろ、詳しくは知らん」 背中が暖かくて、実は内容は半分も入ってきてない。 「じゃあ目当ては読み終わったからどいていいぞ」 「えー、こっちのほうが本読むのに楽なんだけど」 「ふてぶてしいなおい」 …やっぱりあたしってば意識されてない?まあ、あたしだから仕方ないよねー… 「まーまー、読み終わったらどくからさ」 「まぁたまには他の記事も読んでみるか……」 でも幸いにというか、嫌がられてもないっぽい。これでうざいとか言われてたら立ち直れなかったかも。 「ん、どうかした?」 「いや、なんでもない」 いつの間にかゴシップ記事の内容に気を取られていたあたしは、提督の様子がちょっとおかしいことに気づいた。 …あれ、これはひょっとしたらひょっとするかも…? そうして次のページを開くと、丁度よく刺激的な記事が目に飛び込んできた。 『闇に隠された悲劇 艦娘へのセクハラ疑惑を追う!』 記事の内容はとある鎮守府で一際激しいセクハラを受けたという 匿名M型駆逐艦2番艦Kさんという艦娘へのインタビューだった。 ───ではKさん、普段の言動を曲解した提督が激しいセクハラを行ってきたと? K「はい『ああ、お前の言うとおり俺は好きモノだぞ? へっへっへ……いつでもいいんだろう?』 なんて言いながら毎日のように執務室で体中をまさぐられていました……」 ───執務室でですか!? 職場で取る行為とはとても思えませんね K「はい、でもそれだけじゃなくてドックでお休みしようとするとベッドの中に侵入してきたり」 ───公僕であるというのにそのような振る舞い、それ以前に人として言語道断ですね 具体的にはどのような行いを? K「はい、背後から太い魚雷(意味深)をグリグリ押し付けながら 逃げられないように押さえつけられて執拗にお尻を撫でながらそのまま指をずらして私の恥ずかしいところを(以下略)」 …わっわっわっ。 あたしが腰掛けてた、ちょうど提督のその…アソコのあたりで、なんか動いてる。 これって、これって、あれだよね? 「提督ー……」 「……うん、言いたいことはわかる。すまん」 更に大胆に突っ込んでみる。 「提督ってもしかして欲求不満だった?」 「まぁ……最近は少し」 数秒間お互いに沈黙。 うわぁ…提督もあたしを女の子として見ててくれてたんだ… これは、もしかして行けるんじゃない? 「あー……うん、あれだ。抱き枕のマネくらいならしてもいいよ」 何でもない風を装って言ってみると、腰に手を回して少し強めに抱き寄せられた。うわっ、うわぁー… と同時に、提督のあの部分があたしのアソコをすーっと撫でていく。 ちょっとだけ体がビクっとはねた。 「……北上?」 やばい。多分あたし、今顔真っ赤だ。 「北上」 「な、なにさ。ていと───ンっ」 呼ぶ声に思わず振り向いたあたしの唇に、提督の唇が突然重ねられた。 びっくりし過ぎて体が固まっちゃったけど、提督が優しく撫でてくれたおかげでだんだん気持ちが落ち着いてくる。 どれだけキスしてたかわかんない。ようやく解放されたので、形だけの文句を言ってみる。 「提督ー……いきなりするとかちょっとずるいよ?」 「悪い、やたら可愛かったから」 かっ、かわっ…!?予想外の台詞に激しく動揺するあたし。 「いや……あたしはその、可愛いとかいうガラじゃ……いや、嬉しいけどさ」 「嫌だったか?」 んなわけ無いじゃんもー。 「いや……あ、そう言う意味じゃなくてその……嫌じゃなかったけどさ、ただ」 「ただ?」 「この態勢だと首が痛い」 「じゃ正面向くか?」 「……ん」 提督の腕の中で体の向きを変えて、提督にまたがって抱きつく格好になる。 その上、腰に手を回されて抱きしめられた。ヤバイ。これやばい。 「なぁ」 「ん?」 「続きがしたいって言ったら怒るか?」 き、来た。 「……別にいいよ……嫌じゃないし」 「そっか」 もう一度唇を塞がれ、それどころかゆっくりと舌まで入ってくるやばい。 あたしもしてあげなくちゃ、と慣れないながらも舌を絡めてると、頭の中がぼーっとしてくる。 「ん……ちゅっ……レロッ……ちゅぱ……」 ひゃー…提督の手、どんどん下に降りてきてる…あたしのお尻、触ってる…。 「っ」 お尻を撫で回していた手を止まり、て、提督の、指が、あたしのアソコ、触ってるよぉ~っ。 いつの間にかちょっと濡れてたこともバレちゃうかもしんない。 しばらくは提督はあたしの下着の上からなぞってるだけだった。つ、次は何されるんだろう…? と、いきなり下着をずらされて、今度は、直接…! 「ッ────!!」 その瞬間、たまらず体が仰け反る。 提督はそれにも構わず、クチュクチュとあたしのアソコを弄っている。 羞恥と興奮と気持よさで、あたしは為されるがまま、提督に抱きついていることしかできなかった。 「ぁっ……くぁ……っふぁ……んんっ……!」 やばい。あたしの口から、あたしじゃないみたいなエロい声が出てる。 提督の指の侵略はそれだけにとどまらず、ついにあたしの一番敏感な場所に迫ってくる。 「て……とく……そこ……ダ、ダメだっ……あうっ!!」 当然とばかりに指は止まらず、あたしのクリトリスをいじめ続ける。 ぬるぬるになったソコが指で挟まれた瞬間、あたしの頭の奥でスパークがバチバチと弾ける。 絶頂を味わって、あたしの体はくたりと崩れ落ちた。 「……あー、死ぬかと思った」 「悪い、やりすぎた気がしなくもない」 「ホントだよ……って、わっ」 いつの間にか、提督のソコはものすごく膨らんでいた。 「えーと、とりあえずどうすればいいのかな」 「よければ手でして欲しいなー、とか」 ほほー…手で、ねぇ… 「うー、仕方ないなー。まぁさっきの仕返しもしたいし」 あたしだけ恥ずかしい思いをするのはずるい。多少手こずったが口を開けて取り出すことに成功する。 ブルンッ! 「うわ、グロッ!」 思わず言ってしまった。 「グロいとか言うな、一般的にはこういう形のはずだ」 一般的とか言われても、グロいものはグロい。けど、ちょっと傷つけちゃったかなぁ? 「んで、コレどうすればいいの?」 「いや、つつくな。あれだ、手で握ってしごいてくれ」 「こんな感じ?」 ヌチャッという音ととも提督のお…おちんちんを掴む。うわぁ…なんかヌルヌルしてる。 「なんかヌルヌルするんだけど」 「そういうもんだ、男も女も同じだろ」 そう言ってあたしのアソコをいじってた手を見せてくる。そこにも同じようにベッタリとあたしの… ギュッ! 「イテッ! そんなに力入れるな、痛いだろ」 思わず手に力が入ってしまった。ちょっと気の毒な気もするが、あんな恥ずかしい思いをさせたんだからいい気味だ。 「じゃあ、仕返しとは言われたが黙ってやられるのもアレだから勝負な」 「ヘっ? 勝負って……っ!!」 いつの間にかあたしのアソコに伸ばされていた提督の指が、ツプッ……という音ともにあたしのナカに入ってきて、そのままナカをいじり回す 「ッ!……先にイッった方の負けな」 何その勝負…わけ…分かんない… でも、勝負ということは、あたしだってシてあげられるということ。 さっき言われたように、必死に提督のおちんちんをしごく。 うん、提督の息も荒くなってきてる。多分…これで合ってる。 と、うわ、わっ…突然もう一本の指があたしのナカに入ってきた。 時々ナカの天井がグリッとされるだけで、腰が浮きそうになる。 あたしを気持ちよくさせようって気持ちが指や息遣いから伝わってきて、 それが嬉しくって、あたしも提督のおちんちんを気持よくさせてあげようと必死に手を動かした。 「……で、出る…!!」 「……くぅっ───!!」 提督の指がキモチイイところを何度目か叩いた瞬間、あたしは耐え切れなくなって達してしまった。 同時に、提督のおちんちんからも白いドロッとした液体―多分、精子―が噴きだした。 お互いそのままの姿勢で、しばらく余韻を楽しむ。 「う~ドロドロする~」 「そういうものなんだから仕方ないだろ」 おかげで手が汚れちゃったけど、提督のだと思うとフシギとそんなに嫌じゃない。あたしってばちょっと変態チック? …で、次は、いよいよ…アレだよね。 「どうした?」 「いや……その」 あれ…しないの? 「最後まで……しないのかなーって」 こんなこと女の子に言わすなってー… 「や……北上が嫌じゃなければしたいかなー……と」 ここまでやっといて何言ってるのさ、したいに決まってるじゃん…とはさすがに言えない。 「ま、まぁあたしも提督が嫌じゃなければいいんだけどさー……」 「それはない」 いきなり抱きしめられる。そういうの、卑怯。 「わっ! ちょ! 提督、今汚いって!」 あたしのアソコ、ドロドロなのに提督のズボン、汚しちゃう… 「あぁ、明日洗濯に出すから大丈夫」 「そういうもん?」 「そういうもん」 いつの間にか、小さくなっていた提督のおちんちんは復活していた。 提督の上に座ると、それがあたしの…アソコに当って…うう、エロいなあ… 「んっ……」 「とりあえずできるだけ力を抜け、こっちもなるべくゆっくりするから」 「うん」 今までで一番緊張してるのにそんなこと言われても無理… でも、今更止めるなんて絶対ヤダ。意を決して、提督のおちんちんを受け入れていく。 「っく……っつう……!」 噂には聞いていたが、かなり辛い。あんなのがあたしのアソコに入っていってるんだから当然だけど。 「はぁっ……はぁっ……」 痛みに耐えていると、提督があたしのちょっと露出度高めな上着をまくり上げた。 「わっ!?」 そのまま手があたしの胸を撫で、もう片方の乳首がちゅっちゅっと吸われる。 いきなりでちょっとびっくりしたけど、これは…うん、これはなんて言うかくすぐったいというか…悪くない。 時々歯で優しく挟まれて舌でちろちろってされると、思わず反応してしまう。 更に提督の空いてる方の手があたしのアソコに伸びて、敏感な場所をクリクリと弄られる。 「ん……ぁっ……! はい…って……くるっ……!」 それに合わせておちんちんが少しずつ入ってくる。さっきよりは…ちょっと楽になってる? やがて、ちょっと引っかかってた感触(多分…アレだ)が無くなって、ついにおちんちんがあたしの一番奥まで入ってしまった。 「最後まで入ったぞ……」 「う…ん……す…ごい熱い……」 そう、痛いというか、熱いって感じ。提督のを全部受け入れられたことにホッとしていると、提督がぎゅっと抱き止めてくれた。嬉しい。 「少し……楽になってきた」 「じゃあ、ゆっくり動かすぞ」 「うん」 あたしの腰が持ち上げられ、ナカのおちんちんもズルリと抜かれていく。 腰が沈められ、おちんちんがまた入ってくる。 多分、それが気持ちいいんだろう。あたしが痛くても、提督がこんなに必死になって気持ちよくなってくれるなら、悪い気はしない。 それに、何回も繰り返されるうちに、あたしもちょっとずつ楽になってきた。 「提……督……」 「……なんだ?」 「結構……良くなって……きたかも」 提督には遠慮してほしくない。強がり半分で言ってみたけど、大丈夫かなあ? 「くぅっ……!」 あたしの言葉で、おちんちんが少し乱暴に入ってくるけど、思ったほどの痛みはない。あれ、本当に慣れてきた? 「これなら……いけるかな」 既にあたしの腰を持ち上げるのではなく、提督が自分で腰を動かしてる。 時々おちんちんがあたしの奥を叩くたび、あたしは提督に抱きついてしまう。そうすると、提督も抱きしめ返してくれる。 それがすごく嬉しくて、頭の中がふわふわする。痛みは、いつの間にかなくなっていた。 「クッ! イクぞ北上!!」 「あ…たしも……も……無理っ!!」 ふわふわはどんどん大きくなって、ついに弾けてしまう。 それと同時に提督のおちんちんがナカでビクビク震えて、あったかい感触がナカに広がっていく。アレがあたしの中に…出されてる。 それがなぜか無性に嬉しくって、あたしはずっと提督を抱きしめていた。 いつまでそうしてただろう。 「はぁ……疲れた」 「大丈夫だったか?」 「ま、まぁ最後の方はだいぶ大丈夫だったよ」 「そうか……ところで……」 あたしの中で、再びムクムクと大きくなる提督のおちんちん。 「……マジで?」 「スマン」 「はー……仕方ないなー」 そう言いつつも、あたしはちょっと楽しんでいた。 ────翌朝 「あー提督おはよー」 「あぁ、おはよう」 「あのさー」 「だいたい言いたいことはわかってる」 「盛りすぎ」 「ごめん」 結局あのあともう一回に後ろから一回(超恥ずかしかった)、その上あたしのアソコにこすりつけてもう一回していた。 夢中になってくれるのは嬉しいんだけど、さすがにちょっときつい。体力的な意味で。 「割とかなり腰がだるいんだけど」 「うん、悪かった」 そのせいで、体中いろんな汁でベトベトだ。 「とりあえず汗流したいんだけど」 「……部屋に備え付けの浴槽があって良かった」 「提督ー」 「いや、ほんとごめん」 結局サカッた提督のせいで2回戦突入、あたしの腰はガクガクになっていた。 やばい、もう朝食の時間だ。 「まー仕方ないか、んじゃ連れてってよ」 「……まぁそうなるよな」 甘えてみるとあっさり抱き上げられた。うん…これは結構…いい。 提督に抱っこされたまま食堂についた瞬間、無数の視線があたしたちに突き刺さる。まあそうだよねー… 提督があたしの席まで運んでくれたけど、向かいの大井っちが何かすごい睨んでる。あえて見なかったことにする。 「やー助かったよー」 「いやーどういたしまして」 うまく笑えてるんだろうか、すごい不安だ。 「ねぇ北上さん」 「んーどうしたの?」 「なんでまた朝からこんな派手な登場するハメになったのかしら?」 き、来た。仕方なく、さっきから考えていた言い訳をひねり出す。 「あー寝坊して慌てて走ってたら提督に激突して足捻っちゃってさー それでお詫び兼ねて運んでもらったんだよ」 く、苦しいかな―? 「(笑)あら、でもあたしが北上さん迎えに行ったら部屋にいなかったんだけど」 「あーだって提督の部屋で寝ちゃったからさー」 ザワ…ザワ… つい正直に答えてしまったが、よく考えなくても結構ヤバイ。空気ヤバイ。 しかし、突如あたしの脳裏に閃いたものがあった。 「提督の部屋にあった『GUNこれ』って漫画が面白くてさー。 部屋で読んでたらそのまま寝ちった」 「起こすの悪いと思ってそのままにして悪かった」 ナイスフォロー! 辻褄合ってる…よね? 「まぁ……とりあえずそういうことにしておいてあげますね提督?(笑)」 「お、おう」 ふぅー…さしあたって(提督の)命の危機は去ったようだ。(提督の)命があるって素晴らしい。 「提督ー『今度から』はちゃんと考えてねー」 「わかってる『今度から』はちゃんと考えてする」 まだ提督としたいことは、たくさんあるからね! おわり