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/ ,-' , / /,,ヽ /,,ヤ | ヽ \ i ヽ ,/ / / / / "'" ヤ i ヽ ヽ ノ/,) / /, / ./ / , ヤ | ヘ ヘlllllllll'-、 //./// / / ./ 、 j ヤ |∨ i, ヽ .∨lllllllllllllllllllliii;;;、 〃-'//i ./ ,7 /-ヘ,、 ヽ / /,,ヤ |'゙∨ i, ヤヘ ∨lllllllllllllllllllll/ヘ / .y'|i ,/ /|ヽ弋_ノヽ- -〃弋ノ ,∨ .i ハlllヘ.ヤlllllllllllllllllli \ / ...... |/i /ハj/  ̄ ̄  ̄ ヾ ヘ i .|lllll'i,lllllllllllllllll7 ヽ ダイムください! / . ;;、| ./lllllli, i ヘ, i .|llllllllllllllllllllllll7 ,-'"--、 i i | /lllllllllli, ,--、__ ! 人 |i illlllllllllllllllllllll7 / ....... ..,--、 , | ./lllllllllllllヘ |'"ヘ-、ヤ __ ∠ i .!k .jllllllllllllllllllllll7 ,-'゙'''''ー-、 __i, i ),| /,illllllllllllllllli\,|--|__ヤヘ二二= / ,-'lli, | |/lllllllllllllllllllll/ ;,;- / .. ヽ'"iヾi-'" 〃 ; illlllllllllllllllll/ij .i' i ヘ .| イ ,-'llllllll|/llllllllllllllllllllllllll/ / k'===-、 /==i,ヽi ノノ ,-i;;-,llllllllllllll,-',,|'-、| Y i i,-- '" ,,,-'"lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll// -'ヘ,_-‐ 、三ヘ三、三三=、 / .ノ illllllllllll/ i .|___,j i ヤハ__i'llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll/ヘ 二, ' ,-'" ̄''''''==,;ヽ三三i / / illlllllllll-'j=,| .| i, ' illlllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllli , ,;,;,----/ / ,,,___ `゙''ー---、,____illllllll/-/ i`゙'i=| illlllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll,---'"-〃 フ /`゙''ー-、,-、,_ `゙''ー---- ihi'i i i-,| ハllllllllllllllllllllllllllll,---'" ̄__| 〃 i `゙''ー-===、ェェェ, /-|ヽ,,___|-.! 〉-'" ̄ ̄ ̄ i,ヽ ノ ,i;ヤ, i、 ,i u .| |~\, /二二二-----,____ ( '( ),i ( .j .人 ダイムの錬金術師 序盤の小金稼ぎ 序盤で手っ取り早く資源を得るには、ギルドに加入するのが一番良い。 「任務」で“メイン”“エブリー”をこなしていくと、魔晶石・ダイム・蒼水晶・名声が一気に貯まる。 貯まり過ぎて、魔晶石の上限には注意。 また、少額稼ぐ方法として、オークション(競売)を狙う方法がある。 100ダイムで出品されている、オムニ用武器や60Lv装備を100~500ダイムで落札してそれを売却すれば、 差額の1000~1500ダイムぐらい儲かる。 確実性はないし、落札に1日待たないといけないが、インベントリが空いている分入札できるので、 片手間に稼ぐなら効率は悪くないかもしれない。 勿論、即決価格で安くで落とせるなら、それに越したことはない。 ただ、相場は安定してないので、転売で儲けようとするのは難しい。 リアルマネー&リアルラックに自信のある人は、ガチャで○○箱を開けてみるのもいいかもしれない。 もし人気ストライカーのデバイスを引ければ、1m~5m(100万~500万)はかたい。 全くおすすめは出来ないが。
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78 :第三帝国:2016/07/20(水) 23 44 15 艦これ×神崎島ネタSS セリフ集5 「戦艦長門、曲げるぞ!」 戦艦「長門」 宴会芸として三八式野砲の砲身を曲げる(※1) 「再び合えて光栄です、艦長!」 軽巡洋艦「長良」 堀悌吉中将と再会しての第一声。(※2) 「・・・・・・ヲ」 空母ヲ級 コンビニですれ違ったに山下奉文中将と敬礼を交わす。(※3) 「おおぅ・・・」 山下奉文中将。 野砲の砲身を曲げた長門に対する反応。(※4) 「つまり我が海軍は逆に漸減されたのか」 嶋田繁太郎中将。 潜水艦娘主催の勉強会での発言。(※5) 「こ、子供!?」 島田豊作大尉。 島田愛里寿少佐、 と名乗る将校と出会った際の発言。(※6) (※1)当初は駆逐艦娘達の合唱や空母娘の術符による演武と華やかでものであったが、 戦艦「長門」「武蔵」を中心とした一部戦艦娘たちは何を考えたのか力自慢を始め出し、 「戦車のお手玉」やら何やらを見せつけられた山下、堀のSAN値を直葬したのは言うまでもない。 (※2)「嫁いだ娘が久々に父親の元に訪れた」ような「長良」の態度に思わず堀の頬が緩む。 しかし、指に光る指輪の存在と事実上の重婚状態を知った後は即座に最近流行の藁人形を五寸釘を買い求めた。 (※3)ヲ級の姿も「例の帽子を外して極めて色白、金目の少女」の姿であったので、この時は未だ深海棲艦の存在は露 見していなかった。 (※4)この一件で陸軍でも改めて「姿かたちは人間だが人間ではない」という認識を改めることになる。 (※5)アメリカの通商破壊で『タンカー不足で連合艦隊の移動すらままならぬ』という史実に顔を青ざめ、 加えて『漸減するつもりが局地戦と決戦のたびに逆に漸減され続けた』という事実に海軍の潜水艦への認識は一変。 史実では潜水艦への認識が疎かった嶋田これを契機には新しい潜水艦の戦術と運用、建造に精力的に働きかけることになる。 (※6)陸戦隊所属の妖精さんで、ガルパンの島田愛里寿の姿をしている。 九七式軽戦車として採用された神崎島の戦車運用の教育担当者として赴任。 能力はガルパンでも飛び級で大学に入学できたように軍大学レベルの知識を有しており、日本の戦車運用において多大な貢献を果たした。 しかし、後の証言によればただでさえ神崎島の女性軍人との付き合い方に四苦八苦していたのに、 どう見ても子供な彼女の扱いに陸軍三長官レベルの間でもかなり困惑していたことが伺える証言が残されている。 おわり
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艦娘たちの母港の空。 今日も早朝から快晴だった。 港湾のあちこちで金属がぶつかり合う甲高い音が響いている。 工廠では新造艦が建造され、ドックには修理中の艦娘の艤装が痛んだ箇所を切ったり貼ったりくっ付けたり。 それはそれは賑やかに音をたてていた。 沖合では数隻の駆逐艦が波を蹴立てて公試運転しており、防波堤では大勢の艦娘たちが歓声をあげている。 「雪風~」 「頑張れ響ちゃん! 追いつけぇ~」 白波を蹴立てて、細長い艦影が水平線に沿うように伸びていく。 「誰も私には追いつけないよ~」 「うら~」 深海棲艦が出現して約半年が経とうとしていた。 戦時中という非常時に置かれながらも、彼と彼女たちは精一杯の日常を過ごしている。 彼:若くして聯合艦隊の指揮を任された将校は、艦娘から提督(司令官)と呼ばれ親しまれていた。 そして彼も、深海棲艦隊と戦う彼女たち艦娘を時には妹、時には恋人のように愛でながら戦いを重ねていった。 彼の的確な指示と彼女たちの献身的な奮闘により、戦いは連戦連勝。 彼は平和に向かって一歩また一歩と進んでいることを実感しつつ、今日も戦場に彼女たちを送り込む。 ただ、すこしずつ、すこしずつ……心が緩んでいる事には気付かずに―――― 〇七三〇 母港待機中の艦娘たちは司令部横のグラウンドに集められ、作戦や任務が発令された。 まるで女学校の朝礼のように整然と並ぶ艦娘たち。 四角い壇上に彼と秘書の愛宕があがり、その下は並列して第一戦艦隊旗艦長門、第一航空戦隊旗艦赤城以下、各隊旗艦の艦娘が先生よろしく並んでいた。 彼は本日の作戦司令を次々に読み上げていき、愛宕が参加艦娘を発表していく。 「続いて…うん、指令部発令36号命令を伝える。『艦隊を編成し南方海域に哨戒用の水上機基地を建設せよ!』」 参加艦娘が発表される。 「旗艦は、電ちゃ~ん。以下ぁ、千歳~、千代田~、那珂ちゃんでぇす」 「以上4艦は直ちに補給を済ませ、南方海域に向かい出撃すること。出撃予定時刻〇九〇〇、帰還予定時刻一八〇〇、以上。これで本日の発令を終わる。みんな、頑張ってくれ」 その言葉が終わった時、びっくりするくらいの大声を出した娘がいた。 第一戦闘艦部隊旗艦、長門だった。 「提督っ! 南方海域は敵の拠点が近いうえに、偵察もまだ不十分だ。水上機母艦と小型艦だけでは危険すぎる。6隻編成で行くべきだと意見具申する」 彼女が提督に苦言を放つのはそうめずらしいことではない。 しかしいつにない語気の粗さに艦娘たちはざわめきだした。 「そんなこと、言われなくてもわかってるんだよ。でも燃料は節約しなければいけないし資材も不足気味なんだ。それに費用だってばかにならないしさ」 赤城の頭が少し横を向いた。 「上に立つ者として部下の安全よりも金の方が大切だとでも言うつもりかっ!」 「な~に、平気だよ。作戦出撃じゃないんだ。遠征だよ、遠征。失敗しても次があるさ」 「貴様の目は節穴か? 遠征隊が補給しているのは燃料だけじゃないんだぞ。弾薬が減っているのは射的をしているからだとでも思っているのか!」 「なんだい、いやに荒れてるね? そうか、大和を編成したことを怒ってるんだな。彼女を隠してたのは謝るよ、でも僕の立場も理解して……」 「そ、その様なこと……心の一辺にも止めておらぬっ! もうよいっ! 言うだけ無駄なようだ…… だが、ここまでの非礼の数々は詫びなければならない。罰はどのようなものでも受けよう」 長門はそう言い放つと深々と頭を下げたまま動かなくなった。 「もっと気楽にいこうよ長門」 壇上の提督はやれやれという仕草で溜息をつくと、横に居る愛宕に耳打ちしてから壇を降りて司令室のある建物に入っていった。 壇上に残った愛宕は張りつめている微妙な空気を全く無視するようにニコニコ笑いながら、パチンと手を打った。 「は~い! みなさ~ん、本日の発令は以上で~す。各自出撃準備及び持ち場へもどってねぇ」 頭を下げたままの長門はピクとも動いていない。 「長門ちゃ~ん、提督の言葉を伝えるわねぇ。えっとぉ、お咎めなしよ~。しばらく作戦予定も無いしぃ、ゆっくり休むようにって」 愛宕の言葉を聞き終えると、長門はゆっくりと頭をあげ、ギュッと唇を噛んだまま自室の方へと歩いていった。 回りでその様子を見ていた艦娘たちは、いつになく厳しい表情の長門の後ろ姿をみながらヒソヒソと囁き合いながら解散した。 港の工廠では遠征隊を命じられた千歳と千代田が急遽装備改修にとりかかっていた。 既に軽空母となっていた彼女たちから飛行甲板が取り外され、代わりに4本の大型カタパルトが取り付けられていく。 「はあ~、せっかく改二目前だったのに、今更水上機母艦に戻るなんて……何考えて作戦立ててるのよ司令部は!」 「千歳姉がぼやくのってめずらしいわね。いいじゃない、私カタパルト火薬の匂い結構好きよ」 「それにしても、長門さんの剣幕すごかったわね」 「心配性なのよね。私達水母に戻ってもレベル高いんだから、連戦連勝、遠征だって大成功させてみせるわ!」 やがてふたりの艤装は終わり、既に港外で待機している那珂と電に合流した。 「電ちゃん、お待たせ。旗艦指揮よろしくね」 「はい、なのです」 4隻の中では一番小柄で、振る舞いも子供っぽい駆逐艦電であるが、実は艦隊きっての歴戦の持ち主であった。 提督との付き合いも艦娘の中では一番長く、長門や愛宕が配属された今も時折秘書を任されることも多い。 密かに艦娘たちの信頼も厚い。 まあ、彼女の衝突癖はみんなの恐怖の的でもあるのだが―― 電を先頭に千歳、千代田が続き、殿は那珂が務める単縦陣。 整列した艦隊に号令を下す前、電は当たりをキョロキョロと見回した。 そして、視線を港湾の先端に突き出している突堤に目をやった。 そこにはまるで丸い腰かけのような形の係船柱があった。 傍に人影はない。 電は寂しそうな眼になった。 だが、次の瞬間には艦隊に向かって高らかに号令をかける。 「では、行くのです」 「了解っ!」 煙突から黒煙を出しながら、4隻は電を先頭に出航していった。 「最近、提督ってば見送りに来てくれなくなったわね」 「艦隊のアイドルの出撃なんだから紙テープ投げてくれてもいいのに~」 「うわ、昭和のアイドルかよ!」 おしゃべりしている仲間の声を聞きながら、電は静かに進んでいった。 司令室では提督が何枚もの書類に目を通し、いくつもの印を押していた。 長門の事が引っ掛かり、いつもに比べてその表情は少し硬い。 彼の前でコトリと音がした。 愛宕がお茶の入った湯呑を彼の机に置いていた。 若い将校は彼女が真横に近付いた事すら気付かなかったことに少し身勝手な苛立ちを覚えた。 「はい、コーヒーがはいりましたよ~ 熱いから気をつけてねぇ」 「ああ、サンキュー愛宕。あちちっ」 全くの上の空である。 「あらあら…しょうがないですね。このハンカチお気に入りだったんですよ」 愛宕は自分のピンクのハンカチで濡れた机を拭くとそのままゴミ箱に入れた。 「気付いてましたか? 長門さん少し泣いてたんですよぉ」 「はははっ、それは見間違いだよ。長門があれくらいで泣くわけないじゃないか」 愛宕は2杯目のコーヒーを注ぎながら話題を変えた。 「電ちゃんたちのお見送り出来なくて残念でしたね」 「ああ、司令部も書類が多すぎるんだよな。最前線のことを少しは理解して欲しいよね」 「でもぉ、窓から手を振るくらいはできなんじゃないかしらぁ?」 少し意地の悪い言い方だったかなと愛宕が思った通り、若い将校は不機嫌さを隠すことなくコーヒーカップを机に叩き置いた。 「君まで… 煩いなぁ…… わるいけどさ、しばらく一人にしてくれないか? 近いうちにMF作戦が発令される。この作戦が成功すれば僕たちに希望が…」 「はいはーい、提督そこまでで~す。それ以上は口にしちゃいけませ~ん。わたしぃ敵のスパイかもしれませんよぉ」 「下らん事言ってる暇があったら、この海域の詳細な状況を調べて来てくれ?」 提督から渡された大きな海図をクルクルと丸め、愛宕は資料室へと向かって行った。 彼女は部屋を出る直前、扉の隙間から頭を出してこう言った。 「提督、慢心はダメダメですよぉ。慢心はぁ」 ぱたっと締まったドアを見ながら、彼は小さく呟いくのだった。 「慢心してるだって? この僕が? ははは、そんなもの あるはずがない。 僕はいつだって艦隊のことを、艦娘のことを最優先で考えている。だからこれまで大敗することなくこれたんじゃないか! これからだって、僕は彼女たちを失うことなく戦いを終わらせてみせる……さ。 くそっ……長門といい愛宕といい……僕の苦労もしらないで…… 腹が立ったら…眠く…… どれくらい時間が経ったのだろうか。 気がつくと椅子に深くもたれて眠りこんでいた。 窓から夕焼けの赤い光が差し込んでいる。 壁の時計はもうすぐ6時を指そうとしていた。 「う~ん、丸一日寝てたのか」 机の上には愛宕に渡した海図が置かれていて、所々に小さな文字がびっしりと書かれている 軽く目を通しただけだが、よく調べられていることはわかった。 「サンキュー愛宕。それにしても部屋に来たのなら起こしてくれればいいのに」 上司として椅子にもたれながら寝ている姿を見られたと思うと少し照れくさい。 と、今が電たちの寄港予定時間であることを思い出した。 「そうだ、久しぶりに突堤で迎えてやろう。僕が手を振ると、あいつ照れるのが可愛いんだよな」 3階にある司令室を出て階段を下り、長い廊下を足早にあるいて外に出た。 建物の中は静まり返っており、夕日に照らされる港湾にも人影がない。 「なんだ? 誰もいないのか?」 出撃している艦娘も多いし、各地に遠征に出てもいる。 しかし、それでも数十人は基地内にいるはずである。 工作妖精たちも相当数いるにも関わらず、声一つ聞こえない。 見慣れたはずの建物が、異様な雰囲気に感じられた。 ドクンッ 彼の心臓が高鳴った。 嫌な予感しかしない。 さらに、愛宕が作ってくれた海図には、電たちが向かった海域は危険水域の印が着いていたのを思い出した。 電探妖精の報告に、未確定ではあるがFlagship戦艦タ級の目撃情報があった。 もし出会えば遠征隊ではひとたまりもない。 「まさか…まさか……」 彼は突堤の先端に向かって足早に駆けていった。 「違うよな。それに、既に敵は海域を離れているかもしれないし…。それに、電はすばしっこし、あれで賢いんだぞ。千歳だって千代田も…那珂も……」 言えば言う程不安が増大するばかり。 自分の読みが甘かったのは明白だった。 叶うのであれば時間を巻き戻したい。 だが、そんなこと起きるはずがない。 「ぶはっ、こ、この前の作戦の時は、ぜはっ…第六駆逐隊はル級相手にS勝利したんだぞ!電は…MVPを取って…ぜははぁ」 言い訳しながら必死で走る若い将校は、ようやく港の先端にたどり着いた。 「はあっ…はあ……ぜぇ…」 全速力で走ったにしては冷たい汗が流れた。 息を切らしながらたどり着いたコンクリートの突堤は、真正面の海に沈みかかる夕日に赤く染まっていた。 そこにある係船柱に一人の女の子が座って夕日を眺めていた。 その後ろ姿はまぎれも無く―― 「電……」 「あ、提督。ただいま…なのです」 座りながらクルッと振り返った少女は、少し俯き加減で恥ずかしそうな声をだした。 「は…ははは……はああ~」 男は全身から力が抜けたかのようにその場にへたり込む。 「お帰り、やっぱり電は時間に正確だね」 「これ、おみやげなのです。海の底で拾ったのです」 少女は小さな尖った巻貝を彼に渡した。 「海の底? 浮いてたんだろ。でも綺麗な巻貝だな、ありがとう電」 電は照れると言うより、まるで顔を見られたくないかのように下を向いた。 大きな夕日が沈もうとしてた。 彼は電の傍に行き、その小柄な身体をひょいと持ち上げると係船柱に自分が座って膝の上に電を座らせた。 戦争が始まった頃、戦いの合間にここで夕日を見ながら早く平和になればいいねと語り合ったのを思い出していた。 「こうやって夕日を見るの…久しぶりだね。嬉しい?」 少女はコクリと頷いた。 彼は電の小さな頭を撫でてあげながら、しみじみと反省の言葉を出していく。 「今日さ、長門に怒られただろう。さっきまではアイツの事煩いって思ってたんだけど、僕が間違ってた。慢心してた。反省してる。あとで謝りにいくよ。それと、愛宕にも…」 若い将校は、今の幸運をしみじみと感じるのだった。 一歩間違えれば、この大切なものを失うところだったのだ。 「さあ、帰ろう電。千歳とかは先に入港してるんだろ?」 少女は答えなかった。 「電?」 少女は彼の問いかけには応えず、ただ、そっと彼の右手を掴んで、自分の胸の上に当てるようにした。 水兵服の上から、彼の手のひらに少女の膨らみの感触が伝わる。 決して大きくはないが、その柔らかさとその先にある小さな蕾は少女が女であることを証明していた。 「い……いいい、いなづま? あ、あのさ……」 艦隊でも一番の恥ずかしがり屋が、男の手を自分の胸に当ててゆっくりと上下に動かすと、小さな乳房が波打つように揺れた。 男は何も言えず、ただ息を荒くしながらされるがままにしていたが、やがて電はその手を止めた。 そして首を上に向けると、いつものおっかなびっくり眼で彼を見つめた。 頬は赤く染まり、瞳は潤んでいる。 男はその表情はいつもの電と変わりなく思ったのだが、どうしてこのようなことをしたのか聞こうとしたとき―― 「提督……電は……最後に提督に……電を……感じてほしかったのです……」 「え? 何をいってるんだよ?」 少女は彼の膝からひょいと降りて、沈みゆく夕陽を背にして敬礼をした。 「報告! 第一水雷戦隊所属暁型駆逐艦四番艦電、一四五七 南方諸島沖で轟沈……なのです!」 彼は瞬間自分の中で時間が止まったような気がした。 「な、何を言ってるんだよ? ここ…にいるじゃな…い……か」 言葉がだんだん震えていく。 目の前の少女の身体が、薄れていく。 後ろの太陽の輪郭が、何故か少女越しにはっきりと見えていくのだ。 いつも恥ずかしがってばかりで、めったに笑い顔を見せることがな少女が、満面の笑顔を浮かべていた。 だが、その表情も霞のように―― 「提督……電は…提督に大切にされて……幸せだったのです……今度…生まれ時は…もっと平和な世界がいいな……そして…提督と……みんなと…楽し…く……」 そこまで言って、少女の姿は消えた。 突堤には彼がひとりいるだけだった。 「う、うわあああああああああああっ!」 座っていた係船柱から、コンクリートの上に尻から落ちて気がついた。 もう真っ暗で、空には満点の星が出ている。 懐中時計を見ると、もう夜の10時を回っていた。 「ゆ…夢か……」 遠征隊の帰りを待っているうちに、眠ってしまったようだった。 基地は明かりに照らされ、この時間も工廠からの工作音が聞こえてくる。 特に変わった様子のないいつもの光景である。 「は…ははは……」 彼は抜け殻のようになった身体で戻っていった。 だが、遠征隊はまだ戻ってはいなかった。 「提督! 貴様どこをほっつき歩いていたのだ!」 「長門ぉ~、それは後回しにして、早く捜索隊を編成するのよぉ」 長門と愛宕の言葉が彼の頭にガンガンと響いてくる。 彼の頭の中は全く整わない。 愛宕に説明されて彼はようやく状況を理解した。 電たちが帰還予定時刻を過ぎても戻らない為に、川内と天龍を中心に捜索隊を編成しようとしているところだという。 『そんな…… 電、何してるんだよ。早く帰ってきてくれよ』 疲れきった彼は、部下たちがてきぱきと行動する様子を、ただぼおっと見ているだけだった。 電の轟沈が夢だったと安心したのもつかの間、気を休めることができない。 『まさか…正夢ってことはないよな』 そう思った時、彼は自分の右手が何かを握っているのに気がついた。 何か小さくて固い感触。 唾を飲み込みながら手を広げると、それは小さな貝殻だった。 「提督? そんなに震えて…具合が悪いのですか? 提督?」 愛宕の声は全く彼の耳に届かない。 届いたのは天龍の甲高い声だった。 「遠征隊が帰って来たぞっ!」 大勢が港の入口まで駆けよっていった。 歓喜のざわめきが次第に小さくなっていく。 帰還したすべての艦娘の艤装は大破していた。 千歳は全てのカタパルトが?げ落ちていた。 千代田は後甲板まで浸水し、那珂も全ての砲塔が歪みふたりとも意識朦朧となっていた。 そして、電は―――― 彼女の姿はなかった。 帰還したのは3艦だけだった。 千代田と那珂は急遽入渠し、辛うじて意識のある千歳は入渠に首を振った。 場所を司令室に移し、彼と愛宕、長門の3人が千歳からの報告を受けた。 「作戦海域には、Flagship戦艦タ級だけではなく、Elite空母ヌ級2隻を含めた大艦隊が待ち受けていました。 戦闘なんて呼べるものではなく、一方的な蹂躙でした。 巨大な砲弾が雨霰と降り注ぎ、その後には雲霞のごとく敵艦載機が襲いかかって来て……」 彼女の話の途中長門は提督のほうを睨みつけたが、言葉何も言わなかった。 彼にとって今は大声で怒鳴られたほうがどれほど救いになっただろうか。 その顔は既に蒼さという色を通り越していた。 千歳は蘇る悪夢の記憶を解きほぐすように語り続ける。 ―――― ―――― 戦艦の砲弾が降り注ぎ、更に敵艦載機の爆撃と雷撃が艦隊を襲う。 避けるのも限界に近くなっていく。 ―― 千歳お姉! 痛いっ…痛いよ。 ―― 千代田っ、しっかり! ああっ…どうしたらいいの」 逃げまどうしかない艦隊。 一通りの攻撃を終えると、群がっていた敵大編隊は撤退していった。 だが、ホッとする間など無い。 戦艦の砲撃が再開され、巨大な水柱が何本も噴き上がる。 葬送の水墓標。 すぐに艦載機の第二波もやってくるに違いない。 ―― わああああっ! 那珂ちゃん死にたくない。 ―― 千歳姉っ! ―― 泣かないで、みんな…あああああっ ―― 落ち着いて下さい皆さん。ほら、10時の方向にスコールがあるのです。 電の言う通り、それほど離れていない場所に黒雲と分厚い雨のカーテンが見えた。 その中に入ってしまえば、艦載機は追って来れず、戦艦の砲撃もメクラ撃ちになる。 艦隊は必死で方向を転換していくが、そうはさせまいと戦艦の砲弾が降り注いできた。 ―― きゃあああああ! 前にも進めない、後ろには敵。 絶望しかなかった。 ―― みなさん! 勇気を出して前進するのです。 ―― 無理よ。砲弾に当って死んじゃうわ。 ―― 大丈夫なのです。戦艦は、電が止めて見せるのです。 電は手短に勝算を説明した。 幸い機関には損傷がなく、得意の全速力で一撃離脱、魚雷を叩きこむというものだった。 ―― 気でも狂ったの! そんな近くにまで行けるわけないし、魚雷が当ったくらいでは… ―― 電はあの戦艦のことは勉強しているのです。艦首が細くて、そこに魚雷をお見舞いすれば穴があくはずなのです」 千歳も千代田も那珂も、全員が無理だと思った。 でも、それ以外にこの事態を乗り切る術など無かった。 考えている時間も無い。 ―― 電、絶対に沈んじゃだめよ。約束だからね ―― もちろんなのです。 電だって提督の膝の上で、もう一度夕日を眺めたいのです! 千歳が聞いた最後の言葉だった。 その後のことは千歳も知らない。 ただひとつ確実なことは、轟音が響いた後、敵艦隊の追い討ちが止まったことだった。 〇三三八 電は全速力でFlagship戦艦タ級に突っ込んでいった。 読み通り、距離が近すぎて主砲が狙えない。 油断していたのだろう、敵の小型艦も動きを直ぐには変えてはいない。 行けると思った。 「提督、電は本当は魚雷なんて撃ちたくないのです。みんな仲良く…平和に暮らしたいのです……」 彼女のすぐ横で水柱があがった。 「きゃわわわっ」 敵艦載機が数機発進していた。 いかに電が高速とはいえ、艦載機が相手ではいつまでも避けられるものではない。 爆弾が電の後甲板で爆発した。 ―― 機関部炎上、速度落ちます。 電探妖精の報告。 「もうちょっと…なのです……頑張るのです。みんなで絶対に戻るのです。でないと…でないと……提督を悲しませてしまうのです。そんなの…電……嫌なのですっ!」 遂に魚雷の射程に入った。 爆音が響き、電の艦体が激しく揺れる。 ―― 魚雷発射管、被弾! 発射不能! 戦艦の主砲が仰角を上げている。 目標は電でないのは明らかだった。 電は――敵の戦艦を真っ直ぐに見つめた―――― ―――― ―――― その先には―――――― なぜだか、暗い暗い水の中、泡が下からいくつも上っている。 ちいさな貝殻が見えた。 「敵艦隊は転身していきました。でも…… でも…… 私たち探しました…暗くなっても…でも……」 千歳もう何も言えなくなっていた。 ただ、泣きじゃくるばかりだった。 愛宕は千歳を入渠させる為に一緒に部屋を出ていった。 入れ替わる様に、高雄が入って来て長門に数枚の紙を手渡して戻っていった。 長門はその紙に素早く目を通すと、彼に顔をそむけながら手渡した。 「千代田の電探妖精のデータだ。読んで下さい…」 「長門…すまないが、僕を殴ってくれないか?」 それは罪から逃れたいだけの欺瞞、そして夢なら覚めてほしいという懇願。 「貴様を殴って何かが変わるのなら、拳が潰れるまでいくらでも殴ってやる。だが、せんないことだ……」 そう言い残して、彼女も司令室を出ていった。 呆然と立ちすくむ提督は、死人のような瞳で紙に書かれた文字を読んでいく、 〇三四五 Flagship戦艦ル級、艦首炎上確認ス 〇三四八 本艦及び水母千歳、軽巡那珂スコールヘ退避 〇四〇三 敵旗艦戦線離脱 敵機動部隊同 〇五三〇 旗艦電、海上ニ認メズ 追記 敵戦艦の損傷は 魚雷による効果とは認められず。 第六駆逐隊所属 電 除名が妥当と認む。 「ぐううう……うう…」 男の手にする紙がみるみる濡れていき、くしゃくしゃになっていく。 「ごめんよ……ごめんよ……」 言葉など何の意味もない。 たかが遠征―――― 失敗しても又、次があるさ―――― 後悔。 「ごめん…ごめん……ごめんよ……」 彼は握りしめていた貝殻に謝り続けた。 意味がないことと知りながら。 床にへたり込んだ彼は、ゆっくりと手のひらを開いた。 そこに、貝殻は――なかった―――― 「提督っ、提督ってばぁ~」 ゆさゆさと揺さぶっているのは愛宕。 指令室の椅子に座って寝ているところを起こされた。 「徹夜するのもいいですけど、机についたままでは体を壊しますよ~」 夜はすでにあけていた。 朝日が窓からさしている。 「え、遠征隊は! 水上基地建設隊はどうなった!」 「はい~? 提督っ、しっかりしてくださいね。これからその編成を決めるんでしょお。もう時間ないですよ」 日めくりカレンダーは、出撃予定日だった。 「提督、本当にどうしたんですか~ まるでゾンビみたいな顔ですよぉ。あら、右手から血が出てますよ?」 目ざとく見つけた愛宕が彼の手を取った。 「ペン先か何かが刺さったんですね。気を付けてくださいよぉ。あれぇ、ハンカチがないわ? ピンクのお気に入りちゃんどこ~」 窓の外は晴れていた。 彼は椅子にもたれかかり、視線はぼんやり天井をみていた。 なんだか時計の音がやけに耳障りに思えていた。 〇七三〇 艦娘たちは集合して今日の支持を受けていた。 「続いて、指令部発令36号命令を伝える。『艦隊を編成し南方海域に哨戒用の水上機基地を建設せよ!』」 「旗艦はぁ……」 言葉を続けようとした愛宕をさえぎり、提督自らが編成を発表する。 「旗艦、電! 以下、千歳、千代田、那珂、そして一航戦赤城、加賀。 赤城は流星改ガン積み! 加賀は烈風×2・紫電改二の制空隊だ! 彩雲も忘れるな! そうだ、那珂ちゃん、カラオケセットちゃんと積んでるね? 愛をわすれるなよ! さらに命ずる。支援艦隊として第一戦闘艦隊長門以下全艦出撃し遠征隊を側面から援護せよ。 大和! 今回は主砲の全斉射許可する。ガンガン行け! 各艦出撃は〇七三〇 以上」 「むちゃくちゃだああああ!」 「ガチ艦隊じゃねえか! どんな大海戦想定してんだよっ」 「や、夜戦なら私もいきたい……」 「提督!少しは予算のことも考えなよ」 「報告、工作妖精が資材が足りないと言ってます!」 「愛宕! 僕の預金通帳で大至急増資材購入せよっ!」 「らじゃー!」 ドタバタ劇。 ドタバタタ。 やがて遠征隊の準備が整い、電を先頭に艦隊が出撃していく。 「ぱんぱかぱーん!」 愛宕の掛け声が高らかに港に響き渡る。 提督は突堤の先で帽子りながら出航を見送った。 「戦艦大和、推して参ります」 「はわわわわ~」 巨艦の波飛沫をもろに受けた電が、高波に乗りながら浮き輪に必死で捕まっている。 そして、彼に気付くといつもの恥ずかしさ満点の表情で敬礼をした。 「でわ、行ってくるのですっ!」 天気晴朗 なれど波一時高し。 艦娘、今日もことなかれ。
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前回の話 「なんだ、提督なの? ……あ、いえ、いいんですけど。はい。提督も、愛してます」 「そうか、キスでもするか」 「やめてください。魚雷20発撃ちますよ?」 「ははは、直線状に進む魚雷を避けるのは簡単なんだぞ」 その代わり魚雷の損失額としては痛いものがある。 別に鎮守府の運営費は自分の財布から出しているわけではないが、 逆に言えば他人の、つまり上からのお金であるので、あまり変に浪費するとお叱りを受けるのは火を見るよりも明らか。 更に追求するとそのお金は根本的にはこの日本国民の税金から来ており、 散財を続ければ結果的に巡り巡って自分が損失を被ることになるだろう。 自分も日本軍人であり日本国民なのだ。 しかし大井はこう言うものの本当に魚雷を撃つことはない。 その信頼が自分の中に根付いているからこそ、その冗談に対し自分は恐れることなく軽口で返すことができる。 もし自分でない他の提督であれば、魚雷を無駄遣いすることを圧力で止めるか、あるいは懇願して止めるか……。 そもそも魚雷は水の中でないと進行も不可能なのだが、そのツッコミは野暮というものだろう。 何が言いたいのかというと、 自分は大井の考えていることも少しずつ分かるようになってきたと思う、ということだ。 では茶番はここまでにしよう。 最近大井の被弾率が上がっている。 元は軽巡洋艦なのでどちらかと言えば素早く動けるはずなのだが、どうも調子がよくない。 今日も艦隊の足を引っ張る形で大井とその随伴艦が帰投した。 北上に肩を借り、服とも呼べない布切れで体を隠す大井が不満をぶつける。 よく見ると下着も確認できるのだが、この状況でそういう気分にはなれない。 「さ、作戦が悪いのよ……」 「……」 こうは言うが目はこちらを見ていない。 言われるごとに幾度も作戦を練り直したが大井の戦況は改善されないのだ。 何より同じ重雷装艦の北上の調子が普段と変わらずキープされているので、 自分の中にあった魚の小骨のようなとっかかりは数日かけて確信へと成長した。 ひとまず大井を尻目に艦隊に指示を出す。 「……ご苦労だった。艦隊は一旦解散とし、次の招集まで待機していろ。 大井は至急入渠し、修復完了次第執務室へ出頭するように。いいな」 『はっ!』 「……」 随伴艦全員が凛とした返事で敬礼をくれるも、旗艦だけはだんまりを決め込むだけだった。 しかし自分は特に咎めるようなことはしない。 最後に自分も敬礼をしてやめ、背を向けると後ろで各々が散って行くのが音と気配で分かる。 最近の任務遂行の鈍りをどう上に言い訳しようか考えながら執務室に戻ろうとしたが―― 「提督」 執務室を目指す自分を呼び止めたのは北上だ。 そこにいたのは北上だけで、他の随伴艦や大井はいなかった。 大井を他の随伴艦に任せてまで自分に言いたいことがあるようだった。 「あんまり大井っちを責めないであげてよ。 旗艦なのに守ってあげられなかったあたしらが悪いんだ。処罰ならあたしらに――」 「責めるつもりはない。処罰もない。私にも原因があるかもしれないのだ」 「作戦のこと? 敵艦隊には勝てたし、問題はないと思うよ」 「作戦のことではない。心当たりはあるが個人的なことでな」 「ふうん……。大井っちとなにかあった?」 「分かるのか」 「具体的には分からないけどね。大井っち、最近は提督に懐いてるからさ」 「大井には合わん言葉だな」 軽く笑いあってから北上と別れた。北上は大井の様子を見に行くようだった。 入渠ドックは男子禁制なので北上や修復妖精に任せ、自分は執務室へ赴く。 懐いている 。 その大井の行動の裏に隠された心理を自分は二つ推測する。 そして答えを知りたい。 大井は自分にどうしてほしいのか。 「大井、修復完了しました」 「よし。では執務の手伝い、やってくれるか」 「はい」 体の傷や服さえも元通りにした大井が艤装を下ろして復帰したときは既に日は沈んでいた。 しかし今日はほとんど出撃できなかったのが大方の理由か、 執務も普段より早く終わる目処が立っているため結局やらせることは少ない。 「……これだけなの?」 「む、今日はな。こっちも直に終わる」 拍子抜けしたような様子だ。 流石に始末書を書かされるのではないかと予想していたのかもしれないが、 始末書なんて適当に反省の言葉をつらつら並べていれば終わってしまうし、 読む方としても何も面白くない。 何一つ得られるものがないのに紙と時間を無駄に使うだけの徒労なんてしたくない。 お互い無言で執務を消化していき、まず大井が執務を終えた。 「提督。私は終わりましたのでお茶を淹れますね」 「頼む」 茶も何ヶ月もやらせたことなので、 顔を上げず一言伝え大井に任せることにした。 …………………… ………… …… 「どうぞ」 「ありがとう」 湯気が少しだけ出ている如何にも適温そうな煎茶が出された。 礼を言い、思わず座っている自分よりも高い位置にある頭を撫でようとして―― 「あっ」 自分はある事を思い出しながら小さく声を漏らし、伸ばしかけた手を所在なくゆっくりと下ろした。 いつしか休憩中に大井が膝枕と頭を撫でる事を強請って来たことはあったが、それだけだ。 夜這いのことも置いておくとして、 基本的に大井はこちらからのスキンシップは嫌がるので控えなければ。 横に立ったままの大井は何も言葉を発しない。 少し居心地が悪くなったのを紛らわす気持ちで出されたお茶を味わう。 薄くなく渋くなく、丁度良い濃さで淹れられている。 「……うん。今日も美味いね、……?」 茶の味を顔を合わせて伝えようと首を回したが、上がりかけていた自分の口角が下がった。 「そうですか……」 なんだ。その悲しみを殺したような淡い笑みは。 「……私、北上さんのところに行ってきます」 大井は突然扉に向かって駆け出した。 ここで大井に何の布石も打たずして行かせるわけにはいかない。 別に大井と二度と顔を合わせられなくなるわけではないはずだが、 自分はとっさに現れた焦燥感に襲われていたせいか席を立ち上がってまで大井を止めた。 「待て」 「……」 「今日の深夜、いつでもいい。私の寝室に来てくれ。寝ていたら引っ叩いてくれていい。話したいことがある」 「……」 「……」 「……マルマルマルマルに」 長い沈黙を経て一言ポツリと残して出て行ったが、自分には確かに聞き取れた。 それから椅子にどっかと深く座り込み、 湧き出た安堵感とこれからの期待と緊張を五月蝿い心臓のある胸に手を当てることで抑えた。 茶はいつの間にか湯気が出なくなっていた。 先は 寝ていたら引っ叩いてくれていい 、言い換えると 寝ていても出ていくな と保険をかけたが、結論から言うとその必要はなかった。 こちらから呼び出しておいてすっぽかすというのも有り得ないことなのだが、全く眠気が来ないのだ。 執務を早めに切り上げられたのもあるだろう。最後に見た大井の様子が変だったのが気になるのもあるだろう。 指定時刻は今か今かと待ち構えているのもあるだろう。 呼び出したこちらが落ち着いていないと非常に恰好が悪いので文庫本を開くも、全く内容は頭に入ってこない。 内容が頭に入っていないのに頁をめくり、我に返って読み直そうと前の頁に戻ることを繰り返した。 しきりに時計を気にし、いよいよ日付が変わると同時に扉が叩かれた。 「いいぞ」 ベッドの上で胡坐を掻いて扉が開くのを待った。リラックスを装っているが内心緊張が収まらない。 扉の先の真っ暗な執務室に立つ大井は顔に何の表情も浮かべずそこから動かずこちらを見つめるだけだ。 「……」 「……おいで」 大井は振り返って扉を静かに閉め、艦娘に必須装備の海を走れる靴を脱ぎ、ベッドに上がる。 2人の体重がかかったシングルベッドが軋む。自分は胡坐を掻いているのに大井は正座の姿勢をとった。 大井は何も言わない。こちらをじっと見つめて言葉を待ってくれるだけだ。 「……大井」 「……」 「北上のことは好きか」 「……はい」 「私のことは」 「……好きですよ?」 目を見て言ってくれるが、私の疑心は消えない。 もしこの疑問が間違いだったら大井を傷つけてしまうかもしれないが、それでも確かめずにはいられない。 自分勝手な私を許してくれ。 「もう夜這いはやめろ」 大井の目が皿になる。 「北上から遠ざけようとしているならやめてくれ。私は北上をそういう目で見ていない」 「寝不足の理由がそれならしっかり寝るんだ」 突き放すようなひどい言い草。 しかしどんな理由であれ二度と鎮守府に帰って来られなくなるようなことにでもなれば自分は後悔する。 寝不足も立派な慢心だ。 もしどうしても休む時間を削らなければいけない理由があるなら出撃を控えさせる。 重雷装艦は戦力的に外したくないが、大井に限ってはそれに加えて―― 「嫌いになったんですか?」 「は?」 「私のこと、嫌いになったんですか?」 目を伏せて震えている。 しかし大井が私のことを嫌いだと言ったことがないように、こちらとしても嫌いなどと言った覚えはなく、むしろ―― 「最近は私に触ってこなくなったし、さっきも……」 大井は何を言っている? それではまるで触られることを望んでいたみたいじゃないか。 それにさっきとは……。 もしかして……。 「今までもひどいこと言ってきたし、はしたないこともして、戦果も悪くなってきたと思うわ……。でもね」 「提督を好きっていう気持ちは嘘じゃないの。提督が私のことを嫌いになってもそれは変わりません。だから――」 ――先ほどのお願いは受け入れられません。 顔をようやく上げてそう締め括った大井は頬に一つ哀しみの道を作っていた。 やはり言わなければ良かったかという罪悪感はあるが、 2つの推測のうち自分にとって嬉しくない方の推測が打ち破られて出た安堵感が大きい。 しかし自分だけ悦に浸っている場合ではない。 大井を泣かせたのは誰だ。自分だ。それならやることがある。 嗚咽も上げず膝の上で拳を作り、目を閉じてなお涙を零す大井に近寄り静かに抱きしめることにした。 この肩の華奢さは普段の様子からはイメージできないものだと思う。 「すまん。そういうつもりじゃなかったんだ。 寝不足で戦闘は拙いだろ? 大井が好きだから、私はただ大井に死んで欲しくなかっただけなんだよ。 嫌いになんかなってない」 それからあとは片手で抱きしめたままもう片手で後頭部をただ撫でることしかやっていない。 先より気の利いた言葉なんて浮かんでこないし、沢山浮かんできたところで言葉の価値が下がるだけだ。 こういうときは泣き止むまで待つのが最善なのだ。 しかしあまり長くはたたずに大井が口を開いた。 「……提督」 「うん」 「私は2回提督にしてあげたわ」 「……」 「そろそろ提督からも欲しいかな、なんて……」 私の肩に顔を埋めたままの大井を離した。 「あ……」 まだ涙腺は緩んだままのようで、頬伝う粒を指で拭ってから顔を近づけ、 小さく開いたそこを自分のもので重ねた。 「ん……」 ……。 「……はぁ……」 「……こっちでのキスは初めてか?」 「……そういえばそうね」 下の方には散々しておいて上の方はまっさらというのもおかしな話だ。 なので上の方も回数を重ねることにする。 「ちゅ……ん、んー……」 自分の少しカサついた唇が不快に思われていないかとか、鼻息が当たっていないかとか心配事が一瞬浮かぶも、 抱いている大井の体の柔らかささえ忘れるほど自分が今味わっている柔らかい唇の感触一点に意識が吸い込まれていくようだ。 それでも目の前の光景もまた気になるもので、無粋と分かっていながら瞼を開いてみる。 勿論眼前には大井の顔が広がっていて、それ以外のものは目に入らない。 ああ、こいつ意外とまつ毛長いな。綺麗だな。 「はっ、ん……ん、ぅ……?」 いけない。見とれて口を動かすのを忘れた。ほらバレた。 同じく瞼を開けた大井と目が合い、唇の感触は惜しくも失われた。 「もう……、目は閉じないとダメですよ」 「悪い。もう一度、いいよな?」 それが愚問だとでも言うように再度瞼を下ろして顎をくいと前に出すので 顔をゆっくりと近づけ事の次第を再開した。 「……ふ、……ん、ぁ、ちゅ」 そろそろステップアップしたい。 少し口を開いて舌を出し、大井の唇をつついて開くように促す。 意思表示は難なく伝わったのでゆっくり差し込んでいくと、抱いている肩がほんの少しだが震える。 「っ……あ……はぁ、あ……」 しかし大井は受け入れる事をやめないし、こちらとしてもやめさせたくない。 あまり驚かせないようにちろちろと大井の舌を探す。 「……ぁ、ぅ、……っ」 すぐ見つかったのでわき目も振らずその舌に自分のを絡ませていくと案外そちらもすぐに絡み返してきた。 口の中は熱い息で充満していて、その舌もまた蒸されたように熱い。 味覚の役割を果たす舌が別の舌を味わうというのは新鮮で、ざらざらした独特の感触をよく味わう。 たった数十秒それを続けていると唾液が生産され、感触はぬらぬらしたものへ変わってきた。 半ばわざと立てるようになってきた音も水っぽくなり、淫らさは増す一方だ。 「えぅ、ちゅ、んんー……、んむ、んく、ちゅぷ、ぁ……」 口で一旦空気を吸い込もうと惜しくも唇、舌の順に離すと互いの舌の間を糸が引くのが分かる。 少しだけ瞼を開くと飛び込んでくるその顔にもはや普段の面影はなく、上気した顔で接吻を楽しんでいるようだった。 自分もこのような緩みきった顔をしているのだろうな。大井が瞼を閉じたままでよかった。 また先のように瞼を開かれないうちに再び口を塞ぐ。 「んうっ、んん……ちゅる、あ、はぁ……」 こうした唾液の交換が短くても数分以上は続いたと思う。 大井の唾液をもらって飲み込む代わりに自分の唾液も結構持っていかれたはずだが、唾液の生産は止まることを知らない。 自分も大井もみっともなく唾液を口の端から漏らし顎を伝っている。 「……ぷぁ……はぁ……はぁ……」 口を離すと自分の胸にくたと額を預けてきたので抱き留め、空いている手でこっそり自分の涎を拭う。 「はぁ……んくっ、はぁ……」 口を長く塞ぎ、息苦しくさせてしまったのかもしれないので少し休ませる事にする。 その間、自分の腕の中の大井の髪を撫でたり梳かしたりして手触りを楽しむ。 そうしているともぞもぞ動いたかと思えば自分の心臓に耳を当てて来て、心臓が跳ねる。 「……ふふ。提督、緊張していますね」 バレたか。 しかしこういう事には慣れていないので速くなってしまう鼓動を抑えることはできない。 仕返しと茶化しの意味で、密着させてくる大井と自分の体の間に手を差し込み―― 「あっ……」 「……うん、お前も緊張しているみたいだな」 大井のふくよかな胸を、あたかも鼓動を確かめるかのように触る。 感じるのは服越しでも分かるタンクの柔らかさだけ。 それはどちらかといえば大きいもので、その向こうにある鼓動の具合など分かりゃしない。 大井にこのようなセクハラじみたことをするのは久しい。 だが以前と違うのは大井の反応だ。 「……」 体を離し、診察台で聴診器でも当てるかのように自分で服を捲り上げてくれた。 しかし今から体に当てるのは聴診器ではない。 「ほら、触っていいんですよ……」 上着をかなり上まで捲り上げると姿を現したその二つのタンクにカバーはつけられていなかった。 見惚れる間も与えず大井は私の手を掴むとそのタンクの片方に押し付けた。 私の手が当たると自分でやったというのに大井は一瞬だけ体を震わせる。 「っ……」 「……大丈夫か」 「え、ええ……ちょっと、手が冷たかったから」 なるほど、そういえばこの部屋には暖房器具がなかった。 それでも体は火照っているが手足など末端は中々体温が上がらない。 大井も体は自分と同じくよく火照っているようで、 まるで中身が沸騰しているかのようなタンクに手を沈ませると自分の手の冷たさがよく分かる。 もう片手も使い、二つのタンクをそれぞれ全体を撫でる。 タンクの頂点にある突起物は勿体ぶって触れないように。 「っ……はぁ……」 あくまでも最初は撫でるだけ。 この程度では大井も自分もそこまで息を荒げることではない。 しかし最初はこれでいい。 「んっ……焦らさないで……」 「……」 ひとまずはこれくらいにしてさっさとその突起物を口に含むことにした。 まだ弱い愛撫しかしていないのによく膨らんでいる。 「ぁ……」 口をつけていないほうのタンクも撫でるのをやめ、指を使って突起物をこねくり回す。 口をつけたほうは吸い付いたり、多量に唾液を乗せた舌でわざと音を立てて舐る。 その突起物は柔らかいのか硬いのか表現しづらい独特の舌触りだ。 また甘味料が付与されているわけでもないはずだが、どうしてか甘く感じる。 「んぁ! あっ……、んん……」 開きかけた口を閉じて声をあまりださないようにしているようだ。 ……とても攻め甲斐がある。 普段大井にはあまり向けない感情が首をもたげる。 緩い愛撫は抜きにして、ただ乱暴にタンクを揉みしだき、息の続く限り強く突起物を吸い上げる。 「んああっ! あっ! ちょっと、ひっ!」 どうだ。口が再び開かれ、激しくなった喘ぎのほうがこちらも気分が高揚する。 口つけた突起物の周囲も存分に舐め回すし、手を使ったほうもタンクと突起物両方を弄り倒す。 次第に汗ばんで来たのかしょっぱいような味も混ざってきた。 「ううんっ、……ん、ああぁ!」 大井が自分に強気に突っかかり、自分が飄々と躱すいつもの関係はどこへやら、ここでは自分が優勢だった。 大井は自分の攻撃を正面から受け続ける。 ひょっとするとこれは初めてではないだろうか。とても面白い。 顔が見たくて口を離す。 タンクの突起物は赤く点灯していて自分の唾液でてらてら光を返している。 赤く点灯しているのは顔もだ。 この突起物をボタンのように押し込んだら顔も更に赤くなるのだろうか。 「も、もう怒ったわ!」 「うおっ」 うっとりした吊り目と視線が合うな否や、急に自分の肩を両手で突いてきた。 突然のことに反応が遅れあっけなくベッドに倒される。 壁に頭をぶつけないか一瞬の恐怖感に襲われたが着地したのは柔らかいベッド。 押し倒す場所の判断ができるほど大井もまだ理性を捨ててはいなかったようだ。 自分にすっかり馬乗りになった大井は顔どころか髪も乱れているが、 その顔に貼り付けていたのは不敵な笑み。 どうやら形勢逆転されてしまったらしい。 「硬いわね」 挑戦的な声で大井が見つめる先は下腹部、正確には大井のもう一つの補給口で押し潰された自分の男の象徴。 大井よりも乱れている自分がそういうところに反応を表さないはずがない。 見つめると言っても自分のモノはズボンの中だし大井のスカートもあるし、 押し潰されているところなんて見えないのだが、これはこれで想像力を掻き立てられる。 そしてこの体勢でやることと言えば一つしかなく、腰を前後に動かし始めた。 「はぁ……形がよく分かるわ……」 自分のモノはズボンの中だし、大井の補給口もおそらくカバーがかかったままなのだろうが、 それでも微妙に快楽を得ている。 「あっ、んん、これ……意外、と……っ」 こっちは声が出るほどではないが大井は恐らくカバー一枚だ。自分よりも快感が伝わっているのかもしれない。 一方自分が感じている快感はあくまでも微妙なもので、これだけで達することはできない。 「ん……脱がすわよ」 少し後退して、ベルトに手をかけられる。金属音も程々にズボンと下着はすぐに下ろされた。 二度の夜這いのこともあるだろう。しかしそれ以前にもしかすると予習でもしていたのかもしれない。 そもそもこういうことは大井には何一つ教えた覚えなどないのだ。 改めて確認するにはやや抵抗あるが、この鎮守府に男手は自分しかいなかったはずだし、 もちろん自分がそういった本などを職場であるこの鎮守府に持ち込んだ覚えもない。 そういえば面倒になってここ何日も自宅のほうに帰っていない。 ああいうのも処理のお供に使わなくなってきたし処分でもしようか。 「……大きいわね。昨日は出してないんですか?」 「昨日はやってないね」 鎮守府提督とは決して楽な仕事ではない。 今日はこうだった明日は何があるなどやらなければならないことは考え始めるとキリがない。 結果性欲そのものを自覚しない日が出てくるのも何ら不思議ではないのだ。 しかしそれはあくまでも自覚していないだけのことであって、 例えば今のような状況や気分になったら自覚しなかった日の性欲が繰り越されて襲ってくる。 正直これでは物足りない。 その旨を目に乗せて大井の目に届くよう願う。 少しのアイコンタクトの後大井は一旦ベッドを降りてスカートに手を入れた。 何の装飾もない白い下着だけが下ろされ、床に放置される。 自分は服を全て脱ぐつもりはなく、大井も何となく同じ考えのように見える。 すぐさまベッドに上がり、天に向かってそびえる自分のそれをスカートで隠して跨った。 自分のモノは湿った何かに倒される。 先と違って直に大井を感じる。 しかしこれはまだ入っていない。 「あっつ……」 まるで夏に屋外に出たときのような、しかし似て非なる声だ。 腰を動かすと互いの肉がダイレクトに擦れ合うので先とは全く違う。 竿の腹が補給口の割れ目にめり込むのが見えなくてもわかる。 「あっ、あっ、はあ、は、ああっ」 湿っていた大井の補給口からはどんどん愛液が漏れてきて、互いの局部を濡らしていった。 自分も大井に追いつくように息が荒くなっていく。 大井の晒されたタンクといやらしい腰使いは視覚に、 くちゅくちゅという水音と大井の色っぽい声が聴覚に、大井の補給口と擦れ合う局部は触覚に、 性欲を満たしてくれる材料が五感の半数と精神を攻め立てる。 「あはっ、ん……もう、我慢、できない……」 突然前後運動をやめ、腰を浮かせてスカートに手を入れたかと思えば自分のモノを掴む冷たい感触。 先端には熱く濡れた感触。 もしかしなくても分かる。 「待て早ま――」 「んあああぁぁっ!!」 「ッ!」 大井はこちらの気遣いを棒に振るように腰を下ろした。 狭いところを無理やり押し広げる感覚を一瞬だけ感じ、それはずるりと飲み込まれた。 桁違いの快感に歯を食いしばって抗う。 大井の中は柔らかいくせにきゅうきゅうと締め付けてくる。 しかし大井は初めての経験のはず。これが痛くないはずがない。 中の形は自分のと全く合っていないし、大井は動かなくなっている。 「う……だから待てと言おうとしたのに……」 「あっ、ひぐっ、……ッ」 「だ、だって……提督と早く、こうしたかった、んだもの……」 相当来るのか私の胸に両手を置いて俯いてしまった。 こういう時何をすれば確実に痛みをなくせるかなど知らず、ただ慣れてもらうまで待つしかできない。 せめてもの情け程度に服越しで腰を両手で摩る。 痛みに耐えてまでそういうことを言われて嬉しくないわけがないし、覚悟の気持ちも十分伝わった。 ここで、抜こうか、などという慰めは無粋極まりない。 「て、提督……、少し、ッあ、このままで……」 「いいよ、いいから」 震えるだけでまともに動けない大井を見る時間は精々一分程度しかなかった。 このまま待っても何も変わらないと判断したのか、私の胸についた手に力を入れて半ば無理やり動き始めたのだ。 「ん……んぃぃ……ッ、いっつ……」 ずるりと腰が持ち上げられ、カリまで外気に触れたところでまた落とされる。 その動きは一往復し切るまでに文庫本一行を読めるほどゆっくりとしていて、 正直言って摩擦による快感などないに等しい。 キツい締め付けも一応快感は生んでいるが、これではこちらが動きたくなる衝動に駆られるだけだ。 しかしこの大井の懸命に苦痛に耐える姿をしかと目に捉えることでその衝動は抑えられている。 自分が今相手をしているのは自己処理するための玩具でもなく、道具でもない。 ならば兵器? 最近の兵器は人間の性欲を処理する機能もついているのか。なんと都合のいい事だ。 だがそれも違う。 今相手をしているのは、周囲から艦娘と呼ばれているだけの人間だ。 私に奉仕したいという一心で私にこんなことをしているんじゃない。 私とこういうことをしたいという自身の意思でここにいるのだ。 それを分かってなお大井のことを考えずに行動する思考回路は自分の頭にはない。 「く、はあ……あぅっ……ん、んぅ……」 少しずつだが確実に抵抗は落ちてきているようで、よく耳を澄ますとにち、にち、といった粘液の音が聞こえる。 大井も次第に食いしばっていた歯の力を緩めてきてちらちら口の奥が見えるようになってきた。 「ん! ふ、あっ、は、てい、とくっ? どう、なの? ッ!」 「ッ、ん、ああっ、よくなってきたぞっ」 上下運動と言える十分な速度にまでなってきて気持ちよくないわけがない。 つい先までは悲鳴じみた声だったはずだが、今やすっかり艶と色気のある喘ぎが完成していた。 そんなことを質問する程調子付いてきたのならと大井の腰に添えて動きを緩く手伝うだけだった両手を、 揺れる二つのタンクに向かって伸ばした。 「ああっ! 胸、そんなに強くっ!」 滅茶苦茶にタンクを揉みしだく。滴る汗が自分の腕に数滴飛び散る。 そのタンクは手で完全に包み込むには少し大きいので、指の動きをそれぞれ変えてタンクに沈めたりしてみる。 「んんっ、い、やらしい、手つきね、あっ」 「人の事言えるか、このっ」 「あぅっ!」 生意気な口をきいてくるので、今まで動かさなかった腰を突き上げてやると面白い反応をした。 タンクのすべすべした手触りと補給口の中の絶妙な凹凸具合を堪能する。 「うぁっ! はっ! ああっ」 「ほらっ、ほらっ!」 「ちょっ、と、止めてっ、あ!」 「……」 「はぁ、はぁ……提督」 「うん」 「あの、最後は、抱きしめてもらいながら、イキたいの」 その時自分はどんな顔をしていたのだろう。心にずんと重い衝撃があったのは分かる。 事に及ぶ直前から大井と顔を合わせてしたいと考えていたのはそうだが、 今の大井の台詞はコピーしたように自分の意思に上書きした上で反映された。 上体を起こし、繋がったまま先と体勢を入れ替えて大井を横たえ、正常位で行うことにする。 これで抱きしめることもできるしなおかつ速度を上げることができる。 大井のスカートがめくれて下腹部が見えた。 大井の補給口周りは乾いた愛液の上にまた愛液で濡れているし、自分のモノはといえばところどころが赤くなっている。 ここまで乱れて来てそういえば大井は初めてだったことを改めて思い出したが、 あと少しで達することができそうなので構わず事を再開し、速度を上げていく。 「ああっ! やだっ、はげ、し、いぃっ!」 「てい、とくっ! キス、してっ、くだっ、あ!」 望みに応える事と、精一杯の想いを伝えたい気持ちで唇を合わせつつ、速度は落とさない。 唇を合わせるのが少し難しい。 「んっ! ぅ、んふっ、んんっ、ちゅく、ちゅるっ」 声が篭るも、ピストンしながらの唇を完全に合わせるのは無理なので、唇の端から声が漏れる。 想いを口に出したいがために割とすぐに離す。 抱きしめるために上体を大井と重ねるように下ろし、両手を背中に回す。 大井の耳元まで顔を持っていき、口を開く。 「大井っ、大井っ、前から、好きだったんだっ、愛してるっ!」 「はっ、て、提督っ、私もっ!」 こちらの背中に微かに回されていた手に力が込められる。 自分はこの時、初めて自分らが一つになれたかのように感じた。 最初は大井の気持ちの変化を曲解した結果涙を流させる事になってしまったが―― 「ぐっ……」 「んっ! ~~~~ッ……」 これから先も流させるとしたら、それは嬉し涙だけにしたいものだ。 流石に熱も落ち着いてきて寒さを感じてきたので布団を被ることにする。 狭いシングルベッドに二人で横になるなら密着するしかないが、むしろ好都合のように思う。 普段の調子がああなのであまり意識していなかったが、服を着ていても大井の体の凹凸はよく分かるものだ。 ――抱き合っていれば嫌でも分かるな。 服装をしっかり整えた大井の顔は、先までの事が嘘と思わせる位には涙の跡も残らず普段の微笑みを取り戻している。 自分も人のことは言えないが、愛だとか恥ずかしくないのかコイツは。 ――愛してるは普段から言ってるしこんなものか。 「で、寝不足の原因は一体何だったんだ」 ピロートークの第一声がこれとは自分もどうかと思う。 「提督は最近四十六サンチ砲を欲しがっていたじゃないですか」 「まぁそうだね」 「だから夜中に工廠の資料を読み漁っていたんですよ」 「……まさかとは思うがそれを開発しようと?」 「はい」 「私のためにか」 「……ええ」 半分分かっていながら少しからかいを込めて言ってみると目を逸らした。 自分の中で嬉しい気持ちと怒りたい気持ちが葛藤を始める。 開発艦が戦艦でも難しいというのに、戦艦以外が携わって開発できるとは思えない。 それぞれ得手不得手というものがあって、勉強すればどうこうなるものではないはずだ。 何事も学ぶのはおそらくいい事だとは思うが、 私のためを思っての行動が艦娘を殺してしまいかねないとなると喜んでもいられない。 大切な存在を失うことがどれほどの恐怖であるかを想像してみて、大井をさらに近くへ手繰り寄せた。 「まぁ勉強はいい。だがそれで睡眠時間を削るのはやめてくれ。 私も沈ませないような指揮を取っていくつもりだが、全知全能の神でもない限り何が起こるか分からん」 「……分かってます」 「それでも生活習慣を崩すようなら艦隊に入れないからな。 私自身としては大井には存分に活躍してほしいんだが……」 「輸送任務とかかしら」 「魚雷を没収されての輸送任務は楽しかったか?」 「……いえ、退屈だったわ。とても」 最終的な重雷装艦への改造を完了した際に大井自身も言っていたように、 伝聞や資料にもあるが前世では重雷装艦としての役目はほとんど果たせなかったようだ。 決戦切り札の誇りを持って世に生まれたのに、設計時と全く異なる使い方をされた時の大井はどんなに悲しんだだろう。 「お願いだから死ぬような真似はやめてくれよ? 別に四十六サンチ砲なんか開発できなくたってお前に失望したりはしない。 重雷装艦としての役目を存分に果たして、私の目の届くところにいてくれれば満足だ」 「……ごめんなさい」 謝罪に対しては大井の頭を撫でる事で返した。 分かってくれればいい。どうしても開発に協力したいというのなら支障が出ない程度に受け入れようと思う。 「こんな私を選んでいいの? ……私を裏切ったら、海に沈めるけどね」 大井にしては珍しい控えめな態度と、いつもの強気、というより最早脅しじみた態度を混ぜておかしな確認を取ってくる。 先まで散々求め合ったのに、ここに来て断るならばそれは支離滅裂というものだ。 これはたった一晩だけの関係ではない。一晩だけの関係で済ませたくない。 「へぇ。それよりも先に私を裏切って海に沈んでいくような馬鹿はあまり好きじゃないかな」 「……もうっ」 うまい具合に言い返してやると負け惜しみのような反応が帰ってくる。 私の体に伏せていたがこちらに合わせるために上げたその顔は、 以前の愛想笑いでも、悲しみを隠すような笑みでもなく、濁りのない笑顔だった。 「やっぱり、提督の事、愛してますっ」 スキンシップも大事だな。大井の姉妹艦がそう言っていた。その意見には賛同の意を表明したい。 その姉妹艦とは逆に嫌がっていると思っていた大井も心を開いてみれば、やはり姉妹艦という繋がりは伊達ではなかった。 「提督、この手はなんですか? 何かの演習ですか? ……まあ、いいかな」
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125 :提督×愛宕:2014/05/28(水) 11 32 19 ID QCg9SsWg 提督と愛宕がセックスしてるだけの話です パイズリなるものが書いてみたかったので 濃紺の制服をはだければ、それまで窮屈そうに制服の中に収まっていた重量感のある乳房がぼよんと陽の光に晒される。 女はこういったことに慣れているのか、余裕めいた微笑みを口元に刻みながら、焦らすように自らの淡い色の下着へと手をかけた。 (ううむ、いつ見ても堪らん光景だ) 男のギラつくような視線に射抜かれながら、女がブラのホックを外す。周囲の肌よりも一段と白い、透けるような乳房が揺れ、男の眼前に晒された。 制服の上からでもそれと分かる巨乳は、実際に目にすれば圧巻だった。まるで気圧されたかのように、ほうっと男は息を吐く。 「ふふっ、どうです? 提督」 上半身をはだけた女は文字通り胸を揺らしながら、執務椅子に腰掛ける提督の前へと跪き、男のズボンへと手を伸ばす。ジッパーを下げ、指先で器用に提督の主砲を露出させた。 半立状態だった男の主砲は、外気に晒されるや硬度を取り戻し口径を増大させる。 それは愛宕も思わず息を呑むような、46cm砲もかくやという超弩級クラスの主砲だった。 「ぐふふ、では早速やってもらうか」 野卑た笑みを浮かべる提督の言葉に逆らう術などある筈もなく、愛宕は提督の主砲へと口付ける。亀頭のみならず、唾液を含ませて砲身全体へと愛宕は丹念な口奉仕を行う。 「んっ、はむ……んふっ……」 昼下がりの提督執務室には、口奉仕の水音が淫らに響いていた。 (本当、これがなければ優秀な提督なのだけど) 考え事をしながらでも、愛宕の舌先は男の性感を的確に刺激していく。既に愛宕と提督は何度も身体を重ねており、こうやって昼間に行為に及ぶことも決して珍しくはなかった。 英雄色を好むというが、実績を上げ続けるこの鎮守府の青年提督はとにかくエロを好んだ。 愛宕だけでなく鎮守府の様々な艦娘に手を出しているが、実績だけはしっかりと上げているのだから上層部も困ったものだと思いながらも実質放置している有り様だった。 「おおっ、いい眺めだ」 「ふふ、光栄です」 唾液で濡れ光る主砲を、愛宕は自らの乳房で挟み込む。グニグニと形を変える柔肉が、提督の主砲を包み込むかのように擦り上げた。 (ああっ……胸が火傷してしまいそう) 熱く脈動する主砲を包み込んでいると、ただでさえ敏感な乳房が火傷してしまいそうなほどに熱くなっていく。 砲身の部分を乳房で圧迫しながら、露出している砲口へと愛宕は舌を這わせる。敏感な鈴口を刺激され、提督の腰が快感に跳ねた。 「ここがいいんですかぁ?」 まるで子供をあやすような声で、愛宕は提督へと上目遣いに言う。 「ああ、気持ちいいぞ。その調子だ」 愛宕は亀頭を口に含み、カリの内側から鈴口の先までを舌で刺激していく。先走りと涎の混合液が口の端 から垂れ落ち、それが砲身を擦り上げる潤滑油になっていた。 「んっ、んふぅ……んちゅ……」 次々と溢れてくる先走りに、愛宕の口内には強い雄の匂いが広がり、頭がクラクラとしそうだった。 (提督の匂い……なんだか、身体が……) 頬を赤く染めながら、愛宕は両股を擦り合わせる。自分の行為に興奮しているのか、じわりと染み出してき た愛液は愛宕の下着を汚していた。 (まだ勤務中なのに……早く終わらせないと) 背筋を駆け上がる危機感に急かされるように、愛宕の乳奉仕は射精を促すような急激なものになった。 上半身を揺らして乳房で砲身全体を強く圧迫しながら上下に刺激すれば、まるでゴム毬のように乳房が跳 ね、肉同士がぶつかる破裂音が響く。大ボリュームの乳肉に性器全体を包みこまれる様子を上から眺めれ ば、乳房を相手にセックスをしているかのようだった。 最初に比べて体温があがっているのか、性器を包み込む乳房から感じる温度も高くなっていく。熱くとろけ るような柔肉が与える圧迫は、膣内とはまた別種のぐにぐにと柔らかく包み込むような刺激だった。 (くぅ~、これはこれで堪らんなあ) 沸き上がってくる射精感に、提督は自ら腰をグラインドさせる。提督の主砲は乳肉をかき混ぜるような動き で、乳房のそこかしこをギュウギュウと刺激して快感を貪っていった。 (提督の熱いのが、おっぱいの中で暴れて……) 性感帯でもある柔肉を執拗に刺激され続け、愛宕の息もまた荒くなっていく。先端に咲く木の芽のような乳 首はぷっくりと膨らんでいた。 「どれどれ。ギュッとな」 提督が口元に野卑た笑みを刻みながら、愛宕の両乳首を指先で挟み込む。突如として走った快感の電流 に、愛宕は苦しげに身体を捩らせた。 「やぁッ!? だ、だめですよ提督……」 「うはは、いいではないか。愛宕も遠慮なく気持ちよくなるといい」 「そ、そんな……」 「ほらほら、動きが止まってるぞぉ?」 「んぅぅッ!」 乳首を指先で転がしながら、乳肉を掻き回すかのように提督は腰をグラインドさせる。提督の指先は経験豊 富だけあって痛みと快感の絶妙なバランスの刺激を愛宕に送ってきており、加えて乳房を主砲に蹂躙される 様子は愛宕の中に鈍い熱を蓄積させる。 愛宕は動いてパイズリをするどころではなく、快感に耐えるのがやっとの状況だった。 「おっぱいとセックスしてるみたいだなー、これはこれで悪くない。んー、そろそろ出そうだ。愛宕、もっとギュッ としてくれ」 愛宕は提督の言葉に頷き、豊満な乳肉でぎゅううっと提督の主砲を覆い包む。射精に至ろうとするような浅く 早いストロークがガツガツと愛宕のおっぱいを揺らし、たわわな乳肉が波打つように揺れる。 「くぅぅっ、出すぞぉ」 乳肉に主砲の全てを覆われたまま、提督は主砲から精子を打ち出した。ビクビクと何度も主砲が愛宕のお っぱいの中で暴れ回り、白濁液をうっすらと朱に染まった肌へとぶちまける。 (ああ……提督の精子、おっぱいの中に出てる。熱くて……このままだとおっぱいが妊娠しちゃう) 吐精を肌で受け止めている。その事実に愛宕の体の熱は収まるどころか高まっていくばかりだった 提督の主砲を開放した乳肉の間からは精液が垂れ落ちるが、愛宕は反射的に生臭い白濁液を指先で受け 止め、まるで提督へと見せつけるように口元へと運ぶ。ちろりと覗く赤い舌先が、指先に絡まった精液をペロペ ロと舐めとっていく。 淫熱に潤んだ愛宕の瞳は、提督へと何かを訴えけているようだった。 「どうした愛宕、これから執務があるんだろう。戻ってもいいぞ」 「もう……そんな意地悪、言ったら嫌ですよ」 中腰になった愛宕が、半立状態の主砲へと自らの股間部を擦り付ける。下着やタイツ越しに感じる湿り気 は、愛宕の中で既にスイッチが入ってしまっていることを告げていた。 「わたし、もうこんなになってるんですから」 言いつつ腰を揺らして主砲をタイツ越しに擦る愛宕の姿はなんともエロかった。黒タイツのザラリとした感触 も新鮮な刺激である。提督の主砲に次弾が装填され、発射準備が整うのはあっという間だった。 「ぐふふ、相変わらず愛宕はエロい子だなあ」 「いけませんかあー?」 「ああ。悪い子にはお仕置きしないとなー」 提督は乱暴な動作で愛宕の腰に手を伸ばす。愛宕は自ら下着やタイツを脱がなかった。まるで男に脱が せようとしているかのように。 「やっ、もっと優しくしてください……」 執務机に両手をついた愛宕は、男が下着を脱がせやすいように、尻を突き出している格好になっている。 提督はタイツごと荒々しく下着をずり下げた。途端に、今まで密閉されていた秘所からは金木犀の花を思わ せるような女の匂いが立ち込める。 「愛宕は匂いまでエッチだなー」 提督の指が愛宕の花弁を撫でれば、ぬるりとした蜜が絡まりついてくる。指先が浅瀬を軽く行き来すれば 、それだけで愛宕は喉奥から苦しげな息を漏らした。 「やぁッ……んぁぁッ!」 愛宕の反応を楽しむかのように、提督の指先が花弁を弄り回す。花弁の隙間からその身を覗かせるクリトリスを指先が軽く擦った瞬間、愛宕は声を押し殺しながら小刻みに身体を震わせた。 「ほう……ここがそんなにいいのか」 「だ、ダメッ! そこは……うぁぁッ……ッ!」 愛宕の背中に覆いかぶさるようにした提督は、クリトリスと同時に愛宕の乳首へと刺激を加える。愛宕の口 調からは、普段の余裕が削げ落ちていた。 提督の指使いは手練のそれであり、愛宕の反応によって強弱を巧みに変えていた。一番感じる強さで性感 を刺激され続け、愛宕は軽々と絶頂を迎える。身体を揺らした愛宕は力を失って倒れ込もうとするが、その腰 を提督の両腕が支えた。 「さーて、そろそろ本番と行くかぁー」 さも楽しそう言って、提督は自らの主砲を愛宕の花弁へと触れさせた。ぐうっと力を込めれば、既に濡れそぼ っていた愛宕の花弁は主砲を簡単に飲み込んでいく。 「おおっ、愛宕の中は気持ちいいなあ」 気を抜いてしまえば、この快感に提督は情けない声を上げてしまいそうだった。さすがにそれは何とかこら え、駆け上ってくる射精感を追い払う。 愛宕の膣内は蠕動運動を繰り返しながら、ギュウギュウと提督の主砲を締め付けてきた。不規則に蠢く膣 壁に暖かく包み込まれる感覚を味わうかのように、提督はゆっくりと主砲を前後させる。 提督の主砲は眼を見張るほどの大口径であり、そんな主砲が自らの膣内を行き来するのは、さすがの愛 宕でも息苦しさを感じた。かすれた息を漏らしながら、提督の抽送を愛宕は受け入れる。 「ほほう、全部入ったぞ」 全ての砲身を愛宕の中へと突き入れた提督は、その状態でグイグイと腰を揺らす。最奥を押し上げられ、 愛宕は潤んだ瞳で苦しげな声を漏らした。 (提督の大きいのが、全部入ってる。ああ、このままだとオカシクなってしまいそう) 提督が腰を動かし、抽送を開始する。主砲がまるで反応を探るように、愛宕の肉壁を所々擦り上げた。 「ああンッ、提督……」 情欲に流されているようで冷静に女の反応を見つめていた提督は、抽送を何度か繰り返して愛宕の声色が変わるような一点を見つけるや、そこを重点的に亀頭の先で何度も擦り上げる。 「あっ、ああッ! すごい、これっ……ンンぅ!」 巨大な主砲に膣内をゴリゴリと擦り上げられる感覚に、愛宕は抑えきれない嬌声を漏らす。普段は柔和な笑みを浮かべている口元はだらしなく半開きになり、眉根は余裕なく皺を刻んでいた。 「提督の大きいのッ、ああああっ!」 愛宕も自ら腰を揺らし、軟肉を主砲へと絡まらせていく。抽送の度におっぱいはぷるぷるとまるで男を誘うかのように波打っていた。 「うーむ、何度揉んでも素晴らしい触り心地だ」 「いやあっ、提督。今そんなところ触ったら……」 腰元の抽送はそのままに、提督は愛宕の胸元へと腕を伸ばす。こねくり回されるように乳房を刺激され、愛 宕の中に制御不能の熱が溢れてくる。 (ダメ、このままだと本当にオカシク……) 自らの中の絶頂の予感に愛宕は恐怖にも似た感情を覚えるが、当然こんな所で提督が動きを止めるはず はない。どころかスパートをかけるかのように、抽送は早く力強くなっていく。 奥の子宮口へと叩きつけるような強引な抽送が何度も繰り返され、愛宕は白い喉を反らせながら口元をパクツカせる。 既に身体は暴力的な快感ではち切れそうだった。 (ああッ、どうしよう。気持ちいい……提督の太くて逞しいのがゴリゴリと動いて。気持ちよすぎてオ×ンチンのことしか考えられなくなっちゃう。提督のセックス奴隷になっちゃうっ!) 愛宕の柔肉がグニグニとまるで射精を促すかのように、主砲へと一段と強い力で絡まりついてくる。提督の 主砲は今まで以上に熱を帯び、更に体積を増したようだった。 「うーし、そろそろ出すぞ」 「ああッ……提督、出して! 奥に下さいッ!」 「言われなくても、そうしてやる」 ギュウッと子宮口に先端を密着させ、提督は己の情欲を開放する。主砲からは熱い白濁が何度も打ち出さ れ、その度に愛宕は唇を噛み締めながら快感に身体を震わせる。主砲の大きさに違わないような、それは長い射精だった。 「はぁっ……はぁっ……ねえ、提督?」 主砲が引きぬかれた花弁からはつぅと精液が滴っているが、それに構わずに愛宕は提督の身体へと指先を絡める。誘うような蠱惑的な瞳で、提督を上目遣いに見つめた。 「おお、何だ? まだ足りないのか」 「ふふっ。だって提督、本当に凄いんですもの」 愛宕の唇は、まるで愛しいものへとそうするかのように、射精直後で萎えた状態の主砲へとキスを落とす。 「可愛い奴め。そう言われて引き下がるわけにはいかんなあ」 そうして瞬く間に提督の主砲は硬度を回復し、二人は執務そっちのけで身体を重ねるのだった。 愛宕が提督の執務室を退室したのは、既に日も暮れた後の事だった。セックスの後の心地よい疲労感を抱えながら、愛宕は鎮守府を歩く。 仕事は溜まってしまっているが、高雄に泣きつけば協力してくれるだろうと頭の中で仕事をこなす算段を整える。 (本当にあの提督には困っちゃうわね) 着任当初は面食らったものの、愛宕は提督とのセックスをそこまで嫌ってはいなかった。 むしろ提督とのセックスに慣れてきてる自分が少し怖かったりもする。 (他の男性じゃ満足できなさそうだもの) セックスの最中のことを思い出したのか、口元にいつも通りの微笑を刻んだまま愛宕は身体を震わせる。 肩を抱いて頬を赤らめるさまは、どんな男でも虜にするようなひどく妖艶な姿だった。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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前の話 秋雲がお澄まし顔で椅子に座っている。私は座布団の上に胡坐をかいて白いページと右手にもった鉛筆を交互に見ていた。 「提督~まだまだー?」 楽しそうな煽り声に私は少しむっとした。 「前にも言っただろう、絵心はないんだ!五歳児に描かせた方がまだマシなレベルだぞ」 ケラケラと秋雲は笑いながら足をバタバタさせた。 「いいじゃんいいじゃん、無茶なお願いじゃないでしょー?ほらほら、手を動かす」 「…後悔しても知らないぞ」 私は諦めて鉛筆を動かした。秋雲を見ながら、チラチラと白いページに目配せする。ゆっくり、ゆっくりと黒い線が描かれていったが―――――これは宇宙生物か何かだろうか?秋雲のように上手く描けるとは思わないが、もう少しまともに描けないのか、と自分自身に落胆する。秋雲は椅子から立ち上がって私に近寄った。スケッチブックに顔を覗かせてすぐに「プッ!」と噴出した。 「ちょっと提督~秋雲さん全然かわいくないんですけどぉー!」 大袈裟に笑いながら畳の上を腹を抱えて転がった。憎たらしいその行動にふつふつと怒りがこみあげてきた。 「……もうやってられるか。終わりだ、終わり」 私はバンッとスケッチブックを閉じてそっぽを向いた。ドタドタとした音がピタリと止んですぐに右肩に重みを感じた。 「まぁまぁ~じゃあさ、秋雲さんが提督に絵を描くコツを教えてあげるね~」 「……コツ?宇宙生物をミミズにする方法か?」 アッハッハ!とまた高い笑い声が響いた。バンバンっと強く右肩を叩かれる。少し痛い。 「あのねぇ提督ー 対象を見ながら触ったらジョーズに描けんだよー」 秋雲は私の手を取ると自身の顔へくっつけた。初めて触れた秋雲の頬は決して冷たくなかった。体温があった。私は指を少し動かした。ふにふにと、頬の弾力を指の腹に感じた。秋雲はくすぐったそうに笑った。 「もっと触ってもいいよー」 私は手を動かして顎の下をなぞった。男のそれとは違い柔らかくて滑らかで細い。それから首の後ろへと指をゆっくり移動させた。親指で耳たぶを何度か押したり引いたりして、親指と人差し指で挟み込んだ。柔らかな感触が気持ちいい。耳たぶの柔らかさを堪能した後はまたさらに指を奥に進めて指先が項に届いた。肌の表面を上下にゆっくりと撫でる。 「……んっ」 微かに聞こえた声に私の体がビクリっと跳ねた。秋雲に触れていた手をサッと引っ込める。先ほどまで女の体をなぞっていた手を凝視した。思えばこうやって異性の体に触れるのは久方ぶりだった。基地には艦娘がいるが、仕事のパートナーとしての付き合いを徹底している。見た目の美しい艦娘は多かったが、私は彼女たちをそういう目で見たことがほとんどなかったし、そういう風に触れたいとも思ったことがなかった。性欲は人間の三大欲求の一つだ。どうしても溜まってしまった時は一人で処理をしたし、たまに遠くの街へ出てそういった店を訪ねていた。艦娘たちと一定の距離を保つために思わせぶりな行動をしないように気をつけていた。しかし、私は今何をした。秋雲は触ってもいい、と言った。私は自分で定めたルールも思い出さず、秋雲に触れた。秋雲が声を出さなければもっともっと、彼女の体を堪能しようとしたはずだ。何よりも驚いたのが、私はこの状況に性的興奮を少なからず感じていることだ。 「どーしたのさ提督?触んないの?」 秋雲が不思議そうに私を見上げる。その無垢さがいやらしい気持ちを抱く私を責め、同時にゾクゾクとさせた。これ以上秋雲に触れたら引き返せなくなりそうだ。私は頭を横に振る。 「もう充分だ。下手なりにちゃんと描いてやるさ」 そう言って秋雲と距離を取ろうとした時、強く腕を掴まれた。ニヤニヤ顔が私を見つめている。 「あ~提督ぅ、もしかして秋雲さんに触ったらこ・う・ふ・ん・しちゃったの~?」 興奮の言葉を意地悪く強調される。私は慌てて頭を振った。 「そ、そんな訳がないだろう」 秋雲の手を離そうとしたが逆に秋雲が私に顔を近づけた。 「提督っていちおー女に興奮するんだ?艦娘に全然靡かないし、正直そういう趣味の人かと思ってた」 「からかうのもいい加減にしろ!」 秋雲の肩を掴み私から引き剥がそうとした。 「いいのぉ?秋雲さんは、いいよ」 その言葉に腕の動きが止まった。 「提督になら、私、好きにされてもいいよー」 猫が頬を摺り寄せるように、秋雲は肩の上にある私の右手に顔を押し付けた。私を淫らに誘う女の目をしながら。その姿にゴクリッと喉が鳴った。同時に一つの疑問が浮かび上がる。 「………お前は、私をそういう風に慕っていたのか?」 生前の秋雲との付き合いは私にとって気軽であった。秋雲の私を見る視線には恋愛感情の類を全く感じなかったからだ。馴れ馴れしく私に接することはあったが、小動物にじゃれつかれているか、姪が叔父に懐くような、そういうものを感じていたから、私は他の艦娘よりも秋雲といるのが好きだった。 「多分、違うんじゃないかな」 秋雲は私の右手から顔をあげた。 「生前の私は提督のことは良い上司として好きだったよ。他の艦娘が提督にラブアピールしても全然気にならなかったし、嫉妬もしなかった。今も同じ気持ち。提督とこの部屋で過ごしている間に全然そういう雰囲気にならなかったのは、…私の時間も心も死んだあの時で止まっていて、新しい感情は生まれてないからじゃないかなー今もこう、胸がキュン!となってないし」 「……では、何故好きにされてもいい、など…」 さぁね、と秋雲は微笑んだ。 「でも提督が秋雲を求めるなら、それに応えてもいいかなーって。お礼代わり、って意味もあるかも」 二人の間に暫く沈黙が流れた。その沈黙に居心地の悪さを感じたのか、秋雲の微笑みに困惑の色が見え始めた。 「ごめんね~…提督のことそういう風に好きだったらまだ気分のって出来たよね……うーん、その、提督が嫌なら別にしなくてもいいよ。ただ、提督が秋雲の絵を描いてくれるだけでいいし……?提督?」 秋雲が戸惑った声で私を呼ぶ。私が秋雲の頬に触れたからだ。 「……本当に、いいんだな?」 私の右手に秋雲の手が重なる。 「絵もちゃんと描いてね~」 私はフッと笑みを零し、微笑む秋雲の小さな唇にそっと自分のを重ねた。 秋雲の体はまるで中学生のそれを同じだ。発展途上の体つきであり、初々しく穢れを知らない。とても白くて眩しい。服も下着もすべて脱がされ、一糸まとわぬ未熟な仰向けの体は布団の上で一人の成人男性の手によってゆっくりと撫でられている。秋雲は自分から誘ったが、こういったことには慣れてないようでいつもの悪戯心溢れる顔つきが今は羞恥で赤くなっていた。その情景は私の興奮をさらに加速させる。女としてまだ成長途中の果実を食す行為に背徳と罪悪と、喜びを私は感じていた。白くて柔らかな体を堪能していると、小さな手が私の右手の甲を軽く抓った。空いた手が私の膝の上にあるスケッチブックを指差す。私は渋々手を離すとスケッチブックと鉛筆を掴み、白い空間に線を描き始めた。秋雲の体とページを交互に目をやる。秋雲は描く対象を触れば絵が上達するとはいったが、触れる前に描いたものとそう大差ないものが出来上がりつつある。絵に達者な秋雲が言うのだから実際に効果があるのかもしれないが、今までとんと絵を描いたこともない素人が同じ方法を試してもその努力がすぐに反映される訳がないのだ。ただ違う点を挙げるとすれば、今は描きながら興奮している事だ。白い空間に描かれていく歪な線の集まりを見ただけでも気分が昂っていた。早く触りたい、と。 ある程度描き終えるとページをめくり、また膝の上に置くと手を少女の裸体に伸ばし、触った。秋雲は目を細めて体を震わす。その震動が手に伝わった。手はゆっくりと腰のラインに沿って下に移動し、太腿に到達した。軽く揉むとその柔らかさが心地よい。五本の指でぐにぐにとこねていると小さな声が聞こえた。秋雲の顔を見ればさらに頬が紅潮していた。私は膝のすぐ下まで手を持っていくとグイッと持ち上げた。秋雲の細かった目がビクッと大きく見開いた。私はスケッチブックを横に置き、体勢を変えた。持ち上げた片足を前に寄せて顔を近づけ、目の前の膝小僧を舐める。足がピクリと跳ねた。舌先から甘い味が広がる。私はさらに体を屈めて唇を膝小僧から下へ、脚の付け根へと這わす。チロチロと舌で太腿を味わい続けているとグイッと頭を押された。秋雲の手が私の動きを制しているのだろう。私は空いた手で秋雲の手を掴むと無理矢理引き剥がした。そのまま舌で秋雲の体をなぞる。秋雲が抗議の声をあげるが、無視をして腹を舐めた。高い声が鳴った後、続いて笑い声がした。どうやらくすぐったいようだ。私が脇腹の近くを甘く噛むと肩をバンバンと叩かれる。体も私の責めから逃げようとグイグイ動いていたが私から離れないように押さえつける。しばらく暴れていたが、諦めたのか大人しくなった。私は唇を上へ上へと移動させ、小さな膨らみの上を進み、突起を口に含んだ。固くなった突起を舌でグリグリと弄ぶ。胸がやけるような甘い味と香りに目眩を覚えそうになる。何度か女を抱いた経験はあるが、初めて好きな女を抱いた時のような高揚感を今思い出していた。私は胸から口を離すと秋雲の顔を見た。秋雲は荒い息を吐きながら赤らんだ顔で私を見つめ返している。唇が小さく動いた。提督、と呼ばれた気がして、私は顔を近づけ、服を脱がせる前にしたように、秋雲と唇を重ねた。秋雲の唇はとてもあたたかい。まるで本当に生きているようだ。死んでいるなんて、信じられない。僅かに開いた隙間に舌を差し込む。口内もあたたかかった。己の舌が秋雲のそれに絡みつき何度も何度も熱を確かめる。熱は一向に引く事はなく、益々熱くなっているようだった。その熱が嬉しくて私は、私は、 ペシペシと頬が叩かれた。秋雲の手だ。呼吸が苦しくなったのだろうか、私は秋雲から唇を離した。名残惜しそうに唾液の糸が私の舌先から垂れた。おかしなことに秋雲の顔がゆがんでぼやけている。 「……なーに泣いてんのさ、提督」 秋雲の言葉で、ようやく私は自分が泣いていることに気付いた。秋雲の手が伸びて私の頭を優しく撫でる。 「そんなんじゃ絵なんて描けないよー」 秋雲は上半身を起こすと私の顔に近寄り、目尻を舌で舐めた。溢れる涙と、涙が伝った頬をあたたかな舌が拭っていく。何か言葉をかけようと思ったが喉が詰まって何も言えなかった。 「……提督、秋雲、本当は自分が沈む所を描いて欲しいんだよね~」 私は驚いて秋雲を見た。 「でもそんなの、誰にも頼めないっしょ。でも誰かに秋雲のこと描いて欲しかった。それが提督で良かったよ」 横に置かれたスケッチブックを秋雲は手に取った。パラパラと前のページをめくる。最初の一枚は椅子に座っている着服の秋雲、二枚目からは服が乱れ、ページが進むごとに肌の露出が高くなっていた。絵が下手でも、その程度のことなら第三者の目から見ても分かる、はずだ。秋雲はからかうことも茶化すこともせず、静かに絵を眺めていた。その横顔は穏やかな笑みだった。私も涙がようやく落ち着き、目を強く服の袖で拭った。秋雲に近づき彼女の手からスケッチブックを取り上げる。転がっていた鉛筆も掴んだ。 「……後ろ、後姿を描く」 りょーかい、と言って秋雲は私に背を向けた。私は白紙のページを開き、鉛筆を走らせた。 そうして私は、秋雲を白い空間に何度も描き、何度も体に触れ、何度も彼女の熱を確かめた。 そして、ついに夜が明けた。 雲一つない青空が広がっている。 その空の下、港に立つ瑞鶴は深呼吸をする。心臓の音が緊張で早くなっていた。 「そこに立ってると邪魔なんだけど」 「わっ! ……って、加賀…さんですか」 後ろにいる加賀を見て瑞鶴は眉間を顰めた。はぁ、と加賀は小さく溜息を吐いた。 「久々の実戦で怖いの?やっぱり貴方は出撃しない方がいいんじゃないかしら」 「な!んなことないですし!ただの武者震いですし!」 怒る瑞鶴を見ても加賀は表情一つ変えなかった。そう、と興味なさそうに呟くだけだ。 「瑞鶴落ち着いて…ほら、もう少しで出撃の時間よ」 慌てて二人の傍に来た翔鶴が瑞鶴を宥めた。瑞鶴は頬を膨らませてツンっと横を向いた。 「やれやれ…あの二人は相変わらずだな…」 それを見ていた長門は呆れているような声を出す。 「お前たち、準備はいいか」 長門が振り返ると提督がこちらへ向かって歩いていた。その後ろでは北上が前を歩く木曾のマントの裾を面白そうに持ち上げながら歩いている。 「あぁ、司令官。私はいいぞ。…多分あいつらもいいはずだ」 長門は親指で空母たち三人を指した。 「よし、ではみんな、並んでくれ」 提督の合図で横一列に翔鶴、瑞鶴、加賀、長門、木曾、北上が並んだ。 「本日は北方海域のアルフォンシーノ方面への出撃だ。深海棲艦がまたその辺りに集い始めているとの情報があった。第一艦隊はアルフォンシーノ方面に赴き、深海棲艦を見つけ次第すべて撃滅せよ。旗艦は瑞鶴とする。途中損害が酷ければ直ちに帰投しろ。また、基地へ到着するまでは決して油断するな。慢心せず、注意を払え」 はい、と六人は返事をした。 「そして瑞鶴」 「ふぁ!?な、何ですか」 提督に急に呼ばれて瑞鶴の声が裏返っていた。 「久々の実戦で不安なことはあるかもしれないが、お前もこの基地の大事な主力の一人だ。自信を持て、前を進め。頼んだぞ」 瑞鶴は目を何回もパチパチさせた後、ピシッと姿勢を正してはい!と大きく返事をした。 「加賀と翔鶴は瑞鶴のサポートをお願いする」 「承知しました」 「了解です」 よし、と提督は安心したように頷いた。 「それでは第一艦隊、出撃せよ」 雲一つない青空が広がっていた。 第一艦隊は予定通りに港を発った。艦娘たちは既に水平線の向こうへ消えている。 男が一人、プライベートルームのドアの前に佇んでいた。数十分も何もせずにそこにいたが、意を決したようにドアノブに手をかけた。ドアは難なく開き、男を部屋の中へと招く。男はゆっくりと足を進めた。居間への襖は閉じられており、玄関側は少し薄暗い。男は靴を丁寧に脱ぐと冷たい床の上を歩いた。襖の取っ手に手をかけ、深呼吸をし、開いた。 誰もいなかった。 何の声も聞こえなかった。 男は一人だった。 男はのろのろと窓際にある椅子へと向かった。椅子の上にはスケッチブックが一冊置かれていた。男はそれを手に取り中を開いた。 瑞鶴がいた。男が港で見送ってきた、瑞鶴がいた。久々の実戦に瑞鶴は小さな不安を抱いていたが、いざ出撃した時の彼女の背中は熟練の艦娘と変わらぬ、頼もしく力強いものであった。 その絵を見ながら、男は静かに涙を流した。 「翔鶴姉、早く早く」 瑞鶴は後ろで不安そうに歩く翔鶴に声をかけた。 「待って瑞鶴…あの、本当に大丈夫なの?ここに来ても…」 「大丈夫だって!だって提督さんが瑞鶴たちを呼んだんじゃん。来いってさ」 「そ、それはそうだけど…」 瑞鶴は大きく溜息を吐くと翔鶴の手を取った。 「いいからいいから、ほら行くよ!」 「あ、もぅ瑞鶴ってば!」 煮え切らない翔鶴の手を引っ張り瑞鶴は先へドンドン進んだ。基地で比較的新参者の瑞鶴にとってこの通路の先にある部屋に行くのは二回目だったが、翔鶴や他のほとんどの艦娘はこの建物自体に足を踏み入れたことがなかった。建物の存在は誰もが知っていたが、ある意味ここを訪れることは禁止にされていたからだ。この建物の最上階には提督のプライベートルームがあるのだが、提督はその部屋に自分以外の者が立ち入ることを酷く嫌っていた。緊急事態があれば携帯への連絡を徹底し、部屋を訪れることを許していなかった。提督に猛烈にラブアピールしていた艦娘さえ、押しかけ女房のように提督のプライベートルームに行くことは躊躇うほどだ。そんなことをしてしまったら最後、解体でも近代化改修の餌にでもされかねなかったからだ。しかし、つい昨日提督は瑞鶴と翔鶴に都合が悪くなければそのプライベートルームに来て欲しい、とお願いしたのだ。 「そう心配することないと思うよ。提督さん、最近はすっごく丸くなってるし」 瑞鶴の言葉通り、提督は変わった。サブ島沖海域で連絡が途絶えた艦娘たちの捜索隊が無事に彼女たちを見つけ帰投した後から、提督は瑞鶴の謹慎を解いた。それから瑞鶴を演習に参加させるようになった。先日は久々に海域へ出撃し、深海棲艦たちを蹴散らすことも出来た。装備も強いものを与えられ、瑞鶴は強くなる機会を取り戻したのだ。それに、ビジネスライクを思わせる提督の艦娘への接し方が前より穏やかなものへと変わった。ただしやはり、分かり易くラブアピールをする艦娘には全く隙を見せることはなかった。そういうおカタい所がいいのデース、なんてまた別の意味で火がついたようだが。 「でも何の用かしら……この間の出撃は深遠部まで行ってもみんなほぼ無傷で帰還できたのに…」 「さぁ…でも瑞鶴たちに関係あることを話すんじゃないかな。……色々と、さ」 提督は瑞鶴に寮外に出ることを禁止にした理由を未だに語らなかった。もちろん翔鶴にもだ。今までの非礼の謝罪しか聞いていない。 「その話だといいんだけどなぁ……あ、見えたよ、あの部屋だ」 二人はプライベートルームの前まで来た。ドアの右側には名札が貼ってあり、左側にはインターホンが設置されていた。そういえば、前にここに来た時は興奮していたからインターホンが目に入っていなかった。無遠慮にドアを叩いてしまったことを思い出し、瑞鶴は申し訳ない気分になった。気を取り直してインターホンを押そうとした時、瑞鶴は妙な違和感に気付いた。 「瑞鶴?どうしたの?」 「あ、いや、何か足りないなと思って…」 「足りない?何が?」 「うーん……なんだろ、ま、いいや」 瑞鶴がボタンを押すとピンポーンと機械音が鳴った。数秒ほど待つとガチャリとドアが開いた。 「瑞鶴、翔鶴、よく来たな」 「お、おはようございます…!」 目の前に現れた提督に、二人は頭を下げて挨拶をした。上からおはよう、と低い声が返って来た。 「来てくれてありがとう。さぁ、入ってくれ」 瑞鶴と翔鶴は恐る恐る部屋の中へと足を踏み出した。 「お邪魔します…」 提督のプライベートルームはとても質素なものだった。キッチンも綺麗に片付いており、汚いところはない。居間も本棚にギッシリ本が並んである以外、乱雑になっていなかった。ただ、窓から見た景色がとても綺麗であった。最上階であるこの部屋からは水平線も港も演習場も見渡せた。今日のように天気の良い日は、最高の眺めであった。瑞鶴と翔鶴が窓の景色を堪能していると後ろから二人の名を呼ぶ声がした。振り返ると提督が赤色のスケッチブックを差し出していた。近くにいた瑞鶴が受け取り、中を開いた。 「わっ すご…」 スケッチブックには多くの艦娘や基地の景色、そして深海棲艦の絵が描かれていた。どの絵も今にも動き出しそうなほど躍動感に溢れたものだった。 「ね、ねぇこれ!翔鶴姉だよね」 何十枚かめくった後に翔鶴のページが現れた。演習中の翔鶴を描いたもので、普段と違う真剣な表情に瑞鶴は目を奪われた。 「すごいなーかっこいいね、翔鶴姉」 翔鶴を見ると、その目が驚きで見開かれていた。自分の絵に驚いているというよりも、もっと別のことに目を奪われているような、そんな驚き方だった。 「確か瑞鶴の絵は数ページ先にあったはずだ」 「え?!本当?」 瑞鶴は急いでページをめくった。すると目当てのものが目の前に現れた。 「わぁ……」 瑞鶴はただ感嘆するしかなかった。先ほどみた翔鶴と違って動きのない絵だったが、その力強いタッチに瑞鶴の体は震えた。その震えには覚えがあった。そう、久々に出撃した時に感じたあの震え。 「それは先日描かれたものだ。瑞鶴の久しぶりの出撃の日に」 「すごい…!提督さんって絵の趣味あったんだね」 提督は頭を横に振った。 「これは私が描いたものではないんだ」 「え?じゃあ誰が描いたの?」 瑞鶴は頭をあげて提督を見た。提督は、フッと静かに笑った。その笑顔が何処か寂しそうに見えて、瑞鶴はドキリとした。 「絵を描くのが得意なやつがいたんだ…彼女は、瑞鶴と翔鶴を描きたいとよく言っていた。ついにその夢を叶えることができたんだ」 「あれ、そんな子いたんだ…?」 瑞鶴は首を傾げた。瑞鶴はこの基地にいる艦娘全員とは顔を合わせた記憶があるが、誰からもそういった話を聞いたことがなかった。 「瑞鶴、その子にお礼言いたいな。こんなにかっこいい翔鶴姉と瑞鶴見れたもの!」 提督は再び頭を振った。 「…すまない、彼女はもうここにはいないんだ」 「え?!そ、そうなの?なんだ、いないのか…」 残念だね翔鶴姉、と声をかけようとして隣を見ると、翔鶴の表情は相変わらず険しかった。何が翔鶴をそこまで驚かせているのか、瑞鶴は不思議で仕方なかった。 「…翔鶴姉?どうしたの?」 「あ、……ううん、何でもない。何でもないわ」 翔鶴は瑞鶴に笑いかけると提督に顔を向けた。 「その人はもう、ここには戻って来ないのでしょうか」 「そうだな、きっと」 「そう、ですか…」 翔鶴と提督は黙り込んだ。二人の間に妙な沈黙が流れる。まるで二人だけは通じ合っているような、そんな沈黙。その沈黙に段々瑞鶴は居心地の悪さを感じ始めた。 「そういえば」 先に沈黙を破ったのは提督だった。 「賞状と勲章は受け取ることにした」 賞状と勲章?瑞鶴には何の話か全く分からなかったが、翔鶴が嬉しそうに声を上げた。 「提督、本当ですか?」 「あぁ。何となく吹っ切れてな、頑なに跳ね除けなくてもいいかもしれないと思い始めたんだ。これで友人の小言からも解放されるが…… 戦ったのは私ではなく艦娘たちなのに、私の名で授与されるのが申し訳ない」 「私たち艦娘は貴方の下にいたからこそ周りから称えられるような戦果を残せたのです。私たちのことは気にせず、貴方が受け取ってください、提督」 「翔鶴……ありがとう」 先ほどよりもさらに濃厚な二人の空間に瑞鶴は気圧されていた。提督と翔鶴を交互に何度も見遣り、あー!と急に声を出した。二人は驚いて瑞鶴を見る。 「ちょっと!賞状とか勲章とか何の話?!あとスケッチブックも!結局誰が描いたのよー!瑞鶴を置いて二人の世界を作らないで!」 「ご、ごめんなさい瑞鶴…そういうつもりじゃなかったんだけど…」 翔鶴はおろおろしながら瑞鶴を宥めた。 「っていうか!提督さんはどうして瑞鶴を外出禁止にしたの?瑞鶴何かやらかしたの?」 瑞鶴は一番の疑問を提督にぶつけた。提督は申し訳なさそうに眉間を歪める。 「すまない瑞鶴。お前を閉じ込めた理由だが…聞かないで貰えるか?君にはとても悪い事をしたと思っている。しかし私はその理由を告げることはできない。少なくとも、まだ今は」 瑞鶴は提督を見つめる。提督は目を逸らさなかった。瑞鶴には提督が何を考えているのかが全く読み取れなかった。しかし、瑞鶴に外出禁止を言い渡した時よりも、優しい目をしている気がした。 「……分かった。じゃあ聞きません」 渋々瑞鶴がそう言うと、提督が安心したように笑った。 「ありがとう、瑞鶴」 ドキリと、また瑞鶴の胸が疼いた。ビジネスライクの笑顔とは違う、何処か純朴な笑顔だった。 「ところで、この後は二人は予定はあるのか?」 「いえ、何もありませんが」 翔鶴が答えると、提督がそうか、と呟いた。 「昼が近いが、一緒に食べないか?カレーを作ってあるんだ」 「えっ えぇ!?」 瑞鶴は提督の誘いに驚きを隠せなかった。艦娘と距離を置いて接してきた提督が自らその艦娘を食事に誘うのだ。提督が以前と変わってきていることは感じていたが、ここまでその変化が影響しているのかと瑞鶴はある意味感心していた。 「久々にこの部屋で誰かと一緒に食べたくなったんだ。間宮の料理がいいなら、無理に付き合わなくてもいいが」 「えっと、瑞鶴はいいけど…翔鶴姉も大丈夫だよね?」 翔鶴はえぇ、と頷いた。 「是非、ご一緒させてください」 二人の返答を聞いて提督はちゃぶ台を指差した。 「ならゆっくりしていてくれ。準備してくる」 「何かお手伝いできることがあればやりますが」 「翔鶴も気遣わなくていい。あぁ、本棚にあるものは読んでいて構わない。他のスケッチブックもあるから見るといい」 提督はそう言うとキッチンの方へ消えていった。瑞鶴は翔鶴と顔を見合わせた。 「えぇっと…じゃあ、ゆっくりしましょうか、瑞鶴」 「うん…あ、他のスケッチブックも見たい」 瑞鶴は本棚の方へ行くとスケッチブックを探した。上から四段目の棚にスケッチブックが並んでいた。青、赤、黄色、緑――――――様々な色の表紙だった。 「黒はないんだ…」 瑞鶴は適当に四冊ほど取ってちゃぶ台に戻った。座布団に座って待っていた翔鶴の前にスケッチブックを置く。 「あ、ねぇ翔鶴姉はこの絵を描いた人のこと知ってるの?」 「え?どうして?」 「いや…何か知ってそうだったから」 翔鶴は困ったように笑った。 「…思い当たる人はいるけど…私の勘違いかもしれないから。それに提督は話したくないようだから、私も話さないわ」 「話したくないって…それって瑞鶴を閉じ込めた理由だけじゃないの?」 「もしかしたらそれに関係する人かもしれないから、ね」 翔鶴の話は腑に落ちなかったが、瑞鶴はそれで納得するしかなかった。仲間外れにされた気分だが、二人とも話す気がないから深く問い詰めるのも気が引けた。 「……じゃあさ、賞状とかの話は?」 「南方海域まで行けるようになったでしょう?それの表彰よ」 「そうなんだ…って、何で翔鶴姉が知ってるの?」 「提督のお知り合いの議員の人が話してくれたのよ」 「ふーん…」 外出禁止を命じられている間、翔鶴以外の艦娘との交流もあまりなかった。会話までは禁止されていなかったが、理由が不明なのと提督の態度に周りは瑞鶴とどう接していいのか分からなくなっていたらしい。寮外に出ることを禁止されている瑞鶴に外の話をすることで瑞鶴を傷つけるのではないか、と心配していたことを他の艦娘から聞いた。謹慎を解除されてからは艦娘たちは色んな話を瑞鶴にしてくれた。あの加賀でさえ、演習場では瑞鶴の面倒を見たり海域ではフォローをしてくれた。提督の命令もあったからだろうが、何となく加賀の優しさも感じないこともなかった。そうやって周りが瑞鶴との距離を埋めようとしていたしそれを嬉しくも思っていたが、やはり、寂しさは拭えなかった。 瑞鶴はスケッチブックを一冊取って中を開いた。先ほど翔鶴と一緒に見た物に描かれていなかった艦娘がいた。遊んでいる所や寝ている所、ご飯を食べている所など、日常的な場面が多く描かれていた。間宮が料理を作っている絵もあった。仕事中の提督もいた。そこには瑞鶴の知らない光景ばかり描かれていた。 「カレーが出来たぞ。上を片付けてくれ」 提督の声が聞こえ、瑞鶴と翔鶴はちゃぶ台に置いていたスケッチブックを床に置いた。提督はトレイにカレーを二皿乗せて運んできた。カレーの良い香りが鼻の奥を擽り、口の中で涎がじわりと溢れる。提督は瑞鶴と翔鶴の前にカレーを置くとまたキッチンの方へ行った。美味しそうなカレーを前にしてぐぅ、と小さな音が瑞鶴の腹から鳴った。恥ずかしそうに顔を赤らめる瑞鶴を見て翔鶴は小さく笑う。 「笑わないでよ翔鶴姉!」 「ごめんなさい怒らないで…ふふ」 提督が片手にカレー、片手にスプーンを三つ持って戻って来た。ちゃぶ台の前に座るとスプーンを二つ、瑞鶴と翔鶴に渡した。 「待たせたな、じゃあ食べよう」 提督は手を合わせた。瑞鶴と翔鶴もそれに倣う。瑞鶴は手を合わせながら、絵描きの人がいたらこの場面も描いてくれただろうか、と考えた。瑞鶴はまだ色んな事を知らない。絵描きの人が知っている景色のほとんどをまだ直接見た事がない。それはとても寂しいことではあるけれども、これから自分自身の目で見ていけばいいのだ。きっとそこには絵描きの人が知っている景色も、知らない景色もあるだろう。 けれども、今は、この食事を楽しむのが先だ。 「いただきます」 三人の声が重なった。 今日は金曜日、カレー日和だ。
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前回の話 時刻は、フタフタマルマル。 今日も今日とて、自室を抜け出す時に北上さんに気付かれる事はなかったよう。 私はまたいつしかの夜這いの時同様、忍び足で執務室を目指した。 暗闇が多くの廊下を包む庁舎内を時間をかけて移動し、こっそり執務室の扉を開ける。 しかし、明かりが全く点されていないと思っていた私の目には、僅かな光が入ってきた。 見れば、炬燵に乗った機能美な電気スタンドが、あの人を照らしている。 ――なんで起きてるの―― ――せっかく寝ているところに潜り込もうと思ったのに―― 私は無意識に舌打ちする癖を抑え込んだ。 私と気付いてか、あるいは背後からの刺客に気付いていないか、 この人は大仏のように胡座を掻いたまま微動だにしない。 だから、その無防備な背中に覆い被さるように抱き付いた。 肩越しに目を向けると、炬燵には徳利と何やら透明の液体が入った猪口が乗っている。 この人の耳に向かって、添い寝出来なかった事による勝手な不満を、私は息をするように軽口に乗せる。 「時間管理もちゃんとできないんですか? 今度から寝坊したら、魚雷で叩き起こしますよ?」 「…………」 この人は、何も返してはこなかった。 座ったまま寝ているのか? その耳に再度囁きかける。 「聞いてます?」 「……私の」 「え? 何ですか?」 既に酔っているらしい事が、この反応の遅さと、いつもよりゆったりとした口調から察せられた。 突然ぽつりと零れた一言は聞き取るのが難しい程度に空気を震わせる力が込められていなくて、 もう少し声量を上げてほしいという意味を持たせて聞き返す。 そして、次に来る筈の言葉をちゃんと拾おうと私は耳に意識を集中させた。 「大好きな大井の声を聞き漏らす筈がないさ」 "大好き" "大好き" "大好き" 次に拾った言葉の特定の一句が、私の頭の中で何度も壁に反射、反響する。 そうして反芻した結果、私は顔から炎上した。 とても熱い。 動揺を悟られまいと、この人の体に引っ付けた体や手が震えないよう気を張り、 応急的に無理矢理口をつく。 「な、何を……、馬鹿ですか……っ」 ――しっかりなさい! 似たような事を普段言っている私が何て体たらく―― "愛してます"と言う科白も、 実のところ顔が熱くなるのを、我慢したり知らない振りをして言っているんですけどね。 どうやらこの人にそれはばれていないらしい。 「おやあ、いつもの毒はどうした~?」 動揺し切っている事は完全にばれていた。 そんな私とは対に、この人は肩の力を抜いて呑気な調子でからかう。 「その減らず口を縫って差し上げましょうか……!」 「おお、こわいこわい」 震える口で何とかお望み通りの毒を吐いてあげたが、この人は、ちっとも怖くなさげにからからと笑う。 座るかい、と体を少し横にずらしてくれたので、 空いた右側のスペースに、熱くなった顔があまり見られないよう逸らし気味のままで座り込む。 炬燵の一辺は二人で入るには少々狭く感じたが、何の不満もなかった。 胡坐を掻くこの人の膝が、当たるか当たらないかの位置に正座の位置を調整する。 この人は月に夢中なのか、顔を逸らしても何も言ってこなかったので、 そのうち私もぼんやりと月を見上げるくらいの平静を取り戻すことができた。 その月を見ていると、かの夏目漱石に纏わる有名な話が思い浮かんだので、 なんでもないような振りをしてそれを口にしてみる。 「……綺麗ですね、月」 「…………」 この人は、何も、応えない。 何を思っているんだろう。 「……そうだね」 沈黙のテンポの中、不意に相槌を打たれ、肩がビクつく。 さっきまでのこの人のあっけらかんとした態度からの静かな相槌は、 手に持つそれが酒ではなく水ではないかと疑心を持たせるほどの変わりようだった。 「私も、そう思う。とても……」 一句ずつ噛み締めるような提督の相槌に、私は焦燥感を焚かれ少し苛々していた。 それはどういう意味? 文字通り月がそう見えるだけ? それとも、私が放った言葉と同じように? 目前の陶器に入っている液体が間違いなく酒であることが、 それの匂いから、この人のいつもよりゆっくりとした口調から断定できる。 ――やっぱり深い意味はないのかな―― 少しの沈黙の後、唐突に私の膝に置いていた左手をやんわりと掴まれ、掌を開けられる。 そしてどこに仕込んでいたのか、黒色の小さな箱が置かれた。 開けてごらん、と、言われる通りにしてみる。 「……え? これ……」 「……それは、指輪と言う物だ」 見れば分かる。 指以外に通せる部位はないと断言できるサイズのその輪は、箱の台座で銀色の輝きと、この人の思いを放っている。 私がこれの意味を考えている間に、提督はそれを嵌めてくれた。 私の、左手の薬指に。 聞いた話では、この指に指輪を贈られる意味は。 顔を見上げると、この人はまたさっさと月を肴に猪口を呷り始めていた。 沈黙が続く。 「何か言う事はないんですか」 沈黙が続く。 私の訴えは拾われることなく、宙に霧散する。 この人は今、何を思っているんだろう。 この人はなぜ、これを私にくれたのだろう。 目を伏せる。 「……綺麗だけど、綺麗な丸ではないね」 突然そう呟くこの人の横顔を見やる。 この人は酔っている筈なのに、顔が赤い様子はない。 スキンシップする時のように不自然なまでに引き締めた顔でもなく、たまに見せる子供のような顔でもない。 あくまでもこの人は、顔に力の入っていない真剣な様子でいた。 この人の視線の先を追うとあるのは、よく目を凝らさないと見えない程度の小さな星屑に囲まれて輝く夜空の重鎮。 あの月は正円かと思いきや、よく見ると確かに完全ではない気がした。 半分に割って左側が右側より面積が小さく見えた。 提督は猪口に酒を注ぎ、それを呑まずに見つめたまま無表情で口を開く。 「これは持論なんだが」 「月の、あの綺麗なところは見習いたいが、すぐに欠けるところは見習いたくない」 「いつまでたっても、綺麗で何も欠けないように生きていたい」 「ここにいる皆もそうだが、特に大井がいなくなると、例えるなら半月位になってしまう」 「……ずっと一緒にいてくれるか?」 そしてこの人はこちらに顔を合わせ、問いてくる。 言葉は疑問形だけど、酒が入っている筈なのに据わっている提督の目に、 不安気な様子などは全く見受けられなかった。 寧ろ絶対の自信しか見えないその理由は、人の気を大きくする酒のお陰ではないと信じたい。 否、信じる。信じられる。 「……悪い気持ちじゃないわね」 私は、素っ気ないようにそれだけ応え、この後に備えて顔を窓の外に向けた。 ……今まで私を大切にしてくれたこの人に、ここに至るまで求められて、良い気持ちでない筈がない。 切なさのあまりか、私の内側の何かがとくんとくんと、ゆっくりとだが大きく脈打つ。 それがポンプであるかのように、目から温かい水の粒が静かに押し出された。 月が、夜空が、歪む。 顔を逸らしておいてよかった。 そして、この人の体に寄り掛かり、みっともない泣き顔が見えないように目を伏せる。 涙を流しているのがばれているのかいないのか、この人はただ私の頭を、温かく撫でてくれた。 冬の月見の切り上げは、 月が窓から見えなくなるほど高く昇るのが先か、この人が酔い潰れるのが先か。 何れにせよ、まだまだ続くことだろう。 一頻り涙を流したら、私を選んだ理由をこの人から問い質してみようと思う。 時間は、存分にあるのだから。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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「提督。お前、ちょっと……ウザい」 摩耶は苛立ったように目つきを鋭くして、提督を見上げると、そんなことを言ってくる。 その口の悪さも、長い付き合いのある提督にとっては慣れ親しんだものではあるのだが、やはり上官として一言言わずにはいられない。 布団に横たわる摩耶をじっと見下ろして、提督は小さく首を振った。 「ひどいな。どうしてそんなこと言うんだよ、摩耶?」 「──あたしが帰投するなり、お前が押し倒してくるからだろうがッ!!」 そう、ここは司令室。 秘書艦である摩耶は、帰投するとまず司令室に寄らなければならない。戦闘の報告のため──なのだが、提督にとっては少々事情が違う。 特に、彼女が中破以上の損傷を負って帰ってきた時などは。 「だって摩耶、こんなにボロボロになって帰ってきて! すっかり装備がズタズタで、大事なところが丸見えじゃないか! 絶妙な切れ込みで強調された腋といい、破れたスカートから覗く白い太ももといい、これはたまらない! 何より、スカートの下が見えそうで見えない、男の視線を釘付けにするこのチラリズム! 押し倒さずにはいられないだろう?」 「それがウザいって言ってんだろうが!? 早くどけよ、色ボケ提督ッ!」 「はいはい暴れない。どうせ中破状態じゃ力も半減してるんだから、抵抗するだけ無駄だぞ?」 戦場では充実した対空装備を振り回して大暴れする摩耶も、今は簡単に組み敷かれてしまう一人の女の子だ。 ちなみに、司令室に布団が敷いてある理由については察していただきたい。いつものことだ。 「だから、さっさと入渠させろよ! こんなところで遊んでないで……」 「ドックは赤城と加賀が使ってるよ。あと八時間だったかな? 二人の修理が終わるまで」 丸見えになった腋を、つーっと指でなぞってやると、摩耶は「ふあぁっ!?」と悲鳴をあげて身を反らせた。 脱力した隙を見計らって、提督は摩耶の乳房を鷲掴みにする。 「や……ぁ、やめろっ、このバカ提督……」 「やめない。摩耶のおっぱい、服の上からでも抜群に触り心地いいし。このボリューム感、さすがは高雄型だよなぁ」 「んっ……も、揉むなぁ……どうせ、アネキ達に比べれば、あたしの胸なんか大したことないって思ってんだろ……」 「そんなこと言ったら他の艦娘が怒るぞ? これだけのものを持ってるっていうのに」 破れた服を引っ剥がすと、たゆん、と豊かな双丘が露わになった。下着を着けないのは高雄型の共通事項らしい。 ほんのり桜色に染まった瑞々しい乳房は、指や手のひらで押しこむたびに確かな弾力を返してくる。 跳ねっ返りな当人の性格を反映しているわけではあるまいが、この弾力から形成された膨らみの美しさは他の姉妹以上だと、提督は密かに思っていた。 「は、ぅぅ……っ、い、いつまで揉んでんだよ……クソがぁ……」 「女の子がクソとか言わない」 「うるさい……どうせ、これが目的で、あたしがこんなになるまでコキ使ってんだろ……」 「まさか。純粋な意味で、摩耶は戦力の要だと思ってるよ。航空機バンバン落としてくれるしな。さすがは対空番長というか」 「誰が番長だっ! ……ひにゃあっ!?」 乳首を強めに摘んでやると、摩耶は猫みたいな声をあげて身をよじった。 その様が可愛らしくて、くにくにと強弱をつけて乳首を集中攻撃する。あっ、あっ、と途切れ途切れに嬌声が漏れた。 「摩耶って、痛みには慣れてるけど、快感には弱いよな。そこがまた可愛いというか」 「か、可愛いとか、言うなぁ……変態提督っ……」 「変態……ねえ」 むくれてそっぽを向く摩耶の様子を、また微笑ましく思いながら、彼女からは見えないように手を下の方へと滑らせる。 太ももの内側に指を這わせて、そのまま股間までするりと一撫でした。 声にならない声が摩耶の口から漏れる。 指先に熱い潤みを感じた。既に、内股を伝い落ちるほど、摩耶のそれは溢れ出している。 「あっ! あぁっ、ふ、ゃああ……っ、ま、待……っ、ていと、く……!」 「変態提督に弄られて、こんなになってるのはどこの誰だ? ええ、変態艦娘の摩耶さん?」 「ぶ、ぶっ殺されてえかっ……おま、え、あぁぁっ! やだ、ダメっ、そこはやめろ、っ、ふあぁぁぁっ!!」 とろとろの膣内に二本の指を抜き差ししながら、同時に親指の腹で陰核をこね回すと、摩耶の声のトーンが急激に高くなった。 その刺激を続けると、数秒も経たないうちに摩耶の体は痙攣を始め、ほどなく、一際高い嬌声とともに果てた。 「ぁ……ぅ、う……」 布団に身を投げ出して荒い呼吸を繰り返す摩耶は、いつもの勝ち気で姉御肌な彼女とは、まるで別人のようだ。 提督の手首から先を、余すところなく濡らすほどの愛液。もう十分すぎるほど、準備は整っているのだろう。 ……こちらとしても、もう我慢の限界だ。 制服を脱ぎ捨て、いきりたった肉棒を突き立てんと、摩耶の上に覆い被さ……ろうと、した。 ──次の瞬間、世界が回転していた。 飛び起きた摩耶が、そのままの勢いで押し倒してきたのだ。先ほどとは逆に、摩耶に見下ろされる形となってしまう。 「お前……あたしを怒らせちまったなぁ……?」 幾分低い声で告げた摩耶の目は、笑っていなかった。 やばい。殺られる。 命の危険を感じた、が──反撃は、思わぬ形でやってきた。 「摩耶様の攻撃だぜっ……ほら、提督……こうしてやると、気持ちいいんだろ?」 すべすべした手袋越しに、摩耶の手が提督のモノを包み込んでいた。 竿全体を緩く上下にしごきながら、牽制するように不敵な笑みで提督を見下ろしてくる。 「いつまでも、やられっぱなしだと思うなよ……提督だって、恥ずかしい目に遭わせてやる。ちゅ。れる……」 「う、っお……」 「ふふん、変な声出てるぜ? あ、こっちも濡れてきた……あーあ、体に力入んねえみたいだな?」 桜色の舌が提督の胸板を這う。と同時に、竿を上下に扱く動きは、だんだん滑らかになっていく。 摩耶の責め方は大胆だった。滲んだ先走りを全体に塗りたくり、クチュクチュと水音が立つように激しく扱いてくる。 さらに反対の手で睾丸を包まれ、優しさを感じるタッチで転がされると、痺れるような快感が体の芯を揺さぶった。 「くっ……摩耶……っ」 「わかってるって。デリケートなところだから、やさしーく扱ってやってるだろ? ……あ、ビクってした。これって、もう出そうだってことだよな?」 摩耶は優越感に満ちた表情でこちらを見下ろすと、這うようにして体を下げていく。 そして、今にもはち切れそうなペニスを、ぱっくりと口に含んでしまった。 「んっ、いつれも……らひて、いーぞ…… ちゅっ、じゅるっ、ぢゅっじゅぷっ! んんじゅるるるっ!!」 「ぐ……っ、摩耶、ぁ、だめだ……っ!」 熱い口腔にねっとりと包まれる快感は、筆舌に尽くしがたい。 さらに舌が亀頭に絡みつき、尿道口をストローのように強く吸い上げられる。 我慢などできようはずもなかった。 「摩耶……うっ、射精る……っ!!」 「んっ!? ……んくっ、ん、こきゅ……んん、ちゅる、っく……」 びゅくびゅくと勢いよく噴き出す白濁に、摩耶が驚いたように目を見開く。 しかし、咥内に捕らえた獲物を解放することはしない。白い喉を小刻みに上下させ、音を立てて精液を嚥下していく。 やがて射精がおさまって、精液をすべて飲み下してから、摩耶はようやく口を開いた。 解放された肉棒は未だ硬さを保ったまま、白濁と唾液でぬらぬらと光っている。 「はあ、はあ……っ、提督、お前、出し過ぎ……こっちは飲み込むのに必死だっていうのによー……」 「摩耶……飲んでくれたのか」 「あ? ……アレって、普通は飲むもんじゃないのか?」 ……どうやら、どこかで誤った知識を仕入れてきたらしい。 何にしても、嬉しい驚きだった。この礼はたっぷりしてやらなければと、提督は身を起こし…… 「ま・だ・だっ!!」 再び襲ってきた強烈な快感によって、布団の上に崩れ落ちた。 摩耶の嗜虐的な笑みが見える。その胸元に、射精したばかりの肉棒がしっかりと抱きしめられ、挟み込まれていた。 「あたしを怒らせた、って言っただろ? まさか、あんなもんで許してもらえるなんて思っちゃいねえよなあ……?」 みっちりと弾力の詰まった乳房が、むぎゅっと中央に寄せられ、肉棒を押し包む。 それだけでも息の詰まりそうな快感だというのに、更に摩耶は体を上下に動かして、おっぱいで肉棒を扱いてきた。 「ほーら……アネキ達ほど大きくはなくても、こういうことはできるんだぜ? 気持ちいいよな? あたしたちの提督は、おっぱい大好きだもんなあ?」 ぎゅっ、ぎゅっと隙間なく閉じられた乳肉の中で圧搾される。 その柔らかさと弾力を見せつけるように、形を変えながら肉棒を攻め立ててくる乳房から、一瞬も目を離すことができない。 視覚的ないやらしさと快感が相まって、まったく動けないまま、あっという間に二度目の絶頂へ押し上げられていく。 「うん? あ……ははっ。なんだよ、もうイきそうなのか? 早すぎだぜ、提督?」 からかいながら、摩耶は腕を内側へ寄せて、いっそう強く谷間を閉ざしてくる。 そして谷間から飛び出した亀頭を口に含まれ、パイズリフェラで一気に責められると、提督は再び白旗をあげた。 「ぐあ、あ……っ、ま、摩耶……イくっ!!」 「んんっ! ……ちゅうう、んく、ん、こく、ん……ふふ♪」 一回目の射精より幾分慣れた様子で、摩耶は精液を飲み下していく。 その間、摩耶はずっと上目遣いにこちらを見上げており、連続絶頂に身震いする姿を愉しげに観察しているようだった。 すべて吐き出し終えた肉棒を、舌で綺麗に掃除してから、摩耶は身を起こした。その全身に優越感がみなぎっていた。 「どうだ、提督? あたしを組み伏せようなんて、十年早いんだよ」 「くっ……今までは、エッチの時になると赤面して何もできなかったくせに……」 「う、うるせー! ……でも、あたしの好き勝手にできるんなら結構楽しいな、これ。病みつきになりそうだ……」 摩耶は負けじと不敵に笑って、提督の体に跨がった。 しとどに濡れた秘裂をくぱぁと開き、そこからしたたる蜜を肉棒に垂らしていく。 二連発で力を失いかけていた肉棒が、本来の用途──膣への接合、そして生殖──を思い出したように、再び硬さを取り戻していく。 そうして、半勃ちくらいに復活したところで、摩耶は一気に腰を落とした。 「っんん! あ……っ、はあ……!」 淫らに濡れた媚肉同士が擦れ合い、司令室に水音が響く。 抑えた喘ぎ声をあげる摩耶の下で、提督は肺の奥から息を吐き出した。 摩耶の膣内はとてもきつく、特に肉棒の根本とカリの辺りを、そこが弱点だとわかっているかのように強く締めつけてくる。 いつもと上下が逆の騎乗位でも、その締め付けは変わらない。いや、むしろ──。 「さぁ……っ、あたしのココで、搾り取ってやるよ……ほら、ほらっ!」 ぐちゅりぐちゅりと激しい音を響かせて、摩耶はダイナミックに腰を振り回す。 狭い膣内で揉みくちゃにされ、膣襞に全方位から肉棒を擦られて、逃げ場のない悦びが襲いかかってくる。 電流のような快感が何度も脊椎を突き抜けて、そのたび全身の力をもぎ取られるようだ。 息の上がった摩耶が、くすくすと笑ってこちらを見下ろしていた。 「んんっ、あっ、ふうぅ……ほら、いつでもイっていいんだぜ? 二度と悪さできないように、徹底的にヌきまくってやる……!」 「ぐぅっ……そ、そうは……させるかっ!」 「んふぁあっ!?」 渾身の力で突き上げると、摩耶の体がびくびくと激しく震えた。 すかさず両手で腰を掴み、何度も摩耶の奥を揺さぶるように肉棒を突き立てる。後のことなど考えない猛反撃だ。 「ふぁっ、あっあっ、いやっ、ていと、く、動く、なぁっ」 「守りに入ると弱いのはわかってるんだぞ、摩耶っ」 「う、うるせーっ……提督なんか、もう二回もイってるくせにっ!」 「そうだな。じゃあ、これでイーブンだ」 「ひあぁぁっ!?」 生意気にも言い返してくる摩耶を見つめ返して、陰核を強めに指で摘むと、摩耶は面白いように体を跳ねさせる。 さらに下からのピストンで、膣内をごりごり擦ってやる。中と外への同時攻撃に摩耶が弱いのは、とっくに把握済みだ。 「にぁっ、待て、っ、て、いと、くっ! あっ、だめ、やっ、ひぅあああぁぁっ!!」 ぷしゅっと勢いよく潮を噴いて、摩耶はあっけなく果てた。もともとこちらを攻めながら興奮していたせいもあるのだろう。 脱力した摩耶の肢体を転がして、正常位でもう一度肉棒を突き刺した。 イったばかりで大洪水になっている膣を、愛液をかき出すように、じゅぷじゅぷと突き荒らす。 「あぁーーっ!! ひ、っん、んんぅううっ!!」 「形勢逆転だな。今度こそたっぷり可愛がってやるぞ、摩耶……」 「ちょ、調子に、乗んなぁ……あたしが……負っ、けるかぁ……!!」 「……うっ?」 いつから勝ち負けになったんだ、などと指摘する余裕はなかった。すらりとした摩耶の脚が、提督の腰に絡んできている。 より密着度を増すように体が引き寄せられ、前身がぴったり触れ合う。 と同時に、膣内が収縮し、無数の襞が肉棒に吸いついて舐めしゃぶってくる。今までとは段違いの、強烈な刺激だ。 「こうすれば、腰は振れねえだろ……さあ、ナカで締めてやるよ……んっ、くっ」 「ぐ……ぁ!」 「ん、っう、あ、あたしのナカで、脈打ってる……締めつけるだけでも気持ちいいって、ホントなんだな? ……はぁ、っ! こ、こら、挿れてんのにビクビク暴れんなよっ……!」 摩耶が、絡めた脚を内側へ閉じようとするたび、波打つような強い収縮で、肉棒が揉みしだかれる。 腰が抜けそうになるのをかろうじて踏みとどまり、目の前で揺れる乳房にしゃぶりついた。この体勢でやり返す手段は、それくらいしかない。 「はふうっ……! て、提督っ、まだやる気か……あっ、ぁ……!」 摩耶が身をよじると、わずかに脚の拘束が緩んだ。すかさず、腰を前後に振りたてる。 熱く脈打つ肉の杭を最奥に打ち込まれた摩耶の体が、ブリッジのように反り返った。 「くううっ! て、提督……っんぁぁ、はうっ、ていとくぅ……!」 「摩耶っ……摩耶……!」 快感に蕩けた顔でこちらを見上げながら、摩耶は獣のようにがむしゃらに、下から腰をグラインドさせる。 提督もまた本能に身を任せ、がむしゃらなピストンを繰り返して、同時に上り詰めていく。 わずかに早く果てたのは、摩耶の方だった。 「あっ! あぁぁ! やっ、イくっ、ていと……くぅ、っ、んんんんんぅっ!!」 摩耶の全身の震えとともに、膣内が収縮する。雄から子種を搾り取らんと、強く強く締めつけてくる。 頭が真っ白になるような快感。 雄としての欲望に身を任せるまま、提督は摩耶の胎内に大量の白濁を吐き出した。 「あぁ! あ、熱……ぅ、んん……! 提督、っ、あ、ぁ……! ……てい、とく……」 体のいちばん奥で射精を受け止めながら、より深くそれを感じ取ろうとするように、摩耶は自分の下腹部に手のひらで触れて。 いつもは決して見せることのない、穏やかな微笑みを──ほんの少しの間だけ、浮かべていた。 *** その後、「夜戦突入だ!」と言って聞かない摩耶(先にイったのが悔しかったらしい)に付き合わされて、何度も体を重ねた。 気づけば夜も更けて、とうにドックは空いていたのだが、二人とも腰が立たなくなってしまったために入渠は明日の朝ということになった。 二人して司令室にお泊まりである。これもいつものことだ。察していただきたい。 「摩耶ー、腕枕してやろうか? いや、是非したい。させてくれ」 「やだ。明日も早いんだから、さっさと寝ろよ」 「じゃあせめて、おやすみのチューを! さっきは一度もしてなかっただろ、なあ、チューしようよ摩耶ー」 「……提督。こういう時のお前も、ちょっとウザいぞ」 摩耶は布団の中で提督と体が触れないようにしながら、それ以上しつこくするなと言わんばかりに、ジト目で睨んでくる。 こちらの希望としては是非、事後はラブイチャムードに浸りたいのだが、そういうのは許してもらえないらしい。悲しいことだ。 「はあ……わかったよ。そこまで嫌われちゃ仕方ない。大人しく寝るよ」 「……えっ? いや、おい……」 実際、摩耶の言うとおり明日は早いのだ。体力回復のためにも、さっさと寝た方が良いだろう。 摩耶がまだ何か言い掛けているような気がしたが、構わず目を閉じた。 ……? 何やら、布団の中でもぞもぞ動く気配がある。暖かい素肌の感触が、胸元に触れる。 顔のすぐ前に誰かの息遣いを感じて、目を開いた。 「ちゅ……っ」 ──摩耶のやわらかな唇が、提督のそれに重なる。 驚きのあまり硬直した提督の上で、摩耶はわずかに赤みの差した顔でそっぽを向く。 「……ウザい、けど……ちょっとだ。ちょっとウザいだけだかんな。嫌いとかじゃ、ねーよっ」 恥じらい混じりに呟く摩耶。 照れ隠しの向こうに見えた好意に、提督の心の底から、再び色欲まみれの衝動がこみ上げてきて──。 「摩耶ーーっ!!」 「ちょ、おいっ! 押し倒すな! 明日も早いって言ってんだろうがぁぁぁっ!?」 こうして今日も、鎮守府の夜は騒がしく更けていった。 (おしまい)
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286 :名無しさん@ピンキー:2014/03/25(火) 02 02 38.15 ID QdtMc50L 渋で艦娘たちの戦後っていうタグを見つけた時に思いついたネタ投下します 「あら、いらっしゃいませ」 ある小さな飲み屋街の一角の小料理屋「鳳翔」に一人の男が現れた。 まだ開店してから一年と経ってないこの店はしかし、 女将の気立てと古き良き日本の家庭料理を売りに順調に常連客が増えてきている。 「随分今日は静かだね」 カウンターに座った男は、タオルで顔を拭きながら馴染みの女将に話しかける。 いつもは仕事帰りのサラリーマンで賑わうこの店だが、今日はこの男しか客がいない。 「世間様は、今日はお休みですからね」 そう答えながら、女将は冷奴の皿を客に出す。 鯵のたたきと冷奴にお湯割りが二杯というのがこの客のいつものメニューだ。 常連の好みをしっかりと覚えているのもこの店が人気の秘訣だろう。 「実は、都合で今度引っ越すことになってね。ここに来るのも今日が最後かもしれない」 「あら、そうでしたか……寂しくなりますね……また近くに寄ったら是非いらしてくださいね」 帰り際、名残惜しそうな女将に見送られて夜の街を歩く男の耳に並びの居酒屋の裏口から漏れたテレビの声が聞こえてくる。 「終戦から二年目を迎えた今日、各地では―」 テレビの声が伝えている通り、二年前のこの日、人類と深海棲艦との戦争は深海棲艦の無条件降伏という形で終わった。 二年前、対深海棲艦に本腰を入れた世界各国は強力な対深海棲艦兵器を多数開発し、前線に配備した。 これにより、人類と深海棲艦との戦争はそれまでのシーソーゲームから戦争とも呼べないような一方的な殲滅へと変わり、 それまで主力であったはずの艦娘は新兵器の撃ち漏らした敗残兵を始末するだけの存在となった。 それから数か月後、深海棲艦側の代表団が降伏文書に調印し、彼女らはほとんどの版図と引き換えに僅かな生き残りの命の保証を得た。 その時に設定された深海棲艦居住区から彼女達は出ることを許されず、周辺諸国により厳重な監視下に置かれることとなった。 負けた彼女達は悲惨だが、勝者にも悲惨な者はいる。 戦争の終結とともに、行き場を失った提督と艦娘達だ。 戦争初期の功労者達の処遇は、大規模な軍縮を余儀なくされた対深海棲艦軍において最も大きな問題ではあったが、部外者からはどんな問題も小さな問題に思えるらしい。 折悪しく戦争終結により支持率が上がっていた当時の政権に対し、野党は膨れ上がった対深海棲艦費用を追及。 これにメディアが同調し不要となったはずのこれらの負担が国民生活を圧迫していると主張すると、 批判を恐れた政府はそれまで計画されていた段階的な縮小からより急激な縮小へと変更。 結果として当初の想定をはるかに上回る勢いで元提督と元艦娘が各地に溢れかえり、これらを対象としていた再就職支援はパンク状態となったが、 それでも強引に推し進められた縮小計画によってほとんどの者が何のあてもないまま路頭に迷うこととなった。 そしてその無数の元提督の一人が、この男である。 「おい、待てよおっさん」 喧しいネオン街に差し掛かった所で、この元提督は呼び止められた。 声の方を振り返ってみると一組の若い男女が近寄ってくる。 既に悪趣味の域に達している派手なシャツの男がくすんだ金色の髪の毛の下から元提督を睨みつけ、人の女に色目を使っただのなんだの騒いでいて、 女の方は金髪の少し後ろでにやにやと成り行きを眺めている。 元提督は一瞬口元に笑みを浮かべ、金髪が騒ぐまま路地裏へ消えていく。 一分もせずに元提督がズボンのポケットに一万円札を一枚追加して大通りに戻ったとき、女の方はいなくなっていた。 強いと思っていた彼氏が、しょぼくれたおっさんに一瞬で伸されたのだから無理もない。 「つまらないな」 誰に言うでもなく元提督は呟く。 軍を放り出されてから何度かこういう喧嘩をしたが、いつもこんな終わり方だ。 結局絡んでくるのは酔っ払いか、女の前で粋がっただけの不良が関の山で、それまでの命がけの戦争と比べればままごとの様なものだ。 そういう場合は今回のように財布からいくらか抜き取ってきているが、 迷惑料と生兵法は大怪我のもと―具体的には陸戦隊あがりで師団対抗の柔道大会において九十キロ級準優勝の有段者には喧嘩を売らないこと―の授業料としては破格の筈だ。 それにあの金髪が多分人生で初めてごみ箱の中で目を覚ました時、すぐに必要となるであろう歯科と形成外科の受診料ぐらいは残してきた。 ―入れ歯の代金が受診料と別に前払いでなければの話だが。 「うるさいなぁ…」 元提督の後ろで、不機嫌そうな女の声がする。 「そいつは悪かっ―」 振り返った先にいた女を見て元提督は言葉を失った。 その女はひどくやつれ、長い黒髪は輝きを失って汚らしく、以前の姿からは想像もつかなかったが、間違いなくかつて自分のもとにいた第一艦隊旗艦だ。 「赤城か!?」 「提督!?」 赤城の方も相手が誰であるのか気付いたのだろう、元提督と鏡写しのように驚いている。 「ああっ、提督!本物ですか!?はははは、まさか…」 そういって赤城はばったりと倒れた。 「!?おい!しっかりしろ!赤城!!」 倒れた赤城を抱え上げた元提督の耳に大きな腹の音が聞こえた。 「うーん……うっ、ここは?」 次に赤城が目を覚ました時、最初に目に飛び込んできたのは見知らぬ部屋と元提督だった。 「やっと起きたか。安心しろ、ここは俺の家だ」 「提督!?夢じゃなかったんですね!!」 ぼろぼろの体のまま飛び起きた赤城は、提督を見て声を弾ませる。 「話は後にしてとりあえず風呂に入ってこい。…その、なんだ……女が臭うのはあまりよくない。幸い今月はまだガスが使える」 そういわれて自分がどういう状態なのか思い出した赤城は、真っ赤になって顔を伏せると 「すみません……ではいただきます」 消え入りそうな声でそう言って風呂場に向かった。 しばらくして風呂から上がった赤城は、在りし日の姿に戻っていた。 心なしか顔にも血の気が戻ったように見える。 「俺のしかないが我慢してくれ。んで、そいつを着たら飯を食え。また倒れられても困る」 適当に畳まれたままの提督の古いシャツを着て、赤城は何度も礼を言い、卓袱台の上に広げられた食事を無我夢中で流し込んだ。 一切れだけ残っていた小ぶりな明太子とパサパサに乾いた温め直しの冷や飯と買い置きされていたインスタントの味噌汁。 これだけでも、今の赤城にとっては十分すぎるほどのご馳走だった。 「ご馳走様でした」 全て平らげてようやく人心地ついた赤城に提督は切り出す。 「なあ、今まで何をしていた?」 赤城は顔を赤らめて、ばつが悪そうに俯きながら答える。 「行き場も仕事もない女のすることなんて……提督だってお判りでしょう」 「まぁ、な」 「当然最初は普通の仕事を探しましたけれど、何にもないんですよ艦娘って。何の仕事もないんです。 それで仕方なく…でも、その……どうしても苦手で……その、知らない男性とそういうの…」 「そうだな…そうだよな」 俯いて寂しそうにそう答える赤城に、元提督もため息交じりに呟く。 「俺も似たようなものさ」 元提督だって同じような経験をしてきた。 軍を放り出された後、方々で仕事を探したが、何もありはしなかった。 数えるほど少ないがチャンスも巡っては来たものの、戦争帰りというのがわかるとそれだけで敬遠され、雀の涙な日雇いの賃金で何とか食いつなぐのが精々だった。 ようやく入居できた今時共同トイレなこの空き室だらけのボロアパートも、特に問題を起こしたわけではないが、今月中に出ていかねばならない。 ―理由など聞きたくもないが。 「お前の身の上はわかった…… ところで、悪いとは思ったがお前の着ていた服を調べたらこんなものが出てきたんだが、これは何か教えてもらえるか?」 透明なビニールの袋を卓袱台の上に置く。 中には小麦粉のような白い粉。 「……」 赤城は黙って俯いたままだ。 「なあ、これは何なんだ?」 ゆっくり諭すように繰り返し尋ねる元提督に赤城は何か決心したように顔を上げ、それでも伏し目でぼそぼそと口を開いた。 「……市販されていない…ビタミン剤です」 言い終わるか否かのうちに元提督は卓袱台を飛び越えて赤城を押し倒し、胸ぐらをつかんで馬乗りになった。 「ふざけるな貴様!!娼婦になったのは分かる。客が取れなくなってひもじい思いをしたのも分かる。だがこれはどういう事だ!!!自分が何に手を出したかわかっているのか!!」 「…落ち着いてください提督。私は商品には一度も手を出していません。それは試供品として渡されたものです」 自分の下で自嘲的な笑みを浮かべながらそう答える赤城を元提督は更に強く締め上げる。 「商品だと?貴様は…」 「そんな事はしないと思っていましたか?」 先程までの悲しい笑顔は消え、真剣な目で元提督を睨みつけながら、赤城は言葉を遮った。 「言いましたよね。艦娘には仕事がないって。三つしかないんですよ。体を売るか、薬を売るか、その両方を売るか。 鳳翔さんみたいな例外を除けば少なくとも私の周りはみんなそうでした。だって仕方がないですよ。私達は戦争以外なにも知らないんですから」 「……」 「ご飯、ありがとうございました。お風呂もありがとうございました。それにあの頃はとても言い足りないくらいお世話になりました。 でも、もうお終いなんですよ。提督がもう提督でないように、私ももう赤城じゃないんですよ」 赤城の声が震えはじめ、目に何かが光る。 「離してください。もう他人なんですよ私達は」 「赤城、お前は…」 「もう赤城じゃないんですよ。もう提督の…あなたの部下じゃないんですよ…だからもう離してください」 「赤城…」 「私をあそこに戻せないなら、もう離してください……お願いですから…」 いつしか元提督の手は力が抜け、ただ赤城の胸ぐらに引っかかっているだけとなっていた。 「おい赤城―」 「もうお説教はしないでください!!大体、私にお説教なんてできるんですか?」 真っ赤になった眼で赤城は元提督を睨みつける。 「提督だって酔っ払い殴ってるだけのくせに……提督だって碌なことできないくせに……提督だって、提督だって……」 そこが赤城の限界だった。 「提督だって戦争しかできないくせに!!!!」 そう叫ぶと堰を切ったように赤城は泣きだした。 大粒の涙が滝のように流れ、子供のように泣きじゃくった。 元提督はすでに両手を離し、ただ泣きじゃくる赤城を見下ろしていた。 どれぐらい時間が経っただろうか。 赤城はそれまでの二年間耐え続けてきたのであろう涙を流し、もう自分は何にもなれないということを改めて実感することで泣き続けている。 元提督は何も言わずに赤城を抱き起し、泣き止むまで母親が子供にするように背中をさすり続けた。 やがて落ち着きを取り戻し始めた赤城に、元提督はゆっくりと諭すように言った。 「なあ、赤城。今俺のポケットに一万円入っている。この部屋中かき集めれば多分もう一万円ぐらいはある筈だ。計二万でお前を買えるか?」 しゃくりながらではあったが赤城は答える。 「ぐす…はい……ひぐっ、買えます」 「そうか、じゃあお前を買う。そしたら今日で娼婦も薬の売人もやめてくれ。それで……俺と一緒に戦争をしよう」 「え?」 「戦争だ。敵はいくらでもいる。 俺達に守られながら俺達を見捨てた者。お前に汚い真似をさせながら食い物にしている者。財布の中の一円五円のためにそれを放置している者。 その他にもいくらでもだ。俺達が満足するまで、俺達のための戦争をしよう」 「本気……ですか?」 呆気にとられている赤城に、元提督は自らの考えを打ち明ける。 何も今思いついたことではない。本当はもっとずっと前から気付いていて、ただそれを実行に移す踏ん切りがつかなかっただけだった。 だが、赤城と再会したことで、落ちぶれて傷ついた彼女を見る事で、ついに実行に移す決心がついた。 説明を聞くうちに、赤城もそれが最良の手段であり、今の惨状から抜け出す唯一の方法であるように思えてきた。 「わかりました。やりましょう。私と提督の戦争を」 「そうか!やってくれるか!!ありがとう赤城」 二人はまた抱き合い、そして見つめあった。 「でも、本当に私を……買ってくださるのですか?……私は…汚れていますよ」 「汚れてなどいるか。必死で生きていたお前が、汚れてなどいるものか」 その言葉を合図に、二人は唇を合わせる。 くちゅくちゅと互いの舌を絡ませ、同時に両手の指も同様に絡ませる。 先程と同様に、赤城を下に元提督が上になって横になり、赤城は両腕を元提督の背中に回し、抱きしめるような形を作る。 やがて光る糸を引いて唇を離すと、元提督は下を脱いで一物をさらけ出し、赤城も大きな男物のシャツを脱いで一糸まとわぬ姿となると、 うるんだ瞳で元提督のそれを眺め、次に自分が何をすべきかを一瞬考え、すぐに実行に移す。 上体を起き上がらせると丁度目の前にある元提督のそれを咥え、チロチロと舌先で触れはじめる。 やがてそれの大きさと比例して、先端で触れるだけだった赤城の舌は徐々に根元から先端までを舐め上げる動作に変わり、さらにそれを膨らませる。 「ん……む…んん、…ぷはっ」 やがて膨張したそれから飛び出した白濁液が赤城の口の中いっぱいに広がり、 口から離した際に顔にもかかったが、それを気にすることもなくにこりと笑顔を向ける。 「ふふ。提督の、美味しいです」 「食い意地は変わらんな」 からかうように元提督が言うと赤城は泣き腫らした目で少し恥ずかしそうに笑った。 「さて、今度は俺の番か」 「え?何をすひゃあ!」 赤城の体は電流が流れたようにビクンとのけぞり、それにも構わずその反応の原因である元提督の舌が綺麗に剃られた股間を這う。 「随分綺麗に剃ったな」 「ひゃれは、ひゃん!この方ふぁ、おひゃくはんが!よろひょん……ふああっ!」 呂律が回らないままの赤城は、元提督の舌の動きに合わせて嬌声を上げ、そして嬌声を上げる度に自分が唾液以外で濡れていくのを感じる。 「ふあっ!は!あぁ!ひゃああっ!!」 体をビクつかせる赤城を元提督の舌が愛撫し、存分に赤城を味わおうとヌルヌルと滑らせていく。 やがて頭を上げた元提督は、上気して色香を放つ赤城の柔らかな太ももを抱えて起き上がると、十分に濡れた赤城の中に入り込んだ。 「あっ!んっ!ああっ!ああああ!」 元提督が中で動き、その度に赤城が先程より大きな声を上げる。 生娘に比べれば少し締め付けは弱いが、それでも咥え込んだものを吸い込むように包んでいく。 「世間のっ、男はっ!くっ、見る目がないな」 「ひゃあ!ふっ!くぅ!ああっ!ふああっ!!」 ずんずんと進む元提督のそれは、ついに赤城の最奥部に到達し、その中で小動物のように動き回る。 「ひゃあん!!提督っ!提督ぅ!ふひゃあああああっ!!!」 赤城の体はビクンと大きく跳ね、はぁはぁと荒い息遣いとそれに合わせて上下する形の良い乳房以外は糸が切れたように動かなくなった。 元提督は赤城から一物を引き抜くと、足元に倒れている赤城を優しく抱き上げる。 「お前……痩せてしまったな……」 元提督は裸の赤城を見るのは今日が初めてだが、少なくとも昔抱きしめていたら、あばら骨に指が触れるようなことは無かったはずだ。 全て終わった後、元提督は赤城の体を使い古した手拭いで丁寧に拭いていく。 「明日、今の文の二万で準備してくれ。そしたら始めよう」 赤城の全身を拭き終わると、二人は再び濃密な口づけを交わす。 「きっと楽しいぞ」 「勿論です。二人でずっと」 唾液を光らせて口を離した二人は、悪戯を思いついた子供のように笑いあった。 これより数日の後、大家がこの部屋を訪れると、今まで世話になった事への感謝を綴った置手紙だけを残し入居者は忽然と姿を消していた。 その後、男女二人組の暗殺者が裏社会に現れる。 莫大な報酬と引き換えに困難な依頼も確実にこなす二人は、元提督と元艦娘であるということ以外ついに引退まで誰もその正体を知る者はいなかったという。 終
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#blognavi 朝再び「EXIT」サンのお手伝い。 コレといった攻め込みもなくしゅうりょ~~~。 で、眠い目をこすりながらレベルでも上げようとクエストをね・・・。 はみ出してる!はみ出してるよ! かなり頑張ったんだけど、あと40kであがるってところでギブアップ。 はあ。続きはまた今度。 カテゴリ [のらりくらり生活] - trackback- 2006年02月02日 11 27 40 アルマンシアのクエ・・・。自分でもできないよw -- ドラゴラー (2006-02-02 21 46 25) 名前 コメント #blognavi