約 408,070 件
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2079.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 993 初めてのおつかい/コメントログ」 もうこの絵はゆっくりじゃないだろ -- 2010-05-23 01 40 15 可愛いな…。 -- 2010-06-09 02 07 00 れいむ・まりさの二大クズ種も、胴付きになると結婚したくなるほど魅力的になるなぁ -- 2010-06-30 03 09 04 3↓胴付きになるとある程度姿が人間に近くなるからじゃないか? -- 2010-06-30 09 40 05 かわいすぎだろイラスト、、 胴付きまりさ50万で何とか何ねーかな -- 2010-07-24 02 06 30 車1台買うのと同じくらいの価格にはなるだろうな 胴付の安定した生産ラインさえ確立できれば良いんだけどね -- 2010-08-02 13 57 22 HENTAIがいっぱいだ…俺には理解しがたい… 上のイラストに踊らされすぎじゃないのか?胴付いてても顔はゆっくりなんだぞ?イラスト右のでいぶに胴がついた姿を思い浮かべながらよく考えるんだ…!胴付きはお前らが思ってるほど可愛くないんだよ… -- 2010-08-07 22 48 46 車一台分で胴付き変えるならニートやめるわ -- 2010-08-22 14 19 27 いい加減なこと言う所がオリジナルの魔理沙っぽいな -- 2010-09-15 16 38 09 ゆっくりには見えんなw どうみてもロリな本人 可愛いからいいけど -- 2010-11-30 23 19 55 可愛すぎる…このまりさ飼いたいぜ… -- 2010-12-02 20 40 10 えwゆっくりなのにカレー食えんのかこいつwwww -- 2010-12-05 02 01 48 お兄さん、まりさに特性カルピスを飲ませたのか!?おれもしt『HENNTAI』どぼじでぞんなごどいうのおおおお -- 2010-12-12 20 21 54 これ、"モデル"にそうとう近くないか? と思っていました。 絵を見て気付きました。どう見ても本人です。本当にありがとうございました。 -- 2010-12-18 04 12 26 ↓↓しつこく何度もやってるけど、あんたが思ってる程面白くないからそれ。 -- 2011-01-22 14 53 36 イラストの胴付きまりさと野良れいむの顔の造りの差に悪意を感じた。 胴付きといえど胴が生えただけのゆっくりなのに、おかしーだろどう考えても。 -- 2011-01-22 14 57 43 えwゆっくりなのにカレー食えんのかこいつwwww 意味が「わからないよー」 -- 2011-04-10 13 43 03 くくくくくく中身をみせろぉ!!! -- 2011-04-19 19 01 59 くくくくくく中身をみせろぉ!!! 中の人などいない。 キグルミでもないんだぞ -- 2011-04-24 12 39 44 ↓↓↓ゆっくりにとってからいものは「どく」なんだよー このりくつ、ゆっくりわかってねー -- 2011-09-15 20 38 10 ゆっくりなのにどぼじでガレーざんだべれるのおおおおおおおおお????!!!! って思ったw 絵がかわいいww -- 2011-10-21 17 50 08 新しい世界を広がらせるなwww -- 2011-12-17 00 45 24 挿絵がもうなんかゆっくりじゃない気が・・・・こまけーこったぁどでもいいんだYO -- 2012-01-06 00 41 47 カレーとみせかけハヤシライスゥ! -- 2012-01-06 00 44 16 このSSの全編イラスト化超キボン! 絵師はぷにあきさんで! つーか魔理沙可愛すぎww -- 2012-01-06 03 40 42 魔理沙が可愛すぐるwwwwwwwwww -- 2012-03-08 21 18 35 挿し絵かわいすぎワロタwww -- 2012-07-17 21 43 56 HENTAI化しそうwwwwww -- 2012-07-31 22 31 59 捕食種 -- 2012-09-01 23 51 28 ミスった 本当におもしろかった -- 2012-09-01 23 52 12 ふたば製の水鉄砲・・・買います。 -- 2013-01-04 21 01 44 モデルに相当近い姿でも中味は餡や饅頭の皮だし、大丈夫!! -- 2013-03-19 14 45 03 やんべ・・・ まりささんかわいいしかっこええ -- 2013-03-26 13 40 50 おこしちゃだめなんだぜ しぬほどつかれてるんだぜ に思わず吹いた -- 2013-06-01 23 23 31 白いカルピスwww -- 2013-06-17 21 43 44 何この絵! めちゃかわいいんですけど -- 2013-06-19 03 30 20 こんなの投稿すんなクズ死ね -- 2013-07-23 19 54 25 もはやここまで来ると胴付きゆっくりではなく幼い魔理沙だなwww -- 2013-10-18 22 33 52 これは確実にHENTAI化せざるを得ないな。 -- 2013-12-10 22 55 50 ↓魔理ちゃんじゃね? -- 2014-01-02 13 17 11 元ネタコマンドーだよね? -- 2014-01-26 09 12 27 挿絵がかわいいwwww もう、ゆっくりの原型すらないというwwww -- 2014-04-18 20 23 32 挿絵がゆっくりじゃないwww -- 2014-04-26 11 44 39 うん、ゲスでも普通でも可愛い・・・お仕置きもご褒美もベッドの上だな -- 2014-06-05 18 34 26 このまりさ可愛い... -- 2014-06-24 19 56 28 このまりさは魔理沙なのか? -- 2014-06-24 19 57 36 まりさでいいじゃないの -- 2014-07-23 05 40 57 マスタースパークかわゆす #10084; #65039; -- 2014-08-18 23 04 41 HENNTAIお兄さんがれいぽぅしたくなるのも分かる気がするww -- 2015-08-01 11 20 09 目ガァァァアァァァァア!! 目ガァァァアァァァァア!! -- 2015-09-20 12 30 59 可愛いww -- 2015-11-29 17 44 19 可愛いwwこんなに可愛い胴付きまりさ見たことないw -- 2016-01-24 08 40 03 あら、可愛らしい魔理沙だこと‼ -- 2016-03-07 13 19 52 マリトリクス…!! -- 2016-04-13 16 16 23 何!この天使魔理沙 -- 2016-05-12 00 09 53 魔理沙は大変なものを盗んでいきました -- 2016-05-14 18 16 03 親霊夢の目がヤバい -- 2016-08-09 20 32 47 あ -- 2016-10-17 16 09 10 胴付きの見た目が本家の東方キャラってことはよくあるな だからこそ胴付き虐待は人間を虐待しているみたいだから流石に悪趣味だと思う -- 2017-01-24 14 47 12 か、かわいい -- 2017-03-02 17 18 54 うぉぉぉぉ!魔理沙超可愛い! -- 2017-07-21 23 19 48 この胴付きまりさ可愛い!! まるで「胴付きゆっくり=本家と見た目が同じ」と勘違いして描いたみたい!! ※コメントにも「魔理沙」「霊夢」と間違って漢字書いている人が多いなww -- 2018-03-25 03 52 47 ゆっくりでさえこうなのか・・・俺は20歳過ぎてかなり経つのにロクに買い物も出来ねえのに・・・はは、自分が馬鹿らしくなってきた -- 2018-08-26 18 23 35 マスパが水鉄砲!その発想はなかったんだよー -- 2018-10-21 11 58 03 ゆ”っ” どぼちて、、、 -- 2019-03-08 22 52 09 カワイイ -- 2019-03-13 12 33 51 YUFUFU… -- 2021-09-16 18 03 26 まりさが魔理沙だぁ!! -- 2023-03-21 13 46 50
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4711.html
昔昔、げんそーきょーという所に、天狗の少女がいた。 その天狗は、げんそーきょーで異変と称して世の中を荒らす悪い少女達にカメラひとつで立ち向かいましたとさ。 めでたしめでたし。 「と言うわけで、ゆっくりのスカートの中を撮影しようと思うんだが。」 「全然、話がつながってないよね、今の」 ここは、とある町の喫茶店。 俺が、友人と一服していると、急に語りだしたのだ。 「てゆーか、立ち向かったところで、話が終わってて、 めでたくないよね、打ち切りの漫画みたいで」 「気にするな、相棒、とにかく行くぞ」 「勝手に相棒にするな、ところでゆっくりってスカートはいて無くない?」 「胴付きゆっくりの一部がスカートをはいてるらしい、きめぇ丸とか」 言われてみれば確かにそうだ。ゆっくりと言われて、 れいむとまりさしか頭に無かったので気づかなかった。 「・・・で、なんでそんなことしようと思ったの、さっきの話が理由じゃないよね」 「今、今世紀最大の悪法の児ポ法が、決まりそうだろ?」 児ポ法とは児童ポルノ禁止法のことだ。内容は呼んで字のごとく、 幼女が出てくるエロいのは所持すら禁止と言うもの。・・・2次元込み。 「幼女関連の物を処分しないといけないね。家が、すっきりできるからいいんじゃね」 「おれは嫌だ、二次元幼女ですっきりしたいんだ」 「で、なんでゆっくりのスカートの中を撮影しようと思ったのさ」 「スルーするな」 友人は、俺の分のサービスで来た水を飲みながら言った。 「いいか、近い将来幼女は禁止される。 しかし、ゆっくりなら話は別だ。奴らは人間じゃない。 だからゆっくりのスカートの中は、法には引っかからないはずだ」 「まだ口つけてないからって、人の分の水飲むなよ。 それに、たぶん引っかかるぞ、2次元がアウトなんだから、 3次元でしかも幼女に見える胴付きゆっくりなんて、アウトの範疇だろ」 友人は、氷をがりがり食いながら言った。 「その時は、その時だ。あきらめればいい。だが、 もしセーフなら? 写真集を売り出したら? ダウンロード販売でもいい? 同じ事を考える人間なんてまず、いないだろう。 俺達のところからしか、買えないんだ。バカ儲けできるぜ」 最後の一言に俺は乗ってしまった。 「しっかし、胴付きなんてどこにいるのかねぇ」 日時も所も変わって、3日後、近所で一番近い山。の中腹あたりに俺達は来ていた。 「いいから探せ、胴付きがいそうな所は山のようにあるだろ、山だけに」 「いないねー、最終兵器つかっていい?」 「スルーするな、で最終兵器って何だよ。 あるなら早く使えよ、坂道で話しているのは結構疲れるんだ」 わかった、と俺は返し、かばんの中から、 有名和菓子店のトリュフを取り出し息を大きく吸った。 「わぁ~お!!こんなところに!!一口食べたら!!ゆっくりできるとかいはなあまあまがあるよ~!!」 1秒、2秒、3秒・・・ 「まさか、今のが最終兵器か、大声出しただけじゃねぇか」 「胴付きだってゆっくりなんだから。きっと有効なはずだぜ」 「馬鹿かお前、胴付きは賢いからそんな手に引っかからないんだよ」 胴付きでもれいむはそんなに賢くなさそうだな。 俺の嫁になんて事を。 れいむはゆかりんの嫁だろ。 ならゆうかはおれがもらっていきますね。 なんだとー。 このやろー。 などと、口論していると、 「おにいさん、ゆっくりできるあまあまをよこすんだぜ!!」 ゆっくりが俺達の足元に集めっていた。その数、 「い~ち、に~、たくさ~ん」 「ゆっくりかお前は、こんなの呼んでど~すんだよ」 無視する。 「なぁ、君達このあたりで、胴体のあるゆっくりを見なかったかい?」 俺の言葉に、友人は、感心した表情を見せた。その調子でいて欲しい。 「いいから、とかいはなあまあまをありすに、 よこしなさい!!たべてあげてもいいんだからね!!」 友人の顔が一気に冷めていった。見限るのが早いぞ、このやろう。 「きめぇ丸とかこの辺には居ないのかい?」 「ゆぅ~!!あんな奴、ゆっくりできないよ、 いつもおちびちゃんをいじめるんだよ、だかられいむにあまあまちょうだいね」 どうやら、このれいむはあまあまを子供に上げるつもりはないらしい。 あときめぇまるは、この辺に居るようだ。 「わかった。ほ~らとっておいで~」 俺は、坂道の下のほうにアンダ-スローでトリュフを放る。 「あまあまさんとんでるみたい~」 「あまあまさんれいむのところにおちてきてね」 トリュフが落ちた。坂道の上に。 地面に落ちても形を変えなかったトリュフは、飛んだままの勢いで坂道を下り始めた。 「あまあまさんゆっくりしていってね!!ゆっくりたべられてね」 ゆっくりたちが、びったんびったんを地面をはねて進む。 そのうちの一体が、あんよを滑らせて地面を転がった。 転がったゆっくりは、トリュフと同様に坂道を下っていった。 「ゆゆ~、ころころしたほうがはやいよ~」 その言葉を聴き、他のゆっくり達も我先にと、転がった。あまあまを奪われたくは無いのだ。 「あまあまはまりさのだぜ、ゆっくりしないで、いそいでころがるのぜ!!」 「どぼぢてまねするのぉぉぉ!!」 坂道にいたゆっくりは、全員転がることにしたようだ。 ところで、 「おまえらどうやって止まるんだー」 「ばかなじじいだね!!こうやって、こうすれば・・・とまらないよぉぉぉ!!」 「とまってぇぇぇ!!ゆっくりしてぇぇぇ!!」 「まりさをたすけるのぜじじぃぃぃ!!」 止まるつもりはあったらしいが、ゆっくり達のほとんどがすぐに視界から消えてった。 今、俺達の視界にいるのは、止まろうとして、スピードが落ちたところを、 後続につぶされたゆっくりと。坂道を外れて、 木にぶつかって、中身をぶちまけているものだけだ。 「もしかして、みんな死んだのかな、今ので」 「あれくらいで、みんな死ぬくらいなら、 農家は畑にトラップしかけたりしないだろうよ、 しかし、見つからないな、胴付きゆっくり」 「そうだな・・・、お~いきめぇ丸~」 「またその手かよ!最終手段の癖に何回も使おうとするなよ」 「おや、私を呼びましたか」ヒュンヒュン 「・・・来たよ?」 「・・・」 ようやく、胴付きゆっくりに会えた、しかし、ここからが、問題だ。 人間と近い感性を持つ胴付きゆっくりなのだ。 「あまあまあげるからパンツを撮らせてください」 と、いったところで、首を立てに振らないだろう。 無理やり取るのは論外だ。逃げられる可能性もあるし。なにより、紳士的ではない。 事は、エレガントに行わなければならない。そうだろレティ。 そんなことを考えていると、友人が話を切り出していた。 「きめぇ丸は、宙に浮かんだまま、その場で」 友人は、 「こんな感じに」 何の前ぶりも無く、 「くるっと回ることはできるか?」 バク宙した。無駄に器用だ。 「・・・いや、無理だろうな、きめぇ丸はゆっくりだし、ごめんごめん、いまのなし」 「・・・おお、できますよ」ヒュンヒュンヒュンヒュン 少し怒った風にきめぇ丸が返した。くびの振りも、早くなっている。 きめぇ丸が、羽根を使ってゆっくりと回りだした。羽根を使っている時点で別物のような気もするが、 今は、ゆっくり回っているほうが、好都合だ。友人は、きめぇ丸が顔を背けているうちに、カメラをポケットから取り出し。 きめぇ丸の足元にそろ~りそろ~りと忍び寄り。 「おお、どうですか、回っていますよ」 きめぇ丸のパンツが見えた瞬間。 カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ ありえないスピードでシャッターをきった。 「な・・何をしているんですか・・・」 きめぇ丸がおびえた声を上げる。 「このカメラで君のスカートの中を、激写させてもらったのさ!! さぁ、あちこちにばらまかれたくなかったら、言う事を聞いてもらおうか!!」 「止めて下さい、恥ずかしくて、死んでしまいます」 「ん~?聞こえないなぁ」 それなんてエロゲ?と突っ込みたくなるような、流れだ。 ~5分後~ きめぇ丸は諦めたらしく、言った。 「・・・わかりました・・・」 そして、自分のスカートを脱ぎだした。 念の為言っておくが、俺も友人も脱げといった覚えは無い。 「・・・しこってもいいのよぉ」 目に涙を浮かべながら、きめぇ丸は続けて、パンツを脱ごうとして、 「この、馬鹿者めぇぇぇぇ!!」 「ぅうべぇぇぇ!」 友人に、張り倒された。 「な・なにをするんですか、わたしのからだで、しこるのがもくてきではないのですか?」 「ちがうわぁ!!」 「・・・っ!!まさか、しこるだけではなく、わたしと、スッキリー!するつもりですか!?」 「もっとちがうわぁ!!」 どうやら、きめぇ丸は俺達がゆっくりですっきりするHENTAIお兄さんだと思ったようだ。 あながち間違っていないが。 「俺達はなぁ!!胴付きゆっくりのスカートの中を撮影しに来たんだ!! お前のパンツの中を撮影しに来たんじゃねぇ!!」 スカートの中よりもパンツの中の方が価値がありそうな気もするが、 友人にはこだわりがあるらしい。 友人と、きめぇ丸が落ち着くまで、しばらく時間が必要だった。 「・・・では、あなたがたはわたしになにをさせるつもりですか?」ヒュンヒュン 「聞きたいことがある、この辺で・・・いや、この辺で無くていい。 俺達は、お前みたいな胴付きのゆっくりを探している、見かけたことは無いか・・・」 友人の問いに、きめぇ丸は、少し考えるそぶりを見せた。 「・・・さがしだして、どうするつもりですか?」 「お前のように、スカートの中を撮影する」 「きがいはくわえませんか?」 「加えない・・・約束する、もし教えてくれるなら、 このカメラで撮った、お前の写真は、全部処分しよう」 驚くべきことが判明した。 きめぇ丸の話によると、この山には、数種類の胴付きゆっくりがいるというのだ。 中には、胴なしですら珍しい、 ひなや、えーりん、てるよ、もこう、などもいるという。 俺達は、きめぇ丸から胴付きたちの住んでいる場所を細かく、 聞き出し地図とメモ帳に書き写した。 「やくそくです。わたしのしゃしんをしょぶんしてください」 「ああ。わかった、約束だからな」 そう言うと、友人はカメラをきめぇ丸に投げてよこした。千円くらいで買える奴だ。 カメラを受け取ったきめぇ丸は、空を飛んで逃げようとしたが、 下から撮影されるかもと警戒して、坂道を走って下っていった。 「よかったのか?」 「写真のことか?」 「ああ?あのきめぇ丸には悪いが、本当に胴付きの住処を話してくれたかは、 わからない・・・、もしかしたら、あのきめぇ丸以外は見つからないかもしれない」 友人は、遠くを見るような目をした。 「確かに少しもったいなかったかもな・・・、 このカメラで撮った奴だけでなく、 あのカメラで撮った奴もいいのが撮れてただろうしな」 「って、カメラ二つあったんかい!!」 ~~~~~ つづけていい? このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2791.html
昔昔、げんそーきょーという所に、天狗の少女がいた。 その天狗は、げんそーきょーで異変と称して世の中を荒らす悪い少女達にカメラひとつで立ち向かいましたとさ。 めでたしめでたし。 「と言うわけで、ゆっくりのスカートの中を撮影しようと思うんだが。」 「全然、話がつながってないよね、今の」 ここは、とある町の喫茶店。 俺が、友人と一服していると、急に語りだしたのだ。 「てゆーか、立ち向かったところで、話が終わってて、 めでたくないよね、打ち切りの漫画みたいで」 「気にするな、相棒、とにかく行くぞ」 「勝手に相棒にするな、ところでゆっくりってスカートはいて無くない?」 「胴付きゆっくりの一部がスカートをはいてるらしい、きめぇ丸とか」 言われてみれば確かにそうだ。ゆっくりと言われて、 れいむとまりさしか頭に無かったので気づかなかった。 「・・・で、なんでそんなことしようと思ったの、さっきの話が理由じゃないよね」 「今、今世紀最大の悪法の児ポ法が、決まりそうだろ?」 児ポ法とは児童ポルノ禁止法のことだ。内容は呼んで字のごとく、 幼女が出てくるエロいのは所持すら禁止と言うもの。・・・2次元込み。 「幼女関連の物を処分しないといけないね。家が、すっきりできるからいいんじゃね」 「おれは嫌だ、二次元幼女ですっきりしたいんだ」 「で、なんでゆっくりのスカートの中を撮影しようと思ったのさ」 「スルーするな」 友人は、俺の分のサービスで来た水を飲みながら言った。 「いいか、近い将来幼女は禁止される。 しかし、ゆっくりなら話は別だ。奴らは人間じゃない。 だからゆっくりのスカートの中は、法には引っかからないはずだ」 「まだ口つけてないからって、人の分の水飲むなよ。 それに、たぶん引っかかるぞ、2次元がアウトなんだから、 3次元でしかも幼女に見える胴付きゆっくりなんて、アウトの範疇だろ」 友人は、氷をがりがり食いながら言った。 「その時は、その時だ。あきらめればいい。だが、 もしセーフなら? 写真集を売り出したら? ダウンロード販売でもいい? 同じ事を考える人間なんてまず、いないだろう。 俺達のところからしか、買えないんだ。バカ儲けできるぜ」 最後の一言に俺は乗ってしまった。 「しっかし、胴付きなんてどこにいるのかねぇ」 日時も所も変わって、3日後、近所で一番近い山。の中腹あたりに俺達は来ていた。 「いいから探せ、胴付きがいそうな所は山のようにあるだろ、山だけに」 「いないねー、最終兵器つかっていい?」 「スルーするな、で最終兵器って何だよ。 あるなら早く使えよ、坂道で話しているのは結構疲れるんだ」 わかった、と俺は返し、かばんの中から、 有名和菓子店のトリュフを取り出し息を大きく吸った。 「わぁ~お!!こんなところに!!一口食べたら!!ゆっくりできるとかいはなあまあまがあるよ~!!」 1秒、2秒、3秒・・・ 「まさか、今のが最終兵器か、大声出しただけじゃねぇか」 「胴付きだってゆっくりなんだから。きっと有効なはずだぜ」 「馬鹿かお前、胴付きは賢いからそんな手に引っかからないんだよ」 胴付きでもれいむはそんなに賢くなさそうだな。 俺の嫁になんて事を。 れいむはゆかりんの嫁だろ。 ならゆうかはおれがもらっていきますね。 なんだとー。 このやろー。 などと、口論していると、 「おにいさん、ゆっくりできるあまあまをよこすんだぜ!!」 ゆっくりが俺達の足元に集めっていた。その数、 「い~ち、に~、たくさ~ん」 「ゆっくりかお前は、こんなの呼んでど~すんだよ」 無視する。 「なぁ、君達このあたりで、胴体のあるゆっくりを見なかったかい?」 俺の言葉に、友人は、感心した表情を見せた。その調子でいて欲しい。 「いいから、とかいはなあまあまをありすに、 よこしなさい!!たべてあげてもいいんだからね!!」 友人の顔が一気に冷めていった。見限るのが早いぞ、このやろう。 「きめぇ丸とかこの辺には居ないのかい?」 「ゆぅ~!!あんな奴、ゆっくりできないよ、 いつもおちびちゃんをいじめるんだよ、だかられいむにあまあまちょうだいね」 どうやら、このれいむはあまあまを子供に上げるつもりはないらしい。 あときめぇまるは、この辺に居るようだ。 「わかった。ほ~らとっておいで~」 俺は、坂道の下のほうにアンダ-スローでトリュフを放る。 「あまあまさんとんでるみたい~」 「あまあまさんれいむのところにおちてきてね」 トリュフが落ちた。坂道の上に。 地面に落ちても形を変えなかったトリュフは、飛んだままの勢いで坂道を下り始めた。 「あまあまさんゆっくりしていってね!!ゆっくりたべられてね」 ゆっくりたちが、びったんびったんを地面をはねて進む。 そのうちの一体が、あんよを滑らせて地面を転がった。 転がったゆっくりは、トリュフと同様に坂道を下っていった。 「ゆゆ~、ころころしたほうがはやいよ~」 その言葉を聴き、他のゆっくり達も我先にと、転がった。あまあまを奪われたくは無いのだ。 「あまあまはまりさのだぜ、ゆっくりしないで、いそいでころがるのぜ!!」 「どぼぢてまねするのぉぉぉ!!」 坂道にいたゆっくりは、全員転がることにしたようだ。 ところで、 「おまえらどうやって止まるんだー」 「ばかなじじいだね!!こうやって、こうすれば・・・とまらないよぉぉぉ!!」 「とまってぇぇぇ!!ゆっくりしてぇぇぇ!!」 「まりさをたすけるのぜじじぃぃぃ!!」 止まるつもりはあったらしいが、ゆっくり達のほとんどがすぐに視界から消えてった。 今、俺達の視界にいるのは、止まろうとして、スピードが落ちたところを、 後続につぶされたゆっくりと。坂道を外れて、 木にぶつかって、中身をぶちまけているものだけだ。 「もしかして、みんな死んだのかな、今ので」 「あれくらいで、みんな死ぬくらいなら、 農家は畑にトラップしかけたりしないだろうよ、 しかし、見つからないな、胴付きゆっくり」 「そうだな・・・、お~いきめぇ丸~」 「またその手かよ!最終手段の癖に何回も使おうとするなよ」 「おや、私を呼びましたか」ヒュンヒュン 「・・・来たよ?」 「・・・」 ようやく、胴付きゆっくりに会えた、しかし、ここからが、問題だ。 人間と近い感性を持つ胴付きゆっくりなのだ。 「あまあまあげるからパンツを撮らせてください」 と、いったところで、首を立てに振らないだろう。 無理やり取るのは論外だ。逃げられる可能性もあるし。なにより、紳士的ではない。 事は、エレガントに行わなければならない。そうだろレティ。 そんなことを考えていると、友人が話を切り出していた。 「きめぇ丸は、宙に浮かんだまま、その場で」 友人は、 「こんな感じに」 何の前ぶりも無く、 「くるっと回ることはできるか?」 バク宙した。無駄に器用だ。 「・・・いや、無理だろうな、きめぇ丸はゆっくりだし、ごめんごめん、いまのなし」 「・・・おお、できますよ」ヒュンヒュンヒュンヒュン 少し怒った風にきめぇ丸が返した。くびの振りも、早くなっている。 きめぇ丸が、羽根を使ってゆっくりと回りだした。羽根を使っている時点で別物のような気もするが、 今は、ゆっくり回っているほうが、好都合だ。友人は、きめぇ丸が顔を背けているうちに、カメラをポケットから取り出し。 きめぇ丸の足元にそろ~りそろ~りと忍び寄り。 「おお、どうですか、回っていますよ」 きめぇ丸のパンツが見えた瞬間。 カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ ありえないスピードでシャッターをきった。 「な・・何をしているんですか・・・」 きめぇ丸がおびえた声を上げる。 「このカメラで君のスカートの中を、激写させてもらったのさ!! さぁ、あちこちにばらまかれたくなかったら、言う事を聞いてもらおうか!!」 「止めて下さい、恥ずかしくて、死んでしまいます」 「ん~?聞こえないなぁ」 それなんてエロゲ?と突っ込みたくなるような、流れだ。 ~5分後~ きめぇ丸は諦めたらしく、言った。 「・・・わかりました・・・」 そして、自分のスカートを脱ぎだした。 念の為言っておくが、俺も友人も脱げといった覚えは無い。 「・・・しこってもいいのよぉ」 目に涙を浮かべながら、きめぇ丸は続けて、パンツを脱ごうとして、 「この、馬鹿者めぇぇぇぇ!!」 「ぅうべぇぇぇ!」 友人に、張り倒された。 「な・なにをするんですか、わたしのからだで、しこるのがもくてきではないのですか?」 「ちがうわぁ!!」 「・・・っ!!まさか、しこるだけではなく、わたしと、スッキリー!するつもりですか!?」 「もっとちがうわぁ!!」 どうやら、きめぇ丸は俺達がゆっくりですっきりするHENTAIお兄さんだと思ったようだ。 あながち間違っていないが。 「俺達はなぁ!!胴付きゆっくりのスカートの中を撮影しに来たんだ!! お前のパンツの中を撮影しに来たんじゃねぇ!!」 スカートの中よりもパンツの中の方が価値がありそうな気もするが、 友人にはこだわりがあるらしい。 友人と、きめぇ丸が落ち着くまで、しばらく時間が必要だった。 「・・・では、あなたがたはわたしになにをさせるつもりですか?」ヒュンヒュン 「聞きたいことがある、この辺で・・・いや、この辺で無くていい。 俺達は、お前みたいな胴付きのゆっくりを探している、見かけたことは無いか・・・」 友人の問いに、きめぇ丸は、少し考えるそぶりを見せた。 「・・・さがしだして、どうするつもりですか?」 「お前のように、スカートの中を撮影する」 「きがいはくわえませんか?」 「加えない・・・約束する、もし教えてくれるなら、 このカメラで撮った、お前の写真は、全部処分しよう」 驚くべきことが判明した。 きめぇ丸の話によると、この山には、数種類の胴付きゆっくりがいるというのだ。 中には、胴なしですら珍しい、 ひなや、えーりん、てるよ、もこう、などもいるという。 俺達は、きめぇ丸から胴付きたちの住んでいる場所を細かく、 聞き出し地図とメモ帳に書き写した。 「やくそくです。わたしのしゃしんをしょぶんしてください」 「ああ。わかった、約束だからな」 そう言うと、友人はカメラをきめぇ丸に投げてよこした。千円くらいで買える奴だ。 カメラを受け取ったきめぇ丸は、空を飛んで逃げようとしたが、 下から撮影されるかもと警戒して、坂道を走って下っていった。 「よかったのか?」 「写真のことか?」 「ああ?あのきめぇ丸には悪いが、本当に胴付きの住処を話してくれたかは、 わからない・・・、もしかしたら、あのきめぇ丸以外は見つからないかもしれない」 友人は、遠くを見るような目をした。 「確かに少しもったいなかったかもな・・・、 このカメラで撮った奴だけでなく、 あのカメラで撮った奴もいいのが撮れてただろうしな」 「って、カメラ二つあったんかい!!」 ~~~~~ つづけていい? このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1382.html
ゆっくりフライヤーズ 「雷雲のエース」 羽付きあき ・独自設定のゆっくりが登場しますご注意を ・頻繁な視点変更注意 シーリングファンの回る部屋に胴付きゆっくり達が集まっていた。 前にはスクリーンに地図が映し出され、加工所職員が説明を開始する。 「今回の目標は山上湖にいる水上ドスまりさの群れだ。」 スクリーンに座標が映し出された。 「第47加工所のゆっくり飛行隊が攻撃をかけたが壊滅の憂き目に遭っている」 その言葉を聞いて胴付きゆっくり達からどよめきが上がった。 壊滅等ありえないはずなのだ。 「ゆっへっへ。ヘタクソだからなんだぜ」 「・・・」 「エースの座を奪われて悔しいかぜ?」 「・・・話を聞いてな」 「まったく失礼な奴だぜ。一応言っておくけどここはただの飛行部隊じゃないぜ。弾が前からばかり飛んでくるとは限らないぜ。せいぜい背中に気をつけるんだぜ」 「・・・」 それだけ聞くと加工所職員の言葉に耳を傾ける。 「こちらにその作戦が回ってきた。今回は攻撃隊を4つに分ける。何番目に行きたいかは志願してくれ」 「第一攻撃隊だ!」 「こっちも第一攻撃隊に志願する!」 「こきやがれ!一番槍はまりさがいただくんだぜ!」 加工所職員に一斉に群がる胴付きゆっくり達。 皆が一番最初に攻撃をしたいのは当たり前だ。 通常サイズのゆっくりなんてせいぜい一体500~800前後、しかしドスまりさは一体50000だ。 破格の報酬が得られるのだ。 だが、胴付きまりさは乗り気でなかった。 どうにも引っかかる事があるからだ。 横に居る「だぜまりさ」に声をかける 「一番目に行きたいんじゃないのか?」 「ゆへへ・・・あいつら皆バカなんだぜ。ヘボとはいえ飛行隊が全滅するような危ないドスまりさに一番目に突っ込んでいくなんて死にに行くようなもんだんだぜ」 「・・・」 「お前は"殿"に付くってのはわかりきってるんだぜ」 「・・・よくわかったな」 「まりさも同じだからかぜ」 だぜまりさがゆひひと笑ってこう言った。 「せいぜいあいつらには露払いになってもらうんだぜ」 攻撃隊はすぐに編成された。胴付きまりさとだぜまりさは、そして一体の胴付きゆっくりと三体の編成だ 攻撃隊一隊につき3セクションで編成される。つまり攻撃隊の編成は全部で9機だ、全て合わせると36機である。 第一隊がすぐに発進準備にかかった。 轟音をあげて誘導等に照らされたP-193が雲の中へと消えていく。 胴付きまりさは空を眺めていた。 よく胴付きまりさに話しかける加工所職員が近付いてくる。 「何を見てるんだ」 「天気が悪い、雨が降りそうだ」 「ああ、でも多分降らないなこれ」 「・・・そうかな?」 「雷が出てるだけだろ」 空を眺めているとあのだぜまりさが話しかけてくる 「元エース様は雷が怖いのかぜ?」 「お前・・・さっきからよく胴付きにからむなぁ・・・なんでだ?」 「まりさの次に強いのがこいつだからかぜ。何でもかんでも一番槍を持っていこうとする他の奴らのレベルに合わせて話するのも付かれるからぜ・・・」 「まぁ、第三攻撃隊も壊滅なんじゃないのかぜ?あいつら喜び勇んで"スピーカーポッドボム"を持って行ったぜ。意味がないってのに・・・」 「どういう事だ?胴付き・・・?」 「・・・水に落ちれば作動しても中枢餡まで振動が届かないんだ。でも今まで水上戦なんてやったためしのないから実際はわからないけどね」 「そういうことだぜ。まぁ、胴付きもまりさも、ロケット弾を持って行くぜ。」 「悪いけどハズレだな」 「なにぃ・・・?」 「職員さん。こっちのP-193には翼下にバルカンポッドを積んでくれ。過重でも良い、フル装填だ。」 「わかった」 「お前はバカかぜ!?ロケット弾で波を起こしても水上まりさはひっくり返るんだぜ!?それをバルカンポッドだなんて・・・」 「NO1とは考えが違うのさ」 「ゆけっ・・・!」 バツが悪そうにそっぽを向いてどこかへ行くだぜまりさ。 窓の向こうから、煙を吹いてヨタヨタとフラップを下すP-193が一機だけ確認できた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「むきゅ!滑走路で爆発炎上!?」 「・・・じゃあ、1、2、3攻撃隊はこれで全滅ってわけか」 「まぁ数は減らしてくれてるんだぜ。さっさと本丸を落としに行くんだぜ」 ・・・第一滑走路に着陸しようとした第三攻撃隊唯一の生き残りが着地途中にフラップが折れて炎上した。 残るのは胴付き達の第四攻撃隊のみ。 通常ならここまで損害が出れば別の加工所に任務が回される。 しかしここはまともではないのだ。いまどきありえない「消耗部隊」なのだ。 その分戦果は飛びぬけているが、損害も大きい。 第二滑走路にP-193を持っていく。 アイドル・アップを経たエンジンが音を上げて馬力を上げていく。 プロペラが回り始めた。 今回だぜまりさとともに編隊を組むぱちゅりーは翼下にスピーカーポッドボムを付けているようだ。 だぜまりさが、何も言わなかったのは恐らく取り分を増やすためだろう。 三小隊、9機で攻撃をかける。 雲が、雷鳴をあげている。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ 「14、距離を詰めろ」 「むきゅ。了解」 「15、右に寄れ」 「まりさに指図するんじゃないぜ!」 雷雲の中、P-193の編隊が高速で飛行する。 雨が降ってくれないと、下手すれば全滅かも知れない。 だが雨は降る気配は全くなく、雷だけが雷鳴をあげて光り続けていた 「見えた!見えた!見えたぁーっ!ターゲットインサイト!セクション1はこれより攻撃をかける!行くぜ!行くぜ行くぜぇーっ!イィヤッホーーウ!ダイブだぜぇーっ!」 「セクション2も続くぜ!増槽を捨てるんだぜ!アターック!」 大きな山上の湖に、まるで艦隊の様に浮かぶ水上ドスまりさの群れが見えた。 胴付きまりさ達をしり目に、一斉に増槽を捨ててダイブする他のゆっくり達。 ・・・他の攻撃隊が壊滅の憂き目に遭っているのだ。 召集されていない胴付きゆっくり達も呼び出され、今やあの群れの配当は、水上ドスまりさが一体100,000以上、水上まりさ一体で10,000にまで膨れ上がっていた。 手柄を横取りされまいと急降下で攻撃をかける他のセクション。 しかし、胴付きまりさは慎重だった。 何せあれだけの損害を出されてなお、ざっと数えて100体近くの水上まりさがまだいた。 所々浮いている帽子の数から、既に半数以上はやられたようだが・・・ 「種明かしはあいつらにまかせるんだぜ」 「むきゅ。でも・・・」 「もしいなくなったら三機だけになるって言いたいんだろう?」 「そうよ・・・」 「その時はドスだけをいただいて帰投すればいいんだぜ」 「(それが一番難しいんだよ・・・)」 戦闘が始まった。その時、胴付きまりさ達が見たのは高射砲と身孫うばかりの無数の火線であった。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ 「むきゅ!どす!またきたわ!」 「ゆゆ!みんな!あの"うーぱっく"がまたくるよ!」 「どすすぱーくをうつわよ!みんな!いち、にの、さんでうってね!」 「「「「「「「「「「ゆっくりわかったよ!!!」」」」」」」」 一斉に上を向いて急降下するP-193に狙いを定める水上まりさ達。 「いち、に、さん!うてーっ!」 一斉に水上まりさたちの開いた口から、光が上がった。 ここの水上まりさは、通常種でもドススパークを撃つ事が出来るのだ。 威力はドスの足元にも及ばないが、貫通力は凄まじく、20cm程の石でも砕いてしまう。 そんな威力の火線が100も一斉に撃ってきたのだ。 恐ろしい事にドススパークと違って連射が聞くと言うオマケ付きで。 轟音とともにP-193に火砲が集中する。 ・・・本丸である「ドス」に届く前に、火を吹いて一挙に2機のP-193が空中でバラバラに四散した そして2機が火を上げながら、切りもみ回転をして湖に墜落する。 「うわぁぁぁ!なんだーっ!?」 「くそっ!脱出!」 残り2機は何とかフェイスカーテンハンドルを引いて脱出する。 風防が弾けて、座席が飛び出した。 パラシュートで、ゆっくりと降下していく。 「むきゅ!なにかでてきたわ!」 「きっとあのうーぱっくにのってたゆっくりだよ!」 「むぎゅううう!にげるきね!みんな!あれをねらいうつのよっ!」 ぱちゅりーの号令でパラシュートに一斉に吸い込まれるように撃ちこまれるドススパーク。 ・・・雷鳴が、また鳴った。 「くそっ!こんなはずじゃ・・・!・・・!!」 脱出した片割れの胴付きゆっくりが悪態をついた、しかし、すぐに自身にむけられた異変に気付く。 オレンジ色の線がこちらに向かって飛んできた。 「なに・・・!」 「・・・!!!・・・!!・・・!」 遥か遠方に居た同じく脱出したパラシュートに居る胴付きゆっくりがバラバラに四散して地面に落ちて行った。 そして今度はこちらにも向かってくる。 「ゆわあああああ!!がっ!ぐっ!うごっ!ゆがはっ・・・!」 バチバチと火線が辺り、そのたびに体のどこかを持って行かれ、遂にはバラバラに弾け飛ぶ胴付きゆっくり。 これで全体の3分の2が一瞬にして戦闘不能になってしまった。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ 「あ~あ、いわんこっちゃないぜ」 「むぎゅう・・・あんなのをあいてにするなんて・・・」 「でも対策は出来たな・・・」 「何をする気かぜ?」 「ドスの1000m圏内で一気に散開してこっちが上空で囮になる。14と15がその隙低空侵入して攻撃してくれ」 「むきゅ・・・!囮になるの!?」 「・・・わかったんだぜ、ぱちゅりー!ごちゃごちゃ言わないで胴付きの指示に従うんだぜ!胴付き!編隊を組み直すんだぜ!」 ・・・胴付きまりさの立てた作戦はこうだった。 まずドスの1000m圏内まで侵入、その後一挙に散開して一機が囮になり、2機が低空侵入で攻撃を開始する。 一気に直線を抜けて左右に旋回して、離脱。その後もう一度シェブロンを組んで囮役を交替して攻撃する。と行ったものだった。 しかしこれは一機でも脱落すればご破産になってしまう作戦だ。しかし、今はこれしかあの対空砲火をくぐって攻撃する手は無かった。 最初の囮は胴付きまりさが行う。 シェブロンを組んだ編隊が、ドスまりさの「艦隊」に向けて一直線に突っ込んでいく。 ・・・雷鳴が、また鳴った。 スピードを上げて軋む機体に胸が高鳴る。 冷たい汗が噴き出した。どんどんドスまりさの影が大きくなって近づいていく。 近づいた。 「散開!」 「「了解!」」 シェブロンが、三つの矢に別れた。 視界が大きく上に傾き、雷鳴がとどろく雲へと一直線に上っていく。 下からオレンジ色の光が、線を帯びて後方から前えと抜けて行った。 機体が震える。丸で針の筵の間を飛び交う様に、胴付きまりさは慌ただしくペダルを踏み、操縦桿をかき回し、出力を何度も上げ下げした。 「むきゅ!しつこいうーぱっくね!みんな!もっとどすすぱーくをうつのよ!」 「ぱちゅりー!うーぱっくが!うーぱっくがきたよ!」 ぱちゅりーの下に居るドスが声を上げた。 ぱちゅりーが視界を戻すと、同じく「ドススパーク」を放ってこちらに突っ込んでくるうーぱっくが見えた。 「ゆがあっ!」 「ゆぎっ!」 「いだいいいい!までぃざのおがおがぁぁぁ!」 「だずげでっ!がぼっ!おぼれるっ!がぼぼぼぼ・・・!」 至近距離では火線も当たらず、バラバラに弾き飛び、帽子を転覆させ沈む水上まりさ達。 「ゆわあああ!ごわいよぉぉおおおお!」 「ゆっくりにげるんだぜ!ゆ!ゆ!」 「ゆひっ・・・ゆひっ・・・!ゆっくりにげるよ!」 残った水上まりさ達も散り散りばらばらに逃げようとする。 「むぎゅうう!みんな!なにじでるのおおおお!ばらばらになっぢゃあぶないわよ!」 「ぱ、ぱちゅりいいいいい!こっちに!こっちにきたよおおおおお!」 ドスまりさが声を上げると轟音をあげて「ドススパーク」を放つうーぱっく。 それが、ぱちゅりーとドスまりさを切り裂いた。 「むぎゅぁっ!」 「ゆぎゃっ!いだいいいいいいい!までぃざのおがおがっ!ゆがぁあああ・・・!」 直撃では無かったが。ぱちゅりーの帽子と寒天の右目、と右半分の小麦粉の皮を吹き飛ばし。ドスも砂糖細工のかみが小麦粉の皮と同時に千切れて吹っ飛んでいく。 「むぎゅぅ・・・いだいわぁぁ・・・!ぢぐじょう・・・!ぢぐじょおおおおおっ!よぐもっ!よぐもっ!よぐもおおおおお!!ばぢぇのおがおをおおおおお!」 水面に映った自分を見た途端、ぱちゅりーがキレた。 怒りに顔を歪めたぱちゅりーが上空で編隊を組み直すP-193を睨めつけた。 周りに逃げるゆっくり達に、怒鳴り散らす。 「ごのぐぞゆっぐりどもっ!にげるぎがぁぁっ!いばにげるどあどでやづざぎにじでやるっ!いばじぬがあどでじぬがえらべぇぇぇええええ!!!」 ・・・ぱちゅりーの凄みにビク付き、怯えながらも再び隊伍を整える水上まりさ達。 普通に考えれば生き残る可能性の高い方を選ぶだろう。 再び、うーぱっくが三つに分かれてやってきた。 「次はこっちの番だ!いくぞ!」 「ロケット弾を食らって焼きちまうんだぜ!ドスっ!」 ・・・矢鱈めったらに火砲が飛び交う。上空の囮に集中せずに、こちらにも。 「ゆわ!こいつらめちゃくちゃに攻撃してくるんだぜ!」 「なんだ!?・・・くそっ!」 ・・・胴付きまりさがバルカンポッドをラダーを動かしながら左右に制射する。 水上まりさ達の小麦粉の皮と餡子が飛び散り、ズタズタになった帽子が舞った。 「ゆぐっ・・・仕方ないんだぜ・・・!」 だぜまりさが大事に抱えたロケット弾を発射する。 対空砲火が厳し過ぎる為、ドスに届く前に撃墜されると判断したのだ。 少しでも機体を軽くするために。 火柱が上がり、水上まりさが跡形もなく吹っ飛んでいく。 ドスの懐に飛び込む前に、胴付きまりさとだぜまりさが上空に退避する。 「むきゅ!?もう合流なの!?」 ぱちゅりーが急いで付いていくために機体を旋回させた。 しかし、思う様に機体が動かない。重いのだ。 原因をぱちゅりーは緊張によって忘れていた。 大事に抱えた胴体下のポッドだ。 投下すれば音波でゆっくりの中枢餡を破壊すると言う物だが、水の中に落ちてしまえば効果がない。 「むぎゅうううううう!早く!早く動い・・・!」 スピードを落としたのが最大の失敗であった。 一気に火線につかまり、穴だらけになって火を吹いて爆散する機体。 雷雲と同時に、機体が散った。 「「ぱちゅりー!」」 2体が叫んだ。 これで完全に胴付きの作戦は終わった。 既に水上まりさを50体は撃破した胴付きとだぜまりさであったが、本丸のドスまでには届かない。 火線が弱くなったと言っても、もう既に胴付きの翼下にあるバルカンポッドは底を尽き、固定武装の機銃しか残っていない。 ・・・だぜまりさの方はもっと深刻だろう。 「15、後弾が何発残ってる?」 「・・・127発。1秒足らずで吐き出してしまうんだぜ・・・」 「くそ・・・完全に失敗だ・・・」 「・・・まだ方法はあるんだぜ」 「え?」 「お前はドスの頭上から急降下で機銃を撃つんだぜ。まりさは低空からドスを狙うんだぜ」 「・・・でも」 「ファーストエンゲージであのドスはドススパークを撃っていないんだぜ!恐らく前の攻撃隊の時に撃ってしまって撃てなくなってるんだぜ!どちらかが仕留めればそれでいいんだぜ!悔しいけど手柄は山わけだぜ!」 「わかった!」 「じゃあ、やるんだぜ!散開!」 P-193が上下に分かれた。 上下からの同時攻撃、これが胴付き達に残された最後の攻撃であった。 ・・・上昇して、一気にダイブする。 天地が逆さまになって、高度計がグルグルとめまぐるしく回る。 ドスの頭が近付いてきた。光の帯が撃ちあがってくる。 一気にヘッドアップディスプレイに映ったドスの陰を、胴付きまりさは撃った。 雷鳴と同時に、水上ドスまりさの口から目を覆うばかりの光が漏れた。 「まりさ!」 胴付きまりさが叫ぶ。 たった今、回復してしまったのだ。 だぜまりさの機体が炎に包まれてそれでもドスまりさに突っ込んでいく。 爆音とともに、ドスまりさが爆発した。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「あどぶだづがああああ!ぐぞゆっぐりどもっ!うでっ!もっどうでぇぇええええ!!」 ぱちゅりーの怒号に合わせてドススパークを撃つ水上まりさ達、逃げ出したゆっくりや新たにやられたゆっくりを引けば、後20体ほどしか残っていなかった。 「ぱちゅりー・・・き、きのこさんがはえてきたよ!」 「むきゅ!?」 「どすすぱーくが・・・!どすすぱーくがうてるよ!」 頭の上に居るぱちゅりーがドスに向かって叫ぶ。 「ならざっざどうでぇぇ!」 「でも、でもうえとしたからりょうほうきてるよ!どっちをうてばいいの!?」 「じだっ!じだねらえええええ!」 「ゆっくりわかったよ!みんな!どすすぱーくをうつよ!ゆっくりどいてね!」 「ぼうおぞいいいいい!ゆっぐりごどうでぇっ!」 ・・・ドスの口が大きく開き、光った。 「早く!早く!もっと早く!」 一方その頃、低空侵入しただぜまりさはドスに向かって機銃を連射しながら近づいて行った。 こうしていれば水上まりさ達が怖気づいて、火線が集中しない。 しかし、ドスに届く前に残段数を示すカウンターに0が並んだ。 「ゆくっ・・・弾切れかぜっ・・・ギリギリまで引きつけて離脱を・・・ゆがああああああ!?」 無理だと判断して離脱をせずに、ギリギリまで引きつけて胴付きまりさを援護しようとしたのが仇となった。 ドススパークをまともに食らってしまったのだ 光に包まれて、機体が燃えた。 「ゆばぁっ!ゆ”!ゆ”!ゆ”!」 「ぢぐじょおおおおお!うえがらがあああ!うで!もっどうでええええ!!」 ・・・上空からの一斉射はドスまりさの小麦粉の皮を貫通し、帽子に穴をあけて、中枢餡子を破壊した。 痙攣しながら傾き、巨体が沈んでいく。 それでも指示を続けるぱちゅりーは、気がつかなかった。 火を纏ってドスに突っ込む「うーぱっく」に 「むぎゅぅあああああああ!?」 轟音とともにP-193がドスまりさに突き刺さった。 火を纏って爆発し、ぱちゅりーが放り出される。 「ゆあああああ!?ひさんゆっぐりぎえでねっ!ゆ!ゆ!?しずむうううう!」 「あづいいいいいい!ゆがっ!ぶぐぶぐぶぐ・・・!」 「どずがあああああ!も、もうやだ!おうぢがえるううううう!」 ・・・飛び散った機体の破片に帽子が燃え移って沈むもの、砂糖細工の髪の毛に引火し、パニックになって水に落ちるもの、ドスがゆっくりできなくなったとわかると同時に一斉に逃げ出すもの・・・ 戦闘は終わったのだ。 ぱちゅりーは主を失った水上まりさの帽子に何とかしがみついていた。 「むぎゅうううう!どげるうううう!だれがっ!だれがだずげでえええええ!」 みるみる内に水に溶けていくぱちゅりーのカスタードクリームと小麦粉の皮。 ぱちゅりーは最寄りの水上まりさに助けを求めた、しかし、誰も助けてくれるものはいなかった。 「までぃざああああ!だずげでええええ!ばぢぇをだずげでええええええ!」 「いやだよ!まりさはゆっくりにげるよ!」 「ぞんなあああああ!むぎゅ!ぞごのまでぃざっ!ばぢぇをのぜなざい!」 「もうのせられないよ!ゆっくりりかいしてね!」 「むぎゅうううう!どぼじでええええええ!むぎゅ!じずむっ!じずむうううう!がぼっ!だずげっ!ぐばっ!ゆむぎゅううううぶぐぶぐぶぐぶぐ・・・」 あっけなく、ぱちゅりーは沈んだ。 全てが終わった後、雷雲に続いて豪雨が降る。 遅すぎる雨だ。 総機数 120機の内、出撃数は36、未帰還数35機 雷雲が唸りを上げて豪雨が全てを洗い流していく。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ 「ガンカメラを見させてもらったよ。全部で48万か。かなり稼いだな」 「・・・」 「あんなドスを相手にして無傷で生還だなんて。やっぱりエースはお前だよ」 「・・・違う、本当のエースは」 「言いたい事はわかってる。でもいなくなった奴の事は言うな。お前らは生きてこそ初めてゆっくり達の脅威になるんだよ」 「・・・」 「じゃあな・・・暫く機体調達で忙しくなりそうだ」 加工所職員がタバコを吹かしながら去っていく。 胴付きまりさは、報酬の書かれた紙をしまい込むと、だぜまりさの部屋へと向かった。 ガランとした冷たい部屋が、胴付きの目の前に広がっていた。 あれだけの自信家が、こんなこじんまりとした質素な部屋にいたのか・・・ ふと机を見ていると、1枚の写真と、書きかけの手紙が置いてあった。 手にとって、手紙を読む。 そして写真を見た。写真の中には、胴付きてんこと映っているだぜまりさの笑顔があった。 「そうか・・・まりさ、お前はこのてんこの為に」 そうつぶやくと、後ろを振り向いた。 だぜまりさが見ればムキになって取り返すだろう。 だがそのだぜまりさはもういない。 ・・・写真と手紙を置いて部屋を後にする。 「バイバイ。戦友」 ・・・だぜまりさ。 第3セクション所属、機体番号8 大胆不敵な戦闘軌道を武器にするファイター・パイロット 勇敢なそのゆっくりにより、胴付きまりさは生き延びた。 自身の為でなく、誰かのために戦った真のエースに敬礼を・・・
https://w.atwiki.jp/ykansatu/pages/26.html
アリスのお飾りでもうける - かい (2024-08-08 15 36 53) ↓おかざりが外れている場合にそうなることがあります。おかざりをつけてあげましょう。 - 名無しさん (2024-07-07 21 46 50) なんかしつけ?ボタンみたいなのを赤ちゃんゆっくりにしたら愛でてもずっと悲しい状態なのですがどうすれば良いですか? - ゆっくりしていってね。 (2024-07-07 17 52 11) 消えかけたんだけど -  (2023-12-17 16 33 56) 廃墟ステージのプレス処刑機に掃除機で吸った状態のゆっくりを動かして2.3回潰してからミサイル連打すると排泄されたうんうんでポイント増殖ができます - 包帯探偵きなこ (2023-03-22 09 35 33) 水上でも捕食するの? - うひ (2022-08-31 17 40 32) バイオレンスモードで胴付きを食べたかったなあ... - Believe115 (2021-08-10 22 06 55) 何で胴付きはバイオレンスモードで出てこないんだ 出して欲しい - 名無しさん (2021-04-23 22 21 26) 捕食種Sでも捕食する。餌がなくなると、捕食種のフランとレミリアと一緒にパチェを置いといたらいつのまにかパチェがいなくなっていた。帽子だけ残して。 - 名無しさん (2020-07-15 16 20 01) 普通の人 それはゆっくりにっきでは? - 名無しさん (2018-11-24 10 56 26) さくや等のお飾りでも水の回避は可能。 - 普通の人 (2018-11-17 21 31 26) さくやはお飾りの有無関係なく捕食されない。但しお飾りがないと他のゆっくりと同様にB・Cランクのゆっくりからせいっさい(体当たり)される。 - 名無しさん 2017-07-01 14 29 07 ラブモードだと全ゆっくりがお飾りで水に浮きます、バイオレンスだと帽子系じゃないと駄目。 - 名無しさん 2017-05-10 15 24 59 ぼうしのないようむやれいむとかでも飾りを使って水に浮いています - 名無しさん 2017-02-26 18 28 53 落ち着けぇ!(パ) - 名無しさん 2016-11-25 21 27 59 baka - aisi 2016-10-25 19 01 09 胴付きは、クリスマス帽固定とか、嘘は駄目やろ。うちは、通常お飾りの胴付き沢山いるし。 - 名無しさん 2016-10-13 22 11 02 胴付きは、クリスマス帽固定とか、嘘は駄目やろ。うちは、通常お飾りの胴付き沢山いるし。 - 名無しさん 2016-10-13 22 10 50 胴付きは、クリスマス帽固定とか、嘘は駄目やろ。うちは、通常お飾りの胴付き沢山いるし。 - 名無しさん 2016-10-13 22 10 09 普通のゆっくりを買って持って帰ると胴付きになっています…バグでしょうか? - 名無しさん 2016-10-11 19 17 17 こたつまりさ発見 - おねにーさん 2016-10-11 12 33 42 胴はバイオレンスだと連れて帰ったら消えますよ - 観察日記の博士(仮) 2016-10-07 20 20 10 胴付きが出ないよー - 名無しさん 2016-10-06 13 07 00 ↓バイオレンスモードだとそうなる。クリスマスステージ(?)はバイオレンスにしてても強制ラブモード固定になるから胴付きが発生する - うじゃー鬼意惨 2016-10-05 05 39 14 胴付きのゆっくり買ったんだけど、家に帰ると胴体が無くなる - 名無しさん 2016-09-29 20 42 52 ええええええ - そうた 2016-09-24 17 38 55 お飾りの赤ゆが赤湯になってますよ - ななしの牛乳 2016-07-01 20 43 38 帽子を取って、ちょっと間をあけつつデコピンをしばらくやればあがるよ - 名無しさん 2016-06-17 21 00 07 BをAランクに上げる方法がわからない… - おにいさん 2016-06-14 14 05 45 できない - ともき 2016-06-05 22 16 21 たまにゆっくりがプレイヤーにすり寄ってくるけどこれはなに? - 名無しさん 2016-05-27 23 52 28 ゆっくりが太っているのは、にんっしんしているってことかな。 - 名無しさん 2016-05-25 17 19 57 なんか、みょんが太ったんだけど - 名無しさん 2016-05-21 12 03 24 ゆっくりは何食っても消化して体内餡、れみりゃとかの場合は肉まんに合成するみたいな設定もよく見るな - 名無しさん 2016-04-20 12 44 52 ↓胃はどうなってるのかってのに対する答え - 名無しさん 2016-04-20 06 40 03 ゆっくりに公式設定ってのはないけどお飾りも飴細工で出来てて熱で溶けるのがおおいよ - 名無しさん 2016-04-20 06 39 24 足りないゆ出て欲しい - ビクトリー 2016-04-15 20 01 10 さなえが欲しい‼ - X 2016-04-15 19 58 40 捕食種はゆっくりの残骸のお飾りも食べる。(全ランク共通)れみりぁとふらんの胃はどうなってるのか? - 名無しさん 2016-03-31 11 49 59 ↓追加 多分これしか無理だと思う - 名無しさん 2016-03-29 13 55 08 ↓永遠にゆっくり状態のゆっくりは昇天させる、ゆっくりの残骸は蹴ることで小さくなって消滅する - 名無しさん 2016-03-29 13 53 42 死んだゆっくりを破壊する方法はありますか? - スライム 2016-03-28 18 41 27 捕食種の善良(A,S)も永遠にゆっくり状態のゆっくりを食べた - 名無しさん 2016-03-28 17 52 55 旧ボイスにすると捕食種の空腹が早くなりAランクやSランクでも他のゆっくりを食べる模様 - ゆっくりジパング 2016-03-24 15 34 11 ↓名前つけるの忘れてた - ゆっくりジパング 2016-03-23 18 19 10 うんうんはAランクでもしてた - 名無しさん 2016-03-23 18 17 16 水苦手なのですね。気を付けなきゃ。B.Cランクは売却しますw(天使ならランクUPまで世話します) - シグナス 2016-02-15 19 52 17 satoni - kimura 2016-01-19 17 25 30 お飾り無しへの他ゆっくりの攻撃は実はちゃんとわずかながらダメージが入っている模様。生まれたての赤ゆにデコピンを5発ほどかましてからお飾りを外してBCの群れに放り込むと比較的簡単に再現できる - 名無しさん 2016-01-04 08 14 24 こたつ飾りも水上を移動できます。 - スライム 2016-01-02 01 55 20 ↓例外があるかも?※混合種とはお飾りと種が違うもの(まりさ帽のれいむとか) - スライム 2015-12-31 19 11 39 ↓スライムが討伐するのは全ランク(れいむ、ありす、ちるの、みょん、さくや)、BCランク(それ以外)、カエル、うさぎ、天使、うんうん飾り。(混合種の一部は見逃し、こたつ飾り等は持ち帰る) - スライム 2015-12-31 19 08 41 BCはぶっ殺し、SAは見逃すことを最近覚えた - 名無しさん 2015-12-31 03 43 23 半目で動きが遅くなっているのは弱っているサイン。この状態で放っておくと死んでしまう。 - スライム 2015-12-26 19 41 14 BCランクは捨ててASランクですな - ヤフーのゆっくり 2015-12-05 12 40 51 そういう時はタイトル戻りがお勧め。 捕食種が食べたならまず飼っちゃだめ。 ショップがいいよ - 名無しさん 2015-11-24 18 15 25 いろいろ試してたらゆっくり食べちゃったぁぁぁぁぁ - ゆっくり 2015-11-19 22 01 24 やだやだ文字化け怖い666思い出す - 名無しさん 2015-11-12 16 46 35 結構種が混ざったゆっくりが多いですよね。 - 地獄の支配者 2015-09-19 21 07 38 誤送信した - 名無しさん 2015-09-07 20 07 01 繧?▲縺上j縺?*縺?沽。 - 名無しさん 2015-09-07 20 06 27 繧?▲縺上j縺ョ縺?s縺薙⊂縺?@遞ョ縺阪b縺?沽。丕 - 名無しさん 2015-09-07 20 05 34 家族ゆっくりの内1匹昇天してもご飯を優先する場合が多い(怒) - 般若の鬼意惨 2015-09-02 23 18 46 お飾りをとったゆっくりはSmall以下だとボコられて死ぬ場合もある - 般若の鬼意惨 2015-09-02 23 15 27 ゆっくりの数が限界数の場合Aランク(もしくはSも?)でも出産の代わりに糞がでるようです - 名無しさん 2015-08-09 16 19 03 水上のゆっくりを見たことがありません。どうすれば見られる?長文失礼しました - さくや大好き 2015-07-27 17 58 49 一番大きいサイズを優しく置いたとき体内が見えて気持ち悪い - ゆっくり研究員 2015-07-27 17 56 26 お飾りを取りあげて放置したら、ランクが1つあがったよ - 名無しさん 2015-07-15 17 43 37 捕食種はさくやを襲わない模様。れいむ等と一緒にした時は捕食しましたが、さくやを一緒にすると襲われてませんでした - 名無しさん 2015-07-15 06 19 41 訂正。補食オフを付けていても、を忘れていました - 名無しさん 2015-06-06 21 52 29 S、Aランクの補食種が空腹時に通常種を食べてました。 - 名無しさん 2015-06-06 21 46 54
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2578.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 1233 新月の夜に/コメントログ」 わはー -- 2010-06-27 11 15 27 ゆっくりなのかー やはり飼うは賢い希少種に限る -- 2010-07-12 00 06 32 ドゥクドゥク♪ -- 2010-07-16 00 50 46 なのかー! -- 2010-07-19 11 53 28 やんやんおにいたんダンスの練習をさせないとね。 ドゥクドゥク♪ …… -- 2010-07-19 12 56 13 てをだすべきだね~ わかるよ~ -- 2010-07-25 04 51 40 HENTAIって良いよね!!胴付き最高!!! -- 2010-10-26 01 09 04 HENTAI万歳!!胴付きに栄光あれ〜!! -- 2010-12-06 01 02 28 るーみあさいこー!るーみあさいこー!るーみあさいこー!るーみあさいこー! -- 2010-12-10 23 55 05 うあああああああああ!!! るーみあかわいいよおおおおおおおお!! -- 2010-12-30 04 59 46 くそう、るーみあ飼いたいぜ… EX… ご褒美じゃないですか、やったー! -- 2011-01-13 10 33 11 るーみあ可愛いよるーみあ -- 2011-07-13 15 44 13 「ゆっくり」ではなく「ヨウジョ」にしか見えん… つーかおまけェwww -- 2011-10-07 00 48 04 この内容は(//∀//)ふぅ・・・ -- 2012-09-03 21 44 12 るーみあ!!!るーみあ!!!るーみあ!!!るーみあ!!!るーみあ!!!るーみあ!!!るーみあ!!!るーみあ!!! るーみあ!!!るーみあ!!!るーみあ!!!るーみあ!!!るーみあ!!! -- 2014-06-11 20 26 03 るーみあ可愛いよるーみあぁぁぁぁぁぁぁぁ/// 飼うのはやは賢い希少種だな -- 2014-06-25 19 42 50 ペットとか失礼だろ。こういうゆっくりは『家族』だろ常考。 -- 2016-02-28 10 45 23 ルーミアかわいいよルーミア! -- 2016-08-23 16 42 25 ルーミアかわいいよルーミア! -- 2016-08-23 19 16 42 さとり、るーみあ、ふらん、ちるの。 このあたりって胴付きになっても身長は原作と違わなそうww まぁ胴無しですら稀少種なのに更に胴付きって最早テレビ取材や政府保護レベルだけどな。 -- 2018-03-28 21 33 11 ↓×4 大切に可愛がっていればペットも家族同然というのは理解できるが、 レストランとか公共の場でもそれを押し付ける「頭おかしい人」が偶にいるよねww 動物は体毛が他のお客さんに迷惑掛かるかもしれんし、ゆっくりボイスが気に入らないという人もいるだろうし。 (※ボーカロイドや合成音声を聞くと気分が悪くなるって友達が居た。) ・・・言っとくが善良ゆっくり否定派ではないぞ? TPOを考えろって言いたいだけだ。(長文失礼) -- 2018-03-28 21 46 09 クソッ 俺のるーみあチャンを返せッ さとりチャンのセクシーショットなんて1ヶ月ぐらいしか持たんわ(性神的に) クソオオオオオオオオ ゆ"る"ざん" -- 2021-02-23 14 29 19 HENTAI最高!幼女最高!胴付き最高!るーみあ万歳! -- 2023-01-13 08 48 23
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/2167.html
※ヤンデレ要素を不快に思われる方 ※ゆっくりを野生動物として扱われるのを不快に感じる方 ※捕食種設定を不快に感じる方 ※ゆっくりの戦闘シーンを不快に感じる方 ※酷い目に遭ってしまうゆっくりがいるのを不快に感じる方 ※素晴らしい小説を求めている方 は、この小説に合いません。 申し訳ありませんが、ゆっくりお引き返しください。 それでも良ければどうぞ 「見つけたあああああ!!!!お姉さまああああああ!!!!!」 ミリィとマーサにとって、どこかで聞いたことある叫び声。 誰の声なのかを思い出す前に、その声の主は3匹の目の前に現れた。 その声の主を見てマーサは叫ぶ。 「ふ、ふりゃんだああああああああ!!!!!!!」 ミリィのゆっくり冒険記 第七話 「ふ、ふらん………?」 ミリィが呆然とするのも無理はない。 昨日会ったふらんと同一人物のようだが、姿形はまるで違う。 片方の翼がなくなっている訳ではない。 翼はすでに再生し終わっている。 では、何が違うのか。 金髪の髪に下ぶくれのある顔…そこまでは同じだ。 しかし、そこに紅い服を着た胴体と手足が付き、虹色に輝く一対の羽は背中に当たる位置まで移動している。 ふらんは胴付きになっていたのだ。 「もう!お姉さま!昨日会ったばかりなのにもう私の顔忘れちゃったの!?」 ふらんは怒ったような口調、しかし嬉しそうな笑みは崩さない。 このシーンだけを見ると生き別れた姉妹の感動の再会シーンかのようだ。 しかし、現実は違う。 「ふらんねぇ…」 ふらんは体を震わせている。 それは恐怖などではない、ましてや怒りなどでもない。 興奮を隠せないためだ。 「お姉さまと… あそびたいのおおおおおおおおおおおお!!!!」 もう我慢できない! それを全身で表現したふらんは、翼を羽ばたかせ、地上にいるミリィに体当たりを仕掛ける。 「うああああっ!!」 その体当たりに、ミリィは成す術もなく吹き飛ばされる。 ふらんは以前戦った胴なしの頃に比べ、飛行速度は間違いなく落ちている。 しかし、ミリィの吹き飛ばされ方を見る限り、体当たりの威力は格段に上がっている。 それは何故か? 胴体が付いたことにより体重が増加したためだ。 胴付きになることで機動力は落ちるが、メリットは非常に大きい。 手足が付くことで今までより器用に動けるようになる。 体重が増えるので戦闘力も飛躍的に向上する。 知能の向上は胴なしの時とは比べ物にならない程だ。 しかし、胴付きの恐ろしさはこんなものではなかった。 「ふらんねぇ…」 ふらんは儚げにミリィに話しかける。 しかし、その体は再び体当たりを仕掛けようと、ミリィを狙っていた。 「う、うぅ…いたいぞぉ…」 ミリィは全身の痛みに泣きそうになりながらも、両手を使って立ち上がろうとする。 寝たままの状態だと、ふらんに何をされるか分からないからだ。 しかし、次の瞬間、ミリィの目の前に紅い影が現れる。 その紅い影はミリィの頭に直撃する。 「ぶへぇっ!」 「お姉さまに羽を斬られてねぇ…お姉さまのことが忘れられなくなっちゃったの…」 ミリィの心中は恐怖だけで占められた。 目の前の紅い影への恐怖に。 「私を斬ったお姉さまを泣かせたらどんな顔するのかなあ、とかそんなこと考えてたら…なんだか体が熱くなってきちゃって…」 ミリィはその場で仰向けに倒れてしまう。 「起きたら胴体が付いていたの!!」 今度はミリィの耳にもはっきりと聞こえた。 しかし、何を言っているのかまでは理解できなかった。 それどころではなかったからだ。 ミリィの仰向けに倒れた体の上に、ふらんが全体重を乗せて圧し掛かってきたのだ。 「うああああああああああああああああ!!!!!!!!」 耐久力に優れたれみりゃ種のミリィでも、胴付きふらんの全体重を掛けたスタンピングにはどうしようもなかった。 ミリィはたまらず肉汁を噴き出す。 一方、ふらんはミリィの腹の上からミリィの顔を見下ろす。 「昨日はふらんが弱くて遊べなくなっちゃったけど…」 そんなことはどうでもいい。 早く自分の上からどいてほしい。 ミリィはそれだけを願っていた。 「でもね!でもね!ふらんも胴付きになったの!見て!見てる!?お姉さま!!」 ふらんはミリィの腹をトランポリン代わりにするかのように跳ねる。 やられるミリィとしてはたまったものではない。 「うあっ!うああっ!やめてええええっ!ふらあああああああん!!」 体内の肉と共に悲鳴を吐き続けるミリィ。 胴付きのゆっくりの体重は人間の幼児程度はある。 そんなものが体の上で跳ね続ける。 ミリィにとってこれ以上ないほどの地獄だった。 それでも、ふらんにとっては大好きなお姉様と遊んでる!という認識でしかなかった。 「だから遊べるの!ずぅぅぅぅぅぅっと遊べるの!これでお姉さまと追いかけっこできるの!」 ふらんはようやくミリィの腹の上から降りる。 仰向けに倒れているミリィに寄り添うような形でミリィの耳元で囁く。 「ふらんがお姉さまのことずっと大事にしてあげるから…いっしょにくらそ?」 愛を囁く言葉かのように耳元で囁くふらん。 いや、ふらんにとっては実際に愛を囁いたつもりだったのだろう。 その言葉だけはミリィの耳に届いた。 ふらんの執念が籠った言葉だったからだ。 ミリィにとっては重い重い言葉だった。 「うううう…ミリィ…」 「…」 マーサは動けなかった。 ふらんへの恐怖によるもので。 しゃめい丸も動けなかった。 目の前の光景への驚きで。 しかし、その驚きはふらんの強さへのものではない。 ふらんの知能の向上に驚いていた。 「ここまで…胴付きになると違うとは…」 しゃめい丸は胴なしふらんを何度も見たことがある。 見たことがあるふらん全てが「ゆっくりしね!」や「うー!」等といったありふれた言葉しか使っていなかった。 だから、しゃめい丸はふらんのことを『頭にあるのは餡子と戦闘本能だけ』という手厳しい評価を下していた。 しかし、目の前の胴付きふらんはどうなのか。 いくつもの言葉を流暢に使っている。 その事実がしゃめい丸の中の胴付きへの憧れを強くしていた。 しゃめい丸は胴付きになりたかった。 胴体が付けば手足が付く。 手足が付けば書きたかった新聞も書けるようになる。 しゃめい丸はそれを疑っていなかった。 勿論それは間違いではない。 しかし、現実はしゃめい丸の想像をはるかに超えていた。 目の前のふらんは手足だけでなく、力も、そして知能も付けている。 自分が胴付きになったらどうなるのか。 しゃめい丸は胴付きへの畏怖の感情と共に、胴付きへの憧れの感情もまた強くしていったのだった。 「ううう…あああ……」 ミリィは呻き声を上げる。 ふらんのスタンピングにより、体内の肉を何度も吐いてしまった。 ゆっくりは体の中の餡子(れみりゃの場合は肉)を限界以上に吐き出すことで死に至る。 だが、ゆっくりの再生力、特に捕食種のものは半端なものではない。 捕食種の再生力ならば、1日でも経てば余程の状態でもない限りは元通りになることは出来る。 しかし、その間、ふらんが見逃してくれるなど誰も考える事が出来なかった。 「ううううう…」 ミリィはふらんの猛攻をどう対処すればいいのかわからなかった。 ふらんの体は自分と同じくらい大きくなった。 そして自分よりも素早い。 自分はここで永遠にゆっくり出来なくなってしまうのか。 そう考えると涙が出てきた。 ミリィはまんまぁがいなくなってから泣かないように頑張ってきた。 自分がずっと元気でゆっくりしていたら、いつかまたまんまぁに会えると信じて。 しかし、自分はもうゆっくり出来ないのかもしれない。 もうまんまぁにもおねーさんにもさくやにも会えないのかもしれない。 そう考えると涙が止まらなくなってしまった。 「うう…ぐすっ…」 ふらんは耳元ですすり泣く声が聞こえ、ミリィの顔を見る。 そしてそれを見た瞬間、興奮してしまった。 自分が見たいと願っていた愛しい姉の泣き顔がそこにあったからだ。 そして、この泣き顔を自分は死ぬまでずっと見ることが出来るのだろう。 ふらんはそう確信していた。 ここで目の前の姉を連れ帰ってしまっても良かった。 だが、ふらんにはもう一つだけ姉に見てもらいたいものがあった。 「見て見て!お姉さま!」 ふらんは立ち上がり、右手を空中に掲げた。 右手が紅く光る。 そしてその次の瞬間、ふらんの右手には燃え盛るように紅い剣が握られていた。 「見て見てぇ~♪レ~ヴァテイン~♪格好いいでしょ~♪凄いでしょ~♪ね、お姉さま?」 ふらんは右手の中にある紅い剣を見ながら恍惚とした表情を浮かべていた。 「ゆえええええっ!!」 「あれは…一体…?」 驚くマーサとしゃめい丸。 特に手から紅い武器を出せるのはミリィだけだと信じていたマーサの驚きようは半端なものではなかった。 これが胴付きの真の恐ろしさだ。 ゆっくり達は幻想郷にいる人妖がオリジナルとなっている生物だ。 例えば、れみりゃ種ならばレミリア・スカーレット、ふらん種ならばその妹のフランドール・スカーレットだ。 胴付きになると、そのオリジナルの能力を一部使う事が出来るのだ。 訓練次第では弾幕も扱う事が出来るようになるし、オリジナルを凌駕とまではいかないまでも近い実力にはなれるかもしれない。 そうなると普通の人間は愚か、そこらにいる妖怪でも太刀打ちできなくなる。 今は胴付きへの進化の個体数が少ない為に異変にはなっていないが、個体数が増えていけば異変にも繋がるだろう。 ミリィはぐすぐすと泣いていたが、ふらんがいる方向が光っていることに気付き、顔だけをそちらへ向けた。 「う…?」 ミリィは見た。 ふらんの右手に光る紅い剣を。 形状は違うが手の中で紅く光る武器…それはミリィがどこかで何度も見たことがある槍と非常に似ていた。 ゆっくり出来ない紅く光る武器。 何故ふらんがあの武器を持っているの? ミリィは先ほどの涙も忘れて、そんなことを考えてしまっていた。 「お姉様!このレーヴァテイン、どうすると思う?」 ふらんは右手のレーヴァテインを足元で仰向けに倒れたままのミリィに見せつける。 その直後、マーサとしゃめい丸の方向をちらりと見るふらん。 ミリィはその瞬間、ふらんが何をしようとしているのかがわかった。 「やめてぇぇぇぇぇ!マーサとしゃめいまるをいじめちゃだめなのおおおぉぉぉ!」 ミリィは必死に叫ぶ。 が、ふらんにはその叫びは届かない。 「だって~…お姉さま、寝てばっかりなんだもん。ふらんは遊んでほしいのに…」 ふらんはまだ遊び足りなかった。 巣に帰る前に、もう少し遊んでから帰りたかった。 「うう…!!…あ…う…」 ミリィは焦って起き上がろうとする。 しかし、体がなかなか言う事を聞いてくれない。 どうやら肉を吐き過ぎたようだ。 ふらんが2匹の元にゆっくりと歩み出す。 マーサは動かない。逃げたところで無駄なのはわかっているからだ。 しゃめい丸も動かない。 しゃめい丸の飛行速度はゆっくりの中でもトップクラスだ。 しゃめい丸ならばふらんから逃げ切ることは出来るだろう。 しかし、ここで逃げたら胴付きになれるチャンスも失ってしまうのではないか。 目の前にいるふらんの言う事を信じるならば、彼女が胴付きになれたのはつい昨日のことだ。 上手くいけば自身も胴付きになれる手がかりが掴めるかもしれない。 自身の打算的な思考にしゃめい丸は自嘲した笑みを浮かべる。 「私が…お相手いたします」 そう言って、しゃめい丸は一歩前へ出た。 しゃめい丸は時間稼ぎをするつもりだった。 恐らく、ふらんが出している紅い剣はそう長時間は保たないだろうと考えていた。 根拠はない。 ただの願望だ。 そしてもう一つ…れみりゃ種であるミリィの治癒能力に賭けていた。 自分ではふらん相手に戦って勝つことは出来そうもないということは本能で感じていた。 あの剣は普通ではない。 だから逃げ回る。 もし仮にミリィに期待できそうもなかったら、自身だけでも逃げてしまう可能性も考えていた。 出来ればそのようなことにならないよう祈りながら、しゃめい丸は翼を広げる。 「…いきます!」 その言葉と共にしゃめい丸は空へ舞う。 ふらんはその姿に笑みを浮かべる。 元々、ふらん種は戦闘をすることが大好きなゆっくりだ。 ふらんにとって、しゃめい丸の参戦に不満は無かった。 「邪魔者は…こわれちゃうよおおおおお!!」 ふらんは嬉しそうに叫びながら、翼を広げ空を舞った。 しゃめい丸は自身の機動力に自信を持っていた。 強大な力を持つふらん相手からも逃げ回る自信はあった。 ふらんは剣を上段に構えている。 ならば、ふらんより少々高めの位置をキープし、後は剣の射程内に入らないよう心掛けた。 ふらんもまだレーヴァテインを使い慣れていないのか、しゃめい丸に斬撃を悉くかわされてしまう。 「う~…!」 ふらんは段々苛々してきた。 目の前のしゃめい丸に自身の剣が当たらない。 ふらんはなんだか眼がかすれてきたが気にしない。 それが逆に功を奏したのか。 「あっ…!?」 ふらんの気合いが勝ったのか、はたまたまぐれか、レーヴァテインがしゃめい丸の左の翼をわずかに薙いだ。 「う…うわあああああ!」 軽く薙いだだけだというのに、しゃめい丸の左の翼は翼の中央から外側に綺麗に裂けた。 ふらんは自身の剣の切れ味に驚く。 剣はこれまでにも一度出したことはあるが、その時はあまりの興奮で試し切りはしていなかった。 片方の翼が使えなくなった以上、上手く高度を取ることが出来ずにしゃめい丸は墜落してしまう。 「さて…邪魔者もいなくなったことだしっと…」 ふらんは墜落していくしゃめい丸を一瞥した後、改めて地上にいるマーサの方を向く。 「今度こそ壊してあげる…」 ふらんの口は嬉しそうに笑っているが、深紅の瞳は笑っていない。 マーサは恐怖で動けなかった。 ミリィは焦っていた。 このままではマーサがやられてしまう。 どうやったらふらんみたいに武器を出すことが出来るのだろうか。 あんな武器を自分にも出せたらマーサを、友達を守れるのに!と考えていた。 ミリィは以前に深紅の槍を出したことを覚えていない。 ミリィは願う。 「まんまぁ…さくや…おねーさん…ミリィをてつだってほしいぞぉ…」 ふらんがやっていたように、どこかで見た『何か』がやっていたように、自分も右手を宙に掲げる。 ミリィの右手が紅く光る。 「う…うあああああああああああああ!!!」 次の瞬間、ミリィの右手には紅い槍が握られていた。 まさか本当に出るとは思っていなかった。 ミリィは呆然としてしまう。 右手に光るゆっくり出来ない紅い槍。 しかし、今はそんなことを考えてる場合ではないと、気を取り直したミリィは左手を使って起き上がる。 「う…ぁ…」 しゃめい丸が時間稼ぎをしてくれたお陰か、多少は回復していた。 痛みは残っているが、何とか体を動かすことは出来るようだ。 「ふらあああああん!!」 ミリィは空中にいるふらんに向かって叫ぶ。 本音は恐い。 ふらんと戦いたくない。 ミリィは決して好戦的な性格ではなく、むしろ臆病な性格だ。 しかし、自分が動かなければマーサが永遠にゆっくり出来なくなってしまう。 それは嫌だった。 マーサを紅魔館へ連れて行くと約束したのだから。 だから戦う。 友達の為に。 ふらんはミリィの方へ振りかえる。 その顔は満面の笑みだった。 自身の名前を呼んでくれたこと、姉が遊んでくれそうなこと。 ふらんはこの瞬間、本当に幸せだった。 「やっとやる気出してくれたんだぁ…♪嬉しいなぁ…♪」 ふらんの声は本当に嬉しそうだった。 この瞬間を待ちわびていた、と言いたげなくらいに。 「じゃあ…遊ぼうか!おねえさまああああああああああああ!!」 ふらんはその叫びと共にミリィのいる方向へ一直線に飛んだ。 ふらんが空中から剣を振りおろし、ミリィが地上から槍で受ける。 紅の槍と剣が交わる。 離れてもまた交わる。 それが何度も繰り返される。 お互いの体には決して届かない。 ミリィもふらんも武器に関しては素人だった。 お互いが武器をぶんぶん振り回すだけ。 どちらも決定打を欠いてしまっていた。 何度目かわからない紅の交差が続いた後 「…あっ!!」 紅い剣が突然消えた。 ふらんの方が先に魔力を消耗してしまった。 魔力切れ。 それがふらんの敗因だった。 片方の紅い剣が消えた。 紅い槍はふらんの体へ吸い込まれていく。 槍はふらんの左肩から胸までを薙いだ。 ふらんの体から餡子が噴き出る。 「あ…あ…!」 ふらんは自分の体の状態が信じられない。 「おねえ…さま…」 ふらんは墜落する。 愛しく大好きな姉の方へ。 ふらんの体をミリィは抱きとめる。 これ以上傷つかぬよう、優しく。 そして、受け止めたミリィももう限界だった。 ミリィの右手の中にある紅い槍が消える。 そして、ふらんの体を抱いたまま、ミリィはそのまま仰向けに倒れてしまった。 後書き 一人称に慣れると三人称は難しく感じますね…。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/339.html
・28回目 ・小ネタです。 ・変なゆっくりが出ます。 ・れいむです。 ・虐めません。 ・ふたばスレの勢いに便乗して書いてみました。 ・ていうかSSじゃない。 ・ヨロシクオネガイシマス 数時間前に、 「念願の胴付れいむ買ってきたぜ!」 と狂喜乱舞している友人に、無理やり連れられて彼の家に来た。 初めは、そんな何千万もするゆっくりをこいつが手に入れる訳がないと思い、まがい物を買わされたのだろうと思っていた。 実際、まがい物であることは確かだ。 ただ、珍しさではきっと胴付きを上回っている。 「かんぬしさんのおともだちさん! ゆっくりしていってね!!!」 ぱっと見は、少し面長な至って普通のれいむ。 れいむは、心ここにあらずの俺の膝にちょこんと座る。 座る。 座るという行動には足が必要だろう。 たしかに胴付きとして友人に買われたのだ。 足もあるし手もあるだろう。 ただ、私にはこのれいむが胴付きだとは思えない。 だって。 胴がない。 生首のようなゆっくりに胴がないのは当たり前だが、正確に言うと。 このれいむには、胴に必要な胸も腰もないのだ。 生首饅頭の顔の延長で身体が長く、錘の形をした手足がちょこんと生えている。 さながら、田舎にあるような豚の形をした蚊取り線香の入れ物のようだ。 「まったりのひー♪ ゆっくりのひー♪ すっきりのひー♪」 俺の膝の上で、何故かご機嫌に歌うれいむ。 歌を聴く限りは、ゆっくりれいむが常日頃歌うおうたを小さくした程度の、調子っぱずれなもので、やっぱりこれはれいむなんだろう。 だが、俺が今まで見てきたゆっくり達の中で、人間の膝の上で、あまつさえ体操座りしながら歌うれいむなど見たことない。 「おともだちさん! ゆっくりできてないよ? おかおをにぱーってすればゆっくりできるよ! ほら、にぱー」 笑顔で、顔だけをこちらに向けるれいむ。 腰? らしき部分がねじれているけど大丈夫なのだろうか。 本人は、苦しそうではないから大丈夫なのだろうが・・・。 引きつっているのが自分でも分かる愛想笑いを返していると、友人がお菓子やビールを持って戻ってきた。 「おう、お前ら僕差し置いて何じゃれあってんだよー。ほら、れいむこっちおいでこっち」 「わぁ、あまあまだぁー!」 俺の膝から降り、とてとてと友人の方へ歩いていくれいむ。 友人から、グルグルキャンディーを手渡されて短い両手で器用に掴んで、ぺろぺろ舐めながらテレビを見始める。 ・・・やはり、何かがおかしい。 なんともいえない気持ちで、れいむを見ていると友人が、ニヤニヤしながら隣へ座ってきた。 「ああ、やっぱり胴付きって可愛いなぁ・・・。買ってよかったよかった。お前もそうおもうだろ?」 「なぁ・・・ものすごく言いにくいんだが、あのれいむは胴付きじゃないぞ・・・」 「え? 何言ってんのさー。ちゃんと手と足もあるだろ?」 手と足があれば胴付きなら、タコもイカも胴付きだ。 「胴付きっていうのはだな・・・。人間の少女に限りなく姿形が近いゆっくりのことで、それこそ保護される権利もあるし売買だって条約が厳しい。値段はいくらだった?」 「3万」 「そんな3万で買えるような代物じゃない」 「まじで!?」 「詐欺られたな」 「まじで!?」 「お前何処で買ったんだ?」 「駅前のペットショップ」 全国にチェーン展開する、ペットショップ『フラジール』のことだろう。 「大方、奇形ゆっくりの処分に困ってた店員にでも一杯食わされたんだろう」 ただ、元から生命力が少ない奇形ゆっくりだ。こんな風に普通に活動できるのはある意味すごいことだが。 「まじでかー・・・ちくしょう。おかしいと思ったんだあの、ぶっとい髪した店員!」 「だから、飼いゆっくり選びは慎重にとあれほど・・・」 「で、でもさ! 可愛いよな! 可愛いよな!?」 「・・・まあ、それで君が幸せならば」 「かんぬしさんどうしたの? ゆっくりしていってね!!!」 涙目の友人に、唾液でベトベトなグルグルキャンディーを差し出すれいむ。 見た目はともかく、人に優しくできる善良なゆっくりなのだろう。 「・・・3万でこれなら良い買い物かもな」 友人のリアルラックの高さに、感心しつつ二人のやりとりを見て、何故だか暖かい気持ちになった。 きっと、二人は良い関係を持って生活できるだろう。 オマケ ある日、朝食を取りながらテレビを見ていると、 「今、巷で話題の四股付きゆっくり! その人気に迫りたいと思います!」 朝から、牛乳を噴出すとは思いもよらなかった。 あわてて、噴出した牛乳を拭いながら、しばらく見ていると、あの友人のれいむに似た、豚蚊取り線香の形の様々なゆっくり達が紹介されている。 「えー、ここで社長さんにお話を伺いたいと思います」 一通り落ち着いたので、牛乳を飲もうとすると カメラがアップしたのは、他ならぬ友人だった。 またも牛乳を噴出してしまう。 「このような、きもげふんげふん・・・ゆるキャラなゆっくりを作ろうと思ったのは何故ですか?」 マイクを向けられると、高級そうなスーツを着た友人は。 「全ては、れいむとの出会いが始まりでした(中略)私が今、ここにいるのはれいむのおかげなんです」 「かんぬしさんはれいむのだいじなだいじなおっとだよ!」 エプロンをかけたれいむが、友人に擦り寄っている。 「はい、ということで、フラジール社長さんと社長夫人れいむちゃんでしたー。スタジオにお返しします」 開いた口が塞がらなかった。 横で、飼っているやまめが多分何も分かってない笑顔で、真似をして口を開けている。 後日、四股付きゆっくり達は第二次飼いゆっくりブームを巻き起こした。 普通のゆっくり達は、その四股ゆっくりの見た目やら存在感やらに恐怖したという。 アトガキ 儚いあきさんの四股付きれいむがぬるりと来たので書きました。 こう、SSの内容と関係ないですけど、相撲を取りそうだったので四股ふみれいむに。 あれは、飼ってみたいです。うん。可愛い。 ご読了ありがとうございました。 やまめあき(仮) 【妄想で書いたもの】 かり ・ト● ・くちばしにチェリー ・デスクトップガジェット ・ゆっくりつくーる ・夢想天生 ・スペクタクルスパイダーウーマン ・つるべおとし ・ゆっくりのおもちゃ ・いまじん ・スポイラー ・ラブドール ・益虫? 害虫? ・スィークリング ・てゐ! ・ゆっくりは生首饅頭の夢を見るか? ・箱、無音、窓辺にて ・世はまこと遊技である ・かえるのこはかえる ・川辺の海賊 ・水橋姫 ・トス ・ちょっとの時間にゆっくり虐め ・げんそうきょーのみこ ・狼は良い獣 ・四股ふみれいむ どろわ ・つんつんつんつくつんつくつんつん ぬえ ・山女って可愛いよね ・女はつらいよ
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2493.html
『あちらがわ』 29KB 野良ゆ 希少種 都会 現代 愛護人間 虐待人間 人間注意 悪人注意 非実在の王国で2 黒二行作 非実在の王国として知られる地における、脆弱なるものたちの物語、 排斥党・愛護党間の抗争に起因するHPT事件の嵐の物語 この連作は双葉県磯賀市で起こったある事件と、それに至るまでの経緯について綴るものである。 登場する人物やゆっくり達は、いずれも不幸になるとは限らないし、幸福になるとも限らない。 第一話 「むこうがわ」(anko2077 便宜上第一話とする) 第二話 「あちらがわ」 桜のような色だと、ゆうかにゃんは思った。しかしすぐに、まるで造花のようだと思い直す。 磯賀市第2公園の入り口で、桃色のスーツを着た女が、ゆっくりに何やら話かけていた。 婦人は若くはない。厚化粧の割に50へ手が届きそうに見える。 その側のゆっくりはゆっくりしていない。野良丸出しの汚い肌と険しい表情で話を見上げている。 ゆうかにゃんは日陰にあるブロック柵に座りながら、遠くの会話を眺めていた。 麦わら帽子から突き出た耳が、引きずるような音が近づいてくるのを捕捉する。 引きずられているのは新聞紙で、それを手にしているのはみずぼらしい中年の男だった。 よお、と声をかけながら、野良ゆうかにゃんの隣に腰掛け、新聞紙を顔の前で広げた。 日付は2016年5月10日。少し古い新聞だ。 「自殺者5万人ペースに、だとよ。人間様もゆっくりしてねえなあ」 「ヌシ、あの人は誰にゃん?」 「あのスーツ着たババアか。ありゃ、セーブ・ゆー・ジャパンの代表だ」 「セーブ・ゆー?」 「最近できた愛護団体さ。ジャパンと付いてるが、磯賀市だけの組織だとよ」 ヌシと呼ばれた者は、ぎゃっぎゃっぎゃっと声を上げた。悶えているわけではない、これが彼の笑い声である。 彼の衣服は茶色く汚れていて、皮膚も髪の毛も、全体がどことなく土の色をしていた。 「あいつら、何の話をしてるのかにゃん?」 「大方の察しは付くがなあ。それより、アレは持ってきたか?」 ゆうかにゃんは、黙ってビニール袋を差し出す。 汚い男がそれを受け取り、覗きこんだ。 中では一匹の子まりしゃが仰向けになっていて、生気のない瞳で虚空を眺めている。 「今日の生贄はこいつか。イキが良くねえなあ」 「両親を潰されて、自分ももうすぐずっとゆっくりするだけの、まりしゃだにゃん。 無駄に死ぬより、群れの役に立ってもらうにゃん」 「群れねえ」 手慣れた手つきで、ヌシが子ゆっくりの皮を割る。遺言一つ残さずに、まりしゃの生命も裂かれた。 でろりと垂れる中身を唇の上まで持っていき、そのまま舌目掛けて落下させる。 口の中の餡子をじっくりと咀嚼しながら、ヌシは爪先で土を掘った。 できた穴に薄汚れた皮を投げ込むと、雑に砂を被せ踏みしめる。 「ああ、甘いものはやっぱり、脳に染みるなあ」 「何が脳に染みるにゃんか、ろくすっぽ働きもしないくせに」 「そういうな、にゃんこ。俺がここにデンと住んでるから、ここの野良どもも暮らしていけるんだぞ。 週3つの子ゆっくりで安全を提供してるんだ。もっと敬ってもらいたいなあ」 「感謝はしてるにゃん。尊敬はできないにゃんけど」 「この前も、いかにもゆ虐にしか興味がなさそうなガキどもがウロついてたんだぞ。 まあ、目の前で胴付きを食ってみせたら、血相変えて逃げて行きやがった。 今んところ、人間を取って食う気なんてないのによお。ぎゃっぎゃっぎゃっ」 「そりゃ、誰だって逃げるにゃん」 相変わらず遠くでは、女がゆっくり相手に熱弁を振るっている。 昔から顔馴染のありすが、ちらっとこっちを見て、再び向き直った。 「あのオバサン、いいもの着てるにゃんね」 「にゃんこだって、胴付きらしい綺麗なオベベ着てるじゃねえか」 「そういうヌシは、もっとマシな恰好したいと思わないにゃんか?」 「俺は良いもの着てえとか良いもの食いてえとか、思ったことねえなあ。 だから、こんな暮らしするようになっちまったのかもな。ぎゃっぎゃっ」 「普通、ヌシぐらいの歳なら、ハニーとおうちがあるはずだにゃん。 野良ゆっくりだって、それくらい持ってるにゃん」 「お前らも難儀だよなあ、あんなナリでヒトと同じ欲が手放せないんだからなあ。 俺なんか、飼いふらんにアレを根本からもいでもらってよう、せいせいしてるんだ」 「……初耳だにゃん」 「岩塩2kgと引き換えにもがせてやったんだ。あれは儲かった。 人間もゆっくりも皆もいで貰えば、性犯罪なんてなくなるのによお。ぎゃっぎゃっぎゃっ」 ヌシはたまに、信じられないことを言う。 同時にゆうかにゃんは確信している。彼はどうしようもない部類の人間ではあるが、嘘は付かないことを。 「ヌシは、生きてて楽しいにゃん?」 「お前達はいつも辛そうだよなあ。俺はなあ、こいつらみたいに綺麗に死のうとは思わないだけよ」 汚い男がよれよれの新聞紙を取り上げる。そこには、推定5万人の自殺者が活字に変わっていた。 新聞紙を隔てたあちら側から、ありすがやってくる。 「お友達が来たようだ。俺は向こうの木陰で昼寝させてもらうよ」 来た時と同じように、色んなものを引きずりながらヌシが去る。 ほぼそれと入れ違いに、顔馴染ありすはゆうかにゃんの足元に顔を寄せた。 公園の入り口の方に目をやると、あの女はもういなくなっていた。 「ゆうかにゃん、ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりにゃん、ありす。さっきは、人間さんと何を話していたにゃんか?」 「みんなでおばさんとこに、こない? だそうよ」 「うさん臭い話にゃん」 「ありすも、そうおもうわ。でも、こんかいばかりは、そうするしかなさそうね」 ありすは美ゆっくりだ。糞れいぱー共とは違って、理知的で小奇麗。ゆうかにゃんでさえ、そう思っている。 そんな麗しい表情が今日に限って曇っていた。まるで皮の下のカスタードが黒く変色したかのように。 目の前のゆっくりだけではない。何故か公園中のゆっくり共が一様に影をまとっていることに、胴付き猫は気付く。 「どういうことにゃん」 「あした、いっせいくじょがあるそうよ」 途端に、尻から生える2本の尾が逆立った。甘くてゆっくりできない蜜が口の底から逆流しそうになる。 そして、ゆうかにゃんの皮もまた薄墨に染まった。 死刑囚が処刑を言い渡された時も、こんな感じなのだろうか。 「本当に、本当なのにゃん? あのオバサンの口から出まかせにゃかにゃんにゃんか?」 「おちついて、ゆうかにゃん。あのおばさん、……きしさんっていうんだけど。 きしさんがいうには、しぎかい、っていうところできまったそうよ。 きしさんも、しぎかいの、ぎいんさんっていうんだけど、きしさんがいないうちにきまって。 もう、どうしようもないって」 語彙に乏しいシュークリームは、まるで急勾配を上る車のように、必死で単語をひねり出している。 人間に揉まれて暮らしていたゆうかにゃんには、そんなありすの言葉が意味するものが、よく分かってしまった。 市議会発案による、一斉駆除。それが愛護派議員のいない間を狙って議決されたのだ。 つまり、何が何でも行われるということ。 「……ちょっと、ヌシのところに行ってくるにゃん」 「あまりじかんはないわ、ゆうかにゃん。あと2じかんしたら、むかえにくるそうよ」 「わかったにゃん。とにかく、皆には早まったことしないで、ゆっくりしていてって伝えて欲しいにゃん」 胴付き野良は、イチョウの木の下でイビキをかいている男の下へ走った。 ヌシは実に安らかな寝顔を晒し、木々は青々とした枝葉を風に任せていた。 何もかも、いい気なものにゃん。ゆうかにゃんは口の中で毒づきながら、木陰に入る。 そこらを放っつき歩いていたヌシが、ゆったりとした足取りで帰ってくる。 焦燥に駆られるド饅頭共とは、実に対象的であった。 男は胴付き猫を見付けると、ニヤニヤしながら近づいてくる。 「……どうだったにゃん?」 「間違いねえなあ。明日は一斉駆除だ。 あちらそちらで危ない目した連中が、『明日は駆除』『明日は駆除』ってブツブツ言い合ってるからなあ」 「ゆうかにゃん、やっぱり……」 傍らにいたありすが、吊り気味の眼で胴付きを見上げていた。 それは必死で何かを抑えようとしている目。 「ありす、やっぱり行く気にゃんか?」 「どうやっても、くじょからはにげられないわ。ありすは、あんよもはやくないし。 だから、きしさんについていくしかないの」 「いくら愛護派の人だからって、ゆっくりさせてくれるとは限らないにゃん」 「ありすも、にんげんさんがどういうものなのかは、しってるわ。 だからこれは、いちかばちかよ。いなかものなことだけど」 そう言って、久しぶりにありすが笑った。それが本当に美しいものだと、ゆうかにゃんは思う。 胴付き猫も笑った。挨拶には挨拶を、笑顔には笑顔を返そう。そんなことを昔、誓い合ったことがある。 「もし、どこかでありすをみかけて、ありすがゆっくりしてなくても。 どうか、きょうみたいに、わらってね」 「約束するにゃん。 もしゆうかにゃんがゆっくりしてなくても、その時はこうして笑って欲しいにゃん」 「ええ、ありすも、やくそく」 遠くでありすを呼ぶ声がする。 公園の入り口にミニバンが横付けされていた。 そこに乗り込んでいく野良ゆの塊が、ゆうかにゃんの友を招き続けている。 「ゆうかにゃんは、行かないにゃん」 「わかってるわ。ゆうかにゃんなら、きっと……。ぬしさん、ゆうかにゃんのこと、よろしくね」 「それはどうかなあ。ぎゃっぎゃっぎゃっ」 2匹の後にずっといたヌシだけが、いつものように気楽な笑みを浮かべていた。 胴付きの友は額を下げ、背を向ける。 そして2度と振り返ることはなかった。 饅頭を積めたミニバンが去ると、公園には胴があるゆっくりと人間だけが残った。 夕暮れ。血のような光が、みずぼらしい1人と1匹を照らしている。 「あーあ、公園からゆっくりがいなくなっちまった。これであまあまも食い収めか」 「……感傷に浸っている時に、ずいぶんな物言いだにゃん」 「お前、難しい言葉知ってるんだなあ。ぎゃっぎゃっぎゃっ」 「ゆうかにゃんも、明日の明け方にここを出るにゃん」 「行くあてはあるのか?」 「とりあえず、この街からは出るにゃん」 「そうかい」 急に関心をなくしたように、ヌシが体を揺らしながら公園の外へと立ち去っていく。 胴付き猫は野良男がいた木陰に行き、置き去りの新聞紙に包まりながら瞳を閉じた。 鳥の鳴き声、遠くの喧噪。猫耳を通して、音が体の中に入ってくる。 まぶたのあちら側に光を感じなくなると、ようやくゆうかにゃんもまどろみ始めた。 体が揺れている。それが人間の手によるものだと気づき、胴付きゆっくりは撃たれたように夢から覚める。 視界に写し出されたのは、幸運にも小汚いヌシの顔であった。 「おい、そろそろ夜明けだぞ」 「起こしてくれたにゃんか」 「まあな。お前達野良ゆっくりにうっかり絶滅されたら、俺達野良人間が困っちまう」 そう言って、男はいつものような得体の知れない笑い声を響かせる。 彼は手に青い袋のようなものを握り締めていた。 「せいぜい生き延びて、また俺達にあまあまをごちそうしてくれや」 「ロクでもない励まし、身に染みるにゃん」 「こいつは、餞別だ。ま、拾ってきたヤツだが」 そういって、ヌシは握っていたものを広げてみせた。 真っ青なフード付きのパーカー。子供サイズで、いかにも安っぽい作りのものである。 「これを、着るにゃんか?」 「そうだ。そのまんま胴付き丸出しの恰好だと、途中で殺されかねんからなあ。 これ着てフードもすっかり被って、お前、手袋も持ってたよな。 一式身に付けて人間の子供のフリすれば、まあ、市境は越えられるんじゃねえか?」 「市境?」 「とりあえず、そこを越えたら一斉駆除の対象にはならねえよ。今日の駆除は市主催だからなあ」 「ヌシ、恩に着るにゃん」 「おう、この借りは重いぞ。覚えとけよ」 ぎゃっぎゃっぎゃっという聞きなれた雑音が、今日はやけに優しく聞こえる。 そう感じるのは自分の甘さだろう。 自嘲しながら、ゆうかにゃんは麦わら帽子を頭から背中へと掛け直し、パーカーを着込んだ。 スカートのポケットから軍手を取り出し、フードを深めに被る。 出来上がった姿は、まるで草むしりの手伝いに行く子供のように見えた。 「上出来だなあ。下半身がちょっと不自然だが、ストッキングを履いた子供に見えなくもないか」 「それじゃ、もう行くにゃん」 「さっさと死ぬんじゃねえぞ。俺はゆうか種は食ったことねえんだからなあ」 「本当にどうしようもなくなったら、ヌシの夕食になってやるにゃんよ。 その前に、ヌシこそカラスの餌にならないようにするにゃん」 減らず口には減らず口で返す。それも、彼らなりの流儀であったのだろう。 それ以上湿っぽい言葉を交わすこともなく、ゆうかにゃんもまた、磯賀市第2公園を後にした。 広場に残ったのは、茶色い男が1人だけ。まだ、子供が遊びに来るような時間でもない。 「さて、俺は第1か第3公園にでも行くかなあ。死にかけ野良がいたら、朝食にでもするか。 ぎゃっぎゃっぎゃっぎゃっ」 ヌシもまた去る。 彼もまた、2度とここに戻ってくることはなかった。 フード付きゆうかにゃんは、なるだけ視線を下げながら、住宅街の中を潜り抜けて行った。 足早ではあるが、決して走らない。怪しまれたくないし、風圧でパーカーが取れた日には、どうなるか分からない。 市境の方角は、だいたい把握していた。 「ゆうかにゃん?」 聞き覚えのある声。瞳を向けると、民家の門前に緑髪ゆっくりが立っている。 飼いゆっくりを示すタグを下げた、さなえ。狩りと称したゴミ回収をしている時に、何度が話したことがある。 「さなえ、ごめん。今日は、ゆっくりしてるヒマがないにゃん」 「いっせいくじょから、にげているのね」 「知ってるにゃんか?」 「はなしはきいてるわ。さなえのかいぬしさんは、セーブ・ゆー・ジャパンのひとなの。 きょうは、いっせいくじょはんたいの、デモこーしんにでかけてるわ」 ゆうかにゃんは思わず悪態のひとつも漏れそうになるが、堪える。 感情を紛らわすように、胴付きは問いかけた。 「飼い主さんは、愛護派にゃんか?」 「いいえ。でも、このまえ、さなえのはにーが、ぎゃくたいおにーさんにつぶされちゃったの。 おうちのなかに、いたんだけどね……」 さなえは、そこで言葉を切った。 よくみれば、飼いゆの大きなカエル型のお飾りの下に、小さなお飾りが付いている。 最早何の種のものかも分からない程ボロボロのそれが、番の形見なのだろう。 「ゆうかにゃん、きをつけて。ここのぎゃくたいおにーさんたちは、おかしいわ。 にんげんさんがかってるゆっくりだろーと、きしょうしゅだろーと、かまわずつぶしていくわ」 「だったら、さなえこそ気をつけるにゃん。こんなところでボーッとしてると、その既知外さんに潰されるにゃん」 「さなえはここで、おにーさんのかえりを」 「さっさとお家の中に入って、ゆっくりしとくにゃん。言うこときかないんだったら、ゆうかにゃんが!」 そう言って軍手に包まれたもち肌を振り上げると、さなえは慌てて門を潜り抜け、飼いゆ専用のドアから屋内へと消えていった。 ちゃんと鍵が閉まる音まで確認すると、ゆうかにゃんは聞こえるはずもない別れを告げた。 「さよなら、さなえ。いつかくれたクッキー、おいしかったにゃん……」 たった1匹の旅路が続く。 電柱をひとつ過ぎ、ふたつ過ぎ。人間なら何気なく通り過ぎる距離が、ゆっくりの足にとっては遥かなものに感じられる。 陽射しが鮮やかになってきた。五月の光に照られながら、行く先のあちら側から2人の男が歩いてくる。 男達はジャージ姿で、ロケーションも相まってジョギング中にすら見えた。しかし、漂う瘴気のようなものが、爽やかな外見を殺して余りある。 ゆうかにゃんは小賢しい野良だ。同情だろうと媚態だろうと、生きるためには惜し気もなく売り買いしてきた。 だから分かる。何気なくやってくる2人は、絶対に交渉相手に選んではいけない目をしていると。 「ひーとつ、人をたーぶらかすー。ふーたつ、ふーためと見ーられない。みーっつ、醜いゆっくりにー。 よーっつ、喜べ、時はきた。あーあー、うつくしーいー、こーの国まーもるためー」 「おいおい、会歌もいいが、野良を見逃すなよ。愛護派の馬鹿が、第2公園の糞饅頭どもを逃がしてるらしいからな」 「分かってるよ。害獣どもを叩き潰したくて、こっちはウズウズしてるんだ。歌でも歌わないと抑えが効かねー」 やはり、虐待派の人間であった。 パーカーで身元を隠す胴付きは、俯きながら鬼威惨連中の横を通り過ぎる。 「そういえば、この先に飼いさなえがいたな」 「行きがけの駄賃だ。襲っちまうか」 「馬鹿。飼いゆ襲撃は丸井さんが専門だ。お前はマジで飼い主まで潰しかねん」 「あーあ、丸井さんは1人で第3公園の野良どもを潰して回れるんだからよお。こっちは、外れクジだ」 奇妙だった。会話が一向に遠ざからない。 安物のフード生地に包まれた耳は、スニーカーが地を踏みしめる音も感じ取っていた。 ゆうかにゃんは、後をつけられている。 「そう思うんだったら、まずはキレ癖を何とかするんだな。 いくらゆっくりを飼っているゲスとはいえ、うっかり人を殺してみろ。流石に会長も庇っては下さらんぞ」 「なあ、あれ、胴付きじゃね?」 気付かないフリ。そう必死に自分に言い聞かせた。 それでも、隠した耳や尻尾が暴れ出しそうになる。そうなれば、一巻の終わりだというのに。 「そうかもしれん。そうじゃないかもしれん」 「なんだそりゃ。昔のドラマみたいなセリフ吐いてるんじゃねーよ。もし胴付きだったらどうすんだ、グズが」 靴底が砂を噛んでいる。それがはっきりと分かる程、距離を詰められていた。 歩みを速めて気取られてもならないし、遅めて彼らの手にかかることも防がなくてはならない。 考える、想う、そうやって叫びだしたい衝動に蓋をする。 「そういうところだ、お前に足りないのは。とりあえず、その額の青筋を何とかしろ」 「胴付きが、胴付きがそこにいるんだぞ!」 「落ち着け。もし、あれが人間の子供だったら、お前その感情を抑え切れるのか?」 「胴付きは殺していいんだ! 胴付きみたいな人間なら、ゆっくりなんかに似てる方が悪い! ゆっくりは罪悪だ! 俺達は博愛主義者だ!」 さなえの言っていたことを思い出す。飼いゆっくりにさえ手を出す者がいる、と。 それどころじゃない。こいつらは同族殺しさえ、そうたいしたことではないらしい。 人間にとってのそれは、ゆっくり以上に禁忌であるはずなのに。 「まあまあ落ち着け。お前の志はよく分かった。ひとまず、第2公園に向かおうじゃないか。会歌でも歌いながら、な」 「ひぃーとつ、人をたぁーぶらかすぅー。ふぅーたつ、ふぅためと見ぃーられない。みぃーっつ、醜いゆっくりにぃ!」 「そうそう、その調子だ」 「早く憂饅会(ゆうまんかい)が天下を取らねーかな。そうすれば、何の気兼ねなくゆっくりも人型ゲスどもも潰せるのによ!」 「もうすぐだ、そう遠い話じゃない」 「はーやく、その時がくればいい。あーあー、うつくしーいー、こーの国まーもるためー!」 歌との距離が広がり、やがてそれが拡散してなくなると、ゆうかにゃんは足を止めた。 高い塀に軍手を付き、粘っこい蜜をしこたま吐く。こんなに甘いのに、まるでゆっくりできない。 恐ろしかった。本当に会話で殺されると思った。とてつもなく恐ろしかった。 あんなに凄まじい者と一緒に、人間は暮らしているのだろうか。 それとも知らないだけなのか、隣人をゆっくり扱いする狂った人々の存在を。 煩悶も慄きも、吐しゃ物と一緒に流れてしまえばいい。ゆうかにゃんはえずきながら、心からそう願った。 普段なら、野良ゆは隠れるようにして移動しなければならない。しかし、今回はむしろ逆だ。 人型に偽装している今なら、人目に付く場所の方が襲われる心配が少ない。 ましてや、あんな博愛主義者がウロウロしている現状である。 ゆうかにゃんは大通りを目指した。それは、繁華街から市境に至る道。 あまり好きな場所ではない。通りの外れには歓楽街がある。汚い仕事を果たすため何度もあんよを運んだことを思い出してしまうのだ。 様々な欲望の捌け口にされた。それは、自分がゆうかにゃんだからだ。 決して殺されることはなかった。それも、自分がゆうかにゃんだからだ。 思考がそんな風に巡る時、胴付き猫の中身に得体の知れない感情が這いずり回るのを覚える。 胴付きとはいえ、ゆっくりだ。語彙も概念もたくさんは持てない。あえて人間の言葉に置き換えるなら、それは生き汚い自分への嫌悪なのかもしれなかった。 情念を単語の羅列で表す代わりに、ゆうかにゃんは思い出す。それは、茶色いヌシの顔。 既に陽は中天に差し掛かろうとしている。人混みに紛れて、人間のフリをした胴付きが歩いていた。 行き交う人の多さに、ゆうかにゃんは、人間とゆっくりはどちらが多いのだろうと考えたりする。 たいした差はないのかもしれない。 胴付き猫の視線はあくまで、市境の方を向いている。 しかし、昨日からロクでもないものばかり教え続けている猫耳が、またもや何かを捉えていた。 背後から近づいてくる喧噪。思考する蜜餡の中で、飼いさなえから聞いていた情報が忍び寄る騒ぎと結び付く。 それは、愛護派のデモ行進であった。 「愛らしいゆっくりを、虐待するなー!」 「飼いゆっくりに手をかける、憂饅会を許すなー!」 「憂饅会会長は、全ての責任を取れー!」 「我々の隣人を、虐めるなー!」 「なー!」 ゆうかにゃんが歩いている歩道の反対側、その車線端を丸々使って人の群れが緩やかな移動を行っている。 通行人は驚く程無関心で、あらゆる感情を家に置き忘れたかのように見えた。 一車線を潰され交通を阻害されたドライバーだけが、イラついたような表情を見せている。 行進に参加している人々も、まるでちぐはぐだった。 ひたすら無条件の愛を訴える女。血走った眼で憂饅会の糾弾に終始してる男。所在無さ気にプラカードを持っているだけの若者。ただくたびれている中年。 さらに選挙の時によく見るような車が走ってきて、今度はゆうかにゃんがいる側に横付けしてきた。両岸の車線が一列づつ潰された格好である。 車の天井の上には、やぐらのようなものが付いていた。お立ち台とでも言えばいいのか。内部と階段で直結してるらしく、1人の女が下からせり上がってくる。 見覚えのある服装だった。鮮やかで不自然な桜色のスーツ。昨日、あのありす達と話していた、きし、という市議会議員に間違いはない。 思わず立ち止まり登壇者を見上げる一団に、何となく胴付き猫も混ざっていた。或いは、予感があったのかもしれない。 「ご通行中の皆様、セーブ・ゆー・ジャパン代表の、岸通子(きし・とおるこ)でございます! 本日は皆様のお時間と場所をお借りして、今、この磯賀市で行われている恐るべき実態を告発させて頂きます! 先日の緊急市議会において、野良ゆっくりの一斉駆除が決議されました。 しかしこれは、我々市民派の議員が不在の時を見計らって決定された陰謀であり、暴挙であります! この一連の首謀者は、憂饅会を名乗る組織であり、彼らは一切の悪はゆっくりにあるとの暴論に基づき、違法行為を繰り返しているのであります!」 拡声器を手にした岸の迫力に、群衆はぽかんと口を開けたままだ。 口角泡を飛ばす女の横にいた運動員が、布を被せられた長方形を持ち上げた。 「たった今、善良なる飼いゆっくりを襲い続けた丸井薫子という憂饅会会員が、逮捕されたという知らせが入りました。 喜ばしいことではありますが、これで終わってはいけません。 今持ち運ばれたこれには、憂饅会がいかに暴力的であり狂信的であるかの証拠が収められています。 大変惨たらしいものではありますが、この惨状を公開することにより、皆様も我々の活動に深いご理解を頂きたいのであります」 岸代表が首を縦に振ると、覆いかぶされていた布が取り払われる。 車はそれほど車高が高くないので、誰しもが頭上で隠されていたものが何なのか、はっきり分かることだろう。 ゆうかにゃんはついさっきまで、嘔吐し続けていた。それは、この場では幸いであった。もうこれ以上吐かなくて済む。 隠されていた長方形は、スタンダードでステレオタイプな透明の箱である。横幅だけが若干大きい。 特殊アクリルで隔てられたあちら側。そこに胴付き猫にとって見覚えのあるゆっくり達が収納されていた。 磯賀市第2公園の野良ゆっくり達。昨日夕日と共に別れたかつての仲間達。それがあらゆる虐待を受けてあの中にいる。 あんよを焼かれたれいむ。目と口を乱暴に縫わされたまりさ。まるで弁慶の立往生のように無数の枝が差し込まれたちぇん。なます切りにされたみょん。 他ならぬセーブ・ゆー・ジャパンの車に乗せられ、保護されたはずのゆっくり達。 それが、一様に痛めつけられ傷付けられ、呻き声も出せないくらいに衰弱させられ、手当を受けることもなく放ったらかしにされている。 胴付き猫は思う。愛護派に飼われているはずなのにどうして、と。 疑問が怒りに変わるのにそう時間は変わらなかった。 ゆっくりでも分かる。誰が虐待を行ったのかを。 「彼らは野良ゆっくりだろうが飼いゆっくりだろうが、このような凄惨な行為を、正義と称し行い続けているのです! 執拗な虐待に目を背けないで下さい! これが憂饅会の本質なのです!」 殺してやりたいと思う。誰を、虐待人間を? いいや、目の前の詐欺師を。 岸通子は愛護という自分の正義を主張するために、虐待を平気で捏造した。 でなければ、どうして愛護派に保護されているゆっくりが、一晩も立たないうちにあのような有様になるというのか。 せめて、憂饅会に押し入られたのでこうなった、とでも言えばゆうかにゃんも辛うじて信じたかもしれない。 しかし、そんなことには一切触れず、見よ悲劇を讃えよ我らをという声が繰り返されるばかりであった。 胴付きにも舌がある。気管は人のそれとは違うとはいえ、叫ぶことができる。沸騰する感情をそれらに乗せ、ぶつけることに躊躇いはない。 ゆうかにゃんの唇が開く。多くは語れないし、語る必要もない。ただ、ウソつき! と咆哮するだけだ。 息が止まった。箱の中のゆっくりと目が合っている。髪の毛も毟られ、お飾りも取り上げられ、全身みみず腫れの丸いゆっくり。 それでも分かった。ありすだ、昔から知っている野良ありすだ。あんな姿になってもなお、美しい瞳は変わっていない。 お飾りでしか認識できないような馬鹿どもとは違うのだ。試しにお飾りを脱いで見せ合ったこともある。 どんな時も、ゆうかにゃんはゆうかにゃんで、ありすはありすだった。 今もありすは笑っていた。最早希望などないにも関わらず、眼下の胴付きへ微笑みを向けている。 『もし、どこかでありすをみかけて、ありすがゆっくりしてなくても。 どうか、きょうみたいに、わらってね』 『約束するにゃん。 もしゆうかにゃんがゆっくりしてなくても、その時はこうして笑って欲しいにゃん』 『ええ、ありすも、やくそく』 交わし合った言葉。それを思うゆうかにゃんの顔は涙でふやけている。そのまま、笑顔を作った。 笑みには笑みを返す。それが、約束だ。 笑みには笑みを返す。それが、約束なんだ。 ありすもゆうかにゃんも、生きるための選択をした。できればお互いに生き抜いて欲しいと願いつつ。 友はあちら側にいて、もうそこから出られない。ここにいる自分が叫び飛び出してしまえば、どうなるだろう。 きっとありすと同じ地に至り、しばし一緒にいられるだろう。それは美しいけれど、約束でも願いでもない。 瞬間はすぐに訪れ、たちどころに消え失せた。 加虐者と被虐者を乗せた車が走り去り、野次馬が消え、ゆうかにゃんは近くの壁に寄りかかり、うずくまる。 そうしてやっと、胴付き猫は笑顔を止め、目から溢れ出る水分に我を任せた。 静かに、深く、長く、泣く。 自覚し、苛み続けた。自分がありすを見捨ててしまったことを。 決壊が治まり、フード付きの猫は顔を上げた。 桜色が目の前を覆っている。春ではなく、人造の偽物。 岸通子がゆうかにゃんの前に立っていた。さっきまで熱弁を振るっていた邪悪が、胴付きを見下ろしている。 「ねえ、あなた、胴付きじゃない?」 洋服の色は人造でも、そこから生えている頭は本物のはずだ。 しかし、そう見えなかった。まるで人形に人の皮を張り付けたような、不気味な笑顔。 昔話で聞いた、笑顔の仮面を付けられたまま虐待され潰されたまりさのような、奇怪な表情。 通りすがった鬼威惨の面は怖かった。傷付けられていてもなお、あのありす笑顔はゆっくりできた。 ゆうかにゃんに墜落してくる岸の顔は、確かに笑顔だ。それなのに、何よりも何よりもゆっくりできない。 「もし、よかったら、私と」 人のようなものの手が伸びる。ゆっくりは痙攣したかのように震えた。 口内の水分は失われ、中身がどこまでも冷えてくる。 歓楽街の闇も、狂気が歩く路地裏も、これほどまでの恐怖を与えはしなかったのに。 「私の姪っ子に、何の御用ですか?」 知らない声と一緒に、暖かい掌が胴付き猫の頭に置かれた。 「あなたは?」 「おじですよ。迷子になっていたこの子を探してたんです。ゆっくり扱いとは酷いなあ」 「……失礼しました」 早足で岸代表がいなくなる。 胴付きはそっと置かれた手の根本へ瞳を向けるが、やはり見たこともない人間だった。 「余計なこと、したかな?」 「にゃにゃ、いや、にゃじゃにゃくにゃ……」 「安心しろ。こんな恰好してるが、市役所の人間じゃない」 ゆうかにゃんはそれまで気付かなかったが、男は胸に『磯賀市役所』と刺繍された作業着を着ている。 市という言葉には反応してしまうが、彼が自分達に危害を加える種の人間には見えなかった。 厳しそうな眉間の皺に、慈しみを隠した目元。こんな人に飼われるゆっくりは、きっと幸せになるに違いない。 胴付きは、そんな印象を覚える。 「どうして助けてくれたにゃん?」 「ああ、さっきまで、お前みたいなのと一緒にいたからな。なんか、こう、放っとけなかった」 そう言って男は鼻の頭を掻く。 ゆうかにゃんも、つられて鼻っぽい場所を指でこすった。 「ゆうかにゃんみたいなの、にゃん?」 「ああ、この先、市の境を越えたところにある広場に、お人よしの野良どもが集まってるんだ。 良かったら、いってみるといい」 「おにーさんも、お人よしじゃ負けてないにゃん」 「そうだな、その通りだ」 「おにーさん、お名前を教えて欲しいにゃん」 「俺か、俺は……ハチだ」 ゆうかにゃんは、ハチと名乗った男の指を握った。握手できるほど大きくない手袋越しに。 軍手の中身は親指以外ぽよんぽよんとした皮があるだけの掌。それで無骨な人の指を柔らかく包む。 「ハチさん、本当にありがとうにゃん。ゆうかにゃんは……」 「気にするな。今日は、ゆっくりに縁があっただけだ」 「もし、また会えることがあったら、恩返しさせて欲しいにゃん」 「そんな事、他の人間には言うんじゃないぞ。人間と同じ言葉喋ること自体、許せないって奴も多いんだ」 「分かってるにゃん。ハチさんだから、にゃん!」 何度も何度も振り返りながら、ゆうかにゃんはハチと別れた。 幸運だった。無事生き延びたことだけではない。街を離れる最後の最後で、ヒトへの信頼を僅かに残すことができたのだから。 そして優しさに触れたものは、気付かぬままに歩く気力を取り戻していた。 程なくして市境を越え、男の言っていた広場も見えてくる。 『霧雨協会』という大書きと共に、いかにもゆっくりしてそうな野良ゆっくりが仮設テントの前に集まっていた。 その中にいた胴付きえーきが、ゆうかにゃんにいち早く気付くと、弾けるような笑顔で手を振ってくる。 その後、ゆうかにゃんはゆっくり保護区で暮らすようになった。 霧雨協会という、比較的まともな団体が運営する豊かな土地で、大勢のゆっくりと共に群れの一員となっている。 セーブ・ゆーや憂饅会を目の当たりにしてきた胴付き猫にとって、人間の庇護下に入ることは受け入れ難くもあったし、どこか諦めもあった。 しかし、あれからしばらく経つが、実に平和な日々が続いてしまっている。 ゆうかにゃんは、いつも群れの長であるドスまりさと一緒にいた。 胴付きえーきに、お供のれみりゃとれいむ、他大勢のゆっくり達。それらは確かに驚くほど善良で常識もあったのだが、いかんせん幼かった。 すれた胴付きにとって、まともな話し相手になるのはドスくらいしかいない。 群れには小高い山がある。その頂上付近のちょっと窪んだ場所がドスとゆうかにゃんの特等席になっていた。 今日も2匹は、こーろこーろ遊びをするゆっくり達を眺めつつ、あまり楽しくなさそうな会話をして過ごしている。 「平和にゃんね」 「平和だね…」 「どうして、ここはこうも穏やかにゃんか」 「ドス達みんな、霧雨さんの飼いゆっくりだからね…。 ……霧雨さんのこと、まだ疑ってるの…?」 「人間さんは、ゆっくりをゆっくりさせなくして、ゆっくりするにゃん」 「そうじゃない人もいるよ…。ゆうかにゃんやえーき達を助けてくれた、ハチさんのような…」 「霧雨さんは、ハチさんみたいにゃんか? ゆうかにゃん達は、まだ霧雨さんに会ったことないにゃん」 「いつか、会えるといいね…」 「他ゆん事みたいに言うなにゃん」 風が舞っていた。 ドスのお下げが揺れ、ゆうかにゃんはひまわり帽が飛ばされないように、縁をつかむ。 「ドスには分かるよ、ゆん生は長い…。 ゆうかにゃんも、この群れに住む他のゆっくり達も、皆長生きするからね…」 「前から聞こうと思ってたにゃんが、ドスって本当にゆっくりの寿命が分かるにゃん?」 「ゆっくりがこの世にたーくさん生まれた時から、ドスは生きてきたんだよ…。 その間、死んじゃったゆっくり、潰されちゃったゆっくり、ずっと見てきた…。 だから、なんとなく分かっちゃうんだ…」 「この世にゆっくりが生まれた時からって、まだ4年しかたってないにゃんか」 「よく知ってるね。ゆうかにゃんは、賢いね…」 「おちびみたいに、言うなにゃん」 「4年でも、ゆっくりにとっては長過ぎるよ…。 その間、本当にたくさんの友達と、さよならしなきゃいけない…」 「……そう、にゃん」 ありすのことを思い出すと、いつも小さな瞳が細やかに潤む。 そんな感傷を抑えてくれたのは、眼下にいる胴付きえーき達だった。 えーきの服の中に、いつも一緒にいるれみりゃがもぞもぞと入り込んで、胸の辺りで止まった。 肉まんをしまい込んだまま、胴付きえーきが両手を広げて、れいむと一緒に麓の方へ駆け下りていく。 思わず、ゆうかにゃんは吹き出してしまっていた。 「ぶ、ぶにゃっ……。あいつらは、何やってるにゃんか?」 「ああ、あの人が来てるみたいだね…」 「あの人にゃ?」 「ハチさん…」 「にゃっ! ドス、お話はまた今度にゃん!」 岩から飛び降り、流石猫だけあって素早く駆け抜け、先行していたえーきまで追い抜かしていった。 麓の先へ、ゆっくり達はゆっくりさせたい者がいるあちら側へと進む。 ただ一匹、留まり見守るドスまりさは静かに頷いた。そして、誰に語るわけでもなく呟く。 「みんな、本当に楽しそうで、ゆっくりしてて、ドスは嬉しいよ…。 できることなら、ドスも、もっとみんなと暮らしていたかったよ……」 いつしか風は止み、ドスの姿も消え失せていた。 (第二話 終) 感想板:http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274852937/ 過去作:http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/392.html
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3615.html
『ゆっくりぱるすぃ』 14KB 愛で 考証 愛情 嫉妬 飼いゆ 野良ゆ ゲス 希少種 現代 独自設定 初投稿です。 初投稿です。名前は教授あきとさせていただこうと思います。 詰め込みすぎかもしれません。 優遇されるゆっくりと、あっさりと殺されるゆっくりがいます。 自分設定の超設定の上、どこかで見たSSの設定を流用してます。 ゆっくりぱるすぃと言えば、常日頃から何かを妬む事で有名だ。 美的な感性が妬ましい、豊富な知識が妬ましい、その俊敏さが妬ましいなど、他のゆっくりに対して常に「妬ましい」と言っている。 そんなぱるすぃを飼っているのだが、 「ぱるぱるぱる……妬ましくない」 「……なんでさ」 何故か自分のアイデンティティを真っ向から否定しだした。 「お前、今朝まで妬ましいとか言ってたろ。昨日だってアイツのちるのに妬ましいって」 昨日、幼馴染が連れてきたゆっくりちるのに「夏なのに涼しそうで妬ましい」と存分に妬んでいた。 今朝も今朝で、「その料理の腕が妬ましい」と、飼い主の俺を妬みながらもぐもぐと朝食を食べていた。 「でもお兄さん。こいつら妬ましくない」 「ゆゆっ! 見たことないゆっくりがゆっくりしてないよ!」 「おお、ぶざまぶざま」 「ぶざまぶざま!」 ぱるすぃに「妬ましくない」と言われたのは、ゆっくりれいむにまりさ。それと子ゆっくりれいむだった。無論、全員野良である。 「まぁ、流石に妬ましいか、と聞かれたら妬ましくないんだが……」 一般的な野良の例にもれず、この野良一家もみずぼらしい。流石にこいつらを妬む奴はいないだろう。 「ゆぅ? そんなことよりどれいさんはれいむたちにあまあまちょーだいね!」 「どれいはさっさとするんだぜ! まりさはおこるとこわいんだぜ!」 おまけに頭も足りていない。いや、頭の足りてる通常種というのがおかしいのか。 ゆっくりえーきの判定を待つまでもなく、こいつらはゲスだと断言できる。 「ま、とりあえず……」 これ以上騒がれるのも面白くないので、一番近くで「ぷくー!」としていた親まりさの顔面を蹴り飛ばす。 「おそらぎゃぺっ!」 壁に叩きつけられ、その下にあったゴミ箱におっこちた。 「もっとゆっくりしたかった……」 耐久力だけはあるゆっくりにしては珍しく、一撃でゆんごくへと旅だった 「ゆ、ゆわああああああ!」 「さて、次はどっちだ? 聞くだけ聞いてやる」 ぱるすぃを地面に置いて、右手で親れいむを、左手で子れいむを掴んで持ち上げる。 「やめてね! かわいいれいみゅにいたいことしないでね!」 「安心しろ。俺が始末するのは可愛くないれいむだ」 「ゆ~。それならあんし「まぁ、お前らのことだが」どぼぢでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおお!」 「お、おにいさん! おねがいですからおちびちゃんだけにはいたいことしないであげてください!」 「“だけ”じゃないさ。両方……ん?」 目の高さまで持ち上げて、あることに気がついた。 「お前、飼いゆっくりだったんか」 「ぞうでずぅぅぅ! でいぶはかいゆっくりだったんでずぅぅぅぅ!」 親れいむのリボン。そこには人工的な小さい穴が二つついていた。恐らくバッヂを外した跡だろう。 「それにしては、人間を奴隷よばわりするし……大方、飼い主の言いつけ守らずに子供作って捨てられた口か」 「どぼぢでわがるのぉぉぉぉ!?」 「いや、そりゃわかるだろ。お前らが分り易すぎるんだよ」 餡子脳の考える事なんて、人間の赤ちゃんよりもわかりやすい。 「ああ、その安直に行動できる行動力が……ごめん、妬ましくない」 「どぼぢであやまるのぉぉぉぉぉ!?」 「いや、流石に妬めないから。ぱるすぃ、お前も野良と子供作ったらこうするつもりだから肝に銘じておけ」 「私の体はお兄さんだけのものだから……」 「頬染めんな」 「いいがらじじいはさっさとでいぶをはなぜぇぇぇぇぇぇ! でいぶはじんぐるまざーなんだぞぉぉぉぉぉぉ!」 「ぷきゅぅぅぅぅ! ぷきゅぅぅぅぅ!」 「お前らはうるさい!」 一喝し、両の手に力を込める。 「「ゆ゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」」 「冥土の土産に教えてやろう。これがシャイニングフィンガーというものだ!」 「「ゆげっ!」」 リンゴ程度なら握りつぶせる握力で、親子ともども汚くはじけ飛んだ。 「しっかし、やっぱりぱるすぃでも妬まないことがあるんだな」 「ぱるぱる、お兄さんはぱるすぃの事をなんだと思ってるの?」 ぷくー、と頬を膨らまし、ジト目で俺を睨みつけるぱるすぃ。 そんな会話をしながら、俺たちは近くの公園に来ていた。 それほど大きくはないが、近くに住む胴付きゆうかによって整備された花壇が綺麗な事で有名な公園だ。 「ほら、前に言ってたゆっくりゆうかのお花畑。綺麗だろ」 「あらお兄さん。きょうはゆっくりと一緒なのね」 このゆうかの飼い主は俺の同級生で、互いに知り合いだ。 「ああ、この間拾ってきて、今日はじめて一緒に散歩に出したんだが……」 「ぱるぱるぱる……妬ましい。綺麗に咲いてる花さんが妬ましい。同じくらいきれいなゆうかが妬ましい。そんなゆうかと仲が良さそうなお兄さんを殺したい」 ゆっくりぱるすぃの本領発揮。さっそく、自分のアイデンティティを取り戻していた。 「……おい待て、なに恐ろしいこと口走ってるの?」 そういえば、昨日、幼馴染から教えられた。 ゆっくりぱるすぃは一種の突然変異で、愛する者を奪われ、嫉妬で壊れたゆっくりの成れの果て。 そのため独占欲が強いことで有名なのだそうだ。 以前も胴付きぱるすぃに黙ってゆバクラ(女の子の代わりにゆっくりが相手をするキャバクラ)に出かけた飼い主が包丁で刺されるということがあった。 「ああ、こいつが胴付きでなくてよかった」 「ぱる?」 俺の隣りでベンチに座る(?)ぱるすぃが見上げながら可愛らしく首(?)を傾げる。 「それはそうと、ぱるすぃ、おやつにしよう」 ポケットからゆっくりフードを取り出す。すると…… 「おにーさん、ゆっくりしていってね!」 「ん?」 声がした方を向くと、子ありすが俺を見上げていた。 先ほどの野良一家よりは目立たないが、それでもところどころ汚れている所をみると、野良のようだ。 「お前はあれか? ぱるすぃのおやつを狙ってるのか?」 野良一家を思い出して顔をしかめると、 「ありすはそんなことしないわ! そのあまあまさんはおにーさんのぱるすぃのでしょ?」 「そりゃそうだ」 「だったらありすは関係ないわ。そこらのいなかものなれいむと一緒にしないで!」 酷い言われようだ。もっとも、仕方がないと言えば仕方がない。 れいむ種とまりさ種は一部自治体のゆっくり保護条例で保護“されない”ゆっくりとされている事が多いのがその証拠だ。 ただし、保護されていないのはその二種に、ありす種とぱちゅりー種を加えた4種なのだが。 それにしても、ちゃんと礼儀と常識をわきまえているゆっくりだ。野良にしておくのももったいない気がする。 「おチビちゃん、なにしてるの!」 そこへゆっくりありすとゆっくりぱちゅりーが現れた。 子ありすをおちびちゃんと呼んでいるから、親なのだろうが、子供に比べて汚い。 「人間さん、すいませんでした! おチビちゃんのしたことなら謝ります! だからどうかおチビちゃんだけは!」 「むきゅううう! おねがいしますぅぅぅぅぅぅ!」 土下座というか五体(?)投地をする親ゆっくりに、俺は目を白黒させた。 別にこの子ありすには何もされていないからだ。 「えっ、なに? こいつゲスなの?」 「違いますぅぅぅぅ! とってもいいゆっくりなんですぅぅぅぅ!」 話を聞くと、先程の野良一家同様に、元飼いゆっくりだったそうだ。 ただ、先程の野良一家とは違い、こちらは飼い主がゲスだったようだ。 銀バッヂということもあり、最初はゆっくりフードを与えるなど、ちゃんと飼っていたらしいが、飽きたらしく、虐待するでもなく、放置していたそうだ。 また、気まぐれにありすを欲情させてぱちゅりーとすっきりさせ、子ありすが出来た後は、夜泣きが五月蝿いという理由でベランダに放り出す。 最終的に、三日前に突然捨てられ、今日までやってきたらしい。 一見嘘に聞こえるが、バッヂの跡はちゃんとあるし、暴行の跡も残っている。 そのくせ足焼きすら行っていないのを見ると、虐待お兄さんに虐待された訳ではないらしい。 親ゆっくりの、鳴き声なのか泣き声なのかわからない言葉に、少しウザさを感じはじめていると、それまで放置気味だったぱるすぃが何かつぶやいていた。 「ぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱる」 ぱるしぃは、緑色の目を尖らせ、全力全開で妬んでいた。 「家族のいるアンタらが妬ましいっ! 子供が賢いのが妬ましいっ! かばってくれる親がいて妬ましいっ! いきなり放り出されたのに生き残ってるたくましさが妬ましいっ! もう何が何だかわからないけど、みんなみんな妬ましいぃぃぃぃっ!」 体をポヨンポヨンさせながら、思いつくだけのネタを妬んでいる。 その様子に、野良一家は言葉をなくしていた。子ありすに至っては、唐突に叫びだしたぱるすぃに驚いて泣きかけている。 「お兄さんを見なさい! 奥さんどころか、恋人さんすらいた事ないから赤ちゃんが作れないのよ!?」 「うっさいわっ! つーか、なんで野良ゆっくり妬んでるんだよ。さっきは妬んでなかったろ」 どちらも野良で、程度の差はあれど、どちらも汚れている。おまけに、どちらも元飼いゆっくりだ。 強いて違いを挙げるなら…… 後日、幼馴染をウチに呼び、事情を話した。 「なるほど、面白い。要するにぱるすぃに妬まれれば善玉、妬まれなければ悪玉ってことか」 「ゆっくりぱるすぃってそういうものじゃないのか?」 ぱるすぃは俺の膝に座っていて、ときおり頭を撫でてやると気持よさそうに「ぱるぱるー」と鳴いた。 「いや、ぱるすぃ自体、そうそう見かけるものじゃないから、わからないことが多いんだわ」 加工所に務めるこいつでもわからない事があるのかと驚いた。 「稀少種ってのはそもそも数がないからな。おまけにぱるすぃは最近見つかったばかり。加工所の人間としては、お前のぱるすぃで研究したいところだが……」 彼の言葉反応したのか、ぱるすぃが幼馴染から逃げるように、俺にしがみついて来た。 「冗談だよ。それだけなついてるのに実験なんて出来るか」 その様子を見て笑う幼馴染だったが、急に真面目な顔になった。 「だけど、そのゲスチェッカーみたいな能力は便利だ。上手く行けばゲスを一掃できるからな」 「ゆっくりショップに卸すのに便利だしな」 ペット用のゆっくりがゲスだった、なんてことはよくあることだ。 「もっとも、単純にお前がしっかり育ててるのが結構関係しているかもしれん」 「どういうことだ?」 「例えばお前がぱるすぃを虐待したり雑に扱っていたとしよう。その場合、例のゲス一家の方がゆっくりしていることになる」 「今のぱるすぃが置かれている状況が、ゲス一家よりも良いってことか」 「そう。逆にありす一家が、お前と一緒に生活していても妬む――つまり羨ましいと思える要素があったからこそ妬んだ、ということだ」 なるほど。 「つまりぱるすぃ。お前は俺に不満があるということか」 「ぱる?」 話を聞いていなかったのか、わかっていなかったのか。 「いやいや。ほら、イギリスのことわざにもあるだろう。『隣の芝生は青い』って。加工所の人間から言わせてもらえば、十分ゆっくりしているよ。なぁ、ぱるすぃ?」 「ぱる? よくわからないけど、ぱるすぃはお兄さんがいればゆっくりできるわ」 「だから頬を染めんな」 「そういや、さっき話してたぱちゅりーの一家はどうなったんだ?」 「ああ、そうだった。ぱちゅりーについて聞きたいことがあるんだった」 そう言って、幼馴染をある部屋に連れて行く。 「ありす、ぱちゅりー、入るぞー」 その部屋とは俺の書斎だ。今は“とある事情”により、ゆっくり部屋を兼用している。 ただし、ぱるすぃだけは嫌がったため、俺の寝室で生活しているが。 「なんだお前が飼うことにした……胴付きありすだと!?」 そう。先日の野良ありすは胴付きありすに進化していた。 「あらおにーさん。丁度よかった。いらない布はないかしら。この子のお部屋にカーテンをつけたいの」 胴付きありすの前には子ありすが入ったダンボール箱が置かれ、その横にはカッターやノリなどの工作道具が並べられていた。 その姿は人間的に見てもゆっくりしている。 「むきゅ! お兄さん、ゆっくりしていってね!」 「胴体がやけにむっきむきだーっ!」 そしてぱちゅりーも胴付きに進化していた。ただし、ありすと違ってボディービルダーみたいな胴体だが。 「あー、こいつな。連れてきた三日後にこうなったんだけどさ。やっぱり病気なのか? ありすは普通に胴付きになったのに」 「いや、胴付き自体がレアなんだが」 さっきの事情とはこのことだ。 胴付きになったことで、ぱちゅりーが書斎の本を涎まみれにする心配もなく、子ありすの面倒もありすが見てくれる。ついでにぱるすぃから隔離できる。 よって、この部屋に住まわせることを許可したのだ。 あの後、なんだか不憫に思って一家まるごと家に連れて帰ることにした。 ぱるすぃが「お兄さんを独り占めできなくなるから嫌!」とか言っていたがスルー。 風呂に入れ、食事をさせた後、ゆっくり向けの本や箱などを与えた。 その結果が、これだ。 「いったい何の本を読ませたんだ?」 「前に飼ってたぱちゅりーに買ってやった本だよ。金バッチ試験対策とか、ゆっくり向け漫画とか。ああ、とかいはな本が欲しいとか言ってたからコンビニでファッション雑誌とかリフォーム情報誌を適当に買ってやったな」 ぱるすぃを拾ってくる前、俺はぱちゅりーを飼っていた。 そいつも野良だったが、ぱちゅりー種特有の知識を得ることに対する貪欲さと物覚えの良さに、俺は次々にゆっくり用の本を買い与えた。 尚、そのぱちゅりーの最後は、庭に忍び込んだ野良ゲスによって殺されるという救いのないものだった。 「そのダンボール箱は?」 「勝手に部屋をコーディネイトされても困るからな。箱と材料をやって『まずこれで練習してからにしろ』と言ってやった」 ただのダンボール箱は、今や彼女なりのセンスでリカちゃんハウスのようになっていた。 二匹が胴付きになってからは、ダンボールハウスに住むのも子ありすだけになったので、無駄に二階建てにしてみたり、食器棚を作ったりしだした。 「これはまだ仮説の話なんだが……」 幼馴染が口を開いた。 「胴付きになるには、基本的に種類にあった『条件』を満たす必要があるそうだ」 「炎の石を与えたり、特定のフィールドでレベルあげたり?」 「……まぁ、そうだ。一番分かりやすいのがれみりゃか。あいつらはあまあまのゆっくりをたらふく食って満足すれば、いつのまにか胴付きになる。ゆうかも、花を育てていたら胴付きになってる。つまり、それぞれにあった“ゆっくり”を満たすことで、胴付きに進化するらしい」 その話ならば俺も聞いたことがある。とある胴付きぱちゅりーが、他のゆっくりに聞き込みをしたりして導き出した説だ。 ただ、その説の通りといえばそうでもなく、それにプラスして素質も必要、というのが通説だ。 「こいつらの場合、久しぶりに人間に優しくしてもらって、普通にゆっくりするよりもゆっくりしていた。しかもぱちゅりーは読みきれない程の本を、ありすはコーディネイトする場と目的が与えられた。その結果がこれだろう」 ゆっくりの特徴から考えるに、ぱちゅりーは知的欲求、ありすは美的欲求を満たすのが条件のようだ。 「なら、このぱちゅりーがムキムキなのは?」 「知らん」 俺の質問をあっさり一蹴する幼馴染。 「まっちょりーなんて、ぱるすぃよりも希少なゆっくりの事なんてわかるか」 まぁ、ただ……、と、幼馴染が言葉をつなげる。 「こいつ、お前が前に飼ってたぱちゅりーだったりしてな」 「はぁ?」 「前は貧弱な体だったから野良に殺されたろ。それが悔しかったんだろうよ」 まぁ、なんとも夢のある話で。 「本当にそうなら嬉しいんだけどな」 「むきゅ! ぱちゅりーは大恩があるお兄さんの家を立派に守ってみせるわ!」 「うわぁ、なんとも頼りになるお言葉で」 実際、こいつなら野良のゲスゆっくりどころか、人間の泥棒すら退治出来そうだ。 「妬ましい! 妬ましいっ!」 いきなり、今まで静かに抱かれていたぱるすぃが、急に暴れだした。 「ぱるぱるぱるぱる……ぱるぅぅぅぅぅぅぅ!」 「ぱ、ぱるすぃ!?」 腕の中のぱるすぃの体が、どんどん変化していく。 底面が盛り上がり、だんだんと形を変えていき…… 「妬ましいわっ!」 変身完了、と言うかのように、高らかに宣言する俺のぱるすぃ。 直前まで頭だけだったのが、今では人間の女の子のようになっていた。 「うっわー。俺、胴付きの進化とか初めて見た」 「俺はありすのときに一回みたな。ぱちゅりーはいつのまにかああなってたけど」 一回目は流石に驚いたが、二回目だ。若干驚いているが、それ以上に…… 「つーか、やっぱりこいつは『妬む』のが進化条件か」 なんというか、呆れるというか、納得したというか。 「まぁ、ぱるすぃだし仕方がないんじゃないか?」 「でも、今の会話にそれほど嫉妬する要素があったか? そりゃ、胴付きになったときに面倒なほど嫉妬してたけど」 あの時は酷かった。 「えっ、それ本気で言ってる?」 すると幼馴染は信じられないものを見るような目でこっちを見てきた。 そして、相変わらず俺に抱かれたままのぱるすぃを憐れむように見た。 「ぱるすぃ……頑張れ」 「ぱる!」 あとがき はじめまして、教授あきと名乗らせていただきます。 ゆっくりぱるすぃを愛でる話を書こうと思っていたのですが、いつのまにかまっちょりーと胴付きありす親子が出ていました。 基本的に私が好きなのはゲスの虐待ですので、通常種でもゲスでなければ虐待するつもりはないのですが……ゲスじゃないれいむとまりさっているんでしょうか。