約 5,277 件
https://w.atwiki.jp/god14/pages/1470.html
発言者:ナハト (ベリアル) 対象者:ライル (ロト) PARADISE LOSTの終盤、物質世界と精神世界の狭間——M区画での最終決戦におけるナハトの台詞。 魔王ベリアルが自らの自負を語った台詞である。 ライルと数千年来の決着を付けるべく、普段とは異なる暗黒の球体として姿を顕現したナハト。 ライルがかつてロトと名乗っていた事など、今のライルが忘却していた事実を語り、問答を一通り終えた後、最後の土産と言わんばかりにナハトは口を開く。 最期に一つ、先の問いに答えてやろう 罪悪の王(ベリアル)──それが俺の真名だ。無価値なる者、総てを否定する罪の炎 我が楽園におまえは要らん。魔殿の底に繋いでやろう 自らの真名を謳い上げるナハト。 これに対してライルは無頼な言葉で殴り返す。 馬鹿な悪趣味は顔だけにしろ おまえが何処の何様だろうが、寄生虫の分際でビッグ気取るな。反吐が出る 侮辱は許さんぞ人間。俺は貴様等サルが狂わせた黄金律を正すために召喚された、この世における最強種。真に不可侵なる絶対の法則だ それが?どうして俺ごときの中で燻ってた?おまけにそこでそうしてるのも、リルがいなきゃ有り得なかった状況だろうが おまえは結局のところ、独りじゃ何も出来ない半端生命なんだろが。器もないと存在も出来ず、リルがいないと自分が何なのかも分からない 最強種?聞いて呆れたまげたぜ。おまえはただの価値なし(役立たず)だ。そしてその結末は…… おまえはここで、俺に呑まれて消滅する + ... がが、ガガががガガガガガガがががガががガガヶヶヶヶ おも、シロい。たかがニンゲンの、ブンザイで…この俺に…よくイッた 聞こえねえよ、はっきり喋れ 自然界の、ヒエラルキー…は、ピラミッドで、あるべきだ。 最弱種こそ、最多種に。最強種こそ、最小種に。 其れでこそ、黄金律は守られる。 でなければ、世界が、狂っていると……言うしかない 狂っているモノは正せ。歪んだモノは矯正しろ。不要なモノなら殺してしまえ 無価値無価値、総ては無価値。このセフィラに価値など無い だったらおまえが自殺しな 備考 ナハトは無頼の罪の権化だが、実際はサタナイルに定義されなければ形すらなく、ロト(ライル)という器がなければ現界もできず、リルがいなければ自分を思い出す事もできなかった。 誰よりも他人に依存している身でありながら、無頼を騙る矛盾をライルは指摘しており、実際に図星だからこそナハトは言動が乱れて発狂しているのである。 ちなみに、ナハト(ベリアル)は生みの親であるサタナイルの事を『父なる蛇』と尊称している。 「最強種として世界の黄金律を正す事」を存在意義として定義されたとナハト自身が述べている。 性格的にとても心の底から従属してそうな感じではないが、何だかんだで親であるサタナイルが根底にある辺り、Dies irae PANTHEONでサタナイルの配下として付き従うのは、こういった部分が大きいのかもしれない。 関連項目 堕天奈落 借り物の力で無頼を気取るのがおまえの道か? ああ、だから永遠に明けない夜を望んでいるのか……浅い男だ イキってた中二が痛いとこ突かれて発狂している図 -- 名無しさん (2020-08-16 15 52 17) 最強種(神様)は基本原則として一匹だからな。たまに軍勢変生持ちがいるけど -- 名無しさん (2020-08-16 16 03 21) ???「文字通り浅い奴だな」 -- 名無しさん (2020-08-16 16 07 20) ライルやっぱりいいな -- 名無しさん (2020-08-16 16 25 09) 総て無価値と言いながらその本人が価値無し(ベリアル)とはなんと皮肉か。 -- 名無しさん (2020-08-16 16 42 11) 完全な無価値ではないな。ライル(ロト)の役に立てた。 正田作品に登場する悪魔はわりと無様に退場するイメージがあるが正田さんの中では悪魔はそういう風に定義されてるのかな -- 名無しさん (2020-08-16 16 45 04) マグサリオンが観てたらこの光景にも笑うのだろうか「流石は俺の子らだ」とでも -- 名無しさん (2020-08-16 17 21 46) 正田作品原初だけど、やっぱライルの挑発は一味違うわ -- 名無しさん (2020-08-16 18 07 42) ↑×2 現実(?)の悪魔も人間に取り付かないと悪さできないレベルだしね そこまでやって天変地異さえ起こせない体たらくだし -- 名無しさん (2020-08-16 18 10 01) パラロス未プレイなんだけどこの記事見たらナハトは簡単にボロが出るタイプっていう印象持った。もしかしていじられキャラ適正ある? -- 名無しさん (2020-08-16 18 11 48) ↑一応、これでも数千年はせめぎあってたんやで?サタナイルに一撃入れられるロトが異常なまでに強いだけ -- 名無しさん (2020-08-17 19 40 46) ここだけでもライルさんレスバ強過ぎる… -- 名無しさん (2020-08-17 20 13 58) 煽りセンスは主人公中トップだろうな -- 名無しさん (2020-08-17 21 05 10) 煽るというか「うっせぇな……」みたいな感じで言う投げやりな言葉が一々クリティカルヒットするタイプ -- 名無しさん (2020-08-17 21 17 25) 黄金律の頂点たる覇道神は唯一無二なんだろうが、逆に言えば覇道神以外の存在は、ベリアル含めて数こそ少ないけれど同格は何人かはいるのね。 -- 名無しさん (2020-08-17 21 36 19) ナハトは大罪持ちがいないと出てこられないという、無頼の原罪ととことん相性の悪い存在なのがな……身もふたもないこと言うと生まれが悪い -- 名無しさん (2020-08-17 21 38 29) 悪魔ってのは幻想・空想の最たるモノだし、そう考えると最後には地に足つけて現実を生きる正田卿主人公から無様に打ち捨てられる結末は、道理というか自然の成り行きみたいなものを感じる。 -- 名無しさん (2020-08-17 23 07 42) 誰にも頼らないから無頼なのに誰かに頼らないと何も出来んって言うのはこの上なく皮肉だな -- 名無しさん (2020-08-18 07 01 22) 相手を理解してレスバで容赦なく勝って肉体スペックで大きく劣るはずなのにクソ火力で叩き潰す、まさにマグサリオンの子だよ -- 名無しさん (2020-10-17 03 00 35) サタナイルの目的としては第二神座は悪の根絶された第三神座へ到る前の間違った世界にすぎず、更には神座闘争自体がナラカの最終目標の為の人形遊びに過ぎなかったわけで、無価値と断じられても仕方の無い茶番っぷりではある -- 名無しさん (2020-10-18 00 58 55) やっぱライルってマグサリオンに似てるよなぁ -- 名無しさん (2020-10-18 01 09 08) 能力も似てるし -- 名無しさん (2020-10-18 12 37 00) スィリオス…… -- 名無しさん (2020-12-13 20 28 10) 役立たず・・・ -- 名無しさん (2020-12-13 20 30 03) 無慙から生まれた者であってもマグサリオンから生まれたものではなさそうだな -- 名無しさん (2020-12-13 20 34 11) 最強種云々は義者不義者の話に見えてきた -- 名無しさん (2020-12-13 21 51 39) 似たようなやり取りをスィリオスとマグでやりそう -- 名無しさん (2020-12-14 19 33 20) うんうん、これもまた無価値だね -- 名無しさん (2020-12-18 21 48 48) 無価値と糞だったらどっちがマシか?と言う話 -- 名無しさん (2020-12-18 21 49 42) 糞には肥やしになる余地があるから糞の方がマシじゃな -- 名無しさん (2020-12-20 07 49 49) 無価値はどこまで言っても無価値だからねぇ… -- 名無しさん (2020-12-21 23 10 13) 今週のアヴェスター読むとこのシーンが面白すぎる これにはマグサリオンも苦笑しながら小躍りしてそう -- 名無しさん (2021-05-09 20 22 42) 自然界のヒエラルキーというルールもまた「無」の破壊対象だからのう -- 名無しさん (2021-05-09 20 26 26) 無秩序に体制を壊す側の存在が、体制側であること誇って黄金率とかヒエラルキーとか言い始めて無様に負けたから、本当に滑稽だろうな -- 名無しさん (2021-05-09 20 44 35) 「独りじゃ何も出来ない半端生命だろうが。器もないと存在すら出来ない寄生虫が神を気取るな」 意識せずマグサリオンぶっ刺しまくってるのほんとすき ライル紛れもなく無の後継者ですわ -- 名無しさん (2021-05-10 05 53 39) 無に適応した人だけど、自分はここに在るって決別してるんだよね。そして、それを教えたのはサタさん -- 名無しさん (2021-05-10 10 33 22) ↑2マグサリオンが聴いたら大笑いしてくれるだろう、まぁその後「では我が子よ、俺が目障りならば俺を殺しに来るしか無いな?」って笑いながら戦闘態勢に入るから超怖い -- 名無しさん (2021-05-10 17 27 29) 恐らく後付けの設定が多いのだろうけど、それが10年以上前の物語に違和感なく融け込めているのがホントに凄いよね -- 名無しさん (2021-05-10 18 08 01) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/25233.html
総てを刈り取る者(デッドリーパー)「A修羅(アシュラ)」 VR 自然文明 (9) 進化クリーチャー:ビースト・コマンド/デジタイザーズ 15000 ■進化-自分の自然のクリーチャー1体の上に置く。 ■T・ブレイカー ■ラスト・バースト 「『9999(オーバーキル)』でございます。」 VR 闇文明 (13) ■すべてのクリーチャーを破壊する。その後、破壊したクリーチャーの数以下のコストを持つ進化ではないクリーチャーを1体選び、自分の墓地からバトルゾーンに出してよい。 ■このターンの残りを飛ばす。 作者:宇和島 フレーバーテキスト 収録 DMTend-08 「サイバーランド戦記 第4章 ヴァーチャル・ルインズ・プロジェクト」 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vipkotei-j/pages/1715.html
もどる MHP3雑談スレ 1 名前:††総てを統べる堕天使ルシファー †† ◆v0B8Gi4XY6 [] 投稿日:2011/04/20(水) 20 23 31.83 ID aWZMDX2/0 [1/2] ゴアー ※前スレ http //hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1303133083/
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/15048.html
草案 登場人物 サーナイト:マーゴ・チャニング 使い手のカルネは女優なので クチート:イヴ・ハリントン ウルガモス:アディソン・ドゥイット 使い手のアデクとの声優繋がり ブースター:カレン・リチャーズ 使い手のシゲルとの声優繋がり チコリータ:カズウェル 声優繋がり -- (ユリス) 2017-08-20 13 47 05
https://w.atwiki.jp/zakuromaru/pages/165.html
4.娘のすべてを知りたい母親 ~「一卵性母娘」という落とし穴 娘のすべてを知りたい母親を持つ娘のほとんどは、母親の勢力圏からなかなか抜け出せない。 何から何まで、娘のすべてを知らないと気がすまない。 このタイプの母親は娘が自力で何かしようとするたびにそれを邪魔する。 そのため、娘は自分を信頼することができず、積極的に問題を解決する力を伸ばすことができない。 関心を注がれているのではなく、抑えつけられている。 もう一度「人生をやり直している」感覚。 娘のすべてを知りたい母親であれば、あなたの恐れを更に煽り立てるようなことを言うかもしれない。 彼女は自分が不完全な人間だと思っているため、娘としっかり結びついていたくてたまらない。 自力で立つ勇気がなく、娘を通して生きることによって、その不安をこらえる。 もう取り返しのつかない自分の人生の穴埋めとして、子供との関係に生きがいを求める。 その結果、娘は母親の延長となる。 つまり、母親にとって娘は、人生をやり直す絶好のチャンスであり、得られなかった満足を手に入れる、またとない好機なのだ。 「きずな」が「鎖」になってしまうとき 「娘のすべてを知りたい母親」の娘はセックスにのめり込みやすい? 娘が選べる道は二つに一つ。 性的関心や衝動を抑えて母親との親密な関係を保つか、 あるいは反抗と逃避の場としてセックスを利用するか、どちらかだ。 こうして精神的には子供のまま、年齢的には大人へと足を踏み入れる。 結局、またしても他人に頼ることになってしまうのだ。 「母親を追い越すのが後ろめたい」心理 大人になったら誰でも、人前で母親に前髪を直されるのはいやだろう。 わたしたちには、肉体的にも精神的にも、自分だけの「空間」を持つことが必要だ。 なぜなら、その中でのみ、他人に左右されずに自分の内面と向き合うことができるからだ。 境界線が全くない場合には、母親はあなたに自分の感情を押し付け、あなた自身も母親と同じ感情しか持てなくなる。 だが、女性の生き方が多様化している今の時代に、なぜ若い女性が母親と同じ人生を生きたいと思うだろうか? しかし、娘のすべてを知りたい母親の娘は、自分が母親が持っている以上のものを望んだり、母親を追い越したりしたら、 二人の間に亀裂が入り、母親を失いかねないと思っている。 「何でもノー」より「何かにイエス」で生きていこう 反抗ではなく、自立。 自分をもっと信頼してもいい 精神的な成長を何よりも妨げるのは、自分を欺くことだ。 そして、現状に向き合うことから逃げていたら、現状を変えることはできない。 「娘のすべてを知りたい母親」とうまくやっていくために 1.「新しい自分」にもっと気軽にチャレンジすればいい 思い通りに行動できない。 母親は大抵、自分が参加できない活動に娘が加わることにいい顔をしない。 娘の方は、失敗して母親をがっかりさせるのが怖くて、新しいことや難しいことに挑戦できない。 自分ができるとわかっていることだけに執着し、新しいことを試そうとしない。 2.境界線の内側は「不可侵条約」を 境界線を引いて母親との間に距離をとることに罪の意識を感じないようにしよう。 3.過去から「今の自分」を俯瞰してみる。 母親がどんな行動をとり、あなたがどう対応したのか、詳しく思い出してみよう。 そして、それが現状とどの世に結びついているのかをよく考えてみよう。 4.真実を直視する勇気を持つ 自分が本当に求めているものを手に入れることができるはずだ。 自立へ向けて一歩ずつ足を進め、人生でぶつからる問題に一つ一つ自分で決断できるようになれば、 どんな人生の困難でも乗り越えられる勇気が湧いてくるに違いない。
https://w.atwiki.jp/ffwm/pages/182.html
総ては此の世に生まれ落ちる貴方の為に ◆deFECPYDAg ─────それは、紛れもなく現実だった。 現実に顕現した、地獄だった。 灰色の町並みがあった。 黒と呼ぶには余りにも整然、されど白と呼ぶには余りにも澱んでいる風景。 その最たる原因は、そこに立ち込める霧だった。 人類が産み出した知恵だとか、未来を切り開く為の道具だとか、そんなモノが副産物として吐き出していく人工の魔障。 発展していく世界の裏の、穢れた汚点を投げつけるゴミ捨て場に、今日も工場から漏れ出たスモッグが充満していく。 言わずもがな、それは生を蝕む毒。身体に入り込み、内側から肉体を腐らせる死神の吐息。 死へのカウントダウンを刻む針が、一層他より早い場所─────それが、霧の都ロンドンの一角。ホワイトチャペルという町だった。 ある時、一人の少女が其処にいた。 何処から流れ着いたのか、少女が誰か。そんな事は知る由も無いし、知ったところで此処では何の意味もありはしないのだから。 ただ、少女は見るからに不健康といった風体で─────そして、飢えていた。 単純な話だ。此処はまともではないとされるような食事にありつく事、それですら困難というような場所。生き残る為には、そもそも己自身をまともな範疇の埒外へと投げ捨てる必要がある。 そう、例えば。 彼女の前に、浮浪者の男が現れた。 片手を力なく垂らし、そしてもう一方の手には─────あった。腐りかけだが、それでもまだ食べられそうなパンが幾つか入ったそれ。 たちまち少女は飛び付いた。持っている金を全て出し、地を這うように土下座をした。 男は暫く黙ってそれを見て─────少しして、下卑た笑みと共に口を開く。 告げられた言葉に、少女は暫し固まって。それでも、すぐにそれを受け入れた。 それから数刻。少女はその手に一つだけパンを持ち、とある建物から外に出た。 所持金も減ってはおらず、その身体も先と比べればむしろ綺麗になっているくらいだ─────「内側」がどうなったかは別として。 ついさっきまでいた男のねぐらを一瞥し、少女はゆっくりと歩き始める。 「幸運にも」目減りすることが無かった金を握りしめて、彼女は近くの医者へと向かう─────『万が一』を避ける為に。 ─────そうしてまた、灯るかもしれなかった命の火が、消えた。 それは殺戮ではない。 生まれる前の命など殺すとも言えないし、そもそもそこには殺意どころか特異な感情を持ってすらいない。 それは、消費だ。 少女が握ったパンと同じだ。 その日を凌ぐ為に望まず生まれ、そして消失することで誰かの生きる糧となる。 遺すものどころか生まれすらしない、生きる前に殺されるという命とすら呼べないモノ。 それらが、存在することすら許されず、使い潰されて消えていく。 そんな事が、彼方此方で起こっていた。 これが、或いは何か、明確な悪が存在していれば良かったのかもしれない。 何かが消えることで解消される地獄なら、もっと早くに人々が立ち上がって、或いは外からその歪みを断ち切る人間がやってきて。 それで、この地獄は終わりを告げてちたかもしれない。 けれど、此れは違う。 此れは、「ただそこにある」ものだった。 丁度、其処に立ち込める霧と同じ。消すことは愚か掴むことすら出来ずに、どうしようもなく存在する。 生の為に生を蔑ろにするという論理すら通用せず、ただ「生まれるはずだった、でも生まれなかったモノ」が使い潰されるという、馬鹿げたシステム。 ─────紛れもなく、どうしようもなく。 此れは、現実だった。 一度階段を踏み外したばかりに踏み入れてしまったせいで。 希望など存在しない世界で、展開されるべくして展開されるそもそもが人工の地獄で、ヒトは何処までも堕ちていった。 例えば、報われぬ愛を誓い合った二人の片割れが、生を欲するばかりにもう片割れを殺してその肉を喰らう様。 例えば、食物を奪う為に散々に痛めつけられて、それでも当たり所が悪かった─────否、「良かったばっかりに」死ぬ事も出来ず生き地獄を味わい続ける様。 例えば、嘗ては名もそれなりに知れていたであろう可憐な令嬢が、今は最早寒さすら凌げない程にボロボロになった元は豪奢なマントだったろう襤褸すら奪われる様。 例えば、そう。 ある娼婦が、栗色の髪を三つ編みに纏めた娼婦が。 当たり前の愛を受けていた筈の、そしていつの間にか地獄に堕ちていた女が。 自らと愛する男の遺伝子が伝った「それ」を、己諸共にただ川へと「廃棄」しようとする様───── 「─────あ、あ、ああああアアアアアアァァァァァ!!!!」 ─────堪らず、絶叫を上げて。 そうして、室田つばめは夢から覚めた。 目の前に広がる自室の風景が、此処まで心を休めてくれる時が来るとは思いもよらなかった。 厳密には「我が家」ではない、今の彼女にとっての住まい。余分な物が無いことを「遊びが無い」とこっそり非難した自分を、この時ばかりは罵倒する。 寝汗のせいで寝巻きは身体にひっつき、掛け布団もやたらと蒸し暑いのを苦にして、つばめはゆっくりとベッドから立ち上がった。 隣に眠る夫を起こさないようにそっとベランダに出て、火照った身体と未だに脈打つ心臓を冷まそうとする。 「………なんだよ、あれ」 ぼそり、と思ったことを正直に口にした。 酷い夢だった。 嘗て燃え盛るハイウェイを見た時にはこの世の地獄かと思ったものだが、あんなものとは比べ物にならない真の地獄。 悪意すら存在しない故の残酷な世界を思い出し、どうしようもなく背筋が凍る。 夢、と断じることすら簡単ではない程に強烈なリアリティを以て再現された、この世で最も穢れていた場所の一つ。 なぜ自分がそれを垣間見たのか、と思い、そして少しの間を置いてはたと思い当たる。 「……アサシン」 「なあに、おかあさん」 その「心当たり」の名を呼ぶと同時に、ベランダに少女の姿が現れる。 どことも知れない虚空から霊体化を解いて現れたその様は、正しくアサシンのサーヴァントに相応しき出現。 白髪の小柄な少女の形をした可愛らしい姿の、しかしその名は聞くものを震え上がらせる恐怖の象徴。 ─────ジャック・ザ・リッパー。 イギリスという国を恐怖させた、現代日本でも語られるような殺人鬼の名が目の前の少女の名だと知った時は、つばめも流石に衝撃を受けた。 ─────実のところを言えば、それをまだ少し疑っていたところもあった。 なまじ、彼女が既にとある非常識に触れていたというのもあるだろう。姿を消すことやアクション映画じみた動きを軽々とこなすアサシンの姿も、「切り裂きジャック」の名前を結びつけるには足りなかった。 けれど。 今の夢、そしてこの少女が語った彼女自身についての説明を思い出す。 子供であり、かつ何処か精神を病んでいるような少女の言葉から受け取った「ジャック・ザ・リッパーの生まれ方」と、夢の中の地獄、そしてその中で響く声のない悲鳴。 リフレインするそれに突き動かされるかのように、つばめは口を開いて。 「お前は─────」 ─────言おうとして、言えなくなる。 心の内に、未だに残る一つの凝りが、アサシンへと踏み込んだ発言をすることを阻害する。 その代わりに、と言葉を探し、そして導き出したのは一つの、そして彼女が現れてから数回目の提案。 「─────今日も行くからさ、ちょっと手伝ってくれ」 「うん、わかった」 頷くアサシンから、僅かに目を逸らすように、つばめは懐から端末を取り出す。 画面をタップし、途端に光が放たれて─────そして、そこに室田つばめはいなかった。 代わりに立っているのは、箒を構えた可憐な少女。 魔女が被るような三角帽にこれまた魔女が持つような箒、そして背中のローブにでかでかと刺繍された「御意見無用」の文字。 「さあ、今日も行きますか!」 ──────魔法少女・トップスピードが、そこにいた。 ─────スノーフィールドでの人助けは、以前に比べて難易度がぐんと上がっていた。 その理由はといえば、やはり今のトップスピードの行動を見た人間に対しての処置をしてくれるファヴがいないから。 そして、神秘の秘匿という条件によって、明確に存在する事を仄めかす事が事実上不可能になったからだ。 ここに来る前は、ファヴというマスコットキャラクターのお陰で、情報の隠蔽が徹底されていた。 助けた人間はぼんやりとしか魔法少女の姿を覚えていないし、カメラなどでも確実にピントがズレるようになっていた。 それ故に、ある程度なら大っぴらに活動出来ていたのだが─────今、この場にそのファヴはおらず。 それでも、「知られてもいい」ならばもう少し大胆な行動も取れたかもしれないが、そこでネックになるのは神秘の秘匿という条件。 これがトップスピードの魔法少女としての力にも適応されている以上、下手にバレるような事があれば瞬時に討伐令やら何やらと面倒な事が降って湧く。 よって、強いられるのは隠密行動。 露見する手がかりをギリギリまで減らし、その上で何かしらの行動を起こす、という事が必須だった。 しかし、そこまで制限があるならば、人助けなどほぼ不可能ではないか─────と聞かれれば、実を言うとそうでもない。 その理由は、アサシンの手助けにあった。 人が来ればそれを知らせ、間に合いそうにないとなれば対象を気絶させる─────最初は解体しようとしていたが慌ててトップスピードが止めた─────などと、その高い敏捷を活かしてフォローに入ってくれている。 また、サーヴァントだけあって見た目にそぐわぬ力も持ち、魔法少女であるトップスピードと合わされば大抵の物は動かす事が出来た。 人を助けている彼女の顔は、最初こそ不思議そうな表情を浮かべていたが、今は楽しそうなあどけない表情を浮かべながら手伝ってくれている。 ─────時たま、その表情が強張るのを除けば。 そうしてその日も何件かの人助けを終え、いい加減に外に出ている人の数も減ってきていることを確認すると、彼女はゆっくりと裏路地に降り立つ。 「ありがとな、アサシン」 「うん」 自分と同じく箒に跨がっていたアサシンが降りたと同時に、その頭を撫でてやる。 ごわごわの髪を撫でられて、擽ったさそうに小さく身を捩る少女の姿を見て、トップスピードの表情も和らぐ。 そうして、時間も時間だからと、再び箒に跨がってさっさと退散しようとする。 「…ねえ、おかあさん」 ─────だが。 何処か逃げるようなトップスピードのその行為よりも、アサシンの言葉の方が早かった。 「おかあさんは、いつまでこうしてるの?」 放たれるのは、端的な問い。 いつまでこの人助けを続けるのか。 いつまで─────現実から目を逸らし続けるのか。 「…いつまで、って、」 言葉に詰まる。 それは、少なからず彼女に自覚があるから。 本来やるべきではないことをしているという、その自覚が。 ─────それでも、トップスピードは答えられない。 それを告げてしまえば、もう嫌が応にも逃げられなくなるから。 だから、その言葉に続く先は提示されぬまま、静寂が路地を包んでいた。 「おかあさん」 それに対し、アサシンは尚も問いかける。 ─────ジャック・ザ・リッパーにとって、この人助けは、決して嫌なものではなかった。 それが彼女の過去に存在せず、それ故に「この」ジャックが生まれたという事実を併せて考えれば、それは想像に難くない。 何せ、自分達のような不幸が生まれることが減るのだから。 助けを差し伸べられ、それで救われた人間が一人でも多かったなら、きっと世界を呪う子供も減っていただろう。 そう考えると、彼女は決してこの人助け自体には決して反対ではなかったのだ。 けれど。 そこには、前提がある。 「もう少しで己らも救われる」という、そんな前提が。 聖杯を手にして、もう一度真の意味で産まれ直す。 それが成就するならば、確かにそう、これから生まれるかもしれない自分達は人助けによって生まれることはなくなる。 だが、そもそもマスターが聖杯を手にしないというのであれば─────そもそも、それは前提から瓦解する。 彼女もまた、生きているものを救う、というだけで。 歴史の廃棄物たる、産まれてすらいない自分達を助けてくれるということは、ないのか。 それは怒りではなく、恐れ。 また、自分は胎内に帰る事が出来ずに死んでいくのか。 そんな恐れを、ジャックは抱いていた。 それでも。 召喚に応じ、そしてこれまでの日々で、アサシンも己のマスターが抱えているものには気付いていた。 そして、それがあるのならば、彼女は絶対にわたしたちを助けてくれると信じていた。 けれど。 それは、間違いだったのか。 アサシンが垣間見た室田つばめは、偽りだったのか。 今はただ、それをアサシンは聞きたかった。 「おかあさんも、わたしたちをすてるの?」 「──────────」 何も、言い返せなかった。 ただ虚ろな瞳で此方を見つめる己のサーヴァントに、トップスピードはただの一言も返すことが出来なかった。 ─────室田つばめ、或いは魔法少女『トップスピード』。 彼女は、厳密には一度死んでいる。 相棒と共に町を壊す悪党と対峙し、そしてそれを勝利という形で終えた後、突如胸の中央で冷たい感覚がした。 何かの刃が己の胸を貫いたのだ、と気付いて、次に、ああ、助からないな、と悟った。 人間、どうしようもないと理解した瞬間には、案外死ぬまでは早いらしい。 最期の最期に思い浮かべたのは、家で帰りを待つ主人の顔だった。 そうして、そのまま、室田つばめは死ぬはずだった。 だが。 その最期の視界の中に、白いトランプがうっすらと映ったかと思うと─────気付けば、自分はここスノーフィールドにいた。 自分は死んでいなければおかしい、という実感は、瞬間的に記憶を取り戻すには十分なトリガー。 それから、聖杯戦争、そしてサーヴァントの事実を知り。 知ってなお、彼女の心中を過っていたのは喜びだった。 ─────良かった。 ─────まだ、自分は死んでいない。 ─────なら、自分は「この子を産める」。 その事実は、死と同時に全てを諦めていた彼女にとっては何処までも朗報だった。 ─────その時は。 間違いに気付いたのは、この地でも魔法少女としての人助けをしようと自然に身体が動きかけた時。 ジャックがその時、彼女へとかけた言葉。 ─────ころしにいくの? その言葉に、まず内容が飲み込めず少し固まって。 次に、その内容を理解して笑顔で間違いを正そうとして。 ─────そこで漸く、自分が何に巻き込まれたのか、改め理解した。 これは、戦争なのだ。 自分がいたあの魔法少女同士の椅子取りゲームと、決して同じ物ではないのだ。 向こうは、死人が出なかった場合─────本来は出ないはずのものだが、いつのまにか最初からそうだったようにすら感じられた─────は、マジカルキャンディーの量で脱落者が決まった。 だから、マジカルキャンディーを集める人助けは、「生き残る為に必要なこと」だった。─────そうやって、自分を納得させた。 だから、徹頭徹尾彼女は人助けに専念した。 けれど、今回のこれにそんな逃げ道は存在しない。 もし自分が最後まで戦闘から逃げようとしたとしても、自分を除いた最後の二組が同士討ちするというほぼ有り得ない状況にならない限りは戦いは避けることは出来ない。 いつかどこかで─────戦わなければならない時が、きっとくる。 少なくとも、この場所での人助けは─────本当に、どこまでも気休めでしかない行為だというのは、確かだった。 ─────それでも、道が無いわけでは無かったのかもしれない。 聖杯に頼らずにこの世界から抜け出す道を探るという手段も、もしかしたらあったかもしれない。 けれど、その選択肢は既に縛られている。 その理由は─────アサシンだった。 彼女もまた、願いの為に聖杯を求めている。 その願いとは、胎内回帰。 ついぞ「産まれることが出来なかった」彼女、或いは彼女たちにとって、願うことはたった一つ─────「この世に生を受ける」という、ただそれだけ。 怨霊の願いでしかない、たったそれだけの願いは。 けれど、彼女にとっては、その願いは。 ─────「本来産まれるべきだった命を」「己の命と諸共に永遠に失わせてしまった」彼女にとっては、その願いは胸に突き刺さるものだった。 わかっている。 わかっているのだ。 聖杯戦争に乗りたいと思っているという、そんな自分の気持ちは。 けれど、それを妨げるのは、輝かしい「魔法少女」としての自分。 あの時、相棒と共に胸を張って空を駆けた記憶。 希望を信じた魔法少女としての自分が、どうしてもそこで二の足を踏ませる───── 「─────俺は、俺は─────!!!」 けれど。 答えを返す前に、それはやってきた。 最初に訪れたのは、衝撃だった。 ごう、と響き渡った激震に、辛うじて魔法少女の身体能力で踏み止まる。 次いで第二撃。今度はより直接的な、暴力の具現が振るう一振りの槌。 飛び去る事で助かったのは、魔法少女であったからだろう─────常人では、そのまま潰されていたに違いない。 『─────サーヴァント』 念話を通じて、アサシンの声が伝わってくる。 敵サーヴァントが現れると同時に、アサシンたる彼女は気配遮断と霊体化を発動していた。 敵のクラスが何であれ、アサシンというクラスそのものが敵に対し真っ向から立ち向かっていくクラスではない。 そういう点では、それは非常に正しい選択だっただろう。 現れた英霊を、トップスピードは改めて確認する。 握るは鉄槌。鋼鉄の鎧に身を包み、そしてその顔には─────正気とは思えぬ形相が張り付いている。 その表情、まさに狂気。見るものの精神すら蝕みそうなそんな風貌をしているとすれば、それは───── 「─────バー、サー、カー……!!」 物陰から、その声と同時に人影が現れる。 年若い、高校生くらいの少女。整っていれば美しいだろう黒髪や、不細工では決してない風貌ではあるが、しかし窶れている今となっては見る影もない。 重い魔力消費のせいなのだろう、息も絶え絶えといったような少女だが─────それでも、此方を睨む眼に宿る殺意はぎらついた光を放ち続けている。 「……行きな、さい……!貴方の全力を以て、あのマスターを殺しなさい……!!」 絞り出すようなその叫びに、しかしバーサーカーは咆哮を以て応と答える。 狂戦士が飛び出さんとするのを見て、トップスピードも咄嗟に箒に跨がり地を蹴る。 途端に、箒が超加速せんと唸りを上げる。 如何にサーヴァントであろうと、敏捷のランクが高くない限りはラピッドスワローには追い付けまい。 ──────逃げられる。 なんとかそう算段を立て、いざ飛び立たんとして。 (─────おかあさんも、わたしたちを─────) 止まる。 疾風の如く飛び去ろうとした箒が、加速することなく唸りだけを漏らす。 先の言葉が、逃げようとした己の足を縫い止める。 刹那の迷いが、彼女の行動を遅らせて。 そして、その一瞬の迷いは、サーヴァントを相手取る上ではあまりに致命的。 風圧すら置き去りにした殺意が、すぐそこに迫るのが感じられて。 はたと振り向けば─────すぐそこに、バーサーカーの鈍器が見えた。 人間の血を喰らうが如く浴びてきたのであろう鉄槌が、今まさにその犠牲者の一人として己を数えようと迫り。 そうして、思わずトップスピードは目を瞑った。 ─────ああ、また、死ぬのか。 自分は何も出来ず、此処で。 …そうだ。 そもそも、自分が生きられるような道理ではなかったのだ。 「─────『遊びを理由にするなんて、馬鹿のする事だ』、か」 愛する男が言っていた事を、漸く理解する。 馬鹿は死ななければ治らない、なんて言うけれど─────ほぼ一度死んだと言っても差し支えない己が今になって理解出来たということは、案外その諺も間違っていなかったのかもしれない。 己の生を実感する為に、遊んで生きてきた。 遊ぶということは生き甲斐だと、そう言って日々を過ごしてきた。 それ自体を間違っていたことだとは、彼女は思わない。 きっと、もっと平凡な毎日を送れるような。そんな運命であったなら、やはりずっと自分は同じことを言い続けていただろう。 子供と共に遊んで、旦那に呆れられたり、なんてそんな何気ない日常を、きっと送っていただろう。 けれど─────今。 今、自分がそうやって生きて、その結果として、一つの命を殺すなら。 自分の為の遊びというそれだけの為に、生まれるべき生命を見捨てるというのなら。 結局のところ、それはあの『システム』と自分が何ら変わらない事を意味する。 ─────いや、そもそも。 そもそも、此処に、遊びは無い。 此処は地獄。戦争という名の地獄。 生きる為に生を踏み躙り。 願う為に願いを轢き潰し。 幸福の為に不幸を散蒔く。 故に、『魔法少女トップスピード』は此処では生きられない。 生き甲斐を失くした少女の末路は、夢など有り得ぬ汚泥の底の其処。 ─────けれど。 『おかあさん』 ─────ああ、けれど。 『また、わたしをころすの』 ─────それでも、もう、そんなことはしたくない。 『わたしを、うんでくれないの』 ─────お前を道連れにするなんて、そんなことはもうしないから。 「─────安心しろ」 『魔法少女トップスピード』ではない。 ただ一人、『これから産まれてくる命の親』として、ならば。 「─────俺は、絶対にお前を産んでやる」 彼女は、地獄を超えられる。 「─────アアアアアサシイイイイイイインンンン!!!!!!」 絶叫と同時に、彼女は天空へと翔んでいた。 バーサーカーのマスターが驚きながら何かを叫ぼうとしていたが、風に阻まれてただの一言も聞こえることはなく。 そして、トップスピードの加速が追い付く前に迫っており、依然彼女を叩き潰そうとした鈍器は、二筋の銀光に刻まれる。 最高クラスの敏捷を活かして一瞬にしてトップスピードの元へ馳せ参じたアサシンが受け流すと同時に、彼女たちは空へと舞い上がっていた。 天に飛び去った箒は、そのまま百八十度ターンする。 当然だ。逃げる為ではない─────もう、逃げるわけにはいかないのだから。 「アサシン」 「なあに、おかあさん」 けれど、その前に。 彼女はひとつ、聞いておきたいことがあった。 確かめておきたいことが、あった。 「─────俺は、『少女(こども)』じゃない、立派な『親(おかあさん)』になれると思うか?」 問いかける。 己は、母に足るものか、と。 ここまで逃げてきた少女が、今更母親となっていいものか、と。 「おかあさんは、わたしたちのおかあさんだよ」 ─────答えは、単純だった。 母となってくれるのならば、それだけでジャック・ザ・リッパーには十分であり。 ならばこそ、母親に合格も失敗もなく─────そして、それは認めるに値した。 トップスピードは振り返る。 そう告げたアサシンの顔を、改めてしっかりと見る。 ─────其処に、何ら変化はない。 けれど。 『親』は、其処に面影を見た。 未だ見ぬ『我が子』の面影を、確かに。 「─────そうか」 覚悟は決まった。 眼下を見下ろせば、既に裏路地の中に影など見えなくなっていた。 その理由は、ほんの僅かな時間で立ち込めた濃霧のせいだ。 『暗黒霧都』(ザ・ミスト)。二つあるアサシンの宝具、その片割れ。中にいるだけでも魔力の硫酸が猛毒となって牙を剥き、生半可な人間程度なら十分に殺し得る。 だが、相手もサーヴァントとそのマスター。この程度で倒れてくれるとは思わない。 ─────だから。 「─────行くぜ、アサシン」 「─────うん、かいたいするよ」 言葉を交わし、それと同時に再びラピッドスワローが加速する。 進む先は尚も霧が立ち込める裏路地。バーサーカーとそのマスターがいるその場所へ、二人はまっすぐに突っ込んでいく。 ─────此よりは地獄───── 運が良かった、と、トップスピードは思う。 もしもこの時、不確定要素が多かったとするなら、彼女はそれを躊躇ったかもしれない。 躊躇って、その結果、自分が選択するのは遅くなり─────結局、選ぶ暇も無く脱落していたかもしれない。 ─────私達は、炎、雨、力───── けれど、今は違う。 今は「夜」で。 今はアサシンの宝具によって「霧」が出ていて。 ─────そして、バーサーカーのマスターは「女」だった。 ならば。 ならば、確実に殺せる。 ─────殺戮を、此処に───── ─────覚悟を決めろ、俺。 ─────これは、お前が選んだ道だ。 ─────後悔する前に、と、お前がお前で選んだ修羅の道だ。 わかってる、と心の声に応える。 もう、この先後戻りは出来ない。 大人になった女が少女に逆戻りできないように、もうこの先彼女が『魔法少女』を名乗ることも─────あいつと肩を並べることも、ない。 「─────それでも、俺は─────」 ─────もう、夢みない。 ─────霧の中を、箒が一瞬にして駆け抜ける。 その内の一瞬、サーヴァントが対応する前にマスターと肉薄した刹那。 それで、全ては事足りる。 アサシンの宝具、二つの宝具のうちのもう一つ。 『切り裂きジャック』は─────現れる。 「─────解体聖母(マリア・ザ・リッパー)!!!」 ─────ナイフが振られる前から、「それ」は始まった。 黒色の怨念が、バーサーカーのマスターへと纏わりつく。 それを振り払おうとするよりも先に、その障気が彼女の臓腑を撫ぜて。 次の瞬間、彼女は『解体』された。 反応する暇なぞ一切与えず。 声を上げることすら許さずに。 ただ─────殺人鬼への恐怖だけを残して、命の灯火が掻き消される。 臓物が溢れ出し、肉が切り分けられ、骨が揃えられ、鮮血が舞い散り。 徹底的に解体(バラ)されて解体されて解体されつくした、ただの肉塊だけがそこに残る。 何故─────霧が出る晩、女の前に『切り裂きジャック』が現れたから。 どうやって─────そこで、漸くナイフが降り下ろされる。 因果の逆転。 ジャック・ザ・リッパーに牙を剥かれた誰もが死に絶えた逸話、その再現はこうして行われ。 完全なる解体(さつじん)が、此処に成る。 魔力源を失ったバーサーカーは、暫く暴れようとしていたが─────魔力の消費が追い付かず、数分もすれば消滅した。 安全が確保された、と認識した後、トップスピードは改めて路地に降り立った。 既に霧は晴れ、そこにある惨劇の様はありありと見ることが出来た。 撒き散らされた臓物。 両側の壁にまで飛び散った血痕。 美しいほどに切り揃えられた人体。 それも、己がアサシンに命じてやらせたことだ。 それらをしっかりとその目に納め─────彼女は、改めて理解する。 ─────ああ。 ─────これからは、俺が地獄を作るのか。 ホワイトチャペルを思い出す。 人の悪意ですらないものによって作られた、紛れもない地獄。 それに対して、眼前の光景はどうか。 人が一人、願いを踏みにじられて死んだ。─────自分が、殺した。 少なくとも、これは悪と呼べる所業なのだろうという自覚はある。 己の為に人の命を食い物にする行為を、悪役と呼ばずに何という。 物語の中ならば、それこそ魔法少女のようなヒーローにいつか退治されて然るべき、そんな悪。 だからこそ、人間の悪性によって作られるこの地獄は、同一ではない。 けれど、それでもここは地獄に相違ない。 地獄の釜の入り口を、自分は今踏み越えたのだ。 ─────それでいい、と思う。 先に言った通り、この地獄にて『魔法少女(トップスピード)』は生きられない。 そして、生き延びることなく死に堕ちた少女は、それでも地獄から掬い上げたいものがある。 本来此処に来るべきではなかった一つの命を、この地獄からあるべき世界に戻す。 それが、今の彼女が見据える現実。 胸の中には、ただ─────あの時響いた声とそれに裏付けられた決意が、煌々と燃え盛っていた。 「…なあ、アサ─────」 なんとなくサーヴァントを呼ぼうとして、ふと思う。 『アサシン』や『ジャック』は、決して彼女の名ではない。 彼女には、未だに─────明確な、「彼女」を指す名前はない。 ならば、いっそのこと自分が彼女に命名するのもありか─────そんな思考がふと過る。 「いつか、さ」 けれど、結局それはしない。 それはきっと、彼女が名付けられるべき人間の元で産まれたときにされるべきことだ。 それを自分がしてしまうのは、きっと少し違う。 「俺が『お前』を生んだら、その時はちゃんと名前をつけてやるから」 ─────それは、「母親」の顔だった。 子を見守る母親のように、優しい目付きをしていた。 まるで、本物の子を見ているかのように─────或いは、彼女を通してそれ見ているかのように。 「だから、今は─────アサシン。よろしく頼む」 それを聞いて、アサシンは。 一瞬驚いたような顔をした後、その顔を満面の笑みに染めた。 ─────その顔は、ちょうど、親に誉められた子供のようで───── 「うん!」 ─────此よりは地獄、其処にて我は魔法の夢を見る『少女』に非ず。 一人の子供の『親』として─────如何なる地獄も生き抜いて、遺すべき物を遺す事こそ我が使命。 大切な、そして産まれて来る事が出来なかった命に。 何としてでも、生を届ける為に。 【クラス】 アサシン 【真名】 ジャック・ザ・リッパー@Fate/Apocrypha 【属性】 混沌・悪 【パラメーター】 筋力:C 耐久:C 敏捷:A 魔力:C 幸運:E 宝具:C 【クラススキル】 気配遮断:A+ サーヴァントとしての気配を断つ、隠密行動に適したスキル。完全に気配を断てば発見することは不可能ひ近い。 攻撃態勢に移ると気配遮断のランクが大きく落ちてしまうが、この欠点は“霧夜の殺人”スキルによって補われ、完璧な奇襲が可能となる。 【保有スキル】 霧夜の殺人:A 夜のみ無条件で先手を取れる。暗殺者ではなく殺人鬼という特性上、加害者の彼女は被害者の相手に対して常に先手を取れる。 精神汚染:C 精神が錯乱しているため、他の精神干渉系魔術をシャットアウトできる。ただし、同ランクの精神汚染がされていない人物とは意思疎通ができない。 このスキルを所有している人物は、目の前で残虐な行為が行われていても平然としている、もしくは猟奇殺人などの残虐行為を率先して行う。 彼女の場合、マスターが悪の属性を持っていたり、彼女に対して残虐な行為を行うと段階を追って上昇する。魔術の遮断確率は上がるが、ただでさえ破綻している彼女の精神は取り返しの付かないところまで退廃していく。 ─────今のマスターが、「魔法少女(せいぎ)」に倒される悪である現在、このスキルには恐らくそれなりの向上が見られるだろう。 情報抹消:B 対戦が終了した瞬間に目撃者と対戦相手の記憶から、能力、真名、外見特徴などの情報が消失する。例え戦闘が白昼堂々でも効果は変わらない。これに対抗するには、現場に残った証拠から論理と分析により正体を導きださねばならない。 外科手術:E 血まみれのメスを使用して、マスター及び自己の治療が可能。見た目は保証されないが、とりあえずなんとかなる。 120年前の技術でも、魔力の上乗せで少しはマシ。 【宝具】 『暗黒霧都』(ザ・ミスト) ランク:C 種別:結界宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:50人 産業革命の後の1850年代、ロンドンを襲った膨大な煤煙によって引き起こされた硫酸の霧による大災害を由来とする現象の宝具化。 霧の結界を張る結界宝具。硫酸の霧を半径数メートルに拡散させる。骨董品のようなランタンから発生させるのだが、発生させたスモッグ自体も宝具である。このスモッグには指向性があり、霧の中にいる誰に効果を与え、誰に効果を与えないかは使用者が選択できる。 強酸性のスモッグであり、呼吸するだけで肺を焼き、目を開くだけで眼球を爛れさせる。一般人は時間経過でダメージを負い、数分以内に死亡する。魔術師たちも対抗手段を取らない限り、魔術を行使することも難しい。サーヴァントならばダメージを受けないが、敏捷がワンランク低下する。最大で街一つ包み込めるほどの規模となり、霧によって方向感覚が失われる上に強力な幻惑効果があるため、脱出にはBランク以上の直感、あるいは何らかの魔術行使が必要になる。 『解体聖母』(マリア・ザ・リッパー) ランク:D~B 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:1人 霧の夜に娼婦を惨殺した、正体不明の殺人鬼「ジャック・ザ・リッパー」の逸話を由来とする宝具。 通常はランクDの4本のナイフだが、条件を揃える事で当時ロンドンの貧民街に8万人いたという娼婦達が生活のために切り捨てた子供たちの怨念が上乗せされ、凶悪な効果を発揮する。 条件とは『対象が女性(雌)である』『霧が出ている』『夜である』の三つ。このうち『霧』は自身の宝具『暗黒霧都』で代用する事が可能なため、聖杯戦争における戦いでは1つ目の条件以外は容易に満たすことができる。 これを全て揃った状態で使用すると対象の霊核・心臓を始めとした、生命維持に必要な器官を蘇生すらできない程に破壊した状態で問答無用で体外に弾き出し、血液を喪失させ、結果的に解体された死体にする。“殺人”が最初に到着し、次に“死亡”が続き、最後に“理屈”が大きく遅れて訪れる。 条件が揃っていない場合は単純なダメージを与えるのみだが、条件が一つ揃うごとに威力が跳ね上がっていく。またアサシンを構成する怨霊が等しく持つ胎内回帰願望により、相手が宝具で正体を隠しても性別を看破することが可能で、より正確に使用する事ができる。 この宝具はナイフによる攻撃ではなく、一種の呪いであるため、遠距離でも使用可能。この宝具を防ぐには物理的な防御力ではなく、呪いへの耐性が必要となる。 【weapon】 ナイフ。六本のナイフを腰に装備するほか、太股のポーチに投擲用の黒い医療用ナイフ(スカルペス)などを収納している。 【サーヴァントとしての願い】 おかあさんのおなかのなかに、かえる。 【人物背景】 ジャック・ザ・リッパー。世界中にその名を知られるシリアルキラー。日本ではそのまま「切り裂きジャック」と呼称されることが多い。 五人の女性を殺害しスコットランドヤードの必死の捜査にもかかわらず捕まることもなく姿を消した。 ジャック・ザ・リッパーは金目当てでも体目当てでもなく、「ただ人間の肉体を破壊したかっただけ」としか思えない殺し方をしていた。 アサシンとして召喚された彼女は数万以上の見捨てられた子供たち・ホワイトチャペルで堕胎され生まれることすら拒まれた胎児達の怨念が集合して生まれた怨霊。 この怨霊が母を求め起こした連続殺人事件の犯人として冠された名前が“ジャック・ザ・リッパー”である。 後に犯行が魔性の者によるものと気づいた魔術師によって消滅させられたが、その後も残り続けた噂や伝承により反英雄と化した。 しかし「ジャック・ザ・リッパー」という概念はあらゆる噂と伝聞と推測がない交ぜとなった今、全てが真実で全てが嘘であるために「誰でもあって、誰でもない。誰でもなくて、誰でもある」無限に等しい可能性を組み込まれた存在となっている。 そのため、もはや「彼女たち」が「ジャック・ザ・リッパー」の伝説に取り込まれたのか、伝説を取り込んでしまったのかすら定かではなくジャック・ザ・リッパーの可能性の一つと化している。 また群体で一個体の「ジャック・ザ・リッパー」を形成しているため、一人一人には名前もなく、世界に個体としての存在が認められていない。 「暗殺者」として顕現したジャックは姿も精神も幼い子供のものとなっている。自身をそう名乗っているが、本当に「真犯人」なのかは本人自身にも分からない。 【マスター】 室田つばめ(トップスピード)@魔法少女育成計画 【参戦経緯】 死亡直前に白いトランプを発見、手にすることでスノーフィールドへと転移し生存した。 【マスターとしての願い】 我が子に、幸せを。 【weapon】 『ラピッドスワロー』 彼女の魔法『猛スピードで空を飛ぶ魔法の箒を使うよ』によって生み出された魔法の箒。 箒と呼ばれてこそいるが、彼女が全力を出した場合は風防やハンドル、ブースターが現れ、バイクのような形へと変化する。 その性能は非常に高く、最高速度ならばサーヴァントとて容易に追いつくことは出来ない。 【能力・技能】 『魔法少女』 『魔法の国』から与えられた力によって、魔法少女に変身する。 人間とは比べ物にならない身体能力や非常に可憐な容姿を持つ他、その魔法少女一人につき一つ固有の魔法を持つ。彼女にとってのそれは、後述する『猛スピードで空を飛ぶ魔法の箒を使うよ』である。 正確には「身体が魔法少女という生物に変化する」と言った方が正しく、妊娠している彼女も魔法少女に変身している間はどう体を動かそうと影響が無い。 『猛スピードで空を飛ぶ魔法の箒を使うよ』 彼女の固有魔法。文字通りの魔法。 Weapon欄にある箒、『ラピッドスワロー』を作り出し、それに乗って空を駆る。 【人物背景】 彼女はもう、『魔法少女』ではない。 今はただ、『親』として『子』を幸せにする─────それだけだ。
https://w.atwiki.jp/god14/pages/1417.html
発言者:信者0で逆ハー願望持ちのイカれ綾模様おばさん Switch版Dies iraeのカウントダウンボイスでのミトラの発言。 現時点で分かっている彼女の所業を知る者からすれば邪神の戯言にしか思えないだろう。 コウハ曰く『わりと素で、男は全員自分に惚れるのが当たり前、とか思っているタイプ』らしい 「総ての男は私に惚れるべきなのだから。何もおかしくないだろう?」 俺ら・第一神座勢「ミトラ死ね!」 ミトラ「うんうん、それも綾模様だね♪」 関連項目? 弁えろよ蛆虫が。呼吸をしていいと誰が言った──貴様は屑だ。貴様は塵だ。いい気分で終われるなどと思い上がるな 塵がァァァア、塵が塵が塵が塵がァアアアア俺の身体に登ってくるな、這い回るな増えるな鳴くな臭い臭い臭い臭い臭い臭いッ! この私からしてドン引きだ 貴様、やはり狂っているよ 貴様のような者がいるから、人は嘆き悲しむのだろうがァッ! こっち見るなよ。馬鹿が感染る 俺のほうが強い 貴様の糞は、貴様が喰らえ 何を置いても殺すべきだと、いま直感した 死んで皆に詫びろ 臭すぎて生かしておけんなあ いつまでもぺらぺら―――メルヘンぶっこいてるんじゃねぇッ! ほざけや、鬱陶しいんだよ変態が “この女は駄目だ――” ちょっと誰か、パンツァーファウスト持ってこい だったら世界こそが僕の敵だ どうやら私は、腹を立てているらしいから (╯🔵„‿ゝ🔴╰)「うんうん、それも綾模様だね♪」 獣殿が言ってるなら分かるがお前みたいな奴には誰も惚れねぇよ -- 名無しさん (2020-05-24 02 46 22) 獣殿は至極真っ当にPantheonの宣伝してくださってたな -- 名無しさん (2020-05-24 03 28 51) 獣殿「総ては私に惚れるべきなのだから。何もおかしくないだろう?」 -- 名無しさん (2020-05-24 03 36 24) まぁ水銀、ザミエル卿、シュライバー、ベイ、神父、その他の骸骨はメロメロだからな -- 名無しさん (2020-05-24 03 45 41) おばさん?はははは。お姉さん、だろう?義者にするぞ? -- 名無しさん (2020-05-24 07 03 48) これもしかしてヴァルナの存在抜け落ちてるからこんなこと言い出してる可能性あるんじゃねとか思ってる -- 名無しさん (2020-05-24 08 35 41) 龍水「この女が言っている事は間違っている!総ての男は黄金の獣に惚れて抱かれるのが真理じゃないか!」 -- 名無しさん (2020-05-24 11 24 37) なおここでも言及される獣殿は要約すると「私のことを知らない人でも大丈夫だから、PANTHEONをよろしくね」である 綾模様おばさんさあ… -- 名無しさん (2020-05-24 12 26 06) ↑2 龍明「新作できたら見せろ」 …実際のところ、龍明さんって獣殿絡みの衆道本イケるのかな? -- 名無しさん (2020-05-24 12 50 05) 発言者欄で駄目だった -- 名無しさん (2020-05-24 14 40 31) 発言者欄が完璧すぎてぐうの音も出ない! -- 名無しさん (2020-05-24 16 09 05) フラれてもうんうんそれも綾模様だね美しいになるからこのおばさん無敵すぎる -- 名無しさん (2020-05-24 16 47 34) ??「男の人は男の人同士で、女の子は女の子同士で恋愛すべきだと思うの」 -- 名無しさん (2020-05-24 17 15 05) 惚れても振ってもミトラ的にはバッチコイなのムテキの人すぎる -- 名無しさん (2020-05-24 17 39 02) ヴァルナ(を精巧に模倣したロボット)「別れましょう」 ミトラ「へ?」(偽物だと気付いてない) -- 名無しさん (2020-05-24 17 45 58) ↑綾模様にならない攻撃かwwww -- 名無しさん (2020-05-24 18 59 47) でもミトラ様のハダカなら見たいかも……。 -- 名無しさん (2020-05-25 16 56 07) 関連項目が殺意高すぎるw -- 名無しさん (2020-05-25 17 15 14) さらっと『ちくわ大明神』よろしく紛れてるバフラヴァーンに草生える -- 名無しさん (2020-05-25 18 06 27) あ -- 名無しさん (2020-05-25 18 07 45) 覇道神なのに他者を染め上げる能力が致命的に欠けてるよねこの人 零天の特異な状況故なのかな? -- 名無しさん (2020-05-25 18 25 35) ↑義者vs不義者で思考の染め上げはできてると思うよ。物語に出てくる奴らが基本的に渇望持ちだったりするだけで -- 名無しさん (2020-05-25 18 29 22) 関連項目の罵詈雑言の嵐とそれを「綾模様」で一刀両断するおばさん。コイツ、無敵か? -- 名無しさん (2020-05-25 21 10 02) メンタル糞強いオタサーの姫みたいな感じだな -- 名無しさん (2020-05-25 22 57 06) ↑オタサーの姫に殺意しか向いてないんですけど -- 名無しさん (2020-05-25 22 59 45) 床屋みてぇな色しやがって -- 名無しさん (2020-05-26 01 28 41) 床屋ミトラ -- 名無しさん (2020-05-26 07 29 11) ↑3(🔵‿ゝ🔴)「そう熱い目で見てくれるなよ 照れてしまう」 -- 名無しさん (2020-05-26 08 25 08) ギリギリ味方になるのがマリィしかいねぇ…… -- 名無しさん (2020-05-26 09 45 30) 顔文字腹立つw -- 名無しさん (2020-05-26 13 03 49) なんの冗談だって感じだが、第零天じゃよほどチヤホヤされてたと見る -- 名無しさん (2020-05-26 13 28 48) こいつモテるってどんな魔境だよ -- 名無しさん (2020-05-26 16 36 32) 男が惚れる女性像が根本的にぶっ飛んでそうなのが -- 名無しさん (2020-05-26 16 39 00) こいつのモテるって覇道で練り上げることか? -- 名無しさん (2020-05-26 16 40 56) 司令官を務めるくらいだから、実力と指揮能力は疑いようはないはず…。性格は…今よりマシだと信じたい -- 名無しさん (2020-05-26 16 59 38) ↑2だったら水銀もモテモテやな -- 名無しさん (2020-05-26 17 03 44) 黄金が今もメロメロだから真我よりモテてるのは間違いない。真我さん、マジで誰も支持者いないし -- 名無しさん (2020-05-26 17 40 57) 友達いるだけ水銀の方がマシだなwあっちは友情なくなるんじゃないか不安に思う程度の可愛げもあるし -- 名無しさん (2020-05-26 18 13 42) 当時は隣のチトセネキみたいな真っ当な軍人で周りからも慕われていたけど終盤に色々(仲間達との対立やその他たくさん)あってストレス溜まりまくって、座に着いてから自分を支えてくれる仲間はいなくて惨劇の数々に最初は自己正当化してたけどそのうちぶっ壊れて綾模様おばさんになったとか?それならKKKの「私悪くない私悪くない私悪くない」な印象とも合致する。で、どっかでコウハがミトラから分離した良心の具現化じゃないか?って言われてたけど、その場合ぶっ壊れた時に切り離したんだろうな -- 名無しさん (2020-05-28 22 41 14) こいつもしや、「自分に何かしらの興味や感情を向けられる」のを「モテる」と表現してるんじゃあるまいな・・・?そうなら自分の治世全員から殺意とか死ねって言われてるのをモテると言えなくもないし、この先もみんなから殺意を抱かれる何がしかをやらかすorやらかしているということになるが・・・ -- 名無しさん (2020-05-28 23 09 42) 間違えた、モテるじゃなくて惚れるだわ -- 名無しさん (2020-05-28 23 10 41) ↑なんだ、ただのかまちょおばさんか -- 名無しさん (2020-05-28 23 12 03) 波旬に母性を抱くような者だ。面構えが違う。 -- 名無しさん (2020-05-31 18 38 26) マリィも波旬含めてみんな好きだぞ -- 名無しさん (2020-05-31 18 45 21) マリィ→踏まれたい 綾模様おばさん→こ っ ち み ん な -- 名無しさん (2020-05-31 18 46 59) 「刹那の頑なで一途なところなどは可愛くて仕方ない」 このセリフ見た瞬間ヒェッ…ってなった -- 名無しさん (2020-07-31 23 27 25) ぶっちゃけた話、この台詞を知った時「観測者って女の趣味悪すぎ」って思ったわ -- 名無しさん (2020-07-31 23 33 17) ズルワーン「ふざけんな」司狼「正直ナイワー」 -- 名無しさん (2020-07-31 23 42 27) ナラカの趣味が常軌を逸している -- 名無しさん (2020-07-31 23 56 03) アヴェスター見てからこれ見ると、ホントゲスい台詞だよなぁ 何かしらのポーズの可能性もあるけどさぁ -- 名無しさん (2020-08-01 06 40 05) あとやっぱ神格って死んでも変わらねぇんだな、と -- 名無しさん (2020-08-01 06 40 35) 死んで変わるくらいなら神になれないしね。波旬がすごくわかりやすい。 -- 名無しさん (2020-08-01 09 10 31) 馬鹿(覇道神)は死んでも治らない(不変)だし・・・ -- 名無しさん (2020-08-01 11 05 21) この親にして生粋のモテメン(カイホスルー)が生まれたのはある意味必然かね -- 名無しさん (2020-08-01 13 30 50) あいつも相手から袖にされる事を考えてないとか言われたからまぁ二元論の子らしいとは -- 名無しさん (2020-08-01 14 33 42) マグサリオンももってもてになる予定 -- 名無しさん (2020-08-01 14 35 02) 真我→モテない、無慙→モテる、明星→分からん(モテそう)、水銀→モテない、黄金→モテる、黄昏→モテる、刹那→モテる、波旬→(局所的に)モテる……? -- 名無しさん (2020-08-01 16 33 29) モテるモテない以前に、黄金と波旬以外は本命がいないか? -- 名無しさん (2020-08-01 16 42 56) 黄金は蛍光灯に引き寄せられる蛾みたいなもん -- 名無しさん (2020-08-01 16 46 25) ただの寝言だと思ってたら本当に惚れてたというかモノにしたいと思ってた奴がいたという衝撃 -- 名無しさん (2020-12-13 20 19 45) こっち見るなよ馬鹿が移るさんは関連項目から外した方がいいですね -- 名無しさん (2020-12-13 20 22 26) ここに来てまさかの大馬鹿野郎が誕生するとは夢にも思わなんだ… -- 名無しさん (2020-12-13 20 31 18) 母ちゃん狙うのはやめとけ。しかも狂った母ちゃんやぞ -- 名無しさん (2020-12-13 20 34 15) ゾロアスターでは近親が至高だって聞くし…… -- 名無しさん (2020-12-13 20 52 13) ゾロアスター教「兄妹の間に生まれた子供は子であると同時に甥姪であるのだから2倍の愛情を注ぐことができるので素晴らしい」 うーん、この -- 名無しさん (2020-12-13 20 54 41) カイホスルー「狂った母親?上等だ。欲しいぞ」 -- 名無しさん (2020-12-14 10 52 45) チャレンジャー過ぎだっての、業平じゃないんだからあーた…(幕張の鈴木千恵子とキスするぐらいの勇気) -- 名無しさん (2020-12-14 21 43 55) おかしいな……パンテオンHPのダブルセイバー構えてるミトラは普通にかっこいい感じだったのに…… -- 名無しさん (2020-12-15 13 23 51) 惚れるべきっつーか、感謝すべきっつーか… -- 名無しさん (2021-03-13 03 03 38) 有難い役割を担ってくれてはいるがそれはそれとしてすぎて -- 名無しさん (2021-03-13 07 05 30) それはそれとしてやっぱり邪神だってこのおばさん -- 名無しさん (2021-03-13 10 14 40) 第零が酷い世界でも二元論がクソなのは変わらないのである -- 名無しさん (2021-03-13 11 35 07) あのプロローグだけ見るとミトラさん絶対こんな事言わねぇよってバグる -- 名無しさん (2022-02-18 21 27 15) ↑このセリフ絶対強がりだわ -- 名無しさん (2022-02-18 21 33 50) 二元論の糞っぷりを見たばかりなのを忘れちまいそうで怖い…真我が無力な人間だった時期に感情移入して惨すぎる世界観に怯えたり悲しんだりするなんて俺はごめんだからな!あくまで性悪綾模様おばさんの昔語りという体で読んでやるんだ… -- 名無しさん (2022-02-18 21 51 17) 嫌われる事しかしてないのに何故好かれると思ってるのか分からない -- 名無しさん (2022-02-19 02 10 00) 俺の手の平は既にアップを始めているぜ -- 名無しさん (2022-02-19 02 47 21) これアリヤの要素も混じってる故の邪念なのかね -- 名無しさん (2022-02-19 06 54 06) なんだろう、実際に色仕掛け得意で港に一人骨抜きにした情報源いたんだろうか? -- 名無しさん (2022-04-02 14 57 24) ↑王子殿下が連邦のスパイを注意深く探し出したらしいから…既に帝国に捕まってて、逆にミトラ達への罠の餌にされてる可能性が高いかと -- 名無しさん (2022-04-02 17 34 16) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tamagrail/pages/87.html
. ──それは、紛れもなく現実だった。 現実に顕現した、地獄だった。 灰色の町並みがあった。 黒と呼ぶには余りにも整然、されど白と呼ぶには余りにも澱んでいる風景。 その最たる原因は、そこに立ち込める霧だった。 人類が産み出した知恵だとか、未来を切り開く為の道具だとか、そんなモノが副産物として吐き出していく人工の魔障。 発展していく世界の裏の、穢れた汚点を投げつけるゴミ捨て場に、今日も工場から漏れ出たスモッグが充満していく。 言わずもがな、それは生を蝕む毒。身体に入り込み、内側から肉体を腐らせる死神の吐息。 死へのカウントダウンを刻む針が、一層他より早い場所──それが、霧の都ロンドンの一角。ホワイトチャペルという町だった。 ある時、一人の少女が其処にいた。 何処から流れ着いたのか、少女が誰か。そんな事は知る由も無いし、知ったところで此処では何の意味もありはしないのだから。 ただ、少女は見るからに不健康といった風体で──そして、飢えていた。 単純な話だ。此処はまともではないとされるような食事にありつく事、それですら困難というような場所。生き残る為には、そもそも己自身をまともな範疇の埒外へと投げ捨てる必要がある。 そう、例えば。 彼女の前に、浮浪者の男が現れた。 片手を力なく垂らし、そしてもう一方の手には。腐りかけだが、それでもまだ食べられそうなパンが幾つか。 たちまち少女は飛び付いた。持っている金を全て出し、地を這うように土下座をした。 男は暫く黙ってそれを見て──少しして、下卑た笑みと共に口を開く。 告げられた言葉に、少女は暫し固まって。それでも、すぐにそれを受け入れた。 それから数刻。少女はその手に一つだけパンを持ち、とある建物から外に出た。 所持金も減ってはおらず、その身体も先と比べればむしろ綺麗になっているくらいだ。尤も、それはあくまで外見が、というだけ。中で何があったかなど、言わずと知れる。 ついさっきまでいた男のねぐらを一瞥し、少女はゆっくりと歩き始める。 「幸運にも」目減りすることが無かった金を握りしめて、彼女は『万が一』を避ける為に近くの医者へと駆け込むのだろう。 ──そうしてまた、灯るかもしれなかった命の火が、消えた。 それは殺戮ではない。 生まれる前の命など殺すとも言えないし、そもそもそこには殺意どころか特異な感情を持ってすらいない。 それは、消費だ。 少女が握ったパンと同じだ。 その日を凌ぐ為に望まず生まれ、そして消失することで誰かの生きる糧となる。 遺すものどころか生まれすらしない、生きる前に殺されるという命とすら呼べないモノ。 それらが、存在することすら許されず、使い潰されて消えていく。 そんな事が、彼方此方で起こっていた。 これが、或いは何か、明確な悪が存在していれば良かったのかもしれない。 何かが消えることで解消される地獄なら、もっと早くに人々が立ち上がって、或いは外からその歪みを断ち切る人間がやってきて。 それで、この地獄は終わりを告げていたかもしれない。 けれど、これは違う。 これは、「ただそこにある」ものだった。 丁度、其処に立ち込める霧と同じ。消すことは愚か掴むことすら出来ずに、どうしようもなく存在する。 生の為に生を蔑ろにするという論理すら通用せず、ただ「生まれるはずだった、でも生まれなかったモノ」が使い潰されるという、馬鹿げた、しかしシステマチックなまでに効率化された都市機能。 ──紛れもなく、そしてどうしようもなく。 これが、その時の現実だった。 一度階段を踏み外したばかりに踏み入れてしまったせいで。 希望など存在しない世界で、展開されるべくして展開されるそもそもが人工の地獄で、ヒトは何処までも堕ちていった。 例えば、報われぬ愛を誓い合った二人の片割れが、生を欲するばかりにもう片割れを殺してその肉を喰らう様。 例えば、食物を奪う為に散々に痛めつけられて、それでも当たり所が悪かったばっかりに死ぬ事も出来ず生き地獄を味わい続ける様。 例えば、嘗ては名もそれなりに知れていたであろう可憐な令嬢が、今は最早寒さすら凌げない程にボロボロになった元は豪奢なマントだったろう襤褸すら奪われる様。 例えば、そう。 ある娼婦が、栗色の髪を三つ編みに纏めた娼婦が。 当たり前の愛を受けていた筈の、そしていつの間にか地獄に堕ちていた女が。 自らと愛する男の遺伝子が伝った「それ」を、己諸共にただ川へと廃棄しようとする様── 「─────あ、あ、ああああアアアアアアァァァァァ!!!!」 ──堪らず、絶叫を上げて。 そうして、室田つばめは夢から覚めた。 ◆ 目の前に広がる自室の風景が、ここまで心を休めてくれる時が来るとは思いもよらなかった。 もちろん、厳密に言えば彼女の自意識としてはここは勝手知ったる我が家ではない。東京という土地に呼び寄せられた、今の彼女にとっての住まい。余分な物が無いことを「遊びが無い」とこっそり非難した自分を、この時ばかりは罵倒する。 寝汗のせいで寝巻きは身体にひっつき、掛け布団もやたらと蒸し暑いのを苦にして、つばめはゆっくりとベッドから立ち上がった。 隣に眠る夫を起こさないようにそっとベランダに出て、火照った身体と未だに脈打つ心臓を冷まそうとする。 「………なんだよ、あれ」 ぼそり、と思ったことを正直に口にした。 酷い夢だった。 嘗て燃え盛るハイウェイを見た時にはこの世の地獄かと思ったものだが、あんなものとは比べ物にならない真の地獄。 悪意すら存在しない故の残酷な世界を思い出し、どうしようもなく背筋が凍る。 夢、と断じることすら簡単ではない程に強烈なリアリティを以て再現された、この世で最も穢れていた場所の一つ。 なぜ自分がそれを垣間見たのか、と思い、そして少しの間を置いてはたと思い当たる。 「……アサシン」 「なあに、おかあさん」 その「心当たり」の名を呼ぶと同時に、ベランダに少女の姿が現れる。 どことも知れない虚空から霊体化を解いて現れたその様は、正しくアサシンのサーヴァントに相応しき出現。 白髪の小柄な少女の形をした可愛らしい姿の、しかしその名は聞くものを震え上がらせる恐怖の象徴。 ──ジャック・ザ・リッパー。 イギリスという国を恐怖させた、現代日本でも語られるような殺人鬼の名が目の前の少女の名だと知った時は、つばめも流石に衝撃を受けた。 というより、実のところを言えば、召喚してしばらくはまだ少し疑っていた。 なまじ、彼女が既にとある非常識に触れていたというのもあるだろう。姿を消すことやアクション映画じみた動きを軽々とこなすアサシンの姿も、「切り裂きジャック」の名前を結びつけるには足りなかった。 けれど。 今の夢、そしてこの少女が語った彼女自身についての説明を思い出す。 子供であり、かつ何処か精神を病んでいるような少女の言葉から受け取った「ジャック・ザ・リッパーの生まれ方」と、夢の中の地獄、そしてその中で響く声のない悲鳴。 リフレインするそれに突き動かされるかのように、つばめは口を開いて。 「……お前は」 言おうとして、口を噤む。 心の内に、未だに残る一つの凝りが、アサシンへと踏み込んだ発言をすることを阻害する。 その代わりに、と言葉を探し、そして導き出したのは一つの、そして彼女が現れてから数回目の提案。 「今日も行くからさ、ちょっと手伝ってくれ」 「うん、わかった」 頷くアサシンから、僅かに目を逸らすように、つばめは懐から端末を取り出す。 画面をタップし、途端に光が放たれて──そして、そこに室田つばめはいなかった。 代わりに立っているのは、箒を構えた可憐な少女。 魔女が被るような三角帽にこれまた魔女が持つような箒、そして背中のローブにでかでかと刺繍された「御意見無用」の文字。 「さあ、今日も行きますか!」 ──魔法少女・トップスピードが、そこにいた。 ──東京での人助けは、以前に比べて難易度がぐんと上がっていた。 その理由はといえば、やはり今のトップスピードの行動を見た人間に対しての処置をしてくれるファヴがいないから。 そして、神秘の秘匿という条件によって、明確に存在する事を仄めかす事が事実上不可能になったからだ。 ここに来る前は、ファヴというマスコットキャラクターのお陰で、情報の隠蔽が徹底されていた。 助けた人間はぼんやりとしか魔法少女の姿を覚えていないし、カメラなどでも確実にピントがズレるようになっていた。 それ故に、ある程度なら大っぴらに活動出来ていたのだが──今、この場にそのファヴはおらず。 それでも、「知られてもいい」ならばもう少し大胆な行動も取れたかもしれないが、そこでネックになるのは神秘の秘匿という条件。 これがトップスピードの魔法少女としての力にも適応されている以上、下手にバレるような事があれば瞬時に討伐令やら何やらと面倒な事が降って湧く。 よって、強いられるのは隠密行動。 露見する手がかりをギリギリまで減らし、その上で何かしらの行動を起こす、という事が必須だった。 しかし、そこまで制限があるならば、人助けなどほぼ不可能ではないか──と聞かれれば、実を言うとそうでもない。 その理由は、アサシンの手助けにあった。 人が来ればそれを知らせ、間に合いそうにないとなれば対象を気絶させる──最初は解体しようとしていたが慌ててトップスピードが止めた──などと、その高い敏捷を活かしてフォローに入ってくれている。 また、サーヴァントだけあって見た目にそぐわぬ力も持ち、魔法少女であるトップスピードと合わされば大抵の物は動かす事が出来た。 人を助けている彼女の顔は、最初こそ不思議そうな表情を浮かべていたが、今は楽しそうなあどけない表情を浮かべながら手伝ってくれている。 ──時たま、その表情が強張るのを除けば。 そうしてその日も何件かの人助けを終え、いい加減に外に出ている人の数も減ってきていることを確認すると、彼女はゆっくりと裏路地に降り立つ。 「ありがとな、アサシン」 「うん」 自分と同じく箒に跨がっていたアサシンが降りたと同時に、その頭を撫でてやる。 ごわごわの髪を撫でられて、擽ったさそうに小さく身を捩る少女の姿を見て、トップスピードの表情も和らぐ。 そうして、時間も時間だからと、再び箒に跨がってさっさと退散しようとする。 「…ねえ、おかあさん」 だが。 何処か逃げるようなトップスピードのその行為よりも、アサシンの言葉の方が早かった。 「おかあさんは、いつまでこうしてるの?」 放たれるのは、端的な問い。 いつまでこの人助けを続けるのか。 いつまで──現実から目を逸らし続けるのか。 「…いつまで、って、」 言葉に詰まる。 それは、少なからず彼女に自覚があるから。 本来やるべきではないことをしているという、その自覚が。 ──それでも、トップスピードは答えられない。 それを告げてしまえば、もう嫌が応にも逃げられなくなるから。 だから、その言葉に続く先は提示されぬまま、静寂が路地を包んでいた。 「おかあさん」 それに対し、アサシンは尚も問いかける。 ──ジャック・ザ・リッパーにとって、この人助けは、決して嫌なものではなかった。 それが彼女の過去に存在せず、それ故に「この」ジャックが生まれたという事実を併せて考えれば、それは想像に難くない。 何せ、自分達のような不幸が生まれることが減るのだから。 助けを差し伸べられ、それで救われた人間が一人でも多かったなら、きっと世界を呪う子供も減っていただろう。 そう考えると、彼女は決してこの人助け自体には決して反対ではなかったのだ。 けれど。 そこには、前提がある。 「もう少しで己らも救われる」という、そんな前提が。 聖杯を手にして、もう一度真の意味で産まれ直す。 それが成就するならば、確かにそう、これから生まれるかもしれない自分達は人助けによって生まれることはなくなる。 だが、そもそもマスターが聖杯を手にしないなら。この人助けはただの偽善に成り下がり、行為の意味は前提から瓦解する。 彼女もまた、生きているものを救う、というだけで。 歴史の廃棄物たる、産まれてすらいない自分達を助けてくれるということは、ないのか。 それは怒りではなく、恐れ。 また、自分は胎内に帰る事が出来ずに死んでいくのか。 そんな恐れを、ジャックは抱いていた。 それでも。 召喚に応じ、そしてこれまでの日々で、アサシンも己のマスターが抱えているものには気付いていた。 そして、それがあるのならば、彼女は絶対にわたしたちを助けてくれると信じていた。 けれど。 それは、間違いだったのか。 アサシンが垣間見た室田つばめは、偽りだったのか。 今はただ、それをアサシンは聞きたかった。 「おかあさんも、わたしたちをすてるの?」 「──────────」 何も、言い返せなかった。 ただ虚ろな瞳で此方を見つめる己のサーヴァントに、トップスピードはただの一言も返すことが出来なかった。 ──室田つばめ、或いは魔法少女『トップスピード』。 彼女は、厳密には一度死んでいる。 相棒と共に町を壊す悪党と対峙し、そしてそれを勝利という形で終えた後、突如胸の中央で冷たい感覚がした。 何かの刃が己の胸を貫いたのだ、と気付いて、次に、ああ、助からないな、と悟った。 人間、どうしようもないと理解した瞬間には、案外死ぬまでは早いらしい。 最期の最期に思い浮かべたのは、家で帰りを待つ主人の顔だった。 そうして、そのまま、室田つばめは死ぬはずだった。 だが。 その最期の視界の中に、白いトランプがうっすらと映ったかと思うと──気付けば、自分はこの東京にいた。 自分は死んでいなければおかしい、という実感は、瞬間的に記憶を取り戻すには十分なトリガー。 それから、聖杯戦争、そしてサーヴァントの事実を知り。 知ってなお、彼女の心中を過っていたのは喜びだった。 ──良かった。 ──まだ、自分は死んでいない。 ──なら、自分は。 『この子を、産める』 その事実は、死と同時に全てを諦めていた彼女にとっては何処までも朗報だった。 ──その時は。 間違いに気付いたのは、この地でも魔法少女としての人助けをしようと自然に身体が動きかけた時。 ジャックがその時、彼女へとかけた言葉。 ─────ころしにいくの? その言葉に、まず内容が飲み込めず少し固まって。 次に、その内容を理解して笑顔で間違いを正そうとして。 そこで漸く、自分が何に巻き込まれたのか、改め理解した。 これは、戦争なのだ。 自分がいたあの魔法少女同士の椅子取りゲームと、決して同じ物ではないのだ。 向こうは、死人が出なかった場合──本来は出ないはずのものだが、いつのまにか最初からそうだったようにすら感じられた──は、マジカルキャンディーの量で脱落者が決まった。 だから、マジカルキャンディーを集める人助けは、「生き残る為に必要なこと」だった。……そうやって、自分を納得させた。 だから、徹頭徹尾彼女は人助けに専念した。 けれど、今回のこれにそんな逃げ道は存在しない。 もし自分が最後まで戦闘から逃げようとしたとしても、自分を除いた最後の二組が同士討ちするというほぼ有り得ない状況にならない限りは戦いは避けることは出来ない。 いつかどこか。どれだけ逃避を続けたとしても、戦わなければならない時は絶対にやってくる。 ……少なくとも。 そんな前提条件のある、この場所での人助けは。本当に、どこまでも気休めでしかない行為だというのは、確かだった。 ──それでも、道が無いわけでは無かったのかもしれない。 聖杯に頼らずにこの世界から抜け出す道を探るという手段も、もしかしたらあったかもしれない。 けれど、その選択肢は既に縛られている。 その理由は、他でもなくアサシンだった。 彼女もまた、願いの為に聖杯を求めている。 その願いとは、胎内回帰。 ついぞ産まれることが出来なかった彼女、或いは彼女たちにとって、願うことはたった一つ。 「この世に生を受ける」という、ただそれだけ。 怨霊の願いでしかない、たったそれだけの願いは。 けれど、彼女にとっては、その願いは。 ──「本来産まれるべきだった命を」「己の命と諸共に永遠に失わせてしまった」彼女にとっては。 その願いは胸に突き刺さるものだった。 わかっている。 わかっているのだ。 聖杯戦争に乗りたいと思っているという、そんな自分の気持ちは。 けれど、それを妨げるのは、輝かしい「魔法少女」としての自分。 あの時、相棒と共に胸を張って空を駆けた記憶。 希望を信じた魔法少女としての自分が、どうしてもそこで二の足を踏ませる── 「─────俺は、俺は─────!!!」 けれど。 答えを返す前に、それはやってきた。 最初に訪れたのは、衝撃だった。 ごう、と響き渡った激震に、辛うじて魔法少女の身体能力で踏み止まる。 次いで第二撃。今度はより直接的な、暴力の具現が振るう一振りの槌。 飛び去る事で助かったのは、魔法少女であったからだろう──常人では、そのまま潰されていたに違いない。 『──サーヴァント』 念話を通じて、アサシンの声が伝わってくる。 敵サーヴァントが現れると同時に、アサシンたる彼女は気配遮断と霊体化を発動していた。 敵のクラスが何であれ、アサシンというクラスそのものが敵に対し真っ向から立ち向かっていくクラスではない。 そういう点では、それは非常に正しい選択だっただろう。 現れた英霊を、トップスピードは改めて確認する。 握るは鉄槌。鋼鉄の鎧に身を包み、そしてその顔には正気とは思えぬ形相が張り付いている。 その表情、まさに狂気。見るものの精神すら蝕みそうなそんな風貌をしているとすれば、それは── 「──バー、サー、カー……!!」 物陰から、その声と同時に人影が現れる。 年若い、高校生くらいの少女。整っていれば美しいだろう黒髪や、元は可憐と呼ばれるに相応しかったのであろう風貌ではあるが、しかし窶れている今となっては見る影もない。 重い魔力消費のせいなのだろう、息も絶え絶えといったような少女だが──それでも、此方を睨む眼に宿る殺意はぎらついた光を放ち続けている。 「……行きな、さい……!貴方の全力で、あのマスターを殺しなさい……!!」 絞り出すようなその叫びに、しかしバーサーカーは咆哮を以て応と答える。 狂戦士が飛び出さんとするのを見て、トップスピードも咄嗟に箒に跨がり地を蹴る。 途端に、箒が超加速せんと唸りを上げる。 如何にサーヴァントであろうと、敏捷のランクが高くない限りはラピッドスワローには追い付けまい。 ──逃げられる。 なんとかそう算段を立て、いざ飛び立たんとして。 (──おかあさんも、わたしたちを──) 止まる。 疾風の如く飛び去ろうとした箒が、加速することなく唸りだけを漏らす。 先の言葉が、逃げようとした己の足を縫い止める。 刹那の迷いが、彼女の行動を遅らせて。 そして、その一瞬の迷いは、サーヴァントを相手取る上ではあまりに致命的。 風圧すら置き去りにした殺意が、すぐそこに迫るのが感じられて。 はたと振り向けば──すぐそこに、バーサーカーの鈍器が見えた。 人間の血を喰らうが如く浴びてきたのであろう鉄槌が、今まさにその犠牲者の一人として己を数えようと迫り。 そうして、思わずトップスピードは目を瞑った。 ──ああ、また、死ぬのか。 自分は何も出来ず、此処で。 …そうだ。 そもそも、自分が生きられるような道理ではなかったのだ。 「──『遊びを理由にするなんて、馬鹿のする事だ』、か」 愛する男が言っていた事を、漸く理解する。 馬鹿は死ななければ治らない、なんて言うけれど──ほぼ一度死んだと言っても差し支えない己が今になって理解出来たということは、案外その諺も間違っていなかったのかもしれない。 己の生を実感する為に、遊んで生きてきた。 遊ぶということは生き甲斐だと、そう言って日々を過ごしてきた。 それ自体を間違っていたことだとは、彼女は思わない。 きっと、もっと平凡な毎日を送れるような。そんな運命であったなら、やはりずっと自分は同じことを言い続けていただろう。 子供と共に遊んで、旦那に呆れられたり、なんてそんな何気ない日常を、きっと送っていただろう。 けれど──今。 今、自分がそうやって生きて、その結果として、一つの命を殺すなら。 自分の為の遊びというそれだけの為に、生まれるべき生命を見捨てるというのなら。 結局のところ、それはあの『システム』と自分が何ら変わらない事を意味する。 ──いや、そもそも。 そもそも、此処に、遊びは無い。 此処は地獄。戦争という名の地獄。 生きる為に生を踏み躙り。 願う為に願いを轢き潰し。 幸福の為に不幸を散蒔く。 故に、『魔法少女トップスピード』は此処では生きられない。 生き甲斐を失くした少女の末路は、夢など有り得ぬ汚泥の底の其処。 ─────けれど。 『おかあさん』 ─────ああ、けれど。 『また、わたしをころすの』 ─────それでも、もう、そんなことはしたくない。 『わたしを、うんでくれないの』 ─────お前を道連れにするなんて、そんなことはもうしないから。 「─────安心しろ」 『魔法少女トップスピード』ではない。 ただ一人、『これから産まれてくる命の親』として、ならば。 「─────俺は、絶対にお前を産んでやる」 彼女は、地獄を超えられる。 「─────アアアアアサシイイイイイイインンンン!!!!!!」 絶叫と同時に、彼女は天空へと翔んでいた。 バーサーカーのマスターが驚きながら何かを叫ぼうとしていたが、風に阻まれてただの一言も聞こえることはなく。 そして、トップスピードの加速が追い付く前に迫っており、依然彼女を叩き潰そうとした鈍器は、二筋の銀光に刻まれる。 最高クラスの敏捷を活かして一瞬にしてトップスピードの元へ馳せ参じたアサシンが受け流すと同時に、彼女たちは空へと舞い上がっていた。 天に飛び去った箒は、そのまま百八十度ターンする。 当然だ。逃げる為ではない。 もう、逃げるわけにはいかないのだから。 「アサシン」 「なあに、おかあさん」 けれど、その前に。 彼女はひとつ、聞いておきたいことがあった。 確かめておきたいことが、あった。 「──俺は、『少女(こども)』じゃない、立派な『親(おかあさん)』になれると思うか?」 問いかける。 己は、母に足るものか、と。 ここまで逃げてきた少女が、今更母親となっていいものか、と。 「おかあさんは、わたしたちのおかあさんだよ」 答えは、単純だった。 母となってくれるのならば、それだけでジャック・ザ・リッパーには十分であり。 ならばこそ、母親に合格も失敗もなく。ただの現実として、それは認めるに値した。 トップスピードは振り返る。 そう告げたアサシンの顔を、改めてしっかりと見る。 ──其処に、何ら変化はない。 けれど。 『親』は、其処に面影を見た。 未だ見ぬ『我が子』の面影を、確かに。 「──そうか」 覚悟は決まった。 眼下を見下ろせば、既に裏路地の中に影など見えなくなっていた。 その理由は、ほんの僅かな時間で立ち込めた濃霧のせいだ。 『暗黒霧都』(ザ・ミスト)。二つあるアサシンの宝具、その片割れ。中にいるだけでも魔力の硫酸が猛毒となって牙を剥き、生半可な人間程度なら十分に殺し得る。 だが、相手もサーヴァントとそのマスター。この程度で倒れてくれるとは思わない。 「──行くぜ、アサシン」 「──うん、かいたいするよ」 だから 言葉を交わし、それと同時に再びラピッドスワローが加速する。 進む先は尚も霧が立ち込める裏路地。バーサーカーとそのマスターがいるその場所へ、二人はまっすぐに突っ込んでいく。 ─────此よりは地獄───── 運が良かった、と、トップスピードは思う。 もしもこの時、不確定要素が多かったとするなら、彼女はそれを躊躇ったかもしれない。 躊躇って、その結果、自分が選択するのは遅くなり。 結局、選ぶ暇も無く脱落していたかもしれない。 ─────私達は、炎、雨、力───── けれど、今は違う。 今は「夜」で。 今はアサシンの宝具によって「霧」が出ていて。 ──そして、バーサーカーのマスターは「女」だった。 ならば。 ならば、確実に殺せる。 ─────殺戮を、此処に───── ──覚悟を決めろ。 ──これは、お前が選んだ道だ。 ──後悔する前に、と、お前がお前で選んだ修羅の道だ。 わかってる、と心の声に応える。 もう、この先後戻りは出来ない。 大人になった女が少女に逆戻りできないように、もうこの先彼女が『魔法少女』を名乗ることも。 あの時心を許し合ったあいつと肩を並べることも、最早ない。 「─────それでも、俺は─────」 ──もう、夢みない。 霧の中を、箒が一瞬にして駆け抜ける。 その内の一瞬、サーヴァントが対応する前にマスターと肉薄した刹那。 それで、全ては事足りる。 アサシンの宝具、二つの宝具のうちのもう一つ。 『切り裂きジャック』は──現れる。 「─────解体聖母(マリア・ザ・リッパー)!!!」 ──ナイフが振られる前から、「それ」は始まった。 黒色の怨念が、バーサーカーのマスターへと纏わりつく。 それを振り払おうとするよりも先に、その障気が彼女の臓腑を撫ぜて。 次の瞬間、彼女は『解体』された。 反応する暇なぞ一切与えず。 声を上げることすら許さずに。 ただ─────殺人鬼への恐怖だけを残して、命の灯火が掻き消される。 臓物が溢れ出し、肉が切り分けられ、骨が揃えられ、鮮血が舞い散り。 徹底的に解体された、ただの肉塊だけがそこに残る。 何故──霧が出る晩、女の前に『切り裂きジャック』が現れたから。 どうやって──そこで、漸くナイフが降り下ろされる。 因果の逆転。 ジャック・ザ・リッパーに牙を剥かれた誰もが死に絶えた逸話、その再現はこうして行われ。 完全なる解体(さつじん)が、此処に成る。 魔力源を失ったバーサーカーはしばらく暴れようとしていたが、魔力の消費が追い付かず、数分もすれば消滅した。 安全が確保された、と認識した後、トップスピードは改めて路地に降り立った。 既に霧は晴れ、そこにある惨劇の様はありありと見ることが出来た。 撒き散らされた臓物。 両側の壁にまで飛び散った血痕。 美しいほどに切り揃えられた人体。 それも、己がアサシンに命じてやらせたことだ。 それらをしっかりとその目に納め──彼女は、改めて理解する。 ──ああ。 ──これからは、俺が地獄を作るのか。 ホワイトチャペルを思い出す。 人の悪意ですらないものによって作られた、紛れもない地獄。 それに対して、眼前の光景はどうか。 人が一人、願いを踏みにじられて死んだ。──自分が、殺した。 少なくとも、これは悪と呼べる所業なのだろうという自覚はある。 己の為に人の命を食い物にする行為を、悪役と呼ばずに何という。 物語の中ならば、それこそ魔法少女のようなヒーローにいつか退治されて然るべき、そんな悪。 だからこそ、人間の悪性によって作られるこの地獄は、同一ではない。 けれど、それでもここは地獄に相違ない。 地獄の釜の入り口を、自分は今踏み越えたのだ。 ──それでいい、と思う。 先に言った通り、この地獄にて『魔法少女(トップスピード)』は生きられない。 そして、生き延びることなく死に堕ちた少女は、それでも地獄から掬い上げたいものがある。 本来此処に来るべきではなかった一つの命を、この地獄からあるべき世界に戻す。 それが、今の彼女が見据える現実。 胸の中には、ただ─────あの時響いた声とそれに裏付けられた決意が、煌々と燃え盛っていた。 「…なあ、アサ──」 なんとなくサーヴァントを呼ぼうとして、ふと思う。 『アサシン』や『ジャック』は、決して彼女の名ではない。 彼女には、未だに──明確な、「彼女」を指す名前はない。 ならば、いっそのこと自分が彼女に命名するのもありか。 そんな思考が、ふと過る。 「いつか、さ」 けれど、結局それはしない。 それはきっと、彼女が名付けられるべき人間の元で産まれたときにされるべきことだ。 それを自分がしてしまうのは、きっと少し違う。 「俺が『お前』を生んだら、その時はちゃんと名前をつけてやるから」 それは、「母親」の顔だった。 子を見守る母親のように、優しい目付きをしていた。 まるで、本物の子を見ているかのように──或いは、彼女を通してそれ見ているかのように。 「だから、今は──アサシン。よろしく頼む」 それを聞いて、アサシンは。 一瞬驚いたような顔をした後、その顔を満面の笑みに染めた。 「うん!」 その顔は、ちょうど。 親に褒められた、得意げな子供のようで。 【クラス】 アサシン 【真名】 ジャック・ザ・リッパー@Fate/Apocrypha 【属性】 混沌・悪 【パラメーター】 筋力:C 耐久:C 敏捷:A 魔力:C 幸運:E 宝具:C 【クラススキル】 気配遮断:A+ サーヴァントとしての気配を断つ、隠密行動に適したスキル。完全に気配を断てば発見することは不可能に近い。 攻撃態勢に移ると気配遮断のランクが大きく落ちてしまうが、この欠点は“霧夜の殺人”スキルによって補われ、完璧な奇襲が可能となる。 【保有スキル】 霧夜の殺人:A 夜のみ無条件で先手を取れる。暗殺者ではなく殺人鬼という特性上、加害者の彼女は被害者の相手に対して常に先手を取れる。 精神汚染:C 精神が錯乱しているため、他の精神干渉系魔術をシャットアウトできる。ただし、同ランクの精神汚染がされていない人物とは意思疎通ができない。 このスキルを所有している人物は、目の前で残虐な行為が行われていても平然としている、もしくは猟奇殺人などの残虐行為を率先して行う。 彼女の場合、マスターが悪の属性を持っていたり、彼女に対して残虐な行為を行うと段階を追って上昇する。魔術の遮断確率は上がるが、ただでさえ破綻している彼女の精神は取り返しの付かないところまで退廃していく。 情報抹消:B 対戦が終了した瞬間に目撃者と対戦相手の記憶から、能力、真名、外見特徴などの情報が消失する。例え戦闘が白昼堂々でも効果は変わらない。これに対抗するには、現場に残った証拠から論理と分析により正体を導きださねばならない。 外科手術:E 血まみれのメスを使用して、マスター及び自己の治療が可能。見た目は保証されないが、とりあえずなんとかなる。 120年前の技術でも、魔力の上乗せで少しはマシ。 【宝具】 『暗黒霧都』(ザ・ミスト) ランク:C 種別:結界宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:50人 産業革命の後の1850年代、ロンドンを襲った膨大な煤煙によって引き起こされた硫酸の霧による大災害を由来とする現象の宝具化。 霧の結界を張る結界宝具。硫酸の霧を半径数メートルに拡散させる。骨董品のようなランタンから発生させるのだが、発生させたスモッグ自体も宝具である。このスモッグには指向性があり、霧の中にいる誰に効果を与え、誰に効果を与えないかは使用者が選択できる。 強酸性のスモッグであり、呼吸するだけで肺を焼き、目を開くだけで眼球を爛れさせる。一般人は時間経過でダメージを負い、数分以内に死亡する。魔術師たちも対抗手段を取らない限り、魔術を行使することも難しい。サーヴァントならばダメージを受けないが、敏捷がワンランク低下する。最大で街一つ包み込めるほどの規模となり、霧によって方向感覚が失われる上に強力な幻惑効果があるため、脱出にはBランク以上の直感、あるいは何らかの魔術行使が必要になる。 『解体聖母』(マリア・ザ・リッパー) ランク:D~B 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:1人 霧の夜に娼婦を惨殺した、正体不明の殺人鬼「ジャック・ザ・リッパー」の逸話を由来とする宝具。 通常はランクDの4本のナイフだが、条件を揃える事で当時ロンドンの貧民街に8万人いたという娼婦達が生活のために切り捨てた子供たちの怨念が上乗せされ、凶悪な効果を発揮する。 条件とは『対象が女性(雌)である』『霧が出ている』『夜である』の三つ。このうち『霧』は自身の宝具『暗黒霧都』で代用する事が可能なため、聖杯戦争における戦いでは1つ目の条件以外は容易に満たすことができる。 これを全て揃った状態で使用すると対象の霊核・心臓を始めとした、生命維持に必要な器官を蘇生すらできない程に破壊した状態で問答無用で体外に弾き出し、血液を喪失させ、結果的に解体された死体にする。“殺人”が最初に到着し、次に“死亡”が続き、最後に“理屈”が大きく遅れて訪れる。 条件が揃っていない場合は単純なダメージを与えるのみだが、条件が一つ揃うごとに威力が跳ね上がっていく。またアサシンを構成する怨霊が等しく持つ胎内回帰願望により、相手が宝具で正体を隠しても性別を看破することが可能で、より正確に使用する事ができる。 この宝具はナイフによる攻撃ではなく、一種の呪いであるため、遠距離でも使用可能。この宝具を防ぐには物理的な防御力ではなく、呪いへの耐性が必要となる。 【weapon】 ナイフ。六本のナイフを腰に装備するほか、太股のポーチに投擲用の黒い医療用ナイフ(スカルペス)などを収納している。 【サーヴァントとしての願い】 おかあさんのおなかのなかに、かえる。 【人物背景】 ジャック・ザ・リッパー。世界中にその名を知られるシリアルキラー。日本ではそのまま「切り裂きジャック」と呼称されることが多い。 五人の女性を殺害しスコットランドヤードの必死の捜査にもかかわらず捕まることもなく姿を消した。 ジャック・ザ・リッパーは金目当てでも体目当てでもなく、「ただ人間の肉体を破壊したかっただけ」としか思えない殺し方をしていた。 アサシンとして召喚された彼女は数万以上の見捨てられた子供たち・ホワイトチャペルで堕胎され生まれることすら拒まれた胎児達の怨念が集合して生まれた怨霊。 この怨霊が母を求め起こした連続殺人事件の犯人として冠された名前が“ジャック・ザ・リッパー”である。 後に犯行が魔性の者によるものと気づいた魔術師によって消滅させられたが、その後も残り続けた噂や伝承により反英雄と化した。 しかし「ジャック・ザ・リッパー」という概念はあらゆる噂と伝聞と推測がない交ぜとなった今、全てが真実で全てが嘘であるために「誰でもあって、誰でもない。誰でもなくて、誰でもある」無限に等しい可能性を組み込まれた存在となっている。 そのため、もはや「彼女たち」が「ジャック・ザ・リッパー」の伝説に取り込まれたのか、伝説を取り込んでしまったのかすら定かではなくジャック・ザ・リッパーの可能性の一つと化している。 また群体で一個体の「ジャック・ザ・リッパー」を形成しているため、一人一人には名前もなく、世界に個体としての存在が認められていない。 「暗殺者」として顕現したジャックは姿も精神も幼い子供のものとなっている。自身をそう名乗っているが、本当に「真犯人」なのかは本人自身にも分からない。 【マスター】 室田つばめ(トップスピード)@魔法少女育成計画 【マスターとしての願い】 我が子に、幸せを。 【weapon】 『ラピッドスワロー』 彼女の魔法『猛スピードで空を飛ぶ魔法の箒を使うよ』によって生み出された魔法の箒。 箒と呼ばれてこそいるが、彼女が全力を出した場合は風防やハンドル、ブースターが現れ、バイクのような形へと変化する。 その性能は非常に高く、最高速度ならばサーヴァントとて容易に追いつくことは出来ない。 【能力・技能】 『魔法少女』 『魔法の国』から与えられた力によって、魔法少女に変身する。 人間とは比べ物にならない身体能力や非常に可憐な容姿を持つ他、その魔法少女一人につき一つ固有の魔法を持つ。彼女にとってのそれは、後述する『猛スピードで空を飛ぶ魔法の箒を使うよ』である。 正確には「身体が魔法少女という生物に変化する」と言った方が正しく、妊娠している彼女も魔法少女に変身している間はどう体を動かそうと影響が無い。 『猛スピードで空を飛ぶ魔法の箒を使うよ』 彼女の固有魔法。文字通りの魔法。 Weapon欄にある箒、『ラピッドスワロー』を作り出し、それに乗って空を駆る。 【人物背景】 彼女はもう、夢と希望を守る『魔法少女』ではなく。 子供を幸せにする、たったひとりの、ありふれた『母親』に過ぎない。
https://w.atwiki.jp/c-atelier/pages/2613.html
実際に読む(リンク) 次話『スレを破壊し、スレを繋げ!』 派生『ダシガライダー Climax form』 概要 特撮ブーム、そしてギルガメ突っ込み化はここから始まった レシピ追加 無 登場キャラ 登場 エンキドゥー ギルガメシユー ルーシィー ダシガライダー ソーリーマン 神父さん ノートン 元ネタ解説 80 エンキドゥー「エイユウ ハ ー ♪タダ ヒトリーデ イイー♪」 『仮面ライダークウガ』OPの2番の歌詞。物語後半から歌詞が2番に切り替わる。 88 ルーシィー「いやあ、今日のショーは大盛り上がりでしたね」 『スーパーロボット大戦K』の悪名高き主人公ミスト・レックスの発言「いやあ、オーバーデビルは強敵でしたね」より。 正直ここで解説するのも胸糞が悪くなるキャラなので、詳細は各自ググって調べてほしい。 90 エンキドゥー「このショーを作ったのは誰だぁぁぁッ!!」 ルーシィーが言ってる通り、海原雄山の「このあらいを作ったのは誰だぁぁぁッ!!」より。 有名すぎてもはや解説は不要であろう。 92 エンキドゥー「明日、もう一度この楽屋に来てください。こんな素人が作ったような特撮よりずっと燃える特撮をご覧に入れますよ」 『山岡が作りなおすガイドライン』より。元のコピペ中では入院している母のために子供が作ったホットケーキにケチをつけている。これはひどい。ちなみに山岡は海原の息子、親が親なら子も子である。 94 「真・スレッドストッパー」 一部の上級削除人にのみ与えられた強力なスレスト権限及びそれによって実行されたスレスト。 近年ではほとんど見かけなくなった。 94 「ksk」 VIP語で「加速」の略。スレの進行を早めるためのレス。安価スレでは余計なトラブルを防ぐために「kskst」(加速下)が推奨される。 このような母音抜きパターンはほかに「kwsk」(詳しく)「ktkr」(キタコレ」等が有名。 なお、VIP以外でもまれに見られる。 96他 「clock up」 『仮面ライダーカブト』という作品の最大の特徴である超高速移動。実質的に時間を止めてるに等しいスピードでの行動で、敵怪人であるワームも使用可能。終盤になるにつれて使用機会は減った。元ネタは石ノ森作品である『サイボーグ009』の加速装置か。 99 エンキドゥー「タキオン粒子」 「タキオン」の本来の意味は常に超光速で動き回ってるとされている物質で、我々の知る物質であるターディオンとは逆に力を失うほど加速する性質をもつとされる。 ここで言われている「タキオン粒子」とは『仮面ライダーカブト』の設定に登場する架空の粒子であり、クロックアップの原動力のほか、必殺技にも応用されている。 99 エンキドゥー「死ぬまで超高速の世界に居る羽目になる」 『仮面ライダーディケイド』のカブトの世界における仮面ライダーカブトであるソウジがなっている状態。 原因はタキオン粒子を飲んだからではなく、クロックアップシステムの暴走が原因である。 100 エンキドゥー「『カブトムシ』『クワガタムシ』『スズメバチ』『サソリ』『トンボ』『バッタ』」 いずれもゼクターのモデルにしてカブトらZECT系ライダーのモチーフとなっている昆虫。左からカブト、ガタック、ザビー、サソード、ドレイク、キック パンチホッパーである。 101 エンキドゥー「タクシー(凸)のタイヤ」 タクシー アイヨー ギャー 110-111 カブトゼクター「one.two.three.Rider Kick」 仮面ライダーシリーズではおなじみの単語だが、カブトのものは接近してきた相手をカウンターの上段回し蹴りで仕留めるという珍しいパターン。 作中のソバット型のものはむしろガタックに近いといえよう。 112 カブトゼクター「Clock Over」 人間にとってクロックアップは負担が大きすぎるため、一定時間でゼクターによって自動解除されるか、装着者自身が主導で解除する。 その際に「Clock Over」と発声される。 118 カブトゼクター「Hyper Clock Up」 中盤から登場したパワーアップアイテム「ハイパーゼクター」によるクロックアップで、光速を突破することにより時間を自由に行き来できるようになる。 てかなんでハイパーじゃないただのゼクターにそんなもんついてんだ!という突っ込みはする前に敗北してしまうとか。 120 どうやらルーシィーはハイパークロックアップによってRecipe 21 173とある教会にて5の38コマ目に飛んでしまったらしい
https://w.atwiki.jp/ltltgtgt/pages/156.html
《オジャマスター》 熱帯において、総ての使用可能オジャマを習得した者に与えられる称号。 AC14以降では総てのオジャマを集めるのに、総てのジョブをマスターすること、総てのアイテムを集めきることが前提条件になるので、実質この称号は「ネット対戦をやりつくした証」ということになる。 何気にグタギト民は熱帯廃人だらけで、中には1000試合以上やっている猛者も多く、結構所持率は高い。