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せっかく学校に来たっていうのに、私は一日授業をサボッてしまった。 人気のない屋上の手すりにもたれて、部活動中の生徒たちを眺める。 遠目にも目立つ濃いピンク色のタンクトップで、長距離走に挑んでいるのは私のお姉ちゃん・・舞美ちゃん。 少し手前では、ちぃが明るい声でキャーキャー騒ぎながら、バドミントンのラケットを振り回している。 花壇の整備をしているのは、環境委員の愛理と茉麻ちゃん。楽しそうにおしゃべりしながら花壇に水を遣っている。 2人の横を自転車に乗った桃ちゃんが突っ切って、なっきぃを筆頭にした風紀委員軍団が「コラー!」とその後ろ姿を追いかけている。 みんな楽しそうだな。2週間も休んでいる間に、私の居場所はなくなってしまったような気がする。 昼休みの屋上。給水塔の影から、桃ちゃんとおしゃべりする千聖の姿をこっそり見守っていた。 久しぶりに見たその顔は前よりも明るくなっている気がした。それは喜ぶべきことなのに、なぜか胸がチクンと痛んだ。 超お嬢様の千聖は、前から何かと学園で浮いている存在だった。何をするにもお取りまきがついてまわって、授業の時は教師ですら千聖には難しい問題を当てないと聞いたことがある。 全く状況は違うけれど、私もまた入学早々から浮きまくっていた。 私はものすごく勉強ができる。あんまり真面目に授業を受けていなくても、横目で黒板を眺めているだけで、学習すべき内容はすいすい頭に入ってくる。 最初は媚びるように私を構っていたクラスメートも、今は私のあまりのそっけなさに辟易して、必要以上には近づいてこなくなった。 私はわかっていた。彼女達は、私と仲良くなりたいんじゃない。 「勉強ができる子がいると便利だから話しかけてみよう。まだ友達いないみたいだし仲間にいれてあげようよ」 そんな風にコソコソ喋っていたのは、バッチリ耳に入っていた。 くだらない。私は別に、1人でも平気なタイプだ。表面的で打算的な人間関係なら、最初から構築しないほうがずっとマシ。 トイレなんか1人で行けばいい。お弁当もさっさと食べて食休みに昼寝でもしていれば、時間はすぐに過ぎる。つまらない人間関係に巻き込まれて、利用されて傷つくのは御免だった。 そんな私のことを、どうして千聖が気にかけたのかはわからない。 仲良くなったきっかけもよく覚えていないくらいだ。多分ホームルームで席が偶然隣だったとか、そういう平凡なものだったと思う。 千聖が有名な会社の重役の娘で、学校にいっぱい寄付金を納めていて、特別な存在であることは知っていた。でもそんなこと、怖いもの知らずの私にとってはどうでもいいことだった。 軽く人間不信気味になっていた私の心に、何の見返りも求めない千聖の笑顔は深く沁みた。 私も千聖も一人ぼっちだったから、普通よりも強く惹かれあったのかもしれない。 授業のあいまの5分休みも、お昼休みも、放課後も、私たちは時間を作って一緒に過ごした。千聖の隣は居心地がいい。 もっとずっと近くにいたい。口には出さなかったけれど、お互いにそう思っているのはわかっていた。 そんなある日、私はクラスメートが学生寮について話しているのを偶然耳にした。 “あの寮に入ると、千聖様とお近づきになれるらしいよ” “でも特別な生徒しか入れないんでしょ?” 「・・・・それ、くわしく聞かせて。」 突然の私の乱入にびっくりしている彼女達から何とか情報を得た私は、即入寮のための試験を受けた。この時ほど自分の学力に感謝したことはない。 もっとも後から千聖に聞いた話によると「舞だったら試験なんて受けなくても、私の希望で入寮できたのに。」ということらしいけど。 とにかく、私は晴れて寮生になることができた。5月の出来事だった。 私が入寮した時点では、まだ寮に住んでいるのは舞美ちゃんと愛理しかいなかった。 うちの学校は特にいなかにあるわけじゃないし、通常は寮生活を送らなければならない理由はないから、閑散としているのは仕方ない。 私は千聖目当てでここに入ったわけだけれど、もちろん2人はそういうわけじゃない。 同学年とはいえ千聖とはクラスの違う愛理も、スポーツ特待生と生徒会で忙しい舞美ちゃんも、まだ千聖と事務的な話しかしたことがないと言っていた。 そこで、私は橋渡し役を買って出て、2人と千聖の交流の場を設けたりした。最初は探り合う感じだった3人は徐々に打ち解けて、千聖は私といる時に見せるような明るい笑顔を、舞美ちゃんたちにも向けるようになった。 6月が終わる頃にはしっかりもののなっきぃと、千聖の推薦(経緯不明)で高等部の有名人・えりかちゃんが入寮して、今のメンバーが揃った。 千聖が私だけの千聖じゃなくなっていくのはちょっとだけ寂しかったけれど、寮生の前でだけは本来の活発な姿を見せる千聖が可愛くてたまらなかった。・・・私の方が年下だけど。 しばらく学校に来なかった間も、私は千聖のことばかり考えていた。新聞部の事件のことも、ちゃんと自分なりに考察してみた。何であんな記事を書かれてしまったのか、私は当事者として、ちゃんと向き合って考えなければいけなかったから。 散々悩みぬいて、私は、私たちの関係を改めるべきなんじゃないかという結論にいたった。 千聖のことは、今でも変わらずに大好きだと思う。でも私が近くにいたら、また同じことが起こってしまうかもしれない。 私達は、あまりにも近くにいすぎたのかもしれない。みっともないぐらい、お互いのことしか見えていなかった。離れてみて改めてそう思う。 でも今は違う。千聖には私以外の寮のみんなもいるし、桃ちゃんやナツヤキさんもいる。“千聖お嬢様”じゃなくて、ちゃんとありのままの千聖を受け止めてくれる人たちがいる。・・・だから、私がいなくても。 ため息を一つつくと、私は屋上を後にした。その足で向かったのは、高等部の校舎。 「えりかちゃん。」 「舞ちゃん!?えー!今日から学校復帰したの?何だー教えてくれればよかったのに!」 夕日が差し掛かる教室で、頬杖をついてボーッとしていたえりかちゃんは、目を丸くして私をまじまじと見た。 「ごめんね、あんまり連絡しなくて。・・・それより、これ。」 「・・・・舞ちゃん・・・」 私が差し出したものを見て、えりかちゃんの顔から微笑みの余韻が消えた。 「こういうの、えりかちゃんに提出すればいいのかな。・・・退寮届。」 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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ep.スペシャル 朗読妖怪ごまだんご襲来 前編 怪談 怖い話 朗読怪談 1.「友人から聞いた話」 2.「霊感の強い女性」 3.「卵の中」 ゲスト ごまだんご 参加メンバー Tomo Kimura K-suke その他 名前 コメント すべてのコメントを見る
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○○は腐がきそうで怖いと言わない 過去に嫌な目にあったせいで「○○は腐がきそうで怖いと言わない」といわないとストレスがたまるのは判ります。 原作がBL以外は腐向け作品などありません。2次創作腐向け好きが作品にたかっていたとしてもその事実は変わりません。 そのままが好きなら黙ってその好きを大事にしましょう。 あなたの大事な時間を好きな事に使えてた時間を荒らしに気をとられる時間がもったいないです。 友人がもし腐向け好きの行為におびえ「○○は腐がきそうで怖い」と悩んでいたら 腐フィルターつけて作品見たら腐ったやつらと一緒ですと教えてあげましょう。作品が腐向けと言われるのに加担したくは ないでしょう?勝手にねつ造して発信してる人が生理的に不快なのは理解できますが「腐アンチの方が怖い」「腐アンチの方が作品を腐った目でみてる」と言われるのは癪に触りませんか? 世のなかには嫌がる人間の反応をみるためにわざと癪にさわる様な事を言う人がいます。そういう人間には何をいっても無駄 ですし、親切に教えてあげる義理はないです。 原作が好きならマナーを守って原作をそのまま楽しみましょう!それ以外は何か起きるまで考えなくてもいいんです。 予期不安症みたいな病気になってしまわないように。 洗脳による腐フィルターを外そう それでもどう頑張っても公式が腐ってみえる 原作関係者の中にもジャンル詐欺をしたいタイプがいるんでしょう。目的が判りませんがもしかしたら腐向け好きのニーズにこたえたのかもしれません。腐向け好きのニーズに答えたらそれはもう「腐向け好きの為の作品」以外の何物でもないのにね。 購買側にも選ぶ権利があります。ここではBL作品以外で原作の中でBL要素だと思われる要素にぶちあたり嫌な思いを しない様に公式がどうも狙っているようだといえる作品を腐媚びメーカーとしてまとめたいと思います。 元ジャンルを安心して楽しめるように行動していきませんか?
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ep.スペシャル 朗読妖怪ごまだんご襲来 後編 怪談 怖い話 朗読怪談 1.「あのトンネル」 2.「体験談 朗読中に」 3.「友人の彼女」 ゲスト ごまだんご 参加メンバー Tomo Kimura K-suke その他 名前 コメント すべてのコメントを見る
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2024年5月25日 出題者:げんげん タイトル:「狭いよ―怖いよー」 【問題】 狭いその職場では、勤務時間中、常に仕事をしている人の方が評価が低い。 一体、なぜ? 【解説】 + ... たこ焼きや回転焼き、今川焼きや大判焼きやベイクドモチョチョなどを販売する店では、 客の目の前で焼いているところも少なくない。 特にその店は狭く、調理スペースの問題上、手際良く早く仕事をした場合は、 焼き上げるための時間の方が長くなるため、仕事ができる人は特に何もする事が無い時間が発生し、 焼き上げるための時間中も目一杯使って仕事をしないといけない人は、効率が悪く仕事ができない人だと評価されるのだ。 配信日に戻る 前の問題 次の問題
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前へ クレープにホットドッグ、綿菓子に焼きそば。 ダイエット中の身にはなかなか厳しい出店たちが、私を誘惑している。 「はー、どうしよっかな・・・」 午前8時半。 クラスの店番の確認が終わってから、私は給水塔によじ登って、桜色のパンフレットをパラパラと眺めた。 学園祭の間中、千聖を独占しようかと思ってたんだけど、さっきあっすーと約束しているのを見たばっかりだから、今日は引き下がっておくことにしましょう。 「でもなぁ・・・舞別にやることないしなぁ」 クラスの出し物といっても、ジューススタンドの会計を1時間程度やるだけだし、他の時間はどうしよう。 寮のみんなはクラスだけじゃなく生徒会や委員会、部活の関係で忙しいだろうし、何かちょっと誘い辛いな・・・。 「あー、何かめんどくさっ」 私は軽く舌打ちして、ゴロンと寝返りを打った。 以前の私だったら、適当に食べ物を調達して、ここで一日ダラダラ過ごすという選択をしていただろう。あるいは、寮に戻っちゃうとか。 でも、私はもう、大好きな人達と過ごすかけがえのない時間を知ってしまった。 友達なんかいらない。一人でも大丈夫だったはずの私は、こんなささいなことに戸惑って、寂しさを憶えるようになってしまった。 「・・・情けないなぁ」 まったく、天才少女の名が泣きますよ。進化したんだか退化したんだか、よくわからない。 手持ち無沙汰になって、ケータイから適当にメルアドをチョイス。 “あ”行の先頭にあったその名前に、“ばーかばーか”ってメールを送信してみる。・・・いいんだもーん、どうせ舞はガキですよっ! そのままダラダラしていると、女の子特有のキャッキャとはしゃぐ声や、吹奏楽部の奏でる音楽が耳に入ってきた。・・・そろそろ、学園祭の開始時間なのかもしれない。 最初ぐらいは教室にいたほうが良かったかな・・・と思ったけど、今更戻るのも何か照れくさい。 クラスの子たちも私のサボり癖はよく知っているだろうから、わざわざ探しに来たりはしないだろう。こういうの、何ていうんだっけ。自業自得、じゃなくて因果応報、じゃなくて・・・。 「もしもし、そこの可愛いお嬢さん」 「うおっ」 いきなり、背中を指でチョンチョンとつつかれた。しかもブラ線を的確に・・・こういうことする℃変態といえば、もう一人しか該当者はいない。 「・・・なんだよっエロ魔人」 「あーあー、そういう言い方はひどいかんな!ていうかさっきのメールなんだよー!いきなりバーカとか言ってさ、ヒドイじゃーん!」 私の体をよっこいしょと転がして、ちゃっかり自分のスペースを作っちゃったのは、言わずもがな。日夜千聖をめぐり、血みどろの戦いを繰り広げている好敵手・栞菜だった。 「舞は縄張りでリラックスしてただけだし。ここ千聖と舞以外立ち入り禁止なんですけどぉ」 ――ええ、言われなくてもよーくわかってます。自分が嬉しそうな顔しちゃってるのは。 「またまたー、私と遊びたかったんでしょ?全力でイこうぜ!女の子は素直が一番だかんな、ジュルリ」 「うっさいな、どこ触ってんだよっこの℃変態め!」 「か・ん・ちゃ・ん!」 金網デスマッチより危険な給水塔キャットファイトに興じる私たちの背後から、いつものキャンキャン声が響いた。 「んもー、一人でいいなんて言うから任せたのに、遊んでる場合じゃないでしょうが!」 わしわしと梯子を上ってきたのは、今日も今日とて風紀委員の腕章がまぶしいなっちゃんだった。 「ちょっとー、舞のテリトリーなのに、みんな勝手に」 「テリトリーって舞ちゃんあのね、ここは学校の設備であって・・・まぁ、とりあえず今はいいケロ。それより、時間がないから簡潔に言うね」 なっちゃんは私たちの腕を引っ張って立たせ、自分も正座になって向き合う。 つられて背筋を伸ばすと、なっちゃんはぷっくりした唇をゆっくり開いた。 「本日より、萩原舞さんを、生徒会補助役員に任命いたします!!」 「・・・は?」 優等生モードで微笑む2人は、「おめでとーう!」とかいって拍手を送ってくる。 「ちょ、ちょっと待ってよ。勝手に決めないでよね。舞毎日結構忙しいんだけど」 慌てて言い返すも、2人は年上っぽく、余裕綽々って感じに笑いかけてくる。 「だって舞ちゃん、委員会も部活も特に何にもしてないでしょ?時間いっぱいあるでしょ?何が忙しいの?」 「・・・べ、勉強?とか」 「いや、してないでしょ」 「えーと・・・読書とか」 「舞ちゃんなら大抵のものは5分あれば読み終わるでしょう」 「・・・だって、そんな急にさぁ」 私ちょっと眉をしかめた。 おっしゃるとおり、別にこれといって多忙なわけではない。むしろ暇人な方だと思う。 でも、私は協調性がないし、束縛されたくないし、自分の行動をきっちり決められるのも苦手だった。そんな私が学園の、しかも最重要機関の生徒会の仕事に携わるなんて、思ってもみないことだった。 「キュフフ、あのね、舞ちゃん。私たちには、舞ちゃんの力が必要なの」 「もうすぐ、舞美ちゃんもえりかちゃんも、佐紀先輩も卒業しちゃうでしょ?3人が安心して巣立っていけるように、いきなり役員とか幹部じゃなくていいから、まずは補佐として手伝いをしてほしいんだ。お願い。」 ――卒業。 心臓がズキンと鳴った。・・・そっか、いなくなっちゃうんだ。お姉ちゃんもえりかちゃんも。 わかっていたつもりだったけど、どこか遠い話のように考えていた。 だけど、生徒会のお仕事を一緒にやっている栞菜やなっちゃんたちにとっては、私よりもずっと身近で深刻な話なのかもしれない。 とりわけ、責任感の強いなっちゃんのことだ。こうして私に頭を下げに来るまでにも、いろんな思いが錯綜していたことだろうと推察できる。 「・・・どうかな?私、舞ちゃんが生徒会に来てくれたら心強いんだけどな」 「ダメ?お願い、舞ちゃん」 2人がかりの説得で、私の心はかなり揺れていた。というか、実際もうほとんど、引き受ける方向に傾いている。 それなのに、素直にウンとうなずけない理由。それは・・・ 「何かさ・・・、栞菜となっちゃんに説得されて就任ってなると、ちょっとカッコ悪くない?あの子何様?とか思われないかな」 口を尖らせてそう言うと、二人はキョトンとした顔をした後、ちょっとイヤーな感じの含み笑いを浮かべた。 「キュフフ、舞ちゃんそういうとこ可愛いよねぇ」 「からかうなよぅ」 「だったらさ、舞ちゃんが立候補したってことにすればいいじゃん?みんな喜ぶよ」 「でも、舞そういうキャラじゃないし」 ――うわ、めんどくせえ・・・。 我ながら困ったちゃんなゴネかただとは思うけど、どうも信頼している&年上という条件が揃っていると、甘えん坊が発動してしまう。 「もー、ま・い・ちゃ・ん!!」 とうとう、焦れた栞菜がガシッと肩を掴んできた。 「あのね、認めたくないけどね、舞ちゃんが生徒会入ったらお嬢様も絶対喜ぶから!」 「いや、それとこれとは話g」 「舞ちゃんはお嬢様の喜ぶ顔を見たくないの?」 「だ、だからぁ」 「見たいか見たくないのかどっち!二択!」 「み、見たい、です」 「なら、生徒会のお手伝いしてくれるよね?ね?はい決定!」 憎たらしいほど満足げな栞菜。 でも、まあ悪い気はしなかった。こんなに全力で、仲間に入れてくれようとするなんて。 「・・・℃変態の癖に、交渉は上手いんだから」 「本当、℃変態でさえなければね・・・。それより、いいの?強引に決めちゃったけど」 さすがに、なっちゃんは投げっぱなしにしないでくれるみたいだ。 「うん、いいよ。さっきは素直になれなかっただけ。でも、あくまでお手伝いなんだからねっ」 「はいはい。とりあえず、みんなのとこ行こう。学園祭開始の合図は、生徒会全員で放送でするの。 もう舞ちゃんは、生徒会の一員だから、居てもらわなきゃ困るんだからね」 さらさらロングの髪をたなびかせながら、なっちゃんは私の少し前をスキップ交じりに歩いていく。 「ん?」 ふと、手が温かい感触に包まれた。 背丈に比べて小さめな、栞菜の手が私と繋がっていた。 「舞ちゃんさ」 いつものふざけた調子じゃないと、ちょっと戸惑う。 栞菜は静かに、私の目を見つめていた。 「な・・・に」 「寮と同じだから。属してる、なんて思わなくていいからね。いつも舞ちゃんが、好きなときに帰れる居場所だって考えてくれれば」 私より身長も低いくせに、お姉ちゃんぽく頭をポンポンなでてくれる。・・こういう時の栞菜って、憎たらしいほど鋭い。心臓がキュッと掴まれるような感覚をごまかして、「・・・栞菜のくせに、心の中覗くのやめてくれる」って毒づいてみせる。 「猫、大好きだからね。舞ちゃんみたいな猫科の生態はよくわかるんだよん」 「何それ。じゃ、犬科のちしゃとのことは諦めてよね」 「それはそれ、これはこれ。お嬢様は奥が深いから一概に犬科とは・・・まあ、それはまた後日。ほら、なっきぃ待たせてるし、行こ」 「はいはい。・・・仕切んなよぅ」 何か、強引に事を進められてしまったけど、心は不思議と軽やかだった。 栞菜に手を引かれていく先には、ほぼいつもどおりの・・・でもちょっとだけ形の違う、新しい私の場所が待っている。 ただそれだけのことに、溢れてしまう笑顔を必死に噛み殺しながら、私は屋上を後にした。 次へ TOP
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252 :名無しさん:2006/01/02(月) 22 19 59 ID OsxQoflE 『(……また、続きを見てしまったら…………)』 「……姉さん? ぼーっとしてるけど、どうかした?」 『えっ? あ、いや、何でもない』 「正月用に、って買い込んだお菓子類余ってるからさ……いる?」 『っ……貴様、正月というのはただでさえカロリーを多く摂ってしまう。それは暗に太れと、私への嫌がらせか?』 「そこまで考えてねぇよ、ただもう寝る前だしついでに」 『どうだかな』 「……でもほら、チョコ好きだろ? いらねっつうんなら、俺貰うけど」 (小さく一つ一つが包装され、袋詰めにされているチョコの袋を見せるタカシ) 「俺も好きだし」 『うっ…………半分だけ、寄越せ』 「ほれみろw だから声掛けてやったんじゃん」 『御託はいいからさっさと袋を取ってくる!』 「パシリかよ!? しゃーねぇな……」 (小さな袋に半分くらいチョコを入れ、持ってきたタカシ) 「ほら、受け取れ!」 『うわっ!』 (袋から飛び散り、尊の部屋に錯乱するチョコ) 『たぁぁぁかぁぁぁしぃぃぃぃぃ…………っ!』 「ごめっ、許せみこねぇ!」 『! 待てっ!!』 「ちょ、早っ!? ごめん、許してって!」 『許さん、今日は私の布団で寝ろ』 「意味わかんねぇし!?」 『大体お前は私の部屋をノックもせずに覗いた。プライバシーの配慮不足もかねて、 貴様に私の言うことを聞かないという選択肢は無い』 「わーったよ、寝りゃいーんだろ……」 (二人で布団に入る) 「(ったく、いっつも殴ってきたりするのに……こういう事してくるからわかんねぇな、この姉は……。 それに、何がどうなったら一緒に寝るんだっつうの。やっぱ意味わかんねぇし)」 (数十分後) 『……タカシ?』 「(まだ起きてたのかよ……まぁいい、寝たふりしてやれ)」 『……(ゆさゆさ)』 「(何だ、これから何すんだ? 狸寝入り狸寝入り……っと)」 『(小声)…………ん。怖い、夢を見たんだ。買い物から帰ってきたら家が燃えてて、私以外の家族は皆中に居た。 少しすると消防車が来たんだけど、柱が脆くなったウチが潰れて…………』 「(おいおい、何のカミングアウト? つかどんな夢見てんだよ、我が家への破壊願望でも募ったか?)」 『潰れたウチはな、どう見ても隙間なんて無かった。私以外、全員死んだ…………そう視覚した瞬間に、目が覚めた』 「(…………)」 『怖くてな、ここが自室のベッドである事をあそこまで安心したのは初めてだった』 「(……なんだろ、気まずい…………)」 『すまんな、私の我侭だ……』 (タカシにそっと抱きつく尊) 「(二度としねぇぞ、ったく……。にしても、あの鬼面オニ姉貴が夢に怖がるね……可愛いもんだ)」 (翌朝) 『いつまで私の布団で寝ているつもりだ貴様はあああぁぁぁぁぁ!?』 「んっがっ!!」 『さっさと起きろ愚弟。もう7時だ』 「まだ休みだろー……自分ので寝かすのが嫌なら、誘わなきゃいいじゃん……」 『黙れ黙れ黙れ!(////』 「怖い夢見たからってなぁ……幾つだよ、みこねぇ」 『は? …………お前、まさか』 「寝るとき言って…………あ」 『寝たふりとはいい度胸だな…………!』 「いやあれは、不可抗力みたいなもんで」 『問答無用おおおおお!!!!!!!』 「木刀は駄目えええぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――げはっ」
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ep.566【人が一番怖い?】ただひたすら人怖を話す回 放送内容 夜の公園での青春 関連エピソード→現在調査中 参加メンバー Tomo K-suke その他 登録されたタグ Instagram Isola K-sukeの怖い体験談「トイレ貸してください」 SNS Tomoの妻 Twitter 『MOTHER2 ギーグの逆襲』 からっぽラジオ ようこそ豊橋へ オートロック コメント募集 ストーカー セーラー服おじさん チャイナドレスおじさん チーク バイロケーション ファミリーマート ホテルアソシア豊橋 ホテルアークリッシュ豊橋 ワイ 下着泥棒 交番 人怖 人怖の街・豊橋 作者の性別不明 侵入者に関する幼少期のTomoの体験談 優里 全身ピンク服のおばさん 加藤エレナ 同級生 同級生の兄 地下アイドル強制わいせつ事件 夜店 女 女装 姉 宮崎県 宿泊学習 小学生 引越 性別不明 探偵会社に勤めているK-sukeの友人 敷金 林家パー子 母 母子家庭 田舎 男 礼金 立ちんぼ 管理会社 精神疾患 誕生日プレゼント 豊橋駅ストリートピアノ 豊橋駅前に出没するピンクチェックのおばさん 賃貸マンション 赤いワンピース 足音 退去費用 鍵 騒音トラブル ⇐PREV NEXT⇒ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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61 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 21 46 56.64 ID qPLw05kfo … アラキレス「あ、ゆ、こー!あ、ゆ、こー♪あらーきれしゅげーんきぃー♪」ヨチヨチシッポフリフリ アラキレス「あーゆくーのーだいーしゅきぃー♪どぉーんどぉーんゆーこーぉー♪」ヨチヨチシッポフリフリ アラキレス「しゃっかみっちぃー♪とーんねゆぅー♪くぅーしゃーあっぱーやー♪≧∀≦」ヨチヨチシッポフリフリ アラキレス「いっぽんばーちにー♪でこーぼこーじゃーいーみーちー♪」ヨチヨチシッポフリフリ アラキレス「くーものーしゅくーぐぅってぇー♪くーだり、み、ちぃー♪なのりゃー!≧∀≦」ヨチヨチシッポフリフリ 私は、アラキレスの首輪に繋がれたリードを持ち、アラキレスと一緒に散歩している。 アラキレス「かいぬししゃーん!あらきれしゅ、おうたちゃーんとうたえたのりゃー!ほめてー!ほめてなのりゃー!≧∀≦」シッポフリフリフリフリフリフリ 私は、アラキレスの頭を撫でる。 アラキレス「のりゃー!かいぬししゃーんしゅきしゅきなのりゃあ!せかいでいーーーっっちばんだいしゅきなのりゃあー♪≧∀≦」スリスリ 私のペットアライちゃん…アラキレス。 アラキレスは、他のアライちゃんとは、明らかに異なる点がある。 何だか分かるだろうか? 62 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 21 47 44.03 ID qPLw05kfo そう。 私のアラキレスは… 世界で一番、可愛いのである。 64 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 21 52 08.83 ID qPLw05kfo …誰がなんと言おうとも、それだけは譲れない。 私とアラキレスは、公園の広場についた。 ちょっと歩くの休憩しようか。 アラキレス「なのりゃー!≧∀≦」シッポフリフリ 私は、アラキレスの首輪のリードを放した…。 そのとき。 アラキレス「わーい!≧∀≦」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ なんと、アラキレスは私に背を向け、広場の真ん中へ勝手にヨチヨチ歩いていくではないか。 脱走だろうか? アラキレス「かいぬししゃーん!こっちおいでなのりゃー!おにごっこなのりゃあー!≧∀≦」ヨチヨチヨチヨチ …なるほど。 アラキレスは、お外で私と遊びたがっているのか。 無理もない。 アラキレスにとって、私との散歩は貴重な時間。 外を歩きまわれる、数少ない時間なのである。 それに加え、アラキレスは最初に飼った時よりずいぶん大きくなった。 育ち盛りの食べ盛り。 日頃ケージの中でなまった体を、動かしたくてしょうがないのであろう。 65 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 21 54 20.51 ID qPLw05kfo アラキレス「かいぬししゃーん!あらきれしゅをちゅかまえゆのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ アラキレスはヨチヨチと走り回っている。 よし、捕まえるか… だが、全力疾走してしまっては、すぐにこのおいかけっこは終わってしまうだろう。 私は、全力を出さずに、適度なスピードでアラキレスを追いかけ回した。 …そのとき。 66 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 21 57 15.65 ID qPLw05kfo 突如、空中から素早い何かが、アラキレスに向かって飛んできた。 アラキレス「う゛ゆぅ!?」 鷲「キュエェーッ!」ガシィィ アラキレス「ぴいぃぃっ!?」グイイ 私は、とっさにアラキレスのリードを握った。 リードはすぐにピンと張られた。 鷲「キュロロロォ!」バサバサバサバサバサバサ アラキレス「ぐ、ぐゆじぃいい!が、がい、ぬじじゃ!ぴ、ぎぃいい!」グググ …なんてこと! 鷲がアラキレスを捕まえ、飛び去ろうとしているではないか! とっさにリードを掴み、綱引きをする私。 67 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22 01 13.56 ID qPLw05kfo アラキレスを離して! その子は食べ物じゃない! 私はパニックになり、無我夢中でアラキレスの首輪に繋がるリードを引っ張った。 鷲「クエエエエ」バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサ だが、鷲も負けじとアラキレスの背中を鷲掴みし、アラキレスを引っ張る。 アラキレス「ぐびゅぎゅぎゅびゅぎゅ!びゅぎぃいいいいいいい!おご、ごぉぉぇえええ!」グググメキメキ あああ!アラキレスの首が絞まっている…! どうしよう、どうしよう…! 私は少しでもアラキレスの首への負担を和らげるために、鷲が飛んでいこうとしている方へ走った。 68 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22 06 15.11 ID qPLw05kfo アラキレス「ぎ…ひいぃ!ぴぎぃいいい!がい…ぬじ…じゃ…!だ…ぢゅげ…でえええ…!じ…に…だぎゅ…ないぃい…!ぴぎゅぅるるるるうぅぅ!」メキメキ 離して!お願い! 早くアラキレスを離して! 私は鷲を追って必死に走り回る。 このままでは、鷲が諦めるより先に… アラキレスが絞殺されてしまう…! ふざけるな… ふざけるな。 お前なんかにやるものか。 アラキレスの命は私のものだ! そして、それを奪う権利も!私だけにある! アラキレスを殺していいのは私だけだ! 横取りされてたまるか!害鳥がぁ! 私は、鷲と戦うことに決めた。 何か、鷲に向かって投げられるものはないか? 辺りを必死に見回した。 野良アライちゃん「うゆ~?なんのあそびなのりゃ?ひとしゃん?いっしょにあそんでなのりゃ」ヨチヨチ …広場で暴れる私の様子を見て、遊んでいるものだと思ったのか。 野良ヨチラーがヨチヨチと這い寄ってきた。 69 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22 10 52.61 ID qPLw05kfo 可愛いねアライちゃん。 おやつあげるからこっちおいで。 野良アライちゃん「おやつなのりゃ?たべゆのりゃ~!≧∀≦」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ 野良アライちゃんが、尻尾を振りながら私の足下へ近寄ってきた。 私は、野良アライちゃんの尻尾を握りしめ、持ち上げた。 野良アライちゃん「ぴ…ぎぃいいいい!いぢゃい、いぢゃいのりゃあ!ひとしゃ、ありゃいしゃんのふわふわちっぽつかむのやめてぇ!。≧Д≦。」ピギィイイイイ そして私は、その尻尾を握ったまま、野良アライちゃんをブンブンと振り回して回転させた。 野良アライちゃん「ふぅうぎゅうぅぅぶぐぎゅぅうう!?はなぢでいっぢゃあああいいいいい!」ブンブンピイイイィィイ 70 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22 14 50.85 ID qPLw05kfo 野良アライちゃん「はなぢでええええ!ごあいいいい!はあああなああぢでええええっ!」ブンブンブンブン 私はハンマー投げの要領で、尻尾からぱっと手を放し、野良アライちゃんを空へ放り投げた。 野良アライちゃん「ふみゅぅううううううう!」ヒューーーンッ 野良アライちゃんは、空中へ… 鷲のほうへ向かって、高々と飛んでいく。 鷲「…!」パッ アラキレス「び…ぎ…」ヒュー… 鷲はアラキレスを離した。 鷲「キュロロロォ」ガシィィ 野良アライちゃん「びぎぃ!?」ガシィィ そして、野良アライちゃんを掴んだ。 鷲「キュララァ」バッサバッサ 野良アライちゃん「ぴぃいいいい!とりしゃ、やべ、は、はなぢで!やな!やなあああああ!」ブランブラン …鷲は野良アライちゃんを掴んで飛んでいき、視界からすぐに消えた。 72 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22 20 03.83 ID qPLw05kfo アラキレス「ぐ…げ…」ヒュゥウウウ アラキレス! 私は、自分のお腹をクッションにして、アラキレスを受け止めた。 アラキレス「ふぎゅぅっ!」ボフン 痛いぃ! お腹の中身、内臓を打ち付けられる激痛が走る。 アラキレス「ひ…ぎ…」ピクピク アラキレスは落下のダメージを受けずに済んだようだ。 私はお腹の激痛に悶え苦しみ、悲鳴をあげながら広場をごろごろと転がり回った。 そして、地面の上に胃液をぶちまけた。 血が混じっていなかったのが幸いだ。 73 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 22 24 01.55 ID dwYS/dnU0 受け止めて結構ダメージ受けてるとは、アラキレスも結構大きくなってるっぽい? 74 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22 26 23.95 ID qPLw05kfo 私がうつ伏せに突っ伏していると… アラキレス「かい…ぬし…しゃ…」ゼェハァ アラキレスが、私に話しかけてきた。 よかった…死んじゃったかと思ってた。 私は、まるでアライちゃんのような無様な四足歩行をして、アラキレスにずるずると這い寄った。 アラキレス「ごめ…ごめんなしゃい…なのりゃ…!あらきれしゅが、かいぬししゃんから、はなれたせいで…!」ブルブルウルウル アラキレスは涙を流し、泣いていた。 首を手で押さえている。きっと痛いのだろう。 アラキレス「ごめんな…しゃいぃ…!かいぬし…しゃん…!しなないで…しなないでえぇっ…!」ヒグッグスッ 私は、なにも言わずアラキレスを抱き締めた。 アラキレス「がいぬししゃんっ…!ありがとぉ…だぢゅげでぐれで…ありがとぉぉっ…!」スリスリ アラキレス。 助かって…よかった。 75 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22 31 26.99 ID qPLw05kfo しかし、アラキレスの身代わりに放り投げた野良アライちゃん。 あれが来てくれて、本当に運が良かった。 もしあの子が来なかったら、アラキレスは今頃、首が締まり窒息死していた。 野良アライちゃんも、役に立つときがあるんだな…。 私は、お腹の痛みが和らぐのを待ってから… 首を辛そうに擦るアラキレスをしっかりと抱き抱えながら家に帰った。 76 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22 39 33.09 ID qPLw05kfo さて。 家に帰った私は、アラキレスの気持ちがまだ落ち着かないうちに… しっかりと、教育を施すことにした。 アラキレス「ひ、ひいぃい…!」ブルブルガクブル 私はアラキレスを膝の上に乗せ、タブレットPCで色々な動物のことを検索し、その写真をアラキレスへ見せた。 …これがさっき、アラキレスを捕まえた大きな肉食の鳥。『鷲』だよ。 アラキレス「ぴっ…ぴいぃいいいいいいいいいいいいい!!!」ガクブル アラキレスは先程の体験を思い出して恐怖している。 この『鷲』に、アラキレスみたいな小動物が捕まったらもう逃げられない。 この鋭いクチバシでお腹をつつかれ、内臓を引きずり出されて、生きたまま食べられるんだ。 アラキレス「やなあああああ!やなああああああああああっ!たべられゆのやああなあああああああっ!のぁああああああーーーんっ!のぉおおおおぁああああーーーんっ!」ビエエエエン 77 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22 49 05.91 ID qPLw05kfo 怖い生き物はこれだけじゃないよ。 こっちの写真はね…『熊』っていうの。 アラキレス「く、くま?」ブルブル そう、熊。 こいつは森の中に住んでる、凄く強くて大きな肉食獣。 アラキレスみたいなちっちゃい子はもちろん… アラキレスがどんなに大きくなって大人になっても、だこいつに会ったら絶対に食べられちゃうよ。 アラキレス「う、うゆぅ!?」ビクゥ この熊はね、大人のアライさんが大好物なんだよ。 アライさんを見つけると、大喜びで襲いかかって。 鋭い爪と牙でバラバラに引き裂いて!頭から…がぶり!脳みそをすすり食う!! アラキレス「ぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!やなあああああああああ!くまこわいいぃいいいいいーーっ!こあああああいいいいいいーーーーっ!」 ふふふ。 怖がるアラキレスの顔…とってもいい表情だ。 もっと見たくなるね。 私はアラキレスへ、森でヒグマがアライさんを襲って貪り食っている動画を見せた。 アラキレス「ひぃ、ひぃいいいいいいいいい!やなのりゃあああ!かい、かいぬししゃあああんっ!くま、くまこわいいいぃい!びえええええええんっ!」ビエエエエン 78 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22 54 46.45 ID qPLw05kfo まだまだ怖い生き物はいるよ。 こっちはティラノサウルス。 アラキレス「てぃ、てぃら!?なんなのりゃ!?もうやなのりゃあ!」ブルブル これは体の大きさが10メートルもある、すごく大きいトカゲ。 こいつに襲われたら、人間だって食べられちゃう。 アラキレス「ひ…ひとも!?」 こんな風にね。 私は、恐竜が人間を襲って食べる映画のワンシーンを見せた。 アラキレス「ぴ…ぴいいいいぃぃぃぃ!?こんなにおっきいのりゃあ!?びえ…ぴぃいいっ!やなああ!こあいいいーーっ!こああああいいーーーっ!」ビエエエエン でも、こいつは人がたくさんいる所には出てこないから心配しないで。 アラキレス「う、うゆぅぅ…!?」グスグス そう、アラキレスが私に守られている限りは、来ないよ。 もしアラキレスが大人になった後、私のところから自由になろうとして、お家を出ていったら… アラキレスも、さっきの人みたいに、こいつにぱくり。丸かじりだ。 アラキレス「や…やなのりゃ…!がいぬししゃ…!あらきれしゅ…ずっといっしょに…いたいのりゃあ…!」ブルブル ふふ、いい子だ。 79 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 23 07 55.92 ID qPLw05kfo アラキレス。 よく聞いて。 アラキレス「う…うゆ!」 アラキレスはそのうち、大人になる。 大人になったペットアライちゃん達は、みんな『立派』になろうとして… 『独り立ち』しようとする。 そう。 ケージの中にいるのが嫌になって、お家の外へ出たくなる。 自分は何でもできると思い込む。 自分は一番強いと思い込む。 だけど、その大半が、さっきの熊やティラノサウルスに食べられる。 これは、アラキレスよりずっと先に生まれた、たくさんのアライちゃん達の末路だ(嘘だけど)。 よく覚えておいて。いいかな? アラキレス「は、はいなのりゃあ…」ブルブル もしも、アラキレスが、お外で暮らしたくなったら、きちんと私に言って。 熊や恐竜に食べられると知っていても、それでもお外で暮らしたくなったら、必ず私に言って。 怒らないから。 …わかった。 アラキレス「わかったのりゃ…。でも、あらきれしゅは…おそとになんて、ひとりででないのりゃ…!」 アラキレス「さっき、わしにたべられそうになったとき…!ほんとに…ほんとに!こわぐってええぇ!」ヒグッグスッ アラキレス「かいぬししゃんいながったら、あらきれしゅ、たべられでだのりゃあああっ!」グスグス アラキレス「もうやなのりゃああ!おとなになっても、かいぬししゃんといっしょにいゆのりゃあ!くまもてらのしゃうゆしゅもたべられだぐないのりゃあああっ!」ビエエエエン よしよし。 いい子だ。 その気持ち、決して忘れちゃあ駄目だよ。 私はアラキレスを抱き締め、優しく撫でた。 80 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 23 09 37.01 ID qPLw05kfo それからしばらくの間… アラキレスは、散歩に行くことすら怖がるようになった。 ケージの中で、一生懸命、石膏粘土で動物のお人形やアクセサリーを作るのに没頭しているようだ。 どうやら、しっかりと… 『教育』の成果が出たようだ。 いつまでも、一緒にいようね…アラキレス。 81 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 23 10 16.36 ID qPLw05kfo 続く 82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 23 16 17.14 ID dwYS/dnU0 乙ー アラキレスが大きくなってもギャルの前の子みたいにならないといいが 91 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/07/06(金) 23 33 49.09 ID IcLWNDQu0 もうそんなに大きくなったのかぁ~ アライグマの奇妙な生態変化 パート5へ戻る
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地球 地球ヤバイ (Part25, 751) http //trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20071025/1003876/01_px400.jpg これだね 多分第1回? (Part24, 73) http //ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E5%A4%A7%E9%80%B2%E5%8C%96%EF%BD%9E46%E5%84%84%E5%B9%B4%E3%83%BB%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%97%85 適当に検索してみた (Part21, 192) http //solarsystem.nasa.gov/multimedia/gallery/Massive_Impact.jpg 巨大な地球画像 (Part19, 635/ 776) http //agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/latest/globe/8192x8192/vis.jpg 地球に対する影の大きさがデカくて気持ちわろス (Part19, 330) http //www.astroarts.jp/news/2001/06/22eclipsenews5/animation.gif 宇宙系 (Part18, 920) http //www.wallpaper.net.au/wallpaper/space/Earth%201%20-%201024x768.jpg 月と星 (Part17, 82) http //antwrp.gsfc.nasa.gov/apod/image/0004/bluemarble2k_big.jpg どこだ? http //www.hq.nasa.gov/office/pao/History/alsj/a11/as11-44-6550.jpg iss=国際宇宙ステーションから撮ったらしい。縮小版はこちら (Part16, 233) http //apod.nasa.gov/apod/image/0409/ivan_iss_big.jpg 台風16号 (Part11, 913) http //agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/wallpaper/globe/1024x768/latest.jpg _| ̄|○ (Part10, 818) http //pya.cc/pyaimg/pimg.php?imgid=3838 クリックとドラッグで出るのは衛星の軌道 (Part9, 503) http //www.colorado.edu/physics/2000/applets/satellites.html 抜粋 (Part5, 885) http //www.lpi.usra.edu/images/sclo/sclo_S06.gif http //www.lpi.usra.edu/images/sclo/sclo_S12.gif http //www.lpi.usra.edu/images/sclo/sclo_S20.gif http //www.lpi.usra.edu/images/sclo/sclo_S28.gif http //www.lpi.usra.edu/images/sclo/sclo_S31.gif http //www.lpi.usra.edu/images/sclo/sclo_S33.gif 宇宙から見た地球 (Part5, 261/ Part9, 524) http //nssdc.gsfc.nasa.gov/image/spacecraft/hst_refurb1.jpg なんかから撮影したISSと地球 (Part4, 873) http //antwrp.gsfc.nasa.gov/apod/image/0201/iss_sts108_big.jpg 地球に落ちる月の影 (Part4, 156/ 882 / Part9, 269/ Part11, 958) http //antwrp.gsfc.nasa.gov/apod/image/9908/eclipse99_mir_big.jpg earthlightの別バージョンありますた 日本明るすぎ (Part3, 315) http //home.iae.nl/users/lightnet/creator/EARTHLIGHTS2.JPG 地球 (Part3, 304) http //earthobservatory.nasa.gov/Newsroom/BlueMarble/Images/globe_east_2048.jpg 地球の夜 (※巨大なものが怖い※, 157/ 巨大な物が怖いという, 903/ Part3, 301/ 303/ Part4, 488) http //antwrp.gsfc.nasa.gov/apod/image/0011/earthlights2_dmsp_big.jpg 戻る