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第12-142章.第12-143章.第12-144章. 第12-143章. ユディシュティラは言った、『大いなる叡智の者よ、あらゆる経典に通じている者よ、庇護を切望する庇護者を大切にする者の功徳は何であるか、私に教えてください』。 ビーシュマは言った、『君主よ、庇護を求める者を庇護することの功徳は大きい。バラタ族最高の王よ、あなたはそのような質問をする価値がある。王よ、昔の高貴な心を持った王たち、すなわちシヴィや他の王たちは、庇護者を守ることによって、天上で大きな至福を得たのです。鳩が礼を尽くして庇護者を歓待し、自分の肉を食べさせたと聞いています」。 ユディシュティラは言った、『昔、鳩はどのようにして、庇護する敵に自分の肉を食べさせたのでしょうか?バーラタよ、彼がそのような行為によって勝ち取った結末は何だったのか? ビーシュマは言った、「王よ、聞く者をあらゆる罪から清めるこの素晴らしい物語を聞きなさい。プリター(クンティー)の息子よ、この質問はブリッグの息子にムチュクンダが謙虚に投げかけたものである。謙虚に聞くことを望む彼に、ブリッグの息子は、君主よ、一羽の鳩がどのようにして成功(最高の天の至福を得ること)を勝ち取ったかというこの物語を語った」。 賢者は言った、『強靭な腕を持つ君主よ、徳と利益と快楽に関連する真理に満ちたこの物語を汝に語るので、私の話を聞け。昔、破壊者そのものに似た、邪悪で恐ろしい鳥使いが大森林をさまよっていた。彼はカラスのように黒く、その目は血のような色をしていた。まるで閻魔大王のようだった。足は長く、足は短く、口は大きく、頬は突き出ていた。彼には友人も親戚も近親者もいなかった。彼は非常に残酷な生き方をしたため、皆から見放されていた。実際、邪悪な行いをする人物は、賢明な人々によって遠くから見放されるべきである。他の生き物の命を奪うような残酷で邪悪な心の持ち主は、常に毒蛇のようなもので、すべての生き物にとって悩みの種である。王よ、彼は網を持って森で鳥を殺し、翼のある生き物の肉を売っていました。そのような行いに従って、邪悪な心の哀れな者は、自分の生活の罪深さを理解することなく、長い年月を生きた。長い間、この職業に就いて妻と共に森で遊ぶことに慣れ、運命に惑わされ、他の職業を好むことはなかった。ある日、彼が仕事に夢中になって森をさまよっていると、木々を揺るがし、根こそぎ倒してしまいそうな大嵐が起こった。一瞬のうちに空にはうっそうとした雲が現れ、その中で稲妻が閃光を放ち、商人の舟や船で覆われた海のような様相を呈した。百の犠牲を捧げた者が大量の雨を降らせて雲に入り、一瞬にして大地は水で溢れかえった。雨は滔々と降り注ぎ、鳥人は恐怖のあまり正気を失った。寒さに震え、恐怖で興奮し、彼は森を歩き回った。鳥殺しは(水面下にない)高い場所を見つけることができなかった。森の道はすべて水没していた。雨の勢いのせいで、多くの鳥が命を奪われ、地面に落下した。ライオンやクマ、その他の動物たちは、高い場所を見つけ、横になって休んだ。その恐ろしい嵐とにわか雨のせいで、森の住人たちはみな恐怖に包まれた。恐怖と空腹に苛まれた彼らは、大小の群れをなして森を歩き回った。しかし、猟師は寒さで手足が硬直し、立ち止まることも動くこともできなかった。そんな中、彼は寒さで硬直した雌鳩が地面に横たわっているのを見つけた。罪深い屍人は、自分も同じ苦境にあったが、その鳥を見て、彼女を拾い上げ、かごに入れた。自分自身は苦悩に打ちひしがれていたが、同じ生き物を苦悩に打ちひしがせることを良しとしなかった。実際、この哀れな男は、習慣の強さだけで、そのような時でもその罪を犯していた。そのとき彼は、その森の真ん中で、雲のように青い大木を見た。それは、日陰と隠れ家を求める無数の鳥たちの隠れ家だった。それは、この世の善人のように、創造主がすべての生き物のためにそこに置かれたように思えた。やがて空は晴れ渡り、無数の星がきらめき、百合の花が咲き誇る壮大な湖の様相を呈してきた。満天の星空に目を向けると、寒さに震えながらも鳥は進み始めた。雲ひとつない空を見て、四方に目をやると、もう夜が迫っている。そして、あの木陰で夜を過ごそうと決心した。両手を合わせてその木に頭を下げ、森の君主に向かって言った。この言葉を述べると、彼は葉を敷いて寝床とし、その上に横たわり、石の上に頭を置いた。苦悩に打ちひしがれながらも、その人はすぐに眠りについた。 第12-142章.第12-143章.第12-144章.
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王道・シリアスストーリーのRPG⑧ 【星の封印】 ストーリー(原案) 登場人物主人公 学者 詩人 エルフ 教皇 賢者 粛清部隊 団長 副団長 老信者 腰巾着 紅一点 青二才 設定封印について 『流血の紅』 『哀涙の蒼』 『天牢の白』 修正案教義について エンディングエンディング案① エンディング案② 【星の封印】 ストーリー(原案) 世界最古の大陸が舞台のRPG。 大陸には三つの『封印の地』がある。 紅き溶岩に覆われた『血流の紅』、 濁った海底に沈む『哀涙の蒼』 雷が常に注ぐ『天牢の白』だ。 三つの封印と、その封印を守る三つの神殿。 これらは、かつて戦乱に疲れた大陸諸国をまとめ、 諸侯に代わって大陸を統治することになった エルミナ教会が造ったものだ。 そんな大陸の中心、聖地エル=アルネラへの道中の護衛をして 生計を立てている主人公は、ある日学者の護衛をする。 道中、その学者は色々と各地を旅して得た知識を教えてくれる。 中でも興味深い話は、 「封印の地では、封印内部に取り残されている人がいる」 というものだった。 興味を持った主人公は学者の護衛を果たした後に、 自分の故郷の村に近い『哀涙の蒼』へと赴いた。 確かに中では人が暮らしている形跡がある…。 だが、封印の力で入ることは出来ない。 そもそも封印とは何の封印なのか? そのことについて調べ始めた主人公だが、 程なくして教会から、警告が出される。 封印についてこれ以上調べるようなら処刑される… それほどまでに重大な封印なのか。 好奇心に勝てずに主人公は調査を続行する。 そこへ主人公に近づく謎の詩人。 彼の話によると、どうやら教会は覇権を握るために 対立していた部族を封印したらしい。 詩人と話をしていたところに、教会の粛清部隊が現れる。 どうやら尾行されていたようだ。 真実を隠す教会の態度が気に食わない、 もともと教会が嫌いだった主人公は、 そんな理由で封印を解除することを決意した。 封印の神殿へ赴き、結界を破壊して回る主人公。 『血流の紅』『哀涙の蒼』は解放した。 確かに中には少数民族が暮らしていた。 やはり、封印は教会の私利私欲のためか…。 最後の封印も解除しようとするが、 さすがに教会も守りを固めている。 『天牢の白』に封じられているエルフ族の少女に 抜け道を教えてもらい、神殿中枢まで侵入する一行。 最後の封印の前では粛清部隊の団長がいた。 封印を壊す主人公達に対して、 自殺行為だ…と意味深なことを言い、 まだ間に合うからやめろと説得する団長。 しかし、教会の豚に貸す耳はない!と 団長を切り捨てる主人公。 最後の封印が解き放たれた…。 封印とは、大陸を吹き飛ばす 巨大魔法陣の発動を抑制するものだったのだ。 この魔法陣は、旧教義、 教会の祖、ハトゥラが唱えた 『無を望み、無を受け入れよ』という教えを信じる狂信者が、 『無』を目指して星の中核へ辿り着き、 この星自体を破壊するために、100年前に組まれたもの。 星の中核への蓋をしている この大陸を破壊しようとして 大陸全体に描いた巨大な魔法陣である。 その効力を失わせるために封印はあった。 すなわち、封印がなくなれば 巨大魔法陣は発動してしまうということだ。 しかし、最後の発動の鍵はまだ健在。 聖地エル=アルネラこそが最後の封印神殿だった。 真実を知らされた主人公は 封印を破壊した償いに教皇に協力することにした。 エル=アルネラの封印の間にたどりつく主人公達。 そこで事件は起こる。 なんと、仲間の詩人が突如として教皇を刺したのだ。 さらに、その隙を突いて粛清部隊の副団長が封印を破壊する。 彼らこそが、開祖ハトゥラの思想に感化され、 星の破壊を企む『旧聖典狂信者』だった。 そして、最後の結界が効力を失うことにより、 大陸崩壊の魔法陣が発動した。 大陸は、見るも無残な姿になっていた…。 なんとか生き残った主人公とエルフの少女は、 星を守るために詩人と副団長(+もう一人)を追って星の中核へ。 粛清部隊の最後の一人が、教皇の敵を討つために協力してくれる。 序盤に出逢った学者もなんとか生き延びていた。 彼を仲間に加えて、星の中核へ向かう。 途中で狂信者の一人を倒し、最深部へ辿り着く。 そこで見たのは、 過去の狂信者(魔法陣を敷いた奴ら)の思念に身体を乗っ取られた 二人の「元」信者だった。 ラストバトル。 合体した古代遺念を倒し、星の危機を救う。 俺達の復興はこれからだ! ご愛読ありがとうございました!!みたいな感じでED。 登場人物 主人公 聖地周辺の街道に魔物が出ることに目をつけ、護衛をしている。 無神論者で教会が嫌い。 学者 世界中を旅して、そこで得た知識を本に記している。 星の中枢を見てみたいという好奇心のみで主人公らに同行する。 詩人 教会の裏の顔を主人公に教える。 自由を縛る教会を嫌っているが、聖典を批判すると怒る。 これは聖書の教義を信じているため。 正体は旧聖典を信じる狂信者。 エルフ 18歳程度。 古代の大陸戦争の時に捕虜となったエルフの一族で、 一族の故郷である『天牢の白』へ行くことを夢見ている。 教皇 聖書から民衆支配のために都合の悪い部分を削り、 新しく『新正統聖典』を発した改革派から出た教皇。 彼の行った旧聖典焚書は、多くの旧教義信者に反対された。 賢者 150年間、歴代教皇の右腕となって仕えている老賢者。 教義を受け入れない異民族に対して迫害を行い、 魔法陣だけでなく、ともに異民族をも封印した。 粛清部隊 団長と、その下につく5人の精鋭からなる、教皇直属の軍事組織。 一騎当千の力を持つ。 団長 秩序を守ることが正義だと考えている騎士。 教会の信者ではないが、 大陸を支配する教会の教えこそが正しいのだと信じている。 最後の封印を守って戦死。 副団長 旧聖典の信奉者。 その思想は崇高にして危険。 ハトゥラの教えを信じ込み、『無』をもたらすために暗躍する。 老信者 魔術師としての実力も高く、教会の徒の手本のような厳格な男。 『血流の紅』の封印が破られた責任をとって自害した。 腰巾着 旧聖典を信奉しているという一点が副団長の目に止まり、 粛清部隊に入隊した騎士。 改革派の教皇に従う団長のことはあまり好きではない。 紅一点 ドSな性格で、反逆者とされる主人公達を執拗に追う。 祖父でもある老信者の死を聞き、 動揺したところを『天牢の白』のエルフ族に撃たれ、戦死する。 青二才 理想を追い求め、教会のエリートコースを歩む敬虔な信者。 『哀涙の蒼』を守る神殿の警護も任されていた。 教皇の敵を討つために仲間になる。 設定 封印について 教会は封印の地を『聖域』みたいな扱いにして、 近寄るな、知るな、関わるな、と教えてきた。 もし内部の人と接触されでもしたら、 教会は非人道的なことをしたことがバレて 民衆の支持を失うかもしれないからね。 封印の破壊は世界の崩壊に繋がる!と言ってしまえば、 同時に異民族排除のことも知られてしまう。 だから教会は、選りすぐりの粛清部隊だけで始末をつけようとした。 内部の異民族は集まって小さな集落を形成している。 ゲーム中ではそれぞれ家が5軒ほど。 …だからまぁ、実際は100人ぐらいかな? 面積は琵琶湖一帯、富士山周辺、ぐらいかな。特に設定していない。 封印ってのは要するに、 「魔力を送る管の集合体」である「魔法陣」の上に置いた、 魔力の流れを止める「仕切り」的な物で、 魔力を塞き止めるために魔力の塊を置いてるんだ。 脳梗塞になるときに血管にできるアレみたいな感じ。 で、どうせだからその塊を異民族の居住地に置いちまおうぜ、 みたいな。 『流血の紅』 ドワーフ族を活火山に押し込め、溶岩のドームで覆ったもの。 『哀涙の蒼』 湖の周辺を人魚族ごと水の壁を張って封印したもの。 主人公は水の壁越しに内部を見て、焚き火の跡を発見した。 『天牢の白』 エルフ族を封印した大森林一帯のこと。 境界線は常に雷が降り注いでいる。 修正案 教義について 旧教義を示した教祖は、 「本当に神の愛を謳い、人々に光を示した」存在、 真の預言者でいいと思う。 いきなり教祖が狂信的思想の持ち主だと、どうしようもないしね。 そして、世界を星を滅ぼし、無を目指す狂信者の一団を別に用意する。 ここでポイント。 その狂信者たちは、経典を「都合良く拡大解釈している」か 「読み違えをしている」ことにする。 原文には、そうだな・・・ 「原始に還れ、そこに神の祝福があらん」 とかいう一文があり、本当は 「神の祝福を受けて生まれ落ちたことを再確認し、神の愛に生きなさい」 という意味なんだけど、狂信者たちは「無に還れ」と解釈し、 星を滅ぼそうとしたとか。 経典の一文は適当に考えた物だから、 矛盾があるので、煮詰めてくれ。 エンディング エンディング案① ラストバトル。 合体した古代遺念を倒し、星の危機を救う。 俺達の復興はこれからだ! と意気込む主人公たちの元に、 10歳くらいだろうか?子供の一団が駆け寄ってくる。 よく見ると、旅の途中で知り合った子供たちだった。 優しい笑顔を浮かべながら、抱き寄せようと 両手を広げ迎える主人公たち・・・。 ずぶり 気がつくと、主人公たちに胸にナイフが深々と刺さっていた。 「な・・・何を・・・」 驚きの声を上げる主人公たちを、 見下すような表情で見つめ、子供たちは告げる。 「あなたよりも、殺された何百万、何千万の人たちの命が 軽いとでも思ったの?」 「お父さんもお母さんも、弟も死んだ」 「新しい世界にあなたなんていらない・・・」 主人公は子供たちに唾を吐きかけられながら思った・・・。 「これが罰か・・・」 ・・・ブラックフェードアウト・・・ END エンディング案② 2週目エンディング案。 ラストバトル。 合体した古代遺念を倒し、星の危機を救う。 俺達の復興はこれからだ! と意気込む主人公たちの元に、 10歳くらいだろうか?子供の一団が駆け寄ってくる。 その時、主人公が叫んだ。 「ガキども!俺を殺そうとしているのはわかっているぞ!」 主人公の恫喝に、ビクっと体を硬直させる子供たち。 その隙を見逃さず、主人公は音もなく剣を抜き、胴薙ぎにした。 崩れ落ちる小さな身体・・・。 その手にはナイフ・・・などなく、 花輪と「お兄さんありがとう」と書かれた主人公の似顔絵だった。 「・・・俺はまた間違ってしまったのか・・・」 ・・・ブラックフェードアウト・・・ END
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アークザラッドII part3-94・99 簡潔なまとめ part38-165~206 詳細版 94名無しさん@お腹いっぱい。sage04/01/0319 44ID UHmjX1TW 主人公、エルクは不思議な炎の力を使えるハンター。ただし、記憶を失っており、子供の頃の記憶はない。 エルクはとある依頼をこないしている最中にモンスターを操る力を持った少女、リーザを助ける。リーザはその力のため、 謎の敵に追われ続けているのだ。 謎の敵に狙われるエルクとリーザ。その過程の中でエルクの記憶が戻る。それによると、エルクは不思議な能力を持つ子供達 を強制的に収容するし、研究する施設「白い家」から逃げ出してきたのだ。その際、その施設にいた女の子、ミリルと「助けに行く」 という約束もしていた。 白い家に向かうエルク一行。しかし、白い家の管理者、ガルアーノの汚い策略によってミリルは死亡。エルクも瀕死の重傷を負う。 その際、危機をアーク一行(世間では極悪な指名手配犯で、アーク1の主人公)に助けられる。 再びガルアーノを目指すエルク。アーク一行の助けもあり、これをどうにか倒すことに成功。 ところが、ガルアーノは世界征服を企む闇の集団の一人でしかなかった事が判明。そしてこのままでは世界が闇の集団に支配されて しまう事を知る。 闇の集団を確実に撃退していくエルク一行。最終的には親玉も撃退することにも成功するが、その際に、アークは死んでしまい、 世界も半壊してしまった。 99名無しさん@お腹いっぱい。sage04/01/0323 29ID 3EtOE2xK 97 死んだアークの魂が「まだ終わっていない。これから世界を復興していくのは君たちとその子供たちなんだ。」 など、励ますメッセージを残し、残りのメンバーが 「そうだ。これから俺たちが頑張っていかなくちゃならないんだ!」 とやる気を出して終わりだったはず。 関係ないけどラスボス強すぎ。 165 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 09 55 ID IM/jb0lt0 1.炎の少年 その村には、炎の精霊がいた。そのために、ロマリアの襲撃を受けた。 ロマリアの兵士は、村人を殺し、炎の精霊を奪う。 生き残った、まだ幼い少年が、抵抗しようとして、生まれながらにして持っている炎の力を解き放った。 辺りの物が燃え盛る。だが、抵抗も空しく少年は兵士によって連れて行かれてしまった。 「やめろ!!離してくれ!」 がばっと起き上がる。また昔の夢を見てしまった。彼はエルク。 炎使いと呼ばれている、ちょっとは名の通ったハンターだ。 エルクは外に出て、ハンターズギルドに向かう。ここは、アルディア国のプロディアスという町。 夜中だというのに、臨時の仕事があるという。 アルディア空港でテロ騒ぎが起きているので、それを鎮圧してほしいとのことだ。 早速空港に向かう。犯人が女性を人質に取って立て篭もっている。 エルクの活躍で、人質を助けることが出来たが、犯人は着陸している飛行船内に逃げ込んでしまった。 犯人を追って飛行船内へ。暗闇の中で、何者かの気配がする。 目を凝らすと、白いライオンのようなモンスターがこちらを睨んでいる。 「ダメよ、パンディット!」 女の子の声がした。パンディットというこのモンスターは、女の子の声を聞いておとなしくなった。 「あなた、私を捜しているんじゃないのね?お願い、私をここから逃がして!」 リーザと名乗る女の子はそう言った。そのとき、犯人がやってきた。 犯人はモンスターを呼び出してエルクたちに襲い掛かる。リーザと協力し、犯人を倒した。 「助けてくれ、奴らは、失敗を許さない・・・殺される!!」 犯人は背後から攻撃されて絶命する。犯人の背後に、黒服の男が立っていた。 こいつがリーザを捜している奴らしい。リーザは前に進み出て言う。 「私、そっちに行きます。だって、このままじゃ二人とも・・・」 前にもこんなことがあった。 女の子と一緒に施設から脱出しようとして、捕まりそうになった。 「お願いエルク、あなただけでも逃げて。このままじゃ二人とも・・・」 ハッと我に返る。 「俺を見損なうんじゃないぜ!」 エルクはリーザの手を取って逃げた。だが、リーザは途中で黒服の男に撃たれてしまった。 それでもなんとか逃げおおせた。 166 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 10 33 ID IM/jb0lt0 エルクは、インディゴスという町の、あるアパートの一室にリーザを運び込む。 そこは、昔エルクが世話になったシュウという男の部屋だった。シュウにしばらく置いてくれないかと頼む。 「空港の一件、やはりお前か?」 シュウに聞かれて、エルクは昨夜のことを説明した。 シュウは、リーザをハンター御用達の闇医者に診せるといいと言う。 闇医者は廃墟の町に行ったというので、廃墟の町に行く。医者を見つけるが、男に襲われていた。 「ちょっと待った!そのオヤジに用があるんだ」 男はモンスターに変貌し、エルクに襲い掛かってきたが倒す。医者は驚いている。 「人間をモンスターに変えちまうなんて・・・」 男はどこかで改造を施されたせいで、ああなってしまったらしい。 エルクは医者をインディゴスに連れて行き、リーザを診せる。医者は治療をして帰っていった。 リーザは目を覚まし、昨日のことを話す。 「私、誘拐されて、どこかの研究施設へ送られる途中だったの。 そこには、様々な特別な力を持った子供が沢山いるって言ってたわ。でも、逃げ出して・・・」 リーザにはモンスターと話す能力があるのだ。 「そうだったのか。・・・特別な力を持った子供を集める施設か。 無くしちまった、俺の記憶とも関係あるかも知れない」 エルクは生まれ持った炎の力のため、施設に送られたらしいのだが、 その頃の記憶が無く、何も思い出せないのだった。 そして五年前、砂漠で倒れているところを、シュウに助けられたのだった。 2.蒼き女神 エルクは、また故郷の村が襲われる夢を見た。 「エルク!大丈夫?うなされてたわよ」 リーザに起こされた。 「ああ、何でもない。いつもの夢だ。それより、仕事をして稼がなきゃな。 このままずっと世話になりっぱなしって訳にもいかないし」 リーザはパンディットと共にエルクについていくことになった。 ハンターズギルドに行って、モンスター退治の仕事を受ける。 現場に行ってモンスターを倒すが、無限に涌いてきて切りがない。 「この中にモンスターを操ってるやつがいるはずだ。探せ!」 声と共に、警官隊がやってきた。どうやら、リーザを探しているらしい。 エルクたちは路地裏に逃げたが、このままでは見つかってしまう。 「こっちへ、早く!」 ドアの一つが開いた。エルクたちはそのドアに飛び込んだ。 そこは酒場だった。エルクたちを助けてくれたのは、青いドレスに身を包んだ女性だった。 「あたしは、シャンテ。ここで歌ってるから、もしよかったら見に来て」 警官隊はもう行ってしまったようだ。酒場から出て、シュウのアパートに帰った。 167 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 11 35 ID IM/jb0lt0 次の日からは、シュウもパーティーに加わり、三人でギルドの仕事をこなすことに。 そして、夜。エルクたちは酒場に行ったが、シャンテはいなかった。 マスターから伝言を聞くと、閉店後に来てくれ、ということなので、閉店後に再び酒場に向かう。 それは罠だった。暗がりから出てきたのは怪しい男。 「俺はモンスターの力をこの身に宿した、新しき人類の一人」 そう言う男に、エルクはピンと来たらしい。 「新しき人類?リーザを狙っているのはお前たちだな?シャンテはどこにいる」 「女は我々が預かっている。ボスたちが、お前たちを大層気に入ってな。 どうだ、俺たちの仲間になる気はないか」 「お前のように、化け物になってまで力を手に入れたいとは思わない」 交渉決裂。男と戦って倒す。 「女を返してほしければ、プロディアスの女神の広場に行くことだ。そのときが、お前の最期だ!」 そう言って男は死んだ。 プロディアスに着いたエルクたち。 「ここが俺のアパートだ。近くに小型の飛行船も隠してあるんだ」 エルクは皆を自分の住んでいるアパートへと案内した。そして、飛行船のところへ。 町の西の丘の上に、ヒエンと呼ばれる飛行船が停めてある。そして、これからどうするのか考える。 「女神の広場って言ってたよな。女神像はもうすぐ完成する頃だと思うけど」 広場には人がたくさん集まっていた。完成した女神像の前で、記念式典の最中だった。 偉そうなおっさん・・・ガルアーノというらしいが、そいつが壇上で演説している。 「お集まりの皆さん、この美しい女神像、ロマリアからの友好の証として我がアルディアに贈られたものです。 アルディアの未来は、ロマリアの協力なしにはあり得ない」 エルクたちが広場にやってきたのを見て、ガルアーノはほくそえむ。 「それでは、その美しい姿をお目にかけましょう!」 ガルアーノの言葉と同時に、女神像から光が放たれる。 「何だ、この光は!体の力が抜けていく・・・」 辺りの人々は気絶してしまう。エルクたちも気絶しそうになったが、 そのとき、上空に飛行船がやってきた。飛行船から雷が飛んできて、女神像に落ちた。 乗っている人が魔法でも使ったのだろう。女神像は粉々になった。 気絶から立ち直った人々は完全にパニック状態になっている。 「アークだ!アークが現れたぞ!」 あの飛行船はアーク一味が乗っている、シルバーノアだったのだ。 「あの飛行船、覚えている。俺の、俺の村を襲った・・・」 それはあのとき。エルクの故郷を襲った軍人たちは、炎の精霊をあの飛行船に連れ去った・・・。 「間違いねぇ。あの飛行船に俺の村は・・・許せねぇ!」 エルクは突然走り出し、広場を出て行った。後を追うシュウとリーザ。 エルクは丘の上のヒエンの元に行き、乗り込んで発進させようとする。シュウたちも慌てて乗り込む。 「どうしたんだ、エルク!」 「あの飛行船は俺の村を襲い、みんなを・・・奴らは、この俺が始末する!そいつらが『賞金首アーク』の一味なら、 なお都合がいいぜ」 ヒエンでシルバーノアを追う。だが、シルバーノア程の大型飛行船に、小型飛行船が追いつけるはずはない。 ヒエンはスピードを上げ過ぎて、エンジンから火が出てしまう。そして、墜落した。 168 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 12 54 ID IM/jb0lt0 3.波音の彼方 施設にいた頃のエルク。親友のジーンという男の子と遊んでいる。 「なぁ、エルク、お前、ミリルのことが好きなんだろ?隠したって俺には解るんだよ」 ジーンが突然そんなことを言うのでエルクは焦る。 「で、好きって言ったのかよ?」 「言えないよ、そんな事・・・」 「しょうがねぇなぁ・・・おーい、ミリル!」 煮え切らない態度のエルクを見て、ジーンがミリルを呼んだ。 「どうしたの?二人でこそこそして」 「実は、エルクがさ・・・」 「やめろよ、ジーン!」 エルクはジーンの頭を小突く。ミリルは笑った。 「おかしな二人ね。ふふふ」 エルクは目を覚まして起き上がる。今のは夢・・・いや、失った記憶か。 「気がついたのね。よかった」 墜落したエルクたちを助けてくれたのは、白衣を着た老人だという。 見回してみて、シュウがいないことに気がついたエルク。 「ところでシュウは・・・シュウはどうした?」 「それが・・・私が気がついたときには二人だけで・・・」 言いにくそうに言うリーザ。 とりあえず、二人だけで辺りを散策してみることに。ここはヤゴス島のユドの村というところだ。 そして、さっきまでエルクが寝ていたのは研究所のようだった。 一通り回った後に研究所に戻ると、作業所にヒエンがあった。それを整備してくれているのが、 白衣を着た老人、ヴィルマー博士だ。 「勘違いするなよ。別にお前たちのためにやってるんじゃないわい。まだお前たちを信用したわけではないからの」 博士はそんな事を言う。そのとき、助手の男が飛び込んできた。 博士の孫娘のリアが、遺跡に行ったまま帰って来ないという。エルクたちは様子を見に行くことになった。 封印の遺跡。そこはモンスターが出そうな嫌な空気が漂っている。 降りて行くと、女の子の叫び声が聞こえてきた。駆け寄ってみると、リアがモンスターに囲まれている。 と、壁に埋め込まれたロボットからビームが出て、モンスターを焼き払った。 リアを助けて、研究所に戻る。ヴィルマー博士とリアは抱き合った。 「リア!無事でよかった。わしは、あんたたちの事を誤解しとったようじゃ。すまなかった」 エルクたちに謝る博士。 「私ね、おじいちゃんが見つけたロボットに助けてもらったんだよ」 リアがそう言うのを聞いて博士は驚く。 「あのロボットが動いていたというのか?まだまだ謎が多いのう」 博士は、ヒエンを修理する代わりに、もう一度遺跡に行ってロボットを持ってきてほしいと言った。 もちろん引き受けない手はない。 169 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 14 15 ID IM/jb0lt0 その夜。エルクはまた夢を見た。 謎の黒服の男たちに、施設に連れてこられたときのこと。 「これから、お前はここで暮らすんだ。まあ、せいぜい研究の役に立ってくれよ」 黒服の男たちは去っていった。男の子と女の子が歩み寄ってきた。ジーンとミリルだ。 「何だ、新入りか?」 「ジーンったら、偉そうに!あなた、名前は?」 「・・・エルク」 「いい名前ね。私はミリル。この子はジーンよ。仲良くしましょうね」 「ここは、どこなんだ。何でここにいるんだ?あ、頭が・・・」 突然頭を抱えるエルク。そんなエルクを見てジーンが言う。 「こいつ、まだ薬が残ってるな。ここに来る子は薬を与えられるんだ。そのせいで、昔のことはみんな忘れる」 「でも、大丈夫。記憶なんてなくてもみんな楽しく暮らしているわ。さあ、こっちにいらっしゃい」 エルクはミリルたちについて歩いていく・・・。 翌日。再び封印の遺跡に入るエルクたち。地下二階の、ロボットが埋まっている壁に着いた。 壁からロボットを掘り出そうとするが、壁が固くてびくともしない。武器で切りつけてみても無理だ。 そのとき、ロボットが喋りだした。 「我ノ眠リヲ妨ゲルノハ誰ゾ?我、七勇者ノ護衛ヲ務メシ機神団ノ長『ヂークベック』」 ヂークベックは片言に、自分を助けたければさらに深層にある「パワーユニット」を取って来い、と言う。 遺跡の最深部に来た。突然、モンスターの形の石像が喋りだした。 「我々は、機神の封印を守る者なり」 「俺たちは、その機神の『ヂークベック』を目覚めさせる為にここに来た!」 「汝ら、その最強の機神を使い、何をするつもりだ? かの機神を再び目覚めさせる事はこの我々が許さん!かの機神はこの地で永遠に眠り続けるのだ!!」 封印を守る者は耳を貸そうとしない。 「おねがいです、ヂークベックを動かす為にパワーユニットが必要なんです!」 「ほう、封印されし20のパーツ、パワーユニットを知っているとは・・・。 機神の秘密を知っている以上、汝らをこのまま見過ごすわけにはいかん! グロルガルデ様の命により、汝らの命、貰い受ける」 石像と戦闘になるが、勝つ。奥の壁に埋まっていた、白いパーツを取り出す。これがパワーユニットだ。 ヂークベックが埋まっているところに戻ると、パワーユニットは勝手にヂークベックに吸い込まれていった。 ヂークベックは壁から抜け出た。 「少年よ、ワレとトモに・・・」 二、三歩歩いたかと思うと、ヂークベックは蒸気を吹き上げて動かなくなってしまった。 かなり重いが、なんとか担いで研究所まで運ぶ。 ヴィルマー博士はヂークベックを見て感心している。 「約束通り、飛行船は直してやろう。明日には飛び立てるはずじゃ。今日はもう休んでおくことじゃ」 エルクたちは研究所の二階で休んだ。その夜、エルクはまた夢を見た。 「私たち、実験材料だったのよ。このままじゃ、エルクも、ジーンも、みんなモンスターにされちゃう・・・」 ミリルは悲しそうな顔をしている。 「ミリル、逃げよう。ここを出て助けを呼ぶんだ!・・・誰か来る。あっちだ!」 ミリルの手を取って施設を逃げ出そうとするエルク。 170 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 15 04 ID IM/jb0lt0 真夜中に目を覚ましたエルクは研究所を抜け出して、海岸へ行った。それに気付き、後を追うリーザ。 「どうしたの、眠れないの?」 エルクは答えない。 「ねぇエルク、私の生まれた村の話、聞いてくれる?」 リーザは話し出す。その村はホルンという名前だった。だが、人々は魔女の村と呼んでいる。 村に生まれた女性は、特別な力を持っているという。動物と話せる力。 強い力を持つ女性は、モンスターとも話せるという。リーザにも、その強い力がある。 「何で、俺に話してくれたんだ?」 「貴方を、信じていいと思ったから。モンスターと話が出来ることを知った後でも、 エルクは、私を守ってくれたから」 「・・・プロディアスに来た飛行船は、俺の村を襲ったのと同じだった。 だから、どうしても奴を捕まえたかった。でも、そのせいでシュウは・・・。 俺は、いつも仲間を、信じてくれる仲間を犠牲にしてるんだ。ミリルだって・・・」 エルクがそう言うのを聞いて、リーザは驚く。 「もしかして、記憶が戻ったの?」 「ああ。俺が、仲間を犠牲にしてきた記憶がな」 エルクは、故郷を村を襲った軍人たちに、「白い家」という施設に連れて行かれた。 そこには、特別な力を持った子供たちが集められていた。 何不自由ない生活。だが、日が経つ毎に仲間が減っていく事に気付く。 「ある日、俺たちは見たんだ。仲間だった子供が、実験機器の中でモンスターに変えられていく姿を。 怖くなった俺は、ミリルと一緒に逃げ出した。でも、すぐにバレて、森の中で追い詰められたんだ」 森の中を必死で走るエルクとミリル。ミリルは転んでしまう。 「私はもうだめ・・・。エルク、貴方だけでも逃げて。このままじゃ二人とも捕まっちゃう」 「でも・・・俺は・・・」 エルクはためらっている。追っ手がすぐそこまで迫ってきている。 「早く!私が奴らの注意をひくわ」 「ミリル・・・かならず、必ず助けに行く!」 「エルク、私、待ってるから」 エルクはミリルを置き去りにして、一人で逃げた。 「エルク、大丈夫!その女の子は、貴方が助けに来てくれるのを今でも待ってるわ! シュウだってきっと生きている。それなのに、貴方が挫けてどうするの!そんなの、エルクらしくない」 リーザは落ち込んでいるエルクを励ますように言った。 「ああ、そうだな。ミリルも、シュウも俺が絶対に助ける。絶対に!!」 エルクとリーザが研究所に帰ってきてみると、研究所の中は荒らされていた。 「博士とリアちゃんが心配だわ!」 作業室からリアの声が聞こえてくる。エルクたちは作業室に飛び込んだ。 「おじいちゃんをいじめないで!!」 博士は黒服の男たちに囲まれていた。リーザを捜してる奴と同じ格好。 「捜しましたよ、博士。我々と一緒に来てください」 だが博士は嫌がっている。エルクたちは黒服の男たちと戦って倒す。 171 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 16 04 ID IM/jb0lt0 「じいさん、何故あんたが、奴らに狙われるんだ?」 エルクが問い詰めると、博士は話し出した。 「奴らは、キメラ研究所の連中じゃ。わしは、そこの研究員だったんじゃ」 キメラ研究所とは、人造のモンスターを生み出す研究をしている、ロマリアの特別な機関だ。 研究は成功し、人造モンスターは兵器として使われ、世界を混乱に巻き込んでいった。 そして、研究は次の段階へと進んだ。モンスターと人間を組み合わせて、より強力なモンスターを造ろうとした。 その過程で、特別な能力を持った子供を発見し、「白い家」に集めていた。 集められた子供たちは、様々な実験をさせられた後、最終的にはモンスターとして改造される。 「奴らのやっている事は、人間のすることじゃない。 わしは、孫のリアのためにも、キメラ研究所を逃げ出すことにしたんじゃ」 エルクとリーザは驚く。 「そこだ!俺は昔、そこにいたんだ」 「じゃあ、私の村を襲ったのも・・・?」 エルクは博士に、白い家の場所を聞くが、博士はアルディアにあるというだけで詳しい場所は知らないという。 知っているのは、ロマリア四将軍の一人、ガルアーノという男が、キメラ研究所を仕切っているということだ。 ガルアーノは今、アルディアにいて、マフィアを操っているらしい。 翌日、エルクたちは博士の改造によってパワーアップしたヒエンに乗り込んだ。 「お前さんの運んできたロボットじゃが、その内動くようにするから、後で取りに来て欲しいんじゃ」 「そりゃ構わないけど、どうして?」 「わしは、決めたんじゃ。奴らを倒す発明品を作って、お前たちを助ける・・・ それが、わしにとっての奴らとの戦いなんじゃ」 博士とリアの見送りを受け、ヒエンは飛び立った。 4.再会 アルディアに戻ってきたエルクとリーザ。インディゴスの、シュウのアパートに行ってみる。だが、やはりシュウはいない。 その夜、何者かが部屋に忍び込んできた。 「エルク、驚かさないでよ」 それはシャンテだった。 「大丈夫なんですか?人質にされたんじゃ・・・?」 「人質?冗談じゃないわ。あの後、身を隠していたの。あんたたちを狙ってたのはマフィアだったのよ」 「知ってるさ。ところで、何で戻って来たんだ?」 「あんたたちと連絡を取ろうと思ってね。私、これから仕事なのよ。明日の朝、酒場に来て」 シャンテは帰っていった。腑に落ちない様子のエルク。 翌朝、エルクたちは酒場に行った。 「改めて、久しぶりね。元気そうで何よりだわ」 シャンテが話し掛けてきた。 「まだ隠れていた方が良かったんじゃないのか?」 「そういかない訳があるの。弟がいるの。私にとってたった一人の、血の繋がった人間。 その弟が、面倒な事に巻き込まれちゃってね。私の為にやばい仕事に手を出してね・・・。 それより、昨日の夜の続きを聞かせてよ。何でマフィアの事をあんたが知ってるのか」 「あんたが大変な目に遭ってる間にこっちでは色々とあってね。リーザを狙っている奴らに、 俺も大きな貸しがある事が判った。もう他人事じゃないんだ。シャンテ、ガルアーノに会う方法を教えてくれ。頼む!」 危険だからと、止めようとしたシャンテだが、エルクが必死に頼むのを見て根負けしたようだ。 「わかったわ。何とかしてあげる。ちょっと時間がかかると思うから、明日、また酒場に来て頂戴」 172 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 16 54 ID IM/jb0lt0 シュウのアパートに戻ったエルクたち。深夜、何者かの気配がする。 「リーザ!起きろ!」 窓ガラスを破って男が飛び込んできた。男の右腕は刀のようだった。 「くっくっく。切り裂いてやるよ!」 男は刀と化した右腕を振って襲い掛かってきたが、何とか倒す。 「くそっ、やりやがったな。覚えてやがれ!」 男は窓から去っていった。 「奴もキメラ研究所で作られたモンスターなのか・・・」 翌朝、エルクたちは再び酒場に行く。 「昨日、ここら辺に切り裂き魔が現れたそうね」 そう言うシャンテを、エルクは疑いの眼差しで見る。 「どうしてその事を知ってるんだ?」 シャンテは慌てて取り繕うように言った。 「い、いいじゃない、そんな事。それより、ガルアーノの件だけど、場所は判ったわ。 でも・・・決して歓迎されないわよ」 「構わねぇさ!で、どうすればいいんだ?」 「町の外れに、奴らのアジトがあるの。私がそこまで案内するわ」 シャンテに連れられて、町の外れへ。そこには大きな屋敷が建っている。当然、入り口には見張りもいる。 「私に任せて」 シャンテは一人で見張りの前に進み出ると、何か話している。すると、見張りは引っ込んだ。 屋敷の奥に進んでいく。 「ガルアーノの部屋はこの先よ・・・ダメ、鍵が掛かってるわ」 シャンテをその場に残し、エルクたちは鍵を探すことに。 鍵を入手して戻ってくると、シャンテの姿が見当たらない。エルクは鍵を使って中に入った。 部屋に入ると、そこには黒服の男たちと、昨夜シュウのアパートに来た怪しい男がいた。 男は親しげな口調でエルクに話し掛ける。 「やっと来たか、エルク。随分待ちわびたぜ」 エルクは首を傾げる。 「貴様に会う為にここまで来たわけじゃねぇさ」 「つれねぇセリフだな。おい、俺を忘れちまったのか?俺だよ、ジーンだよ」 エルクの脳裏に思い出が蘇る。 「ジーン、お前、ミリルにまた何か言っただろう!?」 ジーンに怒っているエルク。 「俺なりの優しさだったのにな・・・」 「そういうのを、余計なお世話って言うんだよ」 「お前、あのジーン・・・なのか?」 「まぁな。やっと思い出してくれたか。・・・逃げ出したお前が手に入れられなかったこの力、 思い知るがいい!!昔のよしみだ、楽に殺してやる」 ジーンが襲い掛かってきた。エルクは嫌々ながらジーンを倒す。 ジーンは頭を抱えて苦しみだした。 「ぐっ!ば、馬鹿な!俺が負ける・・・?あ、頭が痛い!」 「ジーン、しっかりしろ、ジーン!」 「エルク、みんな、あそこで待ってたんだぜ。みんな次々に改造されて・・・。 ミリルだけは、俺みたいな目に遭わせるんじゃないぞ・・・」 ジーンは息を引き取った。 173 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 17 39 ID IM/jb0lt0 そこへ、ガルアーノがやってきた。 「ジーンがやられるとはな。お前を『白い家』から逃がしたのがつくづく残念だ。 ご苦労だったな、シャンテ」 ガルアーノの隣にシャンテが立った。 「シャンテ!俺たちを裏切ったのか?」 「シャンテは誰も裏切ってなどおらんよ。何故なら彼女は、私がお前たちに近付けたのだからな」 「ごめんなさい、エルク、リーザ。でも、仕方がなかったの」 そのとき、壁が爆発した。出来た穴からシュウが出てきた。 「やめるんだ、エルク。シャンテはこいつらに利用されているだけだ。弟を人質に取られて・・・。 マフィアとリーザ、そしてシャンテの弟は、『白い家』で繋がっている」 シュウは生きていた。身を隠していろいろと調べていたらしい。 「それで、私の弟は?何処にいるの?」 シャンテがそう言うのを聞いてガルアーノは笑う。 「君の弟は、我々の改造で折角強くなったというのに、アルディア空港で、 馬鹿なハンターのせいで殺されてしまったのだよ」 「いやーっ!!」 取り乱すシャンテ。自分が殺してしまったなんて・・・と、エルクの心に後悔と怒りが湧き上がる。 「許せん、お前だけは許せん!それが人間のする事か!!ふざけやがって!!」 シュウを加えて三人で、ガルアーノとモンスターたちを倒す。 「ガルアーノ、ここまでだな。さあ、『白い家』の場所を教えてもらおうか?」 「ふふふ、お前ら、まだ私がガルアーノ様だと思っているのか?」 そいつはガルアーノの影武者だった。影武者は裏口から逃走した。 そこへ、警官隊が突入してきた。 「アジト内に残っている奴らは、一人残らずひっ捕らえろ!」 警官隊が去っていったあと、残されたエルクたち。エルクはシャンテに頭を下げる。 「知らなかったとはいえ、俺がお前の弟を殺してしまったのは事実だ。俺を殺したいなら殺せばいい。 だが、仲間を助けるまで待って欲しい」 「エルク・・・。私に貴方を責める事は出来ないわ。弟の為に他人を犠牲にした私が。 私は弟の敵を討ちたいの。お願い、一緒に戦わせて」 5.白い家 インディゴスの酒場に戻ってきたエルクたち。 「結局、ガルアーノの野郎には逃げられちまった。だが、やつらの行き先は一つしかない」 「『白い家』・・・ね」 シュウは、「白い家」はサルバ砂漠というところにあるらしいという情報を掴んだという。 とにかく、サルバ砂漠へ行ってみることになった。 ヒエンに乗り込み、砂漠の近くで降りて、砂漠を進んでいく。 「あそこだ、あそこを抜ければ、森に出るはずだ!」 174 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 18 16 ID IM/jb0lt0 砂漠を抜け、森に入る。この森は、「帰らずの森」と呼ばれていて、 一度足を踏み入れると二度と外へは出られないという噂らしい。 迷路のような森を抜け、やっと「白い家」にたどり着いた。だが、見張りがいて近付けそうにない。 エルクは何かを思い出したらしく、裏手に回り、そこにあるマンホールを開けた。 「俺とミリルが脱出するときに使った、地下水道さ」 エルクたちは地下水道を通り、「白い家」の内部に侵入した。 とある部屋に入る。そこは、エルクとミリルが、子供がモンスターに変えられている所を目撃した研究室だった。 「サンプルMの準備が完了しました」 研究員が冷たく言う。サンプルMとは・・・ミリルだった。装置に入れられていたミリルを助け出す。 「エルク?エルクなのね?やっぱり、来てくれたのね。必ず来てくれるって、信じてたの」 ミリルの案内で、他の子供たちがいる、公園に来た。だが、子供たちの様子が変だ。 「諸君、残念だがそこまでだ。よく戻ってきてくれたな、エルク。はっはっはっ!」 ガルアーノの声が聞こえてきた。 「何処だ、ガルアーノ!!何が可笑しい!」 「こういう事だよ。やれ」 子供たちの姿はモンスターに豹変する。エルクたちはモンスターを倒した。 「あんな子供たちまで・・・どこまでも汚い奴だな!!」 「最高の褒め言葉だな。しかし、さすがはエルクだ。その炎の力、欲しくなったぞ!」 エルクとミリルは、床に開いた穴に落されてしまった。 落ちた先は、暗い地下室だった。出口はないらしい。上にも上れない。 「エルク、貴方は甘いわ。貴方は、私を見捨てて逃げたのよ!私は貴方を待っていたの。 私を見捨てた貴方に復讐するために!」 ミリルは水の力を発動させて、エルクに襲い掛かってきた。 防戦一方で、何も出来ないエルク。しばらくすると、突然、ミリルの動きが止まった。 「私には出来ない。エルクを殺すなんて・・・助けて!!」 ミリルは苦しんでいる。エルクはミリルを抱きかかえる。 「エルク、私、自由になりたい」 「大丈夫さ、すぐに自由になれる」 突然、サイレンが鳴り出す。 「侵入者あり!侵入者はアーク!」 白い家が揺れだした。どういう事かと思案するエルク。 そのとき、ミリルが叫んだ。 「エルク、逃げて!!」 何の事か解らないエルクは逃げることなど出来なかった。 一瞬の後、ミリルの身体は粉々に吹き飛んだ。深い傷を負ったエルクは気絶してしまう。 「バーングラウンド!」 地下室に光が差し込んだ。上から降りてくるリーザやシュウ。そして、赤い鉢巻の男・・・アーク。 リーザたちは傷ついたエルクを見て絶句した。 「まだ息はある。だが、このままでは・・・」 シュウはエルクが死んではいないことを確かめる。 揺れがひどくなってきた。このままでは建物が崩壊してしまう。 シルバーノアは高度を下げてきた。シュウはエルクを担ぎ上げる。 「時間がない、さあ、乗り込むんだ、急げ!」 アークはシュウたちに、シルバーノアに乗り込むよう指示する。 175 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 18 55 ID IM/jb0lt0 6.微笑みの聖母 シルバーノアに運び込まれ、寝かされたエルク。側にリーザが付き添っている。 「エルク・・・貴方に死なれたら私・・・」 そこへ頭にターバンを巻いた男、チョンガラがやってきた。 「だいじょうぶじゃ。ククルならきっと助けてくれる。ククルは、ワシらの仲間の聖なる力を持つ少女じゃ」 リーザたちは、チョンガラから、アークたちが何故賞金首として狙われているのかを聞いた。 (詳しくはアークザラッドのページ参照) エルクを助けることにも協力してくれたし、悪人ではない事が解った。 アークは勇者の力、ククルは聖母の力を授かり、アークはシルバーノアで飛び回って 人々を導く使命、ククルはスメリアのトウヴィルという村に残って、闇の力を封じる使命があるそうだ。 シルバーノアに乗っているのは、ロマリアから借りたのを返さずにそのまま使っているからだった。 「ワシらは嵌められたんじゃ。アンデルにな」 アンデルはガルアーノと一緒に、「白い家」にいたらしい。だから、アークたちは「白い家」を襲撃した。 だが、襲撃は失敗に終わったようだ。ガルアーノもアンデルも逃げおおせたに違いない。 「奴らをこのままにはしておけん。何処に行ったか判るか?」 「うーむ。恐らく、ロマリアだろう。キメラ研究所の本部もあそこにあるからな」 シルバーノアは、トウヴィルに着いた。そこの神殿の中にエルクは運び込まれる。 ククルにエルクを診せる。ククルは癒しの術をかけた。 「これで、何とか、命だけは取り留めることが出来ました。 でも、生きてるって事と死なないって事は必ずしも同じ事ではないの。解る? 身体の傷は癒せても、心が生きることを諦めてしまっては、生きている事にはならない」 ククルはそんなことを言う。エルクの心は、生きる事を諦めてしまっている・・・。 エルクはここに置いておいて、リーザが付き添うことになった。 「どうして、彼はあんな大変な状態になったの?」 シュウはククルに、これまでのことを説明する。 「シュウ、貴方がたが相手にしようとしているのは、そんなちっぽけなものじゃない。 これは、この世界の将来を賭けた戦いなの。だから今は・・・」 ククルはシュウを止めようとする。 「俺は俺なりに動くだけだ!」 シュウはどうしても行くという。シャンテもシュウに着いて行くという。 「解りました。貴方がたをパレンシアにお送りしましょう。さあ、目を閉じて」 気が付くと、シュウとシャンテはパレンシアの町の中に立っていた。 スメリアの首都だけあって大きな町だ。ロマリアに行く方法を探すべく、情報収集を始める。 今、パレンシア港にロマリアの戦艦が泊まっているとの事だ。 治安が悪そうな裏通りに行って話を聞くと、酒場に行くといいとのことなので、早速酒場に行く。 酒場にいる自称「何でも屋」の男から話を聞く。 「ロマリアの戦艦に乗り込みたい?そりゃまた大きな仕事だな」 だが何でも屋は引き受けてくれた。 何でも屋の手引きで戦艦内に侵入する。 176 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 20 30 ID IM/jb0lt0 倉庫内にしばらく身を隠すシュウたち。やがて戦艦は離陸した。 ロマリア本国に着くまで隠れていようと思ったが、見つかってしまった。 着陸する前に、格納庫に行って戦闘機を奪って逃げよう、ということに。 格納庫に行ってみて驚く。なんとヒエンが積まれていた。 ヒエンに乗り込むシュウ。エンジンを作動させ、発進しようとする。 シャンテもヒエンに乗り込もうとしたが、兵士がシャンテの足を掴んだ。 必死で振りほどこうともがく。兵士が足を離したとき、シャンテはバランスを崩し、 戦艦から転がり出て海へと落ちて行った。 「ここで、作戦を止めるわけにはいかん。シャンテ・・・済まん」 シュウはヒエンを発進させた。 7.孤独な英雄 「あ、目が覚めたの?」 シャンテは宿屋のベッドで目を覚ます。傍らには少女がいる。 「貴女は?ここは何処?」 「私、エレナ。ここはクレニア島だよ。お姉ちゃんは海岸に流れついてたんだよ。お父さんが運んできたの」 シャンテは起き上がって部屋から出ようとするが、エレナはあらぬ方向を見ている。 「そう言えば、その杖・・・貴女、目が見えないんじゃ?」 「うん、でも音で判るから平気だよ」 シャンテは下に降りて、宿屋の主人に、エレナの父親のことを聞く。 「グルガなら、きっと『鍛錬の岩場』で訓練していると思うよ」 シャンテが鍛錬の岩場に行ってみると、グルガらしき男がモンスターに囲まれていた。 グルガと協力してモンスターを倒す。 「貴方がグルガね。流石、強いわ」 「もう大丈夫なようだな。で、何の用だ?」 「助けてもらったお礼をね。それに、お願いもあって。私、ロマリアに行きたいの」 「武闘大会の間はこの島から出る船はない」 武闘大会は明後日まで続くらしい。グルガは武闘大会の優勝候補なのだそうだ。 「勝たなきゃならんのだ、エレナの為にも。あの子の本当の両親を亡くしたのも、目が見えなくなったのも、 私のせいなのだ。あの子の目が見えないのをいいことに、父親だと偽っている」 宿屋に戻ったシャンテは、主人から話を聞く。 グルガの祖国ブラキアは、以前ニーデルに支配されていた。でも、五年前やっと独立出来た。 エレナは独立戦争に巻き込まれて両親と視力を失った。独立戦争で先頭に立って戦っていたグルガは、 自分で全て背負い込んでいるらしい。 「あんた、いい人みたいだし、あいつの力になってやってくれないか」 翌日。武闘大会の最終トーナメントの初日だ。シャンテはグルガが出る試合を応援するため、控え室へ。 余裕で勝ち抜き、グルガは控え室に戻ってきた。 「優勝候補と言われるだけあって、流石に強いわね。でも、どうしてそんなに勝ちたがっているの?」 「私は罪滅ぼしの為にエレナを育てている。優勝したら、賞金であの子の目を治せるという医者に診せるつもりだ」 だが、目が治ったらグルガが父親ではないことがバレてしまう・・・。 177 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 21 06 ID IM/jb0lt0 次の日。ついに決勝戦だ。シャンテはまた控え室に行った。 危ない場面もあったが、グルガの逆転優勝で大会の幕は閉じた。 「やったわね、おめでとう」 「ああ、これでエレナを医者に診せられる」 「今さら何なんだけど、貴方、本当にそれでいいの?」 「血の繋がらない私たちでは、所詮、本当の家族にはなれないんだ」 二人は宿屋へ帰った。入り口に宿屋の主人が倒れている。 「黒ずくめの男が来て、いきなりエレナちゃんを・・・」 部屋は荒らされていた。手紙が置かれていたので読む。 「可愛い娘の命が惜しくば『無人の館』へ来られたし」 シャンテとグルガは無人の館へ行った。そこには黒服の男が待っていた。 「貴様ら何者だ?何が目的でエレナを攫った?」 「目的はお前よ。その並外れた戦闘能力を我が研究所で利用してやろうという訳だ」 黒服の男がそう言うのでシャンテは驚く。 「キメラ研究所!私はこいつらに弟を殺されたの。それでこいつらのボスを追ってロマリアに行く所なの」 「それなら話は早い。ここでまとめて片を付けてやる」 黒服の男はモンスターに姿を変えて襲い掛かってくるが、倒す。 奥の部屋にはエレナがいた。無事なようだ。エレナを宿屋に連れ帰った。 翌日。シャンテが目を覚ますと、グルガが居ない。外にいるそうだ。 外に佇んでいるグルガに声をかける。 「グルガ、あんたもう・・・」 グルガは宿屋の主人に賞金を渡し、エレナの事を全て頼んだそうだ。 エレナを医者に診せ、残りの金はエレナの生活費に充てる。一生困らないほどの金額だ。 「あんたは、これからどうするの?」 「新しい目的は出来た。お前と一緒さ・・・。キメラ研究所を叩き潰す! なんの罪もない子供を実験材料に使う奴らを放ってはおけない」 「解ったわ。エレナちゃんにお別れは言わないでいいのね?」 「無論だ」 「じゃあ、行きましょう」 178 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 22 04 ID IM/jb0lt0 8.残された勇気 トウヴィルに残り、エルクの看病を続けるリーザ。 「エルク、貴方がこのままじゃ・・・私・・・」 「そうやって、いつまでも誰かに頼って生きていこうというの? 貴女にも、やらなくてはならない事はある筈」 ククルがそう言うので、リーザはハッとする。昔の事を思い出した。 平和なホルンの村にやって来たロマリアの戦艦。兵士たちはリーザの家の中に入る。 リーザを見て兵士は言う。 「おおー、これはすごい。この少女の能力は使えますよ」 「よし、ではその娘を『白い家』に移送する」 兵士は止めようとするリーザの祖父を足蹴にし、リーザを引きずるように連れて行った。 「エルクは、今も自分の罪の意識と必死に戦っているの。貴女も、助けてもらえるまで ただ待つんじゃなくて、自分の弱さと向かい合わなければ」 ククルの言葉に、リーザは旅立つ決意を固める。 「一人で出かけるのも辛いじゃろう。ワシの召喚獣を連れて行かんか?」 チョンガラが壺の中から出したモンスターを数匹借りることにする。 泊まっているシルバーノアの所に向かう。そこには、シルバーノアの乗組員、 チョピンが待っていた。 「ククル様から、お望みの場所にお送りするように言われております。 出発なさいますか、リーザ様」 「ええ。私の生まれた場所、フォーレス国のホルンへ」 フォーレス港に着き、一人で街道を歩いていくと、男の子がモンスターに囲まれている場面に出くわした。 リーザは能力を使い、モンスターを追い払った。 「お姉ちゃん、ありがとう。モンスターが言う事を聞くなんて・・・。 お姉ちゃんはホルンの人なの?」 「そうよ。ほら、ここにいつまでもいると危ないわよ」 リッツと名乗った男の子は手を振って、ラムールの町まで帰っていった。 ホルンまで行く吊り橋の前には巨大な岩があって通れない。仕方なくラムールの町へ行く。 ラムールの町に入ると突然、警官隊に囲まれてしまうリーザ。 「ホルンの村から来た怪しい娘め、我々と一緒に来てもらおう!」 リーザは牢屋に入れられてしまった。 「エルクと出会えて、人を、優しさを信じかけていたのに・・・」 「もう諦めてしまうんかのぅ」 隣の牢屋から、老人と思しき声が聞こえてきた。 「わしは、ゴーゲン。それはそれは、偉い魔法使いじゃ」 彼は賞金首アーク一行の一人だ。 足音が近づいてくる。リッツが鍵を持ってやって来て、リーザとゴーゲンを牢屋から出してくれた。 「フォッフォッフォ、『勇気ある行動は人の心を開く』じゃな」 リッツはリーザに着いて行くと言ったが、危険な目には遭わせられないと、置いて行くことにする。 リーザとゴーゲンはこっそり逃げ、ラムールの町を出た。 リーザは吊り橋の前の岩をゴーゲンに見せる。 「よし、わしに任せるんじゃ。行くぞい!エクスプロージョン!」 ゴーゲンが呪文を唱えると、岩は粉々に砕けた。 179 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 23 11 ID IM/jb0lt0 ホルンに入る。やけに静かだ。それもそのはず、村には人が一人もいない。 リーザの生家にも、祖父はいなかった。 「あのときのままなのね・・・」 懐かしさに、子供の頃のことを思い出すリーザ。 「ねえ、おじいちゃん、私、どうして村から出ちゃいけないの?」 「この村に生まれる女には何故か、不思議な力が宿る。それで、酷い目に遭わされた事があるんだよ。 ・・・魔女狩りということでな」 「そんな!おなじ人間じゃない!どうして・・・」 「リーザ、人間というものはな、決してお互いの事など信じられない、弱くて、恐ろしい生き物なんだ。 だから、気をゆるしてはいけないんだよ」 気が付くと、黒服の男が立っていた。 「村の人たちを何処へ連れて行ったの?」 「研究所だよ、この山の奥のな」 リーザとゴーゲンは研究所に向かう。そこへ、リッツがやってきた。 「リッツ!付いて来ちゃダメだって言ったじゃない」 ここに置いて行くわけにもいかないので、リッツを連れて行くことにする。 研究所内に入り、襲い掛かってきたモンスターを倒し、村人を救出する。 どうやら、全員無事のようだ。 「お、おじいじゃん!」 「リーザ・・・」 祖父との感動の再会にリッツが割り込んできた。 「お姉ちゃん、オレ、ラムールの町の人たちに伝えておくよ。ホルンには魔女なんていない、って」 「ほっほっ、頼もしい味方が出来たじゃないか。人間も捨てたもんじゃなろう、リーザ」 ゴーゲンが笑った。 「・・・はい。リッツ、ありがとう」 「さて、わしはそろそろ行くとするかの。この研究所は支部に過ぎん。本部を潰さん限り、 悲劇がまた起こる」 ゴーゲンは出て行こうとする。 「待ってください。私も行きます、ゴーゲンさん」 「ゴーゲンさん、孫をよろしく頼みます」 ゴーゲンは空間に次元の扉を開く。リーザとゴーゲンはその中に入って行った。 180 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 23 53 ID IM/jb0lt0 9.焔立つ エルクは真っ暗な場所に立っていた。エルクを呼ぶ声がする。 「可哀相に、疲れてしまったんだねぇ」 死んだはずの、エルクの母親だった。 「生きるのなんて、辛い事ばかりだ。こっちへおいで」 父親。 「ようっ、エルク。解っているさ。お前は俺たちを殺した痛みを背負っていける程タフじゃない。 生きるのなんかやめちまえ。楽になるぜ」 ジーン。 「エルク、待っていたわ。ここで、一緒に暮らしましょ。ここはいいわよ、静かで」 ミリル。 「ちくしょう・・・俺は死んじまった方がいいってのか・・・?」 絶望に打ちひしがれるエルク。そのとき、光がさっと刺し込み、彼らの表情は変わる。 「エルク、貴方は間違ってなんかいないわ」 「死んだ人は、そうなる運命を背負って生まれてきたのよ」 「そして、生き続ける者も」 「俺は感謝してるさ。最後に人として死ねて」 「私たちは大丈夫。貴方は真っ直ぐ前を見て」 「じゃあ、私たちは行くわ」 「待ってくれ、みんな!」 エルクの伸ばした手は空を掴む。皆の姿は消えていった。 「負けないで、死んで行った人たちの為にも。生き抜いて、私の為に・・・」 「う、うーん・・・。俺は一体?」 エルクは長い夢から醒めた。起き上がって、奥の部屋に行くと、ククルがいた。 「気が付きましたね、エルク。私はククル。貴方は、深い傷を受けてこのトウヴィルに運ばれて来たのです」 「そうだ、ミリルが俺の腕の中で・・・なんて事を・・・」 「その事については、私も伺いました。でも、今の貴方なら、既に為すべきことは解っていますね。 アークとその仲間たちが・・・」 アークの名前を聞くとエルクの表情は変わる。 「傷付いた貴方をここに運ばせたのは、他でもないアークなのよ。エルク、貴方は勘違いしている」 エルクは賞金首の事など信用出来ないと言う。それに、生まれた村を襲った飛行船と同じものに乗っている。 「何故、貴方の村が襲われたか解っているの?・・・パレンシア城に向かうのです。 そこで貴方の知りたい事への答えが見つかります。町へは私が送りましょう」 パレンシア城へ送られたエルク。だがそこは城址が残っているだけだった。 突然、物音とともに何かが転がってきた。それは太った少年だった。 「いてててて。もー、嫌んなっちゃうなあ」 間抜けな声をたてて起き上がる。 「誰だ?お前」 「僕は、お尋ね者なんだ。しかも、すごい賞金が懸かってる」 彼は、アークの仲間のポコだ。 「冗談じゃない、まだ俺は・・・」 「僕は、探し物をしに、城址の地下に行くんだけど、やっぱり一人じゃ心細くて。 でも、二人なら安心だね。さ、行こう!」 すっかりポコのペースに巻き込まれているエルク。とりあえず、ポコについて行くことにした。 181 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 26 53 ID IM/jb0lt0 城址の地下にある、バイオ研究所跡に着いた。 「えーっと、この辺りが怪しいと思うんだけどなぁ」 ポコは辺りを探し回っている。エルクがカプセルの前を通りかかると、 突然、それは光り出し、炎の精霊が姿を現した。 ”よくぞ来てくれた。我が力を受け継ぎし者よ。我は、炎の精霊。この世界に、 生きる者たち全てに、炎の恵みを与える者。しかし、邪悪なる者により我は連れ去られ、 力を奪われてしまった。エルクよ、お前は、炎を受け継ぎしピュルカの民の、最後の一人” 「邪悪なる者ってのは、誰なんだ?」 ”ロマリア国の大臣、アンデル。しかし、その背後には、この世界を魔の世界に貶めんとする力がある。 エルクよ、今こそ勇者アークを助け、世界を守るのだ” 「それじゃ、俺の村を襲った奴はアークと関係ないってのか?」 ”アークは我を邪悪なる者の手から解放し、その志を示したのだ。 そして地・水・火・風・光の五大精霊より認められ、勇者の力を与えられたのだ” 「じゃあ、俺は今まで・・・」 ”そしてエルクよ、この国、スメリアの精霊を守り続けてきたトウヴィルの民に危険が迫っている。 急がねばならんぞ。エルクよ、過去に縛られて、その力を間違った方向に向けてはならぬぞ。 それが我の望み、死んで行ったピュルカの民の願いだ” エルクの心は決まった。 ポコが隠された通路を見つけ出した。その通路はパレンシアタワーへと続く通路だ。 パレンシアタワーにトウヴィルの人々が捕まっていて、もうすぐ処刑されるのだという。 エルクとポコはパレンシアタワーに入る。 ポコがドジを踏んだりしていろいろと紆余曲折があったが、トウヴィルの住民を逃がす事に成功する。 突然、目の前に次元の扉が開き、男が現れた。 「初めまして・・・かな、炎使い」 「てめえがアンデルか?ちょっと遅かったようだな。村人はもう逃がしたぜ。 「くっくっくっ、別に構いませんよ。そんな些細な事で、優位に立ったとでも思っているのですか」 余裕綽綽のアンデル。 「くっ・・・!アンデル、俺と勝負しろ!」 「こんな所で油を売っていていいのですか?貴方の仲間は、 今頃キメラ研究所で皆殺しにされているかも知れないというのに。 ・・・では、機会があったらまた会いましょう。勇者の子分殿」 アンデルはまた次元の扉を使って逃げてしまった。 住民をトウヴィルに送り届ける。 「本当によくやってくれましたね」 エルクにねぎらいの言葉を掛けるククル。 「俺はあそこに行って一つだけ判ったことがある。俺は今まで自分の過去に引きずられて生きてきた。 しかし、問題なのは過去なんかじゃなかった。これから俺自身がどうするかという事なんだ。 もうミリルやピュルカの民のような犠牲者を出すわけにはいかない。だから、奴らと戦う。 ・・・ククル、俺はすぐにでも、キメラ研究所の本部に行きたいんだ。リーザたちが危ない」 エルクとポコはシルバーノアに乗り込んだ。 182 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 35 27 ID IM/jb0lt0 10.名も無き十字軍 ヒエンに乗り、ロマリアの側の「クズ鉄の町」へとたどり着いたシュウ。 ロマリアに行くための情報を集める。 ロマリアの周囲には堅固な壁が巡らせてある。 入るには、列車に乗るのが良いらしい。空から行こうとすれば撃ち落されるとのことだ。 また、酒場で呑んでいる赤い髪の男に会うように勧められた。 早速、シュウは酒場に行ってみる。言われた通り、赤い髪の男がいる。 アークの仲間の一人、トッシュだ。 「お前、最近いろいろと嗅ぎ回っているそうじゃねぇか。ロマリアに忍び込む? ま、馬鹿な話はやめる事だな」 シュウの言う事を鼻で笑うトッシュ。 「馬鹿な話じゃない!俺は本気で言ってるんだ!・・・俺は、ガルアーノという奴を追って、 ここまで来たんだ。『白い家』という研究所から逃げ延びている筈だ。 何としても奴を仕留めたい!」 「ガルアーノはロマリアの四将軍の一人だ。簡単に倒せる相手じゃねぇぞ」 「だからと言って、逃げる訳にはいかん!」 シュウが必死に言うので、トッシュも考えを改めたようだ。 「仲間に会わせてやる。こっちだ、付いて来な」 トッシュは秘密のスイッチを押して、隠し通路を開いた。 隠し通路の先は、レジスタンスのアジトだった。 レジスタンスの情報では、ガルアーノは今、ロマリア本国内のキメラ研究所にいるとのことだ。 ガルアーノを倒しに行くなら、どうにかして列車を奪ってそれで侵入するのが良いということになった。 シュウとトッシュ、そしてレジスタンスに入りたての少年、ダニーと三人で、 列車の下見に行く事になった。 こっそりと列車に近付くが、ロマリア兵に見つかってしまった。シュウたちはダニーを逃がし、 ロマリア兵を倒す。 だが、それは罠だった。レジスタンスのアジトへと戻るダニーを、兵士は尾行していた。 アジトにいたメンバーは全員やられてしまった。ダニーは大怪我を負ったが、何とか一命を取り留めた。 「二人きりになっちまったな。まぁ、一人になるよりは、ましってとこか」 そう言うトッシュに、シュウは答える。 「俺は、いつも一人だった。親の顔も知らず、友と呼べる仲間も無く、ずっと一人で生きてきた。 ダニーを見ていると、そんな自分を思い出してしまう。あの頃のエルクもそうだった。 だから彼らには、俺のような、辛い思いはさせたくない・・・」 「俺も親の顔を知らねぇんだ。オヤジに拾われなきゃ、こうして生きている事もなかっただろう。 そのオヤジが、俺に教えてくれたぜ。『この世界には、こんな俺たちにしか守れない者が、大勢いいる。 そいつを守っていく為に、お前は生きろ』ってな」 「・・・俺は、不器用な人間だ。やられたら、やり返す、そんな事しか出来ん。だが、 たとえ一人でもやり遂げてみせる」 「お前一人じゃねぇぜ、シュウ。俺がいれば百人力だ」 二人だけになってしまったレジスタンス。作戦を練り直す。二人ではさすがに列車を乗っ取るのは 難しいので、列車を爆破して騒ぎを起こし、その隙にロマリアに入る、という作戦に。 トッシュが陽動して、兵士を引き付けている間に、シュウが列車に爆弾を仕掛ける。 列車は爆発して横転。二人はロマリアに入った。 183 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 37 27 ID IM/jb0lt0 「報告します!イーガを捕まえたという賞金稼ぎが面会を求めています!」 キメラ研究所内にいる、ガルアーノのところへ引きずられてきたイーガという男。 アークの仲間の一人である。 「イーガか、面白い。こいつを牢にぶち込んでおけ」 ガルアーノは賞金稼ぎの男に目を向ける。 「お前、なかなかの腕だな。私の下で働いてみないか」 男はうなずく。 キメラ研究所に侵入するシュウとトッシュ。 時を同じくして、リーザとゴーゲン、シャンテとグルガ、エルクとポコもキメラ研究所に入った。 そして、イーガも、捕まっていた牢屋を抜け出す。総勢九名が顔を合わせた。 「『炎使い』エルク!」 「リーザ・・・です・・・」 「ハンター・・・シュウ」 「『歌姫』シャンテよ」 「ブラキア戦士、グルガ!」 「パレンシア兵士、ポコ!」 「モンジ一家のトッシュたぁ、俺の事だ」 「大魔導士、ゴーゲンじゃ」 「ラマダ僧、イーガ」 自己紹介と挨拶を済ませ、先に進んで行き、ガルアーノがいるであろう部屋にたどり着く。 ガルアーノと賞金稼ぎの男が待っていた。エルクたちは罠にかかり、拘束されてしまう。 だが賞金稼ぎの男は素早く動き、エルクたちの戒めを解く。 驚くガルアーノの前で、男はマントを取る。それはアークだった。 「おしまいだ、ガルアーノ。お前も、この研究所もな」 「既に『殉教者計画』は始まっている。他の将軍たちは動き出しているのだ。この研究所を潰されたところで、我々を止めることなど出来ん」 ガルアーノはモンスターに変貌する。 「どうだ?アーク。これが、最も強く、最も美しい、究極のキメラだ。 私は、人々に、この強く美しい姿を与える、神の仕事を代行していたのだ!」 ガルアーノを倒した後。 「終わったな」 「まだだ、まだ終わっちゃいない。アーク、あんたのやってる事が正しいのかどうか、今の俺には判らねえ。 が、ロマリアのやり方だけは、許せねえ!二度とミリルやジーンのような犠牲者は出させねえ!」 そう言うエルクに、アークは答える。 「エルク、今はその気持ちを大切にするんだ。その気持ちが奴らを倒す力となる。 君たちもまた、精霊の力によって導かれた仲間なのだから」 シルバーノアが泊めてある空港に向かう。 「大変じゃ、グレイシーヌが大ピンチなんじゃ、とにかく、シルバーノアに戻れ!」 チョンガラが慌てた様子でやってきた。一行はシルバーノアの作戦室に集合する。 「ミルマーナがグレイシーヌに侵攻したんじゃ!」 「まずいな・・・グレイシーヌは、イーガのふるさとなんだよ」 ミルマーナをけしかけているのは、ロマリア四将軍の一人、ヤグンという男らしい。 「パレンシアで手に入れた情報なんじゃが、『殉教者計画』というのを実行しているらしい」 殉教者計画というのは、世界中の各地に「殉教者の塔」を造り、何かを復活させようという計画なのだそうだ。 シルバーノアはグレイシーヌに向け飛び立った。 184 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 38 23 ID IM/jb0lt0 11.影に潜む グレイシーヌに着いた一行。急いでラマダ寺に行く。 大僧正と会って話をする。 「イーガ師範、お待ちしておりました」 イーガは師範と呼ばれて僧たちから敬われている。 「ミルマーナの様子は?」 「隣国を攻め落とし、こちらに向かっております。時間の余裕はありません」 「わが国の国王はどうなさっておるのだ」 噂をすれば影。グレイシーヌの王、リュウゲン国王がラマダ寺にやって来た。 「今日は頼みたい事があってきたのだ。・・・グレイシーヌは降伏する事にした」 リュウゲンの発言に驚くイーガ。 「そこでイーガ殿、貴殿に頼みがある。このラマダ寺を解散して欲しいのだ。 ヤグン将軍から降伏の条件として、ラマダ寺の解散と、僧兵の引渡しを命じられておるのだ」 「リュウゲン殿は我々を見捨てると仰るのか?」 「ミルマーナには列車砲がある。あんな物を使われたらこの国はひとたまりもない。 イーガ殿、分かってくれ」 「・・・少しお時間を頂きたい」 そう言ってイーガは部屋を出て行った。 表の方で僧兵が騒いでいる。 「こら、大人しく待っていろ!」 僧兵の制止も聞かず、女性がイーガたちの方へやってきた。 「貴方たちが悪名高きアーク一味ね。私はサニア。占い師よ。 いい情報があるの。その代わり、一つ条件があるの。この寺にある『大経典』を見せてもらいたいの」 それを聞いてイーガは眉をひそめる。 「駄目だ。経典を読む事が出来るのは、ラマダの奥義を極めた者のみ」 「でも、貴方ならその奥義を会得し、経典を読む事ができるはずよ」 「駄目だ!技の封印を解くわけにはいかん!・・・サニア殿、何故経典を読みたいのか教えてくれぬか?」 「大経典にはラマダの全てが書かれていると聞くわ。モンスターと化して貴方たちに倒された、 前大僧正の秘密もね。私は、両親を殺したモンスターを探しているの。 なんとしても、そのモンスターの手掛かりを掴みたいのよ」 サニアの熱心さにイーガの心が動く。 「強い心を持っているな・・・。分かった。まずは大経典を取りにいく。一緒に来てくれ。 お前の情報が必要なのだ」 185 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 39 01 ID IM/jb0lt0 ペイサスという大きな町に行く。王立だという大きな図書館が有名な町だ。 その図書館内に大経典が保管してあるという。図書館に入ると、職員が慌しく走り回っている。 「イーガさん!大変です!大経典が盗まれました!」 今ならそう遠くには逃げられないはず、と、早速犯人を探すことに。 「私が大経典の場所を占ってあげる。・・・見えたわ。スキンヘッドの男が持ってる」 サニアの占い通りに、ペイサス中を駆け回ってスキンヘッドの男を探し、アリバイを確認する。 だが、全員白だった。犯人は既に町の外に逃げたらしい。 犯人を追って町の外へ。そこでは、モンスターと犯人が話していた。 犯人はモンスターに経典を渡すと、モンスターに殺されてしまった。 「よくここを嗅ぎ付けたな。この経典はお前たちの手に渡す訳にはいかんのだ、アーク。 お前らが生きていると、ヤグン様が迷惑するのだよ」 ヤグンの名前を聞いて、サニアの顔が強張る。 モンスターを倒して大経典を取り返した後、イーガはサニアに尋ねる。 「ヤグンを知っているのか?」 「貴方たちには関係ないわ!」 サニアは怒ったように後ろを向いた。 大経典の封印を解くために、ラマダ山に入る。 イーガはラマダ山にいる地の精霊を呼び出す。 「地の精霊殿、経典の封印を解いて頂きたい。私が奥義を会得します!」 ”奥義『ラマダ真拳』は、その協力さ故、封印されておる。お前はその技を使おうと言うのか!” 「私には今、守らねばならない国がある。守らねばならない仲間たちがいる。 そのためにどうしても奥義が必要なのです!」 ”イーガよ、アークと共に旅立ち、少しは成長したようだの。さあ、封印されし奥義と経典を受け取るが良い!” 地の精霊は大経典の封印を解き、イーガに奥義を与えた。 ”イーガよ、お前はラマダの全てを得たのだ。これからお前が、このラマダを受け継ぐのだぞ” イーガは大経典を読み、サニアに聞かせた。 「サニア、経典によれば、大僧正はヤグンの命を受けてこのラマダに来たようだ」 「ヤグン。私から祖国を奪った張本人・・・。アーク、ミルマーナ軍はペイサスの南にある国境付近にいるわ」 行ってみると、サニアの情報通りに、ミルマーナ軍が駐留している。 「ここを叩けば、一時的にだが、グレイシーヌへの攻撃を食い止めることが出来るだろう」 駐留しているミルマーナ軍と戦闘になる。時々、遠くから列車砲の砲撃が飛んでくる。 だが、アークたちだけではなく、ミルマーナ軍の兵士にも当ってしまっている。戦いの後、アークは呟く。 「ヤグンめ、味方も犠牲にするとは・・・」 「ヤグン・・・やはりあいつの仕業なのね・・・」 ヤグンの名前を聞いて、サニアが取り乱す。 「サニア、ヤグンとの間に何があったんだ?」 「私が生まれたミルマーナは、静かで豊かな国だった。その私の国をヤグンが踏みにじったのよ! モンスターに両親を殺されて、一人生き残った私は、国を追われて、ひたすら身を隠して生きてきたわ。 ただ、復讐の事だけを考えて生きてきた・・・」 「焦ることはない、いつか必ず機会は来る。我が祖国を救ってくれたのだ。今度は私がお前を助けよう」 イーガはサニアに言った。 186 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 39 45 ID IM/jb0lt0 12.凍れる瞳 図書館に集まったアークたち。サニアが占いをしている。 「二つの国から奇妙な力を感じるわ。ブラキアとフォーレス・・・押さえ付けられるような力よ」 「それが『殉教者の塔』と関係があるのか」 「ええ、多分ね」 「ロマリアにはまだ、アンデル、ヤグン、ザルバドの三人の将軍が残っている。これから先は奴らも 本気で向かってくるだろう。今以上に苦しい戦いになる」 「覚悟の上だ。いくらでも相手になってやるぜ」 ここでヤゴス島へ行ってみよう(実はもっと早い段階でも可)。 「おお、やっと来たな。例のロボットの修理が終わったんじゃ」 研究所の作業室にはあのヂークベックと名乗ったロボットがいる。 「おっ、これがあのポンコツか?」 「きゃっ、かわいい!」 「おマエラ、ワシを、ばかニシトるンカ!」 いきなりヂークベックは喋りだした。やはり片言でしか喋れないらしい。 「ハナシハハカセカラキイてル。キョウかラナカマニなッチャル。アリガタクおモヘ」 サニアの占いに出た国の一つ、フォーレスへとシルバーノアを発進させる。 空港へ降り立ち、早速ホルンの村へ。そこで待っていたのはモンスターだった。 人々は姿を消し、家は崩壊している。 「遅かったじゃねぇか、リーザとその一味さんよ」 「お前か、リーザの村をこんなにしたのは!」 エルクはモンスターを睨んだが、モンスターは笑った。 「勘違いしてくれるぜ。この村を襲ったのは、ラムールの人間なんだがなぁ」 モンスターを倒して、ラムールに向かう。 187 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 41 28 ID IM/jb0lt0 ラムールは異様な空気に包まれていた。 「災いをもたらす村に死を・・・」 「ホルンは悪魔の村だ・・・」 町の人々はそんな事を呟いていた。とても正気とは思えない。 リーザたちは、町の人々が変な行動を起こさないように見張ることにして、その夜は宿屋に泊まることに。 夜になると、遠くから鐘の音が聞こえてくる。それを聞いた町の人々は、一斉にどこかへ歩いて行く。 その先はギーア寺院だ。リーザたちも人々に続いて寺院の中に入ろうとしたが、シスターに止められた。 「貴方がたはここで、暗黒の神、ギーア様の裁きを受けるのです!!」 シスターたちはモンスターに変貌して襲い掛かって来たので、倒す。 寺院の中に入ってみると、人々が大聖堂に集まっていた。教皇が説教している。 「聞け!偉大なる神ギーアの僕(しもべ)たちよ!悪魔の村ホルンは滅んだ! 我らはギーア様の使いとなり、悪魔を滅ぼすために立ち上がらん!」 これは説教ではなく、洗脳だ。先へ進んで行くと、隠し部屋を発見。そこにはリーザの祖父がいた。 「おじいちゃん!しっかりして!」 「・・・リーザか?この寺院は危険だ、一刻も早く逃げるんじゃ」 「村の人たちは?」 「もう遅いかも知れん。みんな殺されとるじゃろう」 教皇たちは、寺院の最上階にある鐘を使い、ラムールの人々を洗脳しているとのことだ。 最上階を目指す。長い階段を上り最上階に着いた。頭上には鐘がある。教皇が待っていた。 「お前らがヤグン将軍を邪魔をしているという勇者どもだな。これ以上、この神聖な寺院を汚すことは許さん!」 「ロマリアの手先が何を言う!」 「人の心につけ込むようなやり方は成功せぬぞ!」 教皇はそれには答えず、シスターに命令を下す。シスターは町の人々を数人連れてきた。 その中にはリッツもいた。教皇はリッツにナイフを握らせる。 「その娘はホルンの魔女だ。魔女を殺せ!」 頭上の鐘が鳴る。教皇に命じられた通り、リッツはリーザに近付き、ナイフをふりあげる。 「やめてリッツ!負けないで、自分を思い出して!」 「お姉ちゃん・・・」 リッツの手からナイフが落ちる。 「馬鹿な、洗脳が解けたというのか!この出来そこないが!死ね!」 教皇はリーザ共々、リッツを殺そうと襲い掛かってきた。 そこにリーザの祖父が飛び出てきて、リッツとリーザの前に出て、代わりに攻撃を受けた。 「うぬ、もう勘弁ならぬ!」 イーガはエネルギー弾を飛ばして鐘を攻撃し、壊す。 「いい加減、観念したらどうなの!計画は失敗したのよ!貴方だけは絶対に許さない!」 モンスターへと変貌した教皇とシスターを倒す。 「おじいちゃん・・・なんでこんな事に・・・」 「そんな顔をするな、リーザ。強く生きるんじゃぞ」 リーザの祖父は息を引き取る。突然、寺院は揺れだした。 「お、おい、崩れ出したぜ!早く洗脳されている人たちを助けて脱出するぞ!」 寺院は崩れ去った。 188 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 42 38 ID IM/jb0lt0 数日後、ホルンの村。村の人々によって復興が始まっていた。 「この村は、きっと元通りになるわ。外の町の人たちとだって、上手くやっていけるようになる。 私も、もっともっと勇気をだして、もっともっと強くなってみせるから。だから、おじいじゃん・・・」 祖父の墓の前に佇むリーザ。リッツがやってきた。 「お姉ちゃん!みんなでホルンの村を直すんだ!オレも、お姉ちゃんの村を直すよ」 「みんな、分かってくれたようじゃのう」 「勇気ある行動は、人の心を開く・・・。そうでしょう?」 そう言うリーザに、ゴーゲンは微笑みで答えた。 こうしてフォーレスの殉教者計画は阻止された。 13.真実の在処 次にシルバーノアが向かったのは、グルガの故郷であるブラキアだ。 空港に着陸し、近くのグーズという町に入る。町はロマリア兵に占領されていた。 ロマリア兵を追い払って、ある家の中に入る。 「グルガ!よく戻ってきてくれた」 それはブラキア国王ジンバだった。どうやら首都から逃げてきたらしい。 「一体どうしたのだ、ジンバ」 「レイガルが、再びここへ戻ってきたんだ」 レイガルというのは、かつてニーデル国に所属し、ブラキアを支配していた男だ。 だが、今、レイガルはロマリアに所属し、またブラキアを支配しているという。 「レイガルの奴はモンスターの力まで使っている。私もこの通りだ。もう、どうする事もできない」 「分かった。この私が直接レイガルに会ってくる」 悔しがるジンバにグルガは答えた。 レイガルがいるという領主の館へと向かう。 「久しぶりだな、グルガ」 「レイガル、やはり死んではいなかったのか」 レイガルは独立戦争のとき、重傷を負ったが、そのときロマリアに助けられ、 モンスターになる改造手術を受けたという。 「私はお前に復讐するために戻って来たのだ。・・・実はお前に会わせたい人間がいるのだ。こちらに来てもらおう」 レイガルに付いていくと、そこにはエレナがいた。 「エ、エレナ!」 「その声はお父さん!・・・違う、私が覚えているお父さんと!」 エレナはグルガを見ると表情を変えた。もう目が見えているらしい。 「エレナ、言ったろう。あいつはお前の父親なんかじゃないんだ。 奴は、父親に成りすましてずっとお前を騙していたんだ」 「そんな・・・」 「エレナ、騙されるな!そいつは・・・」 「見苦しいぞ、グルガ。さあおいで、エレナ」 レイガルはさらにグルガを打ちのめすようなことを言う。エレナの本当の父は自分だと。 189 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 43 57 ID IM/jb0lt0 グルガの故郷、ルワガの村に行く。落胆したグルガは自室にこもってしまった。 他のメンバーとジンバを加え、作戦会議。 「レイガルは、バンザ山を噴火させ、邪魔な我々を村ごと潰す気だ。 奴らは、バンザ山の頂上で何かを建設している。それが完成すれば、この村はおしまいだ」 バンザ山とは、この国にある活火山だ。 「きっとそれが洗脳装置だな」 「グルガを何とかしなきゃ!」 シャンテが任せてくれ、と言うので、シャンテを一人でグルガの元に行かせる。 「エレナ・・・」 グルガはエレナの名を呟いている。 「何をしているのグルガ!貴方はこのままでいいの?エレナを助けに行かないの?」 「しかし、レイガルはエレナの実の父親だと・・・」 シャンテはグルガの頬を打つ。 「しっかりしなさい!貴方もエレナの父親なのよ。何があろうとも、エレナの誤解だけは解かなきゃ! それに、貴方が命をかけて守ろうとしたこの国が、駄目になってしまうのよ」 「・・・行こう、シャンテ。レイガルを止めに、そして、エレナに会いに」 バンザ山の中に入り、頂上へ行く。レイガルとエレナが待っていた。 「フフフ、やっとここまでたどり着いたか。待ちくたびれたぞ、グルガ」 「この火山から手を引け!」 「あの機械が何だか判るか?」 レイガルが指差したそれは、洗脳装置だった。 「いずれ世界中にこの機械が設置される。これでこの国はおろか、全世界をロマリアの支配下に置くのだ!!」 「レイガル、こんな事はもうやめろ!頼む、これ以上エレナを悲しませないでくれ」 グルガはそんな事を言うが、もちろんレイガルは聞かない。怒りのあまり、レイガルに襲い掛かろうとするグルガ。 「エレナの前で私が殺せるのか?」 レイガルにそう言われて躊躇するグルガ。その隙に、レイガルがグルガを攻撃する。 グルガは火口から溶岩の中に落ちそうになる。 「さらばだグルガ。溶岩に落ちて死ぬがいい」 そのとき、エレナがグルガに駆け寄って、落ちそうになっているグルガを引っ張り上げようとする。 「余計な事をしおって!そんなにグルガがいいのなら、一緒に地獄へ送ってやるわ!」 エレナを蹴るレイガル。 「ご、ごめんなさい、もう駄目・・・」 エレナとグルガは火口へと落ちていった。 「ふん、ブラキアの勇者もあっけないもんだな」 「実の父親が娘を殺すなんて・・・」 「この世は力が全てなのだよ。今の私には親も子も関係ない!」 「なるほど、モンスターには親も子もないな。堕ちる所まで堕ちたな、レイガル」 レイガルが振り返ると、そこにはグルガとエレナがいた。どうやら、助かったらしい。 「エレナを利用した罪、死をもって償え!下がっていろ、エレナ!」 190 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 44 40 ID IM/jb0lt0 モンスター化したレイガルを倒し、グルガたちはバンザ山を下りて来た。 「エレナ、よくお聞き。私はお前の、本当の父親ではない。 そして、お前の両親を奪った戦いを起こしたのは私なのだ。今まで嘘をついていて済まなかった。 だが、お前を思う気持ちに嘘はない。それだけは分かって欲しい」 グルガはそう言ったが、エレナは何も言わない。 「エレナ、本当のお父さんはもういないの。だけど、貴女の事を心から思っている人がいる事を忘れてはだめよ」 シャンテが言った。エレナは突然走り出し、グルガの胸に飛び込んだ。 「お父さんなら、もういるもん!」 こうしてブラキアの殉教者計画は阻止された。 14.奪還 シルバーノアに戻ったアークたち。ミルマーナの海の上から謎の電波が出ているのを発見したと、 チョンガラが報告する。 さっそくミルマーナ国へ行く。アジャールの町に入って、酒場へ行く。 「そ、そのお顔は、サニア様ですね!生きていらっしゃったのですね」 サニアの顔を見て男が声をかける。 「あなたは、ロアンね!よく無事で・・・」 二人は知り合いらしい。 「国王が亡くなられてからというもの、この国はヤグンの思うままに操られています。 緑に恵まれて静かだったミルマーナも、荒んでいくばかりです」 「トヨーケの森は?精霊の木はどうなったの?」 「トヨーケの森も、とうとう封鎖されてしまい、精霊の木の力も弱まってきているようです。 ヤグンにしてみれば、この国の未来など、どうなろうと関係ないのです。そればかりか、 ヤグンは、ミルマーナの東の海上に巨大な海底油田を建設中です。あの油田には、 どうやら別に大きな目的が隠されているようなんです」 サニアが言うには、精霊の木がなくなれば、ミルマーナは滅んでしまうとのこと。 とにかく海底油田が怪しいので、シルバーノアに乗り込み、海底油田の方へ行ってみる。 すると、列車砲の弾が飛んできて、シルバーノアは激しく揺れた。 「一旦退却して体勢を立て直そう!ミルマーナに向かってくれ。 回り道になるが、まずミルマーナの列車砲を叩く!」 アークはチョピンに指示を出した。 アジャールの町に戻って、ロアンから情報収集する。 列車砲は、列車の上に砲台が設置されている物だ。 現在、ニエンの森に設置されていて、「グラウノルン(破滅の女神)」と呼ばれているとのこと。 列車砲は魔法によって守られており、直接攻撃は利かないとのことだ。 破壊するには、列車に乗り込んで、中から破壊すればいいらしい。 「列車に侵入する・・・か。それなら出来ない事はないわ」 「しかし、危険すぎます!」 ロアンはそう言うが、サニアは諦めない。 「それでも、そこに望みがあるのなら、私はやる。ミルマーナは私の祖国、自分の手で取り戻してみせる!」 「案ずるな、サニアだけではない。我々も、サニアをむざむざ死なせたりはしない」 イーガはそう言ってロアンを説得した。ロアンはしぶしぶうなずいた。 191 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 46 01 ID IM/jb0lt0 ニエンの森に入る一行。 「グズグズしてないで、一気に突破するわよ!」 「力の入りすぎだ。少し心を落ち着けろ」 意気込んでいるサニアをイーガが制する。 「ほっほっほっ、イーガは、お嬢ちゃんのことを心配しておるんじゃよ」 納得しないサニアに、ゴーゲンが言う。 「・・・分かったわ。ありがとう」 サニアは肩の力を抜いた。 森の中を進んで、列車砲の手前までやって来た。思ったより大きいので息を飲む。 中に入ると言っても一体どこから?と皆が頭を悩ませていると、サニアが、上から攻めるのがいいと言った。 シルバーノアで行くと大きすぎて見つかる可能性が高いので、ヒエンで攻めよう、ということになった。 一旦森の外へ出て、ヒエンを持ってくる。メンバーを二つに分ける。 サニアとエルクたちはヒエンに乗り列車へ潜入する。そしてアークたちは、陽動する。 作戦通り、アークたちが陽動している隙に、ヒエンが列車砲に近付いていく。 撃たれてしまったが、その程度ではヒエンはびくともしない。どうやら、ヴィルマー博士が装甲を強化してくれていたようだ。 エルクたちは列車の天井に穴を開け、列車内部に侵入した。奥へと進んで行き、制御室へ辿り着いた。そこを守っている兵士たちを倒す。 「さっさと壊して戻ろうぜ」 エルクはそう言うが、サニアはなにやらコンソールを操作している。 「もう少し待って、もう少しだけ。・・・ヤグン、お前が生み出した『破滅の女神』の恐ろしさ、自ら味わうがいいわ!!」 砲弾はミルマーナ軍本部に向かって飛んでいき、見事に着弾した。 エルクとサニアたちは列車を破壊して、脱出した。 アジャールの酒場へと戻ったサニアたち。 「列車砲も軍本部も叩いたわ。これでミルマーナは自由を取り戻せるのよ」 ヤグンも、確かに軍本部と共に果てたようです。ですが、生き残りの兵士が海底油田に集結している ようなのです。トヨーケの森も解放は去れましたが、精霊の木の力は弱まるばかりです」 ロアンはそう言う。まだ終わってはいないらしい。 トヨーケの森へと行ってみる。緑が豊かだった森は荒れ果てていて、サニアは愕然とする。 「そんな・・・!美しかった森がこんなことに」 「精霊の力もかなり弱くなってるな」 そのとき、サニアたちの前に恵みの精霊が現れた。 ”アーク、よく来てくれました。貴方も、もう見たでしょう、この森の惨状を。 しかしこれは、この森に限ったことではありません。今、世界中の精霊の力が弱まりつつあります。 この森も私の力が弱まっている以上、そう長くは持たないでしょう” 「そんな!この森がなくなってしまったら、ミルマーナはどうなってしまうの?」 ”ミルマーナ王の娘、サニアよ、先程も言いましたが、これはミルマーナだけの問題ではないのせす。 今、世界中の国が破滅の危機に晒されているのです。でも、残念なことに、人々はその事に気付いていないのです” 「恵みの精霊よ、ロマリアは一体この世界で何をしようとしているのですか?」 アークの問いに精霊は答える。 ”彼らが望んでいるのは、世界の破滅・・・。そして、古の暗黒の力の復活です。 アークよ、急ぎなさい。残された時間は後わずかです。精霊の力を受け継ぎし勇者たちよ、 世界を救えるのは貴方たちだけなのです。私は、いつも貴方たちを見守っています。 貴方たちの進む道に世界の加護があらんことを・・・” 恵みの精霊は消えてしまった。悲嘆に暮れるサニア。しばらくして、立ち直って、言う。 「恵みの精霊は、残された時間はあとわずかだと言っていた。逆に考えれば、 まだ希望は残っているということ。恵みの精霊よ、私はその希望に全てを賭ける! そして、ミルマーナを・・・いえ、この美しい世界を守ってみせる。それがミルマーナ王の娘である私の努め」 192 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 46 46 ID IM/jb0lt0 シルバーノアで海底油田へ。下へと降って行く。最深部に到達した。 「くっくっく。旧ミルマーナ王国の王女様か」 突然声が聞こえてきた。気色ばむサニア。 「旧ミルマーナ王国と言ったわね?」 「その通り。馬鹿な王が治めていたミルマーナはもう終わった。 これからは、このヤグンが統治する新ミルマーナ王国が始まるのだ」 「何処にいる、ヤグン!姿を見せなさい!」 「貴様の目は節穴か?私は、さっきからここにいるではないか、お前の目の前にな!」 サニアの目の前にいるもの。それはヤグンが飼っているという猿だった。 列車砲で撃たれて死んだ方は偽者だった。猿はたちまち大きくなって、モンスターになる。 「モンスターを率いて、父と母を殺した化け物・・・お前だったのね、ヤグン! お前だけは絶対に生かしておけない!今まで犯した数々の罪、その命で償え!」 サニアたちは本物のヤグンを倒した。 「ま、負けるのか。この私がこんなガキ共に・・・」 ヤグンの身体は崩れて消え去った。跡には洗脳装置が残された。 「ちょっと離れておれ。・・・エクスプロージョン!」 ゴーゲンの魔法で洗脳装置は粉砕された。その衝撃で壁に穴が開き、水が入ってくる。 上に逃げようと思ったが、はるか上に泊まっているシルバーノアに着くまで、この建物は持たない。 下に潜水艦があるので、それを奪って逃げようということになった。 いそいで潜水艦に乗り込み、脱出しようとするところで、油田が崩壊し始める。 「ふう、ようやく終わったな」 サニアたちは海岸までなんとか辿り着いた。途中で潜水艦は壊れてしまったが。 「お父様、お母様、仇は取りました。どうか天国でお幸せに・・・」 サニアはそっと呟いた。 そして、アジャールの酒場へと戻る。 「これで、ようやくミルマーナも元の美しい国に戻るんですね」 ロアンは喜んでいる。 「大変なのはこれからよ」 「大丈夫です。サニア様もいらっしゃいます」 「ごめんなさい。私は今、この国に尽くす事が出来ない。王女サニアはもう死んだのよ。私はただの占い師。 ・・・でも、いつか必ず戻ってくる。約束します。それまでミルマーナをお願い」 「分かりました、お預かりいたします」 酒場を出るサニアたち。イーガがサニアに話し掛ける。 「ミルマーナが気になるのなら、残ってもいいのだぞ」 「いいえ、余計な心配をしないで。これから、世界を救わなきゃならないんだから、 貴方たちだけに任せてられないわ。さあ、行くわよ!」 こうしてミルマーナの殉教者計画は阻止された。 193 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 48 05 ID IM/jb0lt0 15.古の守護者 シルバーノアの作戦室に集合した仲間たち。 アミーグとバルバラード、二つの国から電波をキャッチしたとチョンガラは言う。 まずはアミーグに向けて出発。空港に降り立ち、モレアという村に入る。 村外れに、「神の塔」と呼ばれるいかにも怪しげな塔が建っていた。 酒場に入り、神の塔について聞き込みをする。まず、神の塔に入るには長老の許可がいるとのことだ。 ゴメスという男に話を聞く。話の途中でゴメスに話し掛ける男。 「おい、ブラザー、この顔、見たことあるんだよ。アールだかアレクだかいう大泥棒一味さ!」 アントニオという、ゴメスの知り合いだ。 「分かったぜ、ブラザー。さては、大泥棒も、いよいよ神の塔のお宝に目を付けたね」 「いや、目的はお宝じゃない」 アークはそう否定したがゴメスとアントニオは聞いていない。勝手に話が進む。 「でもよ、ブラザー、ここんとこ妙な連中が塔に出入りして、何かしてるんだよな?」 「ありゃ、お宝狙いに決まってるよな」 「えっ?その連中はどういう感じだった?」 アークが身を乗り出すのを見て、ゴメスとアントニオはひそひそと何か相談している。 どうやら二人は、アークたちに協力してお宝の分け前を戴こうとしているらしい。 とにかく、長老の許可を貰おうと、長老の館へ向かう。 「長老に、すげえお客さんをお連れしたのさ。世界を荒らし回ってる大泥棒ご一行様よ」 ゴメスたちは門番にそう言った。またアークたちは泥棒ではないと否定するのだが、 門番も話を聞いていない。とにかく長老に会わせてくれることになった。 「ほうほう、よく来てくれたのう。早速歓迎させてもらおうかのう」 長老もゴメスたちのようにやけに気さくな人物のようだ。 「歓迎は結構。神の塔に登れるよう、許可を貰いたい」 「そうか、なかなかの命知らずなんじゃな。わしも若い頃は無茶ばかりしてのう」 長老は勝手に話し始めた。長い話を聞き終わり、やっと許可を貰った。 神の塔へ来た。遺跡のような雰囲気を漂わせている。 「コノ塔は・・・」 ヂークベックは、突然ボディを小刻みに震わせる。 「この塔は古の時代に造られたものだ。古の王は各地にこのような塔を造り、世界を監視していたのだ」 片言でしか話せなかったヂークベックが、いきなり流暢に話すので皆はびっくりしている。 「???ナニか、あったんカ?」 しばらくすると元に戻った。 194 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 50 22 ID IM/jb0lt0 アークたちは神の塔へ入った。 「お宝はオレ達のものだ!」 それより遅れて、ゴメスとアントニオも塔に入る。 アークたちは順調に進んで行く・・・かと思いきや、ゴメスとアントニオが勝手にスイッチを操作するので、度々妨害されてしまう。 「何よ、この塔は?機械のモンスターばかりじゃない」 「こいつらハ・・・」 またヂークベックが震える。 「こいつらは、古の時代、我が敵だった機神兵・・・。はるか古の時代、七勇者を抹殺する為に 造られた戦闘兵器。我は、我が敵の機神兵から七勇者を守る為に造られた。だが、宿敵グロルガルデとの戦いで 相打ちとなった」 しかしまた、しばらくするとヂークベックは元に戻る。ややこしい仕掛けを突破し、ようやく最上階へ。 「よくここまで辿り着いたな」 そこにはロボットが待っていた。ヂークベックがまた流暢に話す。 「お前はグロルガルデ!貴様は破壊されたはず。何故?」 「そうだ。お前と相打ちになり、七勇者に止めを刺すことができなかった。しかし、今度はそうはいかんぞ!」 「最悪最強の機神グロルガルデよ、貴様が向かって来るのなら、全力で叩き潰すのみ!」 ヂークベックたちはグロルガルデを倒す。 「最強の機神グロルガルデ、もう二度と復活する事はないだろう」 ヂークベックはアークに言う。 「勇者殿、我ら機神兵は主人の命に従う事しか出来ぬ。故に人間が望まぬ限り、グロルガルデのような 機神は生まれはしないのだ。その事だけは忘れないでくれ」 「ああ。憎むべきはこの純粋さを利用した奴らだ」 ヂークベックは元に戻った。塔が崩れてきたので、アークは急いで逃げ出した。 「見ろよ、奴ら逃げてくぜ!世界一の大泥棒もオレたちにはかなわなかったようだな」 アークたちを見て勝ったつもりでいるゴメスとアントニオだった。 こうしてアミーグの殉教者計画は阻止された。 16.砂の中の両雄 次にアークたちはバルバラードに向かった。ピラミッドが怪しいと近付いてみるが、砂嵐が激しくて近寄れない。 ムハドという町に行き、情報収集していると、ラタという男が話し掛けてきた。 ラタは、砂嵐を操っているという人物に会わせてやる、と言う。 ラタの案内で、砂漠に住んでいるというサリュ族の族長に会うことになった。彼が砂嵐を操っているらしい。 195 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 50 57 ID IM/jb0lt0 族長のテントに入る。 「俺のやり方が気に食わず、勝手に出て行ったお前が今さら何の用だ」 族長はラタの顔を見て眉をひそめる。 「今日は客人を連れてきました」 「ふん、どんな手を使おうと、俺の気は変わらん。我がサリュ族は、バルバラード王家に従属してでも アリバーシャを倒すまで戦う。これは族長である俺が決断した事だ」 「これ以上の戦いは無意味です。はるばる海を越え、ようやく暮らせる土地を見つけたというのに・・・」 「それでもお前は男か!自分の部族をあのように無残に殺されて平気でいられるのか。 ・・・今度は奴らに思い知らせてやる。バルバラード王の話では、あのピラミッドでは、 アリバーシャ攻撃の為の新兵器を開発しているらしい。それが完成するまで、あのビラミッドはこの俺が守る。 水の精霊を守っていた封印の力を使ってでもな」 ラタと族長の会話を聞いて、だいたい事情が判った。アークが横から口を挟む。 「貴方は騙されている!あのピラミッドにあるのは、ロマリアが世界を支配する為の洗脳兵器だ」 「ナム兄さんだって分かっているはずだ。我々は利用されているだけです。だから、この人たちにお願いして、 人質にとられている母上を・・・」 ラタは族長を兄と呼んだ。 「もういい!出て行け!弟と言えども今度は容赦しないぞ!」 ラタとアークたちはテントを追い出されてしまった。 ラタから詳しく事情を聞く。バルバラードとアリバーシャは対立しているとのこと。 ナムは人質を送り、バルバラード王に忠誠を誓ったとのこと。 だが、この件はロマリアが裏で糸を引いているのは間違いない。 ラタは、アークたちに人質を救出して欲しいという。 アークたちは人質を救出すべく、テュケの洞窟へ行った。 奥に、女性の死体があった。傍らに手紙が置かれている。 「最愛の息子、ナム、ラタへ」と書いてある。この女性が二人の母だろう。 手紙を持って、ラタの元へと帰った。兄弟はテントで話し合いをしていた。 だがいつまでたっても平行線のままだった。 アークたちは二人に手紙を差し出した。 「我が息子ナム、貴方がこの手紙を読んでいるという事は、怒りにまかせて自分が何をしているかに 気付いたということでしょうか。今の貴方なら、私の言う事も理解してくれると思います。 どうかアリバーシャを倒そうなどという考えは捨てて下さい。 憎しみは新たな憎しみ以外の何も生み出しません。 ナムよ、『戦わない勇気』も時には必要です。誇り高く、責任感の強い貴方には辛い時もあるでしょうが、 そんな時にラタを頼る事を端とは思わないで下さい。 一人では難しい事も二人ならきっと乗り越えて行ける。二人とも、私の大切な息子なのだから」 母親が死んだと知って、ナムは取り乱している。 「何故だ!直接バルバラード王に確認する!」 196 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 51 56 ID IM/jb0lt0 ナムはテントを飛び出して、ピラミッドに向かった。アークたちも後を追う。 「サリュ族族長、ナムの名において封印を解く!」 すると砂嵐はおさまった。ピラミッドの入り口からカサドールという男が出てきた。 「何だ、族長とあろう者が血相を変えて。人質の事だな。今頃気付いたって訳か、親不孝者め!」 カサドールはこの一件にはロマリアが噛んでいることや、自分が兄弟の母を殺したという事を話す。 そして族長がいない隙にサリュ族を虐殺しようとしている事も。 そのとき、ラタが駆けつけてきた。ラタがサリュ族の皆を避難させたという。 ナムとラタを帰らせて、アークたちはカサドールを倒し、ピラミッド内部へ入る。 途中にはなぞなぞを出してくるスフィンクスもいる。最奥の部屋へ。カサドールがまた出てきた。 「さーて、貴様らの首と引き換えにロマリア将軍の称号を貰うとするか」 カサドールはモンスターに姿を変えて襲い掛かってきたが、倒した。 「これか?ここの洗脳兵器は。こんなもんのためにどれだけの人達が!」 「怒り、悲しみ、憎しみ・・・。心に出来た暗い影に、奴らは見逃さず滑り込んでくる。 俺たちの真の敵は、一人一人の心の中にいるのかも知れん」 アークはそんなことを言った。洗脳装置を壊し、ピラミッドを出る。 サリュ族の元へと戻る。 「ありがとうございました。・・・俺は、間違っていたのでしょうか?」 問い掛けるナムにアークは答える。 「結果的には間違っていたかも知れない。が、それも仲間を思う気持ちが間違わせたのであって、 その事で貴方を責める人はいないと思うが」 「ナム様は悪くない!」 「そうだ、一番辛い思いをしたのがナム様じゃないか」 サリュ族の人々は口々に言った。 「みんな・・・。今回の事は、全てロマリアのはかりごとだったとは・・・。 ラタ、俺は、部族を出ようと思う。俺なんかより、お前の方が立派な族長になるだろう。 そして俺はアリバーシャとバルバラードを和解させるために残りの人生を使おうと思う」 ナムはそう言った。 「兄上、それは無責任というものでしょう。それは一見、責任を取るように見えて、実は 責任の放棄に他ならないじゃないですか。責任を取るつもりなら、これからも 族長として皆の為に尽くすべきです」 ラタが言った。サリュ族の人々も、口々に、ナムに族長を続けて欲しいと言う。 「分かったよ。失敗ばかりの族長だが、これからもよろしく頼む。ラタ、頼りにしている」 「皆で頑張りましょう。それが母上への供養にもなるはずです」 ナムとラタは手を取り合った。 こうしてバルバラードでの殉教者計画は阻止された。 197 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 52 37 ID IM/jb0lt0 17.緋色の絆 シルバーノアの作戦室。 「チョンガラ、次はどこだ?」 「アーク、驚くんじゃないぞ。何と、スメリアから反応が出とるんじゃ」 「パレンシアタワーか」 「たぶんな。アンデルの考えそうな事じゃ。奴には、借りがあるんじゃ。 ここらできっちり返さんとな。さあ、発進じゃ!」 ポコの勧めにより、アークはククルに会いに行った。 「アーク、久し振りね、本当に」 「ククル、一人で大丈夫かい?」 「アークたちが世界の運命を背負って戦っているんだもの。私だけ、そんな簡単にめげてられないよ」 「・・・あの日から、俺たちの運命は、もう止められなくなった。 ククル、世界が再び元の調和を取り戻せたら、その時は、二人で静かに暮らしていこう」 「そうね、そのために戦ってるんですものね」 パレンシアの町に行き、酒場に入る。 「トッシュ、トッシュじゃねぇか!」 マスターがトッシュに話し掛けてきた。 「ああ、久し振りだな。ここは相変わらず酒臭ぇな」 「それが久し振りの店に対して言う事かよ。それよりトッシュ、モンジ親分にはもう会ったか?」 「・・・オヤジが生きてるのか?」 モンジは死んだと思われていたのに、生きていたとは。 「ああ、でもなぁ、もう昔のモンジ親分じゃねぇのよ。アンデルに抵抗する奴らを斬り捨てているのが、 今のモンジ親分さ」 「そんな馬鹿な、オヤジがそんな事をする訳がねぇ。いいかげんな事を言うんじゃねぇぞ!」 トッシュは酒場を飛び出して行った。 「お願いです、子供だけは・・・」 母親と子供が、兵士に囲まれているところに出くわす。そこにはモンジもいる。 モンジは母親を殴った。トッシュはモンジの前に飛び出した。 「やめろ!オヤジ、本当にオヤジなのか?」 「トッシュじゃねぇか。お前を呼び寄せるために、何人この町の人間を斬った事か・・・」 モンジは、トッシュと真剣勝負が出来なかったのが心残りで、 こうして町の人々を斬っていると言う。 「さあ、早くその刀を抜かんか」 モンジはトッシュを急かす。だが、トッシュは動かない。 「俺には出来ねぇ。オヤジを斬るなんて俺には・・・」 「パレンシアタワーに来るがいい。そこで最後の決着をつけようではないか。 楽しみにしているぞ、トッシュ」 モンジは去っていった。 198 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 53 02 ID IM/jb0lt0 トッシュは一人でパレンシアタワーに行ってしまった。アークたちがトッシュを追いかけることになった。 途中、モンスターの群れにトッシュが苦戦しているところに、アークたちが追いついた。 トッシュたちはパレンシアタワーを上っていく。最上階にモンジが待っていた。 「待ち兼ねたぞ、トッシュ」 アークが飛び出そうとするが、それをトッシュが制した。 「この事だけは、誰にも譲れねぇ。手出しもしねぇでくれ」 「いい目だ。お前と戦う事が、わしの二十年間押さえてきた望み。今ここで、その望みが果たされる!」 やはり、モンジは操られているようだ。言動がおかしい。トッシュとモンジの一騎打ちが始まる。 「真空斬!」 モンジは倒れる。 「どうした?昔より腕が落ちたんじゃねぇか?」 「ぬうう・・・道連れだ・・・このわしの中に流れ込んでいる暗黒の力を、 一気に高め爆発させる!お前らを、タワーもろとも吹き飛ばしてやるわ!!」 モンジは自爆しようとしている。 「やめろ、やめてくれ、オヤジ・・・」 そのとき、トッシュの耳にモンジの心の声が聞こえてきた。 ”トッシュ、よく聞け。わしの体は、邪悪な術に支配されている。この術を破る方法は一つ。 わしの体に流れ込む暗黒の力を断つ事” 「どうすればいい?」 ”『紋次斬り』だ。前に一度見せた事があるだろう” 「昔やったときは、出来なかったんだぜ。それに、そんな事をしたらオヤジは・・・」 ”トッシュ、わしはもう、この世にはいない。そして、今のお前なら出来るはずだ! わしを信じろ、時間が無い!” トッシュは決心し、刀を構えて集中する。 「オヤジよぉ、またあの場所で一緒に酒を飲みてぇなぁ・・・。あばよ!!」 トッシュは紋次斬りを放つ。 「ば、馬鹿な、力が逃げていく・・・。見事だ、トッシュ」 暗黒の力が抜け、モンジは正気に戻った。 「奴らは、わしが心の底に押さえつけていた強さへの執着心を利用し、わしを操っていた。 だが、お前がそれを断ち切ってくれた。ありがとうよ」 「オヤジ、俺は、あんたを・・・」 「何も言うな。わしは、お前に救ってもらったのだぞ。わしの紋次斬りも会得したようだな。 これで思い残す事は無い。全ての人間の持つ『負』の感情に付け込み、モンスター化させるのが 奴らのやり方。心してかかれ。・・・最後に会えて嬉しかったぞ、わしの自慢の息子・・・」 モンジは静かに息を引き取った。 「オヤジ?そんな・・・馬鹿野郎、俺だって話したいことが沢山・・・オヤジぃ!!」 199 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 54 01 ID IM/jb0lt0 パレンシアタワーをさらに上っていき、ボスモンスターを倒す。 アークの父親ヨシュアと、母親ポルタが捕まっている場所まで来た。 「父さん!母さんは?」 「気を失っているだけだ。大丈夫だ」 アークは胸を撫で下ろす。 「良かった。父さんが、僕や母さんを捨てた訳じゃないって事は、とっくに判ってた。 父さんが望んだ通り、俺は仲間たちと世界を回り、精霊たちの声を聞いたんだ。 その内に少しずつ解ってきたんだ。世界の事、そして父さんの気持ちが・・・」 ヨシュアはアークとポルタを置き去りにして、旅に出ていたのだった。 「アーク、大きく成長したな。今ほど、お前の親である事を誇らしく思った事はないぞ」 ヨシュアはシオン山に入った時の事を語る。ヨシュアはシオン山で、精霊に命を捧げたという。 その代償として、時間を自由に行き来できる力を授かった。その力を使い、 陰ながらアークを支えてきたのだという。 パレンシアタワーが激しく揺れ出した。もう脱出しないと危ない。 そのとき、壁が壊れ、その穴からチョンガラが現れた。シルバーノアが横付けされている。 「何をしておる、早く来んかい!」 皆はシルバーノアに乗り込む。 「さあ、父さんも早く!」 「シルバーノア・・・懐かしいな」 ヨシュアは抱きかかえていたポルタをアークに渡した。だが、ヨシュア自身は動こうとしない。 「うぐっ!」 ヨシュアは吐血してしまう。 「今までのツケが回って来たようだ。時を旅する力は、神ならぬ者が使うのには重すぎるのだ。 私の旅も、この辺りが限界か」 ”逃がすものか・・・” 先程倒したボスモンスターがアークたちに迫って来た。 ヨシュアはボスモンスターの前に立ち塞がる。 「我が心はいつもお前の側にある。それを忘れるな!行け!未来は、まだ決まっていない! 進み続けるのだ、アーク!仲間と共に!」 アークはシルバーノアに乗り込んだ。 「我が意思は、息子アークに引き継がれた!これでもう思い残す事はない! 化け物め、王家の血をなめるでないぞ!」 トウヴィルに帰ってきたアークたち。 アークは一人、落ち込んでいる。 「俺は、今まで何をしてきたんだろう・・・。世界を、人々を救う為に戦ってきた。 しかし、大切な人の命さえ救う事が出来なかった。この俺に世界を救う事など出来る訳ない」 ククルがやって来て、アークに声をかける。 「お父さんを助けられなかったのは、貴方のせいじゃない」 「だが、助ける事が出来なかったのは事実だ!精霊の力も、勇者の力も、 そんな物持っていたって意味がない」 「しっかりしてよ、アーク!貴方一人で世界が救えるとでも思っていたの? 仲間がいるから、みんなが力を合わせるから、世界を救う事が出来るのよ。 みんなこの世界を守る為に戦っているんじゃない。悲しい事を言わないで。 お父さんだって、その思いを貴方に託したはずよ。お父さんのやって来た事を無駄にするつもりなの?」 「・・・そうだな。感傷に浸るには、まだ早過ぎる。全てが終わるまでは・・・」 200 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 56 08 ID IM/jb0lt0 18.聖柩 シルバーノアの作戦室に一同は集合する。 「殉教者の塔はまだ北極と南極に残っている。だが、アンデルの居場所と目的ははっきりした。 奴は、北極と南極の塔、どちらかにいる。そこで、闇の力を復活させようと準備を整えているだろう」 パーティを二つに分け、北極と南極の塔を同時に攻略することになった。 北極の塔はアークがリーダー、南極の塔はエルクがリーダーだ。 北極の塔にアンデルはいた。 「アークか・・・。どこまで私の邪魔をすれば気が済むのだ」 「アンデル、最早お前と話す事は無い。今までの行い、お前の命で償え!」 「でかい口を叩くな、小僧。お前の力など恐るるに足らんわ。もうすぐこの世界の全てがあの方のものになるのだ。 あれのお陰でな!」 アンデルの指差した先には聖柩があった。 「既に人間たちの欲望は負のエネルギーとなってこの聖柩の中に蓄えられている。 この聖柩がある限り、絶対の力を手に入れる事が出来るのだ!」 「ならば、その力を打ち砕く!このままお前の思い通りにはさせない!!」 モンスター化したアンデルとの決戦。そしてアークたちは勝利する。 「これが、勇者の力だ!思い知ったか!」 だがアンデルは笑っている。 「アークよ、もう遅いのだ。既に準備は整っている。私の役目も終わる。黙って見ているがいい」 アンデルは聖柩を壊した。 「この聖柩は、力と共に我が偉大なる王を封じた忌まわしき封印。 これで王の復活を止めるものは無くなった。これで世界は我々の物だ・・・」 アンデルは動かなくなった。 19.闇の胎動 殉教者の塔は全て消えた。後は、ロマリア本国に攻め込むだけだ。 クズ鉄の町に行ってみる。 「トッシュさんじゃないか!」 ダニーが元気に走り回っていた。一人だけでもまだレジスタンスだと言い張っている。 「なあ、あんたロマリアを倒しに来たんだろう?だったらオレにも手伝わせてくれよ」 レジスタンスのアジトで作戦会議。やはり列車が通っているトンネルから入ろうということになった。 次から次へとやってくる兵士たちを倒しながらひたすら進み、トンネルを抜けて市街地へ。 「お役に立てて光栄です。それでは、皆さん頑張って下さい」 ダニーと別れて、ロマリアの地下道へ入る。地下道を通って、ロマリア城へ入ろうとする所で、 四将軍の最後の一人、ザルバドが立ち塞がった。 「よくここまで来れたものだ、誉めてやろう。だが、ロマリアをなめてもらっては困る。 貴様らはこの城には入れん!」 ザルバドは城に逃げ込む。地面が揺れだし、そしてなんと、城が空中に浮かんだ。 空中に浮かんだ城は、巨大な四角錐の形だ。 「ちっ、あんな仕掛けがあったとはな」 201 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 57 41 ID IM/jb0lt0 アークたちはシルバーノアに乗る。 「チョンガラ、シルバーノアを発進させろ!」 シルバーノアは空中城に突っ込み、壁に穴を空けて止まった。壁の穴から中に入る。 奥に進み、ザルバドの元までやって来た。 「雑魚に用は無ぇ。そこをどきな!」 「そうはいかん、もうすぐ偉大なる王が復活するのだ。邪魔はさせん!」 「ロマリア王が闇の力を復活させるというのか?」 「モンスターである我々は、自らの手で偉大なる王を復活させる事は出来ん。 そこで、欲に濡れた人間共を利用する事を考えたのだ。 奴らのお陰で、この世界の精霊力は無くなりつつある。 そして、限界に達したときに我が偉大なる王が復活を果たし、この世界は一気に崩壊する。 我々の新しい世界が始まるのだ。わしを倒して進めるのならば進め!」 ザルバドを倒す。 「人間がここまで頑張るとはな。しかし、わしを倒した先に、お前たちが目にする物は 人間の愚かさ、醜さ、自分たちの無力さだけだ。進むがいい、絶望への道を」 アークたちはついに、ロマリア王ガイデルの元へとやってきた。 ガイデルは封印を解こうとしている所だった。 「もうやめるんだ、ガイデル!」 闇の王は置かれた巨大な鏡からガイデルに囁く。 「惑わされてはいけません。こいつらは貴方に代わってこの世界の王になるつもりなのです。 さあ、貴方の最後の切り札を今こそ見せてやるのです」 「聞くんじゃない!頼む、お前に人の心が残っているのなら・・・」 アークの説得も効果が無かった。 「わ、わしじゃない。貴様らが悪いのだ。わしをここまで追い詰めなければ、 こんな事にはならなかったのだ!」 ガイデルは封印を解いてしまう。 トウヴィルの神殿。地震が起きている。 「これは、まさか・・・。封印が破られた?闇の力が復活する!」 ククルの目の前に、闇黒の支配者が姿を現す。 「フフフ、ワイトの血を引く娘よ。貴様の張った結界は愚かな人間共のお陰で消え去った。 信じていたものに裏切られた気分はどうだ?」 「結界を破ったくらいででかい口叩かないで。私にはまだ、信じる人も守るものも残っているわ!」 闇黒の支配者とククルの一騎打ち。そして、ククルは破れる。 「所詮はこの程度か」 「アーク・・・」 ククルは闇黒の支配者に取り込まれてしまう。 202 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 58 23 ID IM/jb0lt0 20.輝の少年 空中城の最奥部。 「ガイデル、お前の役目は終わった。消え去るがいい」 闇の王の態度が豹変する。鏡が割れて、そこから光線が飛び出し、ガイデルは消滅した。 そして、割れた鏡から闇黒の支配者が出てきた。 「ご苦労だったな、アーク。お前がガイデルを追い詰めてくれたお陰で、私は復活する事が出来たのだ」 「貴様、最初からそれが狙いだったのか・・・」 「そうだ、お前たちが頑張るほど、ガイデルは恐怖したのだ。私は人間の負の意志によって復活する。 お前たち人間の欲深い本性によって、私はここに復活したのだ!」 「確かに人間は弱い生き物だ。だが、それが全てではない」 「フフフ、あの小娘も同じ事を言っておったな。既に、私の体の一部だがな!」 ククルが闇黒の支配者に取り込まれたと聞いて、アークは愕然とする。 「安心しろ、お前たちもすぐ取り込んでやる。そして、その力でこの世界の全てを手にいれようぞ!」 アークたちは、厳しい戦いの末に闇黒の支配者を倒す。 「人間がこれほどの力を持っているとはな・・・。だが、私を倒す事は出来ん!」 倒したのに死なない闇黒の支配者。だが、そのとき、闇黒の支配者の動きが止った。 「か、身体が・・・!」 ”しっかりして、アーク!” アークの耳にククルの声が聞こえてきた。 ”アーク、よく聞いて。私が動きを止めている間に、闇黒の支配者を封印するのよ! 聖柩は破壊されてしまったけど、貴方の力なら出来る!” それを聞いて、闇黒の支配者は言う。 「アークよ、私を封印すれば貴様の命も無くなるのだぞ。考えても見よ・・・ この世界が命を賭ける価値がある物なのか・・・」 だがアークは剣を構えて言った。 「・・・俺は、人間を、この世界の未来を信じる! 精霊よ、我が剣に宿り、古よりの災いを振り払う力を与えよ! 闇黒の支配者よ!全ての怒りを、悲しみを思い知れ!」 アークの力の全てが剣に注ぎ込まれる。その剣が闇黒の支配者に振り下ろされる。 「私は、いつか再び復活する・・・愚かな人間がいる限り・・・必ずな!!」 そう言い残して闇黒の支配者は消える。アークは絶命した。 203 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 04 59 00 ID IM/jb0lt0 空中城から出てきた一同は、外がひどい有様になっているので驚く。 「俺たちは何の為に戦って来たんだ?アーク、あんた、何の為に死んだんだ? こんな絶望しかない未来を俺たちに見せる為なのか?世界が滅びちまったのに・・・。 俺たちだけ生き残って、どうなるってんだ!」 そう言うエルクに寄り添うリーザ。二人の耳に懐かしい声が聞こえてくる。 ”まだ終わっちゃいないさ” ”希望を捨てないかぎりはね” 二人の前に、アークとククルの魂が現れた。 ”世界は荒廃してしまったが、消えてしまった訳じゃない。生き残った者でやり直すんだ” ”私たちは、生き残った命に光を与えに行きます。再生する世界への希望と言う光をね” ”それが僕たちの最後の仕事だ。この世界を、もう一度生まれ変わらせるのは、君たちの子供なんだ。 エルク、頼んだよ” アークとククルの魂は、世界中を巡った後、天に昇っていった。 終わり 205 :ゲーム好き名無しさん:2008/04/13(日) 07 09 45 ID uG4xF/DQ0 そして3で闇黒の支配者が復活するが あっさり聖柩を自分達で作りだして 何の犠牲もなしに、また封印されましたとさ。 206 :アークザラッドII:2008/04/13(日) 07 48 27 ID IM/jb0lt0 205 偉い! よくぞ3を三行で纏めたな 確かに3はその三行で十分だ。 そしてそれから千年後の、精霊の黄昏へと続くのです。 自分が一番好きな精霊の黄昏への足掛かりが出来て良かったよ ちなみに章分けとサブタイトルは元のゲームにはありません。
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ランクアップ アビリティチート コアブレンド消耗品 ウィルスコア 証 ウィルスコア変換表みたいの高い物から低い物へ 低い物から高い物へパターン1 パターン2 パターン3 ランクアップ ウィルスコアを消費してトキオとUPCのランクアップができる Xthフォームはノーマルフォームランク5のUPCのランクを上げるとなることができるXthフォームになることができるのは.hack//Link第05話クリア後 一度Xthフォームになるとハセヲ以外はノーマルフォームに戻れないので気をつけよう アビリティチート クリア後解放 ウィルスコアを消費してUPCのアビリティをトキオにコピーできる コアブレンド ウィルスコア同士をブレンドし、別のアイテムを作成する 施設拡張のCブレンド補正を買うことで材料の必要数を減らすことができる(最大-4) 消耗品 Lv 作成アイテム名 材料1 材料2 1 平癒の水×5 ウィルスコアA×6 ウィルスコアD×6 1 匠の気魂×5 ウィルスコアB×6 ウィルスコアE×6 1 万能ソーダ×10 ウィルスコアC×6 ウィルスコアF×6 2 変な紅茶×5 ウィルスコアG×6 ウィルスコアJ×6 2 黄泉返り薬×5 ウィルスコアH×6 ウィルスコアK×6 2 死のタロット×15 ウィルスコアI×6 ウィルスコアL×6 3 快癒の水×5 ウィルスコアM×6 ウィルスコアP×6 3 帝の気塊×5 ウィルスコアN×6 ウィルスコアQ×6 3 月のタロット×15 ウィルスコアO×6 ウィルスコアR×6 4 奇妙な珈琲×5 ウィルスコアS×6 ウィルスコアV×6 4 蘇生の秘薬×5 ウィルスコアT×6 ウィルスコアW×6 4 愚者のタロット×15 ウィルスコアU×6 ウィルスコアX×6 5 不思議な焙じ茶×5 ウィルスコアY×6 ウィルスコアZ×6 5 活力の経典×1 ウィルスコアS×8 ウィルスコアT×8 5 気力の経典×1 ウィルスコアT×8 ウィルスコアU×8 5 鍛錬ノ書・力×1 ウィルスコアU×10 ウィルスコアV×10 5 鍛錬ノ書・耐×1 ウィルスコアV×10 ウィルスコアW×10 5 鍛錬ノ書・知×1 ウィルスコアW×10 ウィルスコアX×10 5 鍛錬ノ書・念×1 ウィルスコアX×10 ウィルスコアY×10 5 修行教本・序×1 ウィルスコアY×5 ウィルスコアZ×5 5 修行教本・破×1 ウィルスコアZ×8 ウィルスコアS×8 5 修行教本・急×1 ウィルスコアU×10 ウィルスコアX×10 ウィルスコア ブレンド後3個の物を青く、Ωを赤く表示してあります ウィルスコアΩは通信プレイのみ入手できます Lv 作成アイテム名 材料1 材料2 Lv 作成アイテム名 材料1 材料2 2 ウィルスコアA×1 D×5 F×5 4 ウィルスコアM×1 G×8 H×8 2 ウィルスコアB×1 E×5 D×5 4 ウィルスコアM×1 P×5 R×5 2 ウィルスコアC×1 F×5 E×5 4 ウィルスコアM×1 Ω×15 G×5 2 ウィルスコアD×1 A×5 C×5 4 ウィルスコアN×1 H×8 I×8 2 ウィルスコアD×3 J×5 K×5 4 ウィルスコアN×1 P×5 Q×5 2 ウィルスコアE×1 B×5 D×5 4 ウィルスコアO×1 I×8 G×8 2 ウィルスコアE×3 K×5 L×5 4 ウィルスコアO×1 R×5 Q×5 2 ウィルスコアF×1 C×5 E×5 4 ウィルスコアP×1 M×5 O×5 2 ウィルスコアF×3 L×5 J×5 4 ウィルスコアP×3 W×5 Z×5 3 ウィルスコアG×1 A×8 B×8 4 ウィルスコアQ×1 N×5 P×5 3 ウィルスコアG×1 J×5 L×5 4 ウィルスコアQ×3 X×5 W×5 3 ウィルスコアG×1 Ω×10 A×5 4 ウィルスコアR×1 O×5 Q×5 3 ウィルスコアH×1 B×8 C×8 4 ウィルスコアR×3 Y×5 Z×5 3 ウィルスコアH×1 K×5 J×5 5 ウィルスコアS×1 M×8 N×8 3 ウィルスコアI×1 C×8 A×8 5 ウィルスコアS×1 W×5 X×5 3 ウィルスコアI×1 L×5 K×5 5 ウィルスコアS×1 Ω×20 M×5 3 ウィルスコアJ×1 G×5 I×5 5 ウィルスコアT×1 N×8 O×8 3 ウィルスコアJ×3 P×5 Q×5 5 ウィルスコアT×1 X×5 Y×5 3 ウィルスコアK×1 H×5 J×5 5 ウィルスコアU×1 O×8 M×8 3 ウィルスコアK×3 Q×5 R×5 5 ウィルスコアU×1 Y×5 Z×5 3 ウィルスコアL×1 I×5 K×5 5 ウィルスコアV×1 Z×5 S×5 3 ウィルスコアL×3 R×5 P×5 5 ウィルスコアV×1 Ω×25 O×6 5 ウィルスコアW×1 S×5 T×5 5 ウィルスコアW×1 Ω×25 Q×6 5 ウィルスコアX×1 T×5 U×5 5 ウィルスコアX×1 Ω×25 R×5 5 ウィルスコアY×1 U×5 V×5 5 ウィルスコアY×1 Ω×25 T×5 5 ウィルスコアZ×1 V×5 W×5 5 ウィルスコアZ×1 Ω×25 U×5 証 Lv 作成アイテム名 材料1 材料2 3 万獣の証×1 ウィルスコアG×5 ウィルスコアM×5 4 神獣の証×1 ウィルスコアM×5 ウィルスコアS×5 5 四聖獣の証×1 ウィルスコアY×5 ウィルスコアZ×5 5 刻の幻晶×1 ウィルスコアY×25 ウィルスコアZ×25 ウィルスコア変換表みたいの 施設拡張のCブレンド補正4の場合の必要数です 高い物から低い物へ W*2 X*1 Y*1 Z*2 あれば STUVWXYZ 以外の物を3つは作れる 青字は3つになるやつ、灰色背景は余りが出るやつ ウィルスコアAウィルスコアBウィルスコアC ← ウィルスコアDウィルスコアEウィルスコアF ← ウィルスコアJウィルスコアKウィルスコアL ← ウィルスコアPウィルスコアQウィルスコアR ← ウィルスコアWウィルスコアXウィルスコアYウィルスコアZ ウィルスコアA ← ウィルスコアDウィルスコアF ← ウィルスコアJウィルスコアKウィルスコアL ← ウィルスコアPウィルスコアQウィルスコアR ← ウィルスコアW×2ウィルスコアX×1ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×2 ウィルスコアB ← ウィルスコアEウィルスコアD ← ウィルスコアJウィルスコアKウィルスコアL ← ウィルスコアPウィルスコアQウィルスコアR ← ウィルスコアW×2ウィルスコアX×1ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×2 ウィルスコアC ← ウィルスコアFウィルスコアE ← ウィルスコアJウィルスコアKウィルスコアL ← ウィルスコアPウィルスコアQウィルスコアR ← ウィルスコアW×2ウィルスコアX×1ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×2 ウィルスコアD ← ウィルスコアJウィルスコアK ← ウィルスコアPウィルスコアQウィルスコアR ← ウィルスコアW×2ウィルスコアX×1ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×2 ウィルスコアE ← ウィルスコアKウィルスコアL ← ウィルスコアPウィルスコアQウィルスコアR ← ウィルスコアW×2ウィルスコアX×1ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×2 ウィルスコアF ← ウィルスコアLウィルスコアJ ← ウィルスコアPウィルスコアQウィルスコアR ← ウィルスコアW×2ウィルスコアX×1ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×2 ウィルスコアG ← ウィルスコアJウィルスコアL ← ウィルスコアPウィルスコアQウィルスコアR ← ウィルスコアW×2ウィルスコアX×1ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×2 ウィルスコアH ← ウィルスコアKウィルスコアJ ← ウィルスコアPウィルスコアQウィルスコアR ← ウィルスコアW×2ウィルスコアX×1ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×2 ウィルスコアI ← ウィルスコアLウィルスコアK ← ウィルスコアPウィルスコアQウィルスコアR ← ウィルスコアW×2ウィルスコアX×1ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×2 ウィルスコアJ ← ウィルスコアPウィルスコアQ ← ウィルスコアW×2ウィルスコアX×1ウィルスコアZ×1 ウィルスコアK ← ウィルスコアQウィルスコアR ← ウィルスコアW×1ウィルスコアX×1ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×1 ウィルスコアL ← ウィルスコアRウィルスコアP ← ウィルスコアW×1ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×2 ウィルスコアM ← ウィルスコアPウィルスコアR ← ウィルスコアW×1ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×2 ウィルスコアN ← ウィルスコアPウィルスコアQ ← ウィルスコアW×2ウィルスコアX×1ウィルスコアZ×1 ウィルスコアO ← ウィルスコアRウィルスコアQ ← ウィルスコアW×1ウィルスコアX×1ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×1 ウィルスコアP ← ウィルスコアW×1ウィルスコアZ×1 ウィルスコアQ ← ウィルスコアW×1ウィルスコアX×1 ウィルスコアR ← ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×1 ウィルスコアS ← ウィルスコアW×1ウィルスコアX×1 ウィルスコアT ← ウィルスコアX×1ウィルスコアY×1 ウィルスコアU ← ウィルスコアY×1ウィルスコアZ×1 低い物から高い物へ 基本的にウィルスコアの必要数が多い 逆順より複雑 パターン1 青字は追加分 ウィルスコアA×1ウィルスコアC×1 → ウィルスコアDウィルスコアB×1 → ウィルスコアEウィルスコアC×1 → ウィルスコアF ウィルスコアG×1ウィルスコアI×1 → ウィルスコアJウィルスコアH×1 → ウィルスコアKウィルスコアI×1 → ウィルスコアL ウィルスコアM×1ウィルスコアO×1 → ウィルスコアPウィルスコアN×1 → ウィルスコアQウィルスコアO×1 → ウィルスコアR パターン2 ウィルスコアA×4ウィルスコアB×4 → ウィルスコアG ウィルスコアB×4ウィルスコアC×4 → ウィルスコアH ウィルスコアC×4ウィルスコアA×4 → ウィルスコアI ウィルスコアA×16ウィルスコアB×32ウィルスコアC×16 → ウィルスコアG×4ウィルスコアH×4 → ウィルスコアM ウィルスコアA×16ウィルスコアB×16ウィルスコアC×32 → ウィルスコアH×4ウィルスコアI×4 → ウィルスコアN ウィルスコアA×32ウィルスコアB×16ウィルスコアC×16 → ウィルスコアI×4ウィルスコアG×4 → ウィルスコアO ウィルスコアA×64ウィルスコアB×192ウィルスコアC×192 → ウィルスコアG×16ウィルスコアH×32ウィルスコアI×16 → ウィルスコアM×4ウィルスコアN×4 → ウィルスコアS ウィルスコアA×192ウィルスコアB×128ウィルスコアC×192 → ウィルスコアG×16ウィルスコアH×16ウィルスコアI×32 → ウィルスコアN×4ウィルスコアO×4 → ウィルスコアT ウィルスコアA×192ウィルスコアB×192ウィルスコアC×128 → ウィルスコアG×32ウィルスコアH×16ウィルスコアI×16 → ウィルスコアO×4ウィルスコアM×4 → ウィルスコアU パターン3 VWXYZはΩを使わないと作ることができない ウィルスコアΩ×21ウィルスコアO×2 → ウィルスコアV ウィルスコアΩ×21ウィルスコアQ×2 → ウィルスコアW ウィルスコアΩ×21ウィルスコアR×1 → ウィルスコアX ウィルスコアΩ×21ウィルスコアT×1 → ウィルスコアY ウィルスコアΩ×21ウィルスコアU×1 → ウィルスコアZ
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第3-70章.第3-71章.第3-72章. 第3-71章. 「スデーヴァ王の言葉を聞いたリトゥパルナは、優しい言葉でヴァフカをなだめながら言った。もしあなたがお望みなら、私は一日のうちにダマヤンティのスワヤンヴァラに行くつもりです」。クンティの息子よ、その王からこのように言われると、ナラは悲しみで胸が張り裂けそうになった。その王は悲しみに燃えているように見えた。ダマヤンティがこのようなことをするのは、悲しみに目がくらんでいるのかもしれない。あるいは、彼女は私のためにこの壮大な計画を思いついたのかもしれない。哀れなことに、ヴィダルバの純真無垢な王女が、私の罪深く分別のない卑しい自分に欺かれて行おうとしている行為は残酷だ。女の本性は不安定であることは、世間によく知られている。おそらく彼女は、私と別れたことで私への愛情がなくなったため、そのような行動に出たのだろう。私のせいで悲嘆に暮れ、絶望に打ちひしがれているあの細い腰の娘が、(私の)子孫の母である以上、そのようなことをするはずがない。しかし、これが真実であろうと嘘であろうと、私はそこに行って確かめなければならない。したがって、私はリトゥパルナの目的を達成し、私自身の目的も達成する」。このように心に決めたヴァフカは、悲しみに暮れながら、両手を合わせてリトゥパルナ王に語りかけた。王よ。すると君主よ、バンガスーラの王子の命により、ヴァフカは厩舎に行き、馬を調べ始めた。リトゥパルナから何度も急ぐように促されたヴァフカは、よく吟味し、慎重に検討した結果、肉は痩せていたが、力強く、長旅が可能で、気力と体力に満ち、高い品種で従順で、不吉な印がなく、鼻の穴が広く、頬が膨らんでいて、10本の毛の巻き方に欠点がなく、(シンドゥの国で)生まれ、風のように俊足な馬を何頭か選んだ。これらの馬を見て、王はいささか怒って言った。あなたは私たちをからかうべきではありません。私の馬は力も息も弱いのに、どうして私たちを運ぶことができようか。また、これらの馬の助けを借りて、どうやってこの長い道のりを行くことができましょう」。ヴァフカは答えた、『これらの馬はそれぞれ、額に一巻き、こめかみに二巻き、脇に四巻き、胸に四巻き、背中に一巻きしています。間違いなく、これらの馬はヴィダルバ族の国に行くことができるでしょう。王よ、もし他の馬をお考えになるのであれば、その馬を指さしてください。リトゥパルナは言い返した、「ヴァフカよ、あなたは馬の科学に精通し、また(馬を導くことに)巧みである。汝ができると思う馬を速やかに軛につけてください」。そこで熟練したナラは、品種の良い、しかも従順で俊足な四頭の優れた馬を車に牽かせた。馬がつながれると、王は間髪入れずに車に乗り込んだ。王よ、その時、人の中で最も優れた、祝福された王ナラは、元気と力に満ちた馬をなだめ始めた。そして、手綱で馬を引き上げ、戦車乗りヴァルシュネーヤを車の上に座らせ、大急ぎで出発する準備をした。そして、ヴァフカに煽られた最高の馬たちは、空に向かって上昇し、車の乗員を困惑させた。そして、風のような速さを持つこれらの駿馬が車を引くのを見て、アヨダヤの祝福された王は非常に驚いた。ヴァルシュネーヤは、車のガラガラ音と牡馬の操縦に気づき、ヴァフカの馬の操縦の巧みさに思いを馳せた。そして彼は考えた、「彼は天界の王の戦車手マタリなのだろうか?英雄ヴァフカにも同じような見事な兆候がある。それとも、馬の科学に精通したサリホトラが、このように美しい人間の形をとったのだろうか?それとも、敵対する町を減らしたナラ王がここに来たのだろうか?それとも、このヴァフカがナーラが知っている科学を知っているのだろうか。ヴァフカの知識はナーラのそれに匹敵する。さらに、ヴァフカとナーラは同じ年齢である。ヴァフカとナーラは同い年である。この者もまた、ナーラのような優れた者ではなく、同等の知識を持つ者であろう。しかし、高名な人物は、災難の結果、あるいは経典の定めに従って、変装してこの世を歩くものである。この人物が見苦しい外見であることは、私の意見を変える必要はない。ナラは、彼の個人的な特徴を奪うことさえできると思うからだ。年齢的には、この人はナーラに匹敵する。しかし、外見には違いがある。ヴァフカは、これまたあらゆる功績に恵まれている。だから、私は彼がナラだと思う」。偉大な君主よ、このように長い間心の中で推論していたヴァルシュネーヤは、正義のナーラの(かつての)戦車乗りであったが、思索にふけった。リトゥパルナ王もまた、ヴァフカの馬術の腕前を目の当たりにして、彼の戦車手ヴァルシュネーヤと共に大いなる喜びを味わった。そして、ヴァフカの熱心さと手綱の持ち方を思い、王はこの上ない喜びを感じた」。 第3-70章.第3-71章.第3-72章.
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登録日:2023/08/09 Wed 19 03 00 更新日:2024/06/11 Tue 01 06 45NEW! 所要時間:約 20 分で読めます ▽タグ一覧 どうも息子がお世話になってます トリニティ最高の頭脳 トリニティ総合学園 ブルアカ ブルーアーカイブ 浦和ハナコ 淫乱ピンク 痴女 秀才 補習授業部 豊田萌絵 「浦和ハナコです。これから色々とよろしくお願いしますね。……はい、それはもう「色々」と。」 浦和(うらわ)ハナコは、ゲーム『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』の登場人物。 【プロフィール】 学園:トリニティ総合学園(2年生) 部活:補習授業部 年齢:16歳 誕生日:1月3日 身長:161cm 趣味:徘徊 CV:豊田萌絵 【人物】 豊満なスタイルが目を引くが、清楚な雰囲気でおっとりとした感じの少女。 入学当初の彼女は、まさしく才媛と呼ぶに相応しい超・秀才であり、生徒会長(ティーパーティー)の次期有力候補とすら目され、特にシスターフッドからも目をつけられていた。 しかし、彼女を取り巻くのは即ち、派閥争いのために自分を利用しようとする人間ばかりであった。 そんな学園生活に嫌気が差し、退学(*1)するつもりでいたが、ある時を境に別の考えに至った様子で―― 古来より、権力闘争と策謀から避けられない立場にいる人間が、そこから逃れるための手段として…… 「気の触れた者、愚か者として振る舞う」というのがある。 「先生は脱ぐの、お好きではないのですか? 私は結構好きでして、時々、全部脱いだ状態で校庭を歩いたりもするのですが、そうするとえも言われぬ気持ちになるんです……。」※靴を脱いでいた直後の発言 「いっそ、トリニティ全体で流行ったら面白そうですね。みんなで一斉に脱いでしまって、晴れやかな気持ちで登校する……ふふっ、想像するだけですごい景色だと思いません?」“裸足で登校っていう話だよね……?”「いえ、裸で登校するお話です。は・だ・か・で♡全員が一糸まとわぬ姿で、■■を■■のも■■にして、■■してないかどうか■■で■■■■に■■してもらって■■■■■■■■■■るんです。」 そうして彼女は、痴女になった。 校内を水着(学校指定)で徘徊する、礼拝堂での授業に水着で現れるなどの蛮行を繰り返したことで、 思惑通りか、現在の彼女からは才媛としての評判は見事に鳴りを潜めることとなった。 そのような経緯から、トリニティとそこに渦巻く権謀術数に対して非常に強い嫌悪感を持っており、猥褻言動を除けば物腰穏やかであるその口からは、トリニティのこととなると強めの悪口が出てくることもしばしば。 一方で、当のハナコも「本性を仮面(痴女)で隠し、権謀術数に長け、交渉によって他人を思うように動かせる人間」であり、ハナコが嫌っている「トリニティらしさ」にまんま当てはまる。 そういった部分に自覚はある様子であるものの、元からそうなのかトリニティ色に染まった結果なのかは不明だが、そういう振る舞いは止められないようだ。 猥褻言動は一種のストレス発散でもあると言え、他人をからかうことを楽しみにしている部分もあり、先生に対してもそういった理由で何かとからかっている。 そういうハナコの態度に惑わされつつも極力温かく受け入れようとする先生のことを好ましく感じているようだ。 総合して、見方を変えると、あくまで他の目的ありきで猥褻な振る舞いをしている、謂わば「ファッション痴女」とも言えるが、どこまでが趣味なのかはハッキリしない。 補習授業部としては、猥褻言動を除けば結構真っ当にお姉さんポジションである。 タイプは違えど共通して純真さを持つ彼女たちに対して好感を持っており、彼女たちとその関係性を守りたいという気持ちも強い様子。 その中でも、もう一人の淫乱ピンクであるコハルに対しては、格好の獲物とばかりにからかい倒しているが……。 なお、シスターフッドの一員にしてコハルと違い性的な意味でも純真なマリーにもちょっかいをかけているが、反応自体は変わったところはないものの内心引かれてないだろうか。 エデン条約編の中でも具体的には言及されないが、ティーパーティーの一角、百合園セイアとは交流を持っている模様。 退学を思い直したきっかけがセイアの助言であった様子で、そして見た目はともかく学年は上で、トリニティの環境では「様」付けで呼ばれることすら多い生徒会長に対してしれっと「セイアちゃん」と呼んでいるのである。 ヒフミの好むモモフレンズについては普通に趣味に合わないのか、明らかな愛想笑いで対応している。 【ストーリー】 + メインストーリー エデン条約編・最終編 上述の経緯のためトリニティ上層部の機密事項を色々知っており、そんな人間が体制に反抗的で、色々な意味で何をしでかすかわからない不穏分子となっていることがナギサによる嫌疑の要因となっている。 まあ、危険視されてもしょうがないところではあるだろう。 これより補習授業部となる4人が正義実現委員会の室内に集められる中、 「こんにちは。もしかして、私のことをお探しでしたか?」↑服装:スクール水着 という登場によってその場の空気を圧倒した。 この後出てくる「ドンパチやって大立ち回りの末に身柄拘束」のアズサに「水着で徘徊の末に身柄拘束」の罪で対抗できてしまう驚異の存在である。 そんなこんなで試験の準備に勤しむ中、ハナコはなんと、学業能力に問題のあるアズサ・コハルに対してナチュラルに助言を行い始める。 ハナコが元々は優等生であるという情報もまだ知らないヒフミは驚き、自分のように何らかの事情があって試験を落としたのか、それなら安心だと思い込むが―― ヒフミ:72点(ボーダーは60点)アズサ:32点コハル:11点ハナコ:2点 「2点!!?!?!?!?」 そして第1次試験不合格によって強制的に移行された合宿では、ハナコがまず合宿所となる廃校の掃除から始めることを提案。 その意見に賛同し、確実「汚れても良い服に着替えて」集合するが―― 各々が体操着に着替える中、水着で来た。 「お待たせしました、みなさん早かったですね?」 「アウトーーーーーー!!!」 「『汚れても良い服』だし、他に人もいないのだから見た目も問題ない」という何気に正当性はある反論をしたが、ウケ狙いだったのか結局体操着に着替えたらしい。 一通りの掃除を終えた後は、残された荒れ果てたプールも掃除することを提案する。 プールを貸し切り状態にして遊ぶというロマンのある提案に、何かハナコの目が怖いのを置いておきつつ「濡れても良い格好に着替えて」集合するが―― 各々が水着に着替える中、制服のまま来た。 「あんた掃除の時は水着でどうして今度は制服なの!?本当にバカなの!?「濡れても良い服」ってあんたが言ったんじゃん!?」 「これが「濡れても良い格好」ですよ?」 「もうあんたが何言ってるか分かんない!制服が濡れても良いの!?」 「コハルちゃん、これは各々の美学の問題かもしれませんが……水着と制服、どちらの方が濡れた時に「良い感じ」になると思いますか?」 と言いつつ「下に私物のビキニを着てきた、あとスクール水着の方は洗濯してしまったので無い」と主張して押し通し、水着姿でプール掃除をする青春サービスシーンが始まるのであった。 だが翌日の夜。 「よく思い出してみてください、コハルちゃん。私が昨日プールで着ていたものを……」「あれは、本当に 水 着(・・) だったと思いますか……?」 「!?!!? み、水着じゃなかったら何なのよ……!?」 「最近の下着はデザインがかなり充実していますし、一目で水着かどうかの判断は難しいと思いませんか? それに、ペイントという線も……♡」 などと言いつつ、「しかし、もし水着じゃなかったとして何が問題なのか。見た目で水着と区別がつかなかったならあの時は水着であるのと変わりなく、実は下着だとしても、その真実を証明することはできないのだから」といったことを捲し立て、コハルをからかい倒す。 「な、なに言ってるのかわかんない……け、結局どういうこと!?」「あの水着可愛かったですよね、という話です♡」 「……なるほど、五つ目のあれか。」 キヴォトスに伝わる「七つの古則」の一つ。 「楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか」(*2)……アズサはその一つだけをなんとなく記憶しているという。 ヒフミはその存在すら知らないくらいには一般に認知されていないそれを、明らかに学があるとは言い難いアズサが口にしたことで、ハナコは何か合点がいった様子を見せる。 と、ギャグシーンかと思ったら、エデン条約編の物語全体に関わるキーワードが登場して本筋が進行する超重要シーンとなっている。 ……あと、このシーンは後にもう一度回想され、先生がエデン条約編屈指の迷名台詞を放つ前フリとなる。 後日、ヒフミに「後で相談をしたい」と言われた夜……先生の部屋を訪ねてきた人物を出迎えると、そこにいたのはハナコだった。 水着の。 水着なことは「パジャマなので」と当たり前のことのように流され、ハナコが訪れたのはヒフミと同じく現状についての相談をしたいからであった。 しかしそこで昨日より少し遅れてきたヒフミと鉢合わせてしまい、水着のハナコを見て何か誤解をして(ここまで何度も脱いでるのを見てて今更誤解しなくてもよくない?)Unwelcome Schoolしてしまうのはともかく…… 「……ヒフミちゃん、今「昨日より遅い時間」って言いましたね!? つまり昨晩も来たということですよね!? そうなんですよね!?」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!? また後で、はダメですよね!? どうすれば良いですか、今晩はやめた方が良いですか!? 知らなくてごめんなさい間に入ってごめんなさい空気壊してごめんなさいっ……!?」 「待ってくださいヒフミちゃん、詳しく教えてください! 昨晩はおふたりで何をしていたんですか、今晩は何をする予定だったのですか!? ぜひ説明を、いえ、いっそ今から私の前で実際に再現を……!!」 常在戦場で異常に張り詰めているアズサや、「たかが落第」にしては妙に気張っている先生とヒフミを純粋に慮っていたハナコは、事情を知る2人から「実は全員が試験に受からなければまとめて退学」ということを知らされる。 それを知って、これまでの試験の点数はわざとであったことを告白し、他人を巻き込むのは本意ではないと今後は善処することを告げる。 さらに、まだそれ以上のことは話していないのに推察で現状の把握をしっかり済ませてしまうという知性を見せつける。 一方、わざと落第する行動に至った経緯およびハナコの過去については「個人的な理由であり言えない」と突っぱねた。 ちなみに、その直後の第3次模試の点数は、69点だった。 この後の第2次試験からナギサによる妨害が本格化し、ハナコも本気モードに。 勉強のサポートをしながら以降の模試では何の遊びもなく常時100点を出し、90点にまで引き上げられたボーダーを正面からねじ伏せる態勢を整えていくが、最終日になって事情は急変。 試験会場が正義実現委員会による厳戒態勢を敷かれた……のは序の口、アリウス学園によるナギサ襲撃計画が試験当日に前倒しとなり、その尖兵である「トリニティの裏切り者」アズサは全てを打ち明け、そして自らが襲撃計画を防ぐつもりであることを表明。 それを受けたハナコは、アズサだけではなく自分もまた補習授業部での日々に感化されたことを遠回しに明かす。 そして、ハナコの主導で「ナギサを襲撃から守りながら試験も正々堂々とクリアし、全てを解決する」ための作戦を練るのだった…… ナギサの補習授業部に対するあれこれ、特に妹分のヒフミを切り捨てようとしたことがよほど気に障っていたらしいハナコは、計画上特に必要のないヒフミの捏造発言を吹き込み、ナギサにトラウマを植え付けた。 そういうところがトリニティしぐさなんだよなあ…… また、縁のあるシスターフッドに対して身を切って交渉し、助力を引き出すことで戦力の問題を解決している。 この後現れることになる「黒幕」の正体については薄々勘付いていたようだ。(*3) 続く3章では冒頭にてシスターフッドとハナコを交えた会話の中で、先の一件で助力した代わりにいざという時にはハナコの助力を約束するという取引をしていたことが明らかになる。 その助力の機会はすぐに訪れ、アリウスによるエデン条約締結の阻止、もといエデン条約の乗っ取りが始まる。 ハナコは状況解決のためにシスターフッド側から奔走し、散りばめられたピースからアリウスの真意にいち早く気がつく物語上の役を担うなど、その知性を存分に発揮することとなる。 最終編でも、キヴォトスの危機に際してエデン条約編3章と同じように裏方として活躍。 シスターフッド・救護騎士団、駆けつけたアリウススクワッドによる実働部隊の指揮を担当するが…… 「さ、サクラコ様……? その格好は……いったい……!?」「……そ、その衣装は……」 「さ……サクラコさん!?」 「これは最後の聖徒会長が残した、ユスティナ聖徒会の礼装…………ええ。これが私の覚悟です。」 シスターフッドのリーダーである歌住サクラコは、特別な礼装を着て姿を現した。 旧トリニティの支配者にしてシスターフッドの前身、しかし忌まわしき過去の体現でもあるその礼装を決戦のため自ら身に纏う、覚悟の現れであった。 なお、デザインは尋常ならざる切り込みのハイレグレオタードである。 「これまで続いてきた憎悪の連鎖を断ち切り、新しく――」 「――サクラコさん。」 (BGM:「Unwelcome School」) 「それが……「覚悟」なのですか!?その、破廉恥な衣装が!?それが本当に! シスターフッドが引き継いだ、聖徒会の意志なのですか!?その……つまり、これから、シスターのみなさんにその衣装を着用させるということなのでしょうか!?」「そ、そう……なのですか!?」「わ、私は……そのような格好は……あう……。」 「着るのにかなりの覚悟が必要とされる、ギリギリラインのハイレグレオタードを……!?歩くたびに後ろ姿が気になって仕方ないであろう、非合理的な布面積のデザインを……!?それが本当に……サクラコさんの覚悟だとおっしゃるのですか!?」 大混乱するシスター一同をよそに、サクラコの覚悟(誤)を受け取ったハナコも覚悟を決め、通信越しに制服を脱ぎ捨てて水着姿(いつもの)に。 水着は元から着用済みなわけで、こんな状況でも脱ぐタイミング狙ってたなコイツ。 直前までアリウスとの会話でしっかり株を上げていたのに完全に場をぶっ壊していったが、反応からしてシスターであるヒナタやマリーにも覚悟(本来の意図)は全然伝わってないようなので、ある意味「よく言った」的な状態かもしれない。 ハナコは本来の意図も理解してそうなのでタチが悪い。 それはともかく、「ウトナピシュティムの本船」にもオペレーターとして補習授業部では唯一同行し、目立つわけではないが最後まで出番がある。 設定の都合上ミレニアム組ばかりが喋りがちなテクノロジー絡みの会話にもわりと混ざれるところを見せるなど、その知性は留まるところを知らなかった。 + イベント 「どたばたシスターと古書館の魔術師」では本人が関わるわけではないが、ハナコから没収した「カーマスートラ」(*4)をたまたま先生が持ったままだったせいで、 ヒナタのうっかりで崩れ去った経典の存在を誤魔化すため、先生が急場凌ぎのダミーとして経典を収納する箱の中に入れてしまい、もし経典の修復および差し戻しに失敗したら経典を読み上げる予定のサクラコが社会的に終わるところであった。 これに関しては別にハナコは(カーマスートラを持ち歩いてた問題行動以外は)悪くないが…… 「晄輪大祭」イベントでは、前編「ON YOUR MARK @MILLENNIUM」の本筋には登場しないものの、そのラストで 「――まもなく、選手宣誓が行われます。選手代表は、アビドス高等学校の「奥空アヤネ」選手と――――トリニティ総合学園の「浦和ハナコ」選手です。」 というその後に待ち受ける絶望を示唆するオチで前編が終わる。 そして後編「Get Set,Go!」では、冒頭から当該シーンが始まることに。 「他人の視線など気にせず、自分に素直になれば良い」「目に映る相手をキュウリやニンジンだと思えば」などとアヤネの緊張を解しつつ壇上に上がったハナコは―― 「晄輪大祭は、様々な学園の生徒が武器を置き、お互いの素肌をぶつけ合って親交を深める友愛の場……。それはつまり……■■と同じでしょう?」 「前々から思っていたのです。お互いの素肌をぶつけ合うだなんて……晄輪大祭はなんと淫らなお祭りなんだろうって……うふふっ。ですが、私はとても良い機会だと思っています。所属やちょっとした先入観で、お互いの気持ちは容易く理解できなくなってしまいますが……身体は正直なものですから。キヴォトスの生徒が集まって仲良く■■■■をする姿は、まさに泰平なるキヴォトスを目指しく様であり――」 「うふふっ……■■、■■です! みんなで■■いたしましょう!激しく、もっとお互いを求めて! ■■を! ■■を! ■■を――!!」 やめないか!! なお、選手宣誓は放送上なかったことにされたものの出禁などは免れ、競技では大玉転がし、玉入れ、お玉レースなどで活躍を見せたとのこと。運動能力が高そうな描写はないのだが、なんなのそのスケベパワーは 「どたばたシスターと古書館の魔術師」の続きとなっている23年夏イベ「隠されし遺産を求めて~トリニティの課外活動~」ではメインキャラとして登場。 前回のラストで修復した経典をこっそり複製していたことがバレたウイがサクラコに問い質されていたところに水着姿で(深夜)通りすがり、事態を丸く収めさせるため、「シスターフッドによる調査が進んでいない、無人島にある遺跡の調査をウイに依頼し、代わりに複製の件は不問とする」という提案をする―― ……という名目で、この一件の関係者でもあるヒナタや先生、そして適当な名目で誘い出したコハルを連れ、そしてなぜかみんな水着姿にされつつ調査に励むのであった。 コハルに関しては本人からしたら全くわけのわからない状況であり、理由を問われると 「……コハルちゃんと海に行けなかったから……それが、ずっと気がかりで……だから、せっかくなのでコハルちゃんとも遊びたいな、と思って……。」 と、あまりにもあけすけにぶっちゃける。あけすけすぎて冗談に見えるほどの発言だが、以降の動きを見ても純然たる本音だと思われる。 かつて(現実で言う2年前)ヒフミとアズサが2人で夏の思い出を作っちゃってそのまま終わっていたことを気にしており、この一件にかこつけてコハル共々夏の思い出を拵えてしまおうという算段だったのだ。 ……ただ、複数のことを一挙に解決するために見事な策を練ったはいいが、「コハルは知らない人たちと水着でエンジョイできるような気性ではない」という部分は、ハナコ視点では実感しにくいのもあってか甘く見ていたのではという感がある。 なお、なんとハナコは遺跡の正体について初めから目星がついていたらしい。 このイベントの出来事は、正真正銘ウイの実績と夏の思い出作りでしかなかったのである。 【性能】 「ちゃんと……受け止めてくださいね!」 レアリティ:★2 役割:SPECIAL ポジション:BACK クラス:ヒーラー 武器種:AR 攻撃タイプ:貫通 防御タイプ:特殊装甲 EXスキル「禁じられた遊びを始めましょう」(コスト5)円形範囲内の味方に対して持続回復を付与(8秒間) ノーマルスキル「固くなあれ♪」20秒毎に、HPが最も低い味方1人の防御力を増加(13秒間)→(愛用品Tier2)20秒毎に、HPが最も低い味方2人の防御力を増加(13秒間)/回復 パッシブスキル「ヤル気マンマンです」治癒力を増加→(固有武器★2)治癒力を増加/さらに治癒力を増加 サブスキル「一緒なら恥ずかしくありません!」味方の治癒力を増加 低レアリティのスペシャル・ヒーラーの一人。 スキル名が酷い。 しかし、この回復スキルは文面ではわかりにくいが場所に設置するタイプであり、持続時間中に味方が移動すると無駄になってしまう。 そのため、通常任務を始めとして使いにくい局面が多い。 そのうえコスト5と重い。パッシブ・サブがいずれも治癒力を高めるのも相まって回復量自体はかなり高いが、ブルアカの回復EXは回復量が少なくても回転が早い方が何かと便利である。 ノーマルスキルも、HPはそもそも初期値の差があるのもあって、実際にピンチな守りたい味方にちゃんと飛んでくれるかどうか安定しないし、元々の防御力が低い生徒は本当に低いため気休め程度なことも。 サブの治癒力増加は汎用性の面でも難がある。ヒーラーやシールド持ちでもなければ治癒力があっても意味がないので、他のヒーラーの回復力も上げたいという特殊な局面でしか輝き難い。 ……という感じで、全体的にゲームシステムとの噛み合わなさが目立っており、ハッキリ言って使いにくさは否めない。 尤も、低レアリティヒーラー・シールダーはセリナを除けば総じて使いにくいところがあるので、露骨に劣るわけではないが。 という感じであったが、2023年10月に愛用品が実装される。 なお、品目は「怪しげな文学書」。よく没収されているらしい。 Tier2効果でノーマルスキルの対象が2人に拡大、そして回復効果が追加。 回復量自体はEXの回復総量の1割強程度と微々たるものだが、元のスキル間隔が短いおかげで前述した「小回りのきく回復」そのものなので見た目より優秀。 強キャラとは行かないまでも、低レアの利点込みでヒーラーとして選択肢に加えられる程度まで評価が見直された。 初心者先生にとっても相当助かるのだが、初心者では愛用品Tier2が難しいのが玉に瑕。 【ハナコ(水着)】 「お待ちしておりましたよ、先生。もちろん、ずーっとこの格好で♡」 レアリティ:★3 役割:STRIKER ポジション:MIDDLE クラス:アタッカー 武器種:AR 攻撃タイプ:振動 防御タイプ:重装甲 EXスキル「たっぷりかけちゃいますね♡」(コスト2)扇形範囲内の敵に対して、攻撃力分のダメージ/水ゲージが1つ以上の場合、EXスキルをすぐにドローした後、水ゲージを1つ差し引きます。 ノーマルスキル「上手に受け取ってください♡」30秒毎に、円形範囲内の敵に対して攻撃力分のダメージ/さらに防御力を減少(20秒間) パッシブスキル「真夏に隠された本音」攻撃力、会心ダメージ率を増加→(固有武器★2)攻撃力、会心ダメージを[固定値]増加/さらに攻撃力、会心ダメージ率を[割合]増加 サブスキル「準備は万端です♡」自身を除く味方がEXスキルを使用時、水ゲージを40%チャージ100%チャージされる毎に、攻撃力を増加(20秒間)(水ゲージのチャージ数は最大2ゲージまで) 2.5周年募集の限定生徒として登場。ストライカーでアタッカーと、全く面影のないタイプになった。 まさかの周年枠としての登場は驚きの声が多かったが、とはいえ1.5周年も水着生徒だったし、そのホシノとはメインスト組・ピンク・年長・実力を隠した振る舞いと共通点も多かったりして。 でも、そもそも平時から水着で現れる女の(水着)とは……? 濡れ透けワイシャツ姿であった。 水着じゃねぇ!!! ……と言っても、実際には下に着ており、胸からピンクのビキニが透けている。 「うふふっ。水着だと思えば、水着ですよ♡」 そして濡らすためなのか水の出せるホースを持参し、さらに胸下に巻きつけることでボリュームを強調。 ハナコらしいと言えばらしい高度に計算されたドスケベデザインで参戦と相成った。一方、コハルは華奢な体と特に工夫もない水着姿だが謎の線一つで話題を集めた。 さらには表情も、見た目だけなら清楚に見える通常版と同一人物とは思えないほど目を細めた妖艶な雰囲気になっている。 表情差分でも元の目つきに戻ることはなく細いままで表情変化する。 なお、透けているのはトップスだけで、 ワイシャツで巧妙に隠された下半身は、透けてないしシャツ以外の布地の存在が全く確認できない。 水着じゃなくてはいてないと思えば、それははいてないから。 これは立ち絵だけではなくSDキャラもどうやっても下半身の衣を確認できない作りで、EXスキル使用時はハナコの正面を捉えているが露骨な謎の光が下半身を遮るという徹底っぷりである。 なお、透過や読み込みラグの発生等によってSDモデルでは本当にはいてないという報告がある。 イベント内での振る舞いも特徴的だが、そのあたりは上のストーリー項を参照のこと。 絆ストーリー第1話が「今日は安全日です」というタイトルでプレイヤーを愕然とさせた。 ちなみに、「この無人島では先生をからかうつもりはないので、(発言的な意味で)安全ですよ」という意味である。 ……正確には「先生と二人の時」という条件であり、他の面々と合流したら普通にやり始めているので言うほど安全な日でもないが。 性能面での最大の話題性は、初の攻撃タイプ振動持ちであること。一体ナニが振動してるんですかね? 既存3タイプに一方的に有利を取る弾力装甲の弱点を突ける待望の第4攻撃タイプであり、その希少性からの活躍が期待される。 ……しかし裏を返せば、弾力装甲というその性質ゆえに登場時点では全然普及していないレア属性に対してしか弱点を突けないということであり、今後の弾力装甲の登場率に依存する面はある。 ただし、その点を考慮してか振動タイプは既存3タイプと異なり、特殊装甲に対しても弱点よりは控えめな1.5倍ダメージを与えられる「劣化神秘タイプ」として機能するようになっている。 かと言って、使い道が乏しく使いにくいキャラなのかというと全くそういうわけではない。 単純にコスト2の扇形範囲攻撃EXスキルという時点で強い。 しかも有用扇形範囲攻撃の雄であるモモイ(ですらコスト3である)のそれと同等以上の広範囲であり、しかも軽い範囲攻撃持ちが希少な傾向にある神秘相当の運用ができることから痒いところに手が届く。 ……というのは実装当初の評価で、その奥には秘められた真の評価が潜んでいた。 単純に威力がコスト2範囲攻撃にしてはめっちゃ高いのである。 ダメージ半減となる重装甲相手でも雑魚散らしとして通用するダメージを出せるくらいに。 そのうえで軽いことから想像以上の汎用性を誇っており、範囲攻撃が欲しい戦闘全般で頻繁に採用が検討される存在と化している。 任務では当然無双できるため、周年の時期にブルアカを始めて彼女を引いた初心者先生にとってもキャラ自体にはドン引きかもしれないが極めてありがたい性能である。 後半部はユニークなテキストだが、水ゲージは他の生徒のEXを2.5回使うごとにチャージされ、この条件を満たすことでハナコEX使用後、本来は3回他のEXを使った後に回ってくるハナコEXが即座にまた回ってくるというもの。ドロー! 痴女(モンスター)カード!! 連射する価値が十分以上にスキルであるし、アコ・ヒマリなどの短時間バフの恩恵を容易に連続で受けられる利点があり、さらなる強みを発揮できる。 ただし、メインで使いたくない時に「スキル回し」としての運用ができないという無視できない欠点も。 それ以外のスキルはダメージを稼ぐ方向でまとまっており、また通常アズサなどのようなNS防御デバフ要員としての素養も持ち、高難度コンテンツへの意識が高い。 同時期のイベント報酬であるコハル(水着)と同時に出撃させると、いつもの掛け合いを思わせるデフォルメアイコンが出てくる専用演出がある。 性能的にはあちらは神秘範囲アタッカーで、コハルが刺さる局面の多くはハナコも得意であるため、実戦でも併用できる余地はあるだろう。 「追記・修正したい、ですか……。私のことを思うがままにしたいなんて、まあ……♡」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 誰かこいつの口をふさげぇ!先生が色々あぶない!後コハルも耐えられない! -- 名無しさん (2023-08-09 19 29 53) 道化を演じる天才 おかしい振る舞いで相手から「こいつイカれてんな」と思わせることで人との関係を断ち、内心と智謀をひた隠しにする皮肉にも「とてもトリニティらしい」人物 本人からすればそんな評価されようもんなら内心ブチ切れるだろうけど -- 名無しさん (2023-08-09 19 37 31) 「エッチなのは駄目!4刑!!」 -- ◯ハル (2023-08-09 19 56 34) 愚者の仮面をかぶった賢者…仮面とルックスがベストマッチ過ぎたからとんでもないことに -- 名無しさん (2023-08-10 08 23 25) デバフが他のNS枠とも重複するのがつよつよポイント とはいえアニバ限なら水おじミカくらいわかりやすく壊れてくれてもいいのよ -- 名無しさん (2023-08-10 08 29 41) 2回目の試験マッチポンプで妨害された時の、ナギサに対する静かかつ燃えあがるような怒りのシーン好き -- 名無しさん (2023-08-10 08 39 55) こ れ は ひ ど い -- 名無しさん (2023-08-10 12 47 46) 水着ハナコの勝利ポーズの一つに「デカい水晶埴輪を持って微笑む」(ちなみに水着ハナコのスキル上げに埴輪は使わない)ものがあるが、やっぱあの埴輪そうやって使うものなのかと -- 名無しさん (2023-08-10 15 57 12) 「トリニティらしさ」が抜けないの、一般生徒の立場になったのに事ある毎にシスターフッドのコネを使ったり口出しするからだと思う。それが嫌なら嫌で、もっと関わらずに距離を置くべきなんじゃないかな。 -- 名無しさん (2023-08-10 17 08 39) リオの扱いとか見るとわかりやすいがブルアカのストーリーは一般人的な奴がクレバーに真理を突くけどトップにいる奴の重責とかは微妙に軽視するみたいな風潮があるからね、しょうがないね -- 名無しさん (2023-08-10 23 13 26) ハナコは明らかに「そうしたいのにできない人間」として描かれてるわけで、意図せずそうなってるという類の瑕疵を根拠にするのは違わない? -- 名無しさん (2023-08-11 05 39 13) 不器用な女と判明したのがおいたわしい -- 名無しさん (2023-08-13 19 04 22) ホ ン ト に 履 い て な か っ た(バグで上着のモデルが消えた画像を見て) -- 名無しさん (2023-09-28 14 00 12) 水着ハナコの初期評価低スギィ! 等倍の軽装甲でも焼き払える連射範囲火力で、初心者先生は余裕で俺TUEEEできたゾ -- 名無しさん (2023-10-13 21 47 57) あれ再現も報告されないし大分疑わしいぞ シャツのボタンの描画だけ残ったままなんて処理上有り得んでしょ -- 名無しさん (2023-10-16 09 23 15) ↑2 等倍どころか耐性相手にも起用されるレベルでイかれた範囲火力してやがるぜ… -- 名無しさん (2023-11-15 13 17 43) 遮蔽物壊しながら広範囲に600%を3連射だもんなぁ -- 名無しさん (2023-12-01 12 32 14) ドロー!痴女カード!で腹筋が破壊された。というか全体的にコメントがツッコミまくり -- 名無しさん (2024-01-05 19 16 41) ↑あら・・・ツッコムだなんてウフフ♪ -- 名無しさん (2024-02-21 09 49 25) 名前 コメント
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万丈目準(まんじょうめじゅん) 遊戯王デュエルモンスターズGXおよび遊戯王GXの登場人物。 デュエル・アカデミアに所属するデュエリスト。巨大財閥である万丈目グループの御曹司でもある。 使用デッキは《炎獄魔人ヘル・バーナー》を主軸とした悪魔族デッキ(ただし当初は地獄やヘルとついてればなんでもよかったらしくシナジーがないカードが多い)、《アームド・ドラゴンLV10》を切り札とするドラゴンデッキ、前作のライバル海馬瀬人が使用していたユニオンモンスターをさらに強化したVWXYZ(ヴィトゥズィ)デッキ、 ノース校及びアカデミアの井戸で拾ったおジャマ三兄弟で統一したおジャマデッキなどなど、その時々によって使用デッキが変わる。 アカデミアに入学して間もない頃は自分が所属しているクラスが最高ランクのオベリスク・ブルーである事から我が物顔で威張り散らし、 下級ランクであるオシリス・レッドやラー・イエローの生徒達を見下したりしていた。 しかし、格下クラスの生徒である十代に敗北した事によりブルー生徒達には白い目で見られ、 政界財界のトップである兄達からは「我々は常にトップであり続けなければならない」とさらにプレッシャーをかけられ、 ついには三沢にまで敗れ、自らアカデミアを飛び出してしまう。 このように一度どん底に落ちた彼であったが偶然流れ着いた姉妹校であるノース校で一之瀬校長が仕組んだ厳しい修業を重ねる内にたくましく成長を重ね、 選抜デュエルでは十代にまたもや敗北するもののノース校本校問わず新たなファンを獲得し、「万丈目サンダー」と呼ばれ親しまれるようになった(サンダーは「万丈目」と呼び捨てにされた時に「万丈目『さんだ』」と訂正していたことに由来する)。 その後本校に復学するが、勝手に休学したとして(単位が足りないというのもあるが)オシリスレッドに配属されることになった。 サンダーがデュエルで勝利したあとは「一!十!百!千!万丈目サンダー!!」の掛け声をかけるのがお約束。 またこの頃から十代を良きライバルとして見るようになり、同時にギャグキャラポジションへと変わりつつあった。 同時に、アカデミアでの人望もついてきて、次第にリーダーの立場へ成長していった。 その後買収を仕掛けてきた兄達に成長ぶりを認められたり、 傲慢だった頃の万丈目を尊敬していた後輩を馬鹿にしていた弱小モンスターで打ち勝ったり、 レッド寮を財力を使いリフォームするなどカッコイイ場面やお茶目な部分もあったが、 斎王に洗脳され白の結社の信者の一員にされたり、 3年目ではゾンビにされたり邪心経典の効果で別の次元に幽閉されるなどロクな活躍が無いまま終わる事もしばしば。 兄たちに一人前に認めてもらい恩返しをするために万丈目グループ以外とプロデュエリスト契約しようとし、 なかなか成立できずに苦しんでいたが、クロノス教諭の計らいによって、 卒業間際に現役プロデュエリストであるエド・フェニックスの付き人となった。 その時にエドがスポンサーである千里眼グループ総帥から万丈目グループの人間を雇った事を追求されていた事から、 万丈目自身の実力だけではなく出自の問題によってなかなか契約先が決まらなかった事情がうかがえる。 エドや周りの人々よりプロの厳しさを学び、彼とエドの決闘を見たスポンサーから契約依頼が殺到する事となる。 十代同様「カードの精霊が見える」という稀有な才能の持ち主。 最初こそ見た目も性格も最悪であったおジャマ三兄弟達を邪見扱いしていたが、一度どん底に落ちた事もあってか「下には下がいる」精神が根付き、 4年目のエドとのデュエルでは今まで弱小扱いしていたおジャマイエローを「俺のデッキのエースモンスター」と呼ぶなど下に居る者の気持ちが理解できるようになったようだ。(*1) 当初は「イヤミなエリート」から転落していく…立場に見えたのだが、復活を果たして以降は十代の仲間として重要な位置を占めた。 表面的には人当たりが良いが私事を優先して他人を蔑ろにしてしまう十代とは対照的に、彼はぞんざいに扱いつつも自分を慕う者は見捨てない親分肌(*2)であり、本人の成長と共に「アカデミアのリーダー」にまでなった。 声優は松野太紀。 金田一少年の事件簿の金田一一も演じており、「名探偵サンダーの名にかけて!」は紛れもなく声優ネタである。 漫画版遊戯王GXではアニメとは一転して「一見クール。その実、熱血漢」という正統派ライバルとして登場している。 エースモンスターは《光と闇の竜》で、アニメと同じくカードの精霊を見ることが出来る。 アニメでは一度も勝ったことが無かった十代相手に勝利したり、ラスボスとの最終決戦で十代とタッグを組み善戦したりと、デュエルの実力的にはアニメよりも優遇されている。 しかしアニメでの「万丈目サンダー」のはじけっぷりを愛するファンからは戸惑いの声も多い。 なお、このキャラ付けは原作者のカズキングによるものである。 影山もアニメのハジケぶりをかける自信はなかったらしく、この案を聞いて安堵していた。
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第12-291章.第12-292章.第12-293章. 第12-292章. パラーシャラは言った、「この車、すなわち心を備えた肉体を得て、知識の手綱で感覚の対象に代表される駿馬を制しながら進む者は、必ず知性を持っていると見なされるはずである。心がそれ自体に依存し、生活の手段を捨てた人による(至高者への献身と集中した瞑想という形の)敬意は、高い賞賛に値する--その敬意とはすなわち、再生した者よ、行為を超越することに成功した者から受けた指示の結果であるが、同じ進歩の状態にある人間の相互の議論からは得られないものである。 王よ、このような困難の中で、与えられた人生の期間を得たのだから、それを(感覚の耽溺によって)減らしてはならない。その一方で、人は常に正しい行いによって、徐々に進歩するように努めなければならない。 ジヴァがその存在のさまざまな時期に到達する6つの異なる色の中で、優れた色から外れた者は、非難と批難に値する。それゆえ、善い行いの結果に到達した者は、ラジャの性質によって汚されたすべての行いを避けるように自らを律するべきである。 人 人は正しい行為によって優れた色に到達する。優れた色合いを獲得することができず、そのような獲得は極めて困難であるため、人は罪深い行いをすることによって、(地獄に沈み、劣った色に落ちることによって)自らを殺すだけである。無意識に、あるいは無知でしてしまった罪深い行為は、すべて懺悔によって滅ぼされる。しかし、故意に犯した罪深い行為は、多くの悲しみを生む。それゆえ、人は悲しみだけを実らせる罪深い行為をしてはならない。知性のある人は、たとえそれが最大の利益につながるとしても、その性格上罪深い行為を決してしない。 私が目にする罪深い行為の果実は、なんと惨めなものだろう!罪によって、罪人の視覚そのものが倒錯し、肉体とその不安定な付随物を魂と混同する。 現世で離俗に身を任せることに成功しなかった愚かな人は、来世に旅立つとき、大きな悲しみに悩まされることになる。 汚れた色の付いていない布はきれいにすることができるが、黒く染まった布はそうはいかない。罪を犯したことを知りながら、その罪を償うために正しい行いをする者は、その善行と悪行の果実を別々に享受し、耐えなければならない。 梵語を話す者たちは、ヴェーダに記されていることの権威のもと、無知のうちに犯した傷害行為はすべて正義の行為によって取り消されると主張する。しかし、意識的に犯した罪は、義によって取り消されることはない。このように、ブラーフマナの経典に精通したブラーフマナの再生者は言う。私自身について言えば、正しい行為であれ、罪深い行為であれ、故意に行ったものであれ、そうでないものであれ、どのような行為であれ残る(その果実を享受したり、我慢したりしない限り、決して破壊されることはない)というのが私の考えだ。 どんな行為であれ、心が十分に熟慮して行ったものであれば、その粗雑さや微妙さに応じて、粗雑な果実や微妙な果実を生む。 しかし、正しい魂の持ち主よ、もし無知で行ったならば、大きな傷害を伴うそれらの行為は、必ず結果を生み、地獄に至る結果さえも生む。 その結果は,それを生ぜしめた行為に比して,重大なものである。 神々や評判の高い行者によってなされるかもしれない(疑わしい、あるいは正しくない性質の)行為については、正しい人は決してそのような行為をしてはならないし、そのことを知らされても、彼らを非難してはならない。 王よ、自分の心で反省し、自分の能力を見極め、正しい行いを成し遂げる者は、必ず自分の利益になるものを得る。焼かれていない容器に注がれた水は、次第に少なくなり、最後には完全に逃げてしまう。しかし、焼いた器の中に入れておけば、その量は減ることなく残る。同じように、理解力の助けを借りて反省せずに行った行為は有益にはならないが、判断力を持って行った行為は、その素晴らしさが衰えることなく残り、その結果として幸福をもたらす。水の入った容器に他の水を注げば、もともとそこにあった水の量が増える。それと同じように、判断力をもってなされたすべての行為は、それが公平であろうとなかろうと、自分の正義のストックを増やすだけである。王は、敵や優位を主張しようとする者すべてを服従させ、臣民を正しく統治し保護すべきである。聖なる火を焚き、様々な犠牲を捧げ、中年または老年には森に引きこもり、そこで暮らすべきである(最後の2つの生活様式の義務を実践する)。自制心に満たされ、正しい行いをする者は、すべての生き物を自分のことのように見るべきである。また、目上の者を敬うべきである。王よ、真理と善行の実践によって、人は必ず幸福を得るであろう』」。 第12-291章.第12-292章.第12-293章.
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妙法蓮華経安楽行品第十四 爾の時に文殊師利法王子菩薩摩訶薩、仏に白して言さく、 世尊、是の諸の菩薩は甚だ為れ有り難し。仏に敬順したてまつるが故に大誓願を発す。後の悪世に於て是の法華経を護持し読誦し説かん。世尊、菩薩摩訶薩後の悪世に於て云何してか能く是の経を説かん。 仏、文殊師利に告げたまわく、 若し菩薩摩訶薩後の悪世に於て是の経を説かんと欲せば、当に四法に安住すべし。一には菩薩の行処・親近処に安住して、能く衆生の為に是の経を演説すべし。文殊師利、云何なるをか菩薩摩訶薩の行処と名くる。若し菩薩摩訶薩忍辱の地に住し、柔和善順にして卒暴ならず、心亦驚かず、又復法に於て行ずる所なくして、諸法如実の相を観じ、亦不分別を行ぜざる、是れを菩薩摩訶薩の行処と名く。云何なるをか菩薩摩訶薩の親近処と名くる。菩薩摩訶薩、国王・王子・大臣・官長に親近せざれ。諸の外道・梵志・尼・子等、及び世俗の文筆・讃詠の外書を造る、及び路伽耶陀・逆路伽耶陀の者に親近せざれ。亦諸の有ゆる凶戲の相扠相撲、及び那羅等の種々変現の戲に親近せざれ。又旃陀羅、及び豬羊鶏狗を畜い畋猟漁捕する諸の悪律儀に親近せざれ。是の如き人等或時に来らば、則ち為に法を説いて・望する所なかれ。又声聞を求むる比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷に親近せざれ、亦問訊せざれ。若しは房中に於ても、若しは経行の処、若しは講堂の中に在っても、共に住止せざれ。或時に来らば宜しきに随って法を説いて・求する所なかれ。文殊師利、又菩薩摩訶薩、女人の身に於て能く欲想を生ずる相を取って、為に法を説くべからず、亦見んと楽わざれ。若し他の家に入らんには、小女・処女・寡女等と共に語らざれ。亦復五種不男の人に近づいて以て親厚を為さざれ。独他の家に入らざれ。若し因縁あって独入ることを須いん時には但一心に仏を念ぜよ。若し女人の為に法を説かんには、歯を露わにして笑まざれ、胸臆を現わさざれ。乃至法の為にも猶お親厚せざれ。況や復余の事をや。楽って年小の弟子・沙弥・小兒を畜えざれ。亦与に師を同じゅうすることを楽わざれ。常に坐禅を好んで閑かなる処に在って其の心を修摂せよ。文殊師利、是れを初の親近処と名く。復次に菩薩摩訶薩、一切の法を観ずるに空なり、如実相なり、顛倒せず、動せず、退せず、転せず、虚空の如くにして所有の性なし。一切の語言の道断え、生ぜず、出せず、起せず。名なく相なく、実に所有なし。無量・無辺・無碍・無障なり。但因縁を以て有り、顛倒に従って生ず。故に説く、常に楽って是の如き法相を観ぜよと。是を菩薩摩訶薩の第二の親近処と名く。 爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言く、 若し菩薩あって 後の悪世に於て 無怖畏の心をもって 此の経を説かんと欲せば 行処 及び親近処に入るべし 常に国王 及び国王子 大臣官長 凶険の戲者 及び旃陀羅 外道梵志を離れ 亦 増上慢の人 小乗に貧著する 三蔵の学者に親近せざれ 破戒の比丘 名字の羅漢 及び比丘尼の 戲笑を好む者 深く五欲に著して 現の滅度を求むる 諸の優婆夷に 皆親近することなかれ 是の若き人等 好心を以て来り 菩薩の所に到って 仏道を聞かんとせば 菩薩則ち 無所畏の心を以て ・望を懐かずして 為に法を説け 寡女処女 及び諸の不男に 皆親近して 以て親厚を為すことなかれ 亦 屠兒魁膾 畋猟漁捕 利の為に殺害するに親近することなかれ 肉を販って自活し 女色を衒売 是の如きの人に 皆親近することなかれ 凶険の相撲 種々の嬉戲 諸の淫女等に 尽く親近することなかれ 独屏処にして 女の為に法を説くことなかれ 若し法を説かん時には 戲笑すること得ることなかれ 里に入って乞食せんには 一りの比丘を将いよ 若し比丘なくんば 一心に仏を念ぜよ 是れ則ち名けて 行処近処とす 此の二処を以て 能く安楽に説け 又復 上中下の法 有為無為 実不実の法を行ぜざれ 亦 是れ男是れ女と分別せざれ 諸法を得ず 知らず見ず 是れ則ち名けて 菩薩の行処とす 一切の諸法は 空にして所有なし 常住あることなく 亦起滅なし 是れを智者の 所親近処と名く 顛倒して 諸法は有なり無なり 是れ実なり非実なり 是れ生なり非生なりと分別す 閑かなる処に在って 其の心を修摂し 安住して動せざること 須弥山の如くせよ 一切の法を観ずるに 皆所有無し 猶お虚空の如し 堅固なることあることなし 不生なり不出なり 不動なり不退なり 常住にして一相なり 是れを近処と名く 若し比丘あって 我が滅後に於て 是の行処 及び親近処に入って 斯の経を説かん時には 怯弱あることなけん 菩薩時あって 静室に入り 正憶念を以て 義に随って法を観じ 禅定より起って 諸の国王 王子臣民 婆羅門等の為に 開化して演暢して 斯の経典を説かば 其の心安穏にして 怯弱あることなけん 文殊師利 是れ菩薩の 初の法に安住して 能く後の世に於て 法華経を説くと名く 又文殊師利、如来の滅後に末法の中に於て是の経を説かんと欲せば、安楽行に住すべし。若しは口に宣説し若しは経を読まん時、楽って人及び経典の過を説かざれ。亦諸余の法師を軽慢せざれ。他人の好悪長短を説かざれ。声聞の人に於て亦名を称して其の過悪を説かざれ。亦名を称して其の美きを讃歎せざれ。又亦怨嫌の心を生ぜざれ。善く是の如き安楽の心を修するが故に、諸の聴くことあらん者其の意に逆わじ。難問する所あらば小乗の法を以て答えざれ。但大乗を以て為に解説して一切種智を得せしめよ。 爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく、 菩薩常に楽って 安穏に法を説け 清浄の地に於て 牀座を施し 油を以て身に塗り 塵穢を澡浴し 新浄の衣を著 内外倶に浄くして 法座に安処して 問に随って為に説け 若し比丘 及び比丘尼 諸の優婆塞 及び優婆夷 国王王子 群臣士民あらば 微妙の義を以て 和顔にして為に説け 若し難問することあらば 義に随って答えよ 因縁譬喩をもって 敷演し分別せよ 是の方便を以て 皆発心せしめ 漸漸に増益して 仏道に入らしめよ 嬾惰の意 及び懈怠の想を除き 諸の憂悩を離れて 慈心をもって法を説け 昼夜常に 無上道の教を説け 諸の因縁 無量の譬喩を以て 衆生に開示して 咸く歓喜せしめよ 衣服臥具 飲食医薬 而も其の中に於て ・望する所なかれ 但一心に 説法の因縁を念じ 仏道を成じて 衆をして亦爾ならしめんと願うべし 是れ則ち大利 安楽の供養なり 我が滅度の後に 若し比丘あって 能く斯の 妙法華経を演説せば 心に嫉恚 諸悩障碍なく 亦憂愁 及び罵詈する者なく 又怖畏し 刀杖を加えらるる等なく 亦擯出せらるることなけん 忍に安住するが故に 智者是の如く 善く其の心を修せば 能く安楽に住すること 我が上に説くが如くならん 其の人の功徳は 千万億劫に 算数譬喩をもって 説くとも尽くすこと能わじ 又文殊師利、菩薩摩訶薩後の末世の法滅せんと欲せん時に於て斯の経典を受持し読誦せん者は、嫉妬・諂誑の心を懐くことなかれ。亦仏道を学する者を軽罵し、其の長短を求むることなかれ。若し比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の声聞を求むる者・辟支仏を求むる者・菩薩の道を求むる者、之を悩まし其れをして疑悔せしめて、其の人に語って汝等道を去ること甚だ遠し、終に一切種智を得ること能わじ。 所以は何ん、汝は是れ放逸の人なり、道に於て懈怠なるが故にと言うこと得ることなかれ。又亦諸法を戲論して諍競する所あるべからず。当に一切衆生に於て大悲の想を起し、諸の如来に於て慈父の想を起し、諸の菩薩に於て大師の想を起すべし。十方の諸の大菩薩に於て常に深心に恭敬・礼拝すべし。一切衆生に於て平等に法を説け。法に順ずるを以ての故に多くもせず少くもせざれ。乃至深く法を愛せん者にも亦為に多く説かざれ。文殊師利、是の菩薩摩訶薩後の末世の法滅せんと欲せん時に於て、是の第三の安楽行を成就することあらん者は、是の法を説かん時能く悩乱するものなけん。好き同学の共に是の経を読誦するを得、亦大衆の而も来って聴受し、聴き已って能く持ち、持ち已って能く誦し、誦し已って能く説き、説き已って能く書き、若しは人をしても書かしめ、経巻を供養し、恭敬・尊重・讃歎するを得ん。 爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく、 若し是の経を説かんと欲せば 当に嫉恚慢 諂誑邪偽の心を捨てて 常に質直の行を修すべし 人を軽蔑せず 亦法を戲論せざれ 他をして疑悔せしめて 汝は仏を得じと云わざれ 是の仏子法を説かんには 常に柔和にして能く忍び 一切を慈悲して 懈怠の心を生ぜざれ 十方の大菩薩 衆を愍むが故に道を行ずるに 恭敬の心を生ずべし 是れ則ち我が大師なりと 諸仏世尊に於て 無上の父の想を生じ ・慢の心を破して 法を説くに障碍なからしめよ 第三の法是の如し 智者守護すべし 一心に安楽に行ぜば 無量の衆に敬われん 又文殊師利、菩薩摩訶薩後の末世の法滅せんと欲せん時に於て法華経を受持することあらん者は、在家・出家の人の中に於て大慈の心を生じ、菩薩に非る人の中に於て大悲の心を生じて、是の念を作すべし、是の如きの人は則ち為れ大に如来の方便随宜の説法を失えり。聞かず知らず覚らず、問わず信ぜず解せず。其の人是の経を問わず信ぜず解せずと雖も、我阿耨多羅三藐三菩提を得ん時、随って何れの地に在っても、神通力・智慧力を以て、之を引いて是の法の中に住することを得せしめん。 文殊師利、是の菩薩摩訶薩如来の滅後に於て此の第四の法を成就することあらん者は、是の法を説かん時、過失あることなけん。常に比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷・国王・王子・大臣・人民・婆羅門・居士等に供養・恭敬・尊重・讃歎せらるることを為ん。虚空の諸天、法を聴かんが為の故に亦常に随侍せん。若し聚落・城邑・空閑・林中に在らんとき、人あり来って難問せんと欲せば、諸天昼夜に常に法の為の故に而も之を衛護し、能く聴者をして皆歓喜することを得せしめん。 所以は何ん、此の経は是れ一切の過去・未来・現在の諸仏の神力をもって護りたもう所なるが故に。 文殊師利、是の法華経は無量の国の中に於て、乃至名字をも聞くことを得べからず。何に況や見ることを得受持し読誦せんをや。文殊師利、譬えば強力の転輪聖王の、威勢を以て諸国を降伏せんと欲せんに、而も諸の小王其の命に順わざらん。時に転輪王種々の兵を起して往いて討伐するに、王、兵衆の戦うに功ある者を見て即ち大に歓喜し、功に随って賞賜し、或は田宅・聚落・城邑を与え、或は衣服・厳身の具を与え、或は種々の珍宝を金・銀・瑠璃・・・・碼碯・珊瑚・琥珀・象馬・車乗・奴婢・人民を与う。唯髻中の明珠のみを以て之を与えず。所以は何ん、独王の頂上に此の一つの珠あり。若し以て之を与えば、王の諸の眷属必ず大に驚き怪まんが如く、文殊師利、如来も亦復是の如し。禅定・智慧の力を以て法の国土を得て三界に王たり。而るを諸の魔王肯て順伏せず。如来の賢聖の諸将之と共に戦うに、其の功ある者には心亦歓喜して、四衆の中に於て為に諸経を説いて其の心をして悦ばしめ、賜うに禅定・解脱・無漏根・力の諸法の財を以てし、又復涅槃の城を賜与して、滅度を得たりと言って其の心を引導して皆歓喜せしむ。而も為に是の法華経を説かず。文殊師利、転輪王の諸の兵衆の大功ある者を見ては心甚だ歓喜して、此の難信の珠の久しく髻中に在って妄りに人に与えざるを以て、今之を与えんが如く、如来も亦復是の如し。三界の中に於て大法王たり。法を以て一切衆生を教化す。賢聖の軍五陰魔・煩悩魔・死魔と共に戦うに大功勲有って、三毒を滅し、三界を出でて魔網を破するを見ては、爾の時に如来亦大に歓喜して、此の法華経の能く衆生をして一切智に至らしめ、一切世間に怨多くして信じ難く、先に未だ説かざる所なるを而も今之を説く。文殊師利、此の法華経は是れ諸の如来の第一の説、諸説の中に於て最も為れ甚深なり。末後に賜与すること、彼の強力の王の久しく護れる明珠を、今乃ち之を与うるが如し。文殊師利、此の法華経は諸仏如来の秘密の蔵なり。諸経の中に於て最も其の上にあり。長夜に守護して妄りに宣説せざるを、始めて今日に於て乃ち汝等がために而も之を敷演す。 爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく、 常に忍辱を行じ 一切を哀愍して 乃ち能く 仏の讃めたもう所の経を演説す 後の末世の時に 此の経を持たん者は 家と出家と 及び非菩薩とに於て 慈悲を生ずべし 斯れ等 是の経を聞かず信ぜず 則ち為れ大に失えり 我仏道を得て 諸の方便を以て 為に此の法を説いて 其の中に住せしめん 譬えば強力の 転輪の王 兵の戦う功あるに 諸物の 象馬車乗 厳身の具 及び諸の田宅 聚落城邑を賞賜し 或は衣服 種々の珍宝 奴婢財物を与え 歓喜して賜与す 如し勇健にして 能く難事を為すことあるには 王髻中の 明珠を解いて之を賜わんが如く 如来も亦爾なり 為れ諸法の王 忍辱の大力 智慧の法蔵あり 大慈悲を以て 法の如く世を化す 一切の人の 諸の苦悩を受け 解脱を欲求して 諸の魔と戦うを見て 是の衆生の為に 種々の法を説き 大方便を以て 此の諸経を説く 既に衆生 其の力を得已んぬと知っては 末後に乃ち為に 是の法華を説くこと 王髻の 明珠を解いて之を与えんが如し 此の経は為れ尊 衆経の中の上なり 我常に守護して 妄りに開示せず 今正しく是れ時なり 汝等が為に説く 我が滅度の後に 仏道を求めん者 安穏にして 斯の経を演説することを得んと欲せば 応当に 是の如き四法に親近すべし 是の経を読まん者は 常に憂悩なく 又病痛なく 顔色鮮白ならん 貧窮 卑賎醜陋に生れじ 衆生見んと楽うこと 賢聖を慕うが如くならん 天の諸の童子 以て給使を為さん 刀杖も加えず 毒も害すること能わじ 若し人悪み罵らば 口則ち閉塞せん 遊行するに畏れなきこと 師子王の如く 智慧の光明 日の照すが如くならん 若し夢の中に於ても 但妙なる事を見ん 諸の如来の 師子座に坐して 諸の比丘衆に 圍繞せられて説法したもうを見ん 又龍神 阿修羅等 数恒沙の如くにして 恭敬合掌し 自ら其の身を見るに 而も為に法を説くこと見ん 又諸仏の 身相金色にして 無量の光を放って 一切を照し 梵音声を以て 諸法を演説し 仏四衆の為に 無上の法を説きたもう 身を見るに中に処して 合掌して仏を讃じ 法を聞き歓喜して 供養を為し 陀羅尼を得 不退智を証す 仏其の心 深く仏道に入れりと知しめして 即ち為に 最正覚を成ずることを授記して 汝善男子 当に来世に於て 無量智の 仏の大道を得て 国土厳浄にして 広大なること比なく 亦四衆あり 合掌して法を聴くべしとのたもうを見ん 又自身 山林の中に在って 善法を修習し 諸の実相を証し 深く禅定に入って 十方の仏を見たてまつると見ん 諸仏の身金色にして 百福の相荘厳したもう 法を聞いて人の為に説く 常に是の好き夢あらん 又夢むらく国王と作って 宮殿眷属 及び上妙の五欲を捨てて 道場に行詣し 菩提樹下にあって 師子座に処し 道を求むること七日過ぎて 諸仏の智を得 無上道を成じ已り 起って法輪を転じ 四衆の為に法と説くこと 千万億劫を経 無漏の妙法を説き 無量の衆生を度して 後に当に涅槃を入ること 煙尽きて燈の滅ゆるが如し 若し後の悪世の中に 是の第一の法を説かば 是の人大利を得んこと 上の諸の功徳の如くならん
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