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久々の長期遠征から帰った不知火。 鎮守府の長い廊下を抜け執務室の扉をくぐるとそこは (p)http //kancolle.x0.com/image/28691.jpg な光景であった。 慣れ親しんだどことなくボロ臭い壁と床、窓にかかっていた赤いカーテンは姿を消し 壁はピンクドットな壁紙、真っ赤な絨毯にティーセット、なんか落書きのしてあるガラス窓 部屋の隅には季節にはまだ早い白いツリーが置いてあり トドメに壁には何故か『第六駆逐隊』の掛け軸がかかっている。 見慣れたものは提督と自分の机くらいだ。 まさかとは思いながら一旦外に出てみると、やはりそこは執務室に続く鎮守府の廊下である。 再び中には入りしばらく頭をひねっていると後ろから声をかけられた。 「すまない、出迎えに間に合わなかったか。おかえり不知火」 「お~、ぬいぬいおっかえりー」 「司令に鈴谷さん……これは一体何が起こったのでしょうか?」 「あーこれな……」 提督も苦笑いを浮かべている。 「うちは基本こういうのに金をつかわかったんだが予算はおりているんだ。 で、基本的に寮の改修やら間宮さんの方に金を回していたんだが こういう使い方もしていると報告しないとこの手の予算が次からおりなくなるんでな」 年末の道路工事みたいなもんだ。 とざっくりと説明されてだいたい納得する。 「それにしても少し派手すぎないでしょうか、落ち着かない気がするのですが…」 「それはコイツに文句を言ってくれ」 そう言うと提督は鈴谷を指さす。 「えー、どうせなんだから可愛くしたほうがいいじゃん」 「……鈴谷さんの趣味ですか」 ガックリと肩を落とす不知火。 ちなみに掛け軸は部屋を見た第六駆逐隊が作成して飾ってくれとねだってきたものである。 「あーなんか傷つくなーその反応。他の娘たちには結構好評なんだよ?」 「いえ、主にこの部屋を使うのは司令と不知火なのですが……」 「机は変えてないし大丈夫大丈夫、慣れるって」 得意満面な鈴谷を見た不知火はハーっとため息をつき諦める事にした。 遠征から戻ったばかりにも関わらず溜まった書類を整理し始める不知火と提督。 鈴谷は基本ブラブラしつつたまに不知火から頼まれた仕事を手伝っている。 提督にとってはかなり意外な事に、二人の仲は最近悪くはない。 鈴谷が前ほど仕事の邪魔をするでもなく、むしろ手伝っているということもあるかもしれないが あの不知火にもまったく物怖じせず接することのできる鈴谷のフランクな性格のなせる技なのかもしれない。 しばらくすると扉がノックされた。 「提督、今よろしいですか?」 「ああ、間宮さんですか。どうぞ」 返事をすると間宮がお盆を片手に入ってきた。 「あら、どうしましょう」 「??? なにか?」 「いえ、提督と不知火さんにアイスの差し入れを持ってきたんですが、鈴谷さんもいらしたんですね」 「ああ、アイスの数ですか」 「はい」 「なら二人にあげてください、こっちはお茶でも飲みますから」 「そうですか? ではお二人ともどうぞ」 そう言って不知火と鈴谷に間宮アイスを渡すと間宮は一礼をして部屋から出ていった。 「提督あざーっす」 「申し訳ありません、不知火たちだけいただくなどと」 「ねーねー提督」 「ん?」 「どうせだからさぁ、あーんするから食べさせて。そしたらお返しに食べさせてあげるから♪」 またアホなことを言い出し始めたよコイツは…… と思っているとまるで加賀張りに「ここは譲れません」とばかりに不知火が接近してくる。 「鈴谷さん、いくらなんでも司令に対して無礼ではないでしょうか?」 「いや、別に食べさせるくらい構わんのだが……」 「構わないってさー、ぬいぬい? あっ、そうか。ぬいぬいも食べさせてもらいたいんでしょ~?」 「ッ……!!!!!」 とたんに顔を真っ赤にする不知火。 なんだか不知火も随分わかりやすくなった気がするな、などと提督が思っている間に勝手に事態は進行している。 「で、では、その……じゃんけんで勝った方がということで……」 「あっれ~、いいのかな? こないだの夜戦は鈴谷の勝ちだったのに」 「今度は負けません」 真剣な顔をして一体何やってるんだろうこいつらは……呆れながらも口を出すのは憚られるので静観する提督。 「「じゃーんけーん」」 「「ぽん!!」」 「う……嘘……負けた?」 「フッ……」 今回は不知火の勝ちのようだ。 「で……では司令。そ、その……お願いしてもよろしいでしょうか」 「はいはい」 そう言いながら不知火のアイスをスプーンですくい、彼女の口元に持っていく 「ほら、あーん」 「あ、あーん」 アイスを口にいれた不知火、なんだか顔がにやけるのを必死に押さえつけているような妙な顔になっている。 しかしなんというか他人の前だというのにこんなことをする不知火など 少し前までは全く想像もできなかった。 まぁ近くにいるのが鈴谷だからかもしれないが。 話を聞いていても自分の事についてはあけすけに喋るが『不知火がどうしたこうした』という噂は全く聞こえてこないあたり わりとそのあたりのTPOは弁えているのかもしれない。 「で、では司令、どうぞ」 自分が口をつけたスプーンにアイスをすくい提督の口元に持ってくる不知火。 必死にポーカーフェイスを装っているが顔は真っ赤で口元がヒクヒクと引きつっている。 「ああ、ありがとう。で、あーんは?」 「あ、あ……あーん」 「あーん」 パクっとスプーンを咥え、アイスを食べる。 美味である、さすがは間宮さん特製のアイス。ファンが多いのも頷ける。 よくよく考えればこれ以上ないほどこっ恥ずかしい どころか不知火に至っては鈴谷以外に見られたら自決するんじゃないかというやりとりをしながら アイスを消費していく。 一方鈴谷は「ブーブー」とブーイングをしながら自分のアイスを頬張っていた。 次の話
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前の話 1 柔らかい初春の陽が、執務室の床を照らしていた。人の一人もいないその部屋には、外からの鶺鴒の鳴き声が小さく響き、春風凪ぐと窓が大仰にガタガタと震えた。 午後の麗らかな陽気に、しかし耳を澄ませてみれば、それ以外にも物音がある。 執務室北西の奥には、木戸に隔てられた部屋がある。広さは八畳。箪笥と蒲団以外何も置かれていないそこは、この鎮守府の長たる提督の臥房である。洋間である執務室から一段の段差越しに廊下が伸び、先にはい草の畳が侘しく敷き詰められていた。 景観は、さながらアパートの一室といったところであったが、この部屋の主が最低限の物しか置かないために生活感は絶無と言っていい。 隅に遠慮がちに敷かれた蒲団は、組み合わせとしては申し分ないはずなのに、どこか烈々と違和感を放っているのだった。 今、まさしくその蒲団に顔を埋め、毛布を手繰る艦娘がいた。蕩けた眼は薄く開き、頬は赤く、息は獣のように荒い。もぞもぞとマーキングするかのように、体全体をなすり付けながら、時々思い出したかのように入り口の方へ視線を向ける。 浜風は提督の不在に、背信による情欲を昂ぶらせていた。半日の休暇は、だがもうすぐ終わるはずであった。 何時彼が帰還して部屋を覗くかも分からない状態で、だがこの羞恥の危機感が、むしろ興奮を促していた。 決して触れる事のできない腹底を熱い疼きがのた打ち回り、鋭敏になった皮膚感覚が触れるもの全てに悦楽を見出す。芳香肺に満ち、 彼に抱きすくめられているかのような錯覚が、妄想をより補強した。嫌悪して止まなかった“ああいった行為”を繰り返してきた彼の、 しかし手練れた指使いや舌や、或いは言葉を想像しては、内股が強張り震えるのだった。 彼女の根は、未だこういった衝動による行為を容認してはいなかった。逃げ道として、今の自分は本来の自分ではないという言い訳 を脳内に用意した上での自慰であった。だから、空想しているのは彼によって懲罰を受ける自分であり、そこに彼女は一種の救いを幻 想しているのである。 普段朗らかに何をされても許してしまうような提督の、蔑みや軽蔑の視線をイメージしては、心内でひたすらに謝り続ける。いかに も無垢な風を装っておいて実はこんなに変態だったんだと、なじられ謗られ、だがそうした想像に顕れる胸の切なさや痛みが甘い悦び だった。ごめんなさい、ごめんなさいと繰り返し胸の内に唱えた文言は、何時からか知らずの間に実際に口から呟き漏れていた。 捗々しく進んだ妄想の果ては、口淫である。約一月前、今考えてみれば気が触れていたとしか思えない行動だったあのフェラチオの、 苦しさや痛みや、彼の熱さ、鼓動。口や喉で感じえた全てのものを思い起こすのだった。 ただ妄想の中では、あの時のように自分からするのではなかった。彼から無理やりに髪を掴まれ、暴力的な肉槍が唇を割り、陵辱さ れるように喉を犯されるのだ。彼女は屈辱と苦痛の罰を欲していた。むしろ痛めつけられる事が至上の欣悦なのである。 未だ、手は毛布を掴んだままであった。彼女は体を触る事さえしなければまだボーダーを越えてはいないと錯謬に認識し、その考え に支配されていた。真面目で性を嫌悪する外面の自身が、情欲に翻弄されたこの様を決して許しはしないのである。 一回でも触れることができたならそれだけで容易に絶頂し、安堵と罪悪感の中で満足を感じるはずであった。この蒲団の香りを嗅ぎ 続けているのも途端、馬鹿馬鹿しくなって、自己嫌悪の念を胸に抱きながら部屋を出る事だってできるはずだ。 それが分かっていても、毛布を握っている掌を矜持がぐっと押さえつけていた。アクリル素材の毛羽立った繊維が、鉤爪状に皮膚を 突き刺しているようだった。狂おしい程にもどかしく、強情がきりきりと胸を締め付ける。 浜風は今一度、扉の方を確認した。視線を向けたとて彼の居場所を知れる訳も無く、耳を澄ませたとて隣の執務室に入ってきたのか さえも分からない。無意味な行動であるしそういった自覚もあったのだが、自身のしようとしていることが余りに倒錯しているから、 確認せずにはいられなかったのだ。 体の熱に促されるまま、彼女は首もとのスカーフに手を掛けた。しゅるという布擦れの音が予想以上に大きく響き、ぎょっとして再 三ドアを見た。理性が引きとめようとするままに、しばらくは固まっていた彼女であったが、とうとう劣情が覚悟を定めると意を決し てボタンにまで指を伸ばす。 露出した胸元を冷えた空気が撫で上げた。完全に開かれ、腕の通されただけになったセーラー服が、背中の中ほどにまでするりと落ち る。白く柔らかな背筋に隆起した肩甲骨の影が映り、荒い息遣いの上下する胸が、下着の中の乳房を僅かに揺らした。 フロントホックにまで手を掛ける。頂が露出するのに未だ抵抗があったから、すぐに毛布を手繰り寄せた。そのまま腹ばいに寝そべ ると押し潰された双丘が厭に苦しく、肘を立てて体を支えた。 ほぼ半裸に近い状態で、凸の字になった蒲団と毛布を抱え込むようにして伏せている。自身の無様が意識され、まさしく性欲とでも 言うべき体の中からの衝動が頽れもした。だのに臓腑の熱さやぬめりや、そういったグロテスクな“何か”の疼きは一向留まる所を知 らず、その厭悪の無様に倣うより他はなかったのだった。 彼女はおずおずと、まるで芋虫が下界を這うように体を揺すり始めた。自重を取り残したかの如く、前後するたび体に遅れて擦られ る、二つの柔らかな珠。ピリピリと火傷傷のような刺激が、桃色の頂を焦れったく凪いだ。絞られた肺が空気を吐き出し、独りでに震え る喉が淫靡の音階を刻んだ。蒲団が余りにも彼を感じさせるから、まるで本人を穢しているかのような錯覚を覚え、胸を浸食する罪悪 感は途端にその速度を増したのだった。 強姦だ。浜風の脳裏にその一言が浮かび出た。これは彼を冒涜し、貶め、代わりに自身を満足たらしめる、即ち強姦に他ならない。 陵辱、強淫。文言が頭をよぎる度に異常の興奮が腹底から沸いてきた。奔放な彼を犯しつくし、もう二度と自分以外を見れないように してやると、ほの暗い情欲が支配の悦を求め始めていた。罪の意識の反面に、獣の欲望が滾っているのだ。窮屈に潰れた谷間を蒸らす 汗が、それを表しているように思われた。 彼女の目尻から雫が零れ落ちた。どれだけ高潔にいようとしても、結局は肉の体には逆らえない。その歴然たる事実、今こうして蒲 団を後ろめたい用途に使っているという事に惨めさを感じていた。漏れ出す声は嗚咽か嬌声か、最早入り混じり区別はなくなっている。 崩壊した理性、顕れた獣性に従うまま、彼女は黒ストッキングの淵へ指を差し込んだ。腰を折り体をくの字に曲げ、ずるずると色白 が外気に触れていった。蜜を溢れさせた秘所は切なげにひくつき、降りてゆく下着との間に透明の橋を渡した。この穢れを、彼に塗り たくる。その欲求は絶対に消化しなければならないものであった。さもなくば狂って切な過ぎて死んでしまうと、彼女は本気でそう信 仰しているのである。 一度高らかに上がった腰が、徐々に蒲団に近づいてゆく。もう頭からは、その後の処理であるとか倫理だとか性欲を押さえ込む思考 は悉く弾かれていた。今、まさしく、刺激への貪欲さを湛えた朱の口が彼とキスしようとする瞬間、 だが、突如として戸が開いた。 「なに、しているんだ?」 平坦の声であった。浜風は硬直し、指の一筋さえまったく動かせなくなっていた。冷水を頭から被されたように、心臓が縮こまり思 考が冷凍され、何もどうする事もできないのである。脳内には虚無が進展する。背中を露わに尻を突き出し、さっきまで穢していた提 督に実際にその姿を見られているのにも関わらず、恥も何もかもが消え落ちていた。当然声など出るわけも無い。不気味に揺れ動かな い心内を、ただ客観に眺めているような感覚で、ただ硬直し続けていた。 「あ、僕は何も見ていないから。ごゆっくり」 そうして、察しの良い彼はクールに踵を返す。悲鳴と、蒲団を打ち据えるぼふ、ぼふという音が漏れ出し始めたのは、それから一分は経った後であった。 2 執務室とこの部屋とを遮る一枚の木戸は、今の浜風にとってまさしく地獄の門と同等のものであった。 幸いにして寝具に汚れはなかった。隅から隅まで執拗に視線を廻らし確認した後、乱れを整え、事をする前の状態にまで完全に復元 した。部屋の隅に消臭スプレーを見つけるや、毛布に細かな水滴の見えるまで吹き付けて、窓を開けると部屋の空気を団扇で遮二無二扇 ぎ続けた。どこにも残滓を残していない事を確認すると急ぎ扉にまで近づいたのだが、ドアノブを握ると恐怖や羞恥が腕の力を悉く抜 きさって、躊躇いの体勢のまま既に五分は過ぎ去っている。言い訳はできず、だからこそどんな顔をして彼と口を聞けばいいのかも分 からなかったのだ。 思えば一ト月前、この部屋で夜を明かした時も似たような心持であった。舌を噛み切りたくなるほどの情けなさや慙愧。蒲団のある 方とは反対の壁に背を付けて、肩膝を抱えて寝ていた彼を視界に入れ、彼女は嗚咽を我慢する事ができなかった。あれだけの事をした のに唯一の寝床を貸し与え、離れた所からただ見守っていた。そう分かった途端に、自身の惨めさを到底許す事ができなくなったのだ った。 もう死ぬしかないと本気で考えた。これ以上彼からの優しさや気遣いを受け取ったなら、完全に矜持が手折れると思った。その行き詰 まった寂寥が涙を溢れさせて、苦しみの喘ぎが過呼吸気味の息に乗った。舌を噛み切ろうと決意し、だが今までこうして生きてしまっ ているのは、それもまた提督の庇護の為である。 あの時、泣きじゃくる声に目を覚ました提督は、まるで病人を献身的に介抱するが如く彼女の頭を撫でたのだった。絶対的な安心と 赦しとを与えられた彼女は、同時に甘えという惰弱を受け入れてしまい、結果的には死ぬに死ねなくなってしまったのだった。より彼 に近づきたいと、より優しくされたいという欲求が胸に甘美の灯を燈した。頭を撫でた彼の筋張った指が名残惜しく思え、そうして気 が付けば獣性と矜持のせめぎ合いに心をやつす日々である。 まだ一ト月前に比べればましだと、浜風は短く溜め息を吐くと意を決してドアノブを回したのだった。午後の日に暖められた空気が、 開いた隙間から溢れた。 提督は所在なさげに執務机に座っていた。彼女の姿を認めるや、 「お土産あるんだけど、食べない?」 手元の紙袋を掲げながらそう言った。 「お土産、ですか?」 「すかのわって知らない? 焼きドーナツなんだけど」 「いえ……」 彼は袋を開けると、中から半透明の長箱を取り出した。こげ茶色の、しっとりとした輪っかが五個ほど連なり、その一つ一つがきち んと小袋に入れられているようだ。 おおよそ、彼がこのまま無かった事にしようとしている事を浜風とて察知していた。それに従うのが得策だしお互いに楽だと分かっ ていながら、だが礼儀という枷を人より重く感じる彼女である。箱を縛る紐を解こうとしている提督を見、果たして恥を忍ぶ事はできなかった。 「あの、提督」 「ん?」 「すみませんでした」 枕詞が、不在の隙にあなたの蒲団を使って自慰をしてしまって、であった。彼からは何も責められていないのに勝手に自身で恥辱を 向い入れ、それがまた惨めに思われた。視界に映る床のカーペットが俄かに霞み、歪んだ。 下げた頭にふわりと手が置かれた。 「はい、これ」 同時に、取り出された焼きドーナツが目の前に差し出される。 あくまで親切を押し通すという態度に、彼女はかっと頬が熱くなるのを感じた。彼からの優しさを感じるたびに何時も自殺衝動に襲 われて、今回も例に漏れず舌を噛み切りたくてならなかった。いっそからかわれた方が気楽であるのに、残酷にも無かった事にされる から罪を清算する機会も失われたのである。 顔を上げ、差し出されたドーナツを受け取る。陰鬱な心緒が負に跳ねたのは、まさにその瞬間であった。 微かではあった。しかし間違えようも無く、彼の服には乳香が、忌まわしい娼婦の香がこびり付いていたのだった。罪悪感に打ちひし がれた心を一瞬にして暗いものが侵蝕する。爆発的な勢いで文句や罵倒が頭を過ぎ去り、怒りが無限に増長しようと胸の底から溢れ出 す。感情のまま口が開こうとした瞬間、だがそれらの激情は萎むのも一瞬であった。 「もう来ないよって挨拶しに行っただけ。何もしていない」 全てを察したらしい提督は、呆れたような笑みを浮かべてそう言ったのだった。怒りに取って代わったのは、気恥ずかしさと例の舌 を噛み切りたい衝動で、しかも悪気の無い彼は更に追い討ちをかけた。 「君は色々とむつかしく考えすぎ」 浜風は羞恥にとうとう顔を上げる事もできず、ただドーナツを口にするだけになった。肩を震わせているらしい提督の様子が何とな く空気に伝わってくると、やっぱりもう死ぬしかないと慙愧の念一色に囚われた。そんな状態では味に意識が向かうわけも無く、彼の おいしいかという問いかけにもただ本心の篭らない頷きを返すだけである。彼女はしばらく、口を開く事さえできなくなった。 3 クレーンの航空誘導灯が、闇夜に埋まった廊下を紅く俄かに彩った。丑三つ時、死んだように眠る鎮守府に息を潜めて歩く浜風は、 薄い青のパジャマを纏い執務室へと向かっていた。 上気している頬が、彼女の目的を黙して語る。昼に生殺しを喰らった彼女は、未だその欲求の発散をできていなかったのだ。触れな いという枷を自身で嵌めてしまった為に、よほど刺激が足りなさ過ぎて満足を得ることなど到底不可能であった。自身の蒲団を使うに は虚しさの寂寞に耐えられず、思い起こされるのは彼の臥房の匂いであった。 思い起こせば、そもそもこの一ヶ月の間に満足を覚えた事など一度も無かった。身体がオルガスムを迎えた事なら幾度かもありはし たが、それが精神的満足に直結するかといえば当然否である。寧ろ、罪悪感と寂寥感とをない交ぜにした感情は、より一層の飢えを現 出させたのだった。 浜風はのぼせた様な心地のまま、とうとう執務室の前にまで辿り着いた。物音絶無の廊下に木戸の軋む音がやたらに響き、それは唯 でさえ高まっていた彼女の心拍をより一層激しくさせた。 灯りの消えた夜の執務室は、しかし大きな窓に月光が吸い込まれ割合明るくなっていた。彼の寝室にまで行く算段であった彼女はだが 戸を閉めてしまうと、足の動きを止めてしまった。この部屋が思っていた以上に見晴らしの良い為に、途端臆病風に吹かれたのだ。最 早このような時刻にこの場にいる時点で大して変態性に差もないのだが、人に見られた時のリスクというものに怯えが足元から湧き出 した。 しかし、帰るには腹底の熱が熱すぎた。逡巡の後、彼女の脳裏に閃いた妥協案は、いかにも生娘の辿り着いた純朴の倒錯である。 彼女は身を屈ませながら部屋の隅まで移動すると、ラックに掛かった提督の帽子を手に取ったのだった。愛おしそうに両手で胸に抱 え、それからおずおずと鼻へ近づける。薫香の吸気肺に満ち、ぼやける思考が更に酔った。匂いをひたすらに嗅ぎ続けながら、一方足は 導かれるようにして執務机に向かう。ちょうど腰丈の角へ到達すると、浜風は跨るようにして陰唇をそこへと押し当てた。 下着と厚いパジャマのアクリル生地越しに、堅く冷ややかなそれを感じた。無意識の内に呼吸が荒くなり、彼の帽子がマスクみたいに 覆っているから音がやたら大きくなった。さながら犬の息づかいと、時折鳥の鳴いたような嬌声が混じり、それは静寂の部屋に木霊す る。腰を振る自身の姿を客観視して自己嫌悪が胸を刺すように痛ませても、興奮は一向冷め遣らない。自分の意思とは関係なく、求め る快楽のままに身体が動く。その内に一番外のパジャマにさえ、しっとりとしたものが染み込みだしたらしかった。 ギシギシと机の軋む音が焦燥を煽った。自身の部屋でしていたよりも数段烈しい刺激に、だが彼女は背反の心持である。即ち、これを 延々続けたいという悦への欲望と、誰かに気が付かれる前に終わらせたいという理性であった。どちらがより強いかは、自明である。 五分は経った後であろうか。もう少しで絶頂する段になって、彼女はつと動きを止めた。大きくなった気が、このまま終わらせた後に 残る思い置きを想起させたのだ。恐らくは熟睡しているであろう提督をたった扉一枚に隔てておいて、まったく関せずに終わるのは些 か勿体無いように思われた。 性の興奮が、彼女の箍を外していた。それは外面の彼女が見たならば目を覆うであろう乱れの自身であった。引き止める理性は余り に弱く、ただただ興奮だけに体を委ねる。浜風はつい昼に訪れた背徳の部屋、その扉に手を掛けたのだった。 寝室の廊下に足を踏み入れた途端、心臓の鼓動がより一段と大きくなったようだった。マラソンの後のような息苦しさが、胸をひた すらに締め付けた。忍び足に歩を進めてゆくと、とうとう視界には彼の寝姿が、蓑虫のような蒲団の膨らみが映り込んだ。 興奮に荒らげられた息を飲み込むように抑えながら、彼女は蒲団のすぐ横にぺたんと腰を下ろした。提督は、まるで彼女のこれから の痴態を見るかのように横向きに眠っていた。当然、起きそうも無いことは分かっていたが、もし目を開けてしまったなら言い逃れはでき ない訳で、そういった後の無さに羞恥がより一層煽られた。 彼女はおずおずと顔を毛布へと近づけた。半ばうずくまる様な格好のまま彼の直接の匂いを嗅ぎ、果たして今までの禁止を尊守する 理性は微塵も残ってはいなかった。体の一番熱い所へ、とうとう独りでに手が動いた。まともな思考回路は焼き切れて、今彼女を動か すのは情欲の獣性だけである。 か細い指がそこへと到達する瞬間、期待の刺激が今まさに背筋を突き抜けようとして、だが微かな気配の揺らぎがぴたりと動きを静 止させた。 受け入れがたい現実であった。彼女は伏せた顔を上げようとしたが、恐怖が万力のように重く圧し掛かっていた。それでも、恐る恐 るに前を見れば、憂懼の予想は的中していたのだった。 怪訝に眇められた彼の眼が、じっとこちらを見据えていた。 恐怖の色が、情欲をさっと塗りつぶしたようだった。一回目の時と違い今度は焦燥の元、否定の言葉が口へと昇った。 「ち、違うんです。これ、は……」 掠れた声音の漏れると同時、意識せぬままに涙が溢れ出してきた。それは情けなさと羞恥の自己嫌悪だった。例の、死にたくなる願 望が胸の中を駆け巡り、咄嗟に窓の方へ視線を向けてしまうほどそれは強烈なものであった。 言葉は続かなかった。事実として、己の欲に促されるまま行為をしようとしていただけである。濡れた下着の冷たさを感じると自身 が醜い獣に思えて、ただただ胸の痛みが辛かった。つい半日前に同じ失敗をしておきながら反省もせずに情欲に呑まれた事が、恥ずか しくてならない。 提督がむくりと起き上がった。それを見、浜風は反射的に立ち上がる。居た堪れなくなった彼女は言葉も無く逃げ出そうと踵を返し、 しかしぐいと引っ張られた手によって盛大にバランスを崩したのだった。 最初、天地が大仰に揺れたために、彼女は自身の体勢を理解する事ができなかった。背中に感じる体温が厭に熱く流れ込んできて、 それが意識されてからようやく、どうやら提督の足元に倒れこんだらしいことを察知した。しかも彼の息づかいがすぐ耳元に聞こえ、筋 張った手がウエストの辺りへ置かれていたから、半ば抱きすくめられているような状態らしく、暗い部屋の中でも分かるほどに頬が紅 へと染まっていった。 「あの……提督?」 五月蝿くなった鼓動が気恥ずかしく、彼女はそれが悟られないように体を離そうとした。だが、ただ置かれているだけだと思われてい た彼の右腕が実はそれなりにかっちりと力の篭っていたために、肩甲骨辺りを触れないようにするのに精一杯で、背筋の中ほどには容 赦なく体の温かみが広がった。 手を掴んでいた左手が蛇のようにするりと動いた。首元、一番上まできっちりと留められたボタンに人差し指が掛かると、一秒もか からずに外される。魔法じみた手付きに感心や納得を覚えた浜風は、だが遅れてようやく事態を飲み込むと反射的にその腕を取ったの だった。 「提督、あの……駄目です! こんなこと……」 制止の言葉に、だが彼が従うわけも無く、腰を固定していた右腕がつとわき腹を撫で上げた。跳ねるように前屈みになった彼女はそ の拍子に手を離してしまい、そして二つ目のボタンも他愛なく外されてしまったのだった。 浜風は露出した鎖骨や胸元を隠そうと、屈んだまま開いた服の端同士を掴んだ。睨みつけるために振り返ろうとした瞬間、だが提督 が密着するように体を近づけたから、首を動かせなくなった。そうして握りこんだ掌には彼の右手が重なって、指の股へそれぞれの指 先が掘るようにして進入した。こそばゆさに耐え切れず握力が溶け出すように消え去って、だが手への愛撫は止まらない。腕の力が無く なったのを確認するかの如く、提督は彼女の指や掌の窪みや手首にまで執拗に指を這わせ、とうとう死んだ蝉が木から落ちるように手が 襟元から剥離すると、すかさず空いていた左手が胸元の露出を高めていった。 上から四段のボタンが解かれた。最早下着以外に二つの丘を隠すものは無く、冷えた部屋の空気に触れて彼女は羞しさの極地にある。 「……もう、許してください」 捨て犬の鳴いたような懇願が、だが無慈悲にも無視をされ、フロントホックの金具をなぞった人差し指が片側の生地を押さえつけた。 器用にも中指と親指で金具そのものを摘み上げると、提督は上へと力が掛かるように手首を回した。縛る圧の消え去ったのを、浜風は 絶望的な心境で感じていた。 解くものを全て解きおえた左手は、腰骨の凸に乗せられた。右腕の人差し指が鎖骨の繋がる肩口の出っ張りをなぞり、そこから段々 と下へと降りる。徐々に徐々に柔らかみの増してゆく身体に、指が沈み込んでいく。とうとう圧される谷間に指の筋全部が消え去って、 手首の辺りが桜色の頂を擦ると、彼女は競り上がる声を我慢する事ができなかった。死にたくなるほどの羞恥に、だがそれも彼からの 愛撫の為と思うと熱は胸底に甘く溶け出す。表に立ち始めた情欲が、抵抗をぱたりとやめさせた。 表面を撫でるだけだった彼の手は、次第に激しさを増していった。指の間に尖った先端が摘み上げられ、掌は零れ落ちんばかりの膨 らみを押した。乳房は彼の動きに従順に蠢き、むず痒い熱が腹に蓄積されるようだった。 左手が下の隙間に侵入して、危機感のようなものは煽られど、それ以上の期待が抵抗をさせなかった。彼の指は遠慮も無くぬめる割 れ目の上端に辿り着き、焦れた直接の刺激は彼女の背中を大仰に跳ねさせた。 余りの背徳に、彼女の頭は沸騰しそうになった。自身の欲望の本懐に提督の手が掛かり、改めて状況の異常さに気が付いたような心地 だった。自身は艦娘であり、彼は提督であり、そして当然今のこれは許されぜる事でありと、一つ一つ確認する度息がきりきりと詰まって ゆく。 窒息しそうなほどに肺が絞られ、しかし彼は容赦も無く淫裂を的確になぞっていた。気を遣っているのか、決して淫靡の穴へは一寸 たりとも進入をせず、ただ塗れそぼる表面を愛撫するだけであった。 快楽の合理に寸分違わぬ、最早機械的とさえ形容できる動きである。ミキサーにかけられた様な思考の中、浜風は限界が近いのを他 人事のように察知した。 体中のあらゆる筋が突っ張って、それはもう痛いとさえ言えるものだった。息が止まり何秒も硬直があった後、がくがくと体の部分 部分が手折れだす。とてつもない疲労感が脱力の極みへと身体を誘い、浜風は提督の胸へと寄りかかった。 犬のように荒い呼吸が、僅かにではあるが時の経つにつれ落ち着いてゆく。提督は抜け出すように体を回し、浜風を自身の蒲団へと 寝そべらせた。 ぼぅと天井を見上げ、胸や腹のこそばゆさを感じる。視線を動かす事さえ億劫になった彼女は、だがどうやら彼が服の乱れを整えて いるらしい事を知った。 「……最後まで、しないんですか?」 うわ言のようにそう聞くと、 「しちゃったらそれこそ問題だよ。……満足した? おやすみ」 提督は彼女の額に手をかざし、前髪を梳くように撫でた。寝ては駄目だと心のどこかが叫んだが、倦怠が瞼を閉ざしてゆく。充足と 飢えとを抱えたままに、意識がふわりと溶け消えた。 寝息を立て始めたのを確認してから、提督はおもむろに立ち上がった。二日酔いみたいに、壁に手をつけながらふらふらと廊下を進 み、執務室への戸をくぐる。開かれた戸の隙間が今度は完全に閉ざされたのを見て、それから彼は盛大に宙に向けて溜め息をついた。 彼女の恋慕を意識して、恐怖と呆れに心が荒ぶ。執務机の椅子に腰掛けると、どっと冷や汗が湧き出して、雫が額に浮き出る感触が 気持ち悪くてならなかった。 彼は倫理であるとか、そういった高尚な理由のために手を出さなかったのではなかった。純情を捧げられるという事への厭悪から、元々 行為を終わらせたくて仕様がなかったのだ。情欲に瞳を揺らがせた彼女の姿は、提督にとっては恐怖の対象でしかなく、しかし保身のための優しさがそれを伝える事をしなかった。 昔から同じ過ちを繰り返し続ける、愚かで矮小な性質である。 その場しのぎの愛撫であった。彼は関係の保持を求めながら、一方で欲求を受け止めはしないのだ。処女は童貞へ純潔を捧げなけれ ばならないと、過去の経験がそう信仰させた。卑下による気遣いではない。保身のための弁解だった。 「なんで僕を好きになった……」 薄明かりの月光に独り言つ。泣き出したいような心緒が、波紋のように微か揺れる。 今回の事で彼女は誤解し、そして何時かの破裂が確定的になった。暫くは平穏になるだろうが、溜まり続ける不審はきっと本質を見 抜かせるはずである。好意から褥に就かせたのではなく、逃避として我慢をしていたのだと。その時、彼の臆病で愚劣な性根が間違え なく彼女に傷を残す。憂鬱がひたすらに延伸し、心をすっぽりと覆ったようだった。 彼は執務机、中段の引き出しに手をかけた。顕れた中身のずっと奥、書類に隠されるように銀と紙の小箱がある。逃避の逃避だと自嘲 しながら、彼はその二つの箱を取り出した。 十重二十重と皺のついた紙箱から一本の巻きタバコを口に咥え、銀箱は上部を展開すると、フロントホイールに指を宛がう。甘い陰 気な煙が立ち上り、彼はつくづく悲しくなった。
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提督のいない鎮守府は、静かだ。 だが、かれが遠洋に出撃しているがゆえの不在の静かさと、“いない”ゆえの空席の空しさは、 どう思いを馳せてみても違う。 鎮守府筆頭が空席となる理由は、これまた様々である。 いわゆる帝国海軍における人事によるもの、提督が何らかの理由により円満な退役を見たもの。 このふたつのいずれかであれば、艦娘たちは程度の差こそあれど、去った提督を惜しみ、新たな提督を心待ちにする。 今までに何人もの提督が鎮守府に赴任してきたが、どうしても“現在”の提督が一番愛しく思えてしまうようなのだ。 しかしながら、今鎮守府にのさばる沈黙の重たさは、先に述べた状況のどちらでもない。 『提督はボラボラの浅瀬で、紅珊瑚のトナカイの夢をみておられますよ』 高雄が──満身創痍で、唯一南洋から帰還してきた高雄が、年若い妹というべき駆逐艦たちに、 たった一滴の涙を見せて、そう言い聞かせていた。 高雄は提督の秘書で、座乗艦だった。その、南洋に赴く日に限って、かれは、高雄に乗らなかった。 大事な同輩と、愛する男を南の海の底に置いて、それでもたったひとりで高雄は、鎮守府に帰ってきた。 長門の胸中に沸きあがるのは、あれだけ艦娘をとりこにしておきながら、 あっさりくたばった提督への、嫉妬にも似た怒りの念だ。 墓があったら眼前にはったと正座して、明けてから暮れるまで、もの言わぬ石に延々と説教を垂れていただろう。 死は絶対だ。死は不可逆だ。戦場に散り靖国に咲くのが武人の誉れだというならば、 恥を晒しても生きて帰ってくるのはせめて──せめて、男の甲斐性とかそういうたぐいのものではないのか。 憤懣やるかたない長門の足元で、ぱきりと小枝が折れた。 その時だった。 幾分か上擦った、本職の海の男たちにはだいぶ頼りない、耳慣れた五省を唱和する声。 鎮守府にいるのは、提督を始めとする本職の軍人だけに留まらない。 事務屋もいれば、酒保の店員もおり、珍妙な猫もたまにうろついていたりする。 長門!と呼びかける声は、唱和の声に明るく重なった。入渠を終えた金剛がそこにいて、こちらへ手を振っている。 傍らで学び舎の窓を見上げているのは、やはり入渠を終えた比叡だ。 「江田島の士官候補生デース! 未来の提督たちネ!」 「実地学習、だそうです。みな、一度は実際の艦を見て、自らがすべき職掌の重みを体感せよ、とかで」 鎮守府にあまり覚えない、そのものずばり若い娘の声に注意を引かれたと見えて、ひょこりと白い制帽が窓から覗く。 するとたちまち、そこは士官候補生たちが、我も我もと鈴なりの有様になった。 金剛は気安く笑顔で、諸手を挙げてそれに応えた。比叡は比叡で、そんな彼女を微笑ましく見つめている。 「──長門!」 そして、今にも落っこちそうなほど窓から身を乗り出した少年──まだ少年にしか見えない “未来の提督”の声が、まっすぐに長門の鼓膜を打った。 勢い余って、その頭から制帽が落ちる。晴れた空に花弁のようにくるくると舞って、 楽しげにスウィングして、果たしてそれは──推し量ったごとく、過たず長門の胸に、ぱすんとぶつかった。 「長門! ナイスキャッチー!」 「……ちょっと、金剛ねえさま! 少しはものの言い方を──」 「比ー叡ー、ワタシを誰だと思ってるノ? 英国で生まれた帰国子女! 超弩級戦艦! 金剛デース!」 「もう、ねえさまったら!」 制帽を落っことした粗忽者は、それでも笑顔で、三人の艦娘に手を振っている。 鬼より怖いと認められる教官も、提督が不在の今、艦娘たちに『遊んでおらんで仕事をせえ』とは言いづらいのだろう。 なんとも微妙な、苦しょっぱいような顔で、教卓付近の窓から顔を出している。 長門もまた、不安なような、それでいて期待に似ているような、教官の心中とだいぶ通じるところのある心持で、 未だに手を振る少年を見上げていた。 鎮守府が、新しい提督を迎える日も近いだろう。一月や二月ではないかもしれないが、年単位ではないに違いない。 それまできっと艦娘たちは、本物の人間の娘たちを真似て繕い物に精を出してみたり、 ぼんやり海を眺めたり、まだ見ぬ提督に思いを馳せたりして──過ごすのだろう。 その、いずれ来たる提督が、自分を座乗艦に──秘書艦に──ひいては最愛の思い人にしてくれることを、待ち望みながら。 新たに鎮守府に着任した提督は、痩せっぽちの洟垂れ小僧だった。 黒縁眼鏡。生えたのだか生えてないのだか、たまにまばらな無精髭。 “着られている感”がありありな白の詰襟。敬礼は、今までの提督たちと引き比べても、全くのどへたくそ。 洗練されてもおらず、江田島でどうにか作られてしまった濫造提督、というべきありさま。 煙草は嗜まない。酒は猪口の糸尻の量を啜る程度。食も細い。夜になると少し咳き込む癖。 ほとんど雪山のような高地で療養したこともあったんだよと聞かされて、 身の寒くなる思いをした艦娘もあったが、寛解したと笑顔で断言されては追及もままならぬ。 そして、あろうことかその新米提督は、長門を秘書兼座乗艦に選んだ。 気安いわけでもなければ扱いが容易いわけでもない、ウォーシップという呼び名そのものを体現したような長門を。 「ああ、長門それから」 「……なんだ」 そして、あろうことか彼は──いつのまにか少年から青年へと成長した提督は、ある夜、長門にこう告げた。 「きみに、──きみに夜伽を命ずる。本日フタイチマルマルで執務室に出頭するように」 --------------------------------------------------------------
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前回の話 「如月ちゃんと二人で踊ったのって久しぶりですね」 「やっぱりダンスは戦闘とはまた別のいい運動になるしストレス発散にもなるわよねえ、大鯨ちゃん」 「でもカラオケもストレス発散にはよかったですよ。 如月ちゃんも一人じゃなくて二人で歌ったら楽しいでしょ」 私は大鯨。旧日本海軍の潜水母艦大鯨の力と魂を受け継いだ艦娘です。 大鯨って女の子らしくない名前ですって?違います。大鯨という名前は艦娘としての名前です。 私の本当の名前ですか?それはひ・み・つ。秘密です。 ちなみに彼女は如月。睦月型駆逐艦二番艦如月の艦娘です。 如月ちゃんは艦娘としても、一人の少女としての名前も如月なんです。 艦娘といっても中身は普通の女の子とほとんど変わりありません。ただほんの少しだけ他の人と違うのです。 兵器ではなく人間ですから戦ってばかりではまいっちゃいます。だから休むことも心と体のために必要です。 今日は私達は揃ってお休みなので、二人で街に出かけました。ダンスしたりカラオケしたりと楽しかったです。 「でも大鯨ちゃんは司令官と一緒ならもっと楽しいんじゃない?」 「え…はい…でも提督は私達以上に忙しくて機会が中々……」 「でもそんなあの人と結婚するんでしょ?羨ましいわね。 あの人と結婚なんて将来性から考えても玉の輿も同ぜ…」 「如月ちゃん!」 「もぅ…冗談よ…あなたはそんな事で考えるような人じゃないってわかっているわ」 「そうですよ、冗談言わないでください。 私はただ、あの人が素直に喜ぶ顔が見たくて、 それを見て私も素直に喜べて……………………」 161 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 10 52 ID zXX5I0tk 私があの人と出会い、好きになり、結婚しようと思った事に彼が提督だったからという事の否定はしません。 だけど、それはあくまでも彼が提督だったからこそ私達が出会えたという意味であり、 提督という立場だから好きになったわけじゃありません。 私が提督と初めて出会った時に提督は私に親切にしてくれましたけど、如月ちゃん曰く 『あそこまで親切な司令官は見たことない。もしかしたら大鯨に気があるんじゃない?』 との事でしたのでもしかして…とは思いました。 その時は会ったばかりで提督の人となりがあまりわかりませんでしたけど、 提督が少し具合が悪そうに見えた時になんだか心配になってしまって… その時はただの空腹みたいでしたけど、 でもその時に私の中で何かが生まれたのかもしれません。 そんなモヤモヤした気持ちが少しずつ広がっていく中で提督の食生活が酷いものだと知り、 たまたま提督の部屋にお邪魔して本当に酷い食生活とわかった時、 戦闘能力に乏しい私だからこういう時にこそ提督の役に立たなきゃと思い 上層部に掛け合ってその後提督と一緒に生活を始めました。 最初の頃はどちらかといえば『提督』の役に立ちたいという気持ちでしたけど 提督が私の作った料理をいつも褒めてくれて、 それでもっと喜んでもらいたいと思って創意工夫を凝らして…… ……気がついたらあの人の事が好きになっていました。 あの人が私の事を世話役とかそういったものとして好きというわけではなく、 最初から人として好きだったっていうのがわかったのは互いの気持ちが通じ合った時でしょうか。 162 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 11 34 ID zXX5I0tk ある日の事です。私がシャワーを浴びていたらあの人に見られてしまって……ドキドキしちゃいました。 私が勝手にシャワーを浴びていたのが悪いのですし、 あの人は私がお風呂掃除をしていると思ったから入ってきたわけですから仕方ありません。 でも私のドキドキは止まりませんでした。 その夜、私はあの人のお布団の中に忍び込みました。 あの人が私のあられもない姿に興奮していて、 それを思い出して我慢出来ずに私を求めちゃうだろうと思って…… 今思ったら恥ずかしいです。本当は私からあの人に手を出そうかと思っていました。 だけどもし私の思い違いだったらと思うと、はしたない女の子に思われるのはともかく 今の関係が壊れてしまって未来まで失ってしまうのが怖かったんです。 だから私は言い訳がきくよう隣でただ目を閉じていただけです。 覚悟はしていました。あの人に私の初めての口づけを……初めての………… …………覚悟というよりも期待という方が正しいのかもしれません。 でも…あの人は何もせず、私を起こそうとせず私の布団に運んだんです。 ショックでした。あの人が私の事を好きだと思っていたのは私の思い違いだと思ってしまって、私は枕を涙で濡らしました。 でもそんなところを見たからなのか、その後私に告白してきたのです。 あの人は情に絆されやすいところもありますが、 それでも自分がこれだけは駄目だと思えば断固拒否する人でしたから、告白された時は心から嬉しかったです。 ただ、あの人もあの人で少しだけ勘違いしていたみたいでしたからちゃんと私の気持ちも伝えました。 まあ何はともあれ結果オーライでよかったです。 ……こういう考え方って、あの人に少し影響されちゃったかな? 163 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 12 10 ID zXX5I0tk 「…………ちゃん……大鯨ちゃん…………」 「………………あ、はい!」 「もう…何ボーっとしてるのよ」 「ごめんなさい、少し考え事とか、昔の事を思い出したりとか……」 「それはまあいいけど…あれ、見て…」 「え………!?」 言われて見てみるとあの人が見知らぬ金髪の女性と食事をしていました。 「司令官が綺麗な女の人と一緒に食事してるみたい。 何か言い争っていて…あ、女の人が水のおかわりに行ったみたい」 「……きっと大丈夫とは思うけど……確かめてきます……」 「ちょっと!?」 私はあの人を信じているけど、 だけどどうしても確認したいと思って席を立ってあの人の所に向かいました………… 164 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 13 03 ID zXX5I0tk 「あの子も結構強い個性を持っていそうだし、これも艦娘の運命か……」 俺はそう小さな声で独り言を呟きながらこれからどうするかを考えた。 「て・い・と・く」 「っ!?」 「提督っ」 不意に声をかけられ驚いた。振り返ればそこには大鯨… いや、今日は休養日だから大鯨というべきではないか…… 「提督、ここで何をしていらっしゃるのですか?」 「新しい艦娘が新鎮守府に来るから駅まで迎えに行っていたんだ。 こんな時間だから新鎮守府に帰る途中で昼食を取ろうと思ってな」 俺は堂々と事実を言い切った。やましい事なんて何一つしてないからな。 もしやましいことがあるなら繕うような言い方をするはずである。 「あら?貴女誰?」 「あなたこそ誰ですか?」 「ドイツの誇るビスマルク級超弩級戦艦のネームシップ、それが私よ」 「え…………ビスマルクって…………あの…………?」 「そう。ドイツらしい重厚かつ美しいデザインでしょう。 この国でも縦横無尽に活躍するわ。期待しなさい!」 その雰囲気と佇まいに圧倒される大鯨。 「あの…ビスマルクさん…さっきは何を怒っていたのかしら……?」 如月が何か会計を済ませたのか財布を仕舞いながら尋ねる。 「提督に日本料理をご馳走するよう言ったのにタイワンラーメンとかいう辛いのを頼んだのよ」 「台湾ラーメンはれっきとした日本食だ。高雄も愛宕も金剛も榛名も台湾にはこんなのなかったとか言うが、 これはある料理屋の店長が故郷の坦々麺を思い出してまかないで作り、 それを辛党だった店長が辛く味付けして作ったんだ。 だから創ったのは日本人じゃないとはいえ、れっきとした日本料理だ」 「……とにかく口直しを要求するわ」 俺はソフトクリームを頼んだ。他の二人は既に食べたからいらないみたいだ。 165 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 14 32 ID zXX5I0tk 俺はソフトクリームを頼んだ。他の二人は既に食べたからいらないみたいだ。 「ふふっ、中々おいしいじゃない。いいのよ、もっとくれたって」 『さぁ、豪華なランチを奢ってもいいのよ?』 俺の頭にある少女の言葉が響いた。 ああそうか、この子もこんな感じか。俺は何か糸口が見えたような気がした。 「でもここってラーメン屋なのに甘味も充実していますね」 「そもそもここは甘味処から始まったのだからな」 「ねえ、もっとソフトクリームないの?」 「買いたいのはやまやまだがそろそろ新鎮守府に行かないと時間がない。 心配するな。新鎮守府には外郎とか名古屋銘菓を沢山買い込んであるからな」 「何だか食べたら『お前の体は私のものだ』って乗っ取られないかしら」 この時俺は確信した。そんな知識があるのならこの子とみんなとでやっていけるだろうと。 166 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 16 52 ID zXX5I0tk 東海地方含め多くの地域に新しい鎮守府が作られた理由。それを語るには夏頃まで話を遡らなければならない。 夏のAL/MI作戦において自分の担当の出撃任務を終えた俺は故郷に帰省していた。大鯨も護衛として一緒だった。 さすがに家族や親戚に会わせる勇気はないから近くでウインドウショッピングをしてもらった。 そして鎮守府に帰る前に富田の鯨船行事という祭りを楽しもうとした矢先、 四日市港や名古屋港が深海棲艦の襲撃を受けていると緊急連絡が来た。 この場には大鯨しかいなかったものの、襲来した敵の強さが大したことなかった事と 大鯨の練度が高かったこともあり比較的楽に殲滅できた。 後で聞いた話だが、日本の重要港湾クラス以上の港が深海棲艦による襲撃を受けていたらしく、 幸いにも伊勢湾地域に襲来した敵は伊良湖沖で大半は殲滅されていたとか。 とにかく艦娘達のほとんどがAL/MI作戦に出撃している最中だった為に日本には艦娘があまりいない状態だった。 そこをついた奇襲という形だった感じだがあまりにもタイミング良すぎて………… とにかく事態を重く見た上層部は艦娘の活動拠点の増設と艦隊再編を行った。 横須賀鎮守府に主戦力を集中しつつ、それ以外の重要港湾以上の港湾所在地域に新しい鎮守府 (旧来の鎮守府と区別して新鎮守府と呼ばれる)を置いた。 新鎮守府は主力艦隊の拠点となる横須賀とは違い、輸送船団の護衛や地域防衛等が主な仕事である。 俺の新しい勤務先の東海地方の新鎮守府はそれ以外にも艦娘の教育機関がある。 艦娘は軍人のようなものではあるが、本来ならば義務教育下にある艦娘も数多い。 今までも教育自体は各鎮守府でされていたが、地域による教育格差や講師の分散等問題もあった。 その為東海に作られた新鎮守府はそういった艦娘達の為の教育機関も兼ねているのである。 主力であるはずのビスマルクが再編でここに来たのはドイツ語の教師として来たという面が大きいだろう。 俺は東海の新鎮守府で勤務することになったものの 今までの部下達は大半が義務教育下にある駆逐艦娘が大半だった為 長門や陸奥、赤城などの主力艦娘が横須賀に残留したくらいで俺の艦隊の顔触れに変化はほぼなかった。 装備も強力な装備は横須賀に運ばれたが、戦力はなるべく集中させた方が良い為との判断でもある。 また、新兵器の開発についてもまた別の新鎮守府に集中するとのことだ。 色々あったものの、故郷に近い地域に勤務する事になった為、俺のやる気は潰える事はなく、むしろ増大していった。 やはり俺には東海三県の空気が合うのだろう。 年頃の沢山の艦娘達を導いていく不安をそれで打ち消していきたかった。 167 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 18 09 ID zXX5I0tk 10月31日、今日はハロウィンだ。子供達がお菓子くれなきゃいたずらするぞで有名な日だ。 実際はもっと別の理由があるが、こう変化しちゃうのも日本人らしい。 だからなのか朝から騒々しいなあ…… 「しれ…提督、潜水母艦大鯨よ。トリックオアトリート」 「ん…どうしたんだ暁?」 「お菓子くれなきゃいたずらしちゃうわよ」 もう悪戯してるも同然だろう。暁は大鯨の服を着ていたのだから。 物凄い遠目から何気なく見たら一瞬は騙されたかもしれないだろう。てか大鯨はどうした? 「暁ちゃ~ん、私の服を返してくださ~い!」 振り向くと大鯨は暁の服を着て走ってきていた。胸や腰周りがぱつんぱつんで色っぽ……苦しそう。 つーか何故着たし。他に服はなかったのか。 「見てみて、この輝く肌、ねえもっと近くで見てあげてよ」 続いて如月がやって来てそう言った。自分ではなく大鯨の事を指しているのだろう。 何となくだが首謀者がわかった気がする。 「暁ちゃん、お菓子あげるから服を返してくださいよ……」 物凄く恥ずかしそうに涙目で赤面する大鯨の顔はドキドキするくらい可愛かったが、 さすがにこれ以上大鯨を悲しませるのは心が痛む。 「ふふっ、サイズの大きい服を着て大人びる子供…パーフェクト!」 何故か那智が割り込んできた。那智がパーフェクトと言うとか、こいつもそういう方面の知識はあったのか。 そんな事を考えたのは俺と、いれば漣くらいだろう。 「お子様言うなー!」 「じゃあなんでこんな真似したんだよ」 「本当は一人前のレディーがこんなことする必要はないんだけど、 学年行事としてやらなきゃいけないから仕方なくやっただけよ」 「眠たかったからせっかく来てくれたのにお菓子をあげられなくてごめんなさい。でも服は…」 「如月ちゃんから何をやったらいいのか聞いてみたのよ。だから大鯨さんの服を着ちゃったの」 「で、何故大鯨は暁の服を着たのだ?」 「如月ちゃんからやり返すなら同じ事をって……え?」 話が繋がった。二人の衣装チェンジはやはりこいつが原因か。 168 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 19 03 ID zXX5I0tk 「こうして見ると二人とも結構似ているわね」 強引な話題転換である。 「大鯨ちゃんも暁ちゃんと似ているし、暁ちゃんも大鯨ちゃんと似ているし…… 司令官と一緒にいたらまるで本当の家族みたいね」 「そうだな……お前達の子供の顔が早く見たいものだ」 如月の言葉に俺達は赤くなって驚き、 その後の那智さんの言葉にはまるで今までの成長を見てきた年長者的な雰囲気さえあった気がした。 真面目なのか残念なのか判断に困る。二人とも真面目なんだろうけど。 「ところで司令官、今度の祝日は司令官のお誕生日でしょう。 どうしてその日に結婚式をしようとしなかったのかしら?」 「確かに。司令官が結婚式を行おうとしている11月15日は渾作戦の真っ最中なのよ。 だから余裕がある時にしておいた方が…」 「今回の渾作戦は横須賀鎮守府の艦隊が中心だ。横須賀鎮守府は戦闘能力に長けた艦娘が集結しているからな。 俺達の役割は本土の防衛だ。この前のような事があったらかなわんからな」 ちなみに次の作戦名は渾作戦だと漣にメールで送ったら大量の大根を買ってきた。まあ予想通りである。 「作戦期間中とはいえ作戦初期だし、 することはいつもやっている事の延長線上にある事だからある程度の余裕はある。 それに結婚する事と結婚式の日程を報告したら快く承諾してもらったし、 作戦発表後に上層部に伺ったら結婚式を行う事を咎められる事はなかったしな。 まあ作戦期間中は休み無しになり終了後の後始末もやらなきゃいけなくなるが 俺の勝手な都合で結婚式をするんだから仕方ない」 「…まあ上層部がそう判断したんだったら私達から何も言う事はないわ。 私達が出来る事が後方支援だっていうのなら、それを全力でやるのよ」 暁の言葉と共に俺達はこれからへの決意を新たにした。 169 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 19 46 ID zXX5I0tk そこへ空気を読まないかの如くドアが激しく開く音がした。 「トリックオアトリート!お菓子くれなきゃ私の歌を聴けーっ!」 ビスマルクがとある歌姫の扮装をしながら乱入してきた。 何か間違っている気がしたがハロウィンを彼女なりに楽しんでいるみたいだ。 彼女も完全にここに馴染んでいるようだった。 「なんでみんなお菓子をくれないのかしらね」 「それだけビスマルクさんの歌が上手だからですよ」 「本当!?ありがとう。いいのよ、もっと褒めても。 でもここでは変わった事をするのね」 ビスマルクの方がハロウィンとは微妙に違った事をしている気がしたが何も言わなかった。 俺のいる新鎮守府ではハロウィンに合わせて盛大なイベントが開かれていた。 他の鎮守府でも小さいながらイベントが行われていたが、この新鎮守府では一段と大きなイベントが行われていた。 というのもこの新鎮守府は小中学生の年代の艦娘が大半を占める為、 思春期の不安定な心を戦闘行為だけを行う事により壊してしまうという事がないよう 情操教育の点から近隣住人達とのふれあいにより人間らしい心を失わないようにとの考えである。 また、地域の人達からの信頼を得て様々な支援を受けやすくするという狙いもある。 「でも楽しかったわ。これからももっと楽しいことがしたいわ」 彼女の存在はドイツ語講師や戦力を抜きにしてもここに必要不可欠だった。 彼女は現状雷撃できる唯一の戦艦故に渾作戦期間中は横須賀鎮守府の主力艦隊に配属されることになっていた。 激戦地に赴く彼女や、他の艦娘達が無事に帰ってくること。それが俺達の願いだった。 170 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 20 28 ID zXX5I0tk そして11月15日。俺達は結婚した。神の前で俺達は永遠の愛を誓い合った。 何故作戦が始まったばかりのこんな時に結婚式を行ったのか。 それは俺の父親と母親が30年前に結婚したその日だったからである。 俺を今まで育ててくれた両親。その両親に今まで散々苦労をかけてきたのだ。 俺の事を心から愛してくれた人達を俺は何回も悲しませ、落胆させ、失望させてきた。 それでも俺を信じてくれた両親。俺は両親に自分が立派になった姿を見せたかった。 そして、その姿を両親の30回目の結婚記念日のプレゼントにしようと思ったのだ。 正直言ってきちんとできたのか、それとも駄目だったのか、緊張していたためかあまり覚えていない。 でもどちらにしろ親からすれば子供はいつまでも子供なのだと思う。 子供だと思っていたら思った以上に大人になっていた、あるいは未だに子供地味ているか…… どちらにしたって最終的には子供という目で見てしまうものかもしれない。 それに失敗したとしても後に『あの時はああだったなあ』とみんなで笑いながら話せるのならそれはそれでいい。 それよりも俺にとってはある意味結婚式以上に大事な事が控えていた。 日が変わって11月16日。81年前、潜水母艦大鯨が進水した日である。 俺達もまた、新たなる所へ進もうとしていた。 171 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 21 23 ID zXX5I0tk 「不束者ですが、よろしくお願い致します」 俺と初めて出会った時、そして俺と彼女の心が一つに結び付いた時。 その時と同じ、しかしそのどちらとも意味合いが少し違う言葉だった。 「………とうとう…私達……」 生まれたままの姿で照れながら、しかし笑みを浮かべる彼女はとてもかわいかった。 結婚式の時の彼女はこの世で一番綺麗な存在と思えるほどだったが、 こうして見ると彼女の童顔が更に際立つ。 もちろんどちらも彼女の魅力の一端という事に変わりはないのだが。 「ん…………」 俺は彼女の唇に自分の唇を重ねた。ただ唇と唇を触れ合わせるだけのキス。 でも、それだけでも凄くドキドキした。はたから見たら童貞と一目でばれるだろう。 キスの最中、俺は彼女の体を抱きしめ愛撫していた。 しっとりとしていて、それでいて重くない髪はいつまでも触っていたかった。 そして髪の毛から肩、背中、腰。尻へと右手を下に下ろしながら触っていく。 彼女の体は肉付きがよく、とても暖かかった。 お尻もとても大きくて柔らかい。きっと元気な子供をたくさん生んでくれるだろう。 一方左手は豊かな胸に行っていた。程よい弾力と柔らかさ、暖かさが心地よい。 その大きな果実とも形容できるものの先には鮮やかな色をした小さな果実があった。 その果実は硬かった。しかしただ硬いというだけでなく程よい弾力があった。 「……はあ…………んんっ!?」 俺は彼女に唇から己の唇を離すとそのグミのような果実に口づけ、吸った。 「あ……ん……そんなに吸ったって…出ませ…んっ!!」 彼女は潜水母艦大鯨の艦娘である。潜水母艦は潜水艦を支える艦、つまり母親のような存在だった。 胸が大きいのは彼女が潜水母艦の艦娘だからなのか、それとも胸が大きいから艦娘になれたのか。 そんなことはわからないが彼女はまだ母親になっていないため母乳は出ない。 出るとすればホルモンバランスがおかしくなっているのだろう。 いつまでも彼女の乳房を堪能したかったがそうはいられない。俺は彼女の一番大事な所を右手で触れた。 とてもぬるぬると濡れていた。俺は指で探した。 すると少しへこんだ所があったので俺は中指に少し力を入れた。 にゅるん、と入っていった。入口はきつかったが中はとても滑りがよく暖かかった。 指を動かし感触を楽しむ俺は一刻も早く己のいきり立ったものを入れたかった。 172 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 22 03 ID zXX5I0tk 「ん……い……入れてください……あなたの……おちんちん……」 「いいのか……」 「ええ……もう我慢…できないの…あなたも…でしょ……」 彼女の言葉通り俺も限界だった。というか最初にキスする前から既にしたかった。 俺は己の全てを込めるものに手を添え、先ほどのへこんだ所に押し付けた。 「そこ……です…………ッ……!!」 俺は彼女の中に入っていった。先端から今までに感じたことのないような気持ちよさが伝わる。 気を抜けばあっさりと達してしまうだろう。それだけは避けたかった。 彼女を気遣って一気に突っ込むことはしなかったが、何かに阻まれた時、力を入れた。 プツリッ! 何かを破いたような気がした。そして思わず一気に最奥まで貫いてしまった。 結合部の根元を見ると赤いものが見えていた。 そうか、俺は彼女にとって初めての男になったのか…… 彼女は俺を拒むのではなく受け入れたということか。 「ッ…………」 「…くっ…すまない…もう……」 俺の言葉は彼女を気遣うつもりが苦しめてしまった事を謝ったのか、 それとも彼女が達する前に自分だけ達してしまいそうな事への事なのか。 どちらも正しいだろう。不意に気が抜け、襲ってきた射精感に俺はもう我慢できなかった。 俺の先端からびゅるりという感触が延々と続いた。 俺は彼女が達する前に勝手に達していたのだった。 173 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 23 21 ID zXX5I0tk 「ん…………」 「はあ…はあ………」 俺は彼女の一番奥で全てを吐き出していた。 彼女に包まれ、暖かさを感じていた俺はそれに甘えていた。 しばらくして射精が収まったあと、俺は少しの後悔に襲われていた。 なぜ勝手に達してしまったのか、もう少し優しくできなかったのか。 そんな考えを見透かしたのか、彼女の言葉は優しかった。 「……私で気持ちよくなってくれて…ありがとうございます……」 痛くて苦しいだろうに、彼女が俺にかけた言葉は感謝の言葉だった。 「……こっちこそ……ありがとう……」 俺は涙を流しながらそう答えた。確かに罪悪感や済まなささはある。 だけど初めての人が彼女で、彼女の初めての男になれた喜びの涙でもあった。 「…こんな私を、愛してくれて、本当にありがとうございます… 私は……私はとても幸せです。そして、いつまでも、あなたと一緒に…………」 それは彼女の偽らざる本心なのだろう。 俺は彼女を苦しめただけかもしれない。だけど、それでも彼女は俺を愛してくれた。 だからこそ俺は彼女を気持ちよくさせられなかったであろうことを後悔していた。 出来るなら少しでも早く彼女を気持ちよくさせたい。だけど俺は提督だ。 俺の行動一つで艦娘達やこの地上に生きる全ての人達の命運が決まってしまう可能性もある。 それに平和の為に戦わなきゃ彼女を愛する事もできなくなる。 俺は全ての幸せの為に戦う事を改めて決意した。 何一つ思い悩むことはなく彼女と愛し合えるようになるには、まだ時間がかかるのかもしれない………… ―続く― +後書き 174 :幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 27 06 ID zXX5I0tk そんなわけで『お・し・か・け』の続きです エロ薄めな上に関係ないところで独自設定やネタ多数 俺は地元に近いところで愛する人と生きて行きたかったんです…… 長編で明確に続けると宣言して投下したのは初めてです 続きも現実の時間軸に合わせて書いて投下するつもりです それではまた これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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714 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 16 54 ID OP/4A0t2 濡れ場のリハビリがてらに書いた駄文ですが投下します ※キャラ崩壊してるかも ※独自設定っぽいのあり 海沿いのある町の、その外れにぽつんと佇むコンクリートの小さな建物。 訪れる者のいないこの建物に提督が一人と艦娘が一人、ひっそりと暮らしている。 それほど大きくない町の、更にその郊外だけあって、周りには海以外何もない。 とは言え、別にこの提督が極度の人嫌いだとか、人目を憚るような訳があるとか、極秘任務に就いているとかいう訳ではない。 いや、任務と言えばそうなのだが― 数か月前、人類は深海棲艦と無期限の停戦状態に入った。 深海棲艦側としては、既に人類に対抗するだけの組織も、それを維持するだけの兵站もなく戦争を継続するのが困難になった。と言うのが一番の理由だ。 開戦当初こそ人類に対し攻勢に出ていた深海棲艦だったが、当初の計画よりも早く、そして広範囲に拡大した戦線は、やがて兵站の限界を超えてしまった。 その上緒戦の勝利によって徐々に現場至上主義が蔓延り、司令部を無視しての更なる戦線拡大が恒常化し始めた。 しかしこうした野放図な戦線拡大がいつまでも続く訳がなく、やがて最前線でも補給が滞り始めると、孤立した前線の艦隊は真っ先に人類側反攻作戦のターゲットとされた。 人類側の高度に組織化された軍隊や、大量投入される艦娘やその他の兵器、それらを維持するだけの生産力と兵站管理能力の前にこうした艦隊は次々と掃討され、 各海域で戦線の崩壊が起こると、士気低下や補給の停滞、更に現場至上主義の弊害として命令系統が混乱。 平然と命令無視や残党の軍閥化が頻発し、もはやだれが敵なのかも分からなくなってきていた。 こうして四分五裂した深海棲艦は急速に弱体化、戦争の継続はおろか、上層部はまともに命令に従う戦力がどの程度残っているのかも把握していなかった。 ―上層部もまた、そうした問題より自分の軍閥の拡大に重きを置いていた。 こうして始まった泥沼の内部抗争により人類との停戦を申し入れ、人類側もこれに対していくつかの要求をのむことを条件に停戦に応じた。 結局、戦争という行為に関しては、有史以来それを繰り返している人類の方が一枚も二枚も上手だったという事だ。 この停戦により各地の鎮守府や泊地とそこに溢れかえる提督や艦娘はその存在意義が薄れ、多くは除隊か、沿岸監視の名目で各地に飛ばされた。 その沿岸監視とは名ばかりの飼い殺しにあるうちの一人が、この小さな建物に暮らす提督である。 715 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 22 48 ID OP/4A0t2 「おはようございます提督。ご飯にしましょう」 その飼い殺し提督と一緒にいるのが、今や彼の艦隊に唯一所属している艦娘となった伊勢であった。 戦後、他の艦隊に引き抜かれたり、自ら希望して解体され、普通の女性として除隊した者達が多い中、彼女は最後まで艦隊に残っていた。 「ああ、用意してくれたのか。済まないな」 寝ぼけ眼で小さな卓袱台に並べられた二人分の朝食を見て、提督は申し訳なさそうに言う。 「気にしないで。さ、食べましょ」 伊勢はそう答えながら提督を促し、自分も卓袱台の前に座る。 「「いただきます」」 二人向かい合って朝食をとりながら、提督はふと伊勢を見つめる。 「どうしました?私の顔に何かついている?」 「いや、見慣れたと思ったが、艤装をしていないと小さく見えると思ってな」 最近、伊勢は艤装をしていない時間が増えた。 以前の様に戦う事がなくなったので当然と言えば当然だが、身軽な今の姿は彼女を妙に小さく見せる。 やがて食事を済ませた二人は一緒に食器を洗い終えると、それぞれの業務に就く。 といっても大したものではない。 伊勢は外していた艤装を装備し、浜辺に出て瑞雲を発進させる。 名ばかりとは言え沿岸一帯の監視が任務である以上、日に何度かこうして哨戒を行い、ついでに感覚を忘れないために自主訓練を行う。 提督は周辺の見回りや施設内の保守点検、昨日までの報告の作成、時折司令部で行われる合同演習や図上演習等が仕事となる。 勿論、どちらも一日中やっている訳ではないため、他にやることがあるとすれば施設内やその周辺の清掃、海岸のゴミ拾いぐらいだろうか。 それでも陽の傾き始めるころには大体が終わってしまう。 飼い殺しと呼ばれる所以はここにある。 何重にも警戒態勢が敷かれ、無条件降伏に近い条件を呑ませて停戦した今、 深海棲艦が近海まで現れることはなく、辺鄙な田舎町の郊外で事件など碌に起こる訳もない。 一度砂利道でパンクしていた車を見つけ、ジャッキを持ってきてタイヤ交換を手伝ったこともあったが、精々その程度だ。 無論、こうした業務に大した報酬がある訳でもなく、 提督には最低限の生活物資の補給がある代わりに、戦時中に比べれば雀の涙ほどの給与で糊口をしのいでいる。 716 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 26 41 ID OP/4A0t2 この日も何ら変わりなく、西の空がオレンジ色に染まるころにはすべての業務を終えて提督が風呂を、伊勢が夕食の準備を始めていた。 こうした代わり映えしない日々や旨みの無い待遇に嫌気がさして除隊するものも多く、軍縮を迫られている上層部としてはそれが狙いでもあった。 「さて、今日も一日平和だったな」 提督は風呂を洗いながらこの頃この時間の口癖となった言葉をつぶやく。 伊勢からも特に何の異常もなかったとの報告を受けているが、そもそも異常があったためしがない。 「……これなら辞めたくなる奴が多いのも分かるな」 そう言いながらも提督はそのつもりは無かった。 それから暫くして、風呂の準備が整うとほぼ同時に夕食も完成した。 いつも通り、二人ともまずは先に風呂に入り、それから夕食となる。 普段なら二人分の食事が並ぶだけの食卓に、提督の懐では少し無理をした銘酒の小瓶が置かれている。 「「いただきます」」 いつもの通りの夕食に加えてコップ酒が追加された卓袱台。 しかしコップは三つ出されていた。 三つ目の前には何人もの名が刻まれた位牌が一つ。 今日はかつての仲間の命日だ。 戦争末期、深海側最後の抵抗とされた激烈な戦闘があった。 練度の足りない新兵たちまで駆り出し、補給も受けられないままに戦いを挑んだ深海棲艦の敗北は最早目に見えてはいたが、 それでもいくつかの艦隊との間では死に場所を求めたような古参兵の猛烈な抵抗に遭い、少なからず損害が出た。 その損害の一つが、この提督の艦隊。 そこには改装を終えたばかりの伊勢の妹もいた。 それからすぐに戦争は終わった。 仇討ちも弔い合戦もなく、その機会は永遠に失われた。 そして今、こうしてその死を悼むことが残された二人に唯一出来る事だった。 717 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 29 22 ID OP/4A0t2 その夜、二人は同じ布団の中にいた。 「伊勢……今日もいいか?」 「はい。提督……来て」 上になった提督が伊勢の首に手を回し、唇が触れ合う。 提督の舌が伊勢の歯の間から口の中に滑り込み、伊勢の舌とくちゅくちゅ音を立てて絡み合う。 それに合わせて提督の腕が伊勢の背中に回り、伊勢と密着するように強く抱きしめる。 互いが互いの舌を味わい、一度口を離して見つめあい、また再び口と舌が交わる。 口の中を十分に味わうと、興味の対象は下に移る。 提督の手は伊勢の形の良い胸に伸び、その広い掌で揉みしだく。 「んっ…!くふっ……」 乳房の形が変わる度に伊勢の口から声が漏れる。 いつもの黒インナーは着ずに、肌の上に直接白い上着を着ているため、少しはだけさせるだけで提督の手が直に伊勢の乳房に触れる。 手だけでは足りなくなったのか、提督は乳房の先端に吸い付き、舌先での愛撫を始める。 「ひゃん!あっ、ああっ」 提督の舌が何度も往復し、伊勢も何度も嬌声を上げる。 提督によって徐々に敏感になってきた伊勢の体は、舌が通る度に快楽の津波が押し寄せ、艶のある声が闇に響く。 口を乳房で塞いだまま、指は伊勢の股間に滑り降り、彼女の秘所に少しずつ侵入していく。 「ひゃっ、ああっ!提督っ!!ていと―くひゃあ!」 提督の指が、くちゃくちゃと湿った音を立て、伊勢の中へと沈んでいく。 「ふあっ、くうっ……!ううぅ……!!」 母乳を求める子牛の様に、提督の指は伊勢の蜜に向かって進み、トロリとしたそれを全体に纏わらせていく。 「くひっ!!ひううっ!!はぁ……はぁ……はぁああっ!!」 汗ばんだ伊勢から放たれる雌の匂いが、提督の嗅覚に絡みつく。 718 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 32 17 ID OP/4A0t2 「行くぞ……」 「はい……。ください」 提督のむき出しになった一物が、伊勢の膣に触れる。 十分に濡れた伊勢のそれは咥えた一物をスムーズに奥へと進ませていく。 「くううぅ……ああっ、くああ!!」 奥まで一物が入り込むにつれ、提督の腰づかいも激しさを増す。 「くふうっ!!ふあ、ふぁあああっ!!」 「伊勢!伊勢ぇっ!!」 喘ぎ声に応じるように、提督も伊勢を呼ぶ。 腰を動かし、一物を押し込むように提督の動きは激しさを増す。 「うあっ!あん!提督!!提督!!ひゃひぃ!」 「伊勢っ……!くぅ、うっ……はぁ……」 提督が絶頂を迎え、伊勢の中にぶちまけた。 「くうっ、うっ…ああああーっ!!」 伊勢もまた絶頂に達した。 行為を終え、静まり返った闇の中、提督は伊勢をその腕の中に抱いていた。 その目には涙が浮かんでいる。 「大丈夫よ。私はちゃんと傍にいます」 その声にこたえるように、提督の腕はよりしっかりと伊勢を―彼に残された唯一の心許せる相手を抱きしめる。 人間の友も、自分を慕ってくれた艦娘も看取ってきた彼は、帰る場所も頼る人もいなかった。 彼の家には誰もいない。 彼を迎え入れてくれるはずだった家族は、戦乱の中で皆死んでいた。 家族も仲間も失った彼に平和な世界は広かった。 たった一人で生きるには広くて広くて、途方もなく広くて広すぎて、無性に悲しかった。 結局、戻ってきたのはかつての仲間の場所。 それが唯一の心の支え、唯一の存在理由だった。 伊勢もまた同じだった。 大事な妹や仲間を失い、解体されることを考えた彼女にもまた世界は残酷なまでに広かった。 結局、戻ってきたのはかつての仲間の場所。 彼女もそれが唯一の心の支え、唯一の存在理由だった。 719 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 34 03 ID OP/4A0t2 結局二人は似た者同士、帰る場所もない家なき子。 この関係を女々しい傷の舐めあいと言われれば、二人とも否定する気は無かった。 だがいったい誰がその台詞を言えるだろう。 戦い続けて傷ついた末、居場所を失って彷徨い、ようやく手に入れた安息をだれが否定できるだろう。 「提督。私はずっと傍にいます。だから―」 伊勢は提督の胸元に頭をうずめる。 「提督も傍にいて。私の傍に」 かつて『くろがねの館』と呼ばれた艦があった。 終戦後、解体される予定だったその艦に家を失った人々が住みつき、その艦をそう称した。 そして今、同じ名の艦娘はまた戦争で行き場を失った者を支えている。 彼女自身も、支えられながら。 終 +後書き 720 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 38 56 ID OP/4A0t2 以上スレ汚し失礼しました。 以前から度々あった伊勢さん書きたい病の発作が出たので投下しました。 もっと木造迷宮っぽい感じにしたかったけどどうしてこうなった。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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324 :2-358:2014/05/11(日) 22 44 56.45 ID QFRj+f2x えっと不人気でおなじみの妙高型です。 半年ぶりのアップです。 すいません。丸二日推敲しましたがエロまでたどりつけませんでした。 戒めてとして最前半アップします。 後半も早めにアップします。 妙高型みすてないでぇ 325 :2-358:2014/05/11(日) 22 45 56.04 ID QFRj+f2x 4-1-1 鎮守府の食堂は喧騒に満ちていた。 喧騒を煽るかのように食欲をそそる香りが食堂に漂っている。 「カレーライス♪カレーライス♪」 謎の節をつけた歌を駆逐艦娘達が楽しそうに歌いながら配膳口に並んでいる。 金曜日の夕食はカレーライスである。 泊地からほど近い獅南島で夕食を取る艦娘もいるがカレーの日はほとんどの艦娘達がここで夕食をとる。 ここで暮らしている艦娘達全員を収めて余りある大食堂は付属の厨房も含めて鎮守府自慢の設備である。 食堂を仕切っているのは給糧艦『間宮』だが、艦娘達が手伝うことも多い。 「暁、にんじんは残さないんだぞ」 「一人前のレディは好き嫌いなんかないんだから。それにカレーのにんじんは、食べられるし」 「ねぇねぇ、今日のカレーは誰のカレーかな」 「電は鳳翔さんの辛くないカレーが良いのです」 カレーは海軍の定番メニューということもあり普段に増して手伝いを申し出る艦娘が多い。 客船仕込みの葡萄酒を使った飛鷹姉妹の欧風カレー。 豚ばら肉とたくさんのお野菜が入った鳳翔のカレーは正調おふくろの味だ。 意外なところでは酒粕を使った那智の和風カレーや苦瓜の入った伊58のカレーも人気だ。 「今日のカレーは……提督カレー、やったぁ!」 男子厨房に入るべからず、昭和の提督が見たら仰天するだろうが提督の趣味は料理である。 最初は内緒にしていたのだが、最近は良く厨房に立つようになっていた。 材料を刻んだり、具材を煮込んだりしながら戦略を練るのがいいらしい。 特に沖ノ島攻略戦が始まってからというもの、彼は厨房に立つことが増えた。 信頼し可愛がっている艦娘達が己が作った料理を喜んで食べてくれるのが何よりの気分転換なのだ。 今日の提督カレーはバターの香りが芳しいチキンカレーだ。 提督カレーは毎回色々変わる。きちんと手間をかけて作られた提督カレーは艦娘達に人気が高い。 配膳口では割烹着姿も神々しく《艦隊の母》鳳翔が艦娘達にカレーを盛り付けている。 「上々ね」 「メシウマ!」 「はぁ…癒されます…感謝ですね…」 「ほう。これはなかなかのものじゃな」 あちらこちらで艦娘達が楽しげにカレーを平らげていく。 併設されている厨房から提督がその光景を目を細めながら眺めている。 艦娘達との生活。 今の彼にとってかけがえのないものがそこにはあった。 暫く食堂を眺めていた提督は、傍らでいそいそと調理器具を片づけている艦娘に笑いかけた。 「羽黒、手伝ってくれてありがとう」 326 :2-358:2014/05/11(日) 22 47 25.56 ID QFRj+f2x 4-1-2 「いえ、あの、こちらこそありがとうございます」 恥ずかしそうに羽黒は微笑んだ。 白い三角巾と同じく白いエプロンが彼女の楚々とした魅力を強調する。 「司令官さんのお手伝いはお料理の勉強になります」 「そんなに大したものじゃないよ。でも羽黒が手伝ってくれて本当に助かった」 そう言っていつものように頭を撫でる。 艦娘の頭を撫でて労いや感謝の意を表すのは提督の癖だった。 羽黒は嬉しそうに頬を赤らめた。 ―司令官さんの手、優しくてあったかい。 彼女は提督に対して好意以上の気持ちを持っていた。 だが、生来の気弱さからそれを提督に伝えられずにいる。 姉たちや一部の積極的な艦娘達はストレートに提督に気持ちを伝え、それ相応に提督との時間を楽しんでいる。 ―私にはみんなみたいな積極性はないから…それに、もし、嫌いって言われたらどうしよう。 そう思い俯いている日々を続けていたが、二週間程前に見かけた提督と足柄の密事から羽黒の中で何かが芽生えた。 那智も妙高もそれぞれに提督と深い関係にある事を目撃してしまった。 同じ姉妹艦にできたのに。 自己嫌悪と嫉妬が羽黒の胸に渦巻いた。 ともすればそれは暗い悪い方へと彼女を導いてしまっただろう。 だが、ここで彼女は思い出す。 『艦内生活一般心得 宏量大度、精神爽快なるべし。狭量は軍隊の一致を破り、陰欝は士気を沮喪せしむ。』 帝国海軍昭和14年練習艦隊心得が彼女はうじうじするのを止め正面からの行動に出る事を決めた。 まごうことなく彼女は帝国海軍の一員、太平洋を所狭しと暴れまわった甲型巡洋艦なのだ。 そして『見敵必戦』こそは彼女達のモットーだった。 彼女は提督に思いを伝えるための作戦を練った。 そして、機会を増やせば同時に告白できる機会も増える、という結論に達した。 鳳翔にクッキーの作り方を習って以来、出撃の合間や休養日を使い料理の腕を磨いてきた。 特訓のおかげか一通りの事はできるようになり、ここしばらくは提督と肩を並べて厨房に立つことに成功していた。 取りあえず前哨戦に勝利したというべきだろう。 だが、彼女の目標はここではない。 ―こ、ここで満足しちゃダメ。 327 :2-358:2014/05/11(日) 22 53 24.20 ID QFRj+f2x 4-1-3 意を決した羽黒は精一杯の勇気を奮い起こした。 「あ、あの司令官さん」 「ん?どうした」 「あの、その…」 もじもじと先に進まない。 そんな姿の羽黒に何人かの艦娘達が気付いて無言のエールを送る。 照れ屋でおとなしい羽黒はともすれば臆病なイメージが印象に残ってしまう。 しかし、戦場での彼女は勇敢かつ熟練した海古強者だった。 『海の餓狼』妙高型重巡の名に恥じないその戦いぶりとその身を持って僚艦の盾にすらなる仲間思いの性格から姉妹のみならず他の艦娘からの信頼も高い。 目の前で茹蛸のようになる羽黒の頭を撫でている提督も内心の昂ぶりを自覚していた。 艦娘達に囲まれた生活に好意を寄せてくれる艦娘からのアプローチ。 口さがない艦娘達から鎮守府の種馬だのち○こ司令だの呼ばれている提督だがそれ故、余計に博愛主義を貫いてきたし艦娘達も敢えて提督を独占することは無かった。 『海軍士官たるもの港ごとに女がいて、粋な遊びの一つや二つできなくてどうする』 英雄色を好む、という言葉が一種のステータスとして通ってた時代の記憶を根底に持つ艦娘達にとっては、男子たるもの複数の女性にもてることは美徳としてとられているようだ。 現代の女性から見たら男のわがままのそのものだが、何しろ相手は大正昭和の強い女ばかりだ。 艦娘達が自分を好いてくれているのは嬉しい。どの艦娘も愛しい。言うなればお妾さんだ。 だが、かつて連合艦隊を率いていた提督達に及びもつかないひよっこである事を自覚している彼にとってはどうにもこそばゆい現実でもあった。 帝国海軍の将帥たちのように粋にとはいかず、ただの優柔不断になっている自分をなさけなく思ってしまう。 数いる艦娘の中でも羽黒は提督の中では特別の艦娘だった。 カムラン半島沖で彼女に出会ったとき提督は彼女に恋してしまった。 他の艦娘達に抱く感情とそれはちょっと違っていた。 だからこそ余計に自分が羽黒に惚れている事を意識してしまうと他の艦娘達との関係が壊れてしまうようで怖かった。 はっと我に返るともじもじしている羽黒と視線が合ってしまった。 艤装を外し白い前掛けの前に手を組み猫背気味にこちらを見ていた羽黒は提督に一歩踏みよった。 「あの…今夜、お部屋にお伺いしても……いいですか?」 普段のおどおどした口調とは打って変わった決意の籠った声。 ぎゅっと握られた手が小刻みに震えていた。 今まで逃げていた自分が恥ずかしい。当に答えは出ていたのだ。 羽黒の引っ込み思案な性格を利用して、羽黒に振られる事を恐れていたのだ。 あの慎ましい羽黒が勇気を振り絞って言ってくれたのだ。 答えなければ日本男児ではない。 328 :2-358:2014/05/11(日) 22 55 44.62 ID QFRj+f2x 夷を決してた提督は出撃前のされと同等の緊張で羽黒に応えた。 「わかった……夕食終了後、2200に私室で待っている」 提督は前掛けを外し、照れ隠しか軍帽を目深にかぶると傍らの給糧艦間宮に声をかけると、そのまま足早に厨房から逃げるように出ていった。 羽黒は俯いたままエプロン裾を握りしめている。 ―った……やったぁ。やっと言えたぁ……司令官さんと二人きり。 大きな瞳は潤み、今にも涙が零れ落ちそうだ。 立ち尽くす羽黒の肩が優しくそっと抱かれた。 顔を上げると鳳翔が柔和な笑顔を浮かべていた。 差し出されたハンカチで目頭を押さえると涙が零れる。しばらくの間、肩を抱いていた鳳翔がそっと促す。 「食べましょ。提督のカレー」 羽黒の心中をおもんばかってかそれ以上は何も言わない。 こくりと小さく頷いた羽黒は銀盆を持って食堂のテーブルに向かう。 銀盆の上には鳳翔の用意してくれたカレーライスと副菜が乗っている。 「おい、羽黒。ここだ」「どうしたの?失敗したの!まだチャンスあるか-」「足柄。声が大きいわ……ここ空いてるわよ」 ぽてぽてと心此処に無く歩く羽黒を姉たちが三者三様に呼び止めた。 姉たちは姉たちなりに羽黒の心配をしていたようだ。 ほとんどの艦娘達は食事に夢中で、提督と羽黒との一連のやりとりを見ていたものはごく少数だったが姉たちは一部始終を見ていたらしい。 さすがは姉妹艦である。 ちょっこんとテーブルに向かう羽黒を姉妹たちは神妙な顔で迎えた。 俯いてカレーを見つめる羽黒の表情は見えない。 暫くの沈黙の後、那智が口を開いた。 「その、なんだ……飲むか。今夜は私が付き合うぞ」 無関心なような顔をしてその実、情実細やかな次女が心配げに切り出す。 「い、一回や二回、断られたって大丈夫。チャレンジよチャレンジ!」 聞きようによってはカラ元気に聞こえてしまうところが足柄の悲しいところだ。 考えようによっては彼女が一番提督(の肉体?)に飢えているようにみえる。 だからライバルが減って喜ぶべきなんだろうがそこを励ましてしまうところが三女の良いところなのだろう。 「―提督が羽黒を傷つける事を言ったのなら後でしっかりお説教してあげる」 普段は優しくお淑やかな長女だが、敵に回すとこれほど怖い相手はいない。 提督に理路整然と意見できる娘は霧島と妙高、不知火ぐらいである。 「あ、あのね…」 俯いたまま、優しい末っ子はぽそりと口を開いた。 ゴクリ。 四姉妹の顔に緊張が走る。 「今夜、私室に…来なさいって」 三人の姉は顔を見合わせると微笑ましいちょっと意味深な笑顔で愛妹に言った。 「「羽黒、頑張ってね!」」 +後書き 330 :2-358:2014/05/11(日) 23 06 43.31 ID QFRj+f2x 取りあえず羽黒、頑張った。 ダメなのは提督=書き手だ。 部屋のあれこれも、なんというか、全身舐めしゃぶってるのをなんとか 見ていただけるレベルにまとめてます。 …嫁、難しい。浮気の鈴谷と長波に手を出してしまいそう。
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63 :名無しさん@ピンキー:2014/03/03(月) 21 30 23.67 ID S2ZLU26X 今日は三月三日だ。夜にはみんなで雛祭りをする予定だったが、生憎と急な仕事が入ってしまった。 ただ別に俺でなくてもできる仕事だったので、俺が雛祭りの主催者ということもあり秘書の弥生に全てを任せ、俺は雛祭りに行った。 雛祭りの最中も弥生のことが頭から離れなかった。だが一応主催者というわけで帰るに帰れず、結局終わったのは10時を過ぎた頃だった。 一応予定通りではあったが、早く切り上げることはできなかった。 弥生に仕事を押し付けてしまった俺は弥生が待っているであろう司令室にすぐに戻った。 司令室はカーテンが閉められ、明かりも灯っていなかった。 鍵もかかっていなかったが鍵は俺が持っているわけだからまあ不自然ではない。 微かに香る桃の香りは弥生がついさっきまでいた証――弥生は他の言い方で桃月とも言う――である。 ふと見たら布団が敷いてあった。きっと弥生が気を利かせてくれたのだろう。 俺は弥生のそんな心遣いに感謝し、すぐに布団に入り横になった。 疲れ果てていたこともあり、割とすぐに眠りについた…… ふと、俺はちんちんに痛みにも近い感覚を感じ目が覚めた。痛みだけではなくなんだか気持ちいい感覚もだ。 俺は枕元に置いておいた電気スタンドをつけ、布団をめくった。 そこには銀混じりな青紫の綺麗な髪の少女、弥生がいた。 「あ……起きた……?」 「や…弥生……うぅ…」 「じっとしてて。私が……」 弥生はそう言って俺のちんちんに舌を這わせた。童貞の俺にとっては感じたことのなかった気持ちよさを感じる一方、 俺は剥けるとはいえど元々包茎であり、今日は風呂に入ってないため全く洗ってなくて、 それを舐める弥生に対して申し訳がなくなる。 「ん……もういいね……それじゃ…」 「弥生………まさか!」 「大丈夫。ずっとここで準備していたから」 「準備って、お前、俺が任せた仕事が終わってもここに…」 俺の言葉にそれ以上答えず、弥生は俺のちんちんに跨がった。 そして一度は腰を落とそうとしたが何かの抵抗にあった感じがした。 まさか、と思い俺は止めようとしたが、弥生はもう一度腰を浮かせ、そのまま勢いをつけて腰を落とした。 ブツッ………という音がした気がした。俺のちんちんが根元近くまでくわえ込まれていた。 結合部からは赤い血が流れていた。弥生が大切にしていた処女を奪ってしまったのだ。 「ッ……!」 「弥生…………」 弥生の顔を見ると、その顔は痛みに歪み、涙を流していた。 中破した時でさえこれほど表情を崩すことはなかったのに、今、俺のせいで弥生に苦しみの表情をさせてしまっている。 「弥生……」 「ん……大丈夫…………痛くなんて………ないよ…………それじゃ…………動くね………」 自分の表情の変化に気付いていないのか、それとも俺に気を遣っているのか、弥生は平静を装おうとしていた。 その姿が俺の心を益々締め付ける。弥生の処女を結果的に苦しめて奪ってしまった形になったことに 俺の抵抗心はなくなってしまった。弥生が腰を動かすことをもはや止めもしなかった。 やがてその時はすぐに来た。女性経験なんて全くない俺だ。ましてや相手は男性経験のない小さな女の子だ。 我慢なんてできるはずもない。 「弥生…もう……」 「司令…官……ッ………!」 俺が達しそうになったため思わず声を出したのを聞いた弥生は最後の一撃といわんばかりに腰を思いっきり落とし、 ちんちんを根元まで飲み込んだ。 「あぅっ!…あ…」 「………あ………司令官の……おちんちん……びくん…びくん……って………弥生の中に……出てる………」 今まで体験したことのない暖かさに俺はかつてないほどに射精した。 それはまるで、弥生は俺のものであるという証を深く塗り込め、刻み付けようとするように………… 「はぁ……はぁ………司令…官……気持ち…良かった……?」 「ああ………………でも…どうして……どうしてこんなことを………?」 「………ごめんなさい……弥生は……司令官のことが…好きだったんです……… でも……弥生は表情が硬くて……司令官に…気持ちが伝わらない気がして……それで………」 なんてことだ。俺は彼女の気持ちを推し量れなかったためにこんな辛いことをさせてしまっていたのか。 確かに弥生は表情から感情を読み取りにくい。だがそれゆえに俺は自分から深く切り出せず、 今の関係が壊れることを恐れ、それゆえに弥生に辛い思いをさせてしまった。大好きだった弥生に…… だから、俺は…… 「弥生、聞いてくれ」 「え…」 「お前にこんなことをさせてしまって、言える立場ではないけど……俺はお前のことが好きなんだ」 「……本当に……?」 「なんでこんな時に嘘を言わなくちゃいけないんだ。好きでもなければ必死で抵抗していたさ。 ……俺がお前の気持ちを分かりきれなかったためにお前にこんなことをさせてしまって…… もし…もしお前の気持ちがまだ俺と交わる前と同じ気持ちだったなら…」 「うん、大丈夫……弥生はずっといるよ……司令官の側に……」 「ううっ……ありがとう…………」 俺は一見無愛想に見えて、だがとても心が温かい弥生の優しさに涙が止まらなかった。 それから数ヶ月が過ぎた。 今日も特にこれといったことはなくまあまあ平和だった。 俺はそんな平和な時を噛み締めながら、いつも隣で頑張ってくれている弥生に目をやった。 彼女は意図しているのかどうかは知らないが、ヘソを見せつけていることが多い。 ほっそりとしたウエストからバストに上がるラインの美しさ、可愛いおへそなのだから見せたら周りのみんなが喜ぶだろう。 お腹に顔を押しつけ、そのままセーラー服の中に顔を上げていきたいって思うことも誰にだってあると思う。 でもそれは恋人である俺だけの特権である。 ん……よく見てみると弥生のお腹が少し膨らんでいる気がした。太ったのかな?ちょっとだけ残念…… でも幸せ太りならまあいいか。あ…………もしかしたら…… 「あの……司令官……最近すっぱいものが無性に欲しくなってきたの……」 「最近ねえ……ん?……まさかな……」 「司令官?」 「まあ定期健診がもうすぐあるし、そんときにでも見てもらうとするか」 そして定期検診の結果………… 弥生は妊娠していた。なんの間違いもなく俺との子供だろう。 「司令官……ごめんなさい…戦えない体になって……」 「いや、なにも前線に出たり、遠征に出たりすることだけが戦いじゃない。 お前は提督の仕事という俺の戦いのサポートをしてくれる。 それだけじゃなく、俺の生きるという戦いのサポートも」 「//////」 流石にクサすぎたか。弥生は顔を赤らめてしまった。 この数ヶ月間俺と一緒にいたためか出会った頃よりも感情表現が豊かになった気がする。 俺がストレートに感情表現をできるからというのもあるだろう。 「弥生。改めて言うよ。ずっと……ずっと俺のそばにいてくれ。俺もずっと、弥生のそばにいるから……」 「うん、大丈夫だよ。弥生はずっといるよ……あなたのそばに……この子と一緒に……ずっと……ずっと…………」 +後書き 66 :名無しさん@ピンキー:2014/03/03(月) 21 37 04.20 ID S2ZLU26X というわけで弥生ちゃんとのはじめて同士なSSを書かせていただきました 雛祭りなのに雛祭りネタがそんなにないことをお許し下さい 画像認証システムのせいで携帯から書き込めなくなったのがなあ PCからだったらちょっと手間取るってだけで済むのに……
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388 :加賀×提督:2014/03/31(月) 23 12 03.78 ID xh6bPiF1 加賀×ヤリチン提督です ヤリチン嫌いな人はスルーよろしく 午後十時を回った頃。 執務室には秘書艦の席には加賀が、提督席は空いていた。 「はぁ…」 加賀はため息をつく。また今日もだ。 執務室は和室で、シンプルな布団が折りたたまれている。 秘書艦の仕事は提督の執務の補佐以外にも、提督の身の回りの世話、その中には当然、掃除も含まれている。 几帳面な加賀は、和室に布団、謎の紅茶セットなどが雑多に置かれたこの部屋も、 綺麗に片付けていた。そのあたりも考慮しての安定した秘書艦の立場なのかもしれない。 ここの提督は女癖が悪い。艦娘たちも次々食い散らかしているようだ。 それでも彼女たちが提督を慕うのは、指揮官としてのオーラと、無駄に整った顔、鍛えあげられた筋肉、 そしてそれなりの頭脳と身分、優しさがあるからであろう。 「…」 コツ、コツとペンで何もない机を加賀が叩く。今日の執務は終わったのだ。 それなのに不満そうな顔をしているのは、提督が自分には全く見向きもしないからである。 ガチャン、とその時扉が開いた。 「ふぁーああぁ疲れたなぁもぉー!」 欠伸をしながらだらしない寝巻き姿で提督が現れる。服があちこち濡れているのは、風呂上りだろう。 「あら、おかえりなさい」 今日は誰を抱いてからここに来たのだろう、と加賀は考えていた。声にも不機嫌が出てしまう。 大抵、ここに来るときは、あとは寝るだけの状態だ。執務室の番が終わり、加賀はいつも自室に帰る。 赤城か、鈴谷か、それとも金剛か… 提督がいつものように眠気まなこで加賀に話しかける。 「おつかれ。加賀、」 「夜戦ですか?お断りします」 「は?」 唐突に回答を叩きつける加賀に、提督は意外そうな目で返した。 「先ほどは、どなたとお楽しみで?」 提督はそれを無視して机へと仰け反る。加賀を一瞥する目が「どうでもいいからはよ帰れ」と言っているようだ。 「えらくお疲れのようで。さぞ良い運動になったんでしょう?」 加賀が席を立ち、提督の席へとスタスタと詰め寄る。 「加賀…お前随分不機嫌だな。怒ってるだろ?」 「はい、頭にきました」 「何でよ?」 「提督の女遊びは度を過ぎているのではなくて?軍紀に影響します。謹んでいただきたいわ」 提督は姿勢一つ崩さず、そのまま加賀の方も向かず机に肘を突いて答える。 「別に良いじゃないか。あいつらも満足してるんだし…赤城だってそう言ってるだろ? スキンシップは重要だしな、お互い溜め込むのも良くないってもんだ」 『俺良いこと言った』という顔をしてのけぞる提督に、加賀が詰め寄る。 「ま、まさか駆逐艦の子にも手を出しているのでは…?」 「…そんな事はしねぇよ。俺はせいぜい軽巡ぐらいまでだ。天龍あたりは最高だな。 あ、鈴谷はもっとたまんないねぇ」 「…」 加賀が無言で、座っている提督の両肩を抑えつける。 防具や前かけは外しているので、豊かなタンクが両方、提督の肩に押し付けられた。 「何?肩は凝ってないから、寝て良いぞ」 「…」 「あぁ、悪かったって。こういう話はあんまりしないから」 強くタンクを押し付け、加賀が口を開く 「…私が怒っているのは、『何で私に手を出さないのか』なのだけれど」 「提督が秘書艦に手を出しちゃいかんだろ」 「はぁ?」 「だってさ、執務に影響するじゃん?加賀を秘書艦にしたのも、お前が真面目そうだから」 ぐすん。 提督の頭に加賀の涙が落ちる。そして首が締め付けられた。 「…私だって…」 「…?!」 「私だって、『愛されたい』…だって、艦娘だもの」 次々落ちる加賀の涙。そして… 「!」 提督が不意に加賀の唇を奪う。 「これで…良いか?」 しばらくの間、ぴちゃ、ぴちゃと接吻の音が部屋を満たした。 加賀が提督の唇を奪い返し、執拗に舌を絡めたからだ。 「加賀、顔が赤いぞ…もう帰ったらどうだ?」 「ダメです」 「何故…?」 「大好きだから。提督に愛してもらえるなら何でもします。ここは譲れません」 「もう満足しただろ?俺はもう寝…」 不意に加賀が提督の股間に手を伸ばし、隆起したモノを掴む。 「『ここ』は満足してないのではなくて?」 「…」 「…っ!」 それが合図となった。加賀のタンクにすっかり理性をやられ、既に我慢の限界だったのだ。 「あっ…!」 立ち上がった提督は加賀に接吻すると、頬とうなじを撫で、そのまま衣服の紐に手をかけて 加賀をあっという間に裸にしてしまった。 大きな二つのタンクが露になり、体はオイルで湿って艶かしく光り、下着は既に濡れている。 提督は自分の肩に加賀を寄りかからせるようにして、接吻を続けながら片手でタンクから格納庫へと手を這わせた。 太い指がテクニカルに出入りする。 「…あ、や…やぁん…!」 頃合を見て提督は加賀をそっと抱きかかえる。 艦娘の中では重量はある方ではあるが、提督は並外れた筋肉によって片手で担ぎ揚げてしまった。 布団を器用に広げると加賀をそこにそっと下ろし、下着をずり下ろす。 「あ…そこは」 提督は一瞬で寝巻きを脱ぐと、加賀に巨大な主砲を向けた。 「加賀、良いのか…? もう後戻りはできない、俺はできれば秘書艦を汚したくないんだ…」 加賀はあまりの感激と興奮で、我を忘れて股を開いて提督を誘っていた。 あまりにも立派な肉体と逞しい主砲に、寂しさが暴発しそうだった。提督を自分のものにしたい。 「見ての通り、気分が高揚しています…早く抱いてください」 「し、知らないぞ。俺は今日は誰も抱いてないんだ。お前を壊してしまうかもしれない。それでも良いのか?」 「良かった…ずっとこうなる事、夢見ていたんです。あっ…んっ…さぁ、早く…っ!」 その一言で提督の理性は完全に吹き飛ばされた。 「あっ、あ…あぁぁぁああん…っ!」 提督は加賀に己の逸物を深々と突き入れると、まずはタンクにむしゃぶりつき、次々に加賀を蹂躙していった。 腰と腰がぶつかり合い、肉と肉が躍動するあまりの激しい夜戦に、加賀は破瓜の痛みなどはすぐに快感にしてしまっていた。 「オォォ…おぉぉ…」 「あっ、あっ、アァァァ…」 提督室に雄と雌の交わる声が響き渡っていた。 主砲と格納庫がギチギチと音を立てる。提督の筋肉が躍動し、加賀のタンクが揺れる。 提督は加賀に3回の直接砲撃を行い、子種で格納庫内部を満たした。 それでもなお、提督の逸物は仰角を続けている。 「あっ、あっ…あっ…アアアーーーンッ!!」 提督の手で掴み切れていない巨大なタンクがバウンドし、指に絡んでそれは形を変えていく。 お互いの腰が振るえ、加賀が大きく仰け反ると、提督は4度目の射撃を放っていった。 加賀の体が痙攣し、ガクリと体を提督に預けた。 「やってしまった…ついに秘書艦まで…」 半萎えになった主砲を加賀から引き抜くと、とうとう彼女を汚してしまった罪悪感に包まれた。 加賀はというと、体を上下させながらも、まだ頬を紅潮させ、満足そうである。 「…やりました」 寝言なのか、加賀が目を閉じたままそう言ったのを聞いた。 「こりゃ風邪引くな…」 提督がそっと加賀に毛布をかける。 大破させてしまった以上、今日は加賀をここで入渠させなければならない。 提督は寝巻きをつけてそっと執務室を後にし、再び風呂に入ると、 たまたま一緒にいた赤城と酒を飲み交わしながらさっきの話をし、その後滅茶苦茶夜戦した。 +後書き 392 :加賀×提督:2014/03/31(月) 23 16 31.54 ID xh6bPiF1 以上、色々溜まってる加賀さん×ヤリチン提督でした。 そのうちこれの対の話になる加賀×童貞提督も余裕あったら書きます。 ヤリチン嫌いな人には失礼
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380 :名無しの紳士提督:2015/12/25(金) 22 17 00 ID F.hV5l7U どうも、いつも鳥海のSSを書いている者です 今日はクリスマスなので二つ投下します 一つ目は別世界観での鳥海の話です 今まで投稿した鳥海のお話とは内容が違います 独自設定も満載です NGは『ここにいる理由』でお願いします 381 :ここにいる理由:2015/12/25(金) 22 17 39 ID F.hV5l7U 12月25日はクリスマスである。 家族で過ごす日という認識もあるが、 日本では恋人同士で過ごす日という認識が強い。 ほとんどの独身者はクリスマスを一人で過ごしているだろう。 まあよくて友達や同僚と過ごすか。 俺はというと部下と二人きりで過ごしていた。 いや、そういう言い方は少し違うかもしれない。 俺達は深海棲艦との戦いの後始末をしていた。 数年前の8月15日、深海棲艦という謎の存在が突如現れ、世界を恐怖に陥れた。 それを完全に討ち滅ぼしたのはクリスマスから17日前の12月8日の事である。 それは74年前、日本が世界を巻き込んで一度破滅へと向かいはじめた日であった。 そして今、破滅へと向かっていた世界を日本が救った日でもあった。 「……さん……司令官さん……」 「ん…」 「起きましたか、司令官さん?」 「あぁ………はっ!?」 「大丈夫ですか司令官さん」 「すまない、寝てしまったよ」 鳥海という秘書的な存在の声に俺は目を覚ました。 眼鏡をかけた彼女は秘書というイメージがぴったりだろう。 服装が全然秘書っぽくない事は忘れよう。 「仕方ありませんよ。ずっとお仕事していたんですから。 最近もあまり寝てないのでしょう?」 「夜遅くまでやっていたからな」 「司令官さん…いつもお疲れ様です…」 「ありがとな鳥海」 戦いの後始末に追われていた俺を鳥海が労ってくれた。 「ふぅ…………ったく…もう終わるだろうと思っていたのに、 まさかミスがあったなんてな…… もう鳥海一人で十分と判断したのはミス判明前だけど、 慢心せずに他のみんなにも手伝ってもらえばよかったかもしれん」 「ごめんなさい、私の力が及ばず……」 「君のせいじゃないさ。それよりも仕事の続きを…」 「大丈夫です、もう終わってました」 「終わってた……ああ、私の分は終わらせて気が抜けて寝てしまったか。 本当は君の手伝いをするべきだったのに…すまない…」 「気にしないでください、司令官さんはお疲れだったんでしょう? 私が司令官さんに迷惑をかけるわけにはいきませんから……」 「本当にありがとう、鳥海……まあ仕事が完全に終わっても寝るしかなかっただろう。 そもそもクリスマスに仕事があろうがなかろうが俺にはほぼ関係なかったし」 そう。独り身の俺にはクリスマスなんて関係ない。 寂しいかもしれないけど、殊更ひがむ気もない。 「あの……司令官さんはもし今日仕事が早く終わっていたらどうしていましたか?」 「どうしていたかな……深海棲艦との戦いに全力を尽くしていたから恋人なんていないし…… むしろ仕事があって君が手伝ってくれたのが皮肉にも異性と過ごせたという事に繋がったな」 「異性と……」 「あ……」 しまった。つい口が滑ってしまった…… 「鳥海、その…それは……」 「……あの………司令官さん。もし仕事がミスがなく終わったら…… これからの時間も一緒にいてよろしいでしょうか?」 「え……?」 女性からクリスマスを一緒に過ごそうと言われたのは 30年近く生きてきて初めての事だった。 恋人同士という関係にあったわけではなかったのだが、 俺には恋人なんていないし、鳥海にも恋人はいない(はず)。 「……ああ、いいぞ」 「ありがとうございます」 俺は鳥海の誘いを受け入れ、その返事を聞いた鳥海の顔は嬉しそうだった。 その鳥海の顔を見た俺は遠い過去に抱いたある想いを心の中に蘇らせていた………… 「なあ鳥海、お前、どういうつもりだ……」 「どういうつもりって……夜戦、ですよ」 あの後仕事は何のミスもなく完全に終わった。 俺は鳥海を自分の部屋に誘ってみて、了承したので連れて行った。 そして一緒にケーキを食べたりして過ごしていたが、 鳥海がベッドに腰掛けて服をはだけさせながら、 少し恥ずかしそうに俺を誘うような行動をしてきた。 「クリスマスに男女が二人きりでいてすることといえば、こういうことじゃないのですか?」 「確かにそうかもしれないけど……でも…」 「私はかつて司令官さんに命を救われました。だから夜戦で少しでもお返しできれば……」 「助けられたって…だけど君は深海棲艦との戦いで俺の期待に応えてくれたじゃないか」 「そうですけど…でも、あの時司令官さんを不安にさせちゃいましたから…… 大破しながらも出撃しようとした私を『俺はもう大切な人を失いたくない』 って言って引き止めようとしてくれていましたから」 「あ…ああ……」 確かにあの時の俺は大切に想っていた人を何もしなかった為に『また』失う事を恐れていた。 「だから司令官さんも私のことが好きなんだなって思ったんです。司令官さん、そうでしょ?」 「ああ………確かに俺は君の事が好きだ………」 「よかった……」 鳥海の表情は安堵の表情だった。少し暗さも感じたが…… 「だったらしましょうよ。しない理由なんてないでしょう」 「だけど…」 「もしかして自信がないのですか?」 「自信がない…確かにそうかもしれない。君を苦しめてしまわないかって思ってしまってな。 俺は女性とそういった事なんてした事ないからわからなくて……」 「司令官さん、経験なかったのですか!?」 鳥海が凄く驚いた表情をしながら声をあげる。 「ないさ。意外に思うかもしれないけどな」 「本当に意外です。司令官さんは結構スケベなところがありましたし」 俺が割とスケベな事は大抵の艦娘は知っている事だ。 同僚の若い提督達と猥談していたのを青葉に聞かれていて、 そこから艦娘達にも知れ渡ったからな。 幸いな事に日頃真面目に仕事をしていた為か、 艦娘達からは呆れられる事はあれど幻滅される事はなかった。 特に鳥海がこんな俺を軽蔑しなかった事は素直に嬉しかった。 「確かに経験はないがそれくらいで怖じけづいたりはしないさ。 それくらいで君とするのを諦めたりはしない」 「じゃあ私としてくれないのは私が人間じゃないからですか……?」 人間じゃない………… そう、鳥海は人間ではない。艦娘という存在である。 艦娘…………それはかつての世界大戦を戦った軍艦が悠久の時を越えて蘇った存在である。 なぜ人間の女の姿になったのか、それはわからない。 だが、なぜこの時代に蘇ったのか……それは深海棲艦という存在を討ち滅ぼす為と言えるだろう。 深海棲艦は艦娘が現れる少し前に突如現れた存在である。 深海棲艦は艦娘とは違い、人間の姿だけではなく、不気味な化け物の姿をしたものもあった。 その力は恐ろしいものだった。破壊力こそ70年前の兵器レベルであったが、 軍艦とは違い人間とほとんど変わらぬ大きさでそれ程の破壊力を持つ存在は脅威であった。 だが深海棲艦の一番恐ろしいところは我々のあらゆる攻撃が通用しない事だった。 破壊力で勝る近代兵器も精々相手を吹き飛ばしたり足止めをしたりするのが精一杯で、 深海棲艦に傷を付ける事は不可能であった。 そして人類は制海権も制空権も失い、 生まれ育った大地すらも深海棲艦によって破壊されていった。 そんな絶望の中、艦娘は現れた。 彼女達は70年前の艦船の生まれ変わりを自称していた。 人間達も最初は彼女達の事を信じられなかったが、 人類に対して敵意を持つ者はなく、 70年前の戦争を生きた人間達の証言等も彼女達の語った事と同じ部分があった為、 彼女達に対し訝しがれど悪意を持つ者はいなかった。 もっとも、それは深海棲艦を唯一討ち滅ぼせる存在である事が一番の理由かもしれない。 深海棲艦を討ち滅ぼし続ける彼女達を見てそんな事言ってる暇なんてないと思うだろう。 かくして、艦娘と人類の連携によって深海棲艦は完全に滅びた。 だが深海棲艦が滅びた事により艦娘達はその存在理由を失ってしまったかもしれない。 そして深海棲艦と戦う為に現れた艦娘は、 深海棲艦滅亡と共にこの世界から消えるのではないか…… 確かな答えこそなかったが、そう考える人間も艦娘もたくさんいたのだった………… 「それも違う………とは言い切れないかもしれない。 心のどこかでそう思っているかもしれないから。 けどそれも違う。俺が君の誘いに応えられないのも… …俺が君を愛していいのかと不安になってしまうのも…」 「不安?どういう意味ですか? 別に誰かが誰かを愛することは、 迷惑さえかけなければいいんじゃないんですか?」 「…………」 口が滑った…かもしれないけど、喋らなかったところで複雑な想いを抱いたまま生きていき、 いずれすれ違いの元になってしまい、悲しい事になるだろう。だから俺は覚悟を決めた。 「……聞いてくれないか……」 「え…………はい……」 鳥海の顔が真剣な顔になった。俺は言葉を続けた。 「俺が君を好きになった理由…… それは俺が昔好きだった人と君がとても似ているからなのかもしれない……」 「…………」 「……その子は俺が物心ついた時から……好きだった幼馴染の女の子だった…………」 俺は思い出したくない……楽しかったからこそ、今思い出す事が辛い事を思い出しながら続けた。 「ずっと一緒で……それが当たり前だった…… 俺は馬鹿で…あの子に色々としてしまったけど……それでも時間が経てば仲直りしていた…… 俺は…それに甘えていたんだろうな……変わらない日常……… ある時もちょっとした軽口を言った。 怒っていたけど、また仲直りできるって思って謝らなかった。 だけど………それが繋がっていた絆を断ち斬ってしまったんだ。 卒業式の時も仲直りする事なく喧嘩別れしてしまった。 住んでる所が一緒だからまたいつか会えるだろうって思っていた。 でも……二度と会う事はなかった…………」 「…………」 鳥海の顔が少し驚きと悲しみ混じりになった。 「俺は後悔したよ…………どうしてあの時すぐに謝らなかったのか…… なぜ人の気持ちがわからなかったのか……やりたかった事がたくさんあったし…… ずっと一緒に生きてきた彼女と…もっと色んな事をしたかった……けど、もう……」 「…………」 鳥海は何とも言えない複雑な表情をしていた。 「…………すまない、こんな事を言って…でも君の姿は本当に初恋の子に似ていて、 俺が君を好きになったのもそのせいなんじゃないかって思えて、 君と一緒にいるのは俺が初恋の女の子と出来なかった事を 君を代わりにして行う自己満足なんじゃないかって…… だから俺には君を愛する資格なんてないかもしれない…… 君をかつて好きだった人の代わりに愛してるかもしれないって知られたら、 愛想尽かされるんじゃないか…… あの戦いが終わってからそう考えてしまうようになったんだ……」 「…………そうやって勝手に思い込んで諦める。それが自己満足なんじゃないんですか……」 「な…」 鳥海の口から出た言葉はあまりにも意外な言葉だった。 「だってあなたの言っていることは、あなた自身のことしか考えてないんじゃないでしょうか。 自分で勝手に怖がって、私の気持ちとか、全然考えてるようには思えませんから……」 「…………」 そう言われればそうなのかもしれない。俺は何も言い返せなかった。 俺は昔から自分の中でばかり考えてしまい、 相手を自分に都合よいように善く解釈したり悪く解釈したりしていた。 相手の気持ちがわからなかったし、面と向かって聞くのが怖かった。 自分の気持ちを相手に知られて、そのせいで相手との関係が壊れてしまう事を恐れ、 そのせいで相手に誤解されてしまい関係が壊れてしまった事もあった。 その反省のつもりで今は正直に言ったがそのせいで駄目に…… いや、諦めるかよ。鳥海は俺の事を好きだと言ってくれた。 なら、俺が鳥海に諭されて間違いに気付いたと言おう。そう思って… 「……でも私も自分勝手なのかもしれませんね」 「は?」 鳥海に謝ろうとしたら意外な事を言われたのだった。 「艦娘がこの世界に生まれたのは深海棲艦を倒すためかもしれない。 だから深海棲艦を倒してしまった今、 役割を失った艦娘はじきに消えてしまうのではないかと思って…… だから私は司令官さんの大切な人という役割を得てこの世界から消えてしまわないようにした。 そう、私だって自分の勝手な都合で異性を利用しようとして…… こんな酷いことしようとした私なんて……」 鳥海は己を責めていた。まるでかつての俺みたいに…… 確かに酷いかもしれない。けど俺には一つ気になる事があった。 「鳥海、俺を利用してまでこの世界に残ろうとした理由は何なんだ?」 「理由…ですか……あなたに助けられた恩返しがしたかったからです。 私は数十年前に艦としての生涯を終え、 そして長い眠りの後に艦娘としてこの体でこの世界に再び生まれました。 どうやって、何故艦だった私たちが艦娘という存在として蘇ったのかは私や他の艦娘…… そして人間たちの誰もわからない。 だけど私は蘇ってすぐ、何故生まれ変わったのかという疑問を深く抱く時間もなく、 深海棲艦という存在を見てそれが敵だと本能的に思って戦いました」 鳥海の話を聞けば艦娘は深海棲艦と戦う為にこの世界に蘇ったと考えるのも不思議ではないだろう。 「そう、あの時の君はこの世界に蘇ったばかりって言ってたな。 なんにせよあの時君が俺を助けてくれなかったら今俺はここにいなかったよ」 俺はかつて海で深海棲艦と直接戦っていた。志願したわけではなく徴兵的な形で戦士にされたのだ。 鍛えた戦士達は深海棲艦との戦いで海に散っていったり、 生き延びても再起不能だったり長い入院生活をするハメになったりしていた。 そんなわけで戦力はどんどん減っていき、戦いの素人さえも戦場に送られていった。 しかし戦える力のある者達ですらまともに戦えないのに、 付け焼き刃で素人同然な人間が戦える道理ではなかった。 技術的な進歩こそあれど深海棲艦撃破という事だけはどうしても不可能だった。 俺も深海棲艦と戦ったが駄目だった。周りの艦が次々と沈んでいく中、 俺の乗っていた艦も被弾してついに死を覚悟した。 だがその時だった。俺の艦を狙っていた深海棲艦が突如吹き飛んだ。 鳥海が砲撃したからだ。それが俺と鳥海の出会いだった。 普通は人が海に浮いていれば驚くだろう。 だが俺には鳥海が女神に見えた。深海棲艦を撃破したというのもある。 彼女によって深海棲艦は撃破された。彼女は俺の乗っていた艦に招かれた。 彼女を間近で見た時俺は一緒驚いた。俺がずっと想いを抱いていた少女と似た雰囲気だったからだ。 髪の長さや胸の大きさこそ違っていたが、 俺が小さかった頃に抱いていた想いと似たような想いが芽生えていた。 「だけど、私が敵を全て倒したと思い込んで確認を怠ったために 隠れていた敵の私への攻撃からあなたが私をかばって大怪我をして…」 「気にするな。今生きてるからそれでいい。 それにあの時君をかばわなかったら君も俺もみんな死んでいたさ」 あの時の俺は他人を助けたというよりも半ば死に急いでいたという感じがした。 もちろん死にたいと思ってやったわけではない。 今まで人の役に立てた記憶がなかったから、 死ぬとしてもそれが他人の為になるなら、って感じだった。 実際鳥海を助けた理由も好きだった人に似てたからではなく、 深海棲艦を倒した彼女が無事なら彼女が深海棲艦を倒し、 生き残っていた者達や、世界を助けられるかもしれない、 だから自分が犠牲になる事になっても構わないと思ったからだ。 鳥海を庇って深手を負う事になった俺は、 鳥海が深海棲艦の生き残りを撃破したのを見てそう思って意識を手放した。 まあ幸いにも命に別状はなかったらしく俺は何とか生き延びた。 しばらく安静にしていれば動けはする状態だったからまた戦場に送られるのだろうと思っていたが、 俺達が鳥海と出会った前後に各地で他の艦娘と邂逅したとの報告が多数あり、 その艦娘達が集まって艦隊を結成し、人間ではなく艦娘が戦いの主役になった。 艦娘の運用は人間達の艦隊の運用とは勝手が違う為、 指揮経験を持った者と素人との差がほとんどない状況だった。 俺は他の者達と共に艦娘の指揮方法を模索しつつ猛勉強した。 結果、俺は艦娘を指揮する『提督』になった。 そして俺は艦娘や世界中の人々の命を預かる者の一人として深海棲艦と戦ったのだった。 「だからさ、あの時は互いに助け合っていた形だから、俺だけが君を助けたなんて…」 「……深海棲艦との最後の戦いの日、私は命を落としかけました」 「え?ああ……」 いきなりの言葉に俺は思わず驚いた。 「あの深海棲艦が鎮守府を攻めようと迫っていた日、 私は傷付き疲れ果てていて、艤装もほとんど破壊されていました。 それでも……傷付いた艦娘達の中では私が唯一戦える力を持っていました。 だから無傷だった他の艦娘達と共に深海棲艦を迎えうったのです。 司令官さんの引き止めも無視して……」 「そうだ。君が傷付いた体で出撃して、もし何かがあったらと思ったらつい……」 「そして私は奮戦したもののあと一歩というところで沈んでしまった……」 「あの時は本当にもう終わりだと思ったよ……」 「私もそう思いました。 でも…………薄れゆく意識の中、私の脳裏に様々なものが浮かんできたのです。 司令官さんの姿……それも司令官さんの小さかった頃の姿が。 そして司令官さんがたくさんの人達と楽しく遊んでいた思い出が…… その中で一際大きく鮮やかに輝いていた、私に似た少女の笑顔……………………」 「…………」 「その時…出撃前に司令官さんから言われた言葉が頭に響きました」 「……確か………『大切な人をもう二度と失いたくない』って、あの時君に言ったんだったな……」 「ええ。その言葉と…私の脳裏に浮かんだ、私に似た少女の姿…その二つが結び付き…… どんな事情だったのかわからないけど、 あなたは昔好きだった人と一緒になれなくて、その事が心残りとなっていて、 もし私まであなたと永遠に別れてしまう事になってしまったら………… そう思うととても悲しい気分になり、ある思いが芽生えました。 この人を支えたい……悲しませたくない………もう独りにしたくない…………」 落ち着きながら喋っていた鳥海だったが、その声に徐々に感情的になっていった。 「そう思っていたら…私の傷付いた身体が癒され、壊れた艤装も蘇りました。 そして、改二になれなかった私が、ほんのひと時とはいえ改二になれた…… もしかしたら、あなたへの想いが、きっと奇跡を起こしたのかもしれません」 「……確かにあの時の事は本当に奇跡だったのかもしれないな」 「私も驚きました。あんなことが起こったことに…… でもあなたへの想いが私を再び蘇らせ、深海棲艦を打ち倒させてくれた。 そして深海棲艦との戦いを終わらせてくれた…… そう、あなたが私を…いえ、世界中の人々を救ったんです」 世界中の人々を救ったのはあくまで結果論だ。 鳥海があのまま沈んでいても、他の艦娘が深海棲艦を倒していただろう。 だけど鳥海を救った事……それは間違いなく俺が救ったと言えるのかもしれない。 「だから私は救いたい。私を、世界を救ってくれたあなたの心を…… あなたの心の中にいる大切な人……その人と出来なかったこと、やり残したこと…… その未練のすべてを私が受け止め、再び立ち上がらせてあげたい。 人ならざるものだった私が人の……女性の身体を持ってこの時代に蘇った。 それも、あなたの心の中にいる大切な人の面影を持つ少女として…… それが私に与えられたもう一つの運命なのかもしれません」 運命…か。重巡洋艦鳥海の進水日は俺に命を与えてくれた人の一人がこの世に生まれた日… 重巡洋艦鳥海の戦没日は俺に命を与えてくれた人の一人に命を与えてくれた人がこの世を去った日…… 偶然かもしれないけど、数々の偶然は重なると運命となるのかもしれない。 理屈になってないかもしれないけど……鳥海は俺の大切な人の全てだと、そう言える気がした。 「深海棲艦を討ち倒す艦娘としての運命、そして…… あなたの悲しみを癒す者として……だから…………」 俺を見つめる鳥海の瞳はまるで全てを貫く蠍の心臓のアンタレスのように紅く輝いていた。 彼女が俺を想う気持ちは間違いのないものだろう。 たとえ自分が誰かの代わりとしてしか見られなくとも、 抱いた想いを最後まで貫き通すだろう。 そこまで覚悟を決めた彼女を俺が拒むなんてできやしなかった。 「…………ありがとう……鳥海…………そこまで俺を想ってくれて……」 「司令官…さん……」 「君が俺を想っているから消えたくないと思う気持ちと同じくらい 俺も君に消えてほしくないと思っている。 俺は君と一緒に生きていきたい、君と幸せになりたい。 君と一緒にいつまでいられるのかはわからない… けど!俺はもう後悔なんてしたくない!何もやり残したくない!だから…」 「ありがとう…好きです……ん!」 「ッ!?」 言葉を紡ごうとしたが言葉で遮られ、紡ぎ直そうとしたら唇を閉じられた。 だがそれは拒絶の意味ではなかった。 目の前に彼女の顔があった。彼女は自らの唇で俺の唇を塞いでいたのだ。 柔らかくて、温かくて、きっと人間のそれと本当に変わらないような………… 俺のドキドキは止まることなくどんどん加速していった。 これからの事に期待するかのように………… 「もう……準備は出来ています…いつでも…いい…です……」 鳥海は俺が少しでも早くできるようにしようとしたのか自分で自分を高めていっていた。 確かに俺には経験がないが…いや、何も言うまい。 俺は鳥海が指で開いた秘部を詳しく見る為に顔を近付けた。 「…おかしく…ない…ですか………」 鳥海は少し震えた声で聞いてきた。 経験のない俺には正しいのかどうかはわからなかったが、 本等で見たものとそれほどの違いは見られなかった。 俺が言うのもあれだが、経験のない処女のそれっぽかった。 「多分……な……」 「そう………」 「鳥海………挿れるぞ…………」 「…………」 鳥海は軽く頷くと眼を閉じ、力を抜いて受け入れようとしている風に見えた。 俺は熱く、硬くなっていたちんちんを手で添えながら 鈴口を鳥海の膣口にキスさせるように当て、入れようとした。 しかし入らなかった。ちんちんの先端は鳥海の大切な場所の入口、 そこを護る清らかなるヴェールに阻まれた。 その瞬間、とてつもない射精感が俺の股間に込み上げてきた。 今までの自慰での経験上それがもはや止められない事はわかっていた。 俺は外で出すわけにはいかないと思いっきり鳥海の膣内に突き入れた。 プチッ! 「くぁっ!?」 全力で突き入れたからなのか、高い音をたてて処女膜が敗れたような音がした。 俺はほぼ一瞬で鳥海に根本まで飲み込まれる形で最奥まで辿り着いた。 膣内の感覚は人生の中で今までに感じた事がないくらい温かくて気持ちのいいものだった。 だがそれを感じでいる暇はなかった。鳥海の膣が更にきつく締め付けてきたのだ。 異物挿入に備えて身体が阻止しようと勝手に反応したのかもしれないが、 俺の突き入れがあまりにも速く、逆に入ってきたものを離すまいとした形になっていた。 もはや射精寸前だったとはいえ、 それによってもたらされた気持ちよさは俺の射精を更に早めたのだった。 びゅるん それは解き放たれた。 期せずして一ヶ月ほど溜め込んでいたからか、 自分でもかなりの粘度を感じた。 びゅるっ…びゅるっ…びゅるっ… 凄く…気持ち良かった。尿道を駆け抜ける快楽と、 ちんちんが粘膜を押し広げるように膨らむ時に感じる快楽が…… びゅるっ…びゅるっ…びゅるん… 粘膜と粘膜が触れ合っている感触がこれほど気持ちの良いものとは思わなかった。 気持ちいいだろうとは思っていたけど、それは射精の時の律動くらいに思っていた。 びゅるん…びゅるん…びゅる… まだ出てる……まるで俺がずっと吐き出さずに内に押し止めていた想い、 それを全て吐き出すかのように…… だけど、その想いは鳥海への想いではない。 鳥海に似た、かつて俺の心の中にいた大切な人への想い… それを鳥海への想いに乗せて解き放っているのかもしれない。 びゅる…びゅる…びゅる…びゅる… ここまで…ここまで溜め込んでいたのか……それを鳥海は受け止めてくれていてくれる… それが、本来自分へ向けられなかったかもしれないものだとしても…… びゅる……びゅる………びゅ…………びゅ………… 俺は快楽に酔いしれながらも様々な事を考えていた。 びゅ………………びゅ…………………… やっと射精が終わった。思えば自分だけ気持ち良く………鳥海は!? ほとんど自分の世界にいた俺は鳥海の心配なんてしてなかった。 俺は鳥海の顔に目をやった。鳥海の顔は少し虚ろだった。 「鳥海……」 俺は言葉に力が入らないながらも思わず呼び掛けた。 すると鳥海はこちらに反応して俺の顔を見た。 「………終わった……の…………?」 「…………」 俺は鳥海の問い掛けに隠す事なく正直にただ頷くだけだった。 俺だけ勝手に気持ち良くなったんだ。 文句言われたり責められたりしても仕方ないだろう。 しかし鳥海は俺に対して笑顔で答えた。 痛みを耐えるかのような感じではあったが、確かに笑顔だった。 「ありがとう…………」 俺も少し笑顔になりながらもそう言って感謝の気持ちを表し、 そしてそのまま意識を手放した………… 俺は目が覚めた。覚めたとはいっても瞼はまだ閉じていた。目が覚めたのは重さを感じていたからだ。 俺は目を開いた。そこには鳥海が俺の目の前にいた。俺は仰向けのまま、鳥海に乗られていたのだ。 「ふふっ、起きましたか」 「鳥……か……………うおっ!?」 意識がはっきりしつつある中、鳥海が裸であり、俺も裸であり、 二人のあそこが結合していて、少し赤く汚れているのに気付いた時、 俺の意識は完全にはっきりとした。 「あ、そ、その……き、昨日はすまない!」 俺は昨日の事について謝った。 「初めてだったのでしょう?仕方ありませんよ」 「そ、そうじゃなくて…いや、それもそうだけど、 自分だけ勝手に気持ち良くなったあげく寝てしまって……」 俺は本当にすまない気持ちだった。 「最近お仕事ばかりでまともに眠っていなかったんでしょう。仕方ありませんよ」 「けど…」 「それに、あなたの寝顔、とっても安心しきった感じで、穏やかな顔でした。 少し前に仮眠していた時は、穏やかでなくて、 険しい顔をしていましたから…心配してましたよ……」 「そうか…心配かけてごめんな」 「でももう大丈夫みたいですね。何だか昨日までと比べて元気な気がしますし、 それに………こっちもとっても元気です…………」 「ん………」 鳥海が結合部の方に目をやった。俺は勃起していた。 「あ……これは、だな…男特有の…」 「わかってます。でも昨日はすぐに終わっちゃいましたし、だからもっと楽しみましょう。 あなただってもっと気持ち良くなりたいでしょうし。 ふふっ、大丈夫ですよ。昨日からずっと私の中にあなたがいましたから。 だから激しく動いたりしても……ね」 「……鳥海がそう言うのなら!」 俺は鳥海が下になるように体勢を変え、早速腰を動かした。 激しく、と所望していたがさすがに最初からそうするのはどちらにもつらいと思い、 まずはゆっくりと動いた。 「うぅ……ん……」 「鳥海…」 「大丈夫…あまり痛くない…です…」 鳥海はそう言ったが少しだけ苦悶に満ちた表情だった。俺はスピードを落とした。 鳥海の顔から苦しみが少し消えた気がしてそのまま続けた。 しばらくして滑りがよくなってきた気がしたのでまた少しずつペースを上げた。 じゅぷ……じゅぷ…… 膣内が濡れてきたのか水音も立ってきた。 その音が俺を更に興奮させ、腰の動きを早める。 俺は求めた。まるで心に残る思い出を作ろうとするかのように。 艦娘はいつ消えるのかはわからない。 明日どころか下手したら次の一瞬にも消えてしまうかもしれない。 しかしもしかしたら考えが間違っていて、艦娘は消えたりしないかもしれない。 どちらにしろ根拠なんてものは何もない。 楽しい思い出があれば後で苦しくなった時に余計につらくなる。 だけど、何もしなければ、何もしなかった事を後悔するだろう。 どちらにしろ後悔するのならやるだけやる。 俺は心の中の欲のままに動き続けた。そしてその時はまたやってきた。 「鳥海っ…もう…出る…」 「っ…ええ…来てください………全て受け止め…」 ドクン! 鳥海の言葉が終わらない内に射精してしまった。 びゅーっ、びゅーっ 一晩経ったとはいえ二回目の射精。最初の時よりも勢いがある気がした。 「くぅ…ん……うぅ……」 「ぁ…ぁぁ……ぁ……」 俺は我慢なんてしなかった。ただただ奥に腰を押し付けていた。 少しでも『今ここにいる』鳥海に子種を植え付けるかのように…… 艦娘が人間の精子で受精し、着床して、子を成せるのかどうかはわからない。 それでも……それでも俺は今、心から愛している女性との間に子供が欲しかった。 俺と鳥海が愛し合った証…鳥海を繋ぎ止めるもの…鳥海がこの世界にいた証…… 僅かな希望を信じ、俺は鳥海に全てを吐き出していた。 鳥海もきっと、俺と同じ事を考えながら、欲望とも言える愛の全てを受け止めていた。 「ん……あ………お腹の中………あなたので…暖かい………」 長い射精が終わった。鳥海の顔は昨日と同じく嬉しそうだった。 自分のお腹の中に感じる暖かな感覚…… それが自分が今生きていると彼女に実感させているのだろう。 とりあえずこれでひとまずの終わり…… かと思ったら射精が終わったにもかかわらずちんちんは硬さを保っていた。 「鳥海、もっと…」 「もっとください…」 俺も鳥海も求める気持ちは一緒だった。 俺は今目の前にいる女性を愛する事しか考えてなかった。 俺はまた動こうと腰を引こうとした。が、引けなかった。 鳥海が脚でがっちりと締め付けていたからだ。 俺は鳥海と目を合わせた。鳥海が少し恥ずかしそうな笑顔をしながら脚を解いた。 俺は再び…いや、三たび彼女を愛しはじめた………… そして、それから半年が過ぎた………… 「あの戦いからもう半年も経ちましたね……」 鳥海は今も俺の傍にいた。 「ああ……鳥海、さすがにこんな体でそんな格好はどうかと思うぞ」 「摩耶の言う通りね。いくら艦娘鳥海としての正装とはいえ、お腹を出すのはまずいわよ。 あなただけの体じゃないんだから、しっかりと着込みなさい」 「それにしても提督も隅に置けないわね。 今6ヶ月なんでしょ?つまりクリスマスの時に………きゃあっ」 鳥海だけでなく高雄型の重巡洋艦姉妹も…… いや、艦娘みんながまだこの世界に存在していた。 「しっかし、お前がまさかあたし達の上官で居続けるなんてな」 「深海棲艦との戦いで頑張った結果が認められたらしいからな。 まあ割と無茶ばかりしていたけどな。 別に俺は提督の座に今でも居続けるつもりなんてなかったけど、 提督辞めたって食っていけるとは限らんからな。 だから活躍が認められて提督でいられる機会を得たなら、 俺はその期待に応えて提督で居続けるつもりだ」 「まあ、子供がもうすぐ生まれますから安定したところにいたいですしね。 ご両親にも心配をかけたくないでしょうし」 「安定…か…」 「摩耶、どうしたの?」 「だってさ……あたし達艦娘っていつ消えてもおかしくないよな」 「そうかもしれないわね。艦娘が深海棲艦と戦う力を持って生まれたということは 深海棲艦がいなくなった今、艦娘の存在理由がないかもしれないから」 「鳥海は提督にとって大切な存在となることで存在を保とうとした…… いえ、それは後付けの理由ね。 提督が鳥海を好きで、鳥海も提督に想いを抱いていて…… それは人間の持つ恋心を艦娘も持っていたということかもしれない……」 「でも鳥海だけじゃなくて艦娘みんながまだこの世界にいる…… ……もしかしたら艦娘そのものにまた別の役割があるのかもね。 例えば深海棲艦がまだどこかにいて今は表に出てきてないけどまたいつか蘇って、 その時のために私たちがまだ消えることなくこの世界にいるのか……」 「もしかしたら艦娘が次に戦う相手は人間かもしれません…… 艦娘はかつて艦だったころも日本を守るために戦い、そして守り切れず敗れてしまいました。 だからこの国を守るために艦娘は未だに居続けている…… …もしかしたら私たちの力が侵略に使われたりも…」 「そんな事!人間同士の愚かな争いなんて二度と…… そりゃあ攻められたなら戦うが、相手を不当に侵すような事なんて、絶対に!」 高雄の不安がる言葉につい強く反応してしまった。 「提督……?」 「……俺は悲劇は二度と繰り返させない……過ちは二度と繰り返させない……」 俺は決意した。提督として、戦争という行為を二度と起こさせない。 そして艦娘達を人に仇為す存在にさせないと。 「……お前、本当に昔と比べて変わったな」 「摩耶……」 「昔出会ったばかりの頃は頼りなかったけどさ、 深海棲艦との戦いの終わり頃には随分と立派になったよ。 そん時でも対深海棲艦の時くらいしか頼りになる感じがしなかったけど、 今はもう十分立派だぜ」 「そうね。これなら鳥海ちゃんを安心して任せられるわね」 「鳥海が提督を好きと知った時はほんのちょっと不安になったわ。 鳥海の決めたことだから私たちがとやかく言えることじゃなかったけどね。 今の提督は本当に立派でかっこいいわ、うふふっ!」 「姉さん……ありがとう……」 姉に認められた鳥海は本当に嬉しそうだった。もし姉達に反対されていたら… それでも俺への愛は貫いていたかもしれないけど。 「ところで鳥海、あなたは今は改二じゃないみたいね」 「ええ…」 「私や愛宕はかつて改装され、摩耶も改装こそされなかったけど対空能力を強化された。 だけど鳥海は何の改装もされなかった」 「あたしでさえ改二になれるかどうかって感じで、まあ何とか改二にはなれたけど、 かつて改装されなかった鳥海は改二になることができなかった」 「はっきり言って絶望的だったわ。でも…どうしてあの時だけ改二になれたのかしら? 鳥海ちゃん、全てを失い沈み行く中、突然光に包まれたと思ったら艤装を再生…… いえ、変形させて燃料も弾も全て回復して、 そのまま最後の深海棲艦と戦い、そして打ち倒した……」 「あの時の艤装、間違いなく改二……もしかしたらそれ以上かもしれない。 見たこともないくらい光り輝いていた…… 戦いが終わった後は元に戻ったわ。それからはもうあの時みたいにはならないけど… 一体どうやってあんなことになったの?」 「どうやってって……あの時は司令官さんをもう独りにはしたくないって強く思って…」 「もう?」 「私の中に……重巡洋艦鳥海としての記憶や… そこに乗っていた人たちの記憶とは明らかに違う情景… 幼い頃の、楽しそうに女の子と遊んでいた司令官さんの姿が見えて…」 「…鳥海が見たものが本当に提督の過去の記憶だとして、どうしてそれが見えたのかしら?」 「提督、お前鳥海に何かしたか?」 「特に何も……ん……いや、まさかな………」 「何か心あたりでもあるのか!?」 「落ち着いて摩耶!」 「かつて俺は鳥海を深海棲艦から命をかけて庇った事があった…… その時は何とか二人とも助かったけど…… その時に血を多く流してしまって、 周りにいた他の奴らから輸血されなきゃ危なかったくらいで…… つまり鳥海や艤装に、命をかけた俺の血が大量にかかったって事……だよな?」 「ええ…あまりにも多くの血が流れて……本当に心配しました……」 「じゃあ、提督の血のせいなのか?」 「俺の血だけじゃないだろう。俺が鳥海を想う気持ちと鳥海が俺を想う気持ち、 それらが俺の命をかけた熱い血潮と合わさって奇跡を起こした…… それくらいしか考えられないな」 「そうだって証明することは出来ないけど、違うとも言えないな……」 「だけど愛の力が起こした奇跡だなんてとても夢がありますよね」 「でも愛の力が起こした奇跡の最も足るものは提督と鳥海の間に、愛の結晶を作った事ね」 愛宕の言っている事はもっともな事だろう。 そりゃあ愛のない関係であろうとも生まれるものもある。 命が生まれる事、命を育む事は本能であり、 愛というものは人間が考えた綺麗事に過ぎないものかもしれない。 けど…俺は愛を信じたい。 俺が鳥海に子供を宿させられたのは彼女を想う気持ちがあったから。 彼女が人間との間に子供を作れるかどうかわからない、 彼女がいつか消えてしまうかもしれない。 そう思ってもなお、俺は彼女への愛を伝えないではいられなかった。 愛を伝えぬ内に時が愛を伝えられなくしてしまい、後悔なんてしたくなかったから。 だから愛は形となった。これは人間同士でも変わらない事のはずだろう…… 「艦娘が人間との子供を母としてその身体に宿す…… 私たち艦娘という存在も人間と変わらぬ生殖能力を持つということが言えるかもしれないわね」 「でもさ、人間と艦娘のハーフってのは一体どんな子供が生まれるんだ? 男と女で能力に差があるのか、そもそも生まれた子供はどっち寄りの存在になるのか……」 「なんにしても、もし力を持って生まれたとしたら、どんな酷い事になるか……」 「人間の科学力は戦争に関係して進歩してきたという事実はあります。 遺伝子工学の進歩によって、能力者がたくさん生まれて、また悲惨な戦争が起きてしまう…… もちろん、今の段階では断定は出来ないから杞憂に終わるかもしれないけど…… それでも今いる艦娘という存在だけでも悲劇を生み出してしまうかもしれない」 「そうなるくらいならいっそみんな消えちゃえば…」 「…何かを犠牲にしなきゃ、何かが解決しないとか、 そんなのは嫌だな……綺麗事かもしれないけど、でも……」 「提督…」 また同じ話題になった。それだけみんな不安を抱いている事のあらわれなのかもしれない。 「何もしようとせず、ただ楽な方へ流されて不幸になるなんてのは、もうゴメンだ」 「あの時の戦争も、流れの末に起きたという側面もありますからね」 「戦争が起こる理由はそれぞれ違います。 領土が欲しい、資源が欲しい、支配をしたい、支配から解放されたい、 相手が自らの信じるものと相容れない存在である、長年の怨嗟を晴らす……… 多くの場合妥協をして戦争を回避しようとつとめますが、妥協が出来なくなった時。その時…」 「戦争が起きるってわけだ。いくら口では戦争反対って言ったって、 追い詰められた奴が我慢なんてできやしないだろうさ」 「だからこそ戦争が起きないように一人一人が動かなきゃならないんだ。 何をすればいいのか具体的な事がわからない俺には他人に偉そうな事は言えないけど………… 高雄、愛宕、摩耶、鳥海……君達や他の艦娘達には戦争の悲惨さを伝えてほしい」 「戦うために造られたあたし達が戦争の否定とか説得力ないんじゃないのか?」 「確かにな。だが、戦争の悲惨さを伝えられる人間は、今この時代にはもうほとんどいない。 恐らく君達ぐらいだろう、これからもずっと正しく伝えられるのは」 「確かにそうね。私たちはあの戦争の記憶を完全に覚えている。 戦争がどのようなことだったのか、そしてその結果どうなったのか……」 「だったらあたし達は伝えてかなくちゃならないな。いつ消えちゃうかわからないしさ」 深海棲艦出現前の日本は戦争への道を進もうとしていた。艦娘が日本に多く現れたのは、 永遠に戦争放棄をすると誓ったはずの日本が再び過ちを犯すことを防ごうとしたからかもしれない。 もしかしたらそれが艦娘が未だにい続ける理由なのかもしれない。 艦娘に寿命があるのかどうかはわからない。 見た目の年齢から人間と同じように歳を重ねていくのかもわからない。 でも鳥海は俺の子供を宿した。創作だと異種族での絡みには寿命差の問題とかもあるが、 それがわかるのは今ではないだろう。ならば考えても仕方のない事だ。 「でも日本とかを守りながらというのは大変そうね」 「それでもやらなきゃならないさ。後悔なんてしない為にな。 だからみんな、力を合わせて頑張ろう!」 「はい!」 「うん!」 「おう!」 「ええ!」 四人の声が同時に響いた。 誰も未来の事なんてわからない。何が起こるか、いつ死ぬか…… 予想は出来ても、その時にならなければわからない。 今まで当たり前だった事が今から当たり前でなくなるかもしれない。 だから人間は頑張る事が出来る。 最悪の未来から逃れる為。今の幸せを守る為。より良い未来へと向かう為。 俺はかつて頑張る事が出来なかった。その時に出すべき全力を出すことが出来なかった。 今までの日常がずっと続くと思っていた。 苦しい事があっても何とかなると思い、その日暮らしをしていただけだった。 だから俺は大切なものを失ってしまった。 時間、金、友達、知識、そして、ずっと一緒にいたかった大切な人を…… 俺は後悔した。全力を出してひたむきに生きる事をまったくしてこなかった事を。 だから俺はもう二度と後悔しないよう全力で生きようと誓った。 俺は今、戦争の悲惨さを知っている艦娘という存在と共に在る。 戦争もその時にすべき事をせずに流されてしまった為に起こってしまったという事もある。 だから俺は悲劇を二度と繰り返さない為に彼女達と共に戦争を否定し続ける。 今ある命、これから生まれて来る命を守る為、 そして――愛する人と離れる事なく人生を共に歩み続ける為に―― ―完― +後書き 402 :名無しの紳士提督:2015/12/25(金) 22 39 21 ID F.hV5l7U 以上です 今回はいつもの人間=艦娘とは違い、 かつての艦船=艦娘という感じで書きました 書いていた時にリアルで精神的に辛いことがあり 11月上旬に書き始めたのに途中で停滞して1ヶ月以上かかってしまいました 自分にはシリアスよりな話は向いていないのかもしれませんね…… これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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GM(提督):bottle 開催予定日:10月3日(金)の2200~2500より開始致します。 卓場は「どどんとふ むせる」を予定しております。 ・ストーリー きみたちはとある鎮守府に所属する艦娘たちだ。 ある日、きみたちの元へ古ぼけた懐中時計を持った艦娘が訪ねてきた。 その艦娘言う。「助けて欲しい」と。 「過去にあった“悲劇”を、どうか防いで欲しい」と。 きみたちはその“悲劇”を防ぐため、過去へさかのぼることとなる――。 PL名簿(使用キャラクター/PL名/レベル) PC1:蒼羽(瑞鶴) PC2: PC3: PC4: ・レギュレーション プレイヤー人数:4人限定 ルールブック:着任の書(必須) サプリメント:建造の書・壱、建造の書・弐(必須) レベル:初期作成ないしはレベル1に限る。当然ではあるが別府と金剛改二はこっち出禁な(震え声) ◯備考(READ ME) 1サイクル1戦闘 高速卓。バシバシ進めて行きますが、RPはお好きにどうぞ。(メインをRP用、判定を判定用のタブで区切って進行すると思います) (シャカマンダラは)ないです(半ギレ) ・連絡帳 参加希望者はこちらにどうぞ。 使用キャラクター及びそのURLを書き込んで頂ければ幸いです。 卓が生えてればとりあえず投げる。それが私の流儀。 http //character-sheets.appspot.com/kancolle/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFgsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYutr7Dww -- (四季) 2014-09-29 20 42 18 ハイコンばっかだったので参加しまする。 http //character-sheets.appspot.com/kancolle/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFgsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYhISFEQw -- (ソリット) 2014-10-01 22 23 49 参加希望投げます、弥生希望ですがバランス悪いなら変更します。 http //character-sheets.appspot.com/kancolle/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFgsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYs5C4EAw -- (Bloom) 2014-10-01 23 52 19 シナリオ中に手に入った機銃、余っておりますので欲しい方、どうぞ。 -- (蒼羽) 2014-10-06 10 55 43 名前 コメント すべてのコメントを見る