約 12,331 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/30131.html
登録日:2014/10/12 (日) 00 56 04 更新日:2022/06/23 Thu 04 13 29 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 イケメン ナイトハルト 少佐 教官 松原大典 無愛想 生徒思い 生真面目 第四機甲師団 若手のエース 苦労人 英雄伝説 軍事学 軍人 閃の軌跡 閃の軌跡Ⅱ 「質実剛健こそ帝国軍人の本質―――精進するがいい。」 ナイトハルトとは、英雄伝説 閃の軌跡及びその続編に登場するキャラクターである。 29歳。CV松原大典 ※以下いろいろネタバレも含む 帝国正規軍・第四機甲師団から出向している金髪碧眼のイケメン教官。使用武器は軍用サーベルで、担当は軍事学。 「質実剛健」を旨とする帝国軍人を絵に描いたような男で、自分にも他人にも厳しいスパルタ教官でもある。 生真面目かつ無愛想で、相手への呼称は名前ではなく姓のほうで呼んでいる。 軍人として優秀で、階級は若くして少佐にまで上り詰めている。 帝国正規軍の中でも最強と言われる第四機甲師団のエースとも言われており、猛将《紅毛のクレイグ》ことオーラフ・クレイグ中将の腹心とも言える人物。 そのためエリオットとは士官学院入学以前からの知り合いで、二人で会話をしているシーンがある。 内容は不明だが、まぁ上司の親父クレイグから息子の現状を知らせろとでも命令されたのだろう。 《剛撃のナイトハルト》という二つ名があることも明かされ、 その実力は同期であるオリビエのお守りことミュラー・ヴァンダール少佐と若手の双璧と言われている。つまり達人級のすっごく強い人。 因みにミュラーとは個人的にも親しいようで、珍しく名前で呼ぶような仲。あっちの呼び方は「ナイトハルト」だけど。 教官としては、基本的に平民・貴族で差別することはなく、たとえ相手が大貴族の子息であっても容赦なく指導していく。 だがあくまでそのスパルタ指導はカリキュラムの範囲に沿った内容であり、そこから逸れた、いわゆる理不尽な「しごき」は決してしないという。 他にもそういった厳しい指導も生徒のためを思ってのものであったり、 軍務で学院祭に来られなかったことを心の底から残念がったりと、軍人のみならず教官としても優れた人物である。 「女子に水泳で負けるなど、帝国男子として恥ずかしくないのか!」ということで、特別にⅦ組男子陣に水泳の稽古をつけてくれたこともある。 内容はひたすら泳ぎまくる軍隊仕込みのスパルタであったが、タイムは良くなった模様。 因みに負けた女子というのがこの人とこの人。比較対象が厳しすぎる気がする。 Ⅶ組担任のサラ教官とは犬猿の仲で、 教育方針やだらしなさすぎる彼女の生活態度をめぐって口論になることが多い。 前者はともかく後者は完全にサラ教官の自業自得だが。生徒にも指摘されてるし。 元々サラ教官は遊撃士であったので、民間人の保護を最優先とする遊撃士と軍人というのは壊滅的なまでに相性が悪い。 ナイトハルトも表立って遊撃士を非難することは流石にしないが、快くは思っていない。 というわけで二人の対立はある意味必然といえば必然である。 もっともナイトハルトもサラ教官も互いの実力は認め合っているので、あくまでお互いの立場の違いからくる対立というものである。 因みにサラ教官とは別ベクトルの、むしろ共通の天敵とも言える存在が歴史学のトマス教官である。 見かけによらず飲むのが大好きなトマス教官にことあるごとに飲みに誘われ、のほほんとした態度に強く断ることが出来ず、 まだ仕事が残っていたり次の日に軍の方へ戻らなければならない時も飲みに連れて行かれる可哀想な事態に陥っている。 そして徹夜で仕事を消化する羽目になる…。 しかもその場にサラ教官も居ると、トマス教官を酔い潰そうとして返り討ちにあった彼女を学生寮まで届けるという仕事も増えるため、 実は士官学院の教官たちの中でも随一の苦労人でもある。 ◯閃の軌跡 教官としての仕事ぶりは上記の通り。特別実習で軍が関係するときは、そのための段取りを組むために各方面に連絡をとっている。 五章のガレリア要塞襲撃の時は、B班を率いて「帝国解放戦線」幹部の《V》ヴァルカンと交戦、撃破し列車砲の発射を食い止めている。 その後は事後処理のためにしばし教官職を離れるが、終わり次第復帰する。 終章ではクロスベル方面に不穏な空気が漂っていたので、中将の命令でガレリア要塞に駐留する。 その後要塞が神機によって消滅するが、彼は演習場に居たので被害を受けずに済んだ。 その後一時的に士官学院に戻ってくるが、そこでリィンに正式に教官職を辞し、軍人としてクロスベルへの対応に当たることを告げた。 しかし「貴族連合」による帝都の電撃占領とトリスタ襲撃を受けて、他の教官たちとともに機甲兵と交戦。 奮闘するがその後トリスタは占領され彼も行方不明となる。 ◯閃の軌跡Ⅱ 長らく行方不明になり本隊の方にも戻っていなかったが、 通信で帝国西部にて第七機甲師団と連携しながら活動していると連絡があったとクレイグ中将から明かされる。 第二部にて、エリオットの姉であるフィオナが「貴族連合」に人質に取られた際、救出のため颯爽と登場する。 その時救出後のフィオナとなんかいい感じの雰囲気を出しており、相思相愛とまではまだいってないが、いずれいくであろう雰囲気を出していた。 その時は上司の親父クレイグから「俺の拳を越えてゆけ!」的なことを言われるのは間違いないが…健闘を祈ろう。 なお双竜橋潜入の際に、リィン達も助けてくれた謎のフード男トマス教官の手助けがあったという。 その後は第四機甲師団に戻り、軍人として内戦の終結に挑むことになる。 パーティーキャラとして使用できることが期待されていたが、このようにリィン達と明確に立場が違うためその期待は叶わなかった。 クエストとして、第四機甲師団が鹵獲に成功した機甲兵の隊長機「シュピーゲル」に搭乗してリィンのヴァリマールと訓練するものがあるが、 この時の彼は尋常ではないぐらい強い。 達人級の人物が機甲兵を操るとどれぐらいやばいかを我々プレイヤーに教えてくれた。 終章では帝都決戦に参加。《黒旋風》ウォレス准将率いる「貴族連合」本隊と帝都近郊で交戦する。 終章の最終局面では魔煌兵を相手にしている士官学院生への援軍として駆けつけ、 同じく援軍に来たミュラーと共に息のあった怒涛の攻めで魔煌兵を破壊し続けた。 後日譚では久しぶりに士官学院に訪れ、色々悩んでいるリィンを叱咤激励した上で教官として最後の水泳指導を行う。 何故か男子VS女子の水泳対決になり、案の定男子が負けもっとも女子はラウラとフィーの連投という卑怯臭い作戦だったが、罰ゲーム(?)として鬼ごっこをすることになり、 ナイトハルトは最初の鬼として参加させられた。 その時にあったサラ教官との会話では、ある程度遊撃士の考えも認めるようになるなど物事の考え方がより柔軟的になった。 メインキャラに比べたら登場シーンはかなり少ないが、 それでも帝国「軍人」としてサラ教官とは別ベクトルでリィン達Ⅶ組を導いてくれた重要人物であった。 ◯閃の軌跡Ⅲ 第四機甲師団がドレックノール要塞に異動したため、そちらにいる。 途中からトールズ本校に出向することになる。 夏至祭では、フィオナとデートする仲にまで発展している。 ◯閃の軌跡Ⅳ ドレックノール要塞でティータとアルフィンを保護しており、要塞に侵入してきたリィン達に試練を課す。 他、呪いの影響を受けていたアランについてはかなり心配していたようだ。 「追記・修正こそアニヲタ民の本質―――精進するがいい。」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ただの機甲兵でブレードから炎出すんじゃねえ 威力も超高いし -- 名無しさん (2014-10-12 01 04 02) 試運転の稽古での、死に際で溜め技連発はシャレにならん。残月貼りまくらんと勝てんだろあれ -- 名無しさん (2014-10-12 02 06 15) ラストバトルでもシュピーゲル乗ってこいやw正直オルディーネより遥かに強く感じたぞナイトハルトのシュピ -- 名無しさん (2014-10-12 03 04 18) 剛撃のナインハルトになってますね… -- 名無しさん (2014-10-12 03 13 05) 多分鹵獲シュピは貴族軍の将軍との戦いで失ったんだろ -- 名無しさん (2014-10-12 22 14 44) 機甲兵一機だけじゃ作戦に組み込めないとか言ってたけど絶対活躍するんだよなぁ -- 名無しさん (2014-10-12 22 30 14) 機甲兵バトルは間違いなく一番きつかった -- 名無しさん (2014-10-14 05 11 44) 騎神戦で一番辛いのが量産機に乗ったこの人って何かがおかしい -- 名無しさん (2014-10-16 09 51 50) たしかに達人が乗れば本当チートだよね。オルディーネより普通に強いし。そういえばローエングリンの騎神が行方不明で、ローエングリンはアリアンさんの居城。このパターンからするとアリアンさんが騎神を持ってる可能性が一番高い。ナイトハルトさんでさえあんなに化け物なのにアリアンさんが騎神に乗ったら……トラウマ確定じゃね? -- 名無し (2014-12-13 01 33 37) 大隊時代にミュラーさんと共闘したみたい -- 名無しさん (2015-01-15 15 28 31) ミゴトナキジダナァー ナニモユーコトハナイ -- 名無しさん (2015-01-18 01 01 34) 機甲兵がコイツみたいな強キャラ専用だったら、ワンパな展開も少しはマシになったろうか? -- 名無しさん (2015-01-27 00 30 10) あんまり強くし過ぎると、それはそれでロボゲーって叩かれそうだけどね。 -- 名無しさん (2015-01-27 01 20 51) ナイトハルトって聞くとどうしても殿下を思い出すなぁ..... -- 名無しさん (2015-02-09 18 34 24) ↑ホォーウ....ワタシュノコトヲシッテイルノカ -- 名無しさん (2015-02-09 18 36 32) 閃1が出た時はこの人がアイアンブリードか?とか噂されてたなあ -- 名無しさん (2016-04-11 10 49 54) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1832.html
第1話 扶桑より変態教官来たる 118 :熊はひばりに恋をした[sage]:2011/07/03(日) 04 36 07.38 ID OcjQJ/Bk0 第1話 扶桑より変態教官来たる 俺「ユーティライネン!! 何回言ったら分かるんだよ!! 避けてばっかりいないでちょっとはシールドを張れ!!」 エイラ「フフン♪ シールドなんて私には必要ないヨ♪」ヒョイヒョイ ニパ「クッ……当たらない…!」ダダダダダ ここはスオムス、カウハバ基地の演習場上空。 今、俺の後輩ウィッチ二人、エイラ・イルマタル・ユーティライネン曹長とニッカ・エドワード・カタヤイネン軍曹が模擬戦をしている。 ニパ「それなら……当たる位置まで近づくまで…!」ビュン 俺「バカ野郎!! むやみやたらに敵に近づくな!! だからお前はすぐにストライカーを壊すんだよ、ボケッ!!」 ニパ「うぅ…ご、ゴメン…俺さん…。」 エイラ「なんだヨ~。黙って見てろヨ、俺。」 俺「うっせぇ!! 俺はお前らに口を出すのが仕事なんだよッ! ユーティライネン、お前も少しはシールドを張る癖をつけろ!! いざという時に命取りになるぞ!!」 エイラ「私にはいざという時なんてないヨ。」ヒョイヒョイ ニパ「ああもうっ! やっぱりもっと接近するしか…!」ビュン 俺「だから、むやみに近づくなってつってんだろ!!」 120 :熊はひばりに恋をした[sage]:2011/07/03(日) 04 39 55.42 ID OcjQJ/Bk0 俺はこいつらの教官をしている、俺スオムス空軍曹長。 一応、大戦初期から戦場に出ているベテランだ。まぁ、だからこそ今みたいに後輩にでかい口叩けるわけだが。 エイラ「スキあり!!」ダダダダダ ニパ「うわっ!?」パパパッ 模擬戦は接近してきたカタヤイネンをユーティライネンが返り討ちにする、という形で決着が着いた。 あそこまで接近できたカタヤイネンは見事だったが、あれほど接近しても攻撃を避けきるユーティライネンにはさすがに敵わんか……。 俺「よ~し、御苦労! 今日はもうあがっていいぞ! カタヤイネンは明日までにユーティライネンをなんとか倒せる方法を考えてこい。ただし、極端に接近するのは禁止だ。 ユーティライネンはシールドの重要性についてもう一度しっかり考えてこい。一晩かけてじっくりとな。」 ニパ「ハァ…了解。」 エイラ「だから、私にはシールドは必要ないって言ってんだロー。」 こんな感じに偉そうな口を利いているが、こいつらと模擬戦したら負けるんだろうな、俺。 さて、次の模擬戦は、ウィンドとニッシネンか。 121 :熊はひばりに恋をした[sage]:2011/07/03(日) 04 44 13.31 ID OcjQJ/Bk0 エルマ「えっとですね…射撃の体勢で最も無難なのは……」 ハンナ「ハイ。」 俺「ウィンド、何してやがる!! お前の番だぞ!!」 あっやべっ……。 エルマ「す、すいません、俺曹長! ハッセさん、行ってください!」 ハンナ「ハイ。」フフッ ああ…やっちまった……。レイヴォネン少佐が話し中だったじゃねぇか…。 エルマ「すいませんすいません…!」ペコペコ ほら…レイヴォネン少佐があんなに謝ってる。悪いのはこっちだっていうのに…。 ここで、笑顔でフォローとか出来たらいいんだが……。それが出来ない仏頂面だからこそこんなに怖がられているわけで……。 俺「ハァ……。」 ハンナ「俺曹長?」 俺「へっ!? お、おう…来たかウィンド! えっと…ニッシネンも来ているな?」 ラウラ「ああ、とっくに来ている。アンタの指示待ちだよ。」 俺「スマン……。それじゃあ、いつも通りに模擬戦を始めてくれ。」 122 :熊はひばりに恋をした[sage]:2011/07/03(日) 04 49 20.46 ID OcjQJ/Bk0 ラウラ「なんだ? 教官なんだから、アドバイスの一つでもないのか?」 俺「あっ…………………。重ね重ねスマン………。 えっと…ニッシネンは少しは俺の言う事を聞け。確かに、お前の判断が正しい時の方が多いが、俺の指示が正しい時だってちゃんとあるんだからな。頭ごなしに否定はするな。 ウィンドはもう少し大胆に攻めていいぞ。」 ラウラ「善処する。」 ハンナ「了解。」 俺「それじゃあ、位置に着け。」 ラウラ・ニッシネン少尉、ハンナ・ウィンド少尉の二人に指示を出して、さりげなくレイヴォネン少佐に視線を向ける。 エルマ「………。」オロオロ レイヴォネン少佐はさっきと変わらない位置でオロオロしていた。こっちに来ていっしょに指示をしてくれると助かるんだが……。 エルマ「………。」チラッ 無理…だよなぁ……。さっきのこともあるし。 俺「ハァ……。」 ラウラ「俺さん、もう位置に着いたぞ。」 俺「へっ!? す、スマン! それでは、模擬戦始め!!」 何してるんだろうな…俺……。 123 :熊はひばりに恋をした[sage]:2011/07/03(日) 04 54 03.16 ID OcjQJ/Bk0 俺が今所属している部隊は、スオムス空軍第24戦隊L中隊。 2カ月限定で特別に編成された部隊だ。設立されたのは、今から2週間前の1942年9月9日。 メンバーは、エイラ・イルマタル・ユーティライネン曹長、ニッカ・エドワード・カタヤイネン軍曹、ハンナ・ウィンド少尉、ラウラ・ニッシネン少尉、 俺曹長、そして隊長であり、部隊の名称の由来にもなったエルマ・レイヴォネン少佐。 俺「あの…レイヴォネン少佐。先程は失礼しました。」 演習場から基地に戻る途上、俺はレイヴォネン少佐にさっきの非礼を詫びた。 エルマ「い、いえいえ! こちらも訓練の邪魔をして申し訳ありませんでした……!!」 レイヴォネン少佐はそう言ってペコペコと頭を下げた。 いやっ…あのっ……別にそういうわけでは…! エルマ「え……えっと! 私はちょっと用事があるので、お先に失礼しますね…!」ペコペコ タッタッタッタ 俺「あっ……。」 レイヴォネン少佐は、そう言って逃げるように走っていってしまった。 よっぽど俺といっしょにいたくないように見える。 124 :熊はひばりに恋をした[sage]:2011/07/03(日) 05 00 15.03 ID OcjQJ/Bk0 俺「ハァ……。」 へこむ。いや、実際のところ尋常じゃなくへこんでるんだよ、俺。 ポンポン 俺「……ん?」 ハンナ「頑張ってくださいね、俺曹長。」ニコッ ラウラ「アンタも大変だな。」 ああ…お前らイイ奴だなぁ……! 俺はそのぅ…レイヴォネン少佐が気になるというか……つまりそうっ! アレだよ、アレ! でも、さっきみたいな状況なんだよなぁ…。 あの娘のことだから、嫌っているということはないだろうとは思う。ただ、俺が怖いんだろうな。 男に慣れていないということもあるんだろうが………それよりも俺の見た目や態度が問題なんだろう。 身長が高くて、毛深い。付いた渾名が『ビョルン』、大熊だ。そりゃ、女の子からしたら怖ぇよな。 それと相まってこのぶっきらぼうな態度。ついつい口調が荒くなっちまう。 怖がられてもしゃあねぇか……。 俺「ハァ……。」 128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 09 07 44.19 ID Jin7nT6I0 L中隊の設立目的は『若手エースのさらなる技術向上』だ。 スオムスの将来を担うであろう若手エース4人を一つの部隊に集め、そこに大戦初期から最前線で戦っているベテランを加えることで、エース達にいい刺激を与えようというのだ。 最近ネウロイとの戦闘も小康状態に入っているからな。こういう時に何か新しい試みをしてみるのはイイことだろう。 白羽の矢が立ったのは、今スオムス空軍で最も有名なウィッチ、スオムス義勇独立飛行中隊隊長エルマ・レイヴォネン少佐。 そして、鬼教官として畏れられている、俺曹長だ。 いや…鬼教官って……。俺の訓練はそんなにキツくないぞ…? ただ、あの口調は女の子としてはイヤなんだろうなぁ…。 とはいえ、俺の指導した後輩はそれなりの実績を挙げている。今更、このやり方を変えようとは思わない。 が………。 エルマ「え、えっと皆さん! 今日は大事なお知らせがあります!」チラッチラッ レイヴォネン少佐……そんなに俺の顔色を窺わなくても、別に取って食いはしませんよ……。 この指導者二人のギクシャクっぷりはよろしくないよなぁ…。 129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 09 12 06.78 ID Jin7nT6I0 スオムス空軍の英雄で、名声、人望、実務能力の面で優れているレイヴォネン少佐と、新人教育に長けていて、実戦経験豊富な俺を組ませるという考えはイイと思う。 ただ、各個人の相性というのも考慮するべきだったな。 ひばりのように気が弱い彼女にとって、俺は自分を食ってしまうかもしれない熊にしか見えないだろうから。 エルマ「あ、あのぅ……! 話を進めてもよろしいでしょうか、俺曹長?」チラッチラッ 俺「あっ………はははハイ!」 真横に立っている俺の顔色ばっかり窺っているレイヴォネン少佐と、それとまともに目が合わせられない俺。 これじゃあ、新人に示しなんかつかねぇよな……ハァ…。 エルマ「明日からですねぇ、新しい教官さんが――」 ハルカ「エルマ少佐ァァァァァァァァァ!」バァン 基地のブリーフィングルームの扉が、まるで弾き飛ばされるように開かれた。 ハルカ「今日もかわいいですねぇぇぇ!」サスサス エルマ「イヤッ…や、やめてください、ハルカ准尉! 今はブリーフィング中……ンッ…!」 部屋に入って来たのは、迫水ハルカ准尉。 俺「よ~し、皆一旦部屋から出ろ~。お前らにはまだ早すぎるぞ~。」 俺がそう言うと、エース達は素直に部屋から出て行った。まぁ、もう慣れたもんだからな。 130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 09 18 11.87 ID Jin7nT6I0 この迫水准尉は、義勇独立飛行中隊の隊員で、レイヴォネン少佐の姿を見るたびにセクハラをしてくるのだ。 いや、レイヴォネン少佐に限ったことではない。この娘は女の子と見るやすぐに手を出す、なんともお茶目な女の子だ。 通称『味方撃ちの迫水』。 これ、そのままの意味だとけっこうヤバいよな…。 エルマ「アンッ……もう………やめてっ…!」 ハルカ「グヘヘ…そうは言っても体は正直ですよ…!」 いや、これでも充分ヤバイか…。 この迫水准尉の所属する義勇独立飛行中隊も俺達と同じでカウハバ基地の所属部隊なので、顔を合わせることが多々ある。 多分、上層部が俺をココに遣った理由の一つに、期待のエース達をこの娘の毒牙から守れるようにするため、というのもあるのだろう。 さすがに俺を襲うことはないだろうし。 ハルカ「フヒヒ…ここはどうですかぁ…?」 エルマ「ひゃぁ…!? ンッ……!」 とりあえず、これをなんとかしないと…。 なんというか…………正視に堪えん…! 131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 09 24 09.66 ID Jin7nT6I0 俺「そろそろいい加減にしてください、迫水准尉。」ヒョイッ ハルカ「わわっ!?」 ポイッ 迫水准尉の首根っこを掴んで持ち上げ、そこら辺に放り投げた。 たしかに、腕の力には自信があるが、この娘は妙に体重が軽いのだ。 背が低くて顔立ちも幼く、とても自分よりも階級が高いとは思えん。 だが、この娘の実力は本物らしい。 大型ネウロイ撃墜数、スオムス国内一位。 この見た目からはまったく想像できないけどな。 ハルカ「何するんですかぁ!?」 俺「話が進まないんで、少し大人しくしていてください。」 そういえば、今日はなんだかはしゃぎすぎているような…。 何かいいことでもあったんですか、迫水准尉? ハルカ「エヘヘ……♪」 迫水准尉はかわいらしく笑うだけだった。 132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 09 29 44.14 ID Jin7nT6I0 エルマ「あの…俺曹長、ハルカさんにあんまり乱暴しないであげてください…。」 レイヴォネン少佐が怖々と俺に話しかけてきた。 遠慮がちに……でも、非難する意思を確実に含んで。 あんな目に会っても、仲間が傷つくのは絶対に許せないのか…。 この娘は些か優しすぎるよな。 エルマ「………。」ジーッ レイヴォネン少佐は俺から目を離さない。本当は怖いだろうに…。 俺「す――」 ?「失礼するよ。」 俺がレイヴォネン少佐に謝ろうとした瞬間、誰かがブリーフィングルームに入ってきた。 聞いたことない声だな。 ハルカ「教官さん!」 その教官と呼ばれた男は、L中隊のメンバーを引き連れてやってきた。 教官「ひさしぶりだね、エルマ中尉。あ、スマン…もう少佐だったか。」 133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 09 36 18.24 ID Jin7nT6I0 男の印象は一言で言うと、地味。 でも、人当たりは良さそうだ。 歳はだいたい24、5歳くらいか? その男は、馴れ馴れしくカタヤイネンの肩を抱いていた。 ニパ「………。///」 でも、カタヤイネンも満更ではなさそうだ。 たしかに、この馴れ馴れしさが許されるくらい、この男は愛想がいいな。 エルマ「教官少佐、お久しぶりです。」 教官「いやぁ、ますます美人になっちゃって…。」 エルマ「そそそそんなことないですよぉ…!///」 なんだ? 教官少佐とやらに会ってから、若干レイヴォネン少佐の機嫌がいいような気がする。 ムムム……なんか気に食わないなぁ…。 134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 09 42 17.79 ID Jin7nT6I0 エルマ「えっと…皆さん、こちらは教官扶桑陸軍少佐です。扶桑で新人ウィッチの育成教官をされている方です。元ウィッチで、スオムス義勇独立飛行中隊に所属されていたこともあるんですよ?」 ニパ「へぇ~。」 エイラ「意外とスゴイ奴なんダナ。」 ハンナ「へぇ。」 ラウラ「ほぅ。」 ウチの自慢の4人娘からも感心する声が漏れた。 俺も正直驚いた。こんな地味なナリして、スオムスの英雄部隊に所属していたとは…。 それにしても、 ハルカ「………。///」モジモジ 迫水准尉がさっきから顔を真っ赤にしてモジモジしているのは一体どういうことだ? 教官「教官少佐です。あまり堅苦しいのは好きじゃないので、教官さん…とでも呼んでくれ。 本当は休暇でここに来たんだが、やることもないし、他ならぬエルマ少佐の頼みだからな。 明日から一週間ほど、君達第24戦隊L中隊の指導教官をさせてもらう。」 エルマ「よろしくお願いしますね、教官さん。」ニコッ 136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 09 48 19.85 ID Jin7nT6I0 俺「………。」ポーッ エイラ「教官さんがいてくれたらもう俺は用済みダナー。っておい何ボーッとしてんだヨ。」 俺「えっ!? あっ…うん、そうだな!」 エイラ「何だよモー。張り合いがないナー。」 いかんいかん、レイヴォネン少佐の笑顔に見惚れてしまうとは。 やっぱりかわいいなぁ…。 まぁ、俺に向けられたものじゃないけど。 エルマ「………。」ニコニコ この男が来てから、レイヴォネン少佐はずっと笑顔だ。 いや、彼女の笑顔が見れるのはうれしいけども…… 教官「よろしくな。」ニカッ やっぱり、なんか気に食わないよなぁ…。 137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 09 54 15.43 ID Jin7nT6I0 エルマ「それでは、教官さんの詳しい経歴を説明しますね。教官さんは――」 レイヴォネン少佐が教官少佐の経歴を説明し始めた。 俺は、何故だか聞く気になれず、教官少佐にチラッと視線を向けた。 教官「おちんピーんびろんびろ~ん」ボソッ え? おい、今コイツ何つった? 138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 10 00 12.95 ID Jin7nT6I0 教官「構え方はこう、な。」ギュッ エイラ「あ、ああッ!///」 翌日、俺達L中隊はカウハバ基地射撃演習場に来ていた。 今は射撃練習中。指導をしているのは、今日からしばらく臨時教官をしてくださる教官少佐だ。 少佐はずいぶんと丁寧なご指導をされるようで、ユーティライネン曹長に覆いかぶさって、手取り足取りご指導されている。 しかし、 教官「ハァ……ハァ…もっと脇をしめて…」ハァハァ エイラ「わ、分かっタ!///」 そんな息を荒くしていると、まるでユーティライネンに欲情しているように見えますぞ、少佐殿? やっぱこの人ヤバイ人なんじゃ…。 ハルカ「……教官さん…。///」 ところで、この娘はどうしてここにいるんだ? ハンナ「エルマ少佐の計らいで、教官さんがいる間は私達といっしょに行動することになったんです。」 俺「ふ~ん……ってなんで?」 139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 10 04 03.98 ID Jin7nT6I0 ニパ「え? ってそうか、俺さんは聞いてないのか。昨日ウィッチ宿舎の談話室で聞いたんだけどさ、彼氏さんなんだって、迫水准尉の。」 あ~なるほど、だからあんなに照れくさそうに… 俺「ってええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」 いやっ……この性欲絶倫エロ百合娘に彼氏!? しかも、男の!? ハルカ「あの、俺曹長…これでも私は一応あなたの上官なんですよ…?」 ありえねぇ…そんなの絶対ありえねぇ……そうか、あの人実は女なんじゃねぇか? ハルカ「アレが女性に見えますか?」 俺「いや、どう見てもそこら辺にいるセクハラ親父だな。」 教官「………。」 俺「ってか一体どういった馴れ初めで…」 ハルカ「あのっ3年前教官さんがスオムスに来た時に仲良くなって、そのまま…。///」 はぁ……3年前か…。3年前っつうと迫水准尉は13、4歳。教官少佐は少なくとも20歳は越えてただろうな。 あれっ? 20歳と13歳? しかもこのチンチクリンと? 教官少佐ってもしかしてロ―― 140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 10 06 00.10 ID Jin7nT6I0 俺「レイヴォネン少佐、ちょっとよろしいですか?」 その日の夕方、俺はウィッチ隊舎に戻ろうとしていたレイヴォネン少佐に話しかけた。 エルマ「は、ハイッ!! な、何の御用でござりまするかッ!?」 いや、ござりまするって…… 俺「あの…教官少佐についてなんですけど……。あの人、本当に大丈夫なんですか?」 エルマ「え? 教官少佐に何か問題でもありましたか?」 俺「いや、ですね…。もしかして彼は変態という名の紳士さんではないかなぁ…っと思いまして…。」 あの人はマジもんな気がする…。 このままだと将来有望なエース達が汚されてしまうかもしれない…。 エルマ「えっ……?」 俺の問いに対し、レイヴォネン少佐は心底驚いたというように、目を丸くした。 やっぱりこの娘は気付いていなかったのか。 141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 10 07 14.91 ID Jin7nT6I0 エルマ「どういう意味ですか……?」 俺「俺の気のせいかもしれないんですけど、教官少佐はウチの隊員達に邪な思いを抱いているように見えるなぁ……と、思いまして…。」 エルマ「どうして…そんなこと言うんですか……?」ジトーッ 珍しく不快感を露わにするレイヴォネン少佐。 エルマ「教官さんに限ってそんなことがあるはずありません。たとえそう見えたとしても、ただ熱心な指導が過ぎて、スキンシップが過剰になってしまっただけです。」プクーッ レイヴォネン少佐はすねて頬を膨らませた。何これかわいい。 しかし、この娘は少しくらい人を疑う気持ちを持った方が……。 エルマ「えっと…そろそろ失礼します。」 レイヴォネン少佐は逃げるようにウィッチ隊舎に帰っていった。 ううむ…怒らせてしまったかな……? ハァ………。 サウナにでも行こう…。 142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 10 08 41.79 ID Jin7nT6I0 カウハバ基地のサウナは一般兵士用宿舎と、ウィッチ隊舎の間にある。 当然男性用と女性用とで別れている。 日中は訓練で忙しいからなかなかウィッチ以外の兵士の方々とは話せないんだよな。 というわけで、俺はこの毎日のサウナの時間がけっこう気に入っている。 男だけで話せる時間っていうのは、かけがえのない時間だからな。 教官「………。」スタスタ ん? アレは教官少佐か? ちょうどいい。あらぬ誤解だったら解いておかないと。 これ以上レイヴォネン少佐とギクシャクしてしまうのは勘弁だからな。 教官少佐は、 教官「………フヒヒw。」 にやけた顔でサウナの女性用入口に入っていった。 143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 10 11 57.01 ID Jin7nT6I0 ……………………………。 アレだよな? 入口間違えただけだよな? すぐに間違えに気付いて出てくるよな? 入口で待っていよう…。 ……………………………。 ガチャッ 教官「おや? 俺曹長じゃないか。奇遇だな。」 5分後、教官少佐がサウナから出てきた。 頭にズボンをかぶって。 俺「アンタ何してんのォォォォォォォォ!?」 教官「ハッハッハッ! 俺としたことがうっかり入口を間違えてしまったよ!」 俺「今更そんなんで言い逃れできねぇよ!?」ユッサユッサ 教官「いや~この匂いはたぶんユーティライネン曹長かな?」ガクンガクン ハルカ「ちょっ…教官さん!? け、ケンカはよくありません!」 サウナの入口から迫水准尉が出てきた。 頭にズボンをかぶって。 144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 10 13 36.61 ID Jin7nT6I0 俺「アンタもかぁぁぁぁぁぁ!!」 何この変態カップル!? 扶桑人って変態しかいないのっ!? ちなみに迫水准尉がかぶっているのは、レイヴォネン少佐のズボンだ。 い、いやっ…たまたま知っているだけだからな!? 教官「君も好きだねぇ。」 俺「うるせぇ!! っていうかいい加減ズボン取れっ!」グイッ 変態の頭からズボンをはぎ取る。 その時… ニパ「大変だ! イッルのズボンが盗まれt―――あれ? 俺さん……何してるの…?」 俺「」 右手を見る。まっ白いズボンを握っている。 いやっ……これは違う…。息遣い荒いけど、別に興奮しているわけではっ…… エイラ「アレ…私のズボン…。」 エルマ「俺曹長…。」 145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 10 16 17.40 ID Jin7nT6I0 レイヴォネン少佐、これはその…。 エルマ「最低ですっ!」 バシッ 俺「………。」 ビンタをされた。 痛くはない。 エルマ「………。」プルプル レイヴォネン少佐は俺から目を離さない。明確な敵意をむき出しにして俺を見つめている。 目尻には涙が溜まっており、足はガクガクと震えて今にも折れてしまいそうだ。 そうだよな。目の前の男はまだ年端もいかない少女のズボンを盗んで喜ぶような変態だ。 変態で毛深い大男が怖くないわけがないだろう。 それでも、俺から目を離さない。 自分の部下を、後輩達を守るために。 俺も同じ立場の人間として…いや、彼女に好意を持つ人間として彼女のその勇気に答えてあげたい。彼女の敵を思いっきり殴りつけてやりたい。 その敵が俺自身じゃなかったらな。 146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 10 18 36.69 ID Jin7nT6I0 エルマ「えっと…あのっ……俺曹長はちょっと疲れているんです…。今夜はしっかり休んでください。」 レイヴォネン少佐はそう言うと、L中隊の隊員達を引き連れてウィッチ隊舎に戻っていった。 ニパ「俺さん…えっと…その……」 ハンナ「ドンマイです。」 ラウラ「今日はもう寝ろ。」 エイラ「とりあえず……わ、私はお前を信じているからナ…!」 ああ……この娘達の優しさが痛い…。 ハルカ「ウヘヘ…エルマ少佐の匂いがします……。」 そういえば、みんな迫水准尉についてはスルーするんだな。 まぁ、いつものことか。 ポンッ 教官「ズボン盗むのはねぇy――みゅっ!?」 股間に膝蹴りをくらわしてやった。地面に蹲る変態。ざまぁみろ。 教官「アアンッ…もっとぉ❤」 もうやだこの人………。 147 : 忍法帖【Lv=20,xxxPT】 :2011/07/06(水) 10 21 03.19 ID P51DflcsP カワイソス 148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/06(水) 10 21 13.22 ID Jin7nT6I0 次回予告 エイラ「パロメータチェックのコーナーなんダナ。」 俺「やめろ…やめてくれ…!」 エイラ「エルマ先輩の好感度:-15、信頼度:-20ダナ。」 俺「ああああぁぁぁぁ…もうダメじゃねぇかぁ……!」 エイラ「だ、大丈夫だっテ! アレはきっと√突入に必要なイベントなんダナ!」 俺「好感度が高かったらいけるだろうけど、この好感度だったら即バッドENDだろう…。」 エイラ「あ、ちなみに教官さんのパロメータは好感度:85、信頼度:52なんダナ。」 俺「高っ!?」 エイラ「ちなみに、好感度100越えたら√突入ダ。」 俺「やべぇ…このままだとホモEND直行じゃねぇか…。」 次回「熊はひばりに恋をした」第2話 ニッカ・エドワード・カタヤイネンの憂鬱 [第2話 http //www16.atwiki.jp/vip_witches/pages/1890.html]へ続く
https://w.atwiki.jp/dbrpalpha/pages/4621.html
2024年05月06日10時05分のカオスバトル キャラ名 作者 体力 TYPE LIFE 勝利数 追跡者ネメシス 戒 23 攻防強化 1 1 エリコ:教官 Donald-2nd-R 21 攻防強化 1 0 バーニングゴジラ 戒 20 攻撃重視 1 0 あかり Brochiyo 25 バランス 1 0 第3339回C-BR杯がスタートです! 前回優勝したのは追跡者ネメシスです! 果たしてタイトルを防衛できるでしょうか!? あかりの攻撃!(命中率95%/会心率5%) あかり 「えいえいおー!」 追跡者ネメシスに5のダメージをあたえた!! 追跡者ネメシス 「グォッ!」 残り体力( 追跡者ネメシス 18 , エリコ:教官 21 , バーニングゴジラ 20 , あかり 25 ) バーニングゴジラの攻撃!(命中率95%/会心率5%) バーニングゴジラ、痛恨の一撃!!! バーニングゴジラ 「ジュニアの敵は俺が…邪魔だ!(インフィニット熱線をエリコ:教官に連射、体内放射炸裂)」 エリコ:教官に47のダメージをあたえた!!←そ、即死・・・ 残り体力( 追跡者ネメシス 18 , エリコ:教官 -26 , バーニングゴジラ 20 , あかり 25 ) エリコ:教官のLIFEは0になった! エリコ:教官はいきなりインフィニット熱線で灰となった・・・ エリコ:教官 「私の予測を超えるなんて......!」 追跡者ネメシスの攻撃!(命中率91%/会心率5%) 追跡者ネメシス 「S.T.A.R.S…抹殺…。S.T.A.R.S…。ウォオオオッ!!!!(バーニングゴジラにロケットランチャーを乱射)」 バーニングゴジラに15のダメージをあたえた!! バーニングゴジラ 「俺を消せるか…?やってみろよ。」 残り体力( 追跡者ネメシス 18 , バーニングゴジラ 5 , あかり 25 ) あかりの攻撃!(命中率95%/会心率5%) あかり 「えいえいおー!」 バーニングゴジラに5のダメージをあたえた!! 残り体力( 追跡者ネメシス 18 , バーニングゴジラ 0 , あかり 25 ) バーニングゴジラのLIFEは0になった! バーニングゴジラは爆散した・・・ バーニングゴジラ 「メルト…ダウンだ…。」 追跡者ネメシスの攻撃!(命中率70%/会心率5%) 追跡者ネメシス 「S.T.A.R.S…抹殺…。S.T.A.R.S…。ウォオオオッ!!!!(あかりにロケットランチャーを乱射)」 あかりに13のダメージをあたえた!! あかり 「わわっ」 残り体力( 追跡者ネメシス 18 , あかり 12 ) あかりの攻撃!(命中率95%/会心率6%) あかり 「えいえいおー!」 追跡者ネメシスに5のダメージをあたえた!! 追跡者ネメシス 「グォッ!」 残り体力( 追跡者ネメシス 13 , あかり 12 ) 追跡者ネメシスの攻撃!(命中率72%/会心率7%) 追跡者ネメシス 「S.T.A.R.S…抹殺…。S.T.A.R.S…。ウォオオオッ!!!!(あかりにロケットランチャーを乱射)」 あかりに15のダメージをあたえた!! 残り体力( 追跡者ネメシス 13 , あかり -3 ) あかりのLIFEは0になった! あかりはYOU ARE DEAD 「私、負けちゃったぁ...」 勝ち残ったのは追跡者ネメシスです! 追跡者ネメシスがタイトルを初防衛しました! 追跡者ネメシス 「S.T.A.R.S…!!!どこだ、S.T.A.R.S…!!!どこまでも追ってやる、ウォオオオッ!!!!」 防 衛 の お ま も り 発 動 YOU ARE DEAD Continue Load Game Quit 最新のセーブデータからやり直します ......攻撃機会無し一抜けとなってしまいました。 by.Donald-2nd-R(エリコ:教官の人)
https://w.atwiki.jp/sfcross/pages/142.html
誰かの日記 詳細 現在、0001〜0110まで計110種存在。 No. 内容(概要) 0001 試験の時期は全くいい迷惑 by ゴーレム 0002 モンス可愛い by とあるトレハン 0003 道ばたに咲いている黄色い花は無警戒に近づくと地面から飛び出してきて毒の粉を吹きかけてくる。 by 登録試験浪人生 0004 よし!ダイエットしよう! by うりぼう 0005 可愛くてもモンスター by 登録試験浪人生 0006 ブラストビーについての話 0007 イノブタの理不尽な思いを綴った内容(愚痴) 0008 ハーピーの理不尽な思いを綴った内容(愚痴) 0009 お前ら大勢とは卑怯だぞグローブ弁償しろbyゴリラ(愚痴) 0010 ゴーレム対処法について byゴーレム討伐経験者 0011 トレハンあがりの教官候補が教官になる日 by 教官候補 0012 今日から教官と呼べ点数は88点だ by 候補改め新米天狗教官 0013 教官試験で満点ではなかった人がいて不安がっている先輩の話 0014 キングデーモンの撃ってくる緑色の球には毒効果がある 0015 ソルジャーウルフについての話 0016 イノブタママについての話 by イノブタママ討伐経験者 0017 飛行タイプのモンスターの対処法について by登録試験浪人生 0018 トレント系のモンスター バインド攻撃について by 一般のトレハン 0019 カスタマイズによる顔の変更について by 若返ってみたい女トレハン 0020 サソリ系のモンスターについての話 0021 ギルド支部でリリスを見かけた話 by 放浪癖があるトレジャーハンター 0022 今年の試験は2人しか合格しなかった事への教官の憂い 0023 ジェネレーターについての話 0024 ナックルについての話。連撃が快感! by 手練の武術家 0025 クロスゲージの「支援」を軽視するな by 先輩トレジャーハンター 0026 ユーズスキルには隠された効果を持つ物がある by ギルド教官 0027 ハンマーについての話…話? 0028 魔導銃に頬ずりをする少女 0029 ダガーについての話。状態異常が大事 0030 フレイルUスキル「アトラクト」について by フレイル入門書を読む男 0031 両手剣のUSEスキルについての話 0032 属性について by 試験教官 0033 「女神の涙」を使ってね♪ by アイテム販売所のメル 0034 回復アイテム「いやしの涙」を使ってね♪ by アイテム販売所のメル 0035 傷薬は致命傷になる前に使ってね♪ by アイテム販売所のメル 0036 状態異常を回復するアイテムの話。だからみんなもっと買ってね♪ 0037 もっと発掘してトレジャーハンターとしての腕を磨こう 0038 S防具は5番目の色がある by 先輩トレハン 0039 フォーススキルの中にはスキルレベル上昇で追加入力可能になる物がある by 先輩トレハン 0040 両手剣『ソードスライダー』スキルレベルを上げると追加行動が付与される by 先輩トレハン 0041 ハンマー『チャージストライク』スキルレベルを上げると溜め中にAでタックルが出る by 先輩トレハン 0042 ディフェンスタイプのときはジャスト攻撃ができる by 先輩トレハン 0043 属性を上げると相手を状態異常にできる by 先輩トレハン 0044 フレイル『リーブ』スキルレベルを上げると追加行動が付与される by 先輩トレハン 0045 ゲーム終了後の画面に何かが表示される鍛冶の正否判定? by 先輩トレハン 0046 フィールドオブジェクトには素材が隠されている場合がある by 先輩トレハン 0047 ゲーム開始前の画面で「NOW LOADING」の文字色が違うと良い事が by 先輩トレハン 0048 ボスダウン時に部位破壊をするとボスが起き上がるから気をつけろ by 先輩トレハン 0049 スキルレベルのリセットにはトレジャーコイン50枚集めて上の方を見るべし 0050 知力を上昇させるとスキル使用時の効果が強化される by 先輩トレハン 0051 器用度を上昇させるとクリティカル発生率と攻撃速度が上がる by 先輩トレハン 0052 リーダーになると仲間に「指揮効果」を与え仲間から「支援効果」を受ける by 先輩トレハン 0053 アイアンソードは使いこなせるようにしろ by 先輩トレハン 0054 我に敵なし! by 自信満々のトレジャーハンター 0055 緊急回避が大好きだ!迸る力!弾ける光! by 熟練のトレハン 0056 試験官の兜の下を見てしまった・・・・ by 好奇心旺盛なトレハン 0057 ルナ失踪 by 恋に破れた五十路の教官 0058 礼に始まり礼に終わる。挨拶は大事じゃ by 謎の老人 0059 強くなっても皆と足並みをそろえる謙虚さが大事 by 謎の老人 0060 志望動機はハーピーたんとキャッキャウフフしたかったから by 熟練のトレジャーハンター 0061 人の力の限界 by 謎の老人 0062 剣に乗って谷を越える神様を見た by 神を信じるもの 0063 コンボを繋ぐためには、当てる技術、避ける技術が必要 by ギルド教官 0064 コンボを稼ぐなら固まっている敵を狙え by 先輩トレハン 0065 バランスタイプの特徴とその多彩なアクションによる連続攻撃 by ギルド教官 0066 コンボをより長く続ける為の高等テクニックとして、コンボ中にスキルタイプを切り替えるというものがある。by ギルド教官 0067 攻撃を当ててもひるまない敵は、相手の攻撃の隙をついて攻撃しろ by 慎重すぎる魔導銃使い 0068 ガイコツは不思議な踊りを踊った。先輩トレジャーハンターのMPが25下がった! 0069 クロスカードを交換しておいて損はないぞ by 先輩トレジャーハンター 0070 凄い新人トレジャーハンターについての話 0071 壁の裏や曲がり角の先などにある壺は良い物が入っているかも by 先輩トレジャーハンター 0072 背中や頭に乗れるモンスターもいる by 先輩トレジャーハンター 0073 ギルドの評議長はいざという時には杖を武器に活躍するらしい 0074 クロスカードをバシバシドンドン交換したまえ by ギルド教官 0075 ガイアのお宝 by 熟練のハンター 0076 安西先生…通り名が欲しいです… by 通り名見習い 0077 プレートアーマーを着たらみんな後ろから付いてくるようになったんだけど… by 重装鎧愛用の女剣士 0078 身体に紋章があるあの人はエデンの人じゃないのかも 0079 いつかギルドの財宝庫に潜り込んでみたいよなっ、相棒! by ブラ顔に入れ墨のある少年 0080 イノブタにやられてリタイアした新人のお話 by 試験教官 0081 モンスターにも属性はある by 試験教官 0082 本部の過去の文献にまさかこんなことが・・・ by 何かを知ってしまったトレハン 0083 ブラッドは嫌いになれない byよく似た少年 0084 ポーションには色々な種類が存在する 0085 スピンアウトはゆっくり降下するから、滞空時間を稼ぐのに使える by 貧乏トレハン 0086 素材バイヤー乙 by 市場の変動を見つめる男 0087 EXアイテムを生産したときに爆発のエフェクト クランが咳き込んでいる理由 by 鍛治屋のお隣さん 0088 このゲームにおいて大事なのは知識でも技術でもなく、助け合う心なのだよ by 協力プレイの達人 0089 フォースオンつかったあとにタフネス by ハンマー好きトレハン 0090 カイルは外見に似合わずやさしくて面倒見のいい人 by 受付嬢 0091 この雌豚めもう誤魔化されんぞオクに頼る by 不運なトレハン1 0092 全財産はたいてA落としたぜ・・・「S3つできました!会心の出来ですよ!」 by 不運なトレハン2 0093 メタルシュート気持ちいいぜ壁の向こうもお構いなしだが蹴る場所間違うなよ by 足に包帯巻いてるトレハン 0094 ヘビーウェイト使ったら太った呼ばわり by 体重が気になる乙女トレハン 0095 インビジブルってつまり・・・ by とある男性トレハン 0096 試験場にはタッチトレジャーなど無い by 試験教官 0097 ワープ装置に乗ってるときの自分とは? by いろいろ考える人 0098 回復薬を投げ入れたら周りの人にも効果がある装置が何処かに by 噂好きのトレハン 0099 防衛線にはハンマーのハードネスオヌヌヌ by 傷だらけのトレハン 0100 前転に無敵時間バランスのレベル上げると無敵時間が延びる by 先輩トレハン 0101 オフェンスのレベルを上げるとエキストラアタックが強くなる by 先輩トレハン 0102 タイミングよくガードするとジャストガードでMP回復 by 先輩トレハン 0103 ビーストハーフはスキルが違う by 先輩トレハン 0104 通り名集めにソロプレイ by 先輩トレハン 0105 ジャスト攻撃は練習あるのみ by とあるディフェンスマスター 0106 空中でもジャスト攻撃はあるぜ by 自称情報痛 0107 ガルーダの正面に立つな by 野鳥の会会員No.8 0108 F+Vで大型モンスロックオン&切替え by 先輩トレハン 0109 全国でも店内の仲間とマッチング by トレハン教官 0110 画面のマップボタンでマップの拡大 by 先輩トレハン
https://w.atwiki.jp/kasei2008/pages/12.html
1限目:分子細胞生物学III 担当教官:鈴木・後藤 部屋:51 評価方法:期末+出席+小テスト(不定期) ホームページ 2限目:生命化学演習 担当教官:鈴木 部屋:51 評価方法 ホームページ: 3限目:有機・高分子演習 担当教官:西郷・野崎・橋本(幸)・和田 部屋:51,52,53 評価方法 ホームページ:
https://w.atwiki.jp/teikokuss/pages/752.html
苦戦した割には、どうにもならなかったw 13Rものをはじめた以上、手続きとしてせざるをえなかったりするw。 アマチュアの特権だねw 時系列は5月半ばくらいか。 ポイントマンとバックアップ 先遣小隊の八機の白の三は、四角の陣を組んで、片膝をついていた。一機ずつを四方において、それぞれは外を見張る。残りの四機は四角の囲みのなかで膝をつく。ルキアニスはそのなかにいた。 無任所の上級騎士など、後添えのさらに控えのようなものだ。せいぜい良く目を開いて、足を引っ張らないようにしなければならない。明るい日差しが降り注ぎ、機体の影を緑の野に落としている。 草に映る光と影が揺れた。緑の野を渡る風が、草を揺らし、ルキアニスたちの小隊の四角陣を押しぬけ、さらに渡り、少し先の丘の吹き昇る。 低い丘ではあったけれど、その頂近くには三機の機装甲が膝をついてある。ヴィルヌス小隊長と、アルヴィヌス小隊先任上級騎士機だ。残る一機は教官の機だ。 『先遣分遣前衛より、先遣小隊へ、第一丘正面に敵影。先遣小隊は横隊前進、目標、丘稜線』 ルキアニスの前に設えられた、風水晶の陣がきらめく。 『先遣小隊、準備!横隊変換!』 続いて、列長であるヴラーヌス次席上級騎士の声が響く。 ルキアニスたちは先遣小隊は、機を立ち上がらせる。それから四角陣を横隊に組み替えるのだ。それ自体は、嫌というほどやり慣れている。統制する列長が数歩前進して基点となり、四角陣内のものがその左右につく。四角陣を成していた機は、一番両端につける。 『目標、正面丘前方斜面!並足、前へ!』 列長が命じる。 ルキアニスたちは歩き始める。並足は行軍歩調だ。横列を保ったまま、丘の裾を進む。草を踏み、斜めの草原を歩み、低い丘の頂は前やや左から、次第に左手へと移ってゆく。丘に隠されていた野の先もやがて開けて見えてくる。丘の頂を真左に見る頃、列長の声が光りこぼれる。 『横隊、停止、いまー!』 一歩、二歩、地を踏んで足を止める。砂埃が追い抜いてゆく。足を止めたときの列が崩れるようでは錬度が足りない。 前を見れば、丘の正面の裾には標的板が並べ立てられている。 『先遣小隊、疾走突撃、目標、丘正面標的板!』 ヴィルヌス小隊長の声が響く。すぐに列長のヴラーヌス次席上騎が命じる。 『横隊、構え!疾走!目標、丘正面標的板!』 列長が命じる。 『戦列、疾走!前へ!』 白の三は列のまま、一斉に地を蹴った。 「いくつか重要な注意点がある」 教官は、打ち砕かれた標的板を背に言う。先の突撃で、打ち砕いたばかりのものだ。 ルキアニスたちもまた、機を降り整列して教官に向き合っている。 「疾走突撃は危険の多い戦術だ。第一戦術として推奨するものではない。今回の攻撃は、疾走突撃を選択する要件がそろっていた。アモニス上騎、それは何か?」 居並ぶ小隊の中から、不意に名を上げられて、ルキアニスは少し戸惑った。こんなときばかりばかりだ。ルキアニスは顔を上げる。 「敵情の観察ができていること、相対する敵の第一戦列に対して数の上有利を保っていることです」 「その通りだ」 教官はうなずいた。 「特に、突撃を行う戦列こそが、敵情を観察できていることが重要だ。疾走突撃は効果もあるが、危険も大きい。また敵陣のどこに突撃すべきであるかも、また重要なこととなる。疾走突撃の効果は、一度きりのものであり、その後に続くものではない」 教官は続ける。 「最も重要なことは、その一撃に引き続いて、敵を撃破することだ」 アモニス上騎、と教官は再びルキアニスを示す。 「一方で、一般の戦列前進を選択すべきときもある。どのようなものか」 ルキアニスは少し考えた。 「敵のほうが数的優勢を保っているときです」 「騎兵部隊は、直面する敵を、十分に予想し得ない」 教官は言う。 「ゆえに、見出した敵とは必ず戦わねばならない。敵を撃破してその意図を阻み、また敵に無視されえぬ力を示して敵を引き寄せ、はじめの定めを失わせる。前衛部隊の重要な任務だ。その末にこそ、本隊は十分に兵力を集めうる」 「では、一般戦列を選ぶのはどのようなときなのでしょう」 口にしてからルキアニスはしくじったと思った。教官から問われたことを、教官にそのまま問うてしまったのだから。 けれど教官は叱責しなかった。 「戦列を組む意義は?」 「相互支援によって抗堪性を高めます。さらに戦力を集中することで敵への圧力を高めます」 「それだけか?」 教官の問い方は、まるで学校のときのようだとルキアニスは思った。 「もって、敵に容易に押し崩されること無く、戦い続けることができます」 「では、戦列の難点は何か」 「機動の自由を失います」 「では、そのようにして戦わねばならぬときとはいかなるときか」 もちろん、と教官はルキアニスを見る。 「その判断が、自らできるように研究せよ」
https://w.atwiki.jp/ayano01/pages/157.html
●都築真 その日、俺達は新型の戦闘装備を受領した。 戦闘装備と言えば堅苦しいけど、簡単に言えばパイロットスーツだ。 どうも近衛は扱うモノは横文字ばっかりだけど、個人装備についてはこれを使うことを拒むヘンな所がある。 ブーツを長靴とかさ。 どうでもいいか。 とにかく、おろし立ての戦闘装備ってのは生きている。これは知っていて欲しい。 着ていると、手足を縛られて動物園に連れて行かれるパンダやクマの気持ちがよくわかる。 本来、パイロット用の戦闘装備ってのは、レバーやスイッチに引っかからないようにデザインされているもんだ。 それが新品だとそうはいかない。 二人羽織してるみたいでどうにも感覚がつかめないんだ。 メサイアのコクピットになんて入ろうもんなら、ツマミだのスイッチだの片っ端から引っかかるし、なんだか体がバカでかくなったみたいで、何キロも遠くにあるような感じのレバーまで操作しちまう。 他の連中と一緒に歩いていると、クマのぬいぐるみと同行してるみたいな気分になっちまうぜ? 「なんだ?」 俺の視線に気づいた泉なんて特にそうだ。 戦闘装備つけてる方が元々の体型に近いんじゃないか?って言ったら、 「なんだとぉっ!?」 モロに一発喰らった。 教官達の戦闘装備は違っていた。 しっかり殺してある。自分達の皮膚ってところで、よく体に馴染んでいた。 戦闘装備の具合だけでこいつら、自分達がベテランだって語ってるんだよな。 それはスゴイと思う。 格好つけにいろいろ細工してマネてやろうかと思ったけど、そんなことしたら難癖つけられるのは目に見えている。 (この傷はなんだ?) (どうやったら短期間でこんなに擦れるんだ?) ―――んで、 (修正してやる!足開け!―――歯ぁ食いしばれっ!) (根性直しの腕立て100回!) ……やだやだ。 「整列っ!」 今回の指導教官―――二宮教官が怒鳴る。 俺達は弾かれたように彼女の前に整列する。 しかめっ面ばかりの教官は確か30前だというが、シワのせいでお肌の方は40代だと宗像が言っていた。よくは知らない。 ただ、教官の戦闘装備はよく体に馴染んでいた。折り目といいシワといい、場所によってはサイの皮膚みたいにみえるところもあれば、使い込んでテカテカになっているところもある。 一体、何年着込めばこんな風になるのかって位の状態。 ただ、不思議と汗くささはないんだよね。 他の教官は、100キロ先でもわかる位、戦闘装備にしみこんだ汗だのゲロだのなんだのの、それはそれはすさまじい臭いがする。 夏場の剣道の防具並だ。 俺達の同期の女の子達もそれをかなり気にして、消灯時間まで消臭剤相手に毎晩格闘しているんだ。 ところが、二宮教官は違う。 むしろいい匂いがする。 柏や早瀬にいわせると、「なんで戦闘装備に香水の匂いがつくか不思議」なんだよ。 その教官に連れられ、俺達は飛行艇に乗った。 飛行艇っていっても、風船がくっついたアレじゃない。 魔晶石で動く飛行機のことだ。 近衛軍が配備している九式飛行艇。 15人乗りの小型飛行艇だ。 俺達は兵員室。兵隊が乗る区画のシートに座らされた。左右対面式で、気休めみたいな折り畳み式ベンチがあるだけの殺風景な場所。 乗り降りする後部ハッチを閉められたら採光窓からの灯りと赤い室内灯だけが頼りになる。 今回は、演習地上空を飛行するので、演習地の地形特性なんかを把握しておけってのが、俺達に下された命令だ。 壁に据え付けられたモニターに飛行艇のコクピットからパイロットが映し出されたのは、俺の目の前に泉が座った時だ。 泉美奈代。 第七分隊の分隊長。 クリッとした猫の目のような目をしたマジメな秀才ドノ。 ただ、本人は自覚がないらしいが、密かに憧れているヤツは多い。 ―――まぁ、当の本人が言うから間違いない。 最近、第一分隊の染谷が泉獲得に動き出したと聞く。 何とか、それまでにお近づきになりたいと、第三分隊と第七分隊の合同訓練を企画してみたんだが――― 俺の視線に気づいたのか、泉は心底嫌悪感をあらわにしてそっぽを向いた。 ったく、可愛げのない女だ。 さて―――どうしたもんか。 訓練より目の前の泉をどうするかに途方に暮れはじめたら 「これから離陸する。各員、準備」 スピーカー越しに二宮教官の声がした。 へえ?教官ってメサイアだけじゃなくて飛行艇まで操縦できるんだ。 「若干、揺れるが気にするな」 まあ、揺れるのは仕方ないだろう。地面に根付いてるわけじゃなし。 離陸はいい。 さすがだと思った。 演習地上空にさしかかった所で、教官は俺達に命じた。 「各員、配布した地図を参照し、地形把握をしろ」 俺達はシートから立ち上がって思い思いに採光窓から外を眺めた。 高所恐怖症の柏だけが、シートにしがみついて泣いていたのを泉達がなだめすかして窓に近づけ、外を見せる。 「グスッ……ううっ……怖くない怖くない」 後ろに立つ山崎が柏の肩を掴んで柏が逃げないように押さえつけている。柏は泣きながら地形を一つ一つ地図と照合する。 さすが体育会系の出だけあって、根性だけはある。 俺が、そう思った時だ。 「きゃあああああっ!!」 スピーカーが壊れたんじゃないか。 いや、全世界にとどろき渡ったんじゃないか。 そう思うほどの悲鳴が兵員室に響き渡った。 「いやぁぁぁぁぁぁっ!」 「来ないでぇぇぇぇっ!」 それからが大変だった。 悲鳴が聞こえる度に、機体が右に左に急旋回し、俺達はミキサー車の中に放り込まれたように転がりまくった。 誰かのバックが俺の脇腹に命中した。ハーネスやなにやらゴテゴテ付いていたから痛かったのなんの。 俺は痛む脇腹を根性で押さえつけ、右手で座席を、左手で転がってきた誰かを抱き留めた。 宗像だった。 しかも宗像自身、なぜか風間を抱きしめていた。 「うむ。スマンな」 「あ、ありがとうございます」 恐ろしくマイペースな風間がのんびりした返事をするのはまだ慣れているだけに許してやれる。 だが、風間の遙か斜め上をいくハイパーマイペースの宗像にだけはついていく気にもなれない。 こいつはドサクサ紛れに風間にセクハラをしかけていたのだ!! プロテクターを脱いでいたのか宗像に脱がされたかはわからないが、とにかく風間を背中から抱き留める宗像の手が風間の胸をわしづかみにしている。 これは確かだ。 宗像の手の中で風間の胸が――― 候補生で最高の美人。 そう呼ばれる風間の胸が宗像の手の中で面白いように形を変えていく。 風間が恥じらって何とか宗像から離れようと藻掻くたびに、ちょっとHな風間の声が聞こえる。 ―――ダメだ。 どうして俺はカメラをもってこなかったんだぁぁぁぁぁっっっ! 「ハーネスを座席にくくるんだ!」 シートのレールに頭をぶつけた俺はそれでも正気を装って怒鳴った。 戦闘装備には、メサイア搭乗時に使うリフト用のハーネスがついている。 俺はそれをつけろ。そう怒鳴ったつもりだった。 ところが、そんな器用なマネをしている余裕は、少なくとも俺にはなかった。 今度は天地がひっくり返った。 機体が背面飛行に移ったんだ。 俺はとっさに受け身をとった。 飛行艇はなにがあるかわからないので、天井は分厚い防火材をクッションとして貼り付けている。 墜落・横転した飛行艇の天井を敵が野戦病院のベッド代わりにしたなんて話もあるくらいだ。 プロテクターとクッションをもってしても背中の衝撃は耐え難いものだった。 「ぐっ!」 俺は自分の息が止まったのを確かに感じた。 「都築、―――どいてぇぇぇぇぇっ!」 せっぱ詰まった女の声がしたのは、どこかに旅だった俺の息が戻る前のことだった。 どんっ! 今度は胸に何かものすごく重いものがぶつかった。 一瞬、山崎が落ちてきたのかと思った。 2メートル近い体格と100キロ近い体重を誇るアイツだ。 アイツならこのダメージは納得してやる。 酒保で当面、サイダーとあんパンしこたまおごらせてやるが。 ところが―――あいつじゃなかった。 「痛たたたっ……」 泣きそうな声を上げるのは、なんと泉だった。 「ったく―――ハッ!都築!?」 胸を押さえられて自由の効かない俺の視界一杯に広がるのは、真っ黒い空間。 それが泉の股間だと理解できた途端、俺の息が戻ってきた。 「ちょっ!都築貴様っ!」 何とか肺に息を送り込もうとする俺の上で、泉が怒鳴った。 「この状況で何よ!そんな荒い息するんじゃないっ!」 ぬかせ! 荒い軍服の布地越しだ!息なんて感じるモノか! 俺が肺活量マックスで息を吐いたら、 「ひ、ひゃんっ!」 何だか泉が色っぽい声を上げた。 「いい加減にしろっ!」 「だったらどけっ!」 「しかたないだろうが!」 どういう操縦をしているのか知らないが、背面飛行のまま、機体はシーソーのように激しく揺れ続ける。 とてもではないが、立ち上がることなんて不可能だ。 「せめて体をずらせ!」 「それはこっちのセリフだっ!」 そうわめいても、俺は泉の顔と泉の股間を見るのが精一杯。 泉は丁度、正座する姿勢で座っていて、お尻が俺の胸のあたりに乗っている感じだとわかったけど、そんなことはどうでもいい。 ううっ―――勃っちまいそう。 さっきの風間の件とこれで、俺が夜中にトイレに籠もるのは決定した。 泉はなんとか逃げようともがくが、この振動では転げ回らないようにするのが精一杯だ。 そのおかげで、俺の顔の上では泉の股間が俺の顔にこすりつけられ続ける。 軍服越しにもわかる柔らかさは、なんだかとても新鮮だった。 「覚えておけっ!グスッ……帰ったら絶対殺すっ!」 泉がわめき散らすのは無理もないとは思うが、これは不可抗力だ。 俺はそう思いつつ、役得を得たと満足していた。 それから約3分。 飛行艇は演習地に緊急着陸した。 副操縦席にいた長野教官が、滅茶苦茶に操縦桿を操作する二宮教官から操縦を取り上げ、機体を降ろしたそうだ。 背面飛行から通常飛行へ切り替えてもなお、機体が激しく揺れたのにはワケがある。 二宮教官だ。 どうやって入ったかわからないけど、コクピットに二宮教官の天敵、ゴキブリが侵入。 教官がパニクって大騒ぎ。 長野教官が操縦を取り上げた時には発砲寸前で、長野教官が二宮教官から拳銃を取り上げようともみ合ったのが原因だ。 最悪だったのが、そのせいで泉がシートに頭をぶつけ気絶。俺は転がる泉を抱きしめて体をなんとかシートに固定するまでだった。 目の前をハードケースがかすめていった時には、もう俺もこれでおしまいか。と思ったけど、すぐに死んでりゃよかったと願ったもんだ。 二宮教官のパニック・フライトより、長野教官のフライトの方が絶対に揺れたからだ。 「……つーか」 長野教官がタンコブを作って目を回している二宮教官を抱きかかえてコクピットから降りてきた。 「教官達、操縦は出来るらしいが」宗像は口元を抑えながら慎重に言った。 「戦闘機以外は無理だ」 「こいつは兵員輸送用の飛行艇だって、誰か言ってあげなよ」柏はぐったりした様子で言った。 「完全にイカれてましたね」お前に言われたらお終いだ。と思うが、風間の言葉に反論するヤツはいない。 二宮教官と泉を乗せた飛行艇が離陸していくのを見送った俺達の前で、長野教官が言った。 「これより帰投する。飛行艇に乗るか、富士の樹海を歩いて帰るか―――選べ」 俺達が夜通し青木ヶ原樹海を歩いて帰ったのは当然のことだった。 翌日 俺は自由時間に兵舎の裏に呼び出された。 呼び出したのは当然、泉だ。 軽い脳しんとう。 そう診断された泉は、精密検査を受けただけで復帰が認められた。 二宮教官は大量の始末書と未だ格闘中だと聞いている。 「す、すまなかった」 俺を前にした泉は開口一番、そう言った。 「よくよく考えてみたら―――あれは不可抗力なんだからな」 口の中でモグモグ言う口調。いつもは軍人の手本みたいなしゃべり方のコイツにしては珍しい。―――明日、雪かな? 俺はとりあえず、気にするな。と言ってやったが、 「いや!しかしだな!」 泉は気色ばんで怒鳴った。 「あれほどの迷惑をかけて、詫びもなしなぞ……」 「だから気にするなって」 「う……うむ」 何か煮え切らない態度の泉。 「とりあえず、詫びわしてもらったし」 「し……しかし」 よくよく見ると、泉は顔を赤くしている。 ……。 ……そうか。 「ようするに、あの時のことが気になって仕方ないってことか?」 図星だったようだ。 泉はゆであがったタコの方がまだ白い位、真っ赤になった。 なんだか湯気が出てそうな感じさえする。 まぁ、こいつも女なんだから仕方ないといえばそうだろう。 「それこそ気にするな。」 俺は励ますつもりでそう言った。 「俺も気にしていない」 だが――― 俺は、言葉の難しさをあらためて痛感させられた。 「―――何?」 泉の顔が即座に険悪になった。 「あれほどのこと―――気にしない、だと?」 「ああ」 女の子としては忘れて欲しいって思うだろう。 俺はそう思って、親切で言ったんだぞ? それなのにこのカタブツオンナときたら――― 「私はその程度か!?そういう存在か!?それとも、気色が悪いとでもいうのか!?」 何を怒鳴ってんだ?こいつ。 「侮辱だっ!」 俺、泣くほど悔しがらせること、言ったか? 「見てろよっ!?」 泉は俺の横をすり抜け様、今までで一番ハデに怒鳴った。 「養成校卒業までに、貴様を―――貴様をっ!」 「俺に?」 「黙れっ!バカッ!」 泉は走り出した。 角を曲がるとき、くるっと振り返った泉は俺に捨てぜりふまで残してくれた。 「絶対に―――!!」 だからぁ。 俺を、絶対に……何なんだ? 風が出てきた。 俺はクシャミ一つした後、兵舎に戻った。 本当に思う。 オンナの考えてることは俺にはわからない。
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2117.html
すないぱーうどんげ養成所の最終試験 27KB 考証 理不尽 差別・格差 仲違い 誤解・妬み 実験・改造 同族殺し 飼いゆ 野良ゆ ゲス 希少種 現代 虐待人間 独自設定 ゆっくりうどんげがたくさん出ます。 ・うどんげ等の希少種いじめにもなっているので御了承下さい。 ・俺設定あり。 ・続きものです。 天然あき 「ゆわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛おうちかえるう゛う゛う゛う゛う゛!!?」 広い草原の中を一匹のまりさが泣きわめきながら逃げていく。 辺りには身体に穴が空いたゆっくりの死骸が散乱している。 今や生きているのはまりさのみ。 他のゆっくりは訳がわからないまま穴を空けられて死んでしまった。どうして死んでしまったのか…それはまりさにもわからなかった。 ただわかることは一つ。 もう他に残っているゆっくりはいない。 次は自分の番だという事だ…。 「しにだぶない!!まりざはまだゆっぐりじだいんだあ゛あ゛あ゛!!!」 力強く跳ね、一刻も早くこの場から逃れようとするまりさ。 しかし、 「ゆぴいい!?まりざのおぼうじがあ゛あ゛あ゛ッ!!?」 何かがまりさの帽子に命中し、吹っ飛ぶ。 離れた場所に落ちる帽子。 「ゆ、ゆううう!!?」 ゆっくりにとっては命に等しい帽子。 これが無ければゆっくり出来なくなってしまう。 だが今取りに戻ったらまりさも穴が開いて死んでしまうかもしれない。 迷ってる暇はない。 「おぼうしはそこでゆっくりしてってね!!」 まりさは結局帽子よりも自分の命を優先した。 賢明な判断といえよう。 ただ…、 「ゆびょぉッ!!?」 戻ろうと戻るまいと、結局死ぬことに変わりなかったが…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「もくひょうにめいちゅうしたよ。これでみっしょんはしゅうりょうだね!」 「ゲラ!」 まりさが死んだ場所から直線上に胴付きゆっくりうどんげとゆっくりれいむがいた。 ゆっくりうどんげの手にはゆっくりうどんげ用のスナイパーライフルが握られ、れいむには双眼鏡を付けられていた。 そうあのまりさを含め、ゆっくり達を殺したのはこのうどんげ達だった。 「もうすぐさいごのしけんだね。きあいいれていくよ!」 「ゲラァ!!」 れいむの言葉に頷くうどんげ。 ここはゆっくりうどんげを一流のゆっくりすないぱーとして成長させる為の養成所兼実験場である。 ゆっくりうどんげのすないぱー技術などを使って遠方からドス等の人間に害を為しそうなゆっくりを人間に被害なく出来ないか? そういう考えが基で始めたのがすないぱー養成所だった。 この二匹はその養成所で飼育中のコンビだ。訓練も終盤に近付き、もうすぐ実戦に投入される予定だ。 「三発無駄弾を使ったな。それに最後のまりさを殺すのに時間がかかり過ぎだ」 「ゆ、ゆうう…ごめんなざいきょうかん…」 「ゲラ…」 二匹の成績を見て、教官らしき人間がうどんげ達の技量を判断する。 「ランクは一応Aだがもう少し精進しろ。もうすぐ卒業して実戦に投入するのだからな」 「ゆうぅ…わかりましたきょうかん…」 「ゲラ…」 あんまり芳しい結果ではなかったようだ。 それもそのはず、れいむ達はゆっくりを全滅させるのに時間が掛かりすぎた。 最後のまりさに至ってはわざと先に帽子を打ち抜いてまりさをいたぶって楽しんでいた。 教官が去った後、さっきまでの反省の色が嘘のように二匹は騒ぎ出す。 「まったくあのきょうかんはあたまがゆっくりしてないよ!くずはちゃんところしたんだからそれでいいはずだよ!」 「ゲラゲラ!」 上官の忠告など何処吹く風、この二匹は遠方から一方的に他者を殺せる自分達に酔っていた。 「こんなときはじしゅれんしてくずをころしてすっきりしようね!」 「ゲラ!!」 あくまですないぱー養成所で教えるのは効率のいいゆっくりの殺し方であり、殺しを楽しむなど以っての外なのだがこの二匹はそれがわからなかった。 慌てふためくゆっくりを何が起きているか理解出来ずに死んでいく。その滑稽さがとても好きだったのだ…。 自分達が神にでもなったかのような錯覚に二匹は気付く様子も無かった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「いまなんだぜ!」 「ゲラ!」 「どうじでごんなごどずぶのおなじゆっブベ!!?」 練習場にれいむとうどんげコンビが行くとそこにはゆっくりうどんげとゆっくり まりさがそこにいた。 「なにいってるんだぜ? くずがまりさとおなじわけないんだぜ」 「ゲラァ」 この二匹はれいむとうどんげコンビと同期であり、ライバルでもあった。 「ゆ!れいむたちがなんのようなんだぜ!!ここはまりさたちのものなんだぜ!!」 「ゲラゲラァ!!」 れいむとうどんげコンビに気付いたまりさとうどんげコンビが言い放つ。 「なにいってるの!ここはみんなのものだよ!!」 「ゲラァ!!」 それに対して反論するれいむとうどんげコンビ。 これはいつもの事だ。 「まりさたちもよくあきないんだね、わからないよー」 「ゲラ」 「あんないなかものはほっときましょ!」 「ゲラゲラ」 やれやれと言った感じで他のすないぱー候補生が自主練を行っている。 ここのうどんげ達はまず最初にそれぞれ専用のゆっくりとコンビを組む。 そして狙撃技術を高め、ゆっくり駆除という任務につくのだ。 もうすぐ七組のうどんげすないぱーが最終試験を迎える。 「がんばってとっぷでそつぎょうしてたくさんゆっくりしてないやつらをころそうね!!」 「ゲラァ!!」 れいむとうどんげ…沢山いるからこれをAとする、うどんげAは楽しげに笑い合った。 彼女達は知らなかった…。 最終試験がどんなものであるかを…。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ではこれより最終試験を行う」 教官らしき男性が控室で横一列に並ぶうどんげA~Gに告げる。 だが肝心のうどんげA~Gはあたふたと落ち着きがない。 パートナーであるゆっくりがいないからだ。 それを見越した教官は、 「安心しろ。パートナーなら別の場所にいる。今回はお前達だけで試験に当たってもらう」 と告げた。 「ゲラ!?」 うどんげ達はその言葉に安心と同時に不安になる。 今までともに頑張ってきた相棒抜きで最後の試験を受けなければならないのは心細いのだろう。 だが教官の命令は絶対だ。 異論を挟もうものならばどんなお仕置きが待っているかわからない。 「ではこれから任務の説明をする。今回の標的はこいつ等だ」 教官はそう言ってモニターのスイッチを押した。 「「「「「「「ゲラ゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!?」」」」」」」 そこに映された標的にうどんげA~Gは驚愕の叫びを上げる。 それを見て、今まで無表情だった教官は初めて愉快そうな笑みを浮かべ、 「これが、お前達の標的だ…」 と告げたのだった…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ゆ?ここどこ?」 目を覚ますとれいむは広い草原の上にいた。 これといって隠れる場所がない場所だった。 「ここはどこ?うどんげ、はやくおしえてね!!…あれ、うどんげはどこ?」 れいむは辺りを見回すが誰もいない。 四六時中一緒だった相棒のうどんげはいない。 れいむには訳が分からない。 何故自身がこんな場所にいるのか? どうしてうどんげがいないのか? 訳の分からない事だらけだ。 れいむは確かにうどんげと一緒にお部屋で寝ていた筈だ。 それなのに今ここにいる。 暖かいお布団も何もない。訳が分からない。 れいむは混乱していた。 すると、 「れいむがいたんだぜ!!」 後ろから声が聞こえてきた。 れいむが振り向くとそこには自分と同じように最終試験を受ける筈だったうどんげの相棒の六匹がいた。 まりさ、ちぇん、ありす、みょん、ぱちゅりー、胴無しきめぇ丸がいた。 きめぇ丸は同じ養成所のゆっくりを攻撃しないように飼育されている為誰も危機感を感じていない。 「れいむ!ここはどこなんだぜ!?」 まりさがれいむに突っ掛かる。 「しらないよ!!まりさこそここがどこかおしえてね!!」 「おお、やはりやはり」 「むきゅ、ここにいるのはぱちぇたちだけみたいね」 「わからないよーしけんがもうすぐはじまっちゃうよー!」 「そうだみょん!はやくうどんげのところにもどらないとたいへんだみょん!」 「とかいはなうどんげならだいじょうぶだとおもうけどありすがいてあげたほうがいいわ!」 各々が好き勝手くっちゃべる。 だがわかる事は一つ。 今状況を説明出来るものはいないという事だ。 「むきゅ、とりあえずどうしてぱちぇたちがここにいるのかみんなわからないのね」 「そうなんだぜ!!こんなところであぶらうってないではやくしけんにいかないといけないんだぜ!!」 「そうだよ!こんなとこにはいられないよ!!」 「しかたないわ。とりあえずきょうりょくしてもどりましょ」 「それが妥当でしょうね。 おお、協力協力」 ライバル同士ではあるが最終試験当日である今日、その会場に早く戻りたい気持ちの方が強かったようで、意外にあっさり協力する事になった。 「でもどうするみょん?みょんたちはいまどこにいるかもわからないみょん」 「そうね、だれかとかいはなあんはないかしら」 「では、私が空を飛んで確認いたしましょう」 きめぇ丸が周囲に告げる。 「むきゅ、それはめいあんね!」 「わかるよーそらからならよくみえるんだねー♪」 周りも異議はなく、その方針で決まったようだ。 胴有りのきめぇ丸は飛べるが胴無しも飛べるようだ。 「それではいきます」 そう言ってきめぇ丸は飛びます。 そのスピードはあまりゆっくりしているとは言えないが今は一刻も早い帰還を目的としていたので誰も何も言わない。 「おお、高い高い」 地面にいるバスケットボール大のゆっくり達がソフトボール位の大きさに見える高さまで飛ぶと、きめぇ丸が空から周囲を見回しはじめる。 「おや、あちらの方に建物がありますね。 あれは…私達のお家ですね。おお、発見発見」 どうやらそう離れた場所ではなかったようだ。むしろどうしてすぐに気付かなかったのだろうと思うほどの距離だった。 「おお、これで帰れますね。おお、安心安心」 帰還の目途がついたきめぇ丸は一安心する。 …それがきめぇ丸の最後の安息だった。 次の瞬間、あまりにも突然に、きめぇ丸の右側頭部が吹き飛んだ。 「…ひゅご……!!?」 きめぇ丸には何が起きたかわからなかった。 突然何の前触れもなく与えられた致命傷。 飛ぶ事等出来る訳もなく地面に落下していく。 べしゃり、と地面にキスをするきめぇ丸。 その一部始終を見ていたれいむ達も現状を理解出来ない。 「ひぎぃ…は、はひゅ…!?」 結構な高さから落ちたにも関わらずまだきめぇ丸は死ねなかった。 残り一つとなった眼球でれいむ達を見つめる。 「だ…だひゅへ…」 半分になり、閉じる事も出来なくなった口から精一杯助けを求めようとするきめぇ丸。 きめぇ丸自身は気付いていない。 自分の傷が手の施しようもなく酷い事、そしてその傷がかつて自分が指示し、相棒が狙撃で仕留めてきたゆっくりと全く同じだったという事に…。 「お…お…じにたぐ…じに…な…」 きめぇ丸はくるんと目を白目にして息絶えた。 最期まで自分がどうしてこうなったか、何で死ぬのか、わかりはしなかった…。 そう…自分達が射殺したゆっくりと同じように…。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?」 「な゛に゛ごれ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!!?」 「むっぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ッ!!!?」 「ぢい゛んぼお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ!!!?」 「わがらな゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ!!!?」 「なにがおごっだんだぜえ゛え゛え゛え゛え゛ッ!!!?」 それぞれの阿鼻叫喚の様子を見せるゆっくり達。 それはそうだ。 突然空から周囲を見回していたきめぇ丸が死んだのだ。 冷静でいられる訳がない。 「わがらなあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 狂乱して駆け出すちぇん。 通常種の中ではトップの素早さを持つちぇんの速さでどんどん他の五匹と距離が離れていく。 だが気が動転しているちぇんは気付かない。 そして、 「わぎゃあ゛あ゛ッ!!!?」 ちぇんのネコミミの右と頭の一部が吹き飛んだのだった…。 きめぇまる 死亡〔残り6匹〕 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 約一時間前…。 モニターに映るのはす~やす~やしている相棒のゆっくり達。 教官はそれを今日の標的と言い放った。 「ゲラァ!!?」 まりさの相棒であるうどんげBが教官に苦情を声をあげる。 だが教官はそんなもの取り合わない。そもそもなんて言ってるんだかわからない。 だから教官は無視する。 「見ての通り、こいつ等はお前等の相棒のゆっくりだ。こいつ等を仕留めた奴だけが実戦投入を許される」 「ゲ、ゲラァ…」 ちぇんの相棒のうどんげCが戸惑いの声をあげる。 「誰が私語をしといいと許可をした?」 「ゲラァ!!?」 教官はホルスターからハンドガンを取り出してうどんげCの足の間のスペースに発砲した。 「ゲ、ゲラァ…」 その教官に発砲されたショックでうどんげCはおそろし~し~をしながら座り込 んでしまう。 「次に無駄話をしたら頭を撃ち抜くからな」 教官に銃口を向けられたうどんげCはコクコクと頷く。 教官はそれを確認するとハンドガンをしまい、説明を再開した。 「お前達に与えられる弾数は七。 標的を射殺して得られる得点は自分の相棒は三、それ以外は一、合格点は四だ。 厳密、自分以外のうどんげや俺への発砲は強制的に不合格だ」 教官は淡々と告げる。 「今回は相棒がいないので自力で捜してもらう。わかったな?」 「「「「「「「…………………………」」」」」」」 「返事がないという事はわからないという事か?」 教官はハンドガンを取り出してうどんげ達に向ける。 「「「「「「「ゲラア゛ア゛!!!」」」」」」」 殺される!と直感したうどんげ達は一斉に返事する。 「わかったのなら射撃場へ向かって準備しろ」 教官はそう言うと告げると控室から退出していった。 「ゲ、ゲラ…」 「ゲラァ…」 突然ずっと一緒だった相棒を殺せと言われてはいわかりましたと言える訳がない。 だがさっきの教官が本気であったのは全てのうどんげが理解していた。 逃げる事等出来はしない。 居場所はここにしかないのだから…。 うどんげ達は結局…教官の言う通りに行動した。 それ以外の生き方を知らない彼女達にはそれしかなかったのだった…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「に゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?わがだな゛いよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 右のネコミミと頭の一部が吹っ飛んだちぇんは泣き叫ぶ。 その傷は自分の顔の一部をあげたアンパ○マンのようだ。 ちぇんには訳が分からなかった。 きめぇ丸が死んで、逃げ出したら今度は自分の一部が吹き飛んだ。 「むきゅ…まさか…」 「とかいはじゃないわ…」 しかし、ちぇんときめぇ丸の例から他のゆっくりは現状を理解し始めた。 だが皆それを否定しようとしている。 嘘だと願っている。 「もしかして…れいむたちがひょうてきになっちゃったの…?」 れいむは正解を導き出していた。 だが即座にそれを否定する。 そんな筈がない。自分達はあんなクズな奴等とは違う、選ばれたゆっくりなんだ! …そんな幻想がれいむ達を現実から逃避させていた。 しかし、 『これじゃ試験にならないな』 いきなり何処からか教官の声がした。 ただ単純に拡声器から出しているだけなのだが拡声器自体を知らないゆっくり達 には何処かに教官がいると勘違いした。 「きょうかんのじじいのこえがしたんだぜ!!?」 「むきゅ、ゆっくりしないでぱちぇをたすけてね!!」 「とかいはならありすをたすけるべきよ!!」 「れいむをはやくたすけてね! ぐずはきらいだよ!!」 「ちいんぽおおおおおおおお!!!」 「わぎゃだな゛いよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 それぞれの反応を示すゆっくり六匹。 教官はそれに気にもせず話を続けた。 『よし…聞こえているようだな。ならさっさと済まそう。お前達、そこでうどんげに撃たれて死ね』 「「「ゆ?」」」 「むきゅ?」 「みょん?」 「いだいよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 その言葉にれいむ達は理解出来なかった。 なにいってるの? どうしてれいむがしななくちゃいけないの?ばかなの?しぬの? れいむはとくべつなんだよ。 そこらへんのくずとはちがうんだよ。 だからたすけないと…。 そこから先は考える余裕は無かった。 何故なら、 「ゆに゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 ちぇんの無事な方のネコミミが吹き飛んだからだ。 またやって来た何か…いや、もうそれが何なのかれいむ達にはわかった…。 かつて自分達が指示し、標的となったゆっくりを殺す、うどんげの放つ銃弾。 先程までと違いより現実味を持ってしまった標的にされたという答え…。 『これからうどんげ達がお前等を狙撃する。死にたくないのならせいぜい足掻け…。お前達が特別なゆっくりなら生き残ってみせろ。ただのゆっくりと同じならただのゆっくりと同じように死ね……さぁ、最終試験の再開だ』 「にゃぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぶべ!!?」 そして…否応なしに狩られる側だという事を知らしめるが如くにちぇんの身体に風穴があく。 それは同時に最終試験の開始のホイッスルとなったのだった…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 最終試験が始まったばかりの頃…。 横一列に並ぶうどんげ達は自身の狙撃銃に付いたスコープで獲物を捜す。 まだうどんげ達は半信半疑だった…。 教官が冗談を言っているのだと無理矢理に自分を納得させていた…。 しかし、それが現実逃避でしかないのも理解していた。 だがうどんげ達は言われた事をするしかない。 元より選択肢なんてないのだ。 今は獲物…となった相棒達を捜すのが先決だ。 見つけた後の事は考えないようにして、ただ捜すのみだ。 そして、それは思いの外早く見付かった。 それはそうだ。 あまりにも無防備にそらをきめぇ丸が飛んでいたのだから…。 「見付けたようだな…」 双眼鏡も何も付けていないのに…きめぇ丸の事に気付く教官。 そしてうどんげ達の反応からそれを発見したという事に気付いていた。 「見つけたのなら早急に射殺しろ。相棒ならば三点だ。それ以外は一点…ここで相棒のゆっくりを逃すと合格は難しくなるぞ」 教官は淡々と告げる。 冗談だ、とは言ってくれない…。 しかし誰も引き金を引けない。 相棒であるうどんげGは勿論の事、他のゆっくりもライバルとはいえ同じ鍛練を重ねてきたゆっくりを殺すのに抵抗があるようだ…。 すると、 「ああ…そうかペナルティの説明をしていなかったな…だからそんな余裕なんだな…」 何時までも撃たないうどんげ達に男は告げた…。 「この最終試験の不合格者は…粗悪品とみなし、処分する…つまりは殺すという事だ。覚悟しろ」 ペナルティという名の死刑宣告を…。 「ゲラァ!!?」 突然言われた殺す宣言。 いつも殺す側だったうどんげが殺されるかもしれない側となった事に現実感を感じられなかった…。 「ちなみに俺は嘘を言うつもりはない。不合格者には死んでもらう。あと、もし俺に危害をくわえようとするならばそいつも強制的に不合格となるので覚悟しろ…」 教官はそう言いながらも手に持つハンドガンの引き金から指を離さない。 敵対すれば即座にそれでうどんげ達を殺すのだろう…。 「撃たないのか?」 突然教官はうどんげGに問い掛ける。 あまりに無防備に空を飛ぶきめぇ丸。 ていのいい的だ。 まだ野生のゆっくりの方が周りを警戒している。 あれを撃ち抜くなど造作もないだろう…。 だが…、 「撃たないのか?それとも撃てないのか?」 「ゲ、ゲラ…」 うどんげGは小刻みに震えていた。 顔は青ざめ、恐ろしくて教官の方を見る事も出来ない。 「撃たないのなら…お前の合格する可能性は格段に低くなるぞ…」 相棒のゆっくりはそれぞれ違う。 三点という高得点を逃してしまえば合格の可能性はかなり低くなってしまう。 標的は七匹。合格点は四点。 相棒の三点を逃してしまえば四匹射殺しなければならない。 しかしそれは半分以上殺さなければならなくなる。 余程の実力の差がない限り合格は不可能となってしまう。 この最終試験でやらなければならないのは相棒の射殺、そして誰かの相棒を殺して同じうどんげに死刑宣告を告げなければならないという事だ…。 それを考える余裕は今のうどんげ達には無いが、一つだけわかる事がある。 やらなければ…殺される…。 「ゲラ…ゲラァ…」 「撃たないんだな?なら、お前はもうおしまいだ」 「ゲラァ!?」 うどんげGに対して告げられる教官の「おしまいだ」発言。 それはうどんげGには死刑宣告のように感じられた。 死にたくない。 初めて命の危機を感じたうどんげGに走る死の恐怖。 生の欲求。 野良や野生ならば誰もが勝ち取ろうと足掻くもの…。 今初めてうどんげGはそれを理解した。 しかし、ずっと共にいた相棒を殺すなんて出来ない。 今まで沢山のゆっくりを狙撃で射殺してきた。 だがそれと相棒のきめぇ丸は違う…。 大切な存在だ…けどやらなければうどんげ自身が死ぬ。 それは…嫌だった…。 自分の為に相棒を殺すか…相棒を殺さずに共に死ぬか…二つの選択肢しか無かった…。 そして、その葛藤は思わぬ形で終わりを告げた…。 「ゲラ?」 銃声が響いたと思ったらきめぇ丸の右側頭部が吹き飛び、地面に落下していく。 教官を除いた誰もがそれに呆然とする。 一瞬、何が起きたか理解出来なかった。 「それでいい」 ただ一人、教官だけがうどんげGに告げて離れていく。 「ゲ…ゲラ?」 うどんげGは自分の持つ銃を見る。 硝煙の臭いから自分の銃から弾丸が放たれた事を理解せざるをえない。 自分が殺した…。 いつも共にいた相棒を…自分の手で…。 呆然とした手で無意識に天秤にかけて自分の命を優先させた…。 いくら無意識とはいえあんな風に撃たれたゆっくりはまず助からないという事をうどんげGは理解していた。 「ゲラ…ゲラ…」 糸の切れたマリオネットのように俯いたままうどんげGは動かない。 だが突然、 「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」 突然狂ったようにうどんげGは笑い出す。 おそらく精神が耐えられなかったのだろう…。 「ゲラ…」 「…ゲラァ」 他のうどんげ達はそれに恐怖し、ただただ呆然と見ていた。 しかし、 「余所見をする余裕がお前達にあるのか?」 教官の鋭い視線で我に返る。 教官の片手に持つハンドガンは何時でもうどんげ達を撃ち殺せるようになっている。 銃を持つものであるうどんげ達には銃を恐ろしさを嫌という程知っている。 うどんげ達に今の状況を打開するような名案は思い浮かばなかった…。 「ちぇんが逃げ出したみたいだな。お前は撃たないのか?」 「ゲラアァ!!?」 ちぇんの相棒であるうどんげCが助けを求めるような顔で周囲を見る。 「ゲラ…」 「ゲラァ…」 「ゲララァ…」 しかし誰もうどんげCとは目を合わせない。 明日は我が身なのだ。 一匹で身を潜めていればよかったのだがれいむ達は一箇所に固まってしまっていた。 だから全てのうどんげが相棒の姿を見付けてしまったのだ。 見つけたのなら撃ち殺さなければならない。 今は動揺して一匹暴走しているちぇんに教官が意識を向けているがいずれ自分達 にも番が来るのを理解していた。 だからうどんげCを助ける事なんて出来る訳無かった。 「ゲ、ゲラァ…」 カタカタとうどんげCが持つ狙撃銃が震える。 カチカチと歯が震える音も響く。 「撃たないのか?」 教官は問う。 さっきの焼き直しだ。 しかし、 「ゲラ…」 涙ぐむ目を閉じ、うどんげCは首を横に振った。 「撃たないんだな…」 「ゲラ…!!」 顔は蒼白し、恐怖に歪みながらもうどんげCは相棒を殺さない道を選んだ。 「そうか、それはこの試験を放棄したと考えていいんだな?」 教官の冷たい視線がうどんげCを射抜く。 「ゲ、ゲラ…」 しかしうどんげCの意志は固かった…。 恐怖しながらも教官を真っすぐに見据えた。 そして、 「ゲラ」 うどんげCは狙撃銃を教官に向けた。 完全な敵対行為…。 人間の保護下にいるゆっくりが絶対にしてはいけない行為だった。 「ゲラァ!!?」 「ゲラゲラ!!!」 笑い声に聞こえるが他のうどんげ達もうどんげCの行動に驚きを隠せない。 「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」 狂ったように笑い続けるうどんげGの笑い声だけが場に響く。 「それが答えなんだな…」 教官は銃口を向けられながらも表情を一切変えない。 「ゲラ!!」 目に涙を浮かべながらもうどんげCは銃口を向けたままだ。 ゆっくり用とはいえ至近距離で撃たれたらひとたまりもない。 だからこそ厳正な審査が必要なのだ。 それはさておき本来なら危機的状況。 なのに教官は冷や汗一つ流さない。 「仕方ないか…」 教官はハンドガンを斜め上方へ向ける。 うどんげCにはその行動の意味がよくわからない。 そんな事してもうどんげCにも向こうにいるゆっくり達にも届きはしない。 「ゲラアア!!!」 うどんげCはハンドガンを捨てるように叫んでいるのだろう。 教官も雰囲気でわかる。 だが教官は眉一つひそめず、 「お前に一つ…最後の教訓を教えよう…」 淡々とした口調で告げる。 「ゲラ!!」 自分が銃を向けているのに一切恐怖する様子もない教官にうどんげCは得体の知れない気味の悪さを感じていた…。 他のうどんげ達はそれを遠目に見るしか出来ない。 うどんげCが教官を倒せば相棒を殺さずに済むかもしれない…しかしうどんげCに協力して失敗した場合は自身も粛清されてしまう。 それは嫌だった。その結果が見ているだけという行動だった…。 それを理解しているのか教官は他のうどんげ達に見向きもしない。 いやうどんげCにすら見向きもせず、ただ呟いている。 「心に刻め…お前が最後に学ぶ知識だからな…」 教官はそう告げた直後斜め上方へ向けて発砲した。 「蛮勇では…何も救えない…」 そう言いながら上方へ向けて発砲した。 撃った方角の直線上にはゆっくり達がいたが、少なくとも距離は300m以上。 ハンドガンで届くような距離ではない…筈だった。 「ゲラアァ!!?」 それは神業というより悪魔の所業だった。 当たる筈が無い。 少なくともそこにいるうどんげGを除くうどんげ達全員がそう思った。 しかし、教官の放った弾丸は遠く離れた位置にいるちぇんに命中させた。 それは一朝一夕で…いや一生かけても常人じゃ出来ない芸当だ。 だがそれを教官は何食わぬ顔で行った。 ハンドガンでも威力は下がるが放物線を描けば飛距離は伸びる。 しかしそれを故意に行う等不可能に等しい。 だがやった…それが全てだ…。 「ゲラ…」 うどんげCが思わずちぇん達のいる方向に意識を向けてしまった。 それは僅かな隙、だが教官からすればあまりにも大きい隙だった。 気が付いた時にはうどんげCの持つ狙撃銃は宙を舞っていた。 教官が蹴り上げたのだ。 「ゲラ?」 「不合格だ」 うどんげCが反応するよりも早く教官はハンドガンをうどんげCに向け、 「ペナルティとして自分の手で何もかも失え」 うどんげCの両足を撃ち抜いた。 「ゲラアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?」 自分の両足を撃たれたうどんげCは立つことも出来ずに地面にはいつくばる。 そんなうどんげCを尻目に教官は自分の足で蹴り上げた狙撃銃を拾う。 「これは近距離で使うものでは無い位わかってるよな?」 「ゲラア!!?ゲラア゛ア゛ア゛!!!」 大粒の涙を流して泣き喚くうどんげC。 「わかるか?それがお前が今まで他のゆっくりに与えてきたものだ。よく噛み締めろ」 教官はうどんげCに一方的に告げながら狙撃銃をうどんげCに持たせる。 「ゲラアアアアアア!!?」 今まで痛みとは無縁だったうどんげCには耐え難い激痛に泣き叫ぶしか出来ない。 「ゲ、ゲラ…」 「ゲラアゲラァ…」 周囲のうどんげ達もあっという間にうどんげCを無力した教官に恐怖して近付こうとしない。 「これじゃ試験にならないな…」 撃つ様子のないうどんげ達に、動揺してあたふたしているだけのゆっくり達。 これでは試験にもなりはしない。 「仕方ない…」 教官はそう言って拡声器を持ってれいむ達に告げた。 死の宣告を…。 当然納得してくれる訳が無い。 だから教官は、 「いいか?これが最後のレクチャーだ。しっかりスコープで標的を確認するんだ」 無理矢理うどんげCに銃を構えさせ、射撃体勢をとらせる。 「ゲ、ゲラ!!ゲラァ!!」 うどんげCは暴れるが教官はしっかりとうどんげCを抱え込み、微動だにさせな い。 「風向き、風量、日光に気をつけ…」 「ゲララァ!!?」 「標的を撃て」 教官はうどんげの指に覆い被せる形で発砲した。 スコープ越しにちぇんの無事な方の耳が吹き飛ぶのをうどんげCは否応なく見せ 付けられた。 「ゲラ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!?」 泣き喚くうどんげC。 しかし教官はしっかりとうどんげCを押さえ付けて身動き出来なくさせる。 「ゲラ!!ゲラアア!!!」 うどんげCは許しを乞うているのだろう。 言葉が通じなくても教官にはわかった。だが教官はそれを無視する。 教官はうどんげCを押さえ付けたまま、拡声器で標的であるゆっくり達へ告げる。 「死にたくないならせいぜい足掻け…。お前達が特別なゆっくりなら生き残ってみせろ。ただのゆっくりと同じならただのゆっくりと同じように死ね……さぁ、最終試験の再開だ」 そして、 「ゲラアアアアアアアアアアアア!!?」 うどんげCの指の上から押し付けるように、教官はちぇんを殺す弾丸を発射した…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ゲラ…ゲラァ…」 相棒を死なせ、泣き崩れるうどんげC。 「さて…次はお前の番だ」 「ゲラ!?」 うどんげCに拳銃が突き付けられる。 「ゲラ…」 「言っておくが“不合格”は覆らない…じゃあな」 「ゲラア…!!?」 何かを叫ぼうとしたうどんげCに教官は迷い無く引き金を引いた。 直後、うどんげの左腕が吹き飛んだ。 「ゲラアアアアアアア!!?」 その光景に周りのうどんげ達が悲鳴を上げる。 うどんげCはそのまま地面に倒れ込む。 「ゲ、ゲラ…」 まだうどんげCは生きていた。 正確にはまだ死んでいないだけの話だが…。 「お前達もよく見ておけ…これが不合格者の末路だ」 教官はうどんげCの耳を掴み、持ち上げてぶら下がらせる。 「ゲ…ゲラァ…」 足は撃ち抜かれ、左腕はもう無い。 動く事さえ出来ず右腕で銃を払いのけようとするが無駄な足掻きだった。 「じゃあな」 「ゲラアアアアアアアア!!?」 教官はそんなうどんげCに対して何の表情の変化も見せずにうどんげの口に銃を突っ込み、発砲した。 「ゴヒュ…ヒュホ…」 だがうどんげCはまだ生きていた。 口が穴へと変化してはいるが…。 もはやうどんげCは声を出す事も出来ない。 そして、穴が開いた事によりうどんげCの皮が胴体部分を支えきれなくなった。 ブチブチと自重に耐えられなくなり分かれ始める。 「………!?………!!?」 目から大量の涙を流し、痛みに声にならない声で喘ぐうどんげC。 これならいっその事頭を撃ち抜かれた方がよっぽど幸福だったのかもしれない…。 そして、ブチリとあまりにも呆気なくなんの抑揚も何も無く地面に口から下が地面に崩れ落ちる。 うどんげCの口から上は白目を剥いてビクンビクンと痙攣している。 「さて…試験は始まったばかりだ…」 教官はうどんげCの残骸をどうでもよさそうに捨て、いつの間にか痙攣が止まって絶命したうどんげCの口から上の部分を踏み潰した。 不合格者はゴミ同然と言っているようなものだった…。 「さぁ、残り五体しかいない…不合格になりたくなければやる事だ…」 教官は銃から手を離さぬままうどんげ達に告げたのだった…。 ちぇん 死亡 〔残り5匹〕 うどんげC〔相棒ちぇん〕 不合格 現段階合格者0名 続く あとがき 希少種愛で?なにそれゆっくりできるの?おいしいの? と、いうわけで性懲りも無く再び長編にチャレンジ。 例によって人間がチートです。 銀バッジまりさの時とは違い、半分以上は書き上がっているのでそう待たせる事はなさそうです。 それでは、今回このSSを読んで頂き誠にありがとうございました。 過去に作ったSS ふたば系ゆっくりいじめ 293 おかざりがないとゆっくりできないよ! ふたば系ゆっくりいじめ 311 きゃわいきゅっちぇぎょめんにぇ!! ふたば系ゆっくりいじめ 347 れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!! ふたば系ゆっくりいじめ 397 大好きだよ ふたば系ゆっくりいじめ 447 おきゃあしゃんのおうちゃはゆっきゅちできりゅね! ふたば系ゆっくりいじめ 521 元銀バッジまりさの末路 上 ふたば系ゆっくりいじめ 543 元銀バッジまりさの末路 中 ふたば系ゆっくりいじめ 630 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 上 ふたば系ゆっくりいじめ 631 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 下 ふたば系ゆっくりいじめ 669 おうちのなかでかわれなくてごめんね!! ふたば系ゆっくりいじめ 677 元銀バッジまりさの末路 下 ふたば系ゆっくりいじめ 750 あまあまおいてさっさとでてってね!! ふたば系ゆっくりいじめ 803 雨の日はゆっくり遊ぼう ふたば系ゆっくりいじめ 882 すっきりしたいわあああああ!! ふたば系ゆっくりいじめ 919 元銀バッジまりさの末路 終の1 ふたば系ゆっくりいじめ 920 元銀バッジまりさの末路 終の2 ふたば系ゆっくりいじめ 949 切断マジック(?) ふたば系ゆっくりいじめ 977 ゆっくり祭『どんど焼き』 天然あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ゲラの死に方がエグい。 -- 2015-08-24 21 56 14 ↓いい知識してんな。詳しくしりてぇ。 -- 2013-03-07 21 20 35 300mって・・・・・・・エリートでもハンドガンだと精密射撃できるのはせいぜい50m・・・ ハンドガンだと当たるどころかとどかんだろ -- 2012-07-26 18 05 55 おもしろくないなあコレ -- 2012-03-10 00 29 00 教官すげぇ・・・。個人的にはゲラよりうさの方がよかった。 -- 2011-11-26 04 42 06 あほみたいな人間だな -- 2011-08-09 17 03 46 チート過ぎるだろ・・・? この人間さんは・。 -- 2010-12-19 04 52 49
https://w.atwiki.jp/ksnoob/pages/15.html
「訓練所」所属メンバー 教官 役職 ネーム SD 指導可能兵科 使用武器 メイン階級 備考 ログイン時間 教官 Lj_jfjl 1,76 RM M4・HK 大尉 新武器用に育ててたアカをそのまま使用 平日1800~2500の間で1~2時間・休日気が向いたら 教官 でろでろ 1,95 少尉1 協力できたらと思いました 教官 N0nkE 2,02 PM・RM・SR kriss/MP7・M4/HK・TPG 大尉3 上手くなりそうな人がいればお持ち帰りも考えてます 20~26で2時間ほど 訓練兵 住所 整理番号 SD 得意兵科 使用武器 階級 備考 ログイン時間 1未満ch xpehota 0,46 軍曹2 敵が出てきてもパニックにならずに冷静に弾を当てたい 1,5未満ch SD1.00 1,04 二等兵 少人数でも安定してK>Dになってみたい 1,5未満ch・一般 ドント 1,19 軍曹1 落ち着いて初弾HS出来るようになりたい 1,5未満ch・一般 井上トロ男 1.00 軍曹5 楽しそうだからきました 平日21~24・休日12~24
https://w.atwiki.jp/arch_06/pages/91.html
日本の建築と都市1E 講義データ 曜限 月曜2限(10 15~11 55) 教室 工学部1号館12号講義室 教科書 評価方法 出席及びレポート 教官 各教官 試験・レポート・課題情報 全教官の中から3人選んで、その先生が課したレポートを提出すること。 口コミ情報 授業は英語で行います、といっても内容はそう難しいものでもありませんが。 名前 コメント すべてのコメントを見る