約 918,724 件
https://w.atwiki.jp/ekkusuz2/pages/101.html
戦いっていうのはいつも非常なものだ。 誰かが勝つかわりに誰かが負ける。それは当たり前のこと。 だがまぁ…こんなことになるとはな。 デジタルバスター外伝 星の戦士たち 第ニ章 牡牛座 「いや、しかし先にお前と合流できてよかったよ」 とある山岳地帯を獣人と馬人が歩いていく。 獣人の名前はタウラスモン。巨大な体と太い角をもつ。 彼はまだ半人前のころから戦士の一員として戦ってきた。 今回は各地に散らばっていた仲間を集めるために旅をしている。 道中合流できたサジタリモンと共に現在ジェミニモンの下へと向かっていた。 「しかしジェミニモンは何処にいるんだ?」 「あぁ…聞いた話によるとだな、何でもこの先の洞窟で一人精神修行をしてるんだと」 「なるほどな…僕はあまり知らないのだが、ジェミニモンはいつもそうなのか?」 「そうだな。いつも仮面を付けてて何考えてるのかさっぱりだ。そういう点ではアリエスモンと似通ってるかもな」 そう、これから合流しようとしているジェミニモンは一言で言えば変人だった。 仮面を付けているために表情もわからず、めったに姿を見せない。 そんな奴だがスターレジェンズの最初期の一人であるという。 彼が一体何なのかは誰一人としてわからなかった。 「ま、あいつはあいつでいろいろと考えがあるんだろ」 それでも彼はそんなジェミニモンを気に入っていた。 彼とジェミニモンには深い関係があった。 夜も遅くなったため、二人は近くの町で宿をとることにした。 宿の主は快く引き受けてくれたため、いい部屋に泊まることができた。 「明日になれば合流ができる。その後は急いで集合場所に行かなくちゃな」 「そうか…休まる暇もないな」 「そうは言っていられんだろう。これは最終決戦の準備なのだからな」 現在例の子供達がある拠点を制圧するために向かっているらしい。 そのため決戦の日が近いのだそうだ。 まぁ彼等なら大丈夫だろう。問題は彼等に何処まで戦わせるかだ。 彼等は確かに強力な力を持つ。それは認める。だが… 「なぁサジタリモン。お前剛輔と会ったんだったな」 「あぁ、少々危険な状態だったからな…似合わない説教をしてしまったが」 そう、彼等はまだ子供だ。そんな子供に何処まで戦わせるか。 やはりカオスモンとの決戦では我々が戦った方が… 「タウラスモン?」 「あ、あぁなんでもない。とにかく休めるときに休んでおかないとな」 そういって彼は眠ることにした。 とてつもない轟音で、彼等は目を覚ます。 「な、何だこれは…」 「とりあえず外へ…」 二人は外に出る。その先は… その先は地獄だった。 燃え上がる炎。逃げ惑う町民。泣き叫ぶ子供。 まさに地獄と言っていいほどの状況だった。 そしてその地獄の中心。そこには予想外の人物が立っていた。 「…ジェミニモン。何故お前がそこに…」 仮面を付けた天使、ジェミニモン。 先の洞窟にいるはずの彼がそこにいた。 「まさか…これは貴方が?」 「そうだとしたら…どうする?」 彼はあくまで優しく答える。 その声に殺気は無かった。 「だとしたら…ここで倒す!」 「まてサジタリモン!」 飛び掛ろうとしたサジタリモンをタウラスモンは制す。 「何故だ!ここで奴を倒さねば…」 「サジタリモン!この状況を無視して戦うか!」 サジタリモンはその言葉にハッとする。 この地獄をそのままにしておくわけにはいかない。 とにかく人々を助けなければ。 「だ、だが奴は…」 「心配するな。俺が相手をしてやる」 そうしてタウラスモンは彼と向き合う。 彼が今どういう表情をしているのか。それは仮面で見えない。 「ふぅん…なるほどね。つまり…君が残って戦うということか」 「た、タウラスモン…」 「お前は町の人々を助けてやってくれ。あいつは俺が!」 その瞳には強い意志が感じられた。 その意志を感じたサジタリモンは町の方へと駆けていった。 そしてその場には仮面を付けた天使と大きな体の獣人が残った。 「…本当にいいんだね?」 「あぁ…覚悟は出来てる」 そう、俺ではあいつには勝てない。 それは初めて会ったときから知っていた。 あいつの力は桁違いである。 だが、ここで退くわけにはいかなかった。 俺はあいつと向き合わなければならない。 そんな気がした。 まだ彼がスターレジェンズになる前。 どんな偶然か彼はジェミニモンと会っていた。 ジェミニモンはその場に立っているだけだった。 「あんた…何してんだ?」 彼は尋ねた。 ジェミニモンは答える。 「そうだね…命の流れを感じていたんだ」 最初はそれだけ。たったそれだけのこと。 それだけで彼はその力を感じ取っていた。 そうして彼に目標が出来た。あの天使に少しでも近づきたいと。 「ぐぅ…」 タウラスモンの体はすでにボロボロの状態だった。 そしてジェミニモンは全くの無傷。 力の差は歴然だった。 「なかなか強くなったけど…まだまだだね」 「うるせぇんだよ…」 タウラスモンはゆっくりと立ち上がる。 彼はまだ諦めてはいなかった。 「どうせやられるんだったら…腕の一本は持ってかねぇとな…」 そして再び飛び掛る。だが… ジェミニ「…弾けろ」 また波動によって吹き飛ばされる。 彼はジェミニモンに一歩も近づけずにいた。 「はぁ…はぁ…」 だが彼は立ち上がる。諦めることなく向かっていく。 「ヘッ…行くぜ!」 ジェミニモンは波動を飛ばす。だが彼は一歩も引かない。 彼はそのまま近づいていく。 「え…」 「貰ってくぜ…『グレートホーン』!」 大きな体がジェミニモンに迫っていった。 「ガハッ…」 彼はその場に倒れ伏せる。もう動けない。 消えるのも時間の問題だった。 「はぁ…まさか、本当に腕を持っていくとはね…」 その天使の右腕は千切れていた。 あの一瞬で右腕を飛ばしていたのだ。 「ヘッ…言っただろう?俺は言ったことは守るんだ…」 「そうだね…でも、何故君が残ったんだ?どちらかが残っても結果は変わらなかっただろう?」 天使には依然として殺意が感じられない。 「あいつは…まだまだ伸びる。ここで終わらせるわけにはいかなかっただけだ」 「そう…じゃ、さよなら。君と戦えてよかったよ」 そうして宣言を果たした戦士は静かに消えていった。
https://w.atwiki.jp/onjpawapoke/pages/390.html
あらすじ めぐみと知り合い、試合と秋キャンプで大活躍して実力が認められ、契約更改を無事に終えたパワポケ。 そして春キャンプ。天才投手にしてオーナーの息子である大神が入団。 パワポケは一軍に上がるためには、北条監督にアピールする必要があると教えられ、 今度は北条監督へのアピールを始める。しかし、この頃から小杉がスランプに陥り成績が急降下。 さらにファンに対して暴力事件を起こし、謹慎処分となってしまい評判を落としていく。 パワポケは試合で大活躍して2年目での自分の存在感を示せるのか? パワポケはめぐみと初詣に行き、大吉を当てた。 そして春キャンプ天才投手にしてオーナーの息子である大神が入団し、 パワポケはベテランをゴミのように扱われることに不満を抱く水木たちに それでもみんなで一緒に練習するように励ました。 そして2月2週...パワポケは一軍に上がるためには、 北条監督にアピールする必要があると古沢監督に教えられ、練習をがんばるのだった。 そして3月4週... 古沢監督「おい、パワポケ。いい話があるぞ。」 パワポケ「なんですか、古沢監督。」 古沢監督「おまえ、一軍に昇格だ。」 パワポケ「ええっ?!」 古沢監督「がんばれよ!」 パワポケ「ありがとうございます! ......。俺は、小杉だったときは最初からずっと一軍だったから、 こういう感動は初めてだな。よーし、がんばるぞ!」 一軍に昇格した! 2年目 4月2~3週、パワポケは大神の部屋を訪ねる。 そして4週で野球のために遠くの学校へ行ったと質問した後、差し入れのことを聞き、 大神と一緒に全力で練習をした。 2年目 4月4週 練習後 凡田「小杉選手、3試合連続で初回降板だそうでやんすよ。」 パワポケ「え?」 凡田「スランプなんでやんすかねぇ。」 水木「おいおい、それどころじゃないぞ。さっき入ったニュースだと、 ファンとケンカして相手を殴ったらしいぜ。」 凡田「えっ? それじゃ、しばらくの間 出場停止でやんすかね。」 水木「まあ、最近いい気になって態度が悪かったらしいしな。いい気味だぜ!」 パワポケ「(このままだと小杉のイメージがどんどん悪くなってしまうぞ。 でも、どうしたらいいんだろう?)」 パワポケは練習を重ねたり、ジンライコーチの指導を受けながら変化球のコツをつかんだ。 2年目 5月3週 パワポケ「ヒマだし、大神の部屋にでも行ってみるか。」 (ガチャ) パワポケ「やあ、おおが...みぃいいいいいいっ?! か、かかかか会長ぉー!? ど、どーしてここに。」 大神会長「騒々しい奴だな。父親が息子の職場を訪れただけだ。」 パワポケ「は、はぁ....」 凡田「まったく、何の騒ぎでやんす?」 パワポケ「ぼ、凡田君、会長が...会長が来てるんだよ! 今、大神の部屋に!」 凡田「なんと! ...これはオイラの昇給の大チャンスでやんすね。」 パワポケ「へ?! まさか....だめだ! やめとけって!」 凡田「ククク、かつてドリルトーイ会長すら震え上がらせた凡田の賃上げテクニックを見るでやんす。」 (ガチャ) 凡田「会長、お話が...」 (ジロ) 凡田「失礼します でやんす。」 (バタン) パワポケ「凡田君?」 (バキ!) 凡田「オイラを殺す気でやんすか! あんな威圧感の持ち主に話しかけたら、死んじゃうでやんす!」 パワポケ「あの、それで、どうして俺が殴られるんだい?」 凡田「恐ろしい人物でやんす。もし野球選手だったら全打席敬遠でやんす。」 パワポケ「......ま、いいけど。」 そして... 大神会長「まったく、ウワサどおりのクズどもだな。」 (ピッ) 北条監督「はい、北条です。」 大神会長「あー、北条君か。」 北条監督「あ、会長!?」 大神会長「モグラーズの寮にいるベテランと称する役立たず連中をまとめて切りたい。 早急にプランを提出したまえ。」 北条監督「あっ、あのっ?!」 (ピッ!) 2年目 5月4週 凡田「パワポケ君! オイラ一軍に昇格でやんす。」 パワポケ「へえ、良かったじゃないか。」 水木「...ところが、ちょっと妙なんだ。」 パワポケ「え?」 水木「今回、寮に住んでいる二軍選手全員が一軍行きを命じられたんだ。 俺から見て、二軍レベルとしか思えない人間が混ざってる。」 パワポケ「ははは、偶然ですよ。」 そして... 北条監督「今日は、二軍でくすぶっていたお前たちに最後のチャンスを与える。 今日の試合で活躍できなかった者は戦力外だと思ってくれ。 今年の給料は払われるが、今後の練習に参加する必要もないし直ちに寮から出て行ってもらう。」 みんな「.........」 北条監督「あー、ちなみに試合に負けた時は全員が対象だからな。」 そして... 凡田「ムチャクチャでやんす! ひょっとして寮の立て直しでもするんでやんすかね?」 パワポケ「それを否定できないところが恐ろしいな。 とにかく、今日の試合をがんばろう。みんなが活躍すればいいんだから!」 凡田「オイラもがんばるでやんす!」 大神「.........」 そして... 北条監督「ふふふ、これであいつらがボロボロにやられれば...」 パワポケたちは試合で大活躍し、勝利した! そして翌日... 大神会長「「北条監督の奇策ズバリ! 大胆な入れ替えが効を奏す」、か。 ずいぶん、最初の予定とは違うようだな?」 北条監督「こ、これは、言うなれば事故でして...」 大神会長「いやあ、立派なもんだ! どうだ、このままのチーム構成で行ってみては? 寮のベテランの件は白紙でいい。」 北条監督「はっ、ありがとうございます!」 (バタン) 大神会長「....思ったほどクズでもなかったということか。」 2年目 7月2週 北条監督「おーい、パワポケ。」 パワポケ「はい、なんですか監督。」 北条監督「明日の試合は、うちの最下位脱出がかかった大事な試合だ。お前に期待しているぞ。」 パワポケ「(最下位脱出...? あ、オールスター前の順位か。) はい、まかせてください!」 試合に勝利し、パワポケは活躍した! 北条監督「やれやれ、これで最下位脱出か。...あいつは頼りになるな。」 2年目 8月2週 北条監督「いかん、このままでは今年も最下位だ。 ........。そうだ、パワポケだ! あいつを試合でもっと使ってみよう!」 (そして...) 凡田「え、今日もまた先発でやんすか? 最近、パワポケ君は試合でも活躍していてうらやましいでやんす。」 水木「ちぇっ! ちょっと前までは、ダメなやつだと思ってたんだけどな。」 諸星「まったくです!」 (ペナント後半、一軍で存在感を示した!) 一方、小杉は... 小杉「くそっ! あのヤロー、一軍で活躍してやがる!」 (ガシャン!) 塚本「おやおや、ずいぶんとゴキゲンななめのようだな?」 小杉「当たり前だ! アイツが使っているのはオレの体だ! つまり、オレだってがんばれば一軍に行けていたということになる。」 塚本「ふーん。ま、いいんじゃねえの。お前は野球界のスターだ。 向こうは、どうがんばったってお前みたいにゃなれねえよ。」 小杉「...最近スランプだ。」 塚本「はん?」 小杉「オレの方の成績は、どんどん落ちてるんだよ! お前にわかるか? 落ち目のスターの惨めさが!」 塚本「(...そのスターの地位も偶然手に入ったもんじゃねえか。)」 小杉「くそっ、こんなことなら...」 塚本「オイ。まさか、体を元に戻そうなんて気になってんじゃないだろうな?」 小杉「う...」 塚本「やめとけ、やめとけ! せっかくの幸運、ドブに捨てる気か? なんなら、とっとと引退してバラエティーに転向したらどうだ? 今の人気を引き継げるぜ。そうだ、そうしろよ!」 小杉「う、うるさい! オレに指図するな!!」 塚本「ちぇ、わかったよ。」 (バタン!) 小杉「...引退だって? オレは、オレには野球しかないんだよ!!! くそおっ!!!!!」 そして交流を深めためぐみとデート後... めぐみ「パワポケさん、今日は楽しかったわ。」 パワポケはめぐみに告白した。 パワポケ「めぐみちゃん、ちょっと話があるんだけど?」 めぐみ「なんですか、パワポケさん?」 パワポケ「あの、よかったら、俺と付き合ってくれないかな?」 めぐみ「え!? 付き合うって...?」 パワポケ「めぐみちゃんに、俺の彼女になって欲しいんだ。」 めぐみ「.....。ありがとう、パワポケさん。」 パワポケ「それじゃ、OKなんだね!?」 めぐみ「ごめんなさい...私、すごくうれしいんだけどだめなんです...」 パワポケ「え!? どういうこと?」 めぐみ「わがまま言ってごめんなさい。もう少し、考えさせてください。さようなら...」 (たったったったっ...) パワポケ「.....。う~ん、まだ早かったのかな...?」 そして、再度交流を深めためぐみとデート後... めぐみ「パワポケさん、今日は楽しかったわ。」 めぐみがパワポケに突然告白を... めぐみ「パワポケさん...?」 パワポケ「え? どうしたの、めぐみちゃん?」 めぐみ「私ね、すごく考えたんです...」 パワポケ「何を考えたんだい?」 めぐみ「パワポケさんと私のこと。 私、ずっと前から、パワポケさんのことが好きになってたんです。」 パワポケ「え...!?」 めぐみ「そして、今は前よりももっと好きになりました。 だから、少し前にパワポケさんから告白された時、本当にうれしかったです。」 パワポケ「だったら、どうして...?」 めぐみ「私は、パワポケさんに似合うような女の子じゃないとずっと思ってたから... ただ、一緒にいられるだけで楽しかったら、少しでも長くこの関係が続けば、 それだけで十分に幸せだと思ってたんです... でも、パワポケさんに告白されてから少し変われるような気がしてきたんです...」 パワポケ「変われる...? なにが変われるんだい?」 めぐみ「わたし...私自身が、パワポケさんに似合うような女の子に、 少しずつなら変われるような気がしてきたんです。」 パワポケ「そ、そんなたいそうなもんじゃないよ俺は...」 めぐみ「いいんです、私の気持ちの問題だから。だから、私なんかで良かったら...」 パワポケ「それじゃ、少し前の話の返事はOKなんだね?」 めぐみ「はい!」 めぐみが彼女になりました 2年目 9月4週 凡田「今シーズンも、いよいよおしまいでやんすね。」 パワポケ「ああ、今年は後半充実してたな。来年もがんばるぞー!」 2年目 10月4週 秋キャンプ パワポケ「さあ、秋キャンプだ!」 北条監督「いいか、みんなよく聞け。ボクも来年に勝負をかけたい。 そして、そのためには若い選手にもっとチャンスを与えたい。」 (ジロリ) パワポケ・凡田「........。」 (そして...) 凡田「ヤ、ヤバイでやんす! さっきの監督の発言は、オイラたちベテランをクビに...」 北条監督「おー、パワポケと凡田。こんなところにいたのか。ちょっと投球練習を見せてくれ。」 パワポケ「は、はいッ!」 パワポケは投球練習で高得点を残した! 北条監督「そこまでだ、もういい! (くそっ! これでは、クビの口実にできん!)」 パワポケ「(どうだ、思い知ったか!)」 その後パワポケは人一倍の練習をこなしたり、めぐみとデートを重ねて交流を深めていった... 2年目 11月4週 契約更改 パワポケ「今日は契約更改だ。来年こそ一軍に定着したいなぁ。」 (そして...) パワポケ「パワポケです。契約交渉に来ました。」 金男「む~~~~ん。」 パワポケ「どうして、あんたたちがこの場に?」 金男「む~~~~ん。もともとぼくたちはモグラーズの球団職員なんだな~。」 銀次「む~~~~~~ん。契約更改は僕たちのお仕事になったんだな~。」 晴男「む~~~~~~~ん。会長の言うには、「適材適所」なんだな~。」 パワポケ「(くっ、いかにも手強そうだ...)」 金男「む~~~~ん。キミの年俸はコレなんだなぁ~~。」 パワポケ「ん? これって、プロ野球で決まっている最低レベルの給料じゃないか!」 銀次「む~~~~ん? それがイヤなら、自由契約なんだなぁ~~。」 パワポケ「あ、いや、それは...その...」 (そして...) パワポケ「.......。結局、最低の年俸でサインか。まあ、交渉材料もないからなぁ。 くそー! 来年は文句のつけようがないくらい活躍して、給料たっぷりもらうぞ!」 第二章クリア! 第三章へ続く... 目次へ 次の話へ 前の話へ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4576.html
涼宮さんと人物Aが待ち合わせしている駅前から少し離れた場所で僕らも集合しました。 結局、彼は今回はお休みです。いつも何かしら事件に巻き込まれていることを考えると たまには休みがあってもいいんでしょうね。 「そうですね。よく考えるとキョンくんはなんの後ろ盾もないのにいつも頑張ってますよね。」 「だからわたしが守る。」 当然僕たちもですよ。長門さんには遠く及びませんが。 「でも古泉くん、よく待ち合わせ場所とか時間が分かりましたね?」 そこは機関の力ですよ。 「「……。」」 長門さんまでそんな目で見ないでください。 「来た。」 人物Aはなるほど、なかなかのイケメンでスタイル、ファッションもレベルが高いです。 「へぇぇ、カッコいいですね。涼宮さんも美人だしお似合いのカップルに見えます。」 少し胸が痛みます。今まで僕と涼宮さんがそのように評されていたんですが。 「……。」 長門さんはいつもの無表示で眺めていましたが 「もう少し近づく。」 「な、長門さん、見つかりますよ!」 しかし杞憂に終わりました。涼宮さんと人物AはSOS団御用達の喫茶店に入って行ったからです。 「人物Aから極微量な波動を感じた気がする。」 長門さんから意外な言葉が発せられました。 「本当ですか? だとしたら涼宮さんに危機が……」 「今は感じない。バイト中の喜緑江美里の波動だったのかもしれない。」 結局2時間ほど、涼宮さんと人物Aは喫茶店で会話をし、そのまま店を出て解散となりました。 どうやらいい雰囲気だったようでもやもやします。 大笑いしてる涼宮さんをみて僕の心は乱れそうです。 それにしても長門さん、この不可視フィールドとやらはすごいですね。 これさえあれば彼も一緒でよかったんじゃ? 「涼宮ハルヒの場合、彼を感じて見抜く可能性がある。」 涼宮さんならあり得ますね。ところでこの不可視フィールド、普段も使っているんですか? 「……ない。」 さすがに本当に嫌われそうなのでやめておきましょう。 「取りあえず当面は問題がないと考えられる。」 「本当にそうなんでしょうか?」 「古泉一樹、あなたは何にこだわっている?」 昨日と同じことをまた聞かれました。正直いうと気に入らないんですよ。人物Aが。 我々が日々努力して涼宮さんの安定を維持しているところにずかずかと入ってきて 涼宮さんの心中を乱そうとしている、まぁ僕の主観がほとんどですが。 「あなたの役割は、涼宮ハルヒの精神安定のはず。人物Aが涼宮ハルヒの恋人に足りうる存在であるなら、 むしろ支援が必要なのでは?」 長門さん? 「現在、涼宮ハルヒの鍵である彼は涼宮ハルヒとの恋愛の関係までは興味がない。 涼宮ハルヒの方は恋人の関係を望んでいる節が見られるが、具体的な行動には至っていない。 そこに現れたのが人物A。情報統合思念体は今回の事象に興味を持っている。」 「ということは長門さんは人物Aを応援するわけですか?」 「そうではない。涼宮ハルヒと彼に危険が及ばない限りは静観。」 「朝比奈さんはどうなんですか?」 「特に指令はないんですが、涼宮さんとキョンくんの仲が悪くならなければいいと思います。」 「それは涼宮さんと人物Aが付き合ってもかまわないということですか?」 「えっと、うまく言えないんですが、いえ、うまくというか言えないんですが」 『禁則』ですか。未来に至る重要な事案のようですが。 「言えることは、付き合うこと自体は問題にはなりません。」 「朝比奈さん自身はどう考えておられますか?」 「それは涼宮さんが選ぶことであって、あたしは大きく歴史が変わらないようにするだけです。 それより古泉くんはどう考えてるんですか?」 僕は…… 「機関としては経過観察になります。」 しかし 「個人的には面白くないですね。」 「なら、自分の思うように動くべき。」 「どういう意味でしょうか?」 「例えば直接妨害で涼宮ハルヒと人物Aとの間を裂く。ただし彼女の信条からしてこの行為は推奨できない。 他にも方法はいくつか考えられる。その中であなたが思う方法を取るべき。 この際、自分本位の策でもかまわないと思う。あなたが思う、やりたい方法をとるべき。」 こういうと長門さんは用は終わったかのように朝比奈さんの方を向き、 「……買い物に付き合って欲しい。」 「あ、え? は、はい、いいですよ。では古泉くん、また月曜に。」 二人して行ってしまいました。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4891.html
https://w.atwiki.jp/p_ss/pages/452.html
◇N-side◇ 「のっち最低!あ〜ちゃんとゆかに二股しとったなんて!」 「のっちなんか大っ嫌い!死ねー!」 う…ごめんなさい!やめて、行かないで! 「と、ゆー訳で、絶交ね!バイバ〜イ」 「バイバーイ」 ダメっ、待って二人共!行かないで!ゆかちゃん!あ〜ちゃ〜ん!! 「…っぶあ!」 飛び起きたそこは、いつもののっちのベッドだった。 「ゆ、夢か…」 ホッと胸を撫で下ろした。暑い…汗でTシャツがへばり付いてる…。 クーラーのリモコンを手に取る。画面には30℃と書かれていた。暑い訳だ。そりゃ悪い夢も見るわ。 「彩乃ー!彩乃、早く起きんさい」 そうだ、二日前からお母さんが一旦帰って来てたんだ。保護者面談が今日学校であるらしく、それに行かなきゃいけないとかで。…良いのにわざわざ。 「お母さん…もう夏休みだって…」 「良いから起きんさい、何その汗!?」 お母さんもビックリするくらいの汗の量って…。 「…シャワー浴びてくる…」 最悪の目覚めだ。まぁ良い、今日はクーラーガンガンにしてゲームしよ。特に予定も無いし、夏休みだもん。 ◇ 昼頃、保護者面談から帰ってきたお母さんは、大きな荷物を抱えて「飛行機に間に合わん!」とか叫びながら家を飛び出して行った。 久しぶりに帰って来たんだから可愛い娘ともう少し一緒に過ごしたって良いのに。 「あ、そういえば…」 リビングのカレンダーを見てふと気が付いた。 来週、林間学校だ。山と海に囲まれた自然イッパイの所で一泊二日。海に入ったり山に登ったり、ご飯作ったり肝試ししたり。凄く楽しみ。 去年買ったは良いけど一度も着てない水着は…確か押し入れにしまっておいたはずだ。 「お、あったあった」 まだ少し早いけどコツコツ準備を進めとこう。それだけ楽しみなんだよのっちは。なんてったって二人の水着姿が拝める訳ですからね!カメラ用意しとかなきゃ。 大きな鞄を引きずり出して準備をしていると、携帯が鳴った。あ〜ちゃんからだ。 「はい、もしもしっ」 超テンションが上がる。 『のっち〜ヒマ〜』 「え?ヒマ?のっちも」 だるそうな声のあ〜ちゃん。なんだか珍しい。 『構ってよ』 「え…あ、うん良いよ」 全然構いたいよのっちとしては。 『じゃあ今からのっちの家行く!…ブツッ』 嵐の様な女の子だなぁ。 しばらくして、あ〜ちゃんは涼しげな白のワンピースでやって来た。超可愛い。 「何しとったん?」 「来週の準備」 「のっちにしては珍しい」 なんで珍しいの。良いじゃんたまには早めに準備したってさ。 「あ〜ちゃんまだ準備しとらん、水着も買っとらん」 「去年のは?海行ったって言ってたじゃん」 「…アレはどっか行った」 え。ピンクのリボンが可愛いビキニだって凄く気に入ってたのに。写メで水着だけ見してもらったけど、凄く可愛くて実際に着ているあ〜ちゃんが見れないのがショックで三日くらい寝込んだ。 無くしちゃったんなら仕方無いか。 「見たかったなー」 そう残念そうに呟くと、あ〜ちゃんは顔をしかめた。 「あ〜ちゃんだって気に入っとったんじゃもん」 「残念だったね」 「元はと言えばのっちのせ…あ」 あ〜ちゃんは途中まで怒り口調で言ったが、慌てて口をつぐんだ。 「のっちのせい?なんでよ」 身に覚えが全く無いんですけど。水着に触れても無いし。 「のっちが…変な事ばっかりするけぇ…小さくて…」 「へ?ごめん聞こえな…」 「のっちのせいでまた胸大きくなって入らんくなったんじゃアホ!」 真っ赤になってそう叫ぶあ〜ちゃん。のっちはフリーズ。もうしばらくお待ち下さい。 「…………、そっか」 また大きくなったのか…。あ〜ちゃんの胸をガン見した。確かに、少し大きくなったかも…。 「何見とる変態」 あ〜ちゃんは胸を手で隠した。だからさぁ、あんまり恋人を変態扱いしないでよ。確かに変態で間違いは無いんだけどさ。 「揉むと大きくなるって…本当だったんだ…」 自分の手とあ〜ちゃんの胸を交互に見つめた。今度からゆかちゃんのも思いっ切り揉んであげなきゃ。 「アンタのせいじゃけんね」 「だって揉み心地良いんだもん」 「……」 あ〜ちゃんは黙ってしまった。うん、引かれてるね完璧。 「じゃ新しい水着…買わんとね」 「うん」 このダイナマイトバディに似合う水着…可愛いのも良いけど、少し大胆なのも見てみたいかも…なーんて。 「やっぱり面積こんくらいの紐ビキニが一番…」 「…」 「うん黙るねごめんね」 変態さんはお口にチャックしておく事にする。 「ねぇのっち、夜の肝試しのペアって、どうやって決めるか知ってる?」 「え、知らん」 「くじ引きなんだよ」 あ〜ちゃんのクジ運、最強だっけ。 ◇2-01 End◇
https://w.atwiki.jp/blazer_novel/pages/99.html
「やはりエデン内では下手に戦闘端末を使用する事もままならんか」 ロックマン・シュミットはそう呟いた。 周囲には斬り伏せられ、血塗れで倒れている者達がいる。 そこは管制室のような部屋だった。 エデン内の各所を監視するモニターが幾つも並べられ、キーボードと端末が幾つも置いてある部屋。 シュミットは振り向き、入口であるゲートへ呼びかける。 「済んだぞ。床が血で滑るから気をつけろ」 その言葉に反応し、ゲートが開く。 二人の人物が室内に入ってきた。 「ここまでは上手く行ったな」 「…本当にこうするしかなかったのか」 一人はシュミットと同じ位の壮年の男の声。もう一人はそれよりも大分若い声。 後者の言葉に、シュミットは言った。 「ああ。こうするしかなかった。お前も分かっていた筈だ。こいつらを殺さなければ、俺達が死ぬ事になると」 「殺そうと殺すまいといずれ、私達は死ぬ」 その言葉に、シュミットは僅かに目を細めると、言う。 「ああ、そうだな。だが…幾度も話し合った筈だ。我々が本当に使い捨てられるだけの存在なのか。それを確かめる為、こうして…ここにいるのだと」 シュミットの言葉に、ゆっくりと若い声の人物は頷く。 「納得したのなら、とっとと配置に付こうじゃないか。もうこの騒ぎはヘブンも感知している筈だ」 部屋に入ってきた、もう一人の壮年の男がそう言った。 その言葉に、シュミットは向き直ると、室内の端末のキーボードを叩き始める。 「待ってろ。エレベーターを起動する」 「死ぬのが怖いか」 壮年の男が、低い声でそう言った。 傍らにいた若い声の人物は、静かに頷く。 「そうさ。誰だって死にたくない。それを…ヘブンにも分からせてやるのさ」 「エデンとの通信が切れたのが30分前。この30分間は切断されていたエデンとの通信の復旧作業が迅速に進められた。そしてついさっき通信が回復、エデン内の監視カメラの映像が届き、今回の事態が露呈した」 再びロードとミラージュを呼び出したマザー・セラは、そう説明した。 数時間前に報告を行ったのと同じ、真っ白な部屋。今ここにロードとミラージュともう一人の粛清官が、マザー・セラの前に跪いている。 「何が映っていたのですか」 ロードの質問に、セラは相変わらずの無表情で答えた。 「ロックマン・シュミット。奴にエデン在住の職員が殺されていく映像だ」 セラの言葉に、ロードは頷いた。同時に、セラの傍らに立つジジからの、殺意を含んだ視線を感じる。説明中に割り込んで質問を行ったせいだろう。だがセラはそれは意に介さず、説明を続行した。 「奴らは既にエデンのシステムを掌握したと見ていい。復旧の後、およそ5分後に再びヘブンからの通信を受け付けなくなったからな。しかし…未だに奴らからは何の要求も出されてはいない」 ロードは説明を聞きながら、横に跪く二人を見た。 一人はロックマン・ミラージュ。あの死闘からたった数時間だ。まだ彼の顔には疲労の色が拭え切れないでいる。 もう一人はロックマン・フォート。ロードの知る名前の一等粛清官だったが、あまり付き合いは無かった。オールバックにした長い黒髪に、ミラージュほどではないものの、鋭い目。年齢はロードやミラージュよりも大分年上の様で、顎には無精髭が生えていた。当然ながら粛清官共通の白いアーマーを着けている。 「これ以上、事態が推移する前に、手を打つ必要がある。そこでだ、お主達に重要な任務を与える」 一拍置き、セラは改めて任務内容を言った。 「エデンのシステムを掌握されている現状では、粛清官の大部隊をエデンに派遣しても到着する前に撃墜されてしまうだろう。だから、まずお主らがエデンに潜入し、エデンのシステムを奪還するのだ」 セラはミラージュとロードにだけ視線を向け、言った。 「ロックマン・ロード、ロックマン・ミラージュ、お主らはシュミットの一派と戦い、生き残った。それがお主達を選んだ理由だ」 そしてロックマン・フォートに視線を向け、セラは言う。 「ロックマン・フォート。お主は潜入任務にかけては一等粛清官の中でも随一と聞いている。だからお主も加えるべきだとのジジの助言があったので選抜した。期待しているぞ」 「ハッ」 「シャトルポートにエデン行きのシャトルが控えている。それに乗れ。以上だ」 三人はやはり同じように返事をすると、次々と部屋から出て行った。それを確認し、セラも別の出口から部屋を後にする。 それを見送ったジジは、三人の粛清官が出て行ったゲートから廊下に出ると、廊下を歩くロックマン・フォートの背中へ向けて言った。 「ロックマン・フォート」 呼び止められたフォートは怪訝な表情で振り向くと、即座にジジへと近づく。 ジジはフォートが近づくのを待ってから、廊下の更に先を歩いていたロードとミラージュが角を曲がるのを一瞥すると、言った。 「あなたに極秘の任務を与えます」 『メインシステムに侵入した』 室内に響く声を、シュミットは腕を組み、目を瞑ったまま聞いている。 が、それを聞いた彼は、やがて口を開いた。 「分かっているな、エナミス。決してヘブンの奴らに気取られてはならない」 『分かってる』 エナミスと呼ばれた声の主は、あえて感情を押し殺したような声で答える。 微動だにしないまま、シュミットは言葉を紡ぎ続けた。 「セキュリティは突破できそうか?」 『…難しい。時間がかかる』 エナミスの返答に、シュミットは僅かに顔をしかめる。 『エナミス、時間はいくらかかってもいいがくれぐれも慎重に行け。失敗すればお前の脳が今度こそお釈迦になるだろうからな』 横合いから別の声が通信機越しに聞こえる。まるでそれを制するかの様に、シュミットは言った。 「落ち着け、カーティス。今はエナミスに任せるんだ」 カーティスと呼ばれた方の声の主は、緊張を帯びた声で「了解した」と手短に答える。 それからしばしの沈黙の後、不意にエナミスの声が、言った。 『シュミット、一つ聞きたい』 「何だ」 変わらず感情を乗せない声で、エナミスは口を開く。 『この作業と並行して、ヘブンのデータベースを少し漁るが、いいか』 「…何の為だ?」 『奴らから少しでも有益な情報を得る為』 エナミスの言葉に、シュミットはしばし沈黙していたが、やがて彼は答えた。 「好きにしろ。ただしヘブンの連中に決して気づかれない範囲でだ。興味深い情報を見つけたら俺にも教えてくれ。以上だ」 「…了解」 シュミットの言葉に、幾分嬉しそうな上ずった声で、エナミスはそう言った。 エデン行きのシャトル。その内部で、三人の粛清官が待機していた。 三人分設けられた座席には今はミラージュのみが座っており、フロントガラスから見える暗黒の宇宙を緊張の面持ちで眺めている。 ロードとフォートは奥にある、背凭れと肘掛けの無いベンチに似た椅子に離れて座っていた。二人とも黙ったまま、思い思いに思考を巡らせている。 「おい」 だがやがて、ロードはフォートに視線を向けると、声をかけた。 「おや、何だい?」 急に声をかけられたにも関わらず驚いた風も無いまま、笑みを浮かべつつフォートはそう言った。セラから命令を受けた時とは違い、今の彼は飄々とした雰囲気を身に纏っている。 「ジジから何を命令された」 意識して声を小さくしている訳ではなかったものの、雰囲気のせいかあまり高く声は上がらない。そのせいか、座席にいるミラージュには聞こえていない様だった。 フォートは若干の殺気が込められたロードの視線に、やはり笑みを浮かべつつ言う。 「安心しな。お前さんが気にするほどの事は言われてないよ」 「…何を言われた」 有無を言わさぬロードの低い声。フォートはしばらくロードを見つめていたが、やがて彼は言った。 「さて…どう言えば納得するかな?」 はぐらかそうとする気配に、益々ロードは殺気を帯びた視線でフォートを睨む。遂に根負けしたのか、フォートは溜め息と共に言った。 「今回のような事件は貴重だから、犯人は生け捕りにしろ。そう言われただけだよ」 「そんな命令なら俺とミラージュに聞かせない方が不自然だと思うが?」 尚も言い募るロード。だがフォートは顔色を少しも変えずに言った。 「生け捕りにするのは一人でいいそうだ。だからその役を俺が仰せつかった。これでいいかね?」 「…ああ」 苛立ちを押さえロードはそう答えると、視線をフォートから外し、前方へと向ける。 そして、思考に沈み込んだ。 「(ロックマン・シュミット、奴は何が目的だ?エデンなど占拠して…ヘブンに楯突くなど無謀としか言いようが無いが…)」 『それにしても、お前があのような施設を知っていたとはな』 室内に響く声。先程と同じ、立って腕を組んだ姿勢で、目を瞑ったままシュミットは答える。 「あの施設なら普通の地区とは違い、定期的にエデンから職員が訪れる。まだヘブンにいた頃、ある任務であの施設の存在を知ってな。役に立つかもしれんから覚えておいたんだ」 シュミットの言葉に、先程の声の主――カーティスは言う。 『戦闘端末を初期化に用いる施設か…あそこのデコイは哀れだな。まぁ、あの施設の存在のお陰でこうして船に潜入し、ここまで来れたわけだ』 そこで一拍を置き、カーティスは言った。 『それにしても、あの施設にアクセスしていたエナミスは、何をしていたんだ?』 「…それは俺も知らんな」 シュミットの返事。それにカーティスが答える前に、当の本人であるエナミスの声が出てきた。 『今から何百年後かに、あの施設の司政官を自動的に目覚めさせるようにした』 「ほう…何故そのような事を?」 エナミスの声はそれまでただただ無感情だったが、次の言葉には何らかの感情が込められているようにシュミットは感じた。 『別に深い意味は無い。ただ…正気に戻ってヘブンの事を判断して欲しかっただけだ』 「お前にしては珍しいな。まぁいい…それで、最初に処分された粛清官のデータはあったか?」 シュミットの問いに、エナミスは今度こそ無感情な声で答える。 『まだだ。もう少し待て』 それから数分後に、再びカーティスから通信が届いた。 『シュミット。かなり巧妙にデブリにカモフラージュしているが、シャトルと思われるものがエデンに接近してきている。どうする?撃墜するか?』 エナミスの言葉の後、しばらく沈黙していたシュミットだったが、不意にそんな報告をしてきたカーティスの言葉に我に返る。 「…勿論撃墜しろ。だが…手遅れかもしれん」 『何?』 カーティスの疑問の声に、シュミットは覚悟を決めながら言った。 「おそらく、それは囮だ。エデンを乗っ取ったからには、ヘブンの奴らも本気にならざるを得ん。となれば、こちらが気づく前に事を運んでいると考えた方がいい」 『つまり…どういう事だ』 カーティスの声に、若干の苛立ちを感じつつ、シュミットは言った。 「一応、そのデブリは破壊しろ。だが…俺の予測が正しければ、奴らは既に侵入済みだ!」 「何とか勘付かれずに着陸はできたな」 シートベルトを外し、ミラージュはそう言った。 その横の席に座るフォートはミラージュの発言が終わるか終わらないうちに、目の前のガラスを指差す。 窓の外の、上空に広がる宇宙で、微かに爆発が発生したのが見えた。 「囮はしっかり撃墜されたねぇ。だが、奴らはもう勘付いているかも」 フォートの言葉に、遠くに見える爆発のあった地点を眺め、ミラージュは息を呑む。 「どっちにしろ、ここで手を拱いていても仕方が無い。違うか?」 そう言いつつ、ロードは座席から立ち上がると装備を確認してさっさと出口へと向かって行った。 「…そうだな」 ミラージュもそう言うと、座席から立ち上がる。 そんなロードとミラージュの様子を見つめると、最後にフォートも座席から立ち上がった。 その口元に、若干の笑みを残しつつ。 「カーティス、エナミス、捕捉したか」 シュミットの声に、カーティスの方が先に返事を返す。 『いや、こっちはまだだ』 『今確認した。数は三人。シャトルから出た所だ』 「遅かったか。…まぁ、遅かれ早かれこうなる事は分かっていた」 シュミットの呟きに、カーティスもエナミスも黙り込む。だが、急にエナミスが口を開いた。 『ロックマン・ミラージュがいる。昨日そいつと一緒に逃げた奴も』 「やはりか」 シュミットはしばし顎に手を当てて思案すると、やがて言う。 「すまないカーティス。二人そちらに送る」 『構わんよ。元弟子なのだろう?お前自身で決着をつけろ』 カーティスの返事に、シュミットは目を瞑って微笑んだ。 「すまないな」 『何、お前と俺の仲だ。お前がいなけりゃ、俺もエナミスも今頃はこの世にいなかったろうしな。感謝してるぞ、お前には』 その言葉に、シュミットの微笑がたちまち苦笑に変わる。やがて彼は苦笑交じりに言った。 「喋り過ぎだ、カーティス」 『ハハハ、違いない』 「管制室の場所は分かってるな?」 「無論」 シャトルから出て、周囲を見回しつつロードは言った。それにミラージュが返答する。 「…監視カメラ、既に奴らの手に落ちていると思うか」 「おそらくな。気づかれずに着陸できただけ幸運だったと言えるだろ」 今度はミラージュの問いに、ロードがそう返す。 「管制室へは一本道だ。迂回ルートも無い。慎重に…進むしかないか」 シャトルポートから施設へ入る為のエレベーターを見つめつつ、ミラージュは言った。シャトルポートの構造はヘブンとあまり変わらない。 ロードは微かに嫌な予感を感じつつ、静かに頷いた。 「行くぞ」 背後のフォートへ向けて促す。フォートはただ無言で周囲を見回していた。 そして三人は歩き出した。 『もうすぐ奴らがそっちに着く』 「そうか。エナミス、この部屋に三人が入り、二人出た瞬間から、例のプログラムを実行してくれ。それ以外は通信も含めて、もうこの部屋へは干渉するな。以上だ」 『…了解』 エナミスの語調は、微かに何かを言いたそうだった。 「(…エナミスにも随分無理をさせたな)」 エナミスもカーティスの様に、己の心情を吐露したかったのだろうか、とシュミットは思う。 彼は傍らの床に突き刺していた大剣を握り締めると、視線の先にある扉を睨んだ。 三人の粛清官の足が止まる。 細い廊下だった為、三人は一列に先を目指していた。先頭にいたのは、ロックマン・ミラージュだ。 そのミラージュが、ある扉の前で止まった為、一行は止まらざるを得なかった。 「どうしたね」 怪訝な声で、ロックマン・フォートが問う。 だがミラージュは無言で、ひたすら目の前の扉を睨んでいる。 「(…居る…!)」 ミラージュの様子に、ロードも事態を把握した。 「居るな」 ここまで幾度も扉を越え、部屋を横切ったが、敵らしい敵も、警備用のリーバードさえ出てこなかった。 だが、この扉の先からは凄まじいプレッシャーが発散されている。ミラージュが止まった事で、それにロードも気が付いた。 真っ先にミラージュが気づいたのは先頭だった事と、こういう第六感は自分よりもミラージュの方が磨いているせいだろう、とロードは頭の隅で考える。 「…準備はいいな?」 目の前のミラージュと、背後にいるフォートに問う。 振り返れば、フォートは無言で頷いていた。 ミラージュも振り向いて、返事の代わりに視線で扉を開ける事を示した。 「よし…行こう」 ロードの言葉を合図に、ミラージュは扉を開けた。 『シュミット』 急に室内に、再びエナミスの声が響く。 「どうした。もう通信を寄越すなと言った筈だが」 シュミットの言葉に、エナミスは一瞬躊躇した様だったが、やがて言った。 『今しがた偶然、興味深いデータを見つけた』 その言葉に、シュミットは眉をひそめ、言う。 「この緊急時にわざわざ伝える必要のある情報か」 『だから言っている』 「…いいだろう、奴らが来る前に聞かせてくれ」 データを閲覧しているのか、数秒の間があった後、エナミスは言った。 『おそらく、まだヘブンが今の形になるかならないか位の頃のデータだろう』 「…一体何のデータだ」 シュミットの問いに、エナミスは一瞬迷った様だったが、やがて答える。 『おそらく、ヘブンの歴史上、最初にイレギュラー化した粛清官のデータだ』 「何…!?」 エナミスの答えは、シュミットを驚愕させるのに十分なものだった。 『削除されたデータを復元した中にあった』 「時間が無いから手短に訊くぞ…その粛清官は、どんな顛末でどのような結末を迎えた?」 一気に緊張を帯びたシュミットの言葉。その問いに再びエナミスは数秒無言になったが、やがて答えた。 『データには、「暴走し職員を殺害後、処分」とある』 続けて言われた言葉に、少し驚きつつシュミットは言った。 「暴走?粛清官がか」 『ああ、解読できる部分にはそう書かれている。処分者名の項目はデータが欠落していて読めなかった』 シュミットは顎に手を当ててしばし考え込んでいたが、やがて言った。 「その、暴走したという粛清官の名もデータが欠落しているのか?」 『…いいや、その部分は読める』 「聞かせろ」 シュミットの言葉に、エナミスは再び沈黙していた。 だがやがて、エナミスは意を決したように言葉を紡いだ。 『彼の者の名は…』 次の瞬間、扉が開いた。 床も壁も天井も真っ白な、正方形をした部屋。 視線の先には、扉と、その前に立つロックマン・シュミットの姿が見える。 シュミットは自分の前の床に大剣を突き刺し、その柄を両手で握っていた。 「間が悪いな。だが…待っていたぞ」 三人に視線を向け、シュミットが言う。 三人のうち、ミラージュが他の二人よりも一歩前に踏み出した。 「二人とも下がってくれ。そしてできるなら…隙を見つけて次の部屋へ行ってくれ」 そう言うと、ミラージュはビームサーベルを起動する。 ロードは小さく頷いた。フォートはシュミットとその背後の扉を交互に見つめている。 その様子を見て、シュミットは不敵に笑った。 「準備は万端の様だな」 「何が目的で、こんな事をした」 ミラージュの問いに、シュミットは肩を竦める。 「悪いがな、それは言えん。どうしても聞きたければ、力づくで聞き出す事だ」 「…そうさせて、貰うっ!!」 次の瞬間、ミラージュは跳びかかった。 振るわれるビームサーベルに、瞬時に床から引き抜かれた大剣が防御する。 今度は大剣が横に薙ぎ払われる。それを屈んでかわしたミラージュは、一気に突っ込んで行った。 再度振るわれたビームサーベル。今度は体重を乗せた一撃に、再び大剣で防御したシュミットはその身体ごと扉の横の壁に叩きつけられた。 「今だ、行け!!」 サーベルでシュミットを押さえつけるミラージュは、背後の二人に向かってそう叫ぶ。 ロードは頷くと、フォートを伴って扉を潜っていった。 それを確認したシュミットは、ミラージュに視線を向けると、言う。 「これで本気で戦えるか?」 その瞬間に大剣にかかる荷重が増え、不利と悟ったミラージュが剣を弾き、後ろへ飛び退いた。 「最初から行かせるつもりだったのか」 ミラージュの言葉に、笑みを浮かべつつシュミットは頷く。 ミラージュは溜め息をつくと、一瞬目を瞑った。だが次の瞬間、目を見開くと共に、バックパックに左手を入れた。 そして、もう一つ持って来ていたビームサーベルを起動し、両手に持った二本のビームサーベルを構えた。 「ほう、二刀か」 「お前を倒すには、この方法しか思いつかなかった」 楽しそうに、シュミットは大剣を構える。 「面白いぞ。さぁ来い、ロックマン・ミラージュ!!」 比較的広い廊下。部屋の先にはそれが続いていた。 ヘブンで見たエデンの内部構造の地図を思い返しつつ、ロードはこの先が管制室――エデンのシステムを奪還するにはこの場所の電子端末を制圧するしかない――である事を再確認した。 「少なくとも、敵は三人はいる筈だ」 「だったらあと二人。俺が一人、君が一人仕留めればいいわけだ」 口元に笑みを浮かべつつフォートはそう呟く。 そんなフォートに一種の不気味さを感じつつも、ロードは細心の注意を払って歩き続ける。 唐突に、空気を切る音が耳に入った。 「!!」 即座に反応し、視線を周囲に巡らせると同時にビームサーベルを起動する。 近づいてくる音。ロードは視界に現れた物体を躊躇無く斬り落とした。 地面に落ちたのは、鉄製のカッター。三日月のような形で、酷く薄い。 「一体どこから…!」 「まだ来るね」 背後でフォートが銃を取り出し、ロードが斬り落としたのと同じ、飛来するカッター二つを撃ち落とす。 その銃の発射音を聞き、ロードはフォートの方へ視線を向けた。 「見た事の無い銃だな」 「だろうね。レーザーじゃなく実弾だよ。こっちの方が性に合っててね。こういう潜入の際は消音器を付けてる」 ロードは、今度は廊下の先へと視線を向けつつ、言った。 「とにかく、ここで首を切り落とされるのを待つのは御免だ。この先は管制室まで一直線。走るぞ!」 「ああ、そうしよう」 そしてロードとフォートは、一目散に走り出した。 第三章へ 血に洗われし仮面の涙・目次
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2328.html
(今更な話だが、)パッショーネ所有かポルナレフ所有かあやふやな亀ココ=ジャンボはスタンド能力を持っている。 背中の甲羅に嵌っている鍵に触れれば小さくなって甲羅の中にある部屋へと入ることができる。 この亀が何故背中に鍵なんて嵌めてるのかは誰も知らない… ジョルノがその細胞を使って生み出した亀にもその能力は引き継がれており、亀の中の部屋にその亀がいてその亀の中の部屋にも亀が延々といる。 隠し棚的な場所の中にも亀がいて、取り憑いているというか住み込んでいる幽霊のポルナレフにも一体どのくらいいるのかは把握できていない。 亀を生み出しその亀の世話をする設備を用意しているジョルノは知っているのかもしれないが、何度か映画やアニメの入っている亀の場所を聞いた辺りから必要そうな場所を書いた地図を渡されそれっきりだ。 今亀は、地球から来た学生のサイトの腰につけられていた。 最初持っていたジョルノが亀の中に引きずり込まれてしまい、他に持つ人間がいなかった。 同じ地球出身の枢機卿に与えられた『ヴィンダールヴ』の能力でアズーロという美しいドラゴンの騎手となったサイトは、一見その亀の存在を忘れているように見えた。 その姿形や脈動する筋肉の動きにうっとりしながら風竜をアルビオンへと向かわせている。 ただ目的地へ向かってまっすぐに飛ぶだけだったが、空を飛ぶ楽しさが遮るものがなく直に吹き付ける冷たい空気にも笑みを見せていた。 上空の冷たい空気が容赦なく体温を奪っていても、ファンタジーな世界の楽しみを満喫し、興奮と共に上がっていく体温を冷やすのには丁度いい按配だとでも言うようだった。 腰につけられた亀の中から女性の怒声が聞こえ、何かがぶつかり合う音を聞かないようにしてサイトはアズーロを飛ばす。 亀から氷の塊が飛び出し、巨大な塊となってサイトの横を後ろへと下がっていく。 一瞬ブルっちまったサイトは見なかったことにして…中では何も起こってないんだと自分に言い聞かせる。 初めて飛ぶ空を満喫することに没頭しようとするサイトを見て、デルフリンガーはため息をついた。 次の瞬間、そのデルフリンガーも亀の中へと引きずり込まれる。 「ホラー映画かよ」サイトは歯をガダガタ鳴らして、アズーロにしがみ付いた。 その亀の部屋の中では今、氷と土がぶつかり合っていた。 発端はジョルノのせいだった。 カトレアなどとばかりいちゃついてるジョルノに切れたマチルダがジョルノを亀の中へ連行し、気合を入れてやろうとしたところ今回同行していた。 だがそこにペットショップが立ちはだかって、マチルダに襲い掛かった。 それを眺めるジョルノは、ペットショップがジョルノの扱いにブチ切れたわけじゃあないらしいと気づいていたので止めずに二人を見ていた。 そしてこれから行くアルビオンについて考えていたが、浮かぶ風景はこれから向かう戦場ではなかった。 興味深い動植物達に囲まれた不便で素朴な村に悪ガキ達や今傍にいる彼女がいた。 多少美化されているように感じたジョルノは薄く笑った。 そうする間に二人の戦いも、過激になっていてペットショップが押しているようだった。 マチルダも土くれのフーケとして名を馳せた盗賊だが、ペットショップ相手には相性が悪い。 この亀の中の備品を錬金で砂に変えたりしてして対抗しているが、そもそも土の量が足りない上にポルナレフが泣きそうになるのでマチルダは遠慮していた。 とある理由で土系統のメイジが嫌いなペットショップはそんなマチルダに氷のミサイルを撃ち、かわしたマチルダは少ない土を巧みに操ってペットショップを覆い、包み込もうとする。 だが、マチルダの土は水分を凍らされ、動きが鈍ってしまいペットショップは悠々と逃げていく。 姉か母親同然のマチルダが追い込まれていくのを見るテファの顔は青くなっていった。 「ジョルノ、ペットショップを止めて!」 テファに言われ、喧嘩をするには狭い部屋の隅にソファごと移動していたジョルノは少し困った顔をした。 サイトの操る竜アズーロが飛び立つより早く。 というよりその背中に乗った瞬間首根っこ掴まれて亀の中に連行された理由は、亀の中にいる者達が皆わかっているくらいにはジョルノも理解していた。 「…できれば怒鳴りつける元気がなくなるくらいまで遣り合って欲しいんですが」 「どうして! 早くしないとポルナレフさんが…わっ」 マチルダへと放たれた氷が幾つかテファへと向かいテファは身を引いた。 だがテファへと向かうはずの氷は全てテファには見えないジョルノのスタンドによって砕かれる。 かわそうとしたままの体勢で礼を言うテファの視線を追って、ジョルノが見てみるとそこには秘蔵の漫画を土にされ凹み、うな垂れるポルナレフがいる。 さっき引きずりこまれて隣に置かれたデルフリンガーが慰めの言葉をかけていたが、それも効果がないらしい。 自慢の髪に氷の刃が一本串刺しになっているが、それを取る気力さえもない。 少し考えるそぶりを見せてから、ジョルノは何事もなかったように図鑑を取り出して描かれている絵を見せた。 「見てください。(今向かっている)アルビオンは面白いところで、普通ならもっと寒々しい風景が広がっていてもおかしくないんですが動物も植物も完全に適応していて」 「そ、そうなんだ。でもそれより、早くしないとポルナレフさんが…」 テファに言われてジョルノはもう一度、今度はペットショップの放った氷がその漫画から作られたゴーレムの手を粉砕するのを呆然と見ているポルナレフを少しだけ見る。 ワキガ臭いミスタとミント臭いフーゴの衝突とかを見て馴れているジョルノは何事もなかったように開いているページをもう一度見せる。 咎めるような目でジョルノを見るテファの肩に、ラルカスが召喚したハツカネズミがちょろちょろとソファを駆け上って移っていった。 「ジョル…「ジョナサンさん、わたし宇宙人だから彼らの関係はよくわからないんですが、貴方が早く止めるべきです」 もう一度止めてと頼もうとしたテファを遮り、ジョルノ達が座っていたソファの影から学生服を着た青年が顔を出し、ジョルノに言った。 二人の争いを避け、いち早く安全そうなジョルノ達が寛ぐソファの陰に逃げ込んでいたその学生は、今朝このハルケギニアに来たばかりだった。 ジョルノ達と顔を会わせるもの今日が初めてだったが、ジョルノ達の視線にも動じた様子は無い。 二人より少し年上っぽく見えるその学生は後ろへ流した長い髪を揺らし、ジョルノを見返していた。 鼻ピアスと片方の耳にだけ開けたピアスが繋がっていて、尖っている耳に注意が行く。 テファほどではないが、フツーというにはちょっぴりだけ尖り過ぎている耳に…ジョルノはラルカスから教えられた奇妙な点を確かめようと尋ねた。 「…まだ自己紹介をされていませんが、お名前は?」 「ヌ・ミキタカゾ・ンシって言います。ミキタカと呼んでください「ジョナサンさんって言うのは語呂が悪いから、ジョナサンでいいですよ」 「あの、ジョルノ達の住んでるところってチキュウじゃなかったの?」 テファの素朴な質問に、ミキタカは嬉しそうな顔をした。 ミキタカはラルカスが召喚した使い魔のハツカネズミを鞄の中で飼っていたせいでこの世界に迷い込んでしまった所謂フツーの日本の学生…見た目も整っているが奇妙な人物だった。 「ええそうです。私はマゼラン星雲からそのチキュウに住むためにやってきたんです」 ラルカスからミキタカの名前などについて聞いていたのだが、確かめたのはこういうわけだった。 自称宇宙人。ラルカスの嘘じゃあないことはこれでわかったが、ジョルノもどう扱えばいいのか少し困っているような顔を見せる。 「本当はフツーの日本人ですよね?」 元々可能性は0じゃあない上に、『何言ってんです? SFやファンタジーじゃあるまいし異世界や宇宙人なんてあるわけないじゃないですか』とは言えない状況だったが、ジョルノは尋ねた。 メイジが魔法で戦う横でエルフとソファで寛ぎながら言うことじゃあないが。 「最初カラハッキリ言ッテルジャアナイデスカ。ワタシハ宇宙人デスヨ」 一方ミキタカに教えられても、そうした考えがまだ生まれていないハルケギニアの住民であるテファはよくわからずにいた。 ガリアからトリスティンに移り住むのとは違うんだろうな、というのはミキタカとジョルノの態度からなんとなく察したが、そこまでだった。 今の二人のやり取りも、というよりどうしてジョルノが宇宙人であることを疑うのかよくわからずにテファは曖昧に笑った。 ミキタカはスタンド能力を持っていなかったが、知り合いに結構そういうのがいるのか目の前で魔法やスタンド能力なんてものを使われても動じずない。 むしろいたって落ち着いた態度でテファの肩に乗ったハツカネズミの背中を撫でてやる。 「カワイイデショウ?」 「そうでしょうか?」 間を置かずに返されたミキタカは、一度手を止めてちょっぴり眉を寄せジョルノを見た後、気を取り直し何事も無かったかのように使い魔のルーンが刻まれたハツカネズミの背中を撫ぜる。 よく撫でてやるのかハツカネズミもテファの肩の上で気持ち良さそうに撫でられるのに任せている。 「こうやって背中なぜるととても喜ぶんです…背中なぜたいですか?」 「え? えっと…じゃ、じゃあ少しだけ」 マイペースなミキタカに押し切られ、テファもなぜようとするとハツカネズミはミキタカの手のひらに移っていく。 「「うりうりうりうり」」 二人してハツカネズミをなぜ始めたのでジョルノは読書に戻ろうとする。 だがそうすると、ミキタカはハツカネズミの背中をなぜるのを止めた。 「…あ、! それでさっきの話ですけど、ジョナサンさんがテファさんが自分のこと好きなのを分かってて他の女に手を出してたらマチルダさんが怒るのは当然です」 「ミキタカさん…わ、私は別に」 恥ずかしがったテファが口を挟もうとしてもミキタカは穏やかな口調でジョルノに指摘を続ける。 「口説いておいて面倒ならほったらかすなんて、まるでnice boatじゃあないですか。だからマチルダさんを止めるのはジョナサンさんがやるべきです」 「うん、なるほど…確かにそれはそうですね。心が痛むことです」 何の話か良くわからないが、ニュアンスだけは伝わったような気がしたジョルノは同意したような態度を示した。 ミキタカはジョルノの返事と頷く態度に杜往町で出会った二人を思い出し笑みを見せた。 ギャングというものはよくわからないし牛とかは怪しいが、微かに感じる面影のせいでミキタカはこのギャング達に好感を感じていた。 「はい。だからさっさと止めて謝るべきだとおもいます」 ジョルノがそうですか、と言うと部屋の隅で凹んでいるポルナレフがスタンド『マジシャンズ・レッド』を呼び出し、座ったままの姿勢で飛び跳ねた。 スタンドの見えないテファやミキタカ、マチルダまでもが驚いてビクッと震えた。 膝を曲げ、ジャンプしたままの体勢でジョルノ達が座るソファに突っ込んできたポルナレフは叫んだ。 「そうだぞッ、お前がさっさと謝っちまえばとりあえずこの場は「とりあえず。今とりあえず、って言ったのかい?」 驚いて動きを止めていたマチルダがそれを聞いてポルナレフを睨んだ。 棘のある声を聞いて、ポルナレフの動きが空中で止まる。 尻の穴に氷柱を突っ込まれたような顔でポルナレフは慌てて大げさな身振りで自分がこの問題に関しては問い詰める側であるという態度 「あー、いや……そういう意味じゃあなくてだな。一度落ち着いて、心の底から反省して今後は身を慎むべきだよなっな!?」 さっきまでの様子はどこかに置き去りにし、今は必死なポルナレフに調子を合わせるようにして、そうですねと言ったジョルノはペットショップにいい加減にしておくように軽く手を振る。 主人の合図を見たペットショップは、即座に攻撃の手を止め、肩で息をしながら釈然としない様子のマチルダから離れていく。 それを確認したジョルノが尋ねた。 「それでミキタカ。アンタは何故僕らについて来たんです? ラルカスから説明は受けたはずですが」 「コイツを連れて行くって言われたら僕もついていくしかないじゃあないですか」 「それは結構ですが、安全は保障できません」 「テファさん達もいるんですから、どうにかなるでしょう?」 その皮肉にポルナレフは少しだけミキタカに対する見方を変えた。 まさかそんな危険な所に彼女達を連れて行きませんよね?などと言われるとは思っても見なかったからだ。 ハツカネズミをなぜてやりながら全く不安そうな様子を見せないミキタカの背中をポルナレフはマジシャンズ・レッドで叩いた。 恐らくフツーの高校生であるはずのミキタカの度胸が気に入ったのだろう。 その行為に親愛の情が篭っていたのはポルナレフの表情からわかったが、それがスタンドの腕でやられるとなると別だった。 人間よりは遥かに強い力に吹っ飛ばされそうになったミキタカが、痛みに耐えながら咳き込んだ。 「ポルナレフ…あんたねぇ、ちょっとは加減ってもんを知らないのかい」 そう言ったマチルダが杖を仕舞いながらため息をつく。 ミキタカと息を切らしているのに気づいたのでマチルダへ、ポルナレフはタルブ産のワインを用意する。 ここ何日か一緒に亀の中で暮らしていたお陰でポルナレフにはマチルダの好みがある程度わかるようになっていた。 照明に照らされた、まだ開けられていない瓶の中で揺れる赤い色、ワインのラベルを見たマチルダが眉間に寄せていた皺を少し和らげる。 瓶を見せる陽気なフランス人が、自分の好みを覚えていることがなんだかおかしくなり、軽く笑みが広がった。 安堵したポルナレフが、それを見ると同時に軽口を叩く。 「いいじゃねぇか。なぁ?」 「はい、億康さんで慣れてますし…」 背中をさすり、眉を寄せたミキタカの言葉はちょっぴり皮肉気に聞こえてテファが曖昧な笑みを浮かべた。 幸いポルナレフは冷蔵庫から取り出したワインをお得意のマジシャンズ・レッドで開けていたので気づかなかった。 ミキタカは両肘をソファに乗せてもたれかかり、ふう、とため息をつく。 その間に、少しは機嫌を良くしたマチルダが彼等の所に割り込んでくる。 「で、ジョルノ。私としちゃいい加減アンタがどういうつもりなのかはっきりさせときたいんだけどね」 そう言って、ソファのテファとジョルノの間に割り込んでくるマチルダを見て、ジョルノは本を閉じる。 取り囲む皆にそのゆっくりとした、この場においては些かもったいぶった動きは反省してる様子にはとても見えなかった。 口を開かないジョルノを軽く睨みながら、再び機嫌を悪くしたであろうマチルダを宥めるため、ポルナレフがワイングラスを取り出した。 取り出したワイングラスは縦に細長く、ガラスはとても薄かった。 無色透明なガラスで作られたグラスの口は厚さ2mm程度、『厚さが薄いワイングラスほどいいんですよ』とミント臭い組織の幹部に聞いたポルナレフが、組織の伝手で手に入れた自慢の品だ。 その分とても壊れやすく扱いにも困っていたのだが、マチルダと知り合ったお陰で固定化の魔法がかけられている。 どのくらいかはわからないが、多少手荒く扱っても大丈夫、という安心感が加わったグラスはポルナレフの自慢のアイテムだった。 それをマチルダに渡そうとして、手を伸ばしているとジョルノがテファへと目を向けて口を開いた。 「テファ、僕は「私はジョルノを独り占めしようなんて思ってないわ」 ソファに深く腰掛けたままで、何か言おうとするのを遮ってテファは柔らかな笑顔を浮かべてジョルノを見ていた。 だが部屋をその部屋の雰囲気も圧迫感を少しでも感じさせぬように明るくするはずの照明の光の加減は、どういうわけかマチルダに追いやられてソファの隅に移動したテファを悲しげに見せていた。 ソファの背もたれから続くやわらかクッションに包まれた手すりにもたれかかるテファは、両手を豊かな胸の前でくみ、細い指が薬指に嵌めた指輪に触れた。 「こんな私だし…」 「僕が生まれで誰かを卑下したことはない」 卑下するテファを悔しそうで、それでいて労わるような表情をマチルダがする横で、不機嫌さを隠さない声だった。 あまりポルナレフの前では出さない部下達を恐れさせる声音に、ミキタカは驚いていた。 テファは労わろうとする姉の手を断り、手を強く握った。 「うん。ラルカスさんを見てるから、それはわかるわ。でも皆はそうは言わないと思うの。ジョルノが周りの人に一目を置かれるには、私じゃ駄目なの」 はっきりと自分の考えを言うテファの目は彼女を大事に思うマチルダに考えを否定させない頑なさを溢れさせ、光っていた。 怯んでしまって何も言うことができなかったマチルダは、そんなテファに困惑した表情を見せていた。 村でずっと隠れ住まわせてきた妹であり、娘でもあるようなテファが変わってしまったことがショックだった。 自分の意思よりも他人を尊重しすぎるところが気に掛かっていたが、ジョルノの仕事にまで気を使い身を引くようになったテファのことを考えるととても不憫だった。 そして同じくらい、大公の娘という生まれを考えると…こんな考えもするようになったことを、心のどこかでは喜んでいた。 矛盾した感情に心をかき乱されたマチルダの顔は暗く沈んでいった。 だがそれを目に入れてもテファは言うのを躊躇わなかった。 「ジョルノが連れて行ってくれた貴族の集まりに参加して、それくらいのことはわかったわ。ジョルノは何時かこの耳がばれて、追い立てられるかもしれない私を何時でも切り捨てられるようにしておくべきなんだわ」 「耳…綺麗な耳ですけど、何かあるんですか?」 我に返ったミキタカが口を挟んだが、誰もそれには答えられなかった。 マチルダとポルナレフが悔しそうに唇を噛んだ。 マチルダは元貴族としてよく知っているから。 ポルナレフは、よく知らないからこそ口を挟むことができなかった。 悔しさを誤魔化して、次第に重くなっていく空気をかき乱そうと伸ばした腕が、イタリア産のワイングラスにハルケギニア産のワインを注ぐ。 「あ、ご…誤解しないで? 私、他の女性とだって仲良くできると思うし…って、こんなこと言うなら、アルビオンに連れて行ってなんて頼んじゃいけなかったわね」 自分が言ったことをおかしそうに笑うテファに、ジョルノは何かを思い出していた。 「貴族…? ああ、そうだ。夢を見ることってあります?」 「あ?」 場の空気を軽くする意図などない、空気をまるっきり読んでいない言葉に不機嫌なマチルダのまだまだ張りのある肌に皺が刻まれた。 ポルナレフにはもうジョルノがわざとマチルダを怒らせようとしているようにしか見えなかったが、注意を逸らそうと慌ててワインを注ぐ。 それには今の空気やこんな重たい話題を新参のミキタカ達がいる場所でしたくないっていう気持ちからでもあった。 「と…唐突になんだ? そりゃ見る日もあるが。なぁミキタカ」 「いいえ宇宙人ですから」 マチルダの起源の悪さなんて気にした様子もなく、未成年ですからとワインも拒否したミキタカはそう返した。 そんなミキタカのジョークには付き合えないと、敷き詰められた絨毯の上にポルナレフは安堵と共に胡坐をかく。 話が進まない。テファも話を変えようと首を傾げて、続きを促す。 ジョルノは隅に照明が吊られている壁を見つめて話し出した。 「先日、プッチ枢機卿の所で休んでた時に変わった夢を見たんです」 「…それが何か関係があるんだよ? ていうかお前、そのプッチって俺会ってねぇぞ」 「ポルナレフさんがお仲間と遊んでたからでしょう。で、古い不気味な仮面とかの美術品とかが飾られた貴族の屋敷の中でどうみても中世辺りのイギリス野郎が出てきて、僕の祖父を名乗ったんです」 ポルナレフ以外の、ミキタカも腑に落ちない顔をする。 相変わらず関係なさそうだったしミキタカも見ただけでと言われてもよくわからない。 「イギリススーツでも着てやがったんだろうさ」とポルナレフが言うと、ジョルノは頷いてそれを肯定した。 体型がちょっとでも崩れてしまうと途端に切れなくなりそうなところとか、典型的なシルエットだったらしい。 「お茶を飲みながら2,3話してたら(どうしてそーなっていったのかとかは全く思い出せないんですが)いつのまにか悩み相談になりましてね。夢だったからかなんとなく、女性関係が上手くいかないと答えました」 そう聞いて、テファの表情に影が差したがジョルノだけが気付いていないような態度で、ミキタカの代わりに一杯もらおうとミキタカが返したグラスと手に取った。 ワインを注いでやりながら、ポルナレフは先を促す。 「その紳士は僕に詳しく状況を説明させた後…『なんだってジョジョ。周囲にいるご婦人方が魅力的過ぎて一人を誠実に愛することができないだって? それは一人を幸せにしようとするからそうなるのさ。そんな時は逆に考えるんだ…皆幸せにすればいいさって考えるんだ』と」 それを聞いたマチルダは何も言わずにジョルノに飲もうとしていたワイングラスの中身をブチ撒け、ゴールド・エクスペリエンスが流石近距離パワー型スタンド、というスピードを発揮して襲い来るワインを全て拭き取る。 空気が変わる所かかなり最悪な、これから向かうアルビオンも真っ青な重苦しい雰囲気へと亀の中は突入しようとしていた。 その空気はアズーロを駆るサイトにまで伝わったのか、アズーロをもっと急がせようと声をかけるのまでが聞こえてきた。 「ね、姉さん。ワインを粗末にしちゃ…」 「テファ…アンタもう魔法でコイツの記憶を消しちまいなよ」 「ええっ?」 ジョルノの話はまだ少し続くようで、何故か皆の頭の中に立派な口ひげを蓄えた老紳士が、諭すように相席するジョルノに語っている姿が見えたような気がした。 その紳士によれば、『保護した高貴な女性(テファとイザベラ)に優しくするのは紳士として当然のこと。 商売上世話になっている家のご令嬢(モンモランシ)が失礼な輩に傷つけられたと聞かされたなら、紳士として何かして差し上げなければならん。 勿論、それが病に苦しんでこられたご婦人(カトレア)ならば尚の事だ。紳士として誰恥じぬ態度で臨まなければならない』と、その老紳士は語り、『私は妻一筋だがね』と聖人のような台詞を吐いた後まだ若い同じくイギリス紳士らしい男に連れ去られたらしい。 「騒々しい二人でしたが、一理ある考えですよね。祖国で周りの学生達のとっていた行動もやっと理解できましたよ(だからどーだっていうわけじゃあありませんが)」 「私宇宙人ですから詳しいことはわかりませんけど、それって紳士じゃあないと思います」 ミキタカのさめた返しに、ジョルノよりもテファが困ったような顔をする。 誤魔化すような笑い声が唇から洩れて、ポルナレフはワインを煽った。 浮遊大陸アルビオンへの玄関口、ラ・ロシェールが見えたと、サイトが亀の中へ報告してきたのはそんな時だった。 サイトの目には、古代の世界樹の枯れ木をくり抜いた立体型の桟橋に、枯葉のような多数の船が係留している様が見えていた。 スクウェアクラスのメイジが岩から切り出して作った建物群がもうすぐ見え、そこの宿でルイズが待っているはずだった。 「俺、忘れられてね?」 一先ず任務へと戻ろうとする人間達の傍らで、部屋の片隅でデルフリンガーが泣いていた。 To Be Continued...
https://w.atwiki.jp/gods/pages/58491.html
チューダマ ヒトダマの別名。 鹿児島県での呼称。
https://w.atwiki.jp/srkjmiroor/pages/2731.html
【名前】 ポーダマン 【読み方】 ぽーだまん 【登場作品】 快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー 【所属】 異世界犯罪者集団ギャングラー 【分類】 戦闘員 【モチーフ】 不明 【名前の由来】 鉄砲玉(てっぽうだま)+マン 【詳細】 ギャングラーの戦闘員。 赤いネクタイがトレードマーク。 銃などで蜂の巣にされたかのように身体全体が穴だらけな出で立ち。 銃を撃った穴で作られたような顔には右目に銃弾が刺さっており、痛々しい風貌。 幹部やギャングラー怪人の手足となって働き、刃先が二つ付いたナイフや銃口が2つあるハンドガンを武器に戦う。 「チャカ」、「テポ」というの鳴き声を上げるが言語能力もあり会話も可能。 「化けの皮」で人間に擬態できる。 中盤から、「ゴーシュ・ル・メドゥ」の実験中の個体の生成に実験台にされる。 終盤では「アカ」という鳴き声をあげる赤いタイプが確認される。
https://w.atwiki.jp/kaijinmato/pages/1653.html
【名前】 改造ポーダマン 【読み方】 かいぞうぽーだまん 【登場作品】 快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー 【登場話】 29「写真は記憶」31「自首してきたギャングラー」46「抜け出せないゲーム」 【所属】 ギャングラー 【犯罪歴】 想い出泥棒拉致監禁 【犯罪技】 ひったくメモリー転送ポーズ 【モチーフ】 なし 【名前の由来】 なし 【詳細】 ポーダマンの改造体。 ゴーシュ・ル・メドゥの改造により巨大化した左腕で記憶を写真にして閉じ込めてしまう犯罪技を使う。 更に頭部はギャングラー怪人が保有する金庫となっている。 「ルパンコレクション」は「想い出/La mémoire」という記憶を写真に閉じ込めてシャットダウンしてしまうカメラ型アイテム。 2体目が保有していたのは「楽しくいこうぜ/Prends-le dessus」という化石型アイテム。 実験に朝加圭一郎の記憶を奪うが、中途半端に奪ってしまう。 31話では2体目が登場、巨大化した状態だった。 【改造ポーダマン(赤)】 独特のポーズで物質を転送することのできる赤い改造ポーダマン。 声は佐藤貴史氏。 「ルパンコレクション」は「いっしょに遊ぼう/Attrapé dans le jeu」という未来永劫タイムできない永遠のゲーム空間に誘うチェスピース型アイテム。 コレクションの能力を悪用して、ルパンレンジャーを不思議なゲームの中に閉じこめ、「ここから脱出できたら金銀パールプレゼントゲーム」を強制し、様々な無理難題で翻弄した。 【余談】 ルパンコレクションのイメージモチーフは『特命戦隊ゴーバスターズ』に登場する「イチガンバスター」。 2体目の持つもののイメージモチーフは『爆竜戦隊アバレンジャー』に登場する「ダイノブレス」。 3体目の持つもののイメージモチーフは『未来戦隊タイムレンジャー』に登場する「圧縮冷凍カプセル」。