約 1,837,653 件
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/80.html
カフェタイム―あんたらつくづく…― ◆dHWlzxs/ng 「ふぅ───」 妙にエロいライダースーツを着ている、カテジナ・ルースは、支給食糧の携帯飲料── どこぞの7のつくコンビニに売られているようなものと似ているが、綴りを読むと「バルトフェルド・カフェ」と書かれたカップのコーヒー ──を飲みながら、機体操作の一切をしていなかった。 する必要もなかったのだ。 「機体が大きくて、尚且飛べると本当に便利よね」 「いやはや、全くですな」 通信機から、ギャリソンさんの声が聞こえる。 「……こんな状態でバランス取りながら操縦するのは難しいんだからな。振り落とされても文句を言うなよ」 「そのくらい、解っている」 アフロの声。今一番働いているのは彼だ。 今、彼等は───空にいた。 「ガンドロの肩に?」 「えぇ」 数十分前、襲撃された後に動きだそうとした矢先、カテジナはふと思い付いたことを話した。 「私の機体も、ギャリソンさんの機体も、あなたの機体とはサイズ差が大きすぎる。 逆に移動力は私の機体が断トツで、あなたの機体は鈍い。 そして私とあなたの機体は飛べるけれど、ギャリソンさんの機体は飛行不可能─── つまり、三人で固まって動くには足並み揃えるのは難しいのよ。 だから、飛行可能で私とギャリソンさんの機体を乗せて運べそうなあなたのガンドロの肩を貸して欲しいのよ」 「んな言ったって………」 「悪くない考えですな」 二対一、多数決の理論でコスモは押し黙った。 「空を飛ぶ連中はあまり居ないわね」 「目立ちますからな。後2時間ほど移動したら、着陸して食事と致しましょうか」 「あぁ確に。まあ、私たちで迎撃出来るから、ある程度の敵なら大丈夫よね。G・テリトリーもあるし」 「…………」 ユウキ・コスモは、通信機に入らない程度の声で呟いた。 「…………平和ボケ、してんじゃねぇよ」 【カテジナ・ルース 搭乗機体:プロトガーランド(メガゾーン23) パイロット状況:健康。マターリ中。 機体状況:MS形態 現在位置:C-5から西(B-5)に向け移動中 第一行動方針:マターリ索敵 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【ギャリソン時田 搭乗機体:ガンダムレオパルドデストロイ(機動新世紀ガンダムX) パイロット状況:健康、マターリ中。 機体状況:全弾薬の半分近くを消費 現在位置:C-5から西(B-5)に向け移動中 第一行動方針:マターリ索敵 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【ユウキ・コスモ 搭乗機体:ジガンスクード・ドゥロ(スーパーロボット大戦OG2) パイロット状況:軽い眩暈、呆れ 機体状況:G・ワイドブラスター一発分の消費、自重以上を肩に乗せて移動中のため、ENを徐々に消費 現在位置:C-5から西(B-5)に向け、肩の機体を振り落とさないようにゆっくり移動中 第一行動方針:西へ移動 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【時刻:15 00】 ※ジガンスクード・ドゥロのエネルギーに関しては、移動によってどのくらい消費したかは次の書き手に任せます。 BACK NEXT 殺意は昏き火が如く 投下順 気になる、あの子 核ミサイルより強い武器 時系列順 美しくない BACK 登場キャラ NEXT 金髪お嬢とテロリスト カテジナ 『歌』に振り回される人達 金髪お嬢とテロリスト ギャリソン 『歌』に振り回される人達 金髪お嬢とテロリスト コスモ 『歌』に振り回される人達
https://w.atwiki.jp/doroboumama/pages/971.html
修学旅行積立金奥 37 :名無しの心子知らず:2008/05/24(土) 07 56 17 ID gDRezZU3 昨日、同じ子ども会の役員のAさんが逮捕された。 容疑は窃盗。 被害者はうちと私の弟。被害は現金14万7千円。 弟はまだ高校生で今年の夏が修学旅行。 自分でバイトしたお金で行くと高校に入って以来ずっと貯金してきて 代金を支払う時に銀行から下ろす時間がないから、と 私がカードを預かって代わりに下ろして預かってたんだけど 放課後、弟が取りに来る前にやられた。 封筒に入れて私のバックの中のポーチに弟のカードと一緒に入れてたんだけど 弟が来て渡そうと思ったら、カードも封筒もあるのに現金は消えてる。 銀行から帰ってから留守にはしてないし、うちに来たのは隣のAさん親子だけ。 子ども会の事でちょっと上がってお茶飲んで帰って行った。 で、警察を呼んでバッグもそのまま提出して。 実は他家への空き巣で逮捕されたんだけど余罪として弟のお金の事も吐いたらしい。 今さっき、生活安全課から電話を貰ったところ。 被害届は出してるから、後は警察にお任せだけど 被害弁償ちゃんと取れるだろうか…。 昔、うちの祖母が隣に住む婆さんにこっそりカードと通帳からお金を繰り返し引き出されて 祖母が被害に気がつく前に別件で逮捕されて、余罪で祖母の被害も判ったんだけど その時、弁償能力無し、とかで被害額戻ってこなくて泣き寝入りだったんだよね… 38 :名無しの心子知らず:2008/05/24(土) 07 56 42 ID aVmvyQVO 大人同士の問題のこじれで腹いせに子供を悲しませるようなことをするなんて 育児板では到底受け入れられないと思う。 39 :名無しの心子知らず:2008/05/24(土) 08 06 13 ID YD/++xId こういうのって、お金戻ってこないこと多いよね 40 :名無しの心子知らず:2008/05/24(土) 08 14 56 ID gDRezZU3 39 弟が頑張って土日バイトして貯めたお金なんでどうしても取り返したいんだけど やっぱり無い袖は振れない、と開き直られたら無理でしょうか? 盗られた修学旅行代は学校には私が立て替えて払ったんで 実質弟の懐は痛んではないんだけど、どれだけ頑張って働いてたのか知ってるから このまま泣き寝入りは悔しいです。 Aさん宅は旦那さんがあまり仕事が続かない人らしくで正直返済は不安です。 ご実家が常識的な人だといいんだけど… 41 :名無しの心子知らず:2008/05/24(土) 08 26 25 ID 5f+ufI32 15万くらいだったら、月々5000円の分割でも二年ちょいだし、分割ででも払わせたら? 42 :名無しの心子知らず:2008/05/24(土) 08 26 38 ID jlx9qOsH ネタ認定するわけじゃないけど 修学旅行代金って積み立て引き落としじゃないのか?と 43 :名無しの心子知らず:2008/05/24(土) 08 31 24 ID gDRezZU3 42 学校により違うんじゃないですか? 私の行ってた高校は月7000円ずつ積み立てして 全員一律で同じところに旅行に行くって形でしたが 弟の学校の修学旅行案内は数種類の国内、国外旅行、 夏休みコースか春休みコースから自分で好きな箇所を選んで 参加、不参加も自由、代金も旅行によって18万のコースから2万のコースまで様々で 選んだコースの実費集金でした。 45 :名無しの心子知らず:2008/05/24(土) 08 36 47 ID jlx9qOsH へえ~いいね、その学校。 私立とかだとそう言うのもあるのかな? お金に余裕があれば春夏両方参加とかしても大丈夫なのかな? 46 :名無しの心子知らず:2008/05/24(土) 08 41 40 ID 75eHyZhE 学校、旅行代理店だね。思い出もバラバラ過ぎww 国内と海外の二種類選択って多くなってきてるらしいけど。 47 :名無しの心子知らず:2008/05/24(土) 08 45 42 ID TlcKwoQi 絶対お金は分割でも返してもらいなよ! 余罪多そうで大変みたいだけど。 私の学校は公立だったので東京か九州かの選択制だったけど 友人は私立だったので、5人くらいのグループ毎に好きなところに行ってたよ。 海外行くグループもあれば、国内も居た。 48 :名無しの心子知らず:2008/05/24(土) 08 47 39 ID gDRezZU3 私立で科もクラスも多い学校なんで、選択コースが多いんだと思います。 国外コース、国内5コースありました。 なんか私のせいでスレズレしてますね、すいません。 後はなんとか知恵を絞って取り返せるように算段してみます。 次のお話→165
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/30.html
仮面の舞踏会 ◆caxMcNfNrg 立ち並ぶ廃墟の間に、赤い巨人の姿があった。 大地に膝をつき、頭部の角を前方に向けた鋼鉄の巨人。 その隣で一人、仮面をつけた男が思案に耽っている。 白を基調にした厚い布地の衣服に、頭部全面を覆う仮面。 明らかに場違いな格好をした彼の名は、ユーゼス=ゴッツォ。 バルマー帝国第七艦隊の副司令官……いや、実質上の支配者である男である。 ……もっとも、リュウセイ・ダテを始めとするSRXチームや、 優秀なサイコ・ドライバーである彼等を中核としたαナンバーズ、 そして己が分身である、イングラム・プリスケンの手によって、 彼の野望は、その身と共に潰えたはずであった…… (そうだ、確かにあの時、我が身は因果地平の彼方へと消え去ったはずだ……) だが、こうして五体満足で存在している。 ……殺し合いという、腹立たしいゲームの盤上ではあるが。 (主催者……レジセイアといったか……の見せた力…… そして、勝者に与えられるという、自らの望む世界…… もしや、あれはアカシック・レコードの……ならば、あの怨念も……) 「……どちらにしろ、ここで滅するわけにもいくまい」 ユーゼスの小さな声が、仮面に遮られ虚空に消える。 「そうだ、この身が現世にあるのだ……私は滅びぬ! イングラムよ、三度目の邂逅は近いぞ……!」 その言葉と共にユーゼスは、自らの隣にある赤色の巨人を見上げる。 PTX-003C――『古い鉄』という、不名誉な名を与えられた機体を…… 「ふむ……射程距離に不安が残るが……まあよいだろう」 アルトアイゼンに近づきながら、ユーゼスは仮面の下で笑みを浮かべる。 「私の念動力で補えば、充分に生き残れ……」 不意に……上空からの日差しが途絶え、ユーゼスの言葉は途切れた。 仮面の下の笑みを凍りつかせ、ゆっくりと振り返る。 そこには自らの機体の、ゆうに二倍以上はあろうかという巨人が佇んでいた。 「……答えてください、貴方はこのゲームに乗っているんですか?」 目の前の機体から響く女性の声に、ユーゼスは即答した。 「このゲームを壊そうとしているのも私だ」 【ユーゼス=ゴッツォ 搭乗機体:アルトアイゼン(スーパーロボット大戦IMPACT) パイロット状況:良好(ちょっと驚いたのも私だ) 機体状況:良好 現在位置:D-4 第一行動方針:目の前の女性(ベガ)と会話 最終行動方針:生き残る】 【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー) パイロット状況:良好 機体状況:良好(ビットも健在) 現在位置:D-4 第一行動方針:目の前の人物(ユーゼス)と会話 最終行動方針:仲間を集めて、ゲームから脱出】 【初日 12 30】 BACK NEXT 悪の美学 投下順 悩める少年 天駆ける少女 時系列順 護るために BACK 登場キャラ NEXT Opening ユーゼス 仮面の作戦会議 ベガ 仮面の作戦会議
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/112.html
騎士の美学 ◆C0vluWr0so マサキたち一行と別れた後、ブンドルは東へ進路をとっていた。 「この地図……おおまかな地形は合っているようだな。やはりこれは殺し合いを円滑に行わせるための小道具と見て間違いないだろう」 ブンドルはこれからの目的地について思案していた。 地図を見る限りでは参加者が集まりそうなポイントは三つ。 A-1とC-8、D-8の市街地二つにG-6の基地だ。 市街地ならば建物など障害も多く、食料品なども手に入るだろう。それを考えれば非力な参加者が生き残るために集まってくることは想像に難くない。特に二つのエリアにまたがる南の市街地はその傾向が強いに違いない。 基地は言うまでも無い。この――首元に手を伸ばす――忌々しい首輪。これを解除出来る可能性が最も高いのは十分な設備があるだろう基地だ。高台にあるため、立てこもりにも有利。 ――だがそれゆえに激戦地となることも予想される。出来れば早い段階で確保し、首輪の解析を進めたい。 「……やはり問題は技術者か」 そう、首輪を解析するにしてもそのとき必要になるのは解析スキルを持った技術者。首輪の解除もなしに主催者に歯向かうのは、あまりに分の悪い賭けだ。 基地の確保、技術者の捜索、どちらを優先させるべきか。ブンドルは思案していた。 そのとき、ゲームの進行を告げる放送が会場に響き渡る―― …ラクス=クライン …リリーナ=ドーリアン 『ご褒美は、死んでしまった方を生き返らすことから世界の改変まで望むがままですの』 ブンドルは憤慨していた。自然と声にも怒気がこもる。 「ふん、放送によって狂気を煽るか。……実に美しくない」 しかし、事態は想像以上に進行している。 放送の中に、二つ知った名があった。ラクス=クライン、リリーナ=ドーリアン。 カズイにゼクスだったか、あの二人は。ゼクスは大丈夫だろう。あの青年からは大局を見据える目と、折れない意志を感じた。だがカズイはどうだろうか? ブンドルは知っている。このような極限状態に陥ったとき、もっとも怖いのは彼のような一般人だ。脆い彼らは、簡単に壊れる。 他の八人の死も、狂気の加速を促すに十分だ。 そして、『褒美』の存在。死者の蘇生、世界の改変。本来ならば一笑に付したところだ。 だが今の状況を見てみろ。自分たちは訳も分からずにこんなくだらないゲームに乗せられている。しかも複数の世界の人間がだ。認めたくはないが、あの主催者の力は異常だ。 だが――だからこそ、私はあえて歯向かおう。その力をこんなふざけたことにしか使わないあの怪物に。 さしあたって私がすべきことはなんだ? 基地の確保か? いや、違う。 だいたいにして、人の尊ぶべき美しい命とくだらんゲームのための設備とを比べていたことが間違いだった。 「私はこのゲームの騎士(ナイト)となろう。これ以上命の花を無駄に散らせるわけにはいかん」 基地の確保は後回しだ。人の命は容易く消えるここでも、設備はそうそう消えまい。幸いにもまだ基地は禁止エリアの指定はされていない。先に市街地へ行き、より多くの弱き者たちを守る。それが騎士たる私の使命だ。 再び地図に目をやる。北西と南、どちらへ向かうか。南の市街地の近くで遭遇した二機。あまりにも美しさに欠ける機体だったため接触はしなかったが、向こうには明らかな交渉の意志があった。彼らなら南の市街地に集まる参加者をまとめることが出来るかもしれない。 ならば私が向かうのはA-1に位置する市街地。ここで私は騎士としての使命を果たそう―― 青き翼で風を切り飛んでいくその様は、さながら竜騎士か。 ブンドルは再度誓う。必ずやこのゲームを止めてみせると。 【レオナルド・メディチ・ブンドル 搭乗機体:サイバスター(魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL) パイロット状態:良好、主催者に対する怒り 機体状態:サイバード状態、ハイ・ファミリア、精霊憑依使用不可能 現在位置:G-5 第一行動方針:A-1に向かい、技術者をはじめとする一般人を保護する 第二行動方針:基地の確保のち首輪の解除 最終行動方針:自らの美学に従い主催者を討つ】 【初日 18 20】 BACK NEXT 類(仮面)は友(仮面)を呼ぶ 投下順 追う鬼、追われる鬼 巨虫、岩を打ち抜いて 時系列順 Time Over ―私の中のあなたにさよならを― BACK NEXT 遥か高くに翼は舞い ブンドル 失われた刻を求めて
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/373.html
竜が如く ◆VvWRRU0SzU 紫雲統夜は舞い踊る。死を撒き散らし破壊をもたらす闘争の舞踏を。 お前一人でやってみろ。戦場の師にしていつか命を取り合うと約束した男はそう言った。 目前には大軍――そう、大軍としか言えないほどの化け物達。どうやらインベーダーと言うらしい。 ヴァイサーガの武装では分が悪いと言ってみても、師は甘えるなと突き放す。 条件が悪いからやらないってのはただの臆病者だ。本当に強い奴ってのは、どんな状況からでも結果を出すもんだ――そう言われては言い返せない。 ダイゼンガーがその巨大な刀を一振り、大地に轟と深い溝が刻まれた。 『この線を越えさせるな』。師が出した条件はそれだけ。ただし、師も、護るべき少女の手助けもない。 いざとなれば助けてやるとは言われたものの、信用できたものではない。 しかしこれしきを乗り越えられないようでは、来たるJアークとの戦いに置いてテニアを護りきることなどできるはずもない。 そう己に言い聞かせ、統夜はヴァイサーガを黒い異形達へと突っ込ませた。 ユーゼスから取り戻した五大剣を当たるを幸い振り回す。 剣の結界は触れたもの全てを切り裂き、押し潰し、吹き飛ばしていく。 一瞬たりとも立ち止まらずに、さながら疾風の如く立ち位置を変えインベーダーを刻み続ける。 傍から見れば黒の濁流の中に一瞬ぽっかりと空白が生まれ、一瞬だけ蒼い影を見つけるもすぐに見失うことだろう。 そしてまた別の場所で空白地帯が生まれ、また別の場所で……そうして黒は刻一刻と駆逐され、蒼い影がその身を晒す時間も比例して増えていく。 しかし足りない、これでは足りない――何よりも、そう。先程まざまざと見せつけられたダイゼンガーの暴虐に、これでは全く届かない。 所詮は剣の届く範囲しか斬ることのできないヴァイサーガと違い、ダイゼンガーは豊富な武装と圧倒的なパワーを有している。 いわゆるロケットパンチというやつか、肘から先を発射してその強大なパワーと質量で薙ぎ倒すダイナミック・ナックル。 大量のインベーダーを一瞬にして焼き払う高熱放射砲、ゼネラル・ブラスター。 取り回しに優れた近接武装ガーディアン・ソード。これは現在も予備と称して統夜に貸し付けられているが。 そしてあらゆる形状、大きさへと変化する斬艦刀。統夜からすればこれが一番恐ろしい。 その巨大質量による一撃は戦艦ですら真っ二つだと思わせる威力。隙も大きいが、そこを液体金属による形状変化で千変万化に補っている。 刃の嵐をくぐり抜け、なんとか近づいたインベーダーを一瞬にして大刀からナイフへと姿を変えて切り刻んだのは記憶にも新しい。 遠距離では熱線砲。中距離ではロケットパンチと斬艦刀。近距離にはこれまた斬艦刀が活躍する。 どこから見ても隙がなく、またそれを操る操縦者も統夜の遥か上を行く男。 いつか戦うかもしれない、手を組んだことを今さらながらに後悔するが、逃げることもできはしない。 今の統夜には護るべき者がいる。最後まで共に生き残ると、誰かを殺してでも共にいると誓った少女……テニアが。 強くならなければいけない。テニアを護ることができるほどに、ガウルンさえも超える力を手に入れなければ。 インベーダーを相手取りながらも、統夜の脳裏に映るのは巨大な鎧武者、ダイゼンガー。 もし戦うことになればどうやって制するのか。どのような戦術なら有効なのか。 統夜はありったけの戦闘経験を動員して、インベーダー/仮想ダイゼンガーへと挑みかかる。 今までに戦った、見た、体験したあらゆる戦いから使えそうな情報を抽出し、分析し、練り上げる。 現実の戦いと、仮想の戦いと。二つの戦いを同時にこなす統夜の動きは、本人も気付かない極めて小さなレベルで変革を始めていた。 やがて脳裏に去来したのは市街地で交戦した、変形する白い特機。 目にも止まらぬ動き――超音速の世界。 □ ユーゼス達と別れて街を南下し、休憩を挟み何時間か過ぎた頃。 禁止エリアのすぐ傍で、アタシ達はインベーダーと戦いになった。 たっぷり休んだし、こっちは三機だ。恐れることもなく蹴散らしてやろうと思ったら、ガウルンは統夜に一人で戦えって言った。 当然アタシ達は抗議したけど、統夜がガウルンの挑発に乗って一人で突っ込んでいってしまった。 すぐさまアタシも後を追おうとしたけど、ガウルンが「統夜が強くなる最後のチャンスだ」と言ったためここでこうして見ているという訳。 でも、アタシやガウルンが手を出すまでもなく、インベーダーは一匹たりとも線を越えて向かってくることはなかった。 アタシにはそれが、統夜の働きによるものかあるいはこの物騒極まりない獲物を肩に担いで観戦している男を恐れているのか、判断はつかなかったけど。 とにもかくにも、おかげでベルゲルミルは再生に全ての力を回していられる。 いざとなればすぐに動く準備はしているものの、この様子ではその必要はなさそうだ。 警戒すべきはインベーダーではなくこの男、ガウルン。アタシの理性や野性、本能といった全てがガウルンを危険だと叫んでいる。 モニター越しに睨みつけていた視線に気付いた訳でもないだろうけど、当のガウルンから通信。 「いやいや……やるもんじゃねえか、統夜は。俺ぁ十匹くらいは取り逃がすかと思ってたんだが、中々どうして。愛は偉大ってことかねぇ」 「……何が言いたいのよ」 「嬢ちゃんがいるからこそ、統夜は強くなれるってことさ。青春ってな良いもんだぜ、俺にゃ眩し過ぎるくらいにな」 吐き出す言葉全てに裏があるんじゃないかと思える。 ガウルンはアタシのしたことを知ってる。それを統夜に言うことなく、ヌケヌケと協力を持ちかけてきた。 どうせこう言いたいんでしょ? 『統夜にバラされたくなければ黙って俺と手を組んでな』って。 機会があればと思わざるを得ない。ガウルンを排除する機会――。 しかし、主催者から譲り受けたって機体、ダイゼンガー。これは反則でしょ? 傷一つないまっさらの新品ってだけでもズルいのに、その性能はアタシのベルゲルミルや統夜のヴァイサーガがオモチャに見えるほど。 こんな奴にあげるくらいならアタシに――いや、アタシじゃ上手く使えないか。ならせめて統夜に――くれればいいのにさ。 「ところで、テニア。今の内に話しときたい事があるんだがよ」 「何よ。統夜が戻ってきてからでいいでしょ?」 「いや、あいつは駄目だ。なんせ、あいつがアテにしてるユーゼスについてだからな」 ガウルンの声の調子が変わる。真面目な話ってことだろうけど。 「率直に言ってだ。俺はあいつが信用できない。テニア、お前さんはどうだ?」 「信用できないって、首輪の解除がってこと? 確かにあいつがアタシ達の首輪を素直に外すとは思えないけど」 「いや、それ以前の問題だ。あいつが言ってたろう、Jアークの技術を手に入れるって。じゃあ手に入れた後、あいつの機体はさらに手がつけられなくなる訳だ。 それこそ俺達が束になっても叶わないくらいにな」 「……だから何よ。主催者と戦うんだったらむしろ心強いじゃない」 「そこだよ。主催者と戦うにはそりゃ強い機体が、あるいは大勢の手駒がいる。 あいつは今そのどっちも持ってるわけだが、もし手駒も要らなくなるくらい機体が強化されたらどうする? 首輪の解除なんて餌をくれてやる必要もない。邪魔なら踏み潰せばいいだけだからな。その時点で協力関係なんて破綻すると思わねえか?」 「じゃあ、邪魔しなければいいじゃない。ユーゼスに協力すれば、少なくともこの殺し合いは終わるでしょう?」 「そして、あいつが新たな絶対者になる……ぜ?」 「ユーゼスが、アタシ達を切り捨てるって言うの?」 「俺ならそうするね。考えても見ろ、お前がユーゼスの立場だったとして俺やJアークを見逃すか? 自分に歯向かうかもしれない、痛手を与えるかもしれない奴がいるってだけで間引く理由にゃ十分だ。そして、それは何も主催者を倒した後には限らない」 「どういう意味よ……?」 「Jアークを沈めた時点で俺らは用済みってことさ。十中八九、奴は俺達も喰おうとするぜ? 目を引く技術ではなくても、動力や装甲なんてな機体を強化する材料になる。 特に嬢ちゃん、お前の機体はアウトだ。そいつぁ自力で再生する機能を持ってるだろ? あいつが見逃す訳はない」 むう、と考えさせられる。たしかに何でも取り込むユーゼスの機体からすれば、ベルゲルミルの持つマシンセルとて狙われてもおかしくはない。 「そしてお前さんが喰われちまえば統夜が黙っているはずがない。が、統夜一人であいつに勝てるはずもないだろ? 結局お前も統夜も、そして俺もあいつの胃袋の中で仲良く消化されるのを待つだけってこった。ククッ、とんだ同盟もあったもんだな、おい?」 そう言うくせにガウルンはとても楽しそうだ。どう見てもその結果を受け入れているとは思えない。つまり―― 「喰われる前にユーゼスをやる……そう言いたいの?」 「Exactly(その通りでございます)。お前さんだって、あいつの言うなりに動くつもりはなかったんだろ? ここは俺に賭けてみないか? まあ、損はさせないと思うぜ」 「じゃあ……じゃあ、首輪はどうするのよ。これがなきゃ結局同じことじゃない」 「俺と考えが違うのはそこだな。いいか、首輪なんざ『外す必要はねえ』。俺はそう思ってるんだよ」 「は、外す必要がないって……どういうことよ! それじゃアタシと統夜が生き残ることなんてできないじゃない!」 「二人で生き残る、ってのを違う視点から解釈すればいいのさ。いいか、お前さん達は要するに二人で元の世界に帰れりゃいいんだろ? 何も主催者を倒す必要なんてない。優勝して、残った片方を生き返らせりゃいいだけだ。シンプルにして確実な方法だろ?」 「生き返らせるって……そんなこと信用できる訳ないじゃない。いくらあいつらが化け物だからって……」 「いや、証拠ならあるさ。お前さんの目の前にな」 目の前……アタシは目を丸くした。それは、つまり。 「そう、俺も実はここに来るまでに死んだんだよ。砲弾に腹吹っ飛ばされてな。朦朧とする意識の中、最後はここに一発喰らった。ありゃ間違いなく死んだだろうぜ」 トントン、とガウルンは額を指で叩く。 そこにはたしかに薄っすらと……銃創のようなものが見えなくもない。 死んだガウルンを主催者が蘇生させた。なるほどこれは嘘ではないのかもしれない。 「優勝しさえすれば人を生き返らせることだってできる。これは信用してもいいと思うぜ?」 「……そのためには、アンタだって排除しなきゃいけない。それはわかってるの?」 「もちろんさ。俺だってそりゃ生きて帰りたいんでな。いつかお前さん達と俺と、戦うことになるのは間違いない。 が、それはユーゼスを排除してからだ。あんな奴がいたんじゃ優勝なんて夢のまた夢だからな」 「でも、Jアークはどうするのよ? 見逃すって言うの?」 「まさか。まずはあいつらをユーゼスにぶつけるのさ。で、適度に消耗して警戒が逸れたユーゼスを背中からバッサリ……な。 さすがにあいつだって敵と戦ってる時はこっちまで気を配ることはできねえだろ。逆に言えばその瞬間しか、あの機体をやるチャンスはねえってこった」 「……具体的には、どうするの?」 「Jアークの奴らは手練れだ。ユーゼスも相当の手傷を負うだろう。そこまで俺達が落ちてないことがまず大前提。 次にJアークの戦力が低下していることも重要。ユーゼスを殺った後あいつらにやられちゃ世話ねえしな。 最後に、アキト……ユーゼスの手駒だな。こいつもおそらくだが、俺達と同じことを考えてるはずだ。俺達が動けば多分乗ってくるだろ」 「アキト……アンタ、あいつに狙われてたんじゃなかったの?」 「さすがにあいつだって状況を読めないほど馬鹿じゃない。俺を殺したって、ユーゼスがいればその時点で優勝なんて不可能だ。 ユーゼスを取り除く絶好の機会、逃す奴じゃねえよ」 「つまり、半壊したJアークとアキト、そしてアタシ達でユーゼスを袋叩きにするってことね」 「そういうこった。で、首尾よくユーゼスを落とせば次にアキトとJアーク。アキトは俺に任せてくれりゃいい。お前らは弱ったJアークに止めを刺す」 「そして、最後にアンタとアタシ達で決着をつける……」 「そう、それで終いだ。俺が生き残るかお前らが生き残るか……それはその時の運次第だ。悪くねえ話だろ?」 現状、アタシと統夜以外は全て敵と言っていい。これで生き残るのは正直厳しい。 しかしガウルンのプランが完遂すれば、残るのはアタシと統夜、そしてガウルン。 一筋縄でいく男ではないけど、それでもアタシと統夜の二人掛かりなら勝機はある。 よし…… 「乗ったわ、その話」 「オーケー。わかってくれると思ってたよ、嬢ちゃん」 「あまり馴れ馴れしくしないでよ。最後は戦うんだから」 「つれないねぇ。まあいい、よろしく頼むぜ。統夜にはお前さんから話しといてくれ。俺が言うとなんだ、変に勘ぐられるだろ? と、すっかり一人で戦っている統夜のことを忘れていた。 視線を戻し――アタシは愕然とした。 「インベーダー……もうほとんどいないじゃない」 「ははぁ、こいつぁ驚いたな。お喋りしてる間に全部やっちまうとは」 ガウルンもさすがに驚いたようだった。 ダイゼンガーみたいな武装があるならまだしも、ヴァイサーガは基本的に剣一本で戦う機体だ。こんなに早く多数の敵を殲滅できるとは思えなかった。 視界に一瞬、蒼い影が揺らめく。 巨大な異形が、影目掛けて突き進む。あわや激突すると思わせたそれは、しかし影を『すり抜けて』地面へと激突する。 インベーダーの頭に鋭い小刀が突き刺さり、弾ける。 投げたのはさっきと寸分違わぬ位置にいるヴァイサーガだ。 「あれ、今……? すり抜けた、よね?」 「分身、ってやつかね。ぎりぎりまで敵を引き付けておいて、紙一重でかわしたのさ」 ヴァイサーガは、よく見れば足を絶えず動かしている。 全体としてはそこにいる、でもいざぶつかろうとしても風に舞う木の葉のようにふわりと逃げる。 ヴァイサーガは最高速はそれほどでもないが、瞬発力には秀でている。 静止状態から最高速への、一瞬の加速。 大仰な推進装置を持たないヴァイサーガがそれを可能とするには、足捌きこそが肝要だとガウルンが言う。 走り回るのではなく、最小限の動きで攻撃をかわし、隙を見せた敵に反撃を加えていく。 「どうやら、ヴァイサーガを完全にモノにしたみてえだな。ククッ……いいねぇ統夜。それでこそ……そうでなきゃ面白くねえ……」 ぼそりと呟かれた声に込められた、滴るような悪意。全身が総毛立つような、おぞましい気配。 アタシはガウルンが今にも統夜に襲いかかるんじゃないかと警戒したけど、幸いガウルンは自制したようだった。 わかっちゃいたけどコイツはヤバい。 統夜に早く戻ってきて欲しいと、必死で祈る。 その統夜に、残ったインベーダーが合体して(というか融合して)大蛇のようになって突進する。 ヴァイサーガの姿が一瞬ブレて――大蛇の周りを、蒼い騎士が剣を掲げて包囲する。 遠目に見てもどれが本物かわからない。対峙していたインベーダーは尚更だっただろうと思う。 やがて分身たちが消え――否、一つになり。 インベーダーがそれを察知した頃には、光のように駆け抜けたヴァイサーガの剣が大蛇を一刀両断に切り裂いていった。 □ 全てが己の掌の上で回っている。 ガウルンはまさに今そんな気持ちだった。 インベーダーを殲滅した後。 完全に陽が落ち、静寂と共に暗い夜が訪れる。 さすがに疲労した様子の統夜を休ませつつ、テニアが先程の件を話している。 見張りを買って出たガウルンはその様子をさも愉快そうに眺めていた。 統夜の成長は予想以上だ。 欲を言えばJアークの連中と戦わせることでもう少し経験を積ませたいが、この分では先にガウルンの方が参ってしまいそうだ。 あと少しすれば会談の場に出発しなければならない。が、今しばらくは休憩の時間がある。 「もう少し……もう少しの我慢だな。ああ、でも……俺は我慢弱いからなぁ。待てるかどうか……」 テニアもこれでユーゼスを殺す方に大分傾いただろう。 主催者が人を生き返らせることができるかどうかなんて知らないし、興味もない。あれで騙される方がマヌケというものだ。 とにかくこれで下地はできた。 Jアークと、ユーゼスと、アキトと、統夜・テニアと、そして自分。 誰もが誰かの背中を狙う、考えるだに楽しげなブラッド・パーティ。 頭の中で『その時』のことを想像するとそれだけで身体が震える。しばらくはこれだけで退屈しない――そう思っていると、通信を求めるランプが点灯する。 このコードはオープン回線ではない。ガウルン個人に宛てた内容、ということだ。 統夜達との通信を切り、その秘匿回線を開く。 そのモニターに映ったのは、つい数時間前に仕事を依頼してきた主催者の少女だ。 あまり進捗しない仕事に痺れを切らしたのだろうか。宥めすかす言葉をいくつか脳裏に浮かべ、ガウルンは笑みを浮かべ応対する。 「よう、お嬢ちゃん。どうした恐い顔して。ああ、仕事ならサボってるんじゃねえよ。今は機を窺ってるところだぜ」 「あなたにお伝えしなきゃいけないことがありますの」 「ん? なんだって?」 「先程、あなたに依頼した仕事の達成を確認しましたの。ただし、あなた以外の人物による、ですけども」 「へへぇ……誰かがあの化け物を殺ったてのかい? そりゃすげえな。一体誰だ?」 「それは、お答えできませんの。公平性を欠きますから」 そうかい、と投げやりに答えた。元より聞いたところでどうする気もなかったが。 しかしアレを撃破した者がいたとは驚きだ。おそらくユーゼスの機体ですらあれには手こずるだろうに。 「しかし……だとするならお嬢ちゃん。俺の仕事ってな、どうなるんだ?」 「要件はそれですの。あなたは本来なら数時間前に『死んでいる』はずでしたの。それをこの仕事を行うために延命させた……でもあなたは仕事を達成できなかった」 「お、おいおい。じゃあもう用済みだから死ね、だなんて言わねえだろうな?」 「そうは言いませんの。ただ……ペナルティを受けてもらいますの。でなければ、『公平』ではないでしょう?」 少女が言葉を切る。瞬間、懐に違和感。 探ってみれば少女から渡された薬だ。それが――蠢いている。 滑らかだった錠剤の表面が粟立ち、細い糸のようなものを四方に撒き散らす。糸は寄り集まり、束になり――ガウルンの掌へと突き刺さる。 「な、なんだ……こいつはッ!」 「あなたがそれを飲んでいてくれればもっと簡単でしたのに。種明かしをしますと、それはあなたも現在感染している『DG細胞』の結晶体ですの。 ただ、別の方に渡したものと違ってほとんど希釈していない……どころか、『私達』の眷族をちょっぴりブレンドしたスペシャル版。 飲めば首輪が爆発しなくなるというのは、要するにあなたを『私達』と同じモノと認識させることで共食いを避けるということでしたの」 淡々と説明する少女に反論もできない。掌に解けた薬は血管へと染み入り、凄まじい違和感とともにガウルンの身体を駆け廻っていく。 異物が体内を蹂躙する感触の後やってきたのは、激烈なまでの痛みだ。 外傷ではない……体内から発する痛み。しかもこれには覚えがある。 「あなたは元々癌に侵されていましたの。それをDG細胞が同化することで沈静化していた……これも考えてみれば出血大サービスでしたの。 ともかく、その癌細胞を今新たに生成いたしましたの。あなたにとっては慣れた痛みでしょう? あ、義足までは取り上げませんから安心してほしいですの。その機体は身体の動きに連動して操縦する物ですから、そこは配慮いたしましたの!」 指をVの形に突き立てる少女に悪態の一つも吐いてやろうとしたが、あまりの痛みに声も出ない。今まで好き勝手やってきた分反動で一気に来たということなのか。 が、時が経つにつれて痛みを幾分和らいでいく。顔中に脂汗を浮かべ、ガウルンはモニターの向こうの少女を睨みつけた。 息も絶え絶えに声を出す。 「ありがとよ……と、言えばいいってのかい? 違約金にしちゃ、随分……あこぎじゃねえかよ」 「あなたがモタモタしているからですの。とにかく、これで全ては公平――ここからはあなた達だけのステージ。もう、私からは一切の手出しは致しませんの。では、健闘をお祈りしていますの」 通信が切れた。もう用済みということなのだろう。 息を吐く。とんでもないことになった……ガウルンは己の身体の状態を冷静に観察する。 懐かしい癌の痛み。すぐに動けなくなるということはないだろうが、このダイゼンガーを操縦する上では長時間の戦闘はかなりの危険を伴うだろう。 (どうやら俺にはもう時間がねえらしい。だが、それならそれで……) やり様はある。 元々は棺桶に片足を突っ込んでいたような自分なのだ。ここまで楽しめた事、それ自体が僥倖。 あとはこのまま心穏やかに最期の時を迎える――そんな訳はない。 どこまで行っても俺は俺だと、痛みの中でなお男は笑う。 残り時間が少ないのなら、その中でできるだけ、やれるだけ楽しむ。 命が惜しい? 冗談じゃない。そんな瑣末ごとで妥協はしないからこそのプロなのだ。 方針が変わるわけではない。 ユーゼスを切る。これは確定事項。 先程までならその後そこにいる全ての者を味わうつもりだったが、そうもいかなくなった現状、目標を絞る必要がある。 紫雲統夜。 こいつしかいない――ガウルンは強くそう思う。 別に死ぬことなど怖くはないが、やり残したことがあるまま朽ちるのは我慢ならない。 カシムと、それが叶わないのならせめて統夜と。 心ゆくまで殺し合い、充足を得たい。それだけが、今のガウルンが望むただ一つの夢だ。 (アムロ、ブンドル……あいつらはもういい。Jアークの奴らもだ。シャギアって兄ちゃんは惜しいが、これもパス。ユーゼス……大物だが、これもいい。どうせ奴には蟻が砂糖に集るみてえにお相手がいることだしな) ユーゼスの目的を考えれば、Jアークの面々が抑えてくれるだろう。戦力的な面から抑えきれずとも、要するにこちらに回す手がなければいい。 (アキト……あいつぁ、もったいねえなぁ。できればあいつも喰っちまいたいところだが……まあ、欲張るのはうまくない。あいつから来るってんなら話は別だが、そうでない限りはお預けだな) 思い返してみればガウルンはここでずいぶん色んな奴に会った。 会ったが、その数に比較して彼自らが手を下した人物はそれほど多くはない。 良い機会だと、ガウルンは己の軌跡を思い起こしていく。 まず密林で交戦したガンダムに乗っていた老人だ。 中々どうして、年齢に似合わずかなりの手練れだった。年寄りの冷や水とは言うが、あの勝利は機体性能によるものと言ってもなんら不思議ではない。 開戦の狼煙としては幸先が良かったと言える。 次はあの戦艦同士の乱戦の中で戦った少年だ。 彼もまた中々の粘りを見せたが、いかんせん機体のクセが強すぎたのだろう。しかるべき機体に乗っていればもっと楽しめたのだろうと思う。 そう言えばあの機体、何故か修復されてキョウスケという男に乗り代えられていたが……ガウルンと同じく、あの主催者の少女の下へと転移したのだろうか? 彼のような正義感溢れる若者が死に、自他共に認める外道であるところの己が生き残る。神様とは全く捻くれたものだと笑う。 最後に、アキトの思い人である女。 これについてガウルンに特に思うところはなかった。彼女はあくまでアキトをこちら側に引き寄せるための餌でしかない。 そして、視線を傍らの少年少女へと巡らせる。そう、彼らこそがガウルンの人生における最後の『ご馳走』だ。 統夜の戦闘技術。愛しのカシムと比べればまだまだ不満があるが、それでも一応は及第点というところだろう。 戦場の機微という物も心得てきている。先程見せた動き。あれなら十分すぎる。 残る必要な物は精神的な『突破』だ。統夜がそれこそ自分の命以上に護ろうとする者……すなわちテニアを奪うことでそれは完成を見る。 ガウルンが、あるいは誰でもいいがテニアを殺したとすれば、統夜は間違いなくその下手人を殺そうとするだろう。 それがJアークの者であるとすれば、おそらく彼は獅子奮迅の働きを見せ難なく復讐を達成するはず。 だが、それではダメだ。その後ではもう、統夜は燃え尽きた灰のような残骸になる。 立ち直らせることもできないではないが、やはりその熱はテニアを失った直後よりは冷めている。何よりガウルンにはそれを待つ時間もなくなった。 己が死んだ後にも祭りが続くのは癪だとガウルンは思う。どうせなら、最後の一花を咲かせるところで全てを決してしまいたい……誰も彼も巻き込んで。 そのためにはユーゼス側によるJアークの一方的な蹂躙というのは面白くない。 適度にJアークを攻撃し、場の趨勢が決しかけたところで――ひっくり返す。 テニアに話した通り、アキトは乗ってくるだろう。奴は完全な優勝狙い。 奴にとって目下のところ最大の障害はJアークではなく、頭一つ二つは飛び抜けた力を有するユーゼスだ。 Jアークをある程度叩き力を奪っておけば、アキトは必ずその狙いをユーゼスに変えるはずだ。 でなければその後必ずユーゼスに喰われる。チャンスはその時しかない。 まずガウルンがユーゼスを撃つ。アキトがそこに乗ってくる。生き残ったJアークの者達も、この時とばかりユーゼスを落とそうとするだろう。 そしてその時こそ、統夜とテニアは完全なフリーになる。 思い出す。カシム――いや、『相良宗介』と千鳥かなめの関係を。 今の統夜とテニアの関係は彼らに酷似している。 これは予行演習なのだ。万が一己が生き残ったとき、もう一度その甘美な果実を味わう。いや、より上手く事を成すための。 竜は古来より生贄を求めるものだ。そして生贄は若い娘と相場が決まっている。 さしずめ統夜は騎士だろうが――残念なことに今の彼は竜を敵とは見ていない。 護る間もなく姫を奪われた騎士に残るのは何だ? 決まっている――竜への復讐だ。 (なあ、統夜。俺の最後のダンスのお相手はお前だ。頼むぜ、俺を失望させないでくれよ……?) 獲物を前に舌舐めずり。 恋焦がれる宿敵に窘められたこれは、永遠に直ることのない癖だなと笑う。 毒に侵された竜は、その背に覇を競うべき騎士を乗せて舞う。 最後の戦場、騎士との決着の場へ向けて。 来たるべき破滅を恐れることなく、心待ちにして――。 【ガウルン 搭乗機体:ダイゼンガー(バンプレストオリジナル) パイロット状況:疲労(小)、全身にフィードバックされた痛み、DG細胞感染 ガンが再発 機体状況:EN100% 現在位置: H-3 第一行動方針:『最高に熟した』統夜と戦う。そのため乱戦に紛れテニアを殺す。 第二行動方針:次の戦いで生き残っている者を全員殺す。 最終行動方針:元の世界に戻って腑抜けたカシムを元に戻す 備考1:ガウルンの頭に埋め込まれたチタン板、右足義足はDG細胞に同化されました 備考2:ダイゼンガーは内蔵された装備を全て使用できる状態です】 【紫雲統夜 登場機体 ヴァイサーガ(スーパーロボット大戦A) パイロット状態:疲労 機体状態 左腕使用不可、シールド破棄、頭部角の一部破損、全身に損傷多数 EN50% ガーディアンソード所持 現在位置: H-3 第一行動方針:Jアークに対処。 第二行動方針:ガウルン、ユーゼスと協力。でも信用はしない 最終行動方針:テニアと生き残る】 【フェステニア・ミューズ 搭乗機体:ベルゲルミル(ウルズ機)(バンプレストオリジナル) パイロット状況:焦り 機体状況:左腕喪失、 EN50%、EN回復中、マニピュレーターに血が微かについている 現在位置:H-3 第一行動方針:Jアークに対処。最中にユーゼスを討つ 第二行動方針:ガウルンと協力。隙があれば潰す。 最終行動方針:統夜と生き残るor統夜か自分どちらかが優勝して片方を生き返らせる。 備考1:首輪を所持しています】 【二日目 20 45】 BACK NEXT Alchimie , The Other Me 投下順 Alter code Fire Alchimie , The Other Me 時系列順 Alter code Fire BACK 登場キャラ NEXT 伏せた切り札 全ては己が目的のために ガウルン Alter code Fire 伏せた切り札 全ては己が目的のために 統夜 Alter code Fire 伏せた切り札 全ては己が目的のために テニア Alter code Fire Alchimie , The Other Me アルフィミィ Alter code Fire
https://w.atwiki.jp/ce00582/pages/205.html
37 女子賃金1 (1)計算するデータ avgfw(byear) 女子平均賃金 (2)入力するデータ f2by(byear,age) 変形厚生年金被保険者 出所 16 変形厚生年金被保険者 slide(byear) 比例スライド 出所 58 比例スライド mw(age)男性賃金プロフィール fw(age)女性賃金プロフィール 出所 data14 賃金プロフィール gamma(age)総脱退率 alpha(age)死亡脱退率 beta(age)障害脱退率 出所 data18 脱退力 theta(age)再加入率 出所 data152 再加入率 (3)数式 105.pdf 106.pdf 107.pdf 108.pdf 109.pdf 110.pdf (4)プログラム リンク名 JAVA PHP (5)リンク 財政再計算 数理レポート (6)作業記録 4月13日 ページの作成 4月19日 プログラムの作成 4月20日 ページの修正 10年2月17日 プログラム修正 3月5日 名古屋モデル 3月7日 プログラム修正 3月13日 ハゲタカモデル 3月16日 ページ修正 3月25日 ページ修正 3月28日 桂モデル 3月29日 プログラム修正 3月31日 ページ修正 4月5日 プログラムミス修正 4月7日 プログラム大幅修正 4月8日 スライド導入 4月22日 DIG作成 7月18日 桂モデル検証。比例スライド検証 7月19日 桂モデル検証 8月7日 スライドの問題 8月22日 スライドのみ 11年1月30日 ページ修正 3月24日 JAVA 8月29日 PHP修正 目次
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/2021.html
636 名前: NPCさん 2006/12/11(月) 21 59 42 ID ??? 怪しい館を探索していると地下に続く階段を発見 下りると一本道の長い地下通路 敵4匹出現、なぜか最大距離から開始 敵の射程とPCの最大射程が同じ、お互い待ちに入る 仕方ないのでPC全員で射程に入るとメインアタッカーに集中砲火される PL「何このスパロボ、帰っていい?」 GM「帰れません」(理由不明) その後まったく同じ敵と戦闘3回、どう見ても館の敷地外まで行ってます・・・ BOSS倒したらなんかミッション完了、ストレスが溜まるシナリオだった スレ120
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/243.html
ハイドベノン ◆ZbL7QonnV. 「さぁて、どうしたものかな……」 傷付き果てた大雷鳳の中、流竜馬は考えを巡らせていた。 これまで苛烈な戦闘を繰り返し続けてきた結果、大雷鳳の損傷状態は極めて激しくなっている。 まだ戦う事は出来るだろうが、本来の戦闘力を発揮する事は不可能であろう。 それでも並大抵の敵に敗れ去るとは思わないが、今自分の前に立ち塞がっている敵機は少々手強そうだった。 大雷鳳に匹敵する巨躯を誇り、なおかつ無傷に近い状態の機体。 その巨体が張子の虎でないとすれば、まともに戦り合っても一方的に叩き潰されかねない。 ……それに、なによりも惜しいと思う。 今の大雷鳳が連戦に耐えられないと言う事は、頭に血が上った竜馬とて理解はしている。 だからこそ機体の整備を行えないものかと、竜馬は基地に進路を向けた。 あの、隼人を殺した紅い機体……。 憎悪の対象を取り逃がす事になろうとも、竜馬は生き延びる事を優先させたのだ。 だが、無傷の機体に乗り換える事が出来るのならば、今の機体を無理に修復する必要は無い。 そもそも、これほどまでに傷付いた大雷鳳を完全に修理する事など出来るのかどうか。 もし次の放送で進入禁止エリアに基地が指定されてしまったら、修理を行う時間など無くなってしまう。 基地の中に修理用の機材が存在するかどうかすら、はっきりとはしていないのだ。 どうにかしてパイロットを機体から引きずり出して、ブチ殺してやる事が出来さえすれば……。 そう、思っていた時だった。 『――警告します! 戦う意思が無いのであれば、そこで機体を停止させてください!』 大雷鳳に向けて、通信が入れられたのは。 「あれは……まさか、ゼクスさん達の言っていた“百式”……!?」 ゼクス・マーキスの口から聞いていた、マサキ・アンドーが搭乗しているはずのMS。 その特徴に当て嵌まる大破した機体を目の当たりにして、ベガの心は激しく揺れていた。 この無意味な殺し合いに乗ろうとは思わない。 だが、相手が殺し合いに乗っていると言うのならば、無抵抗で殺されようとも思わない。 ましてや、今の基地には対主催の鍵となる、首輪解析技能を持ったユーゼスがいる。 殺し合いに乗った危険人物を、基地に近付ける訳にはいかない。 だから、警告は一度だけ。もし警告を無視するようなら、躊躇無く徹底的に攻撃する。 ……そのつもりで行った通信ではあったが、それに返って来た反応は彼女の予想を外れていた。 『ああ、いいぜ。なんだったら、この機体から降りてやった方が良いのか?』 「え……?」 それは、敵意の無い事を示そうとする誠意――に見せ掛けた、竜馬の策略に他ならなかった。 まず第一に警告を行って来たと言う事は、殺し合いに対して積極的ではないと言う事だ。 特に、この激しく傷付き果てた大雷鳳を見ても警告を行なってくると言う事は、どこまでも人の好い平和主義者なのだろう。 ならば、こちらから「機体を降りる」と言えば、それに対する誠意として自分も機体を降りる公算が高い。 多少、体力を消耗しているのは難だったが、それでも無理が利かないほどではない。 通信の声は、女だった。女一人を縊り殺す程度ならば、多少の疲労など問題にもなるまい。 無傷の機体を手に入れられる可能性を前に、流竜馬は獰猛に表情を歪めていた。 【流 竜馬 搭乗機体:大雷鳳(バンプレストオリジナル) パイロット状態:衰弱 機体状態:装甲表面に多数の微細な傷、頭部・右腕喪失、腹部装甲にヒビ、胸部装甲に凹み 現在位置:G-6西部(基地外) 第一行動方針:ローズセラヴィーの奪取 第二行動方針:G-6基地で機体の整備 第三行動方針:クルツを殺す 第四行動方針:サーチアンドデストロイ 最終行動方針:ゲームで勝つ 備考1:ゲッタートマホークを所持 備考2:百式の半身を引き摺っている】 【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー) パイロット状態:良好(ユーゼスを信頼) 機体状態:良好 現在位置:G-6基地西部 第一行動方針:流竜馬と接触する 第ニ行動方針:G-6基地の警護 第三行動方針:首輪の解析 第四行動方針:マサキの捜索 第五行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:仲間を集めてゲームから脱出 備考1:月の子は必要に迫られるまで使用しません 備考2:ユーゼスの機体を、『ゼスト』という名の見知らぬ機体だと思っています 備考3:ユーゼスのメモを持っています】 【二日目4 40】 BACK NEXT 決意の刃を鞘に潜ませ 投下順 穴が空く 解し得ぬ存在 時系列順 それぞれの思惑 BACK 登場キャラ NEXT 解し得ぬ存在 ベガ 穴が空く 解し得ぬ存在 竜馬 穴が空く
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/76.html
死活問題 ◆Nr7qwL8XuU 一つの人影がF-6地区からE-6地区の南東の端に踏み入った。2mほどしかないその影の移動速度はすさまじく彼か人ではないこと物語っている。 彼の名は相羽シンヤ。壮絶な戦闘の末辛くも勝利を収めた彼はテックセットを解くことなく移動していた 目指すは南西方向に見える市街地。人が集まりそうなそこならば、 ただの人間にあそこまで追い詰められ苛立つ神経を癒してくれる相手がいるだろうとふんだのである しかし、このゲームの参加者が彼を癒せる手段はただ一つ―― 彼を癒すことはすなわち彼に屠り殺されること意味していた―― 哀れな贄を求め渇望する心は強く衝動に身を任せ彼は全力で市街地を目指していた 同時刻、相羽シンヤと目的地を同じとする二人組みがいた。ロジャー・スミスとリリーナ・ピースクラフトである とはいえ二人の現在地はE-7地区であり、相羽シンヤとの間にはそうとうの距離があるため互いは気づいていない。 移動開始時刻が一時間ほどはやかったのも彼らに幸いしていた 「リリーナ嬢、何度も言うようだが・・・」 いっこうに返事を返してこない依頼者に対して話しかける 「仕様書を見るかぎり凰牙の補給は君のヴァルハラでも可能なようだ。一度、デンドーデンチのストックを確認させていただけないか?」 「・・・・・・・・・」 通信機の先の彼女は以前沈黙を守ったままである 返答すら返ってこないのでは交渉にすらならない。ため息が漏れる ああは言ったが実のところ凰牙の補給はヴァルハラでしか不可能なようだ。そしてこの機体は燃料効率がすこぶる悪い この遅々とした移動もリリーナ嬢にばれないように凰牙の移動速度をいろいろ試してみて最も燃料効率のいい速度を選んだ結果である 補給のめどが立たない以上、節約するほかなかった ふてくされてしまったこの依頼者相手にどうしたものかと彼は頭を悩ませつつ西進していた 「・・・確認させていただけないか?」 何度目かの通信が入る。それに彼女は無視を決め込んでいた うかつに通信に応じれば彼の弁論に打ち負けてしまう危険がある。沈黙が一番だった 彼女が沈黙を守る理由、それには多少の理由がある。彼女とてただ不機嫌なだけで無視を決め込んでいるわけではない 確かに先の戦闘で自分の理想に同乗してくれたかと思えばあっさりと裏切った彼にたいして胸中渦巻くものはあった しかし、それにいつまでも腹を立てているほど自分は子供ではない 彼女の狙いは凰牙の燃料切れにある そう燃料さえ切れてしまえばもう勝手に攻撃をおこなわれることもない もう一人乗せるスペースくらい十分にある。移動はヴァルハラでおこなえば十分なのだ 無論、操縦などはさせる気はない 自身の考えを確認し彼女は思う そう、自分は決して腹を立てているわけではないのだと・・・ 彼女の腹の底は意外に黒いのかもしれない そして、二機は目的の場所にたどり着く市街地はもう目の前だった その頃、相羽シンヤも市街地を確認していた。同時にそこに入っていく二機の姿も見えた。目的地まであと少し、しかも獲物つきとはがぜん殺る気が沸き起こる しかし、殺る気とは裏腹に不意に彼の視界は歪む。ここまでやってきたその勢いのまま姿勢は崩れ倒れこむ。 ロワ開始からわずか3時間と少し、彼は死活問題に直面した 倒れこんだテッカマンエビルは自らに起こった状況を悟る (しまった・・・。うっかりしていた) 彼は悔やむ (二度のテックセットとボルテッカのツケか・・・クソッ!気をつけていさえすればこんなことには・・・) そう気をつけていさえすればこんなことにはならないはずだった。サイコのコックピットにはこの状況に陥らないだけの量が支給されていた 今更ながらにサイコを失ったことが悔やまれる。くわえて言えばX-2のコックピットブロックを消滅させていなければ防げていた状況でもあった 彼は気づく。 テックシステムを多用すれば現在の状況に陥る。しかし、人間体のまま移動するには一つ当たり50キロ四方のブロックが64もあるこの会場は広すぎる なによりテッカマンではあれは大量に持ち運べない。テックシステムだけで乗り切れるほどこのロワは甘くはなかった 彼は悟る 自分にとっても機動兵器は重要であることを――― 何より他の参加者からあれを早急に奪う必要があることを――― いつとまるとも知れず彼の腹の虫は盛大に鳴いていた・・・ 【ロジャー・スミス 搭乗機体: 騎士GEAR凰牙 (GEAR戦士電童) 現在位置:D-7市街地 パイロット状態:健康 機体状態:良好。ENを数%消費 第一行動方針:リリーナと共に西の市街地へ向かう 第二行動方針:リリーナを守りながら、参加者に彼女の完全平和主義を説く 第三行動方針:補給の交渉を成功させる 第四行動方針:燃料の節約 最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイションに値しない相手には武力行使も厭わないが、相手を殺す事はしない) 】 備考:凰牙は通常の補給ポイントによる補給は不可能。 セルブースターのハイパーデンドーデンチでしかENの補給は出来ません。 【リリーナ・ドーリアン 搭乗機体:セルブースターヴァルハラ (GEAR戦士電童) 現在位置:D-7市街地 パイロット状態:健康。ロジャーに対して少し(かなり?)ご立腹 機体状態:良好 第一行動方針:参加者達に完全平和主義を説く 最終行動方針:話し合いによって殺し合いを止める】 備考:セルブースターはハイパーデンドーデンチ12本(凰牙の補給6回分)を搭載。 ちなみに二人乗り。】 【相羽 シンヤ(テッカマンエビル) 搭乗機体:無し パイロット状況:テッカマン形態、PSYボルテッカ使用により疲労、無茶苦茶空腹 機体状況:良好 現在位置:D-7市街地周辺 第一行動方針:食料の確保 第二行動方針:機体の確保 第三行動方針:他の参加者を全滅させる 最終行動方針:元の世界に帰る】 備考:テックシステムの使用はカロリーを大量に消費 【初日 15 30】 BACK NEXT 東北東に進路を取れ 投下順 淡い記憶と、現実 貫く、意地 時系列順 淡い記憶と、現実 BACK 登場キャラ NEXT The two negotiators ロジャー 護るべきもの The two negotiators リリーナ 護るべきもの 髑髏と悪魔が踊るとき シンヤ パンがなければお菓子をお食べ
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/78.html
迷いの行く先 ◆vQm.UvVUE. ニコルのために葬送曲。 (だけど、それがどうしたって言うんだ!) ニコルの死を悼んで、悲しんで、それでニコルが生き返るわけでもない。 だからといってキラを殺す事にも意味はない。 一体なにが悪かったのか。 ニコルを殺したキラが悪かったのか。 キラにやられそうになった自分の弱さが悪かったのか。 自分を助けようとしたニコルの優しさが悪かったのか。 戦争という状況が悪かったのか。 その全てなのだろう。 ニコルは優しかったから死んだ。 戦場でその優しさが正しくないのだったら、ここでも同じ論理が通ずるはずだ。 目の前で馬鹿みたいに歌ってる奴をまず殺せばいい。 簡単な事だ。 「だからって!だからってニコルのために歌ってくれてる奴を殺すなんてできるかよ!」 だからアスランは逃げた。 ラーゼフォンに背を向けて。 追ってくる悼みの歌から逃げだした。 戦場でなら殺す事に躊躇は不要だ。 しかしここは違う。 ここは戦場ではなく誰かが作ったゲーム盤だ。 戦場なら、そこにいるのは戦う意志をもった兵士だけだ。 しかしここには、あんな奴や戦う力のない女子供もいる。 「だったらどうしろっていうんだよ・・・・・・」 分からない、生きて帰りたい、心からそう思う。 だが、殺したくない。 全てを保留してアスランは蒼き鷹を走らせる。 目的も目標もなく、ただ歪に真っ直ぐと。 ヘビーアームズとの戦いを爆風にまぎれて離脱したヒイロは焦っていた。 (うかつだった、俺のミスだ) コンソールを見るとレイダーのエネルギー残量は極小になっていた。 無理もない、開始早々の二連戦、しかも二人目はかなり戦い慣れした相手だった。 ここに来てから自分はどうもおかしい、それはヒイロ自身自覚している事だ。 そもそも、このゲーム、生き残りを目指すなら序盤はステルスに徹するべきだ。 そして残り少ない人数になってから勝負をかける。 これが正しいやり方だ。 序盤からの無差別殺戮など自殺志願者のやる事だ。 (いや、おかしくなったのはここに来る前からか) サンクキングダムの崩壊。 そしてロームフェラの傀儡になったリリーナ。 その二つに失望したのだ。 そして自暴自棄になった、そういうことか。 一人目に殺した女。 以前の自分、ノベンタを殺してしまった後の自分なら殺す事も戦う事もなかっただろう。 「答えろレイダー!どうすればいい!俺は!」 ヒイロの問いかけに、しかしレイダーが答えるわけがない。 エネルギーは刻一刻と減っていく。 TP装甲はすでにカットしてあるがそれもでも何処まで持つか怪しいものだった。 そして蒼い鷹は力なく飛ぶ黒鴉を見つける。 いや、正確には見つけてしまった。 (どうする!相手は気付いてない、攻撃を仕掛けるなら今のうちだ) しかし、行動には移せない。 アスランはここにきて、今だに迷っていた。 (もし戦う意思のない相手だったらどうする、そんな相手を殺して生き残り、それでキラを殺してもニコルは・・・・・・) やがて黒鴉も蒼い鷹に気付く。 (クッ!後ろに付かれたか、今戦うわけにはいかないが) ヒイロは冷静に相手を見てファルゲンに向き合うよう。 だが、攻撃は出来ない。 一撃でしとめなければもはや戦う力はレイダーに残ってはいないだろう。 かといって逃げるだけのエネルギーももはや残ってはいまい。 (相手の出方次第だが・・・・・・) 奇妙な均衡を保ったままお互い動くことなく睨みあい続ける。 動くきっかけも、迷いの答えも見つけられぬまま。 【アスラン・ザラ 搭乗機体:ファルゲンマッフ(装甲騎兵ドラグナー) パイロット状況:動揺 機体状況:良好 現在位置:F-6 第一行動方針:生きて帰る、それ以外は保留 最終行動方針:未決定】 【ヒイロ=ユイ 搭乗機体:レイダーガンダム(機動戦士ガンダムSEED) パイロット状態:疲労、体中に軽い痛み 機体状態:EN残量僅か 現在位置:F-6 第一行動方針:なんとか補給する 第二行動方針:参加者の殺害(多少迷いが出てきた) 最終行動方針:元の世界に戻ってリリーナを殺すため、優勝する(リリーナが参加していることは知らない)】 【時刻:15 50】 BACK NEXT 淡い記憶と、現実 投下順 殺意は昏き火が如く 気になる、あの子 時系列順 一応スゴい人達 BACK 登場キャラ NEXT 始まりの葬送曲 アスラン 薄氷の同盟 閃光 ヒイロ 薄氷の同盟