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決意の刃を鞘に潜ませ ◆ruQu1a.CGo 孤独な夜は後小一時間もすれば明けるだろう。 しかし、夜は明けても“孤独”は明けない。 (まぁ良いさ。…俺は決めたんだ。) 少年、紫雲統夜は傷付いた機体、ヴァイサーガの中で独り呟く。 「孤独でも良い。むしろ関係無い……絶対に生き残る。全てを斬り捨てて俺は生き残る。」 だが、生き残る為にはそれ相応の行動と努力、そして策が必要で。 呟いた後、統夜は一度深呼吸をし機体をチェックする。 ──左腕使用不可。 かなりイタイ。だがしょうがない。 ──シールド使用不可。 使えないなら捨てる。 ──EN若干消費。 問題無い。 ──烈火刃一発消費。 こちらも問題無い。 ──頭部角の僅かな破損。 こんなの傷の内にも入らないな。 総合的に見て機体は小破といった所か。 残って居る参加者の機体状況と比べると損傷は軽い方だと思う。 このまま潜み、極力戦闘を避け漁夫の利を狙うか否か。 状況から見て漁夫の利を狙うべきなのだろうが“全てに対する怒り”煮えたぎる心を抑えたくはない。 統夜は瞳を閉じる。 そして数分、チカチカと計器類が瞬くその顔を照らした。 「一刀両断。」 その唇から静かな声が綴られる。 「出し惜しみはしない…出会い頭で光刃閃を放てば相手が特機としても大ダメージ。大体の敵は一撃の筈。」 まるでそれは自分に言い聴かせる様に。 「敵が複数なら一体を仕留めた後即離脱。姿を見られても構わない。生き残るのが一番だから…」 まるで星が瞬く様なコクピットの中、統夜は支給品のボトルから水を一口含み、ペダルを踏み込む。 機体が加速する。 含んだ水を飲み込み、レバーを握る。 光刃閃のコードをいつでも打てる様にテンキーは出しっぱなし。 「さぁ、行こう。…俺は絶対に生き残るんだ!」 開いた目が見つめるは闇に浮かぶビルの群れ。 その瞳は燃える様で、冷たい。 【紫雲統夜 登場機体 ヴァイサーガ(スーパーロボット大戦A) パイロット状態 冷静、マーダー化 機体状態 左腕使用不可、シールド破棄、頭部角の一部破損、若干のEN消費、烈火刃一発消費 現在位置 B-7端(C-7の市街地視認可) 第一行動方針 C-7進入、敵を確認すれば問答無用で光刃閃を放つ。 最終行動方針 優勝と生還】 【二日目 5 20】 BACK NEXT アキトとキョウスケ 投下順 ハンドベノン アキトとキョウスケ 時系列順 Shape of my heart ―人が命懸けるモノ― BACK NEXT 決意と殺意 統夜 戦いの矢
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月のローズセラヴィー 機体名 月のローズセラヴィー 全長 52.3m 主武装 ビーム 指、胸、脚など、全身に搭載されたビーム砲。 ルナ・フラッシュ ビームを指先に集約させて、カタナのように攻撃を繰り出す。 Jカイザー 月のローズセラヴィー最強の攻撃。分離した背部と両腕の装甲を組み合わせて巨大な砲身を作り出し、超大出力のビームを放つ。威力は強大だが全エネルギーを撃ち放つため、エネルギーのチャージは必須。 特殊装備 エネルギーチャージシステム “月の子”らを空高く飛ばし、気象を操り空に雷雲を形成。天高く飛ばした“月の子”を通じて、雷のエネルギーを自機に送るシステム。これにより消費したエネルギーを一気に全快させる事が可能となっている。“月の子”らの数は合計で三基。“月の子”は一度の使用によって使用不可能となる。 移動可能な地形 空中× 陸地○ 水中△ 地中× 備考 ビームを主武装とする八卦ロボの一機。くれぐれも、沢のローズセラヴィーと呼んではならない。元々は次元連結システムのレプリカが搭載される予定であったが、木原マサキの裏切りによってシステムは破壊。激し過ぎるエネルギーの消費を抑える為に、チャージシステムが用いられる事となった。
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投下順に読む Opening~100 101~200 時系列順に読む 第一回放送まで 第二回放送まで 第三回放送まで 第四回放送まで 参加者ごとに読む キャラ別追跡表 時刻 タイトル 登場キャラ 登場機体 場所 作者 初日12 00 Opening ノイ・レジセイアアルフィミィキララクスキョウスケエクセレンロジャーテニアメルアコスモユーゼス なし 不明 131さん 未明 悩める少年 マサキカズイ 旧ザク百式 C-4 ◆BdmRjU2Op2さん 未明 魔神、起動! ガロード マジンガーZ B-1 ◆T6.9oUERykさん 未明 アンチボディ、二体 アイビスジョシュア ヒメ・ブレンクインシィ・グランチャー B-3 ◆f3zMLtBTIkさん 未明 邪龍空に在り 孫光龍 レプラカーン F-1 559さん 未明 花言葉は「勇敢」 甲児 ナデシコ D-3 ◆6.x14AMM0oさん 未明 人間様をなめるなよ 隼人 YF-19 H-4 ◆crnnAi5R12さん 12 15 人とコンピューター ジョナサンキラ JアークF-91 B-4 ◆IcNDxBraWsさん 12 20 悪の美学 ブンドル サイバスター A-8 ◆ZbL7QonnV.さん 12 50 無題 ムサシ RX-78-2ガンダム D-7 ◆T6.9oUERykさん 12 25 彼女の答え カティア VF22S・Sボーゲル2F E-2 ◆Y3PBSdzg36さん 12 30 純真なる抗体、真紅の悪鬼 クインシィラキエイジクルツ 真ゲッターネリーブレンフォルテギガスラーズアングリフ B-1???B-2 ◆9cdcQ8fLVYさん 12 30 天駆ける少女 比瑪 ペガス C-3 ◆YmyLBuF3agさん 12 30 仮面の舞踏会 ユーゼスベガ アルトアイゼン月のローズセラヴィー D-4 ◆caxMcNfNrgさん 12 30 護るために 綾人 アルトロンガンダム B-5 ◆tgy0RJTbpAさん 12 30 ホワイトドール ソシエ 機鋼戦士ドスハード E-5 ◆caxMcNfNrgさん 未明 黄色い幻影 綾人 アルトロンガンダム B-5 ◆caxMcNfNrgさん 12 40 恋と呪い アキトユリカ YF-21ダイ D-7 ◆ZbL7QonnV.さん 12 40 情け無用のロンリーウルフ キッド クロスボーン・ガンダムX2 E-6 ◆eK/Y5OG4jwさん 12 40 マジンガーZvsゲッターロボ! ガロードクインシィ マジンガーZ真・ゲッター1 B-1 ◆T6.9oUERykさん 12 45 DARK KNIGHT 統夜 ヴァイサーガ A-8 ◆T0SWefbzRcさん 12 45 心に、悪魔宿りて シンヤ サイコガンダム G-6 ◆YmyLBuF3agさん 12 50 憎悪 テニアメルアグ=ランドン竜馬 ベルゲルミル(ウルズ機)ジム・カスタムラフトクランズ大雷凰 C-8 ◆u34lXU/BOYさん 12 50 仮面の作戦会議 ユーゼスベガ アルトアイゼン月のローズセラヴィー D-4 ◆IcNDxBraWsさん 12 55 Power trip ゼクスカミーユカズイマサキゴステロ メディウス・ロクスメリクリウス百式旧ザクスターガオガイガー C-5 ◆vQm.UvVUE.さん 12 55 東北東に進路を取れ ジョナサンキラ J-アークガンダムF91 B-4 ◆eK/Y5OG4jwさん 13 00 若い、黒い、脅威 モンシアバーニィ ガンダムヘビーアームズ改ブラックゲッター H-3 ◆B042tUwMgEさん 13 00 歌と現実 ラクスヒイロ EVA零号機レイダーガンダム E-3 ◆h13q4eyrNsさん 13 20 闇色をした『王子』さま アキトユリカ YF-21ダイ D-7 ◆caxMcNfNrgさん 13 30 The two negotiators ロジャーリリーナ九鬼 騎士鳳牙ヴァルハラドラグナー2型カスタム F-7 ◆Fk59CfYpJUさん 13 30 インターミッション ゼクスカズイカミーユマサキ メディウス・ロクスメリクリウス百式旧ザク C-5 ◆vQm.UvVUE.さん 13 30 殺意は昏き火が如く 竜馬 大雷鳳 C-8 ◆ZbL7QonnV.さん 14 00 月の戦神と黄金の指 ギンガナム シャイニングガンダム A-7 ◆IA.LhiwF3Aさん 14 00 ……ぶっちゃけ、すっげー恥ずかしかった シャギアオルバ ヴァイクランディバリウム C-3 ◆ZbL7QonnV.さん 14 00 ブレンとグラン ジョシュアアイビス クインシィ・グランチャーヒメ・ブレン B-3 ◆OBzaXJXIWoさん 14 00 そして騎士は走り出す 統夜 ヴァイサーガ A-8 ◆OBzaXJXIWoさん 14 00 追悼 カティア VF-22S・Sボーゲル2F E-3 ◆Y3PBSdzg36さん 14 30 赤い彗星 アムロシャア VF-1Jバルキリー(ミリア機)核ミサイル G-1 ◆T0SWefbzRcさん 14 30 金髪お嬢とテロリスト ガウルンカテジナギャリソンコスモ マスターガンダムプロトガーランドガンダムレオパルドデストロイジガンスクード・ドゥロ B-5C-5 ◆9cdcQ8fLVYさん 14 30 ウルズ6 クルツラキエイジ ラーズアングリフネリー・ブレンフォルテギガス B-2南端 ◆Onlx.bOl5Iさん 14 30 武人ギム・ギンガナムの独白 ギンガナム シャイニングガンダム A-7 885さん 14 30 狂宴 ユーゼスベガゴステロ アルトアイゼン月のローズセラヴィースターガオガイガー D-4E-4 ◆T6.9oUERykさん 14 30 髑髏と悪魔が踊るとき キッドシンヤ クロスボーン・ガンダムX2サイコガンダムテッカマンエビル F-6 ◆IA.LhiwF3Aさん 14 30 閃光 モンシアヒイロ ガンダムヘビーアームズ改レイダーガンダム G-3 ◆caxMcNfNrgさん 14 45 始まりの葬送曲 アスランバサラ ファルゲン・マッフラーゼフォン B-6 ◆gw.2K3uEb6さん 15 00 Impact of The Red アムロシャア孫光龍 VF-1Jバルキリー(ミリア機)核ミサイルレプラカーン H-2H-1 ◆IA.LhiwF3Aさん 15 00 盤の上で駒は計略を巡らせて シャギアオルバ比瑪甲児 ヴァイクランディバリウムペガスナデシコ D-3 ◆IA.LhiwF3Aさん 15 00 核ミサイルより強い武器 テニアムサシ ベルゲルミル(ウルズ機)RX-78-2ガンダム F-8 ◆w4z2Zc6V4Mさん 15 00 カフェタイム ―あんたらつくづく…― カテジナギャリソンコスモ プロトガーランドガンダムレオパルドデストロイジガンスクード・ドゥロ C-5 ◆dHWlzxs/ngさん 15 20 美しくない アキトユリカブンドル YF-21ダイサイバスター D-7D-6 ◆T6.9oUERykさん 15 30 お姉さんと一緒 ガロードクインシィ マジンガーZ真ゲッター B-1市街地 ◆T6.9oUERykさん 15 30 貫く、意地 キョウスケバーニィ ビルトファルケン(L)ブラックゲッター E-5 ◆a1WpzCXC9gさん 15 30 死活問題 シンヤロジャーリリーナ テッカマンエビル騎士鳳牙ヴァルハラ D-7市街地付近D-7市街地 ◆Nr7qwL8XuUさん 15 30 淡い記憶と、現実 統夜 ヴァイサーガ A-1 ◆w4z2Zc6V4Mさん 15 30 気になる、あの子 アキトユリカ YF-21ダイ D-7補給施設 ◆caxMcNfNrgさん 15 50 迷いの行く先 アスランヒイロ ファルゲン・マッフレイダーガンダム F-6 ◆vQm.UvVUE.さん 16 00 一応スゴい人達 アムロシャア VF-1Jバルキリー(ミリア機)核ミサイル H-2草原側地上 ◆30UKBYJFE.さん 16 00 はじめてのしゃいにんぐふぃんがー ギンガナム孫光龍 シャイニングガンダムレプラカーン A-8 ◆h13q4eyrNsさん 16 00 我が道を往く人々 バサラガウルン ラーゼフォンマスターガンダム B-5B-5密林 ◆IA.LhiwF3Aさん 16 00 薄氷の同盟 アスランヒイロ九鬼 ファルゲン・マッフレイダーガンダムドラグナー2型カスタム F-6 ◆T6.9oUERykさん 16 00 出会いと再会 ユーゼスベガキョウスケ アルトアイゼン月のローズセラヴィービルトファルケン(L) D-4補給基地付近 ◆caxMcNfNrgさん 16 00 いい人たち シャギアオルバ甲児比瑪 ヴァイクランディバリウムナデシコペガス D-3 ◆T6.9oUERykさん 16 00 引き合う風 ブンドルマサキカミーユゼクスカズイ サイバスター百式メリクリウスメディウス・ロクス D-5 ◆y12NUCIPVsさん 16 15 パンがなければお菓子をお食べ ソシエシンヤ ドスハードテッカマンエビル D-7市街地周辺 ◆ZimMbzaYEYさん 16 20 護るべきもの 綾人ロジャーリリーナアキトユリカ アルトロンガンダム騎士鳳牙ヴァルハラYF-21ダイ D-7市街地D-7補給施設 ◆T6.9oUERykさん 16 30 楽勝! バーニィ ブラックゲッター E-5地中 ◆Nr7qwL8XuUさん 16 30 悪運 キョウスケユーゼスベガ ビルトファルケン(L)アルトアイゼン月のローズセラヴィー D-4補給基地付近 ◆ZbL7QonnV.さん 16 40 混乱 クインシィガロード統夜ギンガナム 真ゲッターヴァイサーガシャイニングガンダム B-1市街地 ◆T6.9oUERykさん 16 45 遥か高くに翼は舞い ブンドルマサキカミーユゼクスカズイ サイバスター百式メリクリウスメディウス・ロクス D-5 ◆ZbL7QonnV.さん 17 00 コーヒーブレイク 孫光龍 レプラカーン A-8 ◆ZbL7QonnV.さん 17 00 ふりまわされる人、ふりまわす人 アムロシャアエイジラキクルツ VF-1Jバルキリー(ミリア機)核ミサイルフォルテギガスネリー・ブレンラーズアングリフ H-2A-2 ◆ZimMbzaYEYさん 17 00 それぞれの立場 それぞれの道 ロジャーリリーナアキトユリカソシエシンヤ竜馬 騎士鳳牙ヴァルハラYF-21ダイドスハードテッカマンエビル大雷鳳 D-7市街地 ◆Nr7qwL8XuUさん 17 00 彼らの乗機は強力です シャギアオルバ甲児比瑪ジョナサンキラ ヴァイクランディバリウムナデシコペガスJアークガンダムF-91 D-3 ◆OWmug8uCwさん 17 10 堕ちた少女 カティアテニアムサシ VF-22S・Sボーゲル2Fベルゲルミル(ウルズ機)RX-78-2ガンダム D-6岩山の麓D-6岩山山頂 ◆ZimMbzaYEYさん 17 20 『歌』に振り回される人達 ガウルンカテジナギャリソンコスモバサラ マスターガンダムラーゼフォンガンダムレオパルドデストロイジガンスクード・ドゥロプロトガーランド B-5 ◆6OiAlncQEさん 17 40 戦場の帰趨 バーニィモンシア ブラックゲッターガンダムヘビーアームズ改 G-6基地 ◆ZimMbzaYEYさん 17 40 血に飢えた獣達の晩餐※17 55の同タイトルと同一話 ユリカロジャー(ソシエ)シンヤリリーナ(アキト)竜馬 ダイ騎士鳳牙ドスハードテッカマンエビルヴァルハラYF-21大雷鳳 D-7補給施設D-7市街地D-8市街地A-6東部高々度B-6森林 ◆Nr7qwL8XuUさん 17 45 アンチボディー ―半機半生の機体― ジョシュアアイビス統夜ギンガナムクインシィガロード隼人 クインシィ・グランチャーヒメ・ブレンヴァイサーガシャイニングガンダム真イーグル号真ジャガー号YF-19真ベアー号 H-2H-1A-2B-1 ◆Nr7qwL8XuUさん 17 55 血に飢えた獣達の晩餐※17 40の同タイトルと同一話 (ユリカ)(ロジャー)ソシエ(シンヤ)(リリーナ)アキト(竜馬) ダイ騎士鳳牙ドスハードテッカマンエビルヴァルハラYF-21大雷鳳 D-7補給施設D-7市街地D-8市街地A-6東部高々度B-6森林 ◆Nr7qwL8XuUさん 17 55 ガンダムファイト ガウルンギャリソン マスターガンダムガンダムレオパルドデストロイ B-5密林 ◆op3oYkZrywさん 18 00 第一回放送 アルフィミィ なし 不明 ◆9NAb4urvjAさん
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Time Over ―私の中のあなたにさよならを― 65 既に大きく日が傾き始めた頃、東へ東へと進む二つの機体の姿があった。 湖面に映し出された蒼い姿は有機的な流線型を、青ベースに赤と黄を散りばめたもう一つはごつごつと物々しい姿を描いていた。 その内の蒼い機体の足が不意に止まりあたりを見回す。 北を向き、西を向き、南を向いて東に向き直る。周囲の風景に別段異変は見られなかった。 しかし、心がざわめくのをラキは感じ取っていた。既に彼女の一部となったジョシュアの心。それが熱を帯びたように熱かった。 「どうした?」 怪訝そうな声でエイジから通信が飛び、機体を寄せてきた。 「エイジ、ストレーガのハッチを開けてくれ」 返答を待たずしてブレンのコックピットから体を乗り出したラキが飛び出した。 それを慌ててフォルテギガスの腕が受け止める。いかに湖上とはいえ人が無事ですむ高さではなく、思わず冷や汗が背を伝うのをエイジは感じた。 「何をする気だ?」 ラキを落とさないように慎重にフォルテギガスの腕を操りながらエイジが質問を投げかけた。 「ジョシュアを探す。静かにしてくれ」 ストレーガのコックピットに滑り込んだラキが答えを返し意識を凝らす。 元々、彼女とジョシュアの精神はシュンパティアを介して混ざり合った。 その結果、彼女はおぼろげながらもジョシュアの存在を感じることができるようになったのだが、残念ながら大雑把すぎて位置をつかめずにいた。 それをフォルテギガスのシュンパティアを利用することでジョシュアの精神に同調しその居場所を掴む。 これがラキの考えであったが、彼女の言はいつも短く説明不足であった。 ゆえにエイジは不承不承ながらも黙ってみているしかなかった。 そして程なくラキはジョシュアの位置を掴むとコックピットから身を乗り出した。 「エイジ、ありがとう。世話になった・・・。ブレン、跳ぶぞ!」 エイジの返事を待たずしてブレンに乗り込んだラキはその場から消え去る。 何故だか分からないが急がないといけない。彼女はそんな気がしていた。 大地は分厚い氷で成り立ち、そこここに覆い茂る木もまた氷でできている。 そんな氷に覆われた冷たくも澄みきった世界でラキはたたずんでいた。 目に映るのは白と黒にその中間色からなるものだけ。美しく澄んではいてもどこか味気ない。 ヒヤリと透きとおった空気のなかで暖かな気配が風と共に頬を凪いでいった。 その気配にフラフラと釣られるように足を踏み出す。 樹氷の林の中に分け入り、時折足を止めてはわずかな温もりを確認しつつ進んでいく。 徐々に、しかし確実に気配は増し、不意に白と黒の世界から一変して緑の木々に覆われた世界が彼女の前に姿を現した。 そして、その中心で焚き木に火をくべている者を見つけ、彼女は我知らずに彼の名を呟いた。 「ジョシュア・・・」 振り返った若い男と目が合う。 衝動に駆られるままにラキはジョシュアの懐に飛び込み抱きついた。 硬直するジョシュア。しばしの混乱の後、赤くなったジョシュアに慌て引きはがされた。 「なっ!いきなり何をするんだ」 「親しい者同士が再会したときはこうすると聞いたぞ」 「誰からそんなことを」 「リアナだ。違うのか?」 思わず嵌められたという言葉がジョシュアの脳裏を横切り、頭を抱える。 私にはジョシュアがそうする理由がよくわからなかった。たしかにリアナからそう聞いたのだ。 少しのあいだ、本当に少しのあいだ、二人は他愛もないことを語り合った。 ここに来る前のことも来てからのことも話した。 アイビスという名前の女性が出てくる。何故かちょっとだけいらっとした。 どんな話をしてもジョシュアは真剣に聞いてくれる。それがうれしくてラキはついつい言葉を重ねていく。気づくとジョシュアは聞き役に徹してくれていた。 それから、ふと思い出したように若干のふくれた感じでラキは 「ジョシュア、一体今までどこへ行っていたのだ?私はお前を探していたのだぞ」 と問いかける。 「あ・・・・・・、すまない」 「だがここからは一緒だな」 その言葉にジョシュアの顔が曇り、次の瞬間ラキを抱きしめた。 「ジョシュア?」 驚いたラキは怪訝そうな声をあげる。 「・・・・・・すまない。もう一緒にいてあげられないんだ」 耳元で悲痛な声が響く。聞こえてはいたが言葉の意味がよくつかめなかった。 「ごめん。もう行かなきゃならない。ラキ、さようなら・・・・・・ありがとう」 いつの間にかそこにいるはずのジョシュアの姿は掻き消え、ラキの心象世界は急速に彩りとぬくもりを失っていく。 そしてそこには以前と変わらぬ氷の世界だけが取り残されていった。 ――ジョシュアの心は本体と同時にその活動を停止した―― 目の前の空間が突然ひらけ、夕闇に彩られ始めた空が視界に映し出される。 A-2北西の空間が歪み、いびつな音と共にネリー・ブレンがジャンプアウトしたのだ。 本日二度目の長距離バイタルジャンプ。 ブレンのエネルギー切れが原因なのか、あるいはジョシュアの感覚を見失ったことが原因か、はたまたその両方か―― ――もう、どうでもよかった。 バランスを崩したブレンが落下する。 空がゆっくりと遠ざかっていく。 自由落下にまかせるままに砂地に落ちたブレンは砂埃を舞い上げた。 それからしばらくラキはただ空を眺めていた。 (ブレン、ジョシュアが私を置いて何処かへ行ってしまった・・・・・・) (・・・・・・) なんなのだろう、この気持ちは。苦しいわけじゃない。痛いわけでもない。 ただひたすらに寂しい。ずっと一緒にあったものが、大事にしていたものがなくなってしまったように寂しい。 (・・・・・・) (?) (・・・・・・) (そうか・・・。これが悲しいということなのだな・・・・・・) これが・・・、これがかつて私が振りまいていた感情なのだな・・・・・・! こんな、こんな気持ちを!!私は・・・・・・。 腕に力がこもり、拳を握り締める。何故だか勝手に涙が溢れてきた。 それを止めようとも思わなかった。 ただひたすらに自分を許せなかった。ただひたすらにジョシュアに会いたかった。 どうしようもなくなった彼女は幼子のように声を震わせてただ泣き続けていった。 時刻は18 00を指し、最初の放送が静かに会場全体へと鳴り響いていった。 ジョシュア・ラドクリフ・・・・・ ラキの探していた人が死んだ。 ラキが跳んだ後、追いついてきたクルツと合流した。それは間違いだったのか? 目の前で平然とメシを食っているこいつを見ているとそう思えてきて、苛立ったエイジは機体へと足を向けた。 「どこへ行くんだ?」 のん気そうな声が後ろから飛ぶ。それにさらに苛立ってぞんざいに答える。 「ラキを追いかける」 「どっちへ行ったのかもわかんねぇのにどうやって?」 「・・・・・・それでもここでそうやってメシを食っているよりはマシだ」。 こういうときの正論ほど頭にくるものはなかった。 「おい」 「なんだ?」 「座れ」 「いやだ」 「いいから座れ。メシでも食って少しは冷静になれ」 もう返事も返さずに機体に向かってエイジは歩き始めた。 やれやれといった風情で立ち上がったクルツから声がかかり、振り向いたエイジに突然殴りかかる。 それを鮮やかにかわすとカウンター気味に放ったエイジのボディーブローが脇腹にささり、クルツは沈み込んだ。 「突然何を・・・・・・」 「『突然何を・・・・・・』じゃねぇ!ここは一発殴られた後に俺に諭されてお前が冷静になる。そういう場面だろうが!!」 無茶苦茶な理屈でクルツが怒り始めた。納得できないエイジも反発し口喧嘩に発展していく。 やがてふてくされたような顔でクルツが話題を変えた。 「予定とは違ったがまぁいい。いいかよく聞け。壁の向こうでラキは『行き過ぎた。引き返す』って言った。しかし、俺達が飛んできた直線上に探し人はいなかった」 たしかにあの時のラキはそう言っていた。 「ならそいつは北か南にいる・・・・・・いや、いたと考えるのが普通だろ?」 「そしてラキはその人を探しに跳んだ」 「その通りだ。そこで一つ質問だ。ブレンはどっちの方向を向いて跳んだ?」 「・・・・・・北」 「ならこっから北にラキはいる。北を向いて南に跳ぶような天邪鬼だったらあきらめろ。それともう一つ」 「もう一つ?」 「ラキがジョシュアを見つけて跳んでからいくらもたってない。にもかかわらずジョシュアという男の名前は放送で流れた。この意味分かるな?」 「ラキが争いに巻き込まれている可能性が高い」 うなずき、座り込んでいた腰をあげたクルツが機体に向けて歩き出す。 それに並んでエイジも歩き出した。 「そういうことだ。時間がない二手に分かれるぞ。捜索範囲はここからまっすぐに北北東と北北西。合流場所はB-1補給ポイントだ。場所は後で送信する」 「西は僕が行く」 「なら俺は東だな」 やがて二人は機体に乗り込み別れ際最後の会話をかわす。 「エイジ、さっきの一発殴り返すまで死ぬなよ」 「当たろうが避けようが一発は一発さ」 「この野郎」 二人の間に笑いがもれ、そして二機は急速に離れていった。 【アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ 搭乗機体:フォルテギガス(スーパーロボット大戦D) パイロット状況:健康 機体状況:無事。ENを少し浪費。 現在位置:A-2南東部砂浜 第一行動方針:突然消えたラキを探す 最終行動方針:ゲームから脱出 備考:クルツを警戒している(やや緩和)】 【クルツ・ウェーバー 搭乗機体:ラーズアングリフ(スーパーロボット大戦A) パイロット状況:冷静、脇腹がちょっと痛い 機体状況:Fソリッドカノン二発消費、ファランクスミサイル1/3消費 現在位置:A-2南東部砂浜 第一行動方針:ラキの探索 第二行動方針:ゲームをぶち壊す 第三行動方針:駄目なら皆殺し 最終行動方針:ゲームから脱出】 「Time Over ―Don t break my heart―」 そうか・・・、ジョシュアは・・・・・・。 放送が終わった後、意外にもジョシュアの死をすんなりと受け入れている自分をラキは感じていた。 一通り泣き伏して気持ちがすっきりしたせいかもしれない。 それとも律儀にもお別れを言いに着てくれたからだろうか・・・・・・。 (ブレン、私はどうすればいい・・・・・・) ラキはジョシュアを生き返らせたかった。だけど悲しいという感情を知ったことが彼女を迷わせていた。 それに、それを―それにかかる代償をジョシュアは多分望まない気もしていた。 「うっ・・・。なんだ・・・これは?」 そんな彼女を突然懐かしい感覚が襲う。 「これは・・・・・・負の感情?」 もともと彼女にはメリオルエッセとして人の負の感情を吸収する能力が備わっていた。 しかし、それはシュンパティアの影響でジョシュアと彼女の心が混ざり合い、様々な感情に目覚めていく過程で損なわれていった特性だった。 彼女はそれらの変化をかつて自分は壊れたと表現していた。 そして、彼女の言葉を借りるなら今その特性は直ったというべきか。ジョシュアの心が休止し、彼女の体はメリオルエッセとして再び正しく活動を始めた。 放送によって会場の中に満ち溢れた怒りを、悲しみを、憎しみを、慄きを、あらゆる負の感情を綯交ぜにしたものを際限もなくその身に取り込み始めたのだ。 「うあっ・・・!くっ!!・・・・・・あ゛」 負の感情を取り込んだ彼女の体が依然と同様に喜びの声をあげる。取り込んだ負の感情が細胞に染み渡り、肉体は活性化していく。 しかし、皮肉にも彼女の精神は以前とは変わってきていた。 「嫌だ!こんなもの・・・うっ!ゲホッ・・・こんなもの・・・・・・私は欲しくない!!」 彼女の得た人間らしい考えが、道徳観が、体験した思いが、体があげる歓喜の声を嫌悪し、全てを吐き出したい衝動に駆られる。 コックピットに転がり、のたうち、目を見開き、髪を乱し、胃液を吐き、撒き散らしながらも取り込んだ感情をどうにか吐き出そうと悶え苦しむ。 しかし、彼女の意思に反して吐き出すことは叶わず、なおもその身は負の感情を取り込み続ける。 「うあっ・・・あっ!頼む!止めて・・・あ゛あ゛あぁぁぁぁぁあああああ」 悲痛な叫びが木霊する。相反する感情の板ばさみに彼女の精神は蝕まれていった。 【グラキエース 搭乗機体:ネリー・ブレン(ブレンパワード) パイロット状況:精神不安定 機体状況:バイタルジャンプによりEN1/2減少 現在位置:A-2北西部 第一行動方針:??? 最終行動方針:??? 備考1:長距離のバイタルジャンプは機体のEN残量が十分(全体量の約半分以上)な時しか使用できず、最高でも隣のエリアまでしか飛べません 備考2:エイジとクルツの捜索範囲からわずかに西へずれたところにいます】 【初日 18 20】 BACK NEXT 赤と流星、白と勇者王 投下順 嵐の前 騎士の美学 時系列順 オーガニックな機体とニュータイプの邂逅 BACK NEXT ふりまわされる人、ふりまわす人 ラキ マイペース二人 ふりまわされる人、ふりまわす人 エイジ 極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ふりまわされる人、ふりまわす人 クルツ 極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅
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追い詰められる、心 ◆YYVYMNVZTk 「――おい、起きてるか?」 洞穴の中で男の声が響く。 「食えるかどうかは知らないが、腹に何か詰めておけよ。 腹が減って力が入らず殺されました――最高につまらない、冗談にもならない話だ」 言葉を投げかけられたのは力無く横たわる少年だ。 だが、その瞳には怒りに支えられた殺意が宿っている。 その眼光を男に向けながら、少年は答える。 「あんたは――どうするんだ」 「お前が食おうが食わまいが関係ないさ。俺は食うぜ。 飯のときに襲ってきても、俺は全然構わないんでね」 少年の考えなど全て分かっていると言わんばかりに、挑発的に笑う男。 男の名はガウルン。少年の名は統夜。 この二人の奇妙な関係は――些か理解し難い。 二人は協力関係にある。 最後の一人になるまで殺し合いを続けるバトルロワイアルにおいて、ある程度数が減るまで協力し合う、という選択は、中途で裏切られるリスクというものを差し引いても、大変合理的なものだ。 それだけならば何の問題もない。 だが、この二人の関係の異常性は、また別のところにある。 ガウルンは提案した。 統夜が自分を殺すつもりならば――それでも構わないと。関係を解消するまで、自分からは統夜に手を出すつもりはないと。 その譲歩が二人が関係を結ぶに至った決定打なのだから、これはもう異常と――最初から破綻した同盟であるとも言えよう。 勿論、ガウルンだって、何の考えもなしにその条件を申し出たわけではない。 統夜が秘め持つ資質に気づいたからこその提案だ。 機体に恵まれたとはいえ、統夜は幾度かの戦闘を生き延びている。 その戦闘で、統夜が勝ったのか負けたのか、それは大して興味がない。 ただ注目したのは、統夜が生きている、という事実だ。 生き残ることが最上の目的であるこの場所において、生きる、ということは、何よりも難しい。 放送で呼ばれた名前の数がその証拠だ。 統夜は生き残る力を持っている。操縦技術、経験、運……それら総てをひっくるめて。 生き残るのなら――統夜は、まだまだ強くなる。 生きるために死に物狂いになることで、感覚は研ぎ澄まされ、訓練では得られない経験を重ね、劇的に成長できる。 死の恐怖を統夜が乗り越えたとき――それはそれは美味しい獲物になるだろう。 その時のことを夢想し、ガウルンは笑みをこぼす。 「……何がおかしいんだっ!」 「いやいや、ちょいと考え事をしてただけさ。……ああ、そうか。食べようにもその腕じゃあ食べられないか」 と、統夜の右肩を眺め、呟く。 「もう一度聞こう。飯は食うかい? 食うんだったらその右肩、はめてやるよ」 「食うさ、食えばいいんだろ! ……覚えてろ、あんたは絶対この俺が……!」 「殺してやる、って? その調子だ。精精頑張ってくれよ。……ほら動くな」 ガウルンは統夜のすぐ隣まで無造作に近づくと、右腕を掴み、統夜の耳元で囁いた。 「ところで……いいのか? そんな簡単に俺を信用して。お前の選択が間違いだったら……今度は肩を外されるだけじゃすまないぜ?」 統夜がガウルンを睨み返そうとしたその瞬間、ガウルンは、ぐい、と統夜の腕を肩へと捻じ込んだ。 痺れる様な痛みが一瞬の波となって襲い掛かるが、それが退いたときには、既に統夜の射程距離からガウルンは出てしまっている。 「くそっ……! 馬鹿にしやがって!」 「素直じゃないねぇ。肩をはめてやると言ったときのお前は、まるで人懐こい捨て犬みたいだったんだがなぁ」 ククク、と笑いを隠そうともしないガウルン。 その様子を見て、これ以上相手をしても体力と時間の無駄だと気づいた統夜は、支給された味気ないパンをコーヒーで流し込み始めた。 ◇ 「で、だ……今後どう動くのか、まずそれを決めようじゃないか。なんせ俺たちはパートナーなんだからな」 食事の後ガウルンからもちかけられた相談とは、今後の身の振り方についてだった。 今後、どうするのか――統夜も考えていたことではある。 二人になったことで、単純な戦力は倍増した。今はまだ知り合ったばかりなために無理だろうが、共闘を重ねることによって連携にも似た効率的な戦闘も出来るだろう。 とはいえ、会うもの全てに戦闘を仕掛ける――というのは利口なやり方ではない。 一応はガウルンとも協力できているわけだ。他の、優勝を目指す「乗った」人間と潰し合うのは望むところではない。 非戦闘の取り決めでもして、お互いに頭数を減らす邪魔をしないようにするのが、効率的なやり方だ。 問題はあの戦艦のようにこのバトルロワイアルそのものに反逆する者たちだ。 あの化け物に歯向かうだなんて、そんな無謀なことを考えている連中だ。 だが、今まで遭遇してきた面々を考えると、そんな人間は思っていたよりも多いらしい。 厄介なのは、彼らが次々と徒党を組んでいく――という事実だった。 時間が経てば経つほど、殺し合いに乗った自分たちは傷ついていく。 逆に、彼らはより多くの同士と結託していく――まったく分が悪い。 重要なのは戦い方だと思った。 正面から当たれば、負けはせずとも多大な被害を被ることになるだろう。 それでは最後まで生き残ることは出来ないのだ。 「なら……まずは、今までどこで何をしてきたのか……情報交換から始めないか? あんたが会った人間と、俺が会った人間と、全体の流れを少しでも掴みたい」 重要なのは情報。それが生き残ることに繋がる。統夜はそう考えた。 「説明はあまり好きではないんでね……重要なところだけ話して、不要そうなところはどんどん省かせてもらうぜ。 まず、最初の放送の前に俺が会ったのは四人だ。そのうち三人は既に死んだのを確認した。カテジナ、コスモ、ギャリソン……と言ってたかな? まぁ、そのうち一人は俺が殺したんだけどよ」 「俺は……放送までに、赤い鬼のような機体と、白い……あんたが乗ってるようなタイプの機体に会った。 後は……ジョシュアとアイビスって名前のやつがいた。生き物みたいな変なマシンに乗ったやつだ。放送の後にも、ジョシュアの知り合いらしいグラキエースってやつがいた。 ……ギンガナムも、ジョシュアも、グラキエースも死んだみたいだけどさ。 そのあとは、しばらく誰にも会わなくて……次に会った女を、俺は殺した。 殺した後はただ気持ち悪くてさ……笑うなよ? でも、それでようやく吹っ切れた。 そしたら青い機体に会った。そのパイロットはゲームに乗っていた。 戦ったけど、勝負はつかなくて……それっきりだ。 あんたと会う直前に戦ったのは、最初に会った赤い機体と、また別の黄色い機体。それと白い戦艦に白銀の機体と緑の機体。 自分でもよく生き延びれたと思ったよ。で、あんたと出会った」 半ば自嘲気味に話す統夜を、ガウルンは面白そうに眺めていた。 ――やっぱりこいつは、センスがある。 統夜の話す戦艦と白銀の機体とは、ガウルンも交戦したあの集団に違いない。 ガウルンが戦ったときは、もう一機と共に格別なコンビネーションを見せてくれた。 統夜の口ぶりでは、片方は戦闘には出てこなかったようだが……それを差し引いても、あの機体の戦闘力は十分なものがある。 それプラス、ガウルンの知らぬ二機。プラス戦艦だ。 そんな勝ち目のない戦いでも、統夜は死ぬことがなかった。 「その戦艦たちとなら、俺も戦わせてもらったぜ。なるほど……あいつらを相手に生き残ったんなら、上出来だ。 俺の話が途中だったな。放送の後……俺は、ある集団を追いかけた。気になる奴がいたんでね。 すると……だ! また別の集団が近づいてきてね。どうせだからと、利用させてもらった。 俺はただ一発撃っただけだったんだけどな――クク、奴らは潰しあいを始めやがった。 混乱に乗じて、俺のほうも楽しませてもらったけどな――ああ、楽しかった」 戦闘の興奮を思い出し――ガウルンは身を震わす。 その様子を見て、統夜は、ガウルンは真の変態だと、そう思った。 だがただの変態ではない。こと戦闘に限れば――他の追随を許さない、そんな変態だ。 「で、その途中で――お前も戦った戦艦一同が混じりこんできた、というわけだ。 ちょっと聞くが――その戦艦、他に機体は乗ってなかったのか?」 ガウルン自体、あの戦場に最後までいたわけではない。ある程度の目的が果たされた時点で離脱をした。 だが、あの女――フェステニアと言ったか――の言を信じるのならば、今頃フェステニアは戦艦と行動しているはずだ。 放送で名前が呼ばれていないということは、すぐに下手を打ったわけではなさそうだが……白い機体の片割れも出撃していない、という事実も引っかかる。 フェステニアと片割れが戦艦と別行動を取っているということだろうか? だが、フェステニアの狙いを考えれば、危険性が増す戦力の分散――それも、戦艦側ではない――を選ぶとは思えない。 「分からない……実際のところ、あれは戦いじゃなかった。俺がようやく戦えたのは赤い機体と黄色い機体だけ。 戦艦たちには、一方的に嬲られたようなものだったし……もしかしたら、わざわざ出なくてもいい、と考えたのかもしれない」 「ふぅん……まぁいいさ。話の続きだ。 放送の前後で――俺は、ブンドルと、アムロという男と戦った。奴らもこの祭りには乗らない――そう言っていたな。 ま、結局は取り逃がしちまって――そのあと、お前と会った。これで満足かい、統夜?」 ガウルンと自分の話を総合し――統夜は考える。 この殺し合い――乗っている人間は、思っていたよりも少ない? 思い返してみると確かに、統夜を殺しにきた人間はギンガナムと青い機体に乗った人物と、二人だけだ。 それ以外は、あくまで自己防衛の範疇――赤鬼という、過剰防衛に近いものもありはするが、こんな状況ならば当たり前であるとも言える。 勝ち残りは……予想以上に難しいのかもしれない。 「……どうも。それじゃまず、俺のほうから提案させてもらう」 そう言いながら、統夜はアスファルトの上に簡易的な地図を描き始めた。 まずここ、と、統夜は南の市街地を指さす。 「ここはあの戦艦が根城にしてる――赤い機体と黄色い機体も、ここにいる可能性が高い。 いくらあんたに自信があろうと、俺はもうここへは行きたくない。わざわざ殺されに行くなんて――冗談にもならない、最高につまらない話だ。そうだろう? それと、これはあんたみたいなプロにとっちゃ当り前のことなんだろうけど……開けた土地にも出たくない。 さっきの戦闘で戦艦に馬鹿みたいに撃たれた。地下の空洞のおかげで助かったけど……もしあれが、遮るものが何もない平地だったとしたら、地下空洞に逃げ込む暇もなく御陀仏だったって自信がある。 あんたの話によれば、戦艦級の機体はもう一つあるらしいし、戦いやすいところを陣取る……ってのは必要だと思う。で、それならやっぱり……」 今度は地図の南東を指さし、 「ここを目指したい。ここほど地の利を感じられる場所もないと思う。 高台にあって、設備も十分整ってる……行くなら基地だ」 ふむ、とガウルンは口元に手をやりながら統夜の顔を見る。 悪くない考えだった。理に適っている。 ガウルン自身、良い考えがあったわけではない。 「ならそれでいくか。……ああ、言い忘れてたことがあったな」 「なんだ?」 「今から挙げる奴らは俺の獲物だ。手を出すのは結構だが……最後は、俺がいただく」 「……分かった」 「物わかりがいいのは良いことだ。俺の獲物の名前……それは」 ガウルンが呼んだ名前を、統夜は聞いたことがあった。 最初は、聞き間違いかとも思った。だから聞き返してみた。もう一度、名前を言ってくれと。 ガウルンは怪訝そうな顔をしたが、統夜の表情を見て、にやりと大きく笑うと、もう一度名前を呼んだ。 ――フェステニア=ミューズ。 頭の中が、一瞬真っ白になった。そのあと、更に聞いた。何故、その女を狙うのかと。 そして――彼女が何をしたのか、その顛末を聞いた。 全身の力が抜けた。はははと、意味もなく乾いた笑いが湧き出てきた。 ――どうして俺は、戦いに巻き込まれたんだっけ? 怒りよりも先に呆れの感情が湧いて。 最初の放送で呼ばれた、カティアとメルアのことを思い出して。 無性に悲しくなってきて。 テニアと交わした数少ない言葉を思い出して。 自分の愚かさにようやく気付いて。 すべてが馬鹿馬鹿しくなって。 「……ガウルン。基地へ向かおう」 「あ? なんでお前そんなに急ぎ出して……」 返事を聞く前にヴァイサーガに乗り込んだ。 ガウルンは気づいただろうか。気づいたなら笑うだろうか。 コクピットに座る前に零れ落ちた。しょっぱい水分。 今まで溜まっていた、抑えていた感情が溢れ出す。 ああ、なんて格好悪いんだろう。でも……これが普通の反応なんだとも思う。 最初から……そう、グラウンドに、あいつらが落ちてきた時から、俺は自分が特別な存在なんだと、心のどこかでそう思ってた。 ――馬鹿みたいだ。何かに期待して、縋って、非日常を生きるだなんて、俺は物語か何かの主人公になったつもりでいた。 でもその前に、俺はただの高校生だったんだ。本当は、もっといっぱいやりたいことだってあったんだ。 目頭が、ツンと熱くなる。またポロリと、大粒の雫が垂れた。 裏切り……いや、違う。仕方ないんだ。俺だって同じことをやろうとしている。 でも……でも! やっぱり俺は、大きな勘違いをしていたみたいだ。世界はそんなに甘くなかった。 「……ガウルン。頼みが……ある」 「今の俺には――お前の考えが手に取るように分かるぜ統夜。――言ってみな」 「テニアは……フェステニア=ミューズは……! 俺にやらせてくれ! ……頼む!」 ――元々俺は、彼女たち三人が自分たちのために繕った、偽物の主人公だったのさ。 ――だったら、彼女たちがいなくなれば……俺は、どうなる? ――俺は……抜け出したい。俺を縛る色んなモノたちから。 【紫雲統夜 登場機体 ヴァイサーガ(スーパーロボット大戦A) パイロット状態 疲労中、マーダー化 機体状態 左腕使用不可、シールド破棄、頭部角の一部破損、全身に損傷多数 EN1/4、烈火刃残弾ゼロ 現在位置 C-8地下通路 第一行動方針:基地へ移動 第二行動方針:テニアの殺害 最終行動方針:優勝と生還】 まったく……ここは、面白い奴らばかりだねぇ……ククク…… 【ガウルン 搭乗機体:マスターガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状況:疲労大、全身にフィードバックされた痛み、DG細胞感染 機体状況:全身に弾痕多数、頭部・胸部装甲破損、左腕消失、マント消失 DG細胞感染、損傷自動修復中、ヒートアックスを装備 右拳部損傷大、全身の装甲に深刻なダメージ EN20% 現在位置:C-8 地下通路 第一行動方針:統夜に興味。育てばいずれは……? 第二行動方針:アキト、ブンドルを殺す 第三行動方針:皆殺し 最終行動方針:元の世界に戻って腑抜けたカシムを元に戻す 備考:ガウルンの頭に埋め込まれたチタン板、右足義足、癌細胞はDG細胞に同化されました 】 【二日目9:00】 BACK NEXT 古よりの監査者 投下順 争いをこえて 最後まで掴みたいもの 時系列順 黄金の精神 BACK NEXT 選択のない選択肢 SIDE:A 統夜 交錯線 選択のない選択肢 SIDE:B ガウルン 交錯線
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薄氷の同盟 ◆T6.9oUERyk どうしたものか。 蒼いMS(少なくともMSとよく似た)らしき人型機動兵器と対峙しながらヒイロ・ユイは考える。 背後を取っていながら奇襲を仕掛けなかったことから、相手に“今は”交戦の意思が無いことが分かる。 だが、相手は未だ何のアクションも仕掛けてこない。 対話の意思があるのか、値踏みでもしているのか、それとも単に戸惑っているだけなのか… こちらから通信を開くべきか。 油断無く蒼い機体を見定めながら、そう考え始めた矢先。 「新手か」 レーダーに反応、南方から一機接近してくる。 見ると対峙する蒼い機体も気づいたようだ、機体の向きを南側へと僅かにずらす。 そのままじりじりと時間は流れ。 やがてあらわれたのは、2門の巨大な砲を担いだ重厚なMS(?)。 その長距離砲撃戦用らしき機体から通信が入る。 『こちらは九鬼正義。そちらの2機、聞こえるかね?』 『こちらはヒイロ・ユイだ。』 黒い機体からは即座に感情の感じられない平坦な声が返る。 ややあって蒼い機体からも反応が。 『こちらはアスラン・ザラ』 こちらは何かを押し殺すような、そんな声が。 どちらの声音もまだ若々しい、少年らしいもの。 「ふむ、ヒイロ君にアスラン君か。一つ提案があるのだが、ここはまず情報交換と行かないかね?」 しばし沈黙があり。 『『いいだろう』』 二人の声が重なった。 「MU戦争に東京ジュピター、か。」 『信じられないのも無理ないな、私でも実際に体験していなければ到底信じられんだろう。 もっとも、人型機動兵器が主力の宇宙戦争というのも十分信じがたいがね。』 九鬼と名乗る軍人はそう苦笑したが、科学技術の集大成であるコーディネーター・アスランにしてみれば、 MUだのドーレムだのといったオカルト話は正直受け入れがたい。 逆にヒイロの語るA.C.歴の世界は宇宙移民やMSの台頭、など自分たちC.E.の歴史とよく似ており受け入れやすかったのだが。 最も、二人には肝心のナチュラルとコーディネーターの対立やコーディネーターの存在そのものを教えてはいない。 当然、自分がコーディネーターであることもだ。 自分と親友を引き裂いたナチュラルたちへの不信感はアスランの中で拭い難いものへとなっていた。 『MUとやらは俺たちをここに集めたあの怪物と関係があるのか?』 そのヒイロからの質問に、はっ、と我に返る。 そうだ、オカルトじみた存在ならこのゲームに巻き込まれた時点で嫌と言うほど思い知らされている。 『残念ながら、私もあのノイ=レジセイアとやらは見たことも聞いたことも無いな。』 『残念ながら、私もあのノイ=レジセイアとやらは見たことも聞いたことも無いな。』 「そうか。」 落胆はなかった。 元々、さほど期待していたわけでもなく。 九鬼が真実を述べているとも限らないのだ。 (リリーナ…) 九鬼はリリーナ・ピースクラフトと名乗る少女とその仲間に襲撃された、と言った。 武器を捨て話し合いましょう、と言われ信用して近づいた所で奇襲を喰らい、ほうほうの呈で逃げ出したと。 その話を無表情に聞きながら、ヒイロはこの男は信用できないと確信した。 同時に思うのはリリーナの安否。 九鬼の話し方から彼女がまだ無事らしいのことは分かったが、行動をともにする輩が信用できるとは限らない。 リリーナを誰かに殺させる訳にはいかない。彼女は自分が殺さなければならないのだから。 ヒイロ・ユイの行動方針は定まった。 リリーナ・ピースクラフトを探し出す、いかなる手段を使ってでも。 情報交換は順調に進み、頃合を見計らって九鬼は提案する。 「それでだ、身を守るためにも私たちでチームを組まないかね?」 しばし沈黙があり 『いいだろう』『分かりました』 少年たちからは承諾の返事が。 その返事を聞き、九鬼は内心狂喜する。有力な手ごまが二人、手に入ったのだ。 アスラン・ザラはザフトという軍隊の、ヒイロ・ユイはOZという私設軍でそれぞれエリートパイロットだったらしい、 軍人らしく武器を捨てて話し合うなどと言った腑抜けた考えは持っていない。 さらに二人の機体は高機動中距離・近距離戦用で、自機は長距離支援用。 二人を前衛に立たせ、自分は火力支援に徹すれば身の安全は確保される。 ようやく、自分にもつきが回ってきたようだ。 こうして仮初の同盟は成立した。 【ヒイロ・ユイ 搭乗機体:レイダーガンダム(機動戦士ガンダムSEED) パイロット状況:冷静、疲労、体中に軽い痛み 機体状況:EN切れ寸前 現在位置:F-6 第一行動方針:何とかして補給する 第二行動方針:リリーナの捜索 最終行動方針:???】 【アスラン・ザラ 搭乗機体:ファルゲンマッフ(機甲戦記ドラグナー) パイロット状況:冷静 機体状況:良好 第一行動方針:生きて返る、それ以外は未定 最終行動方針:未決定】 【九鬼正義 搭乗機体:ドラグナー2型カスタム(機甲戦記ドラグナー) パイロット状況:上機嫌 機体状況:良好、弾薬を多少消費 第一行動方針:手ごま二人の信用を得る 第二行動方針:確実に勝てる相手以外との戦闘を避ける 最終行動方針:ゲームに乗って優勝】 備考:ヒイロは経歴を詐称しています(OZのパイロットと偽る) また九鬼に不信を抱いています。 アスランもコーディネーターのことを伏せています 【初日 16 00】 BACK NEXT 我が道を往く人々 投下順 戦場の帰趨 我が道を往く人々 時系列順 出会いと再会 BACK 登場キャラ NEXT 迷いの行く先 アスラン 任務……了解 迷いの行く先 ヒイロ 任務……了解 The two negotiators 九鬼 任務……了解
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オリジナル パイロットブランクシート
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□ 何が起こったのかわからなかった。 今、たしかにこの手は奴を切り裂いた。それは間違いない。 しかしこの手ごたえのなさは何だ? 歌声が響く中、共犯者が他の敵を引きつけようやくにして一対一の戦いに持ち込めた。 だが突如湧いて出た異形の化け物どもに邪魔をされ、決闘は水を差された。 執拗に自機を狙ってくる奴らには手を焼かされたものの、それは交戦していた敵手にも等しく襲いかかった。おかげで逃がさずに済んでいたのだが。 そして異形どもをあらかた片付け、本命を追撃しようとしたとき、奴は無防備な状態で佇んでいた。 奴にしては迂闊――そうは思ったが千載一遇のチャンスには違いなかった。 だからこそ全力を持ってその機体を破壊したのだ。 なのに、この胸の締まりの悪さは…… 薬の時間はもうすぐ切れる。禁断症状が訪れる前に、確認しなくてはならない。 彼は腰から両断した敵機のコクピットハッチを剥ぎ取りにかかった。 そう、ここにあの男の死体があればそれでいい。予感は杞憂だったことになる。 だがもし、奴がいなければ―― ハッチが外れた。 覗き込む、その中に……ガウルンはいない。 逃げられた。 その一言が頭の中で像を結ぶ。 「……あ、あ……が、ああ……ガァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!」 天を見上げ絶叫した。 【テンカワ・アキト 搭乗機体:ブラックゲッター パイロット状態:マーダー化、五感が不明瞭(回復傾向)、疲労状態 怒り 機体状態:全身の装甲に損傷、ゲッター線炉心破損(補給不可) 現在位置:F-1市街地 第一行動方針:ガウルンの首を取る 第二行動方針::キョウスケが現れるのなら何度でも殺す 最終行動方針:ユリカを生き返らせる 備考1:首輪の爆破条件に"ボソンジャンプの使用"が追加。 備考2:謎の薬を2錠所持 (内1錠はユーゼス処方) 備考3:炉心を修復しなければゲッタービームは使用不可 備考4:ゲッタートマホークを所持 備考5:謎の薬を一錠使用。残り2分】 □ あの光はなんだったのだ? ユーゼスの脳裏を駆け巡るのはその一つの疑問のみ。 足止めとして仕掛けた空間の歪み、そこから垣間見えた巨大なインベーダー。 あれがこちらに出てこればさすがに危なかったが、どうにかネゴシエイター達が追い返すことに成功したようだ。 それはいい。むしろ喜ばしいことでもある。 だが問題はあの莫大なゲッター線の放射だ。 隣のエリアからでも観測できるほどに、F-1エリアはゲッター線の濃度が凄まじい。 己があの地を去った後、何が起こったのか。 距離のあるここでさえ衝撃の余波は届いた。 だとするなら、その爆心地では一体何が起きたというのか。 アキトともはぐれたままだ。 当初の目的であるナデシコも、AIをデリートして支配下に置いたとはいえ今だあの地にある。 (さて、どうするべきか……) DG細胞のサンプルを弄びつつ、考える。 己の首に科せられた首輪。この首輪が宿す、アインスト細胞。 その活動が、熱気バサラの歌で一時の休眠状態にあることも――彼はまだ気付かなかった。 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メディウス・ロクス(バンプレストオリジナル) パイロット状態:疲労(中) 機体状態:EN残量90% ヴァイサーガの五大剣を所持 データウェポンを4体吸収したため四肢が再生しました 現在位置:E-1 市街地 第一行動方針:どうするか…… 第二行動方針:ナデシコ、バサラの確保、アキトと合流、AI1のデータ解析を基に首輪を解除 第三行動方針:他参加者の機体からエネルギーを回収する 第四行動方針:サイバスターとの接触 第五行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 第六行動方針:キョウスケにわずかな期待。来てほしい? 第七行動方針:次の放送までにA-1に向かい統夜、テニアと合流 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考1:アインストに関する情報を手に入れました 備考2:首輪の残骸を所持(六割程度) 備考3:DG細胞のサンプルを所持 】 □ トモロが観測していた空間の綻び。 小康状態にあったそれが突如加速度的に広がりだして間もなく。 「何だ、こいつら……!?」 『私のデータベースにはない生命反応だ。未知の生物……としか言いようがないな』 Jアークを、異形の化け物――インベーダーが取り囲んでいた。 すぐ南にある禁止エリア。この化け物達はそこから現れた。 その先頭に立っているのは―― 「ガンダム……!?」 「ギム・ギンガナムが乗っていたガンダムだと!? しかし、あれは……!」 アムロ、そしてカミーユをして驚かせたのは敵がガンダムだったからではない。 片腕がなく、装甲は焼け爛れどう見ても大破しているとしか見えないその機体。人形のようにぎこちなく歩いてくるその姿が、徐々に露わになる。 そう――インベーダーと融合し、メタルビーストとなったシャイニングガンダムの姿が。 『GUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』 シャイニングガンダム――否、メタルビースト・シャイニングの口からおぞましい咆哮が上がる。 それを聞いた二人のガンダムパイロットは直感する。 アレはもうガンダムなどではなく、全ての命あるものの敵。何としても倒さねばならない邪悪だと。 「アムロさん!」 「ああ、わかっている。トモロ、自動操縦はいけそうか?」 『ああ。君達参加者に対しての攻撃は禁じられているが、あれらはその規制の範疇にはないようだ。私だけでもJアークの自衛は可能だ』 「よし……なら、俺達は出るぞ!」 「了解です――VF-22、カミーユ・ビダン! 行きます!」 カミーユのバルキリーが一足早く発艦する。 それを見送り、ブリッジから走ってきたアムロもF91へと乗り込んだ。 「ガンダムF91――アムロ・レイ! 出るぞッ!」 飛び出す――インベーダーの待つ、ガンダムと対峙する戦場へ。 ガンダムが腹部に突き刺さっていた剣を抜く。 その体内から這い出たインベーダーが失われた腕の代わりなのか。 Jアークの砲撃が始まる。 それを契機に、戦いの火蓋は切って落とされた。 【アムロ・レイ 搭乗機体:ガンダムF91( 機動戦士ガンダムF91) パイロット状況:健康、若干の疲労 機体状態:EN40% ビームランチャー消失 背面装甲部にダメージ ビームサーベル一本破損 頭部バルカン砲・メガマシンキャノン残弾60% ビームライフル消失 ガンポッドを所持 現在位置:D-3南部 第一行動方針:インベーダーへの対処 第二行動方針:首輪の解析とD-4地区の空間観測 第三行動方針:協力者を集める 第四行動方針:マシンセルの確保 第五行動方針:基地の確保 最終行動方針:ゲームからの脱出 備考1:ボールペン(赤、黒)を上着の胸ポケットに挿している 備考2:ガウルン、ユーゼス、テニアを危険人物として認識 備考3:首輪(エイジ)を一個所持 備考4:空間の綻びを認識】 【カミーユ・ビダン 搭乗機体:VF-22S・Sボーゲル(マクロス7) パイロット状況:強い怒り、悲しみ。ニュータイプ能力拡大中。疲労(大) 機体状況:オクスタン・ライフル所持 反応弾所持 EN40% 左肩の装甲破損 現在位置:D-3南部 第一行動方針:インベーダーへの対処 第二行動方針:首輪の解析を行ないつつしばらくJアークに同行 第三行動方針:ユーゼス、アキト、キョウスケを「撃ち貫く」 第四行動方針:遭遇すればテニアを討つ(マシンセルを確保) 最終行動方針:アインストをすべて消滅させる 備考1:キョウスケから主催者の情報を得、また彼がアインスト化したことを認識 備考2:NT能力は原作終盤のように増大し続けている状態 備考3:オクスタン・ライフルは本来はビルトファルケンの兵装だが、該当機が消滅したので以後の所有権はその所持機に移行。補給も可能】 【Jアーク(勇者王ガオガイガー) 機体状態:ジェイダーへの変形は可能? 各部に損傷多数、EN・弾薬共に100% 現在位置:D-3南部 備考1:Jアークは補給ポイントでの補給不可、毎時当たり若干回復 備考2:D-4の空間観測を実行中。またその為一時的に現在地を固定 備考3:ユーゼスが解析した首輪のデータを所持(ただし改竄され不完全なため、単体では役に立たない)】 【シャイニングガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状態:なし 機体状況:右腕肘から先をインベーダーの腕が補っている、折れたブレンバー所持 EN10% 各部装甲に多数の損傷、表面装甲の六割が融解して垂れ下がり凝固 インベーダーが取りつき、メタルビースト化 現在位置:D-3南部 行動方針:あらゆる生命の抹殺】 【二日目15 05】 →眠れる基地の魔王、悪が振るう剣
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冥王計画 61 この機体に選ばれた者は幸運であっただろうと思う。 このゲームの目的である生き残る事を容易にする事が出来るのだから… ただし、身体だけは… 「美久!返事をしろ!」 「確か…ジュドー君だったかしら?流石、ニュータイプね。機体に乗っただけで全部分かるなんて」 「何を言っている?…この身体はジュドーと言うのか? 成る程。例え、洗脳されても俺自身の記憶と人格を再生するように組んだ再生プログラムが、 本来は、俺以外のパイロットを受け付けないというプログラムとの矛盾を解消するにはこうするしかなかったか。」 「ジュドー君!何を言ってるの?」 「俺は、ジュドーではない!マサキだ!命令する。状況を話せ!」 なかなか面白い。 レジセイア…もしかしたら、システムの更なる改良が見込める存在だ。 そして、レジセイアに会うには… 「美久!まずは、ここが冥府の始まりだ!」 …しかし、この違和感は何だ? 【ジュドー・アーシタ】 機体:ゼオライマー パイロット状態:充実 機体状態:充実 場所:D5 第一方針:システムの改良 第二方針:役に立つ駒を手に入れる 最終方針:??? 管理人注:今回のロワにジュドーは参戦していません。 本編― ―
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三年間の幸せ ◆ZbL7QonnV. ……死んだはずだった。 たった三年間の寿命を終えて、彼女は死んだはずだった。 今でも、はっきりと覚えている。 幸せだった、と。 ジョシュアに出会えて幸せだったと、人として生きる事が出来て幸せだったと、そう言い遺して彼女は眠りに就いたはずだった。 「ラキ……」 胸に、微かな痛み。 ああ、まだ自分は彼女の事を忘れてはいない。 彼女と共に過ごした日々を、そして彼女を失った悲しみを、まだ自分は忘れていない。 ジョシュア・ラドクリフは――グラキエースを、愛している。 彼女と共に過ごした時間は、彼女の寿命が尽きるまでの三年間。決して、長い時間ではない。 だが、彼女との思い出は、それこそ星の数ほど無数にあった。 何気無い一日の繰り返しが、彼女と共に過ごした穏やかな日々の積み重ねが、ジョシュアには何よりも大切な宝物だった。 そして、きっと彼女にとっても。 だから、彼女は笑って眠りに就いたのだ。 彼女と過ごした日々が幸せだったからこそ、ジョシュアもまた微笑み彼女を見送ったのだ。 だが―― 「生きて……いるのか……?」 このバトルロワイアルの会場に降り立ってから、懐かしい感覚が彼を襲っていた。 ジョシュア・ラドクリフの中に溶け込んだ、グラキエースの心の欠片。それが、再び目覚めようとしていたのだ。 ……彼女が死んでから、ずっと胸の奥で燻っていた喪失感。だが、今はそれを感じない。 そう、グラキエースは生きている。 この、殺し合いが行われている世界の中で。 ならば、どうする? 俺は……。 「……逢いに行くよ、ラキ」 胸の中で騒いでいる、冷たく澄んだ彼女の心。 それを確かめるように、ジョシュアは胸元に手を置き言う。 どうして死んだはずの彼女が居るのか、その理由は分からない。 だが、彼女が生きているならば、自分の為すべき事は決まっている。 そう、逢いに行くのだ。 繋がり合う心の糸を手繰り寄せ、必ず彼女に辿り着いてみせる―― 「……誓ったからな。俺が、君の居場所になると」 だから、俺は彼女に逢う。 そう誓って、ジョシュアは機体に乗り込んだ。 【ジョシュア・ラドクリフ 搭乗機体:騎士機ラフトクランズ アル=ヴァン機(スーパーロボット大戦J) パイロット状況:良好 機体状況:良好 現在位置:D-2 第1行動方針:グラキエースとの合流 最終行動方針:ゲームからの脱出 備考:グラキエースとの精神共感 ラース・エイレム使用不可能 オルゴンソードFモード使用可能(クロー、ライフルはFモード使用不可能)】 本編14話 アンチボディ、二体