約 845,754 件
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/99.html
血に飢えた獣達の晩餐 ◆Nr7qwL8XuU 手足をもがれ瓦礫に埋もれたドスハードの中、ソシエは瞬く間に変わっていった自身の状況を整理しようとつとめていた。 さっきまで交戦してたあの赤マフラーは間違いなく敵だ。 それにとどめを刺されかけたところを助けてくれた腹ペコのちっちゃいのは多分味方。 ということはそれと交戦してる赤いのは多分敵で、赤マフラーと戦ってる小型機と残りの航空機は・・・・・・あっ、ダメ。こんがらかってきた・・・。 通信機がまともに動けば状況把握も楽なのだろうが、どうも壊れてしまったらしくノイズ音の他に流れてくる音はなかった。 まっ、どうせ動けないんだから考えても仕方ないか・・・。 敵味方の認識をあきらめたソシエはどうにかなるさと気軽に考え、若干投げやりな様子で支給品の袋に手を伸ばした。 中からドンキーのパンとドロシーのコーヒーなる缶コーヒーが出てきた。 一口飲んでその甘さに咳き込んだソシエはそれを無視するとパンを頬張った。 横薙ぎにはらわれる円の動きと真っ直ぐに突き出す線の動き。一瞬早く相手を捕らえたアキトの拳が大雷凰の腹に叩き込まれる。 大雷凰の装甲が軋み、わずかに遅れて直撃した竜馬の脚にアキトはその拳を振り抜ききる前に大きく弾き飛ばされた。 「まだまだぁ!」 直後、大雷凰のブースターはフル稼働しYF-21を追って空を駆ける。アキトが機体を立て直せばその瞬間に、立て直さなければ追いついたその瞬間に一撃を叩き込むべく一度は開いた二者の間を急速に縮めていく。 そして、大雷凰がYF-21に追いつき、その蹴りが襲い掛かる。 「もらったぁ!なっ!!」 がその瞬間、YF-21はファイターモードに変形、吹き飛ばされていたその方向にそのまま加速して攻撃をかわすと135度までロール。 そして、速度を上げながら操縦桿を引き起し、スライスターンで大雷凰を正面に捉えるとすれ違いざまにガンポッドを撃ち込んだ。 「チッ!逃がすかよぉ!!」 放たれたガンポッドは大雷凰の装甲に吸い込まれ火花を散らす。だが意にも介さずといった風で振り向いた竜馬はアキトの追撃に移った。 「いつまでそうやって逃げ回る気だい?」 テッカマン・エビルが間を詰める。 「そうだな・・・。君が私の話を聞く気になるまでかな?」 凰牙が間合いを広げる。そんなやり取りが続けられていた。 全長28.5mの凰牙に対してわずか2.36mのテッカマン。にもかかわらず踏み込まれるたびに後ずさっていく凰牙の姿はもはや滑稽という他ない。 憶測ではあるがロジャーの間合いで戦えば勝機はあるだろう。しかし、懐にもぐりこまれるとおそろしくやり難い。加えて依頼の内容的に手を出すわけにはいかない。 その自覚がロジャーに現在の行動を取らせていた。 「残念だけど、お前と話し合いする必要なんかないね!」 これまで緩やかな動きから一転、テッカマンは高速で駆け出す。 「消えただと!」 それまでとの速度差、こちらの1/10以下というサイズ差、そして予想外の高速、それらの要因が絡み合いロジャーはテッカマンを見失う。 次に気づいたときには文字通り凰牙の眼前にテッカマンはいた。 攻撃を受け流す暇もなく、とっさに首を捻ってランサーをかわす。しかし、完全には避けきれず凰牙の右の角が音をたてて地面に落ちていった。 「今のをかわすなんて意外にやるね」 テックランサーを悠然と旋回させテッカマンが構えなおす。 「君は何か勘違いをしている」 背後に着地したテッカマンを追って向き直り凰牙も構えなおす。 「何をだい?」 「これは話し合いではない。取引だ」 大雷凰が市街地に身を隠したYF-21を追って大地に降り立った。 「どこに逃げやがった」 油断なく背をビルに預け周囲を警戒する。 右に敵影はない・・・。左も・・・。 空に目を移す。やはりそこにも姿はなかった。が、次の瞬間敵機の接近を告げるアラームが鳴り響く。 「クソッ!どこから・・・後ろかぁ!!」 その声とほぼ同時に背後のビルは崩れそこから姿を現したアキトの拳が竜馬を捉える。 金属がつぶれる音が響き大雷凰の胸部装甲が凹んだ。 だがそこでYF-21の拳はつかまれ 「へっ!やっと捕まえた・・・覚悟しやがれぇ!!!」 一転、二転、三転、大きく振り回される。そしてついた遠心力をそのまま利用して大空高くYF-21が投げ飛ばされる。 「貴様にも味あわせてやる!大雷凰の恐ろしさをなっ!!」 きりもみ回転で制御を失った機体の中アキトが必死で機体を立て直す。 「ラアアァァァイジングメテオ!!」 そんなアキトに構わず、大雷凰は高速で迫り 「インフェルノオオオオオォォォォォォォォォッ!!!!」 周囲に爆音が轟いた。 震えた空気の振動にモニターが揺れる。 そんな中、目の前の達磨となったドスハードにリリーナは通信を続けていた。 しかし、応答はない。 それはドスハードの通信機が壊れてしまった為なのだがそのことを知るすべはリリーナにはなかった。 ふと交渉をおこなっているはずの凰牙のほうに目を移す。角が落とされ大地に落ちていく姿が遠目に確認できた。 そして交戦しているのか時折赤い火花が散っている。 「ロジャー・・・」 信じていますと繋げたその声は直後の轟音にかき消された。 慌てて音のほうを振り向く。離れた空域に巨大な爆煙が渦巻いているのが見えた。 そして、ヴァルハラの巨体が揺れる。 次の瞬間、その制御は失われ、巨大な力にヴァルハラが引き寄せられる。 その中でリリーナは一人絶叫した。 小さな人影が地を蹴って信じられない高さまで跳躍すると槍を薙ぐ。 「取引だって?面白い。お前が僕に何を与えてくれるというのだい?」 サイドステップで避けた凰牙の装甲に槍の先端がわずかにかすり火花が散る。 「ゲーム内における君の安全と君が望んでいるであろう現実世界への帰還だ。取引に応じた場合、君の安全は私が全力をかけて守ろう。そのかわりに我々に協力してもらいたい」 その一言がテッカマンエビルの、相羽シンヤのプライドに触れた。 「お前ごときがこの僕を守るだって?フッ・・・ハハ・・・ハァーハッハッハッハ・・・」 突如、シンヤの笑い声が木霊した。その様子にロジャーは肩を竦める。 「何か可笑しいかね?」 「いいや。笑えないね」 テックランサーをロジャーに向かって投げ飛ばす。 「お前ごときが」 唸りをあげて迫るテックランサーがロジャーの脇をすり抜けいった。 「この僕を」 ランサーの先につけていたのか手元の鋼線を勢いよく引き戻す。 「守るだと?」 黒い大きな影が日光をさえぎった。 「ふざけるのもたいがいにしろよ!人間風情があああぁぁぁぁぁぁ!!」 テックランサーが突き刺さり、ワイヤーに絡め取られ、そして制御を失い強引に力ずくで引き寄せられたヴァルハラが上下逆さまに凰牙を押しつぶしてくる。 辛うじてそれをかわしたロジャーからヴァルハラに通信が飛ぶ。 「リリーナ嬢!リリーナ嬢!!応答したまえ!!!」 だがその間にも差し迫ってきたテッカマンが猛威を振るう。 その攻撃を薄皮一枚――-装甲の表面をかすらせる程度で回避したと思った瞬間、体当たりをくらい凰牙は仰向けにビルに沈み込んでいった。 一向に返ってこない通信に苛立ちを募らせつつ身を起こすロジャー。その目にヴァルハラを刻み、槍を回収するテッカマンの姿が飛び込んできた。 体勢を整えるのもそこそこに凰牙の豪腕が唸りをあげてテッカマンに放たれる。それをひらりと回避したエビルは凰牙に対峙した。 「やれやれ、もう少し話せる相手だと思っていたのだが・・・・・・。ネゴシエイションはプロとプロがかわすもの、君もプロたるべきだとは思わないか?」 「はっ!ネゴシエイターは交渉場所に武器を持ち込まないのが鉄則ではなかったのかい?」 「ネゴシエイションに値しない相手には鉄の拳をお見舞いするのが私の主義だ」 「どこまでもふざけた男だね。ハッ!虫唾がはしるんだよおおおぉぉぉぉぉぉぉ!」 今しがた起こった爆発の中心にその機体は長いマフラーをたなびかせていた。 そしてわずかに離れたところを濃紺の小型機が旋回している。 ライジングメテオ・インフェルノが直撃する瞬間、機体の制御を取り戻したアキトはかろうじてそれをかわし、攻撃直後の隙を突いてビームガンとマイクロミサイルを大雷凰に撃ち込んだ。 しかし、直撃したはずの大雷凰に目立った傷跡はついていない。 だが、ここまでで相手の強固な装甲を確認しているアキトに驚きはなかった。おそらくこちらの武装で相手の装甲を抜けるのはバリアを収束させた拳か反応弾ぐらいだろう。 後者はなるべく使いたくはなかった。ここで使うとユリカまで巻き込む危険性がある。前者は最初の交錯時のように馬鹿正直に使えば当たり負けするのは明白だった。 ならば馬鹿正直には使わないだけだと腹をくくる。 YF-21はファイター形態に変形。最大出力で大雷凰に急加速突撃を開始した。 「出し惜しみは・・・無しだっ!」 構えた竜馬に向かってほぼ残弾すべてに相当する大量のガンポッドとマイクロミサイルを散布する。補給ポイントを押さえているからこそ多少の無茶も目をつぶれる。 「ちっ!なんて数だ」 最初の数発を回避するも後続につかまった大雷凰が次々と被弾していく。厚い装甲に阻まれて損傷自体はたいしたことはなくとも爆発の衝撃に翻弄され機体の安定が保たれない。 それによって流れていく先をBDIシステムが予測、アキトは懐に飛び込んだ。 YF-21がバトロイド形態に変形、右拳にピンポイントバリアが収束されていく。 「ここだ・・・・・・」 そして、速度を半減させながらも音速を遥かに超えた速度を保ったまま、その右拳は大雷凰に叩き付けられた。 とっさに軸をずらした大雷凰の頭部が砕け、破片が宙を舞う。その光景を背後に既にYF-21はその場にいない。 「なにっ!」 だが、安全圏まで距離をとったはずのアキトを奇妙な減速感が襲った。 「プラズマビュート!逃がすかああぁぁぁぁ!!」 頭部の砕けた大雷凰の腕が大きく弧を描き、YF-21が強引に引き寄せられる。 「喰らえ!カウンタアアアァァァァァァァァッスパイクッ!!!!」 そして砂嵐に埋め尽くされたモニターの中、竜馬はタイミングをはかってその蹴りを繰り出した。 足に感じる確かな手ごたえと共に地面に何かが叩きつけられる轟音が聞こえてきた。 「くそっ!」 軽く舌打ちをしたリョウは次々にモニターをサブカメラに切り替えていく。 受けた損傷の大きさに苛立ちを隠せない。 だがそんな暇もなく回復させたモニターに異常なほど巨大な砲弾が映し出された。 背中に冷たいものを感じ、反射的に機体を捻る。砲弾はわずかにかすった肩のアーマーを易々と砕いて大雷凰の遥か後方に巨大な噴煙を高々とあげた。 「おいおいおい・・・、冗談じゃねぇ・・・」 だが、竜馬はその噴煙には見向きもしない。見上げたその先には無敵戦艦の姿があった。 全長53.8mの大雷凰に対して420mのダイ。そのあまりの巨大さに圧倒される。 その圧力はあなたの眼前に全長約13~16mの世界最大の肉食生物マッコウクジラが突然姿を現し迫ってきたと考えていただくと多少は伝わりやすいだろうか・・・。 とにもかくにも、その巨体が放つ圧力は並々のものではない。 何かに呑まれたように竜馬の体は動かず。その肌には冷たい汗が吹き出てきていた。 だが、銛を持った漁師はクジラにも立ち向かいしとめる。やがて凶暴な光が竜馬の双眸に宿る。 そして、大雷凰の脇をすり抜けて伸びていった光線を追って竜馬は空を駆けていった。 凰牙とテッカマンが互いの拳を、武器を数合交え飛び退く。 「本当に思っていたよりもやるじゃないか」 「これでも軍警察にいたこともあるのでね。あまり甘く見ないでいただこうか」 「それは無理ってものだよ」 目の前のテッカマンの装甲が細く変わっていく。 不意にテッカマンが眼前から消え、凰牙は吹っ飛んだ。 「だって、その程度では僕の相手にはならな」 軽口を叩いていた口が不意に止まりその上体がゆらゆらと揺れる。 その様子を不審に思いつつロジャーは立ち上がる。 「おやおや、どうやらスタミナ切れかな・・・・・・」 シンヤの視界は歪み揺れていた。ただでさえ極限の空腹状態にあった彼である。そのうえ装甲を変形させて見せることすらやってみせた。 こうなることは必然といえば必然であった。 「なに、心配はいらないさ。お前は自分の身の心配だけをしてればい」 そこで再び言葉が途切れる。揺れる視界の中、その瞳は突如戦場に姿を現した無敵戦艦の巨体を捉えていた。 「まったく次から次へと・・・」 憎々しげに呟くと凰牙と距離をとったまま右に跳躍する。 無敵戦艦ダイと凰牙とテッカマン、三つの点が線を結ぶ。 (もつか?) (いや、もたせてみせるさ) 一瞬、そんな自問をすると彼は一つの賭けに出た。 「ボルテッカアアアアァァァァァァァ!!!!」 モニターが光に埋め尽くされ、耳を劈くような轟音が鳴り響いた。 「え?なになに??何がおこってるの?」 このロワ最大の巨体を誇る無敵戦艦の膝が崩れ、その内部にあるブリッジも傾いていく。 慌てて慣れない手つきでモニターにかじりつき敵機の姿を探す。ここにはいつものように索敵をおこなってくれる仲間はいない。 映し出されるモニターの映像とレーダーに目を走らせている間にも突然襲ってくる振動とその度に傾いていく床に足を取られて何度もこけた。 やっとの思いで艦後方に大型機を確認したと思ったその瞬間、ダイは横倒しに倒れユリカは床に叩きつけられる。 モニターに映し出されているのはいつの間に接近してきたのか赤いマフラーが印象的な一つの大型機。 その大型機が追撃を加えようとして不意に飛び下がり、ダイとの間に損傷の激しい小型機が上空から割り込んでくる姿が見えた。 「チッ!邪魔が入りやがったか」 「ユリカに手は出させない」 飛び下がった大雷凰を追って残りわずかなマイクロミサイルの残弾全てがYF-21から散布される。それを次々と蹴り砕きながら大雷凰は上空に舞い上がる。 最後の一基を蹴り砕いたとき、動きを予測し先回りしていたYF‐21が差し迫ってきていた。 「勝負だ」 迫る小型機が拳にフィールドを収束させる。 瞬時に体勢を立て直した大型機の両脚が紫の雷光を発する。 再び交錯する拳と脚。大気が震えた。 直に大雷凰の脚と激突したYF-21の拳が砕け散る。 だが、構わずに両腕を失ったYF-21は大雷凰の懐に飛び込み、両腕部の残骸と両脚部をパージ、ファイターモードに移行して――― ―――リミッターを解除した。 YF-21は機首が大雷凰の腹に突き刺さり加速していく。 激しい振動が竜馬を襲う。すぐにそれは耐え難いGにかわった。 なおも加速を続ける二機は恐ろしい速度で無敵戦艦ダイから離れていった。 視界がドロドロに歪み、目の前の光景が一瞬遠のきかける。そんな状態ながらもシンヤは踏みこたえ意識を手放さなかった。 PSYボルテッカを放った直後、かろうじてかわす凰牙が見えた。まったくもっていまいましい。 そんなことに気を取られたのも一瞬、シンヤは巻き上げられた粉塵の中に姿を消した。 「まさかこんな武器を持っていようとは・・・」 油断なく周囲を警戒しつつもロジャーは驚きを隠せずにいた。 (この威力・・・サドンインパクトの比ではない・・・。しかし・・・彼はどこへ?) 巻き上げられた粉塵にロジャーはシンヤを見失っている。 最初は姿を紛らせて接近。不意打ちをかけてくるかと思ったがその気配はなく。どうやら違うようであった。 ならば奴は何を考えて・・・まさか引いたわけでもあるまい――― 不意に粉塵の煙幕が裂け、慌ててロジャーが身構える。 その眼前を悠々とテッカマンとばらされコックピットブロックのみを残したヴァルハラが横切った。 「貴様ああぁぁぁぁぁ!!!」 ロジャーが叫び、凰牙が全速でそれを追おうとして崩れ落ちた。 凰牙の計器が燃料切れをロジャーに告げる。 「くそっ!!こんなときに!!!」 拳を計器に叩きつける。 ガン!! 凰牙のコックピットに無機質な音が響き、血が固く握りこまれた拳から滴り落ちた。 そんなロジャーを尻目に二機はビルの谷間に消えていった。 D-7地区で行われた激しい戦闘がひとまずの終局を迎えてから約十分後、そこに佇む巨大な戦艦と一つの人型機動兵器の姿があった。 「すまない。手伝わせてしまって・・・」 補給を終えた凰牙を起動させながらロジャーはユリカに礼を言う。 「いえ。このくらいのことは当然です。残りのデンドー電池は私のほうで預かっておきますので」 「感謝する、ユリカ嬢。それで君はこれからどうするつもりかね?」 「ひとまずは補給ポイントでア・・・・・・ガイさんの帰還を待ちます。ロジャーさんはやっぱり・・・」 「あぁ・・・、奴を追う。放送時間が迫っている今ならば追いつきクライアントと助けるチャンスもあるはずだ」 そういってサングラスをかけ、その表情を隠した。そこに存在するもう一つの―――リリーナの死の可能性にはあえて触れなかった。 「では時間もない。私は行かせていただこう。また会えるときを楽しみにしているよ」 そういって予備のデンドー電池を手に取り、付近刺さっていた巨大な槍を持ち上げる。 そして、眼前を睨みすえるとテッカマンが消えた方向に向かって去っていった。 まだ太陽が空に残る夕方、大気との摩擦で青白く光る二機の機体は、さながら蒼い流星の如くD-7市街地上空から西北西に伸びっていった。 「馬・・・鹿な・・・貴様、死ぬ気・・・かぁあ゛」 その凄まじいGのかかるコックピットの中で竜馬がやっとの思いで声を振り絞る。 例え機体は無事でもすでに人体が耐えることのできる速度ではなかった。 それはゲッターのパイロットとして鍛えられた竜馬とて例外ではない。そして、無論アキトも無事ではいられない。 二人の腹は想像を絶するGで窪み、皮膚は波打ちその表面には血管がくっきりと浮かび上がっている。 そして、答えを返そうとしたアキトの口から鮮血が飛び散り、彼の意識は閉ざされた。 そのアキトの様子にいずれ自分もと判断した竜馬は、重くなった両手を動かすとYF-21の機首を掴む。 「おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 そして果てしなく重くなったそれから逃れようと力を振り絞り、抜け出した。 蒼い流星が二つに分裂し、大きい欠片は木々をなぎ倒し森林に堕ち、小さい欠片はその光をたたえたまま大空に舞い上がり雲の狭間に消えていった。 コックピットのハッチに指がかかり、力が加わる。そして金属が悲鳴を上げて引きちぎられ強引に抉じ開けられた。その力が明らかに目の前の者が人ではないことを物語っていた。 嫌な汗が背を伝って落ちる。体が小刻みに震えてとまらない。悲鳴は喉を鳴らし、口をついて出て行こうとする。 しかし、気丈にもその悲鳴を喉元で押し殺し、強い意志の光をその瞳にたたえ、リリーナは目の前の参加者に毅然と向かい合った。 「私は地球圏統一国家外務次官リリーナ・ドーリアンです。あなたとの話し合いをの――」 そこで言葉は途切れ、その続きが紡がれることは二度となかった。 ゴトリ 音をたてて胴から切り離された頭が床に落ちる。続けて残った胴体も崩れ落ちた。血が床に撒き散らされ赤い花が咲いた。 だが、その様子にまったく気をとめる様子もなく彼――相羽シンヤは目的の食料を見つけると冷たい笑みをこぼす。そして、テックセットを解くと食料を貪り始めた。 【相羽 シンヤ(テッカマンエビル) 搭乗機体:無し パイロット状況:テッカマン形態、PSYボルテッカ使用により疲労、空腹解消 機体状況:機体なし 現在位置:D-8市街地 第一行動方針:竜馬を殺す 第二行動方針:ロジャーを殺す 第三行動方針:機体の確保 第四行動方針:十分な食料の確保 第五行動方針:他の参加者を全滅させる 最終行動方針:元の世界に帰る 備考:テックシステムの使用はカロリーを大量に消費】 【ロジャー・スミス 登場機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童) パイロット状態:若干体力消耗 機体状態:左腕喪失、右の角喪失、右足にダメージ(タービン回転不可能)、EN満タン 現在位置:D-7市街地 第一行動方針:リリーナの救出 第二行動方針:リリーナを護りながら、参加者へ彼女の完全平和主義を説く 最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉) 備考1:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能 備考2:念のためハイパーデンドー電池二本(補給一回分)携帯 備考3:ドスハードの槍も携帯】 【流 竜馬 搭乗機体:大雷鳳(バンプレストオリジナル) パイロット状態:衰弱 機体状態:装甲表面に多数の微細な傷、頭部喪失、右肩外部装甲損壊 、腹部装甲にヒビ、胸部装甲に凹み 現在位置:B-6森林 第一行動方針:サーチアンドデストロイ 最終行動方針:ゲームで勝つ】 【ミスマル・ユリカ 登場機体:無敵戦艦ダイ(ゲッターロボ!) パイロット状態:良好 機体状態:大砲一門破損、左前足損傷、腹部装甲損壊、大砲を一発消費 現在位置:D-7補給施設 第一行動方針:ガイ(アキト)を補給施設で待つ 第二行動方針:補給施設を占拠して仲間を集める 第三行動方針:ガイの顔を見たい 最終行動方針:ゲームからの脱出 備考1:YF-21のパイロットがアキトだと知りませんが、もしかしたらとは思っています アキトの名前はガイだと思っていますが若干の疑問もあります 備考2:ハイパーデンドー電池8本(補給4回分)回収】 【リリーナ・ドーリアン 登場機体:セルブースターヴァルハラ(GEAR戦士電童) パイロット状態:死亡(頭部切断) 機体状態:バラバラ。コックピットのみ 】 【初日 17 40】 高高度に摩擦熱で焼け焦げた戦闘機の姿があった。そして、その焼け焦げたYF-21の中、アキトは生きていた。 大雷凰という大質量の重りがついていたことでYF-21のハイ・マニューバ・モードはその本来の速度まで達することができなかった。 そして、アキトが意識を失った時点からBDIシステムはダウン。機体は失速をはじめ、やがてエンジンは停止し、風に乗って高高度に舞い上がったのだった。 うっすらとその瞼が開く。アキトの目には眼下に大きく広がる雲海とそこに傾いていく太陽が映し出されていた。 そしてほぼ同時刻、すでに人の去ったD-7の戦場後の瓦礫が動き一つの人影がひょっこりと姿を現した。 「まったく。そろいもそろって私を忘れて行くなんて一体どういうつもりなのよーーーーーーーー!!!」 一人寂しく廃墟にその叫びは木霊していった。 【テンカワ・アキト 登場機体:YF-21(マクロスプラス) パイロット状態:衰弱(大) 機体状態:両手両足喪失、全身に損傷、マイクロミサイル残弾0、ガトリンクガンポッド残りわずか、EN残り20% 現在位置:A-6東部高高度 第一行動方針:機体の補給 第二行動方針:無敵戦艦ダイに帰還 第三行動方針:ユリカを護る(そのためには自分が犠牲になってもかまわない) 最終行動方針:ユリカを元の世界に帰す(そのためには手段は問わない) 備考:脚部はD-7市街地に落ちているので回収できたらつけられるかも(?)】 【ソシエ・ハイム 搭乗機体:機鋼戦士ドスハード(戦国魔神ゴーショーグン) パイロット状況:なんでみんな私を忘れていくのよーーーーー!!(機体がガンダム系だと勘違いしています) 機体状況:だるま(両腕両足損失)(AIは取り外され、コクピットが設置されています) 現在位置:D-7市街地 第一行動方針:新しい機体が欲しい 第二行動方針:仲間を集める 最終行動方針:主催者を倒す】 【残り45人】 【初日 17 55】 BACK NEXT それぞれの立場 それぞれの道 投下順 彼らの乗機は強力です 戦場の帰趨 時系列順 アンチボディー ―半機半生の機体― BACK 登場キャラ NEXT それぞれの立場 それぞれの道 ロジャー 依頼主死すとも依頼は死なず それぞれの立場 それぞれの道 リリーナ それぞれの立場 それぞれの道 アキト 休息 それぞれの立場 それぞれの道 ユリカ 追う鬼、追われる鬼 それぞれの立場 それぞれの道 ソシエ 追う鬼、追われる鬼 それぞれの立場 それぞれの道 シンヤ 例え死者は喜ばすとも? それぞれの立場 それぞれの道 竜馬 極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/222.html
流 竜馬 氏名 流 竜馬 性別 男 出典 真(チェンジ!)ゲッターロボ 地球最後の日 人称 一人称:俺 二人称:お前、てめえ 三人称:あいつ、奴 特殊技能 元となっている漫画版の設定だと、父親から教わった空手の達人。その腕前は殺し屋三人を返り討ちにし、全国武道大会なるものに乗り込んで数十人をぶちのめすほど。爬虫人類も簡単に倒します。 性格 元は熱血漢で好青年だったが、現在は復讐鬼に。ゲッターチーム崩壊を招いた(と思っている)隼人と早乙女博士を倒せれば後のことはどうでも良いらしい。 備考 他シリーズの竜馬と比べて目立つのが、賢いことである。月のドッグで初代ゲッターをブラックゲッターに改修したり、ガニメデが月より大きいこと知っていたり。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/153.html
『未知』と『道』 ◆C0vluWr0so ぼんやりとした意識が闇の中を彷徨っている。 どこまでも暗い無意識の海。下に浮かぶのか上へ沈むのか分からない曖昧な感覚。 何処からともなく声がした。問う声だ。 『お前は一体どうしたいんだ?』 ――俺は、帰りたい。アル達が待ってるサイド6へ。 約束をしたんだ。必ず生きて帰って、会いに行くって。 会いたいんだ。まだまだ話したいこともあるし、聞きたいこともあった。 『そのために殺すのか?』 ――仕方ないじゃないか! 最後の一人にならないと帰れない。 それが分かってて、それなら殺すことだって考える。 戦争と同じなんだよ、殺さなきゃ生き残れない。 『戦争と同じだって? それは違うさ。お前は今、自分のために人を殺そうとしている。 上から言われるままに戦えば良かった戦争とは、全く違うんだよ。我が侭なガキの言い分だな』 ――それでも……我が侭でも、俺はみんなに会いたいんだ。 『殺して生き残って、それでもアルやクリスに会えるのか? 人殺しの癖に胸を張って会いに行くのかい?』 ――それは…… 『そら、やっぱりお前はそういうやつなんだよ、バーナード・ワイズマン。 いつも考えが足りない。だから大切なモノも失くしてしまう』 ――うるさい! うるさいうるさい! だいたいお前は一体誰なんだよ! 何でそんなことを言うんだよ!? 『まだ気付いてないのかい、バーニィ?』 ――くそっ……! 何で俺が……何で! 『そうだ。俺はお前なんだよ。俺の言葉はお前の言葉だ。俺の考えはお前の考えだ。 ……さぁ、もう一度聞くぞ。――お前は一体どうしたいんだ?』 ――俺は……俺は……! ◆ 意識の反転。バラバラだった意志は手繰り寄せられ、一つの纏まった思考へと変化していく。 視界は暗い――が、周りに広がっているのは視認できる夜の闇だ。出口の見えない暗黒ではない。 自分が夢を見ていたのだと気付くのと同時に膨れる疑問。 ……此処は何処だ? 意識が断絶する一瞬前まで、自分は交戦していたはずだ。 虫のような機体に、後から乱入してきた二機。自分も含めて四機の戦闘。 自分が気絶していた間に全て終わった、ということなのか? でも、それならなんで俺は生きてるんだ? 他の機体は何処へ行ったんだ? 段々と戻ってくる身体の感覚は平時のそれとは全く違う。 後ろ手に縛られている=身動きが取れない=危険。単純明快な理論に涙が出そうになる。 暗順応を起こした視細胞が、次第に暗闇の中に立つ人影を認識し始めた。 (……仮面? 男なのか? 俺を縛ったのも……?) 薄暗闇の中、はっきりと姿を確認することは出来ないが、目の前の男が自分の生殺与奪権を握っているという事実に緊張が走る。 向こうはこちらが目覚めたということに気付いているようだ。じっとこちらを見つめたまま、動かない。 もっとも、顔全体を覆う仮面のせいで、男の視線が本当に自分に向けられているのか分からないのだが。 そのままどれくらい見つめ合ったのか。仮面の奥で男が笑ったような気がした。 そして声が響く。 「お目覚めかね?」 「……ここは何処だ? あんたは一体誰なんだ!?」 「落ち着け。君が私の話を聞いてくれるのなら悪いようにはしない。 まずは君の名前を聞かせてくれ。私の名はユーゼス=ゴッツォだ」 「……ジオン軍所属のバーナード=ワイズマンだ。あんた……俺に何をする気なんだ?」 「落ち着け、と言っている。悪いようにはしないともな。 ……そうだな、それでは逆にこちらが聞こう。ワイズマン、君は一体どうするつもりなのかとね。 君はこの基地に来る前に青い機体と交戦したはずだ。今現在私はそのパイロットと行動を共にしている。 勿論君のことも聞いている。奇襲を仕掛けてきた危険なパイロットとしてだが……」 ククク、と実に愉しそうにユーゼスと名乗った男は嗤う。 一挙一動が周囲に邪悪さと悪意を撒き散らしていく。 それを全く隠そうとしないのは、ユーゼスが絶対的優位に立っているからだろうか。 こちらはユーゼスの余裕とは逆に、焦りがどんどん募っていくというのに。 ……不味い。ここで下手なことを喋れば、縛られたまま殺されるというのも十分にあり得る。 何せ此処は、『殺し合い』をする場所なんだから。 けれど、士官学校を卒業したばかりで、軍に配属されてから間もなくて。 「俺は……死にたくなかっただけなんだ」 ろくに実戦経験も無く、それどころか女の子を口説くのさえ下手な俺じゃあこんな時に上手いことなんか言えっこない。 「死にたくなかったから他者を殺そうとした――いや、それとも既に殺したのか?」 「……」 何も言い返せない。言葉さえ浮かばない。 だからコクリと小さく頷いて、それに肯定の意味を込める。 だが、何故かユーゼスの両手がパチパチと乾いた音を立てる。 「そうか。だが……それの何がおかしい? それは人として当たり前の感情だ。 私がその程度のことで君を軽蔑するはずがない。むしろ、その生きようとする強い意志に賞賛の拍手を送ろう」 ……今、何て言った? ここにきて――ようやくバーニィは、目の前の人物の本当の異常性に気付く。 例えば自分が人生経験もろくにない新兵だとか、相手の仮面の所為で表情が掴みにくいだとか。 そんなことを抜きにしても『この男が本当に心の底から、一つの偽りも無くこの言葉を吐いたということは間違いない』と言い切れる。 殺される殺されないの問題じゃない。喰われるのか、喰われないのか、だ。 「俺を縛ったのは……あんたなのか?」 「そうだ。だが心配する必要は無い。君が生きていると知っているのは、私だけだからな。 同行している面々には、この基地には生存者はいない、と伝えておいた」 『心配する必要が無い』だって? 俺が生きていると知っているのは自分だけだと、あんたは言った。 それはつまり――『俺を殺しても、誰も何も気付かない』ってことだろう? 『私は何時お前を殺しても構わない』という脅しなんだろう? 「あんたの仲間ってのは何人いるんだ?」 「三人だ。内二人は此処にはいないがな。……そろそろ、本題に入ろう。私は君に協力して欲しいと思っている」 「協力? 何の?」 「『これ』と……その先にあるものだ」 そう言ってユーゼスは、右手を首元へと向ける。 つまり……ユーゼスの目的は首輪の解除だということか? その先にあるもの……あの化物? まさか……アイツを倒すつもりじゃ…… 「目途は立っている。後はチェックメイトまで持っていけるだけの『駒』を揃えるだけだ」 「だから俺に……駒になれって」 「そういうことだ。しかし、決して無理強いをするつもりはない。君がノーと言うのなら仕方無い」 ――選択の余地は無かった。相手の言葉に従わない限り、俺に生きる道は無い。 なのに、何故か分からないけれど、イエスと言えない自分がいた。 このままユーゼスの言うがままに動けば、死ぬことよりも更に恐ろしいことになる。 そんな予感がしたのだ。 「まあいい。無駄に出来るほどではないが、熟考するだけの時間はある。しばらくここで考えているといい。 私たちと共に生きて帰る道を選ぶのか、それとも……」 ユーゼスはまた嗤う。闇に笑い声が吸い込まれていく。まるで、悪魔が嗤っているような気がした。 ◆ 地下発電所を離れたユーゼスが次に向かったのは基地施設の中でも特に重要な場所。 広大な基地の中でも一際目立つ演習場――そのすぐ近くに存在する『開発部』だ。 基地の端末にはただ『開発部』とだけ記されていたが、演習場が近くにあるということから考えて、おそらくは新装備の設計・開発、及び調整などを任されていた場所だろう。 当然、それなりの施設も備わっているはずだ。或いは、首輪を外せるほどのものが。 だが、このフィールドを用意したのが誰かを考えれば、そこまで楽観的な予想をすることも出来まい。 せいぜい解析の補助が良いところだろう。勿論今の状況からすればそれでも十分すぎるほどの収穫ではあるのだが。 「むしろ一番の収穫は、あの男かもしれんな……」 バーナード=ワイズマン。まだ年若いあの男は、悪くない駒だ。 支給された機体のスペックもあるだろうが、数回の戦闘を経てもまだ生きているというだけで無能ではないということは分かる。 かといって、決して自分の力を過信することなく――むしろ、自分の弱さを知っているからこそ、この殺し合いに乗ることを決めた。 死の恐怖から逃れることを原動力とする人間ほど扱い易いものはない。少し『道』を見せてやるだけで、どうとでも動いてくれる。 その点では、なまじ力を持っているために下らない良識の枷に囚われているベガやカミーユよりも期待できる存在だ。 問題はこのカードを何時使うかだが……まぁいい。まだ『仕込み』も完全ではない。より完璧に御することが出来るまで、ワイズマンは隠しておく。 下手に中尉に見せれば、いらぬ誤解を招くことになる。それもまた一興ではあるが、好手ではない。 次に手を打つべきなのは――『これ』だ。我々の命を握る、物理的な枷。 まずは邪魔な首輪を外す。首輪の構造には、既にアタリをつけている。 予想自体が未知の技術込みであることが癪だが、おそらく大きくは外れていないはずだ。 ……それに今の私には、これがある。 ユーゼスは、操縦する手を休め、コクピットを撫で始める。それは、ユーゼスにとっては三機目の機体。 ……十分なエネルギーを手に入れ、第二段階へと成長したメディウス・ロクスとAI1。 自己進化の概念を持つプログラムと、それを支える高性能電子頭脳を持つこの機体ならばこの枷を読み解く大きな鍵となってくれるだろう。 「……ここか。思っていたとおりめぼしい物は無いようだが……」 『開発部』に到着したユーゼスは、早速周辺の機器の調査を始める。 AI1がエネルギーを吸収していたために止まっていた基地内部への電源供給も、メディウスの復調と共に復活している。 外部の人間から奇襲される危険性を考え、こちらの居場所を示す照明の類は消したままにしてあったが、内部機器を動かすのに問題は無い。 ユーゼスは次々と基地施設の電源を入れ、その機能を逐一確かめていく。 だが調査の結果は芳しいとは言えない。ただ単に首輪を分解するための器具ならいくらでもあったが、肝心の赤い宝玉の解析に役立ちそうな機械は無かった。 現在の設備で出来るのは宝玉以外の部分――つまり、純粋に機械である箇所の解析だけだ。 しかし。 ユーゼスには、この赤い宝玉を解析する鍵は既に手に入れているという確信があった。 それはB-5で回収した首輪だ。この変質した首輪――おそらくこれが、アインストという未知を解析する最大の手がかりだ。 これを回収してから数時間が経った。 最初に手に入れた時点で、既に通常の首輪とは大きく違う変化を遂げていた。 だが驚くべき事に、時間の経過と共に首輪の変質は更に進んでいる。 この変化が鍵だ。我々の首輪には、時間の経過と共に変質していくという性質は無い。 おそらくこの変化は、首輪を用意したアインストさえ想像していなかった偶然の産物だ。 ……だからこそ、あの異形の化物の裏を掻くことが出来る。 首輪の変化を観察し、パターン化することで手の届かない宝玉内部の状態を調べることが出来るはず。 変化の解析はAI1を使う。その性質上、簡易ではあるがメディウスにも解析装置は備わっていた。 自己進化のプログラムの中には、この変化と同様のアルゴリズムを持つものもあるかもしれない。 AI1に同類のプログラムがなければ、変化のパターンを分析させ、作ればいいのだ。 変質の規則性さえ掴めれば、そこから逆算し、通常の首輪についてもコア内部の予測が出来るだろう。 ユーゼスは変質した首輪を、AI1の解析装置にかける。 こちらの首輪に関しては、時間の経過を待つことしかできない。 「半壊した方を分解する前に……ベガと連絡を取るか」 ワイズマンとの接触、解析機器の探索に時間を掛けすぎた。 ベガは基地の警備を続けているはずだが、長時間の単独行動は不要な問題を抱え込む要因になりかねない。 ……ベガには、首輪についてある程度説明しておいた方が役に立つかもしれんな。 コア以外にも首輪について幾つか分かっている事柄はある。 ただの人間が気付けることなどたかが知れているが、あらかじめ情報を与えておくことで少しはマシな発見が出来るかもしれない。 (……盗聴の危険性を考えると、視覚的に確認できる形に纏めておいた方が都合が良いな。 いざとなれば即座に処分出来る紙媒体が適切だろう) 周囲を物色すると、筆記用具はすぐに見つかった。 さらさらと首輪に関する情報を書き進めながら、ローズセラヴィーとの通信。 「……ベガか? 一度合流し、話しておきたいことがある。場所は中尉達と別れたところだ」 『了解しました』 ◆ ユーゼスからの通信から数分後、ベガは待ち合わせ場所に到着した。 それから遅れること更に数分、ユーゼスも到着。 しかし……ユーゼスの乗機は、ベガの見知らぬ物に変わっている。 どこか禍々しさを感じさせるその姿に、ベガは不安を覚えながらもユーゼスへと通信を入れた。 「ユーゼス、今のところ基地に近づく人間はいませんでした。そちらはどうですか? どうやら、機体が変わっているようですが……」 「上々だ。機体に関しては……探索の途中でこの機体を発見した。 この機体の名は……『ゼスト』だ。どうやら我々の来る前から此処にあったようだ。 既にパイロットは死亡していたが、この機体には自己再生能力があるらしい。戦闘には問題ない。 メリクリウスの防御力は魅力だが、この機体の方が総合的に優れている」 ユーゼスの言葉に納得しながらも、どこか受け入れることが出来ない自分がいることにベガは気付く。 あくまで自分たちの乗機は兵器に過ぎない。生きるか死ぬかの瀬戸際で、たかが道具にこだわってはいられない。 それでも、ユーゼスの行動は余りにも合理的すぎる。まるで感情が欠落しているかのように。 中尉の愛機だというアルトアイゼンを乗り捨てたときもそうだ。 自分も反対はしなかったが、機動兵器乗りにとって、自分の愛機とは家族のようなものだ。 あそこに乗り捨てていったことで、中尉との関係の悪化を招いていたかもしれない。 けれど、ユーゼスは他者との関係に全く気を払っていない。カミーユに敵視されようと、まるで他人事のように振る舞っている。 「それともう一つ報告しておくことがある。 メディウスをチェックしてみたところ、OSに細工の跡があった。 カミーユには黙っていた方がいいだろうが……カズイの仕業だ」 「――! 彼が、メディウスの乗っ取りを謀ったと? 中尉はそのようなことは言っていませんでしたが……」 「不器用な男だということだ。カミーユとの衝突も避けられただろうに……死者の悪行を自己の正当化の理由には使えない、といったところだろうか」 「……二人が戻ったときに、私の方からそれとなく話してみます。 カミーユには信じ難いことかもしれませんが…… それでユーゼス、話したいこととは?」 ようやく話が本題に入り、ユーゼスは機体から降り、ベガにも同様に降りるように促す。 ベガがユーゼスの側まで近づいたところで、ユーゼスはベガに数枚の紙を差し出した。 「これは?」 「黙って見てくれればいい。重要な案件だ」 その紙には、こう書かれていた―― ―――――――――――――――――――――――――― 盗聴の危険性を考え、口頭ではなく紙を用いて情報を伝える。 おそらく今後も重要な話題に関してはこの形式を使うことになるだろう。 紙を使ったのは緊急時の隠滅のしやすさを考えてのことだ。 いざというときには即座に破棄することを徹底しろ。 今回伝えたいことは、「首輪」に関する情報だ。 私たちが所持している首輪は二つ――それに加え、各自の首の数だけあるわけだが、ここでは無視しよう。 この二つの首輪を回収したことで、私たちは幾つかの情報を得ることが出来た。 参考までにだが、それを基にした私の推論も書いておく。 ◆事前にアルフィミィから得た情報 首輪の爆破条件について →禁止エリアへの侵入 →首輪を外す行為、及び強い衝撃 →24時間以上死者が出ない 一つ目と三つ目に関してはアルフィミィの言葉をそのまま信じるしかない。 だが、二つ目に関しては違う。基地で回収した、半壊の首輪。 壊れるほどの衝撃を与えたにも関わらず、首輪は爆発していない。 それに加え、あれほどの損傷を受けているため、容易に首から抜け落ちる。 つまり、この首輪は、首輪を外すという禁止行為にも抵触している。 何故この首輪は爆破されなかったのか? →首輪には更に複雑な爆破条件がある? →例えば死亡後は爆破せず? →明らかに死亡するようなダメージには敢えて反応せず? (アインストならば個々人の耐久力も熟知している可能性大) この問題に関しては私たちが知らない首輪のメカニズムが存在しているはず。 現段階では特定は不可能だが、そのメカニズムを逆手に取れば首輪解除に利用可能? ◆首輪に付いた赤い宝玉 宝玉の有無で首輪に変化? →中尉の話から首輪の制御装置の可能性も 中尉の話を聞く限り、この赤い宝玉はアインストの技術によって作られた物。 宝玉の破壊で変質した機体が元に戻るといった事例もある。制御装置の可能性大? 優先して調査の必要有り。 B-5で回収した首輪 →宝玉があるにもかかわらず通常の首輪とは異なる形状 →制御装置である宝玉が暴走? →時間の経過と共に形状の変化は続いている この首輪はイレギュラー的存在? 宝玉の暴走だとしても何らかの外部的要因は存在するはず。 今後の変化によっては爆弾としての機能を停止する可能性有り。変化を逆算することでオリジナルの推測も? ◆首輪解除に関しての今後の方針 内部の解析と赤い宝玉の機能解明 →半壊した首輪から内部機構を確認可能 →変質済み首輪の変化次第で宝玉の機能解明? ―――――――――――――――――――――――――― ―――――――――――――――――――――――――― ◆アインストの目的と今後の我々の行動方針 アインストの目的は? →過去のそれと変わっていないのなら人間という種の観察? →人間という種の抹殺を目的にするには非効率過ぎる 観察というなら首輪が適任ではある。首輪から生体情報を取得しているのなら、それが首輪爆破の条件に関与の可能性も。 たかだか数十人を殺すだけならばこのような大がかりな舞台を用意する必要も無い。 異なる世界から人間を集めたのは多様性の確保のためか? 我々の最終目的 →可能ならばアインストの打倒。最低でも脱出 →出来る限り多くの人間を救出 脱出について →四方を囲まれた空間(調査の必要有り) →脱出しても再び連れ戻される可能性(やはり打倒は必須か?) まずは首輪の解除と同時進行で同士を集める必要有り。 出来れば首輪の解除、この空間の調査、殺人者の撃退、他者の保護を複数のグループで分担。 この殺人ゲームに乗った人間に対抗するための戦力は必須。 今後の方針 →重要な拠点である基地を守りながら他者と接触 →ある程度の人数が揃った時点で複数のグループに分け各自で行動 ―――――――――――――――――――――――――― 「まだ足りない部分はあるが、今後の指標にはなるはずだ」 「さすがですね、ユーゼス! 何時の間にここまで考えてたのかしら」 「それはあくまで予想であり、決して真実ではない。重要なのはその場その場での判断だということを忘れてもらっては困る」 「ええ、分かっています。ですが……これは私たちの希望となりうるものです」 ユーゼスを真っ直ぐ見つめ、大きく頷くベガ。彼女は考える。 ……彼は確かに誤解されやすい。けれど、その願いは……生きて帰ろうとする意志は同じなんだと。 彼の無神経な振る舞いが仲間との衝突を招くかもしれないが、そこは自分が上手くフォローしなければならない。 それが仲間としてしなければいけないことだ。ユーゼスも私たちの仲間なのだから。 そして彼女は確信する。 ……ユーゼスがいれば、必ず生きて帰れる。 我が子のことを、思う。帰らなければいけない。死ぬわけにはいかない。 今の彼女にとって……ユーゼスは、まさに『道』に見えた。 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メディウス・ロクス(スーパーロボット大戦MX) パイロット状態:良好 機体状態:第二形態へ移行完了 良好 現在位置:G-6基地 第一行動方針:半壊した首輪の解析 第二行動方針:AI1の育成、バーニィへの『仕込み』 第三行動方針:首輪の解除 第四行動方針:サイバスターとの接触 第五行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考1:アインストに関する情報を手に入れました 備考2:首輪を手に入れました(DG細胞感染済み) 備考3:首輪の残骸を手に入れました(六割程度)】 【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー) パイロット状態:良好(ユーゼスを信頼) 機体状態:良好 現在位置:G-6基地 第一行動方針:G-6基地の警護 第二行動方針:首輪の解析 第三行動方針:マサキの捜索 第四行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:仲間を集めてゲームから脱出 備考1:月の子は必要に迫られるまで使用しません 備考2:ユーゼスの機体を、『ゼスト』という名の見知らぬ機体だと思っています 備考3:ユーゼスのメモを持っています】 【バーナード・ワイズマン(機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争) 搭乗機体:なし パイロット状況:頭部に軽い傷(応急処置済み)、後ろ手で柱に縛りつけられている 現在位置:G-6基地地下発電所 機体状態: 第一行動方針:ユーゼスに協力するのか選択 最終行動方針:生き残る】 【メリクリウス(新機動戦記ガンダムW) 機体状況:良好 現在位置:G-6基地内部】 【二日目3 30】 BACK NEXT 何をもって力と成すのか 投下順 決意と殺意 これから 時系列順 何をもって力と成すのか BACK NEXT 謀 ―tabakari― ユーゼス 解し得ぬ存在 謀 ―tabakari― ベガ 解し得ぬ存在 謀 ―tabakari― バーニィ 解し得ぬ存在
https://w.atwiki.jp/suproy/pages/403.html
?? - 名無しさん (2024-07-09 22 53 43) digimon godzilla gamera zoids - 名無しさん (2024-08-04 20 04 41)
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/280.html
ガンダムファイト ◆op3oYkZryw ビームの火線が森を焼き、ビームの帯が大木を切り裂く。 人の手が入っていない密林の中で二体の巨人がワルツを踊る。 立ち込める黒煙。燃え上がる木々。MSとMFの駆動音。 だが、森の中でマスターガンダムを駆るガウルンにとってはこの戦場はとても神聖なものであり 彼の生きるべき世界である。 そんな彼をもってしてもガンダムレオパルドデストロイを駆るギャリソン時田は容易に刈り取ることが できない相手であった。 (ちっ。老いぼれのくせに思った以上にやるじゃねえか) 彼は襲ってくるブレストガトリングを避けながらダークネスショットを撃つ、だが向こうは当然のように 避け再びセパレートミサイルを撃ってくる。 ガウルンはやりづらいと思った。遠距離装備の碌についていないこの機体ではこのままでは向こうに 押し切られてしまうだろう。 「弾切れまで凌ぐか?」 コクピットの中でそう呟き。自分の甘い考えに心の中で唾を吐く。 (いつからそんな甘い考えをするようになったんだ?ガウル~ン) 突然攻撃が止む。だが、経験から弾切れとは思わなかった。おそらく向こうは残弾も少なく 味方を追うために一気に勝負を決めるつもりだろう。 (いいぜ。乗ってやろうじゃないか、じいさん!!) ガウルンはブースターを噴かせマスターガンダムをレオパルドデストロイに突撃させる。 リストビーム砲とビームシリンダーによる砲撃が襲いくる。 だが、ガウルンはそれらをマスターガンダムのマント型シールドで受け止めながら敵機に近づく。 「ダークネスゥゥゥゥゥゥゥゥゥフィンガァァァァァァァァァァァァ」 そして、シールドが破壊されると同時に左腕のダークネスフィンガーを相手に叩きつける。 だが、レオパルドは右腕に持ったヒートアックスで受け止める。 「右腕を忘れちゃいけないぜ!!」 そうして、左腕がビームシリンダーで塞がった機体の胴体に右腕を叩きつけようとする。 だが、ビームシリンダーの側面から突然生えた光に受け止められた。 ギャリソンがあらかじめ右手に持っていたビームナイフを無理矢理機動させたのである。 「なに!!」 「ほっほっほっ、予測済みでございます」 そうして、レオパルドは至近距離でホーネットミサイルを叩きつける。 それはマスターガンダムの胴体に直撃し、機体を吹き飛ばす。ギャリソンは距離をとりマスターガンダムに 全弾を叩き込もうとする。 ガウルンは起き上がろうとしたが疲労と癌の痛みにより立ち上がることができずに襲ってくるであろう衝撃 に身を硬くする。 (ここまでか?) まるでこれまでの思い出が走馬灯のように思い出される。 幼いころから戦争漬けだったこと、名が知れ渡る頃には殺した数が四桁を優に超えていたこと。 (ああ、結構楽しい人生だったじゃねえか) 自分と同じようにカシムが死体を処理していた姿を始めて見たこと、カシムが宿にしていた村を 焼き払ったこと、カシムとカリーニンに雪辱戦を仕掛けられ額に銃弾が撃ち込まれ間一髪助かったこと、 カシムがガールフレンドと共に自分から逃げ出したこと、カシムが腑抜けた奴らを守るため自分と戦ったこと。 そして、コダールと共に海に投げ出され気が付いたらここにいたことが。 (まだだ、まだ死ねねぇ!!) こんな老いぼれに殺されている場合ではない。自分は愛しいカシムに会わなければいけないのだ。 そう想うと力尽きたはずの体に力が満ち溢れる。そうして殺到する砲撃に右手を向ける。 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 右手から黒光が溢れると共に巨大な黒球ができ、砲撃が黒球に押し止められる。 「な、なんと!!」 「喰らいやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 そのままレオパルドに向けて高速で黒球を押しだす。レオパルドはそれを両手で受け止めたがあまりの力に 押されてしまう。 「ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!はぁ!!!」 だが、バレーボールのトスのようにそれを打ち上げる。黒球は上空で爆発した。 「チェックメイトだぜ。じいさ~ん」 レオパルドのコクピットにディスタントクラッシャーが突き刺さる。 それは黒球が弾かれる直後に撃ち出された為にギャリソンは避けることが適わなずに 断末魔すら挙げることができなかった。 「さて、どうすっかなこれから」 そうは言ったもののすでにやる事は決まっていた。あの腑抜けてしまったカシムを元に戻せねばならない。 聖人の目をしたカシムを殺す自分、殺される自分、犯す自分、犯される自分。 どういう結末を迎えるにしてもそれ以外の最後など自分にはありえない。 そのためにはここからなんとしてでも生き残ろう、ついでにあのフロアで見かけた奴のお友達の首も 持っていこう、少しは腑抜け具合が治るかもしれない。 そんなことを考えながら敵機から斧や銃火器等の使えそうな装備を取り外す。 「流石にこいつは規格が合わねえか」 そう思いながらビームナイフを弄っているとそれをマスターガンダムの腕が取り込み始めた。 「なんだ?」 半分ほど取り込むとすぐに元に戻り刃が発生する。 「こいつはいいな」 そして、ツインビームシリンダーを両肩に当てて見る、すると歪ながらも引っ付き 徐々にだが変形し始める。 「ハッ!大した玩具だ」 まるで魔法である。体の方もどういう理屈か分からないが頭に仕込んだチタン合金の部分と義足が妙な金属質 の細胞に覆われ癌による痛みも何時の間にか消えている。 「まったくマスターガンダム様々って所か」 そう思いその場を後にしようとしたが転がる敵機が目に入る。 コクピットが破壊され使い物にならない機体である。 このままでは後ろで発生している火事に巻き込まれるだろう。 「カシムの野郎なら念のためとか言ってぶっ潰すんだろうが…」 あることを思いつきそれを実行することにする。 それは、マスターガンダムの破片を機体のコクピットに埋め込み妙な現象を誘発させることである。 こうすればこの機体は使い物になるかもしれない。 「カシム、舌なめずりは三流とかいうけどよ。一度しかない人生を楽しまなくっちゃ損だぜ」 もし、この機体が火事を生き残ることができればきっと楽しいドラマが待っていることだろう。 そうしてガウルンは休憩場所を探すためその場を後にした。 【ガウルン 搭乗機体:マスターガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状況:疲労大、DG細胞感染、気力120 機体状況:全身に弾痕多数、胸部装甲破損、マント消失、ダメージ蓄積、DG細胞感染、損傷自動修復中 ビームナイフとヒートアックス装備、両肩にツインビームシリンダーを搭載(残弾なし)】 現在位置:B-5密林 第一行動方針:自分と乗機の休息 第二行動方針:近くにいる敵機を攻撃 第三行動方針:皆殺し 第四行動方針:できればクルツの首を取りたい 最終行動方針:元の世界に戻って腑抜けたカシムを元に戻す 備考:九龍の頭に埋め込まれたチタン板、右足義足、癌細胞はDG細胞に同化されました】 【ギャリソン時田 搭乗機体:ガンダムレオパルドデストロイ(機動新世紀ガンダムX) パイロット状況:圧死 機体状況:両手ボロボロ、コクピット破壊、全武装弾切れ、 ヒートアックスとビームナイフとツインビームシリンダーは非装備、DG細胞感染? 現在位置:B-5密林 備考:B-5密林で火事発生。レオパルドにDG細胞が感染したかどうかは次の書き手に任せます】 【初日 17:55】 本編78話 ガンダムファイト
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/145.html
謀 ―tabakari― ◆7vhi1CrLM6 獣が低く唸るような空気の震える音を耳にして、ゆっくりと起き上がる。 瞼が泥のように重い。だが、そのまま無視して寝続けるというわけにもいかない。 袖をまくって時計の銀盤を確かめる。 何の変哲もないただの安時計。しかし、軍人にとっての必需品であり、唯一ここに持ち込めた所持品だった。 目を細めて眺めた針は、深夜0時をわずかに越えたところを指していた。 ――少し遅れたか。 立ち上がり、ジャンパーを羽織って、格納庫を出る。 空気が冷たい。それは体の芯に染みこんで来て、寝起きの頭を起こすには都合が良かった。 遠いところで火が灯っている。基地を囲むように広がっている森林が燃えているのだ。 最初は西の方が燃えていたが、今は消えている。そのかわりに南北の森林が火事になっていた。 おそらくはこの数時間をかけて火の手が回りこんできたのだろう。そして、やがては東の森に火が灯る。 そういった明かりに晒された夜空は、やけに明るかった。 そこに三つのシルエットが浮かんでいる。 ローズセラヴィーの大きい影とメリクリウスの小さい影、それに航空機が一つ。 アルトの姿が見えないのが気になったが、一先ずは格納庫に引き返して、ファルケンを起動させた。 これでレーダーに反応があるはずだ。居所を示したつもりだった。 格納庫の一角に間借りしている事務所のような建物に入った。奥にデスク。手前には小さなテーブルとその両側にソファ。 右手前にユーゼス、その奥にキョウスケ。その向かいに自分。三人が次々と腰掛けていく。 部屋の中は真っ暗で埃っぽい。電気が点かないのだ。 スイッチをパチパチと切り替えていたベガが諦めて、隣に座った。 『電力が通っていないようだ』とキョウスケが軽く説明を添える。 そして、沈黙。空気が重い。押しつぶされるように頭が下がっていき、顔が俯く。 誰も彼もが気づいている。頭数が二つ足りない。そのことが指し示す意味を―― 嫌な予感は基地を見たときからしていた。荒れ果てた状態、散乱する瓦礫の山、機体の破片。 それでもメディウス・ロクスの残骸は見当たらなかった。だから大丈夫だと必死に振り払ってきた考え。 どこで間違ったのだろう? ゼクスたちと二手に分かれ、マサキを探した――それが間違いだったのだろうか? 「では、話してもらおうか。ここで何があったのかをな」 ユーゼスの声にハッとして顔を上げる。 相変わらず感情の篭らない冷たい声。 それは感情を押し殺しているからなのだろうか? それとも感情というものを持ち合わせていないのだろうか? どちらとも判別はつかなかった。 「いいだろう。基地に着いたところから話を始める」 そして、話し始めた男。その男の声もまた感情の在り所の分かりにくい声だった。 「殺しただと!!」 キョウスケの話が終盤に差し掛かり、ゼクス=マーキスとカズイ=バスカーク、二人の死に触れたとき、カミーユは立ち上がり叫んだ。 顔面は蒼白。しかし、視線は強く、責め立てるように目の前の男を睨みつけている。 視線を受けつつも、キョウスケは短く淡々と肯定の意を示した。 「そうだ」 「ゼクスさんとカズイをか!?」 「そうだ、俺が殺した」 「何故だ!!」 キョウスケの胸倉に掴み、今にも噛み付かんばかりの勢いでカミーユは叫ぶ。 その様子からは、ぶつけずにはいられない激情が渦巻いているのが見て取れる程である。 「基地を確保しなければならなかった。損傷の少ない状態でそれを実行するためには仕方がなかった。 奴もそれを望んでいた」 「嘘だ!! そうやって汚い大人は自分の都合のいいように解釈しようとする。 分からないのか? あんたにとっては仕方のないことでも、殺された側からしたらそれで終わりなんだぞ!!」 「言い訳をするつもりはない。俺を罵って気が済むのならそうしろ。だが――」 カミーユの腕を振り払い。逆に下からキョウスケが睨み返す。声には険しさが込められていた。 その威嚇と警戒の入り混じった態度は、狼が毛並みを逆立て低く唸っている様子に似ている。 「これだけは言っておく。奴は先を見極め、自らの命と基地を天秤にかけた上で、死を選んだ。 お前の言うように死んだらそれで終わりだろうと、死を怖れる奴ではなかった」 「そうやってすぐに自分の行いを正当化しようとする。便利ですよね、死人は決して喋らないのですから」 「何を言おうと事実は変わらん」 「でもあなたはその事実を変えようともしなかった。違いますか?」 「好きに受け取れ」 睨み合い。互いの視線が鋭くぶつかる。 その様子からはカミーユのみならず、キョウスケからも苛立ちが見て取れた。 「やめなさいっ!!!」 突然の怒声が割って入った。大人が子供叱るようなそんな大声だった。 「ここでいがみ合ったところで、死んだ人たちが生き返るわけでもない。何も変わらないわ。 カミーユ、ここであなたたちがいがみ合うことをゼクス達が喜ぶと思う? あなたが行動を共にした彼はそういう人だった?」 「それは……」 カミーユが言いよどみ、下を俯く。 「キョウスケ中尉、彼があなたを残したのはここで無駄に時間を潰すためではないでしょう」 「……その通りだ」 一度鋭く睨み返した後、ふっと体の力を抜いて、キョウスケは返事を返した。 「ならば話を続けろ、キョウスケ=ナンブ」 「……いいだろう」 「カミーユも座りなさい」 拗ねた様子を見せながらカミーユも再び席に着く。 ――くだらんな。 話を再開したキョウスケを脇目にユーゼスは思う、この一連の流れは実にくだらないと。 しかしながら、キョウスケ=ナンブの観察という点においては大いに役に立った。 最初に「俺が殺した」と言い放った淡々とした口調。その後のカミーユとのやり取りでみせた苛立った様子。 表面上は冷静さを失わずに保っているように見えても、その実、心の中では自分の行いに納得し切れていない。 だからこそ、カミーユの指摘に苛立ちを隠しきれなかったのだ、とユーゼスは判断する。 つまりは―― ――こいつも所詮、感情を制御しきれない人間か。 とは言え、表面上冷静を装えるだけ、カミーユよりマシな類ではある。方向性は違えどベガに近いのかもしれない。 キョウスケの話が終わる。思考を練りながらであっても、その話の内容は十分に頭に入っていた。 重要なのは基地に動力が通っていないことと周辺に無数の機体が朽ち果てていることぐらいだ。 それらを念頭に今度はユーゼスが口を開く。 「では次の動きだが、中尉はG-6の補給ポイントに向かってもらう。 ベガは中尉の誘導と護衛。補給ポイントは把握しているな?」 そこで一度言葉を区切り、テーブルに紙を広げて『首輪』という文字を綴った。 「補給後は北部にある二機のチェック。使えると思ったものは残骸でも構わん。持って来い。 南部の四機は私が行う。カミーユ、VF-22を借りるぞ。 カミーユはエネルギーをメリクリウスから基地に供給できるようにしておいてくれ。大規模なものは必要ない。 基地の一部機能の電力を賄える。それくらいのものでいい。それくらい出来るな?」 カミーユが頷くのを確認する。 「では一時間後に再集合だ。解散」 立ち上がり、各自がばらばらに事務所から出て行く。そのとき、後ろから声をかけられた。 「何の用かな、中尉」 「ユーゼス、一つ聞かせろ。アルトはどうした?」 仮面の奥底の目を細め、クッと喉元で笑いを噛み殺す。そして、あえて厭味に返事を返す。 「ああ、あれなら代わりを見つけたので棄ててきた。ゴミのように朽ち果てた屑鉄など、何の役にも立たないからな」 一瞬、目の前の男を取巻く空気がざわめく。その反応を愉しみつつ、言葉を投げかける。 「どうかしたのかね?」 「いや……なんでもない」 平静を装ってはいるが苦味を含んだ声。 ――決まりだな。 感情を内に込め、本心を語りたがらないタイプ。そう見て、ほぼ間違いはないだろう。 手駒としてはカミーユよりいくらか使いやすい。 「では中尉、一時間後にな」 そう言い残すと、ユーゼスは背中を向けて歩き出した。 一時間後、再び顔を揃えた四者は同じ格納庫の隅の事務所で顔を会わせた。 座る位置は前回と異なりユーゼスの正面にキョウスケ。その隣にベガ。そして、ベガ正面にカミーユとなっている。 「――の内、メディウスと虫型の機体は大破。原型を留めている二機も、一機はコックピットを潰され、もう一機は動力をやられている。 生存者は全機体ともなしだ」 ユーゼスが自身が見て来た内容を告げ、続けてカミーユがメリクリウスの動力で基地の一部を復旧したことを伝えた。 そして、最後にキョウスケとベガが補給ポイントが破壊されていたことと北部の機体の状態を説明する。 「つまりは目立った収穫はなしか……。他に何か言っておくべきことは?」 ゆっくりと満座を見渡す。反応は何もない。 「ならば私の話を聞いてもらおうか……」 悠然とした態度で言い、テーブルの上に二つの物を投げ出した。 それはガラスの表面をくるくると回転しながら滑り、中央でその動きを止めた。 キョウスケ、カミーユ、ベガ、三者の視線がそこに注がれる。その様を満足気に眺め、指先で自らの首輪を指し示しながらユーゼスは口を開く。 「こいつとその残骸と思われるものだ」 「どこでこれを?」 「完全な形で残っているほうに関してはここまでの道中で手に入れた。これはベガとカミーユも知っている。 安心しろ。人を殺して手に入れたものではない」 一瞬、カミーユの表情が曇るのが見えた。だがそのことを気にも留めずにユーゼスは続ける。 「こっちの残骸は虫型の機体の残骸から回収してきた。中尉、君が仕留めたという機体だな。 ここで一つ聞いておきたいことがある。中尉、他でもない君にだ」 キョウスケが視線を上げる。視線が合う。真っ直ぐにこちらを見据えた目。良い目だ。 視線をテーブルに落とす。つられてキョウスケの視線も下がるのが分かった。 「これと――」 指先で山火事の中回収した首輪を指し示す。 「これと――」 今しがた回収したばかりの残骸を指差す。 「――それ」 指先をゆっくりと持ち上げていき、向かいに座るキョウスケの喉元に突きつけた。 「全て形状が異なる。これとその他が異なるのはまだ理解できる。 だが、拾ってきた二つの形状が違う理由がいまいち分からない。何か思い当たる節はないか?」 しばしの沈黙。三者の視線が痛いほどキョウスケに集中する。 肌に浮いた汗が玉となって頬を伝わり、顎から滴り落ちる頃になったとき、キョウスケは重々しく、そして苦々しく口を開いた。 「俺は科学者ではない。専門的なことは何も分からん。が、こういう出来事なら以前にあった」 そうして語り始めた彼の話は、シャトル事故から始まり、見せしめとなったエクセレンという女性の説明を経て、彼女がアインストに憑かれた事件へと向かう。 そして、話は彼女を取り戻す為に異形のヴァイスリッターに付けられた赤い宝玉を砕いたことに触れた。同時に砕いた瞬間、ヴァイスの姿が元に戻ったことにも。 「つまりはその赤い宝玉が何らかの作用を施し、通常の機体を変異させていたということか?」 「細かい話は分からん。俺に言えるのはヴァイスの額の赤い玉を砕いたら元に戻ったということだけだ。ただ……」 「ただ?」 「ただ同じ部隊の奴が念のようなものがそこに集まっていると言っていた」 「受信機のようなものというわけか……可能性はあるな」 そう可能性はある。この首輪にも赤い宝玉は埋め込まれている。 しかしだ。残骸の方の宝玉こそ壊れているものの、この拾った首輪には宝玉は付いたままだ。 つまりは砕かれていないにもかかわらず形状が異なっているということだ。この違いは何だ? ――悩んだところで始まらんか……。 あくまで現状では可能性の一つが示されたというに過ぎない。キョウスケ=ナンブはアドバイザーとしての価値を十分に見せた。 後は自分が調べ、判断をすれば良い。そのためには首輪のサンプルが足りない。一つしかないサンプルを砕くのは、リスクが大きすぎる。 一つ大きな溜息。思考をまとめる。 現状で優先すべき事項は二つ。手に入れた首輪の解析と新たなサンプルの入手。 その為に必要なのは、基地の見積もりと必要な設備の復旧。それに疲弊したファルケンの補給といったところか。 「……ふむ。こうして考え込んでいても仕方があるまい。 まずは動くことだ。中尉、G-8の補給ポイントに急行して補給を行ってくれ。護衛はカミーユ」 「ユーゼス!!」 ハッと顔を上げたベガが制止をかけて来る。それを無視して言葉を続ける。 「私は基地内の設備を見繕う。ベガ、君は基地の警護だ」 「ユーゼス、何故カミーユを。私が変わります」 しかし、ベガが食下がる。 おそらくは、一時間前のキョウスケとカミーユの状態から気を使ってのことなのだろう。 これはそういう女だ。 だからこそ押さえとして必要なのだが、ここでの口出しは論外だ。 「ファルケンは足の早い機体だ。カミーユのVF-22以外では迅速性を損ない、返って中尉を危険に晒すことになる」 「でしたら、私がVF-22かファルケンで」 「可変機に最も慣れているのはカミーユだ。ファルケンも馬鹿げた設定のお陰で中尉以外の者では満足に扱うことはできん。 それとも――」 ここでユーゼスは矛先をベガからカミーユに変える。 この場合、このままベガを諭し続けるよりは、カミーユのプライドを刺激するほうが効果的だった。 だからこそ、皮肉を込めてユーゼスはカミーユに問いかける。 「君が保護者に守られていなければ何もできない、というのなら話は別だがね、カミーユ。 なに、君もまだ両親が恋しい年頃だ。もしそうなら気兼ねなく言ってくれたまえ」 「結構ですよ。中尉の護衛くらい僕一人で十分です」 「ならば何も問題はない。本人が出来ると言っているのだ。違うか、ベガ」 グッとベガが押し黙る。 当然だ。キョウスケとカミーユ、二人の関係を危惧して言っているなどと、本人達を目の前にして言える女ではない。 だから、これで十分だった。 「中尉、一つ聞かせていただこう。先の話の彼女に植え付けられたアインスト細胞とか言うものは、死体にもなんらかの影響を及ぼすものか?」 「いや……わからないが、エクセレンは死ぬ寸前に助けられた。だが、まだ死んではいなかったはずだが……どうした?」 「いや、なんでもない。では解散だ……そうそう、中尉。道中にこれも取ってきて貰おうか」 そう言って、ユーゼスは自らの首輪を指し示し、笑う。 「できれば新鮮なやつが良い」 【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー) パイロット状態:良好(ユーゼスを信頼) 機体状態:良好 現在位置:G-6基地 第一行動方針:G-6基地の警護 第二行動方針:首輪の解析 第三行動方針:マサキの捜索 第四行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:仲間を集めてゲームから脱出 備考:月の子は必要に迫られるまで使用しません 備考:アインストに関する情報を手に入れました】 【カミーユ・ビダン 搭乗機体:VF-22S・SボーゲルⅡ(マクロス7) パイロット状況:良好、マサキを心配 機体状況:良好、反応弾残弾なし 現在位置:G-6基地 第一行動方針:キョウスケの護衛でG-8補給ポイントへ向かう 第二行動方針:マサキの捜索 第三行動方針:味方を集める 第四行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:ゲームからの脱出またはゲームの破壊 備考:ベガに対してはある程度心を開きかけています】 【キョウスケ・ナンブ 搭乗機体:ビルトファルケン(L) (スーパーロボット大戦 OG2) パイロット状況:頭部に軽い裂傷、左肩に軽い打撲 機体状況:胸部装甲に大きなヒビ、機体全体に無数の傷(戦闘に異常なし) 背面ブースター軽微の損傷(戦闘に異常なし)、背面右上右下の翼に大きな歪み EN60%、スプリットミサイル残弾ゼロ、オクスタンライフル残弾B2発W1発 現在位置:G-6基地 第一行動方針:G-8で補給を行う 第二行動方針:首輪の入手 第三行動方針:ネゴシエイターと接触する 第四行動方針:信頼できる仲間を集める 最終行動方針:主催者打倒、エクセレンを迎えに行く(自殺?) 備考:アルトがリーゼじゃないことに少しの違和感を感じています】 暗い階段を仮面の男が一人下っていく。その隠された表情は笑っていた。 最後に彼がキョウスケ=ナンブにかけた言葉。そこには一つの含みを持たせていた。 仲違いを見せたカミーユを同行させたのもその為だ。 持たせた含みの意味は――カミーユを殺せ。 だが、これは別に成っても成らなくても構わない。 成ればサンプルが一つ手に入るし、成らなかったところで現状が変わるわけではない。 焦点はこの僅かな含みにキョウスケ=ナンブが気づくのかどうか。 そして、気づいたならどう動くか。従うのか、気づかぬ振りを振舞うのか、それとも逃がすのか。 ――全ては余興だ。 クッと篭った笑い声が響く。 意外にも、この殺し合いを楽しみ始めている自分にユーゼスは気づいた。 他者を盤上の駒のように操る。その行為は理屈ぬきに面白い。 唯一つ気に入らないのは、自身も盤上の駒の一つにされているということだけ。 ――まぁ、いい。 階段を下りきったところで、左に曲がり通路を進んだ。 格納庫の端末から引き出した見取り図によればこの先にあるのは基地の発電施設。 その扉を開けつつユーゼスは呟く。 「まぁ、いい。私も新たな手駒を手にした。 私が駒ではなく指し手だと知ることになるのもそう遠くないだろう」 一度解散して再び集合するまでの一時間の間に、ユーゼスが新たに手に入れた手札は三つ。 一つは既にキョウスケらに見せた首輪の残骸。残骸とはいえ、六割がたが残っているそれは内部構造把握に大いに役立つ。 そして、二つ目は―― 眼前の発電施設を抱き込むかのように横たわる一体の大型機を見上げる。 今は休止状態にあるメディウス・ロクス――その特徴をユーゼスは把握するのは簡単だった。操縦席に座る。ただそれだけの行為で情報が伝わってくるのだから。 そしてそれはメディウス・ロクスに限ったことではない。ブラックゲッターからも情報を既に引き出している。 進化を促すゲッター線、そして学習した情報を元に進化するAI1。 ――このAI1に私が分析したあの異能の化け物の情報を流し、取り込めば、その先は。 「ククク……ハハハハハハハハハハ!!!!!」 込み上げて来る愉悦を押さえきれずに笑う。ただひたすらに大声で。 後ろで何かが動いたような音がした。 「ここは……?」 「クク……ようやくのお目覚めかな」 そこには手にした三枚目のカード――バーナード=ワイズマンの姿があった。 支給品の入っていた袋の紐で、後ろ手に柱に縛り付けられたこの青年の価値はまだわからない。 役に立つようであれば使えば良い。何の役にも立たない屑カードなら、首輪に変わる。ただそれだけの存在だった。 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メリクリウス(新機動戦記ガンダムW) パイロット状態:良好 機体状態:良好 現在位置:G-6基地地下発電所 第一行動方針:バーナード=ワイズマンの見極め 第二行動方針:AI1の育成 第三行動方針:首輪の解析・解除 第四行動方針:サイバスターとの接触 第五行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考1:アインストに関する情報を手に入れました 備考2:首輪を手に入れました(DG細胞感染済み) 備考3:首輪の残骸を手に入れました(六割程度)】 【バーナード・ワイズマン(機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争) 搭乗機体:なし パイロット状況:頭部に軽い傷(応急処置済み)、後ろ手で柱に縛りつけられている 現在位置:G-6基地地下発電所 機体状態: 第一行動方針:??? 最終行動方針:優勝する】 【二日目1 20】 BACK NEXT Unlucky Color 投下順 ・――言葉には力を与える能がある 私は人ではない 時系列順 愛を取り戻せ BACK NEXT 未知との遭遇 ベガ 『未知』と『道』 未知との遭遇 カミーユ 心、千々に乱れて 火消しと狼 キョウスケ 心、千々に乱れて 未知との遭遇 ユーゼス 『未知』と『道』 獅子身中の虫 バーニィ 『未知』と『道』
https://w.atwiki.jp/aosasa/pages/206.html
雑記:文或と近代もろもろ、204 9月28日めも。 適当に日常をぶち込み、書き上げた10日分で更新したばかりです、の2021年の3月16日、一応この名目上の日付けは「2020年9月28日」であり、あれです、一日の雑記のノルマがその頃から連綿と積み重なって来た結果です、ていうか、リアル日付けが一年分以上前だった時期にはわざわざ何年かと明記していたものの、曲がりなりにもだいぶズレて来たので、ええと、翌年の、ていいかな。 でも正直、名目上の日付けが何年かとかわかんないよね、ここのWiki。 1月1日の前のところに一行あるだけの仕様となっております。 うんまあ、2021年のって明記するのが正しい気もして来た。 現在だいたい夕方と呼んでいい時刻なんですが、眠気が来たために掃除を断行し、そのまま窓を全て開け放っているところです、換気はそんなに綿密にしなくてもいいような気もしてるんだけどね。 なんというかこの家、暖房器具とかがないので。 ガスレンジと瞬間湯沸かし器を使う時は前後に開けることを比較的心掛けています、いや、換気設備も特にないので、換気扇しかないというか換気扇が埋め込みタイプで隙間から手を突っ込んで掃除しなくてはならない歳月です。 だってこの家、というか建物、私の生まれるよりだいぶ前からあるし。 スローライフってこんな感じかしら、と思うことはないでもないものの、なんとなく違うような気もしないでもなく、でも私、特撮メインのブログを立ち上げていた時からスローライフに分類されていたりしたので(あと工場萌えさんもいた)。 滲み出るものは近いんだろうと諦めています、嫌味じゃないなら受け入れるよ。 9月29日めも。 3月16日、いつから書き始めたんだかもう覚えてないし、特に思い出す予定もないですが引き続きあれですね、「市村座」に関して考えようと思いながら全く進まない様子なのでまず市村座のWiki辞書を開き、そこから市村羽左衛門を開き、同時に田村成義に関しても開きました。 てか、初めてちゃんと田村成義さんのこと読んだんですが弁護士なのねもともと。 ぶっちゃけもともと役人をしており、その後、芝居関係の近隣の仕事をし、弁護士免許を取り(当時は代言人)、自由党に入党、劇場経営に関わるようになったってことなので、微妙、だけど、そこできちんと経営に専念し、一旦は歌舞伎座のほうの興行にも関わったものの、その後その関係を解消、ああ、守田座系の新富座が旗頭になって歌舞伎座に圧迫欠けてたせいだろうね。 のちに歌舞伎座を引き受け、松竹に引き渡したのちは市村座を経営。 息子さんが一度後を継いだらしいので、そこで若くして亡くなるってことがなければまあまあ歴史が変わっていたのかもなぁ、て気もしないでもない。 一旦借金が嵩んで松竹の元に身を寄せ、火事にて消滅か…。 ああうん、田村成義さんはなんにも悪くないというか、彼のおかげで生き延びていたって認識する他ないよな。 なんとか全体像が掴めるようにはなってきたかなぁ、気のせいかもだけど。 とりあえず、もう少しの間、江戸にある程度絞るか明治にがっと焦点を当てるかだけは迷おうかなと思います、目的というは明治を扱いたいんだけど、江戸でわざわざ独立させたものを読むって意味だとちょっと収まりが悪いしなぁ…。 9月30日めも。 「市村座」終わりました、適当にやっつけましたー、てか、この家系には死人とかは出てなさそうなんだよな、とか、「前進座ってなんぞや」みたいなことになりましたが、とりあえずはその名前だけを頭に入れて次を考えよう。 検索してみたらそれなりに実りはありそうではあったんだけどねー。 基本的にどこも松竹系統であるのは変わらないのね。 あとはあれ、「森田座」だけです、これは書くべきことがちゃんとあるにはあるものの、この森田座の子孫が作った新富座は近代劇場の第1号でもあるから近代のほうにも項目が予定してるからなぁ、そっちのネタを全部書くのもあんまり利口でもないような、というほどの分量でもないような、なんとも微妙な気がする。 とりあえず、えーと、今日は終了で、いや、気が向いたらあれです、まず「森田座」を開いて多分そこの座主の名跡がつながってると思うのでそっちを開く予定、一応新富座に関してももう一回見ておこう。 明治に入ってからという意味だと、この森田座が改名した守田座が一番元気が良かったってことになるのかしら。 ただ、市村座の最後の公演というところに出て来た前進座というのがあれ、森田座と半々の興行と倒産を繰り返して来た河原崎座の系譜の人ぽくてね。 どうにも、一番元気がっていうと、そちらの系譜じゃないかって思いが消えないんだよな、そもそもこの河原崎座へのコンプレックスが奮起の理由みたいに説明されていたこともあったからなぁ。 正しいかどうかはわからないものの、そう傍目に見える材料はあるよな…。 10月1日めも。 リアルタイムは2021年3月17日です、先ほど棚の角で頭を打ってしまい、左右で玉の形を比べたり、なんか少し膨らんでるけど確かたんこぶが出来てるほうが脳には影響が少ないと見るべきなのかしらとか。 いやでもやっぱりちょっと痛いかな…。 なんか血流みたいなのが滞ると怖いし、でも脳の血管が破れるとかもあるし、どこ打ったらなにが起こるかってのが謎い器官なのでわりとずーっと動いていたりします、これがなんか悪かったらもうどうしようもないな! というか、わずかずつ動いてないと本当になんかが痛いです、どこが痛いんだかも判然としないけどね、頭はマジで怖いな…。 トータルの衝撃はそこまででもなかったと思うんだけどなぁ…(コンセントのスイッチ入れるためにのったりと動いてた)。 今は前後にゆーらゆらと動いております。 同じ動きを続けていてもなんか痛い、なんだこの症状。 現在は夕方くらいです、『相棒』の再放送が始まりました、前に迷子になっていたために帰れなかった回のようです、さすがに回転早いなとも思わないでもないけども、同じように見落とした人のために放送してるって考えたほうがいいのかな。 横に動いたりと縦に動いたりと変則的にしています。 むしろこうやって文章打ち込んでいられるのがちょっと不思議なんだよな。 頭使ったりしないほうが回復が早くなったりするのかなぁ、逆なのかしら、腰痛なんかは使ってたほうがいいらしいんだよね身体、ううん人体は難しい。 10月2日めも。 3月17日引き続き、先ほど頭をぶつけた家具の名前を思い出せなかったので適当に書いていたんですが、あれですね、思い出しましたサイドテーブルだ。 ぶっちゃけ「棚」で頭を打っててもそこまでダメージはないよね。 こう、屈んで床に手を伸ばした時にちょうど良い感じに頭にごーんと。 なんでかはわかりませんが、サイドテーブルを思い返して書こうとしている間に痛みが治まって参りました、今は揺れてない。 が、なんか仄かに完全に脱したわけではない気配もしないでもないので、あまり油断はしないようにしたいと思います。 だがあれ、回復方向に向かってるちゃあ向かってるのかな。 今は痛みが蘇っているのですが、さっきより弱いし、やっぱり揺れてると痛み引くし、なんだろうなこれ真面目に。 まああれだ、少しずつ酷くなっているっていうわけではないなら大丈夫かな。 もちろんまだどうなるかはわかんないけどね! えっと現在は16時11分です、頭打ったのは30分くらい前かな、『相棒』の放送は始まってたし、まあまあ、普通に活動してるような気もしてたけど別にそうでもないな、なんか書いては痛い、なんか打ち込んでは痛いって書いてるし。 ずきずきとした痛みだとそんなにあとは引かないんだっけ。 全て放り出して布団でぺたんと横になればいいような気もするし、でもそうすると多分痛みががっと来るような気もするし。 だが、一定の痛みががっと来たほうが早く終わるような気もするし。 10月3日めも。 とうらぶで城を回っていたんですが、あ、3月17日です、陣形選択と1.7倍という最近搭載された機能をonにするのを忘れておりました、あと、大阪城の99階に繰り出しているもののボスに辿り着く前に重傷者が出て撤退が2回目です。 あ、また痛みは引いています、なんとなく怖いので少しだけ動いています。 それと、なんとなくなんだけどどうも立つのが怖いんだよね。 だがそろそろ水分欲しいんだよな、どうしようかな…。 時間を掛けてゆーっくりと立つことにしたい所存です、座って動いてるのと同じくらいの負荷の掛け方なら多分大丈夫だ、ずっと動いてはいるんだし。 頭ってやっぱりただごとではないな…。 立っていくつか用事を済ませました、ちょっと痛いけど、問題あるほどでもない! えーと、そろそろ45分くらい経ったかなー、じわじわ違和感はあるけど痛みはほとんどなく、まあこっから急激に悪化することはまずないだろう。 こぶにはなったようです、押すとちょっと痛い。 冷やしてもいいんですけども押さないと別に痛くないから大丈夫かな。 それと、ようやくとうらぶ大阪城の99階ボスに到達しました。 そういえば、手伝い札っていう時間短縮の札が数日前に溢れまして、今はもっぱらそれを消費するために出陣しています。 なんのためにゲームをしているのかみたいなものまで少しずつおかしいような気もしないでもないんだけど、まあ、この目的ならボスに到達しなくても別にそこまで困らないものですね、この1時間程なにをしていたのかしら私…(痛がってはいたけど)。 10月4日めも。 現在、江戸時代の歌舞伎の雑記を生成しております、いつから始めたのかもうすっかり忘れたけど、去年からってほどには時間も経ってないはず。 で、最後の項目である「森田座」なんですけどね、その一つ前の「市村座」に関しては江戸と明治以降がだいたい半々になる感じで書き上げたので森田座に関してもそのくらいが無難かなー、と思ってるんですが。 森田座(守田座に改名)の作った新富座に関しては他に項目があるから、そこを少し軽減するみたいな感じでいいのかな、いやでも新富座に関しても守田勘彌(守田座の名跡)が死んだのちだっけ、人の手に渡ってるから。 ええとだから、どの程度なにを書くと上手いことつなげるのか…。 それほど拘らなくてもいいのでは、と一瞬思ったんですが、これが馬鹿にならないんですよ、せっかく長い時間を掛けて江戸の歌舞伎事情に関しての雑記をまとめてまで書こうとした近代の歌舞伎事情の雑記が「あんまり書きたくなるかもしれない」んですよ、基本的にモチベーション以上に大切なものって素人にはないと思うんですよね…。 いや、マニア末席を名乗ってますけども、そこは素人と変わらないので。 努力をしたら努力に相応しい自己満足を求める、そうであってこそ趣味は長続きすると思うんですよね、ていうか、最終的に趣味としての歴史ジャンルって究極的には長続きするかしないかくらいしか意義はないと思ってるしなぁ。 で、少しくらいは長時間残るデータが作っておきたい、とちまちままとめてるのが今なので、うん、目的ははっきりしてるから、あくまで目的に合致するようにもう少し考えようかと思います、だいたい考えてるうちにがっと始めるのが常だし。 10月5日めも。 ええとそろそろ、見る期間が限られている動画を片付けてきたいかなって思っております、なんだっけ、確か21日までとかで全部で10話あるんだよね…(<『プライミーバル』のシーズン3)、現在、昨日2話まとめて見たので4話まで消化しております。 今改めて確認してみたら「5話まで一挙背信、全10話、6話以降は3月21日からの一挙背信」だったのでなーんだ! 早めに確認しておくべきだった、みたいなことになっております。 しばらく見てなかった他の動画をちゃきちゃきと片付けて、明日か明後日辺りにもう1話見ることにしよっと、いやー、確認て大事ですね。 まあ、ある程度確認せずに焦りを持って始めるってのも悪くはないんだけどねー、今回は1日1話ずつで十分だったな、みたいなあれです、まあいいや。 わりとずっととうらぶで「手伝い札」を消費していました、本当にそれがメインなので経験値が多い城じゃなくて別の恒常面にも行ってたりしてたんですけどね、やりたいことしかやりたくないというのが徹底されていますねうん。 あ、なんか『歴史秘話ヒストリア』の最終回が始まりました、満400回だとか12年とかそんな話してます、一応私は始まった時点のことは覚えていて、だがしかし、あんまり面白くないなって思っていたんですが、ある時期から気付くと見るようになっていた記憶だなー、見れないこともないでもなかったんだけどね。 他の番組なんかとは被らないので、許す限りみたいな感じ。 内容はここ12年ほどの新発見か、ちょっといつもと毛色が違う気もしないでもないな、あと次からどうするのかしら? 歴史系番組は多分一つはやるよね。 10月6日めも。 ねむねむです、いやでも、本日は郵便受けを見に行かないとならないんだよな、どうしても見に行かないとならないんですよね、締め切りの関係で…。 万が一過ぎていたら一日も早く泣きつかないとならないんだけど。 なんか、行きたくない。 いつものあれです、よくあるあれです、オタクに多いのかしらね、頻繁にそれ系の案件を見るんだよな…。 とはいえ、思い出したのが昨日の深夜であって、本日が水曜日なので致命的というわけでもなく、今見てる番組が終わるくらいはまあまあいいんじゃないかなっていうのはあるにはあるんだけど。 それ以前にその締め切りに対して「どうするか」も別口で考えないとならないし…。 とりあえず、今の困りごととしてはとにかくお金がないですね。 体力的には好調だったんだけど、昨日の深夜に思い出した案件で若干斜めになりまして、なので、一刻も早く回収してきちんと考えなきゃってところなんだよな。 なぜその状態で引き延ばしなどをするのか、正直自分で自分がわからない。 今、ヒストリアで歴史ブームの話をしているんですが、オタク系のブームは触れないのかしらね、いや、とうらぶからの歴史流入はわりと限定的だったかな…。 何冊かの本は飛ぶように売れたって聞いてたんだけどね。 でもそういう方向の触れなくても十分ボリュームがある気もするなぁ、ここ最近、大河もだいぶ好調だし、かつては一年置きに当たるとか外れ年とか言われてたのに、さっぱりそんなこと忘れてるよな皆。 10月7日めも。 ええと、「森田座」を書いて見たんですが、没。 なんか違う気がする、以下その内容ー。 ≪この『江戸三座について』というページを書き始めたのはそもそもこの森田座(11代めの時に改名して森田、守田勘彌、おおさすが、普通に変換出来たよ)が明治になってから作った「新富座」という日本で最初の近代劇場に関して書こうとしたら思った以上に事情が込み合っていて、みたいな理由だったんですけどね。 まあまあなんというか、正直、控座である河原崎座のほうが微妙に威勢がいいような気もしないでもないというか、そもそもだいぶ時期が遅いとか、他の二座と離れた立地だとか、遅れて移転したとか明治に入っても休座してて河原崎座だったんだよんとか。 江戸三座として浮世絵に書かれるのも半々の確率で河原崎座だったとか(これは猿若町に移転してからのことだろうから、そりゃ、そうだろうな!!)。 ここまで9つの項目を連ねて来た結果まとめた分には、そんなにややこしい概念でもないんだけども、日本初の近代劇場と一緒に書く自信はさすがになかったんですよね、ただ、市村座とか新富座(森田座改め守田座改め)などを俯瞰するには良かったのかな、それにしてもこの業界は養子が多いよね…。 全く関係のない業界から迎えることもあるぽいのは、市川左団次(明治の代表的名優)のところで読めました、あと、元禄の頃から座主が俳優を兼ねてるんだよなというのは市村座にもあるね、明治の12代めの守田勘彌はそれこそ歌舞伎そのものを牽引したとか、新しく作られた歌舞伎座に対し、人気役者を一切使わせないようにしたとか。≫ んー、全体的にピンと来ない、やっぱりなにを書くか決まってないからか。 (文或と近代もろもろ、204) 雑記:文或と近代もろもろ、212 雑記:文或と近代もろもろ、210 雑記:文或と近代もろもろ、208 雑記:文或と近代もろもろ、207 雑記:文或と近代もろもろ、206 雑記:文或と近代もろもろ、205 雑記:文或と近代もろもろ、204 雑記:文或と近代もろもろ、203 雑記:文或と近代もろもろ、202 雑記:文或と近代もろもろ、201 雑記:文或と近代もろもろ、200 雑記:文或と近代もろもろ、199 雑記:文或と近代もろもろ、198 雑記:文或と近代もろもろ、196 雑記:文或と近代もろもろ、194 雑記:文或と近代もろもろ、192 雑記:文或と近代もろもろ、189 雑記:文或と近代もろもろ、188 雑記:文或と近代もろもろ、187 雑記:文或と近代もろもろ、185 雑記:文或と近代もろもろ、184 雑記:文或と近代もろもろ、183 雑記:文或と近代もろもろ、182 雑記:文或と近代もろもろ、180 雑記:文或と近代もろもろ、179 雑記:文或と近代もろもろ、178 雑記:文或と近代もろもろ、176 雑記:文或と近代もろもろ、175 雑記:文或と近代もろもろ、174 雑記:文或と近代もろもろ、173 雑記:文或と近代もろもろ、172 雑記:文或と近代もろもろ、171 雑記:文或と近代もろもろ、170 雑記:文或と近代もろもろ、169 雑記:文或と近代もろもろ、168 雑記:文或と近代もろもろ、167 雑記:文或と近代もろもろ、166 雑記:文或と近代もろもろ、165 雑記:文或と近代もろもろ、164 雑記:文或と近代もろもろ、163 雑記:文或と近代もろもろ、162 雑記:文或と近代もろもろ、161 雑記:文或と近代もろもろ、160 雑記:文或と近代もろもろ、159 雑記:文或と近代もろもろ、158 雑記:文或と近代もろもろ、157 雑記:文或と近代もろもろ、156 雑記:文或と近代もろもろ、155 雑記:文或と近代もろもろ、154 雑記:文或と近代もろもろ、153 雑記:文或と近代もろもろ、152 雑記:文或と近代もろもろ、151 雑記:文或と近代もろもろ、150 雑記:文或と近代もろもろ、149 雑記:文或と近代もろもろ、148 雑記:文或と近代もろもろ、147 雑記:文或と近代もろもろ、146 雑記:文或と近代もろもろ、145 雑記:文或と近代もろもろ、144 雑記:文或と近代もろもろ、143 雑記:文或と近代もろもろ、142 雑記:文或と近代もろもろ、141 雑記:文或と近代もろもろ、140 雑学:近代有力め新聞社10社、181 雑学:近代小説掲載雑誌覚え書、186 雑学:明治の歌舞伎事情、195 雑学:明治の新聞発展事情、177 雑学:文士経営者寄り10人、190 雑学:お江戸の歌舞伎事情。197 文芸:文アル登場作家、その4。211 文芸:文アル登場作家、その3。209 文芸:文アル登場作家、その2。193
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/182.html
月のローズセラヴィー 機体名 月のローズセラヴィー 全長 52.3m 主武装 ビーム 指、胸、脚など、全身に搭載されたビーム砲。 ルナ・フラッシュ ビームを指先に集約させて、カタナのように攻撃を繰り出す。 Jカイザー 月のローズセラヴィー最強の攻撃。分離した背部と両腕の装甲を組み合わせて巨大な砲身を作り出し、超大出力のビームを放つ。威力は強大だが全エネルギーを撃ち放つため、エネルギーのチャージは必須。 特殊装備 エネルギーチャージシステム “月の子”らを空高く飛ばし、気象を操り空に雷雲を形成。天高く飛ばした“月の子”を通じて、雷のエネルギーを自機に送るシステム。これにより消費したエネルギーを一気に全快させる事が可能となっている。“月の子”らの数は合計で三基。“月の子”は一度の使用によって使用不可能となる。 移動可能な地形 空中× 陸地○ 水中△ 地中× 備考 ビームを主武装とする八卦ロボの一機。くれぐれも、沢のローズセラヴィーと呼んではならない。元々は次元連結システムのレプリカが搭載される予定であったが、木原マサキの裏切りによってシステムは破壊。激し過ぎるエネルギーの消費を抑える為に、チャージシステムが用いられる事となった。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/47.html
人間様をなめるなよ ◆crnnAi5R12 「クズめ!」 コックピットを殴りつけ、神 隼人は頭を冷やす。 ついさっき起こった出来事は、恐竜帝国と戦い死んでいった、武蔵の事を思い起こさせるに十分だった。 「化物が……人間に歯向かってただで済むと思うな」 敵討ちをしよう。 知らない女だけではない。この馬鹿げたゲームに集められ、そして死んでゆく全ての人の。 その為には戦力が要る。皮肉なことに、その戦力は化物に与えられたものだが。 まずは自分の手を確認しよう。そう思い、隼人は期待の説明書を読み始めた。 「YF-19、か」 説明書を読み終わり、確認するように機体の名を呼ぶ。 自分は中々いい機体を引いたらしい。 大気圏内巡航速度はマッハ5、ピンポイントバリアという防御装置に加え、多数のミサイルを持ち、ステルス機能まで有している。 「物凄い戦闘機だ。変形まで出来るのか……」 それに加え、最大の特徴は、フォールドシステム。要するにワープが可能という超高性能機だ。 素晴らしい。出来るのなら分解して新しいゲッターの研究に役立てたい機能だ。しかし、それは元の世界に帰れればの話。 今は、主催者を殺すことを第一に考えなければ。 「この身体さえ万全なら、お前を完璧に扱ってやれるんだがな……」 自分の体を蝕んでいる古傷は深刻だ。 VF-19の運動能力は素晴らしい。恐らくこのゲーム一、二を争うことだろう。 しかし、余り激しい機動をしたり、大きなダメージを負ってしまうと、自分の方が先にくたばってしまう。 単独での戦闘は、自分の身体では無理がある。 となると、同じ志のものと組むしかない。 単独の者と手を組む。これはだめだ。相手がゲームに乗った奴だった場合のリスクが大きい。 相手から持ちかけられでもしない限り、此方からの接触は避ける。 やはり二人以上の組と接触するべきか。仮に本性を隠したケダモノが潜んでいても、二対一ならそうそうやられはしない。 「俺はボインちゃんが好きなんでな……敵は討たせてもらう。化物め」 その言葉を宣戦布告とし、彼は翼を天へと向けた。 【神 隼人 搭乗機体:YF-19(マクロスプラス) パイロット状況:良好(但し、激しい運動は危険) 機体状況:良好 現在位置:H-4 第一行動方針:高高度からの、地上偵察。 第二行動方針:二人以上の組との合流(相手が一人の場合、少なくとも自分から接触する気はない) 最終行動方針:主催者を殺す】 BACK NEXT 情け無用のロンリーウルフ 投下順 心に、悪魔宿りて 花言葉は「勇敢」 時系列順 人とコンピューター BACK 登場キャラ NEXT 隼人 アンチボディー ―半機半生の機体―
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/266.html
冥王計画 61 この機体に選ばれた者は幸運であっただろうと思う。 このゲームの目的である生き残る事を容易にする事が出来るのだから… ただし、身体だけは… 「美久!返事をしろ!」 「確か…ジュドー君だったかしら?流石、ニュータイプね。機体に乗っただけで全部分かるなんて」 「何を言っている?…この身体はジュドーと言うのか? 成る程。例え、洗脳されても俺自身の記憶と人格を再生するように組んだ再生プログラムが、 本来は、俺以外のパイロットを受け付けないというプログラムとの矛盾を解消するにはこうするしかなかったか。」 「ジュドー君!何を言ってるの?」 「俺は、ジュドーではない!マサキだ!命令する。状況を話せ!」 なかなか面白い。 レジセイア…もしかしたら、システムの更なる改良が見込める存在だ。 そして、レジセイアに会うには… 「美久!まずは、ここが冥府の始まりだ!」 …しかし、この違和感は何だ? 【ジュドー・アーシタ】 機体:ゼオライマー パイロット状態:充実 機体状態:充実 場所:D5 第一方針:システムの改良 第二方針:役に立つ駒を手に入れる 最終方針:??? 管理人注:今回のロワにジュドーは参戦していません。 本編― ―