約 845,782 件
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/
移り変わりゆく季節の中で、イレヴンズゲート13周年 “愛こそ全て”薄異本新刊完成!既刊と合わせてBOOTHにて販売中!ココデクリックジャンプ! メロンブックスはこちら COMIC ZINにてイレヴンズゲート同人誌“薄異本”の通販はココデクリックジャンプ! 薄異あき、シリーズ一区切りお疲れ様です 異世界交流シェアードワールド「イレヴンズゲート」のまとめwiki 【スレログの保管庫を新設しました】 【世界観や作品、キャラへの質問と回答などを行うページ】【議論されてきた話題や議論したい案件などの紹介ページ】 【新しく作られたコーナー】【All Need Is】【異世界千字文】・【都市物語】・【私立十津那学園】 祝!イレヴンズゲートノベルゲームver.1.01完成!シン書庫のページからシン書庫にログインしてゲームが保管されています 新書庫を引き継いで【シン書庫】を開設しました。補完作業継続中です。 このwikiは生まれたばかりの異世界交流シェアードワールド「イレヴンズゲート」のまとめwikiです。 現代地球と異世界が異世界の神々によって作られた出入り口すなわちゲートによって繋がった世界のアレコレを想定したり それを元に作品を発表するスレのなんやかやを保管しています。 ハードなものからソフトな旅行まで自由度の高い世界を構築できればいいなと思っています。 携帯用:メニュー 携帯用:更新履歴 Q.どこから見たらいいんです? A.ご新規さんへにGO! Q.どんな世界なんです? A.ざくっと世界観説明にGO! Q.投稿はどうしたらいいんです? A.作品投下の準備にGO! 連絡事項 このスレは毎週土曜日曜日と水曜日の夜9時からふたばちゃんねるmay板の定時スレです 【 次回は XX月 YY日 夜9時 です】 発起人が都合により1スレ目を立てられないかもしれません。9時10分を過ぎても立たない場合は代理立てお願いします ログ保存第二次計画として <これまでのスレの流れ>内にログデータをUPしていますので御協力下さい ふたろぐはこ閉鎖につきスレログの保存方法を模索中です 気ままにイレヴンお勧めSS!クリックジャンプ読! 【ここは東西イストモスの真中。とある聖騎士の名を冠する都】 【マリアンヌ様も思わず出場したくなる美味しい投擲競技】 【石と緑の街の図書館。国を越えた人と言葉の不思議な出会い】 【愛され満腹キャラのマリアンヌ姫の美味しくもたくましく生きる西方イストモスの食卓】 【氏族の存続に根差した風習は情熱と情緒と共に草原を駆ける】 今までのSS紹介はここから 十に代目SSタグ保有ページが100に達したため、M,mを十三代目SS収集タグとして設定しました。 投稿の際はご注意下さい。 バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、メールでお問い合わせください。 - 本シェアードはwikiの公式設定を一次として、公式設定ならびに独自設定を使用した二次創作は自由です。個々のSSのキャラを使用する際はキャラシェアページを参照し良識と節度をもってご利用ください。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/237.html
アキトとキョウスケ ◆7vhi1CrLM6 体中の血管の中で蠢いていた子蜘蛛がいなくなる。 どろりとバターのように溶け出すと血流に呑まれて、一匹一匹と消えていく。 同時に視界が今までとは別の世界を捉え、急速にぼやけていっていた。 奇妙な感覚だった。 重い体が軽くなり、感覚が戻ってまた重くなる。 幻聴が消えて本物の音が戻り、また音が鈍くなる。 一瞬の通りすがりに正常な時間が存在する。だがそれはほぼ無意味ともいえる一瞬である。 正常な感覚の刻みつけ、あっけなく去っていく。また薬を服用するよう刻まれた暗示のように思えた。 ぼやける視界で時計の位置を確認すると、気だるく思い体を起こす。顔を近づけて時刻を確認した。 ――4 34 服用から一時間半と少し。 薬の効果が三十分。副作用が一時間。アルフィミィの言に嘘はなかった。 「だが、これは後をひくな」 ずるずるとコックピットシートに沈み込みながらぼやいた。 一時間の副作用に振り回された体が、疲労の極みにあるのだ。ともすれば眠り込んでしまいそうになる。 そのままの体勢で手を伸ばし、アルトを再起動させる。 明るく灯るモニター。擦りガラス越しのようにしか見えないそこに、突然起動兵器が映し出される。 咄嗟に出た行動は――様子を見る。状況を確認する。薬を服用する。否。 それらを頭に浮かべるよりも早く体は攻撃を仕掛けた。両肩のハッチが開き、大量のベアリング弾が放出される。 咄嗟のことだ。狙いなどつけていなかった。この視界、この体でつけられるはずもなかった。 牽制にしかならない一撃。 だから撃ち終りを待たずに後退を始めた。そして、反転。全速でその場からの離脱を図る。 相手の被害は愚か姿すら確認していない。する余裕もない。出来る体ですらない。 ただ真っ直ぐに機体を走らせ、その場から逃げ出す。そのくらいの力は残されている。そう信じたかった。 世界が回った気がした。そして、沈み込むような感覚とドンと突き上げられたような感覚。 「アルトから降りて来い。悪いようにはしない」 降って来た声。それで自分が捕まったのだと知る。 ◇ 片足でバックパックを踏みつけ、オクスタンライフルを背中越しにコックピットに突きつけた。 小さく溜息を吐く。正直肝を冷やした。 支給品の中に何か役に立つものはないか。そう思いファルケンに戻った瞬間の出来事だった。 男の様子を見て目を離しても大丈夫だと判断した直後だったのだ。自らの見通しの甘さが苦々しい。 しかし、やはりまともに機体を動かせる状態ではなかったのだろう。 クレイモアを咄嗟に避け、追撃に移った目と鼻の先でアルトは勝手に転んで倒れた。 倒れたことにも気づいていない動きだった。それが憐憫の情に拍車をかける。 「アルトから降りて来い。悪いようにはしない」 暫しの沈黙の後、声が返ってくる。音声のみ。映像は繋がっていない。 「……信用できるのか?」 「さあな」 曖昧な返事。ゼクスとカズイを殺した。 それが間違いだったとは思わない。間違いだったではゼクスが報われない。 だが、一方では敵対した新兵を生かしたりもしていたのだ。 やることがあべこべで矛盾している。状況が違うというのは言い訳にしかならない。 そのことが返事を歯切れの悪いものにしていた。それに基地に戻ればユーゼスもいる。 「悪いようにはしない。俺に言えるのはそれだけだ」 「聞くことだけ聞いて撃ち殺す。そうしないという保証は?」 「それは約束する。保証は……そうだな。まずは俺から機体を降りる。信用がなければ踏み潰せ」 一時的な感傷。カミーユに必ず戻ると伝えたことも忘れ、捨て鉢な気持ちが体を支配していた。 「いいな? 降りるぞ」 ◇ 敵機が離れていく気配。そして、停止する気配。 本気か、こいつは。そう思いながら、機体を起こし立たせる作業に集中した。 汗が玉になって額に浮かんでくる。 いくら自由の利かない体とはいえ、その程度の体裁は取り繕いたかったのだ。 踏み潰せ、か。笑わせる。 ただ機体を立たせるだけでこの神経の削りようだ。狙ったところに足を踏み出すなど、とんでもない重労働だ。 だが、薬を使えば簡単だ。確実に一人葬れる。しかし、ここで使ってしまうのか? あの時アルフィミィは言った。まだゲームの参加者は三十人近く残っている、と。 あれから三、四時間。そう数が減っているとも思えない。 僅か五錠しか残っていない薬を使っていいのか? それで俺は生き残れるのか? 奴らを根絶やしに出来るのか? 優先すべきは生き延びること。同行者を得れば生存率は上がる。だが、本当にこの男は信用できるのか? 渦を巻く思考。心の拠り所を求めるように腕が薬へと伸び、握り締めた。そして、異変に気づく。 ――ないッ!! 有るべき所に薬はなかった。 正確には、取り出しやすいところに入れておいた二錠がなくなっている。 念を入れて、別個に分けておいた三錠。そちらは無事だ。 握り締めた腕に力が篭り、ぼやけたモニターに映し出されている男を睨みつける。 薬の行き先は一つしか考えられない。 暫くして険のある表情を解いた。何にしろ、これでもうこの男を信用するしかなくなったのである。 薬を服用して踏み潰す。一緒に取られた薬も潰れて残り二錠では、どうしようもない。 だが、出て行くからには最大限利用させてもらう。薬を取ったということはこちらの状態を知っていることだ。 その上で抱え込もうというのだ。病人怪我人は保護すべきと考えているのだろう。 ならば立場を最大限に利用して守って貰う。疑われる余地はない。副作用がなくとも障害持ちなのだ。 そうすることによって薬の消耗を防ぎ、同時に奴に取られた薬の在り処も突き止める。 その後で仮宿は捨てればいい。 その為にもまずは協力の姿勢を見せることだ。ロジャー=スミスの情報など喜ばれるかもしれない。 接触できれば自分が危険ではないことの裏も取れる。 外部スピーカーのスイッチを入れ、「今、降りる」と答えを返した。 かくして大切な者を失い残された二人の男は顔を会わせ、数分後には協力することとなる。 その最初の道すがら、アキトはふと思った。この薬、健常者が服用すればどうなるのだろうか、と。 【テンカワ・アキト 搭乗機体:アルトアイゼン(スーパーロボット大戦IMPACT) パイロット状態:マーダー化、五感が不明瞭、疲労状態 機体状態:胸部に軽度の損傷。3連マシンキャノン2発消費、スクエアクレイモア2発消費 現在位置:G-8 第一行動方針:キョウスケに情報を提供して同行する 第二行動方針:ガウルンの首を取る 最終行動方針:ユリカを生き返らせる 備考1:首輪の爆破条件に“ボソンジャンプの使用”が追加。 備考2:謎の薬を三錠所持】 【キョウスケ・ナンブ 搭乗機体:ビルトファルケン(L) (スーパーロボット大戦 OG2) パイロット状況:頭部に軽い裂傷、左肩に軽い打撲、ユーゼスに対する不信 機体状況:胸部装甲に大きなヒビ、機体全体に無数の傷(戦闘に異常なし) 背面ブースター軽微の損傷(戦闘に異常なし)、背面右上右下の翼に大きな歪み 現在位置:G-8 第一行動方針:アキトの保護 第ニ行動方針:基地へ戻る 第三行動方針:首輪の入手 第四行動方針:ネゴシエイターと接触する 第五行動方針:信頼できる仲間を集める 最終行動方針:主催者打倒、エクセレンを迎えに行く(自殺?) 備考1:アルトがリーゼじゃないことに少しの違和感を感じています 備考2:謎の薬を二錠所持】 【二日目 5 05】 BACK NEXT 張り詰めすぎた少年 投下順 決意の刃を鞘に潜ませ それぞれの思惑 時系列順 決意の刃を鞘に潜ませ BACK NEXT Withdrawal Symptoms アキト leaving me blue Withdrawal Symptoms キョウスケ leaving me blue
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/93.html
悪運 ◆ZbL7QonnV. どうやら、私の悪運も捨てたものではないらしいな―― キョウスケ・ナンブ。そう名乗った男と会い見えながら、ユーゼス・ゴッツォは仮面の下で薄い笑みを浮かべていた。 ゲームの会場に降り立ってから、どうあっても接触する必要があると思っていた参加者の一人。 それと都合良く接触が持てた事に、ユーゼスは自身の悪運を感じずにはいられなかった。 あのノイ・レジセイアと名乗った化け物の僕、蒼の少女アルフィミィ―― この男と、そして彼の恋人らしき女は、あの少女に対して面識を持っているようだった。 それはつまり、主催側に対する情報を握っている事を意味する。 ……あの化け物に関しては、不明な点が多過ぎる。少しでも多くの情報を集めなければ、この箱庭を抜け出す事は困難だろう。 この男から主催者に関する情報を引き出す事は、対主催を試みる上で非常に重要な前提条件でもあった。 「我々は、あくまで自分達の身を守る為、そして元の世界に戻る為に行動するつもりです。 このゲームに乗せられて、殺し合いを始めるつもりはありません」 他参加者との交渉は、彼女の方が適任だろう。 お世辞にも“善良”と言う事の出来ない自分とは違って、彼女の誠実性は疑うまでもない。 短い付き合いの中ではあったが、ベガが自分とは正反対の世界に生きる人間である事は容易に知れた。 だからこそ、彼女は自分を信頼した。この狂った状況で、他人を信頼する事が出来た。 他人を利用する事しか知らない自分には、出来る筈も無い事だ。 だが、そういった人間の方が、他者の信頼を得られ易い事もまた事実である。 自分には、理解し難い次元の話だが。 「そう、か……」 こちらの目的と、そして当面の行動方針。それらの事を話し終え、キョウスケの反応を通信機越しに窺って見る。 落ち着いた反応を見る限り、戦闘に発展する可能性は低いだろう。 この男と接触するにあたって、最も警戒した事は、レジセイアに対する憎悪で心を曇らせてはいないかであった。 復讐心に囚われた人間は、まともな判断力と理性を失う。 自暴自棄になったまま、無差別に攻撃を繰り広げられる可能性も考えられなくはなかった。 だが、この男には、それが無い。 ならば、その心中を推し量る事は可能であった。 恋人を殺され、その復讐を誓う男。彼の憎悪が行き着く先には、果たして何が待ち受ける? ……決まっている。恋人の命を奪う原因となった、あの少女と化け物だ。 奴等に対して反抗を企てるのであれば、ゲームに乗ると言う選択肢はあるまい。 「成る程……ならば、その男には注意を払った方が良さそうだな……」 ゲーム開始から今までの間に、お互いが出会った参加者―― ゲームに乗った危険人物の情報を提示し合った所で、交渉は一つの段落を迎える。 それまでの間、自分は口を開こうとしなかった。 だが、その沈黙も今終わる。 「キョウスケ・ナンブ、君に聞きたい」 「聞きたい……何をだ?」 「レジセイア、そしてアルフィミィに関する情報を」 「…………」 ほんの微かに、表情が翳る。 ……この反応、知っている。それも、かなり深い所まで。 「あの得体の知れない化け物に関して、我々が知っている事は少な過ぎる。 少しでも多くの情報を得ておかなければ、対抗する手段を見付け出す事すら出来ないだろう。 ……もし君が戦いの中で命を落としてしまったら、奴の事を知る者が居なくなってしまう。 そうなれば、このゲームを破壊出来る可能性は低くなってしまうだろう。 我々の事を少しでも信じてもらえるのならば、君の知っている事を教えてもらえるとありがたいのだが……」 「……いいだろう。俺の知っている事は、全て話そう」 そして、彼は話し出す。 ノイ・レジセイア、アインスト、アルフィミィ―― 人ならざる者達との、遙かなる戦いを。 かつて繰り広げた戦いの顛末を話す事に、胸の痛みを感じないと言えば嘘になった。 (エクセレン――) 共に死線を潜り抜け、一度は自分の手から離れ、それでもこの手に取り戻し―― そして、今はもう、永遠に会う事が出来なくなった、最愛の存在。 (お前の運命を弄んだ報いは、必ず奴らに受けさせてやる――) あの戦いは、彼女との思い出が多過ぎた。 ……いや、違う。あの戦いは、まだ終わってはいなかった。 (だから――少しだけ、待っていろ――) アインストとの因縁は、まだ断ち切れてはいなかったのだ。 ならば、その因縁は今こそこの手で断ち切ろう。 このバトルロワイアルを破壊して、奴等の首に牙を突き立て、そして―― 「それが、俺と奴等の因縁だ」 握り締めた拳からは、いつの間にか血が滴っていた。 「……まるで、神だな」 仮面の上からでも表情を見て取る事が出来るほどの、明らかな不機嫌声でユーゼスは言う。 「だが、その神も一度は倒す事が出来た。ならば、二度目の敗北を与える事も不可能ではないはずだ」 「しかし、この箱庭は奴にとっては掌の中だ。わざわざ反抗の手段を与えて、我が身に危険を及ぼす真似を許すとでも?」 「そう、かもな。だが……」 「…………?」 「分の悪い賭けは、嫌いじゃない」 そう。このゲーム、あまりにも分の悪い賭けだった。 だが、それがどうした。分の悪い賭けは、いつもの事だ―― 「……成る程。ならばその賭け、我々も一口乗らせてもらおう」 仮面の下、冷たい笑みを浮かべながら、ユーゼス・ゴッツォは口を開く。 ゲームの破壊、もしくは優勝。どちらの結末に状況が転ぶとしても、戦力の増強は不可欠である。 ベガ、キョウスケ、アインストに関する情報。 自らの元に手駒が着々と増え出して来ている事に満足を憶え、ユーゼスは笑みを浮かべていた……。 【キョウスケ・ナンブ 搭乗機体:ビルトファルケン(L) (スーパーロボット大戦 OG2) パイロット状況:良好 機体状況:ブーストハンマー所持 スプリットミサイル数発消費、オクスタンライフルを半分程消費 現在位置:D-4廃墟、補給施設付近 第一行動方針:エネルギー及び弾薬の補給 第二行動方針:ネゴシエイターと接触する 第三行動方針:信頼できる仲間を集める 最終行動方針:主催者打倒、エクセレンを迎えに行く(自殺?) 備考:アルトがリーゼじゃないことに少しの違和感を感じています】 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:アルトアイゼン(スーパーロボット大戦INPACT) パイロット状態:良好(修理できなくて困ってるのも私だ) 機体状態:左腕損失、ダメージ蓄積 現在位置:D-4廃墟、補給施設付近 第一行動方針:首輪の解除 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考:アインストに関する情報を手に入れました】 【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー) パイロット状態:良好(ユーゼスを信頼) 機体状態:良好 現在位置:D-4廃墟、補給施設付近 第一行動方針:首輪の解析 最終行動方針:仲間を集めてゲームから脱出 備考:月の子は必要に迫られるまで使用しません 備考:アインストに関する情報を手に入れました】 【初日 16 30】 BACK NEXT コーヒーブレイク 投下順 ふりまわされる人、ふりまわす人 楽勝! 時系列順 混乱 BACK 登場キャラ NEXT 出会いと再会 ユーゼス 類(仮面)は友(仮面)を呼ぶ 出会いと再会 ベガ 類(仮面)は友(仮面)を呼ぶ 出会いと再会 キョウスケ 類(仮面)は友(仮面)を呼ぶ
https://w.atwiki.jp/gwhukui/pages/61.html
6月3日開催 大会レポート 6月は3日に開催させていただきました、SCS(ショップチャンピオンシップ)大会。 参加していただいた22名の皆さん、ありがとうございました! 今回は一週間後に控えるCS(ショップチャンピオンシップ)の 金沢予選の事もあり、皆さん前回の大会以上にその事を意識されての 参加ではなかったでしょうか?先月発売された新パック「前線のフォトグラフ」が 使用可能という事もあり、デッキの調整も兼ねての参加でもあったと思いますが どうでしたか? 今回、使用されていたデッキはどの色に偏るということでもなく いろいろな色(タイプ)デッキが見られたように思います。割合的にはやはり 「青」「緑」が若干多いのかな、と感じはしましたが。 上位入賞するのもやはりそのあたりなのかな・・・と思い見ていましたが、 実際の結果は違ったものになりました。 さて、長々となってしまいましたが、その結果を。 上位入賞者3名と使用されたデッキと併せてご紹介させていただきます。 1位 山本 和希さん 使用デッキ名『れい☆すた』 メインデッキ タイプ 種類 No. カード名 枚数 茶 U 103 ターンエーガンダム 2 赤 CH 89 サラサ・ムーン 2 赤 C 3 作戦の看破 2 赤 C 7 密約 3 赤 C 83 もみ消し 2 赤 C C20 露払い 2 茶 C 2 宝物没収 3 茶 C 8 月のマウンテンサイクル 2 茶 C 18 ギンガナム襲来 2 茶 C X9 第7次宇宙戦争 2 紫 C 2 戦場の鈴音 1 赤 O 36 隠された翻意 3 茶 O 49 バカンス 3 茶 O X35 デート 3 赤 G 赤基本G 6 茶 G 茶基本G 8 紫 G 61 月面民間企業 2 紫 G 9 モルゲンレーテ 2 サイドボード 紫 U 21 レイスタ 2 赤 C 5 血の宿命 1 赤 C 83 もみ消し 1 紫 C 1 THE ORIGIN 2 紫 C 3 プロテクト解除 1 紫 C 9 慈愛の眼差し 2 紫 G 15 隠遁者 1 ↓↓ 以下、簡単なインタビューに答えていただきました。 ↓↓ 今回の大会の勝因は何だと思いますか? ターンエーのパンプは神ですねェ。 今回の大会の感想を簡単にお願いします。 サイクロプス隊を使用していたデフ氏と対戦したかったような、 したくなかったような。 他の参加者の皆さんに一言お願いします! 青スライとサイクロプス隊を使うのはやめましょう。 (トラウマ 2位 坂上 正紘さん 使用デッキ名『---------』 メインデッキ タイプ 種類 No. カード名 枚数 赤 C 7 密約 3 赤 C 8 サラサ再臨 3 茶 U 103 ターンエーガンダム 3 茶 C X9 第7次宇宙戦争 3 茶 C 18 ギンガナム襲来 3 茶 O X35 デート 3 茶 C 2 宝物没収 3 茶 C 9 破滅の終幕 2 茶 C 2 戦場の鈴音 2 赤 O 36 隠された翻意 3 赤 C C20 露払い 3 茶 O 49 バカンス 1 赤 G --- 赤基本G 9 茶 G --- 茶基本G 9 サイボード 紫 C 9 慈愛の眼差し 2 赤 O 16 木星圏からの出発 3 赤 C 3 作戦の看破 3 赤 O 43 虚偽の報告 2 ↓↓ 以下簡単なインタビューに答えていただきました。 ↓↓ 今回の大会のでの順位についてどう思いますか? 3戦目で事故が多発。不本意な結果でした。 今回の大会の感想を簡単にお願いします。 青スライをメタってサイド作ったけど、外した。 赤中の強さ光ってたね。 1位の方に何か一言あればどうぞ。 同コンセプトのデッキにての優勝オメデト!! 他の参加者の皆さんに一言お願いします! フレンドリーな空気でのプレイはとても良いですね。 ですが、大会プレイ中の方々への口出しが多いように感じます。 モラルあるプレイを。 3位 浅野 怜さん 使用デッキ名『ブーン』 メインデッキ タイプ 種類 No. カード名 枚数 赤 U 162 ギラ・ドーガ(レズン・シュナイダー機) 2 赤 U 111 ドライセン(ラカン・ダカラン機) 2 赤 U C70 ノーティラス 2 赤 U 89 パーフェクトジオング 2 赤 U 120 レウルーラ 2 赤 U 141 ガザC 2 赤 C 8 サラサ再臨 3 赤 C 7 密約 3 赤 C 2 泣き虫セシリア 2 赤 C C23 中枢部の掌握 2 赤 C 5 血の宿命 2 赤 C 83 もみ消し 2 赤 C 82 雲散霧消 2 赤 C 1 撤退命令 3 赤 CH 97 マシュマー・セロ 1 赤 O 2 内部調査 2 紫 O 1 凌駕 1 赤 G --- 赤基本G 15 サイドボード 赤 C 44 武力制圧 3 赤 C 73 クローニング技術 2 赤 C C23 中枢部の掌握 1 赤 O 4 転向 1 赤 O 84 内憂外患 2 赤 CH C46 トビア・アロナクス 1 ↓↓ 以下簡単なインタビューに答えていただきました。 ↓↓ 今回の大会での順位についてどう思いますか? 普通。 今回の大会の感想を簡単にお願いします。 白がうざい。 1位、2位の方に何か一言あればどうぞ。 ガンバレ。 他の参加者の方々に一言お願いします! ガンバレ。 4位 細川 幸太さん 5位 水嶋 信吾さん 6位 中村 シュンさん ・・・以上が上位入賞者の皆さんでした。 皆さんおめでとうございました&お疲れ様でした!! (大会全体の感想/最後に) 今回の大会も、皆さんのおかげで無事終えることが出来ました。 それにしても、個人的な感想ではありますが・・・ 「今は、青が絡むとなんか凄いなぁー・・・」とつい思ってしまいました。 というのは今回、大会1戦目。 「青デッキ」VS「青緑+黒デッキ(でいいのかな?)」の組み合わせを見ていたから なんですが。 詳細は書きませんが、互いに粘るに粘って試合時間を大幅に押し、 最後には「青」が判定勝利となりましたね。 対戦したお2人を含めて、皆さんお疲れ様でした。 さて来月の大会については、まだ決定していません。 遅くとも今週水曜までにはこのWIKIにてお知らせなどしたいと 思いますので、今しばらくお待ち下さいね。 それでは、(約3年もやってて・・・汗)まだまだ頼りない 現主催の私ではありますが、これからも頑張りますんで どーか暖かく見守ってあげてください・・・。 また次回も、皆さんのご参加お待ちしています。 編集:ぎゃらん
https://w.atwiki.jp/nanaitatrp/pages/529.html
09/11/15~09/12/22 【なりきり】スーパーロボット大戦【参加者募集中】 ログ 本スレ 避難所 テンプレ キャラクターテンプレ
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/135.html
失われた刻を求めて ◆C0vluWr0so 「これでっ……墜ちやがれえええええ!」 ゴステロの怒号と共に放たれた勇者王必殺の拳が、空を翔るバルキリーへと襲いかかる。 暴力的なまでの力を持つ拳撃の威力は十全。バルキリーの装甲などは一撃で貫くだろう。 だがしかし、それはまともに当たればの話。 「そこかっ!」 バルキリーは空中旋回し、スターガオガイガーの拳を苦もなくかわす。 天性の操縦センスと豊富な戦闘経験、そしてニュータイプの力――それらが備わったアムロには、ただの力任せの攻撃は当たらない。 だが、それだけだ。 「ちょこまかちょこまかとうざってえんだよッ! オラオラオラオラァァァァァ!」 更に続くスターガオガイガーの猛攻。 それに対して正確無比な回避運動を続けるバルキリーだったが、反撃は無い。 スターガオガイガーの強硬無比な装甲の前には、バルキリーの通常武器では決定打にはなり得ない。 その如何ともし難い事実がアムロに回避の一手を取らせていた。 お互いに決定打となる一発が無いまま、時間だけが過ぎていく。 既に戦闘が始まってから一時間近い時間が経過し、戦場もH-2からH-1へとその場を変えていた。 シャアとアイビスを安全に逃がすというアムロの目的は、ほぼ完全に成されたと言っても良いだろう。 だが、このままこの敵を放置し、逃げ出すわけにはいかない。 アムロが見たところ、このパイロットは正常な判断能力を失くし、破壊衝動のままに暴走を続けている。 しかし敵パイロットの操縦スキルは低いどころか、エースパイロットのそれと比べても遜色無いものだ。 異常なまでの破壊衝動、エースパイロットの技量、そして攻守共に万全な強機体。 このまま放置すれば、間違いなくこの戦場に悪意を撒き散らし、多くの戦いをもたらすことになるだろう。 (出来れば首輪を確保したかったが……そうとも言ってられないな) 直撃こそ無いものの、強力なパワーの余波と無理な回避運動の影響か、徐々にではあるがバルキリーの状態が悪くなってきている。 戦いが長引けば長引くだけ、たった一発の直撃で墜ちるバルキリーが不利だと判断したアムロは、機体を北へと飛ばす。 「ヒャハハハッ! 逃がすかよぉ!」 自機から離れ出した戦闘機に対し、ゴステロは追撃を選択する。 しかし、高々度での戦闘を想定して設計されたバルキリーとの距離は縮まるどころか次第に広がり始めてた。 かと思うとバルキリーは速度を落とし、また距離を縮める。 獲物であるはずの相手に遊ばれている――そのことに気づいたゴステロは怒りを爆発させた。 「くぉのやろおおおおおお! 死にやがれえぇぇぇぇぇ!」 力任せにブロークンファントムを繰り出すも、バルキリーにはかすりもしない。 ゴステロの怒りは、ただ募っていくのみだった。 (さぁ来い……ここで決めてみせる!) 無論この挑発的行動もアムロの狙い。 より激しい怒りを以て、ただでさえ鈍っているゴステロの判断力を更に下げるのがその目的だった。 アムロの考えた作戦を成功させるには、相手の油断と隙をつく必要がある。 これはそのための下準備。 次にアムロは弾薬の残量をチェック。 通常武装が決定打にならないと判断した時点で回避に専念し始めたため、弾薬は半分残っている。 これだけあれば、一瞬の隙を強引に作ることも可能だろう。 そこまで確認したアムロの視界に入ってきたのは、夜闇の中輝く光壁。 そのずっと先には壁が二枚垂直に交わる姿が確認出来た。 勝負を決するのは、地図の最北東に位置し、A-1、A-8、H-1、H-8の四つのエリアを結ぶここ。 アムロはスロットルを倒し込み、一気にスターガオガイガーとの距離を離しにかかった。 そして二枚の壁が交差する一点、その直前で機体をバトロイドに変形、停止させ、地上に降り立つ。 「ようやく追いつめたなぁ。さぁ……ぶっ殺してやるぜぇぇぇぇ!」 やや遅れバルキリーに追いついたゴステロは、舌なめずりをしながら感情を昂ぶらせていく。 その歪んだ表情からは抑えきれない憎悪と激怒が滲み出ていた。 それに対しアムロは、 「やれるものならやってみればいい。その機体は飾りか?」 と、挑発的な態度を崩さない。 …………プチン、と音が聞こえた気がした。 「……そんなに死にてぇのかよぉぉぉぉぉぉ! お望み通りぶっ殺してやるぅぅぅぅぅ!!」 怒りが頂点に達したゴステロはスターガオガイガーをバルキリーへと突撃させる。 バルキリーを遙かに超える質量を持つスターガオガイガー。 巨体の突進が巨大なパワーを産み出し――更にGSライドが輝き、勇者の力は完全な破壊の力に転換された。 産み出された超パワーは右拳の一点に集中し、バルキリーを撃ち貫く破壊の鎚に変わる。 だがしかし、超加速を続ける勇者王の射線の先にいるのはただのパイロットではない。 連邦の白い悪魔と恐れられ、幾度もの大戦を潜り抜けてきた真の戦士である。 「――見える! ここだっ!」 勇者王の突撃が最高速に乗る一瞬前に、アムロはバルキリーに残されたありったけの武装を放つ。 だがスターガオガイガーから迸るエネルギーは、ホーミングミサイルを始めとするバルキリーの攻撃を寄せ付けない。 アムロの攻撃はその殆どが直撃することなく寸前で爆発。 しかし、ホーミングミサイルとガンポッドが撒き散らす爆煙がスターガオガイガーを包み、ゴステロの視界が一瞬遮られた。 半瞬の後、スターガオガイガーは爆煙の中から飛び出す。 その先には、バルキリーがいるはずだった。――だった。 「なにぃっ!?」 一瞬と半瞬の間隙、ゴステロが目を離したのはその一刹那のみ。 だが、そのわずかな間に戦況は一変した――バルキリーが、いない! 「どこだっ! どこへ行きやがった!?」 ゴステロの叫びが一人空しくこだまする。 それに応えるかのようにスターガオガイガーの背面に衝撃が走った。 「なにぃ! 後ろだとっ!?」 振り返ろうとするゴステロの視界に入ったのは、人の形に姿を変えたバルキリー。 その右腕がスターガオガイガーの背中を押している。 「このまま……押し切ってみせる!」 スターガオガイガーの強固な装甲にはバルキリーでは太刀打ちできない。 最後の切り札、反応弾もあったが、あまりにも高すぎるその威力と攻撃範囲は自機さえも巻き込んでしまう危険性をはらんでいた。 本来の反応弾の使用目的は、宇宙空間での対大型艦の撃滅。広大な宇宙空間で充分な距離を取って初めて使える代物だ。 ならば距離を取ればいい――そう考えるのは、単純過ぎるというものだろう。 この空間の持つ特殊な性質の一つ、極端な電波妨害は通信の障害になるだけではない。 長距離におけるミサイル誘導、及びそれに類する攻撃の制御に関する電波までも遮断する性質を持っていた。 そのため、反応弾を長距離から撃つことは不可能。 下手に撃てば制御が出来なくなった途端に爆発し、バルキリーを巻き込む可能性がある。 つまり、バルキリーがスターガオガイガーに対抗出来る武装は皆無、ということである。 だが、対抗出来る武装は無くとも――対抗する手段はある。 「ぐぅぅぅ! 止まりやがれぇぇぇ!!」 GSライドとウルテクエンジンによって最大まで加速されたスターガオガイガーは止まらない。 慣性のまま直進するその先にあるものは光の壁。 更にその奥にあるものは――禁止エリア。 アムロの作戦、それはゴステロをスターガオガイガーごと禁止エリアに叩き込むというもの。 如何に装甲が厚かろうが関係ない。ただ押し込むだけで、ゴステロの首輪は爆発する。 今までの攻防の全ては、その状況に持ち込むための準備だった。 案の定ゴステロはアムロの挑発的な態度に激昂し、一直線に突撃を試みた。 残弾の殆どを費やし一瞬の隙を作ったアムロは、瞬時に地上での移動に長けたガウォークへと変形し、ゴステロの背後に回り込み。 そのまま、禁止エリアに向けてスターガオガイガーを押し込む! 「たかが機体一つ……バルキリーで押し込んでみせる!」 「こぉのやろぉぉ!!」 だが、ゴステロもただでは終わらない。 行き場を無くした拳を地面に突き刺し、減速を試みる。 粉塵と土煙を上げながら、スターガオガイガーのスピードは徐々に落ちていく。 壁まで、残り100メートル。 バルキリーに異変が起きた。 度重なる急激な回避運動に悲鳴を上げていたエンジン。その出力が落ちていく。 それに対し、スターガオガイガーはその出力を上げていく。 GSライドが輝き、ウルテクエンジンが唸りを上げ、勇者王はその名に恥じない力をその身に漲らせていった。 「後少し……後少しなんだ! 保ってくれバルキリー!」 「へっ! 残念だったな……!」 燦然と輝く壁のたった10メートル前で、バルキリーは力尽きた。 スターガオガイガーは減速し、 停止し、 反転した。 「お前に俺はやれねぇよぉ! 死にやがれぇぇ!!」 再びバルキリーに向かって拳が放たれる。 一筋の流星の如く伸びる一撃を受けながら、バルキリーは自ら背後へと飛び衝撃を受け流す。 しかし、たとえ力の半分を受け流せたとしても、勇者王の一撃はバルキリーの装甲を貫くに十分。 満足に動かない機体を、それでもアムロは執念と共に動かしていく。 「ひゃはははは! もう諦めちまいな! どうせお前はこの俺様から逃げられやしないんだからよぉ」 「それでも……俺は諦めない! 最後のその時まで人は生きることを諦めたりしないんだ!」 「そうかい。その心意気はリッパだが……そのまま終わっちまいな!」 再度放たれた拳撃を前に、アムロは避けられない死を予覚した。 思えば、自分は人を殺しすぎた。 終わらない争いを止めるため――そして、生き残るため。 一年戦争の頃の自分と、この殺し合いを強要され、生き残るために他者を殺す人間と、一体何が違う? 戦わなければ生き残れない。 だから殺す。 それは、生物全てに共通する道理だ。 生きるために、食べるために殺す。 住むために、眠るために、他者を殺し、そして生きのびる――それが、人間本来の生き方だったのではないのか? 『……それは違うぞ、アムロ』 なっ……! その声、シャアか!? 『確かに、私もお前も命を奪いすぎた。だが、私はそれを間違いだとは思っておらんよ』 何故だ! ララァを失ったお前がそれを言うのは! 『命とは、消えるものではない。受け継がれるものなのだ。 ララァの魂は私の血肉となった。そして……私の命も、また誰かの礎となるだろう』 ――! シャア、まさか……! 『さらばだ、アムロ。再び会うことは無いだろうが…… 私はお前を好いていたよ。お前なら……あるいは人の光を導けるのかもしれない』 待てシャア! お前は……! 『立てアムロ! ここで終わるお前では無いはずだ!』 ――瞬時、アムロの意識は覚醒した。 バルキリーを貫くはずの拳は…… 「てめぇ……! 一体なにもんだぁっ!」 「フッ……。醜きを討ち、美しきを助ける者だ」 白銀の機体の構える白き剣によって阻まれていた。 ◆ 眼前の機体の織りなす剣技――あまりにも鮮やかな太刀筋と抜きの速度に、アムロは圧倒されていた。 一太刀舞えば獅子が転び、二太刀抜けば装甲が破れる。 先ほどまでアムロを圧倒していた剛力を華麗に受け流し、翻弄するその技量。 白銀の機体が近接戦闘に長けた機体だろうということを考慮しても、その搭乗者の才覚はただものではない。 そのままスターガオガイガーを圧倒するかと思えたその時―― 白銀の機体は踵を返し、こちらに向かいながら通信を入れてきた。 「そちらの機体、状況は? 動けるのなら即座にこの場を離れることを提案しよう。 出来ることならば、貴君の協力を願いたい」 「こちらアムロ・レイ。貴君の援護、心から感謝する。 こちらの機体の状況は万全とは言い難いが、離脱程度なら問題ないはずだ」 「そうか。ならば行動は迅速に行おう。……急がなければ、あの機体が追いついてくるかもしれないからな……」 アムロが聞く男の声はいささか疲れたものだった……何故? 答えは簡単。 ここに来るまでに、サイバスターはある機体に追われ続けていたからである。 その機体とパイロットとは…… 「な に ぃ っ 、 ア ム ロ ・ レ イ だ と ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! !」 「なっ、何なんだあの機体は!? ガンダムなのか?」 「クッ、追いつかれたか……」 白き装甲に身を包んだ機体。その頭部にはガンダムタイプであることを示す二対の角が存在していた。 ガンダムファイト第13回大会ネオジャパン代表MF、シャイニングガンダム―― ガンダムファイトにて猛威を振るったその右腕は、肘から先を切断され無惨な断面を晒している。 だがその代わりに、ガンダムは全身にかつてないほどのエネルギーを纏わせていた。 搭乗者の感情の高ぶりをそのまま機体にフィードバックするシステムを備えたシャイニングガンダムは、そのポテンシャルを最大限に発揮し始める。 「黒歴史に名高いその戦技、しかとこの目に焼き付けさせてもらおうかぁ!」 気迫と共に放たれたギンガナムの咆吼がその場に響く。 「小生の名はギム・ギンガナム! アムロ・レイよ! 名門の誉れ高いギンガナム家の名の下に、貴殿に決闘を申し込む!!」 ――そして、しばしの沈黙。 「……は?」 ややあって間抜けな声が返ってくる。 それはあまりにも唐突な展開に呆然とするしかないアムロの呟きだった。 「アムロといったか。あの男を知っているのか?」 「いや、あのパイロットについては皆目見当もつかない。 あの機体は俺の知るものに酷似しているが……君が危険視していたのはあれなのか?」 「そうだ。ここに来る途中で遭遇した。厄介な相手だったために振り切ってきた……つもりだったのだが」 「フフフ……アムロ、アムロ・レイか。 黒歴史の中の無数の戦乱……その中でも最強の力を持った真の戦士とこのような出会いをするとは。 あの異形もなかなか憎い演出をしてくれるではないか!」 握る拳に力がこもり、熱き血潮が滾っていくのを感じながら、ギンガナムは眼前の機体に目を向ける。 夢にまで見た相手との邂逅……2500年もの長きに渡り真の闘いを求めてきた武人は、燃えに燃えた。 「ふぅぅぅぅぅっ、ぬぅぅぅぅぅぅぅっ! さぁシャイニングガンダムよっ! ガンダムの名を世に知らしめた勇者に、我らの力を見せつけてやろうではないかぁっ!!」 ギンガナムの叫びと共に、シャイニングガンダムはその身を黄金に染めていく。 怒りではなく、純粋な喜びと戦意によって高められた感情のうねりが、ガンダムに力を与えていく。 そしてギンガナムがアムロに飛びかかろうとした瞬間、 「お前ら……俺を馬鹿にするんじゃねぇっ!」 ゴステロの拳が、ガンダムを襲った。 突然の乱入者二人に完全にペースを乱されたゴステロは、怒りの拳を無造作に振るう。 しかし、ギンガナムはこれを察知。ぎりぎりのところでスターガオガイガーの拳を避ける。 シャイニングガンダムは身体を反転させ、スターガオガイガーと正対した。 「貴様、武人の闘いに横槍を入れるとはどういうことかと知っての行いかっ!」 「武人だぁ? けっ、そんなもの関係ねぇ! 俺は俺のやりたいようにやるんだよぉっ!」 「ならば……王者アムロ・レイと戦う前の前哨戦といくぞ!」 ギンガナムは左腕をぐっと手前に引き、右腕をスターガオガイガーに向けて、高々と突き出す。 対するゴステロは、構えなど無用とばかりに先ほどバルキリーに向けてしたように右腕に力を注ぎ込んでいく。 共に片腕を亡くした者同士、互いに狙うは一撃必殺。 両者は睨み合い、そして一瞬の後――激突した。 ギンガナムの憧れと情熱と正義の込められた左拳と、ゴステロの狂気と憎悪と悪意の込められた右拳が衝突。 激しい音を立てながら火花を散らす二人の間には、ある一つの思い以外は存在しない。 ――ただ相手を倒す。 慢心など欠片もない。気を抜けば押し負けるということは、本能的に悟っている。 そして両者の力は完全に拮抗していた。 ぶつかり合ったまま、一歩も動かない。否、動けない。 そして同時に考える。 この状況を打破するには―― ( 更に大きな力でねじ伏せる! ) 「うおおおおおおおおおお! もっとだ! もっと輝けシャイニングぅぅぅぅ!!」 「クソやろおおおおおおお! 力がたりねえんだよおおおおおおおおお!!」 ギンガナムとゴステロ、互いに力を求め、吼える。 シャイニングガンダムとスターガオガイガーは共に心の力を糧に更なる力を得る機体。 しかし、二つには大きな違いがあった。 シャイニングの求める感情の高ぶりはギンガナムに存在したが、スターガオガイガーの求める勇気はゴステロには存在しない! ここにきて、力の均衡が崩れ始める。 スターガオガイガーは、じりじりと後退していた。 そして、互いの拳に込められた力の差異は更に大きくなっていく。 シャイニングの輝きがより一層激しくなった時、スターガオガイガーの右拳は砕けていた。 「なにぃっ!? おっ、俺がこんなところで……! エイジっ、エイジいいいいいいいい!!」 シャイニングガンダムの左拳はスターガオガイガーの右拳を打ち砕いた勢いそのままに胸部装甲に抉り込み。 溜め込まれたエネルギーはスターガオガイガーの内部で炸裂した。 そして――勇者王は崩れ落ちた。 「フフフ……ハハハハハハハ! この我が身に走る喜びは演習では得られない! 命を賭けた実戦でしか味わえない! 小生は……勝ったぞおおおおおおお!!」 一人、ギンガナムの勝鬨のみがこだまする。 ……そう、『一人』。 「さぁ次はアムロ・レイ、貴殿と……っと、いないだとおお!?」 ギンガナムとゴステロが一閃交えていた間に、サイバスターとバルキリーは戦場からの離脱を果たしていたのだった。 ギンガナムがいくら叫ぼうとも返事一つ返ってきやしない。 「だが……まぁ良いとしよう。この獅子の姿をした機体も、月での演習では手に入らない喜びを教えてくれた。 アイビス=ブレンといいアムロ・レイといい、この場には小生の積年の夢を叶えてくれる者たちが数多揃っている。 ……この調子ならば、シャア・アズナブルなどもいるやもしれんなぁ。 ククク……楽しくなってしまうではないかぁ!」 ギンガナムは笑う。自分の夢、黒歴史との邂逅を果たし。 その男の表情は、これ以上ないというほどに満ち足りていた。 ◆ 場所は変わってA-1。 一際高くそびえ立つビルの影で、二つの機体がその身を休めている。 その内の一機VF-1Jバルキリーの中で、アムロは先の戦いから離脱する間際に見た、あってはならない光景を思い出す。 ――あれはまさに夜中の夜明け。 間違いない。西南の方角に見えたあの光は核だ。 (シャア……やはりお前は……) おそらく、シャア・アズナブルという存在はこの世から消えてしまった。 それはアムロに言い様のない喪失感をもたらす。 敵として、味方として、常にアムロにプレッシャーを与えてきた男シャア・アズナブルはもういない。 「……俺は、何をしているんだ……!」 シャアとアイビスだけにしたのがそもそもの間違いだったのか? 自分がもっと速くゴステロを倒し、二人の下に駆けつけられたなら二人を助けることが出来たのではないか? 「くそっ!」 苛立ちと共に拳を振り上げる。だが、その拳が振り下ろされることは無かった。 (ここで……終わるわけにはいかない。ブレンの力なら、あるいはアイビスだけでも核から逃れられた可能性がある。 アイビスを見つけ出す。これ以上こんな憎しみの連鎖を続けさせてたまるか!) と、その時、白銀の機体――サイバスターから通信が入った。 「アムロ・レイ。思うところもあるだろうが……ひとまず私の話を聞いて貰えないだろうか」 「……ああ。まずは助けてくれたことの礼を言わせてくれ。君の援護がなければ今頃俺の命は無かったかもしれない。 しかし、君は何故俺を助けた? あの状況ならばあのライオンのようなロボを助けてもおかしくはなかったはずだが……」 アムロの問いに、何よりも美を愛する悪はさも当然と返答を返す。 「何、あのライオンの動きには美がない。対し、君の操縦には言い様もない美を感じた。 まるで一級の美術品のような気品、賞賛に値するものだ。理由などそれだけだよ。 そして覚えておきたまえ。 レオナルド・メディチ・ブンドル。この下卑た殺し合いを終わらせる者の名だ」 【アムロ・レイ 搭乗機体:VF-1Jバルキリー(ミリア機) (マクロス7) パイロット状況:疲労、喪失感 機体状況:左腕肘から先を消失、弾薬の殆どを消費、エンジン不調(簡単な整備で復調可能) 現在位置:A-1 第一行動方針:ブンドルとの情報交換 第二行動方針:アイビスの捜索 第三行動方針:首輪の確保 第四行動方針:協力者の探索 第五行動方針:首輪解除のための施設、道具の発見 最終行動方針:ゲームからの脱出 備考:ボールペン(赤、黒)を上着の胸ポケットに挿している シャアの死亡を悟っています】 【レオナルド・メディチ・ブンドル 搭乗機体:サイバスター(魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL) パイロット状態:良好、主催者に対する怒り 機体状態:サイバスター状態、ダメージ微少 現在位置:A-1 第一行動方針:アムロと情報交換をし、脱出への協力をしてもらう 第二行動方針:A-1周辺の参加者を捜し、保護する(特に技術者を) 第二行動方針:基地の確保のち首輪の解除 最終行動方針:自らの美学に従い主催者を討つ 備考:ハイ・ファミリア、精霊憑依使用不可能】 【ギム・ギンガナム 搭乗機体:シャイニングガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状態:テンション最高潮(気力150) 機体状態:右腕肘から先消失、胸部装甲にヒビ、全身に軽度の損傷 現在位置:H-1 第一行動方針:倒すに値する武人を探す 第二行動方針:アムロ・レイ、アイビス=ブレンを探し出して再戦する 最終行動方針:ゲームに優勝 備考:ジョシュアの名前をアイビス=ブレンだと思い込んでいる】 【ゴステロ 搭乗機体:スターガオガイガー(勇者王ガオガイガー) パイロット状態:死亡 機体状態:大破 現在位置:H-1】 【残り33人】 【初日 21 20】 BACK NEXT とある竜の恋の歌 投下順 火消しと狼 Take a shot 時系列順 MISS BACK NEXT 赤と流星、白と勇者王 アムロ Unlucky Color 騎士の美学 ブンドル Unlucky Color マイペース二人 ギンガナム 爆熱! ゴッド晩ごはん!! 赤と流星、白と勇者王 ゴステロ
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/152.html
何をもって力と成すのか ◆7vhi1CrLM6 騎士凰牙がJアークに着艦する。107mのJアークに対して28.5mの凰牙、約四分の一の大きさを誇るそれはとても艦内に収まる大きさではなく甲板に係留されこととなった。 その作業を終えて、一人の男が艦内へと歩を進める。 ロジャー=スミス――土がつき血に汚れてはいるが、仕立ての良い黒スーツを隙なく着こなすその男を見て、ソシエ=ハイムはどうしたものかと一人考えた。 考えたことは話し合いについてではなく、礼儀作法について。貴族とは言わないまでも田舎の名士程度には上等な生まれであるソシエは最低限の礼儀は仕込まれてはいる。 つまり、それなりの身なりをした相手に行儀良くするべきかを迷ったわけである。 が、生まれのわりに活発過ぎるほど活発なソシエは、窮屈なそれが嫌いであった。それにここには『お行儀がわるいですよ』と口を酸っぱくして注意してくるキエルお姉様もいない。 そんなわけで、ちょっとした逡巡の後、お行儀良くする気をソシエは失った。 その間に歩みを進めて来た男は、ブリッジに入ると何気ない所作で周囲を見渡していた。 ◇ 「先ほどの通信でも名乗らせていただいたが、改めて名乗らせていただこう。 私の名前はロジャー=スミス。ネゴシエイターを生業としている」 「ソシエ=ハイムよ。あっちで寝ているのがキラ=ヤマト」 「トモロだ」 そんな決まりきった挨拶からロジャーとJアークに寄り集まった者たちの話し合いは始まったが、しょっぱなからロジャーは驚きに身を固くしていた。 ロジャーはソシエとキラの二人の他には、誰もいないことをロジャーはさっき確認している。にもかかわらず声が不意に響いてきたのだ。 どちらかというとこれは愉快な出来事ではない。注意は払っていたのだ。自尊心をちょっと傷つけられたという思いも少しあった。 だから少し棘を含ませて「よければ姿を見せていただけないかな?」と言ったロジャーに対して、トモロは「私ならば君の目の前にいるよ。あるいは中というべきかな」と応じてきた。 その意外な言葉に思わず狐につままれたような顔になり「中?」と間の抜けた声で返してしまい。ロジャーは二度も話の主導を取られたことを悔しがる羽目となった。 「私はこの戦艦Jアークに搭載された生体コンピューター。Jアークを人間の身体にたとえれば、脊髄と小脳の働きをしているのが私だ」 ロジャーは小首を傾げたが、直ぐに一つのことに思い当たり、余裕を持った態度を取り戻す。 何事も驚かされっぱなしというのはどうにも受けに回っているようで落ち着かないものだ。 「なるほど、今私は巨大なアンドロイドのお腹の中にいるというわけか」 「そう解釈してもらって構わない」 「では互いの紹介もすんだところで交渉に移らせていただきたいが――」 そこで一度言葉を区切り瞼を閉じた。 瞳の奥に想いを巡らせる。長い一日の間に起きた幾つかの情景が目まぐるしく、しかし鮮やかに過ぎ去る。 ここで話を持ちかける以上、やはり彼女のことは語らねばなるまい。そんな思いが体のうちから湧き出てきていた。 「リリーナ=ピースクラフト。この殺し合いを望まなかった一人の少女の話を聞いてもらいたい」 そう言って切り出したロジャーの瞳はどこか寂しげな哀愁の色を浮かべていた。 話は彼女との出会いから始まる。 彼女と出会い、誇りを失いかけた自分が何を思い、何を考えたのか。それを赤裸々に自らの心理を語る。 そして話は彼女の理念と行動を伝え、彼女自身の死を持って閉じられた。 その最後に『私はここでは彼女の代弁者に過ぎない』と言葉を添える。 場が静寂に満ちる。誰もが何かを考えこんでいる。そんな静寂の中、ロジャーはソシエ=ハイムの目をじっと見ていた。 そこには思いがある。 『返答は?』と無言で自分に問いかけた来たあの切れ長の目。それを意識せずにはいられなかった。 同時にあれと同じ思いを込めたつもりでロジャーはソシエを見つめていた。 「……あなたの言うことも分かります。だけど」 静寂はあらぬ方向から静かに破られることとなった。言葉を発したのは一人の少年――いまだ寝ていたと思われたキラ=ヤマト。 いつの間にか起き上がっていた少年は、一度ロジャーと目を合わせるとスッと逸らしソシエへと視線を向けた。 「キラ、気づいてたの?」 「うん。少し前からね……ソシエ、ムサシさんとテニアは?」 ソシエは目を伏せ、沈黙を答えにして返す。 「そうか……ロジャーさん、あなたの言いたいことは分かります。 だけど、想いだけでは足りない。想いだけでも、力だけでも足りないんだ。 守らないと死んでいく人がいる。あってはならないモノが人に恐怖を与えることがある。 だったら誰かが力にならなくちゃいけない」 言葉を発するキラの目に宿るのは悔恨の情。知る者を、大切な人を守ることも出来ずに死なせてしまったという後悔。 そこに込められた想いを感じ取り、一瞬ロジャーの口は重くなった。しかし、だからといって反論をしないわけにはいかない。 「ならば聞かせてもらう。君の言う力とは武力のことか? それとも暴力のことか?」 「それは……」 キラの目が泳ぐ。しかし、それも一瞬。直ぐに目の光を強くなり、真っ直ぐにキラが答える。 「武力です。誰かの為に盾になる。誰かの為に犠牲になる。人を守るための力が必要です」 少年の言葉と態度、その両方にロジャーは人知れず感嘆の溜息を吐いた。 キラの考えは誤ってはいない。どちらかと言うとリリーナの考えよりも自分の考えに近いと思うことも出来る。 ネゴシエイションに値しない者には鉄の拳を、それはロジャーの信念でもあった。 だが、ロジャーは交渉人――ネゴシエイターである。 つまるところの代理人。彼女の願いを優先するのは仕事でもあり、また志半ばで散っていったものに対する人情でもあった。 それに力は武力だけではない。そのことを誰よりも知り、また信じているのも彼自身である。 「なるほど君の答えは間違えではないだろう。だが、あくまで間違いではないというだけに過ぎない。 武力と暴力は紙一重。 心ない者が持てば武力は暴力に変わる。また心ある者も時に道を踏み外す。それに、力が人の道を踏み外させることも多い」 そこで言葉を区切ったロジャーは悩む。言うべきか、言わぬべきか。 出来れば言いたくはない。言えば論戦には勝てるかもしれないが、この少年の心に傷をつくることになる。 だが言わねばなるまい、とロジャーは胎に力を込める。 「現に、君は一度道を踏み外した」 「どういうことです?」 「前の戦闘。そこで私は仲間を失った。この戦艦と争っていた戦艦ダイに乗っていたのは、まだ二十歳そこそこの女性だ。 彼女もリリーナ嬢の話を聞いたときに言っていたよ。大切なものを守るために武器を手に取った人達に武器を捨てろとは言えない、と。 不幸な要素が多々あったことは紛れもない事実だ。だが、君が手にした力は君と同じ想いを抱いたものを討った」 その言葉にキラはサッと蒼ざめ、うつむくようにして押し黙った。 結論から言えば、そのことを口走ったのはロジャーの失言であった。 リリーナは死んだ。ユリカも恐らくは死んでいる。その二人の死を意味のないものにしてはならない。 そういった想いが、ロジャーの言葉を知らず知らずのうちに固くきついものに変えている。 語調に責めるような響きが無意識のうちに込められていたのだ。 最後に諭すように「だが、力は武力だけではない。言葉に力が宿ることもある。私はリリーナ嬢の言葉に動かされここにいる」と付け加えられた言葉は、しかし、キラに跳ね除けられることになる。 人は攻められると咄嗟に自分を守ろうという本能が働く。それは言葉でも変わらず、心理的に追い込まれたキラは逆に牙をむいた。 「あなたたちはどうなんですか? 武力を行使するべきではないと言いながらあんなものに乗っている。矛盾してるじゃないですか! ソシエが砲撃を浴びた。足を折られた。ダイは人々に恐怖を与えるあってはならないものと考えてしまうのは当然でしょ?」 「……っ!」 一瞬、ロジャーが言葉に詰まる。リリーナの掲げる完全平和主義と自身の行動の矛盾。 それはロジャー自身が自覚していることでもある。だからこそ彼はここで意固地になった。 「ユリカ嬢が砲撃を加えたのには幾つかの不幸な間違いがある。それを許せとは言わない。 だが、君達もまたもう少し冷静に対処するべきだったと私は思っている」 「それは互いに言えることです。それに、前半の返答はないんですか?」 「君の言うとおりだ。私自身、武力を保持している。だが、私はそれに頼ってはいない。 君達の前で機体から降り、交渉に赴くということもしてみせた。 交渉ごとに武力は必要ない。銃を右手に仲良くしましょうと言われて信じる人はいない」 そして、熱を孕んだ両者の頭は留まるところを知らずヒートアップしていき、議論が互いの牽制へと姿を変え始めた頃、スパーン、と二度小気味の良い音が鳴った。同時に怒声が飛ぶ。 「二人とも、いい加減にしなさーい!!」 ロジャーとキラ、二人が振り向くとそこにはどこから取り出したのかハリセン片手に仁王立ちしているソシエの姿があった。 心なし背後がメラメラと燃えているような気がする。 やや圧倒されながらも互いに『こいつが悪い』と抗弁しようとした二人を「うるさいっ!」と大声で一括。 悪さをした兄弟を叱る肝っ玉母ちゃんの図式が瞬く間に出来上がる。とそこへトモロが割って入った。 「小さすぎて内容は定かではないが、外部から微かな声を拾った。どうする?」 Jアークは戦闘終了後から禁止エリアであるD-4を避けながらも北上を続けていた。 そして現在、E-3の一方向だけ扇状に欠けた円形とでも言うべきクレーターの上空にいる。 そのクレーターの内部に粉々に砕けた一つの機体があり、人影はない。 「トモロ、降りてみよう。人が生きているのかもしれない」 「あそこに何か埋めたような後があるわ」 「トモロ、感知した声をこちらに回せるか?」 「可能だ」 三人が口々に勝手なことを口走り、Jアークが降下を始める。暫くして、艦内に拾った音が流れ始めた。 弱く小さいながらも微かに何かが耳に届く。高い音域を行き来し旋律するその調べはまるで―― 「何これ? 歌みたい」 【キラ・ヤマト 搭乗機体:Jアーク(勇者王ガオガイガー) パイロット状態:ジョナサンへの不信 機体状態:ジェイダーへの変形は可能?各部に損傷多数、EN・弾薬共に30% 反応弾を所持。 現在位置:E-3ラクスの墓上空 第一行動方針:? 第二行動方針:このゲームに乗っていない人たちを集める 最終行動方針:ノイ=レジセイアの撃破、そして脱出】 備考:Jアークは補給ポイントでの補給不可、毎時当たり若干回復。】 【ソシエ・ハイム 搭乗機体:無し パイロット状況:右足を骨折、気力回復 機体状況:無し 現在位置:E-3ラクスの墓上空 第一行動方針:歌? 第二行動方針:新しい機体が欲しい 第三行動方針:仲間を集める 最終行動方針:主催者を倒す 備考:右足は応急手当済み】 【ロジャー・スミス 搭乗機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童) パイロット状態:肋骨数か所骨折、全身に打撲多数 機体状態:左腕喪失、右の角喪失、右足にダメージ(タービン回転不可能) 側面モニターにヒビ、EN70% 現在位置:E-3ラクスの墓上空(凰牙はJアーク甲板) 第一行動方針:Jアークと交渉 第二行動方針:ゲームに乗っていない参加者を集める 第三行動方針:首輪解除に対して動き始める 第四行動方針:ノイ・レジセイアの情報を集める 最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉) 備考1:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能 備考2:念のためハイパーデンドー電池四本(補給二回分)携帯 備考3:ワイヤーフック内臓の腕時計型通信機を所持】 【二日目4:00】 BACK NEXT これから 投下順 『未知』と『道』 『未知』と『道』 時系列順 Withdrawal Symptoms BACK NEXT ・――言葉には力を与える能がある キラ 張り詰めすぎた少年 ・――言葉には力を与える能がある ソシエ 張り詰めすぎた少年 ・――言葉には力を与える能がある ロジャー 張り詰めすぎた少年
https://w.atwiki.jp/k2727324602/pages/509.html
2010~14年の巨大ロボットアニメ作品。 2010年5月以降鑑賞中(鑑賞済…「★」付)の作品を掲載。 ※◆付太字:メインページを設置した作品 ※タイトルは「巨大ロボットアニメ」ですが、戦闘機・戦艦・宇宙船・潜水艦等、メカが活躍するSFアニメ作品を含みます(選定基準は管理人裁量)。 ※以下、「各種データ」に関する注意。 →制作/「主たる」アニメーション「制作」「法人」を記載し、個人、『製作(企画・出資した個人・法人)』は除く(ただし、正直分類は曖昧…) →原作/(案):原案 →監督/(演):演出で、監督に準ずる役割にある人 (総):総監督、(SD):シリーズディレクター、(CD):チーフディレクター →脚本/(シ):シリーズ構成 →(協):協力、青字:法人 (参考)他の年次 →巨大ロボットアニメリスト <2010年> 作品 媒体 始期 終了 各種データ カテゴリ ◆機動戦士ガンダムUC(小説原作) 劇場版&OVA 2010年3月12日. ~続刊中!(全6話予定). 制作サンライズ原作矢立肇、富野由悠季、福井晴敏監督古橋一浩脚本むとうやすゆき ・巨大ロボ視聴中! ◆HEROMAN TV・アニメ 2010年4月1日. 2010年9月23日(全26話) 制作BONES原作スタン・リー監督難波日登志脚本大和屋暁(シ)、清水恵 ★巨大ロボ ◆ブレイクブレイド(漫画原作) 劇場版・アニメ 2010年5月29日. 2011年3月26日(全6話) 制作Production I.G、XEBEC原作吉永裕ノ介監督アミノテツロ(総)、羽原信義脚本十川誠志 ★巨大ロボ 劇場版 機動戦士ガンダム00-A wakening of the Trailblazer-(→機動戦士ガンダム00) 劇場版・アニメ 2010年9月18日 - 制作サンライズ原作矢立肇、富野由悠季監督水島精二脚本黒田洋介 ★巨大ロボ ◆スーパーロボット大戦OGジ・インスペクター TV・アニメ 2010年10月1日. 2011年4月1日(全26話) 制作旭プロダクション原作SRプロデュースチーム監督大張正己脚本竹田裕一郎(シ)、八房龍之助(シ) ★巨大ロボ ◆STAR DRIVER 輝きのタクト TV・アニメ 2010年10月3日. 2011年4月3日(全25話) 制作BONES原作BONES監督五十嵐卓哉脚本榎戸洋司(シ) ★巨大ロボ スパロボ無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ /ゲーム(NDS)/2010年2月25日 スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL /ゲーム(NDS)/2010年5月27日 スーパーロボット大戦L /ゲーム(NDS)/2010年11月25日 <2011年> 作品 媒体 始期 終了 各種データ カテゴリ ◆マジンカイザーSKL OVA. 2011年1月28日. 2011年4月7日(全3話) 制作アクタス原作永井豪監督川越淳脚本早川正 ★巨大ロボ 劇場版 マクロスF 恋離飛翼サヨナラノツバサ(→マクロスF) 劇場版・アニメ 2011年2月26日 - 制作サテライト原作河森正治、スタジオぬえ監督河森正治(総)、菊地康仁脚本吉野宏幸 ★巨大ロボ ◆機動戦士ガンダムAGE TV・アニメ 2011年10月9日 ~放映中! 制作サンライズ原作矢立肇、富野由悠季監督山口晋脚本日野晃博(シ) ・巨大ロボ視聴中! スパロボ第2次スーパーロボット大戦 /ゲームアーカイブス/2011年1月26日 第3次スーパーロボット大戦 /ゲームアーカイブス/2011年1月26日 スーパーロボット大戦EX /ゲームアーカイブス/2011年1月26日 第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇 /ゲーム(PSP)/2011年4月14日 第4次スーパーロボット大戦S /ゲームアーカイブス/2011年7月6日 新スーパーロボット大戦 /ゲームアーカイブス/2011年7月6日 スーパーロボット大戦F /ゲームアーカイブス/2011年11月9日 スーパーロボット大戦F完結編 /ゲームアーカイブス/2011年11月9日 <2012年> 作品 媒体 始期 終了 各種データ カテゴリ ◆モーレツ宇宙海賊(小説原作) TV・アニメ 2012年1月7日 ~放映中! 制作サテライト原作笹本祐一監督佐藤竜雄脚本佐藤竜雄(シ) ・宇宙船視聴中! ◆輪廻のラグランジェ TV・アニメ 2012年1月8日 2012年3月25日(全12話) 制作XEBEC原作Production I.G監督佐藤竜雄(総)、鈴木利正脚本菅正太郎(シ) ★巨大ロボ ◆アクエリオンEVOL TV・アニメ 2012年1月8日 ~放映中! 制作サテライト、エイトビット原作河森正治、サテライト監督河森正治(総)、山本裕介脚本岡田麿里(シ) ・巨大ロボ視聴中! ◆エウレカセブンAO TV・アニメ 2012年4月13日 ~放映中! 制作BONES原作BONES監督京田知己脚本中島かずき ・巨大ロボ視聴中! スパロボスーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神Ⅱ REVELATION OF EVIL GOD /ゲーム(PSP)/2012年1月12日 第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇 /ゲーム(PSP)/2012年4月5日
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/202.html
死亡者名鑑 第一回放送までの死亡者名鑑 第二回放送までの死亡者名鑑
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/347.html
王の下に駒は集まる ◆VvWRRU0SzU ユーゼス・ゴッツォは合理的な人物である。 信じるものは数字、実績、記録といった目に見えて確かなものだけ。 愛や友情、気合や根性といった精神的な言葉がもたらすこのなど何一つないと考えている。 その男からすれば、今目前で繰り広げられている茶番はまったく持って不可解、不条理、不愉快なものだった。 (理解できん……やつらは状況が分かっているのか? 殺し合いの真っただ中で、人目も憚らず無防備に抱き合うなどと) 飛び去る二機を発見しアキトと別れて以降、彼らの追跡を続けたユーゼス。 起伏に富んだ草原の一角にラーゼフォンの巨体を隠し、彼が見ているのは一組の恋人たち。 何を思ったか機体を降りて悠長に睦言を交わしているようだった。 ユーゼスとしては現状の戦闘力が些か盤石でないこともあり、接触は慎重に慎重を重ねた上で行うつもりだった。 しかし、この様子では―― 青い騎士のような機体と、20m前後の白い機体。ともに少年と少女からは均等に20m程の位置だ。 ふわり、とラーゼフォンが舞う。遮るもののない草原でこの巨体を晒せばすぐに発見されるだろう。 拡大したモニターの中で少年がこちらに気付く。だが抱き合ったその体勢から瞬時に反応できるはずもなく。 滑空の勢いのまま、ラーゼフォンを青い騎士へと激突させる。 ラーゼフォンより一回り小さいその機体は軽々と吹き飛んだ。土埃を上げて停止したその距離は実に100mは空いた。 ユーゼスはその様子に目もくれず、白い機体へとラーゼフォンを旋回させた。 自身の半分ほどのその機体を抱え上げ――介入から僅か数秒で無力化に成功した。 通信回線をオープンに。眼下で愕然としている少年少女に向ける言葉を探す。と、 「その機体、あ、あんたは……生きてたのか!? 生きてて――くれたのか!」 少年が体を震わせながら叫んできた。傍らの少女は彼の腕に縋りついている。 生きていてくれた――その言葉の対象はラーゼフォンに乗っていたあの遺体のことだろう。 アキトはこの少年が下手人だと言っていた。なら、自分が殺した相手のことを心配していた、ということになる。 少年の狼狽する様子。 どうせ確たる覚悟もないまま殺人へと及び、その罪を認めたくないから生きていてくれて嬉しい、というところか。 少年の良心を満足させるため芝居を打ってやるか――だが、あの遺体は骨格からして女性だった。 自分の野太い声ではさすがに気付かれるだろう。嘆息して、一つ息を吸う。 「少年、残念だが君の願いは叶わない。この機体に乗っていたパイロットは確かに死亡していた」 少年が、ビクリと震えた。正体不明の人物の声に加え、罪から逃げることはできないと改めて突き付けられたからだろう。 そんな少年を庇うように赤毛の少女が前に出た。 「アンタは一体誰!? アタシ達に何の用があるのよ!」 「用も何も、私達が行っているのは殺し合いだ。つまりは、そう」 ラーゼフォンの片足を持ち上げ、彼らの目と鼻の先へ踏み下ろす。轟音。一拍、足を引き上げるとそこには深い足跡が刻み込まれていた。 彼らは引きつったような顔で見上げてきた。堪らない――その顔だ。弱者を蹂躙する愉悦。 「己の立場はわかったかね? 質問するのは私の方だ。君らは黙って従えばいい」 「誰がアンタの言うことなんか……!」 「情報交換は一人いれば事は足りる。恋人を引き裂くのは忍びないが……どうするね?」 「ッ……!」 「待て、テニア。ここは俺が話す」 少し落ち着いたらしい少年が少女を背中へと隠す。 睨みつけてくるその顔は中々に精悍で、まさしく姫を守る騎士といったところ。 「で、何が聞きたいんだ。俺達が知ってることはそう多くないぞ」 「ふむ……ではまず、君達の名前と関係から聞こうか。まあ、後者については聞くまでもないかもしれんが」 「……俺は紫雲統夜、彼女はフェステニア・ミューズ。俺は、俺達は……二人で生き残るんだ」 「二人で、ね。この戦いのルールを聞いていたかね?」 「知ってる。でも、生き残るためにテニアを殺すことなんて……俺には、もうできない」 「あ、アタシもだよ!」 「具体的にどうするつもりだ? 主催者は勝ち残った一人を求めているのだぞ」 「それは……だから、主催者を倒すとか、ここから逃げるとか。とにかく、優勝って道はもう選ばない」 「ではもし、君らが襲撃されたらどうする? この場合は私だが、たとえばその少女を殺したら、君はどうするのだ?」 「――決まってる。どんな手を使ってもアンタを殺してやる」 絶対的不利な状況でもそう告げた少年の目には怯えはない。 少女は僅かに涙ぐんだ――この分では彼女も少年と同じだろう。 互いが互いを必要とし、それだけで完結する関係。 ユーゼスは思案する。 今己に必要なもの――ナデシコの設備、未知の技術、AI1を進化させる膨大なエネルギー、そして王を守る駒。 アキトは強力かつ貴重なカードだが、扱い辛い。もっと手軽に、いつでも切り捨てられる手札が欲しい。 その点、彼らは。 生還を目的とし、強固な絆で結ばれた二人。 必ずしも戦う訳ではないが、一番に優先するのはお互いの命。かかる火の粉を払うことに躊躇いはない。 条件は十分だ。 「統夜――と、呼ばせてもらうよ。君たちの決意はわかった。礼を失したようだが、私は君たちの力になれると思う」 「何だって……?」 「私は主催者に抗う仲間を求めている。君達がともに戦ってくれるのなら、無事に生還できることを約束する」 ラーゼフォンの手を掲げ、コクピットからそこへ乗り移る――信用させるためのポーズ。 少年達を見下ろす。自らの首輪を指でトントンと叩き、続いて引き千切るようなジェスチャーを加える。 「私は『これ』ができる方法を所持している。協力を得られるなら君達にも提供しよう」 目に見えて少年が動揺する。 二人で生き残る。その理想の着地点がどうあれ、首輪はネックにしかならない。 恐らく誘いに乗るかどうか、その脳裏で激しく議論が交わされているのだろう少年を尻目に少女が声を上げる。 「アンタを信用できるっていう根拠は? 裏切らないって保証はあるの?」 「ない。そもそも君達はお互いしか信用する気がないのだろう? そしてこれが肝要なのだが、私としては必ずしも君達である必要はないのだ。 この先誰かと出会えばその誰かにも同じ取引を持ちかける。恐らくこれができるのは生存者の中でも私だけだろう。 モノを考えられる相手ならば断られる確率は低い。つまり、君達が断るならば私はここを去るだけだ」 「見逃してくれる……気はあるの?」 「まさか。不確定要素はできるだけ排除しておきたい。君達がいつ優勝を狙いに回るかもわからんしな」 「じゃあ選択肢なんてないじゃない!」 「そんなことはない。生きる道を選ぶか、ここで死ぬか。その二つは選べるだろう」 押し黙る少女。 やれやれ、と嘆息する。アキトと合流するためにもあまり時間をかけたくはない。 二人の排除を真剣に検討し始めたところ、思案に耽っていた少年が顔を上げた。 「わかった。アンタの話に乗る」 「統夜!?」 「テニア、どのみち俺達は敵を作りすぎた。仲間は必要なんだ。 ガウルンとはいずれ戦うことになるだろうし、Jアークってやつらも多分そうだ。 最悪なのがナデシコだな。ガウルンが少しでも削っていてくれればいいんだけど……」 「ナデシコ? 待て、君達はナデシコと接触したのか?」 「接触したも何も、さっきまで戦ってたよ。今は仲間が……いや、『元』仲間が残って戦ってる」 つまり、アキトが向かった方にナデシコはいた。そこでは今戦っている。 出遅れた、と半々の確率を選んだ自分を悔やむ。ここからでは間に合うかどうか。 「統夜、その残っているやつの情報を教えろ。危険なやつか? 行動目的は?」 「え……ああ、危険って意味では多分集められたやつの中でもトップクラスだ。 ガウルンって名前で、傭兵って言ってたけど戦うことを楽しむようなやつだし。優勝狙いっていうか、戦いそのものが目的だと思う」 「ガウルン――チッ、まったく面倒な!」 その名は聞き覚えがある。薬の後遺症に苦しむアキトが何度もうわ言で呟いていた名だ――怨嗟とともに。 アキトの仇というのはそのガウルンのことなのだろう。そいつがナデシコを襲っている。 彼が間に合えばいいが、ある意味それは煮え滾る鍋にさらに爆薬を投げ込むようなものかもしれない。 ナデシコの重要性は認識しているだろうが、あの様子では殺意を制御する気などなさそうだ。 急行し、ナデシコから引き離さなければならない。 「統夜、済まないが話はまた後だ。ナデシコが墜ちれば先程の話も水泡に帰することになる」 「ナデシコを助けに行くのか? その……協力するとは言ったが、俺達は行けないぞ。 アンタを信用するのも、あそこにいるやつに会うのも、今はまだ早い」 「フン……まあ、いいだろう。では、そうだな――次の放送までにA-1の市街地で合流しよう」 「A-1だな、わかった。俺達は今から向かって待機しておく」 ラーゼフォンを飛行させ、だがふと気づく。丸腰で向かったところで大したことはできない。 青い騎士を見やる。ちょうど良いことに、中々の大剣を佩いている。 「統夜、剣を借りておく。次に会った時に返す」 言い捨て、倒れ伏す青い騎士の剣を強引に剥ぎ取った。 統夜が何か喚いている――だが今は聞いていられない。 五大剣をその左腕にしっかりと握り締め、ラーゼフォンは猛スピードで飛び去って行った。 騎士の象徴たる剣をを奪われ、憤慨する少年の罵声を聞き流しながら。 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メディウス・ロクス(+ラーゼフォン) パイロット状態:若干の疲れ 機体状態:全身の装甲に損傷(小)、両腕・両脚部欠落、EN残量80%、自己再生中 機体状態2:右腰から首の付け根にかけて欠落 断面にメディウス・ロクスのコクピットが接続 胴体ほぼ全面の装甲損傷 EN残量40% ヴァイサーガの五大剣を所持 現在位置:G-1 第一行動方針:ナデシコ、アキトと合流。危険人物(ガウルン)の排除 第二行動方針:ナデシコの捜索、アキトと合流、AI1のデータ解析を基に首輪を解除 第三行動方針:他参加者の機体からエネルギーを回収する 第四行動方針:サイバスターとの接触 第五行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 第六行動方針:キョウスケにわずかな期待。来てほしい? 第七行動方針:次の放送までにA-1に向かい統夜、テニアと合流 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考1:アインストに関する情報を手に入れました 備考2:首輪の残骸を所持(六割程度) 備考3:DG細胞のサンプルを所持 備考4:謎の薬(希釈されたDG細胞)を一錠所持 備考5:AI1を通してラーゼフォンを操縦しているため、光の剣・弓・盾・音障壁などあらゆる武装が使用不可能 備考6:ユーゼスに奏者の資格はないため真理の目は開かず、ボイスの使用は不可 備考7:ラーゼフォンのパーツ部分は自己修復不可】 【紫雲統夜 登場機体 ヴァイサーガ(スーパーロボット大戦A) パイロット状態:精神的に疲労 怒り 機体状態 左腕使用不可、シールド破棄、頭部角の一部破損、全身に損傷多数 EN80% 五大剣紛失 現在位置:H-1 第一行動方針:A-1に向かい待機。戦闘は避ける 第二行動方針:ユーゼスに協力。でも信用はしない 最終行動方針:テニアと生き残る】 【フェステニア・ミューズ 搭乗機体:ベルゲルミル(ウルズ機)(バンプレストオリジナル) パイロット状況:幸福 機体状況:左腕喪失、左脇腹に浅い抉れ(修復中) 、シックス・スレイヴ損失(修復中、2,3個は直ってるかも) EN60%、EN回復中、マニピュレーターに血が微かについている 現在位置:H-1 第一行動方針:統夜についていく 第二行動方針:ユーゼスに協力。不審な点があれば容赦しない 最終行動方針:統夜と生き残る 備考1:首輪を所持しています】 【二日目14 45】 BACK NEXT かくして漢は叫び、咆哮す 投下順 怒れる瞳 かくして漢は叫び、咆哮す 時系列順 怒れる瞳 BACK NEXT 驕りと、憎しみと ユーゼス 怒れる瞳 Stand by Me テニア 怒れる瞳 Stand by Me 統夜 怒れる瞳