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涼宮ハルヒの分裂 基礎データ 著:谷川流 口絵・イラスト・表紙:いとうのいぢ 口絵、本文デザイン:中デザイン事務所 初版発行年月日:平成19年(2007年)4月1日 本編290ページ 表紙絵:涼宮ハルヒ(付替えカバーも涼宮ハルヒ) タイトル色:赤色(付替えカバーは紫色、全体色も紫色) 初出:書き下ろし 初出順第26話 裏表紙のあらすじ紹介 桜の花咲く季節を迎え、涼宮ハルヒ率いるSOS団の面々が無事に進級を果たしたのは慶賀に堪えないと言えなくもない。だが爽やかなはずのこの時期に、なんで俺はこんな面子に囲まれてるんだろうな。顔なじみのひとりはいいとして、以前に遭遇した誘拐少女と敵意丸出しの未来野郎、そして正体不明の謎女。そいつらが突きつけてきた無理難題は、まあ要するに俺をのっぴきならない状況に追い込むものだったのさ。大人気シリーズ第9弾! 目次 プロローグ・・・Page5 第一章・・・Page101 第二章・・・Page155 第三章・・・Page219295ページに涼宮ハルヒの驚愕に続くとあり、上巻であることがわかる。 アニメ 全編未アニメ化 漫画 ツガノガク版(雑誌の発表号などの詳しい情報はツガノ版漫画時系列で) コミックス第16巻に収録第76話『涼宮ハルヒの分裂I』(原作P5-原作P70、最初から佐々木と会話するまで) 第77話『涼宮ハルヒの分裂II』(原作P70-原作P100、佐々木と会話している場面はプロローグ終了まで) コミックス第17巻に収録第78話『涼宮ハルヒの分裂III』(原作P101-原作P156、第1章から、第2章の風呂で謎の女性との電話をするところまで(α1)) 第79話『涼宮ハルヒの分裂IV』(原作P156-P169P、172-P173、P175-204、第2章の謎の女性との電話をするところから(α1)佐々木と電話する(β1)を経て古泉に電話をし(β2・3)橘・佐々木・藤原・九曜と会談し佐々木の閉鎖空間に入るまで(β4)) 第80話『涼宮ハルヒの分裂V』(原作P169-P172、P173-P175、P204-P235、P252-253、第2章佐々木の閉鎖空間の橘の会話から九曜VS喜緑さんを経て(β4)、古泉に電話をする・翌日は休日(α2・3・4)を経て月曜日まず長門に天蓋領域のことを聞き、キョンがハルヒから数学の小テストのヤマを教えてもらう場面を経て、SOS団部室に新入部員希望者が殺到している場面まで(α5) 第81話『涼宮ハルヒの分裂V』(原作P235-P251、P254-P295まで、第3章の新入部員希望者にハルヒが演説した場面(α6)を経てキョン中3時代の回想(夢):キョンと佐々木の雑談&目を覚ました後の国木田・谷口の雑談を経て部室に行き長門の不在に気づき長門のマンションへ全員へ向かうまで(β5・6) 第82話『涼宮ハルヒの驚愕I』(P294-P295、長門のマンションに向かう直前の古泉とキョンの会話(β6)) 登場キャラクター(原作のみ登場) キョン 涼宮ハルヒ 長門有希 朝比奈みくる 古泉一樹 鶴屋さん シャミセン 谷口 国木田 キョンの妹 コンピュータ研究部部長 生徒会長 喜緑江美里 佐々木 橘京子 藤原 周防九曜 『わたぁし』 あらすじ 後に繋がる伏線 刊行順 ←第8巻『涼宮ハルヒの憤慨』↑第9巻『涼宮ハルヒの分裂』↑第10巻『涼宮ハルヒの驚愕(前)』→
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基本情報表紙 タイトル色 その他 目次 裏表紙のあらすじ 出版社からのあらすじ 内容 あらすじ「プロローグ」 「第一章」 「第二章」 「第三章」 挿絵口絵 挿絵 登場人物 後に繋がる伏線「第二章」(伏線) 「第三章」(伏線) この巻にて回収した伏線「プロローグ」(回収した伏線) 「第一章」(回収した伏線) 「第二章」(回収した伏線) 刊行順 その他 基本情報 涼宮ハルヒシリーズ第9巻。2007年4月1日初版発行。 表紙 通常カバー…涼宮ハルヒ 付け替えカバー…涼宮ハルヒ 期間限定パノラマカバー…周防九曜、佐々木 タイトル色 通常カバー…赤 付け替えカバー…ピンク 期間限定パノラマカバー…ピンク その他 本編…290ページ 形式…長編・上中下巻(第10巻『驚愕(前)』は中巻、第11巻『驚愕(後)』は下巻にあたる) 目次 プロローグ…P.5 第一章…P.101 第二章…P.155 第三章…P.219 裏表紙のあらすじ 桜の花咲く季節を迎え、涼宮ハルヒ率いるSOS団の面々が無事に進級を果たしたのは慶賀に堪えないと言えなくもない。 だが爽やかなはずのこの時期に、なんで俺はこんな面子に囲まれてるんだろうな。 顔なじみのひとりはいいとして、以前に遭遇した誘拐少女と敵意丸出しの未来野郎、そして正体不明の謎女。 そいつらが突きつけてきた無理難題は、まあ要するに俺をのっぴきならない状況に追い込むものだったのさ。大人気シリーズ第9弾! 出版社からのあらすじ 春の訪れと共にSOS団全員が無事進級できたことは、何事もありすぎた一年間を振り返ってみると感慨深いとしか言いようがないのだが、 俺は思ってもみなかったよ。春休みの些細な出会いがあんな事件になろうとはね。 内容 P.295に『涼宮ハルヒの驚愕』に続くとあるため、シリーズ初の上下巻構成。今まで溜められた伏線が一気に回収され、新キャラが登場。波乱の新展開を迎える。 この巻ではキョンの中学時代の友人、「機関」の敵対組織代表者、みくるを敵対視する未来人、情報統合思念体とは違う広域帯宇宙存在によって作られた宇宙人が登場。 ※ネタバレ記述あり +... なお、この巻のタイトルになっている『分裂』は、ストーリー分裂という意味を指している。 あらすじ ※ネタバレ記述があるので、原作未読の場合は注意。 「プロローグ」 +... 春休みを終え、無事に全員進級を果たしたSOS団のメンバー。 ハルヒは新入生の中から、面白い人材を探し出そうと張り切っているが、どうも古泉の様子がおかしい。 聞けばハルヒの精神が不安定で、連日連夜神人狩りに奮闘しているのだという。 「ハルヒの精神が不安定? あんなに笑顔で楽しんでるじゃないか?」 不思議に思うキョン。古泉曰く、その原因を作ったのはキョンだという。 「春休みの最終日を覚えていますか?」 必死に思い返すキョン。春休みの最終日、キョンはある人物と再会していた。その人物は…… 「第一章」 +... 古泉は、ハルヒの精神は未だ不安定で、現状に変化はないらしい。 古泉がこう発言した次の日の土曜日の朝、キョンは駅前で再び佐々木と再会するが、そこにいたのは佐々木だけではなかった…… 「第二章」 +... ※ストーリー分裂 『α』(α-1~4) 入浴中、キョン宛に電話がかかる。 電話の相手は女の声。キョンは「イントネーションが誰かに似ていた」と思っており、電話相手の名前を聞こうとしたが、その相手は名を言わぬまま電話を切ってしまった…… 『β』(β-1~4) 入浴中、キョン宛に電話がかかる。 電話の相手は佐々木で、橘京子らがキョンに話があるらしい。 次の日曜日、いつもの喫茶店で橘京子が口にした言葉。 「あたしたちは涼宮ハルヒさんではなく、この佐々木さんこそが本当の神的存在なのだと考えています」 訊けば、橘京子は「佐々木に力を与えられた超能力者」であるとの事。ハルヒの持っている力を佐々木に移植したいと考えているが、 佐々木もキョンも力を得ることに否定的で、藤原と九曜も乗り気ではなかった。 だが、佐々木が神的存在であることを証明しようと、橘はキョンをとある場所に案内するのだが…… 「第三章」 +... 『α』(α-5~6) 月曜日の放課後、キョンは数学の小テストがあるのを忘れていた。それを聞いたハルヒは講義を開く。 終了後、キョンとともに部室の前に行くと、廊下には入団希望者である一年生達が11人並んでいた。 だが、一年生達の人数が11人だったはずが、いつの間にか12人になっており、女子1名増えていた。 キョンは、その中の女子1名に既視感を覚えるのだが…… 『β』(β-5~6) 月曜日の放課後、いつも通りキョンは部室に行く。そこにいたのはみくるだけだった。 入団希望者は一人も来ず、しばらくしてSOS団は全員揃った……はずだったのだが、長門が来ていないことにハルヒとキョンは同時に気付く。 ハルヒは長門の家に電話をかけるが、長門は熱を出して学校を休んだらしい。 「彼等の侵攻が再開されたんですよ。情報統合思念体ではない地球外知性のね。当然、第一次的な攻撃目標はSOS団最大の防御壁となる長門さんです」 古泉の解説によると、長門は広域帯宇宙存在(天蓋領域)の攻撃によってこのような状態であるらしい。 熱を出して寝込んでいると知ったハルヒ達は長門のマンションへと向かう…… 挿絵 口絵 SOS団(プロローグ) ⇒ キョン、長門有希、古泉一樹(プロローグ) ⇒ 佐々木、橘京子、周防九曜(第一章) ⇒ 涼宮ハルヒ、長門有希、朝比奈みくる ⇒ 挿絵 「プロローグ」 P.37…キョン、コンピュータ研究部部長 ⇒ P.87…キョン、佐々木 ⇒ 「第一章」 P.117…長門有希、鶴屋さん ⇒ P.143…朝比奈みくる ⇒ 「第二章」 P.161…キョン、佐々木 ⇒ P.183…藤原 ⇒ P.213…喜緑江美里、周防九曜 ⇒ 「第三章」 P.231…涼宮ハルヒ、キョン ⇒ P.281…涼宮ハルヒ、朝比奈みくる ⇒ 登場人物 涼宮ハルヒ キョン 長門有希 朝比奈みくる 古泉一樹 鶴屋さん シャミセン 谷口 国木田 キョンの妹 コンピュータ研究部部長 生徒会長 喜緑江美里 佐々木 橘京子 藤原 周防九曜 『わたぁし』 後に繋がる伏線 「第二章」(伏線) 『α』ルート・電話相手の謎の少女の正体 ⇒第10巻『驚愕(前)』にて回収 『β』ルート・藤原の目的 ⇒第11巻『驚愕(後)』にて回収 『β』ルート・佐々木&藤原の話の内容 ⇒第10巻『驚愕(前)』にて回収 「第三章」(伏線) 『β』ルート・キョンの中学時代の夢の内容 ⇒未回収 『β』ルート・天蓋領域(九曜)の目的 ⇒第10巻『驚愕(前)』、第11巻『驚愕(後)』にて回収 この巻にて回収した伏線 「プロローグ」(回収した伏線) 国木田曰く「変な女」、中河曰く「奇妙な女」、古泉曰く「中学時代に仲良くしていた女子」という人物 ⇒佐々木 「第一章」(回収した伏線) 第5巻『暴走』収録の「雪山症候群」にて、SOS団を異空間に閉じ込めた犯人 ⇒周防九曜 「第二章」(回収した伏線) 『β』ルート・第7巻『陰謀』にて、敵対組織の登場・目的 ⇒「機関」の敵対組織は、佐々木にハルヒの持つ能力を移植すること 刊行順 <第8巻『涼宮ハルヒの憤慨』|第10巻『涼宮ハルヒの驚愕(前)』> その他 余談だが、この巻からいとうのいぢの口絵・挿絵のクオリティが一気に上がっている。
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涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫) シリーズ第九弾。初の前後編となるのだが、本稿執筆現在で次作「驚愕」のリリース予定は未定である(笑)。と、言うわけで、前後編通して読まないとどうなるのかさっぱり想像も付かないのだが、一つ言えるのは「みんな進級しました」と言うことだろうか。そして、ここで初めて明確な形でSOS団と対を為す関係の勢力が発生する。彼らがどんな形で今後SOS団と絡んで行くのか非常に気になるところだが、この項は「驚愕」リリース後に改稿する予定である。 関連ブログ #blogsearch
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γ-1 「もしもし」 山びこのように返ってきたその声は、ハルヒだった。 ハルヒが殊勝にも、「もしもし」なんていうのは珍しいな。 「あんた、風呂入ってるの?」 「ああ、そうだ。エロい想像なんかすんなよ」 「誰もそんな気色悪いことなんかしないわよ!」 「で、何の用だ?」 「あのさ……」 ハルヒは、ためらうように沈黙した。 いつも一方的に用件を言いつけるハルヒらしからぬ態度だ。 「……明日、暇?」 「ああ、特に何の予定もないが」 「じゃあ、いつものところに、9時に集合! 遅れたら罰金!」 ハルヒは、そう叫ぶと一方的に電話を切った。いつものハルヒだ。 さっきの間はいったいなんだったんだろうな? 俺はそれから2分ほど湯船につかってから、風呂を出た。 γ-2 寝巻きを着て部屋に入り、ベッドの上でシャミセンが枕にしていた携帯電話を取り上げてダイヤルする。 相手が出てくるまで、10秒ほどの時間がたった。 「古泉です。ああ、あなたですか。何の御用です?」 俺の用件ぐらい、察してると思ったんだがな。とぼけてるのか? 「今日のあいつら、ありゃ何者だ?」 「そのことなら、長門さんに訊いた方が早いでしょう。僕が話せるのは、橘京子を名乗る人物についてぐらいです」 「それでかまわん」 「彼女は、『機関』の敵対組織の幹部といったところですよ。まあ、敵対とはいっても血みどろの抗争を繰り広げているというわけでもないですが」 「なら、どんなふうに敵対してるってんだ?」 「彼女たちも僕たちも、そうは変わらないんですよ。似たような思想のもとで動いてますが、解釈が違うといいますかね。まあ、幸い、彼女はまだ話が通じる方です。組織の中では穏健派寄りのようですからね。あの朝比奈さん誘拐事件も、彼女の本意ではなかったと思いますよ」 ほう。お前が弁護に回るとはな。 「それはともかくとして、橘京子の動きは僕たちがおさえます。別口の未来人の方は、朝比奈さんに何とかしてもらいましょう」 まあな。朝比奈さん(大)だって、あのいけ好かない野郎に好き勝手させるつもりはないだろう。 「問題は、情報統合思念体製ではない人型端末です。何を考えてるのか、全く読めません。長門さんの手に余るようなことがあれば、厳しい状況ですね」 「長門だけに負担をかけるようなことはしないさ。俺たちでも何かできることはあるだろ」 「僕もできる限りのことはしますよ。でも、万能に近い宇宙存在に比べると、我々はどうしても不利です。こればかりは、いかんともしがたい」 それを覆す切り札がないわけではないがな。 だが、それは諸刃の刃だ。 「ところで、おまえのところにハルヒから連絡がなかったか?」 「いえ、何もありませんでしたが、何か?」 「いや、明日の朝9時に集合って一方的に通告されたんだが」 古泉のところに連絡がないとすれば、どうやら、明日ハルヒのもとに召喚されるのは、俺だけらしいな。 「ほう。デートのお誘いですか? これはこれは。羨ましい限りですね」 「んなわけないだろ。どうせ、俺をこき使うような企みがあるに違いないぜ」 「涼宮さんも、佐々木さんとの遭遇で、気持ちに変化が生じたのかもしれませんよ。奇妙な閉鎖空間については、先日お話ししたかと思いますが」 「あのハルヒに限って、それはありえんね」 「修羅場にならないことを祈りますよ。僕のアルバイトがさらに忙しくなるようなことは避けてほしいですね」 「勝手に言ってろ」 古泉との電話はそれで打ち切られた。 次は、長門だ。 今度は、ワンコールで出た。 「…………」 「俺だ。今日会ったあの宇宙人なんだが」 「彼女は、広域帯宇宙存在の端末機」 即答だった。 「俺たちを雪山で凍死させようとしやがった奴ってことで合ってるか?」 「そう」 「あの宇宙人とは、何らかの意思疎通はできたのか?」 「思考プロセスにアクセスできなかった。彼女の行動原理は不明」 「広域帯宇宙存在とやらの考えも分からんか」 「情報統合思念体は彼らの解析に全力を尽くしているが、成果は出ていない」 「そうか」 このあと、長門は、淡々とした口調でこう告げてきた。 「私は、情報統合思念体から、最大限の警戒態勢をとるよう命じられた」 長門の抑揚のない声が、異様なまでに重く感じられた。 γ-3 ハルヒにこき使われるに違いない明日に備えて寝ようとしたところを、妹が襲撃してきやがった。 しぶしぶ、妹の宿題につきあうこと1時間。 シャミセンと戯れ始めた妹を、シャミセンごと追い出すと、俺はようやく眠りについた。 γ-4 翌、日曜日。 妹のボディプレスで起こされた俺は、朝飯を食って、家を出た。 「遅い! 罰金!」 もはや規定事項となった団長殿の宣告も、今日ばかりは耳に入らなかった。 なぜなら、ハルヒの隣に意外な人物が立っていたからだ。 「なんで、おまえがここにいるんだ?」 ハルヒの隣には、佐々木の姿があった。 「酷いな、キョン。僕がここにいるのがそんなに不思議かい? まあ、驚くのは無理もないが、そんなに驚くことはないじゃないか。昨日、涼宮さんに電話で提案してみたのだよ。昨日会ったのも何か縁だろうから、いろいろと話し合いたいとね」 「あたしも聞きたいことがいろいろとあるし、快諾したってわけ」 ハルヒ。佐々木がお前の電話番号を知っていることを不思議に思わなかったのか? まあ、橘京子あたりが調べて佐々木に教えたんだろうけどな。 「事情は分かった。だが、なんで俺まで一緒なんだ? 話し合いたいことがあるなら、二人で話し合えばいいことだろ?」 「キョン、君は相変わらずだね。この調子じゃ、涼宮さんもだいぶ苦労してるんじゃないかな」 待て。なんでそんなセリフが出てくるんだ? この唯我独尊団長様に苦労させられてるのは、俺の方だぜ。 「フン。いつものところに行くわよ!」 なぜか不機嫌になったハルヒの号令のもと、俺たちはいつもの喫茶店に向かった。 ハルヒは、俺の財政事情には何の考慮も払わず、ガンガン注文を出しまくった。 話し合いというのは、何のことはない。 俺の中学時代と高校時代のことを互いに話すというものだった。 まずは、ハルヒが、佐々木に、高校時代の俺のことについて話した。 なんというか、話を聞いているうちに、俺は自分で自分をほめたくなってきたね。ハルヒにあれだけさんざん振り回されてきても、自我を保持している自分という存在を。 「キョン。君は、実に充実した学生生活を送っているようだね」 それが佐々木の感想だった。 なんだかんだいっても、充実していたというのは事実だろう。 だが、俺はこう答えた。 「ただ単にこき使われてるだけだ」 「くっくっ。まあ、そういうことにしておこうか」 次は、佐々木が、ハルヒに、中学時代の俺のことについて話した。 話を聞いているうちに、ハルヒの顔がどんどん不機嫌になっていく。 聞き終わったハルヒは、不機嫌な顔のままで、こう質問してきた。 「ふーん。で、二人はどういう関係だったわけ?」 「友人よ」 さらりとそういった佐々木を、ハルヒはじっとにらんでいた。 「あのなぁ、ハルヒ。確かに誤解する奴はごまんといたが、俺たちは友人だったんだ。やましいことなんて何もないぜ」 「友人以上ではなかったってこと?」 「それは違うわよ、涼宮さん。正確には、友人『以外』ではありえなかったというべきね。少なくても、キョンにとってはそうだったはず」 どこが違うんだ? 俺のその疑問には、誰も答えてはくれなかった。 「はぁ……」 ハルヒは、大げさに溜息をつきやがった。 「あんたが嘘をついてるなんて思わないわよ。でも、嘘じゃないなら、なおのこと呆れ果てるしかないわね。あんた、そのうち背中からナイフで刺されるわよ」 おいおい、物騒なこというなよ。 ナイフで刺されるのは、朝倉の件だけで充分だ。 「僕も同感だね」 佐々木まで賛同しやがった。 俺がいったい何をしたってんだ? 茶店代は当然のごとく俺の払いとなった。 総務省に俺を財政再建団体の指定するよう申請したい気分だ。俺の懐具合が再建するまでには、20年はかかるだろうね。 そのあと、三人で不思議探索となった。 傍から見れば、両手に花とでもいうべきなんだろうが、この二人じゃ、そんな風情じゃないわな。 そういえば、ハルヒとペアになるのは、あの日以来か。 結局のところ、俺はハルヒにさんざん振り回され、佐々木の小難しいセリフを聞き流しながら、一日をすごすハメになった。ついでにいうと、昼飯までおごらされた。 そして、駅前での別れ際。 俺がふと振り返ると、ハルヒと佐々木は二人でまだ何か話していた。 何を話しているかは聞こえなかった。 知りたいとも思わなかった。この時には。 γ-5 月曜日、朝。 昨日の疲れがとれず、俺は重い足取りで、あのハイキングコースを這い上がった。 学校に着いたころにはずっしりと疲れてしまい、早くも帰りたくなってきた。そんなことは、俺の後ろの席に陣取る団長様が許してくれるわけもないが。 ハルヒは、微妙にそわそわした感じだった。 また、何か企んでいるのだろうか? 俺が疲れるようなことでなければいいのだが。 疑問には思ったが、疲れた体がそれ以上考えることを拒否し、俺は午前中の授業のほとんどを睡眠という体力回復行為に費やした。 寝ている間に、何か長い夢を見たような気がしたのだが、目が覚めたときにはきれいさっぱり忘れていた。 昼休み。 なぜかハルヒが俺の前の席に陣取り、椅子をこちらに向けてドカッと座った。 俺の机の上に、弁当箱を置く。 「今日は弁当なのか?」 「そうよ。そんな気分だったから」 机の上には、俺の弁当箱とハルヒの弁当箱が並んでいる。 こうして、二人で向かい合って、弁当を食うハメとなった。 なにやら誤解を受けそうな光景だ。実際、クラスのうち何人かがこちらをちらちら見ながら、こそこそと話をしている。 ハルヒは、相変わらず健啖ぶりで、弁当を平らげていた。 「その唐揚げ、おいしそうね」 ハルヒは、そういうや否や、俺の弁当箱から、唐揚げを取り上げ、食いやがった。 「ひとのもん勝手にとるな」 「うっさいわね。しょうがないから、これをやるわよ」 ハルヒは、自分の弁当箱から玉子焼きを箸でつまむと、そのまま俺の口に突っ込んだ。 「むぐ」 クラスの女子から、キャーというささやき声が聞こえる。 とんだ羞恥プレイだな。 こりゃいったい何の罰ゲームだ? 「感想は?」 ハルヒが、挑むような目つきで訊いてきた。 「うまい」 実際、それはうまかった。 「当たり前でしょ! 団長様の手作りなんだからね!」 そういいながら、ハルヒの顔は上機嫌そのものだった。 だがな、ハルヒよ。 いくらお前が鋼の神経をしているとはいえ、こういう誤解を受けかねないような行為は避けるべきだと思うぞ。 まあ、誤解する奴はいくら説明してやったってその誤解を解くようなことはないんだけどな。 俺が中学3年生時代の経験で学んだことといえば、それぐらいのものだ。 その日の放課後、俺とハルヒはホームルームを終えた担任岡部が教卓を降りると同時に席をたち、とっとと教室を後にした。 いつものように部室に行くのかと思いきや、 「キョン、先に行っててくんない? あたしはちょっと寄るところがあるから」 ハルヒは鞄を肩掛けすると、投擲されたカーリングの石よりも滑らかな足取りで走り去った。 はて、何を企んでるんだろうね? そういや、あいつは、朝から妙にそわそわした感じだったな。 まあ、考えても仕方がないので、俺はそのまま部室に向かった。 γ-6 部室に入ると、既に長門と朝比奈さんと古泉がそろっていた。 「涼宮さんは?」 古泉がそう訊いてきたので、答えてやった。 「授業が終わったとたんにどっかにすっ飛んでいきやがったぜ」 「そうですか。何かサプライズな出来事を持ってきてくれるかもしれませんね」 「世界が終わるようなサプライズは勘弁してほしいぜ」 「まあ、それはないでしょう」 そこに、SOS団の聖天使兼妖精兼女神様である朝比奈さんがお茶を出してくれた。 「どうぞ」 「ありがとうございます」 「ところで、昨日はどうだったんですか?」 古泉がにやけ顔で訊いてきやがった。 いつもだったら無視しているところだが、あの佐々木の周りにはSOS団と敵対している超常野郎が集まっている。一応、古泉の見解も聞いてみたかった。 俺は昨日の出来事をはしょりながら説明してやった。 「おやおや。まさに両手に花ではありませんか?」 「あの二人じゃ、とてもじゃないがそんな気分にはなれなかったね」 「まったく、あなたという人は」 「それより、佐々木のやつは、あいつらに操られてるんじゃないだろうな?」 心配なのは、そこのところだ。 「それはないと思いますよ。昨日の一件は、佐々木さんの自由意思でしょう。問題は、その自由意思を利用しようとする輩が現れることです。先日もお話ししましたが、特に警戒すべきは周防九曜を名乗る個体です」 俺は、長門の方を見た。 「長門の意見はどうだ?」 長門は、分厚いハードカバーから視線を離さず、淡々と答えた。 「私も、古泉一樹の意見に同意する」 「そうか」 一応、もう一人のお方にも聞いておくか。 「朝比奈さん」 「はい?」 「二月に会った、あの未来人のことですが」 「ああ、はい。覚えてます」 「あいつらが企んでいることって何ですか? ハルヒの観察ってわけでもないらしいって感じなんですが」 「えーっと……あの人の目的は、そのぅ、あたしには教えられていません。でも、悪いことをするために来たんじゃないと思います」 うーん。自分を誘拐した犯人たちの仲間だというのに、不思議なことに、朝比奈さんはあの野郎には悪い印象は持ってないようだ。 仏様のように広い御心の持ち主なのは結構ですが、もうちょっと警戒心とかを持った方がいいと思いますよ。 それはともかく、とりあえず、警戒すべきは周防九曜を名乗る宇宙人もどきであるというのが、結論になりそうだな。 その話題は、そこで打ち切りになった。 「どうです、一勝負」 古泉が出してきたのは、囲碁かと思ったら、連珠とかいう古典ゲームらしい。 「五目並べのようなものです。覚えたら簡単ですよ」 俺は古泉の言うままに盤上に石を置きながら、実地でだいたいの遊び方を教わった。 朝比奈さんのお茶を片手に二、三試合するうち、たちまち俺は古泉に連戦連勝するようになる。 いつもどおりまったりと時間が過ぎていった。 それにしても、ハルヒは遅いな。 そう思った瞬間に、爆音とともに扉が開いた。 「ごめんごめん。待たせたわね!」 部室にいた団員全員の視線が、ハルヒに集ま……らなかった……。 団員の視線は、ハルヒの後ろに立っている人物に集中していた。 「みんな! 今日から入団した学外団員を紹介するわ! 佐々木さんよ!」 そこにいたのは、紛れもなく佐々木だった。 続き 涼宮ハルヒの驚愕γ(ガンマ)
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γ-1 「もしもし」 山びこのように返ってきたその声は、ハルヒだった。 ハルヒが殊勝にも、「もしもし」なんていうのは珍しいな。 「あんた、風呂入ってるの?」 「ああ、そうだ。エロい想像なんかすんなよ」 「誰もそんな気色悪いことなんかしないわよ!」 「で、何の用だ?」 「あのさ……」 ハルヒは、ためらうように沈黙した。 いつも一方的に用件を言いつけるハルヒらしからぬ態度だ。 「……明日、暇?」 「ああ、特に何の予定もないが」 「じゃあ、いつものところに、9時に集合! 遅れたら罰金!」 ハルヒは、そう叫ぶと一方的に電話を切った。いつものハルヒだ。 さっきの間はいったいなんだったんだろうな? 俺はそれから2分ほど湯船につかってから、風呂を出た。 γ-2 寝巻きを着て部屋に入り、ベッドの上でシャミセンが枕にしていた携帯電話を取り上げてダイヤルする。 相手が出てくるまで、10秒ほどの時間がたった。 「古泉です。ああ、あなたですか。何の御用です?」 俺の用件ぐらい、察してると思ったんだがな。とぼけてるのか? 「今日のあいつら、ありゃ何者だ?」 「そのことなら、長門さんに訊いた方が早いでしょう。僕が話せるのは、橘京子を名乗る人物についてぐらいです」 「それでかまわん」 「彼女は、『機関』の敵対組織の幹部といったところですよ。まあ、敵対とはいっても血みどろの抗争を繰り広げているというわけでもないですが」 「なら、どんなふうに敵対してるってんだ?」 「彼女たちも僕たちも、そうは変わらないんですよ。似たような思想のもとで動いてますが、解釈が違うといいますかね。まあ、幸い、彼女はまだ話が通じる方です。組織の中では穏健派寄りのようですからね。あの朝比奈さん誘拐事件も、彼女の本意ではなかったと思いますよ」 ほう。お前が弁護に回るとはな。 「それはともかくとして、橘京子の動きは僕たちがおさえます。別口の未来人の方は、朝比奈さんに何とかしてもらいましょう」 まあな。朝比奈さん(大)だって、あのいけ好かない野郎に好き勝手させるつもりはないだろう。 「問題は、情報統合思念体製ではない人型端末です。何を考えてるのか、全く読めません。長門さんの手に余るようなことがあれば、厳しい状況ですね」 「長門だけに負担をかけるようなことはしないさ。俺たちでも何かできることはあるだろ」 「僕もできる限りのことはしますよ。でも、万能に近い宇宙存在に比べると、我々はどうしても不利です。こればかりは、いかんともしがたい」 それを覆す切り札がないわけではないがな。 だが、それは諸刃の刃だ。 「ところで、おまえのところにハルヒから連絡がなかったか?」 「いえ、何もありませんでしたが、何か?」 「いや、明日の朝9時に集合って一方的に通告されたんだが」 古泉のところに連絡がないとすれば、どうやら、明日ハルヒのもとに召喚されるのは、俺だけらしいな。 「ほう。デートのお誘いですか? これはこれは。羨ましい限りですね」 「んなわけないだろ。どうせ、俺をこき使うような企みがあるに違いないぜ」 「涼宮さんも、佐々木さんとの遭遇で、気持ちに変化が生じたのかもしれませんよ。奇妙な閉鎖空間については、先日お話ししたかと思いますが」 「あのハルヒに限って、それはありえんね」 「修羅場にならないことを祈りますよ。僕のアルバイトがさらに忙しくなるようなことは避けてほしいですね」 「勝手に言ってろ」 古泉との電話はそれで打ち切られた。 次は、長門だ。 今度は、ワンコールで出た。 「…………」 「俺だ。今日会ったあの宇宙人なんだが」 「彼女は、広域帯宇宙存在の端末機」 即答だった。 「俺たちを雪山で凍死させようとしやがった奴ってことで合ってるか?」 「そう」 「あの宇宙人とは、何らかの意思疎通はできたのか?」 「思考プロセスにアクセスできなかった。彼女の行動原理は不明」 「広域帯宇宙存在とやらの考えも分からんか」 「情報統合思念体は彼らの解析に全力を尽くしているが、成果は出ていない」 「そうか」 このあと、長門は、淡々とした口調でこう告げてきた。 「私は、情報統合思念体から、最大限の警戒態勢をとるよう命じられた」 長門の抑揚のない声が、異様なまでに重く感じられた。 γ-3 ハルヒにこき使われるに違いない明日に備えて寝ようとしたところを、妹が襲撃してきやがった。 しぶしぶ、妹の宿題につきあうこと1時間。 シャミセンと戯れ始めた妹を、シャミセンごと追い出すと、俺はようやく眠りについた。 γ-4 翌、日曜日。 妹のボディプレスで起こされた俺は、朝飯を食って、家を出た。 「遅い! 罰金!」 もはや規定事項となった団長殿の宣告も、今日ばかりは耳に入らなかった。 なぜなら、ハルヒの隣に意外な人物が立っていたからだ。 「なんで、おまえがここにいるんだ?」 ハルヒの隣には、佐々木の姿があった。 「酷いな、キョン。僕がここにいるのがそんなに不思議かい? まあ、驚くのは無理もないが、そんなに驚くことはないじゃないか。昨日、涼宮さんに電話で提案してみたのだよ。昨日会ったのも何か縁だろうから、いろいろと話し合いたいとね」 「あたしも聞きたいことがいろいろとあるし、快諾したってわけ」 ハルヒ。佐々木がお前の電話番号を知っていることを不思議に思わなかったのか? まあ、橘京子あたりが調べて佐々木に教えたんだろうけどな。 「事情は分かった。だが、なんで俺まで一緒なんだ? 話し合いたいことがあるなら、二人で話し合えばいいことだろ?」 「キョン、君は相変わらずだね。この調子じゃ、涼宮さんもだいぶ苦労してるんじゃないかな」 待て。なんでそんなセリフが出てくるんだ? この唯我独尊団長様に苦労させられてるのは、俺の方だぜ。 「フン。いつものところに行くわよ!」 なぜか不機嫌になったハルヒの号令のもと、俺たちはいつもの喫茶店に向かった。 ハルヒは、俺の財政事情には何の考慮も払わず、ガンガン注文を出しまくった。 話し合いというのは、何のことはない。 俺の中学時代と高校時代のことを互いに話すというものだった。 まずは、ハルヒが、佐々木に、高校時代の俺のことについて話した。 なんというか、話を聞いているうちに、俺は自分で自分をほめたくなってきたね。ハルヒにあれだけさんざん振り回されてきても、自我を保持している自分という存在を。 「キョン。君は、実に充実した学生生活を送っているようだね」 それが佐々木の感想だった。 なんだかんだいっても、充実していたというのは事実だろう。 だが、俺はこう答えた。 「ただ単にこき使われてるだけだ」 「くっくっ。まあ、そういうことにしておこうか」 次は、佐々木が、ハルヒに、中学時代の俺のことについて話した。 話を聞いているうちに、ハルヒの顔がどんどん不機嫌になっていく。 聞き終わったハルヒは、不機嫌な顔のままで、こう質問してきた。 「ふーん。で、二人はどういう関係だったわけ?」 「友人よ」 さらりとそういった佐々木を、ハルヒはじっとにらんでいた。 「あのなぁ、ハルヒ。確かに誤解する奴はごまんといたが、俺たちは友人だったんだ。やましいことなんて何もないぜ」 「友人以上ではなかったってこと?」 「それは違うわよ、涼宮さん。正確には、友人『以外』ではありえなかったというべきね。少なくても、キョンにとってはそうだったはず」 どこが違うんだ? 俺のその疑問には、誰も答えてはくれなかった。 「はぁ……」 ハルヒは、大げさに溜息をつきやがった。 「あんたが嘘をついてるなんて思わないわよ。でも、嘘じゃないなら、なおのこと呆れ果てるしかないわね。あんた、そのうち背中からナイフで刺されるわよ」 おいおい、物騒なこというなよ。 ナイフで刺されるのは、朝倉の件だけで充分だ。 「僕も同感だね」 佐々木まで賛同しやがった。 俺がいったい何をしたってんだ? 茶店代は当然のごとく俺の払いとなった。 総務省に俺を財政再建団体の指定するよう申請したい気分だ。俺の懐具合が再建するまでには、20年はかかるだろうね。 そのあと、三人で不思議探索となった。 傍から見れば、両手に花とでもいうべきなんだろうが、この二人じゃ、そんな風情じゃないわな。 そういえば、ハルヒとペアになるのは、あの日以来か。 結局のところ、俺はハルヒにさんざん振り回され、佐々木の小難しいセリフを聞き流しながら、一日をすごすハメになった。ついでにいうと、昼飯までおごらされた。 そして、駅前での別れ際。 俺がふと振り返ると、ハルヒと佐々木は二人でまだ何か話していた。 何を話しているかは聞こえなかった。 知りたいとも思わなかった。この時には。 γ-5 月曜日、朝。 昨日の疲れがとれず、俺は重い足取りで、あのハイキングコースを這い上がった。 学校に着いたころにはずっしりと疲れてしまい、早くも帰りたくなってきた。そんなことは、俺の後ろの席に陣取る団長様が許してくれるわけもないが。 ハルヒは、微妙にそわそわした感じだった。 また、何か企んでいるのだろうか? 俺が疲れるようなことでなければいいのだが。 疑問には思ったが、疲れた体がそれ以上考えることを拒否し、俺は午前中の授業のほとんどを睡眠という体力回復行為に費やした。 寝ている間に、何か長い夢を見たような気がしたのだが、目が覚めたときにはきれいさっぱり忘れていた。 昼休み。 なぜかハルヒが俺の前の席に陣取り、椅子をこちらに向けてドカッと座った。 俺の机の上に、弁当箱を置く。 「今日は弁当なのか?」 「そうよ。そんな気分だったから」 机の上には、俺の弁当箱とハルヒの弁当箱が並んでいる。 こうして、二人で向かい合って、弁当を食うハメとなった。 なにやら誤解を受けそうな光景だ。実際、クラスのうち何人かがこちらをちらちら見ながら、こそこそと話をしている。 ハルヒは、相変わらず健啖ぶりで、弁当を平らげていた。 「その唐揚げ、おいしそうね」 ハルヒは、そういうや否や、俺の弁当箱から、唐揚げを取り上げ、食いやがった。 「ひとのもん勝手にとるな」 「うっさいわね。しょうがないから、これをやるわよ」 ハルヒは、自分の弁当箱から玉子焼きを箸でつまむと、そのまま俺の口に突っ込んだ。 「むぐ」 クラスの女子から、キャーというささやき声が聞こえる。 とんだ羞恥プレイだな。 こりゃいったい何の罰ゲームだ? 「感想は?」 ハルヒが、挑むような目つきで訊いてきた。 「うまい」 実際、それはうまかった。 「当たり前でしょ! 団長様の手作りなんだからね!」 そういいながら、ハルヒの顔は上機嫌そのものだった。 だがな、ハルヒよ。 いくらお前が鋼の神経をしているとはいえ、こういう誤解を受けかねないような行為は避けるべきだと思うぞ。 まあ、誤解する奴はいくら説明してやったってその誤解を解くようなことはないんだけどな。 俺が中学3年生時代の経験で学んだことといえば、それぐらいのものだ。 その日の放課後、俺とハルヒはホームルームを終えた担任岡部が教卓を降りると同時に席をたち、とっとと教室を後にした。 いつものように部室に行くのかと思いきや、 「キョン、先に行っててくんない? あたしはちょっと寄るところがあるから」 ハルヒは鞄を肩掛けすると、投擲されたカーリングの石よりも滑らかな足取りで走り去った。 はて、何を企んでるんだろうね? そういや、あいつは、朝から妙にそわそわした感じだったな。 まあ、考えても仕方がないので、俺はそのまま部室に向かった。 γ-6 部室に入ると、既に長門と朝比奈さんと古泉がそろっていた。 「涼宮さんは?」 古泉がそう訊いてきたので、答えてやった。 「授業が終わったとたんにどっかにすっ飛んでいきやがったぜ」 「そうですか。何かサプライズな出来事を持ってきてくれるかもしれませんね」 「世界が終わるようなサプライズは勘弁してほしいぜ」 「まあ、それはないでしょう」 そこに、SOS団の聖天使兼妖精兼女神様である朝比奈さんがお茶を出してくれた。 「どうぞ」 「ありがとうございます」 「ところで、昨日はどうだったんですか?」 古泉がにやけ顔で訊いてきやがった。 いつもだったら無視しているところだが、あの佐々木の周りにはSOS団と敵対している超常野郎が集まっている。一応、古泉の見解も聞いてみたかった。 俺は昨日の出来事をはしょりながら説明してやった。 「おやおや。まさに両手に花ではありませんか?」 「あの二人じゃ、とてもじゃないがそんな気分にはなれなかったね」 「まったく、あなたという人は」 「それより、佐々木のやつは、あいつらに操られてるんじゃないだろうな?」 心配なのは、そこのところだ。 「それはないと思いますよ。昨日の一件は、佐々木さんの自由意思でしょう。問題は、その自由意思を利用しようとする輩が現れることです。先日もお話ししましたが、特に警戒すべきは周防九曜を名乗る個体です」 俺は、長門の方を見た。 「長門の意見はどうだ?」 長門は、分厚いハードカバーから視線を離さず、淡々と答えた。 「私も、古泉一樹の意見に同意する」 「そうか」 一応、もう一人のお方にも聞いておくか。 「朝比奈さん」 「はい?」 「二月に会った、あの未来人のことですが」 「ああ、はい。覚えてます」 「あいつらが企んでいることって何ですか? ハルヒの観察ってわけでもないらしいって感じなんですが」 「えーっと……あの人の目的は、そのぅ、あたしには教えられていません。でも、悪いことをするために来たんじゃないと思います」 うーん。自分を誘拐した犯人たちの仲間だというのに、不思議なことに、朝比奈さんはあの野郎には悪い印象は持ってないようだ。 仏様のように広い御心の持ち主なのは結構ですが、もうちょっと警戒心とかを持った方がいいと思いますよ。 それはともかく、とりあえず、警戒すべきは周防九曜を名乗る宇宙人もどきであるというのが、結論になりそうだな。 その話題は、そこで打ち切りになった。 「どうです、一勝負」 古泉が出してきたのは、囲碁かと思ったら、連珠とかいう古典ゲームらしい。 「五目並べのようなものです。覚えたら簡単ですよ」 俺は古泉の言うままに盤上に石を置きながら、実地でだいたいの遊び方を教わった。 朝比奈さんのお茶を片手に二、三試合するうち、たちまち俺は古泉に連戦連勝するようになる。 いつもどおりまったりと時間が過ぎていった。 それにしても、ハルヒは遅いな。 そう思った瞬間に、爆音とともに扉が開いた。 「ごめんごめん。待たせたわね!」 部室にいた団員全員の視線が、ハルヒに集ま……らなかった……。 団員の視線は、ハルヒの後ろに立っている人物に集中していた。 「みんな! 今日から入団した学外団員を紹介するわ! 佐々木さんよ!」 そこにいたのは、紛れもなく佐々木だった。 続き 涼宮ハルヒの驚愕γ(ガンマ)
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作中で印象に残った台詞、気になるモノローグ、何について指しているのか等を掲載。 ※ネタバレがあるので、原作未読の場合は注意。 台詞「プロローグ」 「第一章」 「第二章」 「第三章」 モノローグ「第一章」 「第二章」 「第三章」 台詞 「プロローグ」 SOS団団長、涼宮ハルヒ。以上! P.16・涼宮ハルヒ 2年に進級した際、教室での自己紹介時の台詞。1年の時と比べると印象が全然違ったことから、彼女が成長した証でもある。 「第一章」 明日、何事も起こらなければいいのですが P.122・古泉一樹 古泉がふと呟いた台詞だが、キョンと古泉の見通しは甘かった。この後、今までにない事態が発生。世界中の人々が既に渦中に放りこまれていたらしく、事態は進行しつつあったようだ…… ――今度は…………間違えない――――あなたが…………それ 「第一章」P.131・周防九曜 キョンに対しての台詞だが、何を意味しているのかは一切分かっていない。 そうもいきません。だって延ばし延ばししててもいつか必ずこうなったわ。 P.136・橘京子 彼女はキョンと出会い、自分達の存在を伝えたかったらしいが、古泉たち『機関』の仲間がいたため、なかなか会う機会が無かったらしい。また、これは必然だったらしく、避けられないことだったようだ。 「第二章」 名前などただの識別信号だ P.184(βルート)・藤原 彼は、名前で呼ばれることは無意味であると発言している。「識別信号」という表現は未来人らしい表現であると言える。 古泉さんを見てれば解るけど、涼宮さんのフォロー態勢を維持するのはとても大変。でも佐々木さんならそれもなくなるわ。 P.196(βルート)・橘京子 古泉が基本的にイエスマンなのは、ハルヒを刺激しないためである。 だが、佐々木であればそれもなくなるというところを見るに、彼女の性格は古泉のような演技でなく、彼女本来の性格であることが伺える。 あたしは心から願っているの。世界の安定を P.196(βルート)・橘京子 神的存在は佐々木が相応しいと主張する際の台詞。 彼女の所属している組織の人々は、自分の利益は一切考えていないらしく、心の底から世界の安定を願っているようだ。 んん……! もうっ! P.198(βルート)・橘京子 彼女の中では一番印象に残る台詞。自分の所属する組織以外に積極的に協力してくれる人がいないため、必死さが痛いほど伝わってくる。 「第三章」 あなたと涼宮ハルヒに危害は加えさせない P.227(αルート)・長門有希 ハルヒとキョンは重要人物という理由もあるが、この台詞の後、古泉とみくるにも危害は加えさせないと言った。 SOS団設立から1年経ったが、彼女自身にも変化が現れている証拠である。 特に恋愛感情なんてのは精神的な病の一種だよ 「第三章」P.242(βルート)・佐々木 ハルヒと全く同じ自論を持つ佐々木。ハルヒとの共通点はいくつかあるようだ。 彼等の侵攻が再開されたんですよ。 情報統合思念体ではない地球外知性のね。当然、第一次的な攻撃目標はSOS団最大の防御壁となる長門さんです P.293(βルート)・古泉一樹 長門が熱を出して倒れていると聞いたSOS団のメンバー。しかし、現に彼等は無事だったため、彼は情報統合思念体とは別の宇宙人(周防九曜)による 単独攻撃であると発言。「これはまだマシな事態といえなくもない」との事。 モノローグ 「第一章」 新種の男未来人とともに現れた誘拐犯どもの中にいた女だ。誘拐グループのリーダーのように振る舞っていた紅一点。 P.126 橘京子のことを指し、誘拐は第7巻『陰謀』での朝比奈みくる(みちる)誘拐事件のことを指す。 「リーダーのように振る舞っていた」というのは、後に古泉の発言により、敵対組織の幹部であることが明らかになる。 この真冬の雪山のような寒気を伴う肌触りは何だ。似たような気配をどこかで感じたことが――。 P.129~130 キョンが九曜を認識した際に感じたもの。 「似たような気配」というのは、第5巻収録の「雪山症候群」で起こった出来事を指す。 「第二章」 異能三人衆 P.182(βルート) 橘京子、藤原、周防九曜のことを指す。 この3人は普通人ではないという意味であり、いかにもキョンらしい表現である。 いきなり爆弾を落とした。 P.186(βルート) 橘京子の爆弾発言。彼女らは佐々木こそが神的存在に相応しいと考えているらしい。 なんだかデジャヴを感じつつ、その言葉に従ってやる。 P.199(βルート) 橘京子からの注文の際のモノローグ。 彼女の注文は、古泉とともにハルヒの「閉鎖空間」に侵入する時と似ており、「デジャヴ」はそれによるものである。 スタンダード高校生トリオ P.213~214(βルート) キョン、佐々木、橘京子のことを指す。 何気ないモノローグだが、普通人でないとしても同世代を生きる人間というところは変わらないという意味を思わせる。 お前でよかったよ。俺の知る、中学時代のままの佐々木でな。 P.217(βルート) キョンの記憶の中の佐々木は、一年ぶりに再会しても変わっていなかった。橘京子の突然の話に混乱していたが、 佐々木の言葉により、キョンの内心は安心感というものが生まれていたようだ。 「第三章」 SOS団を敵に回して、タダですむとは思うなよ。 P.223(αルート) 敵がアクションを起こし、誰かが傷つけばハルヒは絶対に敵を許さない。その他SOS団メンバーも同じ想いに違いない。 あれ? なんだか重要なセリフを聞いたような気がするんだが。佐々木が出てきたのは覚えているが、会話の内容がハッキリしない。 P.244(βルート) 授業中に寝た際に見た、実際にあったキョンの中学時代の記憶のことを指す。 重要な台詞は、今作ではまだ書かれていないが、第10巻『驚愕』で明らかになると思われる。 長門が誰かのおかげで倒れてるなんてことを知ったら、ハルヒはその誰かを完膚無きまでに叩きのめすまで拳を緩めない。 P.294(βルート) 無茶なこともさせることがあるが、人一倍仲間想いのハルヒ。一年間付き合ってきたキョンはそれを知っている。
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●涼宮ハルヒの分身 プロローグ ●涼宮ハルヒの分身 Ⅰ ●涼宮ハルヒの分身 Ⅱ ●涼宮ハルヒの分身 Ⅲ ●涼宮ハルヒの分身 Ⅳ ●涼宮ハルヒの分身 Ⅴ ●涼宮ハルヒの分身 エピローグ
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涼宮ハルヒの憤慨 基礎データ 著:谷川流 口絵・イラスト・表紙:いとうのいぢ 口絵、本文デザイン:中デザイン事務所 初版発行年月日:平成18年(2006年)5月1日 本編292ページ 表紙絵:長門有希 タイトル色:緑色 初出編集長一直線!(ザ・スニーカー2005年6・8・10・12月号)、ワンダリング・シャドウ(ザ・スニーカー2006年2・4月号) 初出順:編集長一直線!(第18・19・20・22話)、ワンダリング・シャドウ(第23・24話) 裏表紙のあらすじ紹介 涼宮ハルヒが暇を持て余してたらそれこそ天地が逆になる騒ぎだろうが、むやみに目を輝かせてるのも困った状況ではある。それというのも生徒会長となるお方が、生徒会はSOS団の存在自体を認めないなどと言い出しやがったからで、意外な強敵の出現にやおら腕章を付替えたハルヒ“編集長”の号令一下、俺たちSOS団の面々はなぜか文集の原稿執筆などという苦行の真っ最中なわけだ。天上天下唯我独占「涼宮ハルヒ」シリーズ第8弾! 目次 編集長一直線!・・・Page5 ワンダリング・シャドウ・・・Page163 あとがき・・・Page297 アニメ 全編未アニメ化 漫画 ツガノガク版(雑誌の発表号などの詳しい情報はツガノ版漫画時系列で) コミックス第12巻に収録第56話『編集長★一直線!Ⅰ』(原作P5~P41、最初からハルヒが生徒会室に押し入るまで) 第57話『編集長★一直線!Ⅱ』(原作P42~P67、P72、生徒会質に押し入った後からキョンと古泉が部室に帰るまで) コミックス第13巻に収録第58話『編集長★一直線!Ⅲ』(原作P72~P101,109、ハルヒが宣言するところから、キョンが小説を書き始めるまで) 第59話『編集長★一直線!Ⅳ』(原作P101~P139、谷口が愚痴る&国木田が弱音を吐くところから、古泉が別のシナリオについて示唆するまで) 第60話『編集長★一直線Ⅴ』(原作P139~P162、キョンが続きを書き始めるところから終わりまで) 第61話『毒々ハウスへようこそ』(漫画オリジナル話だが谷口の原稿が完成していないことを口実にキョンの家で編集をしていたところにミヨキチが登場する) コミックス第16巻に収録第73話『ワンダリング・シャドウI』(原作P163-P227、最初から、古泉が作成した地図のポイントへ向かう直前まで) 第74話『ワンダリング・シャドウII』(原作P228-P266、古泉が作成した地図のポイントへ向かうところから、長門が珪素情報生命体について述べた後まで) 第75話『ワンダリング・シャドウII』(原作P266-P286、珪素情報生命体が消去できないと長門が言う場面から、最後まで) 登場キャラクター(原作のみ登場) キョン 涼宮ハルヒ 長門有希 朝比奈みくる 古泉一樹 鶴屋さん 谷口 国木田 キョンの妹 生徒会長 喜緑江美里 阪中 阪中の母 樋口さん スポーツマンぽい男 あらすじ 後に繋がる伏線・謎 珪素生命体 STC理論に関わる基礎 刊行順 ←第7巻『涼宮ハルヒの陰謀』↑第8巻『涼宮ハルヒの憤慨』↑第9巻『涼宮ハルヒの分裂』→
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●涼宮ハルヒの分身 プロローグ ●涼宮ハルヒの分身 Ⅰ ●涼宮ハルヒの分身 Ⅱ ●涼宮ハルヒの分身 Ⅲ ●涼宮ハルヒの分身 Ⅳ ●涼宮ハルヒの分身 Ⅴ ●涼宮ハルヒの分身 エピローグ
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基本情報表紙 タイトル色 その他 目次 裏表紙のあらすじ 出版社からのあらすじ 内容 あらすじ「編集長★一直線!」 「ワンダリング・シャドウ」 挿絵口絵 挿絵 登場人物 後に繋がる伏線「編集長★一直線!」(伏線) 「ワンダリング・シャドウ」(伏線) 刊行順 その他 基本情報 涼宮ハルヒシリーズ第8巻。2006年5月1日初版発行。 表紙 通常カバー…長門有希 期間限定パノラマカバー…国木田、朝比奈さん(大) タイトル色 通常カバー…緑 期間限定パノラマカバー…紫 その他 本編…292ページ 形式…中編集 目次 編集長★一直線!…P.5 ワンダリング・シャドウ…P.163 あとがき…P.297 裏表紙のあらすじ 涼宮ハルヒが暇を持て余してたらそれこそ天地が逆になる騒ぎだろうが、むやみに目を輝かせてるのも困った状況ではある。 それというのも生徒会長となるお方が、生徒会はSOS団の存在自体を認めないなどと言い出しやがったからで、 意外な強敵の出現にやおら腕章を付替えたハルヒ“編集長”の号令一下、俺たち SOS団の面々はなぜか文集の原稿執筆などという公卿の真っ最中なわけだ。 天上天下唯我独占「涼宮ハルヒ」シリーズ第8弾! 出版社からのあらすじ 三学期も押し迫ったこの時期に、俺たちへ生徒会長からの呼び出しが。会長曰く、生徒会はSOS団の存在自体を認めない方針を決めたらしい。 ちょっと待て。そんな挑発にハルヒが黙っている理由はありゃしないぞ――。 内容 中編集。「ワンダリング・シャドウ」後の話が第9巻『分裂』である。 なお、本作のタイトルになっている『憤慨』というのは、「編集長★一直線!」にて、生徒会室に入室した際のハルヒを指す。 あらすじ ※ネタバレ記述があるので、原作未読の場合は注意。 「編集長★一直線!」 +... 年を越えて3学期を向かえたSOS団一同。SOS団は執筆活動をしていた。事の始まりは数日前にあった。 長門が生徒会から呼び出しを受け、生徒会長から告げられた驚くべき一言「文芸部は本年を持って廃止する」。 部員一人しかいないし活動の実態もほとんど無い。だが、文芸部が無くなればSOS団の部室も無くなってしまうことになる。 そこに、生徒会室に乱入して怒り狂うハルヒに生徒会長が突きつける条件があった。 「指定の期日までに文芸部らしく会誌を執筆しろ、そして指定の部数を全部配布すること」。 SOS団存続をかけての執筆活動が始まった…… 「ワンダリング・シャドウ」 +... この1年でハルヒも随分クラスに溶け込むようになってきていた。 3月、もうすぐ1年が終わろうとしている時、1年5組のクラスメイト、阪中がSOS団に相談を持ちかけてくる。 なんでも飼っている犬の様子がおかしいとの事。ハルヒはこれを霊の仕業だと思っているようだが…… 挿絵 口絵 涼宮ハルヒ、キョン、長門有希、生徒会長(編集長★一直線!) ⇒ SOS団(編集長★一直線!) ⇒ 涼宮ハルヒ、キョン、朝比奈みくる、長門有希(ワンダリング・シャドウ) ⇒ 長門有希、朝比奈みくる ⇒ 挿絵 「編集長★一直線!」 P.7…涼宮ハルヒ、朝比奈みくる ⇒ P.21…涼宮ハルヒ ⇒ P.39…長門有希、喜緑江美里 ⇒ P.51…涼宮ハルヒ、生徒会長 ⇒ P.59…生徒会長 ⇒ P.77…童話絵本イラスト(SOS団) ⇒ P.79…童話絵本イラスト(SOS団) ⇒ P.81…童話絵本イラスト(SOS団) ⇒ P.83…童話絵本イラスト(SOS団) ⇒ P.88…長門有希 ⇒ P.103…涼宮ハルヒ、谷口、国木田 ⇒ P.131…喜緑江美里、生徒会長 ⇒ P.155…涼宮ハルヒ、キョン、朝比奈みくる ⇒ 「ワンダリング・シャドウ」 P.167…涼宮ハルヒ、1年5組女子生徒 ⇒ P.179…涼宮ハルヒ、朝比奈みくる ⇒ P.217…涼宮ハルヒ、キョン、朝比奈みくる、長門有希、阪中 ⇒ P.231…朝比奈みくる ⇒ P.277…長門有希、シャミセン、ルソー、マイク ⇒ 登場人物 涼宮ハルヒ キョン 長門有希 朝比奈みくる 古泉一樹 鶴屋さん 谷口 国木田 キョンの妹 シャミセン 生徒会長 喜緑江美里 阪中 コンピュータ研究部部長 阪中の母 樋口さん 吉村美代子 スポーツマンぽい男性 後に繋がる伏線 「編集長★一直線!」(伏線) 古泉曰く「中学時代に仲良くしていた女子」⇒※第1巻『憂鬱』、第6巻『動揺』にて既に伏線を張られている(国木田曰く「変な女」、中河曰く「奇妙な女」)。第9巻『分裂』で回収 長門の小説の意味 ⇒ 未回収 「ワンダリング・シャドウ」(伏線) 古泉の「『機関』のライバル組織がそろそろ何かをしてくる予感がする」という推測⇒※第7巻『陰謀』にて既に伏線を張られている(対立組織の登場・目的)。第9巻『分裂』にて回収 刊行順 <第7巻『涼宮ハルヒの陰謀』|第9巻『涼宮ハルヒの分裂』> その他 この巻に収録されている「ワンダリング・シャドウ」のタイトルは、作者の谷川曰く「彷徨う影という仮題を英語に直訳しただけ」であるという。